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Tokyo Metropolitan Assembly

経済・港湾委員会速記録第三号

平成二十八年三月十四日(月曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長島崎 義司君
副委員長小林 健二君
副委員長清水 孝治君
理事あさの克彦君
理事田中たけし君
理事かち佳代子君
松田やすまさ君
尾崎あや子君
大松あきら君
木内 良明君
三宅 正彦君
田島 和明君
石毛しげる君
三宅 茂樹君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長山本  隆君
次長土渕  裕君
総務部長村松 明典君
産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務青山 忠幸君
商工部長松永 竜太君
金融部長山巻  毅君
金融監理部長野間 達也君
金融支援担当部長西川 泰永君
観光部長坂本 雅彦君
観光振興担当部長浦崎 秀行君
農林水産部長寺崎 久明君
安全安心・地産地消推進担当部長武田 直克君
雇用就業部長矢田部裕文君
事業推進担当部長小金井 毅君
就業施策担当部長貫井 彩霧君
労働委員会事務局局長櫻井  務君

本日の会議に付した事件
意見書について
労働委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳出 労働委員会事務局所管分
産業労働局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 産業労働局所管分
・第七号議案 平成二十八年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・第八号議案 平成二十八年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
・第九号議案 平成二十八年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第七十四号議案 東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第七十五号議案 東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例
・第七十六号議案 東京都森林整備加速化・林業再生基金条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄の報告について
・東京都食育推進計画について
・新銀行東京の「平成二十八年三月期第三・四半期決算」について

○島崎委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○島崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○島崎委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
 平成二十八年度予算は予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十八年三月九日
東京都議会議長 川井しげお
経済・港湾委員長 島崎 義司殿
   予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月九日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十七日(木)午後五時

(別紙1)
経済・港湾委員会
 第一号議案 平成二十八年度東京都一般会計予算中
        歳出
        繰越明許費
        債務負担行為
経済・港湾委員会所管分
 第七号議案   平成二十八年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
 第八号議案   平成二十八年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
 第九号議案   平成二十八年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
 第十号議案   平成二十八年度東京都と場会計予算
 第十八号議案  平成二十八年度東京都中央卸売市場会計予算
 第二十号議案  平成二十八年度東京都臨海地域開発事業会計予算
 第二十一号議案 平成二十八年度東京都港湾事業会計予算

(別紙2省略)

○島崎委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局及び産業労働局関係の予算の調査並びに産業労働局関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳出、労働委員会事務局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○島崎委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○島崎委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○島崎委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、産業労働局所管分、第七号議案から第九号議案まで及び第七十四号議案から第七十六号議案まで並びに報告事項、東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄の報告について外二件を一括して議題といたします。
 本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○村松総務部長 去る二月十五日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりください。
 目次でございます。資料は全部で十六項目ございます。
 次のページをごらんください。過去十年間の予算額、決算額の推移につきまして、一ページに中小企業対策、二ページに農林水産対策、三ページに雇用就業対策をそれぞれお示ししてございます。
 なお、雇用就業対策につきましては、内訳として国基金事業関係費を別記してございます。
 四ページをお開きください。従業者規模別都内製造業の推移につきまして、直近の平成二十三年までのデータをお示ししてございます。
 五ページをごらんください。新・元気を出せ商店街事業における平成二十年度以降の実績を内容別にお示ししてございます。
 六ページをお開きください。過去十年間の都内労働者の賃金の推移をお示ししてございます。
 七ページをごらんください。派遣労働者数の推移につきまして、全国と東京都内それぞれについてお示ししてございます。
 八ページをお開きください。派遣元事業所数、派遣労働者数、一般労働者派遣事業・特定労働者派遣事業別の派遣労働者の賃金の推移につきまして、全国と東京都内それぞれについてお示ししてございます。
 九ページをごらんください。東京都正規雇用転換促進助成金及び東京都若者応援宣言企業採用奨励金の実績につきまして、平成二十八年一月末現在の実績をお示ししてございます。
 一〇ページをお開きください。都立職業能力開発センターにおける能力開発訓練(普通課程)の授業料収入をお示ししてございます。
 一一ページをごらんください。「委託訓練における緊急就職支援事業」の予算の推移と就職率の推移をお示ししてございます。
 一二ページをお開きください。緊急雇用創出事業の事業計画額・事業実績額及び新規雇用計画数・新規雇用者数の推移につきまして、都実施分と区市町村実施分をそれぞれお示ししてございます。
 一三ページをごらんください。都立職業能力開発センター校別の就職支援推進員の配置状況の推移をお示ししてございます。
 一四ページをお開きください。過去十年間の東京の農地面積の推移をお示ししてございます。
 一五ページをごらんください。区市町村別農地面積、市街化区域内農地、生産緑地面積の推移につきまして、一五ページに区市町村別農地面積の推移、恐れ入りますが、一六ページに市街化区域内農地の推移、一七ページに生産緑地面積の推移をそれぞれお示ししてございます。
 一八ページをお開きください。東京アニメアワードフェスティバル経費内訳をお示ししてございます。
 以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○島崎委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○清水委員 それでは、よろしくお願いいたします。
 先週行われました予算特別委員会では、平成二十八年度予算につきまして、総括的にお伺いをいたしたわけでございます。本日は、局別の調査ということで、産業労働局の幅広い事業につきまして質問を行い、それらの主要事業につきまして、さらに詳細な部分をお伺いしたいと存じます。
 東京の経済を取り巻く状況が大きく変化する中、持続的な産業の発展を実現していくためには、それを支える中小企業の振興が重要でございます。
 そこでまず、中小企業に対します経営支援についてお伺いしたいと思います。
 最近の景気状況、景況は、このところ一部に弱さも見られるが、緩やかな回復基調が続いているとのことでございます。しかし、中小企業の経営の実情はさまざまでございまして、高度な技術を持ち、新たな製品開発などにより、安定した力強い経営を続けている企業がある一方で、人材や資金が十分でなく、厳しい状況に直面しており、経営改善を必要としている企業も数多く存在しているのも事実だと思うわけでございます。
 都はこれまで、新・経営力向上TOKYOプロジェクトや経営変革アシストプログラム事業として、現場に中小企業診断士など専門家の方を派遣いたしまして、経営診断し、改善を図り、自社では気づかないような経営課題の解決や製品の品質向上、作業の効率化などを行い、具体的な成果が上がっていると私は聞いております。
 先ほど申し述べました状況を考えますと、都は、こうした支援の一層の拡充を図るべきだと思うわけであります。
 今定例会におきましても、我が党は、既存の経営支援策を利用しやすく、そしてより効果の高い事業として見直すよう求めまして、都は、現在の施策を統合した事業を新たに実施するとのご答弁をいただきました。
 そこでお伺いしたいと思います。新たな事業では、経営診断に加えまして、企業のニーズに応じて専門家を最大十回派遣して企業の成長を後押しするなどのメニューを設け、専門家の派遣規模も大幅に拡充するとのことでございますが、具体的な支援の内容についてお伺いしたいと存じます。

○松永商工部長 都は来年度、中小企業の経営基盤を強化し、その発展を促進するため、専門家を派遣して支援する中小企業活力向上プロジェクトを新たに実施いたします。
 具体的には、中小企業の経営状況をチェックする経営診断とともに、企業のニーズに応じて、短期間での課題解決を支援する改善支援コースと、中長期の支援を行う成長アシストコースにより、中小企業の取り組みを後押ししてまいります。
 改善支援コースでは、都や国、中小企業支援機関等が実施する支援策の活用をサポートするため、専門家を最大三回派遣し、成長アシストコースでは、将来の成長に向けた経営戦略の策定からその実行までをきめ細かに支援するため、専門家を最大十回派遣いたします。
 さらに、この施策をより多くの中小企業が利用できるよう、専門家の派遣回数をこれまでの延べ二千七百回から延べ三千三百回へと大幅に拡充いたします。

○清水委員 ありがとうございました。これまでの事業を統合することによりまして、専門家の企業派遣や企業の経営状況に応じたきめ細やかな対応が増していくということで、より効果的な支援になってくるんじゃないかと大きく期待されているわけでございます。
 さらに、こうした支援を活用した中小企業が新たな製品の開発や販路の開拓に取り組むための継続した支援も必要と考えるわけでありますが、都のご見解をお伺いしたいと思います。

○松永商工部長 専門家による経営診断等を受けた中小企業がその事業を着実に軌道に乗せていくことが重要でございます。
 そこで、都は、専門家による経営診断を受け、販路開拓が必要と判断された企業に対しては、これまでと同様に展示会への出展支援を実施するとともに、展示会でより効果的なPRを行うための製品紹介映像やパンフレット作成等に対応できるよう、助成限度額を百万円から百五十万円に引き上げてまいります。
 また、成長アシストコースの利用企業に対しては、展示会への出展支援に加え、制度融資の金利優遇、設備投資助成につなげるなど、中小企業の経営戦略の着実な実施を後押ししてまいります。

○清水委員 実は私、毎朝、経営の神様と呼ばれております松下幸之助さんの日々の言葉というものを読んでくるわけでございますけど、その一節に、仕事にはとどめを刺そうというものがございます。中小企業に専門家を派遣した後も、都がしっかりと支援することで、経営の改善や事業の発展につながっていくものと期待をするわけでございます。ぜひとも、着実な本事業の執行に努めていただければと思うわけであります。
 また、すぐれた技術を持つ中小企業が安定的な経営を続けるためにも、企業経営のかなめでございます資金繰りへの支援も欠かせないわけでありますが、そこで、次に、地域の金融機関と連携した新保証つき融資制度についてお伺いしたいと存じます。
 この制度は、地域の金融機関の目ききの力と民間保証機関の審査ノウハウを活用し、平成二十一年の制度創設以降、地域の制度融資だけでは十分に資金調達ができない中小企業の資金繰りを支えてきたと聞いております。
 一方で、現制度では、中小企業の資金ニーズに必ずしも十分に応えられていない面があることから、我が党は、さらなる充実を求め検討をしてきたわけでございますが、さきの予算委員会の我が党代表総括質疑におきましても、都は本年度、本制度の融資限度額を一千万から二千五百万円と大幅に引き上げるとのご答弁をいただきました。
 本制度では、二つの保証機関が保証業務を行っていると承知しておりますが、保証機関ごとに設定されている融資限度額の引き上げの内容をまずは確認のためお伺いしたいと存じます。

○山巻金融部長 地域の金融機関と連携した新保証つき融資制度では、お話のとおり、二つの保証機関が保証業務を行っております。
 各保証機関の融資限度額についてでございますが、主に法人が利用しておりますオリックス株式会社保証付融資では、現行の一千万円からお話のとおり二千五百万円に、個人の事業者の利用が比較的多い全国しんくみ保証株式会社保証付融資では、現行の五百万円から一千万円にそれぞれ大幅に引き上げます。

○清水委員 一緒に聞けばよかったんですけど、それでは、あわせて今回の融資限度額引き上げを契機に、さらなる利用拡大に向けてどのようにお取り組みになるのかお伺いしたいと思います。

○山巻金融部長 ただいま申し上げました引き上げによりまして、現行の融資限度額を超える資金需要に十分応えることができるようになるというふうに考えております。
 また、より多くの中小企業の利用機会を確保するためには、取扱金融機関の拡大が重要でございますが、今回の限度額の引き上げを受けまして、四月から新たに四行が取り扱いを開始することとなりまして、合計で二十八行の金融機関で中小企業の皆様に本制度をご利用いただけるようになります。
 今後とも、金融機関に対して直接働きかけを行うなど、さらなる拡大に取り組むとともに、商工団体等と連携いたしまして、中小企業向けに本制度の一層の周知を図ってまいります。

○清水委員 今回は融資限度額の大幅な引き上げだけでなく、四月から取引金融機関もふえるとのことでございます。これは中小企業の利便性に配慮したものだと思うわけでありますけど、引き続きぜひとも中小企業の資金繰り支援、しっかりと取り組んでいただければなと思います。要望しておきます。
 次の質問に移らさせていただきまして、観光の産業化と東京ブランドの発信についてお伺いしたいと思います。
 政府は、二〇二〇年大会に向けまして、訪日外国人観光客を当初目標の二千万人から三千万人に引き上げるとの発表がございました。
 東京もまた、海外から訪れる観光客の数はふえ続けているわけでございます。目標といたしました二〇二〇年までに、年間一千五百万人というふうなことも示されております。
 まさに、観光はこれから発展が期待される産業でありまして、成長産業の一つだと思うわけであります。こうした旅行者数の伸びを二〇二〇年大会や、その先も含めてしっかりと維持していただきまして、さらに加速させるような意欲を持って東京の観光振興を進めることが大切だと思います。そのためには、東京の観光地としての魅力をブランドとして海外に力強く発信することがますます重要になるものと考えております。
 昨年の秋に、東京ブランドのロゴ、キャッチコピーであります、&TOKYOが発表されました。私も、きょうは、これは紫色というんじゃなくて藤色というそうでございまして、洗練された高いクオリティーを意味するものだということでございますが、バッジを襟につけてまいりました。
 このバッジというか、&TOKYOというロゴも徐々にではございますが、浸透してきた感がございます。こうした宣伝は途切れることなく、ぜひ次々に新しい取り組みを打ち出していくことが重要であると思います。
 多くの都民や外国人に明確にメッセージを伝えるためには、視覚に訴えるビジュアル面での取り組みや国内外で発信力のある、例えば芸能人の方だとか著名な方々の活用がポイントになってくるんではないかと考えます。
 そうした視点から、東京ブランドの推進に向け、新年度はどのように取り組んでいかれるのかお伺いしたいと存じます。

○坂本観光部長 都は、東京ブランドのロゴ、キャッチコピーを発表いたしました今年度につきましては、東京の観光面でのさまざまな魅力を盛り込んだPR映像につきまして、国内外に発信力のある著名人の出演協力を得て作成をいたしました。これを都営地下鉄の車両内や屋外広告、海外のテレビコマーシャルなどを国内外で放映し、東京ブランドの発信を幅広く行ったところでございます。
 また、東京の観光の魅力をさまざまな面で効果的に紹介する東京ブランドアンバサダーにつきまして、フランス料理のシェフ、三國清三氏を初め三名の任命を行いまして、二月十日には東京ブランドのロゴの活用発表会の出演を含めまして、PR活動を展開していただいているところでございます。
 来年度は、観光PRのより一層の充実に向け、水辺空間や文化のほか、食などをテーマに新しく設けまして、映像の数をふやしてまいります。また、東京ブランドアンバサダーの数もふやし、イベントや広告などで活用する機会を多く設けることで、東京ブランドの効果的な発信を進めてまいります。

○清水委員 ありがとうございます。
 この&TOKYOというロゴは、聞きましたところ、米国ニューヨークのアイ・ラブ・ニューヨークと同じような形のものだというふうに聞いております。あちらの方は大分世界的に浸透しているようでございますので、もう一踏ん張り、この&TOKYOのPRについてはお願いをしたいと思います。
 次に、観光案内所の機能の充実についてお伺いしたいと思います。
 東京を訪れる旅行者にとりましては、観光に関するさまざまな情報を速やかに入手することができる、いわゆる案内所の存在は極めて重要なことだと思うわけであります。
 日本各地で観光案内所がその場所を訪れる旅行者のサポートに力を発揮しておるわけでありますけど、東京でも同じなのかなと思っております。
 都は、第一本庁舎一階の観光案内所のほか、羽田空港や京成上野駅に直営の案内施設を設置しておりますが、外国からの旅行者の増加に伴って、観光客のニーズも多様化しており、こうした状況にしっかりと対応できるように機能の充実が求められているわけであります。
 また、旅行者が観光情報を簡単に入手できるよう、Wi-Fiの整備や案内窓口の数をふやし、都の運営する観光案内所の機能をさらに高めることで、東京全体の旅行者への対応力の底上げに結びつけることにつながるのかなと思っております。
 そこで、お伺いいたします。都は、外国人旅行者が必要とする情報やサービスを的確に提供できるよう、観光案内所の機能の充実をどのように進めていかれるのか、所見をお伺いしたいと思います。

○坂本観光部長 これまで都は、新宿、羽田、上野の三カ所に東京観光情報センターを設置いたしまして、海外から東京を訪れる旅行者などに対して、都内だけでなく、全国を含めたさまざまな情報を多言語で提供してまいりました。
 昨年の一月に羽田空港内に設置している観光情報センターにつきまして、二十四時間化を図りまして、深夜早朝便の利用者にも対応できる仕組みとしてございます。
 そのほか、本年四月には、新宿南口交通ターミナル内に宿泊予約や手荷物預かりなどのサービスをワンストップで提供する新しい観光情報センターを開設いたします。
 また、来年度は、上野の観光情報センターの改修をとり行いまして、これまでより広いスペースでさらに充実した案内を提供できる体制を整備して、外国人旅行者のニーズを踏まえた、より効果的な事業運営を可能としてまいります。
 こうした取り組みを通じ、多様化する旅行者ニーズを踏まえた情報やサービスの提供体制を充実してまいります。

○清水委員 ありがとうございます。
 旅行者が観光案内所で観光情報を得ることに加えまして、宿泊の予約など、さまざまなサービスをワンストップで受けることができれば、旅行者のよりどころになるのかなと思っているわけでございます。ぜひともお願いしたいと思います。
 引き続き、観光案内所の機能の充実はしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、観光ボランティアの活用についてお伺いしたいと思います。
 旅行者にとって何より一番は、訪れる先々で丁寧な観光案内を提供してもらうことであろうと思います。安心して快適な見学が実現されるものと考えられます。
 特に、海外から東京を訪れる観光客にとりまして、ふなれな場所で目的地までの行き方や、観光スポットの見学に必要とされる情報を母国語できちんと提供してくれるボランティアが付き添ってくれることは、大変助かるんじゃないかなと思います。
 ボランティア全体の育成準備につきましては、二〇二〇年大会に向けて、その確保のための準備を進めていると思うわけでありますけど、大会運営に直接かかわる部分だけではなく、観光面からも情報提供ができるボランティアの充実も不可欠だと思います。
 ボランティアの体制づくりはそれなりに時間がかかることと予想されるもので、計画性を持って必要な人数を確保していく必要があるかと思いますが、こうした点を踏まえて、都は、ボランティアを活用した観光案内機能の充実に向け、来年度はどのような取り組みを行われるのかお示し願いたいと思います。

○坂本観光部長 都は、二〇二〇年までに三千人の観光ボランティアを確保することを目的といたしまして、その育成を計画的に進めているところでございます。
 来年度は、約六百人を新たに観光ボランティアとして登録し、活動の規模を現在の約一千四百人の体制から約二千人の体制に拡充を図ります。
 また、今後、ボランティア活動の中心となる人材を育てるため、リーダーとして必要な心構えやノウハウなどを学ぶボランティアリーダー育成研修、こちらの方を実施いたします。
 こうした取り組みを通じまして、観光ボランティアによる外国人旅行者へのサポート体制を充実してまいります。

○清水委員 いわゆる人材育成というものは、一朝一夕にできるものではございません。ましてや、ただいまご答弁ありました三千人もの観光ボランティアを育成するためには、個々人のスキルアップだけではなく、リーダーの育成というものが重要なのかなと思います。
 このボランティア活動を大会のレガシーとぜひともしていただくためにも、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次の質問に移りたいと思います。
 次に、都市農業の振興についてお伺いしたいと思います。
 総括質疑ではトウキョウXについて質問をいたしましたが、今回は違います。東京で魅力ある農畜産物を生産し、また、大量消費地に提供する都市農業をどう展開していくかは非常に重要な課題でございます。
 まず初めに、多くの農業者が直面をしております担い手確保の問題についてお伺いしたいと存じます。
 最近の農林業センサスによりますと、東京の農業者の平均年齢は六十三・九歳だそうでございます。この十年間で三・三歳も上昇してしまいまして、農業者の高齢化がさらに進行しているわけであります。
 また、後継者が比較的確保されているという都市部でも、農業後継者がいる農家は全体の六〇%に満たない状況にございます。こうした中、各自治体でさまざまな後継者対策、取り組みがされているわけでありますが、私の地元立川でも、新規就農希望者や後継者の候補者を対象とした就農相談会や研修会の開催など、新たな担い手の確保と育成に向けた対策を充実していこうという動きもあります。
 そこでお伺いしたいと思いますが、都におきまして、来年度予算の中で農業後継者の育成や農家以外の就農希望者の支援を充実するというふうに聞いておるわけでございますが、その具体的な内容についてお伺いしたいと思います。

○寺崎農林水産部長 東京の農業の将来を担う人材を確保、育成するため、都では来年度、ソフト、ハード両面からの支援を強化いたします。
 まず、ソフトの面では、豊富な経験と高い技術を持ち、青年農業者等の育成指導に積極的な農業者を都が指導農業士として認定する制度を新たに創設し、就農希望者に対して、より実践的な研修を実施いたします。
 具体的には、指導農業士が就農希望者をみずからの農場に受け入れ、短期間で農作物の栽培などを体験する農業体験研修や、一定期間かけて栽培管理や出荷調整の技術など先進的な農業経営を学ぶことができる農業技術研修を実施いたします。
 一方、ハード面では、これまで認定農業者の施設整備を支援してまいりました都市農業経営パワーアップ事業を都市農業活性化支援事業として再構築し、新たに意欲ある新規就農者を支援対象に加えますほか、生産性の高い養液栽培システムや高性能収穫機などの農業用機械類も補助の対象といたします。
 特に、新規就農者が行う施設整備等に対しましては、補助率を従来の二分の一から三分の二に引き上げ、就農時のコスト負担の軽減を図るなど、手厚い支援を行ってまいります。
 こうした取り組みによりまして、東京農業の将来を担う新規就農者の確保と確実な定着を図ってまいります。

○清水委員 ありがとうございます。
 かくいう私も、農業者の端くれでございますが、農業というものは草むしりさえなければ、大変いい仕事だなといつも思っていますと同時に、耕してくれる人がなければ荒れ果ててしまうというものでございます。
 新たな担い手の確保と定着は、農地の保全とあわせまして、東京農業の発展に不可欠な重要な課題でございますので、ぜひ、農業後継者の育成や就農希望者への支援につきまして、しっかりとこれも取り組んでいただければなと思います。
 次に、もう一つの大きな課題でございます都市農地の保全についてでございます。
 現在、国では、都市農業振興基本法に基づく基本計画の策定が進められております。この中で、これまで我が党も強く要望してきたわけでございますけど、生産緑地の賃借やその指定面積要件の引き下げなどが検討されているわけであります。
 今後、こうした制度改善が実施されれば、例えば自分の農地に隣接する農地を借りまして、新たな生産施設を建てることもできますし、これまで以上に収益性が高い経営が行えるといった経営規模の拡大や、就農希望者が農地を確保しやすくなるような新規参入が促進されるなど、都市農業の新たな展開が可能になってくるんではないかと思うわけであります。
 そこでお伺いしますが、都は、こうした制度改善を見据えた支援の充実を図っていくべきだと思うわけでありますけど、ご所見をお伺いしたいと存じます。

○寺崎農林水産部長 来年度から開始いたします都市農業活性化支援事業では、農業者のさまざまなニーズに対応しながら、都市農地の有効利用と保全を推進するため、国による制度改善の実現などを見据えまして、農業者が行う新たな施設整備に対する支援を充実いたします。
 具体的には、宅地化農地の生産緑地への追加指定や市街化区域内農地の借り入れによる耕作面積の拡大、小規模農地の生産緑地への指定を行った場合などについて、当該農地で行うパイプハウスなどの新たな施設整備に対しまして、補助率を二分の一から三分の二に引き上げ、都市農地の有効活用と農業者の経営力強化を支援してまいります。

○清水委員 ハウスでつくるトマトというのは、なぜか非常に甘くておいしいんですね。都市農業の保全には、意欲ある農業者により農地を有効活用していくことが重要だと考えるわけであります。
 都民にとって貴重な財産であります都市の農地を将来にわたって維持していくために、積極的な支援をお願いしたいと思います。
 次に、オリンピック・パラリンピックに向けました農産物の生産拡大についてお伺いしたいと思います。
 二〇二〇年大会は、国内外から訪れる多くの観光客に、高品質で都内産の農産物を十分に味わってもらいたいと思います。そのよさを知っていただく絶好のチャンスだと思うわけであります。
 都は、大会施設や選手村、プレスセンターなどでの食材提供を見据え、JGAPなどの国際認証の取得を支援すると聞いておりますが、あわせて重要なのが、農産物の供給体制を整えることだと思うわけであります。
 二〇二〇年大会が開催される夏場の東京、これはいわずと知れた高温多湿の状態であります。農作物の生産やその鮮度保持が年間を通じて最も難しい時期だと考えるわけであります。
 こうした時期に農産物生産に取り組む農業者の生産体制強化に向け、都はどのような支援を行っていくのかお伺いしたいと思います。

○寺崎農林水産部長 夏場に十分な農産物を供給するためには、暑熱対策や病害虫対策、農産物の鮮度保持など、さまざまな課題への対応が必要となります。
 そのため、現在、農林総合研究センターでは、夏場でも高品質な農産物が生産できる栽培システムの研究開発や高温下でも丈夫に生育する品種選定などに取り組んでおり、農業者に普及を図っております。
 また、暑熱対策としてのミスト冷房施設やヒートポンプなどの導入、病害虫回避のための紫外線除去フィルムや防虫ネットなどを備えた生産施設の整備、さらに、鮮度保持のための保冷庫の整備などに対しまして、都市農業活性化支援事業におきましては、事業費一億円を上限とし、補助率を二分の一から三分の二に引き上げます。
 こうした取り組みによりまして、二〇二〇年大会における大会関連施設や東京を訪れる観光客への都内産農産物の供給体制の強化に取り組む農業者に対する支援の拡充を図ってまいります。

○清水委員 ぜひとも二〇二〇年大会で、新鮮でそして安全な地場産の農作物が十分に供給できるよう、生産体制の強化をお願いしたいと思います。
 現在、都では、東京農業の新たな展開につきまして、東京都農林・漁業振興対策審議会に対し諮問を行っておるわけでありまして、七月にはその答申が出されると聞いておるわけでございます。
 東京には、高い技術と、そして私とちょっと違いまして、柔軟な発想を持った優秀な農家がたくさんおります。審議会での議論も踏まえて、都がしっかりとサポートをしていただき、東京農業の振興を図っていくよう切にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 次に、産業振興を進めていくための雇用就業施策についてお伺いしたいと思います。
 現在、政府におきましては、国民一人一人、誰もが活躍する場所があり、将来の夢や希望に向けて取り組む一億総活躍社会の実現に向けた取り組みを進めているわけであります。その実現に当たっては、一人一人の労働者の生産性の向上が重要でございまして、そのためには、人材育成のさらなる促進が必要となるわけであります。
 都は、中小企業の人材育成を支援するため、職業能力開発センターを設置、求職者向けのさまざまな職業訓練を実施するとともに、中小企業の従業員向けの多様な訓練を展開しているわけでございます。
 私もこういった入校案内というパンフレットを取り寄せました。中身を見させてもらいますと、古くは自動車整備ですとか造園土木といった科目から、最近では、パソコングラフィックや介護サービスといったさまざまな科目が提供されているわけであります。
 こうした訓練は、産業界のニーズを踏まえ、常に見直しを進め、充実を図っていくべきだと思うわけであります。
 そこで、都は、公共職業訓練について、来年度はどのように実施をしていくおつもりなのか、見解をお伺いしたいと思います。

○小金井事業推進担当部長 都は、産業界のニーズの変化や訓練の実施状況などを踏まえ、公共職業訓練の内容や実施方法などを見直し、都内十三カ所のセンター、校において、必要な規模を確保しつつ、充実を図っております。
 来年度は、求職者向けの訓練では、生活支援サービスの提供等に必要な知識、技能を習得する科目を新設するほか、女性の再就職に対する緊急対策の定員を四百十名から五百十名に拡充するなど、女性の社会進出を後押ししてまいります。
 また、民間のノウハウを活用する観点から、さまざまな分野の民間教育訓練機関や業界団体が運営する認定職業訓練施設を活用した訓練を引き続き実施するなど、多様な訓練の機会を提供してまいります。

○清水委員 ありがとうございます。ただいまご答弁がございましたそれらの訓練につきましては、地域の人材ニーズ等を踏まえて実施していく必要がありまして、そのためには職業能力開発センターが核となって、地域の企業や団体、区市町村と連携しながら、人材の確保、育成を支援していくことが重要だと思います。
 例えば、昨年四月にオープンいたしました城東職業能力開発センターでは、若者が自分のやりたいことを見つけることができるように、さまざまな科目が体験できるジョブセレクト科を新設したそうでありまして、お試しみたいな感じなんでしょうね。訓練の実施に当たっては、地域と積極的に連携していると聞いているわけであります。
 そこで、地域における人材確保、育成の拠点として、職業能力開発センターがどのように地域と連携をされていくのか、そして展開をされていくのか、ご見解をお伺いしたいと思います。

○小金井事業推進担当部長 都は、都内四ブロックの職業能力開発センターに業界団体や行政機関等を構成員とする職業能力開発連絡協議会を設置し、地域の企業や団体、区市町村などと連携しながら、中小企業の人材の確保、育成を支援してまいります。
 例えば、城東職業能力開発センターでは、墨田区と連携した、すみだ若者人材発掘・就労サポート事業において一日体験見学会等を開催しており、また、多摩職業能力開発センターでは、立川市やハローワーク等と連携して合同就職面接会を開催しています。
 さらに、職業訓練の実施に当たりましては、地域の企業や業界団体等のすぐれた技能を有する人材を講師として活用するなど、地域との連携を積極的に展開してまいります。
 今後も連絡協議会等を通じて、地域のニーズを把握し、地域の活力を支える中小企業の人材力を高め、競争力のある企業を育成する取り組みを展開してまいります。

○清水委員 ありがとうございました。
 これまで私は、二〇二〇年大会に向けました農林水産業や観光振興を中心に、産業労働局が取り組むべき中小企業支援、雇用就業対策など、幅広く伺ってきたわけでございます。
 私が常々思っているのが、この経済・港湾委員会に配属されまして、改めて東京都議会議員になったんだなというふうな実感が湧いているわけであります。それだけ首都東京のエンジン役である東京産業を所管するこの委員会に所属しているわけでございまして、その関係予算の質疑を通じまして、都が来年度、多くの意欲的な取り組みを進めていくことが、よくよく理解できたわけであります。
 今定例会の我が党の代表質問でも、東京は力強い経済で日本をリードするという大きな使命を担っているという言葉がございましたが、そのためには長期ビジョンに挙げた目標を見据えつつも、さらにその上を視野に入れながら、重層的な、先進的な取り組みを進めていく必要があると思います。
 安倍政権が一億総活躍社会の実現という言葉を掲げ、積極果敢に課題解決に取り組む姿勢を見せております。日本の社会や経済を牽引する立場にある東京都も、全国の自治体の先頭に立って意欲的な取り組みが求められているわけであります。
 そのためには、東京ひとり勝ちではいけません。我が党が本会議や予算特別委員会で取り上げました、ALL JAPAN&TOKYOプロジェクトのような全国連携の取り組みにより、経済の好循環を日本の津々浦々に行き渡らせることが重要だと思います。
 東京、ひいては日本の経済活性化に向けて、二十八年度予算を十分生かし、国内外のさまざまな動きにも目を配りながら、山本局長が先頭に立って、しっかり取り組んでいただきたいと考えておりますが、局長の決意をお伺いしたいと存じます。

○山本産業労働局長 日本の産業を取り巻く環境を見てみますと、今年度は、TPPの大筋合意でありますとかマイナス金利の導入、あるいは都市農業振興基本法の制定など、さまざまな環境変化がございました。また、増加し続ける訪日外国人旅行者への対応や少子高齢化社会の一層の進展など、取り組むべき多くの課題もございます。
 このような中で、産業労働局は来年度、中小企業の経営安定化や成長への支援、都市農業のさらなる活性化、観光の一大産業化に向けた施策の展開、仕事と生活の調和のとれた働き方の実現など、国との協力関係や民間の力も十分に活用しながら施策を着実に進めてまいります。
 また、ことしの夏には、リオでオリンピック・パラリンピック大会が開催されまして、その後は、二〇二〇年大会の開催地である東京に世界中の注目が集まってまいります。
 訪日外国人旅行者のさらなる増加や中小企業のビジネスチャンスの拡大など、東京のみならず日本全体にとって、産業が飛躍的に発展をする絶好のチャンスが訪れると思っております。
 今年度、日本各地と連携をした産業振興策、ALL JAPAN&TOKYOプロジェクトを通じまして、他の道府県との連携強化を図ってきたところでございますけれども、二〇二〇年大会という大きな目標にさらに一歩近づく来年度は、この取り組みをさらに強化いたしまして、ただいま副委員長からいただきましたさまざまなご指摘も踏まえまして、日本各地ともしっかり手を携えながら、東京の経済の一層の活性化に向け、局の総力を挙げて取り組んでまいります。

○木内委員 幾つかのテーマについてお聞きしますけれども、まず、女性の起業、業を起こすということについて質疑を行ってまいります。
 かつて私はニューヨークへ行きましたときに、ブルックリンブリッジというのを渡った。約二キロに及ぶ大変長大な橋でありますけれども、ワイルディングというワイヤロープの会社の経営者がこの工事に名乗りを上げて着手をした。その初代の男性の社長は、実は病気ないしは事故で途中断念せざるを得なくなって、この事業を継いだのが奥さんであった。当然女性であった。この女性が非常に重要な工事や作業を行って、これを受け継いだ息子が、三人の手によって息子の代でブルックリンブリッジは完成した、こういうのがあります。この話のときに、非常に女性の力というもの、執念、また社会に対する責任感がよく喧伝をされるわけであります。
 よくいわれるんですけれども、経済が活性化するときというのは、事業のいわゆる創業率が廃業率を上回るときです。今も清水副委員長の質問に何度か出てまいりましたけれども、自公政権が掲げる一億総活躍社会、これは一人一人が輝き活躍できる社会を目指した、そういう社会システムの構築を目指すわけでありまして、まさに女性の起業というのはいろんな角度から議論ができると思いますが、さっきブルックリンブリッジのときに申し上げたような、そういう気質に加えて、大変豊かな感性、繊細な感覚の持ち主でもあるのが女性でありまして、その女性が高い能力を十二分に開花させて、その力を存分に発揮していくことのできる社会をつくっていくべきだ、これを私どもは政策として掲げ支援をしてまいりました。
 女性が新たな事業にチャレンジすることは、申し上げたように女性ならではの感性や発想を生かした商品やサービスによって新たな需要が掘り起こされるとともに、それらに伴う地域の活性化や雇用の創出にもつながります。大きく社会にエネルギーと息吹を吹き込む、そういう力にもなるのであります。
 ごらんになったかどうか。つい先日、テレビのドキュメントで、光文社という出版社の発行する「VERY」という雑誌がありますけれども、これは主婦向けの雑誌。エクセレントな主婦といっていいんでしょうか、主婦であることに誇りと喜びを持っている、それを警鐘乱打して、ずっと歴史を刻んできた「VERY」という雑誌の編集長、今尾朝子さん、女性の編集長です。編集の現場、スタッフの打ち合わせの場面等が随分出てきた番組でしたけれども、ここで私が驚いたことは二つあった。
 一つは、部下の副編集長がある写真を持ってきて、雑誌に掲載するのに、どんなキャプション、どんな説明文がいいかというのを、原案を持ってくるんだけれども、わずか十分程度の間に、見事な研ぎ澄まされた感性でもって、すごいという、そういうキャプションをつくり上げちゃう。わずか十分間の作業、これが今尾編集長の仕事であったということ。女性の感性はすごい。これを社会に反映させない手はない、こうも思いました。
 もう一つは、この編集長は、夕方、定時になると、理由のいかんを問わず、もう家に帰ります、子供を保育園に迎えにいくために。もう、そそくさと身繕いをして退社しちゃうんです。打ち合わせをしたい部下やスタッフがいますと、地下鉄の近くの駅の改札まで、時にはホーム、時には電車の中まで、その編集長に、ぴたっと追っかけて、くっついて、そこで指示を受けて仕事の決着をつけていく。
 誤解を恐れずにいえば、子育てをし、保育園に迎えにいくというのは、これは女性の持っている大変な実は物理的なハンディキャップだと思いますけれども、見事なこの立ち居振る舞いと挙措の中で、これを実現して、そうして今の活躍と地歩を我が掌中におさめている。女性というのはすごいものだなという実感を持ったわけであります。
 また、女性は男性に比べ、起業前の就業経験が短い傾向にあることから、経営や事業に関する知識や経験を得る機会が少ないことが実は特徴であり、課題になっているのであります。
 私は、そこで、こうした環境を整備して、女性の起業、創業をさらに力強く後押ししていくべきだと考えますけれども、都の見解をまず伺います。

○松永商工部長 都は、中小企業振興公社の行うTOKYO起業塾において、起業を目指す女性を対象に、資金計画や事業プランなど必要な知識を提供するセミナーを実施するとともに、セミナー終了後は、受講生に対し、インキュベーション施設や助成制度の案内などの個別の対応を行っております。
 また、今年度から、民間の創業支援の取り組みを支援する事業におきまして、女性起業家の育成や創出を行う事業者の支援を開始いたしました。
 これまでに四十二の支援機関による女性起業家育成のためのネットワーク化が図られ、個別相談への対応や交流会の開催等を行っております。

○木内委員 大変意欲的に進めておられる事業の展開なんです。恐らく全国に先駆けて東京都が最も進んでいるんではないか、こう評価したいと思うんですが、ただ、政策というのは、プラン・ドゥー・シーが必要であります。計画をする、事業を実施する、そして結果がどうであったか、これを検証するのは非常に大事なことでありますけれども、今いわれたTOKYO起業塾の女性向けセミナー、女性起業家コースのこれまでの経過と、どのくらいの参加者がいたのか、実績についてご報告を願います。

○松永商工部長 TOKYO起業塾を開始した平成十年度より女性起業家コースを設けておりまして、今年度までに八百七十一名が参加しております。

○木内委員 これ、答弁は結構ですけれども、仄聞するところ、平成十年から行っていて年間平均三十名ぐらい、年間二度行う年につきましては八十名ぐらいということの平均値のようでありまして、これが年々増加してきている。この制度に対する女性起業の希望者の期待は非常に大きいわけでありまして、この充実をぜひともされるように強く要望をいたしておきます。
 東京都においては、これまで女性の起業に向け、支援をそれぞれの分野、また角度から展開していることが今ご報告にありましたけれども、我が国の女性の有するポテンシャルの高さ、あるいは大きさに比べて、女性の起業家はまだまだ残念ながら少ないといわざるを得ない。起業に関心はあっても、将来への漠然とした不安などから新たな事業への挑戦にちゅうちょしたり、途中で諦めたりしてしまう女性も多いのではないかと思うんです。
 私の極めて身近に存じ上げている女性でありますけれども、非常に豊かな感性で、そうしたファッションに関する商品を流通させることをなりわいとしている人がいますけれども、やはり、その事業の手腕はあっても、法律的な知識であったり、税制上の課題解決の、あるいはそうした情報であったり、さまざまな困難や不安を一つ一つ、その方は乗り越えてやっていますけれども、実は一般的に、そういうことに精通していないケースが多いのであります。
 起業にチャレンジする女性をふやしていくためには、起業に関心を持つ潜在起業家層の女性を掘り起こすとともに、気軽な相談から起業段階での具体的なアドバイスなど、きめ細かな支援が必要になってくる、そうしたいわゆる環境をつくって、なお、こうした女性起業家の増大というのは見込まれるわけであります。
 そこで、東京都は、来年度設置する創業支援拠点を活用して、女性の創業支援を行っていくわけでありますけれども、なお一層これを強化していくべきだと思うし、その方針について明らかにされたいと思います。

○松永商工部長 都が来年度整備する創業支援拠点では、女性の創業希望者の裾野を広げるため、民間事業者のネットワークやノウハウを活用して、女性の先輩起業家を招いた創業イベントなどを開催いたします。また、休日、夜間にも施設をオープンするとともに、育児中も利用しやすいように託児機能を設けるなどの工夫を凝らしてまいります。
 さらに、創業の準備段階にある女性のさまざまな悩みや課題の解決を図るため、専門相談員を配置するほか、少人数のゼミ形式での事業計画の練り上げなど、きめ細かな支援を行ってまいります。
 こうした取り組みによりまして、創業に関心のある女性が気軽に利用しやすい施設としまして、女性の起業家を数多く輩出してまいります。

○木内委員 私は、本当にこの議会の議論というのが大事だと思うし、こちらが提案をする、それを執行機関が受けとめる、施策として、事業として予算を措置して実施をしていく、これによって社会の大きな曙光と、この事業が光っていく、こういうわけであります。
 託児機能を設けたり、専門相談員を配置するなど、この拠点で、起業を目指す女性にきめ細かな支援が図られていくという今、商工部長の決意に満ちた答弁があったところであります。
 さらに、女性の視点に立った取り組み、女性固有のいわば側面というのがあるわけでありまして、こうした取り組みを実施していくことで、多くの女性の起業を生み出していく、また、こういった環境になることを強く要望しておきたいと思います。
 次に、中小企業の事業承継に対する支援についてであります。
 高度経済成長期の産業の発展を支えてきた団塊の世代を中心に、経営者の高齢化が一段と進んでいます。このまま会社を続けても経営が軌道に乗る見込みがないし、後継者も見つからない、そうした事情から廃業を決断する事例、これは残念ながら、よく耳にするわけであります。
 実は私の住んでおります、お世話になっている江東区に亀戸という地域がありますけれども、ここは都内の各町名を並べたときに、社長といわれる人が最も多く住んでいる地域だといわれているんです。これは中小企業であったり、零細企業であったり、あるいは大企業との関連企業もあるんですが、いずれにしても、そういった方々がよく私どもの交流の場でお話をさせていただくんですが、高齢化によって後継者がいない、廃業せざるを得ないという残念な、この感情の吐露に接することも実はあるわけであります。
 中小企業が早い段階から事業承継にしっかりと向き合い、計画的に準備を進めていくことが必要ですが、現場の一線に立っていると、意識がそこになかなか向かないというのが現実です。
 私はこうした経営者の意識や行動が中小企業の事業承継の問題を難しくしているのではないか、これを痛感しているのであります。
 そこでまず、中小企業の経営者の方々、とりわけ高齢層の皆さんが自身の事業承継をどう考えているのか。また、承継に向けた準備の状況について、どういう実態にあるのか。これまでさまざまな調査が行われてきているわけでありますけれども、こうした調査の中のデータについて特徴的な部分だけで結構ですから、ご報告を願います。

○松永商工部長 二〇一四年版中小企業白書によりますと、事業承継の時期を五年以上先と考えている経営者の割合は、六十歳代で約五五%、七十歳代で約三〇%となっております。
 また、このうち十年以上先と考えている割合は、六十歳代で約一五%、七十歳代で約一〇%となっております。
 事業承継の準備状況につきましては、全くしていないと回答した経営者の割合は、六十歳代で約三〇%、七十歳代で約二〇%となっており、これに余りしていないという回答を加えますと、六十歳代で約六〇%、七十歳代で約五〇%となっております。

○木内委員 これは、部長、私は非常に衝撃的な数字だと思うんです。五年以上先と考えている経営者の割合が七十歳代で三〇%、十年以上先と考えているのが七十歳代で一〇%もおられる。社会的にいえば六十代、七十代というのは定年で、第二の人生を歩まれる年ですけれども、さまざまな環境や事情があるにせよ、七十を過ぎて八十まで、今は経営者であることを続けていく、こう答えていることの、何ていいますか、衝撃を感ずるんです。
 だから、この事業承継の問題は、実は中小企業対策の中では極めて大きなテーマだと、まず考えて認識していく必要があると思うんですね。
 七十歳代の経営者の約三割が、申し上げたように五年以上社長を続けるとしている。やはり現役を続けていると、自分が引退することをなかなか意識しにくいということの証左であろうと思うんです。それが調査結果にもあらわれているような、そうした準備のおくれにつながっているんではないか、こういう推測が成り立つわけであります。
 都を初め、さまざまな専門家の相談窓口がありますが、こうした経営者の意識が変わらなければ、窓口を訪れることはないわけであります。仮に事業承継を少し意識し始めたとしても、日々の仕事に追われ、窓口に足を運ぶことはないわけであります。
 東京都は、さきの本会議で、私ども公明党の質問に対しまして、来年度から予算を措置して、経営者が高齢である会社などを巡回する取り組みをスタートする、こう答弁しました。申し上げたような現実を踏まえれば、支援する側から訪問をするということは非常に重要なことでありまして、この事業の推進を精力的に行うべきと、こう考えるんです。これは都政の歴史の中で大変重要な答弁だったわけでありまして、この具体的内容について明らかにお答え願いたいと思います。

○松永商工部長 都は来年度から、中小企業振興公社に巡回スタッフ二名を新たに配置し、現地に赴いて、事業承継に向けた早期の準備を後押しする取り組みを開始いたします。
 調査会社を活用して収集した企業情報や、提携する金融機関から寄せられた情報などをもとに、経営者が一定年齢に達している会社など約五百社を抽出し、企業訪問を実施いたします。
 経営者等に対しては、後継者の有無や経営状況などのヒアリングを行い、会社の状況を可能な限り把握するとともに、計画的な準備の重要性を説明するなどの事業承継の普及啓発や、支援策の紹介と利用の勧奨など、各社の実情に応じた働きかけを行ってまいります。
 こうした取り組みによりまして、経営者に対する意識づけを着実に進めてまいります。

○木内委員 非常に重要な答弁で、議会で初めて明らかにされた内容も、今あったわけでありまして、経営者が一定年齢に達している会社など約五百社を抽出して、これを専門知識を持った皆さんが訪問を実施していく。後継者の有無や経営状態などのヒアリングを行って、計画的な準備の重要性を説明したり、事業承継の普及啓発を行っていくという非常に意義のある事業でありますので、精力的に取り組んでいかれるよう要望したいと思います。
 技術の力もあり、地域の経済や雇用を支えている中小企業が失われることは、東京の経済にとっても大きな損失であります。
 この新たな取り組みが、少しでも経営者の方の考え方や行動の変革につながることを心から私は期待したいと思うのであります。
 もう一つの課題として、経費面の問題がある、これは非常に重要です。
 経営者が事業承継の実現に向けて本気で取り組もうとしても、実はその実施、実現に向けてはいろんな費用がかかるんですね。例えば人材紹介会社を使って後継者の候補となる人材を探す。例えば上場企業の立派な役員をしていた経営能力の卓抜した人、人格者であるとか、いろんな要件を附置して、そうして、こういう人材紹介会社によって後継者を見つけていくという方法もあるんですが、費用がかかる。株式譲渡の手続を弁護士に依頼をしなければならない。これは全て中小企業が自前でできない部分というのが、実は各分野、多岐にわたってたくさんあるんですね。
 都は、さきの本会議で、新年度からこうした事業承継の実施に要する経費を助成すると、こう答弁しました。よく経済の顔は株価にあらわれる、政治の顔は予算の数字にあらわれるといいますけれども、まさに血の通った予算措置というのが、こういう議会の議論から発信されて、そうして事業に転嫁されていくんだというふうに私は理解をしたいのであります。
 経営の非常に厳しい中小企業が多い中、こうした経費の負担が軽減されれば、真面目に事業承継に取り組もうとする企業の大きな追い風になりますけれども、この新たな助成制度の内容、今の段階で明らかにできる範囲で結構ですからご報告願いたいんですが、この前、地元の区の商工会議所の役員の皆さんと懇談をしているときに、助成制度はどんなものになるんでしょうかね、この話が出て、その懇談の段階ではまだはっきりしておりませんでしたからお答えできませんでしたが、きょう明らかにできるぎりぎりのところまで答弁願いたいと思います。

○松永商工部長 事業承継を円滑かつ効果的に進めていくためには、さまざまな外部の専門家を活用していく必要があることから、都は来年度、こうした外部のサービスを利用する際にかかる経費の一部を助成することにより、事業承継に取り組む中小企業を財政面からも後押ししてまいります。
 具体的には、公社の支援を受けて事業承継計画等を策定した企業が、その実施に当たって外部の専門家などを活用する際に要する経費につきまして、その三分の二、最大二百万円まで助成してまいります。

○木内委員 該当する中小企業経営者にとっては、きょうの答弁は非常に朗報であります。
 それから、今、これ一回きりなんでしょうか、三分の二、最大二百万円までというのは。助成金を利用することで、さまざまな専門家をも活用して事業承継を進めることができるようになって、中小企業にとってもこれは心強いことである、こう考えるんです。
 一方で多くの場合、事業承継というのは、経営を立て直すところから始めて、何年もかけて実は成就していくものでありますから、単年度これっきりで果たして効果があるのかどうか。こうした中小企業の取り組みを初めから終わりまで丁寧にフォローしていくためには、助成による支援についても、私は、単発で終わらせることなく、継続的にこれを実施していくべきであると考えますけれども、いかがでしょうか。

○松永商工部長 事業承継に取り組む中小企業が直面する課題は、経営の見直しから、後継者の確保、育成などまでさまざまありまして、これらを一つ一つ段階を踏みながら解決していくことが重要でございます。
 このため、公社の支援を受けながら、複数年かけて事業承継のステップを進めていくような場合には、助成金も各年でそれぞれ利用できるようにいたします。
 また、助成対象につきましても、人材紹介サービスの利用料や弁護士の委嘱など承継の実施段階にかかる経費のほか、事業承継に先立って経営改善を進めるような場合には、例えばIT化や人材育成などの社内改革の取り組みに要する経費など、幅広く支援してまいります。
 こうした継続的な支援によりまして、事業承継の実現を後押ししてまいります。

○木内委員 今、答弁に、こうした継続的な支援によって事業承継の実現を後押ししていくということでありますので、関係者にとっては、これも大変朗報だと、このように思います。
 長い歳月をかけ、築かれてきた東京の技術の蓄積を次世代にしっかりと引き継いでいくためにも、都は、今後も中小企業の事業承継の取り組みに対して腰を据えてしっかりと支援されるよう、強く要望をしておきます。
 次に、伝統工芸品産業に対する支援についてであります。
 私は、この議会では初めて、伝統工芸品に先進技術、先進科学技術等を反映させて、これらの分野のコラボによる新製品の開発を伝統工芸品を中心に進めていくべきだ、こういう提案をいたしましたところ、産業労働局、東京都からは、ぜひそれを進めるといういわば答弁を得まして、それから、何回にもわたって公明党の議員が、私もこの委員会で何度もこの具体的な進捗を求めてきたところであります。
 江戸から続く歴史と、その中で磨かれた手仕事のわざが織りなす東京の伝統工芸品の新たな可能性に、かねてから注目し、そして、本委員会においても二年近く取り上げ続けてきた。
 都は本年度から、伝統工芸の職人や作家と、あるいはデザイナーなどとの協働により、世界に通用する新商品を生み出すプロジェクトを始動されましたけれども、これは二〇二〇年の五輪を控えた今こそふさわしい試みであり、今後の展開にも大いに期待しているところであります。何度も申し上げますけれども、議会におけるこの具体的事業の提案、また予算化、事業化への重要な議論等が非常に意味のあるところだと改めて思いまして、今、感慨を深くしているところであります。
 そこで初めに、提案を受けて、この商品開発プロジェクトの目的、どう定義づけが行われてきたか、それから、これまでの経過を改めてご報告を願いたいと思います。

○松永商工部長 東京の伝統工芸品を国内外に普及させ、産業としてさらなる発展を促していくため、都は今年度から、伝統工芸品の職人とデザイナー等のコラボレーションによる新商品の開発を支援するプロジェクトを開始いたしました。
 伝統工芸品の職人とデザイナー等のマッチングなどを経て、二十三の開発チームを組成し、専門家の指導を受けながら、半年間で三回の試作を重ねることにより、商品化を目指しております。
 今年度末には、今後、本プロジェクトで商品化を支援していくものをおおむね十点程度選定し、四月に開催する新商品発表会で公表する予定でございます。

○木内委員 私の提案したこうした事業が、四月に新商品発表会という形で結実をして、新しいスタートを切るということでありまして、さらに、この応援をしてまいりたいと思うんですけれども、完成商品のラインナップは商品発表会で披露されるとのことでありますので、詳細はまだ今の段階でお尋ねはいたしませんけれども、このときのすばらしい作品との出会いを今から本当に心待ちにしたいと思うのであります。
 今後の課題は、新年度からのPRや販路開拓をしっかり進めることでありまして、その肝となるのが海外へのアプローチでもあろうと、こう思います。消費者の好みやライフスタイル、文化的背景に至るまで、さまざまな点が日本とは違う国際社会で、世界で、商品の売り方や見せ方など、我々が気づかないポイントが多く存在するのではないでしょうか。
 きょうは、これ、あえて持ってきたんですけれども、「東京手仕事」、こういう本があります。非常に立派な本であります。中身は申し上げた新しい技術とのコラボ、デザインが新しく加味されたさまざまな伝統工芸品等が、ずっと写真集で列挙されておりまして、英文での説明も非常に丁寧に行われているのであります。
 例えば、この杯に江戸切り子の模様が入って、さらにこれに新しいデザインの感覚が投影されているものであったり、それから、今申し上げましたけれども、日本とは違う世界で、商品の売り方や見せ方など、我々が気づかないポイントが多く存在するのではないかと申し上げたんですが、これをちょっとごらんいただきたいのであります。
 これは、形、スタイルでいえば招き猫です。日本古来の招き猫、人形。ところが、目玉が、実はダイヤかガラス細工かが埋め込まれたり、いろいろ新しい意匠が、実はここにやっぱり加えられているんですね。よく聞いてみますと、この目に入れているガラス細工というのは、オーストリア、オーストラリアじゃない、オーストリアのスワロフスキーという有名なガラス細工の会社がありますけれども、このスワロフスキーのクリスタル製品が加工されて、実はこの招き猫の目に入っている。ヨーロッパの展示会でこれが物すごい人気なんです。
 こんなものがと思うかもしれないけれども、今申し上げたように、日本とは違う世界で、我々が気がつかないポイント、あるいは魅力を感ずる、興味を引く、そうした角度のものがあるわけであります。これが私がいうところの、いわゆる伝統工芸品の技術と、新しい先進的な、そうした素材との融合による新しい価値の創出ということでありまして、これは伝統工芸品の継承や、あるいは保存や発展に大きく寄与するものだと思うのであります。
 都は今年度、今般の商品開発とは別に、公募により選ばれた既成の伝統工芸品を対象として、フランスとドイツの見本市への出品を行ったと聞いておりますけれども、あえてこの際ですから、ここでの海外関係者からの反応にどのようなものがあったか、ご報告を願いたいと思います。

○松永商工部長 都は今年度、新商品の開発を支援するプロジェクトと並行しまして、世界で通用する可能性を持った質の高い完成済みの商品を募集し、国内外でその販路開拓やPRを支援いたしました。
 この一環として、本年一月には、フランスで開催されたインテリアデザインの総合展示会に、翌二月には、ドイツの消費雑貨展示会にそれぞれ出展いたしました。
 両展示会の来場者からは、内装やインテリア用品として採用したいなどの評価が多く聞かれた一方、セールスポイントを記載した英語の説明書がないと物のよさがよくわからない、体格差を考えた欧州向けのサイズの工夫が必要、色のバリエーションを豊富にして選択肢をふやしてほしいなどの声が寄せられた商品もございました。

○木内委員 今の答弁のように、いろいろな注文がつくということは、それだけ関心と興味を示しているということでありまして、これに応じた開発、また、流通というものをどんどん展開していけばいい、こう思います。
 今定例会の本会議代表質問での知事答弁の中にも、こうした中小企業の皆さんが海外に販路を開拓する、その努力をされるときには、ともに同行をして支援していきたいという答弁があったように記憶しておりますけれども、そうした都知事の行動、あるいは産業労働局のこうした基本方針、これをどうかしっかりと一体化して、よい結果が出るご努力を重ねていただきたいと思うのであります。
 今後の参考となるいろいろな意見がこれについても寄せられたようでありますけれども、同様に、今後の開発プロジェクトによる新商品も、新年度から内外でさまざまなPRを重ねることで、こうした買い手や使い手からのさまざまなフィードバックを受けることになろうと思います。こうした情報を糧にして、さらにレベルアップを遂げていくべきでありますし、ただいまご報告があったように、海外見本市への出展で得られた経験は、このプロジェクトの共有財産であり、これからの商品開発支援に広く活用していくべきと考えます。
 こうした点を踏まえて、東京都は、今後の開発プロジェクトで仕上げた完成商品について、新年度からさらに強力に支援をしていくべきだと考えますが、その取り組み内容についてお尋ねをします。

○松永商工部長 今年度の開発支援プロジェクトにおいて開発した商品は、四月の新商品発表会でバイヤーなど向けに完成披露を行った後、期間限定のアンテナショップにおける試験販売や国内外での展示会の出展支援などを行うほか、日本語と英語の商品紹介サイトを新たに制作してまいります。
 これにより、商品のPRと販路開拓を支援するとともに、使い手からの評価や意見などを幅広く吸い上げ、商品のさらなるブラッシュアップを実施してまいります。
 加えて、現地で得られた生の声を、報告会の開催などにより、個別の開発チームだけでなく、他の支援対象商品の職人などにも広く還元し、今後の商品づくりやプロモーション活動に反映させてまいります。

○木内委員 答弁の中で、新しい事業展開についての言及もありました。この答弁を了としたいと思いますので、ぜひ成功をおさめるようにご努力を願いたいと思います。
 この商品開発プロジェクトにとって、実は、市場の評価にさらされる二年目こそが最も正念場だといえると思うんです。ぜひとも引き続き、万全の体制で職人さんたちをサポートし、世界で評価される伝統工芸品に育てていっていただきたいことを強く要望いたします。
 新年度から、この開発プロジェクトから生まれた新商品が、いよいよ世界という大海原に向けて船出するわけでありますが、最後に、東京の伝統工芸品産業の発展と世界への飛躍に向けた局長の決意と感懐を伺いたいと思います。

○山本産業労働局長 東京の工芸産業は、我が国の一大消費地であった江戸で花開いた町人文化のもと、そこに住み暮らす職人たちが、時代時代の流行や消費者のニーズなどを取り込んでいくことによって発展を遂げてきたものでございます。
 このつくり手と使い手の近さというのが東京の伝統工芸品の特徴であり、また強みでもあるというふうに思っております。
 今後、海外市場への展開に当たりましても、東京のつくり手と海外の買い手や使い手をしっかりと結びつけ、その声に真摯に向き合っていくことが重要であると思っておりまして、こうしたことがブランド価値を高め、世界で評価される工芸品産業として発展していくことにつながると考えております。
 ただいまご質問いただきました伝統工芸品の新商品開発と世界への普及を進めるプロジェクトにおきましても、こうした考え方のもとで、海外でのプロモーションや販路開拓に取り組み、世界に通用するメード・イン東京の逸品となるように磨きをかけていきたいと思っております。
 二〇一九年のラグビーワールドカップ、そして、二〇二〇年東京大会の開催を控えまして、今、東京の文化や伝統に対する注目も高まっております。この機会を最大限に生かし、来年度も引き続き、この開発プロジェクトを初め、伝統工芸品産業の発展と飛躍を後押しする施策を全力で進めてまいります。

○かち委員 まず最初に、小規模企業支援について伺います。
 今定例会の代表質問で、都内の産業の中で圧倒的に多くを占める小規模企業に対する知事の認識を求めた我が党の質問に対し、知事が、地域の経済や雇用を支える小規模企業の事業の継続と発展を図ることは、東京の産業振興にとって極めて重要だと答弁されたことは大変重要だと思います。
 国においても、小規模企業振興基本法に基づいて、基本計画が示され、特に都道府県の役割として、小規模事業者に焦点を当てた施策の展開が示されています。都として、これに対応する施策はどのようなものでしょうか。また、どのように展開しようとしているのか、お聞きします。

○松永商工部長 都はかねてより、経営指導員による訪問相談など、商工会議所や商工会と連携して小規模企業の経営改善に取り組んでおります。
 今年度からは、商工会等と連携し、事業承継等について重点的に支援する拠点を設置しており、今後も引き続き、必要な取り組みを進めてまいります。

○かち委員 国は、全国都道府県に一カ所のよろず支援拠点の整備を促していました。小規模企業が集積している都で一カ所は少ないと、我が党も拡充を求めてきたところですが、都として、六カ所の小規模企業支援拠点を設置してきました。
 全国的には、よろず支援拠点の整備によって六万件の相談に応じてきたとのことですが、都の小規模企業支援拠点のこれまでの実績はどうでしょうか。また、主な相談内容や解決に向けての取り組みなどをお聞きしたいと思います。

○松永商工部長 小規模企業の支援拠点における相談件数につきましては、現在集計中でございます。年度明けを目途に集計する予定でございます。
 相談内容としましては、事業承継などの相談を受け付けておりまして、専門家等の派遣を行っております。

○かち委員 小規模企業支援拠点は、商工会議所、商工会、中央会によって運営をしているものですけれども、都として、その実績や相談内容、解決に向けての経験交流や分析を、これらの団体とともに節々で実績をまとめ、施策の改善に生かしていただきたいと思います。PDCAの取り組みができるようにすることが重要です。そうして検証を重ねることを求めておきます。
 地域の中小、小規模企業者のお話を伺うと、ハローワークに頻繁に求人募集を出しているのに、全くというほど反応がないということが最近の実態だということです。ものづくり事業を承継する上でも、人材確保が欠かせません。しかし、今日、中小、小規模企業者にとって、人材確保が厳しい現状にあります。
 都として、中小企業、小規模企業への就業支援を強化すべきと思いますが、いかがですか。

○小金井事業推進担当部長 都は、中小企業の魅力を発信するとともに、都内百社に対して専門家を派遣し、採用に向けたコンサルティングを行うなど、中小企業の人材確保を支援するさまざまな取り組みを行っております。

○かち委員 求人広告の書き方などのコンサルタントなどの派遣を行っているとのことですけれども、個々の企業へのアドバイスも重要ですが、同時に、中小、小規模企業全体への支援など、面的にも強化することが求められていると思います。
 中小、小規模企業には大企業にはない魅力がある、自分の力が発揮できる場でもあるという中小企業ならではの魅力を、学生や若者にアピールするPR版の作成など、都として取り組むべきと思いますが、どうですか。

○小金井事業推進担当部長 都は、専用ウエブサイトの開設や、高校、大学等への広報冊子の配布、しごとセンターにおける若者向けの企業情報の提供など、中小企業の魅力を広く発信しております。

○かち委員 いろいろやっていただいているということなんですけれども、中小、小規模企業者がそれでも困難なわけです。さらなる改善、拡充が必要です。早急に対策をとるよう求めておきます。
 製造業者にとって販路拡大が決定的です。そのため、全国最大規模のビッグサイトの展示会は大きな期待がかかっています。このたび、五輪開催に伴い、一年八カ月ほどの休止を余儀なくされることに伴い、代替施設の対応との要請に応えて、都は、近隣の地域に一年間の代替仮施設を確保することになりましたが、利用制約を受ける期間の代替機能を確保できるようにすることが必要だと思いますが、いかがですか。

○松永商工部長 平成三十二年度につきましては、大会後に、東京ビッグサイトの展示可能面積が現在の約一・五倍となることから、展示会を年度後半へ集中させるなどの調整を図り、利用制約による影響を最小限に抑えてまいります。

○かち委員 ビッグサイトで展示会をやるということは、その展示に出展をする中小企業ばかりではなくて、その展示会を成功させるためにさまざまな小規模中小企業がかかわっているんですね。照明から、設定から、PRとか、いろいろなものにかかわっている業種がたくさんある。そういう人たちにとってみると、一年間を確保した、あとは後半の広いスペースで取り戻すことができるとおっしゃいますけれども、その一年近くの空白は非常に死活問題になるわけです。
 そういう意味では、今度の一年しか確保できない理由が、オリンピック・パラリンピックの開催前後は、臨海副都心地域全体がセキュリティーの関係で、展示会などの利用が使えないということになるわけですね。そうであれば、そうした地域を除いて、代替機能を確保するということに努力をしていただきたいと思います。
 次に、商店街振興について伺います。
 近年、商店街の置かれている環境は極めて厳しいものがあります。消費税の増税、高齢少子化、可処分所得の低下、ネット販売など、買い物の場の変化や駅ナカ商店、大型店の出店などの影響もあり、一層の困難さを抱えています。
 そうした中でも、商店街の皆さんは懸命に、にぎわいづくりや街路灯の維持、消防団活動などに力を尽くしています。改めて、商店街の果たす役割と位置づけ、都としての振興支援の基本的考え方をお聞きします。

○松永商工部長 商店街は、地域の商業活動の拠点であるとともに、地域コミニティの核として重要な役割を果たしております。
 そのため、都は、商店街の活性化に向けてさまざまな支援を行っております。

○かち委員 商店街は、単にみずからの商店街の維持だけでなく、地域コミュニティの核としての位置づけがあり、まちのシンボルでもあるわけです。商店街の明かりが防犯の役割も果たしているものであり、その地域にとっては欠かせない存在なのです。
 しかし、商店街活動をしている振興組合、商店会などが、その維持さえ困難な状況になっているところも少なくありません。商店会、振興組合を維持するために必要な行政の支援策について、どのように認識しているでしょうか。

○松永商工部長 地域の商業活動の拠点である商店街を維持するためには、商店街の活性化を図ることが必要であると認識しております。
 そのため、都はこれまでも、商店街振興施策の充実強化を図りながら、商店街のさまざまな取り組みを支援しております。

○かち委員 今、私が聞いたのは、振興組合、商店会への支援策の答弁に触れられていなかったように思うんですが、電気料金の値上げや消費税の引き上げにより、商店街の景況は依然として厳しく、商店街の街路灯の維持すら苦慮している商店街が多い。これは、市長会の予算要望書にもある内容です。維持することさえ困難な事態に対し、支援策の必要性があると思いますが、いかがですか。

○松永商工部長 都は、商店街の意欲的な取り組みを支援することで、その活性化を図っておりまして、いわゆる経常的経費は補助対象といたしておりません。

○かち委員 商店街を元気にしていく、シンボルとしての役割を果たさせるためには、それを運営している商店会、商店街振興組合、そこがきちんと運営できなければ成り立たないわけですから、ぜひそこを支援するという立場に立っていただきたいと思います。
 魅力ある商店街予算で一番多く使われているイベント・活性化事業では、活用できている商店街は全体の六割にとどまっています。このことをどのように認識していますか。

○松永商工部長 都は、より多くの商店街における創意工夫ある取り組みを促進するため、区市町村とも連携し、支援制度の周知や申請の相談にきめ細かく対応いたしております。

○かち委員 きめ細かく対応しているとのご答弁ですが、これは以前から要望されていることですけれども、我が党の都議団の調査でも、申請手続などを簡素化してほしい、事業実施から補助金交付までの間、商店街の建てかえ負担の改善、これができないので申請ができない、こういう声も聞いております。
 都もそういう声が届いているんじゃないかと思いますけれども、より多くの都内の商店街が元気になるために、必要かつ最少で簡便な手続への改善、工夫に努力をすべきだと思いますけれども、いかがですか。

○松永商工部長 商店街振興事業におきます申請書類等につきましては、都はこれまでも必要最小限の資料の提出を求めた上で、書類の記入に当たってはきめ細かくサポートするなど、十分な対応を図っております。

○かち委員 十分な対応をしているとおっしゃいますけれども、そうであれば、こういう声は出てこないと思うんですよ。やっているといっても、受ける側からすると、これが大変なんだといっているんであれば、そういう声にやっぱり応える必要があるんじゃないでしょうか。都はやっているんだ、区市町村がそこに入っているんだということではなくて、区市町村の書類が多いんだったら、どこを削ればいいかという具体的なことを、ぜひ区市町村と協力して、利用しやすい体制づくりというものを進めていただいて、問題解決に努力していただきたいと思います。
 商店街は、地域のコミュニティの核として重要な役割を果たしています。地域社会との連携が一層高められることが望まれています。
 毎年度の市長会からの要望でもありますように、商店街が行う自治会やPTAとの取り組みが商店街の活性化にも有効であることから、共催に対する要件の緩和を図り、対象事業として認めてほしい、この要望に応えるべきだと思いますが、どうですか。

○松永商工部長 都は、商店街が地域団体や住民と連携し、環境、観光等の地域ニーズに対応した地域おこしやまちづくりに取り組む事業を支援いたしております。

○かち委員 やっているよというご答弁ですけれども、もっと具体的にいうなら、商店街の取り組むイベントを、町会やPTAなどと共催であっても認めてほしいんだということなんです。それは当然ではないでしょうか。商店街のにぎわいづくりも、地域と一体になってこそできるものです。こうした要望に応えるように強く求めておきます。
 商店街に何が求められているか。消費者ニーズをつかむことも重要です。商店街が取り組むニーズ調査への支援を求めますが、どうですか。

○松永商工部長 都はこれまでも、商店街が実施するニーズ調査など、活性化に資する取り組みについて支援の対象といたしております。

○かち委員 ニーズ調査の支援の仕組みがあっても、実際には困難なんです。商店街が厳しい環境の中で生き残るためには、誰に何をどのように販売し、価値を認めてもらえるかのマーケティングの原点を捉えることが重要であり、そのためのニーズ調査、分析、対策が必要なんだけれども、人も金もないという商店街に寄り添い、サポートしてくれる専門家の継続的な派遣が必要なんです。その仕組みを創設することを求めておきます。
 小売店の多くは業種別組合に加盟しています。業種別組合と連携して、官公需の受注確保対策など、販路確保は考えられないでしょうか。
 また、小売店の原料、製品の仕入れ機能が低下してきている傾向があります。商店街振興対策として、業種別組合への対策を講ずるべきと思いますが、どうですか。

○松永商工部長 都はこれまでも、組合の活動などによる中小企業の受注機会の確保に努めておりまして、このことは、官公需についての中小企業、小規模事業者の受注機会の確保についてという通知文により各局にも要請しております。
 また、協同組合などの取り組みに対し、専門家を派遣して、計画の策定から実施まで支援しておりまして、小売業者の組合による共同仕入れの取り組みなどにも対応をしております。

○かち委員 仕組みはできているよと、だから、これが本当に有効に活用できれば、私は前進すると思うんですが、現実的にはなかなか進展していないというのが実態です。今の商店街の実態に見合った行政施策になっていないことを認識していただきたいと思います。どうしたらそこを打開できるのか、分析的に検討していただきたいと思います。
 次に、質問はしませんが、商店街の持続発展のために、後継者育成、人材確保が大きな課題です。親の代から受け継ぐ次世代や、創業に挑む若手商人などの交流の場づくりも重要です。都は、進め若手商人事業に取り組んできていますが、商店街自身が若手育成、後継者に取り組むことへの支援も重要です。
 ものづくりの方では、荒川区で発祥したものづくり若手世代が、あすめし会として、自主的に交流会や研修セミナーなどに取り組んでいます。商店街の次世代を担う若い世代が自主的に交流したり、セミナーを持ったりして学び合う活動に支援する、そのことを検討していただきたいと思います。
 商店街の活性化は、個店が元気になることが欠かせません。今、各地で取り組まれているまちゼミ、まちバルなどを商店街として取り組める支援が必要です。中長期にわたる相談、サポート、商店街と一緒になって考えてくれる専門家の支援の派遣などが求められていますが、いかがですか。

○松永商工部長 都はこれまでも、商店街に専門家を派遣する事業により、商店街等の活性化を図っております。

○かち委員 それは公社に登録された方の派遣ですね。しかし、私たちの商店街調査では、自分たちのつながりで専門家からのアドバイスを受けながら取り組んでいるところもあります。都の事業に合わせるのではなく、商店街の自主的な専門家との連携にも支援することを求めておきます。
 さて、荒川区では、一四年に、区内事業者の悉皆調査の報告書をまとめました。それに基づいた具体策として、小規模事業者経営力強化支援事業を創設しました。その内容は、小規模事業者の全業種、小売業、サービス業も対象としたもので、設備改善から商店リニューアルなどに、限度額百万円以下で四分の一補助制度を実施するものです。
 その結果、一四年度の実績は八十六件で、四千万円の予算で一億五千万円の経済効果を生み出し、一五年度も既に九十件を超えて、七千万円の予算を超過する見込みとのことです。特に、商店リフォームについては、中小企業庁の調査でも、繁盛していると答えた商店の七一%が、店舗改装、店内レイアウト変更を実施しています。
 各個店が元気になると集客力が増して、商店街全体に活気が出てきます。そのためにも、個店のリフォームや設備改善のための直接支援が有効であるということは、既に各地で実証済みです。国も三年間継続し、その効果を確認しています。都としても試みる価値があると思いますが、どうですか。

○松永商工部長 都は、商店主の経営力向上や魅力的な店舗づくりを後押しするため、専門家の派遣や講習会の開催などの支援を行っておりまして、引き続き、これらの取り組みを行ってまいります。

○かち委員 相談にはいろいろ乗っていますよということですけれども、都としてこれまでにも、小規模事業者への直接支援に取り組んできた経過もあるわけです。そのことが、当事者ばかりでなく、全体が元気になる、頑張ろうとする意欲にもつながっているわけですから、小規模企業の持続発展にとっても極めて重要なこうした施策を、商店にも広げることをぜひ検討していただきますよう、重ねて求めておきます。
 少子高齢化が進行する中で、買い物弱者が増加しています。昨年四月の経済産業省の調査結果では、全国に七百万人いると発表されています。さらにこの問題は、健康問題や行政コストの増大など、波及的課題につながると指摘しています。この問題解決と事業継続のためには、地方自治体や住民との連携が重要であることも述べています。
 買い物弱者対策についてお聞きしますが、今年度から、都の事業として本格実施となりましたが、これまでの応募状況についてお聞きします。

○松永商工部長 現在のところ、区市町村からの申請はございません。

○かち委員 買い物困難者は今後も確実にふえていくことは明らかです。そのことは、商店街の消費購買力の低下につながります。都の制度に手が挙がらない理由を、都はどう見ていますか。

○松永商工部長 本事業は、商店街が取り組む買い物弱者対策の事業を都と区市町村が連携して支援するものでございます。
 今年度は、事業の実施に向けて複数の区市町村から都に事前の相談がございましたが、事業を実施する商店街等の事情によりまして、支援の申請までには至りませんでした。

○かち委員 やってみたい、試みたいと思う自治体があったとしても、なかなか一歩を踏み出すことができない、そこに大きな問題があるんじゃないかと思います。都の制度は取り組みの初期段階だけの支援であるため、継続するためには、人件費や燃料代などのランニングコストの捻出が課題になっているんです。
 高崎市の新町商店連盟という協同組合では、加盟店を中心に、四十軒の商店の取扱商品をカタログに掲載し、一万枚のチラシを配布、町会や民生委員、福祉協議会にも協力を要請し、四百五十名の登録会員を確保として、週二回、電話とファクスで注文をとり、宅配する仕組みを既に三年間継続しています。初めの二年間は県と市から、三年目は市から三分の二の補助金があったので続けてこれたと、事務局の方が話してくれました。
 この対策を持続化するためには、運営費や人件費などの持続的な支出をどう賄っていくかということです。初期経費だけでなく、ランニングコストに対しても、一定期間、都が区市町村と協力して支援していくことが必要だと思いますが、どうですか。

○松永商工部長 都は、買い物弱者への支援事業におきまして、商店街の取り組みが円滑に軌道に乗るよう、店舗の借り上げ費など必要な経費を一定の期間、支援することといたしております。

○かち委員 それでもうまく進んでいないんだから、どうしてだろうというふうにぜひ考えていただきたいと思うんですね。モデル事業のときもそうでしたが、一定期間の助成が終了すると、事業が継続できなくなる問題の解決ができることを見通せるようにすることが重要なんです。
 その上で、商店街の販売活動と連携したコミュニティビジネスなどは重要な役割を果たしていると思いますが、今後、どのように支援を拡充していくのですか。

○松永商工部長 都は、買い物弱者への支援事業におきまして、商店街と共同で取り組むNPO等の活動経費につきましても、支援の対象といたしております。

○かち委員 群馬県では、買い物弱者サポート事業という県内の取り組み事例集をつくり、シンポジウムなども開催し、取り組みを促進しています。補助金も、市区、事業者、それぞれ三分の一の負担です。三十二の事例は、移動販売、出店、買い物市、買い物代行、宅配等、さまざまです。実施主体も、社会福祉法人、株式会社、商店街、NPO法人、シルバー人材センター、協同組合等、多彩です。
 全国では、さまざまな形での弱者対策を行っています。どうすれば可能なのか、都が率先してセミナーや経験交流などを行い、機運を醸成していくことが必要だと思いますが、どうですか。

○松永商工部長 都はこれまでも、区市町村との定期的な情報交換会や商店街に対するセミナー、商店街団体との会合等におきまして、買い物弱者対策も含めた商店街の取り組みにつきまして、情報提供や意見交換を実施しておりまして、引き続き、こうした取り組みを行ってまいります。

○かち委員 さまざまな情報交換の一端としてちょこっとやるのではなくて、買い物弱者対策をどうするかということをテーマにして、ぜひやっていただきたいと思います。
 買い物弱者対策は、保健福祉的視点からの課題でもあります。公共交通など、まちづくりの課題でもあります。一五年度の買い物弱者対策における国の関連予算でも、厚生労働省、農林水産省、国土交通省、経済産業省がそれぞれ連携して予算を組んでいます。
 都においても、関係局の共管で取り組むとともに、多角的な視点からの意見交換を行い、買い物弱者対策を都政の重要な課題として、産業労働局として関係局に提案し、この事業を推進していくことを求めておきます。
 最後に、伝統工芸について伺います。
 一般質問で河野議員が行いましたが、補足的に何点かお聞きします。
 国の法律では、二百二十品目の指定がされ、その中で、伝統工芸品の産業振興を図り、国民の生活に豊かさと潤いを与えるとともに、地域経済の発展に寄与し、国民経済の健全な発展に資することを目的としています。伝統工芸品の保存と育成、地域経済の発展のために、都としても一層の支援が求められていると思います。
 東京の市場力を生かすという点で、全国から伝統工芸品の常設展を展開しています。東京銀座では、私も行ってみましたが、全国の十三の県市からのアンテナショップがあります。中央区が出しているアンテナショップガイドがあるんですけれども、この中で、二市十一県が伝統工芸の常設展を持っています。ビルの一角に物販店があるんですが、その一角に、必ずワンフロアに伝統工芸品の常設展が置かれ、販売をしているという状況です。
 東京には数百に及ぶ、もっとあるのかな、伝統工芸品がありますが、少なくとも都が指定している四十品目をそろえた常設展示場の確保が重要だと考えますが、いかがでしょうか。

○松永商工部長 都は、都の関連施設の売店や各種イベント等におきまして、伝統工芸品の展示、販売を行うとともに、伝統工芸品展の開催や展示会への出展支援などによりまして、その普及に努めております。

○かち委員 常設展示場の重要性については言及されませんでしたけれども、全国でこうやって取り組んでいるんですから、このままでは全国からもおくれをとるという危機意識をぜひ持っていただきたいと思います。
 伝統工芸品を重視している自治体では、支援、振興、保存のための条例があります。都内でも、墨田区は三Mという運動、これはミュージアム、マイスター、ミニショップ、こういうことをずっと三十年来、蓄積があるわけですね。
 台東区には区立の伝統工芸館があります。先日、私も行ってまいりましたけれども、入場料無料、年中無休。区は二千五百万円の補助を行っています。四百点近い作品が展示されておりました。それで、月に二回ぐらいずつ、五十人ぐらいの職人さんが--体験をするというコーナーもあり、まさに、三Mと同じですね、ミニショップもあるというような状況が行われています。
 新宿の染の小道、こういう展示会、イベント、こうした取り組みにも区は支援をしています。
 こうした伝統工芸品を位置づけている自治体への取り組みへの支援が必要だと思いますが、どうですか。

○松永商工部長 都は、伝統工芸品産業を初めとする地域の産業集積の維持発展に取り組む区市町村を支援しておりまして、引き続き、着実に実施してまいります。

○かち委員 産業集積活性化事業というのは、自治体の産業活性化計画をつくり、その中で伝統工芸品産業を位置づける必要があるもので、大変大がかりなものなんですね。そういうものではなくて、今、私が紹介したような小規模企業である伝統工芸産業は、持続的、継続的な取り組みが必要であり、そこに対する支援が必要だということなんです。こうした取り組みへ、区市町村と協力して支援することを求めておきます。
 伝統工芸品の作製は、先ほど木内委員もお示ししましたけれども、手仕事、たくみのわざ、こういうものであって、零細な小規模企業がほとんどです。今日のような経済環境の厳しい中で、持続可能にするために、設備の更新や工房の家賃の負担が切実です。東京の伝統工芸産業を継続、発展させるためにも、こうした事業者への直接支援を行う必要があると思いますが、どうですか。

○松永商工部長 都は、伝統工芸品の事業者が、設備の更新等を図りながら持続的に発展していくことができるよう、販路開拓支援や新商品開発の支援に取り組んでおります。

○かち委員 販路開拓の支援も、新製品開発の支援も、回り回って事業者の設備更新につながるというのでは遅いんですね。京都では、少子高齢化で需要も減って、エネルギーの効率化も進み、小型の設備への要望が高まっていることから、助成事業を始めています。都は、やろうと思えばできるはずです。それが伝統工芸産業の振興につながるということを申し上げておきます。
 東京発のクールジャパンは、デザインの力で伝統工芸に新しい息吹を起こそうとする今年度から始まった事業です。海外におけるPRや販路拡大など、都の支援を積極的に拡充していくことが重要だと思いますが、改めて、その重要性について伺います。

○松永商工部長 先ほどもご答弁しましたとおり、都は今年度から、現代の消費者に受け入れられるような伝統工芸品の新商品の開発支援に取り組んでおりまして、来年度は、PRや販路開拓のため、こうして開発した商品を含め、国内外の展示会出展への支援を拡充することといたしております。

○かち委員 都は、伝統工芸の後継者育成について、職人塾を実施していますが、職人塾普通コース、職人塾短期コースは、募集、参加実績はどうでしょうか。

○小金井事業推進担当部長 今年度の職人塾の普通コースは、応募者八十一名に対しまして、実習参加者は定員の四十名となっております。また、事業所見学ツアーと実習をあわせた短期コースは、応募者二十名、見学ツアー参加者十五名、実習参加者一名ということになっております。

○かち委員 職人塾を実施する事業者への支援はどのようになっていますか。また、後継者を育成する上で、どのような課題があると認識していますか。

○小金井事業推進担当部長 職人塾では、実習生を受け入れる受託事業主に対しまして、訓練経費や必要となる消耗品費等につきまして、一人当たり、普通コースで十三万円、短期コースは、その半分を上限に都が負担しております。
 また、課題とのことでございますが、まずは、若者が、伝統工芸も含め、ものづくりへ理解を深めてもらうことが重要であると思いますが、先ほどの議論もございましたが、ビジネスとして成功することも必要ではないかと考えております。

○かち委員 伝統工芸技術の伝承という点からも重要な事業です。こうした取り組みを都がやっているということを、さまざまな機会を通して普及、広報に力を注ぐことを含め、東京の伝統工芸産業が将来にわたって持続的に発展するよう、支援の拡充を求めて、私の質問を終わります。

○島崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時五十九分休憩

   午後三時十五分開議

○島崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○石毛委員 ちょうど午睡のいい時間でございますので、私も協力したいと思います。
 観光振興についてお伺いします。
 政府は、少子高齢化が進む日本において、その対策の一つとして観光立国を目指してまいりました。昨年、二〇一五年の来日客は、前年比四七%増の千九百七十三万人と、過去最高を更新いたしました。こうした大きな成果は、いうまでもなく、国はもちろんですが、東京都の果たした戦略や役割のあらわれといえましょう。日ごろの労と成果に敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 さて、東京都は、今申し上げたように、欧米やアジアでこれまでも観光客の来訪につながるプロモーション活動を行ってまいりました。しかし、アフリカのような地域では、東京どころか日本自体が十分に知られておりません。当然、旅行先としての選択肢に入ることも少ないのが現状です。
 政府の新たな目標は、二〇二〇年までに三千万人を掲げています。裾野を広げるためにも、このような国々にも今後は観光PRを行うことが重要と考えます。
 また、世界のさまざまな国から来訪する旅行者が、東京での観光の中で関心を持ち、期待する内容は、それぞれ異なる場合が大半です。欧米からの観光客は都内の寺社や庭園に興味を示す一方で、アジアの旅行者の関心は買い物を楽しんでいるようでございます。
 例えば、買い物では、中国は十六万円台、ベトナム、香港は七万円台と高く、一方、英国、フランス、イタリア、ドイツなどは二、三万円と大変低いわけでございます。
 一方、宿泊については逆に、欧米の英国、フランス、スペインなどは八万円から九万円台、アジアの韓国、台湾などは二、三万円と違いが見られます。
 海外で東京の観光地としての魅力を宣伝するのであれば、各国の旅行者の考え方を十分に理解し、それに合わせて都内の最新の情報を提供し、PRする姿勢が大切だと考えます。
 都は、来年度に海外での観光プロモーションをどのように展開する考えであるのか伺います。

○坂本観光部長 これまで都は、伝統文化や食のほか自然など東京の多様な魅力について、旅行者の大幅な増加が見込まれる国を対象にプロモーション活動を通じ発信をしてまいりました。
 来年度は、これまでの取り組みに加え、リオ大会の開催に合わせた東京のPRや世界の十二都市の観光レップによるPRの強化を行ってまいります。

○石毛委員 海外旅行者に向けた魅力発信であります。
 私たちが日ごろ当然と思っている光景が、外国人旅行者にとって信じられない、驚きがあるといわれます。例えば、ごみ一つ落ちていないまち角、五分とおくれない電車、そして、真夜中に女性が一人で歩けるほどの治安のよさといったことなど数多く挙げられます。
 また、最近は、浅草や銀座等の有名な観光スポットだけではなく、小岩のBONSAI美術館、湯島のおりがみ会館、田端の忍者道場、皆さんご存じの四谷の消防博物館などといった日本人には意外と思われる場所に多くの外国人が姿を見せています。
 先ほどもお話ししたとおりですが、欧米人に人気の高い寺社仏閣は、アジアからの旅行者にとってそれほど関心の高いものではないなど、東京を訪れる旅行者の関心や興味は国によって異なります。外国人旅行者はこうした観光に関する情報を、旅行体験や現地の観光情報を掲載したツイッターやフェイスブック、ブログ等ウエブを通じて集めていると聞きます。特に、日本人による情報よりも、実際に現地を旅した外国人旅行者が記した情報に共感を持ち、旅行地を選び、参考にしているようです。
 今後、東京の外国人旅行者の誘致を一層進めるためには、画一的に情報を伝えるのでなく、外国人の視点を活用し、旅行者の関心や興味の度合いに応じた情報を提供していくことが重要であると考えます。
 ちなみに、最近出されたこの観光ルート、共同招聘旅行というのが、これは東北でしょうか、青森、岩手、宮城、福島、山形、東北六県ですね、海外での知名度の低い地方を紹介し、同時にそれがまた都内にリピーターとして戻ってくる、こういった企画は大変いいのではないかなと思います。来年は何か中国地方、四国などを計画しているようであります。
 こうした観点から、都は、来年度に外国人旅行者に向けた情報発信をどのように展開する考えであるのか、見解を伺います。

○坂本観光部長 これまで都は、東京の旅行地としてのさまざまな魅力について、ガイドマップの配布や公式観光サイトによる発信により紹介をしてまいりました。
 来年度は、海外からの旅行者の興味や関心を踏まえて、多摩や島しょ地域へ観光に出向くきっかけをつくるため、外国人ブロガーなどによる発信に取り組んでまいります。
 これにより、外国人旅行者の誘致を進めてまいります。

○石毛委員 外国人旅行者の多様な文化、習慣について伺います。
 多くの外国人旅行者が東京を訪れる中、実際の受け入れの場面において、日本との習慣等の違いからさまざまな課題が生じていると聞きます。その一つに、入れ墨の入った方の入浴があります。
 昨年四月から六月の外国人旅行者の消費動向調査で尋ねたところ、日本滞在中にしたいこと三七・三%、次回したいこと四二・四%と、どちらも高い割合で温泉を挙げております。
 特に入れ墨についてですが、海外ではファッションや民族の風習で入れ墨をしている人も多くおり、広く受け入れられております。しかし、日本では入れ墨への捉え方がかなり異なっており、多くの外国人旅行者が入りたいと考えている温泉についても、日本の多くの施設では入れ墨のある人の利用が認められていません。こうした対応は、以前、北海道の温浴施設で問題となったこともあります。
 今後、より多くの外国人旅行者に日本での観光を楽しんでもらうためには、こうした海外の習慣等の本質的な意味を正しく理解し、配慮ある対応をしていくことが必要ではないでしょうか。
 我が党では、昨年第四回定例会において、外国人旅行者の文化や習慣に配慮するため、受け入れ環境の整備に向けた調査を行うべきと提案を行いました。
 都は今後、海外からの観光客の文化や習慣に関する実情を把握するとのことでしたが、来年度、具体的にどのように取り組むのか伺います。

○坂本観光部長 都は来年度、外国人旅行者の食や習慣の実情を把握するための調査を実施いたします。
 具体的には、訪日観光客の多い国などを対象とし、食に関する宗教上の制約などの現状について大学等へのヒアリングを行います。また、生活習慣についての聞き取り調査や空港などでのアンケートを実施いたします。
 こうした調査の結果を踏まえ、外国人旅行者が快適に滞在できる環境の整備を進めてまいります。

○石毛委員 これまで、都の来年度の観光施策についていろいろお聞きしました。
 最後に、東京のブランディング戦略について伺います。
 ここに一枚の写真があります。これはパリで私が購入したものでございます。「La baiser de l'Hotel de Ville, Paris」と、これはロベール・ドアノーという方の市庁舎の前のキス、パリという題名でございます。この一枚は今、二億五千万ぐらいするらしいですね。この写真じゃないですよ。原本でございます。この写真、ちょっと前までは二千五百万、それが今、二億--十倍ぐらいだそうです。
 これは、要するに、パリの市の前のところでキスをする。つまり、都庁の前でキスをしていると、こういう写真でございますよ。この写真は当時、LIFE誌のパリの恋人という企画で発表されたものです。これは偶然に撮られた一枚の写真、ちょっとそう思いませんか。恋のまちパリそのものですという印象ですが、実は、これは演出して撮ったものです。つまり、偶然ではなく、ロマンチックな恋人のまちパリをイメージして、イメージ戦略を立て、それをビジュアル化したものであります。それが功を奏して、旅行者誘致に一層の効果を上げたといわれております。
 都は、二〇二〇年、それ以降も視野に入れて、より多くの旅行者を誘致するためのブランディングに取り組んでいるということですが、パリのような、ほかにはない、東京ならではの魅力をPRし、東京への旅行者を魅了させるようなイメージづくりが必要だと考えます。
 先日、私の知り合い、フランス人とノルウェー人が来まして、幾つだろう、二十五ぐらいかな。ちょっと食事したいといって、あと、時間があって東京タワーに連れていったんですね。東京タワーへ行って、そこで、ヘッドで写真を撮って、その写真をその彼のお父さんに送ったんですよ。そしたらすぐにメールが戻ってきまして、何だ、東京にエッフェル塔があるのかといってびっくりして--その彼は大学修士を出て、高校の校長先生をやった人、決して知識がないような人じゃないんですが、東京タワーを知らないんです。その知らないことに私はもっとびっくりしちゃって、いや、東京タワーもまだ知られていないんだなと。要するに東京を代表するモニュメント、これを知らないと。
 パリやニューヨークなど世界有数の国際観光都市には、その象徴するような人気モニュメントがあります。パリはエッフェル塔、ニューヨークなら自由の女神、それらは多くの旅行者を引きつけております。
 ニューヨークの自由の女神は、アメリカ合衆国独立百年記念としてフランスから贈呈されたものです。大西洋を船で渡ってきた移民にとって灯台でもあった。灯台って、海の灯台ですね。また、自由の女神像は、船上から目にする新天地の象徴ともいえたのではないでしょうか。
 私は、習慣というのはおそろしいもので、こういう自由の女神を見たら、ご利益があるんじゃないかと、こう手を合わせてきて、皆さんはどうかちょっとわかりませんけれども。
 さて、東京タワーはパリのエッフェル塔をまねしたといわれ、日本のオリジナルには欠けますが、歴史は長いと。最近建造されたスカイツリーは、高さは高いけど、認知度はちょっと低いと。それならば、世界的な建築家、丹下健三作の都庁はどうでしょうか。
 東京タワー、十時三十分最終受け付け、十一時終了。先ほどもいったように第一展望へは九百円、その上に特別展望テラスというのがありますが、特別展望までは七百円。合わせて千六百円かかるわけであります。
 スカイツリーは、二十一時最終受け付け、十時終了。天望デッキには二千六十円、その上の天望回廊までは千三十円、合わせて三千九百円かかるんです。
 一方、都庁はどうですか。最後まで、十一時まで入れて、そして無料ときている。恋人のまち東京バイナイト、東京の夜を満喫していただけるのではないでしょうか。
 東京のパンフレット、こういうのありますね、よく東京へ行こうなんて。ここに都庁の写真がこう載る。どうでしょうか。ただ、先ほどのロベール・ドアノーのことでありませんが、アングルが大切です、アングルが。まず京王プラザ側から撮らなきゃだめですね。京王プラザ側から撮ると、私が今いる都庁がまずそこに載っかって、その後ろに第一、第二庁舎が載る、こういう写真でこの東京の魅力を発信する。いいんじゃないかなと私は思うわけであります。
 東京タワー、スカイツリー、都庁の存在を含め、観光都市のイメージをもっと強調していくことが必要ですが、世界の都市との差別化を図っていくための東京の魅力とは何か。そして、その魅力を活用して東京ブランディングにどう取り組んでいくのか。観光という字は、光を観せると書きます。東京をさらに光を放つ世界一の都市へ押し上げていくためにも、タクトを振る局長の見解を伺います。

○山本産業労働局長 東京の魅力とは何かというお尋ねでございましたけれども、昨年三月に公表いたしました東京のブランディング戦略、この中では、東京の観光面でのブランドコンセプトというものを書いておりまして、伝統と革新が交差しながら、常に新しいスタイルを生み出すことで、多様な楽しさを約束するまちであるというふうにしておりまして、これがまさに東京が海外からの旅行者に伝えたい東京の魅力、あるいは価値であるというふうに考えております。
 このようなコンセプトを踏まえまして、東京都は今年度に、ロゴ、キャッチコピーの&TOKYO、これを発表いたしまして、キャンペーンやイベントなどによる活動を、民間の力もかりながら行って、東京ブランドの浸透と定着を進めているところでございます。
 今後、二〇二〇年大会の開催とその先を見据えまして、海外から都内を訪れる旅行者をふやす上で、東京の観光面でのブランドイメージを、まず国内で確実に共有をし、そして、海外に効果的に発信をする、こういう取り組みに力を入れていくことが必要であるというふうに考えております。
 引き続き、東京ブランディング戦略の考え方に沿いまして、旅行地としての東京の魅力を効果的に発信していきたいと考えております。

○三宅(正)委員 私は、多摩・島しょ地域の観光振興について伺います。
 海外から東京を訪れる外国人旅行者が、多摩や島しょの観光に出向く流れをつくり出す必要性については、今回の本会議で再三にわたり議論が行われています。
 多摩や島しょは、豊かな自然だけではなく、長い歴史を持つ名勝や建造物に恵まれ、特色のある美術館などもさまざまな地域にあるだけに、観光地として見どころは尽きないものと感じています。こうした数多くの観光スポットを、エリアとしてはかなり広い多摩と島しょを限られた時間の中でめぐることには工夫が必要だと思います。
 そうした視点から、これまで我が党は、多摩・島しょの観光について移動手段の重要性を強調し、来年度にモニターツアーを実施するとの取り組み内容などが明らかになっています。多摩と島しょでは地理的な条件なども異なるわけですから、観光面での交通手段の充実の進め方も、それぞれの特徴を十分に考えて対応することが大切であると思います。
 このような視点に立って、来年度には、多摩・島しょ地域の観光振興について交通手段の充実の面で具体的にどのように進めていく考えであるか、所見を伺います。

○坂本観光部長 都は来年度に、地元の自治体や観光協会などと協力し、交通機関を活用したモニターツアーを多摩・島しょ地域で計四回実施いたします。その際、観光ルートをつくる事業者向けのツアーとルートをめぐる旅行者向けのツアー、この二種類を実施することとしております。
 多摩地域の場合には、鉄道を起点として、バスやタクシーなどを使って自治体の区域を超えて存在する多くの観光スポットをめぐるルートを作成し、モニターからの意見を参考にして、実際のツアーをつくり上げる取り組みに生かしてまいります。島しょ地域では、空港や港湾を起点といたしまして島内の観光を最も満足のいく形でめぐることのできるコースを検証いたします。
 また、多摩・島しょ地域の観光での電動アシスト自転車の活用を図るため、その購入費用の三分の二を百万円を上限に自治体に対して助成を行ってまいります。特に、バスなどによる移動が難しいエリアなどで自転車を用いた観光が効果を上げることができる方法を検証いたしまして、その導入の実現を図ることとしております。
 こうした取り組みによりまして、多摩・島しょ地域の観光振興を着実に進めてまいります。

○三宅(正)委員 多摩・島しょを含め、東京を訪れる外国人旅行者の数は急速に伸びていますが、そうした観光客に日本の各地の魅力を伝えて、都内のさまざまなスポットをめぐった後に、他の道府県も訪問する流れをつくり出すことも重要と考えます。
 都では、各地の自治体と協力して実際にそうした取り組みに乗り出しているわけですが、まずは、日本の各地のすぐれた観光スポットなどを海外の旅行者にきちんと伝えていくことが最初の重要な取り組みになると思います。特に、東京や日本の多様なエリアを旅行先として選んでもらうためには、それぞれの魅力をわかりやすい方法で伝える工夫を行うとともに、そうした情報が海外にきちんと届くための手法も十分に検討することが必要です。
 東京や日本各地の観光情報をわかりやすく発信するには、目で見てすぐに理解できるビジュアルの面からの対応も効果が高いと考えます。また、海外向けのPRを工夫するのであれば、国内で暮らす外国人の読み物や新聞などに広告を載せ、口コミで海外に正確な内容を伝えていく方法もあるかと思います。
 こうした考え方に立ち、都として新年度はどのような取り組みを進めていくのか伺います。

○坂本観光部長 都は今年度から、東北地域と連携して海外メディアを招聘し、都内と東北を結ぶ観光ルートのモニターツアーを実施し、その内容をウエブサイトなどを通じてPRを行ってまいりました。
 来年度でございますが、PRの方法のレベルを高めるため、東京と東北の景色などを、新しい映像の手法である三百六十度動画にいたしまして、ウエブ上に掲載して発信を行います。
 また、海外からの旅行者のほか、東北へのルートをより効果的に伝えていくため、羽田や成田の空港や国際線機内誌でPRを実施いたします。
 また、国内に住む外国人に東北のルートを紹介し、その内容が海外にも正確に伝わりやすい仕組みづくりに向け、国内の英字新聞やそのウエブサイトにPR記事などを掲載することで、東京と東北地域の魅力を広く発信してまいります。
 これらの取り組みにより、東京と日本各地が協力した旅行者の誘致の効果を高めてまいります。

○三宅(正)委員 東京と日本各地とが協力して海外からの旅行者をふやす努力が続いていますが、そうした取り組みはMICE誘致の中でもしっかりと進めていくことが大切であると考えます。
 例えば、海外企業がよく行っている社員向けの報奨旅行において、都内の有名な観光スポットに加えて、日本各地の観光地も訪問できる仕組みをしっかりとつくり上げれば、MICE誘致を効果的に進めることができるように感じています。
 実際に、都外の規模の大きい都市であれば、江戸時代の名残のある伝統的な観光スポットなどもあり、そうした場所を外国人が訪問することは、東京と日本の魅力を同時に深く理解できるまたとない機会となるはずです。
 MICEの誘致を地方との連携により推進し、その効果を日本各地に広げていく中で、都としては、来年度は具体的にどのような取り組みを行うのか伺います。

○坂本観光部長 都は来年度より、外国人旅行者から人気の高い京都市、札幌市、福岡市、石川県の四つの団体と連携いたしまして、海外企業が行う報奨旅行の誘致に向けまして、それぞれの魅力を生かした効果的なプロモーション活動を展開してまいります。
 また、東京での国際会議の開催の時期に合わせ、参加者が会議の後に各地を訪れることができるよう、四つの団体のエリアで魅力のある観光地をめぐるモデルコースを造成いたします。
 こうした取り組みによりまして、東京と日本各地の多様な魅力を発信し、MICE開催の効果を高めてまいります。

○三宅(正)委員 都市間の連携も重要ですので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、水産業の振興について伺います。
 伊豆諸島の海域では、かつてはタカベやカツオを初めとするさまざまな種類の魚が水揚げされていましたが、近年はこれらの魚の不漁により、キンメダイに漁獲が集中し、この海域における魚類生産額の約五割にも達しています。
 ところが、このキンメダイさえも最近では漁獲が不安定になりつつあり、島の漁業者からは資源の減少を危惧する声が多く上がっています。このままキンメダイまでも漁獲量が減少することになれば、水産業を基幹産業とする島々は大きな打撃を受けることになります。
 貴重なキンメダイ資源を守り、漁業者が安定した経営を続けられるよう、都はその管理を効果的に行うために必要な調査を進めるとともに、キンメダイ以外の新たな水産資源の利用にも取り組む必要があると考えますが、所見を伺います。

○寺崎農林水産部長 都はこれまで、キンメダイの資源を守るため、国や近隣県と連携し、産卵場や産卵時期、資源状態等を把握するとともに、その情報を漁業者などで構成する協議会に提供し、操業時間や使用する漁具を制限するなど、資源管理の取り組みを推進してまいりました。
 これに加えまして、来年度からは、最先端機器を活用してキンメダイの行動周期の把握や回遊経路の解明を行うほか、水温などの海洋環境の変化が繁殖に与える影響を把握するため、卵のふ化、飼育試験を行うなど、より詳細な生態調査を実施いたします。
 これにより、漁業経営への負担に配慮した効果的な禁漁区域の設定を行うなど、新たな資源管理方策の導入を検討してまいります。
 また、キンメダイ以外の魚種の利用拡大に向けましては、漁業調査指導船による新たな漁場開拓のための試験操業や海底地形調査等を行いますとともに、魚種ごとの特性に応じた出荷形態や保存方法についての試験を実施いたします。
 これらの取り組みによりまして、キンメダイの資源の維持と新たな魚種の利用拡大に取り組み、漁業者の安定的な経営の実現を支援してまいります。

○三宅(正)委員 漁業者の生活を守りながら水産資源を枯渇させない取り組みは、資源のある今、取り組まなければなりません。新たな魚種、漁場の開拓とともに、困難な問題ではありますが、漁業者の皆さんと十分連携して迅速な対応をお願いします。
 一方で、サバやムロアジなど資源は豊富にあるものの、輸送時間や輸送コストとの関係から十分に利用できていない魚種もあります。こうした低未利用魚をいかに活用するかも大きな課題です。
 例えば、八丈島のムロアジは伊豆諸島の伝統的な加工品であるくさやなどに多く利用されていましたが、年々、くさや等の需要が減少しているため、最近では、加工業者ではなく、漁業協同組合の女性部の方々がムロアジをすり身に加工することで付加価値をつけ、島内のみならず島外の小中学校の学校給食などに提供しています。
 それと同時に、島の自然や暮らし、漁業、魚の調理方法などを子供たちに伝える出前授業も行っています。
 こうした取り組みは、食育の観点からも重要な役割を担うとともに、漁業者の収益アップや島内での新たな雇用創出、ひいては島や東京産の魚のPRにもつながるなど、さまざまな効果が期待できます。
 都は、こうした低未利用魚を活用した加工、流通面での取り組み支援を行っておりますが、より多くの島で利用を促進させていくことが必要と考えます。今後の都の取り組みについて伺います。

○寺崎農林水産部長 都では、ご指摘のような低未利用魚の一層の利用を進めるため、平成二十五年度から水産物加工・流通促進対策事業を開始し、水産加工団体等が新商品の開発や消費拡大による経営力強化を図るために、食品加工や販路拡大などの専門家を活用する経費の支援を行っております。
 これまでに、大島と八丈島の漁業協同組合がこの事業を活用した専門家の助言や指導により、新商品開発や学校給食での活用、直売所での販売促進などに取り組んでおります。大島の漁業協同組合では、支援開始から二年目の加工品の売り上げが、支援開始前の約三倍に伸びるなど、経営力強化に大きな効果がございました。
 来年度は、町や村と連携し、くさやを用いた新たな商品開発を行う八丈島水産加工業協同組合と、村から直売所の運営を引き継ぐ神津島漁業協同組合に対する支援を新たに開始いたします。
 今後はこれまでの成功事例を広く各島に紹介いたしますとともに、島のそれぞれの実情に合ったきめ細かな指導を行うことで、低未利用魚の活用を一層推進し、漁業者の経営力向上につなげてまいります。

○三宅(正)委員 地域に応じたきめの細かい対応により、加工、流通の取り組みの活性化、生産力の向上を支援していただきたいと思います。
 また、水産業の振興を図る上で、担い手の確保は避けて通れない問題です。島の漁業者の減少は進行しており、高齢化や担い手不足は引き続き深刻な課題となっています。一方で、全く漁業と縁のない島外の方が漁業に関心を持ち、小笠原や三宅島などでは漁業者として独立することを目指して頑張っています。
 しかし、こうした方々も漁業者としてひとり立ちできるまでには五年、十年の年月が必要ともいわれています。また、こうした期間を経て、ようやく独立する際には、漁船や漁具をみずから準備しなければならず、一千万円を超える初期投資が必要となることもあるそうです。
 このように、意欲はあっても実際に就業にたどり着くまでには高いハードルがあります。新規に就業した人が独立するまで都としても支援策を講ずべきと考えますが、今後の都の取り組みについて伺います。

○寺崎農林水産部長 都では、水産業の担い手の確保、育成に向けて、漁業団体が就業希望者に対して実施する漁業体験研修にかかわる経費を支援いたしますとともに、就業者が船舶操縦免許や無線通信免許などを取得する際の費用についても支援しております。
 さらに、就業者が独立する際には、漁船や漁具を初めとする多くの機材が必要になりますことから、無利子融資を行いますとともに、来年度からは新たに、独立後の経営の安定化に向け、漁船や漁具等を借り受けた場合、そのリース料の四分の三を最長三年間補助いたします。
 こうした取り組みによりまして、就業にかかわるコスト負担の軽減を図るなど、漁業への定着を促進してまいります。

○三宅(正)委員 この担い手の育成は一朝一夕にできるものではありません。長期的な視点に立った支援が不可欠ですので、しっかりと対応していただくよう要望いたします。
 次に、東京の農林水産物の魅力発信について伺います。
 東京では消費者の身近なところで、新鮮で安全・安心な農林水産物が生産されています。例えば私の地元では、アシタバやパッションフルーツ、キンメダイなど、全国にも引けをとらないすばらしい食材を提供することができます。
 こうした農産物を、二〇二〇年東京大会を四年後に控え、世界的な日本食ブームが巻き起こっている今、国内外の多くの人に味わってもらうチャンスが到来しております。
 このチャンスを生かして、東京の農林水産物の魅力を発信するには、東京味わいフェスタのような、多くの人が実際にそのおいしさを味わえる取り組みが大変効果的だと考えますが、都の見解を伺います。

○武田安全安心・地産地消推進担当部長 都はこれまで、東京で生産されているさまざまな農林水産物を、東京農業フェアや東京都農業祭などで販売することにより、都民にアピールしてまいりました。
 これに加えまして、一昨年秋から、東京の農林水産物を実際に味わうことができる東京味わいフェスタを丸の内などで開催し、先月には臨海副都心でも初めて開催いたしました。
 このフェスタでは、トウキョウXやキンメダイなどを使った有名シェフの料理をキッチンカーなどで提供するとともに、野菜や果物のほか、焼酎やくさやなど東京の特産品も販売いたしました。
 秋と冬の開催で、二十八カ国の各国大使等を初め、国内外から約三十万人が来場し、アンケートでは、東京にこれだけの農林水産物があることを初めて知った、東京のPRにもなるなどの声も寄せられており、東京の農林水産物のPRに大きな成果を上げることができたと考えております。
 今後とも、こうしたイベントなどによる東京の農林水産物のPRを強化し、その魅力を広く国内外に発信してまいります。

○三宅(正)委員 多くの人々が実際に味わえるイベントは、東京の農林水産物とその味を知ってもらえるよい機会になります。ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 こうしたイベントをきっかけにして、東京の農林水産物に興味、関心を持った都民や東京を訪れた国内外からの観光客が、イベント期間中に限らず、都内産の食材を味わえるように情報提供することもPRの大切なポイントです。
 都では、都内産食材を使用した料理を提供する飲食店等を登録し、ガイドブックで都民に紹介しています。このガイドブックを利用して、多くのお客様が飲食店に足を運び、都内産食材をさまざまな料理で楽しんでいただけるよう、一層工夫することが必要だと思います。
 そこで、都は、こうしたガイドブックの充実を図ることによって、さらなる東京の農林水産物のPRを促進すべきと考えますが、所見を伺います。

○武田安全安心・地産地消推進担当部長 都は、都民が都内産食材を味わい、そのよさを知ってもらうため、PR冊子、とうきょう特産食材使用店ガイドを発行し、広く区市町村や観光協会などに配布するとともに、その利用を促進するため、今年度は飲食店をめぐるスタンプラリーを実施いたしました。
 来年度は、ガイドブックの一層の充実を図るため、各店舗の案内図を加えるとともに、さまざまな食材について、それを味わうことのできる店舗を探せるよう、わかりやすく掲載いたします。さらに、海外から訪れる観光客向けに多言語化の検討も進めます。また、飲食店と生産者とのマッチングイベントを引き続き開催し、登録店の拡大を図ってまいります。
 こうした取り組みを推進し、都内産食材の一層のPRに努めてまいります。

○三宅(正)委員 東京の農林水産物の魅力を発信するには、こうしたガイドブックの発行や、先ほどの味わいフェスタのようなイベントの開催に加えて、都民などが東京の農林水産物に関するさまざまな情報をいつでも手軽に得られるウエブサイトなど、インターネットを活用したPRも必要であると思います。
 ウエブサイトでの情報発信では、掲載情報を陳腐化させることなく、見る人の注目を集め続けることが必要です。そのためには、単に紹介するだけでなく、東京の農林水産物の多彩さや、これを生み出す多摩や島の豊かな自然など、消費者である都民はもちろん、これから東京を訪れる国内外の観光客の心をつかむような観光の視点を生かしたPRが必要だと考えますが、来年度からの取り組み内容について伺います。

○武田安全安心・地産地消推進担当部長 都は、都内産農林水産物の魅力をわかりやすくきめ細かに発進するため、来年度から、これまで別々に運営してきた農業、林業、水産の三つのウエブサイトを統合し、農林水産物に関する情報を総合的に提供するウエブサイトを新たに構築いたします。
 具体的には、食べる、買う、遊ぶなどのカテゴリーを設定し、食べるでは、とうきょう特産食材使用店や東京島じまん食材使用店などの店舗情報を紹介するほか、買うでは、直売所やトウキョウXなどの取扱店情報、遊ぶでは、観光農園や釣り場スポット、トレッキングルートなどを紹介するなど、消費者や観光客の目線で東京の農林水産物が持つおいしさや農林水産業のもととなる東京の自然の豊かさを発信いたします。
 さらに、これらの情報を外国語でも同時に提供し、海外からの観光客にも積極的に発信してまいります。

○三宅(正)委員 東京の農林水産物のおいしさや、多摩や島の自然の豊かさなど、東京を訪れる国内外の観光客の興味、関心を引きつけるような内容にしていただきたいと思います。
 こうしたPRとともに、農林水産業の基本である、大都市東京の中でさまざまな工夫をしながら農林水産業を営んでいる生産者の努力に光を当てられるような情報提供も必要ではないでしょうか。生産者にも励みになるとともに、都市と共存しながら、大消費地に近接するメリットを生かして頑張っている東京の農林水産業の姿を発信することで、産業としての魅力も高め、東京で農林水産業に携わろうという新たな担い手の確保にもつなげることができると思いますが、見解を伺います。

○武田安全安心・地産地消推進担当部長 都が新たに立ち上げるウエブサイトでは、先ほど申し上げた東京の農林水産物のおいしさや自然の豊かさに加えまして、新鮮な食材の生産に取り組む人々にもスポットを当てて発信することとしております。
 具体的には、新たな販路開拓やブランド化などに取り組む意欲ある生産者を取り上げ、その取り組み内容や成果、苦労した点などを広く発信いたします。
 また、みずから東京で農林水産業に携わることに関心がある都民などに対しまして、作業体験やボランティアなどの情報を発信し、生産者と一緒に東京の農林水産業の現場を体感できる機会を提供いたします。
 こうした情報発信によりまして生産者の意欲を高めるとともに、産業としての農林水産業の魅力を強くPRして、頑張る生産者の姿に関心を持つ都民などをふやし、その中から東京の農林水産業を支える新たな担い手が生まれることを期待しております。

○三宅(正)委員 このウエブサイトは、東京の農林水産物の魅力を発信するばかりではなく、生産者と消費者を結びつける機能を果たす一つのツールにもなると思いますので、ぜひともしっかりと構築していただき、東京の農林水産物や農林水産業の魅力を積極的に発信していただくようお願いして、質問を終わります。

○小林委員 初めに、障害者雇用についてお伺いをします。
 障害者雇用については、都内の民間企業における実雇用率は、少しずつではありますが伸びてきておりまして、着実に雇用の拡大が進んでおります。また、舛添知事のリーダーシップによりまして、来年度は、障害者の正規雇用や無期雇用の推進が打ち出されるなど、質の向上に向けても企業の取り組みが進むことが期待をされております。
 さまざまな支援策が打ち出される中で、その効果を上げるために最も大切なことは、障害者を受け入れる企業の現場において、真に障害者への理解が進み、適切な支援を行っていこうという機運が高まっていくことだというふうに思います。
 都は来年度、障害者の職場への定着や処遇改善を図るため、職場内ジョブコーチの養成を実施するとしておりますが、職場内ジョブコーチを育成することの意義及びその具体的な仕組みについてお伺いをいたします。

○貫井就業施策担当部長 都はこれまで、障害者の職場定着に向けて、障害者が行う業務内容や雇用環境整備を助言する専門家を東京ジョブコーチとして企業に派遣してまいりました。
 来年度は、企業現場での障害者に対する理解促進や定着に向けた企業の主体的な取り組みを一層進めるために、職場において障害者の身近な存在である同僚等を職場内ジョブコーチとして養成する事業を開始いたします。
 養成に当たっては、障害特性や支援に関する知識を習得する合計十二時間程度の養成講座を年十二回、合計三百人規模で開催し、講座修了者を職場内ジョブコーチとして登録していただきます。
 さらに、職場内ジョブコーチが障害者を六カ月間支援するなどした場合に、企業に最大二十四万円の奨励金を支給し、この制度の普及を促してまいります。

○小林委員 今ご答弁にありました本事業により、障害者を受け入れる職場の理解が進み、障害者が活躍できる環境が整備されることが期待されますが、一方で、職場の同僚が養成講座を受けて支援を行っていくためには、さまざまな課題もあるかと思います。
 障害者への有意義な支援に結びつくよう、職場内ジョブコーチに対し、養成講座終了後も引き続き支援を行うことが必要であると思いますが、見解をお伺いいたします。

○貫井就業施策担当部長 養成された職場内ジョブコーチが効果的に障害者を支援することができるよう、障害者雇用の知識、経験を有する職場内ジョブコーチ支援員が、六カ月間にわたり月一回程度事業所を訪問し、障害者支援にかかわる悩みや相談に対応し、必要な助言を行います。
 さらに、障害者支援の好事例紹介やグループワーク、意見交換等を組み込んだ四時間程度のフォローアップ研修を開催いたします。研修に参加することで、職場内ジョブコーチの支援活動において生じる共通の課題の解決や、企業を超えたネットワークづくりに活用していただきます。
 このような取り組みにより、職場内ジョブコーチが安心して障害者への支援に取り組めるようサポートを行ってまいります。

○小林委員 ありがとうございます。企業現場において、障害者を支援する中核人材を育成し、職場での理解や支援を促進することは、真のノーマライゼーションにつながる重要なものと考えております。養成するだけではなく、職場内ジョブコーチへの手厚いフォローアップを盛り込んだ事業とする旨の今ご答弁もありましたので、実効性のあるものとなるよう、しっかりと進めていただきますようお願いをいたします。
 また、障害者雇用を促進するためには、定着支援とともに、求職者の就業支援も重要になってまいります。
 近年は、特に精神障害者の就業意欲が高まっており、平成二十六年度に初めて、精神障害者の新規求職件数が身体障害者の件数を上回りました。平成三十年度からは法定雇用率の算定基礎に精神障害者が追加されることもあり、今後も増加が見込まれます。
 一方で、能力などのミスマッチにより就業に至らない方も多く、こうした障害者に対して職業訓練が果たす役割は大きく、それぞれの状況に応じてきめ細かな支援を行うことが必要であるというふうに思います。
 都においては、精神障害者など就業が困難な障害者に対する職業訓練を充実させていくこと、これを推進していくべきというふうに思いますが、来年度の取り組みについてお伺いをいたします。

○小金井事業推進担当部長 都では、東京障害者職業能力開発校等におきまして、障害者を対象として、就職に必要な知識や技能を基礎から習得することができる職業訓練を定員三百二十名で実施しております。
 また、居住する身近な地域で訓練を受けられるよう、民間の教育訓練機関や事業所等への委託による三カ月程度の訓練を実施し、障害者の状況に応じた多様な訓練機会を提供しております。
 その中で、今お話にありました精神、発達障害者向けには、東京障害者職業能力開発校に平成二十五年度より職域開発科を設置し、ビジネスマナーなど社会生活スキルの訓練に加え、事務作業や物流作業が選択できる個別カリキュラムにより、個々の障害の状況に合わせたきめ細やかな支援を行い、昨年度は八割の生徒を就職に結びつけました。
 平成二十八年度につきましては、職域開発科の定員を二十名から四十名にふやすとともに、入校機会を年二回から四回に拡充することにより、今後高まることが予想されます職業訓練ニーズに対応してまいります。

○小林委員 この職域開発科は、我が党が繰り返し質疑等でも取り上げて要望をさせていただいたものでございまして、精神障害や発達障害を持つ多くの方が就業を実現しているとの今お話がございました。来年度、さらにこの事業を充実させていくとのご答弁もいただきましたので、より多くの方が就業できるよう、しっかりと推進をしていただきたいというふうに思います。
 次に、仕事と介護の両立支援についてお伺いをいたします。
 団塊の世代が六十代後半となり、今後、介護を必要とする高齢者が大幅に増加することが見込まれる中、働いている方々が親族の介護に直面して仕事をやめざるを得なくなる、いわゆる介護離職がより一層深刻な問題になるものと考えております。
 私も日常的な区民相談をいただく中で、この仕事と介護の両立、さまざまな形でご相談をいただいておるところでございますけれども、我が党は、従業員の方々が介護に直面しても安心して働き続けることができるように、仕事と介護の両立に関して、都議会で再三にわたって質疑を重ね、都に対して対策を求めてまいりましたが、仕事と介護の両立に関して、企業の理解を広め、具体的な方策などの情報を提供するために行ってきた都の今年度の取り組みについて確認をさせていただきます。

○矢田部雇用就業部長 都は今年度、介護離職の防止をテーマに、企業の経営者や人事労務担当者などを対象にした仕事と介護の両立推進シンポジウムを初めて開催し、四百名を超す来場者がありました。
 参加者からは、働きやすい職場づくりや仕事と介護の両立に取り組みたいとの回答が九割を超えるなど、関心の高さがうかがえました。
 また、シンポジウムとあわせて、社会保険労務士など専門家による相談会も開催いたしました。
 さらに、在宅介護などの各種制度や参考となる取り組み事例など、仕事と介護の両立を進める上で役立つ情報をわかりやすく紹介するため、外部の専門家も交えて検討を重ねてきたところであり、今月中には仕事と介護の両立支援サイトを開設いたします。

○小林委員 この初めての開催となるシンポジウムに四百名を超す来場者があったということでございますけれども、企業が従業員の介護離職に直面したり、そのリスクを深刻に受けとめていることのあらわれでもありますし、また、何らかの、やはり支援をお願いしたいというような、そういった関心が高いあらわれではないかというふうにも思います。
 今年度開始した事業をしっかりと定着させて、多くの企業や都民に仕事と介護について必要な情報を提供するとともに、具体的なアドバイスの機会をふやすことも今後非常に重要になってくると思います。
 今ご答弁のございました今年度の成果も踏まえて、来年度、さらなる広がりを持たせていくべきと思いますけれども、来年度の事業展開についてお伺いいたします。

○矢田部雇用就業部長 今年度、シンポジウムとあわせて開催した相談会では、介護休業制度などの規定の整備や、社内の理解や風土の醸成、さらには社員の親が急に倒れた場合、その後どうしたらいいかなど、企業からの相談が寄せられました。
 そこで、来年度は、個々の企業が抱える問題にもきめ細かく対応するために、仕事と介護の両立に関する相談会を年間四回に拡充して実施し、そのうち一回は、忙しい経営者の方が気軽に相談できるように電話により対応するなど、中小企業の実情にも配慮いたします。
 また、今年度開設する仕事と介護の両立支援サイトを広くPRすることにより、企業担当者や従業員に対する情報提供を強化してまいります。

○小林委員 相談の機会を拡充するとともに、仕事と介護の両立支援サイトも開設をし、インターネットによる情報提供も充実させるとのことでございますので、我が党の提言を受けまして介護離職防止に向けた取り組みを推進するため、事業をよりよく進化させていただいていること、これは大変我々も高く評価をしておるところでございます。
 従業員の仕事と介護の両立支援に関して、企業が具体的な対策を講じていくためには、情報提供や助言に加えて、一歩踏み出すためのきっかけをつくることも重要であると思います。
 今後、仕事と介護の両立に取り組もうとする企業に対する支援は不可欠になってくると思いますが、来年度、都の支援策について伺います。

○矢田部雇用就業部長 介護を初めとする生活と仕事の両立推進等に関して、企業の具体的な取り組みを促すため、雇用環境整備推進奨励金を新たに創設いたします。
 具体的には、相談窓口などの社内体制の整備や、介護休暇など法を上回る水準の制度の整備を奨励する仕事と介護の両立推進コースや、また、育児との両立推進等のコースを設定し、最大で百万円を奨励金として支給し、企業の具体的な取り組みを後押ししてまいります。
 こうした取り組みを通じて、働く方々が介護に直面しても働き続けることができる職場環境の実現を目指してまいります。

○小林委員 高齢化が急速に進む中、仕事と介護の両立は今後ますます重要な課題になってくると思いますので、突然の介護に直面しても安心して仕事を続けられる職場づくりに向け、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次に、東京都食育推進計画についてお伺いします。
 食育は、さまざまな経験を通じて、食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人を育てる取り組みであるというふうに思います。
 以前は、家族が一緒に食事をする中で、箸の持ち方や食べ方の作法、何でも好き嫌いなく食べなければいけないとか、食べるということについていろいろなことを教えられましたが、最近は家族が一緒に食事をすることが減り、これまで普通に身につけていた食に関するさまざまな知識が子供たちに伝わりにくくなっている現状というものがあるのではないかと思います。
 その結果、未成年でも不規則な食生活や栄養の偏りが原因で生活習慣病になったり、家庭や地域で伝わっていた料理やその食べ方が受け継がれなくなったりといったさまざまな問題が起こっております。
 こうした中、国が食育を国民運動として取り組むために、平成十七年六月に食育基本法を制定したことを受け、都においても、平成十八年に東京都食育推進計画が策定をされました。
 今回、この計画の改定が行われたわけでございますが、その後の食を取り巻く環境変化に対応して行うものとのことですが、まずはこの計画改定の概要についてお伺いします。

○寺崎農林水産部長 近年、食を取り巻く環境が大きく変化していることを踏まえまして、今回の計画では、まず、東京の食をめぐる三つの課題を掲げた上で、今後の対応の方向性やその効果検証の目安となる指標目標等を取りまとめました。
 まず、課題といたしましては、一つ目として、都民のライフスタイルの変化により、家庭において食を学ぶ機能が低下していること、二つ目として、外食やスーパー、コンビニエンスストアの弁当等を家で食べる、いわゆる中食など、食の外部化の進展により、都内産食材への意識が薄まるなど、消費と生産現場との乖離が広がっていること、そして三つ目として、食に対する理解不足を原因として、食習慣の乱れや栄養の偏りが見られることを挙げております。
 これらの課題に対応するための取り組みの方向性といたしまして、生涯にわたり健全な食生活を実践するための世代に応じた食育の推進や、生産者との交流体験等ができる仕組みづくりと食材への理解を深める取り組み、そして、食育推進に必要な人材育成と食育の実践に必要な情報発信という三つを定め、それぞれの具体的な施策を展開することといたしました。
 加えまして、これらの取り組みにつきまして、五年後を目途とした指標目標を設定し、その成果や達成度を把握、検証してまいります。

○小林委員 今ご答弁もございましたけれども、私も東京の食をめぐる環境は大きく変化しているというふうに感じております。例えば、超高齢化社会の到来により、ひとり暮らしの高齢者もふえており、孤食や低栄養などの問題が生じております。
 また、家庭内で調理する食事が減る一方で、外食や手軽な調理済みの加工品の普及拡大によって、食材の本来の形を知らないまま大人になる子供たちが増加するといったことも危惧されております。
 こうした結果、都内で生産されているさまざまな農林水産物を都民が意識する機会がなくなってきているのが実情ではないかと思います。
 今回の計画の見直しは、こうした環境変化も踏まえた上で行っていると思いますが、今回の計画における新たな見直しのポイントについてお伺いをいたします。

○寺崎農林水産部長 今回の計画改定では、食をめぐる新たな課題にも対応していくため、二つの新しい視点を加えることといたしました。
 まず一つ目は、高齢化の急速な進展を踏まえ、これまで食育をより効果的に推進するために設定しておりました乳幼児、児童生徒、青年・成人といったライフステージに、新たに高齢者を加え、四つのステージに細分化したことでございます。その上で、高齢者に対しては、孤食や栄養の偏りを避けるため、地域を通じた取り組みを支援することといたしました。
 二つ目は、食を理解する交流や体験ができる仕組みづくりや、地産地消のさらなる拡大を図りますとともに、二〇二〇年大会の開催に向けまして、東京の食材が持つ魅力についての都民の理解を深めるための取り組みを行っていくこととしたことでございます。
 これらの新たな視点に立った取り組みを通じて、東京の食育を一層着実に、かつ効果的に進めてまいります。

○小林委員 いうまでもありませんが、東京における食育の推進は、東京都だけではなく、区市町村や関係する民間団体などが一丸となって取り組んでいかなければ、実効性のある食育推進は困難ではないかと思います。
 今回の計画改定も踏まえて、実効性ある食育推進に向けた今後の都の取り組みについてお伺いいたします。

○寺崎農林水産部長 これまで都では、区市町村や学校給食会など食育関係団体の代表で構成する東京都食育推進協議会を設置し、各団体での食育の取り組みに関する情報交換や都の施策への意見聴取などを行いますとともに、関係各局がそれぞれの分野の垣根を超えて連携し、東京都食育フェアの開催や学校への出前授業などさまざまな取り組みを進めてまいりました。
 来年度からは、食の外部化の進行や食品ロスなど食をめぐる課題などに対応するため、東京都食育推進協議会に新たに外食産業やチェーンストアの関係者などを構成員に加えることにより体制を強化し、それぞれの専門的視点を都の食育推進施策等へ反映させてまいります。
 また、民間の食育関係団体等が行う体験学習や食育講座、小学校への出前授業などさまざまな食育活動を支援する事業を充実いたします。
 こうした取り組みによりまして、東京都の食育を総合的に推進してまいります。

○小林委員 ありがとうございます。今ご答弁の中にもありましたが、例えば食品ロスの問題などは、私も以前、環境・建設委員会の質疑でも取り上げましたが、これは国民運動として取り組んでいかなければならない重要な食育の課題であるというふうに思っております。
 食べられるものが大量に廃棄されているという実態は、やはり世界一の都市東京を目指していく上でも、決して看過できない問題でありますので、直接的にはこれは環境局の所管になるかと思いますけれども、ぜひ、この食育推進の中で、東京が先導的な役割を果たしていただきたいというふうに思います。
 さらに、今後の食育推進の中でぜひ念頭に置いていただきたいのが、被災地の食というものであります。いうまでもなく、原発事故の影響で福島産の食材への不安が増大し、いまだ風評被害に苦しんでいる実態があります。
 食育推進計画の中でも掲載されておりましたが、平成二十五年度の都政モニターアンケートにおける、食品の安全性をより確保するために東京都が取り組むべきことという問いに対して、食品中の放射性物質対策との回答が三〇・二%でございました。
 都議会公明党として、私も、東日本大震災発災後、毎年、福島を訪れまして、復興状況の調査を行ってまいりましたが、米の全袋検査を初め、福島の方々が食の信頼回復に向け必死の努力を積み重ねておられる現場も拝見をいたしました。食の安全がどのように担保されているのか、正しい情報をもとに、被災地の食に対する理解を深めていくことも大事な食育の取り組みではないかと思います。
 既に、産業労働局の皆様方には、さまざまな形でこの風評被害に対しての払拭、ご尽力をいただいておるところでございますけれども、改めて、この食育という点においても、こうした視点もぜひ忘れずに推進に取り組んでいただきますよう要望いたしまして、質問を終わります。

○尾崎委員 最初に、雇用について質問します。
 長期ビジョンで、非正規雇用を三年間で一万五千人の正規化をすることを目標として、今年度から非正規雇用対策に力を入れています。今年度の正規雇用化の各事業の予算の規模は五千人で、約二十五億円が組まれています。
 その中でも八億二千万円の予算で千五百人の規模で取り組んできた東京都正規雇用転換促進助成金の正規雇用化の実績について、どう認識しているか伺います。

○矢田部雇用就業部長 申請件数は順調に増加しており、想定した規模を上回るものと見込んでおります。

○尾崎委員 東京都正規雇用転換促進助成金の実績は、いただいた資料によると、一月末で申請が五千二百八十五人、決定は千六百十二人となっています。正規雇用化の事業メニューはそのほかにも、若者応援企業採用奨励事業、若者就職応援基金事業、中高年就職サポート事業など、非正規の状況に置かれた者に応じて正規雇用化につながる計画になっています。
 舛添知事は、非正規から正規雇用化を新年度、年間七千五百人の目標と発言しています。来年度の正規化支援の事業規模、予算の計画で見ると、九千人となっていますけれども、年間七千五百人の目標との違いは何ですか。

○矢田部雇用就業部長 求職者を対象とした就業支援事業におきましては、事業に参加した方の全てが正社員として就職するとは限らないため、これまでの実績を踏まえ、正社員化の目標を設定しております。

○尾崎委員 ただいまのご答弁ですと、実績を踏まえて正規雇用化の目標を設定したということですけれども、正規雇用化事業の中では、社内転換促進事業は、千五百人の計画が、来年度は六千五百人になる一方で、中高年就職サポート事業や若者応援宣言企業奨励金は、予算の規模も目標も削減されています。
 実績を踏まえて目標値を設定となると、正規雇用化が困難な事業がますます縮小し、やりやすい事業の予算は大きくなるということでしょうか。

○矢田部雇用就業部長 景気が回復傾向にあり、人材不足が顕著になる中、公的な支援を経ずに就職する方が多くなる一方で、人材確保のため社内の非正規社員を正社員に転換する企業がふえておりまして、こうした状況の変化を踏まえ、より効果的な事業展開を図ってまいります。
 来年度は、今年度実施している事業のメニューを維持して、非正規で働く方のさまざまなニーズに引き続き応える一方で、社内での正社員転換の推進に重点を置くもので、今年度を上回る年間七千五百人の正社員化を目指してまいります。

○尾崎委員 大変重要なことなんですけれども、今取り組んでいる事業の中で、どこが成果としてあって、どこが問題点になるのか、今年度の取り組みを十分検証して来年度の事業に生かすことが求められるというふうに思っています。
 例えばですが、有期雇用から正規雇用、有期雇用から無期雇用、無期雇用から正規雇用、事業規模別の各実績は随時把握できるようになっているかどうかも重要だと思いますが、この点ではいかがでしょうか。

○矢田部雇用就業部長 助成金の状況の把握等につきましては、適切に行っております。

○尾崎委員 実績を把握しているけれども、事務事業のときの質疑でも、年度末を過ぎないと公表できないということでした。都民の税金を使っているわけですから、せめて四半期ごとに各事業の取り組み状況、実績が都民にわかるようにしていただきたい。改善をすることを求めておきます。
 東京都正規雇用転換促進助成金について、その後の定着状況を把握できるようにすることが重要だと思いますが、いかがでしょうか。

○矢田部雇用就業部長 この助成金事業は、正社員として定着することを目的に、転換後六カ月の継続雇用を要件として支給しております。

○尾崎委員 国の制度に上乗せの助成金の制度です。転換後六カ月間継続しているかということではなく、その後の定着状況の把握も重要だと思います。正規になって労働時間や賃金はどうなったのかなどは、費用対効果で見る上でも欠かせないことであり、後追い調査を進めるべきだと要望しておきます。
 来年度、非正規雇用を正規雇用に社内転換した企業で、中小企業退職金共済制度に加入した場合、国の支援に都の支援を上乗せして行うということですが、これは、若者応援宣言企業で正社員を新規に採用した場合も該当するのでしょうか。予算、事業規模はどうなっていますか。

○矢田部雇用就業部長 中小企業退職金共済制度への加入に対する支援は、社内での正社員転換を加速化するため、正規転換促進の助成金のみを対象として上乗せするものでございます。正規転換促進の助成金と合わせまして六千五百人分、三十九億八千万円余を予算案に計上しております。

○尾崎委員 中小企業退職金共済制度に加入して助かっている中小企業はたくさんあります。東京でも荒川区、葛飾区、八王子市、町田市など、二区十市で掛金の助成を行っています。また、県段階では、宮崎県が掛金の助成を行い、福島県、群馬県は、林業に限ってですけれども、掛金の助成を行っています。都も社内転換した企業だけでなく、正規雇用を採用した中小企業に助成するよう求めるものです。
 若者の採用、育成を積極的に進める中小企業、離職率が低い、所定外労働時間が少ないなど雇用管理が優良な企業を国が認定する制度の重要性について、どう認識していますか。

○矢田部雇用就業部長 国が新たに制度化した若者雇用促進法に基づく認定制度は、雇用環境が優良な中小企業を国が認定するものであり、若者の採用、育成につながると考えております。

○尾崎委員 若者を応援する企業が正規雇用を積極的に進める支援策も重要だと思いますが、いかがですか。

○矢田部雇用就業部長 都では既に、若者を正社員として採用した若者応援宣言企業に対し、奨励金を支給する事業を行っております。

○尾崎委員 いただいた資料によると、東京都若者応援宣言企業採用奨励金の実績は、一月末で申請が百十人、決定が九十三人です。
 東京都若者応援宣言企業採用奨励金の実績についての認識を伺います。来年度予算案では目標はどうなりますか、その理由について伺います。

○矢田部雇用就業部長 先ほど申し上げましたとおり、雇用情勢が変化する中、実績が予定規模を下回る見込みであり、来年度はこうした状況を踏まえ、規模は五百人といたします。

○尾崎委員 規模は五百人に半減されるわけですが、この事業は大変重要だと思います。規模や予算をふやし、制度を周知徹底するPRにも力を入れるよう強く要望するものです。
 雇用統計では、正規雇用がふえず、非正規雇用が増加しています。求職者の大企業志向もあり、そういう中で意識的に事業展開することが求められています。
 私は、若者応援宣言企業に話を聞きました。人材不足業種といわれる分野で、人をふやしたいと募集をかけてもなかなか面接にも来てもらえない、若者を応援しているよと宣言することで企業の魅力を発信したいと思ったんだと話してくれました。
 若者応援宣言企業は千二百四十八企業までふえてきています。ハローワークに聞きましたが、宣言企業の充足数は、一月末で千五百人を超えるということです。宣言企業の役割は大変重要なものだと思います。実績を踏まえて、計画を安易に引き下げるのではなく、東京労働局との雇用対策協定でも位置づけ、効果的なマッチングを進めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○矢田部雇用就業部長 本事業は、国の仕組みである若者応援宣言企業に若者を正社員として就職させるものであり、事業の実施に当たっては、東京労働局と緊密な連携をしております。
 また、事業のPRに当たりましては、チラシやポスター、新聞広告、車内広告のほか、東京労働局と連携して、ハローワークの窓口でも事業を周知するなど、正規雇用転換促進助成金などとあわせて行っております。

○尾崎委員 東京都が、不本意非正規で働く人を半減させるために、知恵と力を出して全力を挙げるよう求めておきます。
 企業の規模が小さくなればなるほど、最低賃金の保障、退職金の支払いとあわせ、社会保険料の負担などは大変な問題で、人をふやすことに消極的になる原因にもなっています。零細企業などが雇用者の社会保険加入を進める上で、社労士などの委託費用助成、社会保険料の軽減策など、国と連携して導入に向けて検討することが重要だと思いますが、いかがですか。

○矢田部雇用就業部長 法の定めに従いまして、事業主が従業員を雇用する場合には、労働保険や健康保険、年金など、社会保険の加入が義務づけられておりまして、中小事業主の労働保険の事務負担を軽減する仕組みとしては、労働保険事務組合制度がございます。
 都では、使用者向けの冊子やセミナー等を通じて、社会保険制度の周知を行っております。

○尾崎委員 フランスでは、最低賃金の引き上げのために、中小企業へ支援するとして、社会保険料の負担軽減を行っています。国に求めると同時に、都として独自にできることなども検討するよう求めるものです。
 就職氷河期世代の就労を支援する中高年就職サポート事業の申請、派遣、就職の各実績について伺います。

○矢田部雇用就業部長 中高年就職サポート事業の実績は、一月末時点で、登録者数千五百九十人、派遣者数三百六人、就職者数九十一人でございます。

○尾崎委員 来年度予算案では、中高年就職サポート事業の予算額、目標はどうなりますか。変える理由について伺います。

○矢田部雇用就業部長 来年度は、雇用情勢を踏まえ、事業規模を二百人とし、二億六千百万円を計上して、正規雇用化に向けた就業支援を行います。

○尾崎委員 私はこの間、わかものハローワークで行っている研修セミナー、しごと財団の合同就職面接会、中高年就職サポート事業のセミナーなども見学させていただきました。その中で、就職氷河期世代が十年以上も派遣やパートなどで働かざるを得ない状況のもとで、自信を失い、自分に自信を持つためのグループワークと一対一の寄り添った相談活動、伴走型の支援を行う中で、自信を取り戻し、正規雇用で採用された経験を聞きました。就職氷河期世代への支援こそ、手厚く拡充する必要を痛感しました。
 実績で安易に計画を引き下げることでは、中高年の非正規問題の解決は遠のくばかりです。年齢的にも、次の社会を担う世代であり、次の企業を担う世代でもあります。中高年就職サポート事業の予算を拡充することを強く求めておきます。
 自信を回復する上で大きな役割を持っているのは職業訓練校だと思います。次に、公共職業訓練について伺います。
 法律で定められた基準に適した職業訓練を事業主や財団などが行う、認定訓練校の団体数や分野はどのようになっていますか。

○小金井事業推進担当部長 建設や美容、メッキなどの分野につきまして、百三十五の事業主団体などが行う職業訓練を認定しているところでございます。

○尾崎委員 今年度から認定訓練活用型訓練が実施されていますが、応募、入校、就職の実績はどうなっていますか。

○小金井事業推進担当部長 応募者三十七人、そのうち、入校は二十九人であり、就職の状況はこれから報告を受けることとなっております。

○尾崎委員 認定訓練活用型訓練は、都にとってどのようなメリットがありますか。

○小金井事業推進担当部長 民間に存在します訓練資源を活用して、多様な訓練機会を提供することができるというふうに考えております。

○尾崎委員 私は、認定訓練活用型訓練の委託を受けているところから話を聞きました。今年度からスタートしたばかりだが、委託を受けることで、新しい層へのアピールができるんじゃないかと期待しているということでした。
 認定訓練校から、認定訓練校として自分たちの訓練をやっていく上で、要望も寄せられました。認定訓練校は国から補助がありますが、補助を受けるためには、前年の五月に補助を受けるための計画書の提出を求められ、その後、交付決定となるわけですが、年度途中での申請受け付けはありません。しかし、機材が壊れた場合などもあり、事業者の人たちからは適用できるようにならないかとの要望が寄せられました。
 今後は、訓練期間中でも機材の修繕や買いかえなどの補助もできるように、国に改善を求めていただきたいと思いますが、いかがですか。

○小金井事業推進担当部長 認定訓練に対する補助金は、補助事業者から申請を受けた後、内容を審査の上、交付を決定しております。その後の配分変更につきましては、規程等に基づき対応しているところでございます。

○尾崎委員 貧困と格差の是正は都政の重要課題です。若者の貧困対策として、公共職業訓練の拡充が求められますが、都として、来年度、どう対応するのでしょうか。

○小金井事業推進担当部長 都は、求職者に対する職業訓練として、社会人基礎もあわせて学ぶ無料の若年者就業支援科や、昨年度、城東センターにおいて新たに開始したジョブセレクト科などを設置しており、引き続き、若者支援に取り組んでまいります。

○尾崎委員 貧困と格差の是正は重要な取り組みで、就職氷河期世代への対策、若者の貧困対策からも、公共職業訓練の役割は大きく、拡充を求めるものです。
 新年度予算案には、働き方改革推進事業や女性への支援策が盛り込まれたことは重要だと思います。
 私は、立川にあるマザーズハローワークに行って、取り組み状況など話を聞いてきました。託児ルームを完備しているので、子供を連れて相談できることが最大のメリットだということでした。セミナーも託児所つきのセミナーで安心して受講でき、内容も、メークアップ講座など女性向けのものが人気だそうです。対応する相談員も、継続して対応することで信頼が強まり、悩みなども率直に出され、個別支援利用者は、今年度一月までで五百九十二人ですが、そのうち五百二十六人が就職したということです。九割の実績になっています。
 結婚や子育てで退職した女性が再び就職する上で一番の悩み、不安は、子供を預けられるところがあるかどうかです。子供が病気になったときなど、企業に迷惑をかけるのではないかという思いも強いことが、マザーズハローワーク立川のアンケートなどではっきりしています。保育所や病児、病後児保育の拡充も必要です。
 中小企業に余裕がなく、残業できるのかと面接で聞かれることもあるそうです。従業員が少ない中小企業への支援が必要です。仕事と介護、仕事と子育ての両立支援に取り組む中小企業への代替要員助成を行い、育児休暇、介護休暇を助成対象にすることを求めますが、いかがですか。

○矢田部雇用就業部長 都は既に、介護休業に伴う代替要員の経費に対して助成を行っております。また、育児休業に伴う代替要員については国が助成しており、都はその制度の周知を行っております。

○尾崎委員 企業がみずから働き方改革の計画を持てるようにすることは大変重要です。企業の経営者も労働者も、お互い意識改革をしなければ、ワークライフバランスは進まないと思います。
 二月九日に開催されたワークライフバランスフェスタ東京二〇一六に私も参加しました。ことし、十二社が認定され、認定状授与式も行われました。働き方の多様化が進んでいることがわかりましたが、在宅勤務やテレワークによって長時間労働になることはないのだろうかと疑問を持ちました。また、長時間労働削減取り組み部門が一社で、従業員数が二百三十二名と、規模が割合大きいところでの認定だったので、規模が小さいところでの長時間労働の削減ができるよう、支援の必要性も感じました。
 都は、東京労働局と雇用対策協定を締結していますが、東京労働局と連携して、非正規労働者の正規化、ワークライフバランスの支援、最低賃金の引き上げ、長時間労働の改善、同一労働同一賃金の実現、非正規雇用と正規雇用との格差是正、雇用機会均等法の徹底、不登校、中途退学者の就学支援など、仮称ですけれども、地域雇用改善プランを策定してはどうでしょうか。

○矢田部雇用就業部長 都と東京労働局は、役割分担を踏まえ、連携して雇用対策を実施するため、協定に基づき事業計画を策定しております。

○尾崎委員 安心して暮らせるためには、国の労働法の規制緩和を中止させて、過労死をなくし、ブラック企業、ブラックバイトを根絶し、正社員が当たり前という人間らしい働きができる仕事、ディーセントワークを広げることです。長時間労働をなくし、仕事と子育て、仕事と介護が両立できる環境整備、若者が結婚し、子育てができるように、最低賃金を引き上げること、正規でもパートでも、同じ労働なら同一賃金の実現を東京都から実現するためにも、地域雇用改善プランのようなものが必要だと思いますので、検討を求めるものです。
 次に、都市農業について伺います。
 昨年四月、都市農業振興基本法が成立しました。十二月二十二日までの多摩地域二十六市の定例議会において、二十三市議会で、都市農地の保全などを求める意見書六十七件、決議一件の合計六十八件を可決しました。このように、都市農業、農地の保全、振興に当たって、後継者問題や相続税など税改正への要望、期待が強いことが明らかです。
 都市農業振興基本法では、各自治体で都市農業振興計画を策定することを求めていますが、今後、都は計画をどのようにつくり、どのように都市農業振興を推進していくのですか。

○寺崎農林水産部長 現在、都は、農林・漁業振興対策審議会に対して、都が展開すべき東京農業の振興施策について諮問を行っており、本年七月に予定されている答申の内容を、東京都の地方計画に当たる東京農業振興プランの策定に活用してまいります。

○尾崎委員 東京都農林・漁業振興対策審議会で議論していくということですが、当事者の意見、要望もよく聞いていただきたいとお願いをします。また、都市農業振興基本法で、都市農地は都市にとって保全すべきものとされました。都市整備局などとも連携して、都内においても、法の理念に沿って、都市農地の保全に向けて具体化を進めるよう要望しておきます。
 農業者の強い要望は、相続税などの税の軽減です。都市農業、農地の保全、振興に向け、相続実態調査を生かすことが重要だと思いますが、いかがですか。

○寺崎農林水産部長 都が平成二十年度に実施しました都市農業経営における相続実態調査の結果は、都市農業の振興及び農地保全のための計画策定や施策づくり等に活用しております。

○尾崎委員 都市農業経営における相続実態調査は、二〇〇九年三月に出されました、相続税納税猶予制度を活用すると、相続による農地面積の減少をどの程度抑制できるかを調べたものです。相続税納税猶予制度があっても、農地面積を切り売りしないと、相続税や固定資産税は払えない状況です。農地を手放さなくてはならない状況が明らかになっています。この実態調査の結果から、農地の保全には何が必要なのか見えてきます。
 また、相続税の特例は農業を二十年間継続です。特例を受けている農業者は、これから二十年ということは終生なんだ、途中で病気になってしまったらどうなるのか、この問題を何とかしないと農地はなくなるとの声も上がっています。
 重過ぎる税金の負担を軽減し、都市農地の減少に歯どめをかけていくよう、東京都は国に意見を上げること、東京都自身でできる固定資産税の軽減については、実施に向けて、主税局などとの検討を始めるよう強く要望するものです。
 都市農業、農地は、都市の良好な景観、防災、多様なレクリエーション、自然との触れ合いなど、多面的な機能、役割があります。都民の意識調査でも、農業、農地を残したいと回答したのは八六%にもなっています。しかし、いただいた資料でも、市街化区域内の農地は、二〇〇六年と二〇一四年を比較すると、七百六十二ヘクタール減少しています。
 杉並区は、屋敷林や農地は長い年月をかけて守り育ててきた区民共有の資源と位置づけて、こうした緑を、一度失われると元に戻すには多くの年月を要するとして、五年ごとにみどりの実態調査を行い、その結果、緑地面積の七割が民有地であり、屋敷林は三十年間で半減している実態を踏まえ、緑地保全について検討し、今年度から、貴重な緑を重点的に保全するための杉並区緑地保全方針をつくりました。杉並区のこのような取り組みを各地で広げることが、東京の緑地保全につながっていくと考えます。
 農地保全を進める上で、区市町村が行う屋敷林などの実態調査に都が支援するよう求めるものですが、いかがですか。

○寺崎農林水産部長 屋敷林等の実態調査につきましては、個々の区市町村の判断で行っているものでございまして、都が個別に支援を行うことは考えておりません。

○尾崎委員 屋敷林は、都市農地にとって不可欠で、都市施設としても重要な役割を担っています。ところが、屋敷林の調査は都は行っていません。区市で進められるよう都が支援することは、その実態が明らかになり、都が都市農業、農地保全、振興策をつくる上でも貴重です。
 都が個別に支援を行うことは考えていないとのことですが、区市町村が実態調査を実施するかの判断のとき、費用の一部でも都が支援するとなれば、今まで実施できなかった区市町村でも可能になります。ぜひ検討していただくよう要望するものです。
 農業者の高齢化によって後継者問題は待ったなしの状況ですが、マスコミなどでも、若者や定年後に農業をやりたいという声も上げられています。ここ五年間の新規就農者数の推移について伺います。

○寺崎農林水産部長 東京都農林水産振興財団の調べによりますと、直近五年間の新規就農者数は、平成二十二年度三十九人、二十三年度三十三人、二十四年度四十二人、二十五年度六十一人、二十六年度は五十五人となっております。

○尾崎委員 新規就農者が増加傾向にあることは重要です。この間のセミナーや青年就農給付金事業の役割が大きいと考えます。東京でもっと農業をやりたいと思っている若い人がほかにもいるはずです。働く場所、就農できる農地がないため、千葉や茨城などに移っている状況もあります。研修と就農地、研修を受けた後に、そこで就農できるような支援へと拡充が必要だと思います。
 退職後に親の農業を引き継ぐため、新規就農をされる人も多いということを聞きました。こういう方々への支援も必要だと思いますが、支援の拡充を求めるものです。
 来年度予算原案の中で、多摩産材の利用拡大の事業が拡充されました。今後は、CLT、クロス・ラミネーティッド・ティンバーによって、これまで木材が余り使用されなかった中層、大規模な建築物なども木造化できる可能性があると考えます。そうなれば、多摩産材の普及が大きく変わる可能性があります。
 我が党は昨年、高知県に視察に行きました。高知県では、CLT建築推進協議会を設立し、全国初でCLT工法による建築、高知おおとよ製材株式会社の社員寮、共同住宅ですが、三階建てをつくりました。二〇一五年、二〇一六年には、国のCLT先導的モデル事業を創設し、普及のためのモデル建築への支援と、CLTパネル工場への支援を行います。
 木材の利用促進を図るため、多摩の林業振興、森林再生を進める上で、CLTの重要性についてどう認識していますか。

○寺崎農林水産部長 CLTは、海外では中高層建築物の構造材にも活用されていることを承知しております。国内では、木材の新たな用途の一つとして、現在、国が強度や設計方法等の研究を行っている段階でございまして、都は、こうした動向を注視してまいります。

○尾崎委員 注視段階にとどまらず、CLTについて、産学公連携で利用の具体化に踏み出すことは重要だと考えますが、いかがですか。

○寺崎農林水産部長 CLTにつきましては、先ほどもお答えしましたとおり、現在、国が研究を行っている段階でございまして、都は、こうした動向を注視してまいります。

○尾崎委員 CLTは、欧州などで中層、大規模建築物などさまざまな建物に活用され、急速に普及してきています。国内でも、自治体を初め、民間も進めています。都としても、産学公連携を進めることは、森林再生、林業の振興につながるものなので、注視にとどまらず、具体化するよう要望するものです。東京オリンピック・パラリンピックの施設建設にも活用を要望しておきます。
 木造建築物は火災に弱いという印象があります。建物の木造化を広げる上で、木材の耐火を強めることが必要です。木材を都市部でも利用できるように、産学公連携で木材の耐火認定、耐火認定工法の研究を進めることが重要だと考えますが、いかがですか。

○寺崎農林水産部長 都市部の木造建築などは、建築基準法により耐火性能に関する基準が定められており、都では、既に、民間企業が行う基準に適合した耐火部材の研究に対する支援を実施しております。

○尾崎委員 都市部で木造建築物をふやすことで、国産の木材の利用の拡大、多摩産材の利用の拡大につながり、林業の振興にもつながると考えますので、支援の拡充を求めます。それとともに、産学公連携でも耐火認定工法の研究をすることは重要だと思います。
 いただいた資料によると、東京の農地面積は、二〇一五年七千百三十ヘクタールで、十年前と比較すると千百九十ヘクタールも減少しています。農地の保全には、農業者の収益向上をどう支援していくのかが重要です。地産地消、特産品のほかに、都市農業の経営支援として、資源循環型農業の推進が必要だと思います。
 再生可能エネルギーの導入に向けた設備投資を行う農業者に対し、財政支援を実施することを求めますが、いかがですか。

○寺崎農林水産部長 都は、農業者の経営力強化に向けたさまざまな支援を実施しており、再生可能エネルギーの導入に向けた設備投資につきましては、既存事業で対応することが可能でございます。

○尾崎委員 再生可能エネルギーの導入に向けた設備投資を行う農林漁業者に対し、財政支援を実施することとあわせて、都内の中小企業と連携して、再生可能エネルギーの開発、普及をすることを要望します。
 ハウス農家の熱源として、木質バイオマスの利用の可能性について、トライアル事業を進めることや、酪農家からの乳牛ふん尿、遊休農地を使って栽培された刈り草によるバイオマス製造をモデル事業として進めること、間伐材、花粉症対策で伐採した杉、ヒノキなどを利用した木質チップ、ペレットの生産と普及を支援すること、木質ペレットのストーブ、ボイラーなどの購入費助成を実施することなど、東京でも多彩な再生可能エネルギーの導入が考えられます。再生可能エネルギーを推進することで、東京の農林漁業者が継続して事業ができると考えますので、提案をいたします。
 次に、東京都食育推進計画中間まとめの概要についてです。
 食べることは生きることにつながる、大変重要だと考えます。都内農産物の地産地消の促進も食育の大きな柱です。
 食育推進計画では、生産者との交流体験の意義、重要性が記載されています。産労局として、他局と連携して、生産者との交流を今後どのように拡充し、進めていくのですか。

○寺崎農林水産部長 産業労働局では、関係局と連携しながら、東京都食育フェアや都内の学校への出前授業などによりまして、都民と生産者との交流を図っており、今後もこうした取り組みを進めてまいります。

○尾崎委員 食材の魅力、安心・安全な食材について、消費者の理解を得ることは、都市農業の振興にも大きな役割があります。毎日きちんとした朝食をとる、家族と一緒に食事をとる、健康を意識したバランスのよい食生活の実践の状況と、二〇二〇年度までに達成すべき主な指標目標として設定しています。
 先月まとめた東京都女性活躍推進白書には、首都圏の通勤時間は六十八・七分とパリの約二倍になっていることが明らかにされています。しかも、男女とも帰宅時間は二十時二十八分で、全国で最も遅くなっています。これでは、家族団らんの時間などありません。
 貧困と格差が広がる中で、私の地元、東大和市でも、一人で夜を過ごす子供たちに温かい食事と居場所を提供したいと、自治会の有志が子供食堂を始めました。月に二回の子供食堂には、若い親子や小学生が一人で来て楽しく食事をしていました。最近は、農家の人から食材の差し入れもあるので助かるという話も聞きました。
 食育計画の中には、食品ロスが日本人一人当たりに換算すると、おにぎり約一・五個を捨てている計算になると書かれています。一方で、食品ロスがあり、もう一方では十分な食事ができない状況があります。
 都庁全局で連携し、食に対する意識、生活と労働の環境改善が求められていることを要望しておきます。
 政府は、TPP大筋合意をしました。国が発表した合意内容をもとに、東京の農林水産業や中小企業への影響額を算定し、明らかにすべきですが、いかがですか。

○青山産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 国は、一部の主要農林水産物のみを対象に影響額を試算し、野菜や果樹など多くの農産物については試算をしておりません。都内では、少量で多品目の農産物が生産されており、国の試算を当てはめたとしても、有意な結果を得ることはできません。
 また、中小企業への影響につきましては、そもそも国も試算を示してございません。

○尾崎委員 東京の経済は、TPPによる影響で、経済構造が大きく変わると思います。TPPは、米や牛肉などでの農産物を含め、関税を原則として撤廃、輸入を拡大し、食の安全、知的財産権、雇用、医療、保険など、あらゆる分野で、多国籍企業に有利なアメリカ中心のルールを押しつけることになります。我が党は批准反対ですが、TPPによる経済の影響を検証することは重要です。他県では既に、TPPによる影響額を試算しています。経済への影響は、産労局として試算することを求めるものです。
 次に、新銀行東京について質問をします。
 新銀行東京は、四月一日、東京TYFGと経営統合することになります。普通株の交換比率の算定について、幾つか手法がある中で、どういう結果になったのか伺います。

○野間金融監理部長 株式交換比率につきましては、東京TYフィナンシャルグループ一に対し、新銀行東京が〇・二四となっております。
 なお、同比率の算定に当たりましては、企業のMアンドA等で用いられる手法である市場株価基準法、類似企業比較法及びDDM法による算定結果を参考としております。

○尾崎委員 市場株価基準法、類似企業比較法、DDM法とありますが、それぞれの算定について伺います。

○野間金融監理部長 平成二十七年九月二十五日付の東京TYフィナンシャルグループ及び新銀行東京のプレスリリースによれば、同グループの第三者算定機関であるみずほ証券は、株式交換比率の算定レンジを、市場株価基準法及び類似企業比較法を用いた場合では〇・二七〇から〇・三七七、類似企業比較法では〇・二五八から〇・三九四、DDM法では〇・一三八から〇・三六二の範囲としております。
 また、新銀行東京の第三者算定機関でございますデロイトトーマツは、市場株価基準法及び類似企業比較法を用いた場合では〇・一八二から〇・二七一、DDM法では〇・一八四から〇・三六〇の範囲としてございます。

○尾崎委員 一般的に、金融機関の株価や企業価格の算定に使われるのはDDM法だといわれています。DDM法でも、みずほ証券、東京TYFGの依頼は、〇・一三八から〇・三六二と幅が大きい、平均は〇・二五〇です。デロイトトーマツ、これは新銀行東京の依頼ですけれども、〇・一八四から〇・三六〇、平均は〇・二七二となります。DDM法で低い方でも〇・二五〇で、合意された一対〇・二四は低くなっています。
 市場株価基準法、類似企業比較法、DDM法の単純平均値を見ると、新銀行東京が依頼したデロイトトーマツが出した数値は〇・二四九、東京TYFGの依頼したみずほ証券が出した数値は〇・三です。
 新銀行東京が依頼したデロイトトーマツが出した数値が統合の相手側の出した数値よりも、単純平均値、中央値を見ると大幅に低いことについて、どのように認識をしていますか。

○野間金融監理部長 今回の算定レンジは企業のMアンドA等で用いられます各種算定方法に基づき、株式交換比率を決定するに当たっての参考とするために、一定の幅を示したものでございます。
 なお、今回の株式交換比率は、財務や資産の状況、将来の見通し等を総合的に勘案して決定したものであり、算定レンジの単純平均値や中央値で算定されたものではございません。

○尾崎委員 私も専門家の方に話を聞きました。一般的といわれているDDM法のレンジでも、上下の幅が大きく、差が出ています。とりあえず、上下の平均値を求めることは妥当であり、一つの基準にする考え方もあって当然だと思います。
 これまでの、伊勢丹が三越と経営統合した事例や、イオンがダイエーを子会社化した事例などを見ても、売り手、三越やダイエーの算定数値が高目であり、買い手側が安く見積もる傾向があり、最終統合も売り手の数値に近くなっています。
 こうした一般的なケースに比較して、少なくても一対〇・二四は、東京TYFG側の算定者と新銀行東京側の算定者の出した平均値より低く、しかも、買い手側の東京TYFG側の算定者の数値よりも低いものとなっています。
 交換比率を算定する場合、一般的には、営業権を考慮するのが常識だともいわれています。交換比率を算定する場合、新銀行の株主が東京都であることなどの営業権について、どう考慮されていると認識していますか。

○野間金融監理部長 今回の株式交換比率は、東京TYフィナンシャルグループ及び新銀行東京が、それぞれ相手方に対して実施したデューデリジェンスの結果等を踏まえまして、両社の財務の状況、資産の状況、将来の見通し等のあらゆる要因を総合的に勘案し、両社間で慎重に交渉、協議を重ねた結果、合意したものでございます。

○尾崎委員 統合に当たって、東京都が株主であることが強調されてきました。このことは、算定された交換比率にプラスアルファの上積みになるのが通常だと思います。交渉の中で、都民の税金を毀損させないという立場で、できるだけ高く売るための、都としてどれだけ主張したのかが問われるものだと指摘しておきます。
 一千億円の出資金について、今回の経営統合によってどうなると認識していますか。

○野間金融監理部長 都の出資は、中小企業支援に活用するためのものでございまして、今回の経営統合によっても、何ら変わることはございません。

○尾崎委員 日本共産党は、金融取引に関する専門知識、経験も持たない地方自治体が銀行経営に乗り出すべきではないと、新銀行東京の設立についても、追加出資についても反対を貫いてきました。経営統合に向けては、四百億円の追加出資金はもとより、一千億円の出資金の残金も含め、都民の税金の毀損を最小限に抑えることが重要だと考えています。
 今回の交換比率、一対〇・二四では、新銀行東京の東京都の持ち株は、東京TYFGの百二十万株に相当します。これが一千億円になるためには、東京TYFGの株価が八万三千五百円、現在の三十一倍にならなければなりません。これはあり得ないことです。
 経営統合に際し、出資金一千億円の多くを毀損することについて、責任の重大性を検証しておくべきだと意見を述べて、質問を終わります。

○島崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時九分休憩

   午後五時二十五分開議

○島崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○あさの委員 私からは、まず、都内におけます都内産の農林水産物の認知度向上について伺いたいと思います。
 今回の食育推進計画の概要にも出ておりますけれども、東京都産の食材の理解と地産地消の推進というところで、東京都産の食材を知っている人の割合が、現状、小学四年生で四九・五%、中学一年生で四八・四%、成人では五七・四%と、いずれも、三十二年までには八〇%に持っていくという計画となっておりますけれども、現状を見れば、約半数の人たちしか都内産の食材を知らないという状況になっています。
 これから先、もっともっと、東京都でもさまざまな食材をつくっていて、それが皆さんの口に入っているんだよということを知らしめていく必要があるのかなと思います。
 先月二十六日から三日間、臨海副都心で初めて行われたということで、ほかの地域でもやっておりましたけれども、東京味わいフェスタというのが開催されておりまして、私も二十六日、初日の日に会場に伺いました。平日の昼間でありましたけれども、天候にも恵まれておりまして、日中、金曜日の真っ昼間という時間帯にしては非常に人も多く、もちろん、最終日は東京マラソンのところと重なっておりますので、もっとすごい人が訪れたと伺っておりますが、その中で、その会場では、東京の農林水産物を使った料理というものも提供されておりまして、私も幾つか味わってまいりました。
 私の地元、練馬産の野菜を使った料理も販売されておりまして、確かに、食べてみて本当においしいものですし、もちろん、においも、香りといった方がいいんですかね、会場に非常にあふれておりまして、おなかの限界がありますので、全部食べるわけにはなかなかいかなかったんですけれども、どれも食べてみたいと思えるものがありました。また一方で、島しょ、島の特産物についても販売されていたり、あるいは、現地には、移動水族館みたいなもので、東京都でとれている魚が実際に見れたり、さまざまな趣向を凝らした仕組みとなっておりまして、非常に楽しめて、かつ東京産の食材というものがいろいろな形の料理に使われているということがわかる、非常にすばらしいイベントだと思いました。
 このイベント、昨年秋にも開催されていたということでございましたけれども、今年度、平成二十七年度の取り組みについて、まず伺いたいと思います。

○武田安全安心・地産地消推進担当部長 世界有数の大都市でありながらも、多様な農林水産物を生産し、新鮮な食材を都民に提供できることが東京の魅力の一つでございます。
 こうした魅力を都民を初め東京を訪れる国内外の観光客に発信するため、平成二十六年秋に東京味わいフェスタを丸の内地区で開催いたしました。
 今年度は十月に、丸の内に加え、日比谷、有楽町にエリアを拡大して開催するとともに、先月には、東京マラソン二〇一六に合わせて初めて臨海副都心で開催し、旬の新鮮な野菜や、これを使った日本や世界各国の料理などを提供し、来場者に東京の農林水産物の魅力を十分にPRいたしました。
 今後とも、こうしたイベントによるPRを通じまして、東京産農林水産物の魅力を広く国内外に発信し、認知度の向上に努めてまいります。

○あさの委員 今ご答弁にあったとおり、東京のこの味わいフェスタというのは、東京の農林水産物の認知度を向上させるという上で必要なイベントであると私も思いました。実際に行って感じましたし、今後ともしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 ただ、今回は、季節柄、二月、寒い季節でありますので、基本的に火を通したものが多く、東京の食べ物がおいしいということは十分伝わるんですけれども、食材そのもののよさというものは、果たしてそこでどこまで伝わるのかと。よほど意識している方、あるいは、東京産の食材を、何を使っているんだと考えながら食べている人というのは、実際にはそんなに、よほど意識されていないといないわけでありまして、そうでない方にとっては、おいしいなで終わってしまう可能性もあるのかなと思います。ですので、今後、さらなる発信の仕方というのもいろいろ考えていかなきゃいけないのかなと思いました。
 そこで、こうしたイベントを含めて、東京の農林水産物の魅力を発信する取り組みとして、都は来年度、二十八年度にどのような取り組みを行うのか伺いたいと思います。

○武田安全安心・地産地消推進担当部長 都は、来年度も引き続き、東京味わいフェスタを開催するとともに、消費者や観光客が実際に味わえるように、都内産農林水産物を使った料理を提供する区部と多摩地域の飲食店をとうきょう特産食材使用店として、また、島の農林水産物を使った特色あるメニューを提供する飲食店などを東京島じまん食材使用店として登録し、その店舗情報を掲載したガイドブックを発行して、イベントなどでもPRいたします。
 さらに、農業関係団体と連携し、新宿で、都内産の農林水産物をPRする情報発信の拠点づくりに取り組み、販売店舗情報の発信を行うとともに、新鮮な食材、加工品の販売や実際に食材を味わうことができる軽飲食コーナーも設置いたします。
 今後は、イベントやガイドブックによるPRに加えまして、この拠点を積極的に活用して、都内産農林水産物の認知度向上に努めてまいります。

○あさの委員 今ご答弁いただいたとおり、もちろんイベントだけでなく、さまざまな情報の発信、それはガイドブックや、先ほど他の委員の質疑の答弁でもありましたウエブサイト、あるいは実際の軽飲食コーナーとか、こういった取り組みは本当に認知度向上のためには必要だと思いますから、さらにいろいろ検証に検証を重ねて取り組んでいっていただきたいと思っております。
 私は、地元の練馬区というのはまだ農地もたくさんあるところでありますので、地元練馬の農家に伺った際に、つい最近、練馬産のホウレンソウのお浸しというのを食べさせていただきました。びっくりするぐらい甘くて、何でこんなに甘いんだということで、七、八人で一緒に食べたんですけれども、その七、八人全員が、どうしてこんな甘いんですかという疑問を持つぐらいにおいしかったということで、本当に驚きました。
 詳しい方々に伺うと、この時期の地場産のホウレンソウ、寒締めというんでしょうか、そういったホウレンソウというのは本当に甘くておいしいんだと、特に根っこの部分は砂糖をかけたみたいに甘いんだということを伺って、ああ、そんなものなのかと思って、自分の知識不足とおいしさに非常に感動したということを覚えております。
 また、同じ農家さんでつくられているトウモロコシというのも、畑に行って実際に収穫体験というのがあって、その収穫をさせていただいたときに、そのまま畑で全部むいて、何もゆでていない状態でぱくっとかじると。生で食べさせてもらったこともあります。これも甘くて、みずみずしくて、ゆでたり焼いたりしたトウモロコシとは違った感動を与えてくれたことを覚えています。
 ただ、残念なことに、これ、生で食べておいしかったんですよということをほかの人に話したときに、何を冗談いっているんだとか、なかなか信じてもらえなかったという経験もあるんですね。私自身が体験したことを伝えたんですけれども、実際には、体験した人じゃないと、その感動はなかなか伝わらないんだなということをそのとき覚えました。どちらにしろ、こういった生でそのまま食べられるのは、農薬などの使い方についても本当に考えていて、そういったものを使わずに育てているというところであって、そのような農産物が実際に二十三区の中であるということも、いろいろな方々に知っていただきたいなと思った次第であります。
 特に東京の野菜というものは食材として非常に使われる。さっき、ガイドブックや何かにも紹介されるとおり、食材として使われるということも非常にあって、東京産の野菜を使っているお店というのもたくさんあるのはすごくうれしいことではあるんですけれども、一方で、食べる側から考えると、この野菜がどこの野菜を使っているんだろうと思うよりは、大抵、加工された料理の場合は、この料理はおいしいなで終わってしまうところが多いのかなと。
 先ほど申し上げた、私が感じたホウレンソウの感動というのは、ホウレンソウのお浸しなんて、正直、どこもそんなに味は変わらないだろうと思っていたところで、食べた素材自体の甘さに物すごくびっくりをして感動したわけでありまして、そうすることによって、頭の中にきちっとインプットされるんですね。東京でつくられたこの時期のホウレンソウは本当においしいんだなと。地場産のホウレンソウというのが、この二月の時期に食べたらおいしいんだということがきちっと頭の中にインプットされますと、二度と忘れずに、こういったものがあるんだよということを、人にも自慢げにきっと話すことがあるんじゃないかなと思います。
 こういった素材そのものの魅力というのを、都民や観光客にももっと知ってもらうということも、東京の農林水産物の一層の認知度向上につながるのだと思います。おいしいものを食べたときの感動というのは、本当に大きければ大きいほど印象は深く残りますし、そして、もう一度食べたい、つまり、リピーターになるという原動力になるんだと思うんですね。そして、そういった気持ちを持った人は、産地だとか時期だとかということを決して忘れることはないんだと思います。確かに物によっては、そのまま食べられないものとか、実際には調理した方がおいしさが際立つものもありますけれども、素材そのもので、あるいは、ゆでるなどの簡単な調理だけで勝負ができる、おいしさが伝わるという農林水産物の産地として東京が認識されるように持っていくべきだと、特に思っております。
 野菜は特に、産地に近いところで、そのものを食べることによって魅力が伝わりやすいと思いますので、こういった食欲の観点から見ても、旬を覚えるという上でも、そのようなPR方法というのも有意義であると私は考えます。
 今後、東京の野菜はいつが旬で、どのようにおいしいのかなど、素材の魅力がより伝わりやすい、そんなPRも考えていただきますように要望して、次の質問に移りたいと思います。
 次は、一般質問でも述べさせていただきました東京アニメアワード二〇一六について伺いたいと思います。
 ことしで三回目ということでありまして、今回、要求させていただきました資料を見てもわかるとおり、東京都はこの東京アニメアワードに対して毎年五千万円を拠出しております。一般質問でも、年々、内容が充実してきているということは述べさせてもらっているんですけれども、東京都としては、お金を出すだけではなくて、共催という立場にいるわけであります。
 そこでまず、共催というのはどの程度かかわるものと認識しているのか、確認をさせていただきたいと思います。

○坂本観光部長 都の定めます事務取扱要領の中におきましては、共催とは、東京都が主体的に実施すべき行事を他の団体などと共同して実施するものであるとしております。
 これは、都として、東京都の施策の推進に寄与すると認めて、他の団体などと協力し、その取り組みの内容に応じてさまざまなかかわり方をしながら事業を進めるものでございます。

○あさの委員 今のご答弁で、主体的に実施すべき行事であるということと、他団体と共同して実施するものということが確認できたと思います。共同して実施するということで、共同とはどういうことかということで、広辞苑によりますと、共同というのは、一つ目、二人以上の者が力を合わせることであり、二つ目、二人以上の者が同一の資格でかかわることというふうに載っておりました。
 つまり、今の答弁を考えますと、共催するイベントというのは、東京都は、主体的に実施すべき行事を、他団体と力を合わせて、同一の立場でかかわることであるともいえると思います。もちろん、現状では、主催者、共催者といったような序列もあったりするでしょうから、一概にいうことはできない場合もあるとは思います。ただ、少なくとも、東京都も主体であるという意識でいろいろと対応をしていただきたいと思います。
 先ほども申し上げたとおり、このアニメアワード、少しずつ規模を大きくしているようで、先ほどの資料の中の数値にもそれがあらわれております。より質を高くして、しかし、東京都の負担金は変わらないということは、事業としては素直に評価していい点だと私は思います。
 しかし、中身も同時にしっかりと見ていかなくてはなりません。今回の資料の要求に対しては、残念ながら、さまざまな細かい部分の数字というのが出されておりませんけれども、この資料からわかることもあります。例えば、資料にある事業費と事務局経費の伸び率が、二〇一四年、二〇一五年で大きく異なるということが見てとれます。事業費全体の伸び率に対して、事業費より事務局経費の伸び率の方が高く出ております。
 本来、こういった事業を行う場合には、事業費を伸ばして事務局経費の割合を抑えるべきであると私は考えております。ですが、実際には事務局経費が大きく伸びている。このような運営に対して、東京都としてどのような見解を持っているのか伺いたいと思います。

○坂本観光部長 アニメアワードフェスティバル二〇一四を開催するに当たり、その具体的な内容について、平成二十五年の四月から九月まで、アニメ業界の関係者などで検討を行って、その実行委員会と事務局を二十五年十月に設立しております。そのため、アニメアワードフェスティバル二〇一四にかかわる事務局経費は、二十五年十月から二十六年三月までの半年間に約一千五十一万円執行をしておるところでございます。
 翌年のアニメアワードフェスティバル二〇一五につきましては、事務局は平成二十六年四月から一年間にわたって活動を行ったため、前年の倍に近い約一千九百六十二万円の支出を行ったところでございます。

○あさの委員 確かに、事務局経費の伸び率に対する計算上のつじつまはしっかりと合っているように思います。ただ、残念ながら、全事業費に占める事務局経費の割合がふえていることには変わりがないんじゃないかなと思います。
 逆に、今のご答弁のとおりだと考えますと、実際には、二〇一四年、半年で行っていたことを、二〇一五年は一年かけてやるようにしていて、もちろんその分、内容が大幅にアップしていれば何の問題もないんだと思うんですけれども、それがそうなっていないということは、この事業費の方を見ていけば、それが明らかになっていくのかなと。もしくは、初回、二〇一四年については、最初の半年間に本来ならかかっていた費用を、誰かが持ち出しで実施していたということも考えられなくはないと思います。
 どちらにせよ、東京都の税金を投入して行う事業の費用のあり方というふうに考えた場合には、もっといい方策というか、あり方があるのではないかなと思います。
 ただ、一方、事務局としても、実はこれは改善するつもりがあるということで、ことしの予算、つまり、これから開催されますアニメアワード二〇一六については、事務局経費を大きく圧縮して行うということになっているそうだと伺いました。そういった問題意識があることは非常に歓迎すべきことで、その方向はちゃんと守っていただきたいなと思います。
 ただ、事務局経費と一くくりにいっても、中には、例えば人件費であったり、あるいは事務所家賃といった領収書などというものがなかなかとりづらいものがございます。そういった資料をちゃんと確認する、あるいは、例えば、この事務局が実際に東京都以外から受けている他の事業に対する報告、この事業に対してこういうふうに使いましたといっている報告との突き合わせを行ったり、時には監査的なことも行う必要が私はあると思っております。今後の取り組みをしっかりと見据えながら、東京都として助言を行っていただくように要望をしておきます。
 さて、一般質問でも述べさせていただきましたが、ことしのアニメアワードというのは、実は残念ながら、昨年から実行委員会内部での問題が発生をしており、中には訴訟に発展している部分もありますので、ここで詳細についての言及は控えたいと思いますが、少なくとも、そこにかかわった人の中には不愉快な思いをされている方がいることも事実であります。
 人が行うことでありますので、常に何らかの問題が発生する可能性は排除できません。それについて、私は別に、問題が発生したことをどうこういうつもりもありません。しかし、だからこそ、主催や共催を問わず、実施する側の関係者というのは、課題を速やかに解決する姿勢が必要なんだと思います。
 今回起きた問題におきましては、実は今のところ、解決への道筋が見えておりません。主催の実行委員会の事務局は、東京アニメアワードを単なる一過性のイベントではなく、日本のコンテンツ文化の発信の場であり、都民の税金を使っているということを忘れてはならないんだと思うんですね。そういった覚悟を持って実施していただきたいんだと考えます。
 率直に申し上げまして、今回の起きている問題というのは、事務局が持っている東京という名前を背負う覚悟が弱いといわざるを得ないと思います。
 共催というものを行うに当たって、予算の執行ではどのような説明、要請などを行っているのか伺いたいと思います。

○坂本観光部長 都は、東京アニメアワードフェスティバル二〇一六を共催するに当たり、主催者と運営に関する基本的事項を確認しております。
 予算執行につきましては、税金が投入されていることを十分に理解し、適正な執行を行うこととしております。
 事務局もこうした趣旨を踏まえまして、東京を背負う覚悟が弱いということではなくて、責任を持って取り組みを進めているものと、このように理解をしております。

○あさの委員 もちろん、自分たちで責任を持って取り組んでいるということはあるんだと思います。ただ、今までの行動の結果という意味では、そういうふうに見えてしまうのかなという気もいたします。
 税金が投入されていることを十分に理解するというご答弁がありましたけれども、これは、不正を行わないとか、無駄をできる限り省くように努めるとかという、はっきりいって最低限という意味のことではないんだと思うんですね。東京という名前を冠していて、共催というところにも東京都が参加しているということは、当然、この事業においては、都の信頼や、あるいは東京都の将来に悪影響が出ないように、細心の注意を払うことが必要なんだということだと思います。
 さきにも申し上げたとおり、人が行うんですから、ミスだとか問題発生というのは避けられないことです。特に、この事業のように毎年のように行うものについては、なおさら、そういったものが起きる可能性は高くなると思います。だからこそ、そのような問題発生をしたときに、どのように対応するかということが最も大切なことではないでしょうか。そのことをぜひ再度認識していただいて、これからの対応でも、事務局とはしっかりと調整をしていただきたいと思います。
 行政が主催で行う事業という中では、再三のチェックと検証、そして課題発生時には迅速な処理などを行っていると思っております。不測の事態が起きたとしても、速やかに対処しなければならないのはいうまでもありません。
 ただ、こういった今までの事業の場合、時に、対立する複数の関係者の間に立たされることもあると思います。当事者しかいない状況においては、客観的な判断というのをしなければいけませんし、そのためには、契約など、しっかりと証拠の残る情報をもとに行うしかないと思います。逆にいうと、これは当然、将来の問題発生に備えて、そのような書類を残しておくことも、しっかりと指導、確認をしておくべきではないかなと思います。
 ただ一方で、日本の中にはさまざまな業界がありまして、その業界ごとに慣習というのもあるんですね。特に、芸能の世界というのは、労働の問題だとかいろいろなところに出てきておりますけれども、どうも契約がきっちりしているとはいえない部分もかなりあるようであります。このアニメ業界においても同様だということも話で伺っております。
 東京都は、共催という立場になる以上、そのような業界の慣習には倣わず、行政として、いわゆるかたい部分というのを発揮するべきではないかと思うんですけれども、見解を伺いたいと思います。

○坂本観光部長 都は、経費の支出に当たりまして、さまざまな規定により厳正に手続を行うこととしておりまして、本件も同様の対応を行っております。
 さらに、都では、主催者と確認した運営に関する基本的事項の中で、契約の締結等については透明性、公平性に十分に配慮し、適正に執行することとしているところでございます。
 なお、都といたしましては、この間、主催者に対し、適切な業務運営に向け、責任を持って必要に応じた働きかけを実施してきたところでございます。

○あさの委員 今回は、どうやら東京都の出している五千万というのも負担金という形で出しているというので、東京都もそこまでいろいろと口出しできるわけじゃないですし、事業の特質上、出すべきではないという考え方もあるのでしょう。今回の提出された要求資料においても、必要に応じて事細かに何費、何費という形で支出しているわけではなく、こういった事業では総額でどんと支出することとして、基本的には、相手方に裁量を与えなければならないということも理解をしております。
 ただ、もちろん、契約の締結などについても、適正に執行するということは、正当な契約書をただ交わせばいいということだけでもないと私は思います。いつ、どのような契約を交わしているかということが重要になります。事務局がほかのところと契約するに当たっても、いつのタイミングでやっているのか、あるいは、中身がどういう契約になっているのかということが本当に大切なんだと思うんですね。特に、今回のような問題が発生してしまった背景には、そういった契約の不備というのを指摘する声もあります。
 今回のこの問題を契機に、もう一度、どのような契約を、いつ交わしているのか、実行委員会のメンバーには東京都も参加しているということでありますので、実行委員会が開催されるたびに、例えば書面で確認するなど、当分の間は東京都のチェックを入れていくということも検討してもいいのではないかなと思います。ここまでいろいろとこじれてしまった原因をしっかりと検証することこそが大切なんだということであります。
 誰が悪いというつもりはありません。もうすぐ開催されるアニメアワードですが、開催直前まで発生した問題の解決が見出されていないこと、しかも、そのことによって、参加しようと思っていた善意の第三者に迷惑をかける可能性が低くないこと、そういったことを考えれば、二度とこのような問題が起きないようには努力をしなければなりません。そして、誰かのせいにする、あるいは誰かに責任があるということをやっていては、検証していても意味がなくなってしまうんですね。
 発生した問題は、今後のアニメアワード、そして、ほかの事業にもしっかりと生かしていっていただきたいと思います。特に、何か問題が発生したので、もうやめようだとか、そういった形にならないように、今回でやめる、あるいは縮小していこうということにならないようにしていただきたいと考えております。
 この東京アニメアワードは、世界的にも少しずつ認知されてきておりまして、その中身も、年を追うごとに洗練をされてきていると思われております。今後ますます発展させていくためにも、ことし、来年と、さまざまな課題を乗り越えて開催させていくべきだと考えますが、都の見解を伺いたいと思います。

○坂本観光部長 東京アニメアワードフェスティバルは、準備が順調に進み、円滑に開催されることが重要だと考えております。
 これまでも主催者に対しては、適切な業務運営に向け、必要に応じ働きかけを行っており、引き続き、そうした対応により、フェスティバルの円滑な開催を図ってまいります。

○あさの委員 必要に応じ、さまざまな働きかけをやっていっていただいて、そして、円滑な開催を図っていくということでありますが、ことしのアニメアワード、もう間もなく開催となります。
 先日、行われておりましたアメリカにおけますアカデミー賞では、長編アニメーション部門にスタジオジブリの「思い出のマーニー」がノミネートされておりました。残念ながら、受賞にはならなかったわけでありますが。逆に、今行っている東京アニメアワードというのがアニメ界のアカデミー賞だといわれるように、さらに公平で透明な事業運営と、さまざまなリスクヘッジができる事務局へと成長していただくなど、今回の課題をしっかりと検証することに意味があるんだと思います。
 私も一人のアニメファンとして、このアニメアワードを大きく成長させていくために、今回のことを糧として、所管局として厳しく見ていくことを強く要望して、質問を終わりたいと思います。

○松田委員 私からは、中小企業振興対策について、簡潔に六点、質問させていただきたいと思います。
 少子高齢化の急速な進展によって、労働力の不足など、経済社会環境は大きく変わりつつあり、これまでにない社会ニーズが次々と生まれてくる可能性があります。
 中小企業がこれからも成長していくためには、このようなニーズを把握して、新たな事業分野へ参入することが求められております。例えば、自動車にロボット技術を掛け合わせることによって自動運転システムが生み出されるなど、新たな発想によって市場を開拓していかなければなりません。
 さきの本会議で、我が党の質問に対して、都は、新事業分野の創出に向けた取り組みを開始すると答弁をされました。
 新事業分野の創出には、社会ニーズを捉えながら、市場性の高い分野を見きわめることが重要であります。さらに、中小企業による事業化を進めていくには、技術シーズの発掘や多額な開発費用に対する支援も必要となってまいります。これについて、都の取り組みを伺います。

○松永商工部長 都は来年度、既存事業分野への新しい技術の活用など新たな事業分野を創出し、中小企業の参画を図るプロジェクトを開始いたします。
 具体的には、従来のライフスタイルやビジネスモデルを変える可能性があり、かつ市場性が見込まれるテーマを公募し、採択されたテーマごとに事業を推進するプロモーターを選定いたします。事業プロモーターは、テーマ実現に向けて、中小企業と大学、金融機関等によるネットワークを形成いたします。
 さらに、そのネットワークにおいて、マーケットニーズの検証や必要な技術シーズの検討を行った上で、新事業分野における事業化、製品化のためのプロジェクトを立ち上げます。各プロジェクトに対して、都は、期間二年間で、開発に要する経費の三分の二、上限額六千万円の助成を行ってまいります。
 こうした取り組みにより、新たな事業分野の創出と中小企業のさらなる成長を支援し、東京の経済の持続的発展を図ってまいります。

○松田委員 ありがとうございます。農業とIoT技術を組み合わせた東京ならではの都市型農業のような新事業分野が創出をされて、そこで東京の中小企業が新たな市場を切り開き、世界を席巻していく製品やサービスを生み出していくことを期待いたします。
 次に、海外販路開拓支援事業についてお伺いをいたします。
 すぐれた技術や製品などを持った中小企業が海外市場でしっかりと稼いでいただいて、収益を向上させることが、東京の力強い経済をつくっていく上で欠かせません。
 アジアなどの新興国を中心とした海外需要の高まり、さらには、本年二月のTPPの最終合意などによって、海外市場への期待が高まっております。
 都はこれまでも、中小企業の海外販路開拓を支援してまいりましたが、今後、海外市場に挑戦をしようとする企業の増加が予想される中で、さらに多くの商談の場を確保するなど、支援の充実が求められております。
 また、中小企業の中には、海外展開を行おうとしても、いまだに足を踏み出せない企業も多いと聞きます。メジャーリーガーの田中将大選手も、高校を卒業したとき、メジャーリーグに行くのは、アメリカは怖いといって行かなかったんですが、結果的には行ったら通用する。ただ、なかなか一歩を踏み出すということが難しいことがあります。ぜひ東京都には、初めて海外展開を図ろうとする企業に対して、具体的な支援、サポートをしていっていただきたいと思います。
 こうした観点から、海外販路開拓への支援を一層強化すべきと考えますが、来年度の都の取り組みをお伺いいたします。

○松永商工部長 都は来年度から、中小企業の商談機会を確保するため、海外展示会への出展小間数を年間三十二小間から、四十小間に規模を拡充するとともに、新たに海外バイヤーが多く訪れる日本国際工作機械見本市などの国内展示会におきましても商談の機会を設けてまいります。
 また、海外展開のノウハウを持たない企業に対しては、個別相談会を開催し、企業の実情に合わせたきめ細かな対応を行ってまいります。
 さらに、海外でのビジネス経験豊富なプランマネジャー五名を新たに配置し、企業を個別に訪問し、事業計画策定のための実務的な助言等を行うとともに、金融機関と連携を図ることで、来年度新設する制度融資の海外展開支援メニューを利用しようとする企業の円滑な資金調達にもつなげてまいります。
 これらの取り組みにより、多くの中小企業の海外市場への挑戦を後押ししてまいります。

○松田委員 ありがとうございます。海外展開を図る上で、事前の計画づくりは、その後のビジネスの成否に直接かかわる重要な取り組みであります。都のサポートによって、意欲と可能性のある多くの中小企業が海外展開をできるよう、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、航空機産業への参入支援についてお伺いをいたします。
 先月、アジア最大の航空機展示会、シンガポール・エアショー二〇一六が開催をされました。出展者は四十八カ国で一千社、来場者も約五万人、非常に活況だったそうであります。
 高い品質や信頼性が求められる航空機部品の分野は、中小企業のすぐれた技術が大いに生かせる領域であります。世界の旅客機需要が拡大している今こそが、市場への参入や取引拡大の好機といえると思います。
 都は今年度、都内企業の技術力のPRや海外取引の窓口機能などの役割を担う中小企業ネットワーク、東京メトロポリタン・アビエーション・ネットワーク、略称TMANを立ち上げ、先日のエアショーにも出展をして、PR活動や企業の商談支援に取り組まれたと伺っております。
 そこで、情報発信力や海外取引の経験が乏しい中小企業へのこうした支援は非常に重要であり、今後も取り組みをさらに充実させるべきと考えますが、先般のエアショーにおける活動内容と新年度の取り組みについてお伺いをします。

○松永商工部長 都は今年度、航空機産業への参入や事業拡大を目指す中小企業の幅広いネットワーク、TMANを立ち上げ、航空機部品等の製造に対応できる都内中小企業の技術力を効果的にPRするとともに、海外からの引き合いなどを都内中小企業に橋渡しする窓口機能を設けることといたしました。
 お話のシンガポール・エアショーでは、ネットワークに参加する企業の得意分野などの情報を集約した英語冊子を作成し、表面処理、切削、板金など、さまざまな技術ニーズに対応できることなどを、TMANのブースを訪れた約百七十の企業、団体にPRいたしました。
 また、出展した中小企業九社に対し、マッチングや通訳によるサポートを行い、約百三十件の商談を実施いたしました。
 来年度は、ドイツで開催されるベルリン・エアショーに加え、東京で開催される国際展示会、ジャパン・エアロスペースにも出展するなど、展示会を活用した支援の充実を図るとともに、海外のバイヤーなどに対して、より詳細な情報を提供できるよう、ネットワークの英語版ウエブサイトを制作いたします。
 これらにより、都内中小企業の航空機産業への参入を強力に後押ししてまいります。

○松田委員 ことしのシンガポール・エアショーでは、国産のジェット機MRJが新たに二十機の受注を獲得したというニュースもありました。これは、日本の航空機産業がこれからさらなる成長が期待をできるという分野でありますので、東京の中小企業がこれに乗りおくれることのないように、しっかりと支援を継続、発展させていただきたいと思います。
 次に、中小企業団体に対する支援策についてお伺いをいたします。
 東京五輪の開催までの期間は、さまざまなビジネスチャンスが生み出される可能性に満ちた四年間であります。中小企業がこれを物にして、二〇二〇年のその先に向けて成長していく上で鍵を握るのが、一社一社は力の弱い中小零細企業が力を合わせ結集することであると考えます。
 例えば、訪日外国人を新たに顧客に取り込むために、多言語ホームページをつくったり、指さし会話アプリなどを開発する。あるいは、今治のタオルの事例のように、地場産業、地域の産品をメード・イン東京としてブランド化していく。今治は、バリィさんとか、いろいろなゆるキャラなんかもつくってやっておりますが、トウキョウXもぜひ、キャラクターをつくっていただけたらなと思っております。
 こうした取り組みは、企業単独ではなかなか難しくとも、協同組合などの団体ならば実現可能ですし、むしろ業界全体で協力して取り組むことの方が高い効果を期待ができます。
 都は来年度、こうした団体の意欲的な取り組みに対する支援を充実させるということでありますが、実情を踏まえた実効性ある制度をつくり上げていただきたいと思います。この支援の内容について、改めてお伺いをいたします。

○松永商工部長 都は来年度から、協同組合等の中小企業団体による地域産品のブランド化などの意欲的な取り組みを、専門家と助成金を活用して支援する事業を拡充いたします。
 具体的には、まず、専門家の派遣につきましては、新たな事業に取り組もうとする団体に対し、中小企業診断士等のコーディネーターを最大十二回まで派遣し、計画づくりから実行までを一貫して支援してまいります。
 さらに、支援の過程で、例えばマーケット動向や知的財産など特定分野の知見が必要となった場合には、十二回の派遣枠とは別に、これらの分野の専門家を活用できるようにいたします。
 また、助成金につきましては、展示会への出展や研修の実施など、販路開拓や人材育成の取り組みに加え、新たに、ホームページ等の多言語化対応や新商品の共同開発など、団体の幅広い取り組みを支援対象といたします。
 さらに、助成限度額につきましても、現在の百万円を原則二百万円に引き上げるとともに、商品開発の取り組みをさらに事業化までに進める場合などには、最大一千万円まで助成を行ってまいります。

○松田委員 ありがとうございます。現在百万円のところを最大一千万円ということで、拡大をしていただきましてありがとうございます。さらなる取り組みに期待をしていきたいというふうに(発言する者あり)二百万で、商品開発の事業化まで行く場合は一千万ということです。(発言する者あり)ありがとうございます。
 ただいまの答弁から、団体支援の取り組みが、専門家による人的支援と、助成金と財政面の両面からやっていること、そして新年度から、これがともに充実をして、かつ柔軟に活用できるように見直されることがわかりました。
 もっとも、支援内容が拡充をしても、中小企業団体が実際に利用できなければ、制度は血の通ったものにはなりません。
 例えば、今回の制度の拡充によって、商品の企画、開発から実用化まで二年がかりで進めていくような大規模プロジェクトということも射程に入ってくると思いますが、そのときに支援が一年で終わってしまって、中途半端な形になってしまっては困ります。
 また、最大で一千万の助成限度額といっても、事業費が多くなれば、その分の自己負担もふえます。特に、財政基盤の弱い組合が思い切った取り組みに踏み切れるよう配慮をしていく必要があると思いますが、新年度の支援策では、こうした財政基盤の弱い組合に対してどういう対応されるのかお伺いをいたします。

○松永商工部長 中小企業団体が、二〇二〇年大会やその先を見据えた意欲的な取り組みを進めていくに当たっては、先生ご指摘のように、計画づくりから実行までの事業期間が二カ年にわたるような規模の大きなプロジェクトも手がけるケースも考えられます。
 そこで、こうした案件につきましては、通算十二回の範囲内で翌年度もコーディネーターによる支援を実施するとともに、助成金につきましても、助成額の合計が助成限度額を超えない範囲で、二カ年にわたり支援を行ってまいります。
 さらに、現在一律で二分の一となっております助成率を、小規模企業団体につきましては三分の二に引き上げ、財政基盤の脆弱な団体の負担の軽減を図ってまいります。
 このように団体の実情を踏まえ、きめ細かに支援を行っていくことにより、中小企業団体の意欲的な取り組みを促してまいります。

○松田委員 ありがとうございます。小規模事業者には三分の二という拡大をしていただきまして、本当にありがとうございます。零細企業の多い業界団体にとっては大きな手助けになると考えております。こうした取り組みが、来年度の中小企業団体の利用につながることを切に願うものであります。
 また、事業の実施は、中小企業団体中央会が担うということでありますから、都と中央会で連携をして制度の周知をしっかりと行っていただき、一つでも多くの成功事例をつくり出していただきたいということを要望して、次の質問に移ります。
 最後に、都が来年度立ち上げる予定の中小企業連携促進ファンドについて伺います。
 ことし、今回の第一定例会の本会議で我が党の神野議員、また、先週の予算特別委員会で我が党の菅野議員が取り上げたように、独自の技術はあるものの、事業拡大や資金調達がしにくい中小企業やベンチャー企業にとっては、ファンドを通じて資金と経営の両面から支援をすることは大変有効だと思います。このファンドは、ALL JAPAN&TOKYOプロジェクトの一施策として位置づけられておりまして、東京と各地の企業の連携にも生かされると聞いております。
 先日の答弁では、ファンドの運営事業者が、マッチング機会の提供や投資の実行、その後の経営支援を行うということですが、政策目的達成に向けて都はどのように関与をしていくのか、また、今後のファンド設立スケジュールについてお伺いをいたします。

○山巻金融部長 ファンドの設立は、投資事業有限責任組合契約に関する法律に基づきまして行われます。都は有限責任組合員として参加をいたしまして、法令の範囲内において、ファンド価値の向上及びリスク管理の観点から、運営事業者への必要な提言を行っていくこととなります。
 具体的には、投資の意思決定を行う投資委員会にオブザーバーとして出席をするなど、ファンド運営の重要な方針決定の場に立ち会います。
 また、事業期間は十年程度を予定しておりますが、その間、専門家を活用いたしまして、投資先企業やファンドの資産状況の把握を行いますなど、出資目的にかなった運営がなされているかどうかにつきまして、適正なモニタリングを行ってまいります。
 今後のスケジュールにつきましては、まず、ファンドの運営事業者を公募いたしまして、企画提案方式により選定をいたします。その後、都の政策目的に賛同する民間出資者の参画を得まして、平成二十九年一月を目途にファンドを設立いたしたいと考えております。

○松田委員 具体的なご答弁、ありがとうございます。今ご答弁いただいたように、都がしっかりとかかわって進めていくことが重要であると思います。今後、ファンドの設立に向けた準備を着実に進めていただくことをお願いして、質問を終わります。

○大松委員 私からは、まず、MICEの誘致について質問いたします。
 MICEの誘致につきましては、国際的な競争が激しさを増しておりますので、誘致をかち取っていくためには、さまざまな効果的な方法を打ち出していかなければなりません。
 その中で注目すべきは、MICEの中でも、国際企業や外国企業の報奨旅行などの後に、美術館や伝統のある寺社などに場所を移しましてレセプションを行う、いわゆるユニークベニューでございます。このユニークベニューのよしあしが、MICE誘致を決める上で大変大きな要素になっているようでございます。
 しかしながら、我が国では、こうしたユニークベニューの利用がまだ普及しておりませんし、ユニークベニューに活用される施設の側にも十分な理解がありません。
 そこで、MICEの誘致をこれまでにも増して本格的に展開するのであれば、改めて、このユニークベニューについて、都内での現況や施設の管理者の意識等も調べて、課題などを洗い出して、施設の効果的な活用に結びつけていくべきであります。ユニークベニューの利用促進に向けた来年度の都の取り組みについて伺います。

○坂本観光部長 これまで都は、国際会議などの主催者に対しまして、東京観光財団を通じて、ユニークベニューの活用に当たり必要となる情報やノウハウの提供などを行ってまいりました。
 来年度からは、ユニークベニューの利用が可能となる施設数の拡大に向けて、都内での関連施設の状況を調査するとともに、利用に当たっての課題や必要な対応を整理し、主催者への情報提供に役立てることとしております。
 また、施設管理者に対しましても、ユニークベニューとしての利用を積極的に働きかけてまいります。
 こうした取り組みにより、東京の持つ資源を生かして開催都市としての魅力の向上を図り、MICE誘致を推進してまいります。

○大松委員 都内には、大変魅力のある美術館や博物館が数多くあります。そうした施設をユニークベニューとして活用する国際会議や外国企業の会議をふやしていくことが大切でございます。
 しかしながら、そうした施設の中には、貴重な美術品や文化財がありましたり、また、屋内のレイアウトを変え、改めて装飾を行う必要がある場合もございます。また、テーブルや照明器具を設置したり、飾りつけ、会場を設営するなど、さまざまな経費もかかってくるわけでございます。そこで、こうした主催者の負担を軽減することができれば、ユニークベニューの利用が進んでいくものと考えます。
 そうした観点に立ちまして、MICE誘致でユニークベニューの活用を後押しするために、来年度、都が実施する具体的な取り組みについて伺います。

○坂本観光部長 来年度、ユニークベニューの会場となる施設でのさまざまな準備に必要となる設営につきまして、企業などから依頼を受け、東京観光財団がかわりに対応を図ってまいります。
 そうした設営の総経費に関して、その二分の一を対象といたしまして、五百万円を上限に東京観光財団が支援を行うこととしております。
 こうした取り組みによりまして、ユニークベニューの効果的な活用につなげてまいります。

○大松委員 それでは、次に、外国人旅行者の情報収集、また、発信につきまして質問をいたします。
 東京を訪れる多くの外国人観光客は、インターネットを使いまして情報を収集し、旅先での体験などを発信しております。こうした外国人観光客をふやしていくためには、いつでも、どこでもインターネットに接続できる環境をつくっていかなければなりません。
 世界の各都市では、インターネットに速やかに接続でき、しかも料金がかからない無料のWi-Fiの普及に力を入れているようであります。東京におきましても、商業施設や交通機関など、多くの人が集まる屋内を中心に導入が広がっていますが、一方で、まち中につきましては、導入を進める余地はまだ大きいと思います。
 こうした中、東京都は昨年暮れ、都立施設で無料Wi-Fiサービスの提供を開始しましたけれども、今後は屋外での無料Wi-Fiの整備にも力を入れていくべきです。
 外国人観光客が旅先で確実に情報を入手できる環境を整えるための屋外での無料Wi-Fi整備について伺います。

○坂本観光部長 都は、旅行者が必要な情報を確実に入手できるよう、昨年末に、三十五の都立施設におきまして、共通の手続で利用のできる無料Wi-Fiサービスの提供を開始いたしました。
 今後は、まち中においてもこのサービスを利用できるよう、歩道上にある観光案内標識の周辺にWi-Fiを無料で使えるスポットをふやしてまいります。具体的には、都道上の案内標識周辺にWi-Fiアンテナを設置するとともに、区道上の案内標識周辺に都のWi-Fiと共通利用の可能なアンテナを設置する場合には、区が必要とする整備費に対する助成を行ってまいります。
 直近では、今年度末までに、新宿、上野、この両地域のまち中においてサービスを開始するとともに、来年度以降、さらに整備を加速いたしまして、外国人旅行者が多く訪れる地域のWi-Fiの整備を速やかに進めてまいります。

○大松委員 明快な答弁、ありがとうございます。ぜひ整備を進めていただきたいと思います。
 次に、デジタルサイネージによる情報提供について質問いたします。
 都内の商業施設や鉄道駅などで、広告や施設案内等の情報を提供する手段として、デジタルサイネージの活用が進んでおります。デジタルサイネージは、さまざまな内容を画面でわかりやすく伝える仕組みでありまして、観光情報を提供する新たなツールとして非常に将来性がございます。
 デジタルサイネージを観光分野で活用すれば、外国人旅行者にとりましても極めて頼りになるツールとなると考えます。取り組みを進めるに当たりましては、東京の観光スポットがすぐにわかるように外国語で表示をし、旅行者が求めるさまざまな情報を盛り込む工夫も重要です。また、実際に利用する人の声も聞き、利用者の目線に立って情報のレベルを高めていく努力をしていただきたいと思います。
 こうした点を踏まえまして、都として、デジタルサイネージを活用して外国人旅行者へさまざまな情報を提供していくべきと考えますが、今後の具体的な取り組みについて伺います。

○坂本観光部長 都は今年度より、旅行者が旅先で必要とする情報を多言語で提供することを目的に、周辺の地図情報、目的地までのルートの検索機能のほか、多言語でのメニューを提供できる飲食店の情報や都内で開催されるイベント情報などを盛り込んだデジタルサイネージの整備に取り組んでおります。
 年度末までに、新宿と上野の歩行空間に合計で四基のデジタルサイネージを設置いたします。さらに、来年度は、整備を一層加速し、外国人旅行者の多い地域で重点的な取り組みを進めてまいります。
 これによりまして、外国人旅行者がまち中で正確な観光情報を確実に確保できる環境を速やかに整えてまいります。

○大松委員 このデジタルサイネージの最大の特徴は、提供する情報やコンテンツを自由に変えられることでございます。今後も引き続き、旅行者のニーズや利用状況の変化に柔軟に対応しながら、的確な情報発信に取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、次に、EAT東京について伺います。
 海外から日本を訪れる旅行者の多くは、和食を初めさまざまな食事を味わうことを楽しみにされていらっしゃいまして、外国人旅行者が東京での食事を心地よく楽しんでいただける環境をつくっていくことが大切です。しかしながら、実際には、外国人が都内の飲食店を訪れましても、日本語のメニューしかなく、店員も内容をうまく伝え切れないことが多いようでございます。
 そうした中、東京都は、さまざまな言語でメニューを作成できるサービスを実施しているところでございまして、そして、このサービスを利用して作成した外国人向けのメニューは、食事の内容を説明するのに大変役に立っていると、また、来店者の評判も大変よいとのことでございます。
 今後は、外国人旅行者がメニューの内容を読んですぐに理解できるように、さまざまな面で改善を加えていくとともに、メニューの作成方法など、店舗側の目線で、より使いやすいものへと機能の充実を図っていくことが必要と考えます。
 このような中で、外国人旅行者のための多言語メニュー作成に対する支援についての今後の取り組みについて伺います。

○坂本観光部長 都は、東京を訪れる外国人旅行者が、食事の際にメニューの内容を正確に理解できるよう、飲食店が簡単に多言語でメニューを作成できるウエブサイト、EAT東京の運営を行っております。
 今年度は、飲食店にとってより使い勝手のよいものとなるよう、利用店舗からウエブサイト上で意見を受け付ける仕組みや、単品の料理以外にコース料理メニューの作成もできる機能の追加を行っております。
 来年度は、メニューの中で表示できる料理の名称や食材の内容をより一層わかりやすく表現ができるように、システム上で扱うことのできる単語をふやすことなどによりまして、ウエブサイトとしての質の向上を図ってまいります。
 これらにより、外国人旅行者が都内で快適に観光できる環境づくりを進めてまいります。

○大松委員 外国人旅行者にすぐれたサービスを提供できるよう、EAT東京のシステムを利用する飲食店をふやしていくことが大切でございます。外国人旅行者が気軽に食事を楽しんでいただくために、できるだけ多くのお店に多言語のメニューを置いていただくよう、都としても普及活動に力を入れていくべきと考えます。
 EAT東京を普及するに当たりましては、パソコンの操作にふなれで使い方がよくわからないという飲食店の店主の皆様方も多いということも想定されますので、利用方法をわかりやすく伝える機会を幅広く設けていくことが重要でございます。また、それに合わせまして、外国人旅行者への接客方法も理解できるような場を設けることも必要であります。
 EAT東京の普及に向けました都としての来年度の具体的な取り組みについて伺います。

○坂本観光部長 これまで都は、EAT東京の運営につきまして、これを導入する飲食店をふやすために、ウエブサイトの内容をわかりやすく説明する研修会、こちらの方を秋口の十月に集中して六回開くことなどの取り組みを行ってまいりました。これによりまして、約四百二十店舗がウエブサイト上でメニューや店舗情報を掲載しているところでございます。
 来年度は、さらに多くの飲食店の利用を後押しするための研修会を、年度前半の半年に四回、後半にさらにまた四回の合計八回開催いたします。その際には、EAT東京の操作方法に加えまして、外国人旅行者への対応に関する知識やノウハウの提供も行うことといたします。
 こうした取り組みを通じまして、外国人旅行者の受け入れ体制レベルの向上に結びつけてまいります。

○大松委員 このEAT東京は、海外からの旅行者に日本のさまざまな食文化を気軽に体験していただくために、非常に便利なツールでございます。ぜひ、より使いやすいサイトとなりますよう、機能の充実とさらなる普及拡大に取り組んでいただけますようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。

○島崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○島崎委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時二十五分散会

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