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Tokyo Metropolitan Assembly

経済・港湾委員会速記録第十三号

平成二十七年十一月十二日(木曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長島崎 義司君
副委員長小林 健二君
副委員長清水 孝治君
理事あさの克彦君
理事田中たけし君
理事かち佳代子君
松田やすまさ君
尾崎あや子君
大松あきら君
木内 良明君
三宅 正彦君
田島 和明君
石毛しげる君
三宅 茂樹君

欠席委員 なし

出席説明員
中央卸売市場市場長岸本 良一君
管理部長野口 一紀君
事業部長白川  敦君
新市場整備部長飯田 一哉君
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務金子 光博君
財政調整担当部長坂田 直明君
移転支援担当部長長田  稔君
新市場事業推進担当部長櫻庭 裕志君
移転調整担当部長赤木 宏行君
基盤整備担当部長若林 茂樹君
施設整備担当部長佐藤 千佳君
港湾局局長武市  敬君
技監石山 明久君
総務部長浜 佳葉子君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務中村 昌明君
調整担当部長矢部 信栄君
港湾経営部長古谷ひろみ君
港湾経営改革担当部長蔵居  淳君
臨海開発部長山口 祐一君
開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務原   浩君
営業担当部長有金 浩一君
港湾整備部長小野 恭一君
計画調整担当部長角  浩美君
離島港湾部長小林 英樹君
島しょ・小笠原空港整備担当部長神山 智行君
労働委員会事務局局長櫻井  務君

本日の会議に付した事件
労働委員会事務局関係
事務事業について(質疑)
中央卸売市場関係
報告事項(説明・質疑)
・豊洲新市場(仮称)水産仲卸売場棟建設間仕切工事
・豊洲新市場(仮称)水産卸売場棟建設防熱工事
事務事業について(質疑)
港湾局関係
事務事業について(質疑)

○島崎委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局、中央卸売市場及び港湾局関係の事務事業に対する質疑並びに中央卸売市場関係の報告事項の聴取を行います。
 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○木内委員 私は、これまでほとんど毎年、事務事業質疑の際に、本委員会において、東京都労働委員会の役割、実績、そしてさまざまな課題への取り組みをただしてきました。
 申し上げるまでもなく、議会の権能と役割ということを常に私は念頭に置いているんですが、その一つは、最も大事な予算案の決定という役割であり、もう一つは、適正な事業執行へのチェック機能というものがあると思います。
 それから、同時に、都政に関する本議会では、政策提言とその実現、実施に向けての推進の立場からのベクトルがある、こういうことで私は常に取り組んでいるわけでございますが、特に、地味ではありますけれども、労働委員会事務局といいますのは、東京の労働関係の安定のため、ひいては日本の経済発展を支えるという意味からも非常に大きな役割、こういう側面があるわけであります。
 地味ではあるけれども、このことを都民の代表として、しっかりと私自身が認識をしていく必要があると、こう考えているわけでございまして、ほとんど議会を代表するような立場で、一人でこの労働委員会事務局の質疑には歴年当たってきましたけれども、考えてみますと、きょうは他の会派からも二名の方が質疑に立つということを聞いておりまして、何か新鮮な思いがいたしております。
 昨年の委員会では、労働委員会には、不当労働行為事件の解決に当たり、将来の安定的な労使関係を構築するために、申し立てられた内容にとどまらず、委員会の裁量で救済方法まで具体的に示して命令を出すことができるなど、裁判所と比べて、より積極的な役割が与えられていること、また、労働委員会のもう一つの重要な役割であるあっせんには、短期間で事件を解決することができるというメリットがあることなどを確認いたしました。
 こうした労働委員会制度は、終戦直後の昭和二十一年三月に発足し、来年には何と七十年という節目の年を迎えるわけであります。長きにわたり労使紛争の解決に寄与してきた労働委員会の役割を、本日の事務事業質疑の場で明らかにしてまいりたいと思いますが、中国の戦国時代の思想家、荘子の言葉に、虚室白を生ずというのがあります。何も入っていない空き部屋には、自然に太陽の光が入り明るくなるように、先入観を持たず無心の状態で人に接すれば、その人の意見や真意を率直な気持ちで受けとめることができるという意味があります。
 この委員会では、本日が新しい編成のスタートであります。私自身、この言葉を念頭に心を新たにしてまいりたいと思います。
 そこでまず、労働委員会の具体的な役割についてご報告を願います。

○櫻井労働委員会事務局長 労働委員会は、労働組合法及び地方自治法に基づいて設置をされ、公益委員、労働者委員、使用者委員の三者で構成をされました合議制の行政機関でございます。
 その役割は、公平な立場の第三者といたしまして労使間の紛争処理を行うことにより、労働基本権の保護と労使関係の安定、正常化を図ることでございます。
 具体的には、企業が労働組合加入を理由に労働者に対し不利益な取り扱いをしたり、正当な理由がないのに労働組合等の団体交渉を拒否するなど、労働組合法が不当労働行為として定める労使関係のルール違反があった場合、労働組合の申し立てによりまして、企業にそのような行為をやめるように救済命令を出します。
 また、申し立てのあった企業と労働組合との間の労使紛争につきまして、将来の労使関係を安定させるように和解を促してまいります。
 さらに、企業と労働組合との間で賃上げや労働時間などの労働条件をめぐって紛争が発生した場合、労働関係調整法の定めに従い、あっせんや調停により紛争を解決するなどの役割を担っております。

○木内委員 申し上げたように、労働委員会は地味ではありますけれども、労使関係の安定、ひいては経済の発展といった観点から重要な役割を担っているということが、今の答弁からも明らかであります。
 しかし、都民の方々には、その存在をなかなか知られていないという面がある。このため、私は毎年、本委員会で東京都労働委員会に焦点を当てた質疑を行ってきましたけれども、昨年度の委員会では、役割と同じように地味である当時のホームページを改良して、都労委の存在を、より多くの働く人や中小企業の経営者の方々、そして広く都民の方々に知ってもらって活用してもらうべきだと指摘をさせていただきました。
 その際、遠藤前局長から、都労委の存在を知っていただくという観点に立ってホームページを改善すると、私の提案に対してこういう答弁がありました。
 その後の取り組みを伺いたいと思います。

○櫻井労働委員会事務局長 昨年度の本委員会での木内先生からいただいたご指摘を踏まえまして、都労委のホームページにつきまして、労働組合など、労働委員会制度を既に知っている、あるいは利用している方々だけでなく、より多くの都民の方に都労委の存在を知っていただくため、わかりやすく親しみを感じていただけるホームページを目指しまして見直しを行いました。
 具体的には、トップページの文字を減らしてデザインをシンプルにいたしまして、イラストや写真を多く使用することで、視覚的にも都労委の役割を理解できるように改善をいたしました。
 さらに、会長の顔写真が入りました都民に向けた挨拶、裁判と同様に公開をしております審問の傍聴案内など、新たなページも追加いたしまして、今月より運用しているところでございます。

○木内委員 今まさに答弁がありましたように、ホームページは本当によいものになったというふうに思います。
 これは旧タイプのホームページ、全くイラストもなければ文字だけが並んでいるという無味乾燥なと申し上げていい、そういうものだと思います。今、答弁があったように、新たに作成されたホームページは、こういうふうにイラストが入り、非常に、カラーページで親しみやすく、読みやすく、理解しやすい内容になっております。こうしたご努力をされたことに、私は高い評価をさせていただきたいと思うのであります。
 積極的に、さらに情報発信をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 さて、こうした重要な役割を担う都労委ですが、私は、過去の委員会におきまして、都労委が全国の約半分、約四百五十件という膨大な事件を取り扱っていること、さらに、毎年度、全国の約三分の一を占める新規の申し立てがあり、ボリュームの面でも我が国の労使紛争の解決に大きな役割を占めていることを明らかにしてまいりました。
 さて、こうした都労委の最近の状況についてまずお聞きしますけれども、昨年度の不当労働行為の新規申し立て件数と、その申し立て内容の実態、状況についてお答えを願います。

○櫻井労働委員会事務局長 平成二十六年度に都労委に新規に申し立てられました不当労働行為事件は百三十三件でございまして、前年度に続き増加傾向にございまして、平成になってから最も多い件数となっております。
 申し立て内容の状況につきましては、実際の事件では不利益取り扱いと団体交渉拒否のように複数の事由で申し立てられるものもございまして、これらも数えますと、例年、団体交渉拒否を申し立て事由に含む事件が最も多くなっております。
 平成二十六年度に特徴的であったのは、団体交渉拒否のみを申し立て事由とする事件が六十一件ございまして、前年度の四十七件から大幅に増加をいたしまして、新規申し立て件数、先ほど申し上げました百三十三件の約半分となったことでございます。

○木内委員 たしか前回の質疑のときにも申し上げたと思うんですけれども、この扱う件数ですとか、いわゆる申し立て件数などなどの数字の変遷というのは、時の社会状況であったり、あるいは経済的環境によって、随分と実は変動があるということであると思います。
 景気が上向いているのに新規申し立て件数がふえる傾向にあるというのも、今ありました。労使紛争の背景にある労使関係にこうした何か変化があるのではないかと、このようにも感じるものなんですけれども、昨年度、新規申し立て件数がふえて、その中でも申し立て内容について、団体交渉拒否のみの事件が増加したというこの背景は一体何でしょう。

○櫻井労働委員会事務局長 企業の枠を超え、個人で加入できる労働組合でございます、いわゆる合同労組からの申し立てが増加をしております。昨年度の新規申し立て件数の増加につながっているというふうに考えております。
 合同労組からの申し立ては、平成二十五年度は八十一件で、新規申し立て件数の約六割であったものが、平成二十六年度におきましては九十七件、新規申し立て件数の約七割を超えるまでになっております。
 また、平成二十六年度の団体交渉拒否のみを申し立て事由とする事件、先ほど申し上げました六十一件でございますが、このうち、合同労組からの申し立ては四十八件となっておりまして、その八割を占めているところでございます。
 このように合同労組からの申し立てがふえており、そのうちの約半数が団体交渉拒否のみを申し立て事由としているというところでございます。

○木内委員 非常に刮目してこの事実は見るべきだと思うんです。特に、個人で加入できる労働組合としてのいわゆる合同労組からの申し立てが増加をしてきている。昨年度新規の申し立てと団体交渉拒否のみを申し立て事由とする事件がふえたのは、合同労組からの申し立てがふえたためだということが、数字から実は理解できるのであります。
 そこで、都労委への申し立ての約七割を占める合同労組とは、実態としてどういう内容の労働組合なのか伺います。

○櫻井労働委員会事務局長 明確に定義されたものはございませんが、一般に合同労組とは、一定の地域で企業の枠を超え、主に組合のない中小企業の労働者などを対象に、個人で加入できる労働組合のことでございまして、合同労組、一般労組、地域ユニオンなどと呼ばれております。
 合同労組は一般的な企業別の労働組合とは異なり、複数の企業や異業種の企業の労働者がその構成員となっております。

○木内委員 今まで会社には全く関係のない社外の労働組合から団体交渉を申し込まれれば、会社としては思わず身構えてしまうのであります。そのことが団体交渉拒否の増加にあらわれているのではないかと、こうも推測されるのであります。
 それでは、さらに伺うんですけれども、この合同労組からの申し立てがふえている要因は何だと認識されていますか。

○櫻井労働委員会事務局長 先ほど申し上げました平成二十六年度に合同労組から申し立てのございました団体交渉拒否のみを事由とする事件、四十八件でございますが、そのほとんどにおきまして、未払い賃金、労働時間、昇進、雇いどめなどの個人の労働条件や雇用にかかわる事項が団体交渉の交渉事項とされております。
 また、平成二十六年度の非正規雇用に係る事件は三十件ございましたが、そのうち合同労組が申し立てた事件は二十二件でございまして、全体の約七割を占めております。
 こうしたことから、労働組合のない中小企業に働く労働者や企業の正社員ではない、いわゆる非正規労働者が、個人の労働条件をめぐる労使紛争を、合同労組を通じて解決しようとする動きがございまして、このため合同労組からの申し立てがふえたものと考えられます。

○木内委員 いわゆる非正規労働者が、個人の労働条件をめぐる労使紛争を、合同労組を通じて解決しようとする動きがあって、これは今後、やはり私は割合は増大をしてくるものと、こう思われるのであります。
 景気はよくなっても、雇用就労形態が複雑多様化する昨今、集団的労使紛争を専門に取り扱うという東京都労働委員会ではありますけれども、実質的には、個別的労使紛争である事件の解決を、実態的には求められているということがよくわかりました。
 労使の紛争が、かつての三井三池争議などの大規模な労働争議から、個人の労働条件をめぐる労使紛争に移り変わっていることを思うと、まさに今昔の感を深くするのであります。
 このように都労委に持ち込まれる労使紛争には、社会経済状況の変化が反映されていることがわかります。その仕事ぶりの一端がメディアに登場することもしばしばあります。例えばファミリーマート事件、とりわけことしの四月に都労委が命令を出したファミリーマート事件は、多くのテレビや新聞で大きく報道されました。
 なぜこの事件が注目されたのか、この事件の経過と内容、さらに、これに対する都労委の対応をご報告願います。

○櫻井労働委員会事務局長 この事件は、コンビニエンスストアのファミリーマートの加盟店の店主でつくる団体が、会社に対しましてフランチャイズ契約の更新に当たっての会社の判断基準について団体交渉を申し入れたところ、会社がこれを拒否したことは不当労働行為であるとして申し立てた事件でございます。
 都労委は、フランチャイズ契約におきまして、会社の指示により店主自身が長時間業務に従事していること、また、会社は商品の発注、陳列から店舗の清掃方法等、細部に至るまで定めた詳細なマニュアルに従うことを求めていることなどの実態を踏まえまして、この事件では、店主を労働組合法上の労働者であると認め、会社に団体交渉に応じるよう命じたところでございます。
 コンビニ店主を労働組合法上の労働者とみなす判断は、昨年三月の岡山県労委によるセブン-イレブン・ジャパンへの命令に続く二例目でございますが、都労委が出した判断としてマスコミの注目が集まったところでございます。

○木内委員 岡山の県労委、セブン-イレブン・ジャパンへの命令があって、都労委が出した判断としてマスコミの注目が集まった。私はこの差異というものを考えるんですが、東京都の労働委員会が出した、こうした判断というものが全国の注目を浴びる。東京都労働委員会の動向というものが、常に先進的に、全国的なそうした傾向というものをリードといいますか、先導してきているということがいえるんだと思うんです。
 今回の命令は、フランチャイズ契約における加盟店主の労働者性という新たな課題に一定の考え方を示したものであって、こうした都労委の判断は、申し上げたように全国の労働委員会にも影響を及ぼすものでありますから、極めて重要だといわざるを得ません。
 今後とも、社会経済状況がますます複雑化、多様化する中にあっても、都労委には新たな課題に的確に対応して、安定した労使関係の確立に寄与していただきたいと思うのであります。
 さて、都労委の命令に当事者が納得し、確定すれば紛争は解決します。しかし、実際には当事者が、都労委の命令を不服として、国の中央労働委員会に再審査を求めたり、裁判所に取り消し訴訟を起こす例もあるというふうに仄聞します。先ほど紹介のあったファミリーマート事件についても、現在、中労委に係属しているとのことであります。
 都労委で発した命令に対して、当事者が納得せず、中労委や裁判所に持ち込む事例がどのくらいあって、また、都労委はそれに対してどのような対応をしているのか伺います。

○櫻井労働委員会事務局長 木内先生のお話のとおり、都労委の命令に不服がある場合には、使用者、労働組合、いずれにおいても、中労委に対する再審査の申し立て、または裁判所に対する取り消し訴訟を提起することができます。
 平成二十六年度に都労委で交付した命令は二十四本でございますが、このうち、確定したものは八本であるのに対し、中労委での再審査や裁判所での取り消し訴訟となったものは十六本でございまして、全体の約七割となっております。
 再審査が申し立てられた場合、都労委は事件にかかわる記録一式を整理して中労委に送付し、これに基づき中労委が改めて事件を審査することになります。
 また、都労委の命令に対する取り消し訴訟が提起された場合、都労委は被告となりますが、命令の適法性、妥当性を主張するとともに、命令の根拠となる事実を証拠として提出するなどいたしまして、都労委の判断が維持されるよう努めているところでございます。

○木内委員 確かに答弁にあったように、この都労委の命令に対する取り消し訴訟が提起された場合に都労委は被告となるわけでありまして、命令の適法性、行った行為に対する妥当性というものを主張するとともに、命令の根拠となる事実を証拠として提出するなどして、都労委の判断が維持されるよう努められる、まさに大変なご苦労とご努力がここにもにじみ出ているわけであります。
 都労委が命令を出した事件のうち約七割が中労委、あるいは裁判所に対して不服を申し立てられているということですが、その後の再審査や訴訟の結果、都労委の命令が覆ることがあるんですか。

○櫻井労働委員会事務局長 都労委の命令に対しまして再審査の申し立てがあったもののうち、平成二十六年度に中労委が再審査命令を出したものは九件ございますが、一部の変更はあるものの、おおむね都労委の命令を維持しております。
 また、都労委の命令に対しまして取り消し訴訟が提起されたもののうち、平成二十六年度に東京地裁において訴訟が終了したものが六件ございますが、当事者による訴えの取り下げは四件、棄却判決が二件となっておりまして、都労委の命令が覆ったものはございません。
 なお、その後、一件が高裁に控訴されましたが、他の五件は都労委の命令が確定をいたしました。

○木内委員 答弁を聞いて、私は愁眉を開く思いがするんですけれども、中労委や取り消し訴訟において都労委の命令がおおむね維持されているとのことでありますが、これは言葉をかえれば、都労委の判断が公正中立で適正適法なものであるということのあかしであると、こうも考えられるんだと思います。
 しかし、取り消し訴訟にまでなれば大変時間がかかることが想定されます。今、答弁のあった命令の確定した五件について、都労委の命令が出てから東京地裁での訴訟が終了するまでどのくらいの時間を要しているのか、また、高裁に控訴された一件については、事件の内容、どのような事件であるのかも含めて、その経過を詳しく伺いたいと思います。

○櫻井労働委員会事務局長 まず、命令の確定をいたしました五件についてでございますが、都労委での命令交付から地裁での訴訟終了までの期間につきましては、短期間で取り下げとなったものもございまして一概には申し上げられませんが、長いものでは二年三カ月を要したものがございます。
 次に、高裁に控訴された一件でございますが、こちらの具体的な事件名は、日本航空事件でございます。この事件は、経営再建中でございました日本航空におきまして、更生管財人の組合に対する発言が不当労働行為であるとして申し立てられたものでございまして、都労委では平成二十三年に救済命令を出しました。
 その後、この命令に対しまして取り消し訴訟が提起され、三年後の平成二十六年、東京地裁で棄却判決が出され、都労委の命令が維持されました。
 さらにその後、東京高裁に控訴され、本年棄却判決が出されて、都労委の命令が引き続き維持されました。
 なお、本件は現在、最高裁に上告をされており、都労委での命令から既に四年が経過しているところでございます。

○木内委員 都労委として命令を出した以上、その不服に対しては毅然と戦うことが必要であります。しかし一方で、訴訟となれば、場合によっては、答弁にもありましたけれども、何年にもわたって続き、労使間の争いがその間解決しないこととなり、当事者にとってはつらいことであります。特に対決のまま時間が推移していくことによる大きな、実は両者間の傷というのも出てくるわけであります。
 そこで都労委では、かねてより和解に向けた積極的な取り組みが行われているところでありまして、都労委の和解率、これも毎年、私はお尋ねをしておりまして、非常に深い関心を持っているのでありますけれども、昨年度の質疑では、和解率の低下に歯どめがかかったとの説明がありました。
 平成二十六年度の和解の取り組み状況についてご報告願います。

○櫻井労働委員会事務局長 和解率についてでございますが、これは終結した事件のうち、和解により解決したものの割合のことでございます。
 平成二十五年度の和解率は五六%でございましたが、平成二十六年度は終結した百二十五件の事件のうち八十三件が和解で解決をいたしまして、和解率は六六%と、過去五年間で最も高い和解率と最も高い和解件数となってございます。
 これは、労使間での話し合いの機運を生かしまして、事件を担当する三者委員が、公益委員の審査指揮のもと、積極的に和解の方向を検討いたしまして、労使の委員がそれぞれ労働組合と使用者の話を親身になって聞きながら、粘り強く調整や説得に努めた結果であると考えております。

○木内委員 低下傾向にあった都労委の和解率が再び上昇に転じた。年間八十件を超える事件を和解により解決したことは評価できます。
 和解は、公労使それぞれの立場を代表する三者の委員から構成されるという労働委員会の特徴を最大限に生かした極めて重要な機能だと私は考えます。
 労使紛争を和解で解決することについて、都労委の基本的な考え方を伺いますし、この和解ということのメリットは非常に大きいものがあるわけでありますが、どうでしょうか。

○櫻井労働委員会事務局長 昨年度、不当労働行為事件の約七割が、命令を発することなく、都労委におきまして和解により解決しております。
 和解は、労使双方が紛争の解決に向けて十分に協議し、納得した上で協定を結ぶものでございます。その結果、紛争が全面的に解決するだけでなく、労使間において信頼関係が築かれることから、将来に向けましても、労使双方にとって望ましい解決方法であると考えております。
 また、命令に対します再審査や取り消し訴訟により紛争が継続、長期化することなく、命令に至る事件のおおむね半分の期間で解決に導くことができ、事件の早期解決にも最良の方法といえると思います。
 今後とも都労委では、労使間に話し合いにより解決する機運がある場合には、公労使の担当委員が労使双方の主張を聞いた上で和解案を提示し、互いに歩み寄ることを促すなど、積極的に和解を進め、将来に向けましても、よりよい労使関係が醸成されるよう努めてまいります。

○木内委員 労働者と会社のように今後も関係が続くというところにつきましては、和解のメリットは非常に大きいと思います。例えば、金銭の貸し借りのような民事事件では、その争いが終わればもう関係がなくなるというのが一般的でありますけれども、労使紛争については、労働者と会社との関係は命令や判決が出たからといって関係がなくなるということではなく、その後も労使関係は続いていくわけであります。
 そのため、後々のことまで考えれば、双方理解を深めて、今後の労使関係をよくしていくための和解という方向が、労働者にとっても会社にとっても、絶対にこれは望ましいということがいえるわけであります。
 また、和解は命令の半分の期間で結論が出るという時間的なメリットもあります。私は、この意味からも労働委員会の存在というのは本当に大きいんだな、意味があるんだということを強く感ずるんです。今後とも、公労使の三者委員の皆様には、粘り強く労使双方を説得して労使紛争の解決に極めて有効な和解に引き続き尽力をしてもらいたいと思うのであります。
 また、都労委がこれだけの量の事件を処理するとともに、命令のレベルの高さを維持するために委員を補佐する事務局の方々のご苦労は大変なものがあると推察をいたします。ぜひとも、ご努力をさらに願いたいと思うのであります。
 中国の歴史書である後漢書に、疾風に勁草を知るという言葉がある。疾風とは速く激しく吹く風であり、勁草とは風雪に耐える強い草であります。強い風が吹いたときに初めて、それに負けない強い草を見分けることができることから、困難や試練に直面したときに、初めてその人の意思の強さや信念の堅固さ、人間としての値打ちがわかるという意味であります。
 日々、困難な事件に対応されている労働委員会事務局の皆様には、東京の労使関係の安定、ひいては日本の経済発展の礎を支えているという高い誇りと信念と、そして自負を持っていただき、公労使の三者委員をしっかり支えていただくことを要望するものであります。
 なお、私は四十分の質疑時間の通告をしましたが、要点に絞ってお聞きしましたので、審議促進に協力する意味から三十二分で終了させていただきますので、後に続く方もご理解をいただければと思います。
 以上で私の質問を終わります。

○尾崎委員 二〇一四年の取扱件数、千百四十件となっています。その中で、不当労働行為の審査は四百四十九件で、前年よりも、取扱件数も不当労働行為の審査もふえています。
 そこで、不当労働行為救済命令が出た案件数、命令が確定した案件数について、五年間の状況について伺います。

○櫻井労働委員会事務局長 先ほど木内委員のご質問にもご答弁申し上げましたが、都労委では和解による解決に積極的に取り組んでおりまして、五年間ということでございますので、平成二十二年度から二十六年度までの五年間で終結をいたしました五百七十六件のうち、労使双方の合意による和解や当事者の納得により、取り下げにより解決した事件が五百七十六件のうちの四分の三を占めております。
 和解や取り下げに至らず救済など命令を出した事件は、残りの四分の一、百三十九件でございまして、これらはそもそも紛争の内容が複雑であったり、労使の主張の開きが大きく調整が困難であったり、労使関係が非常に緊迫しているなどの事情のあるものでございます。
 このため、使用者の不当労働行為を認める都労委の救済命令に対しまして、中労委への再審査申し立てや裁判所への取り消し訴訟提起によって、引き続き争われることが多くなっております。
 過去五年間の救済命令を出しました事件は合計で百七件でございまして、このうち、十七件が中労委への再審査申し立てや裁判所への訴訟提起がなく確定をしております。
 各年度の状況について申し上げます。二十二年度が命令二十件で三件が確定、二十三年度は命令二十件で四件が確定、二十四年度は命令二十二件で三件が確定、二十五年度は命令三十一件で二件が確定、昨年度は命令十四件で五件が確定でございます。
 なお、その後、中労委や裁判所におきまして、紛争解決に向けた労使の話し合いや調整は継続しておりまして、現時点におきましては、再審査申し立てや取り消し訴訟が提起された事件の約六割が和解や判決の確定により終結しているところでございます。

○尾崎委員 命令の交付については、使用者は遅滞なくその命令を履行しなければならないと労働委員会規則四十五条に規定がありますが、東京都労働委員会の不当労働行為救済命令が出されても従わないという事例についてどう認識していますか。

○櫻井労働委員会事務局長 先ほどもご答弁を申し上げましたが、過去五年間で救済など命令を出した事件は、全体の事件の中の四分の一と少なくなってございますが、その内容を見てまいりますと、紛争内容が複雑、あるいは和解の調整が困難、労使関係が非常に緊迫をしているといったような事情のあるものでございます。
 このため、使用者の不当労働行為を認める救済命令に対しましては、中労委への再審査申し立てや裁判所への取り消し訴訟の提起によって、引き続き争われる傾向にございまして、その間は当該の救済命令は確定しないこととなります。
 救済を命じられました使用者は、再審査申し立てや取り消し訴訟の提起により当該命令が確定しない間は、裁判所が労働組合に回復困難な損害が生じることを防止しなければならないと認めて、使用者に対していわゆる緊急命令を発した場合を除き、刑罰や過料などの行政罰により救済命令の履行を強制されることはございません。
 一方で、労使関係は未来に向かって続いているものでございまして、その中で、例えば景気の改善による雇用条件の変化や、春闘要求事項が交渉を続ける中で解決するなど、労使関係は時間とともに刻一刻と変化をしていくものでございます。
 さらに、労働組合側も、使用者側も、都労委の初審命令での内容を踏まえまして、中労委での再審査手続中も、あるいは裁判所での訴訟中も、漫然とその判断を待っているのではなく、紛争の解決に向けて調整や努力を行っているところでございます。
 以上のことから、中労委での再審査手続中や裁判所での訴訟係属中に、初審の時点の判断である都労委の命令の履行を使用者に求めることは、制度上も現実的にも難しく、適当ではないと考えております。
 なお、都労委といたしましては、これらのことを踏まえた上で、命令書の交付に際しましては、使用者は遅滞なくその命令を履行しなければならないという労働委員会規則の規定を留意事項として明記した文書を添付することによりまして、使用者の速やかな履行を促しているところでございます。

○尾崎委員 今の答弁の中で、訴訟係属中に初審の都労委の命令の履行を使用者に求めることは難しいというようなご答弁と、もう一方では、中労委での再審査手続中も裁判所での訴訟中も調整や努力を実施するというようなご答弁でした。
 両方聞いてみますと、ちょっと矛盾するような内容でもあるのかなというふうに思ってしまうわけですけれども、労働委員会規則は、先ほどもいいましたように、使用者は遅滞なくその命令を履行しなければならないという義務規定があるわけです。再審査請求しようが、行政訴訟しようが命令を履行しなければなりません。その命令の効力が失われるのは、次の命令、裁判が出た時点です。
 ところが、その規定には罰則規定がないために、大企業などが履行していない状況があります。その一つに日本航空があります。日本航空は二〇一〇年一月九日、政府指導のもとで公的整理が行われ、公的資金として企業再生支援機構から三千五百億円が出資され、再建が進められてきました。
 企業再建に当たって、従業員に対して希望退職の募集を進めてきました。しかし、会社側は人員削減目標が未達との理由で、整理解雇の人選基準を年齢や病気、欠勤歴のあるパイロット三百七十人、客室乗務員六百六十人を発表し、さらなる希望退職を募集しました。
 日本航空乗員組合とキャビンクルーユニオンの二つの組合は、整理解雇に反対して解雇回避のための交渉を行いました。二つの労組は、交渉の実効性を確保するため、あわせて争議権投票を行っていました。
 二〇一〇年十一月十五日、会社側は、削減目標未達を理由に整理解雇の実施を発表しました。そして、十一月十六日に企業再生支援機構のディレクター、弁護士の方ですが、ディレクターと管財人代理、この方も弁護士ですけれども、両組合の役員を呼び出して、企業再生支援機構の正式見解として、整理解雇を争点とした争議権が確立した場合、それが撤回されるまで、再生計画案で予定されている三千五百億円を出資することはできませんと発言しました。
 この事案で二〇一〇年十二月八日、日本航空乗員組合とキャビンクルーユニオンが東京労働委員会に不当労働行為救済申し立てを行いました。
 日本航空に対する申し立てについて、経過と命令の内容について伺います。

○櫻井労働委員会事務局長 先ほどの私のご答弁に矛盾の点があるというご指摘がございましたので、もう一度繰り返しご答弁をさせていただきます。
 使用者の不当労働行為を認める救済命令に対しましては、先ほど申し上げましたように、中労委の再審査申し立てや取り消し訴訟の提起によりまして、その間は当該救済命令は確定をいたしません。そういった中で、一方で、お話のように命令として有効であるものの、それを強制するということは制度上難しいという状況にございます。
 そうした一方で、労使間は時間との経過の中で、お互いに中労委で闘っている最中も、裁判所でまたやっている最中も、和解に向けた、あるいは労使紛争の解決に向けた努力というのが日々行われている、そういう状況にございますということを申し上げておりまして、矛盾している点ではございません。
 そういった点で、制度上も現実的にも、初審命令を、途中だろうとそれをやりなさいということを履行することは適当ではないということを申し上げたということでございます。
 次に、お尋ねのございました日本航空に対します申し立てについて、経過と命令の内容についてご答弁を申し上げます。
 お話のございました日本航空事件でございますが、平成二十二年に都労委に対し救済申し立てがなされたものでございまして、先生のお話にもございましたが、経営再建中でございました日本航空におきまして、更生管財人が労働組合との事務折衝の場で、組合が争議権を確立した場合には、企業再生計画案で予定されている出資を行わない旨の発言をしたことが、組合の組織運営に対する支配介入として、不当労働行為に当たるか否かが争点となった事件でございます。
 このことにつきまして都労委は、この発言を行った更生管財人が会社の更生手続において中心的な立場にあったこと、発言の内容が、本来、労働組合が民主的かつ自主的に決定すべき争議権の確立に対し、これを自粛するよう求める趣旨のものであったこと、また、この発言が行われた時期も争議権の確立に係る組合員の投票が行われている最中であったことなどからいたしますと、この更生管財人の発言は組合員に対し威嚇的効果を与えるものであり、不当労働行為に当たると判断をいたしました。
 その上で、会社に対しまして、争議権の確立ないし行使等を制約する言動を行ったことが不当労働行為であると認定されたこと、及び今後同様の行為を繰り返さないことを記載した文書を組合に交付するとともに、同じ内容を新聞紙二ページ大の白紙に記載し、会社の従業員が見やすい場所に十日間掲示することを平成二十三年に命じました。
 その後、この命令に対しまして取り消し訴訟が提起をされました。先ほど木内先生にもご答弁を申し上げましたが、平成二十六年、東京地裁で棄却判決が出され、さらにその後、東京高裁に控訴され、本年棄却判決が出まして、都労委命令は引き続き維持されております。現在は最高裁に上告されているところでございます。

○尾崎委員 私が矛盾を感じるといったのは、やはり一番大事な、先ほども何回もいいましたけれども、使用者は遅滞なくその命令を履行しなければならないという義務規定を守るために都労委の役割が大きいんだということを強調したいと思っているんです。その点からすれば、いろんな角度からのご答弁がありましたけれども、何となくすっきりしないなという感じがしたわけです。
 今、詳しく説明をしていただいたわけですけれども、東京都労働委員会は、説明があったように、二〇一一年八月三日に、管財人が組合の争議権投票に介入したことについて、不当労働行為救済命令を出したということになるわけです。
 先ほども説明がありましたが、命令を新聞二ページ大の白紙にして、会社内の従業員の見やすい場所に十日間掲示しなければならないとしました。
 この命令の履行状況は確認しているのでしょうか。

○櫻井労働委員会事務局長 先ほどもご答弁申し上げたところでございますが、都労委が使用者に対し救済命令を発しましても、使用者がこれを争って取り消し訴訟を提起した場合には、判決が出るまで命令は確定せず、使用者は命令を履行する状況にはございません。
 日本航空事件におきましては、会社はそもそも更生管財人の発言が不当労働行為に当たるか否かを争っておりまして、争議権の確立ないし行使等を制約する言動を行ったことが不当労働行為であると認定されたこと、及び今後同様の行為を繰り返さないことを記載した文書の掲示を命じました。
 私ども都労委の救済命令の取り消しを求めて訴訟を提起し、現在、最高裁の判断を仰いでいるというところでございます。そのため、都労委といたしましては、現在、最高裁の判断を注意深く見守っているところでございます。
 お尋ねのございました履行の状況につきましては、訴訟追行の中で確認をしているところでございます。

○尾崎委員 今のご答弁だと、日本航空は命令の掲示さえしていないということなんですが、確認をしていないということです。
 日本航空が東京都労働委員会の命令の取り消しを求めて東京地裁に提訴、二〇一四年八月二十八日、東京地裁で東京都労働委員会の命令は妥当と判断し、会社主張を棄却しました。
 日本航空は東京地裁の判決を不服として東京高裁に控訴。東京高裁でも、管財人が行った場合への介入は不当労働行為と明快に下し、憲法二十八条違反として日本航空を厳しく断罪しました。それでも、日本航空は最高裁に上告しているわけです。
 この問題では、日本航空乗員組合とキャビンクルーユニオンは、ILO、国際労働機関に対し、ILO八十七号条約、結社の自由及び団結権の保護に関する条約違反に関する申し立てを二〇一一年三月二十三日に行い、二〇一二年六月に第一次勧告、二〇一三年十月には第二次勧告をしています。ILOへの申し立てから二年余りの間に二度の勧告が出されることは異例です。
 第一次勧告では、東京都労働委員会の救済命令に関する日本航空の東京地方裁判所への提訴に関し、委員会は本件に係争中であることを留意し、日本政府に対し、本裁判のいかなる結果についても情報提供を行うよう要請すると日本政府に情報提供を求めました。
 第二次勧告では、企業が人員削減計画を行う際は、労働組合との完全かつ率直な協議が確実に実行されることを重視するとしました。その上で、解雇者の職場復帰に向けて労使協議を行うことを勧告したんです。

○島崎委員長 尾崎委員、時間が過ぎています。

○尾崎委員 はい。でも、先ほど、求めていないのに答弁もありましたので、ちょっと時間を許していただきたいと思います。

○島崎委員長 急いでください。

○尾崎委員 最後になりますけれども、憲法や法令を遵守するのは当然です。ILOの勧告でも東京都労働委員会の命令は妥当であり、抜本的解決を求めています。都労委が出した命令は正しい判断であり、命令を履行させるためにできることを、知恵を出し合い、引き続き全力で対応していただくこと、命令の履行状況を公にするなど検討すること。日本航空は、東京オリンピック・パラリンピック競技会オフィシャルパートナーに決定していますが、こういう企業が東京都労働委員会の命令を履行しないということは問題ではないでしょうか。
 都として、命令を履行するよう、都労委は最高裁の判断を注意深く見守るということですけれども、行政上は命令を履行する義務を負っているわけですから、あらゆる努力を図ることを求めて質問を終わります。

○櫻井労働委員会事務局長 日本航空事件につきましては、先ほど来ご答弁をしているとおり、現在、最高裁で係争中でございます。
 都労委は、みずから発出いたしました救済命令が維持されるようしっかり訴訟対応しているところでございます。これは、先ほど木内先生にもご答弁したとおりでございます。
 そのことと、現に最高裁で争っていることそのものを相手側に履行を求めることは別のことでございます。それは現実的にも制度的にも難しいということを先ほど来申し上げているところでございます。
 繰り返しになりますが、よろしくお願い申し上げます。

○あさの委員 続きまして、私からも質問させていただきたいと思います。
 先ほど木内委員、それから尾崎委員からも不当労働行為に関係する話がございましたけれども、労働委員会の事業というのは、今、質疑等がございました不当労働行為の審査、労働組合の資格審査、あるいは労働争議の調整、そして労働争議の実情調査、その他相談などがございます。
 この事業概要の一八ページを見ますと、そのうち労働争議の実情調査というものの実績というのが載っておりますけれども、この労働争議の実情調査、新規に受け付けしたもの、それから、繰り越しされているものを合わせて、大体年間百八十件前後でこの五年間は推移しているのかなというふうに思います。
 この平成二十六年度の調査対象別の取扱件数を見てみますと、医療業というものが六割を占めていると。こういったものというのは、実は労働争議の実情調査、この事業概要に載っているとおり、予告ですね、争議予告通知を受けた公益事業について調査をするということでありますが、まず、この争議行為予告通知制度の内容と、そしてその趣旨について伺いたいと思います。

○櫻井労働委員会事務局長 労働関係調整法は、鉄道や路線バスなどの運輸、病院など医療、水道や電気、ガスの供給など、日常生活を送る上で欠くことのできない事業を公益事業と定めております。この公益事業におきまして、労働組合がストライキを行う場合や使用者がロックアウトを行う場合など争議行為をしようとするときは、少なくともその十日前までに労働委員会と知事へ通知することを義務づけております。
 これは、争議行為をあらかじめ予告させることで、回避に向けた調整を図るとともに、広く周知することで、争議行為による日常生活への影響を軽減することを趣旨としております。
 この通知がございますと、労働委員会は、争議行為回避に向け実情を調査し、必要に応じて労使間の調整を行っております。
 なお、産業労働局におきましては、知事名で通知の内容を東京都公報に登載し、都民への周知を行っているところでございます。

○あさの委員 今ご答弁にあったとおり、公益事業、病院だとか鉄道、あるいは水道といったインフラ、そういったものの中では、やはり一般の方々の生活に直結する部分でございますので、ここの中で争議行為というものが発生しますと、生活にさまざまな影響が出ます。
 この一般の方々の日常生活の影響を軽減する、これはとっても大事なことだと思うんですね。そのために労働委員会が果たす役割というのは非常に大きいと私は思っております。
 しかし、一方で、この日常生活への影響を懸念する余り、労働組合側あるいは経営者側、そういった労働に関する権利というのが必要以上に侵されてしまうというのもよくないと。そこで大切になってくるのは、やはりこの制度の運用、つまり労働委員会の運用というものが非常に大事になってくるのではないかなと思います。
 そこで、この争議行為の予告通知というものが、どのような事項を記載し、そしてどのような運用をされているのか伺いたいと思います。

○櫻井労働委員会事務局長 争議行為予告通知につきましては、労働関係調整法施行令におきまして、争議行為をなす日時及び場所並びにその争議行為の概要を記載することとなっております。
 この記載事項のうち、日時につきましては、労使交渉の進展によりまして大きく左右されることから、予告通知の時点で特定することは困難でございます。
 また、この日時につきましては、判例があるので、少し長いのですがちょっと引用させていただきます。争議権が憲法の保障する重要な権利である点を考えると、具体的内容を十日前に公開させた場合、争議行為の効力を減殺し、争議権の実質を失わせるおそれがある。同時に、当事者の争議態度が硬直になり、労働委員会の調整や当事者の自主解決による争議行為回避にも障害となりやすいとの理由で、日時を具体的にしないことを肯定する東京地裁の決定が確定しております。
 このことから、都労委を初め各県労働委員会及び中央労働委員会におきましては、争議行為を実施する日時につきましては、何月何日以降、問題解決の日までと、終期を具体的に記載しないことが実務上定着しているところでございます。
 この争議行為予告通知は、都労委には毎年度百二十件程度が提出をされております。都労委では、法令に従いまして実情把握に努めるほか、労働組合からございました通知につきましては使用者に知らせ、労使の話し合いを促し、労働争議の予防、解決に向け適切に事務を執行しているところでございます。

○あさの委員 今ご説明があったとおり、実は終わりの時間というのが指定されていないという状況がわかりました。
 都労委では、先ほど木内委員から地味だというお話がありましたけれども、実は、こういった争議行為が回避されている背景には労働委員会の仕事があるわけでありまして、しかし回避されると一般の都民の方々はなかなかそれは知らない。つまり地味であるということは、逆にいうとそれだけ適切に仕事がされているんだなということが理解できるのかなと思います。
 今ご説明あったとおり、新規受け付けで毎年度百二十件程度受けていて、そしてその現在の制度の中では非常によい対応をされているんではないかと私は評価をさせていただきたいと思います。
 実際に、私も思い返してみますと、例えばストライキに関していうと、ストライキが行われているよというのは、少なくとも私はここ最近まず見ていないと。このストライキが回避されているということは、まさに労使間の努力のたまものでもあると私はいえると思います。
 しかし、とはいえ、その状況の中で、先ほどいったように終わりの時期が指定されていないということは、逆に不意打ちでストライキをすることが制度上は可能になっているという問題点、つまり、この制度では若干不安があるということですね。
 現行制度におきましては、一度予告してしまえば、長期にわたって実はストライキをすることが可能になりますし、東京地裁の決定でもそれを肯定するということになっております。この不意打ち的なストライキの実行をされれば、当然、都民生活に大きな影響が及ぶおそれがあると。
 実際には、これは国の所管でございまして、国がしなければいけませんが、私が個人的に思うところでいきますと、やはりこれは少し法を改正して、例えば具体的日時が決まった場合は再度届け出を義務づけるだとか、あるいは争議行為が回避できた場合も、取り下げという形でその報告を義務づけるということを制度化する必要があるのではないかなと思います。
 今は、労使ともどもの善意の上で実はこの制度が成り立っているのかなと。そして、労働委員会としては、そういった制度の中で非常によく頑張っていらっしゃることも十分理解した上で、ぜひ、これから先も都民生活に影響が出ないよう、そして、かつ労使それぞれの労働に関する権利が必要以上に侵害されないように、これから先も東京都労働委員会の現行制度の中での適切な運用を頑張っていただきたいとエールをお送りいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

○島崎委員長 お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○島崎委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○島崎委員長 これより中央卸売市場関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、中央卸売市場長から幹部職員の紹介があります。

○岸本中央卸売市場長 去る十月二十三日付で兼務発令のありました当局幹部職員を紹介させていただきます。
 オリンピック・パラリンピック調整担当部長を兼務いたします市場政策担当部長の金子光博でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○島崎委員長 紹介は終わりました。

○島崎委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○野口管理部長 工事請負契約についてご報告申し上げます。
 お手元の資料の一ページをごらんいただきたいと存じます。豊洲新市場(仮称)水産仲卸売場棟建設間仕切工事でございます。
 本件は、第九次東京都卸売市場整備計画に基づき整備する豊洲市場の六街区水産仲卸売り場棟建設間仕切り工事を行うものでございます。
 契約の相手方は清水・大林・戸田・鴻池・東急・錢高・東洋建設共同企業体、契約金額は十八億九千万円、契約日は平成二十七年十月十六日、工期は契約確定の日から平成二十八年三月三十日まででございます。
 契約の方法、見積者数、工事概要等は記載のとおりでございます。
 二ページに案内図及び配置図をお示ししてございますので、ご参照いただきたいと存じます。
 次に、三ページをごらんください。豊洲新市場(仮称)水産卸売場棟建設防熱工事でございます。
 本件は、第九次東京都卸売市場整備計画に基づき整備する豊洲市場の七街区水産卸売り場棟建設防熱工事を行うものでございます。
 契約の相手方は大成・竹中・熊谷・大日本・名工・株木・長田建設共同企業体、契約金額は十九億六千八百八十四万円、契約日は平成二十七年十月十六日、工期は契約確定の日から平成二十八年三月三十日まででございます。
 契約の方法、見積者数、工事概要等は記載のとおりでございます。
 四ページに案内図及び配置図をお示ししてございますので、ご参照いただきたいと存じます。
 以上、簡単ではございますが、工事請負契約についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○島崎委員長 報告は終わりました。
 本件に対する質疑につきましては、後ほど事務事業に対する質疑と一括して行いますので、ご了承願います。
 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○野口管理部長 去る十月十三日の当委員会におきまして要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます経済・港湾委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。1、中央卸売市場における市場別業者数の推移(十年間)でございます。
 過去十年間の水産物部、青果部、食肉部及び花き部の市場別の業者数の推移を記載してございます。
 一ページに卸売業者、二ページに仲卸業者、三ページに売買参加者について記載してございます。
 四ページをお開き願います。2、中央卸売市場における取引方法別割合及び取扱金額の推移でございます。
 四ページに取引方法別の割合の推移、五ページに取扱金額の推移について記載してございます。
 六ページをお開き願います。3、卸売業者・仲卸業者の数及び経営状況でございます。
 卸売業者及び仲卸業者につきましては、それぞれ業者数とそのうちの赤字業者数を部類ごとに記載してございます。なお、仲卸業者欄の括弧書きは、調査業者数に対する赤字業者数の割合でございます。
 七ページをお開き願います。4、豊洲市場整備に係る当初事業費及び執行済額でございます。
 これは、豊洲市場整備に係る当初事業費と平成二十六年度末時点の執行済額について、土壌汚染対策費、建設費、用地取得費、その他関連工事費等に区分して記載しております。
 八ページをお開き願います。5、新市場建設懇談会の開催日程及びその内容でございます。
 懇談会の設置時期、近年の開催状況について記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料につきましての説明を終わらせていただきます。よろしく審議のほどお願い申し上げます。

○島崎委員長 説明は終わりました。
 これより、ただいまの資料を含めまして、事務事業及び報告事項に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○三宅(正)委員 豊洲市場について伺います。
 先般、建設中の豊洲市場が報道陣に公開され、その映像を目にしましたが、建物の大枠はでき上がっており、来年十一月七日の開場に向けて、いよいよという実感が少しずつ湧いてまいりました。
 平成十三年、第七次東京都卸売市場整備計画において豊洲への移転を決定して以来、足かけ十四年、この間さまざまな紆余曲折もありましたが、首都圏三千六百万人の食を支える基幹市場の整備という重要なプロジェクトがここまで仕上がってきたことはとても感慨深いものがあります。
 一方、開場まで残り一年と迫る中、業界との間には、まだまだ課題があると聞いています。引き続き気を緩めることなく、日本橋から築地への移転以来、八十年ぶりの大事業をしっかりと進めていかなければなりません。
 そこできょうは、施設整備の進捗状況と残された課題について質問いたします。
 まず、施設整備の進捗状況はどうなっているのか伺います。

○佐藤施設整備担当部長 青果棟、水産仲卸売り場棟、水産卸売り場棟などの市場本体施設につきましては、昨年二月に建設工事に着手し、躯体工事はおおむね完了いたしました。現在、空調機器やスプリンクラーなどの設備工事や内装工事などを施工中でありまして、年度内の完成を目指しておるところです。
 また、市場業者が行います造作工事のうち、立体低温倉庫など一部の大規模なものにつきましては既に施工しておりまして、今後、仲卸店舗の造作などに順次着手いたしまして、来年十一月の開場に向けて着実に工事を進めてまいります。

○三宅(正)委員 施設整備は順調に進んでいるようですが、引き続き気を引き締めて着実に工事を進めてもらいたいと思います。
 ところで、豊洲市場は築地市場と比較して、敷地面積、延べ床面積ともに一・七倍という規模になると理解しています。大きくなるのは結構なことですが、単に大きくなるというだけでは、豊洲に移転した意味がありません。
 八十年前に築地市場ができてから市場を取り巻く環境も大きく変化をしていますし、時代の変化に応じて、市場の機能も当然に進化していくべきと考えます。
 そこで、築地から豊洲に移転するに当たって、市場の機能として何が強化されるのか伺います。

○飯田新市場整備部長 豊洲市場は、流通環境の変化に対応した高度な品質、衛生管理機能や、実需者の多様なニーズに対応する機能を備え、先進的な市場流通を実現する卸売市場として整備を進めております。
 品質、衛生管理面につきましては、卸売り場や仲卸売り場などの施設を温度管理ができるよう、また高温、風雨による品質劣化やじんあい、害獣などによる被害を防止するため閉鎖型とし、品質、衛生管理を強化しております。
 また、物流面につきましては、効率的な物流を実現するため市場内に外周道路を設置し、待機駐車場や積み込み場を十分確保するとともに、荷さばきスペースを売り場近くに一体的に配置することなどにより、円滑な車両通行や搬入から搬出までの一貫した荷の流れを確保しております。
 さらに、加工パッケージや商品の仕分け、一時保管など、消費者ニーズの変化に伴う多様な顧客ニーズに的確に対応していくため、加工パッケージ施設や荷さばきスペースを全街区に配置するとともに、首都圏の生鮮食料品流通の拠点として、他市場への転配送機能を持たせるなど、市場施設全体のポテンシャルを高めております。

○三宅(正)委員 市場機能の強化についてしっかりと取り組まれていることがわかりました。
 衛生管理、物流の効率化、多様なニーズへの対応、それぞれ大変重要なテーマだと思いますが、まず高度な品質、衛生管理という点について掘り下げていきたいと思います。
 築地市場を初めとして、現在の市場は壁のない開放型の施設構造が主流ですが、豊洲市場では施設を閉鎖型として、品質、衛生管理の高度化を行うと説明がありました。
 そこで、豊洲市場における品質、衛生管理の高度化とは具体的にどういったことを想定しているのか伺います。

○櫻庭新市場事業推進担当部長 豊洲市場では、食の安全・安心を確保しつつ、内外のさまざまなニーズに応えていくため、国内の衛生管理基準の遵守、徹底を図るだけでなく、国際標準であります、いわゆるHACCPの考え方も取り入れた品質、衛生管理を行っていく必要があると認識しております。
 そのため、ハード面の整備に当たりましては、温度管理機能を備えた閉鎖型の施設とすることによりまして、適切な品温管理や、じんあい、害獣などによる被害の防止を可能とするほか、売り場などの出入り口には前室を設けまして、手洗い等の消毒を行うようにするなど、衛生の面に十分配慮できる施設としております。
 一方、ソフトの面では、HACCPシステムに準じたモニタリング、記録、検証といった活動によって、商品の取り扱いを継続的に改善していくことができる品質・衛生管理マニュアルを本年三月に作成いたしました。
 あわせて、より高度な衛生管理を希望し、輸出などへの対応を考えている事業者に対しましては、ISOなどの第三者認証の取得、導入の支援を検討していくこととしておりまして、ハード、ソフトの両面から、高度な品質、衛生管理の実現を図ってまいります。

○三宅(正)委員 ただいまの答弁で、品質、衛生管理の具体的な内容はよくわかりました。食の安全・安心がこれまで以上に求められる今日において、そうした取り組みを進めることは当然必要なことと考えます。
 一方、実際に施設を利用するのは市場業者ですが、築地開場以来、八十年間、開放型施設の中で営業して、その環境になじんできた市場業者が、これまでと百八十度異なる閉鎖型施設という環境に移って、都が考えるような高度な品質、衛生管理にきちんと対応できるのかどうか、いささか心配な面もあるように思います。
 そこで、豊洲移転後、品質、衛生管理面における市場業者の適切な対応をどう確保していくのか、都の考え方を伺います。

○櫻庭新市場事業推進担当部長 豊洲市場において、市場業者が適切に品質、衛生管理に取り組むためには、移転前からの意識の醸成や業務環境に合わせた管理方法の周知など、市場業者に対するきめ細やかな対応が必要と考えております。
 そこで、本年十二月から市場業者に対しまして、品質・衛生管理マニュアルに基づく管理のポイントや豊洲市場の施設設備に即した管理手法についての講習会を開催いたしまして、品質、衛生管理に関する基本的な対応について理解を深める機会を設けてまいります。
 また、品質・衛生管理マニュアルに沿った業務を築地市場で施行しながら専門家によるチェックやアドバイスを受けるトライアル事業を、来年一月に都と業界が協働して実施いたします。
 この事業により、浮き彫りになりました課題などを整理して、市場業者に留意点などをフィードバックすることによりまして、豊洲市場における品質、衛生管理の確保につなげてまいります。
 さらに、豊洲市場における食の安全・安心をより確実に担保するため、新たな共通ルール、例えば専用の設備で手洗いなどの消毒を行うことですとか、ターレットなどの小型搬送車両について屋外走行の制限を図るといったような、豊洲市場にふさわしい新たな共通ルールの策定に業界と協働して取り組むことによりまして、品質、衛生管理の徹底を図ってまいります。

○三宅(正)委員 マニュアルやルールの策定はもちろん必要なことですが、その実効性を担保する仕組みもあわせて構築していくことが大変重要だと考えます。そうした点を踏まえて検討を続けていただきたいと思います。
 次に、効率的な物流の実現について伺います。
 施設の狭隘化が著しい築地市場から豊洲市場への移転を契機に、物流動線を整理し、搬入、搬出、荷さばきなどを行う物流エリアを広げて、荷や車両がスムーズに流れる環境を整備することは、豊洲市場が生鮮食料品の首都圏流通拠点としてハブ機能を発揮するためにも必要な取り組みだと考えます。
 一方、物流エリアが広がることで、場合によっては管理の目が行き届かなくなり、指定場所以外への無断駐車、物流動線や衛生管理を無視した屋外での荷さばき行為など、不適正な利用が横行する懸念はないのか。もちろん、ほとんどの市場業者は施設を適正に利用するものと思いますが、豊洲市場全体の物流や衛生管理に支障を来すような利用があってはならないと思います。
 そこで、不適正利用を防止し効率的な物流を確保するため、どう対応していくのか、都の考え方を伺います。

○飯田新市場整備部長 豊洲市場では、荷の搬入、搬出が効率的かつ円滑に行えるよう、待機駐車場や積み込み場など、新たな物流施設を十分に確保するとともに、車両の入退場管理システムや車両誘導システムを導入することとしております。
 こうした物流施設や管理システムがその機能を十分に発揮するためには、それぞれの施設が適正な利用者によって利用用途に合った使い方をされる必要がございます。
 このため都では、車両登録条件の見直しに加えて、入退場管理システムからの車両データや物流施設に設置された監視カメラによる画像データをもとにした巡回警備を行うなど、適正な利用を確保していくこととしてございます。
 また、卸売市場のような不特定多数の買い出し人などが訪れる物流施設におきまして適正な利用を確保していくためには、日々、荷物の搬送に携わり、施設の利用実態を熟知している業界の協力が不可欠でありますことから、現在、業界団体との間で施設の適正な管理方策などの検討を進めているところでございます。
 今後、都と業界との間で、物流施設などについての適正な管理ルールや監視する体制を整備するとともに、これらの実効性を担保するため、警備の強化や罰則の適用などについても検討してまいります。

○三宅(正)委員 築地から豊洲への移転を契機に取り組まれる効率的な物流の実現について、その取り組みに支障を来すことがないよう、業界とも十分協議の上、不適正利用の防止に積極的に取り組んでいただきたいと、そのようにお願いいたします。
 市場機能の強化に向けて浮かび上がるこうした課題への対応を、真に実効性ある取り組みとして進めていくためには、都が指導や取り締まりといった行政の役割をより強力に推進していくことに加えて、業界との協力体制の構築も必要になると思います。
 豊洲市場を世界一の都市東京の食を支える基幹市場としてふさわしい市場にしていくためには、築地から豊洲への移転をチャンスと捉え、市場機能の強化に向けた取り組みを都と業界が一丸となって推進していくことが重要であり、その実現に向けて引き続き検討を進めてもらいたいと思います。
 次に、豊洲市場への引っ越しについて伺います。
 市場業者が日常的に業務で使用する大量の什器やターレットなどを、築地から二・三キロ離れた豊洲へいかに滞りなく引っ越しさせるかということは、移転に際しての大きな課題であり、また、その引っ越しにかかる経費も、市場業者にとっては大きな負担となるものです。
 こうした引っ越しにかかわる問題について、十一月二日には業界要望があったとも聞いております。この点も含め、こうした引っ越しの問題に関する業界との調整状況や業界からの声について伺います。

○赤木移転調整担当部長 豊洲市場の開場に向けまして、築地市場からの引っ越しを、準備期間を含めて円滑に進めてまいりますことは極めて重要であると認識しております。
 引っ越しに当たりましては、約千の事業者が使用いたします通常の什器類のほか、二千台を超えるターレットなどの小型運搬車両、生鮮食料品を保管する冷凍庫、冷蔵庫といった市場業務に不可欠な物品を四日間という限られた期間内に運ばなければならないことから、これまでに例のない大規模な移転作業になると見込んでおります。
 こうした移転作業を円滑に進めるため、本年四月に築地市場の業界の代表者と都による引越準備委員会を設置いたしまして、移転に向けた協議を行っているところでございます。
 業界からは、移転に伴いさまざまな負担が生じる中で、さらに引っ越し費用や廃棄物の処理費用、造作物の撤去に係る原状回復経費などの負担は非常に厳しいという意見がございます。

○三宅(正)委員 業界からの意見も踏まえ、そうした負担のあり方について、都としても、ぜひ十分検討していただきたいと思います。
 築地から豊洲への移転は、かつての神田市場の移転を上回る大きな仕事になりますが、来年十一月七日の開場日当日から万全の体制で豊洲市場のスタートが切れるよう、引き続き業界と十分に協議を続けていただきたいと思います。
 築地から豊洲へ市場業者が安心して移転できるよう、こうした課題を一つ一つ着実に解決していくことはもとより、築地市場八十年のレガシーを引き継ぎながら市場業者が夢と希望を持って豊洲で営業できるよう、豊洲ならではと胸を張れるような魅力を積極的に発信していく必要があるのではないでしょうか。
 日本を代表する卸売市場として国内外に広く強みや特徴を浸透させてこそ、豊洲市場における生鮮食料品流通のさらなる発展が実現すると考えますが、市場長の決意を伺います。

○岸本中央卸売市場長 築地市場には、品質や価値を適正に評価する目ききや食材に関するすぐれた知識など、江戸から続く伝統の力がもとになって長い年月をかけて育まれた築地ブランドと呼ばれる魅力により、国内外の産地から多様な食材が集まってきております。
 来年十一月に開場いたします豊洲市場が、生鮮食料品流通のさらなる発展を担っていくためには、こうした築地市場から継承する伝統の力に加え、高度な品質管理を可能にする豊洲市場の強みを生かしながら、市場業者が、今、委員お話しのとおり、豊洲移転をチャンスと捉え、時代の変化に対応した新たな取り組みを行うことで、豊洲市場ならではの価値を創造していくことが不可欠でございます。
 このため都は、市場業者の意欲的な取り組みを支援するとともに、豊洲市場の魅力を国内外に広く発信し、築地にかわる豊洲ブランドとして確立させていくことで、豊洲市場が日本を代表する生鮮食料品の流通拠点として発展していくよう、全力で取り組んでまいります。

○三宅(正)委員 豊洲市場の持つ力を最大限発揮させていくためにも、ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 きょうの質疑を通じて、豊洲市場の施設整備は順調に進んでおり、開場に向けて残された課題についても、業界との協議を一歩一歩着実に進めていることがわかりました。
 しかし、市場機能の強化や引っ越しの問題などについて、業界との協議はまだ道半ばであり、今後も開場に向けてさまざまな要望が出てくるものと思われます。
 築地から豊洲への円滑な移転に向け、さまざまな声に真摯に耳を傾けながら、一方で築地から豊洲への移転が真に意味のあるものとなるよう、豊洲市場の機能強化や豊洲市場ブランドの構築に向けた取り組みなどを着実に前進させ、その理念を実現していくよう、都と業界の積極的な取り組みをお願いいたしまして、質問を終わります。

○小林委員 私からは二つのテーマについてお伺いをさせていただきます。
 まず、中央卸売市場における広報広聴の取り組みでございますが、生鮮食料品を扱う卸売市場に出向き、旬の素材や実際の取引の様子を見てみたい、また、市場の活気を直接感じてみたいとの関心は高いのではないかと思います。
 卸売市場は業務施設であり、市場関係者にとって取引の場であることから、本来、見学を促進すべき場所ではないかもしれませんが、こうした方々が市場を訪れ見学することで、生鮮食料品流通の基幹施設である卸売市場の機能や役割などを理解していただけることは、大変望ましいことではないかと考えます。
 初めに、卸売市場に興味や関心を持つ方々が市場を訪れることについて、都としてどのような認識を持たれているのか、お伺いいたします。

○野口管理部長 卸売市場の持つ役割や機能につきまして、広く都民の方々に理解していただくことは重要であると認識しており、全ての市場において見学者の受け入れを行っているところでございます。
 見学者の受け入れに当たりましては、市場業者の円滑な作業や売り場の衛生面に支障が生じないよう配慮するとともに、場内を走行する車両等から見学者の安全確保を図る観点から、各場において見学ルールを定め、それぞれの特色を生かした受け入れ体制を整備しております。
 平成二十六年には、外国人を含む事前申し込みのあった約五万八千人の見学者が訪れましたが、この市場見学者の数は、近年、食への関心の高まりを受け、増加傾向にございます。
 こうした背景を踏まえまして、来年開場する豊洲市場におきましても、より多くの都民の方々が卸売市場に興味や関心を抱き、足を運んでいただけるよう整備を図ってまいります。

○小林委員 事前申し込みがあっただけでも約五万八千人ということでございますので、恐らくそれ以外、ふらっと来られた方を入れると相当の数の見学者の方々がいるのではないかと思います。
 外国人観光客向けのガイドブックなどにも築地市場が紹介されるなど、今や市場は東京の観光地ともなっております。洋の東西を問わず、市場は人々の躍動、交流、文化など多彩な顔を持ち、そのにぎわいは人々に活気や笑顔をもたらす場ではないかと思います。
 市場を見学された方は、そこで扱われている生鮮食料品の種類や規模感、市場の活気を実感し、その機能や役割について正しく理解することにつながったのではないかと思います。
 また、東日本大震災において、中央卸売市場が果たしている安定供給機能が再認識されたことは記憶に新しいところでありますが、豊洲新市場において、市場関係者にとっての大事な取引の場という本来の役割を堅持しつつ、より多くの方々が理解を深め、市場のだいご味を感じてもらえるよう環境整備に取り組んでいくことは、市場業者、見学者双方に大きな相乗効果が生まれるのではないかと思います。
 市場業務を第一としつつも、市場を見学したいと思う国内外の方々への取り組みを積極的に推進をお願いしたいと思います。
 明年、豊洲新市場の開場まであと一年を切りましたが、長い歴史によって培われた市場といったら築地という印象が強い中、都民を初め国内外の方の中には、築地が豊洲に移転するということをまだ認識していない方もいるのではないかと思います。その意味でも、豊洲開場に向けての広報活動は大変重要であると考えます。
 来年の豊洲移転に向けた広報活動にどのように取り組んでおられるのか、お伺いをいたします。

○野口管理部長 都では、来年十一月の豊洲市場の開場に向けまして、広報事業の大きな柱でありますTOKYO ICHIBA PROJECTを通じまして、広く都民や市場関係者に対しまして豊洲市場の魅力を発信し、移転機運を醸成することを目的にさまざまな広報活動を展開しているところでございます。
 主な取り組みといたしまして、各種イベントの開催や広報誌の発行を通じまして、品質、衛生管理が高度化され、新鮮かつ安全・安心な食材が提供されるなど新たな都民の台所として市場機能が強化される豊洲市場の魅力や、新市場に期待を寄せる市場関係者の声などを発信しております。
 また、一般消費者を対象として、建設中の豊洲市場等をバスでめぐり、実際に現地に赴き新たな市場の魅力を伝えるバスセミナーなども実施しておるところでございます。
 さらに、過日、豊洲市場開場一年前を迎えたことから、放送メディアとタイアップをしたイベントを実施するとともに、都庁展望室におきまして、築地市場八十年の歴史を振り返る写真展等も開催し、延べ約八千人の方々が来場されました。
 このような取り組みを今後とも継続して行い、豊洲市場の魅力を発信し、移転機運の醸成を図っていく予定でございます。

○小林委員 今詳しくご答弁いただきましたが、今後も引き続きさまざまな機会、さまざまな媒体を活用して情報発信に努めていただきたいと思いますが、特に情報発信媒体としては、昨今の状況からSNSの活用は不可欠であると思います。
 ある大手飲料メーカーでは、フェイスブックを始めたことで自社ブランドの認知度が向上し、通信販売のサイトへアクセスする人の三割がフェイスブックがきっかけになったとのことでございます。三カ月間でフェイスブック利用者からの支持数が三・六倍にふえたとも聞いております。
 今後、豊洲新市場が築地市場の伝統を受け継ぎ、食文化の新しい発信基地になる以上は、国内にとどまらず海外にもさまざまな情報を発信し、また、より多くの声を聞くためにも、市場の認知度を高めることができるSNSの活用を積極的に推進していくべきと考えます。
 現在、中央卸売市場における広報活動として、ツイッターやフェイスブックなど、SNSの活用状況についてお伺いいたします。

○野口管理部長 中央卸売市場におきましては、ツイッターを活用して報道発表資料に関する情報、イベント等の情報、当市場のホームページに関する情報などを発信するとともに、各市場に入荷されます四季折々の生鮮食料品情報や市場見学会の開催など、現場のタイムリーな情報を適宜発信しております。
 また、豊洲市場開場の理解促進を図るため、豊洲市場に関するイベントの告知や開催情報をフェイスブックにより発信しております。
 これらの取り組みにより、ツイッターのフォロワー数は一万に迫り、フェイスブックにつきましても、それに反応する利用者がふえるなど、SNSの活用により、これまで市場に関心がなかった方々への情報拡散、さらには新たな裾野の掘り起こしにも役立てているところでございます。

○小林委員 ありがとうございます。
 今のご答弁にもございましたこのSNSの活用によって、これまで市場に関心がなかった方々への情報拡散、さらには新たな裾野の掘り起こし、こういう点に役立っているということでございますが、まさにそれがSNSの大きな役割の一つではないかなというふうに思います。
 全国の自治体においても、SNSを積極的に活用した情報発信は、今や常識ともなっております。
 以前私は、防災に関する情報発信にSNSを先駆的に取り入れてきた神奈川県横浜市の取り組みを視察してまいりましたが、その際、市役所の職員の方は、防災情報の発信において使えるものは何でも使おうと考えたと、このように述べておりました。
 豊洲新市場開場という新たな歴史を刻むときでもありますので、あらゆる人々、あらゆる世代への有益な情報発信を強力に推進していただきたいと思います。
 また、市場の役割の一つとして、食育についても重要な使命を市場は担っているかと思います。都では、産業労働局や福祉保健局、教育庁などの各局が食育を推進するための専門部会を設け、食育基本計画を設けておりますが、そこには中央卸売市場も加わっているかと思います。
 食について正しい理解を深めていくことは、近年、大きな課題となっております食品ロスの問題への大事な取り組みの一つでもあるかと思います。
 そこで、市場における食育に対する具体的な取り組み状況をお伺いいたします。

○野口管理部長 中央卸売市場におきましては、都民の食に対する判断能力を養い、健全な食生活を実践するため、卸売市場が持つ食に関するノウハウを生かしまして、関係業界と連携して食育の推進に取り組んでおります。
 例えば、料理講習会やお魚教室、市場見学会等を開催し、旬の食材の見きわめ方や調理方法などの知識の伝達、生鮮食料品等の流通事情及び商品知識に関する情報を提供しております。
 また、都民の食育推進活動を支援するため、都内卸売市場関係者の中から、食育講師として派遣可能な者を都が管理運営する人材バンクに登録し、希望があった学校や地域活動、企業の職場内研修などに対しまして派遣する、いちば食育応援隊派遣事業にも取り組んでおります。

○小林委員 先ほど申し上げました食品ロスの問題、これは二〇二〇年の東京五輪に向けても大事な都としての取り組みの一つではないかなと思います。
 そういう中で、この食育は、大人だからとか子供だからとかというのは関係なく、やはり広く全国民が知っていかなければならない、また、食に対しての正しい理解というのを深めていかなければならない大事なことでもあると思いますので、各局とも連携をとりながら、市場としての役割、ぜひともしっかり果たしていただきたいなというふうに思います。
 次に、被災地支援についてお伺いをいたします。
 都議会公明党は、東日本大震災発災後、直ちに二十三名の議員全員が岩手、宮城、福島の三班に分かれて被災地を訪問し、被災地支援の具体策を調査してまいりました。
 以降、繰り返し被災地を訪問し復興状況を調査し、被災者の方々とも意見交換しながら具体的な支援策を議会の場で提案してまいりました。
 市場としての支援策という点においても、福島県産の農産物や水産物への理解を深めてもらうための被災地支援研修会を提案し、市場の皆様方にもご努力をいただいたところでございます。
 私は本年二月にも福島を訪れ、現地の農業や観光業界の関係者とお会いし、意見交換をしてまいりましたけれども、いまだ根強い風評被害に苦しんでいるのが実情でございます。
 きのう十一日で発災より四年八カ月、被災地支援はいや増して継続的に行っていくべきと考えますが、市場のご見解をお伺いいたします。

○白川事業部長 中央卸売市場はこれまで、被災産地である福島県からの要望などを踏まえ、過去三カ年にわたりまして、青果、水産の市場業者や都内の消費者団体等を対象とした被災産地支援研修会の開催や、都内各市場の市場まつりにおける福島県支援ブースの設置によりまして、福島県産品の風評被害の払拭や消費の拡大に努め、復興の一助としてまいりました。
 研修会に参加した消費者等の方々からは、被災産地での取り組みを実際に見聞きすることにより、産地での安全・安心の確保に向けた取り組みを評価する多くの声をいただき、これらの声をホームページに掲載することで、広く消費者の方々にPRしたところでございます。
 また、市場まつりにおきましては、福島県PRコーナーなどのブースを設け、来場する多くの都民の方々に県産品の紹介や検査のパネル展示などをごらんいただき、福島県産品に対する理解の促進や不安の解消に努めてきたところでございます。
 これらの対応は、震災発生から継続的に取り組んだことで、産地と消費者などとのつながりが生まれ、風評被害の払拭や福島県産品の消費拡大に貢献できたものと考えており、継続的な支援は大変重要なものと認識しております。

○小林委員 今ご答弁で、継続的な支援は大変重要なものと認識しているということでございますが、我が党が提案いたしました被災地支援研修、これはぜひとも今年度も実施していただきたいと思いますが、いかがでございますでしょうか。

○白川事業部長 被災産地支援研修会はこれまで、青果部市場業者を対象に二回、水産物部市場業者を対象に一回、都内の消費者団体等を対象に二回、延べ五回の研修会を被災産地において実施いたしました。
 現在、福島県では青果物の出荷制限は減少し、回復傾向でございます。
 しかしながら、水産物につきましては、現在でも試験操業の状況が継続しておりまして、操業海域や対象魚種は徐々に拡大されつつありますが、いまだ本格操業には至っていない状況でございます。
 このような状況の中、福島県からも継続した支援実施のお話もいただいており、本年度の被災産地研修会の開催につきましては、産地の取り組み状況や事業者などの意見を踏まえ、また、業界関係者や消費者等の意見、要望等を調整した上で、今後、実施に向けて検討してまいります。

○小林委員 ありがとうございます。今後、実施に向けて検討していくというご答弁でございますので、ぜひともお願いをしたいと思います。
 引き続き、都として何ができるか、何をすべきかをともに考え、知恵を絞って、被災地を支援するためのさまざまな取り組みを積極的に進めていただくことを改めて強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございます。

○尾崎委員 豊洲市場の開場まであと一年となり、イベントが開催されたようです。
 しかし、築地市場で営業する業者の皆さんからは、ますます不安の声や都への要望が強まっています。
 そこで、幾つか質問したいと思います。
 豊洲市場の地下水管理システムは、都が維持管理を行うのでしょうか。

○若林基盤整備担当部長 開場に合わせて稼働する地下水管理システムは、将来にわたって地下水質を監視するとともに、地下水位を監視していくものでございます。
 このシステムの維持管理については、都が行うものでございます。

○尾崎委員 地下水管理システムの維持管理については、都が行っていくというご答弁でした。
 維持管理費の金額はどのくらいになるのかはわかりませんが、将来にわたって地下水質とともに地下水位を管理するということですから、中央卸売市場の管理費がふえることだけは明らかです。
 いただいた資料で、豊洲市場整備に係る当初事業費及び執行済額を見ると、土壌汚染対策費は二〇一四年度末で八百五億円、建設費は三百一億円、用地取得費は千八百五十九億円、その他関連工事費は三百三十五億円となっており、合計で三千三百一億円となります。
 二〇一五年度の予算見込み額をそれぞれプラスすると、土壌汚染対策費は八百四十九億円、建設費は二千七百五十二億円、その他関連工事費等は四百二十四億円、用地取得費は千八百五十九億円ですから、豊洲市場整備は五千八百八十四億円となります。当初事業費の一・四倍にも膨れ上がっています。
 さらに今後必要になる築地市場解体事業、各市場の施設改修費、豊洲市場の地下水管理システムの維持管理費が加わるわけですから、豊洲市場整備費の高騰が中央卸売市場会計を圧迫するのは明らかです。
 いただいた資料によると、築地市場から豊洲市場への移転にかかわる都と関係業界との懇談会は、二〇一五年九月十五日に開催されています。この会議の議題として引越準備委員会とありますが、具体的にはどのような内容が議論されたのですか。

○赤木移転調整担当部長 築地市場から豊洲市場への円滑な引っ越しに向けまして、築地市場の業界団体と都による引越準備委員会を本年四月に設置いたしまして、あわせて実務担当者による幹事会を設けまして、これまで検討を進めてまいりました。
 九月十五日に開催いたしました新市場建設懇談会では、本委員会を新市場建設懇談会の下部組織として位置づけることを議案として提案いたしまして、了承されたところでございます。
 議題に関しまして業界委員からは、業界が引っ越しの準備をするために、都としての今後の進め方を早く示すよう意見が出されました。

○尾崎委員 引越準備委員会の設置目的と構成メンバーはどうなっていますか。

○赤木移転調整担当部長 引越準備委員会は、業界団体と都で引っ越しに係る全体計画の策定及び実施に向けた調整などを行う目的で設置をされました。
 委員会の構成メンバーは、築地市場内の業界団体の代表者九名の業界委員と委員長である新市場整備部長を含めた五名の東京都職員でございます。

○尾崎委員 引越準備委員会の開催状況と議題について伺います。

○赤木移転調整担当部長 これまで都では、新市場建設懇談会や引越準備委員会などを通じまして、実際に当該施設を使用する業界とさまざまな課題を協議してまいりました。
 引越準備委員会はこれまで二回開催してきておりまして、第一回は、本年四月二十八日に開催し、引越準備委員会の設置及び引越準備委員会幹事会の設置及び委員の推薦などを議題といたしました。第二回は、十月十九日に開催いたしまして、引越準備委員会幹事会の開催状況及び引っ越しに係る懸案事項などを議題といたしました。
 移転に当たりましては業界からさまざまな意見が寄せられておりますが、諸課題につきまして丁寧に説明をいたしまして、業界の理解が得られるよう進めてまいります。

○尾崎委員 ただいまの答弁で、移転についてさまざまな意見や要望が出ていて、丁寧に対応していくということでしたけれども、都と業界団体との協議は行っているということですけれども、移転一年前だというのに、業界団体の方々からは、問題は山積み状況だということです。
 例えば、業者の方々からは、都の都合で築地市場が豊洲市場に移転するのだから引っ越しの費用は都が持つべきだ、廃棄物処理、原状回復に係る費用は都で行うべきだという要望が強まっています。しかし、都の対応はかたくなで、平行線のままだと聞いています。
 ターレットを築地市場から豊洲市場への運搬も、トラックで運ぶと時間もお金もかかってしまう。十トントラック一台に積めるターレットは六台から七台程度、全部運ぶには延べ約三百回の輸送が必要になり、数百万円の出費になるようです。ターレットの運搬にも都の対応が求められています。
 十月十九日には第二回目の引越準備委員会が開かれましたが、築地市場で営業する業界団体四十二団体が十一月二日、豊洲市場開場まであと一年と迫り、場内各業者とも必死に準備を進めておりますが、次々と押し寄せる難題と準備時間の減少に焦燥の感を免れませんと。都に対して、一、引っ越しの契約は都が行うこと、二、移転費用は都に負担していただきたい、三、廃棄物処理費用は都において負担いただきたい、四、原状回復義務は課さないでいただきたい、五、現在ある冷蔵庫などの残存価格がある固定資産についてはその価格について補償していただきたい、六、豊洲市場の機能強化に対応した新たな使用料の設定に当たっては、業界負担の低減を十分に配慮願いたい、七、これらの諸課題の具体的解決に向け早急にご協議いただきたいと七項目にわたる要望を出されたようですが、これは事実でしょうか。

○飯田新市場整備部長 業界からの要望等につきましては、日々さまざまな形で多く寄せられておりまして、去る十一月二日には、築地市場業界団体から東京都中央卸売市場長宛て要望書の提出がございました。
 こうした要望等につきましては、一つ一つ丁寧に説明し、理解が得られるよう努めております。

○尾崎委員 開場を一年後に控え、業界団体四十二団体が声を上げるということ自体、異常な事態であるといわなければなりません。この要望書以外にもさまざまな不安や要望が出されているわけですから、業者の皆さんの思いに心を寄せて話を聞き、一つ一つ納得できるよう、話し合いと対策が必要だと思います。
 また、豊洲市場に移ったら市場の使用料は幾らになるのか心配だという声があります。豊洲市場の使用料はどうなるのでしょうか。

○坂田財政調整担当部長 豊洲市場開場後の市場使用料のあり方につきましては、今後、卸売市場審議会にお諮りいたしまして、その答申を踏まえ、適切に判断してまいります。

○尾崎委員 市場の使用料は今の条例に従って決まるわけですけれども、豊洲市場には築地市場にはない新しい機能があります。豊洲市場の売りの一つである低温施設、コールドチェーン、閉鎖型施設、加工パッケージ機能などです。これらについては、ただいまご答弁があったように、市場の使用料以外に機能強化使用料の負担があるわけですが、今後、卸売市場審議会を行い決めていくということです。結局、この機能強化使用料は、現時点では幾らになるかわからないということになります。市場業界の皆さんにとっては、どれほど負担がふえるのか、負担をどれだけ軽減できるのかは死活問題になっています。本業の収支計画もできないではありませんか。
 ほかにも、豊洲市場への交通アクセスの問題、駐車場問題、六街区と七街区、六街区と五街区の動線の問題などなど解決しなければならない問題はたくさんあります。
 こうしたことを考えると、二〇一六年十一月の開場先にありきで進めるのではなく、豊洲市場への移転計画は凍結して、市場関係者の要望、意見をよく聞き、納得と理解を得ることに力を注ぐことが重要だと指摘をして、質問を終わります。

○石毛委員 事務事業質疑の中で、築地の質問をさせていただきたいと思います。
 慶長八年、築地の前は日本橋に河岸があったわけでありますが、一六〇三年、それから三百三十二年続いて築地に移っていくわけであります。その間、江戸、明治、大正、昭和と歴史の年号を変え、江戸から都民の食を支えてきたわけであります。
 八十年の歴史がここで閉じられるわけでありますけれども、未来に向かってこの歴史上の中で豊洲がまたすばらしい市場になっていただきたいと、こういった思いで質問をさせていただきます。
 築地市場は、多くの来場者でにぎわっているところでありますが、築地は今や世界的なブランドになっております。最近とみにこのにぎわいが多くなっているわけでありますが、外国人が、ユネスコの無形文化遺産と相まって、築地の味、日本の食に多く集まっております。
 こうしたことがにぎわいになっているわけでありますが、来年十一月、豊洲市場も開場し、築地を引き継ぎ、にぎわいの拠点として築地のブランドをしっかりと継ぐ、ある意味では、貴重な財産を未来に継承していく、こういうことで大変重要ではないかというふうに思います。こうしたものを引き継ぎ、より一層にぎわいを生み出してほしいというものであります。
 その際、人口減少の日本ゆえ、インバウンドは景気を上げるということにつながる。そんな中、国際化という視点が大変重要であろうと考えます。
 初めに、都は、築地のにぎわいを継承するために千客万来施設を整備することになっておりますが、改めまして、事業の目的を伺います。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 現在の築地は、数多くの市場業者と買い出し人がつくる場内の活気や、場外市場と一体となった独自のにぎわいにより形成されており、東京都にとって誇るべき貴重な財産であります。
 千客万来施設は、この築地のにぎわいを継承、発展させるとともに、豊洲市場本体施設と連携し、豊洲ならではの活気やにぎわいを生み出すことで、豊洲市場の魅力を高めつつ、地域のまちづくりや活性化に貢献することを目的として整備していくものでございます。

○石毛委員 わかりました。
 私は海外へ行くときに、よく時間があると必ず市場に訪れます。例でいいますと、南米のトリニダードトバゴというところがベネズエラの上にありまして、そこへ行ったときに、やはり市場に向かって歩いていきますと、市場の方から、犬を散歩する感じで、あれはイグアナなのかトカゲなのか、結構大きいんです、ここのところにひもをこうつけていまして、まさに散歩のような、歩くのはトカゲみたいな、べろをこう出しながら歩いているんです。
 たまたま暑い日で、このトカゲが歩いているのは本当に肌に熱いんじゃないかなと思いながらも聞いてみたんです。かわいいですね、これはペットですかといったら、いえ、これは食べるんですというんですね。ああ、そうですかと、ちょっと話が本当かななんて思いながらそこで別れたんですが、とりあえず市場に行きました。
 そしたら、同じようなイグアナかあれが、ここにひもをかけて、みんな棒につるされていて、こんなになって売っているんですね。皆さん、これが欲しいとかいうと、このひもをぴちっと切って、またこうやってお勝手まで行くわけです。どうも話を聞いてみますと、みんなそうして最後にお勝手に行くと、包丁か何かの頭でぽんとたたいて、あとは料理をすると。ああ、この辺はこういうものを食べるんだなというふうに思った次第であります。(「食べたの」と呼ぶ者あり)いや、私はちょっと--ワニは食べたんですけどね。質問が、ちょっとごめんなさい。
 それから、前にアラブの友人が住んでいまして、神社に連れていきました。そしたら、いろんなことを見て質問したのが、ここはおいしそうだなというから、最後に、さっきの日本語でおいしいというのは、あれはおもしろいとかという話じゃないのと。いやいや、おいしいというんだ。何でかというと、ハトがいっぱいいて、あれはみんなおいしそうだと。ああ、そうなんだと思ってアラブの国に行きましたら、やっぱり市場に行ったら、運動会で玉入れを入れるようなかごにいっぱいハトが入っているんですね。お客さんはこれとかいいながら捕まえるんですが、それを料理するわけですね。同じハトなのかなと思いながらも、やはり文化というのは本当に違うんだなというふうに思い知らされたところであります。
 さて、築地のにぎわいを引き継ぎ、さらに盛り上げる上で、千客万来施設の事業を成功させることが欠かせません。そのためにも、築地と同様に、豊洲に訪れる国内外から多くの観光客、中でも外国から来られた方々が心から楽しめるような施設にすることが重要だと思います。
 そこで、千客万来施設において、外国からのお客様にどのような対応をしていくのかお伺いします。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 千客万来施設事業は、豊洲市場を訪れる方々に、食の魅力を楽しみながら市場の活気やにぎわいを肌で感じられる場をつくるものでございます。そのためには、委員ご指摘の外国からのお客様への対応も非常に重要になってまいります。
 千客万来施設事業の募集要項では、千客万来施設に求める機能の一つである、国内外から多くの観光客を誘致することを実現するために、民間事業者に対しまして、千客万来施設を訪れる方々が安心して快適に楽しめる施設、機能を導入することとしておりまして、その具体例として、多言語による国内外観光客向けの案内所やサイン計画などを例示しているところでございます。
 都といたしましては、民間事業者の創意工夫を引き出し、外国からのお客様にも十分な対応が図れるよう、事業を着実に推進してまいります。

○石毛委員 わかりました。外国からのお客様に対する取り組みは不可欠であること、ぜひ推進していただきたいと思います。
 さらに、市場に隣接した施設であるからこそ、日本の食品をアピールできるような取り組みができるのではないかと思います。
 先日、アルバニアというところに行ってまいりまして、これがカボチャなんですね。これは細長い頭がついて、こちらの方は帽子をかぶったような、上と下が違っていて、どういうんでしょうか、日本には余り見られないようなカボチャでございまして、すぐパチッと写真を撮ったところであります。何がいいたいかというと、海外から来られる方は、やはり海外と日本の違いがあると、そこに関心を見るのではないかというふうに思うんですね。
 アルバニアは柿がいっぱいなっていまして、道中、ばあっと柿だらけだったんですね。ほかの国に行くと、ヨーロッパは余り柿を見ないんですね。名前を聞くと、柿というんですよ。ヨーロッパでほとんど見ないんだけどそこにはいっぱいあって、柿だから日本のだというふうにいったら、いや、これはアラブじゃないかとか、いろいろ論議をしていたところですけど、柿というんですから、私は日本だと自慢していたところであります。日本にもラ・フランスみたいな洋梨がございますが、日本の梨は、結構おいしいとか変わっているとかというふうにいわれる場面もございます。
 そうしたものを、海外から来られた方が、例えば市場の中で、あそこにこういうのがある、ちょっと変わったものが、日本特有のものが書かれているものが多言語で書かれていれば、広いところを見なくてもこの野菜を見てみたいとか、そういった意味で役に立つんじゃないかなというふうに思うんですね。
 皆さんご存じだと思うんですが、青山にしても、小平、多磨霊園にしても雑司ヶ谷にしても、墓地マイラーというのがありまして、何区何々に誰々が、有名な著名な方が亡くなっているとか、そういうものがあるんですね。墓地マイラーなんていって結構人気なんです。
 これは、例えば小平霊園なんかは、有名な共産党の宮本顕治、(「宮本百合子」と呼ぶ者あり)そして宮本百合子、ご存じのように。二人の墓地があるんですね。ところが、夫婦だけどちょっと場所が違うんですけど、これはどういう意味だかはわかりません。だけど、確かに今おっしゃるように、二人が寝ているわけです。いろんな人が、当然私たちは必ず死ぬわけですから、どこかで有名な方は見られるわけですね。
 こういう感じで築地の一覧表みたいなのがあれば、割と外国人には受けがいいんじゃないかと、私は自分でそう思うからそう思うわけであります。そういうのを多言語で示すと、よりこの日本を理解してもらうということにつながるのではないかと思います。
 そこで、国内のお客様にこの千客万来の魅力をしっかりと発信する、そういうことをできればなというふうに思います。
 これまで、他の市場、例えば大田市場においても、見学者や外国人に配慮してさまざまな取り組みがされていると思いますが、どのようなことが行われているのでしょうか、お伺いします。

○野口管理部長 卸売市場の機能や役割につきまして普及啓発を図るため、十一の全ての市場におきまして見学者の受け入れを行っております。
 見学者の受け入れに当たりましては、市場業者の円滑な作業や売り場の衛生面への配慮、見学者の安全確保を図る観点から、各場において見学ルールを定めるとともに、市場それぞれの特徴を生かした受け入れ体制を整備しております。
 とりわけ大田市場は見学者が多く、平成二十六年に、外国人を含む事前申し込みのありました約二万六千人が訪れております。
 このため、見学者専用の通路を設置するとともに、競り台などの要所に市場活動を解説した案内表示を設けているほか、学校を初め団体の見学対応がスムーズに進むよう、各種資料を備えた展示室や映像ルームを整備しております。
 また、近年増加傾向にある外国人見学者向けに、市場広報用として、七カ国語による市場の仕組みを解説したパンフレットを用意し、配布するとともに、場内の案内表示には、英語、中国語、韓国語の表記を併記するなどの対応を行っております。

○石毛委員 わかりました。引き続きしっかりと対応していただきたいと思います。
 外国人に人気の高い築地市場では、学校や団体など事前に予約して見学に訪れるというよりも、観光の目的で予約なしで訪れる方が多いわけです。先ほど何か数字が出ていましたけど、私どもはちょっと古い数字で、平成二十一年のときで一日に三万三千人というふうになっておりました。あのころから比べると訪日は倍ぐらいになっているわけですので、六万六千、ひょっとすると七万ぐらいの見学者が来ているのではないかというふうに思います。浅草、雷門、スカイツリー、そして築地、こういったところが、本当の東京のゴールデンといっていいほどお客さんが来られるわけでありますので、この数字を見ても本当に人気があるんだなというふうにわかるわけであります。
 築地市場において、外国人のマグロの競りの場面は人気が高いし、市場ならではのだいご味が見られるわけでありますが、こうしたニーズが大変高いわけであります。特に、長い包丁の、刀のようなあれでかっかっと切ってみたり、じゃんけんをするような、何かよくわからないけれども、買いを手でやったりと、ああいうのが結構人気なようであります。私も友人が行きまして、みんな、朝早く行かないとだめよといって、本当に人気があるんですね。まさにそうしたニーズが高いと。
 豊洲市場においても同様のニーズがあると思いますが、ダイナミックな市場の取引を見ることを、市場として本来の機能を保ちながら実現するための方策をお伺いいたします。

○櫻庭新市場事業推進担当部長 築地市場におきましては、施設が老朽化、狭隘化した過密な状態にございまして、見学者の方が業務エリアに無断で入り込んだり、荷物の運搬の妨げになったりですとか、本来業務に支障を来す場合がございました。
 このため、現在では、卸売り場については見学者の立ち入りを制限するですとか、仲卸売り場の見学は午前九時以降としますといったような一定のルールを定めております。
 豊洲市場におきましては、業務を妨げずに市場の取引を見渡すことができて、かつ生鮮食料品の衛生面や見学者の安全にも配慮した見学者用の通路を各街区に設置いたします。特に、海外からの見学者にも人気の高いマグロの競り場には、競りの活気ある様子を間近に体験できますように、見学者デッキを整備することとしております。
 さらに、外国人見学者を受け入れるために、多言語による案内標識の設置や場内放送等で見学ルールの周知を図るなど、ハード、ソフトの両面からきめ細かい見学者対応を図ってまいります。

○石毛委員 豊洲でもそうした本来の機能を保ちながら、活気ある市場の姿を国内外に見せる工夫がされているということがよくわかりました。
 最後になりますが、私は、先ほど申し上げたように、海外に行ったときによく市場へ行くと。それは、その国の一般の人がどういうものを食べているかと。そうしたものが、雰囲気、生活のにおいが感じられるものであります。
 せっかくこの東京に新しい豊洲市場ができるわけでありますので、都民の生活を支える台所として、そして日本の食文化を世界に発信できるような基地となり、そのことによって、日本あるいは日本人を理解することにつながると思います。
 四年後のラグビーワールドカップ、そして五年後の東京オリンピック・パラリンピックが参ります。知事がふだん、日ごろおっしゃっているところの世界一の都市東京、それは豊洲市場が大きな役割を果たすというふうに確信をしております。
 その希望をしっかりと持ちながら、私どももしっかり応援をしながら、すばらしい市場にしていただきたいというお願いをいたしまして、終わりにいたします。

○島崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十二分休憩

   午後三時二十五分開議

○島崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○松田委員 私からは、中央卸売市場の整備計画についてお伺いをさせていただきます。
 中央卸売市場は、都民生活に不可欠な生鮮食料品等の円滑な流通を確保するための拠点であります。都内には十一の中央市場があり、互いに補完し合いながら都民の食生活を支えております。
 都内における中央卸売市場が、それぞれ生鮮食料品の流通の拠点としてその役割をしっかりと果たしていくためには、それぞれの市場について必要な施設整備をしっかりと行っていくことこそが重要であります。
 東京都は、平成二十三年から二十七年までの五カ年を計画期間とする第九次整備計画に基づき、これまで施設整備に取り組んできていただいたと思います。
 そこでまず、この第九次東京都卸売市場整備計画の基本的な考えについてお伺いをいたします。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 近年、生鮮食料品等の流通構造は、出荷団体の大型化、量販店のシェア拡大、業態の多様化、大口需要者による産地との直接取引など、流通チャネルの多元化等に伴い大きく変化しております。
 このような流通構造の変化に加え、加工品や輸入品といった卸売市場を経由することが少ない物品の流通の増加等を背景といたしまして、市場外流通が増大し、市場経由率は低下傾向にございます。
 こうした市場を取り巻く環境の急激な変化を踏まえまして、都は、平成二十四年一月に第九次東京都卸売市場整備計画を策定いたしました。この計画では、都民の食の安全・安心への期待に応える、生産者、実需者の多様なニーズに応える、市場の活性化を図る、財政基盤を強化するの四つを中央卸売市場整備の方針として示すとともに、東日本大震災を踏まえ、卸売市場の災害対応力の強化等にも取り組むこととしております。

○松田委員 第九次整備計画では、四つの基本方針に基づいて中央卸売市場の整備が進められてきたことがよくわかりました。
 さて、東京の中央卸売市場といえば、全国的にも知名度の高い築地、加えてその移転先の豊洲市場の名が非常に有名であり、本委員会でも質疑が今されたところであります。先日も報道番組で取り上げられておりました。
 このように注目が集まるのは、豊洲市場が新鮮な生鮮食料品を安定的に供給する拠点として都民から大きな期待を寄せられているからにほかなりません。しかしながら、東京には一千三百万人もの人が暮らしております。さらに、昼間の都内に勤めている人々の食生活を考えれば、かなりの規模で生鮮食料品の供給が必要となります。その流通を一部の基幹市場だけで支え切れるわけではなく、その他の市場との連携があって初めて支えることができると考えます。
 こうしたことから、その他の市場についても必要な施設整備を着実に進め、機能強化を図っていくべきと考えます。
 そこで、第九次東京都卸売市場整備計画に基づき、築地市場や豊洲市場以外では、都はこれまでどのような施設整備に取り組んできたのか、主な内容についてお伺いをいたします。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都は、第九次東京都卸売市場整備計画に基づき、卸売市場の機能強化に向けた施設整備に取り組んでまいりました。
 具体的には、北足立市場等における品質管理の高度化に向けた施設整備、淀橋市場における待機駐車場整備工事などのリニューアル事業等による物流改善、板橋市場花き部における加工場の整備等による多様なニーズへの対応、葛西市場等における非常用発電機の整備による災害対応力の強化などに取り組んでまいりました。

○松田委員 ありがとうございます。ただいまのご答弁で、豊洲市場以外でも各市場でハード面における整備が進んでいることがわかりました。引き続き、整備の方をお願いしたいと思います。
 さて、市場が機能を十分に発揮をして、その役割を着実に果たしていくためには、ハード面の整備を進めることももちろん重要ではありますが、一方で、卸売市場そのものが活性化をして、活気に満ちあふれていることも非常に重要であります。活気ある市場の実現に向けて、都は持てる力を注ぐべきであります。
 そこで、都は、市場の活性化に向けてどのように取り組んできたのかをお伺いいたします。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都の中央卸売市場は、首都圏の基幹市場としての役割を担っている市場や地域のニーズに対応した役割を担っている市場など、それぞれに特色を有しております。
 こうした市場おのおのの特色を最大限に生かせるよう、ご指摘のとおり、市場の整備を着実に進めるとともに、市場関係業者の意欲的な取り組みの支援を行っていく必要がございます。
 このため都は、経営活性化支援事業により、花き部における仲卸事業者の人材育成プロジェクト事業や築地市場水産物部における輸出拡大事業など、仲卸事業者や売買参加者の団体等による市場活性化につながる経営上の業務改善や、販路拡大に向けた活動などの先駆的な取り組みに対する支援を行っております。
 また、足立市場や大田市場水産物部等において、都と市場関係業者が一体となって卸売市場としての経営戦略を策定し、大田市場水産物部で朝獲れ鮮魚事業を実施するなど戦略の実現に向けて取り組んでいるところでございます。

○松田委員 ありがとうございます。都が、市場の活性化に向けて多様な取り組みを進めていることがよくわかりました。
 活力のある卸売市場を実現するためには、施設整備がハード面の取り組みであるとすれば、市場の活性化はソフト面の取り組みに当たり、どちらもバランスよく両輪となって進めていく必要があると考えます。
 平成二十八年度から平成三十二年度にかけて、今度は第十次東京都卸売市場整備計画の策定に向けて、目下作業が進んでいるところと伺っております。都民の安定した食生活を実現する上で、中央卸売市場は生鮮食料品の流通拠点として今後も重要な役割を担っていくことは間違いありません。そのような前提に立って、都は今後も市場の整備、運営を検討していくべきであります。
 そこで、都は、中央卸売市場の公共的役割をどのように認識し、今後の市場の整備、運営にどうつなげていこうと考えているのか、所見をお伺いいたします。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都の中央卸売市場は、都民の食生活の安定を担保、都民の食の安全を確保、生産者、実需者がいつでも利用できる開かれた取引の場という公共的役割を担っております。
 ご指摘のとおり、都民の安定した食生活を実現する上で、中央卸売市場の役割は重要であると認識しており、今後も、都内のそれぞれの中央卸売市場が連携して、相互に補完しながらその機能を発揮するとともに、市場関係者とも協力して市場の機能強化や活性化に取り組み、引き続き公共的役割を着実に果たしていくことが重要であると考えております。
 現在、東京都卸売市場審議会計画部会におきまして、卸売市場を取り巻く流通環境の変化や国の動向を踏まえ、中央卸売市場の公共的役割を踏まえた今後の市場のあり方や、第十次東京都卸売市場整備計画における整備等の基本方針案について検討が進められているところであり、都としては、審議会答申を受け、平成二十八年度中に第十次東京都卸売市場整備計画を策定し、今後の市場の整備、運営の方針を示してまいります。

○松田委員 来年度中に第十次整備計画を策定されるとのご答弁でありました。市場流通などの専門家の先生方から成る計画部会において多角的な議論が積み重ねられ、すばらしい計画に結実していくことを期待しております。
 さて、五年後の平成三十二年には、オリンピック・パラリンピック東京大会が開催をされます。そのとき、多くの人々が諸外国から日本を訪れます。和食も世界遺産に登録をされ、世界の人々は日本の食を楽しみにやってくると思います。
 私も、海外や地方都市に行ったときは、その土地の味、そしてにおい、香り、もちろん市場にも行きます。そしてベトナムの市場に行ったときはライギョやスッポンを売っていたんですが、やはりそこには独特のにおいがあって、人々の生活が息づいております。いろんなところで食べたフォーを覚えております。ここのフォーはこんな味がしたな、ここのフォーは--フォーばっかりなんですけれども、こんな味がしたなということを舌で覚えております。外国の方もそれを楽しみにしていると思います。
 その拠点となるのが中央卸売市場であります。消費地市場としての特性を最大限に生かし、そして産地から良質な食材を集荷し、飲食店に提供することで産地と消費地をつなぎ、地方経済の活性化を東京がサポートしながら、東京と地方がともに栄えるように取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 そのような視点からも、第十次整備計画に盛り込んでいただきたいと考えます。その旨、最後に要望して質問を終わります。
 以上です。

○木内委員 私は、食を語るというのは文化を語ることであり、また人間そのものを語ることであると、こういうふうに思います。
 きょうの質疑を聞いていて、友人の石毛委員もトリニダードトバゴのイグアナやハトの話をされました。非常に興味を持って聞かせていただきました。また、今、松田委員の指摘にもありましたけれども、全国各地を回って食の話題というものを提供された。申し上げたとおり、食そのものが文化であり人である、こういうふうに考えていきたいのであります。
 来年十一月に豊洲市場が開場する。そして、その四年後にオリンピック・パラリンピックが東京で開催される。豊洲市場がこの時期に開場するということは、非常に私は大きな意味があると思うんです。
 二〇二〇年五輪の前回、二〇一六年の招致に失敗した後、我が国は東日本大震災を経験しました。実は多くの国民が大切な家族を失い、かけがえのない思い出や時間さえも失い、傷つきました。
 私は、地元江東区の街頭に何度も立って、私たちの善意を、真心の支援を被災地に送ろうということで、街頭演説や募金に汗を流しました。このときにしみじみ感じたことでありますけれども、本当に、決して裕福ではないと思われるような方でも、財布から五十円、あるいは時には百円、五百円玉を大切そうに出して、どうか届けてくださいといって、善意を結晶としてあらわされたことがあります。
 私はよく思うんですけれども、二十世紀までは、この人間の歴史は、軍事力や経済力や政治力といったハードパワーによって歴史がつくられてきた。二十一世紀は、人の心が持つ力によって、ソフトパワーによって歴史は形成されていくべきだ、こういう言葉があります。
 一方、中国の俚言に、錦の上に花を置く人は多いけれども、雪の中に炭を送る人は少ないとあります。なぜ、こんな持って回したいい方をするかといえば、このオリンピックを目前にして、そうして豊洲市場が来年オープンする。加えて、東日本の大震災があった。だから、だからこの豊洲の新市場も、心を満たす、人間の心をつなぐ、そういう施設でなければならない。そのために具体的な講ずることのできる施策は、徹底してこの豊洲市場について展開をすべきだ。この視点から、私はきょう質疑を行ってまいります。
 この前、東京湾や高速道路から、建設中の豊洲市場の姿を見ました。実は豊洲というのは、誤解を恐れずにいえば、今でいうあんな立派なまちではなかったんです。
 港区に白金というところがあって、高級マンションが林立していて、当時、あの高級マンションに住んでいる若い世代の女性たち、お金持ちの若い主婦のことをシロガネーゼといったんです。今、豊洲のあたりに、この前お邪魔したお宅では、何平米ぐらいですか、うちは狭いんです、百十平米ですというぐらいの、実はすごい高級マンションです。ここに住んでいるセレブの女性たちのことをシロガネーゼに対してキャナリーゼというんです。
 キャナルというのは--内部河川や運河が江東区のあの周辺にあるものですから、そこに住んでいるセレブの女性たちでキャナリーゼという。昔は、豊洲市場の用地はガスや電気を生み出し、あるいは鉄鋼を積み出す岸であったんです。その土地が土壌汚染にさらされ、その克服のために多くの時間と費用を費やしたことも、皆さんご存じのとおりであります。だけれども、人間の知恵と行政の努力と議会の推進によって、まさにこの豊洲市場は来年の開場を前に、今、工事が急ピッチで進んでいるわけであります。
 こうした経緯というものを十分以上に知った上で私はお訴えするんですけれども、今なお豊洲市場は危険だと、生鮮食料品を扱う場所としてふさわしくないなどといまだに時代錯誤の発言を続けている向きがある。あれだけの英知を結集して行った対策に対しても難癖をつけているとしか思えない。そういう会派があり、そういう勢力があるというのは、極めて残念であります。
 特に、最近になって耳にするのは、土壌汚染対策法にのっとってなされた手続そのものやその調査について、あれでは不十分だという主張までなされているという、この実態がある。今さら何をいっているのか、正直なところそう考えてしまうので、後世のためにもここで確認をしておきたい。
 豊洲市場用地において都が行った土壌汚染調査及び土壌汚染対策法上の手続と経緯の妥当性、正当性について、ご報告をしっかりと願います。

○若林基盤整備担当部長 都が実施した土壌汚染調査は、専門家会議の知見に基づき、豊洲市場用地全域にわたり表層土壌と地下水の調査を実施した上で、汚染のおそれのある区画については、ガス工場操業時の地盤面から不透水層上端まで、深さ方向に一メートル間隔で土壌を確認し、豊洲市場用地の汚染状況を詳細に把握したものでございます。こうした調査については、国が指定した指定調査機関が都の実施した調査の内容を確認し、土壌汚染状況報告書として取りまとめております。
 都は、この報告書により区域指定の申請を行い、土壌汚染対策法に基づき汚染区画の区域指定がなされたものでございます。その後、この区域指定に基づき土壌汚染対策工事を実施し、平成二十六年十月に全街区において全ての工事を完了いたしました。
 翌十一月に開催した技術会議において、本対策工事の汚染土壌の掘削状況や、大気、地下水、土壌の調査結果など客観的なデータに基づき確認を受けたことにより、豊洲市場用地の安全性を確認したものでございます。

○木内委員 るる答弁がありまして、かんで含めるようにご報告をいただきました。
 土壌汚染調査と法のもとでの手続を経て対策工事を完了したものであって、もはやこれ以上何を求めるのかといわざるを得ない。いまだ批判を繰り返す、そういう向きには、私があえて、尊敬するチャーチルの言葉を贈りたい。悲観主義者はあらゆる機会の中に問題を見出す、楽観主義者はあらゆる問題の中に機会を見出す。都民福祉のために日々汗を流し、都民に希望ある将来を提示すべき我々が悲観主義者であってよいはずはないと私は考えるのであります。
 豊洲市場の建設予定地は、土壌汚染という、いわば逆境を乗り越えた場所であります。東京都議会が、そして執行機関が車の両輪となって議論を積み重ね、そうした事態の進展を見てきたものでありまして、さらに関係市場業界が協力もし合って乗り越えた、そういう状況があった。また、そうした作業にかけたエネルギーは、後世に語り継がれるだけではなく、それ自体に大きな価値すらあると私は思うのであります。
 東京、ひいては我が国そのものの近現代の歩みを振り返るとき、同様の経緯をたどってきています。震災や戦災から元のまち並みを取り戻すだけにとどまらず、大胆な都市改造を行ってきたし、廃棄物の問題、いわゆるごみ戦争の際に発生した広大な埋立地は、今や緑豊かでさまざまな可能性を期待させる貴重な場所になりつつあります。
 豊洲市場においても、万全な土壌汚染対策だけでなく、そこに新たな価値を生み出していくことが、歴史的に見た都市の発展という視点からも重要なのではないか。きょうは質疑の問数は多くはありませんけれども、具体的に私は提案もし、また、しっかりと要望すべきものをしながら進めてまいりたいと思います。
 まず、卸売市場の人と人をつなぐという役割を最大限に発揮させるべきであるし、この土壌汚染という、いわば逆境を乗り越えただけではない、新たな価値を生み出す努力を、さらに今後、新しい分野、新しいステージで行うべきだ、そういう意味で提案をしたいと思うんです。
 まず第一に、環境への貢献であります。土壌汚染を克服することによって、人々の食の安全・安心への不安を払拭することだけでなく、環境面で世の中をリードする取り組みがこの豊洲新市場においても重要な課題となるべきであります。
 例えば、申し上げております環境への配慮、あれだけの巨大な施設である以上、都民はそのエネルギー消費も膨大だと思うに違いないのであります。しかし、そうではない、豊洲市場は環境への意識が違うのだとアピールすべきであります。
 そこで、環境負荷の低減を今後しっかりと真剣勝負で進めていく必要がある。例えば、この市場機能の建物や、あるいは機能における空調や換気設備の先鋭的、進歩的な整備を行うべきであるし、また、市場排出物のリサイクルということも、かつてないような新機軸の対応もすべきであるし、あらゆる部面にわたってこの環境対策を進めていくべきだと、こう考えますけれども、今やろうとしていること、あるいは私の提案を受けて具体的に進めようとしているもの、こうしたことについて、まず答弁を願います。

○佐藤施設整備担当部長 豊洲市場の整備に当たりましては、市場が環境に及ぼす負荷の低減を図るため、自然エネルギーの利用や省エネルギー設備などを積極的に導入しております。
 具体的には、市場としては国内で最大規模となる二千キロワットの太陽光発電設備や、太陽熱を利用しました給湯設備を整備いたしました。
 また、車両のアイドリングストップ対策としての停車時の外部電源装置の整備や施設内運搬車両の一〇〇%電動化、LEDを用いました照明器具の設置などを行っております。
 さらに、空調や換気設備につきましては、ビルエネルギー管理システム、その頭文字をとりまして、通称BEMSと呼ばれておりますが、こちらを活用しまして、エネルギー消費量の最適化を図ることとしております。
 これに加えまして、屋上に降りました雨水をろ過して、トイレの洗浄水や緑地の散水に利用いたしましたり、市場で多く排出されます発泡スチロール、それから食品廃棄物のリサイクルを推進するなど、環境負荷の低減を徹底的に図ってまいります。

○木内委員 非常にいい、誠実な答弁だったと思いますので、ぜひこの答弁の内容に沿って、市場を挙げて実現に向けて努力をしていただきたい、こう思います。
 特に、今ご報告のあった分野、パート以外にも、今後考えられる環境負荷を軽減するための施策というものがあるわけですから、これも積極的に、勇気ある市場長のもとでがんがん実現をするように、最後、答弁を求めるようになっていますか私--そうだよね、そのときに、今のことも踏まえてぜひ答弁をしてもらいたいと思います。
 既に述べたように、豊洲市場は巨大な施設でありまして、都市にあって緑を確保することは、もはや社会的責務でありまして、そのための具体的努力が、この豊洲新市場においても求められているということであります。
 緑地整備が重要であると考えるんですが、例えば、配慮すべき植栽のあり方や、あるいは緑地帯の整備などなど、具体的に緑地整備についての課題と、それから方針を明らかにしてください。

○佐藤施設整備担当部長 平成二十六年十二月に発表いたしました東京都長期ビジョンにおきましては、豊洲地区の整備につきまして、豊洲市場の整備により、先進的な市場流通を実現するとともに、緑地帯の整備などにより、魅力ある水際の都市空間を創出していくとしております。
 このため、豊洲市場では、都が定めた豊洲地区地区計画や江東区の条例に基づきまして、水産仲卸売り場棟の屋上広場や青果棟の小口買参積み込み場などの屋上を緑化するほか、敷地外周部を植栽するなど、敷地面積の三割に相当する十二ヘクタールを超す緑地を整備いたします。
 緑化に当たりましては、食品を扱う市場施設であることを踏まえまして、落葉樹を避け、常緑樹を主体とし、また、病虫害に強く、花や実をつけない樹種を選定することなどにより、鳥や虫の寄りつきを最小限に抑えるよう配慮しております。

○木内委員 部長が女性だということではなくて、非常に細かな配慮の行き届いた措置であろうと思うんですね。例えば、落葉樹を避けて常緑樹を主体として、病虫害に強く、花や実をつけない樹種を選定していく。これはもうぜひ実行してください。すばらしいことだと思う。新しい豊洲市場はそこまで配慮が行き届いているのか。これはもう都民が一致して評価することになると思いますので、強く重ねて要望いたします。
 それから、次は周辺との調和のある整備ということについて申し上げます。これも私の提案ですから、ぜひよく聞き届けてもらいたい。
 豊洲市場が居を構えることとなる江東区の歴史について若干触れると、江戸時代から掘り割りに代表される水辺、そして、かつては負の遺産であった廃棄物処理場から転じた豊かな緑というものがある。
 長くなるから避けますけれども、江東区の歴史は埋め立ての歴史で、内部河川が三十本近くあって、一五九〇年のあの徳川家康の江戸入府以来、埋め立てがずっと続いてきている。いまだに埋め立てが続いているんです、東京湾に向かって。そういうところなんですけれども、この水辺というものは、江東区民にとっても、また幅広く都民にとっても、非常に重要な憩いと安らぎ、これを与えるものであります。
 江戸時代からの掘り割りに代表される水辺があり、そして、かつては負の遺産であった廃棄物処理場から転じた豊かな緑でもあります。豊洲やその周辺に住まう人々からも、豊洲市場がこうした視点から積極的に貢献してくれることを望む声は極めて多いんです。
 そこで、まちづくりと一体になって水辺と親しむことができる環境を地元区、江東区と連携して提供していくべきだと考えるんですが、どうですか。

○若林基盤整備担当部長 豊洲市場外周部の親水護岸、水際緑地の整備に当たりましては、ウォーターフロントという恵まれた立地特性を生かし、水辺に親しみ、豊かな緑が感じられ、にぎわいのあるまちづくりに貢献するための一環として、新たな市場の整備にあわせ、誰もが快適に水辺を散策でき、憩いの場となるよう整備を進めております。
 具体的には、親水護岸には歩行者などがふ頭を回遊できる連続した散策路を整備し、水際緑地の広場には多種多様な樹木等に囲まれた中で、高低差を生かし、座って海を眺めることができる階段状のベンチを設けるなど、散策や休息を同時に楽しめるさまざまな工夫をしております。
 なお、豊洲市場開場後は、地元江東区が、平成二十五年三月に都と締結しました豊洲市場の外周に係る施設の整備及び維持管理について、基本的な事項を定めた覚書に基づき管理することになっております。

○木内委員 開場の後は、地元江東区が覚書に基づいて管理することになっておりますし、私のこの主張は、区議会公明党の議員を通じても区の行政によく伝わっておりますので、ぜひ区とのしっかりした協議を行って進めてもらいたいと思います。
 こうした取り組みは、よりよい環境づくりや調和のとれた--あれだよね、土壌汚染がどうだこうだといっていつも議論しているよりか、こういう将来を見据えた、夢のある議論がいいよね。本当にそう思うんだ。
 こうした取り組みは、よりよい環境づくりや調和のとれた整備を望む人々の心を捉え、確かなつながりを生み出していくものだと、こういうふうに思うんです。
 先ほど東日本大震災のことを申し上げたけれども、やはり人と人とのつながりを最も強く感じる瞬間として、やはり災害が起こったときだろうと、こうも思うのであります。豊洲市場は多くの都民と生鮮食料品の安定供給という機能を通じてつながっているわけですけれども、いざ災害が発生しても、その機能をできるだけ維持し、都民に頼りにされていく施設であることが極めて重要であり、求められているのであります。
 そこで、豊洲市場は、災害時にも対応できる市場とすべきだと思うんです。例えば、建築基準法で定められている構造体の強度にも配慮を加えたり、停電時や隣接する地域冷暖房施設の発電設備の活用でありますとか、あるいは、常に区東部ゼロメートル地帯で問題になります震災時の液状化対策についても、十分な対応がこの豊洲市場には先進的に必要だというふうに思うのであります。
 こうした対策で、大規模地震などの際でも生鮮食料品を安定的に都民に供給していくという、そういう対応がある、断じて必要だ、こういうふうに思うんですが、どうでしょうか。

○佐藤施設整備担当部長 中央卸売市場は、東京都におきまして震災が発生しました場合、生鮮食料品を確保し、都内各地への配送などを行う輸送拠点として活用するよう、東京都地域防災計画に定められております。
 このため、豊洲市場の卸売り場や仲卸売り場などの基幹施設は、構造体の大きな補修をすることなく使用できることを目標とし、人命の安全確保に加えまして機能確保が図られますよう、建築基準法で定める構造体の強度を一・二五倍に割り増して、一般的な建築物よりも耐震性能の高い建築物としております。
 災害などによる停電時におきましては、三日間運転可能な非常用発電設備や太陽光発電設備によりまして、防災センター、通信設備、一部の照明やコンセントなどの運用を確保いたします。
 また、隣接する地域冷暖房施設の発電設備から必要な電力を供給し、冷蔵庫などの機能を維持することといたしております。
 さらに、震災時の液状化対策といたしまして、地盤が緩み、地下水や液状化した砂が地上に噴出することがないよう、砂ぐいや固化材により、十分な締め固めを行っております。
 このような対策によりまして、大規模地震など災害時におきましても、市場の機能を十分に維持し、生鮮食料品を安定的に都民に供給をしてまいります。

○木内委員 それぞれの分野における具体的方針と対策をお尋ねしてきましたけれども、ぜひこれを遺漏なく進められるよう、強く要請をしたいと思います。
 豊洲市場が新たな価値を生み出していくこと、また、周辺環境との調和にもすぐれた市場として整備していくことによって、市場関係者だけでなく、多くの都民の信頼を集める市場としていくことについて、先ほど申し上げた点の答弁も含めて、市場長のご決意を伺いたいと思います。

○岸本中央卸売市場長 豊洲市場は、豊富で新鮮な生鮮食料品を安定的に供給し、高度な品質、衛生管理機能や効率的な物流機能を備えた、我が国を代表する基幹市場として整備を進めているところでございます。
 こうした卸売市場本来の機能に加え、豊洲市場におきましては、先進的な市場として、委員ご指摘の環境への配慮や地元のまちづくりとの調和、さらには防災といった新たな価値を体現する市場として整備していくことが重要であると認識しております。
 このため、太陽光や太陽熱、省エネルギー機器を積極的に活用するとともに、屋上緑化広場など親水護岸の緑と一体となった水辺空間のネットワークを構築することで、環境に優しく、地元の皆様にも親しまれる市場としてまいります。
 また、災害時にも、市場内に設置されます非常用発電設備や桟橋、ヘリポートなどを活用し、食料品の供給が可能な輸送拠点としての役割を果たしてまいります。
 豊洲市場が、新たな時代のモデルとなる世界一の都市東京にふさわしい市場として、来る二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの機会を捉え、日本の食文化を発信していくとともに、都民や地元の皆様に愛される、そして信頼される市場となるよう全力で取り組んでまいります。

○木内委員 以上で終わります。

○かち委員 私からも、都の第九次東京都卸売市場整備計画についてお聞きします。
 日本の卸売市場は、生鮮食料品流通の中核を担う社会インフラとして位置づけられ、施設整備や取引規制など一連の公的介入によって、世界に類を見ない、卸売市場の全国ネットワークが構築されてきました。
 しかし、卸売市場制度は、一九八〇年代半ば以降、後退ないし変質を遂げていきます。こうした中で、卸売市場行政は、その見直しを繰り返してきました。一九七一年、卸売市場法の施行、九九年、同法改正により、競り原則撤廃、二〇〇四年、改正による商物一致の緩和、手数料の自由化、市場再編などです。そして、今期、第九次卸売市場整備基本方針では、中央拠点市場と一般中央市場との分類によって、市場の役割分担化、経営戦略の確立などが打ち出されました。
 現在、第十次の基本方針策定に当たり、十一月二日にその案が出され、現在意見募集中です。都の第九次東京都卸売市場整備計画は平成二十三年から二十七年度となっており、計画の終了年度であります。そこで、第九次計画の到達点についてお聞きします。
 国の第九次整備計画では、中央卸売市場は、中央拠点とそこから荷が分配される一般中央市場に再編することを基本方針としていましたが、都としては、こうした方針にどのように対応してきたのでしょうか。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 国は、平成二十二年十月に策定した第九次卸売市場整備基本方針において、大型産地からの荷を大量に受け、周辺の中小規模の中央卸売市場と連携した流通を行う役割を担う中央卸売市場を中央拠点市場としており、国の第九次中央卸売市場整備計画において、大田市場、淀橋市場、北足立市場の青果部、築地市場の青果部及び水産物部が中央拠点市場として指定されております。
 東京都の中央卸売市場は、首都圏の基幹市場としての役割を担っている市場や地域のニーズに対応した役割を担っている市場など、それぞれ特色を有しており、同一の開設区域において相互に補完しながら一体としてその機能を発揮しているという、他都市の中央卸売市場と異なる事情を有しております。
 このため、都が平成二十四年一月に策定した第九次東京都卸売市場整備計画においては、各市場について、その位置づけ、役割を踏まえ、特徴、強みなどを生かしながら着実な整備、運営を図るとともに、卸売市場全体のネットワークによる総合力を強化し、都民の食生活の安定に向けた責務を果たしていくこととしております。

○かち委員 それぞれの地域の特色を生かし、それぞれに役割を担い、地域のニーズの態様に応えながら、相互に補完しつつ、一体としてその機能を発揮していくとのご答弁でしたが、豊洲新市場は首都圏三千数百万人の基幹市場を目指しています。
 千葉、神奈川の市場が大きな影響を受けるのはもちろん、都内の各中央卸売市場についても、幾つかの市場についてはあり方を検討するなどとなっています。地方卸売市場も、都内では閉鎖が相次ぎました。
 国は、再編強化を視野に入れての第九次の拠点化の方針を出しましたが、結局うまくいかなかった。強いところと弱いところをつくると、市場原理で強いところに集中し、二極化が進み、市場のネットワークが崩れてしまうということではないでしょうか。
 今回出されている第十次の基本方針案には、その言及がありません。今後の都の基本姿勢として、どのようにするのでしょうか。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 国が今月二日より意見公募を開始した第十次卸売市場整備基本方針案においては、中央拠点市場に係る記載が削除されております。
 都としては、国の動向を踏まえながら第十次東京都卸売市場整備計画を策定してまいります。

○かち委員 国の方針では、開設者形態についてもPFIや指定管理者制度など民営化を推進していますが、都としての基本的な考え方はどうですか。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都は、第九次東京都卸売市場整備計画において、コスト縮減が可能な整備手法により、選択的、重点的な整備を推進するとともに、計画段階から管理段階までのライフサイクルコストを踏まえた整備を図っていくこととしております。
 都としては、この考え方に基づき、引き続き施設整備等におけるコスト削減に努めてまいります。

○かち委員 引き続き、都の運営としてやっていただきたいと思います。
 都の第九次計画に基づき、豊洲新市場は基幹市場として巨大な物流センター化を目指し、総事業費は当初予定の四千億円が六千億円近くにまで増大しています。そのため、市場財政の手持ち資金は激減し、各市場の整備に支障を来しかねない、こういう状況ではないでしょうか。
 第九次での十一カ所の中央市場の今期間の施設整備計画の進捗状況について伺います。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都では、第九次東京都卸売市場整備計画に基づきまして、首都圏における生鮮食料品流通の中核を担う拠点として豊洲市場の整備を進めるとともに、各市場の特色や特性を生かした施設整備を行っております。
 都は、市場業界と協力いたしまして、大田市場における荷さばき場建てかえ工事、食肉市場における小動物係留所改修工事、淀橋市場におけるリニューアル事業など各市場の施設整備に取り組んでおり、第九次東京都卸売市場整備計画に基づく施設整備はおおむね達成できております。

○かち委員 それぞれの整備をおおむね達成しているということですが、関係者の要望をよく聞き、施設改修を進めていくよう求めておきます。
 大田市場の水産卸では、朝獲れ鮮魚など独自開拓が一定の評価を受けています。このような小回りのきく独自性の販路拡大などを求められていると思いますが、こうした流通の開拓等への支援策をどのように取り組んでいるのでしょうか。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都の中央卸売市場は、首都圏の基幹市場としての役割を担っている市場や地域のニーズに対応した役割を担っている市場など、それぞれに特色を有しており、こうした各市場の特色を最大限に生かせるよう、市場の整備を着実に進めるとともに、市場関係業者の意欲的な取り組みの支援も行っていく必要があります。
 このため都は、平成二十一年度より、経営活性化支援事業により、大田市場水産物部における朝獲れ鮮魚事業など、仲卸事業者の団体等による市場活性化につながる先駆的な取り組みに対する支援を行っております。
 今後とも、市場関係業者の活性化支援策に引き続き取り組んでまいります。

○かち委員 生鮮食料品の流通チャネルは、卸売市場を通じた流通のみならず、大口需要者による産地との直接取引やインターネット、宅配便を利用した販売、産地直売による販売など多元化しています。また、加工品や外食、中食の需要増、輸入品の増加等といった要因が複合的に重なり合った結果、総じて市場外流通が増大し、卸売市場経由は低下しています。地域のニーズをよくつかんで、特色を生かす必要があると思います。
 先日、私たちは、羽田空港の中にできた民間の羽田市場というところに行ってまいりました。空港の中に市場ができるって一体どういうことかということで見てきたわけですけれども、ここは確かに、朝、空輸で来た魚などを中間処理するんですけれども、非常に冷温で、清潔的で、衛生管理で、スピードを持って、ITを駆使してということで、すごい状況を見てきたわけです。こうした動きというのは侮れないのではないかと思いますが、どのように見ているでしょうか。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 本年九月に開業した羽田鮮魚センターは、羽田空港を利用して、空輸を中心とした新たな流通の仕組みを構築し、全国の新鮮な魚介類を首都圏の飲食店や海外に向けて販売する民間の取り組みであるというふうに聞いております。
 一方、東京都の中央卸売市場は、都民の食生活の安定を担保、都民の食の安全を確保、生産者、実需者がいつでも利用できる開かれた取引の場という公共的役割を担っております。
 都民の安定した食生活を実現する上で、中央卸売市場の役割は依然として重要であると認識しており、今後も都の中央卸売市場が連携して、相互に補完しながらその機能を発揮するとともに、市場関係者とも協力して市場の機能強化や活性化に取り組み、引き続き公共的役割を着実に果たしてまいります。

○かち委員 生鮮食料品の流通の動向を注視し、より公共ならではの卸売市場としての役割が求められてきています。
 これまでのように、大型量販店や大手外食チェーン店への対応を中心とした卸売市場ではなく、生鮮食料品の円滑な供給と消費生活の安定を図り、公正な取引を確保するなど、本来の卸売市場の役割に立ち戻ることがこれまで以上に求められていると思います。
 私は直接この経営者に会って、空輸されてきた水産物のパック加工をする工程、工場内を視察してきました。この開設者は、漁業に対する熱い思いと未知への挑戦ということで熱く語っていたわけですけれども、まだ始めたばかりではありますけれども、営業は順調に伸びているということです。こうした動きが卸売市場での流通に一定の影響を及ぼすことは必至であり、注視に値すると思います。
 第九次計画では、環境対策についても言及しています。二十三年三月十一日の大震災を受け、省エネ化、温室効果ガス対策なども、都全体として取り組みが強化されています。その中で、大規模事業所である大田市場での温室効果ガス削減義務に対し、どのように取り組んできたのか、また、その結果についてお聞きします。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大田市場においては、照明器具や冷温水ポンプの高効率機器への更新、それから低温倉庫の扉カーテン設置による空気流出の低減等の施設整備を進めるとともに、照明の不要場所、不要時間の消灯運動や事業者への使用電力量の通知等を実施するなど、省エネルギー、地球温暖化対策に積極的に取り組んでまいりました。
 このような取り組みの結果、CO2総量削減の第一計画期間の終期である平成二十六年度末において、削減義務量を上回る削減が達成できる見込みでございます。

○かち委員 第一期終了期の削減は上回る見込みだということでしたけれども、今年度、大田市場の老朽化した青果物荷さばき場の建てかえ工事予定となっていますが、こうした機会に、太陽光発電などの再生エネルギーの設置も推進すべきだと思いますが、この辺はどのようになっていますか。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 第三荷さばき場建てかえ整備事業は、老朽化対策による物流の改善にあわせて、加工パッケージ等にも対応できる施設を整備する目的で進めているものでございます。
 本施設の基本設計時において、屋上部分には市場関係業者が整備する八十五個程度の冷蔵庫用空調機の室外機等を全面に設置する予定になっております。
 こうしたことから、屋上スペースが十分に確保できないため、太陽光発電設備などの再生エネルギー設備の設置を見送ったものでございます。

○かち委員 八十五個もの室外機を設置することが、また温室効果ガスを放出することになるわけです。大田市場は、豊洲新市場予定地にも匹敵するぐらい広大な敷地を擁する市場です。最近、積み込み場に大屋根を整備していますけれども、こうした折にも太陽光発電を検討される機会はあったと思います。二十四時間対応でエネルギーを使用する市場ですので、再生エネルギーの設置可能性を引き続き追求することを求めておきたいと思います。
 今後、第十次市場整備計画を検討していくことに当たり、東京卸売市場における課題はどのように考えているでしょうか。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 近年、出荷団体の大型化、量販店のシェア拡大、流通チャネルの多元化など、生鮮食料品等の流通構造は大きく変化しており、卸売市場経由率の低下及び取扱数量の減少傾向が続き、それに伴い市場関係業者の経営の悪化が進むなど、卸売市場をめぐる状況は一段と厳しくなっております。
 こうした中で、都の卸売市場が生鮮食料品等の流通の基幹的インフラとしての役割を引き続き果たすとともに、産地、実需者や消費者からの要請に応えていくためには、品質、衛生管理の高度化や市場関係者の経営基盤の強化等に取り組み、市場の機能強化や活性化を図る必要があります。
 具体的な課題と取り組みの方向性につきましては、今後、東京都卸売市場審議会答申を受けまして、第十次東京都卸売市場整備計画を策定する中でお示ししてまいります。

○かち委員 国の第十次市場整備基本方針案では、流通構造が大きく変化し、市場をめぐる状況は一段と厳しいとしながら、全体としての市場流通は大きな変化はないという前提に立っているという問題があります。
 その上で、卸売市場を一つの経営体として、コールドチェーンの確立、再編の推進などを強調、規制緩和の活用など、流通センターとしての機能強化が目立ちます。
 しかし、市場経由率は産地直送、空輸を活用した鮮魚配送など、さまざまな流通の進展、輸入品の増大など、ますます低下する傾向に大きく変化してきています。コールドチェーンの確立は、市場業者の重い負担となり、業者の経営改善の障害、市場会計の悪化も起きています。
 こうした中、都としても、首都圏三千数百万の基幹市場とするなどとした巨大な物流センター構想、拠点化路線からの転換が求められます。産地市場、産地業者の生産活動が適正な価格で評価され、商店街、商店、飲食店、消費者に新鮮で安心な商品が公正な価格で流通することを基本とした、本来あるべき公の卸売市場としての基本的運営がますます求められているということを最後に申し上げ、質問を終わります。

○あさの委員 中央卸売市場に対する質疑としては私が最後ということで、若干、マニアックな分野について質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、食肉市場について、ちょっとご質問をさせていただきたいと思っているんですが、食肉に、特に牛肉ですかね、放射性物質対策というのやっております。
 これは、この事業概要を見ますと、二十三年七月に芝浦と場でと畜した牛から、暫定規制値を大幅に超える放射性物質が検出されたというところから始まり、いろいろあって今でも検査をされているということでございますけれども、まず、この牛肉の放射性物質対策、現在の検査で検出されている状況はどうなっているのか伺いたいと思います。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 牛肉の放射性物質検査は、中央卸売市場、福祉保健局、卸売会社が協力して、平成二十三年十二月から実施しており、平成二十六年度末までに三十一万四千六百二十三頭の検査を実施しております。
 これまでに、法に基づく放射性物質の基準値を超える値が検出されたのは、平成二十四年十月に一度だけであり、東京食肉市場としては、安全な牛肉を日々供給しているところでございます。
 また、平成二十七年度においても、十月までに基準値を超えた検査結果は出ておりません。

○あさの委員 今ご答弁のとおり、二十三年の十二月からスタートして二十六年度末までで三十一万四千頭を超える牛の全頭検査を行っていて、出たのは二十四年十月に一回きりということで、三十六万分の一ということだと思います。確率にするとどうなのか、全く計算できませんけれども、相当低い確率だろうなというふうに思っております。
 ことしも、この十月まで出ていないということは、少なくとも一度出たというその一頭から、三年間全く出ていないんですね。
 当然、消費者が求める食の安全、業者さんも含めて求める食の安全・安心という意味でいくと、私はいつも、この安全と安心を分けて考えなきゃいけないよということをいっておるんですけれども、安心という過程は、それは全ての流通するもの全部検査してほしいというのが、これは安心という立場からいえばそうだと思うんです。
 安全かどうかという面からいくと、三十六万分の一の確率で出るものという形でいえば、正直、例えば抽出検査であったり、そういったやり方も模索していいんじゃないかなというふうに思うわけです。
 限られた資源です。つまり、かかるお金もそうですし、そこに携わる人たちもいっぱいいるわけですけれども、そういった限られたものを有効に活用するという観点に立てば、この放射性物質の検査も今すぐどうこうしろという話ではありませんけれども、やはり、例えば五年ぐらい本当に何も出なかったら、じゃあ、抽出検査にちょっと推移してみようかとか、そういった検討もぜひ内部で取り組んでいただきたいなということを要望しておきたいと思います。
 次に、今度は公式サイトの件でいきますけれども、この事業概要の中で見ますと、市場というのは、昔は身近なものであったというふうに思いますけれども、正直、今の子供たちにとって市場が本当に身近かといわれると、住んでいる地域によるんでしょうが、なかなか難しいのかなという気がいたします。
 特に、競りだったりを目にするチャンスがあれば、当然、関心は湧くと思うんですけれども、そういったものがなければ、一体何をやっているのか全くわからない、ただの物流センターだというふうに思っている子もいるんじゃないかなという気がいたします。
 特に価格の安定という面でいけば、恐らく直接の取引があったとしても、例えば市場ではこういう価格で取引されているという形で、参考の資料として出されたりという意味では、市場の果たす役割も非常に大きいのかなと思いますが、そういった市場の果たす役割を理解してもらうためにも、あるいは海外の方々に日本の市場というのはどういうふうに運営しているのかわかってもらうためにも、さまざまな取り組みをこれまでもしてきたと思います。
 その中には、ビデオによる広報というのも行っております。これは市場に見学に来られた方々に主に見せていらっしゃるということでございますが、結構な種類をもうつくっていらっしゃるんですね。対象も、海外の人たちが見られるように英語版をつくっているものもあれば、小学生の高学年を対象としてそちらにわかりやすい内容でつくっているものとか、幾つもいろんな種類をつくっていらっしゃるんですけれども、一方で公式ホームページというのも開設をしておりまして、このホームページにおいては、例えば市場に関する情報であったりとか、小学生の学習向けの情報などとか、いろいろ提供しているわけであります。
 最近のインターネットのものというのは、基本的に見に来た方々に対していろんな情報を提供するという意味では、割と昔に比べていろんな情報が載せられるようになってきているんです。せっかくビデオによる広報というのもやっていらっしゃるんでしたら、例えばそれを動画として載せるということも考えてみてはどうかなというふうに思うわけです。
 まず、そこの部分、中央卸売市場の公式サイトに市場の普及啓発ビデオ動画みたいなものをつくって掲載してみたらどうかと思うんですが、見解を伺いたいと思います。

○野口管理部長 卸売市場が地域に根づき円滑に業務を行うためには、中央卸売市場の持つ機能や役割を広く都民の方々に理解していただくことが重要であると考えております。
 そのため、これまで都では、市場見学を初めさまざまな広報活動を展開しており、よりわかりやすく伝える観点から、普及啓発用ビデオを作成いたしまして、学校等へ貸し出すなどの活用を図っているところでございます。
 動画による情報提供は、卸売市場に興味や関心を抱く方々の理解を促進する上で有効な手段と考えておりますが、公式サイトへの動画掲載につきましては、多くの人がコンテンツに触れることができるため、協力して出演していただいた方の許諾や長時間の動画配信に向かず、短時間に正しく理解していただく、そのために編集が必要となるなどの課題もございます。
 このため、今後の広報活動の充実に向けた課題として捉え、その可能性について検討してまいります。

○あさの委員 もちろんさまざまな課題はあるんだと思うんですけれども、ぜひ検討して取り組んでいただきたいなというふうに思います。
 そして、あわせて要望しておきたいんですが、公式ホームページも、ホームページの問題点というか、その特性というのはどういうことかというと、つまりそこを目がけて、情報が欲しいという人たちはそこにたどり着いて、その中で見ることができるんですね。
 しかし一方で、そうじゃない人たちというのは、なかなかそのホームページを見る機会がないんです。
 そのために、さまざまな企業というのは何をやっているかというと、いわゆるSEO対策というもので、さまざまな検索用語から自分のホームページが、いわゆる検索サイトに、プログラムが順位を決めておりますので、その順位が上がるように、いろんな検索用語を、自分のホームページがひっかかるようにつくっているんです。
 本当の特定の人たちだけに情報提供をするつもりであれば、そんなことは必要ないんですけれども、できるだけ広く情報提供をしようと考えていらっしゃるのであれば、そういった検索用語の研究というのもしていただいて、市場あるいは生鮮食料品の流通といったものに興味のある人が、どういった言葉で検索をかけるのかということを考えた上で、それをしっかりとホームページの中に刷り込ませていく、そういったこともぜひ検討して取り組んでいただきたいということを要望しておきます。
 最後に三つ目、最近のテレビ報道というか、報道というよりもテレビ番組です。
 先日、鳥肉の販売についてのテレビというのがありまして、たまたま見る機会があったんですけれども、最初、肉の塊で販売されるんですね。次、消費期限、売れ残っちゃったので、次の日どうするか、カットして細かくして売りますと。カットして細かくして、また売れ残ったものをどうするかというと、たれで味つけをして加工してまた商品として出すと。それをまたどうするかというと、今度は売れ残っちゃったので、じゃあ、空揚げにして売りましょうと。さらに空揚げも売れ残っちゃったらどうするかといったら、空揚げ丼にしてまた売りましょうと。
 これは法律上、加工するたびに毎日加工日が変わりますので、そのたびに消費期限が延びていくというか、消費者的には、何か毎日新鮮に、その日つくられたものなんだと思って行くんですけれども、実際には、そのもととなった鳥肉というのは五日前のものだったっていう話が、たまたまテレビでやっておりました。
 もちろん、これは食品衛生法上問題がなければ何も問題とはならないと思いますけれども、正直、私、実はこれを見て何を思ったかというと、その放映の仕方が、使い回しで好ましくないというような印象を与えるようにつくっているような気がしたんです、私としては。
 実は、これはもちろん商品を不当に長く販売しようというのはよくないことかもしれませんけど、逆に食品のロス、特に世界的には食料は足りていないわけなんです。食料が全く足りていない中で、日本は外からも相当な食料を買い入れているんです。日本が相当買い入れているがために、飢餓の国にとってみれば高くなっちゃって手が出せないという現実が生まれたりとか、それはもちろん日本だけのせいではないんですけれども、そういった事実を指摘されるときもあるわけです。
 食品の無駄な廃棄とか、食品ロスだとかということの大きな問題になっている中で、食べられている、食べられるんだと、それは腐っているわけじゃないですから、食べられる状態にあるにもかかわらず廃棄されていく食品があったりとか、小売店においては、売れ残りとか、期限切れとか、規格外品とか、食材の余りとか、いろんなものが、そういったものというのが、やはり日本の非常に食料廃棄の問題の原因なんじゃないかといわれたりしているわけです。
 日本国内における年間の食品の廃棄量というのは、いろんなデータがあるようですけれども、どうやら食材、消費全体の約二割に上るともいわれておりますし、食料自給率というのは、平成二十三年度のデータでは三九%、四割切っているわけです。そういった、世界に頼って食料品を、日本人の食事を支えてもらっている中で、どうもつくった制作側の意図はどうか知りませんけれども、少なくとも私は見た感じ、何か食べられる食品なんだから、別にそうやって加工しているのは知恵でいいんじゃないかなと思うこともあるんですが、そういう報道の仕方をしてみたり、もちろん、中にはそうなっちゃいけないからといって廃棄するようなことがあったりするんじゃないかなと思います。
 このような食品の無駄な廃棄だったりとか、食品ロスというものが問題視されている現在で、卸売市場としても、生鮮食料品流通の一翼を担う存在としては、いろんなやり方があると思う。まずは第一、卸売市場の役割としては、新鮮で安全な食料品をできるだけ早く消費者に届ける、こういった役目が、役割があるんじゃないかなと思います。
 そこで、この生鮮食料品の流通拠点である卸売市場において、生鮮食料品の鮮度を落とすことなく、小売店や何かに販売していくことが重要だと考えるんですけど、中央卸売市場においては、市場業者による鮮度保持の取り組み、こういったものの推進に向けて、どのように対応しているのか伺いたいと思います。

○白川事業部長 卸売市場においては、新鮮で安全・安心な生鮮食料品を都民に提供していくため、産地から入荷した生鮮食料品を即日上場し、速やかに販売するとともに、卸売業者や仲卸業者等の市場業者が、低温管理等の品質管理を徹底させることが不可欠でございます。
 このため、中央卸売市場では、市場業者による品質管理の適正化に向け、施設使用や生鮮食料品の取り扱いに関する、品質管理マニュアル作成の手引を取りまとめ、市場業者のマニュアル作成を支援しているほか、各市場において業務巡回調査を実施し、マニュアルに基づく品質管理の徹底を指導しております。
 また、講習会、研修会の開催、パンフレットの作成、配布等を通じて、市場業者の品質管理に関する意識向上を図っているところでございます。

○あさの委員 最後に一言だけ。そういった管理を本当にありがとうございます。ただ、一つだけお願いしたいのは、先ほどいったように、今の報道関係の機関というのは、残念ながら世の中に与える影響というのはほとんど自覚していなくて、自分たちが勝手にいろんなものを報道する、垂れ流しにする傾向にありまして、かつ日本人というのは残念ながらそれをうのみにする傾向がある、世界的に見てもそういうデータが出ております。
 これから先は、そういった全く自覚していない報道機関、テレビ、あるいはさまざまなメディアに対しては、流通する側も一致団結して食べ物は大切にしようとか、そういったメッセージをどんどん出していく必要があって、誰かが核となって始めなければ、なかなか巨大なそういった組織には立ち向かえないという事情がありますので、ぜひその一翼を担うつもりで、これからも業務に推進していただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。

○島崎委員長 お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○島崎委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○島崎委員長 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代等がありましたので、港湾局長から紹介があります。

○武市港湾局長 去る十月十六日及び二十三日付で当局の幹部職員に異動がありましたので、ご紹介させていただきます。
 調整担当部長の矢部信栄でございます。企画担当部長でオリンピック・パラリンピック調整担当部長と兼務となりました中村昌明でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○島崎委員長 紹介は終わりました。

○島崎委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○浜総務部長 十月十三日開催の当委員会でご要求のございました資料をご説明申し上げます。
 ご要求のございました資料は、表紙をおめくりいただきまして、目次に記載のとおり四項目でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。臨海副都心関連予算・決算の推移でございます。
 臨海副都心関連の整備費等に係る費用につきまして、臨海副都心整備に係るものをAの欄に、関連事業に係るものをBの欄に区分して記載し、昭和六十三年度から平成二十五年度までは決算額を、二十六、二十七年度の二カ年は予算額を億円単位で計算しております。
 また、参考といたしまして、臨海副都心建設株式会社への貸付金額の推移を同様に記載しております。
 二ページをお開き願います。臨海地域開発事業会計における企業債償還の推移でございます。
 臨海副都心開発の基盤整備にかかわる企業債を転貸債、建設元利金債の二つに区分し、平成元年度から三十六年度までの発行額及び償還額を百万円単位で記載してございます。平成二十五年度までは決算額、二十六年度は決算見込み額、二十七年度は予算額、二十八年度以降は計画額を記載してございます。
 三ページをお開き願います。臨海副都心における有償処分予定地の現況一覧でございます。
 有償処分予定地を開発確定面積と今後開発予定面積の二つに分けてございます。そのうち、開発確定面積を処分済み及び処分手続中に区分し、また、今後開発予定面積を公募中及び今後処分予定に区分しております。そのおのおのの項目につきまして、昨年度末時点の面積をヘクタール単位でお示ししてございます。
 四ページをお開き願います。建設発生土・しゅんせつ土の埋立処分計画と実績でございます。
 平成二十二年度から二十六年度までの五年間における計画土量及び実績土量を万立方メートル単位で掲載しております。
 以上をもちまして、簡単ではございますが、ご要求のございました資料のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○島崎委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○三宅(正)委員 まず、利島における人工海浜整備事業について伺います。
 利島の海岸は、荒波等の浸食により絶壁と玉石で覆われており、昔から子供たちが波打ち際で安心して遊べる場所がなく、水遊びの際は、海が身近にありながらプールの利用を余儀なくされていました。自然の中で安全に遊泳や浜遊びができる砂浜のある海水浴場は島民の切なる願いでありました。
 島の周囲が海に囲まれているのに海で泳げない、早く泳げるような場所が欲しい、これは村の児童が作文で触れた言葉であり、当時の川島忠一都議や利島村役場に寄せられた願いでもありました。
 我が党といたしましても、子供たちの夢を実現すべきとして、これまで応援してきたところであります。
 こうしたこともあり、人工海浜整備事業が動き出すこととなり、約六年の月日を経て、本年夏にようやく供用が開始されました。
 そこで、改めて本整備事業の目的と整備の概要について伺います。

○小林離島港湾部長 本事業は、利島港内に島民や観光客の方々が楽しめる、レクリエーションと憩いの場を創出することを目的にしてございます。事業に当たりましては、村にも協力をお願いしまして、子供たちが安心して泳げる場となるよう、位置の選定等から十分に協議を重ねた上で工事に着手いたしました。
 具体的には、沖側の波消しブロックと新たに整備した二つの突堤で囲まれた海域に砂を投入して、海浜を造成したものでございます。海浜の延長は約九十五メートル、総事業費は約七億円となっております。

○三宅(正)委員 完成した人工海浜の名称は、村の小中学生の多数の応募の中から、地域周辺の地名を使用したカケンマ浜に決定したと海開き式典において発表されました。
 私もその式典に参加しましたが、子供たちからの感謝の言葉や、われは海の子の大合唱を聞いたときは、これまでの島民の思いを考えると、感慨無量でありました。
 そのカケンマ浜人工海浜に子供たちが入ると、見守っていた島民から拍手が湧き、子供たちの笑顔に、来賓の方も、村の方々も顔がほころんでいたのを思い出します。
 また、後から聞いた話ですが、翌朝の学校では、カケンマ浜で泳いで楽しかった人と先生が尋ねると、全員がはいと答えたということも聞いております。子供たちには、待ちに待った自分たちの島での海水浴場であったと思います。
 そこで、人工海浜がオープンしてからどれくらいの人たちが利用したのかの状況を伺います。

○小林離島港湾部長 村からの報告によりますと、この海開きから本格的な台風時期を迎える八月下旬まで、週末を中心に、少なくとも延べ約四百人に上る島民や観光客が利用したとのことでございます。
 七月十三日の海開き式典当日には、島の小中学校において、遊泳やシュノーケルを活用した臨海教室が開催されました。

○三宅(正)委員 利島の子供たちが自分たちの海で泳ぐことができるようになったのは、大変喜ばしいことです。島の人口は約三百人、そのうち小中学校の生徒数が三十名程度であることを考えれば、島のほとんどの子供たちが繰り返し人工海浜を利用したと想像できます。
 一方、小さな子供が利用する浜辺であり、施設の整備や運営に当たっては、安全への配慮がとても重要となります。
 そこで、施設の安全対策や管理運営はどのように行われているのか伺います。

○小林離島港湾部長 都は施設整備に当たりまして、施設の安全対策として、人工海浜の周囲に設置されているコンクリート製のブロックについて、そのすき間や段差への転落、転倒を防ぐ対策を講じております。
 具体的には、中央部に穴があいているブロックの穴埋めやブロック同士のすき間を埋めることで、段差等の解消を行いました。
 また、海域に遊泳区域を明示するブイを設置するなど、海水浴場としての安全確保と管理運営につきましては、利島村が担うこととなっております。

○三宅(正)委員 この人工海浜が地元の子供たちを初め、島民や観光客にとって引き続き憩いの場となるためには、安全・安心は必須要件ですので、今後とも、村と積極的に協力し、子供たちが安心して泳げる場となるよう必要な対策を講じていただきたいと思います。
 次に心配なのが砂の流出です。沖側の波消しブロックと新たに整備した二つの突堤で囲まれた部分に砂を投入してありますが、海象条件が厳しい利島では、波浪の影響は避けられません。
 そこで、整備に当たっての砂の流出を抑える工夫や今後の対応策について伺います。

○小林離島港湾部長 委員ご指摘のとおり、利島は高波の発生頻度が高い上、海岸が急勾配であることから、沖側に砂が流出した場合は、再度海岸に砂が戻ることはないと考えております。
 そのため、砂浜の前面に波消しブロックによる砂どめ堤防を設置して、砂の流出を抑制いたしました。さらに、この砂どめ堤防のすき間に現地の玉石を詰めたネットを積み上げることで、流出抑制を強化しております。
 今後は、沖側に新たな波消しブロックを設置するなど、現地の状況を確認しながら、砂の流出を抑える一層の工夫をしてまいります。

○三宅(正)委員 波浪が厳しい状況の中、砂の流出を極力抑える工夫をしていることはわかりましたが、波の低減策を幾ら行っても、自然相手であり、砂の流出は避けられないものです。
 流出を補う形で毎年、砂の投入がなされれば、人工海浜の利用者の満足度がより高まるので、例えばしゅんせつ土を活用した砂の補充などをぜひとも検討していただきたいと思います。
 利島に暮らす人々にとって、港は人や物を運ぶ定期船の発着場としてのみでなく、さらに子供たちが安心して海水浴を楽しめる遊びの場ともなりました。
 このように、港湾局は、島民の安全・安心、暮らしを支え、生活を守る港湾や漁港整備にとどまらず、この人工海浜のような、海とともに暮らす島の人たちの憩いの場や島の将来を担う子供たちの学び場を創出する役割も担っています。
 今後も地元の声に十分耳を傾け、着実に事業を実施していくことを強く要望して、次の質問に移ります。
 次に、舟運の活性化について伺います。
 現在、東京では二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向け、競技会場の整備などの準備が進められていますが、開催都市に決まって以降、海外から東京を訪れる旅行者数は増加し、東京は世界から注目されています。
 一方、先月に森記念財団の都市戦略研究所が発表した二〇一五年版世界の都市総合力ランキングでは、東京は二〇〇八年の調査開始から八年連続での四位という結果でありました。
 この結果につながる各分野のランキング内容を見ると、東京は、経済分野では一位、研究・開発分野では二位となっているものの、交通・アクセス分野は十一位であり、上位三都市と比べ、弱点となっていることがわかります。また、海外からの旅行者数の増加などにより、文化・交流分野は六位から五位に上昇したものの、この分野のさらなる強化も重要です。
 これから世界で一番の都市東京を実現するためには、さまざまな分野での都市力を向上していく必要があります。その中で、新たな交通手段として、また文化交流の魅力的な資源として、舟運は重要な鍵の一つと考えています。
 これから舟運の活性化を進め、水の都東京の魅力向上を図っていく積極的な取り組みが必要との観点から質問をしたいと思います。
 まずは、確認の意味で、東京港における舟運の現状と将来の可能性について伺います。

○古谷港湾経営部長 現在、東京港では、水上バスなどの定期航路事業者、屋形船やクルーズ船、レストランシップなどの不定期航路事業者など、合わせて百以上の舟運事業者が大小さまざまな船を運航しております。
 舟運事業は、季節や曜日による旅客の波動性が大きい上、事業者は中小零細企業が多く、営業力や資金力が脆弱な状況にございます。また、航路やダイヤが限定的であることや、その魅力が十分に知られていないことから、気軽に利用できる手段とはなっていない状況もございます。
 しかしながら、東京港には魅力ある水辺空間が広がるとともに多くの観光資源が立地しており、舟運がこうした東京の財産を楽しむ観光、移動手段として発展する可能性が大いにあると考えております。

○三宅(正)委員 東京港の水辺の景観はすばらしいものであり、将来に向けて舟運は大いに発展するポテンシャルがあるため、その魅力を十分引き出していくことが重要となります。
 そこで、舟運の活性化に向けて、どのような視点を持って、具体的に何に取り組んでいくのか伺います。

○古谷港湾経営部長 東京オリンピック・パラリンピック大会を見据え、レガシーの視点も持って、国内外からのお客様のおもてなしに対応できるように取り組んでいく必要がございます。
 このため、まずは航行ルートのボトルネックとなる運河部等のしゅんせつや社会実験等により、舟運事業者の航路創設を促進するとともに、運河部等を含め、鉄道駅などに近く利便性の高い船着き場の設置の検討や舟運のPR等による利用者増に取り組んでまいります。
 こうした取り組みにより、東京のウォーターフロントの魅力を生かして、舟運を活性化してまいります。

○三宅(正)委員 国内外からのお客様のおもてなしに対応できるよう、さまざまな取り組みを進めていくとのことですが、今、答弁にあった中で、舟運の活性化を実現していくためには、東京港の水辺のすばらしさを多くの人に知ってもらい、舟運の認知度を高めていく取り組みが重要であると考えます。
 都民を初め、旅行者などにとって、東京港における舟運の認知度はまだまだ高いとはいえない状況です。舟運の認知度が低く、利用が少なければ、舟運事業者の航路の充実にもつながりません。
 そこで、都では、関係局が連携し、十一月から十二月にかけて舟運の活性化に向けた調査運航を実施すると聞いていますが、その内容について伺います。

○古谷港湾経営部長 お話のあったとおり、都では、羽田空港と都心や臨海部などを結ぶ航路の充実に向けて、来年度実施する社会実験に必要となる基礎的な情報を把握するため、十一月から十二月にかけて調査運航を実施いたします。
 具体的には、都民を初め、国内外プレス関係者やMICE関係者等を対象とし、隅田川や臨海部の観光スポット、羽田空港など多様なルートを昼間や夜間など、さまざまな時間帯でめぐる九つのコースを設定しております。
 都民を対象として公募したコースにつきましては、現在、締め切り前ではございますが、定員の十倍を超える応募があり、盛況となっております。
 これから乗船された方には、ルートごとに印象に残ったポイントや船からの景観などについてのアンケート調査等を行うこととしておりまして、その結果を来年度予定しております新たな航路の事業化に向けた社会実験に生かしてまいります。

○三宅(正)委員 今回の調査運航は、隅田川などの河川区域からレインボーブリッジなどが立地する東京港にわたり、東京全体での舟運活性化に向けた取り組みの一環として行うということですが、ぜひ来年度実施する社会実験に生かし、舟運の活性化につなげてもらいたいと思います。
 この調査運航においては、都民向けだけではなく、臨海副都心での会議や観光にかかわる関係者をターゲットにした運航も行うとのことです。
 舟運の活性化のためには、一般の観光客だけではなく、ビジネス利用や海外からのお客様など、さまざまな人に利用が広がることが重要となります。
 そこで、この調査運航の中でのMICE関係者等に向けてのコースについて詳しく内容を伺います。

○古谷港湾経営部長 今回の調査運航の中では、MICE関係者等を対象としたものとしては、有明桟橋を利用した二つのコースを企画しております。
 一つは、臨海副都心進出事業者を対象とし、有明から東京スカイツリーが間近に見える隅田川までを周遊するコースとなっております。このコースは、東京ビッグサイトに隣接する有明桟橋の立地特性を生かし、イベントとのタイアップやアフターコンベンションとしての舟運の利用を企業サイドに働きかけるものでございます。
 もう一つは、インバウンド旅行会社を対象とし、有明と羽田空港間を往復するコースとなっております。羽田空港を利用し、臨海副都心へ会議や観光などに国内外から訪れる旅行者などに舟運を利用していただけるよう、旅行会社に働きかけるものでございます。
 実際にビジネス等で利用する企業とツアー等を企画する旅行会社に舟運の魅力をそれぞれアピールすることにより、舟運のさまざまな活用方法を開拓してまいります。

○三宅(正)委員 東京港の水辺空間の魅力とビッグサイトに隣接する有明桟橋の立地特性を生かした取り組みであり、舟運の活性化に向けた高い効果が上がることを期待しております。
 今回実施する調査運航の内容などについてはよくわかりました。今後とも、関係局が連携し、着実な取り組みを進めていってもらいたいと思います。
 さて、東京港では、先ほど答弁にあったとおり、水上バス、屋形船やクルーズ船など、さまざまな船が航行しております。また、旅客定員十二名以下の船では、その先駆的な事業ともいえる、リムジンボートといわれる水上タクシーが、平成二十五年の夏から運航を開始しております。これに加え、ことし三月、東京港に水上タクシー事業を専業に行う会社が、東京港運協会の支援により、東京で初めて設立されました。
 水上タクシーといわれる船ですが、先日、試乗会に参加し、乗船してまいりました。乗り心地もなかなかのものだったと記憶しております。こうした水上タクシーの船は小回りのきく小型船で、これまでの東京港にはなかった舟運の形態ではないかと思います。
 そこで、このような水上タクシーが東京港での舟運の中でどのような位置づけになるのか伺います。

○古谷港湾経営部長 東京港の舟運の状況でございますが、まず、東京港を航行する水上バスなどの定期航路は、日の出やお台場、浅草を結ぶ航路など十三航路ございまして、観光客の利用が多く、花見や花火のシーズンなどは特に利用が集中しております。
 次に、屋形船やクルーズ船などの不定期航路がございますが、これは、起終点が同一の周遊航路を運航し、主に食事を楽しみながらの観光を目的として利用されております。
 これらに対し、お話のあった水上タクシーは、旅客定員十二名以下の小型船を利用し、利用客のニーズに応じた運航を行うものであります。乗りおりの場所は、利用客が選択可能となってございます。
 また、小型船である特徴を生かし、航路幅が狭く水深の浅い河川や運河部など、航路条件が厳しい場所でも運航が可能でございます。
 このため、気軽な観光手段として、また、定期航路を補完する交通手段としての利用が見込まれるものでございます。

○三宅(正)委員 水上タクシーは、少人数での観光や移動手段として利用が可能であり、東京港での新たな水上交通手段として期待できるものです。
 また、水上タクシー自体が東京港での新たな観光資源ともなり得るもので、東京の新たな魅力ともなるのではないでしょうか。
 そこで、このような水上タクシーの活用に向けた取り組みについて伺います。

○古谷港湾経営部長 水上タクシーが小型船の特性を生かして気軽な観光、交通手段として発展していくためには、多様な水上ルートの航行が可能となるような環境を整備していく必要がございます。
 このため、水上タクシーなどの小型船が利用できるよう、来年度実施する社会実験などの中で新たな水上ルートの可能性を検証していくとともに、例えば田町駅に近い新芝運河の防災用の船着き場など、利便性の高い船着き場の改修や開放などを検討してまいります。

○三宅(正)委員 東京港には、コンテナ船などの物流船が航行する広い水域だけでなく、運河部等の狭い水域も有しており、水の都といわれるゆえんです。
 特に運河部等では、運河ルネサンスにより地域のにぎわい創出に取り組み、水上レストランなどのにぎわい施設も立地してきております。
 こうした東京港の事業環境を踏まえ、今後はさまざまな舟運の形態の活性化を進めていくべきであります。
 最後になりますが、東京港の貴重な水辺空間という観光資源を生かし、水の都東京の魅力を高めるよう、関係局と連携し、さまざまな取り組みを着実に行い、舟運の活性化を積極的に進めていくことを要望して、質問を終わります。

○木内委員 三宅正彦委員の質問を聞いていまして、やっぱり港湾局は、俗っぽいいい方だけど、夢とロマンと希望があるなと。
 例えば、利島の海水浴場、私も現地に行ったけれども、あれだけの海に囲まれていて、島の子供たちが海に入って泳ぐことができない。これは悲惨な実態だったわけですけれども、本当にすばらしい海水浴場ができて、今後に課題も多いですけれども、聞いていて本当に胸が熱くなるようなことでありました。
 離島港湾部長、ぜひ頑張ってください。砂が散らないように工夫が大変で、なくなると補給が難しいでしょう。ぜひご努力を願いたいと思いますし、今の舟運の活性化にしても、やはり今後に課題は多いけれども、一つ一つこれを克服していくことで、いわばMICEとの結合であるとか、あるいは内部河川にまで入って、便利に、第三、第四の足として、これが活用されるということでありますから、まさに臨海部の都民の資産としての開発、発展とあわせて、やっぱり港湾局というのは本当に大事な行政機関だというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 東京港における船舶の環境対策ということで聞きます。
 東京港は、都民のみならず、首都圏に暮らす四千万人の日々の生活や産業を支えている非常に重要な港であります。この港湾活動を絶え間なく継続させていくことは、東京港に課せられた責務であると考えます。
 一方で、東京港には、毎日多くの船が着岸し、これらの船からは、大気汚染物質であるNOxやSOx、窒素酸化物、硫黄酸化物などの排出ガスが放出されています。
 例えば、NOxは、光化学スモッグを発生させる光化学オキシダントの原因物質の一つであるといわれております。SOxは、ぜんそくなどの原因物質とされています。住民生活に影響が極めて大きいということがいえます。
 市街地に隣接している東京港は、周辺に多くの人が住み、働き、近接するベイエリアには毎年、多くの観光客が訪れていることから、湾岸エリアにおける船舶からの排出ガス対策は大変重要であります。
 そういった観点から、私ども公明党は、旺盛な海上輸送需要に対応しつつも、その東京港周辺の環境改善に寄与する仕組みを構築すべきだと、本年の第一回定例会や、あるいは本委員会での私の質疑の中でも触れてきているところであります。提案もしてまいりました。
 東京都は本年四月から、海外で普及している、外航船に対する排出ガスを抑制する仕組みであるESIという環境船舶指標を活用したインセンティブ制度を我が国で初めて導入しました。
 そこで、このESI制度の効果、今後の進め方などについて、何点か伺っていきたい。
 まず、確認の意味も含めて、都が本年度から実施しているESI制度の概要についてご報告願います。

○蔵居港湾経営改革担当部長 東京港は環境先進港湾を目指しており、現行の規制を上回る、さらなる船舶の環境対策を進めていくこととしております。
 このため、今年度から、船舶への環境対策を評価する国際的な仕組みでありますESI制度に日本で初めて参加し、国際海事機関であるIMO規制を上回る環境対策、例えば排出ガスを抑制するエンジンの搭載などを行います外国船舶に対して、入港料を減免するインセンティブ制度を導入しました。
 具体的には、船会社の申請に基づき、船舶の環境性能に応じたESIポイントという環境値が海外の認証機関によって付与され、東京港は、このポイントに応じて入港料の減免を行うことで、入港する船舶の環境対策を促進させるものであります。
 また、この制度は、船会社にとっても、環境に配慮していることのアピールになろうと認識しております。

○木内委員 この制度は、日本経済の発展を支え、物流のかなめである東京港の港湾活動というものを妨げることなく港の大気環境を改善させる仕組みである。そういうことが、今、また十分に確認できたわけでありますけれども、このESI制度は四月から導入したばかりでありまして、東京港に入港している船舶のうち、東京港のインセンティブの適用となったESIポイントを取得している船は、実施前どのくらいだったのか、また、実施後どのくらいにふえたのか、実績を伺います。

○蔵居港湾経営改革担当部長 都の制度発足前でありますが、海外他港のインセンティブ制度を活用する船舶があったため、都の制度を受けられるポイントを取得している船舶の東京港への入港数の割合は、昨年度一年間で約一〇%で、五百二十二隻でありました。
 これが今年度、ESIポイントを活用したインセンティブ制度の導入が契機となりまして、本年九月までの半年間、二十ポイント以上になりますけれども、そのポイントを取得している船舶は一七%になりまして、入港隻数は四百五十一隻になりました。
 今後、都は、船会社に対してインセンティブ制度のメリットの周知徹底や申請手続の助言などを行うことにより、船舶からの排出ガス削減の取り組みを推進してまいります。

○木内委員 東京都がESI制度を導入して、いわゆる環境によい船の入港が促進されたことがよく理解できます。インセンティブがきいているという、そういうことであります。
 その結果、東京港の大気環境、具体的にはNOx、SOxといった個別の大気汚染物質の増減がどうなったのかということがポイントになろうかと思います。
 そこで、ESI制度を東京港に導入して、今年度のNOx、SOxの増減はどうなのか、ご報告願います。

○蔵居港湾経営改革担当部長 昨年度と今年度を比較した年間総排出量の増減の推計値は、NOx、窒素酸化物が約四%、約八十二トンの削減、SOx、硫黄酸化物が約三%、約三十二トンの削減が見込まれます。
 これを試算しますと、都内の一般家庭のおよそ半分の電力を賄う規模である百万キロワットの発電所の約一カ月分の排出量に相当する削減効果があります。

○木内委員 ESI制度を導入することで、今年度はNOxが八十二トン、SOxが三十二トン削減される見込みであるという試算が、今、報告されました。東京港やその周辺の大気環境を改善する仕組みとして、極めて効果的であるということがわかります。
 このESI制度によって、東京港へ入港する船舶が少しでも多く、一日でも早く環境性能のよい船に切りかわってくれることも同時に期待したい、こういうふうに思うんです。
 ところで、この制度は外航船舶を対象としていますけれども、東京港への入港回数では、内航船が全体の約八割を占めていると仄聞しています。やはり、東京港の大気環境の改善を考えた場合、入港回数の多い内航船についても環境対策を進めていかなければならないと私は考えます。
 そこで、内航船に対しても排出ガスを抑制する仕組みをつくり、東京港の大気環境の改善をより促進していくことを目指すべきであると考えます。これは重要な提言として申し上げたいのですが、いかがでしょうか。

○蔵居港湾経営改革担当部長 東京港の大気環境の改善に向けて、内航船の環境性能向上を促していくことも重要であると認識しております。
 そのためには、まず都は、内航船の船会社に対して船舶の排出ガス対策の必要性を説明し、理解促進を図ってまいります。その上で、船会社にESI制度への参加を促してまいります。
 しかしながら、内航船の入港料の単価は外航船の半分となっており、また、小さい船も多いため、船会社にとっては、船舶の大きさに応じて課される入港料を活用した現行のESIのインセンティブ制度は、コスト面でのメリットが余り働かず、外航船と同じ仕組みではうまくいかない実情もございます。
 そこで、都は、関係事業者と十分に調整を図りながら、こうした課題に対応した内航船の排出ガス削減に効果的な仕組みづくりを検討してまいります。
 また、内航船関係団体などとも連携し、国に対して、内航船の環境対策にすぐれた船舶の建造を促す仕組みの構築を働きかけてまいります。

○木内委員 今、蔵居部長の非常に明快な答弁があったので、これを了としたいと思うんです。
 私の申し上げたことは、恐らく都議会で初めての提案であろうかと思います。ただし、聞いてみると、やはり課題も多い。コスト面でのメリットが余り働かなくて、外航船と同じ仕組みではうまくいかない。しかし、関係事業者と十分に調整を図って、こうした課題に対応した内航船の排出ガス削減に効果的な仕組みづくりを検討していくということでありますので、ぜひ鋭意、これを進めていただきたいと思います。
 さらに、内航船の環境対策にすぐれた船舶の建造をも促す仕組みの構築を検討していくということでありますので、これもぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 内航船の会社へも東京都が主体的に働きかけ、国なども動かし、東京港の大気環境改善の推進に、これがなるわけであります。多くの船舶が入港する東京港が率先して船舶からの排出ガス抑制を促すシステムを導入し、その実績を示していくことは極めて重要であると考えます。
 まだ導入して半年でありますが、ESI制度の効果を広くアピールして、他の港湾にも参加を呼びかけるとともに、内航船会社の環境対策を促し、日本の港湾の全ての大気環境が改善されるよう、都は船舶の環境対策の普及啓発にも積極的に取り組んでもらいたいと思います。
 東京都が、これからもESI制度を初めとした先進的な環境対策を実施し、そして東京港が世界有数の環境先進港湾となることを強く要望して、まずこのテーマの質問を終わりたいと思います。
 次に、さっきも三宅委員の方から話がありました舟運の活性化ということについてお尋ねをいたします。
 特に、後に触れます水上タクシーは、本委員会で何度かにわたってその実現を強く主張してきた立場からも、ぜひこの健全な、また安定的な成長発展を願いたいと思います。
 先日も、水上タクシー、試乗をいたしました。非常に快適で、好天に恵まれてよかったけれども、実は同時に課題もいっぱい、水上タクシーの中で確認をしたようなことでありました。
 東京港は、東京湾の港の奥に位置して、比較的静穏な水域を有しておりまして、明治時代末期から本格化した東京港の整備などによる埋め立ての結果、埋立地と埋立地との間には多くの運河があるのが特徴でありまして、まちに近接して船が航行できる環境にもあります。
 水上タクシーに乗ったときにも、ずっと隅田川を遡上しまして、実はスカイツリーが遠望できる見事な景観の場所にまで船を走らせていただきましたけれども、東京湾、東京港、あるいは内部河川との関連の中で、そういう特徴があるんですね。
 一方、舟運はある意味、船でのまち歩きではないかと私は考えます。水上からの眺めは本当にすばらしいため、船に乗ること自体も楽しいけれども、歴史などに思いをはせながら、観光スポットから観光スポットへと船でまち歩きをするのも楽しいものでありまして、例えば、隅田川沿いに浅草から船を出せば、スカイツリーが対岸にあり、下っていくと両国の国技館、芭蕉庵の史跡が見えてくる。多くの橋をくぐり、浜離宮を過ぎれば、視界が一気に開け、東京港の象徴であるレインボーブリッジが、さらにはガントリークレーン群が見えてくる。そして、お台場のにぎわいの中に船が到着をする。
 前に触れたことがあるかもしれないけど、パリに行きましたときに、セーヌ川でバトームッシュに乗りました。私は、水上、船上から見るパリのまちというのは、それ自体が大きな財産的価値を持っている見事な眺めでありました。
 実は、隅田川も、かつてはさまざまな指摘があったけれども、今はもう護岸の工事が進み、それは見事に整備されて、誤解を恐れずにいえば、パリのバトームッシュに負けないぐらいの河川、眺めになってくるのではないか。まだパリの方が上だと思いますけれども、本当にきれいに整備をされてきております。
 こうして東京には、隅田川から東京港、そして多くの運河と貴重な水域が広がっておりまして、水辺には多くの観光スポットが立地し、舟運の活性化を進めていくための恵まれた環境が備わっています。
 こうした水辺に点在する観光資源がさまざまな水上ルートで結ばれて、東京を訪れる旅行者などの観光回遊性が高まれば、船上からの景観を楽しみながらの移動が可能になるのであります。
 これはもう考えるだけで夢が膨らむんでありまして、この前も、私は、あそこの葛西臨海公園に行ってきた。一番南側の水辺のところに、実は水上バスの桟橋といいますか施設があって、あそこから内部河川というか隅田川をさかのぼって、浅草へ行ったり、どっちへ行ったりということで、それは、縦横無尽とはいわないけれども、かなり航路が開発されてきている。
 これに今度は舟運の活性化ということで、利便性が高まり、そして都民になじみが生まれる。こうした環境というものができてくるならば、さらに舟運というものへの都民の愛着が大きくなってくると思うのであります。
 このため、さきの第三回定例会におきまして、私どもの党では、観光資源と連携した舟運ルートの開発が可能となるよう取り組みを積極的に進めていくべきであると、このように提言もしておりますし、私自身も発言しているんです。
 そこで、私どものこうした提言を踏まえて、都で実施している公共桟橋開放に向けた取り組み状況について伺います。

○古谷港湾経営部長 舟運の活性化に向けまして、水上バスなどの定期航路事業者を初め、屋形船やクルーズ船などの不定期航路事業者など、さまざまな舟運事業者による新たな舟運ルートの開発を促進するためには、利用できる桟橋をふやしていくことがまず必要であると考えます。
 このため都では、周辺施設などと連携し、一層利用可能な公共桟橋について、公共性の高い定期航路等の定時運航を確保しつつ、多くの舟運事業者が安全かつ円滑に利用できる仕組みづくりを行った上で、屋形船やクルーズ船などの不定期航路事業者に開放する取り組みを進めております。
 まずは、昨年九月から、JR浜松町駅から近く、都市ホテルに隣接した竹芝小型船桟橋を、また、ことし六月からは、東京ビッグサイトに隣接した有明桟橋を不定期航路事業者に開放する実証実験等を開始しております。

○木内委員 この前、イギリスから王室の人が来て、舛添知事と一緒にこの舟運を利用して移動されたということがありました。
 今、あたかも時を一致するかのように、MICE構想というものが非常に議論が盛んになってきている。港湾にはホテルや展示場、いわゆるMICEの重大要素となる施設がいっぱいあるわけでありまして、これを舟運によってアクセスさせるということも、これは大きな意味のあることであります。
 例えば、羽田の国際線のターミナル、ここから水上タクシーに乗って日本橋や都心、あるいは浅草の方にという場合に、まだそこまで船着き場がない、整備されていない、利用できる範囲が限られているというので、これは非常に残念なことでありますけれども、例えば羽田とビッグサイト、ビッグサイトと葛西臨海公園あるいは都心部、これが連携すれば、実はどれだけ便利になるかわからないし、また、都心の渋滞だとか、夕方や雨やラッシュのときの交通渋滞を考えますと、わずか十分、十五分、二十分の単位でこの長いディスタンスを移動できるという強みもあるわけでありまして、こうした、いわゆる実証実験等が開始されているということに大きな望みを持ちたいわけであります。
 現在進めている公共桟橋開放の取り組みは、屋形船やクルーズ船などを運航する舟運事業者が利用できる桟橋をふやすことで、新たな舟運サービスの展開を可能にするものであります。
 そこで、昨年九月から桟橋開放の取り組みを開始し、約一年が経過する都市ホテルに隣接した竹芝小型船桟橋におけるこれまでの実績と効果はどんなものでありましたか。

○古谷港湾経営部長 竹芝小型船桟橋につきましては、都有視察船「新東京丸」専用の桟橋として設置したものでございますが、平日の夜間や土日、休日は原則として視察船が運航していないため、その時間帯につきましては、昨年九月から不定期航路事業者へ開放する取り組みを進めております。
 この取り組みによる桟橋の利用回数は、昨年度は七カ月間で三事業者による五十八回でございましたが、舟運事業者による新規航路の許可等の手続や営業活動が進んだことによりまして、今年度は四月からの六カ月間で九事業者百二十八回となり、利用回数が大幅に増加しております。
 隣接する都市ホテルと舟運事業者が連携したディナーアンドクルーズなど新たなサービスも始まっており、利用する舟運事業者からは、JR浜松町駅や「ゆりかもめ」竹芝駅に近く交通の便が非常によいことや、出航してすぐにお台場、レインボーブリッジ等の景色が広がるということで、お客様からの評判がよいと伺っております。

○木内委員 竹芝小型船桟橋では、利用事業者、利用回数ともに着実に増加して、都市ホテルに隣接しているという立地特性からホテルと連携した新たな舟運サービス、これが展開されつつあるということがわかりました。
 また、舟運サービスを利用する顧客にとっても交通利便性が高いということであって、竹芝小型船桟橋の利用がさらに増加していくことを期待したいと思うんです。ぜひ、こうした取り組みを継続して実施してもらいたいと思います。
 次に、東京ビッグサイトに隣接する有明桟橋においても、ことし六月から桟橋開放の取り組みを開始したということですが、これまでの取り組みの利用状況についてご報告願います。

○古谷港湾経営部長 有明桟橋につきましては、定期航路用として設置した桟橋でございますが、東京ビッグサイトに隣接しており、イベントとのタイアップやアフターコンベンションとしての舟運の潜在的ニーズが見込まれるため、ことし六月から屋形船やクルーズ船などの不定期航路事業者へ開放する取り組みに着手してございます。
 この取り組みにより、ことし六月からの四カ月間で八事業者により三十二回利用されており、ビッグサイトでの展示会などに出展した企業による懇親会の会場としても舟運が活用されております。

○木内委員 臨海副都心はホテルや会議場など、MICE、国際観光機能が集積しておりまして、特にビッグサイトでは年間約三百件ものイベントが開催されて、毎年一千万人以上の来場者が訪れています。
 このため、臨海副都心で行われる会議やイベントと舟運がタイアップすることにより、さらなる舟運の活性化につながると思います。この前も、モーターショーがあったときなんかはものすごい人だったけれども、ここに舟運をタイアップさせることで、どれだけの可能性の拡大が行われるかわからない、こんなふうにも感じたわけであります。
 そこで、ビッグサイトに隣接しているという立地特性を踏まえて、舟運を生かす有明桟橋の利用促進を図っていくべきだと考えますが、これは私の提案としてあえて申し上げておくんですが、ご答弁を願います。

○古谷港湾経営部長 先生ご指摘のとおり、有明桟橋のさらなる利用促進を図るためには、ビッグサイトで開催されるモーターショーなどのイベントの機会を捉え、舟運のPR運航を実施していくことが必要と思っております。
 今回のビッグサイトで開催されたモーターショーの関連イベントである、十一月七日、八日に実施されました、働くくるま・珍しいくるま大集合という催しに来場された方々の中から、希望者に有明桟橋からの船旅を楽しんでもらったところでもございます。ショッピングなどのため日本橋や両国を楽しむコースと羽田空港周辺までの周遊コースを設け、東京の水辺空間の魅力を味わっていただきました。
 乗船客からは、乗り心地が快適で、水辺の景色がすばらしかった、今後も船を利用したいなどの意見が多く、今後の舟運の利用が期待できる結果でございました。
 ご指摘のとおり、ビッグサイトでのイベント等の連携は効果的であり、今後ともMICE関係者等に働きかけ、有明桟橋の利用促進に向けた取り組みを行ってまいります。

○木内委員 MICEとのコラボ、明確な答弁でありましたので、着実な実施をお願いしたいと思います。
 舟運の認知度を上げ舟運を活性化していくためには、答弁のように、MICE関係者を初めとするさまざまな関係者への利用促進を行うなど、地道な取り組みを積み重ねていくことも大事でありまして、一歩一歩、着実に進めてもらいたい。
 竹芝小型船桟橋と有明桟橋における取り組みについて伺いましたけれども、公共桟橋開放に向けた取り組みの推進を、ぜひ今後も拡大し内容の充実を図られたい、このことを申し上げておきます。
 舟運については、何度もいうように、私はかねてから水上タクシーを含めた東京港における舟運の活性化ということを訴え続けてきました。きょうは同僚委員の三宅正彦委員からも水上タクシーについてのご質問がありました。時間の関係で、重複を避ける意味からポイントに絞ってお尋ねをしてまいりたいと、こういうふうに思います。
 ことし、水上タクシーを専業とする会社、東京ウォータータクシー株式会社が東京港運協会の支援を受けて立ち上がり、営業を開始するとのことでありまして、先日、申し上げたように試乗会に行ってまいりました。東京の舟運の可能性を大きく広げるものだと改めて実感しました。
 例えば、移動手段として利用すると、浜松町から近い、日の出桟橋から新市場ができる豊洲までは船を使うとわずか六分であり、陸上を移動するよりも早いということであります。また、観光としても小回りが利いて自由度が高いものでありまして、こうした可能性のある水上タクシーがこれから充実していくための鍵は、どれだけの船着き場が使えるかという、まさにここにかかっているんだと思うんです。
 今、実は短い発言の中で二つ申し上げた。一つは観光、もう一つは利便性。生活者、そこで働く方々のための舟運ということでありますけれども、いずれにしても、どれだけの船着き場が自由に使えるか、使い勝手がいい環境の中で使えるか、これが問題になると思うんです。
 そこで、舟運の活性化に向けて、水上タクシーも利用できる船着き場をふやすような取り組みを進めていくべきだと申し上げるんですが、見解を聞かせてください。

○古谷港湾経営部長 旅客定員十二名以下の水上タクシーなどの小型船は、東京港内はもとより、航路幅が狭い河川や運河部等まで、さまざまなエリアでの観光が可能であり、大型船とは異なる水辺を楽しむことができます。
 また、小型船の特性を生かし、多様なエリアで運航するためには、利用可能な船着き場をふやしていくことが必要でございます。
 既存の船着き場の中には、小型船の利用を想定しておらず、桟橋が水面から高くなっている場合など、小型船では乗りおりが困難なものがございます。また、防災用のため一般に開放していないものもございます。
 このため、水上タクシーなどの小型船が利用できるよう、例えば田町駅に近い新芝運河の防災用の船着き場など、利便性の高い船着き場の改修や開放などを検討してまいります。

○木内委員 非常に具体的な答弁でありましたので、これも一日も早い実施、実現を期していただきたい、こう思います。
 本日の質疑で、公共桟橋開放の実績や利用促進の取り組みが明らかになりました。また、私がこれまで何度も提案してきた水上タクシーという舟運事業者の新たな事業展開の展望も、新しいステージにいよいよ入ってきたという実感を持つことができました。
 今後はさらに、国内外からの旅行者などが利用する首都圏の空の玄関口である羽田空港から、水辺に多くの観光資源や集客施設などが立地する臨海部や都心などへの水上ルートの充実もしっかりと図ってもらいたいと思います。
 最後に、東京の舟運全体の活性化を積極的に進め、東京の魅力向上への取り組みを進めてもらうことを要望して、質問を終わります。

○尾崎委員 私の方からは、島しょ部と本土の交通手段として、航空運送の果たす役割は大変重要で、この問題について質問いたします。
 生活を支え、産業、観光の振興のためにも、なくてはならないものになっています東京と島しょを結ぶ離島航空路線について、現状はどうなっているか伺います。

○神山島しょ・小笠原空港整備担当部長 離島航空路線につきましては、現在、羽田空港と八丈島を結ぶ航空路線が全日本空輸株式会社により運航されております。
 また、調布飛行場と大島、新島、神津島、三宅島とを結ぶ四路線が新中央航空株式会社により運航されております。

○尾崎委員 羽田空港と三宅島間は、二〇一四年三月三十一日で、搭乗客数の減少、赤字を理由に廃止になりました。
 羽田空港と大島間についても十月に廃止されて、現在は、先ほど答弁がありましたように羽田空港から調布飛行場に変わり、新中央航空株式会社で運航されています。しかし、調布飛行場は住宅密集地にあるなど、航路の拡大には課題が多くあります。
 一方、八丈島の住民の中には、羽田空港と八丈島を結ぶ航空路線について、三宅島、大島と同じように羽田間との航路について赤字と聞いているので今後のことが心配だという声もあります。現在の航空路を維持することが重要だと思っています。
 離島航空路地域協議会には、東京都から誰が参加していますか。この間の開催状況について伺います。

○神山島しょ・小笠原空港整備担当部長 離島航空路地域協議会には、東京都から都市整備局、総務局、港湾局の部長級職員が参加しております。
 また、毎年度一回程度開催されておりまして、昨年度は平成二十六年十一月に開催されました。

○尾崎委員 年一回の開催だということですが、島民の方からは、離島航空路地域協議会で低廉な航空運賃を実現できるように議論してほしいという要望も出ています。
 企業は収益性の高い路線に集中し、不採算路線を切り捨てるという方針で進めているので、大変厳しい状況ではないかと思います。
 このような状況の中で、地方路線の公共性をどう維持するのか。特に離島航空路線は生活路線として維持していかなければなりません。この問題は離島航空路地域協議会のテーマだとも思っています。
 羽田-八丈島路線の赤字状況は把握していますか。国の補助、都の補助はどうなっているか伺います。

○神山島しょ・小笠原空港整備担当部長 都は、運航事業者から、翌年度の運航費に係る損失見込み額について報告を受けております。
 国と都は、運航費の損失見込み額の全部または一部について、五〇%ずつ補助をしております。
 なお、平成二十六年度、国と都は、それぞれ約四千五百万円を補助いたしました。

○尾崎委員 損失見込み額の全部または一部について、五〇%ずつ補助しているということでした。
 ただいま詳しい説明はありませんでしたが、平準的コストを計算し平準赤字額を算出した金額と実際の赤字額のうち、少ない方の金額で補助額を決めるという仕組みです。
 八丈の場合は実際の赤字額が大きいため、全額ではなく一部について補助になり、それ以外の金額は全日空が負担していることになります。現在、一日三便の運航ですが、赤字が増大すれば、便数が減らされてしまうのではないかと危惧されます。
 東京都から、航空路の維持を強く要望していただくことを求めます。
 八丈町議会の中に、航空運賃特別委員会ができています。今後の八丈町の発展と住民生活向上のためには、低廉な航空運賃と便数確保をして八丈空港路線を守ることは死活問題だと位置づけています。
 羽田-八丈路線の往復割引航空運賃は、二〇一四年七月に二千七百円値上がり、ことしの三月にはさらに六百円の値上げがあり、現在の往復運賃割引制度を利用しても三万三百八十円になってしまいます。八丈島の住民の皆さんは航空路線の利用者が多く、航空運賃の値上げは重大な問題となっています。この間、航空往復運賃引き上げが行われ、観光への影響はもとより、都内の病院へ通う島民にとって重大な影響となっています。
 運賃補助などの支援が必要だと思いますが、いかがですか。

○神山島しょ・小笠原空港整備担当部長 都は、離島航空路線が維持されるよう、航空会社に対し運航費の一部を補助しております。これによりまして、航空運賃の値上げも抑制されているものと認識しております。

○尾崎委員 ただいまの説明で運航費の一部を補助しているということですが、これは先ほどの損失補助のことです。
 離島振興法第十二条、交通の確保等では、国及び地方公共団体は、離島振興対策実施地域における人の往来及び物資の流通に関する条件のほかの地域との格差の是正、島民の生活の利便性の向上、産業の振興等を図るため、離島振興対策実施地域に係る海上、航空及び陸上の交通について、総合的かつ安定的な確保及び充実並びに人の往来及び物資の流通に要する費用の低廉化に資するための施策の充実に特別の配慮をするものとするとあります。
 この立場で島民の要望をよく聞いていただき、都は国に対して強く運航費補助の拡充などを求めるとともに、都としても独自に支援することを要望して、質問を終わります。

○島崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時三十九分休憩

   午後五時五十四分開議

○島崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○あさの委員 私からは、港湾局が所管する監理団体と報告団体について少し伺いたいと思います。
 監理団体もグループ化されておりまして、その監理団体になっているのが株式会社東京臨海ホールディングス、そのグループで報告団体が数社あるわけですが、その中に東京港埠頭株式会社というのがございます。
 この東京港埠頭株式会社の経営状況等説明書というのを見ますと、さまざまな事業をやっていらっしゃるわけですが、その中に環境保全事業というのがございます。環境保全事業の中では、東京港内の海上清掃、そして羽田沖周辺の浅場において水生生物の育成しやすい環境づくりとその回復等というところで、事業計画の中で計画額二億九千万円という形で載っておりますけれども、この東京港内の水域環境を守るために行っている港内清掃事業というのを東京都から受託して実施しているということでありました。
 そこでまず、東京都から東京港埠頭株式会社への港内清掃事業の委託内容について伺いたいと思います。

○古谷港湾経営部長 都は、港湾管理者として、港湾法に基づきまして、東京港内での船舶航行の安全確保や良好な水域環境を維持することが求められており、そのため、港内清掃を東京港埠頭株式会社に委託して実施しております。
 委託内容につきましては、運河部を含む東京港内約五千二百ヘクタールに浮遊するごみや流木を六隻の清掃船により回収いたしまして、陸上で分別、裁断した上で、中央防波堤内側の受け入れ施設まで船により運搬するものでございます。

○あさの委員 東京港内における船舶の航行安全を確保する、そして環境を良好に維持するという役割を担う港内清掃の業務は非常に重要であると思います。
 清掃事業案内というのを見ますと、清掃船というのは、大きなものはごみ処理場に運搬する船というのが一つありまして、回収して回る船というのが六隻ございます。
 この六隻及び運搬船といわれる一隻、計七隻が、実は東京都が持っているんですね。東京都が持って、それを貸し出すというか、使ってもらって清掃の委託をしているわけでございますけれども、要は船を持っていなきゃできないということでありますが、船自体は東京都が持っているということで、ということは、この東京港埠頭株式会社に何で委託しているのかという疑問が生まれてくると思いますので、こうした業務を東京港埠頭株式会社に委託している理由について伺いたいと思います。

○古谷港湾経営部長 東京港内の港内清掃を実施するためには、清掃船の操船や清掃基地でのクレーン車の操作など、特殊な技能を有する職員が必要でございます。
 また、東京港内の運河部を含めたさまざまな水域の清掃を、密度の高い港内の安全を確保しながら、効率的、効果的、そしてきめ細やかに実施するためには、港内の海象状況など港内の特性を十分把握し、海上清掃に関する豊富なノウハウを有していることも求められます。
 台風、集中豪雨や油流出事故などの非常時にも、東京港の良好な水域環境の回復に迅速、適切な対応も必要となってきます。
 東京港埠頭株式会社は、これらの要件を満たす東京港内の唯一の会社であることから、同社に委託しております。

○あさの委員 今ご説明があった話で、正直申し上げますと、単純に仕事内容だけを考えると、私自身、今現在は、確かにそれができる会社はなさそうな気はするんですけれども、では、実際、やろうと思ってできないかというと、そういった技術者を集めたり、つまり、必要な船自体はあるわけですので、できるんじゃないかなという気はしてきます。
 ただ、そのときに気をつけなきゃいけないなと思ったのは、実は先日、福島の被災地の方を視察する機会がありまして、そのとき、福島における震災当時の動きについて、相馬市の職員さんのお話を伺う機会がございました。
 お話を伺うと、結局、自分及び自分の家族が被災した状況の中で、さまざまな危険なものがあるときに、実際にその動きをとれた人たちは誰かというと、消防、自衛隊はともかくとしても、実は市の職員さんたちなんですね。
 さまざまな民間委託は重要な部分は本当にあるんですけれども、効率的に進めれば、平時は基本的には民間委託を進めていくのは大事な発想なんですが、一方で、公務員というか、あるいは公務員に準ずる方々にある程度の部署をちゃんと押さえておかないと、いざというとき、単純な経営というか、お金のつながりだけでつながっているというのは、いい方は悪いですけど、逃げてしまう。それはやっぱり自分たち優先になるんですね。
 自分たちを優先しない人たちにきっちりと仕事をやっておいてもらって、いざというときには、大変申しわけない、誰かはやっぱり、いろんな住民の生活を守るためには、自分のことを顧みずにやる人たちというのがどうしても必要になってくるので、そういった意味では、この東京港埠頭株式会社というのも、一応、民間企業という位置づけになりますが、東京都の監理団体グループに所属する報告団体という位置づけになっておりますから、そういった会社がしっかりとやるという意義というのも、一定に理解はできるのかなというふうに思っております。
 ただ、やはり大事なことは、では、それが本当にちゃんと効率的な運営になっているのかどうかということでございますので、この業務に関して、東京港埠頭株式会社の委託料について伺いたいと思います。

○古谷港湾経営部長 平成二十六年度の東京港内清掃作業の委託料につきましては、約二億四千万円を上限とした契約を締結いたしまして、四半期ごとの執行状況報告書や精算書に基づきまして、実際に要した費用約二億円を支払っております。

○あさの委員 今ご説明いただいたとおり、一般的に民間企業と契約するとき、私のイメージだと、基本的には契約額というのが年間で決まっておりまして、その契約額の範囲で行う、コストをできるだけ下げることによって利益を生み出すというのが企業の経営の仕方なのかなというふうに思いますが、今のご答弁の内容ですと、上限というのは決まっているけれども、実際には実費請求という形だと思うんですね。もちろん請求する段階で、ある程度の利益は入れるのかなという気はいたしますが、とはいえ、実際にかかった費用しか東京都は払いませんよという形でやっているのはすごくいいことだと思います。
 というのは、やはり監理団体、報告団体というところは、どうしても都民から見れば厳しい目を送らざるを得ない団体でございますので、そういった意味からいえば、その団体に対する委託については、このように明確にわかる形、実費請求でやっているんだということで、わかる形に運営をしていっていただきたいなというふうに思います。
 こういったさまざまな企業が入りましてグループをつくっているわけでありますけれども、その頭にあるのが、先ほども申し上げましたが、株式会社東京臨海ホールディングスという会社でございまして、この東京臨海ホールディングスというのが、後々、最初にあった幾つかの会社をグループ化、子会社化して、その上に東京都の監理団体として、今、会社があるわけですが、まず、株式会社東京臨海ホールディングスの役割について伺いたいと思います。

○中村企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 株式会社東京臨海ホールディングスは、東京港の国際競争力の強化並びに臨海副都心における開発の推進体制を充実させることを目的として設立したものでございます。
 具体的には、臨海副都心まちづくり協議会と連携した地域全体での防災対策の取り組み、にぎわい創出を目的とした各種イベントの実施など、グループ各社が臨海地域という同じエリアで事業を展開しているという利点を生かし、株式会社臨海ホールディングスがグループ各社を取りまとめ、他の進出事業者と連携してエリアマネジメントに取り組んでおります。
 また、グループ経営の一環として、グループ全体の資金効率の向上及び運用益の都民に対する還元に向けた取り組みを行うため、グループ各社の資金を集約し、一括運用及びグループ内融資を実施するグループファイナンスを運営しています。

○あさの委員 東京臨海ホールディングス単体の予定損益計算書を見ますと、今年度は当期純利益五千四百万円というふうになっておりますが、グループ全体でいくと、当期純利益五十九億一千八百万円という数字が登場しているわけでございます。
 単体で見ますと、例えば平成二十七年三月までの段階では六千四百万円が単体としての利益でございまして、そのほか、グループとして連結で見ますと、当期純利益は八十五億七千六百万円という金額になっているんですね。
 今ご説明があったとおり、確かにグループ全体としてのもうけは非常に多くて、それを上手に資金運用しようというのは大事なことだと思うんですが、正直申し上げて、こちらも、資金運用だけでしたら、それができるところは山ほどあるんですね。民間の証券会社なり何なりに、どんと資金があるので、これを資金運用して、その利益をこっちにバックしなさいという形のことをやることだって、別にできるわけであります。そういった意味で私は、今のご答弁の中にありました、この地域にみんなあるから、それを一体として進めていくためにいろんな事業をやっていくんだと、その一環として、運用益のいろんな資金の向上というか、資金力の向上みたいな取り組みはもちろんあっていいと思うんですけれども、このエリア全体、エリアマネジメントというのをやるというのは非常に大事な取り組みだと思うんです。
 このエリアマネジメントの成果を示す指標として一つ考えられるのが、臨海副都心への来訪者数、つまりどのくらい人が集まってきているのかということだと思うんですけれども、東京臨海ホールディングスの設立前と比較して、臨海副都心への来訪者数というのはどうなっているのか伺いたいと思います。

○中村企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 臨海副都心への来訪者数でございますが、株式会社東京臨海ホールディングスの設立前の平成十八年は約四千二百八十万人、直近の平成二十六年は約五千五百四十万人で約一・三倍となっております。近年、臨海副都心への来訪者数は増加傾向であり、東日本大震災の影響で減少したものの、それ以外は平成二十四年以降、三年連続して増加しております。

○あさの委員 結局、今ご説明にあったとおりでございますが、確かにずっと増加傾向にありまして、臨海ホールディングス設立前に比べてもちゃんとふえてきていますよということがあります。
 しかし、それは臨海副都心全体の話でありまして、では、その地域ごとを見てみるとどうかというと、例えば平成二十六年度末の、同じくグループ会社であります株式会社東京テレポートセンター所有のビルの入居率というのを見てみますと、テレコムセンタービルというのが七四%、それから青海フロンティアビルは七六%ということで、ほかに持っている、例えば台場フロンティアビルは一〇〇%ですし、有明フロンティアビル九三%、それから、その他、ニューピア竹芝ノースタワー、同サウスタワー、都市ホテルは九九%ということで、明らかにこのテレコムセンターが持っているビルの入居率の関係を見ても、ちょっとどうなのかなと、低く落ちついちゃっているなという気がするわけであります。
 今のお話をさせていただいた臨海地域、この青海地区のビルというのがちょっと低い入居率になっているなと。
 実は私、その地域に日本科学未来館というのがありまして、毛利衛さんが館長をやっているものですから、一度、お話を伺いに行って、余りにもその科学未来館のできがよ過ぎて、おもしろかったもので、子供も連れていったんです。
 そのときも思ったんですけれども、その建物、科学未来館自体はいいでしょうし、ほかにも多分、一個一個はいいんだろうと思うんですけれども、例えば青海地区でご飯を食べようと思っても、日曜日とかですのでオフィスがやっていないので、休みの日になると、何か余りにぎわっていない感じがするわけですね。
 やっぱり、あの地域も、これから少し活性化をしていく必要があるんじゃないかなというふうに思いますけれども、この青海地区の活性化に向けてどのような取り組みを行っているのか伺いたいと思います。

○中村企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 株式会社東京臨海ホールディングスでは、エリアマネジメントの一環として、にぎわい創出に向けた取り組みを実施しております。
 青海地区においても、東京湾岸・起業家交流会や、一般の方々にも科学と親しむ場を提供するサイエンスアゴラなど各種イベントを実施し、にぎわい創出することにより、地域の活性化を推進しているところでございます。

○あさの委員 今ご説明にありました東京湾岸の起業家交流会だとかサイエンスアゴラだとかというものがありますけれども、この東京臨海ホールディングスがやっているものとしては、この起業家交流会、そして臨海ホールディングスのグループというか、東京臨海副都心グループも参画してやっているサイエンスアゴラ。
 あの地区、臨海副都心の地域だと、ほかに商業施設もいっぱいあるものですから、にぎわいというと、ついつい、さまざまな商業施設があって、いつもお客さんが来るみたいなものを想像してしまうところがあるんですが、実は、この青海地区、先ほどいった日本科学未来館だったり、産業技術センターだったり、国の機関だったりということで、例えば科学技術だったりとかオフィス、あるいはベンチャーとかといったものに対して使っていこうという意向があるんだろうということがわかります。
 にぎわいというのはいろんな考え方がありますけれども、単純に、ただただお客さんが来ていればいいわけではなくて、そこに、例えば技術の集積があるんだよとかということも、一つ、大事なにぎわいだと私は思うんですね。
 この事務事業質疑の観点で、サイエンスアゴラの話も伺いました。私なんかは、もともと理系出身だというのもあって、こんなのは物すごくおもしろそうだなというふうに思うわけであります。子供向けの理科実験からトップ科学者との対話、市民参加の科学議論とか、いろんな今の科学技術の振興、特にこの間は、つい最近、NASAが、理論上ですけれども、月まで四時間、火星まで十時間で行けるエンジンの実験に成功したという話が出ていたりとかというので、今、もう科学技術が本当にどんどんどんどん進化をしていて、非常におもしろい時代ではあるんだと思うんです。
 しかし、一方で子供たちの理化学教育に対する関心というのはなかなか低いとか、いろんな事情があるんですが、大人たちも一緒になって楽しんで、子供も一緒に連れていけば、科学に触れてとっても楽しめるという環境があるということを、今回、知ったんですよね。
 いろんな取り組みをされているということも理解できますし、その方向性も私は非常にいいなと思っております。ただ、やっぱり唯一思うのは、今のような広報というか、こういうことをやっているんだよという発信、特に科学技術系に対しては、なかなかメディアも乗っかってくれないんだと思うんです。よっぽど大きく見せるものがなければ、あるいはバックアップに大きな企業がついているというようなものじゃないとなかなか乗ってこないと思うんですが、根強く、そしていろんな知恵を出しながら、そういった発信を続けていただいて、ぜひぜひこの地域が東京、そして日本の科学技術の発信拠点なんだといわれるぐらいの地域まで発達をさせていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

○田中委員 私からは、東京港の交通混雑対策について伺います。
 東京港は首都圏四千万人の生活と産業を支える重要な役割を果たしており、食料品や衣類などの消費生活を支える貨物が日々コンテナターミナルから運び出されています。
 東京港のある臨海エリアを見てみますと、オリンピック関連施設の多くがこの地に整備されることになりますが、首都圏の日常生活に欠くことのできない機能を担っている東京港の物流機能を一日たりともとめることはできず、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の準備、開催と物流機能の調和を図ることは大変重要な課題であります。
 今後、大会の開催時期が近づくに従い、交通対策などについても具体的な調整が進んでくるものと思っていますが、その際にきちんとした対応を図るためにも、まずは東京港における交通混雑対策を徹底することが必要であります。
 しかし、さまざまな要因が絡み合う交通問題に関する対策は一筋縄ではいきません。
 そのため、東京都では、昨年二月にハード、ソフト両面からの取り組みをまとめた東京港総合渋滞対策を策定し、多角的に対策を進めております。
 我が党では、こうした状況も踏まえ、これまで継続して議会で進捗を確認するとともに、問題提起を行ってきたところでありますが、今回も今後の対策などについて質問させていただきたいと思います。
 私の地元である大井コンテナふ頭周辺では、以前ほどではありませんが、コンテナ車が列をつくっている状況を目にすることもまだ見受けられます。
 そこで、東京港における交通混雑緩和に向けたこれまでの取り組みについて、改めてお伺いいたします。

○古谷港湾経営部長 東京港においては、貨物量の増加によりコンテナターミナルの処理能力が限界に達しており、ターミナルによっては状況が異なりますが、季節や時間帯などによって待機車両による交通混雑が発生しております。
 一般的には、時期に関しましては、貨物が集中する年末年始、大型連休前後、時間帯につきましては、陸上運送事業者が翌朝に荷主のもとへ届ける貨物を受け取るために集中する夕方などに混雑する傾向がございます。
 こうした交通混雑の解消に向け、これまで都は、東京港の抜本的な機能強化を図るため、中央防波堤外側コンテナターミナルなどの整備を進めるとともに、平成二十三年十二月からは、港湾労働者の方々のご理解、ご協力により、早朝ゲートオープンを実施し、平成二十四年十二月には、青海コンテナふ頭の交通混雑解消のため、中央防波堤外側に車両待機場を整備してまいりました。
 また、各ターミナルでは、コンテナターミナルを運営する東京港埠頭株式会社や荷役作業を行う民間事業者が、ターミナルゲートの追加、荷役機械の更新などを順次行うことにより、コンテナターミナルの機能強化を図ってまいりました。
 その結果、東京港においては、近年、コンテナ貨物が増加している中でも、ターミナルゲートからの渋滞の長さが、一コンテナターミナル当たりの平均で、平成二十六年十二月は一年前に比べて約二割強、減少するなど、渋滞は緩和しつつありますが、今後も継続した取り組みが必要であると認識しております。

○田中委員 ただいまご答弁いただきましたように、港湾労働者の方々のご理解、ご協力、そして東京港埠頭株式会社や荷役作業を行う民間事業者の方々のご協力もいただきながら、都がさまざまな取り組みを進めることにより交通混雑が緩和に向かうなど、一定の成果が上がってきておりますが、引き続き、東京港としては交通混雑解消は解決すべき最重要課題であるといえます。
 交通混雑対策としては、抜本的な取り組みとして、東京港の機能強化を行い、短期的な取り組みも可能な限り実施をしていくこととしておりますが、さらなる対策の一つとして、本年三月から、コンテナ車の台車部分を放置する、いわゆる台切りシャシーについて本格的な取り締まりを行っているということであります。
 台切りシャシーの違法駐車は、一車線を完全に潰すことになり、他の車の通行を著しく妨げております。これまでは、港湾関係者の協力も得ながら定期的に見回りを行い、張り紙などによる警告や指導を行ってきたと伺っておりますが、こうした規制は法的な強制力が働かなかったため、実効力のある指導を行うことが難しかったわけであります。
 そこで、この三月から導入されたスキームでは、取り締まりの実効性を高めるため、具体的にどのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。

○古谷港湾経営部長 今回始めたスキームでは、港湾法の規定に基づきまして、コンテナふ頭周辺の一定のエリアを一括して放置等禁止区域に定め、そのエリアへの放置を禁止する放置等禁止物件に台切りシャシーを指定いたしました。新たな規制の枠組みを実効性あるものにしていくため、港湾局における巡回体制や警察との連携を強化しております。
 具体的には、港湾局は、台切りシャシーの放置駐車を発見した場合、八十七センチ掛ける五十センチの標識警告、いわゆる警告フラッグをシャシーの側面にワイヤーで固定しております。
 当該フラッグを取り外すためには、放置駐車を行った事業者は、港湾局が指定する場所に出頭し、今後同様の行為を行わない旨の誓約書を提出する必要がございます。
 何度も同様の行為を繰り返す悪質な事業者やドライバーにつきましては、都として告発を行うことを想定しておりまして、罰則として一年以下の懲役または五十万円以下の罰金が定められているため、強制力を持った取り締まりが可能となっております。

○田中委員 法律の裏づけ、罰則の可能性という実効力を伴うことは、違法駐車の解消に向けては大変重要なことであり、放置駐車の抑止効果が期待できます。
 そこで、本年九月末には対策を開始して六カ月が経過したところでありますが、取り締まりを強化したことによる効果についてお伺いいたします。

○古谷港湾経営部長 新たな対策を開始いたしました三月二十日以降、一日当たり平均百五十台弱あった台切りシャシーの違法駐車は大幅に改善してきております。
 具体的には、警告フラッグを取りつけた違法駐車数の件数は、四月には三件、五月には二件、六月は二件、七月はゼロ件、八月は一件、九月はゼロ件となるなど、取り締まり強化による台切りシャシーの違法駐車が大幅に減少しております。
 本対策の実施により、スムーズな交通動線の確保が図られているものと認識しております。

○田中委員 新たな取り組みが大きな成果を上げ、きちんと機能していることを確認することができました。
 台切りシャシーの違法駐車対策を展開することで道路交通の円滑化が図られることは大変に重要なことでありますが、改善した今の状況が一過性のものであっては困るわけであり、今後も継続していかなければ意味がありません。
 そこで、今後もこうした現状を維持していくため、どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。

○古谷港湾経営部長 台切りシャシーの違法駐車の解消を引き続き維持していくため、港湾局における巡回体制や警察との連携を強化していくとともに、必要に応じ、放置等禁止区域を拡大することも検討してまいります。

○田中委員 施行後、台切りシャシーの違法駐車が解消されているという大きな成果を得ているわけでありますが、こうした効果が今後も継続し、東京港の交通混雑解消につながっていくことを大いに期待しております。
 しかし、東京港の交通混雑対策は、もちろんこれだけではありません。
 非常に根の深い構造的な問題である東京港の交通渋滞問題については、台切りシャシーの対策のみならず、東京港総合渋滞対策に掲げる諸施策を確実に実施していただき、あらゆる方策を積み重ねていくことで抜本的な解決を図っていただきたいと思っております。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を見据え、今後の東京港における交通混雑対策について、局長のお考えをお伺いしたいと思います。

○武市港湾局長 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けましては、大会の準備期間や開催期間それぞれにおきまして、大会関係車両や工事車両と物流に関する車両のふくそう、限りある土地利用ニーズの重複などが予想されております。
 そのため、東京都といたしましては、関係機関などとさまざまな調整を行い、工夫を重ねていくことで、二〇二〇年東京大会の成功と物流機能、この二つの調和を図っていく必要があると考えております。
 そのためにも、ターミナル周辺の交通混雑の解消に向けた取り組みを徹底していくことが不可欠であると考えております。
 交通混雑の解消に当たりましては、まず東京港の抜本的な機能強化を図るために、中央防波堤外側Y1からY3のコンテナターミナルの早期供用、大井や青海の既存コンテナふ頭の再編を確実に実施していくとともに、臨港道路南北線を整備し道路交通ネットワークを拡充するなど、計画しているハード整備をしっかりと推し進めてまいります。
 同時に、お話にもありました台切りシャシー対策でございますとか、大井車両待機場の整備など即効性ある取り組みというのも積極的に実施をしてまいります。
 東京港が荷主や船会社など利用者のニーズに的確に応え、東日本の生活と産業を支える我が国のメーンポートとしての役割を果たすとともに、東京オリンピック・パラリンピックとの調和はもとより、その成功をしっかりと支えていけるように、今後も現場の声を十分に聞きながら、東京都が責任を持ってきめ細かく効率的、効果的な港湾経営を行っていく所存でございます。

○田中委員 ただいま、局長から今後の港湾経営について、また混雑対策についてお考えを伺いました。
 ぜひ大いに期待していきたいと思いますが、今後の港湾地域では、平成二十八年、来年ですが、豊洲市場の開場があり、二〇二〇年、平成三十二年にはオリンピック・パラリンピックの開催があり、その後もレガシーとして各施設が活用されるなど、人や物が集中してまいります。
 今後も引き続き東京港が首都圏四千万人の生活と経済を支える役割を果たしていくために、東京港は基幹航路のメーンポートとしての地位を維持、確保していかなくてはなりません。そのためには、さらなる東京港の機能強化、効率性の向上を目指す必要があると認識をしております。
 そのためには、この港湾地域の渋滞対策、交通混雑問題は、早急に解決すべき最重要課題であると思っております。
 近隣に住む地元住民の交通の安全上からも強く期待するものでありますが、今後のさらなるご尽力を求め、質問を終わります。

○小林委員 私から、初めに臨海副都心における民間事業者との連携についてお伺いをいたします。
 臨海副都心は、開発から四半世紀を経て、現在では我が国有数の観光ビジネスの拠点へと成長してまいりました。
 休日には、シンボルプロムナード公園や未処分地において、さまざまなスポーツイベントや国際交流イベントが開催され、ことし五月にお台場で開催されたハワイ・フェスティバルには、私の地元の練馬区のフラダンスチームも参加しております。
 練馬区と臨海副都心は、地下鉄有楽町線など電車を利用した場合、一時間以内のアクセスとなっており、練馬区民にとりましても決して遠くないエリアであるというふうに思っております。
 また、臨海副都心の魅力の一つに、アニメがあると思います。臨海副都心にはガンダムの立像があり、コミックマーケットや映像、音楽、アニメーションの国際見本市など、アニメ関係のイベントが多く開催されております。アニメは海外からも人気が高く、臨海副都心の重要な観光資源であり、ジャパン・アニメーション発祥の地でもある練馬区との今後の連携も興味深い視点であるというふうに考えております。
 二〇二〇年東京五輪においては多数の競技が予定されている臨海副都心でもありますので、大会に向けて機運を高めるために、さらなる魅力向上に取り組んでいくことが重要であると考えます。
 我が党は、進出事業者が連携し、まち全体が一体となって臨海副都心の魅力を向上させていくためには、臨海副都心エリアの発展に寄与してきた臨海副都心まちづくり協議会の体制強化が重要であると捉えまして、昨年三月の当委員会で、我が党の谷村孝彦議員がその課題と対応について取り上げました。
 その際には、まちづくり協議会は任意団体のため、個人が事業や資金管理の責任を負うことになるなど、体制面に課題があり、法人化することでさまざまな事業の実施主体となることが可能となるほか、運営体制の強化にもつながるとの答弁があったところであります。
 臨海副都心まちづくり協議会は、本年二月に法人化され、一般社団法人としての活動をスタートしていますが、運営体制が具体的にどのように改善をされたのかお伺いをいたします。

○有金営業担当部長 東京臨海副都心まちづくり協議会は、法人化に伴い、新たに定款を定め、理事会を補佐する機関として、実務レベルの担当者による事業推進委員会を設立いたしました。
 この事業推進委員会は、事業方針等の検討や事業実施に向けた具体的な調整を行うとともに、意思決定を行う場として位置づけられております。
 これによりまして、事業実施の迅速化や進出事業者間の緊密な連携が可能となり、積極的に事業展開していくことが可能となりました。

○小林委員 まちづくり協議会の意思決定が迅速に行われ、さまざまなことに素早く取り組めることになり、活動の幅が広がったことは、法人化による大きなメリットといえると思います。
 各種のイベントが毎週のように実施されている臨海副都心のような場所では、それぞれのイベントに合わせたタイムリーな企画を迅速に決定し実施していくことが重要であり、そうした意味でも、今回の法人化は大きな一歩であると思います。
 また一方で、まちづくり協議会は従前から、会員企業などの参加を得て、地域活動としての清掃活動や防災訓練にも取り組んできたと承知しておりますが、法人化を機に、さらに広く社会的意義のある活動にも取り組むべきであると考えます。
 そこで、法人化されて半年が経過した現在、どのような取り組みを具体的に行っているのかお伺いいたします。

○有金営業担当部長 まちづくり協議会が法人化を機に新たに取り組んでいる事例といたしましては、JTBと連携をして「ゆりかもめ」の一日乗車券と大江戸温泉物語など十四の観光施設で使えるクーポン券がセットになった、お台場ぐるっとクーポンの販売をことしの四月に開始し、まち全体としての魅力向上に努めております。
 また、社会的意義のある活動といたしましては、まち全体で取り組んでいるイルミネーションに合わせまして、ことし十月のピンクリボン月間の乳がん撲滅の啓発運動として、ピンク色のライトアップを行いました。
 このほかにも、世界エイズデーなどの支援を目的としたシンボルカラーのライトアップを、年度内六回実施する予定としております。
 今後も、法人化のメリットを生かしまして、さまざまな事業に取り組んでまいります。

○小林委員 今ご答弁がありましたように、法人化によって臨海副都心の魅力向上などのためにさまざまな取り組みが実施されてきておりますので、こうした取り組みは、引き続き強化をしていただきたいと思います。
 また、さらに多くのお客様に来訪していただくために、今後は、臨海副都心の魅力を広く情報発信する取り組みも行うことが重要と思いますが、この点、見解をお伺いいたします。

○有金営業担当部長 これまでも、まちづくり協議会はインターネット等による情報発信を行ってはおりましたが、海外に直接、臨海副都心の魅力を発信することにつきましては、必ずしも十分な取り組みを行っていなかったものと思われます。
 法人化によりまして、海外への情報発信に係る活動に東京都の補助金を活用することが可能となり、まちづくり協議会が主体となって、来年二月にタイで開催されます観光見本市、国際旅行フェアに初めて参加をして、シティセールスを行う予定となっております。
 まちの活性化に向けまして、進出事業者が主体的に力を合わせて取り組む機運が醸成され、このような具体的な活動につながったものと考えております。
 こうした取り組みが、外国人旅行者やインセンティブツアーの誘致につながっていくものと考えます。

○小林委員 やはり、今回の法人化によって、情報発信という点においても非常にメリットが多く、また、さまざまな取り組みができるようになったということでございますので、今後は、オリンピックに向けて臨海副都心へも世界中から多くの来訪者がありますので、こうした方々に、臨海副都心の魅力とともに日本が誇るおもてなしの心をぜひ感じていただけるようにすべきというふうに思います。
 そこで、まちづくり協議会は、東京オリンピック・パラリンピック大会開催に向け、おもてなし環境整備に取り組んでいくことが大切であると思いますが、所見をお伺いしたいと思います。

○有金営業担当部長 来年の四月になりますけれども、民間事業者が東京都のおもてなし促進事業の補助金を活用して、東京テレポート駅前に観光案内所を整備することとなっております。
 この観光案内所は、まちづくり協議会がコーディネーターとなり、整備事業者や進出事業者など関係者間を調整することで実現したものでございます。
 この観光案内所におきましては、海外からの来訪者に対応するため、英会話ができる観光コンシェルジュを常時配備するほか、多言語対応のデジタルサイネージ等を活用して、臨海副都心の観光情報などを提供する予定となっております。
 さらに、観光案内所の中に、待ち合わせや旅行者同士の情報交換の場として活用できるスペースを設ける予定でございます。これにより、臨海副都心の観光情報の国内外への広がりも見込まれます。
 今後も、まちづくり協議会が中心となってこうした取り組みを進め、臨海副都心の一層の魅力向上及びおもてなし環境の整備に努めてまいります。

○小林委員 外国人旅行者が多く訪れる臨海副都心エリアにおける多言語対応の可能な観光案内所の整備は、海外からのお客様の受け入れ環境の整備において重要な取り組みであるというふうに思います。
 外国人旅行者や日本の若者たちを中心に、ガイドブックの情報はもちろんでございますけれども、口コミの情報で穴場を探して訪れることが多いとも聞いております。この案内所が情報発信の大きな基地となって、臨海副都心ならではの見どころが訪れた人によって多数発信をされて、さらに多くの観光客の訪問につながることをぜひとも期待したいと思います。
 臨海副都心は、今や東京を代表する観光地でございますし、交通網が整備されてきたことで、さらに身近に感じてもらえる取り組みが必要であると思います。
 今後は、臨海副都心の魅力をさらに引き出して、育て、実らせる取り組みが重要であると考えます。その意味でも、来年オープンする観光案内所の整備につながったように、民間事業者の連携を支援するような取り組みは、都としても、今後ともぜひとも強化をしていただきたいと思います。
 次に、豊洲地区における水際緑地などの整備についてお伺いします。
 私の地元の練馬区に石神井川という川がございますけれども、一部区間において河川沿いに桜並木が植えられており、水辺を含む一体となった景観が形成されるなど、潤いとにぎわいのある空間として整備され、練馬区民のみならず、多くの人々が訪れ、桜のシーズンには観光の名所ともなっております。水辺に親しめる緩傾斜護岸が整備され、和みの場となっております。
 また、デッキで水面までおりることが可能となる整備をして親水性を高める工夫がされており、水辺の憩いの場として親しまれており、水辺を生かした整備、工夫により、地域住民の暮らしの中で水辺が大変身近な存在になっています。
 東京の臨海部は、広大な東京港を背景に水辺の活用が可能だという大きなポテンシャルを有する地域であり、川と海の違いこそありますが、東京港の特徴を生かした魅力ある水辺空間の形成に取り組んでいくことが重要であると考えます。
 このような中、豊洲地区では、大型商業施設や水辺に面した公園などの立地や大規模マンションの建設が進み、子育て世代を中心として急速に人口が増加し、それに伴い、大学病院が開院し、小学校、保育園も開校、開園するなど地域住民の生活利便性が向上し、今や東京の中でも注目を集めるエリアの一つとなっております。
 これらに加えて、新市場の開場が一年後に予定されている豊洲地区は水辺空間において緑地の整備を進めていると聞いておりますが、新市場と隣接するこの水際緑地も、この地区のにぎわいを創出する空間の一つとして活用すべきであると考えます。
 まず、現在の水際緑地の整備状況についてお伺いいたします。

○原開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 新市場の整備が進められております豊洲ふ頭におきましては、港から都心方面までを一望できる眺望を楽しむとともに、潤いとにぎわいのある魅力的な水辺空間の創出を目指しまして、背後の新市場や住宅開発などと一体となりました水際緑地の整備を昨年度から進めております。
 本整備事業は、港湾局と中央卸売市場が連携しまして、豊洲ふ頭の外周をぐるりと囲む水際延長約五キロメートルの緑地を整備するものでございまして、平成二十八年十一月の新市場の開場までに全て完了させ、一般開放する予定としてございます。
 既に、豊洲ふ頭東側の昭和大学江東豊洲病院や豊洲西小学校、豊洲六丁目公園に隣接する水際の延長約一キロメートルにつきまして整備を完了し、本年八月末に一般開放したところでございます。

○小林委員 今ご答弁にありました本年八月末に一般開放された水際緑地の周辺には、住宅や病院、小学校が立地しているということでありますが、水辺は地域住民にとって貴重な空間であり、現在、整備が進められている水際緑地については、多様な活用を図っていく必要があると思います。
 この八月末に開放された水際緑地の現在の利用状況についてお伺いいたします。

○原開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 水際緑地につきましては、八月の一般開放に先立つ六月には、新たなマンションへの入居開始などに伴うまち開きのイベントに同エリアの一部分が活用されるなど、既に地域のにぎわいの創出に寄与したところでございます。
 また、現在は、地元の住民を中心に水辺の眺望を楽しみながらの散策やウオーキングなどに利用されているほか、保育園児の散歩コースや隣接の病院に通院、入院している方々の憩い、和みの空間としても利用されております。
 さらに、水際緑地の整備完了後におきましては、延長約五キロメートルの皇居一周に匹敵する信号のない連続した快適な空間となりますことから、ジョギングなどのスポーツを楽しむ場としての活用も期待されているところでございます。

○小林委員 整備された水際緑地が既に多くの人々にさまざまな形で有効に活用されているということは、大変に喜ばしいことであると思います。
 また、今後、水際緑地全体が完成し、皇居にも匹敵するジョギングコースができると、この地区の魅力がさらに高まることから、着実に整備を進めていただきたいと思います。
 また、全体完成後においては、大勢の人々に楽しんでいただけるよう、この水際緑地のPRに、ぜひとも力を入れて取り組んでいただきたいと思います。
 水際緑地の整備にあわせて、豊洲ふ頭の東側にある、三方向を護岸で囲まれた静穏な水域、いわゆる東電堀といわれている水域において、水陸両用車用のスロープを整備予定と聞いております。
 地区の魅力を高めるために水陸両用車を導入することは非常に大事なことであると思いますが、新たな観光ツールとして積極的に活用していくべきであると思いますが、現在の水陸両用車用のスロープの整備状況について確認をいたします。

○原開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 現在、豊洲六丁目第二公園の南側のエリアにおきまして、水陸両用車用のスロープの整備を進めるところでございます。
 水陸両用車は、公園、水際緑地から陸上及び水域のスロープを通って着水するものでございまして、陸上部分については既に整備を完了しておるところでございます。
 今後、水域部分のスロープにつきましては、本年十二月までに整備に着手し、平成二十八年十一月の新市場の開場までに完了させる予定となっております。

○小林委員 現在、都内で運行されている水陸両用車は、東京スカイツリーなどの観光名所を陸路で回って、旧中川から進水して水上遊覧を楽しめるということで、大変人気を博しておると聞いておりますが、この水陸両用車が導入されることによって、まちづくりにおいて期待される効果について、所見をお伺いいたします。

○原開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 水陸両用車は、水に入る瞬間のスリルと爽快感を感じることができることや、これまでにない豊洲地区周辺の水上からの景観を楽しむことができること、さらに、陸路と水路を乗りかえなしで豊洲地区及びその周辺のにぎわいのある拠点間を結ぶ新たな観光ルートの開拓に寄与することなどの特徴を有してございます。
 このような特徴を有する水陸両用車を豊洲地区に導入することによりまして、多くの都民の皆様に豊洲地区の新たな魅力が広く周知されますとともに、水際緑地とあわせまして、地域内外の人々の交流が盛んになるなど、豊洲地区の潤いとにぎわいのあるまちづくりに大きな効果が期待できると考えてございます。

○小林委員 この地区に水陸両用車用スロープが整備され、地元の由緒ある寺社や集客力の高い商業施設などを水陸両用車で結ぶことになれば、新たな観光ルートが創出されると思います。さらに、それを発展させることによって、臨海部全体に広がりを持つ回遊性に富んだ観光まちづくりに大きく貢献することになるとも考えます。
 臨海部の特徴である運河などの豊富な水路を生かし、まちの魅力を高めていくためには、親水性の高い空間整備や水辺に親しむ場の創出など、取り組みが必要であると思います。
 こうした中、地区の魅力をさらに高めるため、水上レクリエーションを楽しむ方策について検討を進めていると聞いておりますが、地域住民などに水上レクリエーションを楽しんでいただく方策について、現在の検討状況についてお伺いいたします。

○原開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 豊洲六丁目第二公園の南側の閉鎖水域である東電堀におきましては、静穏度が高く、居住エリアにも近いという特性を生かしまして、地域の子供から大人まで誰もが気軽に楽しむことができる、カヌー等の水上のレクリエーションの拠点となる桟橋を設置することといたしました。そのため、これまで、このレクリエーション桟橋の調査設計を進めてきたところでございます。
 現在につきましては、レクリエーション桟橋の整備内容や整備後の管理運営方針等につきまして、地元区などの関係機関と調整を進めているところでございまして、来年の夏ごろを目途に、桟橋の設置を完了させる予定でございます。

○小林委員 子供から大人までカヌーなどを楽しむことができるレクリエーション桟橋が整備されると、この施設を拠点として、水上スポーツスクールや水際緑地と連携した各種イベントの開催などが可能となり、水辺のにぎわい創出や魅力の向上に大きく寄与するものと思います。
 私も、先日、ちょっと所用がありまして、臨海部等に車を走らせる機会がありましたけれども、私も練馬区でございますので、臨海部に出るということは実はそうそうないわけなんですけれども、やはり実際に足を運ぶと、本当にここが東京かというふうに思うぐらいに、もうさまざまな形で変化をしているというものを実感することができました。
 この当委員会も、比較的、臨海部から離れた先生方が多いかなと思います。私も練馬区でございますし、西東京、立川と、多摩の方々も多いと思いますけれども、やはり西側の地域、特に臨海から離れているような方々が臨海に足を運んでいこうと思えるような、そういう魅力を発信していくことというのがとても大事になってくるかなと思います。
 私自身も、やはりもっと実際に足を運んでいって、もっともっと魅力を経験し、体感していかないといけないなというふうに思っておりますので、今後とも東京臨海部の水辺空間の魅力の向上につながるさまざまな施策に積極的に取り組んでいただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。

○かち委員 まず、海岸保全施設整備について伺います。
 東日本大震災から四年半が過ぎましたけれども、津波によるあの惨状は、いまだ記憶に新しいところです。
 首都直下型の巨大地震の確率は着実に迫っています。沿岸部や低地帯には三百万人が暮らし、都市機能が集積しています。高潮や津波によって一たび浸水を受ければ、甚大な被害をもたらすことになります。都民の命と安全、財産を守るための事業は、何よりも優先されなければならない施策だと考えるものです。
 都は、東日本大震災を踏まえ、新たな被害想定に対応するため、二〇一二年に、基本計画に基づいてこれまでの海岸保全計画を見直し、十年間の海岸保全施設整備計画を策定し、現在進めているところです。
 そこで、整備に当たっての基本的な考え方と水門や防潮堤、内部護岸について、整備が必要な箇所や延長と二〇一四年までの進捗状況について伺います。

○小野港湾整備部長 現在、都が推進しております東京港海岸保全施設整備計画では、最大級の地震が発生した場合におきましても、津波による浸水を防ぐということを目標としております。
 平成二十六年度末におけます進捗状況でございますが、まず水門については、整備対象であります十三水門のうち、累計で五水門の工事に着手いたしました。
 防潮堤につきましては、計画延長の約十七キロメートルのうち、累計で約六キロメートルの工事に着手し、そのうち約四キロメートルが完成しております。
 また、内部護岸につきましては、計画延長の約二十六キロメートルのうち、累計で約五キロメートルの工事に着手し、そのうち約一キロメートルが完成しております。
 いずれも、おおむね順調に進捗していると考えております。

○かち委員 今のご答弁では、防潮堤は約十七キロの計画のうち四キロが完成、内部護岸は二十六キロの計画のうち完成は一キロだということですね。内部護岸は、江東区や港区など低地帯地域に計画がされております。
 先日、私、今年度の計画区域の近くである辰巳地域に行ってまいりました。辰巳駅におりて辰巳橋の方までずっと歩いてみたんですけれども、大変特徴的なまちで、歩いている間、都営住宅が大変多い、辰巳橋に立って対岸を見ると超高層マンションが林立しているという、大変人口密度の高い地域だということがわかりました。ですので、小学校も二校がありました。児童館もあるという地域です。
 ここで最大級の地震、津波が起きたら一体どうなるかと思いました。都民の命と安全を守る重要な役割を果たすべく、これらの整備事業は早急に推進すべきだと思いました。
 この計画の対象範囲の安全性を確保するため、防潮堤や水門、排水機場、内部護岸等の整備を実施するために財源の確保を図るとしていますが、これまで、これらの整備を進めるための一三年度、一四年度予算と実績はどのようになっているでしょうか。

○小野港湾整備部長 海岸保全施設建設費につきましては、平成二十五年度の予算現額は約百二十二億円、支出済額は約八十六億円でございます。平成二十六年度におきましては予算現額は約百三十三億円、支出済額は約百十五億円でございます。

○かち委員 平成二十五年、一三年度の予算現額は百二十二億円で支出は八十六億円ということでしたけれども、それから一四年度、二十六年度は百三十三億円の百十五億円ということですが、執行率で見ると、予算現額とのことですけれども、当初予算との執行率の比率を見ますと、一三年度は六九・九%、約七〇%、一四年度は七六・四%です。
 執行率が低いといわざるを得ないのですが、執行率の低い要因は何でしょうか。

○小野港湾整備部長 都では、当該年度中の補正予算額や前年度からの繰越額等を加算した予算現額をもとに執行率を算出しており、その執行率は、平成二十五年度においては約七一%、平成二十六年度では約八六%となっております。
 予算現額と支出済額との差は落札差金や工期延伸などで生じるものでございまして、平成二十五年度におきましては、支障物の処理や地元調整に時間を要したため、次年度への工期延伸が平年度より多く発生いたしました。

○かち委員 ご説明がいろいろありましたけれども、内部護岸については二十六キロの計画のうち整備は一キロ完成という状況で、本当に間に合うのかということです。このままいけば、完成までに二十六年もかかるということになります。
 これらの安全確保は、都民の命と財産を守るという重要な役割を果たすとともに、二〇二〇年にはオリンピック・パラリンピックの会場とされる地域でもあるわけです。人もたくさん集まってきます。このような状況の中で、どのように目標達成を進めていくのか、お聞きします。

○小野港湾整備部長 都はこれまでも、関係者調整を積極的に、精力的に進めるとともに、進行管理を徹底するなど、事業を強力に推進してまいりました。
 今後も引き続き、東京の沿岸部を第一線で守ります水門、防潮堤の整備につきましては計画どおり平成三十一年度までに、内部護岸につきましても計画どおり平成三十三年度までに完成を目指して取り組んでまいります。

○かち委員 内部護岸についてはオリンピックの後だということになるわけですけれども、取り組み順序として外側からやるというのはわかりますが、これではオリンピックまでには間に合わないということです。こういう命と直結する整備は前倒しでも推進すべきだということを申し上げておきたいと思います。
 次に、大田区の沿岸部には四つの水門がありましたが、全てそれを廃止して防潮堤に切りかえるという方針が出されました。それぞれの進捗状況と完成時期について伺います。

○小野港湾整備部長 四水門のうち、南前堀水門における防潮堤につきましては、現在工事を実施しており、平成二十八年度に完成する予定でございます。
 また、貴船水門、呑川水門における防潮堤につきましては、今年度工事に着手する予定であり、平成三十年度に完成する予定でございます。
 さらに、北前堀水門につきましては、引き続き地元大田区と協議を進め、平成三十一年度までに完成する予定でございます。

○かち委員 私は、東日本大震災の直後に北前堀水門の場所に見に行ってきたわけですけれども、水門手前の両岸壁があるわけですけれども、大変老朽化が進んでいて、前からだと思うんですけれども、岸壁と岸壁がもう離れていて、そこを金具のようなもので押さえていたり、鉄板を張ってあったり、とても対症的な対処をしていたわけです。一部、岸壁が崩れているところもありました。ここは早急に対処すべき岸壁だということをこれまでも申し上げてきたところです。
 水門を防潮堤にという計画は立てたものの、いまだに区との調整中ということなんですが、計画が示されてから数年が経過しております。いまだに調整中ということは一体どういうことなのか。具体的なところで、お互いの費用負担で調整がつかないとも聞いておりますが、やっぱり予算の問題だと思うんですね。都の整備計画ですので、安全確保の立場に立って早急に具体化を進めてほしいということを申し上げておきます。
 この北前堀水門に近接したところに、陸閘の外側に複合福祉施設があり、以前から問題になっていたところですが、この対応はどのようにするのですか。また、その進捗状況と完成時期について伺います。

○小野港湾整備部長 理事お話しの複合福祉施設につきましては、事業者みずからが都と同様の防潮堤に準ずる施設を設置いたしまして、床面を高くするなどの対応をとっており、安全性は確保されていると認識をしております。
 一方、都は、東京港海岸保全施設整備計画に基づきまして、津波、高潮時に閉鎖操作を要する陸閘を削減するため、当該地区におきましても、陸閘にかわる防潮堤を再整備することといたしました。
 このため、防潮堤が完成いたします平成三十一年度には、当該複合福祉施設は防潮堤の内側に立地することとなります。

○かち委員 法の不備だと思うのですが、陸閘の外側、海側に建造物を建てることに規制がないということから、普通なら考えられないようなこういうことが起きているわけです。
 この施設は高い建物ではありますが、特養ホームと障害者施設が一緒に入っているという施設です。確かに、この複合福祉施設の事業者によって防潮堤らしきものはつくられ、盛り土もしてありましたけれども、十年ほど前に、台風による豪雨と高潮によって、近隣住宅に浸水の危害が迫り、陸閘を閉じざるを得ないという状況が生まれました。そして、施設関係者が中に入れず、施設自身が孤立するという状況になったんです。
 そういう意味からも、このような陸閘をなくしていく方向が望ましいし、これも北前堀と連動していますので、早急に具体化することを求めておきます。
 次に、質問の二つ目ですけれども、先ほど木内議員からもお話がありましたが、港湾における温室効果ガスと船舶の排ガス対策についてお聞きします。
 まず、温室効果ガスについてです。
 地球温暖化の実態は、今日、世界規模で警鐘が鳴らされています。東京港においては、大型の外貿船を初め、船舶に寄与する温室効果ガスの発生源でもあり、その対策が求められています。
 都は、二〇一〇年に、温室効果ガスの削減を二〇二〇年までに二〇〇〇年比二五%削減する目標を掲げました。港湾局は東京港における温室効果ガスの実態調査を行っているとのことですが、いつ、どのような調査を行い、その結果、どうだったのでしょうか。

○蔵居港湾経営改革担当部長 都は、平成二十一年度に東京港における排出源別のCO2排出量の調査を行いました。
 その結果、平成二十年度の東京港全体のCO2排出量は約五十二万トンと算定されました。排出源別の割合は、倉庫、物流施設が約五割、停泊中の船舶が約三割、ふ頭内にある荷役機械などからが約二割でございます。

○かち委員 二〇〇〇年度の状況というのは調査していないのでわかりませんけれども、ここの時期よりももっと低かったことは予想がつきます。少なくとも、この値から二〇二〇年までに二五%削減が求められていると思いますが、今後どのように削減計画を進めていくのか、お聞きします。

○蔵居港湾経営改革担当部長 都では、二〇二〇年までに二〇〇〇年比で都内全域の温室効果ガス排出量を二五%削減する目標を掲げております。
 この目標を達成するためには、全庁を挙げたCO2削減行動はもとより、大規模事業所にCO2削減義務を課すなど、さまざまな取り組みを行っております。
 東京港では、排出源別の施設の特性を踏まえて、これまでも倉庫や荷役機械の設備の更新に合わせて、省エネ機器や太陽光発電設備の導入など、さまざまな取り組みが行われており、今後、都としても、こうしたCO2削減の対策を促進してまいります。

○かち委員 目標達成のために全庁的な取り組みが進んでいると、東京港でも、倉庫や荷役機械の設備の更新に合わせて、省エネ機器や太陽光設備の導入など、さまざまな取り組みを行っているということでしたけれども、二〇〇九年にはこれだけの調査をしているのですから、削減目標達成に向けての港湾局としての計画と実践、検証が必要だと思います。
 既に目標達成行程のうち半分を経過しています。現時点での実態把握が必要だと思いますが、いかがですか。

○蔵居港湾経営改革担当部長 都環境局では、毎年、都内全域の温室効果ガス二五%削減の目標値に対して検証を行っております。二〇一二年では、二〇〇〇年比で一一%の削減でありました。
 東京港での具体的な取り組みでは、都や民間事業者が、倉庫等において、従来よりも電力を半減するLED照明や、約三割の電力量を削減する高効率空調設備などを導入しております。
 荷役機械については、消費電力を約三割削減するインバーター式のガントリークレーンや、CO2の発生量を約四割削減するハイブリッド型のクレーンなどを導入しております。
 引き続き、都内全域での目標達成のため、東京港のCO2削減策を推進してまいります。

○かち委員 環境局としては都全体の状況把握をしていると思いますけれども、臨海地域には人も事業所も集積しています。しかも、大型外航船を初め、エネルギー大量消費構造にもなっています。だからこそ、港湾局として、みずから率先してCO2削減対策を、みずからの計画に基づいて進めていく必要があると思います。
 そういう意味では、今の段階でどういう状況になっているか、港湾局管理エリアにおいてどうなっているかということを検証していく必要があるということを申し上げておきます。
 次に、港湾における船舶の排ガス対策についてお聞きします。
 東京における大気汚染対策では、浮遊粒子状物質や二酸化窒素については環境基準達成率が改善傾向にある中で、船舶や航空機の排ガス対策はおくれており、既存の知見も乏しいのが実態です。
 船舶の大気汚染物質は、主にNOx、SOxであります。それらの規制についてはマルポール条約があるものの、先進的な規制がとられてこなかった。ようやく国際港湾協会主導のもとで世界の港湾が結成した世界港湾気候イニシアチブ、WPCIが、環境負荷の少ない船舶を評価するESI値認証制度、グリーンシップインセンティブを発足しました。
 東京港は、この環境改善プログラムについて、いつから参加し、また、具体的にどのような内容か、お聞きします。

○蔵居港湾経営改革担当部長 東京港は、環境先進港湾を目指しており、現行の規制を上回る船舶の環境対策を進めていくこととしました。
 このため、今年度から、先ほど答弁申し上げましたけれども、ESI制度に日本で初めて参加し、規制を上回る環境対策を行う外航船舶に対し、船舶の環境性能に応じたESIポイントにより入港料を減免するインセンティブを導入し、入港する船舶の環境対策を促進させております。

○かち委員 全国の中で最も船が集中する東京港であればこそ、率先して取り組んできたということは重要であり、当然だと思います。
 このESI制度に、世界での参加港湾や認証船舶数はどうなっていますか。また、東京港にそれらの船舶が入港した延べ船隻数はどのぐらいあり、それは全外航船の何割を占めるのか。また、前年の同時期における東京港に入港する外航船、内航船のそれぞれの実績数はどうなっているでしょうか。

○蔵居港湾経営改革担当部長 東京港の今年度上半期におけるインセンティブ制度が適用された船舶の入港実績は四百五十一隻であり、これは入港した外航船舶の一七%になります。
 また、昨年同期に東京港に入港した外航船と内航船の入港数は、それぞれ二千七百二十一隻、一万百三十六隻であります。
 それと、世界における参加港湾でございますけれども、平成二十七年十月一日現在、全世界でESIに参加している港湾の数は三十五の港湾であり、認証船舶数は四千四十三隻でございます。

○かち委員 インセンティブ適用船は四百五十一隻とのことでした。東京港に入港する全船舶数は一万二千八百五十七隻になりますから、まだまだ緒についたばかりというところです。
 外航船についてはESI認証制度を適応するとのことですが、内航船についてはどのように対応していくのでしょうか。

○蔵居港湾経営改革担当部長 東京港の大気環境の改善に向けた取り組みは重要であることから、先ほど答弁申し上げましたとおり、都では、内航船の関係者、国と十分に調整を図りながら、内航船の排出ガス削減に効果的な仕組みづくりを検討してまいります。

○かち委員 東京港に入港する全船舶の約八割は内航船です。それらについては、まだ緒についていないというのが現状です。早急に検討の場を設けたり、都から国へ働きかけるとともに、都としても取り組みの検討を始めるよう求めておきます。
 船舶から排出されるNOx、SOxについて、IMOの国際的な規制値を超える環境に悪いガスを排出している船舶のチェックや改善をどのように進めていくのですか。

○蔵居港湾経営改革担当部長 船舶から排出されるNOx、窒素酸化物や、SOx、硫黄酸化物の規制は国際的な条約で決められており、これに基づき、国が国内法を定めております。この規制を遵守しているのか否かの確認は国において行われており、もし違反等があれば、船会社に是正が国から指示されます。

○かち委員 二〇〇八年に環境局が環境科学研究所と一緒に調査をしています。その統計結果を見ますと、大規模固定排出源、小規模事業所、建設機械等、自動車、鉄道、家庭燃料機器などとともに、船舶、航空機も測定しています。
 その中で注目すべきは、船舶停泊時、航行時、タグボート合わせて、SOxが全体排出量の七〇%を占め、PM二・五は一位が建設機械等で三〇%、次いで船舶が二〇%となっています。これは測定域が東京湾全域を対象としているとのことなので、補正が必要だと思いますけれども、PM二・五は都全体でも規制基準に達していない重要課題となっています。
 SOxとPM二・五の大気汚染に寄与する船舶の排出ガス対策を率先して進めなければならないと思いますが、見解を伺います。

○蔵居港湾経営改革担当部長 東京港の周辺には多くの人々が住み、働き、近接するベイエリアには毎年多くの観光客が訪れていることから、港湾エリアにおける船舶からの排出ガス対策は大変重要であると認識しております。
 そのため、都では、我が国で初めてESIを活用したインセンティブ制度を導入し、船舶からの排出ガス抑制の取り組みを開始しております。
 今後も、都は、こうした取り組みを推進し、東京港の大気環境の改善を行ってまいります。

○かち委員 さきの統計調査の結果、何も対策をとらなければ、来年度、一六年には、都全体では七八%に減少、改善する中で、船舶関係のみ、SOxとPM二・五はともに一〇%増となると警告しています。
 船舶の排ガス規制対策の取り組みでは、EUやカリフォルニア州などで先進的な模索が始まっています。
 カリフォルニア州では、ディーゼル起源のPMによる発がんリスクの削減と位置づけ、二〇〇〇年比で二〇二〇年までに八五%削減する目標を立てています。その削減計画では、排出源として、外航船、内航船、貨物取扱設備、鉄道等が広く削減対象とされ、その中でも、停泊中の船舶に関しては、二〇一五年までに六〇%、二〇年までに八〇%の船舶が陸上電源を使用することを目標にしました。
 こうした動きの中で、大気資源局が、停泊中の船舶に対する補助動力装置の使用を規制することを承認しました。そのことによって、停泊中の船舶から排出するディーゼルのPMやNOxの規制幅は、二〇〇〇年比で七五%近くに及ぶと予測されています。
 東京港においても、ようやく外航船の大気汚染対策に取り組み始めているところは重要ですが、内航船については、さまざまな課題があるということを承知の上ですけれども、より実効性のある対策に、非規制と規制施策を組み合わせて、早急に率先して取り組まれることを重ねて求めておきます。
 最後に、渋滞問題と国際コンテナ戦略港湾計画についてお聞きします。
 コンテナ輸送トラックの渋滞問題はこれまでにもさまざま議論されてきたところですが、交通事故の原因でもあり、運転手の人道的問題でもあり、経済的損失及び大気汚染問題でもあります。
 都として、この間、渋滞解消の対策として取り組んできた施策と今後の予定について伺います。

○古谷港湾経営部長 東京港における交通混雑解消に向けて、これまで都は、東京港埠頭株式会社や民間事業者と連携してさまざまな取り組みを実施してまいりました。
 具体的には、中央防波堤外側コンテナターミナルの整備など東京港の抜本的な機能強化を図るほか、短期的な取り組みとして、車両待機場の整備や、関係者のご理解を得ながら早朝ゲートオープンを実施するなどの取り組みを進めてまいりました。
 今後も、東京港の抜本的な機能強化を軸としつつ、あわせて短期的かつ即効性のある取り組みを多角的に実施し、交通混雑解消を図ってまいります。

○かち委員 早朝ゲートオープンについては、根本的解決を前提として一年間の実施ということで、来年三月までということになっていますが、都の根本的解決策とはどのような対策をいうのですか。

○古谷港湾経営部長 東京港の抜本的な機能強化策としては、先ほども申し上げましたとおり、中央防波堤外側Y1からY3コンテナターミナルの整備、それにあわせて大井、青海ふ頭の再編、道路交通ネットワークの拡充を図っていくこととしており、こうした取り組みを通じて、東京港全体の機能を向上させてまいります。

○かち委員 限られた東京港湾の中で、渋滞解消の対策として、中防外側Y1からY3までの外貿コンテナ港湾整備が根本解決だということですが、巨大コンテナ船ターミナルを増設すれば、さらに入荷物が増大し、新たな渋滞の火種になるのではありませんか。

○古谷港湾経営部長 東京港は首都圏四千万人の生活と産業を支える重要な役割を果たしておりますが、近年の貨物量の増加により、現在ではコンテナターミナルの処理容量が限界に達していることから、東京港の交通混雑解消に当たっては、東京港におけるコンテナ貨物量を向上させる抜本的な機能強化のためのコンテナバースの増設や、南北道路の整備が必要と考えております。

○かち委員 東京港の特徴は、輸出六百五十万トン、輸入千六百万トンと、輸入が輸出に対して二・五倍、そのため、空コンテナがどうしても急増する構造になっています。また、過密都市への荷の大量集中が都市インフラへの過重な負担になっているんです。
 東京港を含む京浜港は国際コンテナ戦略港湾として指定され、外貿コンテナ取扱量を引き上げるため、横浜港でも、川崎港でも、大深度バースを次々と増設しています。しかし、どちらも、巨大、大型の大型コンテナ船はなかなか寄港しないというのが実態です。
 できてしまったものは有効活用するという意味からも、外貿コンテナ船の京浜港内での分散化を図るなど、この問題解決は京浜港全体で検討、研究すべきだと思いますが、いかがですか。

○古谷港湾経営部長 どこの港を利用するかは、経済合理性等に基づき、荷主の方々が決められているものでございます。
 都としては、利用者のニーズに的確に対応し、サービスの質を向上させるなど、都民生活を支える重要なインフラである東京港を今後も利用者に選んでいただけるよう、使いやすい港づくりに取り組んでまいりたいと思います。

○かち委員 港湾運営が民間活動に依拠しているとして、利益のために渋滞が生じても、それを解決する責任は行政だという姿勢では問題は解決しないと思います。行政間の協力や政策的誘導などを進め、効率的に都市インフラを進めていくべきです。
 例えば、大型クルーズ船の誘致などにはかなりの税金をかけてやっているわけですから、解決できない課題ではないと思います。京浜港全体として、行政間、船会社、労働組合や関係団体との協議を重ね、健全な発展ができる対策をとられるよう強く要望して、私の質問を終わります。

○松田委員 私からは、臨海部におけるオリンピック・パラリンピック東京大会への対応についてお伺いいたします。
 まず最初に、まちづくりについてお伺いいたします。
 平成に入り、間もなく開発が始まった臨海副都心に関しても、今ではMICE、国際観光機能が集積をし、観光と交流のまちとして発展をしてきております。これは、臨海副都心まちづくり推進計画などにおいて、都が計画的に開発を進めてきた結果と認識をしております。
 このようにまちづくりを進めている中で、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会開催決定によって、臨海部には多数の競技施設が設置されることが決まりました。このことは、まちづくりにおいても絶好のチャンスであり、このチャンスを積極的に生かして、次世代にすばらしいまちを残していかなければなりません。
 臨海部に予定をされている競技施設のうち、海上公園内に整備が予定されているものについては公園施設として整備されているものがありますが、有明アリーナや選手村のほか、仮設施設である体操競技場など、以前のまちづくりの計画にはなかったものも幾つかございます。
 そこで、改めてお伺いをいたしますが、それらの施設の整備に対して、まちづくりの観点からどのように対応をしているのか、お伺いします。

○山口臨海開発部長 オリンピック・パラリンピック東京大会の開催が決まりまして、臨海部には、当初のまちづくりの中で想定していなかった新規の施設として、有明アリーナ及び選手村が公園以外につくられるものとして確定しております。
 これらの施設の予定地につきましては、今後の大会関連施設の整備スケジュールなどを踏まえまして、円滑な整備ができるよう、昨年中に各地区の土地利用計画を改定いたしまして、周辺のまちづくりとの整合を図ったところでございます。
 また、仮設競技場につきましては、有明北地区の体操競技場などの整備が確定しているほか、招致ファイル上では自転車競技施設の整備が予定されております。
 仮設競技場につきましては、時限的な使用でございますので、将来のまちづくりに大きな影響を及ぼすものではないことから、土地利用計画の変更は行わずに、必要な土地を活用していくこととしております。

○松田委員 詳細な説明、ありがとうございます。それぞれ必要な対応がとられていることがわかりました。
 ただいまの答弁でも触れられておりましたが、仮設の競技施設のうち、体操競技場においては、さきの第三回定例会において、我が党の宇田川幹事長からの代表質問に対して、大会終了後も十年程度の有効活用を図っていくとの答弁がございました。
 この体操競技場の利活用については、経済的にも環境的にも大変よいことであり、この答弁を受け、関係各局が連携して取り組んでいることと思います。
 そこでお伺いをいたしますが、体操競技場の利活用期間について、まちづくりなどの観点からはどのような検討を行ったのでしょうか。

○山口臨海開発部長 有明体操競技場は大規模な施設となり、仮設とはいえ、本設の施設と同等の耐震性などを有しておりまして、大会後も十分使用可能とのことから、できる限り利活用していくための検討を行ったところでございます。
 有明北地区全体のまちづくりの将来像といたしましては、住宅を中心とした複合市街地を目指しておりまして、これに沿って、既に体操競技場予定地周辺には、高層住宅や小中学校などの開発が進んでおります。
 体操競技場予定地の土地利用計画といたしましては、住民生活を支える施設などを予定しておりまして、周辺の開発状況に応じて、今後、整備をしていく予定でございます。
 体操競技場予定地を含む有明北地区の開発予定面積は約二十ヘクタールと大規模であることから、段階的な開発を予定しておりまして、開発の終盤に位置するエリアに着手するまでにはかなりの時間を要することとなります。
 このため、土地の利活用を図っていくという視点も加味し、また、将来のまちづくりに影響を及ぼさない範囲として、十年程度活用していくこととしたものでございます。

○松田委員 ただいまのご答弁で、体操競技場の十年間の利活用が計画的に、段階的な観点から検討されていることがわかりました。
 一方で、東京大会を契機に、東京が国外からも注目を集める成熟都市の先進モデルとして、大会後の持続的発展に資するまちをつくっていくことも重要であります。
 このような視点のもと、都が整備をする新規の大会施設については、施設単体で見るのではなく、運河や周辺の緑地を連携させ、大会施設を中心に広がりを持ったまちづくりを進め、大会後、その成果として世界に誇れる魅力あるまちとして残していくべきであります。
 このような観点から、大会を契機に、競技施設周辺を含めたまちづくりについて積極的に取り組んでいくべきと考えますが、所見を伺います。

○山口臨海開発部長 大会施設と周辺の緑地や運河などとの調和を図っていくことは、大会後の施設運営の面のみならず、周辺地域全体の魅力とにぎわいを生み出していくために必要なものでございます。
 このため、今後の大会施設の整備にあわせまして、周辺の海上公園を魅力ある水辺空間としていくとともに、緑とオープンスペースが連続した、ゆとりある歩行者ネットワークの形成を図ってまいります。
 これらの取り組みを通じまして、国内外から多くの人々が集い、交流する魅力あるまちづくりを進めまして、未来に引き継がれる都民共有の財産の形成を図ってまいります。

○松田委員 ただいまのご答弁で、大会を契機に魅力あるまちづくりを積極的に進め、東京大会を史上最高のものにするとともに、その後の持続的発展につなげていくという決意のあらわれであると思います。
 このような決意のもと、今後とも魅力あるハードづくりにしっかりと取り組んでいっていただきたいというふうに思います。
 先日、「ゆりかもめ」二十周年でフジテレビに訪れたんですが、私も小林副委員長と同様、余りこの地域に行かないもので、行って帰りに台場のインターから乗って帰ろうとしたら、台場のインターが閉鎖をされていて、ナビに従って有明に行こうとしたら、大渋滞で動かなかったんです。それで、反対を抜けて臨海副都心の出入り口に向かったんですが、やはりどちらも大渋滞で全く動かず、南下して、城南島から大井南の方、先生のご地元の方を通って板橋まで帰りました。
 やはり、一つが閉鎖されてしまうとなかなか動きがとれない、こういったところの整備もまたこれから進めていかなければならないのかなというふうに感じました。
 そして、ハードだけではなく、今度、ソフトの取り組みについてお伺いをさせていただきたいと思います。
 我が党の提言を受けて、大規模イベントを誘致してまちのにぎわいの創出に努めるとともに、臨海地域開発事業会計独自の補助制度を創設し、海外からのお客様の受け入れ環境を整えるなど、先駆的に取り組んでまいりました。
 これらの取り組みによって、多くの人々が臨海副都心に集い、イベントを楽しむとともにまちの魅力を知っていただくことで、まちが活性化をし、地域のブランド力も高まるという好循環が生まれていると聞いております。
 このような成果を踏まえて、臨海副都心における東京大会に向けたソフト面での取り組みの充実について質疑をいたしたいと思います。
 ことしも臨海副都心ではさまざまな大型イベントが開催されていると考えますが、どのようなものが行われているのか、お伺いをいたします。

○有金営業担当部長 毎年恒例のイベントといたしましては、フジテレビジョン主催のお台場夢大陸がことしの夏も四十五日間開催されました。期間中、四百六十六万人の集客がございました。
 また、日本初のイベントといたしましては、六月と七月にウオータースライダーを使ったスライド・ザ・シティというものが開催されまして、各種メディアにも大きく取り上げられているところでございます。
 また、昨年、日本初開催で好評を博しまして、ことしの九月に二回目の開催となりました世界的なダンスミュージックイベント、ウルトラジャパンでは、国内外から昨年を上回る十万人の集客がございました。
 このほかにも、臨海副都心では、季節を問わず、切れ目なくイベントが開催をされております。

○松田委員 季節の風物詩となった恒例イベントや、世界的に著名な魅力的なイベントが定期的に開催されるということは、今後も多くの方々の来訪が期待できると考えられます。
 今お話にありましたダンスミュージックイベント、ウルトラジャパンは、我が党の同僚議員も参加をしたら物すごい盛り上がりだったというふうに聞いております。また、この開催中の臨海副都心内のホテルは全て満室となり、各商業施設も売り上げが向上して、「ゆりかもめ」の乗降客数も前の週の五割近くふえたと聞いております。
 こうしたにぎわい創出を通じてまちが活性化するということは、多大な経済的な効果も生んでいると思われます。東京大会に向けて、引き続き魅力的で集客力のあるイベントが臨海副都心で常に展開されることが望まれます。
 そこで、臨海副都心で継続をしたにぎわいをずっと創出していくためには、今後どのような取り組みをしていくのかをお伺いいたします。

○有金営業担当部長 これまでも、臨海副都心では、多くの人を引きつける多彩なイベントが開催されてまいりましたけれども、イベント開催の要望が現在でも数多く寄せられている状況にございます。
 こうした状況を生かしつつ、臨海副都心におけるにぎわいをより一層高めていくためには、新たな魅力的なイベントの発掘や誘致も必要であると考えております。
 そのため、今後は、国際色豊かなグローバルなイベント誘致に向けまして、自国文化紹介などに力を入れている各国大使館訪問を強化するなど、より積極的な営業活動を展開してまいります。
 これによりまして、切れ目のない継続したにぎわいの創出につなげ、臨海副都心の国際観光都市としてのブランド価値の向上を目指してまいります。

○松田委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
 今後、臨海副都心で国際色豊かなイベントが開催をされると、ますます多くの外国人旅行者が訪れることになります。海外からの来訪者が快適に過ごしていただくためには、多言語での観光案内を初めとした受け入れ環境が整っていくことが重要であります。
 こうした観点から、次に、海外からの来訪者の受け入れ環境整備についてお伺いをいたします。
 東京都は、昨年度まで実施をしていたMICE拠点化推進事業にかわる新たな補助事業として、おもてなし促進事業を創設いたしました。これは、東京大会の成功とMICE、国際観光拠点化に向け、民間事業者の創意工夫を生かした新たな観光資源の創出と、海外からの来訪者に対するよりきめ細やかな受け入れ環境整備を目的として創設されたとのことであります。
 先日、この補助制度による平成二十七年度の取り組みとして採択をされた十三件が発表をされました。いずれも先進的で、かつ高い効果が期待できるものですが、その中でも、身ぶり手ぶりで観光案内をする人型のアンドロイド、これは私、先ほどの「ゆりかもめ」の前に見に行こうとしたんですが、なかなか見つけられず、見られなかったんですが、見学をした、あさの理事によると、非常にインパクトのある、リアリティーのあるものだったというふうに伺いました。
 そこで、観光案内のアンドロイドの持つ機能と期待される効果をお伺いいたします。

○有金営業担当部長 この観光アンドロイドでございますけれども、十月二十三日から十一月六日まで、これは仮設設置ということでございますけれども、台場地区で人気のある商業施設、アクアシティお台場に設置しておりました。十二月中旬には、世界で初めて常設で設置をする予定となっております。
 この観光案内アンドロイドにつきましては、施設内の店舗や周辺の観光情報など、聞きたいことを3Dの画面によるタッチパネルに入力いたしますと、日本語、英語、中国語で人間のように動作を加えながら案内をするというものでございます。さらに、このアンドロイドは進化を続けまして、平成二十九年度中には、話しかけた質問に対しまして、三カ国語で情報提供することが可能となってまいります。
 国内外からの来訪者が臨海副都心でしかできない体験をすることで、記憶に残るおもてなしを感じることができると考えております。
 今後も、都は、東京大会に向けまして、おもてなし促進事業を活用し、民間事業者による海外からの来訪者に対するきめ細やかな受け入れ環境整備を支援し、臨海副都心の魅力向上を目指してまいります。

○松田委員 ありがとうございます。
 アンドロイドが多言語の会話によって観光情報などを提供するというのは夢のある話でありまして、まさに臨海副都心ならではの先進的な取り組みであり、日本の技術を示すものでもあると思います。
 このアンドロイドは東京大会開催期間中も設置されるということでありますが、多くの競技が予定される臨海副都心では、大会期間中とその前後の期間、国内外から多くの来訪者でにぎわうことが予想されております。日本が誇る先端技術のショーケースとなることが期待される臨海副都心での取り組みは、来訪する多くの人々の注目を集めることになると思います。
 この補助制度は、行政が、民間のすぐれた取り組みをワンランク上の事業展開が可能となるよう、企業の規模を問わず支援することが重要であります。
 今後、さらにこの補助制度が活用されていくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○大松委員 東京港は、平成十年以降、外貿コンテナ取扱量が十七年間連続全国第一位を続けまして、日本の国際貿易をリードするかなめの港であります。また、国内の拠点港でもあり、首都圏四千万人の暮らしと産業を支える物流の生命線として重要な役割を担っています。
 そして、防潮堤や水門などの施設は、高潮や津波から住民の命と財産を守る、まさに防災のとりでともいえる機能を持っています。
 この東京港について、都は昨年策定した第八次港湾計画に基づきまして、物流、防災はもとより、観光、環境、オリンピック・パラリンピックなど、総合的な視点から港湾機能の強化を目指しまして、施設整備をより一層推進されているところでございます。
 その一方、整備した後の施設の維持管理につきましては、ランニングコストを極力抑え、また、可能な限り長期間にわたり施設を活用できるようにしていくことが求められているわけでございます。
 そこで、東京都は、全国に先駆けまして、施設を健全な状態で寿命を延ばしていく予防保全型維持管理を積極的に進めています。本日は、この予防保全型維持管理につきまして質問をいたします。
 まず、これまで都が行ってきた予防保全型維持管理について、改めてその考え方、手法や目的について所見を求めます。

○角計画調整担当部長 予防保全型の維持管理は、施設が持つ機能を長期にわたり低下させることなく発揮させ続けるため、施設の補強や計画的な補修等によって施設自体の延命化を図るとともに、施設のいわゆるライフサイクルコストの縮減につなげる取り組みでございます。
 東京港においても、施設の老朽化が進んでいることから、こうした取り組みを引き続き積極的に推進していかなければならないと考えているところでございます。

○大松委員 東京都の取り組みは、施設の長寿命化や維持管理、コストの縮減のためということでございます。
 昨日、私は、この予防保全型維持管理として、門扉を取りかえる大規模改修が行われております江東区内の辰巳水門を視察してまいりました。
 この水門は昭和三十七年に建設をされ、既に五十二年が経過をしておりまして、海水につかる門扉は腐食などにより損傷をしておりました。
 一方、鉄筋コンクリート製の躯体は良好な状態を保っておりますので、今回は門扉を取りかえることによりまして、水門全体の寿命をさらに三十年間延ばすことができるとのことでございます。財政面からも、安全面からも、大変効率のいい事業であります。
 しかしながら、都が維持管理をしなければならない施設の数は、コンテナ取扱量全国一の東京港でありますから、相当な数に上ると思います。また、先ほどの答弁でもありましたように、施設の老朽化が進んでいるということでございます。
 そこで、都が保有する港湾施設等の数や規模、その老朽化の現状について答弁を求めます。

○角計画調整担当部長 都の保有する主な港湾施設といたしまして、岸壁などの係留施設は百十七バース、その延長は十九・五キロメートルでございます。
 津波や高潮から東京を守る防潮堤や内部護岸の延長は、合わせて八十五・七キロメートルでございます。
 このうち、設置後三十年以上経過している施設の割合が、係留施設では六五%、防潮堤や内部護岸では五〇%に上るなど、多くの施設で老朽化が始まっております。

○大松委員 都が維持管理をしなければならない施設は膨大な数であります。また、それらの施設の多くが老朽化をしているということでございました。
 先々の財政負担を見据えて、戦略的に施策を展開していくことが必要でございます。具体的な維持管理の取り組みの内容につきまして所見を求めます。

○角計画調整担当部長 都は、平成二十三年度に改定した東京港港湾施設等予防保全基本計画に基づきまして、これまでの事後的な対症療法型から予防保全型の維持管理に転換いたしました。
 各施設管理者が日常的に施設の点検を行い、故障、損傷の予兆を発見し、補修を行うなど、施設の機能が低下する前に劣化の進行を食いとめ、延命化等を図っております。
 例えば、先ほど委員からお話がございましたように、点検結果から腐食の進行した水門の一部である門扉の塗りかえや取りかえを行うことで、水門全体の機能の延命化に取り組んでおります。
 また、一斉に訪れることが想定されていた大規模改修の時期を分散化し、改修コストの年度間の平準化を図ってまいりました。

○大松委員 東京都のそのような取り組みによりまして、港湾施設等を可能な限り延命化し、予算面でも効率化を図っていることは評価をしたいと思います。
 その上で、二〇一二年の笹子トンネル天井板崩落事故を契機にいたしまして、当時の太田昭宏国土交通大臣は、このような事故を二度と繰り返してはなりませんといたしまして、社会インフラの安全確保に向けた取り組みを徹底する方針を示しました。
 昨日、視察した辰巳水門の門扉は、ふだんはあいていますけれども、いざ高潮が発生すれば、二十四時間三百六十五日、現地に駐在している職員の皆様方が水門を閉じて、高潮から住民の皆様方を守るわけでございます。
 しかしながら、もし高潮が発生したときに水門が壊れて閉まらないということになれば、甚大な被害が発生をいたします。こうしたことにならないように、都の港湾施設等についても維持管理の取り組みを徹底するべきと考えます。その具体的な対応について所見を求めます。

○角計画調整担当部長 国は、港湾施設等の維持管理計画を作成するための指針となるガイドライン等を本年四月に策定し、公表いたしました。
 このため都は、これまでの取り組みをさらに進め、国が策定したガイドライン等を踏まえ、予防保全基本計画の実施計画として、施設ごとの維持管理計画を作成いたします。
 具体的には、各施設の立地や使用頻度等の環境特性を考慮し、施設ごとに行う日常点検や、施設の健全度を詳細に調査する定期点検を実施いたします。
 また、この点検結果に基づき、補強や補修箇所、または大規模改修の時期等を洗い出し、計画的に実施していく内容といたします。
 これにより、きめ細かな維持管理を行ってまいります。

○大松委員 施設ごとの維持管理計画を新たに作成し、きめ細かな維持管理を行っていくとの答弁をいただきました。その効果について所見を求めます。

○角計画調整担当部長 新たな維持管理計画におきましては、施設ごとの環境特性や健全度に応じた点検を確実に行うなど、計画的かつ的確な維持管理を実施することから、施設の延命化とライフサイクルコスト縮減等に、より一層の効果を高めることが可能となります。
 また、予期しない施設の損壊を防ぎ、安全性の向上はもとより、施設利用者の円滑な事業活動を確保し、信頼性の高い施設を長期にわたり提供することにつながるものと考えております。

○大松委員 今後、都が港湾施設等の維持管理に積極的に取り組んでいくことは重要でありまして、この維持管理計画の作成はできるだけ早急に行うべきと考えます。その作成スケジュールについて答弁を求めます。

○角計画調整担当部長 維持管理の対象となる施設につきましては、係留施設、臨港道路、海岸保全施設を初め、十二種別がありまして、多岐にわたりますとともに、施設数も膨大でございます。
 これら施設ごとの維持管理計画の作成に当たっては、現在、継続的に実施している施設の健全度調査の結果を踏まえまして、来年度、重要度の高い施設から順次取り組み、三年以内に作成するよう努めてまいります。
 まずは、都民の生命、財産を守るための海岸保全施設及び円滑な経済活動のための係留施設から着手いたします。
 引き続き、本計画の作成期間においても着実に維持管理に取り組み、東京港における安全・安心や効率的な物流機能の確保などに努めてまいります。

○大松委員 三年以内に作成するということでございますので、ぜひよろしくお願いをいたします。
 東京都はこれまでも、先駆的に予防保全型維持管理を進めてきましたが、さらにその取り組みを強化するということで、評価をしたいと思います。
 今後も、首都圏の生活と経済を支える東京港が、その機能を存分に発揮し、発展していけるよう、港湾施設等を長期にわたり良好な状態で利用していくための維持管理に努めていただきたいと要望をいたしまして、質問を終わります。

○島崎委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○島崎委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時四十九分散会

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