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Tokyo Metropolitan Assembly

経済・港湾委員会速記録第十三号

平成二十二年九月三十日(木曜日)
第八委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十三名
委員長小沢 昌也君
副委員長増子 博樹君
理事高倉 良生君
理事鈴木あきまさ君
理事伊藤 ゆう君
山崎 一輝君
田中  健君
笹本ひさし君
伊藤 興一君
佐藤 広典君
清水ひで子君
鈴木貫太郎君
三宅 茂樹君

 欠席委員 一名

 出席説明員
産業労働局局長前田 信弘君
次長真田 正義君
総務部長三枝 健二君
産業企画担当部長澤   章君
商工部長山手  斉君
金融部長櫻井  務君
金融監理部長斎藤 真人君
金融支援担当部長十河 慎一君
観光部長横山 英樹君
農林水産部長保坂 政彦君
安心安全・地産地消推進担当部長岩田  哲君
雇用就業部長日請 哲男君
事業推進担当部長穂岐山晴彦君
港湾局局長中井 敬三君
技監飯尾  豊君
総務部長山本  隆君
監理団体改革担当部長石原 清志君
港湾経営部長小宮 三夫君
港湾経営改革担当部長河内  豊君
臨海開発部長平林 宣広君
開発調整担当部長大和田 元君
営業担当部長延與  桂君
港湾整備部長前田  宏君
離島港湾部長平田 耕二君
島しょ・小笠原空港整備担当部長北村 俊文君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 港湾局関係
報告事項(質疑)
・工事請負契約の報告について(平成二十二年度品川ふ頭内貿上屋(仮称)新築Ⅱ期工事)
・国際コンテナ戦略港湾の選定について
 産業労働局関係
契約議案の調査
・第百四十一号議案 東京国際フォーラム(二十二)ホール棟改修工事請負契約
・第百四十五号議案 東京国際フォーラム(二十二)空調設備改修工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百五十四号議案 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター中期目標について
報告事項(質疑)
・平成二十一年度地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター業務実績評価について
・私債権の放棄について
・新銀行東京の「平成二十三年三月期第一・四半期決算」について

○小沢委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書二件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○小沢委員長 次に、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十二年九月二十九日
東京都議会議長 和田 宗春
経済・港湾委員長 小沢 昌也殿
契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
第百四十一号議案 東京国際フォーラム(二十二)ホール棟改修工事請負契約
第百四十五号議案 東京国際フォーラム(二十二)空調設備改修工事請負契約
2 提出期限 平成二十二年十月四日(月)

○小沢委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、産業労働局関係の付託議案の審査、契約議案の調査並びに港湾局及び産業労働局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、報告事項、工事請負契約の報告について、平成二十二年度品川ふ頭内貿上屋(仮称)新築Ⅱ期工事に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○小沢委員長 次に、報告事項、国際コンテナ戦略港湾の選定についてに対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。

○田中委員 国際コンテナ戦略港湾の報告が前回なされたところでありますが、そのコンテナ戦略港湾についての質問をさせていただきたいと思います。
 昨年の十月に、前原前大臣が国土交通省の成長戦略会議を立ち上げ、五分野の新たな成長戦略を策定することを表明いたしました。その一つに、この港湾行政に関しての決意がなされました。約六十の重要港湾で新規の施設設備をやめて、これまでばらまきといわれていたような港湾行政を改め、選択と集中により新たに国際コンテナ戦略港湾を選定することといたしました。
 東京港は、川崎港、横浜港とともに京浜港として応募し、先月の六日、阪神港とともに国際戦略港湾に選定されたことが今委員会で報告されたとおりであります。
 京浜港は、一昨年から既に三港の広域連携の強化に着手して、京浜港共同ビジョンを策定するなど、どの港よりも先駆けた取り組みを進めてきました。今回、選定はこうした取り組みが評価されたということであり、当然の結果であると私は考えております。
 そこで、前回、この評価結果という表が配られましたが、今回のこの計画書の評価について、点数の採点は出ておったのですが、具体的にどのような項目及び配点で評価されたのか、まず伺います。

○河内港湾経営改革担当部長 国際コンテナ戦略港湾の計画書の評価につきましては、国の国際コンテナ戦略港湾検討委員会におきまして、目標と位置づけ、実現のための方策、実現のための体制の三つの項目につきまして、千点満点で評価されておりまして、それぞれの項目の配点は、目標と位置づけが三百五十点、実現のための方策が五百点、実現のための体制が百五十点と、このようになっております。

○田中委員 その中で発表されたように、この公表された評価は、京浜港が千点満点中七百二十九点、阪神港が七百六十九点ということで、私たち京浜港は二位に甘んじていることになります。
 これは四十点の差がついたわけでありますが、私は、今、当然の結果選ばれたということを伝えましたが、一位になることだと思っておりましたが、このようにして、わずかな差ではあるとはいえ、今回、京浜港が阪神港におくれをとったということであります。どのような点でこのような差が出て、どのような点で評価がなされたのか、都の見解をお聞きします。

○河内港湾経営改革担当部長 京浜港につきましては、目標と位置づけ、それと、実現のための体制の項目におきまして、阪神港を上回っております。目標と位置づけの項目では、取扱貨物量の実績や基幹航路の寄港回数が、また、実現のための体制の項目では、三港の広域連携の強化に先駆けて取り組んできたことが高く評価されたものと考えております。
 一方、阪神港の方は、実現のための方策の項目で京浜港を上回っておりまして、これは、阪神港におきまして、瀬戸内海の各地方港が比較的近距離に多数あるといった地理的な優位性から、営業体制を整えまして、内航船を活用した国内貨物の集荷が既に実施されていることが高く評価されたものと、このように認識しております。

○田中委員 貨物集荷については、この委員会でも何度も述べられてきて、東京湾や京浜港の課題ということは常々いわれてきたことであります。
 それが、阪神港の方が評価されたということでありますが、こうした状況を踏まえて、京浜港としては、今回、反省を含めもろもろあったと思うんですが、具体的にどんな取り組みを行っていくことから始めていくのか、所見を伺います。

○河内港湾経営改革担当部長 京浜港が我が国の経済と産業を支えていくためには、広域からの貨物集荷などに取り組みまして、京浜港の強みである基幹航路の数をさらに拡充することが重要であるというふうに考えております。
 このため、国際コンテナ戦略港湾の計画書で提案いたしました貨物集荷策、ターミナル使用料の低減、港湾機能の充実強化などの施策を強力に推進していくとともに、国の直轄事業で港湾施設を整備する場合の国費負担の拡充やガントリークレーンへの補助制度の創設など、国の支援策の確実な実施を強く働きかけまして、使い勝手のよい港を目指してまいります。

○田中委員 京浜港がそのようにして広域からの貨物を集約して、また、釜山港に対峙するために日本のハブになることというのは、大変重要なことであります。
 これは港だけでなく、港としては海の部分のハブポートを目指すわけでありますが、今回、多くの質問が出ていましたが、羽田の国際化によって空のハブもここで完成して、それらをあわせて陸海空と、東京がその三つをあわせたハブポートとなることが望まれております。その三つが、これからの日本の成長戦略に欠かせない重要な要素であると認識しております。
 今回、無事に選定されたとはいえ、まだ決まっただけで何も始まったわけではありません。まさにスタートラインに立ったということであると思いますが、ここから気を引き締めてぜひ取り組んでいきたいと思っております。
 そこで、最後に、国際コンテナ戦略港湾の施策に向けた決意の方をお伺いいたしたいと思います。

○河内港湾経営改革担当部長 京浜三港はこれまで、将来のポートオーソリティーの設立を視野に入れて、連携により強力な京浜港をつくり上げることとし、さまざまな施策を展開してまいりました。
 今回、京浜港として国際コンテナ戦略港湾に選定されたことを契機とし、三港の連携を一層強化するとともに、荷主、船会社、港湾運送事業者など、港湾利用者の意向を踏まえつつ、局と埠頭会社が一体となり、アジア主要港との熾烈な国際競争に勝ち抜いていく所存でございます。

○田中委員 今回の選定においては、私たちも、党として挙げて、直接国交大臣のもとに要請に行ったり、この選定については計画を後押しさせていただいたと思っております。
 また、九月二十六日になりますが、政府は、年内に都市整備の基本的な理念を定める都市再生基本方針を、初めて全面改定する方針を固めたという報道がなされたところであります。
 これは、総理はシンガポール、上海など、台頭しつつある大都市に対抗して、ここでは東京や大阪と限定して書いていただいておりますが、この国際競争力のてこ入れをしていくということであります。
 これは、まさに先ほどいいました、六月に閣議決定された新成長戦略をさらに大都市に限定して、航空や港湾、道路ということのインフラを重点的に絞り込み、盛り込んでいくということであります。
 つまり、国においても法制度の後押しもさらにされている今、先ほど部長の方からありました国と都、また、港湾業界が一致団結できるように、今後も、私たちもともに推進に力を入れていきたいと思いますので、これからも、ともに頑張っていきたいと思います。
 以上で質問を終わります。

○山崎委員 京浜港の国際コンテナ戦略港湾選定について、何点か質問いたします。
 先日、代表質問の中で、我が党の三宅議員より、今回選定した京浜港に対する国の支援について質問いたしました。
 これに対し、国は、直轄事業の国費負担率の拡充、ガントリークレーンへの補助制度の創設、港湾経営主体への優遇税制の創設に動いているとの答弁がございました。
 施設設備費の国費部分の拡大や税制優遇措置により、コンテナターミナル貸付料の原価を下げ、それを借り受ける船会社のコストを間接的に減らしていくことは一定の意味があると思いますが、港湾経営主体への税制優遇措置はともかく、施設設備費だけでは、中央防波堤外側の新規コンテナターミナルの設備完了を待たなければコスト低減の効果が発生しないと考えます。
 そこで、もう少しスピード感のあるコスト低減策を考えていかなければならないと思いますが、所見をお伺いします。

○河内港湾経営改革担当部長 中長期的な港湾コストの低減を実現するためには、施設整備費の国費充当率拡大を制度化することが大事でございまして、これを国に強く求めているところでございます。
 しかしながら、先生ご指摘のとおり、施設整備費への支援だけでは、ターミナル貸付料の低減効果が発揮されるまでに時間を要し、基幹航路を運行する船会社をつなぎとめておくにはスピード感に欠けると考えております。
 このため、港湾管理者としての都、それから、東京港埠頭株式会社といたしましても、即効性のあるターミナル貸付料低減策を検討しておりまして、例えば、借り受け者が貨物集荷を進めれば進めるほど貸付料が低減するインセンティブの制度などを活用しまして、港湾の国際競争力を高めながらコストを下げる施策の実施に取り組んでまいります。

○山崎委員 単に貸付料を値下げする、あるいは、単に貨物集荷を管理者が行うというのでは、施策の効果が限られるわけでございます。施策と施策を連動させ、相乗効果を発揮することによって、より一層のコンテナ貨物の集荷を実現していってもらいたいと思います。
 しかし、東京港の現在の状況からすると、取扱貨物が急激にふえると、コンテナ車両のさらなる混雑が発生すると危惧されるわけです。
 特に、この十月には再拡張された羽田空港の第四滑走路が供用され、陸海空の結節点である臨海地域への航空貨物や空港利用者の通過交通の増加が見込まれます。
 さらに、中央防波堤外側地区の新規のコンテナターミナルが開設されると、相当の車両増加が見込まれます。
 こうした東京港の交通量の増加に対し、港湾局としてどのような対策を考えておるのか、お伺いします。

○河内港湾経営改革担当部長 今回、国際コンテナ戦略港湾の応募に際しまして、東京港の交通渋滞対策として、中央防波堤外側コンテナターミナルの整備を契機といたしましたコンテナターミナルの再編を打ち出したところでございます。これによりまして、既存のターミナルの面積の拡張を図りまして、作業効率を高めることによって車両混雑の解消を図ってまいりたいと考えております。
 また、第七次改訂港湾計画におきましては、来年度に完了する臨海道路Ⅱ期工事に加えまして、現在着工している中央防波堤外側コンテナターミナルのさらなる拡張と中央防波堤外側と内陸部を結ぶ南北道路の整備を計画しておりまして、こうした施設整備の実現に向け積極的に取り組むことによりまして、交通円滑化を図ってまいります。

○山崎委員 東京港の競争力強化のため、中長期的な施設整備に加え、各種のソフト施策を効果的に実施していくことが不可欠であります。
 最後に、こうした施策の実現に向けて、決意をお伺いいたします。

○小宮港湾経営部長 近年、アジア諸港が著しく躍進する中で、我が国港湾の相対的な地位が低下しまして、コンテナ取扱量で国内最大の東京港においても、基幹航路が減少傾向にあるなど、危機的な状況が顕在化しつつあります。
 こうした状況を打開していくためには、ハード、ソフトの施策を複合的に、そしてスピード感を持って実現していくことが必要であります。
 このため、国に求めるべきことは大胆に要求するとともに、都みずからもできる限りの力を振り絞りまして、港湾機能の充実強化、ターミナルリース料低減などに果敢に取り組んでまいります。

○山崎委員 自動車や電気機械などの製造業は、我が国の重要な産業でありますが、リーマンショック後における世界的な価格競争の激化傾向に加え、昨今の急激な円高も相まって、その海外移転の増加が懸念されております。
 我が国の貿易を支える京浜港の国際競争力の低下は、こうした傾向に拍車をかけることにもなりかねないため、何としても防がなければなりません。
 こうした気概を持って、都が国をリードする意気込みを持って、そして、スピード感を忘れずにしっかりと取り組みを進めることを求めて質問を終わります。

○伊藤(興)委員 私からも、京浜港が国際コンテナ戦略港湾に選定されたことについて、幾つか質問させていただきます。
 今回の選定は、我が国のコンテナ貨物取扱量の四割のシェアを占めるなどの実績とともに、埠頭公社の民営化や京浜三港連携などの先駆的な取り組みなどを考えると、今回、この京浜港が選定されたことは大変に喜ばしいことでもあり、また、妥当な結果であるというふうに思います。
 また、先ほど質疑でもありましたけれども、一方では、阪神港より四十ポイント低かったということもございます。この辺の課題もしっかりと整理するとともに、都議会公明党といたしましても、先日の代表質問でも取り上げさせていただきましたけれども、今回のこの国際コンテナ戦略港湾の選定、また、羽田の国際化、こうしたことが時を同じくして重なっております。何としてもこのチャンスを閉塞感が漂うこの日本の経済再生の起爆剤としてほしい、この思いでございます。
 今後、都は、京浜港の国際競争力の強化に向けて、ターミナルリース料の低減や積極的な貨物集荷策の展開など、港湾管理者や埠頭会社が主体的に取り組みを進めていくことはもとより、アジアの主要港との熾烈な国際競争において確固たる地位を構築するためには、やはり国の支援も必要不可欠であると思います。
 本定例会の我が党の代表質問に対しましても、都は、国へ税制優遇や事業推進などを要求するという答弁をいただきましたけれども、具体的にどういった手法で、また、スケジュール等につきましても伺いたいというふうに思います。

○河内港湾経営改革担当部長 国家を挙げて国際競争力を強化するアジア主要港に対峙していくためには、国、港湾管理者、埠頭会社、民間事業者が一体となって、それぞれの役割をしっかりと果たしていくことが必要と認識しております。
 このため、都は、さきに提出した国際コンテナ戦略港湾の計画書におきまして、内航フィーダー航路の運行支援、三環状道路や国道三五七号線の整備促進、埠頭会社を対象とした優遇税制やガントリークレーンへの補助制度の創設、強制水先基準の緩和など、国内輸送網の充実強化や、京浜港を活用した輸送コストの低減に資する予算措置、規制緩和、税制優遇などを提案したところでございます。
 こうした提案の実現に向けまして、国土交通省に対して既に活発に働きかけを行っておりまして、今後も、平成二十三年度国の予算編成に対する政府提案要求など、さまざまな機会をとらえまして、国に対して必要な措置を要求していく所存でございます。

○伊藤(興)委員 今後、国内の生産拠点、また、消費地と京浜港とを結ぶ国内貨物輸送網の充実強化や輸送コストの低減などの国の取り組みに加えて、ターミナルリース料の低減などの港湾管理者の取り組みにより、釜山港に流出してしまった貨物を京浜港に取り戻す戦略を展開していくと聞いております。
 しかし、ここから重要なのは、京浜港に貨物を集荷するだけではなく、集荷した貨物を効率的に処理することも同様に重要であります。
 そのためには、東京港のコンテナふ頭全体の生産を高めていくことが必要と考えますけれども、所見を伺いたいと思います。

○小宮港湾経営部長 都はこれまで、東京港のコンテナふ頭全体の生産性を高めるために、右肩上がりに増加するコンテナ貨物需要に対応するために、コンテナターミナル周辺にある空コンテナ置き場であるバンプールやコンテナの立体格納庫の整備によるヤード利用の効率化、予約搬出入の促進によりますコンテナターミナル利用時間の平準化など、ハード、ソフトの両面からさまざまな取り組みを展開してまいりました。
 しかしながら、近年、コンテナターミナルの周辺地区におきましては、交通渋滞が頻繁に発生するなど、東京港の主力ふ頭であります大井ふ頭や青海ふ頭の処理能力が限界に近づいております。
 今後、国際コンテナ戦略港湾としまして国内外から貨物集荷を進め、さらなる貨物量の増加が見込まれますが、これに的確に対応するためには、これまでの施策とあわせまして、中央防波堤外側コンテナターミナルの開発を契機としまして、大井ふ頭や青海ふ頭など既存ターミナルの再編を行うなど、東京港全体の生産性向上を目指していくことが必要であります。
 こうした認識のもと、港湾局、東京港埠頭株式会社が一体となりまして、積極的に取り組みを進めてまいります。

○伊藤(興)委員 どうかさまざまな手法を活用していただきまして、世界から見て、本当にこの東京港が魅力ある港に、そして、東京ならではの特色がある港となっていくように、結果が勝負でありますので、都が主体的に、また積極的に取り組んでいただきたい、このように思います。
 先ほど申し上げましたけれども、来月の二十一日には羽田空港が拡張して、国際便が増便され、海外から東京を訪れる観光客も多くいらっしゃると思います。
 東京港は、首都圏の産業と生活を支える重要な物流拠点であるとともに、羽田空港に近接するというロケーションから、都民や、あるいは海外から訪れる方々に、ぜひこの東京港に親しんでもらえるような努力もあわせて取り組むべきであるというふうに思います。
 例えば、港のシンボリック的な施設を--ガントリークレーンとか、あれもぽちぽちっと夜、明かりがついておりますけれども、東京ならではの、例えばガントリークレーンそのものをライトアップするとか工夫を凝らすことによって、夜景の楽しめる名所としての活用も期待できるのではないかというふうに思います。
 今後、東京港のさらなる効率化とともに、港を活用した新たな名所の創出などについても検討するよう要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

○小沢委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。

○小沢委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百四十一号議案及び第百四十五号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○小沢委員長 次に、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第百五十四号議案及び報告事項、平成二十一年度地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター業務実績評価についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○三枝総務部長 去る九月十五日の当委員会でご要求いただきました付託議案に関する資料につきましてご説明申し上げます。
 まことに恐れ入りますが、お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりいただきたいと存じます。
 まず目次でございます。このうち、1から3までが付託議案に関する資料でございます。
 一ページをお開きください。地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの収入及び支出の推移をお示ししてございます。
 収入及び支出につきまして、それぞれの区分ごとに、上段に平成十八年度から二十二年度までの年度計画における予算額、下段に平成二十一年度までの決算額をお示ししてございます。
 続きまして、二ページをお開きください。地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの役職員数の推移をお示ししてございます。
 役員、職員、非常勤職員及び臨時職員の平成十八年度から同二十一年度までの各年度末現在の人数と、平成二十二年八月一日現在の人数をお示ししてございます。
 続きまして、三ページをお開きください。地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターにおける研究員の採用・応募状況の推移をお示ししてございます。
 平成十八年四月の地方独立行政法人化以降に行われました、一般型研究員及び任期つき研究員の採用選考における応募者数を上段に、採用数を下段に、選考を実施した年度ごとにお示ししてございます。
 以上で付託議案に関する資料の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○小沢委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○山崎委員 東京都立産業技術研究センターの中期目標についてお伺いいたします。
 東京都は、都内中小企業に対する技術支援機能の向上を図るため、平成十八年度に、当時の産業技術研究所を地方独立行政法人化して、その後、毎年、法律の定めによって都議会に業務実績の評価内容を報告しております。
 地方独立行政法人としての歩みを始めた産業技術研究センターの事業展開について、我が党としては、中小企業振興への貢献という観点から、常に大きな期待を持って見守ってきたところですが、業務実績の状況を精査している評価委員会からは、業務全体がすぐれているとの評価を各年度ともに受けており、大変心強く感じている次第であります。
 実際に、独法化以前から行っていた技術相談、依頼試験、機器利用サービス及び外部資金導入研究の各事業について、平成十九年度以降、独法化した際に掲げた数値目標を大きく上回る実績を上げております。
 産業技術研究センターでは、独法化前からのさまざまな事業で着実に実績を積み上げるとともに、中小企業のニーズに応じた新たな取り組みについても、しっかりと成果を上げることが必要であります。
 そこで、独法化以降に開始した新たな事業について、現在までにどのような状況になっているのかお伺いします。

○山手商工部長 平成十八年度の独法化により、中小企業ニーズに柔軟に対応できるようになったことから、商品の設計や試作などを行う機器を備えたデザインセンターを新たに設けまして、中小企業の製品化への支援を開始しました。
 同センターの高速造形機を使った試作品開発の実績は、平成十八年度には二百七十一件であったものが、利用者の着実な増加によりまして、平成二十一年度では千二百二件と、四年間で約四・四倍の実績を上げてございます。
 また、中小企業個別の要望に応じて技術研修などを行うオーダーメードセミナーを新たに開始いたしまして、その実績は、平成十八年度の九十七件から平成二十一年度には百六十五件となり、大幅に実施件数を伸ばしております。
 これらの事業実績につきましては、評価委員会から高い評価をいただくなど、産業技術研究センターのさまざまな新しい取り組みは、中小企業の技術支援において着実に成果を上げているものと考えています。

○山崎委員 独法化以降に新たに取り組んでいる事業で着実な成果を上げることを含め、産業技術研究センターは業務運営に工夫を凝らし、中小企業にとってより一層役に立つ機関として力を高めていくことが重要であると考えます。通常の事業に加えて、厳しい経営環境に対応するための迅速な取り組みを機動的に進めることも必要なことはいうまでもありません。
 中小企業からの技術支援のニーズなどに十分にこたえていけるよう、産業技術研究センターが業務のレベルアップに向けてどのような取り組みを進めてきたのか、お伺いします。

○山手商工部長 中小企業、とりわけ、ものづくり企業を取り巻く状況が急速な変化をする中、企業に対する技術支援のあり方を迅速かつ柔軟に見直して対応を図ることが重要でございます。
 こうした中、都は、産業技術研究所を地方独立行政法人として、中小企業が抱える技術面の課題に速やかに対応するとともに、企業会計を導入いたしまして、より効率的な業務運営を図りつつ、技術支援の変化に即応できる人材の確保にも努めるなど、独法化により可能となったさまざまな方法を効果的に活用しながら事業展開を進めてございます。
 具体的には、中小企業の依頼試験ニーズにこたえ、試験項目の追加を毎年度行っていますほか、企業からの個別の要望にきめ細かく対応するために、オーダーメード試験などの支援事業を実施してございます。
 また、平成二十一年三月から約一年間、不況対策の一環といたしまして、厳しい経営状況に置かれた中小企業に対し、依頼試験や機器利用サービスの料金を半額にするなど、経済環境の変化にも迅速に対応した取り組みを実施しております。
 さらに、依頼試験などの利用料金を、銀行振り込みやクレジットカード納付も可能にするなど、利用者の立場を重視した利便性の向上にも積極的に努めてございます。

○山崎委員 産技研では、独法化したメリットを十分に生かしながら、中小企業のニーズに柔軟かつ迅速に対応するとともに、サービス内容の向上に向けて、不断の努力を行うことこそが重要です。
 現在、経営環境が厳しいだけに、中小企業もさまざまな方法で会社の維持と発展を図ろうとしております。産業技術研究センターに寄せられる要望も複雑で多様なものとなり、新たな課題が次々に生じて、その対応方策をどのようなものとするかを常に真摯に検討していくことも必要になるかと考えます。
 こうした中、評価委員会からは、事業や業務運営上の課題も幾つか指摘されているわけでございますが、これからの第二期中期目標の期間中における業務運営に向けて、どのような課題が提起されているのか、改めて確認をさせてください。

○山手商工部長 産業技術研究センターでは、第二期の業務運営に向けまして、業務の大きな柱でございます依頼試験、機器利用サービス、研究開発などの業務が、より効率的かつ効果的に実施できるよう、事業の検証とその内容を業務運営に反映させる仕組みづくりが必要であるとの意見をいただいております。
 また、現在、高速造形機など高性能な機器を有効に活用し、多くの試作品開発のニーズにこたえておりますが、そうした試作品を商品として販売して事業化を実現することのできるよう、中小企業の振興にとって、より効果的な支援を行うことが課題であると指摘されてございます。
 さらに、産業構造や社会構造の変化を見据えて、将来に向け成長が期待される産業や新事業を伸ばしていくことが重要であるため、ものづくり企業の持つ技術の高度化に加えまして、環境、健康、福祉、安全・安心などの成長産業分野への支援を本格化していくべきとの意見が出されてございます。

○山崎委員 今後の第二期中期目標の期間における課題であるとされた内容について的確な対応を図る上で、都が現在進めている産業支援拠点の再整備が極めて重要な意味を持つものと考えております。
 産業支援拠点の再整備を進めるに当たって、多摩地域の拠点となる多摩テクノプラザはことし二月に開所して、中小企業の支援で着実な成果を上げつつあるものと考えております。
 さらには、現在、臨海副都心、私の地元の江東区青海に建設を進めている新本部が開設すれば、この新本部と多摩テクノプラザの二つが車の両輪となって、都内中小企業の技術力向上のために大きな力を発揮してくれるものと期待しております。
 そこでお伺いしますが、多摩テクノプラザの事業実績がどのようになっているのか、さらには、新本部の開設に向けた今後の予定はどうなるのか、説明をお伺いします。

○山手商工部長 多摩テクノプラザ開設後、八月までの利用企業は九百七十六社となっておりますが、このうちの約三割は、これまで産業技術研究センターを利用したことのない企業でありまして、新たな利用企業の増加が明らかとなってございます。
 また、同プラザの今年度四月から八月までの五カ月間の利用件数について、同プラザを整備する前の旧施設でございます八王子支所などの実績と比較いたしますと、依頼試験は前年度に比べ、約一・三倍の四千二百六件、機器利用サービスは約二・八倍の五千五十二件、技術相談は約一・八倍の四千九百十一件となってございます。
 今後とも、多摩テクノプラザで効果的な技術支援を行って、中小企業振興の的確な実施に努めていく考えでございます。
 なお、江東区青海で整備を進めている新本部につきましては、今年度中に建物本体の完成を予定してございまして、完成後、速やかに試験研究機器の移設、あるいは新設を行い、必要な調整も十分行いました上で、五月には業務を開始することを予定してございます。
 今後とも、新本部での円滑な業務開始に向けまして、万全の準備を行ってまいります。

○山崎委員 多摩テクノプラザでは、機器利用サービスなどで既に大きな実績を上げているということで、今後、より一層の利用企業の増加を期待しております。
 さらに、臨海副都心の新本部の開設により、こうした区部と多摩の拠点が、その機能を十分に発揮していくことが望まれます。新拠点の整備が進む中にあっても、現在、中小企業は厳しい経営環境の中で日々大変な苦労をしながら仕事を続けているという現実があります。
 大企業では業績が回復しているところもあるとはいえ、中小企業は受注の減少に加え、急激な円高による売り上げの減少など、経営上の苦しさは増す一方であるかと感じています。
 こうした中、生き残りをかけて技術開発に取り組んでいる中小企業に対して、産技研による技術支援はますます重要になっております。
 そこで、第二期中期目標において産技研が力を入れて進めていくべき方向性について、基本的な考え方をお聞きしたいと思います。

○山手商工部長 産業技術研究センターがこれからの第二期中期目標の期間に業務運営を進めるに当たりまして、第一期中期目標に関する事業成果を十分に踏まえますとともに、中小企業を取り巻く社会経済情勢の変化に的確に対応が可能となる取り組みを図ることが重要であると認識してございます。
 このため、第二期では、経済のグローバル化の進展などによる市場競争の激化、少子高齢化による労働力の減少、産業全体に占めるサービス産業の割合の増大といった状況を踏まえまして、効果的な中小企業振興を実施していくことを基本としてございます。
 そこで、都内中小企業のすぐれた技術を駆使した製品の企画開発から販路開拓までを見据えた事業化支援を展開し、中小企業の国際競争力を強化してまいります。
 また、環境、福祉、安全・安心など大都市の課題を解決する産業育成など、東京の将来を支える産業分野の育成に向けた取り組みを推進してまいります。
 さらに、研究開発や製造技術の高度化を担う技術者や、新たなサービス市場の開発を担う人材の育成を後押ししてまいります。
 こうした三つの視点を持ち、産業技術研究センターの事業の強化と発展に努めてまいります。

○山崎委員 第二期中期目標では、三つの視点に基づいて着実な事業展開を図ってほしいと思いますが、同時に、業務運営をむだのない効率的なものとする努力を行うべきものと考えます。事業の充実は、日々の仕事のあり方を不断に見直すなどの業務改革を行って、運営の効率化や経費節減を図ることにより実現するものであります。産業技術研究センターの効率化に向けた取り組みの考え方について所見を伺います。

○山手商工部長 産業技術研究センターは、第二期の中期目標期間におきまして、事業内容の充実強化を図りつつ、最少の経費で最大の効果が得られますよう、より効率的な業務運営を行っていくことが重要であると考えております。
 このため、仕事の進め方や事務処理のあり方を見直すなどの業務改革を着実に推進いたしまして、経費の節減とサービス水準の向上の両立など、効率化の一層の推進に向けた積極的な対応を図ってまいります。
 特に、産業技術研究センターが都から受け取る標準運営費交付金を財源として実施する業務につきましては、毎年度一%の交付額の縮減を図りつつ、交付金の減少を念頭に置いて業務効率の向上を図ることで、より一層良質な事業内容の実現を図ってまいります。

○山崎委員 東京都は、中小企業振興のために産業技術研究センターの設立を行ったわけですから、そうした設立の理念を具体化した中期目標の達成に向けて、事業が円滑に進むように基盤を整えることが役割であると考えます。そういう点では、第二期の事業展開の拠点となる新本部を着実に整備し、都として、産技研の自律性や機動性を生かしつつ、適時適切な支援を行うことが大事だと思います。
 最後に、局長の決意をお伺いし、質問を終わります。

○前田産業労働局長 高度で多様な技術を有する数多くの中小企業によります新製品や新技術の開発が、この東京のみならず、日本の経済を牽引する原動力となっております。
 しかし、経済のグローバル化やアジアを中心とする新興国の経済成長などが、国内の中小企業の経営に重大な影響を及ぼすとともに、最近の急激な円高が企業業績に深刻な影を落としている状況にあります。
 今後、中小企業が厳しい経営環境を克服し、成長と発展、これを実現するためには、これまでにも増して、東京の強みであるさまざまな技術の集積を生かし、付加価値の高い製品の開発や新規事業の創出に向けて積極的に取り組んでいくことが不可欠であります。
 こうした状況を踏まえ、産業技術研究センターが、第二期中期目標--来年度からの五カ年間でございますけれども、第二期中期目標の達成に向けて、事業の拡充や体制強化を図り、これまで培った技術支援のすぐれたノウハウと知識を活用して、技術開発に挑む中小企業への効果的な支援ができますよう、東京都といたしましては、来年度開設に向けて、臨海副都心の新本部の整備を着実に進めますとともに、さまざまな機会を通じて産業技術センターの取り組みを後押ししてまいります。

○伊藤(興)委員 それでは、私からも、今回報告された産業技術研究センターの業務実績評価、そしてまた、中期目標について何点か質問させていただきます。
 まず、産業技術研究センターのさまざまな事業のうち、研究開発について伺いたいと思います。
 都議会公明党は、ちょうど一年前の本委員会におきまして、高倉議員から--今、高倉理事ですけれども、外部資金を活用した研究開発のあり方について質疑させていただきました。その際に、外部資金を獲得していくということは、大学など外部の研究機関と競い合うこととなり、結果的に産技研の研究の質の向上につながっていくために、極めて重要な取り組みであって、外部資金の獲得を図るために努力を続けるべきだという要望も出させていただいたところであります。
 今回、この産技研の事業内容を検証した評価委員会から出た平成二十一年度の業務実績評価を見ると、六ページのところに、中期計画の外部資金目標額を大きく上回っている、こうした外部資金を活用して、基盤研究の成果を効果的に充実・発展させており高く評価できる、このように書かれておりました。
 このように、外部資金の導入について前年度を上回る実績を上げて、高い評価が与えられておりますけれども、それでは、具体的にどのような内容の外部資金を獲得したのか、また、それによってどういう研究を行ったのか、伺いたいと思います。

○山手商工部長 平成二十一年度に外部資金を導入した研究につきましては、経済産業省の提案公募型事業で六件、文部科学省の科学研究費補助金事業で七件、農林水産省の実用技術開発事業で一件、科学技術振興機構の重点地域研究開発推進プログラムで四件となっておりまして、このほかに財団法人や自治体等の助成金の導入も図ってございます。
 こうした外部資金による研究、調査の実施件数は、新規の十四件を含む二十五件となっておりまして、研究費の総額は約四億五千万円というふうになっております。
 主な研究事例としましては、環境負荷低減対策のための研究として、自動車や建設機械の駆動に必要な部品の表面を加工する技術の開発がございます。この研究は、部品の表面加工を熱処理で行う際に窒素イオンを注入することにより、摩擦に対する耐久力などを高めていくことを目的としてございます。
 このほかにも、スクリーン印刷を応用した燃料電池用セパレーターの開発、狭い土地に建てた細長い建物、いわゆるペンシルビルというものでございますが、これの地震時の揺れをコントロールする装置の開発などを行ってございます。

○伊藤(興)委員 外部資金を活用して、さまざまな高度な技術、また、開発に取り組んでおられるということはよくわかりました。外部資金の研究について、引き続きさまざまな資金を導入して研究に役立てていくことが重要であります。外部資金や都からの交付金などの財源を有効に活用して、中小企業の技術支援に役立つ研究を着実に進めていってほしいと思います。
 特に、中小企業が独自に技術を開発するに当たって、いまだに多くの課題があることは確かであります。企業が付加価値の高い製品を継続して生み出すためには、何よりも研究開発に力を注がなければならないわけでありますけれども、中小企業の現場では、技術者の絶対数の不足は大変深刻な問題となっております。また、取引企業の廃業や生産拠点の海外移転などによって、せっかく開発した技術力を生かす機会がないままに、その技術が古くなってしまったり、また、中小企業の閉鎖により、技術そのものも消滅してしまうような状況、いわゆる技術の空洞化といった、大変憂慮すべき問題も起こっております。
 また、研究資金の不足などによって、研究開発の機能や部門を維持することがままならない中小企業もあります。さらには、中小企業の開発した技術をどのように製品に結びつけていくかという段階になると、社内での検討の仕組みづくりも含めて、より一層困難の度合いが増すという話も聞いております。
 このため、最近では、自社に足りない技術や製品化を図るためのノウハウ等については、外部の研究所などが持つ技術に関するデータや知識を積極的に活用しようとする企業が多くあると聞いております。こうした状況を踏まえて、産技研では、中小企業の技術開発や製品開発への支援をどのように進めていくのか、伺いたいと思います。

○山手商工部長 産業技術研究センターでは、平成二十一年度から新規事業として、みずからの持つ技術だけでは試作品の開発ができない中小企業に対しまして、試作品づくりの一部をかわりに行いますオーダーメード開発支援事業を開始してございます。
 また、ものづくりの基盤となる研究を積み重ねて得られた知識やノウハウを、中小企業の製品や技術の開発に生かしていくため、センターが保有する特許の使用許諾を促進いたしますとともに、中小企業との共同研究開発にも積極的に取り組んでございます。
 第二期の中期目標におきましても、こうした取り組みを一層推進するとともに、中小企業による企画開発から事業化に至る幅広い段階におきまして、企業ニーズに応じて関係機関とも連携して、技術と経営の両面から強力な支援を行ってまいります。

○伊藤(興)委員 中小企業が一番困っているところは、まさにその部分でございます。技術開発や、あるいはそれを製品開発へとつなげていく技術はあるのに、そこができないというところがたくさんあると思います。こうした産技研の取り組みを、中小企業の中には、こうしたことに取り組んでいるということを知らない企業もたくさんあると思いますので、今後は積極的にこういうこともPRをしていただきたい、このように要望させていただきます。
 次に、中小企業の技術開発や製品開発に加えて、でき上がった製品を一定の販売ルートに乗せて売り上げに結びつけていく、いわゆる事業化に対する支援にも取り組んでいくことが重要であると思います。
 中小企業が多額な資金と多くの労力をかけて新技術や新製品を開発しても、それが売れなければ、元も子もないわけであります。産技研は、臨海副都心に新本部を開設するために、さまざまな準備を進めておりますけれども、新本部のすぐ間近な場所には、東京ビッグサイトという非常に規模の大きい展示場があります。このビッグサイトで開催される展示会は、年間で三百件を超え、来場者は一千二百万人にも及ぶと聞いております。展示会や見本市を通じて、中小企業がみずからの製品の売り込みをして、新たな販路の開拓につなげていくのは、極めて効果的な事業展開の手法であると思います。
 産技研が、新本部の近くにある東京ビッグサイトの機能に着目して、技術開発と製品開発に続けて事業化の支援につなげていくことも必要であると思いますけれども、見解を伺いたいと思います。

○山手商工部長 ただいま委員からご指摘のありましたとおり、中小企業においては、開発した製品の販路を確保いたしまして、事業の発展に結びつけていくことが重要でございます。
 このため、産業技術研究センターでは、中小企業の製品開発の支援を行う際、販売先を確実に見つけることができるよう、東京都中小企業振興公社が行ってございます事業可能性評価事業や中小企業ニューマーケット開拓支援事業と連携いたしまして、製品開発から販路開拓までを含めた一貫した支援に努めてございます。
 また、製品の販路拡大を図るためには、展示会や見本市への出展が有効な方法でございますため、産業技術研究センターが支援して開発した製品につきまして、東京ビッグサイトで開催される産業交流展を初めとするさまざまな見本市への出展に結びつけまして、中小企業の振興を効果的に展開してまいります。

○伊藤(興)委員 都議会公明党は、さきの代表質問でも、臨海地域の開発、発展について質問をしたところでありますけれども、先ほども港湾局の方でもいいました、国際コンテナ戦略港湾にも選定された、そして、羽田空港もいよいよ国際化が十月二十一日にスタートする。この臨海地域に、本当に人、物、金、そして情報が集まってくる大事なチャンスであるわけであります。
 なかんずく臨海副都心は、今後世界の新たなビジネスチャンスの拠点として、成長、発展していく可能性が大であります。その中で、この産技研と、そしてまたビッグサイト、これは、臨海副都心の地図を広げてみると、ちょうどこの臨海の左側に産技研があって、そして、間にホテルとかさまざまあって、こっち側にはビッグサイトがある、こういう位置関係にあるわけであります。まるで車の両輪のような場所にあるわけでありますけれども、この地理的に優位なところもしっかりと生かしながら、日本の中小企業のすぐれた技術と製品を、臨海地域から世界に発信できるように、ぜひ産労局が頑張っていただきたい、このように要望したいと思います。
 また、さらには、中小企業を支える人材をどう育て上げていくのかは、常に大きなテーマともなっています。そうした点で、今回の産技研の第二期中期目標は、中小企業の人材育成についての取り組みを強化するとしており、私もそうした考え方を高く評価したいと思っております。
 私も、他の試験研究機関の事業を調べてみましたけれども、産技研のように、中小企業を対象に、これほど多くの実践的な技術セミナーをきめ細かく行っている試験研究機関は見当たりませんでした。産技研は、中小企業の人材育成についてのトップランナーであるとの意識と誇りを持って、今後とも一層の取り組みの強化を図るべきであります。
 そこで、第二期中期目標における中小企業の人材育成に向けた取り組みを、具体的にどう進めていくのか、伺いたいと思います。

○山手商工部長 第一期中期目標の期間中、産業技術研究センターでは、長年にわたって培ってきた研究開発の知識やノウハウについて情報提供を行うことを目的に、技術セミナーあるいは講習会を実施してまいりました。
 第二期の中期目標では、中小企業の現場において高度な研究開発や製造の実務を担うことができる人材や、新たな製品やサービスを創出することのできる人材の育成に向けまして、産技研の持つ試験研究機器を使った実習形式による技術セミナーの拡充を図ってまいります。
 また、大学や学術団体、業界団体等が実施している産業人材の育成事業に対しまして、積極的な連携体制をつくり上げるとともに、職業能力開発センターなどの関係機関とも連携をいたしまして、中小企業の振興に結びつく人材育成事業を効率的かつ効果的に行うこととしております。

○伊藤(興)委員 第二期中期目標は、これまでの議論の中で明らかになったように、今後の産業技術研究センターが取り組むべき課題や事業展開の方向性について、幅広く取り上げて整理しているものと感じております。産業技術研究センターが、地方独立行政法人としてのメリットを最大限に活用しながら、中小企業の技術や製品の開発だけでなく、販路の確保や人材の育成に至るまで、実に多岐にわたる分野で、きめ細かな支援を展開していこうとする姿勢について、私といたしましても非常に心強いものを感じる次第でございます。
 このように、さまざまな内容を盛り込んだ中期目標について、都として、特に思い入れの強い部分もあろうかと思います。取りまとめの責任者である局長から、今回の中期目標を実現していく上で、特に、最も力を注ぎたいポイントを伺いまして、質問を終わりたいと思います。

○前田産業労働局長 東京の中小企業は、すぐれた技術や製品を持ちながらも、国際的な競争の激化などの影響を受けて、現在、非常に苦しい経営環境に置かれております。
 こうした中、中小企業がみずからのポテンシャルを伸ばし、中長期的な視点から競争力を高めていくとともに、リーマンショック以降の景気低迷による影響を克服するための迅速な対応を進めていくことが必要となっております。そのためには、中小企業が技術や製品の開発を事業化に結びつけていく努力が不可欠ですが、それらを中小企業がすべて独力で行うことには多くの困難が伴うと、このように考えております。
 このため、今回の産業技術研究センターの第二期中期目標の策定に当たりましては、中小企業の製品の企画開発から販売までの幅広い段階を対象に支援を行うとともに、販路の開拓や資金の調達の際に必要となる中小企業支援機関との連携を進めること、これを同センターの取り組み課題とし、はっきりと中期目標に掲げたところであります。
 こうした中期目標の内容が、産業技術研究センターにおいて着実に実施されますことにより、東京の中小企業のすぐれた技術が大きく開花することを期待しております。

○清水委員 二〇〇九年度地方独立行政法人都立産業技術センターの業務実績評価書が発表されました。委員会資料では、第一期についての実績も示していただきました。
 産技研の事業や研究に必要な収入についてですけれども、資料によれば、運営交付金が一律に一%削減されてまいりました。一方、事業収入、外部資金研究費、地域結集型研究開発プログラムなどを合わせると、二〇〇六年度決算と二〇〇九年度決算を比べると、全体で二倍余りにも増大しております。
 そこで、これらの収入というのは、どんな事業や研究をされたものか、お伺いいたします。

○山手商工部長 外部資金による研究といたしましては、自動車や建設機械の駆動に必要な部品の表面を加工する技術の開発ですとか、スクリーン印刷を応用した燃料電池用セパレーターの開発ですとか、狭い土地に建てた細長い建物、いわゆるペンシルビルの地震時の揺れをコントロールするといった装置の開発などを行ってございます。

○清水委員 先ほどの委員にもお答えをされていましたけれども、それとあわせて伺っても、大変多くの研究を手がけたということがうかがえます。ということは、事業や研究内容が特定された仕事もふえているということになるわけで、そこで研究者の時間もかなりとられていくということになるのではないかというふうに考えるわけです。
 そこで、研究者の定員については、どのような考え方になっているのか、お伺いいたします。

○山手商工部長 産業技術研究センターでは、技術分野ごとに研究員を配置してございまして、外部資金による研究は、技術分野に応じて各研究員が対応する仕組みとなってございます。
 一般的に、センター内での研究業務の進め方でございますが、これは、複数の研究員で複数の研究を行っております。外部資金による研究につきましても、通常、グループの中の複数の研究員が対応しているということになっております。このため、外部資金による研究に、どの程度の数の定員が要るかというような考え方はしていないということでございます。

○清水委員 これも資料でわかるんですけれども、研究者は全体で、任期つき職員も含めても一〇%もふえていませんし、一般研究員の比率は、二〇〇七年三月末までは全体八三%だったものが、二〇一〇年三月末時点では六五%に減少していることがわかります。
 研究者の構成がこのように変化する中で、事業、研究内容が特定されたものがふえていけば--経常的な研究、すぐには成果が出なくても、今までいろいろ産技研の展示などで、いろいろ本当に長い間かかって開発したものを見せていただきましたが、本当にこれも長くかかったものだというようなお話も聞いてまいりました。そういう必要な基礎的な研究を長期に継続できるかどうかということが心配になるわけですけれども、これらの研究も行われているということが担保されているのかどうか、業務実績評価書などで例示していただけますか。

○山手商工部長 外部資金の研究でございますが、これにつきましては、その必要性を十分に検討いたしまして、通常の研究をさらに発展させる場合などに行うこととしてございまして、業務の質の低下を招くということはございません。
 平成二十一年度の業務実績評価書の中におきましても、通常の研究は計画どおりに実施されているとの評価が行われているところでございます。

○清水委員 出されているこの実績がそういうことであれば、職員にどれだけの負担がかかっているのかなということも予測されることです。
 それで、第二期の中期目標についてですけれども、引き続き、運営交付金が一律一%削減されています。一方、これまでの五年間と違って、今後の五年間というのは、先ほどもお話がありましたように、多摩テクノプラザ、また臨海部での運営も始まるわけです。多摩のテクノプラザや臨海部の運営で、維持費や修繕費、ランニングコストの見積もりに狂いが生じることはないのか。見積もりと実績に差が生じた場合に、経費を落とすために、施設設備の内容などを落とさないということが保証できるのかどうかということを伺いたいと思います。

○山手商工部長 産業技術研究センターの新本部、または多摩テクノプラザの整備につきましては、施設整備は東京都が行いまして、試験研究機器につきましても、通常の運営費交付金とは別枠の交付金で整備しているところでございまして、業務運営に影響を与えることはないというふうに考えております。

○清水委員 多摩テクノプラザの試験研究設備について、私は何回も取り上げてきたんですけれども、電気機器メーカーなどが使う電波暗室とか高速機器部品など、最高度の金属切削加工を行っている企業が使う最高精度の三次元計測機器や、超微細加工、ナノ粒子を使った表面処理を行っている企業が、製品精度の確認やでき上がりの検査のために使う電子顕微鏡、それから、光造成複合加工機について、企業などから整備をしてほしいと、こういう要望が出されてまいりました。また、この二、三年、多摩の産業支援拠点の整備に当たり、多摩の市長会からも、また、各市からも要望が出されてまいりましたけれども、それに対しては、どう対応してきたのか、そして、これからどう対応しようとしているのか、お伺いいたします。

○山手商工部長 多摩テクノプラザの機器整備でございますが、以前の委員会でも委員から要望のありました繊維関係の機器につきましては、繊維製品の一連の製造工程の理解を広げること、これは中小企業のニーズを踏まえたものでございますが、これを目的としまして、多摩テクノプラザに整備いたしました。
 また、市長会からの要望につきましては、多摩地域における精密機械産業の集積に対応いたしまして、完成した部品の大きさを計測するための三次元測定機、あるいは部品の表面をナノレベルで検査するための顕微鏡を整備したほか、試作品を開発するための高速造形機の整備も行ってございます。
 その他の機器の整備につきましては、多摩地域の産業特性、あるいは中小企業のニーズを踏まえて対応してまいります。

○清水委員 最近も、幾つかの市からお聞きしたんですけれども、多摩テクノプラザが大変便利に利用されているということで、試験・計測器、研究機器などが大変申し込みが多いと、さらにこれ以上多くなったらどうなるのかということの心配もされている市などがあるということや、それから、ナノ粒子などの表面処理を行っている機器などについては、電子顕微鏡が整備されたというふうに聞きましたけれども、やはり多摩地域で、城南にあるものと同程度のものを整備してほしいというのが、本当に多摩地域の市長さんたちの当初の要望だったわけで、これからもそれについては対応していただきたいと思います。
 また、西が丘本部の移転により、板橋では新産業プラザの整備を進めているようです。区は、計測検査機器の開放利用とか技術相談を行おうとしていますけれども、本来、西が丘の移転後、都が各地域に支所を整備するなど、必要があったということは主張してまいりましたけれども、せめて区が行う施設整備に対して、東京都は手厚い支援を行っていくべきだと考えます。また、さまざまな技術支援に関するノウハウを持って、産技研が当該施設の運営に関しても積極的に協力を行っていくべきだと思いますが、どうですか。

○山手商工部長 都は、地域特性等を生かしまして、創造的都市型産業の集積の創出に向けまして区市町村に支援を行っているところでございますが、板橋区の新産業育成プラザにつきましても、既に対象としてございます。
 また、産業技術研究センターは、新産業育成プラザの整備に当たりまして、区の検討会に参画いたしましてアドバイスを行うなど、産技研が持っています技術力を活用いたしまして、協力を行ってございます。

○清水委員 もっともっと積極的に、そういう区独自でもやるといっているわけだから、東京都の支援が求められているわけなんですね。
 最後に意見をいいますけれども、産技研の第二期中期目標における効率化係数です。今回出された中期目標の中に、効率化係数の記述が示されています。第二期中期目標の中で、中小企業の支援の充実を図っていくとなっているにもかかわらず、交付金を一%ずつ削っていくということになっているわけですけれども、交付金を削っていけば、重要な課題としている職員、研究者の確保、試験研究機器の拡充が十分にできなくなったり、特定の事業のものに偏ったり、経常的な研究や基礎的な研究に無理が来るというふうに予想されます。研究員に過度な負担がかかるなどという問題を抱えている中期目標になっているということを指摘し、質問を終わります。

○山手商工部長 ただいまご意見がありました効率化係数でございますが、これは運営費交付金の削減率の目標のことでございまして、効率的に業務運営を行い、運営費交付金を効果的に活用することを目的として設定しているものでございます。
 したがいまして、あくまでも仕事の進め方、処理方法を見直すといった業務改革を推進することで経費節減を図ることが目的でございまして、事業を縮小させるということが目的であるわけではございません。
 これまでも、運営費交付金を毎年度一%ずつ削減しつつ、職員の確保ですとか、試験研究機器の整備、更新に積極的に取り組みをいたしまして、着実に業務実績を伸ばしておるところでございますので、ご懸念をいただくような事態は生じないというふうに考えてございます。

○清水委員 経費削減の問題点として私が指摘してきた、研究員の過度の負担などについては、今触れられませんでした。センターの経費はふやすことはあっても、減らすべきでないことを強調して、質問を終わります。

○小沢委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、本案及び本件に対する質疑は終了いたしました。

○小沢委員長 次に、報告事項、私債権の放棄についてに対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○小沢委員長 次に、報告事項、新銀行東京の平成二十三年三月期第一・四半期決算についてに対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○三枝総務部長 去る九月十五日の当委員会でご要求いただきました報告事項に関する資料につきましてご説明申し上げます。
 まことに恐れ入りますが、改めてお手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりいただき、目次をごらんください。
 4から13までが、報告事項に関する資料でございます。
 恐れ入りますが、四ページをお開きください。新銀行東京の再建計画の進捗状況をお示ししてございます。
 上の表にお示ししましたとおり、損益計算書の当期純利益につきましては、再建計画上の平成二十二年度収益計画では、プラス・マイナス・ゼロでございますが、平成二十二年度第一・四半期時点では二億円となってございます。
 次いで、下の表にお示しいたしましたとおり、貸借対照表の純資産につきましては、再建計画上の平成二十二年度収益計画では四百億円でございますが、平成二十二年度第一・四半期時点では四百九十八億円となってございます。
 続きまして、五ページから六ページにかけまして、新銀行東京の開業以降の月別の融資件数・残高・返済額・不良債権額につきまして、平成十七年四月から平成二十二年六月までの実績をお示ししてございます。
 六ページの末尾の表にお示しいたしましたとおり、平成二十二年六月末までの中小企業向け融資の実行件数の累計は、一万一千百四件となってございます。
 続きまして、七ページから八ページにかけまして、新銀行東京の開業以降の融資・保証実績で月別・メニュー別の件数・金額につきまして、平成十七年四月から平成二十二年六月までの実績をお示ししてございます。
 八ページの末尾の表にお示しいたしましたとおり、平成二十二年六月末までの中小企業向けの融資と保証を合わせた実績の累計は、実行件数が一万八千三百二十五件、実行金額が三千四百二十一億四千百万円となってございます。
 恐れ入りますが、九ページをお開きください。新銀行東京の開業以降の融資・保証実績で事業規模別の件数・金額(残高ベース)をお示ししてございます。
 平成二十二年六月末時点の融資と保証の合計の件数は七千百六十二件、残高は七百十三億円となってございます。
 続きまして、一〇ページから一一ページにかけまして、新銀行東京の開業以降の融資・保証実績で事業規模別の件数・金額(実行ベース)をお示ししてございます。
 一一ページにお示しいたしましたとおり、平成二十二年度の融資実績は、六月末時点で、件数が百十三件、金額が百二十億円となってございます。
 続きまして、一二ページをお開きください。新銀行東京の開業以降の債務超過企業・赤字企業への融資・保証実績をお示ししてございます。
 一番右側の欄が、平成二十二年度第一・四半期時点の実績でございまして、合計の件数は三千九百八十六件、残高は二百四十一億円となってございます。
 続きまして、一三ページをお開きください。新銀行東京の預金規模別の預金者の件数・割合・金額をお示ししてございます。
 平成二十二年度第一・四半期時点における一千万円以下と一千万円超の個人及び法人預金者の件数、金額及びそれぞれの割合をお示ししてございます。
 続きまして、一四ページをお開きください。新銀行東京の預金規模別の預金者の件数・割合・金額の推移をお示ししてございます。
 平成十七年度から二十一年度までの各年度末時点及び平成二十二年度第一・四半期時点における一千万円以下と一千万円超の個人預金者の件数、金額及びそれぞれの割合をお示ししてございます。
 続きまして一五ページをお開きください。新銀行東京の融資実行先における無担保・無保証融資の実績の推移でございます。
 平成十七年度から二十一年度までの各年度及び平成二十二年度第一・四半期における無担保・無保証による融資の実行件数、実行金額をお示ししてございます。
 次に、一六ページから一七ページにかけまして、資金運用収益・資金調達費用の各内訳別の推移(新銀行東京・全国銀行・地銀・第二地銀)につきまして、平成十七年度から二十一年度までの業態別の資金運用収益と資金調達費用の内訳をお示ししてございます。
 以上でご要求いただきました資料の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○小沢委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○佐藤委員 ただいま報告事項にございました新銀行について伺います。
 特に今回、新銀行のファンドの投資について伺いたいと思っています。
 平成十九年十二月末時点で、出資コミットメント金額五十四億円のうち、既に四十五億円が投資されていたはずです。それについて、同じく平成二十年の予算特別委員会では、私ども民主党といたしましては、バーゼルⅡでは、バーゼルⅠと比較してさらに細かいリスク管理を求められているわけです、適切なリスク管理ができなければ、それだけ多くの引当金を積むか自己資金をふやすかしなければ、自己資本率が下がることになります、堅実な再建計画といえるのか、疑問を持たざるを得ませんと指摘させていただきました。
 再建計画におきまして、成長が期待されるニュービジネスへの重点支援といたしまして、ファンド投資は、計画では百億円の規模となっていたわけですが、現在、どういった投資の状況になっているのか、伺います。

○斎藤金融監理部長 平成二十二年三月末時点でのファンドの残高は、約三十五億円でございます。

○佐藤委員 先ほど申し上げましたように、平成十九年十二月末と比べまして、三十五億円ということですので、出資額が約十億円ほど下がったということになります。
 次に伺いますが、四百億円の追加出資後に投資をしましたファンドの本数、投資の期間、出資金額、また投資に至った経営判断などについて伺いますが、お願いします。

○斎藤金融監理部長 四百億円の追加出資を行いました平成二十年四月以降に投資をしたファンドの本数は四件でございまして、平成二十二年三月末時点での残高は約十五億円でございます。
 新銀行東京は、個々のファンドの投資期間につきましては、個別案件に当たるため、明らかにしておりません。
 どのファンドにどれだけ投資するか、これは新銀行東京の経営判断でございますが、リスクとリターンを勘案するとともに、その時々の経済金融環境やファンドの性質、目的等を考慮して投資をしているものと認識しております。

○佐藤委員 再建計画では、ファンド投資は百億円と目標値を設定してありましたが、先ほどの答弁によりますと、実績は三十五億円にすぎません。この差についてどう考えるのか、お答えください。

○斎藤金融監理部長 平成二十年秋のリーマンショック以降、企業を取り巻く市場環境は、とりわけ厳しい状態が続いております。銀行の業務は、その性格上、再建計画に基づきながらも、その時々の経済金融環境に柔軟に対応していくということは当然と考えております。

○佐藤委員 我々も、その際には、百億円の投資額というものについて過大ではないかと申し上げてきたわけです。
 次に、ファンドの運用実績を検証するために幾つか伺いたいと思いますが、運用状況が芳しくなく、売却せざるを得なくなったファンドなどはあるでしょうか。また、ファンドの運用実績などについて伺いますが、お答えください。

○斎藤金融監理部長 ファンドの売却につきましては、過去二件の事例がございますが、それらの売却理由、また、運用実績につきましては、新銀行東京は明らかにしておりません。

○佐藤委員 平成二十年の予算特別委員会では、ファンドで五億円の利益が上がっているという話があったかと思いますが、なぜ今回は運用実績を出せないのか、私は疑問を持っております。その二十年の予算特別委員会では、佐藤産業労働局長が、こう答弁しております。マイナス分については押さえてございませんけれども、マイナスが生じておりますのは、収益確保まで時間を要するベンチャーキャピタルファンドという性格のものに対しての投資でございます、利回りが上がっておりますのは中小企業再生ファンド、これはお話のとおり、五%以上の利回りを確保しておりまして、全体としては既に五億円の利益が上がっているという状況でございます、当時は、予算特別委員会でこういったファンドの投資状況についてご説明があったわけです。
 今回は、ご説明いただけないということではありますが、ファンドの投資について確認させていただいたわけですが、運用の実績も報告されませんし、また、情報開示が十分になされているとは、私としては思っておりません。
 四百億の追加出資の議案を出した際には、これだけ目標値を設定してやるということをおっしゃって、そのとき十分な、いろんな説明もあったわけです。しかしながら、四百億が議会から出資されたら、その状況であるとか、運用実績、こういったものがきちんと説明されないということでは、私たちとしても非常に納得がいかないと思っております。いまだ実質業務純益は赤字でありますし、しっかりとした経営監視を引き続き行っていきたいと思います。

○高倉委員 去る八月五日発表されました、新銀行東京の平成二十二年度第一・四半期決算について、私からも質問をいたします。
 この決算によりますと、当期利益は二億六千万円の黒字とのことでありまして、平成二十一年度通期決算に続いて黒字を計上したことになります。これは、再建計画が着実に進んでいるということがうかがえる内容ではないかというふうに思います。
 そこで、その決算の内容について何点かお伺いをいたしますけれども、まず、新銀行東京が発表した資料では、実質業務純益の改善要素として、業務粗利益及び営業経費を挙げていらっしゃいますけれども、その具体的内容について、明らかにしていただきたいと思います。

○斎藤金融監理部長 まず、業務粗利益についてでございますが、旧経営陣の時代に集めました高い金利の預金が満期を迎えたことにより、資金調達費用が六億六百万円と、前年同期の十一億三千二百万円に比べ、ほぼ半減したことなどにより改善を見ております。
 また、営業経費につきましては、システムコストの削減などにより、十億三千七百万円と、同じく前年同期の十二億八百万円に比べ、一億七千万円減少しております。

○高倉委員 預金利息が大半を占める資金調達費用やシステムコストなどの営業経費を下げることは、再建を進める上でも重要なことであるというふうに思います。
 また、経費を削減する一方で、収益を上げていくことも重要なことであると思います。収益を上げるためには、新銀行東京がリスク管理を行った上で、資金需要にこたえていくことが必要であるというふうに思いますけれども、与信残高の状況ということについて、お伺いしたいと思います。

○斎藤金融監理部長 平成二十二年六月末の与信残高は約一千百四十九億円となっておりまして、二十一年六月末の約一千百七十一億円と比べ、二十二億円余り減少しております。これは、政府向けを除いた貸出金の残高が約九百七十八億円と、一年前、二十一年六月末時点の約八百九十三億円と比べ、八十四億円増加している一方で、保証が約百二十四億円減少したことによるものでございます。
 また、与信残高の大半を占めます貸出金のうち、中小企業向けは、六月末時点で約五百七十三億円でありまして、前年同期比で約四十八億円増加しております。
 与信残高の状況は、景気動向などにより左右されるものでございますけれども、現在のところ、下げどまりの傾向となっております。

○高倉委員 業務粗利益の改善と経費節減の内容や、与信残高の動向につきましては、今の答弁で理解させていただきました。
 ところで、平成二十二年度第一・四半期決算では、実質業務利益がマイナス五千三百万円でありました。
 新銀行東京は、厳しい経営状況から再建を進め、当期利益を連続して黒字を計上するまでに至りましたけれども、実質業務純益の黒字化が課題であります。さきの第二回定例会の当委員会でも、この点について質問させていただきましたけれども、それに対して、新銀行東京が、この実質業務純益について、二十二年度末には月次で収支均衡に近い水準になることを目指すと、こういった答弁があったわけでございます。
 今年度は、平成二十三年度までの四年間の再建計画の三年目に当たる、大変に重要な一年であります。新銀行東京の現状ということについての認識をお伺いしたいと思います。

○斎藤金融監理部長 新銀行東京が、平成二十一年度通期に引き続きまして、今年度の第一・四半期においても黒字を確保いたしましたことは、現経営陣の経営努力の成果であると認識しております。
 実質業務純益は依然赤字でありますものの、資金調達コストの減少による業務粗利益の改善とシステムコストなどの営業経費の削減などによりまして、改善が進んでいると認識しております。
 こうした取り組みを重ねますとともに、適切なリスク管理のもとに、資金需要にこたえていくことなどを通じまして、今年度は通期決算での当期利益の黒字化が達成されるものでありまして、まずは順調な滑り出しであるというふうに考えております。
 都といたしましては、新銀行東京の再建が進むよう、引き続き監視と支援に努めてまいります。

○高倉委員 今年度に入って、実質業務純益が改善の兆しを見せているということは、注目すべきことではないかというふうに思います。
 二十三年度に単年度黒字を目指す再建計画を達成するために、手綱を緩めることなく、経営努力を続けていただきたいと思います。
 私たち都議会公明党はこれまでも、新銀行東京が再建を果たし、企業価値を高めていくことが重要であるというふうに主張してまいりました。企業価値を高めるためには、銀行として収益性を上げること、そして、企業としての資産価値を上げることが大事であるというふうに考えております。
 新銀行東京には、赤字、債務超過先への支援、あるいはリスケジュールに応じる、こういったことをさらに引き続き行っていただくとともに、引き続き地道な中小企業支援を行うとともに、経費の削減、また、適切な融資先の確保に努めるなど、堅実な経営に取り組むことによりまして、一日も早く再建を果たし、企業価値を高めていただきたいというふうに思います。そして、再建が達成された暁には、事業譲渡あるいは業務提携を行い、追加出資を保全していただくことを強く要望いたしたいと思います。
 以上で質問を終わります。

○清水委員 新銀行東京の二〇一〇年度第一・四半期決算について伺います。
 都は、あくまでも資金繰りに窮する中小企業への支援を存続していくことが目的だといって、四百億円の追資を求めました。再建計画は、もはや個別のメニューごとの残高の状況については、新銀行の競争上の地位を脅かすおそれがあるとして、公表することさえできなくなっているというのは問題です。当初の再建計画が行き詰まっていることのあかしです。
 伺います。今回は、二十二年度第一・四半期決算ということで、有価証券の内訳が示されておりませんけれども、四半期決算であっても、内訳をきちんと示す必要があるのではないですか。なぜ明らかにされていないのでしょうか。

○斎藤金融監理部長 銀行が作成いたします計算書類及びその記載事項や方法等は、銀行法等の規定で定められております。また、銀行法の二十一条には、銀行のディスクロージャーについて定めがございまして、銀行は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況に関する事項を記載した中間事業年度及び当該事業年度に係る説明書類を作成し、公衆に縦覧しなければならない、このようになっております。有価証券の内訳もこれに該当しております。
 新銀行東京は、その定めに従いまして、年二回の公表を行っております。

○清水委員 付帯決議では、再建計画が円滑、効果的に実行されるよう体制整備をするということになりました。今のようなお答えでは、再建計画の実行状況というのがチェックできないのではないですか、お伺いいたします。

○斎藤金融監理部長 繰り返しになりますが、銀行が作成する計算書類及びその記載事項、方法等は、銀行法等の規定で定められております。
 有価証券の内訳につきましては、通期決算及び中間期決算における開示項目とされておりますが、第一・四半期及び第三・四半期決算については、そのような法令上の規定はございません。
 また、預金者等銀行の利用者や、あるいは投資家が、銀行経営の安定性、健全性を判断するために、銀行の業務の状況等の必要な情報を開示するディスクロージャー制度におきましても、通期決算及び中間期決算での開示とされております。
 このような法令上の考え方からも、新銀行東京が有価証券の内訳について、通期決算及び中間決算で開示していることについて問題はなく、それをもってチェックができないというご指摘は当たらないものと考えております。

○清水委員 法令上の解釈を伺っているのではなくて、再建計画の実行状況を知るために、やはり公表する必要があるんじゃないかというふうにいっているわけです。
 新銀行東京の収益が、貸倒引当金の戻り益などによるものであることは、銀行自身が発表しています。銀行の基本収益としては、地銀の場合、貸し出すことによる利息収入が約八〇%、有価証券からの利息は一八%ほどになっています。ところが、新銀行東京の第一・四半期の収益は、貸出金利息が三九%に対して、有価証券配当が五一%で一番多くなっています。この数字を見ても、銀行というより、完全に投資会社に変質してしまっています。もはや銀行としてのていをなしていないといわざるを得ません。
 再三指摘をしていますが、ますます変質した収益構造になっていると思います。第一・四半期では、その有価証券の内訳が明らかにされていませんが、これまでの質疑では、損失が多い社債、外国証券、期間も長期のものが増加していました。リスクが大きい有価証券が増加していたわけですけれども、こうした有価証券の増加について、再三にわたってリスクが大きいことを警告してきましたけれども、都として問題ないという認識なんですか、お伺いいたします。

○斎藤金融監理部長 私どもも再三申し上げてまいりましたが、銀行がその業務の一つとして、預金者から預かった預金を初め、保有する資金を有価証券などで運用することは、これは一般的なことでございます。
 リスクというご指摘でございますが、新銀行東京は、他の金融機関と同様、貸し出しでありましても、有価証券でありましても、コストとリスクを最適に管理しながら、適正な収益を上げるよう努力しておりまして、どのような形で資金を運用するかということは高度な経営判断であるというふうに考えております。
 新銀行東京も、こうした考えに基づいて、有価証券を含む資産運用をしてまいった結果として、先ほども申しましたように、銀行全体の経営としては平成二十一年度通期に加え二十二年度第一・四半期も黒字を計上していると、このような結果を得ているということはご理解いただきたいと思います。

○清水委員 先ほども申しましたように、ほかの地銀などの例から見ても、これでいいのかということをいっているわけです。
 銀行の運用資金としては主なものとなるのが預金ですけれども、新銀行ではどの預金も六〇%にすぎず、借用金が三四%に増加しています。前年同期比でも預金が八十億円減少する中、借入金は百四億円ふえています。その借用金を元手に、リスクの高い有価証券投資をふやしているのが実態です。
 今後の金融政策情勢に左右される、極めてリスクが大きいというのが実態ではないですか。こうした運用資金の実態についても、都はどう認識しているんですか。

○斎藤金融監理部長 新銀行東京の平成二十二年度第一・四半期決算におけます借用金は一千百三十五億円でございますが、これまで繰り返し申し上げておりますとおり、その大半は日銀借り入れであると聞いております。
 日銀借り入れは、日銀の政策効果が金融市場や企業金融に十分に浸透することを目的として行われておりまして、現下の厳しい金融環境の中で、多くの銀行が資金調達の一つとして利用しているものでございます。
 新銀行東京も、その方針に沿って日銀借り入れを活用しているものでございます。

○清水委員 この状態も繰り返し指摘してきましたが、ますますその構造を強くしているといわざるを得ません。
 預金の減少を食いとめるために、高金利で預金を集め、そこから収益を上げようとすれば、貸出金利息も他行に比べて高くならざるを得ません。高い金利では借りられない中小業者は、ますます借りられなくなるのではないですか。どう認識してますか。

○斎藤金融監理部長 金利についてでございますが、新銀行東京の今の定期預金金利は、経済、金融環境や他の金融機関の定期預金金利、今後の収支見通しなどを十分に検討し、設定していると聞いておりまして、現在の金利水準は、他の金融機関の特別金利定期などと比較いたしましても、均衡あるものとなっております。
 預金の金利が高いと貸し出しも高くなるというようなご指摘でございましたけれども、貸出金利につきましては、他の金融機関とこれも同様ですが、市場金利の動向や融資先の信用度、融資期間などを総合的に勘案し、個々の融資案件ごとに決定されておりまして、預金金利と直接連動するということはないものと考えております。
 なお、現在の預金金利は、旧経営陣が実施したキャンペーン定期よりも低く、キャンペーン定期の満期到来に伴いまして、むしろ資金調達コストは下がるものと考えております。

○清水委員 融資についてですけれども、二〇〇五年度は、一件当たり融資金額は千八百万円だったんですけれども、二〇〇九年度は一件当たり八千九百万円、第一・四半期で一億七百万です。
 現実には、一件当たり二千万円程度借りる企業を相手にしていたものが、一件当たり一億円以上も借りられるような企業が対象となっているのではないですか、伺います。

○斎藤金融監理部長 一件当たりでということでございますけれども、件数で割り返した金額の平均値をもって何らかの傾向なり判断を下すということは、そもそもこれは難しいのではないかと思います。
 取引先企業の資金需要は、個々それぞれさまざまでございまして、融資の審査は、個別の企業に即して、ケースごとに行われるというふうに理解しております。
 個別の取引先等の内容につきましては、当然のことながら、金融機関は明らかにしないものでございます。

○清水委員 そんなことはわかっていますよ。しかし、実際としてそうなってるんじゃないですかということを伺ったわけです。
 事業規模別の融資先で見ても、売上高五億円以上の融資先割合は、二〇〇五年度は二〇%だったけれども、第一・四半期では七二%です。結局、中小企業が--貸し出し先といいますけれども、中堅企業になっているのではないですか、お伺いいたします。

○斎藤金融監理部長 ただいまのご指摘も、こうではないかというようなお話のように受けとめましたが、従業員が少なかったり、資本規模が小さい企業でありましても、売り上げが大きい企業も場合によってあるわけでございまして、さまざまであろうと思います。
 新銀行東京は現在でも、他の金融機関では支援の難しい赤字、債務超過先企業約四千社を含む七千二百社の中小零細企業と取引を行っております。
 先ほどもご答弁いたしましたが、金融円滑化法が施行される昨年十二月の前からリスケジュールに積極的に取り組むなど、みずからの体力の範囲内で、可能な限り中小零細企業に対して支援をしているわけでございまして、そうした役割を十分に発揮するよう日々頑張っているところでございます。

○清水委員 中小企業の比率がふえたといっても、全体の融資が減っている中で残っているというもので、積極的な貸し出しの結果ではありません。
 そもそも中小企業への貸し出しは、全国の銀行で見ても七割になっています。金融機関がひしめく首都圏で、信用リスクが相対的に高い中小企業支援のために、利益を目的とする銀行業に素人の自治体が乗り出し、市場競争にさらすことがいかに無謀かということです。都がやるべき制度融資の拡充、中小企業支援の大幅な拡充が必要です。
 東京都の制度融資は、二〇〇八年には約二千二百億円を各金融機関に預けることで十八万八千件、三兆一千億円の融資実績があります。新銀行が抱えている、融資を必要とする中小企業について見れば、特別の融資制度を組むなどの方策で救済することも可能です。
 通常の銀行から変質してしまった新銀行東京は、無理に継続するのではなく、段階的に清算をすることが、赤字をこれ以上拡大させないためにも一番速やかな道であるということを申し上げて、質問を終わります。

○小沢委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時五十五分散会

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