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Tokyo Metropolitan Assembly

経済・港湾委員会速記録第六号

平成二十二年三月十七日(水曜日)
第八委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長小沢 昌也君
副委員長高木 けい君
副委員長増子 博樹君
理事伊藤 ゆう君
理事高倉 良生君
理事鈴木あきまさ君
田中  健君
伊藤 興一君
笹本ひさし君
山崎 一輝君
三宅 茂樹君
佐藤 広典君
清水ひで子君
鈴木貫太郎君

 欠席委員 なし

 出席説明員
産業労働局局長前田 信弘君
次長真田 正義君
総務部長三枝 健二君
産業企画担当部長櫻井 和博君
商工部長山手  斉君
金融部長保坂 政彦君
金融監理室長中村  靖君
金融支援担当部長櫻井  務君
観光部長小島  昭君
農林水産部長産形  稔君
雇用就業部長小田 昭治君
事業推進担当部長日請 哲男君
港湾局局長比留間英人君
技監飯尾  豊君
総務部長多羅尾光睦君
監理団体改革担当部長石原 清志君
港湾経営部長小宮 三夫君
参事河内  豊君
臨海開発部長松岡 玉記君
参事平田 耕二君
参事延與  桂君
港湾整備部長前田  宏君
計画調整担当部長成瀬 英治君
離島港湾部長石山 明久君
島しょ・小笠原空港整備担当部長北村 俊文君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 港湾局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 港湾局所管分
・第二十二号議案 平成二十二年度東京都臨海地域開発事業会計予算
・第二十三号議案 平成二十二年度東京都港湾事業会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第八十二号議案 東京都海上公園条例の一部を改正する条例
・第八十三号議案 東京都営空港条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・京浜港共同ビジョンの策定について
 産業労働局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 産業労働局所管分
・第七号議案 平成二十二年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・第八号議案 平成二十二年度東京都農業改良資金助成会計予算
・第九号議案 平成二十二年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
・第十号議案 平成二十二年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第七十九号議案 東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例
・第八十号議案 東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第八十一号議案 東京海区漁業調整委員会委員及び東京都内水面漁場管理委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・新銀行東京に関する最近の動向について

○小沢委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書三件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○小沢委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局及び産業労働局関係の予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成二十二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、港湾局所管分、第二十二号議案、第二十三号議案、第八十二号議案、第八十三号議案及び報告事項、京浜港共同ビジョンの策定についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○多羅尾総務部長 二月十八日開催の当委員会でご要求のございました資料をご説明申し上げます。
 お手元の経済・港湾委員会要求資料をごらん願います。ご要求のございました資料は、表紙をおめくりいただきまして、目次に記載のとおり、五項目でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、臨海副都心関連予算・決算の推移でございます。
 臨海副都心関連の予算等を、整備費と関連事業費に分け、昭和六十三年度から平成二十年度までは決算額を、平成二十一年度は予算額を、平成二十二年度は予算提案額を、億円単位でそれぞれ記載しております。
 二ページをお開き願います。2、臨海副都心における土地の長期貸付及び売却等の推移でございます。
 1は、長期貸付につきまして、表頭にお示しのとおり、地区、区画、契約年月日、面積及び処分先を時系列に記載したものでございます。
 一ページおめくりいただきまして、三ページから四ページまでに、2、底地売却、3、売却、4、交換、5、現物出資、6、暫定利用につきまして、同様にお示ししてございます。
 五ページをお開き願います。3、臨海副都心における進出事業者からの地代収入一覧でございます。
 進出事業者ごとの地代収入につきまして、平成十九年度及び二十年度の決算額、二十一年度の予算額並びに平成二十二年度の予算提案額を百万円単位でお示ししてございます。
 なお、進出事業者名につきましては、企業経営上の観点から、記号で記載させていただいております。
 六ページをお開き願います。4、臨海地域開発事業会計における企業債償還の推移でございます。
 臨海副都心開発の基盤整備に係る企業債につきまして、平成元年度から平成三十二年度までの発行額及び償還額を百万円単位で記載してございます。
 平成二十年度までは決算額、平成二十一年度は決算見込み額、平成二十二年度は予算提案額、平成二十三年度以降は計画額でございます。
 なお、平成二十二年度に発行予定の企業債の利子につきましては、利率等が決定しておりませんので、記載しておりません。
 七ページをお開き願います。5、東京港における外貿コンテナ貨物取扱量の推移でございます。
 平成十一年から二十年の十カ年における外貿コンテナ貨物の取扱量を、貨物数量とコンテナ個数で記載したものでございます。
 貨物数量については千トン単位で、コンテナ個数については万TEU単位でお示ししてございます。
 以上をもちまして、簡単ではございますが、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小沢委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田中委員 先月策定されました京浜港の共同ビジョン、前回の委員会で報告がありましたこれについて、まずお聞きをしたいと思います。
 この共同ビジョンにおきましては、港湾の経営主体について、国内と海外の主要港湾における事例を扱っております。
 これによれば、我が国の港湾管理者には、港湾局、一部事務組合や単独の地方自治体の三種類があり、いずれも地方自治体がその組織の基礎をなしているということであります。
 また、ここでは、ニューヨーク・ニュージャージー港を初め、四つの事例も紹介されています。例えば、ニューヨーク・ニュージャージー港のように、二つの州の協定により設置された独立の半官民組織が、港湾事業にとまることなく、空港事業、地域開発事業など独立採算で実施している組織、また、ハンブルグ港のように、市が一〇〇%出資の株式会社が港湾の整備や管理運営事業だけを独立採算で行っている組織があるとのことでした。
 これらの事例の検証の上で、最終的に、このビジョンの中では日本版のポートオーソリティーの実現に向けた課題の一つとして、この京浜港の管理運営の自由度を確保し、新たな組織を実現していくためには、今は制約が多い現行法の改正、新たな法制度が必要とまとめられております。
 そこで、まず、この現行法の制約とはどのようなことを指していて、それをどう改正し、また、どのような法制度が必要と東京都は考えているのか、伺います。

○河内参事 ご指摘の京浜港共同ビジョンの記述の背景といたしましては、現行制度のままでは、我が国で海外の事例のような独立採算によるポートオーソリティーの設立は困難であるとの認識がございます。
 まず、共同ビジョンでは、事例検証により、海外のポートオーソリティーに共通に見られる特徴といたしまして、行政組織から独立した株式会社等が、みずからの経営判断で事業を選択いたしまして、効率的な港湾経営を実施することにより、国際競争力を高めている実態を示してございます。
 我が国では、港湾法におきまして、港湾管理者に防波堤の整備管理業務など収益がほとんど見込めない事業を含め義務づけている一方で、例えば、海外のような不動産賃貸などの収益性の高い事業は認めていない状況にございます。
 今後、京浜港に適した日本版ポートオーソリティーのあり方について検討していくことになりますが、いずれにせよ、戦略的な経営を行うため、港湾経営の自由度を確保していくことが必要であると、このように認識しております。

○田中委員 東京港では、既に平成二十年度からコンテナターミナルの運営をしていた東京港埠頭公社を民営化しています。
 さらに、昨年の二十一年度からは、東京都が管理していた公共コンテナのふ頭施設を同社に譲渡や、また、指定管理の制度を利用して管理をゆだねるなどして、このコンテナふ頭の管理の一元化を行っております。
 私も、この民営化した東京港埠頭株式会社の経営諮問委員に就任をさせていただきましたが、民営化会社の取り組みが港湾の国際競争力の強化の上で重要なポイントになるのではないかと考えております。
 そこで、この東京港埠頭株式会社の民営化及びコンテナふ頭管理の一元化の二年間の効果と、また、今後の事業展開について伺います。

○河内参事 東京港埠頭株式会社の民営化及びコンテナふ頭の管理の一元化の効果でございますが、民営企業として機動性、柔軟性を最大限に発揮することによりまして、利用者ニーズに的確にこたえることが可能になったことにございます。
 具体的には、これまでふ頭貸付料は、国の認可が必要であったり、算出基準が法令で縛られるなど、硬直しておりました。これを、民営化を契機に改め、借り受け者が貨物量を増加した場合や長期契約を結んだ場合の優遇制度を導入するなど、みずからの経営判断により設定することが可能になりました。
 また、緊急の設備補修に際しましては、予算の制約に縛られず、要望に迅速かつ弾力的に対応することにより、利用者サービスの向上が図られました。
 さらに、保守点検と補修工事を一括発注するフルメンテナンス方式を導入いたしまして、事故の未然防止、補修作業の休止期間の短縮化を図ることによりまして、コンテナターミナルの主要な荷役機械であるコンテナクレーンの予防保全の推進と、クレーン作業への影響を最小限にとどめることができました。
 今後の事業展開といたしましては、熾烈な国際港湾間の競争に勝ち残っていくためには、東京港のコンテナふ頭を一元的に管理する同社が中心となりまして、港湾利用コストのさらなる低減化を目指していく必要があると考えております。
 そのため、同社が新たなコンテナふ頭の整備、管理運営に参画いたしまして、より一層のスケールメリットを生かしたふ頭運営を進めていくことが必要であると考えます。
 さらには、三港連携の一環といたしまして、同社が横浜港埠頭公社との事業提携の検討を進めていくことが重要であると認識しております。

○田中委員 この話をしたのは、先月になるのですが、二月二十八日に、前原大臣が、新潟港ではありましたが、視察をした際に、これからの港というのはやはり民の力を導入することが大事だと。そして、新潟港でありましたが、これは新潟県が管理しているんですが、これを株式会社化する中で、民間活力を導入し、経営という観点で効率、効果的に運営していくことが大事という話をしておりました。
 そして、続けて、我々としても株式会社化して上場し、より多くの資金を調達するためには、港湾法の改正も必要となってくる、その準備も進めているということが述べられていました。
 お聞きしましたら、次回の国会にも、この港湾法の改正を含めた案が出されるようであります。同時に、今、国際港の選定をしているところでありますが、このポイントとしても、この記者会見のときに、今の取引量も大事だが、どれだけ伸びる可能性があるのか、潜在能力があるのかというポイントとして民営化といっている、そういった運営方法も取り入れていただけるかという点も一つの判断材料ということがありました。
 このように、国の後押しが進もうとしていて、また、先んじて、東京湾ではありますが、民営化をしている私たち東京都が中心となって、先ほど横浜の埠頭公社についても一体化を進めていくという話がありましたが、ぜひこの三港の港湾の管理運営の一体化を早急に進めて、必ず今回のこの選定に選ばれるように願いたいと思うんですが、決意のほどをお聞かせください。

○河内参事 今回の国際コンテナ戦略港湾への応募につきましてでございますが、今回の応募につきましては、京浜港を構成いたします横浜市、川崎市とともに、東京都といたしましても京浜港として応募していく方向でございます。
 その中の応募に向けた取り組みを現在三港で進めておりまして、この中でも、我々の民営化した埠頭株式会社の強化ですとか、あとは横浜の埠頭公社の今後のあり方等も触れながら、国に対して提案をしていく予定でございます。

○田中委員 続きまして、海老取川についてお聞きしたいと思います。
 海老取川においては、古くから多くの漁業関係者の小型船の船だまりの場として利用されてきた経緯があります。
 以前は、多摩川の河口方面から羽田空港の南側をずっと回って、羽田沖の浅場や、お台場や浅草方面に向かっていた多くの小型船が、今回、羽田空港のD滑走路の事業の着手後には、D滑走路、かなり出ておりますので、その南側から迂回する必要が生じてきました。
 これに伴って、小型船は、これまで以上に長い距離を航行する必要が生じるとともに、大変波ができますので、専門用語では波浪というんでしょうか、その高い海域や、大型船が多く航行する第一航路の近くの海域などを、小型船が航行するには危険な海域を通る必要が生じていて、実際には大変困難な状況が生じております。
 そのため、多摩川の河口方面からお台場、浅草方面へ北上するかわりのルートとして、この海老取川を経由する重要性がますます高まっております。
 以上から、小型船舶の航行ルートとして今大変に需要が高まっている海老取川の航路の機能の確保は、必要不可欠であります。
 まず、羽田の空港再拡張に伴う海老取川しゅんせつ工事の実施状況についてを伺います。

○前田港湾整備部長 船舶の航行安全の観点から、羽田空港再拡張事業の工事中及び供用後におけます小型船の代替の航行ルートの確保が課題となってございました。
 ご指摘のとおり、海老取川を経由いたしまして北上するルートが重要な航行ルートとなることから、都としましては、羽田空港再拡張事業の事業者でございます国土交通省に対しまして、海老取川のしゅんせつ工事について調整を行い、平成十九年度には国土交通省が工事を実施いたしました。
 しゅんせつ工事は、幅員十五メートル、水深二メートルの航路を確保する目的で行われておりまして、しゅんせつ土量は約一万二千立方メートルでございました。

○田中委員 これまでの取り組みというのは、海老取川については理解をしたんですが、実際この海老取川を利用している漁業者、また漁業関係者の皆さんから、その土砂の堆積が航行する小型船の支障になるという声も上がっております。
 実際、私もここにいるメンバーと、また、民主党の一期生のメンバーと海老取川を船で通りました。大変橋ぎりぎりのところをやっと通れるような状況が続いております。
 また、地元の人にとっては、海老取川が多摩川を通る船舶の避難航路としての役割も果たしております。引き続き、この海老取川を航行する小型船の安全な航路機能を確保する必要があると考えます。
 今後、小型船のこのルートとなる海老取川の適切な維持管理をどのように東京都としては実施していくのか、伺います。

○前田港湾整備部長 都といたしましては、地元の要望を踏まえまして、必要な測量等の調査、しゅんせつ工事の実施につきまして、今後とも国土交通省に働きかけていきたいと思っております。

○田中委員 先ほど、国のしゅんせつの話がありました。平成十九年ということでありますので、もうそれから三年以上がたっております。先ほどいったように、現場はいつ事故や、また、支障が起きるかわからないというようなことが続いておりますので、ぜひ早急にその声を、国が事業主体ということでありますが、国に伝えていっていただきたいと思っております。
 それに関連して、羽田空港のD滑走路がことしの十月に供用開始を予定し、あわせて国際化をされます。この供用にあわせて、多様なアクセス手段の確保の観点から、旅客を空港から、今いった海老取川、また運河を経由して、お台場、浅草方面を船舶で結ぶ輸送ルートの確保をすることが重要ということを今伝えました。
 東京都も、この舟運のネットワークの整備の必要性をこれまでずっと唱えてきました。羽田空港からの旅客を船舶により移動できるルートを確保するためには、運営事業者の確保や、船着き場、旅客の待合所の整備、その他整備用地の確保など、さまざまな課題が必要と考えます。
 船着き場の整備箇所としては、多摩川や海老取川の河川のエリア、この港湾局が管理している海老取--この場合、運河というんですが、運河の港湾のエリアが候補地として考えられると思っております。
 そこで、港湾局が管理している港湾区域において、羽田空港に近隣した場所に船着き場を整備しようとした場合は、適切な地はどこになると考えられますでしょうか。

○前田港湾整備部長 羽田空港からの旅客を船舶で輸送するためには、ご指摘のとおり、運営事業者の採算性の確保という課題を初めとして、船着き場や船客待合所の整備用地の確保など、多くの課題があると認識しております。
 港湾局が管理しております港湾区域におきましては、羽田空港に近接した場所は、海老取運河となりますけれども、この海老取運河は、羽田空港のターミナルから二ないし三キロメートルと相当離れていること、また、同運河には、船着き場の整備にあわせて必要な船客待合所を整備する用地の確保が困難であること等の課題がございまして、船着き場としての適地を確保することは容易ではないと考えてございます。

○田中委員 大変丁寧にいっていただいたのですが、できないということであるというふうに理解しますが、港湾局だけの管理の区域では、確かに運河しかできないということでありますが、先ほどいいました多摩川や海老取、川として見ればまだまだ可能性はあると思いますし、ぜひその舟運のネットワークをつくるためにも検討を続けていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
 最後に、津波の対策についてを伺いたいと思います。
 二月の二十七日に発生したチリ地震に伴う津波では、東京湾の内湾にも高さ一メートルとする津波の警報が発令されました。ちょうど東京マラソンのときで、テレビを見ていますと、右の片隅でちかちかちかと、一日じゅう津波警報が出ていたことを皆さんも覚えていらっしゃるんじゃないでしょうか。
 実際に東京湾で観測された津波は、お聞きしますと最大三十センチということで、予測を下回ったようではあります。被害も報告されていないということであります。しかし、東京を襲う可能性のある津波というのを、このような際にきちんと想定して、それに応じた対策をとっておく必要があることはいうまでもありません。
 東京湾の津波対策は、どのような津波を想定しているのでしょうか、お聞きします。

○前田港湾整備部長 東京港における津波対策でございますが、平成三年九月に東京都防災会議が取りまとめました、東京における地震被害の想定に関する調査研究で想定された津波を考慮したものでございます。
 地震は、相模トラフに震源を持つ関東地震、マグニチュード七・九程度でございますが、この再来を想定してございます。
 地震を引き起こす断層は、長さ八十五キロメートル、幅五十五キロメートルで、津波の想定高さは、荒川河口部で一・〇ないし一・二メートル程度、隅田川河口部で〇・九ないし一・二メートル程度、多摩川河口部では〇・四メートル程度でございまして、最大でも一・二メートルとなっております。
 なお、直下型地震による津波は、平成十七年七月の中央防災会議の首都直下地震対策専門調査委員会報告による想定でございまして、東京湾北部、マグニチュードは七・三でございますが、などの五つの地震を設定しておりまして、いずれも〇・五メートル未満と想定されております。
 これらは、東京港で想定される高潮による水位の上昇二ないし三メートルに比べ、はるかに低いことから、施設といたしましては、高潮対策施設が津波対策施設を兼ねる形となっております。

○田中委員 対策の方はわかりましたが、港湾局としては、現場を担当しておりまして、現場の対応というのも、今回についてまず伺いたいと思います。
 今回の津波でも、港湾局の職員は非常参集を行って、水門の閉鎖等を行って、その来襲に備えたということもお聞きしました。
 しかし、その一方で、私の地元の方では、水門や、また防潮扉があるんですが、津波警報下にもかかわらず、陸上の防潮扉が閉鎖されておらず、その外側にいる人たち、また中にいる人たち、両方とも不安を覚えたという声もあります。また、一部のマスコミでは、そのことを報道したことも載っておりました。
 このときに、その防潮扉の外側の海に面した敷地には、お年寄りが入所する福祉施設や工場があり、その際、都の港湾局としては、閉鎖すると車の出入りができないと判断したと説明をしたと報道されておりました。敷地は、私たち大田区のところに関していえば、造船場の跡地で、この防潮扉や堤防の外側の海に面した場所にあって、この高潮、今回の津波など、防潮扉を閉鎖すると施設や工場が孤立するおそれがあります。
 このような現状があって、防潮扉がまず閉められていなかったとの報道がありますが、安全は確保できるんでしょうか。

○前田港湾整備部長 津波警報を受けた場合、東京都地域防災計画及び東京港海岸保全施設操作規程に基づきまして、水門はすべてを閉鎖することとしております。
 一方で、陸上の防潮扉につきましては、おおむね水面から三メートル以上の陸上に設置されていることから、直ちに閉鎖する必要はなく、不測の事態を想定し、閉鎖準備の態勢をとることとしております。
 当日は、非常配備体制を発令し、水門につきましては、津波到達時刻の十四時三十分に約一時間先行しまして、十三時四十分までにすべての閉鎖を完了いたしました。
 また、東京港に設置されている陸上の防潮扉につきましては、準備作業の一環といたしまして、交通等に支障のない防潮扉の先行閉鎖を行うとともに、残りの扉につきましては、先に津波が到達する小笠原諸島等の状況に応じ、速やかに閉鎖できる態勢をとりつつ、待機しておりました。
 なお、防潮扉の閉鎖時間に要する時間はおおむね十分程度でございまして、小笠原から東京港までの津波到達時間約九十分に対しまして、十分な時間的余裕がございました。
 準備行為により閉鎖した防潮扉は、全四十六カ所のうち十三カ所でございます。小笠原諸島で観測された実際の津波高さは〇・五メートルでございまして、気象庁の予報の二メートルに比べて大幅に下回っておりました。したがいまして、このため、その他については閉鎖を行いませんでした。
 今回の津波に際しましては、十分な安全が確保されていたものと考えております。

○田中委員 二点ありまして、まず一点は、今、大変丁寧な説明をしていただいたんですが、そのような説明をしていただければ、住民の方も大変安心していられると思うんですが、特に今回は気象庁との予報の大きなずれや、また、ある一部、それに対して混乱をした部分もあったので、特例かもしれないんですが、なるべく、特に陸上におけます防潮扉は、あいていますと、それで警報がテレビで一日中流されていますと、やはり住んでいる人には心配で、どうなっているんだろうというのがありますので、今いってもらったように、十分程度ですぐ閉められる、また、それに対応できるということを周知徹底していただきたいと思います。
 また、前段でいってもらいました東京都の対策についてなんですが、これも平成三年ということで、もう二十年近くがたっております。今回の津波も、まさかチリの沖の地震がこのようにして私たちの生活に関係するとは思いもよらなかったということもありますので、地震の対策としては、あくまで関東大震災の想定。しかも、それが一・二メートルということでありますので、これからそのような世界的な災害が起こる可能性というのも多々あることかと思いますので、ぜひそのようなことも検討をしていただきたいと思いまして、最後に要望して終わりたいと思います。ありがとうございました。

○山崎委員 私は、東京港における鉄道輸送の活用についてお伺いをいたします。
 先般、都議会海外調査団の一員として、京浜三港の今後の発展に資する施策を探るため、シドニー港とシンガポール港を視察してまいりました。
 本日は、シドニー港をテーマとしたいが、シドニー港は背後にニューサウスウェールズ州という大消費地を抱えております。東京港と同様に、産業活動や生活に必要な物資の流通を担っております。港と内陸部を結ぶ輸送の効率化は、シドニー港の主要課題の一つでもあります。
 中でも、私が特に関心を持ったことは、海上コンテナ貨物の鉄道輸送であります。シドニー港では、コンテナ貨物を内陸部に運ぶ手段として、トラック輸送とともに鉄道の活用を進めております。現在、約二割のコンテナ貨物を鉄道輸送しておりますが、環境配慮と渋滞対策に資するため、将来はこれを約四割に拡大をするという目標を掲げております。
 私は、東京港においても海上コンテナの鉄道輸送を拡大すべきとの感想を持ちました。もちろん、我が国においては、国土の約七割が山岳地帯であり、鉄道路線にトンネルやカーブが多く、オーストラリアなど大陸国とは鉄道の状況は異なり、同一には考えられない部分があります。
 さらには、かつて隆盛をきわめた鉄道貨物輸送も、現在はほとんどトラック輸送に置きかえられているということもよく認識をしております。このようなことも踏まえて、幾つか質問をさせていただきます。
 我が国では、海上コンテナ輸送に占める鉄道輸送の割合も極めて低く、東京港においても同様と聞いておりますが、鉄道輸送を活用する上で何がネックになっているのか、まずお聞きします。

○小宮港湾経営部長 我が国では、輸出入に用いる海上コンテナの鉄道輸送の割合は極めて低く、東京港においても全輸送量の一%に満たないのが現状でございます。
 その理由は二つございまして、一つ目は、鉄道施設が海上コンテナ輸送に対応していないことであります。お話しのように、我が国の鉄道路線はトンネルが多く、JRで使用している国内用の十二フィートコンテナは通行できましても、港湾で使っております四十フィートでございますが、四十フィートで背の高いタイプの海上コンテナには、上越線の新清水トンネルを初め、通過できない場所がございます。
 また、各地の貨物ターミナルでは、JRコンテナを積みおろしする荷役機械が中心でございまして、海上輸送に使う大型コンテナに対応した機材が不足しております。
 二つ目は、コンテナ貨物を積みおろしするコンテナヤードと貨物ターミナルの位置が離れておりまして、コンテナ船と鉄道の積みかえには手間も時間も必要なことでございます。
 さらには、船と鉄道の間で貨物の積みかえを行うためには、トラックを往復させる必要がございまして、交通混雑などによりましてコンテナターミナルの出入りがスムーズにできない場合には、貨物列車の発車に間に合わないような問題も生じております。

○山崎委員 鉄道の施設面と、海上貨物と鉄道の接続の面で課題があるという答弁でございました。
 トラック輸送は、鉄道輸送に比べて、港から工場や小売店までドア・ツー・ドアで運べる利便性においてすぐれております。トラックが陸上輸送の大半を占めていることも、ある意味では当然のことだと思います。
 しかしながら、鉄道輸送には、地球環境に優しく、大量輸送が可能であり、輸送距離が一定以上であればコスト面でもメリットがあるなど、トラック輸送にない利点がございます。
 荷主がコストや輸送時間、環境配慮の企業理念など、さまざまな条件を考慮しながら輸送モードを選択できるような物流ネットワークが必要と私は考えます。
 そこで、鉄道輸送を活用するに当たって、まず荷役機材などの鉄道施設面の課題に対して、東京港としてどのように取り組みを図っていくのか、お聞かせください。

○小宮港湾経営部長 鉄道輸送には、お話しのように、トラック輸送にはない多くの利点があるとともに、東京港が、特に港までの輸送距離の長い内陸部から貨物を集める輸送手段としまして、鉄道輸送の活用は有効と考えております。
 都はこれまでも、鉄道事業者が行う海上コンテナ用の荷役機材や台車の整備、列車ダイヤの増設などへの支援、指導を国に対して要望するなど、鉄道輸送の拡大に向けた取り組みを進めてまいりました。
 また、トンネルなどの改修が当面困難な路線につきましては、貨物ターミナルにおいて、海上コンテナ貨物を、トンネルを通過できるJRコンテナに積みかえることで、鉄道施設の改修を待つことなく、鉄道網を使って全国に輸送することが可能となるため、国と連携いたしまして、東京港としても支援してまいります。
 こうした鉄道施設面における課題解消のための取り組みを、今後とも、国や鉄道事業者に働きかけまして、海上コンテナ貨物の鉄道輸送促進を図ってまいります。

○山崎委員 シドニー港では、直接ふ頭のコンテナターミナル内に鉄道を敷設し、海上コンテナを直接貨車に積載する荷役機材を整備して、鉄道を使ってふ頭から内陸部に陸送をする取り組みを行っております。
 土地の広さに限りのある東京港が、直ちにシドニー港と同じことをすることは困難であるが、我が国において鉄道輸送の拡充を図る上で、やはり海上コンテナを輸送するために必要な施設整備がポイントであると考えます。
 続いて、もう一つのネックである海上貨物と鉄道の円滑な接続という面の課題に対して、東京港はどのように取り組むのか、お聞かせください。

○小宮港湾経営部長 鉄道輸送の活用を進める上で、内陸部から輸出貨物が集まり、また、輸入貨物の内陸部への出発点であります鉄道貨物ターミナルと、海上輸送の窓口でありますコンテナターミナルとの円滑な接続が重要でございます。
 これまで、都は、鉄道利用促進に向けた支援を国に働きかけてまいりましたが、その結果、JR貨物では三月十三日にダイヤ改正を行いまして、海上コンテナ列車で東京と盛岡を結ぶ新たな輸送サービスを実施する運びとなりました。
 このことを契機といたしまして、東京港では、鉄道事業者や港湾運送事業者などとも協力いたしまして、鉄道輸送を利用する海上コンテナ貨物については、待ち時間なく優先的にコンテナターミナルに入場できるようにいたしまして、ふ頭のコンテナターミナルと鉄道貨物のターミナルとの間の円滑な接続を実現してまいります。
 こうした取り組みを通じまして、両ターミナルの間の輸送の迅速化、効率化を図りまして、海上コンテナ貨物輸送における鉄道の活用を一層促進してまいります。

○山崎委員 シドニーでは、市の郊外に、広さ六十ヘクタールのロジスティックセンターの建設を進めております。港と貨物専用鉄道で結ぶとのことであります。今後、さらに鉄道利用を拡大していくというお話を聞きました。
 しかしながら、広い国土を背景にするシドニー市においてさえ、現在のところ、海上コンテナ輸送に占める鉄道利用は約二割にとどまり、残りはトラックで陸送をしているというお話でございます。
 ましてや、東京港においては、広大な土地の確保が難しいことを初め、本日議論をしたような課題もあり、鉄道輸送を拡充するためのハードルは高いわけであります。
 とはいえ、鉄道輸送には、トラック輸送に比べ環境に優しく、一括大量輸送が可能であるなど、荷主の関心も大きいわけであります。東京港としても、課題を一つ一つクリアしていただいて、海上コンテナ輸送における鉄道利用促進に向けて積極的に取り組んでいただきたいことを要望し、私の質問を終わります。

○伊藤(興)委員 では、私の方からも、まず、先月策定されました京浜港共同ビジョンについて何点か伺いたいと思います。
 今回のビジョンの政策目標として、京浜港は総合港湾としての機能を維持するとともに、コンテナ物流に関する国際競争力の強化を図ることで、我が国産業の活性化、生活の安定性を確保することが示されております。
 この政策目標に基づいて、特にコンテナ物流に関しては、三つのターゲットが設定をされております。コンテナ物流におけるアジア諸港の著しい躍進によって、我が国港湾の相対的な地位が低下している中で、京浜港がこのようなターゲットを設定して、アジア諸港に追いつき、そしてまた追い越す気概を示したことは、大変に意義のあることだと思います。
 しかし、現実問題として、そうやすやすと最終目標である東アジアの国際ハブポートとなることは困難であると考えます。
 そこで、まず確認の意味から、この最終目標に至るまでの道筋について伺いたいと思います。

○河内参事 ご指摘のとおり、一朝一夕には、釜山港や上海港と肩を並べるような東アジアの国際ハブポートの座を占めることはできません。
 しかし、ますます激しさが増す国際港湾間競争にありましては、いかに多くの貨物を集めるかが勝負の分かれ目でありまして、このような高い目標を目指して戦っていかなければ、競争に生き残っていけない状況にございます。
 こうしたことから、京浜港共同ビジョンの三つのターゲットは、最終目標の実現に向けまして、ターゲットⅠから順を追って取り組む三段階のステップアップの取り組みとして設定したものでございます。
 まず、ターゲットⅠは、これまでどおりに東日本のメーンポートといたしまして、北米、ヨーロッパとの基幹航路を堅持いたしまして、我が国の輸出入貨物の安定供給を支えていく海の玄関口としての機能を確実なものとしていくことでございます。
 次のステップ、ターゲットⅡによりまして、現在、国内地方港から釜山港などのアジア諸港に流れている国内貨物を、可能な限り京浜港が取り戻すことによりまして、基幹航路のコンテナ船寄港数をふやし、国際競争力を強化していきます。
 最後に、最終目標であるターゲットⅢで、こうした貨物の積み上げの上に、将来的に海外、主に中国の華北地方などの貨物を、京浜港での積みかえ貨物として獲得してまいりまして、航路網が充実した東アジアの国際ハブポートとなることを目指してまいります。

○伊藤(興)委員 京浜三港が、世界の海運動向を視野に入れて、ビジョンにおいて極めて、今答弁いただいたように、しっかりとこのステップに分けて、高い目標を立てて着実に取り組もうとする、この前向きの姿勢については評価するところでありまして、私は、こうしたビジョンの果敢な政策目標を支持したいというふうに思います。
 では、次に、このビジョンの内容について何点か伺いたいと思います。
 ビジョンの中では、まず、取り組む目標であるターゲットⅠ、またターゲットⅡにおいて重要な施策として取り上げているのが、国内貨物の集荷策であります。この国内貨物集荷策においては、内航輸送、また鉄道輸送、トラック輸送と、この輸送モードごとに施策の方向性が位置づけられております。
 内航輸送や鉄道輸送については、二酸化炭素の排出が少なく環境に優しい輸送モードであり、今後その拡大が望まれるところでありますけれども、現在の京浜港での集荷の実情を見れば、貨物集荷の拡大に即効性があるのはトラック輸送の効率化であると思います。
 ビジョンでは、トラック輸送の効率を高めるために、三環状道路や国道三五七号線などの広域幹線道路の整備促進を国に働きかけることや、臨港道路の整備を進めることが挙げられております。
 しかし、どんなに道路を整備して、コンテナふ頭までの輸送時間を三十分、四十分短縮したとしても、ふ頭の周辺で発生した渋滞で一時間も待たされてしまっては元も子もないわけであります。
 現実、東京都では、ふ頭周辺で大変渋滞が発生をしております。この渋滞対策についてどのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。

○小宮港湾経営部長 ふ頭周辺の渋滞解消は、港湾物流の向上の面からも、それから環境対策の面からも、東京港にとって重要な課題と認識しております。
 このため、これまでもコンテナターミナル周辺のコンテナ車専用レーンを確保するとともに、情報通信技術を活用いたしまして、ウエブカメラで渋滞情報をリアルタイムで発信し、荷主の効率的なトラック輸送を支援するなど、さまざまな取り組みを進めてまいりました。
 これに加えまして、現在、ふ頭周辺にコンテナ貨物の保管場所を設置し、複数の港湾運送事業者と共同いたしまして、夕方の渋滞を避けて貨物を引き取れる仕組みを構築いたしまして、ターミナル周辺の渋滞緩和を図る実証実験を開始したところでございます。
 具体的には、二十四時間利用できる保管場所を開設し、コンテナターミナルがすいている午前中に貨物を引き出し、保管場所に移動し、荷主の依頼を受けた運送事業者に随時引き渡すことで混雑緩和を目指すものでございます。
 さらに、大井ふ頭周辺で新たな埋め立てを行い、バンプールやシャシープール、車両待機場などを整備することで、ターミナルに集中しているトラック動線の分散化による渋滞解消策につきましても検討を進めております。

○伊藤(興)委員 東京港内での当面の渋滞対策として実験に取り組むということでありましたけれども、京浜港という広域で見た場合には、主として東京港は輸入港であって、横浜港は輸出港であるため、東京港から横浜港への空コンテナの移動が行われるなど、京浜三港間では頻繁にコンテナ貨物が行き来していると聞いております。
 特に、国道三五七号線が、東京港トンネルの部分や、あるいは東京都の大田区のところと川崎のところとか、東京、神奈川の県境である多摩川で途切れていることから、トラックが第一京浜国道に集中して渋滞を引き起こしておりまして、輸送の効率面でも環境面でも課題となっております。特に私の地元である品川区や大田区での渋滞の原因にもなっております。
 トラック輸送の効率化を図るためには、こうした交通インフラの現状の改善も含めて検討すべきと考えますけれども、今後の取り組みについて伺いたいと思います。

○河内参事 ただいまご質問にございました、京浜三港間でのコンテナ貨物の行き来につきまして、これをコンテナ横持ち輸送と私ども称しておりまして、その輸送量は、年間でコンテナ約三十万個にも及びます。
 この横持ち輸送の効率化は、京浜三港連携での大きな課題の一つとして認識しております。そのうち、主要な輸送モードであるトラック輸送を効率化いたしますために、抜本的な対策といたしましては、三港間の重要な物流動線である国道三五七号線の未開通区間の整備がございます。この実現のために、東京港トンネルの部分につきましては工事着手が始まっておりますが、多摩川トンネルを含めた未整備区間の整備促進につきましては、京浜三港として、国に対し整備を強く働きかけてまいります。
 しかし、整備が実現されるには一定の期間を要します。このため、三港間の貨物輸送で首都高速湾岸線を利用する場合の高速道路利用料金の低減化につきまして、社会実験の実施に向けた検討を進めてまいります。

○伊藤(興)委員 ただいまも高速道路の利用料金の低減化に向けて、社会実験の実施に向けた検討を進めていくというご答弁でありました。こうした物流インフラの整備は極めて大切であると思います。
 しかしながら、ハード整備には一定の時間もかかることから、その間における柔軟な対策を講じていくこともあわせて重要であります。こうした即効性のある取り組みの早期実現を要望したいと思います。
 さらには、共同ビジョンの中で環境対策に取り組むことが大きな柱の一つとしても位置づけられております。例えば、先ほどの答弁でも、年間三十万個に及ぶ横持ち輸送の話も触れられましたけれども、三港間のコンテナ輸送も相当量になるというものであります。トラック輸送の効率化とともに環境対策の視点に立てば、京浜三港間の海上輸送、例えば、はしけ輸送の充実強化も重要であると思います。今後の取り組みについて伺いたいと思います。

○河内参事 はしけ輸送につきましては、一回の輸送で四十フィートコンテナを約八十個運ぶことができるなど、輸送効率面や環境面で大きな効果が期待できる輸送手段でございます。
 これまで京浜三港間のはしけ輸送を拡大していくために入港料を免除してまいりました。今後、はしけの輸送効率向上に向けましては、柔軟な運行スケジュールの設定を可能とすることが重要でございます。そのため、今後、はしけの係留場所を各港に設定していくため、海上保安部など海事関係者と調整をいたしまして、実現に向けて取り組んでまいります。
 取扱貨物量の増加に応じた海上コンテナ専用はしけの数をふやしていくための補助制度の拡充をあわせて国に働きかけてまいります。

○伊藤(興)委員 私も、言葉で、このはしけ輸送というのを聞いたときに、最初は何かなと思いましたけれども、よく都立の城南島公園から、でっかい船というか板というか、そこにコンテナがいっぱい乗っかって、押してるんだか、引っ張っているんだか、小さいボートがくっついて走っているのを見ますけれども、あれでやると、一回で八十個運べるというのをご答弁いただきました。トラックで行くと、一回で一個しか運べないところを、一遍に八十個運べるわけでありますから、環境対策の面からも、ぜひこれを推進していただきたい、こういうふうに思うものであります。
 今後も、一つの港湾だけの効率化だけでなく、三港間の貨物移動や内陸部からの貨物集荷、貨物輸送の効率化など、京浜港を軸として、我が国全体に及ぶ物流効率化を視野に取り組むことが重要であります。
 京浜港は、このビジョンに掲げた政策目標や施策の方向性の実現に向け、大いに汗をかいていただき、ぜひとも熾烈な国際港湾間の競争に勝ち抜き、我が国最大の総合港湾として、産業の活性化と住民生活の安定化に貢献していくことを強く要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、東京港の環境対策について伺います。
 東京港の運河は、市街地に最も近い海であり、護岸上に遊歩道が整備されるなど、多くの都民が身近に水辺を感じられる貴重な空間であります。
 私の地元、品川区の勝島運河--閉鎖性の運河でありますけれども、この勝島運河では、地域の方々が勝島運河クラブを結成して、子どもから大人まで、この運河でカヌーやボート遊びを初め、さまざまに水辺に親しむ活動を展開しております。
 しかし、夏場になると、運河の水質が悪化して悪臭が発生する箇所があるなど、環境の改善が求められており、その対策の一つとして、運河のしゅんせつが継続的に進められてまいりました。
 都では、本年一月の実行プログラム二〇一〇において、親水性豊かな東京湾の再生を施策の柱の一つに据え、三年後の到達目標として、都民の暮らしや生き物の生息環境を豊かにする水辺を創出することとしております。私は、その目標を達成するために、引き続き汚泥しゅんせつを行うなど、さらなる水質改善対策を推進すべきと考えます。
 そこで、運河の水質改善に向け、今後の積極的な取り組みについて具体的な内容を伺いたいと思います。

○前田港湾整備部長 港湾局では、悪臭の原因となっている汚泥を除去するしゅんせつのほか、生物の持つ水質浄化能力に着目いたしました緩傾斜護岸や、ミニいそ場の整備などを引き続き進めてまいりました。
 平成二十二年度は、高浜運河、勝島運河、勝島南運河などで汚泥しゅんせつを重点的に行うとともに、平和島運河におきまして、緩傾斜護岸の整備や、朝潮運河におけますミニいそ場の整備を予定しております。
 これに加えまして、勝島運河等では、新たな技術を活用して現地実験を行う予定でございます。具体的に申し上げますと、運河に水流を発生させて酸素濃度を向上させることで、水質や底質の悪化を抑制するものでございます。
 実験の実施に当たりましては、勝島運河の上流の立会川におきまして品川区が現在実施しております高濃度酸素溶解水の放流による水質改善対策とも連携いたしまして、データの共有化や効果の検証を進めていく予定であります。
 今後とも、こうした施策を積極的に推進していくことで、運河の一層の水質環境改善に努めてまいります。

○伊藤(興)委員 運河では、運河ルネッサンスの取り組みも展開され、地域のにぎわいづくりのためのイベントの開催など、都民が水辺に親しむ空間として活用されているだけでなく、観光資源としての役割も期待されております。この運河の持つポテンシャルを十分に生かすためには、水質の改善など、運河の環境を向上させることが不可欠であります。
 今後とも、新たな技術を積極的に採用するなど、運河の水質改善の多角的な取り組みを要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

○高倉委員 それでは、私からは、開発着手から二十二年目を迎えました臨海副都心についてお伺いしたいと思います。
 東京港に展開しますビッグプロジェクトの臨海副都心につきましては、東京の活力と魅力を高める拠点として、そしてまた、世界に開かれた交流のまちとして、ウォーターフロントの美しい景観と相まって、今や東京の新名所の一つになっていると思います。
 私も、さまざまな行事などで、時々この臨海副都心に足を運んでおりますけれども、まち全体のにぎわいや、建設が進む斬新なデザインのビルを目の当たりにするたびに、まちの成長というものを実感している次第であります。
 都市づくりというのは、長い間の努力の積み重ねが不可欠であると思います。私ども都議会公明党は、これまで一貫して、臨海副都心開発は東京のポテンシャル向上に不可欠な事業といった認識を持ちまして、バブル経済の崩壊という厳しい試練のときにつきましても、しっかりと支えてきたつもりでございます。
 そこで、この臨海副都心開発の現状につきまして、まず説明を求めたいと思います。

○松岡臨海開発部長 臨海副都心につきましては、平成二十七年度のまちの概成に向けて総仕上げの段階に入っておりまして、職、住、学、遊のバランスのとれた複合的なまち、環境に優しく、安全で安心なまちを目指して開発を進めております。
 現在、臨海副都心開発は、共同溝などのインフラ整備はおおむね完成し、土地処分につきましても、有償処分面積の約七割について事業者が確定するなど、着実に成果を上げております。また、昨年末には、青海に二十三区初の都市型アウトレットモールがオープンし、多数のお客様を引きつけるなど、ますます臨海副都心のにぎわいが増しております。
 一方、開発を支える財政基盤につきましても、その強化に努め、起債の償還を進めますとともに、平成二十一年度末で約千二百億円の内部留保金を確保できる見込みであります。
 しかしながら、現在、世界的不況の中で土地取引が急速に冷え込んでおりまして、この状況が続き、土地処分が進まなければ、臨海会計は今後一時的に資金不足となるおそれもあります。このため、平成二十二年度予算で都債の借りかえを実施することといたしました。

○高倉委員 今の答弁で、近年の世界同時不況の影響で不動産市況が停滞する中で、臨海副都心開発を取り巻く状況は厳しい局面を迎えていて、この対応として、都債を借りかえると、そういったことであったと思いますが、平成二十一年末で一千二百億円の内部留保が見込まれる中で、都債の借りかえをするということになりますと、どうしても借金返済の先送りに当たるんではないかというようなイメージもつきまとってくるんではないかと思います。
 今回、都債の借りかえという手段を選択した理由と、今後の起債償還の見込みにつきまして、答弁を求めたいと思います。

○松岡臨海開発部長 これまで起債の償還につきましては、平成十七年度に公表いたしました財政基盤強化プランのさらなる取り組みにおきまして、新たな起債の抑制を掲げ、平成二十六年度の償還完了を目指してまいりました。この目標に基づきまして、着実に起債償還を進め、平成十六年度末で約五千二百億円あった起債のうち、既に約二千四百億円を償還いたしました。
 しかしながら、近年の経済動向の激変によりまして、土地取引が急速に冷え込み、臨海副都心の土地処分が進まなくなりました。
 こうした中で、平成二十二年度は約千三百億円の起債の償還期を迎えます。今回、内部留保金を活用し、起債を償還することも可能でありますが、現在の厳しい市況が三、四年続いた場合、臨海会計は一時的に資金繰りが悪化してしまうおそれもあり、このため、約九百億円の都債の借りかえを実施することとしたものであります。これは、財政基盤強化プランのさらなる取り組みの公表時には想定が困難であった、新たな経済状況に適切に対応するものでありまして、都債の借りかえも財政運営上の一般的な手法の一つであります。
 このことによりまして、臨海会計の財政基盤の安定に万全を期し、今後も臨海副都心におきましては、まちづくりのコンセプトに沿った開発を着実に進めてまいります。
 なお、臨海副都心のポテンシャルは高く、中期的に見れば、保有している土地の処分により、確実な起債償還が見込めるものと考えております。

○高倉委員 今ご答弁をいただきまして、予想し得なかった経済不況を背景として、今も景気の回復が遅々として進まないというような状況の中で、最も厳しい状況を想定されて、柔軟な発想で財政基盤の安定化を図っていくといったことについては、企業会計をつかさどるという中で、当然な判断ではないかなと、私もそのように思います。そうした意味で、今回の対応につきましては、適切なものではないかなと、今のご答弁をお聞きしまして感じた次第でございます。
 一方、臨海副都心は豊かな環境に恵まれ、また、既成市街地にないまとまった土地を確保できるなどのポテンシャルは高いと思います。こうした不況期に安く売り急ぐ必要はないと思いますけれども、優良な事業を誘致するためには、このまま景気の回復を待っているだけではなくて、土地処分へ向けた一層の工夫と努力も必要と考えます。さらに、処分が見込まれない区画につきましては、にぎわいの創出のため有効活用することなども、当面のまちづくりには必要であると思います。
 厳しい状況の中にあっても、土地処分の促進とにぎわいのあるまちづくりに向けて、どういった形で取り組んでいくのか、見解を求めたいと思います。

○延與参事 今後の臨海副都心の発展には、厳しい経済状況下にありましても、開発のコンセプトに合致したすぐれた企画案を持つ事業者が円滑に進出できる環境を整備することが重要であると考えております。
 このため、事業者が進出しやすいよう、今年度は区画の分割公募や土地売却代金の分納制度の改善等を行いました。さらに平成二十二年度は、土地需要調査や不動産市況を踏まえまして、現在行っている公募を含めた土地処分全般につきまして、改めて進出条件の見直しを行いまして、ニーズに沿った区画規模の設定やインセンティブ付与策の充実などの工夫をしてまいります。
 一方、当面処分予定のない区画等につきまして、まちのにぎわいの創造や収入確保の観点から、引き続き集客力のあるイベントや駐車場への有効活用を図ってまいります。
 さらに、昨年夏のお台場合衆国やガンダムプロジェクトのように、大きなにぎわいを創出するイベントの誘致にも継続して取り組んでまいります。
 また、現在、商業・アミューズメント施設として人気のありますパレットタウンにつきましては、暫定利用期間の終了とともに撤去される予定でありましたが、一定の条件のもと、当面、現施設を継続する方向で事業者と調整を行っております。
 今後とも、臨海副都心を取り巻く社会経済状況の変化を十分に把握しつつ、さまざまな工夫を重ね、にぎわいと活力のあるまちづくりに全力で取り組んでまいります。

○高倉委員 これからも土地処分促進の新たな工夫や未処分地の活用など、過去の経緯にとらわれずに、思い切った取り組みで、臨海副都心をますます活気あるものにしていただきたいと思います。
 三月の月例経済報告では、景気は着実に持ち直してきてはいるが、失業率が高水準にあるなど厳しい状況というふうにしております。国はいまだ有効な経済対策を打ち出せずにおりまして、景気回復の出口が見えない状況であると思います。こうした不透明な時期だからこそ、これまでの経験を踏まえながらも、日本経済をめぐる状況や事業者の需要を十分に把握されまして、活力とにぎわいあるまちづくりのために、時代に合った柔軟で的確な取り組みを行ってほしいと思います。
 まちづくりの総仕上げに向けまして、まさに今が正念場であると思います。それらの取り組みによりまして、都民の貴重な財産である臨海副都心が、東京の活力を牽引していく魅力あふれるまちとなりますことを大いに期待してまいりたいと思います。
 次に、先ほど田中委員の方からも質疑がございましたけれども、津波のことについて、私からも簡潔にお聞きをしておきたいと思います。
 都民の安全・安心のために、港湾局としては全力の取り組みをされているというふうに私も思っております。
 先日の二月二十七日に発生したチリ地震、この地震では、我が国の太平洋沿岸全域に津波警報、また、大津波の警報が発令をされました。一九六〇年には、三陸沿岸を中心に百四十名以上の死亡者、行方不明者を出した大津波があったわけであります。
 三年ほど前でありますけれども、私は伊藤興一委員と一緒に、小笠原に調査、視察に行ったときがありまして、そのときにお聞きをしたんですけれども、この一九六〇年の津波で、島の水道施設が非常に大きな打撃をこうむったと、こんなようなお話も聞いてまいりました。したがいまして、今後、防災対策として、津波対策というものは、極めて私は大事ではないかなと思っております。
 今回の日本に到達した津波の規模は小さいものでありまして、東京港内でも、晴海で三十センチメートルという値が報告されるにとどまっているわけであります。
 先日、NHKの方でも、三月十四日であったと思いますが、巨大地震に伴う津波の番組が放送されておりまして、津波に対する都民の関心というものが改めて高まっているのではないかと思っております。東京港においても、大地震の後に襲来する津波の対策は不可欠であると思います。
 そこで、東京港における具体的な津波対策について、まずご答弁をいただきたいと思います。

○前田港湾整備部長 東京湾は、房総半島と三浦半島に囲まれ、湾の入り口が狭くて、その内側が広いという閉鎖水域でございまして、津波の影響を受けにくい地形となっております。
 このため、先ほどもちょっとご答弁申し上げましたけれども、東京都防災会議等における検討結果では、東京港で想定される津波の高さは、東京湾において大きな津波をもたらす関東大震災のような海溝型の地震の場合でも、最大一・二メートル程度と予測されております。また、東京湾内における直下地震の場合では、津波の高さは最大五十センチメートル未満と予測されております。
 一方、東京港において伊勢湾台風級の台風を想定しまして、防潮堤を干潮面からの高さ四・六メートルから八メートルで整備しているほか、臨海副都心など新しい地域では、約六メートル程度の地盤高さを確保しております。このため、満潮時に最大一・二メートルの津波が襲来したとしましても、その高さは、干潮面から三・三メートルと予想され、防潮堤や地盤の高さが、予想される津波の高さを上回っていることから、津波に対しても十分安全性を備えていると考えております。

○高倉委員 高潮防潮堤によって、東京港に津波が襲来をした場合でも、十分に防護が可能であるということだと思います。そのためには、水門の閉鎖を含めて、必要な水防活動がきちんと行われるということが前提であるというふうに思います。
 先日のチリ地震の津波については、休日ということがあったと思います。到達までに大変時間があったというふうにも思っておりますけれども、ちょっと全く別な話ですけれども、平成十七年の九月に都内で集中豪雨があって、私の地元でも都市河川が大変な大はんらんを起こした。このときも実は休日でありまして、私も、地元の中野区の防災センターに直ちに駆けつけたわけですけれども、職員がほとんど集まっていない状況の中での対応を迫られたというふうな現状があって、休日だとか深夜だとか、こういった時間帯に災害が来るということは、これは、確率として低いとかそういうことではなくて、普通に想定されなきゃならないというようなことだと思います。
 今回は、休日ということもあったわけでありますけれども、先日のチリ地震における職員の体制も含めた対応についてご説明をいただきたいと思います。

○前田港湾整備部長 経過を追って説明させていただくため、若干答弁が長くなりますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
 二月二十八日午前九時三十三分、気象庁から東京湾内湾に津波警報が発令されました。これを受け、港湾局では非常配備態勢を発令し、東京港管理事務所高潮対策センター並びに五地区のサブセンターに六十三名が、本庁には十三名が参集いたしました。
 津波の到達予想時刻十四時三十分、予想高さ一メートルとの発表を受け、港湾局所管全十九水門を閉鎖することとし、十三時四十分までに閉鎖を完了いたしました。
 先ほどもご答弁させていただきましたが、陸上部の防潮扉につきましては、準備作業として、交通等に支障のない箇所の先行閉鎖を行うとともに、残りの防潮扉につきましては、小笠原諸島等の津波到達状況に応じ、速やかに閉鎖できる態勢をとりつつ待機いたしました。
 さらに、海上保安部など関係機関と連携し、船舶の運航状況を把握するとともに、海浜公園、夢の島マリーナ、客船ターミナル等につきましては、指定管理者に巡回、立入禁止措置等を指示したほか、工事現場におきまして、監視及び連絡体制を整えました。
 その後、気象庁晴海検潮所におきまして、十五時二十三分に二十センチメートルの第一波、十七時二十三分に、最大波であります三十センチメートルの第三波を観測いたしました。
 二十一時十三分には津波警報が注意報へと切りかわったことを受けまして、同二十五分に水門の開放指令を発令し、態勢を縮小するとともに、二十三時三十六分、津波注意報の解除とともに、態勢を解除いたしました。
 このように、チリ地震による津波に際しましては、実際の津波は予想を下回っておりますが、非常配備態勢の発令や水門等の閉鎖、関係機関との連携による措置など、港湾局一丸となって万全な態勢で臨むことができました。

○高倉委員 今、いろいろなご説明をいただきましたけれども、休日にもかかわらずに、迅速確実な態勢がとられていたということで、私も安心をいたしました。
 一方で、今回は、震源が地球の裏側のチリでありまして、東京では地震自体の揺れはありませんでした。しかしながら、現在の防潮堤や水門の中には、耐震性の不足するものや老朽化の進んだものもあるというふうにお聞きをしております。相模トラフなど比較的東京に近いところに震源を持つ大地震が発生をし、その直後に、最大一・二メートルとはいえ、津波が押し寄せるという事態を想定すれば、施設が地震により被災することは避けなければならないと思います。
 そこで最後に、防潮堤や水門を初めとする海岸保全施設の耐震対策、また、老朽化対策について、ご答弁をいただきたいと思います。

○前田港湾整備部長 東京港の防潮堤や水門等の海岸保全施設は、一定の耐震対策がなされておりますが、今お話にございましたとおり、地震時に液状化のおそれのある箇所や、整備後四十年以上がたった老朽化施設も一部存在しております。
 このため、港湾局では、平成十八年度に東京港海岸保全施設緊急整備十カ年計画を策定し、地震への対策をさらに万全とするために、緊急性を要する既存施設の耐震対策や老朽化対策を集中的に行うことといたしました。
 具体的には、防潮堤約六十二キロメートルに対して約十一キロメートル、内部護岸約四十七キロメートルに対して約二十四キロメートル、水門十九カ所に対して十五カ所を対象にして、平成二十七年度までに対策を完了させ、大地震からの被災リスクを低減させるものでございます。
 今後も、引き続き本計画に基づき、海岸保全施設の耐震対策や老朽化対策を着実に進めることにより、都民の生命と財産を守るとともに、首都東京の中枢機能の確保に全力を挙げてまいります。

○小沢委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、本案及び本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。

○小沢委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成二十二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、産業労働局所管分、第七号議案から第十号議案まで、第七十九号議案から第八十一号議案まで及び報告事項、新銀行東京に関する最近の動向についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○三枝総務部長 去る二月十八日の当委員会でご要求いただきました資料につきましてご説明を申し上げます。
 まことに恐れ入りますが、お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりください。
 まず目次でございます。資料は全部で二十二項目ございます。このうち、1から12までが付託議案に対する要求資料、13から22までが報告事項に対する要求資料でございます。
 一ページをお開きください。一ページからは三ページにかけまして、中小企業対策、農林水産対策、雇用就業対策の過去十年間の予算額、決算額の推移をお示ししてございます。
 続きまして、四ページをお開きください。過去十年間の従業者規模別都内製造業の推移をお示ししてございます。
 引き続きまして、五ページをお開きください。都内中小企業の月別倒産件数、負債額の推移をお示ししてございます。
 平成二十一年における東京都の倒産件数は二千九百八十八件、負債額は約二兆三千億円でございます。
 恐れ入りますが、六ページをお開きください。過去十年間の都内小規模小売店の推移をお示ししてございます。
 続きまして、七ページをお開きください。地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの利用状況の推移をお示ししてございます。
 続きまして、八ページをお開きください。進め若手商人育成事業の実績の推移をお示ししてございます。
 (2)、商人大学校の平成二十年度の修了者数は六十九人、また、(4)、若手商人リーダーの育成と活用における平成二十年度の受講者数は三十四人でございまして、それぞれ定員に対し高い実績と相なってございます。
 次に、九ページから一〇ページにかけまして、過去十年間の雇用情勢をお示ししてございます。
 続きまして、一一ページから一二ページにかけまして、過去五年間の都立職業能力開発センターの応募状況と職業紹介実績、就職率をお示ししてございます。
 恐れ入りますが、一三ページをお開きください。都立職業能力開発センター、校別、科目別応募倍率をお示ししてございます。
 続いて、一四ページから一五ページにかけまして、過去十年間の中小企業制度融資の実績と預託額の推移をお示ししてございます。
 一五ページ下段の合計欄をごらんください。右端にお示ししたとおり、平成二十年度の融資実績の件数は十八万八千三百十五件、金額は三兆一千二百三十八億円となってございます。また、その下の欄にお示しした預託額は二千百九十三億円でございます。
 一六ページをお開きください。新銀行東京の再建計画の進捗状況をお示ししてございます。
 上の表にお示ししたとおり、損益計算書の当期純利益につきましては、再建計画上、平成二十一年度の収益計画ではマイナス十九億円でございますが、第三・四半期決算では、プラス十四億円となってございます。
 次いで、下にお示ししたように、貸借対照表の純資産につきましては、再建計画上、平成二十一年度の収益計画では四百億円でございますが、第三・四半期決算では四百八十八億円と相なってございます。
 次に、一七ページから一八ページにかけまして、新銀行東京の開業以降の月別の融資件数、残高、返済額、不良債権額について、平成十七年四月から平成二十一年十二月までの実績をお示ししてございます。
 一八ページの表にお示しをいたしましたとおり、平成二十一年十二月末までの中小企業向け融資の実行件数の累計は一万八百八十四件となってございます。
 続きまして、一九ページから二〇ページにかけまして、新銀行東京の開業以降の融資、保証実績で、月別、メニュー別の件数、金額につきまして、平成十七年四月から平成二十一年十二月までの実績をお示ししてございます。
 二〇ページの表にお示ししたとおり、平成二十一年十二月末までの中小企業向けの融資と保証を合わせた実績の累計は、実行件数が一万八千百五件、実行金額が三千百八十九億五千八百万円となってございます。
 二一ページをお開きください。新銀行東京の開業以降の融資、保証実績で、事業規模別の件数、金額(残高ベース)をお示ししてございます。平成二十一年十二月末時点の融資と保証の合計の件数は八千百四十件、残高は七百四十二億八千四百万円となってございます。
 恐れ入りますが、二二ページをお開きください。新銀行東京の開業以降の融資、保証実績で、事業規模別の件数、金額(実行ベース)をお示ししてございます。
 平成二十一年度の融資実績は、下段にお示ししたとおり、第三・四半期までで件数が三百五十件、金額が二百九十三億九千六百万円となってございます。
 二三ページをお開きください。新銀行東京の開業以降の債務超過企業、赤字企業への融資、保証実績をお示ししてございます。一番右側の欄が、平成二十一年度第三・四半期末時点の実績でございまして、合計の件数は四千二百六十三件、残高は二百七十九億円となってございます。
 二四ページをお開きください。新銀行東京の預金規模別の預金者の件数、割合、金額をお示ししてございます。
 平成二十一年度第三・四半期末時点における一千万円以下と一千万円超の個人及び法人預金者の件数、金額及びそれぞれの割合をお示ししてございます。
 二五ページをお開きください。新銀行東京の預金規模別の預金者の件数、割合、金額の推移をお示ししてございます。各年度末時点及び平成二十一年度第三・四半期末時点における一千万円以下と一千万円超の個人預金者の件数、金額及びそれぞれの割合をお示ししてございます。
 次に、二六ページから二七ページにかけまして、資金運用収益、資金調達費用の各内訳別の推移(新銀行東京、全国銀行、地銀、第二地銀)につきまして、平成十七年度から平成二十年度までの業態別の資金運用収益と資金調達費用の内訳をお示ししてございます。
 二八ページをお開きください。新銀行東京の有価証券残高とその内訳の推移でございます。平成十七年度から平成二十一年度第二・四半期末までの有価証券残高と、その内訳をお示ししてございます。
 以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○小沢委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○佐藤委員 まず初めに、離職者向け支援窓口の広報事業について伺います。
 都は、失業者のための緊急雇用創出事業や、低所得者層の安定した就職を支援する就職チャレンジ支援事業、さらには、離職者向け訓練の実施など、さまざまな緊急雇用対策を実施していますが、働く都民の現場からは、こうした都の雇用対策の取り組み内容や相談窓口などがよくわからないといった声をよく耳にします。
 このため、我が党は、平成二十二年度の予算要望において、求職者に対して、各種相談窓口の周知について積極的に広報すべきと提案してきました。今回の離職者向け支援窓口の広報事業は、雇用対策の一層の充実を求める我が党の要望を踏まえ、二十二年度の復活予算案として三千五百万円が計上されております。既に第一回定例会の本会議や予算特別委員会においてご答弁いただいているように、この広報事業は、支援が必要な離職された方々を適切な支援策に結びつけていくための事業とのことですが、より一層成果を上げていくためには、離職者の状況に応じて、実施方法についても工夫を凝らすことが必要と考えますが、見解を伺います。

○日請事業推進担当部長 都は、厳しい雇用情勢の中で離職を余儀なくされた方々に対しまして、生活支援から雇用の確保など、さまざまな支援策を実施しております。
 こうした支援策につきましては、どこの窓口でどのような支援を行っているかといった情報を真に必要とする方々にきちんと届け、適切な支援策に結びつけていくことが必要でございます。
 このため、これまでも、離職者向けの支援策をパンフレットで紹介するほか、サポートダイヤルも設けまして窓口紹介を行うなど、多様な手法で情報提供を行ってまいりました。
 さらに、来年度は、求人情報紙への広告、あるいはコンビニエンスストアを活用したパンフレットの配布など、支援を求める方々の目に触れやすい方法によりまして、通年で広報を実施することといたします。
 広報の実施に当たりましては、年末年始あるいは年度末における離職者の状況等を踏まえ、時宜に応じて広報を強化するなど、工夫をしながら取り組んでまいります。

○佐藤委員 景気が厳しい中でもあり、社会的にも必要とされている事業でもありますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、地域の金融機関と連携した新たな金融支援策について伺います。
 来年度予算額を見ると、預託金を増額して融資額をふやすと聞いております。景気が厳しい中、さらに預託金をふやして融資額をふやすことが必要ではないかと考えますが、見解を伺います。

○保坂金融部長 地域の金融機関と連携して都が独自に実施している新たな保証つき融資制度の平成二十二年度の融資目標額については、都内の中小企業を取り巻く経営環境はもとより、取扱金融機関及び保証機関との意見交換や、今後の取扱金融機関の拡大等を踏まえまして、今年度五百億円に対して、来年度六百億円に拡大して設定したところでございます。
 したがって、来年度の融資目標額は適正なものと考えております。

○佐藤委員 今回、都が実施した支援制度ですが、融資が焦げついた場合、都が八割を補てんし、金融機関と保証機関は一割ずつを補てんする制度であるわけです。そして、保証料が一%から三%であり、金利負担が二・五%と伺っております。
 ただ、この保証料が妥当なのかどうか、若干疑問を持っております。といいますのは、保証機関の補てん割合は、焦げついた融資総額の一〇%にすぎませんから、通常の保証と比較しても、保証料を低く抑えることができるのではないでしょうか。
 平成十五年三月から実施された東京都ディーゼル車特別融資と、平成十七年から実施されたNOx・PM法買いかえ特別融資あっせん制度を参考にしてみました。これらの制度には、都が利子補助金や信用保証料補助金を払っておりまして、東京都ディーゼル車特別融資は、平成十五年から平成二十一年度の合計で約九億二千万円支出しており、NOx・PM法買いかえ特別融資あっせん制度では、平成十七年から現段階で約八千万円支出しております。
 東京都ディーゼル車特別融資では、民間保証機関として、オリックスの子会社の株式会社イフコと住商リース株式会社が保証をしておりました。イフコについては、オリックスが再保証しておりました。
 NOx・PM法買いかえ特別融資あっせん制度では、民間保証機関として、オリックス自動車と住商リースが保証をしておりました。オリックス自動車については、オリックスが再保証しておりました。
 両制度とも、物的担保として、民間保証機関が購入車両の所有権を留保するということになっております。信用保証料は、東京都ディーゼル車特別融資が四・五%、NOx・PM法買いかえ特別融資あっせん制度が三・六%です。ここでは、民間保証機関は、購入車両の所有権を担保としてとり、融資が焦げついた場合、全額保証をするわけです。担保があるわけですが、全額保証して三・六%でした。
 一方、今回、産業労働局として実施をされた新たな金融支援策ですが、保証機関は担保をとれないといっても、融資が焦げついた場合、その一〇%しか民間保証機関が補てんをしない制度であるわけです。しかも、信金との取引が一定期間ある企業を対象とするわけですから、ある程度、目ききができるわけです。そのためリスクも抑えられるといえるのではないでしょうか。
 NOx・PM法買いかえ特別融資あっせん制度では、有担保で全額補てんの保証料が三・六%。一方、今回の支援制度では、無担保で一〇%しか補てんしない保証料が一から三%というのは、保証料の設定が高いのではないかと思うわけです。
 今お話しした環境局が行っている二つの制度は、融資先の破綻率などといった検証はされていないようですが、検証してデータを蓄積することで、都としても保証機関と保証料率の交渉を行うことができるのではないでしょうか。ぜひ環境局と産業労働局で密に情報交換していただき、組織としてのノウハウ蓄積に努めていただきたいと思います。
 民間保証機関のリスク引き受け割合が低いので、保証機関に対する保証料を下げることが妥当ではないでしょうか。定期的に補てん割合の見直しを行うことが必要ではないかとも考えます。また、これだけ景気が厳しい中ですから、融資先の破綻率や保証料等の状況を見ながら、可能であれば、利用する中小企業の保証料軽減を行うべきと考えますが、見解を伺います。

○保坂金融部長 本制度では、厳しい経営環境に直面し、資金繰りに苦しむ都内中小企業に対して、一歩踏み込んだ支援を行うために、昨年度、都議会において、実施する上での根拠となる条例案及び予算案のご審議をいただき、議決を経た上で創設したものでございます。
 都におきましては、八割相当の損失補助を行うこととしたところであり、取扱金融機関、保証機関にもそれぞれ一割相当のリスク負担をしてもらうことにより、車の両輪のごとく、精度の高い審査を期待しており、もって制度の安定性の確保を図っているところでございます。
 保証料を引き下げるべきとのお話でございますが、保証料につきましては、取扱金融機関と保証機関との間における個別協議の上で設定されているところであり、都といたしましては、取扱金融機関に預託金を入れることにより政策金利を設定し、都内中小企業の負担の軽減に努めているところでございます。
 なお、今、先生からお話がございました、ディーゼル車買いかえのための融資制度につきましては、保証機関が保証承諾をするに当たり、中小企業から保証会社に対する担保提供が条件となっており、中小企業が債務不履行になったとしても、保証機関は代位弁済後に求償権を行使することにより、担保を処分することで回収が見込めるものであり、無担保の保証制度と比べても、一般的にその保証料は低くなるものでございます。
 また、資金使途は、設備資金、しかも車両に限られた制度となっております。融資限度額も異なっております。
 一方、今回の、地域の金融機関と連携して都が独自に実施している新たな保証つき融資制度につきましては、あらゆる事業者の運転資金を含めた資金需要に無担保でこたえる制度でございます。
 このように、保証つき融資制度のさまざまな前提条件が異なっておりますので、単純に比較しても意味のないことだと考えております。

○佐藤委員 今お答えいただきましたが、車を担保にしているといっても、使っている車ですから、もちろん減価償却をして担保価値が下がるわけです。そういったことも含めて、いろいろ比較検討をしていく必要があるのかなと思っております。
 私が今申し上げたのは、今回、民間の保証機関を公募されたんでしょうが、その際に、先方の提示をされた数字だけで制度をつくって本当にいいのかどうか。東京都としても、似たような制度を以前環境局でやられていたわけですから、本来であれば、それをちゃんと、もう制度も終わっていることですし、検証をして、その数字、データを踏まえて、こういった民間の保証機関と交渉をしていくことが必要ではなかったのかなと思いまして、今申し上げたわけです。
 そして、引き続き申し上げますが(発言する者あり)質問でないですから。いいですか。(発言する者あり)引き続き伺いますが、今回実施した金融の支援制度には、二つの組織が民間保証機関として携わっています。それは、オリックス株式会社と全国しんくみ保証株式会社の二つです。オリックスに関しては、平成十五年十二月一日の財政委員会において、中路副出納長が、オリックスとの提携による融資取り次ぎや保証等と言及しており、平成十六年も三回ほど大塚出納長などが答弁で言及しています。結果として、新銀行東京の保証業務はやらなかったようですが、今回の融資支援制度の保証機関になったわけです。
 今後、金融の支援制度に新銀行が参加の意向を示すことが将来的にあるかもしれませんが、今回、保証機関を引き受けているオリックスは、新銀行東京の株式を五万株も保有する大株主です。オリックスと十億円もの資本関係のある新銀行東京が、加盟金融機関に手を挙げることは望ましくないのではないかと思います。都としては、制度の性質上、特定の金融機関の参加の可否について発言することは難しいと思いますが、税金を使う制度である以上、都民が納得できるような保証機関の中立性が担保できる制度であることが必要です。都の見解を伺います。

○保坂金融部長 本制度は、緊急保証制度によっても資金調達が困難な企業が存在していることから、この難局さえ乗り切れれば将来的に展望が開ける都内中小企業を見出し、資金面から支援していくことを目的に創設したものでございます。
 そのため、本制度では、繰り返しになりますが、取扱金融機関、保証機関がそれぞれリスクを負担することにより、取扱金融機関においては目ききの力、保証機関においては審査ノウハウがなお一層活用され、車の両輪のごとく精度の高い審査が行われる仕組みとなっているところでございます。
 このように本制度においては、取扱金融機関及び保証機関のそれぞれの役割が適切に発揮される仕組みが構築されており、その制度の適正な運営が確保されているところでございます。

○佐藤委員 今回の制度では、民間保証機関を使ったわけですが、公的な保証機関、例えば公的な団体として信用保証協会を使うということもできるのではないでしょうか。信用保証協会は企業のデータも豊富にそろっており、十分な目ききができ、信用調査等を行うコストが安く済むのではないかと考えます。
 信用保証協会は、制度融資を行うための機関として役割を果たしているわけですが、法的に見ても、その他の業務を行うことを禁じているわけではありませんし、公的な金融の支援制度でもありますから、大いに活用できるのではないかと思います。
 今回の制度は、融資を実施した場合、その返済が終わるまで十九年間もの債務負担行為となっております。永続性の観点を考えても、信用保証協会を使った方が制度的になじんだのではないかと思います。
 確認させていただきますが、信用保証協会を保証機関として使うことを考えていなかったのかどうか、お答えください。

○保坂金融部長 本制度は、依然として厳しい経営環境に直面しており、緊急保証制度によっても資金調達が困難な企業が存在している中にあって、この難局さえ乗り切れれば将来的に展望が開ける企業を見出し、資金面から支援していくことを目的として創設したものでございます。
 そのため、国の信用補完制度に基づく制度融資とは別に、都が独自に創設し、保証機関が個々に蓄積したさまざまなノウハウなどを活用してこうした目的を実現するものであり、本制度の保証機関として信用保証協会は想定しておりません。

○佐藤委員 信用保証協会が融資できない企業に対して融資を行うということも考えて、民間保証機関を使ったのかもしれませんが、信用保証協会を使ったとしても、制度融資の枠の外の制度で運用されるようにすれば問題ないのではないでしょうか。
 また、信用保証協会を使えば、さまざまなチェックを行うことが可能になってくるわけです。平成二十二年度予算で、融資額を増額する予定であるわけですが、今の枠組みで融資額を増額されるだけでなく、都として、今回実施した金融の支援制度を、信用保証協会を保証機関として、もう一つの金融の支援制度をつくるということも、今後検討の余地があるのではないかと考えますが、都の見解を伺います。

○保坂金融部長 景気の後退の影響を強く受けて、都内の中小企業の中には、緊急保証制度をもってしても十分な資金調達のできない企業がおり、本制度は、こうした資金繰りに苦しむ都内中小企業を緊急的に支援するため、民間保証機関がこれまで蓄積したさまざまなノウハウなどを活用して、信用保証協会による制度融資とは別に、都独自に創設したものでございます。
 引き続く厳しい経営環境などを踏まえて、来年度は融資目標額を拡大して利用を促進していく考えでございます。
 都といたしましては、引き続き経営緊急を中心とした制度融資に取り組むとともに、本制度を実施することにより、都内中小企業の資金繰りに万全を期してまいります。

○佐藤委員 私は以前、経済・港湾委員会で、膨大な郵貯の資金を企業融資に結びつけていくことが大事なのではないかと申し上げましたが、都が、信用保証協会の目ききの力を使い、また郵貯とも連携をしてその資金力を使えば、多くの企業に資金供給することが可能になってくると思います。ぜひご検討いただくよう要望いたしまして、新銀行の質疑に移ります。
 新銀行東京に関して伺います。
 以前、経済・港湾委員会で、新銀行東京が多くの法律事務所を使っているということを確認させていただきました。今回新銀行が起こした損害賠償請求訴訟の訴訟代理人である法律事務所を含めた顧問法律事務所が、どのような連携をしているかについて確認させていただきたいと思います。
 平成二十二年一月二十九日に、旧経営陣に対して損害賠償請求の裁判が提起されたわけですが、その訴訟代理人は、西村あさひ法律事務所とのことです。平成二十年十二月十一日の経済・港湾委員会で確認させていただきましたが、その当時、中村金融監理室長の答弁では、新銀行は現在、専門分野別に九つの法律事務所と顧問契約を締結してございますと述べています。実質業務純益は赤字であり、固定費を削減しなければならない状況であるのに、多くの費用をかけて顧問契約を結んでいたわけです。
 現在は、新銀行は幾つの法律事務所と顧問契約を結んでいるのでしょうか、お答えください。

○中村金融監理室長 銀行業務におきましては、コンプライアンスが非常に重視されており、新銀行東京は、他の銀行と同様、与信管理や審査、訴訟など、それぞれの分野ごとに法律事務所と必要に応じ顧問契約を結んでおります。
 平成二十年十二月の本委員会で答弁した当時と比べて、現在、顧問契約を締結している法律事務所は減っていると、新銀行東京からは聞いております。

○佐藤委員 コンプライアンスがしっかり守られていなかった新銀行東京が、多くの法律事務所を使っていた。皮肉な状況だったのではないかと思いますが、平成二十年十月二十七日に、元行員の詐欺容疑に対して、警視庁への告訴状を出した際には、どこの法律事務所を使っていたのでしょうか、お答えください。

○中村金融監理室長 新銀行東京は、他の企業と同様に、告訴に当たっては弁護士を代理人としてございます。
 なお、こうした契約におきましては、相手方の承諾を得ずに公表を行うことはございません。

○佐藤委員 今、お答えいただきましたが、先方が了解しないというお答えですが、今回の西村あさひ法律事務所では承諾されたということでしょうから、恐らくそれ以外の法律事務所が担当されたのだろうと推察いたします。
 このことから、事件によっても使っている法律事務所が違うということがわかります。外部調査報告書は牛島弁護士がかかわり、新銀行東京調査委員会による調査報告書は堀弁護士がかかわったということを、当時、議会で確認させていただきました。
 また、中村金融監理室長は、そのとき、なお、個々の法律事務所の名称や経費につきましては、新銀行東京と法律事務所の間で契約による守秘義務があることから、都も承知してございませんとも答弁しております。
 この答弁を読み返して疑問を持ったのですが、それぞれの法律事務所は、新銀行東京と守秘義務契約を結んでいるのだろうと思います。しかし、法律事務所同士の情報共有は、手間暇がかかるのではないでしょうか。
 なぜ新銀行は、調査と訴訟と、さまざまな法律事務所を使っているのでしょうか。しかも、調査報告書によって、出てくる弁護士の方の名前も異なります。裁判に勝つには、当然、調査した情報が必要でしょうから、調査を行った法律事務所が訴訟を担当した方が、効率や費用の面でもメリットがあるのではないかと思うわけです。
 外部調査報告書をつくった法律事務所でない法律事務所が訴訟を担当しているのは、どういった理由からでしょうか。
 また、都は、どういった説明を受けているのでしょうか、お答えください。

○中村金融監理室長 新銀行東京からは、今回の訴訟については、より一層複層的な視点から、入念に調査が行われることを期待して、外部調査報告書を作成した調査委嘱先以外の法律事務所を訴訟代理人として選び、この訴訟代理人は、企業訴訟について実績、経験が豊富であり、万全の体制を整えたものと聞いてございます。

○佐藤委員 そこで伺いますが、外部調査を担当した法律事務所と訴訟にかかわる法律事務所では、どういった形で情報を共有しているのでしょうか。法律事務所間の契約は存在しているものでしょうか、お答えください。

○中村金融監理室長 都としては、お話のような契約の有無につきましては承知しておりませんが、訴訟を行うに当たって必要な情報交換は行っていると、新銀行東京から聞いております。

○佐藤委員 今お答えいただいたように、訴訟を担当するわけですから、当然、必要な情報は交換をしなければならないわけです。しかし、法律事務所が異なるわけですから、非常に手間暇がかかる。何の必要があって、こんな面倒でコストのかかることを行わなければならないのでしょうか。私は疑問を持っております。
 新銀行東京調査委員会による調査報告書が出たのが平成二十年三月十一日、外部調査報告書が出たのが平成二十一年二月十七日であり、同日のニュースリリースでは、訴訟提起のための準備を進めていくと発表したわけです。そして、損害賠償請求の訴訟が提起されたのは平成二十二年一月二十九日ですから、一年近い期間がかかっております。
 元行員の詐欺容疑に対して、警視庁への告訴状を出した際には、半年ほどで警視庁に捜査依頼をしていたわけですから、比較的時間がかかっております。この間、東京都は、新銀行は訴訟の準備中だと何度も答弁しているわけです。幾つもの法律事務所と契約をしていたわけですが、この間、どういった手続がなされていたのでしょうか。
 そこで伺いますが、平成二十一年六月の株主総会で、都は、株主として損害賠償請求についてどういった発言をされたのでしょうか、お答えください。

○中村金融監理室長 平成二十一年六月の株主総会におきまして、旧経営陣に対する責任追及について、新銀行東京は旧経営陣に対して訴訟を提起することを決定しているが、司法の場において旧経営陣の経営責任が明らかにされることを期待している。都としても、その行方を注視しており、準備が整い次第、速やかに提訴することをお願いすると、新銀行東京に対して要請しております。

○佐藤委員 本来であれば、法的な問題がある事柄について速やかに処理し、その結果を株主総会で報告できるよう、企業として対処することが必要だったのではないでしょうか。一つの問題に対して、数年間も結論が出ないといったことでは、企業としての経営体質に疑問を覚えます。
 次に、再建計画について伺います。
 再建計画の概要を見ると、平成二十四年三月には、預金を二百億円まで減らす予定になっておりますが、預金を集める努力をしなければ、今のままの融資残高は維持できないだろうと思います。融資残高を今後減らすつもりはあるのでしょうか、お答えください。

○中村金融監理室長 新銀行東京は、中小零細企業への支援を十全に果たすため、平成二十三年度の単年度黒字化を目指して、懸命に再建に取り組んでいるところでございます。
 新銀行東京は、計画に沿って、優良な資産へ入れかえを進め、規模は小さくなるものの、健全な経営体質としていくこととしてございます。

○佐藤委員 つまり、景気が厳しくとも、新銀行東京は経営規模を大きく縮小し、再建を目指すということをおっしゃっているわけですね。どういった企業に対しての融資が減らされるのか、伺っておく必要があると思います。
 平成二十四年三月には、融資、保証の残高を六百五億円まで減らすという計画のようですが、融資を減らす対象となるのは、どういった企業なのでしょうか、お答えください。

○中村金融監理室長 新銀行東京は、他の金融機関と同様に、融資に当たりましては、案件ごとに事業の見通し、企業の財務状況、将来性などを総合的に勘案して、適切に審査を行うこととしてございます。
 なお、企業の業種や規模などを定めて融資を減らす対象とするようなことはありません。

○佐藤委員 業種や規模を定めて融資を減らす対象にはしないとお答えいただいているわけですが、まず、融資を減らす前に、国債や社債投資の規模を減らしてはどうかと思うわけです。
 そこで伺いますが、融資、保証の残高を六百五億円まで減らすことを計画されているようですが、国債、社債の投資はどれほどの規模を想定されているのでしょうか、お答えください。

○中村金融監理室長 新銀行東京は、計画に沿いつつ、規模は小さくなるものの、経済金融情勢に合わせながら有価証券を保有しております。
 新銀行東京は、民間銀行として、経済金融情勢に対応して経営をしており、有価証券投資の規模や内容は、まさに経営が判断すべきものだと考えてございます。

○佐藤委員 引き続き伺いますが、融資の審査等にかかわる新銀行東京の人員についても伺っておきたいと思います。
 平成二十四年三月末には、百二十名まで削減予定と伺っておりますが、正職員と委託職員の割合は何人と想定しているのでしょうか。現在と比較して、伺います。

○中村金融監理室長 新銀行東京は、業務の効率化のために委託を活用してございますが、こうした委託社員は、新銀行東京の計画において、社員数には入ってございません。

○佐藤委員 新銀行では、開業前の検討段階から、委託職員に大きな役割を持たせることを考えていたように思われます。平成十五年十二月十二日の財政委員会では、津島理事が、それから単に職員ばかりではなくて、委託職員、それから、こちらの説明にもございますけれども、外部委託、いわゆるオリックスを使った外部委託の職員を使う、こういったものをそれぞれ組み合わせて融資を実行するという形をとっておりまして、と答弁しています。
 多くの会社から委託職員が出ていたのでしょうが、津島理事の答弁で名前の出ていたオリックスから委託職員を受けていたことはあるでしょうか、お答えください。

○中村金融監理室長 委託社員に関して、お尋ねのような事実はないと新銀行東京からは聞いております。
 なお、お話のあった答弁は、あくまで新銀行設立前の計画段階のものでございます。

○佐藤委員 今のお答えによれば、オリックスから委託職員を受けていたことはなかったわけですね。なぜ津島理事がこういった答弁をしていたのかということも、今後、明らかにしていく必要があるだろうと思います。
 今回、訴訟にかかわることや再建計画等について伺ったわけですが、今後の経営状況についても注意深く監視をしていくことが必要だろうと申し上げておきたいと思います。
 先ほどお答えいただいたように、融資は縮小することが予想される。しかし、一方、国債や社債の投資に関しては新銀行に任せていく、経営判断にゆだねていくといったことで、本当に株主としての東京都の姿勢はそれでいいのかどうか、私も若干疑問を持つところです。
 中小企業の育成のために、また、支援のために、どれほど新銀行東京がかかわっていくのか、我々も監視を今後続けていきたいと思います。
 今後も、新銀行特別委員会や経済・港湾委員会の質疑を通じて、さまざまな新銀行の問題を明らかにしていきたいと思います。

○前田産業労働局長 先ほどの、地域の金融機関と連携した新たな金融支援策について、ご質問については担当の部長から一つ一つお答えしておりますが、私から総括的に補足をさせていただきたいと思います。
 委員のご質問そのものはもちろん尊重いたしますけれども、私ども産業労働局は、現実の生きた経済金融情勢の中で、都内の中小企業者などの方々に対して、いかに適時適切にその施策を実施し、効果を上げるかということが、実は私どもの仕事の命だと思います。
 お話の中で、過去の融資等の比較をされて、それはそれで比較の数字そのものは事実ですけれども、平成十五年、十七年、十八年の経済状況と、平成二十年、二十一年、そして現在の経済状況は、まるで違うと思います。
 また、制度融資を大幅に拡大して、今までよりも大幅に質、量ともふやしている中で、なおそれでも手が及ばないところに、私どもはどうしたらいいかということで、民民の関係ですけれども、新たな制度をつくり、それをベースにして行っているわけです。
 信用保証協会を使ったらよいという話もありましたが、信用保証協会は、信用保証公開法に基づいてできている組織でございますので、すぐに右から左に施策が実行できるというものとは限らないと思います。
 そういったことを考えまして施策を行っているわけで、委員がご指摘された点については、当然私どもの検討の中でも踏まえて行っておりますけれども、それをもって、余り強調されると、現実に生きた施策はできないのではないかと、私どもはそういうふうに思っております。

○佐藤委員 先ほど金融の支援策について申し上げましたのは、私、環境局の、実施をされた二つの事例を見まして、その実施の結果というものを、東京都の組織として検証されていないのではないか、そう伺ったわけです。
 やはり、今まで同じような制度をほかの局がやっていたわけでありますから、その局の結果を踏まえ、そして、そのノウハウを生かして、じゃあ、産業労働局として今回の支援策、どういった制度を組み立てていくのか、やはりそういったノウハウ、また、過去のデータを生かすべきであったろうと思います。
 そういった提案をさせていただいたわけでありますが、また今後も引き続き、そういった今回の支援策含め提案をさせていただきたいと思います。

○小沢委員長 この際、議事の都合によりおおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時一分休憩

   午後三時二十分開議

○小沢委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○高木委員 少子化への取り組みについてお伺いをさせていただきます。
 我が都議会自民党は、少子化が急速に進行する中、子どもを産み育てやすい環境を総合的に整備をして、少子化に歯どめをかけることが重要との認識から、昨年二月定例会で、縦割りの壁を乗り越えた総合的な対策を構築するように求めて、都において少子化打破・緊急対策本部が設置をされたわけであります。
 我が党としても、実は、その定例会の終わった直後から、昨年の都議選を経て、都議選の直後に少子・高齢化政策推進本部を、党内のプロジェクトチームとして立ち上げをさせていただいて、昨年十二月に中間のまとめとして真摯な提言を行いました。東京都は、これを受けて、本年一月、少子化打破緊急対策の報告を公表したわけであります。
 この緊急対策では、単なる現金給付にとどまらず、保育園等の子育て、医療体制の充実、仕事と家庭が両立した働き方、住宅、教育などの子育て環境の四つを柱とした施策が打ち出され、これまでにない新たな発想に立った取り組みが二十二年度予算に盛り込まれております。産業労働局では、仕事と家庭の両立支援に取り組むこととしているわけであります。
 さきの予算特別委員会において、我が党は、少子化打破緊急対策における東京モデル事業と東京しごとの日について、鈴木あきまさ理事が質問をいたしましたが、本日の委員会では、少子化打破の第一歩となる、二十二年度の雇用分野における緊急施策の意義と、その取り組みについて伺います。都の見解をお伺いいたします。

○小田雇用就業部長 少子化に伴う人口の減少は、社会や経済の基盤を揺るがしかねない重要な問題であり、今が少子化の傾向を反転させるラストチャンスの時期でございます。
 このため、都は、保育、医療、雇用、住宅など、政策の垣根を越えた総合的な対策を取りまとめ、二十二年度からの三カ年で重点的に取り組むことといたしました。
 産業労働局では、仕事と出産、子育てが両立できる雇用環境の整備にかかわる施策を担当いたします。
 その概要を申し上げますと、一つは、企業等のすぐれた取り組みを波及させる働き方改革東京モデル事業。二つには、社会全体でワークライフバランスを推進する機運を醸成する、仮称でございますが、東京しごとの日の設定。三つ目には、女性の就業をサポートする再就職支援事業や、保育つき職業訓練の実施。四つ目には、経済的負担を軽減するための子育て・介護支援融資の拡充など、合わせて七事業でございまして、二十二年度の予算額は約二十億円となっております。
 働きやすい環境をつくり、少子化打破の道筋を切り開いていくため、この七つの事業を確実に推進してまいります。

○高木委員 仕事と家庭が両立できる雇用環境の整備を図って、真に安心して子どもを産み育てることのできる社会を実現するのが、今求められているんだろうと思います。
 人それぞれの生き方については、いろいろな志向もありますし、それぞれ個人の方針というのもあるんだろうと思いますが、しかしながら、そうした環境を整えるということは、一方では大切なことかなと思います。少子化打破に向けて、ぜひこれらの事業をしっかりと取り組んでいただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。
 さて、その雇用の問題をきょうは中心的に取り上げさせていただきたいと思いますが、昨年、平成二十一年は、我が国の有効求人倍率が〇・四七倍。これは昭和三十八年の調査開始以来最低水準。消費者物価指数も前年比一・三%の下落、昭和四十六年以降で最大の下落率となるなど、我が国の経済にとって今まで経験をしたことがない大きな落ち込みを見せた年であったといわれています。
 そして、世界的な金融危機発生から一年半たった現在、アジアを中心に世界が回復基調へと向かう中、日本経済は回復力が弱く、景気低迷からいまだ脱却できないともいわれています。
 この長引く不況によって、地域産業が疲弊をし、雇用にしわ寄せが行き、都内の完全失業者数は三十万人台と、依然として高水準で推移しています。今まさに、働きたい人が働けず、生活の糧を失うといったこの不幸な状況から、早期脱却が喫緊の課題となっています。このため、雇用の受け皿となる産業の維持拡大を図って、雇用機会を拡大していかなければならないことは、これは論を待たないところでございます。
 雇用機会の拡大は、財政出動などで雇用の受け皿づくりを実施することに加えて、不況期こそ人材の確保のチャンスと積極採用に動く企業が出てくること、あるいは、雇用吸収力が高く、従前から雇用の調整機能を果たしてきた産業が活力を取り戻すこと、そして、新たな雇用の受け皿となる産業が台頭してくることなどによって実現をすると思います。例えば、バブル崩壊後の景気低迷期における失業増を、建設業の求人増などで吸収したことが、実は総務省の労働力調査でも、これは明らかになっていることであります。
 しかし、近年の、これは建設だけにちょっと限って取り上げますが、建設投資は、公共事業費の削減による影響もあって、四十兆円台と、ピーク時である平成四年の八十四兆円の半分程度の水準で現在推移をしておりまして、加えて、受注の減少やダンピング受注の頻発等による利益率の著しい低下など、都市の発展につながるインフラ整備を担うとともに、雇用の受け皿としても最も期待をされる建設業は厳しい状況に追い込まれているわけであります。
 私の手元に、実はこういう資料がございまして、これは建設投資及び建設業就業者の推移という、こういう資料なんですが、これを見ても、物すごくこれは明らかな話なんですけれども、今申し上げた平成四年のピーク、これは国内の建設業投資が、全体で、民間も公共も含めて八十四兆円。そして、先ほども申し上げましたように、現在、四十兆円台。
 この明らかな投資額の減少というのは、まさに雇用調整機能の最も大きなところを戦後ずっと果たしてきたこの建設事業というものが、極めて産業自体が縮小していることによって、雇用にも非常に影響がある。こういうことをぜひ認識をしておいていただきたいと思っております。
 こうした状況を受けて、来年度予算に盛り込まれている公共事業を活用した中小企業の支援や雇用の創出、これは我が党の要望にこたえたものというふうに思っておりますので、これは高く評価をいたしております。
 また、東京には、建設業のほかに、雇用吸収力の高いといわれている運輸、あるいは医療、福祉、生活支援サービスなど、労働集約的な産業ゆえに雇用の受け皿として期待される産業も、実は数多く見られるのが私たちの東京の特徴でもあると思っています。
 現下の厳しい雇用情勢の中では、雇用政策との相乗効果が発揮されるような雇用吸収力の高い産業や企業への支援も必要だと考えています。
 私は、こうした観点から質問するわけでありますが、そこで、まず東京都は、この厳しい雇用情勢の改善に関する産業や、そうした企業の役割というものを基本的にどのように認識をしているのか、お伺いをいたします。

○山手商工部長 一昨年来の不況が続く中、一部に景気の持ち直しの動きが見られるものの、経済、雇用環境は依然として厳しい状況にございます。
 こうした状況下におきましては、緊急雇用対策など、雇用を維持、創出する施策を講じることはもちろんのことではございますが、産業の活性化が雇用の拡大につながることから、多面的な施策により企業活動を活発化させ、産業の維持発展を図っていくことが重要であるというふうに認識してございます。

○高木委員 それでは、今答弁にあったような認識に基づいて、現下の厳しいこの雇用情勢の中で、どのような考え方に立って産業振興に取り組んでいるのか、所見を伺います。

○山手商工部長 人口や企業が高度に集積してございます大都市東京におきましては、介護、福祉、観光等のサービス産業などが発達しておりまして、高い雇用吸収力を持ってございます。東京の特性を反映した、こうした産業の振興を図りますとともに、将来を見据えまして、環境、医療を初めとする成長性の高い産業を育成し、経済基盤を強めていくことが重要と考えております。
 都内の各地域には、中小企業等のすぐれた技術や観光等の多様な地域資源、優秀な人材など、高いポテンシャルがあることから、企業、NPOなど、多種多様な主体が行います地域活性化につながる取り組みを支援いたしまして、新事業等の創出を図ってございます。
 また、環境分野等におきましては、新産業の創出や産業規模の拡大につながるプロジェクトを、研究開発から事業化まで一貫して支援するなど、成長産業の育成に積極的に取り組んでおります。
 こうした取り組みによりまして、産業を活性化させ、雇用の創出、拡大につなげてまいります。

○高木委員 実は、最初に質問した企業や産業の役割というのは、言葉でいうと、雇用調整能力というのかな、産業における雇用調整能力。今ご答弁をいただいたのは、雇用の吸収力ということだと思うんですね。
 つまり、じゃあ、調整力と吸収力というのはどう違うかといえば、調整というのは、失業者が多いときにそこで雇用が生まれ、で、景気がよくなって、いろんな業種がたくさん勃興して景気がよくなってきたときには、そこの業種からまた離れて違うところにも行けると。そういうのがやっぱり調整能力だと思いますし、吸収力というのは、やはり成長産業はたくさん人を使う必要が出てくる。そこで、吸収をどんどんしていって、その産業自体がパイが大きくなっていく、そういうことなんだろうと思うんですね。
 ですから、私は、一方では新しい産業をどんどん興していって、それは国の活力でもあるし、産業の活力ですから、それはもうもちろんやっていただきたい。
 しかし、もう一方では、調整力を持っている産業という、いわゆる前段で申し上げましたけれども、戦後ずっと雇用調整機能を担ってきたような、そうした、いわゆる基幹産業というか、基盤産業というか、そういうものの手当ても、ぜひ目配りを忘れないでほしい。それをぜひお願いをしておきたいと思っています。
 そこで、産業のその振興に合わせて必要になるのは、やはり人材なんだろうと思うんですね。特に各産業の高度化に対応した人材、産業が求める人材の育成というのが、これが必要になってくるんだろうと思います。そこで必要なのは、産業労働局でも力を入れていただいている、職業訓練ということの重要性なんだろうと思っています。
 ですから、これから職業訓練の重要性というのは、まさにさまざまな産業が新しく生まれることと同時に、それがどんどんどんどん成熟をし、進化をしていくことによって、より職業訓練というのは必要になってくるんだと、そういう認識でいてほしいなと思います。
 都は、建設関連、あるいは介護、福祉、そうした雇用の受け皿となり得る産業の人材が円滑に就業ができるように、こうした産業分野における職業訓練を積極的に推進すべきと考えるわけであります。
 こうした産業分野における職業訓練の現状と、今後の取り組みについてお伺いをいたします。

○日請事業推進担当部長 求職者に対します職業訓練につきましては、都内十五カ所の職業能力開発センターで実施をするとともに、民間教育訓練機関を活用した委託訓練も行っております。
 これらの訓練で実施する科目につきましては、雇用に結びつくよう、求人ニーズ等を十分踏まえて設定をしているところでございます。
 先生お話しの建設関連分野の訓練では、今年度、建築設備、あるいは測量設計、建築塗装など十五科目、六百五十人規模で実施をしております。
 また、介護・福祉関連分野では、介護福祉士や介護ヘルパー等を養成する訓練を、年間五十九科目、約二千五百人規模で実施をしておるところでございます。
 来年度は、委託訓練を活用しながら、介護・福祉関連分野での訓練定員をさらにふやすこととしております。
 今後とも、求人ニーズや産業界の動向を的確にとらえて、訓練科目や訓練規模を設定し、雇用の受け皿となり得る産業に人材が円滑に就業できるよう、職業訓練の充実を図ってまいります。

○高木委員 雇用吸収力の観点からいいますと、今まで申し上げたような個別の産業、業種に加えて--産業分野といってもいいんでしょうね、それに加えて、もう一つの視点は、雇用の実は七割を生み出しているといわれている中小企業という切り口だろうと思っています。
 東京も、雇用の七割、あるいは事業所数でいえば、中小企業は九八%以上を占めているということだと思いますから、ここに着目をするという視点はやっぱり大事なんだろうと思っています。
 中小企業基本法にも、中小企業には就業の機会を増大させるという役割があることが明記をされているわけでございまして、都は、こうした中小企業の役割を最大限発揮させるためにどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。

○山手商工部長 都内中小企業は、東京の産業を牽引する原動力でございまして、雇用の多くを生み出してございます。ただいまお話にありましたとおり、雇用調整力を持っているこうした企業の多くは、現下の厳しい経営環境の中、懸命に経営を維持しまして、雇用を支えているところでございます。
 都は、このような中小企業の果たす役割の大きさを踏まえまして、中小企業がみずから行う経営革新の取り組みを支援いたしますとともに、都内中小企業支援機関と連携をいたしまして、経営課題の改善に向けた助言を行うなど、中小企業の経営基盤の強化を図ってございます。
 また、環境、医療を初めとする成長性の高い産業分野におきまして、新製品、新技術開発を支援し、技術革新や新事業創出の促進を図っております。
 さらに、来年度から、企業の枠を超えまして、社会全体で東京のかけがえのない高度な技術を次代に伝える、ものづくり技術承継事業を実施いたしまして、産業の維持発展を図ってまいります。
 こうした中小企業への経営、技術の両面からの支援を行うことによりまして、中小企業の経営安定化や成長促進を図り、雇用の創出や拡大につなげてまいります。

○高木委員 技術継承によって、その産業の維持発展をさせていく。あるいは雇用を生み出していく。私は、こういう考え方はすごく必要だと思うし、大好きなんですね。
 やっぱり必要な技術、それを生かして、あるいは残していくといってもいいんだと思いますけれども、そういう作業は、ある意味では自然にできる部分もあるんだけれども、やはり行政的にフォローをしていかなければいけないという部分もたくさんあるんだろうと思っています。そういう政策を産業労働局は幾つもやっていただいていると、個別にはいいませんけれども、私は思っておりまして、ぜひそういう視点を大事にしていただきたい。
 特に日本固有の技術、それを継承させていく。そのために、やはり行政がしっかりとバックアップをしていくという体制は、これからもぜひ大事にしていただきたい、こう思っています。
 公的な雇用の創出は、雇用情勢が極めて厳しい現状のようなもとでは、重要な取り組みだと思っています。しかし、中長期的に見れば、やはり地域の産業が自律的に雇用吸収力を取り戻していくことも、これも不可欠。
 ですから、行政がやっていただくことも必要。そして、もう一方では、自然に産業界が、独自の努力によって活力を取り戻していく、これが両面必要なんだろうと思います。
 産業には、国富の増大、都民生活の向上、地域経済の活性化などに加えて、雇用創出の担い手として重要な役割を担っていることを踏まえた、先ほど来いろいろな政策をおっしゃっていただきましたけれども、ぜひそれを強力に進めていただいて、現下の不況を打破していただく一つのツールにしていただきたい。
 そして、多くの人たちが、自分たちの能力が最大限発揮をされる雇用というものを、しっかりとやはり獲得をしていただくべく、後押しをしていただく政策を推進していただきたい。それを申し上げまして、私からの質問を終わります。

○伊藤(興)委員 私からは、まず緊急保証制度に対応した都の金融支援について質問させていただきます。
 世界的な経済危機の中、資金繰りに苦しむ中小企業を支援するためにも、前政権がセーフティーネットとして創設した緊急保証制度は、多くの中小企業の支えとなってきたと思います。
 都は、平成二十年十月に、この緊急保証に対応した制度融資として、経営緊急融資を創設し、他の道府県と比べても格段に手厚い支援を行ってきたところでございます。これは、今後も資金繰り支援の大きな柱となる融資として、着実に推進していただきたいと思います。
 そこで、改めて、都が行った経営緊急融資のこれまでの実績と、中小企業の資金繰りにどのように役に立ってきたのか、伺いたいと思います。

○保坂金融部長 中小企業の資金繰りは依然厳しい状況が続いておりまして、ご指摘のとおり、東京都はこの間、セーフティーネットに重点を置いた金融支援を積極的に推進してまいりました。
 国の緊急保証制度に対応した制度融資でございます経営緊急は、その対策の柱となるものでありまして、平成二十年十月の制度開始から本年二月末までの保証承諾実績が、八万二千七百二十五件、一兆七千八百三億円となってございます。
 本融資は、制度融資の最優遇金利を適用した、最長十年の長期の融資メニューとして、中小企業の事業に不可欠な運転資金などの確保とともに、既往債務の借りかえによりまして、中小企業の月々の返済負担の軽減に大きな効果を発揮してまいりました。

○伊藤(興)委員 都が行った経営緊急融資が、大変に多くの中小企業に利用され、役立ってきたことがよくわかりました。
 しかし、この間、公明党に対しましても、この保証対象の業種から漏れておりまして制度を使えないという方の要望をたくさん受けてまいりました。
 我が党といたしましても、すべての業種へこれを拡充すべきだということを求めてきたわけでありますけれども、そして、この緊急保証制度については、本年二月には保証対象業種が大幅に拡大され、あわせて、保証枠も拡大されたところと聞いております。
 これを受けて、都は、来年度において、中小企業の資金繰り支援にどのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。

○保坂金融部長 緊急保証制度は、平成二十三年三月末まで、一年間延長されることとなりました。
 また、本年二月十五日から、保証対象業種が七百九十三から一千百十八へと拡大されまして、一部の例外業種を除き、原則全業種が指定されて、緊急保証を利用できる中小企業の範囲が広がっております。
 都は、こうした緊急保証制度の延長などを受けまして、引き続き厳しい状況にあります中小企業の資金繰りを支援するため、平成二十二年度予算案におきまして、経営緊急を継続することとしております。
 また、経営緊急を含む経営支援融資の目標額を、昨年度当初予算比で四千五百億円増額して、七千億円に拡大することとしております。
 加えて、経営支援融資における小規模企業者への二分の一の保証料補助も継続いたしまして、資金調達に係る負担の軽減を図ることとしております。
 引き続き、中小企業資金繰り支援に努めてまいります。

○伊藤(興)委員 平成二十二年度におきましても、緊急保証が大いに効果を発揮し、都内の中小企業の資金繰りをしっかりと支えていくことを期待したいと思います。
 次に、昨日都が発表した機械・設備担保融資について伺います。
 都議会公明党は、厳しい経営環境に苦しむ中小企業の資金繰りの円滑化を図るため、不動産担保だけでなく、機械、設備などの動産を担保とする融資の実施を繰り返し要望してきたところでございます。
 先週の予算特別委員会において、都が機械・設備担保融資に取り組むことが明らかとなり、都議会公明党といたしましても、大いに期待をしているところでございます。
 昨日の都の発表内容を見ても、確かに小規模企業に有利な仕組みを幾重にも構築していることがわかりました。
 しかし、一般の中小企業にとって、動産を担保とする融資の手法はなじみが薄いことから、都は、制度の仕組みやメリットを丁寧に説明し、積極的な利用を促進することが大事であると考えます。
 そこで、先週の予算特別委員会における我が党の橘議員の質疑を踏まえ、今月中に始まる機械・設備担保融資のより具体的な内容を掘り下げるとともに、来年度もこの融資を引き続きしっかりと実施してもらうため、幾つか質問したいと思います。
 まず、機械・設備担保融資と同じく不動産担保に依存しない融資として流動資産担保融資がありますけれども、これは、売掛債権や製品在庫などを担保に信用保証協会の保証つき融資を受けることができ、これまでに一定の融資の実績を上げてきたところだと思います。
 今回、都が独自に実施する機械・設備担保融資は、流動資産担保融資と比べて、どのような違いがあるのかを伺いたいと思います。

○保坂金融部長 制度融資における流動資産担保融資では、中小企業信用保険法の規定によりまして、担保の対象を売掛債権及び在庫などの棚卸資産に限定しております。
 一方、このたび都が独自に実施する機械・設備担保融資では、流動資産担保融資が対象としていない工作機械や車両など事業用の有形固定資産を幅広く担保に活用できるところが異なっております。
 本融資制度では、従業員数が製造業などで三十人以下、卸、小売、サービス業で十人以下の小規模企業を対象としておりまして、保証額では三百万円以上五千万円以下と比較的小口の資金となってございます。
 また、保証期間につきましては、流動資産担保融資は、担保の価値が変動しやすいことから一年以内であるのに対し、固定資産を担保とする機械・設備担保融資では、担保の価値を比較的長い期間見通して評価できることから、最大五年としてございます。

○伊藤(興)委員 小規模企業は、厳しい経営環境のもと、大変に資金繰りに苦しんでおります。今回、都が制度融資に加えて、新たな資金供給手段として機械、設備等を担保とする融資を創設することは大変に喜ばれると思います。
 そこで、本融資制度の具体的な仕組みについて、特に都として工夫をした点について伺いたいと思います。

○保坂金融部長 動産を担保とする融資は、まだその歴史が浅く、ノウハウの蓄積が少ないことから、担保価値の評価システムや担保物件の標準的な管理手法が十分には確立されておらず、多種多様な動産に対し、適切な評価や管理を安定して行うことが課題となっております。
 このたび取り扱いを開始いたします機械・設備担保融資では、こうした課題に対応していくために、保証機関でございます信金中央金庫に加え、保証機関とともに保証を行う共同保証機関を置くこととしております。保証機関と共同保証機関が互いに経験と専門的ノウハウを補完し合うことで、より実態に即した担保物件の評価、管理等が行われるものと期待してございます。
 あわせて、複数の共同保証機関に保証金額や保証期間などの条件を競わせることによりまして、利用企業がより有利な条件で保証を受けられるように促してまいります。
 また、保証料を都が全額補助いたしまして、利用者の負担軽減を図るとともに、さらに、保証機関に損失が生じた場合に、都がその八割相当額を補助することによりまして、利用企業の信用リスクをより積極的にとった保証審査を促してまいります。
 こうしたさまざまな工夫を凝らした仕組みによりまして、小規模企業に対する資金供給の多様化を図ってまいります。

○伊藤(興)委員 ただいまご答弁をいただきまして、本融資制度は、小規模企業本位に設計され、また、負担軽減について十分に配慮されているということがよくわかりました。円滑に運用して、そして、小規模企業が資金繰りに存分に活用できるよう頑張っていただきたいと思います。
 そこで、今後につきましては、この融資制度の定着を図るとともに、本制度の利用が想定される、例えば印刷業だとか、運送業とかもそうでしょうかね、いろんな業界団体に向けて直接PRを行うなど、十分に周知していくことが重要と思います。また、これまで一定の実績を上げてきた既存の流動資産担保融資についてもあわせてしっかりとPRしていくべきと考えますけれども、今後の具体的な取り組みについて伺いたいと思います。

○保坂金融部長 本融資制度につきましては、今月三十日に、取扱金融機関において融資申し込みの受け付けを開始する予定でございます。多くの小規模企業が積極的に本融資制度を活用できるよう、都といたしまして、ホームページやリーフレットを初めとするさまざまな広報媒体を通じた周知を図ってまいります。
 あわせて、保証機関や取扱金融機関はもとより、中小企業振興公社、商工団体、区市町村などと連携して、メールマガジンや機関紙への掲載、セミナーなどにおける周知に努めてまいります。
 また、ただいまご指摘がありましたように、業界団体向けに直接PRを行うことも効果的であると考えておりまして、実施してまいりたいと考えております。
 このように、機械・設備担保融資に加え、既存の流動資産担保融資もあわせて、さまざまな手段や機会を活用してPRに努め、企業の利用を促してまいりたいと考えております。

○伊藤(興)委員 せっかくのすばらしい制度であると思います。民間の企業の営業であれば、こんな商品のすばらしいものができたので、ぜひっていう営業をするわけでございます。都においても、この制度を、非常にすばらしいと思いますので、中小企業が知らなかったということがないように、しっかりとPRしていただきたいというふうに思います。
 続いて、さきに質問した緊急保証制度だけでは救われない中小企業に対応するために、我が党は、都独自の融資制度の創設を求めてまいりました。そして、昨年十月からは、地域の金融機関と連携して、都が独自に新たな保証つき融資制度を実施しているわけでございます。この保証承諾の実績は着実に伸びてきておりまして、多くの中小企業の資金繰りに役立っていると思います。
 取扱金融機関も順次拡大をされまして、現在、十三の金融機関において取り扱いが開始されているわけでありますけれども、今後、さらに多くの中小企業の利用促進を図っていくためには、取扱金融機関をふやしていくことが重要であると思います。少しでも多くの取扱金融機関に参加していただくことで、より多くの中小企業が利用できるよう、取扱金融機関の拡大に向け、また、さまざまな課題改善に向けて努力を続けていただくよう要望しておきたいと思います。
 次に、女性の再就職支援について伺います。
 厚生労働省の調査によりますと、女性労働者の約七割が出産を機に離職しているといわれています。行政においては、各種の取り組みが進められているというものの、実際の職場環境は、まだまだ仕事と子育ての両立が難しいのが現状でありまして、これに、現在の経済情勢や、また雇用情勢の厳しさが拍車をかけて、両立への道はさらに険しくなっていると思います。
 一方で、子育てが一段落したら仕事に復帰したいと希望を持っている女性は九割に上るといわれております。特に最近では、配偶者の雇用状況から再就職を目指す女性や、また、厳しい経済状況の中で、家計を支えるために、できるだけ早く就職したいという女性もふえております。
 こうした現状を踏まえ、都議会公明党は、これまでも繰り返し女性の再就職支援の充実について都に対応を求めてまいりました。都もこれにこたえ、しごとセンターに女性専用のキャリアカウンセリング窓口を開設したり、再就職に向けたセミナーやプログラムを実施するなど、既にさまざまな取り組みを進めていただいております。
 そこで、まず伺いますけれども、こうした支援メニューの一つである女性再就職サポートプログラムの取り組み状況と実績は、これまでどのようになっているのか、伺いたいと思います。

○小田雇用就業部長 都は、出産や子育て等を機に離職した女性の再就職を支援するため、平成十九年度から、東京しごとセンターにおいて、女性再就職サポートプログラムを実施しております。
 このプログラムは、就職活動のノウハウを提供するセミナー、求職者のニーズの高い経理事務や営業事務などに関するスキルアップ講習、企業における職場実習等を十日間のカリキュラムで実施するものでございます。
 さらに、プログラム修了後も、就職支援アドバイザーがキャリアカウンセリングを行い、就職までを継続的に支援いたします。また、子育て中の方には、託児施設も利用することができます。
 受講者は、事務系で再就職を希望する三十代から四十代の女性でありまして、再就職への意欲の高い方々が多くなっております。平成二十年度の実績としては、募集定員に対し二倍以上の応募があり、また、プログラム修了者百二十名の就職率は七割を超えるなど、就職実績も高く、効果の高いプログラムとなっております。

○伊藤(興)委員 都議会公明党にも、受講者の方から、参加して本当によかったという声が届いております。ただ、今ご答弁にもありましたように、募集定員に対して二倍以上の応募ということでもございました。応募者が非常に多いということで、意欲を持ちながら参加できない方々がいるのも事実であります。せっかく効果の高い支援プログラムを実施していただいているわけでありますから、受講を希望する方々をできるだけ多く受け入れられるよう、ぜひ対応を図っていただきたいと思います。
 そこで、二十二年度の女性再就職サポートプログラムについては、これまでよりも受け入れ枠を拡充して実施すべきと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。

○小田雇用就業部長 女性再就職サポートプログラムにつきましては、定員を上回る受講希望がありますことから、来年度は、飯田橋のしごとセンターと、しごとセンター多摩、それぞれ実施規模を二倍にふやす予定としております。
 これによりまして、実施回数全体は、これまでの年間六回から十二回に、募集定員全体も、年間百五十名から三百名に拡充して実施いたします。

○伊藤(興)委員 受け入れ枠を倍増して対応していただけるというご答弁でございまして、大変に安心をいたしました。
 このプログラムによって一人でも多くの方が再就職を実現できるようにするためには、内容面の充実も重要であります。このサポートプログラムは、平成十九年から実施しているということでございますので、既にこのプログラムによって再就職を実現した先輩が数多くいるはずであります。
 離職ブランクのある女性は、自分の能力が職場で通用するか、仕事や職場になじめるだろうかなどの不安を抱えている場合が多いと聞いております。こうした不安を払拭するために、このプログラムによって再就職を果たした先輩のアドバイスが役立てられるのではないかと思います。
 そこで、来年度のプログラムには、先輩との交流を活用した新たな支援メニューを取り入れるなど、さらに内容の充実を図っていただきたいと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。

○小田雇用就業部長 来年度の女性再就職サポートプログラムの内容につきましては、これまで実施してきた企業における職場実習に加えまして、企業の採用担当者や、プログラムを修了して既に再就職を実現した先輩の方々との意見交換の場を新たに設けることといたしました。
 離職によるブランク解消に向けたこうした取り組みによりまして、女性の再就職支援をさらに強化してまいります。

○伊藤(興)委員 再就職を目指す女性を支援する事業の拡充について、これまで聞いてまいりましたけれども、一方、育児休業取得中の方に対する支援も欠かせないことだと思います。
 平成十九年度の福祉保健局の東京の子どもと家庭報告書によれば、育児休業を実際にとった期間と、自分がとりたいと思っていた期間にギャップがあると感じている母親の割合は約七割を超えております。なぜ思っていた期間とそこのギャップがあるのかと。さらにこの理由を聞く問いに対しましては、長く仕事を離れていると、仕事についていけなくなるからなどの不安が挙げられておりました。
 予算特別委員会でも、公明党が行った育児休業中のキャリアアップに関する質問に対しては、都は、中小企業両立支援推進責任者向けの研修の場で、休業中の情報提供や面談制度、また、復職支援等を説明するとともに、実践的なノウハウを有する企業等と連携した研修内容の充実を検討していくと答弁をいただいたところであります。ぜひとも、育児休業取得者が、休業中の不安を取り除いてスムーズに職場復帰が可能となるよう、早急に研修の内容を検討していただきまして、企業にその導入を促すようお願いをしたいと思います。
 また同時に、今後、育児休業取得者本人に対して、スムーズに仕事に復帰できるような支援についても、ぜひとも検討していただくよう要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

○清水委員 付託議案について伺います。
 第八十号議案、東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例が提出されています。これは、技能検定試験手数料の改正です。
 そこで、技能検定試験とはどのような制度で、年間何人くらい受検しているのか。また仮に、この改定された手数料で受検した場合に、受検者の負担はどの程度となり、都として、これによる歳入増はどの程度を見込んでいるのか、それぞれお伺いいたします。

○日請事業推進担当部長 技能検定は、働く方々の技能習得の意欲を増進させるとともに、技能に対する社会的評価を高めることにより、技能水準や技能者の地位の向上を図るということを目的としております。
 機械加工や電気機器組み立てなど百二十五職種につきまして、技能や知識を一定の基準により検定し、公証する国家検定制度でございます。職業能力開発促進法に基づき、各都道府県が実施をしております。
 都におきましては、年間約一万人の方が受検をしております。試験は、職種ごとに学科試験と実技試験を実施しておりまして、このうち今回改正をいたします実技試験の手数料は、材料費や会場借り上げ料など、試験の実施に要する経費の一部につきまして、受検者に負担を求めるものでございます。その額につきましては、全国的に統一して定めることが特に必要なものといたしまして、国が、地方公共団体の手数料の標準に関する政令において、手数料標準額を定めております。
 また今回、実技試験の手数料が一万五千七百円から一万六千五百円に改正されることによります受検者の負担増は八百円。平成二十二年度の実技試験の受検者数を約一万人と見込んでおりますので、歳入増の額は八百万円程度となる見込みでございます。

○清水委員 今日の厳しい経済状況の中で、有料というだけでも技能検定試験を受けることをあきらめてしまう方もいます。しかし、先ほど来お話がされているように、能力のある労働者が資格を取得することによって、その能力を伸ばし、仕事に生かしていくということは非常に重要なことであります。歳入増は八百万円です。都民が不況で困っているときに、この検定試験手数料の値上げをわざわざ行わなくてもよいのではないでしょうか。なぜ今、値上げしなければならないのか、その理由をお伺いいたします。

○日請事業推進担当部長 今回の条例改正は、国による地方公共団体の手数料の標準に関する政令に定められた、技能検定試験の手数料標準額が改正されたことに伴う措置でございます。
 この政令改正に対応いたしまして、平成二十一年四月から、近県はもとより、ほとんどの道府県で既に手数料が改正をされております。全国一律の試験内容にもかかわらず、都と他県との間で受検料が異なるということは、受検者の負担の公平性が損なわれるために改正するものでございます。

○清水委員 他県ももう既に値上げをしているということですけれども、しかし、この厳しい状況の中で、先ほど来お話がありますように、資格を取って仕事を頑張ろうとしている方々に、東京都として--こういうことはほかの自治体に合わせなくたっていいわけですよ。幾ら国がそういう基準を設けたって、そうしなくてもよいということはできるのではないですか。私は、この値上げには納得できないということを申し上げて、次の質問に移ります。
 職業訓練について伺います。
 職業能力開発センターの授業料についてですが、都は二〇〇七年から、無料であった授業料を有料化しました。この有料化の際に、有料化する理由として、都立高校の授業料並みにするという意味合いがあったというふうに理解しているわけですけれども、国は現在、来年度から、高校の授業料を無償化するという法案を提案し、国会でも審議しているところです。それが実現すれば、職業能力開発センターも無料にするのが筋ではないかというふうに考えるわけです。
 さらに、雇用情勢が悪化している中で、非正規で働く方々などが就職するためにも、職業訓練は大変重要であるということはだれでも認識されるところですけれども、こうした方々の中には、生活そのものが危機的状況にある方もいると聞いています。そうした状況の中で、なぜ有料にしなければならないのか、私は、職業訓練というのは無料にすべきだというふうに思いますが、いかがですか。

○日請事業推進担当部長 授業料の有料化は、受益者負担の適正化という観点から実施をしたものでございまして、都立高校の授業料と連動するものではございません。
 また、有料化に当たりましては、経済的に困窮する方々に対する減免規定を整備するとともに、分割での納付も認めております。さらに、求職者に対する職業訓練と中学卒業者を主な対象とする若年者就業支援科は無料としているところでございます。

○清水委員 連動をして--厳密にすれば連動するものではないということは理解するわけですけれども、しかし、当時の議論としては、そういう意味合いがあったというふうに理解しているわけです。そして、やはり高校の授業料も減免だとか分割だとか、そういう納付もある中で、今、若い人たちの負担をなくそうということで、授業料の無償化ということが進んでいくならば、職業訓練の問題も、有料化の問題も、やはりそうした流れとは、私は逆行しているのではないかというふうに思うわけです。
 先ほどご説明いただきました、職業能力開発センターの校別、科目別応募率を見ると、授業料が有料化された二〇〇七年から応募倍率は低下しているというふうに見るわけです。有業年数が少なく、蓄えが少ないと考えられる三十歳以下を対象にした科目については、一年制で、一般より応募者の減少幅が多い。二年間にわたる授業料負担がより大きい二年制科目については、全科目を三十歳以下を対象にしているが、二〇〇七年度から応募者は定員を割るようになってしまっています。一年制、二年制の全年齢を対象にして、有料化した全体の応募倍率は、一・七倍から一・二倍に低下をしています。授業料有料化が影響しているとは考えませんか。

○日請事業推進担当部長 職業訓練は、広く求職者を対象として実施をするものでございまして、その応募者数は、これまでも社会経済情勢や失業率等により左右されてきております。
 近年は、企業の採用意欲が高まっていましたことから、その応募者数は減少傾向にございましたが、一昨年の急激な景気の悪化によりまして、平成二十一年度は、授業料を有料化した平成十九年度より増加をしております。
 このように、職業訓練に対する応募者数は、主に景気の動向や求職者の増減に左右されるものというふうに考えております。

○清水委員 景気の動向とか求職者の増減に左右されるということは確かかもしれませんが、しかし、実態をやはりもっときちんと把握していただきたいと思うわけです。訓練費の負担から、あきらめているというのが実態であるわけで、景気が悪化したからこそ、それに対応した対策が求められているのではないかと思うわけです。
 公共職業訓練の無料化というのは、世界の中でも、そういう流れになっているわけです。雇用情勢の厳しい状況の中で、無料で学べるからこそ、公共職業訓練ではないかと思うわけです。
 さらに、問題は、訓練期間が一年、二年と長い一般科目は高就職率を誇っているにもかかわらず、実際に都民の雇用と逆行の路線を東京都の雇用施策がたどっているということです。
 今から十年前の十一年には、当時は、能力開発センターは技術専門校でしたけれども、都内に十七校ありましたが、平成二十一年度には十五校となって、定員数では、当時は七千八百八十三人いたわけですけれども、六千九百二十五人と、約千人近くも少なくなっています。
 また、科目数について見ると、百五十八科目から百三十八科目に縮小しています。そして、自動車整備の一年制の科目は二〇〇七年から全廃をされ、二年制の自動車整備は、大田校で廃止され、板橋、江戸川、八王子校のみとなりました。応募率の高いIT系の科目についても廃止されるなど、全体に拠点校化が進められているといわざるを得ません。だからといって、あいた設備や教室が、六カ月や三カ月の教室のために使われているわけではありません。
 こうした方針というのは、やはり公共職業訓練を全体的に削減し、委託訓練の枠を増大していますけれども、こうした訓練行政の縮小撤退路線を進めるということは、やはり働く求職者の人たちの願いに背を向けるものではないかというふうに思うわけです。
 こうした方針を改めて、訓練校を、科目を廃止せず、逆に職業能力開発センターで直接実施する訓練をふやすべきだと考えますが、お考えをお伺いいたします。

○日請事業推進担当部長 公共職業訓練は、みずから設置する施設で直接実施するものと、民間の教育訓練機関を活用するものとがございます。都では、これらを総体として適切な訓練規模を設定し、産業構造の変化、経済状況、技術革新など、その時代における環境の変化に対応して実施をしております。
 また、平成十九年に策定をいたしました第八次職業能力開発計画では、老朽化した校の整備、中小規模校の集約などにより、効果的、効率的な職業訓練を実施するため、校の適正配置を図ることとしております。
 さらに、同計画では、民間での実施が可能で、事業効果が見込まれる訓練科目等については、民間委託を効果的に活用するというふうにしております。
 こうした考え方に基づきまして、都における公共職業訓練は、都直営と民間委託との適切な役割分担により行っておりまして、平成二十二年度は、都の施設内で実施する訓練規模六千九百九十五人に加えまして、約七千人の規模で国からの委託訓練を実施するなど、民間教育訓練機関を積極的に活用することによりまして、雇用情勢に対応した訓練規模の拡大を図っております。
 都直営で実施する訓練のみで訓練規模が縮小されているとのご指摘は、当たらないというふうに考えております。

○清水委員 民間の訓練の拡大、委託訓練の拡大とかいわれましたけれども、それでも七千人規模ということで、私が先ほど紹介した七千八百八十三人から見れば少ないわけですよ。それはもう明白ではないですか。やはり増大することを求めます。
 こうした矛盾がある中で、二〇〇七年度から若年者就業支援として、品川校で福祉、足立校で塗装、立川校で自動車整備を立ち上げていますが、一年制の無料コースとして拡充するよう要望をしておきたいと思います。
 次に、新銀行東京について伺います。
 新銀行東京の第三・四半期決算が先月発表されました。新銀行東京は、黒字になった点、中小企業支援が七百六十九億円など、順調に再建できるかのような発表をしました。幾つかの指標を見ながら、ただしていきたいというふうに考えています。
 まず初めに、法人分の預金の件数はどうなっているのか、直近の決算とその前後について伺います。

○中村金融監理室長 新銀行東京の平成二十一年十二月末の法人分の預金残高件数は七千二百二十二件であり、平成二十一年九月末が七千二百七十八件でございますので、それと比べて五十六件減少しております。

○清水委員 全体的に新銀行東京の経営状況が芳しくない中で、法人が預金をするというのは、組織的にはかなり検討がされているはずだと予想されます。企業であれば、株主の目もあるわけです。
 例えば、東京都の監理団体からの預金はどうなっているのか、お伺いいたします。

○中村金融監理室長 株式会社新銀行東京は、銀行としての守秘義務を負っており、他の金融機関と同様、個別の取引については、当然ながらお答えできません。

○清水委員 どれも守秘義務を盾に、明らかにしないという答弁が毎回繰り返されています。個人預金が減少しているが、法人分の預金がふえているが、どのようにして法人分の預金が集められているのですか。

○中村金融監理室長 法人預金の残高が増加しているのは、新銀行東京が法人との取引の強化に力を注いでいるためと考えられます。

○清水委員 ちょっとそれじゃわからないんですよ。取引の強化っていったって、どういうふうな内容なのかわからない。具体的にお話しください。

○中村金融監理室長 当然、個々の取引先に行って、それぞれお願いするなり何なりして、それはそれぞれの金融機関が、それぞれのノウハウで頑張ってやっていることでございますので、その預金がふえたということは、私は結構なことだと思います。

○清水委員 議会の議論にそれはならないですね。これまで減少傾向にあった貸出金が、この第三・四半期に三カ月で九十億円ほどふえています。貸出金の件数は、第三・四半期末で八千七百六十二件、第四・四半期で八千二百二十六件と減少しています。貸出先は減っているにもかかわらず、貸出額が増加していることになりますが、主な貸出先というのはどこですか、お伺いいたします。

○中村金融監理室長 新銀行東京からは、取引先のリレーションシップを強化し、その経営実態を踏まえた上で融資を行っており、その積み重ねの結果であると聞いております。
 主な貸出先についてのご質問でございますけども、金融機関は、預金先同様、個別の貸出先や取引内容については、明らかにできません。

○清水委員 一件当たり貸出額がふえていることになりますが、新銀行東京の貸出方針について、どのような変更がされたのでしょうか。おわかりになりましたら、お答えください。

○中村金融監理室長 新銀行東京は、再建途上にございますが、みずからの体力の範囲内で、可能な限りの中小零細企業支援を行っております。
 中小企業向け貸出残高につきましては、平成二十一年度第三・四半期では、中間期と比較して約三十億円増加してございまして、貸出方針が変更されたためではございません。

○清水委員 では、営業経費の面で改善がほとんど見られないわけですけれども、それはなぜですか、伺います。

○中村金融監理室長 営業経費のお尋ねでございますけれども、平成二十一年度第三・四半期決算と昨年同期の決算を比較いたしますと、営業経費は五十三億円から三十七億円と、十六億円、約三割減少しており、新銀行東京は改善に努めているところでございます。
 新銀行東京は、今後とも人件費や物件費などの見直しを行うこととしてございます。

○清水委員 それでは、今回新たに設定された投資損失引当金繰入金七千二百万円、偶発損失引当金繰入金三千七百万円が設定された理由と、それらの内容について伺います。

○中村金融監理室長 投資損失引当金繰入額は、有価証券の将来の損失に備える引当金として計上するものでございます。また、偶発損失引当金繰入額は、信用保証協会の責任共有制度において、信用保証協会への負担分に対する引当金として計上するものでございます。
 いずれも、個別貸倒引当金繰入額に計上していたものを、表示を明確にする観点から、会計監査人に確認の上、区分計上したものでございます。
 なお、このような表示は、他の金融機関でも同様の会計上の取り扱いを行っているところでございます。

○清水委員 同様の扱いを行っていると、取り扱いされているといいますが、今回、新たにこれを、わざわざこういう形で表記をしたということは大きな意味があるのではないかというふうに思うわけです。
 それで、実質業務純益は改善傾向といいますが、確かに経常利益段階では改善していますが、その要因は、大部分は資金調達運用の改善に起因しているわけです。通常、預金が大幅に減少するときには総資産が減少し、資金運用収益は減少すると。しかし、新銀行は逆に、資金運用収益が拡大している。いつでも必要なだけ借り入れができるような状況があることにより可能になっているのではないかと。こういうやり方は、これまでも指摘をしてまいりましたが、投資運用会社に変質したといえるのではないかと思いますが、いかがですか。

○中村金融監理室長 銀行は、預金者から預かった預金を初め、保有する資金を貸し出しなど、各種の資産で運用してございます。
 その中で、運用資産の一つに有価証券を選択することは、金融機関として極めて一般的なことであると考えております。また、運用資産をどう配分するかは、その時々の経済状況やリスクとリターンを総合的に判断して、当該銀行が自己責任において決定するものであります。
 なお、現下の経済状況の中では、銀行の国債保有が過去最高を更新するなど、こうした状況は新銀行東京に限らず、金融機関全般についていえることでございます。

○清水委員 銀行本来の機能は、これまでも繰り返し指摘をしてまいりましたが、地域から預金を集めて、地域に貸し出して、お金を循環させることによって経済を活性させるということです。今度の決算にも、その業務より有価証券への投資による利益が、貸し出しからの利益を上回るという内容になっているわけです。
 先ほど指摘しました投資損失引当金繰入額、偶発損失引当金も、これまで見られない項目で、こうした収益構造の変化に対応するもので、区分上単に変えたといいますけれども、銀行業務の変質といってもいいのではないかということを指摘しておきたいと思います。
 今決算は、基本的には、第二・四半期の決算での方向から大きな変化はありません。すなわち、調達金利の低下、日銀からの借り入れによる低金利の資金調達が増加するとともに、利率の高い預金が減少することにより、調達金利が低下する、総体的に利回りが期待できる債権へのシフト、リスケジュールなどの条件緩和に応じることなどにより、帳簿上は、不良債権化が抑制されています。
 一方で、経費はほとんど改善しておらず、今後も、これ以上見込めることはない。したがって、専門家は、日銀が出口戦略に向けて本格的にかじを切った際には、低金利調達シフトを継続するということは不可能となり、新銀行東京の実質業務純益は赤字であるが改善傾向にあり、引き続き黒字に向けて努力中というような主張は成り立たなくなるというふうに指摘をしております。
 最後に、再建計画に基づくメニューごとの到達はどうなっているのか。再建計画は現在どういう状況になっているのか、どういう総括をしているのか、お伺いいたします。

○中村金融監理室長 まず、お話の前提として、再建計画は、再建計画させているものを--経済情勢の急激な変化など、やっぱり状況の変化に対して、金融機関として柔軟に対応していくことが当然であるというふうに考えます。
 新銀行東京の計画の項目一つ一つを見れば、計画と相違しているものも一部にはございますが、全体として見ていくことが重要と考えております。そうした観点から申し上げれば、黒字を達成した、あるいは純資産が計画を上回っているということで、再建が着実に進んでいるものと考えております。

○清水委員 ということは、既に、二〇〇八年の再建計画は、計画変更せざるを得ない状況になっているということですね。であるならば、二〇〇八年の再建計画のどこにどういう問題があって、それはどういう理由によるものか、新銀行東京自体の総括を明らかにすべきです。黒字化先にありきで、黒字化のためには銀行本来の業務が後景にされるのもやむを得ないという現在の姿は、既に、自治体が銀行業務に手を出すべきではないということを示しているものだというふうに思います。
 私たちは繰り返し指摘をしておりますが、新銀行東京からの一刻も早い撤退を求めて、質問を終わります。

○田中委員 まず、新銀行東京についての質問をさせていただきます。
 前回報告のあった第三・四半期決算についてお聞きをいたします。
 今回の二十一年十月から十二月の損益状況を見ても、まだ当期利益が三億円を計上しただけであり、これまでと同様に、貸倒引当金の戻り益によって辛うじて利益を出したのでありまして、実質業務利益はいまだ赤字であることが続いております。また、不良債権比率もいまだ二〇%を超える数字の高い値、厳しい経営状況であることには変わりありません。
 前回の質疑の中で、財務内容から、現在、新銀行東京が預金を集め、融資をして利ざやを稼ぐという形から、市場から資金を調達し、それを市場で運用し、利益を稼ぐ形に変わりつつあることを指摘しました。この際重要なのは、企業の貸し倒れリスク、つまり信用リスクから市場の金利状況、つまり金利リスクを監視していかなくてはならないということであります。
 ここは、今、清水委員からもありましたが、難しいところでありまして、多くの銀行が、今、いい悪いというよりも、このような傾向に向かっているのは確かでありまして、だからこそ、これまでのように、不良債権がどれだけふえたかというのを見るプラスアルファ、さらに信用リスクから金利リスクを見ていかなければならないということであります。
 今回の決算を見ても、その流れは進んでおります。顕著なのは、預金が減少、さらに有価証券の割合が大きくなっていることであります。前回の指摘から、監理室において、このような取り組みをなさってほしいということを伝えましたが、変化はありましたでしょうか、お聞きします。

○中村金融監理室長 金利リスクとは、金利の変動により有価証券の価値が変動する可能性のことをいいますが、一般的に満期までの期間が長いほど、価格の変動幅が大きくなるといわれております。
 平成二十一年度中間決算におきまして、新銀行東京が保有する有価証券は、満期まで五年以下のものが大宗を占めており、金利リスクは比較的小さく、適切に管理されていると新銀行から聞いております。
 都は引き続き、株主連絡会等で必要な報告を受けるなど、適切に監視に努めているところでございます。

○田中委員 それでは、それぞれの数値を見ていきたいと思います。
 まず、預金残高ですが、預金残高は、平成二十一年六月末では三千六十五億円でありました。前回の報告では、二十一年九月末に二千百四十七億円。わずか三カ月で一千億近く減りましたが、今回の決算報告では二千八十五億円ですね。同じ三カ月でも六十七億円減と、かなりの小幅な数字となりました。預金の解約はある程度とまったと、これで見ていいのでしょうか。
 また、預金の多くは、設立当初に集めた高金利キャンペーンの際の預金がほとんどであるとの認識でもいいのでしょうか。そうであるならば、昨年質問した逆ざやの解消も進んでいるんだろうと推測されますが、これについて伺います。

○中村金融監理室長 新銀行東京における現在の預金残高の大半は、キャンペーン定期によるものでございます。
 今後、これらの定期預金は順次満期を迎えることになります。そうした観点から、改善傾向に向かうものと考えております。

○田中委員 キャンペーン金利ということで、その際がほとんどであるというのは、いったように、逆ざやの解消が大きく進むのはもちろんいいことであるんですが、一方で、先ほどいったように、三カ月で一千億円減るようなことがこれまでも多々ありました。
 先ほどの委員からの指摘にもありましたが、預金がぐっと減ってしまって、大きく不安定材料になることは考えられないのでしょうか、お聞きします。

○中村金融監理室長 キャンペーン定期については、満期を迎えるということでございまして、それぞれ金融機関においては、定期については継続なり何なりとか、そういうことがやられるわけですので、そういう中で調達をどうしていって、貸し出し、運用を行うということを考えるわけですので、その辺のところは、銀行としてその本質は変わっていないというふうに考えております。

○田中委員 これについては、今回の報告では、逆ざやの件は公表されないので、次回これが発表されると思いますので、またそのときにしっかりと指摘をさせていただきたいと思います。
 次は、資産の部を見ていきたいと思います。
 有価証券の値は、二十一年三月三十一日の二千二百四十五億円から、今回の二十一年十二月三十一日時点では二千六百一億と、三百五十六億円、大きくふえておりました。この内容はどのような内容かというのをお聞きいたしたいと思います。
 一時、農林中金が株式運用に大きく傾斜して、大きな損を出したこともありました。もちろん規模が違いますが、これまでの運用を見ていても、そのようなことはないかと思いますが、お聞きをいたしたいと思います。

○中村金融監理室長 新銀行東京の平成二十一年度第三・四半期決算における有価証券残高は二千六百一億円であり、中間決算と比較して、約百六十八億円増加してございます。
 内訳につきましては、四半期の決算では明らかにされておりませんが、直近の開示情報である平成二十一年度中間期決算では、国債が約六割、社債が約三割、それ以外が約一割となってございます。
 なお、新銀行東京からは、リスクとリターンを勘案しながら有価証券の運用を行っているというふうに聞いてございます。

○田中委員 国債六割、社債三割というのが、直近の開示されているデータでの話ということでありまして、それですと安定した運用なのかもしれませんが、大変にこの幅が、直近であっても二百億近く、今回でも三百五十六億と大きくふえているので、これについても、恐らく次の決算のディスクローズのときに値が正確に出てくると思うので、そのときにもぜひ指摘をしていきたいと思います。
 と申しましたのも、この間、ギリシャの例もありますが、大変金融市場が不安定な度合いを増しております。特に新銀行においては、今いいましたとおりに、預金から貸し出しという従来のモデルから、大きく市場に介しての銀行となりつつあります。ですので、この現状を常に監理室がチェックをして、私たちに報告をしていただかないと、私たちも、その情報がないまま、また大きくその銀行の中身がわからないまま、赤字を垂れ流してしまうようなことがないことをチェックしていきたいと思っております。
 その中で、金融環境の変化を踏まえて、中小零細企業の対策の視点から、今回、六月に改正を迎えます貸金業法について伺いたいと思います。
 ことし六月の完全施行が予定されておりますこの貸金業法ですが、これはもともと多重債務者の解決を目指したものでありました。しかしながら、この完全施行によって、一部で、普通に生活を営んでいる個人、また零細事業者が深刻な影響を受けるんじゃないかといった懸念も出てきております。
 改正の中身の一つは、上限金利のまず引き下げ、これによって、少額短期の融資の評価ができないなどのものは融資が受けられないといったことが起きます。
 二つ目は、総量規制の導入により、個人事業主へ書類の徴求制度が始まったり、また、専業主婦に対しても、夫への同意制度、また、収入証明書類提出などが導入されて、これにも個人事業主、零細企業主を含む返済能力がある方も含まれております。
 この結果、貸金業に資金調達を頼ってきた、特に零細企業主への大きな影響をもたらすことが懸念されています。特に、この改正貸金業法が制定された後にサブプライムローンやリーマンショックが起き、金融機能が大きく後退をしたことであります。零細企業をめぐる資金繰りの事業は急速に悪化したことは容易に推察できるかと思います。
 ちなみに、大手消費者金融の七社による貸し付けは、この四年で八・五兆円から四・五兆円と四兆円も縮小をいたした事実もあります。この東京は最も多く貸金業者を抱え、中小零細企業を抱えております。完全実施によってどのような影響が出ると考えていらっしゃるでしょうか、伺います。

○保坂金融部長 改正貸金業法は、多重債務問題の解決の重要性及び貸金業が我が国の経済社会において果たす役割にかんがみ、貸金業の登録の要件の強化、貸金業者による過剰貸付に係る規制の強化などを行うほか、上限金利の引き下げなどの措置を講ずることを目的として改正されたものであり、同法の完全施行は、多重債務問題の対応を前進させるものでございます。
 一方、上限金利の引き下げなどにより、貸金業者の貸出姿勢に影響が出るおそれがあるとする報道が一部にあることは承知してございます。
 現在、国においては、改正貸金業法附則第六十七条に定める改正後の規定を円滑に実施するために講ずべき施策の必要性の有無について検討を行うため、貸金業制度に関するプロジェクトチームが設置され、完全施行後の影響も含めて検討されているところでございます。
 東京都は、これまでも国に対して、地方自治体の立場から、貸金業者の減少傾向や苦情相談の傾向、完全施行を控えての貸金業者の準備状況等を伝えてきたところでございます。
 今後も、こうした国の検討の動きを見守っていくとともに、完全施行後においても、東京都の登録貸金業者の実態を国に伝えてまいります。

○田中委員 貸金業者の現状、また、今、それを利用する人の現状というお話がありましたが、何をするにもその現状を知ることが重要であります。貸金業制度をいかにしていくかという際にも、その業者だけでなくて、資金の借り手となる人たちの実態を知ることが必要であります。
 そんな中、大阪は国に先んじて貸金業者動向調査というのを開始して、昨年、このようなレポート、(資料を示す)中間報告でありますが、出ておりました。さらにその中で、資金の借り手である消費者に対する調査も同時に行って、かなり詳細な現状把握に努めているところであります。
 一方、都では、多重債務一一〇番というのを利用した相談者の属性、債務の状況、借入理由などを分析し、借り手の実態把握に努めているということも聞いております。都は、貸金業者及び資金の借り手の実態をどの程度把握しているのか、また、このような調査に取り組んできた経緯はあるのか、お聞きします。

○保坂金融部長 登録業者に対しては、都に寄せられる苦情相談や、他の自治体などの関係機関からの情報を活用して、随時の立入検査などを実施しております。
 また、立入検査については、例えば、貸付条件表の不掲示、身分証明書の不携帯などに対する行政指導を行うほか、違法行為が見られる貸金業者に対しては、厳正な行政処分を行っており、こうした苦情相談処理、個別の立入検査や行政処分等を通じて、貸金業者の実態把握に努めているところでございます。
 都の登録業者の特徴といたしましては、財産的基礎要件の段階的引き上げなど、参入規制の強化による登録業者の激減がある一方で、容易に開業して経営に行き詰まり、時期を置かず違法行為に走る新規登録者が多いこと。苦情相談といたしましては、詐欺行為に関するもの、高金利に関するもの、債務整理に関するものが多く、また、都の登録業者がダイレクトメールや雑誌広告等を通じて全国の顧客を勧誘しているため、都外からの苦情相談が多いこと。また、行政処分といたしましては、出資法を超える高金利、違法な取り立て行為による取り消し処分が多いことなどがございます。
 なお、組織的な調査等については、東京都といたしましては、いたした経緯はございません。

○田中委員 貸金業を取り締まるということと、許認可を与えるということでは、手順等、また取り組んできたことは、今、丁寧に説明をいただいたんですが、やはり資金の借り手について、もう少し都としてはぜひ調べていただきたいと思うんです。これは生活文化局がその窓口だということであるんですが、これは大きく貸金業にかかわること、また、さらに今の融資制度にかかわることであると思っております。そうでないと、全体の本当の姿が見えないと、今何が起きているかというのをつかめないと思うんですね。
 先ほど金融庁のPTが行われているということで、私もそのPTを聞きに行き、また、資料をいただいたんですが、貸金業事業制度に関する意見聴取というのも、今、実施を始めました。
 先月の十八日にも、その利用経験がある個人事業主から意見を聞いたということで資料をいただいたんですが、それによると、例えば都内のガーデニングを営むこの個人事業主の方は、建材費、材木費は現金主義で、職人さんも日払い、ガーデニング完成に一カ月かかって、その後、請求支払いができるのが一、二カ月後。ボーナスなどを待つと四、五カ月後ということで、大変その資金の入りと出にギャップがあるんです。このような例は、例えば市場の仲買人さんなんかも含め、仕入れをするどの業種にも当てはまることであります。
 設備投資やボーナス等の施設資金など、計画的な融資というのはまだまだ厳しいとはいえ、先ほども多くの融資制度を話してもらいましたが、銀行や制度融資で借りることの準備は進んでおりますが、この臨時の資金や運転資金の出と入りに、今いったタイムラグがある場合は、審査に即時性があったり、また、資金用途に結構制限がない使い勝手のよいものが必要になるんですね。どうしても車のローンとか、住宅ローンとか、そういう資金用途があるのは銀行でも制度融資でもやっているんですが、用途がないような使い勝手のよいものが、特に零細企業には必要になると思っております。
 中小零細企業特有のこのつなぎ融資に関しては、都としてはどのように理解し、また、対応しようと考えているのか、伺います。

○保坂金融部長 改正貸金業法においても、個人事業者につきましては、一定の条件のもとに総量規制の例外規定が設けられるなど、個人事業者の借り入れについては、国も一定の対応を図っているところでございます。
 東京都といたしましては、厳しい経営状況にある中小企業の資金繰りを支援するため、平成二十年十月に、国の緊急保証制度に対応した経営緊急を創設し、事業資金の確保や返済負担軽減に役立てていただいております。
 また、原則、三営業日以内に保証審査を行うクイックつなぎや、小口の資金需要にこたえる小口資金融資など、各種の融資メニューを通じて、中小企業の資金繰り支援に努めてまいっております。

○田中委員 それに関しては、きょうの報告の中に、ちょうど一五ページにありまして、これまでの制度融資についての一覧が載っておりました。
 また、先ほど私の前に、伊藤委員からもこの経営緊急融資についての質疑があり、大変に大きな成果を上げていることは一部わかりましたが、私が対象として今回取り上げたのは、特に零細企業の方でして、この経営緊急融資は、先ほどの説明ですと、長期十年、運転資金、借りかえ資金等の需要に大きく寄与しているということであって、これもとても今、必要なことではあるんですが、この貸金業法の改正によって起きているのは、小口の、それこそ十万円とか五十万円とか、そういった資金でありまして、そういう面では、この中にあるクイック融資というのがそれに当てはまるんだろうとは思うんですが、実際、このクイック融資は、それに比例してというより、逆ですね、反比例して、平成十六年には九千五百件あったのが、今六百二十二件と、大変に数が減ってしまっておるんですね。
 これだけを見ればということでありますが、このクイック融資がうまく機能してないのか、それとも、違ったところでこれがまた補完されているのか、いかがでしょうか、伺います。

○保坂金融部長 ただいま委員お話しのクイックつなぎでございますけれども、従前からあるメニューでございます。対象者を、既に制度融資を利用している企業で、原則として一年以上約定どおりに返済していることとしておりまして、その約定どおりに返済することによって、保証審査を、原則、三営業日以内としているものでございます。そのような緊急な資金需要にこたえているところでございます。
 融資限度額は、五百万円というふうなことで、比較的小口のつなぎ資金の位置づけとなってございます。
 委員ご指摘のとおり、二十年度の実績が減少してございますけれども、これは、先ほど来から答弁いたしております緊急融資などに利用がシフトしているというふうに金融部としては考えております。

○田中委員 緊急融資の方にそれがすべて補完されているならば、大変いいことだと思うのですが、なかなか、このようなお金を借りる場合は、書類を集めて決算書を出してといったようなことができない人たちが、今、大変困っているようなことだと思いますので、最初の話に戻りますが、今の現状というものをしっかりとこの委員会でも把握して、また、行政の方でも理解、把握に努めていただきたいと思います。
 話を戻しますと、多重債務の救済というのは緊急の課題であることはもちろんだれもが認めることであるし、当然でありますが、総量規制によって借りられない人がどこに流れるかということも問題であります。
 今回の予算委員会の中でも、ほかの委員の方が、都の登録業者、一の業者が、実はヤミ金だったということも指摘をされておりました。
 また、先ほど見せました大阪のこの報告書にも、消費者金融利用者のアンケートで、ヤミ金について、違法であることは認識しているが、収入の範囲で返済できるのであれば利用するのはやむを得ない、借り入れできることが大切と考えている人は、実に一五%もいるという報告も出ています。
 これは、警察によるヤミ金対策が進んで、悪質なヤミ金の取り締まりが進んでいることと思うんですが、しかしながら、このようなアンケート、インタビューの調査から、その市場がとっても見にくくなっているということが推測されます。
 マスコミでは、ヤミ金のソフト化というような言葉も出て、報道されております。例えば、先日、NHKの報道局の方が、このヤミ金の方とインタビューをしたメモによりますと、当初は貸し付けを無理やり貸し付け、回収もはちゃめちゃだったが、今は回収も苦労しない客、逆に完済もしに来て、また借りに来ると。金に困っているわけでもなく、私を大切な友人とみなしていて、身の上相談にも乗って、こちらはカウンセラーじゃないけど、その利息はカウンセリング費用として私は考えている。政府はいってることとやってることが違うんじゃないか、現状をわかっていないと。この貸金業者が貸し倒れを防ぐための審査を厳しくしていると、ブラックジョークのような、大変皮肉のこもったインタビューの資料をいただきましたが、このような現状が今、起きていることも事実であります。
 実際のヤミ金の対策は警視庁の所管でありますから、その細かい内容まで私たちは踏み込めませんが、貸金業法を所管する産業労働局としては、どのようにこれから取り組んでいくのか、その取り組みを伺いたいと思います。

○保坂金融部長 当局といたしましては、違法行為が見られる登録業者に対しては、貸金業法に基づき、厳正な行政処分を行っているところであり、このうち、高金利、違法な取り立て行為など、違反行為が特に重いものに対しては、平成二十年度には百十六者を登録取り消しいたしました。
 あわせて、警視庁に速やかに情報提供するなど、関係機関と連携して取り組んでいるところでございます。
 なお、いわゆるヤミ金対策につきましては、ご指摘のとおり警視庁の所管でございますが、当局といたしましても、東京都多重債務問題対策協議会貸金業部会におきまして、他の関係局、警視庁、関東財務局、東京三弁護士会、東京司法書士会、日本貸金業協会など、関係団体と連携して、ヤミ金融被害防止合同キャンペーンを年二回実施しており、ヤミ金の手口などに関するパネル展示や相談窓口を紹介するチラシを配布し、ヤミ金を利用しない、被害に遭ったら最寄りの警察に行くなどと呼びかけて、資金需要者に対し啓発活動を行っているところでございます。

○田中委員 この貸金業法について、決して私は反対をしたりしているわけではなく、その多重債務者の救済というのが最も一義的な、大切なことではあるんですが、その一方で、このようにして私たちの見えないところで、特に犯罪に結びつくようなことがあるとするならば、それを、一番事情をわかっている、もしくは、現場は私たち地方自治体でありますので、そのような声も、このような改正とあわせて、私たちは伝えていくべきであるということをいいたかったということをご理解いただければと思い、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございます。

○山崎委員 私は、ファッションの中小企業のグループ化、連携、区部の産業支援拠点について、何点かお伺いをさせていただきます。
 まず、東京都に集積している産業の一つであるファッション産業についてお伺いをいたします。
 世界じゅうから注目されている東京のファッション産業は、「十年後の東京」計画においても、重点的かつ戦略的に育成すべき産業分野の一つとして位置づけられております。
 石原知事も、一昨年の九月六日に、東京都が後援している世界最大級のファッションイベント、第七回東京ガールズコレクションというものがございます。これは、たしか年に二回ほど開催をされて、全国各地から一日で二万人近い、十代から二十代の女性が来場し、九十名近い日本のトップモデルの皆さんが、新しいブランドの洋服を着てそのステージに立つ、そういうイベントでございます。
 そのイベントのときに、その場で来場者が携帯電話で、あの服買うといって、携帯電話ですぐその場で買えるような、そういうイベントでございます。
 この第七回東京ガールズコレクションに知事が出席したときに、日本の感覚、文化を世界に広めてほしいというコメントをしておりました。成長産業としてのファッション産業に対する知事の期待が私はあらわれていると思います。
 高感度な巨大マーケットや創造性の高い人材など、東京が持つ潜在力を生かすことのできる産業であるとともに、観光などほかの産業分野への高い波及効果も期待できることから、東京にとって重要な産業分野であり、都としても積極的に振興していくべきであると私は考えます。
 こうした中、都は、昨年度から、若手ファッションデザイナー発掘・育成プロジェクトを開始し、若手デザイナーの人材育成に着手をしておりますが、本事業の具体的な取り組み内容と、今までの成果についてお伺いをいたします。

○櫻井産業企画担当部長 若手ファッションデザイナー発掘・育成プロジェクトは、東京から世界で活躍する若手デザイナーの輩出を目指し、その発掘から育成、ビジネス支援までを一貫して行う事業です。
 具体的には、毎年秋に開催をいたします、応募作品一万二千点を超える世界最大級のコンテスト、新人デザイナーファッション大賞による人材の発掘、展示会出展支援や実践的なセミナー等による育成、ビジネス支援、アジア九都市のデザイナーたちとの交流、以上の三つを柱としております。
 この事業の中心であります育成、ビジネス支援では、新人デザイナーファッション大賞の入賞者等約百三十名を対象といたしまして、セミナーに加え、展示会出展や衣料品メーカーとの連携による商品開発プロジェクトなど、実際のビジネスを経験させる取り組みを、年間を通して実施しております。
 こうした取り組みにより、自分のブランドを立ち上げて受注を獲得するとともに、ニューヨークの展示会へ出展し、国内外のメディアから多くの取材を受けるデザイナーが、事業開始からわずか二年で生み出されるなど、育成の成果があらわれ始めているところでございます。
 今後とも、東京のファッション産業の振興、さらには世界のファッション界における東京の地位向上に資するよう、若手ファッションデザイナーのさらなる育成に努めてまいります。

○山崎委員 今の答弁で、ファッション産業の振興には、デザイナーの人材育成が重要であり、また、さまざまな取り組みが行われていることがよくわかりました。
 近年、欧米だけでなく、韓国や中国等のアジア諸国もファッション産業支援に力を入れていると聞いております。当然のことながら、世界で活躍するデザイナーの育成には時間がかかりますが、育成されれば、我が国の、特に東京のファッション産業に多大な好影響を与えるだけでなく、東京の魅力がますます高まると考えます。ぜひ、中長期的な観点から都が継続的に支援に取り組んでいくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
 続きまして、中小企業のグループ化や連携についてお伺いいたします。
 最近の経済指標等では、若干ではありますが景気回復の兆候が見られます。しかし、中小企業を取り巻く状況は、相変わらず受注の減少やコスト削減競争により、大変厳しいことは改めていうまでもありません。
 このような厳しい状況を克服していくのは、中小企業単独では困難ではないでしょうか。先日の本会議の我が党の一般質問に、知事は、高い技術を持った小零細企業の活力になるべき情報の交換、そして提供が非常に足りないと発言をされておりました。
 また、我が党も、中小企業をグループ化し、人材や知恵を出し合って乗り越えていくことが重要と訴えてきました。
 中小企業が限られた経営資源や経験を持ち寄って、新たな取り組みに挑戦していくことが必要ではないかと私は考えております。
 そこで、まず、中小企業のグループ化への促進に向けた都の現在の取り組みについてお伺いいたします。

○山手商工部長 現在、グループ化に取り組む中小企業を対象に、基盤技術産業グループ支援事業と、グループ戦略策定支援特別対策事業を実施してございます。
 基盤技術産業グループ支援事業は、ものづくり中小企業がグループを形成いたしまして、互いの技術やノウハウを持ち寄り、技術力の向上や受注体制の強化に向けて行う取り組みについて支援を行うものでございます。
 この事業は、平成二十年度から開始をいたしまして、これまでに都が開発した環境負荷低減に寄与するクエン酸ニッケルメッキの実用化に取り組むメッキ企業グループなど、十二グループを支援対象としてございます。
 続きまして、グループ戦略策定支援特別対策事業は、急激、急速な受注の減少や資金繰りの悪化など、厳しい経営環境の克服に向けまして、中小企業の組合やグループの強みを生かした経営改善への取り組みに対し、中小企業診断士等の専門家を派遣いたしまして、事業計画や経営改善計画の策定を支援するというものでございます。
 この事業は今年度から開始をいたしまして、当初の支援予定数五十グループを大幅に上回ります六十二グループからの申し込みがございまして、合計四百八十七回の専門家派遣を行ってございます。
 この事業の支援を受けまして、専門教育施設を整備し、環境分野に精通した人材の育成を目指すグループですとか、ものづくりの若手経営者が連携いたしまして、共同開発や共同受注システムの構築を目指すグループなどが活動してございます。

○山崎委員 都が、中小企業のグループ化や連携の促進に向け、さまざまな事業に取り組まれるとともに、新たな事業活動を模索している中小企業の参考となる多数の事例も生み出されていることがよくわかりました。今後も、より一層取り組んでいかれることを大いに期待をいたします。
 しかしながら、私の地元の経営者の皆さんと話し合いをしたときに、グループを組むにも自分の技術が生かされる相手がわからない、そのほか、ほかの企業、ほかの業種と知り合い、自社製品のブラシアップを図りたいが、きっかけが見当たらないなどという声をしばしば聞いております。
 先ほども中小企業の現状についてお話をいたしましたが、そのような苦しい状況の中で、何とかこれを脱しようと、血の出るようなさまざまな努力を積み重ねているばかりでなく、あしたへの飛躍にも目を向け、新たな道を切り開こうとする姿を目の当たりにすると、まことに頭が下がる思いがいたします。
 このような中小企業の声や、新たな事業活動に必死に取り組む中小企業に思いをはせれば、改めて中小企業同士の知り合うきっかけが、思いのほか少ないと感じております。
 中小企業がグループ化や連携のきっかけとなる場、いわゆる交流の機会というものは、新技術、新製品の開発パートナーを得るばかりでなく、取引先の開拓や共同受注など、新たな事業活動の第一歩に大きく寄与するものと考えられます。
 きっかけづくりは、先ほどご答弁いただきました支援策と同様に、中小企業支援機関、中でも東京都が果たす重要な役割の一つであると考えますが、見解を伺います。

○山手商工部長 中小企業のグループ化や連携を促進させていくためには、多くの企業や団体等の交流の端緒となるきっかけづくりが、中小企業支援機関の果たすべき重要な役割の一つでございます。
 都は、これら支援機関の積極的な取り組みを促す先導的な役割を担っていると認識してございます。これまでも、中小企業振興施策の利用促進や意見交換等を通じた業種ごとの情報連絡会を実施してまいりました。
 しかし、現下の厳しい経済情勢を乗り越えていくためには、業種、業界の垣根を越えまして、企業や団体等の交流及び経営資源や技術等の情報交換が必要となってまいります。
 そこで、都は、今月の下旬になりますが、都内の主要業種を対象といたしました大規模な交流会を初めて開催することといたしました。
 今後とも、中小企業が直面する課題に適時適切に取り組むとともに、新たな事業展開のきっかけとなる場の創出に努めてまいります。

○山崎委員 次に、区部の産業支援拠点について何点か伺います。
 現在、江東区の青海に、平成二十三年度開設予定の産業支援拠点の整備が進められております。この新たな拠点は、都立産業技術研究センターの本部と駒沢支所を統合して、総合的な技術支援機能を持った施設になると聞いております。
 私は、地元として、本当に喜ばしいことでございますが、この拠点は区部だけでなく都内全域の中小企業の期待にこたえるものでなければなりません。特に、熾烈な技術競争にさらされている中小企業のニーズに的確にこたえるなど、東京のものづくり産業の基盤の強化に向けて、中心的役割を果たしていく必要があります。
 そこで、この産業支援拠点の整備の目的について、確認の意味も含めましてお伺いをいたします。

○山手商工部長 都内中小企業が、新製品や新事業を創出し、厳しい市場競争を勝ち抜いていくためには、最先端の技術開発と、それを支える競争力のある基盤技術の維持強化とが必要であり、東京都立産業技術研究センターには、一層高度で多様な技術支援が求められてございます。
 このため、区部の産業支援拠点の整備では、老朽化してございます都立産業技術研究センターの設備を一新いたしまして、これまでの支援機能に加えて、新製品、新事業創出支援の強化という観点から、高度先端技術センターやトータルシステムデザインセンターといった新たな機能を整備することといたしました。

○山崎委員 今のお答えの中でも、区部の拠点では、これまでの設備を一新し、新たな機能を整備するとのことですが、では、その機能を使って、具体的にどのように中小企業を支援していくのか、お伺いいたします。

○山手商工部長 まず、高度先端技術センターでは、微小領域の構造解析が行えます透過型の電子顕微鏡等の高度な分析機器を新たに導入しまして、中小企業の研究開発から実用化に至る幅広い段階で、先端的な製品開発を支援してまいります。
 また、トータルシステムデザインセンターでは、製品の企画から完成品の評価までのトータルなものづくりを支援できる体制を構築いたしまして、製品の高付加価値化、差別化を実現する有力な手段の一つであるデザインについて、支援を充実してまいります。
 さらに、ISO等の国際規格に沿った基盤的な計測検査体制を充実いたしまして、海外でも通用する高品質なものづくりを支援してまいります。
 こうした新たに整備する機能を活用いたしまして、質の高い技術支援を行い、中小企業の新製品の開発や、新事業の創出につなげてまいります。

○山崎委員 中小企業は、競争力のある独自の技術を磨いていかなければ生き残ってはいけません。今の答弁にありました支援は大変重要なものだと思いますが、東京の産業を発展させていくためには、今後の成長が期待される、例えば環境などの分野に関連する技術についても支援していく必要があると考えますが、新たな拠点では、こうしたことにも対応をしていくのか、お伺いをいたします。

○山手商工部長 東京の産業を維持発展させるためには、環境や医療、福祉など、今後の成長が期待される産業分野を育成していくことが重要であると認識してございます。
 このため、新たな拠点では、例えば消費電力の少ない電子機器の開発に役立つ省電力シミュレーターや、がんの早期発見に役立つといわれておりますDNA分析チップといったものの開発に利用可能な分子間相互作用解析装置を整備するなど、成長分野の技術開発に対応できる体制を整えまして、新たな産業の発展を促してまいります。

○山崎委員 区部の拠点における、新たな強化される機能や、今後成長が期待される産業分野に対する取り組みについて、具体的なご答弁をいただきました。
 新しい拠点で、よりパワーアップした産業技術研究センターが活躍することを大いに期待をしております。
 個々の企業への支援についてよくわかりましたが、中小企業が発展していく上で、個々の企業の技術力や、その分野には限界もあり、これを打破するためには、一定地域の中小企業が連携をして、新しい事業活動に取り組むことも重要であります。
 産業技術研究センターでは、これまで、例えば城北地域で進められているKICCプロジェクトや荒川区のMACCプロジェクトなど、企業間連携による技術開発プロジェクトに対して支援を行ってきたと伺っておりますが、引き続きこうした経験を生かし、個々の中小企業への支援に加え、企業間連携による取り組みを積極的に支援すべきと私は考えます。
 区部の拠点につきましても、このような企業間連携のニーズにも十分こたえられる拠点となるよう、先月オープンした多摩の産業支援拠点とともに、都内の中小企業の支援に存分に力を発揮していただきたいと思います。
 最後に、両拠点における中小企業への技術支援に向けた局長の決意をお伺いして、私の質問を終わります。

○前田産業労働局長 東京には、高度で多様な技術を有する数多くの中小企業が集積しておりまして、この東京のみならず、日本の経済を牽引する原動力となっております。
 世界的な競争の中で、日本の強みは何かということを考えましても、また、今後の日本にとって常に新しい技術が求められるということを考えましても、こうした中小企業が将来にわたって発展成長していくためには、先端的な技術開発の取り組みがますます重要になっております。
 このため、個々の企業の製品開発力の向上に向け、高度かつ多様な技術支援を行っていくことに加えまして、東京の技術集積や企業間ネットワークを生かして、新たな製品や新規事業の創出を促していくことが必要である、このように認識しております。
 東京都は、先月開設いたしました多摩の産業支援拠点及び、今お話をいただきましたが、平成二十三年度に開設予定の区部の産業支援拠点が一体となって東京の中小企業を支えていけますよう、産業技術研究センターがこれまで培った高い技術力やノウハウを生かしまして、企業間連携も含め、中小企業の技術開発や新事業の創出に向けた支援に取り組んでまいります。

○高倉委員 雇用問題について最初に質問いたします。
 雇用情勢が悪化する中、職場において、さまざまなトラブルが発生をいたしております。私の事務所にも、育児休業取得に関連しまして会社とトラブルになったといった相談や、退職時に会社と離職票のことでもめた、こういったさまざまな雇用にかかわる相談が寄せられています。
 こうした方々から、どこに相談したらいいのかわからないといった声も大変多いわけでありまして、トラブルに直面した方々が、相談窓口さえ知っていればその不安を解消することができたのではないかというふうに思っております。
 都の労働相談情報センターでは、労働相談を行っております。私も、相談があった方々にこのセンターを紹介することも多いわけでありますけれども、非常に的確なアドバイスをいただいたり、また、あっせんによって解決を図っていただいたり、本当にさまざまな問題に対して対応してくれる、頼もしい存在なわけであります。ただ、働いている人にとって必ずしもその存在が知れ渡っているという状況ではないような感じもいたします。
 労働相談情報センターの相談窓口の存在というものをもっと広くPRをすべきと考えるわけでありますけれども、ご見解をお伺いたします。

○小田雇用就業部長 職場のトラブルに直面した労働者が相談できる場所として、都内では、区市町村窓口における法律相談や、国の労働基準監督署、また、裁判にかかわる公的相談窓口である法テラスなどがあります。
 都としても、労働問題を専管する相談機関である都内六カ所の労働相談情報センターにおきまして、年間五万件を超える労働相談や労使のトラブルの解決に向けたあっせんを行っておりまして、他の機関とも連携しながら相談に対応しております。
 しかし、お話しのように、労働相談情報センターを知らない労働者も多く、一層周知していくことが必要でございます。
 本年度、労働相談専用ダイヤル「東京都ろうどう一一〇番」を開設しまして、都民からの電話相談に一元的に対応しております。この専用ダイヤルにつきましては、さまざまな印刷物やホームページに掲載するなど、積極的にPRしておるところでございます。
 また、時宜に応じて、解雇、雇いどめや、仕事による心の悩みなどに関する特別相談会も実施しております。問題を抱える方々の相談に対応しており、こうした取り組みは、テレビを初めとするマスコミにも取り上げられております。
 さらに、春と秋の年二回、それぞれ新宿や池袋など、主要駅頭六カ所で街頭労働相談を実施して、都民の方々に気楽に相談していただくとともに、あわせてセンターのPRを図ってまいります。
 今後とも、労働相談情報センターが多くの労働者に利用されるよう、積極的な周知に努めてまいります。

○高倉委員 今、ご答弁でも、大変たくさんの相談に対応しているというような状況であります。
 先ほど私がお話をしたような相談に来られた方も、労働法の基本的な知識があれば、トラブルを未然に防げたというケースも多いのではないかというふうに思います。
 労働相談情報センターでは、セミナーなどを数多く開催しまして、労働法の普及にも努めていると聞いております。
 しかしながら、こうした場に自発的に参加する方は、どちらかといえば関心が高い方々であると思います。セミナー会場に行きたくても行けない方々等に対して、基本的な知識や情報を伝えていくということが、私は極めて重要であると思っております。
 そうした中でも、特に、社会経験が少ない、まさにこれから働こうとしている若い方々こそ、こうした労働法の基本的な知識を積極的に伝えていくべきであるというふうに思いますけれども、このことについてのご見解をお伺いいたします。

○小田雇用就業部長 働く方々が労働法令に関する知識を身につけることは、職場のトラブルを未然に防止する上からも重要でございます。
 都では、これまでも、労働法をわかりやすく解説した冊子やパンフレットを、ハローワークや職業能力開発センターなどの窓口や、コンビニエンスストアのラック等も活用しながら都民に配布しており、本年度からは、労働法の基礎を学べるe-ラーニングも開始したところです。
 また、先月開催しました新規大卒者等合同就職面接会では、労働法のポイントとセンターの相談案内をコンパクトにまとめた資料を、来場した約二千五百人の就職が未内定の学生全員に配布いたしました。
 さらに、来年度は、学生向けに、労働契約や働くときのルールなどに関する労働法の基礎知識を知っていただくためのパンフレットを新たに六万部作成し、都内の大学に配布してまいります。
 今後とも、さまざまな手法により、労働者やこれから職業生活に入る方などに必要な知識や情報が届くよう、労働関係法令の普及に努めてまいります。

○高倉委員 今、ご答弁で、この合同就職面接会、大変な反響があった面接会でありますけれども、こうした場所ででも積極的に資料をお配りになっているということが今明らかにされましたし、今度は新たに六万部を都内の大学でも配布をすると。ぜひ積極的に推進をしていただきたいなというふうに思っております。
 次に、少子化対策に関連をしてお伺いをいたします。
 私は、昨年のこの委員会におきまして、中小企業にお勤めの方に低利で生活資金を融資する中小企業従業員融資について質問をいたしました。そして、制度の拡充と普及について提案をさせていただいたところでございます。
 都は、一月に少子化打破緊急対策を打ち出しまして、二十二年度の予算に対策を盛り込んでおります。雇用の分野では、中小企業への両立支援、女性の再就職支援、保育つき職業訓練など、さまざまな事業が展開をされる予定となっておりますけれども、特にその中に、子育て、介護支援融資の拡充がありまして、私、大変評価をいたしているところでございます。
 今回のこの融資制度につきまして、その意義と内容について明らかにしていただきたいと思います。

○小田雇用就業部長 子育て・介護支援融資は、中小企業で働く従業員の方々が、ライフサイクルを通じて、安心して生活ができるための融資制度でございます。
 とりわけ、子育て世代は、収入に比べて教育費、生活費の負担が重いため、安心して子どもを産み育てられるよう、少子化打破緊急対策の一環として、中小企業従業員向けの育児・介護休業者融資を改善し、利用しやすい制度といたします。
 具体的には、融資の対象を、これまで育児休業中の方に限っておりましたが、妊娠中の方や二十歳以下の子を養育する方まで拡大することとしまして、資金の使途は、子どもの教育費や医療費にも広げてまいります。
 融資の限度額は、どのケースでも百万円、返済期間は、金額にかかわらず五年以内と緩和します。また、融資利率はこれまでの利率よりもさらに下げ、一・五%の優遇金利とし、融資に伴う保証料は都が全額を負担するなど、利用者の負担軽減を図ります。この融資の利用に当たっては、提携機関である都内の中央労働金庫及び信用組合が窓口となります。
 今後、子育て世代など、多くの方々に利用していただけるよう、本制度について積極的に周知してまいります。

○高倉委員 今ご説明していただきましたけれども、大変に、この融資について、対象を含めて拡充をしていただいたということについては感謝を申し上げたいと思います。
 ぜひ、こうした使いやすい融資の制度という形になっておりますので、先ほどちょっと私が申し上げた労働法の関係のことも含めて、積極的に都民に対して周知を図っていただきたいと思います。
 次に、今回の報告事項であり、ことし一月に提訴されました新銀行東京の旧経営陣に対する訴訟についてお伺いいたします。
 これまでも何度も質問させていただきましたけれども、確認の意味でお伺いするわけでありますけれども、今回の訴訟は、新銀行東京が外部の弁護士に委託をして策定した外部調査報告書を受けて提起をしたものと聞いております。
 今回の訴訟と外部調査報告書の指摘との関係について、明らかにしていただきたいと思います。

○中村金融監理室長 外部調査報告書は、平成二十一年二月、新銀行東京が委託した牛島総合法律事務所が取りまとめたものであり、新銀行東京の仁司元代表執行役兼取締役及び丹治元執行役が、遅くとも平成十八年八月の取締役会において、小口定型商品の融資等を停止すべきであったにもかかわらず、小口定型商品の融資実行を直ちに停止しないどころか、平成十九年六月に至るまで、融資拡大路線を積極的に継続することなどによりデフォルトを拡大させたとし、両名に対して善管注意義務違反ないし忠実義務違反が認められるとしたものでございます。
 今回の訴訟は、西村あさひ法律事務所が訴訟代理人として改めて精査を行った結果、報告書と同様の趣旨で善管注意義務違反ないし忠実義務違反が認められるとし、本年一月の訴訟提起に至ったものでございます。
 なお、新銀行東京がこうむった損害額につきましては、外部調査報告書では、平成二十年九月末時点の百十二億円としておりましたが、訴訟提起の段階では、平成二十一年九月末時点の百四十億円とし、その一部である五億円を損害賠償請求額としております。

○高倉委員 今、答弁をいただきました中で、善管注意義務違反、また、忠実義務違反が認められて、これを根拠に訴訟を提起されたというお話がありました。若干わかりづらい言葉だと思いますが、この善管注意義務と、それから忠実義務、これはどういった意味なのか、ご説明いただければと思います。

○中村金融監理室長 株式会社役員の善管注意義務は、会社法の第三百三十条で民法の委任の規定に従うとされておりまして、役員は善良なる管理者の注意をもって業務を執行する義務を負うとされているものでございます。
 また、会社法の第三百五十五条によれば、忠実義務は、役員は法令及び定款の規定並びに株主総会の決議を遵守し、会社のために忠実にその職務を行わなければならないとされているものでございます。
 今回の訴訟の被告となっている二名は、会社の財務体質を健全に保ちながら経営を行うべき善管注意義務ないし忠実義務を負っていたにもかかわらず、信用リスク管理を怠り、巨額のデフォルトを発生させ、会社に損害を与えたというものでございまして、新銀行東京は、みずからの判断で損害賠償請求訴訟の提起に至ったものでございます。

○高倉委員 丁寧な説明、ありがとうございます。
 この訴訟を提起した後に、おおむね一、二カ月程度で第一回目の口頭弁論が行われることが多いというふうに聞いておりますけれども、今後の訴訟の予定について答弁を求めたいと思います。

○中村金融監理室長 この訴訟は、株式会社新銀行東京が一月二十九日に東京地方裁判所に提訴したものであり、あす三月十八日に第一回口頭弁論が行われます。
 第一回目の口頭弁論以降、争点整理や訴えに係る証拠調べ等を行っていくことになり、今後も、必要に応じて、おおむね一、二カ月の間隔で口頭弁論が行われることが見込まれております。都としては、この裁判を注視してまいります。

○高倉委員 新銀行東京の経営悪化の原因と責任が司法の場で明らかにされることは、大変重要であると考えております。
 今のご答弁で、明日、第一回目の口頭弁論が開かれるということであります。今後の経過についてもしっかりと注視をしていきたいと思っておりますし、新銀行東京においても、この訴訟にしっかり取り組んでいただきたい、このように思っております。
 最後に、林業労働力対策について簡潔にお伺いいたします。
 森林は、木材の供給に加え、水源の涵養や災害の防止、二酸化炭素の吸収など、多くの多面的機能を持っておりまして、都民にとって貴重な財産であります。
 その森林が多面的機能を十分に果たすためには、間伐などの森林整備が欠かせません。加えて、森林は成長の段階で二酸化炭素を吸収しますけれども、その吸収した二酸化炭素が京都議定書の温室効果ガス削減目標にカウントされるためには、間伐等の整備が要件となっております。
 また、都が実施しておりますスギ花粉発生源対策を着実に実施していくためにも、主伐等の施策が必要であります。
 しかしながら、全国的に森林整備の作業を行う林業労働者が不足をしていると聞いておりますけれども、都における林業労働力の現状はどうなっているんでしょうか。

○産形農林水産部長 全国的に林業従事者が減少しておりますけれども、都におきましても、全国と同様に、木材の輸入自由化などの影響により林業が衰退し、森林整備を担う林業従事者が減少しております。
 都内の林業従事者数は、国勢調査の数字になりますけども、木材価格がピークを迎えておりました昭和五十五年には七百五十三人であったものが、平成十七年では、その三割を切る二百三人となっております。

○高倉委員 都においては、昨年三月に森づくり推進プランを改定いたしまして、今後百年を見据えた森林整備に積極的に取り組んでいくこととしております。
 しかし、労働力を確保しなければ、森林整備への支障が生じるのではないかというふうに思います。林業労働力の確保といっても、林業作業は、樹木の伐採など危険な作業が多いわけであります。高度な知識と熟練も必要とされます。今後、事業量の増加が見込まれることから、林業労働力の確保育成が強く求められていると思います。
 平成二十二年度の予算の中に、新規の事業として、林業労働力緊急確保対策というのが実施をされることとなっております。私は、大変重要な取り組みではないかというふうに思っております。
 この事業のねらいと具体的な内容について明らかにしていただきたいと思います。

○産形農林水産部長 現在のような林業労働力の状況では、花粉発生源対策や間伐などの森林整備を計画的に進めることが困難となるため、林業労働力緊急確保対策を始めることといたしました。
 この対策は、林業従事者の受け皿となる林業事業体の体質強化を図るためのものであり、零細事業体の法人化に向けた支援や林業機械導入に向けた支援を行っていく事業でございます。
 具体的には、財団法人東京都農林水産振興財団にある林業労働力確保支援センターを通じて、零細事業体への指導、相談体制の強化や、法人設立に向けた初期費用への支援、森林施業の効率化を図るための林業機械レンタル料等の助成を行っていくこととしております。

○高倉委員 今回の、今説明いただいた対策ですけれども、林業労働力の確保に大変貢献をする事業ではないかというふうに思います。
 しかしながら、森づくりは、先ほど申し上げましたとおり、五十年、百年先を見据えて、長期にわたって取り組まなければならないものであるというふうに思います。
 将来を見据えまして、林業労働力を確保する取り組みについて、今回の新規事業の拡充も含めて、引き続き検討を重ねるように強く要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

○伊藤(ゆ)委員 では、最後のバッターでございます。大変スムーズに進んでまいりましたので、できるだけ皆様の期待にこたえられるように、コンパクトにやりたいと思います。
 まず最初に、観光部に対する質問をさせていただきたいと思います。
 今、新しい政府ができて、新しい国家成長戦略プランの中でも、外国人の旅行客を日本に誘致するということが中軸に据えられております。
 都は、国に先駆けて、ある意味ではこれらの取り組みを積極的に行ってきたというふうに私も理解をいたしておりまして、もう約十年ぐらい前から、観光部さんたちが種をまいてこられた一つの結果として、アジアを初めとする世界各国からの旅行客というものが今東京にも多く来始めているというふうに理解をいたしております。
 その事業の中でも、中核を占めるのが、一つはシティーセールスだろうというふうに思っておりますので、まず初めに、シティーセールスの取り組みと、そして、これまで過去に、どのような地域でこれらのセールスを行ってきたかについてお伺いしたいと思います。

○小島観光部長 都では、観光を経済波及効果の高い重要な産業として位置づけまして、シティーセールスの取り組みなどにより外国人旅行者の誘致を図ってまいりました。
 外国人旅行者の誘致活動は、訪日旅行者数や旅行目的地としての東京への関心度、市場の成長可能性など、誘致活動の対象となる国や各地域の実態に即して、対象地域として取り組むことが重要でございます。
 都は、これまで、滞在期間が長く一人当たりの観光消費額が大きい北米、欧州、オセアニアの地域に対しましては、出国者数が多く訪日旅行者数の割合が低い地域の中から、民間事業者の要望等も考慮した上で、有望な市場と位置づけ、商談会等を開催する地域を選び、シティーセールスを実施してまいりました。
 一方、アジア地域につきましては、東京への関心が高く、訪日旅行者数が多く、既に観光事業者間で一定のビジネスが成立している韓国、台湾、中国などの地域があり、これらの地域について、旅行博への出展などの旅行者誘致の取り組みを推進してまいりました。
 さらに、羽田空港の国際化を契機に航空便増加が見込まれること、ビザの状況、民間事業者の要望などを総合的に判断し、新たにシンガポール、タイなどを有望な市場として、適宜、取り組み対象に加えているところでございます。

○伊藤(ゆ)委員 大変結構な取り組みをしていただいているというふうに思います。
 今お話にあったのは、いってみれば民民の、旅行代理店の皆様方を、海外と日本とつないでいくという商談会セミナー等の開催というものも柱に据えられているということなんですけれども、ここのところ、如実に日本に対するお客さんの数としてふえているのが、特に中国を初めとするアジアです。
 いうまでもないかもしれませんが、中国は平成九年から平成十八年にかけて、当時二十六万人だったお客さんたちが、今、平成十八年では八十一万人ですから、三倍にふえているということであったり、韓国の旅行者は、この十年の間に百万人、倍になっているということですから、欧米の皆さんに比べて圧倒的な伸び率を示しているわけであります。
 ただ、特にアジアにおいては、本当に各国によって、出国の制限だったり、あるいは現金の持ち出しの制限など、あるいはまた言語や食べ物や物価等の事情というものが作用して旅先が決められているという意味で、それぞれの国によって事情が異なって、そういう事情が旅先を決める上で大きな要素になっているという側面があります。
 ですので、民民の商談会を進めることも重要なんですけれども、こういうそれぞれの国における情報収集、あるいはまた分析というものも重要と思いますけれども、どのように進んでいるんでしょうか。

○小島観光部長 先ほどのご答弁で、私、広い意味での北欧、米州、オセアニア、それからアジアというふうに申し上げましたけれども、シティーセールスを実施した都市といたしましては、欧米豪地域につきましては、ニューヨーク、ロンドン、シドニーなど九カ国十九都市、また、アジア地域につきましては、平成二十年度からでございますけれども、これまでに上海、ソウル、台北など二カ国二地域九都市で行ってきたところでございます。
 また、今お話しの件でございますけれども、観光を目的とするような短期滞在につきましては、韓国、台湾、香港、シンガポール、こちらの方では既にビザが免除されております。中国につきましては、昨年、個人観光ビザが北京、上海、広州で発給の開始がされるなど、順次緩和をされました。そしてまた、全土での緩和も検討されているというふうに伺っております。
 一方、タイ、マレーシア、インド等では、今なおビザが必要とされておりまして、緩和を求める声も多いというふうに聞いております。
 現金の持ち出しにつきましては、インド、中国などでは制限されておりますけれども、中国につきましては、銀行のカードである銀聯カード、これの決済の広がりによりまして、銀行口座に資金があれば日本国内での買い物が容易になったため、現金持ち出しの制限の障壁が低くなったと理解しております。
 情報収集に当たりましては、国や政府観光局、民間事業者など関係機関へのヒアリングやその調査結果も活用いたしまして、国別データ、旅行動向等の情報を得ております。
 これら収集いたしました情報を分析いたしまして、例えば、ビザ発給の段階的な緩和に伴いまして、中国市場への取り組みを本格的に開始、強化するなど、地域ごとのプロモーション展開に活用しているところでございます。

○伊藤(ゆ)委員 今、情報収集をしっかりしていただいているというお話もありましたが、これらの情報に加えて、旅先を決める上で非常に重要なのが、値段と距離と、そして、その地域の観光資源だというふうに思います。
 その一つの値段と距離ですけれども、日本人でも、大体ヨーロッパに行くには、少なくても三十万円ぐらいはかかるかなとか、韓国なら五万円以内かなとか、それぞれの地域に対する大体の相場観というものが旅人にはあるだろうというふうに思うんですけれども、シティーセールスの戦略を練る上で、東京の観光資源を宣伝するという以上に、相手都市において東京観光というものが大体幾らぐらいでちゃんと売られているのかということを把握し、対策を練ることは重要なことだというふうに考えているんです。
 私は先般インドに行ってまいりまして、インドではJTBが提携をする、インド人が経営をする旅行代理店に行ってまいりましたけれども、日本にいっぱいお客さんを送り出したいんだけれども、残念ながら自分たちが把握している情報だと、東京に行って帰ってきて、四、五日で五十万ぐらいかかるプランしか自分たちは持っていないんだと、あるいは、そういう情報をほかに知り得ないんだということでありましたので、本当であれば、安いプランがある程度用意されていれば、そういうものをインド国内で売っていきたいんだと、こういう話がありました。
 韓国においては、今、日本に対して、特に大分とか、あるいは福岡に対して、韓国国内で高いゴルフとの、日本のゴルフとのセットを相当安く売ることによってお客さんを誘致していると、こういう話も聞くわけでありまして、これらの、各国において日本観光という、東京観光がどれぐらいの価格で売られているかは非常に大事なことだというふうに思うんですけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。

○小島観光部長 対象国・地域からの東京を含む訪日旅行商品に関しましては、こういった商品情報を把握することは重要であるというふうに認識をしております。
 日本、東京を旅先とする外国人旅行者は、富裕層からバックパッカーまで、また、家族層やハネムーナーなど、多様な層がございます。
 また、行程につきましても、東京だけの滞在か日本全国を周遊するのか。ガイドをつけて移動するのか、また、一人で公共交通機関を利用するのか。また、日数につきましても、一泊三日の弾丸ツアー、一カ月以上じっくり滞在するのか。また、どのような宿泊先や航空会社等を利用するのか、千差万別なものを求めております。
 こうした多様な旅行商品について、現地のニーズと予算に応じて調整されるために、料金そのものにつきましては、民間同士で決定されるものでございます。行政として、料金決定の過程に関与するものではないというふうに考えております。
 都といたしましては、旅行者の趣向に合わせたさまざまな旅行商品が造成されますように、現地旅行事業者等に対しまして、観光資源やアクセス方法、また、多様な宿泊施設などの観光情報の提供に努めているところでございます。
 また、それぞれの都市でどのくらいで売られているかということでございますけれども、これはヨーロッパ、アジア等でも把握しておりますけれども、今申し上げましたような旅行の内容によりまして、さまざまな金額の旅行商品が用意されているという状況でございます。

○伊藤(ゆ)委員 基本は民民だとは思うんですけれども、しかし、インドでは富裕層が近年急激にふえているということで、過去においては、なかなか日本への旅行者が獲得できなかったという事情もあって、日本に送り出すような旅行代理店が大きく育ってない。日本とはそこが事情が違いまして、小さな旅行代理店ですから、なかなか日本行きのエアを安く大量に仕入れるということができないという事情もあったりいたします。そういうことを把握した上で、行政としてアレンジできることがないのかなということを、検討をこれからぜひしていただきたいと、最後に要望しておきたいと思います。
 それと、次は東京モデルについてお伺いをしたいというふうに思います。
 働き方の改革東京モデル事業というものを、今度東京都は発表をされて、一つのプロジェクトに対して、年間一億円の補助をつけて、子どもを産み育てる企業などを社会全体で支援していこうと。少子化を打破しよう、こういう取り組みでございますけれども、この事業は、今、男女共同社会が推進されていく中で、しかし、保育と仕事というものがなかなか両立し切れない中で非常に重要な、タイミングのいい事業だというふうに私は理解をしております。
 まず、この事業内容と、そしてあわせて、この事業をどのように中小企業に対して周知していくのかということを一緒にお伺いしたいと思います。

○小田雇用就業部長 まず、東京モデル事業の内容でございます。
 働き方の改革東京モデル事業は、働く方々の仕事と出産や子育てが両立しやすい雇用環境の整備に向け、少子化打破緊急対策の一環として実施するものでございます。
 この事業は、大企業の本社や中小企業が集積する東京の特性を生かし、都内企業の働き方を変えていくためのモデルとなる波及効果の高いプロジェクトに対して支援をしてまいります。
 具体的な支援の内容といたしましては、大企業や中小企業が、自社にとどまらず、取引先やグループ企業と取り組む働き方の改革プロジェクトに対して、毎年度最大一億円、最長三年間助成を行ってまいります。
 次に、中小企業に対する公募の周知方法でございますが、プロジェクトを公募する際には、次世代育成サポート企業など、両立支援に積極的に取り組んでいる中小企業に対して、直接公募案内を送付するほか、都のホームページにも掲載いたします。加えまして、東京商工会議所や中小企業団体中央会など、中小企業の支援機関を通じた広報や新聞広告など、多くの方が目にする広報媒体も活用して広報を実施していく予定でございます。
 こうした多様な方法により、本事業の公募について中小企業に周知してまいります。

○伊藤(ゆ)委員 つまり、子育てと仕事の両立に先進的に取り組む企業を、プロジェクトの内容とともに公募をして、年間一億円補助をしようということで、大企業のグループ、あるいは中小企業のグループにお金を出してあげようと、こういう事業でありますから、計八グループに対して一億円ずつで八億円と。そして三年間で計二十五億円になると、こういうことでございます。
 八社、あるいは八グループに対して一億円ずつというのは、金額的には非常に大きな額でありまして、この一億円という金額自体は、ちょっと多過ぎるんじゃないかという声もあるかもしれません。しかし、ワークライフバランスの一つの問題提起をするには、私は、タイミング的には非常にいいタイミングなので、この事業は効果的に事業効果を上げてもらいたいというふうに思っています。
 実際に企業が育児休暇を本当に社内で奨励をするかどうかというのは非常に難しい問題で、この不景気の中にあって、本当に会社の社員に休ませるのかという問題は、とりわけて中小企業の中に多いように思います。そういう中で、総額二十五億円だけで、ある意味では東京都内あるいは日本全体の経済活動のあり方を変えられるのかという問題もあろうというふうに思いますので、この事業における事業者選定においては、この二十五億円が効果としてより大きなものになる事業者を選ぶことが非常に重要だというふうに思います。そういう意味では、八グループに対して一億円ずつ払うというだけではなくて、払った企業が社会全体から注目をされて、しかもそれがさまざまなメディア媒体に載って、社会全体に広がるということが極めて重要だというふうに思うんですけれども、事業効果を高める事業者選定の方法として、メディアに取り上げられやすい要素を加味して選定をするべきじゃないかなと思いますけれども、お考えをお伺いします。

○小田雇用就業部長 メディアに取り上げられるような選定ということでございますが、本事業では、支援対象とするプロジェクトを選定するに当たり、有識者など外部委員も構成員とするプロジェクト指定委員会におきまして、応募プロジェクトの事業計画の先駆性や波及効果等について専門的見地から審査を行うこととしております。
 この指定委員会の外部委員として、マスコミ関係者にも加わっていただく予定でございまして、支援対象とするプロジェクトで実施する取り組みが都内企業のモデルとなり、多くの企業で取り組まれるようになるということについても、メディアの視点で審査していただけるものと考えております。

○伊藤(ゆ)委員 私は、メディアの方に入っていただいて事業者を選ぶということは、非常にいい試みだと思っておりますので、そういう方々からの意見をぜひ参考にしていただきたいというふうに思います。
 次いで、この事業実績をどのように広報するかということも、メディアに取り上げられるということとともに、皆さんのご努力として非常に重要な点だというふうに思いますけれども、この点についてはどのように考えられているんでしょうか。

○小田雇用就業部長 本事業は、働き方の改革に向けたプロジェクトについて、最長三年にわたり支援するものでございまして、そのプロジェクトの実施過程については、都として随時公表していく予定でございます。
 公表に当たりましては、多くの企業がみずからの働き方を変えていくという取り組みを実施する際の参考にしていただけるよう、プロジェクトを取り組む上での課題やその解決方法、また具体的な成果などをできるだけわかりやすく取りまとめて発表してまいります。
 また、こうした公表内容につきましては、マスコミ等で継続的に取り上げていただけるよう、都として働きかけていきたいと考えております。
 さらに、プロジェクトの実施企業がその成果を発表する機会を設けることを検討するなど、働き方の改革に向けたプロジェクトにおける取り組みが都内の多くの企業に波及していくよう、さまざまな手法により広報を行ってまいります。

○伊藤(ゆ)委員 東京都は、プロジェクトの支援を通じて先駆的な取り組みを実施する大企業や中小企業から、直接、具体的な取り組みを実施する上でのノウハウとともに、企業の悩みなども知ることができる立場になると思います。こうした企業の現場から出た要望や意見、例えば優良事業者の固定資産税の減免とか、あるいは行政による優良事業者の周知など、この補助金がなくても働き方が変えられる仕組みというものを調査してあげて、この三年の期間の中の事業が終了した後も支援事業の制度設計がなされるように努めるべきではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

○小田雇用就業部長 本事業では、プロジェクトを実施する企業ごとの実情や取り組みの進捗状況などを確認しながら、三年間にわたって助成を行ってまいります。
 こうした助成事業を行う間に、都としては、企業の具体的な取り組み方法、取り組みを行う上での知恵や工夫、さらに要望等を把握するとともに、企業支援のノウハウについて蓄積してまいります。
 このように、まずは来年度から開始する三年間の支援を行って、企業ニーズや要望等から、法制度の改正などが必要なものについては国に提案要求を行うとともに、都として蓄積したさまざまなノウハウの生かし方を探ってまいりたいと考えております。

○伊藤(ゆ)委員 この支援事業の事業効果の一つとして、私は、これはひょっとすると待機児童対策にもつながるんじゃないかというふうに思っています。というのも、今、目黒区でも百名だった待機児童が、五年後には五百名になるんじゃないかといわれる中で、施設を増設するだけの対策は、もう限界に来始めているというふうに思っておりまして、実はゼロ歳児を保育するための保育士さんの数というのは、一歳児以上と比べて圧倒的に多く定められております。そういう意味では、ゼロ歳児のお子さんを、この事業の効果として、ご自宅で育児してもらうということになれば、今ある施設だけでも相当な定員増というものが見込まれるんじゃないかと思うんですけれども、この事業効果として待機児童対策にもつながるというような認識というのは一つあるでしょうか。

○小田雇用就業部長 本事業では、法定の一年を超える育児休業制度や、在宅勤務制度の大規模な導入、あるいは事業所内保育園の整備などの取り組みも支援対象としていく予定でございます。
 こうした取り組みを都内企業に普及させ、多くの都内企業が実施することになれば、待機児童対策に対してもプラスとなることが考えられます。

○伊藤(ゆ)委員 私も目黒で聞いた話ですけれども、ゼロ歳児を保育園で育てるためには、一カ月当たり、公の負担は五十万円前後になるということもいわれています。そういう意味では、本事業のプロジェクトの成果が多くの企業に広まって、例えば育児休暇を必ず一年以上取得して職場復帰できるようになれば、ゼロ歳児の保育は家庭で行われて、待機児童対策費を初め、これは福祉保健分野の方ですけれども、歳出の抑制効果にも私はつながるというふうに思います。
 このように、企業が働き続けられる雇用環境をつくることは、子育て支援のため、家庭や行政とともに企業もしっかりと責任を果たすことになるということを積極的にPRして、取り組みを促すことも必要ではないかというふうに思うんですけれども、所見をお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。

○小田雇用就業部長 企業がみずからの雇用環境の整備に取り組むことは、そこに働く方々のワークライフバランスの実現に有効であるとともに、企業経営にも好影響を与え、さらには子育てを社会全体で支える取り組みの一つとなるなど、さまざまな効果があると考えております。
 このため、都としては、プロジェクトの具体的な取り組み内容や取り組み企業の創意工夫などとあわせて、こうした効果についても広報を行って、本事業で支援するプロジェクトの先駆的な取り組みなどを多くの企業に波及させてまいります。

○小沢委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、本案及び本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時三分散会

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