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Tokyo Metropolitan Assembly

経済・港湾委員会速記録第十三号

平成二十一年十月六日(火曜日)
第八委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十三名
委員長小沢 昌也君
副委員長高木 けい君
副委員長増子 博樹君
理事伊藤 ゆう君
理事高倉 良生君
理事鈴木あきまさ君
田中  健君
伊藤 興一君
笹本ひさし君
山崎 一輝君
三宅 茂樹君
佐藤 広典君
清水ひで子君

 欠席委員 一名

 出席説明員
産業労働局局長前田 信弘君
次長真田 正義君
総務部長三枝 健二君
産業企画担当部長櫻井 和博君
商工部長山手  斉君
金融部長保坂 政彦君
金融監理室長中村  靖君
金融支援担当部長櫻井  務君
観光部長小島  昭君
農林水産部長産形  稔君
雇用就業部長小田 昭治君
事業推進担当部長日請 哲男君
労働委員会事務局局長関  敏樹君

本日の会議に付した事件
 労働委員会事務局関係
事務事業について(質疑)
 産業労働局関係
事務事業について(質疑)

○小沢委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局及び産業労働局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○小沢委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○三枝総務部長 去る九月三日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりください。目次でございます。資料は全部で二十四項目ございます。
 一ページをお開きください。一ページから二ページにかけまして、中小企業対策、農林水産対策、それぞれの過去十年間の予算額、決算額の推移をお示ししてございます。
 三ページをお開きください。観光振興予算の過去十年間の推移をお示ししてございます。
 続きまして、四ページをお開きください。平成十七年からの都内中小企業の月別倒産件数・負債額でございます。
 次に、五ページから六ページにかけまして、中小企業制度融資の目標と実績の推移をお示ししてございます。
 六ページの右下の合計欄にございますとおり、平成二十年度の実績は十八万八千三百十五件、三兆一千二百三十八億円でございます。
 七ページをお開きください。緊急保証制度に係る区市町村の認定件数及び都制度融資(経営緊急)の実績でございます。
 平成二十一年第一・四半期までの緊急保証制度に係る区市町村の認定件数は十一万九千五百七十三件となってございます。また、経営支援融資(経営緊急)の実績は、保証承諾件数が五万三千四百五十三件、保証承諾金額が一兆二千八十二億五千三百万円となっております。
 八ページをお開きください。東京の完全失業者の状況でございます。
 最下段の平成二十一年四月から六月の平均で見ますと、右端にございますように、東京の完全失業率は四・八%と相なっており、上段の平成二十一年一月から三月の平均と比べて大幅に上昇してございます。
 九ページをお開きください。若年労働者の無業者、フリーター、派遣労働者数の推移でございます。
 (1)、無業者数の推移につきましては、下段の平成二十年三月卒業で見ますと、右端の合計欄にございますとおり、東京全体では、卒業者約三十五万人のうち、約二万六千人が進学や就職をしない無業者となってございます。
 (2)、フリーター数の推移につきましては、下段の平成二十年の全国での数が百七十万人となっております。
 (3)、派遣労働者数の推移につきましては、下段の平成十九年度は、東京で百七万六千人が、また、全国で三百八十一万二千人が派遣労働者として雇用されております。
 一〇ページをお開きください。訪都外国人旅行者数及び訪日外国人旅行者数の推移をお示ししてございます。
 右端にございますように、平成二十年に東京都を訪れた外国人旅行者数は五百三十三万六千人でございます。
 一一ページをお開きください。新・元気を出せ商店街事業の事業開始以降の実績をお示ししてございます。
 引き続きまして、一二ページをお開きください。第一・四半期を黒字化させた新銀行東京の取り組みをお示ししてございます。
 一三ページをお開きください。新銀行東京の再建計画の進捗状況をお示ししてございます。
 上の表をごらんください。損益計算書の当期純利益につきましては、再建計画上の平成二十一年度収益計画ではマイナス十九億円でございますが、第一・四半期決算ではプラス七億円となってございます。
 貸借対照表の純資産につきましては、下の表にございますとおり、平成二十一年度収益計画では四百億円でございますが、第一・四半期決算では四百七十九億円と相なってございます。
 次に、一四ページから一五ページにかけまして、新銀行東京の開業以降の月別の融資件数、残高、返済額、不良債権額につきまして、平成十七年四月から平成二十一年六月までの実績をお示ししてございます。
 一五ページの表にございますとおり、平成二十一年六月末までの中小企業向け融資の実行件数の累計は一万六百七十二件でございます。
 次に、一六ページから一七ページにかけまして、新銀行東京の開業以降の融資・保証実績で、月別、メニュー別の件数、金額につきまして、平成十七年四月から平成二十一年六月までの実績をお示ししてございます。
 一七ページの表にございますとおり、平成二十一年六月末までの中小企業向けの融資と保証を合わせた実績の累計は、実行件数が一万七千八百九十三件、実行金額が三千一億五千六百万円でございます。
 一八ページをお開きください。新銀行東京の開業以降の融資・保証実績で事業規模別の件数、金額(残高ベース)をお示ししてございます。
 平成二十一年六月末時点の融資と保証の合計の件数は九千五百七十一件、残高は七百九十億一千七百万円でございます。
 次に、一九ページから二〇ページにかけまして、新銀行東京の開業以降の融資・保証実績で、事業規模別の件数、金額(実行ベース)をお示ししてございます。
 二〇ページの表にございますとおり、平成二十一年度の融資実績は、第一・四半期までで件数が百三十八件、金額が百五億九千四百万円となっております。
 二一ページをお開きください。新銀行東京の開業以降の債務超過企業、赤字企業への融資・保証実績でございます。
 一番右側の欄は、平成二十一年度第一・四半期末時点の実績でございますが、合計の件数は四千三百三十一件、残高は二百九十四億円となっております。
 二二ページをお開きください。新銀行東京の不良債権の状況をお示ししてございます。
 一番右側の欄をごらんください。平成二十一年度第一・四半期末時点における破産更生債権及びこれらに準ずる債権の額は百五十億円、危険債権の額は百六十一億円、要管理債権の額は四億円で、合わせて三百十五億円となっております。
 二三ページをお開きください。新銀行東京の預金規模別の預金者の件数、割合、金額でございます。
 各年度末時点及び平成二十一年度の第一・四半期末時点における一千万円以下と一千万円超の個人預金者の件数、金額及びそれぞれの割合をお示ししてございます。
 二四ページをお開きください。新銀行東京の融資実行先における無担保・無保証融資の実績の推移でございます。
 各年度末及び平成二十一年度の第一・四半期における無担保・無保証による融資の実行件数と実行金額をお示ししてございます。
 次に、二五ページから二八ページにかけまして、新銀行東京の株主総会における東京都の発言内容、取締役会への申し入れをお示ししてございます。
 二九ページをお開きください。新銀行東京が契約していた監査法人の一覧(時期・主な指摘事項・指摘に基づく業務の改善内容)でございます。
 開業以降、各決算期ごとの主な指摘事項とその改善内容をお示ししてございます。
 三〇ページをお開きください。新銀行東京の開業当時から二年間の半期ごとの貸倒引当金額(実績)でございます。
 開業以降二年間の半期ごとの貸倒引当金額の実績をお示ししてございます。
 三一ページをお開きください。平成十八年十二月に都が新銀行東京に対して行った申し入れの内容をお示ししてございます。
 以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小沢委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○増子委員 私からは、金融課所管の、地域の金融機関と連携した新たな金融支援策についてお伺いしたいと思います。
 厳しい経営環境にある都内中小零細企業に対する緊急的な措置として、都と地域の金融機関--信金、信組を中心に連携をして新たな金融策を実施して、都内中小零細企業の資金繰りの改善を図ろうということで一定に提案をされて、今日までスキームづくりをされてきたということだというふうに思います。
 今の金融危機以来の都内の中小零細企業の皆さんが直面している厳しい状況を、その経済環境を考えますと、今回、新たな融資制度を創設していくという試みについては、私たちも理解をさせていただいております。一定での提案についても、都議会民主党でもいろんな議論がありましたけれど、まだ理念や考え方だけの提示でしたけれども、そのスキームづくりに期待をさせていただいて、最終的にはこの条例案にも賛成をさせていただいています。
 しかし一方で、この制度を実施するに当たっては、損失補償の問題など、当然のことながら、都民への説明責任が強く求められている、そういうものであるとも思いますし、そういう観点からいきますと、新銀行東京を制度の対象外とすべきと申し上げましたし、あるいはデフォルトの抑制、そして融資実績等の情報公開などをその際にも強く求めさせていただいたところでございます。
 いよいよ先週、その新たな融資制度の内容が発表されたわけですけれど、そこで、我が党がこれまで問題提起をさせていただいた論点について、幾つかこの制度の内容についてお聞かせをいただきたいと思っています。
 初めに、この制度の目的について確認をさせていただきますけれど、第一回定例会において、本制度は、あくまでも資金繰りに苦しむ都内中小企業に対する支援であって、いかなる金融機関の経営に対する支援ではないという答弁があったというふうに思います。昨年の秋の経済危機以降、十分に資金調達ができない中小零細企業がふえているというふうにも思いますが、そうした中でも、地域の金融機関の目ききの力を使いながら、将来性を見込める企業を見出して支援をしていこうと。そして、そのためには、都としても、損失補助という形でリスクを積極的にとっていこうというのがこの制度のねらいだったかというふうに思いますけれど、先般発表されたこの新たな融資スキームによって、この制度のこういったねらいが達成されるという見込みが立ったのかどうか、所見をお伺いいたしたいと思います。

○保坂金融部長 東京都は、急速に悪化する中小企業の資金繰りを支援するため、昨年十月末に国の緊急保証制度に対応した経営緊急を制度融資に設置し、その積極的な推進を図ってまいりました。
 しかし、それ以後も中小企業の経営環境の悪化に歯どめがかからないことや、緊急保証制度によっても資金調達が困難な企業が存在していることから、さらに一歩踏み込んだ支援が必要であると判断し、本年第一回定例会において新たな支援策の根拠となる条例案を提出し、議決いただくとともに、具体的な制度設計に向けた調整を進めてきたところでございます。
 こうした調整を終えまして先般発表いたしました融資スキームは、地域の金融機関の目ききの力と民間保証機関の審査ノウハウを活用するとともに、東京都が個別債務の不履行に対して損失補助を行うものであり、本制度の目的を十分に達成できるものと考えております。
 東京都といたしましては、本制度を通じて、現在は資金繰りに苦しんでいるが、高い技術力やすぐれたビジネスプラン等により、この難局さえ乗り切れれば将来的に展望が開ける企業などを見出し、支援を行っていく考えでございます。

○増子委員 今のお答えでも、地域の金融機関の目ききの力と民間保証機関の審査ノウハウを活用して何とかこの難局を乗り切ってもらいたいと、そういうご答弁だったというふうに思いますが、今のお話で役に立つスキームであるということもわかりました。
 それでは、この新たな融資制度のこれまでの取り組み状況と、今後の取り扱い開始までの見通しについてお聞かせください。

○保坂金融部長 本年第一回定例会におきまして条例案の議決をいただいた以降、これまでの間、地域の金融機関を初めとする関係機関との調整を進めるとともに、民間保証機関からの融資スキームの企画提案募集を行いまして、新たな融資制度に参加する保証機関と融資の基本スキームを決定したところでございます。
 現在、取扱金融機関と保証機関との間で実務的な協議を進めているところでございまして、今月中には、準備が整った取扱金融機関から順次それぞれの窓口での取り扱いを開始したいと考えております。

○増子委員 私たちも、賛成した以上、ぜひ中小企業の皆さんの役に立っていただきたいと思っておりますし、依然として厳しい状況の中では、大変これも中小企業の経営者の方にとっては朗報だというふうに私たちも考えていますが、この制度、やっぱり地域の金融機関との連携ということが最大のかぎだというふうに思いますけれど、現時点におけます各金融機関の検討状況についてお聞かせをいただきたいと思います。

○保坂金融部長 本制度の取扱金融機関の対象は、東京都制度融資取扱指定金融機関のうち、原則として都内に本店を置く地方銀行、信用金庫、信用組合等の地域の金融機関であり、全部で四十四ございます。
 現在、本制度の取り扱いに向けて保証機関との協議などの具体的な検討を進めているのは、地方銀行が二、信用金庫が十四、信用組合が十、合計二十六機関でございます。
 これ以外の金融機関についても、順次取り扱いを拡大していく考えであり、各金融機関においては、今後、具体的な検討を進めていただけるものと期待しております。

○増子委員 今のご答弁だと、地銀、そして信金、信組、それぞれ金融機関がご参加をいただけるということですから、スムーズに進むといいなというふうに思っておりますが、さらに今後、順次拡大をしていくということなので、そこは期待をさせていただきたいと思います。
 ところで、新銀行東京への対応についてはどうだったのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○保坂金融部長 本制度については、日ごろの取引を通じて企業の顔が見えている地域の金融機関と連携して取り組む考えであり、幅広く金融機関の協力を得たいと考えております。特定の金融機関を念頭に置いたり排除するものではございません。

○増子委員 今のお答えは、以前にお聞きしたときにも同じようなお答えだったと思うのですが、金融庁から与信審査体制などの問題点が指摘されていて、また、東京都が支配株主となっている新銀行東京についてはこの制度から除外すべきだということはかねてから申し上げさせていただいています。
 今回の、この具体的な検討を進めているとされている金融機関のリストには新銀行東京の名前が見当たらないわけですけれど、この点については、私たちも引き続き大きな関心を持って注目をさせていただきたいと思っております。
 次に、デフォルトの抑制についてお伺いしておきたいと思いますが、本制度においては、都が債務不履行額の八〇%の損失補助を実施するというふうに聞いています。都民の税金を投入するということですから当然のことですけれど、デフォルトについては確実に抑制をしていくということが求められるわけですけれど、具体的にはどのようにして抑制をしていくお考えなのかをお聞かせいただきたいと思います。

○保坂金融部長 本制度の安定的な運営を確保するには、デフォルトの発生を抑制していくことが必要であり、そのことが、都が負担する損失補助を軽減していくことにもつながります。こうした観点を常に念頭に置いて制度設計に多くの時間を費やすとともに、民間保証機関の持つ審査ノウハウの活用を決めたところでございます。
 本制度においては、地域の金融機関が行う融資審査と民間保証機関が行う保証審査を車の両輪のごとく位置づけておりまして、両方の審査をクリアして初めて融資の実行が可能となるなど、融資スキームの中に精度の高い審査体制を取り込むことにより、将来的なデフォルトの発生を抑制してまいります。

○増子委員 今、安定的な運営を確保するためにというご答弁もありましたけれど、確かにあんまりデフォルトが発生するようなことになっていくと、制度そのものが長く続けていけるのかどうかといった疑問も出てきてしまうということもありますので、そういった意味では、確実にデフォルトについて抑制をしていくということにお努めをいただきたいと思っております。
 そういった意味でも、金融機関、そして保証機関がそれぞれ審査機関として十分に機能するように、東京都としてもこれをしっかり監視していくことが重要だというふうに思っております。
 また、東京都自身としては、損失補助を実施するに当たっては、どのような体制を構築して公金の適正な利用を担保していこうとしているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○保坂金融部長 本融資のスキームでは、都は、個別債務の不履行が発生した場合には損失補助を行うことになっております。補助金の支出に当たっては、弁護士や公認会計士などから成る審査会により、個別案件ごとにその妥当性について審査を経た上で実施してまいります。
 なお、具体的な審査会の構成や運営方法等につきましては、今後、その内容を調整してまいります。

○増子委員 この制度については、夏を目途にと前におっしゃっていたぐらいだったのですが、相当厳しいそういうスケジュールの中で検討を進めてこられたというふうにも思っていますので、そういう意味では、現時点において、損失補助の実施方法などについて詳細な内容がまだ確定していないという部分があっても、そこはやむを得ないというふうに理解をさせていただきたいと思っておりますが、この点については、重要な論点なので、今後しっかりと検討を進めていくということをご要望させていただきたいと思います。
 最後に、情報公開について伺います。
 本制度は、各金融機関に対して損失補助や預託金の支出が実施をされます。損失補助を抑制するとともに、この預託金を効果的に活用していく。そのためには、どこの金融機関がどれほどの融資実績を上げて、それに応じてどれほどの預託金を積んだのか、また、どれほどデフォルトが発生して都の損失補助に負荷をかけたのか、金融機関ごとに情報公開をすべきであるというふうに思いますけれど、所見をお伺いしたいと思います。

○保坂金融部長 本制度におきます各取扱金融機関への預託金や融資実績、デフォルトなどの情報は、都が制度の運営者として適正に管理していくべきものでございます。これらの情報は、各取扱金融機関の経営情報に当たるため、現行の制度融資と同様に、競争上や事業運営上の影響などを考慮し、開示する考えはございません。

○増子委員 今、厳しい経済環境が続く中、中小零細企業は、金融機関による貸し渋りや、あるいは貸しはがしなどということに直面をして、大変厳しい局面に立たされているというふうに思います。こうした事態を解決していくためにも、今後、金融機関においては融資状況のさらなる情報公開が求められているというふうに考えています。
 我が党としましても、中小零細企業を取り巻く現下の厳しい環境を考えますと、先ほど、十月には順次開始したいというお話がありましたけれど、今この新たな融資制度を実施することについては大変有意義だというふうに考えています。であるからこそ、この制度が一層有効に機能するためにも、こうした時代の要請というものも十分に踏まえていただいて、情報公開の面でも一層ご努力をいただくことを求めまして、質問とさせていただきます。

○高木委員 私からは、新銀行東京についてお伺いをさせていただきます。
 新銀行東京については、これまでも本会議、そしてこの経済・港湾委員会、また決算、予算等の特別委員会においても多くの議論を積み重ねてきたところであります。
 経済・港湾委員会においては、新銀行東京に関する報告事項等、これからも審議は従来どおりということで確認をしておりますので、本委員会で主体的にそういうことが行われることになるんだろうと思っています。
 我が党は、これまで主張をしてきたとおりでございまして、新銀行東京に関する審議は、参考人招致も含めて本委員会で行うべきであると考えています。本委員会の審議次第では参考人を招致する必要性が生じてくると思いますので、本日の理事会でも申し上げたとおりでございますが、私は、今後参考人招致の際、私の質疑権を留保しておきたいと思っています。
 きょうは、これまでの議論を整理する意味で、基本的な事項について再確認をまずさせていただきたいと思います。
 新銀行東京の設立趣旨についてですが、これはどのようなものか、当時の経済環境も含めて、改めてお伺いをします。

○中村金融監理室長 新銀行東京の設立が検討されておりました平成十五年当時は、バブル経済崩壊後の長期不況とデフレ、さらには急激な産業構造の変化の中で、都内の企業倒産件数は毎年高水準で推移し、これまで東京の経済を一貫して支えてまいりました中小零細企業にとって、既存金融機関の貸し渋りや貸しはがしなど、極めて厳しい状況にございました。
 こうした状況の中で、新銀行東京は、事業意欲がありながら資金繰りに窮している中小零細企業を支援することを理念として設立されたものでございます。

○高木委員 そうした理念を具体化するために新銀行マスタープランが作成をされたんだろうと思いますが、それはどのように作成されて、当時どんな評価だったんでしょうか。

○中村金融監理室長 新銀行マスタープランは、中小零細企業への円滑な資金供給を実施するという新銀行設立の理念を実現するため、新銀行の業務内容などをより具体的にまとめるべく、金融の専門家や代表執行役候補も含めた執行役候補者ら多数が参画して検討を重ねるとともに、議会での議論も踏まえて、平成十六年二月に作成されたものでございます。
 このマスタープランのもととなった新銀行の構想につきましては、当時の金融・経済財政担当大臣は、平成十五年五月の記者会見において、この銀行業界、金融業界を活性化させるような新規参入は当然歓迎すると発言しております。
 都は、新銀行東京の設立に当たり、このマスタープランを示して、平成十六年第一回定例会において、新銀行東京への出資に関する予算案を多くの賛同を得て議決をいただいたものでございます。こうした経緯を見れば、妥当な評価をいただいたものと考えてございます。

○高木委員 新銀行マスタープランは、議会でも、議事録などを拝見しますと、相当審議をしっかりとされたと感じております。当時、民主党も含めて、都議会の大多数が出資に賛成をして新銀行が設立されたというふうに思っています。
 今、都議会の多くの賛同というお言葉がございましたが、まさにそのとおりで、そうして設立された新銀行東京の経営が悪化をしてしまったということについては極めて遺憾ではありますが、こうした経営悪化の原因について、都はどのように考えているのか、お伺いします。

○中村金融監理室長 多くの方々の期待を担って発足いたしました新銀行東京ではございますが、経営悪化に陥ったことについては、都としても極めて遺憾であります。新銀行東京は、株式会社として独立した経営体であり、第一義的には、経営悪化の原因は新銀行みずからが解明すべき問題であると考えております。
 新銀行東京は、平成十九年六月の経営陣の刷新後、新しい経営陣のもとで経営悪化について調査を行い、報告書として取りまとめております。
 さらに、新銀行東京は、外部の弁護士に委託し、経営悪化の原因究明を行っております。この中で、不良債権の問題のほか、システムの関連を含め、さまざまな調査分析を十分に行っております。
 その外部調査報告書において、遅くとも平成十八年八月の取締役会において、危機的なデフォルトの発生状況に対して抜本的な対策を講じるべきであったにもかかわらず、平成十九年六月に至るまで融資拡大路線を積極的に継続する等によりデフォルトを拡大させたことが認められ、経営判断として許容される裁量の範囲を逸脱したものであるとして、旧経営陣のずさんな経営が経営悪化の原因であることが明らかにされております。

○高木委員 そうしますと、このような経営悪化の原因について、当然銀行ですから、監督官庁はどういう見解を示していたんでしょうか。

○中村金融監理室長 平成二十年十二月の金融庁の業務改善命令では、新銀行東京は、過大な事業規模の追求、スコアリングモデルのみに依存した融資審査、管理等に起因して大幅な損失を計上してきたと指摘されております。

○高木委員 ここで、確認をしておかなきゃいけないことがあると思います。一つは、議会でもよく出るお話ですが、知事の責任云々という話がよく出てくるんですけれども、私たちは、政策の判断についての責任はやっぱり知事にあると思います。もう一方では、経営の責任については経営者にあるということ、これは紛れもない事実ですから、そのことを混同した議論をしてはいけないんだろうと思います。
 今までずっとご答弁いただいてきたように、当時、新銀行が設立をされるときの時代背景ですとか経済状況ですとか、そういうものを含めて、所管をする金融担当大臣のコメントも含めて、新規参入も含めた金融界の新しい流れ、そして新しいチャレンジというのは歓迎をされていたわけですから、そうした政策の判断について間違っていたと私たちも思っていないんです。その意味では、やはり経営責任をどう問うていくのか、東京都としてそれをどう考えていくのか、そのことはやっぱり議会の議論の俎上に供されるべきであって、そのすべてをごっちゃにしたような議論というのは、やはりふさわしくないんだろうなというふうに思っています。
 過去の経営悪化について、今お話がありましたように、旧経営陣のずさんな経営に原因があるということは、第三者からも客観的に確認をされたわけであります。
 一方、都は大株主としての立場もあったわけでありますから、新銀行東京の経営監視は、東京都としてはどのようなものであったのか、まずお伺いしたいと思います。

○中村金融監理室長 都は、新銀行東京の大株主であり、出資者として、当然経営を監視する役割がございます。一方、監視に当たっては、銀行ならではの制約もございます。銀行には、その公共的性格にかんがみ、経営の独立性が求められていること。新銀行東京も、株式会社として所有と経営の分離が図られていたこと。さらには、銀行の株主には、会計帳簿等の閲覧請求権が認められておらず、新銀行東京から都への情報提供も限定されております。
 このように株主の関与が厳しく制限された中で、決算時には報告を受けるなど、都は株主として可能な範囲で大枠の経営監視に努めてきたところでございます。
 平成十八年度の中間決算発表時には、経常損失の一層の改善が必要となったことから、経営の健全性確保と中小企業の支援に向けて抜本的な見直しを要請いたしました。
 また、平成十九年三月期決算発表時に表面化した深刻な経営悪化に対しては、同年六月に代表執行役を交代し、社外取締役に元副知事を充てるなど、経営陣の刷新や、執行役以下に都職員を派遣するなど、必要な措置を講じてきたところでございます。
 なお、平成二十年第一回定例会における付帯決議を踏まえ、昨年四月に産業労働局に金融監理室を設置し、株主連絡会の回数をふやすなど、新銀行東京との連絡を密にすることや、損益や不良債権の管理状況などに関し報告を受けてございます。これらを通じて、これまで以上に新銀行東京の経営状況や再建計画の進捗状況を把握することが可能となり、それに基づき都として必要な申し入れを行うなど、適時適切な監視に努めているところでございます。

○高木委員 銀行法などによって一定の制約があるのはよくわかります。しかしながら、そういう中にあっても、引き続き都として責任を持って適切な経営監視に努めていただきたいと思っています。
 ところで、今答弁のあった平成十九年六月の経営陣の刷新以降なんですが、それ以降直近まで、新銀行東京自身はどのような経営改善に向けた取り組みを行ってきたのか、お伺いします。

○中村金融監理室長 新銀行東京は、平成十九年六月の経営陣の刷新以降、新しい経営陣のもとで、過去の反省の上に立ち、経営改善を進めてまいりました。
 まず、経費の節減として、当時の十店舗体制から新宿の一店舗体制に集約することを初めとして、執行体制や人員体制の見直しなど、徹底した営業費用の圧縮により、低コスト構造への転換を図りました。
 その結果、平成十九年三月期と直近の二十一年三月期の決算を比較いたしますと、営業経費は百五十億円から六十八億円と、約八十二億円削減しております。
 さらに、経費圧縮の一方で、与信管理の面では、可能な限り中小零細企業支援を継続しながらも、取引先へのきめ細かな対応に努めております。
 こうした努力の結果、今年度の第一・四半期については黒字となったところでございます。

○高木委員 きょうの資料請求のとおりなんだろうと思います。そういうお話をぜひお伺いしたかったし、どんな努力をして黒字を計上するに至ったかというのは大事なところだと思いますので、ぜひこれからも、そういうことについては、広報活動も含めて一層充実をしていただきたいと思っています。
 ただ、その中で、新銀行東京の再建について、最も大きな出来事というのは、やっぱり私たち議会側の協力というのも当然あったと私は思っているんですよ。それは、昨年の第一定例会において四百億の追加出資を議決したこと、このことはやっぱり大きな出来事だったと思っています。
 そこで、この追加出資の効果について改めてお伺いをしたいと思います。

○中村金融監理室長 高い事業意欲がありながらも資金繰りに窮してございます中小零細企業への支援を継続するとともに、預金者など多くの関係者に不安を与えないためには、新銀行東京の再建が必要であるという判断のもと、議会のご議決をいただいた上で追加出資を行ったものでございます。
 新銀行東京は、現在でも赤字・債務超過先を多数含む約一万社の中小零細企業に支援を継続してございますが、これは四百億円の追加出資があればこそ可能となったものでございます。

○高木委員 四百億円の追加出資が中小零細企業のために有効に活用されているということはもう明らかでありまして、そのことはぜひ自信を持っていただきたいと思うんです。
 その一方で、こうした事実を直視しないで、都は新銀行東京から撤退すべきという主張があるんですが、我が党は、まず再建すべきというふうに考えています。再建をしっかりとしていただきたいというふうに思います。
 そこで、再建について、ぜひ局長の決意と見解を伺いたいと思います。

○前田産業労働局長 新銀行東京は、現在、平成二十三年度の単年度黒字化を目指しまして、懸命に再建に取り組んでおります。今年度の第一・四半期決算では、開業以来初の黒字を計上するなど、計画を上回る業績を上げておりまして、純資産も四百七十九億円を確保してございます。
 新銀行東京は、この六月末時点で三千億円を超える預金を有するとともに、他の金融機関では支援が難しい赤字・債務超過先を多数含む約一万社に及ぶ取引先を支援しております。これら取引先の十万人を超す従業員やその家族を守り、金融不安を招かないためにも、委員ご指摘ありましたように、再建を着実に進めることが重要だと考えております。
 現在経営再建中の新銀行東京から都が撤退するということは、大きな混乱を招くことになります。新銀行東京が支援を続ける多くの中小零細企業のことを考えれば、当然のことでありますが、撤退する考えはございません。都としては、新銀行東京が中小企業への継続支援に軸足を置きつつ、課題である経営再建を着実に達せられるよう、適切に監視と支援をしてまいります。

○高木委員 これまでの質疑で、設立の時代背景から設立の目的、そして具体的なマスタープランの策定、そのときの評価はどうであったか、こうした、今明らかになった質疑の中で、新銀行東京の設立趣旨から、経営悪化の原因でありますとか、あるいは都の経営監視、新銀行東京の現状に至るまで、多岐にわたって私たちは理解をしたわけであります。新銀行東京は、着実に経営改善に取り組んでいると思いますし、現在堅実な経営を行っているということもよく理解ができたわけであります。
 また、中小零細企業の厳しい資金繰りの状況というのはいまだに変わっていないわけで、そのことにかんがみると、新銀行東京の持つ、中小零細企業を支援する、いわゆる金融機能の意義というのは、全く私は失われていないというふうに思っています。
 新銀行東京は、赤字あるいは債務超過先を含む多くの取引先が、約一万社というふうにおっしゃってますけれども、多くの取引先が存在をして、そこで働く従業員やその家族も含めて大勢の方が関係をされていると。そうした方々の生活を守るためにも、新銀行東京を再建することこそが、現在唯一の選択肢であると私たちは信じて疑わないわけであります。
 ですから、局長の力強いご答弁もございましたので、私たちはその方向性を局と一にしながら、しっかりと新銀行東京の再建に向けて、これからも議会としての努力をさせていただきたいと思います。
 我が党としては、今まで申し上げましたように、新銀行東京が一日も早く再建をされて、その設立理念を十分果たせるように、引き続き再建に向けた努力を求めていくとともに、新銀行東京の再建の状況については、ぜひ今後も本委員会において確認をさせていただきたいということを申し上げまして、私からの質疑を終了いたします。

○高倉委員 それでは最初に、地域の金融機関と連携をした新たな保証つき融資制度についてお伺いをしたいと思います。
 都内の中小企業を取り巻く経営環境は、依然として厳しい状況があると思います。東京信用保証協会の資料を見ましても、昨年の十月からの緊急保証制度、スタートして以来、保証承諾が十万二千件、その金額も二兆四千億円にも及んでいると。なお、ことしの二十一年度の第一・四半期も、保証承諾金額については、前年同期に比べて二一〇・七%、こういう状況があるんだと思います。
 また、この中での東京都の経営緊急も、これは平成二十一年度の八月末現在ということでありますけれども、この保証承諾が六万一千八百七十八件、金額にして一兆三千八百三十二億円と、大変な数、額に上っておりまして、まさに中小企業は、今、資金繰りに大変なご苦労をされている、こんな状況が、この数字からもうかがうことができるんではないかと思います。
 そうした中で、この既存の制度融資でも十分に資金調達ができずに困窮している、こうした企業がたくさんあるわけでありまして、この間、私ども都議会公明党としましては、都独自の新たな融資制度を一刻も早く立ち上げるべきと、こうした主張をしてきたわけでありますけれども、先日、まさに待ちに待った制度開始の発表があったわけであります。この融資制度が、都内の中小企業がまさに待ち望んでいるものになっているのかどうか、こうした観点から何点か質問させていただきたいと思います。
 現在も、中小企業の経営者からは、信用保証枠を使い切り新たな融資を受けることができない、あるいは条件変更したために融資を断られてしまった、こうした声が寄せられているわけであります。したがいまして、今回の融資制度に当たっては、ぜひ、こうした状況にきっちりとこたえることのできるものでなくてはならないというふうに思っておりますけれども、まず最初に、こうした既存の融資制度では対応できない中小企業に対して、実際に資金供給の可能性を本当に広げることができる内容になっているのかどうか、この点について所見をお伺いしたいと思います。

○保坂金融部長 景気の後退の影響を強く受け、ご指摘のあったように、緊急保証制度によっても十分な資金調達が困難な中小企業が存在しております。中小企業金融支援条例に基づき今回新たに立ち上げた保証つき融資制度は、こうした中にあって、高い技術力やすぐれたビジネスプラン等により、この難局さえ乗り切れれば将来的に展望が開ける企業などを見出して支援していくことを目的としております。地域の金融機関の目ききの力を活用して、こうした中小企業の資金調達の可能性を広げてまいります。

○高倉委員 この信用保証枠を使い切っている場合に、よく、担保があれば追加の融資が可能となると、こんなことをいわれるわけでありますけれども、しかしながら、中小企業においては、土地や建物の担保、これをなかなか供することが難しいのではないかと思います。
 こうした点で、今回のこの融資制度において、物的担保、これはどういう扱いになっているのか、確認をさせていただきたいと思います。

○保坂金融部長 本制度においては、原則として無担保の扱いとなっております。

○高倉委員 先ほどちょっとお話しもしましたけれども、昨年秋から実施をされている緊急保証制度、これも今月末で一年が経過をするわけでありまして、経営者の方々からは、昨年の暮れに利用しましたと。この三月、年度末にも利用しましたと。この夏にも申し込んだけれども、今回は難しかったみたいな声もあるわけであります。
 今ご答弁をいただきまして、こうした企業にとって、今回の融資制度にもチャレンジすることができるというようなことを確認させていただきましたけれども、これまでの既存の融資制度と変わらないんじゃないかというような声が起こらないように、今ご答弁をしていただいたことも踏まえて、ぜひしっかりとお願いをしておきたいと思っています。
 それから、中小企業の経営者にとりましては、どのような融資条件になるのか、これは大きな関心事であると思います。この点についても、さきの定例会の代表質問でも、我が党から具体的な内容を早く示すように指摘をさせていただきましたけれども、答弁では、預託金や損失補助により、金利、保証料といった中小企業が負担をするオールインコストの低減を図ると、こうした答弁がございました。具体的に、こういったものはどういう水準になるのか、お答えをいただきたいと思います。

○保坂金融部長 本制度におきましては、東京都から取扱金融機関に対して貸付原資を預託することにより、例えば融資期間が三年超から五年以内の場合には、融資利率を年二・六%以内に設定することができております。これは、現行制度融資におきます優遇金利に近い水準となっております。
 この融資利率に、保証機関が別途定める保証料を合わせたオールインコストで見ても、三%後半から五%後半の水準に抑えることができる見込みでございます。

○高倉委員 それから、今回の制度で、取り扱う保証機関によって融資限度額が異なっているというような点があると思いますけれども、どうしてこういうふうになっているのか、このことについても説明をお願いしたいと思います。

○保坂金融部長 本制度におきましては、複数の民間保証機関を活用することとしておりますが、これは、本制度が資金繰りに窮する都内中小企業に対して迅速かつ柔軟な支援を行うため、民間の各保証会社がこれまでに培ってきた保証審査のノウハウ等を十分に尊重しながら制度の設計を行っているからでございます。
 そうしたことから、例えば、本制度における融資限度額につきましては、法人、個人の両方を取り扱うオリックス株式会社が一千万円以内に対して、個人事業者のみの取り扱いとなる全国しんくみ保証株式会社が五百万円以内など、取扱保証機関ごとに融資条件に差異が見られることになります。

○高倉委員 今回のこの融資制度は、現行の制度融資でも資金調達が困難な中小企業も対象としているということであります。信用リスクも高くなるために、もし都が何ら財政的な措置をとらなければ、融資利率や保証料はもっと高いものになったのではないかというふうにも思われます。
 私ども都議会公明党としましては、資金繰りに苦しむ、こうした中小企業にとって、この制度が今必要不可欠なものであるということを十分承知しているからこそ、第一回定例会において、その裏づけとなる条例案、そして予算案にも賛成をし、一刻も早い事業開始を訴えてきたところであります。
 現在、各金融機関における取り扱いの開始に向けて関係者一同大変な努力をされていることというふうに思いますけれども、中小企業の経営者の方々も、まさに必死な状況であります。今月中には実際の窓口での取り扱いを開始したいというお話がございましたけれども、さまざま大変なご苦労、課題があろうかと思いますけれども、ぜひ、金融機関、保証機関との準備を加速しまして、今月中といわず、今月中旬ぐらいから取り扱いが始められるように、しっかりと推進をお願いしたいと思います。
 取扱金融機関の各窓口での取り扱いの開始が決定をしましたらば、本制度を待ち望んでいる中小企業の皆様にしっかりと周知を図っていくことが大事であると思いますけれども、この点、どう取り組まれようとしているのか、見解を伺いたいと思います。

○保坂金融部長 現在、地域の金融機関においては、本制度の取り扱いに向けて保証機関と順次協議を進めているところでございます。
 取り扱い開始日が決まりましたら、改めてプレス発表を行うほか、東京都のホームページや制度案内のチラシなど、さまざまな媒体を通じまして、中小企業の皆様への周知を図ってまいります。

○高倉委員 ぜひ、しっかりわかりやすい形でお願いをしたいと思います。
 次に、ネクストジョブ事業につきましてお伺いしたいと思います。
 昨年の十一月から取り組みがスタートしました、就職氷河期世代の正規雇用化を支援するこのネクストジョブ事業につきましては、これまでに七百名を超える非正規雇用の三十代の方々の支援を行い、大きな成果を上げているというふうにお聞きをしております。
 都議会公明党は、かねてからこの事業を東京しごとセンター多摩でも展開をして、経済的に厳しい状況にあります非正規雇用者の方々が、できるだけ身近なところで就職支援が受けられるようにすべきであるということを訴えてまいりました。
 さきの第三回定例会でも、私ども都議会公明党がこの点についてお伺いをさせていただいたところ、局長から、十月下旬よりしごとセンター多摩でネクストジョブ事業を開始する予定と、こうした具体的な答弁をいただいたところであります。この私ども都議会公明党の要望にこたえ、東京都がしっかりと取り組みを進めていただけるということについては高く評価を申し上げたいと思います。
 そこでお伺いしますけれども、十月に入って、しごとセンター多摩での事業開始時期、これは決定をしたのか、また、どのような支援が行われるのか、見解をお聞かせ願いたいと思います。

○小田雇用就業部長 しごとセンター多摩では、今月の最終の週、二十六日の月曜日でございますが、ネクストジョブ事業を開始しまして、飯田橋のしごとセンターと同じサービスを多摩地域においても提供してまいります。
 具体的な支援の内容といたしましては、三十代の非正規雇用者の方々の専用相談窓口を開設しまして、求職者の状況に応じたキャリアカウンセリングを行うほか、少人数でのグループワークを実施するなど、きめ細かな支援をしてまいります。
 また、専門相談員として新たに配置するジョブコーディネーターが求職者の就業相談を行うとともに、求人開拓をしながら、企業に対して求職者の紹介を行います。さらに、正社員として採用された後は、職場への定着に向け、採用者と企業双方の相談に応じますほか、採用後六カ月以上雇用した企業には、一人当たり六十万円の採用助成金を支給してまいります。

○高倉委員 今、具体的なスタートの日にちをご答弁いただきました。
 それから、今の答弁の中で、専門相談員であるジョブコーディネーターが求人の開拓を行うというお話がございました。求職者の支援の中でも非常に重要な部分であると思っております。多摩地域の求人倍率は、区部に比べて低い状況があります。雇用情勢は大変に厳しい状況でありまして、求人開拓には逆風が吹いていると、こうした状況であると思います。
 そのような中にあって、都としては、今後ネクストジョブ事業を企業に対してどのようにPRをして求人開拓を進めていかれようとしているのか、所見を伺いたいと思います。

○小田雇用就業部長 しごとセンター多摩では、これまでも、地元のケーブルテレビ、ラジオ、タウン誌など各種メディアとの連携協力によりまして、きめ細かく事業のPRを行ってきております。ネクストジョブ事業のPRに当たりましても、こうした蓄積を活用し、効果的に実施してまいります。
 また、しごとセンター多摩は、平成十九年八月の開設以来、多摩地域の中小企業団体や地元金融機関などとの地域連携事業を進めてきており、これらの団体の協力のもと、多くの企業に参加いただいて、合同就職面接会や企業セミナーなどを開催しております。
 今後とも、こうしたしごとセンター多摩が培ってきた多摩地域の企業とのネットワークなどを活用しまして、ネクストジョブ事業の特徴を企業に向けて効果的にPRしながら積極的に求人開拓を進めてまいります。

○高倉委員 ぜひ、多摩地域のために頑張っていただきたいと思います。
 先週発表されたところでは、八月の完全失業率は、過去最悪だった七月の五・七%からわずかに改善をしたようでありますけれども、雇用情勢の悪化には歯どめがかかっていない状況があると思っております。
 こうした厳しい雇用情勢の中にあって、就職氷河期世代の正規雇用化の取り組みを確実に進めていくということは非常に重要であるというふうに思います。ネクストジョブ事業の対象となる方々は、たまたま学校の卒業時期がバブル経済崩壊後の就職氷河期というところに当たったために、安定した職を得られず、不安な生活を余儀なくされているということだと思います。ネクストジョブ事業によって一人でも多くの方々の正社員化を実現し、将来に明るい展望が持てるように、引き続きしっかりと支援をお願い申し上げたいと思います。
 都では、本日取り上げた就職氷河期世代の支援のほか、私ども都議会公明党としてもこれまで繰り返し訴えてきたように、障害者、あるいは女性といった就職困難な方々に対する支援、また雇用創出事業など、さまざまな施策、こうしたものを都としても展開されているということは十分承知しているつもりであります。厳しい雇用環境の中、これらの取り組みに万全を期すとともに、その成果を上げていくことが今まさに求められていると思います。
 最後に、雇用対策の推進に向けた局長のご決意を伺いまして、質問を終わりたいと思います。

○前田産業労働局長 昨年秋に端を発した世界経済危機により、雇用情勢は急速に悪化し、厳しい状況は現在も続いております。
 こうしたことから、都は、国に先立ちまして、昨年の第三回定例会で補正予算を編成するとともに、その後の最終補正予算や今年度の当初予算も含めまして、ネクストジョブ事業、緊急雇用創出事業や職業訓練の拡充など、多岐にわたる、かつ切れ目のない対策を打ち出してまいりました。これらの対策一つ一つを確実に実行していくことが重要であることは、理事ご指摘のとおりでございます。
 このため、今後とも、区部、多摩のしごとセンターの活用を十分図るとともに、国、区市町村とも密接に連携し、雇用対策に全力を挙げて取り組んでまいります。

○清水委員 質問が多岐にわたっておりますので、簡潔にご答弁いただきたいと思います。
 昨年来の世界的な不況の中、我が国経済はやや持ち直したといわれますが、地域の工場や商店街はそんな実態ではない。依然として、まち場では、仕事がない、廃業せざるを得ない、そういう状態が続いています。資金繰りの悪化、倒産件数の増加など厳しい経営環境にあります。
 東京都がますます中小企業振興に積極的な役割を果たすことが強く求められています。短期的、緊急的な対策ももちろんですけれども、中長期の観点も含めた経済危機の対策を策定することが求められています。
 国や都では緊急経済対策を実施してまいりましたが、それぞれの自治体でも経済対策を行っています。
 こうした状況の中で、ことしの七月には、東京都市長会から東京都に対し、既存の対策に続く経済対策の策定を要望する、平成二十二年度東京都予算編成に対する要望が提出されています。東京都として、この市長会要望に対しどのように対応するのか、見解を伺います。

○櫻井産業企画担当部長 都は、昨年度以来、補正予算や当初予算におきまして、厳しい経済雇用情勢に対応した中小企業の資金繰り対策や倒産防止対策、雇用対策などの緊急対策を打ち出し、区市町村とも連携をしながら、切れ目のない支援を実施しているところでございます。
 引き続き、こうした施策を着実に実施してまいります。

○清水委員 とりわけものづくり産業は、今回の金融不況の中で、受注の減少や資金繰りの悪化など、極めて厳しい状況に置かれています。倒産件数も、業種別で、この間上位を占めています。製造業の活性化が不可欠です。
 衰退の主な原因は、基盤の崩壊、後継者不足、都市再開発、仕事がない、仕事不足などいわれています。この正確な実態の経営技術の悉皆調査を実施して、これまでも繰り返し求めてまいりましたが、ものづくり振興プランを策定し、中小企業振興基本条例の制定を求めますけれども、どうですか、伺います。

○山手商工部長 都は、これまでも、中小企業の経営実態や経営環境の変化並びに業況の動向等について、アンケートやヒアリングによる現状調査や景況調査などを実施し、中小企業の実態把握を行っています。
 また、都は、平成十九年に、今後の産業振興施策の方向性を示すものとして、東京都産業振興基本戦略を策定いたしました。さらに同年、基本戦略で示した方向性を具体化するため、重点的に推進すべき産業振興策と主な取り組みを取りまとめた東京都産業振興指針を策定し、現在、着実に実施をしております。
 このため、中小企業振興条例及びものづくり振興プランを策定する考えはございません。

○清水委員 世界の流れとか、他の地域の状況をしっかり見ていただきたいというふうに思うわけです。
 確かに、実態把握などは行っているといいますが、今の状況というのは、本当に経営の実態、技術の実態というのがどうなっているのかということをしっかり把握しなければ対策がとれないと。それから、振興プランを策定し、中小企業の条例などもこの間提案してまいりましたけれども、千葉でも、埼玉でも、神奈川でも、皆既に制定されているものです。振興策も必要ないということでしたけれども、実態を見れば、そのようなことはいえないはずです。再考を求めます。
 百年に一度といわれる経済危機を乗り切るためには、行政の発想だけでなく、東京都と中小企業、自営業者の皆さんで製造業の活性化のための円卓会議を開催するなど、広く意見を聞き、知恵と工夫を出し合い、協働の取り組みを進めることが重要だと思いますが、どうですか。

○山手商工部長 先ほど申し上げました東京都産業振興基本戦略につきましては、学識経験者や企業関係者等から成る懇談会を設けまして、十分意見を聞いた上で策定してございます。

○清水委員 もっと幅広い人から聞いて、中小企業振興審議会も、私が委員のとき、結局一回も開かれずに終わっているんですよね。そういう姿勢の一つ一つが、きちんと業者の皆さんも含めていろんな方面からの意見を聞くという姿勢にないといわざるを得ません。
 次に、創造的都市型産業支援事業についてお伺いいたします。
 二十一年度から八王子市で指定を受けているんですが、人材育成支援、技術強化支援、工場立地支援など、八王子市としては三つの事業について提案をし、指定を受けました。
 人材育成では、専門学校の夏休みを利用して、八月、九月に技術講座を実施していると聞きました。金型、板金、電機、化学など、企業の社員を対象に、ものづくり技術を多面的に習得することができるのだといわれています。
 また、長期型インターンシップというものもやられており、大学生が長期に企業に入り、数カ月間単位で課題の解決に当たるという仕組みです。企業側も、この仕組みで新しい発見があり、相乗効果が期待されているといわれます。
 また、小規模製品開発なども、新技術に取り組む企業に二百五十万円ほどの助成金を申請して、審査会に通った企業が受けられるということです。現在、三社が、この新技術、新製品に取り組んでいるというふうに聞いています。
 そのほか、展示会や出展の費用助成、技術トータルサポート事業など、本当に多くの取り組みが進められています。
 これまで私たちが、形は違いますけれども、こうした区市からの提案を受けて、東京都が、その区市の独自の提案に助成する支援の仕組みを求めてまいりましたが、これは、そうした私たちの提案にも大いに近い実態となっていると思います。
 私は、これは現在三区市にやられているというふうに伺っておりますが、これをもっと大規模に広げて、区市の取り組みを支援する必要があるのではないかということを思うわけですけれども、お伺いいたします。

○山手商工部長 創造的都市型産業集積創出助成事業は、区市町村から地域産業振興計画を募集し、都が承認した計画を翌年度から支援する事業でございます。
 現在、二十年度に計画承認した三区市が三カ年計画に沿って事業をしてございます。
 今年度は、二十二年度に向けた新たな計画を十二月に受け付けることとなっておりまして、審査を経て、来年二月に承認する予定でございます。

○清水委員 その規模をさらに広げていただきたいと、重ねて要望いたします。
 これまでも繰り返し要求してまいりましたが、二〇〇六年まで行ってきた工業集積地域活性化事業は、大田区、品川区などの城南、足立や墨田や江戸川などの城東、北区や板橋などの城北、そして多摩地域などの集積を指定し、区市町村が立てた振興計画に基づいて財政支援を行ってきたものです。都の施策のないメニューでも、区市町村が認定すれば助成対象となったもので、大きな役割を果たしてまいりました。
 今でも、やはり区や市から、これをどうしても、基盤技術の復活のためにも、復活してほしいという声を伺うわけです。産業クラスターなども視野に入れた、集積の特性に合わせた振興策を、これも区市の認定に基づいて支援をする、この工業集積地域活性化事業というものをやはり進めていくべきだと思いますが、どうですか。

○山手商工部長 都内には、高度な技術力を持ったものづくり企業が多数存在し、多様な集積やネットワークを形成しており、地域の産業活力の源泉となっています。
 このため、都では、先ほども申し上げましたが、創造的都市型産業集積創出助成事業によりまして、地域特性を踏まえた産業集積の創出に計画的に取り組む区市町村を支援しており、当該自治体からも高い評価を得ております。
 加えて、基盤技術産業グループ支援事業により、地域や業種等の枠を超えたネットワークを構築しまして、受注体制の確立や技術力の強化に取り組む中小企業グループを支援しております。

○清水委員 仕事の激減によって、多くの貴重な技術や経験を持った企業が相次いで廃業、工場閉鎖に追い込まれています。すぐれたものづくりの技術を失わせ、日本経済と産業にとって重大な損失です。意欲ある企業のための仕事確保を初め、経営困難な企業への委託研究など、地域の集積や貴重な技術を守ることが求められています。これまでも繰り返し、代表質問でも一般質問でも取り上げてまいりました。
 雇用の面ですけれども、国では、雇用調整助成金を立ち上げましたが、聞きますと、かなり多くの製造業者が、申請書類が多くて使えないとか、就業規則の添付が必要だけれども、三人ぐらいの事業所ではそれをつくっていないところもあるので、わざわざそのためにつくるのも大変なことだなどという声を聞いています。この制度を実際には使えない企業も多いというふうに聞いています。
 そのために、八王子市では、聞いてきたんですけれども、独自に雇用維持奨励金制度というのを立ち上げました。四月と、それから補正予算、七月と、二度にわたって行われたわけです。従業員一人につき五万円、最大二十人、二回実施をしていると。これは名前が、雇用維持奨励金助成というわけですけれども、二回目の七月の申し込みの際には、朝六時半から市役所に並んで、初日で予算がいっぱいになってしまったというふうに聞いています。そして、助成をするだけでなく、経営改善のために引き続き支援し、助成を受けた企業が継続しているんだというふうに聞きました。
 この事業の主な趣旨は、雇用を守るということなんですけれども、その七割が製造業だというふうに聞きました。私は、適切に支援をすれば、企業の存続を図ることができるというふうに感じたわけです。企業の存続のための支援として、技術者の継承と保全のための支援として、都独自のそうした補助制度を立ち上げることを求めるものですが、どうですか。

○山手商工部長 すぐれた技術があるにもかかわらず、後継者難等により廃業する都内中小企業がふえていくことは、技術と雇用の喪失につながりかねないことですから、中小企業の事業承継及び事業再生は重要な課題であると認識してございます。
 このため、都では、事業承継と事業再生に係る専門の相談窓口を設置いたしますとともに、普及啓発のためのセミナー、後継者が必要な知識を学ぶ事業承継塾、事業再生計画の策定支援等を行ってございます。

○清水委員 そういうことをやっているというのは承知しているわけですけれども、やはりそれだけでは継続できないということで、多くの予算要望に来られる団体からも、そうした要望も伺っています。
 その中でも、特に大田区などでは、工場の維持というのも切実な要求になっています。貸し工場の家賃の助成など区市町村が実施する緊急対策を支援するなど、休業しても中小企業が存続できるような支援を抜本的に強化することについて、どのように考えますか、お伺いいたします。

○山手商工部長 お話のような経営困難な中小企業に対しましては、先ほど申し上げました事業承継・再生支援事業で、相談や経営支援を行っております。
 また、資金面でも、経営緊急を初めとする中小企業制度融資で対応してございます。

○清水委員 何度も地元の業者の皆さんから要望があるでしょう。それを検討したらどうですか。十分に行えないから、地元の皆さんも要求しているわけです。
 商業について伺います。
 大店法が廃止され、規制力のない立地法になったことで、大型店の出店に拍車がかかりました。都の二〇〇七年度商店街調査によると、商圏内への大型店の増加で、来街者が減少した、七〇・五%、売り上げが減少した、七五・六%となっています。五人以下の小規模店舗は、この八年間で七三%に減少しました。まちの商店街がさらに減少していっているという実態です。
 都として、大規模店舗の無秩序な出店を規制する新たな法整備を国に求める必要があるのではないですか、どうですか。

○山手商工部長 大規模店舗の出店につきましては、大規模小売店舗立地法の指針に基づきまして、大型店設置者は、周辺の生活環境に配慮し、維持運営を行うこととなっております。
 都としても、法の趣旨を踏まえまして、今後も引き続き適正な運営に努めてまいります。

○清水委員 商店街を守るために国に要望してほしいというふうに伺っているのです。大規模じゃなくて、スーパーと商店街がうまく協調し合っている地域もあるわけです。しかも、スーパーが撤退した後に、一緒に商店の経営がうまくいかなくなってしまうというような地域もあります。それは、スーパーがなくなった場合でも、商店がなくなったら、もうどこにも買い物に行けないというような実態も私は見てまいりました。それは、どういう対策をとるかということは今後の問題としても、大手スーパーなどと商店街振興協定のような連携を結んで、地域の商店街が生き残る取り組みを強めるべきだと考えますが、所見を伺います。

○山手商工部長 例えば、品川区のある大手スーパーでは、地元商店街の一店逸品、この逸品というのはすぐれた品物という意味ですが、こうした商品を定期的に展示、即売するなど、商店街と連携した取り組みが行われてございます。
 こうした取り組みは、地域の実情に応じて自主的に行われるべきものと考えます。

○清水委員 それを東京都として、もっと大きく広げていくことが必要でしょというふうに私はいっているわけです。
 この間、東京都は、いわゆる駅ナカビジネスの増加という、鉄軌道用地の状況にかんがみて、固定資産評価基準を改正し、鉄軌道と商業などの用途が複合した土地について、付近の商業用地などとの間における固定資産税の負担の均衡の確保のために、評価方法を改正したりする取り組みを主税局の側で行っています。
 私は、その後さらに駅における商業施設というのは増加しているというふうに考えるわけです。商店街にも大きな影響を与えています。私は、駅ナカ--商業という名前で呼びますけれども、その実態調査をするべきだ、産業労働局としての実態調査をするべきだというふうに考えますが、どうですか。

○山手商工部長 都におきましては、ただいま委員からお話がありましたように、主税局が平成十九年度に、駅ナカに係る固定資産評価の見直しを行い、追加課税を実施いたしましたが、この対象となった駅ナカは、二十三区内で八十二駅でございます。
 また、駅ナカのとらえ方は、駅の改札の中にあるもの、外にあるものなどさまざまでございますが、都内の比較的大きな駅ナカとしては、JR東日本グループで九カ所、東京メトロで三カ所というふうに承知してございます。
 都としては、駅ナカを対象とした調査を実施する考えはありません。

○清水委員 主税局の調査っていうのは、平成十九年ですよね。それは、幾ら追加課税ができるかということを見るために調査している。それ以降は全く資料がないと、産業労働局もないという状況の中で、私は、この実態というのは、商店街の方々にも、よしあしにかかわらず、やはり影響を与えているという点では必要だと思います。
 先日、九月二十九日に発行された、中小企業の現状に関する調査報告書(流通産業編)というものが自宅に送られてきております。大規模に取り組まれて、商店や商店街の経営実態の現状と変化が把握できるものになっています。
 この中に、商圏と競合状況、競合する業態などの現状が触れられています。せめて、ここの部分で、もうそれだけをしなさいということもありますけれども、この流通編の部分で調査を挿入することだってできるわけですけれども、ぜひ検討をしていただきたいというふうに思います。
 次に、資金繰り支援について伺います。
 政府が進めてきた金融改革、金融自由化によって、金融機関はリスクに応じた金利を求めるという傾向を強め、融資を通じて企業を育てるという本来の役割を捨ててしまっています。
 政府は、九八年から二〇〇一年にかけて実施した金融安定化特別保証の際に、信用保証協会に対して、保証の申込者がネガティブリストに該当する場を除き、原則として保証を承諾することとし、一般保証よりも審査を緩和される措置をとりました。この是非はともかくとして--このやり方をすべて是とするものではありません。しかし、二〇〇八年十月から実施された緊急保証は、銀行主導の既存借り入れに利用され、実態に合わない業種指定方式をとり、従来どおりの厳格な審査により、困難な中小業者への金融円滑化を図るものとはなっていない面もあります。
 二〇〇九年六月の帝国データバンク資料によりますと、緊急保証申込企業の二三・五%が融資減額、八・二%が審査が通らない、六七・一%、三社に二社が金融機関から勧められて利用したというようなデータが報告されています。金融機関に既存借りかえを理由に勧められたというのも、七・一%になっています。保証協会の保証が得られても、金融機関が融資しないというような業者からの声も聞いてまいりました。
 そこで伺いますけれども、緊急保証の限度額を引き上げることを国に要望すべきだと思いますが、どうですか。

○保坂金融部長 緊急保証制度の保証限度額は、通常の保証枠とは別枠で、二億八千万円となっております。
 保証協会は、中小企業の経営内容、事業の将来性、信用力や返済能力など、個々の企業の実態を勘案した適切な保証審査を実施しております。
 同制度に対応した制度融資の、経営緊急の一件当たりの平均融資額は、約二千二百万円となっております。
 したがって、都としては、緊急保証制度の保証限度額の引き上げを国に要望する考えはございません。

○清水委員 もっと業者の実態を見てくださいよ。東京都としても、返済期間の最高を十五年、三年据え置き、超低利の融資を創設すること、これまでも要望してまいりましたが、どのように考えますか、伺います。

○保坂金融部長 東京都は、昨年十月より、国の緊急保証制度に対応し、制度融資の最優遇金利を適用した融資メニューである経営緊急を既に実施しており、融資期間は国が定める期間の上限である十年としております。
 加えて、ことし四月には、この間の金利動向に合わせて、最優遇金利をさらに引き下げるとともに、国の制度改正を受け、経営緊急の据え置き可能な期間を一年から二年に延長したところでございます。
 都としては、緊急保証制度に加えて、中小企業金融支援条例に基づき今回創設する、新たな保証つき融資制度などにしっかりと取り組むことが重要と考えており、お話のあった新たな融資制度をつくる考えはございません。

○清水委員 区市町村も独自に対策を行っているわけですけれども、区市町村が実施する、無利子や長期据え置きの融資に対して、都として財政支援を行うことを求めるものですが、どうですか。

○保坂金融部長 都内の区市町村の中には、独自の融資制度を実施しているところがございますが、いずれも、融資限度額や融資期間のほか、金利負担や保証料負担の水準が異なるなど、さまざまな融資条件となっております。これらの融資制度は、各自治体がそれぞれの地域の産業の実情や財政負担等を含めた政策判断に基づき、主体的に実施しているものでございます。
 一方、東京都は、都内全域の中小企業者を対象として、他の道府県と比べても手厚い内容の制度融資を既に実施しており、区市町村独自の融資制度に対して、お話のような支援を行う考えはございません。

○清水委員 中小企業の経営者、従業員及びその家族の生活を守ると。経営を守るということもそうですけど、家族を守るということも重要課題であり、こうした中小零細企業を支えるために、緊急のつなぎ融資制度を創設すべきだというふうに考えますが、どうですか。

○保坂金融部長 先ほども答弁申し上げましたけれども、東京都は、昨年十月から、国の緊急保証制度に対応した融資メニューでございます経営緊急を既に実施しておりまして、運転資金につきましても、最長十年で、制度融資の最優遇金利を適用した融資を受けることができます。
 また、このほかにも、緊急に資金が必要となった中小企業向け融資メニューとして、クイックつなぎがあります。中小企業の資金繰りの改善にこれまでもこたえてきたところであり、お話のような新たな融資制度の創設は考えておりません。

○清水委員 本当に冷たい答弁ですね。もうちょっと温かい答弁をしてくださいよ。
 九月の状況を見れば、補正予算を引き続き組んで支援すべきであったというふうに思うわけです。予算要望をいただいた団体の中にも、二〇〇九年度補正をさらに組んで、東京都緊急融資の業種限定の原則を解除とか、都として国の五号認定から外れた業種への一〇〇%保証の緊急融資の実施とか要望しているんですよね。補正を組んで対応してほしいという要望も出されています。十二月の年末に向けての取り組みも要望しておくものです。
 次に、金融支援条例について幾つか確認いたします。
 まず、今回の新たな融資制度では、融資に当たって、どのように地域の金融機関のモラルハザードの発生を防ごうとしているのか、お伺いいたします。

○保坂金融部長 本制度におきましては、債務不履行の過度な発生を抑制するため、民間保証機関の保証審査を活用することとしております。加えて、個別債務の不履行が起きた場合には、都が損失の八割相当の補助を行うことになりますが、残りの二割につきましては、取扱金融機関及び保証機関がそれぞれ一割相当の損失を負担することとなっております。
 こうしたことにより、地域の金融機関においては、精度の高い審査が行われることになると考えております。

○清水委員 新銀行東京の保証がついた信用金庫の貸出債権については、本制度で借りかえを行うことができるのかどうか、お伺いいたします。

○保坂金融部長 融資制度要綱におきまして、中小企業は、本制度により借り入れた資金をもって取扱金融機関等が有するその他の債務の返済に充ててはならないことを規定しております。したがって、お尋ねのような借りかえはできません。

○清水委員 本制度における債務超過の企業の取り扱いはどのようになるのでしょうか。

○保坂金融部長 融資制度要綱におきます融資対象の要件の中に、債務超過の企業を排除するような規定はございません。取扱金融機関及び保証機関の個別審査の中で判断していくものと考えております。

○清水委員 地域の金融機関及び保証機関における審査の基準はどのようになっているのか、お伺いいたします。

○保坂金融部長 地域の金融機関及び保証機関においては、これまでの融資業務、保証業務の中で培った審査ノウハウをそれぞれ蓄積しているところでございます。
 具体的な審査の基準につきましては、各機関の経営情報に当たるため、お示しすることはできません。

○清水委員 損失の補助ですけれども、手続は厳格に行わなきゃならないというのは他の委員も指摘をしているところです。損失補助の審査は、どのような人々で、どのような体制で行うのか、お伺いいたします。

○保坂金融部長 東京都は、個別債務の不履行が発生した場合には、損失補助を行うことになっております。
 補助金の支出に当たっては、弁護士や公認会計士等から成る審査会により、個別案件ごとに審査を経た上で実施してまいります。

○清水委員 預託金損失補助に、条例第四条に定める、知事が特に必要と認めた措置というのがありましたが、今回の要綱では具体化されているのかどうか、お伺いいたします。

○保坂金融部長 貸付原資の預託と損失補助により本制度を構築したところであり、その他の支援措置は講じておりません。

○清水委員 保証機関が二社指定されておりますけど、どのように選定したのか、経過をお伺いいたします。

○保坂金融部長 東京都では、本年七月十七日から八月七日まで、民間の保証機関から企画提案書の募集を実施し、提案のあった保証つき融資スキームについて、弁護士、公認会計士等の外部委員を含む選定委員会において、スキーム概要、実現性及び応募者概要といった観点から、保証機関候補として適当かどうかを評価し、本制度の保証機関候補として決定いたしました。
 その後、保証機関候補と取扱金融機関との協議状況等を踏まえ、保証機関として、オリックス株式会社及び全国しんくみ保証株式会社を正式に決定したところでございます。

○清水委員 中小零細業者が期待しているのは、昨年来の金融不況のもとで激しさを増している貸し渋り、貸しはがしをなくすことであり、例えば返済が一時的に滞っていても、頑張っている業者に資金が提供され、業者の生き残りが支援されることです。
 ところが、この条例で融資を受けられる業者は、都が指定する指定金融機関から既に融資を受けている業者で、かつ返済に滞りがないことが条件です。したがって、貸し渋り、貸しはがしを受けている業者、新規に融資を申し込もうとしている業者、さらには、指定金融機関以外の都市銀行や地方銀行で融資を受けている業者、返済が心ならずも滞っている業者は融資の対象とはなりません。これらの業者の方は、この条例ができても、その恩恵を受けることができません。
 石原知事は、第一回定例会で、条例の必要について、都内の小零細企業を取り巻く現下の厳しい状況を直視し、その資金繰りを緊急的に支援するため、都独自の新たな融資制度を創設するものと説明しましたが、そうなっているとはいえません。
 具体化された要綱で、新銀行東京を直接の取扱金融機関としなかったことは、我が党などの指摘と都民世論を反映したものですが、今、東京都が緊急的に行うべきことは、貸し渋り、貸しはがしに苦しむ業者に手を差し伸べることであり、具体的に、国に信用保証協会の貸し渋りの是正、それから、先ほども要求しましたけれども、セーフティーネットの貸付限度額の増額などを要求すること、そして、都としても、制度融資の据え置き期間の三年、さらには五年程度への延長、保証制度を全額保証に戻すこと、すべての利息を超低利の政策金利とすることなどを緊急に実施すること、さらには、無利子貸付や長期返済融資など、頑張っている区市町村との連携を強めることなど、本当に業者の役に立つ融資の拡充です。
 条例制定のあり方について述べておきます。
 我が党は、この条例の制定に当たって、繰り返しその内容、とりわけ制度設計にかかわる基本的内容について明らかにすることを求めましたが、都は、ほとんど、検討中、これから協議すると繰り返し、知事への白紙委任での条例制定を迫りました。しかも、その後の要綱策定に当たっても、十分に都民にも、そして都議会にも基本的な内容を明らかにすることをしませんでした。
 また、先ほどのご答弁にもありましたが、保証機関、現在新銀行の主要株主でもある、そういうところがいいのか配慮すべきであったのではないかとも思います。そもそも、三百億円の税金を投入する条例制定に当たって、条例の根幹をなす基本的制度設計が定まっていない欠陥条例ともいうべきものを提案したこと自体、議会軽視のきわみといわざるを得ません。こうしたやり方は、やはり繰り返してはいけない、改めるべきことを申し述べておきたいと思います。
 新銀行についても、私たちは第三回定例会の代表質問、そして、委員会でも取り上げてまいりました。清算の道筋を示して、早期に清算すべきといってまいりました。都民の審判も、やはり今度の選挙での審判が、世論調査で七〇%以上、早期に清算すべきであるというふうな世論調査であったわけで、それに従うべきこともあわせて申し述べておきたいと思います。
 次に移ります。雇用問題です。
 若者の貧困問題、雇用悪化、不安定雇用の増大などが社会問題化し、国においても、都としてもさまざまな対策が進められてきました。しかし、依然として、若者を初め、雇用環境が深刻なものとなっています。
 先ほどのご説明にありました八月の完全失業率は、過去最悪であった前月を〇・二ポイント改善したものの、五・五%。八月の有効求人倍率は〇・四二倍と厳しい状況が続いています。
 さらに、雇用調整助成金の対象者も二百万人を超え、こうした人たちは企業内における潜在的失業者といわれ、今後、助成金の期間切れや、さらなるリストラによる失業者の増加も予想されます。
 また、労働者の現金給与総額も十五カ月連続で減少し、非正規労働者が増大する中で、総務省の調査によれば、総労働者五千七百二十四万四千人のうち、年収二百万円以下の労働者は千八百八十一万七千人もおり、年収三百万円以下は五一・四%を占めるなど、半分にも及んでいます。貧困が広がっています。
 さきに行われた選挙でも、雇用問題に対する都民の関心は大変高いものがありました。都は、こうした都民の声にこたえて雇用対策を拡充すべきです。
 まず、若者の雇用の促進です。
 東京でも、若者の非正規雇用が雇用者の三四・六%を占め、完全失業者は十五歳から二十四歳で六・二%、三十四歳でも五・二%と、そのほかの世代の倍の水準です。最低賃金も、生活保護基準の七割程度にすぎません。今日の深刻な実態を解決するには、雇用維持、失業者の生活保障、雇用創出を一体的に進めることが求められています。
 我が党は、緊急提案で、若者応援政策でも掲げましたけれども、今、世界の中では、新自由主義や市場原理主義の行き過ぎを是正し、雇用のルールづくり、国や自治体が仕事を創出するニューディール政策、最低賃金の引き上げ、生活できる賃金の保障、社会参加への誘導など、新たなルールづくりの模索が始まっています。
 EUなどでは、労働は商品ではない、一部の貧困は全体の繁栄にとって危険であるなどの宣言を発し、欧州社会政策グリーンペーパーなどというものでは、仕事は単にお金を稼ぐ手段ではなく、社会と個人をつなぐものであり、自尊心を与えるとともに自立の根拠となるものであるなどといわれています。本来の労働のあり方とされているというふうにいっています。そのために、人間らしく生活できる賃金の保障をするという取り組みが始められています。
 こうした世界の流れ、EUなどの取り組みに対する都の認識について伺います。

○小田雇用就業部長 若年者に対する雇用対策の取り組みにつきましては、各国において、それぞれの国情や社会制度などに応じて異なるものとなっております。
 欧州諸国におきましては、若年者の失業率が高かった上、九〇年代に失業率がさらに上昇したことなどから、九〇年代後半に若年者の雇用対策を、それまでの失業給付等を中心とする雇用政策から、職業訓練等により就業に結びつける雇用政策に転換を図っておるところでございます。

○清水委員 もう少し根本的に認識を深めていただきたいなと。世界の流れというのは、市場原理主義などの見直しをやはり進めているわけです。そこのところをきちんと認識して進めていただきたいと思います。
 我が党は、これまでも繰り返し、欧州のような、若者の優先雇用と雇用環境改善のための東京雇用ルールを策定することが必要だというふうに主張してまいりました。雇用情勢がより一層若者の雇用環境を悪化させている現在、都として、都の仕事を請け負う企業など、経済団体や大企業に広く若者の雇用を進め、非正規社員を正規化するなど、社会的責任を果たすよう働きかけていくべきと考えますが、どうですか、お伺いいたします。

○小田雇用就業部長 都は、既に、大企業も含め、企業において、在職者の雇用維持とともに、新規学卒者の内定取り消しを防止することや、求人数を確保していただけるよう、経済団体等に働きかけております。
 また、しごとセンターでは、若者の就業支援のために、キャリアカウンセリングや就職セミナー、職業紹介まできめ細かく支援するとともに、三十歳代の非正規社員の方の正規化のための支援も行っているところです。
 なお、事業主には、雇用対策法に基づき、若者に対する雇用機会の確保について努力義務があることから、国に対して指導を徹底するよう提案要求しておるところです。

○清水委員 確かに今はやられていますが、今の深刻な実態という状況からすれば、さらに強めていただきたいというふうに思います。
 次に、職業訓練について伺います。
 安定した職業につくために、職業訓練の拡充は強い要求になっています。都は、拡充改善が求められています。
 昨年からこれまで、都で実施している職業訓練及び国からの委託により実施している職業訓練を受講した人はどのくらいいるのですか、お伺いいたします。

○日請事業推進担当部長 職業訓練の受講者数につきましては、平成二十年度は五千五百七十五人、平成二十一年度における八月までの受講者数は四千八百九人でございました。
 このうち、民間教育訓練機関を活用いたします国からの委託訓練の受講者数は、平成二十年度は四百五十四人、平成二十一年度は、悪化する雇用情勢に対応いたしまして大幅に拡充されており、八月末時点で千四百九十五人というふうになっております。

○清水委員 受講修了者の就職状況についてですが、就職した人は何人なのか、都実施分と国委託分、それぞれに伺います。

○日請事業推進担当部長 既に就職状況が確定いたしております平成二十年度で見ますと、都が実施する職業訓練では、修了者数四千四百七十九人のうち、就職者数は二千七百四十人でございまして、就職率は六一・二%というふうになっております。
 国からの委託により実施しております職業訓練では、修了者数四百二十七人、就職者数は百八十七人となっておりまして、就職率は四三・八%でございます。

○清水委員 職業訓練を受講する人にとっては、訓練修了後の就職が大変重要なことです。今の数ですと就職率は六割程度ですけれども、都が実施している訓練より、国からの委託による訓練の方が就職率が低くなっています。
 委託による訓練の就職支援について、どのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。

○日請事業推進担当部長 国からの委託訓練につきましては、まず、科目の選定に当たりまして、求人ニーズの高いITあるいは介護分野を中心に設定をしております。
 また、民間教育訓練機関に対します就職支援の状況調査、指導、インセンティブ経費の支給などによりまして、就職率の向上に努めております。

○清水委員 この数字を見ても明らかなんですけれども、都が実施している訓練は、委託よりもはるかに就職率が上回っています。今ご説明がありましたけれども、やはりそれは現実にこうなっているわけです。
 多摩職業能力開発センターの移転新築に際し、前回、前々回も傘下の武蔵野校を統合するという話が出まして、継続すべきだということを主張したわけですけれども、離職者の職業訓練のニーズが高まっている今日、区部周辺部とか多摩地域の施設が不足しているわけで、武蔵野校は統合するのではなくて、私は引き続き存続するべきだというふうに考えます。
 さらに、都の施設で実施する訓練を大幅にふやすべきですが、どうですか、伺います。

○日請事業推進担当部長 都におきます職業能力開発施設では、主に民間で実施していない分野や施設、設備に多額の費用が生じる分野などでの職業訓練を実施しているところでございます。
 一方、委託によります訓練は、一度に大量の離職者が発生した場合や、民間を活用した方が技能の早期習得、早期再就職等に効果的である場合に実施をしております。
 都では、それぞれの特性を生かしながら、柔軟かつ機動的に職業訓練を実施しておるところでございます。

○清水委員 しかし、今ある施設を新しく移転しても、そこを改修して、使ってふやすということに、やはり努力をするべきだというふうに思います。
 昨年八月から開始された就職チャレンジ支援事業について、相談室登録者数、職業訓練受講者数及び就職者数の実績についてお伺いいたします。

○日請事業推進担当部長 昨年の事業開始から平成二十一年八月末までの就職チャレンジ支援相談室の登録者数は、約三千三百名となっております。職業訓練の受講者数は、現在受講中の方も含めまして、約二千人、また、就職者数は約五百人でございます。
 なお、職業訓練修了者の就職率は三三%となっております。

○清水委員 就職チャレンジ支援事業は、生活費の一部支給を受けながら訓練を受講できる点では評価していますが、就職につながることが一番重要だというふうに思います。
 何人かの受講者の方から、なかなか今の就職の状況というのは全体としても厳しいということはわかっているんですけれども、就職支援についてどのような仕組みとなっているのか、お伺いいたします。

○日請事業推進担当部長 就職支援につきましては、都内四カ所にございます就職チャレンジ支援相談室におきまして、キャリアカウンセリングあるいは求人情報を提供しておりますほか、独自に求人開拓を行っているところでございます。
 また、訓練を実施いたします職業能力開発センターや民間教育訓練機関におきましても、職業紹介や企業説明を実施しております。
 民間教育訓練機関につきましては、選定に当たりましては、就職支援体制の有無、あるいは具体的な就職支援内容等を重視いたしました。また、就職実績に応じた支援経費を支給することによりまして、受託先におきますインセンティブを高めているところでございます。
 さらに、訓練修了者を正社員として採用した企業に対しまして、採用助成金を支給しております。これらの仕組みによりまして、就職チャレンジ支援事業の利用者に対しまして、より安定した就業機会の確保につなげております。

○清水委員 いろいろ努力されていることは承知をしたわけですけれども、やはり引き続き就職の支援ということに力を入れていただきたいと思います。
 ところで、多摩地域で実施される民間訓練機関の訓練コースが少なく、多摩地域の住民にとって不便であるというふうな声も聞いておりますけれども、ふやすべきではないですか、お伺いいたします。

○日請事業推進担当部長 就職チャレンジ支援事業の訓練コースにつきましては、都の選定基準に基づき、民間教育訓練機関から提案を受け、委託先を選定しております。
 委託先を決定する際には、区部、多摩を問わず、主要ターミナル駅など、訓練実施場所の交通の利便性を考慮しているところでございます。
 区部での民間教育訓練機関につきましても、多摩地域の方に多く利用されているところでございます。

○清水委員 そういう声も大きく聞かれますので、やはり多摩地域での増設ということは努力していただきたいと思います。
 ところで、第八次東京都職業能力開発計画は、二〇〇五年十二月二十一日、東京都雇用就業対策審議会答申を踏まえて作成されました。この中でも、技術専門校の適正配置ということがあったわけですけれども、武蔵野校の問題のときにも触れましたけれども、審議会の中でも議論も出されていたわけです。
 この計画は、そもそも二〇〇六年当時の情勢分析で行われ、既に現状と乖離しているんじゃないかという面もあります。現状のような雇用情勢の変動については、計画に反映されていない面もあると思いますけれども、どのように対応していくのですか、お伺いいたします。

○日請事業推進担当部長 職業能力開発計画につきましては、法令により、経済の動向や労働市場の推移等についての長期見通しに基づき策定しなければならないというふうにされております。
 都の計画は、国が定める基本計画に準じまして、期間を五年間というふうにしているところでございます。この計画期間中に、急激な雇用情勢の悪化など、短期的な不測の事態が生じる場合があることから、第八次計画では、産業構造や雇用情勢の変化を踏まえ、必要に応じて適宜適切な対応を図っていくこととしております。
 具体的には、職業訓練の規模につきましては、求職者のニーズに対応できるよう、民間委託の手法を活用し、弾力的に設定することとしており、今回の雇用情勢の悪化に対しまして、委託訓練の規模を拡大したところでございます。
 今後とも、雇用情勢の急激な変化にも十分に対応し、柔軟かつ機動的に職業能力開発を推進してまいります。

○清水委員 本来なら、施設内訓練の規模の拡大や授業料の無料化といった支援も実施していくべきだというふうに考えているわけです。これまでも指摘をしてまいりました。
 また、厳しい雇用情勢の中、失業者が増大している現在、職業能力開発の重要性が増しており、緊急的な対策を行う上では民間への委託も必要だとは思いますけれども、先ほども触れましたように、特に多摩地域では職業訓練の受託機関も少なく、都が直営で行う施設内訓練の拡充が必要です。都の労働行政を、予算も含めて拡充し、都民の要望にこたえるものとするよう要望いたします。
 次に、農業について伺います。
 東京都には、現在、約八千ヘクタールの農地があり、そのうちの六割が市街化区域内に存在していますが、この農地は、相続などにより、毎年約百ヘクタール以上が減少していると聞きます。今後も農業を続けていこうと考えている農家は、現在の農地制度や税制度を改善し、農地が残るようにしてほしいと切実に思っています。
 また、都も国に対し、改善を要望しています。また、都議会としても、十七年三月に都市農地の保全に関する意見書を採択しているところです。
 そういう中で、現在、国が市街化区域内農地に係る制度改善に向けて取り組みを行っているというふうに聞いているわけですけれども、現在どのような取り組みを行っているのか、お伺いいたします。

○産形農林水産部長 国の動きでございますが、去る六月二十六日に、国土交通省の社会資本整備審議会小委員会が、都市政策の基本的な課題と方向について報告書を取りまとめました。
 本報告書では、今後の都市政策の方向について、農との共生を取り上げ、都市と農地を対立する構図でとらえる観点から脱却し、都市近郊や都市内の農地について、都市政策の面から積極的に評価し、農地を含めた都市環境のあり方をより広い視点から検討していくべきとしております。

○清水委員 現行の市街化区域内農地という位置づけでは、都市における農地の減少に歯どめがかかりません。今ご答弁ありました、国土交通省の小委員会で検討されている都市農地積極保全の方向性は、極めて重要な意義を持っています。こうした報告を積極的に推進する意味から、東京都としても働きかけをすることを求めておきます。
 さらに、地域の方からの要望がありまして、農地が生産緑地に指定をされても、作業場とか、農機具の倉庫とか、畜舎とかの農業用の施設用地、暴風雨とか堆肥用の落ち葉を利用するための屋敷林に係る固定資産税、都市計画税の軽減を求めています。
 さらに、相続税を支払うために農地を売らなければならなくなり、市に買い取りを申し出た。しかし、農地を売らなくてもよくなって、ほかの方法で相続税を工面できて、農業を続けていたいと思っていたので、市に生産緑地の再指定を申請したところ、生産緑地の指定解除を受けた農地については再指定はできないといわれたというふうにいわれています。
 手続でこうしたことが行われるということに対して、ほんとうに納得のいかないことがあります。国の解釈の内容だというふうに都はいっているわけですけれども、やはり農地の減少を食いとめると盛んにいわれ始めましたけれども、こうした手続の問題の中にも矛盾があります。きちんと働きかけを行っていただきたいというふうに思います。
 そこでお伺いいたしますが、東京都では、農業ヘルパーなどの新たな担い手を育成する目的で、一般都民を対象に実践セミナーを開講しています。このセミナーは、八王子市にある東京都の都有地で、三宅島の農地があったところです。広々とした畑で二年間農作物の栽培を実践的に学べるということで、都内の方々が参加し、非常に好評だというふうに聞いています。
 十八年、十九年、二十年と卒業生を出したということですが、しかし、二十一年、第四期生を募集しませんでした。八王子市としては、この卒業生を活用させていただいて、遊休地になっているところを農家の直営農園として、一人百平米単位にして貸し出しをして、耕作をしてもらっていると聞きました。現在、六園、八十三区画で耕作していると聞いています。これをもっと継続してほしいと。なぜ二十一年の四月に四期生を募集しなかったのかということについて、お伺いいたします。

○産形農林水産部長 都民のための実践農業セミナーの新規募集は、平成二十年度で終了しております。このため、新たな募集は行っていないものでございます。

○清水委員 理由を伺ったわけですけれども、理由についてはおっしゃりませんでした。
 しかし、今そういう見直しが行われているよ、国土交通省の中でも見直しが行われているよということで、都市の農地を守っていこうという方向に向かっているわけです。だから、やはり都としても、三年間やったからもう終わりだと、理由は特にないなんていうことじゃなくて、市がやりたいといってるわけです。そういうことについては、やはり、ぜひ来年度の継続を要望しておきたいと思います。
 これまで十年来、農作物の、猿とかイノシシなどの被害について、何回か要請したり、質問したりもしてまいりました。八王子市では、平成十四年から、市独自に、猿を追い払うという追い払い隊というのを編成して対策を講じておりますが、山間の畑ではイノシシなどの被害が絶えません。畑に電気さくや防止ネットを設置することが獣害防止に有効な手段なので、農家はこれらの設置を支援してくれる都の事業導入を希望しています。市としても希望しています。
 しかし、補助対象が、三戸、農地面積三十アール以上が基準だということです。八王子市は小規模な農家が多く、申し込めないといわれています。小規模農地や農家の単独でも有害鳥獣対策が実施できるよう、採択要件を緩和することができないのですか、お伺いいたします。

○産形農林水産部長 農作物獣害防止対策事業でございますけれども、これまで五年間、あきる野市や檜原村、奥多摩町の申請に基づきまして、既に一万八千四百二十九メートルを設置してございます。
 委員ご指摘のように、受益農家戸数三戸以上、かつ農地面積三十アール以上ということになっておりますが、これは、獣害対策は、個別に小規模で実施しても、ほかに被害が移るだけで、根本的な効果が上がるものではなく、地域として取り組む必要があるということでございます。

○清水委員 地元の地域の農家が、これを私のところでやれば効果が上がるんだよといって、市も、そうして申し込みたい、このあきる野とか、先ほど檜原とかご説明があったところは、やはり大きな農家とか、そういうところがたくさんあるところです。しかし、小規模の農家--だって、イノシシや猿にやられたら、農地はもう手放しちゃうわけですよ。出荷するとかというんじゃないですよね、こういうところは。今出ているところは、山間地だから。やはりそういうところで農地を守って、耕していくということの意義もやはり認めていただきたいと思いますし、柔軟な対応をしてくださいよ。
 国土交通省も、先ほどから触れているように、都市農地を守っていこうという転換がされていこうとしているわけですから、都としても従来の対応だけでは済まないというふうに思いまして、市からも強い要望がありますので、お伝えしておきたいと思います。
 以上です。

○小沢委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十三分休憩

   午後三時三十分開議

○小沢委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○田中委員 きょうは三点質問をさせていただきたいと思います。
 一点は観光産業について、または二点目は、今回、来週に開かれます東京国際映画祭について、三点目は新銀行東京についての質疑を行わさせていただきたいと思います。
 都は、「十年後の東京」という都市構想の中で、水と緑の回廊の復活を挙げて、環境先進都市の再生を目標として取り組んでおります。もともと東京は、経済発展とともに劇的にまちを変えてきました。渋滞をなくすためには急ピッチで高速をつくったり、また土地の収用をやりながら川の上や堀の中をどんどんと使っていった経緯があります。経済発展に伴って、東京から貴重な海や水辺空間、自然を奪ってきた経緯もあります。
 今回オリンピックは選ばれなかったものの、この水と緑を取り戻す目標というのは、東京ないしは日本の豊かさを取り戻すためにも必要であり、そこには観光の産業の視点が欠かせないものだと思っております。
 きょうはその視点で、この十九年に示されました東京都の観光産業振興プランに基づきまして幾つか質問をさせていただきます。
 その中でも、プランで大きく羽田空港の国際化の進展が掲げられています。ここから質問をさせていただきたいと思います。
 羽田空港は、もう来年と迫りましたが、二十二年の十月、新設の滑走路の開設に伴って、名実ともに国際便の就航が拡大されます。そして二十四時間化の運用とともに、さらなる利用拡大が図られてまいります。この機会をとらえて、観光の振興の展開が必要と考えます。もちろん国においても、また地元の自治体、大田区においてもいろいろな考えがあるかとは思いますが、まずこの羽田空港の国際化を踏まえて、東京都の観光振興に対する認識を伺います。

○小島観光部長 羽田空港の再拡張、国際化により、アジアを初め世界各国からの旅行者の増加が見込まれます。都は、これまで、ウエブサイトによる情報発信や地域と連携した観光資源の開発など、外客誘致に取り組んでまいりました。
 こうした中、今回の羽田空港の国際化は外客誘致促進の好機であると認識し、これまでの取り組みの一層の強化を図ってまいります。

○田中委員 それを好機ととらえる、もしくはその大きな転機になる必要性というのはだれもが認めているところであるんですが、どういう具体的な取り組みをしていくのかというのが今後の課題だと思っております。
 先ほどの答弁では、地域と連携した観光資源の開発ということがいわれていました。例えば、羽田の空港の周辺には、このプランにもありますが、天王洲にオープンした水上のレストランや、またオープンカフェ、活用可能な水辺空間、陸の方を見ても、隣には池上本門寺、大鳥居、羽田、観光資源が存在します。
 この空港の国際化を契機に、こうした地域における観光資源の活用を一層の振興につなげるべきであると考えますが、見解を伺います。

○小島観光部長 都では、これまで、特色のある観光資源を活用いたしまして、地域特性を生かした観光まちづくりの取り組みを推進してまいりました。大田、品川地域では、羽田空港の国際化に伴い増加する旅行者を空港周辺地域に受け入れ、回遊させるため、地域の主体的な観光まちづくりの取り組みを開始しております。
 今後とも、地域が主体的に取り組む観光まちづくりに対しまして、関係する区市町村と連携を図りながら支援をしてまいります。

○田中委員 今の答弁ですと、地域が動いていかないと何もできないというのは、私も地方議員をやっていてよくわかるんですが、その意味では、今、地域の主体的な、また地域が主体的に取り組むことがまず第一だということがあるんですが、その一方で、都の顔がなかなか見えないというのも、よく聞かれる声であります。
 都としては、お話を聞きますと、地域のリーダーの発掘や開発、または育成、同時に、今は、特に観光マップですか、新規事業としては取り組んでいるということもお聞きをしました。水辺を生かした観光ルートの開発として、この取り組みについて、特に羽田空港を中心として、これからの発展をとらえて、どのようなことで実施をされているかをお聞きします。

○小島観光部長 都はこれまで、水辺空間を生かした観光振興のため、大田、品川周辺の勝島運河地域を初め、七地域の広域観光マップを作成してまいりました。
 この広域観光マップでは、それぞれの地域ごとに、まち歩きの観光ルートを紹介しております。例えば、勝島運河周辺のマップでは、平和島、大森コースなど五つのルートを設定し、地域の観光資源などをめぐるものとなっております。作成に当たりましては、現地を実際に歩きながら検証し、旅行者が水辺を楽しめるように工夫しております。
 これらの広域観光マップは日本語と英語で作成し、羽田を初めとする観光情報センターなどで配布され、国内外の旅行者が活用できるものとなっております。

○田中委員 そのような観光マップというのは、区でもよくつくられておりまして、かなりつくる人によってできばえも内容もかなり大きな差がありまして、都としては、今いいましたように、都の職員みずからが実際に歩いて検証したということでありますので、大変に期待をしながら、と同時に、さらなるこの地域での努力を進めていっていただきたいと思っております。
 一番最初の質問でありましたので、都における、空港を中心として、この東京湾、国際化に伴う大きな方針の取り組みを聞かせていただきました。
 観光振興においては、今は観光資源をまず結びつけることという話がありましたが、同時に観光資源をつくり出していくことも必要であると思います。他局にもかかわることでありますが、例えば、我が大田区でいえば、大田市場、これは地元の自治体でも、場外市場をつくって、観光資源への発展、これからの可能性を議論されているということでありますし、また東京湾全体を見ても、海辺という意味では、この振興プランにもあるように、舟運のネットワークや海上交通、さらなる展開や、これから環境整備が戦略的取り組みとしても掲げられておりました。
 ぜひ、このハードの面の整備も含め、各部局、これは観光--局が所管ではないんですが、横断的に連携して取り組む必要があると思っておりますが、まずこの所見を伺いたいと思います。

○小島観光部長 水辺の観光資源といたしましてはさまざまなものがありますけれども、その利用を進めていくためには、今委員おっしゃいましたように、関係する部局が連携して、これからさらに進めていくということが必要だと思っております。
 こういった視点から、水辺を活用した観光資源につきましては、今後、進めるような方向で、私どもも検討してまいりたいというふうに考えております。

○田中委員 今回、幾つか勉強させてもらう中で、確かにハードは、港湾や、またさまざま建設局、そしてそれができなければなかなか観光と結びつかない等々、議論が何度か繰り返されました。今、意気込みとして、各部局をまたいで、また一緒になってやっていただけるというお話なので、それに期待をさせていただきたいと思います。
 空港の話は終わりまして、今度は、東京都の魅力をアピールするという意味で、来週十七日に開催されます東京国際映画祭について質問をさせていただきたいと思います。
 この映画祭なんですが、世界十二大映画祭というんですか、その一つである本映画祭なんですが、どんなコンセプトを持って、どの程度の規模でこれまで行われてきたんでしょうか。

○小島観光部長 東京国際映画祭は、映像産業の発展、国際交流の推進及び地域振興に寄与することを目的に開催されるアジア最大の国際映画祭でありまして、国内外の映画関係者が集い、映画ファンが楽しみながら参加できるものとして実施されております。
 今回、コンペティション部門には、昨年を上回る八十一の国と地域から七百四十三作品が出品されており、この中から、最高賞の東京サクラグランプリに都知事賞が授与されます。
 なお、来場者数は、前回約十二万人となっております。

○田中委員 今、概要を説明してもらって、十二万というのが多いのか少ないのかというのでぴんと来ないと思いますので、調べてみますと、いわゆる有名なベルリン映画祭は四十万人ですね。それから、さらに後発によく話題として上がります釜山の映画祭は十九万人、後発でありながら抜かれてしまっているということで、十二万人という数がまだまだ少ない、もしくはこれから数をふやしていかなきゃならないということだと思っております。その例を挙げましたが、これは、一方で東京だけの問題でもなくて、近年の社会経済の悪化に伴ってどの国も苦戦をしているというのも、調べてよくわかりました。
 そういう中で、国際映画祭として我が東京国際映画祭は、目標としては、カンヌやベネチアに並ぶ三大映画祭を目指すということも書かれておりましたが、どのような取り組みによってこれからその発展を目指していくのか。また、どうしても、こういうのは自国の自己満足に陥りがちであったり、もしくは世界の評価から見ると低かったりするので、以前の質疑の中で、世界の評価を調べるという答弁もありましたので、それも踏まえて、どのような特徴を持っているのか、お聞かせください。

○小島観光部長 アジアを代表する映画祭として、韓国、中国からイスラエルまで幅広くアジアの作品を集めたアジアの風部門、日本映画の多様性をキーワードに作品を集めた日本映画・ある視点部門、また広く世界で話題になった作品や有名監督の新作などを集めたWORLD・CINEMA部門など、特色あるプログラムを盛り込んでおります。
 また、昨年から、地球環境を考える映画祭として、自然と人間との共生をテーマといたしました部門を設置するとともに、ペットボトルのリサイクルによるグリーンカーペットの使用やグリーン電力の使用等にも取り組んでおります。
 これらの取り組みに対し、海外の国際映画祭の関係者から、グリーンカーペットになったのは斬新でいいアイデアです、日本のためにも世界のためにもよい映画祭になったと思いますといった多くの高い評価をいただいております。

○田中委員 グリーンカーペットというのは、私もこの案内をもらって初めて知ったんですが、評価は高いというものの、グリーンカーペット、まだまだ知名度が低いというか、知っている人が少ないんじゃないかというのも率直な感想でありまして、世界の評価は今、割と高いようでありますから、環境とセットで、ぜひしっかりと広報、もしくは周知をしていただきたいと思います。
 例えば、映画の「おくりびと」、皆さんもご存じかと思うんですけど、これはアカデミー賞を受賞して、今、日本の映画や映像は低いといわれていたときに、まだまだ海外でも高い評価を受けられる、また、映画産業、邦画も、これから世界に誇れるコンテンツの一つとなるともいわれております。
 この「おくりびと」は、制作するに当たっては、ロケ地の地域が積極的に受け入れを行って撮影に協力するなど、地元の支援、また活性化、観光支援につながったということも聞きました。
 都では、国際映画祭のみならず、同時に観光の視点では、東京フィルムコミッション事業を産業労働局の観光部へ移管して、そこまで産業として育てていこうということで、今、取り組んでいるということをお聞きしております。
 この東京における映像制作の受け入れというものをどのように考えて、またロケ地の支援にはどのように取り組んでいるのか、お聞きします。

○小島観光部長 映像作品によりロケ地となった地域の魅力が国内外へ発信され、地域のPRにつながることから、都では、平成十三年に東京ロケーションボックスを設置し、年間二千件以上の相談を受けております。
 また、地域フィルムコミッション設立の支援を行うなど、都内における円滑なロケ撮影の環境づくりを行い、観光及び地域振興に努めているところでございます。

○田中委員 今の質問で、東京都の映画や映像に対する取り組みというのは少しわかってきましたが、しかし、来週に開かれる国際映画祭に話を戻しますと、現場の声を聞きますと、前からもずっといわれて、議事録を見ますと、なかなか出口やその目的が定まらない、見えないということがいわれております。東京国際映画祭でなくて、国際映画祭というもの自体は、見本市としての機能が大きなビジネスとしては取り上げられまして、出展すれば世界の人が見てくれるチャンスが生まれたり、さらには、最優秀のグランプリをとれば、「おくりびと」のときもそうでありましたが、国内外にも発信されて大きな収益が上がると。
 しかしながら、じゃ、東京のこの見本市としての機能はどうかといえば、昨年、カンヌが、これは業界向けというのも大きいんですが、二万五千人集めているにもかかわらず、東京はまだ四千人という現状があります。
 さらに、先ほど話させてもらいましたが、映画を産業として見れば、これは大変厳しい現状でありまして、現状は、ほとんど大手のひとり勝ちであります。データを挙げれば、社団法人の日本映画製作者連盟という、映画をつくっている人たちの連盟の調査によりますと、昨年の平成二十年は、興行収入が十億円以上の邦画は二十八本あったそうでありますが、うち、東宝が二十二本と、ほとんどを占めてしまっていて、別に東宝さんが悪いとかいいとかいっているわけではないんですが、今は大手が映画を配給もしくは制作する形になってしまって、独立系や小さな制作会社というのは、大変に生き残るのにも難しい。実際に渋谷の単館映画、私もよく行きますが、今、廃業もしくは廃館が進んでおりまして、それが現実をあらわしております。だからこそ、先ほどいいましたこの映画祭という位置づけを産業の育成支援という視点から考え直していく必要があると思っております。
 先ほどの話では、確かに地球環境を考える映画祭を目指すというのも確かにいいことですが、一番最初の映画祭の目的でもあったように、映画ファンが楽しみ参加できる、つまり映画産業の発展のための映画祭という、その一番最初のコンセプトをもう一度思い直して、そのために何をすべきかということを考えるべきであると考えております。それについてはいかがでしょうか。

○小島観光部長 東京では、映像を通じまして東京の魅力を世界に発信して外客を誘致しようという観点、また国際交流の推進、地域振興に寄与するという観点から、引き続き映画を通じました観光及び地域振興、こういったところに努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

○田中委員 ちょっと今、答弁になっていなかったんですが、もともとあった産業育成の支援という視点をこの映画祭に持つのか持たないのかと。それについてお金を使っていくならば、私は意義あることだと思うんですが、今のままですと、どうしても、二十二回もやっていますから、長年やっているというのと、もしくは六本木でやっているというだけでありまして、目指す国際という冠がつくほどの映画祭、もしくは発信力を持つ映画祭としての意義は、毎年逆に薄れているんじゃないかという質問でありましたが、もう一度お願いします。

○小島観光部長 映画祭は観光振興にもつながりますし、また、映画産業として、そういった位置づけの観点からも、映像、映画の今後の振興に取り組んでいくというところで考えていきたいというふうに考えております。

○田中委員 ぜひ映画産業の振興という点に取り組んでいただきたいのと、これに関してことしは東京都から三千万円の補助が、もしくは支援が出ているということでありまして、これは最高賞の東京サクラグランプリに、都知事賞ということで、これに大きく使っているということでありますが、この都知事賞のサクラグランプリをとると、世界じゅうに配信されて大変チャンスとして大きなきっかけになれるというぐらいの名誉ある賞にぜひしていきたいと思いますし、私も、来週ありますので、自分の目で見て、またこの委員会でも、その報告と一緒に、皆さんと映画産業を盛り上げるために努力していきたいと思っております。
 次に移ります。最後に、新銀行東京の質問をさせていただきたいと思います。
 平成二十一年の三月期の決算、これ、何度も出ておりますが、業務粗利益四十一億に対して経費が六十八億円、一般貸倒引当金の繰入額四十一億円が戻され、個別の貸倒引当金の繰入額百二十九億、このときは経常利益百二十億の赤字であったということで大変に大きな問題となりましたが、今回発表されたのは、二十二年の三月期の第一・四半期、業務の粗利が五億で経費十二億、一般貸倒引当金の繰入額が十二億を戻し、個別の貸倒引当金の繰入額は一億、これによって経常利益は七億であったということは、もう報告がなされました。これは、何度もいわれているように、経常利益が信用コストの圧縮によるものでということは報告があったとおりであります。ということは、まだ、その銀行の収益、中身という面では、改善がこれからの課題であるということを示しています。
 今後、この業務の粗利を上げていくことが必要であると考える中、きょうは、資金の運用利回りと調達の関係から、今後の新銀行東京のあり方、また新しいモデルを検討していきたいと思っております。
 まず、平成二十一年三月期の資金の運用利回りと調達利回り、それぞれ何%か、伺います。

○中村金融監理室長 平成二十一年三月期における資金運用利回りは一・一〇%、資金調達利回りは一・二二%となっております。

○田中委員 この二十一年の三月期決算で、今お話があったように、運用の利回りが一・一で調達利回りが一・二という状態で、この時点で、もう〇・一二%の逆ざやになっておりまして、さらに経費率一・七七というのがありまして、これを調達に加えると、実に一・八九の逆ざやに陥っている現状があります。これがあるからこそ、業務の粗利が四十一億にとどまって、経費が六十八億、利益では経費を補えないような状態が続いております。
 これは、今回の三月期の第一・四半期、これにも同じ構図でありまして、収益モデルとしては、いまだ改善がなされておりません。
 不良債権をまず詰め、また、きょうの報告にもありましたが、信用コストも徹底的に圧縮してきた、経費も本店一店のみ、人員を削減するという中で削減してきた。となりますと、今度手をつけられるのは、もしくは改善ができるのは、この運用利回りをどうしていくかということに考えられるかと思うんですが、現時点でどのように収益を上げていく考えがありますでしょうか。

○中村金融監理室長 現在、新銀行東京は経営再建に向けた取り組みを行っているところであります。逆ざやの改善も重要な課題の一つであることは、従前より当然のこととして認識しております。
 資金調達利回りについては、大半が金利の高いキャンペーン定期預金であり、その存在が大きいですが、平成二十一年三月期決算では、キャンペーン定期預金の残高が依然として大きい一方で、融資残高が減少するとともに運用利回りが低下し、結果として逆ざやとなったところでございます。
 今後は、キャンペーン定期預金の満期が到来することなどにより、利払い負担が軽減されるため、この状況は次第に改善に向かうものと考えております。

○田中委員 今の答弁でありますと、すべて、この逆ざやの理由はキャンペーン定期金利が原因であるということでありましたが、それでは、キャンペーンで集めた額ですね、もしくは今年度幾ら満期があるのか、今後の満期額をお示しいただいて、今の利払いの負担率が一・二二ですね、それに対して、これが恐らく大きく下がっていくと。そして、この経費を補えるだけの収益を上げられることが今の答弁からは述べられていると思うので、調達利回りがどのくらいまで下がる試算なのか、お教えください。

○中村金融監理室長 先ほどもご答弁申し上げましたように、キャンペーン定期の大半というのは二十三年度までになくなっていくというもので、次第になくなっていくという形で、その中で、最終的には徐々に低下するということで、個々の具体的な数字につきましては控えさせていただきます。

○田中委員 先ほどの答弁で、二番目の答弁の中で、キャンペーン定期の預金の残高が依然として大きい一方で、融資残高は減少したために運用利回りが低下して、結果として逆ざやになったと。これは、ある意味当たり前のことというか、当然のことを述べていて、その後に、しっかりと満期が到来することで利払い負担が軽減されるということで明言されておったので、これはその数字に基づかないと--利払い負担が軽減されるというのは、先ほどいった当然のこととしての意味なのか、数字があっての話なのか、お願いします。

○中村金融監理室長 先ほども申し上げましたように、二十三年度までに満期が来ますということですので、二十三年度末にはけますから、当然のこととして、金利は低下するというふうにお答えをしたものでございます。

○田中委員 その点、金利が下がるのは私もわかるんですが、おそらく皆さんもわかるんですが、それが今、逆ざやの大きな理由となっていて、これが二十三年ですべて満期が到来すれば、状況が改善に向かうと。それほど大きなものであれば、これを待っていれば改善するというふうに思えるので、それは安心して二十三年を待っていればいいんですが、それが、単にキャンペーン定期金利の、数字もない中、残高が高い、返ってくれば戻るというだけでは、なかなか説明としては不十分かと思うんですが……。

○中村金融監理室長 再建計画は、単年度に急激に回復するという計画ではなくて、三カ年間にわたる計画で、二十三年度までには全体として黒字を達成すると。その中で、キャンペーン定期におきましても、二十三年度までには満期を迎えるという、繰り返しのようですけれども、そういうことでございます。

○田中委員 それでは、都が今おっしゃったのは、今回の逆ざやの理由は、このキャンペーン定期金利が大きな要因であって、これが満期を迎えれば改善されるという認識であるということで、次に進ませていただきたいと思います。
 私の場合は、今の逆ざやの現状を見ると、これは資産の厳格化によって、大変金融庁からも指導を受けている中で、貸付先を健全先に絞った結果、貸し付けの利息の収入が減少して、経費を補えない、今期の四半期でも補えないし、前期の決算でも補えてない状況にあるのじゃないかと今思っております。
 もしくは、もう一個考えられるのは、中小、中堅の貸し付けのリスクに見合うリターンがとられていないんじゃないかと。現在、先ほどいったように一・一%ですから、これで果たして、リスクに見合ったリターンがとられていないのではないかという二つの分析ができるわけでありますが、これについてはどうお考えでしょうか。

○中村金融監理室長 新銀行東京は、現在においても他の金融機関では支援が難しい赤字や債務超過先を含む多くの中小零細企業を支援してございますが、個々の融資案件の取引条件などについては、明らかにしておりません。
 現在、新銀行東京は堅実な経営を行っており、今年度第一・四半期決算で七億円と、開業以来初の黒字を計上したところでございます。新銀行東京の経営再建に向けた取り組みは、着実に進んでいると考えてございます。

○田中委員 ちょっと私のいっているあれが通じてないのかもしれないんですが、先ほどいったように、四半期で七億円出たというのは説明を受けておりますし、それが信用コストでというのもわかっておるんですが、次の、それはわかった上で、じゃ、改善を図っていくにはどうしたらいいかという議論をしているつもりでおりますので、ぜひお答えをいただきたいと思うんですが。
 次に進みますと、この新銀行東京での貸出金利なんですが、どのような決定プロセスで決められているのか、また、よくいわれる中小と大企業の貸し出しについて、前回、伊藤委員から、額で中小企業に貸し出しが減っているんじゃないかというような指摘があったんですが、この貸出金利の差は、中小と大企業の現状はどうなっているんでしょうか。

○中村金融監理室長 新銀行東京におきまして、貸出金利は、他の金融機関と同様、市場金利の動向、融資先の信用度、融資期間などを総合的に勘案し、個々の融資案件ごとに決定されております。
 なお、個別の取引条件など詳細につきましては、当然のことながら、一般的に金融機関は明らかにしておりません。

○田中委員 これまでの議論の中で、個別の、一件一件の、この企業が何%ですとかこの企業に幾らというのは、もちろんそれは銀行法の中で明らかにできないんでありますが、今の答弁の中で、まず、他の金融機関と同様にということがありましたので、これは他の金融機関と比較をしながら、この新銀行東京が置かれている現状を見てみたいとは思うんです。
 現在、新銀行東京は、無担保も含め、有担保、また第三者の保証つきの貸し付けも行いながら、一・一%という平均の貸し出しで行っております。例えば、これを他の金融機関で比較してみたいと思うんですが、貸金業、いわゆるアコムさんや武富士さんや、そういったものの貸金業の協会のデータの中で、事業向け貸し出し、これは個人にも貸していますから、事業者向けの貸し出しだけで、さらに無担保の貸し出しを抜き取って、平均の貸付金利を私なりに出してみますと、今、一四・一%になります。これは、ネットでも出ておりますが、貸金業協会の資料をベースに試算をさせてもらいました。つまり、無担保で今貸している平均は一四・一%の金利をとっていると。
 一方、有担保、第三者保証のつけた貸し付けを行っているところはどうかというと、これは一応、中小企業向け融資を同じように目的としている日本振興銀行、これは、標準貸付金利を、これもホームページ上に載っておりますが、抜き出しますと五・九%であります。無担保であっても一四・一をとって今業務を行っている。有担保、さらに保証をつけても五・九で行っていて、それぞれビジネスを成り立たせている中、我が新銀行東京は、今、一・一%という中で、これは、先ほどの答弁では、キャンペーン定期金利の結果こうなったということでありますが、これだけでは到底説明できないと思っております。
 このようにしてほかの業態が金利を定めている中、先ほどの答弁では、同じように、他の金融機関と同様に金利を決定した結果がこうだといっているんですが、これで果たして利益が出ていくのかということをまずお聞きしたいと思っています。

○中村金融監理室長 今、貸出金業の平均だといいましたので、我々の銀行経営とは一線を画すものではないかというふうに考えます。
 一般的に、銀行の経営において、一四%の高い利回りのビジネスモデルというんですか、そういうものは銀行経営としてあり得ないというふうに考えております。
 今、新銀行東京は、経営再建に向けて着実に努力しているところでございます。そういう金利につきましても、一挙に一四%にするとかそういうことではなくて、徐々に--一四%にするという意味ではございません、徐々に改善を図っていくという考えでございます。

○田中委員 私もそこは同じでありまして、新銀行の金利を一四%にしろとか五・九にしろというわけではなくて、これから再建を図っていく中で、どういう方向に進んでいくのかということが、私も興味がありますし、見ていかなきゃならないですし、一般の人たちも大変に注目しているところだと思うんです。つまり、フルラインの銀行業を目指して、すべて貸し出しから決算からやろうとしてきた銀行が、今ここまで縮小してきた中で、じゃ、次に、再建を図った中でどのような形態を目指していくのか。もちろんそれは、決してノンバンクのような形を目指すというわけではなく、このようにして、実際に業務をやり、また収益を上げている中で、現在、収益が上がっていないのは事実でありまして、それを私たちは単に今回七億円の黒が出たからいいといって見過ごして、もしくは、それをはいといっているだけではいけないという思いで、私も話をさせていただいております。
 それでは、例えば前回の伊藤ゆう議員も、この融資実行先における無担保・無保証の実績の推移を、きょうのちょうど報告の二四ページにも載っておりましたが、この五十五件で、今回、四半期で百二十三億円の融資を無担保・無保証でしたということでありますが、これを平均しますと、一件二億四千万円になります。前回の質問の中では、これが果たして中小企業に二億四千万円を貸しているのか、これが中小企業かと。もしくは、今大変に困っている企業なのかという質問がありましたが、私は、きょうは金利という話で質問しておりますので、この企業にも、同じように平均一・一%で貸し付けを行っているという認識でよろしいでしょうか。

○中村金融監理室長 一般的に、貸出金利というのは、先ほどもお話ししましたけど、一般の金融機関と同様、市場金利の動向だとか、融資先の信用度だとか、融資期間などを総合的に勘案して、個々の融資案件ごとに決定されているものでございまして、大企業、中小企業の別で判断されるものではございませんので、個々の企業の中身に応じて金利が定まっているという形でございますので、したがいまして、それがすべて一・一%なのかということはございません。

○田中委員 済みません、私の説明が悪かったんでしょうが、大企業、中小企業というよりも、この無担保・無保証の融資の中での結果を聞いておりまして、無担保・無保証ですから、本来であるならば、今の例を出せば一四%で貸しているようなところもあると、リスクに見合ったリターンをとる場合にはですね。これが現在、推測し得るデータの中では一・一%、これを倍としても二・二%というもので貸し付けているのが、本当に妥当なのかというのを今お聞きをさせてもらったわけでありますが、いかがでしょうか。

○中村金融監理室長 貸出金の運用利回りそのものが貸出金の利率に反映するものではございませんので、要するに貸出金の利回りというのは一・六二%となってございます。この中には、私どもとしては、貸し出しというふうにはなかなか考えにくいわけですけれども、国等に対する、ある種運用的なものも入ってございますので、そのトータルとして一・六二%というものになっているわけでございますので、個々の中で、それが全部そういう金利になっているかというのは、なかなかお答えしにくいというふうに考えております。

○田中委員 この決算書の中では、確かに利回りの利ざやが一・一と出ていまして、貸し出しの金利も利回りが一・六二だということも確かに出ております。その上で、私も計算をさせてもらいまして、この中で、今、全部の貸し付けをしている中で、公的貸付と不良債権を分母から引いて計算をしても、二・二%ぐらいの試算で出ました。それでもまだ、やはり無担保・無保証で貸すには大変に低い値でありまして、今ここで室長と私で金利を決められるわけでなく、もちろんこれは銀行を運営している人に対しての、ある意味メッセージというか、どういう運営をしているんだということの話でありますのでここまでにいたしますが、私もこれから、一つは先ほどの高い今回のキャンペーン定期、これが解約されることで、銀行の収益の回復が、今室長がいわれたように図られていくのか、もしくは、どのようにしてこれから収益を上げる体制をつくっていくのかも、随時見ていきたいと思っております。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

○山崎委員 産業振興、雇用拡大について、総合的に何点か質問をさせていただきます。
 昨年秋以降の世界同時不況によって、都民や中小企業が非常事態の中、我が党は迅速に緊急対策を打ち出すことの重要性を強く訴えてまいりました。これを受けて、局としても、さまざまな中小企業対策、雇用対策に取り組んできたところです。
 本年第一・四半期には、年率換算でマイナス一四・二%まで落ち込んだGDPも、第二・四半期には二・三%とプラスに転じ、輸出や生産など一部の経済指標が持ち直すなど、ここに来てようやく明るい兆しも見えてきました。
 しかし、雇用情勢は依然として深刻であり、先週発表があった八月の全国失業率も五・五%と、厳しい状況が続いております。有効求人倍率も低下をしており、全国は〇・四二倍、東京では〇・五五倍と、一倍を大きく割り込んでおります。雇用情勢は景気悪化の動きにややおくれて悪化するという特性があります。景気は最悪期を脱したという見方もありますが、予断を許さない状況であり、今後とも、雇用就業対策を的確かつ着実に実施していく必要があると考えます。
 そこで、まず、雇用対策についてお伺いをいたします。
 局では、公的な雇用創出や職業訓練の拡充、就職支援、労働相談など、雇用就業対策に多面的に取り組んでいますが、現下の厳しい雇用情勢に的確に対応するためには、局にとどまらず、関係する各局や区市町村と密接に連携して施策を実施し、施策の効果を高めていく必要があると考えます。特に、安定した雇用の場がなく、低所得の状態からなかなか抜け出せない方々のために、局は福祉保健局や区市町村と連携して、就職チャレンジ支援事業を実施していますが、具体的な実施内容と成果についてお伺いいたします。

○日請事業推進担当部長 就職チャレンジ支援事業は、低所得者の方々の生活安定化に向けた緊急総合対策の一環といたしまして、昨年八月から、区市町村及び福祉保健局と連携をして実施をいたしているものでございます。
 この事業では、全区市町村に設けました窓口におきまして、生活相談を行うとともに、相談者の事情に応じまして、貸付金あるいは職業訓練など、各種支援策を紹介しております。
 区市町村の窓口で相談をされました方のうち、安定した仕事につく意欲があり、職業訓練を希望する方には、都内四カ所の就職チャレンジ支援相談室におきましてキャリアカウンセリングを行い、職業訓練につなげ、訓練受講中は生活費を支給いたします。
 さらに、職業紹介や各種セミナー、合同面接会などによりまして就職支援を実施しております。
 さらに、訓練修了生を正社員として採用いたしました企業には、採用助成金を支給いたします。
 本年八月末現在の就職チャレンジ支援相談室の利用者は約三千三百名に上りまして、そのうち約二千名が職業訓練を受講しております。就職者数は約五百名でございます。
 今後とも、各区市町村等と連携をしながら、効果的に実施をしてまいります。

○山崎委員 関係局や区市町村と連携をして雇用対策が推進されることがよくわかりました。今後とも、関係機関と連携を密にして、的確な雇用対策を講じていただきたいと思います。
 また、若年者の就業支援も重要です。全国の年齢層別失業率を見ると、三十四歳までの若年層の失業率は、ほかの年齢層と比べて高い水準にあり、特に十五歳から二十四歳では、失業率が九・九%と、一〇%に手が届こうかという非常に厳しい状況にあります。こうした状況が続けば、次代を担う貴重な若年層がキャリア形成する機会を十分に得られないだけでなく、我が国の長期的な国際競争力にも影響しかねない大きな問題であり、若年者の就業を強力に推進していく必要があると考えます。
 都の若年者就業対策についてどのような取り組みがなされているのか、その具体的な内容についてお伺いいたします。

○小田雇用就業部長 都では、若者の就業支援のため、東京しごとセンターにおいて、適性や希望を勘案しながら、キャリアカウンセリングから各種セミナー、職業紹介に至る、入り口から出口まで一貫したきめ細かなサービスを提供しております。
 これまで、カウンセリングの強化やインターンシップの充実を図るほか、企業との出会いの場を提供する若者企業交差展を実施するなど、支援の強化を図ってまいりました。
 こうした取り組みによりまして、本年八月までのしごとセンターにおける若者の新規利用者数は、対前年同期比三〇%増の三千四百七十一人、就職者数は三四%増の千五百十七人と、利用者数以上に就職者数の増加率が伸びております。
 さらに今年度は、新たに、就職の内定を得られず、苦戦する新規学卒者等を対象に、ハローワークと連携して、合同就職面接会を十一月と年度末に二回開催するなど、引き続き若者の就業促進に全力で取り組んでまいります。

○山崎委員 都が、雇用環境の厳しい若年者に対しても、総力を挙げて雇用対策に取り組んでいることがよくわかりました。当然のことながら、雇用環境が厳しいのは若年者だけではありません。中高年、そして女性、高齢者、障害者など、今後ともあらゆる層のニーズと特性に応じた雇用就業対策を多面的に展開していただきたいと思います。
 また、出産や育児のため仕事をやめざるを得ない方々もいます。雇用の継続という観点から、仕事と家庭の両立支援についてお伺いいたします。
 さきの第二回定例会において、我が党は少子化問題を取り上げ、国に具体的な政策提言を行うとともに、都が率先して行動を起こしていくように求めました。これを受け、都は、佐藤副知事を本部長とする少子化打破・緊急対策本部を設置しました。
 また、我が党も具体的な政策提言に向け、少子・高齢化政策推進本部を立ち上げたところです。
 少子化を打破するためには、女性にとって、就業と出産、子育てが二者択一となっている状況を根本的に変える必要があり、ワークライフバランスの推進が大変重要となります。
 都は、仕事と家庭生活の両立支援に取り組む企業に対し、さまざまな支援を講じているとのことですが、具体的にどのような支援を実施しているのか、お伺いをいたします。

○小田雇用就業部長 仕事と子育てなど、家庭生活の両立のためには、企業における雇用環境を整備していくことが極めて重要でございまして、このため、都は企業に対する各種支援策を実施しているところです。
 具体的には、子育ての支援に取り組む、次世代育成サポート企業に登録した中小企業を対象とする助成制度を設け、両立支援を推進する責任者設置から社内の意識啓発やルールづくり、育児休業取得者の代替要員に係る経費までを支援しております。
 また、労働相談情報センターに両立支援アドバイザーを配置し、企業の行動計画策定等の相談に応じております。
 さらに、昨年度からは、両立支援等に積極的に取り組む企業を東京ワークライフバランス認定企業として選定し、その先進的取り組みを広く発信するイベントを開催するなど、社会的機運の醸成を図っております。
 今後とも、こうした取り組みにより、企業における雇用環境の整備を促進してまいります。

○山崎委員 仕事と子育てなど、家庭生活を両立できる雇用環境を整備していくことは、社会経済を維持していくためにも緊急の課題となっています。ぜひこうした取り組みを充実していただきたいと思います。
 しかしながら、産業を振興し、経済を成長させて雇用機会を拡大しなければ、雇用問題の根本的な解決はありません。こうした意味では、厳しい状況の中にあっても、ベンチャー企業の育成や、今後成長が期待される新しい産業の育成が重要です。
 そこで、次に、雇用機会の拡大という視点を含め、産業振興についてお伺いをいたします。
 まず、創業、ベンチャーへの支援です。
 新しい雇用の場をつくっていくためには、ベンチャー企業など成長性ある新規企業の創業が欠かせません。しかし、我が国の開業率は先進国の中でも最低水準にあり、創業支援策の充実による開業率の回復が大きな課題になっております。
 こうした中、都は、創業支援策として、空き庁舎を活用するなど、各種のベンチャー支援施設を展開しています。特に、中野新橋と浜松町では、民間の経営支援の専門家を常駐させており、創業者やベンチャー企業に大変好評であると聞いております。こうしたベンチャー支援施設のねらいと成果についてお伺いをいたします。

○山手商工部長 都におきましては、現在八つの施設で、合計二百二十三室のインキュベーションオフィスを提供してございます。これらの施設は、低廉な賃料で事業場所を提供するとともに、販路開拓や資金調達に関するアドバイス等の支援を行うことで、ベンチャー企業等が最も困難な創業直後の数年間を乗り越えやすくするものです。
 これまで六百を超える事業者がこれらの施設を利用し、また、一部の施設で行った調査では、把握できた事業者の八割以上が入居期間内に売り上げを増加させるなど、着実な成果を上げております。

○山崎委員 今、答弁にありました、こうしたベンチャー支援施設での支援に加え、都は今年度から、ベンチャー企業等が開発した新規性の高い製品を認定し、都が試験的に調達するトライアル発注制度を創設したと伺っております。
 都によるこのような率先調達というのは大変画期的な事業だと思いますが、この事業の現在までの進捗状況について伺います。
 また、都が試験的に購入することによって、どのような効果が見込まれるでしょうか、あわせてお伺いをいたします。

○山手商工部長 トライアル発注制度につきましては、本年度、二百十三製品の申請を受け、審査の結果、日常で用いる生活雑貨から最先端の計測機器まで、幅広い分野に及ぶ新規性の高い六十四の製品を認定したところでございます。
 今後、都では、これらの認定製品につきまして、その一部を試験的に購入して使用するとともに、その有用性についての評価を実施してまいります。
 これらの取り組みにより、当該新製品の認知度、信用度が一層向上し、受注の機会が拡大しまして、さらなる販路開拓のきっかけとなっていくことを期待してございます。

○山崎委員 ベンチャー企業が、都が試験購入したことがきっかけとなって販路拡大ができれば、そこに大きな雇用機会が生まれると私は思います。一つ一つのベンチャー企業の雇用拡大の量は小さくても、多くのベンチャー企業が生み出されれば、全体として大きな雇用が生み出されます。ぜひこうした政策をより一層強化していただきたいと思います。
 次に、商店街支援について伺います。
 創意工夫による商店街の活性化も、地域の身近な雇用就業機会を確保するという観点から重要です。商店街を活性化するためには、個々の商店街が単独で取り組む事業への支援に加え、商店街と地域住民や大学、そして企業、NPOなどの地域団体とが連携した地域おこしなど、新たな発想やアイデアを活用した広がりのある取り組みを促進することが求められていると考えますが、商店街と地域との連携による取り組みへの具体的な支援内容についてお伺いいたします。

○山手商工部長 商店街は、都民生活を支え、雇用や起業の場となるとともに、地域コミュニティの維持発展に重要な役割を果たしており、現在では、地域住民やNPO団体等と連携して地域の活性化に取り組む例が数多く芽生えています。
 都は、こうした取り組みがさらに活発に行われるよう、平成十七年度から、地域連携型モデル商店街事業を実施し、環境や福祉、観光等の地域ニーズに対応した地域おこしやまちづくりに取り組む事業を支援しています。
 例えば、台東区浅草の商店街では、地元の観光連盟等と連携して、江戸時代のまち並みが感じられるよう、商店街の景観整備を行ったところ、来街者の回遊性が高まり、滞在時間も延びるなど、浅草地域全体の活性化につなげることができました。今後とも、商店街が地域と連携して、まち全体の活性化に取り組む事業を積極的に支援してまいります。

○山崎委員 商店街と地域とが連携する取り組みに対しても積極的に支援策が講じられていることがよくわかりました。これによって商店街の存在感が高まり、商店街の集客増加や商圏の拡大につながるものと期待をしております。
 続いて、都市農業についてお伺いをいたします。
 東京において、農業の振興は忘れてはならないと思います。世界的な食料問題や食の安全・安心への高まりを背景として、民間企業の間でも、日本の農業を改革、支援していこうという潮流が活発化しており、農業への注目はますます高まっております。
 東京の農業は、大消費地に近接しているという有利性を生かして、鮮度が要求される野菜類を中心に、果樹、植木等が生産されております。こうしたことから、商店街と同様に、都民生活に直結している重要な産業ということができます。
 また、最近では、若者の間で就農希望者が増加しているとのことです。若者を初め、意欲的で新しい発想を持つ方々を都市農業の担い手として育成していくことは、農業の活性化のために重要だと考えます。
 そこで、東京の農業における新たな担い手の確保、育成のための取り組みについてお伺いをいたします。

○産形農林水産部長 農業者の高齢化や後継者不足などによりまして、都内農家の労働力不足が深刻化しております。
 都は、農作業を行いたいという都民を受け入れるための農業体験農園の整備に対して支援を行っております。
 また、一定の農作業経験のある都民を対象に、みずから耕作できる技術を持った人材へと育成する実践農業セミナーを実施しております。
 また、このセミナー修了者を農地・担い手情報バンクに登録し、労働力不足により耕作が困難な農家へ紹介しております。
 さらに、新規就農者を対象とした技術、経営向上研修であるフレッシュ&Uターン農業後継者セミナーを実施しております。こうした取り組みにより、新たな担い手の確保、育成を促進してまいります。

○山崎委員 次に、観光産業の振興についてお伺いをいたします。
 観光産業の波及効果は極めて大きく、宿泊業、飲食業、各種サービス業など、幅広い産業が潤うことになり、それだけに就業の場の拡大も期待できる産業です。
 「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇九においては、二〇一六年に外国人旅行者年間一千万人の誘致を目指すとしており、この目標の実現に向けて強力に施策を推進していくことが必要になります。
 この目標を達成するためには、外国からの旅行者の受け入れ体制の充実も必要ですが、東京の魅力を知ってもらい、そして東京に行ってみたいという気持ちを持っていただくことも大切です。工夫を凝らした海外向けの広報を実施することや、都だけでなく、民間事業者も活用して、効果的な観光プロモーションを展開することが重要と考えますが、所見をお伺いいたします。

○小島観光部長 外国人旅行者の誘致を促進するためには、東京の魅力を積極的に世界に発信していくことが重要でございます。都は、これまでも、欧米豪の諸都市に都内の観光関連事業者とともに赴き、現地の旅行事業者向けのセミナーや市民向けイベントの開催、また、海外メディアの招聘等を通じ、東京の魅力を発信してまいりました。
 今後も、「十年後の東京」に掲げる一千万人の外国人旅行者誘致の目標達成に向けて、メディアを通じた東京の多彩な魅力の発信を充実させるとともに、現地商談会等の機会を活用して、観光関連事業者と連携し、東京向け旅行商品の開発をより一層促進してまいります。
 これらの効果的な観光プロモーション事業を展開し、さらなる外国人旅行者の誘致を図ってまいります。

○山崎委員 商工業、農林水産業、観光産業など、各産業の発展に向け、今後とも強力に支援をしていただくことを切に望んでおります。
 しかし、一方で、現に活動している中小企業への手当てなど、産業の衰退を防ぐ対策を怠ってはならないと考えます。
 最近になって、大企業では業況の回復が見られますが、中小企業は総じて厳しい状況にあります。ことしの中小企業の倒産件数は、八月までで二千百二十件と、昨年の八月までに比べ三百件増加をしております。また、都内中小企業の八月の業況DIもマイナス五七と、依然として厳しい水準です。
 東京の産業を支えている中小企業が倒産という最悪の事態に陥らないよう、さまざまなセーフティーネットを構築し、産業の衰退を防ぐ必要があります。そこで、まず、中小企業の倒産防止や早期再生に向けた取り組みについてお伺いをいたします。

○山手商工部長 新産業の育成や東京の産業を支えている中小企業の底上げのための施策に加え、経済状況が厳しい中で、中小企業が倒産の不安にさいなまれることなく、安心して事業を展開していけるようにすることが大変重要と認識しております。
 特に、取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐことは、セーフティーネット策として喫緊の課題でございます。国の経営セーフティ共済制度は、加入している中小企業の取引先が倒産した場合、無担保・無保証で共済金の貸し付けを受けられるため、連鎖倒産の防止策として大変有効であるとともに、企業の信用力向上にもつながるものです。
 このため、都は、都道府県では初めて、加入促進のため、掛金の一部を助成する事業を緊急対策として実施したところであり、平成二十一年九月末現在で一千百二件、三億二千四百四十七万六千円の申請がございます。
 また、倒産を防止するためには、早い段階で事業の再生に取り組むことが重要であります。このため、業績の悪化等により事業の継続が危ぶまれる企業からの相談に専門スタッフが対応し、その企業が置かれた状況に応じて具体的な対応策を提示する事業承継・再生支援事業を実施しています。
 平成二十一年度からは、再生に取り組む中小企業のさまざまな課題にいち早く対応できるよう、専門スタッフを増員し、相談体制の充実を図ったところであり、今後ともさまざまな施策を展開し、企業の経営安定につながるよう努めてまいります。

○山崎委員 次に、金融支援について伺います。
 中小企業にとって極めて厳しい経営環境が続く中、倒産防止や再生支援に加え、セーフティーネットとしての資金繰りの支援は極めて重要です。中でも制度融資は都の金融支援の柱となっております。
 我が党は、昨年秋以降の経済の急激な悪化に直面する中、中小企業に対する金融支援を最重点課題と認識し、緊急保証制度の創設や業種指定の拡大などを国に直接働きかけ、政府の緊急経済対策として実現するなど、真に効果のある対策を矢継ぎ早に講じてきました。
 都においても、我が党の要望に迅速に対応し、緊急保証制度に対応した制度融資を創設するとともに、利用者が詰めかけ、繁忙をきわめる区市町村に中小企業診断士を派遣し、認定事務の支援を行うなど、中小企業の資金繰りの円滑化に取り組んできたところであります。
 このような取り組みを経て、多くの中小企業が緊急保証制度を利用し、資金をつないできたものと思います。しかしながら、中小企業の経営環境は依然として厳しく、景気の動向もまだまだ予断を許しません。
 そこで、都のこれまでの緊急保証制度に関する取り組みと実績について確認するとともに、多くの中小企業に利用されているこの制度を今後もしっかりと実施することにより、企業の資金繰りに切れ目が生じることがないように取り組んでいくべきと考えますが、所見をお伺いします。

○保坂金融部長 都では、昨年十月末に開始された国の緊急保証制度に対応し、制度融資に最優遇金利を適用した融資メニューである経営緊急を創設するとともに、特に小規模企業者に対しては、保証料の二分の一を補助する都独自の対応を行っております。
 本年四月には、この間の金利動向に対応し、経営緊急など制度融資の最優遇金利の〇・四%の引き下げを実施するとともに、本年度に入っても、経営緊急の利用が依然高い水準で推移していることから、六月補正予算においても、経営緊急を含む経営支援融資の目標額を引き上げ、必要な経費を確保いたしました。
 経営緊急を創設いたしました昨年十月末から本年八月末までの実績は、六万一千八百七十八件、一兆三千八百三十二億円に上り、多くの企業において運転資金の調達や既存債務の返済軽減などに役立っているところでございます。
 中小企業の経営環境は依然厳しい状況が続く中、多くの企業に利用されている緊急保証制度については、ご指摘のとおり、都として引き続きしっかり実施していくことが重要であると認識しており、制度の延長や対象業種の拡大について国に対して提案要求を行うなど、中小企業の資金繰りの一層の円滑化に万全を期してまいります。

○山崎委員 こうした制度により多くの中小企業が救われていますが、その一方で、私も多くの地元の経営者の方から耳にしています、この緊急保証制度によっても十分に資金調達ができずに苦しんでいる企業も本当にたくさんあります。
 こうしたことから、我が党では、昨年の第四回定例会において、地域の金融機関との連携を強化して資金供給の一層の円滑化を図るべきとの提言を行うとともに、翌年第一回定例会においては、新たな金融支援策の裏づけとなる条例を成立させたところであります。
 我が党の働きかけを受け、その後、執行機関におかれては、地域の金融機関を初めとする関係機関とのたび重なる検討を経て、先般、新たな保証つき融資制度の開始が発表されたところでありますが、今回の発表内容を見ると、大きな特徴の一つとして、融資対象が取扱金融機関との間で一定期間の取引がある中小企業とされている点があります。
 そこでお伺いします。新たな融資制度はいかなる都内中小企業を支援しようとするものであるのか。また、より多くの都内中小企業が本制度を利用するためには、より多くの地域の金融機関の参加が不可欠になってくると考えますが、いかがでしょうか。

○保坂金融部長 中小企業金融支援条例に基づき今回創設する新たな保証つき融資制度では、高い技術力やすぐれたビジネスプラン等を持ち、この難局さえ乗り切れれば将来的に展望が開ける企業を資金面から支援していく考えでございます。
 そのためには、中小企業との日常的な融資取引を通じて、企業の事業実態や経営者の人となりなどを十分に熟知している地域の金融機関の目ききの力を活用してまいります。
 このため、本制度においては、融資対象を取引金融機関の事業性資金に関する融資残高が一年以上ある中小企業としたところであり、都内のより多くの中小企業に本制度をご利用いただくために、ご指摘のとおり、地域の金融機関には幅広く参加していただくことが必要でございます。
 未曾有の経済危機の中、資金繰りに苦しむ中小企業を支援していくためにも、引き続き、地域の金融機関には幅広く参加を呼びかけてまいります。

○山崎委員 ただいま答弁ありましたが、新たな融資制度は、地域の金融機関が持つ目ききの力を十分に引き出しながら、将来性を期待できる中小企業をしっかりと見出し、支援していくものであります。このことは、将来的なデフォルトの発生を抑制し、より安定的な制度の運営を確保していくことにもつながることです。
 新たな融資制度は、東京都、民間保証機関、地域の金融機関の三者がスキームに参加するものでありますが、それぞれ応分負担をしながら役割を果たしていくことが制度を安定的に運営していくためにも不可欠であると考えます。所見をお伺いいたします。

○保坂金融部長 新たな融資制度は、現下の厳しい経済情勢のもと、資金繰りに苦しむ都内中小企業に対して、国の信用補完制度によらない、新たな金融支援を行うものでございます。
 そのため、本スキームにおいては、都は、取扱金融機関から融資を受けた企業の債務不履行が起きた場合には、損失の八割相当の補助を行うこととしており、その支出に当たっては、弁護士や公認会計士などから成る審査会による審査を経た上で、厳正に対処してまいります。
 残りの二割につきましては、取扱金融機関及び民間保証機関において、それぞれ一割相当の損失を負担し合うこととしており、金融機関における融資審査と保証機関における保証審査が車の両輪のごとく機能することにより、精度の高い審査が行われ、本制度を安定的に運営していくことができるものと考えております。

○山崎委員 こうした緊急保証制度を中心とした制度融資に加え、今回新たな保証つき融資制度をしっかりと実施し、中小企業の方々が安心して事業に取り組めるよう、資金面での万全なサポートを改めてお願いをしておきます。
 ここまで、ベンチャー企業、商店街、そして農業、観光など、多様な産業の振興施策をお聞きしてきました。
 都内の産業は、現在、多くの厳しい課題に直面をしております。日本じゅう、いや世界じゅうが不況にあえぐという、こういう状況だからこそ、多様な取り組みを通じ、各産業を発展させることで、都民に安定した雇用の場を確保することが重要であると思います。また、産業の衰退を招かないようなセーフティーネットをきめ細かく講じることも不可欠だと改めて感じました。
 最後に、都内産業の振興に向けた局長の決意をお伺いし、私の質問を終わります。

○前田産業労働局長 東京の産業は、日本経済を牽引する大きな役割を担うとともに、都民に多様な雇用の場を提供しております。これら都内産業の発展、成長を図っていくことが、東京、ひいては日本の発展を導くものと確信しております。また、このことによって、将来にわたり、都民の暮らし、雇用を守ることになるというふうに考えております。
 現下の経済雇用情勢は依然として厳しいものがありますが、こうした状況に的確に対応することはもちろんでございますが、さらに中長期の視点に立って東京の産業を着実に成長軌道に乗せることが、当局としての大きな役割であると認識しております。
 このため、現下の厳しい情勢を踏まえた雇用対策、中小企業対策などに万全を期してまいりますが、同時に、すぐれた技術、多様な人材と情報、豊かな自然など、この東京の持つさまざまな資源を生かし、商工業、観光、農林水産業まで、幅広い産業分野において、意欲ある事業者への支援を積極的に行うとともに、新産業を育成するなどの将来を見据えた取り組みを通じまして、この東京の経済発展と雇用機会の拡大を図ってまいります。

○伊藤(興)委員 それでは、私から、中小企業支援について何点か、まず質問させていただきたいと思います。
 昨年来の世界的な不況により、都内の中小企業は依然として非常に厳しい経営環境に置かれております。中小企業がこうした状況を克服するためには、資金繰りや受注により生産性の向上を図り、企業の経営力そのものを強化することが重要であります。
 一方、受注の落ち込みによる業績の悪化が設備への投資の落ち込みを招いて、また、それが受注の落ち込みにつながっていくという悪循環に陥りつつあり、こうした環境の中で、生産性向上に向けた設備投資に踏み出せない中小企業が多い現状があります。
 この状況を踏まえ、都では、昨年度の補正予算において、中小企業の設備投資を支援する中小企業設備リース事業を創設いたしました。
 この事業は、中小企業にとって大変に役に立つものであり、私はことしの予算特別委員会においても、この事業を早期に開始すべき、また、幅広い業種へ適用すべきとの主張をさせていただきました。
 都は、中小企業の設備投資を促し、経営力の強化につなげていくためにも、積極的に本事業を推進すべきであると考えます。
 そこで、まず、現在のこの中小企業設備リース事業の実施状況について伺いたいと思います。

○山手商工部長 リースの申し込みにつきましては、ことしの三月から、実施機関である東京都中小企業振興公社で受け付けを開始いたしました。
 平成二十一年九月末現在、申込件数の合計は八件、このうち、審査中の案件が二件、リース実施件数は、予定の一件を含め、合計三件でございます。

○伊藤(興)委員 本年三月からスタートということで、約半年間の実績について、リース実施件数は三件とのお答えでございました。率直にいって、非常に少ない、せっかくの制度がもったいないという印象がありますけれども、この事業の実績が伸びていない原因について、どのように分析しているのか、伺いたいと思います。

○山手商工部長 昨年来の世界的な不況の中、中小企業の受注量が激減しておりまして、中小企業の設備投資意欲が非常に低くなってございます。
 十月一日に発表された日銀の九月短観によりますと、二〇〇九年度の中小企業の設備投資計画について金額ベースで見ると、全産業では対前年比マイナス三三・三%、特に製造業ではマイナス三九・七%と、非常に低い水準となっています。このような背景が、本リース事業の実績が上がらない原因と考えてございます。

○伊藤(興)委員 今ご答弁にありました分析のとおり、確かに昨年来の不況の中、企業の設備投資の意欲が非常に低いということはわかります。先ほども申し上げたとおり、設備投資をしたくてもできない。また、それが悪循環になっているという状況を踏まえて、それを打破するためにも、せっかくのよい仕組みでありますので、少しでも多くの方に、中小企業の方にご利用していただくために、使いにくい点などがあるのであれば制度を見直すなどの工夫をすべきであるというふうに思います。
 例えば、経営体力が弱い小規模な企業においては、単独ではなかなか本リース事業の活用に踏み出せないというところもあると思います。私はかねてから、こうした小規模の企業についても、本事業を広く活用していただけるよう、企業単独ではなくて、例えば協同組合等が共同して設備を導入する方法などについてもぜひ検討していただくよう強く要望してまいりました。この点も含めて、都の所見を伺いたいと思います。

○山手商工部長 平成二十一年度から、より多くの中小企業の方に本事業を利用していただくため、従業員規模百人以下の中小企業を対象に、保証料を全額補助したこれまでの仕組みに加えまして、二つの仕組みを創設いたしました。
 一つ目は、従前は対象外であった百人を超える従業員規模の中小企業を対象とするもので、保証料は二分の一補助です。
 二つ目は、東京都環境局が中小企業向け省エネ促進税制の対象設備として指定した機器など、地球温暖化防止に有効な設備をリースするもので、保証料は、従業員規模にかかわらず全額補助でございます。
 また、本年六月からリース料率を見直しまして、月額で約〇・〇一一%引き下げることにより、中小企業の負担軽減を図りました。
 さらに、本年十月からは、事業協同組合等も利用対象とするなど、より多くの方々に使っていただく仕組みとしてまいります。

○伊藤(興)委員 中小企業にとってより使いやすい工夫をしているということはよくわかりました。特に、今ご答弁にありました事業協同組合等を対象とすることは、これまで利用したくても利用できなかった、経営力が弱い小規模な企業にとって活用の道を開くものであり、潜在的なニーズを掘り起こす意味においても高く評価できるものと思います。
 しかし、幾ら仕組みを見直したとしても、利用者である中小企業に制度そのものや利点を知ってもらわなければ利用につながらないと思います。そのためには、制度の改善だけでなく、この事業のPRなど、営業活動にもしっかりと力を入れていくべきだと思います。
 とりわけ、本リース事業のうち、省エネ設備等については都が保証料を全額補助することになっており、中小企業にとって設備投資に向けた非常に大きなインセンティブになると考えております。
 これも予特で、私、いわせていただきましたけれども、例えばクリーニング店、あるいは、つい先日も聞いてまいりましたおふろ屋さんのかまとか、かなり熱量が出るようなこういう業種もあるわけですけれども、最近の機器には、こうした熱や、あるいは煙を店舗の外に出さないで済む、こうしたすぐれものの商品開発が進んでいると聞いております。
 そこで、本リース事業を活用して、このような設備の導入を進めれば、単に中小企業のコスト軽減になるだけでなくて、地球温暖化防止にも大きく貢献できるわけでありますので、こうした業界団体にももっと積極的に営業活動を行うべきと考えますけれども、所見を伺いたいと思います。

○山手商工部長 事業のPRにつきましては、これまで、東京都及び事業実施主体でございます東京都中小企業振興公社のホームページに掲載するとともに、商工会議所等の都内中小企業支援機関や区市町村に事業パンフレットを配布してまいりました。
 また、公社が経営支援等を行っている企業に対して、個別訪問によるPRも実施してまいったところでございます。
 今後は、お話のありました事例も踏まえまして、より視野を広げた営業活動を行っていくとともに、設備の借り手である企業だけでなく、設備の供給元である機械メーカーや販売業者に対する営業活動を強化してまいります。
 さらに、経営力向上TOKYOプロジェクトにおきまして、商工会、商工会議所等の経営指導員等が企業を訪問し、経営状況の診断を行う中で、設備投資が必要となる場合には本リース事業の活用を勧めるなど、都及び公社だけでなく、都内中小企業支援機関との緊密な連携のもと、一体となった営業活動を実施しまして、実績向上に努めてまいります。

○伊藤(興)委員 中小企業の設備投資への支援とともに、事業実績向上に向けた取り組みについて、都の努力につきましてはよくわかりました。
 いずれにしても、本事業の利用拡大に向け、営業活動に力を入れるとともに、制度の運用をより一層工夫していただくことを要望して、次の質問に移りたいと思います。
 次に、中小企業支援の観点から、新銀行東京について伺いたいと思います。
 新銀行東京は、昨年再建計画を策定し、四百億円の追加出資を受けて、そして総力を挙げて再建に取り組んでいるわけでありますけれども、まず、改めて新銀行東京の最近の実績について伺いたいと思います。

○中村金融監理室長 昨年の四百億円の追加出資を受け、新銀行東京は再建に向けて着実に取り組んでまいりました。再建計画初年度である二十年度決算では、純損失額は再建計画の百二十六億円に対し百五億円と改善し、純資産額も計画の四百二十四億円を上回る四百六十二億円を確保いたしました。
 また、平成二十一年度第一・四半期決算では、純利益は七億円の黒字となり、四半期で開業以来初めての黒字を計上し、純資産額は四百七十九億円となり、四百億円は確保されております。
 これは、取引先に対してきめ細かな対応を図り、回収に努めたことに加え、リストラによる営業経費の削減が進んでいることなど、新銀行東京が再建に向け懸命の経営努力をした結果であると考えております。

○伊藤(興)委員 新銀行東京は懸命に経営改善に取り組んで、着実に再建が進んでいるということがよくわかりました。また、今答弁にありましたように、純資産額は四百七十九億円、四百億円は確保されているということで、改めて聞かせていただければ、また都民の方々も安心するんではないか、このように思います。
 しかし、そうはいっても、新銀行東京はいまだ再建の途上であり、競争が厳しい金融業界において、堅実に経営を行い、中小零細企業を支援し続けるのは非常に大変なことだと思います。
 そこで、新銀行東京が中小零細企業を支援するために何か特徴的な取り組みを行っているのか。そして、どのように中小零細企業支援に貢献をしているのか、伺いたいと思います。

○中村金融監理室長 新銀行東京の特徴的な取り組みとしては、まずは、他の金融機関では支援が難しい赤字や債務超過先を含む多くの中小零細企業に対して支援を続けていることが挙げられます。
 また、中小建設業者に新たな資金調達の道を提供する公共工事代金債権信託に取り組んでおります。これは、信託兼営銀行という特徴を生かし、信託の仕組みを用いた新銀行東京独自の商品であります。
 具体的には、公共工事受注者は、工事請負代金の債権を新銀行東京に譲渡することで、工事の完成前であっても出来高に応じて運転資金を調達することができるものであり、中小建設業者の円滑な資金繰りを支援しております。
 さらに、事業者の売掛債権を担保にした商品である売掛金債権担保融資に「うりサイくん」という商品名をつけて積極的に営業を行い、利用拡大に努めており、不動産担保のない中小零細企業に対しても、円滑な資金提供に努めているところでございます。

○伊藤(興)委員 今、答弁にありましたとおり、新銀行東京ならではの特徴的な取り組みもしっかりと行っていただいているということでございます。今後とも、銀行の経営再建に向けて努力をしてほしいというふうに思います。
 また、その一方で、この再建に向けて懸命に努力している新銀行東京の現実を直視しようともせずに、いまだに新銀行東京から早期撤退すべきとの主張が一部であるようでございます。仮に新銀行東京を撤退した場合に、取引先などにどのような影響を与えることになるのか、改めてしっかりと伺いたいと思います。

○中村金融監理室長 新銀行東京には、本年六月末時点で約三千億円の預金と約一千億円の貸出金等、そして約一万社の取引先があり、その従業員や家族を含めると十万人を超える関係者が現に存在しております。
 新銀行東京は再建途中であり、ここで新銀行東京から撤退するとなると、営業を継続することは不可能となります。その結果、他の金融機関から支援を受けることができない中小零細企業など多くの関係者に多大な迷惑をかけることとなり、その影響の大きさははかり知れません。
 また、今撤退すると、追加出資した四百億円については、当然のことながら保全されなくなってしまいます。

○伊藤(興)委員 今、改めて答弁を聞いて、都は新銀行東京から撤退することはできないし、また、今この経済状況が大変な中で、十万人を超える方々をほうり投げるようなことはやってはならないと改めて思った次第でございます。
 ところで、新銀行東京に関して、中小零細企業の役に立っていないという主張もあるようでございます。
 平成十九年に日本アカデミー賞の最優秀作品賞などを受賞した映画「フラガール」は、新銀行東京から融資を受けることによって制作できたことは、以前、我が公明党の質問でも紹介したところでございます。
 このほかにも、創業後間もないある音楽事務所が、他の金融機関から融資を断られて資金調達に苦労していた時期に新銀行東京から融資があったからこそ事業を継続できたという事例や、また、あるリース会社では、社長の病気によって返済が困難になったときに、他の銀行は債権を売却してしまったけれども、新銀行だけは条件変更に応じて支援を継続したという事例など、新銀行東京ならではの事例も数々あります。いずれも、こうした働きで現在も事業が継続されていると聞いております。
 こうした事例は、まさに新銀行東京の存在意義を示す一例と考えますけれども、改めて見解を伺いたいと思います。

○中村金融監理室長 新銀行東京は、高い事業意欲を持ちながらも資金繰りに窮している中小零細企業を支援するために設立された銀行であり、これまで約一万八千社の中小零細企業に対して支援を行ってまいりました。
 また、新銀行東京は、現在においても、他の金融機関では支援が難しい赤字や債務超過先を含む多くの中小零細企業を支援しており、その設立理念に変わりはございません。
 取引先の企業の中には、お話の「フラガール」の会社など、新銀行東京の融資によって助けられたという企業も多く存在いたします。
 都としては、新銀行東京が中小企業支援という本来の役割を再び果たしていけるよう、その再建に向けて、引き続き監視と支援に努めてまいります。

○伊藤(興)委員 都議会公明党は、新銀行東京を一刻も早く再建をして、その企業価値を高めた上で、早い段階で事業譲渡や業務提携を行い、追加出資の四百億円を回収、または保全すべきと考えております。このことを改めて主張させていただきまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、雇用対策について質問します。
 昨年秋からの世界同時不況を受け、本年八月の完全失業率は五・五%と、依然として高い水準を記録し、都内の有効求人倍率も〇・五五倍にまで低下するなど、雇用情勢は一段と厳しさを増しております。
 こうした中、東京しごとセンターや都内のハローワークには職を求める人が多く訪れておりますけれども、健常者はもとより、障害者の雇用情勢についても大変に心配をしているところでございます。
 そこで、まず、都内の障害者の雇用状況について、現状どうなっているのか、伺いたいと思います。

○小田雇用就業部長 都内の障害者の雇用状況を見ますと、昨年六月時点の都内の民間企業の実雇用率は一・五一%と〇・〇五ポイント上昇し、平成十五年以来、六年連続の上昇となっておりますが、全国平均の一・五九%には及ばず、特に中小企業における実雇用率は〇・八六%と低迷しております。
 また、障害者の新規求職者でございますが、本年四月から八月までで六千百四十八人となり、前年同期に比べて一六・九%増となるなど、厳しさを増しているところでございます。

○伊藤(興)委員 ただいま答弁にあったとおり、厳しい雇用情勢の中にあって、障害者雇用の情勢も非常に厳しいことがわかりました。
 そこで、都の障害者雇用就業対策はどうなっているのか、主な取り組み内容について伺いたいと思います。

○小田雇用就業部長 障害者を取り巻く雇用環境が悪化する中、都は、障害者の方々の雇用維持や職場定着を図るため、昨年度から、障害者を雇用した中小企業に対して、国の助成金--特定求職者雇用開発助成金でございますが、この支給終了後二年間、賃金の一部を助成するとともに、職場に出向いて障害者と企業双方への支援を行う東京ジョブコーチを、昨年度の二十名から四十名に倍増して、支援の強化に努めております。
 また、離職された障害者の方々を早期に再就職させるためには能力開発が重要でありますから、東京障害者職業能力開発校におきまして多様な職業訓練を実施いたしますとともに、民間の教育訓練機関や企業等の現場を活用した障害者委託訓練を機動的に実施しております。
 さらに、障害者雇用の理解を促進するため、障害者雇用促進ハンドブックの作成、配布や、関係機関と連携した企業向けのシンポジウムなどを開催しております。
 これらの取り組みを通じて、今後とも、障害者雇用の一層の促進に努めてまいります。

○伊藤(興)委員 厳しい雇用環境の中、障害者雇用についてはさまざまに施策を講じているということはわかりました。
 そこで、都が取り組んでいる障害者雇用就業対策のうち、障害者委託訓練について質問させていただきたいと思います。
 まず、事業概要の中にある障害者委託訓練の仕組みと実績について伺いたいと思います。

○小田雇用就業部長 障害者委託訓練は、訓練の内容や実施地域など、障害者の方々の受講ニーズに柔軟に対応するため、民間の教育訓練機関、社会福祉法人、NPO、企業、特例子会社など、多種多様なノウハウを有する機関に委託して実施しております。
 訓練コースとしましては、就職に資する知識、技能を習得する知識・技能習得訓練コース、企業等の現場を活用して実践的な職業能力を習得する実践能力習得訓練コース、IT技能等を自宅のパソコンで習得するe-ラーニングコースの三つがございます。
 この障害者委託訓練は、平成十六年度から開始しておりまして、訓練定員数も、開始時の五百人から、平成二十年度は七百五十人、二十一年度は八百人と、順次拡大して実施しております。
 平成二十年度における実績は、三コース合計で、修了者数は五百五十八人、うち就職者数は二百六十二人となっております。

○伊藤(興)委員 都は、「十年後の東京」において、障害者雇用三万人を実現するとしております。その中での障害者委託訓練の一層の活用を図り、障害者の方々の就職促進を目指していただきたいと思います。
 ここまでの質疑は、障害者の方に、職業訓練を通じて知識、技能、ノウハウを身につけていただいて、就職し、会社などに雇用されることで職業的自立を支援するというものでございました。
 一方、私、つい先日会った知人の方でありますけれども、これまで、その方自身が会社を立ち上げて、CADを使って工作機械の設計をするなど、社会の第一線で活躍しておられた方がおります。しかし、この方は数年前に脳梗塞を患われて、体や言語に機能障害が残りまして、現在は、会社は休業をしております。
 しかし、考えははっきりしておりますし、この方は、これまで自分が積み上げてきた、また培ってきたCAD等のノウハウを、同じ障害等を持つ方などに伝えていきたいと、そういう強い意欲を持っておられます。
 この方に限らず、立派に職業人生を歩まれてこられた方が、突如病魔に襲われて、中途障害者となる方がたくさんいると思います。
 これまで都の施策の中で、障害者雇用、障害者支援、さまざまありますけれども、こうしたものの主になるものが、障害者の方が訓練を受けて雇用につなげていくとか、自立につなげていくというものが多々あるわけですけれども、今申し上げたような、突如の病気に襲われて機能障害を負った方がいらっしゃいます。社会の第一線で働いていた方がいろんな技能を持っている。その技能をそのまま眠らせてしまっていいのかというふうに、私はそんな観点も必要でないかというふうに思っています。
 そこで、こうした元自営者の方のように、障害を負った場合に、これまで培ってきた職業上の知恵、あるいはノウハウ、技能、こうしたものをほかの方に伝えていきたいといった意思がある場合、私は、都が行っているこの障害者委託訓練等において、訓練生を指導する立場として、何らかの形で活躍できるのではないかというふうに考えますけれども、都の考えを伺いたいと思います。

○小田雇用就業部長 障害者委託訓練では、既に障害者の方が訓練指導に当たっているケースもございます。
 このように、障害者の方であっても、一定レベルの技術や技能を有し、適切な指導を行うことが可能と認められる場合には、指導担当者として、これまで培ってこられたノウハウ等を訓練生の方々に伝えていくことができるものと考えております。

○伊藤(興)委員 また今後とも、今答弁に、適切な指導を行うことが可能と認められる場合はというふうにありましたけれども、今申し上げたように、中途障害を負われた方、さまざまな障害、また、機能的な問題もあると思います。NPO等、さまざまなサポートを受けながら、そうした活躍ができる場をまた十分に提供できるように頑張っていただきたいというふうに思います。
 いずれにしても、中途障害者の方々がこれまで培ってきた貴重なノウハウを十分に活用して、後進の方たちに技能を授けていくことは、社会、また産業の財産としても大変に重要なことと考えます。
 引き続き、障害者雇用の拡充とともに、障害者の方々の活躍の場を広げていただくよう要望して、質問を終わりたいと思います。

○伊藤(ゆ)委員 私からは、技能検定試験について質問をさせていただきたいと思います。
 技能検定試験は、昭和三十四年に実施されて以来、合格者はもう三百九万人を超えて、何度かの検定職種の見直しが行われた後、現在は百二十五職種で試験が行われています。
 技能検定試験は、試験を通じて、受検者に技術習得機会をふやすことのみならず、検定合格により技術者の地位向上に貢献するねらいがあることはいうまでもないと思います。
 しかしながら、技能検定試験をめぐっては、受検者から私もさまざまな声を寄せられていますので、ここで質疑をさせていただきたいと思っています。
 品川区のある工場に私ども視察をさせていただいたときのことですけれども、二十歳の旋盤職人の若者が、仕事自体は、技術がどんどん身についていくので、とても楽しいと。しかしながら、他業種に比べて、どうしても暗いだとか汚いだとか、あるいは賃金が安いなどの印象が強くて、例えば、おつき合いしたい女性に旋盤職人だといっても、なかなか正しく理解をしてもらえないというふうに嘆いていらっしゃったわけであります。
 本来は誇りを持っている自分の職業ですけれども、最近でいえば、ITプログラマーだとか経営コンサルティングだと名乗る他業種の若者に比べて、旋盤職人の若者の人たちが自分の技術、職種をうまく伝えられないということは、ものづくり国家の日本として大変残念なことではないかなというふうに思います。
 そこで、高度な技術を持つ職人の皆さんが技能検定試験を受けて合格し、客観的な評価を受けて、社会的な地位向上を果たすということは、大変意義があることだというふうに思います。
 まず、そこで、技能検定試験においては、一級、二級、三級の上に特級というものがあるわけですけれども、特級を得るのはどれぐらい難易度が高いのかということをお伺いしたいと思います。特に、一つの例として、金属プレス加工の特級を取得するということになると、どれほどの技術が必要となっているのか、あるいは、現在資格を取得しているのは何人くらいいるのか、お答えいただければと思います。

○小田雇用就業部長 技能検定は、職業能力開発促進法に基づきまして、受検者が持っている技能や知識を一定の基準によって検定し、公証する国家検定制度でございます。検定職種ごとに、今、理事からお話がありましたように、特級、一級、二級、三級及び単一等級に区分され、それぞれ学科試験と実技試験により実施されます。
 技能検定特級は、検定百二十五職種のうち、金属プレス加工など二十六職種に限定して実施されるものでございまして、特級を受検するには、一級検定合格後、五年以上の実務経験が必要とされ、職場において作業の進行管理や後進の指導を行う管理監督者としての資格となっております。
 特級検定二十六職種の平成二十年度の平均合格率は二二・八%であり、一級、五〇・三%、二級、五四・五%と比べ、難易度はかなり高いといえます。
 特級検定の平成二十年度の合格者は三十六名でございまして、昭和六十三年に特級検定を開始して以来、合格者の合計は九百七十三名でございます。

○伊藤(ゆ)委員 合格率も二二・八%と、ほかの一級、二級に比べると大変低いということ、それから、一級を持っていた上で、なお五年以上の実務経験がなければ受検さえできないということですから、特級の難易度が高いことが非常によくわかるんですけれども、しかしながら、難易度の高さにもかかわらず、その価値が一般になかなか知られていないというふうにいえるんではないかと思っています。
 そこで、技能検定試験の一般的認知度の不足について、どのようにお考えになられているか、伺いたいと思います。

○小田雇用就業部長 技能検定につきまして、最近五年間で見ますと、在職者を中心に、年間受検者は都内で一万人を超えており、ものづくりの職種を中心とした資格として、生産現場においては、その重要性が十分認識されているものと考えております。
 また、パンや菓子、婦人子ども服やフラワー装飾など、直接消費者が購入する最終製品の製造にかかわる技能においては、技能検定制度に対する一般の方々の認知度を高めていくことも必要と考えております。

○伊藤(ゆ)委員 今、直接消費者に届くような製品にかかわる技能ではということの例として、パンや菓子や、あるいは婦人服などという話がありましたけれども、先ほど私が指摘をさせていただいたとおり、旋盤職人の方というのは、直接消費者に届く製品ではないかもしれませんが、しかし、彼らもまた自分の職業を正確に人に伝えていきたいと、こういう思いが強いということですから、直接消費者に届く製品にかかわる方のみならずの話だというふうに思っておりますので、そのようにご理解いただけたらと思います。
 そこで、先ほどの品川区の工場で働く若者に戻りますけれども、彼がこんなことをいっておりました。技能検定という呼び方そのものにも、今の時代からして、若い世代からは抵抗があるんではないかと。
 例えば、お菓子職人のことを最近パティシエというふうに呼びますけれども、この技能検定でいうなれば、洋菓子製造技能検定一級取得者と、こういう呼び方になるわけであります。しかし、そういう呼び方をする方はほとんどいらっしゃらないで、パティシエ、パティシエということを最近盛んにいうわけであります。
 この技能検定という名称についても、今後検討をするべき時期に来ているんではないかと思うんですが、名称についての問題提起を、受検者などから都は受けたことがありますでしょうか。

○小田雇用就業部長 技能検定の受検者からは、試験の実施回数を、年二回でなく、もっとふやしてほしいといった要望や、学科試験よりも実技の問題をふやしてほしいという要望は聞いておりますが、技能検定の名称についての要望は、現在までのところ、受けておりません。

○伊藤(ゆ)委員 これはですね、私の手元にあるのは、平成十八年の九月五日、厚生労働省発表の技能検定職種等のあり方に関する検討会報告書ということなんですけれども、この報告書の中の一部に、平成十八年九月十三日の労働政策審議会職業能力開発分科会での議事録がついております。それを読みますと、審議委員の分科会長から、技能士の名前を変えるという話はなかったのかと。なくてもいいけど、ニックネームを別途つくるとか、そんな話はなかったんですかと、こういう指摘がありました。また、別の委員からも、余りうまい名前ではないですね、ちょっと暗いですね、こういう指摘も出ているわけでございます。
 これは国の審議会の議事録でありますけれども、ネーミングを変えようという議論が国から東京都へおりたことはなかったんでしょうか。

○小田雇用就業部長 技能士とは、職業能力開発促進法に基づき、技能検定試験の合格者に与えられる名称でございます。
 技能士の名称につきましては、平成十八年度労働政策審議会職業能力開発分科会において意見を交わされたことは承知しておりますが、国からの話はございません。

○伊藤(ゆ)委員 国の審議会の中ではこういう議論があったにもかかわらず、この技能検定試験を実施している東京都には、そういう話がおりてきてないというのは大変残念なことだというふうに思いますが、ドイツにはマイスター制度というのがあって、ドイツのマイスター制度の場合では、修業期間中はいかなる理由があろうとも出身地の半径五十キロ以内には立ち入れないと、こういう厳しい規定まであって、高い技術習得が条件になっているためにマイスターの社会的地位は極めて高いと、こういうお話を伺いました。
 都としても、この技能検定試験のブランド力の向上を図ってはいかがかというふうに思うんですけれども、認識はいかがでしょうか。

○小田雇用就業部長 技能検定は、昭和三十四年の開始から、ことしで五十年目を迎えます。技能検定の合格者数は、平成二十年度までで、全国では延べ三百万人を超え、東京都においても延べ二十二万人に及んでおり、産業界では既に定着した制度となっております。
 都では、技能検定の社会的認知度を高め、また、働く人の技能と地位の向上を図るため、企業や公共施設にポスターを配布するなど積極的なPRを行っているほか、工業高校等の生徒に対し、技能検定三級取得を促すなど、キャリア教育の一環として活用する取り組みも行っているところです。

○伊藤(ゆ)委員 もう一つ、受検者から貴重な指摘を受けたところです。それは、資格試験の内容自体が古い技術に基づくもので、日進月歩の技術革新に追いついていないんではないかと、こういうことです。技術向上をねらった技能試験であるにもかかわらず、試験内容が古いために、前時代的なスキルの学習を余儀なくされてしまい、試験本来の意義を一部損なっている、こういう指摘をいただきました。
 試験内容の更新を職種に応じて迅速に行う必要があると思いますけれども、都の見解をお聞かせください。

○小田雇用就業部長 技能検定は、国家検定として、全国一律の統一基準で実施されるものでございます。このため、試験内容は国が定めることとなっており、毎年更新されているところです。

○伊藤(ゆ)委員 毎年更新されているということにはなっているんですけれども、やはり、先ほどご紹介をした報告書の中にも、企業関係者からのヒアリングの結果として、大企業ではフライス盤や産業用旋盤などの技術継承を重視するけれども、中小企業では、その時点で新しい機械を入れなければ生き残れない。最先端工作機械など、ビジネス、現場の実態に合ったものに関する技能検定試験の内容に改めてほしいと、こういうことを考えてほしいと、こういう中小企業の方からの要望も実は上がっております。
 そういう意味で、試験の内容やネーミングなど、技能検定試験をめぐってはさまざまな意見がありますので、今後は事業者などから意見を聞く場を設けて、これを迅速に国に伝達をする仕組みが必要なんではないかと。特に現場を持つ東京都としては、こういう場をつくるべきではないだろうかと、こう思うわけですけれども、いかがでしょうか。

○小田雇用就業部長 技能検定制度につきましては、事業者等の意見を踏まえ、また社会的ニーズを的確にとらえて運用することが重要でございます。このため、都は、実技試験の実施方法を調整する会議等によりまして、事業者から意見を聴取し、試験問題に関する調査などを通じて国に報告をしております。
 また、実技試験の判定を行う検定委員や、検定職種に関連する業界団体等を構成委員とした会議を新たに設置することとしておりまして、今後とも広く意見をくみ上げ、国に伝えてまいります。

○伊藤(ゆ)委員 今、答弁にあったように、会議を新たに設置していただいて、広く意見をくみ上げていただくということは大変有意義なことだというふうに思いますので、ぜひ幅広く議論を集約していただいて、国に伝えていただきたいというふうに思います。
 それともう一つ、今は事業者を集めての議論ということでしたけれども、受検をされている方々にも、ぜひ試験ごとにアンケート調査などを行って、試験合格者が受検の労に見合う検定制度の見直しを行っていただきたいというふうに思いますので、ぜひアンケートの実施もご検討をいただきたいと思いますが、所見を伺いたいと思います。

○小田雇用就業部長 都では、技能検定の見直しに向けた検討資料とするため、平成二十年度、国に協力して、防水施工職種の受検者を対象にアンケート調査を実施したところでございます。この調査結果から、現場で使用している機械で試験をしてほしいといった意見や、技能士のメリットとして、技能をアピールできる、昇進や昇格に有利などの意見も挙げられているところでございます。
 引き続き、対象業種を拡大して受検者等に対するアンケート調査を実施していく予定でございます。

○伊藤(ゆ)委員 ぜひ、そうしていただければと思います。昇進や昇格に有利というご意見もあったということですけれども、先ほどの報告書の中にも、なかなか、資格を取得しても会社の中で手当に結びつかないというような意見があったり、あるいは、厚生労働省の能力評価課長は、こうした技能試験が手当に反映されているかどうかということを聞かれたときの回答として、実を申しますと技能士の処遇に関する実態というのはほとんど把握できていないというのが実態ですと、こういう答弁をされています。
 ですから、都として、こうした実態の把握というものにぜひ努めていただきたいということを申し上げて、次の質問に入りたいと思います。
 次は、新銀行東京の、特に五千万円以上の架空融資が元行員の手によって行われたという、いわゆる青木事件のことでございます。
 この事件は、元行員である青木、今は受刑者でありますけれども、受刑者が、暴力団関係者と結託をして二件にわたる不正融資を行い、そして、そこから個人的にお金を受け取っていたと、こういう事件でございました。
 この事件を受けて、当然、金融監理室としては再発防止を担うというのが役目であろうというふうに思いますけれども、事件の再発防止策として新銀行東京がどのような取り組みを行っているのか、まず伺いたいと思います。

○中村金融監理室長 この事件は、旧経営陣の時代に起こったもので、金融機関としてあってはならないことであり、まことに遺憾であります。
 この元行員は既に司直により裁かれており、ことしの六月に懲役三年六カ月の判決がいい渡されております。
 新銀行東京は、事件の発覚後、法務・コンプライアンス部門を独立させて法令遵守体制を強化し、また、融資の審査に当たっては、財務内容の評価のほか、経営者との面談や現地調査など、定性的な評価の徹底を図ったところでございます。さらに、不祥事件の重大性を周知徹底するなど、全役職員を対象とした不祥事件再発防止研修の実施や、新規融資実行に際して、融資判断チェックリストの活用や、上司の同行を義務づけるなどの対策を講じております。
 このように新銀行東京は、問題事案の再発防止策としてさまざまな取り組みを行っているところでございます。

○伊藤(ゆ)委員 この事件なんですけれども、私も新聞報道で知って大変驚きましたが、果たしてこんな形で簡単に行員が銀行の中において五千万円ものお金を不正に融資することができるんだろうかということを直観的に思ったわけでありまして、一般的な手口であるのか、あるいは新銀行特有の事件であったのかということに大変私も興味を持っております。
 そこで、事件の真相を知ることは、類似の手口による不正融資を防止する上で大変重要であるというふうに思うんですけれども、東京都は、これまでにこの事件の詳細というものを把握してきたのでしょうか、伺いたいと思います。

○中村金融監理室長 都は、新銀行東京から告訴について報告を受けた後、直ちに事件の経緯等について新銀行東京に照会し、その報告を受けてございます。また、都は、その後も新銀行東京から報告を受けており、事件の内容については適切に把握しております。

○伊藤(ゆ)委員 報告といっても、いろんな報告があろうかと思います。これから告訴しますという報告もあれば、極めて詳細な事件についての報告もあれば、手口にも及んだ話を報告されたと、さまざまな報告があると思いますけれども、一体どの程度の報告というものを監理室としては受けていらっしゃるんでしょうか。

○中村金融監理室長 先ほどもご答弁いたしましたけれども、都は新銀行東京から告訴について報告を受けた後、直ちに事件の経緯等について新銀行東京に照会し、その報告を受けているということでございます。新銀行東京からは株主連絡会等で報告を受けてございまして、事件の内容、経過について適宜適切に把握しているというふうに考えております。

○伊藤(ゆ)委員 それでは、具体的に伺いたいんですけれども、新銀行東京の、もちろん出資は今でも都民の税金であって、デフォルトによる資本金の毀損もさることながら、元行員と暴力団関係者の手によって貴重な税金の一部が不正に引き出されたということは、あるまじきことだと私も思います。
 そこで、都は、事件の反省を踏まえて、今、事件の経緯も適宜適切に聞いたということでありますので、再発防止策の検証を行う必要があったんだと思いますけれども、こうした再発防止策の検証については、どのような取り組みをなされたんでしょうか。

○中村金融監理室長 繰り返しになりますが、この事件は旧経営陣の時代に起こったものであり、金融機関としてはあってはならないことであり、まことに遺憾であります。
 先ほどもご答弁したとおり、新銀行東京から告訴につきまして報告を受けた後、直ちに事件の経緯等について新銀行東京に照会し、再発防止策についても報告を受けております。
 新銀行東京は、新規融資を中心とする業務プロセスにおいて、不正の抑制と発見に関する機能が十分に働かなかったことを踏まえ、適切な内部統制を構築するなどの改善策を講じております。
 具体的には、新規融資先につきましては、上司が同行し、経営者との面談を含む取引先の実態を適切に把握することを義務づけるなど、再発防止に向けた取り組みを行っております。
 このような新銀行東京の取り組みにつきましては、都は毎月報告を受けております。また、これは監督官庁である金融庁に対しても定期的に報告されているものでございまして、都は新銀行東京が十分な対応をとっていると認識しております。
 都は、今後とも新銀行東京の取り組みを適切に監視してまいります。

○伊藤(ゆ)委員 青木事件の一つの特徴は、銀行業務に精通をした青木受刑者が、どのようにすれば粉飾決算によって東京都から多額の融資を引き出せるかということをよく理解した上で行員として犯行に及んだというのが、一つのもちろん特徴であります。
 ですから、そのことについて、今、新規融資先については上司が同行し、経営者との面談を含む、取引先の実態を適切に把握することを義務づけるというふうになったということを答弁されたわけでありますけれども、そうすると、上司が同行して現地に調査に行って、本当にその会社があるかどうかを調査するようになったのは、この青木事件の後にこうした取り組みがなされたという理解なんでしょうか。

○中村金融監理室長 要するに、同行するというのを確実に義務づけたというのは青木事件の後になるかと思いますけれども、それ以前に、不正融資の疑いがあるような案件につきましては、事前に内部調査、新しい経営陣になって内部調査を行いまして、そういうようなものがあるんじゃないかというのが出てまいりまして、それは外部調査でも明らかになりましたように、そういうようなものについては存在して--それはあってはならないことですけれども、それについては適切な防止策を今講じているところでございまして、その時点で、事前の同行というのか、融資の前の事前の同行ということではなくて、例えば実行の前の同行もございましょうし、その前に個別の取引先の状況については適切に把握するというような改善は、新たな経営陣のもとではなされております。

○伊藤(ゆ)委員 私がちょっときょう、この質疑をさせていただいたのは、今回の青木事件というものは、スコアリングの審査を用いていた当時の新銀行東京の審査ならではの事件であったというふうに私は一つは理解をしておりますとともに、当時は、少なくても、行員が、自分自身が現地に赴いて、そして写真を撮ってきて、こういう会社がありましたという添付資料をつければ融資がおりていたと、こういうことでございます。
 ですから、こうした裁判記録であったり、あるいは裁判における冒頭陳述、あるいは判決などを、東京都として、これを手に入れて、そして分析をする必要があるんではないかと思ったんですけれども、こういう裁判記録や、あるいは冒頭陳述なるものは金融監理室長として掌握をされてきたんでしょうか。

○中村金融監理室長 傍聴等、それと裁判の記録につきましては入手はしてございませんけれども、新銀行東京からは直接報告を受けてございます。

○伊藤(ゆ)委員 金融監理室は、いうまでもなく、銀行の動向を見守り、見守るだけではなくて監督するのがその責務でありまして、ある意味では、銀行ができて一年、二年の間に、こういう事件が、五千万円も不正に引き出されるという事件ができたわけですから、金融監理室としては当然、裁判に対しても大きな関心を持って、そして裁判に赴く、あるいは、そこで記録をとって、どんな手口がなされたのかということを把握する責任があるんではないかなというふうに思います。
 現に、先ほど、上司が同行し、経営者との面談を含む取引先の実態を適切に把握するようになったというふうにありましたけれども、青木被告の供述によれば、平成十八年の十一月ごろですけれども、三千万円以上の融資案件の場合、上席者、青木にとっての上司が現地調査を、もう既にこのころ行うようになっていたけれども、被告人--当時被告人ですが、青木は、改めて現地調査が行われると事件が発覚するので、我々を信用できないのかと上司に対してすごんで、そして再度の現地調査を断念させたと、こういうことが裁判の中で明らかになっています。
 ですから、そういう一つ一つの手口を把握していけば、今、新銀行東京の中で取り組まれている再発防止策というのが実効性の高いものなのかどうか、改めて検証することができようというふうに思います。ぜひ、こうした情報収集に都として努めていただいて、今後、再発防止策に不備がないかどうかの検討をしていただきたいと思いますけれども、ご所見を伺いたいと思います。

○真田次長 先ほど来、室長がお答えしていますけれども、改めて、公共性の高い銀行において今回のような事件が起こったことについては、これはまことに遺憾でございます。
 しかし、そういった遺憾な事件の再発防止に向けてどういう対応をするかということにつきましては、独立した形態である新銀行東京や監督官庁である金融庁、それから株主である東京都と、それぞれの立場で果たすべき役割は、当然のことながら異なるものと考えております。
 具体的に申し上げますと、まずは何よりも経営体である新銀行東京が、だれかれに指図することなく、みずからの手で金融機関として必要な対策を適切に講じるものであるということはいうまでもないというふうに考えておりますし、新銀行東京におきましても、今回の事件を受けて、具体的にその原因を分析し、具体的な対策を講じているところでございます。
 それから次に、銀行というのは国の免許事業でございまして、その監督は金融庁が行っておりまして、金融庁は、新銀行東京の改善策が十分であるか、自浄機能が適切に機能しているかなどを把握する、金融庁としても監督する機能を行使していかなきゃならないというふうに考えております。
 私ども東京都でございますけれども、これは、いうまでもなく、私どもは株主という立場でございますので、そういう中で東京都に求められておりますのは、事件の細かい内容を一々把握して、それに対して個々具体的にどうだこうだということを考えるのではなくて、それは一義的には、まず新銀行が考える役割だと考えますので、そういった新銀行が考えた防止策について、ちゃんとそれが適切に進んでいるかどうか、あるいは金融庁との関係においてもそれがちゃんとなされているかどうか、その辺の大きなところを把握していくことがまさに我々の役割であって、一々細かい事実を確認し、東京都としても、ああせい、こうせいというのを一々細かく考える立場にはないというふうに考えております。
 したがって、裁判の傍聴に行ってやるべきだとか、それから裁判の関係の資料を入手してだとかいう先生のお話ございましたが、そういったことと、東京都における再発防止に向けての対応をどうするかということは、これは次元の異なる問題であるというふうに考えております。

○伊藤(ゆ)委員 じゃ、一言申し上げておきたいと思いますけれども、今、新銀行東京が適切に対応していくかどうかを見きわめていくのが仕事なんだというお話が答弁としてありましたけれども、それを見きわめるために、本当に今、新銀行が再発防止策ができているのかどうかを知るために、典型的な今回の青木事件については、詳細を都として独自に入手をするべきではないかということを申し上げたんであります。
 事件を起こした当事者は銀行でありますから、自分にとって都合の悪い情報は、株主である東京都、あるいは金融監理室に対して申し上げづらいと、余りいいたくないと、こういう側面がないとは限らないので、東京都独自として情報を収集したらどうでしょうかと、こういうことを申し上げたわけでありますので、ぜひ、そこは新銀行東京任せにしないで、都として情報を把握することに努めていただければということを申し上げて、質疑を終わらせていただきます。

○笹本委員 今回は、身近な事例より抽出した内容でございます。既に質疑をした内容と重複はございますが、最後ですので、ご辛抱いただきたいと思います。
 初めに、中小企業の資金調達と事業の継続、承継についてお伺いをします。
 最近の景気動向は、いっときの最悪の状態を脱したとの意見もありますが、東京の地域に密着した中小零細企業にとっては、極めて厳しい経営環境が依然続いております。少ない仕事をこなして何とか食いつないでいるわけですが、ついに資金繰りにも行き詰まって、倒産や廃業に追い込まれている中小企業も相当な数に上っているというふうに実感をしております。
 私は江戸川区というところが地元なんですが、約二万三千社の中小零細企業が存在しているというわけです。そのような話が頻繁に耳に入ってくるだけでなく、先の見えない将来への不安を訴える中小企業の経営者は少なくないという状況にあるわけです。
 親しい中小企業の経営者なんですが、金型の商売をしているんですが、車のスイッチなどのプラスチック製品をつくっております。売り上げが低迷して、とにかく仕事がないというのはもう、車が売れないわけですから当然なんですが、資金繰りに行き詰まってくるわけですね。二代続いているわけですが、これでは息子に後を継がせることもできないという状況で、大変困っているわけです。
 こうした、いわゆる地場の弱小零細企業が、世代交代、息子に続いていくことができずに廃業に追い込まれていっていると。東京の産業はそのうちなくなってしまうんではないかなという、こんな思いです。
 デフレスパイラルともいえる悪循環に歯どめをかけていかなくてはならないと。企業経営には、いろいろ、さまざまな専門家のアドバイスもあるんでしょうけれども、とにかく何といっても資金繰りで、きょうもその種の話がしきりに出ておりますが、とにかく資金繰りだと。資金繰りで倒産をしてしまうことがないように、何とかしなくてはならないと、こういうわけでございます。
 公的な融資制度がしっかりとその使命を果たさなくてはならないというふうに感じるわけですが、額に汗して長年頑張ってきた中小零細企業が事業を継続していけるよう、中小企業の生命線である資金繰りを確保することが絶対条件であることは、きょう繰り返し出ておりますが、いうまでもありません。
 そこで、中小企業の事業の立て直しでありますとか、次の世代への事業の承継に関して、東京都はこれまでどのような金融支援を行ってきたのか、まずご説明いただきたいと思います。

○保坂金融部長 東京都は平成二十年十月末から、国の緊急保証制度に対応し、制度融資の最優遇金利を適用した経営緊急を創設するとともに、小規模企業者に対しては、都独自の信用保証料の二分の一を補助してまいりました。
 制度開始から本年八月末までの利用実績は、六万一千八百七十八件、一兆三千八百三十二億円に上っており、売り上げの低迷に苦しむ中で事業の立て直しに取り組む多くの中小企業の方々にご利用いただいております。
 さらに、事業再生や事業承継に取り組む企業の資金繰りを支援するため、再建・資金状況改善融資や産業力強化融資などの融資メニューを実施しております。

○笹本委員 東京都の今までやっている資金繰り支援ということは今ご説明をしていただいたんですが、区なんかでも、割と近いところでは、借りかえ融資なんていうのをやったり、信用保証料の補助だとか利子補給だとか、いろんなことをやって、何とかして中小零細企業を廃業とか倒産に追い込まないようにということで使命を果たさなくてはならないというふうに理解をしております。資金繰り面では特に、さらなる、これで十分だということはありませんので、重ねて要望します。
 先ほど来からの答弁を聞いていると、知事を初め、新銀行東京に関して、十万人もの方々がほうり出される、ほうり出すことはできないというふうに明言をされております。日本の企業は九七%は中小企業だというふうには聞いておるわけですが、実効性のある都の資金融資が望まれるのはいうまでもないというふうに感じております。
 続いて、次の質問に参ります。商工支援ですね。商店街の支援についてお伺いをします。
 依然として厳しい経済状況の中で、商店街が抱える問題は地域によりいろいろありますが、共通の課題は、会員が減っているだとか、これも先ほどと同様に、後継者がいないだとか、高齢化などが挙げられているわけです。
 一方、活気のある商店街を見ると、会員や役員の世代交代が行われたり、イベントがうまくいったり、いろいろあると思うのです。よい循環が生まれているというふうにも理解するわけですが、商店街を活性化させていく方策といいますか、例えば商店街活動を推進していくリーダーのような養成も重要だと思いますが、その点についてまずご説明願います。

○山手商工部長 商店街は、地域住民の消費生活を支えるとともに、地域コミュニティの核としての機能を有しておりまして、商店街の活性化は地域にとって重要でございます。
 平成十九年度に行った都の商店街実態調査では、商店街活動が活発に行われている商店街は、景況も、繁栄していると回答している割合が高く、こうした活動には核となるリーダーの存在が必要不可欠でございます。
 そこで、今年度より、商店街の幹部役員を対象としました商店街リーダー養成研修を開催いたしまして、商店街のマネジメント能力の強化を図るなど、リーダー育成に努めてございます。

○笹本委員 当然、商店街を引っ張っていくリーダーということも活性化の一つの要因になると思いますが、私のところから歩いて行けるところに柴又神明商店会というのがあるんですね、これは全国的に有名なんですが。あるいは、私がいうまでもなく、巣鴨の商店街だったり、これも私の家の近くなんですが、亀有商店街ですね。これも漫画のキャラクターで有名ですけど、やはり集客をする仕掛けというのは、ソフトというか、これ、映画であったり、アニメというんですか、そういう国民的人気のあるものだったりというところをうまくコラボレーションするというところが非常にうまくいっている一つの事例かなと。巣鴨なんかは、ちょっとまた違うと思いますけれども。
 一方で、柴又なんかでは、有名な歌の「矢切の渡し」というのがあって、この商店街を通っていくと、江戸川があって、「矢切の渡し」の碑があって、そこを訪れる人が平日でも頻繁に多くて、とにかく集客のシステムがもうでき上がっているということを常日ごろ思うわけですね。それとあわせて、治安だとか、歩くということですね、歩きやすさということが、いろいろうまく良循環で回っているのかなということは常日ごろ感じているわけです。
 当然、パブリックである東京都の役割と、民間のアイデアとのコラボレーションというのは非常に重要だなというふうに思いますが、よく商店街なんかでは、産学官とか産学公の連携とかということで、いろんな試みをやっておりますが、商店街は量販店の低価格戦略なんかで、本当に、実際にはやっていくのは大変だなというのを見るにつけても、ぜひさまざまな形で応援はしていかなくてはならないなというふうに感じておりますので、ちょっと重複した質問ですが、質問させていただきました。
 次に、職業訓練について質問させていただきたいと思います。
 昨年来、雇用情勢が急速に悪化する中で、倒産あるいは離職を余儀なくされて、再就職を希望するも、なかなかうまくいかないというのは本当に、きょうも何度も出てる、ご案内のとおりだと思います。
 一度離職した中高年の再就職は特に厳しく、このような再就職に困難を伴う求職者へのきめの細かい支援というのはもう絶対必要であり、先ほどもちょっと同様の件があったかもしれませんが、職業訓練に対する期待というか、職業訓練の果たす役割というものは非常に高まっているのかなというふうに思います。
 身近な例なんですが、五十代の男性で、昨年職を離れざるを得なくなったと。この方がいうには、在学中の二人の子どもさんがいて、細かい話ですが、健康保険や税金や年金、あるいは家賃などを払っていくと、とてもこの先生活していくことができないと。そして、一月から三月まで、いわゆる就職活動を六十数社したけれども、希望のところの内定がなかったと。
 そういうことで、四月から職業能力開発センターに入校して、懸命に職業訓練を習得して、技能を身につけ、これ九月が卒業だと思うんですが、内定にこぎつけたんですね。ところが、この内定した企業というのは、ビルのメンテナンスのようなものだそうですが、額面が二十万ということなんですね。こういう話を聞くと、中高年の再就職は極めて厳しい状況だなということを改めて感じます。
 離職者の再就職を支援するに当たっては、新しい技術を身につける職業訓練というのは大変意味があることだと思いますが、この受講生に対する求人の数も、質もそうなんですけれども、しっかり確保していくことと、それから、職業訓練が終了した後の就職支援というのが極めて重要だというふうに考えます。
 そこで、質問なんですが、職業能力開発センター受講生に対する求人や、就職する際の賃金の状況についてご説明いただきたいと思います。

○日請事業推進担当部長 職業能力開発センターは、職業安定法上、無料職業紹介権を取得しておりまして、企業に対しまして求人開拓を行うとともに、ハローワークとも連携をして、受講生への求人情報の提供や職業紹介など、就職支援を実施しているところでございます。
 平成二十年度の職業訓練受講生に対します求人状況は、求人企業数が六千四百七十社、求人数が一万九千十人ございましたが、これを前年度と比べますと、企業数で一一・七%、求人数で一九・一%減少しているところでございます。
 また、求人を業種別に見ますと、ビルメンテナンスなどのサービス業が最も多くなっておりまして、続いて情報通信業、運輸業となっておりますが、これも前年度と比較をいたしますと、サービス業で一割以上、情報通信業、運輸業では三割近くも減少しております。
 次に、求人賃金の分布では、平成十九年度には月額二十六万円以上という求人の割合が二二・一%と最も多くございましたが、二十年度には一三・八%に減少いたしまして、かわって月額十八万円から二十万円という求人の割合が二二・九%と、最も多くなっているところでございます。経済環境の悪化を反映いたしまして、求人賃金も厳しさを増しているものというふうに考えております。

○笹本委員 今のような厳しい経済環境の中で、求人も減るし、とても生活していくには現実的ではない給料だということで、本当に深刻だなというふうに感じています。
 多くの受講生を就職に結びつけていくために、職業能力開発センターでは、求人の確保や就職支援にどのように取り組まれているのかという点について、もう一度お伺いいたします。

○日請事業推進担当部長 公共訓練では、受講生の意向や適性を踏まえ、訓練で身につけましたスキルを生かして安定した就業ができるよう支援していくことが重要でございます。
 このため、職業能力開発センターでは、受講生に対しまして、就業相談等を行う就業支援推進員と、訓練の指導を担当いたします職員が日常的に協力いたしまして、求人側と受講生双方のニーズを的確にとらえた就業支援を実施しているところでございます。
 また、求人確保の面では、現下の雇用情勢の中で、非常に厳しい状況でございますが、人材アドバイザーが各企業を巡回して求人情報を収集し、求人の掘り起こしを行っております。さらに、訓練科目に対応する企業を集めた合同会社説明会を実施するなど、受講生と企業とのマッチングの促進を図っております。
 今後とも、受講生の安定した就業のため、求人確保や就業支援に努めてまいります。

○笹本委員 私も、ちょっと前になります、平成十四年、失業いたしまして、木場のハローワークに行っていたことがあります。当時はまだ三十代だったんですが、パソコンの画面にいろいろ諸条件を入れる中で、三十代でありながら、なかなか就職がない。賃金の条件を十五万ぐらいにすると出てくるというような記憶があって、恐らく今のこの十八万から二十万というのは、年金をもらっていたり、ある程度、六十過ぎになって生活が安定した方にはいいのかもしれませんが、五十代で子どもが二人いるような人がとてもこれでやっていけるというふうには思えませんので、そういう意味で、今の経済環境の中で急激な変化というのは難しいと思うんですけれども、でも、職業訓練校の果たすべき使命というのは極めて重いというふうに思いますので、今後の拡充といいますか、強化を要望したいと思います。
 最後に、都市農業についてお伺いをするわけでございます。
 地元のことばっかりいって恐縮なんですが、江戸川区は野菜とか花が盛んで、浅草のアサガオやホオズキ市の産地でもあったり、有名なのは小松川のコマツナですね。市区町村でいうと、全国で恐らく一番か二番の出荷。多分、一番はさいたま市だと思うんですが、そのぐらいコマツナの生産量が多いところであります。
 このような、江戸川区のような、都内の市街化区域内にはまだまだ多くの農地があります。このような都市農地は、農業生産の基盤であるとともに、都市の中の貴重な緑地空間というふうに考えているわけでございます。
 そこで、このように都市の中に存在している農地の役割をどのように考えているか、まず初めにお伺いいたします。

○産形農林水産部長 東京の都市農地は、大消費地に近い、近接しているメリットを生かして、消費者ニーズにこたえた、新鮮で安全・安心な農産物の生産基盤であります。
 また、都市農地と、そこで営まれている農業は、多面的な機能を有しております。具体的には、都民が農業を楽しみ交流できるレクリエーション・コミュニティ機能、農業、食に対する理解を深める教育機能、災害時の避難場所や火災の延焼防止などの防災機能、ヒートアイランド現象の緩和などの環境保全機能などがあり、都市農地は都市において重要な役割を担う貴重な都民の財産と考えております。

○笹本委員 今、答弁をいただいたんですが、大ざっぱなデータなんですが、平成九年から平成十九年で、江戸川区では約二五%農地が減っていると。そして、非常に問題だなと思うのは、いわゆる不耕作地ですね、不耕作地が非常に問題になっているのかなというふうに思うわけです。私も、かつて農業委員をやっていたときに、非常にそれを感じました。
 例えば、農地として認定された札がついているところが荒れているという状態があるわけですね。当然、農地である以上は税金が免除されているというようなことがあるわけですが、そうはいっても、後継者がいないだとか、いろんな理由で、農業を継続できないという理由は当然あるわけですから、農地の有効活用を図るなどして農地の保全に取り組むべきだというふうに考えますが、ご見解をお願いいたします。

○産形農林水産部長 都市農地は、相続の発生などを大きな要因といたしまして、減少に歯どめがかかっておりません。このため、都では、生産緑地制度や相続税制度等の改善を国に強く要請するとともに、都独自の農地保全策に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、都民と農業者の相互理解を深めながら、農業、農地の持つ多面的機能を生かして、農地と住宅地が共存共栄できるまちづくりの実現を図るため、平成十九年度に農業・農地を活かしたまちづくりガイドラインを作成いたしました。この中では、都民が農業を楽しみ、体験できるような取り組みも取り上げてございます。
 このガイドラインを活用し、農業、農地を生かしたまちづくりのモデルプランを作成する区市に対しまして、プラン作成の助言を行うとともに経費の補助を行っております。また、区市が作成したモデルプランの実現のための取り組みに対して支援も行っているところでございます。
 今後とも、都民の貴重な財産である都市農地の保全に取り組んでまいります。

○笹本委員 ぜひ、都市農地の保全ということはよくいわれることなんですが、そのために学校農園だとか市民農園、区民農園のようなものを活用していくということにもなるのかなと思います。
 この質問の最大の意味は、税負担の公平性を担保する意味で、不耕作地の常態化に対して対策が必要だという思いで質問させていただきました。
 以上で質問を終わります。

○小沢委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時十二分散会

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