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Tokyo Metropolitan Assembly

経済・港湾委員会速記録第三号

平成二十年三月十七日(月曜日)
第五委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十四名
委員長増子 博樹君
副委員長神林  茂君
副委員長大西由紀子君
理事山口  拓君
理事上野 和彦君
理事三宅 茂樹君
米沢 正和君
小竹ひろ子君
岡崎 幸夫君
清水ひで子君
田島 和明君
木内 良明君
川島 忠一君
馬場 裕子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
産業労働局局長佐藤  広君
総務部長塚田 祐次君
商工部長三枝 健二君
金融部長目黒 克昭君
参事櫻井  務君
観光部長中尾根明子君
農林水産部長産形  稔君
雇用就業部長松本 泰之君
就業調整・能力開発改革担当部長小田 昭治君
労働委員会事務局局長有留 武司君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 労働委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十年度東京都一般会計予算中、歳出 労働委員会事務局所管分
 産業労働局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 産業労働局所管分
・第七号議案 平成二十年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・第八号議案 平成二十年度東京都農業改良資金助成会計予算
・第九号議案 平成二十年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
・第十号議案 平成二十年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
・第百三十一号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 産業労働局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第九十八号議案 東京都農業振興事務所設置条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京都産業振興指針の策定について
・東京都産業科学技術振興指針の改定について

○増子委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○増子委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
 平成二十年度予算については予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十年三月十四日
東京都議会議長 比留間敏夫
経済・港湾委員長 増子 博樹殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十四日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十九日(水)午後五時

(別紙1)
経済・港湾委員会
第一号議案    平成二十年度東京都一般会計予算中 歳出 繰越明許費 債務負担行為 経済・港湾委員会所管分
第七号議案    平成二十年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第八号議案    平成二十年度東京都農業改良資金助成会計予算
第九号議案    平成二十年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
第十号議案    平成二十年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十一号議案   平成二十年度東京都と場会計予算
第二十号議案   平成二十年度東京都中央卸売市場会計予算
第二十二号議案  平成二十年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十三号議案  平成二十年度東京都港湾事業会計予算
第百三十一号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第一号)中 歳出 経済・港湾委員会所管分

(別紙2省略)

○増子委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局関係の予算の調査並びに産業労働局関係の予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十年度東京都一般会計予算中、歳出、労働委員会事務局所管分を議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○増子委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成二十年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、産業労働局所管分、第七号議案から第十号議案まで、第百三十一号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、産業労働局所管分及び第九十八号議案並びに報告事項を一括して議題といたします。
 本案及び報告事項については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○塚田総務部長 去る二月十八日及び三月三日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をめくっていただきますと、目次がございます。資料は全部で五十三項目でございます。
 一ページから三ページまでがそれぞれ、中小企業対策、農林水産対策、雇用就業対策の過去十年間の当初予算額、決算額の推移をお示ししてございます。
 四ページは、都内製造業の推移でございます。
 平成十七年における全都の工場数は約四万五千所、製造品出荷額等は十一兆九百億余円でございます。
 続きまして五ページでは、都内小規模小売店の推移を、商店数、従業者数、年間販売額でお示ししてございます。
 平成十六年における商店数は約十一万三千店、年間販売額は十兆三千五百億余円でございます。
 続きまして六ページは、商店街実態調査による状況の推移でございます。
 七ページでは、新・元気を出せ商店街事業の事業開始以降の実績をお示ししてございます。
 続きまして八ページは、新・元気を出せ商店街事業中、オリンピック関連への使用状況でございます。
 九ページでは、進め若手商人育成事業の事業開始以降の実績をお示ししてございます。
 一〇ページをごらんください。区市町村の商店街振興施策の状況でございます。
 表上段にお示しした街路灯電気料補助などの各種施策について、表左側に示した都内各区市町村が実施しているものについて丸印を付しております。
 次に、一一ページと一二ページは、過去十年間の中小企業制度融資の目標と実績の推移でございます。
 一二ページでございますが、平成十八年度の実績は、下から三段目の合計欄にありますとおり、約十五万七千件、一兆九千九百億余円でございます。
 一三ページの低所得者生活安定化プログラムの事業内容、規模、予算についてでは、産業労働局所管の低所得者層安定的就業確保支援事業分を記載しています。
 一四ページは、雇用就業関係直営施設の推移でございます。
 平成十九年度については、労働相談情報センターなど二十二施設となっています。
 一五ページと一六ページは、過去五年間の都立職業能力開発センター等の応募状況と職業紹介実績、就職率で、市場化テスト科目及び委託科目を含めたものでございます。
 一七ページと一八ページは、過去五年間の都立職業能力開発センター等、校別、科目別定員、応募者数をお示ししてございます。
 続きまして一九ページは、都立職業能力開発センター等における非常勤職員の雇用状況でございます。
 人材アドバイザーなどの各種非常勤職員を雇用しております。
 二〇ページでは、過去十年間の労働相談情報センターの労働相談件数、あっせん件数、解決件数、職員数の推移をお示ししてございます。
 二一ページと二二ページでは、都内の雇用形態別若年者数及び都内の障害者雇用率の推移をお示ししてございます。
 二二ページにありますとおり、平成十九年の民間企業で雇用する障害者数は十万人を超えました。
 二三ページは、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの職員状況でございます。
 表の一番下の合計欄にありますとおり、平成二十年二月一日現在の職員数は二百七十七人、うち研究員は二百二十五人でございます。
 二四ページでは、新銀行マスタープラン以来の経営計画と実績の対比をお示ししてございます。
 二五ページは、都及び都の監理団体が新銀行東京と行った取引一覧でございます。
 続きまして二六ページでは、新銀行東京の主要株主一覧をお示ししてございます。
 二七ページでは、新銀行東京の融資、保証の実績をお示ししてございます。
 平成十九年九月決算における融資、保証残高は二千八百五十五億円となっております。
 二八ページでは、新銀行東京における不良債権発生状況について、平成十九年九月決算の状況をお示ししてございます。
 二九ページから四二ページは、新銀行東京への追加出資をすると判断するに至ったもととなる資料一式でございます。
 新銀行東京再建計画、再建計画説明資料、平成二十年三月期決算見込みをお示ししてございます。
 続きまして四三ページをごらんください。四三ページでは、新銀行東京の平成二十年三月期第三・四半期における四半期情報をお示ししてございます。
 財務状況では、総資産は五千七百六十八億八千百万円となっており、また、損益の状況は、経常利益がマイナス八十五億四千三百万円となっております。
 四四ページでは、新銀行東京の開業以降の債務超過企業、赤字企業への融資実績をお示ししてございます。
 平成十九年十二月末時点では、合計で五千六百三十五件、四百十五億円の実績となっております。
 四五ページでは、新銀行東京の開業以降の技術力・将来性重視型融資の計画と実績をお示ししてございます。
 四六ページは、新銀行東京の開業以降の融資実績で、月別、メニュー別の件数、金額でございます。
 四七ページでは、新銀行東京の開業以降の融資実績で、地区別の件数、金額をお示ししてございます。
 四八ページでは、新銀行東京の開業以降の融資実績で、事業規模別の件数、金額をお示ししてございます。
 四九ページでは、東京信用保証協会の月別業務概況を、申し込み、承諾、保証債務残高、代位弁済、回収それぞれの件数と金額でお示ししてございます。
 五〇ページは、東京信用保証協会の地区別保証承諾状況でございます。
 平成十七年度、平成十八年度の実績をお示ししてございます。
 五一ページは、東京信用保証協会の事業規模別保証承諾状況でございます。
 資本金別、従業員別で、平成十八年度の保証承諾件数、金額をお示ししてございます。
 五二ページでは、新中期経営計画の数値目標と再建計画との比較をお示ししてございます。
 続きまして五三ページでは、執行体制四百五十人から百二十人体制への年次計画と、管理部門、営業推進担当者の内訳をお示ししてございます。
 五四ページでは、再建計画における損益計算書の内訳をお示ししてございます。
 平成二十三年度には、経常利益を八億円と見込んでおります。
 五五ページでは、再建計画における貸借対照表の内訳をお示ししてございます。
 五六ページでは、新銀行マスタープラン策定時の一千億円の出資金の考え方をお示ししてございます。
 五七ページは、バーゼルⅡに基づく自己資本の充実度に関する事項について、それぞれの試算の額に対するリスクアセット額、所要自己資本額を、平成十九年三月期決算時と平成二十年三月期中間決算時を対比したものでございます。
 五八ページでは、新銀行東京の主要株主一覧をお示ししてございます。
 五九ページは、コンプライアンス委員会の概要でございます。
 六〇ページと六一ページは、統合リスク管理委員会の概要をお示ししてございます。
 続きまして六二ページは、新銀行東京がこれまで取得したソフトウエアの明細一覧でございます。
 ベンダー、購入ソフト、取得金額などをお示ししてございます。
 六三ページは、本店、各支店ごとの運営経費でございます。
 六四ページでは、主なシステム委託、ATM関連費用及び経営コンサルティング会社への支払い内訳明細をお示ししてございます。
 六五ページでは、都及び都の監理団体が新銀行東京と行った取引一覧をお示ししてございます。
 六六ページでは、平成二十三年度までの預金残高とその支払い利息額をお示ししてございます。
 六七ページは、内部監査部門の定期監査の概要でございます。
 六八ページでは、統合リスク管理委員会の履行状況をお示ししてございます。
 六九ページは、中小企業者向け融資、保証残高の半期ごとの実績について、融資、保証別に実績をお示ししてございます。
 七〇ページから八六ページは、代表質問で知事及び産業労働局長が答弁した内容の根拠となるすべての資料でございます。
 追加出資四百億円の考え方、清算に係る一千億円以上の根拠等、七点についてお示ししてございます。
 続きまして八七ページをごらんください。科学技術基本法、科学技術基本計画及び東京都産業科学技術振興指針についてでは、科学技術基本法のポイント等を示してございます。
 最後の八八ページの東京都産業科学技術振興指針の達成状況では、平成十六年二月策定以降の主な施策の成果を示してございます。
 以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○増子委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本案及び報告事項に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○神林委員 まず初めに、新銀行関係につきまして質問をさせていただきます。
 新銀行東京への追加出資問題は、今定例会における最大の懸案となっており、多くの都民やマスコミの関心を集めています。私からは、これまでの本会議や予算特別委員会の質疑を振り返り、さらに何点か確認の意味で理事者側の説明を求めたいと思います。
 まず、都内中小企業がどのような状況に置かれているのかを確認しておきたいと思います。
 最近の原油高や住宅着工のおくれなどの影響を受け、都内中小企業を取り巻く経済・金融環境が大きく変化していると思われますが、実際にこれら中小企業がどのような影響を受けているのか、具体的な数値を挙げて教えてください。

○目黒金融部長 ご指摘のように、サブプライムローン問題に端を発するアメリカ経済の減速や原油価格の高騰、住宅着工のおくれなどを背景に、日本経済も減速感を強めつつありまして、中小零細企業におきましては、昨年一年間で倒産件数が前年よりも六・三%増大をしております。
 また、昨年十一月の中小企業庁の調査によれば、原油価格の上昇により収益を圧迫されている企業が九割を超え、価格上昇を販売価格に転嫁できないとする企業が六割に達するとの報告がなされております。
 さらに、財務省の法人企業統計によれば、資本金一億円以上の大企業がバブル期を超えて過去最高の経常利益を更新しているのに対し、資本金一千万円以上一億円未満の企業はバブル期の半分にも達していないとされております。
 このように、中小零細企業の多くが大変厳しい経営環境にさらされておりますが、特に、昨年十二月の都内の住宅着工戸数の減少率が前年同期比四三・三%減と、全国平均の一九・二%減を大きく上回るなど、都内の中小企業が直面している状況は一段と深刻になっております。

○神林委員 ただいまご説明いただきましたように、都内の中小企業は大変厳しい経営環境にさらされております。こうした状況下では、たとえ赤字や債務超過企業といえども、高い事業意欲を持ちながら日々懸命な努力を続けている中小企業に対しては、積極的な資金供給が今こそ必要と考えます。都内の中小企業支援を所管する産業労働局の所見を伺います。

○目黒金融部長 我が国の経済、産業が今日あるのも、多くの中小企業が進取の精神で果敢に技術革新に挑戦しながら懸命な努力を続けてきた結果にほかなりません。現在は、原油高や住宅着工のおくれなどの影響を受けまして、都内中小企業の多くが厳しい経営環境にさらされておりますが、こうした時代であればこそ、高い事業意欲がありながら資金繰りに窮している都内中小企業に対して円滑な資金供給を行い、これら中小企業が希望を持って事業に専念できるような環境を整えてやることが極めて重要であると考えます。

○神林委員 新銀行東京のずさんな運営と同時に、これまでの本会議や予算特別委員会の審議を通じて明らかになったことの一つは、新銀行東京が、既存の金融機関では支援が難しい赤字や債務超過企業に対しても融資を行うなど、中小企業金融において独自の役割を果たしてきたということでございます。
 問題は、新銀行東京が間違いなく経営改善され、再建されるのかということと、こうした独自の役割が果たして今後も堅持されるのかどうかということになるわけですが、都としての見解を伺います。

○目黒金融部長 知事がさきの本会議で発言されましたように、経済、産業の担い手として懸命な努力を続けている中小企業に円滑な資金供給がなされなければならないという使命感から新銀行を設立したものでありまして、こうした経営理念は当然、再建計画にも引き継がれるものでございます。
 今回、新銀行東京自体の経営改善努力とあわせまして、追加出資をお願いすることで経営安定化が図られ、赤字、債務超過先であっても正常に返済を続けている中小企業など、高い事業意欲がありながら資金繰りに窮している中小企業への支援を継続していくことが可能になるものでございます。

○神林委員 私自身、一都民としまして、都民の貴重な税金一千億円を出資したにもかかわらず、ここまで傷口を広げてしまった新銀行のずさんな運営に憤りを感じざるを得ません。
 しかし、今、一番大切なことは、パフォーマンスや中傷ばかりを繰り返すのではなくて、原因をしっかりと究明し、間違いのない再建策を実現して新銀行の行く末を模索し、東京から金融不安の火種を払拭していくことであります。
 そこで、確認の意味で伺いますが、今日まで、新銀行東京の経営悪化の状況について、産業労働局にはいつごろどのような情報が入り、どのような手だてを講じてきたのか、所管局としてのこれまでの主な取り組みについて伺います。

○目黒金融部長 平成十八年度中間決算時におきまして、経常損失が一層の改善を必要とする状況となりましたことから、経営の健全性確保と中小企業支援の充実に向け、抜本的な経営計画の見直しを要請してございます。
 また、平成十九年三月期決算に表面化いたしました深刻な経営悪化に対しましては、経営陣の交代が必要であると判断をいたしまして、元副知事を派遣して、執行体制の強化や経営改善に当たらせてございます。
 昨年夏以降、新経営陣のもとで、新中期経営計画の内容を上回る経営改善に取り組む一方で、再生に向けたさまざまな方策が検討されました。具体的には、都の出資を前提とせず、民間金融機関等との統合や資本提携を念頭に、国内銀行五行、外国銀行を含む外資系六社と交渉を行ってまいりました。また、民間資本との共同出資についても調整が行われましたが、現段階では調うまでには至っておりません。
 そして、先月、新銀行より追加出資の要請を受けたわけでございますが、都としては、既存融資先への継続支援や多くの関係者への影響を考えたときに、新銀行東京が新たなビジネスモデルを一刻も早く軌道に乗せ、財務体質の改善を図ることが必要であると判断をし、今定例会に補正予算案を提案したものでございます。

○神林委員 いうまでもなく、新銀行東京の経営を大枠から監視している産業労働局においては、都民や都内中小企業にとって最も負担の少ない方策は何かということを、慎重に、そして緻密に検討なされなければなりません。
 そこで、予算特別委員会でも再三議論となった追加出資、事業清算、破綻処理の三つの選択肢について、それぞれが選択された場合、都民や都内中小企業に与える影響が具体的にどのようになるのか、お示しください。

○目黒金融部長 まず、今回提案させていただきました四百億円の追加出資でございますが、四百億円という新たなご負担を都民に求めることになりますが、新銀行の既存顧客を初めとする中小企業に対して継続して支援をすることが可能になるものでございます。
 次に、事業清算でございますが、協力銀行による預金者と健全な融資先の保護が期待できない状況の中では、まず、預金払い出しの集中に備えて資金を確保する必要がございます。新銀行の現在の預金残高は約四千億円でございますが、直ちに現金化できる有価証券などの資産が三千億円しかないため、それを埋めるための一千億円を貸付金という形で都が支援をする必要が出てまいります。この一千億円はあくまでも一時的な立てかえ払いのようなものでありまして、融資返済などにより貸付金は徐々に返済されるわけでございますが、それに要する時期や金額が最後まで確定しないという不確実性が残ります。
 また、事業清算の場合には、いわゆる折り返し融資が行われないため、既存融資先の経営悪化が発生したり、融資先にモラルハザードが起こる可能性があり、融資返済の滞りから多額の損失の発生が予想されます。この場合の損失額につきましては、確実な試算方法はございませんが、過去の同程度の資産規模を持つ破綻金融機関の例を見ても、五割以上の回収が見込めないことから、新銀行の例に当てはめれば、想定される損失額は一千億円に及ぶものと推定されます。
 さらに、預金保険法に基づく破綻処理でございますが、これは、債務超過または預金払い戻し停止のおそれがある金融機関に対して行われる措置でございまして、一般的な方法としては、金融整理管財人の管理のもと、救済金融機関との合併や事業承継が行われます。
 預金の処理につきましては、一千万円以下の預金の元本、利息は保護されるものの、これを超える部分につきましては、銀行の財務状況に応じてカットされる、いわゆるペイオフが発動されることになります。本年一月末現在で、一千万円を超える部分の預金は、法人、個人を合わせまして九千六百十件、四百七十七億円に上り、個人顧客だけでも九千五百二十三人、三百十五億円に上ります。
 また、正常債権については受け皿銀行に譲渡されることになりますが、金融整理管財人によりいわゆる不良債権として認定された債権につきましては、整理回収機構に売却されることになります。新銀行の場合には、無担保融資が中心であることや、赤字、債務超過先が多いことから、整理回収機構に移管される可能性が極めて高くなります。中小企業等の融資先にとりましては、貸出債権が整理回収機構へ移管になりますと、社会的信用が失われることや、新たな融資が受けられなくなることから、事業継続が困難になってまいります。
 このように、破綻処理の場合には、直接、都の負担が生じるものではございませんが、我が国で最初のペイオフ実施ということになり、その影響は計り知れず、国民経済上、多大な損失が発生することになります。

○神林委員 ただいま、三つの選択肢に対しまして大変丁寧な説明をありがとうございました。
 都民の貴重な税金をさらに四百億円も投じなければならない追加出資案を選択することは、まさに苦渋の選択でありますが、事業清算や破綻処理といった他の方法と比べて最も負担が少ないということをかんがみるにつけ、責任与党である我が党としては、都民のため、今、何をなすべきか、大きな政治的決断を下すことを迫られているともいえましょう。
 我が党として最も懸念することは、新銀行東京に対する四百億円の追加出資が単なる延命策に終わることであります。それが杞憂にすぎないとして安堵できるためには、再建計画が着実に実施されるということがきっちりと検証されなければなりません。
 そこで伺いますが、再建計画の実現可能性について都としてどのように評価しているのでしょうか、お伺いいたします。

○目黒金融部長 今回、新銀行東京が作成した再建計画につきましては、中小企業支援という都の政策目的の実現やビジネスモデルの確実性、収益計画の妥当性等を十分に踏まえたものであると評価をいたしております。
 まず、政策目的の実現性についてでございますが、再建計画はあくまで資金繰りに窮する中小企業への支援継続が目的となってございます。このため、既存顧客一万三千社のうち、大企業及び破綻先や延滞先などを除きました九千を超える融資、保証先は引き続き支援の対象になるものでございます。加えて、ファンドを通じたベンチャー企業への出資や、中小企業振興公社など都の機関と連携した、従来よりも充実した中小企業支援を行っていくことが可能となるものでございます。
 次に、ビジネスモデルの確実性についてでございますが、再建計画では、これまでの三年間で蓄積してきた営業ノウハウや反省点を踏まえまして、今までの事業実績の中で着実に収益が見込める事業に重点化することとしております。既存顧客への継続的支援が中心の一般融資や小口融資では大きな収益は見込めないものの、成長が期待できるベンチャー企業に対する融資では一定の収益が期待できます。また、これまでの事業実績の中で収益を上げているファンド投資は、今後も着実に収益が期待できるものでございます。
 さらに、収益計画の妥当性についてでございますけれども、再建計画では、経費については、本部、店舗等の一店舗への集約や、四百五十人から百二十人体制への人員体制の大幅な見直しなど、徹底した執行体制の見直しにより削減することとしております。
 こうした取り組みを着実に進めることにより、経営再建を確たるものにすることができると考えております。

○神林委員 ただいまご説明いただきました再建計画の実現の可能性を高める上で、債権回収のあり方が大きなポイントの一つになってくると思います。新銀行東京が今後、債権回収業務についてどのように取り組んでいこうとしているのか、お伺いいたします。

○目黒金融部長 再建計画におきましては、債権回収の実を上げるために、これまでの融資、保証における審査・与信管理体制の問題点と改善点を踏まえまして、新たな審査・与信管理の充実を図ることとしております。その際、提携金融機関などの審査力を活用すること及び回収率の向上のため、担保、保証を徴求することを原則としつつも、顧客の実態把握や返済履歴を勘案するなどによりまして、無担保融資を継続できる体制を構築することも視野に入れてございます。
 また、具体的な施策といたしましては、新銀行独自の審査マニュアルを策定して社内財産として共有化すること、さまざまなデフォルト事例を検証して社内研修を実施すること、審査能力の高い人材を選抜して審査及び営業現場に配置すること、営業現場での顧客一元管理により期中管理の徹底を図ることなどが行われることになってございます。

○神林委員 再建の成否のかぎを握るのは、都がいかに経営に関与するかだと考えております。今後の都の経営監視と再建計画の実現に向けた産業労働局長の決意をお伺いしたいと存じます。

○佐藤産業労働局長 新銀行東京はこれまで、既存の金融機関では支援が難しい赤字や債務超過に陥っている中小企業に対しましても、できる限りの支援を行ってまいりました。こうした企業の中で、新銀行の融資が契機となりまして業績を回復させた企業は九千社にも上ります。
 再建計画は、このような資金繰りに窮する中小企業への支援継続、これを目的として策定をされたものでございます。新銀行東京の再生が中小企業の再生に結びつく、こういうことをぜひ念頭に置いて、この再建計画を受けとめていただきたいというふうに考えております。
 都側におきましても、再建計画をさまざまな角度から検証いたしまして、徹底したリストラまた着実な利益が見込める事業への重点化を行うなど、十分に実現可能性があるものでございます。限られた選択肢の中では、これしかないというふうに考えております。
 今後、都といたしましては、金融庁とも十分な連携を図った上で、新銀行東京に対する適切な経営監視を行いつつ、都との連携を初めといたしまして、とり得るすべての手段を講じることによりまして、中小企業を支援し、盛り立てるために、不退転の決意でこの銀行を必ず再建させていく覚悟でございます。

○神林委員 ただいまの局長の答弁におきまして、不退転の決意でこの銀行を必ず再建させますという強い意思表明がありました。失敗は許されません。都民のため、中小企業のため、その決意をひとときも忘れずに再建に当たることを強く要請しておきます。
 最後に、今後の新銀行東京のあるべき姿を展望し、若干意見を申し上げておきたいと思います。
 新銀行東京においては、中小企業支援という経営理念は今後も引き継がれるのでしょうが、都民の貴重な税金を投入して成り立っているという、この銀行の特殊な生い立ちを考えた場合には、都の政策遂行を支援する観点からの本格的な連携のあり方が模索されなければなりません。すなわち、環境や福祉の問題など、都が抱える政策課題の解決に資する有効な連携策について、都も新銀行もお互いに知恵を出していかなければならず、それが知事のいうところの都民のお役に立つ銀行であり、都のポテンシャルの活用ということでありましょう。
 政策金融という意味では制度融資がありますが、制度融資だけでは対応できない領域もあります。こうした空白地帯を埋めるために、都と新銀行とが連携を図りつつ、都内中小企業に対する円滑な資金供給と都の政策課題の解決とを同時に進めるという発想が必要なのではないでしょうか。
 こうしたことを踏まえながら、今後の東京都と新銀行の連携のあり方についてぜひとも前向きにご検討いただきたいということを申し上げまして、この新銀行に対する私の質問を終わります。
 引き続きまして、中小企業対策について伺います。
 日本の経済は、戦後最長の景気拡大が続いているといわれておりますが、ここに来て変調の兆しが見られています。先ほどの答弁にもありましたとおり、いわゆるサブプライム住宅ローン問題を背景とするアメリカ経済の減速、世界的な株式市場の下落、原油、原材料価格の上昇など、景気の下振れリスクが高まっています。
 そもそも今回の景気回復過程で、上場企業はバブル期を上回る過去最高益を上げているのとは対照的に、中小企業の収益はいまだに伸び悩んでおります。今後、景気が後退局面ともなれば、中小企業の経営環境はますます厳しくなることは明らかです。特に都内中小企業の約八割が九人以下の小規模企業であり、景気の後退は、こうした企業により深刻な影響をもたらします。
 小規模企業の体力は脆弱であり、多くの経営者は行政の強力なバックアップを必要としております。産業労働局においては、ぜひとも小規模企業にもしっかりと焦点を当てて都内中小企業に対する支援を充実してほしい、こうした観点に立って何点か伺います。
 まず、中小企業対策を一層効果的なものとしていくためには、経済の変調を機敏に察知し、タイムリーに打ち出していくことが必要でございます。産業労働局では、毎月、都内中小企業の景況調査を実施するなど、さまざまな側面から中小企業の状況を分析していますが、先ほどの答弁とはかぶらずに、簡略で結構でございますので、実施された調査や数値などから、現在の中小企業の状況についての認識を伺います。

○三枝商工部長 都内中小企業の景況感を示す景気動向指数、いわゆるDIのうち、本年一月の業況DIはマイナス四〇と二年十一カ月ぶりの低水準となっており、中小企業の現状は予断を許さない厳しい状況にあると認識をしてございます。
 また、売上高の増減動向を示します前年同月比売上高DIが急速に悪化いたしまして、本年一月でマイナス四三と四年半ぶりの低水準となっておりますことから、中小企業の売上確保が課題になっているところでございます。

○神林委員 ただいま答弁いただいたように、中小企業の業況悪化は既に始まっているともいえるのではないでしょうか。特にものづくり産業においては、経済のグローバル化の中、激しい価格競争によりアジアの企業に仕事を奪われたといった声も多く聞かれ、受注の確保に苦戦しており、特に規模が小さい企業ほど厳しい状況がうかがえます。
 昨年度、都が製造業を対象に実施した調査によれば、三年前に比べ売り上げが減少している企業の割合は、従業者数三十人以上の企業では約三割にとどまるのに対し、九人以下の小規模企業においては約六割となっております。
 なぜ規模の小さい企業の売上減少が顕著なのでしょうか。その要因についてお伺いいたします。

○三枝商工部長 我が国製造業の取引構造は、日本の特徴的な産業構造といわれてまいりました少数の特定取引先に依存する長期安定的な関係から、グローバル化、IT化等の進展に伴いまして、受注獲得競争の厳しい多面的な取引へと大きく変化をしてきてございます。加えて、発注側である大企業等は、複数の部品や加工を一括で発注いたしまして、部品の購買や外注に係るコストの引き下げを図ろうとする動きが見られるところでございます。
 しかしながら、小規模企業は人材や設備といった経営資源が限られておりますことから、こうした一括受注への対応が困難でございます。そのため、すぐれた技術を有しているにもかかわらず、受注機会の減少や収益力悪化などの問題が生じていると認識をしているところでございます。

○神林委員 確かに大手製造業が中国などの東アジアに生産拠点を移転するなど、グローバルな視点での立地戦略を進める中で、一括受注への対応や独自に販路を開拓することが困難な規模の小さい中小企業にとって、現在の経営環境は非常に厳しくなっているといえます。
 他方で、一部の企業では、国内回帰と呼ばれるように、高付加価値製品の生産拠点を国内に置こうとする動きも出てきております。これは、国内のすぐれた基盤技術を持つ中小企業に対する評価が見直されつつある一つのあらわれではないかとも考えられます。
 こうした現状を踏まえ、ものづくり産業の基盤を支えている中小企業の受注拡大に向け、今後どのような手を打っていくのか、所見を伺います。

○三枝商工部長 中小企業の受注拡大のためには、受注の機会を逃すことのない体制づくりが必要でございますが、経営資源が限られる小規模企業単体ではこうした体制を構築することは困難でございます。このため、都は平成二十年度より基盤技術産業グループ支援事業を創設し、中小企業がグループを形成し、共同で技術力向上や受注体制の強化を図ろうとする場合に、共同設備導入等に要する経費の一部を助成することといたしました。
 また、中小企業にとりましては、新たな顧客獲得の機会となるような広域的な取引拡大の場を多く設けることが重要でございます。そのため、現在、中小企業振興公社で実施しております受注・発注情報の発信等に加えまして、平成二十年度の新規事業として広域産業交流・連携の推進を立ち上げ、企業間の交流、連携やネットワークの拡大に向けた取り組みを実施してまいります。

○神林委員 中小企業のグループ化や企業間ネットワークの拡大は大変有効な手段であると思います。ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 高度な基盤技術を持つ中小企業の受注確保を図るためには、さまざまな角度から支援策を実施していくことが重要でございます。今のお答えにありましたが、中小企業振興公社では受注・発注情報の発信に取り組んでいるとのことです。取引拡大に向けた受発注情報の提供サービスは、中小企業振興公社だけでなく、民間企業や大田区の産業支援機関でも行っております。振興公社とこうした民間や産業支援機関が連携することで、より多くの受発注情報をよりタイムリーに提供可能となり、都内中小企業の取引の拡大につながるものと考えます。本日は特に答弁は求めませんが、ぜひ検討してほしいと思います。
 また、中小企業は、いわゆる下請企業としての受注強化を図ることのほかに、企業体質自体を、下請的な性格から脱却して、みずから製品の企画、開発やマーケティングを行っていくことも、厳しい現状を乗り切るための活路の一つだと思います。しかし、従来下請企業であった企業が自主製品開発、販売を行っていくのには、それなりの資金やノウハウが必要となると思います。こうした企業に対してどのような支援策を実施していくのか、所見を伺います。

○三枝商工部長 中小企業の製品開発につきましては、これまでも、新製品・新技術開発助成事業により、中小企業者等が行う実用化の見込みのある新製品や新技術の研究開発に要する経費の一部を助成してまいりました。さらに平成二十年度からは、中小企業が単独で製品開発等に取り組む場合の助成金の上限額を一千万円から一千五百万円に引き上げ、より使い勝手のよい制度としてまいります。
 また、今までみずから製品開発を行った経験がない中小企業に対しまして、製品開発の手法や知識等を、製品の試作から量産化、事業化に至るプロセスの中で実践的に学ぶ、実践ものづくり中核人材育成事業を中小企業振興公社の城南支社で実施いたしまして、自社オリジナル製品の開発、事業化を遂行できる企業内人材の育成を支援してまいります。

○神林委員 目まぐるしく変化していく中小企業の経営環境の変化を機敏に察知して、きめ細かい支援策が講じられることが確認でき、大変心強く思います。これからも、東京の産業の屋台骨を支える中小企業への支援をしっかりと行っていただきたいと存じます。
 この項といってはおかしいですが、この部分につきまして、今後の中小企業施策の充実強化に向けての産業労働局長の決意をお伺いいたします。

○佐藤産業労働局長 都内中小企業は、多様な産業分野におきまして意欲あふれる事業活動を展開して、地域経済の活性化や雇用の創出など、東京の産業基盤を支える重要な役割を担っているというふうに認識をしております。今日厳しさを増します国際競争の中で、多くの中小企業におきましては、技術力の向上やコスト削減など、生き残りをかけて懸命に努力をしております。
 都といたしましては、こうした努力に報いるべく、経済状況の変化や中小企業を取り巻く構造的な課題を的確に把握をいたしまして、積極的かつ効果的な対応をしていかなければならない、このように考えております。
 今後とも、経済の動向に敏感に即応いたしますとともに、小規模企業にも目配りをしつつ、局を挙げてさまざまな側面から支援の強化に取り組んでまいります。

○神林委員 局長、ひとつ局を挙げて、総力を挙げてよろしくお願いいたします。
 それでは、三点目の質問について伺いたいと思います。羽田空港の国際化に伴う観光振興について伺います。
 羽田空港では、昨年九月に上海の虹橋空港との定期チャーター便が就航するとともに、北京オリンピックに向け、北京南苑空港を結ぶ便の就航についても日中両国の航空当局において検討が開始されるなど、今、羽田空港には国際化への追い風が吹いております。
 また、羽田空港は、平成二十二年十月に第四滑走路の供用が開始されますと、発着容量が一・四倍に拡大し、国際乗降客数は年間約七百万人に増大すると予想されております。
 一方、都は二〇一六年に外国人旅行者を一千万人誘致するという目標を掲げています。今こそ、この機会を活用して、着実に旅行者を誘致するための取り組みが必要です。特にアジアにおける旅行者の誘致、獲得をめぐる都市間競争が激しくなる中、東アジアからの旅行者が東京を訪れるよう、これまで以上に東京の魅力を発信し、誘致につなげていくべきと考えますが、所見を伺います。

○中尾根観光部長 羽田空港の国際化に的確に対応し、東アジアからの旅行者を誘致するためには、東京の魅力を積極的にPRしていくことが重要でございます。このため、来年度、中国、韓国、台湾を対象に、東京向け旅行商品の開発や販売を促進するため、東京の魅力を紹介するポスター、パンフレットや東京の写真素材集を作成し、現地の旅行事業者に配布いたします。また、市民向けに、有力な雑誌などのPR媒体を活用し、東京の魅力を定期的に発信してまいります。
 こうした取り組みにより、アジアの旅行者に対して東京が身近で魅力的な旅行目的地であることをアピールし、二〇一六年に一千万人の外国人旅行者の誘致を目指してまいります。

○神林委員 大分動き始めたなという感がするわけでございますけれども、このような誘致のためのPRに加え、旅行者を迎えるための地元での取り組みも重要でございます。
 羽田空港を抱える私の地元大田区には、池上本門寺や馬込文士村のように、歴史や文化に彩られた魅力的な地域や、都内初の区立海浜公園である大森ふるさとの浜辺公園のような新たな観光スポットなど、さまざまな観光資源がございます。世界に誇れるものづくりの現場も、産業観光として国内外の旅行者を引きつける立派な観光資源になると思います。
 また、大田区は、旧東海道や運河などの水辺といった、隣の品川と共通する資源も有しております。大田と品川は、空港整備に伴って急ピッチで水辺の整備や船の運航などが検討されており、モノレールや京急線などでも結ばれているなど、東京の玄関口羽田空港からのアクセスでも密接な位置にございます。
 羽田空港を利用する旅行者が最初に訪れる地域として、隣り合うこの両地域が連携して観光地としての魅力を高め、ホスピタリティーを持って歓迎することは、増加する旅行者を東京に受け入れていく上でより効果的であると考えます。また、多くの旅行者が訪れることで、両地域にさらなる活気をもたらすことができるのではないでしょうか。
 大田、品川地域において広域的な観光の視点に立ったまちづくりを行うべきと考えますが、所見を伺います。

○中尾根観光部長 羽田空港の国際化に伴い、空港周辺地域に新たな人の流れやまちのにぎわいを創出する広域的な観光まちづくりは重要でございます。
 都は来年度、大田、品川地域におきまして、歴史や文化、水辺を初めとした地域の観光資源を活用する方策などを調査するとともに、観光の専門家を派遣し、両地域が広域的に連携して行う観光まちづくりを支援いたします。
 こうした取り組みを通じて、大田、品川地域の魅力や回遊性を向上させるとともに、旅行者を温かく迎え入れる体制を整備し、地域経済の活性化を図ってまいります。

○神林委員 大変前向きな答弁ありがとうございます。
 さて、このほど大田区は、民間企業で養った経験やセンスを生かし自由に発想できる創意あふれる人材を求め、観光政策担当の課長を民間からの公募により採用いたしました。また、来年度予算案に新たに大田区観光産業振興プランの策定や、おおたの観光魅力創出事業を計上するなど、訪れた人が来てよかったと思えるような夢と魅力あふれるまちを目指して、魅力づくりやPRなど観光振興に積極的に取り組んでいこうとしております。
 しかし、PRにおいては、単独の区市町村では情報発信力が限られており、広く国内外に地域の観光情報をPRしていくすべがないなど、市区町村だけの力では効果的な観光振興を図ることは困難です。都は、各地域の観光PRを初め、さまざまな面で区市町村の取り組みと連携していくことが大切だと思いますが、所見を伺います。
 この答弁を伺いまして、私の質疑を終了させていただきます。

○中尾根観光部長 都はこれまでも、ウエブサイト「東京の観光」や観光情報センターにおいて、国内外からの旅行者に向けて地域の観光情報を提供するなど、区市町村と連携して東京の観光情報を発信してまいりました。さらに、観光マップの作成や観光スポットの整備など、地域の魅力を高める区市町村の取り組みを支援しております。
 今後とも、みずから創意工夫して主体的に取り組む区市町村を広域行政を担う立場から支援し、区市町村と連携しながら東京の観光振興を図ってまいります。

○山口委員 私からも、新銀行東京についてるるお伺いしていきたいと思っておりますが、まずは再建計画についてお伺いしていきたいと思います。
 この間、私たちは、新銀行東京の失敗はただ単に旧経営陣の責任だけではなくて、東京都が策定した新銀行マスタープランにも問題があったのではないかとただしてきたわけでありますが、しかしながら都知事は旧経営陣の責任をいうばかりで、新銀行マスタープランについても多くの専門家の意見を聞いたものだと、その責任の所在を認めようとはいまだにしておられません。
 私は、マスタープランの総括なくして再建計画の実効性は担保されないと考えております。すなわち、借り手がそれほどいるのか、デフォルト率をどう見込んでいるのか、低コスト資金調達は可能か、収益は計画どおり上がるのか、そして何よりも、東京都が出資すべき銀行としてどのようなビジネスモデルを描いているのか、このような観点からこれから質問をしていきたいと思っております。
 再建計画では、主な取り組みとして、成長が期待されるニュービジネスへの重点的支援や事業意欲の高い既存顧客への継続的な支援ということが掲げられているんですが、資金繰りに苦しむ企業、赤字や債務超過企業、担保がない企業などへの対策について大幅に縮小したものだと考えていいのか、お伺いいたします。

○目黒金融部長 再建計画では、一般融資、小口融資、新型保証の三つの商品によりまして、既存融資先のうち、延滞等のない健全な返済先九千社につきましてはこれまでどおり継続支援を行っていくこととしており、資金繰りに苦しむ企業、赤字や債務超過企業、担保がない企業につきましてもできる限り支援していきたいと考えております。
 顧客とは十分なリレーションを確保しながら、事業の実態を十分に把握し、さまざまな形での支援を行ってまいります。

○山口委員 健全な返済先九千社についてはこれまでどおり継続して支援をしていくということでありましたが、石原知事は、新銀行東京が行き詰まった場合には、一万三千社を初め、その取引先、従業員、家族などの関係者に重大な影響を及ぼすといっているわけです。つまり、大企業五十社を除く四千社弱については、これはもう見捨てたということではないでしょうか。
 また、新銀行マスタープランの大きな柱の一つであったスコアリングモデルについては、昨年六月に策定をした新中期経営計画では、デフォルト実績を反映させた新スコアリングモデルの構築を掲げていましたが、再建計画では、回収率向上のため、担保、保証を徴求することを原則とすることに方針転換されています。再建計画ではスコアリングモデルをやめたのか、スコアリングモデルについてはどのようになったのか、お伺いいたします。

○目黒金融部長 スコアリングモデルにつきましては、定量分析を行うために今後も使用いたしますが、それに依存することなく、実地調査を行った上、経営者の資質、事業意欲、所有資産などの、従来不十分であった定性要因の分析をきちんと行い、総合的な観点から審査を行うとともに、必要に応じて担保の徴求も行ってまいります。

○山口委員 スコアリングモデルは今後も継続して使用するということでありましたが、無担保融資というビジネスモデルは大きく変わってしまうのではないでしょうか。
 再建計画では、平年度ベースで百五十億円を予定している一般融資について、顧客の実態把握や返済履歴を勘案することなどにより無担保融資を継続することになっています。しかし、この一般融資のうち、これまで行っていたような無担保融資はどのぐらい行う予定なのか、大いに疑問があります。
 再建計画では、無担保融資の件数、融資実績をどの程度想定しているのか、また、デフォルト率はどの程度の水準を見込み、不良債権処理費用をどの程度と想定しているのか、お伺いいたします。

○目黒金融部長 一般融資では担保、保証つきを原則としておりまして、継続することとなる無担保融資につきましては、個々の顧客の財務内容、返済履歴等によって異なってくるため、現段階において件数等についてお示しすることはできません。今後、個々の案件ごとに継続時の交渉の中で決まっていくものと考えます。
 また、個々の新ビジネススキームで想定する実行件数、デフォルト率、不良債権処理費用などにつきましては、まさに重要な営業情報に関するものでございまして、これを明らかにすることは、他行との競争上著しく不利になることになりますため、お示しすることはできません。
 なお、全体では、不良債権処理費用は平成二十年度百九十八億円、平成二十三年度十五億円というふうに想定をしてございます。

○山口委員 件数等についてはお示しいただけないということでありましたが、それでは、中小企業の中でも担保がないところは借りかえなどもできなくなるんではないでしょうか。
 また、この一般融資のメニューにある信用保証協会を活用した融資実績は、十九年九月末現在、三百三十三件、約三十億の実績がありますが、再建計画での融資見通し、また平年度ベースにおける信用保証協会を活用した融資実績についてお伺いいたしたいと思います。

○目黒金融部長 一般融資の平年度の残高ベースでの計画は百五十億円でございまして、その中に制度融資も含まれているわけでございます。
 なお、実績におきましては、一般融資のうち約半分弱を制度融資が占めております。

○山口委員 一般融資の半分近くを制度融資が占めているということであれば、何も新銀行ではなくて、信金でも十分にこれは対応できるんじゃないですか。
 また、小口の融資について、この融資は平年度ベースで五十億円の融資を計画しており、担保提供できない顧客を対象にノンバンク保証を活用していますが、その対象は既存顧客が中心であって、そのねらいがいま一つわからないわけであります。ノンバンクを活用するのであれば、債権の回収方法にノンバンク独自のビジネスモデルがあるのではないでしょうか。
 ノンバンク保証について、新銀行や既存顧客に対してそれぞれどのようなメリットやデメリットがあるのか、お伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 小口融資につきましては、担保がなく、他行からの資金調達が困難な顧客の資金繰りを支援するために、ノンバンクと提携をし、その保証のもとに融資を行うものでございまして、ノンバンクの審査、目きき能力を活用して行われるものでございます。

○山口委員 いまいちこのメリット、デメリットということについて明確でありませんし、これを活用することによって、どういった顧客の皆さんの新銀行に対しての思いができるのかということも、今の答弁ではなかなか伝わりにくいところなんですが、続いて、新型保証について伺いたいんです。
 当初から、信金の協調保証については、信金がよいお客さんを紹介するはずがないといった指摘がありました。例えば、五百万円借りようと信金を訪れたお客さんに、信金は新銀行との協調保証で一千万円の事業計画をつくり、本人に信金負担分相当の二百万円を定期で預金をさせ、残り八百万円を融資するようなことが行われていたと聞いているわけなんです。新型保証では、これまでの保証実績をもとに、相互に信頼できる提携金融機関を対象に実施となっているわけですが、これまでどういう失敗があったと認識をしているのか。また、保証履行の総額に上限を設定するということでありますが、これはどのような趣旨によって、どの程度の上限を設けようとしているのか、お伺いいたしたいと思います。

○目黒金融部長 信金との提携は信頼関係の上で行われてきたと考えております。しかし、保証のデフォルト率の実績につきましては、提携金融機関によりばらつきがございました。このため、新型保証では、これまでの反省に立ちまして、相互に信頼できる金融機関に限りまして提携していくということとしております。
 また、新型保証では、個々の案件についての保証割合は一〇〇%とする一方で、保証の履行の総額には上限を設けることによりまして、新銀行東京が発生したデフォルトに対し無制限に保証することがないような仕組みとしてございます。これによりまして、提携金融機関にはしっかりと審査を行わなければならないというインセンティブが働くことになるわけでございます。

○山口委員 いろいろな改善策を講じるということでありましたが、それでは、今述べられた取り組みの中で、信金協調保証について、デフォルト率や不良債権処理額が実際どのように改善されていくのか、これまでのデフォルト率と不良債権処理額を伺うとともに、再建計画におけるデフォルト率と不良債権処理額をあわせてお伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 信金協調保証でデフォルトしたものは、平成二十年一月末現在で五百六十件、六十五億でございます。
 今後の再建計画における個々の新ビジネススキームで想定をする実行件数、デフォルト率、不良債権処理費用などにつきましては、まさに重要な営業情報に係るものでございまして、これを明らかにすることは、他行との競争上著しく不利になることとなるため、お示しすることはできません。

○山口委員 改善点はわかりましたが、それが再建計画において費用としてどのぐらいの効果があるのかどうかは示していただけないということでありました。
 また、成長が期待されるニュービジネスへの重点的支援として、ベンチャー企業に対する融資の重点化を掲げているわけでありますが、ベンチャーは中小企業に比べてもっとリスクが高い。厳しい時代を生き残った企業ではなくて、これから試される人たちの方が大半であるからであります。
 そもそもベンチャー企業の事業成功率は六%程度といわれています。いいかえれば九四%前後は失敗する可能性があるのだということだと思いますが、これまでの審査でも見落としが多かったにもかかわらず、まさにこれまでにモデルや融資実例がほとんどないベンチャーに対する融資。さらに、新銀行ご自慢の機械による自動審査システム、スコアリングモデルでは到底はかり切れないこのベンチャーの融資というものをどのようにしていくおつもりなのか、東京都としてどのような見解を持っているのか、お伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 ベンチャー企業にはいまだ十分な資金供給が行われておりませんが、ベンチャーキャピタル市場規模は、投融資残高約九千八百億円、年間投融資額二千八百億円と、それぞれ前年比一五%前後伸びてございます。新規に事業を立ち上げる際に不足する資金を供給することにより、今後成長の可能性のある企業を積極的に支援してまいります。
 ベンチャーキャピタルと連携をして、ベンチャーキャピタルの持つ各種機能、ノウハウを活用することによりまして、ベンチャー企業の協調育成を行ってまいります。
 例えば、事業基盤が確立するまでの段階はベンチャーキャピタルが出資で対応し、月次黒字転換後、新銀行が運転資金を中心に融資を実行するなど、それぞれの特性を生かした支援が可能となります。
 また、審査に当たりましては、スコアリングモデルだけではなく、ベンチャー企業の特性などを踏まえた専門的な審査を行うこととしております。

○山口委員 特性を生かした審査を行うということでありましたが、都市銀行はこれまで、ベンチャー企業への融資というのはほとんど持たれていません。それはなぜかというと、当然わかりやすい、リスクが高いからということなんでありますが、今ここに、確かに新しい金融が入ってくるということは、それはベンチャー企業にとっても魅力でしょうし、これからの東京都という点でもおもしろいのかもしれませんが、今、この厳しい状況の新銀行、もう傷だらけで、もう一度再び立ち上がれるかどうかという銀行が手を出す融資だとはとても思えないんですが、これは東京都としてはどうお考えになりますか。

○目黒金融部長 今申し上げましたように、成長が非常に期待される分野であるということと、これまでの新銀行東京においてもある程度実績を残してきた部分で、そういった意味では収益性が期待できるという、この二点からでございます。

○山口委員 注目をしていかなければいけない一点だと思いますが、さて、公共工事代金債権信託についてお伺いしたいと思います。
 銀行のプランを出したのは自分だと公言をしている経営コンサルタントの大前研一氏のブログを拝見いたしました。ご自身のブログで、新銀行が東京都の公共工事を請け負う業者にうちの銀行から借りなさいと営業をかけるのは、独占禁止法違反、つまりこれは優越的地位の乱用ではないかというふうに指摘をされているわけでありますが、この指摘についてどのように都は認識をしているか、お伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 公共工事代金債権信託は、都の公共工事の施工を請け負う中小企業に新たな資金調達の道を開くとともに、下請中小企業への支払いを円滑化することを目的として、新銀行東京が信託兼営銀行という特徴を生かし、信託の仕組みを用いて商品化した独自の商品でございます。
 大前研一氏の指摘は、東京都が工事発注するという優越的な地位に基づいて新銀行東京を利用するよう要請した場合という、あり得ない想定に基づいているものと考えます。新銀行東京はあくまでも民間企業でございまして、都とは別個の立場でありますから、新銀行東京がみずからの判断で営業活動を行うことは、優越的地位の乱用には当たらないものであると考えます。

○山口委員 しかしですね、だからといって、東京都が大株主である新銀行東京がこの事業をやる必要が本当にあるんでしょうか。他の金融機関ではできないでしょうか。
 例えば、大垣共立銀行では、制度そのものとはいいませんが、公共工事完成工事未収入金債権流動化業務という趣旨の似たものを展開されているわけであります。公共工事代金債権信託というのは、新銀行東京で実施しなければならない理由というのが本当にあるんでしょうか、お伺いいたしたいと思います。

○目黒金融部長 繰り返しになりますが、公共工事代金債権信託は、都の公共工事の施工を請け負う中小企業に新たな資金調達の道を開くとともに、下請中小企業への支払いを円滑化することを目的として、新銀行東京が信託兼営銀行という特徴を生かし、信託の仕組みを用いて商品化した独自の商品でございます。その仕組み上、工事請負代金を請負者から新銀行東京に債権譲渡するものでありまして、都は、これを承諾する取り扱いを認めているものでございます。
 一般に、工事代金債権の第三者への譲渡は原則として禁止されておりますが、この公共工事代金債権信託は、新銀行東京から都に提案がありまして、その仕組みが中小企業振興という都の施策と合致する提案でありましたことから、これを認めることとされたものでございます。
 しかしながら、工事請負代金債権の譲渡につきまして広く認めるという事例はこれまで少ないため、債権譲渡を認めることによりどのような問題点が発生するのか、これまで十分に解明されているとはいえないかと思います。このため、当面は試行という形で問題点等を整理しつつ、少しずつ対処していくこととしております。

○山口委員 新銀行と東京都の連携については、公共工事代金債権信託だけではなくて、東京都信用保証協会や中小企業振興公社、産業技術センターと連携をした融資などが記載されています。これら以外にも、例えば都有施設への相談窓口の設置など、東京都との連携について考えているメニューはあるのでしょうか。これらは都側から新銀行に提案することもあるのかどうか、お伺いいたしたいと思います。

○目黒金融部長 新銀行東京では、顧客との接点を強化し、よりよいサービスを提供するため、中小企業振興公社の四事務所等への相談窓口の設置など、都との連携について検討することとしております。
 都としては、新銀行東京発足時より、都との連携について検討、実施してまいりましたが、今後も、中小企業支援のため、都の施策と相まって効果を発揮するようなものにつきましては、双方で検討していきたいと考えてございます。

○山口委員 これまで私は、破綻した第三セクターというものを数多く見てきたわけでありますが、まさに自立的経営をしていこうという意識の欠如と、最後は役所が何とかしてくれるという甘えの構造にほかなりません。
 東京都との連携として、新中期経営計画では、東京都との取引については、社内に設置している取引監査部会などを厳正に運営することにより、独立性、中立性を確保するとしていますが、再建計画には一切こういった記述は見当たりません。
 新中期経営計画でわざわざ独立性、中立性を記載していた意図と、東京都との連携の考え方についてお伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 都と新銀行東京の関係につきましては、株主と銀行との利益相反取引を通じて銀行経営の健全性が損なわれること等を防止するための規定である、いわゆるアームズ・レングス・ルールに抵触しないことが求められておりまして、独立性、中立性の確保は銀行としての大前提となるものでございます。
 新中期経営計画におきましては、東京都出身の人材の受け入れを表明したことから、独立性、中立性の原則についてあえて記述したものでありまして、考え方が変更になったものではございません。
 再建計画におきましては、大前提である新銀行東京の独立性、中立性の原則は維持しながら都との連携を強化していくこととしておりまして、都はさまざまな支援を行ってまいる所存でございます。

○山口委員 今の答弁を伺っていると、どのみち新銀行東京はひとり立ちはできないというふうにしか聞こえないわけであります。
 今、新銀行東京の支援メニューについて、一通り端から聞いていったわけなんですが、新銀行東京に中小企業からの需要がどれぐらいあるのか、そもそも大きな疑問がここにあるわけであります。取引先企業の見通しについて、再建計画補足資料2に基づいて、以下伺っていきたいと思います。
 再建計画では、現行の取引先一万三千社のうち、健全ご返済先として九千社を見込んでいます。この差について東京都は、酒井議員の質問に答えて、大企業約五十社、法的破綻、延滞約千五百五十社、業況低迷先約二千四百社と答弁をしています。新銀行東京は、法的破綻、延滞約千五百五十社に対して引き続き融資をするのかしないのか、今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 法的破綻、延滞先の千五百五十社につきましては、原則として融資は行わないものでございます。ただし、このうち、延滞しながら弁済の意思のある事業者に対しましては、条件変更などにより取引を継続してまいりますが、新たな融資については業況回復などが必要になってまいります。

○山口委員 つまり、新たな融資はしないということでよろしいんですよね。
 また、二千四百社といわれる業況低迷先というのが、東京都によると、返済はしているが総合的に見て現段階で財務状況が脆弱であると判断をした企業ということでありますが、その判断基準が非常にこれはわかりにくいんですね。赤字企業や債務超過企業と違うのか、具体的に事例があれば、それも含めてぜひきちっとご説明をしていただきたいと思います。

○目黒金融部長 赤字や債務超過など表面上の過去三年の財務状況だけではなく、将来の経営状況、キャッシュ・フローの見通しや経営者の資質や社員の意欲などの定性的な面を加味いたしまして、新銀行が総合的に財務状況が脆弱であると判断をいたしました取引先ということでございます。

○山口委員 わかりづらいんですよね。もう少し何か具体的な例をもって、都民の皆さん、これから新銀行東京にかかわっていく皆さん、企業さんもたくさんいらっしゃるわけですから、不安がないように、具体的な例を挙げてぜひご説明いただけませんか。

○目黒金融部長 例えばでございますけれども、赤字でかつ債務超過であります企業につきましては、正常に返済がされておりましても、ここの業況低迷先というところに分類をされているわけでございますが、そういったところが具体例として挙げられるかと思います。

○山口委員 わかりづらいんですよね。自分がどこに入っているのかとか、それはわかる必要があるのかないのかということはさておくとしても、こういうところが非常に不明確で、その数字が明確になってこないのが、今のこの再建計画の実態なのかなというふうに思います。
 新銀行東京は、いわゆる業況低迷先約二千四百社に対して引き続き融資をするのかしないのか、今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 ただいまもちょっと触れさせていただきましたが、この業況低迷先二千四百社の中には、正常にご返済いただいていても赤字かつ債務超過先なども含まれてございます。こういったところにつきましては、財務状況等を踏まえた上で継続的な支援を行っていくことになるかと思います。

○山口委員 今伺ってわかるとおり、これもつまり、業況などが回復しない限り新たには融資をしないということだと思います。ということでしょう。
 それでは、健全返済先といいつつも、この九千社の中には、三カ月未満の範囲内で返済が滞っている企業が存在しているのではないかと思うんです。また、新銀行東京は、赤字企業、債務超過の企業に、十九年十二月末現在、五千六百三十五件、四百十五億円の融資を実施していますが、この九千社の中に赤字企業、債務超過企業はどのぐらい含まれているのか、お伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 まず、健全返済先の中に三カ月未満の範囲内で返済が滞っている企業というものは含まれておりません。また、健全返済先の中の赤字、債務超過企業の数につきましては、重要な営業情報に係るものでございまして、お示しをすることができないというものでございます。

○山口委員 もう一回お伺いします。一万三千社と九千社の差は、新銀行からのヒアリングのときにお伺いした際には、法的破綻状態が六百件で九十六億円、六カ月以上の延滞または弁護士が介在したもの一千百件で千三百二十億円、三カ月以上六カ月未満の延滞または条件変更があったものが五百二十件で五十四億円などとお伺いしたわけなんですが、法的破綻、延滞約千五百五十社のこの内訳というのは一体どうなっているんでしょうか。
 また、三カ月未満の延滞がある企業はどこに、例えば業況低迷先なのか、法的破綻、延滞なのか、何件入っているのか、改めてお伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 現在お取引いただいている一万三千社のうち、健全なご返済先ということで認識をされているものが九千社ございます。その差の四千社でございますけれども、一つは、先ほど来お話の出ております業況低迷先といわれるところ、これが二千四百社あるわけでございまして、それから法的破綻、それから延滞先でございますが、これらが合わせて千五百五十社になるわけでございます。あとは大企業などが含まれるということで、それらがその九千から外れる四千社の内訳ということになるかと思います。

○山口委員 ご質問にお答えいただけていなかったので、もう一度確認をしてお伺いしますが、法的破綻、延滞約千五百五十社の内訳についてお伺いしているんですが、その内訳をもう一度お伺いしたいと思います。また、三カ月未満の延滞がある企業は、どこに何件入っているのかを改めてお伺いします。

○目黒金融部長 まず、三カ月未満の延滞についてでございますけれども、これは、法的破綻それから延滞の約千五百五十社という中に含まれるものでございます。

○山口委員 もう一問が抜けているので、もう一回伺いますが、三カ月未満の延滞のある企業が何件入っているんでしょうか。

○目黒金融部長 三カ月未満の延滞につきましては、延滞として認識をされております千三百社の内数として入っているものでございます。

○山口委員 この辺の数字が極めてあいまいで、計画の中にも書かれている企業数というのが非常にあいまいになっていて、数字が明確でないのが実態としてあらわれているんですが、赤字企業だとか債務超過企業の数は示せないということでありましたが、これらについては引き続き貸していくのか。担保がない場合は貸せなくなるのではないでしょうか。少なくとも新銀行がこれまで貸していた法的破綻、延滞先あるいは業況低迷先の四千弱の企業に対しては新たな融資を行わなくなるわけであります。
 ところで、残りの九千社がもし本当に健全なご返済先であったとしても、補足説明2にあるような一万八千社、二千百億円の融資が平年度三年間で可能なんでしょうか。現行取引先九千社の平均融資、保証期間三年内では、社数、金額とも可能な数字だといっておりますが、一年間で六千社、七百億円もの需要が毎年毎年見込まれるのか、大変心配になるわけでありますが、三年間で一万八千社、二千百億円の根拠について、ぜひ詳しくお教えいただきたいと思います。

○目黒金融部長 新銀行東京では、これまでの実績を踏まえまして、健全返済先及び成長が期待される企業に、主に半年から一年半の期間できめ細かく融資を行うことで、保証と合わせて三年間で一万八千社、二千百億円の支援を行っていくこととしております。

○山口委員 再建計画補足資料2というのを、ぜひもう一度改めてごらんいただきたいと思うんですが、これを見ると、これまでの新銀行東京の営業実態から、仮に折り返しの融資があったとして、それを一件としてカウントしたとしても、新たに年間に一千件から一千五百件ぐらいの新規の顧客、優良顧客と皆さんが呼んでいる顧客を獲得していかない限り、恐らくこの一般融資、小口融資、成長支援融資だとか新型保証ですか、この辺が要するにその数字を満たさないと思うんですよ。その参考になっているのが、取引継続意向といわれる、お客様のお気持ちがあれば大丈夫だというふうに判断をされているのかどうか、その辺が大変疑問に思うところなんでありますが、東京都としては、これは本当にできるというふうに、この数字を見て思われていますか。

○目黒金融部長 九千社というのは残高ベースの話でございまして、一万八千社あるいは二千百億というのは三年間の実行ベースの話でございます。したがいまして、既存の融資、保証先に対応するだけのキャパシティーがあるという趣旨で、この説明資料は書かれているものと認識をしております。

○山口委員 一方で、財務目標にある平年度ベースでの融資、保証残高は、成長企業支援型融資が百億円、一般融資百五十億円、小口融資五十億円、新型保証二百億円の計五百億円で、数字がこれは合わないわけですね。平年度三年間の融資、保証実行計画における、一年間で六千社、七百億円の成長企業支援型融資、一般融資、小口融資、新型保証のそれぞれの内訳、件数、残高についてお伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 平年度三年間の融資、保証実行計画としてお示しをした数字は、平年度一年間における実行ベースでの件数、金額でございまして、財務目標で示した数字は残高ベースの金額でございます。実行する貸出金の期間、保証期間は必ずしも一年ではなく、実行時期もそれぞれ異なるため、実行金額と残高は一致しないことになります。
 なお、実行件数、金額につきましては、重要な営業情報に係るものでございまして、お示しすることは難しいものでございます。

○山口委員 なぜ、この残高ベースでは融資メニューごとの内訳が出ているのに、実行ベースでは重要な経営情報で示せないというふうになってしまうのか、これはもう不思議でならないわけなんでありますが、ところで、東京都は、山下議員の質問に対して、再建計画においては、他の金融機関では資金調達が難しい既存の顧客を対象に引き続き業務を展開していくと答弁をしています。
 そこでお伺いいたしますが、再建計画での一年間、六千社、七百億円の融資のうち、他の金融機関では資金調達が難しい赤字先企業や債務超過先企業に対してどの程度融資をしていく予定なんでありましょうか、お伺いいたしたいと思います。

○目黒金融部長 赤字企業、債務超過企業の中から支援する規模、数につきましては、重要な営業情報に係るものでございまして、お示しをすることは難しいものでございます。

○山口委員 大変重要な情報ほど出てこない。特に私たちが伺っておかなければいけない数字や情報になるほど、銀行にとっても大変秘匿性の高い情報なんでしょうか、こうやって答弁がいただけないというのがこの件の難しいところなのかなと思いますが、新銀行東京は、十九年十二月末現在、赤字先、債務超過先に計五千六百三十五件、四百十五億円を融資しているということでありますが、こうした企業にどのくらい融資をしていくかどうかということもお示しいただけないということでありました。これでは、新銀行東京の存在意義を幾ら唱えても根拠脆弱であって、全くもって相手にされないんじゃないでしょうか。
 新銀行東京再建計画策定についてというニュースリリースで、収益計画の業務収益率が、平成二十年度の一・三%から平成二十三年度には二・九%にまで上昇するのはなぜなんでしょうか。通常、銀行の業務収益は貸し出しと有価証券の利回りがほとんどであるため、これほど急激に上昇することはないと考えますが、ご見解をお伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 収益源となります新ビジネススキームによる貸し出し、保証の平残が、平成二十年度の約二百五十億円から平成二十三年度の七百億円へと推移するためでございます。

○山口委員 これまでお伺いしてきたように、業務収益率が改善するという計画を幾ら示されても、その根拠となる新ビジネススキームは情報公開できないことも非常に多い。この実効性については、極めてこれは疑問だと現時点ではいわざるを得ないと思います。
 次に、コストの収縮についてお伺いしたいと思います。
 西岡議員の質問に対して、平成十六年度から平成十九年度までの損失の主なものは、営業経費約五百億円、資金調達費用約百億円、不良債権二百八十五億円、特別損失約百五十億円などと答弁をされています。営業経費には、店舗やATMなどの物件費や人件費、税金などがあると思いますが、五百億円の主な内訳と平成二十三年度におけるこれらの額は、これらがそれぞれどの程度になるのか、お伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 営業経費五百億円に占める主な内訳でございますが、人件費百二十億円、物件費三百五十億円、税金三十億円となっております。
 平成二十三年度におきましては、営業経費は二十六億円としておりまして、人件費、物件費も最低限に抑制していくこととしております。

○山口委員 いい機会でありますので、この人件費と物件費の内訳についてもお伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 この二十六億円の内訳につきましては、新銀行の方で公表してございません。

○山口委員 これは、人件費も同じことなんでしょうか。

○目黒金融部長 そのとおりでございます。

○山口委員 また、資金調達費用百億円とあるわけなんでありますが、これは、高い金利で預金を集めたことが大きな原因であるわけなんですが、十九年三月末にある預金四千六百三十八億円を、四年後にはわずか二百億円に圧縮するわけでありますが、特に資金調達コストの高い平成十八年五月から九月に実施した開業一周年特別金利キャンペーンの五年物一・七〇%、あるいは三年物一・五〇%の預金残高はどれぐらいになるんでしょうか、お伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 平成二十年一月末現在で、五年物一・七〇%の残高は約三百五十億円、三年物一・五〇%の残高は約千八百億円でございます。

○山口委員 今伺ってわかることが、三年物の一・五%の定期が総預金残高のおよそ半分を占めていることになるんですね。ほうっておけば、これらの高い金利の定期預金が段階的に解約をされることになるのか。平成二十三年度に二百億円にまで圧縮をしていくためには、これは自然減だけで圧縮が可能なのかどうか。
 新銀行の定期預金は、中途解約をする場合、その理由を書面で交付しなければならないなど、比較的解約しにくいという声もお伺いするわけなんですが、満期を迎えるのを待つのか、あるいは預金者に解約を迫っていくのか、その手法をお伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 再建計画におきましては、預金の満期に支払いを行う自然減の前提でございまして、預金者に解約を迫るようなことはすることとなってございません。預金支払い利息も、満期までの支払い利息をすべて計上してございます。

○山口委員 新銀行東京には、東京都の監理団体が、平成二十年一月末現在で七団体で二億九千三百万円を預金しています。これから東京都との関係を深めていこうとしている中で、東京都及び東京都の監理団体などに対して低い利息での預金をお願いしていくということになるんでしょうか、お伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 再建計画の中では、東京都及び東京都の監理団体などに対して低い利息での預金をお願いするということは想定をしてございません。

○山口委員 ところで、預証率というものがあるわけなんでありますが、これは、預金で調達をした資金のうち、どのくらいの割合を国債などの有価証券で運用しているかをあらわす数値なんでありますが、この預証率が、比較中間貸借対照表を見ると五四%から七〇%まで高まっているわけです。これは地銀、第二地銀の値としては異常に高いわけなんでありますが、中小企業向けの貸し出しを使命とする銀行とはいえない資産内容となってくるわけなんでありますが、再建計画ではどのような見通しになっているでしょうか、お伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 確実に再建を行い、黒字化を実現するために、貸し出し、保証の重点的支援にあわせまして、預金調達も最低限必要な規模に抑える見通しでございます。
 結果といたしまして、平成二十三年度は預証率一〇〇%超、預貸率約二〇〇%の水準になる見込みでございます。

○山口委員 平成二十三年度は預証率一〇〇%超、預貸率二〇〇%ということでありましたが、平成二十三年度の預金は約二百億円しか残らないので、有価証券や貸し出しをするためにかなりの資金を調達しなければならなくなることはもう明確であります。
 平成二十三年度において、預金以外にどのくらいの資金調達が必要となるのか、また、損益計算書では平成二十三年度の資金調達コスト等の業務費用を七億円と想定しているが、資金調達コストとその調達先についてどのようにお考えになられているのか、お伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 平成二十三年度の主な中小事業者向けの貸し出しは、預金と資本金で賄われるものと想定をしております。今後行う預金調達は、貸出運用、これは比較的短期のものになると思いますが、その貸出運用に見合う期間、規模で行うため、コスト負担は最低限に抑えることになります。
 なお、平成二十三年度以降、預金が一部継続するので、最低限二百億円を想定しているわけでございます。

○山口委員 曲がりなりにも東京都から新銀行への無利子貸付のような支援策は考えていないと当然私は思っているんですが、念のためここは確認をしておきたいと思います。

○目黒金融部長 そのようなことは考えてございません。

○山口委員 さて、再建計画では、今後の展開として、将来的には、最新の金融ノウハウを有する銀行等との連携も視野に入れ事業内容の充実を図り、より安定した経営基盤を確立するとあります。
 最新の金融ノウハウとは一体何なんでしょうか。また、それを有する銀行とはどこなんでしょうか。連携の見通しは立っているのか、お伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 今後の具体的な展開につきましては、現時点でお話しできる状況にはございません。

○山口委員 現時点でお話しできないというのは、これはどういうことなんでしょうか。計画の中に書かれていない、そしてお答えもいただけないということは、よっぽどのこれ、機密でもあるんでしょうか。それとも、これは何も決まっていないのか。そこは恐らく決まっていないと思うんですが、再建計画について、石原知事はたびたび、セカンドステージという言葉を繰り返されて、何かこの先バラ色の未来でもあるんじゃないかと思うような発言をされていますが、このセカンドステージの意味がわかるようでありましたら、かみ砕いてぜひご説明いただきたいと思います。

○目黒金融部長 知事がセカンドステージといっておりますのは、再建計画の実行により、この銀行の足元をしっかりと固めることができた暁には、その後の展開についてはさまざまな可能性が考えられるということをわかりやすく述べたものではないかと考えます。

○山口委員 結局、この再建計画というのは、中身があるようであって、何も正直いってありません。しかも、仮にあったとしても営業情報上お示しできないという、我々にとっては正直いって検証が不可能なものであるということが、今、質問をしてきた部分でおわかりいただいたと思います。
 都は、新銀行マスタープランについて、コンサルティング会社、監査法人、IT関連企業など、最大百名の規模のスタッフが検討し、つくり上げたものだとこれまで答弁をされていたわけでありますが、その結果が今、見てわかるとおりであります。このプランの失敗を踏まえるならば、今回提案をされている再建計画は、だれが、どのくらいの専門的なスタッフと、どれほどの検討を重ねてつくり上げたのか、再建計画の策定経過とその責任についてお伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 新銀行東京自身が、これまでの失敗や成功例の中で、新銀行東京でなければできないと考えられる事業に重点化して、その責任において策定した計画でございます。複数のコンサルタントの助言を受けながら作成をいたしましたが、それに依存することなく、現場の実感の中で、確実にできる中小事業者への支援を取り上げたものでございます。

○山口委員 これまでいろいろ答弁を伺ってきた中で、意気込みは皆さんにはあられるのかもしれませんが、これまで、新銀行マスタープラン、中期経営目標、新中期経営計画と、計画どおり実行されたことは一度もなかったわけであります。これがどのように今後、推移をされていくのか、私たちも注目をしておりますので、ぜひ皆様も、計画を計画として、過ぎたものではなくて、その計画がどのように実行されていくのか、ぜひ東京都としても逐次検証していただきたいなと思います。
 続いて伺ってまいりたいんですが、都と知事は、追加出資、事業清算、預金保険法に基づく破綻処理という三つの選択しかないという判断をされたわけであります。そこで、一体それぞれのケースについてどうシミュレーションをされたのか。四百億円追加出資をした場合と、事業清算や破綻を考え比較をした上で、知事が四百億円の追加出資しかないと、到底適切とはいいがたい表現まで用いてあそこまでおっしゃられていたわけでありますから、ぜひだれもが納得のいく比較をできるようにお示しいただきたいと思いますが、都の見解をお伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 今回お願いしております追加出資、それから事業清算のケース、それから破綻処理の三つにつきまして、それぞれ比較をしながらお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、四百億円の追加出資でございますけれども、これは四百億円という新たなご負担を都民に求めることになりますが、新銀行の既存顧客を初めとする中小企業に対して継続して支援をすることが可能になるというものでございます。
 それから、事業清算でございますけれども、これは、協力銀行が得られないという条件の中では、預金の払い出しに備えるという必要がございまして、これは既に先ほどもご答弁申し上げましたが、預金残高四千億円に対しまして、有価証券などのすぐに現金にかえられる資産が三千億しかございませんので、それを埋めるための一千億円を貸付金というような形で都から支援をしていただく必要が出てまいります。
 さらに、この事業清算につきましては、いわゆる折り返し融資が行われないために、既存融資先の経営悪化が発生したり、融資先にモラルハザードが起こる可能性などもございまして、融資返済の滞りから多額の損失の発生が予想されるわけでございます。この場合の損失額につきましては、先ほども申し上げましたけれども、一千億に及ぶというような推計もされるところでございます。
 それからもう一つ、預金保険法に基づく破綻処理でございますけれども、これは、一般的には金融整理管財人の管理のもとで、救済金融機関との合併や事業承継が行われることになります。預金の処理につきましては、一千万円以下の預金の元本、利子は保護されますけれども、一千万円を超える部分につきましては、銀行の財務状況にもよりますけれども、いわゆるペイオフが発動されることが想定されるわけでございます。
 また、正常債権につきましては受け皿銀行に譲渡されることになりますけれども、金融整理管財人によりいわゆる不良債権と認定をされますと、それは整理回収機構の方に売却されることになります。そういたしますと、新銀行の場合のように無担保融資が中心で赤字、債務超過先が多いということになりますと、整理回収機構に移管される可能性が非常に高くなりますし、中小企業等の融資先にとりましては、貸出債権が整理回収機構へ移管になりますと、社会的信用が失われることや新たな融資が受けられなくなるというようなことで、事業継続が困難になってまいります。
 このように、破綻処理の場合には、直接、都の負担が生じるということになるわけではありませんけれども、国民経済上多大な損失が発生するというようなことが想定されるわけでございます。

○山口委員 新銀行は昨年の夏以降、外資系の金融機関も含めて統合などを模索されたというお話を伺ったわけなんですが、しかしいずれも不調に終わり、追加出資しか選択肢はないと、今の理由も含めて判断をされたと主張されているわけです。
 旧経営陣の閉鎖的、奔放な経営責任の問題や資金繰りの問題だけで、この銀行が他の金融機関から統合等を断られたんだと都としては判断をされているのか。また、追加出資をすれば受けてくれるような話があるのか、お伺いしたいと思います。

○目黒金融部長 昨年の夏以降、十一の金融機関等に業務の提携等や出資依頼を順次、新銀行の方が行ったわけでございます。結果としては、現段階では調うまでに至っていないということになるわけでございます。
 断られた理由につきましては、個々の金融機関の判断によるところもございますので、つまびらかにされておりません。
 なお、追加出資を行った場合についての打診は、まだ行っていないということになるわけでございます。

○山口委員 今回の予算委員会の答弁を通じても、何かにつけ株主という言葉を使われているわけなんでありますが、確かに間違いなく東京都は税金を運用したわけであります。しかしながら、見方を変えれば、その運用を失敗した場合には運用責任がこれは当然あるのではないかというふうに考えるんですが、株主として、知事を初め関係各局はどちらかというと運用の責任があるのではないかと考えますが、見解をお伺いしたいと思います。

○櫻井参事 東京都は、中小企業支援のために新銀行を設立したものでございます。中小企業支援という施策の実現のために出資という手法を選んだわけでございますが、これはもちろんのことでございますが、資金の運用というものが目的であったわけではございません。とはいうものの、今日のような経営状況に立ち至っているということにつきましては、大変重く受けとめているところでございます。
 一方で、新銀行東京でございますが、経営悪化の状況とはなっていますけれども、これまでも、既存の金融機関が対象といたしません赤字、債務超過先企業などへの支援を着実に行っているところでございまして、中小企業支援という都の施策に沿った役割というのは一定程度果たしてきている、そういうふうに考えているところでございます。
 今回、経営悪化によりまして中小企業支援という施策の継続が危ぶまれる状況になっているところから、今般、追加出資のお願いをさせていただいている、そういう次第でございます。

○山口委員 運用という認識についてはそれでよろしいかと思いますが、都民のだれもが、自分の暮らしに還元されると信じて税金を納めてくださっているわけです、東京都に。この責任の所在が銀行ではなく東京都にあるんだという認識ぐらいはぜひ持っていただきたいと思います。
 続けて伺いますが、これは改めて申し上げるまでもなく、都民の皆様からお預かりしている税金というのは、何らかのサービスで都民に返していかなければいけないわけであります。今回の追加出資がひょっとするとそれを毀損してしまう可能性が危惧されているから、ここまでしつこく聞いているわけでありまして、このことを私はここで申し上げているわけであります。年金でいえば、元本がなくなったら、その年金を有した証券会社は吹っ飛んでしまうことと同じであって、さらにいえば、個人的に経営者が訴えられることだってあるわけであります。今まさに東京都はこういう状況にあるんだということです。銀行はいわばこれをもう一度投資家に埋めてくださいとお願いをしている状況と立場であるわけで、ということを踏まえて、これまでに発生した焦げつき融資や不良債権の処理についてお伺いしていきたいと思います。
 まず、都はそもそもこういった立場を認識し、この新銀行東京の問題について、税の管理者、そして適正な執行者としての責任を認識されているのかどうか、また、都としては責任はだれにあると現時点でお考えになられているか、お伺いしたいと思います。

○櫻井参事 都民の皆様からお預かりいたしました貴重な税金の使い方という点では、委員おっしゃいますように、大変大切に扱わなければいけないと思っております。これを予算という形で議会にお諮りした上で、私ども適正に執行していかなければならないというふうに考えております。
 今回の新銀行東京の関係でございますが、東京都は中小企業支援という施策の実現のために出資をしていたわけでございますが、結果としてこうした経営状況に立ち至っていることにつきましては、大変重く受けとめているところでございます。
 なお、先般明らかにされました新銀行東京の調査報告書、こちらを受けまして、現在、新銀行東京の方では、今後、信頼できる専門家に任せるなどしまして、法的責任の追及を含めて、さらに調査を進めることとしております。責任の所在を含めまして、都は今後ともその推移を注視していきたいと思っております。

○山口委員 いろいろな聞き方をして、どこに責任があるのかということを私はお伺いしたかったわけでありますが、答弁の中では、その責任ということや、だれがどういうところで、今後、そういう判断をされていくのかという答弁をいただくことはできませんでした。
 さらに踏み込んで、具体的にこれからお伺いしていきたいところなんでありますが、そもそもこの銀行がこんな状態に陥ってしまったのは、本当に銀行が示したように、社会情勢や融資の仕方だけが問題だったんでしょうか。私が考えるには、融資の仕方や見通しの甘さもさることながら、金融における融資との両輪である回収に大きな問題があったと、これは指摘せざるを得ないわけであります。
 これらについて伺っていきたいわけなんでありますが、そもそも無担保、無保証の融資は、回収のリスクは当然先に考えて取り組むのは金融において常識だと私は考えておりますが、新銀行東京においては、マスタープランにはいいことが書いてあるわけなんでありますが、実態からはとてもそうは見えません。銀行がこの保全についてどのように考えていたのか、またはこの点についても当初から想定をしていたのかどうか、お伺いしたいと思います。

○櫻井参事 債権回収のリスクにつきましては、本来、銀行が企業経営を実施していく上で当然考えるものでございます。しかしながら、スコアリングモデルに過度に依存した融資の実行やデフォルトに対する甘い見通し、そして後手後手に回りました対策等が、今般出されました調査報告書の中では明らかになっているところでございます。
 また、新銀行東京においては、経営と執行を分離いたしました委員会設置会社の組織形態を採用しているところでございます。この中では、統合リスク管理委員会など、リスク管理体制も構築していたところでございますが、調査報告書にあったような経営実態の前に、十分な機能が果たせなかったということは大変残念でございます。
 都としては、中小企業支援という施策を実現するために、新銀行東京の経営の健全性の観点からも、再三にわたりまして機会をとらえて意見表明、申し入れ等を行ってきたところでございます。

○山口委員 そもそも銀行は、いわゆる延滞の発生時から回収もしくは不良債権化まで、どのような手順で取り組まれてきたんでしょうか、お伺いしたいと思います。

○櫻井参事 債権回収業務につきましては、新銀行東京が直営で実施をしております。通常の銀行と同様に、返済日の前後に電話による入金の督促や延滞後の面談による督促、資産調査、あるいは返済が厳しい顧客への条件の緩和とか担保の徴求など、こうしたことを実施しているところでございます。
 また、法的破綻には適切な対応をとるとともに、最終的にはバルクセールなどで償却をしているところでございます。

○山口委員 今の答弁を伺っていると、あたかも初めから銀行が直接的に回収業務等に当たっていたように聞こえるわけなんでありますが、本部の与信の管理部からこの業務に携わる方が各支店に配置をされたのは平成十九年度に入ってからですよね。それを確認をまずしたいと思います。

○櫻井参事 債権回収の執行体制でございますけれども、従前は本部に与信管理グループが置かれておりました。十八年度末ぐらいから営業店に臨時的に移されるようになりまして、その後正式に営業店への配置がえが行われている、そんな状況でございます。

○山口委員 こちらが調べた限りでは、要するに、それぞれお客さんの顔が見える支店できちっと回収業務に当たるようになったのは、つまり、まだたったの一年でしかないんですね。見直しを図って、これ以前はどういうふうな回収が行われていたのか、それによって、どうしてこの事態に陥ってしまったかというのが問題であるわけであって、現状というのはわかるんですが、それ以前がどういうふうにされていたのかというのが問題なんです。
 そこで伺いたいのは、それ以前、要するにこの改善をされる以前は、どのような流れで回収までの手続を行っていたのか、先ほどの答弁と比較をしたいので、ぜひお伺いしたいと思います。

○櫻井参事 開業当初から平成十八年度までの回収の流れにつきましては、先ほど申し上げましたように、営業店において融資を実行した後に、返済の督促などを与信・コールセンターに移しておりました。このため、融資の実行責任と返済管理を同じセクションで行わないことによる弊害や、通常顧客管理業務の一環で電話督促や条件変更が行えないなどの非効率がございました。
 現在は、営業店において融資実行から期中管理、延滞管理、回収、完済までを一元管理する体制に変更いたしておりまして、債権回収を強化しているところでございます。

○山口委員 恐らくコールセンターに移されて、電話をかけていても実態が全くわからない、どのようなケースで、ここまでの経緯でこういった回収が困難になったのかもわからないという実態で、回収が全く見込めなかった。すなわち、先ほどもお話をしたように、両輪である片輪は全くといっていいほど機能していなかったということが、これによって明らかになるわけですね。
 この一年、ようやく専門的な方がそれぞれの支店に配置をされて、といっても、これから一支店になるわけですから、債権回収がどのように行われていくのかということもこれから伺っていくわけなんですが、その当時と、改革をされたとされる現在の回収実績というのはどのように推移をしているのか、伺いたいと思います。

○櫻井参事 詳細な数値につきましては、新銀行東京より、経営上の情報ということで明らかにされておりませんが、延滞発生状況につきましては、現在の発生状況は以前に比べまして半数以下の程度まで改善していると聞いております。

○山口委員 ということであれば、改革もされ、このままの回収状況や実績でいけば問題はないと、現状で東京都は判断をされているということでよろしいですか。

○櫻井参事 新銀行東京におきましては、顧客の実態把握や返済履歴を勘案いたしまして、無担保融資を継続できる体制を構築する一方、回収率向上のために担保、保証の徴求を行うなど、与信管理体制の改革を行っていくこととしております。
 東京都といたしましては、新銀行東京におきまして再建計画に沿ったこうした与信管理体制の改革が進められることを期待しているところでございます。

○山口委員 新銀行東京の最大の営業時で、支店、出張所というのが約十店舗あったわけでありますが、これらがそれぞれ顔が見える範囲で営業をしていたころに比べると、再建計画では営業拠点を新宿店一店に集約をして、さらに人員についても、一二年の三月までに現行の四百五十人から百二十人に削減をするとしているわけであります。本当にこれは大丈夫なんですか、この回収業務に関しては。疑問しか残らないわけでありますが、何人体制で債権回収業務に当たるのか、お伺いしたいと思います。

○櫻井参事 融資業務と回収業務というのが一体となって一元的に取り組んで初めて効果が発生するものであるというふうに考えております。このため、延滞発生への対応ですとか条件緩和等の取り組みは、個々の中小事業者さんとの間でのリレーションの中で行っていくものであると考えております。ご質問のような債権回収業務だけで体制を組むということは考えていないと聞いております。

○山口委員 それでは伺いますが、具体的にはどのようにお進めになるおつもりでしょうか。

○櫻井参事 新銀行東京では債権回収のための専管組織を設けることは考えておりませんが、再建計画では、これまでの融資、保証における問題点と改善点を踏まえまして、新たな与信管理体制の充実に結びつけていくこととしております。また、さまざまなデフォルトの事例の検証や社内研修などの充実によりまして人材育成を行いまして、与信管理に重点的に人員を配置するというふうに聞いております。
 こうした取り組みによりまして、新銀行の与信管理機能が強化されるものと期待しているところでございます。

○山口委員 今ご答弁をいただいたわけでありますが、それでは、東京都は、この体制で回収に関しては問題は全くないとお考えということでよろしいですね。

○櫻井参事 新銀行東京の債権回収の関係につきましては、新経営陣になりまして初めて自己査定を行いまして、全顧客の債務者区分の見直しを行って、初めて適切な債権管理の実現が可能になる、そういった状況に至っております。こうした新しい経営陣の取り組みに私どもも期待をしていきたいと思っているところでございます。

○山口委員 もう細かい数字は申し上げませんが、これまでの回収困難な企業であるとか、赤字経営で債務超過に陥っている企業とか、さまざまな企業数というものの膨大さというものは、もうここで、予算特別委員会等々でも公になったところでありますが、これまでの債権回収業務を引き継ぎながら、新たに発生するものにも少人数で、かつ専門的な業種を持たずに、人数も専門的に設けることもなくこの回収業務に取り組んでいくということがどれだけの困難かということは、もうこれは容易に想像がつくんですね。
 これは、再建計画をごらんいただければわかると思いますが、融資に関してはこんなふうにやります、新しいものは提案していきます、こういうふうにやっていきますと書いてありますが、回収についてというのは一切何も書かれていないんです。つまり、我々も何を見て判断をしたらいいのか、どういうふうに進められるのか。これは私たちばかりじゃありません。新銀行東京と関係のある優良といわれる企業の皆さんたちも含めて、これから先どのようになっていくのかというのが、この計画を見ていても一向にわからないんです。
 ですから、一つ一つ細かく伺っているわけなんでありますが、そこから先の債権回収にちょっとお話を進めていきたいと思うんですが、あおぞら債権回収以外にどんなところと、サービサーとこれまでおつき合いをしてきたのか、そこが、これからもおつき合いは変わらないのかどうか、お伺いしたいと思います。

○櫻井参事 回収業務につきましては銀行みずからが実施しているところでございますが、破綻先の債権譲渡先といたしましては複数の企業がございます。
 他の個別の企業名につきましては差し控えさせていただきますが、相手先につきましては、新銀行東京にとりまして経済合理性等も考慮しながら決定をしている、そういうことでございます。

○山口委員 それでは聞き方を変えますが、だれの判断によってこれらの債権が、今お話しいただいたサービサーに送られていくのかどうか、お伺いしたいと思います。

○櫻井参事 回収が見込めない先あるいは回収に長期間を要する先などは、経済合理性を考慮した上で、複数の譲渡先の条件を比較検討した上で、新銀行東京の執行役会で決裁の後、譲渡をしているという状況でございます。

○山口委員 中小企業にお金を貸すリスクというのは、無担保、無保証だったころに比べてこれからは少し変わるかもしれませんが、それにしたってリスクを伴うことは、これはもう申し上げるまでもない事実であります。
 今回、定量で評価をしてトランザクションして、全部コンピューターで数量化してやることが、ビジネスモデルのこれまで柱だったわけでありますが、しかし、ふたをあけてみたらそんなことはできるわけがなかった。ということは、機械任せではなくて、経験ある専門的な人道的かつ冷静な判断ができる営業というものが欠けていたんだということが、一つの大きな融資の失敗につながっていることは、事実がもうこれを証明しているわけであります。しかし、この事態に陥った銀行がどういう行動に出るのか、銀行との取引のある方々というのは、これを一番心配されているわけなんですね。
 まさに今後の金利のことや回収のことというのは、これはもう実際に生活に、会社の存続に大きく影響することなんでありますが、東京都が盛んに守るべきといわれている取引相手のことでありますから、もちろん守るべきでありますが、守り方について、これはしっかり考えていかなければいけないときだと思うんです。
 再建計画のどこを見ても、今後どのようにこれまでの方々とおつき合いをしていくのか、つまり回収や金利の予測なども全く示されていないわけなんです。つまり、これは皆さん戦々恐々とされているんだと思うんです。だからこそ、どうやって回収をしなければならないのか、まず先に考えなければならなかったわけなんでありますが、今もまさに、この問題について解決をしていかなければいけないときなんです。
 債権を回収できるのは二人しかおりません。弁護士さんか債権回収会社、これらに代行を委託してきたわけなんでありますが、そもそもサービサーにどぶをさらう仕事といいましょうか、そういう苦しい業務を外部に出してきたわけなんでありますが、それぞれのサービサーがそれぞれ性格が違うので何ともいえませんが、サービサーに投げるということは、そのコントロールをほかに預けるということになりかねません。東京都が何らかの基準を持って、例えばこういった売り掛け債権はしないでください、倒産につながりかねないからというようなコントロールが本当にできるのかという根本の不安がぬぐえないわけなんであります。
 そこで伺いたいんですが、この対象となってしまった債権譲渡の件数は、どのサービサーにどのくらいあったのか、まずお伺いしたいと思います。

○櫻井参事 新銀行東京では、個別の企業さん、このサービサーとの契約につきましては明らかにしていないところでございます。

○山口委員 それでは、具体的にどういうふうになっているのかというのが全くわからないんですよ。これまでも答弁の中にそういったお答えがあったので、驚きもしませんが、個別、どこに具体的にどれだけの件数や額があったのかということまでお答えいただかなくても結構ですから、せめて総額と総件数ぐらいは示していただいてもいいんじゃないでしょうか。実態が全くわからなければ判断のしようもないわけで、改めてお伺いしたいと思います。

○櫻井参事 お尋ねの件につきましても、新銀行東京の方では明らかにしていない営業情報でございます。

○山口委員 なるほど、お答えいただけないということでありますので、次に行きたいと思いますが、それでは、そのサービサーとの譲渡条件や契約についてはどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。

○櫻井参事 譲渡条件とか契約についてでございますが、複数の譲渡先の企業さんの条件を比較検討しているということでございます。
 契約は、個別に各サービサーと締結をするという形でございます。

○山口委員 マスタープランの二九ページに書いてありますよ。債権管理・回収業務は銀行業務の中で極めて重要な業務であるが、新銀行は専門性を備えた企業と提携をし、その力を十分活用するとあるわけです。
 しかし、また先を読むと、新銀行は、企画統括機能に特化し、債権売却や回収方針に際しての判断を主体的に行う、一方で、回収の個別判断、交渉から回収手続に至る実際の回収業務は、高い専門性と効率性を備えた提携企業に外部委託するとされているわけです。
 さて、この二九ページに示されている図の中で、新銀行が担うのは管理回収コントロール機能とされていますが、これが一体当時どんな機能を果たしていたのか。そして、サービサーに回って、コールセンターから連絡が行き、さまざまな措置がされた上で、手に負えなくなると売却されるという構図だということが、今質疑の中でわかったわけなんでありますが、これらが全く、今数字をお伺いしても不明瞭な部分で、さらに再建計画の中でも、先ほどもお話ししたように全く触れられていないわけであります。
 数値目標として達成されるとされている、その数字は確かにすばらしいものです、三年後には二十六億円になるというんですから。でも、これまでとどのように変わって、これからはどうなるから焦げつきが減って、回収が増し、また不良債権数が減少するという説明が、方法も含めて全く示されていないわけで、つまり、貸し方を変えても、両輪たる回収の部分の改善が全くなされていなければ、金融機関にはやはり同じ失敗を繰り返す危険があるわけでありますし、また資金難に陥る可能性も高いということを指摘せざるを得ません。
 貸し方に問題ありという自己評価もよろしいわけなんでありますが、その他の部分の自己評価ももっと詳細な分析を示していただかない限り、評価をすることも私たちはできないわけであります。
 各支店に回収部門といいましょうか、回収のための専門家の方が配置されたということは最近であるという事実は先ほどわかったとおりでありますが、これからはその支店すらなくなります。だれが、これからはこの部門を負うのか、さらに、つき合いが、実態がわからない本社から、またサービサーから取り立てが始まるということなのか、具体的にどのように延滞発生時から回収が進んでいくのか、お伺いしたいと思います。

○櫻井参事 まず、延滞発生時には、債務者の方と面談をいたしまして、延滞の経緯、足元の業績、資金繰りを確認した上で入金の督促をいたします。一方で、万一に備えまして、債務者及び保証人の資産調査を実施いたします。
 このうち、足元の資金繰りは厳しいが業績回復が見込まれる顧客につきましては、条件を緩和いたしまして、債務者の資金繰り支援を行うとともに、不動産担保の徴求、保証人の追加、公正証書の締結等の保全策を講じているところでございます。
 また、業績回復のめどが立たず延滞解消を見込めない顧客につきましては、任意弁済不可能な場合につきましては法的対応を検討することになります。
 法的破綻先につきましては、法手続に沿った対応を行うとともに、詐害行為が発生した場合には、破産管財人への報告等、適切な対応をとることとしております。
 さらに、詐欺の立証が可能な先、あるいは反社会的勢力が関与している先につきましては、刑事的告訴も辞さないということでございます。
 法的手続による債務免除を受けた先、破産免責決定先等、法的追求不能となった先につきましては、直接償却による処理を実施いたします。
 また、これ以上回収は見込めないけれども直接償却は困難な先、回収に長期間を要する先につきましては、最終的にバルクセールによりまして処理を行っているというふうな次第でございます。

○山口委員 さて、時間も限られておりますので、先に進んで、不良債権処理についてお伺いしたいと思います。
 三月十三日の読売新聞社の調べによると、経営破綻した融資先二千三百四十五社のうち、法的措置を講じて回収に乗り出したのはわずか二・五%の五十九社、融資総額にすると十四億円の融資計百四件にとどまっているとされました。これは一体事実なんでしょうか。
 とすると、同様の二千二百八十六件、二百八十五億円になるそうでありますが、に関してはどのような見通しになるのか、また、この訴訟により回収された額は一体幾らになるのか、まとめて伺いたいと思います。

○櫻井参事 先ほどご答弁いたしましたとおり、債権回収の手続につきましては、返済条件の変更、担保徴求など、継続支援、回収努力を最大限に行った後に、業績回復のめどが立たず延滞解消が見込めない先、返済意思のない不誠実な債務者などに対しましては法的対応も行っているところでございます。
 なお、新銀行東京におきましては、これまでの法的な対応の件数、回収額等につきましては、重要な営業情報ということで、これを明らかにしてございません。

○山口委員 その回収の仕方ということが、回収方法一つで、バブル崩壊後の都市銀行のやった貸し渋り、貸しはがしにつながるような典型的なレールであるようにしか私には見えないんですが、例えばほかのサービサーに投げて回収するようなことになれば、もう既に現場では売り掛けの差し押さえなどが起こっていると聞いていますから、まさに救うべき中小企業が犠牲になってしまうのではないかという危惧さえ私は感じています。
 そうすると、中小企業のためにという本義が失われてしまうわけであって、それだけに、どのように回収を進めていくかが、縮小する銀行から借りている方からすると重要な論点になってくるわけであります。
 再建計画によると、今後、貸出残高を一年間で半分にするという方針を打ち出しています。ということは、回収しなければ、これはもう成り立たないわけであります。それはどのくらいの件数になるのか、そして具体的にどう回収していくのか、改めてお伺いしたいと思います。

○櫻井参事 新銀行東京におきましては、あくまで約定返済による回収が前提でございまして、約定の期限前に貸しはがし等は全く考えておりません。また、継続支援が可能な先につきましては、今後とも継続的な支援をしていくこととしております。
 東京都といたしましても、今後、新銀行東京の中小企業支援という役割にかんがみまして、その動向を注視していきたいと思っております。

○山口委員 四百億円、再度出資をする東京都の立場であれば、当然ここが、回収であるとか不良債権の処理の仕方というものがネックになるということは十分ご承知のはずであります。
 重ねて伺ってまいりましたが、この点が今後改善されなければ、これまで、またここまで回収が滞っていたわけでありますから、これからもきっと進まないでしょう。その中で、銀行が健全な運営を取り戻していくということは、その痛みは中小企業が負っている可能性が高いということが容易に想像できることを指摘せざるを得ません。
 新たな再建計画の概要にすら、このことについては全く述べられていなくて、改善策も示されておりませんし、新銀行東京調査委員会から示された調査報告書を見ても、デフォルトの原因についてさまざまいいわけが述べられているだけで、その対処の仕方や、さらに今指摘した貸し倒れ対策や回収、さらに企業再建の充実も一切示されていません。
 概要版に載っていないだけだといわれれば、それまででありますが、少なくとも私たちはそれを確認することはできませんでした。とても私たちは不安なのでありますが、東京都が一番疑問に思って、指摘をしなければいけない点はここなんじゃないでしょうか。
 債権回収から不良債権処理に至る、この問題は、大きくこの新銀行東京の経営の破綻に近い状況につながった原因と私は考えておりますが、東京都はこの債権回収に大きな原因があったことを認めますか。お伺いします。

○櫻井参事 新銀行東京では、新中期経営計画の策定時点から、スコアリングモデルだけに頼ることのない審査・与信管理体制の構築による不良債権の排除を目指しまして、審査・与信管理体制の再構築を実施しているところでございます。
 先ほども申し上げましたが、今般の計画では、営業店は新宿一店舗になりますが、少ない人員ではございますが、フロント部門の充実を図ることによりまして、融資の実行から期中管理、回収に至る業務を営業店の方で一元的に徹底的にやっていくということでございます。
 この債権回収が原因の一端であったかどうかにつきましては、今後の銀行の調査を見守ってまいりたいと思っております。

○山口委員 東京都もまだ示されていないんだということが今の答弁でわかったとおりでございまして、これから示されるものを見守っていくわけでありますから、当然計画には書かれていなかったんだろうということが想像つくわけなのでありますが、今お話をしてきたように、債権の回収もしくは不良債権の処理の仕方、それから、これからどのように返済していけば、自分たちの企業が、会社が立ち直っていけるのか、そして前を向いていけるのかということを、それぞれの企業さんは心配されているはずであります。
 いわば、この計画というものは、しっかりと見てみると、山の登り方に関しては安全です、この道をたどって登ってきてくださいというふうに示されていますが、おり方について、下り方については全く示されていないんです。これからどういうふうに返済すればいいのか、自分たちがどういうふうに、万が一が起こってしまったときに自分たちがどういう扱いをされるのか、どういうところに向かおうとしているのか、山の全体像は見えても、一向にその方向性が示されていないというのが、この計画です。
 つまり、融資の仕方にどれだけ魅力を感じても、どれだけ新しいものを提案しても、その下り方が書いていない。返済の仕方も、回収の仕方も、万が一のときの、自分たちが不良債権になってしまったときにどういうふうに迷惑がかかるのか、どういうふうになっていくのか、一切ここには示されていません。
 その計画をもって我々が判断をすることは非常に厳しいことでありますし、ここには一切示されずに、東京都もまだご判断いただけていないということが確認をとれたということを、改めてここで確認して、私の質問を終わりたいと思います。

○増子委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後三時二十七分休憩

   午後三時四十二分開議

○増子委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 なお、現在のところ、ご協力いただきつつ進んでおりますので、引き続きぜひ議事進行にご協力いただきますようお願い申し上げて、質疑を続行いたします。
 発言願います。

○上野委員 私からは、新銀行東京についてお伺いいたします。
 この新銀行東京につきましては、本定例会への新たな出資の提案を受け、本会議、また予算特別委員会におきましてさまざまな角度からの議論が行われてきましたが、私もこの土曜、日曜と地元を回って、いろいろと住民の方のお話を聞いてまいりました。都民の声というのは、銀行みずから事業清算すべきだという声が多いようでございます。
 都民にとっての情報のよりどころは、やはりマスコミの報道でございます。今のマスコミの論調を見てまいりますと、どちらかというと責任論が先行されているように見受けられるところでございます。なぜ事業清算がだめなのか、こういったことについて、都民の皆様は、その議論の内容を必ずしも理解されていないようでございます。
 そこで、基本的なところを中心に改めて何点か質問したいと思っております。
 まず、新銀行東京の今後について、都は、現在考えられる選択肢は三つだと繰り返し説明をされまして、その中で追加出資がベストであると先ほども説明がありましたけれども、なぜ追加出資がベストの選択なのかというのを、改めてその理由というのを、例えば金額などの数字で比較するなど、これは非常に都民の方も理解しやすい。そういった都民が理解できる、わかりやすい説明をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○目黒金融部長 追加出資は、新銀行東京の経営を再建し、既存の融資先を初めとする中小企業への継続支援を行うもので、新銀行東京が銀行業務を継続するために必要な資本として四百億円を都が出資するものでございます。この四百億円は、将来にわたって中小企業を支援していく上で必要な資金を供給するために使われるものであり、一時的な経費として消えてしまうものではございません。
 事業清算は、銀行がみずからの意思で廃業するもので、そのためには、預金者と健全な融資先の保護が前提となります。
 まず、預金については、新銀行東京の現在の預金残高約四千億円でございまして、これをいっときに払い出し請求がなされた場合、直ちに現金化できる有価証券などの資産だけでは約一千億円不足が生じるため、これを都が貸し付ける必要が出てまいります。
 さらに、融資継続ができなくなることで、既存融資先の経営が悪化し、融資返済が滞り、多額の損失が生じることが予想されます。過去に新銀行東京と同規模の融資額を有する金融機関の破綻例から推計いたしますと、その額は一千億円にも及ぶものと考えられます。
 預金保険法に基づく破綻処理が行われる場合には、いわゆるペイオフということになるわけでございますが、これは一千万円を超える預金元本とその利息は保護されないことになってしまいます。銀行の財務状況にもよりますが、その影響は、個人、法人合わせて九千六百十件、金額にして四百七十七億円にも上るものと考えられます。

○上野委員 東京都は、都民に新たな負担を求める以上は、その負担は最小限に抑えるべきであります。代表質問でも我が党が主張しましたように、間違っても一時しのぎや先延ばし、あるいは責任転嫁などに終始していては断じてならないということを、改めて本委員会でも確認しておきたいと思います。
 質問に移りますが、追加出資以外のほかの方法を選択した場合の中小企業への影響として具体的にどのようなことが予想されるのか、お伺いいたします。

○目黒金融部長 融資継続が困難となりますことは、事業清算も破綻処理も同様でございますけれども、破綻処理の場合には、一部の優良事業者以外の債権は整理回収機構、いわゆるRCC送りになる可能性が大きくなります。他の金融機関からの借り入れ等が困難になる結果、事業継続が困難になり、事業者が破綻した場合には、その影響は従業員とその家族にも及びます。具体的には、新銀行東京の現在の取引先の一社当たりの就業者数は十四・七人でございますが、これに、ほかからの借り入れが難しいと考えられる赤字、債務超過先五千六百三十五社を乗じますと、推定で約八万三千人の就業にも影響が及ぶということが懸念されるところでございます。

○上野委員 ただいま、優良な融資先以外は整理回収機構送りとなる、事業継続が難しくなるとの説明がありましたけれども、本当にそうなのか、実態がわかれば教えていただきたいと思います。

○目黒金融部長 整理回収機構、いわゆるRCCの主な機能は、破綻した金融機関等の不良債権を買い取り、ビジネスライクな厳しい債権回収が行われるとともに、経営者の責任を追及するということにあるわけでございます。
 債権が同機構に譲渡され、借り手である企業にとってRCC送りとなることは、その企業の経営が芳しくないことが対外的に明らかにされることでございます。その時点で社会的信用は失われることになってしまいます。
 また、整理回収機構は融資を行うわけではございませんので、RCC送りとなった企業に対し他の金融機関が新たな融資を行うことはあり得ません。企業にとって融資が受けられないことは、事業活動の休止に追い込まれるに等しいものでございます。
 これらのことを踏まえますと、RCC送りになった中小企業の事業継続は相当に厳しいものと考えられます。

○上野委員 次に、先般、銀行が公表いたしました調査報告書について何点か伺います。
 まず初めに、確認になりますが、この報告書はどのような位置づけ、目的でまとめられたのか、またポイントはどこにあるのか、お伺いいたします。

○目黒金融部長 調査委員会の報告書は、旧経営陣が経営に当たった開業後おおむね二年間の経営状況に関し、経営悪化の主因とされる不良債権を増加させた融資業務の管理を中心に調査を行い、経営悪化を招いた原因の究明を目的に取りまとめられたものでございます。

○上野委員 この報告書によりますと、旧経営陣による常軌を逸した経営実態が明らかになったわけでございます。こうした事態に陥ったことについて、とりわけ仁司元代表執行役の責任は大きいものがあると思います。
 そこで、乱脈経営により新銀行がこうむった損害をわかりやすく説明していただきたいと思います。

○目黒金融部長 旧代表執行役等は、大量のデフォルトが発生する中で、本来であれば融資に慎重な姿勢をとるべきところ、通帳や決算書の確認など、対症療法的なデフォルト発生防止対策に終始し、融資拡大路線を継続したことで不良債権が拡大したものでございます。
 本年一月末までのデフォルト額は累計で二百八十五億円までに拡大し、経営状況は大幅に悪化いたしました。

○上野委員 ここに、旧経営陣が平成十七年八月策定いたしました中期経営目標がございます。この九ページを見てみますと、与信管理のところで、一定額以上の融資については、債務者の業況、財務内容などを総合的に判断した信用格付、自己査定を実施と、このように記載されているわけでございます。こうした自己査定などをきちんと行っていれば、こういったデフォルトをもっと抑制することができたのではないかと、このように思うわけでございます。
 実態はどうだったのか、また、ここでいう一定額とは幾らなのか、お伺いいたします。

○目黒金融部長 旧経営陣の事業運営の中で、中期経営目標に基づき期中管理を行っていたのは五千万円超の貸出債権であり、実態としてはポートフォリオなどは対象としていなかったものでございます。
 また、そのやり方も、実際に融資を実行した営業店と切り離し、融資・コールセンターが行っておりまして、結果として効果が上がらなかったものでございます。
 このため、新経営陣のもとでは、融資を行った担当者が返済までの期中管理を一元的に行う方法に変更いたしたところでございます。

○上野委員 また、新銀行マスタープランがありますけれども、ここの一七ページ、融資対象顧客というところにこのように書いてあります。ポートフォリオ型融資については云々ということで、経営者などに関する定性評価に問題がない企業であれば融資対象となり得る、このように書いてあるわけでございますけれども、この旧経営陣が策定しました中期経営目標、こちらの方には融資に当たっての定性評価に関する記載というのがないわけであります。
 旧経営陣はどのように考えていたのか、そのあたりについてお伺いいたします。

○目黒金融部長 旧経営陣は、融資残高の拡大を優先させ、行員に対し、スコアリングモデルを重視した審査を強く奨励いたしておりました。結果として、ポートフォリオにつきましては、都が新銀行マスタープランで想定していた実地面談や実態調査など、定性面の調査には重点が置かれていなかったと考えられます。

○上野委員 非常に問題があるわけでございますけれども、ところで、先日、新聞報道で、不動産会社コシ・トラストの紹介で融資した三井住友銀行と三菱東京UFJ銀行におきまして、中小企業から多額の回収不能が発生したとの記事が掲載されておりましたけれども、新銀行東京への影響はないのか、念のためにお伺いいたします。

○目黒金融部長 本件につきましては、新銀行東京からは該当はないという旨の報告を受けてございます。

○上野委員 そのご報告、安心させていただきました。
 次に、調査報告書に戻りますけれども、今回の調査で、新銀行東京は経営悪化の原因は十分に分析できたと考えているのか、本調査以上の新たな事実が今後発覚する心配はないのか、もし発覚した場合、都はどう対応するのか、都の見解を伺います。

○目黒金融部長 今後さらに、デフォルトに基づく損害額をどう評価するのか、また、これを経営責任との因果関係とどのように結びつけるのかなど、専門家の意見を踏まえ、十分に検討していくこととしております。
 専門家による調査、検討が進められる過程で、新たな事実が発覚することも考えられますが、適切に対応していく考えでございます。

○上野委員 今後、新銀行東京は、本結果をもとに法的手段の検討に入る、このようにされておりますけれども、内容の性格上、慎重な対応をお願いしたいと思います。
 また、今回の調査結果について、そのすべてを明らかにすべきとの声もありますけれども、今は銀行側の対応を見守るべきだと私は思っております。
 そこで、法的対応にはどのくらいの期間を要するのか、お伺いいたします。

○目黒金融部長 法的対応に関しましては、新銀行東京からは、年内には結論を得る方向で検討を進めているというふうに聞いております。

○上野委員 ぜひとも早く出るようにお願いしたいと思いますけれども、また、この調査報告書によれば、旧経営陣の経営責任については言及してきておりますが、その上で、本来、都としても大株主という立場でもございますので、経営に深く関与し、目きき役としての監視を強化すべきだったと考えるわけでございます。
 我が党は昨年の予算特別委員会でもこのことを強く訴えてきたところでありますけれども、都のこういった対応のあり方における責任において、局長の見解をお伺いします。

○佐藤産業労働局長 東京都としましては、この間、新銀行東京に対しましては、銀行法の制約のもと、経営の大枠監視ということに重点を置きまして、中小企業支援の充実など、政策目的の実現に着目いたしまして、その取り組み状況を見守ってまいりました。
 しかし、こういう状態に至りまして、今後はさらに金融庁とも十分連携を図りながら、経営実態に即した経営監視を強化していく考えでおります。
 四百億円の追加出資、これは都としても苦渋の選択であります。都民に新たな負担を求める、このことの重みをしっかりと受けとめて、今後、新銀行東京の適切な経営監視に努めてまいります。

○上野委員 我が党としても、さらにこれからも調査特別チームを中心といたしまして、締めくくり総括に向けて徹底した調査をしていく所存でございますので、そのことを述べまして、私の質問を終わります。

○清水委員 新銀行東京について伺います。
 この問題は、本会議、予算特別委員会で質疑が行われ、我が党議員は、破綻の原因が、石原知事がいうような旧経営陣の乱脈経営にその本質があるのではなく、石原知事とその側近と密室作業でつくられた計画、マスタープランの掲げた預金口座数百万口座、融資、保証残高九千三百億円という目標自体に根本原因があることを明らかにしてきました。
 また、マスタープラン策定時には、想定した貸し渋り、貸しはがしがおさまり始めており、断念することができたこと、さらには、各期の決算で損失が明らかになった時点で立ちどまることができることなども明らかにしてきました。
 にもかかわらず、石原知事は、側近らにつくらせた薄っぺらな調査報告書と再建計画にしがみつき、ひたすら旧経営陣に責任を押しつけてきました。これでよくも都民に納得してくれといえたものです。
 既に一千億円の税金が失われ、さらに四百億円を投入しようとしているのに、最小限の資料も公開しない、聞いたことにまともに答えないなどという態度に終始してきました。質問に入る前に、都が説明責任を果たすことを強く求めておくものです。
 まず、新銀行東京の所管局である産業労働局の責任、役割などについて問いたいと思います。
 産業労働局は、新銀行東京が開業して以来、所管局として新銀行東京を監督する役割を持っていました。したがって、知事に対して、各決算期に決算書の内容を把握し、意見をさまざまな形で進言してきたと思います。
 そこで伺いますが、産業労働局は、中間及び年度末決算ごとに経営状況をどう認識し、知事にどのように報告してきたのか伺います。

○櫻井参事 産業労働局では、各決算期ごとに、銀行がみずからの経営判断で作成いたしました各計画の達成状況を中心といたしまして、融資、保証、預金残高の状況、経常損失の状況などにつきまして、知事への報告を行ってきたところでございます。

○清水委員 産業労働局としては、知り得た情報は知事に報告していたということですね。時間がたつにつれ赤字がふえ続け、マスタープランと実績の乖離が増大している原因についてはどう説明してきたのですか、伺います。

○櫻井参事 決算期ごとの情報に基づきまして、例えば平成十九年三月期の深刻な経営状況の悪化した状況等につきましては、知事の方に報告してきているところでございます。

○清水委員 二〇〇五年度に赤字がプランの五十億円の約四倍、二百九億円にも達したとき、この原因と打開策についてどう報告しましたか、伺います。

○櫻井参事 今お尋ねの決算期におきましては、デフォルトの増加が見られ始め、また融資残高等がまだ十分、伸び悩んでいるような、そうしたような経営状況については報告をしているところでございます。

○清水委員 そういう認識で結局推移していって、赤字が増大し続けても、その原因も説明できない、何とかなるだろうという報告をしている。打開策も進言できなかったんでしょう。
 大体、銀行経営のノウハウがわかるわけでもないし、詳細な情報などつかめるわけがなかったからなんです。知事のトップダウンで押しつけられた。そして、困り抜き、手をこまねいているしかなかったのではないでしょうか。いろいろいっても、産業労働局が銀行を監督できるわけがないんです。
 次に、新銀行東京が会社の組織として機能をどのように果たしてきたのかが問われています。マスタープランに基づいて、役員への権限集中と、運営などをチェックする社外取締役制度がつくられましたが、各決算期ごとに社外取締役制度がどのように機能したのか伺います。

○櫻井参事 先ほどのご答弁で一言申し忘れましたが、先ほどの二〇〇五年の段階では、まだ計画の想定の範囲の中にとどまっていた数値であったという状況でございます。
 社外取締役がどのように機能してきたかというところでございますが、新銀行東京の取締役会についてでございますが、決算期であるかにかかわらず、会社法に定められた権限に基づき職務を遂行しているものと考えております。

○清水委員 今、二〇〇五年のお話をされましたけれども、私は、二〇〇五年の決算、二〇〇六年の決算、二〇〇七年の決算、それぞれ大勢の公認会計士の方だとか金融専門家などに見ていただきましたが、二〇〇五年の決算のときにも、そちらが分析されなくても、そういう先生方は、これは大変危険な方向にあるということを、もう既にそのときから指摘をされていたんですよ。
 あなたたちが専門家ではないと私はいいましたけれども、しかし、都庁の中では一番これを専門として監督しなければいけないんです。その二〇〇五年の一番最初に、そういう決算が出たときに、きちんと分析する必要があったということを私は指摘したいと思います。
 都から派遣した社外取締役から、いつ、どのような報告があったのですか、伺います。

○櫻井参事 都出身の社外取締役でございますが、通常の場合、おおむね月一回程度でございますが、意見交換を行ってきてございます。そうした場では、中小企業の支援の充実ですとか収益面の改善に配慮した経営をお願いしてきているところでございます。

○清水委員 今の話を聞いている限りでは、銀行経営をチェックする取締役会の職務を遂行している都が派遣した社外取締役も、大体月一回は都と意見交換をしていたのです。それなりにチェック体制がとられていたかのようですが、それではなぜ開業三年目で破綻という事態が起きたんでしょうか。風通しが悪くて経営のことがわからないとか、チェックしようがないということを、都にいつ、だれが報告したのですか、伺います。
 昨年八月から半年かけて調査しなければ、乱脈経営がわからなかったわけでしょう。つまり、マスタープランのチェック機能は働かなかったわけですよ。監査委員会はいつ設置され、各決算期ごとにどのように機能していたのか、先ほどの質問とあわせてお答えください。

○櫻井参事 新銀行東京は委員会設置会社でございます。こちらでは監査委員会というのが設けられておりまして、執行役の職務の執行監査ですとか監査報告書の作成ですとか、こうした会社法に定められたそれぞれの権限に基づき職務を遂行しております。
 また、さきにご質問がございました、風通しの悪いということがいつわかったのかということでございますが、明確にわかったという点では、今回の調査報告書ということになろうかと思います。

○清水委員 本当に今まで何をしていたのかといいたくなります。
 今の監査委員会の仕事、職務を遂行しているといわれました。つまり、まじめにやっていたということですよね。だったら、まじめに職務を遂行して、なぜ乱脈経営が防げなかったのか、つじつまが合いません。どうですか、もう一度伺います。

○櫻井参事 今般出されました調査報告書にもございますように、委員会設置会社におきましては取締役会が執行を監督する立場にございますが、この機能が十全に働かなかったのではないかというふうに考えております。

○清水委員 自分たちの責任、胸に手を当てて考えてみなさいよ。毎決算ごとに報告を受けて、それでそれを分析して、そして対策を進めていく、そういうことがきちんと行われれば、こういう事態は起きなかったということだって考えられるわけです。
 二〇〇三年七月四日に野口銀行設立準備担当部長は答えています。取締役は三人以上で構成、社外取締役の形なので、チェック機能が大きく働く、経営の透明性を高めると胸を張っています。
 二〇〇四年三月二日に答えた大塚出納長の答弁は、都は具体の執行にはかかわりませんが、大株主として、業務内容を規定する定款の決定、変更、重要な経営計画の承認、取締役の選任、解任などに関与いたします。都の関係者を監査委員会などの社外取締役に就任させることなどにより、経営の主要事項についての多面的な関与を行います。さらに、さまざまなリスクに対して統合的な一元的な管理を行う。あわせて、リスク管理を的確に行うため、とりわけ専門性の高い分野に監査実務に精通した外部の専門家を活用することで、監査の中立性、実効性が高まる。都も当時、そういう説明をしているわけです。監査もきちんとチェックできると。
 もう一度伺いますが、なぜ状況を把握できなかったんですか。局長、お答えください。

○櫻井参事 先ほども申し上げましたが、委員会設置会社として取締役会が十全に機能を果たさなかった原因といたしましては、執行役からの正しい情報が十分に上がっていかなかった、そうしたことが考えられると思っております。

○清水委員 結局、チェック体制というのは絵にかいたもちにすぎなかったんです。都は、都の子会社ともいうべき新銀行に対し、日常的に口を出すこともできない、情報を得ることもできない、そういう状況がずっと続いていたということです。
 だから私たちは、自治体が銀行経営に乗り出すべきではないといってきたんです。結果は歴然としています。都は、経営はおろか不祥事のチェックさえできなかったんです。これが事実ではないですか。
 次に、経営責任について伺います。
 この間の議論を通じて明らかになってきたことは、石原知事のいうように、旧経営陣が勝手にめちゃくちゃなことをやってきたというのではなく、実際には旧経営陣は、石原知事が敷いたレールの上を、知事の指示に従って猛スピードで走ったということではありませんか。そのかぎを握るのが、私はマスタープランだと思います。
 そのマスタープランの目玉がポートフォリオでした。そこでまず、マスタープランの策定時に、ポートフォリオ型融資のデメリット、メリットについてそれぞれどのような認識を持っていたのか、お伺いいたします。

○櫻井参事 マスタープラン策定時のポートフォリオ型融資に関しての認識でございますが、まずメリット面といたしましては、原則無担保、第三者保証が不要であるということ、また、スコアリングモデルによる自動審査によりまして審査期間の短縮を図り、スピーディーな資金供給が可能となるということ、そして三つ目といたしまして、小口融資案件の迅速な処理を実現できるということ。メリット、以上三点でございます。
 デメリットといたしましては、無担保のため、デフォルトによるリスクが大きいということ、二つ目といたしまして、融資案件の積み上がりやデフォルトの発生状況を見きわめ、あらかじめ設定した予想貸し倒れ損失率に見合うよう、機動的に適用金利や融資実行の基準などの融資条件を見直すことが必要であること。
 以上のような認識を持っていたところでございます。

○清水委員 今だからそんなこといえるのではないですか。マスタープラン策定時には、デフォルトもスコアリングモデルで吸収できる、リスクはないんだといっていたんですよ。結局マスタープランでは、当初、融資、保証残高を九千三百億円として、それを短期間で実現するために、中小企業融資の中心をポートフォリオ型に設定したんです。結果は、当然といえば当然の話ですが、財務諸表だけを信用して、あとはコンピューター任せのやり方は破綻しました。
 一定のデフォルトを読み込み済みにするために、金利は当然高くなります。中には、私が何人か聞きましたが、町金並みの一〇%から一一%で借りた業者もいたんです。
 中小業者は、借りたお金を運用し、事業をして利益を生み出すものです。国の統計に総資産営業利益率というのがあります。銀行からお金を借りて仕事をする、そこから生まれる利益のことをいっているようです。それは二%から三%だといわれています。それなのに一〇%もの金利を要求するなんて、いやしくも自治体のつくった銀行のやることですか。
 だから、一たんは新銀行から借りて、他の銀行に借りかえるという人も多くいたんです。中には報道されているような悪質な業者もいたのでしょうが、重い金利が足かせになって焦げつく業者も出たんです。
 知事と側近がつくったマスタープランに沿って、高利で預金を集め、運用益を出すために走り、焦げつく。それでも、三年後に黒字という到底不可能な目標に向かってひたすら融資を拡大してきた結果が、融資関係だけで二百八十五億円の不良債権なのですよ。
 過大なマスタープランのゆがみは、ポートフォリオだけにとどまりません。経営を圧迫した経費もその一つです。三年間で二百六十億の収益に対し、費用が千二百六十億かかっています。これで経営が成り立つはずはありません。しかも、費用の中でも営業経費が約五百億とされております。
 伺いますが、五百億円の経費の詳細な内訳とその推移を年度ごとにお示しいただきたいと思います。

○櫻井参事 五百億の経費の内訳でございますけれども、年度別に申し上げますと、営業経費といたしましては、平成十七年度百四十四億円、平成十八年度百五十億円、平成十九年度は、現在の決算の見込みの中で百六億円ということを見込んでいるところでございます。
 人件費につきましては、平成十七年度二十六億円、平成十八年度三十五億円、平成十九年度三十四億円。
 物件費といたしましては、平成十七年度百十億円、平成十八年度百六億円、平成十九年度六十五億円を見込んでいるところでございます。

○清水委員 いろいろな専門家の方々が、異常な経費の高さだといっておりました。
 予算特別委員会で、四百億の資本と同程度の銀行の例が何社か書いてありました。その銀行と、物件費、そして粗利益を新銀行と比べてみました。城北信金は〇・六九です。東日本銀行は〇・二五です。東京都民銀行は〇・三二です。八千代銀行は〇・二八です。計算しました。そうしましたら、新銀行は一・六五です。すべてこれを比較して、必ずこういう数字が出るとか、計算はこうなんですけれども、傾向が出るとかということになるかと思うんですけれども、素人が考えて、こういう粗利益と物件費を比べると、こんなに高くなっている。専門家の方々も、これは非常に高いんじゃないかなということを指摘していますし、いろいろなところでも指摘されているわけです。
 その一つの例として、コンピューター及びソフトの導入時及び年度ごとの経費というのはどうなっているんでしょうか。コンピューターについてのトラブルの有無と対策の事例、金額、ソフトウエアのトラブルの有無と対策の事例と金額についてお示しいただきたいと思います。

○櫻井参事 コンピューターについてのトラブルの有無、あるいはソフトウエアについてのトラブルの有無、そして、その対策の事例と金額ということでございますが、これまで業務に支障を来すようなトラブルはないというふうに聞いております。
 コンピューター及びソフトの導入時期及びその年度ごとの金額でございますが、新銀行東京がこれまで取得したソフトの導入時期及び取得金額でございますが、いずれも平成十六年度に導入しているものでございます。基幹系システムとして約七十六億円、チャネル系システムとして約四十七億円となってございます。

○清水委員 非常に大きな経費がかかっています。
 後半の質問で、業務支障を来すトラブルはないというふうに答えられましたが、開業直後あたりに立川の営業所でATMが一日使えなくなったことがあるのではないですか、伺います。

○櫻井参事 東京都としては、そうした事実は聞いておりません。

○清水委員 聞いておりませんじゃなくて、それはきちんと調査をして、それで、ないというふうに把握しているんですか、お聞きいたします。私はそれを聞いております。お伺いいたします。

○櫻井参事 新銀行東京の方に確認したいと思います。

○清水委員 そういうことも把握していないんですか。
 私が伺ったのは、その費用の問題なんですよ、いいたいのは。ここにJ-CASTニュースで報道されている、ある銀行でコンピューターの故障の被害をコンピューター会社に損害賠償させているという記事が載っております。
 それを確認していないというのならば、その故障の費用というのはどういうふうになっているのか、把握していないということですね。

○櫻井参事 東京都といたしましては把握してございません。

○清水委員 私は今、営業経費が異常に高いという問題についてお聞きしているわけです。そういう中で、一つの例ですが、この記事に載っている損害賠償額は百十一億円なんです。非常に大きなシステムでしょう、同じものではないですけれども、そうした事実をきちんと把握して、それが一体どういうふうに支出されているかということを把握するのも責任じゃないんですか。
 今、調査をするということなので、きちんと調査していただきたいし、営業経費の物件費の高さがさまざまな方面から指摘をされています。また、私たちが事前に伺ったときには、業務委託費なども明らかにされていないんです。これでは到底都民の納得は得られないというふうに思います。
 次に、有価証券の商品別購入額と損益の状況について説明していただきたいと思います。

○櫻井参事 有価証券の残高でございますが、平成十六年度で十八億、十七年度千六百十三億、十八年度が三千六百三十二億、十九年度、中間決算でございますが、二千九百九十五億、これが残高でございます。
 損益の状況といたしましては、いずれもマイナスでございますが、平成十七年度がマイナスの十二億、平成十八年度マイナスの八億、平成十九年度、これは中間決算でございますが、マイナスの二十億でございます。

○清水委員 預金だけは一・七%かの高利のキャンペーンで集めたものの、貸し出しが伸びなかったために、一つは国債を大量に買っていますね。ところが、利益を上げるどころか、逆ざやとなってヘッジ損失を生み出しています。
 もう一つは、資金運用として有価証券や金融派生商品に手を出して損失を出しているのです。集めた預金からどれだけ貸し出しするのか、預貸率を全国銀行協会発表の財務諸表から見ると、全国銀行では七八%、地方銀行では七四%となっています。それに比して、新銀行はよくてもせいぜい五割前後となっています。本来の目的である融資が異常に低く、金融派生商品に手を出し、そのことで赤字を生み出すという負の連鎖に陥っているのです。
 結局、マスタープランで過大な預金目標を立てたことから、次々と当初想定もしていなかった損失を生み出すことになったのです。自治体の手に余る事業に乗り出したツケは本当に重いものがあります。
 しかし、それでも、ほころびが見えた最初の段階から金融庁の指導を仰いで対策を講じていれば、こんな大損害を出さずに済んだのです。
 お伺いいたしますが、新銀行東京は金融庁から報告徴求命令を受けていたのではないですか。そして、それはどんな内容だったのか、お伺いいたします。

○目黒金融部長 新銀行東京におきましては、継続的に当局に対し業務を報告しているというふうに聞いておりますけれども、その内容は明らかにされておりません。

○清水委員 いいかげんなこといわないでくださいよ。二〇〇六年九月期決算で報告命令を受けているはずです。これは、銀行の健全性を確保するため、必要に応じて業務や財産の状況に関する資料提出や報告を求めるもので、報告徴求命令によって、監査指針に基づく日常的なヒアリングよりも監視を強めることになります。
 また、報道によると、これよりも一段と厳しい監視を実施する。銀行の経営実態を現在進行形で把握する。状況の変化をきめ細かく監視し、問題が起これば銀行に是正を即座に促すなど、混乱を未然に防ぐ。二月の再建計画と実態がどの程度かけ離れたかについて、詳細な説明を求める。事業を売却するのか、独立路線を維持するのか、再編戦略なども随時経営陣にただす。預金や収益の状況を見きわめ、必要があれば、早期是正に移る早期警戒措置の対象に組み入れることを検討すると報道されています。この報告徴求命令があって、翌年二〇〇七年二月に日銀が考査に入ったのではありませんか。
 もう一度伺いますが、金融庁の報告徴求命令に対する新銀行から金融庁への報告内容はどのようなものだったのですか、お伺いいたします。きちんと答えてください。

○目黒金融部長 委員よりお話のありました金融庁からの報告徴求命令でございますけれども、それはあくまでも銀行の指導監督官庁である金融庁と新銀行の関係でございまして、そういったところでその中身について私どもが知り得ているということはないわけでございます。

○清水委員 冗談じゃありませんよ。都民の税金で運営されているんでしょう。答えてください。東京都には説明責任があるんです。お答えください。

○目黒金融部長 何度も申しますが、そういった内容については私どもは知らないということでございます。

○清水委員 それでは、昨年二月の日銀の考査でどのような指摘を受けて改善したのか、お伺いいたします。これはきちんとお答えください。

○目黒金融部長 日銀からは、個別金融機関の考査結果につきましては、当該金融機関の経営陣に伝達することとしておりまして、原則として第三者へは開示しない扱いであるというふうに聞いております。

○清水委員 最大株主には報告があってしかるべきですよ。金融庁の報告徴求命令が出され、日銀の考査があったことを聞いていながら、株主として何もしていなかったら、それが大問題ですよ。どうなんですか、もう一度お答えください。

○目黒金融部長 先ほどお答えいたしましたとおり、日銀からは原則として第三者へは開示しない扱いであるということでございますので、私どもは、したがいまして、それにつきましては聞いていないということでございます。

○清水委員 都は、事実上のオーナーでありながら、知らされる立場にないと。これは、開設前から、設立前からわかっていたことですか、お伺いいたします。

○目黒金融部長 そういった仕組みであるということは、銀行の方から伺ってわかったわけでございます。

○増子委員長 金融部長、今の質問は、前からわかっていたかという質問です、わかったかということではなくて。
 清水委員、今のところもう一回質問していただけますか。

○清水委員 設立前にわかっていたんですかということです。

○目黒金融部長 それは、日銀と銀行との仕組みがもともとそうだったということでございまして、そういった制度であるということは承知をしてございました。

○清水委員 わかっていなかったんじゃないですか。それほどずさんなんですよ。調べ尽くして、最悪の事態を想定して、事業に手を出すべきでないのに、それを怠り、銀行経営に乗り出したことこそ諸悪の根源です。知事と大塚元出納長らが今日の事態を起こした元凶であることは明らかです。
 続いて、再建計画について伺います。
 まず、資本金の想定はどうなっていますか、お伺いいたします。

○目黒金融部長 千五百八十九億ということになるわけでございます。

○清水委員 業務純益はどうですか。

○目黒金融部長 業務純益については、試算をしてございません。

○清水委員 想定している預金金利、貸出利率を平均、最低、最高、それぞれで示してください。

○目黒金融部長 それらの指標については、銀行の方で明らかにしていない数値ということでございます。

○清水委員 計画で示した事業内容ごとの想定利益を、それぞれ幾らなのか教えてください。

○目黒金融部長 その指標につきましても、同様に銀行の方で明らかにしていない数値でございます。

○清水委員 資本金の額はいわれましたけれども、そのほかの質問には全くお答えにならないじゃないですか。
 もう一度伺います。それぞれの今お答えにならなかったところの数字をお答えください。

○目黒金融部長 今、委員がおっしゃられたような指標につきましては、ビジネスの根幹にかかわる指標でございまして、銀行の方では明らかにしていないということでございます。

○清水委員 そんないいかげんなことで許されると思っているんですか。資本金についていえば、四百億円追加出資することによって減資が検討されているはずです。減損会計の原則からいえば、累積損失があり、それが追加出資によって確定した場合、減資を行わなければなりません。追加出資と減資は一体のものなんですよ。
 そして、実際に減資が行われた場合には、原則としては、出資のために都が発行した起債の繰り上げ償還が必要となり、来年度六百億円余りの減債基金の積み立てに迫られることも想定されます。
 お伺いいたします。このことについてはどうですか。

○目黒金融部長 ただいま委員がおっしゃられたようなことについては、今後の検討課題というふうに考えてございます。

○清水委員 それじゃ無責任じゃないんですか。都民は納得しませんよ、そんなことでは。これほどの大問題なのに、資本の状況についてわからない。そんなことでは都民の税金を預かる資格はありません。
 では、最大の問題、今回の追加出資の四百億円は何に使われるのですか。都民にわかるように説明してください。これは再建計画の大前提です。

○目黒金融部長 四百億の追加出資でございますけれども、銀行の業務を行う上で必要な資本、主には貸し出しに伴う資本の割り当てが必要になりますが、そういったことに充てるために必要になるということでございます。

○清水委員 それじゃ、わかりませんよ。きちんと説明してください。

○目黒金融部長 もう少し詳しく申し上げますと、四百億円の内訳でございますけれども、一つには、銀行の業務を行う上で必要な資本ということで二百八十億円が必要になります。それから、自己資本の維持に必要な資本ということで八十億円、その他ということで、新たな商品開発のための資本であるとか災害発生などのリスクに対応するための資本ということで四十億、合計四百億が必要になるというものでございます。

○清水委員 今後事業を展開する上で予想されるリスク費用を、事業別及び資金運用ごとに金額で示してください。

○目黒金融部長 ただいま申し上げたように、例えば貸し出し等に伴う資本の割り当てとして二百八十億円が必要になるわけでございますけれども、それ以上に事業別の内訳でありますとか、そういった詳細な内訳については銀行の方では明らかにしていないということでございます。

○清水委員 同じく事業別に、一般、債権分類ごとの個別貸倒引当金を示してください。

○目黒金融部長 それらの内訳についても明らかにされていないということでございます。

○清水委員 なぜリスク費用の二百八十億円を明らかにできないんですか。それでは、白紙委任をしろということではないんですか。お答えください。

○目黒金融部長 貸し出し等に伴う資本の割り当てということで二百八十億ということでございまして、その詳細な内訳については明らかにしていないということでございます。

○清水委員 こんなことで追加出資を認めろというんですか。冗談じゃないですよ。設立以来これまでの知事と側近のいってきたことはことごとく実現しなかった、ごまかしだったのではありませんか。そんな説明で納得したら大変なことになりますよ。違いますか。お伺いいたします。

○目黒金融部長 それらに要する資本というものは、新銀行がこれまで続けてきましたような中小企業に対する融資、つまり支援というものを継続してやるために必要になるということでございます。

○清水委員 局長、あなただったら、こんな説明で、この銀行の出資のためにご自分の退職金をつぎ込めますか。自分のお金だったら、とことん説明を受ける。事実を、真実を見きわめなければならないでしょう。出資しないでしょう。局長に伺います。

○佐藤産業労働局長 先ほども金融部長がお答えしたとおり、追加出資の四百億円の考え方につきましては、いわゆる貸出金が回収できなくなるような信用リスク上の問題、それから金利、株価などの変動によります保有資産に損失が生じるリスクとしての市場リスク、それからファンド投資によりまして生じるリスク、これは投資元本毀損リスクというふうにいわれます。また、事務手続上の事故等により損失をこうむるリスク、これはオペレーショナルリスク、BIS規制上、必要とされるリスク、これを積み上げていったものが二百八十億円であると。銀行からは、通常の算定式に従って割り当て資本として必要となる額というふうに聞いております。また、自己資本の維持に必要な資本といたしまして八十億、先ほどありましたけれども、新商品開発のための資本、それから業務運営上、災害発生などのリスクに適切に対応するためということで四十億。これら総計四百億円が必要になる。これがなければ新年度の銀行としての業務運営ができないと。業務運営ができないということは、即座に融資先である中小企業等々の業務に影響が出るということで、トータルとして判断をして、追加出資四百億円が必要になるというふうに判断したところでございます。

○清水委員 今の説明は、今までもずっと聞いてきているんです。それで都民は納得していないし、私も納得していないんです。今、それで済まそうとしたじゃないですか。
 私は局長に、もし自分の退職金をここにつぎ込むんだったらどうですかということを聞いたわけです。
 そこで、私、調べてみましたが、過去の事例はどうなっているのか。これは予算特別委員会の代表質問でも触れましたが、公的資金が投入された事例で、もちろん我が党は不正や乱脈経営で破綻した銀行に公的資金を安易に投入することは反対ですが、しかし、新銀行東京のように判断の材料となる重大情報を全くといっていいほど出さない例はありません。
 金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律では、債務超過になり破綻した銀行に対しては、経営の健全化のための計画を提出させることになっています。この間触れましたよね。例えば、公的資金二百億円を投入し、十九年八月に計画した東日本銀行株式会社の場合は--これは全部ホームページに出ています。二百億円の条件として、商品の概要から経営の合理化のための方策、決算概況、今後の業績見通し、業務再構築の方策、コンプライアンス体制の整備、地域経済における位置づけなどなど、七十ページに及ぶ計画を提出しています。
 また、もっと大きな額を投入して昨年十一月に計画を提出した中央三井トラスト・ホールディングス株式会社も八十ページに及ぶ計画を発表しています。
 いわゆる経営健全化計画では、経営の現状について、総資産から預金、融資、さらには営業にかかわる指標すべて、分類別不良債権など、基本的経営にかかわる重要情報はすべて網羅されています。新銀行のこの薄っぺらの再建計画とは大違いです。
 今紹介しましたように、同じ仕組みではないとはいえ、公的資金の投入はそれだけ重いことを示しているんです。東京都もせめて、この程度の資料をつけて議会に提案するべきではありませんか。いかがですか。

○目黒金融部長 ご判断をいただくに必要な情報が盛り込まれているというふうに考えます。

○清水委員 これらと比べましたか。比べてくださいよ。私、全部ちゃんと比べてみてるんですから。そのぐらいのこと、ちゃんとやってくださいよ。
 再建計画について、本当にいろいろな専門家の意見を聞きました。中間決算を見ても業務純益を得るのは困難だとわかるのに、計画ではどういう形で業務純益を稼ぐのかわからない。蓄積してきたノウハウというが、新銀行東京に営業ノウハウがあっただろうかと思うと、つい笑ってしまった。経営コンサルティング会社などの専門知識を活用し経営再建を実現というが、本当にそう思っているとは思えない。それとも、今度は失敗したときの責任を経営コンサルタント会社に負わせようと考えているのだろうかなど、いずれも辛らつな感想を述べていました。私も、今のご答弁によっても、この再建計画はとても信用できません。
 例えば、再建計画が提示している融資、保証の姿も、この計画が計画倒れになる可能性の高さを示すものとなっています。まず、成長が期待されるニュービジネスへの重点的支援なるものです。これは、東京都の発展を支える幅広い産業、技術のうち、今後さらなる成長が期待される分野、業種をターゲットにすることがうたわれています。
 そこでお伺いいたしますが、成長企業支援型融資の実績と損益、今後の具体的な内容についてご説明ください。

○目黒金融部長 成長企業支援型融資のこれまでの新規実行の累計額でございますけれども、三十八億円ございます。今後は、成長が期待される分野、業種をターゲットに重点的に支援してまいります。
 また、他行が本格的に手がけがたいニッチ分野の資金調達などにも対応してまいります。

○清水委員 この内容と似通っている、これまで実施されてきた施策に、技術型成長型融資があります。きょうの資料にも出していただいております。その実態は、マスタープランとの関係でも実績が大変低くなっています。二〇〇五年度は、千三百八十件の目標に対し実績は六十件で、達成率では四・三%です。金額ベースでは、計画三百九十億円に対し十四億円で三・四%。二〇〇六年度は、目標が三千八十八件に対し実績は十件、達成率三・二%。金額では、七百七十三億円の目標額に対して実績はわずか一億七千六百万円で、達成率は二・二%です。二年間を合計しても、七十件、十五億と、開業当初計画の一%程度となりました。
 それでは、二〇〇七年度以降はどのような実績になっていますか、お伺いいたします。

○目黒金融部長 平成十九年度の実績見込みでございますが、六億円ということでございます。

○清水委員 私はさっき確認したんですが、技術型支援の融資は一件もなかったというふうに伺いましたよ。

○目黒金融部長 ただいま申し上げました六億円という数字でございますけれども、これは残高ベースの数字でございます。

○清水委員 残高はわかりましたが、一件も利用はなかったというふうに伺っています。それは一言でいえばニーズがなかったということです。二〇〇五年、二〇〇六年、それぞれ大変低い実績になっています。
 それでは、お伺いいたしますが、ベンチャーキャピタルの審査能力強化とは、このことが再建計画に書かれていますが、具体的にどのような内容ですか。

○目黒金融部長 ベンチャーキャピタルの持つ各種機能を活用しながら、協調してベンチャー企業の育成を図るということでございまして、具体的には、ベンチャー企業の技術、ビジネスモデル、参入障壁、経営手腕、市場、資金繰りなどの審査機能を活用するものでございます。

○清水委員 先ほどの技術型成長型融資の例にもあるように、大体ベンチャーとかいっても、それを目ききできる人が新銀行東京にいるんですか。再建計画では、さすがにこれではまずいと、ベンチャーキャピタルとかに目ききを依頼するとしています。しかし、これも専門家の方に伺いましたが、力のある目ききは自分で稼げるから、わざわざ人にもうけさせることになる新銀行東京には協力しないんだ、協力するとしたら、自分で稼げない二流三流のところだといっていました。
 そして、何よりもベンチャーは、先ほどもだれか触れていたかもしれませんけれども、百社当たって一社、将来上場する、この可能性がある、うまくいけばそういうくらいなものだそうです。だから、人のお金を預かって運用する間接金融にはなじまないというんです。むしろ、そうした創業者を支援する意欲のある投資家が損を覚悟で投資するのが基本なんです。ベンチャー先進国のアメリカでは、かつて成功した起業家のOBがベンチャーを支援するのが通例です。
 そして、ファンド投資の実績と損益と今後の具体的な内容についてお伺いいたします。

○目黒金融部長 平成十九年十二月末時点におけますファンドの残高でございますが、約四十五億円でございます。損益の累計はプラスということになってございます。
 今後は、ベンチャーキャピタルとの連携も生かしながら、ベンチャー企業に対する資本供給なども行ってまいります。

○清水委員 損益累計はプラスとしかいえないじゃないですか。再建計画の第一にファンドが挙げられていますが、この点について新聞が、新銀行東京が外資との連携を強調していることを報道しています。ある専門家の方は、ファンドは時期的には時代おくれになりつつある金融商品であるといわれ、新銀行東京は一番リスクの高いところに行こうとしている、業務利益を得るのは困難と、厳しい評価を下し、これでは自治体版の投資組合ではないかとまでいっています。
 しかも、新銀行東京でなければできない事業のように宣伝していますが、実際にはもう手をつけてあるところがあるんです。日本政策投資銀行です。これはホームページを見れば出ています。これは政策銀行として位置づけられた銀行だからできることなんです。
 ところが、新銀行東京は、預金を集めて、それを使って融資に回すわけですから、リスクのあるやり方はとらず、安全な融資というやり方をとっているんです。大体、安全で確実にもうかるビジネスなんてあり得ません。
 次に、銀行の本来業務ともいうべき融資業務について伺います。新銀行東京の核となる部分ですから、きちんとお答えください。
 先ほども触れられた方がいましたが、ちょっと違う内容になっておりますので、再度ご答弁ください。一般融資、小口融資、新型保証について、実績と損益と今後の具体的内容についてご説明ください。

○目黒金融部長 平成十九年十二月末時点での一般融資の健全ご返済先の残高でございますが、約百億円ございます。また、ポートフォリオの健全ご返済先残高が約三百億円、それから保証の健全ご返済先残高、約四百八十億円となってございます。
 今後の一般融資、小口融資、それから新型保証のスキームでは、既存の実態を把握した健全な事業意欲のあるお客様を重点的に支援いたします。必要に応じて担保、保証も徴求し、財務履歴、返済履歴などを考慮いたしまして、無担保融資も継続してまいりたいと思っております。制度融資もあわせて活用していきます。
 採算を確保するための保全強化策として、小口融資ではノンバンク保証を活用し、また、新型保証では保証履行の上限を設定するなどの対応を行っていくわけでございます。

○清水委員 それではお伺いいたしますが、一万三千社あったという企業のうち、どれだけの企業が再建後も借りられるのですか。融資、保証別に件数、金額を示してください。

○目黒金融部長 明確な数が明らかにされているわけではございませんけれども、現在お取引いただいている一万三千社のうち、九千社は健全なご返済先でございます。まずはこういったところが中心になってまいります。
 それから、先ほども申し上げましたが、健全返済先から外れるということではありますが、業況低迷先の中には、赤字かつ債務超過企業などでありましても正常にご返済いただいている先もございます。そういったところも今後の融資対象あるいは保証の対象ということで加わってくる可能性はあるかと思います。

○清水委員 明確にいわれませんでしたが、要するに、今借りられている人でも借りられなくなるということですよ、今のご説明は。はっきりと先ほどもいわれましたけれども、しかも既存の融資先が対象というふうに書いてありますから、新規の業者には貸しませんということです。結局、中小業者のためとかいいながら、新銀行の延命に使われるだけのことではないですか。
 大体、有担保、保証つき融資なら、どこの銀行でもやっていますよ。だから、既存の制度融資には入らない人がいるかもしれないといわれますけれども、制度融資をきちんと充実して困っている業者を助ける、そういう政策的な制度融資の拡充を行えばいいんですよ。
 この問題の最後に、公共工事代金債権信託について伺います。この実績はどうなっていますか、お伺いいたします。

○目黒金融部長 公共工事代金債権信託の平成二十年一月末残高でございますが、約十五億円でございます。
 今後は、工事四割完了時に未完了部分を早期買い取りするスキームによりまして、資金立てかえ期間はこれまでの約三倍とする商品性の改善によりまして、企業の利便性を大幅に向上させることができるものと考えております。

○清水委員 公共工事代金債権信託というから、どんなことをやるのかなと思っていろいろ聞いてみましたら、要するに公共工事の代金が実際に支払われる前に銀行は貸し付けを行い、銀行は工事が完了してから代金を回収するというもので、簡単にいうと手形の割り引きと変わりません。
 確かに、余った資金の運用でこうしたことをやることもあるかもしれませんが、これも請負業者が倒産したら赤字になります。しかも、このスキームは東京都の公共工事が対象です。競争もなく、身内の新銀行東京に独占させてよいのかという疑問も浮かび上がってきます。
 もう一つ気がかりなことは、再建計画が、他行との差別化ということで、中小企業振興公社や産業技術研究センターとの連携を挙げていることです。これは一見よいことのように見えますが、よく考えると、これらの試験研究機関は五十万社もある都内の中小業者の支援機関であって、どこかに専属的に協力することが義務づけられてはいけない性格のものではありませんか。しかも、定員削減や予算の削減で余裕などがさらに減少しているところです。本当に虫のよい話になっています。しかも、このスキームはたしかマスタープランにもあった話です。これも焼き直しです。最初に計画した人たちが、今度は銀行に行って再建策を練っているわけですから、いえば昔の名前で出ていますということになるわけです。
 加えていいたいのは、マスタープランのこの事業は、新銀行東京が体制がとれず、とんざしたものです。それを百二十人に絞り込んだ体制でどうやっていこうというのですか。
 いろいろな角度からただしてきましたが、肝心なことには全く答えようとしませんでした。本当に納得しません。許されない態度です。だからこそ、都民の怒りの声はおさまるどころか、燎原の火のごとく広がっているのです。
 私たち日本共産党は、三月十五日二時から三時にかけて、新宿駅東口において第二回目のシール投票を実施しました。その結果は、投票総数千二百九十八票、賛成百五十四票、反対千百三十五票、八七・四%と圧倒的多数が反対を示し、強い口調で税金は違うところに使ってほしいなど、若者や買い物客が次々と投票に応じてくれました。
 私たち日本共産党は、都民の皆さんと共同して新銀行東京への追加出資をやめるために全力を尽くすことを表明して、質問を終わります。

○大西委員 この委員会で知事の出席、それから参考人招致を求めたわけですが、どれも実現できないまま、今、産労に聞いているわけですが、本当に以前、導入時期におきましても、いろいろな具体的なことを聞くと、株式会社であるからお答えできないという中でスタートして、お任せください、大丈夫です、大丈夫ですという答弁が続いた中で、三年後、このような事態を迎えているわけです。
 そこで、やはりどうしても触れなければいけないのは、産業労働局というのは新銀行東京の経営監視を行う立場だったわけですから、どのような経営監視を行ってきたのか、そして、結果的にこのような事態に陥ったことをどのように分析しているのかを最初に聞きたいと思います。

○櫻井参事 これまで新銀行東京が、中小企業支援など、この銀行が担う役割を適切に果たしているかという観点から、事業の進捗や決算の状況の報告を受けまして、中小企業支援の一層の充実などにつきまして、株主としての意見表明や申し入れを行うなど、経営の大枠を監視してきたところでございます。
 具体的には、平成十八年度中間決算時におきましては、経常損失が一層の改善が必要とされる状況になったことから、経営の健全性確保と中小企業の支援の充実に向けまして抜本的な見直しを要請いたしました。
 また、平成十九年三月期決算時に表面化いたしました深刻な経営悪化に対しましては、早急な計画の見直しや経営陣の交代が必要であると判断いたしまして、役員の刷新や都職員の派遣を実施いたしまして経営の改善に当たらせたところでございます。
 分析もということでございますので、ちょっと長くなりますが、こういった事態を招いた原因はどこにあったのかというところでございますが、新銀行東京は、不良債権を処理し体力を回復しました大手銀行等が、貸し渋り、貸しはがしといった、それまでの融資姿勢を一変させまして、中小企業金融に積極的に参入してきたことによりまして、開業直後から厳しい経営環境にさらされていたところでございます。
 このような経営環境の大幅な変化にもかかわらず、当時の経営陣が融資残高拡大路線に固執して、スコアリングモデルに過度に依存した融資を実施するなど、質より量を優先した業務運営を行い、多額な不良債権の発生を招いたものと考えております。
 これらの状況につきましては、先般公表されました新銀行東京調査委員会調査報告書に明らかにされているところでございます。
 また、新銀行東京は委員会設置会社を採用しておりまして、業務執行につきましては取締役会が監督することになっておりますが、調査報告書によれば、取締役会を主に構成しておりました社外取締役は、日常業務にかかわっていなかったことから、知り得た業務に関する情報は、おおむね毎月一回開催される取締役会において執行役から提供される情報に事実上限定されていた、また、取締役会に報告された内容が不十分もしくは不適切であった場合には、取締役会に求められる所定の監督機能に一定の限界が生じたことは否めないとしておりまして、設立当初想定されておりましたリスク管理体制が十分に機能したとは考えられません。
 今後、新銀行東京におきましては、専門家による検討が行われることとなっておりまして、都といたしましてもこれを注視してまいりたいと思っております。

○大西委員 公表されました新銀行東京調査委員会調査報告書ですが、見ると、たった三人で、それもよく知った方々が三人しかやっていない。まさにこれ、お手盛りの調査報告ということがいわれておりますが、いわゆる監視をしていかなければいけない産労からもそのような思いがあるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○櫻井参事 この調査委員会でございますけれども、調査に当たりましては、会議録の記録の調査ですとか、仁司代表を初めとしました旧経営陣の方や、あるいは職員の方へのヒアリングを実施いたしまして、調査委員会としまして一つ一つの事実を積み上げて、責任を持ってまとめたものというふうに考えております。

○大西委員 お手盛りとは思っていないということでいいんですか。

○櫻井参事 新銀行東京では、今後、専門家の方を交えた調査を継続してまいります。そうした結果も見ていく必要がございますが、現時点では、委員ご指摘のようなことは考えてございません。

○大西委員 先ほどの答弁の中で、設立当初想定されたリスク管理体制が機能しなかったということがありました。このリスク管理体制ということは、ある意味、設立当初、このことが機能することが非常に重要であって、そして、このことを〇三年の十二月の財政委員会のときに私どもの委員が質問しているんですけれども、この管理委員会を中心とする万全のリスク管理体制を整え、適切にリスクコントロールしていく、委員会等設置会社の採用により、銀行業務全般にわたって開かれた透明度の高い経営を徹底、多面的、複合的に銀行として健全性を確保していくというふうに答弁があります。しかしながら、これが機能しなかった。
 しかし、一方で、リスク管理委員会の履行状況というと、かなりの回数開催されております。ここでは一体何が行われていたんでしょうか。

○櫻井参事 新銀行東京におきます統合リスク管理委員会でございますけれども、設置目的といたしましては、新銀行東京が抱えるさまざまなリスクを総合的に一元管理し、リスクの所在と量を適時かつ正確に把握、集約する専門部署として設置をしてございます。
 開催状況といたしましては、毎月一回というところでございます。各現場のリスク所管部門から順々に、内部統制統括部、統合リスク管理委員会というふうに情報を上げていきながら、資産、負債とリスクの統合管理の状況につきまして、審議または報告が行われているというふうに聞いております。

○大西委員 その中で、この回数、平成十七年十四回、十八年十三回、十九年十八回、平成二十年二回、そして臨時とか書面とかいろいろ行っているんですけど、その中身については産業労働局としては知っているわけですか。把握できる立場にあるんですか。

○櫻井参事 新銀行東京の統合リスク管理委員会の内容につきましては、私どもは把握してございません。

○大西委員 組織図の中にもう一つ、コンプライアンス委員会の設置と、それから統合リスク管理委員会の設置。ある意味図を見せられると、ここでリスクを把握できますというような形はあるんですけれども、結果的に産労の方には何も上げられてなく、そして何よりも、上げる上げない以前に、このリスクは全然管理されていなかったということが大きな問題だと思っています。
 導入当時は、組織は外部が半分を占めているので風通しがいいという触れ込みでしたけれども、風通しがよ過ぎてリスクも全部吹っ飛んでしまったというような印象を受けてしまいます。
 それで、今後この再建計画の中で、この組織とか統合リスク管理委員会とか、こういうものはどのようになるんですか。

○櫻井参事 再建計画の中では、新銀行東京の組織体制について、こうした委員会構成につきましては従前の形をとってございます。組織の形というよりは、昨年、都の職員を新銀行の中に派遣し、内部管理が強化され、現在はこうした委員会も十全に機能を果たしているところでございます。
 こうした機能を一層強化して、内部管理、リスク管理をきちっと行内でやっていただきたいというふうに考えているところでございます。

○大西委員 構成メンバーなんですけれども、統合リスク管理委員会の方もそうですし、コンプライアンス委員会の方も、代表執行役を委員長ということで、いろいろ監視を受けなきゃいけない人がこの委員長にいるということ自体が、どうも私は納得できないんですけど、その辺の改善というものは必要ないんでしょうか。

○櫻井参事 代表執行役を委員長とした委員会がございますけれども、執行側として、こうしたリスク管理をやった内容を取締役会できちっとチェックをしていただくという形が、委員会設置会社のあるべき姿だろうと思っております。

○大西委員 この部分も大いに疑問を残したまま、次の質問に行きたいと思います。
 そういう意味では、そもそも経営監視を行う産労としては、それができるような状態だったのかどうなのか伺います。経営監視をするのは可能だったんでしょうか。

○櫻井参事 私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、株主の立場ということで意見表明や申し入れを行うなど、経営の大枠の監視をしてまいりました。しかしながら、会計帳簿等の閲覧が制限されるなど、銀行法によりまして、通常の事業会社とは一定の制約がある中でやってきております。
 しかしながら、その範囲の中で可能な限りの経営監視に努めてきたところでございます。

○大西委員 先ほどいただいた答弁の中に、こうした制約があるものの、都としては金融庁とも十分な連携を図りつつ、必要な情報を入手し、積極的な経営監視に努めていくということをいただいたんですけれども、再建計画作成に当たった後ではなく、作成するに当たり、その以前に金融庁との協議はあったんでしょうか。

○櫻井参事 私どもと金融庁ではなく、銀行と金融庁におきましては、再建計画をつくるに当たりまして協議をしているというふうに聞いてございます。

○大西委員 でも、東京都としても金融庁とも十分な連携を図ることはできるんですよね。

○櫻井参事 銀行に対する指導監督は金融庁の権限となってございます。また、私どもの方、先ほど申し上げましたように、銀行法によりまして制限をされている制約条件もございます。
 こうした中で、私どもといたしましては、できるだけ金融庁と十分な連携を図りつつ、必要な情報を入手いたしまして、適切な経営監視に努めていきたいというふうに考えております。

○大西委員 そうなると、予算委員会でも何度もいわれたように、金融庁の査定なり何なり、今こういう事態になったわけですから、まずはそこを求めてからこその再建計画だということが改めていえるんじゃないかというふうに思います。
 単純に本当にお聞きしたいんですが、もし東京都が大株主でなかったら、こういう状態になった銀行は普通どのようにするものなのか。だれが見ても、この間の議論の中で、東京都という大きな財布が控えていることへの甘えがあり、この意識がある意味、この新銀行東京をだめにしたとだれもが思っていると思うんですけど、その辺はいかがでしょう。

○櫻井参事 東京都がこの銀行の大株主でなかったらというご質問でございますが、新銀行東京は、中小企業支援のため、東京都の政策目的を実現するために出資し、設立した銀行でございます。そうした銀行とそうでない、東京都がそういった政策目的を持って出資をしていない銀行とでは、私どものかかわり方は大幅に違うものというふうに考えております。

○大西委員 じゃ、その部分は後に残して、行きたいと思います。
 今回、金融庁の資産査定はまだ行われていません。従来の例では、金融庁の査定では不良債権が何倍にも膨れ上がっております。正確な資産査定が必要ではないかと思いますが。

○目黒金融部長 新銀行東京におきましては、債務者実態を踏まえた資産の自己査定を行っております。再建計画におきましても、その査定結果を踏まえて、十分な水準と判断した貸倒引当金を計上しているところでございます。
 なお、銀行の検査は、金融庁の判断で適切に行われるものでございます。

○大西委員 その中で、先ほど質問がありました四百億、つまり、この事態になって追加出資四百億、それから事業清算、それから破綻処理と、三つの選択肢が常にいわれるわけなんですけれども、そのときに、この四百億の追加出資を充てれば、協力銀行が出てきて救われるのかということ、それをやっているのかということの中に、今打診はしていないというような答弁がありました。
 ということは、四百億追加出資することによって、あくまでもこの新銀行東京というのは自力再建を目指しているんですか。

○目黒金融部長 四百億の追加出資がございませんと、先ほど申し上げましたように、銀行業務を行っていく上で必要なリスク資本等の割り当てに係ります資本を割り当てることができませんので、事業を継続することが困難であるということで出資をお願いするものでございます。

○大西委員 単純に考えたときに、そこまで窮地に陥っているわけですから、どこも協力できる銀行があらわれないというのは理解できます。協力銀行を求めるために四百億をここに追加出資して、そういう道も探るということなのか、それとも、四百億円をここでカンフル剤で入れて、あくまでも瀕死の新銀行東京は自力で再建を目指すのかということは、今後に向けて大きな違いがあるんですけど、それはどうなんでしょう。

○目黒金融部長 中小企業に対する融資など、今、新銀行がやっております事業を続けるために出資が必要だということで、追加出資を求めているところでございます。

○大西委員 これは都民を納得させなければいけないわけですから、私は都民の一人として、今の答弁、なかなかわからないんですよね。そういう意味で、私にわかるように教えていただきたいんですが、四百億円はあくまでも新銀行東京の自力再建を目指すための出資なんでしょうか。

○佐藤産業労働局長 四百億円につきましては、再建計画を実施する上で必要となる資本というふうにかねがねご説明申し上げております。再建計画の中身は、中小企業に対する資金提供をどういうメニューでやっていくかということが中心にある計画でございますので、四百億円の資本をもって中小企業融資に充てていくということが基本になります。
 ただ、現在大事なのは、新銀行東京がこの経営状態を早く脱却して黒字化する、そのための計画であり、そのための資本であります。黒字化が達成された段階では、どういう形で財務体質を強化していくか。つまりは、再建計画にあります中小企業融資、ここでの経営というのは、それほど大きく収益を高めるということにはなかなかつながらない部分、これはそもそも公的資金といいますか、税金でやっている--が最大株主の銀行ですから、それによって利益を高めていくということを最大の目標にしているわけではございませんので、そういう意味では収益性がそんなに高いという形にはならないと思います。
 ただ、そこの部分を安定的に事業をしていくためには、やはり別の部分で財務体制の強化を図っていく、そういうことが必要になりますし、それが可能となったときに初めて安定的にできていくんだろうと思っております。そのためには、外から見れば黒字になったときに業務提携をするとか、そこへの出資を考えるところがあるとか、今、具体的に想定しているわけではございませんけれども、そういう別の連携等々がなされる中で、もう少し銀行の基盤自体が強くなっていくということがあり得ますし、そのことを全く否定するというつもりもございません。

○大西委員 またもとに戻りますが、じゃ、そういう中で貸出債権の種類別を見ますと、先ほどから、この銀行はあくまでも中小企業を支援する銀行だということが何度もいわれるわけなんですが、製造業の比率が必ずしも高くない。金融・保険業あるいはその他の比率が高く、当初の理念と異なっているのではないかということも常々指摘されていますが、その辺はいかがでしょう。

○目黒金融部長 銀行の理念は中小企業への金融支援でございまして、特に製造業という特殊な業種を重視するものではもちろんございません。
 金融・保険業の貸出債権の比率が高いのは、信託銀行向けに貸し出しを行っているためでございますけれども、新銀行からの貸し出しは、当該信託銀行が中小企業向けに資金供給を行う際の原資となっているものでございまして、間接的な中小企業向けの資金繰り支援であるというふうに認識しております。

○大西委員 新銀行東京の経営が芳しくなくなった原因の一つに、融資審査の甘さ、ノウハウの不足が指摘されていました。新銀行東京は、東京都という公的組織が中心となって設立されたために、企業融資に関する経験、知識を有する人材が不足していた。また、設立趣旨が中小企業の救済にあったため、どうしても融資判断が甘く、その結果、新銀行東京による融資の多くは不良債権と化し、多額の貸し倒れ損失が発生した。
 再建計画では、リストラを迫りながら四百億円の追加出資を求めているが、どうしても先行きは厳しいと思われます。この質問は、だれもが指摘しているわけですけれども、お答えいただけますか。

○目黒金融部長 新銀行東京の再建計画は、これまでの三年間で蓄積してきた営業ノウハウや反省を踏まえ、策定されたものでございます。具体的には、今までの事業実績の中で、着実に利益が見込める事業に重点化したこと、都や関係団体、他の金融機関との連携を強化したこと、店舗の集約や人員体制の見直しなど徹底した執行体制の見直しを行うことを経営目標として掲げておりまして、都としては、この再建計画により、中小企業支援の継続という都の施策に沿った取り組みが確実に実施されるものと考えております。

○大西委員 中小企業を主要顧客とする地方銀行や第二地方銀行の貸出平均金利は、昨年十一月より低下しています。日本の金利は依然として低い状態が続いているほか、中小企業向け融資をメーンとする小規模の銀行の数が相対的に多いこともあって、地方銀行や第二地方銀行が貸出金利を引き上げるのは、他行との競争もあって難しいといわれています。
 こうした状況では、新銀行東京の融資業務の採算性が急速に改善するとはやはり信じられないんですけれども、どうでしょう。

○目黒金融部長 新銀行東京の再建計画では、これまで新銀行東京と取引実績のある事業者のうち、健全に返済し、継続取引を希望している事業者を中心に支援していくこととしております。
 加えまして、ファンドを通じたベンチャー企業への出資や、中小企業振興公社など都の機関と連携した、従来よりも充実した中小企業支援を行っていくとしております。
 今まで蓄積したノウハウの活用や民間との提携などによりまして、着実に収益が見込めるものに重点化しておりまして、他行との競合による影響は少ないものと考えております。

○大西委員 今の答弁の問題点は先ほども議論になったので、それ以上は聞きませんが、また、政府による中小企業政策も新銀行東京にとって逆風だと思います。マスコミ報道によりますと、政府は中小企業向け資金繰り支援対策の原案をまとめたようですが、原案では、中小零細企業を中心に、年度末の資金繰りを円滑にするため、国民生活金融公庫による保証人不要の融資限度額を二千万円から四千八百万円に引き上げる内容が盛り込まれています。
 新銀行東京のライバルといえる政府系金融機関からの融資限度額がふえるのであれば、中小企業は、あえてこの死に体といわれております新銀行東京から融資を受けなくても資金需要を満たすことができるようになる、ますます新銀行東京の需要はなくなると思うのですが、いかがでしょう。

○目黒金融部長 政府系金融機関につきましては、平成二十年十月に統廃合の予定がございまして、その後の具体的な事業展開については今のところ明確にされておりません。
 いずれにいたしましても、これまで新銀行東京が融資の対象としてまいりました赤字や債務超過先企業に対する支援は、こうした政府系金融機関によりましても難しいというふうに考えております。

○大西委員 あくまでもニッチ産業に徹するということがおっしゃりたいんですし、一方で、新しいベンチャー企業等への出資とか、そういう新たな収益を探ることもやりたいということも再建計画にあるんだと思っております。
 繰り返しになるんですけれども、再建計画のポイントは融資審査システムです。なぜ失敗したのか、今度は大丈夫となぜいえるのか、その判断根拠が融資審査システムそのものの評価だと思うんですが、無担保・無保証は間違っていないとしても、それを支える融資審査は、これまでと再建計画ではどう違うんでしょうか。

○目黒金融部長 新銀行東京の再建計画では、これまでの融資、保証における審査・与信管理体制の問題点と改善点を踏まえまして、新たな審査・与信管理の充実に結びつけることとなっております。
 銀行の審査能力の向上とあわせて、ベンチャーキャピタルやノンバンクなど、提携金融機関などの審査力も活用いたします。また、回収率向上のため、担保、保証を徴求することを原則といたしますが、顧客の実態把握や返済履歴を勘案するなどによりまして、無担保融資を継続できる体制を構築していくこととしております。

○大西委員 責任を全く感じていない現経営陣が、今後の経営で成功するとは到底考えられないんですが、一千億円でうまくいかなかったのに四百億円で成功するという考え、これは都民にとっても納得がいかないんだと思います。
 そこで、やはり最初のマスタープランなんですけれども、スコアリングで審査を決定する、低コストで高パフォーマンスを期待できる画期的なシステムと自画自賛なさっていました。実際には機能していないとしたら、だれがやっても新銀行東京は失敗したということになります。
 だれがシステムの有効性を判断して導入したんでしょうか。マスタープランの作成に当たっては、七億円でたくさんの百人近い専門家がその作成に当たったということは聞いているんですけど、その作成を取り入れた東京都として、行政として、どのような検討が行われて、そしてそれを新銀行というところに出して、新銀行が採用したのか、その過程を教えていただけますか。

○目黒金融部長 マスタープランにおける融資実行プロセスは、スコアリングによる定量要因のほか、実地面談、実態調査など定性要因も踏まえた上で融資条件を決定、実行するというふうにしてございました。しかしながら、新銀行東京の旧経営陣はスコアリングモデルに過度に依存した融資を実施するなど、質より量を優先した業務運営を行い、多額の不良債権の発生を招いてしまいました。
 最終的にスコアリングシステムの導入を決定したのは新銀行の判断でございますけれども、このシステムそのものの問題というよりは、融資実行に当たっての運用において経営判断に問題があったといわざるを得ないものと認識しております。

○大西委員 確認させていただきますが、このできたマスタープランを、東京都で行政として検証なりそういうことをしたことはないということ。
 そして、もう一つは、マスタープランの作成者の責任問題があるんじゃないかと私は思うんですけれども、それについてはいかがでしょうか。

○目黒金融部長 マスタープランは、都として策定したものではございますけれども、その作成の過程に当たりましては、金融の専門家を初め、コンサル、その後の新銀行の執行役候補者なども含めて作成したものでございまして、それなりの専門性というか、水準はあったものと思います。したがいまして、マスタープランそのものが悪いということではなくて、それの運用の仕方、もう少し具体的に申し上げれば、定量要因だけで審査するのではなく、定性要因の審査が欠けていたというようなことがその大きな要因であったのではないかというふうに思います。

○大西委員 もう一度確認ですが、あくまでも都として、行政として、このマスタープランそのものを検討したことはなかった、そして、今でもこのマスタープランは間違いではなかった、運用が悪かったというところに立っているということでよろしいんですね。

○目黒金融部長 マスタープランそのものは都によって策定されたものでございますが、そのマスタープランを使って具体の銀行経営をどういうふうに進めていくかということは、やはりそれは経営陣が主体的に考えていくということであるかと思います。

○大西委員 どうしてもこの新銀行の導入時点の〇三年度に返るんですけど、そのとき、本当にすべて新しい試みだという触れ込みでしたが、だれもが不安に思う点がありました。それについて、スコアリングの問題も、それからこのマスタープランの問題も、いろいろ質問しても、そのときの答弁は一貫して、大丈夫です、お任せくださいの一点張りだったんです。そのことをまた思い出してしまいました。
 それで、本当にこの間、予算委員会の前半、それからきょうの委員会そのものもあるんですけれども、全く新たな資料開示も、それから参考人招致も行われない中で、限られた材料で長時間審議していて、非常にむなしさを感じます。
 そして、聞くことに対しては、この産労だけでは答えられないということを、また改めて感じます。
 そして、薄っぺらい、この再建計画ですが、これは再建計画というよりも、単に再建切望、再建願望計画でしかない。なぜなれば、裏づけする言質もデータも何もないわけですから、それで本当に判断しろということは非常に乱暴なことだと思います。
 もう一ついえば、非常にこのところ、一千億、四百億と、私たちも金銭感覚麻痺になるような、億の単位で札束が積まれていくような現状。例えば、税金を使っていろいろな事業が行われているわけなんですけど、そういう意味では、補助事業にしろ何にしろ、煩雑な手続ときめ細かないろいろな審査を受けながら、何千万とか何百万円、そういうものを得る中で、何のデータも出さないまま信用してくれ、信用してくれで億単位を出していく今の都庁のやり方に非常に不満がありますし、これは本当に都民の納得は得られないということをきょうは申し上げて、この銀行の質問を終わります。
 続いて、障害者の就労について伺いたいと思います。
 ちょっとはしょりますが、三年間で障害者雇用を一万人以上ふやすという目標達成に向けて、都は二〇〇八年度に三十六億円を予算化しています。都独自のジョブコーチ養成による職場定着支援八百八十人、特例子会社の設置支援四十五社、多数雇用企業の登録制度創設等が具体的に取り組みに挙げられています。そのことに期待したいと思っております。
 その中で、東京都が新たに取り組むジョブコーチの養成について伺います。
 生活者ネットワークでは、障害者の就労にはジョブコーチの存在が必要と、その充実をずっと求めてきたところであり、今回、都独自のジョブコーチ養成に取り組むことは歓迎するものです。
 そこでまず、国のジョブコーチ制度がある中で、あえて都がジョブコーチの養成に取り組むこととした理由について伺います。

○松本雇用就業部長 精神障害者など就業がより困難な方々の就職意識の高まりを受けまして、こうした方々の職場定着を図るため、その支援を行いますジョブコーチへの期待やニーズが高まっております。
 一方、現在、国等が養成しておりますジョブコーチの数は、支援ニーズに比べて不足していることから、都においてもジョブコーチを養成することとしたものでございます。

○大西委員 障害者の職場定着を進めていくためには、個々の障害者の特性を理解したジョブコーチが必要に応じて支援の手を差し伸べられる体制が必要です。このために、今回の東京都のジョブコーチも、三年やって終わりではなく、できる限り長い間実施し、より多くのジョブコーチを育成していくことが重要です。
 そこで、この事業に長期的にどのように取り組んでいくのか伺います。

○松本雇用就業部長 本事業は来年度から新たに実施するものでございまして、その実績、効果を見きわめながら、事業のあり方については検討していきたいと思っております。

○大西委員 また、しっかりと障害者を職場に適応させるような支援を行うためには、養成研修の内容が非常に重要です。
 国では、障害者職業センターなどにおいて、ジョブコーチとして必要な専門的知識及び支援技術の習得を図るための研修を実施していますが、東京ジョブコーチの養成研修はどのような内容で実施するのか伺います。

○松本雇用就業部長 東京ジョブコーチにつきましては、国と同等の支援が可能な人材を育成したいと考えておりまして、その養成研修は、国で行っているものと同程度の内容、水準のものを実施する予定でございます。

○大西委員 現在、東京都内において障害者の就業支援を行う機関としては、区市町村障害者就労支援センターのほかに、国の障害者雇用促進法に基づく障害者就業・生活支援センターなどがあります。
 障害者就業・生活支援センターについて、都における役割、現状について伺います。

○松本雇用就業部長 障害者就業・生活支援センターは、障害者の自立し安定した生活の実現を図るため、就職を希望する障害者等に対しまして就業面及び生活面の一体的な支援を行う機関でございまして、都内では現在四カ所設置されております。

○大西委員 この障害者就業・生活支援センターは、今後、国としても障害者の就労支援において重要な役割を果たすものと位置づけ、設置を推進していると聞いています。都においても同様にこれを推進すべきと考えます。
 同センターを都の施策においてどのように位置づけ、またジョブコーチ養成事業との連携も含め、今後どのようにこのセンターを活用していくのか伺います。

○松本雇用就業部長 障害者就業・生活支援センターは、区市町村障害者就労支援センターが区市町村ごとに設置されているのに対しまして、より広域的な支援が可能な機関として設置されております。今後とも、両センターの連携により障害者雇用を推進してまいります。
 また、東京ジョブコーチによる職場定着支援を実施する上でも、障害者就業・生活支援センターとの連携を図ってまいります。

○大西委員 今般、産業労働局では、障害者就労支援施策を大幅に拡充しましたが、むだな投資に終わらないように、既存事業も含めて、これらを効果的に運営することが必要です。
 しかし、産業労働局は、福祉保健局や教育庁と異なって、障害者支援に関するノウハウの蓄積が乏しいのではないかと危惧しています。せっかくの事業であるのですから、福祉保健局等関係部局との十分な連携のもと、障害者の就業促進に効果を上げていただきたいと思うのですが、見解を伺います。

○松本雇用就業部長 産業労働局はこれまでも、東京障害者職業能力開発校や心身障害者職能開発センターにおきまして、関係機関と連携を図りながら、障害者の職業訓練や就職支援に取り組んできたところでございます。
 新規事業の執行に当たりましても、引き続きこれまでのこうしたノウハウを生かしつつ、関係機関と連携して効果的な事業運営を図ることとしております。

○大西委員 以上で終わります。

○増子委員長 それでは、この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後五時五十二分休憩

   午後六時二十七分開議

○増子委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言願います。

○馬場委員 私からは、新銀行と、それから元気を出せ商店街に関して、二点ご質問させていただきます。
 まず新銀行東京につきまして、今回ご提案いただいて、予特でも質疑を四日間したわけですが、今回のこの新銀行、都の責任、もっといえば不作為の責任というのが問われているというふうに思います。
 知事の記者会見で、予特が終わった後だったでしょうか、インタビューで、まだ何か質疑が物足りないような、というようなお言葉もありました。また、昨日の新聞の津島代表執行役の記事でも、デフォルトがひどくなるまで会社の窮状をきちんと説明してもらえなかったというふうな、いろいろな発言が毎日マスコミの皆さんから報じられているわけです。
 私ども、この四百億、所管の委員会に提出をされて、私たちの担当として今質疑をしているわけですが、今までの質問をお聞きしていても、何かとても悲しいなあと。私どもこそ、きちんとしたところに手が届かないような状況にあるなと、改めて思っております。
 そもそもこの新銀行東京は、石原知事が公約で掲げて、何度もご説明あったように、百人からの皆さんがマスタープランをつくって、そして開業にこぎつけ、それからたった三年でこういう現状に、追加出資を求められるというような現状にあります。
 この銀行は、私どもも、知事の信用貸し、都といったらいいんでしょうか、都と石原知事のブランドに頼るというか、その信用で何かうまくいくような、そんな気がしていた、そんな状況でこの三年間あったのではないかなと改めて思っているところです。
 では、なぜこのような状況になったかということで、調査委員会が設置をされて、その報告書が出されました。皆さんからありましたように、これは融資を中心にした調査報告書なんです。大変膨大な量があるというふうに伺っておりますが、まず、きょうご出席の局長初めこの委員会の皆さんで、この正式な報告書全文をきちんと読まれた方はどなたでしょうか。

○佐藤産業労働局長 私は読んでおります。

○馬場委員 お一人だけでしょうか。きょうはその資料はお持ちでいらっしゃいますか。

○佐藤産業労働局長 持ち合わせておりません。

○馬場委員 私たちは資料が欲しいといい続けているわけですが、それが一人一人に、いろいろプライバシーの問題と訴訟の問題等あって出ないということであれば、きょう少なくとも所管で質疑をするという状況の中で、そのことをきちんと知っている人、もしくはそれが資料としてこの場にないというのは、私にとっては、この質疑を軽んじ--議会に提出をするといった知事の本意、ないのなら仕方ありませんが、あるとおっしゃって、知事も見られたとおっしゃっている、その全文がここにないって、じゃあ、すべて局長が、お持ちでない部分も含めて、お答えいただけるというふうに受けとめてよろしいのでしょうか。

○佐藤産業労働局長 先般、予算特別委員会の冒頭でも申し上げましたとおり、本報告書は、今後の可能性のある訴訟にとって極めて重要な資料となりますので、そういう意味では、お答えできる部分とお答えできない部分がございます。

○馬場委員 私どもは、なぜかを解明したいわけですね。そして、知事と都側にだけ責任があると思っておりません。議会もその承認を、一千億の出資については賛成多数で出資がされたわけです。そして、実はもう一回、補正という形で四百億が提案されております。今回のこの四百億は、最初の一千億とは状況が違います。そういう意味で、まず、その一千億がどうなったのか、現状はどうなったのかということをよくわかった上でなければ追加の出資はできないというのが、私たち都民の代表としての立場ではないでしょうか。
 そのことを踏まえて、きょうお持ちでない--私の質問の中にそれがないと困るということになるかどうかはまだはっきりわかりませんが、少なくとも、姿勢として、きょう委員会に臨む上では、そういう姿勢があってしかるべきだったというふうに申し述べておきます。
 この四百億の追加出資ですが、説明を受けて、本会議の前の日だったでしょうか、委員会の前の日でしたか、提案をいただきました。政策目的に基づくものだということで、金融部の金融事業という名前で四百億補正が出されているわけですが、これ、私たちから見ると、うちの田中幹事長も予特で質問させていただいたと思いますが、いわゆる都の施策をつくっていく、その段階がなくて、つまり、どこからこの提案が来て、そして金融部のところの金融事業というふうに決めて、それを補正の提案という形でなされてきたのか。今までにこのような施策を提案された例というのをもしご存じだったら、教えてください。

○塚田総務部長 お答えいたします。
 例についてはちょっと存じ上げませんが、今回の経緯につきましてご説明いたします。
 補正予算につきましては、予算事務規則に、局長は、予算の編成後、予算の補正を必要とする理由が生じたときは、その旨を財務局長を経て知事に報告しなければならないというふうに定められております。
 今般、産業労働局では、株式会社新銀行東京から、再建計画とそれに基づく追加出資の要請を受けましたことから、この予算事務規則にのっとりまして補正予算見積書を作成し、財務局長に提出したところでございます。

○馬場委員 銀行からどういうふうに要請を受けて、その検討をしたかというのは、また後で触れさせていただきたいというふうに思いますが、今お話しのように、予算がもうできているところに、その予算の補正で同時に出されるというような緊急の状況でございます。
 これは、緊急だからといって、簡単に決められる内容ではないというのが、私たち、今までも質疑してきた認識です。今もう皆さんが補正を決めて提案をされました。一日しかない時間の中で、知事部局との間で決められたんでしょうが、今度は、今、私たち議員の方に決断を迫られているわけです。
 先般の一般質問のときにも、ネットさんからでしたでしょうか、一千億を三年間で使ってしまって消えたら、一日一億になりますねというような、とても覚えやすい数字だったので私も使わせていただいているんですが、この四百億、都議会全員で割り返すと、百人で四億ですよね。賛成する方だけということになれば、それはどのぐらいの決定の負担があるかというふうに実はちょっと考えてみました、わかりやすく。
 なぜならば、実は、私ごとですが、私の兄が足利銀行に勤めておりました。ちょうど十四日の、足利銀行、野村陣営に譲渡という、株購入額一千二百億円で譲渡が決まったというふうな記事があったものですから、きのうちょっと、新銀行のことも含めて感想をお聞きしました。百年の歴史があって、三千人行員がいる、その足利銀行が、今、千二百億円で売られるのだと。どうしてそうなったかというようなことも含めて、参考のために聞かせていただきました。
 やはり経営陣が不良債権、貸し込みをしたと。そのことはどうしてわからなかったのか。私の兄は支店長を何年かしておりましたので、そういう立場でもどうしてわからなかったのかと。そうしましたら、やはりわかり得なかったというお話でした。
 そのことを含めて、じゃあどうすればいいのかといいましたら、この金融業は、それでわかるように大変難しいと。小泉政権の最初のやり玉に上げられたというようなお話もしておりましたが、このことで、自分たちは行員として、銀行に働いている立場として、自分たちも出資をし、また、お客様にも出資をお願いした。彼の場合も二千万ほど負担をしたと。私にも、そういうことを今、議会に求められているんですよというふうに、逆に忠告がありました。
 議会でこのことを認めるということは、会社でいえば、このことを議決した取締役会なり、株主総会になるのか、今回よくわからないのですが、その責任のあるところが議決をしたということは、その賛成をした人に責任がある。足利銀行の例でいえば、経営責任が問われて、私財は、賠償責任というのでしょうか、そんなふうになったというふうにいっておりました。
 何がいいたいのかというと、つまり、それだけ大事なことを、そちらじゃなくて、質問はこれからいたしますが、最終的には私ども議員が今そういう立場にいるんだということをぜひともご理解いただいて、これからのご質問におつき合いいただけたらありがたいというふうに思います。
 まず、やはりそうなると、皆さんからも出ましたが、都による経営監視状況。これは最初の大塚出納長が、前、元でしょうか、発案をし、マスタープランをつくっていく中で何度も述べていらっしゃいます。その議事録がありますが、都はきちっと人も出して経営を監視していくんだと。知事の公約で、これを守りながら、きちんと都はやっていくというふうなことを何度も答弁で述べていらっしゃいます。
 私たちも、一千億の議決をするときに、たしか付帯決議をつけて、都も経営全般にわたり適切な監視に努めることを条件にして賛成したというふうに思っています。
 今回、何度も申し上げますが、この追加の四百億、これを認めるかどうかということが問われております。ですので、一つ一つ、申しわけありません、ちょっと詰めるような形になりますが、お答えいただけたらありがたいというふうに思います。
 都がこれまでに出席を求められてきたのは、という資料要求をさせていただきました。この報告では、毎月の株主連絡会、年二回の決算説明会という報告会のみというふうに出ておりますが、これでどうやって経営全般にわたって適切な監視に努めることができたというふうにいえるのでしょうか。

○目黒金融部長 都は、新銀行東京が、中小企業金融支援など、この銀行が担う役割を適切に果たしているかという観点から、事業の進捗状況や決算内容等の報告を受け、中小企業支援の一層の充実などについて、株主としての意見表明や申し入れを行うなど、経営の大枠を監視してまいりました。
 平成十八年度中間決算時におきましては、今後における経営計画の見直しを要請しております。また、平成十九年三月期決算時に表面化いたしました深刻な経営悪化に対しましては、早急な計画の見直しや経営陣の交代が必要であると判断をいたしまして、役員の刷新や都職員の派遣を実施いたしまして、経営改善に当たらせたところでございます。
 資料にもございます株主連絡会や決算説明会は定例的会議でありまして、当然、これ以外にも必要に応じ連絡調整を図ってきたところでございます。
 都としては、銀行法により、通常の事業会社との関係とは異なりまして、会計帳簿や資料の閲覧が制限されるなど一定の制約がある中で、可能な限り新銀行東京の経営監視に努めてきたところでございます。

○馬場委員 資料要求の報告が一部だったというふうに受けとめざるを得ないのですが、でも、そうやって出していただくものしかわかり得ません。
 それから、二つ目に述べられた、十九年の三月期決算に表面化した深刻な経営悪化というふうにご答弁いただきましたが、この時期に表面化しなければわからなかったような、そうした局というか金融部の対応というのがまず納得いかないというふうに思います。
 それから、それを受けて、必要に応じて連絡調整を図ってきた、私ども議会にも、というふうになっておりますが、これはもう報告でしかないわけで、そのことも含めて、皆さんからも出ましたが、このことをこれからもう少し詳しくお聞きしていきたいというふうに思います。
 まず、新銀行構想の公表から現在まで、都の関与した所管の範囲、これは具体的にどのようなもので、どのように所管が変わってきたのかということでございます。

○目黒金融部長 平成十五年五月の新銀行構想の公表時の所管局は、当時の出納長室でございます。その後、平成十五年六月に、出納長室に銀行設立準備担当の組織が新設されました。そして十六年八月には、局相当の組織でございます新銀行設立本部が設置されました。その後、平成十七年七月、新銀行設立本部の廃止に伴いまして、新銀行東京に関する事務は産業労働局に移管をされ、現在に至っているところでございます。

○馬場委員 ありがとうございます。今のお話で、図にしたのもいただいているのですが、最初に出納長室でというのは、前からいらした方はよくご存じで、初めての方は、何で出納長室なんだろうというふうに思われると思います。それは、大塚前出納長がいらしたからですね。大塚さんの提案で、知事の公約になり、というふうに進んでいって、そして新銀行東京設立。つまり、開業の一年前もまだ出納長室、大塚さんのところですね。そして、出納長を大塚さんが退任すると、追いかけて、今度は新銀行本部が設立されます。十六年八月ですね。それで、それから半年、十七年四月に銀行が開業する。この銀行の開業を真ん中に挟んで、約一年間、新銀行設立本部というところで所管されていました。
 そこから、開業から三カ月でしょうか、七月、銀行の六店舗ができて、全面開業といわれるような状況の中で、産業労働局になって所管が移っていくわけです。つまり、銀行の開業に合わせてできているというより、担当する人に合わせてできていっている、所管が動いていっているように思います。
 そして、最後、今も含めて産業労働局なわけですが、この指導監督を担当した所管部署とその任務、その責任者はどのようになっているのか、改めて伺います。

○目黒金融部長 銀行の指導監督は金融庁の権限でございまして、都は株主として経営の大枠を監視しているわけでございます。平成十七年四月の新銀行東京の開業以降、株主としての経営監視は、新銀行設立本部及び産業労働局が行いまして、その責任者はそれぞれ本部長、局長でございます。
 現在の産業労働局における所掌事務につきましては、中小企業金融に係る出資団体等の監理運営に関することとされておりまして、新銀行東京の監理運営を行っているわけでございます。

○馬場委員 そうなんですね。今は局長のところにその任務があるということです。しかし、開業以前のところでの責任は、先ほどから申し述べましたように、いろいろ変わってきました。
 しかし、一貫して変わらないのは、都が開設発案で出納長室に所管を移す、そして準備をしていく間の費用も予備費から出し、その後、銀行の設立には一千億を出していく。つまり、最初からすべて、マスタープランの作成費用も含めてすべて、ある意味都が持ってきたという、東京都の銀行という認識は、これはもうどなたも持っていらっしゃるというふうに思います。
 一千億出して、株主というふうになったわけです。その株主としての意思決定、所管は局長のところということですが、株主としてどうこの銀行に当たっていくかという、そのルールというのがあると思います。特に、開業したときには銀行設立本部にあって、その後産業労働局に移ったわけですから、その辺も含めて、例えば株主総会に出る前にどういう情報を得て、株主総会に出たときにどういう決定をすればいいかというようなことを含めて、そして、だれが出席をして、その後どう必要な報告をしたかというようなこと、それがわかれば私たちも少し安心するのですが、それを教えてください。

○目黒金融部長 株主総会では、株主として議案に対し議決権を行使することになるわけでございます。このため、事前に、都としての態度、出席する職員への権限委任などを意思決定してございます。株主総会で決定された事項につきましては、庁内の関係部署に連絡されることになってございます。
 また、株主総会事項に限らず、重要な事項については、通常の施策の意思決定と同様、知事に報告し、判断等を仰いでいるところでございます。
 なお、新銀行東京は、地方自治法二百四十三条の三第二項の規定に基づきまして、毎事業年度、政令で定めるその経営状況を説明する書類を作成いたしまして、これを次の議会に提出をしているわけでございます。
 また、東京都監理団体指導監督事務要綱に定める、その他報告を受ける団体といたしまして、団体の運営状況に関する調書等を提出しております。

○馬場委員 例えば直近の株主総会でもいいのですが、どなたが局から出られたのでしょうか、教えていただきたいのと、どうやって出る前に、株主総会に出るに当たって決めたのかということを伺っております。それから、出席するについて、どのような権限をきちんと持って出席したのかということを伺っております。もう一度ご答弁ください。

○目黒金融部長 株主総会の出席者でございますが、二回の例で申し上げますと、いずれも知事の代理ということで金融部長、私などが出席をしているわけでございます。
 そこでの意思決定につきましては、事前に起案をする形で知事の決定をいただいているということでございます。
 また、株主総会当日におきましては、意見というようなことで、口頭になりますけれども、株主総会の場で都としての意見を申し上げているところでございます。

○馬場委員 今のご答弁ですと、相談をして株主総会に出席し、さらに終わってから報告をしていると。つまり、知事が株主代表でしょうから、知事はこの間、本日までといっていいでしょうか、すべての銀行の問題点については知らなかったとおっしゃっているので、そのことはおいといてですが、基本的に、局の金融部長さんとかと認識はすべて、皆さんと同じことは知っているというふうに受けとめていいでしょうか。
 それは、知事が株主であると同時に、都民の税金で株主になっているわけですから、一千二百万都民の代表というふうにも考えなきゃいけないわけですので、その辺のところは、今のお話で確認してよろしいでしょうか。もう一度。

○目黒金融部長 そういった意味では、事前に了解を得て株主総会に臨むわけでございますので、私どもの思いと知事の思いとは、そういう意味では一致しているということかと思います。

○佐藤産業労働局長 ただいま金融部長からご答弁申し上げました中で、ちょっとはっきりしなかった部分があるかと思いますが、株主総会で、通常ですと株主総会の議決案件が先に参ります。その内容につきまして、局としてどういうスタンスで株主総会に臨むか。金融部長が知事の代理として出席をする際の議決事項に対する態度を決めるのは、起案によって決めますけれども、これは局長決定で態度を決めております。
 ただ、株主総会は、決算期につきまして行われますので、決算についての概況につきましては、決裁ということではなくて、知事に報告をするという形でご報告させていただいております。

○馬場委員 それでは、今の報告、それから事前の打ち合わせも含めて、それぞれ重要な銀行に関する書類というのがあるというふうに思います。新銀行東京の株主として保有すべき経営等に関する書類、経営等に関しなくてもいいんですが、保有すべき書類というものはどんなものがあって、きちんとそれはお持ちなのかどうか、お尋ねいたします。

○目黒金融部長 新銀行東京の株主として保有が義務づけられている書類は特には定められているわけではございませんが、株主総会における各期の事業報告、計算書類及び議案等を保管しております。そのほかに、大株主として、株主連絡会において、融資、保証、預金残高、その他連絡調整事項につきまして報告を受けておりまして、当該資料につきましても保管をしているところでございます。
 新銀行東京は、都が株主でありますことから、東京都監理団体指導監督事務要綱におけるその他報告を受ける団体に位置づけられておりまして、役員、幹部職員名簿など運営状況に関するもの及び就業規則などの関係資料の報告を受け、保管をしてございます。これらにつきましては、産業労働局金融部が保管し、経営監視に活用しているところでございます。
 なお、株券につきましては、都は、商法第二百二十六条の規定により、不所持の申し出をしておりまして、所有はしておりません。

○馬場委員 かなりそういう意味では書類等も含めて持っていて、そのことは、書類があるということだけではなく、書類を持っているということは認識があるというふうに受けとめさせていただきたいと思いますが、あえて答弁いただかなくてもいいですね、というふうに思います。
 それでは、新銀行に関する情報の管理、今の書類等のことなんですが、この銀行が最初にできるというか発案のときから、設立、開業というふうに来たわけですが、所管が変わっていく中で、開業以前の書類も含めて局ではお持ちなのでしょうか。

○目黒金融部長 新銀行に関します情報の管理あるいは記録、書類の引き継ぎ等につきましては適正になされておりまして、現在では産業労働局金融部が保管しているわけでございます。

○馬場委員 必要なものは全部金融部におありですということでよろしいですね。必要であれば開示していただけるものも含めて、物は確かにあるというふうに受けとめさせていただきます。
 問題は、その中身なんですね。それはまた後で触れさせていただきますが、都はかなりの役割を持っているわけですが、都から新銀行へ、出向職員、それから所属、どんなお仕事をしているのか伺います。

○目黒金融部長 都は現在七名の職員を、退職派遣の手続をとりまして新銀行東京の業務に従事させているところでございます。これらの職員は、新銀行東京において執行役以下の役職等につきまして、企画グループに属し、都が持つ人事、予算や事業の進捗管理などのノウハウを生かして、新銀行東京の経営立て直しの支援を行っているところでございます。

○馬場委員 退職派遣という形と伺いましたが、都は、政策実現のために銀行をつくり、その監視をするために、金融部さんの監理課の事業概要にも、新銀行東京の経営監視等というふうにきちんと事業名になっているわけですが、この七人の方はお手伝いではなくて、きちんとした指導監督というような立場で派遣されているのではないのでしょうか。

○目黒金融部長 七名の派遣職員の中には、一人は執行役でございまして、その他の者につきましてもそういうようなポストについているわけでございます。

○馬場委員 さっきもお話しした、昨日の津島さんのインタビューで、それからきょうの質疑でもそうなんですが、指導監督権限は金融庁だという話と、その辺の振り分けがよくわからないところがあるんです。新銀行に対する指導監督権限に制約があるというご答弁を西岡議員にしていらっしゃるんですが、具体的にもう一度、申しわけありませんが、どのような制約で、どんな範囲であれば、都がおっしゃる指導監督ができるのでしょうか。

○目黒金融部長 銀行につきましては、業務、財産の状況に関する報告、資料徴求権、立入検査権、改善計画の提出徴求・変更命令権、業務の全部または一部停止命令権などの指導監督権は金融庁にございます。
 会社の株主につきましては、株主総会の議決権、議題、議案の提案権、株主総会の招集権、取締役の解任請求権等に加えて、会計帳簿等の閲覧権が認められているわけでございますが、銀行におきましては、会計帳簿等の閲覧権は、銀行法の規定によりまして認められていないということになってございます。
 都の監視は、こうした限られた情報の中で行わざるを得ないというのが現実でございます。

○馬場委員 そうすると、先ほどの七名の、一名執行役も含めてなんですが、派遣という形で関与するといったらいいのでしょうか、銀行の中に入って仕事をしていらっしゃるわけですから、その辺の問題についてはどういうふうになっているのでしょうか。許されるのでしょうか。

○目黒金融部長 当該職員につきましては、都を退職して銀行に行っているわけでございますので、あくまでも銀行の社員ということで勤務しているということでございます。

○馬場委員 今のご答弁ですと、退職して行って、じゃあ都と全然別の、都の指示を受けないで仕事をしている、都のノウハウを持っている人が、都の指示は受けないで銀行のお手伝いに行っているというふうに受けとめざるを得ませんが、それでよろしいのでしょうか。

○目黒金融部長 都で培われた能力、ノウハウ等を生かしていただくことを期待して送ったわけでございますけれども、あくまでも都を退職して、銀行の行員として勤めているわけでございますので、都の指揮といいますか指導が直接及ぶものではないということでございます。

○馬場委員 その辺が私たちにはわからないところなんですね。都の関与と銀行の関係が、密接で、要するに、いいとこどりして、わかってるんだから、まあお互いに、都の職員であった人を上手に銀行のために使うというようなこと、わからなくはありませんが、その辺のところは、何かぎりぎりのところでやっていらっしゃるのかなという気もいたします。
 もう一つは、今ので思い出したんですが、この銀行は、委員会等設置会社という形をつくっていて、取締役会と執行役、つまり決定機能というか、監査機能と業務の執行機能と分けて、そういう意味ではきちんとやるようになっていたりする。そういうところが、結果的には形も崩れてきてしまっているのではないかなと、済みませんが、そんな気がしております。
 マスタープランのことはまた触れますが、その前に、十八年六月二十三日の株主総会で、都は、十九年度の黒字化の達成に向けて--つまり、十八年六月二十三日の株主総会というのは、開業から一年たった決算が出たところですね。そこで、いただいた資料によると、都は、十九年度の黒字化の達成に向けて収益面に配慮するよう、というふうに求めていらっしゃいます。つまり、マスタープランの計画に合わせるよう要請していらっしゃる。
 この時点で、先ほどからいっておりますさまざまな資料等含めて、銀行との関係も含めて、一年たって、マスタープランと比較をして、もうおかしいのではないかということをわからなかったのでしょうか。改めてもう一度伺います。

○目黒金融部長 平成十八年六月二十三日の株主総会における都の発言は、平成十七年度決算を踏まえて行ったものでございまして、計画の進捗状況には満足していないこと及び中小事業者支援の一層の充実を図っていただきたいこと、それから、十九年度の単年度黒字化の目標に向けた収益面に一層配慮した業務運営を求めていること、それから、積極的な情報の開示、提供をお願いすることなどを求めたものでございます。
 あくまでも新銀行東京が策定した中期経営目標に沿った計画の達成を求めるものでございまして、マスタープランの計画に合わせることを要請したものではございません。
 都では、平成十七年度決算は、経常収益は計画の範囲内におさまっており、融資等の実績の積み上がりにより業績は上向いていくものと認識をしていたわけでございます。

○馬場委員 今のご答弁のように、一年目でわからなかったことが、その後もうすぐ、実際にはどんどんデフォルトが発生してきて、今へつながってくるわけですね。そして、十八年度に預金のキャンペーンをし、どんどん預金獲得に動いていくわけです。そして、初年度にいろいろシステム等をつくったもの等についても問題がいろいろ出てくるのですが、この時点では、都も含めて、今の状況は想定できなかったというご答弁ですね。
 このときの株主総会での発言、今の発言がそのままなんですが、その後、今の答弁にもありました、十九年に入ってから、十九年六月二十二日、今度は二年間たった、二期終わった株主総会で、都は、新銀行の経営が深刻な状況に陥りつつあるということを把握なさるわけですが、そのたった一年の間でこういう状況になりました。なぜこの時点で、一期目の決算、そして二期目の決算を見て、経営改善というところに携わっていかれなかったか。指導ができなかったのでしょうか。

○目黒金融部長 平成十九年三月期決算時におきまして、新銀行東京の経営悪化が表面化したことを受けて、都では、経営陣の刷新、職員の派遣を行い、経営体制の強化を図るとともに、経営計画の抜本的見直しを求めたところでございます。
 今ご指摘のございました平成十九年六月二十二日の株主総会での発言は、現下の経営実態を踏まえ、新経営陣の目で経営悪化の原因を究明し、それを今後の経営改善に生かすことを要請したものでございます。

○馬場委員 新経営陣の問題は後でまた触れます。しかし、先ほども申し述べましたように、経営悪化が表面化したことという、後手後手になっているというところがまず一つ問題だとご指摘をさせていただきます。
 そのころに日銀考査が行われたと聞いております。その結果はどんなだったでしょうか。

○櫻井参事 新銀行東京に対します日銀の考査は、平成十九年二月、三月に実施されたと聞いております。日銀からは、個別金融機関の考査結果につきましては、当該金融機関の経営陣に伝達することとしており、原則として第三者へは開示をしない扱いであるというふうに聞いております。

○馬場委員 これは先ほどからも質疑がありましたので、多く触れませんが、こうしたさまざまなチェックがありながら、今日のような状況になっていってしまっている。今回は、新銀行を立て直すためにどうしても四百億円を投入するという、つまり税金で投入するという、奥の手といったらいいでしょうか、東京都にはそういう奥の手があって、つくるときにも予備費を使うという奥の手を使われましたが、今回のこの四百億については、簡単にこういう提案をされては困るという思いでいっぱいです。そんな簡単に税金を使うという習慣ができては困りますので、先ほども伺いましたが、今回、この提案はあくまでも局が考えた立て直し策ではなくて、銀行側から要請があって、局が決めて知事に出したということなんですが、その辺、知事との関係でもう一度お答えください。

○塚田総務部長 今の補正予算の件でございますけれども、冒頭お答え申し上げたとおり、予算事務規則によりまして、局長は、予算の編成後、予算の補正を必要とする理由が生じたときは、その旨財務局長を経て知事に報告しなければならないと、この手続にのっとりまして補正予算見積書を作成し、財務局長に提出をしたところでございます。

○馬場委員 手続においては、としか受けとめられないのですが、それはそれでおいときまして、次に、なぜこういう状況になったかということをやはり検証しなければならないということで、今回の調査報告書、ほとんど融資のことでその責任を問うているような調査報告書なんですが、まず、調査報告書の中に、局長は見られたというふうにさっきおっしゃっていましたが、過大な当初のほかの経費、これも民主の質問で、経費五百億というふうな話があったと思います。過大な規模、銀行を営業するために、そういう意味でのむだな経費、システム購入とか、事業規模とか、そういうところでの問題点もかなりあったというふうに私は思っているのですが、その調査報告書には、ほかの金融関係以外のものは調査されているのでしょうか。

○佐藤産業労働局長 今回の報告書につきましては、銀行がこのような経営状態に至った過程、それを前代表の期間でどのような経営が行われたかということを中心に調査を行ったものでございます。
 そういう意味では、その中で、今お話しのような部分についての分析というよりは、実際に融資の実行がどのような形で、どのような執行部の方の指示なり経営方針なりでこういうことが起きたかということを中心に調査をしておりますので、ご指摘のような点についての分析はされておりません。

○馬場委員 これが入ってなくて、その膨大な量というのはすごいですね。
 私、これから質問させていただきますが、最初のマスタープランですばらしい計画があったわけです。それを開業に向けて実行に移していくということが行われました。さまざまなシステムの導入や、契約や、事業展開が行われたというふうに思います。
 それでは、具体的に、新銀行が設立当初に購入した各システム、決済システムやITシステムなどは幾らで購入し、また、その価格は妥当なものだったのか、お伺いいたします。

○櫻井参事 新銀行東京のシステム関連に対する投資額というのは約百二十億円でございます。システムの導入につきましては、総合評価入札制度によりまして、最も妥当かつ低廉な価格のものが選ばれておりまして、新銀行東京では妥当な価格というふうに判断をしているというところでございます。

○馬場委員 価格については妥当だと。ただ、これが有効に使われたかどうかというところが問題だというふうに思います。
 十九年九月には、業務委託契約の解約違約金に備えるため、業務委託契約関連引当金、これが必要だというふうに中間決算に記載されています。こういうことが必要になったという状況がありますね。
 それからまた、過大な経費削減対策といっていいのでしょうか、減価償却費の削減によって、いわゆる減損処理会計が行われていますが、ソフトウエア八十二億、建物・動産十三億、リース前払い十四億の計百九億円の減価償却費が四十五億円に圧縮されています。まず、その圧縮された物品の内訳についてお伺いします。

○櫻井参事 先ほどの答弁で、システムについて価格は妥当なものと申し上げましたが、総合評価入札でございますので、内容についても、価格だけではなく評価をしているものというふうに考えてございます。
 また、減損処理の関係でございますが、ご質問の趣旨として、私ども新中期経営計画における減損処理会計による経費削減効果についてお答えさせていただきたいと思います。
 これは、ソフトウエアが八十二億、建物・動産十三億、リース前払い十四億、合計百九億の減価償却費につきまして、減損処理会計を行いまして、十八年度において特損処理を行ったことによりまして、その後年度に当たります十九から二十一年度において四十五億円の経費のマイナス効果があるとするものでございます。百九億が四十五億に圧縮されてしまったわけではなくて、あくまでこの辺につきましては会計処理上のものでございます。

○馬場委員 契約、内容とも、それが云々と申し上げているわけではありませんで、その初期投資がきちんと運用されたかどうかということが今問われているのではないかと思います。
 新銀行がNTTコミュニケーションズ、日立、竹中工務店、ソフトバンクといった株主に発注している業務や事業、どのような仕事をそれぞれどのくらいで、どのような契約方式で出しているのか、随意契約も含めてですが、明らかにしていただきたいと思います。

○櫻井参事 NTTコミュニケーションズには、システムの業務端末やATM等のチャネル系システム、日立製作所には銀行勘定等の基幹系のシステムを発注しております。また竹中工務店に対しましては、内装工事の一部を発注しております。
 幾らかというお話でございますが、個別の金額につきましては、重要な営業情報にかかわることでございますし、相手方もございますので、お示しできません。
 また、契約につきましては、原則といたしまして競争性を持った入札を行っております。ただし、コンピューターシステム等のうち、当初、一番最初の入札によって導入いたしましたハードウエア、OS、業務プログラムの導入後の維持、開発、運用につきましては、毎年切りかえることは事実上難しいということで、随意契約としているところでございます。

○馬場委員 今ご答弁いただきましたように、出資をされている会社に初期の導入のシステム等を発注していらっしゃる。いい関係であるということはいいのかもしれませんが、銀行の雰囲気とすると、その当時の雰囲気では、新銀行には潤沢にお金があって、そして、出資をされたそうした皆さんが、言葉は悪いですが、出資に見合いのものは少なくとも営業できちんともらっていくというような雰囲気がどうもあったのではないかなと推測せざるを得ません。
 実際に必要なものですから、どこかで仕事をし、それを銀行のためにきちんと生かしていくためには、それは出資をしている方が熱心にこれに取り組むということは、よく考えればありがたいことですが、その辺は、先ほども局長にお尋ねしましたように、今回の旧経営陣の問題がここに及んでいないかどうかというのはきちんと精査されなければならない問題だというふうに思っておりますので、調査報告書にそうした問題が出てこないということは、私は大分疑義を持っております。
 新銀行の設立準備時期に、これも入札でというふうに私も伺ってはおりますが、民間企業、電通さん等から月一千二百万円の契約で出向者も出ていたというふうに聞いておりますが、このような電通さんとの契約の形態、また契約金額等おわかりでしたら教えてください。

○櫻井参事 ただいま委員、お話がございましたが、新銀行東京の契約につきましては、先ほど申し上げましたように、原則といたしまして競争性を持った入札によってやっております。出資者だからとか、そういった取り扱いはしていないものと考えているところでございます。
 また、今のお尋ねでございますが、出向者のお話でございますが、新銀行東京が企画、広報、IR全般のアドバイザーとして迎えたものでございまして、契約形態、契約金額ともに妥当であるというふうに聞いてございます。

○馬場委員 まだあります。次はATMの話です。
 ATMの設置は当初から予定されていて、預金口座の拡大、預金を獲得する、そしてさまざまなサービスをする、こんな目的でATMの設置が計画されていて、実際に設置され、そして残念ながら、とても経費に合わない、費用に合わないということで、これがまた撤去されたり、まだ置かれているというようなニュースもありました。
 それでは、このATMに関連して、ATMの設置の件数、それからその費用、設置費用、トータルでどのくらいかかったのか。それから、このATM装置の委託先はどこだったのか教えてください。

○櫻井参事 ATMは百五十一台を設置いたしました。これはほぼ計画と同数でございます。全体システムの中でのATM関連のコストにつきましては、約二億円でございます。また、ATMの開発契約では十億円かかってございますので、合計で十二億円ということでございます。
 また委託先でございますが、ATMの関連の委託先、主な委託先といたしましてはNTTコミュニケーションズでございます。

○馬場委員 NTTさんですね。このNTTも、今お話ししましたように百五十一台、一生懸命場所を探して設置をして、機械を入れて、システムを入れて、そして、あっという間に無用の長物になってしまった。このことも、今教えていただいた金額は十二億円ですが、さまざまなほかの経費も考えれば、相当な見間違いというか計算違いということで済ませていいかどうか、このことも指摘をさせていただきます。
 それから、綜合警備保障株式会社、業務委託を行っているというふうに聞いておりますが、その委託費等いかがでしょうか。

○櫻井参事 綜合警備保障株式会社への業務委託でございますが、こちらは本部執務スペースの機械警備の委託のみでございます。
 契約金額につきましては、民間企業との契約内容にかかわりますので開示できませんが、数百万円程度のレベルというふうに聞いております。

○馬場委員 済みません、綜合警備保障さんというお名前を出したので、今のようなご答弁となりましたが、ATMの設置の金銭管理と、それから支店のさまざまなこと等含めて、相当な経費もかかっているというふうに思います。支店の経費というのは、それぞれ資料でいただきましたが、何と何が含まれているのかがちょっとわからないので、この辺も、経費といわれて、何をどう使ったのかというところもきちんと検証すべきだというふうに申し述べておきます。
 次に、新銀行東京のコールセンターというのが何度も出てきました。貸して、営業の人はそこまでで、あとの回収とかはコールセンターでやっていたというようなお話も伺っております。このコールセンターの役割、機能、そして具体的な設置の状況、設置費用はどうでしょうか。

○櫻井参事 新銀行東京のコールセンターの役割でございますが、こちらは、お客様からのご相談、ご照会、依頼を電話で受け付ける窓口でございまして、同時に振り込みなどの手続も受け付けてございます。一般の銀行のコールセンターと同様の機能でございまして、場所的には、現在、豊洲に設置されてございます。
 コールセンターの運営に係る経費につきましては、業務委託費で約一億円、このほか賃借料等で約一億円の経費がかかってございます。初期の構築のコストにつきましては、事務センターと不可分なので、ちょっと切り分けが難しいということでございますが、概算で約二億円程度。ただし、現在は、現経営の体制のもとで経費削減を進めております。そうした中で、コールセンターについては直営化を図っているところでございます。

○馬場委員 マスタープランでいろいろつくってきたものが、順次、今のようなお話で、初期の費用をかけて、かけたけれども使われないで、どんどんどんどん、今、新しい再建計画へ向かっているわけです。
 そんな中で、今、設備で触れてきましたが、融資をするというところでもいろいろなシステムがあったと伺っております。営業代理店、役員さん関連の中でも営業代理店の名前が出てきているのですが、融資についての営業代理店、どのような業務契約を行っているのか、また、契約先は銀行代理業許可を取得していらっしゃるのかどうか、お答えください。

○櫻井参事 新銀行東京におきます銀行代理店契約は、AIU保険会社と、あいおい損保株式会社と提携をしているところでございます。
 契約内容は、新銀行東京の融資商品の説明、貸付業務に係る事務の代行業務などでございます。
 この二社は、当然ながら、銀行代理業務の許可を取得しているところでございます。

○馬場委員 そうですね、このAIU保険会社、それからあいおい損保さんも、マスタープラン作成のときからの企業ですよね。そことの関係で、そういうところがついていながら、マスタープランをつくって、一緒に参画をしていても、こういう状況になるのかなというのが私の印象です。
 それでは、今の企業のほかに、商工会議所、青色申告会等の紹介融資というのもあったというふうに思います。昨年、銀行にお訪ねしたときにも、青色申告会用とかというパンフレットがきちんと置かれておりました。そうしたところとの契約はどのようになっていらっしゃいますか。

○櫻井参事 新銀行東京では、融資の実績を伸ばすためということで、商工会議所、青色申告会等々、契約団体ということで取り扱いをしてございます。こうした契約団体が発行する確認書が顧客より提出をされれば、融資の事務手数料を優遇するという内容でございます。通常は、融資事務手数料の十分の一まで優遇するということとしております。

○馬場委員 それでは、今の融資のところでの業務契約、AIUさんとかと、それから今の商工会議所、青色申告会、こうした契約団体さんとの契約は、今後、再建計画の中ではどんなふうに取り扱われているのか、おわかりですか。

○櫻井参事 今お尋ねの代理店業務、また契約団体のお話でございますが、再建計画の中では特段の記述はございません。そういうことなので、現時点ではこの辺のところにつきましては特段の変更はないものというふうに考えております。

○馬場委員 融資の相談があったときにはどうぞというふうなお話だったと思いますが、やはりおつき合いというのはきちんとしておかないといけないと思っておりますので、その辺、お願いするときだけお願いをして、あとはもうこちらの状況が悪くなったからというようなことにならないようにお願いをしておきます。
 それでは、まだほかのサービスをたくさん、この新銀行つくっていらっしゃいました。日本航空のマイレージサービス、それから交通カード、デパートや商店街のポイントカードサービスなどを複合させたICカードの利用サービス事業を手がけておられました。もう撤退というふうに伺っておりますが、この撤退の理由は何でしょうか。また、ICカード利用サービス事業に要した総経費は幾らだったでしょうか。

○櫻井参事 ICカード利用サービスにつきましては、コスト削減の一環として撤退することとしたものでございます。経費としましては、年間約一億五千万円程度のコストがかかってございました。また、これに係りますシステム等の構築費用につきましては、それ以外のシステムと切り分けができない、不可分でございますので、算出できません。

○馬場委員 私が知っているのは、ICカードを利用した新銀行東京のカード、口座預金カードを持っていることで商店街のポイントがつくというのを提供していただいております。
 今のお話で、この撤退なんですが、そもそもカードを始めたのが、何と十九年の三月十八日。そして、二十年の二月、先月ですよね、もう撤退。つまり、一年たたないうちにこのシステムはもう撤退。その理由はコスト削減。こんな悲しい話ないですよね。何のために最初にコストをかけて、そして、そのコストの削減のために、本来サービスを広げていきたいと思っている人たちに、こうした状況をお知らせしなければならない。
 なぜ撤退しなければならないような状況になったんですかと商店街の人にお尋ねしましたら、そのカードでお買い物もできて、とてもいいと思ったんだけれども、最初の約束は、支店が来るかもしれないと。それが、支店がなくなって、次はATMが来る。だから、そのカードを持ってお買い物をする人、お客様が便利だということで導入をしたけれど、この費用は、一切といっていいでしょうか、銀行持ち、新銀行さんがこの費用を持ってくれたそうです。
 しかし、これでもう撤退をなさるということだと、また何らかの別のシステムを商店街は持たなければならないわけですから、そういう意味では、わざわざシステムをつくった費用、そしてまた、撤退をし、それぞれのところが対応していかなければならないという状況をつくり出した。たった一年間しか使わなかった。ICカードを持っている人たちにもそのことをきちんと説明しなければなりませんし、その状況は大変残念なものがあります。
 日本航空のマイレージサービス、これも日本航空の方がつけるのかと思ったら、日本航空を使ったら銀行さんがポイントをつけるという。つまり、多分あらゆるサービスを、百貨店、デパートさん、今お話があったさまざまなサービス機能も全部銀行が持っていたのではないかなというふうに思います。つまり、口座、預金獲得という名前で、先ほども出ました高金利でのキャンペーンと同時に、さまざまな取り組みが行われた。このことが今になってみれば全部負担になってきているということです。
 それから、楽天さんというところで、競馬の馬券が買えるんでしょうか、そんなサービスもあったけど、これもなくなったというふうに聞いています。
 こうしたさまざまな初期投資、それから次の営業拡大のために行われたことが何の役にも立たなかったというこの結果が、何度も申し上げますが、今回の調査報告書にきちんとあってしかるべきだと思いますし、もし今調査をしてないのであれば、今後きちんとそのことを調査すべきだというふうに申し上げておきます。
 それから、マスタープランに基づいた都の銀行事業への協力状況についてということでお尋ねします。
 今のICカード等、最初は都の交通局が、PASMO等を含めて交通カードで協力をする。それから、先ほどからお話がありました産業労働局も融資の問題とか、それぞれの局が、この銀行を始めるに当たって協力をしてきた経過があるというふうに思います。都の内部で、この新銀行東京にそれぞれのところがどんな協力をなさったか、教えてください。

○櫻井参事 都との連携の件でございますが、公共工事代金債権信託では、財務局と連携して実現をしております。また、環境・CSR応援団では、環境局や福祉保健局の施策と連携して実施しているところでございます。そのほかにつきましては、本日ご提出させていただきました当委員会の資料の中に掲載させていただいているところでございます。

○馬場委員 最初にお答えいただいた公共工事代金債権信託というのはもうやっているんですよね。今回の再生事業で入っていますが、もう始めているというふうに思っていました。
 それでは、局としてはそんな協力があったわけですが、都の関係者、関係機関で、この預金口座開設に協力要請があったというふうに聞いています。口座をつくってくださいといわれたという方も何人も伺いました。そんな状況なんですが、この預金口座開設、例えば局長初め皆さんの中でどのぐらいいらっしゃるのかなと思ったりしておりますが、なかなかお聞きできないでしょうが、その辺の職員の皆さんの協力、それから関係機関での協力というのはどうだったでしょうか。

○櫻井参事 都の職員や関係機関での口座開設ということでございますが、職員の部分につきましては、個人と銀行との取引ということでございますので、私ども把握してございません。
 関係機関ということでは、平成二十年一月現在でございますが、都の監理団体のうちの七団体が新銀行東京に二億九千三百万円ほどの預金をしているというふうに聞いてございます。どのような経緯で預金をしているかについては承知してございません。

○馬場委員 都の監理団体、七団体で二億九千三百万というのは、監理団体の方から協力とおっしゃられたのかどうかわかりませんが、ますます都と銀行の関係が密になっているというか、いつどういう形で預金しているのかわからないので、申し上げようがないのですが、この辺は、都の監理団体としての協力以上のものであったかどうかというところはやはり問われなければいけないのかなと思っています。
 次に、中小企業向け融資の実績を見ますと--これは先ほども質問で出ましたので、次に移ります。
 設立当初の新銀行の役員体制と社員構成はどのようであったか。役員と社員の関係について伺います。
 まず、役員や社員の過去の経歴の特徴は、というふうにお聞きしてよろしいでしょうか。設立当時、マスタープラン作成のときから引き続き役員に就任していらっしゃる役員さんとか、パリバから入っていらっしゃる契約社員さんとか、いらっしゃると伺いましたが、その辺、当初の役員、社員さんの経歴について伺います。

○櫻井参事 新銀行東京の設立時の役員でございますが、十六年六月二十八日の株主総会、取締役会で選任をされたわけでございますが、取締役は、監査法人、弁護士、民間企業の経営者など、執行役につきましては、金融機関経験者から構成をされてございました。こうしたものの詳細につきましては、予算特別委員会の資料の方にすべてお出ししているところでございます。

○馬場委員 役員の構成も、改めて、先ほどのいただいた所管のところに合わせてみたんですが、当初、十六年六月というのは新銀行設立のときですよね。取締役七名、執行役七名、代表執行役がダブっていますが、その方々がどんどん交代され、開業一年の決算、つまり十八年の六月、先ほどお話しさせていただいたときに、それぞれ二名がかわって三名が入るという状況があったんですが、一番は、仁司代表執行役がかわられた、このときですね。十九年六月、取締役、執行役、それぞれ七名いらしたんでしょうか、このとき、そのうちの五名、六名になってましたか、五名ずつ減って、新しい方が三名入ってくる。それで、十一月には代表執行役森田さんにかわられて、とかいうのがあって、最終的には今、取締役は五名、執行役は四名という状況ですね。当初からの方はそれぞれ一名ずつという状況でしょうか。
 こういう状況の中で、これから、今までの検証をし、どこに失敗の原因があったか、どう再建すればいいかということを考えていくわけですが、役員の中でもこういう状況であるということを踏まえて、私どもも、こういう状況で本当に銀行が立ち行くのかなと。現在は、都の方が、大塚さん、津島さん、それから岡田さんとかいう形で入っていて、もう執行役も都の方が占めてくるという状況にある。
 そんな中で、銀行が最初、マスタープランにそこまであったかどうかわからないのですが、正社員より契約社員をたくさん雇われて、契約社員の方に営業を主にやっていただくという、そんな状況だったというふうに聞いております。この契約社員さんも相当入れかわり、入ってやめて、入ってやめてというのがすごく多かったというふうに聞いていますが、こうした契約社員さんについて、試用期間三カ月として雇ったはずの人が、六カ月試用期間で置かれたとか、そういうふうなことも聞こえてくるのですが、不当労働行為、こうしたものがあったかどうか、また裁判になっているような例があるかどうか、お尋ねします。

○櫻井参事 委員ご指摘の不当労働行為ですとか、裁判で係争中のものというのは、いずれもございません。

○馬場委員 ないというご認識ですね。
 それでは、新銀行の就業規則というのはきちんとあるというふうにさっき答弁いただきました。その就業規則の内容は、正社員、契約社員、明示されていましたか。就業規則の変更、こうしたことがきちんとされていたかどうか、不利益変更になっていなかったかどうか、心配をしております。いかがでしょうか。

○櫻井参事 新銀行東京の就業規則の内容は、正社員、契約社員ともに明示されているところでございます。
 また、就業規則の変更は、不利益変更になっていないというふうに聞いてございます。

○馬場委員 これもとりあえずはそういうことで受けとめておきます。
 新銀行さんでは、今回の再建計画等で、特に社員数が、退職していただくということになるのでしょうか。それから、先ほども申し述べたように、かなり社員さんの入れかえが激しいというふうにも聞いています。支店を縮小していく中で、退職をしていただかなければならないような状況。例えば、今、四百五十一名でしょうか、二十一年、来年の三月末では百六十三名にするという再建計画で、二百八十八名、半分以上の方にやめていただかなければならないわけですが、こうした状況の中で、働いている人はどんな状況なのか、把握していらしたら教えてください。

○櫻井参事 都では、新銀行東京の社員個々の事情についてまでは承知してございません。

○馬場委員 残念ながらそういう状況ですが、先ほどから、都の銀行というふうに周りは思っていますし、都みずから、こうした社員さんがきちんと働ける、安心して働ける職場になっているかどうかというのは、それこそきちんと監督をする義務があると私は思っています。その辺について、今後ぜひともご検討ください。
 それでは、なぜ新銀行では契約社員を営業担当とすることになったのか。それも、私が聞いたところでは、高齢の方が多かったというふうに聞いています。この契約社員さんが営業し、だからこそ、知事から話があった、二百万円の成功報酬じゃないですが、貸し付けが成り立ったら、その分ボーナス等でいただくというふうなことになっていったというふうに思います。これは、とにかく契約がとれなければ安く、とれたらそれなりの報酬を払うというようなことだったと思いますが、こうした人の使い方についてどんなふうに思っていらっしゃいますか。

○櫻井参事 契約社員の方についてのお話でございますが、高齢の方が多いというお話ですが、すべてが高齢者というわけではございません。また、銀行業務の経験を持った人材を融資営業のフロントで活用したいという趣旨から採用を行ったもので、それなりの経験のある方を採用しているということでございます。
 また、開業時には、営業と期中管理、延滞管理が営業店とほかのセクションとで分かれた分業体制でございました。こちらにつきましては、平成十九年度以降、営業店で顧客を一元管理する体制に移行してございます。移行後につきましては、営業担当者が顧客の期中管理、延滞管理も一括して行っているところでございます。

○馬場委員 まだあるんですが、今まで申し述べましたように、いろいろ問題点がございます。今後とも、調査報告書、ぜひとも検討いただきたいというふうに重ねてお願いをし、次に、新中期経営計画についてお尋ねをいたします。
 平成十九年六月一日に発表されました新中期経営計画、これは仁司代表執行役が中心になって--それまでの、最初のところは、委託をして、費用もかかって、七千五百万でしたでしょうか、中期計画等はコンサルにつくっていただいた。これも何かむだだったなと改めて思っておりますが、この新中期計画は仁司代表がつくられたと、内部でつくられたというふうに伺っております。
 この中期計画、六月一日に発表なんですが、五月二十二日に取締役会で承認されているというふうに聞いております。これを六月一日に発表されて、都に報告される前に発表されたということで、都の抗議なんかもあったように思いますが、それはいいとして、この内容なんですが、過大な不良債権と過大な事業規模によって、経費率が平成十八年度で二三二%という異常な事態に陥っているといっています。もっといえば、この経費率、初年度、十七年度は七〇〇%という数字ですので、これはもう異常な数字なのでよくわからないんですが、十八年度で二三二%という異常な事態に陥っているということから、セカンドバンク志向への変更、それから、営業経費の三分の一間での削減を目指すことなどというふうになっているわけですが、こうした新中期経営計画、これは仁司代表執行役から都の方に十分説明があったのでしょうか。

○櫻井参事 都では、平成十九年三月期決算時におきまして、新銀行東京の経営の悪化が表面化したことを受けまして、経営陣の刷新及び都の職員の派遣による経営体制の強化を図ってまいりましたが、あわせて、経営計画の抜本的な見直しを新銀行東京に求めたところでございます。
 そうしたことから、都は、旧経営陣の方から新中期経営計画について事前に説明を受けております。

○馬場委員 その辺がすごくわからないんですね。六月のときに仁司代表から新中期経営計画、これを発表するにはかなり検討期間があったというふうに思いますが、その仁司代表がその月の二十二日、六月二十二日に代表取締役を辞任し、後任に森田氏が代表執行役につかれる。その仁司氏と森田氏の間で、この新中期計画の内容の引き継ぎ、都も含めてですが、どのように行われたのでしょうか。

○櫻井参事 当時、新たな代表執行役に予定をされておりました森田氏は、平成十九年六月一日付で新銀行東京の顧問として就任をしてございました。就任をいたしまして、営業店等の現場の実態から企画部門まで十分把握できるような準備期間を経て、同年、十九年六月二十二日に代表執行役に就任したものでございます。この間に新中期経営計画の引き継ぎはなされていると聞いてございます。

○馬場委員 今の日程ですと、六月一日に顧問に入られて、この新中期経営計画が発表され、二十二日には交代があり、そして翌月の七月三日、もう何日もないですよね、森田さんによる調査委員会が設置をされています。この間一カ月で、こうした矢継ぎ早なというか、都も指導してつくった新中期計画、この問題をまだ具体化というか、その問題を引き継ぎながら、新しい森田代表執行役は旧経営陣に対して調査委員会を設置していく。
 そして、さらにその後、津島さんにかわられて、これまで話があった再建計画がつくられてくるという流れになってくるわけですが、それでは、その再建計画、この二月に出されました再建計画はいつから作業をされたんでしょうか。

○櫻井参事 再建計画につきましては、新銀行東京の方では二月の上旬ごろ検討を始めているというところでございます。もちろん、その前からも少しずつ検討していたと思いますが、二月の上旬ごろでございます。

○馬場委員 つまり、都はよくわからないうちにこの再建計画に取り組んでいたということで受けとめていいでしょうか。つまり、六月に新中期計画を出して、代表がかわって、そしてまた、さらに津島さんにかわっていく中で、半年、もしかしたらたたないうちに、この再建計画に移っているわけですね。こんなような状況の中で、何がどうきちんと検討されたのかということ。さらに、この再建計画と同時に調査報告書もつくられている。その調査報告書は融資部分に限られている。そんな状況でこの再建計画というのが出されたもので、これで納得してくださいというふうにいわれても、とても受けとめられないと思っております。
 この再建計画、一番決定機関は取締役会でしょうか、新銀行のどの機関でこの再建計画は承認をされているのでしょうか。

○櫻井参事 決定した機関は、新銀行東京の取締役会でございます。

○馬場委員 これは、取締役会の正式なものというふうに受けとめざるを得ないのですが、それでは、もしお手元におありでしたら、取締役会のこのことを決めたときの議事録を読んでいただけませんか。お手元にありませんか。

○櫻井参事 取締役会の議事録は明らかにされておりません。

○馬場委員 それでは、同じように、この四百億の追加出資を決めた新銀行の決定機関と日付を教えてください。

○櫻井参事 平成二十年二月十九日の新銀行東京の取締役会においてでございます。

○馬場委員 そうしますと、追加出資と再建プランと同時ですね、もちろんね。そのことはきちんと新銀行も検討したというふうに受けとめざるを得ないのですが、それでは、銀行の役員に派遣している執行役等を含めて、この間の役割というのはどんなものだったでしょうか。

○櫻井参事 先ほどもございましたが、都から派遣をされております執行役もございますが、都から派遣されている職員というのは、都を退職いたしまして新銀行東京の業務に従事する、向こうの行員となっているものでございます。私どもとしては、新銀行東京のために一生懸命働いていただいているものと考えております。

○馬場委員 最後の質問になりますが、今までお尋ねしましたが、どういうふうに受けとめても、今後の再建計画を読んでも、また新銀行が東京都の中で、東京都の今までのいろいろなつながりを、局とのつながりとかいろいろ得て、東京都の事業を、金融部門というんでしょうか、そんなようにしか見えません。
 今後、再建計画は、経営状況がよくなるまでということで、その後はまた、質疑にもありました、また別の、知事のおっしゃっている、セカンドステージだったでしょうか、そんなようなこともありますが、再建計画で経営が持ち直したときの都のイメージというのはどんなでしょうか。

○櫻井参事 再建計画によりまして新銀行東京の経営が持ち直した場合のイメージということでございますが、そうした場合でも、東京都といたしましては、中小企業の支援のためにつくった銀行でございますので、株主としての一定の関与をしていくということでございます。
 また、このことによりまして、新銀行東京は、引き続き東京都の中小企業施策を補完する役割を担っていただく一方で、あくまで法人格が違う民間の銀行でございますので、それはそれとして自立性を確保しながら業務運営を行っていくことになるのではないかと思っております。

○馬場委員 意見ですが、最後にお答えいただきました民間銀行としての自立性を確保ということと、先ほどから何人も質疑されていましたように、東京の銀行という--再建計画の中にもある、ほとんどが都の施策、それからそこに沿った運営形態、そして金融庁の監督のほかに、都としての指導というのがなかなかできない、そんな状況の中で、このまま四百億の出資を認めるという、そのことは、最初に申し上げましたように、私ども議員に今その答えを求められております。
 一千億を、私は過ちというふうに思いたくはないのですが、栗原さんという詩人の方の言葉に「一度目はあやまちでも 二度目は裏切りだ」という言葉があります。私ども、都民の目、都民の今の意識をきちんと受けとめて今回のこの決定をするということを、ぜひとも本日の委員の皆さんにお願いをし、元気を出せ商店街のことについて質問させていただきます。
 先ほどもちょっと触れましたが、新銀行さんでも、口座のICカードを使った事業というのを、私はとても便利でいいなというふうに思っておりました。残念ながら実現できずに撤退したわけですが、今、その現状はどうなっているかというと、交通カードが、SuicaとPASMOが両方で使えることになったということ、それから、カードも、金融クレジット等の入っているカードはちょっと使いにくいけれど、交通カードは毎日行き帰り等使うものだから大変使いやすいというようなことも含めて、交通系のICカードを活用したさまざまな事業が進んでいます。
 そして、今、私どもの品川でもたくさん取り組んでいるんです。この事業、ぜひともこれからも見守っていきたいというふうに思っておりますが、この交通カード、システムを導入するには、経費負担、いろいろな事業、経費が大変高いものですから、そのシステムをきちんと有効に使わなければならない。元気を出せ商店街で補助をしていただいておりますが、そこでも問題点等あるというふうに思います。この交通系ICカードを使った元気を出せ商店街の事業について、その辺のご認識を伺います。

○三枝商工部長 商店街が交通系ICカードを活用したシステムを導入するに当たりましては、多額の経費負担ですとか、専門知識の不足、導入後のランニングコストあるいは個人情報の保護など、さまざまな課題がございます。こうした課題を踏まえて、商店街組織が一体となって慎重な検討を行った上で同システムを導入することが重要であると認識しているところでございます。

○馬場委員 今お答えいただきましたように、このシステムをどんどん広めていくためにも--元気を出せ商店街は単年度の補助でございます。それには、それぞれの地域の区市も負担しての事業なんですが、これが商店街等で使われて、お客様、そして商店街の繁栄ということに結びついていくためには、さらなる支援が必要だというふうに思いますが、この辺、ご検討いただいておりますでしょうか。

○三枝商工部長 都は必要に応じ、交通系ICカードを活用したシステムの導入を検討している商店街に対しまして、他の先進的事例などの情報を提供しているところでございます。また、商店街の求めに応じた上でのことに相なりますが、中小企業診断士などの専門家を無料で派遣する、商店街パワーアップ作戦も活用可能でございます。

○馬場委員 ありがとうございます。この交通系のカード、これからの社会でも、新しくどんどん変わっていく時代ですので、大変難しいものがあると思いますが、情報をできるだけ提供し、商店街等の負担にならないような、そして、お客様と商店街がしっかり利益を得られるような、そんな事業としてぜひともご検討いただけますよう、ご支援いただけますようお願いをして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

○木内委員 中小企業の新たな事業展開への支援ということについてお聞きします。
 東京都内には、独自のアイデア、あるいはすぐれた技術を持って創造的な事業活動を行う中小企業が多数存在しておりますし、また反面、先端的な研究開発を行う大学や研究機関、あるいは多様な人材の集積、巨大なマーケットなど、世界に類を見ないポテンシャルというものがあるわけでありまして、東京のさらなる発展のためには、こういうポテンシャルというものをしっかり注視して、そうして世界の産業をリードしていくということが大変重要な視点だと、こういうふうに思うわけであります。
 しこうして、景気回復の指標といいますか、経済の活性化のある姿としては、常に事業の開業率が廃業率を上回るということが非常に重要なわけでありますけれども、残念ながら都内の開業率というものは低迷している実態というものがあるわけでありまして、このままでは都内の産業の衰退というものは大変心配をされる状況にあります。したがって、こういう局面を打開するためには、創業を目指す起業家に対する支援の充実が今、喫緊の課題だと、こう思うわけであります。
 東京都では、平成十二年度から空き庁舎を活用して、さらに十四年にかけて、ベンチャー墨田、ベンチャー八王子、ベンチャー神田などなど、いわゆるインキュベーション施設というもの、ブースをセパレートして、そこに創業、起業を行おうとする人にどんどんどんどん入っていただいて、環境づくりをして応援していくという事業が始まっているわけでありますが、実は、私は、それ以前からこの議会におきまして、インキュベーション施設の機能整備が東京には絶対必要だと。神奈川県にも足を運びました。京都のインキュベーション施設にも行った。巨大な建造物があった。この中にまさに、ふ化する前の卵ともいうべき状態の企業、ベンチャーたちが集まっては目の色を変えて努力をしていた。こういうことを予算特別委員会等で訴えまして、知事もこれには非常に関心を持った。こんな経過がありました。
 結果的には、申し上げた神奈川とか川崎、京都のような巨大な建造物をインキュベーション施設とするのではなくて、東京の立地あるいは地域性、特性を反映して、小規模で分散をして、都内にこういう施設を整備するということになりまして、今、申し上げたような経過をたどっているわけであります。
 そこで、プラン・ドゥー・シーでありますから、こうしたインキュベーション施設、ベンチャー支援環境における起業家、ベンチャーのその後の生育ぶり、あえて生育といいますけれども、この施設を出てから、どういう企業としての軌跡、軌道をたどっているか、これまでの成果について、まず概括で結構ですからご報告願いたいと思います。

○三枝商工部長 東京都は、平成十二年から十四年にかけまして、ベンチャー墨田、ベンチャー八王子、ベンチャー神田の三つのインキュベーション施設を開設し、創業支援を行ってまいりました。開設から平成二十年二月末までに、これら三施設におきまして二百二社の創業を支援し、そのうち五十二社はなお入居中でございますけれども、既に百十一社が事業を軌道に乗せ、これらの施設から巣立っているところでございます。
 また、卒業した企業に対します追跡アンケート調査によりますと、回答を寄せた企業のうち約六割が業績を伸ばし、また約五割が従業員を増加させております。
 このように、ベンチャー墨田を初めとする三つのインキュベーション施設は、ベンチャー企業が最も困難な創業直後の数年間、これを乗り越えることに対しまして着実に成果を上げていると考えているところでございます。

○木内委員 さっき、山口理事の質疑でしたか、私も大変敬意を表しながら聞いておりました。その質疑の中で、企業を創業して成功する割合、どこかのデータを引かれて、四%という話をされておられました。それを思い比べますと、今、部長が答弁された、二百二社の創業を支援して百十一社が事業を軌道に乗せているというのは、実は大変な高率の成功率だと、こんなふうにも思うわけであります。
 私どもが議会で提案した一つ一つの施策というものが、具体的展開の中で、東京の産業、中小企業の活性化に大きな貢献をしているという、この事実に着目すると同時に、ご苦労されている、この事業の成果というものをもっと喧伝していいんじゃないか、こんなふうにも思いますので、ご努力をされるように、まずこの点強く要請をしておくわけであります。
 さて、その多くが売り上げや従業員数を伸ばしているというわけでありますけれども、例えば、極端な例でもいいですから、成功している実例があったら報告していただけませんか。議会としてもしっかり、各会派の代表がきょう集まっていますから、PRしてください。

○三枝商工部長 ベンチャー墨田を初めとする三つのインキュベーション施設から巣立っていった企業は多種多様でございます。中には大きな成長を遂げたものもございます。
 一例を申し上げますと、ベンチャー神田から巣立っていった企業でございますけれども、画像処理ソフトウエアの開発ですとかIT技術者の派遣業務により急成長いたしまして、現在、従業員数が百四十人を超え、海外にも事業所を設立してございます。

○木内委員 今るる答弁いただいたように、非常に新しい事業に果敢にチャレンジしていただく創業を支援する仕組みとしてのインキュベーション施設は極めて有効な仕組みであり、都政独自の成果を上げてきている、こういうふうに思うわけでありますが、さらに東京都は、「十年後の東京」の中で、公的インキュベーション施設を倍増するという大変意欲的な目標を掲げている。私は、物理的に箇所数をふやすことも大事、あるいはパイを広げることも大事、だけど同時に、これは東京都だけでは限界がある。したがって、さまざまな分野、地域の自治体、区や市とも共管をしたり、あるいはまたさまざまなところに働きかけを行うと同時に、そのためのいわゆる財政的な措置、予算補助というものも考えて、東京都内の中小企業のインキュベーションに対する取り組みをしてもらいたいと思う。
 よく経済の顔は株価にあらわれる、政治の顔は予算の数字にあらわれるといいますけれども、そういう予算面の措置をしなければ、あるいは機能ももっともっとブランチをふやして拡大をしていかなければ、すそ野は広がらないと思います。私は強く要求するんですが、何か具体的な考えがあったらいってください。

○三枝商工部長 創業活動を促進し、その成功確率を上げていくためには、インキュベーション施設による支援が有効でございますが、国際的水準からいたしますと、都内の施設数は不足している状況にございます。
 そこで、都は、平成二十八年度までに、お話のように公的インキュベーション施設を倍増するという目標を掲げ、その実現に向けまして、現在、中野にアニメ・コンテンツ産業分野の、また浜松町に健康関連産業分野のインキュベーション施設をそれぞれ開設すべく準備を進めているところでございます。
 さらに、平成二十年度から、区市町村がインキュベーション施設を整備する場合に、その費用の二分の一を助成する制度を創設いたしまして、地域の産業特性などに応じたインキュベーション施設の整備を促進してまいります。

○木内委員 これは、東京都の中小企業インキュベーションの歴史にとっては画期的な答弁。自分で聞いて、答弁をもらって評価するのもおかしい話だけれども、区市町村がインキュベーション施設を整備する場合に費用の二分の一を助成する制度を創設していくというわけでしょう。これはもう大変な朗報ですから、関係団体のニュースにも早速出ると思うんだね。ぜひとも頑張っていただきたいと思うんです。
 ちょっと外れますが、この前、産業交流展へ行ったら、糖尿病で壊疽になって腐ったというか、組織が死んだ部分に、ウジ虫みたいな、特別に培養した虫をはわせて、毒性のものを食わせて治すという治療法、これが何か受賞してましたよね。これ、私は物すごい成果だと思うんだ。
 だけど、今のインキュベーションの議論の中でも触れましたけれども、技術やノウハウや成果物があっても、例えば、これを製品化するための財政力、あるいは販路開拓するための多角的な能力というものがその事業者にないと、死蔵されちゃうんですね、そういう知恵とか工夫というものが。
 だから申し上げるわけでありますけれども、環境としてのインキュベーション機能を整備することも大事だけれども、加えて、適切な経営支援ですとか資金供給を受けることができるような、総合的な支援のシステムというものも構築していく必要があると、こう思うんです。
 局長、見ましたか、産交展で、糖尿病の壊疽の治療をする虫の開発。驚きましたね、ぞっとしましたけど。

○三枝商工部長 創業期の中小企業が着実に成長していくためには、事業の進捗に合わせた具体的なアドバイスとともに、その資金需要にも適切にこたえることが必要でございます。
 こうしたことから、都では、公的インキュベーション施設の整備に加えまして、ベンチャーファンドなどの金融支援や、中小企業振興公社による経営支援、産業技術研究センターによる技術支援等を組み合わせ、創業期の中小企業を総合的に支援しているところでございます。
 さらに、現在開設準備中の中野、浜松町の二カ所のインキュベーション施設では、新たにベンチャーキャピタル等に運営を委託することにより、入居企業に対しまして、経験やノウハウを有する専門家が日常的に経営支援を行いますとともに、資金をタイムリーに供給できるような体制を構築してまいります。

○木内委員 ぜひとも、今答弁された内容、実施に真剣に取り組んでいただきたいと思うんですが、特に、最後にいわれた、経験やノウハウを有する専門家が日常的に経営支援を行う、そういう素地というものが必要だというお話だったんですが、各地域のインキュベーション施設を見てまいりますと、成功しているところの一つの特徴というのは、学際、業際に精通したコーディネーターといいますか、まさに経験やノウハウを有する、学識経験者とはいわない、専門家がどれだけ配置されるかということが実は重要な課題になっています。ですから、特にコーディネーターですかね、専門家の育成も含めて、しっかり取り組んでもらいたいと思います。
 さて、ベンチャー企業が着実に成長するためには、特許などで知的財産をしっかりと守って、技術を着実に収益や営業上の発展に結びつけていくことが必要なわけでありますけれども、東京都は、知的財産総合センターを平成十五年に設置しまして、中小企業への普及啓発や相談の対応を進めてきておりまして、年間三千件を超える中小企業からの相談がある。こういう点からいいますと、着実な成果を上げておられると思うわけであります。
 しかし、中国を初めとする新興諸国の技術水準というのは年々高まっておりまして、せっかく日本で苦労して開発した技術がまねをされないような工夫、あるいは常に先を行くための工夫がこれまで以上に重要になってくると思うわけであります。
 大企業というのは自前の特許部門を持っていますし、知財制度を活用して技術の保護や収益の確保を図っていますけれども、中小企業においてもこういう能力を持っていただかなくてはならない。そこで、一定の技術力を有する中小企業が戦略的に知的財産関連の諸制度を使いこなすことができるように、さらに、その技術力を収益に確実に結びつけられるように支援していくことが大事だと思うんです。
 申し上げたことを踏まえて、都の方針を明らかにされたいと思います。

○三枝商工部長 国際競争が激化いたします中で、ベンチャー企業が成長してまいりますためには、地道な研究開発によって技術力を高めていくだけではなく、自社の技術を広く保護し、また、他社の特許出願動向を把握するなど、知的財産関連の諸制度を熟知して、しかも使いこなす高度なノウハウが必要になってきております。
 都はこれまでも、知的財産総合センターに専門家を配置して、セミナーや相談対応などを行ってまいりましたが、よりきめ細かな支援が求められていると認識してございます。このため、新たに平成二十年度から知財戦略導入支援事業を実施することといたしました。
 具体の内容でございますけれども、独自の技術を有するものの、知的財産関連の諸制度を十分に使いこなせていない中小・ベンチャー企業に対しまして、三年間にわたる継続的なアドバイスと、他社の特許出願状況に関する調査への助成を行うことにより、その収益力を高めていくというものでございます。

○木内委員 既に発表されておりました知財戦略導入支援事業、この具体的な中身がきょう初めて明らかになったわけであります。すなわち、中小・ベンチャー企業に対しまして三年間にわたる継続的なアドバイスと、他社の特許出願状況に関する調査への助成など、言及されたわけでありまして、これもぜひとも活用に積極的に取り組んでいただきたい、こう思います。
 それから、二十年度から知財戦略導入支援事業を開始することは、まさに時宜を得た対策であり、改めて高く評価をしたいと思うんですけれども、経済のグローバル化が進展し、国内の人口がさらに今後減少するという点から考えまして、ベンチャー企業にとって、海外マーケットをしっかり意識した事業展開というものが重要になってきます。そのため、日本だけでなく、海外でもきっちりと知的財産を保護することが不可欠であります。
 東京都は、知的財産総合センターにおいて、外国特許出願に対する助成を平成十五年から始めてきたわけでありますけれども、これまでの実態についてご報告を願います。

○三枝商工部長 知的財産総合センターでは、お話のように、平成十五年度から外国特許出願費用を助成する事業を実施しており、現在までに、都内中小企業の三百四十九件の発明につきまして、その海外への特許出願を支援してまいりました。
 国際出願につきましては、特許が成立するまでにおおむね四年以上かかりますことから、知的財産総合センターで支援を行った案件の多くはなお審査中でございますが、平成十五年度に支援いたしました四十四件のうち二十一件が、また、平成十六年度に支援いたしました八十件のうち三十件が既に権利化されたところでございます。
 また、これらの中には、合計九カ国に出願を行い、アメリカ、イギリス、中国など六カ国で既に特許が成立し、当該特許を活用した製品の海外での売上高が三年間で三億円を超えた事例もございます。

○木内委員 今お聞きしたのは、これまでの成果であります。さて、今後どうしていくか。中小企業の海外特許出願に対して、着実に成果は出ているけれども、さらに今後国際競争が激化する中で、特許だけでなく、商標や意匠を保護していくことも重要な課題であります。
 中小企業やベンチャー企業であっても、海外で自社ブランド製品を販売したり、海外で店舗を出してサービスを提供し、海外から所得を稼ぐということがこれからは重要になってくる、こう思われるわけであります。
 そこで、私は、こうした観点から、中小企業が海外で商標や意匠を登録することについても具体的な何らかの支援を行うべきであると、こう考えますが、どうでしょうか。

○三枝商工部長 経済のグローバル化が進む中、中小・ベンチャー企業におきましても海外マーケットの重要性は高まってきております。海外での模倣品被害などが問題になっている中、中小企業におきましても、将来の海外進出をにらみ、商標や意匠をしっかりと権利化し、自社のブランドを守るための対策を講じておくことが重要となってございます。
 こうしたことから、平成二十年度より、これまでの外国特許出願助成に加えまして、海外への意匠、商標の出願に対する助成制度を新設し、中小・ベンチャー企業の海外における知的財産の保護をより一層促進してまいります。

○木内委員 やっぱりあれですね、政治には夢とかロマンがなきゃいけないんでね、こういう議会の議論というのも大事ですね。提案をする、主張する、やりましょうという、一生懸命応援していく、予算措置が行われる。中小企業の方々がどれだけ朗報としてこれを受けとめるか、はかり知れないものがある。大変重要な本日の議論だと思っております。
 さて、ベンチャー企業においては、すぐれた技術、製品を開発したものの、先ほども触れましたけれども、販路開拓ということでつまずいているケースも多いのが実情でありまして、販路開拓を進めていくためには、中小企業がみずからの製品、サービスや技術のよさを広く顧客にPRしていくことが極めて重要であります。
 私は、その突破口として、さまざまな業種、業態の中小企業が一堂に会し、多様な交流を通じて販路の拡大や事業提携を図る産業交流展を支えてきた者の一人として、そういう自負を持っているわけであります。
 昨年で早くも十回を迎えましたけれども、スタート直後でありましたか、都の財政が極めて厳しいときに、この事業というものを後退、縮小させる、あるいは廃止という議論もあった。私は、断じてこれをなくしてはならない、これは必ず後世になって、何年後かにさらに光を放ってくる事業であるということで議会で主張して、この存続を推進した一人として、今日のこのいんしんをきわめ、盛況を見せている産業交流展の現場に足を運ぶたびに感慨を新たにするわけであります。
 早いもので、毎年秋、東京ビッグサイトで行われるこの産交展は、昨年、申し上げたように第十回を迎えて、入場者数が四万人強、出展者数が七百六十社、過去最大の規模で開催されたと聞いているわけであります。まさに今、名実ともに国内最大級の中小企業のための総合展示会へと成長したわけでございます。決して誇張した表現ではなくて、今日の中小企業の振興に大きな役割と、また存在感を示しているのがこの産業交流展だと、こう思うわけでございます。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)
 今、激励の不規則発言をしてくださった三宅先生も、大変な推進力となって、ご努力を傾注された一人であります。敬意を表させていただきます。議会の議論には夢がなきゃいけない、こうやってね。
 さて、どこまで行ったかといいますと、昨年の第四回定例会における我が党の代表質問に対しまして、東京都は、出展企業の商談機会の増加に向けて、産業交流展の機能を充実していくという旨の答弁をしておられる。
 そこでまず、産業交流展の機能の拡充に向けて、新機軸、あるいは常に独創的な発想を反映して、十年間の歴史を刻んできたこの産交展でありますので、今後の取り組みのあり方について所見を伺いたいのであります。
 特に、この前、自民党の先生方とオリンピック招致のために、矢島先生と私は、関西、一泊二日で四府県回ってきました。その中で、ある県で、東京都のオリンピックの誘致、県議会の決議で応援するけれども、我が県の県内産業、中小企業に対しても東京都でぜひ応援してほしいというような現場での話がありましたものですから、それじゃあ、東京都にはもう十回の歴史を刻んだ産業交流展があるから、そこにブースをその県のために設けて、ぜひご恩返しをさせていただくように努力をします、こういうふうに申し上げたようないきさつもありました。
 今まで、海外へのアプローチあるいは大企業との接点づくり、ありましたけれども、今までの点から線、線から面へと、全国展開なんかもされるような発想で、さらに機能と環境の充実を図られるよう提案するものでありますが、どうでしょうか。

○三枝商工部長 産業交流展は、回を重ね、国内最大級の総合見本市として、都内のみならず近隣県市の中小企業にも広く認知をされるところになったと認識してございます。今後は、より質の高い、実のある見本市として、ビジネスの機会を増加させていくことが必要でございます。
 そのため、新たに八都県市共同による商談会を同時開催することといたしまして、中小企業により多くの商談機会を提供してまいりたい、かように考えてございます。
 なお、八都県市共同による商談会をかけ橋といたしまして、今後、全国展開についても検討してまいりたいと考えてございます。

○木内委員 大変前向きの答弁であり、その努力を多としたいと思うわけであります。
 特に知事は、さきの定例会の所信表明の中でも、この産交展に全国の中小企業が出展する機会を提供するとありますので、これはもう知事とも呼吸を合わせて、産業労働局長先頭にぜひ頑張ってもらいたい、こう思うわけであります。
 東京の中小企業の活性化を図るためには、より広域的な視点から、全国各地からすぐれた技術力を持つ中小企業を呼び込んでいくことも非常に大事だと思います。したがって、用意しておりました質問は割愛いたしますけれども、具体的な成果の結実に向けてご努力いただきたいと思います。
 さて、産業交流展では、東京都ベンチャー技術大賞の表彰式を常に同時開催しておりまして、まさに刮目すべき開発と工夫の成果がいつも顕在化している。これを見に行くのも実は毎年の私自身の楽しみと期待なんであります。
 この事業は、すぐれた技術や製品を開発したけれども、市場で評価されず、埋もれたままになっている事業者、中小企業に光を当てる、意義のある事業だと考えているのであります。この具体的な効果、あるいはこれまでの成果についてご報告いただくとともに、例えば、数百社、ブースに出展、出品をしている中で、知事賞ですとかベンチャー技術大賞ですとか、そういう受賞の栄に浴した企業に恩典を与えるべきだ、これに対しては、特に東京都は格段の配慮と、また支援をしていくべきだ、こんなふうにも思うんですが、あわせて商工部長からご報告願います。

○三枝商工部長 東京都は、平成十二年度にベンチャー技術大賞を創設いたしまして、自来毎年度、中小企業によるすぐれた新商品、新技術を率先して評価、表彰し、広く情報発信をしてまいりました。
 平成十八年度までの受賞企業六十一社に対するアンケート調査によりますと、受賞後、約四分の三の企業で売上高が、また約半数の企業で従業員数がそれぞれ増加しており、いずれも製造業全体の平均を大きく上回っているところでございます。また、そのうちの四社でございますけれども、これが受賞後に株式上場を果たしてございます。
 ちなみに、同アンケート調査では、受賞で取引先やユーザーから信頼度が増した、あるいは銀行の融資枠が拡大したなどの回答が多く寄せられており、ベンチャー技術大賞がこれらの企業の成長に大きく寄与しているものと強く認識をしているところでございます。
 大きな可能性を秘めた革新的な技術を有しますベンチャー技術大賞の受賞企業に対しましては、販路開拓の支援など、受賞後のフォローが極めて重要であると認識をしてございまして、都では、ニューマーケット開拓支援事業により、経験豊富な大企業OBなどを活用して、商社等とマッチングを図るなど、各種のフォローを行ってまいりました。
 また、経済のグローバル化が進みます中、海外マーケットの重要性がますます高まってございまして、今後は、ベンチャー技術大賞の受賞企業の海外への販路開拓等につきまして支援を強化してまいりたい、かように考えてございます。

○木内委員 きょうは、中小企業の事業支援ということから、インキュベーション機能の充実、知財戦略、それから産交展の今後の拡大、三つの点から具体的に絞って質疑を行いました。それぞれに、二十年度の事業として初めて明らかにされる内容等が答弁の中にありました。中小企業の成長を促進するためには、さまざまな角度からの具体的な措置というものが必要なわけでありまして、とりわけ東京の中小企業は、全国、地域の経済を支え、日本の未来を切り開く、かけがえのない存在であります。
 きょうの質疑をお聞きになって、産労局長の思いというものを、明るい、自信と希望に満ちたタッチで答弁を願いたい、こう思うのであります。

○佐藤産業労働局長 ただいま、るる質疑がございましたけれども、中小企業は確かに多様な分野においてそれぞれ特色のある事業展開を行っております。そういう中で、すぐれた技術力、また新しいビジネスモデル、これが日本の産業発展に大きく貢献をしてきた、このように我々も考えております。
 日本経済の牽引役ともいうべきこういう中小企業に対しまして、きょう、ベンチャーの話からありましたけれども、それぞれの企業の成長段階といいますか、発展段階に応じた、きめ細やかな支援を行っていくこと、これが極めて重要であり、我々の使命だというふうに考えております。
 昨今、また都内の中小企業、国際競争の激化、原油価格の高騰等々で極めて厳しい経営環境に置かれております。今後の環境についても予断を許さないという状況にあると思います。先般も、中小企業の団体の役員の方とお話をしましたけれども、これから厳しいですねという私の話に対して、中小企業は昔も今もこれからも、いつも厳しいんだよと、そういう実感を伴ったお答えがありました。
 そういう意味では、今後、これまで以上に我々も現場感覚を研ぎ澄まして、常に時代を先取りした施策を柔軟に効果的に実施をして、都内の中小企業をしっかりと支えていきたい、そのように考えております。

○木内委員 以上で終わります。

○増子委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後八時五十分休憩

   午後九時五分開議

○増子委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言願います。

○小竹委員 まず、新銀行東京についてお伺いいたします。
 十一日の予算特別委員会で、佐藤局長は、中小企業の現況について、アメリカ経済の減速、原油高騰、住宅着工のおくれなど、中小零細企業の倒産が増大している、原油価格の上昇で収益を圧迫されている企業が九割以上、価格上昇を販売価格に転嫁できないとする企業が六割、大企業はバブル期を超えて過去最高の経常利益を更新しているが、中小企業の経常利益はバブル期の半分にも達していない、景況調査は悪化しているなどと答弁しました。
 では、存続される新銀行東京は、こうした状況のもとで、どのような役割を果たしていくのでしょうか。具体的にお答えください。

○目黒金融部長 局長がそういったお話をいたしましたのは、中小企業が今、非常に厳しい状況にあるということを幾つかの例示を挙げて説明したものでございまして、中小企業に対して融資を行ってきた新銀行東京の存在意義が、そういったときであるからこそ余計増しているというようなことを申し上げたわけでございます。

○小竹委員 中小企業を守るためにということでの具体的な施策について伺ったわけですけれども、その点についてはないんですか。この中身、どういう形で苦しんでいる中小企業を守るのか。

○目黒金融部長 原油高の問題あるいは住宅着工のおくれの問題等々によりまして、中小企業、中でも零細の企業につきましては、非常に厳しい資金繰りに悩まされているということでございます。新銀行が融資をしております赤字あるいは債務超過といった企業については余計に厳しい状況にあるわけでございますので、そういったところについて引き続き支援をしていくことが重要であるという認識を示したものでございます。

○小竹委員 何いってるんですか。先ほど、引き続き融資を続ける、こう答えられた健全な融資先九千社、二千三百億円の融資と保証が、再建計画では六千社で七百億円ということに圧縮されるんですよ。そういうことは、結局、もう既にこの段階で、融資が受けられなくなる業者が三千社も出るということじゃありませんか。
 また、知事及び局長は、五千六百三十五社の赤字あるいは債務超過企業への融資四百十五億円は、全体では八万三千人の就業に影響が及ぶから、継続して融資を行っていくことが新銀行を存続させる理由だといわれました。しかし、再建計画ではこれに該当する融資、ないじゃありませんか。あえていえるのは、既に融資を行っている企業のうち、健全経営の企業に対する一般融資百五十億円、それにノンバンクと提携した小口融資、新型保証を合わせて四百億円にすぎないわけです。この中で、五千六百三十五社の分をどれだけ見込んでいるんですか。お答えください。

○目黒金融部長 五千六百三十五のうち具体的に幾つの会社が新銀行の融資の対象になり得るかということにつきましては、営業情報等の扱いの関係がございまして、銀行の方では明らかにしておりませんけれども、健全なご返済先として認識されております九千社の中には、赤字あるいは債務超過企業であっても正常に返済をしているところについては含まれるわけでございます。ただし、赤字かつ債務超過というふうになってしまいますと、業況低迷先というところに位置づけられてしまいますので、それは直ちには融資の対象になるということではありませんけれども、そういったところについては、個々の財務状況等を審査いたしまして、対象になり得る場合もあり得るというふうに考えております。

○小竹委員 大体、再建計画には、赤字あるいは債務超過企業への融資継続という言葉は入ってないわけですよね。だから、ごまかしが通用するのかという問題だというふうに思うんです。
 新しい商品といっても、どれも、今やっていることの焼き直しにすぎません。有担保、保証つきの融資なら、どこの銀行でもやっています。やることがなくて、ベンチャーといっても、リスクをどうやって回避するのか、そこが問題です。そんなに目ききのできる人が新銀行にいるんですか。専門家は、目ききができれば、自分のお客を獲得するといっていました。新しい商品といっても、やはり武士の商法、素人商法にすぎないじゃありませんか。
 局長は、業者の皆さんが新銀行東京について何ていっているかご存じですか。私は、この問題が報道されてから、地元を歩くたびに、たくさんの人から訴えられています。絶対に四百億円は使わせないでくれ。朝早くから夜遅くまで必死になって働いて納めた税金をこんなところに使われるんじゃ冗談じゃない。みんな怒ってるんですよ。
 年末の資金繰りで、新銀行に融資を五百万円申し込んだ業者の方は、借りられたのが三百五十万円、金利は九・四%だったと。しかし、返済が二年間。これじゃあ、とてもじゃないけどやっていけないということで、延長を申し込んだけれども、認められなかった。結局、その方は、年を越して、近所の信用金庫から三百万円借りて、その三百万円は三・八で借りてるんですね。それで新銀行からの借り入れの一部に充てたということなんですけれども、本当に返すのが大変だったといってるんです。
 新銀行東京がこういう企業まで健全な企業と位置づけているという点は、私はおかしいというふうに思うんですよ。貸しても、九・四%の金利で払うなんていうのは、中小企業を逆につぶすような中身になるんじゃないですか。
 業者の皆さんも、都民も、マスコミも、新銀行東京への追加出資はやめよといっています。石原銀行から撤退せよといっているんです。
 この点で、日本共産党の提案では、不正なやり方での融資を受けた人や、情実で融資を受けたところなどは当然対象外として、まじめに経営努力をしている業者については別のやり方で救済すべきだということを提案してきました。再建計画自体、有担保、保証つき融資への転換を打ち出していますが、同じ融資の仕組みとなる制度融資で面倒を見てあげればよいのではないですか。なぜできないんですか。お答えください。

○目黒金融部長 制度融資は、中小企業に対して円滑な資金を供給するためになくてはならぬ貴重な制度でございますけれども、制度融資だけですべての中小企業者に資金供給できるわけではございませんで、例えば、新銀行東京が融資対象にしているような赤字または債務超過企業といったようなところについては、制度融資ではなかなか対応しにくいという面もあろうかと思います。
 したがいまして、制度融資と新銀行の融資とが補完し合って中小企業のためにやっていくということが必要なのかなというふうに思います。

○小竹委員 さっきも、赤字だとか債務超過、法的に破綻しているところは貸さないっておっしゃったんじゃないですか。制度融資を、本当にそういう困ってる人たちまで借りられるような制度に変えたらいいじゃないですか。そういう企業も使えるようにして拡充して、本当に中小企業が助かったといえるような制度を起こしていけばいいんですよ。そういう点を検討できないんですか。お答えください。

○目黒金融部長 制度融資といいますのは、東京都、それから金融機関、信用保証協会の三者の協調でやるものでございますので、都だけの事情というようなことで進められるわけではございません。

○小竹委員 それはもう相談してやるというのは当たり前のことじゃないですか。今、新銀行東京について、融資先がひどいものが多いということがやっぱり明らかなんだと思うんですね。そういう融資先を引き継いで再建していくということになれば、再建計画自身が成り立たないということを証明しているようなものじゃないんですか。
 中小企業家同友会の方々は、多くの業者はまじめだといってるんですね。まじめな業者が借りようと思って、新銀行から高い金利を払わされるような融資じゃ、借りられないといってるんですよ。
 だから、そういう点でいえば制度融資ということになるわけですね。制度融資がだめだっていわれるのであれば、せんだっての予算特別委員会で大山都議が提案した、世界都市博の際の融資だとか、以前に国が住専処理のためにやった、不況業種を指定して赤字であっても融資をする安定化保証の制度など、こういうものを都としてつくれば済むことではないんですか。その点いかがですか。

○目黒金融部長 安定化、あるいは世界都市博でやったような、いわば都が、正確ではありませんけれども、直接貸し付けを行うような、そういった仕組みも理論上は考えられないわけではないでしょうけれども、そういったことによりまして、後年に、債権回収の問題でありますとか、そういった貸し付けたものを管理していく、債権管理をしていくということの難しさもまた加わるものでございますので、そういったことでどうなのかなという気はいたします。

○小竹委員 結局、デフォルトが高いということで、私、東京都自身がやりなさいといってるわけじゃないんですよ。銀行や保証協会とタイアップしてやる手だてだってとれるんじゃないですかということをいってるんですね。
 だって、新銀行東京のデフォルト率は幾らだったんですか。一三%ぐらいだったんじゃないんですか。それに比べて、安定化保証のデフォルト率は六・四%ですよね。半分ですよ。
 私も、住専の問題だって、それから世界都市博だって、いかがわしいところが借りていったっていうふうなこともいわれているわけですけれども、そういうところにまでむやみやたらに貸し付けろといっているんじゃなくて、安定化保証のような融資制度を、保証協会と一緒に審査を組み合わせてやって貸し付けるというふうな方向を見つけられないのかどうか。これは研究できるテーマだっていうふうに思うんですね。
 保証協会は、過去の融資データについて蓄積を持っているわけだし、独自のスコアリングモデルも持っているはずですから、中小企業家同友会の方々は、これを利用すべきだとおっしゃっているんですね。保証協会の保証つきの融資のデフォルト率は二%ないし三%ですから、そういうことから考えても、これを利用しない手はないというふうに思うんですが、どうですか。

○目黒金融部長 制度融資におきましてデフォルト率が二%台というお話がございましたが、新銀行東京の、例えば先日の決算の数値と比べますと確かに低いかもしれませんけれども、それは、制度融資においてそれだけ審査基準が相対的に厳しいということを反映したものであるかと思います。

○小竹委員 結局、あれもだめ、これもだめって、最初からやる気がないっていうことじゃないですか。新銀行にはぽんと四百億円も出すんですよ、再建ができるかどうかという状況の中で。そうしながら制度融資には出さないというのは、逆さまじゃないですか。まじめに頑張っている中小企業の方向に向きを転換する必要があるんじゃないですか、制度融資を使う方が安全なんですから。ちゃんと東京都が保証する、そういう制度として、メニューの中に特別枠を設定すればいいじゃないですか。同じ都民の税金を使うんですから、使う以上、本当に役に立って、喜ばれるものにすべきだと私は考えます。
 大体、制度融資は、預託原資の十倍は活用されているわけですから、四百億円を預託すれば、四千億円の効果を発生するわけですよね。業者の皆さんに喜ばれるわけです。そういう中で、新銀行東京から借りている業者の方も、特別の手だてをして融資を継続してあげる、そういうふうなやり方だって考えられるじゃありませんか。都民の税金四百億円をむだにする新銀行東京への追加出資はやめて、制度融資の拡充を基本にして業者支援を行うことを強く求めておきます。
 次に、中小企業支援についてお伺いします。
 昨年来の原油高騰に起因する原材料や輸送コストの値上がり、さらには、かつての円高をしのぐともいわれる円高など、中小企業の経営環境は日に日に悪化しています。
 東京商工会議所がことし行った、原油・素材価格の高騰が中小企業に与える影響に関する調査では、既に影響が出ていると答えた企業が全体の六割を超え、今後影響が出ると思うと答えている企業を含めると、八五・一%が影響があると答えています。また、当面は対応できるがと答えた企業はわずか八・五%にすぎません。さらに、価格転嫁については、五割が転嫁できないという答えをしています。
 東京都は、こうした原油・素材価格の上昇の影響をどのように見ているのですか。お伺いいたします。

○三枝商工部長 都が昨年八月に、都内中小企業を対象として実施いたしました調査によりますと、価格上昇の影響があると答えた中小企業は、石油化学製品については九割、また、鉄鋼・非鉄金属で約七割となってございます。
 具体的には、仕入れ価格の上昇を価格転嫁することができず利益率が低下するなどの影響が出ておりまして、国際競争力の激化や後継者不足と相まって、都内の中小企業を取り巻く経営環境は大変厳しいと認識してございます。

○小竹委員 商工会議所の調査は中堅企業ということが中心ですから、影響の出方は緩やかだというふうにも考えられます。小零細企業になったら、もっと深刻な状況になっているというふうに思うんですね。今お答えいただいたのでも、相当深刻な状況になっているわけですが、私は、中小企業家同友会や東京商工団体連合会からも話を聞いたんですけれども、本当に事態は深刻なんですよね。
 例えば、一方的に下請単価が切り下げられたとか、利益が上がらなくなっているなどという話はもちろんのこと、銅が一トン、最近まで二十二万円だったのが百万円に上げられてしまったという話も聞きました。これでは、もうかるどころか、赤字覚悟でなければ仕事がやれないということになってしまうじゃありませんか。また、二十人ぐらいの印刷業者の方も、紙代が上がって、一千万円赤字になっているといっていました。本当に先行きの展望が見えない状況です。
 そこで、まず、緊急対策として、原油・素材価格の高騰、下請単価の切り下げなどで苦しんでいる業者のためのホットラインの開設や、下請企業Gメンをたくさん配置して企業を回ることなど、せめてやってほしいというふうに思うんですけれども、いかがですか。

○三枝商工部長 都は昨年八月、中小企業振興公社等に、原油価格等の上昇に係る特別相談窓口を設置し、各種広報誌やホームページを通じまして広く周知をいたしますとともに、下請取引についての苦情相談等を実施しているところでございます。
 また、受発注開拓を行う企業巡回の際も、下請企業や親事業者に対しまして、下請取引に関する書面の交付義務等の遵守事項につきまして普及啓発を実施しているところでございます。
 さらに、苦情紛争処理委員会を設置いたしまして、親企業と下請企業との調停、あっせんも、適時適切にとり得る対応として行っているところでございます。

○小竹委員 行っているという答弁ですけれども、昨年の八月からやっているからいいんだっていうお答えのように聞こえるんですけど、昨年の八月の段階よりもっと厳しくなってるわけですよ。本当に大変で、振興公社でやっていたって、そこへ行くことだって大変な状況にあるわけで、町場を回って直接的に話を聞く、そういう姿勢がやっぱり必要だし、下請Gメンなどで、下請企業がどういう状況にあるかということをきちんと聞いてくることをやるべきだというふうに私は思いますので、ぜひそういう方向での施策を強めていただきたいと思います。
 東京都が、これだけ原油や素材価格が上がっている中で、ほとんど特別にそのための施策を行ってないという点でいえば、他の県と比べたら、本当に違いがあるなっていうふうに思うんですけれども、業者の中で、先ほどもいったように、共通して出されている要望は、やっぱりこういう高騰の中での資金繰りの問題なんですよね。この点についてどういうふうに考えておられますか。

○目黒金融部長 都内中小企業者の資金繰りにつきましては、本年一月に実施いたしました都の景況調査に出ておりますが、わずかながら改善に転じているということになっております。また、金融機関の貸し出し態度も、厳しいとする回答が減少し、緩和状態が続いております。
 しかしながら、資金繰りが苦しいとする中小企業者も三割を占めるなど、依然として多くの都内中小企業者は厳しい経営環境にあると認識しております。

○小竹委員 上向いているというふうに、それは一定の規模がある方は、そういうところもあるかというふうに思うんですけれども、先ほどいわれたように、資金繰りが厳しいところが三割もあるという状況、今の事態というのは、円高やオイルショックのときよりももっと深刻な事態が町場ではあるということですよね。
 ただ、政府だって緊急対策を検討しているわけですから、東京都としてやっぱりそのための対策をする必要があるんじゃないんですか。さっきもいいましたけれども、業者の皆さんの強い要望の制度融資を拡充する必要があるんですよ。本当に超低金利で借りられるようにする。こういう都の融資制度を、現在の事態に備える点でも緊急にする必要があるというふうに思うんですけども、この点、再度お伺いいたします。

○目黒金融部長 都では、原油高などにより事業活動に影響を受けている都内中小企業者を支援するため、昨年十一月から、融資期間が最長十年で最優遇金利が適用される経営支援融資の融資条件を緩和するなど、既に適切な支援を行っております。

○小竹委員 さっき、新銀行のところでは、赤字や債務超過のところや何かの人たちを救済できないっていうふうにおっしゃられたんだけど、今のこの制度では、本当に必死で頑張って、苦しいけれども頑張っている人たちは、この制度、多分利用できないんですよ。だから、さっきいったように、特別の制度をつくりなさいというのは、ここにあるんですね。
 いろいろいわれましたけれども、業者が本当に必要とする資金供給という点では、私は今の都の制度は不十分だというふうに思います。しかし、来年度、一定の改善もありますから、来年度の制度融資については、今年度と比べてどこがどういうふうに変わっているのか、お答えください。

○目黒金融部長 原油・原材料価格の高騰や建築確認のおくれ等により、中小企業者を取り巻く経営環境は厳しさを増しており、中小企業者の円滑な資金調達を支援する必要がございます。
 このため、平成二十年度の制度融資では、融資目標額を引き続き過去最高の一兆七千五百億円とするとともに、産業力強化融資の対象の拡大を図るなど、制度の拡充を図ったところでございます。

○小竹委員 確かに預託原資が五十億円ふえて、メニューが若干変更されていますけれども、やっぱり業者の方々の切実な要望というのは、高い金利で借りているものなんかについて借りかえて、低利の融資に切りかえたい、何とかしてほしいというのもあるわけですよ。
 そういう点でいったら、今の東京都の金利は、政策金利という点で見たら、低くないというふうに思うんですね。どうして低利の政策金利をとるような状況をつくらないんですか。以前は東京都は、東京都の制度融資は原則として低利の政策融資だったわけですよ。その点いかがですか。

○目黒金融部長 創業企業、それから小規模企業あるいは経営が苦しい企業等が制度融資を利用する際には、低利な金利である政策金利が適用されているところでございます。
 一方、制度融資の利用を促進するためには、中小企業及び金融機関の双方にとって使いやすくするとともに、中小企業への資金供給を促す制度にする必要がございます。このため、金利設定を政策金利にとらわれず弾力的なものとして、金融機関の所定金利を用意するということも意義のあることかと存じます。

○小竹委員 さっき、新銀行のときとは全然対応が違うなというのを率直に感じます。今、業者の人たちが困っていることが本当にわかってるんだろうかと、私、疑いたくなるんですね。
 大体、政策金利がやられなくなったのは、預託原資を削ってきたからじゃありませんか。例えば、政策金利を基本にしていた二〇〇〇年の予算に戻すには、六百四十億円積み増しすればできることではないんですか。なぜやらないんですか。お答えください。

○目黒金融部長 制度融資は中小企業にとりまして非常に大切な制度でございますので、その制度が継続、維持されるということも重要な視点かというふうに思います。

○小竹委員 継続するのは当たり前のことですよ。だけど、みんなが借りやすく、本当に困ってる人たちが借りやすくするという点で、やっぱり金利を安くするということも含めて、やれることじゃないですか。
 それから、業者の方々の根強い要望になっているのが商工指導所なんです。既に廃止されてから七年がたちました。今でも業者団体や商店街の方々からは、商工指導所があったからな、あんなに役立っていたのに何でつぶしてしまったんだという声が聞かれます。
 今、問題となっている資金繰りの問題でも、商工指導所に相談すると、こういう制度があるから、融資はこれを使った方がいいよ、銀行から借りるのにはこういうふうにしたらいいですよっていうふうなことが、懇切丁寧に、他のだれもできないような適切なアドバイスをそれぞれに対してやってくれていたというのが、異口同音にいわれるんです。
 都は、振興公社が同じことをやっているからといいますけれども、違うんですよ。みんなそういっているんですけれども、公社は、診断士の方に委託をしているから、相談は一回だけ。継続してお願いする場合にはお金がかかる。そういう点では、商工指導所は何回でも無料で相談に乗ってもらえた、都の制度もよく知っているし、助かったということをいっているんです。
 そこで、一遍に復活することは大変だというふうに思いますけれども、要望の強いところから、商工指導所の機能を順次取り戻していくことができるのではありませんか。お答えください。

○三枝商工部長 商工指導所の機能についてでございますけれども、商工指導所の機能は、中小企業振興公社の経営支援の機能に代替をしてございます。秋葉原本社さらには各支社におきまして、企業巡回等を含めて適時適切に対応しているところでございます。

○小竹委員 私、今申し上げたんですよ。公社を利用しても、本当に商工指導所時代と全然違うって、皆さんが異口同音にいってるんですよ。だから、そういう意味では、商工指導所は都の職員の人が、長年いろんなところの相談に乗ったり、支援したりして、経験を積んでやってきた、その蓄積があらわれていたから、町場の皆さんの一番困っているところに手が届いていたわけですよね。
 だから、そういう点では、公社であるからいいんだということじゃなくて、町場の皆さんの直接的な声を聞いて、本当に機能をつくっていただくこと、これは要望しておきます。
 ものづくりという点でいえば、一番要望が強いのは、菓子工場だとか、今、操業環境の整備など、こういうことへの都の支援、これが一番求められています。
 また、区市町村がそれぞれの集積を生かした地域ブランドづくりの取り組みや、区市の境界を越えた集積を生かした連携事業など、そういう連携を支える事業への支援を求めています。区市町村の取り組みをバックアップする取り組みが必要だというふうに思うんですが、この点についていかがですか。

○三枝商工部長 都内区市町村には特色ある地域資源が数多くございます。都でも、こうした地域資源に着目いたしまして、来年度から、東京都地域中小企業応援ファンドの創設により、新製品の開発や新サービスの創出に取り組む中小企業等の活動を支援することとしております。

○小竹委員 ファンドは、それはそれとして一定の道かというふうに思いますけれども、やっぱり直接的な、区市町村や、それから連携でやるような事業に対して、本当に一緒になって地元のそういう企業を、今ある中小企業を助けていく、仕事をつくっていく、こういう取り組みに積極的に支援すべきだというふうに思います。
 次に、伝統産業についてお伺いいたします。
 一月に行われた伝統工芸展に私行ってきました。最終日、大雪だったわけですけれども、日本橋三越は大勢の人が訪れて、にぎわっていました。参加している業者の方からもいろいろ要望を受けましたので、紹介をして、実現していただくように要望しておきます。
 一つは、島の伝統工芸の掘り起こしと支援の問題です。
 それは、昨年の伝統工芸展に御蔵島から、ツゲ細工、根ツゲ、ツゲの木の根っこを使ってつくっている製品だそうです、それが出展されていたけれども、ことしは参加していないと。島から来るのが大変だからなのではないかなというふうに関係者の方がおっしゃっていました。
 そこで、島の伝統工芸の技術を掘り起こして、技術を伝承できるようにすること、伝統工芸としての指定を行うことをも含めて、東京都として販路開拓などを支援していくべきだというふうに思うんですが、この点についていかがでしょうか。

○三枝商工部長 都は、伝統工芸品産業の振興施策の対象を明確化するため、東京都伝統工芸品の指定につきまして、製造工程の主要部分が手工業的であること、また、伝統的に使用されてきた原材料により製造されたものであることなど四つの指定要件を定めているところでございます。
 これまでも、東京都伝統工芸品を順次指定してきたところでございまして、今年度は新たに江戸手がきちょうちんを指定し、現在、四十一品目となってございます。

○小竹委員 やっているのは知っているんです。私も、御蔵島のこの工芸を見ているわけではないんですが、すばらしい、物すごい大事な伝統工芸で、もうそれをやれる人っていうのは、ごく限られた人しかいないということなんですよ。だから、やっぱりそういうのを奨励してほしいというのが、同じ関係者、伝統工芸をやっている方からおっしゃられたわけで、ぜひ御蔵島の方と連絡をとってやっていただきたいというふうに思いますので、強く要望しておきます。
 伝統工芸の少なくないものが、すぐれた技術を後世に伝えていけるかどうか、これが瀬戸際に来ている状況にあります。このため、葛飾区では、職人を育てるための指導料を補助する制度をつくったそうです。NHKの「ちりとてちん」の福井の塗りばし、これが話題になっていますけれども、東京にもたくさんの伝統工芸があります。
 そこで、伝統工芸の人材を育成するために、都として事業を立ち上げることを求めるものですが、いかがでしょうか。

○三枝商工部長 伝統工芸品産業につきましては、人材育成や後継者不足が課題となってございます。そのため、東京都中小企業振興公社におきまして、これまでも、東京都伝統工芸後継者展、あるいは伝統的工芸品チャレンジ大賞等の事業を実施し、後継者の技術向上などを支援してまいりました。
 また、都は、国から指定されました伝統的工芸品を対象に、産地組合等が行います後継者確保育成事業への助成を行っております。

○小竹委員 やっていることをずっとご報告いただいたんですけれども、それでは足りないから、こういう問題として提起しているわけですよ。本当に今、東京にある技術を後世に残しておかなかったら、もうなくなってしまうわけですから、そういう点でも真剣に検討して、対策をとっていただくことを求めておきます。
 次に、商店街支援の問題でお伺いいたします。
 我が党は一般質問で、地球温暖化対策とリンクした商店街支援事業として、エコ商店街事業の立ち上げを提案しました。自然エネルギーを使った街路灯やバイオ発電、商店街とタイアップした蛍光灯の普及など、具体化を求めてきたところです。実際に、都内の商店街ではさまざまなエコの取り組みが始められています。これを普及していくことこそが急がれているというふうに思います。
 きょうは、巣鴨駅前商店街振興組合ですが、そこの自然エネルギーを使ったアーケード事業について取り上げたいというふうに思います。
 この事業は、今年度末に完成するということで、国の事業を使ってやっているわけですが、巣鴨駅前商店街は、とげぬき地蔵の入り口、駅のところからとげぬき地蔵へ行く、白山通りの両側の商店街です。高齢者がたくさん訪れる商店街として、非常にユニークな取り組みがいろいろ行われています。私は、この商店街の振興組合の理事長さんにお話を伺ってきました。
 理事長さんは、商店街のにぎわい、活気を保ち続けることに努力しているということとあわせて、環境を守る社会的責任を果たしていきたいということで、この事業に取り組んだそうです。お金が非常にかかるわけですけれども、既に、過去につくったアーケードのところにソーラーパネルを百八十八枚取りつけて、東電に太陽光発電の電気を販売しているというふうにおっしゃっていました。
 本当は、その発電したので夜の街灯をともしたいんだけれども、蓄電器が非常に高い値段であると同時に、維持経費も莫大なお金がかかるということで、今回は販売するということでやったということなんですが、総事業費は一億七千百十五万円、補助金は国から二分の一、区が四分の一の補助をして、四分の一の商店街の自己負担ということなんですけれども、補助対象にならない部分があるために、結局、商店街の負担は五千八百四十五万円の負担。これを銀行から借り入れして負担をしている。商店街の一軒一軒のお店は、一月一万円ずつその負担をしているそうです。
 ソーラーパネルによって、これまで年間百五十万円の電気代が一割、十五万円節約できることになって、温暖化にも貢献しているということでおっしゃっていました。理事長さんは、社会的責任としてやっているけれども、地元負担を軽減してほしい、そして、蓄電器を備えられるような補助などもしてもらえたらもっといいんだけど、というふうなお話をしておられたんです。
 そこで、都として、新・元気を出せ商店街事業だけでなくて、エコに取り組む商店街を支援する仕組みをつくるべきだというふうに考えます。
 また、国の補助金を使った事業について、地元負担軽減の立場から都として財政支援をすれば、エコの取り組みがもっと広がるのではないかというふうに思います。ぜひこの点で取り組んでいただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○三枝商工部長 先ほど、エコの関係の補助ということで、国が二分の一、区が四分の一というお話がございましたが、東京都では、エコ型の、いわゆるソーラーハイブリッド型街路灯の設置等につきまして、都独自の施策でございます新・元気を出せ商店街事業の中の特定施策推進型商店街事業によりまして、既に五分の四の高い補助率で特別に支援をしているところでございます。

○小竹委員 それはもう承知してるんですよ。だけど、五分の四だって、相当な負担があるんですよね、小さな商店街。きょうはもうそこまでいいませんけれども、だから、もっと奨励するという意味で、ぜひ検討してくださいよ。
 石原都政が中小企業対策予算をピーク時の四割まで減らしているということも重大です。このため、商工指導所だけでなく、工業、商業を初め、いろんな施策にしわ寄せが起きています。
 私は、ものづくり支援やエコ商店街事業、試験研究機関の拡充などを進めるために、予算を少なくともピーク時まで戻すことが必要だというふうに考えます。来年度予算の中小企業対策費を大幅にふやすべきと考えますが、どうですか。お答えください。

○三枝商工部長 東京都の産業振興施策といたしましては、時代を先取りし、必要に応じて適時適切に予算の要求を行っていくということでございます。

○小竹委員 まあ本当に冷たいというか、新銀行とは随分違うなというのを率直に感じました。
 以上、原油・素材の高騰、円高、大企業の下請いじめなど、苦しむ中小企業の支援について具体的に提案してきましたが、余り前向きの姿勢でないという点は指摘をしておきます。
 私は、中小企業予算を大幅にふやすことや、新銀行東京にどぶに捨てるようなお金の四百億円をつぎ込むのではなくて、生きた中小企業施策、生きた融資にこそ使うべきだということを申し上げておきたいと思います。
 引き続いて、労働、雇用、就業の問題でお伺いいたします。
 貧困、格差が大きな社会問題になっています。この根底には、人間らしい雇用の破壊があります。小泉内閣の五年間で、正社員は二百七十万人減少し、非正規雇用が二百七十八万人増加して、全労働者の三人に一人、若者や女性では二人に一人が低賃金で無権利状態の非正規雇用で働いています。
 労働法制の改悪、規制緩和によって不安定雇用が拡大、激増したのです。特に、一九九九年には労働者派遣法が原則自由化され、派遣労働者が激増し続けています。東京における派遣労働者の実態はどうなっているんでしょうか。労働者数、派遣元事業所数、派遣先などについてお伺いいたします。

○松本雇用就業部長 国の調査によりますと、平成十八年度における都内派遣労働者数は約九十七万人となっております。ただし、これは、複数の派遣事業所に登録している方もあるということでございますので、実数は大きく下回るものと思います。
 また、国の同調査によりますと、派遣事業所数は約一万所、派遣先は延べ約三十二万件となってございます。

○小竹委員 日雇い派遣などの問題も含めて、本当に深刻な事態になっているわけですよね。派遣労働のところでは、違法や無法がまかり通っているというのが実態です。労働者の告発などで大きな社会問題になってきていますけれども、東京労働局のホームページを見ると、この派遣労働事業所に対する指導監督が増加していることがわかります。昨年度の場合には千二百七十五事業所に対して指導監督をし、そのうち八百八十六事業所に対して是正指導が行われています。いずれも前年に比べて三〇%以上ふえているんですよね。中でも、業務委託に対する指導監督が前年の二倍、三百九十三事業所に行われて、三百事業所に対して是正指導があったということが出て、本当に違法状態がここでもわかる状況です。
 東京労働局が職業安定法違反で告発した東和リース株式会社は、派遣労働者を送ってはいけない港湾運送業務に派遣労働者を従事させたということが問題になり、これはまた二重派遣であり、偽装請負であったということで摘発されたわけですけれども、働いている場所が、東京港の青海や大井ふ頭の港湾倉庫や、有明十号地のふ頭に泊まっている船の中に乗っていたということなんですね。
 こういう不安定雇用が本当にふえて、違法状態が東京都の施設の中で行われているという点では、都が管理している区域の中で行われているという点では、私、本当に問題だというふうに思うんだけれども、これについては都の権限は全くないわけですよね。だから、そういう点では非常に歯がゆい思いをするんですけども、本当にそういうところに対して都としても対応ができるような状況を、相談体制も含めてつくっていく必要があるというふうに私は思っています。
 労働相談情報センターにもこういう相談がたくさん寄せられているんじゃないかというふうに思うんですが、その辺の状況はどうでしょうか。無法、違法の行為も行われているのかどうか、そういう相談が持ち込まれているかどうか、お伺いいたします。

○松本雇用就業部長 まず前段の、国の方に指導監督権限があるということでございますけれども、私どもの方は、普及啓発活動であるとか、個別の労働相談等を通しまして個別に対応するということで、役割分担を図っているということでございます。
 この労働相談情報センターでございますけれども、十八年度、約五万五千件の労働相談、全体ですけれども、受け付けております。そのうち派遣に関する相談は約四千六百件でございまして、その内容は、賃金不払い、労働契約、解雇及び雇いどめに係る相談となっております。

○小竹委員 賃金の不払いだとか、そういう点でいったら、やっぱりそれを解決していただくということで労働相談情報センターの方々は頑張っておられるわけですけれども、そういう点では、その部分の体制を強化することはもう欠かせないというふうに思います。
 そういう中で、「派遣労働Q&A」、これは私、非常にわかりやすいというふうに思ったので、どのぐらい発行しているのか伺ったら、四千部ということなんですけど、今これだけ派遣労働がふえている中で、やっぱりもっと普及させていく必要があるんじゃないかというふうに考えています。あわせて、普及のためにも簡易パンフなどをつくってみてはどうかというふうに思うんですが、お答えください。

○松本雇用就業部長 「派遣労働Q&A」は、労働相談などで労働法の知識を必要とする人たちに手引書として重点的に配布しております。そのため必要部数は確保しているものと思っております。
 また、この資料は都のホームページに掲載されておりまして、一般向けには、必要な人が手軽にダウンロードできるようになっております。
 次に、簡易なパンフレットでございますけれども、十八年度から、派遣労働者を含めた非正規労働者向けのパンフレットを作成し、配布しているところでございます。

○小竹委員 簡易のパンフレットはつくっておられるということですが、これももっと増刷していただきたいし、今、若い人たちが何で賃金不払いだとか、残業なんか払われないのについて、やっぱり本当に労働者の権利そのものが学校教育の場で教えられてないという点なんかもあるわけで、そういう点では、「ポケット労働法」も含めて、もっと普及させる。東京都のこのパンフレットは、読んだら、明るい展望が働いている人たちに与えられるという点では、私、本当に普及させてほしいというふうに思いますので、ぜひ「ポケット労働法」も含めて増刷と普及を図るようにお願いをしておきます。
 これだけ労働法制が改悪されている中で、東京都の労働予算は年々減り続けてきました。ことしは、低所得者対策や障害者、次世代育成などの新規事業があって、三十億円プラスになってますから、若干、昨年度と比べたら伸びているんですけれども、それでも、十年前、石原都政が誕生したときと比べると三分の二、六六%しか予算がないんですよね。昨年の場合には半分、五二%ですよ。
 だから、本当にそういう点では、予算がどんどん減ってきているという点では、労働相談のこの体制が弱まっているということだと思うんですね。労働相談やあっせんを担ってきた、かつての労政事務所は、今、労働相談情報センターというふうに名前を変えられましたけれども、かつて、石原知事が誕生したときには、労政事務所は八カ所あったのが、現在は労働相談情報センター五カ所になってしまっているわけですね。労働問題の専門調査機関として、研究機関としてあった労働研究所は二〇〇〇年度に廃止された。
 だから、これだけ労働行政が、国に職安などが移ったという問題もありますけれども、東京都としても予算が削られているというふうな状況になっているわけで、やっぱりそういう点での充実が必要だというふうに思うんですが、この労働相談情報センターの、相談を受ける上で重要なのは職員体制だというふうに思うんですが、十年前、石原都政が誕生したときと比べてどういうふうになっているか、お答えください。

○松本雇用就業部長 十年前の平成九年度における、当時は労政事務所といってましたけれども、その数は九所でございまして、職員定数は百四十名でございます。平成十六年四月に労政事務所を労働相談情報センターに改組しておりますが、現在、飯田橋のセンターを含め、事務所数は、先生、五カ所とおっしゃいましたけれども、六カ所でございまして、職員定数は百十名でございます。
 なお、事務事業の効率化を進める一方、新たな行政ニーズへの対応に必要な執行体制は整備しておりまして、円滑な事業運営を図る上で必要な組織、定数は措置されております。また、予算につきましても、必要なものについては適宜措置されているものと考えております。

○小竹委員 いずれにしても、体制が大幅に弱まって、予算も減っているということは事実ですよ。
 かつては、私も労政事務所によく行っていたことがあるんですが、事務所の方が、本当に相談員の人だけじゃなくて、職員の人たちがみんなで相談に乗っている情景を随分見てきました。
 そういう点でいうと、労政事務所に配属された都の職員の方々は、新しい人もベテランの人と一緒になって相談に乗っていた。そういう中で多くの方が育ってきたというふうに思うんですね。それが今、人が減らされて、先ほど百十人というふうにおっしゃられましたけれども、実際はもう相談員以外できないような体制に、全体の人数がなってきているというのは事実だと思うんですね。
 そういう中で、団塊の世代の方々が大量に退職されるという事態は、この労働相談情報センターでも変わりないというふうに思うんですよね。本当にこういう相談業務というのは、研修や何かでいろいろ聞いて、それから法律を勉強してというふうなことだけでは得られない、やっぱり一緒になって相談に乗って、どういう問題があるのか、そしてどういう対応をしなきゃいけないのかということを学んでいくことが、育成の中では必要だというふうに思いますし、とりわけ、労働法制がこれだけ変えられている中で、労働者の権利など、専門的な知識が必要になる相談事業だというふうに思うんです。
 そういう点で、相談担当員の育成はもう本当に急務になっているというふうに考えますが、具体的にどう対策がとられているのか、お伺いしておきます。

○松本雇用就業部長 労働相談の体制でございますけれども、先ほど、職員数が減っているというお話をしましたが、その主なものは、経理とか庶務のような事務の統合、あるいはセミナーの企画立案の統合といったものが主でございまして、相談業務の人員につきましては必要なものを確保してございます。
 また、その育成でございますけれども、都では、団塊の世代の大量退職等に対応するために、労働相談担当職員を計画的かつ早期に育成するために、既に労働法関係の研修でありますとかOJTの実施など、研修を強化し、専門性の向上を図っているところでございます。

○小竹委員 体制はとられているといわれましたけれども、先ほどお答えがあったように、相談係というふうな形での人数の確保でしょう。私は全く、そういう昔のように全部しろといっているわけじゃないけれども、新しい人を育てられるようなゆとりなんていうのはそんなにないわけですよね。
 先ほど、研修して、早期に育てるんだというふうにおっしゃられましたけど、研修したからといって、すぐに相談に応じられるような状況には、幾らやってもならないというふうに思うんですね。だから、そういう点でいえば、一朝一夕にはできないという状況だと思うんです。
 今、違法や無法の行為が労働分野で行われているという状況の中にあって、労働者の権利を守る立場から相談に乗れる人を育てるというのは、本当に大事なことだというふうに思うんです。ベテランについて一緒に相談を積み重ねていくような、こういう育つ体制をつくるという点では、人的配置のゆとりこそ必要だというふうに考えます。
 この間、ワーキングプア問題の解決のための支援を求めてきました。知事公約での、住民税の減税について撤回したということは、私はもう絶対に許されないというふうに思っていますけれども、かわりに出された低所得者就労支援事業というのは、不十分だけれども、ワーキングプア対策として踏み出したということは、一定の前向きの施策だというふうに考え、新たな経済給付事業としてぜひ拡充してほしいということ、その立場から質問をいたします。
 低所得者就労事業の就労支援窓口など、どのような形での支援になるのか、お答えください。

○松本雇用就業部長 就労支援の窓口でございますけれども、この窓口では、区市町村から紹介されました職業訓練の受講希望者に対しまして、本人の職歴等を踏まえ、職業訓練のあっせんや、訓練後の職業紹介を実施するものでございます。

○小竹委員 窓口はどういうところに設置されるんですか。都内に何カ所ぐらいか。

○松本雇用就業部長 窓口は、現在、都内四カ所に設置をする予定でございます。

○小竹委員 就労の支援、訓練事業については三カ月が主になっているわけですよね。私は、三カ月で就労に本当に結びつけていけるのかという点で非常に心配しているんです。この間、民間などに委託して三カ月の訓練など行っていますけれども、就労に結びつけた状況はどうなのか、お伺いします。

○小田就業調整・能力開発改革担当部長 対象となる方々の生活が早期に安定されるためには、できるだけ短期間で就業していただくことが必要だろうと考えています。このため、今回、民間の教育訓練機関に委託して行う訓練では、コミュニケーションスキルの向上や就職ノウハウの付与などの面で、訓練カリキュラムに工夫を凝らすようにしているところでございます。こうした実践的な訓練を実施していきますことから、就業に結びつけていけるものと考えております。

○小竹委員 まあ、やってみなければわかりませんけれども、本当に就労に結びつけて、安定的な生活ができるようにするという点でいえば、訓練手当を支給されるわけですから、きちんと技術や何かを習得できるようにするという点でいえば、せめて訓練校の六カ月コースを主要な柱にして、一般の募集と別立てにした訓練科目をつくってやる必要があるというふうに思うんですね。
 そういう点で、ぜひ六カ月コースの増員をすべきだというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○小田就業調整・能力開発改革担当部長 職業能力開発センターでは、別立ての訓練コースを設けるのではなく、既存のコースに優先枠を設けて受け入れることにしております。これによりまして、受講を希望する方々に対して、ものづくりを初めとして、訓練科目の選択肢を広げることとしております。

○小竹委員 六カ月コースは今年度は二百人ということですから、私、やっぱり今のこれだけ非正規雇用が拡大して低賃金の人たちがふえている状況のもとでは足りないというふうに思うんですね。そういう点では、三年間の限定ということだけじゃなくて、これを継続することや、対象人員をふやし拡充すること、そして住宅なども確保できるような、そういう状況の中で総合的に進められるよう強く求めて、質問を終わります。

○岡崎委員 新銀行東京の問題点の一つに、店舗や人件費などで多大なコストをかけながらも、利益がほとんど上がっていないということがございます。私からは、店舗や人件費などのコスト削減についてお伺いしたいと思います。
 新銀行東京の経費率、これは営業経費--人件費、物件費、税金の合計を業務粗利益で割ったものでありますが、この経費率が、平成十八年度実績で二三二%と異常に高いわけでありまして、新銀行が十七年八月に策定した中期経営目標で十九年度の経費率を三八%台としていたことからも、その高さがわかると思います。
 この間の新銀行の損失は、営業経費で約五百億円と、不良債権二百八十五億円に比べても大きいわけであります。新銀行東京の営業経費は十八年度決算額で百五十億七千八百万円となっておりますが、人件費、物件費、税金などの内訳は、また、再建計画における二十三年度の見込み額はどうなっているか、お伺いしたいと思います。

○櫻井参事 新銀行東京では、このたび取りまとめました再建計画の中で、執行体制を抜本的に見直し、一店舗への集約、人員を百二十名体制とするなど、経営資源の選択と集中を徹底するとともに、コスト意識の改革による低コスト体質の確立を図ることとしております。
 十九年三月期決算における営業経費は、百五十億七千八百万円を見込んでおります。このうちでございますが、人件費は三十五億九千四百万、物件費は百五億八千五百万、税金は八億九千八百万円、それぞれ見込んでいるところでございます。
 また、再建計画におきます二十三年度の営業経費の見込み額は二十六億円としてございます。

○岡崎委員 二十三年度の営業経費が二十六億円ということですが、物件費については、平成十九年度に店舗外ATMの廃止、店舗統合、コールセンター・融資相談窓口の経費削減などを実施しており、大幅な削減が見込まれます。来年度以降二十三年度まで、物件費はどのように減っていくのか、その額も含めてお伺いいたします。

○櫻井参事 新銀行東京では、再建計画に基づきまして、システム経費やATM、コールセンターの業務委託費等の見直しを行っていくこととしております。これらの取り組みによりまして、物件費でございますが、平成二十年度は五十四億円、二十一年度は二十六億円、二十二年度二十八億円、二十三年度十七億円を予定しているところでございます。
 この二十三年度の十七億円でございますが、これは二十年度の三分の一以下の水準というところでございます。

○岡崎委員 物件費の中でも、店舗にかかわる経費削減をどのように見込んでいるのか。新中期経営計画では、十九年度中に店舗の縮小や広告宣伝費の削減として十四億円を削減することとしたが、再建計画では、さらに、本部、六店舗、事務センターを平成二十年十月までに新宿一店舗に集約することにしている。このことによる店舗の経費は幾らから幾らに削減可能なのか、お伺いしたいと思います。

○櫻井参事 新銀行東京では、再建計画において、執行体制を抜本的に見直し、経営資源の選択と集中を徹底して黒字化を実現することとしております。
 お尋ねの組織、店舗につきましても、二十年五月までに、現在の本部及びすべての店舗を新宿に集約するとともに、ことしの十月には、豊洲にある事務センターも新宿に集約することとしております。
 これらの取り組みによりまして、物件費のうち、家賃の支払いは平成二十年度六億円、二十一年度以降は二億円ということで縮減をしてまいります。

○岡崎委員 新中期経営計画では、物件費、税金として、減損処理や効果による削減などとして、ソフトウエア、建物・動産、リース前払いなどの減損処理をしたことで、四十五億円の削減効果があったとしております。
 今後も、事業規模などを縮小していけば、ソフトウエアを初め、減損処理せざるを得なくなると思いますけれども、来年度以降二十三年度まで、減損処理による経費削減効果をどのように想定しているのか、その額も含めてお伺いしたいと思います。

○櫻井参事 事業縮小に伴います違約金等に対します引当金は、本年度、二十年三月期ということでございますが、二十億円以上を計上する見込みでございます。これによりまして、減損処理が可能なものにつきましてはすべて実施済みとなることから、来年度以降の減損処理は発生しないものと考えております。

○岡崎委員 次に、人件費の削減についてお伺いします。
 再建計画では、新銀行東京の人員を四百五十人から段階的に百二十人に削減するとしておりますけれども、営業経費の中で、この人件費についてはどのくらいの削減を想定しているのか、お伺いいたします。

○櫻井参事 新銀行東京の再建計画におきましては、人件費でございますが、平成二十年度二十六億円、二十一年度十億円、二十二年度九億円、そして二十三年度八億円を予定しているところでございます。

○岡崎委員 営業経費の内訳はよくわかりましたけれども、人件費については、さっきの話ではありませんが、ただ単に減らせばいいというものではありませんで、職員の質やモチベーションを高めていくこともより重要な課題だろうと思うんです。
 ところで、新銀行東京四百五十人の職員のうち、銀行業務の経験者は何人いたのか。執行役、取締役、正社員、契約社員、アルバイトと区分別にお伺いします。
 また、退職や中途入社も多いと指摘をされておりますけれども、これまでに延べ何人が職員となったのか、お伺いいたします。

○櫻井参事 新銀行東京の役職員四百五十名のうち、執行役二名、正社員百四十六名、契約社員六十二名が銀行経験者でございます。また、派遣社員につきましては、詳細が明らかにされておりませんが、正社員、契約社員のうちの約八割は銀行経験者であると考えております。
 また、この十九年十二月末時点での正社員、契約社員の延べの採用人員は五百六十七名でございます。

○岡崎委員 再建計画では、職員数を百二十人に削減することとしておりますけれども、その百二十人のうち銀行業務経験者は何人になるのでありましょうか。

○櫻井参事 再建計画の百二十名体制というのは、平成二十三年度に実現をさせるものであるため、あくまで想定の範囲ということではございますが、現時点で想定をしておりますのは、派遣職員を除きまして、ほとんどの職員が銀行経験者となるというふうに聞いてございます。

○岡崎委員 それと、再建計画で、今後の経営を考える際には、新たな人材登用も必要だろうと思うんですけれども、新銀行東京に新たな人材の登用は必要だと考えているのかどうか。考えているならば、その見通しについてもお伺いいたします。

○櫻井参事 基本的には、現在の在職者のうち、業務に習熟した能力の高い人材を中心に運営することとしております。また、再建計画を実現するための核となる人材は確保しているというふうに聞いてございます。
 また、人材育成面では、審査能力の高い目ききのできる人材を選抜し、審査及び営業フロントに配置するとともに、今まで以上に社内研修の中で間違いのない営業のできるような人材教育、そうした努力を行っていくとしてございます。

○岡崎委員 新銀行東京はあくまでも中小企業を支援していくという目的を大切にしなくてはならないわけでありますが、例えば、新銀行東京に相談に来た、あるいは売り上げが伸びるなどして借りかえが可能になった場合など、新銀行としては、中小企業支援をするという大枠の視点から、より有利な条件での借りかえや制度融資の紹介などを進めていくべきであろうと思うわけであります。
 そこで、これまで新銀行側から、東京都の制度融資のこういうメニューを利用した方がいいですよと紹介した事例があるのか。もしあれば、件数、時期などを教えてください。

○目黒金融部長 新銀行東京では、制度融資を紹介した事例の件数、時期等につきましては把握しておりませんが、同行のディスクロージャー誌によりますと、平成十九年四月から九月までの制度融資取扱実績は三百三十三件、三十二億円余りでございます。
 平成十九年九月末までに実行した新銀行東京の融資、保証に占める割合では、件数で約三割、金額で約二割ということになります。

○岡崎委員 件数で約三割、金額で約二割ということでありますが、都市銀行などと比べれば、数としては極めて少ないですね。
 また一方で、制度融資の相談に見えた中小企業者などに対して、新銀行の融資を利用された方がいいですよと紹介した事例がどれぐらいあるのか。件数以外にも、時期もわかればあわせて教えてほしいと思いますが、いかがですか。

○目黒金融部長 都の制度融資の相談窓口では、特定の金融機関の紹介は行ってございません。

○岡崎委員 実は私も、区の方で、正確な数字ではありません、大体どれぐらいあるかというのは何カ所か聞いてみました。そうすると、ないわけではないが多くないということで、新銀行が営業努力をしたんでしょうね。区によっては数件、制度融資になじまなくて、新銀行などのようなものがありますよというような話をしたことがあるそうです。そういうところもあるそうです。
 産業労働局は、新銀行東京は制度融資を補完することで多様な資金需要にこたえるという役割があると、この間、しきりに答えていらっしゃいますけれども、平成十八年度における保証協会での融資承諾件数は、きょういただいた資料を見ましても、十五万七千件余り、金額にして二兆円超なのに対して、新銀行は四千百八十八件、七百三十一億円と、余りにも異なりますね。しかも、新銀行はさらにこれから業務を縮小していく、こういうことでありますから、いささか疑問符がつかないわけでもないわけであります。
 ところで、本日の質疑の中でも、局長は、再建計画をさまざまな角度から検証して追加出資を決めたと答弁をしていらっしゃいました。これは、時系列からいったら、ちょっと違うんじゃないですか。
 つまり、きょうの馬場委員の質問に対しても、二月の十九日に新銀行東京が取締役会を開いて再建計画を決定した。そして、新銀行東京によれば、二月の十九日の午後の早い段階で、東京都に対して追加出資を要請した。二月の十九日の午後の早い段階で要請をした、新銀行東京は。そうしたら、二月の十九日の午後の一時に、財務局に対して産業労働局から書面で議案の依頼があった。追加出資の依頼があった。二月の十九日の取締役会で再建計画が決定されて、二月十九日の午後の早い段階で新銀行東京が産業労働局に追加出資の依頼をして、二月の十九日の午後一時に産業労働局が財務局に書面で追加出資を要請して、財務局は、補正予算の話を持っていって、二月の十九日の夕方に、知事決裁で、二月の二十日に補正予算の議案を提出することを決めて、二月の二十日の朝には議案が議会事務局に届いた。ということは、事実上、この再建計画を検討する時間がないじゃないですか。再建計画をさまざまな角度から検証する時間がないじゃないですか。いかがですか。

○櫻井参事 再建計画でございますけれども、私ども産業労働局には、新銀行東京から二月の上旬に内々の説明がございました。それ以降、検討を進めておりまして、委員ご指摘のございました二月十九日、二月二十日、こちらの方はそうしたような手続を進めたということでございます。

○岡崎委員 二月の上旬に内々の検討があったということで、さまざまな角度から検討したということでありますが、きょうのいろんな質疑の中でも、銀行側としては、営業上の機密の保持という観点から明らかにできないということが幾つもございましたね。ですから、そういうことも含めて検討を多分できてないんでありましょう。
 つまり、私から見れば、場合によったら結論ありきで、理屈は後から貨車に乗って追いかけてくるというような側面がなきにしもあらずというふうに思うわけであります。
 そういう意味においては、新銀行東京のさまざまな角度からの、資本提携だとか、民間との連携だとかいうことを、私どもは何年も前から本会議のたびに、あるいは委員会のあるときにも提案をし、話をして、そして皆さんに検討も要請をしてきたわけでありますけれども、傷口がここまで拡大して大慌てをするというのは、いかにも不可思議ということを申し上げさせていただいて、私からの質疑を終わらせていただきます。長時間ご苦労さまでした。

○増子委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認め、本案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後十時三十分散会

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