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Tokyo Metropolitan Assembly

経済・港湾委員会速記録第三号

平成十九年二月二十七日(火曜日)
第八委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十二名
委員長石毛しげる君
副委員長原田 恭子君
副委員長三宅 茂樹君
理事門脇ふみよし君
理事鈴木貫太郎君
理事松原 忠義君
田中たけし君
小竹ひろ子君
清水ひで子君
花輪ともふみ君
大沢  昇君
山崎 孝明君

欠席委員 二名

 出席説明員
産業労働局局長島田 健一君
理事佐藤  広君
総務部長野澤 直明君
産業企画担当部長猪熊 純子君
商工部長新田 洋平君
参事安藤 弘志君
金融部長塚田 祐次君
観光部長中尾根明子君
参事米原 亮三君
農林水産部長大村 雅一君
参事秋元 篤司君
雇用就業部長松本 泰之君
参事三森 生野君
労働委員会事務局局長押元  洋君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 労働委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十九年度東京都一般会計予算中、歳出 労働委員会事務局所管分
 産業労働局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十九年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 産業労働局所管分
・第七号議案 平成十九年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・第八号議案 平成十九年度東京都農業改良資金助成会計予算
・第九号議案 平成十九年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
・第十号議案 平成十九年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第八十三号議案 東京都しごとセンター条例の一部を改正する条例
・第八十四号議案 東京都立技術専門校条例の一部を改正する条例
・第八十五号議案 東京都労働資料センター条例の一部を改正する条例
・第八十六号議案 東京都農業関係試験等手数料条例の一部を改正する条例
・第八十七号議案 東京都森林整備地域活動支援基金条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京都産業振興基本戦略(素案)について
・東京都観光産業振興プラン(素案)について

○石毛委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石毛委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○石毛委員長 次に、予算及び契約議案の調査について申し上げます。
 平成十九年度予算については予算特別委員会に、また、契約議案については財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長からそれぞれ調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十九年二月二十六日
東京都議会議長 川島 忠一
経済・港湾委員長 石毛しげる殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、二月二十六日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二日(金)午後五時

(別紙1)
経済・港湾委員会
第一号議案 平成十九年度東京都一般会計予算中
歳出
繰越明許費
債務負担行為 経済・港湾委員会所管分
第七号議案   平成十九年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第八号議案   平成十九年度東京都農業改良資金助成会計予算
第九号議案   平成十九年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
第十号議案   平成十九年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十一号議案  平成十九年度東京都と場会計予算
第二十号議案  平成十九年度東京都中央卸売市場会計予算
第二十二号議案 平成十九年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十三号議案 平成十九年度東京都港湾事業会計予算

(別紙2省略)

平成十九年二月十六日
東京都議会議長 川島 忠一
経済・港湾委員長 石毛しげる殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
第百七号議案 平成十八年度東京港臨海道路(Ⅱ期)若洲側アプローチ橋りょう鋼けた製作・運搬工事請負契約
2 提出期限 平成十九年三月一日(木)

○石毛委員長 本日は、お手元配布の会議の日程のとおり、労働委員会事務局関係の予算の調査並びに産業労働局関係の予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第一号議案、平成十九年度東京都一般会計予算中、歳出、労働委員会事務局所管分を議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言をお願いいたします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○石毛委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石毛委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で、労働委員会事務局関係を終わります。

○石毛委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成十九年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、産業労働局所管分、第七号議案から第十号議案まで及び第八十三号議案から第八十七号議案まで並びに報告事項を一括して議題といたします。
 本案及び報告事項については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○野澤総務部長 去る二月六日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりいただきたいと存じます。目次にございますとおり、資料は全部で八項目でございます。
 一ページから三ページまでは、それぞれ中小企業対策、雇用就業対策、農林水産対策の過去十年間の予算の推移をお示ししてございます。
 四ページ及び五ページは、平成九年度からの産業労働局所管施設の推移をお示ししてございます。
 六ページ及び七ページは、産業別会社企業数の推移と過去十年間の業種別中小企業の倒産件数の推移をお示ししてございます。
 六ページ、(1)、都内の会社企業数でございますが、減少傾向にございます。
 七ページ、(2)、表の一番下の段、平成十八年の中小企業倒産件数は、合計二千四百十四件で、昨年よりも若干増加しておりますが、負債額は平成十六年より三年連続で減少しております。
 八ページは、都内小売業の売り場面積とそれに占める大規模小売店舗の売り場面積及び占有率の推移をお示ししてございます。
 平成十六年における都全体の大規模小売店舗の総面積は約四百九十五万平方メートルで、小売業総面積約一千百十五万平方メートルのうち、約四四%を占めております。
 九ページ及び一〇ページは、過去五年間の都立技術専門校の応募状況と職業紹介実績、就職率をお示ししてございます。
 九ページ、(1)、合計欄の応募状況でございますが、平成十八年度は応募率一五〇%となっております。また、一〇ページ、(2)、合計欄の職業紹介の実績、就職率では、平成十八年度の技術専門校の就職率は七三%となっております。
 一一ページは、市場化テストモデル事業について、落札者、経過等をお示ししております。
 本モデル事業においては、訓練科目ごとに、民間事業者と都対象業務所管部署の提案内容を比較して、価格点及び技術点の合計である総合評価点が最も高かった者が事業実施予定者として選定されております。
 一二ページ及び一三ページは、都内の雇用形態別若年者数及び都内の障害者雇用率の推移をお示ししてございます。
 一二ページの合計欄、構成比をごらんいただくと、若年者における正規の職員、従業員割合は約六割となっております。一三ページの表の一番右の欄をごらんいただくと、民間企業の障害者雇用率は、徐々にではございますが、増加しております。
 一四ページは、新銀行東京の平成十九年三月期中間決算の概要をお示ししております。
 融資・保証残高は二千八百十九億円、そのうち中小企業向けは一千六百九十五億円、預金残高は五千四百三十六億円となっています。
 収支の状況は、経常利益がマイナス百五十四億円となっております。
 以上で、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○石毛委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本案及び報告書に対する質疑を行います。
 発言をお願いいたします。

○田中委員 よろしくお願いいたします。
 私からは、大きく二点、先般ご報告をいただきました産業振興基本戦略についてと、二月十八日に行われました東京マラソンに私自身参加をいたしまして、その体験、経験を踏まえて、産労局関連のテーマについて何点か取り上げてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 まず初めに、産業振興基本戦略についてお伺いしてまいります。
 先般、産業振興基本戦略の素案が発表されました。これは、昨年の第一回定例会で、我が党の当時の野村幹事長が、東京の産業力強化についての基本戦略を構築すべきとの代表質問をさせていただき主張したことが発端となって策定されたものだと我々は認識をしております。そして、昨年十二月に発表されました「十年後の東京」が目指す都市像の実現を産業振興の面から推進するため、今後十年の産業振興の施策展開の方向性を示すものということで、中長期の視点に立った産業振興策が必要だという我が党の主張にも沿うものということで、大変我々としては評価をしてまいりたいと思っております。
 そういった視点から、この産業振興基本戦略の内容をさらに充実してまいりたい、そんな視点から何点かお伺いしていきたいと思います。
 この基本戦略の策定に当たりまして、私自身は、いわゆる行政の役割というものをしっかりと明確にすべきなのかなと、そのことが大変重要なのかと思っております。
 いうまでもなく我が国日本は自由経済主義の国ですので、基本的には市場原理にゆだねるべきものであって、いわゆる神の見えざる手によって価格が形成され、そして、産業構造も形成されていくべきものだというふうに思っております。そのような観点からすると、極力行政は介入すべきではないという思いがあります。しかし、そうはいいながらも、そういった自由経済の分野においても、いわゆる行政の役割というものも一方でしっかりとしたものがあって、その点をしっかり認識した上での取り組みをお願いしていきたいと思っております。
 例えばですが、新規開業者の立ち上げの際のいわゆる創業支援、中小零細企業のいわゆる弱者の保護や育成、新産業の形成に向けての支援あるいは将来の社会において必要とされる分野、なかなか民間だけの力では進まないけれども、行政がしっかり手を携えることで必要と考えられる分野への誘導など、また、産業界だけでは対応できないさまざまな分野に対する援助といったものが、あるいは、一方で、いわゆる産業界の秩序の維持をしていくためにも、また行政の役割といったものがあり、そういった分野に対しては積極的に対応すべきなのかと、そんな思いをしております。
 今申し上げましたように、行政の役割は、産業界が自力では率先して取り組まない、あるいは取り組めない分野を支援していくべきであり、自然に発展していくところまで行政が関与すべきではないかなと考えております。
 基本戦略では、成長性が高く波及効果の大きい産業を重点産業として育成していくとしておりますが、成長性が高い産業であれば、むしろ東京都が育成しなくても発展していくのかとも思いますが、今回も発表されておりますが、なぜ重点産業を育成していくのか、まずその点のご見解をお伺いいたします。

○猪熊産業企画担当部長 健康、環境、航空機などの重点産業では、産業全体としては高い成長性があるものの、高度な品質管理が必要とされる、あるいはリスクが高いなど、さまざまな要因から中小企業の参入や事業展開が困難となっている状況がございます。こうした要因を取り除くあと一押しの支援により、中小企業の発展につなげることができるため、行政として重点産業として育成するものでございます。
 また、これらの産業は都民生活の向上に役立つとともに、国際競争の観点からも重要な産業であり、その成長を促進していく必要性が高いものでございます。このため、参入支援、ニーズの把握支援、事業化リスクの軽減などを図ることによって、より多くの中小企業の活躍を促してまいりたいと考えております。

○田中委員 自力で発展しつつある、しかし、そこでもうあと一歩、一押しあれば、それが大きく発展し開花していくのだという分野を今回は取り上げたのだということでございまして、本来ですと自力で発展すべきものなのでしょうが、一押しすることがより発展されるのだという視点は、まさに行政の取り組むべき意義があるのかなと、そんな認識をさせていただきました。
 先ほども申し上げましたけれども、私は、この産業振興において幾つか行政としての役割があるかと思った中で、今もご答弁いただきました中小企業の育成、いわゆる弱者の支援、保護、あるいは新商品開発や新技術開発、新産業の形成に向けての支援などがあるのかというふうに思っております。
 今行われております予算特別委員会でも、我が党の高木委員からも質疑がございました。圧倒的多数の中小企業は、重点産業育成の恩恵が得られないのではないかという危惧があるということでしたが、局長からは、重点産業は、直接当該分野に携わる企業だけではなく、多くの企業にも波及するものであり、また着実に波及させていくことが必要であるということのご答弁、ご決意を伺いました。ぜひそういう方向でお取り組みいただいて、そのすそ野を広げ、より多くの中小企業の育成にも取り組んでいただきたいと思います。
 しかし、カバーされる中小企業の数というのはある程度限定的なのかなという思いもいたしております。まだまだ圧倒的に多い中小零細の企業は、こういった施策にも、圧倒的な数の中小企業は、いわゆる波及効果の恩恵も得られずにいる。一方で、激しい企業間競争の中で必死に生き残ろうとして頑張っている中小零細企業はたくさんございます。
 波及効果の及ばない、そういった圧倒的に多くの中小企業に対しても都はしっかりとした支援を行うべきではないかと思っておりますが、今回の基本戦略では、どのような視点でこの中小企業振興というものを考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。

○猪熊産業企画担当部長 意欲ある中小零細企業の活動を支えることは、東京の産業の基盤を支える上で極めて重要であると認識しております。こうした考え方に立ち、都では、従来から、制度融資の充実、リバイバル支援、後継者育成などに取り組むとともに、中小企業振興公社や産業技術研究センターの相談、依頼試験など幅広く企業を支えてまいりました。
 基本戦略においても、多様な企業が活発に活動することが東京の産業の活力の源であると認識しておりまして、支えるという役割を果たすこととしております。基本戦略において、多様な手法を活用した事業承継の支援、物的担保に過度に依存しない資金調達の支援、産業集積活性化に向けた区市町村の施策に対する都の産業施策の重点的な適用、産業界と教育機関の連携によるものづくり中核人材教育プログラムの実施を支援などの方向性を新たに打ち出しております。
 これらの施策を重層的、複合的に実施することにより、意欲ある中小零細企業の活動を支えてまいります。

○田中委員 さまざまな視点のアプローチからのいわゆる中小企業の育成に向けて、ぜひともご尽力いただきたいと思います。そういう中にまさに行政の役割があるのかというふうに思っております。
 先ほども申し上げましたが、行政の役割で、弱者の保護と同時に、いわゆる新規分野に進もうとする際に、民間の方々は大きなリスクがあるためになかなか進出できない企業もたくさんあろうかと思います。企業にとって新商品の開発、新技術の開発あるいは新産業形成など、新規分野の開拓というのは企業を成長させる上では重要なテーマであるのですが、一方で、大変リスクが多いために、なかなかその分野には踏み込めない、そういったときにまた一押しすることが、また一つの行政の役割なのかと思っております。
 そのような視点の中で、では、行政は何ができるのかといったときに、一つは、補助金を出すなどもありますけれども、それだけではなくて、いわゆる場の提供というのでしょうか、情報を提供したりとか、あるいは企業間、よく産学公の連携というようなこともいわれておりますが、単独の企業では知り得ない、あるいは得ることのできない環境、そういう場の設定というものを行政がしっかりと後押しすることで--また新たな新規分野に向けての一歩を踏み出すような援助を行うことが、一つ行政の役割なのかというふうな思いをしております。
 今回の基本戦略では、連携、いわゆるつなぐということについても何点か述べられておりますが、どのような考え方で、また、どのような取り組みを行おうとしているのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。

○猪熊産業企画担当部長 高付加価値な商品の開発や新市場の開拓を実現するためには、東京の強みである高度な技術力を持った企業、大学や研究機関の集積、巨大で洗練された市場をつなぐ役割が重要であると認識しております。
 このため、基本戦略においては、大企業と中小企業のいわゆる産産連携の推進、大企業の休眠特許を中小企業の製品開発に活用する、コンベンション誘致などによるビジネス交流の促進、農林水産業と観光の連携、経営と技術のわかるMOT人材の育成など、各戦略におきまして多様な東京の資源をつなぐ施策を打ち出しているところでございます。

○田中委員 今回発表されました産業振興基本戦略、今回は素案ということで、今後も新たに内容充実に向けたさまざまな、またさらなる取り組みが行われるとは思いますが、これをぜひ実効性のある内容に、内容はもちろんのこと、それを実行する上での体制もしっかりととっていただいて、結果として「十年後の東京」が目指す、またその中においての産業のあり方というものが、十年後に、皆さんの、我々の思いが実現されるようにぜひご努力いただきたいと思っております。
 そのためにも、この中にもございましたけれども、基本戦略では都市戦略とも連携した産業振興であるというふうに述べられておりまして、例えばですが、三環状道路の整備など都市政策を初め、都の大きな政策との連携が重要であるというふうに述べられております。そのような視点から、もちろん、産業振興という視点では、産労局の皆様が主体的に力強くこれまでも施策を推進していただきましたけれども、そのような視点からいうと、他局との連携も必要であろうと思います。そんな中、この基本戦略の実効性を高めるためにも、ぜひ力強くリーダーシップを発揮していただいて、他局との連携もしっかりした上で、よりよい成果を上げていただきたいと思っております。
 そのような視点から、他局との特に連携という視点でどのように認識をされているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○猪熊産業企画担当部長 これまでも、副知事を座長といたします産業力強化会議におきまして、産業振興に関する行政分野横断的な政策課題について取り組んでまいりました。その結果、工場の立地を規制する東京都特別工業地区建築条例の廃止や大規模工場における緑地面積規制の緩和などを実現してまいりました。また、産業人材の育成につきましても、学校教育のあり方に踏み込んだ検討が進められております。
 今後、基本戦略の具体化に向け、都市インフラの整備、環境を初めとする重点産業の育成、景観形成や緑化、人材育成など、多くの課題について各局との連携を強化し、東京の産業の一層の発展に向け、主導的役割を果たしてまいります。

○田中委員 ぜひそのような視点で力強くリーダーシップを発揮していただいて、オール東京という体制のもとで、この基本戦略のまずは最終的な策定と同時に、またその実行に向けてご尽力をいただきたいと思っております。
 今回、先ほども申し上げましたけれども、この基本戦略は我が党の主張に合致したものであり、今後我々としてはしっかり支援をしていきたいと思っております。一方、いわゆる行政の果たすべき役割といったものもご認識をしていただいた上で、実効性を高めるためのご努力をいただきたいと思っております。
 再三になりますが、産業振興基本戦略の実現に向けましてぜひご尽力いただきたいと思いますが、その実行、実現に向けて局長のご決意をぜひお聞かせいただきたいと思います。

○島田産業労働局長 前任の局長から引き継いだときは、産業振興ビジョンという名前でございました。十年後のビジョンということでございましたが、私としては、具体的に何をやるかという視点を取り入れたいということで、産業基本戦略という名称にさせていただきました。内容も現実的なものにするよう心がけたところでございます。
 タイミングよく、昨年の暮れにビジョンともいうべき「十年後の東京」が出ましたので、それを産業振興面から実現をしていくという今回の産業振興の位置づけが明快にされてきたという経緯がございます。
 しかしながら、産業振興の方向性を示す骨格ができたということでありまして、次はどのようにこれに実現性を持たせていくかということであります。経済は生き物という言葉もありますが、社会環境、それから産業環境がどんどん変化してまいります。こうした中でどういうふうに都がついていくのか、それとも先導していくのか、そういったことから考えまして、三年から四年でローリングする産業振興指針を基本戦略の上につくっていきたいと思っております。社会状況の変化に対応したローリングをしていくことで、継続性と改善性が担保されるのではないかというふうに考えております。
 今委員からご質問のありました重点産業の策定並びにそれを支える中小企業、そういったことが波及しないかもしれない中小零細企業の問題などあることは重々承知しております。しかしながら、その際大事なことは、私、中小企業の現場がどうなっているかということではないかというふうに考えております。
 現場の視点を大事にいたしまして、実効性のあるきめ細かな中小企業の支援を心がけまして、庁内連携はもとより、産業界、学会、国、区市町村、近隣県など、しっかりした体制を構築いたしまして、この産業振興基本戦略の実現性を高めていきたいと考えております。よろしくお願い申し上げます。

○田中委員 どうもありがとうございました。ぜひその方向性で、局長以下、産労局の皆様のご尽力を高く期待していきたいと思いますし、また、私ども自民党も、今回の基本戦略策定に向けてのプロジェクトチームを一つ立ち上げておりまして、また委員会等々でしっかりと発言する中でよりよいものにしていきたいと思っておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
 続きまして、私、先日二月十八日に行われました東京マラソンに参加をいたしました。そのことについては既に我が党の宇田川議員からも昨日予算委員会で質問させていただきまして、まさに同様の感想を持っておりますが、当委員会ですので、産労局に関連する内容について何点か取り上げてまいりたいと思います。
 天候には恵まれませんでしたが、多くの沿道の方々の声援があって元気づけられて、私自身はほとんど練習をしない中でもあったのですが、そういった多くの方々の後押しがあって、何とか完走ができたのかと思っております。
 その沿道を見てみますと、特に東京の主要な繁華街を通るコース設定だったということももちろんありますが、特に、にぎやかな地域での声援が多かった。中でも、いわゆる商店街の関係する方々からの力強い声援を受けたなというものを印象づいております。
 今回の東京マラソンを大成功におさめたというふうにいわれておりますけれども、今回の、まさに今申し上げましたが、商店街の積極的な応援の取り組みがあったということも、その成功の一因であったのではないのかなというふうに思っております。
 都は、新・元気を出せ商店街事業で、東京マラソンを応援する商店街の方々の取り組みを支援したというふうに伺っておりますけれども、その支援の内容についてお伺いしたいと思います。

○新田商工部長 東京マラソンを応援いたします商店街の取り組みに対しましては、東京都といたしまして、新・元気を出せ商店街事業の中の特定施策推進型商店街事業によりまして支援をさせていただきました。
 支援の対象といたしましては、都が認めますフラッグ、横断幕などの広報物の掲出のほか臨海地域のにぎわい創出及びこれに伴います応援イベントでございまして、コース沿道の商店街を中心に、全体で十五団体のご協力を得て実施されたところでございます。

○田中委員 では、もう少し具体的にお聞かせいただきたいんですが、どのような取り組みがあったのか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。

○新田商工部長 商店街におけます主な取り組みでございますが、まずスタート直後の新宿歌舞伎町商店街におきまして、フラッグや横断幕を掲出いたしますとともに、これはテレビ等でも大分放映されましたが、東京六大学の応援団によります応援団合戦がございまして、雨の中を走る選手の皆さんにエールが送られました。また、日本橋から銀座までの沿道におきましては、共通のデザインのフラッグが約三百枚街路灯に掲出されまして、ランナーを力づけたところでございます。
 さらに、フィニッシュ会場でございます東京ビッグサイト前では、江東区商店街連合会がテントを設けまして、雨の中を訪れました観客の皆様に温かい甘酒を無料で配布するなどといったことなどもございまして、大変心のこもったサービスの提供がございました。
 いずれの事業も、東京マラソンの盛り上げに大変大きな効果があったものと認識しております。

○田中委員 それぞれの地域地域での商店街の皆様のこのような取り組みが、私を初めとしたランナーの後押し、勇気づけとなって、たしか九七%だったでしょうか、完走率が九七%、そういうことにも及んだのかと思っております。
 また一方で、私自身、東京に住んでいる人間ですので、今回のコースのそれぞれの地域が、走っていて、今この辺なのかなという認識はできたわけですが、二回目以降の大会を実施するに当たって、より各商店街の地域色というものを出していくことも必要なのか。まず、今どこを走っているのかということも、都外から来られた方はなかなかわからない。それぞれが非常ににぎわった地域だなというのは当然わかるわけですけれども、今具体的に、新宿を走っているのか、銀座を走っているのか、どこを走っているのかというのはなかなかわからないと思いますので、ぜひそのような地域色を出せるような、場合によっては、それぞれの商店街のいわゆるいい意味での競い合いといいますか、そういったものも通じながら、また、より東京マラソンあるいは東京大マラソン祭りを盛り上げていくような取り組みもいいのではないかということを感じましたので、お伝えさせていただきます。
 今回走っている中で、先ほどもいいましたように、冷たい雨が降る中で、コンディションとしては大変よくない状況ではありましたが、そんな中、随所に、私も気がついたんですけれども、国士舘大学の方々が、大学の旗を持って、その下にAEDを持っていらっしゃいましたし、またレースの後半の方ですが、AEDを背負ったボランティアの方が自転車で、特に私苦しそうに走っていたからかもしれませんが、再三、大丈夫ですか、どうですかと声をかけていただきました。
 いろいろな産業振興の盛り上げとしての取り組み、ボランティアの方の取り組みもあった一方で、ランナーの健康面からの気遣いを行ってくださるボランティアの方もたくさんいらっしゃった。その結果として、ゴール間近で倒れられて意識不明になった方も、その国士舘大学の方々の援助でAEDを使って事なきを得たということも報道されております。
 今回、まさにAEDの必要性を改めて痛感したところなんですが、商店街の中にAEDといったものをぜひ設置していくことが必要なのかというふうに感じました。人がたくさん集まるところにAEDを設置することの意義というものを、ある意味、この今回の東京マラソンを通じて感じたところでございます。
 いろいろ伺ってみますと、既に新宿の歌舞伎町商店街あるいは豊島区の巣鴨地蔵通り商店街などには設置をされている。私の地元品川区で、毎年、品川宿の宿場まつりというものを行っている青物横丁商店街の方々も、みずからAEDを設置していこうということを検討されています。
 このように、人が多く集まる場所には、どういう方が健康面でどういう反応を起こしてしまうかわからない、そういったときに、すぐそばにAEDがあることによって人命を救うことにもつながるのかな。特に商店街は多くの方々が集まる場所でありますので、今回の東京マラソンに私自身参加し、そしてゴール間際で倒れられた方の実はすぐそばを、比較的近い場所に、そうでもないですかね、援助をしているところを見ながら走りましたので、改めて痛感したところでございます。
 そのような視点から、AEDは人の多く集まるところには必要だなということを強く感じましたので、特に商店街においてのAEDの設置に向けてぜひご検討いただきたいということを思っておりますが、そのことについてのご見解をぜひお聞かせいただきたいと思います。

○新田商工部長 地域コミュニティの核でございます商店街が、地域の安全・安心の向上に取り組んでいくことは大変重要なことであると考えております。商店街が、お話のございましたAEDの設置とともに、適切な救助活動、救急活動が実施できるように取り組んでまいりますことは、地域に貢献する商店街といたしまして、イメージアップが図られ、ひいては商店街の活性化にもつながることが期待されると考えております。
 このため、AEDの設置につきまして、商店街からの要望や商店街活性化への効果等を総合的に勘案しながら、新・元気を出せ商店街事業による支援を検討してまいりたいと考えております。

○田中委員 ぜひ前向きに、前向きなご答弁をいただきましたが、ぜひこの実現に向けてご尽力、お力添えをいただきたいと強く願っているところでございます。
 また、少し視点を変えますが、今回東京マラソンを開催するに当たって、知事の一つの方針としては、外国、海外の方からの参加者も多く募っていこう、また、そのことに向けて産労局の一つの目標であります外国人観光客を多く誘致する一つのきっかけにするような大会にしていこうというものがあったかと思います。
 そんな中、先日行われました我が党の予算特別委員会の代表質問でも取り上げましたけれども、東京を訪れる観光客が不自由なく都内を周遊できるよう、わかりやすい案内サインを整備すべきであるということを主張させていただきました。これに対し、標準化指針を策定し、一層の整備に努めるとのご回答がありました。この観光案内サインの整備について少しお聞かせいただきたいと思います。
 我が党でも再三議論がといいますか、強く主張する議員さんがおりますが、議論しているのですけれども、現在、東京が設置している観光案内標識を見ますと、海外からの旅行者に対応するためのピクトグラム、絵文字の説明を、日本語、英語、中国語、韓国語の四言語で標示してあります。しかし、この中の中国語は、いわゆる簡体字の記載だけで、繁体字の標記はないということでございます。近年、日本を訪れる外国人旅行者の内訳を見ますと、順番からいうと、韓国、台湾、アメリカ、中国、香港となっておりまして、中国本土からの旅行者よりも台湾からの旅行者が大変多いとなっております。台湾からの旅行者が多いにもかかわらず、台湾の方が読んでいらっしゃる繁体字が書かれていないということは、大変残念だというふうに思っております。
 今後、案内サインの整備を進めるに当たって、ぜひ、これまでの簡体字だけではなくて、繁体字の標記も検討していただきたいと強く願っております。
 聞くところによると、いわゆる台湾の方あるいは香港の方は繁体字が読めるし、また、中国本土の方もある一定の教育を受けた方々は繁体字が読める。一方、台湾の方などは、簡体字は最近できた文字ということでなかなか読むことができないということのようですので、そのような視点も含めて、ぜひ繁体字の標記も検討していただきたいと思っておりますが、都のご見解をお聞かせいただきたいと思います。

○中尾根観光部長 案内サインについては、さまざまな国から東京を訪れる旅行者にとって利用しやすい多言語標記が重要であると認識しております。
 都はこれまで、案内サインの文字や地図の色、大きさなど、標記方法を工夫するとともに、車椅子の旅行者にも利用しやすいように、地図面の高さや案内サインの構造などにも配慮しながら整備に取り組んでまいりました。
 今後、多言語による標記については、標準化指針において、地域を訪れる旅行者の状況を勘案し、区市町村の意向なども参考にしながら、繁体字やその他の言語も含めて検討してまいります。

○田中委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 人にいわせればというか、私自身少しこんな思いもありますが、特に日本に来られる観光客、外国観光客の方は、日本語に親しんでいただくという視点からすると、余り多くの自国の言葉で標記をせずに、日本語に親しむ一つのきっかけづくりとして日本語と英語だけの標記にしてもいいのかなという一方の見方もありますけれども、やはり逆の意味で、日本人としての外国の観光客に対するもてなしの心といったものをそういう案内標示で表現していくということも一つの考えだと思いますので、より多くの、特に多く来られる外国の方々に自国の言葉で理解できるようなもてなしの姿勢をぜひ示していただきたいと、そんな思いでぜひご尽力いただきたいと思います。
 また、近年、特に東京のまちの移り変わりというのは大変激しいといいますか、久しぶりの土地に行くと、それまであったビルが壊されてまた違う新しいものができていたりとか、東京の特に中心地のまちの移り変わりというのは激しいものがあります。一たびそういう施設に対して案内標示をつくったとしても、案内されたそのものが短期間で変化していくような現象も見られております。まちは変わったけれども、案内標示が以前のままだったということがあってはならないと思いますので、今も、先ほどもお話がありましたけれども、案内サインの標準化指針を策定していただいて案内標示をということでありますが、また街並みの変化に対してもしっかりと案内標示そのものも対応していくべきであると思いますし、この指針の中にそのような考え方をぜひ盛り込むべきではないかというふうに思っておりますが、この件の対応についての考え方をお聞かせいただきたいと思います。

○中尾根観光部長 案内サインの整備に当たっては、新設するだけでなく、旅行者に対して東京のまちの変化に即した正確な情報提供が行えるよう、既存の案内サインの記載内容を適切に更新していくことが重要でございます。このため、本年度は上野・浅草地域の観光案内標識について、地図情報の更新を行っているところでございます。
 来年度に策定する案内サインの標準化指針では、標準的な更新年数の設定や、ビッグイベント等で旅行者の急増が見込まれる地域における区市町村と連携した点検など、情報更新の手法を検討してまいります。

○田中委員 どうもありがとうございました。前半の産業基本戦略については力強いご答弁をいただきましたし、また、東京マラソンから派生したことで何点か提案をさせていただきましたが、ぜひ、それぞれご尽力いただいて、よりよい東京づくりを目指していただきたいと思います。
 以上で、私の質問を終わります。

○門脇委員 観光行政についてお伺いいたします。とりわけ、先だって発表されました東京都観光産業振興プランを中心として何点かお伺いいたします。
 質問の前に、今、田中委員から繁体字のことについてはお話がございましたし、答弁もありましたので、重ねて答弁いただく必要はありませんけれども、やはり観光客の数からいっても、中国と台湾の関係というのは、将来的には間違いなく逆転すると思いますが、今日まだ台湾の方の日本の訪問者の数が多いわけであります。
 詳しく申し上げませんけれども、先だって台湾の大使館、正確にいうと台湾と我が国は国交がありませんから、台北駐日経済文化代表処というところですか、実質的に台湾の大使館の機能を有しているところでありますけれども、そこの一等書記官の方に聞いてみました。一等書記官ですから相当なキャリアの方だと思いますけれども、やはりその方でもなかなか簡体字は読みづらいということをいわれておりました。これは字体ではないのですけれども、よくいわれることですが、例えば北京公語、いわゆるマンダリンと呼ばれているものですけれども、それと上海を中心とした言葉、あるいは台湾語。台湾も公用語は北京公語、マンダリンでありますけれども、これは私たちそうかなと思うのですけれども、向こうの方にいわせると、日本語と英語ぐらい違うというのですね。そんなに違うのかなと正直思うのですけれども。
 ですから、町中のサインということについても、繰り返しますが、観光部長からきちんとした答弁をいただきましたから、改めての答弁は結構でございますけれども、私からもこのことについてはお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 さて、先ほども申しました振興プランが二月に出まして、既にインターネット上でも公開をされております。概要版と詳細版ときちんと分けてアップされておりますし、三月いっぱいでパブリックコメントを終了して、本格的な整理に入っていくと思います。
 ちょうど昨年の十二月に「十年後の東京」というものが、いってみれば東京都の基本計画と位置づけてよろしいかと思います。これは、産業労働局だけではありませんけれども、これを受けて、例えば水道局とか下水道局なんかも同様だと思うのですけれども、これを落とし込んだ形で、なかなかどこまでが実施計画だというのは難しい部分もあると思うのですが、私は今回産労でつくられました産業振興プランというのは、ある意味、五年のサイクルの中の実施計画的な意味合いが多分あるのだろうと、そのように認識をしているところでございます。
 質問でありますけれども、昨日の予算特別委員会の中で、済みません、大変失礼なんですが、ちょっとどなただか忘れてしまったんですけれども、これからアジア地域の観光客、とりわけ東アジア地域ですね、東アジア地域というのは、観光産業振興プランの中でも頻繁に出てくる言葉であります。レストランのメニューの多言語展開ということについて質問があって、きちんとした答弁があったように私も記憶をいたしております。
 文字どおり、東アジア地域というのは、例えば韓国やフィリピンのように、キリスト教徒が比較的多い地域もありますし、また我が国のように仏教徒が多い地域もありますけれども、忘れてならないのは、一つのイスラム圏であると。私たちどうしてもイスラムというと中東をイメージしてしまうわけですけれども、例えば今、世界最大のイスラム教徒を有しているのはインドネシアでありますし、マレーシアも、一部は地域的に違うところもありますけれども、いわゆるイスラム教徒、最近はムスリムといういい方をすることが多いわけです。
 ですから、例えばインドネシアにしろ、マレーシアという国にしろ、まだまだGDPも低い国ですから、日本に対してたくさんの観光客が現在訪れているという状況ではないということはお互いによくわかっていることなんですけれども、将来のことを見通せば、イスラム圏の人たちに対する対応というものも今から考えていかなければいけないだろうと、私は思います。
 ただ、そうはいっても、行政ですから、宗教行事、例えばイスラムには幾つかの宗教行事がありますけれども、代表的なのは一日五回の礼拝であるとか、喜捨であるとか、断食とかあります。それから、食生活でいえば、これは有名なことでありますけれども、いわゆる豚肉を食べない。これはムハンマドの教えですけれども、食べてはいけないということもあります。
 そのようなことを踏まえて、これらの、必ずしもイスラムというかムスリムに限ったことではないのですけれども、行政として限界はあると思うのですけれども、こういった諸国あるいは人たちに対する対応というものについてお聞かせいただきたいと思います。

○中尾根観光部長 外国人旅行者が東京での滞在を楽しむことができるようにするためには、外国語による案内や応対に加え、宗教や生活習慣等に配慮した対応が必要でございます。
 都はこれまで、飲食施設、宿泊施設等に対し「外国人旅行者向け応対・標記事例集」を多言語で作成し、基本的マナーなどについて普及を図ってまいりました。
 こうした取り組みに加え、今後、宗教や食習慣に配慮した外国語メニューを作成し、外国人旅行者が食の魅力を堪能できるよう、受け入れ体制の整備に努めてまいります。

○門脇委員 ありがとうございました。例えばマレーシアという国名を挙げましたけれども、最近、マレーシアの格安航空会社では、マレーシアと東京の往復を、本当かなと思ったんですが、一万六千円という価格を出してきているようであります。ですから、先ほど申しましたように、まだまだGDPも低い国でありますから、日本に対して急速に観光客が伸びるとは思いませんけれども、今から、答弁にあったように、少しずつ対応をしていただければ幸いでございます。
 次に移ります。
 我が国あるいは我が国の都市、東京を初めとした大きな都市でありますけれども、インフォメーションセンター、いわば観光情報センターの数の少なさというのは決定的であろうと思います。東京都もいろいろ自治体と連携をしながらふやしておりますけれども、例えば諸外国、とりわけヨーロッパの諸国にいると、どうして町中にこんなに観光センターやインフォメーションセンターがあるのだろうと思うぐらいたくさんありますね。ですから、こういうことを改善していくためには、私は、それがすべてではありませんけれども、いわゆる民間事業者、民間企業等の協力が大変重要であると思います。その意味で、都内に数多く展開いたしておりますコンビニエンスストア等を有効活用できる方法はないだろうかということをいつも考えているんですね。
 コンビニエンスストアの位置づけ、コンビニの位置づけというのも、過去はそんなに高いものはありませんでしたけれども、最近は、例えば災害支援の、拠点といえるかどうかはわからないのですけれども、それから防犯、これは都もコンビニエンスストアと、いつだったでしょうか、たしか協定を結んでいると思います。それから、公共性ということであれば、税金、都税関係の税金も少しずつ少しずつ項目を主税局の努力によってふやしてもらっているわけです。
 だから、地域における公共性というのは、ただ民間企業が経営しているコンビニエンスストアということだけでは既になくなってきていると思います。その地域の特徴的なスポットを記載した簡単な案内書等を配布したり、それからトイレ対策にもなり、日本は比較的町中でトイレを見つけるのはそんなに大変なことではないのですけれども、ヨーロッパの方へ行くと本当に大変ですね。ですから、そういうことにも役立っているのではないかと思います。
 先ほどいいましたように、言語別に作成している観光マップでありますけれども、ちょっと調製していただきましたけれども、私も知らなかった部分もあるし、わかっていた部分もあるのですけれども、実に、東京都の産業労働局でお出しになっているんですけれども、本当に立派な、日本語、英語、それから繁体字、簡体字の中国語ですね、それからスペイン語、ドイツ語、それからフランス語と、マップといわゆるガイドブックと全部二種類ずつあるんですね。ちょっと失礼ないい方かもしれませんけれども、これをセットで売ったら三百円か五百円で売れるものだと思います。それほど内容は充実をしていると思います。
 こんなにすばらしいものをつくってはいるのですけれども、この質問の冒頭で申し上げましたように、なかなか配布をしている場所が、都内に、答弁の中で多分あるのだと思うのですけれども、そんなに多くないというのが実態であろうかと思います。
 コンビニだけがその打開策ではもちろんありませんけれども、(発言する者あり)今後、民間事業者と協力した案内施設の充実に努めていくべきだと思いますけれども、お考えをお伺いいたします。

○中尾根観光部長 東京都は、上野、羽田、そして都庁の三カ所の観光情報センターに加え、区市町村、交通事業者、宿泊施設等の協力により、平成十八年十二月現在、百四十七カ所の東京観光案内窓口を設置しております。
 観光案内窓口におきましては、旅行者に対する地域案内、交通アクセス案内などの情報提供のほか、七言語八種類の東京ハンディーガイド、ハンディーマップ、エリアマップなどの観光パンフレットを配布しております。
 引き続き、区市町村や民間事業者の協力を得ながら、東京全体の観光案内機能の充実に努めてまいります。

○門脇委員 今、マクドナルドという話がありましたけれども、私もなるほどなと思いました。いわゆるファストフードの店も、コンビニとは業態が違いますけれども、有効なんだろうなという思いは今いたしました。
 やはりノウハウを皆さんきちんとお持ちだと思うんですね。観光ではないのですけれども、先だって産業労働局がつくりました東京マラソンの例のミウラ折りの、あれは大変人気が高かったようですけれども、あれなんかもすばらしいと私は思いましたね。コンパクトですし、ぱっとミウラ折りで広げられる。そういうきちんとしたノウハウはお持ちなわけですから、答弁をいただきましたけれども、今後ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 次の質問でありますけれども、東京都の観光案内ページです。これはインターネットの方のことですけれども、「TOKYO Tourism Info」は、私も一通り拝見させていただきましたけれども、全体に組み立て方としては大変充実をしていると思います。しかし、ここからが質問をしなければならないことなんですけれども、例えば英語でもフランス語でも、たしかこれも同じですね、先ほど答弁ありました、八言語九種類で展開をしているわけですけれども、例えば繁体字のページをまずクリックをする。そうすると繁体字のトップページが出てくるわけですね。そこの中にさらにクリックする欄に東京名所という、それはもちろん繁体字で書いてあるわけですけれども、ずらっと幾つかあるわけですよ。そこをクリックすると、浅草とかいろんなところが出てくるのですが、その説明が急に英語になっちゃうんですね。
 例えばそのほかにも、主なところはウィンドウズのメディアプレーヤーで再生ができるんですね。いわゆる動画になるわけです、東京の主な名所。これもすごくいいことだと思うんですね。ところが、動画のナレーションは、繁体字のページにもかかわらず、日本語もしくは英語なんですね。そうすると、せっかく各国の方が、東京に行こう、日本に行こう、観光しようと思っていても、ツークリックかスリークリック目で自分の言語とは違う英語もしくは日本語になってしまう。
 私、これ、もちろん予算のこともあると思いますよ。当然あると思います。あると思いますけれども、世界最大級の都市東京でありますし、今回こういう立派な振興プランができたわけでありますから、すべての案内や解説を各言語で行うことが私は望ましいと思います。
 もちろん、今後、利用者ニーズに応じた観光情報を提供するために、繰り返しますが、予算のこともあると思いますけれども、ウエブサイトの一層の充実を今後図っていくべきだと思いますが、お考えをお伺いいたします。

○中尾根観光部長 多くの外国人旅行者に東京を訪問していただくためには、海外に東京の魅力を積極的に伝えることが必要でございます。このため、ウエブサイト「東京の観光」におきまして、イベント情報や交通等に関する情報を八言語九種類で提供しております。年間のアクセス件数は一千八百万件を超え、国内外の多くの方々に利用されています。
 今後、個人旅行者や旅行事業者等の利用者のニーズに対応した効果的な情報提供を検討してまいります。

○門脇委員 その答弁を了解いたしますけれども、ぜひこのことについては、本当にくどいようですが、予算のこともあると思いますが、私は、先ほど申しましたように、全体的な東京都の観光案内ページの各言語対応というのは非常によくできていると思うのです。だからこそ、先ほどいった趣旨で今後十分に検討を、これは、簡体字、繁体字のことだけではなくて、ほかのスペイン語とか、フランス語とか、ドイツ語とか、すべてについて対応を検討していただくことを強くお願いいたしておきます。
 次の質問です。
 私たち日本人の海外旅行者にとって、極めて治安のいいといわれている国でしたら別ですけれども、ただ、全体的に一つの国が治安がいいといっても、大きな国になりますと、各都市によって、例えば西海岸のAという都市は非常に治安はいいけれども、東海岸のB--別にアメリカのことをいっているわけじゃないんですが、今は実はその逆になっているわけですけれども、Bという都市は非常に治安が悪いというケースもある。その際に非常に参考になるのは、外務省がつくっております海外安全ページ、これは本当に役に立ちます。
 今申しましたように、国別もそうですが、都市別に、特に、観光案内というより治安の問題なんですけれども、充実をしておりますし、更新も非常に早い。諸外国の都市で、例えば何かテロが起こった場合、翌日にはその情報がアップされて、例えば退避勧告とか、渡航自粛勧告とか、あれは四種類か五種類レベルがあるんですね。そういうことも出ているわけであります。
 そういう状況を見ると、それは各地の日本大使館が収集をしていると思いますけれども、逆に、他国の東京に対する情報というのはどうなっているかということは、私だけではなくて皆さんも気になられると思うのです。
 そこで、都内には在邦の大使館はほとんど集まっているわけですけれども、それらの大使館等を通じて情報発信というものを、治安の問題だけではありませんけれども、観光等の問題についても今後十分な連絡調整を図っていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○中尾根観光部長 都内の大使館を通じた観光情報の提供は、訪都外国人への情報提供の有用な手段の一つでございます。このため都は、都内二十六の在京大使館にハンディーガイド及びハンディーマップの送付を行ってまいりました。
 また、在京の大使館のホームページに、東京都のホームページへのリンクを張ることの働きかけなど、外国人旅行者に役立つ情報提供を行っているところでございます。

○門脇委員 東京が持っている特殊性というか、先ほど申しましたように、ほとんどの大使館が都内にあるという好条件というものもぜひ生かしていっていただきたいと思います。
 あと二問でございます。
 もちろん、私たちは東京の観光ということを論議しているわけですから、東京メトロポリタンを打ち出していくことは大変重要なんですけれども、それと同時に、首都圏、もちろん京都、奈良とはいいませんけれども、首都圏あるいはそれをやや広げた地域と連携をするということが必要だと思います。
 なぜこういうことを申し上げるかというと、やはり国によっても多少差はあると思うのですけれども、まだまだといったら当該都市に失礼ですけれども、外国からお見えになるお客様は、やっぱり箱根であり、日光でありという部分というのがたくさんあると思うのですね。位置づけが高い。都内で申し上げれば、大変いいまちですよ、私も大好きなまちですけれども、やっぱり浅草仲見世に行くと。外国人の方は多分あそこは密度が一番高いのじゃないかと思いますけれども、やっぱり浅草なんですね、外国人の方は。これは都内ですけれども。
 もう一つは、民間企業でありますけれども、東京ディズニーリゾート、申し上げるまでもありませんけれども。今、中国からたくさんのお客様が来ております。台湾からも来ております。韓国からも来ておりますけれども、ほぼ一〇〇%東京ディズニーリゾートにはいらっしゃっているということも聞いたことがあります。
 もちろん、東京という地域レベルで考えれば、多摩や島しょの観光ということもとっても大切でありますけれども、今申し上げました首都圏の連携、関係強化というものが、私にはいまいち見えてこないんですね。ですから、今後の取り組みを含めて、今やっていることも含めて、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

○中尾根観光部長 外国人旅行者を誘致するためには、首都圏の観光資源を有機的に結びつけ、自治体間の連携を図っていくことが重要でございます。これまでホームページの相互リンク、メディアや旅行者の招聘事業、海外での旅行博覧会への出展など、共同事業を行ってまいりました。
 平成十八年度には、東京、千葉、神奈川、埼玉の一都三県において、オーストラリアからの旅行会社を共同で招聘し、浅草、箱根等を体験していただいたところでございます。
 今後も引き続き近隣の自治体との連携により、首都圏の魅力向上を図り、旅行者誘致に取り組んでまいります。

○門脇委員 最後の質問です。
 この観光産業振興プラン(素案)でありますけれども、この中にもありますけれども、観光資源の開発として、いわゆる水辺空間の魅力向上、大変すてきな言葉であります。アメリカはそうでもないと思うのですけれども、やはり世界的な観光都市である、例えばパリにしろロンドンにしろ同様でありますけれども、川にしろ海にしろそうなんですけれども、水辺空間というものが非常に大切にされていると思いますし、皆さん方のご認識も多分同じだと思います。
 ですから、東京は川もありますし、運河もありますし、東京湾もありますし、この部分での必要十分条件というのは、私は十分にそろっていると思います。具体的な施策で網羅されてはおりますけれども、ただ、一つ申し上げれば、これは港湾局との関係等もあるのかなという思いはいたしますけれども、東京港というよりも、東京湾ですね、ベイオブ東京、こちらの方の部分が少し弱いというふうに感じることがあります。魅力ある東京港、東京湾の水辺空間、他都市との連携した打ち出し。他都市というのは、要するに東京湾に隣接をしている都市ということですけれども、この都市と連携した打ち出しが必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○中尾根観光部長 東京湾を初めとする首都圏の多彩な観光資源を生かし、広域観光を推進するため、八都県市では、平成十七年に首都圏ツーリズム基本構想を取りまとめ、東京湾を人の移動や観光振興に活用していくこととしております。
 その具体化を図るため、平成十八年度には、八都県市、商工会議所、観光協会、国などが参加する実行委員会を立ち上げたところであり、平成十九年度には新たな旅客航路の運航実験や広域周遊観光コースの提案など協働事業を実施する予定でございます。
 都は、観光産業振興プラン(素案)に、広域連携による東京湾を生かした舟運の形成を戦略的取り組みに位置づけたところであり、東京湾岸の観光スポットを結ぶ魅力ある舟運ネットワークの形成等を促進してまいります。

○門脇委員 ありがとうございました。何点かお伺いしてまいりましたが、冒頭申しましたように、今回のプランは、素案とはいえ、実施計画、マニュアル的な要素の大変強いものだと思います。時間がかかるものもあるかと思いますけれども、東京が世界的な観光都市になるように、実現できるように、この文書の中でも、戦略的取り組みという言葉が何回も出てきますけれども、私は、観光行政については、上に営業という言葉をつけても決しておかしくないと思うんですね。営業的戦略的……何かおかしいな。まあ意味はわかると思いますけれども、そのくらい重要な、逆にいえば非常にやりがいのある、夢のある施策だと思いますので、観光部を中心としてぜひ頑張っていただきたいと思います。

○鈴木委員 私の方からも三点お伺いしたいと思います。
 その前に、先ほど田中委員の方から東京マラソン--フルで走ったんですか。おめでとうございます。理事者の中にも走った方、お手をちょっと挙げてみてくれる。(笑声)中澤君、挙がっておる。わかっている、ちゃんと、テレビ見たよ。何名います--一人だけか。私はテレビにかぶりつきでしたけれども、体力を増強して来年は走ろうかなという願望はあるんですけれども、追いつかない場合はご遠慮させていただきたい。
 こういう話題からちょっと入りまして、でも、波及効果は、NHKテレビで見たら百億円といっていましたけれども、どこから算出したか知りませんけれども、見物人が百数十万と書いてありましたね。これはけたたましい算出計算になると思いますけれどもね。そういう意味で、これは大成功の部類に入ったのではないのかと思っております。走った方、ご苦労さまでした。
 さて、私の方から、三つのうちの第一番目でありますけれども、率直に、ざっくばらんにちょっとお聞きしたいと思います。本来、遠藤委員が質問するのですけれども、インフルエンザで倒れちゃったものですから、代理で質問いたすものですから、そしゃくし切れていない場合は、私、個人的な見解を申し述べながら質問をさせていただきたいと存じます。
 技術専門校関係で、職能開発の問題で、この小冊子の中から質問させていただきたいのですけれども、この中で、東京都の施策の展開、一五ページですね、推進役としての機能の強化、それからプレーヤーとして、いわゆる人はどうかかわっていくのかというふうに、明快に二つの分類をしておりますけれども、これはこれで私は結構なことだと思っております。今後五年間の東京都における職業能力開発の基本的な方向を定める案でございますから、大いにこれがきちっとスタートできて、また行政の中で大きく貢献されますることをこいねがって質問いたしたいと思います。
 今申し上げたとおり、二つの路線があるわけですね、今のこの分野で。その場合、一つ目の推進役というのは、代表質問等々で既に論理を展開していますから、これはこれとして置いておいて、二つ目のプレーヤーとしての観点の問題について質問をさせていただきたいと思います。
 やはり何といっても、この問題のポイントは、都内に十六カ所の技術専門校がありますね。ものづくり分野を初めとして幅広い事務、サービス関係の科目等々を実施していると私は思っておりますけれども、そのとおりだと思います。しかし、さはいえども、雇用を取り巻く環境というものは大きく変化をしている。少子高齢化に伴う労働力人口の減少、ごくごく当たり前の言葉を私は並べ立てていますけれども、ニート、フリーターなど若者の就業問題、これも過日の代表質問等々で触れさせていただきました。
 こういう中にあって、環境の変化に対応するために訓練科目を常に時代時代の中で見直していく作業、万古不易論に立つ大ばか者であってはいけないと思います。時代の中で適宜適切に見直していく作業はやはり必要ですよね。社会のニーズは当然あるわけでありますから、今後の方向性についてまず伺っておきたいと思います。どうでしょうか。

○三森参事 団塊世代の大量退職などによりまして、中小企業は基盤技能を担う人材の育成、確保に課題を抱えております。一方、雇用情勢は、改善傾向にあるものの、若年者の就業や高齢者、育児離職後の女性などの再就職は依然として厳しい状況が続いております。
 こうした課題に対応してまいりますため、都が行う公共職業訓練につきましては、産業の基盤技能を支える人材を育成するための訓練と、セーフティーネットとしての就業促進を図るための訓練に重点化していくこととしております。
 基盤技能に関する訓練につきましては、機械、電気、建築、印刷など、東京の産業特性等を踏まえました科目の展開を図り、産業界とも連携しながらニーズに合った訓練を実施してまいります。
 セーフティーネットとしての訓練につきましては、従来から実施してきました訓練に加えまして、より就業が困難な者を対象としました訓練を実施することといたしました。
 具体的には、若年者向けとしまして、コミュニケーションなどの就業基礎能力を習得するカリキュラムを組み込んだ訓練ですとか、団塊世代等を対象としました訓練を拡充しますとともに、子育て後の女性の再就職を支援するためのe-ラーニング訓練などを開始いたします。
 また、障害者を対象とします訓練につきましては、受講者の利便性向上のため、身近な地域での職業訓練を開始いたします。

○鈴木委員 きめ細かにやっていますし、またやっていこうということですね。当然そうあるべきでありますし、よろしく推進役として果たしていただきたいと思います。
 当然、若者の--代表質問でやって論理を展開させてもらいましたけれども、技術離れ、ものづくりの場から離れていくという、こうした産業の基礎的な分野を担う人材をどう育成していくか、これは最大の課題であり、この後、論を展開しますけれども、振興戦略の中でもやはり大事な視点として書かれているわけでありますから、その中にあって、私がいいたいのは、やはりセーフティーネットとしての訓練に重点化していくことも極めて大事だと思っております。
 そこでもう一つ、違った視点でいいますと、私は地元に、荒川区でありますから、共立学園、国際理容美容専門学校、地元のサンパール大ホールを満杯にするほどの入学式、卒業式が行われている立派な各種学校が一つあります。来賓のあいさつをするんですけれども、やはり目を輝かせている生徒さんですね、学生さんといいましょうか、そういう方々を踏まえて、専修学校、各種学校に学ぶ人たち二十万人といわれています。それだけ普及しているわけです。
 そういう中に、一方、東京都の技術専門校の施設の、ここの定員は約七千名と聞いておりますけれども、間違っていたらお許しいただきたいのですが、七千名というと、片方二十万人が各種専修学校に行って、片方では東京都の技術専門校へ七千名という、その辺で、数云々ということではありませんけれども、サービスを享受する対象者は限定されていると私は思います。限定されていますね。
 今の時代、やはり官から民というその流れを考えてみたときに、役割分担というものがやはり必要になってくると思いますし、当然そうあるべきだと思います。もちろん、東京都が果たす役割も大きいですけれども、民は民で果たす役割、官は官で果たす役割というものの分担、公共はどういう任務であるべきかという、そういうことをきちっと根っことして、コアとして抱えていかなければいけないと私は常々思っておりました。
 そこで伺いたいのでありますけれども、今後の職業訓練において、民間の力をどのように生かしていくのか。俗っぽい言葉でいうと、活用していくのかということをお聞かせいただきたいと思います。

○三森参事 東京には、今先生お話がありましたように、相当な規模の民間教育訓練機関が存在しております。そのため、公共と民間との役割分担を図りますとともに、両者が連携強化しまして、公共・民間総体として都民のキャリアアップを支援していくことが重要でございます。
 このような点から、主に新卒者を対象として、一年以上かけて技能者を養成する普通課程の科目のうち、民間で十分な規模の訓練が行われており、公共職業訓練として実施する必要性に乏しい科目につきましては、積極的に民間に任せることとしております。
 一方、離転職者を対象とします早期就職を図るための短期課程につきましては、求職者の適性や経験、就業ニーズに対応した多様な訓練科目を設定しますため、民間の委託訓練を効果的に活用していくこととしております。

○鈴木委員 今ご答弁をいただいたそれを踏まえて、この間、民間の活用の手法として、市場化テストがあると思います。国においては既に市場化テスト法が実施、施行されて、本格導入が図られているというふうに聞いておりますけれども、東京都でも、昨年の七月に発表されました行財政改革実行プログラムにおいて東京版市場化テストのモデル事業を技術専門校において実施することにしたと。十一月には、技術専門校で十九年度に実施する科目のうち、七科目について、市場化テストの対象として、全国初となる官民競争入札を実施したはずであります。
 その結果、資料にも出ておりますけれども、東京都の実施が一科目、民間事業者の実施が六科目。この官民競争入札の実施に当たって、東京都では、いってみれば第三者を入れた市場化テストモデル事業監理委員会を設置して、十分なチェックを行っており、私は厳正になされたと思っております。
 結果は結果として厳粛に受けとめなければなりませんけれども、民間事業者に公共職業訓練を任せることには反対という声を上げる方も一部におるやに仄聞もいたします。でも、やはり市場テストは、コスト削減という一部この分野と、公共サービスの質の向上を目指すという方向性は私は間違っていないと思います。間違っていない。でも、さはいえども、初めてのことでありますから、未知の部分もあると私は思います。東京都が、民間事業者による職業訓練が確実に実施されているか、これはやっぱりきちんと検証しなければいけない分野だと私は思っております。
 そこで、東京都として今後どのように民間事業者が実施する職業訓練をチェックしていくのか、それを具体的にお聞かせいただきたいと思います。

○三森参事 民間事業者が実施する職業訓練をチェックする方法といたしまして、モニタリングを実施いたします。このモニタリングは、提案された事業計画書の訓練内容が確実に実行されているか、目標就職率を達成しているかなどをチェック項目といたしまして監視するものでございます。
 具体的には、定期的あるいは必要に応じまして、業務管理体制や就職支援の実施状況、指導員、講師等の体制、施設整備等の管理状況などを実地調査により確認するものでございます。
 また、講師名簿や月間の時限表、生徒日誌、苦情への対応状況などの関係書類の提出を求めまして、その内容をチェックしますとともに、受講生の満足度につきましても、アンケート調査等により把握することとしております。こうした取り組みにより、民間事業者により適切な訓練事業を確保してまいります。

○鈴木委員 今お答えをいただいたものであれば、私は了としたいと思います。きちっとしたチェックをということでありますから、満足度だとかいろんなことがありますね。ぜひその辺の検証をして今後の参考にしていただきたいと要望しておきたいと思っております。
 次のテーマに移ります。
 今、門脇理事からも観光についてるるお話がありました。私も冒頭このような印象を持っているんです。この観光の冊子を見て、やはり縦割り行政の影響というのは出ているんだよね。港湾局の、私が四定の代表質問の原稿を書いたときに、魅力づくりに不可欠な客船誘致の問題、いわゆるフライ・アンド・クルーズという言葉を使ったんですけれども、そういうものはこの中にも入っていない。そういう発想。東京湾、横浜港、東京港とか、これから団塊の世代が多く利用するであろうクルーズの問題、羽田を中心とした羽田空港、いわゆる中距離路線をやる、そういう面での誘致合戦というものはたくさんあるわけ。横浜港は日本郵船の拠点になっているわけですよね。晴海の方は三井商船という、どっちかというと大負けの部類の方ですわな。そういう面で、やはりもっと、できれば目を開いて活動してほしいということを申し述べながら、願望として、これを云々することは避けますから。これは質問しないですよ。そういうことが根底にあるということで、きょうはそういうことは一切質問しませんけれども、人材という面で、ぜひ私、二点ほど人づくりという面で質問させていただきたいと思っています。
 この観光産業振興プランの中で、七百万人とか、経済波及効果とかいろんなものが出ていますけれども、やるもやらないもやはり根底に、先ほどの場所の問題もあるだろうし、人の問題も大きくかかわってくるでしょうね。それぞれの地域の中に足を運んでくれた人々が、どうやってそこに憩い、そして、来てよかったという発想を持って再びリピーターとして来られるかどうか、やっぱりそれがポイントだと私は思います。
 そういう地域のリーダーをつくっていく観光まちづくりに取り組むことのできる人材の育成が一番根っこにあると私はいつも申し上げているのですけれども、東京都のこれまでの取り組み、観光に携わる場合の人づくり、いろんなことがこれまで取り組まれてきたと思いますけれども、それをちょっとお答えいただきたい。

○米原参事 東京の特色ある観光資源を活用し、国内外からの旅行者を受け入れ、地域経済の活性化を図るためには、地域が主体となって、住む人が誇れ、旅行者が何度でも訪れたくなるような観光まちづくりを推進していくことが重要であります。
 そのため、東京都は、平成十六年度及び十七年度に観光まちづくり東京プランナー塾を開催し、地域の中心となって観光まちづくりに取り組む人材の育成を行ってまいりました。
 十八年度からはこれをさらに発展させ、首都大学東京における国際観光都市・東京講座を開設し、観光に関する総合的な知識を習得するための講義、観光まちづくりの演習、現地視察などを行っております。
 これまで三年間で、地域で観光まちづくりに取り組む意欲のある百三名の方が修了し、都内のさまざまな地域で観光まちづくりに取り組んでいるほか、地域相互間の交流も促進されております。

○鈴木委員 今お答えいただいた国際観光都市・東京講座の開講と。やはり中身の濃い、講師の方々もそれなりの見識を持ったすばらしい方々が入ってやってくださっているわけですね。私はこれは大いに広報宣伝していただく価値のあるものだと思っていますから、頑張ってください。やはり、人というものに焦点を当てていきたいという側面から質問をいたしておりますので。
 二番目の質問でありますけれども、そういう方々が地域で頑張っている。そういう方々がやはり、観光まちづくりの取り組みの中で、他の地域と連携をしながら成功した事例も恐らくあるでしょう。時間の関係ではしょって質問しますけれども、やっぱりそういう問題を、皆さん方ホームページだとかいろんな面で成功事例を大いにPRしていただきたいと思います。率直に申し上げて。そういうものが積み重なって、ああ、東京都も一生懸命やっているんだなと。それが、先ほどの田中委員、また門脇理事からのご質問に結びついてくるものと思っております。どうでしょう。

○米原参事 東京都はこれまで、観光まちづくり東京プランナー塾の修了者に対し、地域における観光ルートの発掘やイベントの改善策の検討等実践的な演習を実施するなど、観光まちづくりの取り組みを支援してまいりました。その中で、空き店舗を活用した観光情報の提供や、伝統文化の体験メニューづくり、新たな観光推進組織の設立など、他の地域における取り組みの参考になる事例も生まれてきております。
 都内におけるこれまでの取り組み事例の中で、他の地域の参考になるものを整理し、十九年度に開催する国際観光都市・東京講座において活用を図ってまいります。
 今後、事例集の作成やホームページの活用など、効果的な情報提供のあり方についても検討してまいります。

○鈴木委員 ぜひお願いしたいと思います。皆様のしっかりとやっているご努力に対して、我々評価をしなければならないものはきちっとしますから。そういうことでありますし、また、職能開発の方のテーマにしても、一生懸命局の方としてやっていらっしゃる。もちろん民間との仕切りはきちっとやっていくというご答弁もいただいているわけですから、頑張ってくださいね。だれが何といおうと我々守っていきますから、局長、理事者、安心してやっていただきたいと思っております。この後からそういう問題が出ると思いますけれども、あらかじめいっておきますから。
 次に、時間の関係で三十分の予定を二十五分で終わらせるということで委員長に協力しなければなりませんものですから、はしょって質問をさせていただいております。本当は一時間ぐらいやりたいのだけれども、遠慮させていただきます。
 三番目のテーマは、産業振興基本戦略素案のテーマであります。これも代表質問の中で、さきの基本戦略の問題の中で我が党としてきちっととらまえておりますので、そっちの方はいわゆるハード分野の方の問題をどうするかということでありますから、ここでは人づくりという観点で何項目かちょっと聞いておきたいと思います。
 戦略の4で、産業を牽引し支える人材を育てるという、言葉は羅列されていますけれども、読んでもそれはなかなか理解できないんです。でも、実現に向けてというのがあるわけですから、それを待たなければなりませんし、ここで、ああだこうだと大上段に振りかざして云々という、重箱の隅をつつくようなことは、質問はそういう質問じゃありません。やっぱり、王道の質問をしないと失礼になりますから、覇道の質問はしません。
 こういう中で、まず一点目でありますけれども、国際競争の激化の中で、知識・技術と市場を結ぶ人材と呼んでいるのですけれども、こんな表現を使っていますよね。具体的にどのような人材が必要とされているのか、私も認識を深めたいと思いますが、お答えいただきたいと思います。

○猪熊産業企画担当部長 経済のグローバル化が進む中で、産業の競争力を高めるためには、市場ニーズを的確に反映した製品開発ができる人材、あるいは新たな市場を生み出すような独自技術やサービスを開発できる人材の育成が求められております。産業を牽引する人材の具体例といたしまして、技術と経営の両方を理解し、市場に即した商品企画などができる技術経営人材、いわゆるMOT人材や、企業における知的財産の戦略を企画立案できる知的財産活用人材、あるいは産学公連携のコーディネートを行う人材、創業や第二創業といった新事業の立ち上げを担う人材、こうした人材などが挙げられます。

○鈴木委員 はあ、そうですかと聞くだけなのでございますけれども、さらに、部長、今聞いてみて、技術経営、MOTですか、それから知的財産活用人材とか、いろいろ並べ立てられていますけれども、これからの課題だと私は思います。
 そこで、基本戦略の中で、産業を牽引する人材の育成について、従来型の枠組みを超えた実効性の高い人材育成が課題と位置づけておりますね。では、具体的にはどんな取り組みを今後進めていくのか、皆さん方のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○猪熊産業企画担当部長 産業を牽引する人材の育成においては、知識や技術を体系的に理解するとともに、理論を現場に適用する力を身につけることが重要でございます。このため、産学協同により産業界のニーズを的確に反映した実践的な人材育成プログラムの構築を行ってまいります。
 具体的な例といたしましては、アニメ業界と教育機関が連携して取り組みますアニメクリエーター育成のための体系的教育カリキュラムの開発の支援などが挙げられます。
 また、従来の座学中心の講義中心の教育だけでなく、実際の企業に起きた問題事例などを題材といたしまして、その問題解決に取り組むことにより、実践的なノウハウを体得するPBL、プロジェクト・ベースド・ラーニングの手法を活用することなどが有効でございます。
 具体的な取り組み例といたしましては、東京都と産業技術大学院大学との連携により今年度から実施しておりますスーパーデザイナー養成講座や、来年度実施予定の技術経営人材(MOT)養成講座などがございます。
 さらに、実践的な環境の中で、ものづくり企業の技術者が能力を高められるよう、大学や試験研究機関の研究者と企業の技術者の研究交流の活性化を図ってまいります。

○鈴木委員 最後に局長の決意を伺う前に、部長ですね、今、人材ということではしょって質問をいたしましたけれども、最も一番の根っこのコアの部分でありますから。どんなにいろんなものができても、最後は人間ということになるわけですね。
 例えば、「世界の日本人ジョーク集」というのを私は今おもしろおかしく読んでいるんですけれども、こんな事例がありますね。技術者の違い。日本人とロシア人の技術者が車の気密性について話し合っている。
 日本人技術者の場合は、我が国では気密性を試すためには猫を一匹車の中に入れておくといい、そして、次の日に猫が窒息死していたら、気密性は十分だと思うと。
 ロシア人技術者。我が国では気密性を試すためには猫を一匹車の中に入れておけばいい。そして、次の日に猫が車の中に生きていれば気密性は十分だ--意味はわかりますね。ドアがあけばいいんだと、そんな感じなんだ、ロシアの方は。やっぱり技術の違いというものはこういうジョーク集の中にあるんですけれども、それだけの日本人の技術力、人間の育て方というのはこの中にいみじくも出ているわけです。これ以上あげつらうことは今いたしませんけれども。
 最後に局長、冒頭に申し上げた観光の問題等も当意即妙に答えていただいて、幅広い意味で東京の振興策と今の戦略プラン、まとめてお答えをいただければと思います。

○島田産業労働局長 先日、企業を訪問した際、ちょっとびっくりしたことがあるんですが、都庁では人事部といっております、普通の会社も人事部ですが、ここの会社は人財部でございました。「人材」ではなくて、「人財部」という表記がなされておりまして、ちょっと感激いたしまして、その後社長に尋ねましたら、自分が人事部長のときにこの人財部という言葉に直したと。ここは成功している企業なんですが、やはり組織が成功することの前提の一つは人づくりかなと思って改めて考えておったところでございます。
 先生お話しありましたように、いろいろありますけれども、団塊の世代が今大量退職、そして雇用の流動化、若者たちの価値観は我々わからないぐらい多様化しております。こうした社会情勢の変換にありまして、企業の人づくりもまた時代の変換点を迎えているのではないかというふうに考えております。
 そのため、先ほど猪熊部長からありましたが、四つの柱を基本戦略では挙げまして、その中の一つに人づくりという項目をつくったところでございます。ただ、人づくりといいますと、企業の人づくりということの範囲だけで考えるのではなくて、教育だとか地域だとか、そういった広い意味での社会全体として取り組む課題であるというふうに考えております。
 そうしたことから、直近の取り組みでございますが、来年度は都内四つのブロックに技術専門校を分けまして、そこのトップに職業能力開発センターというものをつくりました。そこで、地域の産業界、教育機関などを巻き込んだ協議会をつくりました。地域に根差した人材育成に取り組んでいくところでございます。
 また、観光の人づくりというのもありますが、やはりほかの大都市、パリだとかロンドンと比べまして、観光に対する歴史といったものが違うのではないのかと。そういった人づくりもやはり大きな柱として、まちづくりとあわせましてつくっていくことが重要であると考えております。
 こうしたいろいろ視点がございますが、関係機関、関係団体と連携を強化いたしまして、人は財産と、私、これを一つのキーワードにいたしまして、今後、企業の人づくりに向けまして積極的に取り組みを行っていきたいと考えております。

○石毛委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時四十六分休憩

   午後二時五十八分開議

○石毛委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言をお願いします。

○小竹委員 私は、大きく分けて三つの分野についてご質問したいと思います。
 最初に、産業振興基本戦略と中小企業ものづくりについてお伺いしたいと思います。
 大企業は史上空前のもうけを上げる一方、日本の経済の主役である中小企業は減少が続き、東京の企業倒産数も二千四百十四件、四年ぶりに二・八%の増になっています。石原都知事は、この八年間、中小企業予算を今年度まで七年連続で減らし、三割もカットしてきました。来年度、二〇〇七年度は増額したといいますけれども、実際上は臨海部に移る産業技術センターの用地費がふえたにすぎません。それを差し引くと、やはり八年前と比べてみたときに、六六%まで落ち込んでいます。また、産業支援の施設で見たときに、中小企業の相談や経営改善、調査研究など、専門的な力を発揮していた商工指導所が二〇〇〇年に廃止される、また、今年度は試験研究機関である産業技術研究所を独法化して、それを廃止統合して臨海部へ移設するなど、中小企業施策の面からも後退を続けているという現状です。
 一月末に東京都産業振興基本戦略が発表されましたけれども、中小企業の実態を反映したものになっていない、中小企業の姿が見えないというふうにいわれています。東京都産業基本戦略は、「十年後の東京」を基本ベースにして組み立てられていて、三環状道路の建設整備を前提にした多摩のシリコンバレーと、そして東京の産業を重点産業に特化する支援というふうなことが中心になっています。多摩のシリコンバレーは、三環状道路を何が何でも建設させるというものに合わせたものにほかなりません。ものづくりでいえば、イノベーションを強調して、国際競争力の強化などが打ち出されて、重点産業に特化されています。
 「十年後の東京」には、全く商業ということが載っていません。今回の基本戦略には、商店街の振興ということが一項目取り上げられてはいます。私は、ここに述べられている戦略そのものを否定するわけではありませんけれども、率直にいって、東京の中小企業が抱えている問題を解決して発展させていくことがこれでできるのかということ、そして東京の経済を支えている中小企業を活性化させることができるのかという点で疑問を抱かざるを得ません。その点から、中小企業、特にものづくりの面から問題を見てみたいと思います。
 中小企業は、これまで東京の経済を支えてきた、そういう意味では、支え、発展させてきた主役です。この主役にふさわしい状況になっているかどうかということが、やはり東京の産業を振興させる基本だというふうに思いますけれども、この間、中小企業は倒産、廃業で減り続けています。委員会資料で見ても、製造業は三割も減少して深刻な状況に陥っています。東京における産業集積にも大きな影響が出てくるのではないかという心配を持っています。
 そこで伺いますけれども、石原都政八年間で見たときに、都内の地域別、地域ごとの産業の集積がどのぐらい減っているのか、また業種別に見た場合、どのような業種に減少が多いのか、まずお伺いします。

○新田商工部長 都内工場数につきまして、工業統計調査をもとに平成十年と平成十七年を比較いたしますと、地域別には、工場数の減少数が多い地域は、城東、多摩、城南の順番となっておりまして、減少率が大きい地域は、都心、副都心、城西の順でございます。
 これを業種別に見ますと、工場数の減少が大きい業種は、印刷・同関連業、金属製品、衣服その他の順でございまして、減少率が大きい業種は、衣服その他、皮革・同製品、その他業種の順となっております。

○小竹委員 数的に見ると、やはり企業数が多いところで減っているというのが、これは地域でも業種でも同じ状況だというふうに思うのですね。率で見ると、地域の場合には違うのですけれども、業種で見ると、今出していただいた業種については、減少率も減少数も、かなり東京の産業の上位を占めているという点では、私は、これらの業種が本当により厳しい状況に置かれているのではないかというふうに思いました。
 次に、こういうものづくりを支えている中小企業の八割は、十人未満の零細な企業になっていますけれども、倒産、廃業で減少した企業で見た場合に、その規模はどういう状況にあるのか、お伺いします。

○新田商工部長 やはり同じく工業統計調査をもとに、平成十年と平成十七年におきます都内工場数を比較いたしますと、減少した工場数の約八割は、従業員数十人未満の企業が占めております。

○小竹委員 十年間で二万三千社、三四%が減っているんですね。そのうち一万八千五百社が、今お答えいただいたように十人未満のところで八割を占めているという状況で、中小零細の企業がいかに厳しい経営状況に置かれているかということを、このことは如実に示しているのではないでしょうか。東京の経済を支えてきたそういう中小企業の基盤そのものが崩されつつあるという状況であるわけですから、そういう面でも、この分野をどうするのかという視点が必要だと思います。これを放置しておけば、貴重な東京のものづくりの技術が失われていくことになりかねない状況だというふうに思うのです。
 今いろいろご答弁いただいたのですけれども、これは工業統計調査に基づくものだったわけですが、これでは、中小企業が抱えている問題については全く見えてこないわけですね。生の実態というのは反映されていないというふうに思うんです。そういう意味でいうと、中小零細の経営の実態、それから抱える問題、困難な問題や悩み、要望、そういうものをやはり東京都として直接つかむ必要があるのじゃないか。
 今回も意欲あるというふうな取り組みでいわれているわけですけれども、東京の産業を支えてきた、こういう分野の実態を本当にきちんと調査すべきだというふうに思うのですけれども、見解をお伺いします。

○新田商工部長 都は、産業全体の基本的な調査でございます事業所・企業統計や産業別の工業統計、商業統計、特定サービス産業実態調査を実施してございます。また、毎月の動向につきまして景況調査を行っております。さらに、毎年一万社を対象としましたアンケート調査を行う中小企業経営の現状などを実施しているところでございまして、現在、これらに加え、事業承継に関する実態調査も実施しております。
 また、私ども産業労働局にいろいろご相談に見える中小企業の皆様、さらには中小企業振興公社の総合相談窓口における中小企業の皆様の生の声を日々お聞きしておりまして、こういったものを施策の充実にも反映させているところでございます。
 都といたしましては、こうした多角的な視点から中小企業の実態を調査分析しておりまして、改めて、お話しのような実態調査を行う考えはございません。

○小竹委員 実態調査は改めてしないという理由をいろいろ述べられたわけですけれども、最初にお答えいただいたものについては、数量的なものはわかると思うのですが、東京の産業がそれぞれの地域ごとの集積がどうなっているかとか、業界やなんかはどうなっているのかという点でいうと、本当に生々しい実態は、この範囲では反映されていないというふうに思うのです。
 今、中小企業の分野についても、貧困と格差の二極分化が起きているというふうにいわれています。中小零細企業が必死で地域を支えているわけですから、こういうところにこそ支援の手を差し伸べる、そして経営の底上げをして元気にする、このことがやはり東京としてやらなければならない重要な課題だというふうに思うのです。
 先ほど局長が、現場を大切にして声を反映させてというふうにおっしゃられましたから、私はそれをぜひ、そういう面でも現場の声を聞く実態調査をやっていただくよう、強くこれは要望しておきます。
 次に、中小企業が抱えている問題、こういうのも、実態調査をやれば反映されてくるかなと思うのですけれども、困難な問題の一つに、従来、準工業地帯というのは工場がたくさんあったわけですけれども、それが廃業や倒産によって工場跡地にマンションがつくられる、環境が変わってしまっているという、こういう中から起きている問題として、住工混在になって、工場の騒音だとかにおいだとかが周りから苦情となって出されている問題があります。そういう面から非常に営業が大変になっている職種があるわけですけれども、本当に地場産業を守るという、そして、現在位置で営業を続けていけるようにするために、私は支援が必要だと思うのですが、この点についての見解をお伺いします。

○塚田金融部長 中小企業が近隣対策として行う防音、防臭工事などにつきましては、設備資金として制度融資の対象といたして金融支援を行っているところでございます。

○小竹委員 私、融資は大事だと思うのですね。それを否定するつもりはないのですけれども、融資だけでは、本当に対応できないような状況になっているんですね。地場産業というのは、これまでその地域の経済を支えてきたわけで、そこで営業を続けていけるかどうかという点での重大な問題があるわけですけれども、続けるためには、改修など非常に多額の資金を必要とするわけですね。今のこういう経営状況ですから、先ほどもいったように、零細なところほど資金繰りが大変という状況があるわけで、自助努力ということだけに任せておいたのでは解決できない深刻な問題があると思います。できるところはご自身でなさるわけだけれども、そうではないところに対してやはり支援の手を差し伸べるということは、雇用を守る上からも私は重要だというふうに思うのです。
 東京都は、臨海三セクに対しては、救済のために、産労局も含めてですけれども、多額の税金を投入してきています。しかし、都民のためには、個人の財産だというふうな形で一切そういう支援策をとらないというのは、私は矛盾しているというふうに思うんですね。個人の財産支援ということではなくて、やはり地域経済を守る視点というのが大きいというふうに思いますし、そのことは、雇用の問題だとか地域経済の問題だとか、大きく効果を上げることができるわけですから、検討の余地があるというふうに思いますので、ぜひこれは前向きに検討していただくように要望しておきます。
 次に、東京で見るとそんなに大きな違いはありませんけれども、城南だとか城東、多摩の場合に、製造工場、ものづくりの工場の減少率が、先ほどいわれた中央部分に比べて少ないという点では、私は、産業技術研究所だとか、この地域には産業技術研究所も中小企業振興公社もありますから、そういうところが果たしている役割が大きいのじゃないかと思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。

○新田商工部長 今お話ございました産業技術研究センターあるいは中小企業振興公社につきましては、広域的な支援機関としてさまざまな支援を行っているところでございまして、立地周辺地域のみならず、都内全域を対象にしたサービスを提供しているものでございます。

○小竹委員 都内全域を対象にしているのは十分承知しているのですけれども、やっぱり身近なところにあるということが、そこの地域の産業集積、実際にやっておられる企業の皆さんの利用を高めているというのは間違いない事実だと思うんですね。
 そういう点から見たときに、私は、かつて経験豊かな中小企業診断士が相談に乗っていた、そして経営改善の指導をしていた商工指導所が、今こういう深刻な状況の中では必要なのだろう、復活させる必要があるのじゃないかというふうに思っています。
 また、技術的な相談を行っている産技研については、多摩と区部のそれぞれ一カ所ずつに集中してしまうのじゃなくて、産業集積に見合うような体制にして、町場の零細な企業も含めて底上げをしていく必要があるのじゃないかというふうに思うのですが、この点についていかがでしょうか。

○安藤参事 平成十三年度でございますけれども、商工指導所が担っていた経営相談等の支援機能につきましては中小企業振興公社に、調査分析機能については本庁に移管して、現在に至っております。区部及び多摩の産業支援拠点は、中小企業の高度化、多様化、こうしたニーズにこたえまして、技術、経営の両面から強力に支援していくことを目的としております。
 この両拠点の整備によりまして、支援機能の大幅なレベルアップと施設、人材の集中化による効率的、効果的な支援が実現するものと考えております。したがって、産業支援拠点の再整備方針を撤回する考えはございません。

○小竹委員 撤回する考えはないということですけれども、一点に集中してしまうという点で考えると、今までのげた履き的な身近なところで行ける機能は、零細なところほど役に立つし、飛び込むことが可能なんですね。それが臨海部の方に行ってしまえば、なかなか利用が困難になるということだけは明らかなわけですから、そういう意味で、今の地場産業なんかが抱えている問題を共同で解決していくという点でも、私は、施設の側が来るのを待つだけじゃなくて、東大阪のように中小企業を訪問して相談に乗ることなどをするという点でいったら、やはり身近なところに置いておく必要があるのじゃないかというふうに思います。この点については、ぜひ今後の問題としてご努力いただきたいことを強く求めておきます。
 この間、産業政策として創業支援が重要だということで、都の方は創業支援に取り組んできていますけれども、私は、創業について支援していくということは非常に重要だというふうに思っていますけれども、今ある企業をつぶさない、今ある企業を元気にして継続して東京の経済を支えていただくという、こういう取り組みというのが非常に重要だというふうに思っています。そういう意味でいうと、東大阪などの取り組みというのは非常に大事だし、東京が地場産業の発展を図っていくという点でも重要だというふうに思いますので、この点は指摘をしておきたいと思います。
 これまで行ってきた事業、大体東京都の施策は三年でスクラップ・アンド・ビルドを繰り返しているわけですけれども、多くの人から歓迎されている事業というのは、私は発展させていく必要があるのじゃないかというふうに思っています。
 例えば新製品・新技術支援事業など、中小企業の皆さんが共同で新製品を開発されているわけですけれども、やっと三年ぐらいたって新製品ができたかなという、こういう段階で支援がなくなってしまうというのは、それを製品化する、商品にする、そういうところまで強めるという点では、販路開拓まで含めた一体の支援策として、事業を継続、拡大していく必要があるのじゃないかというふうに考えています。
 そういう意味で、ぜひ事業の、一体でワンストップでやれるような状況をつくるような施策を考えていただきたいし、そのための場の提供というのも非常に重要だと思うのですね。ですから、技術の問題、経営の問題、そして商品化できるところまで一体のものとしての場の提供というのも重要だというふうに考えますけれども、この点についていかがでしょうか。

○安藤参事 区部、多摩の産業支援拠点を整備しますことによりまして、中小企業の技術開発に対する支援機能の向上が図れるばかりではなくて、両拠点と中小企業振興公社、こちらは法務相談もやっておりますし、いろいろな販路開拓支援等をやっておりますけれども、そうした公社とか商工関係団体などと連携を強化しますことで、製品開発から販路開拓まで効果的な支援が実現するものと考えております。

○小竹委員 東京の経済を支えている中小零細企業の地域的集約を生かす、私は、こういう支援策が求められていると思うのですね。そういう支援策の中で高度な技術が守り、継承されていく、こういう点での支援。また、業種別や分野別の支援も、今、法が改正されたからといってなくなってしまっていますけれども、復活させてものづくりを活気あるものにする、そういう施策が求められているのじゃないかというふうに思うのですが、この点いかがでしょうか。

○新田商工部長 都はこれまで、技術、経営、資金供給の各側面から中小企業への支援を充実してまいりました。さらに、区部と多摩の産業支援拠点の整備によりまして、技術支援機能の向上を図り、産業集積の活性化にもつなげていく考えでございます。
 なお、業種別対策を復活すべきとのお話もございましたが、平成十一年の中小企業基本法の改正の趣旨を踏まえ、都におきましても、業種別振興を柱とする政策から、業種にかかわらず、経営革新、創業など意欲ある中小企業の事業活動に対しまして支援する方向に政策を転換してきたところでございます。
 現在、こうした方向に沿いまして、意欲ある中小企業の取り組みを支援いたしますとともに、東京の産業の基盤を担う中小企業に対しまして、セーフティーネットの考え方に基づく資金供給や事業転換、再生等に向けましたリバイバル支援事業など、きめ細かな支援を実施しているところでございます。

○小竹委員 今、中小企業が抱えている問題から見ると、本当にこれで東京の中小企業を支えることが可能なのだろうかという疑問をますます強くしたところなんですけれども、意欲ある中小企業というのはしばしば基本戦略にも書かれているので、私はそのことそのものは否定していないのですけれども、今大変になっているところを底上げするというのが何よりも大事だというふうに思うのですね。
 先ほど中小企業基本法の問題で変わったんだとおっしゃいましたけれども、国の方だって、ものづくり基盤整備ということで、業種別の支援を自治体を通さずに直接業界や何かにやるような制度が復活しているんですね。だから、そういう意味でいうと、国と違って、東京都として独自の中小企業に対する支援策が当然あっていいのではないかというふうに考えます。
 そういう意味で、今のお答えは、今回発表された産業振興基本戦略路線だなというのを強く感じたのですけれども、そういう点で見ると、今回出された基本戦略が、東京のものづくりを、意欲あるというふうなことの中で、健康、環境、危機管理、航空、ロボットなど、こういう先端産業というか成長産業というのに特化してシフトしていくという状況になっているという点では、これでいいのかという思いがいたします。
 こういう特化された問題について、これは東京の中小企業の実態を調べた上で出されたのか、また、こういう関係業界を初めとした中小企業団体から意見を聞かれて盛り込まれたものなのか、また、どのぐらいの団体から聞き取ったものなのか、お伺いします。

○猪熊産業企画担当部長 東京都におきましては、各種事業の立ち上げに当たり、ヒアリングを行うとともに、中小企業振興公社の企業巡回あるいは産業技術研究センターでの技術相談、「中小企業の現状」という白書等の作成に当たってのアンケート調査の実施などを通じまして、中小企業のニーズの把握を行っております。
 基本戦略の策定に当たりましては、産業振興の将来像に関する懇談会の委員を初めとして、重点産業分野に限らず、五十を超えるさまざまな分野の業界団体や中小企業、大学、試験研究機関などからのご意見を伺っております。
 中小企業からは、IT化が進んでいないこと、業務拡大に当たって立地が難しいこと、団塊世代の退職に伴う人材の確保、育成などについてのご意見が寄せられております。これらの内容を参考にしつつ、基本戦略を策定したものでございます。
 なお、基本戦略についてですが、四つの戦略の一つに重点産業の育成を掲げておりますが、これに特化するということではなく、その他の三つの柱で、経営技術の支援や人材育成など、あわせて進めることとしております。

○小竹委員 特化するのじゃないということではありますけれども、第一の柱がやはりそこのところに重点が置かれているのは、見れば一目瞭然じゃないかというふうに思うんですね。基本戦略の中に競争力の問題がかなり強調されて、国際競争型の中小企業というのが要求される、こういうものになっているような感じがしてならないんです。
 東京の中小企業の特徴といわれるのは、一つは、生活に密着した、そういう産業が多くあるわけですね。そういうものについての配慮だとか、それから地域に密着している企業を持続的に発展させていくという視点が、なかなか、これを全体読んでみても見られない。視点がないといっても差し支えないのじゃないかというぐらい、私はこういうことを感じたんです。
 だから、今、東京の中小企業が抱えている、この間議論をしましたけれども、そういう問題こそ焦点を当てて底上げを図っていく施策が必要なのじゃないかというふうに思います。
 知事が主張している三環状道路の整備などが強調されて、「十年後の東京」でオリンピックに向けたこの産業版という点でも、私は、国が目指している方向とそう大きく変わっていないなというのが率直な感想です。
 私は、今、中小企業予算をもっとふやす、せめて総予算の二%ぐらいまでふやして、中小零細企業の実態を踏まえたものにしていく、そして東京の経済の主役に中小企業を置く、こういうことが必要なのだろうというふうに思います。そういう意味で、その立場からの中小企業振興条例を制定するように強く求めて、この分野の質問を終わります。
 続いて、雇用就業対策についてお伺いいたします。
 雇用就業対策予算も、石原都政八年間で四八%、半分に減らされています。その上、労働関係の都の施設の統廃合が繰り返されてきました。都内に八カ所あった労政事務所は減らされ、機能的にも縮小されて、労働相談情報センターというふうになり、五カ所になりました。労働問題の調査研究を行っていた労働研究所は廃止されて、研究所が所蔵していた資料、東京にとっては貴重な労働関係の資料ですけれども、これを管理する労働資料センターがあちこち転々とさせられて、なくされるかといったところを、やっと飯田橋に戻ったという状況になっています。また技術専門校については、十五校あったものが十三校になり、四カ所の職業能力開発センターに集約、再編整備されることになっています。
 今ほど労働行政の強化が求められているときはないわけですから、東京都は、予算の上でも体制の上でもこういう後退をさせているという点については、私は危惧を抱いていますけれども、これは私だけではないというふうに思います。
 このたび第八次東京都職業能力開発計画が発表されました。この計画によって技術専門校は、従来担ってきた公共職業訓練の分野を、民間と競合するものは廃止するなど、民間に可能なものは民間に移す、そして、公共の役割をセーフティーネットなど限られたものに縮小していくということと、人材育成、確保などのコーディネーター役の役割に特化させていくような、実質的に変わる方向が打ち出されています。
 そこでお伺いしますけれども、職業能力開発センターへの再編は、従来の職業訓練の機能が縮小され、情報提供や企業の必要とする人材確保への訓練に比重が移っていくのではありませんか。東京を四ブロックに再編することにより、広域化し、中小零細企業やその従業員が利用していた身近な機関での相談や向上訓練などの利用ができなくなるのではないでしょうか。その点、お伺いします。

○三森参事 先生のご質問にご答弁申し上げます。
 今先生お話しの技術専門校でございますけれども、十五が十三になったというお話ですけれども、先ほどの経済・港湾委員会要求資料の中の五ページにございますように、平成十八年度、十九年度の下から二行目の方を見ていただきますと、技術専門校は、校として十三校、分校が二つございまして、十五校はそのまま堅持しております。
 それで、先ほどの質問の方でありますが、職業能力開発センターにつきましては、この技術専門校十五校についてはそのままの状態で、都内を四つのブロックに分けまして、それぞれのブロックに設置するものでございまして、従来の職業訓練機能を維持しつつ、地域の産業界の人材育成、確保の拠点としての機能を付加するものでございますので、職業訓練の機能を縮小するものではございません。
 また、同センター開設後も、地域の各技術専門校におきまして、従来どおり、在職者向け訓練や企業等に対する施設設備の提供などの支援を実施していくこととしておりますので、利便性はむしろ向上することとなります。

○小竹委員 訓練校については、減っているのは事実なんですよ。確かに分校は一校だったのが二校にふえましたけれども、校そのものは減っていますし、石原知事になる前の段階では十七校あって、分校もあったわけですから、そういう点で見ると、技術専門校が縮小されていることは間違いない事実であることを指摘しておきます。
 従来どおり変わらないということですけれども、それぞれの訓練校で、地元の中小企業が相談をし、向上訓練などをやることが可能だったわけですね。地元の企業との協議の中から、その地域でどういう向上訓練が必要かというふうなことを、校の方も相談しながら講座が組まれたりしてきているのを、私、訓練校に伺ったときにお話をたびたび聞いているのですけれども、そういう意味でいうと、地元の企業、それから従業者も仕事が終わって駆けつけられるということ、それから、地元の要望がそういう点で反映しやすいというのは、機能がそれぞれの地域に分散されているのは非常に重要だと思います。
 ここでも、競争力の強化だとか産業界のニーズだとかというのが強調されているんですね。私は、そういう点から見て、一定の規模を持った企業のところにシフトされていくのじゃないか、こんな危惧を抱くのです。質的にもそういう点では変えられていくのじゃないかという危惧を抱いています。この点は指摘をしておきます。
 公共職業訓練についても、民間との役割分担が強調されて、民間と競合する科目は廃止する、民間委託を活用していくということが打ち出されています。民間競合科目の廃止というのは、具体的にどういうことを指すのですか。廃止するということは、公共職業訓練の後退につながるというふうに思いますので、その辺の認識も含めてお伺いします。

○三森参事 主に新規学卒者を対象といたしまして、一年以上かけて技能者を養成する普通課程の科目のうち、民間で十分な規模の訓練が行われており、かつ公共職業訓練として実施する必要性が乏しい科目につきましては、廃止していくこととしております。
 一方、機械、溶接など民間での実施が困難な訓練科目や、セーフティーネットとして早期就業を図るための訓練科目につきましては、今後とも公共の役割として重点的に担うこととしておりまして、総体として公共職業訓練の充実強化につながることとなります。

○小竹委員 先ほど中小企業のところでも申し上げましたけれども、労働の分野ほど貧困と格差が今大きな問題になっているところはないわけですね。特に、働いても働いても生活保護以下で、暮らせない、こういうワーキングプアという若者などが広がっている。これは若者だけじゃなくて、高齢者まで含めて広がっている中で、公共職業訓練を担う技術専門校の役割というのは、私はますます増大していくというふうに思っています。
 こういうときに--確かに民間はやっているんですよ。民間がやっているからといって、公共の訓練がなくなっていいということではない。民間の専門学校はやっていますけれども、そこに入学するためには多大の費用がかかるわけですね。ニートだとかフリーターだとか、本当に非正規の不安定な雇用の人やその日の暮らしにも事欠くワーキングプアの人たちにとって、そういうところは職業訓練を得たいと思っても得られない場所になってしまうわけですから、そういう点では、決して充実というふうにはいえないと思います。
 セーフティーネットはやっていくんだ、ものづくりはやっていくんだと、私は、それはそのこととして認めますけれども、やっぱりこういう貧困と格差がある中で、貧困が貧困を再生産する現状があるんだといわれているわけですから、そういうときこそ、公共職業訓練の幅広い選択肢を広げておく必要があるのじゃないか。そういう点では拡充が必要なのじゃないかというふうに思うのですが、この点いかがでしょうか。

○三森参事 公共の役割といたしまして、先ほど申し上げましたように、機械、溶接などの基盤技術等の技能者を養成することの大切さと、もう一つは、セーフティーネットとしての早期就業を図るための訓練科目、これらについても、その都度必要に応じて、また社会情勢の変化に応じて科目等を設定しておりまして、その科目につきましては、三カ月科目、六カ月科目、九カ月、そういうような形での短期で受講できる訓練科目をその都度設定して、セーフティーネットとしての役割、公共としての役割を果たしてきております。

○小竹委員 民間と競合するものについては廃止するという方針は変わらないようですけれども、私は、やっぱり民間は民間の役割があるし、公共は公共の役割があるという点では、廃止していいものではないというふうに思いますので、この点は指摘をしておきます。
 さらに、民間委託の方策として市場化テストも盛り込まれています。昨年末にモデル事業ということで官民の競争入札が行われて、七科目中六科目が民間企業に落札されました。この点では、二、三カ月コースの科目が既に民間委託になっていましたけれども、これらはどちらかといえば専門校に限られて、そういうところに委託されていたわけですけれども、今回の場合には、規制緩和などによって参入が可能となった企業、株式会社が参入をしてきて、そういうところに落札されてきています。私、事務事業質疑のときに指摘をして、大きいところに行く結果になるのじゃないかということを指摘したわけですけれども、今回そのことがはっきりしてきたと思います。八王子校の医療事務を除いて、すべて株式会社に落札されています。
 職業訓練の教育訓練業務の実績だとか、会社としての業務実績などについてはどのような届け出が出されて、どういう判断のもとに審査が行われたのか、お伺いいたします。

○野澤総務部長 会社の財務状況等につきましては、財務局を事務局といたします東京都物品買入れ等一般競争入札参加資格確認委員会というのがございまして、そこにおきまして、その内容を確認しております。
 公共職業訓練業務の実績につきましては、応札時に提案書に記載されておりまして、その内容に応じて技術点に反映をしております。
 その判断基準でございますが、事前に公表いたしました落札基準や評価の視点のとおりでございます。

○小竹委員 審査されたということですけれども、今回落札した民間企業の六科目のうち四科目は、株式会社リーガルマインドというところが受けています。この企業は、資格取得を目指す予備校や保育事業など多角的な経営を行っていますし、規制緩和によって、株式会社立の大学、LEC大学を二〇〇四年四月から開設しています。
 株式会社リーガルマインド、LECですけれども、この間、数々の社会的モラルに反する違法行為を繰り返していることが今社会問題になって、国会でも問題になっていますけれども、こういうことについて審査する側は承知していたのか、そして判定の時点で問題にならなかったのか、お伺いします。

○野澤総務部長 東京都物品買入れ等一般競争入札参加資格確認委員会におきまして、競争入札参加資格の要件に基づき確認した結果、株式会社東京リーガルマインド社につきましても、適格であったということでございます。

○小竹委員 適格だったということなんですけれども、ここ二、三年だけ見ても、本当に私もびっくりするほど、こんな問題があるのかというぐらい問題があるんですよ。
 例えば、一番最近のあれでいうと、大学の非常勤講師、専任助教授ですけれども、その身分が請負だということで、労働基準監督署に訴えているんですね。で、二〇〇六年、昨年の三月に是正勧告が出されているんです。二〇〇五年には、この予備校が弁護士や何かの、司法資格試験の合格者のパンフレットをつくっているのですけれども、これを水増しして、不当景品類及び不当表示防止法違反で公正取引委員会から排除命令を受けているんですね。その排除命令が出たその日に、千代田区が厳重注意処分を下しているんです。また、新潟県の長岡市のジョブカフェで、これは国の委託事業なんですけれども、国の委託費を使ってLEC大学のパンフレットを高校に配布したということで、経済産業省から委託費の返還を求められているんです。こういうのが、この二、三年だけとってみても、異常な違反行為が行われているんですね。
 これだけじゃなくて、教育にかかわる分野でいうと、教材やソフトのコピー、そういうもので著作権侵害が問われて、損害賠償まで裁判所に出される、そういう数々の違反行為を繰り返している企業なんですね。
 審査に当たって、信頼に足りるところではないというふうに、これは本当に初歩の問題だというふうに私は思うんですね。こういうことはあってはならないし、モデル事業だということですけれども、これは入札だから財務局の所管ですけれども、縦割り行政のもとで、総合的にチェックできないという点での問題だというふうに思いますので、この点は強く指摘をしておきます。
 また、リーガルマインド社は、小泉構造改革で、特区の指定で株式会社立大学の第一号なんですね。それで、この大学でも数々の違反行為が行われていて、LEC大学は、ことしの一月二十五日、文科省から、学校教育法第十五条一項に基づく勧告が出されています。これです。私はこれは重大なことだというふうに思うのですが、局としてはどういう認識で受けとめておられるのか、また、これに対する対策をどうとるのか、お伺いいたします。

○野澤総務部長 文部科学省によります東京リーガルマインド大学に対する改善勧告につきましては、新聞報道等によって承知をしておりますが、このことをもって直ちに東京都との契約解除の条件に該当するものではございません。
 しかしながら、四月以降、この事業実施に当たりましては、都としても監視、モニタリングを的確に実施していきますので、その適切な運営のもとに、業務の実施の確保に努めていきたいと思っております。

○小竹委員 私、非常に認識が甘いと思うんですよ。だって、東京都がこれだけ違反行為をやっているところに委託をするということは、お墨つきを与えることになるのじゃないですか。
 今回LEC大学に勧告が出されたのは、違法行為だということで出されたわけですけれども、文科省がこれを発動したのは初めてのことなんですね。だから、そういう意味でいっても、文科省としても異例のことで、毎年毎年留意事項ということで指導をかけてきたのが変わらないから、勧告になったんですよ。すごく重い措置だと思いますよ。
 ここの中で、勧告に出されていること、それから留意事項ということもあわせて、勧告と同時に留意事項が出ているのだけれども、これは教育機関としてあるまじき中身なんですよ。大学設置基準十九条違反ということも出ていますし、学校教育法第五十二条の目的に照らしても疑義があるということで出されているわけです。専任教員の資格の問題、それから教育方法についても指摘されて、改善の勧告なんですね。これは今、一月二十五日になって初めて出てきたことじゃなくて、ずっと、それこそLEC大学が開設されたそのときから毎年毎年調査をして、そして問題があるということで指摘、改善の指導がされてきたという点でいったら、こんなことを東京都が許していいのかという、私は重大な問題だというふうに思うんです。そういう点で、本当に認識が甘いなというふうに思うんですよ。
 私は、水道橋校と新宿校について、LEC、予備校と大学、一体のものでもあるんですけれども、大学の教室も見てきました。大きい部屋は、こういうドアだから中は見られないのですけれども、テレビ放映がされている。多分LEC大学はビデオ講座で、ビデオを見せて、人が教えるということをやっていないのがこれで問題になっているわけですけれども、そういう部屋だと思うのですが、いすが三十ぐらい並んでいて、テレビが一台あって、その前のところにホワイトボードがあって、きょうの講座の名前と説明が書かれていて、私がちょうど行ったときには一人の人がテレビを見ているという状況だったんですね。三十人ぐらい入れる部屋だったのですけれども、講師は全くいませんから、ビデオで一方的に流して、私も、外側のところで同じようなビデオが流れていましたから、聞いていたのですけれども、すぐになんかなかなか理解、ぱっぱっぱっぱっとしゃべられたらわからないわけですよ。そういうビデオで一方的に講義を流しているのを聞くという、こういうのを当たり前のようにやっている。
 また、予備校と大学が一緒の講座をやる、講師も一緒というふうなことが文科省で問題になっているわけですけれども、こういう違法行為をやっているところに委託をするというのは、私は簡単にやってはいけないのじゃないか。
 契約解除ということはとれないというふうなお話でしたけれども、文科省がこういう法的な違反を認めたわけですから、違法行為に対してきちんと厳正な措置をとるべきだというふうに思うのですが、この点について再度お答えください。

○野澤総務部長 文科省から大学側に対して改善勧告を行って、大学側が改善計画書を出して、これから文科省がその実現の内容につきましてチェックをしていくと思っておりますが、これはあくまでも大学の経営ということで、大学としての資格ということで今チェックを受けておりまして、リーガルマインド社につきましては、公共職業訓練に関しては、現在のところ支障があるというふうには報告を受けておりません。
 また、今後厳しく、うちの方でも一月以降モニタリングをやっていきますので、その過程で、またこれから文科省との関係の中でも、また都との契約に当然触れるような、契約解除に触れるような事態が発生すれば、直ちに果敢に処置をいたしますけれども、現在のところは、そういう動きを見ていくというか、監視をしていくという状況でございます。
 当然我々も、別にこの会社を、何といいますか、守るというとおかしいのですけれども、肩入れしているわけでも何でもありませんで、こういう社会を騒がしているということにつきましては、ちゃんと心に受けとめておりますので、そういう点では、より厳しく、厳格に対応していきたいと思っております。

○小竹委員 今のお答えは、例えば勧告に基づいて一カ月後までに改善の方策をとらなければ、最終的には学校としての許可を取り消されるわけですよ。LEC大学とLECは別だというふうなお答えもあったのですけれども、LEC大学を経営しているのが株式会社リーガルマインド社ですから、一体ですし、大学は予備校と一緒の講座をやったりしているわけだから、職業訓練だって同じようなことが起きないという保証は何もないわけですよ。
 今、さらに次の段階になったらというお答えがありましたけれども、そうすると、文科省が次の措置をとった場合には、途中でも解除するということになるのですか。

○野澤総務部長 文科省の対応は、あくまでも、通称LECといわれていますけれども、ここが大学を経営するということに対しての措置でございまして、それが直ちに公共職業訓練業務の支障になるというふうには、私ども考えておりません。職業訓練業務に支障が出るような状況になれば、当然、契約内容を履行できないとか履行しないという状況が考えられますので、そのときは契約条項に基づいて適切な措置をとりたいと思っております。

○小竹委員 私は、契約してからそういうふうなことになったら、それこそ受講者に迷惑をかけることですし、今LECがやっている講座と大学やなんかの、資料をかなりいろいろ読んだのですけれども、そういう点でいったら、決してプラスというか、サービスが向上する中身にはならないというふうに思います。そういう意味でいうと、都の対応が非常に甘いということを感じざるを得ません。委託事業の根幹にかかわる問題で違法行為が行われているという点でいったら、そういうところに税金を使うというのは、絶対にあってはならないというふうに思うんですよ。
 こういうことの問題が起きたというのは、市場化テストによって価格は下げられるけれども、決してサービスの向上にはつながっていかないということも明らかなのじゃないでしょうか。そういう意味で、サービスの根幹も崩れてきているわけですから、市場化テストは公共訓練にはなじまないということも明白です。市場化テストの中止を求めて、この質問は終わります。
 次に、島しょの農林水産業の振興に関連してお伺いしておきます。
 島しょにおける農林水産業は、離島特有の問題も加わって、より深刻になっています。農産物への獣害被害が深刻になっていますけれども、大島の外来種の猿、リス、キョンなどが農産物に被害を与えて、その被害も拡大しています。島の基幹産業である農業振興にも影響が出されているわけですけれども、これらの捕獲などについて抜本対策を講ずるべきだと思うのですが、この点についていかがでしょうか。

○大村農林水産部長 獣害対策は、農業者みずからが取り組むのが基本でございます。しかし、近年では獣害が拡大していることから、平成十八年度、今年度から有害鳥獣捕獲支援事業を実施いたしまして、特に農業被害が大きく捕獲が困難な動物につきましては、市町村が行う捕獲事業に対して支援をしてございます。
 大島のタイワンザルにつきましては、この捕獲事業によりまして財政支援を実施しております。また、タイワンリスにつきましては、現在この事業の対象とはしてございませんけれども、大島町において、捕獲用のわなの貸し出しなどの対策を進めているところでございます。

○小竹委員 タイワンザルについては都が対策を講じているということですので、これはぜひ進めていただきたいと思うのですけれども、リスについては島の方の事業だということでご答弁いただいたわけですが、リスは繁殖力が大きくて、今一体どのぐらい生息しているのか、総数もつかめない状況にあるというのを環境局から伺いました。今、ツバキ油の原料である実を食べてしまって、ツバキ油がとれないという悲鳴が上がっています。島の産業を揺るがすことになりかねない問題です。
 そういう点では、環境局、それから大島町などからも実情を聞いて、協力して対策を立てていただくよう、これは、産業を守る、大島の基幹産業を守るという立場から強く要望しておきます。
 続いて、ガソリンの値上げで漁業や園芸農家が重大な影響を受けています。島の場合はもともと輸送費がかかった上に、値段の値上がりということですから、影響が甚大です。
 私は、昨年夏、八丈の漁協を訪問して実態を伺ってきました。燃油が二年前の倍、前年の五割増しということで、一リットル当たり八十六円になって、漁業に出かけるときに普通のスピードでは行けないと。燃料を節約するために、スロー運転をやって燃料の消費を少なくしているために、相当朝早くから、早朝から、そして夕方日暮れまで操業時間ということになって、操業時間がものすごく長くなっているというお話を伺いました。
 では、水揚げの方はどうかというと、水揚げの方はやっぱり減っていて、魚価は変わらないのに、燃料が上がるだけじゃなくて、出荷に必要とするいろいろな材料、関連の経費も上がって利益が出ない。手取りの収入が減ってしまったために漁に出られないという人たちもふえているという深刻なお話を伺いました。これはすべての島に共通するということを、島の関係者からも伺っています。
 島の第一次産業である漁業の存亡にかかわる問題ですけれども、都民の食を守るという点からも重要な問題だというふうに考えます。都民の食を守り、漁業の振興を図る立場から、島へ運ぶ軽油の輸送経費の補助、それから出荷に伴う発泡スチロールなどの資材への補助など、産業支援の立場から検討できないか、お伺いいたします。

○大村農林水産部長 漁業におきましては、沿岸域における築いそや浮き魚礁などによる漁場造成とあわせまして、また、魚がどこにいるかわかります漁海況情報などの提供によりまして、漁場を探す時間の短縮を図りまして、燃費の節約に寄与してございます。そういう意味で省エネ指導なども行っておりまして、その他、燃料の高騰に伴う資金需要については、制度融資での対応なども可能ということで、そういう対応をさせていただいています。

○小竹委員 もともと輸送費がかかるということで、その上に値上がりですから、二重のダメージを受けているんですね。先ほどもいいましたけれども、漁に出られない人も出てきているという点では、本当に漁業の存亡にかかわる中身ではないかと思うのです。沖ノ鳥島への船をつくることそのものを否定するわけではありませんけれども、知事がいうことはやっても、漁業者がこんなに危機的な状況になっているときに手を差し伸べないというのは、私は納得がいかないと思います。
 都民の食を守るという点からも、融資だけでは済まされない中身がもうここまで来ているという点でも、やっぱり産業振興を、漁業を育成していく補助が必要になっているわけですから、新たな支援策をぜひ検討していただくように、この点も要望しておきます。
 島の漁業にとっては、漁業資源の確保や栽培漁業が重要になっているわけですけれども、私、八丈へ伺ったときに聞いたのは、温暖化によって、もう八丈ではテングサがとれない状況になって、えさがなくなって、トコブシだとか貝類が育てられなくなって、収穫も減っているというお話を伺いました。これは八丈だけでなくて、ほかのところも同じような影響を受けているわけですけれども、テングサを初めとした海藻類が、魚介類の産卵だとか育成のために果たしている役割は本当に大きいわけですから、そういう意味で、伊豆諸島で温暖化やいそ焼け、それから、この間、地震噴火など自然災害も影響して海藻がなくなってしまっているという点では、漁場の荒廃で漁獲量が減っているという深刻な状況を打開するためにも、この現状に対する対応策が必要になっているのじゃないかと思うのですが、この点についていかがでしょうか。

○大村農林水産部長 中長期的な視点から、いそ焼けの原因究明であるとか、また漁場の回復技術の開発に取り組むために、平成十六年八月にプロジェクトチームを立ち上げてございます。これは、島ごと、課題ごとにプロジェクトを組んでございます。これまでに、サザエなど貝類のえさとなる海藻であるアントクメの増殖手法を開発するなど、徐々に研究成果が上がってきているところでございます。

○小竹委員 ぜひその辺は強めていただきたいと思うのですが、栽培漁業という点では、大島にある栽培漁業センターがトコブシだとかサザエだとかの稚貝を生産して、各島に配布していますけれども、漁業生産が非常に厳しい状況になっているという状況が続いています。こういう状況の中から、栽培・資源管理型漁業の育成のために、私は助成を強めるべきだというふうに思うのですが、この点についていかがでしょうか。

○大村農林水産部長 漁獲量を安定的に確保していくために、稚魚や稚貝の生産、放流、漁場の造成などを柱とします、つくり育てる漁業を現在都では展開してございまして、栽培漁業センターで委託生産しておりますトコブシやサザエなどの稚貝につきましては、放流事業を行う漁業団体等に対しまして、低廉な価格でそれを提供するようにいたしてございます。

○小竹委員 ぜひ、栽培漁業の充実のためにも、漁業センターの充実方もお願いしておきたいと思います。
 漁業資源の確保という点、また漁場の確保という点から、乱獲が大きな問題になっているわけですけれども、島の皆さんは、乱獲しないように資源管理など自己規制を行っているのですけれども、他県の船が来て許可なく乱獲していくということが島の漁業者にとって死活問題になっているということを、八丈でもそのほかのところでも伺いました。大島ではキンメ漁でまき網の密漁が行われているとか、夜間操業など、そういう問題があるというふうに伺っていますし、八丈は、黒潮に乗ってくるカツオなどの密漁乱獲が非常に厳しくなっているというふうな状況があって、取り締まりを強めてほしいという要望が出されています。
 現状がどうなっているのか、そして取り締まりの強化についてどのようにお考えか、お伺いします。

○大村農林水産部長 伊豆諸島におきます、まずキンメダイの漁業につきましては、夜間操業に対する法的な規制はございません。ただし、資源管理の面から、同じ漁場を利用している各都県の漁業者が自主的に資源管理計画を策定いたしまして、夜間操業の禁止などの操業方法や、漁獲サイズの制限などを定めているということで自主管理してございます。
 また、一方で、大型、中型のまき網漁業につきましては、東京都の漁業調査指導船による取り締まりのほか、大型船や飛行機をチャーターしての違法操業の取り締まりも現在行ってございます。

○小竹委員 島の皆さんは資源管理に非常に気を使って努力しておられるのだけれども、それこそ、小さい船じゃなくて大型の船で来て大量にとっていってしまうということで、非常に危惧されています。そういう点では、きちんと資源管理の問題について広範囲な協議をしていただくのと、やはり取り締まりの強化についても強めていただきたいと思います。
 島の第一次産業である農林水産業の振興にぜひ力を入れていただいて、充実を図って、漁業や農業が衰退することのないように求めまして、質問を終わります。

○原田委員 平成十九年度予算案の概要、資料1でいいますと九ページ、新規で重点事業と位置づけられている社会的課題解決型研究開発助成事業についてお伺いします。
 まず、この事業内容についてご説明ください。

○新田商工部長 社会的課題解決型研究開発助成事業でございますが、これは、都内中小企業のすぐれた技術力を福祉、環境、治安といった社会的課題解決に活用していくため、課題解決に資する新製品や新技術につきまして、その開発や販路開拓を支援する事業でございまして、行政機関活用タイプと民間事業化支援タイプの二つのタイプを考えてございます。
 まず、行政機関活用タイプでは、事業実施上懸案となっております課題の提案をそれぞれの所管局の方から出していただきまして、その中から対象テーマを決定いたします。そして、対象テーマの解決に資する新技術、新製品の開発を公募、選定した後に、選定案件により開発されました製品を提案局が検証、モニタリングを行いまして、購入する仕組みを構築してまいります。
 次に、民間事業化支援タイプでございますが、これは、特定の対象テーマを設定せずに広く公募を行いまして、選定を行った後、それによって開発されました製品につきまして、ニューマーケット開拓支援事業などによります支援を行い、成果の普及を図っていくものでございます。

○原田委員 また新しい分野の技術開発とか商品開発につながる事業ということで、期待するところがあるわけですけれども、行政機関活用タイプと民間事業化支援タイプの二種類のご説明がありましたけれども、行政機関活用タイプは、各局が抱えているいろいろな課題を出してもらうということなんですけれども、その絞り込む過程はどのように考えていらっしゃるのか、また、そのスケジュールと選定方法についてお伺いします。

○新田商工部長 行政機関活用タイプにつきましては、新年度早々に、各局から募りました課題の提案を取りまとめていきたいと考えております。そして、都と中小企業振興公社、それに加えまして、産業技術研究センターなどをメンバーとしました選定会議を設定いたしまして、その会議に諮りまして、課題の重要性ですとか緊急性、実現可能性等を勘案いたしまして、本事業の対象テーマを選定する予定でございます。

○原田委員 民間事業化支援タイプの審査についてはどのように行うのか、また何件程度考えているのか、お伺いします。

○新田商工部長 民間事業化支援タイプにつきましては、専門家による書類審査や面接審査等の手続を経まして、採択事業を決定いたします。審査に当たりましては、応募提案が対象としますテーマの重要性、緊急性等のほか、開発しようとします新技術、新製品の新規性ですとか独自性、あるいは市場性等を総合的に勘案、評価することとしております。
 なお、採択件数につきましては、案件の規模によって多少幅が出てこようかと思いますが、おおむね二、三件程度になる予定でございます。

○原田委員 今回質問したのは、実は、この社会的課題解決型研究開発事業のほかに、同じページなんですけれども、社会的企業家育成事業というものがございます。また前の五ページには、社会的事業継承システム構築というような事業名があって、この「社会的」というのがどのような使い方をされているのか興味を持ったわけです。
 今回、この冠で事業名をつくったというその意味というか定義があったら、お答えいただければと思います。

○新田商工部長 大きく分けまして、社会的課題解決型研究開発助成事業におきます社会的課題と社会的企業家の社会的、この二つは同じような範疇に入ろうかと思います。一方、もう一つ先生挙げられておりました社会的事業承継の社会的、これは社会的の意味合いがちょっと違ってこようかと思います。前者の社会的、これは公共的分野に民間の力を導入しようと。一方、社会的事業承継の社会的、こちらの方は、なかなか企業単独では対応できない問題を社会全体として対応していこうというような意味があろうというぐあいに考えております。

○原田委員 ご答弁の中にもありましたけれども、社会的課題に取り組もうとしている市民も大変多くなりました。NPOがふえてきた背景も、多分このようなことがあるのかと思います。
 最近、社会的企業というような言葉も新聞をにぎわしているということがあって、新たな企業の視点として注目されていると私は考えております。公共では担い切れない社会的課題への取り組みに対して、公共的な事業としての位置づけをしっかり行い、支援していく必要があると考えますが、その方向性について見解を伺います。

○新田商工部長 行財政改革実行プログラムや「十年後の東京」におきましても、社会的課題の解決を、官だけでなく、都民、企業、NPOなど多様な主体が担うことの必要性が示されております。また、近年、企業サイドにおきましても、社会的貢献活動が重視される傾向が強まってきております。
 こうした状況を受けまして、産業労働局といたしましても、社会的課題解決を産業振興の重要な視点としてとらえまして、社会的課題解決に資する研究開発の支援ですとか、社会的企業家の育成支援、こういったものを新たに打ち出してまいったところでございます。

○原田委員 お隣の韓国では、昨年、社会的企業育成法が成立して、ことしの七月一日に施行予定です。第一条にこの法律の目的の記載があるわけですが、ちょっと前半は省略させていただきますが、我が社会に十分供給されていない社会サービスを拡充し、新しい就労をつくり出すことにより、社会統合と国民の生活の質の向上に寄与することを目的とするとしています。このように、社会的企業の持つ広い意義を国レベルで位置づけているということです。
 東京都で頭出しした社会的事業というのは、商品開発や企業家育成、家業継承支援などでございますけれども、この点を面に広げて、今後、社会的課題に取り組む団体支援など、新たな雇用につながる大きな広がりを持っていくように期待するものです。
 次に、NPOに対する融資制度の創設についてお伺いします。
 この事業は、NPO法人として認証を受けている団体への融資制度ということで、大変注目しております。
 初めに、この融資制度を創設した背景についてお尋ねしたいと思います。

○塚田金融部長 現在、都内には五千以上のNPO法人が存在しています。これらのNPOは、保健、医療、福祉などの分野で活動しており、新たな経済主体としても期待が寄せられているところであります。しかしながら、その多くは財政基盤が脆弱であり、また、金融機関においても十分な資金供給が行われていない状況にあります。平成十七年三月に生活文化局が実施いたしました特定非営利活動法人ニーズ把握調査によりますと、約七割のNPO法人が、活動上苦労している点として、法人運営上の財政的な問題を挙げております。
 このような状況を踏まえまして、今般、NPOが融資を受けやすくするための仕組みを構築し、資金調達の円滑化を図ることといたしました。

○原田委員 この事業の対象は、運営というところにも補助が出るということで、実は、地域のNPOは、新たな事業展開やハンディキャブなど物品の購入は民間の支援策が結構あるのですが、なかなか運営まで対象とするというようなところがないということもあって、ちょっと期待したいところなんですけれども、まちの労金や信金なんかも少し動いているようなのですけれども、労金の場合は、NPOが立ち上がって三年以上経過したものというような条件があったり、信金もなかなかハードルが高くて、実績は少ないようなんです。そんなことで、NPOに対しての資金供給が十分行われていないという現状があっての今回の融資制度の仕組みということで、まずこの点は評価したいと思っております。
 そこで、NPOに対する融資は余り進んでいないということを受けて、今回の仕組みは、それをどのように解決していこうとしているのか、ご説明ください。

○塚田金融部長 現在、民間金融機関におきましては、NPOに対する融資審査のノウハウが十分に蓄積されていないため、NPOに対する融資は極めて限定的にしか実施されてない状況にあります。しかしながら、金融機関による融資を促す仕組みがあれば、融資が数多く実行され、その結果、融資審査のノウハウが蓄積されるものと考えます。このため、NPOが金融機関から融資を受ける際、保証機関により八割の保証を付する融資制度を創設することといたしました。

○原田委員 この仕組みの中での保証料というものの設定がどのようになるかで、これも一つのハードルにもなるのかとは思いますが、これは推移を見守っていきたいと思っております。
 市民が社会に必要な事業のためにと立ち上げた市民の金融機関があるわけなんですけれども、そこの人たちに何回かお話を聞くチャンスがあったのですけれども、その中で、どういうところで見るかというと、その事業が持つ社会性、そして、そこを支えている人たちがどの程度の熱意を持ってその事業を進めようとしているかというのが大変大きい、その人たちに会って、じかにその実態を見ていくということが大変大きなポイントになっているというふうな話を聞いています。実際この金融機関を立ち上げている人は、大体NPOに理解がある人たちが行っている事業ということもありますが、今まで焦げついた例は非常に少ないと。この団体の方は、一件ぐらいあるかなというような話もしていました。
 都は、そういう意味で、この制度の中で融資審査のノウハウをぜひ蓄積していただいて、また市民のそういう活動の方の情報もとっていただいて、この融資制度がスムーズにいくように進めていただきたいと思います。
 そしてまた、NPOは融資を受けにくい、そこで保証つきの融資制度にしたということですが、保証つきといえば、東京都には融資制度がありますね。NPOに対する融資制度と都の融資制度はどこが違うのか、ご説明いただきたいと思います。

○塚田金融部長 NPOに対する新しい融資制度と都の制度融資の違いでございますけれども、現在東京都が実施している中小企業制度融資は、中小企業基本法及び中小企業信用保険法を根拠にいたしまして、個人事業者や株式会社、特例有限会社などである中小企業者を対象に実施しておりますけれども、この中小企業者にはNPO法人は含まれておりません。このため、NPO法人が活動の資金を得るための営業活動を実施する際の資金調達に、この信用保証制度を利用することができない状況にあります。
 今般のNPOに対する融資制度は、中小企業信用保証制度の枠外で、保証機関と金融機関が連携して融資を行うものでございます。

○原田委員 都が独自に実施するということで、いろいろあると思いますけれども、今後この保証制度が適用されるように、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 そして、この考え方ですが、適用前のワンステップ、一つの前進という意味合いも、この制度にはあるのかというふうにも思います。
 そこで、現在、産労局で保証機関からの企画提案を公募しているというふうに聞いておりますが、この状況、今後のスケジュールについてお答えください。

○塚田金融部長 ことしの一月に、NPO法人向け保証つき融資スキームの企画提案を公募いたしまして、現在、提出された提案を審査している段階でございます。公募の際にお示ししましたとおり、年度内には保証機関やスキームを確定し、都民の皆様にお知らせしたいと考えております。

○原田委員 NPOの融資制度が立ち上がって、今後NPOに対する融資が社会的に認知され、広がっていくためには、NPO自身が融資を受けるためクリアすべき課題があるととらえていますが、産労局での考えがあったら、お聞かせいただければと思います。

○塚田金融部長 今般のNPOに対する融資制度は、独自事業や受託事業、助成事業を実施するなど、安定的な事業基盤を有し、十分な返済能力が認められるNPOを対象としております。このようなNPOを対象とした融資が今後広がっていくための課題としましては、NPOご自身に会計処理や資金管理能力を高めていただく必要があるというふうに考えております。

○原田委員 今、多くのNPOは、行政の委託を受けたりして活動していますけれども、行政の委託が決定しても、予算を執行するまで時間がかかったり、そのつなぎに苦慮しているNPOもあるので、こんなところへの融資というのも期待できるのかなというふうに思います。今お答えいただいた会計処理、また、資金管理能力を高める中間支援も今後の課題であると考えております。
 今後とも、NPOの活動の実態を踏まえ、生活文化局と連携をしながら、融資策の充実も含めた支援策を進めていただきたいと要望し、質問を終わります。

○清水委員 青年の雇用就労支援について伺います。
 先ほども触れられましたが、ワーキングプア、働く貧困層への支援です。
 代表質問でも取り上げましたが、家賃を払えず、住まいを持てず、一時間百円のネットカフェを転々と渡り歩き、布団で寝ることもできない、仕事は日雇い派遣で、毎日集合場所から車に乗せられ、あちこちの現場を転々とする、日当はやっとその日が過ごせるだけ、三百円のノリ弁当を夕食に買って、半分だけ食べて残りは翌日の朝食にする、こういう若者の姿が、ネットカフェ難民というタイトルでテレビで放映されました。同じ年ごろの子どもを持つ親として、本当に胸が苦しくなる事態でした。一緒に四人ぐらいの議員で見たのですけれども、みんな、ここのところでは涙を浮かべるというような状況でした。
 二十八歳の男性は、母子家庭で母親に仕送りをするために家賃が払えなくなり、アパートを追われてこういう生活になったといいます。ある日突然解雇された若者も紹介されました。十八歳の女性は、親から虐待を受け、逃げ出してきてネットカフェの生活になり、日払いの仕事を毎日探し出して働いているけれども、一日六千円から八千円。このように家族に頼ることができないなど、いろいろな事情がある場合、少し歯車がかみ合わなくなると、途端にワーキングプア、ネットカフェ難民になってしまいます。ここにあるのは、まさに大都市東京における現代の貧困だということです。
 このテレビを見て初めて私もネットカフェ難民などという問題があることを認識し、本当にそれから心が痛む日々です。どの若者にも本当に未来があって、意欲もあると思いますが、東京都としてこういう若者に手を差し伸べる必要があると思いますが、まず、お伺いいたします。

○松本雇用就業部長 意欲ある若者に対しまして、都はこれまでも、既にしごとセンターにおいて、都独自の就業支援を行ってまいりました。また、技術専門校におきましても、若者向けの多数の科目に加えまして、フリーターや就業が困難な若者を対象とした科目を設けるなど、能力開発を支援しているところでございます。

○清水委員 本当にそれで解決の、すべて解決するとはいいませんけれども、今おっしゃったことで、それがだめだといっているわけではないのですけれども、そういう施策でできるのかと。今紹介をした若者に、今の都の支援策では手が届かないんですよ。申請や相談を待つというのではなくて、現場に出かけていって手を差し伸べる積極策が必要だというふうに考えるわけです。
 そのためには、きちんとした現状認識が必要で、先ほども実態調査というお話がありましたが、青年の実態調査が早急に求められていると思うわけです。都は、就業構造基本調査など実態調査を実施しているというが、きめ細かなこういう調査、こういう人たちがいる調査をすべきだというふうに考えますが、いかがですか。

○松本雇用就業部長 東京都におきましては、今先生がおっしゃいましたような各種調査によりまして、都内で働く人々の就業実態の把握に努めております。具体的に申し上げますと、就業構造基本調査では、年齢、就業形態別の所得階級等が、毎月勤労統計調査では、常用雇用、パートタイム雇用別賃金等が、また労働力調査では、年齢別失業率等を把握しております。そのほか、昨年七月に開設をいたしました若者しごとホットラインなどの事業を通じまして、就業が困難な若者等の状況の把握に努めております。
 このように多面的、多角的に把握に努めておりますことから、改めて就業の実態の調査を行うことは考えておりません。

○清水委員 委員会資料として出していただいた雇用形態別若年者数、障害者雇用率の推移ということで一二ページに掲載されているのですけれども、これが今みんなの前に示される実態なわけでしょう。これは十四年の調査でしょう。私たち、毎年こういう質問をするときに、毎回、もうちょっと進んだものがないか、もうちょっと進んだものがないかといっても、毎年平成十四年の資料を利用しているんですよ。代表質問のときも、毎回これを利用している。十九年まで、ことしまでのこの五年間、この五年間が一番大きな変化があったわけですよ。労働法制の規制緩和だとか労働環境の大きな変化などがあって、この五年間が一番大事であって、それこそ毎年とるということが求められているというふうに思うわけです。
 では、ワーキングプアは何人いるのか、ネットカフェで寝泊まりしている青年は何人いるのか、それが答えられるのですか、そういう若者の実態が。答えられないでしょう。
 私は、だから、若者の--産労局だけの問題ではないかもしれない、青年の問題というのは。しかし、産労局がそういう雇用の問題として若者の実態調査をすることは、今本当に重要だというふうに思うわけです。十九年の調査がもう間もなく出てくるといわれるかもしれないけれども、今起きているような問題というのは、本当にこれであらわすことができるのかということです。私は、雇用の実態調査というよりも、若者白書みたいなものを作成して、リアルな若者像を明らかにすることが大事だというふうに思いますし、こういう青年たちに、すぐにやれること、それから中期的、長期的にやることなどの都の施策を考えることが大事だというふうに考えています。
 具体的にお伺いいたしますが、本当にいろいろあるのですけれども、今までも繰り返し私たち青年雇用の問題では要求してきましたが、いろいろあるのですけれども、就職支援のための身元保証制度というのがあるけれども、この制度の目的と実績について伺います。

○松本雇用就業部長 身元保証制度は、両親もしくは父母の一方が死亡またはその所在が不明な遺児等につきまして、都知事がその身元を保証することにより、その遺児等の就職を容易にし、また雇用の促進に資することを目的といたしまして、条例に基づき、都が設けたものでございます。
 なお、過去十年間は、制度の利用実績はございませんでした。

○清水委員 これはすごく大事な制度だなということを私も感じたんですね。身寄りがいないというようなことで、こういう若者に何か役に立つのじゃないかということも思ったんですね。しかし、今、十年間は制度の利用実績がないと。石原知事になってからは、そういうことをいいますと、一件もないということになるわけですけれども、それでは、この後この制度をどういうふうに考えているのか。現在の若者の実態に合わせて、この制度を改善して使えるようにするということも考えることができませんか。

○松本雇用就業部長 この身元保証制度は、遺児等の身元保証に関する条例に基づくものでございまして、親がいないなどの理由で身元保証人を選ぶことができない遺児等が、就職選考上不利益な取り扱いを受けることのないよう設けられた制度でございます。この条例の趣旨から見て、現在の身元保証制度については、要件等は適当であると認識をしております。したがいまして、制度の適用範囲の変更は考えてございません。
 また、先ほど、若者向けに変えてはどうかというようなお話がございましたけれども、先ほどもございましたように、この十年間使われていない、また、しごとセンターでの若者しごとホットラインあるいはカウンセリングその他でも、身元保証に関する相談が寄せられていないという状況がございます。こうしたことから、身元保証に関するニーズ等を見きわめていく必要があると考えておりまして、今後とも、若者しごとホットラインやカウンセリング等を通じまして、ニーズの把握をしてまいります。

○清水委員 この条例ができたのはいつですか。

○松本雇用就業部長 昭和三十年ごろでございます。

○清水委員 私が生まれて間もなくです。五十年もたってそのままにしておくということで、問い合わせがないといっても、こういうものがあることを知らない方が多いでしょう、東京都がこういうことをやってくれているという。
 では、もう一度聞きますけれども、この制度はこれからも継続するつもりですか。

○松本雇用就業部長 先ほどもご答弁いたしましたように、しごとホットラインあるいはカウンセリングその他、いろいろなチャンネルを通じましてニーズ把握に努めて、今後のあり方については検討してまいりたいというふうに思っております。

○清水委員 こういうことを研究している方からも、この制度は非常に意義があるというふうにいわれているんですよ。ですから、やはり周知にまず努めていただきたい。
 現在どういう周知をしていますか。

○松本雇用就業部長 現在、東京都産業労働局のホームページ等で周知を図っております。

○清水委員 ホームページだけですね、現在は。(松本雇用就業部長「はい」と呼ぶ)ホームページだけで周知をして、問い合わせも来ない、実績十年間ゼロということは、たまたま私、今回こういうことがあるということを知って、それで実績がゼロだということも初めてわかったんですよ、担当者の方に。別に担当者の方を責めるつもりは全然ないんですよ。こういう制度をもっと、今の時代に合わせて改善してほしい。改善できなければ、周知に努めるということを少なくともやっていただきたいというふうに思います。
 審議会などに若者の参加を実現し、意見の場を拡大することが必要ではないかと思いますけれども、どうですか。

○松本雇用就業部長 東京都雇用・就業対策審議会につきましては、現在、次の諮問事項及び開催時期を検討中でございます。委員につきましては、諮問するテーマ等に最もふさわしい方々にお願いすることになろうかと思います。

○清水委員 審議会のテーマにしていただいて、やはり青年の声を聞く。それで今の問題も含めて、本当にたくさんの青年の、どうしたら少しでも事態を打開できるかというような方策を探るということをやっていただきたいと思います。
 生活が困難な状況にありながら、職業訓練を受けたいという人に対して、私は、訓練受講費用を支給する制度をつくるべきだというふうに考えますが、いかがですか。

○松本雇用就業部長 都はこれまで、技術専門校におきまして、フリーター等を対象とした科目のほか、さまざまな科目で多くの若者の能力開発を行い、就業に結びつけてまいりました。一方、若者に対する経済的な支援策につきましては、フリーター等若者に対する教育訓練のための給付金創設や貸付金の拡充を国に働きかけております。

○清水委員 都としても、やはりこれは取り組んでいただきたいと思います。
 それで、もっと根本的に、学歴格差の根本には低所得という現状があるわけで、家庭の低収入のために進学をあきらめた中卒者、高卒層に対して、月十五万円ぐらいの生活給を出して、その上で職業教育を受けることができれば、学歴格差を職業教育で埋めることができるのではないか、こう提案する専門家もいるわけです。フランスの三十五時間労働や最低賃金の水準を見れば、GDP世界第二位の日本で、月十五万円を生活給支給しながら、職業学校に一年、二年専念することは不可能ではないのではないかというような意見もあります。このほか、企業への指導を強化するとか、先ほどもお話がありましたように、労働費の大幅増、また労働体制の強化を求めておきます。
 次に、中小企業の皆さんは、今、原材料の高騰、単価の引き下げなど、依然として厳しい環境にあります。そういう中で現在具体化が検討されている責任共有制度、部分保証制度の導入は、金融面での環境を一層厳しくするものと、中小業者団体を初め多くの関係者が懸念しています。必要としている業者に資金がきちんと供給されることが重要です。
 そこで、責任共有制度、いわゆる部分保証制度が導入された背景は何か、伺います。

○塚田金融部長 平成十七年六月に、中小企業政策審議会基本政策部会によりまして、信用補完制度のあり方に関する取りまとめが行われました。これを受けて国は、信用保証協会と金融機関との責任分担に基づく効果的な中小企業支援体制を確立するため、責任共有制度、いわゆる部分保証制度を本年十月に導入することといたしました。

○清水委員 この制度の導入に伴い、さらには政府系金融機関の再編も実施されていくわけで、中小業者の金融環境というものが大きく変化していくということは明らかだと思うのですけれども、現在都は、部分保証制度の導入に当たって、銀行などの金融機関とどのような折衝を行っているのか、お伺いいたします。

○塚田金融部長 制度融資は、金融機関と信用保証協会、東京都の三者協調の上に成り立っている制度でございまして、その実施に当たっては、金融機関や信用保証協会の協力が不可欠であります。現在都は、部分保証制度の導入に当たって、中小企業の資金調達が円滑に行われるよう、金融機関等の関係機関と折衝中であります。

○清水委員 そこで、本当に中小企業の立場に立って主張していただきたいと思うわけですが、現在の国のこういう金融改革ですか、括弧つきの改革の流れの中では、これが実施されていくということは仕方がないというか、そうなっていくのかなということなんですが、その対応策として、都は、小口資金融資メニューの設置などにより、制度融資利用者の約四割が全部保証を維持されるということを本会議などでご答弁されていますけれども、残りの六割の利用者についてはどういう対応をしていくのか、お伺いいたします。

○塚田金融部長 部分保証の対象となります中小企業に対しましては、まず、経営支援融資を利用する小規模企業に対しまして、保証料の補助を実施いたします。また、災害復旧資金融資を利用する中小企業には、利子補給も行うことといたしました。

○清水委員 これですべて救えるというふうには思えないわけです。それで、部分保証制度の導入で影響を受ける中小企業に対して、今後実施予定の対策以外にも、都として対策を講じる必要があるのではないかと思いますが、いかがですか。

○塚田金融部長 小口資金融資のメニュー設置につきましては本年四月から、保証料補助の上乗せ等につきましては本年十月から実施する予定であります。今後、金融機関や信用保証協会と連携しながら、これらの施策が中小企業の資金調達に効果を発揮するよう努めていきます。
 なお、その他の支援策については考えておりません。

○清水委員 先ほども触れましたが、今後、一番大きな問題としては、政府系の金融機関の再編も実施されていくわけで、この部分保証制度の問題が入れば、中小零細企業の資金環境は激変するというふうにいわれているわけです。
 それで、これは政府系金融機関の再編などともあわせて、みずほ銀行は、オリエントコーポレーション、オリコとの提携で、中小企業向け貸し出しを急増させているというふうに聞いています。みずほフィナンシャルグループのディスクロージャー誌二〇〇五を見ると、二〇〇三年に三百件ほどだったものが、二〇〇五年三月には四千件を超えているわけです。三井住友銀行もアットローンとかプロミスと提携し、中小企業を取り込む戦略を採用していると聞きます。高金利のサラ金やノンバンクに頼らざるを得なくなる可能性があるわけで、制度融資がこれまで以上に中小業者にとっては重要な資金供給源になるわけです。
 その制度融資において変更や運営の困難を強いるようなものにならないよう、私は先ほどから、全額保証の継続など、中小業者の返済能力に見合った低利と長期返済への改善とか、さらなる対策の強化を要望したわけです。
 先ほど、中小企業対策予算がこの八年間ぐらいで非常に減少しているというお話がありましたが、その主なものは、融資関係予算なんですね。平成十年には三千百三十七億あったものが、十九年には、多少回復したとはいえ、千九百億円程度ですか、こういうところにやはりきちんと予算をつけて、中小業者の経営支援、そして資金への支援というものを強化することを強く求めて、質問を終わります。

○石毛委員長 ほかに発言がなければ、お諮りします。
 本案及び報告事項に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石毛委員長 異議なしと認め、本案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時五十五分散会

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