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Tokyo Metropolitan Assembly

経済・港湾委員会速記録第十五号

平成十六年十二月十三日(月曜日)
第八委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十二名
委員長野島 善司君
副委員長山田 忠昭君
副委員長柿沢 未途君
理事谷村 孝彦君
理事清水ひで子君
理事松原 忠義君
ともとし春久君
大津 浩子君
丸茂 勇夫君
鈴木貫太郎君
山崎 孝明君
川島 忠一君

欠席委員 一名

 出席説明員
産業労働局局長関谷 保夫君
総務部長島田 健一君
参事奥秋 彰一君
参事三枝 秀雄君
参事佐藤 仁貞君
商工部長市原  博君
商工施策担当部長塚田 祐次君
金融部長中井 敬三君
参事坂  崇司君
観光部長高松  巖君
参事保坂 俊明君
農林水産部長菊地 輝雄君
参事瀧川  清君
雇用就業部長安藤 立美君
就業調整担当部長関口 栄一君
中央卸売市場市場長森澤 正範君
管理部長石川 俊一君
新銀行設立本部本部長津島 隆一君
企画担当部長関  敏樹君
参事吉田 長生君
港湾局局長成田  浩君
技監樋口 和行君
総務部長斉藤 一美君
団体調整担当部長岡田  至君
港湾経営部長片岡 貞行君
参事新田 洋平君
臨海開発部長鈴木 雅久君
参事尾田 俊雄君
参事松本 義憲君
港湾整備部長田中  亨君
計画調整担当部長滝野 義和君
離島港湾部長萩原 豊吉君
参事西塚 武彦君
地方労働委員会事務局局長久保田経三君

本日の会議に付した事件
意見書について
地方労働委員会事務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百四十一号議案 東京都地方労働委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第二百四十二号議案 東京都地方労働委員会あつ旋員の費用弁償条例の一部を改正する条例
・第二百四十三号議案 審理、喚問、聴聞等に出頭した者及び公聴会に参加した者の費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
産業労働局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百四十号議案 東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
新銀行設立本部関係
報告事項(説明・質疑)
・新銀行東京再生ファンドについて
港湾局関係
報告事項(質疑)
・中央防波堤内側海の森(仮称)構想中間のまとめ
付託議案の審査(決定)
・第二百四十号議案  東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第二百四十一号議案 東京都地方労働委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第二百四十二号議案 東京都地方労働委員会あつ旋員の費用弁償条例の一部を改正する条例
・第二百四十三号議案 審理、喚問、聴聞等に出頭した者及び公聴会に参加した者の費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○野島委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の今後の日程につきまして申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 次に、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書三件を提出したい旨の申し出がありました。
 本件につきましては、本日の理事会において協議の結果、いずれも調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりました。
 お諮りいたします。
 本件については、理事会の協議結果のとおりとすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野島委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。

○野島委員長 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、地方労働委員会事務局関係及び産業労働局関係の付託議案の審査、並びに新銀行設立本部関係の報告事項の聴取及び港湾局関係の報告事項に対する質疑を行いますとともに、請願陳情及び特定事件の閉会中における継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより地方労働委員会事務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第二百四十一号議案から第二百四十三号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○野島委員長 発言がないとのことであります。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野島委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で地方労働委員会事務局関係を終わります。

○野島委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第二百四十号議案を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○清水委員 それでは、付託されております産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例について、簡単に何点か伺います。
 動物用高度管理医療機器などの販売業などの許可にかかわる手数料の規定を設けるということで出されているわけですけれども、販売業や賃貸業にここで新たに規制を設けた理由と許可の要件についてお伺いいたします。

○菊地農林水産部長 医療機器が高度化する一方で、故障などによる事故の報告も増加しております。このため、国は、高度な管理を必要とする医療機器の販売や賃貸業について許可制を導入することにより、安全対策の充実を図ることとしたものでございます。
 許可につきましては、都道府県知事が行うこととなっており、取扱品目を清潔、安全に保管できること、及び営業所ごとに法令等に定める資格を有する管理者を置くこととされています。

○清水委員 この医療機器としての指定基準と指定品目、そして、これらを扱う東京都の販売、賃貸業の許可対象事業者数はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。

○菊地農林水産部長 国は、医療機器の中で、故障などが生じた場合に生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあるものを高度管理医療機器とし、人工腎臓装置、人工心肺装置、ペースメーカーなどを指定する予定でございます。
 また、現在の国からの情報では、東京都における動物用医療機器を扱う二十業者のうち、十六業者が高度管理医療機器を扱うことになると聞いています。

○清水委員 従来でも、管理が不十分であるとか、管理が行き届いていないというような事実があったというふうに伺っているわけです。法改正、薬事法の改正の背景には、これは厚生の方にも係っているわけですけれども、エイズであるとかBSEという問題があるということで、製薬部門、薬の部門については追跡や調査がこれまでできていたわけですけれども、医療機器はできなかったというようなことで、今回の改正、それから規制の理由があるというふうに思うわけですね。
 それで、東京都としても手数料を取るということについては、そのとおり適切な対応だというふうに考えるわけですけれども、薬事法の改正によって国が行うものもあるわけなので、後で触れますが、事業者の実態の中で、従業員が少ないとか、ご夫婦でやられているとか、そういうふうに伺っているわけですけれども、新たに販売の管理者を設置しなければならないとなると、そういう対策が必要なんですけれども、非常に大きな負担がかかるというふうに伺っているわけです。
 都として、そうした事業者に対してはどのような対応を行っていくというふうに予定をしているのでしょうか。

○菊地農林水産部長 法改正による管理者の設置目的は、医療機器の販売や賃貸における安全対策を確保するためであり、管理者は、機器の品質管理や苦情処理、従業者の教育訓練などの記録を行うこととなります。このため、一定の経験や資格を必要としており、具体的には、医療機器の販売または賃貸に関する業務に三年以上従事した者、医師や医療機器修理業責任技術者などの資格を持つ者が管理者として認められることとされております。
 このようなことから、一定の負担はやむを得ないものと考えております。

○清水委員 国の改正によって、今お話のあったような管理をするということで、ロット番号での管理とか、バーコードの管理とか、台帳の管理とか、それを十年から十五年残さなければならないということで、人手の確保ということで、今ご説明があったようなこととしてはされるわけですけれども、それだけでも非常に大変な負担がかかってくるということで、今回、その上に、今までなかったものが、許可手数料ということで三万四千百円という額になったわけです。
 他県の例もいただきましたけれども、業者数も他県などでは非常に少ないということもありますけれども、二万九千円から三万五千円ということになっていて、東京都がとりわけ高いということではありません。しかし、今ご説明がありましたように、東京都は、私がいただいた資料では、先ほどのご説明では十六業者が対象になってくるということなんですけれども、二十業者余りがある。これからもその管理を行う業者が出てくるということの中では、東京都の今回の手数料の額というのは--私は、東京都にある事業者の実態というのを聞いているんですけれども、この業者、たくさんあるわけではありませんけれども、医療機器メーカーは非常に弱小が多いということや、多品種少量生産をしている。その道何十年の職人芸の職人がほとんどで、注文を受けて、合わせてつくっていると。メスやピンセット一つでも、つくり手で違うというような、簡単なそうした機器でも大変な職人芸でつくっていたんだということで、業界は年々少なくなって、後継者がいない状況の上に、今回の薬事法の改正などで追い打ちをかけるということになる。何十年も蓄積されてきた技術をこのまま失っていいのかという声などがありまして、この三万四千円というのが、申請手数料は仕方がないけれども、経過措置だとか救済策があってしかるべきではないかというような声を業者から聞いているわけです。
 そういう中で、都として許可申請手数料を徴収することになるのは仕方のないことですけれども、一気にこのような額を徴収するというのは、私はどういうことなのかなということを伺いたいわけです。
 今ご紹介したような事業者の実態というのがあるわけなんですけれども、そうした事業者の技術を確保する上でも、事業者の負担の軽減から見ても、この許可申請手数料金というのは、額というのは考慮する必要があったのではないかと思いますけれども、いかがですか。

○菊地農林水産部長 従来から薬事法では、動物用医薬品の販売については許可が必要でございまして、都では、受益者負担の適正化のため、許可等に係る手数料を規定しております。このため、同法の改正に伴う動物用高度管理医療機器等の販売業または賃貸業許可につきましても、同様に手数料の規定を設けることとしたものでございます。
 手数料につきましては、この算出は、申請書の受け付け、審査、現地調査、許可証作成等に伴う経費について積算を行い、その上で、薬事法に基づく他の手数料をも参考にいたしまして単価の算出を行ったものでございます。

○清水委員 原価の手数料計算書というのもいただいておりまして、それは、事務的にいえばそのとおりかもしれませんけれども、今紹介したような事業者の実態があるということで、そしてそう多くもないということで、やっぱり私は、一気にこのような額にするのではなくて、三分の一とか二分の一とか、順次手数料を設けていくというふうな措置が必要だったと思うわけです。
 後でそういう意見も述べますけれども、そういう意味で、今回の議案には賛成できないということを申し上げて、質問を終わります。

○野島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思います。これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野島委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。

○野島委員長 これより新銀行設立本部関係に入ります。
 理事者から報告の申し出がございますので、これを聴取いたします。

○吉田参事 報告事項につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号をごらんいただきたいと存じます。
 新銀行東京は、中小企業再生ファンドを今年度から立ち上げ、順次事業を展開していくことといたしました。
 再生ファンドの目的は、東京の経済を支える中小企業を再生すること及び都内地域金融機関の不良債権処理に貢献することでございます。
 また、その特色は、地域金融機関と連携しながら、異なる機能を持つファンドを状況に合わせて適切に活用することでございます。
 具体的には、再生可能性を弾力的にとらえ、中小企業を幅広く対象とすること、地域金融機関の貸出債権の一部買い取りも行い、不良債権の軽減を図ること、新銀行東京の不良債権も対象とし、企業再生の早期取り組みに活用することでございます。
 ファンドの規模は、設立時に二十億円、将来的には二百億円程度を予定し、設立時期は平成十七年二月を目途としております。
 なお、ファンドのスキームにつきましては、図にお示ししてございますので、ごらんいただければと存じます。
 以上をもちまして報告事項の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○野島委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○松原委員 それでは、ただいまの報告に対して、質問を随時させていただきたいと思います。
 先日、大手銀行の中間決済が発表されました。新聞報道によりますと、大手銀行の多くが二年ぶりに黒字決算となりまして、不良債権の処理もかなり進んだとのことであります。
 そこで、金融機関の不良債権問題について聞きますが、全国での銀行の不良債権は全体でどのぐらいあるのか、まずお尋ねしたいと思います。

○関企画担当部長 金融庁が公表しております、平成十六年三月期における全国の預金取扱金融機関の金融再生法開示債権、いわゆる不良債権の合計は三十四兆六千二十億円でございまして、これは貸出金総額約五百五十兆円の六・三%に当たるということでございます。

○松原委員 大変な金額がまだあるわけですが、最近進展しているといわれております、大手銀行の不良債権処理の状況というのはどういうふうになっているのか、お尋ねいたしたいと思います。

○関企画担当部長 大手銀行七グループの不良債権処理の状況でございますけれども、不良債権額では、平成十四年三月から平成十六年三月までの二年間で、二十七兆円であったものが約十四兆円と半減しております。これを不良債権の比率で見ますと、八・五%から五・二%へと、三・三ポイント減少しております。
 なお、先日発表されました中間決算では、不良債権が三月の十四兆から十二兆へと、不良債権比率が五・二から四・六%へと、さらに減少しているところでございます。

○松原委員 今ご報告のとおり、本当に十四年から十六年の二年間にかけて、二十七兆円から十四兆円ということで、まさに半分近く減ったということで、また最近の中間決済では、さらにそれから二兆円減っております。
 このように、順調に大手銀行の方は減っているわけですけれども、大手銀行以外の地域金融機関の不良債権処理、こちらの方はどうなっているのか、お尋ねしたいと思います。

○関企画担当部長 大手銀行以外の不良債権処理の状況でございますけれども、地銀、第二地銀のいわゆる地域銀行では、平成十四年三月期から平成十六年三月期までの二年間で、不良債権額が十四兆四千億円から十二兆四千億円と、二兆、一四%減少し、不良債権比率で見ますと、七・九%から七%へと、〇・九ポイント減少しております。
 信用金庫についてでございますけれども、この同じ二年間に、不良債権の額が約七兆六千億円から六兆五千億円、これも一四%程度減少しております。不良債権比率で見ますと、一〇・一%から九%と、一・一ポイント減少しております。
 いずれも地域金融機関の不良債権の処理は、大手銀行に比べまして大幅におくれているということができると思います。

○松原委員 今、それぞれ、大手銀行、それからほかの方の地域金融機関をお尋ねしたわけですが、大手行の方は約半減している、地銀や第二地銀、信用金庫の方は約一四%ということで、大手銀行と地銀との不良債権処理が大分違うわけですが、不良債権が余り進んでいないという、この辺の原因というのはどのように考えているのか、お尋ねいたしたいと思います。

○関企画担当部長 大手銀行につきましては、金融庁の金融再生プログラムで、平成十四年三月期から平成十七年三月期までに不良債権比率を半減することが義務づけられておりまして、不良債権処理が大幅に進んだものと考えられます。
 これに対しまして、信用金庫などの地域金融機関につきましては、そのような数値目標がなかったということでございます。また、信用金庫などの地域金融機関の体力も、バブル経済崩壊後の長引く景気低迷の中で次第に失われてきている。さらに三つ目には、信用金庫などの地域金融機関は、中小企業が多く、地域に密着した営業を行っていることなどから、抜本的な不良債権処理が進まなかったものと考えられます。

○松原委員 なるほど、やっぱりそのような大きな三つの考え方が考えられますが、私もその辺は同じような認識をさせていただいております。
 金融機関が不良債権処理を進めていくに際しまして、最近は企業再生ファンドを活用するケースが大変ふえているということでございますけれども、国内の企業再生ファンドの規模はどのぐらい伸びているのか、お尋ねしたいと思います。

○吉田参事 ファンドの規模の伸びでございますが、国内の再生ファンドの規模につきましては、公的なデータは存在いたしませんけれども、経済専門誌等によりますれば、ファンドによる国内企業への投資額、すなわち不良債権等の買い取り額でございますが、平成十六年八月時点で、累計で約一兆二千億円に上りまして、これは、前年同期の十五年八月時点が約二千三百億円でございまして、およそ五倍に急拡大しているとのことでございます。

○松原委員 これは大変すごい数字だと思うんですね。前年同期の二千三百億から一兆二千億ということですから、五倍にまさに拡大しているわけです。
 企業再生ファンドの規模は、このように大変伸びているんですが、信金の不良債権処理が進まないのは、信金等の地域金融機関が余りファンドを活用してこなかったことも一因ではないかと思うんですけれども、この辺を都としてはどう考えているのか、お尋ねしたいと思います。

○吉田参事 地域金融機関のファンドの活用についてでございますけれども、地域金融機関は、金融庁の方針でありますところの、リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムというのがございます。この中で、地域の中小企業の早期事業再生に向けた積極的な取り組みが求められております。その中で、再生ファンドの活用も有効な手段の一つとして挙げられているものでございます。
 しかし、実際には、これまで、信金の不良債権処理に再生ファンドは余り活用されてこなかったといううらみがございます。
 その理由といたしましては二つほど考えられておりまして、まず、信金は地域密着型でありますために、地域における事業者、顧客等の評価を意識いたしまして、再生ファンドを活用するというような思い切った不良債権処理には、なかなか消極的であったということでございます。それから、再生ファンドへの債権の売却に当たりまして、売却損の計上が必要となる場合がございますために、体力が低下した地域金融機関にとって負担が重いという、このようなことが考えられております。

○松原委員 今のご説明のほかに、ファンドを活用した場合には、債権者が地域金融機関から再生ファンドにかわりますけれども、その点について、債務者である企業にとってもマイナスのイメージがあったのではないかというふうに考えられるんですけれども、この辺はいかがでしょうか。

○吉田参事 債務者でありますところの中小企業でございますけれども、こちらの方は、金融機関からファンドに債権者が移るということにつきまして、以前は、売却されるということに心理的な抵抗感があったのは事実でございます。
 ただ、昨今は、平成十四年に政府が不良債権処理を促進する方針を打ち出したことも後押しとなりまして、企業再生の取り組みが盛んになりまして、再生ファンドへの評価も高まってきております。
 具体的には三点ほど考えられるわけでございますけれども、企業の経営状況等が開示され、客観的な第三者の視点で再生が行われるということでございます。二点目といたしまして、倒産に至る前に早期に再生支援に着手できる、手をつけられるということがございます。三点目といたしまして、その企業に再生する価値があるという、こういったような観点から、再生ファンドに債権が移ることにつきまして積極的な評価が広がってきております。

○松原委員 本当にこれは、中小企業を経営なさる方も、また地銀を初め地域の金融機関の方々も、企業再生というこの辺の部分がしっかり意識されたということが、この五倍の大きな発展になったのかなというふうに、今の説明を聞いてよく理解できます。
 中小企業のファンドの活用について、このような形で変わってきているわけでありますけれども、地域金融機関の不良債権処理も本格化することが、そういうことで期待されているわけです。このたびの新銀行のファンドでは、地域金融機関の不良債権処理も目的となるということでありますが、とりわけ新しい方式のファンドには、信金等の地域金融機関に活用されるために、どのように配慮されていくのか、お尋ねをいたしたいと思います。

○吉田参事 新しい方式のファンドが活用されるための配慮でございますが、地域金融機関と連携をとった新しいファンドは、信用金庫などの地域金融機関と密接な関係を有する中小企業に対する債権につきまして、その一部を新銀行ファンドが買い取り、再生支援を行うとともに、残りの債権を地域金融機関が引き続き保有いたしまして、債権者として残るということで、地域金融機関も当該企業との取引の継続性を保ちつつ、地域における評価を損なうことなく再生に取り組んでいくことを特徴としております。
 このファンドは、従来のファンドの持つ機能を補完するものでございまして、地域金融機関にとって魅力のあるものとなっております。信金等に幅広く活用されるものと考えております。

○松原委員 中小企業を主なお客さんとします信金等の不良債権処理が進んでいけば、結果として中小企業への資金供給が円滑に進んでいって、それが東京の経済の活性化につながるというふうに私も思いますし、また、そうしていただかなければ意味がない、こう思います。
 この新銀行ファンドにはぜひ頑張ってほしいと思いますけれども、その一方、新しい方式のファンドにどのくらいのニーズがあるのか、やや心配もするわけなんですけれども、新しい方式のファンドには十分なマーケットがあるのかどうかをお尋ねしたいと思います。

○吉田参事 新しい方式のファンドでございますが、これは主に都内信用金庫が保有する債権を対象といたします。都内の信用金庫の不良債権でございますが、平成十六年三月期の決算ベースで約一兆三千億円ございます。このうち、新方式のファンドの主な対象となり得る要管理債権が約二千七百億円でございます。このことから、十分なマーケットが存在するというふうに考えております。

○松原委員 一兆三千億のうちの約二千七百億円、そういうことで十分なマーケットが存在するだろう、こういう推測でございますが、この辺のことは、ちょっと私は専門家じゃありませんけれども、ぜひそうなってほしいなというふうに思います。
 ところで、三種類のファンドですが、今までの従来方式がバルク型、そして信金協調型と自社債権買い取り型があるわけですが、平成十六年度におきましては、なぜ従来の方式によるファンドだけを立ち上げて、新しい方式のファンドを立ち上げないのか、この辺をお尋ねしたいと思います。

○吉田参事 立ち上げの時期についてのお問い合わせでございます。
 平成十六年度は、既に手法が確立しておりまして、早期に立ち上げることが可能な、他社の幅広い不良債権を対象とした再生ファンドをまず立ち上げることといたしました。
 地域金融機関と協調、連携して再生を支援する新しい方式のファンドにつきましては、個々の信用金庫の抱えます個別の融資先、中小企業の状況に適合したものとするために、各信用金庫との十分な調整期間が必要でございます。また、審査体制など、新銀行のインフラの整備も必要であるために、新銀行の体制が十分整う本格開業後に順次立ち上げることといたしました。
 なお、当然のことでございますけれども、自社債権の買い取り型のファンドにつきましても、新銀行からの買い取り債権が発生いたします本格開業後に立ち上げることとしております。

○松原委員 確かに、各信金との十分な調整期間やインフラの整備も必要だというふうによく理解できます。
 そこで、日本経済もようやく、回復の兆しがいわれて久しくなってきました。しかし、大企業と異なりまして、多くの都内中小企業の経営環境というのは、まだまだ実態としては非常に厳しく、また、大手銀行が黒字になったからといいまして、それが中小企業への資金供給にはほとんどつながっていないというふうな私は認識であります。
 こうした中で、新銀行の担う役割はさらに重要となっておりまして、まず、開業前に一日も早く再生ファンドを立ち上げて、地域金融機関と連携して、都内の中小企業の再生支援を進めてもらいたいとぜひ思います。新銀行の一つの大きな旗印が、中小企業銀行専門店といってもいいぐらいですので、ぜひともこの辺は要望したいと思います。
 また、来年四月以降の開業に向けまして、今後、いよいよ最終的な調整や開業に向けたリハーサルを行う段階に入っていくと思いますけれども、新銀行に対する都民、中小企業の期待を真摯に受けとめていただきたいと思います。特に私どもは、暮れの忘年会とか、そういうところへ行きますと、会合とか座談会をやりますと、新銀行に対する期待は大変強いものを肌で感じております。そういった意味で、開業に向けて全力で取り組んでもらうことを要望して、質問を終わります。
 以上です。

○大津委員 中小企業再生のために、新銀行の新しいファンドを来年の二月に出すということですが、これについて、なかなかわかりにくい部分もありますので、いろいろと確認をしたいと思います。
 新銀行のファンドですが、主に地域金融機関の中小企業向けの債権を買うということであります。この中小企業の債権をファンドに逆に売る必要があるのはどのような場合なのか、それについて確認をしておきたいと思います。

○吉田参事 地域金融機関の保有する中小企業向け貸出債権をファンドに売る必要がある場合でございますが、新銀行ファンドで買い取る債権は、地域金融機関の中小企業を対象とする債権のうち、主として、返済が一定期間以上延滞しております要管理債権以下の不良債権化しているものでございます。
 地域金融機関がこうした債務者をそのまま放置いたしますと、不良債権が膨らむことから、早期に不良債権を処理し、オフバランス化に取り組む必要があるということでございます。

○大津委員 そのように、再生ファンドに売る必要という確認を終わりましたところで、再生ファンドの規模というのは、この一年間で大幅に拡大していると思います。この間、民主党の代表質問にもさせてもらいましたように、今回のファンドは、従来の産労局のファンドとどう違うのかとか、その辺を確認させていただきましたが、今度は、その銀行ファンドは、一方、既に長らくある民間のファンドとはどこが違うのかを確認しておきます。

○吉田参事 既存の民間ファンドでございますけれども、これは、比較的規模の大きな企業に対する数億円単位の債権を対象としたものが多かったのに対しまして、新銀行ファンドは、主として、平均貸出額が数千万円程度の地域金融機関の中小企業向け債権を対象といたします。また、状況によりましては、一千万円を下回る債権等も対象になり得るものでございます。
 また、新銀行ファンドは、信金等の地域金融機関の債権の一部だけを買い取り、残りの債権は地域金融機関に残ることで、地域金融機関と協調、連携して企業の再生に取り組む新しい方式を加えていることも大きな特色でございます。

○大津委員 従来ですと数億円単位のものが、数千万の細かい中小企業までの再生を目的とするということで、画期的なファンドにもなるかと思いますので、大いに実際の効果を出していただきたいと思います。
 それでは、再生ファンドですが、具体的にどんなふうに企業の再生を行うのか、わかりやすい言葉で、わかりやすくご説明をお願いします。

○吉田参事 再生ファンドが企業再生を行う際の問題でございますけれども、再生ファンドは、買い取り対象債権の債務者につきまして、当該債務者の資金繰りなどの経営状況、当該債務者の持っている保有資産の状況、また他の負債の有無、その企業の人件費、業界や顧客などの環境、事業ごとの収益性、こういったようなものの現状分析を幅広く行いまして経営不振原因を把握した上で、その企業の再生可能性を見きわめ、適正な時価で債権を買い取るということでございます。
 その上で、四点ほどのポイントがございます再生計画を作成するわけでございます。まず、債権の一部免除や返済期間の延長などの財務リストラ、事業の整理などにより不要となった資産、業務に直接必要のない資産の売却を行います資産リストラ、それから、その企業の人件費、物件費などの経費、こういったものの見直しを行うコストの改革、それから、その企業の中の収益部門への集中投資、新規市場の開拓などの成長戦略、こういった点をポイントにいたしまして当該企業の再生計画を策定いたしまして、債務者に対し、それに沿って再生を実行していただくものでございます。

○大津委員 企業を再生したいという思いは、債務者である企業の経営者、ファンドとも一致します。しかし、両者では、再生に向けての考え方や再生の方向性について、意見が違うときも多いのではないかと思います。再生計画を策定するときは、企業の経営者とファンドとの間の調整というのがどんなふうに行われているのか、最後にそれを確認させていただきます。

○吉田参事 再生計画策定の際のファンドと企業の経営者との調整の件でございますけれども、再生計画の策定に当たりましては、一般的に、ファンドの側が、ファンドの収支の観点から再生に向け合理性、効率性を重視するのに対しまして、企業の経営者の側にしますと、こちらは現状維持を求める傾向が強うございます。そこで調整が必要になってくるわけでございますけれども、この際に重要なのは、まず経営不振原因、経営の現状認識について、すべての情報を共有化した上で、同じ土俵に立って再生に臨むことでございます。
 その上で、ファンドと経営者は、お互いの希望する条件をすり合わせながら合意を目指していくということでございます。例えば、ファンドが一部債権の免除をするかわりに、経営者は、不採算部門の整理や不要資産の売却などの財務、資産の合理化、こういったようなものを実行していただくことになります。
 再生に向けた条件を整理しながら再生計画を立てて、協力して企業再生に取り組んでいくことが必要であるというふうに考えております。

○ともとし委員 新銀行については、いろいろと賛否両論のご意見等が各党によって出されているかと思うんですが、二月にマスタープランが出まして、三月の予特等でいろいろ質疑が行われまして、そしてまた四定の中で、知事の所信表明にこの再生ファンドの件が出てきたわけです。
 こういう経過の中で、都民の、ましてや中小零細企業を経営されている方は、新銀行に期待するところ、本当に高くなってきているわけですね。しかしながら、私がいろいろと調べた内容の中では、共産党さんは、党を挙げて新銀行はやめるべきだというふうに強く叫んでいるんですね。いろいろ各党のそういう状況下の中で見ていくと、新銀行のこれからの再生ファンドに対する立ち上げについては、やっぱり慎重にきちっとやって、共産党が反対するような、そういう内容じゃないんだということを明確にしてもらいたいなというのがあるんですよ。(「そんなこといわなくてもいいんですよ、わざわざ」と呼ぶ者あり)いやいや、これはわざわざいっておかないと。共産党は、新銀行は反対なんだということを強く叫んでいるわけですから。我々は逆に、この新銀行は中小零細企業の都民の経営者が本当に待ち望んでいるんだということを強く叫んでいるのであって、そこの違いを明確にわかってもらいたいな、そういう意味から、あえて固有名詞を挙げさせていただいているわけです。
 この再生ファンドを立ち上げて、中小企業の再生に取り組んでいただけると。過去の債務の返済に追われて、業績は必ずしも悪くないのにもかかわらず、バブルのツケというか、いろんなそういう状況の中から赤字が続いている中小企業というのは、都内にもたくさんあるんです。こういう企業を再生していただくということは、非常に大事なことだと思うんですね。まさにそこに期待するところが大なものがあるというふうに思うんです。
 そこでお聞きするわけですが、再生ファンドについては、債務者である中小企業と地域の金融機関、それぞれどういうようなメリットがあるのか、まずその辺からお伺いしたいと思います。

○吉田参事 再生ファンドにおける中小企業と地域金融機関のメリットについてのお尋ねでございます。
 まず、債務者の中小企業にとってのメリットでございますが、これは、ファンドから債務の一部免除、返済条件の緩和などの財務的な支援が受けられる、また、専門家によるビジネスモデルの構築等さまざまな経営支援を受けることによりまして、事業を再編し、企業再生を図ることが可能になることでございます。
 また、地域金融機関のメリットでございますけれども、これは、不良債権を早期に売却し処理することで売却額を確定するとともに、引当金の処理とあわせまして、最小限の負担で不良債権処理を進めることができる、このようなところがメリットと考えられます。

○ともとし委員 今の説明の中で、双方のそれぞれのメリットについてはわかったわけですが、再生ファンドの収支の構造は一般的にどのようなものなのか、お伺いしたいと思います。

○吉田参事 再生ファンドの収支の構造でございますけれども、再生ファンドは、金融機関が中小企業等に対して有しております不良債権を買い取るものでございます。ただ、買い取り債権につきましては、収益性などを精査した上で、また、ファンドの人件費等ファンド運営に必要な経費、出資者への配当なども勘案いたしまして、一定の利益が可能となる適正な時価で購入することとなります。その後、債務の返済を受けながら、債務者にさまざまな再生支援を行い、購入額を上回る返済を受けることにより、利益を計上していく仕組みでございます。

○ともとし委員 そういう状況からいって、現状の貸し渋りあるいはまた貸しはがしといったものがあって、再生ファンドをまず立ち上げた中で最初につまずくと、これは非常に厳しいものがあるんですね。ある意味では、新銀行に対して危惧しているところは、本当にそんなに--例えば、保証協会でも目いっぱいで、新たに借りることができない、あるいはまた市中銀行、信金等で、これまた目いっぱいで借りることができない。そういうところに対して、いってみれば手を差し伸べる。これが新銀行というような形で、多く都民の中にも周知されているところなんですが、かといって、これは慈善事業じゃないんですね。だから、それだけに、きちっとしたものがなくちゃいけないわけですよ。
 この再生ファンドについても、まさにそれを買い取るときの適正な時価がポイントになってくるんじゃないのかなというように思うんですが、その辺の内容をもうちょっと詳しく教えていただきたいと思います。

○吉田参事 買い取りに当たっての債権の適正な時価でございますけれども、適正な時価とは、債務者である企業の経営状況から判断しまして、一定期間のキャッシュフローから確実に弁済が見込める金額、すなわち、将来までの債権からの総返済額につきまして、一定の割引率を用いまして現在価値に割り戻した価格、これにファンドの運営費などの経費、それから出資者への配当、こういったようなものを引いた額でございます。
 もう少し簡単に申し上げますれば、ファンドが債権を購入して、債務の弁済を受けることなどで最終的に利益を生み出すことができる価格が適正な時価というふうに理解しております。

○ともとし委員 理論的にいくと、まさにそのとおりだというふうに思うんですね。ただ、理論的にいかないのがこういう問題でして、理論的にいかせるかいかせないかというと、人の判断になってくるかと思うんですね。
 そういう意味では、再生ファンドが利益を出していけるかどうか、ファンドの入り口で、買い取る債権の選別、そしてその価格、その判断を行う目きき、ここにかかってくるんじゃないかなというように思うんですが、その点についてはいかがですか。

○吉田参事 先生おっしゃるように、まさに目ききが非常に大切でございます。
 目ききにつきまして、具体的なやり方でございますけれども、これは債権を買い取る際に三点ほどのポイントがございます。まず、保有資産評価などの資産の査定でございます。それから、債務者の資金繰りの状況、債務者を取り巻く市場環境などの現状分析、三点目といたしましては、再生手法の選択。こういったようなことを内容といたします再生可能性を見きわめる資産適正評価業務、これはデューデリジェンスと申しておりますけれども、これを行いまして、これをもとに回収可能性を予測した上で、買い取りの可否、買い取る際の適正な時価などを判断してまいるものでございます。

○ともとし委員 目ききの部分についてはわかったんですが、いうなれば、いろんなチェックリストがあると。そのチェックリストを細かくチェックして、適正な買い取り価格というか、時価などを想定するのかなというように思うんですが、あくまでもチェックリストはチェックリストなんですね。やはりその目ききを行う人、そこが非常に責任は重大かなというふうに思うんですが、この新銀行で行うところのファンドは、目ききの部分の人、これはだれが行うんですか。

○吉田参事 ご指摘のとおり、債権買い取りの際の、いわゆる目ききの役割は非常に重要でございます。これにつきましては、ファンドから委託を受けた専門家であるファンド運営者が行うこととなります。
 通常、ファンド運営者は、投資会社や債権回収会社などが引き受けるものでございますけれども、新銀行ファンドにおきましては、新銀行自身の専門担当者の監督のもとに、再生ファンドの運営に十分な実績があり、特に信用金庫等の地域金融機関の実情にも精通している専門会社の中から選定する予定でございます。

○ともとし委員 今の答弁の中で、ちょっとひっかかってくる部分があるんですが、選定する人はどなたになるんですか。

○吉田参事 ファンドをつくる会社の方が選定することとなります。

○ともとし委員 この辺の関係性が非常に大事になってくると思うんですよ。例えば倒産した銀行にしても、それに近いような金融機関に関しても、最終責任者、そこがおかしくなったときには、みんな銀行はおかしくなっているんですね。あるいは、その最終責任者になり得る経営者の皆さんといっていいのかな、そこが狂ったら、全部狂っちゃうんですよ。だから、ここが大事だと思うので、あえて選定する人はどなたになるんですかというふうに聞かせていただいたんですが、相当自信のある、そういう内容で立ち上げていただけるというふうに思いますので、それを信頼していきたいと思います。
 今回の代表質問の中で、我が党の方から--全体の枠として出資の上限額を定めて、実際に債権を買い取る際に、買い取り価格に応じて出資を行うという答弁があったんですね。なぜ最初からすべての予定額を出資しておかないのか、この辺の確認をしておきたいと思います。

○吉田参事 最初に全額の出資をいたしますと、実際に債権を買い取るまでの期間、タイムラグがございますので、その買い取るまでの期間、ファンドはその出資金の管理を行わなければならないために、余分なコストが生じることとなります。また、出資者の側にとりましても、ファンドにプールするだけのために、一時に多額の資金を調達しなければならず、出資額に応じた手数料などの負担も生じることとなるため、ファンド運営と資金運用の効率化の観点から、出資上限額を定めまして、債権買い取り額に応じて出資者に出資を求めることとしたものでございます。

○ともとし委員 いってみれば、詳細にわたってマイナス部分を取り除いて、その上で、まさに慎重を期してこうした一つの方式をとったのかな、そう判断できるわけです。
 十六年度の出資上限額、新銀行の方では十億円、その他の金融機関が十億円、そうした見込みがあるわけですが、三種類、新銀行のファンドの出資が出てくるわけですが、その割合はどういうふうになりますか。

○吉田参事 三種類の新銀行ファンドの出資割合についてのお尋ねでございます。
 まず、従来の方式の再生ファンドにつきましては、既にご説明をさせていただきましたとおり、今年度、新銀行と提携金融機関等がおおむね同額を出資する予定でございます。
 信金協調型、それから自社債権買い取り型の再生ファンドの出資割合につきましては、現在、それぞれのファンドの目的が十分に発揮されることを目指しまして検討しているところでございます。

○ともとし委員 新銀行ファンドの設立については、いってみれば、本格開業前に新銀行が取り組む最初の事業になるのかなというふうに思います。この事業のある意味での成否が、新銀行にとって非常に大きな意味合いを持ってくるのかなというふうに思うんですが、経営不振に苦しむ中小企業のためにも、一日も早く設立していただいて、その準備に当たっては、先ほど部長の方からいろいろご答弁がありましたけれども、まさにそのように万全を期して、遺漏のないように慎重に進めていただきたいというふうに思います。
 そうしたことをやっていただくことによって、共産党さんの指摘することが当たらないということが明確になるのかなというふうに思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。

○丸茂委員 本会議で新銀行の再生ファンドの質疑がされましたので、改めて、委員会でも報告がありますので、ぜひ伺いたいと思うのですが、今、公明党から我が党に対して、具体的に党名を挙げて批判が出されましたので、私ども、なぜ反対したのかといいますと、本会議で石原知事が、衰退していく八百屋さんや魚屋さんには貸さない、そういう答弁がいまだに撤回されていませんし、何よりも、今、不良債権で苦しむ中小企業に対してきちんと支援されるものであるかどうかが、やっぱり今の時点で判断できない。そのために一千億円の出資もされるということを含めて、私ども、そういう推移を見ながら、さらに議論をしていきたいと思います。
 そこで、産業労働局が立ち上げた企業再生ファンドと新銀行のファンドは、どこに違いがあるのか。産業労働局のファンドは、中小企業の再生を図るため、金融機関等と共同出資により投資事業有限責任組合を創設する。ペーパーでもこの組合は立ち上げられるそうです。そういう中で再生ファンドを実行していくと。新銀行とそこがどう違うのか、改めてお伺いいたします。

○吉田参事 新銀行のファンドは、商法に基づく匿名組合方式をとる債権買い取り型でございまして、再生可能性を比較的弾力的にとらえまして、幅広い業務状況にある企業を対象にするものでございます。
 産業労働局ファンドにつきましては、投資事業有限責任組合法に基づく組合方式をとっておりまして、債権買い取りだけではなく、株式取得も可能でございまして、また、再生対象企業に手厚い経営支援を行っていくことが特徴ということでございます。

○丸茂委員 それでは、中小企業の方々にとって再生ファンドが二つあるわけで、そういうときに、中小企業が選択する場合、どちらがどういうメリットがあるのか。やっぱり中小企業、利用される方の立場に立ってどうなのかという率直なご意見もありますので、その点いかがでしょうか。

○吉田参事 産労ファンドでございますけれども、これは先ほども申しましたように、株式取得も可能でございまして、株主として直接経営に関与できることから、再生可能性の高い企業を支援するのに有効だというふうにいわれております。
 一方、新銀行ファンドでございますけれども、こちらは債権買い取り型でございまして、再生可能性を比較的弾力的にとらえることによりまして、さまざまな業況の企業を幅広く再生の対象としてまいるものでございます。
 以上のことから、都内の中小企業にとりましては、再生可能性など当該企業の状況に応じまして、それぞれのファンドの特色を生かした支援が受けられ、再生支援を受ける機会が広がることとなるというふうに認識しております。

○丸茂委員 新銀行は、地域金融機関からの債権買い取り型ということになっておりますけれども、そういう点では、地域金融機関との連携が非常に大事になると考えます。信用金庫等との協議の状況はどうなっているのか、その点、改めて伺います。

○吉田参事 新銀行は、東京都信用金庫協会と包括提携契約を締結しておりまして、現在、これを受け、業務提携について各信用金庫と協議を行っているところでございます。
 こうした中で、再生ファンドの買い取り対象となる各信用金庫の不良債権の状況等につきまして、情報交換を行っているところでございます。

○丸茂委員 ファンドへの出資状況はどうなっているのか、お伺いしておきたいと思うんですが、産業労働局の再生ファンドは、投資予定額を百億円程度に見込んでおります。そのうち、東京都が二十五億円、その他を地域金融機関と運用者等で、都の三倍、七十五億で運営する、こういう状況になっております。先日、産労局から聞きましたら、地域金融機関等から、現在、二十四億から二十五億の出資が寄せられているとお聞きをいたしました。
 新銀行の出資状況はどうなっているのか、お伺いをいたします。

○吉田参事 今年度立ち上げることになります従来方式の再生ファンドにつきましては、新銀行と提携金融機関がおおむね同額を出資する予定でございます。
 また、この後立ち上げる予定になっております信金協調型、自社債権買い取り型のファンドの出資割合につきましては、現在検討中でございます。

○丸茂委員 今の答弁では、新銀行への民間の金融機関等の出資状況はどうなのかというのはわからないんですけれども、産業労働局の出資割合と大分違う状況にあります。しかし、中小の再生のためにどう役立っていくのか、その点では、地域金融機関等との連携、協力は欠かせないというふうに思います。
 そういう点で、今後の推移を見ながら、また随時この委員会にも報告いただくということで、その都度質疑をしていきたい、そのことを申し上げて質問を終わります。

○野島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野島委員長 異議なしと認めます。よって、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で新銀行設立本部関係を終わります。

○野島委員長 これより港湾局関係に入ります。
 報告事項、中央防波堤内側海の森(仮称)構想中間のまとめに対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○松原委員 私は、過日の当委員会で、請願の内容であります青少年のためのキャンプに限って何点か質問をいたしました。今回は、中間のまとめ全体に対して伺っていきたいと思います。
 計画地というのは、面積約八十八ヘクタールで、これは日比谷公園の五・五倍にもなる区部最大級の大公園になると思います。今後、これだけの規模の公園はなかなか出てこないだろうというふうに認識をしております。
 また、ごみで埋め立てられた場所を、自然環境の再生の視点から緑豊かな森に変えていくことや、民間の力を活用することについては、我が党も一貫して主張してきたところであります。これは素直に評価していきたいと思っています。
 まず、海の森構想の根幹をなすコンセプトについてですが、自然環境の再生、活気ある個性的な公園、新しい事業手法の展開の三つを基本的な考え方として、それを進める上で欠かせないリサイクル、自然環境を学ぶ場、東京のシンボル・ランドマーク、時間をかけてつくるという四つの視点を示しております。
 これは再確認の意味でお伺いするんですが、これらのコンセプトについての考え方をまずお尋ねしたいと思います。

○鈴木臨海開発部長 平成十四年の審議会では、今後の海上公園のあり方として、公園利用の活性化、自然再生、都民との協働というキーワードが示されております。
 これを踏まえまして、さらに具体的に、海の森では、広域的な水と緑のネットワークを形成する拠点として、自然との触れ合いの場の拡大、ヒートアイランド現象の緩和への寄与などを図る必要があることから、自然環境の再生を目指すとしております。また、市民参加の高まりを受け、都民や企業の方々の参加と協力による整備や管理の仕組みを構築し、多くの方々に利用されるよう、他の海上公園とは異なる個性的な公園とすることとし、三つの基本的な考え方をまとめたものでございます。
 また、この考え方を進める上で考慮すべき今日的課題であるリサイクル社会への貢献、自然環境を学ぶ機会の提供、さらに、計画地が東京港の中央に位置する立地条件などを四つの視点として整理したものでございます。

○松原委員 いずれにしましても、海の森では自然環境の再生が一番大きな柱になっていますし、これがつくっていく一番大きな理由だというふうに私は思っております。しかし、計画地は、ご承知のとおり、風が大変強く、ごみと建設発生土で埋め立てられた土地でもありますから、自然を再生するには相当な工夫が必要であると思います。
 中間のまとめの報告でも、防風林をつくるとか、リサイクルによる土づくりをするとか、説明がありました。木を植えて防風林をつくったり、土づくりをしたりする過程でも、協働とか自然環境を学ぶこととかを一緒に考えていかなければいけないのではないかというふうに思いますが、そこで、剪定枝葉のリサイクルによる土づくりとは、具体的にどのような方法を考えているのか、また、その効果は何なのかをお尋ねしたいと思います。

○鈴木臨海開発部長 中央防波堤内側はごみによる埋立地であり、計画地は約八十八ヘクタールと広大な面積を有しております。こうした埋立地を森としてよみがえらせるためには、お話のように、植物の生育に適した土に変えていくことが必要でございます。このため、都内の公園や道路から発生する剪定枝葉をこの計画地の一角で受け入れ、チップ化し堆肥とするまでを、民間の経験と技術により実施することを検討しております。
 これによりまして、有効活用が進まなかった剪定枝葉のリサイクルが効率的に行えるようになることから、リサイクルの推進、焼却処分量の削減による環境保全などに寄与すること、また、植え込み地を造成する際に購入していた良質土が不要となり、土づくりに係るコストの縮減が図られることなどの効果が見込まれております。
 加えて、土づくりの作業ヤードを、周辺の廃棄物処理施設との連携によりまして、環境教育の場として活用することも提案されております。

○松原委員 地球の環境保護、そういった自然環境を学ぶということは、大変大きな今日的な課題でありますので、私は大変結構なことだというふうに思います。
 先日、十二月の頭に、日本ボーイスカウト東京連盟の方々から、海の森構想の中で青少年のキャンプができるようにすることに関する請願に関して要望を聞きました。
 その中で、ボーイスカウトの人たちは、青少年の健全な育成を目指して、自然の中でキャンプを通じて子どもたちの自立心を養うなどの活動を行っています。文字どおり、自然環境を学ぶことで青少年の育成を実践している団体でありますが、具体的な活動の中には、下草を刈ることやベンチを補修することも含まれております。また、ドングリから木をつくって、その苗木を植えることも当然のこととしてできるそうでございますが、そういう意味では、まさにうってつけの団体でもあるわけです。
 こうしたボーイスカウト東京連盟を初めとします民間団体の経験、あるいは知恵や支援をぜひとも活用していくべきだと私は考えますが、そのためには、こうした団体などに対して海の森に関する考え方を伝え、理解と協力を得ることが重要と思いますが、この辺をどのように考えているのか、お尋ねしたいと思います。

○鈴木臨海開発部長 ご指摘のボーイスカウト活動は、青少年が自然体験や自然観察、キャンプ生活などを通じて自立心や協調性を身につける活動であると認識しております。海の森の利用に通じるものがあると考えております。
 こうした活動を行う民間団体や企業などの理解と協力を得ることは、海の森構想を進める上で重要であると認識をしております。このため、社会貢献活動に熱心な企業や民間団体に対するアンケート調査やヒアリング調査を行ったところ、幾つかの企業や民間団体から、この事業への参加、支援の意向が示されております。
 今後は、協働事業の具体的な仕組みを構築し、お話のように、豊富な経験や知識をお持ちの団体などに対し、海の森に関する具体的な情報提供に努めるとともに、積極的に参加を働きかけてまいります。

○松原委員 この計画地というのは、皆さん方もご承知のとおり、東京港の真ん中に位置しております。東京の空と海の玄関口に位置をするわけでございますが、そうした関係からも、ランドマークの形成という視点が出てきたことも大いにうなずけるところであります。
 特に、私の地元大田区の羽田空港を離発着する飛行機からは、この地が大変よく見えます。恐らく、そこに広大な森が広がっている光景を目の当たりに見ましたら、見事だろうし、すばらしいことだというふうに思います。ぜひ、皆さんの目を楽しませてくれる、すばらしい森を今後つくっていっていただきたいというふうに思っておりますが、そうした観点に立ちますと、海の森の空間構成が大事になってきます。
 中間のまとめでは、土台となる自然空間、森とのかかわりを持つ空間、管理運営のための空間、海とかかわりを持つ空間で構成するとしています。その上で、具体的には、草地、池、疎林、森やいそ浜などを配置していくこととしておりますけれども、特に草地や疎林ではキャンプやイベントなどができることになると思いますが、これだけ大規模な公園になりますと、さまざまなことに使いたいという要望も出てくるだろうと推測されます。しかし、あくまでも、あらゆる都民が森を初めとする自然を享受することが基本であると思いますし、そうあるはずであります。そこのところを、私は揺るがすことがないようにしていただきたいと思います。
 そこで、海の森ではどのような利用を考えているのか、お尋ねをいたしたいと思います。

○鈴木臨海開発部長 海の森の構想では、空間構成をお話のように四つに分けており、これをもとに、ふれあいの林と海辺、つどいのくさ原、観察と保全の森と海辺などにゾーニングしております。
 このうち、つどいのくさ原は、草地の広場、来訪者施設など、ふれあいの林は、落葉樹を主体に常緑樹も混合した疎林など、また、ふれあいの海辺は、親水護岸、砂利浜、広場などで構成されており、来訪者による利用が高いゾーンとしております。
 その逆に、観察と保全の森は、落葉樹、常緑樹の混合した森に散策路や池など、また、観察と保全の海辺は、潮入りの池や湿地などで構成されており、極力自然に近づけて、利用をある程度制限するゾーンとしております。
 つどいのくさ原、ふれあいの林では、林間レクリエーション、キャンプ、自然体験、観察などのほか、コンサート、お祭りなどの多目的な利用も想定しております。
 また、海の森がつくられていく過程、自然が再生していくプロセスを見て学ぶことも利用の一つの形としております。

○松原委員 今後、最終答申をまとめていくことになっていくわけですが、今いわれた観点を十分に踏まえてやっていただきたいと思います。
 海の森の事業が、より広範囲な都民の参加を得て森づくりを継続的に行うため、世代を超えた取り組みが必要であるとの理由から、時間をかけていくことや長期にわたる事業になることは十分に理解できます。しかし、その一方で、三十年もの間、全体にわたってずっと整備を続けているわけでもないでしょうし、整備の進め方によっては、一部のゾーンではもっと早くできていくのではないかと思われます。
 そこで、先ほどの日本ボーイスカウト東京連盟からは、都内にはキャンプを行う適地がない、海の森構想が実現すれば、これほどうってつけの場所はない、また、キャンプは平たんな土地と水道とトイレがあればできるというふうに聞きました。
 こうした具体的な要望も出されていますので、一日も早く、部分的にでもいいですから、使えるところは使っていくということが望まれると思いますが、海の森の一日でも早い利用についてどのように考えているか、お尋ねしたいと思います。

○鈴木臨海開発部長 お話のように、海の森構想は、都民、企業などとの連携により事業を進めていくこととし、また、長期にわたり段階的に整備していくこととしております。
 本年十一月に、民間団体などの協力を得て小学校で始めたドングリからの苗木づくりにつきましても、海の森に植える苗木をできるだけ早く用意するために取り組んだものであり、来年以降、本格化してまいります。
 今後、できるだけ早期の植樹に取り組み、森づくりの過程で暫定的な利用を図ってまいります。

○松原委員 海の森を利用していくに関して、もう一つ、注意するか、留意をすべき点が私はあると思っています。それは、現在、この埋立地へ行くための交通手段が極めて限られているということであります。
 確かに今は、廃棄物や建設発生土を運搬するための車やコンテナ車両が多く、一般の方々が行くような場所ではないために、バスなどの公共交通機関がないのはわかります。しかし、今後、最終答申を受けて、行政側として計画していく際には、この点を十分、交通手段ということを念頭に検討していただきたいというふうに思います。
 先月発表されました平成十七年度重点事業の中にも、この海の森の整備に向けまして、基本計画を策定することが盛り込まれました。また、小学校でドングリからの苗木づくりも本格的に始めるということで、海の森の実現に向けて、動きが次第に見えるようになってまいりました。
 そこで、海の森の実現に向け、局長の決意をこの際お伺いいたしたいと思います。

○成田港湾局長 昭和四十八年から六十二年にかけまして、足かけ十五年かけて、ごみ千二百三十万トンでできましたこのごみの埋立地を海に囲まれた緑豊かな森へ変えていくというこの取り組みは、日本の現代的課題であります持続可能な循環型社会の実現に向けました大きな実験、実践でもあると認識しております。
 また、東京港の中央部に位置します計画地は、先生お話しのように、海と空の玄関口に当たるとともに、約八十八ヘクタールと区部最大級の公園になるなど、東京における新しいシンボルになるものと考えております。さらに、今後、羽田が再拡張された暁には、本格的な国際線の就航も再開されるといわれておりまして、文字どおり、国際都市東京の玄関口、すなわちゲートウエーのランドマークになると考えております。
 こうした取り組みを着実に実現するために、今後、剪定しました枝葉のリサイクルによる土壌改良を進める一方、民間団体との連携のもと、小学生による苗木づくりを広めるとともに、その苗木を一日でも早く植樹しまして、大きな森が育つスタートが切れるように努めてまいります。

○松原委員 私は、今までの行政側というか、高度成長の中で、どちらかというと自然を壊すというか、いじるというか、そういう形で行政も民間の方もみんな来たと思うんです。ところが、こういう環境の問題とか自然を守るとか、今の時代がそういう方向に向いて、地球をみんなで守っていこうという、そういう大きな大前提があります。それも東京の大玄関口でやるという、私は、これからの世代につないでいく大変大きな海の森構想だというふうに認識しています。
 そういった意味では、循環型社会あるいは国際化、そういういろんな要素を含めながら、これは東京都を挙げての大きな実験舞台だというふうに思っておりますので、ぜひとも皆さん方、そういう気持ちの中で頑張っていただくことをご期待申し上げて、質問を終わります。

○柿沢委員 海の森構想の中間のまとめについて、幾つか、提案も含めて質疑をしたいと思っております。
 私、江東区が選挙区ですので、ある意味では中央防波堤に隣接をした地域ということにもなります。中央防波堤そのものの帰属はまだ決まっていないわけでございますけれども、将来的には私どもの地元になるという前提に立って質疑をさせていただきたいというふうに思っております。(発言する者あり)これは、いうだけただでございますので。
 地元に近いということで、江東区の皆さんからも大変注目を集めているプロジェクトでありますし、また、私どもも、臨海副都心の先にある中央防波堤の内側の埋立地に森ができるんですよというお話をいろんな会合でさせていただく場合がございます。そのときに一つのポイントとしてこちらからお話をさせていただきますのは、やはり環境問題、とりわけヒートアイランド現象の緩和につながるものなんだというお話でございます。
 この中間まとめの基本的な考え方の中でも、自然環境の再生、活気ある個性的な公園、新しい事業手法の展開、この三つの考え方が提示をされておりまして、まず真っ先に、ヒートアイランド現象の緩和も含めた自然環境の再生ということがいわれているわけでございます。
 そういう意味では、今回、この中間のまとめの質疑に当たりまして、ぜひ具体的な効果として、ヒートアイランド現象の緩和というのが、海の森公園をつくっていくとどの程度効果として見込めるのか、数字で示していただきたいというふうに、試算があれば聞かせていただきたいと思うんです。

○鈴木臨海開発部長 海の森の予定区域八十七・九ヘクタールのうち、六割に当たる五十三ヘクタールを樹林とした前提で試算してみたところ、ヒートアイランドに関する熱抑制という面からは、平均的な市街地熱量を基礎とすれば、海の森は約六十一ヘクタール分の発熱量を相殺するとされております。この面積は、例えば臨海副都心の台場地区の広さに近いものでございます。
 また、温暖化の観点から見ますと、樹林が二酸化炭素を吸収する量は、人間で二千人、または自動車約三百三十台分に相当するとされております。

○柿沢委員 今お話がありましたとおり、市街地でいうと六十一ヘクタール、臨海副都心の台場地区、フジテレビのあるあたりのエリアの熱量を相殺する水準だと。また、二酸化炭素の吸収という意味でいうと、自家用車三百三十台分ということですか。広大な森ができるとヒートアイランド現象の緩和につながるということで、こう大きくいわれている中でこの数字を聞くと、非常にたくさんのような、そうでもないような感じがするわけであります。
 いずれにしても、一つ申し上げておきたいのは、これは非常に大きなプロジェクトになるんだと思いますし、まだ今の段階で、総工費が幾らだとかそういう話を聞いても、なかなか答えとしては出てこないんでしょうけれども、かなりな費用を要する事業なんだというふうに思います。
 この森をつくることで、数値化されないいろんなメリットがあるのは承知していますけれども、数値として、効果が実証というか、目に見えてわかるという意味では、ヒートアイランド現象の緩和というのは東京においても非常に大事な課題になっておりますので、一つ数値で示されるものとしては重要な点になってくるんだというふうに思うんです。
 その数値で示された効果がこんなものだということを考えると、余り過大な投資をこれに対してするのもいかがなものかという感じがするものですから、これから具体的な基本設計、実施設計とやられていくんだと思いますけれども、なるべくむだに過大なお金をかけないように、この公園建設というか、森の整備というのを進めていっていただきたいなというふうに思うわけでございます。
 以下、具体的ないろんな、私がこの中間のまとめを拝見させていただいて感じたことを、幾つか提案の形でお話をさせていただきたいと思います。
 まず、自然環境の再生という項目の中に、多様な植物や動物が息づく豊かな自然ということが書かれてございます。この部分について具体的にどういうことを考えておられるのか、もう少し具体的にご説明をいただきたいと思います。

○鈴木臨海開発部長 予定地は、潮風など植栽には大変厳しい条件にあるため、これに耐える樹木を選抜してまいりますと、植物の種類が単純になりやすくなります。このため、計画地の外周りを潮風に強い防風林で囲めば、内側の植物はこの地にふさわしい多様な植物が配置できると考え、このことがまた、昆虫や野鳥をも豊富に生息させることができるため、このような表現となっております。
   〔委員長退席、山田副委員長着席〕

○山田副委員長 委員長を交代いたしますので、よろしくお願いいたします。

○柿沢委員 今お話にありましたとおり、外周を防風林で囲むことによって、内側に多様な植物、動物、こうした生物が息づく環境を整えるんだ、そんなお話でしたけれども、ここで私、一つご提案を申し上げたいのは、在来種の保護という観点をぜひこの森づくりの中で持ってもらいたいということなんです。
 今、日本では、動植物の分野で、いわゆる外来の生物が繁殖していくことで日本固有の在来種が駆逐され、場合によっては絶滅をしているというようなことが大きくいわれております。東京あるいは関東地方でも、古来の在来種であるカントウタンポポが、セイヨウタンポポにこの四十年ぐらいの間でどんどん駆逐されて、最近ではセイヨウタンポポばかりで、カントウタンポポの姿を見ることが少なくなっているというようなことがいわれたり、あるいは、ブラックバスの放流で、古来の魚、例えばフナやタナゴ、こういう昔の日本の里山の自然にすみついていた水生生物というのがだんだん姿を消しつつある。メダカなんかもそうですね。そんなことがいわれているわけであります。
 そういう中で、東京のど真ん中に新しい自然を再生していくということになるわけですから、ぜひここを、日本から姿を消しつつある古来の在来種を育て、また広げていくという場所として活用ができたらという気がするんです。ここで、今いったようなカントウタンポポを育てて、あるいはメダカやフナやタナゴを育てて、水生昆虫、私、小さいころはいっぱい集めましたけれども、こういう日本古来の、里山の自然を回復するその種をつくっていって、行く行くは、十分に育ったら、外で開発をされていった地域、あるいは都外の公園も含めて、そうしたところに復元をしていくお手伝いをここの海の森からやっていく、こんなことができたらすごくいいんじゃないかというふうに思うんです。
 そういう意味では、広大な海の森の中で在来種を育成していくという観点を、これから森づくり、あるいは動植物の自然の環境づくりの中で持っていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○鈴木臨海開発部長 海の森を構成していく植物は、現在、ドングリによる苗木づくりを行っておりますが、マテバシイやスダジイなど、海辺にふさわしい在来種でございます。
 今後、具体的な計画を進めていく上で、在来種の導入、育成について十分検討し、配慮してまいります。

○柿沢委員 今、臨海開発部長から、十分に検討し、やってまいりますというお話がありましたので、大変これは期待をしたいと思いますし、ある意味では、これも海の森の一つのシンボルというところまで育てていくことができる試みになるんじゃないかなと期待をしたいと思っております。
 もう一つ、今度は交通アクセスの点でお話をしたいんですが、今、松原理事のお話にもありましたけれども、交通アクセス、今は物流関係の車両が中心ということもありまして、バス路線の整備などもされていない状況があるわけです。この中間のまとめの本編の一二ページにも、海上バスを活用するんだというようなことが書いてありますが、しかし、その後には、将来的にも車によるアクセスが主流になると見込まれるということが書かれてございます。
 しかし、私、考えるんですけれども、自然再生というテーマを掲げた公園で、交通アクセスが車が中心だというのは、どうも矛盾しているような気がするんですね。そういう意味では、なかなか難しいことではあると思うんですけれども、自然再生あるいは環境教育をやっていくという海の森に到達をする交通アクセスというのは、環境負荷の小さい手段をできるだけとるべきだ、そういうふうに私は思うんです。
 そういう意味では、私は、マイカーなどでここに来るよりも、近くの駅までは公共交通手段をとってもらって、そこから例えば自転車で行くような考え方ができないかなというふうに思うんです。
 そういう意味では、自転車で行くということは現実に実現可能なのかどうか伺いたいんですけれども、今、海の森に行くとすれば、予定地につながるトンネルを通らなければいけないんですけれども、このトンネルというのは自転車は通れるのでしょうか。
   〔山田副委員長退席、委員長着席〕

○鈴木臨海開発部長 海の森の予定地に行くためには、第二航路海底トンネルか、または臨海トンネルのどちらかを通らなければなりませんが、いずれも自転車は通行禁止となっております。

○柿沢委員 残念ながら、そういうことなわけでございます。しかし、これから将来的には、東京港臨海道路の二期工事で、若洲の方から橋がつながるわけです。若洲のエリアというのは、キャンプ場あり、サイクリングロードありで、現実に自転車で通っているというのは余り聞いたことがないんですけれども、でも、自転車の利活用というのを少し想定されていた地域になるわけです。
 そういう意味では、最寄りの駅でいうと新木場の駅になりますが、ここで電車をおりる、そこで例えばレンタサイクルみたいなものがあって、そこから自転車で東京港臨海道路の二期工事の橋を通って海の森にアプローチする、帰りは、新木場の駅で借りた自転車を返して電車で帰る、こういうことができたらいいんじゃないかなと思うんですけれども、臨海道路の二期工事の橋梁の建設に当たって、自転車でのアクセスの可能性というのはいかがなものなのでしょうか。

○鈴木臨海開発部長 臨海道路二期について、国の検討段階では、自転車については、これから管理問題も含めて通行の可能性を検討すると聞いております。

○柿沢委員 可能性はあるということですので、そういう意味では、これから、私は絶対こういうことを考えていくべきなんだと思います。車の総量規制の問題も首都圏ではあるわけで、そういう意味では、環境負荷の低い乗り物を乗り継いで、しかも、あそこら辺は海からの眺望も非常にきれいですし、自転車で風を切っていくというのが、すごく爽快なものにもなるんじゃないかというふうに思うんです。
 トンネルは通れない。物流の車両も通りますから、これはかなり大規模なトンネルの改修、改変が必要だと思うので、将来的にもなかなかこれは、トンネルを通って自転車で行くというのは難しいと思うんですけれども、若洲からのアプローチについては、ぜひこの点、東京都からも国土交通省なりにご提案をしていただいて、検討を進めていただきたいというふうに思います。
 最後に、もう一つだけ、意見としてご提案をさせていただきたいんですけれども、この海の森、東京の新しいランドマークとして全国的にも大変注目をされるべきものだというふうに思うんですけれども、そうしたPR、海の森ブランドの形成に向けた方策づくりということが三三ページにも出てくるんですけれども、ブランドづくりという意味では、さまざまなことがここに書いてございます。
 例えば、キャッチフレーズやロゴマークを使って、情報を一つのイメージにまとめて発信をしていく、あるいは、著名人を起用して、海の森を注目させて、イメージの好感度を向上させるというようないろんな試みが書いてあるんですけれども、ここで一つ、私ご提案をしたいのは、日本の国内に現存する古くからの伝統的な森林、山地など、こうしたところと姉妹提携を結ぶことです。
 例えば、世界遺産として登録をされている青森の白神山地があります。私、NHK時代に長野放送局にずっといましたけれども、木曽の山地なんかも、非常に日本全国に名前が知られた山地であり、森林だと思いますけれども、こうした地方というか、古来の森林とこの東京の新しい海の森が、姉妹の森関係というか姉妹提携を結ぶことによって、東京の海の森のPRにもつながると思いますし、あるいは、場合によっては都市と農村との交流みたいなことにも、こうした姉妹の森提携というのが活用できるのではないかというふうに思うんです。
 都市から、例えば木曽なら木曽に子どもたちが山村留学をする。あるいは、地方の木曽の子どもたちが海の森に来て、東京の子どもたちと自然交流をする。そうした都市と農村との、あるいは森林との交流、山地との交流、こうしたことにも姉妹の森提携というのが活用できるんじゃないかなというふうに思いますので、これを一つ、もしよかったらご検討いただけないかなというふうに思います。
 いずれにしても、大都市東京において森をつくることの意義というのは、事東京だけの問題にとどまらず、全国に向けて、環境を守り育てていく、自然環境を再生していく重要性ということを発信していく上で、非常に大きな意義のある事業だというふうに思うんです。
 最初に申し上げたように、ある意味では過大な投資にならないように気をつけてはいただきたいんですけれども、しかし、十二分にその成果が発揮できるように、いろんな趣向を凝らしていただいて、試みをしていただいて、皆さんの所期の目的が最大限達成できるようにご期待を申し上げて、私の質疑を終わらせていただきます。

○谷村委員 それでは、引き続き、過日の当委員会に報告のありました、中央防波堤内側海の森(仮称)構想中間のまとめにつきましてお伺いをいたします。
 一千二百万トン余りのごみで埋め立てられた土地を緑豊かな公園にすることにつきましては、我が党はかねてより、大変にすばらしいことであり、もろ手を挙げて大賛成する、このようにいってまいりました。特に、これだけ大規模な公園の整備を最初から都民との協働で取り組むという発想はこれまでにないものであろう、このように思うわけであります。そこで、中間のまとめの中の大きな柱の一つになっております、新しい事業手法の展開につきましてお伺いをしていきたいと思います。
 まず、協働の原則として五点ほど挙げられておりますが、特に役割分担の明確化は大変に重要であります。都と都民などとの役割が不明確では、都民などの積極的な参加などあり得ない、このように思うからであります。また、都というしっかりとした組織のバックアップがあってこそ、都民などは安心して参加することができるわけであります。
 そこで、確認の意味で、都と民間とはそれぞれどういう役割を担うのか、お伺いをいたします。

○鈴木臨海開発部長 中間のまとめでは、都が策定する海の森構想に賛同する都民、企業、NPOなどの参加により協働事業を進めることとしております。
 役割分担として、都は、全体計画、設計、工事などの基盤整備を行うとともに、公園管理者として必要な維持管理を行うこととしております。
 一方、都民、企業などには、植樹や育樹などの森づくり、ベンチや散策路の整備などの身近な施設づくり、環境学習の実施や公園ガイドなどの活動に携わっていただくことを想定しております。さらに、資機材や資金の提供も募ってまいります。こうした活動に対しては、都が人的、物的側面から支援していくことを考えております。

○谷村委員 協働やボランティアなどといいますと、お金も何もかからない、このように思われがちですが、実際はそういうことはないわけでして、ぜひ都としてもしっかりとバックアップをお願いしたい、このように思います。
 ところで、これはいろいろな組織、地域や社会も含めてそうですけれども、同じようなことがいえるかもしれませんが、ともすると、声の大きな人の意見だけが目立ち、ほかの人たちの声がなかなか届かないということはよくあることであります。ましてや海の森構想のこの土地は、公の土地であり、都民の貴重な財産でもあるわけであります。都民を初め企業やNPOなどのさまざまな人たちの意見を真摯に吸い上げ、公平、公正に反映していく仕組みが必要であります。また、参加者が定着して、運営してもらえるような組織も必要で、その組織が自立性を発揮できるようにしなければならないわけであります。
 そこで、協働のための仕組みというものをどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。

○鈴木臨海開発部長 海の森構想におきましては、都民等との協働事業を継続して円滑に進めるために、協働の体制を構築する必要があるとしております。このため、初期の段階では、都が中心になって、実行委員会形式による植樹イベントを開催してまいります。こうしたイベントに参加していただいた方々を中心に、自主的に日常活動を行えるグループの形成を促し、多様な協働活動を展開していく中で、その広がりに応じた仕組みを考えていくことになります。

○谷村委員 段階的に時間をかけながら仕組みをつくっていくとのことでありますが、都民や企業、NPOなどといっても、さまざまな考えを持っているわけであります。それらの方々の意見を調整し、一つの組織としてまとめ、活動していくというのは、本当に大変なことだろうと思います。
 先ほども申し上げましたけれども、大きな声を出す人や勝手なことをいい出す人がだんだんと出始めてくると--先ほどの新銀行の議論じゃありませんけれども、新銀行の設立そのものには大反対をしておきながら、都民の要望、そういうのがあるからといって、今度は新銀行のあり方にまで注文を出していく、こういうことをおっしゃってくるという、これはもう既に議題が港湾局の議題に変わっておりますので、先ほどの丸茂委員の冒頭発言につきましては、次回の機会に譲らせていただきたいと思いますけれども、そういう勝手なことをいい出す人がだんだん出始めてまいります。
 そうなると、これほど大規模なものでは到底やっていけないわけでありまして、いろいろな人々を結びつけて、調整し、取りまとめていく存在が必要になってまいります。中間のまとめでは、それをコーディネーターとしておりますけれども、この取りまとめ役の機能が非常に重要であり、それがないと、この仕組みは機能しないと思うわけであります。
 そこで、このコーディネーターの重要性につきましてどのように考えておられるのか、お伺いをします。(発言する者あり)

○鈴木臨海開発部長 お話のように、多種多様な参加者の合意形成を図り、民間と都との間の橋渡しをする機能を担うコーディネーターは、協働の仕組みを支えるキーパーソンであり、都としても非常に重要であると認識をしております。
 これまでの民間と行政との協働では、多くの場合、コーディネーターは行政の職員が担ってまいりました。海の森でも、当初は都の職員が主導的にコーディネートすることになりますが、事業の継続性を保つためにも、豊富な経験や知識を持った民間の専門のコーディネーターも必要であると考えております。
 一方、そうした専門的な経験や知識を持つ人材が現時点では少ないことから、コーディネーターの育成が求められることとしております。

○谷村委員 ありがとうございます。
 清水委員から、私の質問の格調について、何やらご発言がありましたけれども、決して清水委員の質問がいつも格調高いとは、私、感じませんけれどもね(発言する者あり)先ほどの質問を聞いていましたけれども……。
 それで、引き続き続けたいと思いますが、組織やそれを支える人材についての考え方は大変よくわかりましたが、協働で事業を進めるためには、都民や企業等が賛同し、そして参加することが前提であります。東京都が一方的に協働で事業するといっても、相手のあることであります。その都民や企業が海の森に参加してくれるかどうかは、具体的にはこれからの話だと思いますが、海の森をPRしながら、いろいろな手法で賛同を得て、参加協力を得ていく必要があると思います。
 そこで、構想を検討する中で、協働の相手方となる都民や企業の意向はこれまでどのようにして把握してこられたのか、お伺いをいたします。

○鈴木臨海開発部長 都民につきましては、平成十三年度の都政モニターアンケートで、海上公園を育てる活動に参加する機会があった場合に、どの程度の興味があるかを聞いたところ、苗木を植えて森づくりを行うに約六七%が参加したいと答えており、このほか、花壇づくり、児童等の観察指導やガイドなどに約半数が参加したいと回答しております。
 また、企業につきましては、本年一月、社会貢献活動を行っている企業に対しアンケート調査を実施したところ、構想策定の前にもかかわらず、約四割が海の森に関心を示しております。
 こうした調査の過程で協力の申し出があった民間団体との連携によりまして、本年十一月には、小学校でドングリからの苗木づくりを試行してまいりました。
 今後、広報活動や具体的な説明を行っていくことによりまして、都民や企業のより一層多くの賛同が得られるものと考えております。

○谷村委員 冒頭でも申し上げましたが、八十八ヘクタールに上る計画地全体を都民との協働で進めていくことは、極めてまれであろうかと思います。今回の取り組みや、今後のこうした都民との協働事業に大変大きな影響を与えることは間違いないと思います。そこで大事なことは、多くの人々の参加のもと、自分たちがかかわった自分たちの森だという、こういう愛着を持ってもらうということであります。そうしたことが継続されてこそ、長い期間、都民の方々などに携わってもらえる秘訣でもあると思います。
 そこで、特に森づくりに当たりましては、子どもたちの参加も大変重要であると思います。森なり緑なりに親しむ心というものをつくり上げていく、そのために一番いいのは、子どもたち自身がみずから森づくりに参加することだと我が党は主張してまいりました。
 いずれにしましても、都民、企業、NPOなどと緊密に連携をして、ぜひすばらしい、後世に自慢できる森をつくっていただきたいと思います。
 最後に、こうした都民協働の観点を踏まえ、海の森づくりに対する成田局長のご決意をお伺いして、質問を終わらせていただきます。

○成田港湾局長 お話のございました都民との協働の観点、すなわち、都民や民間企業などと連携して海の森事業を進めていくことは、この構想の大きな柱の一つでございます。
 ご案内のように、海上公園ではこれまで、民間との連携のモデルのいろんな事業が行われました。その一つが城南島海浜公園のビーチクリーンアップ作戦でございますが、ことし十月に行われましたこの作戦に私も参加させていただきまして、そこに集まられた親子連れ、あるいは若い人たちのグループ、あるいは年配の人たちのグループ、そういった人たちの笑顔に接しまして、非常にさわやかな体験をさせていただきました。そして、私は、こういった民間との連携の取り組みをさらに発展させていかなければいけないと感じた次第でございます。
 また、先ほどお話のありましたように、子どものころから、自然体験あるいは緑の育成に親しみ、かかわるということは大変重要なことでございます。昨今、犯罪の低年齢化、そういうことがいわれている中でも、こういった取り組みが子どもたちの非行防止にも役立つものと認識しているところでございます。
 今年度は、手始めといたしまして、民間団体と小学校との連携のもと、小学生によるドングリからの苗木づくりを始めました。ことしの十一月に、小学校の低学年の方、延べ三百六十人の生徒さんに参加していただいたわけですけれども、皆さんから非常にご好評だったように聞いております。今後は、この取り組みをさらに広げていきたいと考えております。
 広範な都民、民間企業、さらにNPOなどの皆さんの参加と協力によって、苗木づくりから始める海の森の自然再生は、ご案内のように、大都市圏における都市環境インフラの再生ということで、政府の都市再生プロジェクトでも選定されております。こういった事業が二十一世紀の新しい公園づくりのリーディングモデルとなるように取り組んでまいりたいと考えております。

○丸茂委員 来年三月の答申に向けて、海の森(仮称)の中間のまとめが報告されましたので、現時点で気がついたことなど、何点か伺います。
 私は、海の森計画は、自然環境の再生を目指し、ヒートアイランド現象などへの環境改善に役立つ森として位置づけし、計画が促進されるよう求めるものですけれども、港湾局として、仮称海の森計画をどういう位置づけで考えているのか、まずお伺いいたします。

○鈴木臨海開発部長 平成十四年の審議会答申では、海の森予定地については、「蘇れごみの島」として、自然環境の再生をテーマに、豊かな森のある公園、水と水辺と触れ合える公園などを整備例として提案しております。これを受けまして、都は、厳しい条件を克服し、生物の生息環境を再生するなど、都民の参加を得ながら、森を初めとした公園づくりに取り組むことといたしました。
 これらを踏まえまして、中間のまとめでは、自然環境の再生、活気ある個性的な公園、新しい事業手法の展開を基本的な考え方としております。

○丸茂委員 今、審議会答申の内容が述べられましたけれども、海の森計画地には全国植樹祭植栽地があります。この植栽地があるように、平成八年、一九九六年に、東京の森も林りづくりプラン21で、山の森、街の森、海上の森、さらに区分けると、山の森に丘陵の森、街の森、海上の森、島の森と地域区分されまして、そこでは、この地は海上の森として位置づけられております。そこでは、新たな都市づくりを進める地域においては、都市公園において森林が造成、整備されつつあるけれども、森林、森あるいは緑そのものがまだ少ない状況にあると指摘をしております。そのもとで、この年、全国植樹祭が行われた場所があるわけです。
 森も林りづくりプラン21の目標年度は、二十一世紀の東京都における森林のあるべき姿を想定しつつ、策定後おおむね十年後の二十一世紀初頭を目途とするとされていました。こうした都民に発表された森も林りづくりプランも、私は、東京都がやるわけですから、ぜひしっかり位置づけをするよう要望しておきたいと思います。
 次に、海の森構想の計画地面積は、先ほどから何度か指摘されているように、八十七・九ヘクタールで、日比谷公園の五・五倍に当たるとしております。貴重な埋立地であり、その役割が大きく発揮されることが求められております。
 そこで、計画地内には、公園と将来も一体利用ができる全国植樹祭植栽地や、おおむね二十年耐久の風力発電施設、長期に存続するといわれる第三排水処理場や建設発生土再利用センター、さらには国土交通省航空保安施設、ガス有効利用施設等がありますが、それぞれ私は大事な施設だと考えております。そういう点で、どのぐらいの敷地を占め、将来どういう方向で考えるのか、基本的なところをお伺いいたします。

○鈴木臨海開発部長 航空保安施設約一ヘクタールの機能は、平成十八年度までに移転される予定と聞いております。その他の施設につきましては、長期的に存続することとなります。
 風力発電施設〇・〇五ヘクタール、建設発生土再利用センター約八ヘクタールは、公園の整備スケジュールを勘案しまして、今後調整を図ってまいります。
 排水処理場約三ヘクタール、ガス有効利用施設約〇・五ヘクタールは、計画地の特殊性から必要な施設でございまして、ガスなどの発生がおさまるまで存続することとなると想定しております。

○丸茂委員 今答弁があったように、計画予定地には、航空保安施設を除き、約十一・五ヘクタールを超える施設が長期に存在をいたします。また、計画地周辺、先日現場を見てきたんですが、スーパーエコタウンとして産業廃棄物の再処理施設、あるいは建設残土積み出し基地など港湾施設、これらが存在しておりまして、こうしたさまざまな施設が周辺にもある。そういう点では、都民の意見をさまざまな形で集約する場合、この森計画と、それから周辺地域も視野に入れて都民の意見が寄せられるよう、この点、求めておきたいと思います。
 次に、交通アクセスの問題ですけれども、中間のまとめでは、海の森へのアクセスとして、海上バス、陸上はバス等の公共交通の確保が示されております。現在運行されている海上バスの路線はどうなっているのか、まずお伺いいたします。

○鈴木臨海開発部長 海の森に近接する臨海副都心を通る海上バスの主なルートといたしましては、日の出桟橋とお台場海浜公園を結ぶライン、ビッグサイト、パレットタウンを経由しまして日の出桟橋と葛西海浜公園を結ぶライン、船の科学館と大井海浜公園を経由して日の出桟橋としながわ水族館を結ぶライン、お台場海浜公園を経由しまして浜離宮と葛西海浜公園を結ぶライン、この四ラインがございます。

○丸茂委員 今述べられたラインの中で、大田区には海上バスの発着所はどうなっているでしょうか。

○鈴木臨海開発部長 現状ではございません。

○丸茂委員 地元の松原理事もいますけれども、大田区にはないんですよね。多摩川から海老取川、羽田空港沖、さらには平和島運河や京浜運河、さまざまな運河もございます。そういう点では、海上バスの海上ルートになる、そういう水路は十分あると思います。
 そういう点で、これから都民の要望等も寄せられるかと思いますけれども、私は、今後の検討になると思いますけれども、ぜひ大田区からの海上バスの路線や発着所の検討を求めておきます。
 次に、海上バスの場合、港湾審議会で周辺航路との安全問題が指摘されましたが、その後、何らかの検討がなされたのか、この点、お伺いをしておきます。

○鈴木臨海開発部長 お話のように、過日の港湾審議会で、海上バスルートについて委員からご意見をちょうだいしております。
 海上バスの新ルート開設には、他の船舶の航行、海上バス事業者等との関係も含めまして、今後十分に検討する必要があると考えております。

○丸茂委員 海上交通の場合は、法律上の決まりもあると思いますから、そういう点では、東京都の新しい安全航法というんですか、そういう検討もされて、安全問題は特に運輸問題では大事なことですから、ぜひ検討をお願いしておきたいと思います。
 次に、中間のまとめでは、バス等の公共交通機関は、臨海副都心の最寄り駅と海の森を結ぶ路線の確保を図る、こうなっております。近隣には、大田区側に野鳥公園や城南島海浜公園、江東区側には若洲海浜公園などもありますけれども、今現在、それぞれの公園を通る公共バスの運行状況はどういう状況にあるのか、お伺いをいたします。

○鈴木臨海開発部長 各公園へのバスの運行状況を、一日の総本数と公園利用者の多い時間帯でございます十時から十六時について見ますと、野鳥公園では、平日の総本数は百七十四本、十時から十六時の日中は一時間に六から七本、土曜日は、総本数が百四十四本、日中は一時間に七本から八本、日曜、休日には、総本数五十八本でございまして、日中は一時間に三から四本でございます。
 城南島海浜公園では、総本数は、平日で四十一本、土曜日が二十六本、日曜、休日が十本で、日中の一時間の本数は、各曜日とも一から二本程度でございます。
 若洲海浜公園では、総本数は、平日で三十八本、土曜日が二十七本、日曜、休日が十五本で、日中の一時間の本数は、一から二本程度となっております。

○丸茂委員 日中でも一から二本と、大変少ない期間もあるし、あるいは日曜、休日には特に少ない状況にあります。
 今後のことですけれども、私は、海上公園も、ルートをつくって巡回するバスルート、そういう点で、環境負荷にも優しく、都民の利便性も図るという点で、これはぜひ要望をしておきたいというふうに思います。
 次に、土づくりから都民参加を呼びかけておりますけれども、ボランティアで子どもたちが集団で参加する、こういう場合も多々あるかと思います。そういう点では、ボランティアの子どもたちの足の確保が必要ではないか。先ほど松原理事は質問がなかったんですが、その点どうでしょうか。

○鈴木臨海開発部長 ボランティアに子どもが集団で参加する場合は、教師や保護者などの方々が引率することが基本になるものと考えております。この場合、公共交通機関による交通手段が確保されるまでは、それぞれの活動グループが、その活動内容に応じて対応していただくことになると考えております。

○丸茂委員 ちょっと含みがありますけれども、ぜひボランティアでいろいろ協力したい、そして、その時期、たくさんの人に協力してほしい、こういった場合に、東京都としても、都民参加が十分得られるように、私は局長なら幅広く検討していただけると思うので、ぜひご検討をお願いしておきたいというふうに思います。
 中間のまとめには、都民や企業の社会参加で事業を進めるとしております。ここでいう企業とはどういう企業を想定し、どのような参加が考えられるのか、この点、伺っておきます。

○鈴木臨海開発部長 海の森の協働への参加につきましては、社会貢献活動を行っている企業を想定しております。そうした企業の社会貢献活動としまして、社員のボランティア参加、資機材や寄附金の提供などを想定しております。

○丸茂委員 ぜひ東京都の海上公園という、そして、都民の貴重な海の森という趣旨を踏まえた参加を望んでおきたいというふうに思います。
 この計画は、二〇〇一年十二月に、都市再生プロジェクト、先導事例国内三カ所の一つとして第三次決定を受けているものです。このことによって、国から何らかの支援策はあるのか、お伺いをいたします。

○鈴木臨海開発部長 国の支援についてでございますが、既定の補助事業の対象といたしまして、都市再生プロジェクトの決定により優先的に配分されると聞いております。

○丸茂委員 指定されたにしては、優先的な対応だけだというので、大変残念に思います。
 最後に、第七次改訂港湾計画の基本方針が報告され、今後改訂作業が進められると思いますけれども、この中で、海の森の整備とあわせて、海上公園をきちんと位置づけて整備促進を図っていくべきだと考えますけれども、その点いかがでしょうか。

○鈴木臨海開発部長 第七次改訂港湾計画の基本方針では、海の森を整備するとともに、中央防波堤外側埋立地、新海面処分場に緑の軸を伸ばし、自然環境の保全、回復やヒートアイランド現象の緩和に寄与していく必要があるとしております。
 今後も、既定計画で未整備の海上公園につきましては、民間などとの連携も図りながら整備拡充に努めてまいります。

○丸茂委員 東京構想二〇〇〇では、水と緑の骨格づくりが掲げられております。その中では、区部の緑は少なく、さらに減少している、こういう指摘もされております。東京の環境にとっても、海上公園の整備拡充は一層重要さを増していると考えております。今後、海上公園の拡充をしっかり位置づけて促進するよう求めて、質問を終わります。

○野島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野島委員長 異議なしと認めます。よって、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。

○野島委員長 これより付託議案の審査を行います。
 それでは、第二百四十号議案から第二百四十三号議案までを一括して議題といたします。
 本案に対する質疑は、いずれも既に終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○清水委員 高度な管理を必要とする医療器具の販売や賃貸業について許可制の導入、あるいは、安全性を充実するという薬事法改正に伴い許可手数料を徴収することには異議を唱えるものではありません。
 しかし、都内の事業者の実態を見ると、法改正に伴う管理体制の整備など、大きな負担が予想される中で、今回の額は関係中小業者への配慮に不足した料金設定となっていると思います。したがって、本議案に対しては反対をいたします。
 以上です。

○野島委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第二百四十号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○野島委員長 起立多数と認めます。よって、第二百四十号議案は、原案のとおり決定いたしました。
 次に、第二百四十一号議案から第二百四十三号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野島委員長 異議なしと認めます。よって、第二百四十一号議案から第二百四十三号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○野島委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日までに決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野島委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○野島委員長 この際、所管局を代表いたしまして、久保田地方労働委員会事務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○久保田地方労働委員会事務局長 本委員会所管五局を代表いたしまして、一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 野島委員長を初め委員の皆様方には、本定例会にご提案申し上げました議案等につきまして熱心にご審議をいただき、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程で賜りました貴重なご意見、ご指導につきましては十分に尊重させていただき、今後の事務事業の執行に万全を期してまいります。
 今後とも、所管五局に対しまして、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、御礼のごあいさつとさせていただきます。
 まことにありがとうございました。

○野島委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時十六分散会

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