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Tokyo Metropolitan Assembly

経済・港湾委員会速記録第十三号

平成十六年十一月十一日(木曜日)
第八委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十一名
委員長野島 善司君
副委員長山田 忠昭君
副委員長柿沢 未途君
理事谷村 孝彦君
理事清水ひで子君
理事松原 忠義君
ともとし春久君
三宅 茂樹君
大津 浩子君
丸茂 勇夫君
山崎 孝明君

欠席委員 二名

 出席説明員
産業労働局局長関谷 保夫君
総務部長島田 健一君
参事奥秋 彰一君
参事三枝 秀雄君
参事佐藤 仁貞君
商工部長市原  博君
商工施策担当部長塚田 祐次君
金融部長中井 敬三君
参事坂  崇司君
観光部長高松  巖君
参事保坂 俊明君
農林水産部長菊地 輝雄君
参事瀧川  清君
雇用就業部長安藤 立美君
就業調整担当部長関口 栄一君
新銀行設立本部本部長津島 隆一君
企画担当部長関  敏樹君
参事吉田 長生君

本日の会議に付した事件
新銀行設立本部関係
事務事業について(質疑)
報告事項(質疑)
・新銀行東京の開業準備状況について
産業労働局関係
報告事項(説明・質疑)
・シカ森林被害調査の結果及び緊急対策の実施について
事務事業について(質疑)

○野島委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、新銀行設立本部関係の事務事業及び報告事項に対する質疑を行った後、産業労働局関係の報告事項の聴取及び事務事業に対する質疑を行います。ご了承願います。
 これより新銀行設立本部関係に入ります。
 事務事業及び報告事項、新銀行東京の開業準備状況についてに対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料につきまして理事者の説明を求めます。

○津島新銀行設立本部長 先般の委員会におきましてご要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の経済・港湾委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙から二ページめくっていただきまして、一ページをお開き願います。要求資料第1号、既存銀行における主な中小企業向け無担保融資商品の概要でございます。
 東京三菱銀行を初め五行の無担保融資商品の融資限度額、利率、融資期間などにつきましてお示ししてございます。融資限度額は一千万円から五千万円となっており、その利率につきましては二%から九%となっております。
 二ページをお開き願いたいと存じます。要求資料第2号、金融機関都内店舗数でございます。
 都市銀行、地方銀行等、信用金庫、政府系金融機関につきまして、都内における店舗数をお示ししてございます。信用金庫につきましては、一金庫当たりの平均店舗数をお示ししてございます。
 三ページをお開き願いたいと存じます。要求資料第3号、信用金庫との包括提携契約の概要でございます。
 本年五月二十四日に社団法人東京都信用金庫協会と締結いたしました業務提携に関する協定につきまして概要をお示ししてございます。
 提携の目的は、中小企業等に対する支援のため、金融、資本市場を創造、育成すること等を通じて相互の連携を強化することで、地域経済の活性化と地域金融の円滑化を図ることでございます。
 業務提携の内容は、中小企業等に対する金融商品に関する調査、企画、融資手法の開発など、多岐にわたる金融業務を含んでおりまして、人事交流等につきましても提携することとしております。
 各信用金庫との契約につきましては、本協定に基づき、地域性やニーズ等を勘案し、それぞれ個別に締結することとしております。
 以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。

○野島委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○三宅委員 まず、さきに公募した行員に続いて、今回初めて公募した契約スタッフについてお伺いします。
 この契約スタッフとは、どのような職務を担当することになるのか、また、今回の契約スタッフの公募人数は七十名程度ということですが、開業時の契約スタッフの数としては何名を予定しているのかお聞きします。

○関企画担当部長 今回公募いたしました契約スタッフは、銀行業務経験者などを一年更新で採用するものでございまして、一定の経験を要する業務について、本部や本・支店で行員を補佐していくものでございます。
 具体的に従事する業務分野といたしましては、法人営業に関する経験と実績に基づいて従事する渉外職として、中小企業貸し出しを強化するための訪問営業や、融資の決定に必要な現地調査などの業務に従事し、採用予定は、経験豊富な比較的年齢の高い層を中心に四十名程度、銀行実務についての基本的な知識と経験に基づく事務職として、営業店の窓口業務における行員の補佐や、本店の庶務、経理などの一般事務などに従事することとして、採用予定は、比較的年齢の若い層を中心に三十名程度を予定しております。三つ目に、金融業務にかかわる高度な専門知識と経験を必要とするファンド投資などの特定分野の業務に従事する専門職でございまして、予定数は若干名ということになっております。
 契約スタッフでございますけれども、平成十六年十一月一日における契約スタッフの在籍数は、これまで二十五名おりまして、開業時におきましては、今回の募集約七十名と合わせまして、おおむね百名となる予定でございます。

○三宅委員 次に、マスタープランによれば、開業時における契約スタッフの採用計画数は百四十九名となっております。五十名近く足らないことになります。この足らない分についてはどのように対応するのですか。

○関企画担当部長 新銀行では、現在、業務フローを構築しておりまして、その中で効率的で柔軟な職員配置のあり方を詳細に検討し、行員や契約スタッフのほかに、業務内容や勤務形態に応じまして、短時間勤務の派遣スタッフや業務委託を積極的に活用することといたしました。これによりまして、低コストで機能的な執行体制を一層強化することが可能となると判断いたしました。
 具体的には、契約スタッフは、過去の知識や経験を生かしまして、融資における訪問営業や現地調査、営業店での窓口業務等に従事するとともに、行員のもとで派遣スタッフや外部委託業者の指導に当たる。それに対しまして、定型的かつ繁閑のある業務につきましては、派遣スタッフを可能な限り活用いたしまして、営業窓口の顧客対応における行員等の補佐、各種事務補助、データ入力などに従事させることとしております。

○三宅委員 業務委託も活発に行っていくとのことですが、外部に委託する業務の内容と、その際、委託先に求められる要件は何か、お聞きします。

○関企画担当部長 新銀行では、定型、大量で、必ずしも直接職員が担当する必要のない業務は極力委託することとしております。業務の内容といたしましては、システム管理や法人営業における融資案内や取り次ぎ、コールセンターにおける取引照会業務、事務集中センターにおける口座開設、変更、帳票管理などでございまして、おおむね三百名程度を想定しております。
 なお、高い専門性を確保し、効率化を図るため、当該業務分野における十分な実績のある業者に委託することとしております。

○三宅委員 契約スタッフにかえて派遣スタッフや業務委託を活用するということは、反面、業務の信頼性が確保できるのか心配になりますが、どうでしょうか。

○関企画担当部長 ご指摘のとおり、業務の信頼性の確保は最も重要でございます。新銀行においては、契約スタッフや派遣スタッフなどを適切に指導するため、的確で詳細な事務マニュアルを整備するとともに、行員を中心とした一元的で明快な管理運営体制を構築することとしております。
 また、派遣会社や委託業者に対しましては、契約書の仕様により、業務内容を詳細に規定するとともに、守秘義務を厳重に課することとしております。さらに、開業までのスケジュール設定においても、派遣スタッフ等の教育訓練期間を十分設けるよう工夫してまいります。
 これらのことにより、業務遂行に対する信頼性を十分確保し得る体制を整備していく予定でございます。

○三宅委員 マクドナルドみたいにならないように注意してやってください。
 それでは、開業後、行員、契約スタッフ、派遣スタッフに補充の必要性が生じた場合はどうするのか、お聞きします。

○関企画担当部長 新銀行の行員につきましては、将来の経営幹部を含め中心的業務を担う人材として計画的に採用し、育成していくこととしております。原則として、毎年公募により採用を行っていくこととしております。
 また、契約スタッフにつきましては、知識、経験を即戦力として活用するため、業務の状況に応じて適切に確保していく必要が高いことから、随時に公募するとともに、必要に応じて再就職支援会社などの活用も図ってまいります。
 なお、派遣スタッフにつきましては、契約先の派遣会社を通じて適時適切な補充体制を整備していくということでございます。

○三宅委員 先日、新銀行東京の開業時に設置される五店舗の出店地が発表されました。都内全域にバランスのよい店舗網を構築するとして、錦糸町、新宿、蒲田、上野、立川に設置するとのことでありましたが、具体的にはどのような考え方で出店地を選定したのでしょうか。

○吉田参事 開業時の五店舗の出店地を選定するに当たりましては、都内全域にバランスのよい店舗網を構築することをポイントといたしまして、区部四店舗、多摩一店舗といたしました。
 区部につきましては、中小企業数や制度融資の実績、預金量、人口などを勘案の上、全域を東西南北の四地域に分け、各地域の中で、JR、私鉄のターミナル駅の乗降客数、都内各地からの所要時間などの要素を勘案いたしまして、中小企業経営者にとって利用しやすい出店地を選定したものでございます。
 多摩につきましても、多摩地域全体のバランスを考慮いたしまして出店地を定めたところでございます。
 なお、各店舗とも、最寄り駅より徒歩十分以内を基本として配置してございます。

○三宅委員 それぞれの店舗が対象とする地域の特徴、特性はどのようなものがありますでしょうか。

○吉田参事 区部東部の錦糸町の店舗につきましては、東京東部地域で有数の経済活動の中心地でございます錦糸町に設置いたしまして、主といたしまして、墨田、江東、江戸川などの城東地区を対象地域といたします。
 区部西部の新宿の店舗でございますが、乗降客数日本一である新宿駅に近接し、主として、新宿、渋谷、世田谷などの城西地域と多摩地域の西武線、京王線等の沿線を対象地域といたします。
 区部南部の蒲田の店舗でございますが、JR、私鉄の利便性にすぐれ、主要道路交通も交差する蒲田駅近くに設置いたしまして、主として、中小企業、特に製造業が集積する大田、品川を中心とした城南地区を対象地域といたしております。
 区部北部の上野の店舗でございますが、東京北部の交通結節点であります上野駅に近接しており、主として、中小企業が集積する台東、荒川、足立などを対象地域としております。
 多摩地区の立川の店舗は、多摩南北の交通結節点でございますところの立川駅に近接いたしまして、多摩地域のほぼ全域を対象としております。

○三宅委員 マスタープランでは十店舗を設置することとしておりますが、残り四店舗はどのように選定するのですか。

○吉田参事 残り四店舗の件でございますが、店舗そのものは銀行の顔でございまして、地域における営業活動及び顧客サービスの核となるとともに、融資商品や預金商品についての顧客ニーズを把握するためになくてはならない重要なものでございます。今回定めた店舗につきましては、開業に向け準備を進め、開業後は、顧客からの要望等を勘案し、さらに充実を図るなど、弾力的な運営をしてまいります。
 残りの四店舗につきましては、既存店舗へ来店した顧客の地域分布、顧客からのさまざまな要望等を総合的に勘案いたしまして、全体的なバランスも視野に入れながら最適地を選定していく考えでございます。

○三宅委員 開業に向け、本部や店舗に配置する社員、契約スタッフなどの採用も最終段階に差しかかっております。開業時の出店地も決まるなど、開業準備はいよいよ大詰めを迎えることとなります。これから開業までがまさに正念場であり、新銀行の開業を待ちわびている中小零細事業者や都民の期待に十分こたえられるよう、無機質な銀行にならないように、これまで以上に気を引き締めて取り組んでもらいたいと思います。
 本部長の決意をお聞きして、質問を終わります。

○津島新銀行設立本部長 新銀行の設立につきましては、この四月一日に、昨年の一定の都議会までのさまざまなご議論をいただきまして設立させていただいたわけでございます。
 ただいま三宅先生から、人員体制、店舗体制についてのご質問がございましたけれども、こういった体制を含めまして、今、新銀行のソフト、ハードすべての大小取りまぜたさまざまな準備体制を構築中でございます。まさに先生おっしゃるように、中小企業の期待、早く開業していただきたいというその期待に対して、十分なスタンバイをしてこれにこたえるということで、現在、時間との闘い、大事な時期であるというふうに認識しております。
 新銀行は、仁司社長以下全員が、今多くの課題を抱えまして、日々努力している状況でございます。私ども新銀行設立本部としても、これまでのマスタープラン及び都議会においてお示しいただいた柱をずらさないように、その考え方にのっとって、きちんと新銀行が都民の期待、中小企業の期待にこたえられるように監督指導してまいりたいと思っております。よろしくご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。

○谷村委員 八月一日に新銀行設立本部が設置されて、経済・港湾委員会の所管となりました。本来なら第三回定例会から本委員会での質疑が行われるべきところを、それまで新銀行設立準備は出納長室で取り組まれ、財政委員会が所管していたという経緯から、三定での質疑は財政委員会にお譲りしたわけであります。
 財政委員会における質疑は、実に六百問に及んだと会議録で確認をさせていただきました。大変にお疲れさまでございました。
 行政が新しく銀行を設立するという前代未聞の取り組みであるわけですし、都民の皆様からも大変大きな期待が寄せられているわけであります。それだけに、有形無形の反発もさぞかし大きいものと思うわけであります。この間の津島本部長を初め新銀行設立本部関係者の皆様のご努力に最大の敬意を表するとともに、何としてもこの挑戦を成功させていただきたいと願うものであります。
 本委員会における質疑は本日が初めてでもありますので、質問も基本的な事項となりますが、財政委員会での質疑とは違った、経済・港湾委員会ならではの質問をさせていただきたい、このように思っております。
 まず、新銀行マスタープランでは、石原都知事が新銀行を設立する理由を端的に述べられております。「中小企業の深刻な状況は依然として続いており、その体力の消耗を考えると、国の対応や既存銀行の体質転換を座視する時間的余裕はありません。」「世界に誇りうる日本の中小企業の潜在的な力を十分発揮できる環境を整えることこそが、経済再生を実現する最も確かな道筋であると考えてまいりました。そして、そのためには、我が国の巨大な個人金融資産を中小企業への生きた資金として循環させる有効な仕組みを構築することが喫緊の課題であり、今、東京都が行動を起こさなければ、後世に悔いを残すと判断いたしました。」全くそのとおりだと思います。また、こうした理由、状況認識については、多くの都民から賛同を得られたものというふうに認識しているところでございます。
 そこでまず、認識についてお伺いをいたします。
 知事が述べられております、我が国の巨大な個人金融資産を中小企業への生きた資金として循環させるという大変にすばらしい視点でありますが、この我が国の巨大な個人金融資産とは何を指すのか、またどういったものなのか。また、巨大といわれていますけれども、大体幾らぐらいといわれているのか、この認識についてお尋ねをしたいと思います。

○関企画担当部長 巨大な個人金融資産でございますけれども、現在の状況は、既存の金融システムが十分に機能せず、不良債権等の圧迫の中で、中小企業に対して資金の流れが十分行われていないということでございまして、その個人金融資産を中小企業に循環させていくということでございます。当然ながら既存金融機関における個人預金が中小企業の現場に回らないということを、問題意識の非常に重要な柱としております。
 具体的には、日銀統計によりますと、本年九月末の個人預金の合計額は全国で三百三十兆円となっております。そのうち一千万円以上の個人預金額は約八十九兆円でございまして、全体の二七%を占めております。
 なお、同統計によりますと、都内における同年九月末の個人預金額は約六十二兆円となっております。
 一方、既存金融機関から中小企業に対する貸し出しにつきましては、年々減少していまして、ここ三年間で約二〇%減少しているという状況でございます。
 そうした、一方で個人金融資産が十分積み上がる、一方で中小企業への資金が潤沢に供給されないという状況を述べたものと考えております。

○谷村委員 原則、この巨大な個人金融資産というのは、既存金融機関に預金されている個人貯金三百三十兆円という規模、こういったものを循環させて中小企業に注入していく、こういう位置づけであるということですよね。
 ということは、それを転換させていくということは、既に既存金融機関に預金されているものから引きはがされて、新銀行の方にしっかりそれをプールしていくと。それを今度、新銀行が中小企業に注入していく、こういう考え方でよろしいのでしょうか。
 巷間いわれておりますのは、たんす預金等ともいわれております、三百三十兆円まであるとはいわれていないでしょうけれども、既存銀行を頼りにしない、あるいはペイオフ等の懸念から含めて、預金をしていない、金融機関に預け入れていない、そういったところなんかについては認識としてどうでしょうか。

○関企画担当部長 たんす預金ということでございますけれども、いろいろな見方がございまして予測は難しいところでございますけれども、いわゆるたんす預金の額は、さまざまな統計がございますけれども、二十兆程度といわれておりまして、全体では非常に少ないと。
 ただ、この辺は、これは推測でございますが、ここ数年、金融不安などから増加しているという考え方もあるということでございます。

○谷村委員 ありがとうございます。
 新銀行の取り組みとして、我が国の巨大な個人金融資産が循環していないということへの新銀行の挑戦、取り組みになるわけですが、その資金を、たんす預金も含めて--既存銀行に預金されて凍りついている預金三百三十兆円、また、たんす預金二十兆円というご指摘がありました。六十五兆円じゃないかというふうに今お声をかけてくださっている委員もございますが、そういった巨大な個人金融資産を、新銀行が設立されて循環させていく、中小企業へ資金として注入していくその方途の決定打というのは、一口でいうとどういったものになるのでしょうか。

○関企画担当部長 ただいまのご質問は、新銀行が預金を予定どおり確保していけるのかというご質問と理解しておりますけれども、顧客が金融機関を選択する際には、金融機関の安全性、信頼性と魅力あるサービスの提供が判断要素になると考えられます。
 都が昨年八月に実施した調査によりますと、新銀行を利用したいとの回答は六四%でございます。また、昨年九月のeモニターアンケートにおいても、新銀行に口座を開設したいとの回答が約七五%となるなど、顧客の新銀行に対する利用意向は高いものと考えております。
 その原因でございますけれども、新銀行は、不良債権がゼロからスタートする負のない銀行であり、さまざまな信頼性がある。また、顧客ニーズに即した多様な預金商品の開発や、さまざまな生活場面で利用できる多機能ICカードの発行など、新しいビジネスモデルの構築に取り組んでいるというところから、都民の支持を得ているものと考えられます。
 これらにより、眠れる個人資産を掘り起こし、中小企業へ積極的な融資を行うことによって、生きた資金として地域経済に循環させていくということが可能であると考えております。

○谷村委員 マスタープランでは、新銀行開業三年後の姿で、預金口座数百万口座というふうに位置づけられておりますし、今ご答弁にもありましたICカード、約百万枚、この三期では発行していくということでございますが、個人預金をどのくらい見込んでおられるのでしょうか。百万口座となったところで、個人預金の金額、大体幾らぐらいをお見込みになっていらっしゃるか。

○吉田参事 新銀行での預金の金額でございますけれども、マスタープランで示されております第三期の預金残高、これを約一兆二千億円と見込んでいるところでございます。

○谷村委員 一兆二千億円。わかりました。
 社債発行でもこうしたことを受け入れていくことができるわけですけれども、社債発行ですとどのぐらいお見込みになっていますか。

○吉田参事 同じくマスタープランベースで、第三期まで毎年六百億円程度の社債を定期的に発行いたしまして、開業第三期で一千八百億円の発行残高を見込んでございます。

○谷村委員 そういたしますと、巨大な個人金融資産が三百兆円以上ある、たんす預金等を含めても四百兆円に及ぶかもしれない巨大な金融資産のうち、一兆円という目標が第三期、単黒になるといわれている三年後の状況というイメージになると思うんです。
 例えばクレジットカード、今、既存金融機関に預けていらっしゃる方の預金を新銀行にひっくり返していくとなると--新銀行が発行するICカードも随分ご努力されているとは思うんですが、現在、クレジットカードが二億四千万枚でしたでしょうか、発行されているという記述もありました。ゼロ歳児の赤ちゃんから高齢者まで、一人二枚のクレジットカードを持っていらっしゃる計算になるわけですね。だから、一人でかなりの枚数を持っておられる。私なんかも幾つか持っていますけれども、結局、ポイントを考えると、どれか一つのクレジットカードに集約させていくわけですけれども、そういうふうに既に利用されているクレジットカード等で、ICカードの利点でどれだけ既存金融機関に眠っている個人金融資産を新銀行に受け入れていくことができるのかというところについては、少し疑問を感じるところでございます。
 また、先ほど出ましたたんす預金等といわれているものにつきましても、よく高齢者の方々が非常にお金を持っていらっしゃる、しかし銀行に入れないでたんすに持っていらっしゃるとか、この金融ターゲットといわれるものをもう少し明確にして、そうした方々も、新銀行に預金していこう、あるいは新銀行のカードをつくっていこうというようなものへの取り組み、戦略的なものをして取り組んでいただく必要があるんじゃないかなというふうに感じております。
 これはお尋ねはいたしませんが、眠れる巨大な個人金融資産に対するアプローチというものを、もう少し強く取り組んでいただきたいなというふうに思います。
 次の質問ですが、マスタープランの中で書かれております新銀行の理念でありますけれども、経営理念の特徴に、あらゆる面で顧客本位を貫き、社会に貢献すると、一番に掲げられているわけであります。さすがに新銀行だなという、この一行をとっても大きな期待が寄せられるわけであります。
 そこで、今回発表になりました新銀行の店舗数は、他の既存金融機関と比べて少ないわけですけれども、融資の申し込み等についてはインターネットやファクスでいいですよ、必ずしも来店しなくてもいいですよと、こういう非常に利便性を高くされているわけで、非常に現代のニーズにこたえられるものになっているとは思うんですが、その融資の申し込みをする前提となる融資のご相談がどういう体制でできるのか、この店舗数等で十分に対応できるのかという疑問があるわけです。これについてご見解をお尋ねしたいと思います。

○吉田参事 融資相談につきましては、本店に融資相談室を設けまして、電話による融資相談を、開業時二十三名の体制で対応することといたしております。また、各店舗に法人担当者、これは開業時ベースとしましては約十五名程度を配置いたしまして、来店による融資相談等に対応いたします。

○谷村委員 二十三名を電話、来店に十五名ということなんですが、今の十五名というのは、融資の相談で十五名ということだと思うんですけれども、例えば信金、信組さんなんていうのは、会社に毎回毎回その担当者が来てくれるわけですね。それで、中小企業の経営状況だとか、企業方針なり戦略というものを理解されている。そういう前提に立って新たな提案をしてくださる、あるいは行き詰まったときには相談に乗ってくださる。相談しようかしまいか悩んでいるときに、相談に来てくれるという状況があるわけですけれども、そうした金融機関と比べて、いわゆる新銀行の経営理念が顧客本位というふうになっているところ、特に相談に対して本当に顧客本位の体制なのかということは、ちょっと疑問が残るわけであります。
 この顧客本位というものを、もう少し中小企業、ご相談--結果として融資を受ける受けないはあると思います。けれども、新銀行ができて、大きな期待を寄せてご相談されるときに、本当に顧客本位で相談に乗ってくれた、わざわざ来てくれたというようなものになっていくのかどうか、これも課題として提起させていただきたいというふうに思います。
 この新銀行東京の店舗数ですが、開業当初六店舗で、最終的に十店舗になるとのことであります。こうした少数店舗体制を補完するために、新銀行では、信用金庫など地域金融機関と連携を図っていくと。包括提携契約も、きょう資料として添付していただきました。
 こうした体制で、中小企業にとって顔の見える銀行になるのかどうか。新銀行がそこにいる、あるいは新銀行とつながっているという、そういったものができるのかという、ちょっと疑問が残りますけれども、新銀行は中小企業との接点をどういうふうに確保していこうとされているのか、お尋ねします。

○関企画担当部長 まず、地域金融機関との連携でございますけれども、これは非常に密接、一体的にやっておりますので、その過程におきましても、間接的ではございますけれども、中小企業者から新銀行の顔が見える形を確保していくべく、今、密接な連携体制をつくっております。
 さらに、新銀行の融資でございますけれども、その可否判断の前提といたしまして、信用金庫からの紹介、取り次ぎによる融資を含むすべての融資につきまして、各店舗の融資担当者が直接経営者と面談いたしまして融資等の判断をする。さらに、契約スタッフ等が現地調査を実施することとしております。そうした直接の融資担当者は、総勢で約百名という体制で対応することになっております。
 さらに、融資だけではございませんで、さまざまなセミナー等の啓発事業を積極的に開催いたしまして、中小事業者と接する機会を数多く持つ仕組みとしております。
 これらのことから、新銀行は事業者との接点を十分に確保することができるものと考えております。

○谷村委員 しっかりとお願いをしたいと思います。
 引き続き融資に関連してお尋ねしたいと思いますが、新銀行の構想は、初期には、技術力にすぐれたベンチャー企業など、新産業支援に力点が置かれていた。しかし、都民あるいは中小企業の要望が反映され、また議会からもさまざまな提言をさせていただきました。すべての中小企業を総合的に支援する方向に大きく変化をしてきているようでございますけれども、今、経済状況の中で苦しむ中小企業の方々が、通常おつき合いのある金融機関があるわけですけれども、そこじゃだめだけど、もしかすると新銀行では救われるかもしれない、新銀行設立構想がちょっと変わってきたところで、そうした期待が寄せられている、持たれているわけであります。
 この中小企業、いわゆる既存金融機関では救われなかったけれども、新銀行だったら救われるかもしれないという中小企業の皆さんの期待にこたえられる具体的な方途について、確認をさせていただきたいと思います。

○吉田参事 新銀行が既存金融機関と大きく違う点でございますけれども、新銀行は、中小企業への無担保、第三者保証なしの融資を中核とする新しい銀行として、地域経済の活性化を図っていくことを第一の特徴としております。
 具体的には、ポートフォリオ型融資では、債務超過、借入過多の企業も対象といたしまして、融資期間、融資限度額、審査期間など、いずれの条件も中小企業にとってメリットが大きい商品でございます。また、技術力・将来性重視型融資につきましては、財務内容が劣っている中小企業に対しましても、技術力など一定の基準を満たしていれば融資を行う、このような商品も用意してございます。また、シンジケート型融資や保証では、地域の実情に精通した信用金庫等の地域金融機関と密接な連携を図ることによりまして、従来の与信枠を超えた融資、保証を実行することが可能となっております。以上、三点の特徴がございます。
 さらに、融資後におきましても、提携企業等の専門的能力を生かしまして、セミナー等を通じた中小企業の総合的な支援を行っていく、このような特徴を有してございます。

○谷村委員 債務超過や借入過多になっても、ポートフォリオ型融資で融資の対象になっていくと。非常に大きなことだと思います。また、財務内容が劣っていてもというのは、恐らく赤になっていても、技術力、将来性を判断していただければ、融資の対象になっていく。
 非常に期待のかかる三つのシステムだと思いますが、この技術力・将来性重視型融資について、評価してもらえれば何も文句は出ないと思うんですけれども、評価されなかった場合、わかっていない、どんな人がそれを評価しているんだ、こういうのを評価しないで何を評価するんだみたいな声も当然出てくると思うんです。
 技術力、将来性を重視していくんだというのは、知事も何度も新銀行設立に関してご発言されておりますし、そこに物すごく、中小企業経営者の方々あるいはベンチャー企業の方々で金融状況に対して不満を持っていらっしゃる方というのは、非常に期待をされているわけであります。だから、そこに技術力、将来性が正当に評価されるかどうかということが、新銀行の新たな融資形態について大きなかぎを握っている、このように思うわけです。
 この技術力・将来性重視型融資というのは、審査をするのが、有識者などを含めた専門スタッフで組織された、仮称となっておりますけれども、技術力審査会、このようになっているようであります。どういう顔ぶれの方が技術力審査会に入られていくのかということによっては、新銀行に対する根本的な評価、信頼性も左右されかねないというふうに思うんですね。あんな人が評価するというんじゃ、とても期待できないとなるのか、なるほど、ああいう方が入っていらっしゃるのであれば、技術力、将来性というのは判断されてもいたし方ないなというふうに思われるか。
 どういう顔ぶれになるかと思うんですが、その顔ぶれ、技術力審査会の構成はどういうふうになるのか、また、その顔ぶれがいつごろ発表になるのかを教えていただきたいと思います。

○吉田参事 仮称技術力審査会の構成でございますけれども、この審査会の構成につきましては、技術力、将来性の幅が非常に広うございますので、前もってさまざまな分野の専門家を事前に選任しておきまして、その中から、それぞれ技術力・将来性重視型融資の各回の募集テーマに沿った十名程度の委員の方を招集する。今、このようなシステムを予定しております。
 このメンバーでございますけれども、中小企業診断協会東京支部、それからニュービジネス協議会、東京中小企業投資育成、東京都中小企業振興公社、都立産業技術研究所など、日ごろ中小企業の事業活動に技術的な面から支援している提携先から参画していただく予定でございます。また、必要に応じまして、大学関係者、大企業の研究所、会計士、ビジネスコンサルタントなどの専門家に幅広く参画してもらうこととしております。
 また、メンバーの選定でございますけれども、これは開業時までにメンバーを確定していきたい、かように考えております。

○谷村委員 ぜひとも、だれもが納得する顔ぶれを技術力審査会にはそろえていただきたいというふうに思います。
 次に、前回の委員会でご報告がありました事項につきましてお尋ねをしたいと思います。
 新銀行の人員配置でございますけれども、これまでも、財政委員会でその時々の最新の数がご報告をされてきたかと思います。本日最初の委員会でございますので、現在の最新の配置数はどのようになっておりますでしょうか。

○関企画担当部長 現在の最新の配置数は、平成十六年十一月一日現在ということになります。行員は百三十七名、契約社員は二十五名、都派遣職員二十三名、民間出向者二十五名の計二百十名ということでございます。

○谷村委員 契約スタッフと行員、正社員といわれる行員が現在百三十七名で、契約スタッフが二十五名と。先ほどの三宅委員の質疑の中で、今回募集を終えると、契約スタッフは百名になるということであったかと思います。
 そこでお尋ねをしたいと思いますが、先ほどの答弁にもちょっとございましたが、行員と契約スタッフの業務内容や役割の違いについて、もう一度ご説明をお願いしたいと思います。

○関企画担当部長 新銀行におきましては、行員につきましては、将来の経営幹部を含め中心的業務を担う人材ということでございます。
 また、契約スタッフにつきましては、知識、経験をもとに即戦力として採用するため、そうした分野をやっていくということでございます。基本的には、契約スタッフにつきましては、融資における訪問営業や現地調査、営業店等の窓口業務等に従事するとともに、行員の指導のもと、派遣スタッフや外部委託業者の指導に当たるということでございます。

○谷村委員 そういたしますと、融資を受ける中小企業の方々と一番接点の多いのは、どちらかというと契約スタッフの方であるという印象を持つわけですが、もう少し質問を進めさせていただきますと、行員と契約スタッフの待遇は具体的にどう違うのか、端的に、簡単で結構ですのでお尋ねをしたいと思います。

○関企画担当部長 行員につきましては、基本的に、将来、幹部となっていって業務の中核を担うということから、資格、等級に基づきまして、実績と内容に応じた昇給昇格制度に基づいて人事、待遇を行っていくということでございます。一方、契約スタッフにつきましては、基本的に、過去の経験、実績、能力に対しまして私どもで判断させていただきまして、固定給による処遇という形をとらせていただきます。

○谷村委員 もう少し詰めてお伺いいたしますと、契約スタッフの場合は期限つき契約になるのでしょうか。なるとすれば、大体の年数をお尋ねします。

○関企画担当部長 契約スタッフにつきましては、先ほどご答弁申し上げましたとおり、銀行業務経験者等を一年更新で採用していくということでございまして、現在のところ、五年程度の更新期間を考えております。

○谷村委員 一番、中小企業業者、融資を受ける対象となる方と接する接点の多い、いわゆる即戦力という表現をお使いになりました。また訪問をされたり、営業の窓口にもなられたり、そういう方々が一年契約で上限五年ということのようですけれども、どうしてそういうふうに行員と契約スタッフに待遇面に差をおつけになるのか、ちょっとその考え方をお尋ねいたします。

○関企画担当部長 行員は、新銀行の業務の中枢として、企画、業務推進、管理など基幹業務を推進し、新銀行の将来的な経営も検討する立場に参画していくということで、新銀行のすべての業務に精通するとともに、経営全般を俯瞰するような感覚が必要である。
 一方、契約スタッフにつきましては、訪問営業や現地調査等の業務でございますけれども、この業務につきましては、これまでの実績や知識が必要でございます。こうした業務について経験豊富な方々に入っていただいて、その分野における業務をしっかり、きちんとやっていただくということでございます。
 なお、契約スタッフにつきましては、先ほどご答弁申し上げましたように、ファンド等の専門職については一定の処遇を考えていくということでございますが、基本的には固定給で、その能力に応じた支給ということになると。

○谷村委員 中小企業経営者からしてみれば、例えばこの方は、新銀行を設立して二年、三年、四年たっている、新銀行のことによくお詳しい、融資の相談等々いろいろされるけれども、ひょっとしたら、来年はもう新銀行の社員じゃなくなっているよというような方が訪問してこられたり、あるいは窓口になったり、こういうことになるわけですよね。
 そこで、例えば利率が何%ぐらいで、これだったら借りれるというようなお話で、それだったら返済はできるだろうから、うちの今の経営体質でどうなんでしょうというようなご相談も、大丈夫ですよといわれても、あなた、その後いなくなるんでしょうというような状況になると、本当に安心して信頼できる体制になるのかどうか、ちょっと契約スタッフの方々のサービスが--先ほど、顧客本位という経営理念を一番最初に掲げられている新銀行でありますけれども、一番サービスを提供する方々が一年契約で五年の上限で採用される、雇用される、お働きになるというのについてはどうなのかなという疑問があるんですけれども……。お答え、大丈夫ですか。じゃ、お願いします。

○関企画担当部長 信頼性についてでございますけれども、先ほどご答弁したとおり、事務マニュアル等できっちり行員が管理していくとともに、契約スタッフにつきましては、地域金融機関等のOBなどを採用するということで、先ほど申しましたように、経験や実績が非常に豊富でございます。そうした方々を一年間の雇用で、その実績に応じてきちっと採用していくということは、一面において、かなりサービスの高い、内容の濃い勤務体制、また中小企業に対するサービス体制が十分構築できるというふうに考えております。

○谷村委員 ぜひとも頑張っていただきたいと思います。
 あと、行員の給与などの待遇なんですが、これは他の金融機関と比べてどんな位置づけになるのか。いいのか悪いのか。これから採用される、スタートするというときに、そういったことも、手を挙げられる方にとっては非常に重要な情報だと思いますので、代表してお尋ねをしたいと思います。

○関企画担当部長 行員の給与水準でございますけれども、現在、先生おっしゃるように、採用が完了していない状況でございますので、正確な平均水準等は無理でございますけれども、現在在職する行員に限ってでございますけれども、基本的には地方銀行の平均値を参考に決定していくということでございます。

○谷村委員 これは、契約スタッフの方に対する給与、待遇にも同じことがいえると思うんですが、やっぱり一定の優秀なスタッフを集めていただく--ある意味では、金融界に新たな理念を掲げて、東京都が自信と責任を持ってスタートする新銀行でありますので、そこで働かれる方の待遇保障というものをある程度してさしあげないと、優秀なスタッフを集めることもなかなか大変でしょうし、また、そのスタッフの方に居続けていただいて、ご活躍し続けていただくという意味合いにおいても大事な視点であると思いますので、これは行員もそうですけれども、契約スタッフについても--今、いろんな企業がそうやって、人件費削減で、行員と契約スタッフといって分けて、なるべく負担を軽くするという取り組みをしているのもありますけれども、行員、また契約スタッフの方々あわせて、こうした待遇面、一定の保障は、金融機関で働いていらっしゃる方の待遇というものを極力維持していただけるように、保障していただけるようにお願いをさせていただいて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○大津委員 来年の春オープンをいたします、東京都が主体となりました本当に新しい銀行につきまして、東京都民の皆様から大変大きな期待を寄せられているかと存じます。やはり個人預金者でもある都民のお一人お一人が、お店に、便利に利用しやすくご来店いただけるような、そういった店舗づくりというのを少々心配しております。
 例えば、まちの中を歩きますと、最近、民間の銀行は、リストラによりまして、いろいろな意味で削減をしており、支店や機械だけ置いてあるような店舗も合併、併合が繰り返されまして、非常に利用しにくくなっています。
 そういった中で、特に体の不自由な方々からのいろんな心配の声がたくさん私のところに届いておりまして、例えば合併、併合されたときに、視覚障害の方々へ対応した機械がどうしても少なくなってまいりますので、遠くの方まで行かなければお金さえおろせなくなったとか、そういった不安をいただいております。そういう点で、東京都が新銀行をつくるとなりますと、期待も大きいですし、もし新銀行がそういった対応をちゃんとしていただけるのならば、みんなで口座を移して新銀行を利用したいという声も届いております。そういう中におきまして、幾つか店舗の対応について質問をさせていただきます。
 新しい新銀行東京におきまして、例えば足や体がご不自由な方々、そして、特に視覚障害へのいろいろなお客様のご対応に関してはどのように検討されていますでしょうか、お願いいたします。

○関企画担当部長 新銀行では、インターネットなどの活用により、顧客が来店せずに融資の申し込みや口座開設などを行える体制を構築することとしております。
 また、新銀行の店舗は比較的小規模でございますので、体の不自由な方が来店された場合には、行員が直ちにフロアでサポートするなど、十分なケアを行うこととしております。

○大津委員 今のは店舗への対応ということでのお答えだったと思いますが、それでは、例えば便利さといいますか、利便性の観点から、自動預金引きおろし機、ATM、そういった視覚障害者へのご対応などは非常に重要なことになってくると思いますが、既存の今までの民間を中心とした金融機関では、これまでどんな対応がとられていたのか、現状をお願いいたします。

○関企画担当部長 既存金融機関の視覚障害者対応のATMにつきましては、音声案内に従って受話器の内側にテンキーを配置いたしましたハンドホンを操作する方法と、操作の部分、パネルに、点字をその横に張りつける方法が多く採用されております。
 一方で、最近では、点字に比べ認識が容易な触覚記号を用いたものも研究されているということでございます。

○大津委員 現状についてわかりました。
 例えば、私などでもまだそうですけれども、結構、タッチパネルといいますか、振り込みに関しても、いろいろな意味で、不自由な方々だけでなく、普通の健常者の方々でさえ、意外と操作がわかりにくくて、立ちどまって行列ができている、まだまだ使いにくい操作であるかと思います。
 ところで、そういう意味では、新銀行ではどのような対応をお考えなのか。その点につきまして、先ほどのお体の不自由な方々のことの対応も含めましてご回答をお願いいたします。

○関企画担当部長 視覚障害者対応機能の導入に当たりましては、ただいまご説明申し上げたとおり、近年の新技術の開発、その普及、標準化の動向を十分に検討した上で対応することが必要だと考えております。
 新銀行では、こうした技術動向を見きわめつつ、店舗用のATMにつきましては、視覚障害者対応用のATMの設置を検討しておりまして、その結果を踏まえて導入することとしております。

○大津委員 ありがとうございます。機械の選定に当たりましては、利用者を一番意識した上での使いやすい機械を導入していただきたいと思います。
 また、今、視覚障害者対応などのATM設置もご検討していくということなので、ぜひ、店舗数も少のうございますので、新宿、錦糸町を初め全店舗におきましてのご検討を強くお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

○丸茂委員 新銀行についてですけれども、私がお会いした中小企業の方々は、新銀行に対して強い期待を寄せています。一方で、今なぜ新銀行か、こういう声もございます。
 そこでまず、新銀行が目指す中小企業融資の目玉商品はどういうものなのか、お伺いをいたします。

○吉田参事 新銀行の中小企業融資に対する目玉商品といいますか、主力商品についてのお尋ねでございます。
 新銀行の中小企業融資の主力商品といたしましては、まず第一番目に、キャッシュフロー重視のスコアリングモデルによりまして自動審査を行い、迅速に資金を供給するポートフォリオ型融資、第二番目でございますが、財務内容は劣りますけれども、技術力など一定の基準を満たしている企業に融資を行う技術力・将来性重視型融資、それから三番目といたしまして、地域の実情に精通いたしました地域金融機関と密接な連携を図りながら協調して行うシンジケート型融資及び地域金融機関に対する保証というものがございます。
 いずれも、既存金融機関が十分な融資をできなかった、比較的リスクの高い企業に対しまして円滑に資金を供給するものでございます。

○丸茂委員 今ご紹介があった二番目の技術力・将来性重視型の融資については、これまでも、既存の制度融資等で、何らかの形でそういう趣旨を踏まえた融資ができないのかという議論もされてきたんですが、この技術力・将来性重視型の融資では、一定の基準に基づいて、技術力あるいはビジネスモデルなどを有する中小企業への資金供給をするというふうになっております。その一定の基準とはどういうものなのか、お伺いをいたします。

○吉田参事 基準に関するお問い合わせでございます。
 新銀行の技術力・将来性重視型融資における技術力の評価でございますが、これは企業の成長、発展に結びつくノウハウ等を含めて評価するものでございます。
 また、将来性の評価でございますけれども、例えば同業他社との差別化が図られている場合ですとか、時代即応性、こういったものにすぐれている場合など、将来性ある企業と評価するものでございます。
 これらの点につきましては、技術力審査会で総合的かつ客観的に審査を行い、評価していくこととしております。

○丸茂委員 技術力だとか将来性について、いろいろ評価の方向というものを述べられたんですけれども、その評価のもととなる基準はどうなのでしょうか。

○吉田参事 評価のより具体的、客観的な面ということでございます。
 より具体的にお答えさせていただきますと、技術力の評価は、単なる学術的な観点からの評価ではございませんで、例えば企業の成長、発展に結びつくノウハウ等、こういったようなものも含めて評価していくものでございまして、全くの新規技術でなくても、既存技術やノウハウの組み合わせや、改良による新しい商品の開発、それからコスト削減、こういったものも含まれるものでございます。
 また、将来性の評価につきましては、非常に幅広い概念ではございますけれども、例えば同業他社との差別化が図られている場合でございますとか、時代即応性にすぐれている場合、ITの活用により管理体制がすぐれている場合、こういったような場合におきましては、その企業の取り扱う製品やサービスは将来の市場性が高いというふうな判断になりまして、新銀行ではそのような企業を将来性ある企業と評価することになります。
 詳細につきましては、現在、新銀行において詰めているところでございます。

○丸茂委員 私どもも中小企業の皆さんとよくお話しすると、どういう基準なり評価をしていただいて、本当にそういうものが生きるのかというお話もするんですよ。それで、私自身は、いろいろ東京都も具体的な施策にも取り組んでいる、そして、具体的に客観的な評価基準というのを本当に知恵を出して整理していただくと、いろいろな分野でそれが活用できるなと。
 ある中小企業の方は、例えば東京都が技術検定をやって、何級という、ちゃんと資格を持っている。それも細分化して、より具体的な評価の基準になっていく。あるいは、かねがね特許についても、いろいろ外国にも生きる特許の水準だとか、そういうお話も寄せられております。そのほか、今いわれた伝統産業だとか、そういう伝統を持った技術も、百年、二百年、三百年という、そういう欠かせない技術、蓄積された技術評価も検討してみたらどうかと。
 あるいは将来性の問題でいいますと、今、中小企業の中には、産学公連携で、具体的な東京都の施策に沿って、新しい二十一世紀型の産業を興していく。それも、そういった認定を受けながら、いろいろな知恵も出し合いながら生かしていく。
 それから、もっと広くいうと、創造力を評価するという点では、やっぱりベンチャー大賞だとか、最近新しくできましたマイスター賞ですね。ことしからとられましたけれども、やっぱり創造性をもって新しいものに挑戦していく。東京都も、そういうものを一つ一つ審査して表彰もしているわけですよ。
 したがって、私は、東京都が本当に新しい審査基準を確立していただくと、制度融資の中で生かせるものもありますし、また、新銀行でやっぱり客観的な基準となっていくんじゃないかというふうに考えるんですけれども、今、私がいろいろ聞いてお話しした点についていかがでしょうか。

○吉田参事 いろいろ有用なご指摘をいただきましたので、今後、新銀行の中でいろいろ検討して詰めていきたいと考えております。

○丸茂委員 先ほども多少議論があったんですが、新銀行の出先機関となる店舗、私の地元大田区にも--開業時五カ所、そして平成十八年度中に残る四店舗を整備する、こういう状況にあります。どの地域に配置しようとしているのか、おおよそのことでもその見通しと、あるいは十店舗体制そのものは基本的に変えていかないのか、あるいは、今後、状況によってどう考えているのか、その点いかがでしょうか。

○吉田参事 残りの四店舗につきましては、既存店舗へ来店した顧客の分布状況、顧客からのさまざまな要望等を総合的に勘案し、全体的なバランスも視野に入れながら最適地を選定していきたいと思っております。
 また、現在のところ、十店舗体制で営業していく方針でございます。

○丸茂委員 私は、金融機関が中小企業を育成するとなると、ちょっと谷村委員も先ほどおっしゃっていましたけれども、やっぱりきめ細かな、お金を貸したらそれでいいというんじゃなくて、中小企業が抱えているさまざまな問題を含めて、そのお金が本当に生きるように、相談機能も含めて対応が必要です。
 本当に、地域の信用組合等は中小企業の台所まで知っている。ということは、生活の中身まで身近につかんで、その都度、必要な手だても、あるいは相談にも乗っていく。また融資の相談なり、いろいろな手だてがとられるのですけれども、そういう点では、ぜひそういう取り組みを求めるものなんですけれども、中小企業育成あるいは支援という点での、営業方針としては、そういうものはきちんと方針として確立しているのでしょうか。

○吉田参事 中小企業の育成に関する方針のお尋ねでございます。
 新銀行は、当然銀行でございますので、民間金融機関として、中小企業に対しまして融資、ファンド等を通じて金融的な支援を行っていく、これが中心になってまいります。
 ただ、これにとどまらず、各種団体、企業等と幅広く連携協力しながら、融資先などの中小企業に対しまして、多角的で実効性のある経営指導等の支援も行ってまいりたい、かように考えております。
 具体的には、融資先に対する経営指導やセミナーの開催、こういったような形での経営支援、さらには外部の専門家による経営、財務改善のコンサルティング、それからビジネスマッチングの支援、こういったようなことを展開していきたい、かように考えております。

○丸茂委員 意見だけにとどめておきますけれども、いろいろ地域の中小の金融機関も、統廃合、そしてリストラ、なかなか経営が大変なんですよね。そして、東京都の、これまで中小企業にさまざまな指導をしてきた商工指導所がなくなって、今、振興公社がそれを代行しているという点では、今の状況の中で、中小企業の立場に立って、本当に命綱となる金融も含めてどういった支援がとられるかというのは、私は、新銀行においても特段の力というんですか、そういうものが必要になってくるのかな、それに本当に十分にこたえてくれるのかな、そんな思いでいますので、それは今後の状況を見たいと思います。
 最後に、提携する企業等に対して出資要請を行う、こういう状況になっております。目標に対する出資状況あるいは出資協力企業などの状況は、現在どうなっているのでしょうか。

○吉田参事 民間出資についてのお問い合わせでございますが、現在、提携先企業などさまざまな企業に対しまして、新銀行に対する出資の要請を行っているところでございます。
 ただ、これは相手先企業との関係がございますところから、具体的な企業名、金額等につきましては、現段階でお話しできない、そういったことでございます。

○丸茂委員 さまざまな企業に要請していると。要請している企業数だとか金額までは、それはやりとりがいろいろあるかと思いますけれども、目標もあるわけですから、ほぼ見通しが立っているのか、今、着手段階でどういう状況にあるのか、そのくらいは説明いただきたいと思うんですが、いかがですか。

○吉田参事 申しわけございません。個別企業との交渉でございまして、交渉状況をお示しすることはできないわけでございますけれども、見通しといたしましては十分な展望を持っております。しかるべき時期にご報告をさせていただきたいというふうに考えております。

○丸茂委員 今の答弁を見ていると、なかなか思うように進んでいないなという感じがするんですよね。それで、前の財政委員会等でも、その点どうするんだ、また税金投入なんていうことのないようにと。当時の大塚出納長は、そういうことはないというような、そういう答弁、やりとりがあったと思いますけれども、やっぱり設立の出資金の準備状況についても、私ども今後の推移を十分見ていきたいと思いますし、今後、この委員会には新銀行のさまざまなご報告もいただくということですので、その経緯を見ながら質疑を行っていきたいということを申し上げて、この質問を終わりたいと思います。

○野島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野島委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で新銀行設立本部関係を終わります。

○野島委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○島田総務部長 多摩地域の森林で拡大しておりますシカ被害及び生息区域に関する調査結果がまとまりました。また、現在取り組んでいる生息数調査など緊急対策について、あわせてご報告いたします。
 お手元の資料1をごらんください。
 初めに、1、シカ森林被害調査の結果でございます。
 調査時期は、平成十六年五月から十月まで行っております。
 調査結果でございますが、次のページの別紙をごらんください。
 右下の表にございますが、多摩の森林全体五百十九平方キロメートルを五百十九区画に整理をいたしまして、生息情報のあった二百七十五区画を調査したところ、植生被害のあったのが二百十四区画、四一%でございました。
 被害の状況につきましては、凡例にありますとおり、Ⅶ「岩山化が始まる」からⅠの「まれに足跡、角こすり、糞を見る」まで七つのレベルに区分し、それぞれ色分けしてございます。
 今回の調査結果から、全体被害ゾーンと一部被害ゾーンの二つのゾーンに区分されております。
 赤い線の北西に広がる全体被害ゾーンは、全体に被害が及び、一部に深刻な被害が見られる区域で、多摩の森林面積約三五%を占めております。
 図の赤い線に挟まれました一部被害ゾーンは、一部に軽微な被害が見られ、被害の拡大のおそれがある区域で、多摩の森林面積の約一九%を占めております。
 それでは、一ページ目にお戻りください。1の(3)、被害状況に応じた対策でございますが、全体被害ゾーンでは、重点的なシカ捕獲の実施、治山事業や造林による早期の森林回復に取り組んでまいります。また、一部被害ゾーンでは、シカの生息状況の定期的な監視を行うとともに、植生の回復を図ってまいります。
 次に、2でございます。十六年度中に行う緊急対策の実施についてでございますが、(1)のア、シカの生息調査です。調査期間は十月二十七日から十一月末まで、調査区域は多摩地域全体の森林でございます。
 シカ特別捕獲でございますが、通常の年間捕獲四百頭に加え、全体被害ゾーンを中心に、今月から三月までで二百頭の特別捕獲を実施してまいります。
 治山工事でございますが、甚大な被害が見られました逆川上流の奥多摩町川乗山オオダワ地区におきまして、十二月から工事に着手し、早期の復旧に努めてまいります。
 (2)、関係局による対策でございますが、砂防ダムの設置、防鹿さく、保護ネットの設置、山梨県域の水道水源林における生息調査の実施、シカ保護管理計画の策定など、関係局と連携して総合的な対策を実施してまいります。
 以上で報告を終わらせていただきます。

○野島委員長 報告は終わりました。
 本件の質疑につきましては、後ほど事務事業に対する質疑と一括して行いますので、ご了承願います。

○野島委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してございます。
 資料について理事者の説明を求めます。

○島田総務部長 去る十月十九日の当委員会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の資料2をごらんください。
 一ページに目次がございます。全部で十七項目でございます。
 二ページ目をお開きいただきますと、過去十年間の都内製造業の推移をお示ししてございます。工場数、従業者数、製造品出荷額等、いずれも減少傾向が見られております。
 三ページは、業種別、過去十年間の中小企業の倒産件数でございます。平成十五年の倒産件数は三千百六十五件で、前年に比べ四年ぶりに減少いたしましたが、負債額につきましては増加をしております。
 四ページは、平成八年度から十五年度までの工業集積地域活性化支援事業の実績でございます。
 五ページは、都内小規模小売店の推移をお示ししてございます。商店数は減少傾向が見られております。
 六ページは、大規模小売店舗立地法に基づく各種届け出状況の推移をお示ししてございます。平成十五年度の大規模小売店舗立地法に基づく各種届け出件数は四百七件で、前年度の倍近い届け出件数となっております。
 七ページでは、都内小売業の売り場面積とそれに占める大規模小売店舗の売り場面積及び占有率の推移をお示ししてございます。平成十四年度における小売店に占める大規模小売店舗の面積は、都全体で、小売業売り場面積約千七十万平方メートルのうち約四百八十三万平方メートルで、総売り場面積の四五%を占めております。
 八ページは、平成十五年度中小企業制度融資の金融機関別融資、預託実績でございます。
 九ページと一〇ページは、平成六年度から十五年度までの十年間の中小企業制度融資の実績の推移でございます。一〇ページの平成十五年度の実績は、下から二段目の合計欄にありますとおり、約十六万五千件の中小企業に対し、一兆五千七百億余円の融資実績がございます。
 なお、代位弁済の件数は、平成十四年度の一万七千件から一万四千件へと四年ぶりに減少に転じております。
 一一ページは、貸金業者にかかわる苦情相談件数等の推移をお示ししてございます。
 (1)の苦情相談件数は、平成十五年度は約一万五千件であります。(2)の貸金業登録業者数は、平成十五年度末で五千八百十六者でございます。(3)、行政処分件数では、平成十五年度は二百四十六件と増加してきてございます。
 一二ページは、農林水産対策費の予算、決算の推移をお示ししてございます。三宅島噴火災害の発生に伴い、平成十二年度以降、災害復旧対策予算が増加しております。
 なお、火山ガスの発生が現在まで続き、工事の中断などにより、翌年度に予算が繰り越されております。
 一三ページは、平成十五年度における市町村別のシカやイノシシなどの獣害被害状況及び被害農作物をお示ししてございます。
 一四ページは、十年間の労政事務所の相談件数と職員数、あっせん件数、解決数、出張労働相談件数の推移をお示ししてございます。平成十五年度における労政事務所の相談件数は約五万件で、近年、ほぼ横ばいで推移しております。
 なお、平成十六年度より、労政事務所は組織改正を行い、労働相談情報センターとして運営されております。
 一五ページは、過去五年間の雇用情勢でございます。
 (1)、〔9〕にありますように、東京都の完全失業率は、十五年度は五・〇%で、前年度より〇・六%改善されております。
 一六ページは、高校新卒者及び大卒予定者等の内定状況でございます。
 (1)にありますように、平成十五年度における高校新卒者の就職内定率は九六・九%となっております。また、(2)にありますように、大卒等予定者の就職内定率は九二・八%となっております。
 一七ページから一八ページにかけまして、過去五年間の都立技術専門校の応募状況と職業紹介実績、就職率をお示ししてございます。
 一七ページの(1)、応募状況では、応募率は毎年二〇〇%程度で推移しております。一八ページ、(2)、職業紹介の実績、就職率では、技術専門校の就職率は七〇%台で推移しております。
 一九ページでは、過去五年間の委託訓練の定員数及び応募率をお示ししてございます。平成十五年度は、定員一万一千六百三人に対し、応募率は一二一%でございました。
 二〇ページでは、十年間の都内の障害者雇用率の推移をお示ししてございます。
 以上、大変雑駁でございますが、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○野島委員長 説明は終わりました。
 先ほどの報告事項及びただいまの資料を含めました事務事業に対する質疑をあわせて行います。
 発言を願います。

○山田委員 それでは、私から、先ほど報告がございましたシカ森林被害調査の結果報告と商店街振興、そして金融施策の三点につきまして質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 ただいまシカ森林被害調査の結果の報告をいただきまして、多摩の森林で野生のシカが著しく増加して、土砂の流出が始まるなど、森林の被害が深刻な状況にあることはよくわかりました。このまま放置いたしますと、丹精込めてこれまで育ててきました樹木がだめになるだけでなく、土砂流出防止や飲み水の保全など、都民の生活、財産を守る森林の働きに大きな影響が出ることも考えられます。
 当然これまでも、獣害対策として、このようなシカ被害対策には当局として取り組んでこられたと思いますけれども、これまでの取り組みについてまずお尋ねをいたしたいと思います。

○菊地農林水産部長 平成五年度以降、生息数調査や被害調査を実施しておりまして、本年度は水道局とも連携し、総合的な被害状況と生息状況の調査を実施いたしました。
 また、平成九年度からは、市町村が実施する有害捕獲への支援等を行っており、本年度は、被害の深刻化の状況等を踏まえ、今月から東京都が独自に二百頭の特別捕獲を実施いたします。
 このほか、奥多摩の地域性を踏まえた生息調査方法の開発や、電気さく、食害防止ネットの設置、苗木の食害からの予防措置などに取り組んでおります。

○山田委員 今ご説明がありましたけれども、シカによります土砂流出などの森林被害について、今回の調査で初めてわかったのかどうか。また、従来、シカによります同様な被害はこれまでなかったのかどうか。

○菊地農林水産部長 平成十一年度にシカによる立ち木の被害調査を実施しておりますが、この段階では、シカによる土砂流出の被害は報告されておりません。その後、ここ一、二年でございますが、現場からの報告により、樹木の被害の程度及び区域の拡大、土砂流出被害が一部確認されており、今回の調査によって初めて全体被害の状況を把握したものでございます。

○山田委員 ただいまの説明でよくわかりました。今の説明によりますと、この一、二年、森林被害が深刻になったということでございまして、とりわけシカ被害地への抜本的対策が急務だ、必要だということもよくわかりました。
 今後のシカ被害防止及び森林復旧の取り組みについてお伺いいたしたいと思います。

○菊地農林水産部長 シカ被害の程度や生息域の拡大から見て、シカ被害防止につきましては、適正な生息数の管理が基本であると考えています。このため、十月末からのシカの生息調査に基づき、今年度、環境局が特定鳥獣保護管理計画を策定する予定であり、今後は、この計画に基づいたシカ捕獲を実施して適正頭数化に努めてまいります。
 また、奥多摩町の山腹崩壊地につきましては、土砂流出防止のため早急に復旧するとともに、造林の基盤整備、苗木への食害防止対策の支援などにより森林の回復を図ってまいります。

○山田委員 被害も、ある程度一定の規模を超えますと、その回復までには大変な時間がかかるということはよくわかるのでありまして、この説明のように、土砂が流出するという被害が出たということになりますと、やはりその回復には莫大な費用と長い年月が必要になると思います。今後とも、関係局、地元自治体、森林組合等との連携のもとに、シカによります被害あるいは森林の状況を注視していくことが重要であると思います。
 現状は、林業の低迷など、森に入る機会や人手も不十分であります。長期的な林業振興の視点なども視野に入れて、都民の共通の財産である森林をしっかり守っていただきたいことを要望いたしまして、シカの森林被害調査に対する報告の質問は終わりたいと思います。
 次に入ります。次に、商店街振興についてお伺いいたしたいと思います。
 消費の低迷あるいは大規模ショッピングセンターの出店、あるいは二十四時間営業やインターネットなどの新たな販売形態の進展など、商店街を取り巻く状況は依然として厳しいものがあります。さらに、商店街には商店主の高齢化や後継者不足などの構造的な問題もありまして、商店街活動を支える人材の不足も深刻となっております。店舗の廃業や商店街組織の解散の話も、私、地元で耳にいたすところでもございます。
 私は、こうした商店街の課題を解決いたしまして、商店街を活性化するためには、商店街活動を広く地域住民や地域団体の参画を得て行うことが重要であると考えております。商店街は単に物の売り買いだけでなく、住民同士の交流や文化の継承、お年寄りや子どもたちの見守りなど、幅広く住民の生活をサポートすべきであり、そうした中で地域との協力関係をつくり、結びつきを強めていくことが重要になっております。
 そこで、まずお伺いいたしますけれども、今年度の新・元気を出せ商店街事業の取り組みについて、商店街と地域の住民や団体とが協力し合って実施している事業についてどのような例があるのか、お答えいただければと思います。

○市原商工部長 今年度の新・元気を出せ商店街事業において、商店街が地域の住民や団体と協力して取り組む例といたしましては、商店街に登録いたしました地域住民や学生等を高齢者などの家庭に派遣いたしまして生活サポートを行い、地域の交流を深めていく事業、商店街と地域住民が共同で行う防犯パトロール事業、商店街と社会福祉団体が協働し、空き店舗を活用いたしまして福祉作業所の製品の展示販売や高齢者の相談等を行う事業などがございまして、環境、リサイクル、まちの安全、子育てや高齢者支援など、さまざまなテーマで商店街と地域が連携した取り組みが行われております。

○山田委員 私は、ただいま答弁をいただきましたように、商店街の活動というものは、大型店やショッピングセンターにはない商店街独自の機能であり、また強みでもあると思います。その意味では、これから商店街が発展していくための必須の条件となるものではないかと考えております。地域とともに歩むこうした商店街のあり方は、本来、商店街が長年培ってきたはずの機能でありますけれども、今、こうした商店街の原点ともいうべき機能を改めて見直しをし、発展させていこうという動きが広がっているのではないかと私は考えております。
 都内商店街の活性化のかぎともいうべきこうした取り組みを、より多くの商店街でも実施してもらうよう、都振連などの商店街関係団体あるいは商工会などとも協力をいたしまして、積極的に普及啓発していくことが大切だと思いますけれども、その点についてお考えをお聞かせ願います。

○市原商工部長 商店街の先進的ですぐれた取り組みを広く他の商店街に紹介することは、商店街が互いに情報を交換し合い、切磋琢磨しながら活性化に向けた取り組みを進めていく上で極めて有効と考えております。
 都はこれまでも、さまざまな講演会や講習会、マスメディア等を活用いたしまして、積極的に商店街の優良事例を紹介してまいりました。また、先月開催いたしました中小小売商業活性化フォーラムにおきましても、商店街のすぐれた取り組みを多くの参加者に紹介しております。今後、こうした取り組みをまとめた事例集を作成し、都のホームページにも掲載する予定であります。
 また、商店街の団体や商工会とも連携いたしまして、それぞれの広報媒体を活用するなど、商店街の優良事例や先進事例の普及に努めてまいります。

○山田委員 当局としてもいろいろな取り組みをされていらっしゃいまして、また、今ご説明がありましたように、先月開催いたしました中小小売商業活性化フォーラムについてはご案内をいただきました。大変盛況であったと聞いております。
 イベントにしろ、あるいは活性化事業にしろ、さまざまなすぐれた取り組みを促していることにつきましては、大もとの要綱自体にそれがきちんと表現されていることが大変大切だと思っております。新・元気を出せ商店街事業の要綱を見てみますと、イベント事業あるいは活性化事業の例が列挙されているわけでありますけれども、活性化事業につきましては豊富な例示が記載されておりますが、ただイベントにつきましては、例示も大変少なくて、地域社会の国際化に資するイベントにするというような、わかりにくい記載になっております。
 新・元気を出せ商店街事業も二年目を迎えておりまして、多様なイベントが展開されているわけでありますから、多くの商店街にとって参考になるすぐれたイベントを、わかりやすく分類して例示するように改定をしていただければと思うわけでありますが、その点についていかがでしょうか。

○市原商工部長 これまで新・元気を出せ商店街事業を実施する中で、お話のように、要綱の例示にないすぐれた取り組みがふえております。このため、来年度に向けまして要綱を改定し、新たな優良事例の追加や再分類を行いまして、わかりやすく活用しやすいものにしていくことにより、商店街のすぐれた取り組みを掘り起こしてまいります。

○山田委員 このイベント事業について少し申し上げたいと思いますが、今年度の新・元気を出せ商店街事業では、イベント事業の交付決定件数は約千九百件で、そのうち約千四百件の商店街がこの事業を活用してイベントを実施していると聞いております。この数は、都内約二千八百の商店街の半数であります。
 そこでお伺いいたしますけれども、これらのイベント事業のうち、複数の商店街が共同で事業を実施しているのはどのくらいあるのか、ご説明いただきたいと思います。

○市原商工部長 今年度のイベントの事業のうち、複数の商店街の共催によるものは七十二件であり、延べ三百六十七の商店街が参加しております。この中には、一事業に二十五もの商店街が参加している例もございます。

○山田委員 ただいまのご説明の中で、共催によるイベント事業七十二件、中には、一事業に二十五もの商店街が参加している事例もあるということでございます。千九百件のうち七十二件が共同事業ということですから、多くのイベントは単独実施ということのようであります。その中には、比較的小規模なイベントも多数あると思いますが、それぞれの商店街が独自性を出すということも大切でありましょうけれども、しかしながら、小規模の複数の商店街が、隣接する地域それぞれ別個の日程で小さなイベントを実施するよりも、共同開催をすれば、規模も大きくなり、より広く地域住民の参画を得られるのではないかと思います。
 これは私の地元の西東京市のことでありますが、私どもの地元でも、六つの商店街が実行委員会、六商協議会という会をつくりまして、ひばりケ丘の駅を中心にひばり祭というものを十七、八年前から行っておりまして、そのことが西東京市、田無、保谷の合併につながったということもございます。
 このように、地域を超えた商店街の活動というものが、いろんな意味で地域の発展にもつながることにもなりますので、やはり地域コミュニティの維持、発展のためにも、近隣商店街によるイベントの共同開催も有効と考えますけれども、都としても何らかの誘導策を検討していただければと思いますが、いかがでしょうか。

○市原商工部長 イベント事業を複数の商店街が共同で開催することによりまして、単独の商店街では困難な規模の事業に取り組むことが可能となり、知名度アップや集客力の向上など大きな効果が期待できます。
 また、商店街同士のきずなが深まるとともに、広い地域の多様な人材の参画を促して、商店街の企画力向上や商店街活動の活性化につながり、地域コミュニティの発展にも役立つものと考えております。
 今後、新・元気を出せ商店街事業の要綱に共同事業を奨励する規定を設けるなど、都といたしましても、複数商店街による共同の取り組みを積極的に推進してまいります。

○山田委員 店舗が減少し、商店街が寂れていくということは、お年寄りなどの日常生活に支障が生じるだけでなく、まち全体の活気が失われます。地域振興を図っていく上で、商店街振興は最も重要な柱であり、それゆえ我が党は、新・元気を出せ商店街事業を中心とする商店街振興を一貫して推し進めてまいりました。今後の商店街振興に向けた都の意気込みを局長にお尋ねいたしたいと思います。

○関谷産業労働局長 商店街は、都民の消費生活を支えるとともに、雇用や起業の場となるなど、地域経済を活性化する上で重要な機能を担っているものでございます。また、ただいま種々の角度からお話がございましたように、商店街が中心となって、地域の消費者や学生、NPOなど多様な人々の参画のもと、まちづくりや地域おこしに取り組む例がふえてきております。コミュニティの維持、発展においても、商店街が大きな役割を果たしていると認識しているところでございます。
 都といたしましては、地域の経済活性化やコミュニティの発展のために、商店街がさらに重要な役割を果たせるよう、商店街振興施策を一層充実、強化し、商店街の自主的で意欲的な取り組みを積極的に支援してまいります。

○山田委員 ぜひ商店街の振興、活性化に当局としても力を入れていただきますように、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 それでは次に、金融施策についてお尋ねをいたしたいと思います。
 ことしに入りまして、景気は回復に向かっているとの認識が広まっておりましたけれども、ここに来て、原油価格の高どまりや、アメリカ、中国経済の減速傾向などの懸念材料がクローズアップされております。民間調査機関の景気見通しを見ましても、強気な見方と悲観的な見方が相半ばしているという状況でございます。
 東京の中小企業の景況も、産業労働局の調査によりますと、四月、五月ごろには、ほとんどの業種が上昇基調にあったものが、ここに来てこの数カ月間、一進一退の様相を呈しております。東京の中小企業は、文字どおり身を削る思いで、この長い長い不況を耐えてきたのであります。ようやく明るさの見えてきた景気の腰を折ることがあってはならないと思います。
 そういう思いで、去る第三回定例会の代表質問におきまして、我が党の比留間幹事長から、資金需要が高まる年末に向けて金融支援を強化すべきだということを訴えを申し上げたところであります。
 産業労働局では、我が党の主張に対応する形で、今月から年末年始特別対策を実施いたしております。このことを高く評価いたしたいと思いますが、それでは、今回の年末特別対策ではどのような効果が見込まれていると考えているのか、お尋ねをいたします。

○中井金融部長 今回の年末年始特別対策は、個々の事業者の資金繰りの状況にきめ細かく対応することを通じて中小企業の資金需要にこたえていくことを目的として、三つの支援策を設けてございます。
 まず第一に、売上減少企業などを対象とした経営支援融資の要件緩和でありますが、これまでは、最近三カ月の売り上げが前年同期と比べて五%以上減少している企業を対象としていたものを、ゼロ%以上、つまり、一円でも前年同期に比べて減少していれば対象とすることといたしました。この要件緩和によって、最優遇金利で融資を受けられる対象事業者が大幅に拡大されると見込んでおります。
 第二に、一昨年の年末対策で創設したクイック融資の限度額を五百万円から七百万円に引き上げました。クイック融資は、融資期間二年で、保証協会の保証承諾の可否を三営業日以内で決定するというものであります。緊急の資金需要にこたえるメニューとして、制度発足から半年間で七百七十三億円の利用がありましたが、今回、限度額を引き上げることにより、新規融資はもちろんのこと、二年前のクイック融資のスムーズな借りかえにも寄与するものと考えております。
 第三に、CLOのつなぎ融資を新たに創設いたしました。CLOの参加企業から要望の多かった随時の資金供給にこたえるため、三月の債券発行を待たず、つなぎ融資を実行することとしたものでございます。これによって、参加企業にとっての利便性が高まり、参加促進の効果が見込まれるものでございます。
 以上のほか、これらの支援策の利用を促進するため、先月末に行った産業交流展を初め、都内各所で保証協会等と連携した説明会、相談会を開催し、中小事業者や金融機関への周知を図っております。
 これらの対策により、事業者の資金需要が高まる年末年始においても、中小企業に対する資金供給が円滑に行われるものと考えております。

○山田委員 年末特別対策のねらいについてはよくわかりました。説明会も実施しているということですが、せっかくよい対策を行っているのですから、中小企業の方々に十分周知をしていただき、多くの事業者に利用されるよう、一層の努力をお願いいたしたいと思います。
 ところで、制度融資のような間接金融に加えまして、今回、直接金融の新たな手法としてファンドが相次いで設立されました。ベンチャー企業支援のために二つの投資法人が設立され、都は百億を出す、出費するということであります。
 民間のベンチャーファンドは数多くございますけれども、今回設立した都のファンドは、民間ファンドと比べてどのような特色があるのか、また都ならではの独自性はどのようなものか、お伺いをいたします。

○中井金融部長 去る十月二十二日、都は、東京フロンティア投資法人と東京スピリット投資法人の二つのベンチャー投資法人を設立いたしました。
 ベンチャー投資法人は、ベンチャー企業の資金ニーズに直接金融により対応しようとするものでありますが、利益の最大化をねらう民間ファンドに比べて、都のファンドは、創業間もないベンチャー企業を中心に手厚い経営支援を行い、その成長を促進することに重点を置いております。これに加えて、二、三年後には、投資法人自体を上場することにより、多くの個人投資家がベンチャー企業投資に参加することを促すことも目指しております。
 また、都ならではの独自性についてでありますが、多様なベンチャー企業が存在する東京の特性を踏まえ、二つの投資法人のもとに七つの投資事業有限責任組合、いわゆる子ファンドを配することとし、それぞれに都がかかわるファンドにふさわしい特色を持たせるようにいたしました。
 一、二例を挙げますと、環境、福祉といった分野で事業を行う社会貢献型ベンチャー企業に重点投資をするファンドや、大企業や大学が多い東京の特性に着目して、大企業から技術やノウハウを持って飛び出した起業家や大学発ベンチャーなどを中心に投資するファンドなどがございます。
 こうした都ならではのファンドが、それぞれの特性を生かしたベンチャー企業支援を行うことにより、東京の経済の将来を支える新たな企業、産業が育っていくものと考えております。

○山田委員 大変すばらしい構想であると思いますが、これもまた、設立後、都の構想どおりにファンドが運営されるかどうかによって、成功のかぎが握られていると思います。投資事業であるため、投資先の選定あるいは経営支援のやり方などはファンドの運用者に任されるということですが、都は、当初の方針に沿った運営がなされているかをしっかりと監視していくことが大切だろうと思いますので、そのことをよくお願いをしておきます。
 さて、ベンチャー投資法人の設立で、新しく事業を起こす人たちや創業間もない企業への支援の道が開かれたと考えますが、こうした投資は企業の成長過程の一定時期に限られるのが通常でありまして、長期間にわたる企業経営を安定的に維持するためには、やはり金融機関による継続的な支援も必要であると思います。
 また、今の時代、企業は経営革新を迫られるのが常であります。限られたベンチャー企業への支援だけでなく、広く間接金融によって、新たな技術や製品や新しい分野への進出など、さまざまなチャレンジを行おうとする中小企業に一層手厚い支援対策を講ずる必要があると思います。
 こういう考え方の中で、新たなビジネスチャンスにチャレンジしようとする中小企業に広く恩恵をもたらすことができる制度融資の一層の充実を図るべきではないかと思いますけれども、所見を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。

○中井金融部長 東京の産業の活力を維持、向上させていくためには、新たな事業を起こそうとする企業を継続的に支援していくとともに、新製品開発や新分野への進出など、既存の企業のさまざまなチャレンジを支援していくことが必要と考えております。
 制度融資ではこれまでも、チャレンジ支援融資を設けて、これらの企業を支援してきておりますが、副委員長ご指摘の趣旨を踏まえ、一層の支援の充実を図れるよう努めてまいります。

○ともとし委員 私の方からは、さきの本会議で質問させていただきましたシカの被害の問題、そしてまた、資料要求いたしました障害者の雇用率の問題等々、それらについて質問させていただきたいと思います。
 シカの被害問題につきましては、今、自民党の議員の方から質問等がございましたので、重複しない程度でお願いしたいと思っているんですが、さきの本会議でこの問題を取り上げて、早速、産業労働局を初め各局がいろんな手を打っていただいて具体的に進めていただいている状況を踏まえて、奥多摩の皆さんを初め、多摩の多くの皆さんが感謝をしているという話も聞いております。
 引き続き、具体策についてよろしくお願いしたいと思うんですが、まず具体策に入る前に、これらを踏まえて、調査の結果、非常に被害が拡大している、また深刻化している、このシカの生息数の拡大について大幅にふえているということがわかったわけですが、具体的に実態がどういうような状況になっているのか、どう変化しているのか、その辺を踏まえて、まずご答弁をお願いしたいと思います。

○菊地農林水産部長 シカの生息数につきましては、平成五年度は約四百頭であったものが、平成十四年度は約二千六百頭の予測となっており、十年間で六倍強の増加が推測されます。
 なお、十月末から、多摩の森林地域について、より正確に生息頭数を把握するため、新たな調査手法も導入して生息頭数調査を行っているところでございます。

○ともとし委員 今ご答弁があったとおり、約十年間で六倍強ふえているわけなんですね。先ほどのご答弁の中にも、ここ一、二年、被害状況がはっきりしてきた、具体的なものが出てきたという答弁等もあったんですが、いうなれば、二千頭を過ぎてくると現実的な被害になってくるのかなというふうに思うんですが、被害が出ない頭数というのは何頭ぐらいなのか。現状から見て、どのようにその辺を判断していらっしゃるのか、その辺についてご答弁をお願いしたいと思います。

○菊地農林水産部長 今年度、環境局で特定鳥獣保護管理計画を策定し、その中で多摩の森林における適正頭数を定めることにしていますが、現時点で適正規模の目安を示すものとしては、環境省の特定鳥獣保護管理計画技術マニュアルがございます。この中で、農林被害が余り大きくならない生息密度として、一平方キロメートル当たり一頭から二頭としています。
 これを多摩地域の従来からのシカの生息区域に単純に当てはめますと、おおよそ四百程度となり、また仮に多摩の森林全体に生息域が拡大したとしても、八百頭程度が適正頭数となるものと思います。

○ともとし委員 平成五年度の三百八十六頭が、いってみれば多摩地域における一つの、被害が出ない、また、それが想定される頭数になるのかなというふうに思うんですが、そうすると、今の実態から見ると、約二千二百頭から多いわけですね。
 この二千二百頭に対する適正管理というのを今後していかなければならないんですが、その具体策はどういうような状況になっているのか、この辺についてお伺いします。

○菊地農林水産部長 平成十六年度は、従来からの奥多摩町による有害捕獲三百頭及び一般の狩猟百頭に加えまして、緊急の対策として東京都が二百頭の合計六百頭の捕獲を実施いたします。
 また、今後は、年度内に策定予定の特定鳥獣保護管理計画に基づきまして、関係市町村などとも連携しながら、計画的捕獲の実施により適正頭数の確保に努めてまいります。

○ともとし委員 今のご答弁を聞きますと、今年度で六百頭を捕獲対象としてやっていきたいと。単純に見ますと、この十四年度で二千五百六十頭、約二千六百頭ですね。十四年度で二千六百頭あるものを六百頭差し引くわけですから、二千頭近く残っているわけですよね。この二千頭近くが、過去の実例から挙げて、この十年間で約六倍強いくわけですから、自然増を考えると、はっきりいって、ここ一、二年でまた被害をこうむるような、それ以上の頭数が自然増の中で出てきてしまう。
 要するに、今年度六百頭を初めとして、この一、二年でしっかりした対策をとらないと、まさにある種イタチごっこというか、そんなふうになってしまうんですが、この適正管理の、この六百頭を除いた今後のその辺の対策というのは物すごく重要になってくるかと思うんですが、この辺の詳細についてはまだ出ませんか。

○菊地農林水産部長 今年度の六百頭の捕獲につきましては、獣害対策の位置づけで実施しておりまして、今後、生息数のより正確な調査に基づきまして、環境局の策定いたします特定鳥獣保護管理計画の中で、どうやって適正数に持っていくかということを検討してまいります。

○ともとし委員 最初の勢いは、本当にすばらしい称賛に値する内容になっておりますので、これを少なくともできるだけ早く自然の状態に、まさに共生できる状態に戻さなければいけないな、こういうふうに思うわけなんです。
 若干視点が変わりますけれども、捕獲したシカをどう活用するかというのは、これからの問題だというふうに思うんですね。一部には、捕獲したシカを例えば、何といっていいんだかよくわからないけれども、埋めてしまうとかなんとかという、そういう話もあるんだけれども、埋めてしまうというのは、山の中に埋めるのでしょうけれども、山の中はシカばかりじゃなくて、いろんなけものというか、そういったものがいるわけですよね。結局、そういうにおいで、それを掘り起こして次の被害が出てくるということも十分考えられるんですね。
 ですから、埋めてしまうということだけじゃなくて、鎌倉じゃなくてどこだったか、シカを観光に利用してみたり、聞くところによると、シカ鍋というのがおいしいとかなんとかという話もありますし、被害をこれだけ受けたわけですから、えらい税金を投入するわけですから、もうちょっとそれを利用して、奥多摩町というか、そんなところの特産のそういったものをつくったりなんかするということも、これも人間の知恵じゃないかなというふうに思うんです。単なる埋めてしまうとかなんとかというそれだけじゃなくて、もうちょっと知恵を働かせた方がいいのかなというふうに思うんですが、その辺については答弁しにくいでしょうから、答弁しなくて結構ですので、要望しておきたいと思うんです。
 何か奥多摩の方では、真剣にその辺のことを考えて、一つの観光資源にしていきたいなんていうようなお話等もあるわけですから。
 ですから、適正管理をして、シカはシカとしてきちっと、共生できる生息数は、これは絶対に保たなきゃいけないと思うんですよ。しかしながら、人間社会に対して、自然社会に対して被害をもたらすようなそういったことは、シカといえども、これはきちっとしかっておかなきゃいけないなというふうに思うんです。(笑声)この辺についてはお願いしつつ、また、捕獲したシカについては有効利用していただきたい、これをまず要望しておきたいと思います。
 次に、障害者の雇用率の推移について資料をいただきました。これらについて伺っていきたいと思うんですが、この障害者の雇用率制度の概要というのはどういうことなのか、まずこの辺を教えていただきたいと思います。

○安藤雇用就業部長 障害者雇用率は、障害者の雇用の促進等に関する法律におきまして、障害者の雇用の場を確保するという趣旨から、労働者が一定数以上の規模の企業等に対しまして、雇用すべき障害者の割合を定めたものでございます。
 法定の雇用率といたしまして、民間企業は一・八%、地方公共団体は率先して障害者を雇用すべき立場にあるため、民間企業よりも高い二・一%となっております。

○ともとし委員 都における障害者雇用率の現状と、雇用促進についての産業労働局としての取り組みについて伺っておきたいと思います。

○安藤雇用就業部長 東京都地域におけます障害者雇用率でございますが、これは国の機関であります東京労働局が毎年集計をしておりますが、平成十五年で申し上げますと、都内の民間企業は一・三三%で、法定雇用率を〇・四七ポイント下回っております。また、東京都及び区市町村など都内の地方公共団体は、法定雇用率が二・一%でございますが、全団体ベースで申し上げますと二・九七%、その中でも都に限りますと三・二七%となっております。
 産業労働局の取り組みでございますが、所管をしております東京障害者職業能力開発校における障害者の職業能力開発、あるいは第三セクター方式によります重度障害者雇用モデル企業の設立などを実施するとともに、広く障害者の雇用を促進するための普及啓発に努めているところでございます。

○ともとし委員 民間の企業に対して、公共機関、特に東京都における障害者の雇用率、比較的高いものになっていると。要するに、障害者雇用に対して真剣であるというそういった面に関しては、高く評価はしておきたいと思います。
 障害者といってもいろんな方がいらっしゃるわけですが、障害者雇用率に入るところの対象ですね。これの障害者といわれる方はどういう方たちがいらっしゃるのですか。

○安藤雇用就業部長 障害者雇用率の算定対象となりまして、民間企業、地方公共団体に雇用が義務づけられております障害者とは、身体障害者または知的障害者でございます。身体障害者には、視覚、聴覚、言語障害者や肢体不自由者、内部障害者などが含まれております。

○ともとし委員 先ほど申し上げたとおり、都を初めとする公共機関、障害者雇用については非常にすばらしい成果を、率という面では上げているのかなというふうに思うんですが、都における障害者雇用、先ほど部長がおっしゃった身体障害者あるいはまた知的障害者というふうに分けた場合、その双方が含まれているというふうに解釈するのか、その辺についてお伺いしたいと思います。

○安藤雇用就業部長 都の機関において雇用されている障害者でございますが、所管しております総務局に聞きましたところ、身体障害者でございまして、知的障害者は雇用されていないということでございます。

○ともとし委員 都では、身体障害者を対象として採用枠を設けて、継続して採用していると。まさにそれはそれとして評価はしておきたいというふうに思っているんです。
 しかしながら、今ご答弁があったように、知的障害者に関してはゼロなんですね。先ほど部長のご答弁にもあったように、障害者というのは身体障害と知的障害と両方あるんですよというふうに、しかも雇用については、産労局としては、この双方をもって障害者というふうにしているんですよというご答弁もありました。
 そういう観点からいけば、都についても、身体、知的を問わず、広く障害者雇用を促進する立場にあるのではないかなというふうに思うんですね。なぜ知的障害者は、雇用対象というか雇用してこなかったのか、しようとしていないのか、この辺について具体的にお伺いしたい。
 そしてまた、民間企業に対しても、知的障害者を含めた障害者の雇用を促進するように進めていらっしゃるかと思うんですが、民間では知的障害の方もかなり雇用されている。かなりというか、パーセンテージはある程度低いんでしょうけれども、雇用はされているというふうに聞いているわけですが、都はなぜ知的障害は雇用促進ができないのか、この辺についてお伺いしたいと思います。

○安藤雇用就業部長 ただいま申し上げたとおり、都の職員の採用は総務局の所管となっているところでございますけれども、総務局によりますと、障害者雇用の重要性は十分に認識した上で、知的障害者の就労に適した職の調査検討を進めてきたが、厳しい財政事情のもとで可能な限りの人員削減を進めている中で、都が直接行っている業務の中から知的障害者の就労に適した仕事を見つけることは難しいとのことでございました。
 しかし、一方、都の施設における清掃でありますとか洗濯等の業務を知的障害者団体や授産施設などに発注することを通じて、知的障害者の就労機会の確保、拡大に努めているということでございました。

○ともとし委員 これはちょっとおかしいんですよ。都で知的障害者を雇用するのは非常に難しい、仕事上の問題でと。都で難しいことは、民間はそれ以上に難しいんですよ。この辺は、やっぱりわかってあげなければいけないんじゃないかなというふうに私は思うんですね。
 先ほども部長ご答弁のように、民間には、知的障害を含めて、障害者という枠の中で働きかけをしていらっしゃるわけですよね。それが、おひざ元であるところの都が、知的障害については実は働く場所がなくて、採用はちょっと勘弁してくださいよというやり方は、これはだれが聞いてもおかしいというふうになるのではないかというふうに思うんです。
 ただ、私も、民間のところで働いている方や、あるいは授産所やなんかで働いている知的障害の方を見ていると、フルタイムで朝九時から夕方の五時まで、健常者の皆さんと同じようなことをやるということは、それは確かに厳しいんですよ。ですから、この知的障害を持たれている方たちに対しては、知的障害を持たれているその環境に合わせた仕事というものを見つけ出すというか、選んであげるというか、それが必要じゃないのかなと。ですから、ある意味では、二時間である場合もあるし、三時間である場合もあると思うし、あるいはまた非常勤等も含めた、一週五日間だとすれば、そのうちの二日間だけだとか、知的障害者の方に合わせた仕事をつくり出していくことが大事かなというふうに思うんですね。
 それは、まさに健常者であるところの我々の仕事なんですよ。我々がそういう仕事をつくり出して、こういう仕事ができますよ、こういう仕事でやれば民間の皆さんの会社も進めていくことができるんじゃないですかと、そういうものを教えてあげるというか、そんなことも大事かなというふうに思うんですね。一般社会全体の知的障害者の働く環境、これをまず都が模範を示してやっていくということが大事だと思うんですが、この辺についての見解をお伺いしたいと思います。

○安藤雇用就業部長 障害者雇用促進法は、平成九年の法律改正で、雇用率制度の中で知的障害者の雇用が義務というふうになりました。同時に、雇用率につきましても、民間について申し上げますと、一・六から一・八になったということで、ノーマライゼーションの理念が障害者の雇用についても基本理念とされたということもございまして、雇用面での積極的な取り組みが求められているというふうに思います。
 この促進法では、身体障害者または知的障害者となっておりますけれども、本日さまざまな角度からご議論をいただきましたそのことも含め、さらに法の趣旨も含めて十分な理解を働きかけていく必要がある、こう考えております。

○ともとし委員 部長からそういうご答弁をいただいた上に、あえて質問するのは申しわけないとは思いますが、実は、こうした障害者を含めた形のいろんな団体から、十七年度に対する予算要望ですとか、いろんな内容を聞かせていただいているんですが、障害を持たれている皆さんにかかわる団体からは、一様に障害者の雇用というのを物すごくいわれているんですよ。
 これは、健常者である方も、今就職するということは大変な時代ですから、それ以上に障害者の皆さんが就職するということは大変なんだなということはよくわかりますし、そういう中で、先ほど冒頭の中で部長が答弁されたように、都としては、障害者という枠の中では、民間の皆さんよりもはるかに多く採用されているということもよくわかるんです。その上に立って、あえてこの知的障害者について申し上げさせていただいたわけですが、くれぐれも、障害を持っているから就職ができないんだという通念は捨てていかなければいけないというふうに思うんですね。
 労働者がどんどんどんどん、ある意味では少なくなっていく、労働人口が少なくなっていくというふうにいわれて、外国労働者に大量に日本に来ていただかないとだめなんじゃないか、そんなふうにもいわれている昨今ですので、女性の方が働くということも非常に多くなってまいりました。同時に、こういう障害を持たれた方たちも働けるという環境づくりをして、生産の中に、そうした枠組みの中に入れるんだということも大事なのかなというふうに思うんですね。
 雇用促進という部署、部であり課であり係でありというものを持たれている産労局でもありますので、空回りすることなく、しっかりした都みずからの職員採用、こういったものに向けて、ぜひとも東京都という観点の関係部署に対して、しっかりした強い働きかけをやるべきだというふうに思うんですが、もう一回、部長から決意を聞いて終わりたいと思います。

○安藤雇用就業部長 先ほど委員の方からご指摘がございましたように、働き方自体も多様化をしております。あるいは在宅勤務というようなものも真剣に議論されるようになってきておりまして、働く場というものも多様化する中で、可能性としてはいろいろ出てくるのではないかと思います。そうした工夫も、公務の中において、できるならばやっていくべきだというふうに思います。
 きょうは、知的障害者の声についてたくさんのお話をいただきましたので、ぜひとも所管の総務局と、これについて私どもも話し合っていきたいというふうに思っております。

○野島委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後三時十九分休憩

   午後三時三十七分開議

○野島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○柿沢委員 委員長のご指示をいただいて、発言をさせていただきます。
 産業労働局の主要な施策について、金融施策について、特にその中で大きな役割を果たしている制度融資について、私も何点か伺わせていただきたいと思います。
 まず、基本的なことですけれども、制度融資は、保証協会の保証をつけることが融資の条件になっておりまして、借り受け者が債務不履行となった場合、金融機関に対して保証協会が代位弁済をすることとなっています。代位弁済が発生し、その後、償却に至る場合、その損失補償の仕組みはどうなっているのか、基本的なことですけれども、まず初めに伺わせていただきたいと思います。

○中井金融部長 一般的な五年償却のケースで説明させていただきますが、保証協会は、信用保険法に基づいて中小企業金融公庫と損失補償契約を結んでおり、代位弁済が発生した場合、この契約に従って、代位弁済額の七割から八割が中小公庫から補てんされます。また、残りの二割ないし三割の部分につきましては、一般保証つき融資を除いて、都が代位弁済時または五年後の償却時に五割から十割の範囲で補助を行っています。
 なお、保証協会は、求償権に基づき借り受け者から回収を行い、償却後に回収できた部分については、補てん割合に応じて中小公庫と都に返納することになっております。

○柿沢委員 政府系金融機関である中小企業金融公庫、都、保証協会がそれぞれ損失を補てんするという仕組みになっているわけですけれども、その代位弁済の額というのは、十五年度はやや低下傾向ということになっているようですけれども、ここ数年は増加を続けてきたわけであります。
 保証協会は、代位弁済となってから償却するまで、いわゆる求償権に基づく回収をするわけですけれども、代位弁済した場合、これによる回収というのをどの程度行っているのか、行えているのか、伺いたいと思います。

○中井金融部長 平成十五年度の例で申し上げますと、代位弁済発生額が一千八百三十九億円、回収額が六百四億円となっておりまして、回収率は約三三%でございます。

○柿沢委員 回収率三三%、三件に一件ぐらいですか--三件に一件といういい方をするのが正しいかどうかわかりませんけれども--の回収率になっているということであります。
 では、ここ三年の都からの補助である保証債務履行損失補助金の額はどのように推移しているでしょうか。また、中小企業金融公庫の信用保険会計の決算状況、たびたび出ている数字かもしれませんけれども、直近でどうなっているか、伺わせていただきます。

○中井金融部長 都の保証債務履行損失補助金の推移は、決算ベースで申し上げますと、平成十三年度が百二十三億円、十四年度が百三十三億円、十五年度が百三十八億円と漸増しております。また、公庫の信用保険会計は、十五年度決算で約四千億円の赤字となっております。

○柿沢委員 制度融資を支えている信用保証制度というのは、都や国の財政支援の裏づけがあって成り立っているわけですけれども、国の保険財政の赤字が四千億円ということですから、この制度の先行きというのが多少不安になってくるわけであります。
 先日も、これは新聞の報道ですけれども、例えば会計検査院の指摘などで、この信用保証制度また保険財政の問題、いろんな形で取り上げられるようになってきておりまして、ある意味では非常に厳しい目が注がれているということがいえるんじゃないかと思います。
 もちろん、公的融資の使命というのは、中小企業の経営を下支えすることにあるわけですから、保険財政の赤字が解消されるということになっても、中小企業への融資が先細っては全く意味がないわけです。
 保証協会による債権回収というのも、先ほど回収率三三%ということがいわれましたけれども、国や都の負担を減らすという意味では、これは回収を多くすることにこしたことはないわけですけれども、保証協会が何のために保証しているのか、何のために代位弁済するのかという本旨を考えると、破綻した中小企業からの回収をがんがん強化して、過酷な取り立てを保証協会みずからやっていくということでも、またこれは、いささか問題があるんじゃないかなというふうに思います。
 こうした信用保証制度を成り立たせていくだけの財政的なバランス、また一方で、中小企業の経営を下支えするというこの信用保証制度の本旨を維持する、この二つのバランスをとっていかなければいけないわけで、これから大切になってくるのは、金融機関と保証協会が、それぞれ債権に対してどうやって責任を持ってリスク管理をして負担を負うか、そういう体制をこれからどのようにして整えるかということだと思います。
 そういうふうにして見てみると、今の制度融資というのは、代位弁済によって保証協会が債務を全額保証するわけです。そういう意味では、金融機関が少なくとも保証つきの融資についてはリスクを負わないという形になっているわけで、これはよくいわれることですけれども、金融機関が、保証をつければリスクがないので安易に貸し込むことにもなる、またモラルハザードみたいなことの引き金にもなるんじゃないかということがいわれます。
 また一方で、金融機関の側が、保証がついたということで、後はもう融資先の企業の経営状況を精査しないということもいわれていまして、金融機関の企業を審査する能力、もともと今の日本の銀行に欠けているといわれているものですけれども、こうしたことが、向上していく上で一つブレーキになっているんじゃないかというようなことがいわれているわけであります。
 そういう状況に対して、近ごろ有力な考え方として、保証協会と金融機関がリスクを分担し合う部分保証という考え方があります。国においても、部分保証の導入に向けた検討が行われていると聞いておりますけれども、具体的にいつからということは聞いておりませんけれども、これは、先ほどの保険財政の収支の改善というねらいもあって、今後、一つの方向性として非常に強く打ち出されてくるんじゃないかというふうに思います。
 ちょうどタイムリーというか、今週の「週刊ダイヤモンド」に、全国信用保証協会連合会が金融機関に対して、部分保証の金融機関に与える影響というアンケートを出して、部分保証の導入についての金融機関の意向調査を公然と始めたというような記事も載っておりました。そういう意味では、これから恐らく、この部分保証の議論というのが国レベルにおいても高まってくるんだというふうに思います。
 これ、外国を見ると、こうした信用保証制度において、部分保証の考え方を導入しているケースが非常に一般的であるというふうにも聞くわけでございます。皆さんがご存知の範囲で、諸外国においてこの部分保証の導入状況というのがどのようになっているか、伺わせていただきたいと思います。

○中井金融部長 諸外国の部分保証の導入状況については詳細なデータはございませんが、公的保証制度を持っている多くの国で、従前から部分保証が主流となっていると認識しております。
 ちなみに、アメリカ、イギリス、ドイツなど欧米十カ国を対象とした調査結果がありますが、それによれば、十カ国すべてが部分保証を導入しておりまして、各国の保証機関の保証割合は、少ないところで五〇%、多いところで九〇%となっており、残りが金融機関のリスク負担という状況になっております。

○柿沢委員 いろんな形でのモラルハザードを起こさせない仕組みというのが海外ではあるようでして、例えば、回収努力を一定程度行わないと代位弁済に応じないとか、あるいは代位弁済の率が高い金融機関については、その後の保証をつける場合に、率の低い金融機関よりも厳しい審査を行うというようなケース、いろんなやり方をしているようです。
 いずれにしても、今お話がありましたとおり、諸外国、先進国では、保証制度における部分保証というのはグローバルスタンダードというか、一般的に行われているということは間違いないようであります。
 先ほど来申し上げているとおり、ぎりぎりとしたリスク管理をして、ある意味で中小企業金融というのを萎縮させる必要はないとは思うんですけれども、一方で、制度融資を支える信用保証制度というものを永続的に成り立たせていくためには、今の赤字四千億円というような状況を幾らか改善しなければいけないのも事実だと思いますので、保証協会と金融機関が連携をして、金融機関も一定のリスクを負う仕組みを導入することは、早晩避けられない課題なんだろうというふうにも思います。
 もちろん、国が制度を設計してやっていることでありますので、そういう意味では、国の動向次第というところもあるとは思いますけれども、しかし、中小企業金融全体の制度設計という意味では、東京都ないし東京都信用保証協会も一定の権限も裁量も持っているわけですので、この部分保証の導入ということについて、東京都としてどのような見解をお持ちであるか、この導入についてどのようなお考えをお持ちであるか、伺わせていただきたいと思います。

○中井金融部長 制度融資は、国の保険制度をベースとしてつくられているものでありまして、部分保証の導入についても、基本的には国が主体となって考えていくべきものであると考えます。
 先生、先ほどご指摘のございましたような点も、しかしながらございますので、導入の可否については検討を行っていかなければならない課題であるというふうにも、また私どもも認識しております。
 しかしながら、導入に当たりましては、例えば小規模零細企業など、厳しいリスク評価に耐えられない企業が融資の道を閉ざされるなどのデメリットが生じないよう、十分その辺の配慮を行っていく必要があると考えます。
 都といたしましては、こうした考えに基づき、今後の国の検討状況を注視していきたいと考えております。

○柿沢委員 競争原理が適正に働く社会を目指す上では、中小企業金融の世界においても、企業の持つリスクを適切に評価する仕組みが求められる、これは一般論としては間違いないことなんだと思います。
 一方で、今の答弁にもあったように、現状のまま部分保証を導入した場合、どうなるか。リスク評価に耐えられない中小企業への融資の道が狭まるというおそれもあるわけでありまして、そういう意味では、国の動向を踏まえて注視していきたいということでしたけれども、国の動向がその方向に流れていった上で、さらにどうするかということは、都としても一つの判断を迫られる時期が早晩やってくるんじゃないかなというふうに思います。
 先ほど、新銀行設立本部の質疑の方でもありましたけれども、中小企業金融というのは、東京都においては本当に大きな課題なわけですので、この制度を導入するとすれば、どういう形で負の影響が出ないように導入をするのか、あるいはもう一つ立ち返って、導入するのかしないのか、こうしたことも、中小企業あるいは金融機関、こうした意向を十分踏まえて、長い目で見て中小企業が一層自立的な経営ができるように対策をとっていくことが必要とされていることだというふうに思います。こうした観点も踏まえて、これからの制度融資の運用、また制度の見直しというものに取り組んでいかれるように希望をいたしたいと思います。
 いずれにしても、この東京の企業の大半を占める中小企業ですので、皆さんの事業が円滑に営まれるような、その一方で、やはり目配りをしておかなきゃいけない財政の問題というのを、バランスをとってこれからも事業を進めていただくように、この点お願いをさせていただいて、手短でしたけれども、私の質疑は終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

○清水委員 私からは、まず農業問題、金融問題で、三宅島の帰島対策についてお伺いいたします。
 三宅村は、来年二月に避難勧告を解除し、帰島する方針を固めました。私は、地元にたくさんの三宅住民の方が住んでおりますので、最初からさまざまな要望を聞いてまいりました。この帰島に当たって、島民は、いろいろな期待また不安の中でその日を迎えようとしております。
 先日、私は、三宅島の現状を、総務局にご案内していただきまして視察する機会がありました。帰島に向けた取り組みに努力してもらっていると感じたわけですけれども、しかし、課題の大きさも、改めて大きいということを感じてきたところです。
 ここでは、農業者の要望について何点か伺います。
 既に村が農業者意向調査を実施しましたが、それによると、回答された多くの方が農業を再開したいと答えています。しかし、三宅島の農地というのは、ご承知のとおり、火山灰の堆積や雑木や竹の繁茂で、帰島後すぐに農業が再開できるような状況ではありません。また、栽培する作物の苗についても不安が残っております。
 三宅島の農業の再開に向けて、農地の復旧、苗の確保についてどのような対策を都として考えておられるのか、お伺いいたします。

○瀧川参事 三宅島の農地は、降灰や火山ガスによる土壌の質の変化に加え、四年間の放置により、竹や雑木が繁茂しております。このため、農地災害復旧事業により、三宅村が行う降灰除去や土壌の改良、雑木の除去などに対して支援を行ってまいります。
 また、苗については、八王子市のげんき農場で、三宅島の特産であるアカメイモやアシタバなどを確保してまいりました。

○清水委員 そうした準備について進められていただいているようですけれども、農作業を帰島後直ちに再開したいという希望があるわけです。今お話しのような準備に取りかかっていただいているということは承知しましたけれども、やはり帰島した二月にまかなければいけないものもあるかと思うんですね。そういう中で、二月から農作業に取りかかれることを希望している方もおられます。
 今、スケジュールなどを拝見いたしますと、かなり後になってからでないとできない方もおられるということで、私は、スケジュールを前倒しなどして、早期に農業を再開できるようにすべきだと考えるものですが、いかがでしょうか。

○瀧川参事 早期に農作業を開始できるよう、農地災害復旧事業の申請受け付け時期や対象地の基準などについて、これまで国と調整を行ってまいりました。これにより、農業者からの受け付けを本年九月に早め、来年一月の国の災害査定に向けて準備をしております。
 今後、二月の避難指示解除後に、農地の境界確定や土壌改良工事の実施設計などの作業を集中的に行うことになり、その作業に、帰島後一、二カ月かかるものと予想してございます。

○清水委員 一、二カ月ということなので、その短い方、なるべく一カ月でできるように、またさらに早めていただきたいというふうに要望いたします。
 農業で生計を立てるためには、農地の整備とともに--パイプハウスなど、ほとんどだめになっていたわけですね。そうした整備の必要もあります。三宅島から避難している方は、生活のために貯金を取り崩すなどしていたわけですから、このような投資を行うことも非常に困難になっているわけです。
 私の聞いた話では、ウコッケイの卵をインターネットで販売していた方は、お年なんですけれども、しかし、帰ってぜひ始めたいというふうにいっておられました。そうしたときに、都の融資制度が頼りとなっているわけですけれども、避難中の島民にどのように周知し、相談に応じてもらえるのか。また、既に債務のある事業者や保証人になっている事業者は融資を受けられるのかという不安もあります。これらの融資制度の審査基準などについてお伺いいたします。

○瀧川参事 農業の融資については、三宅島等の災害に係る特別対策資金がございます。村の広報を通じて、制度の概要や窓口機関を避難中の島民に周知し、受け付けを開始しております。関係農協、村等と連携をとりながら、借り受け希望者の個別の相談にも対応しております。
 また、この融資は、島しょ農協が実施することとなっており、事業内容、資金計画、償還見通し等を総合的に勘案して審査を行います。
 なお、既存債務があることをもって、直ちに融資が受けられないということにはなりません。

○清水委員 それぞれご事情が違っていることだと思うわけですけれども、農業の再開をしたいという方の融資に、ぜひ親身にご相談に乗っていただきたいというふうに思うわけです。
 三宅島の雄山は、多くの木が立ち枯れてしまい、強風により倒れていたわけですけれども、これらの樹木をどうするのか。雨により流れ出して、再び災害が起こることが予想されるわけです。東京都は、このような状況に対してどのような対策を講じる予定となっているのか。また、これらの枯れ木を島の復興資材として活用すべきではないかと考えるわけですけれども、いかがでしょうか。

○瀧川参事 三宅島では、火山ガスにより森林の六割が立ち枯れており、倒木の流出などの二次災害が懸念されております。
 このため、治山ダムなどの整備を行い、倒木の流出を抑えるとともに、二月の帰島に向けて、村とも協力して危険な箇所の枯れ木の除去を行っております。
 また、枯れ木は、都道の横断抑止さくや山腹の土砂流出の抑制、緑化のための基盤づくり、そういったものへの活用を図っております。

○清水委員 この枯れ木、枯損木といっているようなんですけれども、本当に大量に発生するということで、いろいろ工夫して、研究所などでも、何か活用できるものがないかということで方策を探っていると思うのですけれども、引き続き、その活用策を見つけるためご努力をいただきたいと思うわけです。
 そうした、現実に二月からどうするのかという問題と、中長期の展望を持った三宅島の産業復興計画というのも必要だと思うわけで、これらについては、今後ぜひお考えをいただきたいというふうに要望をするものです。
 農業の融資についてお伺いしたわけですけれども、あわせて、民宿とか商店など三宅島の商工業者が事業を再開するに当たって、店舗の改修とか商品の仕入れなど、かなりの経費がかかるわけで、同じく資金調達は困難を伴うと考えるものですが、その支援策としてどのような対策があるのかをお伺いいたします。

○中井金融部長 三宅島で災害を受けた中小企業者の事業再開に対する都の主な支援策としては、まず第一に、通常の制度融資とは別に、融資限度額八千万円、利率一・五%の災害復旧資金融資を利用できることとしています。この融資額のうち、一千万円までは利子補給が行われ、さらに、融資額全額にかかわる信用保証料も東京都で補助することになっています。
 第二に、災害発生前に借り入れた民間金融機関や政府系金融機関の融資の返済を猶予するための支援策も実施しております。これは、災害発生前に借り入れた資金の元本を据え置きし、それにかかわる金利と保証料を補助するものであります。

○清水委員 農業と同じように、既に残債務のある事業者や保証人になっている事業者は、新たな融資を受けられるのかという不安があります。また、融資を受けるための相談窓口がどうなっているのかということをお伺いしたいと思います。

○中井金融部長 三宅島の事業者が新たな融資を受けるに当たって、既に借り入れがあることや保証人になっていることだけを理由として、借り入れを断られることはございません。個々の融資の可否につきましては、各事業者の復興に当たっての計画や資金計画などを総合的に判断して、金融機関や保証協会が判断することになっております。
 なお、復興のための事業計画や資金計画については、商工会や信用保証協会などが相談を受け、支援する体制を組んでおります。

○清水委員 もう既に民宿などを始められている方、商店も始められている方もあるわけですけれども、そういう方が融資をよく受けられるような、そうした柔軟な対応をぜひ要望しておきたいと思います。
 農業の融資、今の商工業などの融資、これは先日、国会、中小企業庁に行ったときですけれども、その際に、その方は農業の融資のことをお聞きしたかったわけなんですが、中小企業庁が出ておられるということで、そういうお答えしかいただけなかったわけなんですけれども、普通考えれば、どこの窓口、どこの担当ということがわかるでしょうといわれるかもしれないんですけれども、三宅島の方、本当に一生懸命になっておられるので、どこがどこの融資の窓口かということがなかなかわからない。今の中越の地震なんかでもそうだと思うんですけれども、そうしたときに、一つの何か融資のパンフレットというか、案内などをする必要があるのかなということも思いましたので、そのことも要望をしておきたいというふうに思います。
 次に、都市農業についてです。
 都は、二〇〇一年に策定した東京農業振興プランに基づいて、都市農業を、都民への農畜産物の供給、都市の貴重な緑地空間の確保、教育や福祉に対する役割など、その重要性を高く評価して、具体的に農地面積などの確保目標を定めて、農業施策にこれまで取り組んできたというふうに思うわけです。
 農業プランで掲げた農地面積、生産額の平成十七年の目標値と現在の状況について、どのようになっているかをお伺いいたします。

○菊地農林水産部長 農業振興プランでは、平成十七年の目標値として、総農地面積八千五百ヘクタール、生産額三百四十一億円としていますが、平成十五年の農地面積は八千四百六十ヘクタール、平成十四年の総生産額は二百九十八億円でございました。
 なお、この十五年の実績値については、三宅島の農地二百五十ヘクタールを除外しております。

○清水委員 実感として感じられていると思うわけですけれども、農地が減っているというふうには、皆さんそう感じるわけで、農地の確保と増大というのが、今東京都にとって重要な課題となっていると思うわけです。
 生産緑地制度は、相続税猶予制度が適用されるなど、市街化区域内の農地を保全する上で貴重な制度であり、生産基盤としての都市農地を確保するためには、生産緑地の追加指定が必要となっています。今、多くの自治体で生産緑地の追加指定が実施され、農地の減少に少しでも歯どめをかけようと努力しています。
 この生産緑地追加指定について、区市の都市計画決定にゆだねられているということは承知しているわけですけれども、都として、拡大に向けてさらに可能な努力をすべきであると考えるものですが、どうでしょうか。

○菊地農林水産部長 お話のとおり、生産緑地は、生産緑地法に規定される指定要件等に基づき、区市が指定しているものでございます。
 都といたしましても、農業会議や農業委員会職員研修会などを通じまして、生産緑地に関する情報を積極的に提供し、区市と連携して追加指定を促進しています。

○清水委員 引き続き区市の努力を支援していただきたいというふうに思います。
 市街化区域を中心とする都市農業の振興にとって、都の果たすべき役割、非常に大きいと思います。中でも活力ある農業経営育成事業、生産緑地保全事業は、農業経営体を支援し、市街化区域内農地の基盤整備ができる唯一の事業として進められてきているわけですが、農家や市町村から大きな期待が寄せられております。それぞれどのような地域でどのような内容で行ってきたのか、お伺いいたします。

○菊地農林水産部長 活力ある農業経営育成事業は、市街化区域等におきまして企業的農業経営を育成するため、共同直売所、加工施設や観光農園の整備など、平成十年度から二十五の区市町で延べ六十九事業を実施しています。
 また、生産緑地保全整備事業では、平成六年度以降、二十の区市、延べ五十五の地域で農地改良、体験農園の整備などの事業を実施しています。

○清水委員 市長会や農家からは、今の事業の指定要件の緩和や事業拡大の柔軟な対応を求める声が寄せられていると思いますけれども、これを聞いておられるでしょうか。それらの声にこたえた対応を行い、助成件数や利用実績をさらにふやす努力を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○菊地農林水産部長 これらの事業につきましては、各方面から拡充等の要望が寄せられています。
 まず、活力ある農業経営育成事業につきましては、さらに都市農業の活力を引き出すため、十七年度に向けて見直しを行っておりまして、収益の拡大や環境との調和などへの取り組み、また条件の緩和等に取り組んでおります。
 また、生産緑地保全整備事業につきましては、十五年度に国庫補助を導入し、一件当たりの事業費や補助率を引き上げるなど、事業の充実を図っております。

○清水委員 その生産緑地保全事業の方ですけれども、今お話のあった、十五年度から国庫補助金が入ったということで、都の負担は、都の持ち出し分は半分になっているわけですよ。総事業費は同じで、指定件数も同じで、国の分と都の分を合わせて、補助率というのは上がっているわけですけれども、都の負担分は減っているということで、その分、利用実績をふやすことができるのではないかというような声があるので、今要望を申し上げましたけれども、ぜひその要望にこたえていただきたいというふうに思います。
 次に、都内には約三千頭の乳牛が飼育され、新鮮な牛乳を都民に供給するなど、畜産業が都民生活にとって大きな役割を果たしています。その中で乳牛というのは、三年間搾乳すると、肉牛として解体されるんだそうですね。
 それで、八王子の食肉処理場は、多摩地域唯一の食肉処理場として重要な存在となっております。本年度から、八王子市に施設を借り受けた八王子食肉処理場協同組合が運営を行っていて、現在、とりあえず順調な運営に乗り出しています。しかし、今後の運営に不安を持っているわけです。ここが続けられなくなると、この間の質疑にありましたように、芝浦とか他県ということになるわけです。多摩地域の畜産農家は大きな影響を受けるということで、ここが廃止をされるという話が去年あったわけです。それで、結局こういうふうな形でおさまったわけですけれども、これがいつまで続けられるのかという不安があるわけです。
 福祉保健局がBSEの全頭検査をする職員を派遣しているために、芝浦まで行かなくても済んでいる、本当に助かっているということです。もし、ここが存続できなくなれば、他の県に持っていくことになって、輸送費などが大きな負担になるというふうに関係者がいっているわけです。
 この八王子食肉処理場協同組合の今後の運営について、何らかの支援が必要というふうに考えるわけですけれども、どうでしょうか。

○菊地農林水産部長 八王子市食肉処理場の運営につきましては、市から事業協同組合へのスムーズな運営移管を図るため、八王子市と協力し、同組合の設立などへの支援を行ってまいりました。また、運営上の時々の問題に対応するため、都及び関係市町、団体で構成する八王子市食肉処理場運営協議会を設置しているところでございます。

○清水委員 市街地にあるわけですね。市街地といっても、八王子ですから、想像されると思うんですけれども、住宅地の中にあるわけなんですけれども、しかし、今、防音対策とか下水の処理とかはきちんと整備して、共存しているわけです。
 これからもスムーズな運営を行うには、この施設が果たしている重要な役割を広く都民に知らせて理解を深める、求めるなどの支援が必要だというふうに考えますが、どうでしょうか。

○菊地農林水産部長 八王子食肉処理場協同組合は、トウキョウXの流通や廃用牛の処理など、生産、消費の両面で大きな役割を果たしています。今後とも、八王子市食肉処理場運営協議会などを通じての関係団体等への啓発や、都のホームページなどでPRに努めてまいります。

○清水委員 次に、観光施策について少しだけ。
 地域で観光振興を図っている区市町村への支援策、実績について伺います。どのようになっているのでしょうか。

○高松観光部長 都では、観光にかかわります区市町村を支援する二つの補助制度を設けております。
 第一に、観光を主要な産業の一つと位置づけております西多摩及び島しょ地域につきましては、多摩・島しょ地域観光施設整備等補助事業を、それから第二に、それ以外の地域におきましては、東京の特色でありますさまざまな産業、例えば、ものづくりであるとかアニメであるとか、こうしたことを観光資源とするために、産業を基軸とした観光ルート整備推進事業を実施しているところでございます。
 これらの十五年度の実績でございますけれども、第一の補助事業につきましては、青梅市や新島村など十七件の事業に対して補助いたしました。また、第二の事業につきましては、板橋区や日野市など十件の事業に対して補助を実施したところでございます。

○清水委員 二つの事業で総額予算一億円程度ということで、これもふやしていただきたいと思いますし、市長会などからは、行政と観光協会が一体となって実施している事業で公共性のある観光施策についても補助対象としてほしいという要望がありますので、これは引き続き検討していただきたいというふうに思うわけです。
 最近、関東地方整備局で、関東地区で富士山がよく見えるまちづくりを進めるために、関東の富士見百景選定委員会を開催し、第一次募集結果として六十三地区を選定したというふうに報告されています。この関東富士見百景は、美しい関東づくりの一環として、富士山への良好な眺望を得られる地点について、周辺景観の保全、活用への支援を通して美しい地域づくりの推進に寄与するということを目的としているということです。百二十九件の応募から六十三件が選定されたといわれているわけですね。
 これは、足立、葛飾、世田谷、目黒、大田、文京、瑞穂、国立、多摩、町田、青梅、八王子の高尾山頂ということになっているわけですが、東京都はこのことをご存知だったでしょうか。

○高松観光部長 理事お話しの関東の富士見百景は、平成十五年七月に国土交通省が策定いたしました美しい国づくり政策大綱を受けまして、関東地方整備局が眺望景観の保全と活用を目的として実施したものでございます。
 第一次募集の結果は、先ほどお話ありましたように、十月十八日に発表されましたけれども、ご指摘のありました八王子市の高尾山頂ほか、世田谷区の富士見橋、あるいは文京区ではシビックセンターの展望ラウンジとか、あるいは伊豆の大島町の港のみえる丘など、都内で全部で十一カ所が選定をされております。

○清水委員 指定された地域は、非常にその地域を観光の目玉にしようということで、新たな取り組みを考えたり、地元の観光協会とか町会などが新たな施策を生み出すような工夫を今されているわけですけれども、地元と区市町村がこの指定された地域を観光スポットとして整備する場合の都としての支援策、また普及策についてお伺いいたします。

○高松観光部長 区市町村が富士山の見える場所を観光スポットとして整備するということに当たりましては、それらを要望して、どうしてもやりたいというお話を受けますと、私ども、既存の補助制度の活用をうまくフィットさせまして、これを検討していきたいというふうに思っております。
 さらに、ウェブサイト「東京の観光」を実施しておりますけれども、これにより紹介させていただきまして、広く普及を図ることも検討していきたいというふうに思っております。

○清水委員 ぜひそうした方向で、全体の予算額もふえなければ、そういう場所が意欲があってもできないということでは、そういうことも要望しておきたいと思います。
 最後の問題ですけれども、工業についてお伺いいたします。
 これまで産業振興に関して、多摩地域については具体的な提案がなされてきたということは余りなかったように思うわけですけれども、今回、中小企業振興対策審議会の答申の中で、アジアのものづくりのハブとして、区部と多摩の二眼レフによって産業の発展を支える、そのための産業創造拠点を整備するとしておりまして、大変新鮮に受けとめましたし、また多摩地域の各市も、この東京都の中対審の報告にかなりの期待を持って産業振興に取り組んでいるわけですが、中対審において、区部と多摩の二眼レフによる産業拠点整備が示されたのは、どのような議論や意見があってまとめられたのか、お伺いいたします。

○塚田商工施策担当部長 中小企業振興対策審議会における審議の中では、まず、多摩には数多くの研究型企業が密集しており、もっと技術力を投入してもらいたいというご意見、また、多摩をアピールすべきであり、二眼レフとして多摩を強調することにより、アジアのものづくりのハブとしての東京のイメージが強まるなどの意見が委員から出されたところでございます。

○清水委員 そこで重要なのは、国際的情報発信、販路拡大などを推進する拠点が必要だということです。
 現在、多摩地域では、中小企業振興センター、それから都立産業技術研究所の八王子庁舎というのがあるわけですが、これは三月の予算特別委員会でも取り上げてきた経過がありますが、多摩中小企業振興センターは、あくまで暫定施設として開設されたものです。この夏に改めて施設を訪ね、いろいろな施設また機器などをご紹介いただいてきましたけれども、製品、商品や工業材料の機能・性能評価、依頼試験、機器の開放、多くの企業を支え、支援していると聞いてきました。また、三次元の測定器があるんだということで、大したもんだなということで感心をして見てきたわけです。
 しかし、現在の施設は、都営住宅の下層部にあり、体育館の施設を利用しているために、精密測定に耐える構造の施設とはなっておらず、本格的な施設を要望する声が関係方面で高まっているわけです。そこに今回の答申が出されたということで、大幅に機能を拡充する必要性も生まれていると思うわけですけれども、本格実施に向けて取り組みはどのようになっているのか、お伺いいたします。

○塚田商工施策担当部長 厳しい財政状況の中、長年にわたる強い要望にこたえまして、平成十四年度に多摩中小企業振興センターを立川に暫定的に開設をいたしました。
 開設以来、経営や技術の相談に応ずるなど、多摩地域の中小企業の振興に努めてきたところでございます。この暫定施設の利用を充実、強化する中で、引き続き振興に努めてまいります。

○清水委員 施設の機能強化といっても、今ご紹介したように体育館の施設で、区部には大変ご立派な中小企業振興センターがあるということで、多摩地域の区市の産業振興に携わっている方々はうらやましく見ているわけですよ。多摩地域の中小企業振興センターをぜひ本格的な稼動にしていただきたいということを、強く皆さんは要望しているわけです。早期に本格稼動できる、あらゆる可能性を追求していただきたいというふうに思います。そして、それだけでは役割を果たせない、西、南、北など、それぞれ分散機能もぜひ要求をしておきたいというふうに思います。
 さて、もう一つの産業技術研究所も重要な役割を果たしております。利用実績も、四カ所の庁舎とも、皆さんご承知のように、技術相談、依頼試験、開放試験など大幅に増加しています。それぞれ重要な研究を行い、成果を上げていると聞いているわけです。
 私は、八王子分室を毎日通っているのですけれども、これは、かつて繊維工業試験所として繊維産業の技術支援をしてきたところを統合して設置され、現在も繊維関係を中心に、研究、技術相談、依頼試験、開放試験などが行われて、この間、二倍、三倍の利用実績となっております。
 先日、施設開放があり、そこに伺ってきました。多くの貴重な成果が披露されていました。また、クレーム解析試験とかいうので、繊維製品のトラブルの原因解明を行う試験、それが大きなデパートやクリーニング、個人などから、高級品など、年間一万件も持ち込まれると聞いてきました。また、開放試験機器の貸し出しなど、大変多くの企業に利用されているというふうにも伺ってきました。近県からの利用者もふえているというふうにも伺ってきました。
 また、当日は、大学や専門学校の授業の一環として、生徒や先生らしい方の姿も見えていまして、本当に多摩地域の、特に繊維関係企業を初め、八王子など多摩地域にあるハイテク技術の企業が多く集積している地域など、ものづくりの支援に大きな役割を果たしていると考えるものです。
 ところが、第二次都庁アクションプランでは、地方独立行政法人など、運営形態を含め、あり方を検討し、ふさわしい形態に移行するとしていますが、多摩地域の中小企業振興センターと都立産業技術研究所、この二つが多摩地域に本当に必要だというふうに伺いながら、関係者からは、この産業研究所がここで存続するのかという不安の声も聞かれて、出されています。都の直営の運営によって、引き続き機能の拡充に努めることこそが求められていると思うものですけれども、どうでしょうか。

○塚田商工施策担当部長 多摩地域のものづくり産業の振興に資するため、産業技術研究所と多摩中小企業振興センターが連携し、経営相談や技術相談、依頼試験などを実施してまいりました。
 中小企業振興対策審議会の答申におきましては、多摩地域を首都圏全体への大きな波及効果を持つポテンシャルを有する地域としておりまして、ものづくり産業の振興を図るため、技術、経営両面にわたり支援を進めてまいります。

○清水委員 今、私、要望したわけですけれども、中対審で産業拠点を整備すると。その拠点というのは、やはり振興する施設と研究する施設、どうしてもこれが必要だということで、存続を強く要望しておきたいというふうに思います。
 東京の製造業の推移と特徴ということで中小企業経営白書を見ましたところ、工場数の増加とピーク、その後の減少という経過を経て、現在の東京の製造業があるんだというふうにいっているわけです。そして、二〇〇〇年の工場数が一九五五年を下回った業種というのは、一九五五年を一〇〇とすると、食料品が五九・七、木材・木製品が三一・七、家具・装備品が七七・一、化学工業が四一・〇、石油・石炭が四六・八、輸送用機械五六・五など、最後に繊維工業となっているわけです。これがこの中で一番最低の一八・〇と、大きく下回ったのが繊維工業ということで中小企業経営白書には記載されています。
 私は、東京の重要な産業である繊維産業についてお伺いしたいんですけれども、繊維産業は、ご承知のように、かつては国を代表する産業だったのですが、戦後の高度経済成長の際に、人件費や物価の上昇、円高の影響を受けて、コストの安い東南アジア諸国の繊維に太刀打ちできなくなったという経過があるわけです。
 そういう中で、東京都の経営安定支援策では、需要低迷やニーズの変化、輸入品の急増など厳しい経営環境にある産業など、東京の産業に欠かせないが、昨今の経済情勢により厳しい経営を強いられている企業を支援するというふうになっていて、下請企業振興や商工会などへの助成とともに、繊維産業への振興などを具体化してきたわけです。
 十五年度、十六年度の事務事業を見ますと、繊維産業というところでは、繊維産業は、消費の低迷、輸入品の急増などにより極めて厳しい状況に直面しているが、今後の発展が期待できる東京の基幹産業の一つである繊維産業に対して、人材育成、需要開拓事業などへの補助を行うことにより、その活性化を図るとしているわけですが、この間どのような支援を行ってきたのか、伺います。

○市原商工部長 繊維産業に対しましては、国の実施する施策に対応いたしまして、新商品や需要開拓、人材育成等を目的としまして、平成七年度より繊維産業構造改善事業、平成十二年度以降は繊維産地活性化基金事業等を実施してきております。

○清水委員 本年度の支援はどのようなものになっているでしょうか。

○市原商工部長 本年度は、繊維産地活性化基金事業といたしまして、八王子織物工業組合など三団体に対しまして、展示会等による需要開拓や新商品開発の支援を行っております。

○清水委員 先ほどの工場数の減少という中で、一番大きく下回ってきているのがこの繊維工業なんですけれども、先ほどのお話にもありましたように、伝統、歴史、それから蓄積された技術、感性で、今残っている事業所は、二〇〇三年、都内では三千八百八十余りとなっているようですけれども、それでも、厳しい中で、こうした都の支援があるので頑張ってこられているんだと思います。
 今ご紹介がありました八王子の繊維業界などは、新しいニーズにこたえるために、今まで蓄積された技術と新しい感性で、マルベリーシティーというのを制定しているわけです。そして、マフラーや服地など新時代に即した新分野の開拓に挑戦してきているわけですが、繊維産業に対する支援について今後どのように考えられているのか、お伺いいたします。

○市原商工部長 経営革新や技術開発に前向きに取り組みます意欲ある中小企業やそのグループ等に対しまして、経営革新支援法の諸施策等を通じまして支援してまいります。

○清水委員 今のお答えだと、抽象的で余りよくわからないかもしれませんが、都は今後、中小企業基本法の改正の趣旨に基づいて、経営革新支援事業などを柱として支援するんだということで、方針が変わるというふうに聞いています。
 この繊維産業支援は終了だというふうに伺っているわけですけれども、東京都の重要な産業ということで位置づけられているわけで、そういうことであるならば、私は、これ以上の衰退を食いとめるためにも、頑張っておられる繊維産業支援を継続するよう強く求めて、質問を終わります。

○三宅委員 それでは、災害対策について何点か質問をいたします。
 ひどい災害に日本国が見舞われておりますけれども、基本的なところで、東京都は担当局が総務局となっておりますけれども、災害発生時における産業労働局の役割と、今回の新潟における地震に際し、産業労働局においては何らかの支援をされたのか、お伺いします。

○島田総務部長 産業労働局は、東京都地域防災計画に基づきまして、主に救助物資の確保及び調達の役割を担っております。
 具体的に申しますと、主食でございます米穀、乾パン、副食品の梅干し、漬物、調味料のみそ、しょうゆなどについて、関係業界団体等と協定を結び、緊急時に物資の調達を行います。
 また、新潟地震に対して何らかの支援というご質問でございますが、東京都は、被災地で不足しております毛布などの物資をいち早く提供しております。
 主食、副食品などの支援要請は、地理的のものもあると思うんですが、現在のところございません。今後、要請があればすぐに対応できるよう、関係団体には既に手配済みでございます。
 また、人的支援については、災害発生直後から警視庁、消防庁などの派遣に加えまして、今月に入りまして、被災者の生活支援、被災地の復旧のため、国の総務省から要請がございましたので、計十三名の都職員を派遣しております。産業労働局からも、物資の配給等のため、二名の職員を派遣したところでございます。

○三宅委員 そこで、東京でマグニチュード六ないし七、今東京は六を想定していろいろインフラが整備されているようでございますが、このライフラインの復旧は何とか頑張っていってもらわなきゃいけない。その後、経済活動を一日も早く軌道に乗せるということが私は非常に重要なんだろうなと、産業労働局の担当としては重要なんだろうと思います。
 そこで、災害復興時における産業労働局の対応はどうなっていますか。

○奥秋参事 震災後の復興につきまして、都は、東京都災害対策本部と並行いたしまして東京都震災復興本部を設置して対応することとし、各局の役割を定めているところでございます。
 産業労働局は、震災復興の際の具体的な行動指針を示しました東京都震災復興マニュアル(復興施策編)に基づきまして、施策を実施してまいります。震災後、速やかに産業労働局長を委員長とする産業復興対策委員会を局内に設置し、各分野別に緊急に対応すべき事項の洗い出しを行い、緊急対応事項を決定し、復興事業を計画的に実施いたします。
 具体的な対応策といたしましては、中小企業の事業再開への取り組みとして、事業再建のための金融支援、区市町村とも協力し、賃貸型による仮設工場、店舗の設置支援などを行います。
 また、雇用・就業対策といたしましては、事業主等に対し、助成金の活用促進など雇用維持の支援を行うほか、離職者に対しましては、求人情報の提供、求人の開拓やあっせんなどを実施してまいります。
 さらに、農林水産業を営む者に対しましては、金融支援のほか、物流ルートにかかわる情報を提供するなどいたしまして、生鮮食料品の安定的な供給ができるよう支援してまいります。

○三宅委員 秋の深まる折、ゆかしきお名前の奥秋参事から答弁をいただいて、非常に印象深いものがございます。
 関谷局長がこの産業復興対策委員会の委員長にならないように願うばかりではございますが、中小企業対策について答弁もありました。大企業は何とか自力でやっていけるだろうと、今回の災害の様子を見ていてもそんな感じがいたしますけれども、中小企業、零細事業者は、自力でやれといっても、三宅島のお話もさっきありましたけれども、全く無理だろう。そこで行政の出番だと、こういうことになるわけです。
 何をするかといったら、復興にはまずはお金でありましょう。物も必要、人も必要。そこで、この災害復興に向けたいかなる金融支援が可能なのか、お伺いします。

○中井金融部長 災害により事業に支障が生じ、売上減少などが見込まれる中小事業者の方には、制度融資において、経営支援融資のうち経営一般というものが利用可能であります。このメニューでは、最優遇金利は一・五%から二・一%でございますが、これが適用され、融資限度額は一億円となっております。
 さらに、その災害に対し、国がセーフティーネット保証の適用を認めた場合には、限度額を二億八千万円まで引き上げた経営支援融資・区市町村認定必要型というものが利用可能となります。
 また、三宅島のように、激甚災害の指定を受けた場合などには、以上のものとは別に、限度額八千万円、上限金利一・五%の災害復旧支援融資が利用可能となります。

○三宅委員 今準備しているのが、金融部長からご答弁があったもののようでございます。
 非常に私が危惧しておりますのは、大都市であるこの大東京で、もし六ないし七の地震に見舞われた場合、東京都被害に対して、災害対策が東京都だけでできるだろうか。当然、国にいろんな支援もお願いしていかなきゃいけないんだろうな、こういう心配があります。
 そこで、これは杞憂かもしれません。優秀な東京都の職員、その中でもまた優秀な産業労働局の職員の皆さんですから、要らぬ心配をするなといわれるかもしれませんけれども、いつの間にやら、お国の方から来られていた出向者が産業労働局からお姿が見えなくなってしまった。国とのパイプは大丈夫かいなと、こんな心配をほんのわずかしております。
 総務部長に突然お尋ねして申しわけございませんが、この辺のところの私の心配に対して、ちょっとお答えください。

○島田総務部長 ご指摘のありました経済産業省からの派遣職員が、残念ながら、ことしの夏で一時的に途絶えております。私どもとしては、今年度も経済産業省に派遣を要請したところでありますが、都合により、今回は見送るというお返事をいただいたところであります。
 私ども産業労働局は、日常的に経済産業省と連携が不可欠となっておりまして、仕事をしているところでございます。こうした日ごろの一緒に仕事をするということが、また緊急時のパイプにもなろうかと思っております。また、東京都を経験した経済産業省の先輩方にも、常日ごろから連絡をとっているところであります。
 さらに、災害対策につきましても国との連携を、総務局が統括しておりますが、一緒になりまして対応に万全を期してまいりたいと考えております。

○三宅委員 わかりやすいご答弁、ありがとうございました。いつでも私ども自民党は、都庁の内部のことはさておき、都民が心配をしないように、都民が安心するようなことを念頭に置いて議員活動を続けておりますから、お国とのパイプのことも、ぜひいつも念頭に置かれていただきたいなと、こうお願いをしておきます。
 災害は想定したとおりに起きませんから、現行制度だけではうまく対応できないこともあるでしょう。観光部長、先ほど答弁いろいろしていましたけれども、一生懸命努力をされている、東京の観光施設を整えると。わかりやすい例で、浅草の雷門がどんとやられました、さあこれをどうするんだと。多分こういった対応は、観光施策というのは新しい施策、事業ですから、用意されていないんじゃないかな、こんなふうに思います。
 ここらも、ぜひ知恵をそろそろ絞っていく必要もあるだろうと思いますし、今、新潟が復興に向けてどのような対応をしているのか、対策をしているのか、その辺のところを--阪神・淡路のこともあります。これは教訓が生きているという評価が今されておりますから、先ほどのご答弁で、産業労働局も現地に職員が応援に行ったということですが、さらにもう一歩進んで、産業労働局として、現行制度に課題はないのか、その検証も含めて、対応に遺漏はないのか、こういったことで新潟に調査員を派遣すべきではないかと私は考えます。
 最後に、今後の災害対応に向けた局長の見解を伺って、質問を終わります。

○関谷産業労働局長 災害の予測というのは極めて困難なものでございまして、今回の新潟での災害も、そういう点で、ある意味ではまことに突然な災害だったわけです。そういう点から考えますと、日ごろから、実際に災害が発生したことを想定しつつ準備をしていくことが何よりも不可欠でございます。これまでも、ご承知のとおり、阪神・淡路大震災の実態を踏まえて東京都地域防災計画を見直すなど、さまざまな事例をもとに、東京都として対策をより充実させてきたところでございます。
 また、災害が発生した場合の応急対策、復興対策に当たりましては、都の関係各局が先頭に立ち、ただいまご指摘がありました国を初めとして、区市町村、地域住民や民間との連携も図りつつ、迅速かつ的確に対応しなければならないと考えております。
 これもご指摘にございましたけれども、産業労働局も、もちろん初動期も重要でございますが、復興時にはますますその役割が重要になってまいります。こうした点も踏まえまして、かつご指摘のように、調査員云々という手法はいろいろこれから考えるにいたしましても、いずれにいたしても、新潟での状況も十分把握して、まことに不幸な事態ではございましたけれども、このことも私どもにとって一つの教訓として生かしながら、今後の対応に万全を期してまいりたいと考えております。

○丸茂委員 最後になりましたので、私は中小企業振興に関して、今回は金融支援とものづくり支援、この二つの課題に絞ってお伺いをいたします。
 都内中小企業の皆さんは、月例報告等で、一部に景気は堅調に回復しているといっても、景気回復傾向は依然として中小企業に波及していない、かえって苦しくなっている、こういった声も寄せられております。中小企業の皆さんがいうには、厚生年金をかけている企業によりますと、新たに賞与にまで保険料がかかる、その負担がふえる。さらには零細の中小企業の中には、消費税においても、限界控除が三千万から一千万に引き下げられるもとで、その税負担も大変になっている。それから業種によっては、昨今、原材料の資材が上がってその影響が大きいけれども、それに見合う単価が引き上げられないと。さまざまな形で経済の動向の足を引っ張る問題が起きて、そういう中にあって、そういう厳しい中でも、その厳しいハードルを乗り越えて頑張っている企業も多数あるわけで、その中小企業に対してどう支援をしていくのか、この点が私は極めて大事だというふうに思います。
 そこで、今回は、中小企業への金融支援、とりわけ制度融資の充実や支援の仕組みについてお伺いをいたします。
 まず、資料として要求いたしました制度融資の十年間の実績の推移を見ますと、件数で二十万台から十万件台に減りまして、この五年の融資実績を見ますと、先ほど総務部長からもご説明あったとおり、一兆八千億から、この平成十五年度では一兆五千億台。こうした金額で減っているだけでなく、融資目標は毎年上げるんだけれども、その融資目標と貸付実績については乖離も見られる。
 そういうところにあって、この制度融資の利用状況、融資目標額と貸付実績、そういう推移を見て、どういう認識、とらえ方をしているのか、まずお伺いをいたします。

○坂参事 ただいまお話がございましたように、平成十五年度の制度融資は、目標額一兆七千五百億円に対しまして、実績が一兆五千七百三十六億円で、目標額に対する比率は八九・九%でございます。これは、中小企業が新たな借り入れよりも返済を優先するなど、借り入れ姿勢に大きな変化が見られるということが一つの要因でございます。
 また、日本銀行が調査いたしました全国の金融機関の中小企業向け貸付残高を見ても、十五年度は前年度比五・六%と減少しております。
 一方で、本年四月に東京都が実施した事業資金の調達等に関する調査によれば、借り入れや返済に対する金融機関の姿勢を厳しいとする中小企業の割合は、平成九年の調査開始以来、最も低い数値を示しており、中小企業の資金繰りは、以前に比べ好転していると考えております。

○丸茂委員 そういうご回答をいただいたんですけれども、融資目標額に対して八九・九%というご答弁があったんですが、この数字を見ましても、融資目標を達しないのは十五年度が初めてなんですね。目標額があっても、貸付額は必ずそれを上回る、そういう貸し付けの実績を誇ってきましたし、ただいま、資金繰りも一部好転しているというお話もありました。
 私自身、まちの中を歩いて中小企業を見ますと、確かに企業の業績がいいところと、逆に厳しいところと、非常に二極化しているな、小さいところほど、かえって厳しくなっているなという感じを持っていまして、そういう中小企業は本当に資金繰りがどうかということで、今のご答弁を聞きますと、ちょっと違うんじゃないかなという思いで--東京都自身が「東京の産業と雇用就業」二〇〇四年度版を出しておりまして、そこの中小企業の資金調達をめぐる動きというので、東京都自身が調査しているんですね。
 この資金繰りについてちょっと紹介しますと、「中小企業の資金繰りについて、東京都産業労働局の実施した調査により、製造業、卸売業、小売業及びサービス業の四業種について見てみると、最悪期は脱したものの、全体で約四割、小売業は五割強の企業が常態として苦しい資金繰りを強いられています。」、さらに「この傾向は、企業の規模が小さくなるほど顕著です。二〇〇三年は資金繰りがやや緩和傾向になりましたが、それにもかかわらず、小規模及び中小規模の企業では過半数が、また中規模企業でも四割強が『資金繰りが苦しい』と答えています。」と。こういう状況にあるんじゃないかと。
 これの方が、私、実感と大変ぴったりするんですけれども、そういう状況を踏まえて、私は答弁は求めませんけれども、制度融資の改善がさらに必要になっている、そういう認識を持っております。
 そこで、東京都は、制度融資をさらに使いやすいメニューに再構築をしたということですけれども、改めてその中身についてお伺いをいたします。

○坂参事 ご指摘のとおり、東京都の中小企業につきましては、さまざまな業態及び金融規模においていろいろな状況を示しているということを踏まえまして、平成十六年度の制度改正に当たりましては、第一に、二十八項目の融資メニューを十七項目に整理し、利用者にわかりやすく使いやすいものといたしました。
 第二に、金利について、融資期間に応じて四つの段階に分け、それぞれ期間リスクに見合った金利設定をするとともに、利用者の希望に応じて変動金利も選択できるようにしたというようなことを改善しております。

○丸茂委員 これは、制度をいろいろ工夫したということですから、今後の状況を見ながら、制度融資が本当に中小企業に役立つものになるよう、引き続き、私どもも意見があれば申し上げていきたいというふうに思うんですが、そういう中にあって、制度融資の拡充とともに、信用保証や融資期間等の弾力的運用が必要だと考えております。
 そこで、一つは、創業、起業を育て支援をするため、ノウハウの提供や融資の支援を求める要望が寄せられております。創業支援融資の実績を見ても、件数でも融資額でも低下が続いていますけれども、その要因をどうとらえ、改善を図るのか、お伺いをいたします。

○坂参事 創業支援融資につきましては、平成十一年度に、それまでの融資対象要件であった同一業種の勤務経験や年齢を撤廃したことで大幅な増加が起こりました。
 その後、実績は減少しておりますが、その主な原因は、全国で実施しております事業所統計調査の中で見てみましても、事業所開設率が平成八年から十一年までは五・一%であったのに対し、十一年から十三年までは四・二%に低下するなど、新規事業所の開設が低下傾向にあるためというようなことがいえると思います。
 また、平成十二年度以降、例えばですが、小規模企業融資において貸付限度額の引き上げ等を行い、改善を図った結果、開設後数年を経過した企業の多くが、こうした他のメニューを利用することもできるようになったということがありましたのも一つの原因だと考えております。

○丸茂委員 次に、今ご答弁の中にあった、創業前の融資対象の条件についてお伺いをしたいと思うんですが、この条件に、融資と同額以上の自己資金が必要とされています。また、残高の確認できる預貯金ということで、預金通帳を数冊も提示する、こういう条件もうたわれております。
 そういう問題から、現実に、自己資金として親から借りた場合は、これは自己資金として認められない。幾つか条件がずっと並んでいるんですが、現実にそういうことが条件としてなされています。
 こうした融資条件について、私は見直すべきだと考えるんですが、その点いかがでしょうか。

○坂参事 信用保証協会によります保証を、借り受ける方につきましては、信用力の調査に基づいて行われるのが原則でございますが、創業前の場合は、事業実績からの信用力を審査することができません。また、無担保無保証人融資となるため、開業のために準備した資金をよりどころとして事業者の信用を判断せざるを得ないという事情もございます。そのため、自己資金の内訳を詳細に調査することが必要となっているのが現状でございます。
 借入金につきましては、いろいろなケースが考えられるわけでございますが、すべて自己資金には含めないということにされております。親からの借り入れについても、いずれは返済することが前提となっている以上、同じ取り扱いということになっております。
 ただし、創業後につきましては、出資という形で、親の資金を自己資金に繰り入れることは可能というふうになっております。

○丸茂委員 私は創業支援についても--先ほどいったように、創業が逆に減ってきていると。やっぱり今、中小企業がどんどん減少している中で、新たに事業を立ち上げようというのはなかなか大変なことなんですが、それを支援する創業支援融資というのは、改善を一つ一つ、条件に合わせてやっていくべきだと。
 そういう点で、過去にも見直されて改善された点がありますけれども、例えば、今ご答弁のあった親からの借入は自己資金として認めないというんですが、実際に相談担当に聞きますと、親からの融資というのは、他人と違って融通がきく。だから返済を--ある程度軌道に乗るまで、長期にわたって資金として使えるという条件から考えますと、一律的に、親からの資金が借金だから、それも自己資金に認めないというんじゃなくて、やっぱり資金の中身をよく検討して、私は改善方を求めておきたいと思います。
 そういう中で、創業、起業、一生懸命頑張っても失敗した場合、再チャレンジができるような社会的システム、環境整備が欠かせない、そうしてほしいという要望も寄せられておりますけれども、このことに関してどういうお考えがあるのか、取り組みがあるのか、お伺いをいたします。

○中井金融部長 都の金融施策におきましては、間接金融に加えて、今回、東京チャレンジファンドを創設して、再生支援が必要な中小企業に対する金融支援に着手するとともに、東京都中小企業振興公社に中小企業の再生に関する相談窓口を設置し、再生方針の策定など、きめ細かな再生の支援を行うことといたしました。このファンドや相談窓口を活用して、都の中小企業の再生に本格的に取り組んでいく考えであります。

○丸茂委員 次に、借りかえ融資についてもお伺いしたいと思うんですが、都の借りかえ融資を見ますと、利率は、金融機関所定利率ということになっているんですよね。それで、私自身も相談を受けて、なるほどなと。金利を金融機関に任せていることによって、借りかえ融資は長期で分割返済できるものの、高い金利が提示されるために、利用したくとも二の足、三の足を踏むということで、解決が求められるんじゃないか、こういう要望も寄せられております。
 そういう点で、借りかえ融資の金利の状況、これの実態について把握しているのか、お伺いをいたします。

○坂参事 借りかえ融資は、中小企業の毎月の返済額を軽減し、資金繰りを好転させることを目的としたものでございますが、金利については、都の定めた政策金利のメニューだけでなく、各金融機関が定めた金利に基づく複数の借り入れをまとめて、実態に合った借りかえをということをやっておりまして、金融機関がそれぞれの判断によりスムーズに融資が実行できるように金利設定することが必要なのではないかというふうに考えております。
 今のお尋ねの実際の融資金利ということでございますが、ほとんどのものは二%から四%の金利設定というふうになっております。

○丸茂委員 そういった意見なり要望が出されるということは、かなり問題が幾つかあるというふうに思うんですね。ですから、幾つかモデルも含めてぜひ調査していただきたいし、それから、借りかえ融資の金利そのものも、二%から四%程度というのは高いんじゃないかなと。
 私の地元、大田区の借りかえ融資を調べましたら、一千五百万円以内ですけれども、二・四%。小規模でも、財政的な中で二・四%。一千万円以内ですと一・四%なんですよね。さらに、大田区の経営改善一本化資金は、二千五百万円でも二・四%。それはいずれも七年以内の返済となっております。大変財政規模が小さいところでも、こうした金利で融資がされている。さらには、一番早くやった京都のあんしん借換融資、ここも調べましたところ、金額的には八千万円以内で年利は一・五%なんですね。
 そういう点では、東京都の借りかえ融資は、複数口の融資を一本化する、その中でも都と区市町村の保証つき融資を対象としたものですから、そういう点では、金融機関の貸付利率をきちんと把握していただいて、金利の引き下げができるものは、きちんと金利の引き下げを行っていただきたいと思うんです。再度お伺いしたいんですが、いかがですか。

○中井金融部長 ただいま委員の方から、他団体の借りかえのご説明もございましたが、ちなみに、京都の場合には、セーフティーネット保証の適用者に条件づけされているということでございますし、また限度額等についても、東京都の制度融資の場合とは違いがございます。そういう意味では、一概に単純な比較はできないかというふうに考えております。
 また、東京都の場合も、借りかえ融資以外のメニューにつきましても、新規融資に合わせて既存の債務を借りかえるという形での借りかえもできるようになっておりますので、そういった形でやる場合には、さらに低い金利での借りかえというのも可能でございます。
 いずれにいたしましても、借りかえにつきましては、金融機関と借り手である事業者との間の相対の関係で、金利も含めて相談をするという形が、一番借りかえを実現するという上ではいいわけでございますので、そういう意味で金利を金融機関との関係で決めていただいて、できるだけ多くの方々に借りかえをしていただく、そうすることによって当面の返済が軽減されるということになりますので、そういった形での制度設計をさせていただいております。

○丸茂委員 借りかえをしたくとも、中小企業の皆さんが、ある程度力があって金融機関と対等にやる--だから、企業で実績だとか力のあるところは安い金利で借りられるんですよ。だけど、苦しいところは、やっぱり対等に話し合うといっても、なかなかそれができないから、そういう企業の実態を調べて対応しなさいよと。実際に調べていただいて高い金利があったら、今の経済状況から考えれば、それから、なぜ借りかえ融資をつくったのかという趣旨も踏まえて、私は検討するよう求めておきたいというふうに思っております。
 次に、保証を受ける際の経営者や第三者の個人保証のあり方についても、中小企業の皆さんから抜本的に見直してほしいという要望も大変強いものがありますが、この経営者あるいは第三者の個人保証のあり方についてのお考えをお聞きいたしたいと思います。

○坂参事 信用保証協会の保証は、現在、八千万円までは物的担保を提供せずに利用することが可能となっておりますが、無担保で五千万円を超える保証の場合には、原則として第三者連帯保証人を必要としております。返済の能力や担保提供の有無等を勘案して運用が行われておりますので、実際に第三者保証人の徴求は、十五年度の実績で十六件という状況になっております。
 個人保証の見直しというご指摘でございましたけれども、経営者個人と経営している法人との間の資産の保有状況が未分化であるという日本の中小企業の経営実態などを考えますと、現状での見直しというのは、難しい課題も多々あるのが今の状況でございます。

○丸茂委員 最後にまとめてお聞きしますので、この程度にとどめて、次に、保証に当たって、不動産等物的担保に偏重する融資について、技術力やノウハウあるいは事業者の知的財産、そういったものを評価して、枠組みもつくって審査基準などもつくって、融資を物的担保偏重から改善してほしい、こういう要望がありまして、この前の新銀行でも、新銀行が技術力、将来性を踏まえて、基準をつくって取り組む融資を始めるということでお尋ねしてきたのですけれども、産業労働局も中小企業からこういった要望を寄せられていると思うんですが、その点についていかがお考えなのか、お伺いいたします。

○坂参事 制度融資において、これまでも担保力の脆弱な中小企業の資金調達を支援する制度の見直しを図ってきたところでございますが、例えば、保証協会の保証案件のうち、不動産担保つき融資は、平成六年度は二八・六%ございましたが、その後の無担保保証枠の拡大によりまして、平成十五年度には一一・八%まで低下しております。
 さらに、技術力やノウハウなどを評価する融資制度として、平成十二年度から設けましたチャレンジ支援融資によって、審査会の評価に基づいた融資の実施をしているところでございます。

○丸茂委員 次に、現在開会中の臨時国会に、包括根保証の見直しを含む民法改正法案が提出をされております。包括根保証問題は、中小企業などが個人保証について、企業が倒産した際に、保証人に無期限、無制限の返済責任を負わせることによって、倒産で経営者が全くすべての資産を失う、それがさらには自殺にまで至る--こういう保証です。さらには、包括根保証が企業再建の障害にもなっているという問題も指摘をされております。
 そこで、法改正の内容と、法改正がどのような効果を及ぼすと考えているのか、こうした状況ですので、お伺いをいたします。

○中井金融部長 民法の改正案が国会で現在審議中でございますが、その主な内容は、一つは、保証人が個人であり、かつ主たる債務に貸金債務等が含まれている根保証契約について、極度額を定めなければその効力を生じないものとすること、いま一つは、保証人が返済責任を負う期間は、契約で定める場合は五年以内、特別の定めがなければ一律三年以内と限定すること等でございます。
 これにより、保証人の返済負担を合理的な範囲に限定できることとなりますが、経営者の再起を促すなど、具体的な効果については、法改正後の実施状況を注視していく必要があると考えております。

○丸茂委員 今後、東京としても、中小企業の金融支援、それの保証問題という点で、個人保証なり第三者保証のあり方について、さまざまな角度から今の時代に合った検討が必要だと考えますけれども、その点、何かお考えがあったらお聞かせいただきたいと思います。

○中井金融部長 人的保証制度の見直しは、保証に伴う個人の負担を軽減することが期待できますが、一方で、金融機関の貸出姿勢が厳しくなり、結果的に中小事業者に対する融資が縮小するなどのデメリットを招くおそれもございます。
 保証のあり方を見直すに当たっては、例えば中小企業の経営の透明性を高め、経営者個人と法人の間の資産保有関係の明確化を図るなど、解決すべき課題が多々あるかと考えております。

○丸茂委員 私は、今おっしゃったような課題も多々あると思いますので、そういうことを含めてご検討を求めておきたいと思います。
 次に、ものづくり産業の支援について伺います。
 まず、工業集積活性化支援事業についてです。この事業は本年度をもって終了することになっていますが、私はこれまで、事業の継続を本会議あるいは委員会質疑で機会あるごとに求めてまいりました。二十一世紀型の活性化支援事業の提案も行ってきたところです。それに対して、事業の成果を検証する必要があるという答弁が繰り返されてまいりました。
 そこで、改めて、これまでの事業の成果をどのように評価しているのか、お伺いをいたします。

○塚田商工施策担当部長 事業を終了した十六区市に対して行ったアンケート調査によりますと、効果のあったものとして、新製品、新技術に対する助成や展示会の出展補助を挙げているところが多く、一定の役割を果たしてきたと考えております。
 しかし、中小企業振興対策審議会答申が指摘しますように、対象が製造業に限定されるなど、今後の集積施策としては不十分な面があると考えております。

○丸茂委員 一定の効果があったということはわかりました。
 区によっては、都の事業が終了しても、独自の支援策を継続している事例も、私、何度か紹介をしました。地元大田区も、その後継続をしております。そういった実情を踏まえまして、私は、東京都のものづくり産業の集積のあり方の諮問を受けた中小企業振興対策審議会の委員の一人として、中対審でも事業の継続を求めましたけれども、区長会からも、新たな事業の継続を含めて、求める要望があったと聞いております。
 改めて、私は、そういった趣旨を生かして事業の継続をすべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

○塚田商工施策担当部長 事業がスタートいたしました平成八年度以降、ソフトなものづくりが台頭し、また、地縁の枠にとどまらない企業間の連携や広域的な取り組みが活発に行われるようになるなど、ものづくり産業の集積の内容が大きく変化しております。工業集積地域活性化支援事業は、このような変化を十分に反映したものとなっておりません。
 今後につきましては、中小企業振興対策審議会の答申を踏まえまして取り組んでまいります。

○丸茂委員 答申を踏まえて取り組んでいくということですから、ぜひ取り組みの成果を事業につなげていただきたいということで、これ以上お尋ねしませんけれども、この成果の実績をさらに花開かせるという点で、区長会からも要望の強い事業でありますし、都内中小企業に必要な施策でもあります。引き続き、その事業の実施、継続を求めておきます。
 次に、ものづくりの支援策としては、国においてものづくり基盤技術基本法が制定されまして、この中で国の責務として、ものづくり基盤技術の振興に関する総合的な施策を策定し、これを実施する、こういうことになっております。この基本法では、自治体としても、区域の特性を生かした自主的な施策を策定し、実施すべきと定められております。
 そこで、都として、この法の制定以降、ものづくり産業に対してどのような施策を新たに講じてきたのか、お伺いをいたします。

○塚田商工施策担当部長 法律制定後、平成十四年の中小企業振興対策審議会におきまして、都のものづくり振興のあり方について答申をいただきました。これに基づき、平成十五年度には、知的財産活用への支援事業やニューマーケット開拓支援事業などを実施いたしました。さらに、平成十六年度は、デュアルシステムの導入や、ものづくり産業におけるデザイン活用の支援事業を実施しております。

○丸茂委員 ものづくり基盤技術の振興は、今後の海外との競争、その競争にも打ち勝つ上でも、高い技術力とそれを支える基盤技術は非常に重要で、ますますその重要性は増していると思います。
 私は、ナノテクノロジーについても取り上げましたけれども、この技術も中小企業を支える新たな基盤技術だと考えております。ぜひともナノテクに対する技術支援の強化についても、強くこの場で要望しておきます。
 最後に、ものづくり基盤技術の一つとして非常に重要なメッキ産業の支援について伺います。
 メッキ産業は、いうまでもなく、さまざまな製品の最終段階で高付加価値を生み出す欠かせない加工技術です。したがって、この最終段階でのメッキ業が崩壊すれば、ものづくりの崩壊にもつながりかねない大事な産業だと考えます。
 そのメッキ業を悩ませているのが排水規制の問題です。本年の六月三十日までに暫定排水基準を設けていましたが、基準の強化を図る上で三年間の期間延長がされました。この硼素、フッ素に対する規制は、三年後にはより厳しい本則基準になります。
 そこでまず、こうした課題に対して、産業労働局としてどのような取り組みをしてきたのか、お伺いをいたします。

○塚田商工施策担当部長 産業技術研究所におきまして、平成十年度より環境負荷の少ないメッキ液の研究をし、クエン酸メッキ液を開発いたしました。

○丸茂委員 クエン酸のメッキ液の開発を行ったと。私自身も、産技研へ行ったときは、まだその実験中でして、先日、産技研にもお話を聞きました。それによりますと、メッキ液を硼素からクエン酸にかえても、仕上がりぐあいは全く遜色がない、さらには、排水基準を守る上で非常にすぐれた研究成果だとも述べられました。さらにすぐれていることは、このメッキ液をかえても、これまでの設備は基本的にはそのまま使えるために、大規模な設備投資をしなくとも済むということでした。
 しかしながら、新しいメッキ液を導入するためには幾つかの課題があるかと思います。一つは、これまでどおりの性能を維持できるのかという導入時のリスクの問題、また、メッキ液を新しいものにかえていくには新たな経費の負担も必要になります。
 研究員のお話では、この課題を解決していくためには、研究成果を具体的に生かせるよう、研究所の段階から、個別のメッキ工場をモデル工場として認定するなりして、実際の工場で現場実験を行いながら実用化を進めていかなければならないといっておられました。そうした取り組みを進めながら、幅広くこの研究成果の普及に努めていかなければならないと考えますが、その点でどうか。
 また、メッキ産業も、現在、経営状況としては大変厳しい状況にあります。これまでのメッキ液を新しいものにするには、当然、メッキ液を全面的に入れかえなければなりません。そのための新たな経費も必要となってまいります。業界が新たなメッキ液を積極的に取り入れていくためには、インパクトのある支援策が大変重要だと思います。そのためにも、メッキ液の入れかえ経費の助成など支援策が必要だと考えますが、あわせて答弁をお願いいたします。

○塚田商工施策担当部長 産業技術研究所では、今後、実証データを積み重ねることにより信頼性を高め、技術の普及に努めてまいります。
 また、お話のような新たな助成制度の創設は考えてございません。

○丸茂委員 私は、研究成果が大きく生きるように、それから三年間に間に合わせるには、やっぱり実証して、中小企業が取り組める、そういう取り組みが極めて大事だと思います。
 助成制度についてですけれども、私は、メッキ業というのは特別なハンデがあるというふうに思うんですね。メッキ業を営む友人もいるわけですけれども、メッキ加工そのものは高い付加価値を生み出すけれども、それに伴う排水だとか環境を守る施設はマイナス経費なんですよね。メッキ業というのは、プラスの面と、実際、加工技術をやると、それによってもたらされる環境水準を守るための莫大な経費、投資がかかるんですよね。ですから、そういう装置にも特別の融資制度を設けて支援しないと企業が成り立たない、そういう企業なんですよ。
 したがって、業界が積極的にこの新しい排出基準を守りながらものづくり基盤を支えていくためには、ぜひとも助成制度が必要不可欠だと考えますので、この点では引き続き検討していただきたいことを強く要望して、質問を終わります。

○野島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 報告事項及び事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野島委員長 異議なしと認め、報告事項及び事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時三十分散会

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