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Tokyo Metropolitan Assembly

経済・港湾委員会速記録第四号

平成十六年三月十八日(木曜日)
第八委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十三名
委員長真鍋よしゆき君
副委員長北城 貞治君
副委員長酒井 大史君
理事谷村 孝彦君
理事三宅 茂樹君
理事丸茂 勇夫君
土持 正豊君
和田 宗春君
池田 梅夫君
前島信次郎君
山崎 孝明君
川島 忠一君
田中 晃三君

 欠席委員 なし

 出席説明員
産業労働局局長有手  勉君
総務部長島田 健一君
参事佐藤 仁貞君
産業政策部長乾  敏一君
産業力強化担当部長志賀 敏和君
産業政策調整担当部長野口  孝君
参事塚田 祐次君
商工部長市原   博君
商工施策担当部長泉本 和秀君
金融担当部長鹿島 博之君
観光部長渡辺  勉君
参事小宮 三夫君
農林水産部長菊地 輝雄君
参事馬場 安男君
労働部長高橋  勝君
雇用就業推進担当部長安藤 立美君
中央卸売市場市場長森澤 正範君
管理部長石川 俊一君
事業部長高津 満好君
調整担当部長岸  信子君
新市場建設担当部長井戸 秀寿君
参事上田 良治君
参事松村  進君

本日の会議に付した事件
 中央卸売市場関係
予算の調査(質疑)
・第十一号議案 平成十六年度東京都と場会計予算
・第二十一号議案 平成十六年度東京都中央卸売市場会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第百十九号議案 東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・国における卸売市場制度改正について
・豊洲新市場基本計画策定の進捗状況について
・市場環境白書(平成十五年度版)について
産業労働局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案   平成十六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為産業労働局所管分
・第七号議案   平成十六年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・第八号議案   平成十六年度東京都農業改良資金助成会計予算
・第九号議案   平成十六年度東京都林業改善資金助成会計予算
・第十号議案   平成十六年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第百六号議案  東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第百八号議案  東京都立産業技術研究所条例の一部を改正する条例
・第百九号議案  東京都立産業貿易センター条例の一部を改正する条例
・第百十号議案  東京都農業事務所設置条例の一部を改正する条例
・第百十一号議案 東京都林業事務所設置条例の一部を改正する条例
・第百十二号議案 東京都都民の森条例の一部を改正する条例
・第百十三号議案 東京都労政事務所設置条例の一部を改正する条例
・第百十四号議案 東京都労政会館設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例
・第百十五号議案 東京都労働資料センター条例の一部を改正する条例
・第百十六号議案 東京都高年齢者就業センター条例の一部を改正する条例
・第百十七号議案 東京都立技術専門校条例の一部を改正する条例
・第百十八号議案 東京都海区漁業調整委員会委員及び東京都内水面漁場管理委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・高病原性鳥インフルエンザへの対応について
請願の審査
(1)一五第一〇六号 新宿労政事務所廃止反対に関する請願
(2)一六第三号 東京都の労働行政の充実・強化に関する請願

○真鍋委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、中央卸売市場及び産業労働局関係の平成十六年度予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑、並びに産業労働局関係の請願審査を行います。
 なお、請願につきましては、本日は質疑を行い、決定は明日の付託議案の採択とあわせて行うことといたしますので、ご了承願います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第十一号議案、第二十一号議案、第百十九号議案及び報告事項を一括して議題といたします。
 予算案、付託議案及び報告事項につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○石川管理部長 去る二月十九日の当委員会でご要求のありました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます経済・港湾委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 ご要求のございました資料は、表紙に記載しました四件でございます。
 一ページをお開き願います。東京都中央卸売市場における取扱数量の推移(十年間)でございます。
 過去十年間の取扱数量の推移について、水産物部、青果部、食肉部、花き部の取扱品目ごとに記載してございます。
 二ページをお開き願います。東京都中央卸売市場における取引方法別割合の推移(十年間)でございます。
 過去十年間の取引方法別割合の推移を記載したものでございます。ごらんのとおり、水産物部、青果部、花き部につきましては、競り売り及び入札の割合が減少し、相対売りの割合が高くなってきております。
 次に、三ページをお開き願います。東京都中央卸売市場における卸、仲卸業者の経営状況でございます。
 (1)の卸売業者のところでは、まず、<1>の経営状況につきまして、それぞれ業者数とそのうちの赤字業者数を部門ごとに記載してございます。また、<2>の統廃合等の状況につきましては、市場名とその理由及び増減社数を記載したものでございます。
 (2)の仲卸業者につきましては、業者数とそのうちの赤字業者数を部門ごとに記載してございます。
 なお、仲卸業者欄の括弧書きは、調査対象業者に対する赤字業者の割合でございます。
 最後に、四ページをお開き願います。東京都中央卸売市場におけるBSEに対する取り組み状況でございます。
 資料では、施設整備やと畜解体作業など、項目別に実施状況を記載してございます。
 以上、簡単でございますが、ご要求のございました資料につきまして、ご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○真鍋委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、本案及び報告事項に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○北城委員 まず最初に、大動物と畜新ラインの整備につきまして、何点かお伺いさせてもらいたいと思っております。
 東京市場が全国の食肉流通の中心的な存在として認められまして、建て値市場としても立派に機能してきたわけであります。かねてから、出荷者を初め食肉市場関係業者から、安全面と価格形成面で評価が高く、大消費地を抱えまする東京市場で大動物のと畜頭数をふやしてほしいとの要望が出されていたわけであります。
 しかしながら、芝浦屠場のと畜能力では、これら出荷者等の要望を受け入れられる能力がないわけでありまして、今回、O157、BSEなどの衛生対策にすぐれた芝浦屠場におきまして大動物と畜新ラインの整備をされることは、時宜にかなったことであると思っております。私ども自由民主党も、賛意を示し、応援をしてきたところであります。
 そこで、何点かお伺いさせてもらいたいと思っております。
 まず最初に、芝浦屠場における現在の大動物と小動物のと畜能力及び実際のと畜実績はどのようになっているのか、また、日々の枝肉の取引状況はどうなのか、お示しを願いたいと思います。

○岸調整担当部長 初めに、芝浦屠場のと畜能力でございますが、一日当たり、大動物は三百五十頭、小動物は千四百頭でございます。
 次に、と畜実績でございますが、平成十五年の一日当たりで見ますと、大動物は三百三十頭でございます。
 なお、衛生対策工事の期間中、一ラインを二カ月間休止いたしました影響を除けば、ほぼと畜能力と同等の三百五十頭をと畜しております。
 一方、小動物は約千百頭で、と畜能力を下回っております。
 次に、食肉市場での枝肉の取引量についてでございますが、平成十五年の一日当たりで見ますと、大動物は約六百頭でございます。これは、芝浦屠場でと畜している三百五十頭では買い受け人の要望にこたえられないため、卸会社が他のと場でと畜した枝肉の集荷にも努めているためでございます。
 また、小動物は約千二百頭が取引されております。

○北城委員 今ご答弁にもありましたように、大動物は、通常、ほぼと畜能力の枠いっぱいと畜を行っているということであろう、こんなふうに思っております。
 また、小動物は、と畜能力に対しまして生体の集荷が追いついていないこと、また、取引面から見ますると、大動物では、芝浦屠場でと畜した量では不足しまして、他のと場でと畜された枝肉を集荷して需要にこたえていることが現況であるということがよくわかりました。
 このような現状から見ますると、大動物の新ラインの必要性がよく理解できるわけでありますけれども、それでは、大動物と畜新ラインで計画している一日当たりのと畜頭数は何頭なのか、お示しを願いたいと思います。

○岸調整担当部長 百頭でございます。

○北城委員 私は、大変有効な百頭だろう、こんなふうに思います。
 そこで、新ラインの整備に当たりましては、それに応じた体制の確立も必要でありますが、それには、内部努力も含めまして、できる限り効率的な体制で臨む必要があると思いますが、この点につきましてのご見解をお伺いしたいと思います。

○石川管理部長 今回整備いたします大動物の新ラインにつきましては、できる限り効率的なと畜解体が行えるよう作業工程を見直しまして、現在のラインに比べ、少ない作業工程で作業できるような設計としております。また、現在、人が行っております作業の一部を機械化する予定でもございます。
 さらに、現在稼働中の大動物ライン及び小動物ラインでのそれぞれの業務内容を徹底的に見直しをいたしまして、職員の適正配置を行う考えでございます。
 こうしたことによりまして、現職員定数を一切増員することなく、新ラインでのと畜に対応していく考えでございます。

○北城委員 新ラインの稼働に当たりましては、新たに職員の人数を増員しないんだ、こんな明確なご答弁がありました。ぜひそうした考えのもとで新ラインの整備を進めていただきたい、こんなふうに思っております。
 実施設計も、多分、ほぼまとまりつつあるんだろう、こんなふうに思います。この実施設計では、新ラインの衛生対策のレベル向上はどうなのか、お聞かせを願いたいと思います。

○岸調整担当部長 大動物新と畜ラインの実施設計に当たりましては、消費者により安全で安心な食肉を届けるという観点から対策を講じることといたしまして、O157やBSE等の衛生対策に加えまして、品質にも十分配慮したと畜ラインを追求しております。

○北城委員 今、はっきりとした答弁をいただきました。間違いなく今まで以上に衛生的なラインができ、また同時に、消費者にとっても、生産者にとりましても有益なものであると思いますので、新ラインが一日も早く稼働できまするよう強く要望しておきたい、こんなふうに思っております。
 次に、豊洲新市場建設につきまして、何点かお伺いさせてもらいたい、こんなふうに思っております。
 先日、当委員会におきまして、豊洲新市場基本計画の進捗状況が報告されたわけであります。それによりますると、これまで東京都と市場関係業界との間で基本計画策定に向けての協議が進んでおり、平成十六年度予算の概要を見ても、基本設計、用地取得、防潮護岸整備などが計上されているわけでありますけれども、このように見ますると、豊洲新市場建設に向けた取り組みは着実に進展しているように思えるわけであります。
 しかしながら、恐らく大きな課題がたくさんあるのかな、こんなふうに思わざるを得ないわけであります。
 しかしながら、他面、さきの本会議で石原知事が、築地市場は日本の代表的な市場でありますが、せんだっての答弁の中にもありましたように、築地市場は古くて狭く、ある意味では危険というような答弁もあったわけであります。それを裏返しますると、一日も早い新市場の開設が望まれるんじゃないかなと、こんなふうに思っておりますけれども、それらの課題につきましてどのように解決していくのかという視点に立ち返りまして、若干の質問をさせてもらいたいと思っております。
 まず、委員会に提出されております資料によりますると、平成十六年度予算案には用地取得と防潮護岸整備等が計上されておりますが、その内容はどのようなものか、お伺いさせてもらいたいと思います。

○井戸新市場建設担当部長 豊洲新市場建設に係ります平成十六年度予算案につきましては、約二百六億円を計上しております。その中で主要なものは、用地取得と防潮護岸整備事業でございます。
 豊洲地区全体につきましては、平成十八年度の完了を目指しまして、現在区画整理事業中でございますけれども、用地取得につきましては、換地処分前の約四・六ヘクタールの用地を取得したいと思っております。
 また、防潮護岸につきましては、平成十四年度以降、市場が整備を実施しております。平成十六年度につきましても、引き続き整備を行うための建設経費としまして、約百二億円を計上してございます。

○北城委員 ご答弁によりますると、必要な基盤等の整備を行っていくというようなことで拝聴をさせていただきました。いうまでもなく、将来を見据えて着実に進めてもらいたい、こんなふうに強く要望しておきます。
 ところで、今の築地市場の敷地は、たしか二十三・五ヘクタール。豊洲新市場の市場施設用地は三十七・五ヘクタールと、約一・五倍になると聞いております。この敷地を使って施設の規模などをどのように考えているのか、お聞かせを願いたいと思います。

○井戸新市場建設担当部長 施設用地につきましては、お話のように約一・五倍となりますけれども、これにつきましては、大田市場の青果、水産物が約三十五ヘクタールでございますので、ほぼ同じ面積でございます。現在不足しております駐車場用地ですとか、あるいは円滑な動線確保につきましては必要最低限の面積ではないかというふうに考えてございます。
 しかしながら、建設する施設の規模につきましては必要最低限のものとしまして、過剰投資を避けまして健全な運営に資するとともに、将来の発展可能性を考慮しまして、今後の流通の変化にも耐えられるような施設計画としたいと考えてございます。

○北城委員 将来の発展を見据えた敷地である、こんなご答弁があったわけであります。
 恐らく一言でいうならば、百年の大計をもって、小さく産んで大きく育てるということであろうと私は思います。築地市場も約七十年の歴史を重ねて今日に至ったわけでありますので、豊洲新市場におきましても、百年先を見越して計画を進めてもらいたい、こんなふうに思うところであります。
 そこで、現在策定中の基本計画の内容につきまして、お尋ねしたいと思います。
 報告されました豊洲新市場基本計画の策定の進捗状況によりますると、三ページの中の具体的方策のところに、輸送距離と時間の短縮化、最適化を目指した搬入から搬出までの一貫した物流システムの構築という記述があります。現在の築地市場を見ますると、確かに場内が大変ふくそうしておりまして、いわゆる一貫した物流システムを実施することは難しいのがわかります。
 そこで、豊洲ではどのようにして一貫した物流を実現しようとしているのか、お考えをお示し願いたいと思います。

○井戸新市場建設担当部長 お話のように、現在の築地市場につきましては、貨物列車からの搬入を想定されておりましたので、施設の配置ですとか、動線がふくそうしてあり、効率化が達成できないような状況にございます。物の流れですとか荷の流れ、そういったような施設の配置を考え、また、情報との連携によります人、物、車の最適な流れをつくることが必要であると考えてございます。
 そこで、豊洲新市場の基本計画につきましては、他市場への転送品の仕分けを行う転配送センターの設置ですとか、あるいは産地からの搬入物品を効率よく荷おろしするような、仕分けする搬入バースの設置といったハード面の対策、また、作業ですとかシステムの共同化、統一化をするための関係業者間の連携ですとか、あるいは事業の共同化などのソフト面の対策に取り組みたいというふうに考えてございます。

○北城委員 若干視点を変えてお聞きしたいと思います。
 さきの予算特別委員会におきまして、我が党のいなば議員の質疑の中で、卸売市場におきまして今後導入されます電子商取引につきまして、やりとりがあったわけであります。今の世の中、情報化が進み、電子商取引の活発化が見込まれているところでありますが、このような状況を今後の計画づくりにどのように反映させていくつもりであるか、お聞かせを願いたいと思います。

○井戸新市場建設担当部長 規制緩和によります電子商取引の導入につきましては、卸売市場における潮流ですとか物流にも大きな変化を及ぼすというふうに考えてございます。ただ、一方、こういった変化につきましては、市場関係業者にも新たなビジネスチャンスをもたらし、業界の活性化、卸売市場の活性化にもつながるものではないかというふうに考えてございます。
 基本計画の策定に当たりましては、電子商取引など情報化の積極的な推進を前提にしてございます。必要な情報システムの構築ですとか取引ルールの確立など、具体的な方策を盛り込んでいきたいというふうに考えてございます。

○北城委員 しかしながら、先般、ある市場関係者の方にお話を聞きました。そうしますると、現在の市場では、情報化がなかなか普及していないというようなお話があったわけであります。
 そこで、豊洲新市場におきまする情報システムにつきましてどのようなものを考えているのか、具体的にお聞かせを願いたいと思います。

○井戸新市場建設担当部長 具体の情報化についての取り組みでございますけれども、基本計画につきましては、東京都も開設者としまして、市場への入退場管理、あるいは駐車場の管理のシステムを構築することで、適正な管理運営ですとか、あるいは場内交通の円滑化などを実現させてまいりたいというふうに考えてございます。
 また、商品情報の事前把握ですとか、配送履歴の明確化などに活用するための物品管理システムですとか、先ほどの電子商取引、あるいは食品のトレーサビリティー、あるいは決済の迅速化に対応するための商取引システムにつきましても、関係業界が開発、運営していく上でのルールづくりや仕組みづくりなどに取り組んでまいります。

○北城委員 要望しておきたいと思います。
 一つは、ハード面、つくってはみたけれども、使い勝手の悪いものにならないよう要望しておきたい、こんなふうに思っております。
 そして、ソフト面、関係業界ともよく話し合って、事業の効率性を追求してもらいたい、こんなふうに思います。
 次に、先を見越して整備をするという点でいえば、東京都と業界の役割分担につきましてどのように考えるかということも重要な視点だろうと思います。第二次都庁アクションプランにおきましても、豊洲新市場の整備に当たっては、PFIなど民間活力を活用した手法の積極的導入を図るとされております。
 確かに、これらの流通環境の変化に対応できる、また、使う側にとって使い勝手のよい施設づくりを迅速に進めていくという視点からも、民間活力の積極的な活用も必要になってくると思いますが、都と民間の役割分担につきましてどのような考え方をお持ちであるか、お聞かせを願いたいと思います。

○井戸新市場建設担当部長 新市場にかかわります東京都と民間の役割分担についてでございますけれども、豊洲新市場建設を進める上で、民間のノウハウですとか資金を活用することは重要だというふうに考えてございます。そのため、基本計画におきましては、さまざまな整備手法につきまして比較検討し、最適な手法を選んでまいりたいというふうに考えてございます。
 現在、加工パッケージ施設ですとか冷蔵庫ですとか、転配送センターなどのいわゆる付加価値施設の機能につきましては、施設を実際に使用する事業者ご自身の方が、施設の計画ですとか、あるいは運用ですとか、整備ですとか維持管理等につきましても、一貫して実施した方がより効率的であるというふうに考えてございます。
 また、千客万来施設のような商業施設につきましては、民間のノウハウが不可欠だというふうに考えてございます。

○北城委員 最適な手法を選んでいくんだと。一言でいうと、こんなことなのかなと思います。
 民間活力の導入によるメリットもあると思います。ただ、行政しかできない分野もあるのかな、こんなふうに思います。やはりそこら辺のことを精査しまして、大切なことは、市場関係事業者の視点からも計画を進めていくという姿勢であろうと思いますので、ぜひよろしくお願い申し上げたい、こんなふうに思うわけであります。
 そこで、最後にお伺いいたします。市場運営の責任者としまして、豊洲新市場の具体化に向けての市場長の決意を改めてお聞かせ願いたいと思います。

○森澤中央卸売市場長 豊洲新市場建設の推進については、今定例会の本会議での知事の答弁にありましたように、首都圏三千三百万人の台所を賄い、二十一世紀の生鮮食料品流通の中核を担う市場とするためには、新市場の建設は絶対必要であり、一刻も早く建設することが求められている、こういうような認識のもとに私どもも取り組んでまいります。
 現在策定中の基本計画には、効率的な物流の確保や情報のシステム化など、さまざまな課題に対する方策を盛り込んでまいりますが、ただいま委員のお話にありましたように、真に効果的な民間活力の活用方策につきまして、迅速かつ効率的な施設整備の観点や市場関係者の利用の視点も含めまして、その役割分担を十分検討してまいります。
 平成十六年度予算案には、用地取得費を初めて計上いたしましたが、来年度には、豊洲新市場の建設計画が、具体化に向け着実に一歩前進いたします。引き続き関係方面と協議を重ね、広く英知を集め、よりよい市場づくりに取り組んでまいります。

○池田委員 豊洲新市場基本計画策定状況の報告がありました。第二次都庁改革アクションプランでは、中央卸売市場については、豊洲新市場整備に向け、PFIなど民間活力の積極的な活用を図るとともに、卸売市場制度の改正等を踏まえ、今後の市場のあり方を検討し、効率的な経営を実施していきますと、こういうふうにしています。
 そこで、きょうは、豊洲新市場整備に当たってのPFI導入と市場法改正に伴う今後の市場のあり方について、若干の質問をいたします。
 最初に、豊洲新市場の建設に当たっては、今も若干触れられましたけれども、いろいろな整備手法を検討しているようですけれども、どんな整備手法を検討しているのか、説明してください。

○井戸新市場建設担当部長 新市場の建設に当たりましては、新市場の活性化とか、効率的な施設整備と運営を確保することが重要であるというふうに考えてございまして、このため、お話の民間活力を導入するとしまして、例えば市場用地の貸付制度ですとか、あるいはPFIなどの整備手法について鋭意検討を行っております。

○池田委員 その一つとして、PFIについても検討されている、こういうふうにいいました。現在、検討状況はどうなっているのか、伺いたい。

○井戸新市場建設担当部長 先ほど申し上げましたように、現在、積極的に、民間活力の導入につきまして、PFIを含めましてさまざまな手法を検討してございます。
 PFIにつきましては、民間事業者が施設の建設、所有、運営を行い、一定の事業期間終了後に発注者の方に施設の所有権を移転するような方式ですとか、あるいは民間事業者が施設を建設した後、所有権を発注者に移転して当該施設の運営を行うような方式など、いろいろな事業方式があると考えてございます。
 実際の市場整備に当たりまして、どのような方式が適しているのか、それぞれの方式の利点とか、あるいは課題などについて、現在検討を行っております。

○池田委員 第二次都庁改革アクションプランでは、市場の管理運営にかかわる業務の民間委託の検討も行う、こういうふうにしています。どんな業務を民間委託の対象に今検討されているのでしょうか。

○上田参事 中央卸売市場の管理運営に係る民間委託に関するお尋ねでございます。
 市場の使用許可、あるいは電気、給排水設備などの維持管理、市場内の警備及び清掃などの衛生維持業務など、市場施設の管理に係る業務については、民間事業者への委託が比較的なじみやすいものと考えております。
 しかしながら、いわゆる市場関係者に係る業務の許可や取引に係る指導監督など、法令上、開設者である地方公共団体が行うことになっている業務については、民間委託になじみにくいと考えております。
 民間事業者への管理運営業務の委託につきましては、平成十七年度に策定を予定しております第八次東京都卸売市場整備計画において、その内容を検討してまいります。

○池田委員 今お話があったように、確かに現在でも、卸売市場における委託事業として、一般的な管理経費として、警備だとか衛生だとか電気施設の管理、そういう状況がやられていることは確かだと思うんです。
 今もお話があったんですが、開設者として公共事業体がしっかりと責任を持つ部分については、やはり問題があるだろうというふうに思うんです。
 中央卸売市場の事業概要の中でもいわれているんですけれども、中央卸売市場の果たしている役割の中で、集荷の問題だとか、公正な価格の形成だとか、確実な取引の決済だとか、こういう仕事を中心とした役割があるわけですが、そこの中で、今もお話があった関係業務の許可だとか指導監督、そして物品調査など、開設者の責任で行う業務の民間委託はなじまないし、そういう方向はしっかりと位置づけているというふうに理解してよろしいわけですね。

○上田参事 いずれにしましても、先ほどご答弁申し上げましたとおり、なじみやすいもの、なじみにくいものというようなことでの検討は現在も行っているわけですが、その具体の内容につきましては、先ほどご答弁申し上げましたとおり、今後検討を重ねてまいります。

○池田委員 ぜひその辺のけじめをはっきりとする必要があるだろうというふうに私は思っているところでございます。
 また、施設整備に当たって、PFIでどういう方式をとるかということも問題があるわけですけれども、高いコストの民間資金を前提としてやるということになれば、利益だとか採算性が優先される問題、これが今--全国いろいろな自治体でPFIが導入されている。東京でもそうでありますけれども、こういうことの中で、いろいろ採算性が優先される、そして、利益がそういう面では前提になっていくというようなことが指摘されています。このことについて、基本的な問題ですから、どういうふうに今、考え、そして検討の中でやられているか。
 あわせてお伺いしておきたいと思うんですが、先ほどもちょっと出ていましたけれども、付設の施設ですね。これは、収益的な利益が上がるものを大いに歓迎すると。PFIの場合、当然だというふうに思うのですが、そういうものが必要条件になっていくのじゃないのでしょうか。その辺もあわせて伺っておきたいと思います。

○上田参事 今後の市場運営に当たりましては、市場の効率的な運営管理というものが、最も求められてくる一つの基準でもございます。先ほどのPFIも、そういうふうな観点の中で導入ということの検討がなされているわけでございます。
 あわせて、私ども、先ほど申しましたように、第八次整備計画の策定の中で、お尋ねの件につきましては細目の検討をしてまいりたいと思っております。

○池田委員 私は、中央卸売市場の目的、その役割は、先ほど事務事業概要の中で紹介をさせていただきましたけれども、この中で述べているように、毎日の生活に欠くことのできない生鮮食料品など、円滑な供給と消費生活の安定を図る、そういうための基幹施設であるわけです。ですから、地方公共団体が開設者としての責務で、衛生的、効果的な施設建設や一定の経費負担が行われていることはご存じのとおりです。市場の業務管理、運営に当たっているわけです。そういう立場から、建設だとか管理など、直営が求められるのは当然だというふうに私は思います。
 先ほど来、私が指摘してきたような問題点をあわせて、今の検討の中で、そのようなことをどういうふうに考えておられるか。これは、民間の活力導入、こういうことが全面的にわっと押し切ってくるというような状況での議論がやられているやのことがいわれています。しかし、私は、今申し上げたような立場から、現在、この問題で、どういう基本的な視点でやっているのか、この辺をあわせてお伺いしたい。

○上田参事 卸売市場において、民間のノウハウを活用することにより市場の効率的な運営サービスの高度化を図る観点から、管理運営業務の民間への委託の可能性を検討する必要があるということにつきましては、先ほど来申し上げているとおりでございます。
 そういう中で、農林水産省もまた、卸売市場の管理運営に係る民間委託の推進を検討するとしてございまして、私どもは、昨年十一月に公表された第二次都庁改革アクションプランにおいて、市場の管理運営に係る業務については、民間委託が可能な業務の範囲について検討すると考えているところでございます。したがって、その具体の内容等につきましても、今後、詳細を詰めてまいりたいと考えております。

○池田委員 今お話があったように、卸売市場制度改正等にかかわる検討事項メモというのも私はいただきましたが、国の方も、新市場整備については、そういうものがPFIの導入が前提だ、こういうふうなことをいっているわけですけれども、私は、具体的にこれからどういう検討の結果が出てくるかということの議論は今後のものとしていく必要があるだろうというふうに思いますから、きょうのところは、先ほど来いいますように、地方公共団体の開設者としての責務、この点がしっかりと据えられるということをいっておきたいと思います。
 次に、卸売市場制度の改正問題についてお伺いしたいと思います。
 改正を検討している主な事項の中で、取引規制の緩和の問題があります。規制緩和としてどんなことが現在検討されているのか、説明ください。

○上田参事 今回の卸売市場制度改正における規制緩和の主なものといたしまして、五項目ほどございまして、その第一は商物一致規制の緩和、第二は卸売業者による第三者販売、仲卸業者による直荷引きに係る規制の緩和、第三は卸売業者による買い付け集荷の自由化、第四に卸売手数料の弾力化等、第五といたしまして、卸売業者、仲卸業者の兼業業務等の届け出の廃止、あわせて市場外での販売活動に対する規制の緩和となっております。

○池田委員 時間の関係もございますから、その中で、商物一致規制の緩和の問題だとか買い付け集荷の自由化の問題、そして手数料弾力化の問題というのは、今いろいろあちこちで、業界の皆さん方も含めて、大いに関心が持たれて議論もされているというふうに聞いています。
 時間の関係もございますから、今いったところについて、簡単で結構ですから、ご説明いただけますか。

○上田参事 まず、商物一致原則の緩和の具体的な内容についてでございます。現行の卸売市場における市場取引では、品質や規格の統一しにくい生鮮食料品の適切な価格形成を図るため、市場に現物を搬入して取引を行うこととなっております。今回の改正では、電子商取引により、規格性のある物品については、開設者の承認のもと、商物一致規制の例外とするものであります。
 なお、対象となる物品は、規格性が高く、品質が安定したものに限定してございます。
 また、その運用に当たりましては、取引に関する情報が十分提供されるとともに、当該市場の仲卸業者、売買参加者がすべて取引に参加し得ることなどを要件としております。
 次に、買い付け集荷の自由化の件でございますが、卸売業者の需給操作のおそれや卸売業者経営への悪影響が懸念されることから、現在は委託集荷によるものとされているわけでございますが、この買い付け集荷は原則として禁止されているところであります。
 しかしながら、今回の改正は、需給の緩和、情報化等の状況変化の中において、生産者と卸業者との選択の幅を広げるとともに、市場への計画的、安定的な集荷を可能とするため、これを全面的に自由化するものでございます。
 卸売手数料の弾力化についてでございます。卸売業者の手数料につきましては、昭和三十八年の閣議決定、これを受けた国による通知に基づき、手数料率は、野菜で八・五%、果実で七・〇%、水産物で五・五%などと定められてきたところであります。
 今回の制度改正におきましては、卸売業者の取引内容やサービスの多様化に対応し、全国一律に業務規程で卸売手数料を定めなければならないとする仕組みを廃止するものでございます。それにより、卸売市場法第四十一条及び手数料を定めた昭和三十八年の閣議決定及びその通知を廃止するものでございます。
 なお、この手数料の弾力化の時期でございますが、五年後の平成二十一年四月一日となってございます。したがって、平成二十一年度以降は、卸売業者は、その機能、サービスに応じた手数料をみずから設定することが可能となるが、同時に、市場の実態に合わせ、開設者が業務規程で手数料を定めることも可能となります。

○池田委員 今、もっと項目の多い具体的な改正の中身が議論されているというふうに聞いていますけれども、卸売市場制度改革について、業界の「日刊食料」という新聞ですけれども、この中で、卸、仲卸、そして小売のそれぞれ業界のリーダーといわれる方たちがいろいろ意見を述べておられるのですが、簡単にその辺を紹介していただけますか。

○上田参事 卸売市場制度改正に対する各業界団体等の意見についてでございますけれども、最初に卸売業者の意見から申し上げますと、卸売市場が生鮮食料品の基幹的な流通ルートとして引き続きその役割を十全に果たしていくためにも、また、時代の変化に合わせていく意味においても、卸売手数料の弾力化、取引情報の公表などの幾つかの点を除いては、基本的には異議はないという意見でございます。
 また、仲卸業界でございますけれども、卸売市場を取り巻く環境が変化する中で、卸売市場制度の改革に取り組んでいく必要があるとは認識しており、規制緩和により卸売市場の活性化を図る方向は妥当と考えますが、情報公開や市場取引の公平性の確保等が必要であるという意見でございます。
 また、小売業界の意見でございますが、生鮮食料品流通における卸売市場の重要性、関係業者がそれぞれ果たしてきた役割、機能等にかんがみ、検討に当たっては、公正公平な取引の確保、取引情報などの公開が基本であり、これらが適切に図られる方向が必要であると考えているが、今回の改正では、専門小売店への政策的支援が折り込まれていない印象を受けているとの意見と聞いております。

○池田委員 今、国の方の法改正が、いろいろ段取りがとられて、これから議論されていくという段階ですから、具体的なことについて、きょう云々という話ではありませんけれども、今、業界紙の中で、卸、仲卸、小売それぞれのリーダーの方たちの意見が、率直にいって、総体として今の現状を示しているんじゃないだろうかというふうに思うんですね。
 私は、当然このことについては、関係団体はもちろんでありますが、開設者としても、そういう意見を掌握したり、いろいろな討議といいますか、そういう場がこれから大いにつくられていくんだろうというふうに思うんですけれども、たまたまここで市場長さんも登場して、地方自治体として開設者の立場からの発言をされているわけですが、今の法改定の段階と、その中で、こういう卸、仲卸、小売の方たちのいろいろな意見が基本的な方向として出されている中で、開設者としてどういうふうにそれをとらえて、今後の市場運営のあり方、そういう中で生かしていこうとしているのか、そのことをひとつ最後に伺って終わりたいと思います。

○森澤中央卸売市場長 今回の卸売市場法の改正ですけれども、これは、生産技術の向上や輸入量の増加による供給の安定化ですとか食品流通の広域化、流通チャンネルや取引形態の多様化、また品質管理の向上など、さまざまな生鮮食料品をめぐる環境の変化にきちっと対応して、卸売市場を生産、消費者、両サイドの期待にこたえられる安全・安心で効率的な流通システムへと転換しようとすることが目的でございます。
 各業界の意見はそれぞれの立場からございますが、今回、現在、国に提案されました法案につきましては、先ほど担当部長の方から説明がありましたように、基本的にそれぞれの業界も一応了としているものというふうに考えております。
 私ども開設者といたしましても、法改正を踏まえまして、市場関係業者が、営業活動においてみずからの創意と工夫を発揮し、経営基盤を強化できる環境を整えて、卸売市場が食の安全・安心を初めとする消費者の多様なニーズに的確に対応できるよう、効率的で魅力ある市場運営に取り組んでいく所存でございます。

○丸茂委員 今、鳥インフルエンザ等の発生で、感染症対策が大きな課題になっております。これまでも、BSEあるいはO157対策、これらも大事な課題として取り組まれてきましたけれども、こうした食の安全・安心にかかわる問題が後を絶たない状況にあるわけで、市場を取り巻く状況について、この点でどう認識しているのか、まずお伺いいたします。

○高津事業部長 BSE問題や食品の偽装表示など、食品の安全性や信頼性を揺るがす事件、事故が相次ぐ中で、食の安全・安心に対する都民の不安や不信が高まっております。毎日の生活に欠かせない生鮮食料品については、特に消費者の安全・安心に対する信頼を確保することが大変重要だと認識しております。
 そのため、中央卸売市場では、BSEなどの食の安全・安心を脅かす事件が発生した際には、市場関係者に対し、感染や汚染のおそれがある物品の入荷停止や販売自粛等を求めるとともに、風評被害の防止等を踏まえた情報公開を行うなど、危機管理の観点から適時適切な対応を行っております。

○丸茂委員 さまざまな安全対策がやられているわけですけれども、今回、都は市場環境白書を発表されております。この中には、環境対策から廃棄物対策、あるいは省資源、省エネルギー対策、そして、今ご説明のあった衛生対策あるいは環境会計、こういう取り組みもまとめられているわけですけれども、特に食肉市場における食肉の安全対策等、この安全問題について、白書ではどういう点を基本点に置いて具体的に取り組もうとしているのか、その点、お伺いをしておきます。

○岸調整担当部長 食肉市場は、他の市場と異なりまして、いわばお肉の生産工場でございます芝浦屠場を併設しております関係で、市場全体の衛生対策のほかに、O157食中毒事件やBSEの国内での発生を受けまして、ハード、ソフト両面でさまざまな衛生対策を講じております。
 例えば、BSEのハード面の対策といたしましては、特定部位の除去装置の設置をしております。また、ソフト面では、生体の集荷段階での対応、あるいは衛生管理による対応、また、と畜解体工程における対応を講じているところでございます。
 さらに、O157対策といたしましては、と畜時におけるナイフを一頭ごとに八十三度以上の温水で消毒するなど、きめ細かな対策を講じるための施設整備も行ってきました。
 市場、と場、あわせてこのような対策を講じた上で、さらに食肉衛生検査所によりまして各工程の検査が行われ、安全なもののみが市場に出荷されることになっております。

○丸茂委員 いろいろ安全対策、これまで私どもも対策を求めてきましたけれども、さまざまな取り組みがされている。そういう中にあって、市場等での努力はわかるんですけれども、BSE対策について見ますと、このBSEが日本で発生したのは平成十三年九月、千葉県内で発生し、それから二年半が経過しております。そして、最近では、これまでアメリカあるいはオーストラリアはBSEは出ないと聞いていたんですが、アメリカでも発生が確認される。そして、日本でも新たな発生が確認されております。
 そういう中にあって、都民の目から見ますと、BSEの原因究明がどこまで進んでいるのか、原因が特定されるものがないのかどうかという点では、さっぱり見えてこない状況にあります。この問題は、農水省の責任の範囲の課題だと思いますけれども、市場として把握している範囲で結構ですから、その辺どうなっているのか、どういう状況にあるのか、お伺いしておきたいと思います。

○岸調整担当部長 国によれば、BSEの発生は、科学的に十分に解明されてはいませんが、プリオンという細胞たんぱく質が異常化したものとされております。
 では、そのプリオンがなぜ発生したかという感染源及び感染経路につきましては、昨年九月に国の調査結果が発表されておりまして、疫学的検討の結果、潜伏期間が数年にわたり非常に長いということ、それから、その時点での発症例は七例と少ないことから、感染源及び感染経路に関しては、およその推測にとどまったということで確定を避けております。その上で、日本のBSEも、イギリス由来のBSE病原体が何らかの経路で侵入したものと考えられるとしております。
 一方で、BSEが発生した農家におきましては、肉骨粉を牛に与えていなかったというふうに考えられることから、直接えさとして与えたということは考えられず、配合飼料の製造の段階あるいは配送の段階などにおいて、牛以外の豚ですとか鳥とかの飼料と牛の飼料が交差汚染を起こした可能性があるということで調査結果がまとまっております。

○丸茂委員 なぜお聞きするかというと、都の市場においては、BSEの牛も入れないし、一切出さないという点で、全頭検査からいろいろ、と畜に当たっても徹底した衛生管理をやっている。こういう中で、発生してから二年半たって、BSEは一体どこにその原因があるのか。今後の対策を含めて、風化させないで、きちんと国においても、機会があればその都度、国民、都民にも情報公開していただくなり、要求して、明らかにさせる必要があると思うんですね。そういうことを含めて、今後の市場としてもその対応を求めておきたいというふうに思います。
 次に、以前にもカラス対策を取り上げましたけれども、直接、今東京に起きているわけじゃないんですけれども、京都、大阪で、鳥インフルエンザに感染したカラスが感染死する。昨日も新たな感染死のカラスが発見されております。当初発見されたところから二十九キロ離れたところで感染死が確認されたと。ただ、野鳥等への感染は、その関係ではなかったといわれているんですが、隣の韓国では野鳥が感染したという報告も出されております。
 市場環境白書でも、食肉市場に数多くのカラスが集まっており、その対策にも取り組んでいるというふうに、カラス対策についても触れられておりますけれども、万が一のことを含めて今後のことも考え合わせますと、カラス対策は、また新たな角度で重要な課題になってきているんじゃないかという点で、食肉市場のカラス対策の現状を含めて、十分なのかどうか、お伺いをしておきたいと思います。

○岸調整担当部長 食肉市場におけるカラス対策についてお答えいたしますが、鳥インフルエンザ対策として取り組んでいるわけではございません。
 これまで、えさ絶ちを励行いたしまして、そのことの場内業者への指導を徹底することを行っております。また、牛の廃棄物を入れたコンテナを速やかに建物の中に収容するなどの対策もとっております。
 こうした取り組みに加えまして、廃棄肉用のコンテナにカラスよけの囲いを設置したほか、全庁的な捕獲に加えて市場独自の捕獲もしております。
 そのような結果、捕獲前と捕獲後では、延べ数でおおむね四分の一にまで減少いたしまして、現在も、その少なくなった数字で維持されております。これらの対策により、一定の効果があったものと考えております。
 また、と室や競り場は外部と完全に遮断されておりますので、カラスが侵入するおそれはなく、食肉の安全は確保されていると考えております。
 なお、食肉市場に設置したトラップ、わなで捕獲した、昨年八月からことし二月末までの捕獲の数は百九十羽に上っております。

○丸茂委員 直接鳥インフルエンザにかかわる、そういう事態がないので、安心はしているわけですけど、野鳥によって運ばれることによって、またそういう事態が生まれるかどうか、そういう心配もあります。
 専門家によりますと、カラス対策は、今ご説明のあったえさを提供するような、そういう生ごみの処理が都市にとっては大変重要だという指摘が一番の課題だといわれております。これは都政全般で今後取り組む問題でありますけれども、食の安全・安心という点では、市場に限らず、都政全般でも大きな取り組みを求めて、質問を終わります。

○真鍋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○真鍋委員長 異議なしと認め、本案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○真鍋委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案と請願の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成十六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、産業労働局所管分、第七号議案から第十号議案まで、第百六号議案、第百八号議案から第百十八号議案まで、請願一五第一〇六号、請願一六第三号及び報告事項を一括して議題といたします。
 本案及び報告事項につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料及び請願について理事者の説明を求めます。

○島田総務部長 去る二月十九日の当委員会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の資料1、一ページに目次がございます。全部で十四項目でございます。
 二ページは、完全失業率の推移でございます。(1)全国の失業率は、平成十五年は総数で五・三%、(3)東京の失業率は総数で五・〇%となっております。
 三ページは、無業者数と無業率の推移でございます。全国、東京ともに年々増加傾向が見られております。
 四ページでは、都内信用金庫の合併状況と都内信用組合の破綻処理状況をお示ししてございます。
 五ページは、工業集積地域活性化支援事業の実績でございます。平成八年度から十二年度の五カ年で、毎年四地区ずつ、計二十地区の指定を行っております。
 六ページは、大規模小売店舗立地法に基づく各種届け出状況の推移でございます。表の下段、合計欄にありますように、年々増加傾向にございます。
 七ページは、国及び都の借りかえ融資の利用実績でございます。都は平成十四年十月から、国は十五年二月から開始したものをお示ししてございます。
 八ページでございます。信用保証協会債権回収株式会社への求償権委託と回収状況を平成十三年度からお示ししてございます。
 九ページは、貸金業者に係る苦情相談件数等の推移でございます。(1)の苦情相談件数では、平成十四年度は約二万一千九百件で、平成五年度と比較いたしまして約十三倍に伸びております。(3)には、立入検査件数及び行政処分件数をお示ししてございます。
 一〇ページでは、緊急地域雇用創出特別基金事業の計画、実績及び事業内容をお示ししてございます。
 一一ページでは、若年者の雇用対策とその実績をお示ししてございます。
 一二ページは、平成十六年度職業訓練の新設科目等の内容でございまして、(1)ナイトスクール、(3)東京ものづくり名工塾などの規模拡大等をお示ししてございます。
 一三ページでは、都立技術専門校、東京障害者職業能力開発校の校別定員、応募者数、応募率などについて五カ年間の推移をお示ししてございます。
 一四ページでは、委託訓練の定員数及び応募率につきまして五年間の推移をお示ししてございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。
 引き続きまして、資料2をごらんいただきたいと存じます。
 高病原性鳥インフルエンザへの対応につきまして、三月五日の当委員会でご報告させていただきましたが、その後の経過につきまして、お手元の資料に基づきましてご説明をさせていただきます。
 1にございます全国の発生状況でございますが、前回ご報告させていただきました三件に続きまして、三月八日に京都府の鶏農場で発生いたしております。また、これまでに六羽のカラスからウイルスが確認されたと報告がありましたが、新たに昨日、京都市で一羽が確認されたと聞いております。
 2、都の対応でございます。
 三月五日、防疫の再徹底といたしまして、東京都鳥インフルエンザ対策会議におきまして、次の二点について周知いたしました。一つ目は、都から国への報告の義務づけに伴い、千羽以上飼養している農家に対し、一週間に一回、死亡数等を報告するよう指導すること。二つ目は、野外で飼育されている鳥の、ペットを含むでございますが、小屋、器具等について、逆性石けんによる消毒の徹底を行うこと。これにつきましては、ホームページ等で都民に広くお願いしているところでございます。
 三月十一日付で、夜間、休日も含めた二十四時間対応の電話による専用相談窓口、鳥インフルエンザ一一〇番を設置いたしました。十一日から十五日までに八百件の相談がありましたが、本日九時までの合計件数では九百六十九件となっております。
 主な相談内容は、野鳥のふんや死骸の扱い、鳥飼育上の注意でございます。
 区市町村への対応につきましては、三月十一日に第二回の説明会を開催いたしました。
 農家への融資の拡大についてでございますが、三月九日付で、国は、家畜伝染病等が発生した場合に地域を指定して資金を融通する家畜疾病経営維持資金のメニューに、移動制限区域外農家を対象として経営維持資金を追加しております。
 3、今後の都の対応についてでございますが、四月五日に、東京都獣医師会、東京都医師会との共催による都民公開シンポジウムの開催を予定しております。また、発生未然防止のため、新たに都職員による指導チームを編成し、防疫対策の強化を図ってまいります。
 今後も的確な情報収集と迅速な対応に努めてまいります。
 雑駁でございますが、以上で資料説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○高橋労働部長 お手元の資料、請願・陳情審査説明表の二ページ及び三ページをごらんいただきたいと思います。
 二ページの一五第一〇六号の新宿労政事務所廃止反対に関する請願、及び三ページの一六第三号の東京都の労働行政の充実・強化に関する請願についてでございますが、いずれも新宿労政事務所の廃止及び労働行政の充実、強化にかかわるものでございますので、あわせてご説明申し上げたいと思います。
 まず、一五第一〇六号の新宿労政事務所廃止反対に関する請願についてでございますが、請願者は、東京都渋谷区の女性ユニオン東京、執行委員長、伊藤みどりさん外四百三十三名でございます。
 本請願の趣旨でございますが、厳しい雇用情勢の中で新宿労政事務所を廃止することは、労働者のみならず、中小企業経営者が有効な労使関係を築く上で大幅なサービス低下を招くものです。このため、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 その内容は、第一に、新宿労政事務所を廃止せず、平成十六年度以降も存続させること、第二に、都の労働行政において、失業問題への対応だけでない労働問題への対応を充実させることの二点でございます。
 また、一六第三号の東京都の労働行政の充実・強化に関する請願についてでございますが、請願者は、東京都豊島区の東京地方労働組合総連合女性センター、議長、渡辺礼子さんでございます。
 本請願の趣旨でございますが、都の労働行政の充実、強化のため、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 その内容は、第一に、新宿労政事務所の廃止を見直し、労働相談窓口の拡充を図ること、第二に、労働者が安心して働き続けられるために、労働行政の強化を図ることの二点でございます。
 現在の状況でございますが、初めに、今回の労政事務所再編は、労政事務所の事業の効率化を図るとともに、労働相談機能を充実させるために実施するものでございます。
 なお、新宿労政事務所は、労政事務所の地域上のバランスや環境上の問題等から廃止いたします。
 次に、労政事務所の事業につきましては、平成十五年四月に、労使、学識経験者から成る東京都労政事業評価検討委員会を設置しまして、効果的な進め方を検討しております。
 今後とも、体制の整備、既存事業の不断の見直しを行いながら、労働相談や労働教育などの充実に努めてまいります。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○真鍋委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案、請願及び報告事項に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田中委員 私は、東京の中小企業施策についてお尋ねしたいと思います。
 東京の中小企業の施策というのは日本のモデルということになりますし、また、東京の中小企業の施策というものが、あるいは国以上にすぐれている面も多々ありますので、全国的に東京の産労局の果たす役割の偉大さといいますか、それだけに責任も大きいというふうに私は思いますので、東京の中小企業施策について、そういう視点も踏まえてお尋ねしたいというふうに思っています。
 ご承知のように、ようやく景気回復の兆しというものが見えたような政府の見解が発表されております。これは当然、アメリカの景気、特に隣国の中国の景気というものが、ある面では異常になっていった、そういうこともございまして、外需、そして、それに伴う設備投資、こういうことが、景気回復の兆しというものが、政府見解によりまして、例えば二〇〇三年の十月から十二月期の国内総生産、実質で前期比一・六%増、年率換算では六・四%、これは四期連続のプラス成長、十三年半ぶりだ、こういう報道がなされているわけです。
 しかし、地域経済に本当にこういう景気というものの兆しがあるのかといいますと、私どもがいろいろと相談を受けている地域では、中小企業は、依然としてそこまでしていない、毎日毎日が厳しい、そういう話をよく聞かされてまいります。
 私は、改めて初めに、お互いに東京経済、地域経済は一体どういう共通認識を持たなければいけないのか、そういう思いで、まず現状を確認する意味で、昨年一年間の倒産件数と、業種別に見てどのような業種が最も倒産が多いのか、まずお伺いさせていただきたいと思います。

○乾産業政策部長 最近の都内の倒産状況でございますけれども、民間の調査機関によりますと、平成十五年の負債総額一千万円以上の都内の倒産企業件数は三千百八十五件でございまして、なお高い水準にございます。
 倒産の最も多い業種といたしましては、卸売業の七百七十八件でございまして、以下、サービス業、製造業、建設業、小売業という順番になってございます。

○田中委員 私、東京信用保証協会レポート二〇〇三年、最近、保証マンスリー、平成十五年の東京信用保証協会から出されている簡単な資料、この二つを見て分析をいたしますと、細かく書いてあります平成十四年度の制度融資の代位弁済の業種別の割合を見ますと、建設業、卸売業が、全体で代位弁済額に占める割合が五一・四%。小売業を合わせると六二・八%。それにサービス業を入れますと、何と七五・六%。これが連続して、この業種が倒産の全体に占める割合がいつも多いんですね。
 建設業、卸売業、小売業、この三業種の倒産の主たる原因は何なのか、また、現在抱えている課題はどういうものがあるのか、これをお尋ねしたいと思います。

○泉本商工施策担当部長 民間調査機関の調べによりますと、販売不振が倒産の要因として最も多く、三業種ともおおむね八割を占めてございます。ほかの要因といたしましては、赤字累積や他社倒産の余波などが挙げられます。
 建設業におきましては、都内の建設投資が、平成三年のバブル期の約六割にまで減少していることが課題の一つとして挙げられます。また、東京の建設業は、中小の下請専門業者が多く、元請業者が倒れますと、連鎖倒産が起こりやすい構造にございます。
 次に、卸売業におきましては、生産者と小売業者との直接取引の増加など、流通経路の短縮化が進んでおります。また、価格の低迷も加わりまして、厳しい経営環境に置かれてございます。
 さらに、小売業では、消費者ニーズの個性化、多様化への対応のおくれなどから、小規模な商店数の大幅な減少傾向が一貫して見られます。また、個人商店においては、七割の商店で後継者がいないとの調査結果がございまして、大きな課題となっております。

○田中委員 今、建設業、卸売業、小売業それぞれにつきまして、幾つかの倒産の要因というもののご答弁があったわけでございますが、これを総括して、三つの企業の倒産の共通した要因を整理していただきまして、この要因を都政からいささかでも打開できるものがあるとしたら、その打開策をお示しいただきたいと思います。

○泉本商工施策担当部長 共通した倒産の要因といたしましては、個人消費の低迷や設備投資の減少などによります販売不振、また、それに伴います資金繰りの悪化などが挙げられます。いわゆる不況型倒産といわれるものでございますけれども、そのうち規模で見ますと、資本金一千万円以下や従業員一人から四人の企業の倒産が九割を超えてございます。
 東京都はこれまで、販売不振に対しましては、下請取引のあっせん、展示会の開催や出展経費の助成など販路開拓の支援を行いますとともに、資金繰りの悪化に対しましては、小規模企業融資や経営安定支援資金融資に加えまして、つなぎ融資のメニューを設けるなど、制度融資の充実に努めてまいりました。
 また、小規模企業に対しましては、経理や取引に関する巡回指導、経営などに関する講習会の実施、各種金融のあっせんなどの支援を商工会、商工会議所を通じて行ってまいりました。
 今後とも、厳しい経営環境に置かれている中小企業の支援に積極的に取り組んでまいります。

○田中委員 今のご答弁にございますように、資本金一千万円以下、従業員一人から四人の倒産が九割を超えている。いわゆる中小零細企業、今、ここの倒産が多いわけです。そういう厳しい経済社会環境の中にありましても、この中小零細企業の中で、ユニークな経営や独自のノウハウを駆使して着実な成果を上げている元気な中小企業があることも事実でございます。
 このように、厳しい時代であればこそ、こういった前向きな取り組みをされております中小零細企業に光を当てて、企業を活性化させる。こういう施策を積極的に推進することによりまして、都政はよくやっているな、よく指導しているな、そういう思いが零細企業の気持ちを触発して、中小企業が前向きに取り組みながら、そのような企業が広がっていくことを私どもは願い、そのことが経済全体を元気づける、そのような形になるんだろうと思います。
 そうした中小企業のイノベーションといいますか、改革、革新、こういうものを支援する施策として、東京都は現在どのような施策をお持ちになっているのか、お尋ねしたいと思います。

○泉本商工施策担当部長 お話のように、意欲ある中小企業の経営革新を支援することは極めて重要であると認識してございます。このため、経営革新支援事業を実施いたしまして、中小企業の方々が新たな販売方式の導入、新しいサービスの開発、提供、新商品の開発や生産など、経営革新への新たな取り組みをみずからが行う場合に、法律に基づく計画承認を行うことによりまして、低利融資や助成などの各種支援を利用できるようバックアップしてございます。
 平成十四年度は三百九十件の計画承認を行い、融資などの支援につなげてまいりました。十六年度からは、この経営革新計画に係る特許取得に際しての手数料の減免制度も新たに導入されます。
 こうした支援策の充実を契機に、今後ともさらに事業を推進してまいる所存でございます。

○田中委員 我が党の松原議員が、今回の予算特別委員会におきまして、ものづくり中小企業対策について大変すぐれた質問をされました。産業全体や個々の中小企業の活動のイノベーションを促進しなければならないとして、都のものづくり中小企業の育成強化の方針をただしました。知事のご答弁では、ベンチャー技術大賞、アニメなど新しい産業の振興を国に先駆けてやるとの決意を述べておりまして、まことに心強いというふうに私は思わせていただきました。知事は、東京から日本を変えると。東京を元気にすることによって、日本を元気にする。そういうお気持ちを常にお持ちになっております。
 ところで、地域の自治体、区市町村の首長も、知事にまさるとも劣らないくらい、その熱い思いはあるわけですね。それはご承知のように、各区市町村の首長、毎日、自分のまちを通り、自分の役所に行っている。そして、そこにはシャッターをおろした商店、あるいは道で行きすがった零細企業のだんなさんから、大変だと。そういう思いをストレートにぶつけられるだけに、ある面では、知事にまさるとも劣らない、そういう地域の中小商工業の振興にかける強い思いが施策となってあらわれてきているわけです。
 お許しをいただいて、板橋区のお話をさせてもらいたいと思います。実は、これは東京都もお金を出してくださっていると思うんですが、東京商工会議所板橋支部が、昨年、ものづくり委員会というものをつくりまして、板橋サインワークス事業、これは東京商工会議所板橋支部と板橋区の応援をいただいて、昨年初めて板橋サインワークス事業というものを進めたわけです。そして、十点、その成果が表彰されたわけです。
 その中で、本当にユニークなというか、ある会社、先ほども委員から質問がございました、鳥インフルエンザに極めて効果があるのではないかと思うんですけれども--皆さん方、伝書バトの帰巣本能はどうやってあるのかということなんですけれども、実は、伝書バトが東京から北海道に輸送されて、北海道から伝書バトを飛ばすと、間違いなく東京の鳩舎に帰ってくる。これは、ハトが持っている頭骨、そして、頭の皮膚と頭骨の間に硬膜というのがあるんだそうですけれども、硬膜と頭骨の間に、磁気を感知する、そういう機能を持っている。磁気を発生するし、同時に磁気を感知する。いわゆるハトの磁気コンパスというんですか、羅針盤を鳥というのは持っている。
 こういうことを、ある会社の社長がアルバイトをしていたときに--このアルバイトはビルの清掃。幾らやっても、毎日ドバトがふんで汚す。何とかドバトを防除しなくちゃいかぬ。そこで、そういう発想がいろいろな勉強の中から生まれて、ドバト、やがてこれはカラスにもつながるわけですが、ドバトを殺さずに防除できる方策はないかということで、実はこういうバードバイというものを開発しました。バードバイというのは、バードよ、さらば。バード、バイバイ。
 これはプラスチックに磁粉が入っているんですね。(実物を示す)これはプラスチック。これがくっつくじゃない。これは、この周辺に磁場が働くんですね。ですから、ドバトあるいはカラスがこの周辺に入りますと、カラスが持っている磁気コンパスが逆に作用するものですから、殺さずに遠くへ飛散させる。こういうことを開発したわけです。
 ですから、地域というのは、こういうものでは、確かにベンチャー技術大賞に、そういう面では理論的にはおくれをとっておりますけれども、なかなかすばらしいものが各区において行われている。
 それから、話が変わるんですけれども、きのう読売新聞の朝刊に、これはそのまま、このような大きさで(資料を示す)、「板橋伝えるもなか」。これは実は、東京の輝け店舗支援事業を使っているんです。ところが、輝け店舗支援事業は、残念ながら今年度の予算から消えているんですね。私は、あえてそれを批判するとか、そういうのじゃないんです。実は、これは教育委員会の協力もございまして、板橋の昔話をもなかの中に入れ込むということで、「板橋 お伝え最中」。これを八人の三十歳から四十歳の若だんながつくったんですね。きのう発表になりましたので、私は早速行ってきました。
 お許しをいただいて、もなかを皆さん方に……。(実物を示す)私は、商店街というのは--どうぞ皆さん方も。食べてもいいですから、回覧していただいてね。(笑声)
 私は何がいいたいかというと、これから景気というものが回復の兆しをもっても、商店街、商人というのは、非常に厳しい状況が限りなくつながっていくのではないかと。
 そういう中で、東京の、また各区市町村と連携した、そういう中に、また新しい事業というものが生まれて、その地域の活力に大きく貢献してくるんだろう。ですから、東京の皆さん方の施策というものが、地域のこういう若い人たちにしっかりと生かされているということに思いをいたして、これからもぜひそれに取り組んでもらいたい。
 それにしても、企業がその生き残りをかけてイノベーションに取り組んでいくことを支援することは、企業に体力をつけるという意味で、最も根源的な施策だと私は思います。しかし、先ほど申し上げましたように、そのようなイノベーションの導入に効果の少ない、そういう企業もあることも事実です。そういう企業には、この際、思い切って業種転換あるいは多角化を促すことが、また施策としても必要ではないかと思いますが、ご所見をお伺いいたします。

○泉本商工施策担当部長 中小企業の経営革新を推進するためには、それまで蓄積してきた技術や経営のノウハウを新たな分野で活用し、事業転換や事業の多角化を促すという施策が重要と考えてございます。そのため、新たな業種への参入の際にも参考となる手引の作成や、業種転換や多角化などへの相談に応じてございます。また、事業転換などに必要な資金調達の支援も実施しているところでございます。
 今後は、事業転換に資するセミナーの開催も開始し、金融面では利用者の利便性を向上させる取り組みを行うなど、積極的な事業推進をしてまいる所存でございます。

○田中委員 一方、地域経済が回復しても、回復に乗れない業種もございます。このような業種の中にも、生き残りをかけて真剣に取り組んでいる中小企業もあるわけでございます。このような企業に対しては、企業の血液ともいえる資金を潤沢に供給する必要があります。
 これまで東京都は、中小企業の資金調達に対してどのような施策を講じてきたのか、お伺いさせていただきます。

○鹿島金融担当部長 都は、中小企業の信用力を補完し、円滑な資金供給を図るため、東京都、信用保証協会、金融機関の三者協調による中小企業制度融資を実施してまいりました。今年度は、融資目標額を過去最大の一兆七千五百億円とするとともに、昨年末に向けて、制度融資利用強化キャンペーンを展開し、積極的に利用を促進してまいりました。
 また、優良な中小企業に直接金融の道を開き、資金調達手法の多様化を図るため、CLOなどの債券を発行し、これまで四回の発行で、七千五百社に三千億円超の資金を供給しております。今年度につきましても継続して実施中でございます。

○田中委員 ただいまのご答弁にもございましたように、都はこれまで、中小企業の資金調達を円滑にするため、さまざまな取り組みをしてこられました。そのこと自体は、私は高く評価しております。しかし、現実、この資金調達、中小企業にとりましては極めて厳しいということが、私どもに日々寄せられているわけです。
 一例を挙げますと、地元の中小企業の、むしろ零細企業の方でございますが、制度融資を利用しようと思いまして金融機関に融資を申し込んでも、当然のことながら東京信用保証協会の保証承諾を得るわけでございますが、これに時間がかかり過ぎる。そして、かかったあげくに、二割とか三割カット。中小零細企業というのは時間との勝負なんですね。一日一刻を争っている。そういうことを考えますと、出してきた答えというものは大変厳しい結果を招くというような話をよく耳にいたします。こうした声を東京都はどのように認識されているのか。
 今回、新銀行東京というものが創設される。ポートフォリオ、信用金庫の協力もいただいて、三日以内あるいは即日。こういうことは大変学ばなければいけないと思いますけれども、スピードの短縮ということはできないのでしょうか。お尋ねします。

○鹿島金融担当部長 信用保証協会は、中小企業の信用力を補完することによりまして、中小企業の円滑な資金調達に貢献しております。
 迅速な保証審査には努めておりますが、従来取引のない事業者や事業規模に比べて融資申込額が多額の場合には、返済能力を確認するため、現地確認や業界動向及び業務状況を綿密に審査することから、日数を要する場合がございます。
 なお、制度融資も間接金融の枠内でございまして、返済可能性がなければ融資はできません。融資をする場合も、企業の返済能力に見合った額となります。

○田中委員 大変に慎重なお答えだと思います。
 融資というものは返済をしなければならないわけですから、企業の返済能力を超えた過剰な融資を私は求めているものではありません。しかし、今回、新銀行東京というものは、とにかく顧客本位だということを考えて、思い切った融資をされるということを聞きますと、融資を幾分上積みをし、スピードアップを図った融資をすれば、倒産する企業も幾分救われることもできるのではないかというふうに思います。
 改めて、新銀行東京の中小企業への取り組み施策に準拠した方式を制度融資にも適用すべきではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。

○鹿島金融担当部長 制度融資では、一昨年十月から開始いたしましたつなぎ融資において、三営業日で保証審査を行っているほか、申込者によりましては即日回答を行っております。
 一方、ご指摘のとおり、中小企業の立場に立った、踏み込んだ保証とか融資、迅速な審査がなされることが好ましいと考えております。そのため、今月中に、金融機関や保証協会はもとより、受付機関である商工会議所等の団体とも会合を開きまして、積極的に働きかけてまいる予定でございます。

○田中委員 ありがとうございます。どうぞひとつ前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 知事さんが、今回、新銀行東京を創設するに当たって、よく聞かされる言葉は、零細企業でいい製品を開発した、そのためには、大きな設備というか資金が必要だ、しかし、銀行に行っても、信用金庫に行っても貸せないと。テレビでも放映されたわけでございますけれども、そういうことから、思い切って新銀行東京の創設になったというお話をよく聞かされるのですが、とにかく、すぐれた技術力、将来性を有し、返済が可能であるにもかかわらず、金融機関の審査力が不十分であるため、融資を受けられないという例もあるのではないかと思います。こうした技術力、将来性に関する目ききの能力ですね。これは、今後、金融機関が大いに磨かなければならないところでございます。
 ご承知のように、新銀行では、有識者などを含めた専門スタッフで組織される技術力審査会の審査を経て、決定し、実行するとしております。都の制度融資においても、この審査方法に学び、中小企業への資金供給を促進すべきと考えます。新銀行も、また制度融資も、ともに中小企業への資金供給の促進という点では共通でございます。
 新銀行の中小企業融資への取り組みに学んでいただいて、制度融資として改めて見直すべき必要があるのではないかというふうに私は思いますけれども、ご所見をお伺いいたします。

○鹿島金融担当部長 制度融資は、中小企業に高い技術があっても、金融機関や保証協会において市場性が確認できないなど、返済能力が不透明な場合には利用が困難でございます。
 一方、新銀行は、既存金融機関や保証協会とは異なる新たな視点や審査基準で融資の道を切り開くとしております。こうした姿勢は、中小企業金融の円滑化にとっても望ましいものですので、他の金融機関、保証協会に対しましても積極的な対応を求めてまいります。
 なお、現在、制度融資の利用を促進するため、よりわかりやすく使いやすい制度へ改善を図っているところでございますが、今後も、ご指摘を踏まえ、金融情勢に合わせて不断に見直しを行ってまいります。

○田中委員 あと何問か、ひとつお願いします。
 ただいまのご答弁、本当にありがとうございます。ぜひひとつ、そのように進めてもらいたい。
 それから、中小企業の経営を支えるという意味では、資金供給の促進に加え、経営が傾きかけた倒産懸念、倒産に至る前に、専門家による早目の対策を打つことも大変重要ではないかというふうに思います。とりわけ現下の厳しい経済情勢の中、雇用の確保あるいは地域経済の活性化を図っていく上で、再起の見込みのある中小企業の再生を図っていくことは、私は喫緊の課題ではないかと思います。
 都は、現在まで、そういった対策としてどのような施策を講じておるのか、お伺いいたします。

○市原商工部長 中小企業の倒産を防止するためには、お話のように、早目の取り組みを東京都みずからが行うことはもとより、関係機関と連携を図りながら進めることは非常に重要だと認識しております。
 このため、東京都は、中小企業振興公社を通じまして、中小企業が抱えるさまざまな経営課題に対しまして総合的な相談事業を行うとともに、中小企業診断士等の民間の専門家が現地に出向きまして支援いたします専門家派遣事業を実施しております。
 また、東京商工会議所及び商工会連合会を通じまして、企業倒産に伴います地域の社会的混乱を未然に防止するため、倒産防止特別相談事業を実施しております。
 これらに加えまして、取引企業の連鎖倒産を防止するために、倒産情報の収集とともに、経営安定支援資金融資、いわゆる連鎖倒産防止融資を行っております。
 今後とも、区市町村も含めまして、関係機関と一層の連携を図りながら、施策の推進に真剣に取り組んでまいります。

○田中委員 今後、重要なことは、そうした専門家による支援や経営革新、さらには制度融資を初めとする金融支援などを組み合わせ、中小企業の倒産を未然に防ぐとともに、再生に向けた取り組みを総合的に推進していくことではないかと思います。それが東京の経済に活力をもたらし、東京の再生へとつながるのではないかというふうに思います。
 そこで、中小企業施策を所管する産業労働局長に、中小企業の再生に向けた考え方をまずお伺いいたします。

○有手産業労働局長 ご指摘のとおり、東京の中小企業を再生させることが、東京の経済に活力をもたらしますし、東京の再生につながる道だと考えております。
 都といたしましても、これまで専門家派遣や制度融資などをやってまいりましたけれども、これだけではどうにもならないということで、今度、中小企業の再生ファンドを立ち上げることにしました。
 日本の企業再生の現状を見ますと、大体、毎年二万件くらい経営破綻した企業があるといわれますけれども、それの九五%は清算型の処理ということでつぶしてしまう、こういうことでございます。それで、五%が、企業をもう一度再生させる、こういう状況でございます。
 そういうことで、最近は民間のファンドも大分立ち上がってまいりましたけれども、この民間のファンドをよく調べてみますと、対象は大企業、中堅企業が中心でございまして、先ほど田中先生がお話しになられたような零細企業、中小企業を対象としているものはほとんど皆無でございます。こういうことでは、東京の中小企業はつぶれていってしまう。これを何とかしなくちゃいけないということで、今回、中小企業再生ファンドを立ち上げた次第でございます。
 私どものこのファンドにつきましては、中小企業の経営状況が悪くなってきて、少し危なくなりそうだといったような段階からよく注意しておいて、ギブアップする段階になって行ったのではもう遅いということを考えております。
 そういうことで、このファンドを十分活用しまして、再生の見込みのある中小企業は必ず再生させて、そのすぐれた人材やノウハウを活用して、もう一度地域経済の活性化の核になってもらう。そして、そのことで、そこに働く雇用も確保する、地域経済も確保する。こういうようなことで、来年度、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

○田中委員 今まさにこの東京に必要なことは、知事も常々おっしゃっているわけでございますが、東京から日本を変える、日本を東京から元気にするということでございます。
 ベンチャー技術大賞の表彰式、以前、私も拝見いたしました。いずれ劣らぬ本当にすばらしい技術でありまして、知事が過日の答弁でも、この中からノーベル賞が生まれるものがあるのではないかと、こういった期待を表明しております。
 すぐれた技術を発掘し、それを幅広くPRする必要があると思うんですね。毎日NHKは、朝六時四十分から、そのまちの特産物あるいは新製品をPRしておりまして、我々のような者も頭にこびりつくんですね。したがって、PRはまことに大切だというふうに思いますし、産業施策に携わる行政の大切な役割の一つだというふうに思います。
 また、このような施策を新たに発掘し、次々と取り組んでいく姿勢が、こうした厳しい時期にこそ、私は必要ではないかというふうに思います。
 産業労働局では、ご答弁をいただいたように、中小企業のためにさまざまな施策を講じております。しかし、時代は、刻一刻変わってまいります。そうした意味では、これまでよかったと思っていた施策も、いつの間にか十分な効果が生じなくなってくるというものもございます。また、一方、こういったことに対して、行政はより積極的に携わっていく、これも必要ではないかというふうに思います。そういう意味では、産業政策を常に見詰めながら、また見詰め直しながら進めていくことも必要ではないかと思います。
 今後の政策のかじ取りをどのようにやっていくのか、改めて産業労働局長に、今後の産業政策のあり方、将来に向けたビジョンあるいは現在の思い、先ほども熱い思いを聞かせていただきましたけれども、その思いをもう一度聞かせていただいて、私の最後の質問とさせていただきます。

○有手産業労働局長 田中先生の長年の板橋区を中心とした現場のいろいろな状況を十分踏まえられながら、そして、東京都の産業政策についても精通される中で、大変貴重なご質問をいただきました。私も感激しているところであります。
 今おっしゃられましたように、日本の産業政策をどうするか、これは大変な問題でございます。日本の貿易の黒字額の八割が、東京を初めとするものづくり産業が稼いでいるわけです。こういったものづくり産業が世界に伍していくためには、産業政策だけじゃなくて、それと対になる金融政策がバランスよく対応する必要があると思います。
 そういった意味からいいますと、知事も申し上げましたけれども、国の産業政策は省庁の縦割りで、また、金融政策につきましても金融庁、財務省ということで、これらの整合がとれないために、産業構造の変化に追随できずに、このままいきますと、海外に金融システムも産業政策も負けてしまう。それが懸命に努力するものづくり産業の現場の人たちの努力を無にしてしまう。これは何としても改めなくちゃいけないということで、今回、知事からもお話ししましたけれども、金融政策につきまして、直接金融と間接金融のアンバランス、日本にとっては圧倒的な劣勢になります。
 特にアメリカの方との競争になりますと、アメリカの方は、個人投資家のリスクも個人投資家がとり、事業家のリスクも事業家がとり、そういった身軽な中で金融システムが機能している。
 ところが、日本の金融システムは、ローリスク、ローリターンでございますけれども、ほとんど預金になっていっちゃう。それで、その預金が、ものづくりがどんどん進んで、高度成長のときはどんどん設備投資に回ってよかったわけですけれども、今日のようなデフレ下になりますと、金融機関は何をやっているかというと、ほとんど国債を買っているという状況があります。
 平成九年と平成十四年を比較いたしますと、国内銀行の国債保有高は五十六兆から百十八兆、五年間で六十二兆も国債の保有がふえています。一方、貸出金額の残高は、五百二十六兆から四百十七兆、百九兆も減っているわけです。こういうことで、またペイオフを迎えますとどうなるのか、大変心配なわけでございます。
 そういうことで、私どもは、単なる間接金融、銀行の世界だけで中小企業振興をやっていたのでは、らちが明かないということで、今議会で思い切って、直接金融、間接金融のアンバランスに対しまして、東京都がベンチャーファンドをつくったり、再生ファンドをつくって、そこに新しい展開を求めたわけでございます。ものづくり産業の健全な発展がなければ、金融機関の資金提供先に支障が生じかねない、こういう強い危機感からでございます。
 こういう中で、都は、ベンチャー技術大賞の話がありましたし、アニメ産業などの新産業の振興、CLO、CBOにつきましても、今回は都県域を越えた広域発行も今検討しておりますし、先ほどのファンドに加えましてさまざまな施策を、産業政策、金融政策、両面相まって東京の産業を振興して、東京のものづくり産業が日本をリードして、ひいては世界をリードするようなアジア地域のハブとして、ものづくり産業を再生したいということで、一生懸命、今、施策を展開しようと考えております。
 今、先生からお話がありましたけれども、これを進めるに当たりましては、そうはいっても東京都だけでは何もできませんので、国との協調、区市町村との施策の連携、これも非常に大事でございますし、私どもの都庁の中におきましても、各局がそれぞれの施策をやっておりますので、これを束ねるために産業力強化会議を持っておりまして、こういう中でいろいろな課題に積極果敢に取り組みまして、今、先生からお話がありましたように、東京の産業再生に向けました取り組みをさらに強化してまいります。

○酒井委員 それでは私の方から、労政事務所の再編としごとセンターについて、まずお伺いしたいと思います。
 我が国の経済は、一部に改善の兆しが見られるといわれておりますけれども、しかし、雇用情勢といったものは依然として厳しい状況にございます。都においても、完全失業率が、先ほどいただいた資料にも書いてありましたけれども、五%を超える状態が続いており、予断を許さない、そういった状況にあると思います。
 また、労使間の問題についていえば、個別労使紛争といったものが増加し、労政事務所に寄せられる相談も、解雇、賃金の不払い等の深刻なものが多く、内容も複雑、多様化していると思います。都の労働行政もますます重要になってくるとも思われます。
 こうした中で、今回、労働行政の重要な一翼を担う労政事務所の再編が打ち出されておりますけれども、まず、その目的と考え方についてお伺いいたします。

○高橋労働部長 今回の労政事務所の再編整備は、労政事務所を新たに労働相談情報センターとして整備することにしておりまして、まず、事業の効率化を図る、そして労働相談機能を充実させる。そのことを目的として実施するものでございます。

○酒井委員 それでは、再編の内容といったもの、もう少し具体的にどのようなものか、お伺いしたいと思います。

○高橋労働部長 労働相談情報センターは、飯田橋、現在の中央労政事務所でございますけれども、そこに本部を置きまして、そして、そのもとに五カ所の事務所を設置することにより組織の一体化を図ります。新宿労政事務所は、事務所の地域的なバランス、環境上の問題等から廃止いたします。
 また、本部及び事務所に、新たに労働相談を専管します係を設置しまして、相談担当職員の職務、責任を明確にするとともに、専門性を高めるなど、労働相談体制の強化を図ってまいります。

○酒井委員 今回の再編は定数の削減といったものを伴っておりまして、こうした再編によって、労働相談を初めとする労政事務所の業務が後退するのではないかという懸念があるわけですけれども、その点についてはどのようなお考えでしょうか。

○高橋労働部長 定数減の主な理由でございますが、各事務所で共通するセミナーの企画事務を集中して行うことや、庶務、計理事務を本部に集約すること等によるものでありまして、相談を初めとする各事業は、原則としてこれまでどおりの規模で実施する予定であります。労政事務所の業務が後退することはないと考えております。

○酒井委員 基本的な方針として、相談体制の強化ということがいわれておりましたけれども、具体的にどのような施策を行っていくのか、お伺いいたします。

○高橋労働部長 労政事務所に寄せられます労働相談は、近年、ずっと五万件を超えておりまして、先ほどもお話がありましたとおり、相談内容は、個別化、多様化、複雑化、高度化してきております。
 この状況に、特に複雑、高度化する労働相談に対応するために、労働相談専管係を設置しまして組織体制の整備を行うほか、相談担当職員に対する研修体制を強化して、専門的対応能力の向上を図ることといたしました。
 また、飯田橋のセンターに相談情報を集約しまして、各所に迅速に配信することにより情報の共有化を図り、労働相談事業を支える仕組みづくりも行います。
 加えまして、インターネット等の手段を活用して、広く都民にも情報を提供してまいります。

○酒井委員 今回の労政事務所の再編においては、新宿の労政事務所が廃止されるということですけれども、これまでこの新宿の労政が受けていた相談といったものは、これからどこで具体的に受けるようになるのか、お答えいただきたいと思います。

○高橋労働部長 これまで新宿労政事務所は六区所管しておりました。この地域につきましては、近接します、現中央労政事務所ですけれども、飯田橋のセンターにおきまして、大部分を引き受けることになります。また、他の事務所につきましても、管轄区域の変更を行い、事務量の均衡を図ってまいります。
 この結果、飯田橋のセンターにおきましては、相談等の増加が予想されることから、定数増を行うこととしております。

○酒井委員 これまでの質問に対する説明では、労政事務所の事業は基本的に後退させないというお話でありました。以前、何年か前ですが、私の選挙区でございます立川市においても、労政事務所が再編されて、国分寺に一本化されたといった事案がありましたけれども、それ以後、地元でも、事業といったものが後退しているという声は余り聞いておりませんので、ある程度大丈夫なのかなという思いもありますけれども、ぜひとも今後とも、この労働相談機能の強化を初めとして労政事務所の機能をさらに充実、強化し、新たに発足する労働相談情報センターといったものが、複雑、多様化する労働問題に的確に対応し、また住民ニーズに十分にこたえられるようになるものとなりますように、要望をしっかりとさせていただきたいと思います。
 次に、ことしの夏に開設予定のしごとセンターでは、従来、ハローワークでは扱ってこなかった業務も実施していくと聞いております。現行のハローワークによる就職支援や、従来の都の雇用・就業施策にはどのような問題があるとお考えなのか、まず初めにお尋ねいたします。

○安藤雇用就業推進担当部長 ハローワークでは、来所者が多いこともございまして、求職者本人が求人情報を端末装置などから取り出しまして、窓口に持っていきますと、そこの職員の方が紹介状を発行するというシステムが主流となっております。したがいまして、求職者の適性の把握でありますとか、就職活動に対するアドバイスが必ずしも十分に行われていないことが最大の課題というふうに考えております。
 また、就職のあっせんがメーンになりますので、起業、創業等、多様な就業ニーズに対応できていないということなどもその一つかというふうに思います。
 都におきましての課題といたしましては、今までは、就職支援セミナーでありますとか合同面接会等を実施してきましたが、単発的に事業を実施するにとどまっていたことがあるというふうに考えております。
 また、私ども都とハローワークに共通する課題としましては、教育分野等との連携が十分ではなかったことがあるというふうに考えてございます。

○酒井委員 今回、開設予定のしごとセンターの設置によって、これまでの就業支援策の問題点がどのように具体的に改善されるのか、また、具体的にどのような就業支援を行っていくのかといった点、もう少し詳しくお答えをいただきたいと思います。

○安藤雇用就業推進担当部長 東京都といたしましては、今回、都独自の取り組みといたしましてしごとセンターを設置して、都としても雇用・就業対策を総合的に進めていくことといたしております。
 このしごとセンターでは、民間事業者が持っております豊富なノウハウと情報を最大限活用いたしまして、きめ細かなカウンセリング、セミナー、あるいは職業能力開発、職業紹介を行うなど、就職に向けた総合的な支援を行っていきたいというふうに考えております。
 また、専門相談におきましては、起業、創業等を含めて、いろいろな就業スタイルを目指す都民にも対応していく予定としてございます。
 また、事業の実施に当たりましては、若年者対策として、学校との協力関係を強化するなど、教育施策等と一層の連携を図ってまいりたいというふうに考えております。

○酒井委員 今回、しごとセンターでは、幅広い年齢層に対して就業支援といったものを行っていくとしておりますけれども、職を求めるすべての人が就業できるよう支援するといったことは、確かに大事なことであると思います。ただ、こういった画一的な支援だけではなくて、それぞれに必要とされるサービスを適切に提供していくことも重要ではないかと考えております。
 例えば、一家の大黒柱である中高年層の方--今、ちまたには、交通事故の年間の死亡者は毎年一万人を切っているという話がありますけれども、自殺者は三万人を超えてしまっている。その中には、中高年の方々、職を失った方々が思い悩んでということも一部に聞いているわけです。
 そういった中高年層の方や、また、失業率が極めて高い若年層に対しては、より手厚い就業支援といったものを行っていくべきと考えますが、所見をお伺いしたいと思います。

○安藤雇用就業推進担当部長 しごとセンターでは、ただいまお話がございましたように、雇用状況がより厳しい中高年求職者に対しまして、民間カウンセラーを重点的に配置するなど、早期に就職できるように支援を行ってまいります。
 また、若年求職者に対しましては、専用のフロアを設けて相談しやすい環境を整備しまして、就職指導を行っていく予定でございます。
 個々の求職者によりまして置かれている状況が異なりますので、カウンセリングを通して、求職者の悩みの解決に役立つようなアドバイスを行ってまいりたいというふうに思っております。

○酒井委員 ただいまの答弁によりまして、中高年層であるとか若年層に対しても、それぞれの実情に適応した対応をとっていただけるということで、ぜひ進めていっていただきたいと思います。
 最後に、この問題について、雇用・就業対策などを初めとする労働行政に取り組む局長の思いであるとか決意といったものをお伺いしたいと思います。

○有手産業労働局長 今お話がございましたように、東京の完全失業率は依然として五%を超えるなど、大変厳しい雇用情勢が続いております。
 この問題の難しさにつきましては、もうご案内だと思いますけれども、職種、業種のミスマッチだとか能力、経験のミスマッチだとか勤務条件のミスマッチ、年齢のミスマッチ、それから、若手の方に多いんですけれども、社風に合わない、これはやる気がないんじゃないかといわれる意欲のミスマッチとか、そういったミスマッチに対して、きっちりとしたきめ細かな対応が必要だということで、私どもは、今部長からも答弁いたしましたように、本年七月に、ワンストップでこういったさまざまな雇用のミスマッチを解消するために、しごとセンターを立ち上げるわけでございます。
 労働相談件数につきましても、年間五万件ということで、まだ高い水準にとどまっております。労働者を取り巻く環境につきましても、大変厳しいものがあると認識しております。これらに的確に対応するということは大変重要なことでありますし、また、私どもの局に課せられた使命でもございます。
 そこで、労働相談につきましても、確かに場所は少し動くかもしれませんけれども、機能としては、専門相談を補強して、さらに専門的な能力をアップした上で、労働相談にきっちり対応する。それから、インターネットで即、それぞれの労働相談をやっている現場からそれを一括して集約しまして、それに的確に対策を立てて取り組む。こういったことで機能の強化を図るということを考えています。
 いずれにしましても、都民の職に対するニーズは、命に次ぐぐらい大変だと思っていますので、真剣に取り組んでまいります。

○酒井委員 局長の決意をお伺いしましたので、ぜひ労働行政等について、真剣に取り組みを展開していっていただきたいと思います。
 続きまして、中小企業制度融資について何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 新年度の予算においては、中小企業制度融資を、融資メニューや金利設定の見直しによって、さらに利用しやすく再構築していくという方針でございますけれども、先ほどの田中委員の質問に対する答弁の中でも、一兆七千五百億円ですか、目標額を設定するといったお話もあったわけですが、具体的に、融資メニューであるとか金利設定の見直しによってさらに利用しやすく再構築をしていくということはどういうものなのか、お答えいただきたいと思います。

○鹿島金融担当部長 融資メニューにつきましては、二十八項目のメニューを十七項目に整理いたしまして、わかりやすく使いやすいものにしてまいります。例えば、創業関連融資では、現在、創業後一年未満と創業後一年から五年未満の二つに分かれているものを一本化いたします。
 次に、金利については、変動金利も選択できるようにするとともに、融資期間三年以内、五年以内、七年以内、十年以内の四段階を設定いたしまして、それぞれ期間リスクに合った金利を設定いたします。

○酒井委員 今回の再構築、ただいまご説明をいただいたような再構築を行っていった結果、現行の制度に比べて、中小企業にとってはどのように利用しやすいものになるのか、具体的にお答えいただきたいと思います。

○鹿島金融担当部長 融資メニューにつきましては、わかりやすく、利用目的に適した選択が容易になるほか、事業多角化、転換などのメニューにおきましては、審査会が必要であったものを省略することで、融資のスピードアップが図られます。
 また、金利設定につきましては、金融機関が融資期間によるリスクに見合った金利を得られることで融資しやすくなるとともに、事業者にとりましても必要な資金が確保しやすくなります。とりわけ短期の融資の場合には、従来にも増して低利での借り入れが可能となります。

○酒井委員 今、ご答弁の中に金利設定等のお話もあったわけですけれども、この中小企業制度融資については、都だけではなくて、区や市部においても同じような制度を導入しておりますけれども、私に入った情報なんですが、都内のある区における融資において、東京都の制度融資も担っている有名な都市銀行の担当者に、ある区の制度融資を依頼したところ、利子の上乗せを要求されたという情報がございます。具体的には、制度上一・七%の金利のものを、その担当者は三%にしてくれないかといった要求をされたそうで、結果としては、その中小企業の経営者がこれを拒否したところ、本来の一・七%で融資を受けることができたということです。
 このような事例といったものは、中小企業への資金流通を確保し、中小企業の資金調達の支援を図っていくという中小企業融資制度本来の目的を阻害するものでもあります。
 厳密にいえば、都の融資制度と区や市部における融資制度とはシステムが違うと思いますけれども、万が一、東京都の融資制度において同じような事例が起こり、苦情が寄せられるようなことがあった場合、東京都としてはどのような対応をとることになるのか、念のためお答えをいただきたいと思います。

○鹿島金融担当部長 東京都の制度融資におきましては、そのような事例は見受けられませんけれども、ご指摘のような事例が発生した場合、制度融資本来の目的を阻害するものと認識しております。そうしたことがないように、金融機関が制度融資を実行した場合、都は、日ごろから信用保証協会経由で金利の報告を受けております。
 万一、制度上の金利の上限を上回るようなことがありますれば、当該金融機関に対しまして、迅速な改善を求めてまいります。

○酒井委員 ただいまの前段からのご答弁によりまして、制度融資の再構築自体は、中小企業にとって大変利用しやすいものに構築されているということで、評価できると思います。ぜひともこの仕組みについて、うまく機能するように、運用面について十分配慮していただきたいと思いますし、先ほどの金利の上乗せ等の問題についても、東京都ではないということですけれども、ぜひそういった点についても、起こらないように監視の目を光らせていただきたいと思います。
 来年度においては、この制度融資を初めとして中小企業への金融支援強化のために、新たに金融部という部を設けられるとのことですけれども、この金融部が具体的にどのような機能を担うことになるのか、最後にお伺いして、質問を終わりにしたいと思います。

○島田総務部長 中小企業への円滑な資金供給が、東京の経済の活性化にとって不可欠でございます。来年度は金融部を設置し、金融施策をより一層推進してまいります。
 具体的には、制度融資の積極的展開やCLO等の債券発行を継続し、また、新たにベンチャーファンド、中小企業再生ファンドを創設いたします。これは、これまでおくれていました中小企業への直接金融による資金供給を推進するとともに、間接金融偏重の金融システムを抜本的に改革するものと考えております。これらにより、中小企業がその事業状況や金融情勢に応じて多様な資金を調達できる環境を整備するものであります。
 さらに、貸金業者に対する指導、監督もより一層強化してまいります。

○真鍋委員長 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。
   午後三時十六分休憩

   午後三時二十五分開議

○真鍋委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行します。
 発言を願います。

○前島委員 中小企業の競争力の向上の原動力であります産業科学技術の振興を踏まえて、産業活性化の将来について幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
 先ほどもお話がございましたけれども、都内の中小製造業は、かつてない厳しい環境の中に置かれていることはご案内のとおりであります。生産拠点の海外への移転や中国等製品の輸入増大というものが、製造業の空洞化の大きな問題をもたらしております。
 一方、長引く景気低迷により、倒産や廃業する企業が後を絶ちません。都内には、先ほどもご紹介がありましたけれども、すぐれた独自技術、技能を持つ中小製造業がたくさんありますが、取引の減少や受注減、さらには単価の切り下げ、短納期といった、何重もの苦しみの中で必死にもがいているといっても過言ではありません。
 全体として景気の明るさが見えてきたと報じられておりますけれども、仮に大企業に景気が戻ったとしても、中小企業にはなかなかこの影響は少ないというのが現状であります。
 しかし、こうした厳しい状況の中にありましても、多くの経営者は決して希望を失ってはおりません。歯を食いしばって頑張っていこう、こうした経営者がさらに意欲を高め、新たなチャレンジ精神を呼び起こしていけるように支えていくことが、今、特に強く都に求められていると思います。
 東京のものづくり産業がもともと持っている強さは、現場の高いノウハウや技術力、すなわち現場力にあると思います。生産ではなくて、開発、設計などあらゆる面で、目に見えない技能、ノウハウ、知的財産の蓄積にあります。こうした現場力を生かしていけば、東京のものづくりというものは決して恐れることはない、こういうふうに思います。
 そういう中で、例えば、私の地元でありますけれども、江戸川区にあります株式会社不二製作所、こういうところは、独立行政法人であります産業技術総合研究所と共同いたしまして、金型の技術を非常に高度化した研究を行って功を奏しております。また、葛飾区の北星鉛筆株式会社というところは、玉川大学と共同いたしまして、木の絵の具の研究開発を行っているという例もあります。今後、中小製造業にとって、こうした取り組みはますます重要になってくると思います。
 先般、大学管理本部は、東京都産業科学技術振興指針を策定し、発表いたしましたが、本指針は、産業振興に視点を置いた産業科学技術振興への取り組みをまとめたものであります。本指針における産業労働分野に関連する内容について、まずお伺いをいたします。

○乾産業政策部長 東京のものづくり産業が発展、成長していくためには、金型やメッキなどのものづくりの基盤となる技術ですとか、ナノテク、IT、バイオといいますように、将来の産業を支える先端技術まで幅広く技術力を高め、実用化していくことが重要でございます。
 産業労働局といたしましては、大学や研究機関などの技術シーズの実用化に向けまして、研究開発から製品化、販路開拓に至るまで一貫した支援を行いますとともに、産業界のニーズに対応いたしまして、産業科学技術を担う人材を育成するための施策などを実施してまいります。
 これらを通じまして、東京のものづくり産業において、生産性の向上、新製品の開発、新規マーケットの開拓などを促進することと、さらには新規創業の活発化を目指してまいります。

○前島委員 お話にもありました、産業振興に視点を置いての産業科学技術を振興するためには、技術や製品を市場がきちっと評価することが大切であります。そうした点で毎年行われております東京都ベンチャー技術大賞等は、中小企業の持つ現場力を結集した技術、製品をきちっと評価し、企画し、東京発元気企業へと成長していく上で大変に大きな力になっていると思います。
 しかし、中小製造業の中には、技術や技能があったとしても、経営資源が必ずしも豊富ではなく、企業単独で研究開発に取り組むことが非常に困難な企業がたくさんあります。そこで、大学や研究機関の技術、情報、経営資源を活用して、実用化に向けての研究開発に取り組む産学公連携が重要になると思います。都内でも、平成十四年度に、墨田区と早稲田大学が産学公に係る包括的な協定を結ぶなど、積極的な動きがあります。
 そこで、本指針に対する都の産学公連携の考え方について改めてお伺いします。

○乾産業政策部長 新規創業の活発化や技術開発力向上のためには、中小企業におきまして不足しております、経営資源を大学や研究機関が補完することは不可欠でございます。そのため、産学公連携は非常に重要と考えております。
 都立の大学や試験研究機関におきましては、都内の中小企業のニーズを的確に把握いたしまして、実用化を指向した共同研究開発を積極的に行っていくことが必要とされております。これらが持つ技術シーズと中小企業のニーズを効果的にマッチングさせる仕組みが欠かせないと考えております。
 さらに、独立行政法人化を控えました国立大学の動きに呼応いたしまして、都内にある大学や研究機関などとも連携した取り組みもあわせて重要であると考えております。

○前島委員 先ほども述べましたように、江戸川区や葛飾区の企業の例をとるまでもなく、まさに産学公連携の一例でありますけれども、大企業と比べて、中小企業等におきましては、まだまだそうした連携が十分とはいえない状況にあります。中小企業における産学公連携を進めるために、産業労働局としての具体的な取り組みについてお伺いをいたします。

○泉本商工施策担当部長 中小企業の産学公連携による製品開発などの活発化のためには、中小企業に対し、大学との共同製品開発の有効性や具体的手順をPRするとともに、大学とのマッチングを図るよう支援することが必要であります。このため、産業労働局といたしましては、大学の研究成果を中小企業に直接伝えるマッチングの場として技術交流会を開催するとともに、産業技術研究所に五人の産学公コーディネーターを配置し、企業の開発内容に適した大学の紹介、さらには契約の締結や特許の取得ができるよう支援に取り組んでいるところでございます。
 十五年度からは、製品の開発につながる大学の研究テーマを全国から募集し、大学と都内中小企業との研究開発に対し資金を助成する成長企業発掘支援事業を開始し、大変多くのご応募をいただいたところでございます。
 今後、産学共同開発の具体的な手順などを紹介するマニュアルを作成し、セミナーを開催するなど、中小企業の産学公連携の取り組みを積極的に支援してまいります。

○前島委員 次に、中小企業の経営にとって大事な一つの視点であります技能の継承の問題でありますが、中小製造業における作業の多くは熟練作業であり、技術向上のための人材育成というものが、仕事を通してどのように伝達するかというのが一つの主流になっております。
 しかし、近年、仕事量の減少と相まって転廃業が増加し、その技術や技能が失われ始めています。また、技術者や技能者の高齢化も深刻で、製造業の従業員の約四割が五十歳以上という現状にあります。
 このような中で、熟練工の秀でた技術、技能をいかに継承していくかは、東京の中小製造業の基盤を維持する上で大きな課題、問題となっております。
 こうした東京の中小企業の技能の継承というものに対して、産業労働局としての具体的な取り組みについてお伺いいたします。

○乾産業政策部長 技能の継承発展は、生産活動の基盤でございまして、我が国のものづくり産業の競争力の維持向上を図る上で極めて重要でございます。
 そのため、中小企業が直面するさまざまな技術的課題に対応できる技能を持った人材を育成し、技能継承を円滑にすることとしておりまして、具体的には、東京ものづくり名工塾の開催ですとか、産業技術研究所などによる各種技術セミナー、技術指導の実施に加えまして、東京版デュアルシステムやインターンシップによります就業訓練の実施など、教育庁などとも連携して進めていくこととしております。

○前島委員 東京ものづくり名工塾、まさにこうした技能というものを継承する、これから大きな働きになってくると思います。しかし、反面、近年では、若い人たちのいわゆる理科離れ傾向、こういうようなものが見られておりますけれども、これを食いとめるためにも、科学技術に親しめる環境づくりが大切になってくると思います。
 人は、身の回りのことで不思議なこと、わからないこと、そういうようなことがあると、それを知りたい、試したい、工夫をしよう、こういうような気持ちがわいてくるわけでございまして、好奇心こそ科学技術の発展の原動力になっているわけであります。
 よく百聞は一見にしかずといいますけれども、子どもたちがこうした理科に興味を持ち、そういうような姿、何よりもロボットなどの科学技術に直接触れることが極めて重要だと思っています。科学技術教育を充実させるために、産労局としても、教育庁と手を携えて積極的に取り組んでほしいと思うわけであります。
 本指針の中でも、産業科学技術を担う人材の育成について施策の方向性が示されていますけれども、次代を担う技術者、技能者の育成に向けてどのようにお考えになっているのか、お答え願いたいと思います。

○乾産業政策部長 早い段階から、ものづくりに親しむものづくり教育を通しまして、数学ですとか、理科や科学に対する興味を持たせることが大切であると考えております。そのため、民間企業や教育庁と連携いたしましたバイオテクノロジー体験教室の実施ですとか、大学や試験研究機関におけるイベント開催などによりまして、児童や生徒が先端技術などに触れられる機会をこれまで提供してまいりました。
 今後、先端技術にも対応できる高度な専門技術者や技能者の育成を目指しまして、産業技術研究所や平成十八年度に開設予定の産業技術の大学院などが相互に連携することによりまして、東京のものづくり産業を支える人材の育成を図っていくこととしております。

○前島委員 東京都産業科学技術振興指針を作成したのは大学管理本部でありますけれども、今後の取り組みにより成果を出していく上で最大のかぎを握るのは、産業の現場にかかわる産業労働局であります。
 最後に、産業科学技術の振興に向けての産業労働局長のお考えについてお聞きしたいと思います。

○有手産業労働局長 ものづくりの基本となる科学的能力が低下すれば、研究開発力や技術力の弱体化を招きまして、技術立国としての我が国の地位も危うくなる、こういうふうに認識しております。また、科学技術におきまして重視される創造力も、基礎的な教養があって初めて生まれるものだと考えております。そのために、科学技術教育、科学技術の振興は極めて重要な課題と認識しております。
 東京のものづくり産業の発展を図るためには、時代をリードする新技術や新製品の開発がかぎとなります。それを効果的に進めていくためには、中小企業の技術開発を直接支援するほか、産業界のニーズに即した産学公連携などの取り組みを進めていくことが大変重要でございます。
 本来、産業化を目指した研究開発は、民間企業、大学が中心となって取り組むべきものでございますけれども、これをスムーズに、かつスピーディーに進めるために、中小企業などの取り組みを段階に応じて後押しすることが、私どもの局としては重要でございます。そのため、局としましては、知的財産の戦略的活用支援や資金供給の促進などの条件整備を引き続き行っていくとともに、産業力強化会議の場などを活用いたしまして、関係局との連携強化を図ってまいります。
 東京のものづくり産業が世界をリードしていくため、産業労働局として、より一層積極的に産業科学技術振興に努めてまいります。

○前島委員 次に、いろいろと社会問題になっております悪質な貸金業者の状況についてお伺いをいたします。
 ヤミ金融問題というのは、平成十四年度に入り、特に深刻な社会問題となりまして、テレビや新聞等のマスコミで大きく取り上げられるようになりました。平成十五年六月には、大阪、八尾市において、警察の協力を得ながらも、ヤミ金融業者からの執拗な取り立て等によって、それを苦に被害者が自殺するという非常に悲惨な事件が発生し、このことが連日報道されるようになりました。
 こうしたヤミ金融問題に対処するために、ヤミ金融対策法というのが平成十五年七月二十五日に成立いたしました。本年一月一日に全面施行されたわけでありますけれども、都におきましては、昨年四月から、休日、夜間におきましても苦情相談の申し込みを受ける貸金被害受付ダイヤルを設置するとともに、十月一日からは貸金被害無料法律相談窓口を開設しました。十月二十九日、三十日の二日間、ヤミ金トラブル合同街頭相談会なども開催するなど、限られた人員や条件の中で積極的に対応されていることにつきまして、まず評価をするものでございます。
 そこで、最近の貸金業対策の実績、それから、都内の貸金業者の状況についてお答えをいただきたいと思います。

○鹿島金融担当部長 最近の貸金業対策の実績ですが、平成十四年度の行政処分数は百七十件でしたが、平成十五年度は、三月十八日までの状況で二百四十五件の行政処分を行い、積極的に悪質な貸金業者の排除に努めております。
 また、都内の貸金業者の状況ですが、平成十六年一月末現在で都内の登録業者数は六千四十七者であり、十四年度末の六千九百八十三者に比べ、九百三十六者減少しております。しかし、被害の内容を見ますと、カードで高額な商品を買わせ、購入額の二から三割で買い取るという買い取り屋や、他の業者を紹介するといって実質的な紹介はせずに、法外な紹介料や謝礼金を受け取る紹介屋など、手口は悪質かつ巧妙になっております。

○前島委員 今、お答えもいただきましたとおり、貸金業の一つのターゲットがかなり変化してきているわけでありまして、カード等による、商品を買わせたり、そのほか、要するに、いわゆる買い取り屋といわれるような、この債権そのもの自身がぐるぐる回っていくような紹介屋、こういうような悪質な点が目立っているわけであります。
 それを反映して、都も積極的に行政処分を実施しておりますけれども、昨年の全国の自己破産件数は、過去最高といわれておりますように約二十五万件を超しているわけであります。多重債務者も増加している状況にあります。登録業者数や相談件数などは若干減少しているとはいうものの、貸金業をめぐる多くの問題というのは、依然として深刻であります。
 いわゆるトイチといわれている新規登録業者の中には、全国的に誇大広告のダイレクトメールや折り込みチラシなどを使って勧誘し、違法金利を要求したり、強引な取り立てを行っている業者があります。こうした貸金業者への対応が重要であり、都以外の地域での営業を制限する、いわゆる営業地域の規制を国に強く要望すべきと考えておりますけれども、都の見解をお伺いいたしたいと思います。

○鹿島金融担当部長 貸金業者に関する苦情相談は、全国の被害者から寄せられておりまして、その八割以上は都外からでございます。
 これに対しまして、都は、被害の状況を確認した上で、業者に対し、違反事項の改善を指示しております。しかしながら、被害者と貸金業者が遠く離れているため、地元の警察に被害届を出しましても、捜査の困難性から解決がおくれるようなケースが多いと聞いております。
 ご指摘の営業地区の規制につきましては、悪質な貸金業者を排除する手段として有効であると考えます。したがいまして、ヤミ金融対策法が施行三年後に見直す予定とされておりますので、国への要望について関係機関と協議をしてまいります。

○前島委員 要望にとどめますが、弱い立場の都民の方々が、こうした貸金業のうまい、巧みな言葉や誇大広告等につられて、そうした道に入らないように、ぜひとも特段の都の対応というものを希望して、質問を終わります。

○池田委員 長引く不況、リストラで、雇用問題を初め賃金、労働条件など、勤労者を取り巻く状況は依然として厳しい状態であります。二〇〇二年、都内の完全失業率が五・四%、また、東京の高校、大学の新卒者に占める無業者、何もやっていない、こういう人は、高卒者の一三・九%、大学卒業者の二一%とふえているのが現状であります。
 東京都が実施した労働に関する世論調査によると、有職者、職を持っている方の六五%のうち、勤め人の三割はパートなどの非正社員で、正社員は六九・四%であります。仕事につきたいが、ついていない理由で最も多いのは、年齢制限など採用条件に合わないが四七%。仕事や職場で疲労や精神的ストレスを感じているは六二%。転職経験者は二人に一人。転職を考えたことがある、こういうふうに答えた人は三人に一人。これが東京都の実施した世論調査の結果であります。
 一方、都内の労働組合の組織率は、年々下がる傾向が続いています。平成十五年は二六・八%。こういう状況の中で、組合に未加盟の労働者がふえ、給料や退職金の未払いなど、さまざまな問題解決のため、東京都の積極的な労働対策が求められています。
 ところが、東京都は、第二次都庁改革プランで、現在七カ所ある労政事務所のうち新宿労政事務所を廃止し、四月から中央労政事務所を労働相談情報センターとし、五つの事務所に労働相談体制を再編しようとしています。
 そこで、私は、きょう、労政事務所、しごとセンター問題を中心に、都の労働行政、雇用対策について質問します。
 労政事務所は、労働者や使用者の間にあって、労働条件の改善、向上、勤労福祉の充実など労働問題全般の相談を初め、パートタイム労働、セクハラ防止、相談マニュアルの発行など、問題解決の活動を行っているものであります。労働者だけでなく、中小企業者や使用者にも利用され、労使にとって、ともに駆け込み寺としての役割を果たしています。当事者間での自主的な問題解決が困難な場合には、両者からの要請でベテランの職員によるあっせんなど、全国的にも貴重な役割を果たしています。
 そこでまず、今日の厳しい社会経済情勢の中で、労政事務所の果たしている本来の役割をどのように認識しておられるのか、伺います。

○高橋労働部長 労政事務所の果たしている役割でございますけれども、労政事務所は、豊かな勤労者生活の確保、労使関係の安定、そういうことを図るために、地方自治法に基づいて設置されたものでございます。
 主な業務といたしましては、最近ふえてきました労働相談に対応して、それに基づくあっせん、あるいは労働知識の普及啓発、あるいは労働にかかわる調査、そういうことで、厳しい雇用情勢の中ですので、その役割はますます重要になっていると認識しております。

○池田委員 当局は、我が党、大山議員の新宿労政事務所廃止反対などを求めた文書質問にどのように答えたか、お伺いします。

○高橋労働部長 文書質問では、今回の労政事務所の組織再編の理由としてで、労政事務所を新たに労働相談情報センターとして整備する。これは、各所に共通します事業あるいは庶務的業務を一本化して、効率化を図るということと、労働相談機能が非常に大事になっております。それを、専門性を高めて充実するという方向でお答えしております。

○池田委員 今の話と、新宿事務所は、労政事務所の地域上のバランスや環境上の問題等から廃止すると説明しているわけですね。いいですね。
 そこで、新宿労政事務所の所管区域、これは事業概要を私いただいてきました。この五ページにこういうふうに書かれています。管轄地域の特性。当所は、都区内の西部地区に位置する新宿、世田谷、渋谷、中野、杉並、練馬区の六区を管轄しており、都内二十三区の約三割の区域を担当している。二十三区の三〇%の地域を所管している。そして、管内の事業所数というのは十五万七千余り。そして、従業員数が百七十七万を超しております。ですから、事業所の数でいえば、二十三区部の二一・七%、従業者数では二〇・六%、約五分の一の人たちがこの新宿労政事務所の所管区域の中で仕事をされているわけであります。
 私は、こういう状態の中で、労働相談件数、あっせん件数の実績を見てみました。ここでも、新宿の労政事務所が、二十三区全体の相談件数の中で、どのぐらいの比率の相談件数を受けているかということを見てみました。平成十年度には一五%です。これが十四年度には二三%に伸びているわけであります。あっせん件数はどうか。平成十年度では、今いったように、全体の件数の二一%。これが平成十四年度では、あっせん件数全体の三七%をこの新宿の労政事務所が受けているわけであります。そういう状況がある。それを廃止する。こういうことが実際に今やられようとしているわけであります。
 これが、先ほどお答えいただいた労政事務所の再編、これは事業の効率化を図るとともに、労働相談機能を充実する、こういうことになるんでしょうか。そのことをまずお答えください。

○高橋労働部長 実は、中央労政事務所は以前は中央区の八丁堀にございました。そこから十四年に千代田区飯田橋へ移転してまいりました。新宿区とかなり近いところでありますけれども、そのことによって、新宿と飯田橋は至近の距離ということになりましたので、地域的バランスを考えて、一カ所に集めてスケールメリットを生かした方法で、いろいろな外国人の対応とか、いろいろな複雑な対応をワンストップでできるように、中央労政事務所の規模を拡大して、そのことによってサービスが向上できるというふうに考えております。
 それから、新宿労政について、私も行ってみたんですが、特に今、夜間相談が相当ふえてきておりまして、夜間相談、来所者も少しずつ--特に女性が多いんですけれども、新宿を見てみますと、七時以降になりますと、あそこの場合は、非常に女性が行きづらい環境にあるのかなと。昼はいいとしても、夜に行きますと、裏口といいますか、ハローワークと併設しているんですが、ハローワークが閉まってしまいますので、正面の入り口は使えないということで、横の入り口から入るということですが、非常にわかりにくいこともあって、暗いこともあって、一々職員が迎えに出ています。
 そういうことでありましたし、それから、近所の店もかなり早く閉まってしまって、ハローワークに来られる方々を何となくあてにしたといいますか、お客さん、いっぱいいらっしゃいますので、その辺から早く閉まる。あの通りは比較的暗いなというふうな印象を私は持っていまして、そういうことによって、女性の方が来づらいのか。
 事実、夜の女性の来所率は非常に低いんです。中央労政の場合ですと、夜の来所者は多いんですけれども、新宿労政に限っていえば、夜の来所者率が男性に比べて非常に低いというような、ちょっと特殊な現象も出ておりますので、そういうことも考えまして、効率化とバランスと、そういう環境を考えて、新宿労政を廃止ということに決めた次第であります。

○池田委員 今の主要なお話を聞いていて、環境問題が中心のようであります。私も先日行って、あそこの所長さんとも、いろいろ実情もお話ししたり何かしてまいりました。しかし、私は、そのことをいうならば、いろいろな環境問題はあるでしょう。しかし、そのことを理由にして行政が撤退するなどということは、いかにも情けないじゃないですか。何でそういう問題がわかっているんだったら解決しようとしないんですか。
 聞きました。あそこは、建物は東京都の建物です。下にハローワークが入っています。一階ですね。全体の建物は、国が東京都から借りているわけですね。それでハローワークが使っている。
 私は、今の理由というのは、全く当たらないといわざるを得ないと思います。私は先ほど申し上げたように、全体の管轄区域の特性というお話をしました。そして、そこの中の事業者やそこで働く人たちの状態、全体の二十三区内で占める役割からして、大変重要だ。しかも、相談件数とか、あっせんの中身も大変大きな役割を果たしている。
 こういうことを考えたときに、今の部長の答弁を聞いていて、これではいかにも東京都の、何というのかな、残念な姿勢じゃないですか。
 もう一ついいます。時間がたつといけませんから。
 実は、この間、立川の労政事務所、三鷹の労政事務所の統合。そして、さきには渋谷の廃止。こういうことを今回やってまいりました。私、見てみまして、例えば渋谷廃止のときにも、同じように、あの当時、東京都は、充実する、別に後退はしないんだということをいわれていたんです。ところが、調べてみましたら、渋谷が廃止されて、そして三鷹、立川の統合がやられて、この四年間で、例えばあっせん件数は、全体として千三百二十八件から千百七十五件。一九九九年には千三百二十八件。ところが、今度二〇〇二年には千百七十五件、こういうふうに下がっている。しかも、解決した件数も、同じように八百六十四件から七百九十件に下がっているんですね。
 こういうことや何かを見ると、今、部長さんはそういう答弁でしたけれども、実態としては、決していわれるようなことが本当の労政事務所の廃止の理由ではない。効率化というリストラ以外の何でもない、私はこういわざるを得ないというふうに思います。
 そこで、もう一つ聞きますけれども、労政事務所というのは、労働相談機能だけではなくて、調査活動、セミナーなど啓発活動をやっています。労働資料センターを中央労政から切り離してしまう、こういうことになるんじゃないですか。これはそういう流れになっているんですか。

○高橋労働部長 資料センターのお話の前に、先ほど新宿労政事務所の廃止理由として、ちょっと説明の仕方が悪かったのかもしれません。治安のことで、さきにお話ししました、中央労政と新宿は至近の距離にあるということで、余りにも近いところに二カ所となると、これは非効率であるということで、それは先に改めなければならない。中央労政が引っ越してきましたので。それが第一の理由でございます。それから、事務の効率化が二番目、あわせて治安の問題、その三つの理由がございますので、ご理解いただきたいと思います。
 それから、資料センターにつきましては、今シニアワークのあそこを使っていますけれども、場所も十分とれない状況ですので、今回はしごとセンターとして、あそこを大きく、雇用に対するワンストップサービスを充実しますので、より効率的に、効果的に利用できるスペースとして利用したい。
 なお、資料センターにつきましては、中野の方へちゃんと設定しまして、機能並びに利便性が落ちないように考慮してございます。

○池田委員 どうもはっきりしない語尾の答弁でしたけれども、結局、切り離してしまう。労政事務所の機能というのは低下することは明らかだ、こういうふうに思います。
 それで、現在の条例では、労政事務所は別表で定めています。しかし、出されている労政事務所の改正条例は別表がなくなっているんですね。そして、東京都労働相談情報センターの設置しか書かれていない。これはどういうことですか。

○高橋労働部長 今回の再編では、お話のとおり、労政事務所のより一層の一体化を図るということで、労働相談機能を強化するため、各労政事務所の組織的位置づけを変更いたしまして、一体化しました。これに伴いまして、条例の規定を変更したものでございます。

○池田委員 条例上でここで明確に書かれているのは、労政事務所を廃止、統合するなどという場合、条例事項ではなくなるわけですね。議会での議決が必要ではなくなる。こういうことじゃないんですか。その辺はどうなんでしょうか。

○高橋労働部長 各事務所については、お話のとおりになると思います。

○池田委員 ですから、議会のチェックも必要なくなってくる。議会で議決をしなくても、東京都が考えて、再編だということでやっていこうとすれば、それができるようになる。こういうことも私は大きな問題だと。議会でチェックできなくなるわけですから。そうじゃないんですか。どうでしょうか。

○高橋労働部長 条例改正案件としてのチェックは、上程はできないと思いますけれども、いろいろと委員会とか、その後の再編整備についてご説明申し上げますので、ご理解いただけるかなと思います。

○池田委員 民主主義というのは、形、形式、大事にするんです。議会というのは、条例を審議して、そして、そこで都民の立場に立って、この条例がどうかというのを我々議会としてチェックもできる。都民から託された大きな仕事なんです。
 ところが、そういう条例上、外しちゃえば、いい方は悪いけれども、そういうチェックも受けないで、そして、できるということになることははっきりしているじゃないですか。
 これ以上、そのことを追及しても--部長、いろいろ困難な立場に立たされているのかもわからない。しかし、今申し上げたようなことを、私は後ほど局長にも聞きたいというふうに思うけれども、やはり大事なポイントなんです。
 石原都政になって五年間、いろいろな施策の後退がやられてきている。私は、今度、労働行政を改めて見てみて、いろいろな面で感じます。これは後ほどまた話をしますけれども。
 そこで、東京都労働審議会が、「働き方の多様化と労働行政のあり方」という答申を平成十一年十月に出されました。そして、ここでは、労働行政の役割と方向ということでいわれています。部長さんに前もってお話をしておりましたので、私ばかりしゃべっていると余りよくないので、一九ページの労働行政の役割、五行目の目的云々というところがあります。この点について、部長さんはどういうふうに考えられますか。

○高橋労働部長 労働者の生活の安定、あるいはその向上のためには、能力を生かしつつ安心して働き続けられるよう、労働分野担当部長として、いろいろな施策を展開しなければならないと思っています。
 先ほどいいましたように、労政事務所もその一つでありまして、勤労者の生活の確保、労使関係の安定も入っていますけれども、そのほかにここでは、職業能力の開発とか、あるいは働きやすい労働環境を整える。そういう全般的なことをいっていますので、この趣旨に従って、十一年度答申を受けまして、改善するものは改善し、さらに、十五年度に答申を受けました雇用・就業対策審議会の新たな状況に対応して、これから労働行政の充実を図ってまいりたいと考えております。

○池田委員 私が一々解説するのはちょっと申しわけないと思うんですが、基本的な役割がここの中でうたわれているわけです。労働行政というのは、労働者の職業能力の開発を支援し、働きやすい労働環境を整えるとともに、労働法の定着や労使関係の安定を図るなどの役割を担っている。そして、労働行政がその役割を十分に果たすならば、企業経営の円滑と産業の振興をもたらし、ひいては社会の安定や経済の活性化に寄与するものである。こういうふうにいっています。
 そして、二四ページでは、これまた都の労政事務所が行う労働相談とあっせんにおいても、個別的労使紛争の件数が著しく増加するとともに、取り扱う内容が複雑化、深刻化している。また、法律や従来の基準だけでは解決が困難な紛争がふえており、労使の身近な相談相手としての労政事務所の果たすべき役割はますます増大していると書いてある。そういうことが書かれているわけです。
 私は、局長にお伺いしたい。今の質疑を聞いていて、労政事務所の役割、今日的な果たさなければならない東京都の労働行政の中心になっているのが労政事務所だと私は思っています。そういう点でどうですか。この役割と果たすべき東京都の責務、お答えください。

○有手産業労働局長 私どもは、昨年、雇用・就業対策審議会を開催いたしまして、一年間、各党の代表の方もそこに入っていただいて、今日の労働環境にどういう施策を東京都がやるべきかということをきっちりと研究し、そしてまた識者の意見も聞き、いろいろなデータを出して議論した。その成果としまして、今日の雇用状況の厳しさを考えると、ワンストップで、しごとセンターをつくって、そこでいろいろな問題を一括して処理していく、こういう体制を積極的に強化すべきである。時代とともに労働行政も変わるべきであると。
 私ども、こういうふうな受けとめ方をいたしまして、今回しごとセンターを立ち上げて、男女の雇用の格差の問題とか、そういう権利関係も含めますし、それから、職業能力の開発から就業支援から、産業の求める新しい労働者と申しますか社員、こういったものも、そこでは職業訓練という形でいろいろなツールをつくってやるということで、トータルで考える中で、労政事務所のあり方につきましても、今まで果たしてきた労政事務所の機能は後退させることなく、インターネットの発達した段階で、そしてまた、東京都内の交通機関が網の目のように張られた中で、戦後、昭和二十二年に発足した労政事務所をそのまま二十一世紀も守っていくということだけが正義なのか、正しいことなのか、こういったところまでぎりぎり議論いたしまして、今回の労政事務所につきましても、労働相談情報センターという新しい器に、新しい血と新しい精神を入れて労働行政をやっていきたいということでやっているわけでございます。
 条例のことが出ましたけれども、そういうことも含めて今回条例改正を出して、この委員会でもご審議いただいて、また本会議でもご審議いただく。そういう意味で、議会のチェックも十分やっていただいて、私どもも謙虚に、こういう場でいろいろな意見が出たことを踏まえて、労働行政が果たしてきた今までの役割が後退することなく、さらに、激変する時代環境の中で新しい労働行政を構築していくということでご理解いただきたいと思います。

○池田委員 局長、せっかくの答弁なんですけど、私はやはり、時代の変化の中で、それぞれの仕事、業務が変わっていくというのは当たり前の話です。二十世紀の古い話をそのまま持ち込んで、今まで牢固としているのを守るみたいな話を私どもしているんじゃないんです。今の時代、今日的な状況の中で、それぞれ行政需要というのは、求められる中身は変わってくるわけです。当然、これを改革していかなきゃいけないのは当たり前の話。
 しかし、こういう重要な問題について、少なくとも当局は、労働審議会--これは名前が変わって、今度、雇用審議会でしょうか。名前がちょっと変わりましたね。こういうところの審議会で出された方向に裏づけられたちゃんとした議論が行われて、そして労政事務所の再編、そして、そのことによって、都民の皆さん方に対するサービスや、その業務の充実がどう図られていくのか、そういうことも含めて、やはりやられるべきです。少なくとも、専門家だとか関係者だとか、そういうふうな方たちの意見も聞きながらやられていくというのが、私は当然だろうというふうに思います。
 ですから、さっきもちょっといいましたけれども、形式的なことではないんです。この条例上の問題というのは、私は、そういうことも含めて、十分これを考えていかなきゃいかぬ。ですから、私どもは、このようなやり方で新宿の労政事務所を廃止していくということは認めるわけにはいきません。
 時間が追ってますので、次に、東京都しごとセンターの問題について質問をしたいと思います。
 青年の雇用をめぐる厳しい状態というのは、経団連や日本商工会議所も、経済の成長性の低下、社会保障制度の破綻を招きかねない極めて重大な問題、こういうふうにいっているんです。これは議会局がまとめてくれた「若年失業の現状と対策」の中で紹介もされていたので、こういう問題は、若者の人たち、失業されている無業の人たちの個人の問題じゃなくて、社会的な問題だ、こういうふうにいっているわけですね。経団連や日本商工会議所も同じようなことをいっています。
 そして、「フリーター人口の長期予測とその経済的影響の試算」というレポートをUFJ総合研究所が発表しました。これは、概略、ちょっと説明していただけますか。「フリーター人口の長期予測とその経済的影響の試算」、ご紹介しておりましたから、持っているでしょう。ちょっと概略説明してください。

○安藤雇用就業推進担当部長 ただいまお話の調査は、ことし三月でございますが、UFJ総合研究所が発表したものでございます。ここでは、フリーターの将来予測と、フリーターによります経済的影響の試算をしてございます。
 新聞等でも報道されたところでございますが、フリーターの数につきましては、ピーク時、二〇一〇年のフリーター人口は四百七十六万人と想定しておりまして、二〇〇一年は四百十七万人でございます。
 この場合の計算の前提は、現在のパート、アルバイトの増加の率がそのまま推移する、あるいは失業率も現状の程度で移っていくというようなことを前提に置いた数字でございます。
 これによります経済的影響の試算といたしましては、二〇一〇年の時点で、名目のGDPを潜在的に一・九ポイント押し下げる。これは、平均的に所得の低いフリーターは、正社員に比べて個人消費への寄与度が低いためというような観点から分析をしておりますが、一方で、人件費を節約することによりまして企業活動が活発になって、それに伴う経済的な影響については別途考慮する必要があるというようなコメントもついているところでございます。

○池田委員 どうも説明ありがとうございました。
 これは、例えば住民税だとか所得税、もちろん、年金などの掛金にも大きな影響を与えていく。こういうことが調査の経済的影響の試算というので出されていました。これは大変なことだと思うんですね。そのことについての認識をまずお伺いしたいと思います。

○安藤雇用就業推進担当部長 このUFJ総研の分析にもありますとおり、フリーターの方々の年収というのは、やはり正社員と比べて低いということがございますので、それをそのまま税金等あるいは年金等の財源というふうに考えると、影響は少なからぬものがあろうかと存じますが、フリーターのピーク時で四百七十六万という数字につきましては、これはUFJ総研でございますが、一方で、厚生労働省等の試算によりますと、フリーターの数が約二百万人というような推計もございまして、多々数字があろうかと思います。
 どの程度、財政でありますとか社会保障制度等に影響を及ぼすのかというのは、まだしばらく研究が必要なのではないかというふうに考えております。

○池田委員 いろいろな数字があるようですけれども、私は、こういう社会的な問題として、若年の人たちの失業の問題、無業の問題、これは我々自身がしっかりととらえて、東京都は東京都としての立場から、いろいろな仕事、雇用、また就職の機会を広げていく、そういう努力が求められていくのは当然だろうというふうに思います。
 そこで、本会議の我が党、かち議員の質問に、知事は、求人ニーズは旺盛だが、雇用のミスマッチが主要で就職に結びつかない。こういうふうに、若年の失業者の問題、雇用問題を質問した、かち議員の質問に対する答弁をされていました。その根拠はどういうことなのでしょうか。

○安藤雇用就業推進担当部長 一般的に失業が発生する理由といたしましては、需要不足ということがございます。求人不足ということがございますが、もう一つは、構造的な失業と摩擦的な失業というふうにいわれておりますけれども、いわゆる雇用のミスマッチという現象、それから、労働力が地方からまた地方に移る場合の時間的なタイムラグによります失業というのがいろいろあるわけでございますが、国の分析等によりますと、現在の失業の四分の三は、構造的、平たくいいますと、雇用のミスマッチによるものではないかというふうに分析されております。
 翻って、私ども東京都地域を見ましても、有効求人倍率ないしは新規の求人倍率等は一を超えてございまして、ついせんだって発表になりました一月の東京都の有効求人倍率で申し上げますと、一・〇一倍になりました。これは十一年七カ月ぶりに一倍台というふうになったということでございまして、特に若年層の部分でいいますと、かなり前から一を超えている状況にございますので、私どもとしては求人需要があると。
 その中でも一〇%近い、今七%程度でございましょうか、そういう失業率があるのは、やはり背景として雇用のミスマッチがあるのではないか、こういうような観点から知事のご答弁になったものというふうに考えております。

○池田委員 確かに、一月の東京の新規求職者数というのが出されていて、求人倍率が一を超している、こういうふうに発表されました。この中身なんですけど、この中には、派遣労働者だとかパートの労働者の求人は入っているのでしょうか。入っていないで、正規の常用としてこういう数が出ているのでしょうか。

○安藤雇用就業推進担当部長 ただいま申し上げました一・〇一倍というのには、パート求人も含めたものでございます。これを除いて一般常用で見ますと、一までは届いておりませんが、調べましたところ、〇・九倍ということでございますので、ほぼ一倍ということでございまして、トレンドで見る限り、有効求人倍率は継続的に上昇しているというふうに考えてございます。

○池田委員 これは国の方、厚生労働省が、労働力需給のミスマッチの状況に関する調査結果というのを発表しました。これを見ると、求人側に、例えば専門的、技術的職業について、能力や経験を有する者が不足している、未充足になっているというようなことがあって、しかし、実際には、労働者派遣だとか業務請負、こういうものがかなりふえてきているといわれるのが実態なんじゃないんだろうか。
 一方、求職者側にしてみれば、中高年の年齢層というのは、募集年齢、先ほど申し上げたように、年齢に合わないとか、賃金面を条件として、求人に応募できないというようなことが出ているんですね。
 最終的に見ますと、求人の状況を見て、求職者を採用しなかった理由ということで、ここではこういうふうに書いてあるんです。求人事業所の求める能力と求職者が合わなかったためという理由が三七・一%。能力、経験を理由としたものが大半を占めている。特に専門的、技術的職業においては、経験を理由とする企業の割合は四六・一%、そして、能力を理由とする企業の割合は四五・一%。こういうふうに、要するに、求職者を採用しなかった理由の中にかなり厳しいものが出てきている。このことが現実なんだというふうに思うんです。
 私、いろいろな事例があるんだろうというふうに思うんですけれども、例えば、ハローワークへ行って、求人窓口に行って、インターネットで検索した。これは、二十万の給料を求めたいというので、二十五歳の方です。そして、製造業を求めて、週休二日、日曜日と祭日が休日指定と、いろいろな条件がある。
 ところが、社会保障を重視するという当たり前の条件を入れただけで、三十四件。検索で出てきた中で、ばさっと減っちゃうんですね。これは驚きなんですけれども。そして、残った件数の中で三十四件出てきて、社会保障を重視するといったら四件減った。三十件残った。三十件のうち、派遣が二件、契約が六件、日給月給が一件、そして、設計、ソフト開発など、数年以上の経験が必要だったり、英会話ができる、免許が必要というのが十九あったというんですね。
 こういう事例というのは、いろいろなところであると思うんですが、時間の関係で一つしかいえませんけれども、例えば、教職を求めた若い人の話も聞いてみましたけれども、やっぱり派遣とパートが多いんですね。ですから、そういう実態というのが、就職に結びついていないというのが状況だろうというふうに思うんです。
 今度、東京が夏に開設しようとするしごとセンターが、今条例でも出てきているわけですけれども、私は、しごとセンターがこうした状況を本当に打開する施策になるかどうか、これが大きな問題だろうというふうに考えます。
 そこで、時間の関係もあるので、端的に申し上げたいと思います。我が党はこれまでも繰り返し提案してきましたけれども、今日の失業や雇用状況を都民の立場で解決するには、都として、大企業の雇用抑制策、リストラだとかサービス残業などを規制する、こういうことと、職場で労働者が人間らしく働けるルールを確立する、雇用の拡大に努力するよう働きかけること、こういうことを私たちは提案してきました。
 そして、二つ目には、地場産業の活性化を支援するとか、高卒者採用企業への助成とか、住民要求の強い自治体のやるべきこととして、福祉だとか教育だとか防災などの分野での人手不足を解消し、雇用の拡大に努力しようじゃないか。
 三つ目には、失業者が安心して次の安定した職業につけるために、失業手当の給付の改善だとか、公共職業訓練の充実だとか、求職活動支援、そして失業対策の拡充、こういうことを私どもは提案してきました。
 私は、そこで伺いたいのですが、東京都は、雇用拡大、求人拡大で失業者の求職要求にこたえていく、そういう立場に立ってもらいたいというふうに思うんですが、その辺はどうでしょうか。

○安藤雇用就業推進担当部長 雇用の問題は、やはり産業の振興と裏腹といいますか、大変密接に関連があるというふうに考えております。本委員会でも、産業振興について活発にご意見をいただいておりますけれども、そうした産業振興とあわせて、私ども労働部門におきましても、このたび都独自の取り組みとして、しごとセンターを開所いたしますので、振興と労働対策とともに、両輪として都政の中で推進していくことによりまして、東京の雇用問題に少しでも明るい日が差すように頑張っていくのが使命かというふうに思います。
 また、大企業への要請の件でございますが、既に本会議でも申し述べたとおり、百にわたる業界団体、八万社にわたる会社を訪問いたしまして、雇用についてのお願いをしているところでございますので、こうした地道な活動も含めて、引き続き頑張っていく必要があるというふうに思っております。

○池田委員 東京都がしごとセンターを始める。そして、就業の支援をしていこう。それとのかかわり合いの中で、これまで職業紹介権、地方自治体として職業紹介ができるように、これを国に東京都はずっと求めてきたと思うんです。東京都の努力もあったり、国の労働対策の関係もあろうかというふうに思いますけれども、ことし、これが可能になったわけですね。
 私は、東京都が職業紹介権というのでしょうか、地方自治体として、東京都が直接職業紹介に乗り出していく。こういうことが大事だというふうに思うんです。そのために、国にちゃんとこのことを主張すべきだというふうに思うんですが、どうでしょうか。

○安藤雇用就業推進担当部長 お話のように、昨年、職業安定法の改正が行われまして、ことし三月から、地方自治体も職業安定行政に--職業紹介を行うことが可能になったわけでございますけれども、改正法では、国との二重行政を防ぐ観点から、地方公共団体の施策に付随して必要な場合に職業紹介ができるというふうになってございます。職業紹介そのものを行うために許可を得るということは、多分、法の趣旨からいうとできないというふうに考えております。
 そこで、東京都では、民間事業者を活用することによりまして、みずからは職業紹介権を取得しませんが、しごとセンターを行うことによりまして、雇用対策と産業を支える人材の確保という観点から、この安定法に示されている範囲にとらわれずに、幅広く雇用・就業の推進に取り組んでいく、こういうふうにしたものでございます。

○池田委員 今、職業安定法の三十三条の四項を説明されました。それを超えてやっていこうということだとすれば、ちゃんと職業紹介権というものをはっきりさせる。そして、しごとセンターでも、東京都は主体的に求人に責任を持っていくということをやるべきだ、こういうふうに私は思うんです。この辺はどうでしょうか。

○安藤雇用就業推進担当部長 この職業安定法の改正に伴いまして、国から改正の趣旨という説明がされておるわけでございますけれども、繰り返しになりますけれども、国と地方公共団体とが職業紹介の場面で二重行政になるというのは非効率でございますし、それを避ける観点から、地方公共団体がみずから行うのは、例えば、工業団地を造成し、そこに必要な人を職業紹介で手当てするというような、工業団地をつくり、産業振興を図るという施策に付随した形で職業紹介を行うんだと、こういうような説明がされておりまして、一般的に職業紹介をするために職業紹介権をとるということについては想定していないというふうに考えております。
 したがいまして、今回、私どもが幅広く雇用・就業対策を進めていく上には、私ども東京都が直接紹介権をとるということだと、どこかで限界が出る。それならば、民間の人材ビジネスも発達している折でございますので、こちらを使った方がより幅広く施策が展開できるのではないかということで、この道を選んだわけでございますので、ご理解をいただきたいというふうに存じます。

○池田委員 もう一言、この問題で触れたいと思うんですが、雇用対策法の第七章、雑則の中で、二十七条で、国と地方公共団体の連携ということが書いてあるんですね。国及び地方公共団体は、国の行う職業指導及び職業紹介の事業などと地方公共団体の講ずる雇用に関する施策が密接な関連のもとに円滑かつ効果的に実施されるように、相互に連絡し、及び協力するものである、こういうふうに書かれているんです。
 ぜひこういう立場で国の方に、東京都がせっかくしごとセンターでやろうとする、これを、本当に東京都が主体的に求人をやって、申し込んでくる方たちの紹介をもっと幅広くやれるように、私はぜひ努力してもらいたいというふうに思うんです。
 そして、これは労働行政の中で大事な問題で、本当は質問したいというふうに思っていたのですが、時間の問題もありますから、一言だけ、労働スクエア東京を廃止するということについて、私は、やはりこれは無理があるだろうと。ご存じのように、結構、中央付近の労働者だけじゃなくて、かなり幅広い地域から、労働スクエアの利用者はおられるんですね。例えば利用料金も、民間の中央会館でいえば、これはどこだろう、大ホールでしょうか。平日でも十五万円。土日、祭日などは十八万円。スクエアの約二倍だというんですね。そういうようなことも廃止するというようなことは、労働行政、労働者に対する福祉とかそういう面からでも後退であるというふうにいわざるを得ないと思うんです。
 それから、王子の職業専門校の問題でも、老朽化するとか、赤羽に統合するから影響はないとか、いろいろいわれていますけれども、これも、関係する人たちとのしっかりとした協議なり相談なり、要望を聞いた上で進めていくという姿勢がどうもないんですね。
 一方的に--地元中央区にも話をしていないようですし、まして、関連する利用者の皆さん方には話をしていないというようなことを私は聞きました。ぜひそういう点では、今後の東京都の労働行政、こういうものが本当に求められるという立場にしていってもらいたいということからも、特に申し上げておきたいというふうに思います。
 最後に意見を申し上げたいというふうに思うんですが、東京都は、第二次財政再建推進プランや第二次都庁改革プランで、現行の労働行政施策を雇用対策、就労対策にシフトするというふうにいってきました。そして、その柱にしているのはしごとセンターです。これは、全体をしごと財団に委託する。なおかつ、その仕事である紹介業務というのは、さらに民間企業に委託していく。こういうふうに、労働行政の見直しというのが、アクションプランや財政再建推進プランの路線の中で進められている。
 そしてまた、職業訓練についても、民間活用の推進とか、そのための技術専門校を再編するというようなことの流れがずっとつくり出されてきている。
 私は、こういう労働行政からの撤退路線は、どうしても今、今日的な厳しい経済状況や不況下の中で、労働者や勤労者の皆さん方の置かれている、そういう立場から、これは許されるものじゃないというふうにいわざるを得ないと思うんです。
 そういう意味で、今度の条例で廃止が出されている新宿の労政事務所の廃止についても反対であります。このことだけ申し上げて、終わります。

○三宅委員 産業労働局の組織改正について質問をいたしますが、その前に、前行政改革推進室長であり、現総務部長である島田部長に、産業労働局の現状についての所見をお聞きいたします。

○島田総務部長 石原知事が就任の際、我々都職員に厳しい指摘をされました。危機管理意識が希薄であること、それから、コスト意識、スピード意識が欠如している、不足しているという表現だったと思います。この間、そういったことを是正すべく改革に取り組んできているわけでありますが、私個人としては、まだまだ都民の方の視線から見て不十分である点が多々あるというふうに認識しております。
 今、産業労働局へ移っているわけでありますが、我が産業労働局は、厳しい社会経済、雇用状況の中で、その最前線に立っているというふうに考えております。中小企業の方々、商店街の方々、製造業の方々、農林水産業者の方々、多々、そういった都民とともに一緒に闘っているという意識といいますか、そういうものを持って仕事をしているというふうに感じております。
 そういう状況の中でご披露したいのは、ことしの年頭に当たりまして、我が産労局の局長の年頭の発言がございまして、産業労働局のサンにかけまして、三つお話になりました。三倍考えろ、それから、三倍動け、そして、三倍楽しめという言葉でありました。どのようにとらえるかというお考えもあるかと思うんですが、それだけ必死にやろうじゃないかということで、今、産業労働行政、盛り上がっているところでございます。
 今後とも、職員一人一人が産業労働行政の一翼を担うという意識を持って、仕事に全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。

○三宅委員 産業労働局の平成十六年度の予算案を見ますと、一般会計は二千八百四十億四千八百万円。うち人件費は百三十億四百七十九万円であり、一千七百人を超える職員を擁しております。今、島田部長のお話がございましたが、実に、職員一人一人が、まさしく行政サービスそのものを担う局であろうかというふうに思われます。そして、組織目的を達成するために、このたび、来年度に向け、局の組織改正を行い、新たな執行体制を構築するということであります。
 そこで、平成十六年度産業労働局組織改正がなぜ必要なのか、その目的及び特徴についてお聞かせください。

○島田総務部長 産業労働局の組織改正についてのお尋ねでございますが、産業構造の転換など、時代の変化を敏感にとらえまして、社会的要請に的確に対応していくため、これまでの成果を踏まえつつ、平成十六年度に向けて事業を抜本的に見直し、新たな金融施策の展開、雇用・就業施策の強化など、さまざまな新事業を積極的に創設しております。執行体制もこれに合わせまして、迅速かつ機動的に事業執行を行う組織へと再構築を行うものでございます。
 具体的な改正内容でございますが、まず、産業政策部は総務部に統合いたします。九十三名となります。産業政策部は、平成十三年度の設置以来、地域資源活用型プロジェクトなどを立ち上げるなど、総合的な産業政策について一定の成果を上げることができました。今後は、先ほど申しましたが、現場に密着した政策立案、事業推進を図る観点から、各部の政策立案機能を充実していきたいと考えております。
 次に、金融部でございます。人員四十六名でございますが、金融課及び貸金業対策室を商工部から独立させまして、金融部を設置いたします。制度融資の改善、CLO、CBOに加えまして、ベンチャー投資法人、中小企業再生ファンドを立ち上げまして、間接金融と直接金融のバランスのとれた、中小企業にとって多様な資金調達の道を開いてまいります。
 なお、商工部は、金融部を分離いたしまして百六名となりますが、戦略的な機能を高め、金融部、また観光部、農水部、横の連携を強くし、産業技術振興、創業支援、商店街振興等、さらなる事業推進を図っていくものでございます。
 次に、観光部でございますが、三十三名となります。観光まちづくり事業のさらなる推進を図るため、観光まちづくりに関する専管部署を設置いたしました。
 次に、農林水産部、百三十二名でございます。昨年来、BSE、コイヘルペス、今回また鳥インフルエンザと、新たな緊急課題の発生が出ております。さらに、トレーサビリティーなど、食の安全・安心に対する都民の関心が急速に高まってきております。これらに迅速、的確に対応するため、農林水産部に食料安全室を設置しております。
 最後に労働部でございますが、都民にわかりやすい、労働部から雇用就業部という名称に変更いたしまして、厳しい雇用情勢の中、一日も早く安定した職につきたいという都民の切実な要望にこたえ、しごとセンターを立ち上げるなど、雇用・就業施策の充実を図ってまいります。
 今後とも、社会情勢の変化を踏まえつつ、複雑、多様化する都民ニーズに十分こたえていくため、時代に合った最適な執行体制を構築し、全力で取り組んでまいります。

○三宅委員 かなりきめ細かく、ご答弁いただきました。全力で頑張っていただきたい。期待をいたします。
 そこで、今、名称変更が発表になりました、雇用就業部の所管する雇用・就業対策について伺います。
 この労働部改め雇用就業部の予算は、来年度ではどのように変わっていくのかをお聞きします。

○高橋労働部長 今回、議会に提案しております平成十六年度予算原案では、労働対策総額として二百二億四千万円を計上してございます。この中には、労働スクエアの廃止、八丈勤労福祉会館の移管など、既存事業を見直すことにより、十五年度と比較しますと、一億円、率にして〇・五%減少しております。
 その一方では、雇用・就業を推進するための就業推進関連では百二十八億七千万円と、労働対策全体の六三・六%を占めておりまして、前年度と比較しますと、七億三千万円、六・〇%増加してございます。この中には、七月に開設しますしごとセンターの事業費二十一億円や、アクティブシニア就業支援センターに対する助成、緊急地域雇用創出特別基金事業等が含まれてございます。

○三宅委員 今の予算をお聞きしますし、本日のいろいろな労働行政についての質疑から見ましても、私は、今回の名称変更並びに予算編成は、厳しい雇用関係において、みずからイノベーションを図ろう、そういう意欲が出ているものとして評価をいたします。
 しごとセンター、アクティブシニアの普及などは、本当に真剣に取り組もうとしているものであります。私も、もう四年前から、雇用・就業対策のワンストップ化を自分のホームページで訴えてまいりました。えらく時間がかかるものだな、こんな思いもしますし、その間、先ほど出ましたが、お国の方が地方自治体に雇用に対する権限を移譲しようという、そういった動きも、お国の方から出向された若い職員が真剣になって動いていたことを今、思い出すわけであります。
 特に高齢者の就業というのは、都民の生活に直接かかわる大事な大事な事業だろう、こう思っております。区市町村が地域に一番身近な行政サービスを行うわけでありますから、区市町村が主体的になって取り組む必要があると私は主張いたしておりましたが、アクティブシニア、私も地元の世田谷で設立を応援してまいりました。五十五歳以上の高齢者の雇用を目的とした、大変に期待すべき制度であると思います。
 そこで、アクティブシニアやシルバー人材センターなど、高齢者就業に関して、来年度はどのような施策の展開を考えているのか、お聞かせください。

○高橋労働部長 まず、お話のアクティブシニア事業につきましては、来年度、世田谷区など三区市における事業開始が既に確定しておりますが、さらに一つでも多く早く地域に展開できるよう、区市町村に一層働きかけてまいりたいと思っております。
 次に、シルバー人材センターについてでございますが、現在の都内における約二百八十万人の六十歳以上の方々に加えまして、あと三年から五年しますと、約六十三万人に上る団塊の世代が新たな定年を迎えますが、その多くが就業を希望しているというような状況調査の結果がございます。ご指摘のシルバー人材センターは、その大きな受け皿として重要な役割、機能を担うものと考えておりまして、このため、来年度から、商店街や学校など地域の団体等と連携しまして先進的なモデル事業に挑戦する場合、新たな補助金を創設すること等により、その役割、機能の一層の強化をすることといたしました。

○三宅委員 高齢者は活動範囲が広くありませんから、地域における就業の実現が重要であります。まだ三区市ということでありますから、早い時期に都内全域にアクティブシニアが設置されるよう、奮闘努力を期待いたします。
 ところで、先月二十四日、世田谷区にハローワークの下北沢ワークプラザというものが開設されました。国の機関でありますハローワーク、恐らく東京都に負けたくないというような思いもあったのでしょうか。盛んに世田谷区にアプローチをかけてまいりまして、こういったものができ上がったわけであります。これは、区の方の持ち出しはゼロでございますから、新区長さんも大歓迎といったところでございますが、こういった動きも、東京から国を動かす、変えるという石原都政の一つの成果として評価をするところではあります。
 さはさりながら、このハローワークも、四年前までは東京都の移管事務事業でありました。国に戻してしまった。雇用対策は国に任せきりにしない。教育や福祉と深い関係があるから、これは東京都という自治体が真剣に取り組むべきであると思っております。
 ただ、東京都が、今申し上げた身近な政府である区市町村と手を組んでやっていかなきゃいけないなと。東京都がいろいろやっている事業でありますが、ところが、区市町村の中でも、非常に熱心なところがある一方で、雇用・就業関係の部署も明確でないところがあったり、実際のところ、非常に温度差が大きいと聞いております。東京の自治体が総出で雇用・就業問題に対して取り組んでもらいたいと思います。
 そこで、しごとセンターは、区市町村と積極的に連携を図るべきだと思いますが、また、都は、雇用・就業に関する区市町村の意識を醸成して、みずから施策を始めるように促すべきと考えますが、見解を伺います。

○高橋労働部長 ご指摘がありましたように、雇用・就業対策におきましては、地域の実情に精通しております区市町村の果たすべき役割は非常に重要と認識しております。雇用対策法でも、地方公共団体は、国の施策と相まって、当該地域の実情に応じて、雇用に関する必要な施策を講ずるように努めなければならないとしております。
 しごとセンターの運営に当たりましても、区市町村と密接に、可能な限りの連携を図っていくとともに、各区市町村の主体的な取り組みを促進するための情報提供等も行ってまいります。

○三宅委員 ここで局長のご決意といきたいところですが、後でまとめてお願いいたします。
 次に、観光産業振興について質問いたします。
 東京都は、宿泊税を財源として、平成十四年度から観光振興に取り組んでまいりました。きょう、朝刊に記事が出ていまして、十七日、昨日開かれた観光まちづくり推進協議会でのお話が出ております。都内に百カ所、観光案内所だとか、いろいろ記事が出ております。
 そういった中で、これまでの施策展開によってどのような成果があったのか、お答えください。

○渡辺観光部長 都は、区市町村や民間事業者と連携いたしまして、この二年間、十四年からでございますけど、観光振興に取り組んでまいりました。
 その成果といたしまして、欧米に対してシティーセールスを行いまして、東京向けの旅行商品が六十七本、現在、開発されております。
 また、東京観光のウェブサイトを立ち上げまして、現在、国内外から毎月百万件を超えるアクセスがあるなど、東京の魅力を強力に発信しております。
 また、小笠原におきまして東京都版エコツーリズムを推進しているほか、区市町村が行う観光施設の整備を支援するなどの観光資源の開発に努めてまいりました。
 さらに、観光情報センターを都内三カ所に設置いたしまして、毎月七万人を超える利用者がございます。
 また、地元区市と百八十九カ所の観光案内標識を設置するとともに、民間の宿泊施設を延べ四十九カ所バリアフリー化するなど、受け入れ体制の整備を図ってまいりました。
 こうしたことによりまして、民間事業者には、国内外から旅行者を誘致しようという機運が高まっております。
 また、区市町村におきましては、観光を専門に所管する組織が増加するなど、さまざまな形で成果があらわれてきております。

○三宅委員 私の世田谷区におきましても観光振興への機運が高まってまいりまして、観光を専門に所管する組織を立ち上げようという動きがある事実を確認しているところであります。
 さらには、観光まちづくりということで、世田谷には等々力渓谷という延長約一キロメートルに及ぶ渓谷があります。この等々力渓谷は、都区内の唯一の渓谷として知られ、東京都文化財保護条例に基づきまして、東京都の指定名勝となっているところであります。
 こういった地域がまず主体となって、地域の魅力を高めるために観光まちづくりのあり方を検討して、東京都は都内全域に広めようとしている。そういった中で、なかなかそうはいいながら、先ほどもお話をしましたが、地元の自治体がこういった取り組みを単独で行うことは大変困難だと思いますが、東京都としても支援していく必要があると私は思いますが、どのような見解をお持ちでしょうか。

○小宮参事 等々力渓谷は、住む人や旅行者に潤いを与えるすばらしい観光資源であると認識しております。このため、都は、等々力渓谷を、区部で手軽に森林浴を楽しめる貴重な観光資源として、ウェブサイト「東京の観光」で広く紹介しております。
 渓谷周辺には、由緒ある等々力不動尊、魅力的な商店や喫茶店などがあり、地域が一体となって観光まちづくりを進めることにより、さらに観光客を呼び込み、地域経済の活性化を図ることが可能であります。
 都は、地元が一体となって取り組む観光まちづくりを広域的な立場から支援してまいります。

○三宅委員 よろしくお願いします。
 さて、産業労働局の十六年度の観光産業振興の予算を見ますと、十五年度予算額よりも約六億円少ない十九億円となっております。都の財政状況が厳しいことはわかりますが、大幅に予算が減少したかなと。こういった予算で、新聞の記事を見ますと、平成十八年には六百万人にするというような数値目標も掲げられているようでございますが、大丈夫だろうか。施策が後退していないんだろうか。ちょっとお聞きしたいと思います。

○渡辺観光部長 都の財政状況が厳しい中で、ウエルカムカードの作成事業や海外におけますシティープロモーション事業のように、過去の契約状況を勘案いたしますと、事業内容が維持できますことから経費を削減した事業、時限的な事業でございます伊豆諸島観光復興支援事業の終了等の理由によりまして施策の見直しを行いまして、予算額が減少しております。
 また、観光振興の主な財源でございます、宿泊税の税収見込み減が影響していることもございます。
 これらの事情で予算額は減少していますが、施策の充実を要する事業につきましては経費を重点的に配分するなど、これまで以上に観光振興が図られるよう、努力してまいります。

○三宅委員 それでは、重点的に充実が図られる事業はどのようなものでしょうか。

○渡辺観光部長 東京の地域経済の活性化を図るためには、東京の魅力をさらに高め、国内外からより多くの旅行者を呼び込む必要があります。こうしたことから、東京の魅力を高めるために、観光まちづくりを都内全域に展開していくため、シンポジウムの開催や各地域の牽引役となります人材を育成してまいります。
 また、東京の観光情報を世界に発信していくために、ウェブサイト「東京の観光」を従来の四言語から七言語に拡充するとともに、新たに、島しょ地域の観光振興を図るために、島しょ要望の強い、各島が一体となって行う観光ウェブサイトの構築を支援いたします。
 当局の予算のほかに、建設局、港湾局におきまして、河川、運河等の都市基盤施設を活用いたしました魅力的な観光資源の開発を行うこととしております。
 こうした取り組みによりまして、東京の観光産業振興をさらに展開してまいります。

○三宅委員 現在、三百万弱の観光客だということでございますが、倍増しなきゃいけません。どうぞ頑張ってください。
 次に、中小企業の金融についてお伺いいたします。
 いろいろお話が出ました。我が田中委員からの質問、それに対する局長の答弁、非常に心を打つやりとりだったというふうに思います。
 そこで私は、中小企業金融について、制度融資がある。制度融資が根幹でありながら、制度融資ではない資金調達の手段、CLO、CBO、そしてまたファンド、この二つの大きな流れがあるんだろうなと思います。
 まず、制度融資でございますが、見直しをしました。弾力的な金利の設定と預託金の減額、これが大きな見直しの二つのポイントだろうと思います。
 そこで、弾力的な金利の設定、これはいいんです。非常に評価します。ただ、心配なのは、弾力的な金利の設定が、何せ自分が残るためなら平気で貸し渋り、貸しはがし、こんな金融機関を相手に--まさしく新銀行の話も出ました。メガバンクを中心とする銀行協会、新銀行、絶対反対だと。こういったところにも預託して、協調融資ですから、やりとりをしながら金利を決めていくということだと思うんですね。この金利が金融機関主導で決められてしまうんじゃないかという、こんな心配がございます。これはどうでしょうか。

○鹿島金融担当部長 金利につきましては、セーフティーネットや創業など、一定の政策目的を持った融資につきましては、借入期間に応じた金利を設定するとともに、それぞれ金利の上限を定めます。例えばセーフティーネット対応融資では、三年以内一・四%、五年以内一・六%といたします。これらの金利は、本年二月現在の長期プライムレート一・六など、企業にとって最も有利な金利を基準として設定するものでございます。
 また、変動金利を導入いたしまして、選択の幅をより広げたメニューも制度化いたしました。それ以外のメニューにつきましては、金融機関所定金利となります。
 いずれの場合も、融資実行の翌月中に、金融機関から金利についての報告を徴します。そして、監視するとともに、問題があれば是正指導をしてまいります。

○三宅委員 了解するところでありますが、先ほど酒井副委員長からもあった、とにかく油断がならないということでありますから、金利の監視、指導、ぜひ厳しくやっていただきたいと思います。
 次に、預託金の減額であります。三百六十億円という大変な金額を引き揚げちゃったということですね。これは、昨年の第一回定例会において、我が党が、効率的な制度融資をしなさい、この預託金の仕組みも見直すべきではないかという提言をいたしました。これに沿っていただいたのではないかな、こんなふうには思いますが、預託金が減少となったという理由で、融資目標額、過去最大といっていますね、一兆七千五百億円。これに、達成することに影響することはないのでしょうか。どうでしょうか。

○鹿島金融担当部長 預託金は、金融機関の通常の貸出金利と、都が定めております政策金利との差を埋めるものでございます。今般、通常の貸出金利の算定の基礎となります金融機関の金利リスクや事務コストを縮減いたしまして、預託金を圧縮いたしました。金融機関の金利リスクにつきましては、これまでの長期、固定を見直すとともに、半年ごとに金利を見直すことで圧縮を図ったものでございます。
 これを踏まえ、金融機関との交渉を重ねつつ、来年度の融資目標額の達成に必要な預託金の額を算定しましたところ、結果的に預託金が三百六十億円の減少となりました。したがいまして、このことが融資目標額の達成に影響することはございません。

○三宅委員 はっきりございませんと、担当部長、いい切っていただきました。(「どうかな」と呼ぶ者あり)どうかなと先輩たちがいっておりますけれども、そうならないようにというところで、有手局長、お待たせをいたしました。全般的な、局長の産業労働局長としての決意をお聞かせいただいて、私の質問を終わります。

○有手産業労働局長 多岐にわたるご質問をいただきました。
 まず、雇用対策の関係でございますけれども、社会環境や既成の価値観、制度が大変大きく変化する中で、今日ほど新たな雇用・就業施策が求められる時代はないのではないかと思っております。日本の産業、雇用を維持してきた国の制度が制度疲労を起こしております。
 そして、厚生労働省にしましても、自分の権限は渡さないで、そして、区市町村なり都道府県に仕事をしろ、民間に仕事をしろということで変わっておりません。それから、金融庁にしても財務省にしても、そうやすやすと自分の既得の権限を放すわけじゃなくて、いろいろなことをやれという中で、国民が国際化、グローバル化の中で新しい取り組みをしなくちゃいけないのに、それについていけない日本のさまざまな制度のネックが、今如実にあらわれている。
 こういう中で、私ども産業労働局も、大変な状況の中で、都民、中小企業、就労者、そういった方たちの要望にこたえなくちゃいけないということで、国の対応を待っていてもできないものは、少しフライングがあったとしても、産業労働局はやってみよう。そして、都議会からのご支援があったら、なおやろう。もしご支援がなくて、行き過ぎだとかチェックがあったら、反省して素直に改めよう。そういうようなことで、今日の状況をフレキシブルにとらえて斬新な施策を打ち出して、都民、そして勤労者、一般の都民生活、産業生活、いろいろな問題あると思いますけれども、ことしは思い切った対策をとっていきたい、そういうふうに考えております。

○和田委員 私は二点お伺いいたします。地域資源活用型産業活性化プロジェクトと畜産支援対策、とりわけ「TOKYO X」に関係した二つのテーマについて、これから質疑をしたいと思います。
 地域資源活用型産業活性化プロジェクト、地活産プロジェクトと、長いので省略させていただきますけれども、これは昨年九月五日からスタートしまして、今年度に一応の構想とか計画とか、来年度はプロジェクトを実施していく。ことしは構想とか計画をまとめて、来年はそれをプロジェクトとして実施、支援していくというふうなスケジュールになっているというふうに聞いております。しかし、あくまでも構想とか計画でありまして、十六年度、これをどのように実行されようとしているのか。
 年度末になってまいりました。平成十五年度は一千万円、そして、平成十六年度は一千二百万円というふうに増額して、北、板橋を第一号としましたけれども、平成十六年度は第二号も想定されるやに聞いているとき、平成十六年度はどのような実行方を考えているのか、まずお伺いいたしたいと思います。

○志賀産業力強化担当部長 来年度は、今年度中に策定いたします構想に基づきまして、地域が中心となって推進組織を立ち上げまして、実行が可能なものから、順次個別のプロジェクトを展開していく予定でございます。
 個別プロジェクトの実施に当たりましては、中核企業が中心となって進めていく方式であるとか、協議会などをつくって進めていく方式など、個別プロジェクトの内容に応じたさまざまな展開方法について検討を加えております。

○和田委員 プロジェクト検討チームの概要では、学識経験者とか民間団体、さらには公設の試験研究機関、行政関係、これは都と区と、北、板橋も入るのでしょうか。そういうことを含めて、考えられる知恵を出し合えるような人々を集めて、北、板橋の健康、医療、福祉関連産業の活性化というテーマに向かって、七カ月、ほぼ半年にわたって検討された結果、十六年度から、今ご答弁いただいたような形になるだろうと思うんです。
 確かに構成メンバー、最高の方々を募られているわけでありますけれども、何といっても、北、板橋、板橋、北、両方の地場という問題もございます。したがって、地域の特色などを吸収する意味では、当然、担当の区民といいましょうか、行政といいましょうか、そういうところからの声の吸収などをする手法の開発といいましょうか、そういうことは必要なのではないかと思うんですが、どのようにお考えでしょうか。

○志賀産業力強化担当部長 構想の策定に当たりましては、検討チームの委員さんにとどまらずに、地元の企業、団体、大学等からのさまざまなご意見も聞いて検討してまいりました。個別プロジェクトの展開の中では、さらに、アイデアを公募して取り組んでいくようなことも視野に入れる予定でございます。

○和田委員 公募、すなわち一般区民といいましょうか、区民に限らず、もう少し幅広くなるかもしれませんけれども、今出ていらっしゃる学識経験者や民間団体、試験場、行政というようなことに限らず、普通の区民というか、住民の声も幅広く聞いていく一つの過程を経たいというふうに受けとめさせていただきましたので、確かに専門は専門なんですけれども、意外とアイデアというのは奇想天外なところから出てくるともいわれておりますから、幅広く、このプロジェクトの紹介も兼ねて、北、板橋の区報などを通じたりして、ぜひ展開していただければなと思うわけでございます。
 地域資源活用型となりますと、地域は、すなわち一つに限りませんけれども、北、板橋という地域だけに特定されていいものかどうなのかなと。ましてや企業などは横の連携もございますから、北、板橋の企業だけで、十六年度いろいろなプロジェクトなどを、ある意味では北、板橋の企業及びその集団で閉鎖的に進めていくのか、多少、外側の意見も入れながら、柔軟にその辺は対処されるのか、取り組みの姿勢についてお伺いいたしたいと思います。

○志賀産業力強化担当部長 こうしたプロジェクトでございますので、原則といたしましては、北、板橋区にある企業、人材の資源を中心としてプロジェクトを展開していくこととしております。
 ただし、個別のプロジェクトの内容によりましては、今お話もありましたように、他地域にある企業の資源の参加を得ることによりまして、さらによい結果を出せる場合もございますので、必要に応じまして区域外の参加も認めていく考えでございます。

○和田委員 プロジェクトを間もなく立ち上げて動かしていくわけですが、ここで、先ほど申し上げたとおり、昨年九月から、一応、計画、構想はできました。強いていえば、それは机上のプランニングだと思うんですけれども、十六年度からは、現場にそれをおろして実行して、成否といいますか、成功か失敗かというのは、具体的な係数で把握されるようになると思うんですけれども、そこで、ある程度現場におろす際には、もしもそのプロジェクトが成功した場合には、こういう特典といいましょうか、こういうものがありますよというものを付加して、成功付加をあらかじめ予想していただくような形で参加していただく。参加した上で討議する、作業していくということの方が成功の比率が上がるのではないかなと思います。
 何も学会で議論しているわけじゃありませんし、実効の上がる経済的な立ち上げのプロジェクトだと思いますので、常に、何か成果物があった場合に特典があるよというようなことを関係者が認識した上でスタートしていくことが大事だと思うんですが、その辺はいかがなのでしょうか。

○志賀産業力強化担当部長 製品開発を例にとりましても、例えば民間資金のみで開発するケースでありますとか、アイデアは民間であるけれども、公的資金の助成を受けて開発するケースなど、さまざまなものがあるというふうに考えてございます。
 そのため、各個別のプロジェクトの内容が固まった段階におきましては、プロジェクトの参加者が、開発費用、特許費用、販売費用等の経費の分担を初めとしまして、権利関係等についての協議をいたしまして、合意した上で進めるというルールを明確にしておこうというふうに考えてございます。

○和田委員 昨今、二百億の裁判結果が出たりして、知的所有権の問題でかまびすしくなっていますけれども、そういうことの憂いのないように、あらかじめスタート前に、権利関係といいましょうか、扱いなどについてスタートしていただく。今のご答弁で、先行きの不安を少しでも解消していった方がいいというふうに思いますものですから、そういう方向で進めていただきたいと思います。
 この問題の最後になりますが、平成十六年度から実際に進めていく上で、別な意味でのインセンティブになると思うんですけれども、例えば参加していただく方々に、公共施設資源、すなわち産技研ですとか老人総合研究所とか、北、板橋の中にありますけれども、そういうところを身近に使って具体的に施策をするとか、あるいは研究を続けていくとか、会議だけではなく、作業したり何かする場所の提供の問題。あるいは、人的に高資源の研究員も参加してもらう。特別にある部分だけ講師として来てもらうとか、実技をそこで教えてもらうとかあるわけでありますけれども、そういう意味での東京都側の協力といいましょうか、このプロジェクトに対するできる限りのインセンティブを与えていくというようなことは、どのようにお考えになっているのでしょうか。

○志賀産業力強化担当部長 先ほど来申し上げていますように、個別プロジェクトのやり方につきましては、さまざまなケースが考えられます。ご指摘の試作の場面であるとか、話し合いの場というようなものにつきましては、個別のプロジェクトの内容に応じまして、その参加者、具体的な進め方が見えてくる中で、必要に応じて検討していくこととしてございます。

○和田委員 前回の私の質問のときに、重要施策にこれを挙げられて、第一号が北、板橋、板橋、北のこの事業だったんですけれども、それを一年度で終わらずに続けてほしいというようなことを申し上げましたが、たまたま平成十六年度も継続というような形になったようでございまして、まさに初めに第一号の成功例が出ると、これから第二号を、平成十六年度、違う地域の方でも立ち上げるようでありますけれども、それが引き続いて加速度的に参加する自治体もふえてくるやに思いますから、一号やったから、もう手放して二号というんじゃなくて、一号も大事に育てながら、二号も大事に育てながら、成功事例を都民の前に示すことで、参加自治体をどんどんふやしていく。
 そして、それを、東京都内のですけれども、地方の産業の活性化につなげていくという、いい意味での好展開をしてほしいと思うものですから、これからもいろいろな意味で、関係者の要望にはこたえていただきたいということを申し上げて、この質問を終わりたいと思います。
 次に、畜産支援対策で、初めはインフルエンザ等の悪性伝染病などについてお伺いし、後は「TOKYO X」についてお伺いいたしたいと思うんです。
 今までずっと牛や豚については、恐ろしい病気ですけれども、口蹄疫ですとか豚コレラ、そういうふうなものが海外から来た場合には、家畜防疫互助基金ということで、これは国もかかわっているんですけれども、大きな産業の停滞にもなるということで、国も業者の方も、共同で基金をつくって対処してまいりました。
 ところが、鳥インフルエンザについては、しばらく前まではこれはなかったと聞いておりますし、この委員会で取り上げたコイヘルペスなども、もちろん全然その対象にはなっていないわけです。
 したがって、大動物とかそういうものについては、国も相当手厚くやっているんですけれども、小さくなればなるほど、どうぞご自由にというふうな話になりがちかなと思っているんですが、養鶏農家に対する基金制度は今どうなっているのでしょうか。

○菊地農林水産部長 養鶏農家向け基金制度についてですが、昨年十二月の日本養鶏協会の設立を機に、新たに、本協会を事業主体にしました鳥インフルエンザ生産者互助基金制度が設立されました。本病の発生によって鶏等を処分した場合には、制度加入者に交付金が支給されることになります。
 農家に対しましては、東京都のホームページや生産組合を通じての案内等により、本制度の周知を図っているところでございます。

○和田委員 十二月に一応できてはいるんですね。ただ、この前の山口と京都の養鶏家の方々は、ここに入っていませんでした。入っていなくて、結局、数多くの鳥が死んだわけでありますので、その補償の対象にはならなかった。
 たまたま家畜伝染予防法に基づいてそれらの手当金を見ますと、家畜伝染病の患畜、患者といいません。患畜は、最高額は評価額の三分の一が手当として出る。牛については最高は四十九万。ですから、最高に評価された牛でも、四十九万の三分の一しか出ない。豚の場合は三万五千円。それの三分の一しか出ない。鳥の場合には、実に八百円なんですね。結局、それの三分の一ですから、最高に評価された鳥でさえも八百円ですから、六百円しか評価されなければ、その三分の一ですから、二百円にしか評価されずに、手当金はそのとおりでとまってしまうということでありました。
 かつて、悲しい、みずからの命を云々という方も出たように、もとより国の方は、今申し上げたとおり、牛は四十九万、豚は三万五千とか、そういう評価を出して口蹄疫や豚コレラに対応して、できるだけ国がかりでこの手当てをしようというような風習であったわけでありますけれども、鳥などについては、価格も安いということもあるし、獣医の方も、鶏を診るという例は余り聞きません。牛や豚の獣医さんというのはよく聞きますけれども、鶏を診て商売にしているという獣医さんは余り聞かないように、鳥はどうしても軽んぜられてきた。そういうことから、今回のように、数万羽、一遍に罹患してしまう。また、それで、とうとい命を絶つというような悲しい例にさえなったというように思うんです。
 そんな中で、鳥インフルエンザを中心にして、初動的な対応をどういうふうに東京都は工夫して、牛や豚と比べて劣悪な環境にいる鳥に関して考えようとされているのか、お伺いいたしたいと思います。

○菊地農林水産部長 感染の拡大を防止するためには、早期発見、通報による迅速、的確な初動対応によってウイルスを封じ込め、滅することが大変重要でございます。また、養鶏農家等の理解と協力が不可欠でございます。
 特に昨年末の海外での発生直後からは、農家へ直接出向くなど、異常の有無を調査、確認するとともに、防疫対策や迅速な通報について指導、要請を行ってまいりました。
 また、京都での発生後の三月四日には、全庁的な鳥インフルエンザ対策会議を開催し、関係各局の連携により、都民及び学校等関係機関への周知や、また、鳥インフルエンザ一一〇番の開設などに取り組むとともに、都内発生時の初動防疫措置などについて検討を進めています。

○和田委員 次に、「TOKYO X」についてお伺いしたいと思うんです。
 「TOKYO X」というのは、我々議員になって初めて知ったんですけれども、東京都が平成二年から七年かけて開発した、新しい豚の種類だと。五代にわたってつくり上げた、東京ブランドだということを聞いております。
 その間の経緯とか、「TOKYO X」は、余り我々の耳に伝わってこない存在なんですけれども、「TOKYO X」がどういう独自の取り組みで今日市場化されているのかということについてお伺いいたしたいと思います。

○馬場参事 まず、開発の経緯でございますが、「TOKYO X」は、委員おっしゃるように、東京都畜産試験場が平成二年から七年かけて開発したものでございます。従来の早期育成、商品化、早くつくって、早く商品化するといった生産効率重視の畜産のあり方を見直し、まず、健康な豚を育成する。そのことが、肉のおいしさ、安全性につながる。こういった視点で開発してまいったものでございます。
 次に、安全性についてでございますが、普及に入りました平成九年度当初から、一頭ごとに耳に耳票をつけまして個体管理を行い、生産から販売に至るまで経路を明確にし、かつ、これら情報を公開することを前提に販売を開始しております。
 また、えさとなる飼料につきまして、遺伝子組みかえを行っていない飼料、さらには抗生物質を含まない飼料、さらには、収穫後、保存のための農薬を使わない飼料、こういったものを指定飼料として使用しております。

○和田委員 二月二十七日金曜日の十時から午後四時まで、「新鮮・元気いっぱい!東京農業フェア」というのを西口のイベントコーナーでやっていました。私、そこのところを通りかかったわけですけれども、そこにかわいい子豚が二頭おりまして、そのほかに、東京特産の野菜、それからウコッケイの卵とか、あるいは島しょから来たクサヤとかテングサなど、にぎやかに売っておりました。
 私、四時だというので、ぎりぎり駆け込んだのですけれども、しかし、これは一日で終わっているということなのですが、東京を宣伝するのに、東京の島からわざわざクサヤとかテングサを持ってくる方々なんかも入れると、一日で終わらせずに、複数日、これからは企画していただいて、超満員の盛況だったものですから、十時から四時、片づけがあるので四時までで終わってしまったようですけれども、せっかくの試みですから、東京がやる以上、三日とか、できればそれ以上、「新鮮・元気いっぱい!東京農業フェア」ということで、東京のよさを、都民の一番集まる西口の広場ですから、ぜひ続けていただきたい。そういうふうに改善していただきたいということを要望しておきます。
 それから、「TOKYO X」は、今お話のとおり、素性とか、そういうものをきちっと守るために、どうしても生産から流通までが制限されている。制限しながら、これを進めてきているわけですね。もともと成り立ってきているものは、北京の黒豚とバークシャーとデュロックという三種類の豚を五代にわたってかけ合わせてできた新しい豚の種類ということでございます。
 でありますから、それだけに、安かろうで売るんじゃなくて、品質をもとに、耳のタグなどをつけているわけでありますから、生産者がだれで、どういうふうな経路で来たというようなこと、今いわれているようなことも平成九年から先取りして、トレーサビリティーというんでしょうか、そんなことをやってきている。それから、遺伝子組みかえの飼料は食べさせないとか、そういうふうにきちっとした管理がなされている豚だけに、もっと都民に幅広く消費してもらいたいなと思うんですが、そのためにも増産対策がどうしても必要だろうと思うんです。
 これについては、いろいろな要望があると思うんですけれども、どういうふうな点に注意をされながら、今、増産体制を練り上げようとされているのでしょうか。

○馬場参事 「TOKYO X」は、生産農家の協力を得ながら増産に努めておりますが、生産農家がまだ少なく、加えて、高い飼育管理技術を必要とされていることから、需要に応じられていないのが現状でございます。
 都では、さらに生産体制を整えるため、関係機関と協力して、技術改良や生産農家への指導を一層強化するとともに、近隣五県と広域的な連携を図り、生産農家の確保に努めているところでございます。
 増産体制につきましては、まず生産農家をふやすこと、それから、畜産試験場等で飼っておりますもとの種豚、こういったものをさらにふやすこと、さらに、技術研修等を通じて、現在の質を維持しながら弱い点を改良していく、こういったことが必要ではないかと考えております。

○和田委員 今ご答弁いただいたとおり、極めて制約された形で、品質を確保するために制限されています。産地にしましても、青梅市、瑞穂町、八王子市、町田などの養豚農家十二戸にお願いして、組合をつくってこれを育成されているわけですね。それから、組合は、都以外で五県十戸、ですね、その方々との間で飼育方法や販売方法についての協定を結んで、そのとおりに従って「TOKYO X」を飼育してもらっているということですから、だれでも育てたい人にお願いするというわけにいかないという点が一つの障害になると同時に、それが売り物になってきていると思います。
 私どもが調べた範囲では、平成十五年四月、去年時点では百八十五店舗がこの肉を売っている。売っているときには、「TOKYO X」という、商品の前に、特別な肉ですよといいながら売っていると聞いておりますから、そういう意味でも、もっと幅広く量産ができて、多少高くなってはいますけれども、高い肉であっても、十二分に味覚にたえ得るものだということでありますから、もっと東京都は、先ほどの農業フェアじゃありませんけれども、幅広くPRをお願いしたいと思うんです。
 この問題の最後の質問になりますが、ことし十月いっぱいで家畜排泄物法の猶予期間が終わってしまいまして、経過措置が終わって、十一月一日から家畜の排せつ物の処理が機能化されてきます。動いてきます。そうなってきたときに--「TOKYO X」の開発のところからきちっと管理していますし、耳のタグの問題、それから飼料の問題も含め、きちっと東京都は、東京都なりの姿勢で、豚の生産から消費まで一つのルートに乗せているわけですけれども、家畜排泄物法というのが十一月一日から動いてきます。
 そうすると、豚の排せつ物も当然これに係るわけでございますけれども、先進的な農家でこれをやっている以上、排せつ物についても、環境対策として、何かそれなりの対応を今からしておく必要があるんじゃないかなと思うものですが、それについてはいかがお考えでしょうか。

○馬場参事 家畜の排せつ物は、一面で、資源リサイクルという面から非常に有用でございます。また一面で、環境対策という意味から地下水の汚染等の心配がございます。東京都では、こういったことを解決するために、また法律の施行をにらみながら、東京都単独事業で環境対策を実施してきております。
 現在、畜産環境対策につきましては、都内畜産農家の約七割がその整備を完了しております。「TOKYO X」の農家につきましては、平成十六年度中には整備をすべて完了する予定でございます。
 また、残りの三割につきましては、簡易的な方法をとるなどして対応してまいりたい、こういうふうに考えております。

○和田委員 家畜の排せつ物の法律では、施行規則では細かなことが書いてあります。固形物の家畜排せつ物の管理施設は、床を不浸透性材料、コンクリート等の汚水が浸透しないもので築造し、適当な覆い及び側壁を設けることとか、液状の家畜排せつ物の管理施設は、不浸透性の材料で築造した貯留槽をつくれというようなことで、きちっと細かく書いているんです。
 ただ、そこで、この規定に沿うものは、牛及び馬にあっては十頭未満、豚にあっては百頭未満、鶏にあっては二千羽未満の畜産業を営む者については適用しないとなっちゃって、小さな小型の業者さんはいいですよと、こういうふうに規則はいっているんですね。
 これは、鶏の二千羽が多いかどうか、牛、馬の十頭未満が多いかどうかは別にしまして、あれだけ大きなタイプの生き物から出てくる排せつ物でありますから、当然これは、規則では見逃しているところでも、東京都はそこも含め、先ほどご答弁があったけれども、汚水の問題とか環境の問題、あるいは場合によっては疫病の媒介にもなるわけですから、そこのところは、法律とは異なって、きちっと指導して、小さな家畜業者の方にも、今申し上げたような施行規則にのっとった整備を強くお願いしたい。
 それと同時に、今、バイオマスとかバイオトイレという時代でもございますし、水がなくなってきているときに、一々水で処理をせずに、おがくずだとか、そういうことで処理するバイオトイレなども今注目されておりますし、バイオマスのも出てきておりますから、そういうことで、ぜひ今日的な対処の仕方を、動物の排せつ物にはお願いいたしたいと思います。
 なお、最後になってしまうのですが、委員長及び理事者の方々に、ぜひ「TOKYO X」の試食などをご検討いただければ大変ありがたいかなと。東京都の宣伝も含めて、できればなと思うものですから、そのことを要望して質問を終わります。

○真鍋委員長 前向きに検討します。

○丸茂委員 最初に、中小企業対策についてお伺いをいたします。
 まず、東京の中小企業を取り巻く経済、あるいは景気の動向についてお伺いしたいと思うんです。一般的には、先ほども議論されておりましたけれども、景気は明るい兆しが見えてきたといわれますけれども、私どもに寄せられる中小企業の方々は、大企業は史上空前の利益を上げて、そうした見方がいえるかもしれないけれども、中小企業にとっては、まだ先が見えない。厳しい方は、暗やみの中だと、こういう声が寄せられております。
 そこでまず、東京の中小企業を取り巻く経済環境、景気動向についてどうとらえているのか、お伺いをいたします。

○乾産業政策部長 景気判断でございますけれども、国は、先ごろ発表いたしました三月の月例経済報告におきまして、設備投資と輸出に支えられ、景気は着実な回復を続けているとの判断を示しております。
 しかしながら、都内の経済に関しましては、全国と状況が少し違っていると認識いたしております。例えば住宅建設投資の平均でございますけれども、これはかなり好調を維持しておりますが、一方、個人消費の関連によりますと、直近では、なおマイナスで、不調でございます。さらに、最近の工業生産動向は引き続き一進一退の状況にございまして、大企業などの好調な設備投資が東京の産業の生産活動に波及するまでには至っていないと見ております。
 また、私どもが毎月実施しております都内中小企業の景況調査、DIでございますけれども、業況は、二月に比べまして、三月では若干改善いたしましたけれども、なおマイナス、水面下の水準でございます。都内の中小企業に確かな景気回復の実感が得られるまで、なお時間がかかるものと考えております。

○丸茂委員 都内中小企業は、依然として厳しい状況にあるということが今の答弁からもわかったわけですけれども、私ども、実際まちを歩きますと、これまで経験したことのない未曾有の長期不況、それから、親企業、大手企業の厳しいコスト削減、あるいは海外との価格競争、こういう厳しい状況のもとで、東京のものづくりについては大変悪戦苦闘しているというのが実情です。
 そうした中にあって、これまでのように、下請企業の多い大田区などでも、待ちの姿勢ではだめだと。やはりもっと積極的に打って出る必要がある。そういう認識が少しずつ広がっている状況を私ども受けとめております。
 そこで、この現状をどう打開していくのかが今大変重要になっていると思いますし、その点では、中小企業の方々自身が、日本の産業を支えているのは中小企業だ、そういう自負と、また技術、技能、そういうものを本当に生かしてこそ産業の活性化につながっていくという大きな動きも生まれております。
 そういう点では、東京のものづくり、中小企業の持っている技術あるいは人間がこれまでずっと蓄積してきた技能、そういうものを総掘り起こしをして、新たな付加価値を生み出す、そういう取り組みが今大事になっていると考えております。
 その一つとして、私自身が改めて考えさせられたのは、展示会だとか産業交流展、従来取り組んできたけれども、今の時点でもう一度見直す必要があるな、その成果をもう一度つかむ必要があるなということを感じました。東京都自身も産業交流展に取り組んでおりますが、区市町村も独自に工業展あるいは産業展など取り組んでおります。
 昨年、大田区では、任意の中小企業団体が自費で展示会を持ちまして、五十一の企業、団体が参加して、これまで展示会というと、製品を中心として開かれておりますけれども、自社でつくっている部品でも構わないという形で、それぞれ持ち寄ってきたところ、今まで自分では当たり前の技術、製品と思っていたものが、おのおの交流してみますと、大変すぐれた技術であった、あるいは技術力を持った品物をつくっているということをお互いに認識させられたと。そして、この展示会が小規模であっても、仕事に結びついた、引き合いがあったという、そういう経験も生まれております。
 さらに、この展示会、子どもから家族まで参加したという点で大変喜んでおりましたけれども、次回は、参加者を組織内にとどめず、二倍の参加に広げたいという形で、取り組んだ方々は確信を深めております。
 取り組むに当たっては、当初、展示会などをやっても仕事に結びつかない、あるいは自分の仕事は人に見せるようなものではないという消極的な空気であったそうでありますけれども、実際に苦労して取り組んでみれば、先ほど申し上げたいろいろな新しい芽を生み出しているということで、取り組んだ人たち自身が確信を持ったということであります。
 そういう点で、中小企業が取り組むこうした小規模な展示会から、区市町村が行う産業展、そういうものに助成なりあるいは後援なり、東京都として支援を行う必要が改めてあるのではないかという点でお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○市原商工部長 都内の中小企業の技術開発におきまして、展示会への出展や参加などは、最近の技術動向の情報収集や販路拡大の貴重な機会といたしまして、重要な役割を果たしております。このため、東京都といたしましては、産業交流展の開催や中小企業の展示会への出展経費の助成などの支援を行っております。
 区市町村や団体が開催いたします展示会に対する新たな助成施策につきましては、現在のところ、考えておりません。

○丸茂委員 東京都自身も産業交流展に取り組んでいるわけですけれども、大田区で先日行った工業フェアの展示会等では、先ほど申しましたように、これまで製品展示が多かったけれども、今回は部品展示がふえたという特徴が生まれております。そして、なおかつ、その工業フェアに振興公社からも職員の方が見えまして、振興公社は、ご存じのとおり、受発注の仕事も取り組んでおりますけれども、現実にでき上がった製品あるいは部品、一つ一つ見ることによって、改めて現物に触れることによって、新しい目が開けたという感想を漏らされたそうであります。
 そういう点では、積極的なこういう展示会というのを、今まで取り組んできたから、それをただ続ける、あるいは成功させればいいというのではなくて、もう一度、その果たしている役割--そして、なるべく自主的にさらに参加がふえる、そして機会もふえるという形で積極的な支援策が必要だという点で、これは産業交流展等でも、そういう区市町村の段階でぜひ出たいという相談があれば、グループの範囲でもそういう出展ができるように、ぜひご努力をお願いしたいという要望にとどめます。
 そして、先ほど和田委員も取り上げた都の地域資源活用型の事業推進ですけれども、この事業は、都の研究機関を初めとして、地域に蓄積されたさまざまな財産、大学から企業の持っているさまざまな技術、そういう点では、産学公の連携事業として地域の資源を総掘り起こしするという点では、これも中小企業の活性化を図るという点で大変大事になっているというふうに思います。各区市町村においても、それぞれ特徴のある産業あるいは試験研究機関を含めて、すぐれた財産を持っているわけですから、そういう施策は大いに進めていただきたい。
 第一号として取り組んだ北区と板橋区のプロジェクト構想が三月中にはまとまるということですけれども、構想の発表はいつなのか。そして、来年度もこの事業を引き続き継続して取り組むということですけれども、現時点で、既に手を挙げて、これに参加するというところがあるのかどうか、その点、お伺いしておきたいと思います。

○志賀産業力強化担当部長 今年度の北、板橋地域におきますプロジェクト構想につきましては、昨年九月に設置いたしました検討チームによる検討内容を踏まえまして、本年度末を目途に今まとめているところでございます。
 来年度につきましては、当然、北、板橋地区の我々の支援もございますけれども、現在、各区市町村からの提案を募集しているところでございます。

○丸茂委員 ぜひ積極的な取り組みをお願いしたいというふうに思います。
 それから、ナノテクセンターについてもお伺いしておきたいと思うんですが、私は、ナノテク産業は、今後、二十一世紀に、東京の産業にとっても非常に重要な課題だという点で本会議等でも取り上げてきましたけれども、予算の局要求では組まれていたのですけれども、結局、財務の査定で削られてしまった状況にあります。
 そして、今、全国的にもナノテクの取り組みが始まっておりますし、実際に都内でも中小企業の方が事業に踏み出している。こういう状況の中では、特に大田区を中心とした城南地域にナノテクセンターをぜひつくってほしいという要望も大変強まっている中で、産業労働局として今後どういう対応が考えられるのか、その点についてお伺いをいたします。

○野口産業政策調整担当部長 ナノテクノロジーは、応用範囲が広く、産業の米ともいわれております。波及効果の高い科学技術分野でございます。
 東京には、おっしゃるとおり、城南地区を初めといたしまして、高度な技術力を持った中小企業が数多く存在しておりますが、ナノテクノロジーセンターにおける、大学や研究機関の研究成果をこうした意欲ある技術力を持った中小企業の技術革新に結びつけ、東京の産業の活性化を図ってまいるという考えでございます。

○丸茂委員 ぜひ具体的に産業労働局が産業に結びつけるという点では、やはり中心的に力を入れていただく、そういう課題だというふうに思います。
 次に、大田区では、都の工業活性化支援事業、一九九六年から取り組んで、五年間という期限で終了しておりますけれども、終了後四年目に当たりますけれども、来年度も、活性化事業を契機に、新製品・新技術開発支援事業という形で継続的に取り組んでおります。来年度は、前年度に比べて二〇%増の支援を決めております。さらには、産業基盤を強化するという形で、工場団地等、新たな取り組みにも足を踏み出しております。
 そういう中にあって、本会議等でも要求しましたけれども、新たな工業集積地域活性化支援事業、先ほど配られた資料でも、都の事業は十六年度いっぱいで終了するという状況にあるわけですから、これを引き続き新しい形で早急に立ち上げるよう、そういうことを改めて求めるものですけれども、決意を含めて答弁をいただきたいと思います。

○市原商工部長 工業集積地域活性化支援事業につきましては、平成十六年度で終了することとなっております。事業の成果の検証がこれから必要になるかと考えております。
 ものづくり産業の新しい集積施策につきましては、産業構造の変化等を踏まえまして、中小企業振興対策審議会に諮問いたしまして、現在、幅広く検討を行っているところでございます。

○丸茂委員 ぜひそういう成果も踏まえて、新たな工業活性化支援事業が芽を出すよう、強く求めておきたいと思います。
 次に、高病原性鳥インフルエンザについてもお伺いをいたします。
 この問題は、新たな感染も確認されて、国内ではカラスへの感染も確認がされております。特に京都では、養鶏農家の発生の届け出がおくれたために、二十三府県にまで広がる事態に発展しております。この問題は、感染をいかに早く封じ込めるかが大変大事でありまして、初期の対応がますます重要になっております。
 そういう中にあって、養鶏農家からの要望も含め、徹底した感染予防と対策、また風評対策も大事だと思いますので、この際、お伺いをいたしたいと思います。
 そこでまず、先ほども報告がありました、東京都が都民の要望に沿って、十一日に鳥インフルエンザ一一〇番を設けましたけれども、これまで寄せられた相談の件数、相談内容についてはもう少し詳しく、主なものを示していただきたいと思います。

○馬場参事 冒頭の報告と重複いたしますが、鳥インフルエンザ一一〇番への相談は、三月十一日夕方から本日十八日午前九時まで、おおむね七日間でございますが、九百六十九件でございました。
 内容につきましては、まず安全という意味から、鶏の肉を食べても大丈夫か、また卵を食べても大丈夫か、こういった相談がございました。
 また、野鳥という観点から、スズメ、ハト、カラス等が死んでいたが、どう処理すればいいのか。また、野鳥が庭に来るが大丈夫かとか、また、カラスとかハトのふんは安全か、こういった相談がございました。
 最後に、ペット等に関係する質問でございますが、学校での鳥の飼育について注意点は何か、また、犬とか猫にこの病気は感染しないか、こういった相談が多かったようでございます。

○丸茂委員 都民の関心の広さが今のご報告でもわかると思うんですが、この鳥インフルエンザへの対応を第一線で行っているのが、私は家畜保健衛生所だと認識しております。この家畜保健衛生所での検査や、あるいは農家指導を担当している職員の人数はどうなっているのか、お伺いいたします。

○馬場参事 家畜保健衛生所の職員は総数で三十四名でございます。うち本病に関する農家への指導や検査に当たる獣医師職及び畜産職は合計二十一名でありまして、このうち五名が検査を担当しております。
 また、農家指導などは、農業改良普及センターとも協力して実施しております。

○丸茂委員 この家畜保健衛生所の事業概要等で見ますと、養鶏農家の所在地が、檜原村から奥多摩町などの西多摩地域で、採卵鶏農家で二十四戸、町田市など南多摩で二十七戸等、幅広く存在しているというのを改めて認識したわけですけれども、家畜保健衛生所から指導に行くのに、一番遠い養鶏農家まで時間的にどのくらいかかっているのか、その点、お伺いいたします。

○馬場参事 家畜保健衛生所は現在立川にございます。千羽以上を飼っている養鶏農家ということに限定いたしますと、この立川の家畜保健衛生所から一番遠いところは、町田市の養鶏農家に出向くのが一番遠うございます。自動車で片道一時間半かかります。

○丸茂委員 片道一時間半ですから、往復ですと三時間ということですね。そういう点では、家畜保健衛生所については、以前は三カ所あったものを統合して、現在、立川の一カ所になっているというのが現状だと思います。
 一カ所に統合したことが、効率的な対応の点では妨げになっていないか、そんなことを感ずるわけですけれども、統合前の設置場所とその人数はどうだったのか、この際お伺いいたします。

○菊地農林水産部長 家畜保健衛生所は、昭和二十五年の家畜保健衛生所法の制定に伴い、昭和二十七年に、三カ所の家畜保健指導所を統合し、より充実した施設を持つ本格的な東京都多摩家畜保健衛生所として立川市に設置されています。
 統合前の三カ所の指導所ですが、現在の八王子市、あきる野市、国分寺市にありましたが、当時の人員については不明でございます。昭和三十六年当時は十九名体制でございまして、専ら検査を担当する係はございませんでした。
 現職員数は三十四名であることや、この間の農家数等の減少から見て、後退していることはないと考えております。

○丸茂委員 三十六年当時、獣医職あるいは畜産職は十五名だったと思います。それから、今、答弁があったとおり、検査を担当する係はなかったと。そして、農家指導など、これは九名が担当だったと思います。
 それでは、検査、病性鑑定室というんですか、これはいつできたのでしょうか。

○菊地農林水産部長 病性鑑定室は、家畜の大規模飼養の状況に対応するため、昭和三十八年に増設されたものでございます。
 昭和四十年代には、疾病診断の高度化が望まれるようになりまして、ウイルス検査や生化学的検査、細菌学的検査などの検査専門の人材を四名配置するとともに、病性鑑定施設の整備の充実を図っています。また、平成十五年には、BSE検査対応のため、さらに一名の増員を行っています。

○丸茂委員 今、BSEの対策もとっている。あるいはO157も現実には対応されていると思うんですが、そういう点では、新しい感染がふえて、新たなスピードを持って対応する課題がふえているというふうに認識をしております。そういう点では、先ほど答弁のあった、家畜保健衛生所から往復三時間はかかる、そういう農家指導などは、現場は大変だと私は受けとめております。
 そこで、適切な検査と農家への指導を万全に行うためには、緊急の臨戦態勢が必要ではないか。少なくとも複数カ所への人の配置等、人員増も含めて特別の態勢、臨戦態勢、緊急の対応が必要ではないかと思いますけれども、その点いかがでしょうか。

○菊地農林水産部長 農家等への指導や初動時の現地対応等につきましては、家畜保健衛生所のほか、本庁、農業改良普及センター等、都内八カ所の拠点が連携、協力いたしまして対応することになっています。
 これまでも緊急時の対応につきましては、局の本庁、事業所組織を挙げて、調査、指導の協力実施体制を構築してまいりました。
 今後とも、関係局、関係機関とも十分に連携、協力し、的確に対応してまいります。

○丸茂委員 なぜこういうことをいったのかといいますと、私ども議員のところにも、その都度いろいろ東京都の取り組みの文書もいただいております。一月十三日、産業労働局と健康局の鳥インフルエンザ発生についての報告もいただいております。
 そういう文書から、三月五日、対応についての報告、そこの中での農家の聞き取り調査や指導、こういう採卵農家だとか肉用の養鶏農家とか、ここで示される農家数だとか飼育している鳥の数、そして、実際に家畜保健衛生所等で把握している農家の数、いろいろ大規模なところから小規模なところがあるかと思うんですが、私は、現状がどうなのか正確につかんで、正確に対応するということが極めて大事だと思いますので、その点は、臨戦態勢という点では正確な把握をぜひお願いしておきたい。それだけちょっと、数字的なものはここで一々細かく--どうなのかという点では違いがありますので、ぜひその点を要望しておきたいと思います。
 それで、具体的な要望が寄せられているんですけれども、鳥インフルエンザが発生したとき、必要となる防護服あるいは消毒薬、こういう備品など準備が整っているのかという率直な質問が寄せられているんですが、その点いかがでしょうか。

○菊地農林水産部長 家畜保健衛生所では、危機管理体制整備事業を初め、日常的な家畜伝染病の発生予防のための検査事業等により、防護服や消毒薬を使用しており、常日ごろから万一のための資材も整えております。また、今回の事態を踏まえまして、初動期十日間に必要な資材を既に補給しております。

○丸茂委員 次に、万が一発生した場合、自分の敷地内で死骸等処分ができないという場合、その対策はあるのか。この点はいかがでしょうか。

○菊地農林水産部長 鳥等の死骸の所有者は、家畜伝染病予防法に基づきまして、家畜防疫員の指示のもと、みずからの責任で死骸の焼却や埋却を行うこととなっています。
 しかし、都内では、多くの場合に、東京の立地条件等から、農家等の敷地内での埋却処理は困難であると思われます。このため、焼却処分等の方向で検討しておりまして、区市町村など関係機関等と調整しているところでございます。

○丸茂委員 次に、移動規制が三十キロとなっております。そういう点では、隣の県、近県の発生でも影響が出るので、他県にまたがる広域的な対応、この点はどうなっているのか、お伺いをいたします。

○菊地農林水産部長 家畜伝染病の蔓延防止対策について、従来から国家防疫という見地で、全国会議やブロック会議等で各県との連携の確認を行っています。
 また、都ではこれまでも、地域の家畜保健衛生所段階での連携強化を図るため、独自に神奈川県や埼玉県と県境防疫会議を開催しています。特に今回は、京都での発生を受けまして、三月四日には、都の呼びかけにより、鳥インフルエンザ対策等につきまして、一都九県による連絡及び相互協力の体制を構築いたしました。

○丸茂委員 広域的な取り組みの体制を整えている。そういう中で鳥インフルエンザと疑われる病死鶏が出た場合、国の防疫マニュアルでは、ウイルス感染の検査は、ごく一部の鳥を抜き取り、一月から二月に一回、そして、さらに各都道府県一農場となっております。こうした一部の養鶏農家を対象とする検査体制では、ウイルスの拡大を早期につかむことは困難で、検査体制を広げること、こういうことも大変重要になっているのではないか。
 そういう一つ一つのことを踏まえますと、国の防疫マニュアルそのものの強化、あるいはモニタリング、こういうものの検査は十分なのか、この点お伺いいたします。

○菊地農林水産部長 モニタリング検査につきましては、国の基準では各県一農場十羽が対象となっていますが、現在、国は、このモニタリング対象農家数の拡充を検討しており、その結果を現在見守っているところでございます。
 都では、国の防疫マニュアルによりますモニタリングに加えまして、早期発見の観点から、死んだ鳥、不審鳥の検査を実施しておりまして、既に九十羽を超える鳥の検査を行っております。
 また、今後、捕獲鳥の検査も取り組むことになっておりまして、その中でも弱った鳥については効果がありますので、そういうことも実施してまいりたいと思っております。

○丸茂委員 それではあと、国の規制強化と同時に、都としての初動防疫マニュアルも必要ではないか。なおかつ、区市町村を含めて対応できる状況、これはいかがなのでしょうか。

○菊地農林水産部長 国は、家畜伝染病予防法の改正によりまして、家畜伝染病発生時の通報義務の強化を図っております。
 また、初動防疫につきましては、国のマニュアルを基本としながら、都でも独自のマニュアルを策定しておりまして、家畜保健衛生所では、この独自のマニュアルに基づいて、二度通報訓練を行いました。また、農林水産部内でも、一度初動訓練を実施しております。
 また、区市町村に対しましては、鳥インフルエンザ説明会を開催し、情報の提供や発生時の対応について周知を図っているところでございます。

○丸茂委員 さまざまな取り組みが取り組まれているわけですけれども、この鳥インフルエンザ問題は、強制力のない行政指導である防疫マニュアルをもとにして、届け出義務の問題でも、獣医だけの報告、養鶏農家の報告は義務づけられていない。そういう不十分さだとか、あるいは移動を含めた農家への損失補償の制度化など、法的な措置の強化が今求められております。
 そういう点で、国の最近の動きはどうなっているのか、それに対する都の見解についてもお伺いしておきます。

○菊地農林水産部長 国では、国内での発生状況や最近の事態を踏まえまして、第一に蔓延防止対策の徹底と感染経路の解明、第二に抗インフルエンザウイルス薬の備蓄、第三に早期通報促進と被害拡大防止等について、早急に対応する予定としております。
 家畜伝染病対策は、全国での統一的な対応が必要なので、都といたしましても、国の動きを注視しながら、今後の適正な対応に努めてまいります。

○丸茂委員 意見だけにしますけれども、民間の研究機関で細胞やウイルスを専門に研究してきた専門家のお話ですけれども、二十一世紀は、感染症が人類の脅威となる、そういう時代になるのではないかと。一つには、未開の地に開発が進むと、未知のウイルスや細菌、あるいは風土病など、そういった新たな危険が広がる。もう一つは、抗生物質が乱用されることによって、それにまた耐える、そういう新たな生物を、抗体を生み出すという点で、二十一世紀にとって非常に大きな課題になっているという指摘もあります。
 そういう点では、鳥インフルエンザの取り組みを契機に一層の対策を求めて、質問を終わります。

○北城委員 濱渦副知事、本当にご苦労さまでございます。
 新・元気を出せ商店街事業につきまして、若干質疑をさせてもらいたいなと思っております。
 この予算現額が十五億円。予算の額の多寡ではありませんけれども、商店街の果たし得る役割を考えた場合には、もう少しどころか、もっと大きな予算にしてもらいたいな、こんなふうに思いますので、副知事のご支援もひとつ、この際、お願い申し上げたい、こんなふうに思っております。
 さて、新・元気を出せ商店街事業を活用しましたイベント事業の申請件数は千七百三十六件で、昨年度の八百九件から比べますると、二倍以上。また、活性化事業の方も、二百九十五件で、昨年度の九十四件から比べますると、約三倍となっております。本当に、厳しい中にありましても、商店街の方々が頑張っているな、こんなふうに思っております。
 しかしながら、量や規模も大事でありますけれども、質も高めていく必要があるわけであります。そんなことを考え合わせますると、商店街同士がお互いに刺激し合い、いい意味で競争することが大切であります。そのために、まず第一に、今年度のすぐれた活動事例を各商店街や区市町村に広く周知していただくよう強く要望しておきたい、こんなふうに思っております。
 新・元気を出せ商店街事業は、商店街を活性化するために極めて有効で、また、なくてはならない最重要施策であります。一方で、東京都のあらゆる施策は、常にスクラップ・アンド・ビルドの対象となっており、特に補助金の事業につきましては、都庁内で厳しい成果検証が求められているのも理解できるところであります。
 新・元気を出せ商店街事業につきましても、商店街や区市町村が主体的に計画、実行、検証を繰り返し、成果を検証して、よりよい事業にしていかなければならないことは当然のことであります。ただし、何が何でも東京都がそこに口を出しては、いたずらに手続が複雑になったり、また手続自体が制度の目的であるかのようになってしまうわけでありまして、肝心の実施事業に支障が生ずることのないよう、区市町村との連携事業としての利点を生かしまして、東京都と区市町村の役割分担を明確にして対処することが必要であります。
 こうした点を踏まえまして、東京都は、事業成果の検証につきましてどのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせを願いたいと思います。

○市原商工部長 新・元気を出せ商店街事業では、現在、補助事業の完了後に提出いたします実績報告書に、事業実施後の効果や来街者数を記載するなど、事業成果の検証を行っております。
 来年度は、活性化事業につきまして、補助要綱を改正いたしまして、区市町村が商店街からの申請を事前に審査することといたします。
 また、イベント事業につきましては、補助金の交付申請書にあらかじめ来街者数などの目標値を記載いたしまして、事業実施後と比べることによりまして、事業成果を検証できるようにいたします。
 こうした改正によりまして、商店街や区市町村がより主体的に目標設定や成果検証ができる仕組みといたしまして、都と区市町村がさらに緊密に連携しながら、商店街の自主的、自立的な取り組みを支援してまいります。

○北城委員 現在の補助要綱では、イベント事業、活性化事業ごとに事業名を記載しまして、どのような事業が補助対象なのか、例示してあるわけであります。これを参考にしまして、商店街がいろいろ工夫しまして主体的に事業を考えるわけであります。
 例えば防犯カメラの設置のように、タイムリーな事業を例示することによりまして、予想以上の成果を生み出すわけであります。
 今年度の実施事業を踏まえまして、今後、より質の高い事業の申請を誘引するために、新たに事業例を追加する予定があるのかどうか。あるとするならば、その内容と意義をお聞かせ願いたいと思います。

○市原商工部長 来年度、補助金交付要綱に新たに記載する予定の事業例といたしましては、ファサード整備と創業・再生支援施設設置とがございます。
 今、多くの消費者の方々が商店街に求めているものは、清潔でハイセンスな買い物の場の提供でございます。ファサード整備は、道路に面した店舗の壁面等を整備いたしまして、商店街イメージを統一化するものでございまして、消費者に対しまして、街並み景観を楽しみながら、より快適に買い物ができる場を提供する効果的な手法でございます。
 また、魅力ある店舗を創造し、消費者に新しいサービスを提供することは、商店街機能の再生にとりまして非常に有効でございます。創業・再生支援施設設置は、空き店舗を創業スペースとして提供いたします、いわゆるチャレンジショップや、生鮮三品などの不足業種を空き店舗に誘致いたしますテナントミックスなどを促進するものでございまして、新たな消費者の掘り起こしにつながるものと考えております。

○北城委員 今年度の事業例の例示が今あったわけであります。
 ただ、わからないのは、防犯カメラの設置についてであります。来年度、知事本部で担当するといいますが、新・元気を出せ商店街事業の要綱上はどうなるのか。商店街については、知事本部の事業とは別に申請が認められるのか。手続は産業労働局が知事本部から委任されて行うのか。その辺はどうでありましょうか。

○市原商工部長 商店街が行います防犯カメラの設置事業につきましては、来年度から知事本部の補助事業といたしまして実施することとなりました。新・元気を出せ商店街事業の補助金交付要綱の例示からは削除いたします。
 来年度は、商店街が行う場合を含めまして、防犯カメラの設置に対する補助金の交付申請は、知事本部の方で受け付けることになります。
 現在のところ、商店街からの申請分につきまして、知事本部から執行委任等の話は受けておりませんが、商店街が安心・安全なまちづくりに取り組むことは、商店街の振興の観点からも推進すべきことと考えております。
 今後、知事本部と連携、協力し、新しい補助事業につきまして、商店街や区市町村に十分周知を図ってまいります。
〔三宅委員「申し込み窓口がないんだよ、今」と呼ぶ〕

○北城委員 今、三宅先輩の方からもお話がありました。都庁の窓口が変われば、区市町村の窓口も、今までと違った部署が受け持つことになりまして、商店街にも区市町村にも戸惑いが生ずることは自明の理であります。特に、ぜひご理解願いたいことは、商店街の持つ役割の一つとしまして、犯罪を抑止する役割があるわけであります。そんなことを考え合わせますると、産業労働局自体が知事本部と十分連携をとって、この問題の解決のために当たってもらいたいということを強く要望しておきたい、こんなふうに思っております。
 そして、新・元気を出せ商店街事業は、今までの商店街振興施策を再構築し、我が党の強い要望によって、今年度から実施された事業であります。初年度ということもありまして、制度の運用や手続の面でもさまざまな課題が出てきたと思います。
 例えば、十五年度は、新規事業ということで交付決定が夏になりましたが、各商店街は、一たん、事業をすべて自己資金で立てかえて実施しておりまして、特に春先の事業などは、補助金が交付されるまで、かなりの時間がかかるわけであります。商店街の負担を減らすためには、なるべく早く交付決定をする必要がありますが、来年度についてはどのような方針になっているのか、お伺いさせてもらいたいと思います。

○市原商工部長 商店街がイベント事業などに円滑に取り組めるようにいたしますために、早期に補助金を交付する必要がございます。来年度は、年度当初に交付決定を行えるよう、区市町村に対しまして申請手続を依頼しているところでございます。
 このことによりまして、例えば春に実施いたしますイベント事業などへの補助金につきましても、実施後、早期に交付できるようになります。

○北城委員 ぜひ早期交付の関係につきましては、前向きなご努力を願いたいなと思っております。
 もう一つ心配することがあるのであります。スケジュールを早めることによりまして、各商店街が事業計画を十分検討する時間がなくなるおそれも当然予測されるわけであります。そうした商店街のことも考慮しまして、追加申請を受け付けるなどの対策も検討してもらいたいと思いますが、どうでありましょうか。

○市原商工部長 十六年度につきましては、さきに申し上げましたとおり、商店街の取り組みが円滑に執行できますよう、年度当初の交付決定を区市町村と協力して進めてまいります。
 一方で、補助金を申請する商店街にとりまして、事業計画を検討する時間が従来より短くなりますため、一定の配慮が必要になるかと考えております。
 今後、申請の状況や年度途中の執行状況を踏まえまして、必要に応じまして追加申請を受け付けるなどの方策を検討してまいります。

○北城委員 ぜひ実態に合った方策の検討、そして実現をお願いさせてもらいたい、こんなふうに思っております。
 また、交付決定といいましても、その時点で補助金が交付されるわけではありません。商店街の事業が終わって、実績報告書を出して、区市町村の審査を受けて、区市町村が補助金の額を確定して、その上で区市町村から補助金が交付されるわけであります。
 平成十四年度までの元気を出せ商店街事業では、その上、東京都による審査と東京都による額の確定を経て、初めて区市町村は補助金を交付していたわけであります。随分と時間がかかったわけであります。
 しかしながら、新・元気を出せ商店街事業は、東京都の審査や額の確定を待たずに、区市町村は補助金を交付できることとしましたので、要綱上は、その点、大きく改善されたのであります。
 しかし、区市町村にとって、東京都の審査を待たずに補助金を交付するには、東京都が認めなかった場合、超過負担を生ずるというリスクを負うことになります。それゆえに、区市町村によっては、審査に必要以上の時間と神経を使いまして、商店街に対しまする書類提出の指示なども執拗になり、細かくなりというような不備な点もあると聞いております。
 せっかく今年度から、区市町村の主体性を尊重するよう、要綱を整え、速やかに補助金が交付されるようにしたのでしょうから、要綱の趣旨に沿いまして、スピーディーな手続が実施できるようにしていくべきだと思いますが、ご見解をお聞かせ願いたいと思います。

○市原商工部長 区市町村は、補助金の交付に当たりまして、疑義ある事例につきましては、現在でも、東京都と相互に意思疎通を図って手続を進めております。区市町村に負担が生じるというようなことはございません。
 今後、審査や事務手続がよりスピーディーに行えるよう、事務処理マニュアルにつきましては、事例等を充実いたしましてわかりやすく改定するとともに、区市町村の担当者の研修会や事務連絡会などを実施いたしまして、円滑な事業執行に努めてまいります。

○北城委員 欠損が生ずるような事態は全くない、こんな明確なご答弁があったわけであります。ぜひ各区市町村の方にその趣旨を伝えてもらいたいな、こんなふうに思うわけであります。
 日々商売に追われながらも、地域の活性化に一生懸命取り組んでいる商店街が円滑に事業を実施できるようにすることが最も大切であるわけであります。この一年の経験を生かしまして、来年度は、東京都と区市町村があらかじめきめ細かく手続の調整を行い、二人三脚で心を一つにしまして商店街の指導、支援に当たりまして、新・元気を出せ商店街事業をますます実りのある制度にしてほしいということを強く要望しまして、私の質疑を終了させてもらいたいと思います。

○真鍋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 予算案、付託議案、請願及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○真鍋委員長 異議なしと認め、本案、請願及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時三十二分散会

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