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Tokyo Metropolitan Assembly

予算特別委員会速記録第五号

○木村副委員長 奥澤高広委員の発言を許します。
   〔木村副委員長退席、委員長着席〕

○奥澤委員 無所属東京みらいを代表して、初めに、児童虐待の未然防止についてお伺いします。
 昨年四月、東京都児童虐待防止条例が施行され、本年四月から国の法改正も行われますが、共通するのは親の体罰禁止を明記している点です。
 しかし、そもそも体罰をしているという認識がない、あるいはみずからも体罰を受け育ったことに気づかずに、今子育てを迎えている方々もおりまして、その行動を変えるのは容易ではありません。
 有識者の方々は口をそろえて、親を責め、批判しても、解決しない、児童相談所や児童福祉司を幾らふやしても、児童虐待は減らないと指摘をしています。
 資料もお配りしておりますけれども、実際に虐待相談対応件数は増加の一途です。もちろん、今虐待に遭っている児童を救済することは重要ですけれども、対症療法的な取り組みでは限界があり、救済と根絶を両輪で進めていく必要があります。
 一般質問では、産後ケアの充実や子育て家庭へのアウトリーチ型支援、DV被害者支援について強化すべき、未然防止をしていく重要性を指摘しました。これにとどまらず、虐待を起こさせない、今ここで虐待の蛇口を閉めるために何をすべきか、虐待相談、対応に日々奔走する都が、国に先駆けて具体的な検討を始めるべきです。
 そこでお伺いします。今後、虐待の未然防止のための抜本的な取り組みを強化すべきと考えますが、見解をお伺いします。

○内藤福祉保健局長 子供を虐待から守るためには、虐待相談への迅速かつ的確な対応はもとより、援助が必要な家庭を早期に把握し、適切な支援につなげ、未然防止を図ることが重要でございます。
 都は、全ての子育て家庭の状況を妊娠期から把握し、継続的な支援を行う区市町村を支援するほか、ヘルパーの派遣など、地域の実情に応じて実施するアウトリーチ型の取り組みを包括補助等で支援してございます。
 来年度は、とうきょうママパパ応援事業を開始し、産後の支援を大幅に充実するとともに、虐待の未然防止に向けた方策等につきまして、児童福祉審議会専門部会で、子供の最善の利益を守る観点から、現在の法制度等にとらわれず、幅広く検討することとしております。

○奥澤委員 虐待の未然防止に向けて、現在の法制度等にとらわれない検討を始めるという、非常に重要な答弁だと思います。また、子供の最善の利益を守るとのお話ですので、例えば里親委託においても、数値目標ありきではない議論をしていただきたいと強く指摘をしておきます。
 これまでの支援が届かなかった人がいるのはなぜか。当事者が行政を避けてしまう心理も踏まえて、民間団体も含めた社会全体で広く網を張る取り組みが必要です。関係各局の主体的な取り組みを求めるものです。
 次に、女性活躍という言葉をなくす取り組みについてお伺いします。
 今般の新型コロナ対策による一斉休校や休園の影響で、私たちのもとに聞こえてきた悲鳴にも似た訴えは、母親からのものばかりでした。家事、育児は女性がやるものとする家庭は、いまだ多いことが改めて浮き彫りになった形です。
 これまでの女性活躍では、家事に、育児に、介護に、仕事に、女性が全てを背負いながら頑張り続けることになってしまうと危惧をしています。
 一般質問では、男性の家事、育児参画が重要だと指摘をしましたが、そもそも、決まった時間に決まった場所に通勤し、フルタイムで働くという、画一的な働き方を改めて見直すべきです。
 資料をお配りしましたけれども、私たちの独自調査では、女性二十代、三十代、四十代において、時間や場所にとらわれない働き方へのニーズが高い一方で、管理職の多い男性の四十代、五十代においては、そのニーズが低いことがうかがえます。こうした世代や性別による意識のギャップにも着目すべきです。
 これまで当たり前とされてきた働き方ではなく、テレワークを初めとする新しい働き方を前提にした取り組みによって、一人一人のライフスタイルに応じた働き方へ転換するときを迎えています。
 その意味で、来年度予算のテレワークを活用した働き方改革モデル事業に期待をしています。時間や場所にとらわれない働き方の実現に向けて、本事業を実施する狙いについてお伺いします。

○村松産業労働局長 来年度、都が実施いたしますテレワークを活用した働き方改革モデル事業は、ライフワークバランスを実現する新しいタイプのサテライトオフィスの整備により、テレワークの一層の普及を図ることを狙いとしております。
 具体的には、都が公募により、例えば保育機能を備え、これからの働き方のモデルともなり得るサテライトオフィスを選定し、その改修費や運営費等の支援を行っていくこととしております。
 さらに、こうした利用者の多様なニーズに応えるサテライトオフィスを先進事例として広く発信し、新しい働き方の構築につなげてまいります。

○奥澤委員 大都市東京ならではの特性を踏まえた、新しい働き方が見出されることになるよう、しっかりと注目して、応援もさせていただきたいと思っています。
 続いて、教育機会の格差解消についてお伺いします。
 昨年度の都内公立小中学校における不登校児童は一万四千百八十八名、前年と比べて二千二百名増加をしています。うち中学生は九千八百七十名です。彼らの学びの選択肢を用意することは行政の責任であると考えています。
 不登校の増加とあわせて、通信制高校を選択する児童もふえています。民間調査では、通信制高校に進学した者の約六割が不登校を経験しているとのことです。また、昨年、都内通信制への進学者と都外通信制への進学者が逆転したことも注目すべき点だと思います。
 通信制というと、レポートの提出だけをイメージする方々も多いかと思いますけれども、同じ調査ですけれども、登校スタイル、あるいは授業内容が自分に合っていると答える生徒が多いことからも、生徒一人一人のニーズに応える学び場がそこにはあって、その役割が非常に重要であるということがわかります。
 今後、都外通信制についても私学無償化の対象にする検討を始めていくとのことですけれども、いわゆるサポート校の協力を得て、生徒の状況に応じたきめ細かな指導を行っている学校も多いことを忘れてはなりません。
 サポート校は、制度上は民間教育機関の位置づけであって、授業料は年間三十から七十万円といわれます。その捻出に借金をする家庭もあると聞きます。学校に通うことができなくなり、かつ、家庭の経済状況も厳しい生徒が学び直していけるよう、適切な支援をすべきと考えます。
 そこで、まずは通信制サポート校について、都はどのように認識をしているのか見解をお伺いします。

○浜生活文化局長 いわゆるサポート校は、法令に規定する学校ではなく、通信制高校に通う生徒を、授業とは別に学習面や生活面等で支援するための民間施設と認識しております。

○奥澤委員 法令上の学校ではないけれども、学習面や生活面等で支援しているという認識を示していただきました。
 ぜひ、都外通信制とともに、サポート校の実態把握も進めていただきたいと要望しておきます。
 また、都には、受験生チャレンジ支援貸付事業など、民間教育機関に対する支援策もあると思いますので、その対象を広げていくなど、サポート校、あるいはフリースクールに通う児童への支援、早急に検討していただきたいとつけ加えておきます。
 最後に、スマート東京の実現についてお伺いします。
 スマート東京実施戦略には、デジタルの力で都民のクオリティー・オブ・ライフ、生活の質を高めていく明るい未来が多数描かれており、これには賛同するところです。
 一方で、その背後にあるリスクにもしっかりと目を向けていく必要があります。
 警察庁によると、昨年SNSを使った犯罪の被害に遭った十八歳未満の若者は二千八十二人とのことで、これは二〇一二年の約二倍の数字です。サイバー空間における犯罪から若者を守る取り組みは喫緊の課題だといえます。
 これまで都は、学校でSNSを適切に活用できるよう啓発するSNS東京ルールや、都民安全推進本部によるファミリeルール講座などの取り組みをしていることは承知をしていますが、ますます加速する社会の変化を捉え、さらに強化をしていくべきであると考えます。
 先般、人工知能を搭載したカメラで子供を犯罪から守る新たなスマートフォンが発表されました。こうした分野においても、デジタルの力が活用されることを期待するものです。
 そこで、若者、特に十代の少年少女をサイバー犯罪から守っていくような取り組みについても強化をしていくべきと考えますが、スマート東京の実現を目指す宮坂副知事の見解をお伺いし、質問を終わります。

○宮坂副知事 都民のQOL、生活の質の向上につなげていくスマート東京実現に向けた取り組みは、テクノロジーがもたらす光の恩恵を享受することを可能とします。一方で、サイバー空間がもたらす影というべきサイバーセキュリティーのリスクやネット上の犯罪等の脅威に対しても警戒を怠ってはなりません。
 そのため、都は、これまでも青少年を初め、保護者等に対して、ネット上のトラブルや危険性、それらから身を守る防止策等を伝えることを目的としたファミリeルール講座を実施しており、来年度は回数をふやすとともに、性被害等について考えるグループワークの対象年齢を拡大します。
 また、子供たちがトラブルや犯罪に巻き込まれることのないよう、公立学校における取り組みを充実させるため、平成二十七年にSNS東京ルールを定め、啓発を図ってきましたが、自画撮り被害防止等のため、これを昨年四月に改定し、取り組みを強化してきました。
 さらに、今後は、プログラミング教育の実施に合わせて、犯罪の被害等から身を守るため、情報リテラシー教育に取り組むとともに、SNSのデータ分析などを使った最新のテクノロジーなども利用して、若者に対する犯罪等の防止に役立てていきます。
 こうした取り組みを通じて、東京の未来を担う若者の安全・安心の確保に努め、快適で活力に満ちた生活が実現可能となる社会、スマート東京を築き上げていきたいと思います。

○本橋委員長 奥澤高広委員の発言は終わりました。
 以上をもちまして付託議案に対する締めくくり総括質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 第一号議案から第二十八号議案まで、第百三号議案、第百四号議案、第百七号議案及び第百八号議案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○本橋委員長 ご異議なしと認めます。よって、本案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 なお、あすは午前十一時から理事会を控室一で、また、午後一時から委員会を本委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いいたします。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時三十四分散会

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