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Tokyo Metropolitan Assembly

予算特別委員会速記録第五号

○本橋委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 この際、一言申し上げます。
 日本共産党都議団の星見委員の質問の際、傍聴席から不規則発言がありましたが、それについては、都議会公明党から理事会の場で、都営住宅行政について誤解を招きかねないものであり、委員会審議に影響を与えたことについて申しわけなく思いますとの表明がありましたことをご報告いたします。
 各会派におかれましては、委員会に臨んでは、不規則発言は厳に慎んでいただきますよう、委員長よりお願い申し上げます。
 これより付託議案の審査を行います。
 第一号議案から第二十八号議案まで、第百三号議案、第百四号議案、第百七号議案及び第百八号議案を一括して議題といたします。
 この際、部局別質疑について申し上げます。
 去る三月十三日に、議長を通じ各常任委員長に依頼してありました部局別質疑につきましては、お手元ご配布のとおり報告がありました。ご了承のほどお願いいたします。
 これより締めくくり総括質疑を行います。
 順次発言を許します。
 伊藤ゆう理事の発言を許します。

○伊藤(ゆ)委員 それでは、都民ファーストの会を代表いたしまして、私から締めくくり総括質疑をさせていただきたいと思います。
 まずは、新型コロナウイルス対策についてお伺いいたします。
 東京二〇二〇大会については、延期も含めた検討もなされているということですから、まさに未曽有の事態ということになりました。
 私たち都民ファーストの会も早くから、たび重なる要望を行ってまいりました。結果、都はこれまでに、相談、検査、医療体制の強化、休校対策、経済対策など、総額五百十二億円規模の対策を講じてこられました。
 今月十二日に公表された都の対策には、医療機関などへのマスク約三百五十万枚の提供、学童クラブへの上乗せ支援、オンライン学習支援、借りかえ含め中小企業への資金繰り支援、島しょ特有の課題への対応などなど、我が会派の要望を受け、さまざまな対応が盛り込まれたところでございます。
 もちろん、それでも不安は払拭できませんが、情報を漏れなく迅速に都民に届けるという強い姿勢のあらわれとして、新型コロナウイルス対策サイトが立ち上がったことも評価をさせていただきたいと思います。
 しかし、感染拡大がとまったわけでは当然ありません。最近の都内の感染者数は爆発的増加という状況ではないですが、徐々に増加の傾向を示しています。感染者の爆発的増加を抑えるために重要となる、感染源を追うことができていない陽性患者も増加傾向にあります。
 そのため、海外のように、今後、都内で感染が爆発的に増加するリスクも指摘されています。東京都は人の移動のハブですから、その意味でも引き続き対策の徹底が必要です。
 政府の専門家会議では、新たなクラスターを生じさせないため、最も感染拡大のリスクを高める環境の三条件を示しております。換気の悪い密閉空間であること、人が密集していること、近距離での会話や発声が行われること、この三条件が同時に重なった場を生じさせないことが重要です。
 そういう意味では、都がこれまで推奨してきた時差出勤、テレワークは意義があると考えます。そこで、都にはテレワークや時差出勤の改めての徹底をお願いしたいと思います。
 それから、電車、バス、タクシーなど、人が密集する各種交通機関に対しても、ぜひ換気の徹底を強く呼びかけていただきたいということも申し上げておきたいと思います。実際に電車に乗りますと、そうした徹底がなされていなくて、全ての窓がまだ閉まっているという私鉄各線もあったりいたします。
 さらには、クラスターの発生と爆発的な患者の急増であるオーバーシュートを防ぐため、都は、都民の行動変容を強く求めるべきと考えますが、まず、知事の見解をお伺いします。

○小池知事 伊藤ゆう理事にお答えいたします。
 まず、専門家によりますと、昨今の東京の傾向は、海外から帰国された感染者、そして感染源が特定されない感染者がふえていることにございます。また、今後、海外から多くの方々が帰国される、こうした方々を起点としてクラスター、集団が形成されるおそれがございます。
 また、東京は、ご指摘のように、都市としての特性から、発見が困難な若年層のクラスターが発生するおそれもございます。感染いたしましても症状の出ない若い方々が、無自覚のうちにウイルスを拡散させることが懸念されるとの指摘をいただいております。
 そこで、きのうの記者会見でございますが、都民の皆様に対しまして引き続き、先ほどご指摘のございました三つの条件が重なる場を避けるための行動をお願いいたしました。
 また、若い方々にも危機意識を持っていただくために、若者に支持されているオピニオンリーダーにご協力をいただきまして、メッセージを若者に訴求しやすいSNS等によって伝えていきたいと考えております。
 加えまして、先日発表いたしました第三弾の緊急対応策にも盛り込んだところでございますが、ご指摘のテレワークなど、スムーズビズの取り組み強化、そして鉄道利用者などに感染拡大防止への協力を求めるなど、さまざまな切り口で働きかけることで、いわゆるオーバーシュート、爆発的に患者がわっとふえること、これを回避いたしまして、命を守るための都民の皆様の行動変容、行動を変えること、これに向けたご協力を強くお願いしてまいります。

○伊藤(ゆ)委員 対策が長期化していますので、都民も緩みがちですけれども、緩まないように、今の三条件を生じさせないように、改めて知事から発信強化をお願いしたいというふうに思います。
 加えて、罹患した場合に特にリスクが高いと考えられる高齢者や疾患のある方などに対して、不要不急の外出を避けるように重点的に働きかけも行うべきと申し上げておきたいと思います。
 世界規模でも多大な影響が出ています。感染拡大に伴う歴史的な株価の暴落など、新型コロナウイルスの影響は日本のみならず、世界経済にも深刻なダメージを与えています。
 そのような中で、都は、次なる緊急対策を四月中をめどに発表すると明言されました。今後、都として打つ次なる対応策の策定に向け、どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。

○小池知事 新型コロナウイルス対策でございますが、都はこれまで、第一弾として補正予算、第二弾には集中的な取り組み、そして、第三弾の緊急対応策と、手だてを講じてきたところでございます。
 国は、四月を目途に緊急経済対策を策定するという方針でございまして、それを踏まえて、水際対策の強化など国に要請すべきことは要請をし、また、全国自治体、特に近隣県と連携をいたしまして、専門家の意見、厳しい状況に直面する切実な声などをしっかり受けとめながら、本格的な緊急対策第四弾を四月中を目途に発表いたします。
 緊急対策の構築に当たりましては、真にお困りの方々や企業へのセーフティーネットなど三つの視点から検討を進めまして、事態の変化も見据えて、新型コロナウイルス感染症対策と経済を下支えする実効ある対策の構築を、都庁組織一丸となって取り組んでまいります。

○伊藤(ゆ)委員 ぜひそのようにお願いをいたしたいと思います。
 そしてまた、都はこれまでも、一日当たり最大三百四十件まで可能とする検査体制の強化にも努めてこられました。これは私どもも再三要望してきたことでございます。
 都のこれまでの累計の検査実施件数は三千二百二十一件であり、一日当たり検査件数は、三月十七日は八十五件、あるいは十八日は百十八件など、都の現状のキャパシティーを超える検査数ではないことから、都が検査を不合理に受け控えさせており、それは東京二〇二〇大会を予定どおり開催するためであるとの声も一部あるようです。
 医療体制の基盤確保には十分配慮しながら、都民の理解が得られるよう検査体制を確保するとともに、民間委託を含めた検査結果をきちんと公表すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 新型コロナウイルスのPCR検査は、現在、東京都健康安全研究センターで一日最大百二十件、さらに、民間検査機関への委託により一日百件の追加実施が可能となっておりまして、三月二十二日までに三千三百五十九件の検査を行っております。
 また、三月六日にはPCR検査が保険適用となり、新型コロナ外来を設置する医療機関等でも民間検査機関を利用して検査を行うことが可能となりました。
 都は、検査機関の拡大を受け、医療機関、保健所、検査機関等の関係者から成る新型コロナウイルス検査体制部会を設置し、必要な方に確実に検査を実施できるよう、情報共有の方法等を協議し、より効率的でわかりやすい検査体制の整備を進めてまいります。
 検査の実施状況につきましては、新たに保険適用となった民間実施分も含め、今後、都内全体の状況を取りまとめ、公表してまいります。

○伊藤(ゆ)委員 まさに都民に誤解がないように、ぜひ発信をしていただきたいとともに、対策サイトでも日々検査数が公表されていますので、ぜひ、そちらも都民の皆さんに見ていただくように努めていただきたいと思います。
 オーバーシュートなどに備え、都は、昨日も新たに、重症等の病床の七百床までの拡大などの医療提供体制の強化を示しており、極めて重要な取り組みであるというふうに受けとめております。
 さらに、我が会派はかねてより、医療現場における感染拡大防止に資するオンライン医療相談、診療の推進を求めてまいりました。昨日の新たな方針でも、このオンライン医療相談、診療の推進が盛り込まれていますが、早期の取り組みが重要です。今後いつまでをめどに、どのような取り組みを推進するのか、見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 オンライン医療相談、診療は、医師と患者間におきましてテレビ電話等の情報通信機器を通じて相談や診療を行うものであり、患者が医療機関へ行かなくても、自宅などで診療等を受けることができるため、医療機関での感染拡大を防止する観点からも効果的でございます。
 今後、新型コロナウイルス感染症の患者数が大幅に増加した場合には、患者の重症度に応じた医療提供体制を整えることとしておりまして、軽症の方につきましては、かかりつけ医等の管理のもと、自宅等で療養していただくことも検討しているところでございます。
 その際には、情報通信機器を活用した相談や診療により、医師が患者の状態の変化に迅速に対応することなどが期待されることから、かかりつけ医によるオンライン医療相談、診療の推進に向け、都医師会とも協議を進めてまいります。

○伊藤(ゆ)委員 ぜひお願いします。行きたくても、やはりそこで罹患することを恐れて行けない、例えば心疾患を抱えている方とか、あるいは障害のある方とか、さまざまいらっしゃいますので、今の取り組みを強化していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 都教委は、一斉休校に際しても、特別支援学校では子供が安心して学校で過ごせるよう、必要に応じてスクールバスの運行や医療的ケアの実施などの対応を行っているというふうに承知しています。
 しかし、問題なのは、実は消毒液などです。医療的ケア児や基礎疾患のある在宅障害者などに、家で日常的に医療的ケアを行っている方々にとっては、消毒液などは命綱ともいえるものです。しかし、その入手は極めて困難です。
 在宅で日常的に医療的ケアを行っている世帯に対して、医療機関と同様に、消毒液などの衛生材料を優先的に都は配備すべきと考えますが、見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 医療的ケア児のいるご家庭では、たんの吸引などの処置のたびに手指等の消毒を行う必要がございますが、現在、消毒薬が入手しにくい状況となってございます。
 都は、新型コロナウイルス感染症発生後、消毒薬等の衛生資材の安定的な流通につきまして国に緊急要望を行うとともに、業界団体に対しましても、障害者等が利用する社会福祉施設等に優先的に供給するよう要請を行ってまいりました。
 今般、国から、政府の保有する在庫や事業者から調達した手指消毒薬につきまして、医療的ケア児のいる家庭への配布分として都に割り当てがあったところでございます。
 現在、区市町村に対しまして、特に配慮が必要な児童の数などについて調査を行っており、回答がまとまり次第、速やかに医療的ケア児のいるご家庭に消毒薬を配布いたします。

○伊藤(ゆ)委員 ぜひ配布をお願いしたいと思いますし、また、見届けていただきたいと思いますので、実際にしっかり手元まで行っているかどうか、都としてできる限りの努力をお願いしたいと思います。
 子供の発症、重症化リスクは、一般にですが低いとされております。都内での発症の事例も少ないところです。
 今回、東京都教育委員会は、感染予防措置を講じた上で、入学式の実施と新学期の開始を目指して準備するよう都立学校に通知をいたします。そして、区市町村に知らせ、近く発表される国のガイドラインを踏まえて、二十六日をめどに都として感染予防の指針を発表するというふうに聞いています。
 他方で、都内全域の状況では、休校を開始した三月上旬の時点よりも感染者数自体は増加しており、オーバーシュートのリスクも指摘されていますので、あわせて万全の感染予防策もとらなければなりません。
 感染拡大のリスクを高める三条件を学校において回避するための措置の徹底、マスクや消毒液などの優先配備、万が一、再開後に学校で感染者が出た場合の対応方針の事前策定など、万全な追加措置を講じる必要があると考えますが、見解を伺います。

○藤田教育長 国の専門家会議等におきまして、クラスター対策といたしまして、三つの条件が重なる場を避けることが重要であるとされておりますことから、都立学校の始業に当たりましては、換気の徹底、多くの人が密集しない配慮、近距離での会話を控えるなど、感染リスクを低減させる取り組みを徹底してまいります。
 今後、基本的な感染症対策でございます石けんによる手洗いや、せきエチケットの徹底とともに、国のガイドラインも踏まえまして、近距離での会話が必要な場合では、飛沫を飛ばさないような工夫を講じるなど、学校活動全般にわたる留意事項を定めてまいります。
 加えまして、万が一、感染者が発生した場合に備え、学校保健安全法に基づく出席停止や臨時休業等の対応方法を取りまとめ、先ほどの留意事項とあわせまして、速やかに学校へ周知を徹底し、感染防止に万全を期してまいります。

○伊藤(ゆ)委員 子供を学校に通わせる親の不安を少しでも取り除いて、少しでも安心して新学期を迎えられることが何よりでありますので、ぜひこうした事前の策というのをしっかり対応としてとっていただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。
 学校の休校に伴う生活指導、学習支援などの場面におけるICTの活用にも注目が集まっています。予算特別委員会における我が会派の木村議員の質問に対し、都教委は、民間事業者のサービスを活用した学習支援等の取り組みをICTパイロット校に加え、それ以外の都立高校でも対応できるよう検討していると、このように答弁をされました。
 今回のような緊急時の対応を、今後のスマート・スクール・プロジェクトにも生かすことが極めて重要です。都立学校において今回実施したICTを活用した学習支援等の課題と今後の方針について伺います。

○藤田教育長 都教育委員会は、今回の新型コロナウイルス感染症対策におきまして、子供たちに途切れのない学びを提供するという観点から、都立学校に対しましてICTを活用した学習支援サービスの利用拡大に取り組んでいるところでございます。
 ICTを日ごろから活用した学習活動は、各学校での取り組み状況につきましては、濃淡はあるところでございますが、既に学習支援サービスを利用しているICTパイロット校等からは、家庭にいる生徒に適切な学習支援や連絡ができているなどの報告を受けております。
 また、今回の事態をきっかけに、学習支援サービスの利用を始める学校も出てきてございます。
 今後、都教育委員会は、都立学校の日常の学習活動におきまして、ICTが一層活用されるよう、ICT環境の整備を進めるとともに、学習支援サービスの活用も促進するなど、スマート・スクール・プロジェクトを強力に推進してまいります。

○伊藤(ゆ)委員 この機に、まさに今おっしゃられたスマート・スクール・プロジェクトも積極的に推進していただきたいと思います。
 さて、中小企業も大変厳しい経営環境にあります。何としても、この負の連鎖をとめなければなりません。平時であれば、政策の一貫性、公平性、慎重な積み上げが必要ですけれども、今は有事であります。有事においては、即効性、即決性、そして強いメッセージ性が必要で、まさに政治の力がここでこそ求められております。
 都は既に補正予算を組み、緊急の制度融資を公表しておりますが、なお一層、空前の規模の財政出動で企業支援を行うべきと考えますが、所見を伺いたいと思います。知事にお願いします。

○小池知事 新型コロナウイルス感染症は、ご指摘のように国内の経済、産業全般にわたりまして、大変甚大な影響を及ぼしております。
 都内の中小企業の景況見通しでありますが、急速に悪化している現下の経済情勢を踏まえまして、さらなる経済対策を四月中を目途に取りまとめてまいります。その策定に当たりましては、三つの視点を中心に検討を進めます。
 まず、急激な経済の落ち込みでダメージを受けている中小企業の経営や都民生活を支えるために、セーフティーネットのさらなる強化を図るという点。
 次に、景気浮揚を見据えまして、事業活動が停滞しております現在の危機的な状況をむしろチャンスに変えられるように、サプライチェーンの強化に向けた支援など、大胆な施策を実行してまいります。
 さらに、現在我々が迫られている社会活動の変化を、社会の仕組みを変革する契機と受けとめまして、テレワークやオンライン学習等のデジタルトランスフォーメーションの推進など、将来の飛躍を目指した布石を打ってまいります。
 今後、国の経済対策の動向も踏まえまして、専門家のご意見や厳しい状況に置かれた業界等の声にも耳を傾けまして、都内の経済、そして都民の生活の安定に向けまして、実効性ある施策の取りまとめを行ってまいります。

○伊藤(ゆ)委員 今ご答弁にもあったように、セーフティーネットは非常に重要だと思います。有事の際に、社会的に一番弱い立場の方々に一番しわ寄せが行くような東京にしてはならないという観点で伺います。
 国の雇用調整助成金を申請する中小企業に対し、専門家を派遣してその手続を支援するとともに、都は、感染症の対応など、非常時における勤務体制づくりに取り組む中小企業へ十万円を支給することとしております。
 さらに、都は、テレワークの導入支援も強力に進めており評価できますが、テレワークの利用や休業手当、あるいは期間などの取り扱いに関し、非正規労働者が正規労働者と比較した場合に不利な取り扱いを受けているとの指摘もあります。コロナ対策のしわ寄せを非正規労働者が一方的にこうむるような事態はあってはなりません。
 テレワークを初めとする柔軟な働き方の実施や休業手当、期間などの休業時の取り扱いに対し、非正規労働者が正規労働者と比較して不合理な不利益取り扱いを受けることがないよう、都内企業に対して徹底すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○村松産業労働局長 新型コロナウイルス感染症への対応といたしまして、各企業において導入が進むテレワークや特別休暇制度等については、正規雇用と非正規雇用の間で不合理な待遇差が生じないよう、適切な取り扱いが求められます。
 このため、現在申請を受け付けているテレワーク導入の助成金について、非正規雇用の方も含め、利用する従業員を拡大するケースにも活用できるようにしており、さらに来年度は、テレワークの業務範囲の拡大などを図る企業に対して、専門家を派遣し助言を行ってまいります。
 また、感染症の発生時など、非常時の勤務体制の整備に取り組む企業を支援する事業におきまして、企業が取り組み計画を策定する際に、非正規雇用の従業員も正規雇用の従業員と同様に、時差勤務やテレワーク、有給の特別休暇制度等を活用できるよう促してまいります。

○伊藤(ゆ)委員 ぜひそのようにお願いいたします。
 そして、強いメッセージ性が必要であると改めて先ほども申し上げましたが、まずは人でございます。採用の見送りを決めた企業が出てきたというふうにも聞いています。企業では人切り、派遣切りが始まっている一方で、日常が取り戻せた場合には人手不足になるので、切った分の採用コストがまた甚大になるとの懸念も示されています。ここを支えるための政策が必要です。
 特に内定者に対する採用見送りは、企業の安易なリスク回避策で、何としても食いとめなければなりません。そういう意味で、知事の所見を伺いたいと思います。

○小池知事 新型コロナウイルス感染症の拡大は、企業経営に深刻な影響を与え、やむを得ず採用内定の取り消しを行う企業もあらわれているところでございます。
 こうした状況は、採用の内定を得ている方々にとりましては、予定どおり企業に入社できるのかの不安を生じさせている。そのことから、資金繰りの面などにおいて企業活動を強力に支援することに合わせまして、将来に希望を抱く学生の方などの不安の解消を図ることが重要でございます。
 このため、都といたしまして、経済団体等に対して、採用内定の取り消しの回避に向けまして、それぞれの企業が最大限の経営努力を行うなど、あらゆる手段を講ずるように働きかけてまいります。
 さらに、労働相談情報センターにおきましては、内定取り消しなどの相談にきめ細かく対応するとともに、しごとセンターにおきまして新たな就職先の確保を支援してまいります。
 全力を挙げましてこれらの取り組みを進めることで、内定者の方々の不安の払拭を図ってまいります。

○伊藤(ゆ)委員 今まさに学生で就職を希望している方々は不安で仕方ないと思いますので、力強いメッセージを改めて知事から発信されますようにお願いを申し上げたいと思います。
 都が補正予算で、コロナウイルス対策としてテレワークにいち早く着目し、迅速にテレワークの導入支援を展開したことは、企業の求めるところであったといえます。その証拠に、今回の新しい助成金事業では、申し込みの電話が鳴りやまないと聞いております。
 想像以上の反響で、予算額を上回る可能性が高いと思いますが、今後の予算確保について伺います。

○村松産業労働局長 さきの補正予算の成立によりまして、三月六日から開始したテレワークの導入に対する助成金につきましては、お話のとおり、事前の予想を大きく超えた申請がございます。仮に現在のペースでの申し込みが続いた場合、締め切り日までに、想定した規模の二十倍を超えることが見込まれております。
 テレワークの導入支援は、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐことはもとより、中小企業の働き方改革にもつながる有効な施策でございまして、必要な予算の確保に努めてまいります。

○伊藤(ゆ)委員 まさに今この状況にあって、企業のニーズに合致したテレワークの取り組みであったということが、今二十倍という話にもあらわれていると思います。
 しかし、そういう意味では、予算がしっかり確保されていないと、企業からそれはまた新たな不安ということになりますので、ご答弁のように、必要な予算の確保にしっかり努めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 一方で、助成金の申請方法を確認したところ、申請書類を全て紙で用意して、それを郵送するということでありました。テレワークというデジタル社会ならではの働き方を推進する事業で、申請手続は従来どおり紙でお願いしますというのは、率直に違和感がございます。
 もちろん、申請書類には印鑑証明書など原本を提出しなければいけないなど、課題はわかります。しかし、そういう課題を民にも求めているわけですから、官から、東京都から克服していかなければならないのではないでしょうか。
 このテレワーク助成金は緊急対策ですから、トライアル的にでも、初めての電子申請の視点を持って申請方法を工夫すべきではないでしょうか。見解を伺います。

○村松産業労働局長 テレワークへの助成金につきましては、感染症防止の観点からも郵送による申請の受け付けを原則としております。
 また、書類の偽造を防止するため、申請書類のうち、法人の登記簿謄本、印鑑登録証明書等につきましては、原本の提出を要件としているところでございます。
 今後は、ご指摘を踏まえまして、電子メールによる提出が可能なものについて柔軟に対応するなど、手続の簡素化、迅速化を図ってまいります。

○伊藤(ゆ)委員 新型コロナウイルスは、都内経済に非常に大きな影響を及ぼしておりますことはいうまでもありません。感染拡大を早期に抑えることが最大の需要喚起策ともいえます。
 四月に都が発表する予定の本格的な緊急対策においては、特に観光、飲食、娯楽関連産業の従事者、ひとり親を含む非正規労働者など、しわ寄せを受けやすい都民に対して支援を行っていくべきです。
 さらに、インターネットなどによる販路拡大、いわゆる巣ごもり消費への対応などのビジネスモデルの変革、サプライチェーンの再編成、休職、失職者がよりよい職を見つけるための職業訓練の強化、休業によりあいた時間を活用した副業など、現状に合わせ自己変革する事業者、労働者への支援も強化する必要があります。
 また、都内でのオーバーシュートのリスクが指摘されている現状では、感染拡大の三条件を同時に満たす可能性が高い大規模イベントなどに対し、延期、中止などを求める現在の方針を継続することが重要です。
 あわせて、イベント運営会社からは、延期、中止などによる経済的損失が多大に及ぶという切実な声も頂戴しておりますので、都としての支援の検討も求めておきます。
 それから、今回新たにわかりましたが、買い占め問題も深刻でした。日本介護クラフトユニオンが全国四千四十三の介護事業所を対象に行ったアンケート調査でも、マスクなどの衛生用品が入手困難となっており、新型コロナウイルス発生の有無にかかわりなく、介護サービス事業所としての日常的な感染症対策が継続不可能な事態になっているとの指摘もありました。
 今後、こういった買い占めなどによる混乱や支障が生じないように方策を考えていくべきと考えます。これは要望をしておきたいと思います。
 続いて、災害対策について伺います。
 私たち都民ファーストの会は、かねてより災害時の非常用電源の重要性を主張してまいりました。特に区市町村庁舎の非常用電源確保に都の予算を投ずるべきと主張した当時は、区市町村みずからが行うべきものとの空気があり、予算化の道のりは決して簡単なものではなかったと承知しております。
 しかし、地域の司令塔となる区市町村庁舎の電源が落ちれば、都との連携手段も絶たれ、災害対策の手がとまることは想像にかたくありません。
 知事は、こうした都民ファーストの会の声を受けて、一昨年に予算化を決断されました。その後、北海道のブラックアウトが発生し、その必要性がますます認識されたところです。一層の整備促進が急務でありますが、取り組み状況を伺いたいと思います。

○遠藤総務局長 都は、都議会からの要望も受け、区市町村庁舎の非常用電源確保の取り組みへの支援を平成三十年度から行い、庁舎の建てかえに合わせ、事業費総額で三億円を超える大規模な非常用電源の整備に着手する事例など、これまで中野区や清瀬市など八区市が電源の七十二時間化や水害対策に都の補助制度を活用しております。
 また、今年度から専門家派遣事業も実施し、二十一の区市町村に対し電気設備の改修方法等、庁舎の実情に応じた整備案を提示しております。区市町村からは、詳細な整備案の提示により事業の検討が加速されたなどの声が出ておりまして、既にこの整備案をもとに整備に着手した区が出るなど、本事業により取り組みが一層推進されていると考えているところでございます。
 今後は、専門家派遣による成果を具体的な整備につなげるよう働きかけを強めるなど、積極的に取り組んでまいります。

○伊藤(ゆ)委員 三億円を超える大規模な非常用電源の整備に着手するところもあらわれているということなので、これもまた自治体にとってニーズにかなった予算であったというふうに申し上げておきたいと思います。
 さらに、非常用電源とともに、災害時にWi-Fiは特に有用なものになってまいります。とりわけて、それは避難所に限りません。災害時に地域のかなめとなって災害対策に当たってくださるのが消防団であります。台風の襲来時には、消防団が待機するのが消防団の分団小屋でございました。
 いち早く地域の災害情報、気象情報を把握し、適切に行動するために、各自のスマホから情報をとることは大変重要であり、私もその現場を拝見いたしました。しかしながら、分団小屋にはWi-Fiが整備されておりません。これは即座に整備すべきと考えますが、所見を伺います。

○安藤消防総監 水災等の大規模災害発生時に、より安全かつ効果的に消防団活動を実施するためには、災害情報の収集及び共有が重要でございます。
 このため、東京消防庁では、消防署と特別区消防団で災害情報の共有を図るため、受令機や消防団専用MCA無線機等を整備するとともに、平成二十九年度には、分団本部施設に災害情報収集用のテレビ等を整備いたしました。
 また、インターネット上には、雨雲レーダーによる雨量予測やライブカメラによる河川状況など有益な情報があり、Wi-Fiを活用した情報収集の重要性について認識しております。
 今後は、消防団活動における有用性を検討するなど、情報共有体制の充実に取り組んでまいります。

○伊藤(ゆ)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 そして、防災機能として都立高校についても伺いたいと思います。
 日常的に、地域の避難所といえば、多くの方が認識しているのは区市町村立の小中学校だろうと思いますが、そしてまた広域避難所といえば、都立公園などに当たるのではないかと思います。
 一方で、避難所一覧を確認しますと、都立高校も区市町村と協定が結ばれており、避難所となっていることがわかります。しかしながら、地域と連携した防災訓練が、少なくとも私の記憶においては行われていないというふうに記憶しています。
 そこで、都は先月の二月末に、都立施設を避難所と位置づけている区の状況について調査を行っていらっしゃいます。その調査結果が明らかになったということですので、教えていただきたいと思います。

○遠藤総務局長 都は、昨年の台風被害を受け、風水害時における住民の避難先に都立施設の活用を図ることといたしました。都立高校が発災時に避難所として有効に機能するためには、都立高校の管理者と避難所の管理運営を行う区市町村や地元町会等との間で連携体制が確立されていることが重要でございます。
 今回の調査をもとに確認を行った結果、特別区では、二十二区において必要とする都立高校と協定を締結し、避難所としての活用を見込んでおります。
 そのうち、休日、夜間における施設の鍵の解錠者を定めている区と、地元との間で避難所としての開設訓練を実施している区は、それぞれ全体の約半数でございまして、全ての施設で地元町会等と鍵の管理方法を定め、日常的に訓練を行っているのは一区にとどまっております。

○伊藤(ゆ)委員 今、日常的に訓練を行い、かつ地元町会と区内にある都有施設の鍵の管理をしっかり定めているのは二十三区の中で一区しかない、一区しかないということです。そういう意味では、大事なところは、夜間とか休日に逃げ込めるようにするということです。
 とりわけて都立学校は現在、夜間、休日は無人警備が多く、不審者対策から高い塀に覆われています。体育館はもちろん施錠もされています。もし深夜に震災に襲われたら、逃げ込みたくても逃げ込めないということになりかねません。この際に鍵を地元区市町村や地域の消防団に保有してもらうなど、即応性のある備えをしておくべきと考えます。
 また、地元区市町村と連携した避難訓練を常態化させるべきと考えますが、都の所見を伺います。

○藤田教育長 都立高校は、区市町村から避難所の指定を受け、発災時には開設と運営に協力を行っているところでございます。各学校では、地域の実情に応じ、地元町会等との定期的な協議会の開催や、鍵を解錠する担当者の指定などの取り組みを行っているところでございます。都教育委員会はこれまで、学校に対しまして地域の自治会等との協議や学校危機管理担当者の指定などの取り組みの徹底を促してきたところでございます。
 災害時の即応体制の構築に当たりましては、日ごろから区市町村、自治会、学校の協力関係をつくり、発災時の避難所利用が円滑になされることが重要でございます。
 今後、都教育委員会は、総務局などの関係局と連携いたしまして、区市町村との関係強化を図るとともに、各学校と地元区市町村等との間で防災訓練の実施や地元での鍵の管理など、具体的な取り組みが進むよう支援してまいります。

○伊藤(ゆ)委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、段ボールベッドについても伺います。
 大規模災害時には体育館などの避難所での生活が余儀なくされ、特にかたくて冷たい床の上での生活が被災者の体力を奪っていきます。
 そこで、都民ファーストの会は、段ボールベッドの備蓄を都に求めてまいりました。
 その結果、都として段ボールベッドを備蓄し、災害時に地域の避難所に届ける予算を来年度予算案に計上されたことは、災害時の感染症対策にもつながることから大きな一歩だと考えております。
 あわせて、災害時に迅速に都内の多くの避難所で段ボールベッドを展開するためには、避難所に近い区市町村が保有することが望ましいと考えます。
 今後、都として段ボールベッドの確保を望む区市町村を支援すべきと考えますが、所見を伺います。

○遠藤総務局長 都は来年度から、避難所の生活環境の向上を目的として、長期の避難所生活に有効な段ボールベッドの新たな調達先を確保するとともに、緊急的に避難所に提供できるよう、二千台を備蓄することといたしました。
 大規模災害時には多くの方が避難所での生活を強いられることから、多量の段ボールベッドを迅速に避難所に配備するためには、都による確保対策のほか、避難所の運営を担う区市町村によるさらなる取り組みを進めることも重要でございます。
 来年度は、区市町村における段ボールベッドの確保対策の現状や支援ニーズ等についての調査を行い、区市町村による取り組みを一層推進する観点から、支援策について検討を行ってまいります。

○伊藤(ゆ)委員 検討するということですので、よろしくお願いしたいと思います。
 さらに、総務局は、来年度予算案に、防災備蓄に向けたウエブサイトの構築、四千百万円を計上しています。これは私も説明を受けましたが、例えば自分の家族構成や、一軒家なのかマンションなのかということを入力すると、それに合った備蓄品のリストが表示されるといったサイトの立ち上げだそうです。啓発には大変よい取り組みだと思います。
 一方で、どこに住んでいるのかの所在地による情報提供は含まれていないそうです。例えばですけれども、今後は住所を入れれば、あわせてハザードマップとの連携によって水害の危険性や土砂災害の危険性などを一遍に見える化できる、こんな仕組みにできないでしょうか。まさにスマートシティーとセーフシティーの融合モデルになると考えます。
 新型コロナウイルス対策のサイトは大変好評を得ております。来年度構築する防災備蓄サイトにおいても、各局の持つ防災に関する情報を連携させ、一人一人の状況に応じた情報を都民が効果的に受け取れるようにすることが、都民の防災意識を向上させ、ひいてはスマートアンドセーフシティーの実現になるものと考えますが、知事の所見を伺います。

○小池知事 都はこれまで、災害発生時におきまして都民が正確な情報を入手するために、防災ホームページに防災マップを公開して、そして土砂災害警戒区域、浸水害の危険度分布などの情報を提供しているところでございます。
 こうした取り組みに加えまして、来年度は、家庭の防災備蓄を促進するために、簡単な質問に回答するだけで住居の状況や家族構成等に応じた備蓄リストをわかりやすく提示するウエブサイトを新たに構築することは、ご指摘のとおりでございます。
 その際入力されました住所情報をもとにいたしまして、区市町村のハザードマップや地域危険度マップなど、都が持ちますさまざまなデータと連携をして、ご提案を踏まえまして、お住まいの地域に応じた必要な情報を都民に提示する機能の付与についても検討してまいります。
 都庁のデジタルトランスフォーメーション、これを進める中で、防災情報に関しますウエブサイトやアプリにつきましては、ユーザーの視点から見直しを行い、わかりやすく情報を届けていくことによって、都民の防災意識の向上につなげてまいります。

○伊藤(ゆ)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 こうしたサイトには、災害時においては負荷が極端にかかります。現在、都では、各局が発注し、委託先が管理するサーバーを使用しているとのことですが、本当に大規模災害時にダウンすることはないのか。
 当然、仕様書の中に負荷に強いサーバーが必須条件になっていると思いますが、絶対にダウンを起こさないようにしている民間企業などでは、自前でサーバーを借り上げるなどしております。
 災害に強い東京都のサイトになるように、民間企業の経験を生かした再点検が必要ではないでしょうか。宮坂副知事の所見を伺いたいと思います。

○宮坂副知事 お話のとおり、災害時、地域に密着した情報入手手段として、自治体のホームページは今や多くの住民にとって不可欠なものであり、いつでもどこでも、そして危機的な状況のときこそ災害情報を提供することは、全ての自治体の使命であるというふうに認識しています。
 アクセスが集中した際の対策といたしましては、まず、コンテンツを軽量化するほか、多数のキャッシュサーバーといいますが、そういった特別な設備を入れたりとか、負荷を分散することによりホームページの情報を安定的に提供可能なCDN、これもちょっと特殊な仕組みなんですけど、こういった仕組みを入れることが非常に有効であるというふうに考えています。こうしたCDNは、ポータルサイトなど日常から多くのアクセスが発生するホームページを運用する民間企業などでは、利用が標準装備として進んでおります。
 こうした事例を参考に、今年度、東京都の公式ホームページにおいて、CDNなども導入したアクセス集中対策の強化を図りました。
 また、東京都だけではなく、区市町村の皆様に対しても、都独自にCDNやコンテンツの軽量化等の推奨例を具体的に示したアクセス集中対応のためのガイドラインというドキュメントを取りまとめ、二月末に区市町村へ提供し、対策の強化を促しております。
 今後は、災害時にアクセス集中が予想されるコンテンツの軽量化をさらに進めるなど、全庁を挙げて、何があっても落ちない、災害に強いホームページを運用できるよう取り組んでまいりたいと考えております。

○伊藤(ゆ)委員 民間での取り組みに詳しい宮坂副知事に、ぜひこの点については尽力をしていただきたいということを重ねてお願い申し上げたいと思います。
 昨年の台風で、都内も浸水被害が生じました。気候変動によってリスクは高まっており、都内の低地における水害対策は喫緊の課題であります。
 こうした中、都知事が国交大臣に提案して、防災に関する国との連絡会議が一月に設置されました。この会議では、水害対策について検討されるとのことですが、大規模浸水時の対策として、広域避難だけではなく、容積率の緩和などにより建物上部階に垂直避難する場所を確保するなど、さまざまな対策を検討すべきと考えますが、所見を伺います。

○佐藤東京都技監 防災まちづくりを強力に推進していくため、本年一月に、災害に強い首都「東京」の形成に向けた連絡会議を国とともに設置し、東部低地帯の水害対策や木密地域での地震対策を中心に検討しております。
 第一回の会議では、水害対策の目標像として、治水安全度を向上させることに加え、万が一、大規模水害が発生し、逃げおくれた場合でも、命の安全が確保されるまちづくりを進めることなどを共有いたしました。
 明後日に第二回会議を開催いたしまして、調節池等の整備とともに、まちづくりによる高台化の推進や、避難スペースを上部階に確保した建築物を再開発事業などによって整備するなど、幅広く検討を進め、来年度のできるだけ早い時期に一定の取りまとめを行っていきたいと考えております。

○伊藤(ゆ)委員 今の答弁は大変重要だと思います。容積率の緩和などによって、こうした逃げ込める場所を確保するということでございますので、積極的な取り組みを改めてお願いしたいと思います。
 まちづくりという観点で、駐車場条例の見直しについて伺います。
 昨年の第四回定例議会において、私たちは、時代の変化を捉え、駐車場の附置義務を抜本的に見直すべきと質問をいたしました。これに対し、都は、カーシェアリング市場の拡大など社会情勢の変化などに即し、条例の見直しを検討していくとの答弁がありました。
 現状についてどのような課題があると認識し、どのように取り組むのか伺いたいと思います。

○佐藤東京都技監 駐車場をめぐりましては、区部の一部の駅周辺で一般車の駐車場に供給過多の傾向が見られるほか、都心部や区部の駅周辺で荷さばき車の路上駐車が多く見られます。
 こうした場合、これまで都心部などでは、附置義務の地域ルールを地元区などが策定するということで対応してまいりましたが、近年、それ以外の区域でも駐車場の需給のアンバランス等が見られることから、ルールが策定できる区域の拡大などについて検討が必要というふうになってございます。
 また、カーシェアリング市場の拡大、あるいは宅配需要の増大なども踏まえ、長期的な観点を持ちながら、附置義務基準のあり方についても検証する必要がございます。
 来年度、多摩地域も含めまして、地域特性や建物用途も勘案しながら実態を調査するとともに、有識者による検討委員会を設置いたしまして、条例の改正を視野に入れた検討を行ってまいります。

○伊藤(ゆ)委員 条例の改正を視野に入れた検討というのは、初めて答弁をされた、画期的な答弁だというふうに思います。これによって、例えばですけれども、商店街など小規模な建てかえにおいても、あるいは再開発においても柔軟なまちづくりが可能になりますので、ぜひ早期にこの条例改正を行っていただきたいということをあわせて申し上げたいと思います。
 東京、そして日本の成長について伺います。
 知事はかねがね、バックキャストという言葉を用いて、日本の将来への強い危機感ゆえの将来ビジョンを、二〇四〇年という未来からの逆算で描いてきました。
 これはパネルでございますが、お手元に資料が行っているかと思います。二〇六〇年、世界と日本の人口の推移というものを著書から抜粋させていただきました。
 今、日本が大幅に人口減にあることは、もう周知の事実でありますが、中には、日本が一足早く高齢化するだけだとか、欧米も人口減少するだろうとか、デジタル技術で高齢化をカバーできるとか、日本はまだまだ大丈夫という、こうした見立てが方々で聞かれます。
 しかし、現実は、世界の人口は二〇六〇年にどうなっているかといえば、三六%ふえています。日本を除くG7も、一五%人口がふえています。アメリカも、二〇六〇年には二五%。こうして見ていくと、大きな国、そしてまた先進国の多くが、人口は実はふえていくわけです。
 一方で、日本はどうかというと、マイナス三二%。特別日本だけ、激しい人口減少が二〇六〇年にやってくるという、こうした統計というのはうそを語らないと思います。
 そういう意味で、人口と経済の成長に関係がないわけがありません。もちろんそのことをここで証明はしませんが、日本の最大の弱点は、日本はナンバーワンだと思いたい人たちによるイノベーションのなさだというふうに思います。そして、数字やエビデンスをもとに戦略を立てて変革をしようとしないことです。
 そこで、まず、知事は長期ビジョンを立てるに当たって、二・〇七という数値目標を掲げました。その思いをお聞かせいただきたいと思います。

○小池知事 かつて経済大国と呼ばれ、世界第二位のGDPを誇った日本でございますが、現在、アメリカ、中国に大きく水をあけられているところでございます。
 人口は国力の源泉であります。人口減少の急激な進行ということは、すなわち労働力の不足、個人消費の減少、都市の活力、ひいては国民生活にも大きな影響を与えるものでございます。
 そして、激化する都市間競争にもおくれをとって、東京、日本のプレゼンスのさらなる低下につながりかねません。私は、強い危機感を覚えずにはいられないところでございます。
 こうした危機的な状況に、我が国は本当に正面から向き合ってきたんだろうか、客観的なデータやエビデンスに基づいた本質的な議論を行ってきたのだろうか、これまでは対症療法にとどまっていたのではないか、このような思いを抱いているところでございます。
 今はまさにポイント・オブ・ノーリターン、もう帰れない地点、そして最後のチャンスだということでございます。
 全国で最も出生率が低い東京があえて先頭に立つことで、少子化に立ち向かっていかなければならない。私はこのような強い決意を持ちまして、未来の東京戦略ビジョンにおいて、人口維持に必要な水準であります合計特殊出生率、これが二・〇七でございますが、この二・〇七の実現を掲げたところでございます。現状からすればとても高いハードルではございますが、少子化から脱却するためには目指すべき当然の数字かと存じます。
 東京、日本の未来を切り開くのは、まさに子供たち。こうした思いを都庁内で共有いたしまして、戦略ビジョンの実現に向けた取り組みを推進してまいります。

○伊藤(ゆ)委員 今、知事から力強い言葉がありましたが、その中でポイント・オブ・ノーリターンという言葉が出てまいりました。よくある、これはパイロットが使う言葉でもあろうかと思います。この先まで行ってしまうと、もう燃料が帰りの分なくなるので、その後どうなるかというと、このリターンのポイントを逃すと、もう墜落するしかないという、それだけ強い危機感を持って、まさに今、私たちがエビデンスに基づいて戦略を練っていかなきゃいけない。そういう先頭に、我々都議会も立たなければいけないという自覚を持たせていただきたいというふうに思います。
 そういう中で、今度はこちらのパネルを見ていただきたいと思います。お手元にも資料を配布しております。こちらは世界の特殊出生率国別ランキングでございます。ちょっと小さいので、お手元の配布でよくごらんいただきたいと思います。
 今日本はどこにあるかというと、二百二の地域と国がこの中でランキングされていますが、百八十四位。下から数えた方が早いです、一・四三。一方で、例えば、今知事がおっしゃられた二・〇七を実現している国というのは、トルコや、あるいはベトナム、エルサルバドルと、こういう国々でございます。私も時々ベトナムへ行きますけれども、急激な人口増加をしているのではないかというふうな印象を与えるベトナムでも二・〇四でございます。
 一方で、少しお国柄が違いますので、先進国や、またOECD加盟国というところを見ていきますと、例えばフランスが一・九二、スウェーデンが一・八五。この辺の国が日本にとってはメルクマールになる国ではないかということをまず指摘させていただきたいと思います。
 両国ともに一九九〇年代には一回、出生率が一・六程度まで下がっていますが、現在、一・八程度まで回復させています。
 例えばですけれども、父親の養育責任を厳格に定めて、DNA鑑定によって親子関係の確定を行い、別れた夫に対しては、社会保険庁が給料から養育費を天引きするというシステムがあったり、両親合わせて四百八十日の休業補償、さらには出産無料、無痛分娩などの費用に保険が適用されるなど、私もちょっと調べましたけど、いい出せば切りがないほどの少子化対策のメニューが並んでいます。
 都は既に、養育費の受け取りを都が支援する仕組みを表明していますけれども、私はまず、これらのメルクマールともいえるフランスやスウェーデン、こうした国々の事例を検証し、都政に取り込めるものは取り込んでいく、そのための検討会をつくるべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。

○小池知事 戦略ビジョンで二〇四〇年代の姿としてお示しをいたしました出生率二・〇七を目指すためには、これまでのただ延長線上の取り組みでは、到底立ち行かないことはご指摘のとおりでございます。
 海外に目を向けますと、お話にありましたように、フランス、スウェーデンなどは、少子化に対しましては相当の危機感を持って、あらゆる制度に踏み込んで対策を講じた。そして、時間をかけて出生率を回復させてきたという経緯がございます。これら海外の事例を含めまして、子供、子育てに関する幅広い調査を行って、都として何ができるかを研究してまいります。
 こうしたエビデンスに基づきまして、効果的な少子化の取り組みを進めるために、子供に関する知見を有する有識者等によります新たな検討組織を立ち上げます。
 さまざまな議論を踏まえまして、組織横断のチームの中で、出生率の向上に向けました総合的な対策を全庁挙げて検討して、来年度策定する長期の戦略に反映させてまいります。
 都民ファーストの視点に立って、これまでにない大胆な政策を展開して、子供たちが将来に夢と希望を持って、楽しく生き生きと暮らせる、そんな未来の東京をつくり上げてまいります。

○伊藤(ゆ)委員 今、新たな検討会組織を立ち上げるということでございますので、都民ファーストの視点に立った、そうした検討内容がまとまることを期待しておきたいと思います。
 もう一度いいますけれども、日本はまだまだ大丈夫だと思っていらっしゃる方が結構います。二〇六〇年に減ってもまだ日本の人口は八千万人いるじゃないかと、こういうふうにいわれる方さえいらっしゃいます。
 しかし、私は、人口一億二千七百万人以上いる現状においても、既に最大の成長産業であるICTにおいてエンジニアが極端に不足しており、アイデアが経営者にあっても商品が生まれない状態に陥っていると感じております。
 その現状について、宮坂副知事の認識を伺います。

○宮坂副知事 ご指摘のとおり、ICT人材の不足は大きな問題と認識しております。二〇一九年のICTエンジニアの有効求人倍率は約二・五倍であり、全職業の平均一・四倍を大きく上回っております。
 また、二〇二〇年二月末時点における東京証券取引所の上場企業約三千七百社の株式時価総額が約六百兆円であるのに対し、いわゆる米国系のGAFA、中国系のBATの七社、二十一世紀型企業の七社だけで時価総額が既に五百兆円を超えるなど、この二十年間、二十一世紀になった二十年間で経済の牽引役は劇的に変わりました。
 そして、現在、医療、教育、交通といった、ありとあらゆる分野においてICTの活用が一斉に進もうとしており、ICT人材の重要性はますます高まっております。
 しかし、国の調査では、二〇三〇年に約四十五万人のICT人材の供給不足が生じると試算されており、東京都においても約五万人程度が不足するのではという推計もございます。
 労働力人口の減少が見込まれる中では、戦略的な取り組みが不可欠であり、今後、ICT人材の育成、確保に向けて、さまざまな手だてを講じてまいります。例えば、若い世代へのICT教育や高度外国人材確保等の支援に取り組みます。
 ICTによって富の創造がもたらされる今日においては、人材の確保こそが非常に重要でございます。都として先導的な事業を展開し、社会へのICT人材の供給力を高め、デジタルの力によって成長し続ける都市東京を目指してまいります。

○伊藤(ゆ)委員 本当に一番精通されている宮坂副知事からも、もうすぐその先、二〇三〇年に四十五万人のICT人材が全国的に不足し、東京でも五万人不足するということでございます。
 では、外国人雇用でいいではないかという意見も時々聞きます。技能実習生は、今現在でも実は約二十八万人です。昨年新たにできた特定技能制度で新たに就労した外国人の数は目標の四万人を大幅に下回り、約千人です。すなわち、外国人労働者の適切な雇用とその支援は大変重要であり、また外国人そのものが今の日本の産業の下支えになっていることはいうまでもありませんが、それだけでは解決しないということが今のお話でもよくわかります。国内でICT人材をしっかり育てていくこと抜きには解決しません。
 そこで、私は、昨年の予算特別委員会で都立高専について触れました。都立高専卒業生に対する求人倍率が十倍を超えていることがわかり、その強みは、企業サイドのニーズに応えた人材づくりにフォーカスして、プログラムに取り組んでいることであるということでありました。
 こうした取り組みを引き合いに、都立工業高校の改革についても昨年の予算委員会で提案したところです。知事は都立工業高校改革の必要性を指摘し、それを受けて、教育委員会において有識者による検討会議が立ち上がりました。教育委員会が設置した都立工業高校改革のための有識者会議に込めた知事の思い、期待を伺いたいと思います。

○小池知事 急速なグローバル化の進展、そして科学技術の進歩等に伴いまして社会が大きく変化する中で、その最前線に立つ産業界で求められる能力は高度化、多様化いたしております。これまで東京の産業基盤を支える人材を輩出してまいりました工業高校にも社会の変革に対応した変革が求められているところであります。
 このため、教育委員会におきましては、昨年十二月に学識経験者や企業関係者等から成ります有識者会議を立ち上げまして、新しい時代にふさわしい工業高校のあり方について、幅広い見地からの議論を重ねていただいております。
 有識者会議におきましては、これからの高度IT社会におけますIT人材の必要性や、企業等と連携をいたしまして、実社会で通用する最先端の技術を学ぶことの重要性などが指摘をされております。来月の下旬を目途といたしまして、提言を取りまとめていただく予定であると伺っております。
 提言を踏まえまして、工業高校の改革を強力に推進する、それによって常に進化する技術に対応しながら、みずからも学び成長し続ける人材を育成して、ソサエティー五・〇において、東京の成長の原動力となる工業高校へとさらなる発展を遂げることを期待いたしております。

○伊藤(ゆ)委員 ぜひ、都立工業高校は先ほど申し上げたIT人材のまさに人材輩出源になるというふうに思いますので、有意義な検討をお願いしたいと思います。
 また、町田の都立工業高校では、新たにTOKYO P-TECHという新しい取り組みが始まると聞いております。
 従来は、都立工業高校を卒業後に就職か進学かの選択になるわけですけれども、この新事業では、町田工業高校を卒業した後に、専門学校、具体的には日本工学院八王子専門学校だということですが、そこに進んでIT技術に磨きをかけるということであります。その高校、専門学校の、全体で五年間の教育活動を民間企業、これは具体的には日本アイ・ビー・エムが一貫して支えるという画期的なものでございます。
 高専をモデルにしたようなこのハイブリッド型工業高校の取り組みが成功し、十六ある都立工業高校に横展開されていくことを今から期待したいと思います。
 しかし、その成功の肝は、最先端の教育内容を提供し、卒業後に採用を見込む企業の存在ではないでしょうか。採用企業が見えていない学校に学生は寄りつきませんので、この事業モデルを横展開できるようにするためにも、高専を所管する総務局と工業高校を所管する教育委員会が局横断の連携チームをちゃんとつくって、母集団となる企業の情報交換などを行うべきだと考えますが、知事の見解を伺いたいと思います。

○小池知事 ソサエティー五・〇の到来を見据えまして、最先端の技術を持つIT企業と密接に連携をして、早い段階から世界に通用するIT人材をしっかりと育てていくことが非常に重要でありまして、まさにそれは時代の要請ともいえると思います。
 そうした中で、都立産業技術高等専門学校におきましては、平成二十八年度から情報セキュリティー技術者育成プログラムを開始いたしまして、十六のIT関連企業と協定を結んで、実践的な知識、技能や倫理観を有する技術者を育成いたしております。
 また、教育委員会におきましては、町田工業高校の三年間と日本工学院八王子専門学校の二年間を連携させまして、日本アイ・ビー・エムなどが切れ目なく支援をするという、これは全国初でございますが、五年間の教育プログラム、TOKYO P-TECHを令和四年度から開始いたします。どちらも民間IT企業の協力や支援を得ながら、実践的なIT人材に必要となる能力を育成いたします意欲的で実効性の高い取り組みでございます。
 今後も両校のこうした取り組みを充実させていくために、連携企業によります支援の内容や企業の拡充に向けた方策などの情報交換が進みますように、教育委員会と力を合わせながら取り組んでまいります。

○伊藤(ゆ)委員 力を合わせながらということですので、ぜひ情報交換をお願いし、よりよいものにしていただきたいと思います。
 今申し上げたとおり、こうした取り組みを行うには、まずスキームを支え、人材のエグジットとなる企業集団がまさに不可欠であります。
 一方で、郵便で事業内容を送っても、例えば日本アイ・ビー・エムのような企業が名乗りをこれから上げてくれるとは思えません。そこは特にICT業界に最も精通している宮坂副知事に先頭に立っていただき、高専と工業高校のP-TECH構想を支える企業群づくりを担っていただきたいと考えますが、所見を伺いたいと思います。

○宮坂副知事 スマート東京を実現し、東京の稼ぐ力を強化するためには、デジタルに精通した人材の育成、確保が不可欠でございます。しかし、先ほどのご質問でお答えしたとおり、ICT人材は、東京に限らず、日本全体で圧倒的に不足しているという課題がございます。
 こうしたことから、今後、安定的に人材確保を図っていくためには、高等学校において計画的に人材を育成することも大変重要であります。
 また、先ほどの知事の答弁にありましたとおり、高等学校においてICT人材を育成していくためには、最新のIT技術を持つ多くの企業と連携しながら、生きた情報技術を教えていく必要がございます。
 私は、民間時代、地方の教育機関でICT教育のサポートを行ったり、自分自身も足を運んだ経験があり、こうした取り組みを通じ、民間企業が教育機関をサポートすることの両者にとっての意義を強く実感しております。
 また、前職の話でございますが、当時はCTO、技術の責任者に当たるポジションなんですけれども、CTOは二人ほどは工業高校の出身だったり、高等専門学校の出身だったりということで、いかにその年代で正しく教育を受けることが重要かについては痛感しております。
 こうした経験や民間のIT企業で経営を担ってきた知見等を生かして、民間と行政のかけ橋となり、デジタル社会で活躍できる、次世代のスマート東京を担っていただけるような若い世代の育成にも、副知事として力を尽くしていきたいと考えております。

○伊藤(ゆ)委員 ぜひ副知事として力をまさに尽くしていただき、そして企業群をしっかりつくっていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 スマートシティーの実現について、さらに伺いたいと思います。
 新規関連事業も多数打ち出されていますが、同時に、私は、磨き直すことでスマートシティー構想に貢献する過去からの継続事業もあるのではないかと考えます。平成二十四年から始まっているアジアヘッドクオーター特区制度です。
 都はことし、第三次計画を練り上げるところだと聞いています。このアジアヘッドクオーター特区制度では、外国企業に対しては法人税の減税もあります。活用次第では企業誘致に効果的な制度であるはずですが、実は問題も幾つかあるというふうに認識しています。それは、完全な新規参入企業でなければ減税が受けられないという特区制度になっているということです。
 しかし、成長力のある企業で東京に支店も人も全く出していない企業というのはほとんどないんじゃないでしょうか。そういう意味では、私はここは、その企業が特区で大規模な事業を展開するという表明をされ、まさにオフィスを移転されてきたり、企業として拡大をした場合には、特区での恩恵を受けられる仕組みにするべきだというふうに思います。
 より特区の利点が生かせるように、この三次計画に当たっては、企業サイドのニーズをよく把握し、必要な変更は遠慮なく国に求めるべきと考えますが、知事に所見を伺います。

○小池知事 熾烈な都市間競争の中で、東京は世界中から人、物、金、情報を呼び込む成長戦略を展開いたしております。その鍵の一つが、先端技術等を有します外国企業の誘致でございます。
 都は平成二十四年度以降、アジアヘッドクオーター特区計画に基づきます外国企業の誘致を進めておりまして、平成三十年度までの都による誘致実績は百二十件、同じく外国企業によります直接的な投資額は、累計いたしますと約三百八十五億円となっております。
 東京を取り巻く産業や技術等の動向は日進月歩で変化していることはご存じのとおりでございます。これまで主な誘致対象としてまいりました第四次産業革命関連、金融系の分野に加えまして、ソサエティー五・〇の実現に資しますデータの利活用に関する分野等も新たに誘致ターゲットとしてまいります。
 また、理事ご指摘の外国企業の事業展開など、新規の拠点設立に限定しない支援施策等の検討も必要であると認識をいたしております。令和三年度以降の第三次計画の策定に当たりましては、アジアヘッドクオーター特区の強みでございます地域協議会を構成する官民メンバーとの連携を一層図ってまいります。
 そして、進出外国企業の実情、ニーズを踏まえまして、特区のメリットであります国との協議の場も活用して、規制緩和を含めてさまざまな支援施策等の取り組みを検討してまいります。

○伊藤(ゆ)委員 ぜひお願いします。
 そして、昨年からデモが続く香港や、ロンドンのブレグジットなど、世界的な金融センターが厳しい状況に置かれている中で、政治が安定している日本の首都東京にとっては、国際金融都市としてのプレゼンスを向上させる一つの好機であります。今後は、資産運用業やフィンテック企業を中心とした外国企業の誘致をさらに進めるとともに、特にアジアをターゲットにした誘致戦略を強化していくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○松下戦略政策情報推進本部長 都は、国際金融都市東京構想に基づきまして、東京の金融市場を活性化する大きな担い手と位置づけられております資産運用業と、それからフィンテック企業に焦点を当てまして、金融系の外国企業の誘致に取り組んでいるところでございます。
 本年度、平成二十九年度からの四年間の誘致目標を四十社から五十社へ引き上げまして、誘致活動を加速化しております。未上場で企業価値十億ドル以上のいわゆるユニコーン企業、あるいは世界有数の資産規模を有する資産運用企業、これの誘致に成功しているところでございます。
 今年度は香港セミナーを現地で開催しております。さらに来年度には、お話のアジア地域に特化しつつ、国際情勢を注視しながら、成長産業の誘致や、あるいは国内企業とのマッチングを促進いたしますアクセラレータープログラム、あるいは東京進出を目指す企業のアジアにおける現地相談窓口の設置等を行ってまいります。
 このような新たな取り組みを通じて、東京の魅力を世界に力強くアピールするとともに、東京の稼ぐ力の強化と持続的な発展につなげてまいります。

○伊藤(ゆ)委員 ぜひお願いします。
 スマート東京実現に向けたロードマップでは、五つの先行エリアが示されました。その先頭に記載されているのが都庁を擁する西新宿エリア、ここでございます。まさにお膝元から生活者が実感できるスマートシティーを実現してほしいと期待しています。
 そのためには、お膝元のさらにお膝元である、この都庁の庁舎内をスマート化すべきではないでしょうか。
 例えば職員食堂でも、あるいはパスポートの更新手続に行けば、印紙代、一万六千円の印紙を買うために現金をおろしにATMに行く方もいます。パスポートは国の問題でもありますが、国だから仕方ないではなくて、都が率先して国に働きかけ、印紙のあり方一つとっても、一石を投じるべきではないでしょうか。
 庁舎内の完全なスマート化を目指し、行政手続のオンライン化を推進すべきと考えますが、知事の所見を伺います。

○小池知事 都民のQOL、すなわち生活の質の向上に向けまして、東京を誰もが快適な生活を送ることができる、活力に満ちたスマート東京へと進化させていくためには、TOKYO Data Highwayの整備、そして西新宿を初めとしました、まちのデジタルトランスフォーメーションに合わせて、都みずからのDX、デジタルトランスフォーメーション、すなわち都庁のスマート化が重要になってまいります。
 その上で、都庁のスマート化を進めていくために、都民の利便性の向上や業務の効率化に向けました東京都の行政手続のオンライン化は、ご指摘のように不可欠でございます。
 都は、申請件数やオンライン化の阻害要因などを調査いたしまして、平成三十年度に電子申請の取り組み方針の改正を行っております。
 この方針のもとにおきまして、計画的に電子申請を進めて、令和三年度までに新たに約七百二十の行政手続のオンライン化を目指すことといたしました。今年度末までに約三百の手続のオンライン化を達成いたしまして、来年度も約二百の手続のオンライン化を図ってまいります。
 また、理事がご指摘になられましたとおり、今後、法令の改正等が必要な場合には、国に制度改正などの提案を要求してまいります。着実にオンライン化を進めまして、都庁のスマート化、そして都民の生活の質の向上を実現してまいります。

○伊藤(ゆ)委員 次に、ソーシャルファーム条例について伺います。
 元受刑者、シングルマザー、障害者など、就労困難者の方々の就労を支援する条例が全国で初めて成立いたしました。ダイバーシティーの象徴ともいえる、国に先駆けた取り組みです。
 先ほどもスマートシティーをお膝元でと申し上げましたが、同時に、ソーシャルファームの考え方を広く社会に発信するために、こちらも膝元の、例えば議会レストランで就労困難者が生き生きと働いていたり、職員食堂の食材にソーシャルファーム認定企業から野菜が並ぶなど、まずは都庁から目に見える形でソーシャルファームを発信していくべきと考えますが、ソーシャルファーム条例に込めた知事の認識について伺いたいと思います。

○小池知事 伊藤理事にも熱心に取り組んでいただいておりますこのソーシャルファームでございますが、就労に困難を抱える方が働く場であるだけでなく、ソーシャルインクルージョンの考え方に立って、多様な方々の就労を促進する象徴的な存在でございます。
 一人一人が輝くダイバーシティーの実現に向けまして、ソーシャルファームを生み出していくことはもとより、その社会的な意義や活動を都民や事業者にわかりやすく伝えて、そして理解と協力を得ていくことは不可欠でございます。
 このため、来年度でございますが、将来に向けたモデルとなるソーシャルファームの創設に取り組むとともに、誕生いたしましたソーシャルファームにおける事業活動や、そこで働く方々の生き生きとした姿をイベント、セミナー、SNSなどによって効果的に広く発信してまいります。
 また、都庁におきましても、隗より始めよとして、就労に困難を抱える方が活躍される場をふやしていくことも重要であります。お話のございました職員食堂でございますが、今後、事業者に対して、障害のある方やひとり親の方など、就労に困難を抱える方のさらなる雇用を働きかけてまいります。
 さらに、都の施設などを有効に活用しまして、就労に困難のある方の活躍の場を広げまして、ソーシャルインクルージョンの趣旨にかなう取り組みを率先して進めてまいります。
 これらの取り組みによって、就労に困難を抱える方の雇用を一層推進してまいります。

○伊藤(ゆ)委員 ソーシャルファームに続いて、親の所得格差が教育格差にならない取り組みについても伺いたいと思います。
 都は、生活保護世帯の子供たちへの支援として、塾代の支援を行ってきました。中学三年生の場合には年間二十万円を区市を通じて支給するというものです。塾代のほかにも、ボランティア体験など年間一万五千円を上限に支給する仕組みもあります。
 これらは、親の所得にかかわりなく、学びたいと思う子供たち、あるいは体験できる機会の提供となり、子供たちにとってのセーフシティーの一環として貴重です。しかし、大事なことは、こうした支援が子供たちに行き届いているかということです。
 まず、中学三年生の生活保護世帯の何%がこの塾代支援を利用しているのか伺いたいと思います。

○内藤福祉保健局長 平成三十年度におきます生活保護世帯の中学三年生のうち、塾代支援を行う学習環境整備支援費を利用した生徒の割合は、区部で五四・四%、市部で四四・九%、区市全体で五一・七%となっております。

○伊藤(ゆ)委員 今、全体で五一・七%ということがわかりました。中学三年生の都内の平均的な通塾率は、塾に通っている率は、私の手持ち資料だと七〇%ということだそうです。
 そういう意味では、多くの皆さんが、七〇%の子供たちが通っている一方で、この支援を使われている方は五一・七%ということでございました。つまるところ、制度がお子さんたちの手元まで届いていないのではないでしょうか。
 そこで、私たち都民ファーストの会は、昨年の予算委員会でスタディークーポンを提案いたしました。クーポンは従来の申請主義と違って、クーポンが対象世帯にクーポンとして届きますので、いわゆるアウトリーチがいいといわれています。
 スタディークーポンを積極的に取り入れていくべきと考えますが、所見を知事に伺いたいと思います。

○小池知事 将来を担う子供たちが自分の希望する進路を選択できますように、それぞれが置かれている状況に応じて、多様な手段で支援していく必要がございます。
 都は、生活保護世帯の子供を対象といたしまして、学習塾の費用などに助成を行う区市を支援いたしておりまして、来年度からは学生ボランティアなどを活用した家庭訪問による学習相談、地域の学習塾などを利用できるクーポン券、これを給付する取り組みについても支援を開始いたしてまいります。
 今後、こうした取り組みを通じまして、子供への学習支援をさらに強化して、生活保護世帯の家庭の状況に応じたきめ細かな支援につなげてまいります。

○伊藤(ゆ)委員 ぜひそのクーポンの活用をお願いしたいと思います。
 あわせて、塾代とともに、先ほど申し上げたように、生活保護世帯のお子さんたちには健全育成支援費というのもございます。ボランティア体験などに年間一万五千円を上限として支給しますよということなんですけれども、三十年度は何件で、幾らぐらいの執行があったんでしょうか。伺いたいと思います。

○内藤福祉保健局長 お話の健全育成支援費は、次世代育成の観点から、ボランティア体験イベントや社会教養セミナー等の参加経費に対しまして区市が助成した場合に、一人当たり年間一万五千円を上限に都が包括補助で支援しているものであり、平成三十年度の実績は二区一市で六万円でございました。

○伊藤(ゆ)委員 市区町村あって、二区一市、六万円だけの執行ということです。つまりは全然知られていない。
 私もちょっと調べさせていただいて、東京都にも区に確認をしてもらったところ、チラシがないと、そもそもこういう支援が生活保護世帯にとってあるということがわからないわけですよね。チラシにちゃんと塾のことを載せている、そういう区が、聞いたところ、二十三区の中で十六区です。ボランティア体験についていうと、チラシに載せていたところは、わずかに三区しかない。
 チラシもなければ、それはどういう制度があるかって、やっぱり生活保護世帯に届かないです。ですから、使われないということがあったのではないかと思います。
 しかも、東京都の例示として、ボランティア体験イベントというふうに書いてあるんですけれども、どういうことに使えるかも、ちょっといまいち判然としないところがあります。
 例えばですけれども、私なんかも子供たちを学童保育に預けていたときにはキャンプなんかがありました。ただ、やっぱり世帯の収入によっては、キャンプ代が払えないので参加できないという世帯もあったんですね。ですから、まさにこういう学童キャンプなんかでも使えますよというふうにしてあげると、漏れなくお子さんたちが参加できる。そしてまた、ほかの親たちとの縦、横、斜めの人間関係ができるというふうに思うんです。
 ですから、私は、これ、学童キャンプにも適用できるという説明を受けていますので、ぜひ区に働きかけて、わかりやすくチラシに掲載をし、またチラシがしっかり届く、あるいはクーポンに変えればアウトリーチしますので、これもクーポンに変えるということを要望しておきます。
 受験生チャレンジ支援事業についても伺います。
 こちらは、生活保護世帯のおよそ一・一倍の所得層、つまりおおむね四百万円以下の世帯のお子さんに対して、塾代二十万円を貸し付けて、進学できた場合は返済免除というものでございます。
 都民ファーストの会は、これについても対象世帯の拡充を求めてまいりました。塾に行けるお子さんと行けないお子さんに教育格差がやっぱり生じてはなりません。
 昨年、知事が答弁をされた教育への投資は未来への投資であるとの言葉は、所得格差で漂流する子供たちには、希望の光と輝くものであったと思います。
 改めて知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○小池知事 教育への投資は未来への投資、この考えは変わりません。そして、子供たちが家庭の経済状況などの環境にかかわらず、みずからの進路を切り開くために、子供の学習を支援していくことは重要でございます。
 お話の受験生チャレンジ支援貸付事業でございますが、一定所得以下の世帯の中学三年生、高校三年生等の受験生に、学習塾の費用や入学試験の受験料の無利子貸付を実施するものでございます。
 今や年に八千を超える世帯が利用しておられ、そのほとんどの子供さんたちは進学につながっております。この事業を利用した子供たちからは、学習意欲が向上した、成績がよくなったなどの声が寄せられまして、高等教育の進学に向けまして、一定の事業効果があらわれていると考えております。
 今後、より多くの子供たちが利用できますように、区市町村や都内の中学校、高等学校などと連携をいたしまして、事業の周知を強化するなど、一層の利用促進を図ってまいります。

○伊藤(ゆ)委員 ぜひ周知もお願いしたいと思いますが、あわせて、今は生活保護世帯の一・一倍の所得層までですが、この拡充も、対象世帯をやっぱり広げていくということも重要ではないかと思いますので、ぜひ検討をお願いしたいと思います。
 これからの、変化の激しい時代においては、子供たちに身につけさせる力も変わってきています。社会が直面する変化を柔軟に受けとめ、主体的に課題を解決していく力を育むことが必要であり、そのための学習成果をはかる指標も変わってくると思います。
 昨年の第四回定例会において、都は、学力向上施策について検討していくと答弁されましたが、その後の検討状況と今後の取り組みについて伺いたいと思います。

○藤田教育長 都教育委員会は、有識者等による検討委員会におきまして、学力向上施策について検討を重ねてまいりました。
 同委員会では、都の学力調査を、学んだことを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力など、新たな視点から実施すべきとの方向性が示されたところでございます。
 これらを受けまして、来年度は学習への興味、関心や学び方など、子供の意識や実態をより的確に把握するための学力調査の内容や方法等を検討してまいります。
 あわせまして、各教科における知識等の定着状況につきましては、国が実施しております全国学力・学習状況調査の結果をより効果的に活用できるような手法について研究してまいります。
 こうした取り組みをさらに進め、次代を担う子供たちに求められる力をはかるための新たな学力調査の手法を開発し、令和三年度から実施してまいります。

○伊藤(ゆ)委員 児童虐待防止について伺います。
 都は、児童相談所の増員やハイリスク案件の警察との全件共有を実施するなど対策を講じてこられました。
 また、国に先駆け、親の体罰を禁じる要項を加えた東京都子供への虐待の防止等に関する条例を制定、昨年四月に施行されました。
 私たち都民ファーストの会も、条例の必要性や体罰によらない子育ての推進などを強く訴えてきたところでございます。
 虐待などの理由で、親と暮らせないなど代替養育を必要とする都内の児童数は平成三十年度で約四千人に上っているといわれます。
 国は、新しい社会的養育ビジョンにおいて、親と暮らせない子供たちについては、家庭での養育を進めるとし、里親への委託率を、三歳未満で五年かけて七五%、就学前で七年かけて七五%、学童以上で十年かけて五〇%と目標設定をしまして、一方で、都の令和十一年度の目標設定は三七・四%としており、国の目標設定よりも低くなっています。
 どのような考えで目標数値を設定したのか、見解を伺いたいと思います。

○内藤福祉保健局長 都は、要保護児童を措置する際には、家庭養育優先の原則に基づき、まずは里親等への委託を検討しておりますが、虐待等により、心に深い傷を受け情緒的な課題を抱えるなど、里親等への委託が困難な児童もおりまして、昨年度の里親等委託率は一四・三%となってございます。
 今年度、十年後の委託率の目標を設定するに当たり、児童相談所に対しまして、昨年五月時点で施設に入所していた全ての児童について、里親委託の可能性等を調査いたしました。今回設定した目標値三七・四%は、この結果に基づきまして、施設での専門的ケアが必要な児童等以外は、全て里親等委託が可能なものとして算出したものでございます。

○伊藤(ゆ)委員 これについては、一層の取り組みをお願いしたいと思います。
 昨年、我が会派の厚生部会では、民間の力をかりた里親委託、常勤弁護士の配置による子供の権利擁護など、先進的な取り組みを行っている福岡市の児童相談所を視察してまいりました。また、関係者や有識者へのヒアリングや勉強会なども行ってきたところでございます。
 これらを通じ、里親委託率をふやすには、里親になる人々をふやす、里親とのマッチング率をふやす、里親の思いに寄り添い、里親のもとにある子供の権利を守る体制の確保を行うという三点が必要との知見を得ました。
 これら三点について、都の取り組みを強化すべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。

○内藤福祉保健局長 都は現在、里親等への委託を推進するため、民間機関を活用した里親への相談支援、特別養子縁組を前提とした新生児委託推進事業など、さまざまな取り組みを進めております。
 また、子供の最善の利益を守るため、第三者が子供や里親などから意見を聞き、調査や助言等を行う新たな仕組みの構築に向け、関係団体等の意見も伺いながら課題を整理しているところでございます。
 来年度は、新たに里親のリクルートから児童と里親のマッチング、養育の支援に至るまで、一連の業務を包括的に民間機関に委託するフォスタリング機関事業をモデル実施し、民間機関が一貫した体制のもと、児童相談所と連携しながら、里親に継続的に寄り添った支援を行うこととしており、里親等への委託を一層推進してまいります。

○伊藤(ゆ)委員 さらに、私たちは、虐待などの場面において、子供の最善の利益実現のためには、アドボケートの創設が欠かせないと考えています。
 令和元年の児童福祉法改正においても、児童の意見表明を保障する仕組みを検討することが規定されました。
 都は既に、都民ファーストの会の代表質問に対し、子供の最善の利益を守るため、第三者があらかじめ子供や里親などから意見を聞き、調査や助言などを行う新たな仕組みの構築について、専門家などの意見を伺いながら検討してまいりますと、このように答弁をされています。
 子供の立場に立った児童虐待対策を推進するため、子供の意見を代弁するアドボケート制度を創設すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 お話のアドボケートは、子供との信頼関係を築きつつ、子供の意見表明を支援し、必要に応じてその意向を適切に代弁するものであり、子供の権利擁護をより一層推進する観点から重要な取り組みでございます。
 現在、国は、アドボケート制度導入に向けたガイドラインを作成するため、民間機関に委託して調査研究を行っております。
 都は、こうした国の動向を踏まえ、アドボケートの仕組みの導入に向け、子供がみずから意見を表明する機会の確保、子供の意見表明を支援する人材に求められるスキルなどについて、学識経験者や弁護士等の専門家の意見も伺いながら検討を進めてまいります。

○伊藤(ゆ)委員 次に、多文化共生社会について伺います。
 さまざま外国人の方々も東京には多くなってまいりました。
 そこで、都は新たに、コミュニティを支援する財団をつくると表明をされました。
 まずは、その狙いについて伺いたいと思います。

○浜生活文化局長 令和二年十月に設立する予定の新財団では、在住外国人の急増、多国籍化の進展や都民の価値観の多様化を踏まえ、多様性が尊重され、さまざまな人が安心して暮らし、参加、活躍する多文化共生社会づくりと、東京二〇二〇大会後もボランティア機運が継続する環境づくりや、町会、自治会を中心とした地域コミュニティの活性化による共助社会づくりを推進することを狙いとしております。

○伊藤(ゆ)委員 多文化共生は本当に重要なことであります。
 一方で、日本語教育のあり方もさまざまで、一言で日本語教育といっても、ビジネスで使うものもあれば、日常会話、あるいはお子さんたちが使われるものもございます。
 そういう意味では、きめ細かく、財団でやるべき仕事、あるいは産業労働局でやるべき仕事、あるいは生活文化局でやるべき仕事というものをしっかり見きわめていただいて、効果的な日本語教育のあり方というのを検討していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 財団のもう一つの柱、地域コミュニティの支援があります。
 地域の町会においては、今、高齢化、町会員の減少、資金不足などの一方で、社会からは地域力の向上が求められており、どこも窮状を抱えています。
 既に都からは、プロボノ支援等々、支援がされていることは承知をしています。
 一方で、町会活動の柱ともいえるお祭りのみこしについては、修繕費に困難を来しています。既に全国自治宝くじ事業の一環で、地域のみこしへの助成が行われていますが、申請しても、目黒なんかもう十年待ちというところもございます。
 岡山市では、独自に、みこしや山車などに五十万円を上限とする助成金制度を創設していると聞きます。
 新財団においては、地域コミュニティの支援を行うことになっていますが、どのような支援を行っていくのか、見解を伺います。

○浜生活文化局長 地域コミュニティの中核である町会、自治会の活性化が地域の活性化には不可欠でございますが、近年、町会、自治会は、新規加入者の減、担い手不足などが進行しております。
 そのため、都は、地域の底力発展事業助成、アドバイザー派遣、プロボノプロジェクトを実施し、町会、自治会活動を支援しております。
 新財団には、地域の特性に明るい専門的な人材を配置し、顔の見える信頼関係を築くこととしておりまして、区市町村や各地域の企業、NPOなどと連携した地域コミュニティのさらなる活性化の方策について、今後検討を行ってまいります。

○伊藤(ゆ)委員 ぜひ検討していただきたいと思います。
 次に、飼い主の高齢化、多頭飼育の課題についても伺います。
 こちらも待ったなしです。つい先日、ひとり暮らしの九十五歳のおばあちゃんが五匹の猫を飼育できなくなり、地域のボランティアに頼るという事案があったそうです。
 お世話や動物病院への費用、高齢、持病、障害などの猫の譲渡の難しさ、また、飼い猫は民法上、個人が所有する財産で、本人の同意がとれるかなど、課題が多いと伺っています。
 飼い主のいない猫対策に加えて、これからの高齢化社会では、いざ飼い主本人が入院、認知症、死亡などで飼育できなくなる場合を見据えた支援をしていくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 超高齢化が進む中で、ペットを飼う高齢者もふえていくことが見込まれ、動物を飼い続けるための情報の提供や支援を受けられる体制の整備が求められております。
 そのため、都は、高齢者がペットの飼養を継続するための助言を盛り込んだパンフレットの配布や、東京都動物情報サイト、ワンニャンとうきょうに設けた飼い主向けページで情報提供等を行っております。
 来年度からは、飼い主が健康上の理由等で動物の飼養が困難となった場合に、身近な地域で相談ができ、動物の一時保護や譲渡のあっせんなどの支援が受けられる体制づくりにボランティア団体と取り組む区市町村を支援するなど、区市町村等の関係者と連携いたしまして、高齢者が動物を適切に飼い続けられる仕組みを構築してまいります。

○伊藤(ゆ)委員 次に、来月四月から施行される重要な都の条例の一つに、自転車損害賠償保険への加入義務化を内容とする改正自転車条例があります。
 昨年は、交通事故全体の件数が前年比で減少する一方で、自転車事故は、件数、死亡者とも前年比でふえる結果となっており、自転車損害賠償保険の必要性は一層高まっております。
 しかし、民間企業による意識調査では、保険加入が義務化された場合でも約四割の方は加入しない意向であることも示されており、これから一層の普及啓発が必要です。
 また、自転車利用に伴う損害賠償保険は、自転車専用の保険以外にも、他の保険に附帯して含まれているケースも少なくなく、都民の二重加入を防止するための取り組みも必要です。
 改正条例の施行が近づく中、条例の内容周知に加えて、二重加入の防止や保険情報の提供、並行して行う安全利用の啓発なども重要と考えますが、都の見解を伺います。

○國枝都民安全推進本部長 自転車の利用に当たり、事故等に備えた自転車損害賠償保険等への加入は大切であり、都は現在、四月一日の条例施行に向けて、改正内容の周知を図っております。
 具体的には、「広報東京都」や区市町村の広報紙への掲載、教育委員会等を通じた情報提供等を行い、また、自転車利用者等がニーズに合った保険を選択できるよう、民間事業者等と連携し、補償内容等の幅広い情報を提供しております。
 ご指摘の二重加入についても、保険加入に際して役立つフローチャートを作成し、リーフレットに記載するなど、その防止に努めております。
 今後とも、インターネット広告の活用や、保険代理店、自転車販売店との連携などにより、加入を促進してまいります。
 あわせて、自転車利用時のルール、マナーをより一層啓発するなど、自転車の安全な利用を積極的に推進してまいります。

○伊藤(ゆ)委員 ぜひしっかりよろしくお願いいたします。
 特に自転車走行で大きな損害賠償となる事故を起こす可能性が高いのは、スピードの出るロードバイクなどの利用者や未成年の小中高校生などが指摘されています。今後、重点的な対応も検討すべきと求めておきたいと思います。
 地域の課題についてという視点で、老朽化マンションについても伺いたいと思います。
 これは、もうずっと私も委員会でも申し上げていますし、会派でも申し上げていますが、マンション建てかえは本当に難しくなってきています。
 老朽化したマンションでも、修繕費は積み立てていても、建てかえ費を積み立てているというマンションはまずありません。そういう意味では、非常に困難を来している上に、例えば都心部においていえば、既存不適格になってしまっているので、建てかえるとさらにマンションが小さくなってしまうので、マンションの保留床を売って、その分で建てかえ費用を捻出するということもできないというマンションがたくさんあります。
 そういう意味では、大幅な容積緩和をするなど、国に対しても積極的に、法改正も含めて働きかけていかなければ、永遠の課題で解決することはないというぐらい問題だと思っています。
 さらに、もう一つ問題なのは、今、東京都でさまざまな制度が組み立てられていますけれども、なかなかそれを使ってもらえない。総合設計を使えば、その分容積が上がります、その分で建てかえてくださいといっても、容積率を上げるためには周辺用地まで、ある意味では買収をしたりとか話をつけていかなければなりません。
 しかし、マンションの管理組合の一理事長の方が、マンションの中だけでも合意形成を図るのが難しいのに、周辺用地の買収まで一手に担えるかといえば、普通の方には担えないというふうに私は考えております。
 そういう意味では、スキームがあってもスキームを使いこなせない、そういうマンションのまさに管理の皆様に対して、あるいは区分所有者の皆様に対して、私は、そのスキームを上手に使うため、ディベロッパーを説得したり再開発組合を立ち上げていく上で、例えばURなどに任せていく、そういうところにコーディネートしてもらう、こういう取り組みが必要なのではないかと思いますが、見解を伺いたいと思います。

○榎本住宅政策本部長 現在、国会で審議されておりますマンションの建替え等の円滑化に関する法律の改正法案では、お話のUR、独立行政法人都市再生機構でございますけれども、新たにマンションの建てかえなどに必要な調査、調整及び技術の提供の業務も行うことができるとされております。
 都はこれまで、マンション再生まちづくり制度によりまして、区市町村によるまちづくりの計画の策定に向け、コンサルタント等の活用に当たっての一部費用を補助するなどの支援を行ってまいりました。
 今後、今般の改正法案が成立した際には、URが同制度を活用したまちづくりに参画しやすくなり、マンションの建てかえなどが促進されるものと考えております。

○伊藤(ゆ)委員 ぜひ民間ができない部分を半官半民であるURにコーディネーターとして入ってもらって、そして、今滞ってしまっているマンション建てかえに、ぜひ後押しになるような取り組みをしていただきたいと、このように思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 市場の老朽化についても伺います。
 私たちが主張してきた中央卸売市場の経営計画の策定に向けて、有識者による市場の活性化を考える会は、これまでに五回開催されてきました。
 引き続き、各市場の特徴を踏まえた市場活性化や市場会計の持続可能性の確保など議論を深め、積極的な提言がなされることを期待しています。
 それと並行して、都と市場業者が一体となって進めていかなければならないのは、各市場の特徴を踏まえた戦略的な市場経営、市場施設の更新や機能強化であります。
 私たちは、各市場の市場関係者から、地域特性を踏まえた積極的な取り組み、また、電気や給排水、冷蔵低温設備など、老朽化した設備の改修について要望を伺ってきました。
 都内十一市場の特色を踏まえた戦略的な市場経営、そして市場施設の改修や更新について、都は市場業者と一体となって行っていくべきと考えますが、見解を伺います。

○黒沼中央卸売市場長 都はこれまで、第十次東京都卸売市場整備計画に基づきまして、老朽化した受変電設備やエレベーターの更新を初め、衛生管理に配慮したトイレの改修など、市場機能の確保に必要な施設整備を着実に行ってまいりました。
 これに加え、大田市場や淀橋市場等におきましては、業界団体と連携して経営戦略を策定し、実需者の多様なニーズに対応した加工、パッケージ施設等を整備してまいりました。
 来年度は、豊島市場や足立市場におきまして、品質衛生管理の高度化を推進するため、低温施設等を整備してまいります。
 さらに、市場の将来を見据えた経営計画の策定を通じて、それぞれの市場の立地や規模等の特色を生かした機能強化を図りまして、産地や実需者に支持され、選ばれる中央卸売市場を業界と一体となって実現してまいります。

○伊藤(ゆ)委員 ちょっと話題は変わりますけれども、小笠原の航空路について伺いたいと思います。
 我が会派では、島しょ振興政策研究会が中心となって航空路開設を積極的に推進してまいりました。
 これまで、小笠原の航空路に関してはさまざまな議論がありましたが、小池都知事就任を機に、航空路調査に五億円規模の予算がつくなど本格的に動き出したところです。
 今年度に引き続き、令和二年度も五億円の調査費が計上され、都知事の小笠原航空路開設に向けた本気度があらわれていると受けとめています。
 そこで、世界遺産の小笠原の自然を守りつつ、人命を救うため航空路を確保してほしいという島の皆さんの長年の悲願をどのように実現させていくのか、知事の見解を伺います。

○小池知事 小笠原航空路の開設は、島民の生活の安定、そして国境離島であります小笠原諸島の自立的な発展を図る上で、極めて重要でございます。
 私自身も小笠原を訪問した際に、自然の環境と調和した航空路の開設が村民の皆様の切なる願いであるということを改めて強く感じたことでございます。
 そのため、返還五十周年の記念式典におきまして、小笠原に飛行場を建設することは必要だとの旨を表明いたしました。
 そして、令和元年度から予算を大幅に増額いたしまして、より実現性の高い洲崎地区の活用案に絞りまして、集中的に調査検討しております。
 来年度でございますが、引き続き現地の自然環境、気象観測、海外における航空機の開発状況に関する調査などを行いまして、飛行場の構造、工法、航空機の小笠原への運航可能性について、さらに詳細な検討を進めてまいります。
 航空路につきましては、これまで平成七年には兄島、平成十年には父島の時雨山に飛行場の位置を決定もしておりますが、それぞれ自然環境への影響が課題となって断念をしたという、そのような経緯がございます。
 世界自然遺産であります小笠原諸島におきまして航空路の開設を実現する、そのためには貴重な自然環境の保全との両立を図ることが最も重要な鍵となるわけでございます。
 今後、実現可能な航空路案の取りまとめに向けまして、航空機の開発動向、こちらの方も日進月歩でございます。技術開発、こちらも日進月歩であります。これらの進展なども見きわめながら、あらゆる可能性を追求しながら、国、そして小笠原村とともに緊密に連携を図りまして、検討をさらに前に進めてまいります。

○伊藤(ゆ)委員 島民の皆さんにとっても心強い答弁だと思います。
 東京二〇二〇大会について伺います。
 新型コロナウイルス感染症による東京二〇二〇大会への影響を懸念する声が国内外で日増しに広がる中、IOCは昨日、大会の延期も視野に入れた再検討を行うと発表しました。
 あわせて、大会の中止は検討の対象外であることと、今後四週間以内に結論を出すことも示されました。
 今夜二十時から、安倍総理、森会長とともに、知事とバッハ会長との電話会議があると報道をされております。
 本日、都として、知事はどのようなことを伝えていくのか、その認識について伺いたいと思います。

○小池知事 もう報道されておりますように、きょうは午後の八時から総理官邸において電話会談を行う予定となっております。
 今や東京だけでなく、世界中が新型コロナウイルスの感染症と闘っている状態でありますが、世界が待ちわびる東京二〇二〇大会でございます。安全に実現をして、都民、国民、そして世界中のアスリートを安心してお迎えできるように、開催都市としての全力を尽くしていく、その強い意思をお伝えしようと考えております。
 安全で安心な大会の実現を果たすためにも、IOC、組織委員会、国、都が一団となりまして、さまざまな案を検討して、その中で最善の策を見つけていくことが求められているところでございます。
 安倍総理もおっしゃっておられますが、大会を成功させることは、すなわち人類がこの感染症に打ちかって、そのきずなを世界がさらに強めることになると確信をしていると述べておられます。
 世界が一つとなって、人々が心から平和を実現できる祭典、必ずや成功させていきたいと考えております。

○伊藤(ゆ)委員 延期の場合も会場などが利用できるのか、コストがどの程度増加するのかなどなど、さまざまな課題が想定をされます。
 開催都市である東京都としては、万全のコロナ対策による都民の安全・安心を最優先に据えながら、あらゆる選択肢の都民にとってのメリット、デメリットをあらかじめ検討し、最終決定権を有するIOCに対し、都民の最善の利益となり、その理解を得られる選択肢の実現に向け、働きかけを行っていく必要があります。
 このような状況において、東京二〇二〇大会にどのように取り組むのか、改めて知事の見解を伺います。

○小池知事 昨日も記者会見でも申し上げました。都内で、現時点では新型コロナウイルスの感染者は急増する状況には至っていないけれども、感染者の爆発的な増加、いわゆるオーバーシュートが発生するか否かの重要な分かれ道である、都民の協力のもとで、全庁を挙げて感染拡大の防止に取り組んでいる、これが現時点でございます。
 こうした都と都民の一丸となった取り組みにつきましては、IOC、IPC、組織委員会、そして国、WHOなどと大会に向けた情報交換の場を通じて共有をいたしておりまして、国内外の関係者に発信もしているところでございます。
 一方で、海外での感染は急速に深刻化をいたしております。安全で安心な大会の実現という開催都市としての責務を果たすため、さまざまな案を検討することが求められております。
 このため、都は、現行のスケジュールで大会を開催する場合の条件であったり、その必要となる対応、大会を延期する場合の課題、コストなどについて具体的に検討して、国、組織委員会など関係機関と十分な調整を行ってまいります。その上で、組織委員会とともにIOCとの協議を進めることになるわけでございます。
 新型コロナウイルス感染状況が世界規模で日々刻々と変化しております。アスリートがベストを尽くせる環境を整備いたしまして、都民、国民にも支持される大会となりますよう全力を尽くしてまいります。

○伊藤(ゆ)委員 大会に向けた課題の中でも、特に重要な点は費用です。そして、どのような場合に、どの程度の費用が生じるかのシミュレーションがなされていなければなりません。
 具体案の検討に当たっては、費用の検討をしっかり行う必要があると考えますが、まず知事の見解を伺いたいと思います。

○小池知事 大会の開催に向けました課題を分析する上で、感染症の状況に加えまして、競技会場、宿泊場所の確保、ボランティアなどさまざまな検討を行っていく必要がございますが、ご指摘のように、経費についても重要な観点の一つでございます。
 現行のスケジュールで大会を開催する場合、大会を延期する場合、どの程度の経費が必要になるのか、今後、さまざま試算を行っていくこととなります。
 こうした分析などを踏まえまして、国、組織委員会、IOCなど関係機関としっかりと協議をしてまいります。

○伊藤(ゆ)委員 今後、IOCからどのような方針が決定されようとも、示されようとも、多くの関係者との調整が必要不可避です。
 私たち都民ファーストの会は、東京二〇二〇大会のあり方を検討するに当たって、最も重視されるべきは都民の利益であると再三申し上げてまいりました。
 都民の利益を最も重視した大会の実現のため、国や組織委員会、さらにはIOCとの協議において、都は、開催都市としてどのように対応していくのか伺いたいと思います。

○小池知事 都はこれまでも、大会準備に全力を尽くすとともに、新型コロナウイルス感染症への対策についても速やかに対策本部を立ち上げまして、全庁を挙げてやるべきことにちゅうちょなく取り組んできたところでございます。
 しかしながら、世界全体に感染が拡大をしている、そしてパンデミックの状態にあるという中でどのように大会を開催するか、これは東京の問題にとどまりません。国家規模、そして世界規模の視点で判断する必要がございます。
 したがいまして、IOCとの協議においては、国や組織委員会など関係機関で知恵を出し合って、新型コロナウイルスに打ちかつ、大会を成功に導く、そのために必要な条件、解決すべき課題について十分に精査をいたしまして、協力して大会を成功に導いていかなければならない。これまでの大会の準備の取り組みですけれども、IOCからも高く評価をされてきたところでございます。
 今後とも、さまざまな困難を乗り越えながら、都民のご理解、ご協力をいただき、皆さんがやってよかったねと思える大会を実現したいと考えております。

○伊藤(ゆ)委員 まさに都民の理解があってこその大会の成功だと思います。理解が得られるように、都議会も含めて全力で後押ししていきたいというふうに思います。
 さて、延期のあるなしにかかわらず、東京二〇二〇大会の成功のためには、都と組織委員会との強いきずな、信頼関係が重要不可欠であることはいうまでもありません。
 信頼は互いの透明性から醸成されるものと考え、その透明性の確保の観点から、私たちは、いわゆる五輪文書等管理条例案を都議会に提出をさせていただきました。
 さきの文教委員会における質疑を通じ、この条例案の必要性を文教委員会の全会派にご理解をいただき、委員会可決したところであります。この条例案は、オリンピック史上でも例を見ない取り組みであり、今後の開催都市にとってもレガシーになるものと考えています。
 一方で、大会後を見据えた動きとして、日本スポーツレガシー・コミッションなる新しい財団が組織委員会の剰余金の受け皿になるのではないかとの報道がありました。この報道の真偽を確認する上で質問いたします。
 報道によれば、このいわゆるレガシー財団を創設するに当たっては、都も出資し、いわゆる出捐し、多羅尾副知事が役員として就任している一般財団法人嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター、いわゆる嘉納財団を清算させて、レガシー財団に一本化させる可能性があるとのことです。
 不可解なのは、いわゆる嘉納財団が都に出捐金、出資金の取り下げを求めたという報道の内容でありました。
 まず、多羅尾副知事に伺います。
 実際に、記事にあるように、嘉納財団から出捐金の取り下げの提案があったのか、あったとすればどのような対応をとったのか伺いたいと思います。

○多羅尾副知事 一般財団法人嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センターからは、本年二月十三日付の評議員宛ての提案書で、東京都スポーツ文化事業団から出捐した七十五万円を含めた三百万円を基本財産から除外すること、また、法人の存続期間を令和二年十二月三十一日までとすることとし、これらに必要な定款変更を行いたい旨の提案がございました。
 財団からは、当初掲げた目標がおおむね達成されたことから、財団としての活動を終了させるための手続を進めたいとの説明がございました。
 本件については、提案趣旨が必ずしも明確ではなく、また、国を挙げて感染症対策に注力しているこの時期に判断を行うタイミングなのかと疑問を呈し、同意はしておりません。

○伊藤(ゆ)委員 単に嘉納財団を解散しましょうというのであれば、何も解散に先立って、都が財団設立時に出資したお金を引き揚げてくださいという理由がないわけですよね。
 ましてや、なぜ今、この財団から都が出資金を引き揚げるように要請されなくちゃいけないのか、さっぱりわかりません。
 では、多羅尾副知事にもう一つ聞きます。
 新しくレガシー財団への役員就任の打診はあったんでしょうか。

○多羅尾副知事 報道にあった日本スポーツレガシー・コミッションの評議員や役員に、都の関係者が就任を依頼されたという話はございません。

○伊藤(ゆ)委員 つまり、もともとの嘉納治五郎財団に対してのお金は引き揚げてください、そして新しくつくるレガシー財団については、特に東京都に就任してくださいということではないということであります。
 この嘉納治五郎財団の理事長は森喜朗会長でございます。いうまでもなく、組織委員会の会長です。
 東京二〇二〇大会のレガシーを次世代に適切に継承していくためには、開催都市である東京、そして何よりも都民の利益の視点を欠かすことはできません。にもかかわらず、こうした対応は大会後の東京外しとも映りかねず、不信感を無用に生むものです。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、東京二〇二〇大会のあり方を再検討する場面においても、東京都と組織委員会の信頼関係、すなわち組織委員会の透明性の確保は極めて重要です。
 改めていうまでもなく、東京二〇二〇大会のあり方を検討するに当たって、最も重視されるべきは都民の利益です。我が会派は、今後も引き続き、都民の利益にかなう大会の実現に向けて全力で取り組んでまいります。
 最後に、都庁組織の見直しについて伺います。
 私たちはかねてより、都庁の組織再編は新たな都政改革の一部であり、長期戦略の実現に適した組織への再編が必要と訴えてまいりました。
 組織は政策推進の基盤となる重要な要素であり、現時点で特に重要と考える論点を強調しておきます。
 まず、スマート東京の実現に向けた体制強化です。
 AI、ビッグデータなどのテクノロジーの社会実装の面で、これまで以上に危機感を持って、日本の先頭に立って取り組みを進めていく必要があります。
 次に、増大し続ける福祉需要への対応です。
 少子高齢化の進行、福祉や医療保健ニーズの多様化など、新たな局面に対応できる体制整備が重要です。
 最後に、東京二〇二〇大会後のスポーツ振興のあり方です。
 東京二〇二〇大会は、世界中に興奮と感動を呼び起こすとともに、大会後の東京の成長やブランド力向上につながるものにしなければなりません。そのためには、東京二〇二〇大会のレガシーを、スポーツ分野にとどまらず、幅広く生かしていく視点が必要です。
 私たち都民ファーストの会は、東京二〇二〇大会後の組織改編を大胆に実施していくべきと考えますが、今後どのような視点を持って組織の再編を実施していくのか知事の見解を伺います。

○小池知事 二〇四〇年代を見据えて、変化の激しい時代におきましても、未来を切り開き新たな価値を創造し続けていくため、そのためには、都庁みずからも大きく変貌していかなければなりません。
 昨年末に公表いたしました新たな都政改革ビジョンにおきましては、各種の制度の根本までさかのぼって、大胆な視点から都民ニーズに的確に応える組織体制の確立を掲げたところでございます。
 とりわけ、未来の東京戦略ビジョンに掲げる政策をしっかりと支えるための執行体制を整備していくことは重要でございます。
 ご指摘のとおり、東京の成長に資する新たな価値を生み出して、私たちの社会にさらなる活力と豊かさをもたらすスマート東京の実現や、今後ますます増大いたします福祉、医療ニーズに対応する、人が輝く東京の実現などの視点を持って、具体的な検討を進めてまいります。
 今後、二〇二一年度の組織再編に向けました検討をより一層深めまして、二〇二〇大会、まさにここが今どのような形になるのかではございますけれど、レガシー、これを確実に継承して戦略的な政策の展開を支える、そのような都庁組織を構築していきたいと考えております。

○伊藤(ゆ)委員 本当にことしは、オリンピックを迎える二〇二〇年という年に、東京は、あるいは世界の人々も今、経験をしたこともないような感染症の拡大という難局を迎えております。
 しかし、後世、二〇二〇年という年が東京にとって、過去どの都市も経験していない最大の危機を乗り越え、世界に都市の理想像を示した一年であったといわれるように、都民とともに力を合わせて取り組んでいただきたいということを改めて申し上げておきたいと思いますし、また、都議会もこれを機にさまざまな都市問題の解決を示して、提言をして、それを東京都のレガシーにしてまいりたいと思いますので、その点を決意として申し上げ、質問を終わらせていただきたいと思います。(拍手)

○本橋委員長 伊藤ゆう理事の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時六分休憩

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