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Tokyo Metropolitan Assembly

予算特別委員会速記録第四号

○木村副委員長 奥澤高広委員の発言を許します。
   〔木村副委員長退席、委員長着席〕
   〔発言する者多し、離席する者あり〕

○本橋委員長 席に着いてください。恐縮です。(発言する者あり)席に着いてください。(発言する者多し)はい。席に着いてください。ちょっとお待ちください。
 奥澤委員の発言の前に一言申し上げます。
 先ほど原委員さんのご発言の中で、理事会の開催のお求めがございました。
 この件につきましては、後刻、各会派の意向を確認のうち対応させていただきますので、まずは委員会を進めさせていただきたいと思っております。
   〔発言する者多し〕

○本橋委員長 理事会というのは慣例によって各会派の合意が必要ということですので、先ほど申し述べたとおりでございます。後刻、各会派の意向を確認の後、対応させていただきますので。(「後刻っていつですか」と呼び、その他発言する者あり)この委員会を閉じた後でございます。この委員会が……
   〔発言する者多し〕

○本橋委員長 速記をとめてください。
   〔速記中止〕

○本橋委員長 速記を始めてください。
 もう一度繰り返しますが、先ほど原委員から理事会の開催の申し入れがございましたが、その件につきましては、後刻、委員会終了後、各会派の意向を確認の後、対応させていただきます。ご協力よろしくお願いいたします。では、交渉係の皆さん、席に着席してください。
   〔発言する者多し〕

○本橋委員長 それでは、委員会を再開いたします。
   〔発言する者多し〕

○本橋委員長 どうぞ席に着席してください。
   〔発言する者多し〕

○本橋委員長 質疑を継続いたします。奥澤委員……。(「いつかを確認してくださいよ、少なくとも」と呼ぶ者あり)後刻です。後刻です。(「きょうかあしたかぐらい……」と呼び、その他発言する者多し)委員会終了後に各会派の意向を確認いたします。
   〔発言する者多し〕

○本橋委員長 速記を再開してください。
   〔発言する者多し〕

○本橋委員長 では、奥澤高広委員の発言を許可いたします。
   〔発言する者多し〕
   〔奥澤委員「申しわけないですけど、一秒を争って質問をするので、やじがすごい状態では、私は始められないです」と呼ぶ〕

○本橋委員長 ご静粛にお願いいたします。
 これより奥澤委員が質疑をいたしますので、静かにしていただきたいと思います。
   〔発言する者多し〕

○本橋委員長 それでは、委員会を再開いたしますので、よろしくお願いいたします。
 速記もお願いいたします。(「委員会終了後、理事会……」と呼ぶ者あり)委員会終了後に各会派のご意向を確認いたします。(発言する者多し)委員会終了後に、私が各会派の意向を確認して回ります。
   〔発言する者多し〕

○本橋委員長 それでは、委員会を再開いたしますので、再開しておりますので、奥澤委員、ご発言をお願いいたします。(発言する者多し)いや、ですから、委員会終了後、後刻、皆さん方のご意向……(「交渉係を集めてくださいよ」と呼ぶ者あり)そのときは交渉係の方のご意向も聞きますので、ご安心ください。
   〔発言する者多し〕

○本橋委員長 奥澤委員、挙手をしてください。席に着いてください。(発言する者あり)席に着いてください。
   〔発言する者多し〕

○本橋委員長 着席してください。着席してください。着席してください。
   〔発言する者多し〕

○本橋委員長 ご静粛にお願いします。ご静粛にお願いします。席に着いてください、席に。
   〔発言する者多し〕

○本橋委員長 いや、ちょっと席に着いてください。先ほど申し上げたとおりですので。
   〔発言する者多し〕

○本橋委員長 座ってください。席に着いてください、進行したいので。
   〔発言する者多し〕

○本橋委員長 速記をとめてください。
   〔速記中止〕

○本橋委員長 では、速記を始めてください。
 それでは、委員会を再開いたします。
 奥澤高広委員の発言を許します。

○奥澤委員 無所属東京みらいを代表して総括質疑を行わせていただきます。
 未来の東京戦略ビジョンには、合計特殊出生率が二・〇七となり、少子化からの脱却に成功する未来が示されていますが、この三十年の日本を振り返れば、これまでの政策の延長線上に答えがないことは明らかです。
 こちらのパネルを見ていただきたいと思います。ニッセイ基礎研究所では、二〇一七年に大都市東京都の出生率支配要因を調査し、子供が少ないエリアに生まれ育つ人々のイマジネーションの壁の打破、つまり、周りに子供がいないので子供を持つことを想像できないという課題です。そして、過密化の打破、伝統的な家族形成・性別役割分担観の打破の三つのアプローチが重要ではないかと指摘しています。東京特有の経済、文化、地理的な特徴なども踏まえ、聖域なく課題を整理しなければなりません。
 先般の本会議において、ビジョンは描いて終わりではない、実行してこそ意味があると知事の強い決意が示されたところです。
 その決意を形に変えるために、産官学民、あらゆる主体が強い意思を持って一丸となって取り組むべきであると考えますが、戦略ビジョンに示されているチーム二・〇七とはいかなるものなのか、知事の見解をお伺いします。

○小池知事 一・五七ショックというのがありました。一九八九年のことであります。以来ずっとショックが続いているうちにショックではなくなった。少子化は我が国の大きな課題であり続けるわけですけれども、残念ながら、有効な処方箋が講じられてこなかったがゆえに今を迎えているわけであります。そこで、今まさにポイント・オブ・ノーリターン、ラストチャンスだという認識でございます。
 未来の東京戦略ビジョンには、子供を持ちたい個々人の願いをかなえるとともに、人口減少に歯どめをかけるという強い決意を持って、二〇四〇年代に目指す姿として、人口維持に必要な水準であります合計特殊出生率二・〇七の実現を掲げたところでございます。
 全国で最も出生率が低い東京が先頭に立って少子化に立ち向かっていかなければならないとの思いでございます。
 その実現でありますが、子供を大切にするということを最優先とする社会へのマインドチェンジを図る必要があります。チーム二・〇七プロジェクトは、そのための重要な仕掛けでございます。
 先月、経団連など産業界のトップの皆さんと幅広く意見を交換いたしまして、課題を共有したところでございます。企業、中小企業、スタートアップ、大学、NPOなどの多様な主体と思いを共有いたしまして、子供の目線に立ったまちづくりや働き方改革など、産官学民の知恵を結集いたしまして、さまざまな取り組みを推進、チーム二・〇七を大きなムーブメントに育てていきたいと考えております。

○奥澤委員 産官学民の知恵を結集するとの答弁、我々もまた異なる目線から一つ問題提起をさせていただきたいと思います。
 このパネルですけれども、全国と東京における年齢別の出生数と人工妊娠中絶数を表にしたものです。十代後半、出生数五百六十五名に対して中絶数千八百二十名。二十代前半、出生数四千九百三十八名に対して中絶数七千七百六十七名です。
 人工妊娠中絶は、もちろん母体保護法に定められた女性の権利であって、時に救済でもあるわけですけれども、これだけ多くの女性が心身に負担を抱えている現状は変えなければならないと思っています。
 性教育のさらなる充実に加えて、女性が主体的に人生を選択していける社会をつくるためにも、経口ピルの普及などの施策も急務だと思っています。また、適切かつ十分な支援を届けて、可能な方には出産を前向きに考えることができる環境も整えていく必要があります。
 こうした声に出すことすらかなわない声にも耳を澄ませていただいて、課題解決に向けて取り組んでいただきたいと強く要望して、次の質問に移ります。
 子育てや教育における経済的負担は、子供を産み控える一つの理由といわれています。来年度予算には、教育機会の格差解消という言葉があり、いわゆる私学無償化の対象拡大などが図られますが、子供にとっての教育は、学校等、家庭、そして、塾などの学校外教育によって成り立っています。
 都外私立通信制高校やサポート校、朝鮮学校を初めとする各種学校など、生徒から見れば同じ学校でも、制度上は支援の対象とならないものもあり、早急に検討を進めるべきです。また、家庭の経済格差が色濃く反映される学校外教育や体験の格差にも目を向けなければなりません。
 子供たち一人一人の個性や能力に向き合う新たな東京型教育モデルの実現には、家庭の経済状況に左右されることなく、希望する教育を受けられる環境を確保していく必要があります。
 戦略ビジョンにあるように、子供の学びを社会全体で支援していくことは大変重要であり、子供たちがさまざまな困難を乗り越えていくために、都としてどのように取り組んでいくのか、知事の見解をお伺いしたいと思います。

○小池知事 これは私、何度も申し上げていることでございますが、東京の活力の源は人でございます。未来を担う子供たちを大切に育てていく、そのことは、人が輝く東京をつくり上げるための基本、ベースとなります。
 こうした考えのもとで未来の東京戦略ビジョンにおきまして、子供たち一人一人に着目をして、それぞれの自立性や主体性、想像力、課題解決力などを伸ばしていく学びへと大きく転換するために、二〇三〇年に向けた子供の伸びる、育つ応援戦略を打ち出したところであります。
 家庭の経済状況にかかわらず、子供が安心して学び続けられる環境を整える、また、不登校の子供たちの学習機会を民間団体などとも連携をいたしまして提供をする、さらには教育のICT化を推進いたしまして、子供たちの学ぶ意欲に応えて、個別最適化された学びを提供いたします。
 こうした取り組みを通じまして、子供たちがさまざまな困難を乗り越えながら、それぞれの人生を生き抜いていけるように、子供の学びを社会全体でサポートして、一人一人の個性や能力に向き合う新たな東京型教育モデルを実現してまいりたいと存じます。

○奥澤委員 子供の学びを社会全体でサポートしていくという視点は非常に重要だと思います。
 OECDは、保育、幼児教育への公共投資が経済成長にも有効であるとして、就学前教育、アーリー・チャイルドフッド・エデュケーション・アンド・ケアの重要性を提唱しています。
 こちらのパネルをごらんください。こちらは世帯年収別の学校外教育費用をグラフにしたものですけれども、三歳の時点で既に格差が生じています。日本の教育制度においては、義務教育段階に入れば一定水準の学びが提供されますが、その前段階の教育は各家庭に委ねられているのが現状です。家庭の経済状況によらず、幼少期にさまざまな体験をして、認知能力も非認知能力も高めていくサポートをしていくべきだと考えています。
 本年度から就学前教育に関するモデル事業が始まり、来年度は予算が拡充されています。この取り組みの内容と今後の方向性について教育長の見解をお伺いします。

○藤田教育長 今年度、都教育委員会は、就学前教育と小学校教育との円滑な接続を図ることにより、幼児、児童の資質、能力をさらに育成することを目的といたしまして、モデル地区と共同で、五歳児から小学校低学年における指導内容や指導方法など、新たな教育課程の研究開発を進めてまいりました。
 モデル地区では、大学教授等の有識者と幼稚園、保育所、小学校の教員等による委員会を設置し、この委員会におきまして、幼児、児童の実態調査や研究授業等を行い、五歳児から小学校低学年を一まとまりとした教育課程を作成したところでございます。
 来年度は、この教育課程に基づきまして、教育活動を実践することに加え、モデル地区を拡充し、引き続き就学前教育と小学校教育の質の向上に取り組んでまいります。

○奥澤委員 日本では、その制度上、保育と幼児教育が切り離されて縦割りで議論されてきた経緯がありまして、これを機に、制度や組織の都合に子供を合わせるのではなくて、子供を中心に組織や制度をつくり直すべきであると申し述べておきます。
 また、来年度、モデル地区を拡充していくということで、幼稚園とともに保育所等でも就学前教育が実施されるよう要望しておきます。
 また、有識者と連携した調査研究をするという点も大変重要です。戦略ビジョンにも、幼稚園、保育所から大学までのデータ蓄積、連携、活用とあり、この点は宮坂副知事の手腕が生かされることを期待しております。
 格差として意外と注目されていないのが地域間の格差です。昨年実施した独自のアンケートでは、英語教育は塾などの学校外教育との関連が強く、家庭の経済格差が出やすい状況にあることが明らかになりました。
 また、区部と市部で一人当たりの公的な英語予算に格差がある可能性もあり、目を向けていく必要があります。
 その点から、来年度、多摩地域での新たな英語村の設置に向けた検討が開始されることは、この地域間格差の解消にも資する取り組みであり、期待しています。
 青海にあるTOKYO GLOBAL GATEWAYにも足を運びましたが、その魅力は施設などのハード面のみならず、プログラムや人材などのソフト面にあり、これをいかにして生徒の学びに還元していくのかが極めて重要な視点です。
 また、青海のTGGは、民間事業者が独立採算方式で運営しておりまして、採算性や持続可能性という観点からも、多摩と青海が相互に魅力を高め合えるものとすべきです。
 ワイズスペンディングの観点から見ても、施設整備だけでなく、プログラムの構築や人材育成に注力し、多摩全域に好影響を波及させていくとともに、多摩の持つさまざまな魅力を引き出すという視点から検討をするべきと考えますが、教育長の見解をお伺いします。

○藤田教育長 TOKYO GLOBAL GATEWAY、TGGでは、児童生徒が英語を使用する楽しさや必要性を体感し、学習意欲を高めることができるよう、英語漬けの環境の中で海外生活等の疑似体験を行っております。
 利用した児童生徒から高い満足が得られておりますほか、引率教員からは、児童生徒が積極的に英語でコミュニケーションしようとする様子が見られる、あるいは自身の指導にも役立つなどの声が多く聞かれているところでございます。
 今後、多摩地域での整備に向けた検討におきまして、より効果的な事前事後学習等、学校教育と連携した内容や多摩地域ならではの魅力を備えたプログラム、施設の場所や規模等について幅広く議論してまいります。

○奥澤委員 文化、スポーツ体験などと英語の親和性は高いというふうにも思っておりますので、ぜひともプログラム、そして各学校への横展開を念頭に検討を進めていただきたいと要望しておきます。
 次に、不登校児童の支援についてお伺いします。
 公的な学びにつながらない生徒にとって、フリースクールなどの民間団体が受け皿になっていることもありますが、その経済的負担は大きく、学ぶという選択肢を閉ざしてしまう場合もあります。
 多様な学びの選択肢を用意することは行政の責任であると考えておりまして、民間の支援団体との連携も含め、学習環境を整備していく必要があります。
 そのような意味では、不登校児童の学びの場として、区市町村教育委員会が設置する教育支援センターの役割は重要であり、本年度まで実施されてきた機能強化モデル事業では、民間と連携した取り組みもあったと聞いています。
 そこで、教育支援センター機能強化モデル事業における不登校児童生徒への支援について、これまでの実績と来年度の取り組みの方向性についてお伺いします。

○藤田教育長 都教育委員会は、平成二十九年度から三年間、十一の地区におきまして、不登校の子供の学びを支援するため、教育支援センターの機能強化に向けたモデル事業を実施してまいりました。
 モデル地区からは、子供にタブレット端末を貸与し、学習支援を行ったことにより、学習意欲が向上した事例や、子供の体験活動等にフリースクールの指導員を活用したことにより、教育支援センターに通う人数が増加した事例などが報告されております。
 こうしたモデル事業の成果を踏まえ、来年度は、対象を希望する全ての区市町村に拡充し、教育支援センターの新設やタブレット端末導入に係る経費、民間事業者の活用に要する経費等の一部を補助するなど、区市町村教育委員会の取り組みを支援してまいります。

○奥澤委員 不登校もそうなんですけれども、今、一斉休校になっておりまして、実は学習機会の格差が大変問題になっていると思います。
 都内には、オンライン学習に対応できない家庭もたくさんあります。こうした家庭にも学びが行き渡るように支援していくこと、これが行政の役割だと思いますので、早急な対応をよろしくお願いいたします。
 続きまして、若者の自殺対策は喫緊の課題です。全国の十代自殺者数は上昇傾向にありまして、本年度から自殺に関するLINE相談を本格実施したことは重要な取り組みです。
 学校と家庭に居場所をなくした子供たちにとって、インターネットを介したつながりが命綱になることもあります。
 そこで、LINE自殺相談というツールを最大限生かし、一人でも多くの命をつなぎとめるために、インターネットを介した情報発信について、さらなる工夫を講じていくべきと考えますが、見解をお伺いします。

○内藤福祉保健局長 都は、LINE相談の周知に当たり、自殺の予防に関するさまざまな相談機関の情報を掲載した常時携帯可能なポケットサイズのメモを作成し、都内の小学校、中学校、高等学校等を通じて配布してございます。
 また、三月と九月の自殺対策強化月間には、インターネットの検索サイトでの自殺に関連した検索と連動してLINE相談などに誘導するウエブ広告も展開しているところでございます。
 若年層の自殺を未然に防止するため、今後とも、学校等の意見を聞きながら、若年層の特性に応じたさまざまな手段を活用して、LINE相談を周知してまいります。

○奥澤委員 若年層の特性に応じた周知、どうぞよろしくお願いします。
 しかし、これはあくまでも対症療法です。エビデンスに基づくいじめの予防、学校外でも学べる選択肢、あるいは親以外の大人への相談先など、あらゆる方向の抜本的な取り組みの強化を強く要望しておきます。
 続いて、ソーシャルインクルージョンについてお伺いします。
 誰もが自分らしく、役割と誇りと居場所を持って暮らしていける社会の実現には、具体的な行動変容を促す仕掛けが必要であり、それは、お金、仕組み、そして、テクノロジーであると考えます。
 まずは、お金の面についてお伺いします。
 来年度予算のソーシャル・エンジェル・ファンドは、ESGファンドの運営事業者が得た利益の一部を社会的課題の解決に資する事業に融資、寄附等をする取り組みであり、これをきっかけに社会的課題の解決を望む投資家がふえていくことを期待するものです。
 そこで、ソーシャル・エンジェル・ファンドの取り組みについて、長期的な視点からの狙いと社会に及ぼす影響について見解をお伺いします。

○松下戦略政策情報推進本部長 仮称ソーシャル・エンジェル・ファンドでございますが、国際金融都市東京構想の掲げる金融による社会的課題の解決への貢献を図る新たな取り組みでございます。
 その狙いとしましては、例えば中小企業での障害者雇用の促進など、社会的課題の解決に資する事業でありながら、残念ながら現実には民間資金を十分に集めにくい事業がございます。そういった事業に継続的に民間資金を投融資していくものでございます。
 このファンドの運営事業者の取り組みや、その成果などを積極的にPRすることによりまして、お話にありましたような社会的なメリットと収益上のメリットを両立させた投資の機運を高めてまいります。
 都といたしましては、今後、民間において同様の仕組みを持つファンドが次々と立ち上がりまして、ひいては日本におけるESG投資がますます拡大することにつながるものと考えてございます。

○奥澤委員 続いて、仕組みに関する質問です。
 全員がフルタイムでゼネラリストであることが求められる日本の職場環境は、障害者を初めとする就労困難者にとっての高い壁といえます。
 例えば、障害者雇用においては、これまで法定雇用率に基づいてその枠を拡大してきましたが、実際には、障害者を一人も雇用していない中小企業も珍しくありません。
 都では、本年度より短時間就業支援事業が実施されており、どのように障害者を雇用すればいいのかわからない企業と、自分がどれだけ働くことができるかわからずにいる障害者を結びつけています。ともに働いていく具体的なイメージを描く機会をつくることは非常に重要です。
 そこで、短時間就業支援事業について、その実績と来年度の取り組みの方向性についてお伺いします。

○村松産業労働局長 今年度の短時間就業モデル事業では、五社の中小企業において七名の障害者の方が短時間の職場体験実習に参加し、データ入力等の業務を行いながら、みずからの障害特性に合った働き方や就労を継続する上での課題について理解を深めております。
 一方、受け入れ先の中小企業は、業務の切り出し方や円滑に仕事を進めるための業務指示の伝え方など、障害者雇用の実践的なノウハウを蓄積しているところでございます。
 来年度は、こうした取り組み事例をまとめたリーフレットのホームページへの掲載などを通じて、短時間雇用の普及を図るとともに、モデル事業の受け入れ企業を十五社に拡大するなど、障害者雇用の促進に向けて取り組みを強化してまいります。

○奥澤委員 川崎市や神戸市では、超短時間雇用モデルという取り組みをしています。これは、行政と福祉施設と企業、そして大学の連携のもと、法定雇用率に換算されない週二十時間未満の雇用を社会実装する取り組みで、数多くの障害者が就労を果たしています。
 できる仕事を切り出し、そのほかの仕事は頼まないなどの徹底をすることがポイントであるということですので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
 次は、テクノロジーの活用です。
 こちらのパネルは、私がロボットカフェに参加した際の写真です。こちら、操作している大きい方の写真ですけれども、コーヒーを運んでくれているのはALSで寝たきりの方で、病室にいながら視線でロボットを操作しています。
 そしてもう一人、小さい方の写真でOriHimeを使ってしゃべっていますけれども、これは、北九州の自宅から操作をして接客をしてくれています。
 この方のお話では、こうして遠隔でカフェで働いて給料を得ることができるとはとても想像ができなかった、毎日が楽しいという言葉が印象的です。
 このロボットは、人の機能を補完して人の可能性を引き出すものだなと実感したものです。
 来年度予算には、障害者や難病患者など、外出に困難を抱える方の社会参画にも寄与するソーシャルロボット産業のプロモーション事業というものがありますが、この内容とあわせて、どのような社会変革を目指しているのか見解をお伺いします。

○松下戦略政策情報推進本部長 ソーシャルロボットでございますが、ただいまご紹介いただきましたように、人間とのコミュニケーションを主眼に置きました、人間をサポートするロボットでございます。
 例えば、アバターとよく呼ばれますが、みずからの分身となるロボットを置きまして、離れた場所から遠隔操作することによって、感覚や意識を瞬間移動させることが可能になるなど、その活用は障害者の方や難病患者など、外出に困難を抱える方々の社会参画にも期待されるものでございます。
 都では来年度、ソーシャルロボット産業の普及を図るべく、プロモーション推進事業を開始いたします。そこでは、シンポジウムやアイデアソンの開催等を通じまして、さまざまなロボットを紹介するほか、体験機会等を提供していくものでございます。
 こうした取り組みを通じまして、将来的ではございますが、ロボットを活用することで全ての都民が社会の担い手として活躍できるような、そういう東京を目指してまいりたいと考えております。

○奥澤委員 全ての都民が社会の担い手としてという言葉がございました。テクノロジーの進歩によって、その姿を描ける時代が来たということだと思います。
 さて、ソーシャルインクルージョンは、障害のある方や難病患者だけの概念ではありません。一度犯罪をしてしまったとしても、適切な支援によって社会復帰していくことができる社会を目指すべきです。
 先日、更生保護施設や自立支援センターを視察して、再犯に至る大きな理由の一つに孤独があると感じました。昨年、都では再犯防止計画が策定され、これまで国が中心となって行ってきた更生や矯正のみならず、医療、福祉、住宅、就労といった、より身近な、適切な支援とつながることの重要性が示されました。
 再犯を防ぐには、組織横断での取り組みが不可欠であり、関係各局がいかに当事者意識を持って取り組めるかが重要であると考えますが、見解をお伺いします。

○國枝都民安全推進本部長 再犯防止施策はこれまで、刑事政策の一環として、国が中心となって実施されてまいりましたが、再犯防止推進法や国の再犯防止推進計画により、地方公共団体における取り組みの推進も求められております。
 本年一月に開催いたしました国の関係機関、民間団体、庁内各局等で構成される東京都再犯防止推進協議会では、各局等の関連施策に係る情報交換等を行い、おのおのの取り組みが再犯防止につながるとの認識を共有いたしました。
 また、来年度は、協議会のもとに設置した各局担当者を含む実務者会議を開催し、東京都再犯防止推進計画の重点課題の中からテーマを選定し、議論を重ねることといたしております。
 今後とも、協議会や実務者会議を通じ、各局の取り組みの方向性を共有するなど、再犯防止に向けた施策を推進してまいります。

○奥澤委員 組織横断での取り組みが始まったとのことだと思います。今後は適切な指標を設定して、進捗管理をしていくべきであると申し述べておきます。
 続いて、介護予防についてお伺いします。
 現在の介護報酬は、介護度が上がるほどに報酬が上がる仕組みであって、予防することへのインセンティブが働きにくいという問題があります。
 そのような中、厚生労働省の審議会が取りまとめた意見では、区市町村が高齢者の自立支援、重度化防止に取り組むべきであるが、取り組み状況にはばらつきが見られ、機能強化が課題であるとしています。
 そこで、区市町村が介護保険の保険者として高齢者の自立支援、重度化防止に向けて取り組むために、都としても支援を講じていくべきと考えますが、見解をお伺いします。

○内藤福祉保健局長 お話の審議会が取りまとめた意見を踏まえまして、国は、介護保険制度の保険者である区市町村の機能をさらに強化し、高齢者の自立支援、重度化防止に向けた取り組みを推進することとし、来年度、新たな交付金を創設し、介護予防や健康づくり等の取り組みを重点的に評価し、配分にめり張りをつけるとしております。
 都は現在、区市町村ごとの交付金の指標の達成状況を踏まえた技術的助言や実践的な取り組み事例を紹介する研修を通じまして、地域の実情に応じた区市町村の取り組みの推進を支援しております。
 今後、学識経験者や区市町村職員などで構成する検討会で、区市町村の自立支援等の取り組み状況や課題の把握などを進め、必要な支援策を検討してまいります。

○奥澤委員 成果に着目した都独自のインセンティブ制度の創設なども、ぜひ検討していただきたいと思います。
 さて、二〇二〇年は、持続可能な社会へと、それぞれの暮らしを転換する契機になると考えています。例えば、昨年末、ゼロエミッション東京戦略が策定されましたが、来年度予算ではその本気度が問われていると思います。
 全国的な動きを見ると、例えば、夕方に高まる家庭の電力需要を再生可能エネルギーが多く発電される昼間に誘導するなどしてエネルギーの有効利用を図る、いわゆるバーチャル・パワー・プラントの実証実験などの取り組みがあります。こうした事例を参考に、都としても電力市場に働きかけるべきであると考えます。
 来年度予算にある地域RE一〇〇の実現にも資する需給調整モデル事業に向けた調査費用の具体的な内容とその狙いについてお伺いします。

○吉村環境局長 今後の都内での再生可能エネルギーの大量導入を見据えますと、事業所や住宅で発電した再エネについては、電力需要に応じて地域内で融通し、有効活用することが送配電網への負荷軽減の観点からも重要となります。
 そのためには、個々の事業所や住宅などの時間ごとに異なる電力需要と再エネの発電量、さらには蓄電池、EV等を用いた再エネ電力の充電、放電量とを地域内でバランスさせる必要がございます。
 そこで、将来の地域RE一〇〇の実現にも資するモデルの構築に向け、都は来年度、事業所等の具体的な構成や規模、導入する再エネ設備やEV等を想定した上で、例えば、電力需要に応じた電気料金の設定といった誘導策など、地域内の電力需給を調整するための有効な手法についての調査を行います。

○奥澤委員 電力需給に応じた電気料金の設定など、具体的な手段も含めた非常に重要な答弁だったと思います。
 これまで力を入れてきた機器の設置、つまり電力の供給に加え、電力市場への働きかけをするということですが、再生可能エネルギーの需要を高めていくことも欠かせません。その点では、EVステーションの設置を拡大し、ZEBを普及させていくことが重要です。
 来年度予算では、充電設備導入促進事業が大幅に拡充されていますが、その内容と狙いについてお伺いします。

○吉村環境局長 都は、昨年十二月、二〇三〇年の政策目標と目標達成に向けた詳細な取り組みをZEV普及プログラムとして取りまとめました。
 この中で、二〇三〇年に駐車場や商業施設などで誰もが利用可能な公共用急速充電器一千基を設置するなどの目標を掲げ、ZEVの普及に先行し、必要な社会インフラとして整備を進めることとしております。
 このため、平成三十年度から実施している充電設備導入促進事業を来年度拡充し、公共用充電器については、これまで補助対象であった機器購入費に加え、設置工事費及び急速充電器の維持管理費も補助対象に追加いたします。あわせて、区市町村施設に設置する場合についても補助の対象とすることといたしました。
 こうした取り組みにより、公共用充電器の設置を強く後押ししながら、ZEVの普及拡大につなげてまいります。

○奥澤委員 続いて、倫理的な消費行動、エシカル消費についてお伺いします。
 ゼロエミッション東京戦略には、温室効果ガスの排出やフードロスにおける家庭部門の占める割合が大きいことが示されており、個人の消費行動の転換は、持続可能な社会をつくる上で非常に重要です。
 都では、昨年度からエシカル消費についての普及啓発を行っていますが、アンケート調査では、エシカル消費という言葉を知っている人は約一割にとどまっています。
 そこで、エシカル消費の普及啓発について、これまでの取り組みと来年度の方向性についてお伺いします。

○浜生活文化局長 都はこれまで、将来を担う若者を中心に広くエシカル消費の理解を促進するため、SNSでのPR動画の発信やホームページへの行動例の掲載などにより、普及啓発を行ってまいりました。
 さらに今年度は、都内の大学キャンパスにおいて、グッズやチラシの配布、PR動画の放映などを行ったほか、教育庁とも連携し、エシカル消費について学べる教材を作成しています。
 来年度は、若年ファミリー層を対象に、スーパーマーケット等においてエシカル消費の理解を深めるワークショップを開催いたします。SNSを効果的に活用した情報発信にも引き続き取り組んでまいります。

○奥澤委員 最後に、人権尊重条例に関連してお伺いします。
 LGBT等性的マイノリティーの方々は、自身のセクシュアリティーを自他ともに認められないことで、人間関係の障壁、将来への不安、自尊心の低下など、さまざまな困難につながることが多いと伺います。
 そのような中、都では来年度から、若年層も安心してアクセスしやすい交流の場、機会を設けていくとしていますが、その狙いについてお伺いします。

○遠藤総務局長 性自認及び性的指向に関する基本計画で示しました、来年度から実施する予定の交流の場、機会の提供については、自身の性のあり方や生き方について一人で悩みを抱える性的マイノリティー当事者が、ほかにも同じ悩みを抱える者がいることを知り、今後の生き方をイメージできるよう実施するものでございます。
 本事業を通じまして、当事者同士が安心して集い、その悩みを話し合うことなどにより、悩みや困り事の解消につながるよう、都として支援してまいります。

○本橋委員長 奥澤高広委員の発言は、ただいま終わりました。
 以上をもちまして付託議案に対する総括質疑は終了いたしました。

○本橋委員長 次に、部局別質疑について申し上げます。
 部局別質疑は、本委員会設置要綱の定めるところにより、各常任委員会の調査をもってかえるものとなっておりますので、所定の手続を議長に申し入れます。ご了承願います。
 この際、各常任委員長に申し上げます。
 部局別質疑に関する調査報告書は、三月十九日の午後五時までに提出されますよう、特段のご配慮をお願いいたします。
 なお、来る三月二十四日につきましては、午後一時から委員会を本委員会室で開会し、締めくくり総括質疑を行っていただきます。
 また、三月二十五日に予定しております討論などの委員会運営につきましては、理事会にご一任願いたいと思います。ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後八時九分散会

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