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Tokyo Metropolitan Assembly

予算特別委員会速記録第四号

○本橋委員長 滝田やすひこ委員の発言を許します。
   〔委員長退席、木村副委員長着席〕

○滝田委員 AI、IoT、ビッグデータ、ロボットなどの技術革新が進みます。日本はテクノロジーを取り入れ、社会実装させる面において世界から大きくおくれをとっているのが現状です。
 我が国を牽引するのが首都東京の役割であることはいうまでもありませんが、特にこれからの十年、あらゆる分野において技術革新の力を取り入れることにおいて、東京が日本、世界を牽引することが必要ではないでしょうか。都のあらゆる行政分野において、そのことを意識して取り組むことを徹底していくべきです。
 昨年、宮坂副知事を招き入れ、その後、先月発表したスマート東京実施戦略に至るまで、大きな方向性を整理できたと思います。その上で、来年度は、具体的な事業、具体的な場所に落とし込んでいく非常に大切な一年であります。
 スマート東京実施戦略において言及されている具体的なエリアにおいて、スピード感を持って取り組みを実現していくことが重要ですが、特に南大沢地区の位置づけを含めて、スマート東京先行実施エリアについてどのように取り組むのか、知事の見解を伺います。

○小池知事 先般発表いたしましたスマート東京実施戦略でございますが、スマート東京の目指す姿を明らかにすると同時に、取り組みを具現化、加速化することといたしまして、来年度をスマート東京元年と位置づけたところでございます。
 その中で、南大沢地区を含みます五つのエリアを、これをスマート東京先行実施エリアといたします。そして、それぞれの地域特性を生かしながら、データを活用して課題解決に結びつけるまちづくりモデルを構築して、それを都内の各地へ拡大していく、このようにいたしました。
 お話の南大沢地区でございますが、多摩地域の課題解決や未来のまちづくりのため、都立大学を含みます産学官の連携による5Gなど、先端技術を活用した実証実験などを推進してまいります。
 こうした取り組みを通じまして、東京のポテンシャルを引き出す。都民一人一人が主役となって、デジタルの力で快適な生活を送ることができる。このような首都東京のデジタルトランスフォーメーションを強力に進めまして、スマート東京へと進化させてまいります。

○滝田委員 お話しいただいた南大沢の位置づけを考えますと、四月から名称を変更する都立大学の役割は非常に重要であります。
 大学がコアになることがほかの整備エリアと違った強みとなるわけですが、現在の都立大学から、研究力の強化、産官学の連携力の強化、社会課題の解決やビジネスにつながる力の強化、研究者や卒業生の人材輩出など、さまざまな面で大きなブラッシュアップが必要です。
 新しい技術革新や、それに付随する研究等に優位性を持つ、時代を先取りした大学へと脱皮させるためには、大学自体と、それを支援する都の取り組みとの両面で大きな変革が必要となるのではないでしょうか。
 都立大学が、技術革新の時代に飛躍をするために大きな転換が必要であると考えますが、今後の都立大学のあり方について、知事の見解を伺います。

○小池知事 世界が競って第四次産業革命への対応を進める中で、東京を持続的に発展をさせて、世界のトップランナーとして新たな時代を切り開いていく、その重要な鍵となりますのが、技術革新とそれを支える人材の輩出でございます。
 都が設立した公立大学であります東京都立大学が、その担い手として、教育研究力をこれまで以上に高めて、東京の発展に貢献していくことは重要でございます。
 こうした思いから、昨年の末に公表いたしました未来の東京戦略ビジョンにおきまして、新生東京都立大学プロジェクトを初めとして、世界中から注目される大学へと進化させるための施策の方向性を明らかにいたしました。
 今後、世界水準の研究を推進するために、水素エネルギーや超電導に代表されます都立大が強みを有する研究分野を中心として、国内外からトップ研究者を獲得してまいります。
 同時に、有望な若手研究者に研究費を複数年にわたって重点配分する仕組みを導入しまして、世界で活躍する研究者の育成、輩出にも努めてまいります。
 また、年内を目途にローカル5G環境を整えまして、先端研究への着手、産学連携の強化を進めまして、東京版ソサエティー五・〇、スマート東京の実現にも貢献をしてまいります。
 新生都立大学が未来の東京を支える戦略的なシンクタンクとして重層的な取り組みを展開できますように、都も全力で支援をしてまいる所存でございます。

○滝田委員 都立大学の今後のあり方について、知事の力強い答弁をいただきました。
 都立大学の運営費は、学生からの授業料と東京都の負担で主に賄われております。そのため、国の中での位置づけに縛られているほかの大学とは異なり、都立の大学だからこその独自性やスピード感を持ち得るということが利点であります。
 東京が技術革新の力を取り入れることについて、日本と世界を牽引していかなければならないということを最初に述べましたが、研究や実証実験、人材輩出の面で、その先駆けを担うのが都立大学であるべきです。
 そうした意味で、都立大学の大転換期に5Gインフラの先行整備を結びつけ、先端的な研究や産官学の連携による実証実験、実用化を他に先駆けて実施できることの意義と期待、そして責任は大きなものです。
 都立大学が、5Gや関連する技術革新について、研究、実証実験、実用化ができるように、総力を挙げて取り組んでいくべきですが、今後の具体的な取り組みについて伺います。

○遠藤総務局長 都立大学では来年度から、通信の安定性、安全性の確保など、5G時代における高度通信社会に関する課題解決型の研究や、次世代AI、IoT、ロボティクスなど、先端技術で社会実装が期待される研究に着手をいたします。
 まずは、南大沢キャンパスと日野キャンパスにローカル5G環境を整備した上で、学内公募により複数のテーマを選定し、新規に、最大で五年間の研究費を措置することで研究を強力に推進してまいります。
 また、新たに研究マネジメント人材である、いわゆるURAを配置いたしまして、都立大の5G環境を生かした民間企業との共同研究やスタートアップ支援に取り組んでまいります。
 スマート東京の実現に向け、都立大学が積極的な役割を果たしていくために、都としても大学の取り組みを支援してまいります。

○滝田委員 研究の強化や民間企業との連携を促すための仕組みづくり、組織体制、予算措置についても踏み込んでいくという答弁をいただきました。都立大学が、学生のみならず、先端的な研究者、若手研究者、そして民間企業やベンチャー企業などを引きつける魅力あるフィールドとなるよう、スピード感を持って取り組んでいただくようにお願いをいたします。
 都立大学での5G環境の整備により、大学内での先端的な研究が行われるだけではなく、それが社会課題を解決するさまざまなビジネスの創出につながることが重要です。
 都は、長期戦略ビジョンの中で、ユニコーン企業の創出や創業率の向上を掲げておりますが、新たな都立大学の環境は、まさにそうした目標に資するものであり、多摩地域における創業支援施策と結びつけていくべきです。
 丸の内で創業支援をしているStartup Hub Tokyoの多摩地域版となる創業支援拠点を立川駅近くに本年設置予定であり、また、八王子駅近くに産業交流拠点を建設しており、二〇二二年に開業予定です。
 都立大学を5Gの拠点としていくなどの動きがある中で、多摩地域における創業支援施策と各大学を結びつけ、大学発のベンチャー企業の創出や、あるいは大学と企業が連携をし、新たなサービスを創出するといったことが有機的に生まれていくよう取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。

○村松産業労働局長 多摩地域は、大学や研究所、高い技術力を持つ中小企業が集積し、5G関連技術も含めた多様な産業分野にイノベーションを起こす高いポテンシャルを有しております。
 こうした多摩地域の特性を踏まえまして、来年度、立川に新たに開設する創業ステーションにおいて、学生向けの創業セミナーやベンチャー企業へのインターンシップ等、大学発ベンチャーの創出につながる取り組みを実施するとともに、昭島の産業サポートスクエア多摩では、こうした大学発ベンチャーに対し、経営や技術面から支援を行ってまいります。
 さらに、すぐれた技術を持つ中小企業グループと大学等が連携して行う製品開発を支援してまいります。
 これらにより創出された新たな製品を、八王子に令和四年開設予定の産業交流拠点におきまして、展示会や商談等を通じて広くアピールしてまいります。
 こうした取り組みにより、多摩地域における産業のイノベーションを推進してまいります。

○滝田委員 大学発ベンチャーを含めて取り組んでいくということですので、よろしくお願いしたいと思います。
 多摩地域が、新生都立大学を初めとしまして、全国でも有数の大学の集積地域であるということを生かしまして、近隣県の企業も含めたプレーヤーを呼び込むなど、多摩地域でのエコシステムの形成に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 少し視点を変えますが、リニア中央新幹線の開通予定である二〇二七年まで七年となりました。
 都はこれまで、品川駅周辺を国際交流拠点に位置づけて整備を進めてまいりました。
 一方で、神奈川県相模原市の橋本駅にもリニアの停車駅がつくられます。こちらは、八王子駅、南大沢駅、多摩センター駅などの多摩南部地域の各拠点駅から鉄道でわずか十分に位置しております。
 多摩地域を区部と両輪となる成長のエンジンとしていくべきでありますが、多摩地域が、都心を向くだけではなくて、直接日本各地や世界につながっていく、リニアの開通は、地域の位置づけを変える大きな意味を持ちます。
 こうした観点から、二〇二七年のリニア中央新幹線の開通を絶好の機会と捉え、橋本駅に隣接する多摩南部地域のまちづくりに戦略的に取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。

○佐藤東京都技監 リニア中央新幹線の開通により、さまざまな地域間のつながりや関係が大きく変わると見込まれます。
 多摩南部地域からも一時間強で中部圏まで行けるようになり、将来的には、東京から関西圏も含めた経済圏が形成されることを見据え、長期的、広域的観点から、多摩南部地域のまちづくりを進めていくことが重要でございます。
 このため、多摩の強みである高い技術力を持つ企業や大学などの集積を生かし、地元自治体を支援しながら、多様なイノベーションを創出する拠点を形成してまいります。
 また、多摩地域の骨格を形成する南多摩尾根幹線の整備を進めるなど、新駅周辺の他県市とも連携して、新駅へのアクセス強化等に取り組んでまいります。
 リニア中央新幹線の整備効果を最大限に生かせるよう、こうしたまちづくりに戦略的に取り組み、東京の成長に貢献してまいります。

○滝田委員 開通時期を見据えて、リニア停車駅に至る道路整備を加速するべきだということを我が会派の代表質問でも求め、尾根幹線の全線開通などに向けた前向きな答弁がありました。
 一方で、鉄道の接続利便性についても向上が必要と指摘をいたします。
 橋本駅は、現状においても、多摩の南部地域の拠点駅を中継する乗りかえ駅となっておりまして、リニアのみならず、在来線のJR横浜線と京王相模原線の乗りかえや、接続がスムーズであることも重要です。
 今後、戦略的なまちづくりや利便性の向上を推進するべく、協議体を設けるなど、さまざまな形で関連自治体や鉄道事業者などと連携を図ることを求めます。
 ここまで、スマート東京、5G、都立大学、多摩地域の創業支援、リニアといった都の新しい政策課題を切り口に各局に伺ってまいりました。私の地元八王子市を含む多摩南部の地域について、成長のポテンシャルが大いに高まっているということ、そして、各局の切り口が点ではなくて、線や面でつながっていくことを求めたいということで質問をしてまいりました。
 次に、これらの切り口が交差をする南大沢駅周辺地区のまちづくりについて伺いたいと思います。
 土地カンのない方もいらっしゃると思いますので、簡単に紹介をいたします。
 南大沢は、京王相模原線で新宿駅から三十五分、多摩ニュータウンの中でも後期の一九八〇年代後半に開発をされておりまして、豊かな緑と完全に歩車分離、歩行者と車道が分離された遊歩道が連なる、加えて景観面でもすぐれたすばらしい環境の住宅団地を形成しております。ぜひとも皆様にもお越しをいただきたいエリアでございます。
 南大沢駅前から、イベントなどが行われる広場やデッキを横切りますと、三井アウトレットパーク多摩南大沢につながります。そのアウトレット前を抜けると、すぐに都立大学のキャンパスになります。つまりは、駅、アウトレット、大学が連絡をし、多様な人が来訪し、にぎわいを創出しているのが現在の南大沢駅前の魅力となっています。
 このアウトレットは、都有地を二〇二五年まで定期借地しているものでありまして、二〇二五年以降どうするのか、新たな機能を付加していくのか、先ほどまで質問していたさまざまなポテンシャルもある中で検討が必要です。
 そのような中で、都は昨年十一月に、八王子市、有識者とともに、南大沢駅周辺地区まちづくり方針策定等検討委員会を立ち上げ、検討を進めていますが、南大沢駅周辺の現況や課題とともに、今後どのようなまちづくりを目指していくのか、見解を伺います。

○佐藤東京都技監 南大沢駅周辺地区は、良好な都市基盤や宅地の整備、大学や商業施設の立地、すぐれた景観などにより、暮らしやすく、にぎわいのある拠点を形成しております。
 一方、リニア中央新幹線開通等の交通インフラの充実や5Gなど先端技術の活用、留学生の増加による国際化、働き方の多様化など、新たな状況への対応が求められております。
 このため、さらに魅力あるまちとして今後も発展できるよう、現在、有識者等から成る検討委員会において、都有地や先端技術等を活用し、多様なライフスタイルの実現を支える都市機能の一層の集積や、にぎわい、交流、利便性などの充実向上に向けた検討を行っております。
 今後、地元市とも連携し、さらに検討を進め、夏ごろを目途に素案を策定してまいります。

○滝田委員 都立大学を核に、5Gなど先端技術の活用や産学官の連携をすることは、まちづくりとしても大きな方向性の柱としていくべきと考えます。また、実証や研究にとどまらず、技術革新をまちに社会実装することが大きな目標である中で、5Gや新しい技術のさまざまな実証実験について、大学の中で完結するのではなく、まちの中でも行っていくべきです。
 一方、この件に関して、私、南大沢の地元の方々と何度か意見交換の機会を設けております。よく意見をいただくのは、地域、市民にとって、こうした新しい取り組みによってどのように生活環境がよくなるのか、便利になるのか、もう少しイメージを欲しいということであります。皆様、期待もいってくださるものの、こういう意見はとても多いというのが状況です。
 技術革新で都民生活がよくなるという大義をより具体的に示し、共感を得て進めていくことが重要ではないでしょうか。
 ついては、5Gなど先端技術の活用により、具体的に都民の生活がどうよくなるのか、見解を伺います。

○松下戦略政策情報推進本部長 次世代移動通信規格でございます5Gは、高速大容量、超低遅延、それから多数同時接続といった特徴を有しております。5Gを使い、こうした特徴を活用することで都民生活は大きく変わっていくものと考えております。
 例えばですが、遠隔医療により高齢者が病院に行くことなく、自宅のディスプレー等で受診や相談ができるようになります。また、工場のスマート化によりまして、多数の製造機器を遠隔で無線により精緻に操作ができるようになります。さらに、防災関係では、既にドローンが活用されておりますが、ドローンに4Kや8Kカメラを搭載いたしまして、リアルタイムで高精細な画像を遅滞なく送信することができるようになり、より精度の高い防災情報の把握が可能となります。
 このように、つながる東京の実現に向けて5G環境の整備を進めることにより、高齢化であるとか、産業、あるいは防災等のさまざまな課題の解決につながるものと考えております。

○滝田委員 高齢化であったり防災などの身近な政策課題についてもつながっていくということでご答弁がありましたが、本日は一般的な内容について回答いただきましたけれども、スマート東京をかじ取りし、都のデジタル戦略を担う宮坂副知事や本部長にも、ぜひとも南大沢にお越しをいただきまして、都立大学のみならず、周辺環境もご視察をいただいて、どのような実証実験や技術の社会実装があり得るのか、今後の取り組みの可能性を、まちへの展開も見据えて広げていただけるように要望いたします。
 また、都立大学での講演なども、学生や大学関係者、加えて地域住民の理解促進のためにもご検討をいただければと求めておきます。
 南大沢は、先ほどもご紹介しましたとおり、歩行者と車が別の動線となっている完全な歩車分離の環境というものが徒歩二十分、三十分圏で広がっております。このような環境は、都内だけではなく全国でも有数でありまして、実証実験や技術の社会実装、特に自動運転バス、タクシーや、さまざまな世代向けのパーソナルモビリティーなどにおいて、南大沢地区は親和性の高いエリアと考えております。各局と地元自治体で連携をし、モビリティーなどの実証実験や社会実装の推進を求めます。
 一方、新しい取り組みをさまざま進めていく上では、地元、市民の理解や協力は欠かせません。特に、先端技術を使い、未来を築いていく取り組みになりますので、コミュニケーションにたけた人材、大学からかもしれませんが、地元と民間事業者などの関係者間をつないで理解を促進したり、巻き込んだりといったことのできる人や組織が欠かせないというふうに考えます。
 新しい技術の実証実験や社会実装においては、地元関係者の理解を得ながら、民間事業者や専門性を有した大学を巻き込みながら行っていくコーディネーションが非常に重要であり、産官学や地元が連携したまちづくり組織を形成していくべきと考えますが、見解を伺います。

○佐藤東京都技監 スマート東京実施戦略におきまして、南大沢地区は、最先端の研究とICT活用による住民生活の向上が融合した持続可能なスマートエリアを目指すとしております。それに向けて来年度に、5Gなど最先端技術を活用した自律走行可能なモビリティー等の実証実験を行うこととしております。
 実施に当たりましては、地域のニーズと技術的な解決策を橋渡しする役割が必要でございまして、地元市や都立大学、地域で活動するさまざまな企業とともに協議会を設立いたします。
 多摩地域の課題解決や先端技術を取り入れたまちづくりの実現につなげていけるよう、こうした産学公が連携した場を十分に活用してまいります。

○滝田委員 環境の変化を見据え、都がまちづくり検討会を迅速に立ち上げたことを大いに評価をしております。本日の知事や各局への質疑も踏まえまして、今後の検討の深化をお願いしたいと思います。大変期待をしております。
 一方、検討会自体については、地元、市民に知られていないという状況も実は起きておりまして、今夏に向けてまちづくりの方針の素案をつくるとしておりますが、そこで初めて市民が検討会自体を知るということがないように、市と連携をして、例えば八王子市の広報に載せることや、都としても都民への周知や巻き込みについて検討していただくように強く要望をいたしておきます。
 ここまでの一連の質問の最後に、宮坂副知事にお伺いをしたいというふうに思います。
 一月に米国で開催されましたCESにおきまして、トヨタは静岡県裾野市に自動運転、MaaS、パーソナルモビリティー、ロボット、スマートホーム、AIなどの技術を導入する実証都市を新たにつくると発表いたしました。
 既にグーグルと組むトロントや、中国の深センなどでは、さまざまなアイデアを実際の都市の中で実現をしております。見えないデータやデジタルなどの技術の力と実際のフィジカルの世界とを掛け合わせ、これまでになかった新たな都市像を描いて、リアルな都市で実現していくこと。そこまで到達することがスマート東京の挑戦ではないでしょうか。
 それぞれの実証都市とは異なる特性も踏まえまして、南大沢のスマートシティー化について、どのような都市づくりのビジョンを描き、実現していくのか、宮坂副知事の見解を伺います。

○宮坂副知事 都は、未来の東京戦略ビジョンにおいて、目指すべき未来の姿の一つとしてスマート東京を掲げ、先般、実施戦略において、二〇四〇年に向けたビッグピクチャーを描きました。スマート東京元年である来年度、この南大沢からも東京のデジタルトランスフォーメーションの第一歩を踏み出してまいりたいと思います。
 先ほどご指摘のあった、先日発表のあったトヨタさんによる実証都市、これはいわゆるホワイトフィールドといわれていまして、今余り何もないものから、ゼロから自由につくり上げていくタイプのものです。
 それとは異なり、南大沢地区に関しましては、多摩ニュータウン西部の拠点として良好な都市基盤や宅地が既に整備されております。
 当地区は、大学、広域商業施設等の立地が進み、地区の内外から多くの人が訪れるにぎわいのある拠点が形成され、学術研究とまちづくりが連携するエリアである一方、丘陵地のため、居住者の移動に負担があり、高齢化を見据えた取り組みなどが課題となっております。
 ここに住み、働き、訪れる方々の課題解決に向けて、最先端の研究とICTの活用を図りながら、持続可能なスマートエリアを目指す必要がございます。
 このため、自律走行可能なモビリティー等による新しい移動円滑化、5Gなどの通信技術やビッグデータの活用等の新しい実証実験の実施、それらを社会に実装する研究の推進などに取り組み、住民生活の向上を図ってまいります。
 その際、そこに住んでいらっしゃる方のニーズ、課題に応えられない技術というのは、ある意味で技術の押しつけになってしまいます。まずは、やはり改めて地域の方々のニーズ、課題をしっかりとお聞きして把握した上で、それらを解決できそうな技術を用いた取り組みを実施するとともに、その結果をきちんと検証し、そして迅速かつ柔軟に見直してまいる必要があると思います。
 また、地域で活動するさまざまな企業や、そして都立大学、地元市との連携協力体制を構築し、都市における情報技術の利活用を推進していきたいと思います。
 この南大沢において、情報技術の力で誰もが快適で質の高い生活を送ることができる未来の都市の姿を早期に実現し、都市実装に向け、多摩の地域特性に応じたモデルを構築したいと考えております。
 この南大沢での挑戦から学ぶ成果や課題等を市町村とも連携を図りながら、多摩全域への展開に生かし、地域の活性化と課題解決につなげることで、多摩地域の一層の魅力の向上につなげてまいります。
 私は、この使命を果たすため、情報技術面でまちづくりのサポートに全力を尽くしてまいります。

○滝田委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。気合いの入った答弁ありがとうございました。
 次に、都市の3D化、都市のデジタルツインについて伺います。
 デジタルツインは、製造業などで使われている新しいコンセプトでありますが、物理空間そのものをそっくりデジタル空間に再現をするデジタル上の双子のことであります。
 先行するシンガポールでは、おおむね二十三区と同じくらいの大きさでございますけれども、バーチャル・シンガポールとして、都市空間全体を3D情報化して、さまざまなシミュレーションを実現する基盤としております。
 私からは、昨年の予算特別委員会やおととしの都市整備委員会においても事例を取り上げておりまして、また、我が会派の長期戦略への提言でも、都市のデジタルツインを実現するべきとしておりました。今般、実現に向け予算化されたことを大いに評価をするものです。
 既に活用方法などについては、我が会派の代表質問や鈴木邦和都議の一般質問で伺っておりますので、切り口を変えて、デジタルツインの実現に向けたデータ構築について伺います。
 シンガポールにおいては、二〇一〇年ごろよりBIM、CIMという建築物データの三次元、四次元化を進めていたことで優位に働いたというふうに聞いています。一方、システムを開発した会社に東京について聞きますと、カーナビのデータなど違う形ではあるけれども、東京も三次元データがそろっている面もあるというふうに聞いております。
 行政側で保有しているデータをオープンデータとして活用することや、民間の事業者などからデータ調達を行い、効率的に三次元データをそろえていくことも重要ですが、今後、都市のデジタルツイン、バーチャル東京の構築をどのように進めていくのか伺います。

○松下戦略政策情報推進本部長 都は、デジタルツインの構築に向けまして、来年度、その基盤となります官民連携データプラットホームの構築に取り組むこととしております。
 プラットホームの構築に当たりましては、まずは行政データ、次に公益事業系データ、さらに民間データの順にデータを拡充しまして、人流データなどのリアルタイムデータも段階的に収集、整備していくものでございます。
 その中で、お話の民間の三次元データなども活用いたしまして、スピード感を持って取り組んでまいります。
 また、あわせて、来年度、サイバー空間上に再現する東京を都民にわかりやすく可視化いたします3Dビジュアライゼーション実証事業、これを開始するものでございます。この事業では、サイバー空間上で、人や物の動きなどのシミュレーションを実施いたしまして、それを都民にわかりやすくウエブサイトで伝えてまいります。

○滝田委員 ありがとうございます。
 なお、官民の建設、土木事業において、BIM、CIMを導入することは、建設業の労働生産性の向上にも大きく寄与するものであります。国土交通省においても議論がなされておりますが、都市のデジタルツインの取り組みと並行して、建築物を当初から3Dデータで取り扱っていくことを都としても推進するように検討を要望いたします。
 次に、自動運転時代の都市づくりについて伺います。
 ドライバーが運転に関与しない完全自動走行の領域、いわゆるレベルフォーも、二〇二五年には実用化されるといわれています。人が運転するものから自動運転へと変われば、都市構造の前提が変わります。
 例えば、車両のあり方、車間距離、道路の幅員構成なども変わり得ます。駐車場も都市中心には不要となるかもしれません。つまり、人の運転を前提としたインフラには余剰ができると予想します。余剰ができれば、道路を人が歩ける緑道に、駐車場をポケットパークにといった再編が見えてきます。都市整備の前提が大きく変わる局面を考えていく必要がございます。
 このテーマは、一般質問や昨年の予算特別委員会でも私、取り上げてまいりました。その後、昨年十一月に、都が有識者を交えた検討会を立ち上げ、その検討過程を公開していることを評価をいたします。
 自動運転社会の都市づくりのあり方について、今後どのように検討を進めていくのか、検討内容とあわせて伺います。

○佐藤東京都技監 都は、ゆとりある空間の創出や人を中心とした都市づくりを見据え、自動運転技術に関する調査を進めております。
 今年度は、有識者などによる検討会を立ち上げ、都市における自動運転技術の活用方法などについて検討いたしました。
 バスや小型モビリティーなど、車両別の特性を踏まえた上で、都心部や多摩部などの地域ごとに、また、通勤や買い物などの目的ごとに、例えば、住宅地から最寄り駅までのアクセスや、来訪者の回遊性の向上など、活用の方向性を整理いたしました。
 これを踏まえて、来年度は、自動運転技術の活用方法を示した上で、都市づくりへの展開に向けて、自動運転車の走行に伴う道路空間や駐車場などのあり方、都市構造や沿道の土地利用に与える影響のほか、他の交通機関との連携、渋滞情報や信号情報などの交通情報システムの活用など、多面的な検討を重ね、取りまとめを行う予定でございます。

○滝田委員 非常に前向きな答弁でしたので、よろしくお願いしたいというふうに思います。
 次に、多摩地域での柔軟な働き方について伺います。
 都は、交通混雑の解消や多様な働き方などにつながるテレワークの推進を進めてまいりました。また、柔軟な働き方がさまざまな危機への対応にも有効であることは明らかでございます。
 一方、自然環境が身近にあり、ゆとりのある住環境を有する多摩地域において、サテライトオフィスの環境を整え、テレワークを一層推進することは、都心に通勤せず、職住近接の選択肢を広げ、多摩地域に居住する魅力を高めるものです。
 また、ワーケーションという言葉もよく聞かれるようになりました。ワークとバケーションを組み合わせた言葉ですけれども、郊外やリゾートなどの環境のよい場所で、休暇を兼ねてテレワークを行う働き方のことです。
 これは、八王子市や青梅、奥多摩などの多摩地域の西部や島しょ地域に受け入れ環境ができれば、都心から気軽に行けて、すぐ帰れる東京らしい短期滞在型のワーケーション等として大きな利点があるというふうに考えます。
 こうした多摩地域でのサテライトオフィスの設置やワーケーションの実現など、柔軟な働き方ができる環境の整備について推進していくべきですが、見解を伺います。

○村松産業労働局長 時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を実現するテレワークのさらなる普及を図るため、来年度、多摩・島しょ地域におきまして、サテライトオフィスやワーケーション施設の整備の促進に取り組んでまいります。
 具体的には、多摩地域の三カ所にサテライトオフィスを設置し、無料で体験機会を提供することによりまして、利用ニーズを掘り起こし、一層の整備促進につなげてまいります。
 また、多摩・島しょ地域においては、ワーケーションのモデル事業を実施し、集客の可能性や事業の収益性などを調査いたしまして、地元自治体等に提供することで、各地域における取り組みを促してまいります。

○滝田委員 ぜひ検討を深めていただきたいというふうに思います。
 昨年の台風十九号においては、私の地元の八王子市でも、河川の溢水など、さまざまな被害がございました。河川の狭小箇所などの危険箇所については、総点検を行い、改良していくということですが、一方で、ソフト面での対策も重要です。
 避難の判断などで、河川の状況把握、特に映像情報が非常に重要であることを私自身も当事者として痛感をいたしました。都民の要望も多数あったことから、台風十九号の被災直後の環境・建設委員会におきまして、私から、河川カメラを設置拡大すべきと指摘をいたしまして、対応していく旨の答弁を得たところです。
 都の管理河川において、こうした情報提供をしておりますが、八王子市内を初めまして、府中以西の多摩川水系には、実は一台も河川カメラが設置されておりません。多摩川の上流、支流は都の管理であります。
 八王子市内などの多摩川の上流、支流など、河川監視カメラの設置を拡大するべきと考えますが、今後どのように設置拡大をしていくのか伺いたいと思います。

○三浦建設局長 水害から都民の命を守るためには、河川の状況をわかりやすくリアルタイムに伝える監視カメラの設置等、住民の避難に資するソフト対策を進めることが重要でございます。
 都は、昨年度の防災事業の緊急総点検を受けまして、都内全域の河川を対象に、監視カメラの設置拡大に向け、検討を進めてまいりました。
 令和二年度は、既存の監視カメラの設置状況や、南浅川など多摩地域の河川を初めとする近年の被害実績などを踏まえまして、都内全域のおおむね四十カ所でカメラの設置に取り組んでまいります。
 河川の画像は、スマートフォンや多言語による閲覧も可能な水防災総合情報システムにより順次公開いたします。
 住民の迅速な避難活動につながるわかりやすい水防災情報のさらなる充実に取り組んでまいります。

○滝田委員 八王子の南浅川など具体的なエリアについてもご答弁がございました。ぜひお願いしたいというふうに思います。
 さて、昨年の予算特別委員会において、乳児用液体ミルクの取り組みについて詳しく伺いました。小池都知事からも、国内流通などの状況、区市町村の意見なども踏まえ、災害時の備蓄方法についても検討していくとの答弁がございました。
 その後、国内販売開始から一年、国内メーカー二社の商品は順調に普及し、全国の子育てしているママ、パパから好評を得ており、社会に根づいてきたという理解です。震災だけではなく、豪雨災害などでも大規模停電等が発生するとなるなど、対応が必要となる中で、水や電気が使えないといったときにも使用できる乳児用液体ミルクについて、行政と家庭での備蓄を充実し、災害に備えるべきです。
 東京都においても、乳児用液体ミルクを災害用の備蓄として確保していくべきでありますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 これまで、我が国に製造も販売もされていなかった乳児用の液体ミルクでございます。
 お湯で溶かさずにそのまま飲ませられますし、災害時には大変有用、そして、私自身これまでも、その必要性や有効性についてずっと訴えてきたわけでございます。
 昨年三月、国内販売がついに開始されました。そして、子育て家庭にも普及が進んでいるというのはご指摘のとおりです。さらには、来月には新たなメーカー、三社目になりますね、参入も見込まれております。
 都は、複数の事業者と協定を締結いたしておりまして、そして、災害時に乳児用の液体ミルクを国内外から調達できるような体制を既に整備をしているところでございます。昨年九月の台風十五号の話もありましたけれども、被災地からの要請に応じまして、救援物資として提供いたしました。そして、実際に子供さんのおられる家庭などで活用されたということであります。
 今般、調達による確保に加えまして、発災直後に速やかに供給ができますように、乳児用の液体ミルクの備蓄を開始いたします。
 また、この備蓄品を使用しないままに、賞味期限が近づきました場合には、乳児院に提供いたしまして、有効に活用してまいります。
 災害時には、この乳児用の液体ミルクを必要な家庭へ迅速に届けられますように、今後、こうした仕組みを実際に運用しながら、その課題についても検証してまいります。

○滝田委員 乳児用液体ミルクの備蓄を開始するというご答弁でございました。ぜひとも推進していただきたいというふうに思います。私にとっても念願でございました。
 最後に、我が会派は、おととしの全国育樹祭の開催時など、長期的な視点での森づくりの重要性について提言をしてまいりました。小池都知事は、自身をリーダーとするプロジェクトチームを全国知事会に設置をし、国産木材の活用促進に取り組んでいます。木材を使うことは、森林の伐採、利用、植栽、保育という循環の中心にあり、森づくりを進めるためには欠かせません。
 都は、杉を伐採し、多摩産材として市場に供給するとともに、花粉の少ない杉に植えかえる事業を実施しています。
 しかし、近年、杉林等を伐採する現場が、だんだんと奥地や急傾斜地等に移行をし、作業の難易度が高くなっています。一方で、高度な技術を持つ技術者が不足しており、伐採の拡大に課題となっています。
 今後、森林の循環を一層促進するため、木材の利用拡大を図る一方で、伐採を担う林業技術者を育成していくことが重要ですが、見解を伺いまして、私の質問を終わります。

○村松産業労働局長 これまで都は、林業の担い手でございます技術者を体系的に育成するため、新規就業者や中堅技術者に対し、技術レベルに応じた集合研修を実施するとともに、専門講師を事業体へ派遣し、OJT研修を実施してまいりました。
 来年度は、これらに加え、急傾斜地における木材の伐採、搬出を促進するため、高度な林業技術を持つ人材を育成する事業を新たに開始いたします。
 具体的には、空中にワイヤーロープを設置し、木材を搬出する技術や、高性能林業機械の操作等を学ぶための研修施設として、東京トレーニングフォレストを日の出町に整備してまいります。
 令和三年度には、この施設を活用して、都内の林業従事者を対象とした研修を実施し、高度な技術者を育成することで、東京の林業の活性化を図ってまいります。

○木村副委員長 滝田やすひこ委員の発言は終わりました。(拍手)

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