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Tokyo Metropolitan Assembly

予算特別委員会速記録第四号

○本橋委員長 おじま紘平理事の発言を許します。
   〔委員長退席、木村副委員長着席〕

○おじま委員 新型コロナウイルス感染症に対し、都はこれまで、刻々と変わる状況の変化を踏まえ次々と対策を講じており、感染の拡大防止に効果をもたらしてきたものと考えます。
 一方で、世界的な感染拡大を続けていることから、十一日には、WHOがパンデミック、感染症の世界的な大流行の状態にあると評価しました。予定どおりに大会が開催できるのかどうか、さまざまな意見や臆測が飛び交っております。
 アメリカのトランプ大統領も、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、東京大会は一年間程度延期するべきかもしれないと発言をしております。また、IOCのバッハ会長は、新型コロナウイルス感染症について、WHOがパンデミックの状態にあると評価したことを受け、東京大会の開催中止、延期の判断についてはWHOの勧告に従うと表明したと報道をされております。
 大会開催を危ぶむ声も聞こえますが、東京二〇二〇大会に向けて、知事はどのように取り組んでいくのか、改めて決意を伺います。

○小池知事 都といたしましては、まず、新型コロナウイルス感染症に対応して速やかに対策本部を立ち上げて、現在も全庁を挙げまして、やるべきことはちゅうちょなく全力で取り組む、この姿勢で、これまでもやってまいりました。
 そして、現在も都内におけます感染の拡大を最小限に抑えるという上で、今がまさに正念場であると、その認識を持つこと、そして医療体制を充実させること、感染拡大を防止すること、広報を強化、徹底すること、これら三つの視点を踏まえまして、集中的な取り組みをしっかりと実施をしているところでございます。
 重ねまして、緊急東京チームを立ち上げておりまして、新たな対応策に取り組んでまいります。
 昨日も第三弾の緊急対応策を打ち出したところでございまして、このように安全・安心、何よりもこれを確保することが第一だと、この認識で取り組んでまいります。
 こうした取り組みにつきましては、開催都市東京でございます。IOC、IPC、組織委員会、国、そしてWHOと、大会の開催に向けました情報交換の場がございますので、そこでさまざま情報を共有しているところでございます。
 今、委員のご質問の中にございましたWHOの勧告に従うという言葉ですが、勧告ではなくて、アドバイスと、このようにもともとの言葉ではなっております。
 ご存じのように、昨日はギリシャで聖火リレーも開始をされました。都といたしまして、引き続き事態の推移も注意しながら、国、組織委員会等の関係者と連携をいたしまして、本年七月、安全で安心な大会の準備に万全を期していくとの姿勢で、何よりも感染症対策にしっかりと取り組んでいくということを改めて強調させていただいて、ご質問へのお答えとさせていただきます。

○おじま委員 力強い決意表明をいただきました。
 続きまして、男性育休について伺います。
 私ごとで恐縮なんですが、去年、結婚をいたしまして(「おめでとう」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。八月八日、偶然にも小泉進次郎大臣と同じ日に入籍をしまして、奥様の滝川クリステルさんのおなかの中にはもう赤ちゃんもいるということでありました。
 それから、しばらくたって第一子、男の子が誕生しまして、小泉大臣が育休をとるというニュースが流れました。私などは、そこと比べるべくもないんですが、やはり今後のことを考えますと、これは参考にしなければと思ったところであります。
 うちにも子育てをしている女性議員も多いし、イクメン議員もたくさんおります。今週、ちょうど月曜日、森村さんに第二子が誕生したところであります。おめでとうございます。
 話は変わって、十年前、私が二十一歳のまだ大学生で小池事務所のインターンだったときに、知事は自民党の広報本部長をしておりました。
 その際、小池広報本部長の旗振りで、パパイク、これパパイク運動というのをやっておりまして、そのお手伝いをしていた記憶があります。国会から男性の育休、パパ育休を広めていこうよというムーブメントでございました。
 しかし、十年前は今以上に男性が育休をとることへの社会的理解がなかったし、そもそも育休に関する議論そのものが黎明期で、認知度も低かったわけであります。国会議員の先生方の中でも賛否両論というか、むしろ抵抗の方が強いんじゃないかという感じだったんですが、当時、新人議員だった小泉進次郎さんは、律儀にパパイクと刻印されたシリコンバンド、自民党本部の一階で三百円で売っていたんですけれども、これもつけてくれていたことを懐かしく思い出したところであります。
 そこで、国会議員になった十年前から男性育休に目をつけて旗を振っていた小池知事に、今は都知事としてイクボス宣言もされておりますけれども、男性育休の重要性について、所見を伺いたいと思います。

○小池知事 懐かしい話をありがとうございます。
 未来の東京戦略ビジョン、何度もここでも取り上げさせていただいておりますが、これは二〇四〇年代の東京ビジョンとして、男性の家事、育児が当然となって、女性活躍という言葉が使われなくなっているという姿を提示したものでございます。
 また、男性職員にとりましては、育児は人間性をむしろ成長させるとともに、自身の働き方を見詰め直すことにつながるという貴重な機会ではないかと考えます。
 都としまして、これまで全管理職によるイクボス宣言を初め、育休の取得体験談を発信したり、男性職員と所属長との面談をするなど、育休の取得を強力に推進をしてまいりました。
 今後、改めまして、私みずから先頭に立ちまして、育休の取得を後押しするメッセージを発信をしてまいります。来年度からは、管理職を初めとする職員の意識改革の取り組みをさらに強化をしてまいります。
 都庁を挙げて取り組んで、男性職員が当たり前に育児休業を取得できる職場環境づくりを一層進めてまいりたいと存じますし、今、社会が大きく変わっていく、そのモメンタムは十分あると、このように考えておりますので、ぜひ、皆様方、都議会の方でも、この育休ということについて、お取り上げ、ご審議いただければ、大変都としてうれしく思うところでございます。

○おじま委員 小泉大臣が三カ月で二週間の育休をとるということを発表した際に、賛否両論がありました。
 私なんかは、まず隗より始めよということで、トップリーダーがとることで下もとりやすくなるんじゃないかと思った一方で、国会議員の立場で、あるいは大臣の立場でどうなのか、大臣より環境省の職員の方が先じゃないのか、国会議員より国民の方が先じゃないのかという批判もあったところであります。
 これを自分の立場に置きかえてみると、都議会議員よりも都庁の職員の方が先、都庁職員よりも都民の方が先、民間企業が先ということになるわけであります。
 しかし、都庁における男性育休の環境を整えることは、これも民間企業への波及も期待をできるところであります。まさに、まず隗より始めよの効果があるはずであります。
 そこで、まずは、都庁における男性育休の現状について伺っていきたいと思います。
 男性職員と女性職員それぞれの取得率と掲げている数値目標について伺いたいと思います。

○遠藤総務局長 平成三十年度における教育庁を除く知事部局等及び公営企業局の育児休業取得率は、国と同様の算出方法で計算いたしますと、男性職員については一四・六%、女性職員については一二〇・一%となっております。
 この女性職員が一〇〇%を超えておりますのは、平成三十年度以前に取得可能となった者を含めまして、新規取得者の割合を計算しているためでございます。
 また、男性職員の育児休業の取得率につきましては、今年度までに一五%に向上させることを目標としております。

○おじま委員 目標一五%とあるものの、やはり男性職員の方が圧倒的に低いということがわかったわけでありますが、この男性職員の取得率が特に低い理由を総務局としてどのように捉えているのか、男性職員が取得をしない理由について伺いたいと思います。

○遠藤総務局長 昨年九月に、平成二十六年度以降に配偶者が出産いたしました男性職員等を対象といたしまして、男性職員の育児休業等取得に関する実態調査を実施いたしました。
 この調査の中で、育児休業を取得、計画しない理由については、業務が多忙で取得は困難という回答が最も多く、次いで、収入減のため年休等での対応を希望する、周囲に前例等がなく取得しづらい雰囲気があるという回答が多い結果となりました。
 また、今後の取得、計画に当たり求めることに関しましては、取得しやすい雰囲気の醸成を求める声が最も多かったものでございます。

○おじま委員 大事だと思います。
 実は、私の友人が都庁にいまして、ちょうど最近パパになって育休をとったんです。余り詳しくいうと特定されるのでいわないんですが、実はきょうの質問も、彼にかなり相談しながらつくりました。育休をとる前から話を聞いていたんですけれども、育休にも本当にいろいろ苦労があって、課題があるんだなということがよくわかりました。育休の取得を決断して直属の課長に相談するところから、申請の手続であったり、あるいは期間の決め方、奥さんの反応まで、すごくリアルなところを教えてもらいました。
 忙しい部署で役職についている彼が、育休をとって一定期間自分が抜けた穴というのをつくるのは、やはり勇気の要ることだといっていました。なぜ勇気が要るかというと、やはり、さっき局長の答弁にもありましたが、空気の問題だと思います。まずは、育休がとりやすい、とっても大丈夫な環境と雰囲気が職場にあるかどうかというのは重要だと思います。そのためのムーブメントであり、機運醸成であります。
 そこで、これまで、どのように男性職員の育休や育児参加の必要性、メリットというのを都庁の中に周知をしてきたのか、あるいは機運醸成をしてきたのか伺いたいと思います。

○遠藤総務局長 都は昨年度から、パパ職員育児参加応援プロジェクトを実施し、育児休業に関する男性の意識向上や職場の理解、協力の促進を図っております。
 具体的には、パパ職員ガイドブックの配布などにより、育休の意義等について周知するほか、配偶者も参加可能な育休復帰予定者向けの講座において、育児、家事分担のあり方や仕事との両立ノウハウを助言するなどの取り組みを行っております。
 今後もこうした取り組みを着実に進めまして、職員に対し、男性が育児と仕事を両立するメリット等を積極的に発信してまいります。

○おじま委員 パパ職員ガイドブックについて読ませていただいて、これは総務局人事部の職員支援課が発行しているんですけれども、制度の説明から始まって、取得までの流れ、職場における引き継ぎのあり方、パパとしての心得とか、お役立ち情報というものまで書いてあります。大変よくできていると思います。
 ちなみに、育休中に所得が減ってしまう、六七%なんで、月に数万円程度になるんですけれども、これについて、地方公務員の育児休業等に関する法律があるんですけれども、これの規定でこれは直接的に補填できないということになっているようであります。それでも何とかできないかということについては、検討していただくことを求めておきたいと思います。
 ところで、庁内に、これも男性育休の支援の一環で、待ってるよ、PAPAというポスター、これは庁内に張ってあるんですけれども、これはどういうものか、ご答弁いただきたいと思います。

○遠藤総務局長 ただいま掲示していただいておりますポスターは、男性職員の育児休業取得等の普及啓発を目的として作成したものでございます。
 子供を初め、家族が父親の育児を求めていることに加えまして、職場全体でパパ職員の育児休業取得を応援することや育児休業により貴重な経験を得た後に職場復帰することを待っているなどの意味を込めているものでございます。

○おじま委員 これもすばらしい取り組みだと思います。帰ってきたパパが、次にパパになる人に対して育休の経験というのを共有することも大事だと思います。既に、体験談等では発信をされているようですが、育休を取得し終わった男性職員とこれから育休を取得する男性職員の座談会なども開いてみてはどうかと思っております。プレママというのが不安を抱えるように、プレパパも同じことがいえるわけでありまして、そこから、また男性育休の機運が広がっていくのではないかと思います。
 いずれにせよ、これだけのことをしているのに実態がついてこないのはなぜか。さっきの私の友人は、組織風土に問題があるといっておりました。地方公務員月報の記事に載っていた、育休をとりたいんだけれどもとれなかったパパが職場でいわれたことについて紹介したいと思います。
 君はとれていいな、百件も案件を抱えているので僕はとれない。みんな仕事頑張ってるからな、一人だけ認めるわけには…。君の今後のためだ、奥さんにとってもらえ。休みをとっても持て余すぞ。俺たちのころにはなかった、男はやっぱり仕事だろう。
 この圧力に逆らえば、ともすれば人事考課に響いて、出世に影響するのではないかというふうになってしまっているようであります。育休イコール休みというイメージは、特に管理職の世代から抜け切っていないのではないかということであります。まずは、上の人たちの意識改革、小泉大臣も、休みじゃなくてミッションだというふうにいわれておりましたが、意識改革をちゃんとやってくださいと、働き方改革ではなく、働かせ方改革だという声も聞くところであります。
 実態調査でも、管理職の役割の重要性が改めてわかったのではないかと思いますが、今後はこれをどのように改善していくのか伺いたいと思います。

○遠藤総務局長 男性の育児と仕事の両立をさらに進めていくためには、職場や同僚職員の協力が重要でございます。とりわけ管理職の理解が不可欠であると考えております。
 都は来年度から、職場において、管理職が職務として男性の育児休業取得促進に取り組むよう意識啓発を強化いたします。具体的には、課長や部長に昇任した際に、全ての管理職を対象として研修を実施するなど、さまざまな機会を活用し、男性職員が育児休業を取得する意義や制度についての理解を深めることを繰り返し行ってまいります。
 さらには、イクボス宣言において、男性職員の育児休業取得促進を盛り込むことを推奨してまいります。私の若い時代にもまだ制度はございましたけれども、なかったんですけれども、これらの取り組みによりまして、一層職員が取得しやすい機運の醸成を進めてまいります。

○おじま委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 そもそも今、目標が一五%なんですけれども、一五%という取得目標を掲げた場合に、これは管理職にとって、自分のところは六人とか七人に一人でいいんだなというふうにならないでしょうか。
 実際、千葉県千葉市の熊谷市長が、市役所における育休取得に当たって、とらない場合になぜとらないのかというのを調査することとした結果、男性職員の育休取得率が一気に上がった事例もあります。
 男性育休は、ある意味、知事が旗を振ったクールビズと、このキャンペーンに似ていて、社会変革を起こさなければ変わらない性質のものではないかと思います。ムーブメントを起こすことが重要であります。ちょっとずつ頑張ろうということじゃなくて、一気にやらないと意味がないということもいえると思います。
 都においても、一五%とはいわずに一気に一〇〇%くらいの勢いで取り組んでほしいと思っております。都庁における男性育休について、義務化とまではいいませんが、実質的に同じような効果が得られるよう、高い取得率を目指した取り組みを進めるべきと考えますが、所見を伺います。

○遠藤総務局長 都では、昨年一月から、配偶者の妊娠が判明した男性職員に対しまして、休暇休業の取得や育児中の働き方等について面談を行う取り組みを開始しております。こうした効果もございまして、実態調査では、育児休業の取得を計画したきっかけが、所属長等の勧奨という回答が多くなっておりました。
 そこで、来年度からは、まずこの所属長との面談について、休暇休業の取得を前提として働きかけを行うよう強化をしてまいります。また、職務目標等について定期的に意見交換を行う自己申告の面接の場を活用いたしまして、育児休業の意義等を周知するなど、取得しやすい職場環境づくりを進めてまいります。
 これらの取り組みにより、職員が周囲に気兼ねなく育休等を取得できる機運醸成を一層促進いたしまして、男性職員の育児休業取得率の向上を目指してまいります。

○おじま委員 都庁については以上でございますが、続いて、民間に目を向けていきたいと思います。
 男性育休と女性活躍はセットであります。男性が家事、育児にもっと関与するようにしていくことは、働く女性を支援することにつながるし、それがまた男性育休の方に戻ってくると、返ってくると思っております。
 特に問題なのが、男性の育児参加であります。民間企業における男性の育休取得率を見ると全国で六・一六%、東京都では一六・六%にとどまっておりまして、九〇%を超えている女性との格差は明らかになってくるのではないかと思います。
 国や一部の民間企業では、男性に一定期間の育休取得を義務づけていく動きも見られます。例えば、積水ハウス、三菱UFJ銀行では、男性社員に一カ月の育児休業を義務化し、日本生命や関西電力、こういったところも取得期間は一週間と短いんですが、一〇〇%達成をしております。
 こうした状況も踏まえながら、男性が育休を取得しやすい社会的機運を高めることが必要と考えますが、所見を伺いたいと思います。

○村松産業労働局長 都は、男性の育児休業の取得促進に向けた社会的機運の醸成を図るため、ライフワークバランスを推進するイベントにおきまして、男性の育児休業をテーマとしたセミナーを開催し、普及啓発を行っております。
 また、男性の育児休業の取得を呼びかける動画を制作し、トレインチャンネル等で配信するなど、広く都民にPRをしてまいりました。
 来年度は、こうした取り組みに加えまして、男性の育児と仕事の両立に向けて意欲的に取り組む企業を新たに表彰し、モデル事例として発信していくなど、機運の醸成に向けた取り組みを強化してまいります。

○おじま委員 普及啓発も機運醸成も重要であります。しかし、それだけではなくて、具体的な後押しをしてほしいと思っております。民間企業なので、都の取り組み、これをそのまま当てはめろというわけにもいかないんですが、民間企業の職場においても、男性が育休を取得しやすい環境づくりが進むようにしていかなければならないと思います。
 そこで、育休取得はもとより、育児と仕事の両立を支援する都の取り組みについて伺いたいと思います。

○村松産業労働局長 都は、男性従業員に一定期間、育児休業を取得させた企業に奨励金を支給し、男性の育児参加を進めているところでございます。
 また、育児と仕事の両立を図る上で、有効な支援ツールとなりますテレワークを一層推進するため、導入に必要となる機器、ソフト等の経費に対する助成も行っております。
 来年度は、男性の育児休業の取得を促進するため、奨励金の実施規模を五十社から百社に拡充するなど、育児と仕事を両立しやすい職場環境づくりを支援してまいります。

○おじま委員 男性育休は、社会を変えるボウリングの一番ピンという言葉があります。(パネルを示す)この一番ピンの後ろ、この二列目がDV、児童虐待、あるいは若年、熟年離婚。で、この三列目に働き方改革、生産性向上、介護離職、女性活躍推進。で、一番後ろ、この四列目に少子化対策、人生百年時代、地域社会活性化、男女共生社会などの社会課題があります。ボウリングでストライクをとろうと思ったら、この一番ピンを倒さなきゃならない。その一番ピンが男性育休だということであります。
 男性育休や女性活躍は、単なるはやり物ではなくて、その背後にあるさまざまな社会課題を解決するための鍵であるということを認識しながら、これらを進めていかなくてはならないと思います。
 都庁の男性育休の環境が改善をされて、誰でもとりやすくなった、民間企業においてもムーブメントが広がってきた、その暁には、私も育休をいつかとってみたいということを表明して、育休については終わりたいと思います。
 続いて、セーフシティーの実現に向けた取り組みについて二点。
 まずは高齢者施設等における災害対策の強化についてであります。
 都内の高齢者施設におけるBCPの策定状況は、特別養護老人ホームで約七割、老人保健施設では約三割にとどまっております。また、介護保険施設等には、非常災害対策計画の作成と避難訓練の実施が義務づけられておりますが、例えば停電を想定した訓練を実施している施設は半数にも満たないなど、実効性の確保という面では必ずしも十分ではないことが都の調査で明らかになっております。
 我が会派では、高齢者を初めとする要配慮者に対して、災害福祉広域支援ネットワークを通じた情報共有や福祉専門職の応援派遣、広域調整など、区市町村や関係機関との連携強化を求めてきたところでありますが、介護が必要な高齢者が入居する高齢者施設等においても、従来の震災を想定したBCPに加えて、風水害を想定したBCPの策定を促すと同時に、区市町村にも意識啓発を行うことで高齢者施設の災害対応力を強化すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 高齢者施設は、常時介護を必要とする高齢者が生活し、災害時には福祉避難所として地域の高齢者を受け入れる役割も期待されることから、発災時の優先業務や対応手順を定めたBCPを策定し、災害時でもサービスが維持できる体制を構築していくことが重要でございます。
 都は来年度から、風水害にも対応できるよう、BCPを未策定または改定予定の施設を対象に、講義や演習を実施するとともに、専門的な助言を行うアドバイザーを派遣し、BCPの策定や訓練の実施を支援いたします。
 また、区市町村や施設を対象に、防災をテーマとしたセミナーを開催するなど、広く普及啓発を行い、高齢者施設の災害時の対応力の強化を図ってまいります。

○おじま委員 次に、介護人材の確保についてであります。
 川越の特別養護老人ホームの事例では、通常は夜勤五人の職員配置であるのに対して、台風に備えてこれを二十四人に増員して対応した結果、入居者全員の無事につながったといわれております。
 災害時における運営体制の強化が急務でありますが、そもそも介護職員の確保が困難であるという現状に、事業者からも悲鳴の声が上がっているのが実態であります。
 介護職員の確保、定着に向けては、これまでも我が会派から、介護職員の宿舎借り上げ等の取り組みなどを求めてきたところでありますが、昨年の教訓も踏まえて、介護人材の確保と定着を図るとともに、災害時における対応力強化への取り組みをさらに支援していくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 都では、住宅費負担の軽減による働きやすい職場環境の確保と災害時における福祉避難所の運営体制の強化を目的として、職員用の宿舎を確保する事業者を支援しております。
 昨年の台風災害など近年の大規模災害では都にも大きな被害がもたらされていることから、来年度からこの支援内容につきまして、一事業所当たりの補助の上限戸数を現行の四戸から利用定員に応じまして最大二十戸まで拡充するほか、新規の受け付けの期間も、現行の令和二年度から令和五年度まで延長するなどの充実を図ります。
 今後、介護人材の確保、定着を着実に図っていくとともに、災害時に高齢者への支援の拠点として機能できるよう、事業者への支援を強化してまいります。

○おじま委員 さらに、小規模多機能だとかグループホームなど福祉避難所以外における宿舎借り上げについても、ニーズに応じた支援拡充を図るべきことを求めておきたいと思います。
 時間も余っているんですが、時節柄これにて終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)

○木村副委員長 おじま紘平理事の発言は終わりました。

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