ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

予算特別委員会速記録第四号

○本橋委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 初めに、委員外議員の発言の申し出について申し上げます。
 上田令子議員から、会議規則第六十三条の規定により、本日の委員会に出席して発言したい旨の申し出がございました。
 本件につきましては、理事会において協議の結果、必要なしとの結論になりました。
 お諮りいたします。
 本件について、理事会の協議結果のとおりとすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○本橋委員長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これより付託議案の審査を行います。
 第一号議案から第二十八号議案まで、第百三号議案、第百四号議案、第百七号議案及び第百八号議案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き総括質疑を行います。
 木下ふみこ委員の発言を許します。

○木下委員 新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いをいたします。
 現在、さまざまな企業でテレワークを活用する動きが見られますが、非正規社員が社内のテレワーク制度を活用できないとの声が上がっています。派遣契約の中で明記されていないことが理由で、正社員は自宅勤務、派遣社員が出社という不平等な状況が生じているようです。
 都は、正規、非正規の雇用形態を問わず、テレワークができるよう支援するべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○村松産業労働局長 都は、働き方改革を一層推進するとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぎ、企業の事業継続を支援していくため、正規雇用、非正規雇用を問わず、より多くの方々がテレワークを利用できる環境づくりに取り組んでおります。
 このため、今般成立いたしました補正予算により開始した助成事業では、テレワークを初めて導入する企業等に加え、テレワークを利用する従業員のさらなる拡大に取り組む企業も支援の対象といたしました。
 また、来年度は、テレワークの業務範囲や対象従業員の拡大を図る企業に向けて専門家を派遣し助言を行うなど、雇用形態を問わず、より多くの従業員の方々にテレワークの活用が進みますよう支援してまいります。

○木下委員 非正規格差はこんなところにもあるかと愕然としています。非正規の方々のテレワークという新たな課題が浮き彫りになったということだと思います。不平等が生じない対策の強化を求めておきます。
 毎日多くの方々が公共交通を利用する中、満員電車での感染を危惧する声が多く寄せられています。
 そこで、都営交通も窓あけなどの換気対策、車両や駅の消毒、乗客のためのアルコール消毒液の提供など、対策を強化すべきと考えますが、見解を伺います。

○土渕交通局長 都営交通では、新型コロナウイルス感染症をめぐる情勢の変化に応じて、さまざまな対策を講じております。
 具体的には、ホームページやSNS、車内放送等により、せきエチケットや手洗い等の感染予防策のほか、時差出勤やテレワークへの協力を呼びかけております。また、駅にサーモグラフィーを活用した検温コーナーを設置し、日々の健康管理の重要性を周知しております。
 さらに、地下鉄車内のつり革や手すり等、多くの方が手を触れる場所を中心にアルコールによる消毒作業を行うなど清掃を強化するとともに、案内窓口や観光バスの車内には消毒液を配置しております。加えて、窓あけにより地下鉄やバス等の車内換気を行うなど、感染リスクの低減を図っております。
 新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて全力で取り組んでまいります。

○木下委員 感染症対策のため、テレワークやピークシフト通勤を進める人がふえています。都営地下鉄では、朝のピーク時間帯である七時半から九時半において、感染症の影響が出る前と後を比較すると、平均約二二%の減少、一日当たりの利用者数も、都営地下鉄全線で約二一%減少しているとのことです。感染症対策に応じてやむを得ず生じた状況ではあるものの、多くの人々が時差通勤やテレワークに取り組むこととなりました。
 新型コロナウイルスの影響がおさまったとしても、都営地下鉄として、混雑緩和にあらゆる努力を講ずるべきと考えますが、見解を伺います。

○土渕交通局長 都営地下鉄では、沿線の開発等によりお客様が毎年増加する中、混雑緩和を図るためさまざまな取り組みを進めております。
 具体的には、時差ビズキャンペーンや混雑の見える化を通じてスムーズビズを推進するほか、大江戸線では、昨年度、車両を三編成増備するとともに、新宿線では、車両の更新に合わせ、十両編成化を順次進めております。
 加えまして、三田線におきましては、令和四年度から一部の編成を六両から八両にすることで輸送力を増強してまいります。さらに、車両更新に合わせまして、ICTを活用して車両情報を収集、蓄積する新たなシステムを導入することで、車両ごとの混雑状況をより正確に把握してまいります。
 快適な通勤環境の創出に向けて、ハード、ソフト両面から取り組みを進めてまいります。

○木下委員 今回の政府の突然の全国一斉休校要請では、影響を受けるひとり親を含む保護者や関係者、子供たちへの配慮がパッケージとして提案されていなかったことが問題であり、都を含む地方自治体の現場は大きな混乱となりました。
 休校になっても子供たちを受け入れている保育園、幼稚園、学童クラブ、特別支援学校、さらには医療施設や介護施設で働く方々には女性が多く、非正規であることも多く、そもそも平均年収も低い状況です。ご自身の子供を預けながら、または自宅で留守番させながら勤務し続けていただいており、本当に感謝しかありません。
 保育人材、福祉人材、看護・医療人材、介護人材といった社会を支える方々の今回の措置に伴う頑張りに、ありがとう、お疲れさまという意味でも奨励金を支払うなど報いる方法を考えるべきではないかと要望をいたします。
 さらにフリーランス、例えば芸能舞台関係者はイベント自粛などで収入を失っています。少なくとも都が主催する公演、演奏会は無観客で実施しネット配信をすることで、より多くの方々に芸術文化に親しむ機会を提供しつつ出演者の収入を確保することが可能になると思います。都が全国に先鞭をつけていくべきと、あわせて要望させていただきます。
 コロナという見えない敵と戦うことで、見えなかった社会が見えてきたとは、三月十日、我が会派で六度目の要望書を届けた際の小池都知事のお言葉です。
 弱い立場にある方々の問題が表面化していることへの対応、テレワークや時差出勤、遠隔会議、ウエブ授業などが、新たに多くの人々の体験になっていることなど、コロナの危機を皆で乗り切る中で社会を前に進める糧にしていく発想が大切だと感じています。
 都は昨年末、未来の東京戦略ビジョンを公表し、新たな時代環境認識のもと、進むべき方向性を示しました。少子高齢化を初め、さまざまな困難が予想される東京が、今後も持続可能な成長を達成するには、これまで協働してこなかった、またはかかわりが薄かった多様な主体をも巻き込み、多くの都民に積極的に都政にかかわってもらうべきと考えますが、知事の見解をお伺いします。

○小池知事 令和の時代を迎えました。一方で、東京は経済、テクノロジー、気候変動、人口構造、これら四つの点におきましては歴史的な転換点に立っていると存じます。
 東京、そして日本のプレゼンスの低下が危惧される中において、大変なピンチを迎えているわけでございますが、だからこそ、このピンチをチャンスに変えていく、そのためには、これまでの延長線上ではない大胆な発想が必要でございます。
 今回の戦略ビジョンでは、目指すべき未来を想定して、そこから逆算して、今何をなすべきかというバックキャストの視点を持ちながら、さまざまな挑戦的な目標を打ち出したところでございます。
 ここで掲げましたプロジェクトを効果的に推進していくためには、都庁だけではなくて、従来とは異なる新たな連携を生み出してオール東京で取り組んでいく必要がございます。そのために、戦略ビジョンの基本戦略におきましては、多様な主体と協働するスタイルを都政に定着させていくこと、そのことを掲げさせていただきました。
 例えば、少子高齢化、気候変動など行政課題の解決にはスタートアップの斬新なアイデアやスピード感を生かしていくこと。また、東京には知の拠点であります大学や研究機関が集積をいたしております。こうした高度で専門的な知見を活用していくこと。さらに、さまざまな企業やNPO等と連携をいたしまして、社会全体で子育てを支えるマインドチェンジに取り組むなど、多様な主体と協働しまして、魅力あふれる未来の東京をともに築いていきたいと考えております。

○木下委員 多様な主体の活躍の場として、地域コミュニティを取り上げます。
 地域を行政とともに支えてきた町会、自治会、商店街、消防団は高齢化、組織率の低下で新しい力を必要としています。
 阪神・淡路大震災が発生した一九九五年は、多くの人々が被災地支援に向かい、ボランティア元年と呼ばれています。一九九八年には、ボランティアを行う多くの団体に法人格を与えるNPO法が制定されました。
 また、二〇一一年の東日本大震災をきっかけに、NPOや社会課題を解決することをビジネスとする法人、社会的企業に注目が集まり、多くの若手社会起業家が誕生しました。
 政府が地方創生を打ち出した二〇一四年以降、特に地域活性化を担うNPO活動、社会的企業に注目が集まっています。
 私は、地域の社会課題解決を目的に動く、このような新しいタイプの人たちに、もっともっと東京の、今住まいを置く地域のコミュニティの活性化にかかわってもらうことができれば、課題を抱える町会、自治会、商店街、消防団の負担軽減につながっていくと考えます。
 そこで、来年度、都が新設するコミュニティの活性化を支援する新たな財団においては、地域の社会課題解決を目的に動く新しいタイプの人たちがかかわり、町会、自治会などが担ってきたような活動を協働していけるように都が支援していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○浜生活文化局長 町会、自治会は、防犯、防災、高齢者の見守りを初め、災害時には近所の被災状況に応じ互いに助け合うなど、共助の中心となる団体でございます。
 都は、これを踏まえ、プロボノプロジェクトやアドバイザー派遣などを行ってきております。実際に活用した団体からは、外部の方の意見を聞くことによって、新たな視点で活動できたという意見をいただいております。
 地域においては、企業やNPO、教育機関などの主体も活動しています。町会、自治会がこのような主体と協働することも、地域の活性化につながる有効な手段であり、新財団による効果的なサポートについて、区市町村とも相談しながら検討してまいります。

○木下委員 都にとって前例のない取り組みですが、ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、スタートアップとの協働という新たな手法を取り入れ、昨年十二月の観光の課題解決を求めるイベントを皮切りに、都は事業を開始しています。東京の水産業など産業労働局内の課題で実施の予定です。スタートアップとの協働は、神戸市に前例があるものの、確実に結果につながるかどうか未知の部分が多く、行政にとってはチャレンジです。取り組んでいる皆さんを心より応援したいと思います。
 そこで、この行政課題解決へのスタートアップ支援事業をさらに効果的に推進すべきと考えますが、課題テーマを主管である産業労働局から広げていくことも含め、都の見解をお伺いいたします。

○村松産業労働局長 今年度、行政課題の解決につながります革新的な製品やサービスを創出するため、観光や農業の振興をテーマに最先端の技術や独創的なアイデアを持つスタートアップによるピッチコンテストを実施いたしました。
 来年度は、この取り組みをさらに効果的に展開するため、都庁舎近くの西新宿エリアにスタートアップと都や区市町村職員、投資家等との交流拠点を新たに整備いたします。
 この拠点では、さまざまな行政課題にテーマを広げて、ピッチコンテストを継続的に実施しますほか、研究会やワークショップの開催、資金調達や知的財産保護等に関する専門的な相談も実施いたします。こうした取り組みによりまして、行政課題の解決とスタートアップの成長を結びつけてまいります。

○木下委員 都民の皆さんが直接予算編成に参加する都民提案という画期的な制度は、創設されて三年がたち、都政にも確実にその効果が広がってまいりました。私は議員として初めての一般質問で取り上げて以来、募集、投票の際には自身のブログやSNSで周知するなど、注目をさせていただいております。
 例えば不妊治療と仕事を両立できる社会を実現するため、企業における環境整備を促進する事業として、平成三十年度に都民提案で実施されたチャイルドプランサポートは、翌年、福祉保健局の事業として継続され、来年度は予算案においても規模の拡大を図るなどして事業が継続されていく予定でございます。
 パネルをごらんください。反面、できて三年ということ、画期的な制度であるがゆえに、多くの都民にはまだまだなじみがなく、認知度向上が大きな課題であります。私たちが実施しました都民アンケートでは、この制度を六三%の方々が評価する一方で、七四%の方々が知らないと答えており、提案または投票したことがある方々は、わずか四・二%にとどまっております。
 来年度からは、これまでの取り組みを踏まえ、ホームページやSNSのさらなる活用を初め、制度自体の周知はもとより、より効果的な提案につなげてもらうための手法を検討すべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○武市財務局長 都民提案制度は、予算編成過程に都民の皆様の声を直接反映させる取り組みでありまして、そのさらなる発展に向けましては、制度の周知や、より利用しやすい環境の整備が重要であります。このため、これまでも積極的な広報はもとより、提案方法の改善など毎年度改善を加えてまいりました。
 今年度は、都民投票に向けた広報の期間を拡充した上で、SNSによる情報発信を行うなど投票数をふやすための取り組みを実施いたしまして、都民の皆様からは、昨年度の二倍を超える四千二百十三票の投票をいただいたところでございます。
 来年度は、さらに多くの皆様にご参加いただけるよう、提案募集の段階からSNSを積極的に活用することで情報発信を強化するとともに、ホームページの内容の充実や利便性の向上を図るなど、制度のさらなる発展に向けました取り組みを推進してまいります。

○木下委員 ホームページはわかりにくいとの意見が多数、実は届いていますので、内容の充実とご答弁いただきました、しっかりとお願いをいたします。
 また、アクセス解析という新しい試み、この事業には重要と思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと求めておきます。
 都立公園での民間活用は全国的に注目が集まっています。都においても公園を都市戦略と定めるとの知事の見解が明示される中、都立公園への民間導入が打ち出され、都立駒沢オリンピック公園、都立木場公園に続き、地元板橋区の都立赤塚公園が対象となったことを大変喜んでおりました。
 しかし、残念ながら赤塚公園多面的活用プロジェクトにおいては、公募した結果、資格要件のある事業者から応募がなかったとのことですが、都立公園における民間事業者の活用に関する課題と今後の進め方について、都の見解をお伺いいたします。

○三浦建設局長 都立公園におきまして、新たなにぎわいを創出し、魅力や価値を高めるためには、民間事業者のアイデアやノウハウを活用することが重要でございます。
 そのため、都は、公園内に誰もが心地よく過ごせるよう飲食店等の便益施設を設置する官民連携の取り組みを進めてまいりました。
 これまで公募事業を実施する中で、事業収益性や店舗のライフライン確保等の課題も明らかになってきております。
 今後、民間事業者の意見も聴取して利用者ニーズ等を把握することで、より実現の可能性を高める手法や区域等の検討を進めてまいります。また、事業の実施に当たりましては、公園の特性やインフラに関する情報などをきめ細かに提供してまいります。
 こうした民間活用による取り組みにより、都立公園のさらなる魅力向上を図ってまいります。

○木下委員 今回はインフラ整備も事業者のリスクとしたところが、入札者を得られなかった原因の一つと考えております。もともと多くの人々が集まる立地にある都市公園とそうでない都市公園とでは、民間が採算性を考える上での条件が大きく異なります。
 そういう場合、大きな事業者の参入は期待しづらく、その地域に特別の思いがある地域の事業者などの参入メリットをしっかりと考えることが重要だと思います。引き続き、諦めることなく工夫して当該事業を進めていってほしいとお願いをいたします。
 パネルをごらんください。昨年の予算特別委員会では、私は広報力の向上と見える化による効果の把握の重要性について質問いたしまして、知事からは、民間人材の活用、民間の視点を積極的に取り入れ、都庁全体の広報機能をさらに強化していきたいとのご答弁をいただきました。
 昨年要望しました都庁における広報力の底上げについて、今年度実施した取り組みについて、その成果をお伺いいたします。

○浜生活文化局長 都政全般にわたる広報を所管する生活文化局では、各局等の広報担当者で構成する定期的な会議を通じて、多様な広報媒体の活用方針を共有するなど、関係局間で連携を図りながら広報を展開しております。
 今年度は、この会議において、ウエブによる行政広報の発信、分析やデザインを活用した効果的な広報手法について民間の事業者から直接学ぶ機会を設け、そこで共有された実践的なノウハウは各局においてSNSによる発信に活用されております。
 また、環境配慮の取り組みやラグビーワールドカップの機運醸成など、事業所管局と連携して重点的に取り組んだ事例や、民間企業のキャンペーン広告の手法などをモデルケースとして各局と共有することにより、都庁全体の広報機能の強化を図りました。

○木下委員 都は昨年、私の民間人材、専門人材を活用すべきとの要望に対しまして、今年度、民間で広報実務に精通した経験者を採用しました。
 どのようなことに取り組み、どのような成果があったのかをお伺いいたします。

○山手政策企画局長 政策企画局では、今年度、広報に精通した民間人材を二名、管理職として採用いたしました。
 東京二〇二〇大会に向けて、スムーズビズなどの広報を実施する関係局からの相談に対し、都民に伝わりやすいメッセージとなるよう助言するなど、関係局の取り組みを支援しております。
 また、昨年十一月からは、新たに民間のクリエーティブディレクターも活用して、各局の相談に対し、戦略的、技術的な観点からのアドバイスを実施しております。
 これらの取り組みを通じ、各局の広報計画や制作物など、広報の質を向上させております。

○木下委員 広報のPDCAの実施など、都庁の広報力の向上に向け、今年度採用しました経験者、民間人材を生かして、今後どのような取り組みを行っていくのか、お伺いいたします。

○山手政策企画局長 政策企画局では、ことし一月、各局に対して、広報計画の策定、効果測定の実施など、広報のPDCAを着実に実施するよう方針を提示いたしました。
 現在、関係各局とともに、インターネットモニター調査やグループインタビューを今年度の新たな取り組みとして実施してございます。
 これらから得られた結果を、民間人材のマーケティングのノウハウを生かし、次年度の広報展開に反映することで、都庁の広報力の向上を図ってまいります。

○木下委員 こちらのパネルをごらんください。昨年の予算特別委員会で、私からは、都の広報費、活動費の多くが各局の事業の方に紛れ込んでいて、その全体像が見えないことが課題であるとも指摘をさせていただきました。
 各局事業にまぜ込まれた広報予算の見える化について、今後の取り組みをお伺いいたします。

○山手政策企画局長 今お話がありましたように、広報関連の費用は、通常、事業費の中に織り込まれており、広報予算を見える化しづらい状況にございます。
 このため、今後、伝わる広報の推進に向けまして、民間や他団体などの事例研究を進めるとともに、特に訴求力を高めるべき重点施策につきまして、政策企画局が広報計画の策定やKPIの設定などの助言を行う中で、媒体への出稿経費など、把握しやすい経費から明確にできますよう、関係局とともに取り組んでまいります。

○木下委員 事業費に紛れ込んだ広報費の費用対効果把握の取り組みは、都庁初となります。ぜひしっかりと行っていただきたいと思います。
 新型コロナ感染症対策サイトが宮坂副知事の陣頭指揮のもと、わずか六日で作成され、公開されました。ヤフーで爆速経営の異名をとった宮坂副知事の面目躍如であると思います。日々新たな情報が追加され、改善されており、見やすいサイトと一般の方々から評価されていることに加え、ソースコードが公開され、誰もが開発に参加できるつくりや、オープンデータの提供に、東京都の奇跡とエンジニアの皆さんからも高く評価をされています。
 これはまさに一例でありますが、都の広報活動においてデジタルの力をさらに生かしていくべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○山手政策企画局長 現在、都民の八割がスマートフォンを所有し、デジタルメディアからの情報取得が増加する中、多くの都民に情報を届けるためには、デジタルメディアを積極的に活用し、効果的な情報発信を行っていくことが必要でございます。
 このため、昨年十一月にデジタル広報担当を設置いたしまして、今年度から、試行としてデジタルメディアへのプレスリリース配信を実施いたしますとともに、ショート動画やインフォグラフィック等の作成を行いまして、関係各局が行うデジタル発信を支援してございます。
 今後、この取り組みをさらに進め、デジタルメディアと連携した情報発信を積極的に行いまして、伝わる広報を実現してまいります。

○木下委員 来年度予算では、広報体制の強化として、デジタルメディア、そして民間を活用した広報活動の展開に一・七億円の新規予算が計上されたことを評価いたします。
 三月十一日に発表された日本の広告費というデータでは、史上初めてインターネット広告費がテレビ広告費を上回りました。人々のメディア接触が変わり、広告と広報の転換点にあるといえる中、都庁の新たな伝わる広報活動、さらに前に進め、成果につなげることを強く要望いたします。
 二月二十七日の政府による突然の全国一斉休校要請を受け、私は、地元板橋区を中心ではございますが、直後の土日の二日間で七十名以上の方々のお声を直接伺いました。やはり新型コロナ感染症対策に関しては、正確な情報、安心できる情報の提供を求める声が大変多く寄せられました。
 都知事からの新型コロナ感染症対策に関する正確な情報や、都民に安心感を与えるリーダーとしての強いメッセージが求められていると考えますが、知事の見解をお伺いいたします。

○小池知事 今回の新型コロナウイルスにつきましては、未知の部分が多い、それに加えて、さまざまな情報が錯綜しているのが現状であります。それによって不安を抱えておられる都民の方が多い。こういうときにこそ、都民の命、そして健康を守るというそのために、正確な情報を迅速に都民の皆様方にお届けしていかなければなりません。
 このような認識のもとで、新型コロナウイルス感染症に関します広報の強化、徹底を図るために、先月末、特別広報チームを立ち上げました。そして、関係各局が一体となって、迅速に情報発信をしているところでございます。
 また、正しく恐れるとの観点に立ちまして、都民、そして企業の皆様に対しまして正しい情報をもとに行動することを初め、都民の皆様に感染予防、そして正しい手洗いを呼びかけるメッセージの動画などを作成いたしました。
 それは、都のホームページやLINEなどのSNSを通じて積極的に発信をしているところでございます。
 加えて、先日ですが、新型コロナウイルス感染症に関するさまざまな情報をワンストップで提供するサイトを開設いたしました。ただいま議員からご紹介のあったとおりでございます。
 このサイトは、ご指摘のように、ソースコードであるプログラムやオープンデータを公開すると同時に、迅速に情報が更新ができる、そして、それによって鮮度の高い情報を提供しているところでございます。
 今後もこのサイトの充実を初め、さまざまな手段を通じまして、情報発信を強化、そして都民の皆様方の不安の解消に向けまして万全を尽くしてまいる所存であります。

○木下委員 都が昨年公表したひとり親家庭の現状調査によりますと、全体の約三六%に当たるシングルマザーの所得は二百万円以下です。国が支給する手当に加え、都が独自に児童育成手当の上乗せを行っていることを高く評価はしますけれども、多々ある支援サービスが八割の家庭で利用されておらず、その理由の三割が知らなかったからであるということは重く受けとめなければなりません。
 情報が届きにくいシングルマザーとその予備軍である離婚を考えている女性たちへの情報提供に一層力を入れるべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○内藤福祉保健局長 ひとり親家庭がニーズに合った支援策を的確に活用できるようにするためには、まず、その内容を知っていただくこと、より相談しやすい体制を整備すること、これが重要だと考えております。
 都は来年度、ひとり親家庭や離婚を考えている親が必要な情報に容易にアクセスできるよう、就労支援や住宅支援、経済的支援、民間団体の情報等をまとめたポータルサイトを開設いたします。
 また、相談者の利便性に配慮し、多摩地域にも相談拠点を新たに開設するほか、区市町村が行う土日や平日夜間の相談窓口の解消、SNS等を活用した相談対応などの取り組みを支援することとしており、ひとり親家庭等が早期に必要な支援につながるよう、広報や相談体制の充実を図ってまいります。

○木下委員 国と都の手当により、子供が十八歳になるまではある程度の収入が確保される一方、子供が育て上がった瞬間に生活保護になってしまう例が多いことも大きな問題と思っています。
 ひとり親家庭を福祉的な保護の対象だけではなく、自立を促していく対象として認識を改めることが重要です。
 母親が三十代、四十代の、子供がまだ小さいうちから、母親本人が希望すれば手当に依存せず、安定収入を得られるような職につけるよう支援を拡充すべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○内藤福祉保健局長 ひとり親家庭は、両親のいる家庭に比べて収入が低い傾向にございます。特に母子家庭では、パート、アルバイト等の非正規雇用の割合が高く、転職を希望する割合も高くなってございます。
 都は、ひとり親家庭支援センターで、就業相談のほか、パソコン講習会、適職診断、採用試験に向けた小論文添削や面接対策などの就業支援を行うとともに、職業紹介や希望に沿った正規職員への転職支援なども実施しているところでございます。
 来年度からは、子供の進学など、将来を見据え、必要となる収入の確保に向けた人生設計を学ぶセミナーの実施や、専門家による助言、個別支援プログラムの作成など、個々の状況に応じたキャリアアップ支援を開始いたします。
 また、先ほど申し上げたポータルサイトによりまして、民間団体の取り組みも含めたひとり親への支援情報を広く発信してまいります。

○木下委員 産業労働局とも連携を強めることを改めて強く要望いたします。
 東京の産業振興を考えていく上で、食品等の流通も重要なテーマの一つです。
 私の地元にある板橋市場は、首都高や外環道の出入り口にも近い高島平に位置しており、豊富な野菜や果物、彩り鮮やかな花を供給する流通拠点です。
 しかしながら、ネットでの直販や産地直送などの食品流通の変化による取扱量の減少に直面し、大変厳しい状況にございます。
 第十次東京都卸売市場整備計画では、青果部に、周辺市場である豊島市場との連携強化や機能集約を視野に入れた検討を進めていくこととしていますが、業者の方々との丁寧かつ十分な議論が不可欠であるとともに、時期を捉え、未来を見据えた方向性をタイミングよく打ち出していくことが求められています。
 環境の変化に迅速に対応していくため、老朽化した設備の更新を速やかに進めてほしいというご要望もいただいており、都は、市場開設者としてしっかりと手当てをしていくべきと考えます。
 将来的視点からの板橋市場と周辺市場との連携強化の取り組みと、日々の課題である施設整備の両方をしっかりと進めていくべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○黒沼中央卸売市場長 都はこれまで、板橋市場青果部と商圏が近い豊島市場との連携強化や機能集約に向けまして、業界と一体となって議論を行ってきております。
 来年度は、こうした議論を踏まえ、両市場の連携等に関する具体的な方策や、板橋市場の将来像につきまして、引き続き検討を進めてまいります。また、長期的視点に立った取り組みに加えまして、日々の取引における品質、衛生管理の向上を図るため、青果部と花き部において、老朽化した低温設備を更新いたします。
 これらの取り組みを着実に進め、板橋市場のさらなる活性化を図り、地域を初め都民に対する生鮮食料品等の安定供給の確保に努めてまいります。

○木下委員 市場を取り巻く環境は激変しています。手おくれになっては元も子もありません。議論ばかりでなく、市場関係者が前に進んでいけるような対応を強く求めておきます。
 都は、来年度予算において、東京グリーンボンドの発行額を二百億円から三百億円に増額する方針を打ち出しました。この増額は、ESG投資の世界的な拡大の流れに沿ったものであり、ゼロエミッション東京を目指す東京都の観点から評価をするところでございます。より多くの国内の資金が気候変動対策などのグリーンプロジェクトに向かって活用される流れを、ここでしっかり根づかせることが重要と考えます。
 そのために、環境対策の担い手である地方自治体が率先してグリーンボンドを発行し、そこで調達した資金を自治体みずからが取り組む事業に活用することで、国内のグリーンボンド市場をさらに活性化することが不可欠ですが、グリーンボンドの資金使途となる事業の選定が難しいとか、発行に当たり、第三者機関による評価の取得が必要ですが、事前準備と一定の費用がかかること、環境への効果の公表等の特有の事務も追加的に発生することなどから、活用が進んでいません。
 そこで、気候変動対策に積極的に取り組む自治体にグリーンボンドの発行を促す意味でも、都が蓄積したノウハウを率先して提供すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○武市財務局長 全国の自治体にグリーンボンドの取り組みを拡大していくためには、先駆的に取り組んでおります東京都がグリーンボンド特有の事務に関するノウハウを他の自治体に積極的に提供し、事務負担増加の懸念を払拭することが重要であります。
 このため、東京都では、自治体関係者の会議や個別の相談等を通じましてノウハウの提供に取り組んでおりまして、来年度は、長野県が東京都に次いで二例目となる発行を予定していると伺っております。
 今後ともグリーンボンドの取り組みにつきまして、メディア等を通じて積極的に発信するとともに、自治体特有の具体的なノウハウを提供、共有することで、他の自治体の参入意欲を喚起し、国内グリーンボンド市場の活性化を図ってまいります。

○木下委員 グリーンボンドの発行ノウハウを地方自治体に共有し、その発行を促すことは、東京と地方の連携の核をなす重要なプロジェクトとなると考えております。
 トップダウンの意思決定が鍵とも聞いており、小池都知事におかれましては、例えばイクレイ、こちら持続可能な都市と地域を目指す自治体協議会というところでございますが、こういうところに参加している明確に環境志向をあらわしている首長さんたちに対して、トップセールスレディーとして積極的に力を発揮していただくことを要望させていただきます。
 改正がん対策基本法により、がん対策には、予防、医療に加え、共生の概念が加わりましたが、四十一道府県ががん対策条例を制定している中、東京都は条例を制定しておらず、いささか心もとない思いをしております。
 共生の視点で、我が会派では、AYA世代のがん、がんと仕事の両立への取り組みを促してまいりました。
 がん教育、がん検診といった予防的アプローチも極めて重要ですが、二十歳代の若い女性は、子宮頸がんのリスクが高いにもかかわらず、他の年代と比較して、がん検診の受診率が著しく低い状況です。
 女性のがんに対する予防的アプローチを促進するため、早い年代からのがん検診の受診を一層促すべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○内藤福祉保健局長 都は、がん検診の受診率五〇%を目標に掲げ、検診の実施主体である区市町村と連携いたしまして、都民の受診を促進するための普及啓発に取り組んでいるところでございます。
 今年度は、有識者会議を設置し、子宮頸がんや乳がんに対する正しい知識を身につけるなど、女性のヘルスリテラシーを高めるための施策を検討いただきました。
 その上で、がん検診のメリット、デメリットを正しく理解し、定期的に受診する必要性について啓発を強化すべきなどのご提言をいただいたところでございます。
 来年度は、職場での検診の機会がない女性や、実際に検診につながっていない女性に効果的にアプローチするため、女性特有の健康問題に関する情報を集約したウエブサイトを作成するとともに、がん検診に理解があり、若い女性に影響力のあるインフルエンサーを起用したSNSでの周知を図ってまいります。

○木下委員 ありがとうございました。
 私からは、コロナ対策で見えてきた新たな課題、弱者の立場に立った支援のお願い、そして広報、今デジタルに注目が集まる中、さらに見える化をしてしっかりと効果把握をしていく必要性、そして個別のひとり親支援とか、がん検診、女性の立場からの視点で質問させていただきました。
 どうぞ引き続き、都政、そしてコロナ対策に皆様一層力を入れていただくようお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

○本橋委員長 木下ふみこ委員の発言は終わりました。

ページ先頭に戻る