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Tokyo Metropolitan Assembly

予算特別委員会速記録第三号

○本橋委員長 藤井あきら理事の発言を許します。
   〔委員長退席、木村副委員長着席〕

○藤井委員 都民ファーストの会東京都議団ではモビリティー政策研究会がございまして、東京の交通政策、今は特に舟運に力を入れて活動をしております。お配りをしております東京港の地図をごらんください。そうした河川などを今年度だけでも十回以上視察をしてまいりました。
 そこで、東京の水辺空間の魅力向上のために質問をいたします。
 まず、葛西海浜公園のエリアとなっております葛西沖には、こちらの右側のエリアですね、アサリやハマグリなど、数多くの生き物が生息する自然豊かな浅場があります。政策研究会でも足を運んでまいりました。浅場には、都が整備した小水路というものがありまして、潮の満ち引きにより海水の循環を促すことで、水域環境の維持にも寄与していて、関係者からも喜ばれているところでございます。この二枚目の資料の手前の部分に小水路というものがあるような形になっております。
 都はこの貴重な浅場を積極的に保全していくべきですが、今後の取り組みを伺います。

○古谷港湾局長 葛西沖の浅場は都心に近接しながら豊かな自然を有する貴重な水域でございまして、当該水域の環境を維持していくことは極めて重要なことと認識しております。
 そこで、都は、平成二十九年度までに葛西沖の浅場に幅五十メートル、延長一・三キロメートルの小水路を整備いたしまして、海水を循環させることで、水生生物の住みやすい環境の形成に努めてまいりました。
 都は、今年度実施いたしました深浅測量で把握した小水路の現状を踏まえ、来年度、その機能維持に必要なしゅんせつを実施いたします。
 さらに、小水路周辺における水生生物の調査を来年度から開始いたしまして、整備効果の検証を行ってまいります。
 今後は、この効果検証に基づき、自然豊かな葛西沖の浅場の保全に着実に取り組んでまいります。
   〔発言する者あり〕

○藤井委員 提案をしてきました浅場のしゅんせつ、調査、効果測定を実施するということで、着実に……
   〔発言する者あり〕

○木村副委員長 ご静粛に。

○藤井委員 進めていただきますようにお願いをいたします。
 続きまして、舟運の観光案内について伺います。
 先日、議連で視察をしました選手村のビレッジプラザは、大会時には世界中からアスリートが集まり、その家族やVIP、メディアも集まる施設で、海にも近く、水辺の魅力を感じられます。ビレッジプラザの中に利用者に向けた観光案内所がありまして、周辺にはチームラボ等の最先端のアトラクション施設や舟運を初め、東京の新たな水辺空間の魅力を伝える絶好の機会となります。
 東京二〇二〇大会において、舟運を初めとした東京の観光の多様な魅力をビレッジセンターで大いに紹介していくべきと考えますが、見解を伺います。

○村松産業労働局長 お話の選手村の案内所におきまして、世界中から訪れるアスリートや関係者に対して東京の観光情報を提供することで、リピーターとしての再訪や自国での強い発信力による世界的な認知度の向上が期待できます。
 この案内所では、都内の名所旧跡や水辺の観光スポットのほか、河川や湾岸エリアを結ぶ水上交通を初め、手軽に移動ができるレンタサイクルなど多様な交通手段も紹介することとしております。
 また、大会期間中に開催されている文化イベントなど、さまざまな情報をきめ細かく紹介することで、選手や関係者の都内での周遊の機会の確保につなげてまいります。

○藤井委員 ご答弁いただきましたとおり、積極的に舟運を初めとした水上交通の紹介に努めていただきますようお願いをいたします。
 続きまして、隅田川に設置されている四カ所の簡易船着き場について質問をいたします。
 簡易船着き場は、利用申請など手続が必要なく、いつでも利用できる小型船舶用の施設であり、水上タクシーなどが利用しております。こちらのパネルに示しているものになります。
 便利な一方で、船舶を長時間係留する人がいるなど、使いたいときに使えないという課題もあると聞いております。私も視察で利用しましたが、便利な反面、船着き場そのものの行き方がわかりにくかったり、簡易船着き場を知っている人がそもそもいないなど、課題も感じたところであります。
 舟運の活性化をより一層推進するには、簡易船着き場がどこにあるか、利用マナーを周知する等、都民に広く知らせていくべきと考えますが、見解を伺います。

○三浦建設局長 簡易船着き場は、プレジャーボートなどの小型船舶が着岸をし、自由に乗りおりできるように、テラスの一部を階段状に整備した施設でございます。
 都は、簡易船着き場を適切に活用してもらうため、その設置場所や利用上のルール、また、迷惑行為への注意事項を現地に掲示するほか、ホームページに掲載をし、周知をしております。
 今後、簡易船着き場の認知度をさらに向上させるため、舟運の情報を一元的に発信をしている民間事業者のポータルサイトに、最寄り駅からのアクセスルートや簡易船着き場の活用事例を新たに掲載するなど、一層の周知に努めてまいります。
 こうした取り組みを推進することにより、簡易船着き場の利便性を向上させ、舟運の活性化を図ってまいります。

○藤井委員 ご答弁いただきました民間の舟運ポータルサイトで利用を一層促進し、また、船着き場の看板等もわかりやすくして、都民への周知をしていただきますよう要望いたします。
 水辺のつながりで、海ごみ問題についてもお伺いいたします。
 海ごみ問題については、これまで我が会派の両角都議が長年にわたり、その実態調査などを訴えてきたところでございます。私も、海ごみ問題を都民に身近に感じてもらうためには、実態の把握と問題の可視化が重要であると考えております。
 都は、海ごみの現状を把握し、その実態をわかりやすく情報提供すべきですが、TOKYO海ごみゼロアクションでの取り組みを伺います。

○吉村環境局長 都は、新たなプラスチックごみの流出防止に向け、海ごみ問題を都民に広く啓発し、清掃活動への参加につなげるTOKYO海ごみゼロアクションを新たに開始いたします。
 具体的には、専用ウエブサイトを開設し、まち中や河川等での清掃活動を紹介するほか、都全体で回収した海ごみや河川ごみの量を集計、数値化し、海ごみ問題をわかりやすく解説いたします。
 また、河川から海に流出するプラスチックごみやマイクロプラスチックのモニタリング調査に着手し、その実態を含めたさまざまな情報を発信いたします。
 さらに、こうした情報発信を通じて、清掃活動に関心を持った都民が気軽に参加できる清掃プログラムを区市町村と連携して開催し、活動の裾野の拡大も図ってまいります。
 今後、ゼロアクションを通じて、都民の理解と協力を得ながら、東京の海ごみを減らす取り組みを進めてまいります。

○藤井委員 調査を通じて得たデータなどは、積極的にオープンデータとして公開をしていただきますようお願いいたします。データを公開することで、情報発信などにおいても多くの市民の力をかりることができます。
 モビリティー政策として、都庁のバイクの駐輪場についてお伺いします。
 都庁では、駐車場、オートバイ駐車場などを整備していますが、オートバイの利用者からは、バイクの駐車場がわかりづらく、また、時間によっては満車でとめられないといったお話も伺うところです。
 そこで、よりわかりやすい駐車場入り口の案内表示をするなど、都庁のオートバイ駐車場の利便性向上を図るべきと考えますが、見解を伺います。

○武市財務局長 オートバイ駐車場は、議事堂通りの下に設置をしておりまして、現在四十三台の駐車が可能となっておりますが、満車の際には、近隣に開設している駐車場をご案内しているところでございます。
 案内表示につきましては、駐車場入り口付近に表示をしておりますが、ただいまのご意見を踏まえまして、利用者によりわかりやすい場所への表示について検討してまいります。
 引き続き、来庁者への利便性向上に向けて努力をしてまいります。

○藤井委員 バイク駐車場につきましては、満車時の案内を引き続きしっかりとしていただくとともに、増設についても今後検討をお願いいたします。
 続いて、多摩地域について伺います。
 先日策定された未来の東京戦略ビジョンでは、多摩・島しょ振興を戦略の一つに位置づけております。私の地元府中を初め、市町村では、学校や公共施設などの更新時期を一斉に迎えておりまして、施設の更新が大きな課題となっております。
 今後、業務の中心を担う土木職や建築職など、いわゆる技術系職員が果たすべき役割が大きくなると想定されています。市町村では、土木職、建築職といった専門職としての採用を行っていない団体や、民間企業の技術職の採用が活発な中、区部と比較しても人材確保に苦慮をしている団体があります。
 こうした市町村の技術職員不足の状況に対し、都として支援を行う必要があると考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 市町村におきましては、昭和三十年代から四十年代の高度経済成長期で大幅な人口増がございました。それに伴いまして、集中的に整備が進んだ公共施設などのインフラが今、更新時期を迎えているところでございます。
 そうした更新を機といたしまして、各市町村では、点在する図書館や公民館などを集約して、地域のコミュニティ施設として再編するなど、これからの時代に合ったまちづくりに取り組んでおられるところでございます。
 また、駅周辺の一体的な整備であるとか、公共交通のネットワークのさらなる充実に合わせて、都市の機能をさらに高める取り組みも進めています。
 一方で、市町村長の皆様方から、民間企業や国、他の自治体との人材獲得競争が一段と激化する中で、特に施設の設計、施工管理を行います技術職員が足りていない、ノウハウも不足しているなど、人材の確保や育成面におきまして、大変悩んでいるとの話も伺うところでございます。
 こうした市町村が抱えている課題を技術面からサポートしまして、未来の東京戦略ビジョンで示しました取り組みを市町村とともに推し進めていく必要があるということから、東京二〇二〇大会後の人員の状況等も踏まえて、都から市町村への技術職員、ITも含めると思いますけれども、その派遣をこれまで以上に積極的に進めてまいります。

○藤井委員 積極的な支援をぜひよろしくお願いいたします。
 続きまして、先日の我が会派の代表質問でも取り扱いましたシニア・コミュニティ交流大会について伺います。
 参加者の方々に大変ご好評をいただいたと聞いております。今回、ダンスや囲碁、将棋、健康マージャンの四種目は駒沢オリンピック公園で、カラオケは江戸東京博物館が会場として使用されまして、参加者は二十三区の方が多かったとのことです。
 より幅広い方々にご参加いただくために、来年度の大会は多摩地域で開催すべきと考えますが、見解を伺います。

○浜生活文化局長 今年度の大会におきましては、都内各地からの多くのシニア世代の皆様にご参加いただきましたが、ご指摘のとおり、約七割が二十三区内にお住まいの方でございました。
 この大会への参加をシニア世代の方々が身近なコミュニティ等で活動されるきっかけとしていただくためには、これまでこうした大会に参加した経験のない方を含め、より幅広い方々にご参加いただけるよう、開催地域にも配慮が必要と考えております。
 このため、来年度の大会につきましては、武蔵野の森総合スポーツプラザなど、多摩地域の会場において開催する方向で準備を進めてまいります。

○藤井委員 武蔵野の森総合スポーツプラザなど、多摩地域での開催とのことで、準備の方、よろしくお願いいたします。
 我が会派の龍円あいり都議の一般質問から始まりましたインクルーシブ公園について伺います。
 障害の有無にかかわらず、全ての人々が楽しむことができるインクルーシブ公園は、今月二十四日に都立砧公園で第一弾がオープンいたします。そして、私の地元府中の森公園でも、モデル公園として遊具広場の改修に向け、現在土壌調査を行っているところです。
 砧公園のインクルーシブ公園の運用開始に伴って得られる知見や利用者の声も聞きながら、インクルーシブ公園について、よりよいものにすべきと考えますが、今後の府中の森公園での整備について伺います。

○三浦建設局長 府中の森公園には、市立美術館や野球場、水辺の広場等があり、地域における文化、スポーツ、レクリエーションの拠点となっております。また、災害時における避難場所としても位置づけられております。
 今年度は、インクルーシブ公園のモデル公園といたしまして、遊具広場の整備に向けて土壌調査を実施しております。来年度は、子供が持つ障害の特性に応じまして、揺れる感覚を楽しむことができる遊具、車椅子で乗り込める遊具などの整備に取り組み、年度末の完成を目指してまいります。
 今後は、理事お話しの砧公園で得られました知見なども生かしながら、府中の森公園がインクルーシブな公園となるよう取り組んでまいります。

○藤井委員 車椅子でそのまま乗り込める遊具など、具体的な遊具のイメージも持てまして、地元一同楽しみにしておりますので、着実に進めていただきますようお願いをいたします。
 続きまして、未来の東京戦略ビジョンについてお伺いをさせていただきます。
 ソサエティー五・〇は、AIとデータの時代といわれております。AIの特徴は、爆発的に能力が向上し続けることで、当初は実現不可能と思われていたことでも、気がついたら当たり前になっていることでございます。
 例えば、もはや囲碁や将棋、こういったものはAI、人工知能に勝てる人類はいないとまでもいわれております。
 この社会の大きな変化に、東京、日本が取り残されるわけにはいかないという危機感が、私が都議を目指した理由の一つでございますし、東京はこの間、着実に歩みを進めていると確信をしております。
 昨年十二月に未来の東京戦略ビジョンが策定されました。二〇四〇年を目指し、二〇三〇年まで何をするかを示した長期のビジョンであります。一部会派などからは、ビジョン自体が夢物語だというようなご指摘もありますが、はっきりいって、的外れであるといわざるを得ません。東京、日本が直面している人口減少、少子高齢化、気候変動などに伴う諸問題を本気で解決する気があれば、夢物語などということはとてもいえるはずがありません。次世代に対して無責任だとすらいえます。
 九日の総括質疑で、小池知事はゆでガエル理論とおっしゃり、宮坂副知事は、手なりの未来では日本が立ち行かないとおっしゃいました。この危機感をトップが持っていることをとても心強く感じたところでございます。
 世の中の変化のスピードは、これまでの想像をはるかに超えています。都庁の皆様もその気概を持って、戦略ビジョンの実現に向けていただきたいですし、今後、それに基づく長期戦略に仕立てていただきたいと考えております。
 そこで、先日立ち上がった東京都コロナウイルス感染症対策サイトについてお伺いをいたします。
 このサイトは、改善、修正に世界中から多くの市民が参加をしています。台湾のオードリー・タンIT大臣が参加をしているとの答弁もございました。行政、公のために貢献したいという人たちがこんなにもたくさんいるんだということに私は驚きましたし、心強く思うとともに、協力してくださっている皆様に、心より感謝を感じたところでございます。
 ソースコードやデータも公開し、実際に市民の方々、特にシビックテックと呼ばれる分野の方々が都のサイトを参考に、各自治体ごとの対策サイトの構築を始めているとも聞いております。
 新型コロナウイルスの問題が日本、さらには世界に深刻な影響を及ぼしている中、東京の取り組みが広く横展開されて、市民の不安解消に一役買っていることは、大変に誇らしく、すばらしいことです。
 今後も、サイトの充実をどんどんと進めるべきですが、このサイトにかける宮坂副知事の思いをお伺いいたします。

○宮坂副知事 今回の新型コロナウイルスについては、未知の部分が多く、今後も都民の不安解消に向け、都として機動的な対策を講じていく必要があります。このためには、先般開設した特設サイトも日々進化させていかなければなりません。
 また、東京都だけの対応では限界があります。全国の自治体や民間、さらには世界中が力を合わせてこの危機に対応し、乗り越えていくことが不可欠であります。
 都では、サイトのソースコードであるプログラムやオープンデータを公開しておりますが、同様の問題を抱えているほかの自治体や海外の諸都市においても、これらを積極的に活用していただければと考えております。
 昨日には、神奈川県の公式サイトの方で、都のソースコードを活用した特設サイトが立ち上がっており、これからもこうした展開が広がることを期待しております。
 また、世界中から機能の追加や改善に対するご意見をたくさんいただいており、そういったものの中からよいものを取り入れて、サイトの改善を繰り返し、そのプログラムをまた世界に公開する、そういった進化の循環を市民の力を結集して生み出していきたいと考えています。いわば生きたプログラムを構築し、都が行っていく今後の対策ともしっかり連携するなど、随時サイトを充実させたいと思います。
 本日の朝には、多言語対応として、英語、二種類の中国語、韓国語のサイトも開設しました。東京の状況を注視している世界の方々や、東京にいらっしゃる外国人の皆さんに、しっかりしたファクトを届けていきたいと考えています。
 このサイトでは、単に都内の現状を数値データで届けるというだけではなく、ユニバーサルデザインやグラフの活用など、全ての人に正確な内容をわかりやすく知っていただくことができるよう、見せ方にもこだわっていきます。
 このサイトを、より多くの方々にごらんいただき、少しでも皆さんの不安の解消につながるよう、そして新型コロナウイルスに立ち向かうための力に少しでもなれるよう、これからも努力をしていきたいと考えております。

○藤井委員 新型コロナウイルスに立ち向かう力強い決意と、その方法を具体的に示していただきました。
 設計図であるソースコードを公開する取り組みは、実は海外では一般的です。イギリス政府では二〇一一年に、アメリカ政府では二〇一六年から取り組んでおりまして、一方、日本では神戸市や三重県など、ほんの一部除いて、ほとんど取り組みはないという状況でございます。
 多くの自治体で必要なものというのは共通することが多く、部品を提供する自治体がふえればふえるほど、横展開はより簡単に、よりよい行政サービスの提供につながります。戦略ビジョンに掲げる全国との連携、共存共栄の好事例でございますので、今後も積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 また、このコロナ対策サイトは、シビックテックといわれる市民自身がテクノロジーを活用して、行政の課題を解決するという手法がとられております。未来の東京戦略ビジョンで示されている民間とのコラボレーションをまさに体現しているといえまして、今後、庁内でも各局に横展開をしていくべきです。
 対策サイトのこの体制は、新しい都政ビジョンにも示されている民間とのスクラムのすばらしい事例でありまして、都では事例化するなど、積極的に横展開をしていくべきですが、総務局長に見解を伺います。

○遠藤総務局長 新たな都政改革ビジョンでは、政策イノベーションを生み出す都庁へと進化するには、民間の発想、技術、知見との融合が重要との認識のもと、官民が一体となった行政運営の実現を、改革を通貫する視点として掲げております。
 その視点のもとで展開する行政サービスの改革においては、先見的な取り組みに挑戦しつつ、民間が有する最新技術やアイデアを結びつけて、共同プロジェクトを行う仕組みやオープンイノベーションの事業等を円滑に行うための仕組みなど、二〇三〇年の都政を見据えて整備していくこととしております。
 新型コロナウイルス感染症対策サイトは、オープンな形で民間の知恵を活用した先駆的な事例でございまして、今後、こうした取り組みを各局が参考として、新たな官民の連携を進めてまいります。

○藤井委員 先駆的な事例として、各局への横展開に前向きに取り組んでいただけるということで、重要なご答弁をいただいたと思っております。
 当然、今回は新型コロナウイルスに対応するということで、緊急事態における突貫での対応作業になっているかと思います。今後、課題やうまくいかない点というのも多々出てくるのではないかと思いますので、そういった点も慎重に見きわめながら、なお積極的な横展開をお願いしたいと思います。
 繰り返しになりますが、今回は非常事態におけるスピード感を優先したまさにアジャイルな取り組みでありまして、いわゆる失敗がつきものであります。失敗してもすぐに軌道修正すればよいという前向きな姿勢で、ぜひこの難局を乗り切っていただきたいと思います。
 シビックテックを活用した取り組みは、エンジニアが中心のコミュニティとのやりとりがあることもありまして、各局が活用していくに当たっては、ICTに関する専門家のノウハウが必要となってまいります。
 今後、都のさまざまな事業、施策においても、こういった手法を活用していくべきでございますが、ICTの専門性を有する人材をどのように活用していくのか、戦略政策情報推進本部長に見解を伺います。

○松下戦略政策情報推進本部長 本部におきましては、従来からICT活用の促進に向けまして、ICT利活用促進委員会、あるいはICT利活用促進実務者会議を設置いたしまして、各局と組織横断的な検討を進めてきたところでございます。
 今年度は、民間からネットワークやデジタルマーケティングなどの分野で、専門性や豊富な経験を有する九名のICT人材を公募で採用したところでございます。また、これらの人材は、現在、本部のみならず、ICTを活用した各局の事業を技術的に支援しているところでございます。
 今後はさらに、専門性を有するICT人材が外部の専門家や行政系の都職員とチームを組みまして、課題解決のため、各局とプロジェクトチームを設置することなどによりまして、ICTを活用した局横断的な施策の実現に向けて支援を充実してまいります。

○藤井委員 ご答弁いただいたような、これまで戦略政策情報推進本部が培ってきましたICTの専門家を活用した各局への横串を刺すような支援を継続いただきまして、今回のような手法も強力に横展開することを期待し、また要望をさせていただきます。
 コロナ対策においては、情報発信も非常に重要でございます。都はこれまで、行政情報が届きづらかった若年層への効果的な発信ツールとして、LINEやティックトックを本年から新たに開始したところでございます。
 さまざまな媒体を活用して発信し、伝わる広報としていく必要があります。LINEやティックトック等のSNSも積極的に活用し、従来リーチできなかった都民にも情報を発信していくべきと考えますが、見解を伺います。

○浜生活文化局長 スマートフォンの普及など、情報収集の手段が多様化する中、若年層にも広く伝わる広報を実現するためには、従来の広報媒体に加え、SNSによる都政情報の発信も重要でございます。
 先月新たに開始したティックトックには、新型コロナウイルスの感染拡大防止に関する知事のメッセージや手洗いの実演を英中韓の三言語でも掲載し、再生回数は合計三百五十万回以上となるなど、高い効果を上げています。
 また、LINEでも、プッシュ通知で感染拡大防止に関する情報を発信するとともに、メニュー画面の改善やチャット形式での情報提供など、工夫を行っております。
 今後、さらにそれぞれのSNSの特色や強み、利用者属性などに応じて、コンテンツや発信方法などを工夫し、効果的かつタイムリーな情報発信に努めてまいります。

○藤井委員 ぜひ、伝わる広報に努めていただきたいと思います。
 続きまして、税務行政のデジタル化について伺います。
 二〇一七年十二月の我が会派の予算要望では、現行の税務総合支援システムについて、新しい技術の進展を踏まえて、利便性を向上させ、都民へ提供する価値を最大化する次期システムを準備する予算措置を要望し、平成三十年度と三十一年度の予算に調査費が計上されました。それらの調査等を受けて、来年度予算には、税務基幹システムの再構築に係る予算が計上されております。三年越しの予算化で、大いに評価をするところでございます。デジタル化実現に向けて、来年度から実装すべき機能や満たすべき性能などを明確にする要件定義を行うということであります。
 システム開発においては、ユーザーである納税者や都税事務所の職員の声を丁寧に反映することが重要です。加えて、大規模システム開発になりますので、機能や費用、期間について精査する体制も重要になりますが、見解を伺います。

○塩見主税局長 税務基幹システムの再構築に当たりましては、デジタル化後の税務行政のあるべき姿を念頭に置きまして、業務のあり方そのものを見直し、例えば紙の証明が不要になるバックオフィス連携やスマートフォンからの申請、納税など、簡素化、電子化を進め、納税者視点での利便性向上を図ってまいります。
 また、具体的なシステム開発におきましては、システムアセスメントを担う戦略政策情報推進本部などと緊密に連携し、加えて、外部の専門家により、要件定義及び設計開発の内容の検証や履行監視など、第三者的評価を実施する体制を構築し、必要な機能と経費の妥当性を見きわめてまいります。
 限られた期間内で、着実に基幹システムの再構築に取り組み、納税者ファーストの視点で税務行政のデジタル化を推進してまいります。

○藤井委員 ご答弁いただきました内部の戦略政策情報推進本部との緊密なやりとり、連携や外部の第三者評価を上手に活用いただきまして、都民生活の質を向上するシステムの構築をお願いいたします。
 スマート東京の実現に向けては、都だけでなく、区市町村のスマート化が重要です。宮坂副知事就任後、講演会や勉強会などの権限にかかわらない自主的な取り組みを通じて、区市町村との連携に努めていることを評価しております。
 区市町村との連携について、私も以前から取り組むべきと課題として提起をしており、十一月の総務委員会の事務事業質疑でも取り扱ったところでございます。その後の進捗をお伺いいたします。
 区市町村のスマート化に向けて、特に課題となっている人材確保、育成を支援すべきと考えますが、見解を伺います。

○松下戦略政策情報推進本部長 スマート東京の実現に向けまして、区市町村との連携協力は、まさに欠かせないものでございます。
 昨年九月の全区市町村向け講演会の参加者に対しましてアンケートを行いまして、その結果、ICT人材の確保と育成、これが自治体共通の課題であることがわかりました。
 これを受け、各区市町村のICT活用のコアとなる人材の育成を目的に、首長からの推薦を受けた職員をメンバーに、十二月より勉強会を開始したところでございます。今後、約半年をかけまして、AI等のICTに関する知識の習得や、都で既に導入し知見を有しておりますRPAやあるいはチャットボット、これらの導入に当たっての課題の共有化、あるいは解決策の検討などを行ってまいります。
 このような勉強会を通じて、区市町村職員の育成を支援するとともに、各自治体が抱える課題の抽出を行い、その解決に向けた検討を行ってまいります。

○藤井委員 ご答弁いただきました都の持っている知見、AI、RPAやチャットボットなどに関しても、きちんと区市町村と共有をして、ぜひ区市町村も含めたスマート東京の実現に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、スタートアップ都市東京戦略について伺います。
 来年度のこの予算を見てみますと、スタートアップ関連の新規事業というものが大変多く見られるところで、期待をしております。ソサエティー五・〇、AIとそのデータの時代において、中小企業の中でも成長するスタートアップの支援に力を入れていくべきですが、今後のスタートアップへの支援について、知事の所見を伺います。

○小池知事 稼ぐ東京の実現のために、ビジネスのパラダイムシフトにつながります新たな技術やサービスの創出が重要であります。その一翼を担うのは、リスクを恐れずに果敢に挑戦するスタートアップでございます。
 こうしたスタートアップを数多く創出するために、都といたしまして来年度から、大企業で培われたノウハウやアイデアを持つ人材を発掘して、起業に結びつける取り組みを展開いたします。さらに、社会的な課題解決に資する新事業の創出や再起を目指します起業家への支援を開始してまいります。
 また、こうしたスタートアップを確実に成長させるため、新技術の実用化に必要な実証実験への支援やグローバルな事業展開に向けた海外での商談や資金調達等のサポートを行ってまいります。
 また、今時代は大きく揺れ動いております。こういうときだからこそ、スタートアップを生み出していかなければならない。今申し上げましたようなこれらの多様な支援により、東京を新たなビジネスが次々とつくり出される都市へと転換することで、持続的な成長を実現してまいりたいと考えております。

○藤井委員 ご答弁をいただきました。さまざまな事業を通じまして、まさにスタートアップが集まり、次々と新しい価値を生み出す都市に東京は転換する必要がありますので、期待をしているところでございます。
 続きまして、X-HAB TOKYO事業について伺います。
 東京からユニコーン企業をつくろうという、非常に野心的な取り組みで、私もこれまで何度もイベント等を視察させていただきまして、平成二十九年度の決算質疑などを通じて、改善案も提案をしてまいりました。
 この事業の一番大きな課題は、グローバルベンチャー創出を掲げながら、海外への直接の企業派遣はなく、海外とのやりとりは、国内でテレビ会議等を通じてしているということだと感じております。
 経済産業省のJ-Startupの取り組みでは、ジェトロを通じて、毎年一月に開かれています世界一のIT見本市ともいわれるCESにスタートアップ企業を派遣、展示を行い、世界へ日本発のスタートアップを売り出すということをしております。当然その中には、東京のスタートアップが多いということも聞いております。
 スタートアップを海外へ派遣するなどして、本物のグローバルベンチャーに育てるべきと考えますが、見解を伺います。

○村松産業労働局長 来年度、スタートアップのグローバル展開の支援をさらに強化するため、資金調達や販路拡大が望める北米、欧州、アジア等へ派遣する事業を開始いたします。
 具体的には、海外進出を目指す六十社程度を選定いたしまして、投資家や大企業、メディアなどが多数集まる現地の大規模なピッチコンテストなどへの参加を支援してまいります。
 あわせて、現地で活躍する企業やビジネスの拡大を支援する専門家等とのネットワークづくりを後押ししてまいります。
 こうした支援を通じまして、世界に通用するスタートアップの育成に取り組んでまいります。

○藤井委員 今後、東京発のスタートアップを直接海外へ派遣するということで、ユニコーンが生まれ、東京からのスタートアップとしてのブランドを確立していただきたいと要望させていただきます。
 例えば、フランス政府主導のスタートアップの施策はフレンチテックと呼ばれていて、みんなが知っているような状況になっておりますし、先ほど申し上げました経産省のJ-Startupではありませんが、東京のスタートアップであることがわかる統一の呼び名があるなどするとよいのかもしれませんので、あわせてご検討をお願いいたします。
 最後に、日本は大企業に優秀な人材や資産、お金が集中をしており、人材やノウハウ、アイデアの多くは大企業の中に眠っています。日本でスタートアップをふやすには、大企業の中で起業してスピンアウト、そこから出てくるのが一番早いという話も聞くところでございます。
 大企業のアイデアや人材を通じて新事業を創出すべきですが、都の取り組みを伺います。

○村松産業労働局長 大企業とタイアップして社内で培われたノウハウやアイデアを起業に結びつける取り組みを来年度に開始いたします。
 具体的には、起業を目指す大企業の人材と技術や経営に精通した人材等のマッチングにより、二十組程度のチームをつくり上げ、これらのチームに対して、専門家によるビジネスプランの磨き上げや技術面からの支援を行うほか、投資家や取引先となる企業とを結びつけることで、新事業の創出へつなげてまいります。
 また、こうした成功事例をホームページやシンポジウム等で発信し、大企業の人材の起業への関心をさらに高めていくこととしております。
 大企業と連携した新事業の創出を進め、成長性の高いスタートアップを生み出してまいります。

○藤井委員 積極的に新たな価値を生み出すスタートアップであふれる東京としていただくようにお願いいたします。
 以上、述べましたとおり、未来の東京戦略ビジョンを実現していただくことを強く要望させていただきまして、私の質問を終えさせていただきます。(拍手)

○木村副委員長 藤井あきら理事の発言は終わりました。

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