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Tokyo Metropolitan Assembly

予算特別委員会速記録第三号

○本橋委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 これより付託議案の審査を行います。
 第一号議案から第二十八号議案まで、第百三号議案、第百四号議案、第百七号議案及び第百八号議案を一括して議題といたします。
 九日に引き続き総括質疑を行います。
 ひぐちたかあき委員の発言を許します。

○ひぐち委員 まず初めに、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
 都はこれまで、総額四百一億円もの補正予算の編成を初め、相談、検査、医療体制の強化、休校対策、経済対策など、我が会派の要望を踏まえ、さまざまな対策を講じてきました。
 我が会派は、感染拡大の兆しが見え始めたころから、党所属の基礎自治体議員の協力、さらには都民の皆様のお声に基づき、都に対して繰り返し対策の強化を要望してきました。
 政府は三月十日に緊急対応策を発表しましたが、翌十一日には、WHOが世界的な流行を意味するパンデミックとして、各国に緊急かつ積極的な対応を求めるなど、刻一刻と状況が変化しております。
 都においても、これまで経験したことのない困難に直面している都民の皆様の不安に寄り添い、安全・安心の日常を取り戻すための万般の対策が、そして都内の実情に応じた迅速かつ実効的な対応が必要であります。
 そこで、本日、都が発表した新型コロナウイルスに対する緊急対応策に関する知事の基本的な考えについて伺います。

○小池知事 ひぐち議員のご質問にお答えさせていただきます。
 まず、新型コロナウイルス感染症でございますが、今お話にございましたように、昨日、世界保健機構、WHOの事務局長がパンデミックといえると述べましたように、連日のように新たな感染が報じられております。
 そして、日々の生活も大きく変化をしておりまして、都民の皆様方は不安なときを過ごしておられるというのが現状かと存じます。
 都といたしまして、これまで新型コロナウイルス感染症対策本部会議を早急に立ち上げました。そして、都庁の総力を挙げまして、当面なすべき対応に取り組んできたところでございます。
 都内、国内での感染状況の変化を受けまして、二月十八日に第一弾として四百一億円規模の令和元年度、二年度補正予算案を発表いたしております。また、引き続き、第二弾の取り組みといたしまして、三月十五日までの期間、医療体制の充実、感染拡大の防止、広報の強化徹底を三本柱といたしまして、集中的取り組みを展開してまいりました。
 しかしながら、今まさにウイルスという見えざる敵との戦いのさなかでございます。そこで第三弾の取り組みを取りまとめるチームを立ち上げております。そして、区市町村長と専門家などと意見交換を行いまして、国が発表した緊急対応策も踏まえて、都民生活、学校、企業等の不安を払拭いたしまして、感染の拡大を抑制するための東京都緊急対応策を取りまとめたところでございます。
 今回の対応策ですが、これまでの緊急対応策に加えて、当面の都及び都民の行動指針、国への要望を柱といたしておりまして、医療提供体制の強化や給食の休止に伴います支援などの学校臨時休業対策、区市町村の支援、島しょへの対応など、当面の緊急対策と将来の事態への備えをあわせて実施することによって、その実効性を高めているところでございます。
 早速、先ほど総理官邸に伺いまして、安倍首相に要望事項への国としての対応をしっかりお願いをしたところでございます。今回の緊急対応策の決定と同時に、検討チームにおいては、次なる取り組みに向けました検討を開始するように私の方から指示をしております。
 そして、東京一丸でこの難局を乗り越えるために、手を緩めることなく、新型コロナウイルスの感染症対策に都として全力で取り組んでまいる所存でございます。

○ひぐち委員 今回の緊急対応策のうち、医療提供体制の強化、学校給食の休止への対応を含め、学校臨時休業対策、島しょ特有の課題、区市町村への支援に関し、それぞれ支援の詳細を伺います。

○梶原副知事 緊急対策のチームのリーダーとして私からお答えをさせていただきます。
 今回の緊急対応策では、医療提供体制等の強化では、都立、公社病院における感染症指定医療機関等における重症患者の受け入れ体制の整備、あるいは医療機関、社会福祉施設等に対するマスクの約三百五十万枚の提供、それから、民間病院等を活用した入院医療体制の強化、外来診療体制の強化等を盛り込んでおります。
 また、学校臨時休業対策としては、学童クラブの午前中からの開所への上乗せの補助、臨時休校に伴う放課後等デイサービスの対応に係る支援、それから、感染拡大の影響を受けた子供食堂、これは休止した場合の準備経費であるとか、宅配を行う場合の支援ということを盛り込んでおります。
 また、学校給食休止に伴い発生をいたします保護者、あるいは学校給食の関連事業者に関する食材費等の負担軽減の支援を盛り込んでおります。また、影響を受ける企業等への支援としては、返済のスケジュールが可能となる融資メニューの新設、あるいは資金繰りが逼迫している事業者への緊急対応としての融資メニューの新設、あるいは中小企業の従業員向けの実質無利子融資の開始等を盛り込んでおります。
 また、オンラインを活用した取り組みとして、オンライン相談の、これは健康や医療に関するオンライン相談の実施に向けた協議を医師会と開始しておりますし、あるいは児童生徒の家庭でのオンライン学習への支援、それからテレワークの加速に向けた集中的な総合対策の実施ということを盛り込んでおります。
 また、島しょ地域については、水際対策ということが重要でございますので、乗船時あるいは下船時における熱だとか消毒薬だとか、そういうものの整備を支援するということでございます。

○ひぐち委員 刻一刻と状況が変化するコロナ対策の中でも、長期化を見据えた経済、雇用面における施策の強化は必要不可欠であり、先日の予算特別委員会の代表質問、そして緊急要望においても、企業の資金繰りや従業員の所得補償など、一層踏み込んだ支援を求めてきました。
 インバウンドの減少やイベント自粛などにより、宿泊、飲食、交通関係などの観光関連産業を初め、多くの企業が既に大きな打撃を受けています。
 都もこれまでさまざまな対策に着手していますが、今般の補正予算編成後における刻々と変化する現下の状況を踏まえ、従来の常識にとらわれない大胆な対策を打ち出し、都内中小企業の経営の下支えに万全を期すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 新型コロナウイルス感染症の拡大によって、都内経済に大きな影響が出ております。中小企業を取り巻く状況も不透明なものとなってきております。こうした状況の中で、時期を逸することなく、なすべき追加的な経済対策を講じまして、全庁を挙げて実施をしていくことといたしました。
 さきの補正予算ですが、中小企業が新たな資金調達を行いやすいように緊急融資を創設いたしました。それから、年度末に差しかかっているわけでございまして、既存の債務の返済が円滑に行えるように追加対策が必要と存じます。
 そこで、返済時期の変更が可能となります借りかえ融資制度を新設、中小企業の事業活動の継続を強力に支援をしてまいります。さらに、危機対応融資を新設いたしまして、既存の債務とは別枠で資金調達できる緊急的なサポートも行ってまいります。
 こうした前例にとらわれない新たな資金繰り支援策を講じまして、中小企業の経営の安定に万全を期してまいる所存でございます。

○ひぐち委員 次に、雇用の分野では、政府による小中高校の休校要請などにより、多くの働く人から不安や戸惑いの声が上がっています。
 我が会派には、学校の休校により出勤がままならない、非正規雇用の方の収入が減少するというお声や、さらには、職場での感染防止のためテレワークが推奨されているが、導入に当たりノウハウがないといった声も届いています。
 正規雇用、非正規雇用を問わず、雇用の安定は日々の生活基盤であり、その基盤が揺らいでいる今だからこそ、国の取り組みも踏まえ、都としてなすべきことを積極的かつ重層的に断行することが求められていると考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 新型コロナウイルス感染症の拡大は、企業で働く方々にもさまざまな影響を与えております。そうした従業員の不安の解消に向けまして、都としても独自の対策を講ずることといたしました。
 まず、雇用保険に加入していない非正規雇用の方々を含めまして、多くの従業員の方々に対して休業に伴う収入減など、生活面での不安を解消するために、実質無利子の融資制度を新たに創設をいたします。この制度ですが、上限が百万円、貸出期間は五年間といたします。
 また、一時的に事業活動が縮小する中で、従業員の雇用維持に向けて、国の助成金を活用する中小企業に対して必要な手続を無料でサポートする専門家を派遣いたします。
 さらには、テレワークの加速化に向けまして、社員が在宅で勤務できるように、必要となる機器を中小企業に無料で貸し出します事業を始めます。そして、ノウハウの提供のため、経済団体とタイアップいたしましたオンライン形式でのセミナーも開催をいたします。
 これらの取り組みによりまして、中小企業で働く方々に対する支援の充実を図って、都民の雇用、そして生活の安定に全力で取り組んでまいります。

○ひぐち委員 では、水辺の活性化について伺います。
 我が会派では、モビリティー政策研究会において、河川、運河、港湾を視察し、調査研究を行ってまいりました。その中で、既存の防災船着き場の活用については、オンデマンド化に向けた防災船着き場の利用申請の改善を求めてきました。
 これから両国では新しい船着き場も開放されます。私は、船着き場の予約申し込みの期限など、事業者にとってさらに使いやすいものにすべきと考えますが、まず、港湾局の見解を伺います。

○古谷港湾局長 舟運の活性化を進めるためには、いつでも利用予約の申し込みを行えるようにするなど、船着き場の利用手続を改善し、舟運事業者の利便性を向上させることが重要でございます。
 このため、都は今年度、日の出や有明等三カ所の船着き場において、予約の申込期限を一週間前から四日前へ改善するとともに、申込方式について、平日日中の電話等に加え、ウエブ上の予約システムを導入いたしまして、二十四時間の受け付けを可能といたしました。
 来年度は、予約申込期限を利用日の前日へとさらに短縮させるとともに、水上タクシー等への開放を予定している青海船着き場にも予約システムを導入いたしまして、舟運事業者の利便性のさらなる向上を図ってまいります。
 今後とも都は、舟運事業者のご意見に耳を傾けつつ、利用しやすい船着き場の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

○ひぐち委員 ありがとうございます。大変前向きな具体的な答弁であったと思います。
 同じく、この使いやすい船着き場に向けては、建設局についてもその見解を伺います。

○三浦建設局長 舟運を生かした魅力ある水辺空間を形成するためには、船着き場の利便性を高めることが重要でございます。両国防災船着き場は、日本橋川等をつなぐ舟運ネットワークの拠点となるよう、新たに小型船舶も利用しやすい船着き場を増設をいたします。本年七月に一般開放いたします。
 これに合わせ、本船着き場では、乗船客へのさらなるサービス向上に向けまして、舟運事業者が船舶の柔軟な運用ができるような取り組みを推進いたします。
 具体的には、船着き場の申込期限を、利用日の一週間前までから前日までへと変更するとともに、利用可能な日をこれまでの原則週三日から毎日とし、利用開始時刻も十一時から九時に早めることで利便性の向上を図ります。
 舟運を活性化し、にぎわいある水辺空間の創出に向け取り組んでまいります。

○ひぐち委員 再開発と連携し、新たな船着き場も整備していくことは極めて重要であります。
 中央区晴海、選手村では、大会終了後に約五千六百五十戸のマンションが供給され、昨年十二月策定の未来の東京戦略ビジョンにおいても、新たな船着き場の整備が、その推進が明記されました。交通広場の都市計画決定もなされています。
 そこで、この水辺のまちづくりにおいて、船着き場を身近な交通手段として、交通広場と一体的に整備すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○佐藤東京都技監 大会後の選手村を、人々が交流し、都市生活を楽しむことができる成熟したまちにつくりかえていく上で、一万二千人の暮らしの足を支える交通基盤の整備が不可欠でございます。
 このため、都は、マルチモビリティーステーションとなる交通広場を整備して、BRT、路線バス及びシェアサイクルなどを導入する予定ではございますが、あわせて、水辺の立地を生かし、朝潮運河にバリアフリーにも配慮した船着き場を一体的に整備することにより、多様な交通手段の提供につなげてまいります。
 来年度から設計に着手することとしておりまして、令和四年度のまち開きに合わせて供用開始できるよう、マルチモビリティーステーションとともに船着き場の整備に着実に取り組んでまいります。

○ひぐち委員 大地震などの発生時には、道路などが寸断されることにより、陸路における人員や物資の輸送が困難になることも想定されます。東京都地域防災計画震災編においては、船舶の活用が挙げられていますが、この船舶を活用するために、港湾局では、水上バスや屋形船などの運航事業者が加盟する、その団体などと災害時の協定を締結しています。
 一方、最近では、定員が十二名以下の水上タクシーなどの小型船事業者が、海や運河、河川の船着き場を結び、乗客を輸送しています。
 そこで、災害時の輸送体制を強化するため、小型船を運航する事業者などとも協定を締結すべきと考えます。都の見解を伺います。

○古谷港湾局長 大地震等の災害の発生により、道路や鉄道の使用が困難となった際に、輸送体制を確保するためには、船舶の活用を図ることが重要でございます。水上輸送を実施するに当たっては、より多くの船舶を確保する必要がございますことから、都は、旅客船の事業者が所属する団体等と協定を締結いたしまして、都からの要請に応じて可能な限り船舶を提供していただくこととしております。
 ご指摘の定員十二名以下の小型船は幅が狭く、水深が比較的浅い運河や河川においても航行することが可能であることから、都心に近い船着き場からの人員等の輸送等に対応できるなどの利点がございます。
 今後都は、定員十二名以下の小型船の運航事業者が所属する団体とも船舶の提供に関する協定を締結し、災害時における船舶による輸送体制の強化を図ってまいります。

○ひぐち委員 なお、既に協定を結んでいる小型クルーズ船、屋形船は、自前で電気、トイレ、水道、調理器具などの設備を備えています。今後は、例えばこういった設備を活用した防災訓練なども行うことで、各団体との連携を深め、発災時の体制の充実強化に取り組むよう強く要望いたします。
 なお、防災船着き場を災害時に実効性あるものにするには、常日ごろからその存在、場所が認識され、昼、夜問わず、都民に身近な存在でなくてはなりません。
 そこで、河川、港湾ともに防災船着き場への案内やサインによる周知を図り、また、夜間発災に備え、照明の設置を加速すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○遠藤総務局長 防災船着き場は、発災時に船舶により避難者や緊急物資を輸送するための施設でございまして、平時から住民等に対し、最寄りの防災船着き場の場所を周知するとともに、夜間の発災時の活用を想定して備えることは重要でございます。
 これまで、地元町会や自治会などとの防災船着き場を活用した船舶による訓練を通じまして、その意義や役割について理解の促進を図るとともに、夜間の活動に備え、一般開放されている防災船着き場等において、照明施設を設置してきたところでございます。
 今後は、防災船着き場に共通のピクトグラムによるサインの設置や、都が管理する主要な防災船着き場に対する早期の照明設置を進めてまいります。また、国や区が管理する施設につきましても、照明の設置について強く働きかけを行ってまいります。

○ひぐち委員 さて、水辺の活性化には、河川空間のあり方も大切であります。
 日本橋川では、樺島正義ら戦前のすぐれた土木エンジニアたちにより、江戸城旧外堀の石垣など、守るべき景観や環境に合わせ、調和と連帯ある橋梁群が架設されてきました。
 パネルをごらんください。昭和初期の常盤橋かいわいの様子でありますが、手前が一石橋、常盤橋、常磐橋、新常盤橋と、このように優しい曲線を描く美しいシルエットのアーチ橋がかけられ、明治以降、そして震災後の復興橋梁においても、帝都東京の見事な都市空間、河川空間が形成されていました。
 さて、今般の首都高地下化においても、復興橋梁である常盤橋のかけかえが計画されています。都市において水を制御する思考や技術は極めて大切である一方で、日本橋川では継承されてきた二連のアーチ橋という設計思想もあります。
 常盤橋の保存のあり方については検討するべきと考えます。都の見解を伺います。

○佐藤東京都技監 常盤橋は、千代田区景観まちづくり重要物件に指定されている二連アーチの震災復興橋梁であり、首都高の地下化工事の影響範囲にあるため、その取り扱いに配慮が必要でございます。
 都は、千代田区及び区議会等から常盤橋の保存等を求める意見や要望を受けておりまして、首都高速道路株式会社にその趣旨を伝えております。これらのことから、首都高速道路株式会社が中心となり、日本橋川の安全性等を確保しつつ、二連アーチの構造を残す方向で検討しており、来年度以降、関係者等との検討の場において調整を進めていくというふうに認識しております。
 都といたしましても、地下化の工事の具体化にあわせて検討が深まるよう取り組んでまいります。

○ひぐち委員 首都高地下化では、この一石橋のかけかえも予定されています。現在の一石橋は、既にかけかえられ、桁橋、桁形式となっていますが、そのたもとには、大正十一年当時の重量感ある大型の親柱が一つ残されています。このことも踏まえまして、一石橋のかけかえに当たっては、周辺の景観や環境と調和したデザインに配慮するよう求めます。
 この日本橋川を一石橋から少し上流にさかのぼりますと鎌倉橋という橋があります。千代田区には、この鎌倉橋、鎌倉河岸といった江戸以降、神田川、日本橋川の河岸とともににぎわい、栄えてきた歴史が刻まれています。都には桟橋の装飾、広場や店舗など外観、空間形成に工夫を凝らすなど、特色ある地域とマッチした計画を民間に誘導するよう求めます。
 そして、事この鎌倉河岸のある内神田においては、新たにつくられる人道橋においても、江戸古町としてなじんだ名称にしてほしいと願う声も地元から上がっています。
 そこで、内神田一丁目のまちづくりにおいては、こうした地域の特性を生かした計画を進めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○佐藤東京都技監 文化等を通じ、世界を引きつける東京を実現していくためには、都市開発の機会を捉え、地域の歴史や伝統文化などを生かしたまちづくりを進めていくことが重要でございます。
 お話の内神田一丁目地区では、都市再生特別地区を活用し、かつて鎌倉河岸としてにぎわいを有した歴史性を踏まえた空間形成等を行うこととしております。
 具体的には、事業者は地元町会の意向なども踏まえ、舟運の活性化にも資するよう、鎌倉河岸のあった日本橋川沿いに水辺広場や船着き場を一体的に整備するとともに、水辺広場に沿って店舗を設け、また、待合、観光機能を導入することとしております。
 都としても引き続き、地元区と連携して、当地区の都市再生プロジェクトを推進し、水運の拠点であった地区特性を生かした新たな魅力やにぎわいの創出を促してまいります。

○ひぐち委員 地元の方に神田のまちについて伺いますと、昭和三十年代までは職人さんたちが多く、二階で寝起きし、一階におりて働き、また近隣の店で飲み、食べ、遊ぶと、職住近接のまちだったそうです。
 しかし、時代が下り、都市化が進み、近年では、駐車場附置義務条例により、一階部分に駐車場が見られるようになってきました。そして今、建物の多くは更新時期を迎えています。日本橋川を挟み、南に大手町エリア、そして東に神田駅がある内神田においては、現在計画中の都市再生特別地区の開発を契機に、丸の内仲通りを北へ延ばし、大手町、神田の回遊性を向上させる神田駅西口商店街、出世不動商店街に新たな活気をもたらす、そうしたまちづくりが地元町会、事業者、区などと進められています。
 駐車場の需給バランスが転換点を迎える中、都市再生特別措置法の改正により、地域の特性に応じた駐車場の最適な配置とまちづくりが一体となって進めることが可能となりました。
 内神田の取り組みをまず成功させ、ほかの地区にも積極的に展開していくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○佐藤東京都技監 内神田一丁目周辺地区約十ヘクタールでは、地元関係者などにより、都市再生特別措置法を活用し、駐車施設を地域の実情に即して適正配置するための全国初となるルールづくりが進められております。
 この地区内において、建物ごとに求められる附置義務駐車施設について、大規模開発の機会も捉えて集約などを行うというものでございます。これにより、地区内の主要動線である神田駅西口通りや出世不動通りなどについて、沿道建物への車の出入りによる歩道の分断をなくすとともに、店舗などが連続したにぎわいのあるまち並みの形成を図ることとしております。
 都は、他の地区におきましても、人中心の歩きやすいまちづくりが展開できるよう、国や地元区などと連携し、当地区の取り組みを参考としながら、地元の取り組みを支援してまいります。

○ひぐち委員 駐車場の配置などに関するルールが策定された後も定期的にまちの状況を見ながら、必要があれば関係機関と協議しながら、柔軟に見直せる仕組みとなるよう要望いたします。
 さて、神田神保町も同じく建物の更新時期を迎えています。地元では、世界でまれに見る古書店街という個性を生かしたまちづくりに向けた研究が行われています。建てかえ後も、一階部分に古本屋さんたちが軒を連ねることができるよう、既存のオフィスビルや大型マンションの空き駐車場などを地域の集約駐車施設として当面活用するなど、地域の実情に合わせたさまざまな工夫が必要と考えます。麹町大通りも同じであります。区や地域住民による検討に対して支援を行うよう要望いたします。
 それでは、飯田橋駅について伺います。
 パネルをごらんください。鉄道五路線が乗り入れるなど利便性が高い一方で、目白通りのガード下など歩道が狭隘で、障害を持った方に対応できていない飯田橋歩道橋、あるいは地上への出入り口が階段のみといったさまざまな課題があります。
 今般、JR飯田橋駅のホームの移設に合わせて、駅西口では整備が進む一方で、地元からは東口の再整備が大きく期待されています。また、千代田区側では再開発の準備組合が設立され、先月も区が意見交換会を開催するなど、まちづくりの動きが見られます。二〇一〇年には例えばペデストリアンデッキ、こうした研究、検討もされていたとのことですが、改めてこうした機会を捉え、今こそ長年の課題を解消すべく、飯田橋駅周辺の都市基盤の再整備に向けて取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。

○佐藤東京都技監 飯田橋駅周辺は鉄道五路線が結節し、幹線道路三路線が交差する交通の要衝であり、その特性を生かした複数の再開発事業などの動きが見られる地域でございます。
 一方で、鉄道駅や歩道橋、地下の乗りかえコンコースなどの都市基盤は、歩行者にとって混雑していてわかりにくく、バリアフリー動線にも課題がございます。加えて、今後見込まれる再開発に伴いまして、利用者増への対応も必要でございます。
 このため、都は、昨年十一月に千代田、新宿、文京の三区や鉄道会社などで構成する検討会を設置いたしまして、まちづくりと連携した都市基盤の整備方針の策定に向けて、課題の整理や改善に向けた取り組みの方向性などについて検討を進めております。
 引き続き、周辺開発などの動向も勘案しながら、関係者と連携し、駅とまちが一体となった便利でにぎわいのある交通結節点の整備に取り組んでまいります。

○ひぐち委員 三区にまたがる駅周辺の再整備の実現に向けては、ぜひとも都はリーダーシップをしっかり発揮して、関係機関との調整を迅速に行うなど積極的に取り組むよう要望いたします。
 地域の安全・安心について伺います。
 地域では、町会や商店街を初めとしたコミュニティがきずなを培ってきました。少子高齢化の影響もあり、活動が厳しくなる一方で、マンション住民、学校のPTA、在勤者や学生などなど、コミュニティは多様化しておりまして、どのように見守り合い、支え合う社会を築くかが大きな課題であると考えています。
 都では、都民に地域の治安や防犯に関する情報を提供し、地域の安全への関心を高めるため、二〇〇六年に大東京防犯ネットワークを開設し、二〇一六年には地理情報システムを活用した防犯情報マップの運用を開始するなど、リニューアルを行ってきました。
 そこで、今後、地域の担い手となるパパママ世代や子供たちにも、まちの安全や防犯に関心を持ってもらえるよう、このサイトを活用すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○國枝都民安全推進本部長 現在、都が防犯活動の普及促進を目的に運用している大東京防犯ネットワークでは、地域ごとの犯罪の発生状況等を地図で確認できる防犯情報マップのほか、安全セミナーの開催告知など各種防犯情報を発信しており、昨年の当サイトへのアクセス数は月平均一万八千件を超え、多くの方にご利用いただいております。
 来年度は、若い世代にも当サイトをより活用していただけるよう、子供が保護者などと通学路等を点検し、安全な場所や危険箇所等を学びながら、地域安全マップをみずから作成することができる機能を加えるなど、当サイトの充実を図ってまいります。
 今後とも、当サイトの効果的な活用により、地域の担い手となることが期待される若い世代にも、より一層地域の安全に関心を持っていただけるよう努めてまいります。

○ひぐち委員 そもそも市民社会においては、本来治安も、主権者たる市民みずからの責任であり、権限であるともいえます。まさに、布を織るように、縦の糸も横の糸も重ねて紡いでいく、こうしたことで、お互いがさりげなく見守り合うことが犯罪に強いまちづくりにつながると考えます。
 都では、安全・安心な東京二〇二〇大会に向けて、地域や企業などと連携した取り組みとして、まちの安全見守り事業を行っています。特に千代田区は、夜間人口は六万六千人、昼間人口は八十五万人以上というまちの特性があります。このまちの安全見守り事業は、住民の方々だけでなく、通勤や通学など日中都内で活動される方々も含めて、まちの様子にいつもと違う点がないかなど、よく気にかけていただくことを働きかけています。
 大会終了後も、安全・安心なまちであり続けるためには、防犯ネットワークと同様に、これからの社会を担う若年層を初めとする幅広い層にこの取り組みを定着させることが重要と考えますが、今年度の取り組み結果と今後の展開について、都の取り組みを伺います。

○國枝都民安全推進本部長 東京二〇二〇大会開催に向け、官民一体となって安全・安心を確保することは都の責務であります。そのためには、居住されている方だけでなく、通勤や通学で都内に通う方々など、幅広く協力をいただくことが重要と考えております。
 今年度は、ポスター、チラシによる啓発等を行い、幅広い層へまちの安全見守りへの協力を呼びかけるとともに、多くの企業に働きかけ、既に百社を超える民間事業者から協力を得ているところであります。
 来年度は、当本部のマスコットキャラクターである、みまもりぃぬをアイコンにしたバッジも活用し、次の時代を担う若年者層への取り組みを拡大させ、大会本番に向けて、まちの安全見守りの機運を一層高めてまいります。
 今後とも、これらの活動を継続し、持続的なセーフシティー東京の実現を目指し、積極的に取り組んでまいる所存であります。

○ひぐち委員 昨年の第三回定例会で私、質疑しましたオリ・パラ時の猫の一時避難について伺います。
 民間の地域のボランティア団体と連携して、オリ・パラ期間に備えて、猫を一時的に預かり、譲渡対応まで行えるスキームを組んだこと、また、日ごろ大変ご苦労されている動物ボランティアの負荷を軽減するという姿勢は、殺処分ゼロを達成した東京都が彼らのご苦労に、そのご労苦に理解をされた、感謝されたということだと思います。
 来年度はぜひとも現場の実態に即した取り組みを求めますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 動物は私たちの生活に潤いや癒やしを与えてくれます大切な存在でございます。飼い主にとっては家族の一員、そして社会にとってもその一員であります。
 私は、こういった考えのもとにおきまして、飼い主への適正飼養、終生飼養の啓発、そして地域の飼い主のいない猫対策、保護されました動物の譲渡を進めるなど、さまざまな動物愛護施策に力を注いでまいりました。
 東京二〇二〇大会の開催時には、人や車の往来が激しくなる競技会場の周辺におきまして、事故などで負傷する飼い主のいない猫がふえる懸念もございます。そのために、地域で動物愛護活動に取り組むボランティアの皆さんや動物病院の協力を得まして、一時的に保護する取り組みを行うことといたしました。
 保護した猫でありますが、動物病院で健康管理を行うとともに、不妊去勢手術、そしてマイクロチップの装着を行いまして、地域で献身的な活動をされておられますボランティアの皆さんから、新たな飼い主へと譲渡することといたしておりまして、手術等に必要な経費は都が負担することといたしております。
 今後も多くの関係者の皆さんと連携をいたしまして、人と動物との共生社会の実現に向けて、動物愛護の施策の充実に取り組んでまいります。

○ひぐち委員 日比谷公園について伺います。
 私は昨年十二月、日比谷公園をもっと住民に身近で楽しめるものにしようと、地元の皆さんとともにワークショップを開催いたしました。そこでは、子供が学べる自然体験やじゃぶじゃぶ池、都市養蜂、近隣区にはないドッグラン、グランピングやヨガ、気ままにくつろげる芝生、シニアも楽しめる遊具などなど、さまざまな意見やアイデアをいただきました。
 明治、大正、昭和と時代の要請に柔軟に先進的に応えてきたのが日比谷公園なのだと、その歴史を見て私は思います。
 これからの日比谷公園も令和の時代に求められる、その役割を認識し、今ある空間を活用しながら、施設整備やルールづくりについて、ぜひ住民の意見も反映すべきと考えますが、知事の見解を伺いまして、質問を終わります。

○小池知事 首都東京の顔であります日比谷公園は、豊かな緑、そして文化を育んで、まちとともに百年を超える歴史を刻んでまいりました。
 都は、平成三十年の十二月に歴史的価値の高い日比谷公園のポテンシャルを最大限に発揮するべく、グランドデザインを策定いたしました。
 まちと公園の魅力を相互に高め合う、そのためには公園が核となりまして、国際的なビジネス拠点、業務商業や文化交流など多様な特性を持つ周辺のまちと公園をつなぐということが重要であります。
 そこで、今後、周辺のエリアマネジメント団体の皆さんや民間事業者、地元住民などによって構成いたします協議会と連携を強めながら、地域全体の魅力の向上を目指して取り組みを進めてまいります。

○本橋委員長 ひぐちたかあき委員の発言は終わりました。(拍手)

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