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Tokyo Metropolitan Assembly

予算特別委員会速記録第五号

○三宅副委員長 中山信行委員の発言を許します。
   〔三宅副委員長退席、上野副委員長着席〕

○中山(信)委員 都議会公明党の締めくくり総括質疑を行います。
 初めに、工業用水道の廃止についてであります。
 工業用水道のユーザー企業の皆様は、地下水の揚水規制への協力を通じて、地盤沈下の進行の抑制にご貢献をいただいた功労者であると考えます。また、メッキ、皮革加工、染物など、都の繁栄を長年支えてこられた、産業を担ってこられた方々でいらっしゃいます。
 しかし、その一つ一つの企業は利幅が少ない小規模零細企業であり、工業用水道の廃止に伴う高いコストの生産体制への移行は容易なことではありません。
 これらのユーザー企業に対しては、都は総力を挙げて、工業用水道の廃止が原因での望まない廃業に追い込まれる企業が出ないように万全の支援策を講じるべきと考えますが、水道局、財務局、産業労働局の各局長にそれぞれ見解を求めます。

○中嶋水道局長 工業用水道事業の廃止に当たりましては、利用者の企業経営等への影響を最小限にとどめることが必要であることから、廃止条例案が可決されて以降、水道局では利用者を改めて個別に訪問し、上水道への切りかえに向けた具体的なご相談を進めております。
 本年四月からは、引き続き利用者の声を聞きながら、その円滑な切りかえと支援計画案に沿った支援を着実に実施してまいります。
 また、今回の訪問で、利用者から支援策に関してさまざまな個別具体的な要望も寄せられており、庁内検討会等を通して関係各局で共有し、その対応策を検討してまいります。
 今後とも、利用者支援につきまして、継続的な検証を重ね、経営断念につながらないよう利用者に寄り添った丁寧な対応に局を挙げて努めてまいります。

○武市財務局長 長年の懸案とされてきました都の工業用水道事業の廃止に当たりましては、何よりも利用者の企業経営等に与える影響を最小限にとどめることが必要であります。
 こうした観点から、第三回定例会におきまして、工業用水道事業の廃止条例とあわせまして、水道局など関係各局と連携しながら、工業用水利用者に対する二十年間の利用料金差額支援を初めとした支援計画案を取りまとめたところでございます。
 利用者に対する支援は、今後、長期にわたり実施していくものであり、経営断念につながらないよう、しっかりと利用者に寄り添いながら進めていくことが重要であります。まずは支援計画案に沿って、円滑かつ着実に支援を実施してまいります。
 あわせまして、今後とも、支援内容や対象につきまして、長期的な観点に立ち、社会経済情勢の変化なども踏まえつつ、関係各局が一致協力し、検証に取り組んでまいります。

○藤田産業労働局長 工業用水道の利用者には、経営環境の厳しい小規模の企業が多くいらっしゃいますことから、経営や技術に関するさまざまな課題に対応できるよう、各社の実情に応じたきめ細かい支援を行ってまいります。
 具体的には、水道局が個別の利用者訪問で聞き取りを行いました企業の意向なども踏まえまして、経営に詳しい専門家が工業用水道の供給区域内におきまして相談対応を行いますほか、技術開発などの面からもサポートを実施してまいります。
 また、上水道への切りかえに伴い、塩素を取り除く設備が必要となる場合には、中小企業に対して専門家を派遣し、水質の変化が製品に及ぼす影響を調べ、現場への導入にふさわしい機器に関し助言を行い、その設置費用に補助も実施いたします。
 これらにより、工業用水道を利用する中小企業の事業の継続に向けた支援に万全を期してまいります。

○中山(信)委員 各局長は、今ご答弁いただいた内容を今後も局の中でしっかりと引き継いでいっていただきたいと思います。
 その上で、知事にもお伺いいたします。
 工業用水道のユーザーは、都の重大危機の回避にご協力をいただいた功労者であり、高い技術力を備えた産業の担い手でいらっしゃいます。工業用水の廃止後も、その経営を支え、末永い活躍を導くべきと考えます。改めて知事に見解を求めます。

○小池知事 東京の工業用水道事業、これは地盤沈下の防止対策として供給を開始いたしまして、これまで地域の産業基盤を支えてきた--ただいまお話のあったとおりでございます。
 一方で、需要が減少することによって経営状況が悪化する、そして施設が老朽化する、その抜本的な経営改革が長年の懸案でございました。昨年六月の有識者委員会で提言を受け、また、さまざまな利用者の声をお聞きした上で総合的に判断をしたもので、事業廃止を決断するに至ったわけでございます。
 工業用水道事業の廃止に当たりましては、中小企業が東京の産業を支えている大切な担い手であるということから、何よりもまず、利用者の企業経営への影響を最小限にとどめることが必要であると。そのための支援計画案を取りまとめたところでございます。
 事業の廃止に向けた取り組みを進めるには、工業用水利用者の約八割を占めます中小企業の声を引き続き聞きながら、できる限り配慮することが重要と認識をいたしております。
 このため、廃止条例案が可決されて以降、利用者を改めて訪問いたしまして、上水道への切りかえに向けて具体的なご相談に丁寧に対応するように関係各局に指示をしているところでございます。
 また、ことし四月から、間もなくでございますが、支援計画案に沿ったきめの細かな支援を実施いたしまして、工業用水を利用なさってきた中小企業が、今後とも東京の産業の担い手として活躍していただけますように、全庁一丸となって対応してまいります。

○中山(信)委員 今、知事のご答弁にありました全庁一丸となっての対応ということで、ぜひ、都庁の皆様よろしくお願いしたいと思います。
 次いで、教育政策について質問させていただきます。
 初めに、子供たちの東京オリ・パラ大会への競技観戦の招待の件であります。
 今定例会の我が党の質疑を通じまして、最大で百万人以上の子供たちを大会本番の競技観戦に招待することが明らかになりまして、大きな話題となっております。子供たちが実際に競技会場で観戦すること自体、かけがえのない実体験になるものと考えます。
 一方、これだけ大規模な観戦となりますと、何よりも安全に、競技会場までの移動や体調管理、障害の有無などに配慮した適切な運営を行うことが重要です。今後、子供たちに観戦チケットを割り当てていくに当たり、心を砕くべき点について、都教育委員会に見解を求めます。

○中井教育長 都教育委員会は、オリンピック・パラリンピック教育の集大成として、希望する全ての子供が東京二〇二〇大会本番を観戦し、心のレガシーを残せるよう、現在取り組みを進めております。
 今後、区市町村教育委員会や学校に対して、子供の発達段階や状況に応じた留意事項を十分に周知した上で、観戦会場、競技、時間等について詳細な意向調査を実施いたします。
 お尋ねの点につきましては、熱中症の予防対策を初め、学校からの無理のない移動時間を踏まえた会場の割り振りや車椅子を利用する子供への専用スペース確保などがございますが、これらを確実に実現できるよう、関係機関と連携しながら、引き続き精力的に取り組んでまいります。

○中山(信)委員 今ご答弁いただいたさまざま配慮すべきことからしっかりとご対応をお願いしたいと思います。
 その上で、チケット販売につきましても、一般のチケット販売もどんどん進行していきます。そうした中で、希望する全ての学校に観戦チケットを配布していくということは大変な難事業でありますので、どう進めていくのか見解を求めます。

○中井教育長 子供達の観戦には、組織委員会が企画する学校連携観戦チケットを活用いたしますが、その配券等には、区市町村教育委員会や学校からの意向調査結果等を踏まえた柔軟かつきめ細かなマッチングが重要でございます。
 一方、このチケットは合計数百種類の観戦枠に分かれているため、各学校の希望する日程や参加人数を枠に割り当てる作業は、ご指摘のとおり、複雑かつ膨大なものとなることが予想されます。
 そのため、関係各局や組織委員会等の関係機関とも定期的に意見交換や課題の進捗管理等を行う仕組みを構築するなどして、オリンピック・パラリンピックの観戦を楽しみにしている全ての子供への確実な配券に向けて、迅速かつ効率的に取り組んでまいります。

○中山(信)委員 聞けば聞くほど大変な取り組みだと思います。しかし、絶対に無事故で、必ず成功させてもらいたい。都教育委員会の取り組みを都庁全体で支えていくことが大事であります。
 過去最大となる百万人規模の子供の観戦招待に向けた知事の決意をお伺いいたします。

○小池知事 次の世代、次代を担う子供たちにとっては、大会本番で世界のトップアスリートが目の前で最高峰の競技を繰り広げるその姿を目の当たりにする、その後の人生の糧ともなる本当に貴重な経験になると思います。
 このため、オリンピック・パラリンピック教育の集大成としまして、希望する全ての子供が観戦できるようにと、過去大会と比較しても最大となります百万人規模の観戦チケットを確保することといたしました。
 子供たちの安心・安全が、ご指摘のように十分確保され、また、選手と一体となったすばらしい観戦で、一人一人の子供に、一生の思い出、心のレガシーがしっかりと残せますように、引き続き関係機関と密接に連携を図りながら、庁内一体となりまして精力的に取り組んでまいります。

○中山(信)委員 大変な苦労が伴う大事業でありますけれども、全てはあすの東京を担う子供たちのためでありますので、この点も庁内一体となった取り組みをお願いしたいと思います。
 続いて、カウンセラーやソーシャルワーカーを活用した教育の相談機能の充実についてお伺いしたいと思います。
 こちらのパネルをごらんいただきたいと思います。全体として、近年急激に都立高校の中退者が減少してきていることがよくわかります。
 また、私が卒業式に参加させていただいたある高校では、二百十九名の卒業生中、皆勤が十六名、精勤が三十四名、計五十名と、約四分の一を占めていて驚きました。中退も十一名でした。都内の都立高校では、一時期は約三分の一近くが中退していたことを考えますと、隔世の感があります。
 さまざまな方々のご努力のたまものと敬意を表しますけれども、私は、近年、都が力を入れているカウンセラーやソーシャルワーカーの活躍の効果も大きいと考えております。私が参加したその高校の校長先生も、カウンセラー、ソーシャルワーカーの活躍に大変感謝していらっしゃいました。ニーズは高まっております。
 そこで、ユースソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの資質向上を図るとともに、都立高校における相談体制の拡充を図るべきと考えますが、見解を求めます。

○中井教育長 都立高校の生徒に対する福祉面や心理面からの支援の充実を図るためには、ユースソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの専門性を高めることが重要でございます。
 そのため、都教育委員会は、ユースソーシャルワーカーの上級職として、今年度、四名配置したユースソーシャルワーカー主任を、来年度は八名に増員いたします。
 また、豊富な経験を有する人材を、シニアスクールカウンセラーとして来年度新たに各学校経営支援センターに配置し、困難な事案を抱えるなどしているスクールカウンセラーを支援するモデル事業を実施してまいります。
 こうした取り組みを通して、ユースソーシャルワーカーやスクールカウンセラーのさらなる資質向上を図ることにより、都立高校生が安心して実り多い高校生活を送ることができるよう支援体制を一層充実してまいります。

○中山(信)委員 昨年の予算特別委員会でこの問題を取り上げさせていただきました。提案に応えて具体的に取り組みを前進していただいており、喜ばしく思っております。
 都立高校の魅力増進の一翼を担う大事な取り組みとして、こうした相談機能の充実をさらに進展していっていただきたいと期待しております。
 続きまして、教員の負担軽減について質問します。
 一般教員の事務負担が軽減されて、児童生徒への指導に専念できる環境が整備され、教育効果が高まっていくことを期待しております。
 都教育委員会は、現在、四百校規模で実施している小中学校へのスクール・サポート・スタッフ配置支援事業の活用を進めていくべきと考えますが、現状と今後の対応をお伺いいたします。

○中井教育長 都教育委員会では、今年度から、教員にかわってプリントの印刷や授業準備などを行うスクールサポートスタッフの小中学校への配置を進めるため、区市町村に対する人件費補助を行うとともに、有効な実践例を紹介するなど、事業の活用促進を図ってまいりました。
 実施校からは、教員の負担が軽減され、児童生徒への指導や教材研究等に集中できるなどの声が聞かれる一方で、区市町村教育委員会からは、配置校数や配置人数の拡大を求める声も上がっております。
 こうしたことから、平成三十一年度は、予算規模を千人分に拡大し、希望する全ての学校への配置を行うこととしております。
 引き続き、教員の負担軽減に向けて、本事業のさらなる有効活用を進めてまいります。

○中山(信)委員 さらなる進展を期待しております。
 また、副校長の負担の軽減ということも大事な課題でありまして、長年そういう話を承ってまいりました。
 例えば、副校長が行っている時間講師などの面接作業がございますけれども、この日に来れますかとか、あいていますかという電話がけすらも副校長が行っているという実態があります。電話かけぐらいは事務方がやってもいいのではないかという意見もあります。
 都教育委員会が副校長の負担軽減のために導入している学校マネジメント強化モデル事業について、その効果と今後の対応をお伺いいたします。

○中井教育長 都教育委員会では、副校長の業務の一部を担う非常勤職員を配置するモデル事業を小中学校百二十校で実施しており、モデル校では、実施前後の比較で、副校長の勤務時間縮減が確認されております。
 また、副校長が人材育成等の本来業務に専念できることにもつながっており、負担軽減だけでなく、副校長のやりがいを高め、職としての魅力向上にも役立っております。
 平成三十一年度は、新たに都立学校十四校を加えてモデル校を百三十四校に拡大し、時間講師などの任用に係る電話調整や調査事務、施設管理など、副校長の負担感の要因となっている業務にも着目して検証を進め、引き続き副校長の負担軽減のための環境を整えてまいります。

○中山(信)委員 やりがいにも通じているし、魅力向上にもつながっているということで、ぜひ全校での早期実施に向けてご努力をお願いしたいというふうに思います。
 次の質問に移ります。
 十八歳成人ということが二〇二二年の四月一日から施行されることになっております。こうした転換点を捉えて、成人年齢に到達する前に、高校生に対して充実した消費者教育を実践できるよう教員の指導力を向上させるべきと考えますが、都教育委員会の見解を求めます。

○中井教育長 成年年齢の引き下げに伴い、十八歳に達した生徒は、本人による契約の締結が可能となることから、高校生が消費生活に関する正しい知識を習得し、適切に行動する実践力を身につけることが一層重要となってきております。
 都教育委員会はこれまで、東京都消費生活総合センター等の関係機関と連携した教員研修を実施するとともに、契約上の留意点等を学ぶDVD教材を活用した授業を促進するなどして、消費者教育の充実を図ってまいりました。
 今後、健全な消費生活のあり方についてまとめたリーフレットを全都立高校生に配布し、よりよい消費者となる意識を高めてまいります。
 さらに、新たに指定する消費者教育研究推進校において、企業等の協力を得て指導内容や方法を開発し、全校対象の連絡会等で周知していくことにより、教員の指導力の向上を図ってまいります。

○中山(信)委員 また、学校教育に加えまして、消費者教育の内容を生徒自身に身近な問題として意識してもらって、気づきを促す取り組みも必要になってくると思います。
 この点は、生活文化局に見解を求めたいと思います。

○浜生活文化局長 若者の消費者被害防止に向けては、学校教育に加えて、生徒が自発的に消費生活問題について考える取り組みもあわせて進めていくことが必要であることから、都では、生徒自身へ働きかけ、気づきを促す参加型の取り組みを新たに実施いたします。
 具体的には、中学、高校生等の若者を対象に、消費生活に関する短編動画のシナリオを公募し、選定したシナリオに基づき、動画を作成いたします。
 若者は、シナリオや動画の作成過程において、専門家の助言を受けながら、みずから契約や消費者トラブルに関する知識を身につけ、理解を深め、被害に遭わないよう意識することになります。
 動画は若者が多く利用するサイト等で公開し、同世代の若者にも広く啓発をしてまいります。
 こうした取り組みを通じ、法施行を待たず、若者への消費者教育の充実を図ってまいります。

○中山(信)委員 法施行を待たずに取り組むということで、積極的な対応だと思います。十八歳成人への移行が、高校生自身にとってよい成長のきっかけとなりますよう、両局の取り組みの充実をお願いしたいと思います。
 先日、卒業式に参加させていただいた際、別の学校ですけれども、群青という題名の歌を合唱で聞かせてくださいました。卒業生の方々です。福島県南相馬市の子供たちが、震災を機に離れ離れになった仲間を思って書きとめた言葉を先生が曲にされたものでございまして、大変感動いたしました。子供たちがさまざまな形で被災地との交流に取り組むことは、大人が想像している以上に、大事な心の宝を刻むきっかけになるものと考えます。
 都立高校生が東日本大震災の被災地を訪れ交流活動をする合同防災キャンプを今後もしっかりと展開していくべきと考えますが、来年度の取り組みを伺います。

○中井教育長 子供たちが災害発生時に主体的に行動できる人材として成長していくためには、被災地が直面するさまざまな課題を身近な問題として捉え、高い防災意識を身につけることができるよう、体験を通して指導することが重要でございます。
 そのため、都教育委員会は平成二十八年度から、都立高校生が東日本大震災の被災地である宮城県と岩手県を訪問して、震災語り部から当時の具体的な状況を聞いたり、地元住民との交流や復興にかかわるさまざまなボランティア活動に取り組んだりする合同防災キャンプを実施してまいりました。
 来年度は、この合同防災キャンプを福島県で実施し、津波と原発事故という複合災害からの復興に取り組む被災地域の視察や現地の高校生とのグループワークを通して、都立高校生の防災意識をさらに高めてまいります。

○中山(信)委員 そうした一つ一つの取り組みをしっかりとやっていただいて、高校生の成長を導いていただきたいというふうに思います。
 続きまして、被災地に関連しまして、産業労働局の取り組みを尋ねます。
 さきの我が党の代表質問で、福島県が希望するホープツーリズム事業を被災地応援ツアーの対象としていくということが明らかになりました。その上で、我が党は、平成三十年の第二回定例会の代表質問でも、福島県のMICE誘致への支援を求めていたところであります。
 MICE誘致においても被災地の復興に協力していくべきと考えますが、都の見解を求めます。

○藤田産業労働局長 都は、昨年の夏以降、都内MICE関連事業者等に対し、福島県における国際会議開催の支援制度や観光地を紹介したパンフレット等を配布し、ビジネス目的の旅行者の送客への協力を依頼しているところでございます。
 また、福島県におきましては、今後、お話のホープツーリズム事業について、海外からのビジネス客などにも展開していくというお考えもあるようでございまして、都との間でMICE誘致に向けた連携の意向があるというふうに伺っております。
 都では現在、国内六都市との間でそれぞれ協定を締結しMICE誘致に取り組んでおりますが、来年度は、福島県との間で協定を結び、まずは都内で開催される国際会議等の参加者を福島県に送客するための具体的な取り組みを検討してまいります。
 被災地応援ツアーに加えまして、こうしたMICE誘致の連携を通じ、観光、ビジネス両面から旅行者を福島県に送客し、震災からの復興を後押ししてまいります。

○中山(信)委員 我が国では、残念ながら自然災害の発生が相次いでおります。今後も、都道府県の別を超えた支え合いが必要であり、レガシーとしていく必要があり、そうした意義ある取り組みだと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、医療の関係ですけれども、新生児の聴覚検査についてお伺いしたいと思います。
 我が党の代表質問に対し、都から、公費負担制度の導入など、全ての新生児が安心して新生児聴覚検査を受けられるための体制整備の答弁があったところであり、この四月一日から公費負担制度が始まることは大変な朗報であります。
 しかし、三月末までに妊娠届を出して母子手帳を既に受け取ってしまっている方々にとっては、そうした情報を改めて入手する機会に恵まれません。また、公費負担の対象に、都内から他県に里帰りして出産しようとする方々も対象に加えていくべきであります。
 この二点について、都の見解を求めます。

○内藤福祉保健局長 本年四月から開始される新生児聴覚検査の公費負担制度は、四月一日以降に生まれる全ての子供を対象としており、都内の区市町村では、妊娠届け出の際に共通の受診券を直接交付することとしております。
 お話の三月までに妊娠届を出した方に対しましては、現在、郵送による交付等の準備を進めているところでございます。
 また、里帰りの場合など、都外で出産し、そこで新生児聴覚検査を受けた場合でも、償還払いによりまして検査費用を助成する予定であり、必要な手続書類の準備などを行っております。
 都は、申請等の具体的な手続につきまして、区市町村の担当窓口へお問い合わせいただくようホームページで周知するほか、「広報東京都」三月号にも記事を掲載しており、今後とも、制度の円滑な実施に向けてきめ細かく対応してまいります。

○中山(信)委員 大変前向きな取り組みだと評価させていただきます。情報の周知をよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、病児、病後児保育について伺います。
 都は、都立病院や公社病院におきまして、病児、病後児保育を順次実施しており、これまで都立では墨東病院が、公社では多摩北部医療センターが区市の要請に応じて開設しております。
 また、ことしの二月には、我が党の要望に応えて、公社の東部地域病院に新たに病児保育室が開設されました。
 利用実績を確認したところ、順調ということであり、ニーズが非常に高いということを実感するものであります。
 そこで、他の都立、公社病院でも病児、病後児保育を早期に開設すべきと考えますが、見解を求めます。

○堤病院経営本部長 都内における核家族世帯や共働き世帯の増加等により、病児、病後児保育のニーズは高まっておりますことから、一層のサービスの充実が求められております。
 このため、都立病院、公社病院におきましては、保育環境の充実に取り組む地元区市のニーズなどを踏まえ、小児科を標榜する十病院で病児、病後児保育を実施していくこととしております。
 来年度は、地元区市から要望のございました駒込病院及び小児総合医療センターにおきまして、新たに病児、病後児保育を開設するための施設工事に着手をいたします。
 今後とも、地域のニーズを的確に捉え、取り組みを進めてまいります。

○中山(信)委員 来年度も二つの病院でスタートするということであり、前進を評価させていただきたいと思います。
 続きまして、住宅政策について質問させていただきます。
 さきの代表質問で、東京都住宅公社が管理する一般賃貸住宅、いわゆる公社住宅の費用負担の区分の見直しを求めたところであります。
 国がつかさどります都市再生機構、いわゆるURの賃貸住宅では、我が党の石井国土交通大臣のもと、先ごろ、これまでは居住者側の負担とされていた八十一の修繕項目のうち、七十項目が除外されることとなり、改善が進んでおります。
 公社住宅では、もともとURに先行して居住者負担の緩和を進めてきた経緯がありましたが、今回の改善で追い越され、逆転された感があります。
 既に可能な限り早期に実施するとの答弁があったところでありますが、来年度のしかるべき時期に改善をスタートさせるためには、改善の方向性だけでも直ちに明らかにしておくべきだと思います。見解を求めます。

○佐藤都市整備局長 東京都住宅供給公社は、修繕に関する費用負担区分について、これまでも必要に応じて見直しを行ってまいりました。
 今般の民法改正や国の賃貸住宅標準契約書の改定に伴いまして、公社では見直しの検討を進めて、入居者が負担する修繕の項目を三十四から十一項目に見直しまして、本年九月から適用することといたしました。
 なお、新たに公社負担となる項目のうち、工事店や建材メーカーにおいて準備を要する畳床やふすまの取りかえなどの四項目につきましては、修繕を円滑に実施するため、公社において受け付けや施工体制の準備を進め、居住期間の長さを考慮しながら、修繕の申し出に順次対応してまいります。
 都は引き続き、公社がこの取り組みを適切に実施できるよう指導してまいります。

○中山(信)委員 ぜひ関係機関と用意周到に準備していただいて、九月からの切りかえに備えていただきたいと思います。
 住宅に関する質問の最後に、環境性能について質問させていただきます。
 私は環境建築フォーラムの創設を提案し、応援を重ねてまいりました。ことしのフォーラムでは、ゼロエネルギービルやゼロエネルギーハウスについて講演が行われるとともに、都独自の環境性能を高めた東京ゼロエミ住宅の紹介もあったと伺っております。
 東京ゼロエミ住宅について、先ほどの環境建築フォーラムを活用した周知に加えて、来年度は一層支援内容を強めるべきと考えますが、都の見解を求めます。

○和賀井環境局長 東京は、地価や住宅の建設費が高いほか、狭小地に住宅が建て込んでいるなどによりまして、日照条件が悪く太陽光パネルの設置が難しい場所も少なくございません。
 こうした地域特性を踏まえた上で、国が定めます省エネ基準よりも三割程度省エネとなります都独自の東京ゼロエミ住宅の基準を、省エネ性能に関する計算が不要となるよう仕様で定めたところでございます。
 この東京ゼロエミ住宅の仕様を満たします新築住宅の建築主に対しまして、戸建て住宅で一戸当たり七十万円、二千平方メートル未満の集合住宅で一戸当たり三十万円を助成いたします。
 さらに加えて、太陽光発電設備を設置した場合、一キロワット当たり十万円を助成する東京ゼロエミ住宅導入促進事業を、来年度から三年間実施する予定でございます。
 こうした取り組みによりまして、東京ゼロエミ住宅の普及を通じ、新築住宅の一層の省エネを促進してまいります。

○中山(信)委員 住宅に関する環境の取り組みでは、設置される太陽光パネルも大事な課題であります。
 ただ、近年、風が非常に強くなっていますから、飛んでいってしまった場合の損害に対する保険ですとか、あるいは売電による買い取り価格が下がっていますので、そのためには自家使用というものを進めていかなければなりません。そのためには蓄電池の充実が必要であります。
 この二点、どうやって取り組むのかお伺いしたいと思います。

○和賀井環境局長 住宅用太陽光発電の安全で適切な利用継続を図るためには、太陽光発電の所有者に対しまして、定期的な保守点検の必要性などにつきまして周知を図ることが重要でございます。
 都はこれまでも、セミナー等を通じて普及啓発を行ってきたところでございます。
 また、お話の風水害等の自然災害に対する任意保険の中には、太陽光発電の故障等に対応するものもあることから、都は今後、こうした情報についても適宜提供してまいります。
 また、都は、家庭での太陽光発電による電力の自家消費を促す観点から、家庭向け蓄電池の設置に対する補助事業を実施しておりまして、来年度からは、さらなる自家消費の拡大に向けまして、蓄電池の設置を促すために、六分の一としている補助率を二分の一に引き上げることとしております。
 こうした取り組みを通じまして、太陽光発電による再生可能エネルギー由来の電力の利用継続につなげてまいります。

○中山(信)委員 ぜひ積極的な推進をお願いしたいと思います。
 次いで、障害者支援の一環としまして、今回条例が提出されております宿泊施設のバリアフリー化について質問いたします。
 扉の間口を広げるということが大きな話題になっておりますけれども、それ以上に大事な対応は段差の解消であります。室内で段差を解消するとなれば、実はホテルにおいても、エントランスから、通路から、全部段差をそれに合わせなければ、平らになりません。
 そうした面で、ホテルでは、営業を続けながらフロアの改修を行うという場合もございますので、支援制度さえ万全であれば、既存の宿泊施設でも、順次全体の段差解消を図っていくことは十分に可能であります。
 この点、東京都はどう取り組んでいくのかお伺いしたいと思います。

○藤田産業労働局長 障害者や高齢者等が、宿泊施設を安全かつ快適に利用できるよう、都は現在、客室の整備に加えまして、建物等の出入り口の段差解消に向けたスロープの設置や施設内の廊下などの改修工事等に対して助成を行っております。
 来年度は、宿泊施設のバリアフリー化を加速するため、出入り口から客室までの移動経路上における段差解消などの施設整備に対する補助率も客室の整備と同様に、最大三分の二から五分の四に引き上げてまいります。
 また、宿泊事業者、建築、設計事務所や設備機器メーカー等を対象としたセミナーを開催し、制度の活用に向けた周知を図ってまいります。
 こうした取り組みにより、東京を訪れるさまざまな旅行者が宿泊施設を快適に利用できる環境を整備してまいります。

○中山(信)委員 これは、我が党の橘都議から伺った話でありますけれども、この一月、一人の冒険家が南極点に単身で徒歩で到達した際、その荷物、百キロ以上のものを支えたそりは、複数の町工場が協力して互いの技術を出し合って、試行錯誤を繰り返して完成にこぎつけたものだそうであります。
 こうしたマッチングが非常に大事ですけれども、現実にはなかなか連携相手を探すということは難しいことであります。その点、ビジネスチャンス・ナビにおきましては、三万に及ぶ全国のさまざまな業種の企業情報が掲載されておりまして、いわば膨大なデータベースといえます。
 そこで、今後は、中小企業のビジネスパートナーの開拓を支援する観点から、ナビのさらなる活用を進めていくべきと考えますが、見解を求めます。

○藤田産業労働局長 ビジネスチャンス・ナビは、中小企業の受注機会をふやすほか、共同の研究開発など多様な主体との連携を後押しする機能を持っております。
 本ナビによりまして、中小企業は連携の相手を募集することができ、今年度からは、大学等がみずからの技術を示し協力の相手方を探す機能を加えたところでございます。
 また、中小企業が他社の技術レベルを知り、連携にふさわしい相手を探せるよう、登録企業の約一千二百の商品を詳しく紹介しております。
 また、ナビに新たにサイトを設け、自社PRに意欲的な三十社を掲載し、連携に向けた後押しを進めているところでございます。
 今後は、中小企業や大学等への働きかけを強化し、企業や商品のほか技術に関する情報の掲載をふやすことで、中小企業と他の主体との連携を一層促進してまいります。

○中山(信)委員 続いて、ABL融資についてお伺いいたします。
 こちらのパネルをごらんいただきたいと思います。昨年十一月の経済・港湾委員会でも、我が党の質問に対し、昨今の融資実績の伸びが強調されたところであります。
 そこで、三点まとめてお伺いいたします。
 一点目は、ABL融資の実績増の要因の分析、二点目は、申し込む場合の小規模事業者の負担の軽減を考慮した上での今後の拡充、三点目は、利用の促進に向けたメリットの周知と取扱金融機関や担保評価等を行う専門機関の拡大であります。
 以上、三点、ご答弁をお願いいたします。

○藤田産業労働局長 まず、一点目の動産・債権担保融資制度、いわゆるABL制度の融資実績増の要因についてでございますが、本制度の実績は、創設をいたしました平成二十六年度の約二十八億円から毎年度増加いたしまして、図にありますとおり、昨年度は初年度の約八倍の二百二十四億円となったところでございます。今年度末では、二百五十億円を上回り、過去最高を更新する見込みでございます。
 この主な要因といたしましては、都と専門機関が連携し、ノウハウを金融機関に提供してきたことで、その取り組みがより積極化したこと、都の担保評価費用等の補助もあり利用しやすいことが中小企業に浸透したためというふうに考えております。
 二点目の、来年度の拡充内容でございますけれども、融資実績の増加を踏まえ、融資規模を今年度比五十億円増の三百億円に拡大いたします。
 また、ご指摘のとおり、小規模事業者が売掛債権担保融資を利用する際、現在、担保評価費用の補助上限額は、融資額の三・五%というふうにいたしておりますことから、融資金額によりましては、担保評価費用が都の補助上限額を上回ることが生じる場合がございます。
 そのため、融資額二千万円未満の補助上限額を一律七十万円に引き上げるなど、小規模事業者の負担軽減を図ってまいります。
 続きまして、三点目の、利用促進に向けたメリットの周知等でございますが、来年度新たに、具体的な利用方法やメリットなども盛り込んだ事例集を作成し、中小企業や金融機関の営業職員へ浸透させる取り組みを強化してまいります。
 また、来月から四つの金融機関が新たに取り扱いを開始し、制度創設時の十九から三十四機関となる予定でございます。さらに、近年、ICTなどを活用し詳細な経営分析データを金融機関に提供するなど、新たな取り組みを行う専門機関が出てきておりますため、来年度中に追加公募を検討いたします。
 都は引き続き、本制度の充実に努めまして、中小企業の資金調達の多様化を支援してまいります。

○中山(信)委員 ぜひ、制度融資を補完する融資手段として充実を図っていただきたいというふうに思います。
 ただ、問題は融資を断られてしまった企業であります。信用保証協会からの保証がおりなかったり、金融機関にそもそもはねつけられてしまったり、だめでしたでは何も始まりません。
 資金調達に苦しんでいる中小企業が、必要な経営支援を受けて、その結果として融資を受けられるようにしていくということが行政に求められる役割であります。
 都の取り組みを強化すべきと考えますが、見解を求めます。

○藤田産業労働局長 経営上の課題を抱え、資金調達が困難な中小企業に対しましては、中小企業振興公社や商工会議所等の支援機関のサポートを受けていることなどを要件といたしまして、制度融資により支援しているところでございます。
 都は今後、資金調達が必要な、より多くの中小企業を支援機関につなげ、融資に結びつくよう、制度融資の取扱金融機関などに強く協力を要請してまいります。
 加えて、来年度からは、経営課題を抱えた企業、信用保証協会、取引金融機関の三者によります経営サポート会議を経て改善計画を策定した企業に対し、制度融資では最長となる融資期間十五年のメニューを新設いたします。
 引き続き、制度融資やABLなど多様な金融支援策により、中小企業の円滑な資金調達を支援してまいります。

○中山(信)委員 工作機械の受注総額が五カ月連続で前年を割り込んでおりまして、大変危惧されております。東京の稼ぐ力を導いていくためには、設備投資の活性化は重要な課題であります。投資が新たな需要を呼ぶようなよい循環をつくるためには、行政の支援が必要であります。
 新年度の取り組みについて見解を求めたいと思います。

○藤田産業労働局長 都は、中小企業の生産性の向上や成長分野での事業展開等を支援するため、設備導入の経費に助成を行っております。
 現在、経営者の高齢化が進み、事業承継が喫緊の課題となる中、事業を受け継いだ若手の経営者等が付加価値の高い商品開発や事業の多角化を進める事例もございます。
 そこで、来年度からは、承継を契機に新たな設備を導入する経費も対象に加え、一億円を上限に三分の二の補助率で新規に助成を行います。こうした対応を含め、中小企業の設備投資に対する助成を五億円ふやしまして、七十五億円の規模でサポートをいたします。
 これにより、中小企業の設備導入のニーズを踏まえた支援を展開してまいります。

○中山(信)委員 設備投資の上で特に問題なのは、IoT系の機器や職場環境への転換、これが進んでいないという現状があります。
 その原因は、IoTは必要だと思っているけれども、使いこなせる人材が我が社にいない、そういうことから設備投資も行えないということになっています。
 人づくりの面からサポートしていくことが大事だと思いますが、来年度の取り組みをお伺いいたします。

○藤田産業労働局長 中小企業の生産性を高めるため、IoTやAI等の最先端の技術を職場に取り入れるとともに、基盤技術を用いる現場の能力を高める取り組みへの支援は重要でございます。
 そのため、都は、IoT等の活用に向けた普及啓発のセミナーを開きますほか、最新鋭の機器を現場の状況に応じ導入できるよう専門家が助言する等の支援を行っております。新年度から、IoT等の設備を職場で的確に活用できる人材の育成に向け、実技を交えて最新の知識を学ぶ講座を年六回にわたり開催いたします。
 また、基盤技術を使う製造現場で、生産工程の改善や社員への技術指導を行うリーダーを育成するプログラムを提供しております。
 新年度には、そうした中核人材が技術や技能を標準化して社内で共有化する手法を学ぶ講座を設け、生産体制の向上を人材の面から後押ししてまいります。

○中山(信)委員 さきの代表質問で、我が党はロボット産業の振興を求めたところであります。そのためには、ロボットを使おうとする企業がふえなければなりません。その上で大事なことは、ロボットに対する不安の払拭とか、正しい理解を促すことが大事であります。実際に、見たりさわったりする機会を設けないと、そういうことは進みません。
 新年度からの取り組みでは、こうした観点に立つ施策の充実を求めたいと思いますが、見解を求めます。

○藤田産業労働局長 来年度、産業技術研究センターでは、試作したロボットの実用化に向けて、大規模な集客施設等で数カ月にわたり実証実験を行いながら、中小企業への情報提供をきめ細かく行ってまいります。
 具体的には、実証実験の開始に先立ちまして、報道機関や専門誌の記者を集め、試作したロボットの性能を間近に見ることのできる機会を設け、その内容の幅広い発信につなげてまいります。また、実証実験の期間中、ロボットの導入に意欲のある中小企業を募り、その機能や活用方法等を詳しく学べる説明会を実施いたします。
 さらに、同センターの広報誌等で実証実験に関する特集を定期的に組むなど、継続して情報提供を行ってまいります。これに加え、見本市に積極的に出展し、試作したロボットに中小企業が触れる機会をふやしてまいります。
 こうした取り組みにより、中小企業のロボットに対する理解を促進してまいります。

○中山(信)委員 具体的でわかりやすい答弁であったと思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 次いで、稼ぐ力について質問させていただきます。
 企業であれば利益を上げていただいて、働く人々も可処分所得をふやしていく。その結果として税収増が期待できるわけでありまして、都民が豊かになる以外に、国による税収源の収奪や、少子高齢化や、やがて東京にも訪れる人口減に対抗していく方策はありません。
 もちろん、行政コストの削減や無駄の排除は重要な課題でありますけれども、角を矯めて牛を殺す的な取り組みでは、財政運営のゲームオーバーを先延ばしにする効果しか期待できません。
 その意味では、都庁の各局が民間の活力を引き出し、直接的にであれ、側面的にであれ、いかに都民の稼ぐ力の増進に貢献していくかといった新しい政策目標に挑戦するべきであります。政策ミックスも大いに挑むべきであります。
 そこで、東京の稼ぐ力を強化し、また、成長戦略がもたらす恩恵を全ての人が享受できますよう、戦略的に取り組まれた新たな長期計画にもしっかりと描いていくべきと考えますが、知事の見解を求めます。

○小池知事 東京の発展の原動力は人の活力にあります。東京に暮らすあらゆる人が安心して生活をして最大限の力を発揮できる、そのことこそが東京の持続的な発展につながってまいります。こうした考えのもとで、都はこれまで、人の活力を引き出して東京の稼ぐ力を生み出すための施策を推進してまいりました。
 来年度ですが、稼ぐ力のさらなる強化に向けまして、全庁を挙げて取り組みを加速してまいります。
 新たに立ち上げます戦略政策情報推進本部を中心として、国際金融都市東京の実現に向けた取り組み、最先端技術を活用した新事業の創出、都政のICT利活用など東京の成長戦略を集中的に推進してまいります。
 また、中小企業の技術革新への支援やベンチャー企業の育成など、東京の成長を生み出す施策や、多様な人材の就業促進、雇用環境の整備に向けた支援などなど、誰もが生き生きと活躍できるための取り組みも一層強化してまいります。
 年内を目途に策定いたします新たな長期計画におきましても、東京の成長戦略を示しまして、誰もが安心して暮らし、活躍し、そして豊かさを実感できる成熟都市東京の将来像をしっかり描いてまいりたいと考えております。

○中山(信)委員 公共的な視点から稼ぐ力に挑むわけでありますので、トップランナーの育成ももちろん大事なんですけれども、SDGsの視点からも、あらゆる都民が豊かになっていく、そういうことが大事であります。その目標に向かって都庁各局がどれだけ知恵を絞っていくのかが問われる、そういう計画にすべきだと思います。
 都民が豊かになった結果で、税収増がどれだけもたらされたか、その貢献度を指標化するといった取り組みも行うべきと付言しておきたいと思います。
 続きまして、監理団体改革について質問します。
 新年度の予算のポイントであります都市力の強化、稼ぐ力の強化、人と人をつなぐといったテーマは、ある意味、都政が直面している今の課題を、その危機感を物語るものと受けとめております。
 その意味では、都庁本体だけではなく、都政の重要なパートナーであり、都政チームの一員とも評される監理団体においても、都庁本体が抱える今の課題に同時に立ち向かってもらう意識を持ってもらうべきだと思います。
 重要なことは、都として、監理団体に対し、都庁本体とともに今の都政課題に貢献する必要性を自覚させることでありまして、少子高齢化への対応や稼ぐ力の強化などの都政課題を、改めて強く意識してもらう必要があると思います。
 今後、監理団体が都と一体となって都政が直面する課題を共有し、軌を一にして、その解決を目指すための取り組みに挑むことができますよう監理団体改革を推進すべきと考えますが、見解を求めます。

○遠藤総務局長 東京が直面するさまざまな課題に的確に対応し、都が掲げる政策を実現していくためには、時代の変化に合わせ、監理団体個々の担うべき役割や活用の考え方について見直しを図るとともに、都と団体が共通の課題認識を持ちながら、団体の事業運営に生かしていくことが重要でございます。
 そこで、現在進めている監理団体改革における所管局による取り組みとして、来年度、新たに団体別の活用戦略を策定いたします。活用戦略では、東京の持続的な発展を見据えた各団体が担う役割と、その将来像を示すとともに、既存活用策の見直しとあわせ、新たなミッションの付与や役割のさらなる高度化など、機能強化に向けた考え方を盛り込んでまいります。
 今後、都と各団体が経営戦略を共有した上で、団体のグループとしての事業展開を強化するなど、都の政策実現に向け、より一層の改革を進めてまいります。

○中山(信)委員 新たなミッションの付与に期待します。そのミッションに対する監理団体ごとの取り組みを評価する上では、外部有識者も活用しながら、しっかりと評価をしていただきたいと要望いたしておきます。
 続きまして、稼ぐ力の強化につきまして、さらに区市町村とも連携すべきと思います。都庁や監理団体だけでできるものではありません。今後は、区市町村の窓口である総務局が、稼ぐ力の視点から、区市町村の抱える課題、取り組みたい施策、それについての実情を把握して、都庁内の各局にその意向を伝えて、その進捗を図っていく役割を強化していくべきと考えますが、見解を求めます。

○遠藤総務局長 東京全体の稼ぐ力を強化し、さらなる発展を遂げるためには、住民に身近な区市町村が地域の実情に即した事業を展開し、活性化を図ることが重要でございます。
 都では、知事と区市町村長との意見交換の場を設け、各自治体が抱える課題について認識の共有化を図っております。
 また、都の予算に係る要望等につきましては、総務局が窓口となり、まちづくり、産業振興など各分野からの要望を受け付けまして、各局に対し事業化の検討を求めております。
 今後は、区市町村の懸案や課題等について、実務者同士の意見交換など多様なチャンネルを活用して、その重要度や緊急性を把握し、実際に現場に出向くなど、課題の実情や背景をより丁寧に拾い上げ、各局への橋渡しに努め、各局と区市町村との連携を一層強化してまいります。

○中山(信)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。まだ区市町村の取り組みが芽吹きの段階であるところから相談をやっていただきたいんですね。技術的なところで相談に行くと、それはだめですよということではねられちゃって、それで終わりということじゃなくて、しっかりとそれを伝えてあげていただいて、寄り添っていただいて、道筋をつけてあげていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それから、人材不足、特に建設人材に着目して質問をさせていただきます。
 建設工事の現場では、資格取得者がいなければ工事を受注できない、あるいは継続していけないという状況がありまして、苦労して獲得した若手人材をいかに資格取得に結びつけていくかということが大事な課題になっております。
 建設産業で働く若者が生き生きと活躍できるよう、キャリアアップへの道が描けるよう、業界のニーズに応えた都としての人材確保と育成の取り組みを強化すべきと考えますが、都の取り組みを求めます。

○藤田産業労働局長 都は、職業能力開発センターにおいて、中小建設業などで特にニーズが高い鉄筋施工及び型枠施工について、若手技能者等を育成する訓練を行っております。
 また、現場の責任者となる中堅人材も不足しておりますことから、建築や電気、管工事の施工管理の資格取得に向けた訓練も実施しているところでございます。
 来年度は、このうち型枠施工の訓練につきまして、実施するセンターを一施設ふやすなどにより、訓練定員を年間四十八人から七十二人に拡大をいたします。
 また、資格取得に向けた訓練につきましても、電気工事の施工管理技士に関する新たな講座を設置するなど、年間六講座受講定員百七十人から十一講座三百十五人に拡充を図ります。
 こうした取り組みにより、建設分野における人材の確保や育成を支援してまいります。

○中山(信)委員 建設人材の不足は、民間だけでなく都庁内においても発生しております。
 この点、平成三十年の工事監査におきまして二十九件の指摘がありました。発注者の誤りにより、受注者にしわ寄せが行くことも懸念されております。
 そこで、こうした誤りが発生する要因について、監査事務局長に見解を求めたいと思います。

○岡崎監査事務局長 都の工事監査では、平成二十五年から三十年の六カ年で合計百八十一件の指摘を行いましたが、このうち積算や施工のミスによるものが百五十件と、全体の約八割を占めてございます。
 具体的には、仮設材料の運搬費を二重に積算した事例や、ブロック塀の基礎が設置されず転倒のおそれがあり、再施工を要する事例などがございました。
 これらの発生要因は、経験が浅く工事に関する技術的知識や法令などの理解が不十分な職員が増加したことに加え、組織的なチェック体制の不備や、支援が不足していることなどと認識しております。
 監査事務局では、再発防止に向けて監査情報連絡会を年二回開催し、各局のすぐれた取り組みの情報共有や意見交換を行い、改善を後押ししております。
 こうした取り組みにより、今後とも、都庁全体の技術力向上を支援してまいります。

○中山(信)委員 監査事務局からの答弁がありましたけれども、発注者として、誤りをなくすことはもちろんのこと、工事の発注から完了まで円滑に進めていける、いわゆる目きき力を持つ職員を育成することが重要と考えております。
 都はこれまでも、人材育成に努めてきたと思いますけれども、建設業の働き方改革を真っ先に進めていく上では、発注者としても、みずからの人材育成においてさらなる取り組みが必要と考えます。
 そこで、契約や工事の規程を所管する財務局長に見解を求めたいと思います。

○武市財務局長 建設業の働き方改革を進めるためには、発注に当たっての適正な工期の確保や、建設実態を適切に反映した施工条件の明確化など、発注者の役割を職員一人一人が認識しながら工事の品質を確保することが重要であります。
 このため、都は、設計から工事までの各段階において必要となる幅広い知識を習得するための研修や、安全管理上の留意点などを身につけるための工事現場での講習会を開催してまいりました。
 今後も、こうした取り組みを継続して行うことに加え、働き方改革の中で発注者に求められる役割を改めて各局に周知いたします。
 さらに、来年度は、実際の現場事例を題材としたより実践的な研修を充実させるなど、人材の育成をさらに進め、働き方改革の推進に向け取り組んでまいります。

○中山(信)委員 中小企業にとりましては、人材確保は大変な、大事な課題であり、できれば若い人にどんどん来てもらいたいんですけれども、喫緊の課題として、元気な高齢者の方々、そうした方々をいかに地元の中小企業、人を求めているところと結びつけていくか、これも大事な課題であります。
 来年度の取り組みを強化すべきと思いますけれども、見解を求めます。

○藤田産業労働局長 都は、高齢者がキャリアや能力を生かして中小企業等において活躍できるよう、相談やカウンセリング、企業への派遣による就業体験機会の提供などを行っております。
 また、企業に対しましては、人材活用のアドバイス等を行い、さらにマッチングの機会として合同就職面接会を実施しております。
 来年度は、こうした取り組みを継続するとともに、都内十二区市が設置し、地元企業と高齢者のマッチングを行うアクティブシニア就業支援センターと連携した事業を開始いたします。
 具体的には、東京しごと財団が、新たに各地でセミナーを開催して潜在的な求職者の掘り起こしを行いますほか、センターの設置区市に隣接する区市においても企業の求人を開拓し、センターが実施する就職面接会につなげていくことで、地域におけるマッチングを推進してまいります。

○中山(信)委員 続きまして、防災対策について質問します。
 まず、ハード、ソフト両面にわたる水害対策でございますけれども、都は、埼玉県内にある荒川の調節池の取り組みについても力を入れていらっしゃいますし、また、都内での調節池の取り組みを進めていると思います。
 そのハードの取り組みについての状況を、まずお伺いしたいと思います。
 あわせまして、河川の状況について、水位計や監視カメラなどの増設を含めて、危険を判断できる情報を提供していく、そういう体制の充実も大事でございまして、あわせて都技監に答弁を求めたいと思います。

○西倉東京都技監 激甚化する豪雨から都民の命と暮らしを守るためには、都内の中小河川に加えまして、国が管理する荒川におきましても、豪雨に対して大きな効果を発揮する調節池の整備を推進することが重要でございます。
 都は現在、野川大沢調節池など七カ所の調節池で工事を実施しておりまして、平成三十一年度は、和田堀公園調節池の掘削を開始するなど、新たな目標整備水準の達成に向けた整備を本格化いたします。
 こうした整備が完了いたしますと、現在の一・四倍となります約三百六十万立方メートルの洪水の貯留が可能となりまして、安全性が大きく向上いたします。
 引き続き、中小河川整備を着実に進めるとともに、荒川第二、第三調節池の整備推進を国に要望するなど、水害に強い首都東京の実現に向け、国とも連携して取り組んでまいります。
 また、河川の防災情報提供につきましては、都は、都民の避難等につながります情報といたしまして、水防災総合情報システムによりまして、雨量や河川の水位と映像等のリアルタイム情報を提供しております。
 このシステムにつきましては、防災事業の緊急総点検を受けまして、防災情報の発信力を強化するため、今月二十二日にリニューアルいたしました。
 具体的には、スマートフォン等によります位置情報を活用いたしまして、豪雨の際に利用者が周辺の河川の水位等を知ることができる仕組みを導入いたしますとともに、多言語化を行いました。
 また、平成三十一年度には、近年浸水被害が発生した柳瀬川や空堀川などに水位計を新たに四カ所設置いたします。
 引き続き、自治体や都民の避難判断につながります水防災情報のさらなる充実に取り組んでまいります。

○中山(信)委員 広域避難、垂直避難という水害に対する二つの対応の仕方がございますけれども、国は、昨年六月に、広域避難の検討会を設置しまして、二〇二〇年三月までに一定の方向性を示すということでございまして、関係区は非常に関心を寄せております。果たしてちゃんと回答を出せるのかということが、まず一点。
 そしてまた、足立区では警察と連携して、警察がビルのオーナーに協力を求めて、垂直避難に協力しますよということになれば備蓄品を提供していく、そういう取り組みを提供しておりますけれども、他の自治体は参考になると思いますので、周知をお願いしたいと思います。
 この二点について、総務局長に答弁を求めたいと思います。

○遠藤総務局長 東京の東部低地帯における大規模水害に備えるため、昨年六月、都は国と共同で、警察、消防、都内自治体、近隣県、鉄道事業者等で構成される検討会を設置いたしました。
 検討会では、避難場所や避難手段の確保等について協議を重ねてきており、本年度内に基本的な考え方を整理いたします。
 具体的には、都内のみならず近隣県も含めた避難場所の確保、広域避難開始に至る前の自主避難の促進、鉄道等による避難者の輸送に伴う関係機関の調整方法などについて対応の方向性を取りまとめてまいります。
 来年度は、具体的な浸水地域を例に、避難場所における避難者の受け入れや、徒歩による移動を開始してからの鉄道による移動等についてシミュレーションを実施し、それをもとに二〇二〇年三月末までに、広域避難に係る関係機関の役割と行動をタイムラインにまとめてまいります。
 また、垂直避難についてでございますが、自宅やその周辺が長期間にわたり浸水するおそれがある地域において、浸水を免れる場所へ避難する時間的な余裕がない場合は、近隣の高い建物へ緊急的に移動する垂直避難をする必要があり、そのためには、ご指摘の事例のように民間の施設も含め、あらかじめ具体的な避難先を確保しておくことが必要でございます。
 今後も、都民がみずから命を守るために必要となるさまざまな手法について、足立区の取り組みなど他の自治体の事例も参考にしながら、区市町村への周知を図ってまいります。

○中山(信)委員 最後の質問になると思いますけれども、大規模地下街の浸水対策についての備え、これについて、非常に大事でございまして、我が党は求めてまいりました。
 来年度、この急務の課題についてどう取り組むのか、答弁を求めたいと思います。

○佐藤都市整備局長 集中豪雨に対しまして、地下街等の利用者の安全を確保するため、都は、都内十二地区の大規模地下街等において、各施設管理者や地元区などとともに、浸水対策に取り組むための協議会を設置しております。この協議会において、各地区ごとに緊急連絡体制などを定めた浸水対策計画を作成し、情報伝達訓練を実施しております。
 来年度からは、渋谷地区、上野御徒町地区、浅草地区におきまして先行して、地下街等の出入り口について、施設管理者とともに豪雨の際の雨水の流入に対する安全性などの調査を行い、それを踏まえた避難経路の精査を行います。
 その結果を浸水対策計画に反映することで、施設管理者による円滑な避難誘導を促進し、地下街利用者の一層の安全性を確保してまいります。

○上野副委員長 中山信行委員の発言は終わりました。(拍手)
 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後六時十八分休憩

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