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Tokyo Metropolitan Assembly

予算特別委員会速記録第三号

○伊藤(ゆ)副委員長 あかねがくぼかよ子委員の発言を許します。
   〔伊藤(ゆ)副委員長退席、委員長着席〕

○あかねがくぼ委員 私の方からは、稼ぐ力向上について、まず最初にお伺いをいたします。
 アジア諸国が目覚ましい経済成長を遂げている中、東京の経済成長率は〇・六%程度と、国際競争力は相対的に低下をしています。そこで、都は、都内経済を活性化させる施策の一つとして、すぐれた技術を持つ外国企業の誘致を特区制度などを活用して取り組んできております。
 誘致対象となる外国企業の選定基準についてお伺いします。

○梶原政策企画局長 誘致対象となります外国企業の選定に当たりましては、AI、IoT、ロボティクス等の第四次産業革命に関連する技術について、世界的な先進性と、日本でまだ十分に活用されていない技術を持つことを重視しております。
 また、都内企業と協業の意思を有し、その技術を持って都内産業の課題解決につなげ、さらに生産性向上にも寄与することができる企業であることも考慮をしております。
 その上で、日本国内に進出し、事業を継続する企業を誘致対象とする選定基準としておりまして、都内に業務統括拠点または研究開発拠点を設立する計画を確認しております。

○あかねがくぼ委員 そういった外国企業の誘致によりまして、都民や都内産業にどのような利益がもたらされるのか、今までの成果、どんなものがあるのかお伺いします。

○梶原政策企画局長 平成二十八年度までに誘致をいたしました外国企業八十社による都内への投資額は、約二百八十八億円に上り、その約七割の約二百十五億円が人件費となってございます。
 このような直接的投資による効果に加えまして、市場規模の大きい産業領域へ先端技術が導入されることは、コスト削減や付加価値の向上をもたらし、都内企業の生産性向上や社会課題の解決にも貢献するものでございます。
 具体的には、自動運転技術の円滑な導入を図っていくことは、運転手不足の解消や輸送の効率化につながり、また、卸売、小売業においても、深刻な人手不足の解決や生産性、業務効率性の向上が図られるものと考えております。

○あかねがくぼ委員 今まで約八十社程度の誘致に成功したということで、こちらがその分野、どういった分野の企業を誘致してきたかという内訳になってございます。(パネルを示す)これらの八十社の企業が、都内への直接投資額として二百八十八億円、このうち約七割が人件費ということですので、都民にとっては、よりよい条件での雇用になったという点で利益につながっているのではないかと思います。
 それ以外にも、外国企業の持つすぐれた技術の活用によって、人手不足の解消につなげるなど、都内産業にもさまざまなメリットがあるということがわかりました。
 すぐれた技術を持つ外国企業と都内企業の協業により生産性向上につながるということでもありますが、次は、過去五年間の都内企業との連携の実績につきましてご紹介をしたいと思います。
 こちらが過去、平成二十九年度までの合計として二百十三件の誘致をしました外国企業と都内企業との業務の連携の実績があるということでございます。(パネルを示す)内訳を見ていきますと、まだ、中小企業の連携という意味では五十七件ということで、全体の中ではまだ少なくなっております。
 次に、連携の内容について、五つの機能を分けて集計をしていただいておりますけれども、その中で、やはり営業の連携がメーンとなっている点が特徴かと思います。全体の中で五五%が営業の連携、中小企業に限定をいたしますと六一%が営業の連携ということであります。
 これからいえることは、外国企業のすぐれた技術を都内の中小企業の生産性向上につなげるということを目的にするならば、営業や販売だけでなくて、もっと開発や製造、この後ろの方の機能についても連携を図るようにしていかなければならないと考えます。
 この開発や製造について、現時点でどのような課題があるのか、連携が進まない理由などを調査分析して、都内企業の生産性向上につながるように、都としてもしっかりサポートしていただきたいと考えますが、見解をお伺いします。

○梶原政策企画局長 今お話にありましたが、都はこれまで、協業意思の高い外国企業を誘致し、都内企業との引き合わせを行ってきておりまして、平成二十九年度は、外国企業三十九社、都内企業百三十九社の間で延べ二百七十七件の提携に向けた交渉や面談が実施をされております。また、今年度からは専門のコーディネーターが外国企業と都内企業のニーズをきめ細かく把握することにより、効果的な引き合わせを支援いたしますパートナーシップ支援事業を開始しております。
 本事業では、マッチングの支援だけではなく、その後の協業に向けた進捗管理を定期的に行うことで、提携交渉の継続的なフォローアップも実施をしておりまして、今後、今お話にありましたように、共同開発など、外国企業の技術が都内企業の技術水準を向上させるような効果的な協業を促進できるよう、支援を強化してまいります。

○あかねがくぼ委員 ただいま都内企業の生産性向上につながる効果的な協業になるよう支援をしていくということ、前向きなご答弁をいただいたと思います。パートナーシップ支援事業のフォローということで、これからしっかりとお願いしたいと思います。
 さて、外国企業誘致の取り組みの一環として、その中でも特にスタートアップを対象にした東京の大手企業とのマッチングを図るアクセラレータープログラムというものがあります。
 その実績としては、損害保険大手の日本企業、これとフランスのフィンテック企業であるシフト社が提携をいたしまして、シフト社の持つ人工知能が搭載された不正請求検知システムをちょうど来月、四月に導入する予定であると聞いています。これは、損保業界が直面をしています不正請求の課題解決につながっていくという、アクセラレータープログラムから生まれた好事例であると評価をいたします。
 さて、スタートアップという言葉ですが、発祥地シリコンバレーでは、最新のテクノロジーを駆使し、これまでに存在しないサービスを生み出し、あっという間に市場を獲得しながら急成長を遂げる企業のことを指すということです。
 シリコンバレーやニューヨーク、イスラエルのテルアビブ、ロンドン、シンガポールなどが、世界的に有望といわれるスタートアップに選ばれる拠点であります。
 その中で、ほかではなく東京が選ばれる理由、東京の優位性については、どのように認識をされていらっしゃいますでしょうか。また、外国企業にとって、都内の企業と連携をするメリットは何だとお考えでしょうか、お伺いします。

○梶原政策企画局長 東京が持つ優位性でございますけれども、誘致に成功した企業に東京を選んだ理由をヒアリングしたところ、外国企業が東京を選ぶ理由として、日本のマーケットの大きさ、潜在成長率の高さ、優秀な人材の豊富さ、社会の安定性などを挙げております。
 また、英国系の監査法人の調べによりますと、日本の卸売、小売業におけるAIの活用市場の規模は、二〇一五年時点で約一兆円でございますが、二〇三〇年には十五兆円にも大きく拡大すると見込まれております。
 こうした成長可能性のある大きなマーケットは、外国企業から有望な進出先として期待をされております。
 また、都内企業と提携することで、自社の先進的技術を広く普及させ、販路拡大やパートナー獲得を実現することができることも、都内進出のメリットであるというふうに考えております。

○あかねがくぼ委員 東京が本拠地として選ばれる理由として、第一に市場の魅力、そして優秀な人材が採用しやすいという点、またカントリーリスクが低いという点であると認識をされているということでありました。
 これについては私も、専門家の方に聞いてみまして、世界的に有望なスタートアップが本社所在地を決める要素は何なのかというところを聞いてまいりまして、第一に、やはり資金調達がしやすいかどうか、手続など含みまして素早くできるのか、税や規制面での優遇があるか、これが第一だということでありました。
 第二に、ユニコーンなど有望な企業が同地域に存在をしており、イノベーションが生まれやすい、そういったエコシステムがあるということが第二のポイントであるということでございました。
 つまり、そういったスタートアップの企業からすると、本社所在地を決定する要素として、市場の魅力というのが余りないと。それは、ビジネスを展開する上で、もう国境を越えていくということが前提になっているというところがあるというふうにお伺いをしました。
 先般の第四回の定例会におきまして、私の質問に対して、イノベーションを生み出すエコシステムを都内につくるための取り組みをスタートしていかれるということでご答弁を知事よりいただきました。こちらは大変期待をしておりますので、ぜひしっかりと進めていただきたいと存じます。
 また、一点目の資金調達のしやすさですとか、行政手続の簡素化、そういった点も、特区を活用したさらなる規制緩和などもご検討をいただくことも必要かと考えます。
 先ほどのご答弁では、今まで都内に誘致に成功した外国企業の方々に、なぜ東京を選んだのかということでお答えをいただいたかと思います。恐らく、その八十社にとっては、日本市場は非常に魅力的で、そこで稼ぐということが主な目的ではあるだろうなというふうに推測をいたします。
 先ほどもご指摘させていただいたんですが、誘致した外国企業にとって、都内企業が単なる販売チャネルになってしまっては、技術が都内企業に移転をされずに終わってしまうというリスクもございます。
 誘致に際して、都内企業との協業の意思確認、これをしていただいているというふうに聞いておりますが、契約などで拘束をするということではないと伺っております。誘致した外国企業によっては、都内の市場と人材、これを活用をされたけれども、都内企業には余りリターンがなかったということがないように、PDCAサイクルをしっかりと回していただきながら、内容を磨き上げていくことを継続をいただきたいと思います。
 外国企業誘致を東京の稼ぐ力に結びつけるため、都内企業向けの施策との整合性、また相乗効果なども、ぜひ専門家の知見も交えまして、改めて確認をしていただくように要望をいたします。
 さて、東京は、スタートアップ環境のおくれが指摘をされているといわれてきておりましたが、直近の十年では著しく改善をしているというのも事実でございます。
 例えば、ベンチャーキャピタルを中心としたリスクマネーが拡充をしてきている、官民による育成の仕組みも整ってきている、そして、オープンイノベーションの推進ということで、大企業との連携の機会もふえてきているということです。
 東京都も先般、先端技術普及モデル創出事業として、キングサーモンプロジェクトと呼ばれておりますが、東京から世界市場を狙えるようなユニコーンの輩出に向けて取り組みを開始されたところでございます。
 スタートアップ環境が急速に改善されている中で、依然として残る最大の課題、これはスタートアップを立ち上げる人材が少ないということです。日本人の創業意欲というのは、諸外国と比べまして非常に低いといわれております。G20の中で比較をしたところ、ロシアが一番最下位なんですが、下から二番目が日本であったということです。これは失敗を恐れる、そういった指数が最も高いということで、それが創業への意欲を阻害しているのではないかというふうに見られております。
 また、マイナビが大学生向けの調査を行いまして、大学生の大企業志向というのは近年さらに高まっておりまして、五割以上の大学生が大企業に行きたいといっているということです。逆に、起業志向はもともと低かったわけですが、さらに低下をしてしまって〇・四%まで落ちているということです。
 G20の中の平均としても約一〇%ぐらいは起業志向があるにもかかわらず、〇・四%と余りにも低い状態であるということをやはり重く受けとめていき、学生時代からの取り組みというのが必要ではあろうかと思います。
 そこで、起業家の裾野を広げる必要性があるという点につきましては、我が会派としても何度かお訴えしておりますが、創業を志す人材確保に向けた抜本的な取り組みとして、学生向けのプログラムが来年度より取り組みを開始されるとのことであります。
 小中学校向け起業家教育推進事業ということでございますが、どのようなものなのか、知事の見解もお伺いしたいと思います。

○小池知事 東京での創業を活性化するためには、これからの産業を担う若い世代を含めて幅広い層が起業を目指すように、その裾野を広げるということがまず必要となってまいります。
 そのために、ご質問にありましたように、小中学生のころから起業を身近に感じる、そして将来の職業の選択肢とするような環境をつくることが大切かと存じます。
 そこで、新年度からですが、学校の教育現場で起業家教育への支援を開始いたします。具体的には、起業をテーマとする授業に関心のある公立や私立の小中学校に対しまして、相談窓口やコンサルタントの派遣を通じまして情報提供を行ってまいります。
 また、起業家教育の導入に積極的に取り組む学校には専門家が赴いて、教育プログラムの作成やその実施を二年間にわたってサポートいたします。それから、学校以外でも小中学生が起業を学ぶ場をイベントの形で提供をしてまいります。
 これらを通じまして、次代を担う若い世代の創業への関心や意欲を高めて、東京発のベンチャーが、また、ユニコーンが次々に世界に羽ばたいていくように力を尽くしていきたいと考えております。

○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。プログラムの内容は多忙な教員の方々の状況にも配慮をして、導入しやすい形で工夫をされているということがわかりました。その点も評価をしたいと思います。ぜひ実現に向けて動いていただきたいと存じます。
 小学生の塾通いというのは、昨日も伊藤都議からテーマとして挙がっておりましたけれども、もはや小学生のスタンダードになりつつあるかなと思います。私の自宅最寄りの杉並区立の小学校で先生方に聞いてみましたけれども、約九割が中学受験をするということでありました。
 塾に通われる理由というのはさまざまあろうかと思いますが、多くの、私も一人の親でございますが、よい学校に合格をすればよい就職ができるという過去の経験則から、子供の将来が不利にならないように、教育の投資を頑張っているというふうなことだと思います。
 一方で、終身雇用の時代は終わりまして、変化の激しい不確実な時代、こんな時代を生きる子供たちにとっては、失敗を恐れない、仮に失敗しても何度でも立ち上がるといった起業家マインドを養うということは、創業するしないにかかわらず、生きる力をつける上では有効であると考えます。そういう意味で、このプログラムに期待をしております。
 そこで、小中学生にとどまらず、都立高校においても起業や創業の学習の充実を図るべきと考えますが、都教育委員会の取り組みをお伺いします。

○中井教育長 起業や創業に係る学習は、未知のことに挑戦することで社会をよりよく変革しようとする起業家精神を醸成するとともに、起業に必要な知識やスキル等を身につけ、社会に新たな価値を提供することを狙いとしております。
 都立商業高校の中には、地域の企業と連携して模擬的に株式会社を設立し、企業経営や商品開発について学ぶなど体験的な学習を行っている学校もございます。
 来年度、都教育委員会は、希望する都立高校生を対象に、起業家や大学教授等による起業体験に関する講演会を開催いたします。また、生徒がみずから作成した事業プランをもとに起業に関するノウハウを学ぶワークショップも実施してまいります。こうした実践的なプログラムを通して新しい課題を見出し、解決する力や豊かな発想力を醸成するなど、起業や創業につながる意欲を持つ人材を育成してまいります。

○あかねがくぼ委員 課題解決力や発想力を醸成するということでありますので、これはAI時代においては、どんな仕事につかれる上でも重要な能力であると考えます。
 起業家育成という点では、また、前回の一般質問において、ソーシャルファームの担い手になれるような起業家の育成、そういった支援を多角的に検討をしていくということで、知事よりご答弁をいただきました。
 昨日も、我が会派の質問でもテーマに上がりましたが、私からは、都が委託運営をしておりますKURUMIRUについてご質問させていただきたいと思います。
 障害者の働く場である就労継続支援B型事業所の自主製品を販売をしておりますKURUMIRUは、平成二十八年度から、三店舗の常設店舗を運営しておりますが、店舗の開設から現在までの取り組みや売り上げなどの成果をお伺いします。

○内藤福祉保健局長 都は、企業等で働くことが困難な障害者が通う就労継続支援B型事業所の自主製品の販路拡大や魅力発信のため、お話のように、平成二十八年度に、福祉・トライアルショップKURUMIRUを、ここ都庁及び立川と錦糸町の商業施設、その三カ所に開設いたしました。
 このショップでは、出品事業所に対しまして、安全性や品質表示など、市場で流通する商品としての基準の遵守を求めるとともに、流通分野の専門家が商品開発やコスト管理等につきまして丁寧にアドバイスするなど、商品価値を高める取り組みを行っております。また、販路拡大のため、イベントでの出張販売などの機会をふやしているところでございます。
 昨年度は百六十八事業所が出品し、三店舗の合計で約四万五千点、金額にしまして約二千九百万円の売り上げとなってございます。

○あかねがくぼ委員 ちょうどこちらが下のKURUMIRUさんで購入をしたペンケースでございます。こういった売り上げが徐々にKURUMIRUを通してアップしておるというところで、また工賃もアップしているということで聞いておりますので大変評価したいと思います。
 さらに多くの方々にこういった商品を購入していただくためにも、各出品事業所みずからが経営の視点を持って消費者のニーズに応えるための商品開発や販売戦略などに取り組む力を高めていくことが重要と考えます。
 KURUMIRU事業を通じて、出品事業所が経営意識を高めるよう支援していくことに対しまして都の取り組みをお伺いします。

○内藤福祉保健局長 KURUMIRUの事業は、障害者がつくる製品の魅力を発信するとともに、市場で受け入れられる商品づくりを目指しております。出品事業所の中には、商品開発や改良を行い、売り上げを伸ばしているところがある一方で、マーケティングやコスト管理などに課題のある事業所もございます。
 このため、全出品事業所を対象に流通分野の専門家による説明会を実施し、働く障害者の適性を踏まえた作業工程の工夫や、原材料の仕入れ方法、商品開発、改良の進め方、布製品、革製品などアイテムごとの販路拡大先などを具体的に説明しておりまして、今後とも、事業所みずからが経営意識を高められるよう支援してまいります。

○あかねがくぼ委員 私の地元杉並区では、八つのB型事業所がKURUMIRUに参加をされております。そういった事業所様の経営意識を高めていただくという支援が大変重要だと思います。
 このKURUMIRU自体は、実店舗販売ということなのですが、事業所の中には、自主製品のネット販売にも挑戦をしておられるところもあると聞いております。これ、ほかのB型の事業所様の作品でございます、自主製品でございます。
 こういったものがネットの販売などで全国からどこでも、商品をまず知っていただいて、購入をいただける。そうすることで、店舗展開よりも、より低コストで、利益が残っていきますので、多くの方に還元をすることができると思います。
 今後は、ネット販売の取り組みについても、都として支援をしていただくなど検討をいただくように要望したいと思います。
 続きまして、小中学校を取り巻く地域環境についての新たな取り組みでありますTokyoスクール・コミュニティ・プロジェクトについて、その趣旨をお伺いいたします。

○中井教育長 人口減少社会を見据えた持続可能な地域づくりを進めていくためには、地域の人々が相互につながり合える場が不可欠でございます。また、こうした場は、仕事と子育てを両立できる環境を整備するという点でも重要でございます。
 平成三十一年度から実施するTokyoスクール・コミュニティ・プロジェクトは、放課後の子供たちの安全で安心な居場所の充実、元気高齢者の社会参加の促進、そして統括コーディネーターの配置拡大の三つの事業を横断的にプロジェクト化するものでございます。
 これにより、地域の多様な人々が交流し、活躍できる拠点としての学校の機能をさらに高め、持続可能な地域づくりを推進してまいります。

○あかねがくぼ委員 Tokyoスクール・コミュニティ・プロジェクトということですね、学校が地域の拠点になるというようなものでございます。そこに多様な地域の方が参画をしていくと。それをコーディネーターがいろいろとコーディネートしていく、こういった仕組みになっていますが、主に小学校だと思うんですが、小学校を拠点としたコミュニティということで、主要な担い手というか、ステークホルダーとしては、三パターンいらっしゃるかと思います。
 一つは、お子さん、子供ですね。もう一つが保護者であります。最後に、高齢者の方というのが実はこのプロジェクト、非常に重要な役割を担っていただく予定だと聞いております。
 子供にとりましては、放課後を安心に過ごす場所です。保護者からしてみれば、やはり子育てと仕事の両立というところが課題になっている中で、安心して子供が放課後行ける場所があるという意味で、仕事との両立ができる。必要な機能になってきます。
 高齢者の方にしてみれば、約半数の方が社会参加をされていないというアンケートも出ているくらいですので、高齢者の方が近くで社会参加していただく、そしてやりがいを持っていただく新たな居場所として、小学校、中学校が役割を担っていく、そういった構想のプロジェクトであると聞いております。
 このように、多様な地域の人材を活用するということで、非常に重要だと思いますが、このプロジェクトの成功の鍵は、そういった方々をコーディネートする、このコーディネーターの方、こういったことがキーになってくるかと思います。
 地域コーディネーターの計画的な養成や確保、これが必要であると考えますが、都の教育委員会の見解をお伺いします。

○中井教育長 ただいまお話しいただきましたとおり、地域コミュニティの活動を持続可能なものにしていくためには、子供たちへの教育を支援する多様な地域人材の掘り起こしを絶えず行うことが必要でございます。そこで重要となるのが、ただいま委員ご指摘のとおり、人と人とをつなぐ地域コーディネーターでございます。
 都教育委員会は、地域コーディネーターを支える仕組みとして、コーディネーター同士の交流を図り、情報の共有化を促進する役割を担う統括コーディネーターを区市町村単位で配置する取り組みを平成三十一年度から本格的に実施してまいります。
 また、元気高齢者が地域人材として活躍できる場をつくるために、学校敷地内に地域住民の交流拠点となるコミュニティハウスをモデル的に設置し、元気高齢者の社会参加の新たなあり方を区市町村に示してまいります。

○あかねがくぼ委員 小中学校を中心とした新たな地域コミュニティのあり方を示していただくと。特に高齢者がやりがいを持って社会参加ができる、そういった取り組みになるように期待をしております。
 次に、教育庁の新財団についてお伺いします。
 学校を取り巻く課題解決のために、新財団では三つの主な機能を有しているということであります。
 一点目が、最適な外部人材を確保して紹介をする人材バンクとしての機能です。二点目は、国際交流に係る交渉などの代行や、専門知識が必要な分野の相談窓口としての機能です。三点目は、学校事務を集約して処理する事務センターとしての機能だということです。
 これらの三つの機能を持たせることで、教員が授業など本来の仕事に専念をできる環境をつくっているということであります。
 新財団の支援対象範囲には、区市町村教育委員会の管轄のものも含まれていると思いますが、責任と権限についてはどのような線引きで行っていくのか、見解をお伺いします。

○中井教育長 新たな教育課題や働き方改革など、教員を取り巻く課題への対応については、都全体の問題として広域的な教育行政を担い、県費負担教職員の任命権者である都教育委員会が支援機能を果たすことが重要でございます。
 そのため、都教育委員会は、財団を活用した区市町村支援を新たに実施してまいります。
 一方で、区市町村教育委員会は、みずからの権限と責任により、区市町村立学校を設置管理しております。このことから、区市町村立学校を対象とする支援については、区市町村教育委員会の役割や当該首長部局の方針との整合性などの点から、財団による支援の対象にはなじまない部分もあると考えております。
 こうした観点から、今後、新財団の機能を具体化していく中で、支援の対象範囲についても具体的に整理をしてまいります。

○あかねがくぼ委員 また、教育委員会の組織の体質、これを引きずることなく、柔軟で機動的な組織となるように、役員のみならず社員構成にも留意する必要があると思います。教員OB以外からも多様な人材を登用して、多くの都民から納得、評価されるような工夫が必要であると考えます。
 どんな取り組みにしていかれるのか、予定をしておられるのかお伺いします。

○中井教育長 新財団に対しては、学校の実情を踏まえたきめ細かく安定的な支援、専門的なノウハウを集約、集積した上での継続的な支援が求められております。こうした期待に応えるためには、財団において、その業務に適した人材を活用していく必要がございます。
 そのため、退職教員のほか、人材紹介のコーディネーター経験のある民間や地域の方々などを適切に採用してまいります。
 さらに、経営を担う理事長については、財団設立に際し、外部の人材を登用することを考えております。
 これらにより、多様な視点を取り入れた機動的な組織運営を行い、都民や学校の期待に応えてまいります。

○あかねがくぼ委員 経営責任を担う理事長を外部から登用するということを検討されているということで、その点は大変評価したいと思います。
 教育委員会の業務の見直しなども、より効率的な執行体制にしていただくことも求められておると思いますので、その点もしっかりと取り組んでいただきますようにお願いをしたいと思います。
 最後に、子供の権利についてお伺いをいたします。
 国は、都道府県に策定を求めております社会的養育推進計画の要領に、子供から意見を酌み取る方策と子供の権利を代弁するアドボカシーを進めることを示されています。
 我が会派の龍円議員の質問に対しまして、都は、児童相談所の相談対応に当たっては、その点を配慮した取り組みを行っている、例えば、一時保護所は外部評価を受審し、第三者委員から助言も受けている、さらに、弁護士を含めた専門の相談員による相談など、今後も、子供の権利擁護の取り組みを推進していくということでお答えをいただいております。
 千葉県野田市の児童虐待死事件では、親の強硬な姿勢に押されて、子供の置かれた立場を適切に理解し、対応することができなかったことが明らかになりました。児童相談所では、子供とよく話し合って、子供が家に帰りたいといったから家に帰すように判断を下しましたといっておりました。
 虐待を受けている子供は必ずしもSOSを出すことができません。児童相談所も親の主張と板挟みになるなど、重要な判断を誤ることもあるということが証明されてしまいました。
 このような悲劇を二度と繰り返さないために、どんな状況でも子供の権利擁護が保障されるような第三者機関による体制の強化、子供の意見を代弁し、適切に対処ができるアドボカシー体制を確立していくべきと考えますが、見解をお伺いします。

○内藤福祉保健局長 ただいま委員からお話ございましたように、児童相談所の相談対応に当たりましては、子供や保護者等の人権に十分配慮しながら、常に子供の最善の利益を図ることを最優先に、子供や保護者の意向、意見を十分に傾聴し、尊重するよう配慮してございます。
 また、一時保護所では、児童の権利擁護と施設運営の質の向上を図るため、外部評価を受審しているほか、第三者委員を設置し、児童から相談を受けるとともに、権利擁護等の視点から児童相談所への助言を行っているところでございます。
 さらに、都は、子供や保護者からの悩み等を相談員が電話で直接受けるとともに、深刻な相談には弁護士などの専門員が対応するなど、迅速かつ適切に支援しております。
 お話のアドボカシー体制につきましては、現在、国が調査研究を行っておりますが、具体的な仕組みにつきましては、今後検討することとされておりまして、都は、その動向を注視してまいります。

○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。アドボカシー体制についても、ぜひ今後しっかりと検討していただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございます。(拍手)

○石川委員長 あかねがくぼかよ子委員の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩をいたします。
   午後六時四分休憩

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