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Tokyo Metropolitan Assembly

予算特別委員会速記録第三号

○石川委員長 あぜ上三和子委員の発言を許します。
   〔委員長退席、伊藤(ゆ)副委員長着席〕

○あぜ上委員 まず、東京二〇二〇大会の選手村についてです。
 私たち日本共産党都議団は、東京二〇二〇大会は平和と友好の祭典として成功させるとともに、都民の暮らしとの調和、これが非常に大事だというふうに考えております。ですから、都民負担が巨額になる問題など、これまでも厳しくただしてまいりました。きょうは、選手村について質問したいと思います。
 選手村整備には、幾つもの重大な問題があります。第一に、十三・四ヘクタール、東京ドーム三個分に当たる中央区の晴海、この貴重な都有地を三井不動産、三菱地所レジデンス、住友不動産など、民間の大手ディベロッパー十一社でつくる事業体に破格の安値で売り渡したことです。
 まず伺いますが、幾らで売却したのか、金額だけお答えください。

○佐藤都市整備局長 売却金額でございますが、譲渡予定価格百二十九億六千万円でございます。

○あぜ上委員 つまり、一平米当たり、たった九万七千円です。近隣の公示価格と比べて十分の一という、まさに破格の安値であることは否定できません。千三百億円の価値がある都有地をわずか百二十九億円で売り渡し、民間事業者はおよそ千二百億円もの優遇を受けたことになるわけです。
 第二に、専ら民間事業者にとって一番有利な手法とは何かという検討が優先されたということです。
 我が党は、都がコンサルタント会社に選手村の開発方針の検討を委託し、二〇一三年九月に提出されました報告書を開示請求で入手いたしました。その報告書で、七つの手法を比較検討し、民間事業者にとって一番有利だとされた第一種市街地再開発の手法が採用されたことが明らかになっております。
 そこで疑問が生じます。再開発というのは、一度開発されて既存の建物があり、複数の所有者の権利関係の調整などが必要な土地を再び開発するものです。ところが、選手村の敷地は建物など何もない更地の都有地で、所有者は東京都だけです。
 都は、昨年の我が党の本会議代表質問に対し、都市再開発法で定める条件に合致する場合は、更地においても市街地再開発事業を行うことが可能と答えましたが、選手村の場合、どういう条件に合致しているのか伺います。

○佐藤都市整備局長 都市再開発法では、土地の高度利用を図ることが都市機能の更新に貢献することや、区域内に十分な公共施設がないことなどの条件に合致している場合は市街地再開発事業を行うことができると定められておりまして、更地でも同様に行うことができます。
 本事業につきましては、選手村の整備を契機といたしまして、レガシーとなるまちづくりに取り組むことにより、道路などの公共施設とオープンスペースを確保した質の高い中高層の住宅を整備し、多様な人々が交流し、都市生活を楽しむことができる、環境にも配慮した成熟したまちを創出していくことから、都市再開発法に定める条件に合致しております。

○あぜ上委員 今いろいろおっしゃいましたけれども、そもそも選手村用地は市街地ではありません。何十年も更地になっていた埋立地です。再開発ではなく、ただの開発ではありませんか。法が想定していないことをまさに悪用した脱法的なやり方だといわなければなりません。
 委託調査では、民間事業者に有利な手法の検討ばかりして、一番有利だということで市街地再開発、これが選ばれました。では、知事、都民にとって一番有利な開発方法について、少しでも検討したのでしょうか。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 選手村の整備に当たりましては、大規模な民間開発を確実に遂行させるとともに、さまざまな施設を期限内に完成させなければならないことから、都が工程管理をする必要がございます。
 加えまして、先ほど都市整備局長からもご答弁ございましたが、選手村のレガシーとして多様な人々が交流をし集うまちとしていくため、全体の調和が図られた開発を取りまとめることも重要であります。
 このことから、都が施行主体となり、一元的な工程管理と総合的なまちづくりが可能な市街地再開発事業を実施することとしたものでございます。

○あぜ上委員 今、ご答弁がありましたけれども、結局、この市街地再開発事業の手法がとられた結果どうなったか。都の財産価格審議会で検討することもなく土地の売却価格を決めることができて、しかも、市場価格と全く違う、破格の安値をつけることもできることになったわけです。
 この手法がとられたことで、民間事業者は固定資産税の支払いも猶予されています。コンサルタント会社が検討したとおり、民間事業者に、まさに申し分のない有利な手法となっているわけです。
 一方、都民にとっていかに有利かという観点から、開発手法について検討されたかという質問に対して、ご答弁を聞いていたら、まさにその検討をした形跡は全く見られない。こんなことでは、都民は誰も納得できないと思います。
 第三の問題点は、再開発を行う土地の所有者は東京都知事、そして再開発の施行者も東京都知事、そして再開発事業を認可するのも東京都知事、つまり一人三役、自作自演で、いかようにでもできる、そういうやり方がとられているということです。
 知事に伺います。これを決めたのは舛添知事のときでありますけれども、違法ではなくても適切ではないと知事は思いませんか。自分で決めたことを自分で認可して、自分で執行すると、これではブラックボックスだといわれても仕方ないんじゃないでしょうか。

○小池知事 ご指摘のように、準備段階は前の知事でございましたが、確認をいたし、地権者である東京都が施行者となって市街地再開発事業を施行することは制度上認められているということ、このことについては国にも確認が済んでいるということでございました。
 また、認可権者であります東京都でございますが、組織規程などにおいて、施行者としての東京都と明確に区分をするなど、適正な体制を構築して行政的な中立性を確保した上で認可を行っているということでございます。
 このように、選手村の整備については法令等に基づいて適切に行っていると聞いておりまして、ご指摘は当たっておりません。

○あぜ上委員 施行者も認可権者も同じ都市整備局です。一つの局で全部やりながら中立性は確保されたなんてよくいえます。
 適切に行っていると、今、ご答弁がありましたが、都市再開発に詳しい方がおっしゃっていたのは、実体ある市街地再開発なら認可に一年から二年かかるところが、都が一人三役でやっているからこそ、二〇一六年四月二十二日から二十六日までのわずか五日間で、権利変換計画をつくり、百二十九億六千万で土地を処分する計画を認可できた、こんな短期間で済まされるのは前代未聞だということでありました。
 第四に、東京都が権利床を全て放棄したということです。
 選手村の市街地再開発で都の権利床を放棄したのはなぜなんでしょうか、具体的にご答弁ください。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 選手村は民間の資金とノウハウを有効に生かせる市街地再開発事業における特定建築者制度を採用しており、民間事業者が住宅棟などを整備し、大会後に分譲または賃貸することから、当初から都として権利床を取得して事業を行う計画はございませんでした。
 なお、先ほどのご質問の中で、民間事業者に有利であるということで選んだのではないかというお話でしたが、報告書の中では大きく二つの視点で評価をしておりまして、事業者の視点と東京都からの視点、この二つで選んでいるものでございます。

○あぜ上委員 いろいろ今ご答弁されましたが、きょうは時間が限られておりますので、聞いたことだけにお答えいただきたいと思います。
 都民のための検討はされていないわけです。
 さて、権利床を、今、放棄したその理由をおっしゃいましたけれども、なぜ東京都がその検討して権利床を放棄したのか、これについてのお答えになっていないと思うんですね。もう一度お答えいただけませんか。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 先ほどもご答弁申し上げましたが、選手村は民間の資金とノウハウを有効に生かせる市街地再開発事業におけます特定建築者制度を採用しておりまして、民間事業者が住宅棟などを整備し、大会後に分譲または賃貸することから、当初から、都として権利床を取得して事業を行う計画はございませんでした。
 なお、権利床を放棄したというお話でございますが、放棄したというのは、あたかも無償で提供するような誤解を招く表現だというふうに思っています。

○あぜ上委員 権利床の放棄は放棄です。権利床を、もし確保していれば、本当にそれを活用して、都営住宅とか、都民のための施設をつくることはできるんですよ。ところが、その権利床を放棄して全て民間事業者に渡してしまったと。ここにもう徹頭徹尾、私は都民ファーストではなく、民間ディベロッパーファーストだといわざるを得ないと思うんです。
 第五に、さらなる都の追加負担が予定されています。
 選手村用地に建設中のマンションは、大会期間中に選手村として使うための内装工事、また、その撤去工事が行われますが、その費用四百四十五億円も東京都の負担です。しかも、選手村としてマンションを民間ディベロッパーに借りる家賃まで東京都が払うことになっています。その上限は三十八億円とされています。
 選手村の内装工事は、民間所有施設の仮設施設であり、大枠の合意によれば、費用は組織委員会が負担すべきものではないのでしょうか。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 大枠の合意におきましては、都有地に整備される仮設会場等は、都及び都外自治体所有施設における仮設等と同様に、当該土地を所有する都が経費を負担することとしてございます。
 選手村につきましても、現在、都有地に建物が建設中であることから、これにつきましても仮設経費は都の負担となってございます。

○あぜ上委員 都民に大枠の合意として発表された文書には、民間の所有施設の仮設は組織委員会の負担だと明記されています。そして、建物は民間事業者の所有なんです。
 昨日、知事は、東京二〇二〇大会の経費問題で、本当に際限のない都負担はやめさせたいと思ったと、ご答弁されていました。このことについては私も同感です。民間の建物にまで都が負担する、これはおかしいと思いませんか。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 先ほどもご答弁いたしましたが、選手村につきましては、再開発事業による建物竣工後に都有地を民間事業者へ売却する予定となっております。
 そうしまして、大会開催時点は都有地であることから、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、大枠の合意により、当該土地を所有する都が仮設経費を負担することとなってございます。

○あぜ上委員 私はね、知事に伺ったんです。こういう民間の建物であるにもかかわらず、都民の税金でこれを負担するというのは、やっぱりどう考えても、都民から見れば納得いかないことじゃないでしょうかね。知事、いかがですか。

○小池知事 先ほど局長からお答えしたとおりでございます。

○あぜ上委員 選手村の後の分譲マンションの部分については、昨年の十月に晴海フラッグ、この名前がつけられました。そして、五千三百六十二戸ものマンションが売り出されるということで、早くもこの五月には販売開始、そう報道されているんですよ。民間事業者の所有だからこそ、こうやって、オリンピックの前から販売できるんですね。本来であれば、四百四十五億円の改修費は組織委員会が負担すべきなんです。
 選手村用地は、都有地を市場価格に比べて千二百億円も優遇した破格の安値で売り渡しました。一方、開発のための防潮堤などの基盤整備には、都は三百七十七億円を使いました。さらに、大会中の家賃として、先ほどいった上限三十八億円、そして改修費に四百四十五億円、合計しますとおよそ八百六十億円なんですよ。その巨額の都財政を使うことになるんです。その結果、東京都には残らない。先ほどもいいましたが、本当に徹頭徹尾、そういう意味では、民間大手のディベロッパーファーストの開発だといわざるを得ないわけです。
 最後に、第六の問題点を指摘します。
 行政が最も心がけるべき低所得者への配慮がないことです。選手村で分譲されるマンションは、八十平米ぐらいの面積が一番多いようですが、七千万から八千万で値がつくといわれています。庶民には到底手が出ません。
 賃貸のサービスつき高齢者住宅があるといわれるかもしれない。しかし、その住宅も、近隣を調べてみると、中央区内の入居金ゼロという、そのサ高住でも家賃は最低で二十二万なんです。
 ロンドンの大会の選手村には、所得に応じた家賃で、低所得者は低家賃で入居できる住宅が多く整備されました。
 東京二〇二〇大会を国連総会で採択された持続可能な開発目標、SDGsの実現に向けて大きく前進させるものとして成功させることこそ大事だと、重要だと思いますが、知事、いかがでしょうか。

○佐藤都市整備局長 選手村の整備につきましては、住宅のうち、分譲住宅だけではなく、賃貸住宅あるいはサービスつき高齢者住宅など、さまざまな住宅のミックスによりまして、豊かな住宅環境を整備しようと考えてございます。
 一方、ロンドン大会におきましては、東部の低利用の地域という特性もございまして、低所得者用の住宅も供給されております。それに対しまして、晴海地区の選手村につきましては、都心にほど近いその立地特性を生かしまして、環境のモデル都市となる住宅地を整備してまいるということでございます。

○あぜ上委員 私の質問に全く答えていないんです。
 再度、知事に伺いますが、東京二〇二〇大会を、このSDGsの実現に向けて大きく前進させる、そういうものとして成功させることが重要だと思いますが、知事、いかがでしょうか。

○小池知事 ただいまの二〇二〇大会とSDGsの関連でのご質問でございました、いわゆるSDGs、国連が採択した持続可能な開発目標でございますが、誰ひとり取り残さない社会の実現に向けて、環境、経済などあらゆる分野におけます課題解決に向けた目標とされております。
 そこで、東京二〇二〇大会では、持続可能性に配慮した運営計画に基づいて、気候変動への影響の軽減や資源管理など、SDGs、多々項目ございますけれども、それらを重視しながら、持続可能な大会の実現を目指して、大会準備を着実に進めているところでございます。

○あぜ上委員 このSDGsは、あらゆる形態の貧困を終わらせる、あらゆる年齢の、全ての人の健康的な生活を確保する、不平等を是正する、誰ひとり取り残さない、包摂的な居住を実現することなどを目標として掲げています。東京二〇二〇大会の選手村のまちづくりも、このSDGsの目標に沿うものとすべきだと思います。
 私のところに寄せられた最近の住宅相談では、九十代のご高齢の方や、病気になったために正社員をやめざるを得ず家賃が払い切れない、こういう方など本当に深刻です。
 障害のある娘さんの介助ができずに、グループホームが本当に近くにあれば、わざわざ遠い施設に入って娘と離れざるを得なくならなくできたのにと、こういったお話も、相談もありました。本当に、住まいや施設に入りたいのに入れない、そうした困っている人にしっかり寄り添う住宅なども盛り込むことこそ本当のレガシーといえるんじゃないでしょうか。
 例えば、五-三街区の賃貸マンションを借り上げて活用するなどを含め工夫して、都営住宅、低家賃の住宅、障害者のグループホームなどを整備することを強く求めておきたいと思います。
 次に、高齢者の聞こえの支援、聞こえのバリアフリーについて伺います。
 七十歳以上の高齢者の半数は、加齢性の難聴と推定されています。難聴になりますと、家庭の中でも、社会的にも孤立しやすく、人との会話や人と会う機会が減って、引きこもりやすくなります。認知症との関連性も指摘されております。
 難聴者、そして高齢者の聞こえの支援、この拡充は、生活の質を向上させる上でも大変重要な課題だと思います。
 江東区では、所得制限があるんですけれども、六十五歳以上を対象に補聴器の現物支給をしております。なぜ現物支給なのかと区に伺いましたら、現金支給だと自己負担が発生してしまうからだといいました。医師の診断をもとに支給され、大変よい制度だと思っております。
 補聴器の支給を受けた方は、補聴器は高いので我慢していたが支給され助かった、そうおっしゃっていました。
 しかし、多くの利用者からは、補聴器の調整がうまくいかないという声も聞いております。江東区はこうした声を受けて、週に一回、区役所で低所得者対象に補聴器の調整も実施しております。
 日本補聴器工業会の調査によりますと、日本では、欧米諸国と比べ補聴器の普及は大きく立ちおくれています。私たち日本共産党都議団は、工業会からお話を伺いましたが、経済的な負担の重いことが最大の原因だということでした。
 補聴器の価格は、おおむね三万から二十万ほどといわれておりますが、保険適用ではないので全額自己負担なわけです。高度の難聴以上の場合は補装具として一割負担で購入できますが、中等度以下の場合は、購入後に医療費控除を受けられるものの、その対象となる方は治療のために必要と認められた方のみで、約九割の方は自費で購入しています。
 そうした中、東久留米市議会が、昨年の四定で、加齢性難聴者の補聴器購入の公的補助を国に求める意見書を上げています。所得の低い高齢者がお金の心配なく補聴器を使用することができるように都として力を尽くすべきです。
 都内の区市町村の高齢者に対する補聴器の支給等をしている自治体数は八自治体と伺っていますが、その八区の事業を見てみますと、江東区のように現物給付のところもあれば、現金での補聴器購入補助という形もありました。せっかく都の包括補助の対象になっているのに、包括補助を使っていたのはたった三区のみでした。
 現在、東京都は、補聴器の支給等を包括補助の選択、その他に入れておりますが、具体策は自治体の判断でよいのか、伺います。

○内藤福祉保健局長 区市町村は、住民に身近な基礎的自治体といたしまして、地域における課題やサービス等の需要を把握、分析した上で、その地域に適した施策を展開しているところでございます。
 この補聴器につきましても、都は区市町村がその地域の実情に応じ、創意工夫を凝らして主体的に実施する高齢者に対する福祉サービスの充実に資する取り組みを包括補助で支援しているところでございます。

○あぜ上委員 区市町村が実情に応じて判断して実施した事業に補助するということは大事なことです。ぜひ補聴器の支給等を各自治体に広げる上でも、高齢者補聴器購入費助成も、そして現物支給も対象になることを周知徹底することを求めたいと思います。
 また、都の制度として、高齢者補聴器補助制度を実施することを求めます。
 この問題については本会議でも知事に問いましたが、知事は、聞こえのバリアフリー、高齢者の聞こえの支援に取り組むとご答弁されています。そのためには、やはり磁気ループについて広く普及すること、また、行政や事業者、都民に対し、ヒアリングループ、磁気ループの知識普及、啓発に取り組むことが大変重要だと思いますが、知事のご答弁を求めます。

○小池知事 磁気ループにつきましては、補聴器を使用している高齢者や聴覚障害者の方々が会議室、そしてイベントホールなどで聴力を補うための設備の一つでございます。
 こうした方々を初め全ての人が、必要な情報を容易に入手できる環境の整備を進めていくことは重要。都の施設では、東京芸術劇場などで既に設置をしておりまして、さらに現在整備を進めている有明アリーナなど、東京二〇二〇大会の会場となりますスポーツ施設でも設置することといたしております。
 都におきましては、観覧席、客席の整備基準の一つとして、高齢者や障害者に配慮いたしました集団補聴設備等の設置を定めておりまして、今後とも、聞こえのバリアフリーの取り組みを促進してまいります。

○伊藤(ゆ)副委員長 あぜ上三和子委員の発言は終わりました。(拍手)

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