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Tokyo Metropolitan Assembly

予算特別委員会速記録第三号

○石川委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 これより付託議案の審査を行います。
 第一号議案から第二十八号議案までを一括して議題といたします。
 昨日に引き続き総括質疑を行います。
 大津ひろ子委員の発言を許します。

○大津委員 山手線沿線では、民間事業者によるまちづくりが急ピッチで進んでいます。渋谷、新宿、池袋、品川、ゲートウェイ、上野と、拠点間それぞれの魅力発信になって、百年に一度といわれる再開発ラッシュです。
 地元渋谷区でも、渋谷駅周辺に大規模ビルの建設が次々と続いています。渋谷駅周辺のわずか直径一キロの円内に四カ所も都有地があります。このうち三カ所、旧こどもの城周辺都有地と児童会館跡地、岸体育館移転後の跡地が、新しい元号になる年に、同時に検討、開発が進んでいく予定となっています。
 都有地は、約一千四百万人都民のための土地。であるならば、十年後に東京都の都市づくりにおける理念がすばらしかったと後世に思ってもらえる大都市政策が今こそ必要です。目先の採算性や地代の利益ではなく、まことに都民の命と安全を守り、人に投資をし、教育、福祉、環境等にすぐれた、そんな都有地の利活用。私はやはり都民一人一人の幸せのための都市づくりの原点から、幾つかの質問をさせていただきます。
 首都東京の都市づくりについては中長期のプランが示され、また実現に向けて議論、検討されているところですが、旧こどもの城の隣地都有地には、国際連合大学、国連大学の本部が置かれており、いわば国連のシンクタンク、緊急の地球規模の課題に関する研究が行われております。その研究分野は、いわゆるSDGsの全ての範囲にわたっております。そして、その理念、考え方や成果は、東京における都市づくりにおいても、都民目線で一つ一つ具現化していくべきものと考えております。
 例えば、旧こどもの城の活用の基本的考え方においても、将来的には、こうした研究を担っている国連大学など、幾つかの周辺都有地も含めた一体的な活用の視点も挙げられているところです。
 都有地の活用に当たっては、相互に有機的に結びつけ、都市社会が抱える課題解決に向け果敢にチャレンジし、未来を切り開いていく未来の都市像が重要と考えております。
 そこで、都市づくりのグランドデザインでは、一人一人の都民の幸せを実現していくため、どのような都市の未来像を描き、貴重な都有地を活用しながらまちづくりをどのように描いていくのか、知事に見解を伺います。

○小池知事 大津ひろ子議員のご質問にお答えいたします。
 まず、都市づくりのグランドデザインに関してでございますが、おっしゃるように、都民一人一人の希望にあふれる未来を切り開く、そのために、長期的な視点を持って、二〇四〇年代の都市像、その実現に向けた方策をお示ししているところでございます。
 東京を新たな価値を生み続けるような活動の舞台として世界中から選択される都市とするとともに、一人一人から見ますれば、特色のある個性を有するさまざまな地域で多様な住まい方、働き方、憩い方が選択できる都市とすることを目指しているところでございます。
 その実現に向けましては、さまざまな取り組みがございますが、その一つとして、ご指摘のような都有地を含めて民間活力を生かした都市の再生、そしてまた、老朽化した都営住宅の建てかえ、一体的なまちづくりなど、都有地を活用して地域の魅力を高めて都市機能の更新を図っていくことが必要であります。
 将来を見据えまして、よりよい都市づくりを展開して、誰もが生き生きと輝く持続可能な都市東京を実現していきたいと考えております。

○大津委員 次に、旧こどもの城の活用についてお伺いします。
 本件については、今回、平成三十一年度予算案に用地取得費が計上されて取得する予定の国有地は、もともとは都が所有をし、都電の青山車庫として利用しておりましたが、昭和五十四年に、こどもの城を建設するために国へ売却をした経緯がございました。
 この敷地を再び都が取得できれば、隣地の青山病院跡地とコスモス青山と国連大学底地と合わせて四・五ヘクタールもの広大な都有地となる見通しが立ったことは、東京の未来にとって大変喜ばしいことでもあります。
 この敷地の周辺は、湧水や緑や桜、自然環境を保護し、品格と文化性を尊重するとともに、子供たちの育成に深くかかわってきた特別な地区でもあります。かつて愛子内親王殿下も通い、同年代の子供たちとの交流などを楽しまれたこのこどもの城は、平成二十七年に国が閉館しましたが、全国の人たちに親しまれてきた施設であった歴史から、この施設が担ってきた魂を大切にしていく必要があると考えます。
 そうした魂を大切にすることに加え、今日の都民ニーズにも的確に応えていくため、この地に新たな息吹を与え、さらなる発展をも目指していくべきではないでしょうか。
 さきの会派代表質問でも触れましたが、旧こどもの城の取得後、既存の建物を活用していくに当たっての基本的な考え方について、改めて確認の意味でお伺いをいたします。

○武市財務局長 旧こどもの城につきましては、長年にわたり、子供から大人まで、あらゆる世代の多くの人たちに親しまれてきた施設でございまして、その歴史や果たしてきた役割の重要性は十分に認識をしております。
 一方で、青山通りに面したこの敷地は、都のさまざまな政策実現にも資する可能性を有した土地であることから、都として最大限に活用していくことも考える必要がございます。
 そのため、かつてのこどもの城が担ってきた役割を十分に踏まえ、その機能を生かしながら、誰もが利用できる施設へとリノベーションし、いわば都民の城とも呼べるような複合拠点を創出していく必要があると考えております。
 具体的には、主な事業として、百歳まで学べる環境、就業支援施設、スポーツ活動の場などを取り入れていきたいと考えております。
 既存の建物を活用していくに当たっての詳細な検討につきましては、来年度立ち上げます全庁横断的な検討組織の中で進めてまいります。
 そうした検討の中で、この施設が多くの都民にとって意義あるものとしていきたいと考えております。

○大津委員 ぜひ、かつてこどもの城が担ってきた機能を将来に生かしていくとともに、都民のニーズに即した活用を行っていただきたいと思います。子供だけ、お年寄りだけじゃなく、障害のある人もない人も誰しもが使える、本当にみんなの城、都民の城、期待しております。
 次に、かつてこどもの城において象徴的な役割を果たしてきた劇場には、青山劇場と青山円形劇場の二つがありますが、とりわけ青山円形劇場について確認してまいります。
 先般、旧こどもの城の具体的な活用方策について、旧こどもの城活用の基本的考え方が示されたところですが、その中でも、劇場をどのように活用していくのかということに関して都民の注目が集まっているところでもございます。
 青山円形劇場については、文字どおり円形の舞台空間を観客席が取り囲む形状となっており、日本初の完全円形オープンスペースとして、ほかにはない唯一無二の劇場、実験的な芝居を上映していて、見るのも演じるのも実におもしろいなど、いい芝居もしておりました。今もなお劇場の果たしてきた価値を評する声が多く寄せられてもいます。
 そうした声を踏まえますと、この文化芸術を発信してきた青山円形劇場を有効活用していくべきでもあり、誰もが利用できる施設へとリノベーションする都民の城の柱の一つともなるべきものではないでしょうか。
 一方で、活用に当たっては、老朽化した設備の更新など改修経費がかかることから、コストの視点を持つことは特に重要とは考えます。
 そこで、今後、両劇場の機能、とりわけ青山円形劇場をどのように活用していく考えなのか、見解を伺います。

○武市財務局長 旧こどもの城に存在しました二つの劇場、青山劇場と青山円形劇場につきましては、大人も子供も楽しめる舞台芸術の地として、これまで多くの人に親しまれてまいりました。
 こうした旧こどもの城のレガシーを踏まえまして、両劇場につきましては、都民の城に生まれ変わった暁にも、芸術文化活動の場としても提供するなど、これまで担ってきた機能を生かしていきたいと考えております。
 ただし、こうした施設の整備に当たりましては、ご指摘のとおりコストにつきましても十分に見きわめていくことが必要でありまして、費用を最小限に抑えるべく、改修内容などの精査も今後、入念に行っていきたいと考えております。
 その上で、青山円形劇場につきましては、この劇場が有する特徴を可能な限り生かし、演劇関係者にとっては自由な発信の場とするなど、誰もが気軽に利用できる場として再整備していきたいと考えております。

○大津委員 本当にまるで夢のようでもあります。東日本大震災時の国がなし得なかった再整備を、八年の変遷を経て東京都がやる。これまで都民に愛されてきた青山円形劇場の機能が生かされ、円形劇場は復興のシンボルとなることでしょう。ご英断に敬意を表したいと存じます。
 もう一つ注目すべきは、この地の象徴であったこどもの樹のモニュメントが今後どうなっていくのかということです。故岡本太郎さんが制作をされましたこどもの樹は、子供たち一人一人が個性を発揮し、伸び伸びと自由に生きる姿が表現された作品であり、子供たちに表情豊かに語りかける木として親しまれてきました。しかしながら、こどもの城の閉館後は柵に囲われ、建物と同様に、今もなお放置されたままの状態が続いております。
 実は、こどもの城から渋谷駅へ向かうと、井の頭線とJRを結ぶ駅の連結通路に巨大壁画、明日の神話が展示されています。平成二十年に地元で誘致をし、恒久設置をしたものです。明日の神話は、折しも二〇二五年大阪万博が決定しましたが、五十五年前の大阪万博のために制作をした太陽の塔と同時に制作をされた故岡本太郎氏の最高傑作の一つといわれています。
 渋谷駅とこどもの城を結ぶ岡本太郎ロードを歩くと、柵の外からでも、今にも飛び出してきそうなこどもの樹のエネルギッシュな顔を見つけることができますが、都民の皆さんがこうした作品に触れることのできない状況に残念でなりません。
 そこで、この青山の地において象徴的な存在でもありましたこどもの樹の今後の取り扱いについて伺います。

○武市財務局長 こどもの樹につきましては、これまでこの地の象徴として多くの人たちに親しまれてきたばかりでなく、今もなお、この作品に興味を持ち、この地を訪れる人を楽しませているものと聞いております。
 そのため、旧こどもの城の取得とあわせまして、こどもの樹につきましても一体として引き継ぎ、生かしていくことを視野に国と協議を実施してまいります。
 具体的な取り扱いにつきましては、今後、既存建物の活用とともに詳細に検討していきたいと考えております。

○大津委員 一体として引き継げたら、こどもの樹から明日の神話へと二四六の太郎ロードも残ることですし、本当に感動する人たちがたくさんいらっしゃると思います。
 これらの質疑を通じて、都が旧こどもの城を取得した暁には、こどもの城の魂、つまり理念も大切にしていくことを確認することができました。まずは、早期に国から旧こどもの城を取得し、その上で、都民の期待に応えるよう活用を図っていただくことをお願いし、次の質問に移ります。
 旧こどもの城の下に、旧東京都児童会館跡地がございます。両施設の記録によると、こどもの城には年間八十万人の来場者が、多い年には百万人が、そして都児童会館には年間約六十万人もの人々が訪れていました。ですから、百四十から百六十万人の方たちがこの渋谷のわずか一キロの中に訪れていたというスポットにもなります。
 児童会館は、耐震工事のためのいまだ休館と思っている方もいて、だから会館から借りた図書の本をまだ返していないなんていう方もいるくらいですが、東京都児童会館を閉館した経緯等について、改めて確認させていただきます。

○内藤福祉保健局長 東京都児童会館は、開館から四十七年経過いたしまして、施設が老朽化したこと、またこの間、区市町村の児童館が六百カ所を超えるなど、遊びを通じて児童の健全育成を図る場の整備が地域の中で進んだことなどを受けまして、平成二十四年三月末に閉館いたしました。

○大津委員 児童会館は、工作室で木を切ったり好きなものをつくったり、地下一階にそのときはロボットがあり、感動したものだと。また、バイオリンを弾いたこともない子供が弾けるようになって帰ってきたり、親子がにこにこ笑って、手をつないであそこから帰っていく姿をたくさん見ていたと、今も高い評価を地元から得ています。
 まさに参加型により子供の考える力や才能を伸ばしてくれましたと、今もなお絶賛を評しておりますけれども、児童会館のこの参加型により子供の考える力や才能を伸ばしてくれる教育とは一体どのような取り組みだったのか、お伺いします。

○内藤福祉保健局長 東京都児童会館は、次代を担う子供たちの豊かな情操と知識を培うため、都内唯一の大型児童館として、体験型の遊びを通じて感受性や創造力を育む機会を子供たちに提供してまいりました。
 具体的には、来館する子供たちが多様な関心や興味に応じて自由に利用できるよう、必要な設備機材や材料等を用意した科学工作コーナーや音楽スタジオなどを設置するとともに、子供たちが遊びを通じてさまざまな知識や技術を自然に習得できるよう、専門の講師による化学実験や木工教室などの体験型イベントを実施してまいりました。
 また、親子で楽しめる季節に応じたイベントを開催するなど、子供たちの遊びと文化の拠点として、科学の驚きや音楽の楽しさ、創作の喜びなどを体感し、楽しみながら自分で考える力を伸ばせるよう支援してまいりました。

○大津委員 それでは、東京都が児童会館を建設したときの経緯と目的についてお伺いいたします。

○内藤福祉保健局長 東京都児童会館は、昭和三十四年四月に東京都児童福祉審議会が皇太子殿下御成婚記念事業といたしまして建設を知事に要請し、これを受けまして、児童の健全な育成を目的として建設されたものでございます。

○大津委員 天皇皇后両陛下の御成婚記念で、東知事の時代のときに東京都が建設をしたのが、この児童会館でもありました。残念ながら閉館してしまいましたけれども、ことし御成婚六十年、そして、天皇御即位三十年記念の年に、この児童会館跡地を東京都が主導をして、まちづくりの検討をしていけることは大変感慨深い思いがいたします。
 児童会館やこどもの城に囲まれている渋谷第一町会と美竹、青葉地区のまちづくりを考える会は、四年前と本年と二度にわたり、児童会館跡地、旧こどもの城、青山病院跡地の活用についての要望書を東京都へ二度提出をし、受け取っていただいております。
 この一部を抜粋しますと、児童会館跡地、旧こどもの城、青山病院跡地の活用については、児童、若者、中高年者の健康な者も障害のある者も、これら三つの場所のどこかへ行けば人生のおのおのの時期を充実できる、三つの連携コア施設としたく考えます。児童のときも、青少年になったときも、中年になったときも、老年になったときも、健康なときも、有病なときも、この三つのコア施設で楽しめ、学び、成長できる、全世代全人型育成トライアングルゾーンとしたいと要望書には書かれております。そのための具体策として、児童会館が行ってきた優良な遺伝子を継承し、子供の生きる力や考える力を育成していく場所であってほしい。
 そしてまた、このようにも書いてあります。児童会館跡地は、もともと梨本宮家が教育にいいということで、京都から移り、ここに御殿を敷いた場所でありまして、こうした児童会館跡地、青山病院跡地が属する美竹、青葉地区は、梨本宮様がお住まいになられた土地で、今もその末裔が一隅に居住されておられ、町会の活動にも貢献してくださっています。
 その広大な邸宅の名残として、渋谷区においては極めて貴重な緑と湧水を残し、多種類の昆虫、野鳥たちが訪れる環境です。この地区は、文化、伝統の香りを伝えるたたずまいと位置づけています。
 児童会館開所式には、梨本宮家が御臨席をされ、その後、皇太子殿下、美智子妃殿下が来往されています。皇室、宮家の児童への慈しみの心が何らかの形で反映をされてきた特別の歴史を大切にしたいと要望書には書いてあります。こうしたゾーニングの考えが底流にあります。こうした基本的考え方の下で、歴史的、自然的経緯を踏まえつつ、ただ過去にとらわれることなく、少子化、高齢化など現代的課題に対して未来志向的な具体案を提示してきています。
 明治神宮の百年の森に見られるような歴史に耐え得る地区計画が必要です。今、多く人々に親しまれるように、東京の特性として、世界に向け発信し得る普遍的価値を有しています。世界都市東京の都市づくりの目標とも合致するものです。地域の方々の思いに寄り添った施策展開を強く望みます。
 地域の個性を大切にする、土地の歴史や自然が積み重なり、住む人、訪れる人々に愛される都市づくり、これこそが東京の価値を高め、世界に通用する都市づくりにつながっていくのではないでしょうか。まさに東京都が目指す都市づくりの目的そのものではないでしょうか。
 天皇御即位三十年の本年、児童会館跡地を利活用していくに当たり、この土地の歴史と自然を尊重し、無限の可能性を秘めた子供の未来をテーマとした内容も入れ込むことで、都有地活用の価値を増すことができますが、見解を伺います。

○佐藤都市整備局長 東京都が策定した渋谷地区都市再生ステップアップ・ガイドラインでは、児童会館跡地をまちづくりに活用することとしておりまして、今年度から具体的な検討を開始したところでございます。
 このガイドラインでは、地域のさまざまな歴史や特性を紹介いたしまして、親子で親しめる交流空間の提供などの活用イメージを例示しております。
 これらの地域性や子育てなどの視点も踏まえ、来年度は地元の意見も聞きながら、事業内容や事業スキームの検討を進めてまいります。

○大津委員 子供という理念、魂をビルトインし、新しい施設ができたときには、開所式にはまた皇室の御臨席がいただけるような質の高い、格調高いまちづくりを都主導でしていただきたいと望んでいます。
 都有地財産の利活用に当たっては、民間事業者などと連携した事業を行う際に、都の施策の推進に寄与する事業について提案してこれるように、まずは都施行、都主導でイニシアチブをとり、例えば、子供についての内容をしっかりと提示する条件に沿った事業計画を提示することが肝心であります。
 例えば、七十年の土地の賃借料を得て、一棟丸ごとオフィスだけ、企業が入るだけ、マンションだけ、そして、そういう都有地にふたをしてしまうということは、地元の住民たちは望んでいません。幸い、地元からも都は信頼がありますので、こうした建物の中には都直轄のフロアがたくさんあってもいい、採算性を度外視したフロアがあってもいい、都主導でオール都庁の東京政策の実現のためのそうした空間を豊富にとっていってこそ、都有地の開発と考えます。
 次に、三つの都有地の最後に、代々木公園についてお伺いいたします。
 百年がかりでつくられた明治神宮の森と一体となっている代々木公園、岸体育館移転後の活用です。
 明治神宮は来年、鎮座百周年記念を迎えます。明治神宮の森は、杉林が常識と主張した当時の大隈首相を説き伏せて、理念と強い意思を持った造園家たちが五十年後、百年後を見据え、天然更新、天然倒木が進む、とわの森を造成したといわれております。ちょうど百年たった今思うと、都市の中の貴重な緑の資産といえましょう。
 岸記念体育館跡地についても、五十年後、百年後を想定し、二つの都有地、旧こどもの城、旧児童会館跡地、それらの利活用と整合を図り検討すべきです。
 そこで、二月に代々木公園整備計画の中間のまとめが公表されましたが、岸体育館跡地について、今後どのように整備を進めていくのか、見解を伺います。

○西倉東京都技監 公表いたしました代々木公園整備計画の中間のまとめでは、計画対象地につきまして、代々木の森の一部となるとともに、渋谷と原宿のにぎわいを結びつけまして、さまざまな価値観を共有できる交流空間を目指すこととしております。
 具体的には、イベント等も楽しめる広場や民間ならではの新しい視点を取り入れ、多様な人々が集う施設などを整備する計画となっております。
 来年度は、本年二月に実施いたしましたパブリックコメントの結果を反映させ、整備計画を策定いたします。また、民間のノウハウと資金を活用する事業スキームを検討してまいります。
 今後、周辺のまちづくりの動向も踏まえながら、緑をベースにした、まちに開かれた新たな顔となります質の高いにぎわい空間としてまいります。

○大津委員 いろいろなアイデアが出て、進んでいくと思いますけれども、代々木公園に隣接をしていますので、いろんなスポーツ施設があります。ランニングコース、サイクリングコース、バスケットコート、そしてサッカー場。
 実はスケートボード場をつくってほしいといった声があったとたまたま聞きましたけれども、地元の付近の町会連合会は全て、商店会長たちも全て、スケートボード場はここにつくってほしくない、誰も要望もしていないというふうに私のところにいってきております。なぜならば、渋谷区はわずか直径一キロの中にある宮下公園を区が開発していまして、そこにスケートボード場をつくる予定でいるので、わずか一キロの範囲の中に都有地にまでつくる必要は全くありません。
 そういう意味で、スポーツ施設をつくるのならば、千四百万人都民のもっともっと親しめるようなスポーツ、そういったことも考えていっていただきたいと思います。つまり、バランスのよい配置を、連携をしながらお願いします。
 また旧こどもの城に戻りますが、その隣には女性の館、こどもの城に女性の館、ウィメンズプラザがあり、青山病院跡地があり、国連大学があり、子供、女性、健康、世界に向けた発信の拠点となる施設が集積をし、都の重要施策にかかわる一大拠点となっています。
 東京ウィメンズプラザは、女性施策の拠点として、国際社会や国内の動向と協調しつつ、女性活躍に向けた情報発信、配偶者暴力の防止と被害者支援といった、時々の重要課題に取り組んできた地道な実績があります。
 積み上げてきたノウハウを生かし、地の利をもっと生かし、女性からのあらゆる相談に、もっとさらに幅広く対応していただき、東京の女性政策、女性活躍の推進、配偶者暴力対策についてももっと積極的に取り組んでいってもらいたいと考えます。
 旧こどもの城と地続きの女性の館、ウィメンズプラザのこれまでの取り組みと今後の展開についてお伺いをいたします。

○浜生活文化局長 東京ウィメンズプラザは、男女平等参画社会の実現に向けた拠点として、また、法律に基づく配偶者暴力相談支援センターとして、さまざまな取り組みを行っており、昨年度は約三十二万人の方にご利用いただいております。
 女性活躍推進に向けては、働く女性への支援や男性の家事、育児参画などをテーマとしたシンポジウムやセミナーを開催しております。また、配偶者暴力に関する相談対応や区市町村の人材育成など、被害防止や被害者支援のための事業を実施し、女性に対するあらゆる暴力の根絶に取り組んでおります。
 女性の活躍は東京の持続的な発展の鍵であり、都は今後とも東京ウィメンズプラザの機能を最大限生かし、全ての女性が能力を発揮し、活躍できる社会の実現を目指してまいります。

○大津委員 女性の活躍の推進はもちろんのことですが、昨今、DV被害者であった母親が子供の命を守り切れなかった悲惨な事件がありました。ウィメンズプラザは、結構相談事業を幅広くしています。DV相談の対応に当たっては、父親が母親へ暴力を振るっていた、そのおびえる日々を過ごし精神的に苦痛を受ける、いわゆる面前DVの被害を受けている子供からもし相談があったとしたら、ウィメンズプラザは区市町村や警察など、関係機関と迅速に連携をし、きめ細かな対応をすると確認をしています。
 いろいろな相談窓口から誰ひとりこぼれることなく、本当に困っている人たちの相談を着実につなげる体制にもなれることを期待しています。
 さて、旧こどもの城の隣にコスモス青山がありますが、その中で創業支援事業を東京都が行っています。その創業支援事業の成果についてお伺いをいたします。

○藤田産業労働局長 都が青山に設けております創業促進センターは、すぐれたアイデアや事業プランを有する起業家等にオフィスや宿泊スペースのほか、短期集中の育成プログラムを提供するインキュベーション施設となってございます。
 同センターでは、起業に成功した経営者等の指導や助言により、受講者のプランの練り上げを支援いたしますほか、投資家等にプレゼンを行う機会を提供しているところでございます。このような支援を行う中で、IoT技術で水産養殖の効率化に取り組む企業が大型の資金調達を実現するなどの成功事例が出ているところでございます。
 現在は、受講を修了いたしました先輩起業家が施設へ入居し、受講生へのサポートも行っておりまして、今後はこのエコシステムを強化いたしまして、創業の活性化につなげてまいります。

○大津委員 元都営アパート跡地で、都が民間事業提案で七十年の借地権で建物を建てたキャスト、ここではまた創業支援を行っていますが、同じく成果についてお伺いをいたします。

○佐藤都市整備局長 渋谷キャストは、渋谷地区都市再生ステップアップ・プロジェクトの第一弾として、都営宮下町アパート跡地において、公募により選定した民間事業者が平成二十九年四月に開設した施設でございます。
 当該施設は、生活文化、ファッション産業の発信拠点として、クリエーターの育成、交流、発信機能が誘導され、その成果として、施設内のシェアオフィスやクリエーター向け共同住宅の昨年の稼働率は、おおむね一〇〇%となっております。
 また、広場や多目的スペースを活用した入居者による定期的な発表会などは、まちの魅力向上にも貢献しております。

○大津委員 わずか直径一キロメートルの範囲にある都有地二カ所で行っていますけれども、成果も上がり、事業も継続の予定とのことで、それは何よりです。
 ただ、残ったところも、これからのところも一キロメートル以内に創業支援系統が全部重複することなく、東京、オール都庁としては、喫緊かつ重大な政策もたくさんあると思うので、バランスのよい配置をすることで三十年後の東京が都有地で実現していけると考えます。
 次に、青山病院跡地についてです。
 ここは皆さんの共済組合の病院でもありましたが、地元としてはここで生まれた方も結構おり、大変思い入れの強い病院でもあります。今はTBSの展示場に来年三月まで貸していますが、こうした都有地活用に当たっても、ここは青山病院でしたから、医療、健康の要素もテーマとした整備が望まれます。
 とても自然豊かで、池があり、桜の木があり、それはどんな開発をしても残してくださいということで、六年前に要望を出しています。更地にした場合、土も上がってきますので、まさに、渋谷は農地ゼロですけれども、こうした青山病院跡地でソーシャルファームや、都市農業関連施設や、さまざまな農業実験や、都心のセラピーロード、パークなど、整備を進める際にこうした地の利を生かすことができるような気もしておりますので、いろいろなことを今からご検討をお願いしたいと思います。
 都民にどのように還元していくのか、とりわけ都有地の活用においては、防犯、防災機能もちゃんと付加をして、さらに高度化を図っていっていただきたいと思います。
 都有地は、やはり一千四百万人都民のためのもの。ただのマンションにするとか、ただの何件かの企業が入るだけの建物だったら民間事業に任せておけばいいことで、東京都しかできない東京都主導の理念を持ったまちづくりをしていっていただきたいと思います。
 大都市の構築においては、自治体として常に百年後を見据えて都市構想、つまり理念、魂を持った都市づくりを期待します。そのためには、強い信念と意志を持って初めて都市づくりができると思います。明治神宮の森も同様だったと感じます。
 百年後、誰ひとり取り残さない約千四百万都民が幸せに生きていてくれる都市が目標です。持続可能で包摂的な世界の実現に向け、都市共通の課題や解決について議論し合う機会が何とこの春にございます。本年五月には、初めて東京においてU20メイヤーズ・サミットと都市の防災フォーラムTokyoという二つの国際シンポジウムの同時開催が予定をされています。
 G40の開催国がその数カ月前、都市においてできるというこのU20、日本で初めての開催であります。その中で東京はホストシティーとして役割を担うと伺っています。場所もすぐ目の前のホテルです。
 こうした成果をどのように都市政策に生かしていくのかを含め、東京の都市づくりの進め方について、結びに知事の見解をお伺いしたいと存じます。

○小池知事 東京は二〇四〇年代になりますと、これまで世界のどの都市も経験したことのないような少子高齢、人口減少社会を迎えることになります。
 東京を持続的に発展させていくためには、グランドデザインに基づいて、長期的な視点とともに、環境、社会、ガバナンス、これすなわちESGなんですが、これに配慮して、戦略的に都市づくりを進めていかなければなりません。
 具体的に申し上げますと、持続的な成長の実現に向けて世界をリードする国際ビジネスの拠点の育成であるとか、三環状道路などのインフラの充実、活用を進めてまいります。
 また、燃えない、倒れない、安心して住み続けられるまちづくり、それから、美しい緑と、そして水に彩られた都市空間の創出、そして多様なライフスタイルを受け入れて、誰もが健やかに暮らせる場の提供などを行ってまいります。それから、再生可能エネルギーの活用など、ゼロエミッション東京も実現をしてまいります。
 ご質問にもございましたように、ことし五月に世界の都市が集うU20メイヤーズ・サミット、そして同時に、都市の防災フォーラムTokyo、この国際会議を開きます。その成果を踏まえまして、あらゆる人々が活躍、挑戦できて、生活のゆとりを楽しみながら生き生きと交流できる、そんな都市東京の実現を目指してまいります。

○石川委員長 大津ひろ子委員の発言は終わりました。(拍手)

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