予算特別委員会速記録第五号

   午後三時十五分開議

○村上副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 高木けい理事の発言を許します。

○高木委員 東京都議会自由民主党を代表して、締めくくり総括質疑をさせていただきます。
 昨年末の政権交代によって、我が国の雰囲気は一変し、非常に明るくなりました。それは、国民が感じていた漫然とした不安が一つ一つ払拭され始めたからにほかなりません。
 まず、経済の好転、デフレ脱却に向けた明確で具体的な方針が示されたことは、多くの国民の心の琴線に触れました。そして、外交と安全保障に関して、日米関係のきずなの復活が宣言され、我が国外交方針の基軸がはっきりと示されました。
 民主党政権の三年三カ月と違い、政治は為政者、あるいは政権といってもよいと思いますが、それによって変わることを実感した国民に、明るい展望と自信が戻ってきたということができると思います。
 これから六月に都議会議員選挙、七月に参議院選挙が予定をされていますが、二つの選挙を通じて大切なことは、再び決められない政治に後戻りするのではなく、目の前の課題を着実に解決し、国難を乗り切ることのできる確固たる体制をつくることにあると考えます。
 私たちは、来るべき二つの選挙に勝利し、東京からその基盤を築いていきます。そして、そのために力の限りを尽くし、常に都民のための都政に邁進していくことを最初にお約束を申し上げ、順次質問に入ります。
 まず、社会保障と税の一体改革についてお伺いいたします。
 昨年夏、自民党、公明党、民主党による三党合意を経て、社会保障・税一体改革関連法が成立いたしました。
 今回の改革のポイントは、ふえ続ける社会保障関係費という現実を真正面から受けとめ、社会保障の機能の充実と給付の重点化、そして制度の運営の効率化という三点を同時に行い、負担の増大を抑制しつつ、持続可能な制度を実現することにあります。
 そして、こうしたことを財政的に担保するため、その詳細は今後の国の議論にゆだねられることになっておりますが、現行五%の消費税率を、来年四月から八%、再来年十月から一〇%に引き上げることとし、引き上げ分の五%のうち約四%分を社会保障の安定化に、また約一%分を子ども、子育て支援や医療、介護の充実などに充てるとしています。
 この五%の消費税増税によって、地方消費税は約一・二%拡充され、金額にするとこの東京都でも単純計算で年間二千億円の増収が見込まれるわけであります。
 一方で、都の来年度予算では、福祉と保健が初めて一兆円を突破しました。これは高齢化の進展に伴って、後期高齢者医療負担金といった法定の負担金がふえたことが大きな要因になっていますが、いずれにしても、これからも都の社会保障関係費がふえていくことは、だれも否定できないのが現実であります。
 都は今後とも、都民の期待にこたえて、医療、福祉施策等の充実を図りつつ、同時に、こうした社会保障関係費の増大にも対応していかなければなりません。それを支える財政運営という点においても、今回の消費税増税の意義は極めて大きいと考えますが、財務局長の見解を伺います。

○中井財務局長 少子高齢化の進展に伴い、国、地方を通じて社会保障関係費の増大が見込まれることなどから、都はこれまでも、国に対し地方消費税を拡充するよう求めてまいりました。
 こうした中、今回の一体改革により、社会保障の現場を担う地方が安定的に制度を運営するための財源の拡充が一定程度図られることとなったわけでございます。
 今後は、拡充される税源も活用しながら、年々増加する法定の負担金等への対応はもとより、都民ニーズや東京の特性を踏まえた施策を的確に講じていく必要があると考えております。
 また、財政運営という面からは、引き続き事業評価など施策の効率性や実効性を向上させる取り組みや都債の発行抑制、基金残高の確保など、あらゆる努力を重ねて体力を蓄え、持続可能な都政をつくり、都民の負託にこたえ得る財政基盤を培っていかなければならないと考えております。

○高木委員 都においても、社会保障に係る施策を持続可能なものとすべく改革に取り組んでいかなければならないと考えます。
 都民、国民が消費増税は正しい選択だった、これにより施策が安定し、さらに充実が図られていくと実感できるように、来年からの消費増税を見据え、改革に向けて検討に着手し、その道筋を明らかにするよう要望します。
 さて、社会保障・税一体改革関連法では、法人事業税の暫定措置についても重要なことが決められています。
 都議会自民党は、これまで一貫して、この不合理な措置の撤廃を国に訴え続けてきたわけですが、ようやく法律上抜本的な見直しという方向性が明確となりました。しかし、このことをもって安心はできません。地方の中には、東京富裕論による暫定措置の存続を求める声もあり、確実に撤廃されるまでは予断を許しません。
 また、暫定措置導入の際に設置された十三項目の国と都の実務者協議会についても、協議が進まない事項があり、国がきちんと約束を守れるかは、ふたをあけてみないとわかりません。
 こうした中、平成二十六年度税制改正における確実な撤廃に向けて、都議会と都が力を合わせて行動していかなければならないと考えます。我々都議会自民党は、この問題に全力で取り組む決意であります。
 さて、消費税の問題を今回ここで取り上げたのは、主に三つの理由があります。
 これから行われる平成二十六年度税制改正に向けて都の立場をしっかりと主張するために、今から考え方をまとめていただきたいと思っています。消費税の増税は来年度からということでありますが、来年の予算委員会では間に合わないんですね。ですから、ここで取り上げました。
 その次、二つ目は、消費税が一〇%になって、地方税分が約二・二%になるということになりますと、これを見ただけで東京富裕論は再燃すると思います。ですから、そうならないために、今の消費税五%の中の地方消費税一%の算定根拠と、それから消費税一〇%になったときの地方消費税一・二%の算定根拠は、理論的に全く違うということを今から明らかにしておく必要があると思います。
 これはどういうことかというと、社会保障と税の一体改革でありますから、社会保障は自分の居住地で受ける、これが基本になっているんで--今までの消費税一%は、人口割とそれから従業員割で決まっていた。今回の増税をされた分の一・二%は、今度は居住地割だけですから、居住地のところで全部人口割で、それで算定をされる。ということになりますと、人口が少ないところと人口が多いところでは、もう格段に差が出てくる、こういうことになるわけです。
 例えば、どういうことかというと、極端な例を申し上げますと、千代田区は、当然人口が一番少ないですから、消費税が一〇%になって地方消費税が拡充をされたとしても、今の考え方では八億円しか増加にならない。税源としてはいただくことができない。しかしながら、一番人口が多い世田谷区は、百四十億円も増収になるんです。
 ですから、税と社会保障の一体改革の算定の根拠が違うということは、当然、これ東京都も、都道府県も同じですから、東京都はたくさん人が住んでいるんですから、それだけの税源が移譲されてしかるべきだということを私はしっかりと訴えておくべきだというふうに思っています。これが二つ目。
 そして三つ目の理由は、社会保障財源が拡充されたからといって、すぐに目に見える形でサービスの充実というのは、なかなか難しかろうということを広く都民の皆さんにご理解をいただかなければならないと思います。つまり、持続可能社会をつくるためには、これから迎える高齢化社会にどう対処していくのかということを考えなければならないわけで、現在の負担と、それからサービス水準をできるだけ維持していくということを私はやはり考えていくべきだと思うし、だとするならば、単年度二千億円が配分をされる地方消費税を、来年度から、あるいは一〇%になった時点から全部使ってしまうということではなくて、きちっと基金化をするなり何なりして、そして、できるだけ今の負担割合、そして今のサービス水準、それを上げたり下げたりすることなく持続可能な社会をつくっていくということが必要なんだろうと思っておりまして、そのことを今から都民に、その実情を知らせておくということが必要だと思ったから、私は今回消費税の問題を取り上げさせていただきました。
 知事を初めとして、理事者側にも極めて難しいこれからの財政運営に知恵を絞って精力的に取り組むよう要望いたしまして、次の質問に移ります。
 入札契約制度についてお伺いいたします。
 現在の建設労務費や工事用資機材の価格急騰について、総括質疑に先立ち、三月四日の財政委員会で幾つかの問題提起をいたしました。
 都が初めて全体スライド条項の適用を用意していることや市場動向に応じて随時単価を見直していくことなどは評価をいたしますが、実は大きな課題が残されております。
 例えば、スライド条項を適用する際に、受注者に求める負担率の問題であります。工事請負契約書の第二十四条で単品、全体、インフレという三種類のスライド条項が規定されておりますが、それぞれの性格から、受注者に求める負担率が異なっております。
 都は、今回の単価の上昇に対して、全体スライドで対応するとしていますが、同じスライドにおける受注者の負担率は、国と同じ残工事の一・五%のままであります。単品スライド受注者負担率では、中小企業の負担軽減を考慮いたしまして、財政委員会における議論も経て、平成二十年に対象工事の〇・五%へと都独自の変更を行っております。
 さらに、全体スライドと単品スライドを併用することが考えられますが、この場合、国のマニュアルによれば、全体スライドの高い負担率を一律に適用することとなっております。
 国の示している負担率は、いわゆるガイドラインでありまして、都が単品スライドの受注者負担率を〇・五%に軽減をしたように、自治体の独自性を、これは一律に禁止するものではありません。
 スライド条項の運用について都は、発注する公共事業の多くを中小企業が担っているという、この今の現実を踏まえて、独自の立場から適切に対応していくべきと考えますが、見解を伺います。

○中井財務局長 いわゆる全体スライド条項は、賃金、または物価の変動により、契約金額が不適当となったとき、受注者と協議の上、基準とする日以降の残工事金額の増減のうち、一・五%を超える額について契約金額の変更を行うものであります。
 受注者に負担を求める残工事費の一・五%は、物価等の経常的な変動分として、中央建設業審議会の議を経て、公共工事標準請負契約約款に規定されているものであります。受発注者間の負担のあり方については、今後の経済情勢や建設業者の経営状況、国の動向や公共工事を取り巻く状況等を注視しつつ、専門家の意見や全体スライド条項の適用状況等を踏まえ、検討してまいります。
 また、全体スライドと単品スライドを併用する場合については、一律に全体スライドの受注者負担率を適用することのないよう、都独自の運用を検討してまいります。

○高木委員 都市インフラの整備を着実に進めていくためには、受注者に価格上昇の負担を押しつけることなく、発注者である都も適切に負担していくルールをつくることが必要だと思います。スライド条項を適切に運用するよう、強く要望しておきます。
 さて、昨今、自治体が公共事業において、条例で最低賃金を上回る賃金を義務づける、いわゆる公契約条例の議論がございます。十五日の財政委員会においても、都も公契約条例を制定すべきとの議論が一部からありました。
 改めて述べる必要もありませんが、賃金を初めとする労働条件は、労使で決定することが原則でありまして、最低賃金や社会保険加入などの法令を遵守するのは、企業の当然の責務であると考えます。
 ところで、建設業においては、これまでの建設投資の減少によって、中小企業が採算が合わないと思われる低価格でも受注しなければならないケースがあり、このため技能労働者である職人の処遇が低下し、仕事としての魅力が薄れて、若年入職者の減少が続いています。
 建設産業の持続的な発展に必要な人材の確保や、企業間の健全な競争環境の確保には、まず適正な建設投資水準を保つとともに、建設業の実態を把握し、社会保険に未加入の企業等、いわゆる不良不適格業者を排除していくことが必要であります。いたずらに公契約条例を持ち出すのではなく、都は、企業に対して法令の遵守を求めるとともに、契約内容の適正な履行を確保するよう取り組むべきであると思います。
 そこで、発注者として、そうした社会的ルールが守られるかどうかをチェックする仕組みが必要と考えます。公共工事の低価格入札により、下請企業の従業者にしわ寄せが及び、工事品質が低下することのないよう、例えば、社会保険労務士が持っている労働条件審査等のノウハウを活用するなど、民間の第三者によるチェックの手法を用いてモデル調査を実施すべきと考えますが、見解を伺います。

○中井財務局長 公共工事において、透明性、競争性、品質確保の三つの社会的要請にこたえていくためには、建設業を取り巻く状況を踏まえ、入札契約制度を適切に運用していくことが重要でございます。
 このため、都では低入札価格調査において、作業員の労務費等を調査項目としており、調査対象となった元請企業に具体的な説明を求めております。また、業界団体との意見交換会を実施し、建設業における雇用動向をヒアリングするなど情報収集を常に行っているところでございます。
 ご指摘のあった民間の第三者を活用したチェックについては、社会保険労務士会からもその事例や手法などの意見を求め、低入札価格調査に活用すべく、モデル実施を検討してまいります。

○高木委員 ぜひその検討を進めていただきたいと思います。
 次に、多摩産材の活用について質問いたします。
 先日の予算特別委員会総括質疑で我が党の相川委員がこの問題の質疑を行いましたが、今や国民の三〇%が罹患しているといわれる花粉症対策には、杉林の伐採と花粉の少ない杉への植えかえ、この事業こそが抜本的な対策であると思います。
 私も花粉症に悩んでいる一人であります。伐採して植えかえる、これを推し進めるためには、伐採した木材、すなわち多摩産材のさらなる使用拡大を同時に進めていかなければなりません。
 多摩産材を扱う製材業者は、小規模零細であり、製材量も限られていることは承知していますが、だからこそ、民間市場にゆだねるのではなく、東京都の公共工事で政策として多摩産材の使用を計画的にしっかりと行わなければなりません。見解を伺います。

○中井財務局長 東京都の公共建築物等の工事における多摩産材の使用状況は、十年前の二百立方メートル程度から、近年は二千立方メートル程度にまで使用量が増加してきております。最近の使用事例としては、都の研究センターのエントランスホールや都立学校の特別教室など利用者が使用を実感できる内壁面などを中心に行ってきております。
 今後もさらなる使用実績の拡大に向けた取り組みが必要であると考えており、先般も生産状況の調査や製材業者との意見交換を行い、製造しやすい規格サイズの採用や工事受注者による早期注文の調整など課題の把握、対応策の検討を行っているところでございます。
 さらに、都立学校施設整備標準において、多摩産材の使用を具体的に規定するとともに、発注工事に係る年間需要量を取りまとめ、情報提供を行うなど、関係局と連携した使用拡大に取り組んでまいります。
 今後とも、東京都の公共建築物工事における多摩産材のさらなる使用拡大に向け、全庁を挙げて積極的に取り組んでまいります。

○高木委員 かつて工事用資材の流通が十分でなかった時代に、発注者が資材を受注者に支給する方法がありました。多摩産材は支給材として使用するくらいでないと利用拡大はできないのではないでしょうか。あるいは、年間使用量の目標値を立てて確実に使っていくという取り組みでなければ、出口部分がなかなかスムーズに通ることにはならないと思います。
 今の答弁で、取り組みを重ね、さらなる多摩産材の使用拡大を全庁挙げて取り組むとのことのようですが、こうした取り組みを積極的に進めるよう、改めて要望しておきます。
 次に、防災対策について伺います。
 発災時の被害を最小限に食いとめるためには、地域の自助、共助が何といっても重要であり、町会、自治会がそのかぎを握っています。
 昨年十一月、我が党は地域防災計画修正に向けた提言の中で、一人一人が取り組むべき対策を都民にわかりやすく伝えるべきと訴え、地域防災計画の都民向け概要版を作成していただきました。これからはこうしたものを教材として、町会、自治会の身近なメンバーが地域の実情に合わせた学習会などを自主的に開催していくことが望ましいと考えます。
 スタンドパイプといった資器材、つまりハード面の支援とともに、それを扱う人々の意識を高め、知識、スキルを磨いていくソフト面の支援も相まって、地域の防災活動のレベルが上がっていくのが理想的です。ニーズに柔軟にこたえる、いわゆる役所的でない仕組みの学習交流会に、町会、自治会が取り組む活動へのフォローアップもしていただきたいし、また、そうした内容のものをつくり上げていただきたいと思います。
 来年度新たに開始する学習交流会の取り組み内容について伺います。

○笠井総務局長 二十五年度から開始いたします学習交流会は、地域防災を担う町会、自治会などの防災活動の支援を目的として、防災活動の専門家を講師として派遣するものでございます。
 実施に当たりましては、災害時要援護者支援やマンションの防災対策等、多様な講義メニューの中から選択できるようにするほか、地域個別の要望にも柔軟に対応してまいります。また、年間を通じて百回程度開催するとともに、平日のみならず、休日にも受講日を設けるなど、町会、自治会などが受講しやすい環境を整えてまいります。さらには、講義を踏まえて町会、自治会等が作成したハザードマップなどを一定数印刷するなど、受講後のフォローアップも実施してまいります。
 より多くの地域に受講の機会を提供することで、地域の防災活動を活性化してまいります。

○高木委員 発災時に都民が冷静に行動し、救出救助活動などを円滑に行うためには、携帯電話などの通信を確実に確保することが必要であります。
 本委員会の我が党の総括質疑でも、地域で活動する関係機関との通信体制の整備について質疑がありましたが、こうした公的機関同士の無線ネットワークだけでなく、通信事業者など民間による取り組みを促し、発災時に携帯電話の通話規制をかけなくてもいい体制を構築していくことが必要だと思います。
 帰宅困難者が歩いてでも帰ろうとする一番の理由は、家族との連絡がとれないからであります。災害時に携帯電話がかかる環境が確保されれば、安心してとどまることができる。これが私は本筋だと思います。
 民間事業者の取り組みでもあり、技術開発、設備投資など多くの課題はあるでしょうが、都として通信環境の確保が重要であることをしっかりと発信していくべきであります。
 発災時の通信の確保に向けて、民間事業者と連携した都の取り組みについて伺います。

○笠井総務局長 都は、国や通信事業者が参加しました帰宅困難者等対策協議会におきまして、安否確認手段など通信の確保に向けた対策について議論をし、通信事業者への働きかけを行うとともに、国に対しても災害に強い通信基盤の整備について要望を行ってまいりました。
 これを受けて通信事業者は、広範囲に電波を送受信する基地局を全国で百四局、都内では六局を新たに設けるとともに、停電に備えた発電機の整備などを進めております。
 また、都の要望を受けて国の緊急経済対策に伴う補正予算において、防災の観点からの通信事業者のネットワーク強化のための補助や通信の逼迫を回避するための研究開発費用が盛り込まれたところであり、これを活用し、一層の取り組みが進むよう通信事業者にも引き続き働きかけてまいります。

○高木委員 今ご答弁にあった国の補正予算ですが、この災害時の確実な情報伝達を実現するための技術に関する研究開発、これが三十一億円。そして、地域公共ネットワーク等強靱化事業に百二十億円の予算措置がなされた。今のご説明はこのことだと思います。
 問題意識は、実は私の指摘したところと同じでございまして、携帯電話などが緊急時に使えるようにするには、どのような仕組みが必要なのかということについての研究と、そのための施設整備だと思います。
 都としても、国及び民間事業者と連携しながら、災害時の通信量が極度に集中するときであっても、ふだんどおりに携帯電話が使える、それが私はまさに高度防災都市だというふうに思いますから、そこを目指していただきたいというふうに思います。
 次に、木密十年プロジェクトについて伺います。
 木密対策については、今回の特区制度の創設によって複数の支援策を組み合わせて、積極的に対策を講じる区が出てくるなど、この春からの取り組みに大きな期待をいたしております。
 一方で、区は特区としての取り組みだけでなく、都が進める特定整備路線の整備と沿道での不燃化に向けたまちづくりなど、これまでになく複合的に取り組みを進めなければならない状況にあります。
 路線整備で生じた残地を活用したまちづくりや商店街を生かしながらの不燃化の促進など事業経験がある一部の区以外にとっては、こうした取り組みに対応するノウハウや体制が十分ではありませんので、区単独での取り組みには困難が予想されるわけであります。
 都はこれまでも、区の体制づくりを支援するといっていますが、都にしても実は潤沢な人員があるわけではないということであります。
 このような状況の中で、都は区に対して、どのように技術的支援を行うのか伺います。

○飯尾都市整備局長 不燃化特区の取り組みと特定整備路線の整備に伴う沿道のまちづくりを重ねて行うことは、まちの不燃化と延焼遮断効果を同時に高める相乗的な効果が期待できます。
 一方で、こうした取り組みを進めるためには、施策を効果的に組み合わせ、機動的に現場を動かしていく十分な経験とノウハウが必要でございます。
 事業化に当たりましては、都が有するノウハウを提供するほか、まちづくりに豊富な経験がある関係機関を活用するなど、区が行う複合的な不燃化対策を支援してまいります。

○高木委員 知事、ちょっとこのパネルを見ていただきたいんですけれども、これは東京都の技術職員の年齢の分布図なんです。一番ピークにあるこの部分、これはことし五十九歳の職員、これ土木職員であります。ですから、一年、二年たつと、これがずっと当然ながら、こちら側に、左側に移っていくわけですが、そうしますと、特に土木、あるいは建築、こうした職員の人たちは、もういなくなるということなんです。
 こういう職員の山がここに来ているということは、これから木密対策を区の支援も含めてやっていくというときに、私は非常に困難な状況に陥るんだろうなと思いますので、このことを頭に入れながら、今後の政策展開をぜひ考えていただきたい、こう思うわけであります。
 次に、知事は、区の協力のもと不燃化特区を五十に拡大していくというふうに明言をされておりますが、今職員の年齢的な分布図を見ていただきましたのは、そのこととも関連をするわけであります。
 取り組みを拡大して、東京の木密地域の解消を一日でも急ぐことは極めて重要ですが、十年プロジェクトは実質的に残された時間が八年しかないということを忘れてはならないと思います。
 木密地域では、借地借家に絡む複雑化した権利関係や古くからの地域社会特有の密度の濃い人間関係、さらには高齢化などの理由から住民がさまざまな課題を抱えていることが考えられます。こうした住民に対しても、その意向に沿ってきめ細かく対応していくことが、結果として早い合意形成、ひいては防災性のすぐれた安全・安心なまち東京の早期実現につながることになると思います。
 このためには、都が総力を挙げて取り組むことはもちろん、民間の協力を得て、住民が抱える多様な課題に的確に対応できるような体制を築くことが重要であると考えますが、都の見解を伺います。

○飯尾都市整備局長 不燃化特区による安全なまちの実現に向けましては、さまざまな課題を抱える木密地域の住民に建てかえ意欲がわくような環境づくりが重要でございます。
 このため、的確に住民の相談に応じられるよう区の相談窓口の開設と運営を支援するほか、区の要望に応じた弁護士などの専門家派遣を支援してまいります。こうした取り組みに加えまして、地域特有の課題にも対応していくため、実情に精通した地元企業などの活用について、区などと協議を始めたところでございます。
 今後、特区の取り組みを進める中で民間の創意工夫が発揮できるよう、具体的な連携方策を構築してまいります。

○高木委員 次に、不燃化特区における税制上の支援措置について伺います。
 震災時に大規模火災の発生が想定される木密地域において、火よけ地ともなる空き地の存在は、延焼を防ぐ上で非常に重要であります。にもかかわらず、現状では老朽化した住宅を除却すると、その後の空き地には住宅用地の特例が適用されず、固定資産税の負担が上がってしまいます。このことが防災上問題の多い老朽家屋の除却が進まない大きな原因になってきました。
 このような観点から、我が党の神林理事は、先日の予算特別委員会において不燃化特区内の老朽家屋対策を取り上げたところ、主税局長から前向きの答弁をいただきました。
 そこで、もう少し詳しく老朽家屋を除却した都民がどのような税制上の支援措置を受けられるのか、ケース別にお聞きしたいと思います。
 (パネルを示す)老朽家屋を取り壊した場合の跡地の利用形態としては、新しく耐火性のある住宅に建てかえるケース、これがここでいう〔1〕のケースです。それと、除却後の跡地に住宅を建てずに、そのまま空き地にしておくケース、これが除却のみ、〔2〕のケースであります。
 こういうことがあるんですが、まず、住宅を新築した場合、どのような税制上の支援措置が受けられるのか、〔1〕のケースについて伺います。

○新田主税局長 防災上、危険である老朽家屋を除却し、不燃化された住宅を新築した場合におきましては、今回、不燃化特区を対象として都が創設する支援措置によりまして、住宅に対する固定資産税、都市計画税が五年間全額減免されます。
 なお、土地につきましては、引き続き住宅の敷地として使用されますことから、これまでと同様、住宅用地の特例が適用されることとなります。

○高木委員 新築住宅に建てかえるにこしたことはないんですが、現実には、資金や年齢の問題などによって、すぐに建てかえられない場合も多いわけであります。しかも、空き地は、適正に管理がされているならば、防災上、有用性も認められるわけであります。
 そこで、老朽家屋を除却した後、空き地のままにしておくケース、この〔2〕の場合について、税制上の取り扱いはどうなるのか、お伺いいたします。

○新田主税局長 防災上、危険な老朽家屋除却後の空き地に対する固定資産税等の取り扱いでございますが、まず、所有者と区が協定を結び、区が空き地を無償使用するケースでは、公共の用に供する土地として地方税法の規定により非課税となります。また、防災上有効な空き地として所有者等により適正に管理されていると区が認定したケースにつきましては、五年間、引き続き住宅用地並みの軽減が受けられますよう、今回、都独自の税制上の支援措置を講じます。
 このいずれにも該当しないケース、例えば、草木が生い茂ったり、資材置き場として利用されるなど適正に管理されていない場合につきましては、住宅用地の特例が適用されなくなり、原則どおり、非住宅用地として課税することになります。

○高木委員 今のご説明は、除却をした場合に三パターンありますよと。三パターンのうち、区が無償使用する場合、あるいは、適正に管理されている場合、そして除却をしたけれども、適正に管理をされていない場合というようなご答弁だったと思います。
 もう一つ、老朽家屋を除却せずにそのまま放置するケースというのが、この〔3〕なんですけれども、こういうのもあるわけです。今までは基本的にこれだったわけですよね。この老朽家屋をそのまま放置する場合に、老朽家屋を除却しないにもかかわらず、これは引き続き住宅用地の特例が適用され続けるわけです。
 これに対して、先ほど説明のあった老朽家屋を除却するけれども、空き地を適正に管理していない場合、これですね、〔2〕―3の場合は、除却をしたために住宅用地の特例が適用されなくなりまして、土地に係る固定資産税額が約三倍に増加をするということになって、この場合とこの場合、こちらは除却だけはしてくれたという努力は認めてあげた方がいいと思うんです、適正管理かどうかという問題は別にして。この部分に不公平感がぬぐえないというふうに思うわけであります。
 この点に関して、さきの東京都税制調査会の中間報告でも、高齢者の経済的負担など慎重な検討が求められるとしつつも、老朽家屋をそのまま放置している場合は住宅用地に係る軽減措置を縮小すべきとの意見もあるというふうに報告書に書かれております。私も都税調の特別委員ですから、これは十分承知をしております。
 都税調での議論は、木密地域の解消のためには老朽家屋の問題を放置することはできないだろうと、こういうことでありました。そして、周囲に悪影響を及ぼすときなどは、場合によっては、場合によってはですよ、重い税負担を求めることについて、今後研究していくべき課題でもあるんではないか。むしろ、税負担を重くして、除却を促進していくということも実は政策税制としてあるのではないか、こういうことであります。
 さて、これまでケース別に受けられる税制上の支援措置を明らかにしてきましたけれども、その実効性をいかに担保するかということは、これは非常に重要なことであります。
 支援措置の対象である、防災上危険な老朽家屋の除却に当たるか否か、あるいは跡地が適正に管理されている場合に該当するかどうかなどについては、区が認定をすると、こういうふうにいわれております。
 せっかく立派な支援メニューをそろえても、支援を受けるための手続が煩雑であったり、特区の実施主体である区と税制を担う主税局など、関係機関の連携が不十分である場合には、支援スキームの利用が進まずに、実効性が上がらなくなりかねないと私は心配をいたしております。
 この点についてどう対応していくのか、主税局の答弁をお願いいたします。

○新田主税局長 支援措置の対象であります、防災上危険な老朽家屋の除却に当たるのか否か、あるいは跡地が適正に管理されている場合に該当するのか否かにつきましては、お話のとおり、延焼防止や公平性等の観点から、都市整備局において定める基準をもとに、区が地域の実情に即して具体的な認定を行うこととしております。
 主税局では、所有者から区の認定証明を付した申請をいただくことにより、簡便に税の減免を行うこととなります。また、制度の周知は区が主として行うわけですが、該当する方に広くこの制度を利用していただくとともに、減免の手続が円滑に進みますよう、主税局といたしましても、関係局や区と十分に連携を図ってまいります。

○高木委員 私は、これまでも都の施策に協力することで、かえって税負担が重くなってしまうというのは不条理だというふうにいってまいりました。これは、例えば緊急輸送道路の沿道耐震化の問題にも共通すると思います。
 今回の税制上の支援措置は、こうした矛盾を回避いたしまして、施策推進に向けた都民の協力を引き出していく、そういう考え方でありますから、主税局の対応に私は一定の評価をさせていただいているわけであります。
 主税局においては、今後も、歳入所管局として最大の使命である税収確保に努めるとともに、税負担の公平性確保とのバランスを図りながら、関係局とも連携し、都政の重要課題の解決に向け、税制インセンティブを活用する政策税制にも積極的に取り組んでいただきたいということを要望しておきたいと思います。
 次に、特定整備路線について民間専門事業者の具体的な活用策について伺います。
 延焼遮断帯を形成するなど、防災上整備効果の高い都市計画道路である特定整備路線の整備を強力に推進することは極めて重要であります。しかし、二〇二〇年までという目標を達成するには時間が限られております。
 特定整備路線の整備において、目標達成の成否のかぎを握るのが用地取得でありますが、これまで以上に早期に用地取得を進めていくためには、地元に入って、きめ細かに住民の不安に対応していく必要があり、都の職員だけではなく、専門性を持った民間の知識やノウハウも活用していくことが重要であると考えます。
 先般の本会議における我が党の代表質問に対して、都からは支援策として、路線ごとに民間の専門事業者を活用した相談窓口を設置するという、こういう答弁がありました。
 そこで、この相談窓口では、民間専門事業者を具体的にどのように活用するのか、見解を伺います。

○村尾東京都技監 用地取得の第一歩となる用地の説明会の段階で、すべての関係権利者を対象とした意向調査を実施し、個別のニーズを把握するとともに、路線ごとに相談窓口を設置いたしました。
 相談窓口には、不動産、建築、設計などのノウハウを有する専門事業者を置きまして、関係権利者が気軽に相談でき、一人一人の事情に対応できる体制をつくってまいります。
 具体的には、移転を希望する方には、地元の不動産事業者などの豊富な情報をわかりやすく説明して、物件の確保を支援いたします。また、再建を希望する方には、建築や設計の専門家などにより、再建プランの作成を支援してまいります。
 このように、民間専門事業者の幅広い知識やノウハウを活用して、関係権利者の意向に沿った移転や再建の支援を積極的かつきめ細やかに行うことにより、早期の用地取得に結びつけてまいります。

○高木委員 木密地域の整備は、一刻を争う時間との勝負でもあります。あらゆる工夫を凝らし、早期の整備を期待します。
 次に、特別区都市計画交付金について伺います。
 本交付金は、長年にわたって特別区の都市計画事業の円滑な促進に大きな役割を果たしてきました。しかしながら、東日本大震災後は、これまで実施してきた都市計画事業に加え、防災対策が焦眉の急を要する課題となっています。
 多くの特別区では、防災関連事業を最重要課題と位置づけており、また、都においても木密不燃化特区事業を創設し、特別区の主体的な取り組みを支援することとしております。
 都市計画交付金について、平成二十五年度予算案では百九十五億円と対前年度比で五億円増額されたことは一定の評価をいたしておりますが、今後、さらに特別区の防災対策事業を促進させ、木密対策などの都の施策を誘導するには、対象事業の条件緩和や内容の充実を図るべきではないでしょうか。所見を伺います。

○笠井総務局長 特別区都市計画交付金は、これまでも区立公園や区道の整備、市街地再開発事業や区画整理事業など特別区の行う都市計画事業の促進を図ってまいりました。
 今年度には、区が施行する鉄道連続立体交差化事業を新たに交付対象とするなど、都として事業の必要性や実施状況を勘案し、その都度、内容を見直ししてまいりました。
 理事ご指摘のように、特別区が実施いたします防災対策事業の重要性は認識をしておりまして、最優先で取り組む課題であると考えております。
 このため、十二の地区で事業実施が予定されている木密不燃化特区事業など、都の施策を推進する事業を初め、特別区の防災対策事業が促進するよう、来年度の早い時期までに見直しを検討してまいります。

○高木委員 続きまして、水道の給水安定性の向上について伺います。
 我が党は、さきの大震災を受け、将来を見据えた震災対策を重ねて主張してまいりました。これに対して、水道局が耐震継ぎ手化十カ年事業等の対策を積極的に展開していることを高く評価いたしております。
 一方、震災時に、水道水が届かなくなる地域が生じることは、被害想定を見ても明らかであります。そのため、水道管の耐震化はもとより、水を蓄える機能を持つ給水所の整備を計画的に進めることが必要と考えます。
 給水所は、平常時の安定給水に加え、震災時には給水拠点として水道水を地域住民へ供給する役割を担う重要な施設であります。現在、区部北部地域にはこうした施設が少なく、震災時の水の確保が心配されております。
 そこで、この地域における取り組みについて見解を伺います。

○増子水道局長 水道局では、平常時はもとより、震災時や事故時等におきましても、可能な限り給水を確保するため、給水所の整備などを計画的に推進してきております。
 ご指摘の区部北部では、北区や荒川区、足立区にまたがる地域におきまして、バックアップ機能が十分でないことから、幹線管路の事故時や震災時の給水安定性に課題を抱えております。
 このため、荒川とJR京浜東北線に囲まれたエリアに給水する配水池容量五万立方メートル規模の新たな給水所を王子地区に整備することといたします。平成二十五年度から調査設計に着手いたします。
 この施設が完成し、ポンプ設備が整備されますと、区域内における約二十六万人のお客様の給水安定性が格段に改善するとともに、隣接する地域における給水の安全度が向上いたします。

○高木委員 区部北部、この地域にも給水所が整備されることを聞いて、大変安心をいたしました。
 先ほど述べましたけれども、給水所は発災後の応急給水活動に不可欠な給水拠点になります。しかし、発災直後には、交通機関や道路事情により職員が速やかに参集できないことも想定されます。そのため、近隣住民の方々が自分たちで応急給水ができるように、ここに給水拠点をあらかじめ整備しておくことが必要ではないでしょうか。見解を伺います。

○増子水道局長 給水所は、安定給水のかなめとなる施設であり、常時一定の水道水を貯留することから、震災時の重要な応急給水拠点となります。このため、給水所の整備に当たっては、発災後、水道局職員の参集を待たずに、住民みずからが応急給水を行えるよう、施設用地内に応急給水エリアを区画し、専用の給水栓などを設置いたします。
 またあわせて、水道局職員や区職員、地域住民と協力して、応急給水訓練を繰り返し実施することにより、震災時の給水活動を確実なものにしてまいります。

○高木委員 地域における応急給水拠点の整備をしっかりと推進をしてもらいたいと思います。
 また、このような施設は、住民にとって安心感を身近に与える地域のランドマークになることが望まれます。
 今回整備するJR京浜東北線の東側には、防災活動拠点となる公園緑地などのオープンスペースが少ないわけでありまして、そのため、整備後の給水所上部は、震災時の自助、公助に役立つスペースとして活用できるようにしてほしいと思います。
 そこで、給水所上部の活用について、見解を伺います。

○増子水道局長 給水所は、広大な用地に整備され、最高水準の耐震性を有する施設であることから、地域における重要な防災拠点となります。また、給水所には、応急給水施設を整備することから、配水池上部をオープンスペースとして活用することで、防災機能を高める相乗効果が見込まれるため、ご提案の趣旨を踏まえ、検討してまいります。

○高木委員 今お話しの王子給水所は、恐らく統廃合で閉校になった旧桜田小、桜田中学校の跡地につくられることになるわけであります。
 改めて申し上げるまでもないんですが、ここは東京メトロ南北線の王子神谷駅の駅の目の前になるんです。この立地でありますから、地域の特性や環境、あるいは地域住民の要望、それから防災やまちづくりの観点とか、あらゆる側面から考えて、この給水所の配水池は、すべて地下に埋設すべきだというふうに私は思っています。
 そして、地上部は芝生広場にしていただいて、平常時にはスポーツ、あるいは区民の憩いの場、災害時には給水拠点のある避難場所になるように整備すべきと考えます。
 水道局の格段なる、格段なるご協力をお願いいたしまして、新たに整備をいたします給水所が地域に大いに貢献することを期待を申し上げて、次の質問に移らせていただきます。
 防災教育について伺います。
 去る三月十一日には、全国で東日本大震災の追悼行事が行われ、多くの報道がなされましたが、時間の経過とともに、世間では被災地への関心が薄れつつあるように感じます。
 今回の大震災を決して風化させてはならないと思います。これからの社会を担う若者に大震災の記憶を語り継ぎ、災害への備えや災害発生時の対処法などを学んでもらうことが大切であります。
 さて、今回の大震災では、自衛隊、警察、消防等の公的機関が大切であることを改めて国民は認識することになりました。
 特に、消防団の共助としての役割は特筆すべきものがありまして、若者が地域の防災活動に関心を持つとともに、消防団のことも正しく理解し、進んで参加できるようにすることが求められています。
 今年度、都教育委員会は、地域の安全を支える一員として必要な社会貢献意識と実践力を身につけた生徒の育成をねらいとして、防災教育推進校の事業に取り組んでいると聞いており、大きな期待を寄せております。
 そこで、今年度の防災教育推進校の取り組みと成果について伺います。

○比留間教育長 防災教育推進校は、自校の防災だけでなく、近隣住民の安全を支える高い社会貢献意識と実践力を持ち、災害時に活躍できる人間を育てることを目的としております。
 推進校十二校では、生徒が防災活動支援隊を結成し、町内会等の消防訓練に参加をいたしました。また、東京消防庁消防学校での二泊三日の実践的な宿泊訓練に二千五十九人が参加し、初期消火方法や緊急搬送法等を学び、上級救命講習を受講いたしました。さらに、教員や生徒が被災地を訪問し、被害状況の視察や現地の生徒等と交流活動を行ったところです。
 これらの活動を通して、すべての生徒が上級救命技能認定証を取得するなど、実践力を高めるとともに、九割を超える生徒が、学んだ内容を災害時に役立てたいとアンケートに回答するなど、みずから率先して役割を果たそうという意識への変容が見られ、さまざまな成果が得られたと考えております。

○高木委員 防災教育推進校での取り組みが成果を上げているということがわかりました。また、都立高校では、全校で一泊二日の宿泊防災訓練を実施するなど、防災教育の充実に取り組んでいるとも聞いています。
 そこで、防災教育推進校の取り組みの成果を踏まえ、都立高校における防災教育を今後どのように進めていくのか伺います。

○比留間教育長 首都直下地震などを想定し、生徒が避難生活における困難な状況を体験して、災害発生時の心構えや対処について学ぶことができるよう、本年度からすべての都立高校で一泊二日の宿泊防災訓練を実施しております。
 地域との連携によって世の中の役に立ちたいという思いを抱くようになるなど、生徒の意識の変容が見られた防災教育推進校の成果を踏まえ、今後は各学校の訓練を校内の活動にとどめず、幼稚園や小中学校との合同訓練、高齢者の避難誘導訓練など災害時に近隣住民の安全を支えることができるよう内容の充実を図ってまいります。
 さらに、消防、警察や自衛隊等との連携を進めるなど、生徒が社会貢献意識と実践力を高め、将来、災害時支援ボランティアや消防団に加入するなど、地域の防災活動に貢献できるよう、各学校を計画的に指導してまいります。

○高木委員 すべての都立高校において、地域の防災活動へ積極的に参加するよう、防災教育の一層の充実を期待いたしまして、次の質問に移ります。
 震災瓦れきの処理について伺います。
 都は、東日本大震災直後から、いち早く被災地の瓦れき受け入れを決定し、議会も震災三カ月後の平成二十三年第二回定例会で大型補正予算を可決いたしまして、全国に先駆けて震災瓦れきを受け入れてまいりました。
 瓦れきの受け入れに当たっては、放射能汚染の不安を払拭するため、処理施設が設置されている自治体ごとに住民説明会を行い、放射能の測定結果を迅速にホームページで公表するなど、都民の理解に努めながら、安全に処理を進めてきました。
 また、民間事業者と連携した混合廃棄物の受け入れは、被災地での選別作業を軽減し、広域処理の迅速化に大きな役割を果たしています。このように、官民が一体となった震災瓦れきの受け入れは、被災地の復旧、復興に多大な貢献をしており、大いに評価をいたしております。
 震災からはや二年が経過いたしましたが、国は、宮城県及び岩手県の震災瓦れきの処理には、もう一年かかるとしています。都の受け入れスキームを生かした今後の広域処理の予定について伺います。

○大野環境局長 都は、被災地で発生するさまざまな災害廃棄物に対応できる受け入れスキームをつくりまして、区市町村の清掃工場で可燃物を約三万二千トン、民間の産業廃棄物処理施設で混合廃棄物や腐敗の早い廃畳などを約六万八千トン受け入れてまいりました。
 宮城県では、県内の施設で処理が可能となったことから、広域処理は、この三月末で終了いたします。一方、岩手県からは、県内の処理施設の不足のため、現在、陸前高田市及び釜石市の混合廃棄物の処理要請がございます。
 都内の産業廃棄物処理事業者は、建設廃棄物の選別、リサイクル技術を有しておりまして、被災地にとっては負担の大きい詳細な選別をせずに受け入れることが可能でございます。
 岩手県から要請のあった混合廃棄物につきましては、これら処理事業者と連携しまして、新たに四月から十二月まで合計五万トンを受け入れ、災害廃棄物の早期処理に貢献してまいります。

○高木委員 被災地の早期復興のためには、地道な都の支援が必要だと思いますので、産業廃棄物処理業界等と一体となって、引き続き頑張っていただきたいというふうに思います。
 ところで、首都圏においても、今後いつ大地震が発生してもおかしくないといわれており、都が昨年四月に見直した被害想定によれば、東京湾北部地震が起こった場合には、約四千三百万トンの瓦れきが発生するとされています。これは、都内で発生する廃棄物の埋立処分量に換算をいたしますと、約四十年分に相当するというふうにいわれております。
 震災から早期の復興を果たすためには、これら大量の瓦れきの分別、リサイクルや処分を計画的かつ迅速に実施する必要があり、そのためには事前に瓦れき処理体制や処理フロー、集積場所などを定めた瓦れき処理マニュアルを作成しておくことが重要であります。
 現行法においては、震災で発生した瓦れきは一般廃棄物であり、その処理の実施主体は区市町村であります。総務局の調査によれば、昨年四月現在、既に瓦れき処理マニュアルを作成済みの自治体は六区一市にとどまり、かなり少ないといわざるを得ません。
 区市町村の瓦れき処理マニュアルの作成に向けて、都は今後どう支援していくのか伺います。また、都の支援により作成された瓦れき処理マニュアルを全国に情報発信していくべきと考えますが、あわせて伺います。

○大野環境局長 都は、区市町村の瓦れき処理マニュアルの作成を支援するため、昨年、被災地の教訓を学ぶワークショップを合計四回開催し、五十三の自治体が参加いたしました。
 ワークショップでは、瓦れき処理事業に携わっております宮城県及び仙台市の職員から、あらかじめ発災時の役割別のチームを編成しておくことや、分別等の作業が可能な一定規模の集積場所を決めておくことの重要性などをお話しいただきまして、その経験やノウハウの共有を進めてまいりました。その結果、新たに約二十の区市町村が瓦れき処理マニュアルの作成を進めてきております。
 都は来年度、被災地の経験を生かした実効性の高い区市町村マニュアルを紹介する講習会を開くとともに、区市町村が被災地の瓦れき処理現場を実際に見る見学会を開催するなど、引き続き区市町村でのマニュアル作成を支援してまいります。
 また、全国の市町村が瓦れき処理マニュアルを作成する際の参考となるよう、ワークショップで使用した資料や東京の区市町村マニュアルを全国に情報提供してまいります。

○高木委員 より一層の作成支援に、都は努めていただきたいと思います。
 次に、航空路線の整備について伺います。
 知事は、施政方針演説で多摩・島しょ地域の振興に力を尽くすと述べられました。東京の島しょは、変化に富んだ自然景観や貴重な動植物、豊かな漁場、魅力あふれる地域資源に恵まれています。また、そのほとんどの地域が国立公園に指定され、島しょは、都民はもとより、国民共通のかけがえのない財産であるといえると思います。
 このような大自然の魅力がある一方で、島の方々は常に自然の脅威と隣り合わせの中で生活しており、島と本土を結ぶ交通手段の確保は島の生命線であります。特に、三宅島航空路は、これまでも廃止や路線復活など、さまざまな動きがあり、最終的には路線が維持されてはいるものの、その結論に至るまでには都としても多くの苦労があったと聞いております。
 このように、離島航空路線は、採算性などの点から常に廃止の危機に直面しているのが現状であり、路線維持を図るためには不断の努力が必要であります。
 そこで、火山ガスで苦しむ三宅島路線はもとより、島民の足である離島航空路線についてしっかりと維持確保をしていくべきと考えますが、知事の基本的な見解を伺います。

○猪瀬知事 本土と三宅島は船で七時間ですが、飛行機ならば一時間で済みます。この時間的、空間的な壁をなくす飛行機は、定期船とともに島民の生活向上に不可欠であります。
 三宅島と羽田を結ぶ航空路線は、平成二十五年度末をもって廃止となりますが、そこで東京都は、平成二十六年度から調布との路線を新設し、空の足を確保するとともに、利便性の向上を図ります。
 まず、これまで一日一便だったものを、小型機ですが三便にふやして運航させます。さらに、就航率が、これまで火山ガスの影響を受けて三〇%台と低迷してきましたが、最近のガスの放出量は大幅に減少して、この五年間で三分の一ぐらいになっています。
 さらに、本年六月からガスの拡散予測の精度を高めるということで、五〇%の就航率は目指せると。ですから、一日一便であったものが、しかもそれ三〇%と。今度は三便で五〇%と、大分違ってきます。
 また、大島、新島、神津島便については、現在、調布飛行場での離発着が有視界飛行方式となっていますが、四月からは計器飛行方式で行える予定でありますから、これによって、現在約八〇%である就航率は九〇%というところまでいくと思います。
 今後とも、離島の航空路線の維持確保を図り、伊豆諸島に暮らす二万五千人の方々の生活を守り、島のポテンシャルを引き出していきたい。

○高木委員 知事の大変力強い答弁をいただきまして、安心をいたしたわけでありますが、輸送力、就航率ともに将来に期待ができるということだと思います。島民の生活や産業を支える重要な空の足である離島航空路線を、引き続きしっかりと確保するよう取り組んでいってもらいたいと思います。
 次に、環境政策について伺います。
 都は、平成二十二年度から世界初の都市型キャップ・アンド・トレード制度を開始いたしました。これはCO2削減に向けた都と民間の協働による画期的な取り組みと高く評価をいたしております。
 平成二十七年度から始まる第二計画期間まであと二年ほどとなり、都は今月初め、第二計画期間の内容について案を提示し、意見募集を開始しました。案では、第二計画期間からの削減義務率を一七%としています。この一七%は、制度開始前から既に見通しとして示されてはいましたが、その当時は、非常に野心的な数値で到達は困難ではないのかというふうに考えていました。
 ところが、震災後の節電の影響もあり、平成二十三年度の大規模事業所の排出量は、平均で二三%削減されたと聞いております。
 都内の大規模事業所は、なぜこれだけ削減できたのか、また、都は、今回の結果をどのように評価しているのか伺います。

○大野環境局長 お話のとおり、昨年度は基準排出量に対し、平均二三%の削減となりましたが、これは、以前から対象事業所が本制度に向けまして積極的に省エネ対策に取り組んできたことが、震災後の節電においても大きな成果を上げたものと考えております。
 例えば、これまでテナントビルで省エネ対策を行おうとしても、テナントの協力を得にくいという課題がございましたが、本制度では、テナントがビルオーナー対策に協力する義務を課しました。
 制度開始後は、テナントビルのオーナーとテナントが協力して対策を行うテナント協議会が定期的に開催されるようになりまして、こうした仕組みは、円滑に節電を行う上でも大変効果的でございました。
 また、本制度の義務履行に向け、さまざまな省エネ対策のCO2削減効果を事前に推計し、対策の優先順位をつけていましたために、効果の高い対策から実施し、無理なく節電が行えた事例もございます。
 キャップ・アンド・トレード制度の対象となっております約千四百の大規模事業所で、都内の電力使用量の四分の一を消費しておりまして、本制度を着実に運用していくことは、CO2の排出削減だけでなく、電力の安定確保にもつながる重要な需要側の取り組みであると考えております。

○高木委員 千四百事業所が都内の電力の四分の一を消費しているという実態を考えると、本制度で着実に節電を進めていくことは大変重要であり、火力発電所の稼働が増加している今こそ、しっかりと進めていくべき施策だと思います。
 さて、先ほど申し上げたように、都が開始した意見募集では、第二計画期間のCO2の削減義務率については、当初の見通しどおり一七%と示されています。
 都は、どのような考え方で一七%を設定したのか伺います。

○大野環境局長 削減義務率につきましては、平成二十二年度からの第一計画期間では、大幅削減に向けた準備期間と位置づけまして、八%ないし六%としておりました。
 平成二十七年度から始まります第二計画期間につきましては、第一計画期間での進捗を踏まえ、より大幅な削減をしていただく期間として、一七%という見通しを第一計画期間の開始前に示しておりました。これは、対象事業者から長期的な投資計画を立てやすくするために、見通しを早く示してほしいという声があったためでございます。このたび、専門家の意見も聞きながら、節電後の状況を踏まえて、対象事業所の今後の削減余地について検討を行いました。
 この結果、実施可能な一般的な省エネ対策によって、一七%の削減義務率であっても、約九割の事業所で義務履行が可能ということがわかりました。このため、今回の意見募集では、一七%の削減義務率を提示したものでございます。

○高木委員 削減義務率が一七%になりますと、我が党が代表質問でただしたように、中小企業が所有をしておりますエネルギー使用が多い大規模事業所の一部には、義務履行が困難なところもあると聞いております。また、新築ビルなど第二計画期間に新たに対象事業所となる場合に、他の事業所と同様に一七%の削減義務率を課すことは適当ではないのではないかと思います。
 このような場合に、都はどのような対応を考えているのか伺います。

○大野環境局長 ご指摘の中小企業の所有する大規模事業所につきましても、他の事業所と同様に、第一計画期間内においては、継続的に省エネ対策を進める体制が整いまして、着実な削減が進んでおります。
 先日、緊急要望をいただきましたが、第二計画期間において、削減義務率が一七%となりますと、大規模な省エネ改修が必要な場合、そうした中小企業所有の事務所では、資金調達が困難であることから、削減義務としては対象外とする案を提示しております。ただし、現行の削減レベルを維持していただくため、これまでと同様、削減対策等の計画を求める予定でございます。
 また、第二計画期間から新たに対象となる事業所につきましては、第一計画期間から対象となった事業所との公平性の観点から、第一計画期間と同様の八%ないし六%の削減義務率とする案を提示しております。

○高木委員 ぜひ、実態を踏まえた対応をお願いしたいと思います。
 このほか、将来の我が国を担う人材を育成する大学等の教育機関、都民の生命や健康の維持回復に欠かせない病院等については、一定の配慮が必要だと思います。都においては、この点についても適切な対応をしていただき、円滑な制度運用による着実なCO2削減を進めていただきたいと思います。
 次に、感潮河川について、水質改善の取り組みについて伺います。
 河川は、都市の豊かさや潤いを生む貴重な都市空間であり、都はこれまで、川沿いの緑化や景観に配慮した護岸整備など、治水と親水に配慮した河川整備を進めてきました。
 多くの河川では、水質も以前に比べて大きく改善されており、神田川ではアユが確認されるなど、魚も再びすむようになっています。
 一方で、潮の満ち引きの影響を受ける、いわゆる感潮域の河川では、水の流れが滞るため、大雨の際に、下水道から流入した有機物が川底にとどまり、気温などの条件によっては水面に浮上して悪臭を発生させている箇所もあると聞いています。
 私の地元、石神井川下流部の感潮域でも地元から改善の要望が多数寄せられており、このような河川において環境の改善をさらに進めていただくことが必要と考えます。
 そこで、平成二十五年度は、臭気対策など感潮河川の水質改善に向けて、どのような対策を進めるのか、石神井川での取り組みも含めて伺います。

○村尾東京都技監 いわゆる感潮河川において臭気の発生を防止するには、しゅんせつなどの対策が重要でございます。
 都は、船舶による機械施工が可能な河川において、大規模なしゅんせつを行っており、平成二十五年度は、隅田川や新河岸川など五河川で実施いたします。
 一方、区管理河川では、日常の維持管理の中で小規模なしゅんせつなどを区が行っており、二十五年度は石神井川や目黒川など四河川で実施する予定でございます。さらに、石神井川では、地元区が臭気対策実験に取り組んでおりまして、川底付近での溶存酸素量が極めて少ないことから、今年度は川底を水流で撹拌させ、オゾンを送り込む実験を行っております。
 この結果、一定の効果が確認されており、二十五年年度も引き続き、都として技術的アドバイスなどを行ってまいります。
 今後とも、下水道局や地元区とも連携してさまざまな工夫を行い、河川の環境改善に努めてまいります。

○高木委員 石神井川の問題については、ちょうど四年前の予算委員会を思い出すわけなんです、ここで。当時、JR王子駅の公衆トイレから汚水が直接石神井川に垂れ流されていたという事故がありました。川の臭気は、そのことだけが原因ではないと思うんです。しかしながら、地元の住民としては大変不愉快な思いをしたわけです。
 四年前の予算委員会で、当時、石原知事が、これはまさに言語道断の問題と、反省の材料になりました、できるだけ早く対処いたしますと、改善に向けて前向きなお言葉をいただいたわけでありますけれども、いざ四年たって、結果として臭気はなくなっていません。
 臭気対策と同時に、水の浄化実験も繰り返されているようですけれども、私たち地元住民はいつまで待てばいいんだというふうに思っているんです。日がたてばたつほど、切迫感もスピード感もない行政に対して不信感が募っているのは、地元住民の率直な感情であります。
 私は、四年前の事故以来、石神井川の浄化対策について幾つかの提言もし、あるいは関係局に働きかけもしてまいりましたけれども、残念ながら、本当に残念だけれども、努力をしようという姿勢が乏しいように感じています。不幸な事故が教訓となって行政がしっかりと責任を果たしたといわれる日が、私は一日も早く来ていただくことを願ってやみません。
 知事、そのときの話は聞いていたと思います、副知事でいらっしゃったから。ああいうことが起こって、石原知事があのときやるといったんですから、これは東京都行政として責任を持って、しっかりと臭気対策に取り組んでいただきたい。
 そして、この地域の住民が、私たちは、ああいう事故があったからこそ、川がきれいになってよかったねという日を待っていますから、ぜひそれは重く受けとめていただいて--四年前をまた思い出したんですよ、ここで。この質問をやるので、思い出してしまったんだよ。ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、産業振興について伺います。
 まず、中小企業振興について伺います。
 安倍政権の打ち出した経済政策、いわゆるアベノミクスは、先月成立した国の補正予算による緊急的な経済対策のてこ入れも加わって、引き続き経済を上向きにする力強い施策になるものと私は確信をいたしております。
 こうしたアベノミクスについては、財政や金融の面からの対応だけでなく、もう一つの重要な方針である成長産業の支援という部分にもしっかりと着目しておくことが重要であると考えます。
 これからの成長分野で中小企業が力を発揮して、経済の回復の道筋を確かなものにするとともに、売り上げや収益の確保を着実に図ることが重要であります。
 都としても、アベノミクスの掲げる成長分野での産業振興という考え方を共有しながら、中小企業支援に力を入れていくべきと考えますが、所見を伺います。

○中西産業労働局長 国では、持続的な成長を実現するために、産業の競争力強化や国際展開に向けた新たな成長戦略が議論されております。都といたしましても、中小企業を成長軌道に乗せることが、東京の産業力を高め、経済の活性化につながるものと考えております。
 環境や健康など今後の成長が期待される産業分野への中小企業の参入促進という観点では、これまでの取り組みの実効性をより高めるために、産学公連携の強化を図ってまいります。
 また、拡大する海外市場を視野に、販路開拓支援を行っており、知的財産の保護、活用策の一層の充実を図ることで、都内中小企業のすぐれた技術などを守り、積極的な海外取引を後押しいたします。
 今後も、成長分野での産業振興を推し進め、中小企業の発展を実現してまいります。

○高木委員 次に、技術、技能の継承について伺います。
 日本のものづくりは、常によりよいものをつくって人を喜ばせたいという日本人の精神性からくる飽くなき努力や工夫に支えられてきました。情報技術を初め、さまざまなテクノロジーが急速に進化する現在にあっても、ものづくりを支えてきた中小企業、中でも小規模な企業や個人が持つ技術、技能を維持し、次世代につなげていくことは重要であります。
 例えば、私の幼少期には極めて身近な存在だった大工あるいは左官、そういった技能者を、最近とんと見かけることが少なくなりましたが、業界の方に聞くと、やはり職人の数が激減しているということのようであります。職人の繊細な技術、技能は、日本のものづくりの原点であり、そうした技術や技能が失われることを、私は大きく憂えているわけであります。
 小規模な企業の事業所数が減少し、従業員の高齢化が進む中、東京都は、技術、技能の継承に対する支援を積極的に行うべきと考えますが、見解を伺います。

○中西産業労働局長 中小企業が現場で培ってきた高度な技術、技能は、日本のものづくりの基礎であり、これを次世代へ継承していくことは、産業の活性化のためにも重要でございます。
 しかしながら、小規模な企業の多くは、指導スキルを有する人材が不足しており、企業単独で技術、技能の継承を行うことは困難になっております。このため、これらの企業が協力して行う技術、技能継承の取り組みを支援することが効果的でございます。
 そこで、都は新年度から、中小企業団体中央会による業界ごとの次世代育成のための研修や、事業協同組合等が実施いたします技術習得の実地訓練、マニュアル策定等に係る経費を助成することといたします。
 こうした取り組みによりまして、中小企業の技術、技能の継承を積極的に支援してまいります。

○高木委員 次に、中小企業の金融支援について伺います。
 我が党は、本定例会ではここまで、特別借りかえ融資等、金融円滑化法終了に伴う個別対策を中心に質疑をしてまいりましたが、最後に、中小企業の資金繰りのかなめである制度融資について、都の産業政策の柱であるという大きな観点から質問したいと思います。
 制度融資は、都内中小企業の約半数に相当する約二十三万社が利用しており、その貸出残高は、平成二十三年度末で約五兆三千億円に及ぶと聞いております。この貸出残高がどのように積み上がったのか、過去にさかのぼって考えてみる必要がありますが、平成二十年秋のリーマンショック後に創設された緊急保証制度により中小企業者が資金調達を加速させたことが、最も大きな要因であると考えられます。
 私は、単年度の融資額だけではなく、やはりこの残高というファクターにも、今後は着目していくべきではないかと考えます。
 そこで、この間の各年度の融資実行額と融資残高の推移について、まず伺います。

○中西産業労働局長 理事ご指摘のとおり、平成二十年度の制度融資の実行額は、リーマンショック後に創設された緊急保証制度が多くの中小企業に利用された結果、融資目標額一兆七千五百億円を大きく上回る約三兆一千億円に達したところです。
 その後、中小企業金融円滑化法の施行により、借入条件の変更を受ける企業が増加したことや、債務の返済が進まない企業の借り入れ余力が低下したこと、また、景気低迷による前向き資金の借り控え等の要因により、二十一年度の融資実行額は約二兆五千億円、二十二年度は約二兆二千億円、二十三年度は約一兆七千億円と減少傾向にございます。
 そうした中で、長期の借り入れが多い緊急保証制度の利用が大きく伸びたことから、この間の融資残高は、約五兆三千億円から五兆五千億円で推移しております。

○高木委員 ただいまの説明で、単年度の融資実行額が減っていても、一方で融資残高が積み上がっている状況がわかりました。このことから、単年度の融資実行額だけに着目するのではなく、融資残高までを視野に入れておく必要があるということが、改めて確認できました。
 そして、制度融資を通じた金融機関の単年度の新規貸し出しと残高ベースでの貸し出しの両方を支えているのが、都から金融機関に預け入れられている預託金であります。
 預託金は、金融機関による新規貸し出しの原資の一部となりますが、補助金などとは違い、返済が進めば後々しっかりと戻ってくるお金であります。一定期間、金融機関に預けておくことで、中小企業への円滑な資金供給に大きな効果を発揮します。まさに血液の循環と同じであると思います。
 また、この預託金は、複数年度にわたり預け入れを行うことによって累積していくものです。したがって、毎年度の預託金については、当該年度の資金需要の動向を的確に踏まえつつ、手厚い措置をしっかりと続けていくことが、新規の中小企業への融資を支える一方で、過去の借入額についてもしっかりと支えることになるわけであります。
 中小企業に対するトータルの資金供給額を支える上で重要な預託金について、二十五年度はどのような考え方で措置をされているのか伺います。

○中西産業労働局長 制度融資の預託金は、中小企業への貸出金利の低減を図るとともに、預託額を上回る融資を実現するという呼び水効果がございます。また、ご指摘のような、中小企業に対する資金供給量の全体を支えている側面もあることから、毎年度の預託を的確に実施していくことが極めて重要でございます。
 平成二十五年度は、円滑化法終了に伴う借りかえ需要に加え、緊急保証制度での借入返済が進むことによる新しい資金需要の発生や、景気回復による資金ニーズの増大等に適切に対応していくため、前年度に比べ二百三十億円増となります二千七百五十四億円の預託金を計上いたしました。
 今後とも、必要な規模の預託金を着実に措置することにより、金融機関の積極的な貸出姿勢を引き出し、中小企業の資金需要に的確にこたえてまいります。

○高木委員 ここまで、中小企業の資金繰りを支える制度融資の仕組みについて確認してきましたが、個別融資制度についても、一点要望をしておきたいと思います。
 長引く景気低迷の影響で、都内の廃業率は開業率を大きく上回る状況が続き、創業の促進による産業の活性化が大きな課題となっております。創業を目指す起業家に対する支援は重要であると思います。
 特に、私は、夢とアイデアを持ち、起業を志す若者、そして、これまでの経験、ノウハウを生かして新たに一歩を踏み出そうとするシニア層、あるいはまた、女性などの創業を促すことは、これからの社会構造の変化の中で大変意義あることと考えます。例えば、アメリカでは、こうした方々に対する支援、いわゆるマイノリティー枠といわれる特別の融資制度によって、企業育成が盛んに行われていると聞いています。
 今後はぜひ、こうした方々に対する積極的な取り組みを促す観点から、資金面の支援についても検討していただくよう求めておきたいと思います。
 次に、子育て支援について伺います。
 保育サービスについては、この間、予算特別委員会でさまざまな議論がありました。
 都はこれまでも、保育サービス拡充緊急三カ年事業を実施するなど、保育サービスの充実に取り組んできました。しかしながら、就学前児童人口の増加や景気低迷等の影響により、都民の保育ニーズは増加の一途をたどり、待機児童は七千人台で高どまりしています。この状況を打開するため、さらなる対策を進めていかなければなりません。
 都は、都民の多様な保育ニーズにこたえるため、この十年余の間にも、認証保育所制度を初めとする独自の施策を次々と展開してきました。
 そこでまず、都はこれまで、保育サービスの拡充に向け、どのような取り組みを行ってきたのか、その結果、どれだけの整備が図られたのかを伺います。

○川澄福祉保健局長 都はこれまで、都独自の取り組みとして、認証保育所、家庭的保育のほか、事業所内保育での地域の児童の受け入れや、パートタイム労働者等にも利用しやすい定期利用保育の実施など、さまざまな保育サービスの整備を進めてまいりました。
 また、実施主体である区市町村に対しては、地域の実情に応じて保育サービスを整備できるよう、安心こども基金の活用に加え、施設整備に係る事業者や区市町村の負担軽減、未利用都有地の貸し付け、定期借地権利用に対する補助等、さまざまな支援策を実施してきているところでございます。
 その結果、認可保育所も含め、平成二十一年度は八千五十七人分、二十二年度は八千八百九十人分、二十三年度は一万二百十九人分の保育サービスが整備されたところでございます。さらに、平成二十六年度までに二万四千人分の整備を目標に、区市町村を支援してまいります。

○高木委員 都が保育所整備を強力に推し進めているものの、それを上回る保育ニーズが生じているため、待機児童の解消には至っていないということであります。
 この間、ある政党は、この待機児童問題は、認可保育所の大幅増設によってのみ解決すべきと主張しています。しかし、現実に保育サービスを整備する区市町村にとっては、ただ単純に認可保育所の増設で待機児童問題を解決するわけにはいきません。
 整備に当たっては、保育ニーズの将来見通しや、延長保育、ゼロ歳児保育など大都市特有の保育ニーズ等を勘案し、最適なサービスを構築することが必要です。
 これに加え、整備に係るコストを考えると、例えば、私の地元北区のデータで申し上げれば、認可保育所の公費負担は、ゼロ歳児一人当たり月額で約四十二万五千円かかるわけであります。そうしたコストやサービス提供に適した土地や建物の確保など、幾つもの要素を検討しなければなりません。
 保育の実施主体は、いうまでもなく区市町村であります。都は、今後も、地域の実情を最もよく知る区市町村が、さまざまな要素を総合的に勘案して保育サービスを整備できるよう、一層充実した支援をすべきであります。
 多様な保育サービスの拡充に当たっては、サービスの種別を問わず、子どもやその保護者たちが安心・安全に利用できる環境を整備していくことも重要であります。
 東日本大震災では、建物の天井や外装など非構造部材の落下による人的被害が発生したと聞いています。保育施設は児童の生活の場であり、都が現在推進している躯体の耐震化に加え、非構造部材についても安全性を点検し、耐震化を図る必要があります。
 また、我が党の要請を受け、都は、災害時に保護者が迎えに来るまでの間、安全に保育を継続できるよう、保育施設における水や非常食等の備蓄を支援してきました。本年四月に施行される東京都帰宅困難者対策条例では、大規模災害発生時に従業員の一斉帰宅を抑制する努力義務を課しており、保護者の迎えに時間がかかることも想定した防災備蓄の充実強化が必要と考えます。
 保育施設における防災対策の強化について、都の所見を伺います。

○川澄福祉保健局長 都はこれまで、保育施設の耐震化を促進するため、耐震診断や耐震改修に対し、独自の補助を行ってまいりました。
 今年度からは、耐震改修のための仮設施設の整備や、仮設施設を整備する際の土地の賃借料に対しても補助を行っております。
 来年度は、天井材や外装材等の落下物による事故を防ぐため、躯体に加え、非構造部材の耐震化についても新たに支援を行ってまいります。
 また、保護者が迎えに来るまでの間の防災対策を一層充実するため、東日本大震災を機に補助してきた非常用食料や水に加え、新たに簡易トイレや備蓄スペースなども確保できるよう、補助を増額いたします。
 こうした施策により、保育施設の安心・安全の確保に向けた区市町村の取り組みを支援してまいります。

○高木委員 子どもたちの安全を確保するため、区市町村への支援を強化するということですので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 いずれ来る地震への備えとともに、日々の危機管理も重要であります。
 昨年十二月、調布市の小学校で、食物アレルギーを有する児童が給食後に死亡するという大変痛ましい事故が発生いたしました。今回は小学校での事故でありましたが、食物アレルギーは乳児期に多く発症するといわれており、ゼロ歳児から預かる保育施設では、特に十分な対策を講じることが必要であります。
 さて、ここでちょっとパネルを見ていただきたいと思うんですが、こちら、ちょっと小さくて見えにくいんですけれども、これはある保育園の給食の指示書であります。空欄になっているところは、ここは実名が入っていますので消しました。一人一人の子どもたちのアレルギーの禁止食品がこう書いてあるわけであります。
 これは基本的な指示書なんですが、その一人一人を分析をというか、もっと詳しいものを出すと、これなんです。(パネルを示す)これを見ていただくとわかるように、例えば、牛乳系の食品であれば、食パンやプリン、それからマーガリン、ビスケット、生クリーム、カステラ、それから卵であれば、卵焼き、錦糸卵、いり卵、ゆで卵、ウズラの卵、ホットケーキ、プリン、ちくわ、物すごい量の禁止食品が書いてある。恐らくこれ、見たのは初めてかと思いますが、これが現実なんです。
 このお子さんは、トマト系のものもだめなんで、多分ナスもだめなんだと思いますけれども、トマト、プチトマト、トマトピューレ、ケチャップ、そういうものはもう全然だめ。ジュースとかも、リンゴ、ミカン、それから野菜ジュース、ゼリー。それから、バースデーケーキの日は、カステラ、ホイップクリームともに禁止と書いてある、かわいそうに。これがアレルギー児童の本当の現実なんです。
 こういう子どもが、保育園に少なくとも一割ぐらい在籍しているんです。そうすると、これを、一人一人のものを給食で、この子はこれは食べていい、食べてはいけないということをやっていきますと、これはもう物すごい負担になるわけです。ですから私は、このアレルギーに対して、もっと東京都は手厚く、仕組みとして補助をしていくべきだというふうに思うわけであります。
 これには、職員の知識とか技術の向上というのも当然必要でありますので、都はこのことにどのように取り組むのか、伺いたいと思います。

○川澄福祉保健局長 都は、平成十九年度から、保育施設等の職員に対し、食物アレルギーに関する基礎的な知識や子どもへの日常的な対応方法について研修を実施しております。平成二十一年度には、食物アレルギーに関するガイドブックとDVDを作成し、都内すべての認可保育所、認証保育所に配布するとともに、緊急時の対応などの実践的な研修を実施してまいりました。
 今後は、研修の対象をすべての保育サービスに従事する職員に広げ、研修回数を拡充するとともに、研修教材のさらなる充実を図ってまいります。
 また、区市町村において、安心こども基金を活用して食物アレルギーに関する研修を実施するよう働きかけてまいります。

○高木委員 食物アレルギーへの対応を初めといたしまして、保育所の職員に求められる知識や技能は高度化、多様化しております。
 都は、民間社会福祉施設サービス推進費により、保育所における入所児童や地域の子育て家庭に対するサービスの向上を図っているわけでありますが、しかしながら、私は、この際、サービス推進費全体の見直しということに対して、きょう問題提起をしておきたいと思います。
 サービス推進費については、いろんな見方があるんですけれども、例えば今申し上げたアレルギー児童対策では、算定基準で一万五千七百二十円掛ける延べ人数ということになっているんです。この費用で、先ほどいったように、あれだけ細かいものを一人一人対策をしていくということが本当にできるんでしょうか。あるいはベテラン職員の人件費にかかわる問題も、サービス推進費の問題については長年いわれ続けているわけであります。
 保育サービスのあり方は多様でありまして、このたび知事もおかわりになられて、保育問題がクローズアップされている今だからこそ、私は、これは自民党からは初めての提言だと思いますが、よりよい保育サービスの構築に向けて、サービス推進費の見直しは一つの大きなテーマであろうというふうに思っています。ぜひ検討していただきたいと思います。
 そしてさらに、新たな課題にも各保育所が適切に対応できるように、都としてもしっかり支援していくことを要望して、保育の問題を終わりたいと思います。
 次に、少子化、人口減少についてお伺いいたします。
 ただいま議論いたしました保育サービスを初めとした子育てサービスの充実、働き方の見直しなどワークライフバランスの実現、さらには、住宅や教育支援など子育て環境の充実といった、子どもを持ちたいと願っている人への支援は、都としてもあらゆる手だてを講じて進めていくべきであろうと思います。
 少子化への対応は、非常に難しい課題ではありますが、我が党は、既に三年前に少子・高齢化政策推進本部を立ち上げ、いち早くこの課題に取り組み、執行機関側をリードしてきたと自負をいたしております。今後とも、少子・高齢化政策推進本部において継続的に検討を行い、必要な提言を行ってまいります。
 都としても、これをしっかりと受けとめるとともに、東京の少子化、人口減少の今後の影響などについて詳細に分析した上で、新しい都市モデルを示すべきと考えますが、知事の所見を伺います。

○猪瀬知事 まさに高木理事のおっしゃっている危機感は大変なものだと思います。我々はみんな思っているんですね。ですから、何とかしなけりゃいけない。
 まずは、日本の総人口、二〇〇四年の一億二千七百八十四万人をピークに減少に転じている。東京はふえているといっても、二〇二〇年ごろには減り始めると、こういうふうに見込まれています。
 一度、人口減少社会というのは、江戸時代後期に少し経験しているんですが、近代日本人にとっては初めての経験で、これまでの常識がことごとく通用しなくなる未知の世界に入っているというふうに思います。
 東京都はこれまで、保育、医療、雇用、住宅、各分野に横ぐしを刺して、認証保育所の整備や、NICUの増床や、いろいろ少子化対策を講じてきた。今後は、これまで重点的に取り組んできた子育て家庭への支援に加えて、若者の雇用環境の改善など、さらに結婚や出産をためらう若者をどう支えるのかといった、オタクとか草食系男子とかという表現があるようなところまで踏み込んで、そういう生態系まで分析しながら、改めてPTを立ち上げていきたいと。全庁を挙げて対応策を考えないと、大変な危機にあるというふうに思っております。
 少子化や人口減少問題は、まさに政治が直面する主要課題でありまして、都議会自民党がこの問題について議論を重ねてこられたことはよく承知しております。しかし、なかなかこれ、特効薬は見つけにくいというところで、きょうの議論も踏まえて、繰り返しますが、東京都としてもPTを立ち上げますから、この根深い問題に対して、都議会の皆様とともに活発に意見交換をさせていただきたい。

○高木委員 次に、公衆浴場への支援について伺います。
 長年にわたって都民の生活を支えてきた公衆浴場、いわゆる銭湯は、年々減少しております。一方で、時代の変化の中で、地域のコミュニティの場として、また健康増進活動の場として、公衆浴場の価値が見直されてきています。
 このため、建物や設備が老朽化した多くの浴場の耐震化、重油等から都市ガスへのクリーンエネルギー化など、防災と環境対策をスピードアップし、時代にふさわしい公衆浴場への転換が望まれています。
 そこで、利用者の減少など厳しい経営環境にある公衆浴場に対して、これまで以上に経営ニーズに即した支援を強化し、対策を促進すべきと考えますが、見解を伺います。

○小林生活文化局長 公衆浴場は、都民の暮らしにとって公共性が高い貴重な存在であり、都民の安全・安心の確保のため、耐震化やクリーンエネルギー化の一層の促進が急務となっております。このため、来年度は、一刻も早く施設の改修等の対策が講じられるよう、支援を強化いたします。
 具体的には、公衆浴場の公的役割を勘案し、耐震化等に係る助成事業の補助率を、現在の二分の一から三分の二に引き上げます。
 また、補助対象限度額につきましては、従来の額では煙突や重油タンクの撤去が十分できない浴場もあることから、安全性の確保を促進するため、応急的な修繕につきましては、現在の三百万円から六百万円に、クリーンエネルギー化につきましては、四百万円から六百万円に拡大をいたします。

○高木委員 補助率、補助限度額の引き上げは、浴場の安全確保や環境対策の取り組みを促進する上で時宜を得た措置と評価をいたします。
 公衆浴場は、公衆衛生の維持増進だけでなく、災害時には、被災者支援や水の供給など、地域の拠点として重要な役割を担っています。
 東日本大震災を契機に、災害時に備えた安定したエネルギー確保が社会全体の課題となっていますが、多くの人々が集い、都民への波及効果の高い公衆浴場こそ、さらに一歩進んで、太陽光発電など最先端の設備を導入し、積極的な対策をとるべきと考えますが、都の取り組みについて伺います。

○小林生活文化局長 都は来年度より、省エネ対策やCO2削減の観点から、公衆浴場が太陽光発電設備の新設や照明のLED化、また、ガスを発電にも有効に活用するコージェネレーションの導入に取り組む場合を、新たに補助の対象といたします。
 さらに、既設のガス設備を効率のよい最新のものに更新する場合につきましても、新たに補助対象に加え、クリーンエネルギー化推進事業を拡充することにより、効率的なエネルギーの活用や環境の側面からも、公衆浴場への支援を強化してまいります。

○高木委員 日本人は、我が国の風土の中で四季を通じて入浴を好み、銭湯は外国人から見ると魅力的な文化であるともいわれております。
 私の地元の北区には、昨年大ヒットした映画「テルマエ・ロマエ」の撮影の舞台となった銭湯があります。知事、映画を見ましたか。(猪瀬知事「大体、宣伝は見ました」と呼ぶ)ぜひ見てください。昭和五年から営業しております宮づくりと呼ばれる昔ながらの姿を残している貴重なおふろ屋さんが出ておりますが、私の地元北区のおふろ屋さんであります。
 日本の入浴文化を伝えてきた銭湯を後世に残すため、都として積極的に施策を展開し、取り組むよう求めます。
 続いて、文化財庭園について伺います。
 文化財保護法に基づき、特別史跡と特別名勝の両方に指定されている全国六カ所の庭園のうち、都は浜離宮恩賜庭園と小石川後楽園の二つを有しています。これらの大名庭園は、江戸時代から引き継がれた我が国を代表する文化財であり、当時の姿を保存、復元し、国内外から旅行者をもてなす、東京の貴重な財産となっています。
 このような施設は、特に将来に残していくことが重要と考えますが、知事の所見を伺います。

○猪瀬知事 おっしゃるとおり、東京に残る大名庭園は、さまざまな庭園様式の集大成ともいえる回遊式庭園でありまして、東京の都市空間に潤いと風格を与えるとともに、おもてなしの心を体現する場所であります。
 特に、浜離宮恩賜庭園や小石川後楽園は、三百有余年にわたる伝統が息づく都民、国民の貴重な財産であり、まさに歴史の遺産であります。自然を象徴的に表現する日本文化を代表する庭園美は、世界に高く評価されているところでありまして、先日の東京オリンピック・パラリンピック招致のプレゼンでも、東京のこうした庭園美をアピールいたしました。
 こうした文化財庭園を持つ東京は、都市としての品格や存在感、そして日本文化の歴史的卓越性を継承しているものであり、その価値をさらに高めて国内外に発信していきたいと、こういうふうに思っております。

○高木委員 文化財庭園の復元事業として、浜離宮恩賜庭園では、戦災で失われた茶屋群の復元を進めており、これまでに中島の茶屋などが完成いたしております。
 例年、正月には、伝統のわざ、放鷹術を鷹匠が実演し、将軍のレクリエーションが体感でき、また、秋の東京大茶会では、日本の伝統文化、茶の湯にも触れることができます。
 文化財庭園の着実な保存、復元により、多くの利用者が訪れていますが、これまでと今後の取り組みを伺います。

○村尾東京都技監 都はこれまで、庭園に関する歴史的資料などを収集し、歴史性や文化性を明らかにした上で、東京都における文化財庭園の保存管理計画を策定し、庭園内の橋や石組み、建築物などの保存、復元を進めてまいりました。
 浜離宮恩賜庭園は、江戸文化が成熟した文化文政期の徳川十一代将軍家斉の時代に最も隆盛を誇っており、往時の風景をよみがえらせるため、汐入の池周りで趣の異なる四棟の茶屋群の復元に取り組んでおります。
 平成二十二年度には、くぎ隠しや漆塗りの建具など伝統技法を随所に用い、松の茶屋を復元いたしました。
 二十五年度には、宮内庁書陵部などの資料に基づき設計を行った燕の茶屋の復元に着手し、二十六年度には、建物と一体をなす池周りのたたずまいを再現する予定でございます。
 また、ユビキタス技術を活用し、六つの言語に対応した音声や映像で情報提供を行い、これまでに百十の国や地域から訪れた方々に利用されております。
 今後とも、文化財庭園の保存、復元に努め、江戸から伝わる世界に比類なき日本庭園の価値と、東京の都市としての品格を高めてまいります。

○高木委員 浜離宮の燕の茶屋を初めとして、茶屋群の復元、ぜひお願いしたいと思います。私も、見えないかもしれませんけど、お茶の会員の一人でございまして、裏千家淡交会の顧問をさせていただいておりますので、こうした茶室はぜひ復元をしていただきたいというふうに思っております。
 最後に、オリンピック・パラリンピック招致について意見を申し述べさせていただきます。
 先ごろ開催されたワールド・ベースボール・クラシックで、侍ジャパンは、健闘むなしく準決勝で敗退いたしましたが、この予選の日本対台湾戦では、試合内容に引けをとらないほど大変感動的なシーンがありました。
 一昨年の東日本大震災の際、お隣の国、台湾が、世界一多額の義援金によって被災地を支援してくれたことは周知の事実であります。その御礼、感謝の気持ちを記載したボードを多くの日本人が高く掲げ、両国のプレーに惜しみない声援を送っていました。その光景は、実力伯仲の、お互いに決勝進出を目指す真剣勝負の試合の最中にあって、大変心温まる、すがすがしいものでありました。
 このように、スポーツには、国境や立場を超え、感動、感謝、希望を伝えるとともに、人々を結びつける大きな力があることを改めて実感しました。スポーツは、老若男女、健常者も障害者も、だれもが競い、終われば健闘をたたえ合い、楽しむことができる世界共通の人類の文化であって、その集大成がオリンピック・パラリンピックに違いありません。
 我が都議会自民党は、改めて日本にきずなと希望をもたらし、国民全体の心の復興、さらに被災地の力強い再生を支援するためにも、全力でオリンピック・パラリンピック東京招致に邁進することをお誓い申し上げまして、質問を終わります。(拍手)

○村上副委員長 高木けい理事の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後五時六分休憩


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