ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

予算特別委員会速記録第四号

   午後三時二十一分開議

○鈴木(あ)副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 山加朱美委員の発言を許します。

○山加委員 日本の少子高齢化は、世界でも例を見ないスピードで進んでいます。国立社会保障・人口問題研究所がことし一月に発表した将来推計人口によりますと、五十年後、高齢者一人を現役世代一・三人で支えるという、高齢者にとっても現役世代にとっても、大変厳しい時代の到来が予想されます。
 一方で、孤独死や所在不明問題など、高齢者の社会的な孤立が既に大きな問題となり、また昨今、結婚できない、しない若者が社会問題になり、平成二十三年厚生労働白書では、二〇三〇年には生涯未婚率が男性で約三〇%、三人に一人、女性では約二三%、四人に一人と見込まれ、生涯独身人口がふえていくことが予想されます。
 一人の人間が自立した個人として豊かな生活を送るためには、まずその前提として、周囲の人々が相互に助け合う、知事がよくおっしゃるご近所づき合い、地域社会の実現が不可欠です。しかし、地域で支え合う仕組みが不十分な中、私は家族というセーフティーネットを持たないひとり暮らしの高齢者が、今後ますます増加することを懸念しています。
 都内六十五歳以上のひとり暮らし高齢者は、今後十年間で十六万世帯ふえると予想され、もちろん、大半の方が介護や福祉サービスを受ける必要のない元気な方であろうことは承知をしています。しかし、今は元気であっても、一たび病気になれば頼る家族もなく、一人孤立してしまうという状態では、安心・安全な生活とはいえません。
 ひとり暮らしの高齢者が安心して地域で暮らし続けるために、地域で見守り支える取り組みをより積極的に推進すべきです。所見を伺います。

○杉村福祉保健局長 都は自治会、町会、民生委員、ボランティアなどによる声かけや配食サービスを活用した安否確認など、高齢者の見守りに関します地域のさまざまな取り組みにつきまして、区市町村包括補助事業を通じて支援を行っております。
 また、昨年度からは、地域の高齢者を見守る拠点を拡充するため、区市町村におけるシルバー交番の設置を支援いたしておりまして、今月策定をいたします東京都高齢者保健福祉計画では、平成二十六年度までに七十カ所を設置することといたしております。
 今後とも、高齢者の見守り活動などに取り組む区市町村を積極的に支援してまいります。

○山加委員 都がさまざまな仕組みで支援をしていることはわかりますが、超高齢社会の到来を考えると、今まで以上に地域全体で高齢者を見守る仕組みを早急に構築しなければなりません。
 「二〇二〇年の東京」に高齢者見守りネットワークの構築が明記されたことを、私は高く評価しています。しかし、ネットワークづくりは、住民に身近な区市町村が主体となって進めていくべきものですが、都はどのようにして支援をしていくのか伺います。

○杉村福祉保健局長 先ほども申し上げましたように、現在、地域の中では、高齢者を見守るさまざまな取り組みが行われております。こうした取り組みを進め、行政、民間、地域が連携をいたしました、地域全体で高齢者を支えるネットワークづくりを検討いたしますため、来年度、都は見守りの担い手である地域包括支援センターの職員、シルバー交番の相談員、民生委員などを中心に構成する会議を新たに設置いたします。
 会議では、これまでの取り組みの検証や、先駆的な取り組み事例の収集分析を行いながら、関係者が連携した効果的な見守り手法などを検討することとしておりまして、この結果も活用しながら、区市町村における高齢者の見守りのネットワークづくりを支援してまいります。

○山加委員 次に、大都市東京の高齢者問題を考えるとき、おろそかにできないのが住まいの視点です。
 ひとり暮らしの高齢者の持ち家率は六割以下であります。身寄りがなく、家族の支援も受けられない中、病気や介護で医療費などがかかる、生活費に占める家賃の比率は日本は高い。老いても一人の所得で住まいを失うことなく、地域での生活を安心して続けていけるような支援が重要です。
 過去に群馬県で発生した静養ホームたまゆらの火災事故で犠牲となられたのは、その多くが生活保護を受けた低所得高齢者でありました。間もなく三年がたとうとしています。
 都がこの問題に危機感を持って取り組んだ結果、居室面積要件を緩和した都市型軽費老人ホームが実現をいたしました。私の地元練馬区でも、日常生活圏ごとに少なくとも一カ所という目標を掲げ、計画的に整備を進めております。低所得高齢者の受け皿としては大変重要ですが、現在の整備状況、都の取り組みについて伺います。

○杉村福祉保健局長 昨年四月の第一号開設以来、都市型軽費老人ホームは、現在まで五カ所設置をされております。さらに、来年四カ所が開設予定であり、その他整備中のものが九カ所、協議中が五件ございます。
 都は、整備を支援するため、国の交付金に加えまして国と同額の加算措置を講じますほか、みずから建物を整備し、運営事業者に賃貸する土地所有者への補助や、都有地の活用など独自の取り組みを実施いたしております。
 今月末には、土地所有者を対象といたしました補助制度説明会を予定しておりまして、今後も事業者等へ積極的にPRするとともに、区市へも強く働きかけ、より一層の整備を促進してまいります。

○山加委員 次に、中堅所得者向けの高齢者住宅について、都は高齢者の居住安定確保プランの中で、ケアつき賃貸住宅を二〇一四年までに約六千戸の供給を目指すとしています。バリアフリー化とともに、サービスの質の確保が極めて重要であります。
 現在、東京都住宅供給公社が取り組んでいる二カ所のサービスつき高齢者向け住宅の進捗状況、あわせて、私は公社が整備する住宅は、施設のように高齢者だけが過ごすところではなくて、地域の人たちやさまざまな世代の人たちがたくさん交流できる場、何よりも地域の安心とそして生きがいを支える場になることが大変重要と思っております。所見を伺います。

○飯尾都市整備局長 東京都住宅供給公社は、平成二十六年に、板橋区向原と世田谷区烏山で高齢者向け住宅の開設を計画しておりまして、昨年夏にそれぞれ提案を募りました。運営事業者と設計事業者を選定したところでございます。
 どちらの運営事業者からも、入居者や地域の高齢者が利用できる介護事業所や診療所、地域の子育て支援のための保育所の併設が提案されております。また、地域住民の交流を促進するために、気軽に立ち寄れるコミュニティカフェを整備するとともに、自治会と協働したさまざまなイベントの開催なども検討しております。
 現在、この提案内容を踏まえまして、設計事業者は、公社、運営事業者と協議しながら設計を進めているところでございます。

○山加委員 次に、さらに中長期的な視点から、私たちは目先の対策だけでなく、次世代の高齢社会のことも考えねばならない責務があります。
 そこで、パネルをごらんください。
 このように日本の人口は右肩下がり。大変背筋が寒くなるような思いがいたしますが、人口減少時代を迎えております。
 日本の将来推計人口によりますと、現在、総人口は約一億二千八百万人ですが、このままいけば今後とも減少を続け、五十年後、この赤のところですが、三分の二の約八千七百万、百年後には、何と三分の一の約四千三百万人になってしまいます。イメージいたしますと、これは現在の関東地方の一都六県に山梨県を加えた人口と同じくらいであります。
 つまり、百年後には日本の総人口から、このままいけば関東地方以外の人口が消えてしまうという、大変恐ろしい状況であります。ここにいるほとんどの方は百年後いないかもしれませんが、ことし生まれる子どもが百歳、そう遠い時代の話ではありません。
 一方、高齢化率は、現在の約二四%から年々上昇していき、五十年後には約四〇%、しかし、高齢者人口そのものは、パネルにありますとおり、二〇四二年をピークにその後減少すると予想されています。減少していくのはたった三十年後からの話であります。東京においても、ピーク時は前後するものの、同様の傾向と思います。
 そこで、こうした人口の予測に対して、福祉サービス事業者、特に社会福祉法人は、社会福祉事業の主たる担い手と位置づけられているのですから、長期的展望を持つことが求められます。
 今、例えば、特養ホームを建設しますと、一般的に建物は四、五十年使えます。しかし、三十年後から既に高齢者人口は減少し始めます。漫然と施設運営をしていると、在宅サービスニーズの高まりと相まって、入所者減少により経営が悪化し、その結果、施設運営ができなくなり、廃止に至ることになります。
 特に、私が一番心配いたしますのは、一つの施設しか経営していない社福の場合、たしか都内には全体の約四割、四百近くあると思いますが、施設廃止はすなわち社会福祉法人の解散を意味します。このようなことにならないよう、社福が地域福祉にさらに貢献し続けるためには、中長期展望を持った経営、五十年先、百年先のことを考え事業展開をしていくことが求められます。
 経営の健全化を図り、財政基盤を確立することが重要ですが、経営的な点で都はこれまでどのような支援をしてきたのでしょうか。

○杉村福祉保健局長 都は、社会福祉法人が適正かつ安定的な運営を確保し、良質な福祉サービスを持続的かつ安定的に提供できるよう、社会福祉法人経営適正化事業を実施いたしております。
 この事業では、法人みずから経営の安定化を図ることができるよう、流動比率や借入金比率など、社会福祉法人の特性に応じた十一の財務指標と、それぞれの指標について都内社会福祉法人の平均値を示しており、経営状況を比較分析できるようにしております。
 都におきましても、各法人の財務状況を詳細に分析し、課題のある法人に対しては実地調査をして経営指導を行っております。

○山加委員 一歩前進と思いますが、それだけでは不十分ではないでしょうか。今後変化するニーズに対応していくためには、人材、資金、設備等の裏づけをした中長期計画を策定させるなどの経営指導が必要であります。
 平成二十五年から、同一区市で事業を展開する社福への指導検査権限が当該区市に移譲されます。したがって、先ほど申し上げた一施設しか経営していない社福は、法人が所在する区や市が所管となるわけであります。
 都が、区市に移管される社会福祉法人への指導検査は、区市にすべて任せてしまえばいいという逃げ腰では、東京の福祉は向上しません。
 都は、これまでの豊富な経験、どこよりも現場を知っている自治体として、指導検査権限が区市に移譲される法人を含め、都内のすべての社会福祉法人が、今後とも福祉ニーズの変化に対応し、中長期的展望を持って健全に経営していけるよう、率先して経営指導していくべきと考えます。所見を伺います。

○杉村福祉保健局長 お話のように、今後、少子高齢化の進行によりまして福祉ニーズは大きく変化をいたします。この変化に社会福祉法人が的確に対応し、健全な経営を行っていくためには、社会福祉法人みずからが、現在保有している人材、資金、設備等を分析した上で、中長期的な事業計画を策定することが必要でございます。
 こうした法人の取り組みを進めるため、都は、ことしの夏ごろを目途に、社会福祉法人向けのマニュアルを作成することとしておりまして、このマニュアルを活用して、区市に移譲される法人を含めた都内すべての社会福祉法人を対象とし、講習会などを行うことを通じまして、中長期的な事業計画の策定を働きかけてまいります。

○山加委員 次に、少子化対策についてお伺いいたします。
 先ほども申し上げましたが、このままでは、日本の人口は急激な減少を続け、百年後には現在の三分の一程度になってしまいます。こうした状況を食いとめるには、より多くの新たな命がこの世に誕生すること。そして誕生した命を失わないこと、しっかりと守ること。この二つしかありません。子どもは日本の将来にとってかけがえのない宝であるという認識を、改めて強く持つ必要があります。
 少子化対策を進める上で、まず社会全体で、女性の妊娠、出産に関するサポートが重要なわけでありますが、妊娠した女性へのサポートは、妊婦健康診査の公費助成や相談体制などが整ってきています。また、不妊に悩む夫婦へのサポートは、特定不妊治療費助成事業が実施され、その実績も年々増加をしていると伺っております。
 しかし、不妊治療を受けても妊娠できず悩んでいる方が多いのも現実で、妊娠や出産に適した年齢を過ぎてから治療に取り組み始めても成果が出ないことも多いと聞いております。
 こうした背景として、女性は閉経するまで幾つになっても同じように子どもをつくることができると思い、二十歳代から三十歳代前半、医学的に女性の妊娠に適した年齢のときに社会で活躍し、仕事を優先しているという現状があります。いざ子どもが欲しいと考えたときに、妊娠が難しいという事実に直面してしまうことが多いというこの実態に、私は目を向ける必要があると思います。
 日本はどちらかといえば、女性の健康教育において、従来、望まない妊娠をしないための避妊教育、その普及啓発が主だったと思います。しかし、女性は、少なくとも現在の医学において、卵子の老化をとめることはできず、また戻すこともできません。年齢を重ねるごとに生物学的には妊娠しにくくなるという現実を踏まえ、適切な結婚や出産の時期、これは学生のうちから正しい情報と知識を持っていくべきと考えます。
 そこで、現在、高校では、結婚や女性の健康についてどのような教育が行われているのか、教育長、現状を伺います。

○大原教育長 現在、高等学校の保健の授業では、学習指導要領に基づきまして、生涯を大きく、思春期、結婚後、中高年期の三段階に分け、各段階の健康について取り扱うこととなっております。
 思春期については、身体面、心理面、行動面の変化、異性を尊重する態度、そして性に関する正しい情報と適切な対処の仕方等を学習させることとなっております。
 また、結婚後につきましては、家族計画の意義、出産までの経過、人工妊娠中絶の心身への影響、母子健康診査の必要性等を理解させることとなっております。

○山加委員 今後の少子化時代を考えるときに、対策のまず入り口となる重要な学習ですから、今後ともしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 さらに、学生のときに学んだ知識は次第に薄れてしまうおそれがあります。目前に結婚が迫っているわけではありません。そういう意味では、学校を卒業した後に再び成人した人々に対する啓発が重要であろうかと思います。
 そこで、女性には年齢による身体の変化があること、妊娠や出産に適した年齢があることを正しく知り、妊娠、出産といった人生設計について考えてもらうための普及啓発が必要と思います。都の取り組みを伺います。

○杉村福祉保健局長 都では、不妊を理解することを通じて、若い人たちが妊娠、出産について正しい知識を持ち、自分自身のライフプランを考えるきっかけとなるよう、平成二十二年度に小冊子を作成いたしました。この中では、不妊の原因や不妊治療に加え、妊娠や出産には適齢期があることなども紹介をいたしております。
 小冊子は区市町村や保健所など、関係機関に配布するとともに、ホームページに掲載をしており、普及啓発に努めております。

○山加委員 この問題は少子化対策にとって非常に重要なことであります。ぜひとも普及啓発に積極的に取り組んでいただきたい。
 次に、この世に生を受けた命は、社会が大切に守り育てていかなければなりません。大人の我欲によってその命を奪ってしまうことがあっては絶対にならないわけであります。かけがえのない命を失わせない、救える命を大切に守り育てるという社会の責務を果たしていくために、強化すべきは児童虐待防止に向けた取り組みであります。
 大変残念なことに、児童への虐待事件は後を絶たず、虐待に関する相談件数は増加の一途をたどり、平成二十二年度、都内児童相談所に寄せられた児童虐待に関する相談対応件数、前年比三三%と大きく増加をしています。同様に、区市町村に対して寄せられた相談対応件数も大幅に増加をしています。さらに、一昨年、全国の警察が検挙した児童虐待事件で、虐待を受けた児童は過去最多三百九十八人、そのうちの約一割、三九名が死亡しています。極めてゆゆしき事態であります。
 私は、このふえ続ける児童虐待にかなり早い時期から警鐘を鳴らしてまいりました。
 国はようやく来年度から、地域の中核的な小児救急病院などに虐待専門の職員配置を促す新制度を設けているとのことですが、都は国に先んじて、既に院内虐待対策委員会の設置促進など、これまでさまざまな先駆的な取り組みの推進を図っていることは、私は高く評価をしております。
 しかし、こうした都の取り組みにもかかわらず、依然として虐待が増加をしている現状をかんがみれば、児童相談所のさらなる体制強化は不可欠ですし、また、さまざまな原因で何よりも心に深い傷を抱えた児童に対して、個々の児童の様態に合わせた手厚い心理ケアが今後ますます重要になっていくと考えます。都としてその拡充のためにどのように取り組んでいくのか伺います。

○杉村福祉保健局長 都は、在宅で経過を観察している児童や、施設に入所している児童等に対しまして、個々の状態に応じてよりきめ細かな心理的なケアが行えるよう、来年度、児童心理司を全児童相談所で増員をいたします。
 また、強いストレスにより日常生活に支障を来すなど、より深刻な問題を抱えている児童とその保護者への援助を強化するため、来年度開設をいたします子ども家庭総合センターに、親子のサポートステーションを設置いたします。ここでは、児童精神科医等の専門の職員が、児童に対して、心理ケアに加え、医療、生活指導などのケアを短期集中的に実施するとともに、親に対しても助言や指導を行ってまいります。

○山加委員 ぜひとも今後一層の充実をお願いしたいと思います。
 また近年、警察が関与する虐待がふえる中で、福祉保健局は、児童虐待の未然防止、早期発見を進めるために、昨年十二月、警視庁と確認書を取り交わしました。
 お互いが危機感を共有しスピード感を持って、今回の組織横断的な対応に至ったことを高く評価をしております。しかし、その際、連携のすき間に落ち、救えたはずの命を救えなかった、そんなことだけは絶対に避けなければなりません。そうしたことがないよう強く求めます。
 さて、私がいつも身につけているこのオレンジリボン、八年前に栃木県で起きた、幼い兄弟の命が虐待によって奪われたことを契機に始められたもので、児童虐待をこの世からゼロにするという強いメッセージが込められております。
 都は、毎年十一月を児童虐待防止オレンジリボンキャンペーンに定め、集中的な取り組みを行っていますが、虐待の増加がとまらない現状を踏まえ、単発で終わるのではなく、年間を通じ--子どもの命は単発ではありません、一年間三百六十五日普及啓発に取り組み、広く都民にこのオレンジリボンに込められた児童虐待の防止のメッセージをしっかりと届けていただきたいと思います。また、社会の意識をもっと高め、民間企業の力を活用した取り組みを、より一層推進することが重要と思います。
 児童虐待防止に向けた普及啓発の取り組みについて伺います。

○杉村福祉保健局長 都は、十一月の児童虐待防止推進月間を中心としまして、オレンジリボンキャンペーンに取り組んでおりまして、今年度は民間企業の協力を得て、ポスターの掲示やオレンジリボンの配布などを行うことにより、普及啓発の強化を図っております。
 来年度は、より多くの方々に児童虐待防止に関心を持ってもらえるよう、キャンペーンに協力いただける企業をさらに開拓いたしますとともに、都のイベントを一層活用しながら年間を通じた普及啓発に取り組んでまいります。

○山加委員 人口減少時代に歯どめをかけるためにも、都民一人一人が子どもを産み育てていくことの大切さを改めて認識し、問題意識を持っていかねばならないと考えます。都はあらゆる力を最大限に活用し、ぜひとも効果的な普及啓発、児童の支援体制の充実に努め、少子化対策に立ち向かっていただくよう強く要望しておきます。
 先ほど、民主党さんもこの児童虐待に対しては大変強い関心を示していただき、心強いことであります。ぜひこのオレンジリボンを、できればつけていただきたかった。残念に思っております。
 次に、障害者への理解についてお伺いしたいと思います。
 障害者といっても、障害種別、程度によっては特性はさまざまであり、松葉づえや車いすを利用していれば、一見して障害があることが理解されますが、外見からは障害者とわからない方は日常生活でさまざまな不便を強いられています。例えば電車の中で優先席に座ることをためらったり、横断歩道で渡り切れずにクラクションを鳴らされたりすることも少なくありません。私も障害四級、人工股関節ですから、同じような苦い経験をいたしております。
 障害四級というのは、体の中のどこか一部分の機能の全廃を持っている方、例えば、義足の方もそうでありますし、人工肛門の方もそうでありますし、ペースメーカーの方もそうであります。なかなか外からはわからないわけでありますから、その分本当に本人は一生懸命努力をし、そしてまた不自由を感じることも多々あるわけであります。
 見えない障害への理解を深めるために、障害に関するシンボルマークも、これは国際規格を初め普及啓発が図られていますが、そして障害当事者の方々も、それぞれの障害に応じて、それぞれ会でシンボルバッジをつくっているところもあります。ただ、それだけにそのリボンの数、バッジの数が多く、健康な一般都民の方から見ると、なかなかどれがどれだかわかりづらくなっていることも事実であります。
 都は、毎年十二月の障害者週間において、障害があることを周囲の人に理解してもらう取り組みを行っていますが、やはり年間を通じて理解を求めることは必要と思います。
 見えない障害は、障害の種別により、不自由さも異なるわけでありますが、一見して障害があることが外から見えないという点では、どの障害も同じであります、共通であります。
 この際、さまざまな見えない障害を持っている方々が、例えば公共交通機関の優先席などで安心できるように、都として統一したマークをつくるなど、見えない障害のある方への理解を一層促進していくべきと考えますが、所見を伺います。

○杉村福祉保健局長 都は、障害への理解を深めていただくため、障害がある方が地域生活の中で必要としている配慮、気づいてほしい心遣いなどを盛り込んだリーフレットを、障害種別ごとに作成し、区市町村や学校等で配布をいたしております。
 また、外見からはわかりにくい障害につきまして、周囲から理解をしていただけるよう、毎年十二月の障害者週間の時期を中心に、電車の中づりポスターや広報紙等で周知を図っております。
 今後、こうした方々への理解を一層進めるために、関係局とも連携をしながら、お話にございました外見からはわかりにくい障害の方が交通機関等で利用できるよう、統一的なマークを新たに作成をいたしまして、その利用を、都営地下鉄の優先席でモデル的に実施をしてまいります。

○山加委員 初めから、都が統一のマークをつくっていてくれれば、どんなに心強かったかなという方たちはたくさんいらっしゃったと思うんです。きょう初めて、統一したマークをつくっていただける、発信していただけるということで、私は目に見えない障害をお持ちの方がどんなに心強く感じることか。そしてまた、この東京は二年後に全国障害者のスポーツの祭典を控えているわけでありますし、二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックが招致されれば、この東京で開かれるわけであります。
 ぜひ、その統一マークが日本全体、そして都から発信された、国際社会に向けてしっかりと認識されていくような、そんなマークをしっかりと気合いを入れてつくっていただきたいと思っております。
 さて、次に、具体的に都営地下鉄におけるバリアフリー対策について伺います。
 私は、都議会議員に就任した平成十三年、公決特別委員会において、地下鉄のバリアフリーについてあらゆる角度から質問し、都営地下鉄のセールスポイントはバリアフリーである、世界一であるといい切れるような取り組みを何としても強化していただきたい、十一年前にそう申し上げ、それ以来、一貫してユニバーサルデザインに基づくバリアフリーの実現に力を注いでまいりました。
 都営地下鉄においても、これまでさまざまな面でバリアフリーに取り組んできていると思います。
 そこでまず、これまでの都営地下鉄におけるバリアフリーに向けた取り組みについて伺います。

○野澤交通局長 交通局では、高齢者や障害者を初めだれもが利用しやすい地下鉄の実現を目指し、駅施設や地下鉄車両のバリアフリー化に取り組んでおります。
 駅につきましては、大江戸線でホームドアの整備を進めておりまして、平成二十五年六月までに全駅の整備を完了いたします。また、エレベーター等による地上からホームまでのワンルートの確保につきましても、現在、百六駅中九十九駅で整備を完了しており、来年度中には全駅で完了いたします。さらに、車いすで利用できる多機能トイレを全駅に設置するとともに、ホームの階段付近の音声案内装置の整備、駅の出入り口などにある小さな段差の解消等に取り組んでおります。
 車両につきましては、ドアの位置を示す点字シールを取りつけたほか、優先席を識別しやすくするオレンジ色のつり手を設置しております。

○山加委員 バリアフリーに向けて着々と取り組みが進められていることがわかりました。
 実は私も、都庁まで練馬春日町から大江戸線を利用しておりますので、十三年に当選してから、本当にこのバリアフリーが進んだなということを実感しておりますので、高く評価をしております。
 しかしですね、ホームに行くまではいいんですが、電車に乗った後はいかがなものでしょうか。私、調べましたら、車内の優先席が設置をされたのは昭和四十九年なんです。今から三十八年前であります。高齢社会もこれほど進んでいなかった。また障害を持つ方たちも、どちらかといえば、今ほど安心しては世の中に出ていけなかった。
 その後、平成十五年に一度優先席を増設しています。しかし、当時と比べて、これだけ高齢化が進み、障害者も安心して出かけられるようになったのに、いまだ優先席、車両によっては全体座席数の一割程度しかありません。いかがなものでしょうか。
 今後、ますます高齢者はふえ、電車で出かける機会もふえると思います。優先席が今よりもっとあれば、譲る方も譲られる方も気持ちよく利用できるのではないでしょうか。
 局長、今お元気でありますがね、二十年、三十年して本当に足が不自由になったときに、ホームまでは本当にエレベーター、エスカレーター、バリアフリーが進んでいる。電車に乗って、自分が局長のときにこうしておけばよかった、悔いを残さないように、私はぜひ求めておきたいと思います。
 また、この優先席を実のあるものとするには、利用者への啓発が欠かせないわけであります。交通局がマナー啓発を通じ、優先席が本当に必要としている人に譲られるよう、必要としている人が当たり前に座れるよう、働きかけていくことが必要と思います。優先席の増設とあわせ、交通局の見解を伺います。

○野澤交通局長 都営地下鉄の優先席は、高齢者や障害のある方、妊娠している方などのため、現在、基本的に、各車両の前寄りまたは後ろ寄りのいずれかに二カ所ずつ設置しております。
 ご指摘のとおり、今後高齢者がますますふえていくことから、都営地下鉄の優先席について、一両当たりの数を現在の二倍にふやすことを目指し、まずは大江戸線で各車両の優先席を四カ所にいたします。また、優先席を必要とされる方が安心して利用できるよう、先ほど答弁のありました統一マークの活用について、福祉保健局と連携してモデル的に取り組んでまいります。
 あわせて、駅や車内に掲示するマナーポスターをよりわかりやすく工夫するとともに、適時適切な車内放送により、利用者に一層の協力を訴えてまいります。

○山加委員 三十八年ぶりに二倍ということは、大変思い切った英断だと思っておりますが、ぜひ局長、この後もふやしていっていただきたいと思います。ぜひとも世界一であると胸を張っていい切れるような、バリアフリーの取り組みを今後とも引き続き強化をしていただきたい。
 次に、少子高齢社会における都市のあり方について知事にお伺いいたします。
 今世紀は都市の世紀といわれて久しく、知事も、都市は文明の光を映し出す一方で、文明の影の部分が先鋭的にあらわれる二面性を有しているとの認識のもと、都市のありようが人類の未来を決定するとおっしゃっていらっしゃいます。
 都は、「二〇二〇年の東京」の中で、一昨年の国勢調査をベースとした人口推計を行い、総人口は二〇二〇年をピークに減少に転じるとしていますが、その後においても高齢者の人口は着実な増加傾向を見せる一方、年少人口は減少の一途をたどるとするなど、まさしく少子化、高齢化のトレンドは続くとしています。この少子化、高齢化の深刻化も、ある意味で都市特有の問題であります。
 さて、東京は二〇二〇年オリンピック・パラリンピック招致に向け、復活というコンセプトを高らかに掲げていますが、私はそれだけでは、国際都市の中で、この成熟した首都東京が招致に名乗りを上げるには不十分ではないかと思っています。
 世界に類を見ない超高齢社会に突入した日本であります。その首都東京が、大都市特有の課題をまさに解決する姿を、オリンピック・パラリンピックを通じて全世界に範として示していくことも、私は東京の社会貢献、責務であろうと思っております。
 そうした観点から知事は、この少子高齢化が深刻化する中での都市東京のありようをどのようにとらえ、あるべき姿をどのように実現をしていくおつもりなのかお聞かせください。

○石原知事 これはもう極めて難しい質問でありまして、社会全体のつまり価値感が変わり、生活様式が変わってきて子どもが少なくなってきたという中で、子どもの姿が少ないというのは、何も大都市に限らず、地方に行けば若い人はむしろ都市志向で集まってきますから、地方の中都市の方がもっと惨たんたる印象でありますし、限界集落といわれているところは本当に年寄りしかいない、あとは動物しかというていたらくでありますがね。
 これはやっぱり、私も東京を歩いていて、ママチャリというんですか、お母さんが自転車こいで、前と後ろに赤ん坊乗っけているというのは、非常に危ない気はするけど、またうれしい気もするわけです。中には生まれたての赤ん坊を背負って母子四人で乗っているというのは、本当にそら恐ろしい感じがしますが、これまた、大都市ならではの一つの風景だと思います。
 先ほどから少子化の問題、いろいろな角度で検討されていますが、私たち、人間の連帯というのは、まずやっぱり家族でありまして、子どもをふやす、子どもを安心して育てられる、そういう状況というのは家庭が基本だと思いますから、できれば、要するに高層住宅がふえて、オートロックで出入りしかできないような隔絶された建物がふえてきた中でも、何とかやっぱり親子三代で住んでいただけるような、そういう住宅の提供というものを私は、都として行政で心がけていくことが必要なんじゃないかという気がいたします。
 かつて東村山の大きな空き地があきまして、これは都営住宅の跡でしたけど、私着想しまして、大手に頼んだりせずに地元の、要するに左官屋なり電気屋なりを集めて、東京都がその建設主になった形でやってみろといったら、三割ぐらい安い住宅ができましたね。こういうものの発想を、これからもそのマンションならマンション、都営の住宅というもので発想して、価格の割にスペースの広い、親子三代で住める、そういう住宅をつくることが、私は行政を預かる者としての、都市における少子化対策の一番効果的な方法ではないかと思っております。

○山加委員 ぜひ、知事の子孫が百年後に、本当にこれでよかったと思えるような、そんな道筋をしっかりとつけていただきたいと思っております。
 次に、時間がなくなりましたので、浸水対策について伺います。
 私の地元、かつて石神井川の支流であった田柄川流域では、近年の局所的な集中豪雨のたびに浸水被害が発生し、平成二十二年の豪雨被害に際しては、私も同席しましたが、練馬区長を初め地元から六千人の方々の署名による要望が下水道局長へ提出されました。
 それを受け、この地区で新たな下水道幹線の整備に向けた検討が進められていることは、昨年の第一回定例会で確認をさせていただきました。
 その後の田柄川幹線流域の取り組み状況について、できれば下流部、あわせて上流部、また、同じように練馬区の中村・豊玉地区が浸水対策の重点地区に指定されておりますが、現在、下水道管の整備が進められております。工事の進捗状況、今後の予定について伺います。

○松田下水道局長 既設の田柄川幹線は、かつて川であった場所にふたをかけてつくられたため、浅い位置にあり、豪雨時に幹線内の水位が上昇しますと、そこにつながる下水道管からの雨水が流れ込みにくくなります。このため、深い位置に新たな幹線を並行して整備をいたしまして、田柄川幹線の水位を下げ、浸水被害を軽減してまいります。
 来年度は、田柄・北町地区など下流部、延長約四キロメートルの設計に着手をいたします。
 今後、工事に必要な用地の確保について、地元の練馬区と連携協力するなど、効率的に進めて、一刻も早い工事の着手を目指してまいります。さらに、田柄川幹線の上流部の土支田・旭町地区などについても対策を検討し、地元の皆様の強い要望である浸水被害の早期軽減に向け、精力的に取り組んでまいります。
 また、練馬区中村地区は、重点的に下水道幹線など基幹施設の整備を進める対策促進二十地区の一つでございます。この地区の状況につきましても、昨年委員からご質問いただきましたが、現在、区道豊中通りの道路下に延長約二千四百メートル、貯留量二万五千立方メートルの貯留管などを整備しておりまして、このうち、豊玉中地区などの貯留量二万立方メートルの部分を完了させまして、浸水被害の軽減に向け、昨年四月から貯留を開始しております。
 今後とも、地元の皆様からのご理解とご協力をいただきながら、平成二十六年度末までに残りの貯留管などすべての施設を完成させることを目指してまいります。

○鈴木(あ)副委員長 山加朱美委員の発言は終わりました。(拍手)

ページ先頭に戻る