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Tokyo Metropolitan Assembly

予算特別委員会速記録第五号

○山下委員長 西崎光子委員の発言を許します。

○西崎委員 まず初めに、都市農業について伺います。
 消費者は、安全・安心はもちろん、さらに新鮮でおいしいことで都市の農産物を評価しています。過度な農薬や化学肥料の使用を削減し、環境に配慮しながら、安全・安心な農産物を生産する人をふやしていくことが大切であると思います。
 都は、平成二十一年三月に東京都環境保全型農業推進基本方針を改定し、生産者に、環境に配慮した農業の推進を働きかけるなど、消費者ニーズに合った都市農業の推進に取り組んできていると聞いています。しかし、環境保全型農業を実践するためには、技術、経営両面からさまざまな課題もあります。
 そこで、都は、環境に配慮した農業に取り組む生産者にどのような支援を行っているのか伺います。

○前田産業労働局長 東京の農業は、住宅地に近接し、地域住民から見える場所で生産活動が行われておりまして、これまでも農薬や化学肥料の使用を減らすなど、環境に配慮しながら安全・安心な農産物を生産し、それを使われる飲食店や、消費者がお買いになる直売所などで高い評価を得てまいりました。
 このような農業をさらに推進するために、お話のとおり、都は平成二十一年三月に、消費者や農業者、学識経験者など多くの方からご意見をお聞きし、東京都環境保全型農業推進基本方針を改定いたしました。本方針に基づき、農業改良普及センターによる技術や経営の指導、生産者と消費者の交流会の開催等を実施しております。
 今後とも、これまでの取り組みを一層進め、すべての生産者が環境保全型農業へ取り組めるよう努めてまいります。

○西崎委員 都市において本格的な有機農業を実現するのは本当に難しいことと思いますけれども、果敢に取り組む生産者へのさらなる支援を求めるとともに、少なくとも環境保全型農業がさらに広がるよう、生産者への支援と啓発を期待するものです。
 次に、農業体験農園について伺います。
 近年、定年後に余暇を活用し、農業に親しもうとする都市のサラリーマンがふえています。また、若い人たちの中にも、心身をリフレッシュさせるためにライフスタイルの中に農業体験を取り入れたいという人もふえています。
 これまで区市町村が開設する市民農園がその受け皿になってきましたけれども、利用者からは、区画の面積が狭い、栽培技術がないため満足な収穫ができないなどの声も聞かれます。
 こうした都民の声にこたえる形で、東京では市民農園をグレードアップした農業体験農園が農家の手により開設され、発展しています。農業体験農園は、都民が豊かで潤いのある暮らしを送る上で大変意義のある施設であると思います。
 そこで、農業体験農園の開設状況と都の支援について伺います。

○前田産業労働局長 農業体験農園は、農家が経営の一環として開設する農園であり、一般の市民農園に比べ区画の面積が広く、農家の技術指導のもとに、土づくりから種まき、収穫までが体験できる農園でございます。農家との触れ合いや、農産物が確実に収穫できることなどが利用者から好評で、平成二十二年三月現在、七十の農園が開設されており、五年前の二・五倍となってございます。
 都はこれまでも、都市農業経営パワーアップ事業などにより、農業用水施設や休息施設、トイレなど、農業体験農園に必要な施設の整備を支援してまいりました。今後とも、都民ニーズにこたえた良好な体験農園の開設を支援してまいります。

○西崎委員 都民の農への関心が高まることは、農地の持つ環境保全、レクリエーションなどの機能の意味でも大きな意義があります。
 都は、昨年五月につくった緑確保の総合的な方針の中で、既存の緑を守るための新たな取り組みの一つに東京クラインガルテン事業を挙げていますが、市民農園に飽き足らない都民や、農業体験農園で技術を学んだ都民がもっと幅広く活動できる場として制度の構築を急ぎ、積極的展開を図れるよう要望しておきます。
 次に、都立施設の維持管理について伺います。
 都立多摩図書館については、平成十九年の事業評価でも、多摩地域の教育活動の拠点として十分な成果を上げているとされており、二館しかない都立図書館の役割として重要な存在であります。
 収蔵庫の不足や空調設備などが更新時期を迎えており、貴重な資料の保存性や利用者の利便性が向上することを考えますと、移転そのものは反対するものではありません。しかし、昭和六十二年に建てられ、現在、築二十四年程度で、建物はまだ外見上新しく、改築するのはもったいないという声が寄せられています。
 また、移転の発表についても、ことしになって突然、国分寺市内の都有地への移転について発表され、利用者は新聞報道で知りました。もう少し事前に関係者への説明が必要ではなかったのではないかと思いますが、そこで、確認の意味で、改めて、現在地での改修よりも移転改築が適当と判断された根拠について伺います。

○大原教育長 都立多摩図書館におきましては、保守点検等を適切に実施してまいりましたが、経年劣化が著しく、湿度制御ふぐあい、水漏れ、停電、外壁のれんが剥離や雨漏りなどが生じております。
 また、百万冊の収蔵能力を有する現収蔵庫は既に満杯の状況でございまして、約二十万冊を外部の民間倉庫に保管しております。
 これらの課題に対応するため、現在地での大規模改修と移転改築とを比較検討いたしましたところ、現在地改修の場合、改修費用約四十八億円に加えまして工事期間二年間の仮移転先の確保が必要となるのに比べ、移転改築の場合は、建築費用が約三十九億円、また、候補地が駅至近であり利用者サービスの向上が期待できるため、移転改築がより適切であると判断いたしました。
 これらの内容は、移転予定時期である平成二十八年三月に向けたさまざまな準備の出発点として本年一月に発表し、関係市、市町村の教育長会、市町村立図書館長協議会などには既に内容説明を行っております。
 現在、ホームページにおいて移転改築への意見を伺っておりますが、今後とも、関係団体、自治体、利用者等から広く意見を伺ってまいります。

○西崎委員 都立多摩図書館においては、東京マガジンバンク設置に当たって施設改修を行っていますけれども、収納スペースについては十分ではないとのことでした。図書館や美術館にとって、収蔵品の増加は喜ぶべきことであり、十分なバックヤードを整備する必要があります。施設改築に当たっては、多摩地域の知の拠点として、さらなるサービス向上に向けて、利用者の声も聞きながら、先を見越した施設整備を進めるよう要望いたします。
 都は、平成二十一年二月に主要施設十カ年維持更新計画を策定し、東京国際フォーラムや東京ビッグサイトなどの改修を進めており、大規模な施設の改築や改修が数多く予定されています。
 一方、今や民間の建物でも、建物の躯体を堅牢なものにして、適切な維持管理や改修を行いながら時代に合わせた転活用を図り、百年以上使い続けることを目指す時代であります。
 そこで、都立施設においても、適切に維持管理や改修を行い、建物の長寿命化を図ることが必要と考えます。また、今後行われる大規模施設の改築や改修においても、築後二十年程度で改築するということのないように、建物が寿命を迎えるまで最大限活用することが重要と考えます。都立施設の適切な維持管理や改修による長寿命化への取り組みについて伺います。

○安藤財務局長 都では、平成十年に東京都建築物等保全規程を制定し、長期的な視点で建物の維持管理や改修を適切に行うことにより、建物の長寿命化に取り組んでございます。
 特に、大規模な施設につきましては、平成二十一年に、お話のありました主要施設十カ年維持更新計画を策定いたしました。この計画に基づき、おおむね築三十五年以上が経過し老朽化が進行した施設を改築対象とし、それ以外の施設については、行政ニーズや環境負荷への対応などの見地から、耐震補強や設備機器の改修を行うなど、長寿命化に取り組んでまいります。

○西崎委員 これから大規模な施設の改修は次々に必要になってくると思います。長く大切に使い続けられるよう取り組んでいただきたいと思います。
 また、直接的に住民サービスの窓口となっている施設については、それぞれの所管する局において、自治体や利用者に対して事前の周知や意見聴取などを行い、丁寧な説明に努められるよう要望いたします。
 最後に、子どもの権利擁護について伺います。
 都では、子どもの権利侵害に対するため、子どもの権利擁護専門相談事業を平成十六年から開始しています。
 そこでまず、本事業の電話相談について、平成二十一年度の相談件数とその内容について、あわせて平成二十二年の直近までの相談件数、さらには子どもの権利擁護専門相談事業について、子どもたちがより相談しやすくするために都としてどのような取り組みを行ってきたのか、あわせて伺います。

○杉村福祉保健局長 子どもの権利擁護専門相談事業では、子どもや親からの悩みや訴えを相談員がフリーダイヤルで直接受けるとともに、深刻な相談には弁護士などの専門員が学校や関係機関を訪問して調査を行うなど、迅速かつ適切な支援を行っております。
 平成二十一年度の相談件数は、全体で千五百五十三件、そのうち子ども本人からの相談が千百三十二件、全体の七三%でございます。その中で、いじめ、虐待、体罰などに関する相談は三百六十一件であり、このうち専門員が対応したものは二十三件でございました。また、平成二十二年度の相談件数は、十二月末までで千七百五十二件であります。
 都では、本事業の周知を図りますために、都内の小学校四年生、中学校一年生、高校一年生の全員を対象に電話相談PRカードを毎年配布するとともに、学校や関係機関への情報提供も積極的に行っております。
 また、昨年度は、子どもたちが携帯電話からもフリーダイヤルで気軽に相談できるよう改善をいたしました。さらに、本年一月からは、二十四時間利用が可能なメッセージダイヤルにつきましても携帯電話からのアクセスを可能とするなど、事業の充実に取り組んでおります。

○山下委員長 西崎光子委員の発言は終わりました。(拍手)
 以上をもちまして付託議案に対する締めくくり総括質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 第一号議案から第二十八号議案までに対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山下委員長 異議なしと認めます。よって、本案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 なお、明日三月八日の午前十一時から理事会を控室一で、また、午後一時から委員会を本委員会室で開催いたしますので、よろしくお願いいたします。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時三十七分散会

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