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Tokyo Metropolitan Assembly

予算特別委員会速記録第三号

○高橋副委員長 高倉良生委員の発言を許します。
〔高橋副委員長退席、ともとし副委員長着席〕

○高倉委員 それでは、初めにHTLV-1対策について質問いたします。
 HTLV-1とは、ヒトT細胞白血病ウイルスのことでございます。これは縄文の昔から日本に存在をするというふうにもいわれておりまして、九州や沖縄に感染者が大変多く、かつては風土病というふうにもいわれておりました。感染者のうちの五%がATLといわれる大変致死率が高い白血病を発症いたします。このATLで亡くなる方は年間一千人にも上るわけでございます。また、HAM、ハムといわれる脊髄症も発症する、こういうウイルスでございます。
 九州に偏在をしていたこのキャリア、ウイルスを持っている方、キャリアは、現在全国に拡大をしておりまして、約百十万人に上るというふうにされております。これは、B型肝炎やC型肝炎に匹敵する数でありまして、関東でも大変に増加をしております。
 そして、主な感染経路は母乳であります。したがいまして、妊婦健診での抗体検査というのを行いまして、自分がキャリアであるかどうか、これを調べる。そして、キャリアとされた場合には、子どもに母乳を与えないことで感染予防に大きな効果があるわけであります。
 鹿児島県に菅付加代子さんという方がおります。この方はこのウイルスで脊髄症を発症いたしまして、患者会を立ち上げて、今日まで大変な運動をされてきた方でございます。私は、三年前の平成二十年に鹿児島に参りまして、菅付さんにお会いをし、そして同年の第三回定例会でこの問題を本会議で取り上げさせていただきました。
 平成二十年に菅付さんは我が党の国会議員とともに、当時の舛添厚生労働大臣にこのHAMの難病の認定、また妊婦健診での取り組みを訴えました。翌年の二十一年には、このHAMが難病に認定をされております。
 そして、昨年九月に、菅付さんらが首相に直接要請をいたしまして、妊婦健診の標準検査項目にこのHTLV-1の抗体検査が加えられることになったわけであります。菅付さんらの粘り強い取り組みというのが今日まできたわけでございます。
 その後、東京都は、医師会や区市町村との検討を重ねてきたと思いますけれども、まず最初に、妊婦健診でのHTLV-1の抗体検査の都内での実施時期について答弁を求めます。

○杉村福祉保健局長 昨年十月の通知によりまして、国は、妊婦健診の標準的な検査項目にHTLV-1抗体検査を追加いたしました。これを受け、都では、区市町村及び関係機関の代表から成る検討会を設置し、妊婦健診における抗体検査の実施時期や単価、相談体制など、実施に当たっての課題等について検討を行いました。
 その結果を踏まえ、都、区市町村、東京都医師会の間で協議を行いまして、平成二十三年四月から、全区市町村で妊婦健診における抗体検査を実施することといたしました。

○高倉委員 この抗体検査に当たっては、医療や母子保健関係者の理解が不可欠であります。
 私は、菅付さんから、東京で何とかこのシンポジウムを開催をしたいんです、こんなお話を何度もお伺いをしました。それは、この医療、保健関係者、それから住民の理解を深めていくために大変大事な取り組みでありまして、東京から発信をしていくということが大きな意義があるということであります。
 そして昨年の九月にはお台場で、そしてことし一月には北区で、このシンポジウムが開かれまして、福祉保健局の所管の課長さんや職員の方も参加をされまして、今日まで頑張ってきていらっしゃるわけであります。
 私ども都議会公明党は、この抗体検査の実施に向けて不可欠な取り組みとなる医療、母子保健関係者への早期の研修を都として実施するように求めてきたわけでありますけれども、この具体的取り組みについて答弁を求めたいと思います。また、今後も必要な研修ということについては継続をしていくべきであると思いますけれども、あわせて見解を伺います。

○杉村福祉保健局長 都は、これまで、HTLV-1に関する正しい知識を普及させるため、母子保健研修等を通じ、医療関係者や母子保健関係者に対して情報提供を行ってまいりました。また、ちょうど本日午後には、母子保健関係者を対象として、HTLV-1の母子感染予防や地域で相談を受ける際の留意点等について研修を実施したところでございます。さらには、三月五日に、妊婦健診契約医療機関を含む産科や小児科等の医療関係者を対象として、抗体検査の実施に関する留意点や陽性とされた方への保健指導などについての研修会を開催する予定でございます。
 今後とも、HTLV-1に関する情報収集に努めながら、必要な研修を実施してまいります。

○高倉委員 このHTLV-1ウイルスのことについては、都民もほとんど知らないという、そういった状況にございます。私ども公明党の各区市町村の議員は、それぞれの自治体において母子健康手帳を配布する際に、HTLV-1を解説したリーフレットを一緒に渡すように、こうした提案を現場で重ねてきておりまして、私ども都議会公明党としても、こうした各自治体の取り組みへの支援を都に求めてきたところであります。
 都民への周知や啓発というのは大変に重要であると思います。都として積極的に取り組むべきと思いますけれども、見解をお伺いします。

○杉村福祉保健局長 抗体検査の実施に際しましては、過度の不安や偏見が生じないよう、HTLV-1に関する正しい知識を広く都民に啓発していくことが必要でございます。そのため、都は、HTLV-1抗体検査の実施や、その意義につきまして、妊婦健診の受診促進とあわせ、都の広報紙やホームページなどを通じて、都民に周知をしてまいります。さらに、妊婦向け啓発資料を区市町村に配布し、母子健康手帳交付時に都民への知識の普及を図っていくこととしております。

○高倉委員 この項の最後に、大事な課題についてお伺いをしたいと思います。
 それは、この抗体検査でもってキャリアとされた人への対応として、相談あるいはケアの体制の構築、あるいは授乳指導といった予防策を今後どうしていくのかということであります。
 それは、キャリアというふうにされた場合に、このHTLV-1に対する十分な、あるいは正確な理解がありませんと、例えば、大きな不安に襲われる、驚いてパニックになってしまう、場合によっては夫婦の関係に影響が出る、こんなことも懸念されるわけであります。
 また、この抗体検査、一たんは陽性とされても、偽陽性になる割合が高いというふうにされておりまして、その場合はさらに検査を受けなければならない。その際に適切なアドバイスも必要であります。もちろん、授乳指導をどのように行っていくのか、こんなことも大事なわけであります。
 この抗体検査が始まれば、相談やケア、予防策の指導、こういったものが不可欠でありまして、早急な整備が必要であります。
 妊婦健診の実施主体である区市町村がその第一の担い手になると思われますけれども、都としてどうこの区市町村を支援していくのか、このことについて見解を求めたいと思います。

○杉村福祉保健局長 抗体検査の実施に当たりましては、ただいまお話がございましたとおり、検査結果を正しく説明し、陽性であることが判明した妊婦に対しては、適切な授乳指導や精神的なケアを十分行うことが重要でございます。
 このため都は、国が改訂を予定している保健指導マニュアルを活用いたしまして、区市町村関係者への研修を充実するなど、妊婦健診の実施主体でございます区市町村の相談ケア指導体制の整備を支援してまいります。

○高倉委員 次に、教育についてお伺いしたいと思います。
 知事は、今定例会の施政方針表明において、高校生には我が国の近代化の歴史を学ばせて、日本やふるさとへの誇りと愛着を持たせ、国際社会の一員として活躍する基礎も養ってまいりますと、このように表明をされたわけであります。私もそのことは大変に必要であるというふうに思っております。特に国際社会において活躍をしていく、こういった場合に、自分の国の歴史や文化に対する理解というのはまさしく不可欠ではないかというふうに思います。
 現代の若者に必要な歴史教育について、知事のご所見をお伺いしたいと思います。

○石原知事 日本人が非常に好きなイギリスの歴史家にトインビーという人がいます。多分もう、最近亡くなったと思いますが、日本にもたびたび来られて、日本の重要人物と対談したりしておりましたが、私は、日本人がこの人を変に好きな理由というのは、彼が、日本人がやった近代化というのは人類の歴史の中で奇跡だということをいいました。これは日本人にとって非常に耳ざわりのいい言葉ですけど、私はそれ聞いたとき、何いってやがんだと思ったの。
 これは、トインビーが日本の歴史をよく知らないから、一種の白人のおごりでいうことでありましてね、日本が中世から近世へ移り、近世から近代へ移る、その途中の、特に江戸時代の後半のこの日本の成熟というものは大変なものでありまして、例えば、この東京の前身であります江戸という首都は、当時では世界一の人口を持った大都市であったし、どこの国もなかった上水道まで持っていた大都市でした。そこで花開いた、特に元禄に象徴される文化というものは大変なもので、あの時代に寺子屋を含めれば日本に三万もの学校があった。この間も申し上げましたけれども、その時代は、イギリス人がやった抽象経済に先んじて、日本では、とにかく大阪の堂島の米商人が先物買いの経済を始めて、今でいうデリバティブとか、手形とかそういったものを日本人は世界で最初に開発した。同時に数学に関しては、申しましたように微分積分というものを、ライプニッツよりは五十年、ニュートンには八十年先に、日本の関孝和が考え出しました。
 こういう近世における成熟というものの延長に日本の近代化があり得たわけでして、これは決して奇跡でも何でもないです。そういったことを私たちが知ることで、今衰退の機運があるこの日本にとっての、自覚と、反省と、そして新しい自信を持ち直すことができると思いますので、つまり自分たちのじいさん、ばあさん、ひいじいさん、ひいばあさんが何をしたかということを私たちが知ることで、初めて先祖に対する敬愛もわいてくると思うし、家族というものも存続し得ると思いますので、まあ高校ではちょっと遅いと思うんですけれども、とにかく公立の学校で近代史、現代史というものを必須にするように教育委員会に申し込んで、受け入れていただいたわけであります。

○高倉委員 今、知事の思いをお聞かせいただきました。それが今度、具体的に、都立高校において近代の歴史を学ばせるということで、教科書として、この「江戸から東京へ」という教科書の授業というふうにつながっていったんだと思います。
 私も、東京都教育委員会のホームページに、この「江戸から東京へ」という教科書が既に掲載をされておりますので、ざっと目を通させていただきましたけれども、従来の歴史の教科書に比べて、大変編集にも工夫が凝らされていて、私なんかが読んでも大変おもしろいなというふうに感じました。
 子どもたちはやはり大変好奇心があるんだと思いますね。したがって、退屈な授業だとそれこそ、せっかくこんないい教材をつくっても、なかなか歴史そのものに興味を持ったり、おもしろいと思ったりできない場合もあるかもしれません。
 私は今、これからいろんな形で議論がされていくと思いますけれども、電子教科書とか電子教材、こういったものについてちょっと大きな関心を寄せているわけであります。
 例えば紙の本ですと、本当にある限界が、文字の数にしても載せる写真にしても限界があるわけですけれども、これを電子教科書にしたり、あるいは電子教材というものにしますと、これはもう大変たくさんのものが載せられる、また使うことができる、いろんな形で、文字だけではなくて音声、動画、そういったものを駆使して使うことができるわけですね。そうしますと、子どもたちにとっては、例えば大変な驚きとか知る喜びというのが、そういったものを使うことによって得られるんではないかなと、そのように思っている次第でございます。
 今回の本会議での一般質問でも、我が党の小林議員が質問をして、それに対して教育長さん、デジタルコンテンツのことについて答弁をされておりますけれども、この東京都教育委員会が独自に作成した「江戸から東京へ」を電子化する。そして関連する教材についても電子化をして、そして今、都立高校にしっかりと配置されている電子黒板を活用することによって学習効果は一層上がるというふうに思いますけれども、ご見解を伺います。

○大原教育長 新学習指導要領においては、各教科、科目等の指導に当たっては、視聴覚教材や教育機器などの教材、教具の適切な活用を図るとされております。
 そこで、都教育委員会では、「江戸から東京へ」に掲載している地図や写真等の資料を電子化し、教室の電子情報ボードに拡大投影することなどで、生徒がより具体的なイメージを持てるようにしてまいります。
 また来年度、教科書に掲載されなかった東京の各地に数多く残る史跡や文化財に関する情報についても、収集をいたしまして、新たにデジタルコンテンツを作成いたします。教科書の活用に加え、電子化された教科書に掲載されている資料や、このデジタルコンテンツを活用することによりまして、生徒の歴史に対する興味、関心や主体的に学ぶ意欲が高まるものと考えております。

○高倉委員 この電子教材でありますけれども、それを使う環境、例えば情報機器ですね、あるいはそういう電子情報、こういったものは、私たちにはもうなくてはならない、そういう社会になっているわけです。それを使うことによって、かつては自分たち、私たちができなかったようなことがいともたやすくできてしまうと、こんなような状況にあるんだと思います。
 したがって、今教育長さんからご答弁いただきましたけれども、電子教科書とか電子教材、そういったものを、今どんどん発展してきているこの情報機器、そういったものとうまく組み合わせて使うことによって、人間の能力や可能性というものを、もっともっと引き出せるんではないかと思います。そうした意味では、障害のある子どもたちの学びを支援する、大変強力な支援ツールになるのではないかなというふうに思います。
 本の字が見えないというだけでなくて、いわゆる読むことが困難な子どもさんもふえているというふうに聞いておりますけれども、その学習支援の道具として、マルチメディアデイジーという電子教材があるわけであります。簡単に言いますと、文字を拡大したり、あるいは音声で読み上げたり、文字の色が変わったりと、こういう教材なんですね。
 直ちにイメージができないと思いますので、簡単な例を挙げますと、皆さんカラオケに行かれると思います。カラオケはテレビの画面に歌詞が出てきます。そして、歌ってる部分の文字がこう、ずっと変わってくるわけですね。そして、さらに伴奏もある。したがって気持ちよく歌えるわけですね。あれがないと歌えない方も多分たくさんいるかもしれません。
 本当に、そうしたこのマルチメディアデイジー等の電子教材、読みが困難な子どもさんを初めとして、障害のあるお子さんたちに大変大きな支援ツールになっていると思います。
 東京都教育委員会は、障害のある子どものために、都立特別支援学校において、このマルチメディアデイジーなどの電子教材の活用を積極的に進めたらどうかというふうに思いますけれども、ご所見を伺います。

○大原教育長 児童生徒一人一人の状態に応じて、文字の大きさや読み上げの速さを変えることができるなど、多様な機能を備えているマルチメディアデイジー等の電子教材は、視覚に障害のある児童生徒の教材として、既に都立視覚障害特別支援学校等において活用が始まっております。
 また現在、国において、文章を読むことなどに困難のある発達障害の児童生徒に対する電子教材の活用方法や効果について、調査研究が進められております。
 都教育委員会はこれらの調査研究の動向を見据えていくとともに、平成二十三年度からは、知的障害特別支援学校におけるマルチメディアデイジー等の電子教材の活用について、研究に取り組んでまいります。今後とも、障害のある児童生徒にふさわしい電子教材を提供し、特別支援学校の指導の一層の充実に生かしてまいります。

○高倉委員 このマルチメディアデイジー等の電子教材、もう本当にいろんな活用の幅があると思います。
 都は全公立小中学校に特別支援教室の設置を目指しているわけでありますけれども、都教育委員会は区市町村の小中学校においても、このマルチメディアデイジーなどの電子教材を活用できるようにすべきと考えます。教育長のご見解を伺います。

○大原教育長 マルチメディアデイジー等の電子教材は、現在一部の地域の小中学校等において、文章を読むことなどに困難のある児童生徒に対する個別指導などで、活用が始まっております。
 また、国の法改正により、電子教材をインターネットから取得することも可能になったために、都教育委員会は本年二月、区市町村教育委員会に対して、電子教材の取得の仕方や活用方法などについて情報提供いたしました。
 平成二十三年度からは、発達障害の児童生徒の指導方法等に関する四区市のモデル事業の中で、マルチメディアデイジー等の電子教材の活用方法等についての研究にも取り組み、区市町村教育委員会と連携して、小中学校における電子教材の活用を支援してまいります。

○高倉委員 ことしの二月に、都立の中央図書館において、マルチメディアデイジー、あるいはテキストデイジーを作成していく研修会、作成を教える研修会というのが行われたそうであります。これは障害のある子どもだけでなくて、広く都民への読書のバリアフリーにつながっていく取り組みだと思います。
 読書のバリアフリー化が行われている公立図書館はまだまだ少ないというふうに聞いております。マルチメディアデイジー版の書籍も含めて、図書館における読書のバリアフリー化を、都立図書館が率先して推進すべきと思いますけれども、その取り組み状況も含めてご見解を伺います。

○大原教育長 都立図書館はこれまで、対面朗読や点字資料及び音声デイジー図書の提供など、主に視覚障害者を対象としたサービスを行ってまいりました。
 昨年一月の著作権法の改正により、公立図書館が著作権所有者の許諾を受けなくても、マルチメディアデイジー図書などの資料を製作、提供できるようになったことを受けまして、都立図書館では、デイジー図書の利用、貸し出し対象を、視覚障害者だけでなく、通常の書籍による読書が困難な方全般に拡大いたしました。
 今後は、IT技術の動向も踏まえ、資料の充実を図るとともに、区市町村立図書館職員の研修等への協力も含めて、通常の書籍による読書が困難な方の読書活動を支援してまいります。

○高倉委員 次に、高齢者の見守り支援についてお伺いします。
 超高齢社会を迎えまして、東京でも単身の高齢者、あるいは夫婦のみの高齢者世帯がふえてまいります。家族や地域の支えのない高齢者というのがさらに増加するということであります。
 都は、地域の高齢者の見守り拠点として、独自にシルバー交番事業を行っております。二十三年度予算では六十カ所の設置を目指すとされておりますけれども、まず、シルバー交番設置事業について、開始した理由と取り組みについてご所見をお伺いしたいと思います。

○杉村福祉保健局長 シルバー交番設置事業は、猪瀬副知事を座長とする、少子高齢時代にふさわしい新たな「すまい」実現プロジェクトチームにおきまして、地域全体にケアつき住まいと同様の安心を提供できる仕組みとして提案されたもので、高齢者の在宅生活の安心・安全を確保する都独自の取り組みでございまして、本年度より事業を開始いたしております。
 具体的には、高齢者からの相談にワンストップで対応いたしますとともに、町会や自治会、民生委員などと連携して、ひとり暮らし高齢者などの見守りや安否確認を行うこととしており、本年度は墨田区で二カ所、三鷹市で一カ所の計三カ所で実施いたしております。

○高倉委員 このシルバー交番でありますけれども、稼働しているのは平日の昼間の時間帯というふうにお聞きしております。予算でありますとか、あるいは人材の、人員の確保、こういったものに限界があって、それは仕方がないと思いますけれども、地域全体にケアつき住まいと同様の安心ということを目指すとすれば、やはり二十四時間三百六十五日の対応というものも必要になってくると思います。
 そこで、このシルバー交番において、スタッフを配置できない時間帯の見守りをどうしているのかについて説明をいただきたいと思います。

○杉村福祉保健局長 在宅の高齢者を二十四時間支援するため、職員が常駐しない休日や平日夜間帯におきましては、通報装置を活用して対応いたしております。
 具体的には、急病等のときにペンダントのボタンを押して、東京消防庁等に通報する緊急通報システムや、一定時間動作を確認できない場合に異常を知らせる生活リズムセンサーを設置いたしております。通報があった場合は、警備会社の社員等が速やかに駆けつける仕組みとなっており、職員が常駐しない時間帯にあっても在宅高齢者の安心を確保いたしております。

○高倉委員 今のご答弁で、緊急通報システム、あるいは生活リズムセンサー、そういった機器を活用して、職員を配置できない時間帯に対応していると、こういうご答弁でありました。
 こうした機器を使った安否確認というのは、いろいろあるんだというふうに思います。先般私は、ケーブルテレビ山形というところに参りまして、その状況をちょっと見せていただきました。
 ケーブルテレビは多チャンネルを提供する地域のインフラであります。そして、視聴者からも情報が送れると。一方的に見るだけではなくて、見ている人からも情報が送れる、そういう双方向のメリットがあるわけであります。
 それで、このケーブルテレビ山形で行っていたのは、高齢者がリモコンのスイッチを入れますと、すぐにメールが家族あるいは親戚、あるいは関係者のところへ飛んでいきます。こういうものでありますけれども、ふだんは一日何回か、そういうスイッチが入るわけです。入らない場合には何かあったということで、連絡をする、あるいは訪問する。そうして安否を確認していくわけであります。
 東京は高層ビルがたくさんありまして、電波障害の対策といった必要性から、ケーブルテレビ会社がいろいろとあるわけであります。そのケーブルテレビは、例えば自治体によっては、そのエリアの八割、九割という大変なエリアをカバーしてしまっていると、こういうところもあるわけであります。
 このシルバー交番が、区市町村では職員の常駐にハードルがある。そうした状況のときに、いろいろと機器を活用していく。そうした高齢者の見守りの一環として、地域の実情を踏まえて、既に存在するインフラであるケーブルテレビを使った安否確認に取り組む場合にも、都として支援を行っていくべきと思いますけれども、ご所見を伺いたいと思います。

○杉村福祉保健局長 都は、町内会、民生委員、ボランティアなどによります声かけや、配食サービスを活用した安否確認など、高齢者の見守りに関するさまざまな取り組みについて、区市町村包括補助事業を通じて支援を行っております。
 情報通信技術を活用した安否確認につきましては、現在国の補助により、全国でさまざまな実証実験が行われている段階でございまして、今お話がございました山形の例は、どこの家庭にもあるテレビを活用した新しい取り組みの一つと認識をいたしております。
 都としては、高齢者の安心・安全を確保するため、ケーブルテレビなど通信技術を活用した見守りなどの仕組みにつきましても、情報収集に努めてまいります。

○高倉委員 それで、このケーブルテレビ山形の取り組みですけれども、もう一つ買い物支援というところにも活用しておりました。
 テレビで、普通のリモコンのボタンをぽんと押しますと、買い物の画面が出てまいりまして、地域を選んでいく、それからお店を選んでいく、商品を選んでいくと、簡単に注文ができてしまいます。注文はすぐに商店の方に届きまして、商店の方から連絡をして、直接品物を持って訪問していくと。その際に現金をお支払いして、それがもう一つの見守り支援にもなっていると。こういったようなことでありました。
 今はインターネットを使っていろんな買い物というのはできるわけですけれども、高齢者はパソコンを使ったりするのはなかなかハードルが高いわけでありまして、日常使っているこのテレビというのが、非常に高齢者にとって抵抗感がないですし、顔なじみの地域の商店主を思い浮かべながら注文ができる。また、この地域に根差しているケーブルテレビですから、そういったものを使ってやっていくこの買い物支援というのは、非常に私は有効ではないかなというふうに思っております。
 そこで、商店街がこうしたシステムを積極的に導入できるよう、都としても十分な支援を行うべきと考えますが、ご所見をお伺いします。

○前田産業労働局長 都はこれまでも、新・元気を出せ商店街事業におきまして、商店街が行うホームページ作成など、IT機能の強化を図るための取り組みを支援しております。
 ケーブルテレビは、お話にもありましたように都内各地域でも整備されておりまして、地域密着型のさまざまな情報を提供するツールとして活用されております。こうしたケーブルテレビを利用して、今お話がありましたような、ITの活用による活性化の取り組みを商店街全体として行うことについては、これまで同様に支援してまいります。

○高倉委員 次に、都営交通についてお伺いをいたしたいと思います。
 私ども都議会公明党は、この都営交通について、乗車するたびにポイントがたまるエコポイント制度というのを、これまで繰り返し提案をしてまいりました。このエコポイントによって、都営交通の利用の促進が図られる。さらに、利用者の間に環境行動への理解といったものにつながっていく、そんなことで提案をさせていただきまして、都としては制度を導入すると、こういう具体的なお話をいただいているわけです。
 そこで、ポイントのつき方といったものも含めたサービスの全体像と、そして、いつからスタートするのか、このことについてご答弁をいただきたいと思います。

○金子交通局長 当局で導入を予定しておりますポイントサービスは、より多くの方に都営交通を利用していただくことを目的としておりまして、その結果として、環境負荷低減にも寄与し得るものと考えております。
 その仕組みは、ICカードPASMOをお持ちの方に会員になっていただき、定期券以外の利用実績に基づきましてポイントを付与するものでございます。一回ごとの利用に対する基本ポイントに加え、土休日に利用した場合や、都営地下鉄から都営バスに乗り継いだ場合などには、ポイントを加算する予定でございます。
 現在、準備作業は順調に進んでおりまして、会員募集は本年の七月一日から、また、サービスの開始は八月一日を予定しております。

○高倉委員 サービスの開始が八月一日からということであります。八月一日は交通局の創業百周年の日に当たっていたと思います。
 そこで、このエコポイントの仕組みをうまく機能させていくということが大事だと思いますけれども、より多くの人にこのシステムを利用してもらうための取り組みについて、ご見解をいただきたいと思います。

○金子交通局長 このポイントサービスをより多くの方にご利用いただけるよう、入会金や年会費を無料にするとともに、申し込みは郵送に加え、インターネットでも受け付けることとしております。
 さらに、募集開始から二カ月間に申し込みいただいた方には、キャンペーンポイントを進呈する予定でございます。
 また、たまったポイントは、駅に設置してあるチャージ機でPASMOにチャージして、乗車料の支払いや駅売店での買い物等に使うことができますが、ポイントをより有効に利用していただけるよう、他社より少額でチャージできるようにしております。
 今後、このサービスを多くの方に利用していただけるよう、各種媒体を活用して積極的なPRに努めてまいります。

○高倉委員 ぜひ、より多くの方が利用できるようにお願いしたいと思います。
 次いで、河川整備についてお伺いいたします。
 平成十七年の集中豪雨によりまして、私が住んでおります中野区を流れている妙正寺川の流域でも大きな被害がございました。直後の本会議でも質問させていただきましたけれども、その後、激特の事業に指定されまして、五年間で緊急整備が行われました。
 しかしながら、この整備が行われた区間は、環七と交わるところから下流へ四キロメートルにわたって行われたわけでありまして、この上流の部分についてはまだまだ未整備の区間があるわけであります。ぜひ、この妙正寺川の環七よりも上流区間についての整備を早急に進めるべきと考えますけれども、ご所見をお伺いします。

○村尾建設局長 河川の整備は、下流から順次拡幅を行うのが原則でございますが、妙正寺川の環七通りから上流区間の整備には長期間を要するため、都営鷺の宮アパートの建てかえと連携し、用地を創出し、鷺の宮調節池を設置することといたしました。既に調節池の工事契約を締結しており、今月末には地元説明会を開催し、平成二十四年度の完成を予定しております。
 この調節池の整備により、調節池から下流一・五キロメートルの区間の安全性が向上することとなり、妙正寺川の治水安全度は一五ポイント上昇し、七一%となります。
 また、調節池を整備することで、調節池から上流区間の拡幅工事も可能となり、一時間五〇ミリの降雨に対応する整備を加速することができます。
 今後とも、安全・安心な東京の実現に向け、地元区などと連携し、河川事業に全力で取り組んでまいります。

○高倉委員 福祉保健局長、済みません、もう一つ、高齢者の施策について、見守り支援について、最後に質問させていただきます。
 最近、だれとも接触を持てない、無縁社会が進展しているといわれております。人間は、他者とのかかわりの中で生きる喜びを感じていけると思っております。
 最近、傾聴ボランティアというボランティア活動が注目されています。傾聴、耳を傾けて人の話を聞く、傾聴ボランティアであります。相手の話にじっくりと耳を傾け、そして、その話のペース、あるいは雰囲気に寄り添っていくと、こういった活動でございます。
 私の知人にも、この傾聴ボランティアに取り組んでいる人がおりまして、一人寂しく生活をしていた高齢者がどんどん明るくなっていくと、こういったお話も聞いているわけでございます。
 こうした活動は、顔の見える身近な地域で行われているというふうに思いますけれども、担い手の養成などもいろいろ課題があると思います。区市町村が、有効な見守り支援策の一つとして推進していくことが今後予想されますけれども、そうした区市町村が傾聴ボランティアの養成や活用に取り組んでいく際には、都としても積極的に支援すべきと思いますけれども、ご所見をお伺いしたいと思います。

○杉村福祉保健局長 元気な高齢者などが、豊富な経験や知恵を生かし、傾聴ボランティア活動などに積極的に参加することは、本人の生きがいづくりになるとともに、地域の見守りや支え合いの推進にも役立つものと考えております。
 都は、区市町村が、傾聴ボランティア育成のための講座や、ボランティアの方々の協力を得ながら高齢者の見守り活動を行う場合には、包括補助事業を通じて支援をしてまいります。

○ともとし副委員長 高倉良生委員の発言は終わりました。(拍手)

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