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Tokyo Metropolitan Assembly

予算特別委員会速記録第三号

   午後六時三十一分開議

○高橋副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 きたしろ勝彦委員の発言を許します。

○きたしろ委員 民主党政権になって一年八カ月になりました。外交、内政を見ていると、日本はこのままで大丈夫なのか、本当に心配です。
 先般、あの鳩山元総理が、沖縄の海兵隊が抑止力だといったのは方便だったと発言したと報道されました。この方には、日本列島は日本人だけのものではないと発言した前科もあります。
 また、とあるテレビ番組で、先日、二十代にしてIT企業を起こして財をなし、衆議院選挙に立候補した経験もある有名な人物が、尖閣諸島なんか中国に明け渡しちゃえばいいじゃないですか、何か問題がありますかと発言しておりました。
 国を守る、領土を守るという常識以前のものを欠いた人間が国の指導者に就任できてしまう、あるいは社会に幾ばくかの影響を持つことができてしまうことにそら恐ろしい感じがするのは私だけではないと思います。
 ただ、こういった発言が出てくるのも、戦後を振り返れば、ある意味で無理からぬところがあります。我々保守の政治家の責任でもあります。
 戦後、日本を愛することは悪だと教える日教組教育が子どもたちを毒してきました。彼らは、知事が常々おっしゃっている日本人として持つべき価値観を否定してきました。アメリカがつくった自由と権利ばかりで義務を欠いた憲法を悪用し、野放図な自由と履き違えた権利意識を植えつけたのもほかならぬ日教組です。
 今日、そうした間違った教育を受けた大人が大多数を占めるようになったがゆえに、日本はとてももろい国になっております。国を守る、領土を守るということは日本人の心から抜け落ちているのかもしれません。
 一方で、昨年の尖閣の事件で、国民も目覚めつつあります。また、ロシアの北方領土での振る舞いからは、すきを見せれば外国は容赦なくつけ込んでくるという厳しい現実に日本人は気がついたと思います。
 中国は、南沙諸島に対してこうかつなわなを仕掛け我が物にしましたが、東京が抱える沖ノ鳥島がこうしたわなに陥ることを防がなければなりません。
 こうした時期を逃さず、今こそ、このままでは日本は危ない、そういう危機意識を都民、国民で共有できるよう、政治があらゆる努力をすべきであると思いますが、知事、いかがでしょうか。

○石原知事 昨年の八月十五日に、私、定例のことですけれども、靖国神社にお参りをいたしました。そのときに、都議会の自民党の古賀議員に会いまして、そのときに古賀さんが参拝いただいてありがとうございますというから、あなたにお礼をいわれる筋合いはないんで、当たり前のことでしょうといったら、彼がそのときに突然、石原さん、これは日本全体が領土問題になりましたよといいましたが、うまいことをいうなと、私は本当に強く共感いたしました。
 尖閣に限らず、竹島もあのていたらくですし、北方領土なんてああいう形で強奪されたわけでありますが、あんなもの中国にくれてやったらいいというのは、どんなやつか知りませんけれども、かなり著名な人でしょうが、昔ならそんな人間は殺されていますな、これは。やっぱり愛国の士もいましたからね。私はそう思いますよ。そういう発言をどういう責任でしたか知りませんが、心情的に絶対許せないし、だれも許さぬと思います。
 しかし、こういう世の中ですから、そんな物騒なことにはならぬと思いますが、やっぱりどれほど著名な人か知りませんけれども、想像もつきますが、何をもって日本人にとっての絶対価値とするかといったら、彼は多分経済人らしいから、経済的効果というか利益ということでしょう。
 しかし、やはり日本人のアイデンティティーが、日本人にとっての絶対の価値というものの基軸が物欲、金欲になってしまったら、これはやっぱりこんな国は世界の中で通用しないものとなると思います。
 いろいろ申し上げたいことはこのことについてはありますけれども、私自身も、かつて青嵐会のころ、仲間に諮って拠金して、最初に小っちゃな灯台をあそこへつくりました。その後、青年社が多大なお金を使ってあそこに立派な灯台をつくってくれましたが、これまた運輸省の水路部に諮って現地を見てもらって、足りないところがあったらといったら、二つか三つ注文がありまして、それをきちんと補整して立派な灯台にしたんですが、外務省がなぜか時期尚早というんで、チャートにそれを正式に登載させなかった。これは逆に非常に危険なことですけれども、私の息子の代になっていいまして、ちゃんとあの灯台に日本国、保安庁ですか、これをつくるというプレートを張ったようでありますが、やはり、私たちは自分の身体と同じ国土というものが他人によって傷つけられ、はぎ取られていくことに精神的な苦痛というのを感じないようになったら、この国は私は終わりだと思います。
 そういう点で、私たちはやっぱりこのまま下手をするとどこかの属国になってしまう。実際に、数年前に見ました日本版の「ニューズウィーク」の表紙には星条旗がかいてあって、何で星条旗の絵がかいてあるかと思ってよく見たら、最後の小っちゃな星が小っちゃな日章旗でしたよ。下手をするとそれで済まずに、五星紅旗の六番目の小っちゃな星が、黄色じゃなしに、小っちゃな日の丸になりかねない。そういったものを私たちは十分に想定できるようなところまで追い込まれたと思いますので、お互いにやっぱりちょっとこの国を自分で守るんだという気持ちを持ち直して頑張りましょう。

○きたしろ委員 今、知事にご答弁をいただきましたけれども、我々自身が、この国を守る、我々を守る、そういう強い気持ちを持っていかなきゃいけないと思います。そしてまた、それを国民、都民に訴えていかなければいけないというふうに思います。日本を守ろうという社会の機運を私自身も高めていきたいと思っております。
 次に、新しい学習指導要領は、およそ六十年ぶりに改正されました教育基本法の精神を受け、伝統と文化を尊重し、それをはぐくんできた我が国と郷土を愛し、公共の精神をとうとぶ日本人を育成することが明記されていると伺っております。
 そのことを踏まえ、私はまず、現在失われつつある日本人の心を大切にする教育について質問をいたします。
 かつて、日本人の美徳には感謝の気持ちがありました。周囲の人々に支えられ、助けられて自分が存在するという認識に立ったとき、初めて相互に尊敬と感謝の念が生まれます。それは日々の生活、さらには自分という存在に対する感謝へと広がり、生命尊重や人間尊重の精神の支えとなるものであります。
 しかしながら、戦後教育の義務なき自由や履き違えた個人主義の教え、とりわけ昭和三十年代に展開された日教組による道徳特設反対運動などにより、戦前の価値観はすべて否定され、人として当然持つべき感謝の気持ちを含めた日本人の美徳を学校では教えなくなりました。また、そうした教育を受けた子どもが親となり、本来家庭の役割であるはずのしつけを学校に任せ切りにしているのです。
 その結果として、行動の基準を善悪ではなく損得に置く、自分さえよければよいといった利己的でせつな的な風潮が蔓延し、いつしか日本人の美徳が失われてしまいました。
 そこで、今後、戦後教育で失われた日本人の心をいかにはぐくんでいくのか、改めてまた知事の所見をお伺いいたします。

○石原知事 戦後の日本の教育の荒廃によって、私たちが失ったものは本当に多大なものだと思いますが、これをどうやって克服していくか、これは非常に道も遠いし、多岐にわたるものと思います。
 私が知事に就任しましたときに、敬愛している大先輩の中曽根さんからメモをもらいました。最低これだけのことやってくれといわれましたが、その中の一つに、一つだけ私、まだまだ、やりかけて道遠いなと、やり残したものがいまだ、今限りでございます。
 それは、破壊的に日本の教育の改革をしてくれということでありましたが、これは思い切った改革ということでしょうけれども、それをそういうレトリックでいわれたんでしょうが、その一つのよすがとして、大学生が自分たちのじいさん、ばあさん、ひいじいさん、ひいばあさん、この近代化の途中に何をやってくれたかということを知らずにいるわけで、多くの先祖を失った、先輩たちを失った太平洋戦争というものの存在そのものを大学生は知らないということを私はある事件で気がつきまして驚いたのですが、やはり価値観についてはいい悪いじゃなしに、事実として何があったかということを近代史、現代史として教えないと、これはだめだと思います。
 よく古いうちに行きますと仏間におじいさん、おばあさんの写真がかかっていますけれども、その人たちが実は何をしてくれたかということを知らないと、これは先祖に対する感謝にもならないし、その人たちがつくってくれた今の国に対する思いというのもないと思います。
 そういうことで、私は近代史、現代史というのを東京に限って公立の学校では義務教育にしようということで教育委員会に諮って、是としてもらいましたが、そのほかこのほか、やはりかつては教育勅語というのがありました。ああいう文章が今復活しても陳腐なもので荒唐無稽ですが、ただやっぱりいっていることは決して間違いじゃないので、もうちょっと重々しい言葉でわかりやすく、まさに「兄弟ニ友ニ」「朋友相信シ恭儉己レヲ持シ」とか「一旦緩急アレハ」という、人間として、国民としての当然な国家に対する義務といいましょうか、その心構えというのを説いたわけでありまして、そういうものをやっぱり小学校のころから刷り込みしませんと、子どもたちというのは、価値観というのは造成されていかないと思います。
 よく私いうんですけれども、インドでは、日本と違って、日本の九九算と同じように二十五まで、つまり二十四掛ける二十四、二十四掛ける二十五、二十五掛ける二、三、四と、そこまでやっているそうです。これはもう計算じゃなくて刷り込みなんですね。門前の小僧が習うお経みたいなものでして、暗算、暗記です。そうすることで、それが実際に実生活に生きてくるわけでして、インドに行きますと、アメリカ人と違って、ちょっと教育を受けた人は、買い物してすぐおつり出しますよ。アメリカ人はそれができませんな。
 こういうことも必要だと思いますので、これはやはり国の仕事でありまして、東京都からも提言して結構ですけれども、みんなで知恵を出して、こういうことを最低国はしろという要望というものを東京から、子どもたちに正しい価値観の刷り込みをするためのそういった教育を建言していきたいものだと思っております。

○きたしろ委員 ただいま知事が答弁されました。それこそ「朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト」という言葉がございまして、その言葉の前後は抜きにして、中身は本当に日本人の二千六百年の歴史がそこに入っているわけですから、ぜひその辺のところを踏まえてやっていただきたいというふうに思います。
 教育基本法が変わりました。ゆとり教育を見直し、改訂された新学習指導要領では、授業時数が増加しています。ゆとり教育及び学校週五日制の実施とともに減少してしまった授業時数を、今回の改訂で少しは取り戻そうとしたわけですが、私は、子どもたちの真の学力向上を図るためには、まだまだ足りないのではないかと考えております。
 こうした状況を踏まえ、昨年度、都教育委員会が全国に先駆け、土曜日における授業の実施に係る留意点を示し、土曜日における授業の実施を希望する学校がより円滑に実施できるようにしたことを高く評価をいたします。
 そこで、都内公立小中学校の今年度の土曜日における授業の実施状況と、都教育委員会の今後の取り組みについてお伺いをいたします。

○大原教育長 平成二十二年一月、都教育委員会は、保護者等への公開を条件として土曜日における授業が実施できる旨、区市町村教育委員会に通知いたしましたが、次年度の教育課程が固まる時期であったにもかかわらず、平成二十二年四月から土曜授業を月一回以上実施している学校は、小学校で百二十五校、中学校で七十四校に上っております。
 都教育委員会は、先進的に土曜授業に取り組んでいる区市町村教育委員会及び学校への訪問等を通しまして、特色ある取り組みを把握して指導資料にまとめ、都内すべての公立小中学校に配布し、来年度以降、学校が主体的に土曜授業を推進するよう啓発を図りました。こうした取り組みによりまして、平成二十三年度の実施校数は拡大する見込みでございます。
 今後は、新学習指導要領の全面実施に伴い、区市町村教育委員会と連携し、学校が土曜日を有効に活用して学力向上を図ることができるよう支援してまいります。

○きたしろ委員 今後、都内の公立学校において、土曜日における授業の実施が一層拡充することを期待して、次の質問に移ります。
 私学振興についてお伺いをいたします。
 私立学校は、その建学の精神に基づく人間教育、情操教育など特色ある教育を展開し、これまでも多くの優秀な人材を輩出しております。私学の教育は広く国民から期待されております。私学を支えていくことが、将来のこの国を担う人材を育てる上でとても重要であると考え、我が党も私学振興を最重要施策の一つとして位置づけ、これまでも積極的に取り組んできたところであります。
 しかし、国を見ると、民主党政権の平成二十二年度の国の予算は、経常費助成、耐震化に対する補助などの私学助成予算を大幅に減額し、多くの批判を受けたにもかかわらず、二十三年度予算案においても一向に改善されていないわけです。こういう民主党政権の対応を指摘した上でお尋ねをいたします。
 都では、東京における私学の重要性についてどのように認識しているのか、また、私学振興を図るため、どのような観点で施策を行っているのかお伺いをいたします。

○並木生活文化局長 都内の高校生の約六割が通う私立高校や、園児の九割以上が通う私立幼稚園など、私立学校は、その建学の精神に基づき、個性的で特色ある教育を展開し、東京の公教育において大きな役割を果たしております。
 このため、都では、私立学校における教育条件の維持向上等を目的とした基幹的補助でございます経常費補助に加え、保護者負担軽減策や校舎等の耐震診断、耐震化工事に係る補助を実施しております。さらに、昨年度からは、地上デジタル放送対応に係る補助を開始するなど、時代の要請にこたえた私学振興のための施策を総合的に展開しております。
 今後とも、私立学校が都民の期待にこたえる質の高い教育を確保できるよう、引き続き幅広い支援を実施してまいります。

○きたしろ委員 東京都は、国とは異なり、私学振興のための施策を総合的な観点から展開していることを高く評価いたします。
 都は、我が党の要望を受け今年度実施した特別奨学金制度は、生活実態に合った支援であり、未来ある子どもたちの就学機会が守られるよう、引き続き保護者負担の軽減に尽力をいただきたい。
 そして、民主党政権のちぐはぐな政策は、高校に関する施策のみならず、幼児教育、子育て施策においても同様であります。
 こども園については、先ほど神林委員が質問しましたが、私も全く同意見でございます。中身の十分な議論もなく、拙速に施策を進め、日本の幼児教育の根幹である私立幼稚園を崩壊させようとしていると思います。
 そもそも、私立幼稚園は、これまでも地域の実情や保護者のニーズにこたえてさまざまな取り組みを行い、努力を重ねてきております。
 そこでお伺いいたしますが、都では、これまでの東京の私立幼稚園が行ってきた取り組みをどのように認識しているのかお伺いをいたします。

○並木生活文化局長 東京では、多くの私立幼稚園が早朝や教育時間終了後の保育のほか、夏休み期間中の保育など、預かり保育に取り組んでおり、平成二十二年五月一日現在で、私立幼稚園全体の約八五%に当たる七百五園で実施をしております。預かり保育を実施する幼稚園は年々増加する傾向にあり、仕事を持つ保護者にとって、安心して子どもを預けられる環境を整えてきております。
 東京の私立幼稚園は、質の高い幼児教育を実践しながら、同時に預かり保育などに積極的に取り組み、時代の要請や都民にこたえてきているものと認識しております。

○きたしろ委員 私も同じような思いでございます。正しい認識だと思います。
 国は、これまで私立幼稚園が果たしてきた役割をきちんと評価した上で、幼児教育の内容や制度を議論すべきであると思います。
 それにしても、民主党政権の政策全体を見ると、思いつきだけで打ち出される政策ばかりであるように感じます。扶養控除の大幅カットは、専業主婦は認めない、みんな働けというような極端な男女平等主義の発想に基づいているように感じます。また、あしき平等主義に基づいて、教育は、すべての者に対して画一的に施すのをよしとし、私立学校や私立幼稚園のような自由な建学の精神は認めない。まさに社会主義的な発想そのものの施策の羅列であるように感じます。そして、財源の当てのないまま、施策を次々と打ち出し、大量の赤字国債を発行し続ける。このままでは、日本の国家財政は崩壊し、国民は疲弊する。最後は国を滅ぼすことになりかねないと思います。
 このことを強く指摘し、次の質問に入ります。
 次に、東京のまちづくりについて質問をいたします。
 戦後六十年以上がたち、高度経済成長期などに建設された道路、上下水道などの都市インフラの多くが現在一斉に更新時期を迎えています。こうした都市の更新時期をとらえ、国際競争力を兼ね備えた都市に再生すべく、まちづくりを進めていくことが不可欠であります。
 そこでまず、環状二号線、新橋・虎ノ門地区の再開発事業についてお伺いをいたします。
 現地を見ると、環状二号線の道路予定地及び虎ノ門街区にあった建物はほとんど移転、除却されております。そこで、この虎ノ門街区の整備内容と今後の予定についてお伺いをいたします。

○河島東京都技監 お話の虎ノ門街区の再開発事業では、国際的ニーズに対応できる住宅やオフィス、ホテルなどを備えた地域のシンボルとなる超高層ビルとともに、約六千平方メートルに及ぶ緑豊かな交流広場を整備する予定でございます。
 また、区画街路によって細分化された小さな街区を統合して大街区とし、土地の有効利用を行うとともに、ビルの地下部分には、立体道路制度により環状二号線の本線を整備することなど、今後のまちづくりのモデルとなるものと考えております。
 虎ノ門街区では、既に建物除却がほぼ完了しており、いよいよ本年四月に建築工事に着手する予定でございます。なお、完成は平成二十六年度を予定しております。

○きたしろ委員 また、この都心の地に幅員四十メートルもの道路が八百メートルにわたって整備されるという事業はほかに例がなく、未来の東京を象徴する空間として整備されると思います。
 そこで、新橋・虎ノ門地区の地上部道路の整備の考え方と今後の予定についてお伺いをいたします。

○河島東京都技監 新橋・虎ノ門地区の環状二号線は、計画幅員四十メートルの中に、広域交通を担う地下本線と地域内交通を担う地上部道路の二層構造とする計画となっているため、地上部道路はゆとりある広い歩道空間を確保することが可能でございます。この空間を生かして地域の交流やにぎわいを創出するとともに、グリーンロードネットワークにふさわしい緑豊かで魅力ある道路として整備していく考えでございます。
 都は、地元港区や沿道地権者らを交えた地上部道路計画検討会を設置し、整備内容の検討を進め、現在関係機関と具体化に向けた詰めの協議を行っております。
 この地上部道路につきましては平成二十三年度より順次工事に着手し、平成二十五年度の完成を目指して整備を進めてまいります。

○きたしろ委員 地上部道路についてですけれども、新橋・虎ノ門地区の環状二号線がいまだにマッカーサー道路と呼ばれているのはやめてもらいたいと思います。新橋・虎ノ門地区の環状二号線に、マッカーサー道路にかわる新しい二十一世紀にふさわしい道路愛称をつけるべきだと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○河島東京都技監 これまで、道路などに愛称をつけた事例としては、白鬚西地区再開発において区道にけやき通りとつけた例や、大橋地区再開発において再開発エリア全体をO-Path目黒大橋とつけた例などがございます。
 お話のマッカーサー道路という呼び方は、連合国軍総司令部、いわゆるGHQが軍用道路の整備を要求したことに端を発したなどともいわれておりますが、正式名称でも何でもございません。知事も先日の本会議で述べておりますように、都としては、今後整備するこの環状二号線地上部道路に新しいまちにふさわしい愛称をつけるべきであると考えております。
 本地区においては、先ほど答弁いたしました検討会も組織されておりますので、今後、都としてこのような場を通じて地元の意見も聞きながら、親しみのある愛称名の設定に取り組んでまいります。

○きたしろ委員 環状二号線の整備に伴い、第一京浜に新たに設置される交差点があります。その名称については、例えば、歴史のある日比谷神社が環状二号線で遷座をしたわけです。そういったことで、この交差点を日比谷神社前とするというような、まちを象徴する交差点名とするよう要望しておきます。
 次に、この地域を東京の顔にふさわしいまちにしていくためには、地上部道路の整備に加えて、その周辺においても道路空間を生かした活気とにぎわいのあるまちづくりを進めていくことが重要であります。
 特にこの地域は、狭い区画道路によって街区が細分化され、土地の有効活用が図られていないことから、隣り合った街区をまとめるなど、大街区化を進め、高度利用を促していく必要があると考えております。
 まちづくりを具体的に進めていくためには、地元住民や区だけの取り組みだけでは限界があります。
 今後、都として、沿道周辺のまちづくりにどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。

○河島東京都技監 都は、環状二号線の整備を契機に、周辺の市街地の更新を適切に誘導することが重要と考えておりまして、区が地元とともに進めてきた勉強会にも参画し、まちづくりの手法や具体的な進め方などを助言してまいりました。
 先日、区は、地元に対して、まちの将来像と方向性を示すガイドラインの案を提示いたしました。この中で、都の独自制度である街区再編まちづくり制度を活用し、細分化された街区の統合を図りながら、にぎわいを創出する商業機能の誘導や緑のネットワークの整備などを進めるとしております。
 都は引き続き、地元の意向も踏まえながら、東京を代表する幹線道路の沿道にふさわしい魅力的なまちづくりの実現に向けて、区の取り組みを積極的に支援してまいります。

○きたしろ委員 今ご答弁いただいたようなまちづくりの制度の効果的な活用のもと、この細い区道をうまく利用し大街区にすれば、緑豊かなオープンスペースも確保をしながらビルの建てかえが可能となり、私の提唱する環境に優しい国際競争力も兼ね備えたガーデンシティー東京の実現が図られると思います。沿道周辺のまちづくりに対しては、引き続き都の支援をよろしくお願いしたいと思います。
 次に、都市計画公園の整備についてお伺いします。
 都市の公園は、憩いやレクリエーションの場だけではなく、災害時の避難場所の確保やヒートアイランド現象の緩和など、安全、快適な東京のまちづくりに不可欠な都市施設です。
 しかし、公園の整備状況は、一人当たりの公園面積を世界の大都市と比較しても、まだまだ不十分であるといわざるを得ません。私の地元港区の東京ミッドタウンのように、近年、民間による都市開発にあわせて大きな緑地が整備されている例もありますが、一方で、都市計画公園については、青山公園や芝公園のように、長年用地買収が進まず、都民に開放されていないところがあります。
 都は、従来から取り組んでいる公共による公園整備を着実に進めるとともに、民間開発に合わせて、既に都市計画決定されている公園等の整備を促進する方策も検討していくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。

○河島東京都技監 都はこれまで、都市開発諸制度等を活用した民間開発に合わせて公開空地の整備を誘導し、都心三区の緑被率の向上に大きな成果を上げてまいりました。
 一方、都市計画決定された公園等の整備率はいまだ四五%にとどまっておりまして、特に、地価が高く、用地取得が困難な都心部における長期未着手の公園等については、周辺で行われる民間の都市開発と一体的に整備することも重要と認識しております。
 このため、昨年八月より、都市計画公園・緑地の整備方針の改定に取り組む中で、今後優先的に着手する公園区域の検討に加えまして、地元自治体とも連携しながら、民間によるまちづくりと公園等の整備を両立させる新たな仕組みの構築に取り組んでおり、本年夏を目途に、これらを盛り込んだ改定素案を公表する予定でございます。

○きたしろ委員 今後、民間の資金や知恵も活用して、緑豊かで潤いのあるまちづくりが進むよう要望しておきたいと思います。
 次に、下水道管の再構築についてお伺いいたします。
 首都東京を支えている都市インフラは、戦前から高度成長期にかけて整備されており、老朽化への対応が喫緊の課題となっております。
 とりわけ、下水道管が老朽化して破損すると、道路陥没の発生による交通機能障害や雨水排除が困難になるなど、都民生活に大きな影響を与えます。このため、下水道管の現状を適切に把握し、再構築を計画的に実施することが重要であります。
 そこで、下水道管の老朽化の状況と今後の見通し、これまで実施してきた対策をお伺いをいたします。

○松田下水道局長 東京都区部の下水道は、明治十七年の神田下水に始まり、現在、下水道管の総延長は一万六千キロメートルに達しておりまして、そのうち約一割に当たる千五百キロメートルが既に耐用年数の五十年を超えております。今後、二十年間で耐用年数を超える下水道管が六千キロメートル増加するため、老朽化対策は喫緊の課題となっております。
 これまで、下水道管の健全度を把握する目的で、テレビカメラなどによる管路内調査を行っておりまして、この結果に基づき補修や再構築を実施しております。
 とりわけ、損傷が発生すると道路陥没につながる、比較的口径が小さく浅いところに埋設をされております枝線と呼ばれる下水道管の再構築につきましては、特に整備年代の古い都心四処理区、一万六千三百ヘクタール、これは二十三区の面積のおよそ三分の一でございますが、この区域を対象に、平成七年度から順次整備を進めておりまして、この十五年間で二割に当たる約三千四百ヘクタールの地域が完了しております。

○きたしろ委員 今、答弁の中にありました都心四処理区は、政治経済の中枢であり、下水道管に支障が生じることになれば、都市機能に甚大な影響をもたらし、東京、ひいては日本の経済活動にも影響を及ぼしかねないと思います。今後ますます耐用年数を超える下水道管がふえていくことを考えると、再構築のスピードを上げる必要があるのではないでしょうか。今後どのように下水道管の再構築を進めていくのかお伺いをいたします。

○松田下水道局長 平成二十三年度下水道事業会計におけます区部建設事業費につきましては、前年度と比較して二百億円増額し、一千四百五十億円を計上し、事業を実施してまいります。とりわけ、都心四処理区の枝線の再構築は、経営計画二〇一〇において、これまでの整備ペースを大幅に増加をさせ、三カ年で千二百ヘクタールの再構築を実施し、およそ三割まで整備を完了させることといたしました。
 具体的には、既存の下水道管を道路を掘らずによみがえらせることができる更生工法などの採用拡大により、可能な限り有効活用し、工期短縮やコスト縮減を図りながら計画的かつ効率的に再構築を進めてまいります。
 この地区の再構築の完了は平成四十一年度を目標としておりまして、今後ともさまざまな工法を活用してスピードアップを図り、事業を鋭意進めてまいります。

○きたしろ委員 都市活動を地下から支える下水道を健全に機能させ続けるために、これからも計画的かつ積極的に再構築を進めてもらいたいと思って、私はこの下水道に関しては質問を終わります。
 次に、水道事業についてお伺いをいたします。
 ライフラインと呼ばれている都市のインフラの中でも、水道はまさに生命線です。安全でおいしい水の安定供給は、都民生活を初め、東京の発展を支えるために不可欠であります。
 そこで、今後の安定給水の継続という視点から、都の水源、水道施設にはどのようなリスク、課題があるのかお伺いをいたします。

○尾崎水道局長 水道施設は、建設に長期間を要し、長期にわたって供用するため、現在のみならず、五十年、百年先を見据えたリスクも想定する必要があります。
 まず、都の主要な水源である利根川・荒川水系では、渇水に対する安全度が他の水系よりも低い上、ダム等の供給能力が約二割減少しているなど、都の水源は極めて脆弱な状況にあります。さらに、利根川上流の積雪量は、気候変動により、百年後には現在の三分の一まで減少すると予測されており、渇水リスクがより高まることが懸念されています。
 次に、浄水場などの水道施設は間もなく一斉に更新時期を迎え、仮に耐用年数どおりに更新すると、大幅な処理能力の低下が避けられず、安定給水の確保が困難になります。加えて、大規模地震の切迫性が指摘されていることや、温暖化に伴う原水水質の悪化などのリスクも想定されます。
 以上のように、東京の水道は、安定給水を脅かすさまざまなリスク、課題を抱えております。

○きたしろ委員 東京の水道は、今の答弁にあったように、多くのリスク、課題を十分に踏まえ、的確に対応していくことが重要であります。特に首都東京としての水源は脆弱であり、既に影響が出始めている気候変動を踏まえると、八ッ場ダムは一刻も早く完成させなければなりません。
 昨年の公営企業委員会での私の質問や、第四回定例会の宇田川議員の質問に対し、水道システム全体の安全度を向上させ、将来の安定給水を確保するため、水道施設の再構築に向けた基本構想を策定すると答弁がありました。
 そこで、今後のリスク、課題の解決に向けた取り組みと、水道施設の再構築に向けた基本構想の検討状況についてお伺いをいたします。

○尾崎水道局長 現在、水道局では、渇水や震災時等においても可能な限り給水を確保するため、東京水道経営プラン二〇一〇に基づき、八ッ場ダム等の水源開発の推進、水道施設の耐震強化、効率的な維持管理や更新を行うためのアセットマネジメント手法の整備などの施策を実施しております。
 また、将来想定されるリスクに十分対応できるよう、水道需要、水源確保、施設整備の観点から、水道施設全体の安全度を踏まえた水道施設の再構築のあり方について検討を開始しました。
 具体的には、昨年十二月に、外部有識者から成る委員会を立ち上げ、五十年から百年先の水源、水道施設を取り巻く状況を見通し、想定されるリスクや課題の分析、検証に着手したところでございます。
 今後、渇水に対する安全度や水道施設の整備水準について諸外国の調査を実施するなど、引き続き検討を行い、水道施設の再構築に向けた基本構想を平成二十三年度内に策定してまいります。

○きたしろ委員 東京の水道は、これまで一世紀以上にわたり安定給水と都民サービスの向上に努めてきましたが、孫子の世代にも安心して水道を飲み続けられるよう、東京水道の再構築の方向性をしっかりと定めてもらいたいと思います。
 これまでも述べてきたとおり、水道を初めとした都市インフラの充実は、都市の発展に不可欠です。これは、世界のどの国、どの地域にとっても共通であり、過去の歴史を見ても紛れもない事実です。戦後の壊滅的な時代から世界一といわれるまでに培われた東京の水道の技術、ノウハウは、途上国においても必ず生きるものであり、期待も高まっています。
 そこで、国際貢献ビジネスについて幾つかお伺いをいたします。
 昨日の予算特別委員会の代表質問において、共産党は、水道局の取り組みを、水問題を解決するどころか、逆に新たな水格差をつくり出し、撤退を余儀なくされ、莫大な負担を抱え込むなどと非常に偏った主張を繰り広げていました。まさに驚くべき主張であり、私も耳を疑いました。
 先日、知事は、途上国の子どもたちは、安全な水に接することができないがゆえに、今も一日数千人が命を落としている、そんな事情を知りながら、見て見ぬふりをするというのは理解できないという内容の発言をされています。まさに私も同感でございます。
 国際貢献ビジネスは、途上国の発展の手助けをするものであり私も期待しています。にもかかわらず、先日、共産党は、その取り組みを否定しました。
 そこで、そもそも東京が一歩踏み込んで国際貢献ビジネスを行おうと考えたのはどのような理由なのかお伺いをいたします。

○尾崎水道局長 国際貢献につきましては、JICA等を通じた海外研修生の受け入れや職員派遣などにより、積極的に途上国の人材育成に努めてきております。
 しかし、アジア各国では、経済成長に伴う都市への人口集中などにより、水不足や水源水質の悪化が深刻な問題となっており、より積極的な支援が求められております。このため、その要望にこたえていくことが日本最大の水道事業者としての責務だと認識しております。
 また、当局では、監理団体との一体的事業運営体制の構築が進み、ノウハウが蓄積されてきたことから、新たな国際貢献を行う基盤が整ってきたところでございます。
 こうしたことなどから、東京水道サービス株式会社を活用した新たな国際貢献を行うこととし、昨年一月に策定した経営プラン二〇一〇において明らかにしております。

○きたしろ委員 水問題の解決に向け、国際貢献ビジネスに踏み出そうという東京の考えは、まさにそのとおりだと思います。
 さて、自治体の海外展開は、新しい取り組みであるがゆえに、未知のリスクもあることと思います。
 先日、共産党から、わざわざリスクの分析を行い、その例を挙げざるを得なかったと海外展開がさも危険に満ちあふれているかのような質疑がありました。
 そもそも、リスクのない事業は存在しません。重要なのは、いかにそうしたリスクの分析を行い、コントロールしていくかです。
 そこで、国際貢献ビジネスに取り組むに当たってリスクをどのように考え、どう対応していくのかお伺いをいたします。

○尾崎水道局長 海外展開にはさまざまなリスクが想定されるため、事業内容に応じたリスクとその回避策について体系的に整理しております。
 リスクとしては、コンサルティング業務からホールビジネスに至るまでの事業参画の形態に応じて、為替変動などの経済的な要因や債務不履行、法令改正などの社会的要因によるものまで、十八項目に分類しております。
 また、リスク回避策につきましては、為替ヘッジ、貿易保険のほか、リスクの負担ルールを極力明文化するなど、各リスクごとに対応を整理いたしました。
 今後、個別の事業の参画に当たりましては、事業収支計画や事業リスクを分析し、適切な回避策を講じてまいります。それでもなおリスクが高い場合には、リスクの回避ができるまで引き続きアドバイスを行うともに、事業化の可能性について幅広く調査するなど、状況に応じて適切に対応してまいります。

○きたしろ委員 都民に負担をかけないよう、いかにリスクに配慮しているのか理解できました。日本は資源も乏しく、世界と協調しなければ生き残ってはいけません。
 我が党は、国際貢献ビジネスを世界の水事情の改善と日本の景気回復の起爆剤として後押しをしてきました。
 共産党は、水メジャーが途上国で貧しい人々の水を奪い、あたかも東京が同じことをするかのような主張をしていますが、全くの曲解であります。こういうことがないように、世界が東京に期待しているのです。
 わけのわからない意見に惑わされることなく、これからも国や民間企業を先導して、水ビジネスを牽引していただきたいと思います。
 日本を代表して、精力的に事業を推進していただきたいと思い私の質問を終わります。(拍手)

○高橋副委員長 きたしろ勝彦委員の発言は終わりました。

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