ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

予算特別委員会速記録第三号

○ともとし副委員長 神林茂委員の発言を許します。
〔ともとし副委員長退席、高橋副委員長着席〕

○神林委員 子どもの年齢と脳の発達について興味深い説がございます。人間の脳は、十歳までにその九割が発達し、また、三歳、四歳において約八割が完成するといわれております。
 最近、小一プロブレムが社会問題化していますが、基本的な生活習慣が身についていない、他人とかかわることが苦手、自己中心的で我慢ができない、運動能力が低下するなど、その行動や精神面に幾多の課題が指摘されております。
 幼児期というものは、その子の人生の基礎がつくられる大切な時期であり、重要な意味を持っています。人間として生きる力、規範意識や社会性を持った人間に育つためには、早い時期から幼児教育を受けさせることが極めて有効であると考えております。
 そこで、幼児教育の重要性について、都教育委員会の所見を伺います。

○大原教育長 幼児期は、生涯にわたる人間形成の基礎を培う極めて重要な時期であり、保育所や幼稚園等が家庭や地域社会と十分に連携して、基本的生活習慣、人への愛情や信頼感、道徳性などをはぐくむことが大切であると認識しております。
 そのため、都教育委員会は、家庭における乳幼児期からの子どもの教育の重要性について啓発するために、保護者向けの資料を作成し、乳幼児健診などの機会をとらえてすべての保護者に配布するとともに、保育士や幼稚園教諭などの指導者を対象にした研修を実施しております。
 また、保育所や幼稚園等における教育の質の向上のため、小学校との連携の方策を示したプログラムや、乳幼児の発達や学びを重視したカリキュラムを開発してまいりました。
 今後とも、都教育委員会は、区市町村や関係局と連携して、幼児教育の充実に努めてまいります。

○神林委員 先週の我が党の代表質問でも触れましたが、民主党のマニフェストは、財源根拠なきばらまき政策であり、その最たるものは子ども手当制度でございます。保育や教育などの子育て環境の整備が急務とされているにもかかわらず、政策効果などがあいまいで課題が多く、財源の裏づけの見通しも全くない中、恒久施策として手当を支給することは、子どもたちの将来への負担のツケ回しとなるものでしかありません。
 財源の裏づけもなく実施しようとするため、当初は全額国庫負担で実施するとしていたにもかかわらず、二十二年度に引き続き二十三年度も地方負担を残したことから、神奈川県など、地方負担の予算計上を行っていない自治体もございます。
 都は、なぜそのような選択をせず予算計上したのか、その理由を伺います。

○杉村福祉保健局長 子ども手当は、全国一律の現金給付でございまして、国の責任において実施すべきものであることから、その費用につきましては、地方に負担を転嫁することのないよう、都は国に対して再三にわたり要望してまいりました。
 それにもかかわらず、国が地方に十分な協議や説明も行わずに、平成二十二年度に引き続き児童手当との併給方式とし、都道府県や区市町村の負担を残そうとしていることにつきましては、まことに遺憾でございます。
 一方、子ども手当の経費を、都が仮に予算計上しない場合には、法定受託事務として支給事務を行う区市町村に歳入欠陥が生じ、多大な影響を及ぼすおそれがございます。このため都は、平成二十三年度予算案に所要経費を計上したものでございます。
 今後とも、国の責任において確実に財源を確保するよう強く働きかけてまいります。

○神林委員 大変腹立たしいことでございますが、現場の混乱を回避するため、やむを得ない措置と考えますが、国は必要とされる施策を立案し、しっかりとその責務を果たしてほしいものでございます。
 検討が進められている子ども・子育て新システムも、現政権は公約で幼保一元化に向けた幼稚園、保育園などの施設区分の撤廃をうたっていたにもかかわらず、迷走を重ねた結果、現在は既存の施設類型を残したまま、こども園という施設種別を新たに設ける案になっています。この案にしても、具体的な運用方法などまだまだ不透明であり、現場の実情を無視した不安な点ばかりのものとなっております。
 一方、自公政権時代、幼保一元化の取り組みとして始まった認定こども園制度は、多様化する幼児教育、保育ニーズに対応するものとして定着し、平成二十三年二月一日現在、都内の認定数は五十五施設と、着実に実績を伸ばしているところでございます。
 認定こども園には四つの類型がありますが、その類型別、公私立別の認定状況と東京都の特徴を伺います。

○杉村福祉保健局長 平成二十三年二月一日現在、都内の認定こども園の施設類型別の内訳は、認可幼稚園を主体とした幼稚園型が三十五施設、認可保育所を主体とした保育所型が五施設、認可幼稚園と認可保育所が連携した幼保連携型が七施設、認証保育所を主体とした地方裁量型が八施設となっております。
 公立と私立の別では、公立が七施設、私立が四十八施設でございます。
 都内の認定こども園の特徴としては、全国的には幼保連携型が多いのに対しまして、東京都は幼稚園型が多いことが挙げられます。

○神林委員 ただいま答弁にありましたけれども、都内の認定こども園は幼稚園型が圧倒的に多く、本制度において幼稚園が非常に大きな役割を果たしていることがわかります。
 次に、私立幼稚園について伺います。
 東京には、三歳から五歳までの幼児人口は約二十九万二千人おり、そのうち約六割に相当する十七万一千人が幼稚園に通っております。そして、実にその九割である約十五万七千人が私立幼稚園に通っております。
 東京の幼稚園は、戦後のベビーブームのときや高度経済成長期に幼稚園需要が高まり、学校法人による設置を本来の形としつつも、国が一時的に幼稚園設置基準を緩和したことにより、地域の要望にこたえて宗教法人立や個人立幼稚園が多く新設されました。
 現在、約八百園を超える私立幼稚園のうち、約半数が宗教法人立や個人立であり、また園児の約四割が通っておる現状でございます。
 私立幼稚園は、宗教法人立も個人立も、今日まで特色ある建学の精神を持って子どもたちの幼児教育をしっかりと担っていることは紛れもない事実でございます。このため東京都においては、私立学校振興助成法に基づいて、国と同じく経常費補助については学校法人のみを対象としていますが、それ以外に都独自の宗教法人立及び個人立に対しても補助を行っております。
 そこで、都は、宗教法人立や個人立などの私立幼稚園に対してどのような支援を行っているのか具体的に伺います。

○並木生活文化局長 都は、個人立等の私立幼稚園が東京における幼児教育に果たしている役割の重要性を考慮し、都独自で個人立幼稚園の運営に対する補助として、学校法人立幼稚園の経常費補助に当たる私立幼稚園教育振興事業費補助を実施しております。平成二十三年度予算案は、二十二億三千九百万円を計上してございます。
 これにより、幼児教育の場の確保や教育条件の維持向上、保護者の経済的負担の軽減を図るとともに、幼稚園経営の安定性及び健全度を高めるなど、個人立等の幼稚園を支援しております。

○神林委員 幼稚園の重要性を踏まえて、しっかり支援しているということでございます。
 学校経営の安定化のために学校法人化を進めることは必要であると考えますが、宗教法人立や個人立の幼稚園も、学校法人の幼稚園と同じように重要な役割を果たしております。
 園児や保護者の立場からすれば、いかに充実した幼児教育をしてもらえるかが大切であり、行政の責務は、それを支えるしっかりとした支援を行うことでございます。
 特に、昨今課題となっております耐震化補助、環境に配慮した芝生化補助、地上デジタルテレビ整備費補助のように、子どもの安全確保や施設の整備などについても、現場の実情を適切に把握して、格差のない充実した施策を進めることをここで要望しておきます。
 さて、この季節になりますと、毎年、待機児童の解消が話題に上がります。近年の不況も相まって、保護者がともに働かなければ家計が賄えない状況が発生しております。保育施設の新設、定員の増加など、市区町村も必死に対応しておりますが、イタチごっこの感がぬぐえません。
 これに対し東京の私立幼稚園は、預かり保育を実施し、早朝や夜間に及ぶ保育や夏休み、春休みにも園児を預かるなど、待機児童解消に向けて取り組んでまいりました。
 幼児教育施設である幼稚園ではありますが、東京の私立幼稚園の待機児童解消に関する取り組みに対し、都はどのように支援してきたのか伺います。

○並木生活文化局長 都では、子育て支援策といたしまして、私立幼稚園における預かり保育の普及を図るため、平成九年度から学校法人立、個人立等を問わず、幼稚園としての正規の教育時間終了後に保育を実施する私立幼稚園に対する補助を実施いたしております。
 その後、私立幼稚園預かり保育推進補助を新設し、補助対象として早朝保育を加えるとともに、夜間の保育時間を順次延長してまいりました。
 さらに、夏、冬、春の長期休暇中の保育に対しましても、補助制度の充実を図ってまいりました。

○神林委員 私立幼稚園が行う幼児教育のみならず、幼稚園の保育機能にも運営の支援をしているという都の施策を、私は評価させていただきます。
 一方、現場からは、現場の実情はさまざまで、通年を通して安定した預かり保育を行うための財政支援が必ずしも十分でないなどといった声も聞いております。現場の声に柔軟に対応して、より充実した制度となるよう検討を進められることを要望いたします。
 もちろん、幼稚園に対する補助だけではなく、園児の保護者に対する経済的負担を軽減することも大切でございます。
 ところが、民主党政府は、昨年、就園奨励費について、対象園児の七割を占める最大の階層で保護者負担を増加させるという制度に変えたままでございます。
 都は、先日、我が党の代表質問に対し、国に対し強く改善を要望していくと答弁をいたしました。ぜひ国に制度を改善させ、政府のしりぬぐいはことし限りとすべきであると強く主張をさせていただきます。
 また、国のこども園構想についてでありますが、東京の私立幼稚園、特に二十三区内においては、敷地面積が認可基準ぎりぎりの園が多く存在いたします。このような園において保育を行うということになれば、給食施設の新設が必要となりますが、敷地面積の問題から増築は極めて困難な状況でございます。このような民主党の構想は実現性に乏しいものといわざるを得ません。
 その財源についても、教育予算も福祉予算も一体化させるということであり、私立学校がこれまで培ってきた建学の精神や私立学校の存在意義まで無視した私学振興施策に逆行する暴挙以外の何物でもございません。
 そこで、私立幼稚園における幼児教育の重要性にかんがみ、所管する生活文化局の立場から、どのような考えのもとに、今後どのような施策を展開していくのか伺います。

○並木生活文化局長 都内の幼稚園児の九割以上が通う私立幼稚園は、その建学の精神に基づき、個性的で特色ある教育を展開し、都民からの期待にこたえており、東京の幼児教育において大きな役割を果たしております。
 このような私立幼稚園の重要性を踏まえ、都は、基幹的補助である経常費補助と教育振興事業費補助を中心に、預かり保育推進補助など幼稚園の実態に即したきめ細かな支援を行ってきました。
 今後とも、将来を担う子どもたちに高い水準の幼児教育が提供されるよう、引き続き東京の私立幼稚園の振興を図ってまいります。

○神林委員 民主党政府の導入しようとしているこども園は、財源根拠を欠いた無謀な構想でございます。まず、現行よりも質量ともに十分な幼児教育や保育を確実に実施できるだけの財源を確保して、都民の理解、国民の理解を得るべきであると考えます。
 幼稚園には一世紀を超える歴史があり、その役割を果たしながら、独自の文化、教育を継続し今日に至っております。すべての就学前児童に等しく幼児教育を保障するというなら、幼児期の教育から、小学校、中学、高校、大学とステップごとの教育との連携、接続を考慮して、十分な国民的議論が必要であると申し述べて、次の質問に移ります。
 次に、産業集積について伺います。
 大田区は、日本を代表するものづくり企業の集積を有しており、日本の製造業の基盤を支えております。小規模企業は短い納期で精密加工などの難しい工程をこなし、中堅企業の中には設計開発機能を持ち、集積を活用したネットワーク力で大企業に対して提案できる企業もございます。
 しかしながら、長引く不況の影響は大きく、まち工場の移転や廃業が相次ぐ中で、大田区製造業の強みである集積のほころびが生じております。
 このような危機を乗り越えて、区内に集積する工業を今後も維持発展させていくには、区における取り組みはもちろんのこと、東京都が区と連携して集積の維持発展に向けて支援を展開すべきであります。
 そこで、大田区におけるものづくりの集積に対する具体的な取り組みについてまずお伺いをいたします。

○前田産業労働局長 都は、創造的都市型産業集積創出助成事業によりまして、地域の特性を生かした区市町村の取り組みを支援しております。
 大田区におきましても、同事業を活用して、大田区内の産業の強みである集積を高めるため、工場誘致、創業支援、新製品・新技術開発助成等の事業を平成二十一年度から実施しております。
 この事業により、新たに工場アパートの整備が進むとともに、創業を支援する施設にインキュベーションマネジャーを配置して相談体制を設けるほか、二十件を超える新製品等の開発を支援するなど、着実に成果を上げているところでございます。
 都は、来年度も継続して大田区の産業集積に向けた主体的な取り組みを支援してまいります。

○神林委員 スピーディーに質問しますので、ご答弁の方もご協力をお願いいたします。
 東京のものづくりをしっかりと守り、新たな活路を見出すためには、価格競争によらない付加価値の高い事業を生み出していくイノベーションが不可欠でございます。
 しかし、こうしたイノベーションを都内中小企業が担っていくに当たっては、初期のマーケティングから製品開発、実用化、販路開拓に至るまで、さまざまな課題に直面することになります。東京のものづくりをしっかりと将来につなげていくには、こうした課題に対し、都として多面的な支援策を講じていく必要があると考えております。
 そこでまず、将来のものづくり産業の発展を見据えた中小企業に対するイノベーション促進支援の必要性について基本認識をお伺いいたします。

○前田産業労働局長 東京の産業を将来にわたり発展させていくには、お話のイノベーションを不断に促進していくことが必要であります。このためには、多様な企業の集積や多くの大学、研究機関の立地など、この東京の強みを生かし、イノベーションの重要な担い手である中小企業を最大限サポートしていくことが強く求められていると、このように認識しております。

○神林委員 今、産業労働局長から中小企業のイノベーション創出に対する支援に関してご答弁をいただきまして、イノベーションに対して基本的な共通認識が持てた感じを持っております。
 そこで、本日は中小企業のイノベーションに関して幾つか質問をしてまいります。
 まず、大田区は空の玄関口である羽田空港を抱えており、こうした地の利を私は空に最も近く臨んでいるという意味で、臨空性といういい方で表現しております。
 こうした臨空性のある大田区の羽田空港の国際化が昨年十月に実現をいたしました。国際ターミナルの機能が強化され、利用者向けのサービスも充実して、ますます多くの旅客、観光客や従業員が大田区内に集まってくることが期待されております。
 これに対応して、区内でもサービス業が活躍する場面が今後ますますふえていくと思われます。都内全域を見ても、サービス業の占める割合は年々拡大しており、これからの都内経済を支える大きな役割が期待されておりますが、これからのサービス産業の振興に向け、人の手だけに頼らず、新しい技術を導入してイノベーションを起こしていくことが強く求められております。
 こうしたサービス産業のニーズを都内に集積するすぐれた技術を持った中小製造業者と結びつけ、お互いの発展につなげることができれば、双方にとってメリットが大きく、都としてもそのための取り組みが必要になると考えますが、見解を伺います。

○前田産業労働局長 都内のサービス産業の発展に向けて、すぐれた技術力を持つ中小企業の力を役立てることは重要でございます。このため都は、中小企業の技術開発を支援する新製品・新技術開発助成事業につきまして、来年度からサービス関連事業者が中小製造業の技術を活用して行う研究開発も支援の対象とすることにいたしました。
 具体的には、新サービスに必要な新たな機器等の開発に要する経費の二分の一を助成し、サービス産業の生産性の向上や高付加価値化の取り組みを後押しいたします。
 これにより、高い技術力を持つ都内の中小製造事業者が、サービス産業との間で新たな販路を確保することにもなります。こうした取り組みを通して、サービス産業とものづくり産業との支援を効果的に行ってまいります。

○神林委員 ものづくりを次代に引き継いでいくためには、市場ニーズを的確にとらえ、ユーザー目線に立った売れる商品をつくり出していかなければなりません。
 しかし、中小企業の社長さんたちからは、アイデアもあり、実現化する自信もありますけれども、会社の規模が小さく、自分で販売するにもその方法がわからないといった話をよく聞きます。
 その意味で、先日、予算特別委員会の我が党の代表質問に対し、製造から販売まで一貫した支援である製販一体型新商品開発支援事業に取り組むとの答弁がありましたが、ぜひともこうした支援をしっかりと行い、みずからの力で新商品を開発、販売できる中小企業をふやしていくことが重要でございます。
 商品の開発には、すぐれた着想にデザインのよさを加え、さらにコストを下げるなど、さまざまな観点からのアドバイスが必要であります。それを売れるものとしていくには、商品に見合った販売方法や営業費用のほか、人材の確保など、経営面でのアドバイスも重要となります。
 都は、製販一体型新商品開発支援事業をどのように展開していくおつもりなのか、お伺いいたします。

○前田産業労働局長 製販一体型新製品開発支援事業では、中小企業の実務の担当者が製品の開発から販路開拓に至る一連の知識やノウハウを学ぶために、専門家の指導により新商品の開発を一年間かけて継続して支援していくこととしております。
 具体的には、産業デザイナーによる企画、デザイン、試作などの製品開発指導や、中小企業診断士による効果的な展示会出展の方法などについてのアドバイスを行ってまいります。その際、実習を取り入れたセミナーを二十回、企業の製造現場での指導を十五回行うなど、個別企業の課題に応じた支援をきめ細かく行いまして、中小企業の商品開発力の向上につなげてまいります。

○神林委員 大変残念なことでございますが、大田区では十年前に比較しますと工場数は三割近くも減少し、まち工場が数多く集まっていた糀谷エリアでは工場跡地にマンションが建ち並ぶなど、ものづくりの活気が失われております。こうした閉塞感を打ち破っていくには、産業に新たな活力を呼び起こす創業者たちの活躍が不可欠でございます。
 このため、行政としても、インキュベーション施設を充実し、安価なオフィスの提供などにより、起業して間もない入居者を効果的に支援することが求められます。単に創業者を育てるだけでなく、施設を巣立った事業者が同じ地域の中で事業を継続することで、周辺地域の産業集積の活性化にもつながってまいります。
 大田区でも廃校となった小学校の校舎を活用して、BICあさひという施設運営をしております。経営やマーケティングの専門家を配置して、入居者をきめ細かく支援するとともに、入居者同士の交流会を実施するなど、創業に関する地域の総合的な支援拠点となっております。
 東京都においてもインキュベーション施設を設置、運営していますが、そうした施設における今後の支援のあり方について伺います。

○前田産業労働局長 創業を活性化するために、インキュベーション施設のサポート体制を充実しまして、必要なサービスを適時適切に提供することが重要になっております。
 都は、現在、インキュベーション施設におきまして、企業経営にとって重要な販路開拓や資金調達についてアドバイス等を行いますインキュベーションマネジャーを三施設に配置しておりますが、その効果は極めて大きくなっております。
 このため、マネジャーを置く施設の数をふやすとともに、その効率的な業務運営をサポートするスタッフもあわせて配置することといたしました。こうした取り組みにより、人的サポートを含めたソフト面でのインキュベーション施設のサービスの充実を図り、創業支援を効果的に行ってまいります。

○神林委員 次に、道路整備について伺います。
 これまで四十年余りの間、外環が放置されたことによって失われたものははかり知れません。石原知事は、外環整備を最重要施策の一つとして掲げ、その実現に向け平成十三年に国を動かすなど、機動力を発揮してまいりました。
 また、我が東京都議会自由民主党は、超党派による都議会外かく環状道路建設促進議員連盟の主体となって、整備推進に向け、国などへ積極的な要請活動を行ってまいりました。
 その結果、昨年度、関越道から東名高速までの区間が事業化され、今年度から用地取得が始まりました。この区間の一日も早い着工を願っております。
 去る二月十六日に開催されました外環の早期着工に向けた都民の集いの宣言文にも、昨年十月に国際化した羽田空港と国際コンテナ戦略港湾に選定された京浜港を結びつける外環の整備は喫緊の課題であると述べられており、その実現に向けて外環の環状道路としての機能を発揮するため、東名高速から湾岸道路までの計画を早期に具体化すべきとあります。
 道路が途中で途切れていては、整備効果は上がりません。事業化されている区間では、計画からでも事業化までおおむね八年間と長期間が費やされております。外環本来の整備効果を最大限に発現させるためには、事業化されている区間の事業促進とともに、東名高速以南の計画の具体化を同時並行で進め、外環を湾岸道路までつなぎ、一日も早く環状道路として完成させるべきと考えますが、東名高速以南についての都の見解を伺います。

○河島東京都技監 外環の東名高速から湾岸道路に至るいわゆる東名高速以南は、国土開発幹線自動車道建設法で建設予定の路線として位置づけられておりますが、基本計画が決定されていないため、ルート、構造等は未定の状態となっております。
 昨年十月に国際化された羽田空港や国際コンテナ戦略港湾に選定された京浜港が今後ますます機能拡充していく中、これらと首都圏を緊密に連結することにより、首都圏の陸海空のネットワーク強化を図ることが極めて重要でございます。
 このため、外環のうち、環状道路として欠けている東名高速から湾岸道路間をつなぎ、外環を完全な環状道路として機能をフルに発揮させることが必要不可欠と考えております。

○神林委員 外環は、文字どおり環状道路として計画されたものであり、東名高速にとどまることがないようにすべきでございます。
 羽田空港や京浜港の機能がさらに強化され、人や物の流れが増加すると考えられ、それらを支えるものがまさに道路でございます。特に、高速道路は重要なインフラであることから、外環の東名高速以南の検討を早期に進めるべきであると考えますが、東名高速以南の現在の取り組み状況、そして、今後どのように取り組むのかについて伺います。

○河島東京都技監 国と都が平成二十一年四月に外環に関して示した地域の課題に対する対応の方針では、東名高速以南について検討の場を設置し、基礎的な調査を踏まえ、具体的な検討を実施するとしております。
 これまで都は、国に対する提案要求の中で、東名高速以南の具体化に向け検討を進めることを働きかけてまいりました。また、東京商工会議所を初めとする経済団体や沿線の六区市長も外環の東名高速以南の計画を早期に具体化するよう要望しております。
 今後とも都は、計画の早期具体化に向けて、国と都による検討の場の設置や必要な調査などを実施するよう国に強く求めてまいります。

○神林委員 以前から、世田谷区と大田区の多摩川沿いの市街地に予定路線が表示されております。当該関係地域の方々にとっては、一生の生活設計にかかわる問題でございます。
 予定路線に環状八号線が並走し、多摩川を挟んで川崎縦貫道路の建設が進んでおります。大深度地下の活用、ジャンクションの用地買収など、住民の理解を得るには長時間を要します。
 こうした課題を一つずつクリアし、ルートやジャンクションの位置、構造形式、スケジュールなどについて、地元自治体と連携し、関係住民の理解を得て、一日も早く確定していくことを要望いたします。
 次に、羽田空港への道路アクセスについて伺います。
 羽田空港の再拡張、国際化から約四カ月が経過いたしました。今月二十日のニューヨーク便、ロンドン便などの就航により、羽田空港は世界十六都市とつながっていることとなり、国際的なハブ空港としての体制が整ってまいりました。都心からのアクセス性のよさから、今後、羽田空港の国際線の利用客は飛躍的に伸びていくことが見込まれます。
 一方、空港周辺の幹線道路の主要交差点では、現在も既に交通渋滞が発生しており、利用客の増大に伴うアクセス自動車の増大により、今後、交通渋滞がさらに悪化することが懸念されております。
 そこで、円滑な空港アクセスが図られるよう、現在実施中の対応策はもちろんのことでございますが、将来の自動車交通量を的確に把握し、計画的に空港周辺の交通対策に取り組んでいくべきと考えますが、都の所見を伺います。

○河島東京都技監 本格的な国際空港となった羽田空港の年間発着枠は、平成二十五年度に向けてさらに増加する予定でございまして、空港への道路アクセスについてよりスムーズな交通処理がなされるよう、対応を図っていくことが重要であります。
 空港アクセスの強化にも重要な役割を担う首都高速中央環状品川線につきましては、平成二十五年度の開通に向けて現在、鋭意整備を進めております。
 また、羽田空港に直結する国道三五七号につきましては、今年度、東京港トンネル部の本体工事に着手しておりまして、多摩川トンネル部につきましても早期に事業着手するよう国に強く働きかけております。
 さらに、都では今年度、今後の羽田空港の発着回数の増加に伴う自動車交通への影響について調査を実施しておりまして、本調査の結果も踏まえ、地元区と連携し、将来にわたる円滑な空港アクセスの実現に取り組んでまいります。

○神林委員 次に、耐震対策と住宅改修の推進について伺います。
 本定例会に条例案が提出されております緊急輸送道路沿道建築物の耐震化については、待ったなしで一日も早い耐震改修が実施されるよう進めていかなければなりません。しかし、それ以外の個々の住宅などの建物の耐震化も同様に推進していく必要がございます。
 そこでまずお聞きしますが、建築物の耐震化に対する都の基本的な考え方や今後の取り組み方針について伺います。

○河島東京都技監 都は、地震による建築物の倒壊等の被害から都民の生命と財産を守るため、平成十八年度に東京都耐震改修促進計画を策定し、区市町村等とも連携しながら、都内建築物の耐震化に総合的に取り組んでまいりました。
 公共建築物については、計画的にその耐震化に取り組む一方、民間建築物については、耐震性能を確保する社会的責務を負っている所有者みずからが耐震化に取り組むことを基本とし、耐震化に係る普及啓発や情報提供などにより主体的な取り組みを促しております。
 民間建築物のうち、防災都市づくり推進計画における整備地域内の木造住宅や緊急輸送道路沿道建築物など、防災対策上公共性が高い場合には、財政的な支援策も講じ、重点的に取り組んでおります。
 今後は、引き続き耐震改修促進計画等に基づき、区市町村や関係団体等とも連携し、普及啓発や支援策などさまざまな施策を総合的に展開するとともに、特に重要な緊急輸送道路の沿道建築物につきましては、耐震診断を義務づける条例、新たな助成制度などを整備することにより、重点的、集中的に耐震化を推進してまいります。

○神林委員 特に木造住宅については、昭和五十年以前の建物が約九十万戸と数多くあり、その耐震化を進めていかなければなりません。木造住宅の耐震化を推進するためには、都と市区町村との適切な役割分担のもと、十分な連携を図っていく必要がございます。
 一方、行政だけでなく、実際に耐震診断や改修を行う建築士や建設業の役割も重要でございます。東京都に登録している建築士事務所は約一万八千、都知事認可の建設業者は約四万五千社あります。
 木造住宅の耐震診断や改修については、地元の設計事務所や建設業者が実施する場合が多く、それらの設計事務所や建設業者は、中小規模であっても耐震化に対して強い関心と意欲、それに高度な専門知識と経験を持っていると聞いております。
 耐震化を進めるためには、地元の設計事務所や工務店をもっと活用していくことが有効と考えますが、見解を伺います。

○河島東京都技監 木造住宅の耐震化を推進するには、地域の事情に精通し、きめ細かな対応が可能な身近な設計事務所や工務店等を活用していくことが重要でございます。
 このため都では、耐震化推進都民会議の場などを通じて、区市町村や関係団体と連携して、耐震化施策を進めるとともに、講習会の開催などにより設計事務所等の技術力の向上や信頼できる診断技術者についての情報を都民へ提供する取り組みを行ってまいりました。
 今後とも、設計事務所や工務店等を活用し、さらなる耐震化を推進してまいります。

○神林委員 地元の業者を活用するためには、区市町村の役割が重要であると考えております。都としても、区市町村の耐震化の取り組みを促進させるため、市区町村との連携を図り、都の担うべき役割を積極的に果たすべきだと考えますが、見解を伺います。

○河島東京都技監 木造住宅の耐震化を進めるには、住民に身近な区市町村の取り組みを支援していくことが重要でございます。このため都は、区市町村の実施する耐震キャンペーンや相談会の開催などの普及啓発事業に対して、平成二十年度から補助を行うことにより耐震化の取り組みを促してまいりました。
 さらに、この事業の中で、今年度から区市町村の創意工夫や主体的な取り組みを促すため、診断技術者を派遣する事業など区市町村からの提案に基づく有効な普及啓発事業を補助の対象に加えることといたしました。
 今後は、さまざまな機会を通じて区市町村に対し、耐震改修工法や先進的な自治体の取り組み事例について情報提供することなどにより、耐震化促進に向けた区市町村の取り組みを支援してまいります。

○神林委員 都としても、区市町村独自の創意工夫や主体的な取り組みを生かせるよう、支援を積極的に行っていただきたいと思います。
 また、耐震化は、防災を向上する上で、その対応は待ったなしの緊急課題でございます。しかし、それを実施するに当たっては、同時に木造住宅の省エネ化やバリアフリー化を進めることが効果的であり、重要なことと考えております。
 良質な住宅ストックの形成という観点から、耐震化の促進とあわせて、施策間の連携を図りながら、省エネ化、バリアフリー化など住宅改善の普及啓発について積極的な取り組みを図るべきと考えますが、見解を伺いまして、私の質問を終わります。

○河島東京都技監 お話しのように、耐震化とあわせて省エネ化などの住宅改善を進めることは、良質な住宅ストックの形成や防災、環境など、まちづくりの観点からも効果的であると認識しております。
 これまで耐震キャンペーンの会場において、省エネ化に向けたパネル展示を行ったり、省エネリフォームガイドブックの中で、耐震化との一体的な工事事例を紹介したりするなど、施策の連携を図ってまいりました。
 また、来年度にはマンション改良工事助成の要件に簡易耐震診断を加え、住宅改善時の耐震化を促すこととしております。
 今後とも、耐震化推進都民会議や中小工務店を含む住宅関連事業者が参加する技術講習会での普及啓発など、さまざまな機会をとらえて施策連携をさらに強化し、区市町村や関係団体の協力も得ながら、耐震化と省エネ化などの一体的な促進に積極的に取り組んでまいります。

○高橋副委員長 神林茂委員の発言は終わりました。(拍手)

ページ先頭に戻る