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Tokyo Metropolitan Assembly

予算特別委員会速記録第二号

   午後一時開議

○山下委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 委員会の要求資料について申し上げます。
 先ほど委員会として要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 これより総括質疑を行います。
 この際、一言申し上げます。
 質疑に当たりましては、さきにご決定をいただいております委員会実施要領等に従いまして運営してまいります。委員の皆様方には、円滑かつ充実した審議が行われますよう、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
 なお、持ち時間につきましては、電光表示盤に残り時間を表示いたします。さらに、振鈴で五分前に一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。質疑持ち時間はお守り願います。
 次に、理事者に申し上げます。
 答弁に際しましては、委員の質疑時間も限られておりますので、短時間で明快に答弁されるようお願いを申し上げます。
 なお、各局長に申し上げます。
 発言の際には、必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますようお願いを申し上げます。
 これより順次発言を許します。
 酒井大史理事の発言を許します。

○酒井委員 それでは、総括質疑を行わせていただきたいと思いますが、質問に入る前に申し上げさせていただきます。
 昨日、二十二日にニュージーランドのクライストチャーチで起きた地震により、現地警察は、少なくとも死者七十五名、行方不明者三百名になったと発表しており、邦人の安否不明は、現在のところ二十三名と報じられております。被災者の方々には心からお悔やみを申し上げます。
 このような状況の中で、政府も昨日から動いており、救助、支援を行うチームの先遣隊は既に現地に到着をしているということです。救助、支援活動には、東京都からも、警視庁十九名、東京消防庁六名のみならず、都立広尾病院の医師も一名、現地で救援活動に参加をすると聞いております。このような隊員や、また職員がいることは、都の財産であり、ぜひとも活躍をしてきていただきたいと思います。
 また、話は変わりますが、ここ数日、知事の去就について世間がさらに騒がしくなってきております。三期十二年お務めになられた知事でございますので、ご自身の進退については、ご自身が考える適切な時期に明らかにされると思いますので、我々といたしましては、知事の動向に一喜一憂することなく、現下の都政の課題について、都民の皆さんにしっかりとご理解をいただけるようなスタンスで今回の予算審議に当たっていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、まず、都政運営、平成二十三年度の予算についてお伺いをいたします。
 平成二十三年度予算は、厳しい財政環境の中、現下、そして中長期にわたる諸施策を都政の使命と名づけ、執行していくとしています。そして、国内景気は回復基調でありながらも、なお景気の下振れ材料への注視が必要となっています。
 また、中長期的視点で見れば、都市型高齢化社会を迎える都政は、社会福祉への対応や都市インフラの整備、更新などに取り組んでいかなければなりません。
 この二十三年度予算を編成するに当たって、都は、都民が抱える不安を払拭し、活力を取り戻す効果的な手だてを速やかに講じるとした方針を示しました。雇用や中小企業支援、災害対策、少子化打破を初めとした現下の課題解決に、効き目が目に見えてあらわれる施策を行うとした姿勢を盛り込んでいるわけですが、まずはその意義についてお伺いをいたします。

○安藤財務局長 来年度の予算編成に当たり直面いたしました大きな課題は、円高やデフレの影響、依然として高水準にある失業率など、まさに出口の見えない懸念が広がる中にありまして、都民の不安を払拭するため、都としていかに効果的な手だてを迅速に講じていくかという点でございました。
 厳しい財政環境のもとにありましたが、こういうときこそ現場を持つ都政の強みを生かすことが必要との認識に立ちまして、創意工夫を凝らし、その効果も十分踏まえながら、真に必要な施策へ財源を重点的に振り向けていくことを徹底して、予算編成を進めたところでございます。
 その結果、来年度予算では、一例を挙げますれば、困窮する若年層や離職者を中心とした雇用のミスマッチを解消するための実効性ある雇用対策を初めとして、厳しい経営環境にある中小零細企業の資金調達や販路開拓に対するきめ細かい支援など、都民が直面する諸課題に対し、効果的な施策をしっかり展開しているところであります。
 これらについて時期を逸することなく着実に実施することで、厳しい社会経済情勢に直面する都民に安心と活力をもたらし、都に課せられた使命を確実に果たしていけるものと考えてございます。

○酒井委員 都は、都税などの歳入をもって都政の使命を果たすことから、効果的な予算事業の成果を都民に説明をする、都民の懸念を払拭し展望を指し示していく責任があります。
 現在、都は都民にどのように都政の成果を示しているのか、また、今後、より積極的に事業の成果を示していくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。

○安藤財務局長 事業の成果を示していくべきという視点で申し上げれば、予算編成過程において実施している事業評価や、毎年九月に主要な施策の成果を取りまとめて都議会に報告するなど、さまざまな機会で事業の成果をご説明申し上げております。
 特に、今年度で五年目となります事業評価は、お話と同様の趣旨で進めているものでありまして、決算状況を厳しく検証する中で、成果やコストの両面から個々の事業を精査し、評価を行い、最終的な結果についてはホームページ等で公表しております。
 これらの取り組みは、事業の成果を検証し、予算に反映させるというマネジメントサイクルの点からも、また、それらを都民にわかりやすく説明するという観点からも必要であり、引き続き公表の充実に努めていくことが重要であると考えてございます。

○酒井委員 ただいまのご答弁で引き続き公表の充実に努めていくということでございますので、ぜひとも都民に具体的な成果を示して、都政における説明責任を果たしていただきたいと思います。
 都は、予算を作成するに当たって、これまで築いてきた強固な財政基盤を堅持しながら、財源を重点的に振り向けたとしています。その取り組みの一つである事業評価は、都みずからが行う事業を費用の面から自己検証するもので、百九十五件を見直して、約二百十億円の費用を確保いたしました。
 今回新たに、別組織である都の外郭団体のうち、監理団体を通じて行う事業を追加し、行革部門と財政当局による事業評価を始めました。都には第三者の視点による検証を期待するものでございますけれども、監理団体への支出評価の取り組み効果についてお伺いをいたします。

○安藤財務局長 今年度から、都が監理団体に委託しております事業などにつきましても新たに事業評価の対象とし、事業そのものの効率性、実効性に加えて、都と監理団体との役割分担などの観点から、合計四十一件の評価を実施し、拡大、充実や見直し、再構築を行うとともに、約五億円の財源を確保いたしました。
 取り組みに当たりましては、監理団体を指導監督する総務局との連携をさらに強化し、多面的に事業のありようを検証することにより評価の充実を図ったところであります。
 その結果、例えば、都が現在監理団体に委託している事業の一部について、その実績を踏まえ、団体の自主事業とすることで都の支出の削減につなげるなど、着実に成果を上げているものと考えております。

○酒井委員 では、さらに、行革部門は事業評価の結果を監理団体改革に生かしていかなければならないと考えますが、所見をお伺いいたします。

○比留間総務局長 今回新たに実施いたしました監理団体への事業評価では、監理団体が行っている都からの受託事業などについて、都、監理団体、民間の役割分担の観点から、団体がその事業を実施することの妥当性や、その実施内容の適正性について評価を行いました。これにより、都と団体の間で一部重複している事業や、施設の運営方法について検証が必要な事業が明らかになりました。
 今後は、これらの評価結果を活用して、当該監理団体の事業の改善に結びつけるとともに、同様の課題については他の団体の事業運営の改善にも反映させるなど、さらなる監理団体改革に生かしてまいります。

○酒井委員 ぜひ今後は報告団体を含めた一層の外郭団体改革の進展を求めておきたいと思います。
 都は、平成二十三年度予算において、四千五百八十一億円の都債発行を計上しました。都債依存度は近年上昇傾向にありますが、七・三%と財政の健全性は保っております。
 都債の機能の一つは、現在の都民と将来の都民との間の負担の均衡を図りながら、社会資本整備を進め、都民福祉の向上に努めるものです。将来の財政負担を見据える都に、都債発行における基本的な姿勢をお伺いいたします。

○安藤財務局長 都債には、お話のように、世代間の負担の公平を図る役割に加えまして、元利償還として経費を平準化するという年度間の財源調整を図る役割の二つをあわせ持っております。
 これらを踏まえまして、都債の発行に当たりましては、財政環境の変化に対応して計画的に活用することが必要と認識しております。同時に、将来負担という面から、安易に都債に依存しない規律ある姿勢を重視して取り組んでまいりました。
 具体的には、都債の新規発行額を、石原知事就任後は、それ以前に比べ四割の水準にまで抑制したことによりまして、都債残高については、総務省基準による普通会計決算ベースでありますけれども、平成二十一年度では五兆八千三百四十四億円と、十二年度の四分の一近くを減少させてまいりました。
 二十三年度予算におきましても、このような基本姿勢のもと、これまで培ってきた発行余力を踏まえ、将来負担を見据えた上で都債を適切に活用し、引き続き財政の健全性を堅持しているところであります。

○酒井委員 次に、中長期的な課題についてお伺いをいたします。
 これから四年が経過した後、東京は、日本経済を支えてきた団塊の世代が六十五歳を超え、都内では、約三百万人の高齢者が暮らす都市型高齢社会となると予想されています。二日後の二十五日には、平成二十二年国勢調査の人口速報集計結果が公表されることから、都はこれらを分析して、今後考え得る人口の将来動向を予測していただきたいと考えます。
 十五日に開かれた日本銀行の金融政策決定会合では、景気の総括判断を、日本経済は緩やかな回復軌道に戻りつつあるとしました。平成二十三年度の都税収入は四兆二千二百五億円と、前年度比一・七%の小幅な伸びとしています。また、四年後、東京の働く生産年齢人口は二十二万人減少するといわれています。都が考える景気動向の認識と、今後の税収トレンドについてお伺いをいたします。

○荒川主税局長 ただいま日銀の判断について言及がございましたけれども、政府がおととい発表した月例経済報告によりましても、我が国の現在の景気は持ち直しに向けた動きが見られ、足踏み状態を脱しつつあるとの見方をしております。
 しかしながら、一方で、先行きにつきましては、海外の景気や原油価格の動向、国内におけるデフレの影響、雇用情勢など、依然として懸念材料が残っていることに注意が必要との指摘をしておりまして、景気が中長期にわたって順調な回復を維持できるかどうかは不透明な状況にございます。
 また、税の制度の面でも、企業の赤字を翌年度以降に繰り越して課税所得を減額できる繰越金欠損制度も継続をしております。こうした状況を踏まえますと、都税収入の先行きは楽観できないものと認識しております。

○酒井委員 日本全国では今後、高齢化が進展をしていきます。特に、四年後には団塊の世代が六十五歳を超えることから、東京における高齢化の進展と、その認識についても所見をお伺いいたします。

○杉村福祉保健局長 都内の六十五歳以上の高齢者人口は、平成二十二年一月一日現在、約二百五十六万人でございますが、団塊の世代が加わる平成二十七年には約三百十六万人となりまして、都民のおよそ四人に一人が高齢者になると推計をされております。
 高齢化の進行に伴いまして、介護サービスや医療サービスなどのニーズが増加することが見込まれます。一方で、八割を超える高齢者は、介護を要しない元気な方々でございます。
 都は、必要なサービスの充実を図りますとともに、高齢者がその豊富な経験や知恵を生かし、地域社会の担い手として、多様な分野への社会参加を促す取り組みを進めることが必要であるというふうに認識をいたしております。

○酒井委員 高齢化が進展をして、介護サービスや医療サービスなどの需要が増加をしていくということですが、それらへの対応だけではなく、都市基盤の整備費や社会資本ストックの維持更新経費など、首都東京を経営するために不可欠な多額の経費もかかってまいります。災害に強い東京をつくる耐震化助成など、新たな施策による行政需要にも取り組んでいかなければなりません。
 こうしたさらなる財政需要の増加に加えて、人口減少、都市型高齢化社会の到来による都税収入の不安定性など、都財政には諸問題がありますが、都は、これらに確実に対応できる財政基盤の構築を目指していかなければなりません。これら中長期的な課題に対し、都が財政運営で踏まえておく点についてもお伺いをいたします。

○安藤財務局長 ただいまの質疑にありましたような人口の減少や少子高齢化の進展による社会構造の大きな変化というものは、経済活動の停滞や国際競争力の低下など、社会全体に対し大きなマイナスの影響を与えることが懸念をされております。都財政は今後、高齢化に伴う社会保障関係費や都市インフラの更新経費など、財政需要の増加が見込まれる一方で、その財源を負担する世代が減少するという二重に厳しい時代を迎えることとなります。
 こうした中にありまして、社会の活力を維持し経済の新たな成長を促すためには、実効性ある施策を積極的に展開していくことも重要でございまして、これらを支え得る強固な財政基盤を堅持していくことがこれまで以上に不可欠と考えてございます。
 そのためにも、今後とも、事業評価などを通じて施策の効率性や実効性を高める取り組みを徹底すること、また、将来の財政負担も見据えまして、都債や基金を適切に活用することなど、これらを基本として継続していくことが、地道ではございますが、中長期的な視点からも極めて重要であるというふうに認識をしております。

○酒井委員 今まで述べてきたように、都政を取り巻く状況は変化をいたしております。それら行政需要の変化に対して、都は柔軟で創造性に満ちた組織をもって対応をしていかなければなりません。
 それには、職員個人の能力を育成し、発揮させる環境の構築が重要と考えます。都政の新たな課題に対しては、積極的に国内外から先進事例を直接学ぶなど、絶えず新しい事例や知識を追求する姿勢がなくてはなりません。
 また、都議会民主党は、海外事務所の再設置や大都市間の人事交流などを含めたアジア都市間の関係強化にも言及しており、そうした事業での経験などを都政にフィードバックすることは大変有益なことと考えています。
 中長期的な行政需要の変化を見据え、都民の側に立つ発想と、大都市経営の視点を持った人材を育てることが、今後東京にとってさらに重要になると考えますが、都の所見をお伺いいたします。

○比留間総務局長 都職員には、現場を通して都民ニーズを的確に把握する能力や、社会経済状況の変化が先鋭的にあらわれる首都東京の諸課題に果敢に挑戦する気概と資質が必要でございます。
 都は、こうした認識に立ち、平成十八年に東京都職員人材育成基本方針を策定し、採用から管理職に至る各ステージを通して計画的な配置管理を行うとともに、研修の充実に努め、各行政分野に精通する人材の育成を図ってまいりました。また、都政を幅広い視点からとらえるため、海外研修や、国、民間企業、大学院への派遣なども行っております。
 今後とも、中長期的に東京の課題を見据え、都政の将来を支える人材を育成してまいります。

○酒井委員 今回、知事は、東京を世界に冠たる成熟都市へ進化させるため、長期的な展望を持つべきと、二十一世紀中ごろまでの将来の指針を策定されました。
 確かに、東京が長期的ビジョンを持って安定的に運営されることは、都民が安心して暮らしやすくなる、民間事業者やNPO、投資家などが長期的展望を持って東京で活動しやすくなる重要なポイントと考えるものです。
 一方、都市ランキングにおいては、東京は総合力でニューヨークやロンドンに次ぐ位置にありますが、近年は東アジアにおいて都市化が進み、北京や上海などの都市が急速に追い上げつつあります。東京の課題は、居住や自然環境、ビジネスのしやすさ、交通アクセスなどとなっています。
 野村総研による外資系企業へのインタビューでは、企業の立地は暮らしやすいことが重視され、都市居住環境の整備のほかに、住んでいて疎外感がないという情緒面も重要と述べられ、東京の社会的包容力を高める取り組みが、より必要とされています。東京をめぐり、多くのセクターが取り組むべき諸課題がある中、だれもが暮らしやすい活力ある首都東京を目指していくことが都政の目標と考えます。
 指針は、女性の活用や社会保障の支え手、東京の弱みを克服する視点、国の連携など、不明な点がありますが、都民や民間企業、NPO、関係団体などから意見を聞き、議論の素材として活用することが必要と考えます。多様な主体の理解と協働がなければ実現をしていきません。都の所見をお伺いいたします。

○秋山知事本局長 東京がこの先もさらなる発展を遂げていくためには、直面する課題への対応ばかりでなく、長期的な展望を持つ必要があることから、今回、「十年後の東京」への実行プログラムの改定に当たりまして、近未来の東京に目を向け、進化を遂げた都市の将来像の一端を将来への指針としてお示ししたところでございます。
 改めて申し上げるまでもなく、都市は行政だけでなく、地域住民、民間企業、NPO法人など、そこで活動するさまざまな主体が相互にかかわりながら一体となってつくり上げていくものでございまして、こうした都政にかかわりを持つ多くの方々から幅広く意見を伺いながら、二十一世紀にふさわしい成熟を遂げた都市の実現を目指していくことになろうかと考えております。

○酒井委員 それでは、次に、都立病院経営についてお伺いをいたします。
 都立病院はここ数年、病院の統廃合を進め、医療機能の集約化、高度化を進めてきました。私は、今日の高度急性期医療には、集学的治療、他科連携が必要なことも多く、周産期や小児も含めた総合診療基盤を備える病院とするための費用自体は問題とは考えていません。
 しかし、包括外部監査においても指摘、意見のあった病院経営、ガバナンスについては、都立病院の体質にかかわる問題から発するものと思われますので、何点か質問をしてまいりたいと思います。
 病院は、健康保険の診療報酬点数に基づき、患者さんから料金をちょうだいし、保険から支払いを受けているわけですが、端的ないい方をすると、やっていることは同じでも、報酬改定で収入がふえたり減ったりする場合があります。
 病院経営には、医療の質を高め、常に医療の最新情報をアップデートする環境を整えるとともに、この診療報酬改定の動向を注視した適切な対応も重要であることは、よくもあしくも事実です。
 昨年、診療報酬が急性期医療を中心に増額改定され、日本病院会の調査では、改定前の二十一年六月と改定後の二十二年六月を比較したときに、入院単価で約五・六%、外来単価で約三・一%の増となっています。都立病院は急性期病院であり、こうした診療報酬改定による影響があったと思いますが、今年度の状況と、来年度予算案策定に当たっての試算をお伺いいたします。

○川澄病院経営本部長 今年度の実績ですが、先ほどお話のあった日本病院会の調査と同時期の六月時点で昨年度と比較したところ、診療報酬の改定や新たな施設基準を取得したことなどにより、入院単価が九・一%、外来単価が四・一%の増となっております。
 また、来年度の予算案では、これらの状況を踏まえて、今年度予算に反映していない診療報酬改定の影響なども含めて、今年度予算対比では、入院単価で七・九%、外来単価で三・八%の増を見込んでおります。

○酒井委員 さきの定例会代表質問でも取り上げましたが、東京都では、都道府県がん診療連携拠点病院、地域がん診療連携拠点病院及び東京都認定がん診療病院が指定、認定されており、地域連携クリティカルパス、いわゆるがん手帳や、患者、家族のための相談支援センターの取り組みが進んでいます。
 一方、平成二十二年度診療報酬の改定では、拠点病院等は、地域連携クリティカルパス等の診療計画を策定し、退院後にがん治療を担う医療機関と共有することなどにより、診療報酬点数が加算をされます。
 がん医療以外にも、医療課題ごとに国や都による指定、認定がありますが、都立、公社病院がそういった指定、認定等を積極的に受けているのか、お伺いをいたします。

○川澄病院経営本部長 お話のがん医療につきましては、現在、駒込病院が都道府県がん診療連携拠点病院として取り組みを進めており、二十三年四月からは、多摩総合医療センターが地域がん診療連携拠点病院として、墨東病院が東京都認定がん診療病院として、地域がん医療水準の向上を図ってまいります。
 がん医療以外にも、救急、災害、周産期、感染症、精神及び難病医療や地域医療支援病院など、都立病院、公社病院では、それぞれの病院が担うべき役割と医療課題に応じた指定、認定等を積極的に取得しております。

○酒井委員 この拠点病院などの制度は平成二十年から開始をしており、既に三十カ所が指定、認定を受けておりますので、もう少し早くできなかったかという印象は持っております。
 次に、七対一看護は平成十八年度に導入され、いわゆる大病院への看護師集中を招きました。一方で、迅速にその導入を図った病院は、看護体制の充実、診療報酬点数の加算など、その制度のメリットを享受したといわれています。都立病院が急性期医療をうたうのであれば、いち早くこうした対応を図るべきであるところ、ようやく平成二十二年中に六病院に導入をされました。
 病院経営本部は、本庁機能として約百名の要員を抱え、こうしたマネジメントを行い、いわば経営面でのコンサルタント的機能をも担い、都立病院の運営方針を定め、支援をしていく役割を担っているはずです。これまでの病院経営本部の対応について、所感をお伺いいたします。

○川澄病院経営本部長 病院経営本部といたしましては、制度の動向や費用対効果など、都立病院ごとの実情などを十分精査するとともに、全国的に看護師が不足している中で、地域医療機関の状況を踏まえ、七対一看護に計画的に対応してきたところでございます。
 導入に当たりましては、職場の実情に応じた勤務体制などについても検討、実施をしており、現在では都立すべての総合病院と小児総合医療センターで導入をしております。

○酒井委員 平成十六年の新臨床研修制度のときの医師不足もそうでございましたが、医師も看護師も蒸発したわけではなく、集中した病院があって、不足した病院が出たわけです。都立病院はその不足した方になってしまうわけですよね。
 病院改革は病院再編だけではありません。再編整備で医療機能が向上した一方、知事お気に入りの外部監査で、皮肉にも経営管理面、事務処理の課題が浮き彫りとなりました。包括外部監査の報告書によれば、平成二十一年度末で個人未収金が約九億八千二百万円であり、毎年度一〇%程度増加をいたしております。
 こうしたことにきちんと取り組んでいない一方で、一般会計からの繰入金は、来年度予算案では、今年度と比べるとやや減少しているものの、約四百六十五億円となっております。繰入金の推移はどのようになっているのでしょうか。過去五年間の増減率をお示しいただきたいと思います。

○川澄病院経営本部長 前年度との予算対比でいいますと、平成十九年度が一五・六%、二十年度が六・四%、二十一年度が一〇・六%、二十二年度が八・一%のそれぞれ増となっており、来年度、二十三年度予算案では六・六%の減となっております。

○酒井委員 ただいまご答弁をいただきました一年前の平成十八年度には荏原病院の公社移管で約二十億円の減がありながら約十億円増加、十九年から二十二年度まで増加、平成二十一年度には豊島病院の公社移管で三十億円の減がありながら一〇・六%、約四十五億円増加をいたしております。そして、平成十九年度の三百五十四億円からは、約百億円ふえています。
 包括外部監査報告によると、診療代金の分割払いの場合に発行する手書きの領収書について、一部の都立病院では発行番号を連番で管理せず、また、書き損じた領収書も保存していなかったことが指摘をされております。
 領収書やその控えを連番で管理し、書き損じたものもきちんと保存をすることは、現金を扱う人にとっては常識以前の問題であると思います。病院経営本部では、こうした事務の実態について、今後どのように改善をしていくのかお伺いをいたします。

○川澄病院経営本部長 都立病院では、医事会計システムで領収書を発行することとしておりますが、分割払いや、その他やむを得ない場合に限り手書きの領収書を発行しております。
 今回の指摘を受け、分割払い等の領収書についても、医事会計システムを改良して発行するとともに、やむを得ず手書き領収書を発行する場合には連番管理を行うなど、領収書の取り扱いについて速やかに改善を図ってまいります。

○酒井委員 外部監査報告書では、未収金について各病院の対応もまちまちで、忙しさの中で手続を放置している事例も多く、債権管理条例に基づく不納欠損処理すべき案件が二年分も滞留している、自己破産をした人の治療費を未収金、すなわち回収可能な債務として計上しているなどの指摘を受けています。改革以前の基本的なことができていないままになっていたのではないでしょうか。
 多摩総合医療センターは、医療機能が充実したことに加えて、患者サービスも向上したとの声が聞かれ、ハード、ソフト両面で充実されたものと理解をしております。しかし、都立病院、公社病院全体を見ると、まだまだ残念な点があることは事実です。
 病院改革は道半ばで知事の任期は終わってしまうわけですが、ご自身が目指した改革と現段階までの進捗状況をどのようにとらえているのか、知事にお伺いをいたします。

○石原知事 都立病院の経営については、初代の筆谷外部監査人から非常に厳しい指摘を受けながら、十年近くたっても、これはほとんど改善されていないというのはゆゆしき問題だと思います。
 今、委員は、私のお気に入りの外部監査といわれました。これは、国が地方自治体に外部監査は義務と法律で決めているんですから、やらない自治体が多いということは、私、とても心外だと思いますね。
 それで、ほかの部門につきましては、東京が受けている外部監査は非常に厳しくて、非常に有能でありまして、指摘だけじゃなしに、その指摘が一年たってどれぐらい実現されているかということもチェックして入れていますので、これはやっぱりみんな責任を感じて、要するに指摘を受けて、改善、実行してきたわけでありますけれども、公立病院だけがこのていたらくというのは、これは本当に困った話でありまして、病院経営に合理的な採算性が当然求められるわけでありますけれども、結果として、こういうずさんな結果が出るということは、とても放置できないと思います。
 ただこれは、やっぱり私は病院のシステムに問題があると思いましてね。病院長というのがトップでいるわけですね。これはやっぱりお医者さんとしては権威がある方なんでしょうけれども、問題は経営管理にあるわけでありまして、例えば、今日、公立大学もそうなりましたけれども、首都大学東京もそうですが、学長が一番上にいるようでしたけど、そうじゃなくて、今、CEOが上にいるわけですよ。理事長が経営の責任者として。
 私は、病院もやはり病院長の上にこういうCEOというのを置くような、そういう体制をこれからとらないと、こういう問題というのは、なかなか解決されないんじゃないかという気がいたします。
 いずれにしろ、その前段階としてもアドバイザリーグループを設けて、その指摘を受けながら病院の運営システムをこれは早急に見直して、抜本的な改革を進める必要があると痛感しております。
 就任以来、医師の不足の深刻化など厳しい医療環境の中であっても、医療サービスの向上をみんなで目指してきまして、都立病院の改革をしてきましたが、経営という面で、ざるで水をすくうみたいなていたらくは許されないわけでありまして、これは絶対早急に、システムを変えることで改良しなければならぬと思っています。
 就任以来、東京になかった東京ER、エマージェンシールームをつくりましたし、また、最先端の設備をそろえた多摩総合医療センターなども開設してきましたが、いずれにしろ、それに加えて東京医師アカデミーにおいて次代を担う医師の育成、確保なども進めてまいりましたけれども、肝心の都立病院そのものが経営の上で非常にぐらぐらしているんでは、これはお医者さんの努力も実ってきませんので、システムとしての抜本的な改革をこれから積極的に考える必要があると思っております。

○酒井委員 ただいま知事からご所見を伺いましたけれども、当然、都立病院や公社病院といった公的病院については、不採算医療であってもやっていかなくてはいけないという、そういった役割はあろうかと思いますけれども、しかし、その一方で、改善できる点については、ぜひとも、その体質改善も含めて取り組みを進めていっていただきたいということを述べさせていただきたいと思います。
 次に、新銀行東京についてお伺いをいたします。
 二月十五日の代表質問において、今任期を終える前にセカンドステージを示すつもりがあるのかと質問したのに対し、石原知事は、新銀行の経営陣が今後の事業展開を検討するものであり、都はその取り組みを支援していくつもりだと答弁をいたしております。
 これまでと打って変わって、突然銀行任せになってしまったような感じがいたします。知事は、セカンドプラン、セカンドステージはもう新銀行に任せて、東京都なり知事ご自身はこれに関知しないようにも聞こえてくるわけです。
 つまり、二〇二〇年の東京オリンピック招致のように、次の知事に任せると聞こえてしまうわけですが、どういう意図でご答弁をされたのか、お伺いをさせていただきます。

○石原知事 おっしゃっていることは全く誤解でありまして、私の発言は、あくまでも銀行法というものを要するに踏まえてのことであります。新銀行東京は、現在の経営陣のもとで懸命の努力を行いまして、平成二十二年度第三・四半期においても、本業の収支である実質業務純益についても初の黒字を計上しました。
 新銀行東京は、親身に取引先の経営相談に乗っております。これはリスケといいますか、リスケジュールで債務の返還の期間を先に延ばす、スケジュールを延ばすことを許容するけれども、しかし、こういう経営改善をなさいという非常にきめの細かい努力の集積がこの結果を生んだわけでありますが、比べてみて、ほかの銀行がこれをやっているか。やっていませんな。大きな銀行ほど五百万とか一千万程度の債権というのは簡単に放棄して、それを再建させる努力をせずに、企業を倒産させて、それを欠損にしている。
 こういう姿勢は、これは本当に結果として無慈悲でありますけれども、この銀行は、とにかくそういう努力を重ねながら実績を上げて、信用も得てきたわけであります。
 ただ、これから先は、これはやっぱりいろんな形で、ほかの銀行のところの、要するに協力とかいろんな形もあると思います。私自身が、前にもちょっと申しましたが、中国相手に、日本の中小企業の埋没している技術というものを製品化するためのファンドということで考えていました。
 これも、向こうで非常に乗り気になりまして、一歩、二歩進みつつあったのが、尖閣諸島の問題が起こった。私はこれを拒否しましたが、こういったものに銀行が組み込まれることがあるかないか、組み込んでくるかどうかということは、これはもう銀行法にのっとっての、要するに銀行側の判断の問題でありまして、セカンドステージというのは、やはり私たちはいろんなサジェスチョンをします。
 要するに、理事者側だけじゃなしに、議員の方々もいろんなアイデアがおありでしょうし、人脈もあるでしょうが、そういったものを取捨選択するのは、これはあくまでも銀行のイニシアチブでありまして、そういう意味で私は、最終的にそれを決めて、セカンドステージに何を要するに選択するかということは、銀行の責任だということを申し上げた。

○酒井委員 石原知事は、これも代表質問での答弁で、新銀行の設立に賛成した都議会民主党に対しても、製造責任者として有益な提案をしていただきたいと述べています。しかし、有益な提案をしたとしても、新銀行にそれを実行する体力もなく、ましてや、新銀行の情報が議会に十分に説明もされることがない状況の中にあっては、幾ら提案をしろといわれても限界があるのではないでしょうか。
 例えば、新銀行は、みずから約束していた再建計画をどこまで実施したのでしょうか。黒字化が進んでいるからよしとするのではなく、四百億円もの税金を使っておいて、それに見合う中小企業支援ができていないのが問題であると思います。
 再建計画が示された平成二十年三月十二日の予算特別委員会で、私は、本来の設立趣旨に合わせて、大企業とは取引をしないのかと質問をいたしましたが、それに対して東京都は、再建計画は中小企業への資金供給を中心に据えていることから、原則として大企業は対象としないと答弁をいたしております。
 そこで、現在、新銀行の与信残高のうち、中小企業、零細企業以外との取引はどのような状況になっているのか、お伺いをいたします。

○前田産業労働局長 平成二十二年十二月末現在の新銀行東京の中小零細企業向け与信残高は約六千三百件、七百七十四億円でございます。与信残高全体に占める割合は、件数で約九八%、金額で約六五%であり、残りの取引先は中堅、大企業でございます。
 この中小企業向け与信残高は、二十二年三月末以降、一貫して増加しておりまして、これは、新銀行東京が再建に取り組みながらも、可能な限りの中小零細企業支援を行っているあらわれと考えております。

○酒井委員 ただいまのご答弁で、件数は約九八%、金額は約六五%とありましたけれども、大体この比率というのは、日本の国内に存在する大企業と中小企業の割合をあらわしているものに近いのではないかなという感想も持っております。これは、当時、原則として大企業は対象としないと答弁をしていたのとは、大分違うのではないかなという感想を持ちました。
 中小企業支援について、再建計画では、平年度ベースで、新たに積み上げる与信残高の目標を七百億円としていました。この内訳は、一般融資百五十億、小口融資五十億、新型保証二百億、公共工事代金債権信託百億、成長企業支援型融資、ファンドについてはそれぞれ百億円で、合計七百億円、十年間の延べ実行額を約一兆円と掲げていたのです。
 そこで、新たに積み上げた与信残高は、融資・保証メニューごとにどうなっているのか、実施できていないメニューはあるのか、十年間の延べ実行額イコール一兆円というのは実現性がある数字だったのか、お伺いをいたします。

○前田産業労働局長 お尋ねの融資・保証メニューごとの実績、それぞれの個々の実績につきましては、新銀行東京は、他の金融機関と同じく明らかにしておりません。
 再建計画で掲げました七百億円というのは平年度ベースの数字でございまして、本年度、平成二十二年度におけます融資・保証の期末残高の計画は六百三十八億円でございます。これに対しまして、平成二十二年十二月末の中小企業向け融資・保証残高は七百五十一億円となっております。
 なお、新型保証につきましては、現在のところ商品化に至っておりません。
 十年間の延べ実行額についてのお話がございましたが、現在、二十三年度までの再建計画に懸命に取り組んでおります。まだ残り七年間ある中で、この時点でそれを検証することは意味のないことだと考えています。

○酒井委員 今、意味がないとお答えをいただきましたけれども、再建計画が終了していないとはいっても、十年間で一兆というのは、これは過大であったのではないでしょうか。
 また、新型保証については、現在のところ商品化に至っていないとの答弁ですが、かつて、東京都はこの理由について、平成二十年九月のリーマンショック以降、各金融機関の体力低下により、新たなリスク負担に慎重になっているからと答弁をしています。
 しかし、東京都の似たような制度で、外部の保証会社を初め、信用金庫や信用組合といった審査のノウハウのある地域の金融機関と組んだ保証つき融資制度が、平成二十一年九月三十日から始まっていることからも、新銀行が中小企業支援の役割を果たし切れていないのは明白であります。新銀行では、信用金庫などと連携した新型保証がなぜ実現できないのか、改めてお伺いをいたします。

○前田産業労働局長 今お話しのリーマンショックに端を発しました世界的な金融危機による環境の急激な悪化などによりまして、各金融機関は経営体力が低下して、新たなリスク負担に慎重になっております。こうした状況は、今日も依然として変わっていないと思います。
 新銀行東京は再建中でありますが、みずからの体力の範囲内で可能な限り中小企業支援に取り組んでおりまして、先ほど申し上げたとおり、中小企業向け与信残高は増加しております。
 お話の中で、東京都が行いました、地域の金融機関と連携した新たな保証つき融資ができて、なぜ新銀行はできないのかというお話がありましたが、私どもがやりました新たな保証つき融資制度は、損失補償や預託金など、東京都が用意してやるという仕組みでございますので、一民間企業の新銀行東京の取り組みと並べて、都ができるのに新銀行ができないのはおかしいというのはいかがなものかと思います。

○酒井委員 それでは、さらにお伺いいたします。
 付帯決議に基づく新銀行への適切な監視がどこまで機能しているかも疑問でございます。
 例えば金融庁の検査についてですが、金融庁のホームページを追っていると、昨年十一月二十六日からことし一月二十八日までの間、新銀行に金融庁の検査が入っていることがわかりますが、東京都は、金融庁の検査についてどの程度把握をしているのでしょうか。
 前回、金融庁が新銀行に検査に入ったのは平成二十年五月十六日で、検査結果を通知したのは十月二十一日でしたが、この検査結果の通知前、平成二十年九月二十五日の都議会本会議において、東京都は、検査は現在も継続しているとしながらも、直前の四半期決算について、金融庁の検査の過程において、新銀行が計上すべきと判断したものは反映したと聞いていると答弁をしています。
 そこで今回も、金融庁の検査について、東京都はどのように把握をしているのか、また、二月四日に発表された四半期決算には、金融庁の検査結果がどのように反映をされているのか、お伺いをいたします。

○前田産業労働局長 金融庁は、平成二十二年十一月二十六日に、そのホームページで検査実施中の金融機関を公表しておりまして、その中に新銀行東京も含まれております。
 しかし、検査の結果等につきましては、終了時期を含めまして、金融当局と検査を受ける被検査金融機関以外の第三者には不開示とされております。
 法律上の監督権を持つ金融庁が行う金融検査は、銀行のその後の業務に反映して改善することが目的でございまして、新銀行東京においても、その結果は、当然経営に適切に反映すべきものであり、反映されるものと考えております。
 東京都は株主として、その改善状況を適切に把握することを通じまして、経営を監視してまいります。

○酒井委員 ただいま局長の答弁の最後に、その改善状況を適切に把握することを通じ、経営監視を行っていくとありましたけれども、実際に、現状どのような経営が行われていて、金融庁が入ったことによって、調査によって、その後どのように改善をしたのかといった、その前後の状況がわからないのに、どうやって監視、経営の把握ができるんですか。とても主体的に監視をしているとは思えません。
 また、旧経営陣に対する訴訟についても、私たち都議会民主党はその動向を注視しているところですが、仁司氏及び丹治氏を除くその他の取締役七名に対する報酬の自主返納については、いまだ返納されたという話を聞きません。
 既に、自主返納を求めるべきだとした新銀行の外部監査報告書が公表された平成二十一年二月から二年を経過しています。東京都としても、新銀行に対する適切な監視が求められているわけですから、いつまでも新銀行の動向を見守っているだけでもないように思います。
 報酬の自主返納についてどのような状況になっているのか、何を理由に報酬の自主返納を拒んでいると聞いているのか、改めて見解をお伺いいたします。

○前田産業労働局長 新銀行東京は、外部の専門家に委託して行いました調査に基づきまして、当時の取締役七名に対して報酬の自主返納を求めておりますが、これは新銀行東京がみずから主体的に決定したことでございます。
 これまでに過半の取締役から自主返納が行われまして、引き続き全員の自主返納に向けて取り組んでいると聞いております。
 個別の理由については、株式会社新銀行東京とその経営陣であった当事者との間の問題でありますことから、都としては承知しておりません。新銀行東京の、自主返納に向けた取り組みを引き続き見守ってまいります。

○酒井委員 今、これは新銀行東京とその経営陣であった当事者との問題であるから、都は承知をしていないということですけれども、これが民間の銀行であれば、だれもこんなこといわないんですよ。都民の税金四百億円をつぎ込んだ銀行であって、その放漫経営をしていた人間に対して報酬の返金を求めているからこそ、東京都としてはどう判断しているのかという話じゃないですか。とてもこれ、ただ見守っているだけで済むような話ではないと思います。これは、株主の責任としても、都民の税金を預かっている都の責任としても、しっかりと取り組んでいっていただかなくてはいけない課題であると思います。
 今後、セカンドステージが模索される中で、新銀行はだれの責任のもと、どのような決着を見るのか。幾ら有益な提案があったとされても、新銀行にそれを実行に移す体力もなく、その監視も十分といえない中では、もはや株主としての英断を下していくしかないということを改めて申し上げさせていただきます。
 次に、築地市場について質問をいたします。
 私たち都議会民主党は、築地市場の移転については、移転予定地の安全性が確認されていないこと、また関係者の合意も得られていないことから、強引な移転に反対と訴えてきました。
 平成二十三年度中央卸売市場会計予算案では、豊洲関連予算として二十一億三千九百万円が計上されており、そのうち十億四千二百万円が土壌汚染対策工事費として計上されています。
 そこでまず、豊洲の土壌汚染対策についてお伺いをいたします。
 昨年三月二十七日の締めくくり総括質疑では、我が党の和田宗春議員が、専門家会議や技術会議の提言、あるいは実証実験の結果だけをもって豊洲が安全だというのは、都民の理解は得られないとしました。これに対し、東京都は、開場させるに当たって、汚染された土壌が無害化され、安全な状態になっていることが前提と答えています。
 また、無害化された安全な状態とはどういう状態を指すのかという質問に対して、東京都は、土壌の汚染が環境基準以下になることを指すとも答弁しております。土壌の汚染が環境基準以下になるということは当たり前のことですが、まず、この答弁を確認したいと思います。
 また、無害化された安全な状態には、地下水が環境基準であることは含まれないのか、お伺いをいたします。

○岡田中央卸売市場長 汚染土壌が無害化された安全な状態とは、技術会議により有効性が確認された土壌汚染対策を確実に行うことで、操業に由来いたします汚染物質がすべて除去、浄化され、土壌はもちろん、地下水中の汚染も環境基準以下になることであると考えてございます。

○酒井委員 地下水中の汚染も環境基準以下にするということですが、豊洲の安全宣言をする上で、象徴的な問題として、土壌汚染対策法による指定区域の解除という問題があります。
 豊洲地区は、土壌汚染対策法の指定区域、改正土対法では、形質変更時要届け出区域という区域に指定されていると思われますが、この区域指定を受けたまま、つまり汚染地であるというレッテルが張られたまま豊洲新市場を開場することについては、都民の理解が得られないのではないかと懸念するものです。
 そこで、この豊洲地区が土壌汚染対策法ではどのような扱いを受けるのか。その区域指定を解除するにはどのような要件を満たせばよいのか。また、昨年十月三日の築地市場の特別委員会で我が会派の田の上議員が質問をしておりますが、土壌汚染対策法の区域指定を受けたまま開場するということはあり得るのか、改めてお伺いをいたします。

○岡田中央卸売市場長 土壌汚染対策法によりますと、調査により土壌汚染が明らかになっている土地におきましては、人の健康に被害が生ずるおそれがあり、直ちに対策を講じる必要がある区域は要措置区域。人の健康に被害が生ずるおそれがなく、直ちに対策を講ずる必要はありませんが、建設工事などの土地改変を行う際に届け出が必要な区域は形質変更時要届け出区域に指定されます。
 新市場予定地では、これまでの調査によりまして土壌汚染が確認されていますが、盛り土やアスファルト舗装などによりまして汚染物質が直接摂取されるおそれがなく、周辺に飲用井戸もないことから、形質変更時要届け出区域に指定されることになります。
 この区域で東京都が行います土壌汚染対策は、法の求める対策をはるかに上回るものでございまして、市場用地としての安全・安心を十分確保するものとなってございます。
 具体的には、操業由来の汚染土壌を掘削除去いたしまして、地下水につきましても環境基準以下とした上で、深さ二メートルまでの土壌を新たに購入した土などですべて入れかえ、さらに二・五メートルの盛り土を行うことで、土壌汚染の摂取経路を完全に遮断し、二重、三重の封じ込めを行うものとなってございます。
 お話しの区域指定の解除につきましては、操業由来の区域につきましては、汚染土壌を除去し、地下水汚染が生じていない状態が二年間継続していることを確認することで、形質変更時要届け出区域の指定を解除いたします。
 また、自然由来の区域につきましては、形質変更時要届け出区域として指定は残りますが、この区域は、先ほどご説明したとおり、人の健康被害が生ずるおそれがない区域でございまして、直ちに対策を行う必要がなく、二重、三重の封じ込めで土壌汚染の摂取経路を完全に遮断することから、安全性に全く問題ございません。
 こうした万全の対策により、新市場は、生鮮食料品を取り扱う市場用地としての安全・安心を十分確保した状態で開場してまいります。

○酒井委員 全く心配はないとおっしゃいましたけれども、自然由来であっても、環境基準以上の汚染が残る中で安全宣言をすることは、世の中には通りにくいのではないでしょうか。
 また、地下水を含め、汚染の除去が確認されないまま新市場の建設を始めると、万が一、汚染が除去し切れなかった場合、壮大なむだ遣いになるという指摘もあります。
 技術会議の報告書では、地下水を早期に浄化できる処理技術によって、市場施設の着工までに、建物下、建物下以外の地下水をあわせて環境基準以下に浄化すると提言しています。
 しかし、予算特別委員会資料155号を見ますと、土壌汚染対策工事は平成二十四年度いっぱいまでかかることになっていますが、建設工事は平成二十四年九月から始まることになっています。
 昨年十月三日に我が会派の柳ヶ瀬議員も質問していますが、土壌汚染対策工事と建設工事とが六カ月重複する中で、市場施設の着工までにどのように地下水を環境基準以下にしていくのか、お伺いいたします。

○岡田中央卸売市場長 土壌汚染対策工事と市場施設の建設工事につきましては、お話しのように、見かけ上でございますが、六カ月重複しております。しかし、工事は街区ごとに行うため、実際には五街区及び七街区は対策工事の完了後に建設工事に着手することから重複はいたしません。六街区のみ三カ月重複いたします。
 この六街区につきましても、操業に由来する汚染土壌の掘削除去ですとか、汚染地下水の浄化を完了した後に建設工事に着手することとしてございまして、重複期間における対策工事の内容は汚染処理後の地下水管理システムの設置などでありますため、建設工事と重複しても問題はございません。
 このように、五街区から七街区まですべての街区におきまして汚染地下水を環境基準以下にした後に、市場施設の建設に着手してまいります。

○酒井委員 土壌汚染対策の工期は二十カ月としておりますが、この中にはそもそも盛り土の汚染対策が含まれていなかったことから、重複期間がさらに延びることが懸念されます。
 特別委員会での柳ヶ瀬議員の質問に対し、東京都は、盛り土の工程については、今後、関係の部署と調整をして、詳細な内容を詰めていくと答弁をしていましたが、この盛り土の調査と対策はどのように行い、どの程度かかるのか。二十カ月の工期内に含まれるのか、お伺いをいたします。

○岡田中央卸売市場長 盛り土につきましては、昨年八月の技術会議で、百立米ごとに二十五物質について調査を行い、万が一、汚染が見つかった場合には、汚染土壌を処理し、きれいな土を盛ることと提言をされてございます。
 これら盛り土の調査と対策は、当初の土壌汚染対策の中には含まれておりませんが、現在実施しております詳細設計の中で、埋め戻す前に調査を行うことを前提に具体的な手法などを検討し、二十カ月の工期内におさめてまいります。

○酒井委員 二十カ月の工期内におさめるという決意はわかるわけですが、本当に安全が確認された上で着工をされるのかは心配でございます。
 また、技術会議にある、地下水を市場施設の着工までに環境基準以下に浄化するということは、どのように確認をするのでしょうか。工事が終わったので安全だと宣言をしても、直後の地下水モニタリングで環境基準を超える汚染が検出されれば、幾ら安全だといっても都民の理解は得られません。
 この間の築地市場の特別委員会の議論でも、汚染土壌が検出された地点から少し離れれば汚染が検出されない事例が多々あること、あるいは地下水が動いているため汚染場所が特定できないことなど、汚染を見落とすリスクについても指摘をしてきました。
 土壌汚染対策工事後も、地下水から環境基準を超える汚染が検出されたとしても、東京都は豊洲の安全性は確保されたと考えるのか、お伺いをいたします。

○岡田中央卸売市場長 新市場予定地におけます土壌汚染対策は、法を上回ります綿密な調査の結果に基づきまして、操業に由来する土壌及び地下水の汚染をすべて環境基準以下へと浄化するなど、市場用地としての安全・安心を十分確保するものでございます。
 都は、技術会議におきまして有効性が確認されました処理技術を確実に実施いたしまして、土壌、地下水、いずれにつきましても環境基準以下になったことを客観的なデータで確認いたしますことから、市場用地の安全性は十分に確保されるものと考えてございます。

○酒井委員 ただいまお答えいただきましたが、不透水層が確認できなかった問題や、ベンゾ(a)ピレンの問題、あるいは内規に反した搬入土の問題など、東京都の情報公開のあり方、あるいはチェックの甘さには、今なお不安が残ります。
 昨年の予算特別委員会総括質疑において、我が会派の増子博樹議員が、地下水のモニタリングについて関係団体や第三者とともに確認していくつもりがあるのかと質問したのに対して、東京都は、クロスチェックは考えていないが、それ以外の方法で何か具体的な方法ができるかどうか検討していきたいと答弁しています。
 改めて、地下水のモニタリングについて関係団体や第三者とともに確認していく方法について見解を伺います。

○岡田中央卸売市場長 専門家会議は、リスク管理を図るため、市場の開場後に、地下水位や水質などの地下水管理などに関する協議会を設置することを提言してございます。
 都といたしましては、この提言の趣旨を踏まえまして、市場関係者や学識経験者等で構成する協議会を開場前から設置し、対策工事後の二年間の地下水モニタリングにつきましても対象といたしまして、情報の共有化や意見交換を図ってまいります。

○酒井委員 さて、この築地の問題の冒頭でも申し上げたとおり、私たち都議会民主党が強引な移転に反対としているのは、安全性の確認に加え、関係者の合意が得られていないからです。そして、その関係者の中でも最も大きなものは築地市場の水産仲卸業者との合意です。
 水産仲卸は、平成十年に各業者の意向調査を実施し、その結果、組織として現在地再整備を機関決定し、今日までそれが生き続けています。この意向調査は、そもそも当時、東京都が業界各団体の一致した意思等が確認できる文書の提出を求めたことに端を発していることは何度か述べてきたところです。
 昨年十月三日、我が会派の岡田眞理子議員も質問していますが、このような経緯を踏まえるのであれば、東京都は、水産仲卸の意向調査の結果を踏まえた機関決定というものを無視して、豊洲移転を強引に進めることはあり得ないものと考えます。改めて見解をお伺いします。

○岡田中央卸売市場長 現在地再整備工事の中断後、平成十年に、業界から要望のございました臨海部への移転の可能性の調査、検討について、都では、業界全体に一致した意思を確認するため、各団体に文書の提出を求めました。しかし、水産仲卸など一部の団体が現在地での再整備の意思を示したことから、各団体間の意思が一致しませんでした。
 このため、改めて、すべての業界団体の代表と都で構成されました再整備推進協議会におきまして水産仲卸の案を含む六つの現在地再整備案を比較検討いたしましたが、いずれの案にも合意が得られず、最終的に、平成十一年でございますが、現在地再整備は困難であり、移転整備へ方向転換すべきとの意見集約がなされたものでございます。
 都は、その後も、水産仲卸も含めた業界団体と幾度となく協議を重ね、新市場の施設計画を取りまとめてまいりました。さらに、土壌汚染対策などにつきましても、市場業者の理解が得られるよう、繰り返し説明会を実施してきております。
 豊洲移転につきましては、業界六団体のうちの一団体であります水産仲卸の一部が反対してございます。しかし、残る五団体でございます水産の卸、売買参加者、買い出し人、青果の業界、関連事業者はすべて早期の豊洲移転を強く望み、これまで繰り返し新市場の建設推進を求める要望を都や都議会に提出してございます。
 こうした経緯のとおり、これまで都は、業界の意向を無視することなく十分しんしゃくし、豊洲新市場整備を進めてきており、既に大方の合意形成が図られているものと考えてございます。
 もとより移転を具体的に進めていくためには、市場業者が個別に抱える課題や不安に対して丁寧に耳を傾け、安心して移転ができる環境を整備することが重要でございます。今後、市場業者の意見、要望を聴取し、その上で効果的な支援策を講じることで、新市場整備に対し、市場業者の一層の理解が得られるものと確信をしてございます。

○酒井委員 今、大方の合意は得られているというお話でございましたけれども、私たちはまだまだ大方の合意には至っていないと思います。
 昨年九月二十六日の築地市場特別委員会での参考人招致では、市場関係者から意向調査の実施を求める要望が多く出されました。
 私たち都議会民主党も、大方の事業者の意向を把握するために、ただ単に移転か再整備かを問うといった単純なものではなく、移転、再整備の特徴や課題、その解決策を示した上での意向調査が必要であると、昨年九月の代表質問を初め、何度か申し上げてきました。
 業界の意向を調査することについて、改めて東京都の見解をお伺いいたします。

○岡田中央卸売市場長 卸売市場は生鮮食料品を扱う流通施設であることから、豊洲新市場への移転に当たりましては、そこで営業活動を行う多くの市場業者の理解と協力を得ることが重要でございます。
 業界団体の大多数は早期の豊洲移転を求めておりまして、都や都議会に提出した要望書の中におきましても、豊洲の移転はさまざまな意見がある中、長い年月をかけ、関係者間で協議を重ね、民主的な手続により業界の意思として取りまとめたものであり、意向調査はこうした業界のこれまでの努力を全く無視するもので、断じて容認できるものではないとしております。
 また、議会で示された現在地再整備案につきましても、工期の長期化などが経営に致命的な打撃を与え、計画の実現性が担保されていないことから、明確に反対であり、市場を取り巻く環境が激変する中で、新市場の整備をこれ以上遅滞させることは、経営体力からも、もはや限界であるとも述べてございます。
 このように、豊洲新市場の早期の実現が業界の大多数の意向であり、都として改めてお話しのような意向調査を行う考えはございません。
 都は、現在、築地市場内に設置した移転相談窓口などにおきまして、市場業者一人一人に対しまして、移転に向けた課題や不安に丁寧に耳を傾け、市場業者の個別の意向を把握しており、今後、こうした意向に的確に対応した経営や資金面などの支援策を講じてまいります。
 このような取り組みが、結果として、お話しの意向調査の趣旨にも沿った対応になるものと考えてございます。

○酒井委員 仲卸の中には意向調査を求める声も多いと聞いています。合意が得られていない関係者のうち、中央区については後ほど伺うといたしまして、まずは受け入れ予定先の江東区に関して確認をしたいと思います。
 昨年十一月十八日に行われた江東区長の定例会見の中で、山崎区長は、江東区の基本的な姿勢は豊洲移転を視野に入れ、協議に応じるということで、決して無条件で受け入れるものではないと述べています。
 そして、江東区長が受け入れ条件の一つとして挙げているのが場外市場です。江東区長の発言をそのまま引用すれば、現在の築地の場外がそっくり豊洲に一緒に市場と来るんだということを訴えていきたい、しっかりこれから東京都と折衝していきたいということだそうです。
 そこで伺いますが、現在の築地の場外がそっくり豊洲に一緒に移転することは可能なのか。また、この件に関して、江東区と東京都との折衝はどこまで進んでいるのか、お伺いをいたします。

○岡田中央卸売市場長 築地場外市場は飲食店や小売店などが多数存在しまして、市場と一体となって地域のにぎわいを創出している一方、築地市場で働く方や買い出し人などが利用するなど、市場と密接にかかわりを持つ店舗がございます。
 豊洲新市場におきましては、食文化の継承や東京の新たな観光拠点の創造という観点から千客万来施設を整備することとしておりますが、その際、場外業者のうち、移転を希望する方につきましては、受け入れることを視野に入れ、整備してまいります。
 また、お話しの江東区長の発言につきましては、市場施設だけが移転するのではなく、築地市場のように市場と一体となったにぎわいを豊洲新市場においても実現してほしいとの認識を示したものと考えてございまして、千客万来施設への期待のあらわれであると受けとめてございます。
 都は、これまでも地元江東区に対しまして、市場の整備計画の内容などについて説明してまいりましたが、千客万来施設は豊洲地区全体のまちづくりに貢献することから、今後も適宜説明を行うとともに、意見交換を行ってまいります。

○酒井委員 この場外市場の件については、我が会派の岡田議員が昨年十二月八日の一般質問でも疑問を呈し、どれぐらいの店が移転を希望し、その話し合いや調整はどうなっているのかと質問しました。
 これに対し、東京都は、豊洲新市場への移転や出店を希望する方々がいることを把握していると述べましたが、引き続き場外市場団体と意見交換を行い、その内容を検討していくとの答弁にとどまっています。
 そこで改めて伺いますが、築地場外市場の中でどれぐらいの店が移転を希望しているのか。また、その話し合いや調整は現在どうなっているのか。江東区や中央区とはこうした情報を共有できているのか、お伺いをいたします。

○岡田中央卸売市場長 築地場外市場には、築地場外市場商店街振興組合、築地海幸会、築地共栄商業協同組合の三つの団体がございます。
 これまで都は、各団体と意見交換を行う中で、築地場外市場商店街振興組合におきましては、観光客などを対象に商売をされている方も多数いることから、約三百業者のうち二割程度が、築地海幸会におきましては、買い出し人や場内業者との商売が中心であることから、約三十業者のうち大半が移転を希望していると聞いてございます。
 また、築地共栄商業協同組合の約三十業者につきましては、既に現在地を拠点とした施設整備を行っていることから、今後とも築地において営業活動を継続し、移転は希望しないと聞いてございます。
 都はこれまで、これらの団体に対し、豊洲新市場の整備につきまして、情報提供や意見交換を行ってまいりましたが、今後とも千客万来施設の整備を進めていく上での参考とするため、場外業者の方々の移転希望の有無などにつきまして、より具体的に把握してまいります。
 また、こうして把握した状況につきましては、地元区に対しましても適宜説明してまいります。

○酒井委員 昨年十月二十七日、中央区から築地市場移転問題についての要望が提出をされました。また、ことしになってからも、一月二十一日には、築地市場移転に断固反対する会を発展的に改組した新しい築地をつくる会が申し入れを行いました。
 これら要望、申し入れには、築地市場の移転に反対ではあるものの、万が一、移転してしまった場合であっても、市場機能の一部を築地に残すなど、築地場外市場を含めた築地地区の活気とにぎわいの継承に向けた将来像を早急に示してほしいという強い思いが込められています。
 石原知事は、中央区からの要望に対して、論外、論外と述べ、中央区の要望を歯牙にもかけないような発言をしていました。しかし、二月十五日の代表質問に対し、東京都は、広く関係者の意見も聞きながら、局をまたいで多面的に取り組んでいくとも答弁をしております。
 そこで、地元中央区は、この築地地区の将来のまちづくりの検討に何らかの形で加わると考えていいのか。また、今後この検討をどのように進めていくのか、あわせて見解をお伺いいたします。

○岡田中央卸売市場長 築地というまちは、都心や銀座に隣接し、極めて高いポテンシャルを有しており、また、築地市場を中心として場外市場など周辺とのかかわりの中でにぎわいを生み出し、独特の伝統文化を継承してきたという特質を持ってございます。
 豊洲に新市場を整備した後の築地地区を中心とした将来のまちづくりの検討に当たりましては、これらの特質をどのように引き継ぎ、発展させていくかという観点も含めて行うことが重要と考えてございます。
 来年度から、こうした観点に立ちまして、庁内におきまして本格的な検討を開始する予定であり、築地地区を中心としたまちづくりの検討に当たりましては、当然に地元中央区の意見も聞いてまいります。

○酒井委員 今、地元中央区の意見を聞いていくというふうにございましたけれども、意見を聞いていくだけではなくて、それが地元自治体と合意できる内容なのかということが問題であると思います。
 また、水産仲卸も含めて、関係者の合意が得られているとは考えられず、さらに土壌汚染対策にもまだまだ課題がある中で、私たちは、この予算の修正も視野に入れた対応を考えていきたいと思っております。
 次に、教育行政についてお伺いをいたします。
 初めに、教職員の多忙化解消について伺います。
 今月、都教育委員会は、小中学校の業務実態調査結果と今後の方向性をまとめた報告書を出しました。まずは、この結果を今後どのように活用していくのか、お伺いをいたします。

○大原教育長 今回、都教育委員会が実施いたしました小中学校の業務実態調査によりまして、学校内における教職員間の役割分担が不明確であること、業務の進め方に改善が必要なこと、仕事に必要なスキルを向上する仕組みが整っていないこと及び教職員の意欲を向上させる仕組みが必要であること、この四点が明らかになりました。
 こういった四点の課題を解決するためには、その担い手となる区市町村教育委員会と学校が主体的に校務の改善に参画することが重要でございます。
 このため、今後、都と区市町村及び小中学校の代表で構成する検討会を設置し、現場の意見を踏まえて施策の内容を検討し、小中学校全体の校務改善を目指してまいります。

○酒井委員 次に、業務におけるICTの利活用促進についてお伺いをいたします。
 報告書には、業務負担、多忙感発生の真因として、環境変化に追いつかない旧態依然とした運営体制、組織風土が挙げられています。その旧態依然とした運営体制の一つに、変革に消極的として、ICT設備を有効活用できていないことが具体的な問題点として指摘をされております。
 ICTの利活用によって、教員同士の文書の共有化等、多くの効率化が図れるはずですが、なぜ進まないのか。また、どうしたら多くの教員が技術を駆使できると考えるのか、所見をお伺いいたします。

○大原教育長 小中学校におきましては、校務用コンピューターが教員一人一人に行き渡っていない団体も多く、現在、区市町村教育委員会が順次配備を進めているところでございます。
 現状では、すべての教員がコンピューターを使いこなせるという状況には至っておりませず、依然として紙や電話による仕事の進め方が中心となっております。
 このため、今後、区市町村教育委員会と連携しながら、教職員のICTの活用能力を高める取り組みや、情報伝達手段の中心を紙や電話から電子メールに転換する方策など、ICTの具体的な活用策を検討し、区市町村教育委員会を支援してまいります。

○酒井委員 ぜひ市区町村の教育委員会の支援に当たっては、情報セキュリティーについても取り組んでいただきたいということをご要望させていただきます。
 次に、組織体制の変革についてお伺いいたします。
 副校長の業務負担の軽減を図るため、副校長の直轄に経営支援部(仮称)を設置し、その中に副校長のフォローとして専門支援職員を新たに置くなどの改善案が提示をされています。
 この案が生まれた経緯、そして、副校長の業務負担がどのように軽減をされると想定されているのか、お伺いをいたします。

○大原教育長 今回の調査によりまして、副校長が施設の解施錠、インターホンの対応、文書の仕分け、調査報告事務など、副校長自身で行わなくてもよいと考えられる業務に忙殺されている現状が明らかとなりました。これは、学校の校務分掌組織が現状に適合できなくなっており、教職員の役割分担が不明確となっていることが要因であります。
 報告書に掲げました経営支援部は、主幹教諭、事務職員等を構成員とする副校長直轄の組織であり、学校運営業務や校務の横断的調整を組織で担い、これまで副校長に集中していた業務の受け皿となるものでございます。
 こうした組織を設けることで、副校長がよりリーダーシップを発揮しやすい環境が整備できると考えられますために、今後、区市町村教育委員会にその設置を働きかけてまいります。

○酒井委員 教員の意識改革の面についてお伺いをいたします。
 民間企業を初め、どこの組織でも、一つのビジョンを管理者と従業員が共有し、組織が一体化する企業が強いといわれ、それをどう実現させていくのかが多くの経営者、リーダーの課題となっています。
 学校においても例外ではなく、先生が生き生きとしている、多忙感が少ないなど、学校全体としてうまく運営をされている学校の取り組み事例には、目標の可視化と共有、組織の一体化等が図られており、個々の教員の学校経営への参画意識が高いことが多く見受けられます。
 今回提案されている経営支援部の設置によって、組織の一体化、個々の教員の目標の共有、学校経営全体への参画意識の高まりが図られると考えますが、見解をお伺いいたします。

○大原教育長 小中学校に経営支援部を設置するとともに、校務分掌を明確化することによりまして、教職員がより組織的、機能的に仕事ができるようになり、効率的な学校運営が可能となります。
 また、副校長が学校経営や人材育成にこれまで以上に力を発揮できるようになることから、経営支援部に属する教職員のみならず、教員全体にも学校経営に対する参画意識と組織としての一体感を高めることができるものと考えております。

○酒井委員 そもそも副校長の忙しさの主な原因として、副校長が業務をだれかに割り振れないこと、また、なぜ割り振れないかといえば、教職員の忙しさ、スキル不足、非協力などが報告書では挙げられています。
 経営支援部の設置によって、仕事を割り振られれば、副校長の仕事は軽減をされるかもしれませんが、一般教職員の忙しさ、スキル不足は解決されないのではないでしょうか。解決をするためには、教員の人数をふやすことは難しいため、一人一人の教員の業務の能率を上げる、スキルアップを図ることが重要と考えますが、見解を伺います。

○大原教育長 ご指摘のとおり、校務を改善していくためには、組織を整備するだけではなく、個々の教職員の能力を高めていくことが重要でございます。
 そのためには、教職員が文書や経理などの事務処理能力やICTを使いこなす能力を高める研修に積極的に参加できるように管理職が促しますほか、主幹教諭や主任教諭がリーダーとなって、日々の業務の中で校務に関する職場研修を継続的に実施することが不可欠であると考えております。

○酒井委員 教員の意欲向上についてお伺いをいたします。
 業務能率を上げるには、教員一人一人の意欲、モチベーションアップを図ることが重要です。その点に関し、報告書に提示されている、功績ある教員を表彰する制度については、予算もほとんどかからず、やる気さえあれば簡単にできるもので、とてもよいアイデアであると考えます。現に民間企業でも取り入れられ、成果が上がっている例もあります。
 なお、報告書のうちのアンケートでは、若い副校長、副校長歴一年以下は、管理職手当が少ない、ストレスが多く、余り対価に見合っているとは感じられないというのが主な意見である一方、ベテラン副校長、副校長歴十年以上は、対価は余り重要ではない、周囲に評価をされているというのが主な意見でありました。
 就任したばかりで仕事になれていない副校長は、周りから評価されることが少ないことから、どうしてもお金の対価を求めるのではないでしょうか。短期的に教職員の評価を行う表彰制度を設け、評価イコールやりがいへとつなげることが有効であると考えます。ぜひ、さまざまな、そして効果的な表彰制度を考案し、力を入れて広げていってほしいと考えますが、所見をお伺いいたします。

○大原教育長 教職員の仕事への意欲をより高めていくためには、日々の功績をたたえ、これを顕彰することも重要であると考えております。
 都教育委員会や区市町村教育委員会は、職員表彰制度を設けまして、教育活動の実践などに関して顕著な成績を上げた者に対して、学校単位、グループ単位、個人単位でさまざまな表彰を行っております。
 しかし、独自の表彰制度を設けていない区市町村も多いことから、今後、都と区市町村及び小中学校の代表で構成する検討会において、表彰制度の拡充について検討してまいります。

○酒井委員 次に、都立高校の募集人員についてお伺いをいたします。
 ちょうど本日二月二十三日は、都立高等学校入学者選抜の学力検査でもあります。
 五年前の平成十八年度は、都立高校への応募倍率が一・四二倍でありましたが、ここ数年、全日制都立高校の入学者選抜の応募倍率は高くなってきており、応募倍率としては少し高いのではないかと思われます。
 長引く景気低迷の中で、都立高校への志願が多くなっている原因としては、授業内容への期待とともに、公立高校無償化の影響もあると思いますが、見解を伺います。

○大原教育長 都立高校への志願者がふえているということは、平成十八年度の全日制第一次募集で定員割れとなった学校が二十五校であったものが、平成二十三年度では六校と大幅に減少していることにあらわれております。
 このことは、この間進めてまいりました都立高校改革が広く中学生や保護者に理解されてきたことや、景気の低迷など、さまざまな要因が影響しているものと考えております。
 平成二十二年度から始まりました公立高等学校の授業料の不徴収制度については、志願者がふえていることの要因の一つと考えられますが、現時点では、制度導入後間もないこともあり、今後の経過を見ていく必要があると考えております。

○酒井委員 都立高校を希望し、受検で不合格となり、私立を経済的理由から断念をし、希望の全日制から夜間定時制に行く生徒や就職を選択する生徒が少なからず存在すると考えられます。
 景気低迷の中で、都立高校の担う役割は、よりよい教育を提供することとあわせて、経済的状況から希望する全日制での教育を受けられない子どもを少しでも救済するということにもあると考えます。
 先ほど申し上げたような生徒が存在するとすれば、都教育委員会としてはどのようなフォローを彼らに考えているのでしょうか。現行の都立高校の施設規模、教員体制で募集人員を可能な限り広げるべきと考えますが、所見をお伺いいたします。

○大原教育長 都立高校は、公立高校としての役割を踏まえ、生徒の進路希望や能力、適性、興味、関心に対応できるよう、全日制、定時制を問わず、普通科、工業科、商業科などさまざまな学科を設置しております。これらの高校の入学者選抜の応募倍率については、学校ごとの差も少なくないのが実態でございます。
 このため、都教育委員会は、学ぶ意欲と熱意のある生徒を一人でも多く受け入れることができるよう、応募倍率の低い学校についても教育内容の改善充実に努め、各都立高校の教育活動の特徴や具体的な入学者選抜方法等について情報提供を行い、適切な進路選択を支援するとともに、今後、生徒数の推移や中学生の志望傾向等を中長期的に見守り、適切に対応してまいります。

○酒井委員 では、次に、子ども家庭支援についてお伺いをいたします。
 私は前回の代表質問で、東京都内の児童相談所における虐待の相談受理件数は、十年前の平成十一年度には千三百十五件でしたが、平成二十一年度には三千三百六十六件であり、二・六倍にふえています。児童福祉司一人当たりの新規相談受理件数は九十七・二件と、児童福祉司を増員したこともあり、百二十件近くに上っていた平成十七年度よりは減少していますが、困難ケースの増加によるものか、一件当たりの平均調査、指導回数は七・四と一回増加しており、継続調査案件を含めると相変わらず大変な業務量となっています。児童相談所が行う虐待対応の過密さを申し上げ、また区市町村からは児童相談所による専門的支援の強化が求められているとしました。
 都は、その後、児童福祉司の増員を決めましたが、その内容と、市区町村からの要望の強い専門的支援強化にどのように取り組むのか、お伺いをいたします。

○杉村福祉保健局長 都は、来年度、すべての児童相談所に児童福祉司を一名ずつ、計十一名増員いたしまして、区市町村の子ども家庭支援センターとの調整機能をより強化してまいります。
 具体的には、各児童相談所の児童福祉司が所管センターの会議などに参加して専門的助言を行う機会や、家庭訪問に同行する回数をふやすなど、子どもや保護者へのセンターの対応力向上に向け、手厚い支援を実施してまいります。
 また、子ども家庭支援センターに新たに配置される職員を各児童相談所で受け入れ、実地研修を行うほか、児童福祉司任用資格認定講習会を充実するなど、センターの専門性の一層の向上を図ってまいります。

○酒井委員 平成十七年四月より、市区町村が児童家庭相談の第一義的窓口に位置づけられました。
 虐待防止、早期発見には、悩みを深刻化させない相談、要支援家庭の発見、見守り、深刻なケースへの迅速な対応とその後の見守り、支援など、実にさまざまな対応が必要となります。
 中でも先駆型子ども家庭支援センターは、都内四十九市区町で事業実施、市区町村における、より専門的な機能強化が図られており、都の取り組みを評価しております。
 都の児童相談所は、地域支援担当者を配置していくとのことですが、市区町村からは要支援家庭等の増加に伴い対処し切れないといった声も聞かれているのは、前回の代表質問でも申し上げたとおりです。
 すべての先駆型子ども家庭支援センターの虐待ケースの調整を行うコーディネート機能の強化、虐待対策ワーカーの増配置など、市区町村の対応力強化に向けた支援策強化が必要と強く求めたわけですが、都の平成二十三年度予算における対応についてお伺いをいたします。

○杉村福祉保健局長 都は、来年度、区市町村の児童虐待への対応力を向上させるため、先駆型子ども家庭支援センターに新たに虐待対策コーディネーターを配置し、ケースの進行管理を的確に行うとともに、学校や保健センターなどの関係機関との連携を強化いたします。
 加えて、児童人口に応じて虐待対策ワーカーを増配置し、区市町村が児童虐待ケースに、より的確に対応できるよう支援を行ってまいります。
 本事業は包括補助事業の中に位置づけ、区市町村への財政支援をすることとしておりまして、特に来年度からの三カ年は、補助率をかさ上げするなど区市町村の積極的な取り組みを促してまいります。

○酒井委員 三年間補助率をかさ上げとの答弁がありましたが、その後の展開が気になります。本事業については、すべての先駆型子ども家庭支援センターで実施し、市区町村の虐待対応力の強化、子ども家庭支援センターの機能強化に結びつけてほしいと思っています。
 先駆型子ども家庭支援センターが行う虐待対策ワーカーの増配置、虐待対策コーディネーターの新規配置については、三年間の負担軽減措置が終了した後にあっても、市区町村が安定的に事業を実施できるよう、支援について強く要望し、また、そもそもこの枠の関係で包括補助を使えない市区町村もあると思います。そういった点についてもぜひご留意をいただきたいと思います。
 ところで、児童相談所では、虐待相談だけではなく、子どもの育成相談や障害相談を受けています。
 先月、私の住まう立川でも、発達障害のある子どもを懸命に育てながら、子どもの将来に悩み、母親が思い余って子どもに手をかけてしまった事件がありました。
 障害のある児童の家庭がすべてそうだというわけではありませんが、都の児童虐待白書によると、児童に知的発達のおくれや障害があった場合、虐待を受けるおそれが高まるとのことです。虐待に至らないまでも、障害を持つ児童の保護者は、言葉のおくれなど子どもの状況や子どもへの対応など、さまざまな悩みを抱えていると聞いています。
 児童相談所は、障害を持つ児童の保護者からの相談にどのように対応しているのか、お伺いをいたします。

○杉村福祉保健局長 児童相談所では、子どものさまざまな障害に関する相談に対応しており、その件数は全相談件数の四分の一を占めております。
 保護者から障害に関する相談があった場合は、児童心理司による心理診断を行い、児童とのかかわり方などについて適切な助言を行いますとともに、子育てに負担を感じている家庭に対しては、状況に応じて保育所や在宅サービスの活用を促すなど、子ども家庭支援センターや保健所、保健センターなど関係機関と連携して支援を行っております。
 また、必要な場合には、専門の医師による医学診断等を実施した上で、児童の心身の状況に応じた医療機関や療育機関などの専門的な支援につなげております。

○酒井委員 ただいま例に出しました案件では、子ども家庭支援センター、児童相談所のいずれにも相談をしていなかったということですから、こうした相談にどうつなげるのか、公的な他の機関、例えば障害の相談で訪れた療育相談の担当部署や幼稚園、保育園において気がかりな親子をどう判断して、同じ自治体の中の子ども家庭支援センターによる見守りや支援につなげていくのか、今後の課題になると思います。
 ぜひともしっかりと取り組んでいただきたいということをご要望申し上げ、次の質問に移らせていただきます。
 次に、産業振興についてお伺いをいたします。
 我が国日本は、GDPで中国に追い抜かれ、経済大国で第二位の座から転落をいたしました。しかし、人口比からすれば当然だと考えていては、これからさらに人口減少が予想される日本の地位はますます低下していくことになります。人口減少社会にあっても、私たち一人当たりのGDP、すなわち労働生産性を高めていく必要があるのです。
 このような中、東京の産業構造に目を転じてみると、第三次産業が都内総生産の九割近くを占め、全国に比べても、より顕著な第三次産業化が見られます。
 また、第三次産業のうち、特にサービス業の占める割合が高くなっていますが、一方で、サービス産業の課題として、労働生産性が低いことが指摘をされております。サービス産業の労働生産性水準は、例えばアメリカの四割程度の水準にとどまっているとの調査もあります。
 今後の少子化の進展によるさらなる労働力不足を踏まえるならば、サービス産業が集積する東京都においては、その生産性向上に積極的に取り組んでいくべきと考えます。都のサービス産業の労働生産性についての基本認識についてお伺いをいたします。

○前田産業労働局長 サービス産業では、一般に製造業などと比べて労働生産性が低く、その向上が課題となっていると、このように認識しております。
 サービス産業の生産性の低さの要因としては、機械設備や生産技術の進歩が労働生産性の向上に直結しやすい製造業などと比べまして、飲食店や医療、福祉など、人によりますサービス提供が主体となるサービス産業におきまして、設備投資の効果がなかなか反映されにくいことなどが考えられます。

○酒井委員 産業別の労働生産性指数の推移を見ると、製造業や情報通信業は年々上昇傾向にあるのに対し、医療や福祉、あるいはサービス業は二〇〇五年から低下しています。
 これらのサービス産業の生産性が低い理由としては、労働集約的産業であることや、また規制が多いこと、ノウハウの開発、蓄積が不十分であることなどが挙げられています。
 今後成長が見込まれる医療や福祉、介護などの分野における労働生産性を上げていくためには、規制の見直しは当然のこととして、この間、環境、エネルギー分野で積極的に取り組んでいるグリーンイノベーションと同様、医療や福祉、介護などの分野におけるライフイノベーションのための技術革新を誘発していくべきだと考えますが、東京都の取り組みについてお伺いをいたします。

○前田産業労働局長 医療や介護などの分野の成長を支える技術革新を支援することは重要であります。
 このため、都では、都市課題解決のための技術戦略プログラム、この事業の中で、来年度から医療や介護などの分野を含め、安全・安心の確保をテーマに中小企業の技術開発や事業化などを支援してまいります。
 また、医療や介護などの分野を含めたサービス関連産業の中小事業者が、良質なサービスを効率的に提供するために行います新たな機器等の研究開発についても支援を開始いたします。

○酒井委員 最近では、日本の介護サービスが海外展開するという記事もありましたが、商品知識の豊富さや接客マナー、おもてなしの心など、日本のサービス産業の中には世界でも通用するビジネスモデルがあります。こうしたサービス産業の海外販路開拓も含め、今後の施策展開を検討していただきたいと思います。
 次に、新製品の開発、販売の支援について伺います。
 中小企業が新製品、新サービスのイノベーションを果たしていくためには、東京都としても中小企業が持っているアイデアが実現できるよう人的にも財政的にも支援をしていく必要があります。
 東京都では、新製品や新技術などの研究開発に対して、これまで幅広く支援策を実施してきましたが、二十三年度予算案では、技術などの開発だけではなく、営業の体制が十分ではない中小企業に対して、開発から販売までの一体的な支援を行っていくとしています。
 新製品の開発、販売を積極的に支援していくべきということは、既に昨年十二月の代表質問でも申し上げてきたところです。今回の新たな事業によって、今後具体的にどのようにして新製品などの開発や販売を支援していくのか、見解をお伺いいたします。

○前田産業労働局長 ものづくり中小企業が、製品の企画段階から市場ニーズを的確にとらえて開発に取り組み、これを販売にまでつなげていくことは重要でございます。
 このため、都は、来年度から中小企業を対象に、マーケティングから販路開拓までの一連の知識やノウハウを提供するセミナーや、企業の製造現場でのアドバイスを実施してまいります。こうした取り組みにより、中小企業の製品の開発や販売を支援してまいります。

○酒井委員 少子高齢化の進展などにより国内市場が縮小する中にあって、海外市場に向けた製品開発を目指す中小企業は今後ますますふえるものと考えます。
 しかしながら、それら製品の安全基準や品質基準は、日本国内では通用しても、国際基準には基づかない場合があったり、あるいは国や地域がそれぞれについて定める規格に適合していることの証明が必要となることもあります。中小企業がすべて独力で対応するのは、かなりの負担になるものと考えます。
 そこで私は、中小企業の製品が国際的な基準や規格に適合した製品開発ができるよう支援をしていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○前田産業労働局長 例えば、EUで定めております安全規格のCEマークのように、製品に対する厳しい地域基準や地域規格がありまして、中小企業が海外でその製品を販売するためには、そうした諸外国の規制に適合することが不可欠となっております。
 このため、本年五月に開設いたします都立産業技術研究センターの新本部では、こうした海外の規制に応じた中小企業の製品開発に向けて試験の体制を充実し、国際的に通用する試験証明書の発行が可能となるよう手続を進めてまいります。
 既に、同センターの多摩テクノプラザでは、海外の規制に適合した試験所の認定を受けております。
 また、都は、中小企業が製品に対するさまざまな評価や認証を受ける際に必要な経費の助成を来年度から行ってまいります。

○酒井委員 国際規格対応への取り組みについては、都立産業技術研究センターの新本部や多摩テクノプラザでしっかりと対応していただきたいと重ねて申し上げておきたいと思います。
 ところで一方、この間、多摩シリコンバレーとあわせて何度か質問している地域の特性を生かした産業集積の実現、すなわち、創造的都市型産業集積創出助成事業については、先日、二月三日に新たに四つの自治体からの地域産業振興計画が承認されましたが、それらはいずれも二十三区で、残念ながら多摩での取り組みはありませんでした。
 東京都として、ぜひとも多摩地域のニーズを十分に掘り起こしながら、一つでも多くの集積エリアをふやすことができるよう、創造的都市型産業の集積の創出に向けた取り組みを進めていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○前田産業労働局長 創造的都市型産業の集積を促進していくためには、東京都が実施いたします広域的視点に立った施策とともに、地域の産業特性を生かした地元区市町村の主体的な取り組みが重要であります。
 このため、都は、平成二十年度から創造的都市型産業集積創出助成事業を開始いたしまして、産業集積の創出に取り組む区市町村を重点的に支援しております。
 多摩地域では、八王子市が精密機器分野など、最先端のものづくり産業の振興に取り組んでいるほか、現在、五つの市が都との間で集積創出に向けた意見交換を続けております。
 今後とも都と市町村が重層的に支援を行うことで、多摩地域における新産業の集積の創出を図ってまいります。

○酒井委員 次に、メディアリテラシー、情報モラル教育について伺います。
 来年度の復活予算案に、情報モラル、情報リテラシー教育事業が五千万円盛り込まれました。新規で予算がついたこの事業を一過性のものに終わらせてしまってはいけないと思います。
 今回の事業を機に、今後、長期的な戦略のもと、メディアリテラシー、情報モラル教育を一層推進していくべきという考えのもと、質問をさせていただきます。
 現代の情報化社会においては、メディアを通じて流れる情報はすべて発信者によって加工されているものであることを前提に、受動的な姿勢ではなく、主体的に情報をとらえ、その情報が正しいかどうかを判断する能力、本質を見抜く力、つまり、メディアリテラシーが求められます。
 そのためには、講義はもちろん重要でございますが、ディベートの実践型授業など、体験が伴った教育こそ、真に子どもたちの体にしみ込ませ、彼らの日々の思考習慣、態度になると考えます。何々をしてはいけない、あるいは何々の力を身につけることが大事のようなことだけを伝えても、よほど想像力豊かな子、物わかりのよい子でないと身につかないと思います。
 よって、都教育委員会は、メディアリテラシー、情報モラル教育の推進に関し、実践型の体験学習を重視すべきと考えますが、都教育委員会の所見をお伺いいたします。

○大原教育長 文部科学省の教育の情報化に関する手引によれば、児童生徒が互いに討論することや、インターネットで操作体験をしたり、調べ学習をするなどして、情報モラルの重要性を実感できる授業を実践する必要があると述べております。このため、各学校では、例えば、特別活動や総合的な学習の時間において、ディスカッションやディベートなどの活動を取り入れ、実践型の体験学習を行っております。
 今後、都教育委員会が新たに作成する啓発用DVDの教材では、児童生徒がチェーンメールや高額請求などの被害に遭う等の疑似体験を通して学習できる参加体験型の内容とすることとしており、各学校における活用を図って、情報モラル、情報リテラシー教育を一層推進してまいります。

○酒井委員 このメディアリテラシー、情報モラル教育に少しでも関心を持つ保護者は、問題意識を持っているため、実際に子どもの携帯に対してフィルタリングをかけるなどの最低限のことは実践したり、さらに関心の高い方は、フォーラム等に参加して、よりよい指導方法を学び、実践をするはずです。しかしながら、関心の低い、もしくは全くない保護者は、家庭において子どもに全く指導せず、野放し状態の可能性が高いとも思われます。
 こういった点があるからこそ、さきの定例会では、東京都の青少年育成条例の改正案といったものも可決をし、有害図書等、また、あるいは携帯のフィルタリングの機能等の強化といったものを--知事、聞いていらっしゃいますか。取り組んでいたわけですけれども、やはりこういった取り組みだけではなく、このメディアリテラシー、子ども側が受ける情報の、しっかりとその内容といったものを把握する力を持っていくことをさらに醸成していく必要があると思います。
 したがいまして、メディアリテラシー、情報モラル教育の推進について、学校だけの取り組みではなく、保護者へも積極的に啓発し、連携していく必要があると考えますが、都教育委員会の所見をお伺いいたします。

○大原教育長 情報モラル、情報リテラシー教育の推進には、学校の取り組みだけでなく、家庭と連携した取り組みを進めることが重要でございます。
 都教育委員会は、来年度新たに情報モラル、情報リテラシー教育推進のために、児童生徒用に加えまして、保護者用の情報モラル、情報リテラシーに関する啓発用DVDを作成し、学校に配布いたします。
 今後、各学校における保護者会、入学式など、より多くの保護者が集まる機会に配布したDVDを活用して啓発指導に努めていくよう、各学校を指導してまいります。
 さらに、ネットケータイ安全教育フォーラムを新たに開催するなどして、広く都民と一体となった情報モラル、情報リテラシー教育の取り組みを一層推進してまいります。

○酒井委員 今回の取り組みについては、DVDを作成し、それを教材として、この情報モラル、あるいはメディアリテラシーといったことを広めていくということでございますので、これはまず、その第一歩であると思っております。
 やはり今のこの情報化社会の中で、子どもたちが真に正しい情報かどうかということをしっかりと判断をすること、これは子どもだけではなく、我々大人の側も、その情報の取捨選別といったものを行っていかなくてはいけないわけですけれども、未来のある子どもたちに、そういった能力を醸成していく上では、繰り返しになりますけれども、ただ単にDVDを見せるだけ、また、ただ単に教材を与えて教え込むだけではなくて、子どもたちがより関心を持てるような教育の仕方についても、ぜひ今後ご検討いただき、お取り組みいただきたいということをご要望させていただきます。
 最後に、東京都犯罪被害者等支援計画について何点かお伺いをいたします。
 昨年十一月に公表された素案に対する都民意見募集を経て、先月、東京都犯罪被害者等支援計画が発表をされました。
 現計画がことし三月にその計画期限を迎えることに対応し、今回は向こう五年間の計画として作成されたことは、東京都における犯罪被害者支援を推進する上で大いに期待していたものであり、成案が整ったことについては歓迎をしています。
 しかし、この計画の中身を拝見させていただくと、都としての取り組みがどの程度進められていくのか十分に伝わってこない点も多々ございます。そういったことからも、確認の意味も含めて質問をさせていただきます。
 まず初めに、本計画の作成に当たって、平成二十年一月から進められた現行計画の達成状況等、どのように評価し、本計画を作成されたのか、お伺いをいたします。

○比留間総務局長 都は、平成十九年度に策定をした現行の計画に基づき、総合相談窓口を平成二十年四月に開設し、これまで延べ六千件を超える相談やカウンセリングなどを行うほか、関係機関との連携体制の構築や都民意識の啓発に取り組み、着実に成果を上げてきたと考えております。
 昨年実施をいたしました犯罪被害者の方々などに対する実態調査においても、支援の取り組みが進んだとの評価が多く寄せられております。あわせて、同調査では、今後の取り組みとして、相談事業などの一層の充実と被害者に対する理解を深める啓発の推進が要望として挙げられております。
 こうした状況を踏まえ、今回改定した計画では、医療機関における総合相談窓口の紹介などの相談事業の充実、区市町村等との連携体制の強化、都民意識の理解を深める啓発の推進の三点を充実強化しております。

○酒井委員 次に、本計画の作成に当たって、素案に対し、都民からの意見、パブリックコメントを求めたところ、三十名より百二件の意見が寄せられたようでございますが、寄せられた意見については、どのような形で本計画に落とし込まれているのか、お伺いをいたします。

○比留間総務局長 昨年十一月に発表いたしました素案に基づき実施したパブリックコメントでは、都民から今後の被害者支援の充実や都民意識の啓発強化を望む声が多く寄せられました。
 具体的な内容といたしましては、被害者支援の充実に関しては、心的外傷後ストレス障害、いわゆるPTSDの治療が可能な医療機関情報などを求めるもの。また、都民意識の啓発に関しましては、地域の小さな集まりで活用できる啓発教材の提供を求める声などが寄せられました。
 こうした意見にこたえるため、PTSDに対応可能な医療機関情報を提供するホームページの周知や、地域で行われる行事への都が保有する啓発パネルや映像資料の貸し出しなどを新たに計画の内容として盛り込んだところでございます。

○酒井委員 さて、本計画については、被害者支援の現状を調査した上で、これから取り組むべき都の課題を記載していることは評価をいたします。
 先ほど、現行計画の達成状況についてお伺いをいたしましたが、東京都において最初の計画であったこともあり、数値目標等もなかったので、達成率を示すことは難しいと思います。
 しかし、二サイクル目に入る計画としては、今回の計画においても、取り組むべき課題について、スローガン的に示されている項目も散見をし、具体的な取り組みについては、見てとれない点も多く、残念なものになっています。
 そこで少々細かくなりますが、疑問点を挙げさせていただきますので、お答えをいただきたいと思います。
 まず、市区町村の相談窓口について、三分の二まで拡大していると記載をしていますが、この中には施策担当窓口のみで被害者からの相談窓口でないものも含まれており、また、相談窓口であっても、そのレベルについてはばらつきがあります。
 本計画においては、数の充足目標やスケジュールも示されていなければ、どの水準までレベルを上げていくのかも示されていません。どのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

○比留間総務局長 犯罪被害者等が安心して身近な区市町村で相談できるように体制を整備していくことは重要であることから、今回改定した計画の期間内に、すべての区市町村で相談窓口が設置されるよう、都としてその取り組みを促してまいります。
 また、区市町村の相談窓口機能のさらなる充実に向けて、都の相談員が区市町村を訪問し、支援のノウハウを助言するとともに、都の総合相談窓口で区市町村の研修生の受け入れや専門相談員の育成研修を実施いたします。
 これらの取り組みを通じて、犯罪被害者の方々等に対する支援が速やかに提供できるよう区市町村をサポートしてまいります。

○酒井委員 次に、総務局と各局の取り組みが必要となる中で、総合窓口の周知に関して、医療機関に対し情報提供を行うとしていますが、そもそも福祉保健局では、平成十五年に医療機関向け対応マニュアルを作成されています。その周知並びに理解がどこまで進んでいるかについても不安が残ります。その改訂を含めてどのように取り組んでいくのか、お答えをいただきたいと思います。

○杉村福祉保健局長 都は、平成十五年度に医療機関向け犯罪被害者支援マニュアルを作成し、東京都医師会及び東京都歯科医師会の協力のもと、すべての病院、診療所に配布し、その周知をしてまいりました。
 また、都内全病院の管理者等を対象といたします講習会におきまして、医療的な支援や言葉のかけ方など、その内容について説明を行い、昨年三月に実施した講習会においても、改めてマニュアルの活用等を働きかけております。
 今後もさまざまな機会を活用し、医療関係者の理解を促すとともに、今般策定されました犯罪被害者等支援計画を踏まえ、関係機関の意見を聞きながら、マニュアルの改訂につきましても検討してまいります。

○酒井委員 ぜひこのマニュアルの改訂に当たっては、現場の医療関係者の意見もお聞きをしながら、よりよい改訂を行っていただきたいと思います。
 次に、都民の理解増進と配慮、協力の確保として、中高生を対象とした命の大切さ等の理解を深めるため、犯罪被害者等による講演を実施するとあります。このこと自体は理解を進める上で有効であると思います。
 さて、都教育委員会として、現在、人権教育に資するため、教員向けの人権教育プログラムに犯罪被害者やその家族の項を設けていただき、取り組んでいますが、現場での活用の状況を踏まえ、さらに学校を指導していくことが重要であると考えます。
 そこで、学校における犯罪被害者にかかわる指導が現在どのように行われているのか、また、今後の取り組みについてもお伺いをいたします。

○大原教育長 都教育委員会は、平成十五年度以降、人権教育の手引である人権教育プログラムについて、毎年、内容の改善を図りながら、小学校、中学校、高等学校、それぞれの犯罪被害者にかかわる指導事例を掲載してまいりました。
 これまで、小学校については、交通事故で母親を失った家族、中学校では、暴力行為により、兄の命が奪われた家族を取り上げまして、道徳の指導事例としております。高等学校については、息子を殺害された刑事事件にかかわる公民科の指導事例などを掲載してまいりました。
 各学校では、これらの事例を活用し、かけがえのない家族を亡くした悲しみに共感させ、犯罪被害者に係る人権上の問題を考えさせる指導を行っております。今後とも人権教育プログラムを活用するよう、各学校を指導してまいります。

○酒井委員 これまでの質疑を通じて、計画の内容も明らかになってきましたが、総じていえば、それぞれの取り組みについて、その実施スケジュール、すなわちロードマップが示されていないこと、達成目標である規模の数値目標が示されていないことが、本計画の策定に当たっては非常に残念であった点です。
 今回、質問をした項目以外にも、繰り返しになりますが、総合相談窓口の周知のための医療機関向けパンフレットの作成や、その具体的な取り組み、一時居所の提供に関する制度改正の検討期限、また、都職員の研修についても、その対象や規模すらも明記をされておらず、犯罪被害者支援の認知度をどこまで引き上げていくのかも不明であります。
 国においては、基本法があり、その上で基本計画が策定をされています。これまで繰り返し条例の制定を求めていましたが、都には犯罪被害者支援を行っていく上での基本方針を示した条例がなく、いきなり支援計画となってしまっているので、どうしてもこのようなスローガン的な計画になってしまうのではないでしょうか。
 都においても、改めて条例の制定を求めるものでございますが、お考えが変わらないのであれば、せめてロードマップを定めた実行プログラムを定めるべきであると思います。
 また、少なくとも平成二十三年度の取り組みとして、具体的に被害者支援がどこまで推進されるのか明らかにすべきであると考えますが、見解をお伺いいたします。

○比留間総務局長 都においては、犯罪被害者等基本法の趣旨を踏まえ、今回改定をいたしました計画を着実に推進していくことにより、犯罪被害者の方々などを支援していくことが重要であると認識をしております。
 このため、平成二十三年度においては、被害者等に対する総合相談窓口での相談や精神科医等によるカウンセリング、都職員を対象とした被害者等への理解を深めるための研修などを引き続き実施いたします。
 また、一時居所制度の対象の拡大や医療機関向けパンフレットの作成、都の総合相談窓口における区市町村からの研修生の受け入れなど、新たな取り組みを開始いたします。
 こうした方策を着実に実施し、支援の充実強化に努めてまいります。

○酒井委員 ただいま、私の求めた質問に対して、少なくとも二十三年度の予算の中身については示してほしいという、その最低限の部分についてだけお答えをいただきましたけれども、やはり東京都が計画をつくって、被害者支援を進めていこうという思いは、私も、多分、総務局長も、また、石原知事も同じであろうと思います。
 やはりこの被害者支援を進めていく、これはどの計画についてもそうであるわけですけれども、やはり計画をつくる以上は、それぞれの項目についてどのような目標を立てて、それに向かってどういった年次計画で進めていくのかという、そういったロードマップが示されていないと、実際にその内容といったものがどのように具現化をされるのかといったことが目に見えてこないと思います。
 ぜひこの実行プログラムの作成、私たちとしては、条例を制定していきたいという思いを持っているわけですけれども、ぜひその点については、総務局についても、心の片隅ではなく、真ん中にとどめておいていただきたいということをお願い申し上げまして、時間が参りましたので、私からの質問を終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)

○山下委員長 酒井大史理事の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十分休憩

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