子供を権利の主体として尊重し
理不尽な校則を見直すべき

コロナ禍における貧困・格差対策

質問1
 新型コロナ危機は、都民の暮らしを直撃しています。

 とりわけ非正規雇用の人たちが、コロナ危機をきっかけに仕事も住まいも失い、食事をとることも困難になるなど、深刻な状態に追い込まれています。

 生活に困窮する方々を支援する相談支援活動が、市民団体やボランティアによって各地で取り組まれていますが、私もこれらの活動に参加してきました。

 年が明け、二度目の緊急事態宣言が出された影響もあり、相談支援活動を利用する方々は、減るどころか増え続けています。女性や若い世代の割合が増加しているのも特徴です。

 先週も現場に行きましたが、仕事がなくなり先週からネットカフェ生活になった、三日前から野宿になった、所持金が数百円しかないなど、深刻かつ切実です。

 知事は、こうした現状についてどう認識していますか。都としてさらなる支援が必要ではありませんか。 日本共産党都議団は、生活保護の利用が国民の権利だと呼びかけるよう、強く都に求めてきました。こうした中で、東京都が、昨日ホームページを書きかえて、生活保護を受けることは国民の権利ですと広報を始めたことは重要です。

 憲法二十五条の生存権を保障し、最後のセーフティーネットとなっているのが生活保護制度です。

 知事は、生活保護を受けることが国民の権利だという認識をはっきり持っていますか。ホームページ以外の手段も含め、あらゆる機会を活用して、積極的に権利であることを周知し、申請をためらうことがないようにすべきですが、いかがですか。

答弁1
知事
 生活に困窮する方への支援についてであります。

 新型コロナウイルス感染症の影響による経済状況の悪化に伴いまして、生活に困窮する方に対して個々の状況に応じた支援を行うことは重要であります。

 さまざまなセーフティーネットの仕組みをつくることは行政の役割であり、また、生活保護は、国民の生存権を保障する最後のセーフティーネットであることはいうまでもありません。

 都はこれまでも、仕事や住まいを失った方への一時的な宿泊場所の提供や、女性の相談体制の充実など、きめ細かな支援を行っております。

質問2
 仕事を失い、貯金が底をつき、貧困状態にあっても、生活保護だけは受けたくないという方は少なくありません。支援活動を行っている、つくろい東京ファンドが行ったアンケートによると、生活保護を利用していない理由で最も多かったのは、家族に知られるのが嫌だからというものでした。

 生活保護を利用する際に、家族や親戚などに対して扶養ができるか問い合わせる扶養照会が、生活保護の申請の障壁となっています。困窮者を生活保護制度から遠ざける、不要で有害な扶養照会をやめてくださいというネット署名は、五万六千人を超えています。抜本的な改善が必要です。

 我が党の小池晃参議院議員の質問に、田村厚労大臣は、扶養照会が義務ではございませんと、法律上の義務ではないことを国会で答弁しました。都は、国が扶養照会の見直しを検討していることを把握していますか。

答弁2
福祉保健局長
 扶養照会についてでございますが、現在、国において扶養照会の運用の弾力化が検討されていると承知しております。

質問3
 ことし一月に、二十代の方から私のところに相談がありました。その方は、子供のころに親からの虐待で施設に保護された経験があり、中学校卒業後に家を出て、必死に働いてきました。

 資格を取り、技術を身につけ、仕事をしてきましたが、昨年秋にコロナによる休業で仕事を失います。その後何とか見つけた仕事先も、突然退職を強要され、社宅も追い出されたことで、貯金は底をつきます。

 ストレスから睡眠もとれず、急性胃炎と診断され、自分には生きる資格がないと、数度にわたり自殺未遂をするほど追い詰められていました。それでも、虐待した親に連絡されることを考えたら、生活保護の利用だけはしたくないと、かたくなでした。

 長い時間の相談を経て、親などに問い合わせをする扶養照会は行わないことを福祉事務所に約束させ、生活保護の申請を行うことができましたが、申請をためらわす大きな理由になっていることは明らかです。

 同時に、扶養照会をしても、ほとんど扶養につながっていないことも指摘されています。

 都内の福祉事務所で、扶養調査の対象者のうち、経済的な扶養につながったのはどれくらいありますか。

答弁3
福祉保健局長
 経済的な扶養についてでございますが、都が実施した調査では、平成二十八年七月に保護を開始した世帯の扶養義務者六千四十一人のうち、実際に扶養照会した人数は二千四百八十七人であり、そのうち経済的な援助が可能であると回答した方は三十一人でございました。

質問4
 申請をためらわせる扶養照会はやめるべきです。少なくとも本人が拒否している場合は、扶養照会をやめる対応をすべきです。いかがですか。

答弁4
福祉保健局長
 扶養照会を拒否した場合についてでございますが、都は福祉事務所に対し、要保護者が扶養照会を強く拒否する場合には、理由を確認した上で、照会を一旦保留し、理解を得るよう通知しております。

質問5
 コロナ危機は、安定した住まいのない方々の実態が深刻であることを改めて明らかにしました。

 都は、昨年四月の緊急事態宣言でネットカフェなどに休業要請を行いましたが、滞在している人たちを支援するために、ビジネスホテルを活用した一時宿泊場所の提供をしています。これまでに何人が利用したのですか。

答弁5
福祉保健局長
 一時的な宿泊場所の提供についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により仕事や住まいを失った方に対し、都が区市と連携して、一時的な宿泊場所としてビジネスホテルを提供した人数は、昨年四月十一日から本年二月二十一日までの間で、延べ二千二百三十三人でございます。

質問6
 ビジネスホテルを確保する際に重要な資料となったのが、都内でネットカフェなどに滞在している住居喪失者は四千人いると推計した、いわゆるネットカフェ難民調査です。

 さらに実態が深刻化しているときだからこそ、都として改めてネットカフェ難民調査を行うことが求められていますが、どのように取り組むのですか。

答弁6
福祉保健局長
 ネットカフェ利用者の調査についてでございますが、都は、平成二十八年度に住居喪失不安定就労者等の実態調査を行い、その結果や新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響等も踏まえ、TOKYOチャレンジネットにおける一時利用住宅の規模を拡大するなど、施策の充実を図ってまいりました。

 引き続き、関係機関と連携し、仕事や住まいを失った方への必要な支援を行ってまいります。

質問7
 現在、TOKYOチャレンジネットは、コロナ対応で要件を見直し、都内在住要件の緩和、一時利用住宅の期間延長と無償化、ビジネスホテルを活用した一時宿泊場所の提供などを行っていることは重要です。これらは平時の対応とすべきですが、いかがですか。

答弁7
福祉保健局長
 チャレンジネットの取り組みについてでございますが、都は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、仕事や住まいを失った方に対する一時的な宿泊場所としてのビジネスホテルの提供や、一時利用住宅の規模拡大などの対策を実施しております。

 引き続き、利用実績や感染状況等を踏まえて対応してまいります。

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校則と子どもの権利

質問1
 次に、子供の権利と校則について質問します。

 校則は子供の権利に大きくかかわる問題です。知事もぜひお聞きいただきたいと思います。

 私は、理不尽な校則に苦しみ、変えたいという子供たちの声を届け、各学校で、子供が参加をして議論し、見直すべきだと求めてきました。

 子供はあらゆる場面で権利の主体として尊重される必要がある、意見を尊重するとともに、子供の最善の利益を実現すると知事は答弁してきましたが、都教委も同じ認識ですか。学校でも、子供を権利の主体として尊重することが重要ですが、いかがですか。

答弁1
教育長
 子供の権利についてでございますが、子供は、あらゆる場面で権利の主体として尊重される必要があり、子供の年齢及び発達の程度に応じてその意見を尊重するとともに、子供の最善の利益を実現することは、学校教育においても同様に重要でございます。各学校においては、こうした視点に立って日々の教育活動を行っているところでございます。

質問2
 昨年の予算特別委員会で、私は、社会で広く受け入れられている髪型であるツーブロックがなぜだめなのかと質問し、教育長が、事件、事故に遭う可能性があるからだと答弁したことに驚きの声が上がり、校則はどうあるべきかの議論が広がっています。

 教育長は、ツーブロックなどの髪型への指導について、過度な髪型ではないこととする趣旨だと答弁されましたが、現実は違います。

 私が確認した学校では、少しでも髪型に段差があった場合は指導し、段差のないなだらかなものにさせるということでした。とても合理的だとはいえません。こうした事例について把握していますか。

答弁2
教育長
 頭髪に関する指導についてでございますが、校則は、生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長していくことができるよう、必要かつ合理的な範囲で順守すべき学習上、生活上の規律として、校長の権限と責任において定められているものでございます。

 各学校では、教員が生徒の実態等を踏まえて一人一人と真剣に向き合い、日々尽力しております。

 今後とも、都教育委員会は、各学校に対し、校則に基づく生徒への指導に当たって、教員が生徒から理解や納得が得られるよう、丁寧に指導することについて助言してまいります。

 なお、ご指摘の点につきましては、過度な髪型を禁止する規定の中で例示した図の中に、過度なツーブロックが掲げられている事例を申し上げたものでございます。

質問3
 熊本市教委は、子供、教職員、保護者などが参加しながら、よりよい学校づくりを進めるために、学校での校則の見直しの手順や観点を示すガイドラインの作成を進めています。その中では、ツーブロックなどは不可などの校則を例示し、禁止の理由に客観的な根拠はあるかなどを学校で協議し、見直すことを求めています。

 東京でも、合理性、必要性の乏しい校則は見直す必要があると思いますが、いかがですか。

答弁3
教育長
 校則の見直しについてでございますが、昨年の予算特別委員会においてもお答えをしておりますとおり、校則は、生徒の意見や保護者の意識、社会の状況等を踏まえ、適宜見直しを行うことが必要であると考えております。

 都教育委員会は、各学校がこうした視点や校則を定めている目的等を踏まえ、適宜見直しを行うなど、校則に関する説明責任を果たせるよう指導助言を行ってまいります。

質問4
 人権上課題のある校則の見直しも重要です。

 その一つが、黒髪ストレートを学校の普通とし、生まれつき髪の色が明るかったり、くせ毛であるなどの場合に提出させる地毛証明書です。

 都教委が出した通知では、地毛証明書の届け出は任意であることを生徒及び保護者に明確に伝えることとしています。しかし、私たちの調査では、全日制の都立高校百七十七校のうち、地毛証明書のある学校は七十九校で、うち任意と明記していたのはわずか五校にすぎませんでした。

 任意と書いてある学校であっても、入学式に地毛証明書を提出するか、黒染めをしてくるかを迫るなど、実態はそうなっていません。即刻改善が必要ではありませんか。

答弁4
教育長
 頭髪に関する届け出についてでございますが、これまでも都教育委員会は、各学校に対して、生徒の髪が生来のものであることを書面により届け出ることの目的が、事実誤認による指導を未然に防止するためであること、その提出は任意であることを、生徒及び保護者に明確に伝えるよう通知するとともに、校長連絡会等で指導してきたところでございます。

 学校では、個々の生徒の状況によっては、教員が根気強く指導しなければならない場合もございます。

 引き続き、生徒及び保護者に対して十分に説明するよう、各学校に指導助言を行ってまいります。

 なお、これまでも入学予定者に対し、高校生活を送るに当たって特に必要な内容を説明し、その中で、守るべき生活指導の内容についても具体的に説明をしているところでございます。

質問5
 任意であるということは、提出しない場合でも不利益にならないということだと考えますが、いかがですか。

答弁5
教育長
 頭髪に関する届け出を提出しない場合の扱いについてでございますが、学校が保護者から生徒の髪が生来のものであることを書面により届け出を求めている、そういう場合には、事実の誤認による指導を未然に防ぐ趣旨と、届け出の提出は任意であることを生徒及び保護者に明確に伝えるよう、都教育委員会として通知しており、届け出を提出しないことをもって生徒が不利益をこうむることはございません。

質問6
 地毛証明書の中には、例えば、生徒指導部に届け出て、登録、許可を得るためのものですと、生来の髪でいることが許可制になっているもの。一度でも染色や脱色をしたら地毛証明書は無効とし、元の色に戻すのではなく、黒染めをしてもらうとしているもの。幼少時と中学三年時の写真を添付させるもの。さらに、カラースケールで髪の色を根元、表面、毛先と細かくはかり、地毛証明書に記入、登録させる学校までありました。

 人権とは、マイノリティーの権利を保障するものであるはずです。ところが、これらの地毛証明書は、生まれつき黒髪ストレートでない生徒の人権を侵害し、従わせるものになっているといわざるを得ません。

 愛知県ではこれまで、地毛証明書の提出を求めている学校がありましたが、愛知県教委が校長会で、人権に配慮したものにしてくださいと依頼を行い、その結果、多くの学校で地毛証明書の提出がなくなりました。

 熊本市も、人権の制限にかかわる規定についての見直しで、生まれ持った性質に対して許可が必要な規定は設けないことを示しています。

 こうした改善を求めますが、いかがですか。

答弁6
教育長
 頭髪に関する届け出のあり方についてでございますが、校則は、生徒の意見や保護者の意識、社会の状況等を踏まえ、適宜見直しを行うことが必要であると考えております。

 生徒の髪が生来のものであることを書面により届け出ることとしている学校につきましては、先ほども申し述べたとおりですが、事実誤認による指導を未然に防止することが目的でございまして、その提出は任意であることを生徒、保護者に明確に伝え、理解を得るよう、都教育委員会は各学校に対して通知してまいりました。

 なお、都立高校等で行われている頭髪に関する届け出については、許可制ではございません。

質問7
 ほかにも、化粧を落とさない生徒は教員が化粧を落とす、髪を染めた生徒に教員が黒染めスプレーをかけるなどの事例があります。ある都立高校では、学年集会のときに、髪を染めた生徒に対して黒染めスプレーをかけたといいます。それを見た生徒は、見せしめ的でおかしいと声を届けてくれました。

 都教委は、このような実態について把握していますか。こうした対応は人権尊重とはいえないのではありませんか。

 校則を含めた学校のルールを、子供の権利を保障する角度から根本的に見直すべきです。そのためにも、校則の策定過程に子供が直接参加をすることが不可欠です。子供たちがみずからに権利があることを知り、校則の変え方がわかるように明記すべきです。

 同時に、こうした取り組みは学校だけではできません。保護者や地域など、社会の問題として捉える必要があります。子供が権利の主体として尊重されるため、私たち一人一人が問われていると思います。

 東京都が子供の権利を重視し、先駆的な取り組みを行うことを強く求め、再質問を留保し、質問を終わります。

答弁7
教育長
 生徒への指導の事案についてでございますが、ご指摘の事案につきましては把握をしておりませんため、見解を述べることはできません。

 なお、都教育委員会は、学校における指導上の課題についての情報を得た場合には、内容を確認し、学校に対して指導を行っております。ご指摘のような事実があったとすれば、これを断じて放置することはできませんため、お知らせをいただければ適切に対応してまいります。

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