多摩の振興プランの実現を
面的な魅力発信で観光振興を

多摩振興

質問1
 都議会自由民主党、田村利光です。人生初の一般質問をさせていただきます。

 我々自由民主党は、多摩地域の発展が東京の発展につながると考え、三多摩格差解消と、さらなる多摩地域の発展を訴えてきました。都はこれを受けて、TAMAらいふ21の開催や、多摩の将来像二〇〇一から始まり、新たな多摩のビジョンなどを策定し、都と議会が一体となって、多摩地域の振興を推進してまいりました。

 そのような中、知事は、今回、多摩の振興プランを新たに策定されました。その内容は、どのように三十年度予算に反映され、それを机上の空論にならないように実現していくのか、知事の見解を伺います。

答弁1
知事
 多摩振興についてのお尋ねがございました。

 ご指摘のように、多摩地域は東京の三分の一に相当する四百万人もの人口を擁して、豊かな自然や良好な住環境に恵まれており、また、多くの大学や研究機関が集積するなど、その発展は、活力ある東京に欠かすことができない存在でございます。

 昨年策定いたしました多摩の振興プランにおきましては、これからも多摩地域が持続的に発展していけるように、当面の取り組みのほか、二〇二〇年の先を見据えた目指すべき地域像、そして施策の方向性を明らかにしたところでございます。

 そこで、来年度予算におきましては、待機児童対策の充実、安心して子育てができる環境の整備、多摩南北方向の道路など、都市インフラ整備の着実な推進、地震や豪雨、土砂災害から地域の暮らしを守る防災力の強化など、プランの実現に向けまして、必要な施策を盛り込んだところでございます。

 また、市町村総合交付金の大幅な増額によりまして、市町村の取り組みを強力に支援をしてまいります。

 先般、昨年に引き続きまして、全ての市町村長の皆様と意見交換を行いました。各団体の実情に即した取り組みや、直面する課題について直接伺ったところでございます。

 今後とも、市町村と緊密に連携をするとともに、都議会におきましても議論を重ねながら、地域が持つ特性や課題に対応いたしました効果的、かつ重層的な取り組みを展開いたしまして、多摩地域の振興に一層力を尽くしてまいる所存でございます。

質問2
 次に、多摩地域の観光振興について伺います。

 東京都の標高差は、実に二千十九メートル以上あります。この二千十九メートルの間に、多くの生活様式、文化、歴史が生まれ、多様性が育まれてきました。この多様性こそが、東京が世界に誇れる都市の魅力であり、これらを生かし、多くの旅行者を受け入れることが、世界で一番の都市東京への道筋です。

 東京への外国人観光客数は一千三百万人に上りますが、アンケートによれば、そのうち多摩地域を訪れた方は一〇%に届きません。多摩の観光振興は、都市と自然との魅力の違いを生み出し、それが東京全体の魅力となり、観光客の誘致につながります。そのため民間の力もかりて、古民家など、今は一つの点となっている多くの観光資源を結んで線にして、線と線を重ね合わせて、多摩地域という面として魅力を発信する必要があります。

 そこで、観光資源発掘へ向けた民間の力の活用方法について、また、観光資源を面的に広げるために、どのように自治体の枠を超えた取り組みにつなげるのか伺います。

答弁2
産業労働局長
 多摩地域の観光振興についてでございますが、観光客のさらなる増加を図るためには、地域の多様な魅力を体験できる観光資源をふやすとともに、点在する資源を組み合わせて集客に結びつけることが重要でございます。

 そのため、都は、観光協会等の誘客に向けたアイデアを民間のノウハウを活用して事業化する取り組みや、多摩地域の観光、商工、農業等の団体から成る協議会が行う、広域的な観光ルートの開発や情報発信等を支援しております。

 来年度は、この協議会による古民家での宿泊に文化体験を組み込んだモニターツアーの実施等を後押しいたします。また、自然や地元の食を堪能し、農業体験を行うなど、新たな観光の楽しみ方を提供する体験、交流型の施設の整備に取り組む民間事業者等を支援いたします。これらにより、多摩地域の観光振興を着実に進めてまいります。

質問3
 さらに、本年から実施される民泊新法について、都は具体的な民泊ルールを定めたガイドラインを公表しましたが、観光振興を後押しする観点から、地域の実態を踏まえつつ、旅行者のニーズにも応えた実効性のある制度にするため、住宅宿泊事業に関してどのように取り組んでいくのか伺います。

答弁3
産業労働局長
 住宅宿泊事業、いわゆる民泊に関する取り組みについてでございますが、都が所管することとなります市町村の区域における住宅宿泊事業の適正な運営などを目的として、都独自のガイドラインを策定しており、この実効性を確保していくことが重要でございます。

 このため、ガイドラインに規定した宿泊者の安全措置や住民生活への配慮などについて、事業者向けの説明会を実施しているところでございます。

 今後は、ガイドラインの概要をわかりやすくまとめたハンドブックを配布するとともに、宿泊時のマナーや施設の利用方法等を外国人旅行者に正しく伝えるための多言語の文例集を作成し、ウエブサイトで提供するなど、円滑な運営をサポートしてまいります。

 さらに、市町村との協議体を新たに設置し、相談、苦情事例の共有や連携した対応を行うなど、適正な事業の実施を図ってまいります。

質問4
 次に、多摩地域の都市基盤整備について伺います。

 初めに、多摩都市モノレールの延伸について伺います。

 多摩都市モノレールの延伸は、多摩地域の市民の悲願であるばかりでなく、アフターオリンピックを見据えた重要な事業です。延伸により地域住民の行動範囲が広がるだけでなく、多摩地域の多様な観光資源を、外国人観光客に味わってもらうことが可能になります。

 国の答申で、事業化に向けて検討などを進めるべきとされた六路線に位置づけられ、都も基金を創設するとしています。このような状況を受け、今後、多摩都市モノレールの箱根ヶ崎方面延伸の早期事業化に向けて、どのように取り組むのか伺います。

答弁4
東京都技監
 多摩都市モノレールの箱根ヶ崎延伸についてでございます。

 本路線は、開業区間と一体となり、多摩地域の活力や魅力の向上に資する路線でございます。

 一方、本路線の整備に向けては、多摩都市モノレール株式会社の経営状況や、土地区画整理事業の進捗など、周辺の開発動向を踏まえ、コスト縮減策や収入確保策、事業採算性を見きわめながら検討を行う必要がありますので、これらの課題について、都は沿線市町、多摩都市モノレール株式会社とともに検討を進めてございます。

 来年度は、検討を深度化するための調査費を増額し、課題の解決に向けて取り組み、あわせて鉄道新線建設等準備基金を創設することで、鉄道新線整備に対する都の取り組み姿勢を明確にして、関係者との協議、調整を加速してまいります。

質問5
 次に、道路整備について伺います。

 西多摩山間部の道路は、地域住民の生活や産業経済を支える重要な社会基盤施設であり、命綱となっていますが、急峻な地形ゆえ、大雪や台風、地震などにより大きな影響を受けます。そのため、防災力の強化に資する道路整備を進めていくことが重要です。

 都は、一月に取りまとめた政策を強化した二〇二〇年に向けた実行プランにおいて、災害時の代替ルート等となる多摩川南岸道路や秋川南岸道路、仮称梅ヶ谷トンネルの整備をする方針を示しました。

 そこで、西多摩山間地域における、これら道路整備の取り組み状況について伺います。

答弁5
建設局長
 西多摩山間地域の道路整備の推進についてでございますが、本地域の道路は、地域の生活や産業経済を支える極めて重要な社会基盤でございます。一たび土砂崩れや積雪等で道路が寸断されますと地域交通に甚大な影響を及ぼすことから、交通機能のリダンダンシー等を確保することが重要でございます。

 このため、都は、バイパス道路等の機能を担います多摩川南岸道路や秋川南岸道路の整備を進めてきております。

 また、今年度内には、日の出町と青梅市を結びます梅ヶ谷トンネルの整備工事に着手することといたしました。本トンネルの整備によりましてダブルルートが確保されまして、地域の防災性が飛躍的に向上いたします。

 今後とも、地域の防災力を高め、観光振興にも寄与いたします西多摩山間地域の道路整備を全力で推進してまいります。

質問6
 次に、林業振興について伺います。

 東京都の面積の四割を占める森林は、水源林や土砂災害防止、CO2の吸収、固定化など、多くの恵みを都民にもたらしております。その貴重な資源が、森林循環不足という危機的な状況に陥っています。造林面積が、昭和三十五年に千五百ヘクタールだったのに対し、平成十八年度は二十二ヘクタールとなったことを見ても、循環が停滞していることは一目瞭然です。

 森林循環は、伐採と育樹によって復活します。その伐採と育樹を両輪とする林業が再び息を吹き返すことで、東京の森林はよみがえります。

 幸いにして、東京の森林から切り出される多摩産材は、都の森林循環促進事業により供給が拡大するとともに、多摩産材情報センターの開設や都、関連施設での利用促進などで、徐々にですが知名度を上げ、この秋には全国育樹祭が東京で開催されるなど、機運醸成に期待がかかります。

 原木市場である多摩木材センターの取扱量も、平成十四年度の八千六百十九立方メートルを底に、平成二十七年度では一万四千五百三十三立方メートルへ拡大しました。時期によっては、需要に供給が追いつかないこともあると聞きました。

 林業ビジネスにおけるチャンスロスを引き起こさないためには、木材を生産する供給側の体制整備が必要です。そのためにはまず、林業に従事する人材の育成が重要と考えますが、都の取り組みを伺います。

答弁6
産業労働局長
 林業に従事する人材の育成についてでございますが、木材を安定的に供給していくためには、新たな担い手の確保や林業従事者の技術力の向上など、人材の育成を図ることにより、林業事業体の体制を強化する必要がございます。

 このため、都は、林業労働力確保支援センターにおいて、就業相談会や基礎的な技術を習得する講習会を実施するとともに、林業事業体に新規就業者の住宅の借り上げ助成を行うなど、その確保と定着を図っているところでございます。

 加えて、今後は、林業機械の操作資格の取得への支援とともに、急傾斜地での木材搬出技術や高性能な林業機械の活用を進めている林業先進地域への派遣研修を新たに開始するなど、林業従事者の技術力向上に力を注いでまいります。

 これらの取り組みにより着実に人材を育成することで、事業体の体制強化を図り、木材の安定供給につなげてまいります。

質問7
 また、効率的に木材を搬出するためには、林道や作業道の整備の充実が必要と考えますが、都の取り組みを伺います。

答弁7
産業労働局長
 林道や森林作業道の整備の充実についてでございますが、林道や林地内の作業路でございます森林作業道は、森林整備や木材の搬出に不可欠な基盤施設であり、その整備の充実は、伐採、搬出コストを削減し、木材供給量の拡大につながるなど、林業経営の効率化を図る重要な取り組みでございます。

 このため、都は、開設効果が高い路線を選定した整備計画に基づき、市町村と連携し、林道の新規開設を着実に進めるとともに、既存林道の機能強化を図るため、大型の林業機械の通行が可能となるよう、道幅の拡幅や橋梁の補強など、林道の高規格化を進めてまいります。

 また、林地における作業範囲の拡大による効率化に向け、沢による分断箇所をつなぐ森林作業道の整備等への新たな支援を開始いたします。

 これらの取り組みにより、林道や森林作業道の整備を加速し、木材の安定供給につなげてまいります。

質問8
 次に、多摩川など、内水面漁業の活性化について伺います。

 一昨年、多摩川の支流、秋川渓谷のアユが、全国の品評会で準グランプリに輝きました。このことは、多摩川流域のみでなく東京都全体の誇りです。なぜなら、東京都の力なくして、多摩川が清流になることはかなわなかったからです。

 かつて多摩川は死の川と呼ばれました。その多摩川を、下水道整備による水質浄化や産卵場造成などの取り組みで、全国でも有数のアユが遡上する河川にしたのは、ほかならぬ東京都です。そして、多摩川のアユは、まさに江戸前アユであり、環境先進都市東京のシンボルです。今後、観光資源としても大きく期待されます。

 しかし、多摩川を遡上する多くのアユは、取水堰などに阻まれ、下流域で滞留しているのが実態です。

 そこで、こうした滞留するアユを有効活用し、内水面漁業の活性化を図るべきと考えますが、都の見解を伺います。

 また、アユの遡上の妨げとなっている堰には、それぞれ魚道が設置されているものの、十分に機能していないと聞きます。魚道を使った自然な遡上は、アユ本来の姿です。その適正な維持管理が行われることを強く要望します。

答弁8
産業労働局長
 河川などで行われている内水面漁業の活性化についてでございますが、内水面漁業の振興に向けては、釣り客の誘致や川魚の販売促進等が求められており、多摩川を遡上するアユをふやし、水産資源として有効活用を図ることは、内水面漁業を活性化する上で効果的な取り組みでございます。

 このため、都は、漁業協同組合等が行う釣り場の整備等の支援に加え、遡上の途中で下流に滞留するアユを効率的に捕獲して上流へ運搬する技術を開発し、その普及を図っているところでございます。漁協では、この技術により捕獲、放流した天然アユをPRし、釣り客を誘致するとともに、養殖業者への販売を開始するなど、その有効活用を図っております。

 都は今後、天然アユの遡上環境の向上に努めるとともに、飲食店での活用や加工品開発等のブランド化への助言を行うなど、内水面漁業の活性化を図ってまいります。

質問9
 次に、空き家などの活用について伺います。

 多摩地域のあきる野市や青梅市などでは、山間部を中心に、建築物の新築や用途の変更等が制限される市街化調整区域に指定されています。その集落では、人口減少や高齢化が進み、空き家が著しく増加し、社会問題となっています。現在利用されている建築物も、いずれは空き家となることが危惧されます。

 こうした中、例えば、あきる野市養沢地区では、定住や移住を促進し、集落の再生を図ろうとする取り組みが展開されています。他の市でも、地域活動のために空き家の用途を変更して利用したいとの要望があると聞いています。

 市街化調整区域の空き家などを活用しやすくすることで、地域振興や観光振興などを後押しすることが必要と考えますが、都の見解を伺います。

答弁9
東京都技監
 市街化調整区域の空き家等の活用についてでございます。

 調整区域では、無秩序な市街化を防止するため、建築物の新築を農家住宅や公益上必要な施設等に限定してございます。これらの建築物は、他の用途への変更が制限されていることから、空き家となる例が近年見受けられており、このような空き家を観光振興や既存集落の活力創出のために有効活用していくことが重要でございます。

 都は、こうした目的の用途に変更する場合を許可の対象に加えることとして、例えば、農家住宅から古民家カフェやサテライトオフィスへの転用などを可能といたします。

 今後、年度内に新たな許可基準を公表の上、四月から運用を開始し、地域の活性化の取り組みを後押ししてまいります。

arrow_upwardページの先頭へ


首都直下型地震対策

質問1
 次に、首都直下地震被災時の物資輸送について伺います。

 国では、東日本大震災を機に、被災直後は、被災都県からの要請を待たずに輸送を行うプッシュ型支援を実施することとし、入荷した物資をすぐに仕分けして出荷するクロスドッキング方式を可能とする大規模な集配施設が、円滑に救援物資を運ぶ機能として位置づけられました。

 そのような中、首都直下地震では、東京都心部を中心に、都内で三百三十九万人の避難者が出ると予想されています。被災時には、大規模なトラックターミナルを防災施設として活用することが考えられますが、区部にしか現存しません。必要な物資を被災地に効率的に輸送するためには、アクセス道路の確保や民間も含めた物流施設の活用が重要と考えます。

 都は、来年度において調査を実施するとのことですが、その内容について伺います。

答弁1
東京都技監
 災害時を想定した物資輸送についてでございます。

 甚大な被害が発生した際に、被災者の生命を守るためには、他県から緊急物資を受け入れ、迅速かつ的確に被災地域に輸送する必要がございます。

 都内においては、圏央道などの広域的な都市インフラの整備が進んでございます。これを生かしつつ、都市計画道路の整備により、多摩広域防災倉庫などへの円滑なアクセスを確保するとともに、東日本大震災や熊本地震での経験を踏まえ、民間物流施設も活用して、物流事業者等と連携して、物資輸送に取り組むことが重要でございます。

 こうしたことから、来年度に圏央道、中央道などの沿道における民間物流施設の立地や、都市計画道路の整備等による輸送路の確保に関する調査を実施し、災害時にも機能する広域的な輸送体制の構築につなげてまいります。

arrow_upwardページの先頭へ


中小企業振興

質問1
 最後に、中小企業の生産性向上施策について伺います。

 中小企業の喫緊の課題は、人手不足問題です。私自身も、都内中小企業の経営に約二十五年携わり、バブル崩壊がトリガーとなった貸し渋りやリーマンショックなど、さまざまな困難を経験してきましたが、人手不足が直接経営に影響を与え、事業所閉鎖や倒産に至る事態は今回が初めてです。社員の退職の知らせを聞くと、背筋が寒くなる思いをする、そんな経営者が数多くいます。

 しかし、少子化による人手不足を解決することは一筋縄ではいきません。その打開策の一つは、生産性の向上です。極論ですが、生産性が現在の三倍になれば、人手は三分の一で済みます。しかし、これらを中小企業が単独でなし遂げることは容易なことではありません。

 そこで、業界団体が音頭をとり、高効率な仕組みをつくり上げ、業界内で共有するなど、中小企業の連携、協業を後押ししていくことが効果的と考えますが、都の見解を伺い、私の一般質問を終わります。

 ご清聴ありがとうございました。

答弁1
産業労働局長
 中小企業団体と連携した支援についてでございますが、東京の産業の活力を高めるためには、個々の企業の生産性向上を図ることが必要でございまして、中小企業が参加する団体を通じて、各社の生産効率を高める働きかけを行うことは効果的でございます。

 このため、都は来年度、中小企業団体と協力し、生産性の向上を後押しするためのサポートを開始いたします。

 具体的には、業種ごとの中小企業団体を対象に、最新のIT技術による生産効率化の事例を紹介するセミナーを開催いたします。

 また、団体が各社向けに行うIoT技術の活用をわかりやすく説明する研修等に対して助成をいたします。

 さらに、個々の業種に共通の生産プロセスを最新技術の導入により効率化する計画をつくり、各社に参考としていただくことで、生産性の向上を着実に後押ししてまいります。

arrow_upwardページの先頭へ