民間の発想とノウハウを導入し
都市戦略として都立公園活用を

都立公園

質問1
 私は、昨年まで総合商社に勤め、海外とのビジネスの前線におりました。激しい国際競争、技術革新による劇的な環境変化を目の当たりにしてきました。そうした中、小池都知事が、東京を変える、東京から日本の政治や社会を変えると強く発信し、リスクを負って行動していること、純粋に共感をしております。また、大学時代には都市工学を専門に学んでおりました。専門性を生かして、東京が、日本を、そして世界をリードしていく、そんな都市づくりに貢献してまいります。

 さて、初めての一般質問に当たり、本日は四つのテーマを取り上げます。

 初めに、都市戦略としての公園の多面的活用について伺います。

 昨年六月に都市公園法が改正され、公園をより柔軟かつ多面的に活用できるようになりました。また、実際に公園の新しいスタイルを模索する動きが日本中で起きています。

 例えば、世界一美しいスターバックスがあるといわれる富山環水公園、おしゃれなカフェと芝生が広がる南池袋公園が知られています。公園内の保育園は、都が先進事例をつくりました。ほかにも芝生でヨガ教室をする公園など多様な活用事例が出てきています。

 このような動きには、二つの側面があります。

 一つは、社会のステージが変わり、公園に求められるものが変わったということであります。都市公園法は昭和三十一年に成立をいたしました。戦後の混乱期に公園が荒廃、設置や管理基準を定めてこれを防ぐ。公園空間を確保することを意図したと国の資料にあります。

 法改正の背景では、これからの都市公園は、都市と地域の魅力を創出すること、緑とスペースが持つ多機能性を最大限に引き出すことが求められるとあります。

 もう一つの側面は、民間の発想とノウハウを公園経営に導入することであります。多機能性を引き出し、画一的ではない公園づくりに民間活力を使うことが有効であると考えられます。

 公園経営に民間ノウハウを活用する、最も大胆な挑戦をしているのは、大阪市であると認識しています。三年前の平成二十七年度から、公募で選定をした民間事業者に大阪城公園の経営を大きく任せています。

 委託前、運営経費は来館収入等と相殺されていました。しかし現在は、納付金として二億円以上の収入が市の毎年の収入となっています。売店の全店リニューアルや、新規に二十二店もの飲食、物販が入るジョー・テラス・オオサカを整備、歴史的建造物を活用したレストランも整備するなど、歴史や個性を生かしながら新たなにぎわいを生んでいます。

 この大阪城公園のパークマネジメントも、制度は指定管理者制度の活用であります。しかし、事業者募集の資料に示されているとおり、市と事業者との間で大胆に役割を移譲することにより、民間の柔軟な発想を促しています。

 施設の管理運営だけを委託するのではありません。施設の新設など新たに施設を設置すること、公園内の足として園内循環バスを走らせるといった、公園をどう活用し、どう企画、経営するのかまで包括的に民間事業者の役割とされています。市は、サポートの役に回り、法的な許可、監督といった限られた役割を担います。

 ここでお伺いします。

 七十九の都立公園で指定管理者を置いていますが、事業者と都の役割分担はどのようになっているのか、現状を伺います。あわせて、どのように民間活用を進めているのか、所見を伺います。

答弁1
建設局長
 都立公園における民間事業者の活用についてでございますが、利用者のサービス向上などに向けまして民間を活用することは効果的な取り組みでございます。

 都は、平成十八年から指定管理者制度を導入しておりまして、指定管理者である民間事業者等は、そのノウハウも生かしながら公園の日常の運営や維持管理を行っております。

 一方、都は、園内の施設を整備いたしますとともに、占用許可等の許認可の権限を有しております。さらに、指定管理者制度の活用に加えまして、駒沢オリンピック公園では、にぎわいの創出と防災性の向上を条件といたしまして、レストランの事業者を公募いたしました。

 今後とも、都立公園のさらなる魅力の向上に向けまして民間活用に取り組んでまいります。

質問2
 また、港湾局が海上公園で実施しているような民間の発想を広く聞くマーケットサウンディング調査等も有効と考えられますが、見解を伺います。

答弁2
建設局長
 民間の発想を広く聞く手法についてでございますが、都立公園におきまして民間活用を効果的に進めていくためには、あらかじめ民間事業者の意見や提案を把握することが重要でございます。

 駒沢オリンピック公園におきましてレストランを導入する際には、事業採算性や実現性などにつきまして民間事業者等からヒアリングを行いました。

 現在、公園における民間活用をさらに進めるため、市場性の有無やにぎわい創出のアイデア、参入しやすい公募条件等につきまして、マーケットサウンディング調査の手法も参考にしながら、民間事業者から意向を聴取しております。

 引き続き、民間事業者の発想を広く聞きながら、効果的に民間を活用し、都立公園の魅力向上を実現してまいります。

質問3
 ロンドンのハイドパーク、ニューヨークのセントラルパーク、世界の大都市には代表する公園があります。大阪も上位計画として大阪都市魅力創造戦略を策定、世界の都市間競争に打ち勝つため、大阪城公園を重点地区として位置づけて徹底した民間活用を進めました。

 これからの公園活用の原則として、都市戦略としての位置づけ、多面的活用、民間の活用の三本柱を提起いたします。

 加えて、実現には一律の横並び、枠組みではないモデルケースをつくることが肝要です。

 例えば、日比谷公園や代々木公園など、都心部の拠点的公園を対象に位置づけをするべきではないでしょうか、都立公園のさらなる活用について、知事の見解を伺います。

答弁3
知事
 都立公園のさらなる活用についてのお尋ねが私にございました。

 社会の成熟化や世界の都市間競争が激化する中で、東京の都市としての魅力をさらに高めるとともに、多様化するニーズに柔軟に対応することが求められております。こうした中で、都民の大切な財産であります都立公園を民間の発想を取り入れながら活用することは、まさに効果的な取り組みと存じます。

 都はこれまでも、待機児童対策といたしまして、都立公園を保育所用地として活用するとともに、新たなにぎわいを創出するために、民間を活用してレストランやカフェを導入してきたところでございます。

 東京には、都市の貴重な緑とオープンスペースであり憩いの場として多くの都民に親しまれている日比谷公園があります、代々木公園があります。魅力的な公園はたくさんあります。

 今後は、都立公園が本来持つ機能を守りながら、公園活用を都市戦略として位置づけて、地域のまちづくりとも連携しながらポテンシャルを一層発揮させていくという発想で、民間のアイデアやノウハウも入れて、都立公園の活用に取り組んでまいる所存でございます。

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自動運転車時代の都市づくり

質問1
 次に、自動運転車時代の都市構造について伺います。

 飛躍的に進む自動運転の技術開発、ドライバーが運転に関与しない完全自動走行の領域、いわゆるレベルフォーを二〇二五年には実用化すると述べる企業もいます。わずか七年後、遠い未来の話ではなくなっています。

 これまでの国内議論は、産業の話が中心でありました。都市構造がどのように変化していくのか、都市計画の分野の議論は深まっていないと認識しています。

 人が運転するものから自動運転へと変われば、都市構造の前提が変わります。例えば、設計車両、設計速度、車間距離、道路の幅員構成などが変わります。駐車場も都市中心には不要となるかもしれません。人の運転を前提としたインフラには余剰ができると予想します。余剰ができれば、道路を人が歩ける緑道に、駐車場をポケットパークにといった再編が見えてきます。

 都市整備は、長期の取り組みでありますが、進めている間に前提が大きく変わってしまう、そんな可能性を考えるときが来ているのではないでしょうか。

 そのような中で、都が本年度から自動運転技術を活用した都市づくりへの展開について調査を開始したことは意義深いと考えています。都市を構成する前提条件や都市構造の変化に関する検証が必要ですが、今年度及び今後の検討内容と公表予定について伺います。

 一九〇七年、フォード社が大衆自動車を生んでから、都市はモータリゼーションに対応して大きく変わりました。それ以来の百年ぶりの大転換が来ます。未来予想は容易ではありません。だからこそ、広く国民的議論につながるように都の牽引を期待いたします。

答弁1
東京都技監
 自動運転に関する調査についてでございます。

 自動運転の普及によって、交通事故の減少や渋滞の緩和、物流の効率化などが進むことに加え、道路空間や駐車場の有効活用が図られ、ゆとりある空間の創出や人を中心としたまちづくりにも、お話のように寄与すると考えてございます。

 自動運転が都市に与える効果や影響を把握し、今後の都市づくりに生かしていくため、今年度から調査を開始しておりまして、初年度は基礎調査として、自動運転技術の動向、都民へのアンケートや有識者へのヒアリング、道路空間に及ぼす影響の調査などを行ってございます。

 これらの結果を踏まえ、来年度は、都内の道路交通や道路空間に与える効果や影響を調査し、その後、地域特性に応じた活用のあり方などについて検討を深めて、平成三十二年度までに取りまとめを行う予定でございます。

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「一〇〇歳大学」の実現

質問1
 続いて、首都大学東京での百歳大学の実現について伺います。

 来年四月から、五十歳以上の方を対象とした通年講座、首都大学東京プレミアムカレッジを開設するとの方針が示されました。リンダ・グラットン教授の著書、ライフシフト百年時代の人生戦略は大きな反響を呼びました。知事もこれまで、超長寿社会の人生設計には学び直せる機会が必要と述べており、今回は現実にそのモデルをつくる第一歩と理解しております。

 大学での通年講座ということで、カルチャースクールではなく、キャリア形成の一環、リカレント教育を想像します。学んで終わりということではなく、新たな活動につながる出口の戦略が必要になろうと思います。ビジネスなのか、研究なのか、地域活動なのか、受講生が何か次の活動をしていくことが想定されるべきと考えます。

 ついては、首都大学東京プレミアムカレッジにて、どのようなカリキュラムを提供するのか、また、学んだことを地域活動などで生かせるようなサポートも必要と考えますが、見解を伺います。

 経済成長を支えた能力も、経験も、やる気もある、まだまだパワーあふれる世代。企業勤めを終えて違う形で社会に貢献しようという方とたくさんお会いします。そうした皆様にとってきっかけとなることを期待します。

答弁1
総務局長
 首都大学東京プレミアムカレッジについてですが、さまざまな経験を持つシニアの方々が新たな学びを通じ、地域活動等で社会に貢献できる環境をつくることは重要でございます。

 首都大では、歴史や福祉、環境、都市基盤など、豊富な専門分野の科目を提供し、例えば、東京のまちづくりなど、シニアが探究したい課題に合わせてみずから科目を選択することにより、主体的に学べるカリキュラムを検討しております。

 加えて、公的インフラ等を活用したフィールドワークやシニアの経験を生かし議論するゼミナールなど、百歳大学として魅力的かつ本格的な学びの場とする予定でございます。

 修了後に、コミュニティ活動等に取り組む意欲のある方には、大学の地域とのネットワークを活用し必要な情報を提供するなど、学んだことを社会へ生かす仕組みを整えられるよう、都としても支援してまいります。

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多摩の産業振興

質問1
 最後に、産業交流拠点と多摩地域の産業振興について伺います。

 八年前、平成二十二年に産業技術研究センター八王子支所が昭島に移転。今般その跡地を産業交流拠点として活用することとなりました。長年未利用の土地、地元としては、来年度の着工までこぎつけたこと、大きな喜びを持っております。

 都の産業政策の拠点であるとともに、地元八王子にとっては、まちづくりの拠点です。整備予定地は、大勢の乗りかえ客が行き交うJR八王子駅と京王八王子駅の中間点にあり、まさにまちの中心、八王子の顔となる位置にあります。

 今回の整備に連動してエリアの再開発も議論されております。百貨店の撤退など、苦戦が続いた八王子の中心部を、過去とは違った形で活性化させていく、その最後のチャンス、本当に大切な場所になります。立場を超えて、力を結集して、よいものにする努力をしなければいけないと考えます。

 多摩地域は人口四百二十万人、十三万の事業所を抱えます。製造品の出荷額は、東京全体の六割、四・九兆円に上ります。多摩地域の産業活力の向上は小さいことではありません。

 知事は、多摩格差ゼロを公約に掲げ、総合交付金の拡充やモノレールの延伸を含む六路線整備の基金新設など、前進させました。多摩地域に産業政策の基盤を整えることも、切り口の一つではないでしょうか。

 今回、多摩地域最大の二千五百平米の展示ホールが整備されます。展示会など、企業等の新たな交流を生む場と期待されます。交流の上に産業の芽を花開かせていくためには、中小企業への技術や経営面のサポートも重要となります。

 そこで、昭島にある産業サポートスクエア・TAMAが持つ機能との連携について、見解を求めます。

答弁1
産業労働局長
 産業交流拠点での中小企業支援についてでございますが、都では、多摩の産業振興の機関を集めました産業サポートスクエア・TAMAにおきまして、中小企業の販路開拓に役立つ相談や技術開発のサポートを行っているところでございます。

 新たに整備をいたします産業交流拠点では、中小企業に対し、展示会を開催して商談を進める場を提供いたしますほか、新しく開発した製品を国内外に幅広くPRできる機会を設けます。

 これらを活用し、中小企業の販路拡大や新製品の開発がより円滑に進むよう後押ししてまいります。

質問2
 また、多摩地域の強みとして、大学及び企業の研究所などの集積があります。地域の中小企業とこれらの機関の連携をどのように図るのか、お伺いいたします。

答弁2
産業労働局長
 新たな拠点での企業と大学等との連携についてでございますが、これまで都は、多摩の中小企業が地域の大学や研究機関と研究会を通じて交流する機会を設け、技術や製品の開発に向けて連携できるようソフト面からサポートしてきたところでございます。

 新しく整備をいたします産業交流拠点におきましては、中小企業と大学等による規模の大きい研究会や交流会に活用のできるホールや、製品開発に向けた個別の検討で利用するさまざまな大きさの会議室を設けることを予定いたしております。

 これらの取り組みにより、同拠点を通じ、多摩地域での産業振興に向け、中小企業が大学や研究所と交流し、技術面の知識等を活用できるよう後押ししてまいります。

質問3
 一方、施設の運用に当たり、地元との連携を今後も密にとっていただきたいと思います。これまで、産業交流拠点に係る地元の意見をどのように酌み上げてきたのか伺います。

 地元市と市民の思いを代弁しますが、この産業交流拠点は、その立地特性をよく考慮して、しっかりとまちづくりの核としても生かしていくよう関係部局に強く要請するとともに、地元ニーズに応じた柔軟な運用をお願いいたします。

答弁3
産業労働局長
 地元の意見を反映した拠点の整備についてでございますが、都は、産業交流拠点が中小企業にとって利用しやすい施設となり、地域社会との一体性も確保できるよう、同拠点の整備に当たり、地元の自治体や商工団体からの提案や要望を施設の内容に反映する工夫を行ってきたところでございます。

 具体的には、多摩地域では最大規模の展示ホールを設けますとともに、その多目的利用を可能とするため、ホールを分割して、さまざまなイベントを開催できる仕組みといたしております。また、地元市が地域の住民の意見を聞いて作成いたしましたまちづくりの方針なども十分に踏まえながら整備を進めているところでございます。

質問4
 最後に、当地でのMICEの可能性について伺います。

 国際的なビジネス交流イベントの開催は、経済波及効果が高いといわれ、都でも誘致に取り組んでおります。八王子市においても観光コンベンション協会を立ち上げ、誘致の準備を進めております。

 今後、都としてどのような支援を行うのか、見解を伺います。

 二〇二〇年代は大きな変化の時代が来ます。行政と政治、そして都民の皆様が力を合わせ、また切磋琢磨し、変化の時代に果敢に挑戦する。そんな厳しい時代に前向きになれる東京都政を築きたいと思います。

 以上です。ご清聴ありがとうございました。

答弁4
産業労働局長
 MICE誘致に向けた支援についてでございますが、都では、MICEの開催を都内全域でふやすため、会議、宿泊施設などの関連施設が集積しているエリアをMICE開催拠点として選定をいたしまして、国際会議等の誘致や受け入れに向けた計画的な取り組みを支援しているところでございます。

 今年度は、多摩地域で初めて八王子エリアを指定し、地域のコンベンション協会が実施するウエブサイトの多言語化など各種PRツールの作成や、国際会議等の参加者が多摩の豊かな自然に触れる観光コースの開発などに対して助成を行っております。

 来年度は、こうしたサポートに加え、地域の大学等とのネットワーク構築や研修会等を通じ、国際会議の運営等にかかわる人材の育成などを図ってまいります。

 これらにより効果的なMICE誘致につなげてまいります。

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