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  3. 平成28年第1回定例会
  4. 第三号

平成二十八年東京都議会会議録第三号

平成二十八年二月二十四日(水曜日)
 出席議員 百二十三名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番菅野 弘一君
四番川松真一朗君
五番山内  晃君
六番栗山よしじ君
七番堀  宏道君
八番大津ひろ子君
九番塩村あやか君
十番やながせ裕文君
十一番おときた駿君
十二番小松 久子君
十三番中山ひろゆき君
十四番米倉 春奈君
十五番白石たみお君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番伊藤こういち君
二十番松田やすまさ君
二十一番河野ゆうき君
二十二番ほっち易隆君
二十三番舟坂ちかお君
二十四番島崎 義司君
二十五番鈴木 錦治君
二十七番宮瀬 英治君
二十八番田中 朝子君
二十九番上田 令子君
三十番山内れい子君
三十一番西沢けいた君
三十二番田中  健君
三十三番里吉 ゆみ君
三十四番和泉なおみ君
三十五番尾崎あや子君
三十六番大松あきら君
三十七番吉倉 正美君
三十八番まつば多美子君
三十九番高倉 良生君
四十番神野 次郎君
四十一番木村 基成君
四十二番北久保眞道君
四十三番高椙 健一君
四十四番栗山 欽行君
四十五番大場やすのぶ君
四十六番近藤  充君
四十七番桜井 浩之君
四十八番山崎 一輝君
五十番石川 良一君
五十一番両角みのる君
五十二番西崎 光子君
五十三番あさの克彦君
五十四番新井ともはる君
五十五番中村ひろし君
五十六番徳留 道信君
五十七番河野ゆりえ君
五十八番小竹ひろ子君
五十九番上野 和彦君
六十番野上 純子君
六十一番中山 信行君
六十二番谷村 孝彦君
六十三番東村 邦浩君
六十四番崎山 知尚君
六十五番鈴木 章浩君
六十六番清水 孝治君
六十七番小松 大祐君
六十八番柴崎 幹男君
六十九番和泉 武彦君
七十番きたしろ勝彦君
七十一番鈴木 隆道君
七十二番早坂 義弘君
七十三番高木 けい君
七十五番野上ゆきえ君
七十六番島田 幸成君
七十七番今村 るか君
七十八番大西さとる君
七十九番小山くにひこ君
八十番畔上三和子君
八十一番大島よしえ君
八十二番松村 友昭君
八十三番藤井  一君
八十四番ともとし春久君
八十五番鈴木貫太郎君
八十六番木内 良明君
八十七番高橋 信博君
八十八番中屋 文孝君
八十九番三宅 正彦君
九十番小宮あんり君
九十一番田中たけし君
九十二番鈴木あきまさ君
九十三番山加 朱美君
九十四番高橋かずみ君
九十五番山田 忠昭君
九十六番林田  武君
九十七番こいそ 明君
九十八番田島 和明君
九十九番古賀 俊昭君
百番斉藤あつし君
百一番尾崎 大介君
百二番石毛しげる君
百三番植木こうじ君
百四番かち佳代子君
百五番曽根はじめ君
百六番小磯 善彦君
百七番橘  正剛君
百八番長橋 桂一君
百九番中嶋 義雄君
百十番立石 晴康君
百十一番神林  茂君
百十二番秋田 一郎君
百十三番宇田川聡史君
百十四番相川  博君
百十五番吉原  修君
百十六番野島 善司君
百十七番三宅 茂樹君
百十八番川井しげお君
百十九番高島なおき君
百二十番野村 有信君
百二十一番吉野 利明君
百二十三番酒井 大史君
百二十四番山下 太郎君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 一名
百二十二番 内田  茂君
 欠員
    二十六番  四十九番  七十四番

 出席説明員
知事舛添 要一君
副知事安藤 立美君
副知事秋山 俊行君
副知事前田 信弘君
教育長中井 敬三君
東京都技監都市整備局長兼務安井 順一君
政策企画局長川澄 俊文君
総務局長中西  充君
財務局長長谷川 明君
主税局長小林  清君
警視総監高橋 清孝君
生活文化局長多羅尾光睦君
オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋 正宏君
環境局長遠藤 雅彦君
福祉保健局長梶原  洋君
産業労働局長山本  隆君
建設局長佐野 克彦君
港湾局長武市  敬君
会計管理局長塚本 直之君
交通局長塩見 清仁君
消防総監高橋  淳君
水道局長醍醐 勇司君
下水道局長石原 清次君
青少年・治安対策本部長廣田 耕一君
病院経営本部長真田 正義君
中央卸売市場長岸本 良一君
選挙管理委員会事務局長安藤 弘志君
人事委員会事務局長藤田 裕司君
労働委員会事務局長櫻井  務君
監査事務局長猪熊 純子君
収用委員会事務局長目黒 克昭君

二月二十四日議事日程第三号
第一 第一号議案
平成二十八年度東京都一般会計予算
第二 第二号議案
平成二十八年度東京都特別区財政調整会計予算
第三 第三号議案
平成二十八年度東京都地方消費税清算会計予算
第四 第四号議案
平成二十八年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
第五 第五号議案
平成二十八年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
第六 第六号議案
平成二十八年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第七 第七号議案
平成二十八年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第八 第八号議案
平成二十八年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
第九 第九号議案
平成二十八年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十 第十号議案
平成二十八年度東京都と場会計予算
第十一 第十一号議案
平成二十八年度東京都都営住宅等事業会計予算
第十二 第十二号議案
平成二十八年度東京都都営住宅等保証金会計予算
第十三 第十三号議案
平成二十八年度東京都都市開発資金会計予算
第十四 第十四号議案
平成二十八年度東京都用地会計予算
第十五 第十五号議案
平成二十八年度東京都公債費会計予算
第十六 第十六号議案
平成二十八年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
第十七 第十七号議案
平成二十八年度東京都病院会計予算
第十八 第十八号議案
平成二十八年度東京都中央卸売市場会計予算
第十九 第十九号議案
平成二十八年度東京都都市再開発事業会計予算
第二十 第二十号議案
平成二十八年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十一 第二十一号議案
平成二十八年度東京都港湾事業会計予算
第二十二 第二十二号議案
平成二十八年度東京都交通事業会計予算
第二十三 第二十三号議案
平成二十八年度東京都高速電車事業会計予算
第二十四 第二十四号議案
平成二十八年度東京都電気事業会計予算
第二十五 第二十五号議案
平成二十八年度東京都水道事業会計予算
第二十六 第二十六号議案
平成二十八年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十七 第二十七号議案
平成二十八年度東京都下水道事業会計予算
第二十八 第二十八号議案
東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例
第二十九 第二十九号議案
東京都知事等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
第三十 第三十号議案
非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第三十一 第三十一号議案
東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第三十二 第三十二号議案
東京都職員定数条例の一部を改正する条例
第三十三 第三十三号議案
東京都非常勤職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例
第三十四 第三十四号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十五 第三十五号議案
東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
第三十六 第三十六号議案
住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの都道府県知事保存本人確認情報を利用する事務等を定める条例の一部を改正する条例
第三十七 第三十七号議案
東京都人事委員会委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第三十八 第三十八号議案
東京都監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第三十九 第三十九号議案
東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
第四十 第四十号議案
東京都地方公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例
第四十一 第四十一号議案
東京都都税条例の一部を改正する条例
第四十二 第四十二号議案
東京都スポーツ・文化振興交流基金条例を廃止する条例
第四十三 第四十三号議案
東京都消費生活総合センター条例
第四十四 第四十四号議案
東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例
第四十五 第四十五号議案
東京都障害者スポーツ振興基金条例
第四十六 第四十六号議案
東京都体育施設条例の一部を改正する条例
第四十七 第四十七号議案
学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
第四十八 第四十八号議案
東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第四十九 第四十九号議案
学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第五十 第五十号議案
都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
第五十一 第五十一号議案
東京都いじめ防止対策推進条例の一部を改正する条例
第五十二 第五十二号議案
学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第五十三 第五十三号議案
義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例
第五十四 第五十四号議案
学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第五十五 第五十五号議案
東京都教育委員会職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第五十六 第五十六号議案
東京都教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第五十七 第五十七号議案
東京都建築審査会条例の一部を改正する条例
第五十八 第五十八号議案
東京都文教地区建築条例の一部を改正する条例
第五十九 第五十九号議案
東京都建築安全条例の一部を改正する条例
第六十 第六十号議案
東京都国民健康保険財政安定化基金条例
第六十一 第六十一号議案
東京都後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例
第六十二 第六十二号議案
東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第六十三 第六十三号議案
東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十四 第六十四号議案
東京都軽費老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十五 第六十五号議案
東京都指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十六 第六十六号議案
東京都養護老人ホーム条例を廃止する条例
第六十七 第六十七号議案
東京都認定こども園の認定要件に関する条例の一部を改正する条例
第六十八 第六十八号議案
東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例
第六十九 第六十九号議案
東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例
第七十 第七十号議案
東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
第七十一 第七十一号議案
東京都立多摩療育園条例の一部を改正する条例
第七十二 第七十二号議案
東京都立重症重度心身障害児者施設条例の一部を改正する条例
第七十三 第七十三号議案
東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例の一部を改正する条例
第七十四 第七十四号議案
東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十五 第七十五号議案
東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例
第七十六 第七十六号議案
東京都森林整備加速化・林業再生基金条例の一部を改正する条例
第七十七 第七十七号議案
東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
第七十八 第七十八号議案
東京都海上公園条例の一部を改正する条例
第七十九 第七十九号議案
都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第八十 第八十号議案
緑の東京募金基金条例の一部を改正する条例
第八十一 第八十一号議案
東京都霊園条例の一部を改正する条例
第八十二 第八十二号議案
東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
第八十三 第八十三号議案
東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例
第八十四 第八十四号議案
警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
第八十五 第八十五号議案
警視庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第八十六 第八十六号議案
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の一部を改正する条例
第八十七 第八十七号議案
警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
第八十八 第八十八号議案
歓楽的雰囲気を過度に助長する風俗案内の防止に関する条例の一部を改正する条例
第八十九 第八十九号議案
東京都デートクラブ営業等の規制に関する条例の一部を改正する条例
第九十 第九十号議案
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例
第九十一 第九十一号議案
東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
第九十二 第九十二号議案
東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第九十三 第九十三号議案
火災予防条例の一部を改正する条例
第九十四 第九十四号議案
特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第九十五 第九十五号議案
オリンピックアクアティクスセンター(仮称)(二十七)新築工事請負契約
第九十六 第九十六号議案
有明アリーナ(仮称)(二十七)新築工事請負契約
第九十七 第九十七号議案
平成二十七年度海の森水上競技場整備工事請負契約
第九十八 第九十八号議案
警視庁大森合同庁舎(二十七)改築工事請負契約
第九十九 第九十九号議案
都営住宅二十七H─一〇二・一〇三西(練馬区上石神井四丁目)工事請負契約
第百 第百号議案
木下川排水機場耐震補強工事請負契約
第百一 第百一号議案
上平井水門耐震補強工事請負契約
第百二 第百二号議案
上平井水門耐震補強工事(その二)請負契約
第百三 第百三号議案
平成二十七年度十三号地新客船ふ頭岸壁(-(マイナス)十一・五m)防波堤建設工事請負契約
第百四 第百四号議案
包括外部監査契約の締結について
第百五 第百五号議案
東京都と神奈川県との境界にわたる町田市と相模原市との境界変更について
第百六 第百六号議案
境界変更に伴う財産処分に関する協議について
第百七 第百七号議案
東京都立有明北緑道公園の指定管理者の指定について
第百八 第百八号議案
都道の路線の認定及び廃止について
第百九 第百九号議案
都道の路線の廃止について
第百十 第百十号議案
平成二十八年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
第百十一 第百十一号議案
平成二十七年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区の負担の変更について
第百十二 第百十二号議案
東京都立東京臨海広域防災公園の指定管理者の指定について
第百十三 第百十三号議案
多摩川流域下水道野川処理区の建設に要する費用の関係市の負担について
第百十四 第百十四号議案
平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)
第百十五 第百十五号議案
平成二十七年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第百十六 第百十六号議案
平成二十七年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
第百十七 第百十七号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第百十八 第百十八号議案
都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
第百十九 第百十九号議案
平成二十七年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第百二十 第百二十号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第百二十一 第百二十一号議案
東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十二 第百二十二号議案
東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十三 第百二十三号議案
東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十四 第百二十四号議案
東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十五 第百二十五号議案
東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十六 諮問第一号
地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問について

   午後一時開議

○議長(川井しげお君) これより本日の会議を開きます。

○議長(川井しげお君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(川井しげお君) 昨日に引き続き質問を行います。
 九十五番山田忠昭君
   〔九十五番山田忠昭君登壇〕

○九十五番(山田忠昭君) まず最初に、東京都の危機管理についてお伺いをいたします。
 昨年来、パリやジャカルタでテロ事件が発生するなど、海外の大都市を標的とした銃撃や爆発事件が相次いでおります。
 一方、北朝鮮では、本年一月に核実験を実施し、二月には沖縄県上空を通過するミサイル発射を敢行するなど、我が国の平和と安全を損なう暴挙に出ました。このことは、国連安保理決議等にも違反する許しがたい行為であります。
 このように国際情勢が予断を許さない中で、我が国においても、危機管理体制に万全を期することが強く求められております。とりわけ、ラグビーワールドカップ、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催を控える東京にあっては、緊張感を持って、都民の安全・安心の確保に全力を尽くすことが必要であります。
 そこで、首都東京の安全・安心を担保するための危機管理について、まず、知事の所見をお伺いいたします。
 また、警視庁では、伊勢志摩サミット、オリンピックを見据え、治安対策を推進中のことと思いますが、危機管理上極めて重要となっている重要インフラに対するサイバー攻撃対策について質問をいたします。
 近年、国際的にもサイバー攻撃が多発し、また、我が国においても、日本年金機構に対するサイバー攻撃により、多くの個人情報が流出するなど、サイバー攻撃の脅威は日々悪質化、巧妙化しており、国の治安、安全保障はもとより、都民の安全・安心な暮らしを脅かす喫緊の課題となっているといえます。
 そこで、警視庁の重要インフラに対するサイバー攻撃対策の推進状況について、警視総監の所見をお伺いいたします。
 次に、水道の危機管理についてお伺いをいたします。
 昨日の我が党の代表質問において、浄水場更新の機会を捉えて、危機に備え、施設を完全覆蓋化するとの表明がありました。
 水道は、都民生活と首都東京を支える最も重要なライフラインであり、中でも基幹施設である浄水場は、一たびテロなどの被害を受け、停止すれば、その影響は甚大であります。
 浄水場は、水面を開放した施設が多く、また、大量の電力を使用していることから、異物の混入や電源の遮断など、テロによる被害も懸念される状況となっています。このため、浄水場の覆蓋化などの危機管理は、確実に進めなければならない重要な事業であると思います。
 そこで、浄水場の危機管理対策を今後どのように進めていくのか、お伺いをいたします。
 次に、都営地下鉄のテロ対策についてお伺いをいたします。
 鉄道に対するテロとしては、二〇〇四年にスペインで列車爆破事件、二〇〇五年にロンドンで地下鉄爆破事件が発生しており、また、国内においても、一九九五年に当時の営団地下鉄でサリン事件が発生をしております。多くの利用客が集まる鉄道がテロの標的となった場合、相当な被害が発生するおそれがあり、都営地下鉄がテロ対策に積極的に取り組んでいくことは極めて重要であると考えます。
 そこで、都営地下鉄における今後のテロ対策の取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、食品廃棄物の横流し事件への対応についてお伺いをいたします。
 本年一月、愛知県で、メーカーが食品の廃棄を廃棄物処理業者に委託したにもかかわらず、その処理業者が、廃棄物を不正に商品として横流ししていた事件が発生をいたしました。この事件は、特定の事業者が起こした問題とはいえ、廃棄物処理全体に対する国民からの信頼を大きく損なう事態になってしまいました。今後は、しっかりと再発防止に取り組む必要があると思います。
 先般、環境省からの通知に基づいて、全国一斉に食品廃棄物の処理業者に対する調査が行われたと聞いております。
 そこで都は、今回の事件を契機にどのような指導を行ったのかをお伺いいたします。
 次に、食品ロス削減への取り組みについてお伺いをいたします。
 今回の愛知県の事件は、本来、適正に処理されなければならない食品廃棄物が、不適正なルートで市場に流通して店頭に並んだことが問題であります。この問題には、不適正な処理を行った事業者を厳重に取り締まるべきだという声がある一方、廃棄された食品の中には、まだ食べることができる食品も多くまざっており、もったいないという声も多く聞こえました。
 今後、廃棄物の不適正な処理を防止する手だてを講じることはもちろんでありますが、食品廃棄物を削減し、資源が有効に活用される取り組みにも力を注いでいく必要があると思います。
 食品の無駄を最小限にし、東京を持続可能な都市としていくため、都はどのように取り組みを進めていくのかをお伺いいたします。
 次に、防災対策について伺います。
 災害への対応力を備えるための取り組みは、都として極めて重要と考えます。首都直下地震の切迫性が指摘される中、先日も台湾で地震が発生するなど、大地震はいつ来てもおかしくない状況であります。また、ことしは、東日本大震災から五年目の節目の年であり、都民、民間、行政など、各主体が改めて大地震への備えに関する意識を高めていくことが重要であります。
 大地震が起きた場合でも、被害を最小とするため、木密地域の大きな被害が想定される整備地域の改善は喫緊の課題であります。延焼遮断帯については、特定整備路線等の整備を進めておりますが、その内側の区域は、今まで以上に不燃化を加速させることが重要であります。
 現在改定中の防災都市づくり推進計画ではどのような方策を考えているのか、お伺いをいたします。
 また、防災都市づくりを進めていく上で、整備地域以外での木密対策も重要と考えます。
 私の地元の西東京市には、築後三十年が経過した木造住宅地があり、震災により火災が発生した場合には延焼被害のおそれがあります。また、農地や比較的大きな敷地等は、相続などの機会にミニ開発されるおそれがあります。
 整備地域のような地域をこれ以上ふやさないためには、これらの市街地においても取り組みを行うべきと考えますが、都の所見をお伺いいたします。
 また、地震に備えたまちづくりをしっかり進めるとともに、大地震が発生した際、救急救援活動や物資の輸送等を円滑に行うためには、迅速な障害物撤去や道路の照明の復旧などを行うことが不可欠であります。
 そこで、震災時における道路機能の早期回復に向け、都はどのように取り組んでいるのかをお伺いいたします。
 次に、西武新宿線井荻駅から東伏見駅間の鉄道立体化についてお伺いをいたします。
 西武新宿線は、連続立体交差化が進んでいる西武池袋線と比べて、数多くの踏切が残されています。これらの踏切は、慢性的な交通渋滞や踏切事故の原因となっており、その解決には、連続立体交差事業が必要不可欠であります。
 本区間について、都は、我が党の代表質問に対し、社会資本総合整備計画に位置づけ、事業化に向けて一歩踏み出すとの答弁がありました。
 私の地元であります西東京市の東伏見駅では、既に南北に駅前広場が整備されておりますが、さらに将来の鉄道の立体化によるまちの一体化を見据え、まちづくりの取り組みが進められております。
 西武新宿線の連続立体交差化は、沿線住民の悲願であり、一日も早く実現してほしいと願っております。
 そこで、本区間の事業化に向けた今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、多摩・島しょの観光振興についてお伺いをいたします。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会の開催と、その後の時期を含め、外国から東京を訪れる旅行者の数は大きく伸びていくことが見込まれております。こうした外国人観光客が、豊かな自然に恵まれ、魅力あふれる多摩・島しょ地域を訪問するように、民間と行政が知恵を出し合い、力を合わせていくことが大切であると思います。
 民間では、さまざまな都内の観光ルートを企画して、旅行者にその利用を働きかけておりますが、観光振興のてこ入れのためには、行政も民間のそうした努力を後押しをする踏み込んだ支援も必要になると思います。
 さらには、多摩・島しょ観光の目的となる場所が離れていて、限られた時間で見て回るためには、交通事情の制約などの課題もあり、その克服もしっかりと行うことが大切であります。
 こうした内容を踏まえ、都として、多摩・島しょ地域の観光振興について、来年度にどのような展開をしていくお考えがあるかの所見を伺い、質問を終わりたいと思います。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 山田忠昭議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、テロなどに係る首都東京の危機管理についてご質問をいただきましたけれども、海外の大都市を狙ったテロ行為や北朝鮮による核実験及びミサイル発射は、断じて許すことのできない暴挙であります。
 昨今、テロなどをめぐる国際情勢が緊迫の度を増す中、本年五月には、伊勢志摩でサミットが開催されます。その後も、東京都におきましては、ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピックと、世界が注目する国際的なイベントが開催されますことから、確実に備えを固めていかなければなりません。
 このため、都は、警察、消防の強化に努めるとともに、万が一テロが発生した場合には、国などの関係機関と連携して、警報の通知や住民避難の措置などを迅速に行えますように、日ごろから訓練を通じ、対処能力の向上を図っているところでございます。
 今後とも、世界一安全・安心な都市の実現に向けて、全力を挙げて危機管理に取り組んでまいります。
 そのほかの質問につきましては、警視総監、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔警視総監高橋清孝君登壇〕

○警視総監(高橋清孝君) 重要インフラに対するサイバー攻撃対策についてでありますが、海外では、韓国の金融システムを機能不全にした事案やフランスの国際放送局の放送を停止させる事案が発生しております。
 このように重要インフラに対するサイバー攻撃は、国民生活や社会経済活動に重大な支障を及ぼすことから、警視庁では、サイバー攻撃の標的となるおそれのある重要インフラ十三分野六十九事業者との間で構成するサイバーテロ対策協議会の枠組みを通じ、参加事業者間の情報共有や、サイバー攻撃を想定した共同訓練による緊急対処能力の向上に努めております。
 また、サイバー攻撃の予告等を認知した場合には、速やかに注意喚起を行い、被害の未然防止を図っておりますが、今後もこうした取り組みを強力に推進してまいります。
   〔東京都技監安井順一君登壇〕

○東京都技監(安井順一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、木密地域におけます整備地域の改善についてでございますが、延焼遮断帯に囲まれた木密地域の不燃化を加速するため、今回改定する防災都市づくり推進計画では、狭隘な道路の拡幅を計画的に進めながら、沿道の建築物の不燃化、耐震化を促進していくことといたしました。
 具体的には、震災時に延焼や建物倒壊のおそれが特に高い二十八の整備地域全てにおきまして、緊急車両の通行や安全な避難に有効な道路の拡幅計画を区とともに定めることといたします。
 都は、道路用地の測量や取得等に要する費用を補助し、区の取り組みを強力に後押ししてまいります。あわせて、道路の拡幅に協力して、建築物の建てかえ等を行う場合にも、工事費の一部を助成することといたします。こうした新たな取り組みを来年度からスタートさせまして、整備地域の防災性を高めてまいります。
 次に、整備地域以外の市街地におけます取り組みについてでございますが、都内には、整備地域の指定区域以外にも、老朽木造住宅の密集地や、土地利用の転換時にミニ開発が進むおそれのある企業のグラウンドなどがございます。
 新たに、こうした地域についての施策にも踏み込みまして、区市に対して敷地面積の最低限度の設定や、市街地の耐火性能を高める新防火区域の指定を促してまいります。
 また、区市が地区計画などを活用して、防災上効果的な敷地の細分化防止策等を講じられるよう、技術的、財政的に支援をし、危険性の高い市街地の形成に歯どめをかけてまいります。
 今回の計画の改定を機に、整備地域におけます道路拡幅や燃えにくい建築物への建てかえ助成とともに、木造住宅密集地域拡大の未然防止にも取り組み、災害時における市街地の安全性を高めてまいります。
   〔水道局長醍醐勇司君登壇〕

○水道局長(醍醐勇司君) 浄水場の危機管理対策についてでありますが、火山噴火やテロ行為等のさまざまな危機に万全を期すためには、浄水場における異物の混入防止や浄水処理に必要な電源設備が遮断されないよう、さらなる対策を講じることが重要であります。
 このため、浄水場の更新にあわせて、異物混入等のおそれのある全ての施設を覆蓋化するとともに、電源設備の建屋内への設置や受電ルートの地中化を図るなど、浄水場の再構築を多角的に進めてまいります。
 今後でございますが、東村山浄水場の更新代替施設として、平成二十九年度から整備する境浄水場におきまして、こうした取り組みに着手するとともに、この事業効果を検証し、各浄水場の地域特性も十分に勘案しながら、危機に備えた強靱な水道施設を計画的に構築してまいります。
   〔交通局長塩見清仁君登壇〕

○交通局長(塩見清仁君) 都営地下鉄のテロ対策についてでございますが、交通局ではこれまで、駅員や警備員による巡回警備の強化や監視カメラの増設等により、テロの未然防止を図るとともに、警察や消防と連携し、NBCや爆発物への対処訓練を実施するなど、その対応力の向上に努めてまいりました。
 現在、専門家の指導助言のもと、テロに関する危機管理対策計画を策定しているところであり、テロの類型に応じ、より効果的に対応するための手順等を定めてまいります。
 今後は、より緊張感を持って、迅速な情報の把握と共有に努めることで、関係機関との一層の連携を強化してまいります。
 また、不審者や不審物を検知するシステム等の新技術を視野に入れた駅構内監視カメラのさらなる増設や総合指令所への映像集約など、監視体制をさらに強化してまいります。こうした取り組みを通じて、輸送の安全を全力で確保してまいります。
   〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕

○環境局長(遠藤雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、食品廃棄物の横流し事件への対応についてでございますが、都はこれまでも、産業廃棄物処理業者に対して定期的に立ち入りを行い、実際に現場に保管されている廃棄物の状況を確認した上で、処理の委託契約書、マニフェストなどを検査し、不適正な処理の防止に努めてまいりました。
 今回の愛知県における事件を契機に、改めて、全ての産業廃棄物処理業者に対し、法令を遵守して適正な処理に努めるよう通知を行うとともに、食品の廃棄を扱う処理業者二十一社全てを対象として、職員が現地への立入検査を行ったところ、いずれも廃棄食品の横流しにつながる不適切な処理は認められませんでした。
 今後とも、処理業者に対する指導監督を通じて、食品廃棄物を含む産業廃棄物の適正処理を確保してまいります。
 次に、食品ロスの削減への取り組みについてでございますが、都は、持続可能な資源利用への転換を図るため、食品ロスの削減に向けたモデル事業を実施し、余り物の食材を持ち寄って、無駄なく調理して味わう、いわゆるサルベージパーティーなどの参加型イベントを開催しております。
 これらのイベントには、多くの家族連れや若者などが参加をいたしました。また、メディアにも数多く取り上げられ、ほかの自治体からも同様のイベント開催についての問い合わせがあるなど、食品ロスの削減の意義や重要性に対する社会的な関心は高まっております。
 こうした機運を捉え、都民や事業者に対する区市町村の取り組みを積極的に支援するなどにより、食品ロスの削減を進めてまいります。
   〔建設局長佐野克彦君登壇〕

○建設局長(佐野克彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、震災時における道路機能の早期回復に向けた取り組みについてでございますが、震災時に、救急救援活動や緊急物資の輸送を円滑に行うため、道路の通行機能を確保することは重要でございます。
 都は、協力業者と災害協定等を締結し、地震発生後、速やかに道路の障害物除去を行う体制を整えるとともに、共同で訓練を行うなど、防災対応力の向上を図っております。
 また、除去作業後の復旧活動を継続的に進めるためには、道路照明の早期復旧も必要です。
 このため、都道の道路照明の保守を担う事業者が加盟する街路灯保守管理協同組合と、災害時における協力協定の今年度内の締結に向けて協議を進めております。
 今後とも、関係する協力業者などと連携し、発災後の道路機能回復に向けた体制の強化を図ってまいります。
 次に、西武新宿線井荻駅から東伏見駅間の鉄道立体化についてでございますが、この区間には、あかずの踏切が七カ所あり、都市計画道路が五カ所で交差するなど、鉄道立体化による踏切解消が必要でございます。本区間は、外環ノ2や補助第二二九号線など、関連する道路の整備計画が具体化するとともに、上石神井駅や東伏見駅周辺のまちづくりが進められていることから、新規に着工を準備する区間として、今年度中に社会資本総合整備計画に位置づけることといたしました。
 連続立体交差事業の効果を高めるためには、本事業と並行し、地元区市が駅前広場や関連する街路など、まちづくりに着実に取り組むことが重要でございます。
 今後、構造形式や施工方法の検討を進めるとともに、地元区市や鉄道事業者と連携し、事業化に向けて取り組んでまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 多摩・島しょ地域の観光振興についてでございますが、東京の観光振興に向け、多摩・島しょの魅力ある観光資源等を活用し、さまざまなスポットをめぐる効果的な取り組みを進めることは重要でございます。
 これまで都は、多摩・島しょ地域の自然や文化財を生かした観光ルートをつくり出す取り組みや、観光スポットの移動に必要な交通機関の乗降場所の整備などを支援してまいりました。
 来年度は、農林水産業を活用した観光ツアーをつくる民間の取り組みを後押しするとともに、その販売に向けたサポートも行ってまいります。
 また、多摩地域内の観光地をバスやタクシーで円滑に移動するためのモニターツアーの実施や、多摩・島しょの観光に、自転車の活用を進めるための支援を行ってまいります。こうした取り組みを通じまして、多摩・島しょ地域の観光振興の効果を着実に高めてまいります。

○議長(川井しげお君) 八十八番中屋文孝君
   〔八十八番中屋文孝君登壇〕

○八十八番(中屋文孝君) 初めに、臨海副都心について伺います。
 臨海副都心開発は、昭和六十年代、都心部の地価高騰を背景に、東京が抱えていたさまざまな都市問題を解決するため、広大な更地であった土地に理想の未来型都市を新たに創出していくという大きな夢に向かって計画されたものであります。
 この夢のある開発を強力に進める起爆剤として、平成八年、世界都市博覧会の開催を計画し、着々と準備が進められてきたものであります。
 しかしながら、平成七年に、青島都知事が就任した直後、突如として博覧会の中止を決定し、都民、国民の大きな夢が一瞬にして消滅したという、いわくつきの苦い思い出があるのです。
 都市博中止決定後も、我が党は、この臨海副都心が持つポテンシャルを生かし、開発を推進すべきと提案し、歴代知事も、その重要性を認識して、企業誘致や、にぎわい創出などの取り組みを進めてきたところであります。
 こうしたことを、長年にわたって積み重ねてきた結果、二年連続で、海外でも有名な世界最大級のダンスミュージックフェスティバル、ウルトラジャパンの誘致に成功し、昨年は、海外からの観光客も含め、三日間で約九万人もの集客につながっております。
 訪日外国人観光客の獲得は、日本の力強い経済を取り戻すための最重要な柱の一つです。東京が厳しい都市間競争に打ち勝ち、日本の経済を牽引し続けるためには、臨海副都心に魅力あるイベントを数多く呼び込むとともに、日本の伝統文化などのエンターテインメントも取り入れ、まちのにぎわいを高めていくことが重要であります。
 さらに、この地は、世界一の国際観光拠点へと進化可能なポテンシャルの高い地域であることから、最先端技術を生かし、日本ならではのおもてなし環境の整備を進めていくべきであると思います。
 そのため、今後も、多数の大型ホテルのほか、国際的な大型イベントをさらに誘致し、大人から家族連れまで、全ての人々がにぎわいを楽しめるまちを創出し、臨海副都心が世界一のリゾート地としての価値を高めていく必要があると考えますが、舛添知事には、ここで大きな夢を語っていただき、知事としての所見を伺いたいと思います。
 次に、観光振興について伺います。
 海外から訪れた観光客が、東京の多様な魅力を体験する上で、情報を簡単に入手できる環境を整えることは大切であります。特に外国人の旅行者は、言葉が理解できずに戸惑うことも多く、浅草や上野などの観光スポットで、案内の標識に多言語表記をふやしたり、情報収集に役立つインターネットを使える環境を充実していくことは不可欠であります。
 多言語による案内標識やインターネットへ接続するためのWiFiの利用が可能なエリアは整備されつつありますが、新たな情報提供のツールであるデジタルサイネージの導入も含めて、外国語を用いた情報提供体制の充実を、これまでにも増してしっかりと進めていくべきと思います。
 こうした取り組みは、短期間で集中して行うことで、効果がより一層高まることも期待できるため、二〇二〇年の大会開催を見据えて、これからの時期に重点的に力を入れていくことが重要となります。
 東京を訪れた観光客が快適に観光を楽しめるよう、まち中での観光情報の提供に向けた基盤整備について、来年度より、より早く具体的にどのように取り組みを進めるのか、所見を伺います。
 パラリンピック大会のレガシーとして、障害の方も、高齢者も、車椅子を使いながら旅行へ気軽に出かけられるような機会を広げ、定着させる努力は大切であります。
 今でも、浅草のような有名な観光地では、国内外から数多くの人が観光バスで訪れており、今後の高齢社会の進展も考えると、車椅子にも対応した新しい形の旅行の普及が、より一層重要になります。
 先般、我が党が、昨年の第四回定例会で、リフトつき観光バスの導入支援に加え、バスの駐車場から観光スポットまでの安全な移動の確保に向けた総合的な提案を行ったところです。車椅子の利用者が不便を感じることなく安心して旅行を楽しむためには、観光地での地域を挙げた受け入れ体制をしっかりとつくり上げていくことが重要です。
 こうした視点に立ち、リフトつき観光バスの導入による快適な旅行環境の整備に向け、都は具体的に来年度からどのように取り組みを進めるのか、お考えを伺います。
 東京は、かつては水の都ともいわれ、大小さまざまな河川から、人や物資の輸送が盛んに行われ、観光地も川べりに開けるなど、水と舟運とが都市の活動の基礎をつくり上げていたといっても過言ではないと考えております。
 例えば、浅草は、江戸時代には隅田川沿いに寺院や見せ物小屋などが数多く建ち並び、大変なにぎわいがあり、現在でも灯籠流しなど、さまざまなイベントが催されております。
 こうした中、水辺に着目して、東京のまちづくりを進める発想が改めて見直されて、観光資源として活用を進める動きも、各地域で着実に出てきているように感じております。特に、舟運を通じて、昔ながらの魅力を残す都内の河川のポテンシャルを引き出すとともに、それに加え、水上交通のかなめとなる船着き場や、その近隣に旅行者が立ち寄るようなルートを、地元からの話などを十分に聞きながらつくり上げていく取り組みこそ必要になるものと思います。
 そのため、水辺のエリアの状況に詳しく、にぎわいの創出を前向きに進めていこうとする地域の観光関連団体などと協力しながら、着実な取り組みを進めていく必要があると思いますが、都の見解を伺います。
 次に、テロ対策について伺います。
 フランスのパリで発生した同時多発テロ発生後も、世界各地では爆弾テロなどの事件が後を絶ちません。
 四年後にはラグビーワールドカップ、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックといった世界的なスポーツの祭典が順次開催され、味の素スタジアムや新国立競技場などの各種競技会場には、各国の要人や何万人もの観客が集まります。こうした場所で、一たびテロのような事件が起これば、多数の傷者が発生し、火災も起こるかもしれません。今から、万が一の事態に備え、念には念を入れて準備をしておくことが非常に重要であります。
 東京の消防力は、先般、エアハイパーレスキューが発隊いたしましたし、車両、資器材も充実しており、日本で随一の能力を持っております。また、生業の傍ら、日夜、災害対応に当たっている消防団といったすばらしい組織もあります。
 そこで、同時多発テロに対応するため、各消防部隊を統制し、的確に素早く活動できる体制を整えるとともに、味の素スタジアムなどを使い、エアハイパーを初めとした部隊が実際の場面を想定した訓練を実施するなど、具体的な取り組みが必要と考えますが、見解を伺います。
 続いて、治安対策についてです。
 都内の刑法犯認知件数は、平成十四年をピークに、街頭犯罪などが大きく減少し、平成二十七年は、十三年連続減少して十四万八千件と戦後最も治安のよい状況となっております。こうした背景には、警察の取り締まりに加え、防犯ボランティア団体による地道なパトロール活動等によるところが大きな要因として考えられます。
 都内の防犯ボランティア団体は、平成十五年から約二十六倍に増加し、現在、四千団体が活動しています。都でも、これまでリーダー育成や防犯カメラの設置補助など、防犯ボランティア団体に対する取り組みや支援を進めてきたことが団体数の増加につながりました。
 今後、東京は、三年後にラグビーワールドカップが、そして四年後には東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会が開催され、都民生活においても、ハード、ソフトの両面でさまざまな変化が生じます。
 このような状況下では、地域においての警察や行政などとの連携や情報発信、共有が何よりも重要です。そのため、行政が地域で活動するボランティア団体をしっかり把握して連携を深め、地域の防犯情報を共有し、効果的なパトロールがなされるよう、活動の組織化が最重要になってまいります。
 防犯団体の重要性を考えますと、今後、さらにレベルアップしていくための取り組みも続けていただきたいと思います。時には、警視監である廣田本部長みずからが、防犯ボランティア団体と交流して、団体の意欲と結束を高めていくということも検討していただきたいと思います。
 そこで、防犯ボランティア団体が効果的な活動を行えるよう、連携と情報の発信、共有を進めるとともに、さらなる活性化への取り組みが必要と思いますが、どのような展開をしていくのか、伺います。
 最後に、障害者スポーツについて伺います。
 これまでの我が党は、障害のあるなしにかかわらず、誰もが身近な地域でスポーツを楽しめる環境づくりの一環として、特別支援学校の活用を提案してまいりました。また、私が委員を務める東京都スポーツ振興審議会においても、障害者スポーツの場の確保を重要な課題として、特別支援学校の活用の意義について、議論を重ねてまいりました。
 そこで、まず初めに、特別支援学校の障害者スポーツの拠点化に向けた取り組みについて、都の所見を伺いたいと思います。
 次に、特別支援学校を障害者スポーツの拠点とするため、都教育委員会は、どのように支援を改善していくのか、どのようなメリットがあるのか、お考えをお聞きして質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 中屋文孝議員の一般質問にお答えをいたします。
 臨海副都心についてでありますけれども、この地域は、都内でも先進的なエリアとして、日本最先端の技術を活用した音楽と連動した動きのあるイルミネーションの整備とか、国際的にも注目される大型イベントを実施するなど、まちのにぎわい創出に取り組んでまいりました。
 また、ここに来られる多くの外国人が、言葉の壁を感じることなくまちを楽しめますように、このエリア全体で利用できる無料のWiFi、それからデジタルサイネージなど、多言語環境の整備も進めて、まち全体の魅力向上にもつながっております。
 ただ、ちょっと欠けたものがあります。それは、光が足りない、もう少しライトアップする。おっしゃいましたけれども、船、もう少しこれを活用する。それから、食事の後の、つまり夜九時半、十時過ぎてから後のエンターテインメントが何もないと。先にエンターテインメントやったら、その後、御飯食べにいくところがない。こういうことをやらないと、リピーターが来ないというふうに思ってますので、この点は後ほど、産業労働局長がお答えすると思いますけれども、そういう観点から、今、有識者会議において、集中的に議論をして、近いうちにそういう方向を出しますので、そういうことによって、この臨海副都心を世界に誇れるエンターテインメント性の高い、そして最高のデートスポットにしたいと思っております。
 そのほかの質問につきましては、教育長及び関係局長がお答えをいたします。
   〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 特別支援学校を活用した障害者スポーツ拠点事業についてでございますが、都教育委員会は、本事業において、さまざまな障害者スポーツ団体が特別支援学校の体育施設を利用しやすくなるよう、体育館の壁の緩衝対策や床の研磨など、必要な改修を行い、利用環境の向上を図ってまいります。
 また、特別支援学校の児童生徒が、スポーツ団体との交流を通してスポーツに興味を持つことによって、みずからスポーツに取り組む習慣を身につけ、卒業後の豊かな生活につなげていくことを目指していきます。
 都教育委員会は、関係局と連携し、障害のある児童生徒が多様なスポーツに親しみ、将来の夢や希望を膨らませることで、パラリンピック東京大会に向けた障害者スポーツの機運を盛り上げてまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、観光情報の提供に向けました基盤整備についてでございますが、海外から東京を訪れる旅行者が必要な情報を確実に入手できるよう、さまざまな情報通信基盤や案内表示を速やかに整備していく必要がございます。
 これまで都は、都立施設で無料のWiFiサービスを提供するとともに、多言語の観光案内標識を設置し、旅行者の情報収集をサポートしてまいりました。年度末には、上野等のエリアでもWiFiやデジタルサイネージによる情報提供を開始いたします。
 来年度は、都内の観光案内標識を約千五十基から千二百基にふやすとともに、浅草等の外国人旅行者の多い地域で無料のWiFiアンテナ約百六十基を集中的に整備し、デジタルサイネージも二十六基設置をいたします。
 こうした取り組みによりまして、観光情報を提供する基盤の整備を強力に推進し、旅行者を迎え入れる環境の充実を図ってまいります。
 次に、リフトつき観光バスの導入についてでございます。
 パラリンピック大会のレガシーとして、車椅子の利用者が観光バスにより都内で観光を楽しむことができる環境の整備を進めていくことは重要でございます。
 これまで都は、施設改修を充実する観点から、車椅子を使用しながら快適に宿泊をできる環境の整備に向けまして、スロープの導入、あるいは手すりの設置などの費用を助成してまいりました。
 来年度は、これに加えまして、車椅子のまま乗りおりのできるリフトつきの観光バスを導入する事業者に対し、通常の性能の車両に比べて増加する費用に対して助成を行います。また、駐車場所や観光スポットへの円滑な移動ルートの整備のほか、地域での受け入れ機運の醸成に取り組む区市町村等への支援も実施いたします。
 こうした取り組みによりまして、高齢者や障害者の快適な観光を実現してまいります。
 最後に、水辺のにぎわい創出に向けた取り組みについてでありますが、東京の水辺の空間を観光資源として活用する上では、地元の意見を十分踏まえ、河川や湾岸に沿ったエリアに、にぎわいを生み出す取り組みを進めることが効果的でございます。
 これまで都は、水辺の魅力等を生かし観光客の誘致に取り組む地元自治体のイベント等の開催に必要となる経費に対して助成を行ってまいりました。
 来年度は、地域の観光協会などが、水辺の周囲に集客を図るためのイベントや船着き場と近隣の観光スポットとを結ぶルート整備に取り組む場合の経費に対しまして助成を行います。また、川岸や水辺ににぎわいを生むためのオープンカフェや、観光PR施設の設置等のハード整備につきましても同様の補助を行う仕組みといたします。
 こうした取り組みにより、水辺の魅力を生かした観光振興を着実に展開してまいります。
   〔消防総監高橋淳君登壇〕

○消防総監(高橋淳君) 同時多発テロに対応するための取り組みについてでありますが、東京消防庁では、従来のハイパーレスキューに加え、空からの迅速な部隊投入や空中消火ができるエアハイパーレスキューを発隊させ、消防活動体制を強化いたしました。
 また、同時多発テロを踏まえた新たな対応要領の策定に加え、ICTを活用し、消防部隊のリアルタイムな映像情報等を一括管理する警戒システム等の導入を検討しております。
 今後はさらに、ラグビーワールドカップ等の開催を見据え、エアハイパーレスキューを初めとした消防部隊が消防団や関係機関と連携し、競技会場等における実災害を想定した大規模な訓練を実施するなど、テロ災害への対応に万全を期してまいります。
〔青少年・治安対策本部長廣田耕一君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(廣田耕一君) 防犯ボランティア団体への施策展開についてですが、地域における安全・安心は、地道な防犯活動等を行う担い手があってこそ初めて確保されるものでございます。今後も、地域における一層の安全・安心を確保するためには、連携と情報の発信、共有が必要であると考えております。
 都では、ポータルサイト、大東京防犯ネットワークを通じて約七百団体の状況を把握しておりますが、来年度は、サイトを再構築し、地理情報を活用した情報発信やメール配信を通じた情報の共有など、積極的に情報支援を行うこととしております。
 今後も引き続き、防犯団体のレベルアップに向けたリーダー育成を実施するほか、私自身も直接、防犯ボランティア団体に対し、取り組みの促進を積極的に働きかけるなど、地域の課題解決と安全・安心の向上に全力を尽くして取り組んでまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 特別支援学校の障害者スポーツの拠点化に向けた取り組みについてでございますが、都は来年度、都立特別支援学校を障害者スポーツの拠点の一つとして位置づけ、区部や多摩の地域バランスなどを考慮して、五校をモデル校として選定いたします。
 これら該当校につきましては、施設管理を委託することで学校の負担を軽減いたします。また、競技用備品の設置やスポーツ指導者等の人材活用により、誰もが気軽に障害者スポーツを楽しめる場とするとともに、競技団体の活動拠点としても活用してまいります。
 さらに、在校生にとりましても、施設を利用する選手との交流などを通じまして、スポーツに触れる機会がふえるよう、都教育委員会の協力を得ながら整備を進めてまいります。
 今後、こうした特別支援学校の活用を順次拡大することで、障害者スポーツの場のさらなる確保に努めてまいります。

○議長(川井しげお君) 六十二番谷村孝彦君
   〔六十二番谷村孝彦君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○六十二番(谷村孝彦君) 初めに、多磨全生園と人権の森構想に関連して質問いたします。
 ハンセン病はかつて、らい病、業病、天刑病、レプラ等とも呼ばれ、世界には二十二万人の患者の方がおられますが、そもそも微弱な感染症であり、我が国においては、現在十人前後、新規患者は年に一人か二人、通院して薬を飲めば、半年もしないうちに後遺症もなく、治る状況にあります。
 我が国は、日清、日露戦争後の明治四十二年、対外的体裁を整えるために、全国に五つの府県立のハンセン病療養所をつくり、その一つである多磨全生園は、当時の東京府と関東などの十一県の府県立として開設されました。
 昭和六年に、癩予防法が制定され、徹底的に患者の強制隔離が始まりました。我が国におけるハンセン病患者の方に対する偏見や差別の根源は、この癩予防法にあるといわれております。
 この法律では、患者をらい病と診断すると、医者はすぐに警察に通報し、強制収容が行われました。
 多磨全生園の七十年史の編さん委員を務められ、現在も講演活動をされている入所者自治会の佐川修会長は、この癩予防法によって起きたさまざまな悲劇を記し、語られております。
 畑で仕事をしている人を野良着のままトラックに乗せて、こもをかぶせて療養所に連れていく。十七歳の少年が、せめて親が帰るまで待ってくださいと泣いて頼んでも、警察官は面倒だといって、手錠をはめて療養所に連れていく。家族から発病者が出ると、家に警察官が頻繁に出入りし、家が真っ白になるまで消毒されるので、その家族は、もうこの村には住めないと夜逃げをしたり、自殺をしたり、子供が学校に行けなくなったり、嫁いだ娘が返されたりといったことが全国で起こりました。
 終戦から六年が経過し、基本的人権の尊重がうたわれた日本国憲法下の昭和二十六年でも、山梨県で長男が発病し、あす、お前の家を消毒に行くと県から連絡を受けた一家九人全員が、その夜のうちに心中するという大変に痛ましい事件も起きております。
 癩予防法により、全国の療養所に収容された患者の数は一万数千人に及び、療養所とは名ばかりの終身強制収容所で、所長には、みずからの一存で、規則に背いた患者に対し、処罰、監禁を行うことができる懲戒検束権が与えられ、刑務所で囚人を入れる監房よりも劣悪な部屋までありました。
 当時は、入所者の方の平均年齢も若く、結婚すれば落ちつき、逃げ出すこともなくなるだろうと、望む人には結婚を認めましたが、絶対に子供ができないようにと、男性には断種手術をした場合のみ結婚を認め、万が一、女性に子供ができると、すぐに中絶させました。その数は全国で三千百七十三人。六つの療養所には、何と百十六体の胎児のホルマリン漬けの標本が残っていた事実が判明、多磨全生園にも三十六体の標本が残っておりました。
 昭和十八年に、アメリカでプロミンという特効薬が開発されていたにもかかわらず、我が国では昭和二十八年に、らい予防法が改正されはしたものの、患者の隔離、療養所からの外出禁止といった法の本質は全く変わることはありませんでした。
 制定から六十五年後の平成八年四月に、らい予防法が廃止され、療養所という名の強制収容所が建てられてから九十年、現在の憲法下で半世紀も続いた強制隔離、強制収容にようやく終止符が打たれたのであります。
 らい予防法廃止直後に、当時の菅直人厚生大臣が多磨全生園に来て入所者の方々に謝罪しましたが、一部の人たちは、大臣は法律の廃止がおくれたことをわびただけで、長く人権を抑圧したらい予防法で、どれだけ多くの患者や家族が自殺をしたり家庭崩壊を起こしたか知れないのに、そのことについて一言の反省の言葉もおわびの言葉もない、これでは死んでも死に切れないと、平成十年、熊本、鹿児島を皮切りに、国を相手にらい予防法違憲国家賠償訴訟が提起され、平成十三年五月、熊本地裁は、国の憲法違反、人権無視の誤った政策を全面的に認めると同時に、国会議員の立法不作為の責任まで認めるという、我が国の裁判史上類例のない断罪が下されました。
 このとき、多くの厚生労働省の幹部官僚は控訴することを強く主張したものの、当時の公明党の坂口力厚生労働大臣が、辞表を胸に首相官邸に乗り込んだ結果、小泉首相が控訴しない決断をしたことは有名な史実であります。
 この判決が確定し、療養所の様子は百八十度変わり、入所者の方の中には、取材に応じて、テレビや新聞に出たりする方もおられました。ところが、テレビを見た家族から電話がかかり、お前は何でテレビに出てハンセン病だということを話したんだ、二度と家へ帰ってくるなといわれ、その人は、兄さん、そんな時代じゃないんだよ、ハンセン病は普通の感染症だから心配要らないんだよといっても、だめだ、もう絶対帰ってくるなとどなられ、二年に一回は実家に帰っていた人が帰れなくなってしまうなど、偏見や差別などというものは簡単に変わることではありませんでした。
 さて、この多磨全生園は、私の地元東村山にあります。現在は国立の療養所でも、開設当初は府県立で、開設時には、当時の阿部浩東京府知事や府会議員も出席しております。昨年十二月三日、私の要請を快く受けてくださり、前田信弘副知事が、多磨全生園入所者自治会の佐川会長を初めとした役員の方々にお会いしてくださり、要望書を受け取ってくださいました。
 今や入所者自治会の皆様からのご要望はただ一つ、国の誤った政策により、いわれなき偏見や差別を受け隔離され続けてきた歴史を後世に伝えるために、入所者の方が一人もいなくなった後は、この多磨全生園を人権の森として永遠に残してほしい。せめてもの生きたあかしとして、五十年以上も前から入所者の方が植えてこられた三万本の樹木を、お世話になった東村山市民や広く都民の方々に残したいというものであります。
 東村山市では、細渕一男元市長、澤田泉初代副市長がそれぞれ理事長、副理事長を務めておられるNPO法人東村山活き生きまちづくりを中心にさまざまな活動が展開され、多磨全生園は、東村山の地域社会に次第に溶け込み、今では、多くの市民の方々が多磨全生園の豊かな緑やさまざまな催しを楽しみに集う場となっております。
 国会のハンセン病対策議員懇談会の会長を長く務められ、ハンセン病問題解決促進法の公布時に厚生労働大臣を務められた舛添要一知事が、そして、最もハンセン病問題にご理解があり、心血を注がれた政治家が、今、都政の先頭に立たれております。
 本日は、長き人権闘争を勝ち抜かれた佐川修会長を初めとする自治会役員の方々と、そして、いつも寄り添っておられる東村山市初代副市長の澤田泉先生をこの議場にお招きしております。
 ことしは、らい予防法が廃止されてから二十年、熊本地裁の判決確定より十五年という節目の年でもあり、ぜひとも舛添知事には、人権の闘士佐川修会長とお会いいただき、また、多磨全生園にもお越しいただき、入所者の方々を励ましていただければと思います。そして、まだまだハンセン病に対する偏見や差別をなくしていく取り組みを進めていかなくてはなりません。あわせて知事の見解を求めます。
 次に、水道施設について質問します。
 このたび、村山上貯水池堤体の耐震強化を進めるに当たり、私どもの強い要請を受け、堤体道路に歩道設置をし、車道幅も一・五倍に拡幅する決定をしてくださいました。増子敦水道局長の時代までさかのぼってご尽力をいただいた水道局の皆様に心から御礼申し上げます。
 この村山貯水池、通称多摩湖は、新東京百景、東やまと二十景とされ、隣接した狭山自然公園は東村山三十景とされるなど、地元のシンボルとなっております。多摩湖周辺は、緑豊かな環境や貴重な生態系が存在するなど、多くの都民の皆様から大変に親しまれております。その一画に水道局の旧狭山研修所がありますが、これは使われなくなってかなりの期間が経過しております。
 かつての教育庁所管の旧狭山青年の家跡地は、私どもの要望を受け、狭山自然公園来場者用の駐車場となり、大変に喜ばれております。この際、水道局の旧狭山研修所も、周辺環境と一体化した都民の憩いの場として整備すべきであります。現在の使用状況と将来計画について、あわせて答弁を求めます。
 最後に、西武線東村山駅付近の連続立体交差事業について質問します。
 ことしは、石原都政下で掲げた「十年後の東京」の達成年次に当たります。
 平成二十年の予算特別委員会で、この「十年後の東京」について、私と当時の道家孝行建設局長との質疑を受け、都は、翌平成二十一年、全国でたった三カ所しかなかった新規着工準備採択の一つを、東村山の連続立体交差事業でかち取ってくださいました。平成二十五年十二月に事業着手、平成二十七年一月に着工となり、沿線では用地の確保が進んでいる様子がうかがえ、東村山駅構内では工事も開始され、多くの都民の皆様が大変に喜んでおられます。
 現在の取り組み状況について答弁を求め、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) ハンセン病に対するご質問がございました。
 私は、国会議員として、ハンセン病問題の解決の促進に関する法律の制定など、この問題に正面から取り組んでまいりました。また、厚生労働大臣時代の二〇〇八年八月十三日、国立療養所沖縄愛楽園を訪問いたしました。そのときに、実は私の小学校一年と幼稚園の子供を連れて行ったんですけれども、なぜか子供の声が聞こえないんですよ。先ほどおっしゃったように、堕胎していますから。本当に皆さん、喜ばれました。
 当時の厚生労働大臣といたしまして、この一世紀にも及びます国の誤った政策がこのような差別と偏見を生んで、ハンセン病患者、回復者並びにその家族の皆様に筆舌に尽くしがたい苦しみを与えてきたということに深い反省の念を述べて、二十一世紀、こういうことのないすばらしい人権の時代にならないといけないということを表明した次第でございます。都知事となりました今も、このハンセン病問題の解決にかける思いに相違はございません。
 東京にも国立療養所多磨全生園がありまして、百九十五名の入所者の皆様が生活をされておられます。機会を捉えまして、入所者の皆様とお会いして、長年の労苦をねぎらわせていただきたいと思っております。
 また都は、引き続きハンセン病患者、回復者、その家族の皆様が差別や偏見で苦しむことがないよう、ハンセン病に対する理解を深めて、差別や偏見をなくすための啓発を行っていく決意でございます。
 そのほかの質問につきましては、関係の局長が答弁をいたします。
   〔水道局長醍醐勇司君登壇〕

○水道局長(醍醐勇司君) 旧狭山研修所の現在の使用状況と将来計画についてでありますが、旧狭山研修所は、宿泊研修を行うため、昭和五十一年度に村山貯水池用地内に建設をしましたが、通所研修の充実などによりまして、平成十五年度にその役割を終え、現在は、その一部を公文書等の保管場所として暫定的に使用をしております。
 この研修所用地でありますが、地下に導水管が埋設をされているため、今後とも、当局が継続して保有していく必要がございますが、一方で、建物等の施設は、公有財産の適正管理の観点や耐用年数等を踏まえまして、用途廃止をした後、撤去する予定でございます。
 施設撤去後の用地のあり方につきましては、隣接する村山貯水池用地と一体的に管理をしていく中で、地元住民に一層親しまれる場となるよう配慮してまいります。
   〔建設局長佐野克彦君登壇〕

○建設局長(佐野克彦君) 西武新宿線東村山駅付近の連続立体交差事業についてでございますが、本事業は、鉄道を高架化することにより、府中街道など五カ所の踏切を除却することで、道路ネットワークの形成を促進し、交通渋滞や地域分断を解消するとともに、地域の活性化に資する極めて効果の高い事業でございます。
 現在、鉄道や側道の用地取得を行い、取得率は約四割となっております。また、高架化する新しい駅舎のくい基礎工事等を進めております。
 これらに加え、ホーム上空にある通路や改札が高架化工事の支障となることから、今年度内にその代替施設となる仮設地下通路等の工事に着手いたします。
 今後とも、地元市や鉄道事業者と連携し、地域の理解と協力を得ながら、本事業を着実に推進してまいります。

○副議長(小磯善彦君) 八十七番高橋信博君
   〔八十七番高橋信博君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○八十七番(高橋信博君) 初めに、知事による集会広聴について伺います。
 先日、舛添都政になってから三回目となる、舛添知事と語ろうが開催されました。このイベントは、知事による集会広聴事業として、昭和二十六年度から、歴代の知事の意向や個性を反映した形式や場所で開催されてきたと聞いております。
 私は、平成二十六年十月に小金井市で開催されました第一回目に参加いたしましたが、当日は語学ボランティアの育成など、二〇二〇年大会に向けた地域を挙げての外国人のおもてなしについて、知事自身が直接会場参加者へ問いかけたり、寸劇に参加したりするなど、これまでと違った形で行われていることを目にいたしました。イベントの終わりには、参加した方々から、自分も英語で簡単な道案内をできると思うようになったという声が多く聞かれるなど、おもてなしの心が参加者に伝わったことを実感いたしました。
 知事が直接都民と意見交換することは、都民にとって都政をもっと身近に感じることができ、大変意義あることです。
 そこで、この舛添知事と語ろうについて、知事はどのような考えで取り組んでいくのかについて所見を伺います。
 次に、皇居外苑堀の水質改善について伺います。
 皇居は、まさしく首都東京の顔であり、その周囲を囲む皇居外苑堀は、東京を代表する水辺空間であります。観光都市東京をアピールし、訪日外国人を含め、より多くの観光客に東京に来ていただくためにも、皇居とそのお堀を含めた空間が、より魅力のある場所でなくてはなりません。
 ところが、皇居外苑のお堀は夏場にはアオコが発生するなど、その水質がこれまで問題となってきました。都心に残された貴重な水辺空間である皇居外苑のお堀が水質の悪さで話題になる現状については、悲しい思いを禁じ得ません。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、皇居外苑堀のさらなる水質改善を目指すべきと考えますが、都の見解について伺います。
 次に、都市農業について伺います。
 まず、都市農地の保全についてです。
 都内の農業者にとって、農産物価格の低迷や生産コストの上昇など、厳しい経営環境が続いている中で、先月の降雪による被害に対し、都には、我が党の要望を受けて迅速に対応していただきました。被災農家が一日も早く復旧されることを願っております。
 さて、都市農地は、新鮮で安全・安心な農産物の生産に加え、防災やレクリエーションの場の提供などさまざまな機能を担っており、都民の暮らしにも大きく貢献しております。
 私の地元小平市内の農地では、その約五割が災害時の避難場所などとして活用できる防災協力農地に指定されています。特に、防災兼用農業用井戸については、多くの農業者から、積極的に整備していきたいとの要望も上がっております。
 しかし、こうした農地が持つ多面的な機能については、市民に十分浸透しているとはいえない状況であり、引き続き井戸等の整備を推進するとともに、今後は、防災協力農地を活用した避難訓練の実施などを通じて、都市農地の役割を理解していただくことが重要でございます。
 また、都民は、より質の高い生活環境を求め、都市の中にも農地を残したいとの意識が強まっています。最近では、宅地を農地に戻したいといった農業者の声も聞かれます。今後は、こうしたニーズにも対応し、限られた農地をしっかりと守っていかなければなりません。
 貴重な財産である都市農地を保全していくため、都は区市町が行うさまざまな取り組みを一層支援していくことが必要と考えますが、所見を伺います。
 東京の農業を発展させていくためには、農地保全に加え、担い手の確保、育成も大変重要です。
 東京の農業従事者は、この十年で二割以上も減少しており、その平均年齢も六十四歳と高齢化が進んでいます。こうした中で、毎年、農家の後継者が、Uターンや新規学卒により少ないながらも就農していますが、安定収入や農業の技術習得などの課題もあり、担い手は不足しているのが現状です。
 また、農家以外からの就農相談も毎年百件以上あると聞いておりますが、こうした就農希望者は、実践的な栽培技術を学ぶ機会が少ないことや、制度上農地が貸借しにくい現実があることから、その多くは就農に結びついておりません。
 東京農業の将来を考えた場合、農家の後継者の育成に加えて、今後は、農外からの就農希望者への支援の充実を図っていく必要があると考えますが、都の所見を伺います。
 一方で、Uターンや新規学卒により就農した農業後継者や、農地を借りて就農した新規就農者は、市場や農協への出荷に加え、農業生産の効率化や販売先の多角化等、さまざまな創意工夫に取り組んでおります。そうした中で、農業者の切実な願いは、一人でも多くの都民に都内産農産物のよさを知ってもらい、消費を拡大していくことではないでしょうか。東京の農業をさらに発展させていくためには、こうした農業の担い手が将来に明るい希望を持って農業経営に取り組むことが何より大切です。
 二〇二〇年の東京大会を四年後に控え、東京を訪れる観光客は、今後一層の増加が見込まれるとともに、世界文化遺産に和食が登録され、世界的な日本食ブームが巻き起こっている中で、都内産農産物を国内外の多くの人に味わってもらうチャンスが到来しております。
 今後、消費者の身近で生産された新鮮で安全・安心な都内産農産物の一層の消費拡大を図るためには、農産物のブランド化などに加え、二〇二〇年東京大会の大会施設や選手村、プレスセンター等で食材を提供することが必要だと考えます。
 そのためには、今から準備できることを着実に進めることが肝要だと思いますが、都はどのような取り組みを行っていくのか、見解を伺います。
 次に、観光ボランティアについて伺います。
 東京には、歴史、文化、自然など、多彩な魅力にあふれる数多くの観光スポットがあります。海外から東京を訪れた旅行者がこうしたスポットを初めて訪れる際に、英語や自分の国の言葉で目的地までの道案内や必要な観光情報を提供のできる観光ボランティアは、大変ありがたい存在だと思います。
 私の地元を含めた多摩地域は、豊かな自然に加え、歴史や文化に根差した史跡などさまざまな観光スポットが広い地域に点々とあることから、旅行者が一人でそれらを見て回るのは大変です。こうした観光名所を地域に精通した観光ボランティアが案内してくれれば、旅行者にとっての旅の快適さは一層高まるものと思います。
 都は、ボランティアを活用した観光案内サービスを実施していますが、多摩地域でもこうした取り組みを積極的に進めていくべきです。
 観光案内を行うボランティアのコースについて、多摩地域も含めて、内容の充実をしっかりと行うことが重要と考えますが、都としての来年度の取り組みについて伺います。
 次に、島しょ振興について伺います。
 超高速ブロードバンドは、全国の整備率が九九・九八%に達する基本インフラですが、都内区市町村のうち、伊豆諸島の利島村、新島村、神津島村、御蔵島村及び青ヶ島村の五村は、いまだに整備されておりません。このため、我が党はかねてより、五村の超高速ブロードバンドの早期整備実現を都に対して強く要望してきました。
 また、我が党は、国の財政支援を求める緊急要望など、国に対する働きかけを精力的に行った結果、このたび国の平成二十七年度補正予算において補助財源が確保されました。島しょ五村における超高速ブロードバンド整備がいよいよ実現する運びになったことを高く評価するとともに、今後の着実な推進を求めるものであります。
 そこで、整備事業の概要及び今後の整備の考え方について伺います。
 最後に、私の地元である小平市周辺の都市計画道路の整備について伺います。
 西武新宿線の小平駅は、小平市民のみならず、隣接する東久留米市や東村山市にお住まいの方々も含め、多くの方が利用する駅です。しかしながら、南口は駅前広場が整備されていますが、北口はアクセス道路や駅前広場が整備されていないため、路線バスなどの公共交通機関も運行できず、交通の結節点としての機能が十分に果たせていません。
 その北口において再開発事業の機運が高まり、ついに昨年九月に準備組合が設立されました。再開発事業において駅前広場を整備することになり、地域の活性化に向けて大きな一歩を踏み出しました。地元は期待感で満ちあふれております。
 駅前広場整備や再開発事業に合わせ、小平駅北口へのアクセス道路である小平三・四・一九号線と東村山三・四・二一号線の整備が重要であります。しかしながら、両路線は、今年度までの第三次事業化計画において、小平市及び東久留米市施行の優先整備路線となっているものの、事業化がされておりません。
 現在、策定中の第四次事業化計画の案においても、改めて優先整備路線に位置づけられています。
 小平市と東久留米市の両市に係る路線であることや、路線の一部が都立の小平霊園と重複していることから、早期整備に向け、都としても積極的に支援していくべきと考えますが、見解を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 高橋信博議員の一般質問にお答えします。
 知事と語ろうということについてでございますけれども、初回は、先ほど高橋議員がご説明していただきましたように、地域を挙げてどう外国人をおもてなしするかと、そういうテーマで行いました。
 ことしは、二月十日に世界一安全・安心なまち東京を目指して、今、都民の関心が高まっています防災ということをテーマに大田区で開催をいたしました。もう整理券を出さないといけないぐらいたくさん来ていただきまして、防災ブック「東京防災」を活用して、実際に私もこの防災グッズの製作を実演したり、専門家との意見交換を行いました。会場の皆さんと一緒に、そういう取り組みをやりまして、その場所に高校生も来ておりまして、みんなでこれは地域防災活動をやろうということで、いい催しができたというふうに思っております。
 こういうように、私自身が一番大事な都政の課題について、直接都民と議論して、その声を聞いて都政に反映させる、こういう方針でやっておりますけれども、今回、新たな取り組みとしまして、都が提供するテレビ番組で、実は収録をいたしまして、後日中継するという、放映するということで、その場におられた、来られた方以外の都民の皆様にも、その様子を発信していきたいと、そういうように考えております。
 今後とも、この舛添知事と語ろうという催しを通じまして、多様な都民とのコミュニケーションを図っていって、都政をわかりやすく伝えるとともに、皆様方の声を政策に反映していきたいと思っております。
 そのほかの質問につきましては、東京都技監及び関係局長がお答えをいたします。
   〔東京都技監安井順一君登壇〕

○東京都技監(安井順一君) 小平駅北口へのアクセス道路整備についてでございますが、この道路は、西武新宿線の小平駅と西武池袋線の東久留米駅をつなぎ、北多摩地域の拠点間の連携などに資する重要な路線として計画されております。小平駅北口から東久留米市との市境までの区間は小平市が、その北側の区間は東久留米市が整備することとなっております。
 このうち東久留米市市内の計画区間につきましては、一部が小平霊園の区域と重複しており、これまで都は、都市計画道路と霊園双方の機能確保などについて関係者間で調整を重ねてまいりました。
 来年度は、東久留米市におきまして、この区間の事業手法など具体的な検討を行っていくと聞いてございます。都は引き続き、小平駅北口で再開発準備組合が検討を進めております駅前広場の整備を含むまちづくりの動向を踏まえまして、アクセス道路の事業化に向けて技術的支援を行ってまいります。
   〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕

○環境局長(遠藤雅彦君) 皇居外苑堀の水質改善についてでございますが、皇居は周囲をお堀で囲まれ、風格ある景観を形づくるとともに、豊かな緑と水が人々に潤いと安らぎをもたらしており、東京の名所の一つとなっております。
 このため、都は、皇居外苑堀の水質改善を図るため、平成二十五年に国に対し要望書を提出しております。
 皇居外苑堀を所管する環境省は、水質改善計画を策定し、これまでも浄化施設を設置するなど、各種の取り組みを実施しておりますが、今年度中には新たな計画を策定し、さらに取り組みを強化すると聞いております。
 都としても、二〇二〇年大会開催という機会を捉え、皇居外苑堀の水質改善を着実に進めるよう、国との情報交換をより密にするとともに、引き続き積極的な働きかけを行ってまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、都市農地の保全についてでございますが、都市農地は、農産物の供給に加え、防災や環境保全等の機能を有する都民の貴重な財産でございまして、その保全に向けた取り組みを積極的に推進していくことが求められております。
 都はこれまで、都市農地保全支援プロジェクトにより、区市町に対し農地の防災機能を高める防災兼用農業用井戸や、周辺環境に配慮した農薬飛散防止施設等の整備支援を行ってまいりました。
 来年度は、本事業につきまして実施規模を拡大するとともに、防災活用を目的に宅地を農地に戻すための整備や井戸等を活用した消火訓練なども新たに支援対象とし、地域ニーズにきめ細かく応えた支援の充実を図ってまいります。
 今後とも、区市町と十分に連携をとり、ハード、ソフトの両面から都市農地保全の取り組みを一層推進してまいります。
 次に、新規就農者の確保、育成についてでございますが、農地を保全し、農業の安定的な継続を図るためには、農家の後継者はもとより、農外からの就農者を新たな担い手として確保、育成していくことが重要でございます。
 都はこれまで、就農相談や技術セミナー等を実施してまいりましたが、新規就農に当たりましては、農地の確保に加え、農業機械の導入や施設整備等の重いコスト負担、栽培技術や経営ノウハウを学ぶ場の不足といった課題がございます。
 そこで、来年度から、施設整備事業を拡充し、意欲ある新規就農者を支援対象に加えるほか、農業機械類の導入も可能といたします。また、先進農家から栽培技術や経営手法等の成功例を習得する実践的な研修制度を創設いたします。
 今後も、農地の有効活用等を進める農業団体と連携し、多様な担い手の確保、育成に努めてまいります。
 次に、都内産農産物の消費拡大についてでございますが、二〇二〇年大会は、都内産農産物の魅力を国内外へ発信し、消費拡大を図る絶好の機会でございます。
 大会での食材の利活用につきましては、ロンドン大会以降、持続可能性に関する国際認証等の取得が求められておりますが、農業者は都内販売を主としており、認証への認知度が低く、コスト負担等の理由からも取得が進んでおりません。
 そこで、都は来年度、新たに農林水産振興財団に基金を設置し、意欲ある農業者を対象に国際認証等の取得支援に向けた取り組みを開始いたします。
 具体的には、認証の意義や仕組み等に関する説明会を開催するとともに、コンサルタントによる取得のための助言や取得費用と二〇二〇年までの維持経費の補助を行ってまいります。生産拡大やブランド化に加え認証取得を促進することで、今後一層の消費拡大を図ってまいります。
 最後に、ボランティアによる観光案内についてでございますが、海外から東京を訪れる旅行者に対し、観光情報に詳しいボランティアが良質な案内サービスを提供できる観光ルートを数多く用意することは重要でございます。
 これまで都は、東京の有名な観光スポットをめぐる十のルートを選んで、ボランティアが正確で詳しい情報に基づき案内するサービスの提供を行ってまいりました。
 来年度は、観光ガイドの対象となるコースやスポットの調査を行い、案内サービスの充実に役立ててまいります。
 具体的には、多摩地域や水辺エリアにおける案内コースの充実を図るために、観光資源や交通手段の状況等の情報を収集し、新たな案内ルートの設定に向けた検討を行ってまいります。こうした取り組みにより、外国人旅行者へのボランティアによる案内サービスの充実を図ってまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

○総務局長(中西充君) 島しょ五村における超高速ブロードバンド整備についてでございますが、離島の情報通信基盤整備につきましては、国に一定の責任があることから、都は、五村と緊密に連携した取り組みを行い、今年度補正予算による国の財政支援を実現することができました。
 伊豆諸島では、冬の季節風により、一カ年で整備可能なのは、一島から二島程度であるため、都は整備工程を四分割した段階的整備を行うこととし、平成二十八年度は、御蔵島及び神津島の二島に海底光ファイバーケーブルを整備いたします。
 残る四島につきましても、引き続き支援を国に強く要望して、継続的な国費補助の確保を図るとともに、平成二十九年度以降の早期かつ確実な整備を推進してまいります。

○議長(川井しげお君) 十四番米倉春奈さん
   〔十四番米倉春奈君登壇〕

○十四番(米倉春奈君) 初めに、高齢者福祉について質問します。
 民間団体の日本創成会議が、豊島区を人口減少の進行で将来消滅する可能性がある都市としたことは、区民に大きな不安を広げています。同会議が、東京圏では今後、医療、介護施設の不足が深刻化するとし、高齢者の地方への移住促進を提言したことについて、舛添知事は、消滅可能性都市という非常にセンセーショナルな話が出てきたけれども、地方に移住しろというのはいかがなものか、もう少し一人一人の人生というものをよくわかった上で提案してほしいと述べています。このご意見に私も賛成です。
 高齢になり介護が必要になっても、住みなれたまちに住み続けたいというのが多くの都民の願いです。この願いに応えるために全力を尽くすのが都知事の責務だと思います。
 知事は、施政方針で、年をとっても安心して暮らしていける環境の整備に全力を挙げていくと述べました。
 そのためには、地価の高い二十三区であっても、身近な地域に特別養護老人ホームや認知症グループホーム、小規模多機能などの地域密着型施設を初めとした介護基盤整備を進めること、そして、医療、介護、看護などが連携した地域包括ケアの整備を進めることが重要ですが、知事、いかがですか。
 とりわけ、老老介護の実態は深刻です。豊島区の調査によると、介護する人の四割以上が七十五歳以上なのです。私も、八十代の女性から、九十代の夫を介護していて、このままでは二人で倒れてしまいそうと訴えられました。都内で今後さらにふえていくと見られる老老介護の実態について、都はどう認識していますか。そして、今後どう対応するのですか。
 特に要望が強いのが、特別養護老人ホームの増設です。豊島区では、昨年九月末時点で四百七十二人の待機者がいます。区内の六十代の女性は、父親の病気の看病をしながら母親の介護をしていましたが、やむなく母親には都外の有料老人ホームに入ってもらいました。仕事もある中、片道一時間半かけて母親のところに行くのは一カ月に一度がやっとだそうです。区内の特養ホームに入れれば買い物ついでに訪ねることもできるのにと、せつなそうに話しておられました。
 二十三区内でも、住みなれた地域に特養ホームの整備が進むよう、さらなる対策の強化が必要だと思いますが、認識と対応を伺います。
 区市町村が購入した土地に特養ホームを建てることは有力な方法の一つです。東京都は、区市町村がみずからの土地を活用し、かつ建築費への補助を行って特養ホームを整備した場合、建築費の二分の一を補助しています。これは区市町村の取り組みを支援する重要な事業です。さらなる拡充を求めますが、いかがですか。
 福祉施設整備に向けた土地確保が困難な中、空き家や空き地の活用を進めることが重要です。知事は施政方針で、空き家も、都市のストックとして有効に活用できれば、地域の活性化に役立てることができるといいました。また、都が設置している地域包括ケアシステムの在り方検討会議でも、空き家を医療や福祉拠点等の整備に積極的に活用することが議論されています。
 福祉施設整備に向けた空き家の活用も重要だと思いますが、知事はどう認識していますか。また、今後どう推進するのですか。
 空き家活用にも役立つ取り組みとして、土地や建物のオーナーと福祉の事業者を結びつけるマッチングが重要になっています。世田谷区は、二〇一三年十二月から、保育園整備のためのマッチング事業を行い、これまでに三十三件がまとまりました。この事業は、地域密着型サービスなどの整備促進でも効果が期待でき、豊島区では、日本認知症グループホーム協会と協力してマッチングを行う新たな取り組みを実施しようとしています。
 都としても、区市町村と協力して、こうしたマッチング事業を進める必要があると思いますが、いかがですか。
 住みなれた地域で生を全うできるようにする地域包括ケアの鍵となるのが、一四年度から新たにスタートした機能強化型訪問看護ステーションです。訪問看護ステーションは、小規模事業所がほとんどで、二十四時間対応や重症患者への対応が困難です。地域全体の訪問看護の強化のため、人材育成や住民への情報提供、相談などにも応えられる機能強化型の訪問看護ステーションが必要となっています。しかし、私の地元豊島区にはありません。
 栃木県では、機能強化型を新たに取得する訪問看護ステーションに対し、補助を行っています。東京都は、この機能強化型訪問看護ステーションが果たす役割をどのように認識していますか。また、どのように整備を進めていくのですか。
 次に、若い女性への支援についてです。
 日本には、十八歳以上の若者に対する福祉政策や社会保障がほとんどありません。子ども・若者育成支援推進法が制定され、ようやく若者への公的支援の仕組みづくりが始まりつつある段階です。同時に、男女平等ランキングで、日本は百四十五カ国中百一位というおくれた状況で、女性が経済的にも社会的にも自立して生きていける環境は、まだまだ整っていません。
 非正規雇用の割合は男性より高く、年収も男性より低くなっています。今月、都が発表した東京都女性活躍推進白書でも、大卒女性で非正規雇用になった人数は男性の二倍、正規で雇用されても、総合職に採用される女性はたったの二割で、八割が一般職で採用されると指摘しています。事実上の男女差別にさらされています。
 国連の女性差別撤廃委員会でも、こうした問題についての日本政府の取り組みのおくれが厳しく指摘されています。若い女性は二重の困難を抱えているのです。知事は、こうした性別による格差を要因とした女性が抱える問題をどう捉えていますか。
 さらに、若い女性は、さまざまな暴力にさらされやすく、追い詰められる状況が生まれています。都の補助事業で行われた調査でも、十代、二十代の女性の三人に二人は何らかの性暴力被害に遭い、被害者の半数が自殺念慮を抱いていることが明らかになりました。虐待も増加しています。
 そうした中で、都の女性相談センターの保護原因も、居所なし、つまり家がない、あっても家に帰ることができない女性が、この八年間で二倍にふえているのです。しかし、こうした助けが必要な若年女性たちの多くが、保護や支援につながっていません。広域自治体として、都が実態を把握し、支援団体や婦人相談員を初めとした専門人材、専門機関、区市町村と連携した効果的な支援策を検討していくことが求められています。
 荒川区は、若者支援団体に委託した若年世代の自殺予防相談事業報告書をまとめています。こうした報告を今後の支援に生かしていくことが重要です。
 報告書には、若者、特に若い女性の相談では、家族の問題や虐待、性被害、DV被害、自殺願望、生活苦などさまざまな深刻な問題が背景にありながら、それを自覚して言葉で伝えることがなかなかできないこと、そのため、長期的な対応が必要な傾向があり、解決のためには多くの専門機関との連携が必要になることが指摘されています。こうした報告書の分析を都はどう受けとめていますか。
 青少年問題協議会の議論などでも指摘されているように、困っている子の一番の困り事は助けてといえないことで、児童相談所でも、警察でも、助けてくださいと大人に理解されるように整然とは話せないのです。窓口の設置だけでなく、アウトリーチ相談活動も活用し、こうした若者たちに寄り添い、同じ目線で話を聞き、どういう支援が必要かを判断し、行動することが必要だと思いますが、いかがですか。
 また、ネットカフェなどに寝泊まりしながら不安定な就労を行っている若い女性も数多く存在します。このような住む場所や仕事がないといった困難を抱えている若者たちに対して、アウトリーチ活動により適切な支援策につなげることが必要だと考えますが、都の取り組みを伺います。
 若年女性を受けとめる居場所にも課題があります。私が聞いた十七歳の女性は、もうすぐ十八歳になるからと、年齢を理由に児童相談所の支援につながりませんでした。
 また、親から虐待を受けてきた方にとっては、親世代の大人がいる婦人保護施設は怖くて入れなかったり、自己肯定感が低く、人からの影響を受けやすい若年女性にとって、年齢や経験の違う女性たちと一緒になる施設はしんどいという声が支援団体から上がっています。若い女性が、ここにいていいんだと思える居場所が必要です。
 女性保護の施設についても、保護を求めて直接駆け込んでくる女性がいても、行政の窓口を通さなければ入れないために緊急一時的な受け入れができません。
 東京都社会福祉協議会の婦人保護部会でも、こうした現状の制度、施策からこぼれ落ちている若年女性に対し、施設種別の枠組みを超えて支援に取り組む必要がある、居場所づくりが緊急の課題となっていると提言しています。この提言を都としてどう受けとめるのですか。また、都としての対応が求められますが、見解を伺います。
 最後に、十八歳選挙権についてです。
 知事は、施政方針で、若い世代から大いに声を上げ、東京と日本の将来のために積極的に社会にかかわってほしいと期待していると述べました。
 十八歳選挙権を機に、高校生を初め若者の政治への関心と政治参加を大いに促進し、自分で考え、ほかの人たちと意見を交わし、行動する主権者としての成長を図ることが、民主主義を成熟させていくための重要な課題だと思いますが、知事の認識を伺います。
 今、多くの若者、高校生が、戦争法反対など政治について真剣に考え、行動しています。
 文部科学省は、高校生のデモや集会参加を届け出制にすることも可能としましたが、教育委員会や学校がこうした権利侵害や活動を制限、萎縮させるような規制は行うべきではありません。このことを主張して質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 米倉春奈議員の一般質問にお答えいたします。
 まず最初に、介護基盤の整備と地域包括ケアシステムの構築についてでありますけれども、現在、都は、地域包括ケアシステムの構築に向けまして、介護サービス基盤の整備、在宅療養や認知症対策の推進など、さまざまな取り組みを実施しております。
 来年度予算案でも、多様なみとりの場の確保など、都独自の先駆的な施策や介護施設の新たな整備促進策を盛り込んでおりまして、今後とも、大都市東京にふさわしい高齢者施策を展開してまいります。
 続きまして、空き家の活用についてお話ありましたが、おっしゃったように空き家も都市のストックとして有効に活用できれば地域の活性化に役立てることができます。
 現在、福祉施設では、認知症高齢者グループホーム等の整備に空き家を活用する場合に、改修費の補助を行っております。
 また、来年度予算案には、児童養護施設退所者等の住まいの確保策とか、介護職員の宿舎借り上げ支援策を盛り込んでおりまして、こういう政策も空き家活用の一つでございます。
 それから性別の違いによる格差についてご質問ございましたけれども、東京の発展のためには、女性の活躍が重要でございます。
 一方で、女性が置かれている状況はさまざまでありまして、ご指摘ありましたように就職や就業あるいは家庭において問題を抱えている女性がいることは十分承知をしております。
 これまた引用してくださいました女性の活躍推進に向けて先般策定しました東京都の女性活躍推進白書で示しました、この取り組みの方向性に基づいて着実に施策を展開してまいりたいと思っております。
 最後に、選挙権年齢の引き下げと若者政治参加についてご質問ございましたけれども、将来を担う若い世代が選挙を通じて社会に適切に参加していくことは大いに意義のあることだと思っております。政治や社会のあり方などに関心を持って、みずから学ぶことなどが期待されております。
 一方、有権者として正しく権利を行使するためには、公職選挙法上のルールなどを理解することが重要であります。教育現場での主権者教育等も充実させていく必要があると考えております。
 今後とも、都選挙管理委員会や都教育委員会など関係機関が連携しながら、的確な対応を行っていきたいと考えております。
 そのほかの質問につきましては、関係局長が答弁をいたします。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 八点のご質問にお答えをいたします。
 まず、要介護高齢者への対応についてでありますが、平成二十二年時点で、都内には、世帯主が六十五歳以上の夫婦のみの世帯が約五十万世帯あり、今後、高齢化の進展によりさらに増加していくと推計されております。また、高齢化に伴い介護需要の増大も見込まれております。
 こうしたことを踏まえまして、昨年三月に策定した東京都高齢者保健福祉計画では、介護サービス基盤の整備、在宅療養や介護予防の推進などを重点分野に位置づけ、現在さまざまな施策を進めております。
 今後とも、大都市東京にふさわしい地域包括ケアシステムの構築に向け、施設サービスと在宅サービスの整備をバランスよく進め、家族介護者支援や地域住民等と連携した見守りに取り組む区市町村を支援してまいります。
 次に、特別養護老人ホームの整備促進についてでありますが、都はこれまで、高齢者人口に比べ整備状況が十分でない地域において、特別養護老人ホームの整備が進むよう、補助単価を最高一・五倍にまで加算するなど、都独自の支援策により整備を進めてまいりました。
 来年度はさらに補助単価の加算要件を見直し、加算対象となる地域を大幅に拡大するなど整備を促進してまいります。
 次に、区市町村の所有地を活用した特別養護老人ホームの整備についてでありますが、都は、特別養護老人ホームの整備を進めるため、都有地の減額貸付や、土地賃借料の負担軽減、整備率が低い地域の整備費補助単価に対する加算、建築価格高騰に対する加算など、さまざまな独自の支援策を講じております。
 区市町村への支援は、区市町村がみずから所有する土地を、住民だけでなく広く都民が利用できる施設のために整備することから、区市町村独自の整備費の二分の一を最大一億六千万円まで包括補助事業で支援しているものでございます。
 次に、地域密着型サービスの整備についてでありますが、地域密着型サービスは、区市町村が指定権限を持ち、みずから策定する計画に基づき整備を進めるものであり、地域の実情に応じた取り組みが行われております。
 都は、区市町村が進める地域密着型サービスの整備を支援するため、国制度による補助に加え、都独自の補助を実施しております。
 次に、機能強化型訪問看護ステーションについてでありますが、訪問看護は、高齢者の在宅療養生活を支える重要なサービスであり、医療と介護の連携のかなめとなっております。訪問看護ステーションは、その拠点であり、二十四時間対応、ターミナルケア、重症度の高い患者の受け入れなどを行う機能強化型訪問看護ステーションは、診療報酬制度の中で評価をされております。
 都は、機能強化型も含め、訪問看護ステーションの運営を支援するため、訪問看護師の人材育成を行う教育ステーション事業や、管理者、指導者向け研修、事務クラーク配置の支援などを行っております。
 次に、若者の自殺予防に向けた支援についてでありますが、自殺の背景には、経済、社会問題、健康問題など、さまざまな要因が複合的に絡み合っており、若者の自殺の要因は、親子関係の不和、男女関係、病気の悩みなどが多い要因でございます。そのため、相談に当たりましては、一人一人が抱えている問題にきめ細かく対応する必要があると認識しております。
 都は、関係機関や民間団体の協力を得て、こころといのちの相談・支援東京ネットワークを構築し、若者がどの窓口を訪ねても、悩みに応じた相談支援に円滑につなげる体制を整備しており、今後とも、関係団体と連携して若者の自殺予防対策を進めてまいります。
 次に、困難を抱える若者への支援についてでありますが、都は、ネットカフェなどに寝泊まりしながら不安定な就労をしている方を対象に、支援拠点であるTOKYOチャレンジネットにおいて、生活、居住、就労に関する相談援助や資金貸付などの総合的な支援を行っており、女性の利用者には女性の相談員を配置するなど、相談しやすい環境づくりにも努めております。
 また、支援を必要とする若者等にこの事業を周知し、必要な支援につなげるため、リーフレットやポケットティッシュなどをネットカフェ等で配布するとともに、渋谷、新宿等の繁華街やその周辺において巡回相談を実施しております。
 最後に、若年女性の保護についてでありますが、保護が必要な女性がその状況に応じた適切な支援が受けられるようにするためには、関係機関が連携して対応することが重要でございます。
 都におきましては、区市町村等と連携し、原則といたしまして、十八歳未満は児童相談所、十八歳以上は女性相談センターで一時保護を行っており、二十未満の場合には、子どもシェルターも活用をしております。
 また、その後の自立に向けては、必要に応じて自立援助ホームや婦人保護施設などの利用につなげております。
 今後とも、保護が必要な女性の状況に応じ、関係機関と連携し、適切に支援してまいります。
〔青少年・治安対策本部長廣田耕一君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(廣田耕一君) 若者への支援についてですが、都では、社会的自立に困難を有する若者等の相談窓口として、東京都若者総合相談、若ナビを運営し、電話やメールでの相談のほか、気軽にカフェで相談できる面接相談を実施しております。
 また、若ナビを多くの若者に利用してもらえるよう、大学の食堂におけるトレイマット等を活用した広報に加え、今年度からは、卒業を控えた高校生等へリーフレットを配布するなどの普及啓発を行ってまいります。

○議長(川井しげお君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時五十六分休憩

   午後三時十五分開議

○副議長(小磯善彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百二番石毛しげる君
   〔百二番石毛しげる君登壇〕

○百二番(石毛しげる君) 初めに、東京ブランディング戦略について、アフリカ、アジアを例に挙げてお伺いしたいと思います。
 まず、アフリカです。
 今まで私は、コンゴ、ナイジェリアなど諸国を訪れ、現地の学校づくりなど、かかわってまいりました。そこで出会った人たちに、このオリンピックバッジを配ったときのことですが、部族によっては衣服をまとわない人もいて、このバッジを耳につけたり鼻につけたり、アフリカならではのセンス、おしゃれに感動した次第であります。
 しかし、それ以上に私がびっくりしたのは、日本という国や東京という都市の名前さえ知らず、それは食べ物かといわれたことです。私たちも同様に、アフリカ五十四カ国ある国名やその首都を知らないことがあります。
 二十一世紀は、アフリカの時代といわれております。昨年、国連の人口予測では、アフリカ人口は世界人口の一六・一%、六人に一人の割合です。二一〇〇年には五人に二人がアフリカ人。このころには日本の人口八千三百万人に対して、ナイジェリア七億五千万人を筆頭に、アフリカで人口二億を超える国は七カ国に達します。
 今の人口割合の話をこの議場で例えるならば、百二十七人の議員に対して五十一人、ちょうど塩村さんからずっと野村先生にいったここ、こっち側がアフリカ人、残りをヨーロッパやアジア、北米、南米、オセアニアで割る、そんなイメージであります。どこかの一強多弱の様相であります。このようにアフリカ人口がふえるということであります。
 私は、二〇一一年二月の一般質問において、アフリカのコンゴのような必要とされる地に、水道技術の育成のため積極的支援をお願いしたところであります。現在、東京都水道局は、アフリカから毎年四十人前後の研修生を受け入れています。
 次に、アジアですが、昨年五月、都議会民主党で台湾の台北市を訪れた際に、柯文哲市長から、東京都水道局の協力で漏水率が二六・九%から一六・七%に改善されたことに大変感謝されていました。
 また、日本の金沢市が台湾の人々の間で観光地として人気とのことです。その理由を聞いたところ、台湾の教科書に載っている台湾のダムを建設した日本人、故八田與一氏の故郷だからだそうです。今も台湾の人々から敬愛されていることがうかがわれます。
 このように、インフラ整備の貢献は現地の人々の生活を豊かにし、良好な関係を築くことにつながります。
 さて、ご承知のように、東京都水道局は国際水協会の賞を連続受賞しております。二〇一八年九月には、日本で初のIWA、国際水協会世界会議が東京ビッグサイトで開催されます。
 私は、これから人口がふえるアフリカ大地や過疎地などの途上国に、安心・安全の東京水道局の技術によって普及することを切望いたします。途上国における水道事業の国際貢献について、知事の見解を伺います。
 喉が潤ったところで、次の質問に入ります。
 次に、外国人患者の受け入れについてお伺いします。
 まず、救急対応です。
 平成二十四年救急搬送された外国人数は六千七百七十七人、平成二十六年には八千四百八十二人と増加の一途をたどっております。
 東京都長期ビジョンによれば、東京消防庁は、平成二十八年度中にも、都心部十四署三十六隊に英語対応救急隊員を配置する計画です。また、総務省消防庁では、救急隊員の業務用スマートフォンに導入する多言語音声翻訳アプリの開発に乗り出しており、平成三十一年から、英、中、韓の三カ国語と日本語との翻訳を始めるとも報じられております。
 しかし、日本には、英語、中国語、韓国語圏以外の地域から日本にやってくる観光客も多く、特に私が心配しているのは、イスラム、つまりムスリムの女性への対応です。一般的にムスリムの女性は、夫以外の男性に肌を見せたり、さわらせたりするのはタブーとなっております。こうした方からの救急要請において、患者の生命を救うことを最優先に対応することはもちろんですが、宗教や文化、慣習を尊重し、できる限り配慮する必要があると考えます。
 ムスリムの言語は、主にアラビア語やインドネシア語が多いため、先ほどの三カ国語による対応だけでは十分ではありません。つまり、患者の症状や既往症などの情報を得るにも、現場での救急隊員とコミュニケーションがとれなければ対処のしようがなく、いたずらに時間が過ぎていきます。
 そこで、多様な宗教や文化等について理解を深めるとともに、英語対応救急隊の多言語化に取り組み、外国人旅行者の救急対応に万全を期すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、医療機関における外国人患者の受け入れ体制の充実について伺います。
 救急患者のほかにも、都内の医療機関を受診する外国人患者数も年々増加傾向です。特に、言葉が通じない日本で事故、病気、けがによるトラブルは、誰しもが不安です。世界各国から東京を訪れる外国人の誰もが、医療サービスを安全に、かつ安心して受けられるよう、医療機関において、言葉が通じない外国人患者に対してコミュニケーションの強化など適切な対応や、診断、治療をスムーズに行える体制整備が重要です。
 こうした医療機関における外国人患者受け入れ体制の整備を進めるには、病院機能評価などにより医療の質を評価している病院に対して、多言語による診療案内や、異文化、宗教に配慮した対応など、体制を第三者的に評価する制度を活用するのも一つの有効な方策であり、それを都が支援していくべきと考えます。
 そこで、外国人患者受け入れにかかわる第三者認証の取得支援についてお伺いします。
 次に、安らかな最期に向けた支援を行うみとりについてお伺いします。
 私の兄が亡くなって、この一月で一年になります。平成二十七年、都議会第一回定例会の代表質問で、その兄をみとる体験をもとに、地域包括ケアの最後に待ち受けるみとり、介護と医療の連携による在宅療養体制の整備について質問し、都からは、住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けたいという高齢者のニーズに応えるため、体制整備を推進するとの答弁をいただきました。
 超高齢時代、旅立ちのときを安心して住みなれた地域で迎えるためにも、みとりまでを含めて医療と介護が連携し、在宅での体制を整備していくべきと考えます。知事の見解を伺います。
 また、穏やかな旅立ちを迎えるために、地域での在宅療養体制の整備とあわせて、都民一人一人が自分らしく生きていくことや、旅立つことについてあらかじめ考えておくことが重要です。今や、エンディングノートや終活といった言葉に象徴されるように、みとりという言葉は、決して後ろ向きな言葉ではありません。
 都民に対して、みとりに関する理解を促進すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 ついの住みかとして特別養護老人ホームなどを選んだ方も、現状では、多くのホームで救急搬送、病院での死亡宣告となることが多く、本人、家族が穏やかな最期を望んでも、かなわないのが現状です。施設における最期も、家族や家族にかわる人にみとられ、その人らしく旅立つことができるようにしていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 結びに、来るべきアフリカの時代に向けて、東京都がインフラだけではなく、教育、福祉、医療、文化などで貢献できたとするならば、アフリカから多くの観光客が、東京にはもちろんですが、九州、それも北九州の舛添知事の故郷にも訪れるかもしれませんね。
 私は、都知事が就任以来、種まきをしてこられた都市外交の苗が、東京ブランドという光輝く、世界の誰もが憧れる、そんな美しい花を咲かせてくれることを確信いたします。
 質問を閉じます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 石毛しげる議員の一般質問にお答えをいたします。
 大変アフリカにお詳しいので、いろんなこともきょう学ばせていただきまして、ありがとうございます。その中で、途上国における水道事業の国際貢献についてご質問ございました。
 世界では、ご承知のとおり、いまだ六億人を超える人々が安全な水を手にできておりませんで、多くの子供たちが命を落としているのが現状でありまして、人々の健康で文化的な生活には、安全な水が不可欠でございます。
 東京は、長い歴史をかけまして世界一の水道システムを築き上げておりまして、水質管理、先ほど台北の例が出ましたけど、漏水防止などのすぐれた技術やノウハウに対して、途上国から高いニーズがございます。
 今後とも、こうしたニーズを踏まえまして、途上国などからの研修生の受け入れ、講師の派遣、人材育成から技術協力などに至るまで、幅広く支援をしてまいります。
 Tokyo Tech Bookという我々がつくった、東京都が持っている技術、英語と日本語で書いてありますけれども、これを必ず外国から来られる方にお渡しして、我々が支援できるものは支援していくと、こういうことを行っております。これがグローバル都市東京の使命でもありますし、日本の友好国をふやすことにつながると思っております。
 二〇二〇年東京大会の二年前の二〇一八年に、IWA、世界の水の会議が東京で開かれます。途上国の水道事情の改善にぜひ積極的に貢献するとともに、東京から、さまざまな東京の魅力、特に水について発信をしていきたいと思っております。
 続きまして、医療と介護が連携しました在宅療養体制の整備ですけれども、多くの高齢者は、医療や介護が必要になっても、自宅で家族や友人などに囲まれて、最期のときを自分らしく迎えたいと思っておられると思います。
 お兄様の介護のご経験からいろいろお話しになりましたけれども、そのためには医療と介護が連携しないといけないし、最期まで在宅でみとりができる体制の整備が必要だと考えております。
 都は、地域における医療と介護の連携の仕組みづくりとか、それを担う人材の育成、それから二十四時間訪問診療を行える体制づくりなどに取り組んでまいりました。
 来年度は新たに、住宅や施設など住みなれた暮らしの場でのみとりを支援するために、看護師、介護福祉士などへの研修、それから環境整備のための支援を実施いたします。
 今後、こうした取り組みを一層進めまして、高齢者が住みなれた地域で安心して療養生活を送って人生の最期を迎えることができる、そういう環境の整備を整えてまいりたいというふうに思っております。
 そのほかの質問につきましては、関係局長が答弁をいたします。
   〔消防総監高橋淳君登壇〕

○消防総監(高橋淳君) 外国人旅行者への救急対応についてでありますが、東京消防庁管内において救急搬送される外国人傷病者数は増加傾向にあり、当庁では、三カ国語に対応するコミュニケーション支援ボード、十一カ国語に対応するコミュニケーションマニュアルを全救急隊に配置し、救急現場において活用しております。
 また、米国の消防機関に職員を派遣し、英会話能力の向上に加え、多種多様な生活習慣等に応じた接遇技術の習得や海外の文化等の理解を深める研修を実施しております。
 今後とも、派遣者が研修で得た経験や知識を全救急隊に浸透させるとともに、効果的なコミュニケーションツールを検討するなど、外国人傷病者への対応に万全を期してまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、外国人患者の受け入れに係る第三者認証についてでありますが、外国人が安心して医療機関を受診できる環境を整備するため、国は平成二十四年七月に、外国人患者受け入れ医療機関認証制度、JMIPを創設し、現在、全国で十三の医療機関、都内では一つの医療機関が認証されております。
 この制度は、医療機関における診療案内や診察の多言語対応、患者の宗教、習慣の違いを考慮した対応、院内スタッフへの教育、研修体制など、外国人患者の受け入れに関する項目を、受け入れ対応、患者サービスなどの五つの分類で評価するものでございます。
 都では来年度から、認証取得に取り組む医療機関に対する独自の補助を開始し、外国人患者の受け入れ体制の充実を図る医療機関を支援してまいります。
 次に、みとりに関する都民への普及啓発についてでありますが、誰もが住みなれた地域でその人らしく暮らし、本人や家族の希望に沿った最期を迎えられるようにするためには、地域における在宅療養体制を整備するとともに、都民一人一人が、みずからや家族のみとりについて、日ごろから考えておくことが重要でございます。
 そのため、都は、自分自身が人生の最終段階をどこでどのように過ごしたいかを考え、家族など周囲の人と話し合うとともに、家族の希望についてもあらかじめ理解しておくことの重要性などをまとめたリーフレットを来年度作成いたします。
 作成に当たりましては、有識者などから幅広く意見を聞くこととしており、講演会やホームページなどを通じて都民に周知を図っていく予定でございます。
 最後に、介護施設等におけるみとりについてでありますが、特別養護老人ホーム等の介護施設も暮らしの場の一つでございまして、みとりへの対応も含め、本人や家族の希望に応じて、顔なじみの職員や他の入居者とともに最期まで暮らし続けられる環境を整備することが求められております。
 このため、平成二十七年度の介護報酬改定では、みとり期の対応強化に向け、本人、家族の意向に基づくその人らしさを尊重したケアを実現する観点から、みとり介護加算が拡充をされました。
 また、都は来年度から、みとりに対応できる個室や家族の宿泊、休憩用の居室など、みとり環境を整備するための施設改修に対し、独自の補助を開始いたします。
 今後とも、本人や家族の願う形で人生の最期を迎えられるよう、介護施設等におけるみとりを支援してまいります。

○副議長(小磯善彦君) 六十五番鈴木章浩君
   〔六十五番鈴木章浩君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○六十五番(鈴木章浩君) 東京の治安対策についてお伺いいたします。
 東京は昨年、英国のエコノミスト・インテリジェンス・ユニットの報告書で、世界の主要都市の中で最も安全な都市として選ばれるなど、世界的に良好な治安が評価されております。このことは、刑法犯認知件数が十三年連続で減少し、十四万八千件と戦後最少になったことからもあらわれております。
 しかしながら、昨年八月の寝屋川少年少女殺害事件や連日報道される凶悪犯罪、また、特殊詐欺や危険ドラッグ等により、都民の不安解消には至っておらず、子供への不審な声かけや繁華街での強引な客引きなど、刑法犯に至っていない事案も発生しております。
 東京は、今後、国内外からの来訪者の大幅な増加が見込まれる中、東京で生活する都民だけでなく、来訪者にも東京の治安のよさを実感していただき、快適さを感じてもらうことが大切です。
 そのためには、日常生活の中で誰もが犯罪に対する不安を感じることなく、安心して過ごせるよう、地域におけるパトロールや声かけなどの防犯活動はもちろん、防犯カメラの設置など、犯罪を警戒する地域の目を密にしていくことが求められます。
 また、犯罪だけでなく、さまざまな事件を未然に防ぎ、迅速かつ適切に対応するためにも、警察、区市町村、地域団体、民間事業者など、地域におけるあらゆる関係者と連携していくことが必要です。
 今後、都としても、誰もが治安のよさを実感でき、地域で犯罪等が起きにくい環境整備を一層進めていく必要があると思いますが、知事の見解をお伺いいたします。
 刑法犯認知件数の減少など、地域の治安の向上に当たり、大きな効果が見込まれるのが防犯カメラです。防犯カメラは、防犯パトロールなどの人の目を補完し、犯罪を抑止する効果があるほか、画像が検挙につながる事例も多く、その有効性は都民の多くも受け入れているところです。
 都では、地域の防犯環境を向上させるため、町会、自治会や商店街など、防犯カメラを設置する際に補助金を交付しており、これにより、地域の安心・安全の向上が図られていることは評価するものの、その運用に関しては、保存された映像など有効に活用されるべきであります。
 海外の例を見ますと、ニューヨーク市警では、同時多発テロ以降、民間カメラも含めてネットワーク化し、映像は三十日間保存し、治安対策を強化しているほか、都内でも、最近では二週間から一カ月程度を保存期間とする市区町村も多くあります。
 都の補助要綱は、映像の保存期間を一週間程度としており、町会等では、警察の犯罪捜査の際、録画映像を提供したものの、必要な画像が既に上書きされてしまっていることもあり、また録画機械も、都の要綱に合わせて一週間程度で上書きされるものが多く、それ以上の容量のものを自治体や町会の判断で求めるにも、メーカーにより特殊なものとして高額になってしまい、断念せざるを得ないところもあるようです。
 都では、地域における治安対策を強化していく中で、防犯カメラが有効に活用されるよう、今後、社会環境や時代のニーズに応じた運用が可能となるよう、関係機関と調整して取り組むべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、中小企業の支援についてお伺いします。
 東京の中小企業政策の肝は、まさに成長につなげていく取り組みです。そのため、東京の経済を支えるポテンシャルの高い中小企業の事業の継続と発展を図ることは、大変重要であります。
 都はこれまで、リーマンショック後の景気低迷などに対応するため、平成二十五年度からの三年間で約八千五百件の専門家派遣や展示会出展支援に取り組み、経営課題や解決策の発見、新たな販路開拓など、中小企業の経営改善に効果を上げてきました。こうした支援は、何も不況下での経営改善だけでなく、積極果敢に新事業に挑戦しようとする企業にも効果があるはずです。中小企業の発展に向けては、さまざまな経営課題を克服し、経営基盤を強化することが必要です。
 そこで、より多くの企業が支援を受けられるよう事業規模の拡大を図るとともに、これまでの経営支援策を利用しやすいよう見直し、効果的な支援の仕組みを導入すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 また、中小企業にとって、展示会出展は取引拡大のための重要な機会です。都はこれまで、目指せ中小企業経営力強化事業により展示会出展支援を行い、中小企業の販路開拓を支援してきましたが、この事業は、主に企業間取引を行っている売り上げ減少企業に対象が限られていました。
 しかしながら、景気循環を改善し、回復の流れを中小企業に波及させるためには、大幅な要件緩和等により、業種や経営状況にかかわらず、あらゆる中小企業の販路拡大を支え、成長につなげていくことが重要です。こうしたことを踏まえ、今後の都の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、中小企業の競争力強化に向けた支援についてお伺いします。
 中小企業が持続的に成長していくためには、製品、サービスの高付加価値化や生産向上等の取り組みを行い、競争力を高めていくことが重要です。
 都では、我が党の要望を受け、受注型の中小製造業の技術開発を支援する事業を開始し、着実に成果を上げております。本事業は、技術開発に焦点を当てて支援するもので、技術指導の受け入れのほか、機械装置の導入から販路開拓等、より幅広い用途に利用できます。受注型の中小企業が競争力ある製品を生み出すためには、技術開発に当たって、より高度な機械装置の導入が求められることから、本事業の一層の充実が必要です。
 また、我が国の産業構造は、サービス産業がGDP及び雇用の七割を占めており、その割合は増加傾向にあります。こうした中で、東京の産業をさらに活性化させるためには、中小サービス事業者も支援していくことが必要です。
 都は、来年度、中小企業の競争力強化に向けてどのように支援を展開していくのか、お伺いいたします。
 次に、観光産業の振興についてお伺いします。
 国政では、我が国のGDPを六百兆円にまで伸ばすため、さまざまな産業分野の活性化を進めています。その中でも、特に観光は訪日外国人の増加を背景として重要なテーマとなっており、都においてもしっかりとした取り組みが必要です。
 観光を一大産業に育て上げるためには、諸外国の経済動向にかかわらず、外国人旅行者の旺盛な消費を継続して取り込めるよう、経営の視点からサービスの質を高める努力が欠かせません。
 しかしながら、観光関連の個々の中小規模の企業が、外国人旅行者のニーズに見合った事業を展開できる専門的な知識を独力で確保するのは困難な面もあり、例えば免税の仕組みを導入するだけでも、手続や旅行者対応が大きな負担となりますし、多くの買い物をした旅行者に配達サービスを提供する場合も、対応のノウハウを確保すること自体が難しい状況もあるようです。こうしたさまざまな課題を克服する上で、適切な支援が大切です。
 都として、観光産業の振興を確実に進めていくため、来年度どのように取り組みを行うのかお伺いします。
 また、東京を訪れる外国人観光者の急増に対応するため、都内でもホテルの建設を含め、さまざまな動きが出ております。私の地元大田区では、国の特区の制度を活用して、宿泊面での規制緩和を進めておりますが、その一方で、既存の宿泊施設の利用水準を上げていく取り組みも求められます。
 都内の旅館など中小規模の宿泊施設でサービスの質を高めるためには、文化や生活習慣の異なる外国人旅行者に、さまざまな言語できちんと接客することが必要です。また、規模の小さい旅館では、PRや予約などをホームページで行う仕組みを整えることが課題となっている例もあります。
 さらには、施設の中に外国語による表記や情報提供の方法をふやす工夫や、洋式のさまざまな設備を充実する必要がある施設も多いのが現状です。
 外国人旅行者の受け入れ体制のレベルを高めるため、今後、都の取り組みについてお伺いします。
 次に、観光でのタクシー利用の促進についてお伺いします。
 海外からの旅行者の中で、都内や東京近郊のさまざまな観光スポットを限られた時間で手際よく見て回りたいとのニーズが高くなっていると聞いております。そうした中、観光の目的地まで直接に訪れることができ、待ち時間や乗りかえの手間のないタクシーの利用はふえております。
 その一方、タクシーのドライバーが外国語で有料の観光案内をするためには、語学力や多岐にわたる知識が必要な国家資格を取得することが条件であり、実際にそうした資格を持った対応は進んでいないのが現状です。規制緩和の仕組みである特区をうまく利用し、ドライバーによる観光案内を広げていく方法を具体的に行うことも必要と考えます。
 こうしたことを踏まえ、観光目的にタクシーを利用する旅行者が気軽に案内を受けることができるよう、都としてどのような対策を進めていくのか、お伺いいたします。
 次に、大田区の道路整備についてお伺いします。
 都市計画道路は、都市活動を支え、交通の円滑化や災害時の救援救護活動など、大きな役割を果たす重要な都市基盤であります。
 今般、都は、東京における都市計画道路の整備方針案を公表し、今後十年間で優先的に整備すべき路線を示しました。都内の都市計画道路全体の完成率は六二%に達している今日において、大田区の完成率は約三九%と特別区内では最も低く、羽田空港の機能強化に合わせ、円滑な物流を確保し、渋滞を解消させることが求められることから、一層の努力が必要です。
 新たな整備方針を踏まえ、今後の取り組みについてお伺いします。
 次に、これまでの整備方針で優先整備路線となっており、新たな整備方針案に引き続いて優先整備路線として提案された補助第二八号線、通称池上通りの大森駅付近についてお伺いします。
 大森駅は、一日九万人以上が利用し、乗降客が多いのですが、駅前を通る補助第二八号線は、車道にバス停のスペースが十分に確保されていないため、通行車両の流れが悪く、また、雨天時にはバス待ちの列により歩行者がすれ違うことができないほど狭く、沿道には耐震性が劣ると思われる建物が建ち並んでおり、危険な状況であります。
 さらに、現在、駅付近の小規模な飲食店等が集中しているところの地域の方々の理解を広げながら、補助第二八号線の整備を前提として、大田区が地権者とともにまちづくりの検討を進めております。このことを踏まえ、今こそ大森駅付近の補助第二八号線の整備を進めるべきと考えますが、都の取り組みについてお伺いします。
 最後に、特区を活用した羽田空港跡地の整備についてお伺いいたします。
 空港の沖合展開に伴う跡地は、GHQによる羽田住民への強制退去の歴史や騒音問題を踏まえ、これまで国や都、大田区等による羽田空港移転問題協議会において整備計画が策定され、まちづくりが進められてきました。
 今後、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを視野に、世界と地域をつなぐ重要な拠点として整備していくことが必要です。
 その中で、天空橋駅近くの第一ゾーンでは、地元大田区が主体となり、産業交流や日本の魅力発信などを行う新産業創造発信拠点を整備することになっております。先日、この事業が国家戦略特区を活用したプロジェクトとして総理大臣の認定を受けました。まさに、国家的プロジェクトとして位置づけられたわけです。
 今後、新拠点の形成に向け具体的に動き出すわけでありますが、都としても大田区と連携して、しっかりサポートしていただきたいと考えます。所見をお伺いし、質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 鈴木章浩議員の一般質問にお答えいたします。
 犯罪等が起きにくい環境整備についてご質問ございました。
 誰もが犯罪に遭うことなく、安全・安心を実感できる東京の実現は、都民全ての願いでありまして、都民や来訪者の生命と財産を守ることは、知事としての責務であります。
 このため、都は、特殊詐欺や危険ドラッグなど喫緊の課題に対応するため、昨年、安全・安心まちづくり条例の改正を行いました。また、今年度末までに累計約一万台の防犯カメラの設置を補助する見込みでありまして、来年度も約四千台分の八億円を予算に計上してございます。
 さらに、警察官の増員など治安基盤の強化に加えまして、地域での防犯活動や事業者による、ながら見守り、こういう取り組みを支援するなど、ハード、ソフト両面にわたる対策を強化してまいります。
 二〇二〇年東京大会の開催を控えまして、来訪者も含めて治安のよさを実感できますように、警視庁を初め東京都全体で連携を強化して、地域での地道な取り組みを積み重ねまして、犯罪などが起きにくい環境整備を進めてまいります。
 そのほかの質問につきましては、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔東京都技監安井順一君登壇〕

○東京都技監(安井順一君) 大田区内におけます都市計画道路の優先整備路線についてでございますが、区内では、これまでの事業化計画に基づきまして、産業道路の拡幅や京急線の連続立体交差化に合わせた環状八号線整備などが進められてまいりました。
 今回の整備方針案におけます優先整備路線には、都施行としては、大井コンテナふ頭から川崎市につながる補助第二八号線を選定いたしまして、交通渋滞の解消や物流の円滑化などを図ってまいります。
 また、区施行といたしましては、JR蒲田駅前の区画街路第七号線外五路線を選定しておりまして、駅前における交通結節機能の強化や、ゆとりのある歩行者空間の創出などを目指すことといたしております。
 年度内には整備方針を策定し、地元区と連携しながら、都市計画道路網の早期形成に向け取り組んでまいります。
〔青少年・治安対策本部長廣田耕一君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(廣田耕一君) 防犯カメラの運用についてですが、都の補助するカメラは、地域における防犯活動の活性化や犯罪の抑止を目的としていることから、地域の治安状況等を踏まえ、区市町村の条例等により、映像の保存期間も含め、カメラの設置運用基準を定めることとしております。
 ただし、定めのない場合は、保存期間については、プライバシーや管理体制、犯罪の認知に必要な期間等も考慮しつつ、警視庁や民間の例なども踏まえ、標準的な一週間程度としております。
 都は、今後とも、防犯カメラについて、警視庁や区市町村とも連携し、社会環境や地域の治安状況の変化等を踏まえつつ、適切かつ効果的な管理運用がなされるよう配慮してまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 六点のご質問にお答えをいたします。
 まず、中小企業に対する経営支援についてでございますが、地域の経済や雇用を支える中小企業を活性化していくためには、経営基盤を強化し、その発展を後押ししていく必要がございます。
 このため、都は来年度、中小企業がより利用しやすくなるよう、これまで展開してきた経営支援の施策を統合した中小企業活力向上プロジェクトを新たに実施いたします。
 具体的には、短期の経営診断に加え、企業のニーズに応じて、新たな経営戦略の策定からその実行まで、専門家を最大十回派遣して後押しするなどのメニューを設け、専門家の派遣規模も大幅に拡充をいたします。
 あわせて、経営戦略を実行するための設備投資の助成事業等につなげ、引き続いて支援をしていくことなどにより、中小企業のさらなる発展を促してまいります。
 次に、中小企業の販路開拓への支援についてでございますが、中小企業の販路開拓のためには、一度に多くの企業が集まり、製品PRや商談を効率的に実施することができる展示会への出展が効果的でございます。
 これまで都は、主に企業間取引を行っている売り上げ減少企業に対し、国内外の展示会への出展支援を行い、中小企業の売り上げ向上の取り組みをサポートしてまいりました。
 来年度からは、より多くの企業の成長を後押しするため、要件を大幅に緩和し、取引形態や収益状況にかかわらず、積極的に経営改善や経営変革に取り組む企業を幅広く対象といたします。さらに、展示会で製品等を効果的にPRできるよう、助成額の引き上げも実施いたします。
 こうした取り組みにより、中小企業の展示会出展を幅広く支援し、取引拡大につなげてまいります。
 次に、中小企業の競争力強化に向けた支援についてでございますが、東京の経済が持続的に発展していくためには、中小製造業や中小サービス業における製品、サービスの高付加価値化等による競争力強化が不可欠でございます。
 このため、都は来年度、受注型中小製造業競争力強化支援事業を拡充し、設備導入に要する経費助成額の上限を、これまでの七百万円から千五百万円に引き上げます。さらに、支援対象に中小サービス企業を追加し、例えば多言語対応のアプリケーション開発といったIT技術を活用した新サービスの提供や、3Dプリンターを用いたデザイン提案によるサービスの高付加価値化などを図る場合の経費を助成いたします。
 こうした取り組みにより、東京の経済を支える中小企業の維持と発展につなげてまいります。
 次に、観光産業の振興についてでありますが、観光消費の拡大に向けて、都内の観光事業者が外国人旅行者の消費動向を的確に捉え、経営の視点からサービスレベルの向上を図る取り組みを支援することは重要でございます。
 これまで都は、宿泊施設のWiFi環境の整備や飲食店の多言語対応など、観光事業者の集客やサービス提供に役立つ基盤やツールの充実に取り組んでまいりました。
 来年度からは、多様な旅行者の消費ニーズを理解し、接客のノウハウ等を確保できるセミナーを実施し、事業者の経営力向上を支援してまいります。また、免税対応を始める事業者への専門家派遣や多言語コールセンターの提供も新たに開始いたします。
 さらに、消費拡大に向け、観光タクシーで買い物をするモニターツアーを行うなど、観光産業を経営面から強化する取り組みを総合的に展開してまいります。
 次に、宿泊施設における受け入れ体制の向上についてでございますが、東京へのさらなる外国人旅行者の誘致を図る上で、宿泊施設が円滑な受け入れを進めるためのサービスや設備の導入をサポートすることは重要でございます。
 これまで都は、宿泊施設へのコールセンターサービスの提供や、無線LANの導入の支援を行ってまいりました。
 来年度は、これらに加え、国によって異なる生活習慣などの理解を深め、外国人旅行者への応対に役立つ研修や専門家の派遣を実施いたします。また、宿泊施設のホームページや館内の案内表示等の多言語化に加え、客室テレビの国際放送の受信や洗面所の洋式化などの設備改善に要する経費に助成を行い、ソフトとハードの両面から支援の充実を図ってまいります。
 こうした取り組みによりまして、宿泊施設の外国人旅行者の受け入れ対応を後押ししてまいります。
 最後に、観光面でのタクシーの多言語対応についてでございますが、海外から東京を訪れる旅行者が、ドライバーによる良質な案内サービスを受けながらタクシーでの観光を楽しむことのできる仕組みは重要でございます。
 現在は、外国語を使った観光案内を有料で行う場合、一定以上の高い語学力や、旅行地に関する多くの知識が求められる国家資格の取得が不可欠となっております。
 都は来年度に、こうした資格による規制を緩和する特区制度を活用し、タクシーによる新たな観光案内の仕組みづくりに取り組んでまいります。具体的には、語学や東京の観光の知識等を学ぶ都の研修をドライバーが受けることを条件に、有料の案内業務をできる制度を導入いたします。
 こうした取り組みにより、外国人旅行者への観光サービスの質を確実に高めてまいります。
   〔建設局長佐野克彦君登壇〕

○建設局長(佐野克彦君) 大森駅付近の補助第二八号線についてでございますが、大森駅西口付近では、交通が集中し、道路幅員が狭いことから、交通渋滞の解消、歩行者、自転車の安全性や利便性の向上のため、補助第二八号線を整備する必要がございます。
 整備に当たっては、車道や歩道を拡幅するだけでなく、バス停を適切に配置するなど、駅前に適した交通の結節機能に配慮することが重要でございます。
 一方、大田区は、地権者で構成される協議会とまちの将来像について話し合いを行いながら、防災性に課題のある駅周辺地域のまちづくりを進めることとしております。
 このため、都は大田区と協力し、まちづくりとの整合も図りつつ、道路の整備形態等を検討しております。
 今後とも、大田区と連携を図りながら、大森駅西口付近の補助第二八号線の整備に積極的に取り組んでまいります。
   〔政策企画局長川澄俊文君登壇〕

○政策企画局長(川澄俊文君) 特区を活用した羽田空港跡地の整備についてですが、羽田空港跡地における新産業創造発信拠点の形成は、お話のとおり、我が国の国際競争力の強化にも貢献する重要なプロジェクトでございます。
 今月五日には、国家戦略特区における都市計画法の特例を活用したプロジェクトとして認定を受け、二〇二〇年までの新拠点概成に向けためどが立ったところでございます。
 今後は、新拠点における事業スキーム等の検討が本格化してまいりますが、民間のノウハウを積極的に活用して、持続性の高い事業に仕上げていくことが重要でございます。
 都としては、本事業が効果的なものになるよう、関連部局による横断的な連携体制のもと、事業の具体化に向けた大田区の取り組みを積極的に支援してまいります。

○議長(川井しげお君) 十九番伊藤こういち君
   〔十九番伊藤こういち君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○十九番(伊藤こういち君) 東日本大震災から間もなく五年、そして阪神・淡路大震災から二十一年がたちました。被災地から次世代へのメッセージとして、その教訓を忘れてはならず、今後の東京の災害対策をこれまで以上に加速させなければなりません。
 いつか必ず来る首都直下地震に備え、私は、発災直前と直後における情報の重要性と、その対策強化を繰り返し求めてきました。
 まず、発災直前の情報として、気象庁が発する現行の緊急地震速報は画期的なシステムですが、直下型地震では、震源地が近く警報が間に合いません。つまり、マグニチュード七クラスと想定される首都直下地震が突然東京を襲うことになると私は指摘をしてきました。
 それは、大きな揺れが来る前の一秒でも二秒でも猶予があれば、直ちに身構えたり、屋内外の安全エリアに避難したり、命を守れる可能性があるからです。
 首都直下地震の危機が迫る中、大きな揺れが来ることを知らせる首都直下緊急地震速報の実現に向けて、都は引き続き不断の努力を続け、調査研究を進めるとともに、国に対し、警報の迅速性、正確性を求めていくべきです。見解を求めます。
 また、発災直後の情報収集も重要です。大地震発災直後の市街地では、建物や電柱の倒壊、道路の寸断などにより、緊急車両が通行できない状況が想定されることから、私は、悪路にも強いオフロードバイクの活用を提案してきました。
 都は、我が党の要請に応え、昨年九月の東京都総合防災訓練において、オフロードバイクの実効性と活用について検証を行いました。
 そこで、その訓練での検証結果と、この検証を踏まえた災害時のオフロードバイク導入の検討状況について伺います。
 次に、災害時における心のケアについて質問します。
 阪神・淡路大震災を教訓に、災害時の心のケアの重要性が示され、都は、中越地震、東日本大震災、また伊豆大島の土砂災害の際にも、被災住民などへのこころのケアチームを派遣し、支援してきました。
 とりわけ東日本大震災では、我が党が現地調査し要請した、岩手県陸前高田市沿岸の高台に取り残された集落まで、都のこころのケアチームが活動を展開。そして、きめ細かに、中長期的に被災者の心のケアに当たったことは、高く評価しています。
 切迫性が高まる首都直下地震により東京が被災した際には、都民の心の健康を守る観点から、心のケア対策の強化は極めて重要です。
 私は、これまで都が現場で積み上げてきた経験を生かした災害時の心のケア対策を、全国のモデルとなる災害派遣精神医療チーム、いわゆる東京版DPATとして体制を構築し、その取り組みと活動を本格化すべきと考えます。見解を求めます。
 都も都民も、これまでの大災害の記憶を風化させてはなりません。そして私は、首都東京の確固たる防災対策の強化により、一人でも多くの都民、国民の命を守ることが都政の最大の使命であると考えますが、改めて知事の決意を伺います。
 次に、虐待などで傷つけられた子供の心のケアについて質問します。
 これまで我が党は、家庭的養護の推進とともに、それを支える児童相談所の体制強化を求めてきました。それは、児童相談所の安定した運営体制が子供たちを守ることに直結するからです。これに応え、都は今年度も児童福祉司を増員しました。
 一方、毎日のように児童虐待のニュース報道があること自体、異常なことであり、虐待相談の対応件数が急増している現状があります。児童虐待の深刻化が著しい中、傷ついた児童への心理的なケアや保護者に対するカウンセリングなど、専門職による支援の重要性がますます高まっています。それを担っているのが児童心理司であります。
 そこで、都は、児童福祉司の増員とあわせて、児童心理司の体制強化と人材育成に取り組むべきです。見解を求めます。
 次に、障害者等への支援について質問します。
 この四月から施行される障害者差別解消法は、国の行政機関や地方公共団体及び民間事業者に対し、障害者への合理的配慮を義務づけています。
 私はこれまで、視覚障害者に対し、読み書き支援が必要であることを一貫して求めてきました。
 それは、私たちは日常、事物の現象や情報を得る手段として、八割を視覚に頼っているとされていますが、視覚障害者は、必要な情報を十分に得られなかったり、書くことが困難なため、不利益をこうむっている実態があるからです。
 今、こうした視覚に障害がある方々は、障害者差別解消法のもと、合理的配慮として、代読、代筆による情報支援サービスの向上を強く望んでいます。
 そこでまず、都は、窓口担当職員等が読み書き支援を初め、合理的配慮として、専門性の高い意思疎通支援ができるよう、その技能を習得するための研修に早急に取り組むべきです。見解を求めます。
 また、二〇二〇東京大会に向け、読み書き支援を初め、多様な障害に適切に対応できるボランティアの育成とともに、障害者もボランティアとして活躍できる仕組みを構築していくべきです。見解を求めます。
 一方、弱視者や高齢者の方々からは、行政等が発信するさまざまな情報が、文字が小さいため読み取れず、場合によっては、重要なお知らせなど必要な情報を得るのに大変に苦労するという声が寄せられています。
 そこで、都は率先して、全庁を挙げて大活字での情報発信にも取り組むとともに、区市町村を初め社会全体へその必要性を周知していくべきです。見解を求めます。
 また、都は、我が党が求めてきた視覚障害者のための大活字本やDAISY図書、点字、音声などのさまざまな情報提供手段を確保し、これまで以上に情報バリアフリーを推進すべきと考えます。見解を求めます。
 次に、ヘルプカードについて質問します。
 私は、障害がある人や支援を必要とする人たちが社会参加する中で困難に直面したときに支援の手助けとなるよう、広域行政を担う都が標準様式を定めたヘルプカードを作成し、普及すべきと求めてきました。
 そして、都は平成二十四年から、ヘルプカードの発行主体である区市町村を支援する事業を実施し、必要とする方々のもとに届きました。
 また、このヘルプカードの活用は、東京にとどまらず、全国へ広がりつつあります。これにより周囲の人に助けられたという事例も聞いていますが、一方では、いまだ周知が不十分で、支援を求めたものの理解されなかったという事例も多数聞いております。
 そこで都は、広く都民に対し障害者への一層の理解促進に取り組むため、極めて有効なツールであるヘルプカードについて、これまで以上に周知に力を注ぐべきであります。
 また、東京都発のヘルプカードを首都圏、全国に向けてさらに拡充していけるよう、都は、国や他の自治体へも働きかけ、より広域的な障害者等への理解、支援促進に取り組むべきです。あわせて見解を求めます。
 次に、障害者アートの振興について質問します。
 私は、昨年、しながわ水族館で開催されたアール・ブリュット作品展を鑑賞し、障害者の豊かな感性が作品にダイナミックに、また繊細に表現されていることに大変に感銘を受けました。そして、アール・ブリュット作品のすばらしさについて、より多くの都民が作品に触れ、理解を深めていく機会の充実が大切であると感じました。
 そのためには、作品展示の場が重要です。区市町村や公立施設、商店街など地域の身近な場所での展開はもとより、例えば都庁舎も展示の場として活用すべきです。
 また、若者が多く、現代アートやサブカルチャーなど新しい文化が集積する都心の主要駅周辺などを発信の拠点としていくことも効果的であると考えます。あわせて、展示の内容をより充実させるためにも、作家や作品の発掘を進めていくことも必要です。
 こうした考えを生かした取り組みを都が率先して進めるべきです。見解を求めます。
 最後に、舟運の活性化と観光振興について質問します。
 私の地元品川にあった品川宿は、江戸から出る諸街道のうち、最も重要視された東海道の一番目の宿場町として栄え、五十三次で有名な東海道に沿って海辺があった地域です。昭和初期から、海辺は埋め立てにより陸地になる中でも、同時に運河が形成され、引き続き水辺の空間は地域住民の生活に密着してきました。その京浜運河周辺エリアには、江戸の面影が残る魅力ある場所が多数存在しています。
 また、勝島運河には、幕末の志士、坂本龍馬が若かりしころ、ペリー提督率いる黒船の来航に備えて、毎日海辺へ通い、監視、警護していたという史実も残っております。
 この逸話は、歴史研究家の小美濃清明氏と地元有志の品川龍馬会の方々が発掘し、昨年、龍馬生誕百八十年を記念して、浜川砲台と当時の三十ポンド六貫目ホーイッスル砲も実寸大で復元され、坂本龍馬像とともに、まちのにぎわいに寄与しています。
 都は、観光振興の観点から水辺の活用を図るとし、羽田から臨海地域への新たな舟運ルートを検討するとしています。
 このルートの検討には、地元区と連携を図りながら、運河等を含め幅広く検討すべきと考えますが、見解を求めます。
 また、その周辺エリアにあるさまざまな歴史的遺産や新たな観光資源をうまく組み合わせ、にぎわいを創出する取り組みを着実に進めていくべきです。見解を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 伊藤こういち議員の一般質問にお答えをいたします。
 防災対策についてですけれども、発生から五年を迎えます東日本大震災では、都内におきましても、三百五十万人を超える帰宅困難者の発生や交通ネットワークの麻痺など、都市としての防災上の課題が明らかになりました。
 首都直下型地震の切迫性が指摘される中で、過去の大震災の記憶を風化させずに、こういう教訓を生かしまして、大規模災害への備えを万全とすることは、都民の生命と財産を守る都知事としての私の使命でございます。
 こうした強い思いのもとに、この間、地域防災計画や防災プランを通じて、災害に強い都市づくりを着実に進めてまいりました。
 また、この被害を最小限に食いとめるためには、行政だけでなくて、都民や企業の方々にも、これは積極的に防災力の向上を図ってもらわないといけないと思っております。
 そこで、私が就任前は年に一度しかやっていなかったのを、春、夏、秋、冬、年四回の住民参加型訓練を実施いたしますとともに、大変好評な「東京防災」、これを各家庭に配布しまして、自助、共助の防災意識も喚起していただくと、そういう取り組みを積極的に進めてございます。
 こうした取り組みをこれからも推進しますとともに、二〇二〇年東京大会の開催を見据えまして、多様な主体と連携を図りながら、自助、共助、公助と、このそれぞれの力を結集させまして、世界一安全・安心な都市の実現に向けて全力を尽くしてまいります。
 そのほかの質問につきましては、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔東京都技監安井順一君登壇〕

○東京都技監(安井順一君) 羽田から臨海地域への舟運ルートについてでございますが、都は、舟運に関する都民のニーズなどを把握するため、昨年、羽田と浅草とを結ぶ航路等を設定して試験的な運航を行いました。
 その際、乗船した都民などを対象に実施した意向調査では、運河沿いの水辺の景色や臨海部の夜景を評価する意見のほか、日本橋やお台場などへの運航を望む声もございました。
 来年度からは、定期航路の実現に向けまして社会実験を行う予定であり、試験運航で得られた意向調査の結果や舟運事業者の意見などを踏まえまして、地元区とも連携し、観光振興の点も含め、多くの利用者が見込めるルートの設定などについて検討を進めてまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

○総務局長(中西充君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、緊急地震速報の性能の向上についてでございます。
 首都直下地震のような震源に近い地震には、技術的に緊急地震速報が揺れの到達に間に合わないため、都は、平成二十六年度から、気象庁に対し速報の迅速性や精度の改善を求める提案要求を行い、協議なども実施してまいりました。
 この結果、気象庁は、大深度に設けられていた十五カ所の地震計を新たに利用し、首都直下地震に対して最大一秒程度早く速報を出せる体制を平成二十七年三月末に構築しました。また、新たな予測手法のPLUM法と従来手法を組み合わせたハイブリッド法が二十九年度中に運用開始予定であり、より高精度に速報を出すことが可能となります。
 都は、今後も気象庁との連携を一層密にし、研究開発への協力を進めることにより、東京の防災力向上を図ってまいります。
 次に、オフロードバイクの導入、活用についてでございます。
 昨年九月の総合防災訓練の会場において、関係局とともにオフロードバイクの走行実験を行い、災害時の情報収集などの活用について検証を行いました。
 その結果、オフロードバイクは、道路の一部閉塞など限られた場面では有効ではございますが、自動二輪免許を保有する職員が少ない中、相当の運転技術や経験が必要であるなどの課題もあることから、現状の体制では導入は難しいとの判断に至りました。
 一方で、災害時のオフロードバイクの有用性については確認できたことから、都といたしましては、自動二輪業界の協力を得て、その傘下にあり、約七百名の会員を有する災害ボランティアバイクネットワーク関東との協定締結を早期に行い、災害時の情報収集体制の一層の強化を図ってまいります。
 次に、障害者差別解消法に係る職員研修についてでございます。
 都では、全体の奉仕者としての高い倫理観や使命感とともに、職員の基本的素養である人権意識を醸成するため、毎年度、さまざまな人権課題を扱う研修を行ってまいりました。
 今般、法は改めて、障害者の態様に応じた合理的配慮の提供等を求めていることから、都は現在、職員対応要領を定め、代筆、代読、拡大文字の使用等の配慮事例を示した東京都障害者差別解消法ハンドブックを作成しております。
 今後は、このハンドブック等を研修に活用し、障害の特性に応じたさまざまな対応について職員の理解を深めてまいります。また、各局研修の講師養成などについても専門性の充実を図ってまいります。
 こうした取り組みにより、職員が相手の立場に立った温かみのある配慮ができるよう促し、窓口等での実践的な対応力を向上させてまいります。
 最後に、障害者等に配慮した印刷物の作成についてでございます。
 都が作成、配布する印刷物は、その内容を広く都民の皆様にお知らせするため、これまでも読み手への配慮に努めてまいりました。
 その一方で、都の印刷物取扱規程は文字サイズの基準が画一的であり、この基準に基づいて作成されたパンフレットでは、高齢者や視覚障害者の方々にとって文字が小さく読みづらいとのご意見が寄せられることもあります。
 このため、障害者差別解消法の施行を踏まえ、今年度中に規程を改正し、作成目的に応じた文字サイズの選択を可能にするなど、柔軟な対応ができることを明確化いたします。さらに、活字やレイアウトの留意事項を各局に示し、これまで以上に読み手に配慮した取り扱いを実施してまいります。
 今後、こうした取り組みを区市町村にも周知することで、適切な情報提供を浸透させてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、災害時における心のケアについてでありますが、被災者の心の不調は発災直後に限らず、時間が経過してからPTSD等の症状があらわれることもあるため、中長期にわたって支援を行うことが重要でございます。
 都はこれまで、東日本大震災や大島土砂災害等の大規模災害時に、被災地にこころのケアチームを派遣し、健康調査や巡回相談など継続的な支援を行ってまいりました。
 こうした経験を踏まえ、来年度は、民間病院等と連携して、発災時に、精神科医師、看護師、心理職等の専門職でケアチームを構成して、機動的に活動できる体制を構築するとともに、被災者特有の症状への対処方法等を盛り込んだマニュアルを作成し、研修を実施いたします。
 今後とも、首都直下地震などの大規模災害に備え、心のケアの提供体制の整備を積極的に進めてまいります。
 次に、児童心理司の体制強化についてでありますが、児童心理司は、子供や保護者等にアセスメントや心理ケア等を行っており、虐待の初期対応から、保護、家族の再統合に至る各段階で支援を行っております。
 近年、虐待相談件数の増加や家庭の抱える問題の複雑化、虐待の深刻化などにより、その業務は増加し、担う役割も、より重要になっております。
 そのため都は、児童心理司を平成十七年度の四十一名から現在の七十八名にまで増員しており、来年度はさらに十三名増員するほか、人材育成等を担う児童心理の専門課長や児童心理司OB四名を新たに配置いたします。さらに、児童福祉司も十八名増員し、二百二十七名の体制とする予定であり、今後とも、児童相談所の体制を一層強化してまいります。
 次に、視覚障害者の情報バリアフリーについてでありますが、視覚障害者に対する情報提供に当たっては、全盲の方や弱視の方など障害の程度に応じて、点字、音声、大活字本など、さまざまな提供手段を確保する必要がございます。
 このため都は、視覚障害者用図書の制作、貸し出しや、点字録音刊行物の作成、配布のほか、点訳や朗読に関する指導者を養成する事業等を実施しております。
 また、区市町村が行う点字図書等の日常生活用具の給付や、点字、声の広報等の発行について財政支援を行っております。
 今後とも、区市町村に対し、大活字本等、給付する日常生活用具の種目拡大を働きかけるなど、視覚障害者が、必要な情報を多様な手段により容易に入手できるよう、情報バリアフリーの取り組みを進めてまいります。
 最後に、ヘルプカードの普及促進についてでありますが、都はこれまで、ヘルプカードの作成や活用等に取り組む区市町村を包括補助により支援してまいりました。
 来年度は、障害者理解促進のための特設サイト、ハートシティ東京を初め、デジタルサイネージ、映画広告などの多様な媒体を活用して広報を行うなど、効果的な普及啓発を実施いたします。
 また、カードの作成、使用方法等を定めたガイドラインを他の自治体に周知し活用を促すとともに、国に対し、障害及び障害者に関する啓発、周知のためのカードやマークの普及を提案要求するなど、広域的な普及に取り組んでまいります。
 今後とも、こうした取り組みにより、ヘルプカードの一層の普及を図ってまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 二〇二〇年大会のボランティアについてでございますが、先月開催いたしましたシンポジウムでは、パラリンピアンの視点から見た障害者への接遇のあり方などを広く都民に紹介いたしました。
 大会において、さまざまな障害のある方々に対応できるボランティアを育成していくに当たりましては、こうした障害者からの視点に立つことが何よりも重要でございます。
 また、障害のある方自身が、ボランティアに参加しやすい環境をつくることも大変意義がございます。これにつきましては、東京マラソンやスポーツ祭東京での活躍事例が既にございますが、より幅広く可能性を探るため、来年度はさらに、ロンドン大会やリオ大会などの実例を調査いたします。
 こうした取り組みや東京都ボランティア活動推進協議会での議論などを踏まえ、この秋を目途に、ボランティアの育成や障害者のボランティアの参画を含めました都市ボランティアの運営体制等に関する戦略を策定してまいります。
   〔生活文化局長多羅尾光睦君登壇〕

○生活文化局長(多羅尾光睦君) アール・ブリュットの振興についてですが、アール・ブリュットは、新たなアートとしての魅力や多文化理解の促進につながる力を持っており、パラリンピックを契機に、そのすばらしさを多くの方々に伝えていくことは重要でございます。
 アール・ブリュットの魅力を社会に浸透させるため、都立文化施設や普及を推進する団体等のネットワークを活用し、お話の都庁舎なども含む、にぎわいのある場所での展覧会の開催等、効果的な普及施策を展開してまいります。また、埋もれた才能や作品の発掘に向けて、制作者を直接訪れて実態を把握するとともに、福祉施設等とも連携を深めていきます。
 今後、アートや福祉等のさまざまな分野における専門家の意見を踏まえ、こうした振興施策のさらなる具体化を進めてまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 水辺を活用した観光振興についてでございますが、東京の水辺を観光振興に役立てるため、運河や河川の周辺のエリアににぎわいを生み出し、周辺の歴史的建造物なども生かしながら舟運の利用等に結びつける取り組みは重要でございます。
 これまで都は、地元自治体が水辺の魅力等を生かし観光客の誘致を行う経費に対して助成を行ってまいりました。
 来年度は、観光関連団体など地域が主体となり、水辺の周囲に集客を図るためのイベントや運河の付近ににぎわいをつくり出すハード整備等の経費に対して助成を行ってまいります。
 こうした取り組みにより、水辺の魅力を生かした観光振興を図ってまいります。

○副議長(小磯善彦君) 四十八番山崎一輝君
   〔四十八番山崎一輝君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○四十八番(山崎一輝君) 初めに、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会への参加機運醸成について伺います。
 二〇二〇年大会まで、いよいよあと四年半となりました。大会の参加機運をより一層、都民、国民の間で広くつくり出していく上で、重要な時期を迎えています。
 最近、私のもとには、自分たちのお金を寄附することで、ぜひ協力をしたい、大会を応援したいという多くの声が寄せられています。
 現在、オリンピック・パラリンピックの組織委員会では、二〇二〇年大会の寄附を募ることを検討していると聞いています。
 しかし、大会を目的に寄附を集めることは、IOCの要請により、組織委員会のみに限られているとのことです。したがって、現在、都や区市町村では、大会成功に向けた寄附を創設することができないのが現状です。
 しかし、オリンピックやパラリンピックの名称を使って寄附を募ることができないとしても、大会を契機に、選手の育成を支援する目的で、例えば、みんなで応援しよう、障害者アスリート応援募金などと銘打って、広く寄附を募ることは、可能であると私は考えます。それは、大会終了後においても、継続的にスポーツ振興していく上でも、有効な取り組みです。
 二〇二〇年大会に向け、都民、国民みずからが大会の成功にかかわっていると感じることができるさまざまな取り組みを進めるべきと考えますが、率直な知事の考え方をお聞かせください。
 次に、オリンピック・パラリンピック教育について伺います。
 オリ・パラ教育の一つに、長野オリンピックで始まった一校一国運動は、その後のオリンピックでもレガシーとして引き継がれてきています。都教育委員会は、一校一国運動を受け継ぎ、世界ともだちプロジェクトを推進することとしています。この取り組みは、世界中に友達をつくろうということで、各学校でさまざまな国際理解や国際交流への工夫した取り組みが展開されることが期待できます。
 我が党は、これまでにも、東京の未来を築いていくために、日本人としての自覚と誇りを持ち、世界と渡り合える若者を育てていくことを求めてきており、子供たちが、世界には人種、文化、生活習慣の異なる国々の存在を知ることは重要であると考えています。さらに、特定の国と交流活動を通じて、多くの海外の子供たちとコミュニケーションをとることは、グローバル時代を生き抜く子供たちにとっては、自分の国との違いを感じるだけでなく、みずからの国を見詰め直す機会として、貴重な経験として、大人になってからも財産につながるわけです。
 そこで、世界ともだちプロジェクトにおいては、子供たちの発達段階、小中高に応じてさまざまな体験ができる国際理解、国際交流活動を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 また、世界ともだちプロジェクトは子供たちが中心となりますが、PTAや保護者や地域住民の協力を得て、地域全体で取り組むことも大変重要であると考えますが、見解を伺います。
 次に、私立学校の振興について伺います。
 ことしは、東京私立中学高等学校協会設立七十周年、父母の会設立五十周年という記念すべき年に当たりますが、都議会自民党は長きにわたり、ともに私立学校の振興に取り組んできました。
 平成二十五年度には高校生の海外留学支援、二十七年度にはJETプログラムを活用した支援を実現し、生徒の意識が大きく変わったという声も聞こえ、成果が上がってきております。さらに、二十八年度は、私立学校の英語科教員の指導力向上の必要性を強く訴え、外国語科教員の海外派遣研修事業費が予算案に盛り込まれました。
 今回は英語科ですが、真のグローバル化のためには、理数系を初めとする幅広い分野において、国際的に通用する人材を育成することが重要であり、英語科だけでなく、ほかの科目の教員も海外へ派遣できるよう検討すべきと考えます。
 そこで都は、このように先進的な教育に果敢に取り組む私立学校を、より一層支援すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、オリンピック・パラリンピック開催を契機とした受注機会の拡大について伺います。
 二〇二〇年大会等の開催を契機に、今後、さまざまなビジネスチャンスが生まれることが期待されます。中小企業がこの機を捉え、受注機会の拡大につなげていけるよう、都はさまざまな発注情報を一元的に集約するポータルサイト、ビジネスチャンスナビ二〇二〇の開設に向けた準備を進めており、去る二月十二日にはキックオフフォーラムが盛大に開催をされました。
 二〇一二年ロンドン大会でも、先行事例として、コンピートフォーというサイトがあり、約十四万社が登録、利用をし、事例を挙げますと、馬術用の帽子や公式マップの出版など多様な案件を中小企業が受注したと聞いております。
 今回の都の取り組みが成功するためには、まずは、発注、受注双方で多くの企業が登録することが重要であり、とりわけ多数の発注案件の掲載がキーポイントになると考えます。このサイトの利用促進に向けた都の取り組みについて伺います。
 次に、中小企業のサイバーセキュリティー対策について伺います。
 サイバー攻撃により、一たび企業の大切な技術情報が漏えいすれば、事業の活動にも甚大な支障が生じるばかりでなく、取引先にも影響を及ぼし、企業の信用も失いかねません。全ての中小企業にとって大きな課題ではあるはずですが、内容が専門的過ぎて、どのように対策してよいかわからないというのが実情だと思います。
 そこで、警視庁などサイバー対策のプロの力を結集し、国とも連携しながら、それぞれの中小企業の実情に応じた対策を速やかに講じていく必要があると考えますが、都の見解を伺います。
 次に、地方との連携について伺います。
 国では、大都市以外の地方の経済を活性化させるために、さまざまな検討を行い、政策を打ち出しております。日本の各地域が活力を高めて、真の意味での地方創生を実現するためには、東京と地方が互いの魅力の向上を図り、協力し合うことが重要と考えます。
 都では、そのような視点に立って、外国人の旅行者を東北地域に観光へと送り出す取り組みに乗り出しておりますが、今後は、対象となるエリアを広げるとともに、外国人向けに、日本各地の魅力をより幅広く伝えていく仕組みの充実にも取り組むべきと考えます。
 このような考え方に立ち、都は来年度に、日本の各地域と連携した観光振興をどう展開していくのか伺います。
 次に、MICE誘致について伺います。
 MICEについては、国際的に誘致をめぐる競争が激しくなってきています。これまで都は、国際会議の誘致に役立つ海外の連携組織への加盟や、海外専門誌を通じたPR等を実施することで、MICEの誘致に取り組んできました。
 今後、東京でのMICE開催をふやしていくためには、会議を主催する海外企業等に対して、東京の魅力をしっかり伝えることができるかが、誘致の決め手になると考えます。そのためには、事前に正確な情報を十分集めて、実際に海外に出向き、効果的な手法を用いてPRを行うような工夫が重要であります。
 また、東京の魅力を強調する上では、会議等に合わせて、自然豊かな多摩・島しょ地域や日本の各地へも足を運び、観光のできる仕組みをつくり、それらをメリットとして説明することも大変大切であります。
 東京へのMICE誘致をより効果的に進めるため、来年度はどのように取り組みを行っていくのか、見解を伺います。
 次に、建設人材の育成について伺います。
 中小企業では人材不足の状況にあるが、中でも建設分野の人材不足への対応は喫緊の課題となっております。
 都では、建設人材不足に対応するため、昨年度から緊急対策として鉄筋工、型枠大工の養成訓練を実施しています。
 しかしながら、建設現場の実態を見ると、中核となる技能者の高齢化が進み、次世代の人材育成が急務であります。業界からは、熟練技能者の減少で現場でのOJTが困難であるとか、建設業界への定着には資格取得によるキャリアアップが必要であるとか、そういうような声が聞こえます。
 そこで都は、建設分野の中小企業のニーズに応えた人材育成に果敢に取り組むべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、自転車シェアリングについて伺います。
 この二月から江東、千代田、港、中央、四区で、自転車シェアリングの広域実験が始まっております。電動アシスト自転車になって、坂道でも快適に運転できるようになり、また各区の区境を越えた相互利用が可能になったため、大変使いやすくなったとの声をいただいております。
 今後、ナビゲーションシステムのような観光情報をさまざまな工夫により自転車に搭載するなど、利便性の向上を図っていくことも必要だと考えます。
 しかし、昨日の我が党の代表質問でも触れましたが、一番は、自転車を利用する人たちのマナー、ルールをより一層、認識を向上してもらわないと、この事業は前に進むことができません。
 そこで、今回の広域実験の取り組み状況及び今後の自転車シェアリングのさらなる普及促進に向けた取り組みについて、見解を伺います。
 次に、海上公園について伺います。
 先月末、港湾審議会において、海上公園を中心とした水と緑のあり方、中間のまとめが了承されました。中間のまとめでは、臨海地域ごとの特徴に合わせて目標像が設定されていますが、こうした地域ごとの特徴を生かして水と緑の施策を推進していくことは、重要であると考えます。現在、中間のまとめの段階ではありますが、二〇二〇年大会開催とその先を見据え、やるべきことは一日でも早くするべきです。
 そこで、港湾審議会のこの中間のまとめを踏まえ、海上公園では当面どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、豊洲の水辺について伺います。
 豊洲の水際では、既に緑地帯や水陸両用専用スロープの整備が進められており、今後の水辺のにぎわい創出に大いに期待しております。
 こうした動きに対応し、水上レクリエーションの場を創出していくことが重要と考えますが、豊洲における取り組みについて伺います。
 また、豊洲の水辺に整備される緑地は、水際を一周する約五キロの連続したウオーターフロントプロムナードが来年度には完成をし、近くに隣接して、江東区立の公園の整備も予定されていると聞いております。
 豊洲の水際緑地が統一感のあるシームレスなにぎわい空間となるよう、管理者の境界を越えて、一体的に利用できることが重要と考えますが、都の見解を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 山崎一輝議員の二〇二〇年大会への参加機運の醸成に関する一般質問にお答えをいたします。
 おっしゃるように、都民、国民一人一人が自分たちの大会だと感じてもらうことが、大会の成功につながると思っています。
 そのため、都はボランティアの裾野の拡大に取り組むとともに、リオ大会以降、多くの都民が参加します文化プログラムなども本格的に展開してまいります。また、障害者スポーツを体験して、パラリンピックを応援する取り組みを強化します。選手の発掘の試みもずっと今、行っています。
 そういう中で、ご指摘の幅広く寄附を募るということも、これは非常に参加機運の醸成に役立つと思っています。この日曜日、東京マラソンですけれども、これは自分が選んだ団体に十万円チャリティーを払うことによって走ることができると。この寄附金が年々増加しておりまして、もう東京マラソンの大会の盛り上げに大変に役立っているわけであります。
 今、組織委員会におきまして、二〇二〇年大会、寄附の仕組みをどうするかということを検討しております。大会を応援したいという人々の思いに応えるため、都としても、まずその取り組みを支援したいというふうに思っています。
 さらに、大会準備を進める中で、ご指摘のようにスポーツ振興への寄附のあり方も含めまして、一人一人が大会の成功や大会後のスポーツ都市東京の実現に向け、幅広く参加できる取り組みについて、これは鋭意検討してまいりたいと思っております。
 そのほかの質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、世界ともだちプロジェクトについてでございますが、本プロジェクトは、児童生徒が大会参加国を幅広く学ぶとともに、多くの国の人々との国際交流活動を展開することにより、世界の多様性やさまざまな価値観を尊重する態度を身につけることを目的としております。
 本プロジェクトを充実したものとするためには、海外の学校との手紙等のやりとりや、地元留学生との交流等に加え、姉妹都市との交流や海外派遣研修など、各学校や区市町村教育委員会が行う特色ある取り組みも生かしていくことが重要であります。
 今後、都教育委員会は、学校と大使館などの関係機関との調整を行うコーディネート事業を新たに実施し、区市町村教育委員会と連携を図りながら、子供たちが豊かな体験活動を通して学習できるように支援をしてまいります。
 次に、世界ともだちプロジェクトにおける保護者や地域住民との連携についてでありますが、本プロジェクトにおいて、保護者や地域住民の積極的な参加を促進することは、活動の質を高め、広がりを持った創意工夫ある活動を展開していく上で非常に有効でございます。
 例えば、保護者等とともに、近隣の外国人と日本の伝統文化体験を行う取り組みや、キャンプ地誘致等を契機に地域一体となって特定国を応援する活動などが行われることも考えられます。
 このような取り組みを後押しするため、都教育委員会は、開設予定のウエブサイト等を活用し、保護者や都民に、本プロジェクトの取り組みについて広く情報を提供するとともに、大会組織委員会とも連携し、東京ならではの取り組みを、日本、そして世界中へ発信してまいります。
   〔生活文化局長多羅尾光睦君登壇〕

○生活文化局長(多羅尾光睦君) 私学振興についてですが、東京の多くの子供が通う私立学校は、それぞれが建学の精神と独自の教育理念に基づき、特色ある教育を展開しており、東京の公教育に果たす役割は極めて大きいものとなっております。
 そのため、都は、私学振興を都政の最重要課題の一つとして位置づけ、経常費補助を初め、耐震化などの学校の施設整備補助や保護者負担軽減など、私学団体等のご意見も聞きながら、幅広い私学振興策を展開しております。
 また、これまで東京の私立学校が取り組んできたグローバル人材の育成をさらに進めるため、来年度は、JETプログラムによる外国語指導助手活用事業を拡充するとともに、英語科教員の海外派遣研修を行う私立中学校及び高等学校への補助を新たに行うこととしております。
 今後とも、私立学校の振興に全力で取り組んでまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 五点のご質問にお答えをいたします。
 まず、ビジネスチャンスナビ二〇二〇についてでございますが、二〇二〇年大会に向けて中小企業の受注機会の拡大を図るため、このサイトの利用促進を図る必要がございます。
 このため、都は、国や道府県、中小企業支援機関、組織委員会など関係機関と連携し、さまざまなルートを通じてサイトの周知を図り、利用登録を働きかけてまいります。
 また、本サイトは、企業同士のマッチングが効果的に行われるよう、発注企業が求める技術や環境配慮への取り組みなどの条件を設定し、その要件に合致した企業を容易に検索できる仕組みといたします。
 こうしたサイト利用のメリットを特に発注側の企業に理解してもらうため、十名の専従ナビゲーターが企業に出向いて周知するなど、利用促進に向けて精力的に取り組んでまいります。
 次に、中小企業のサイバーセキュリティー対策についてでありますが、サイバー攻撃から中小企業のすぐれた技術を守り抜くためには、それぞれの企業の実情を踏まえ、専門的知見に基づく的確な対策を講じていく必要がございます。
 このため、都は来年度、警視庁と連携して、中小企業のサイバーセキュリティー対策を推進する専管部署を設置し、国や関係機関等と連携しながら、中小企業からの個別相談に対応をいたします。また、企業の取り組み状況に応じたさまざまな啓発セミナーを開催するとともに、企業を訪問し、現場の実情を踏まえた対策を促してまいります。
 こうした取り組みを通じて、有効な対策を事例集としてまとめ、広く周知をしてまいります。加えて、中小企業の情報管理の実態や取り組みを進める上での課題について調査を行い、さらなる対策の検討に生かすなど、中小企業の実情に即した取り組みを進めてまいります。
 次に、日本の各地域と連携した観光振興についてでございますが、東京が他の自治体と協力し、都内を訪れる外国人旅行者に各地の魅力を効果的に伝えて、観光で各地に足を伸ばしてもらう取り組みを行うことは重要でございます。
 都は今年度から、東京と東北地域を結ぶ観光ルートを設け、海外に影響力を持つメディア等を招き、体験旅行を実施し、ウエブサイトでその内容を発信する取り組みを開始いたしました。
 来年度は、中国、四国地域への観光ルートをつくり、同様の取り組みを始めるとともに、東北へのルートにつきましては、羽田と成田の空港や国際線の機内誌でPRを開始いたします。また、ウエブサイトにより全国の祭りを紹介することで、各地の観光情報の発信を強化いたします。
 こうした取り組みにより、東京と日本各地の共存共栄を目指す観光振興を着実に推進いたします。
 次に、MICE誘致の効果的な展開についてでありますが、MICE誘致を一層推進するため、会議の主催者等に効果的な働きかけを行うとともに、開催地としての東京の魅力を高める工夫を行うことが重要でございます。
 このため、都は来年度から、海外企業の会議の主催者への働きかけの強化として、会議運営を担当する事業者と連携し、効果的な情報収集等を行ってまいります。また、会議施設の運営会社と海外に出向き、新たに制作するPR映像を使い、商談や宣伝を実施いたします。
 さらに、東京での開催の魅力を高めるため、会議に合わせた多摩・島しょ地域への観光ツアーや、京都市を初め国内他都市と連携した報奨旅行を実施いたします。
 こうした取り組みにより、国際的な競争を勝ち抜くMICE誘致を確実に進めてまいります。
 最後に、建設人材の育成についてでございますが、建設需要の増加等を背景として、現場で働く技能者の育成が求められております。
 都はこれまで、鉄筋、型枠の基礎のほか、住宅の内外装や設備工事など、業界ニーズを踏まえた職業訓練を行い、若者を即戦力となる人材として育ててまいりました。
 来年度は、若者向け訓練に加えて、高齢化が進み中堅技能者が不足している現状を踏まえ、若手を指導し、現場の中心となる人材を育成する訓練を拡充してまいります。具体的には、新たに在職者を対象として、指導方法や安全衛生管理を学ぶ訓練、作業主任者の資格取得のための訓練などを実施してまいります。
 こうした取り組みにより、建設業界のニーズに応えた人材の育成を図ってまいります。
   〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕

○環境局長(遠藤雅彦君) 自転車シェアリングについてでございますが、今回の広域実験は、区境を越えた自転車の相互利用による利便性向上とともに、利用が集中するステーションにおいても、円滑に自転車の貸し出し、返却ができる運営体制の検証を目的としております。
 四月までの実験により得られたデータを活用して、豊洲、新橋、東京駅など、利用が多く見込まれる地域における自転車の効率的な再配置体制を確立し、本格的な相互利用への移行につなげてまいります。
 今後、利用者に対する自転車交通ルール、マナーのさらなる啓発に努めるとともに、四区によるステーションの拡充や、四区以外の新たな区による事業展開に向けて、広域実験の成果も活用しながら、都は、用地確保のための調整や初期投資に係る各自治体への財政支援などを多角的に行ってまいります。
   〔港湾局長武市敬君登壇〕

○港湾局長(武市敬君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、海上公園の今後の取り組みについてでございますが、お話にありましたように、海上公園を中心とした水と緑のあり方についての中間のまとめでは、二〇二〇年大会及びその先を見据え、観光、水辺の活性化やレガシーの活用などが盛り込まれております。
 この中間のまとめを踏まえまして、来年度、有明北地区では、運河に面する立地を生かし、子供たちが水辺に親しめるいそ浜を設けた有明親水海浜公園の整備に着手する予定であります。また、観光でにぎわう台場地区では、魅力的な空間の形成を目指し、水陸両用車用のスロープ整備などを行います。
 こうした取り組みを通じて、海上公園を中心に臨海部の水と緑のポテンシャルを最大限に引き出し、その魅力をさらに向上させてまいります。
 次に、豊洲における水上レクリエーションについてでありますが、水の都東京の再生を進めるためには、都民が水と親しめ、水辺の魅力を実感できることが重要であります。豊洲の東電堀と呼ばれる水域は波が静ひつな入り江でございまして、しかも交通至便な地域でもあることから、都民がカヌーなどの水上レクリエーションを楽しむ上で非常に好条件を備えたエリアとなっております。
 こうした立地を生かしまして、水上レクリエーションに係る機運の高まりも踏まえまして、このエリア内にカヌー桟橋を整備し、多くの人が集う、にぎわいのある水辺空間を創出してまいります。
 豊洲の水辺でイベントや講習会など、さまざまな活動が活発に展開されることによりまして、水辺のにぎわいを醸成し、東京の水辺の魅力をより一層高めてまいります。
 最後に、豊洲の水辺のにぎわい創出についてでございますが、豊洲の水辺空間につきましては、港湾局、中央卸売市場、江東区が整備するエリアに分かれておりまして、その一体的管理が豊洲の水辺のにぎわい創出に効果的であると認識をしております。
 このため、水辺緑地に区立公園を有し、地元の事業者とも緊密に連携できる地元区に、都が整備する部分も含めて管理運営を一体的に任せることといたしました。
 これにより、地元の住民組織や商業施設などの事業者と連携し、おのおのの持つアイデアやノウハウを生かした、より一層のにぎわい創出が可能になるものと考えております。

○議長(川井しげお君) 二十三番舟坂ちかお君
   〔二十三番舟坂ちかお君登壇〕

○二十三番(舟坂ちかお君) 初めに、空き家対策についてお伺いをいたします。
 都内には八十二万戸の空き家が存在し、この中には、老朽空き家など地域の住環境に悪影響を与えているものがある一方で、腐朽、破損のない利用活用可能な空き家は六十六万戸あります。
 住宅は使われないと、老朽化の進行は早まります。空き家を積極的に利活用する意識を持たないまま放置してしまうと、いざ利活用しようと思ったときには、修繕に多額の費用がかかってしまうことになってしまいます。また、空き家を抱え、どうしてよいか相談する先もわからず、空き家をそのままにしておくという所有者が相当数存在しております。
 空き家の適正管理や利用活用を進めるためには、所有者に管理の重要性を周知するとともに、きめ細かな助言を行うことが重要と考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 次に、オリンピック・パラリンピック大会についてお伺いいたします。
 二〇二〇年に開催されるオリンピック・パラリンピックでは、二百以上の国、地域から選手が参加するとともに、監督やコーチ、メディアなど大会関係者、観客など、多くの外国人の方が東京を訪れます。
 こうした外国からの来訪者を案内する役割を担うこととなるのがボランティアであり、大会運営上、果たす役割は非常に大きいと考えます。
 特に、日本は外国からの来訪者にとっては、言葉の障壁が厚いと考えられているのではないでしょうか。選手はリラックスして競技に集中し、観戦に訪れた観光客は安心して東京観光を楽しむ。そのためには、まず、東京の顔となるボランティアの方々と円滑なコミュニケーションをとれることが重要となります。
 ロンドン大会では、英国に在住する多くの語学ボランティアが、選手村や競技会場、メディアセンターなど、さまざまな場面で活躍し、世界各国からの選手や来訪者に丁寧に接していたとのことです。日本選手団についても、在英の日本人ボランティアがサポートし、好評を得ていたと聞いております。
 二〇二〇年大会においても、ボランティアが選手や大会関係者、観客に対し、さまざまな外国語で適切に対応していくことが必要であると考えますが、外国語での対応が可能なボランティアをどのように確保していくのか伺います。
 二〇二〇年大会の期間中、多言語によるボランティアの案内により、東京を訪れた外国からの旅行者には、大会会場のみならず、都内のさまざまな場所で、東京の滞在を楽しんでいただくことを願っております。
 しかし、快適な滞在には、安全・安心が確保されていることが大前提となります。その点、東京は世界の大都市と比較して治安のよい都市としても知られております。オリンピック・パラリンピックの招致に際しても、この点は大きな強みであったと聞いております。
 一方、世界の注目が東京に集まるオリンピック・パラリンピックの開催に当たっては、悪意を持った者から標的とされる危険も十分に考えられます。これまで日本において当たり前だったことが、二〇二〇年にそのまま通用すると考えるわけにはいきません。しかも、今や、テロなどのリスクは、比較的警備の緩やかなターミナル駅や公園、美術館など多くの人の集まる場所にも存在します。
 二〇二〇年大会を史上最高の大会にするためには、大会を訪れる人々が、交通機関や観光施設などさまざまな場所で、安全・安心面でも東京はすばらしいと実感できる万全なセキュリティー対策が必要です。
 二〇二〇年大会に向け、都はどのようにセキュリティー対策に取り組むのかお伺いをいたします。
 次に、東京水道の魅力を発信する取り組みについてお伺いをいたします。
 私は、金町浄水場を初め、一〇〇%高度浄水処理された東京の水は世界最高だと考えております。水道水が飲める国は世界では数少ないにもかかわらず、東京でおいしい水がいつでも身近に飲めることが、余り知られていないように見受けられます。
 折しも二年後の二〇一八年には、水の関係者が一堂に会するIWA世界会議、いわゆる水サミットが日本で初めて東京で開催をされ、二〇二〇年には、東京オリンピック・パラリンピックが控えております。
 それらを見据え、国内外の多くの方々に東京の水道の魅力を発信する取り組みが必要だと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
 水道局では、今月、新たな取り組みとして、東京水道イノベーションプロジェクトを発表いたしました。その中の施策に、水筒などに水道水を補給する装置を、人が多く集まる施設などPR効果の高い場所で広めていく、ボトルディスペンサー設置モデル事業があります。
 都民の水分補給に一役買うとともに、水道水は、製造や輸送にかかわる二酸化炭素の発生が極めて少ないなど、環境への優位性を発揮し、安全でおいしい東京の水道のすばらしさをぜひ感じてもらいたいと思います。
 そこで、このボトルディスペンサー設置モデル事業の今後の展開についてお伺いをいたします。
 また、このプロジェクトでは、東京の都市力向上や国内外への貢献といった視点に基づく施策が盛り込まれております。こうした施策は、世界一の都市を目指す東京にとって、極めて有意義だと考えます。
 このため、幅広い施策で構成されたこのイノベーションプロジェクトをしっかりと推進していくことが重要だと考えますが、今後の具体的な取り組みをお伺いいたします。
 次に、災害に強いまちづくりについて伺います。
 私は常日ごろ、自然災害に脆弱な環境にある下町や城東地域の都民の命と財産を守ることが重要と考えております。城東地域は、東京、日本の近代化の原動力となり、工業化を推し進め、地下水を利用し、生産性を上げ、日本の経済成長に貢献してまいりました。当時は、自然環境への影響についても危機感が薄く、産業優先の声が圧倒的に強かった背景もありますが、地盤沈下対策はおろそかでした。そのため、海抜ゼロメートル以下の地域が多く存在し、水害が発生する危険性が高くなっております。
 また、葛飾区、墨田区、足立区などの荒川沿いには、木造住宅密集地域が広がっており、災害時には特に甚大な被害が想定されております。世界一の都市東京の実現には、東京全体の安全・安心の確立が不可欠と考えます。
 そこで、災害に強いまちづくりについて、知事の見解をお伺いいたします。
 次に、スーパー堤防について伺います。
 かつて、スーパー堤防は不要と声高に訴えた政党がありました。確かにスーパー堤防が完成するまで長い時間がかかりますが、これを克服せず、無駄なこととして大切な政策を放棄してしまいました。このような政党には、地域の人々の命と財産を守ることはできません。
 自民党は、都民の生命、財産を守り、次世代に安全で安心のできる都市を引き継いでいくために、さらに努力してまいります。
 東部低地帯は、国と都が管理する河川に囲まれており、それぞれの区間でスーパー堤防が連続することにより、多くの都民の生命、財産を守ることになり、その効果ははかり知れません。
 また、都が進めるスーパー堤防は、国よりも小規模ではありますが、背後の公園等と連携すれば、津波、高潮の際には避難場所となるなど、単独でも効果を上げます。
 そこで、都のスーパー堤防整備の取り組みについてお伺いをいたします。
 最後に、鉄道立体化について伺います。
 連続立体交差事業は、踏切による交通渋滞を解消するなど、地域の交通環境を根本的に改善します。私の地元、京成本線の連続立体交差事業は、葛飾区内においては、四ツ木駅から青砥駅間を事業中であり、昨年末、工事説明会を開催し、事業は着実に進んでおります。
 一方、京成高砂駅から江戸川駅間の鉄道立体化については、平成二十年から検討を進めているとのことですが、いまだ事業化されてはおりません。京成高砂駅付近は、一時間に五十分以上閉まっている、いわゆるあかずの踏切があり、まちの健全な発展が阻害されております。
 また、大地震や大規模な風水害などの災害時には、列車の緊急停止などに伴い、長時間にわたって踏切が閉鎖され、緊急車両の通行や住民の避難に支障を来すおそれがあることから、防災性の向上にも資する連続立体交差事業に取り組むべきであります。
 そこで、京成高砂駅から江戸川駅間の鉄道立体化に向けた取り組み状況についてお伺いをし、私の質問といたします。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 舟坂ちかお議員の一般質問にお答えします。
 まず、東京水道でございますけれども、東京には世界一の水道システムがあると、私は常々申し上げております。蛇口をひねっただけでおいしい水が飲める、これはもう東京の大きな魅力であります。
 ご指摘のように、二〇一八年の水のサミット、IWA世界会議、さらに、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会を見据えた施策展開が、この水の魅力を発信するために非常に必要だと思っております。
 そこで、例えばタップウオーター、タップウオーターというのは蛇口という意味ですけれども、タップウオーターステーションを、IWA世界会議の会場であります東京ビッグサイトと、それから現在建設中の武蔵野の森総合スポーツ施設に設置をしたいと思っています。そこにいろんな方が来られて、蛇口をちょっとひねるだけでこの水が飲めると、こういう試みであります。
 また、我々は江戸時代から玉川上水、こういうすばらしい水道の歴史を、世界に冠たるものでありますけれども、持っておりますので、これはぜひ、玉川上水をめぐるバスツアーのようなものを、それからまた、水に関する絵を集める展覧会のようなものも考えたいと思っております。
 こういう取り組みを通じまして、国内外の多くの方々が、東京の魅力を水を通じて再発見すると、こういう取り組みを行いたいと思っています。
 続きまして、災害に強いまちをどうしてつくるかということでありますけれども、いつも申し上げておりますように、安全・安心の確保、これは東京の発展の大前提でございます。首都直下地震、大規模水害、いつ起こるかわかりません。さらに災害に強い都市づくりを進めていきたいと思いますが、ご指摘のように、区部東部には水害の危険性が高いゼロメートル地帯が広がっております。引き続き、防潮堤や護岸、スーパー堤防の整備などに取り組みまして、都民の生命や財産を守っていきたいと思っております。
 荒川沿いを初め、木密地域では、不燃化特区の取り組みや特定整備路線の整備を推進しております。これに加えまして、延焼遮断帯の内側の区域において、生活道路の計画的な整備を図りまして、沿道の建てかえを推進すると。そのことによって、燃えない、そして地震があっても倒れない、こういう市街地につくり変えていきたいと思っております。
 このような取り組みを着実に進めまして、自然災害への備えを確かなものとして、世界一安全・安心な防災都市を築き上げていきたいと考えております。
 そのほかの質問につきましては、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔東京都技監安井順一君登壇〕

○東京都技監(安井順一君) 空き家所有者への助言などについてでございますが、空き家の適正管理や利活用を進めていくためには、その立地や住民のニーズなど、地域の実情を把握している区市町村の役割が重要でございます。
 このため、都は今年度、区市町村が行う実態調査や、調査を通じた空き家所有者への情報提供などの取り組みにつきまして、財政支援を開始いたしました。
 今後は、空き家の適正管理や利活用に関するリーフレットの配布、ホームページでの公表など、所有者への周知に取り組んでまいります。
 また、区市町村の相談窓口におきまして、具体的な助言を行えるように、不動産や建築などの団体と協定を締結いたしまして、専門家を派遣する体制を構築するとともに、来年度からは、その相談業務に要する費用の助成を実施いたします。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、二〇二〇年大会における外国語での対応可能なボランティアの確保についてでございますが、世界中から東京を訪れる選手や大会関係者、観客をおもてなしする上で、さまざまな言語に対応する語学ボランティアの活躍が必要不可欠でございます。
 今週末に開催されます東京マラソンでは、七百名を超える多言語対応のボランティアが、スタート地点などで外国人ランナーをサポートする予定であります。
 現在、官民さまざまな関係団体が参加する東京都ボランティア活動推進協議会におきまして、大会関連ボランティアの裾野拡大などに関する検討を進めており、この秋を目途に、その戦略を策定いたします。
 協議会には、在日外国人の関係機関、留学生が在籍する大学なども参画しておりまして、東京マラソンでの経験を生かしながら、大会における語学ボランティアの育成や活用について検討を重ね、戦略に反映させてまいります。
 次に、二〇二〇年大会のセキュリティーについてでございますが、都は開催都市の責務として、交通機関なども含め、都内全域において、国内外から大会を訪れる全ての人の安全・安心を確保していく必要がございます。
 このため、現在、庁内横断的な安全・安心部会におきまして、治安、サイバーセキュリティー、災害、感染症の四つの視点から、大会時に想定されるさまざまなリスクの洗い出しを進めております。
 今後は、国にも参加を求め、検討体制を強化いたします。また、鉄道事業者等、幅広い関係機関と連携して、リスクに対応した訓練を重ね、二〇一八年までに対処要領を策定いたします。
 さらに、その翌年に開催されますラグビーワールドカップでの経験も踏まえた検証、見直しを行い、二〇二〇年大会に向けた危機管理体制を構築してまいります。
   〔水道局長醍醐勇司君登壇〕

○水道局長(醍醐勇司君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、ボトルディスペンサー設置モデル事業についてでありますが、このモデル事業は、都民に外出先でも安全でおいしい東京の水を飲んでいただくとともに、飲料容器を使い捨てせず、マイボトルを持ち歩くなど、環境に配慮した身近な行動に結びつけることを目的としております。
 水道水には、ミネラルウオーターなどのボトルウオーターと比べまして、製造、輸送にかかわる二酸化炭素の発生は極めて少ないという優位性がございます。
 こうした優位性や水質に関する情報をPRする機能につきまして、東京水道仕様のボトルディスペンサーに持たせた上で、水の科学館など水道局の施設を初め、都立のスポーツ施設等に今後幅広く設置してまいります。
 次に、新たなプロジェクト推進の具体的な取り組みについてであります。
 今月始動いたしました東京水道イノベーションプロジェクトでございますが、都市力の向上や国内外への貢献、水道文化の継承などを柱にした新しい戦略でありまして、この取り組みを着実に推進していく必要があります。
 このため、本プロジェクトで示した各施策の具体的なロードマップを今後策定するほか、関係機関と連携して推進体制を確立するとともに、都民参加の仕組みを新たに構築するなど、さまざまな取り組みを展開してまいります。
 IWA世界会議や、二〇二〇年東京大会、さらにその先の将来を見据えまして、多様な主体との連携のもと、本プロジェクトを推進し、世界一の東京水道システムをさらに進化させ、国内外へ発信していきます。
   〔建設局長佐野克彦君登壇〕

○建設局長(佐野克彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、都のスーパー堤防整備についてでございますが、都のスーパー堤防は、地震に対する安全性と河川環境の向上を目的として、川沿いの開発等と一体的に、奥行き最大六十メートルの盛り土を行うものでございます。
 整備対象は、東部低地帯の隅田川、中川、綾瀬川など五河川であり、平成二十六年度までに約十六キロメートルが完成し、現在、三キロメートルで実施中でございます。
 例えば、完成した中川の東立石地区では、葛飾区の公園と一体的な整備を行うことにより、防災活動拠点を形成し、さらに、防災船着き場が設置されるなど、地域の安全を守る一翼を担っております。
 今後とも、都民の命と暮らしを守るため、国のスーパー堤防の整備促進を引き続き求めるとともに、地元区の施設整備や開発等との連携を積極的に図りながら、都のスーパー堤防整備を着実に進めてまいります。
 次に、京成本線京成高砂駅から江戸川駅間の鉄道立体化についてでございますが、連続立体交差事業は、数多くの踏切を同時に除却することで、交通渋滞や地域分断を解消するとともに、防災性の向上にも寄与する、効果の高い事業でございます。
 本区間は、都市計画道路と三カ所で交差し、二カ所があかずの踏切であるなど、鉄道立体化による踏切解消が必要な区間であると認識しております。
 都は、平成二十年に事業候補区間に位置づけ、事業範囲や構造形式などの検討を進めてまいりました。本区間の鉄道立体化には、京成高砂駅付近にある約四・三ヘクタールの車両基地の取り扱いが課題となっており、現在、その移転について検討をしております。
 引き続き、地元区や鉄道事業者と連携し、鉄道立体化に向けて積極的に取り組んでまいります。

○議長(川井しげお君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時二十分休憩

   午後五時四十分開議

○議長(川井しげお君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 五十七番河野ゆりえさん
   〔五十七番河野ゆりえ君登壇〕

○五十七番(河野ゆりえ君) 伝統工芸について質問します。
 東京都には、江戸木目込み人形、江戸押し絵羽子板、江戸筆、東京銀器など、現在四十品目が伝統工芸品として指定されています。
 東部地域の江戸切り子や多摩の織物など、伝統工芸の集積産地もあります。中でも、新宿区の染物は、京友禅、加賀友禅と並ぶ全国三大産地の一つです。
 都は伝統工芸士の認定もしており、名誉都民には、江戸小紋の小宮康孝さん、江戸和竿師の中根喜三郎さんを初め、計八人が選ばれています。
 名誉都民で江戸風鈴制作者の篠原儀治さんは、戦地から帰り、焦土となった東京で、まずガラスの破片を集めて瓶をつくり、生活費を捻出しながら、風鈴づくりを復活させました。
 伝統工芸の歴史は縄文時代にさかのぼるといわれており、多くの品々が生活の中で生み出されました。伝統工芸はまさに日本の宝、東京の宝です。
 ところが今、伝統工芸の多くが深刻な状況に置かれています。
 京都府は、二〇〇五年に定めた、伝統と文化のものづくり産業振興条例の前文で、日々の暮らしの中から伝統的な生活文化が失われつつあり、それと密接に結びついてきた伝統と文化のものづくり産業の多くは、存続が危ぶまれるほど厳しい状況にあるとの認識を示しています。
 東京でも、このままでは自分の代限りかもしれないという危機感が関係者に広がり、貴重な技術、技法を途絶えさせず、次世代に継承できるよう、懸命の努力が続いています。
 伝統的工芸品産業振興法は、伝統的工芸品が、民衆の生活の中で育まれてきたことを重視し、伝統的工芸品の産業の振興を図ることは、国民の生活に豊かさと潤いを与えるとともに地域経済の発展に寄与し、国民経済の健全な発展に資するものだと位置づけています。
 知事は、伝統文化と現在の文化が共存している東京独自の文化を世界に発信していくと発言しています。
 知事、江戸文化と現在の東京の文化とを結んで発信していく上で、伝統工芸品産業の役割は重要であると考えますが、どう認識していますか。東京の伝統的工芸品産業をめぐる状況について、どう受けとめていますか。都として抜本的な支援を強める必要があると思いますが、いかがですか。
 京都府には、民間の大学と連携した職人養成の京都伝統工芸大学校が設立されています。木工、漆、陶芸、彫刻など八分野を学ぶことができます。府立の清水焼などの陶工を養成する高等技術専門学校もあり、全国から学生を受け入れています。清水焼の若手職人のほとんどが技術専門学校の卒業生とのことでした。
 金沢市は、卯辰山工芸工房を市が創設し、全国ばかりか海外からも研修生を受け入れています。
 佐賀県は有田焼など陶磁器の技術者を養成する県立の大学校を設置しており、福岡県には博多織の養成校があります。
 伝統工芸品は手づくり、手作業ですから、制作に当たる人材、職人の後継者を育てることが重要です。都の認識と今後の取り組みを伺います。
 金沢市の卯辰山工芸工房では、研修者は授業料無料で、それに加えて月額十万円の奨励金が三年間支給されます。寮に入れば、家賃は月二万円程度です。金沢市は、それ以外にも、伝統工芸の専門的知識や技術を習得しようとする人に月五万円から十二万円まで給付する制度があります。ひとり立ちして工房を開設するときは、経費の二分の一、二百五十万円まで助成し、工房の家賃も半額を二年間助成しています。これらの経済的支援は、収入が少ない若手職人の大きな支えになっています。
 人材育成には経済的支援も欠かせません。都としても、研修者への奨励金や、ひとり立ちする人への工房の家賃を助成する制度を検討するよう求めるものです。お答えください。
 販路の拡大や後継者育成のために、伝統工芸を知ってもらう、見てもらう場所の確保が大事です。そのため、全国の自治体には、常設の展示館を設けている自治体が数多くあります。三千万人の人口を擁する首都圏のマーケットに注目して、東京への販路拡大に乗り出してきています。
 例えば、金沢市には、市内に金沢の伝統工芸を一堂に集めて身近に工芸のわざを感じることのできるアンテナショップがあるほか、東京銀座に伝統工芸の魅力発信拠点が開設されています。
 ところが、東京都には、都指定の四十品目を初めとした都内の伝統工芸品をそろえた常設の展示の場がありません。都こそ、首都圏の巨大な市場力を伝統工芸産業の振興に全面的に生かすべきと思いますが、いかがですか。
 新宿区落合、中井地域では、ことし七回目を迎えた、染の小道実行委員会主催のイベントが地域に定着し、海外からの観光客も多数訪れています。昨年十月には、高田馬場、早稲田の染色業者が加わったお江戸新宿紺屋めぐりも開催されました。
 都として、こうした自治体による伝統工芸の普及啓発の取り組みに対して財政支援をしてはどうですか。
 東京発クールジャパンの取り組みの中に、伝統工芸を位置づけていることは重要です。都の中小企業振興公社が伝統工芸の職人やデザイナーを公募し、材料費、試作品の買い取り費用、デザイナー料などを支援して、新しい商品をつくり出す事業です。
 デザインの力で伝統工芸に新しい息吹を起こそうとする、今年度から始まったこの事業を、さらに拡充し、発展させていくことが重要だと思いますが、いかがですか。
 児童生徒に伝統的工芸品に触れてもらう機会をふやすことも大切です。
 墨田区では、社会科の授業で、まちの工房や小さな博物館を訪れています。美しさと機能性を備えた作品に触れた子供たちは目を輝かすそうです。将来、後継者になる可能性も感じると工房の職人さんはいっています。
 金沢市では、小学生に加賀友禅のハンカチ染め体験、小学校四年生でミュージアムクルーズ、中学三年生で能の鑑賞などを授業に入れています。
 都として、小学校、中学校、高校、特別支援学校の児童生徒が学校教育の場で伝統的工芸に直接触れ、学び、制作を体験できるようにすることが重要だと考えますが、いかがですか。
 東京の伝統工芸職人の方々の高い技術によって生み出された品々は、江戸時代以来の歴史があり、伝統文化の一つでもあります。
 都が昨年策定した東京文化ビジョンで、東京の独自性の源泉ともいえる伝統文化を次世代に引き継ぎ、発展させていくとしています。東京の伝統文化の魅力を発信するため、文化事業の中で伝統工芸をどのように位置づけて取り組んでいくのですか。
 伝統産業が置かれている厳しい現状を打開するために、産業振興だけでなく、文化、教育、観光など、局横断的な政策展開を進めるよう知事に求めておきます。
 次に、マンション施策について質問します。
 私の住んでいる江戸川区には、一九八一年以前の旧耐震基準のマンションが百八十一棟あり、都内のマンション百六十八万戸の約二割が旧耐震基準で建設のものです。マンションの老朽化対策が課題になっています。
 あるマンションでは、給配水管にふぐあいが生じ、緊急性が高い配水管の補修はしたのですが、修繕積立金の不足から給水管の補修には着手できず、水漏れ事故が起きるたびに保険を使って応急対応でしのいでいます。居住者の高齢化で修繕積立金の引き上げも困難です。また、別のマンションでは、給水管、配水管の共有部分と私有部分の区分けが難しいことなどで、修繕の方針が決まらないままです。
 都内では、少なくないマンションが、老朽化と居住者の高齢化で維持管理の困難に直面しています。しかし、国の調査では、永住したいというマンション居住者は、二十年前の約三割から、今日では半数を超えているのですから、安心して住み続けたいという願いに支援の手が待たれています。この問題は、いずれ九〇年代以降に建てられたマンションにも押し寄せる課題ですから、行政の支援を手厚くすることは、マンションの維持管理や再生に役立ちます。
 東京ではおよそ四世帯に一世帯が居住しており、地域社会を構成する重要な要素となっているマンションの維持管理に果たす行政の役割について、都の認識を伺います。
 管理の悩みや、区分所有であることなどから生まれるマンション特有の複雑な問題に心を寄せ、適切な支援をする専門家の役割は重要です。都は、マンション管理アドバイザー制度を設けていますが、利用は低調です。
 今後、建物の老朽化や居住者の高齢化が進むマンションの急増が見込まれる中、管理組合による適切な維持管理を支援していくためにも、管理アドバイザー制度の一層の利用促進を図っていく必要があると考えますが、都の認識を伺います。
 利用促進のために区市町村が助成制度を創設できるよう、都として支援することが必要ではないですか。
 マンションの防災対策も重要です。特に中小規模のマンションでは、地域の町会等に加入しているため、防災資機材の支給は管理組合にありません。行政と管理組合の防災面での直接のパイプをつくっていく必要があります。
 管理組合に防災組織をつくること、防災計画づくりのアドバイス、マンション独自の防災訓練の実施、備蓄物資や資機材の支給など、きめ細かい都の支援を求めるものですが、いかがですか。
 都は、マンションの耐震化を進めるために、行政職員と専門家がセットになってマンションを訪問し、さまざまな聞き取りを行い相談に乗るマンション啓発隊に取り組んできました。一層の強化が求められていると思いますが、都は今後、マンション啓発隊の活動をどのようにしていくつもりですか。
 また、この間の聞き取りの成果をマンション耐震化の促進に役立てることが大切ですが、どのような教訓があり、どのように生かしていくつもりですか。答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 河野ゆりえ議員の一般質問にお答えをいたします。
 伝統工芸産業についてでございますけれども、江戸の昔から今日まで受け継がれてまいりました伝統工芸品は、日本人の感性とたくみのわざにより生み出されてまいったものであります。こうした伝統工芸品の普及は、東京の歴史や文化の価値を広く発信することにつながります。
 都は、消費者のライフスタイルの変化や大量生産品との競合などの課題を克服し、産業として維持発展できるよう、販路の開拓、それから人材育成などを後押ししてまいりました。
 今年度からは、現代的なデザインの商品開発など、新たな市場を切り開く支援にも着手しております。
 産業としても、また文化としても価値のあるものづくりの伝統を東京の強みとして、今後ともさらに発展させていく決意でございます。
 そのほかの質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 伝統工芸に直接触れ、学び、体験する教育についてでありますが、児童生徒が伝統工芸品等に触れたり、制作したりする体験は、日本の伝統や文化について理解するとともに、豊かな感性を育む上で重要であります。
 各学校においては、教科や学校行事、部活動等、さまざまな場面で、地域の博物館や美術館等を活用しながら、児童生徒がすぐれた作品を鑑賞したり、専門家から直接指導を受けたりする学習を進めております。
 また、都教育委員会は、各学校の取り組みが一層充実するよう、都内の文化施設の企画展や伝統工芸品の展示会等に関する情報の発信や、体験的な学習に関する実践事例を掲載した指導資料の作成、配布等を行っており、今後とも、こうした取り組みを継続してまいります。
   〔東京都技監安井順一君登壇〕

○東京都技監(安井順一君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、マンションの維持管理に果たす行政の役割についてでございますが、マンションは私有財産であり、その維持管理は管理組合がみずからの責任で行うことが基本でございます。
 一方で、マンションは、まちの構成要素でもあり、まちづくりの推進、コミュニティの活性化、あるいは地域の魅力、防災力の向上とも関係するなど、個人の私的生活の場にとどまらず、社会性を有していると認識してございます。
 そのため、適正な管理や再生を促すことは、公共性、公益性の観点からも重要でございます。
 次に、マンション管理アドバイザー制度についてでございますが、都は、組合の求めに応じまして、マンション管理に専門的なノウハウを持つ管理アドバイザーを派遣する制度を設けており、これまで同様、制度の利用を促進してまいります。
 なお、区市によってはアドバイザー派遣費用への助成を実施しているところもあり、都は、そうした情報も他の自治体に提供しております。
 次に、マンションの防災対策についてでございますが、マンションの防災力を高めるためには、管理組合が主体的に対策に取り組むことが重要でございます。
 都はこれまでも、管理組合が適正な管理を行うための手順や方法などを取りまとめたガイドラインを策定し、災害に備えて準備しておくべき事項等について普及啓発を図ってまいりました。
 今後とも、管理組合による防災対策への取り組みを促してまいります。
 最後に、マンション啓発隊についてでございますが、管理組合への個別訪問により耐震化への取り組みを促すマンション啓発隊の活動を通じまして、これまで、耐震化には関心があるものの、合意形成を図る上で費用負担や居住者の高齢化等が課題となっていることが明らかになってございます。
 このため、都は、管理組合に対しまして耐震化助成制度等を周知し、その活用を促しており、引き続き普及啓発に取り組んでまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 伝統工芸に関する五点のご質問にお答えをいたします。
 まず、伝統工芸の後継者育成についてでありますが、伝統工芸の後継者育成は重要であり、都は、若者が親方のもとで職場体験を行う職人塾を引き続き実施してまいります。
 次に、若手職人に対する支援についてでありますが、都は、意欲ある若手職人が新作の工芸品を展示販売する場の提供や商品開発、展示等に関する講習会の開催など、効果的な支援を行うことにより、その成長と自立を促しております。
 次に、首都圏の市場力の活用についてでありますが、都は、都心の商業施設で伝統工芸品展を開催するほか、今年度は集客力の高い都内展示会への出展を支援しております。引き続き、効果的な支援に取り組んでまいります。
 次に、自治体への支援についてでありますが、都は、伝統工芸品産業を初めとする地域の産業集積の維持発展に取り組む区市町村を支援しており、引き続き着実に実施してまいります。
 最後に、商品開発支援についてでありますが、都は今年度から、現代の消費者に受け入れられるような新商品の開発支援に取り組んでおります。来年度も新規の開発を行い、完成後はPRや販路開拓を支援してまいります。
   〔生活文化局長多羅尾光睦君登壇〕

○生活文化局長(多羅尾光睦君) 文化事業における伝統工芸の発信についてですが、都は、江戸以来、継承されてきた伝統工芸の魅力を博物館などで紹介しています。
 江戸東京博物館においては、江戸の職人たちの手による工芸品を展示し、当時の人々の美意識を伝えております。
 また、浜離宮恩賜庭園での東京大茶会において、伝統工芸の実演の機会を設けるなど、その魅力を発信しており、引き続きこのような取り組みを行ってまいります。

○議長(川井しげお君) 六十八番柴崎幹男君
   〔六十八番柴崎幹男君登壇〕

○六十八番(柴崎幹男君) 初めに、新三本の矢について伺います。
 本年、安倍政権は、少子高齢化という長年の懸案に真っ正面から挑戦するため、戦後最大のGDP六百兆円、希望出生率一・八、介護離職ゼロという大きな目標を掲げ、この三つの的に向かって新しい三本の矢を放つ一億総活躍への挑戦を始めています。
 一億総活躍の社会をつくり上げることは、今を生きる私たちの次世代に対する責任であります。そのスタートを切る本年は、未来へと果敢に挑戦する一年です。
 今回、知事は、平成二十八年度予算を、二〇二〇年とその先に向けた積極果敢な施策展開を図るとともに、強固で弾力的な財政基盤を構築することを基本に編成しております。こうした両面を編成の柱に据えた点は、我が党の基本姿勢と軌を一にするものであります。
 先日、国と連携し日本全体の成長を支える首都東京の取組として、安倍政権の新三本の矢に対応する都の予算、約七千億円が発表されました。これは安倍政権の進める取り組みに呼応し、都の先駆的な施策を着実に進めるとともに、東京のみならず、日本全体の成長にもつながるものであります。国と連携し、東京都の成長戦略をしっかりと描いていくことが重要であります。
 そこで、新三本の矢に対応する都の取り組みをもとに、今後、国とどのように連携していくのか、知事の所見を伺います。
 次に、産業振興について伺います。
 ブラジルのリオで五輪が開催される二〇一六年は、次の開催都市であるここ東京がいよいよ脚光を浴びる一年となります。
 特に、日本独自の歴史や文化が紡ぎ出す伝統工芸品やアニメなどのいわゆるクールジャパンの分野は、世界で高い評価を受けています。しかし、小零細の事業者も多く、自身の力だけで世界に打っていくことはハードルが高いという事情もあります。
 都は、今を好機と捉え、クールジャパン関連産業の支援を一層充実すべきであります。とりわけ、海外におけるPRや販路拡大など、世界に向けた発信の取り組みへの支援を強化する必要があると考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、アニメ産業について伺います。
 クールジャパンの一つにアニメ産業がありますが、私の地元練馬区では、有名なアニメ作者も住み、その作品のキャラクターを地元の商業や観光の振興に役立てています。アニメ産業が力をつけることで、日本や東京の魅力と文化が世界に伝わり、都内経済を支える分野となる可能性があります。
 東京のアニメ産業が広く世界で活躍できるよう、海外への販路をつくり出す取り組みを後押しすることが重要です。さらには、東京でアニメ産業の人材を確保するため、かつて使用されたセル画の現物等に間近に触れる機会をつくるなど、国内外の観光客誘致にも活用すべきであります。
 都は来年度、アニメ産業の振興をどう進めるのか、所見を伺います。
 次に、創業支援拠点について伺います。
 アニメ産業も含め、経済の活性化に向けては、新たな事業の担い手を次々と生み出していく起業、創業の促進が重要です。
 都は今年度、我が党の要望に応え、創業経費や創業支援施設の整備費などを補助する百億円の基金を創設しました。練馬区でも創業支援を充実させており、昨年度開設した創業講座は約六百名が受講いたしました。
 開業率一〇%という目標に向けて、創業希望者の掘り起こしとともに、さまざまな創業支援の取り組みを結びつけ、事業の成功に導いていくことが重要です。そのためにも、創業に関心を持った人が気軽に訪れ、専門家の支援を受けられる場づくりが必要です。
 都が来年度新たに設置する創業支援拠点における取り組みを伺います。
 次に、観光振興について伺います。
 東京の観光地としての魅力を宣伝する東京ブランドのロゴ、&TOKYOは、都内でも次第に目にする場面もふえていますが、その活用をしっかりと進めるべきです。
 ことしの八月のリオ大会では、東京ブランドも十分に使いながらPR活動を展開するとともに、都がこれまで宣伝活動を行った実績のある都市でも取り組みの強化が必要であります。
 都として、来年度、東京の観光PRを海外でどのように取り組むのか、所見を伺います。
 次に、観光のアクションプログラムについて伺います。
 外国人旅行者の急増やそれに伴う旅行消費の増大など、東京の観光を取り巻く環境は急速に変化をしています。こうした動きへの適切な対応とともに、今まで以上により多くの国からの旅行者が増大するよう、スピード感のある観光施策を打ち出す必要があります。
 先日開催された有識者会議では、水辺に関連して大型客船による旅行者の誘致や、観光まちづくりにライトアップを生かす着想など、幅広いアイデアも出てきたと仄聞しています。おのおのの取り組みには課題も多いものの、業界を含めた多様な意見も確実に受けとめながら、実現のできる部分からプログラムに反映していくことが重要であります。
 アクションプログラムの策定に向けて、都としてどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 次に、外環ノ2について伺います。
 上石神井駅付近では、南北方向の幹線道路が未整備のため、生活道路への通過交通の流入や、駅前のバスの乗降スペースが不足するなど、安全性や利便性の確保が課題であります。
 これらの解決には外環ノ2の整備が必要であり、道路整備で影響を受ける商店街の再生など、練馬区や地元が進めるまちづくりと連携を図りながら取り組むべきであります。
 一方、上石神井駅を含む西武新宿線の連立事業が、事業化に向けて一歩踏み出すこととなりました。外環ノ2の整備についても、具体化に向けた取り組みを一層進める必要があります。
 そこで、上石神井駅付近における外環ノ2の整備につきまして、今後都はどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、気候変動対策について伺います。
 都は平成二十二年度から、都内のエネルギー消費の約二割を占める大規模事業所に対して、温室効果ガスの排出総量削減義務と排出量取引制度、いわゆるキャップ・アンド・トレード制度を導入しています。この制度は、大規模な工場だけでなくオフィスビルも対象とする点で、世界初の都市型制度であります。
 都が先般策定した二〇三〇年の新たな温室効果ガス削減目標の達成に向けても、引き続きこの制度を活用していく必要があります。
 昨年度で最初の計画期間五年が終了し、今年度からは次の計画期間が開始されています。これまでの成果と運用した経験を今後どう生かしていくのか伺います。
 次に、キャップ・アンド・トレード制度について伺います。
 最新の制御システムや再生可能エネルギー利用システムなど、我が国のすぐれた省エネ技術を導入している事業所について、トップレベル事業所として認定する制度が設けられています。
 都はこれまで、認定結果を事業者に個別に通知し、ホームページで公表しています。しかし、事業者からは、テナントや投資家への対外的なアピールの改善を求められております。
 トップレベル事業所をふやすためには、認定取得をみずからが広く発信できる仕組みが必要かと思いますが、見解を伺います。
 次に、オリンピック・パラリンピック大会について伺います。
 二〇二〇年東京大会開催に向けて、地域住民の参加による機運醸成や大会を契機としたスポーツ振興、多言語対応などのおもてなしなど、地元の区市町村と連携した取り組みを進めていくことが重要であります。
 私の地元練馬区では、来月行われる第二回こぶしハーフマラソンにおいてオリンピアンを招いたトークショーの開催や、重度障害者を対象とした施設でのボッチャ大会を開催するなど、さまざまな取り組みを行っています。
 各地での取り組みをより前進させるため、都は、区市町村が大会に向けて行う機運醸成等の事業について、既に補助制度を実施しています。
 しかしながら、ブラジルのリオ大会が開催される平成二十八年度は、まさにオリンピックイヤーであります。したがって、この補助制度を拡充し、都内各地で大会成功への機運を一気に盛り上げていくべきかと考えますが、所見を伺います。
 次に、子育て環境の整備について伺います。
 都における希望出生率は一・七六であり、これは目標値でなく、将来的な展望とのことであります。東京の出生率は全国最低を推移しており、平成二十六年では一・一五であります。
 出生率低下に伴う人口減少は、労働人口の減少、それによる経済成長へのマイナスの影響、社会保障費の負担増と、さまざまな面で東京、そして日本の将来をも左右する問題であります。
 出生率向上に向けては、結婚、出産、子育ての希望をかなえるため、若い世代を中心に、安定した雇用の確保や保育サービスの拡充、ワークライフバランスの推進、子育て世帯向け住宅の供給など、さまざまな分野における総合的な取り組みが必要であります。
 中でも、身近な地域における子育て環境の整備が重要でありますが、都の所見を伺います。
 最後に、来年度から全都立高校で本格的に実施する教科、人間と社会について伺います。
 これからの時代に生きていく子供たちを取り巻く社会は、複雑で多様化した課題が山積し、もはや一人の力で解決していくことが困難な状況となっております。
 そこで、地域と高校生の接点が多く、地元でも評判の高い教科、奉仕にかえて、さらに発展させた教科、人間と社会を導入するとのことであります。本教科は、道徳教育とキャリア教育の一体化を図るとのことです。
 来年度から全ての都立高校で全面的に実施する新教科、人間と社会の今後の取り組みについて伺います。
 以上で私の一般質問を終了いたします。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 柴崎幹男議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、新三本の矢にかかわる国との連携についてでありますけれども、安倍政権の新三本の矢は、強い経済を実現し、日本の構造的な課題であります少子高齢化に正面から取り組むものでありまして、経済成長と都民生活の質の向上を両立させるという東京都の施策と方向性を一にするものでございます。
 四年後に、いよいよこのオリンピック・パラリンピック東京大会が開かれますけど、その開催都市として成長戦略を果敢に展開して、日本全体の成長につなげていく、これは東京の責務でございます。二〇二〇年の成功を、その後の加速度的な発展を引き起こす大変革点としてまいりたいと思っております。
 そして、この東京、そして日本の発展を担う原動力は、都民、国民一人一人の活躍であります。非正規雇用対策や福祉人材の確保、育成など、国に先駆けた施策も展開することで、誰もが意欲と能力を十二分に発揮して活躍できる環境を整えてまいります。
 先般も一億総活躍担当大臣の加藤さんが来られましたけれども、国と綿密に意見交換を図り、施策を着実に前に進めていくことが、東京と日本のこれからの発展に大きな弾みとなります。そのため、今回の新三本の矢に対応した取り組みを、約七千億円ということで取りまとめたところでございます。
 現場を持つ首都東京が国としっかりとスクラムを組んで、日本の明るい未来を切り開いていく決意でございます。
 次に、クールジャパン関連産業についてご質問がございましたけれども、ご指摘のように、我々日本人の持つこの繊細かつ豊かな感性から生み出されます伝統工芸、アニメ、ファッションなどは、クールジャパンと呼ばれて、多くの海外の方々を魅了してございます。
 これらの分野は、世界にしっかりと受け入れられることによりまして、ビジネスとして大きく成長する可能性があるというふうに考えております。
 そこで、都は来年度、このクールジャパン関連産業の海外展開の支援を充実したいと思っております。そして、魅力を発信し、取引を拡大していくと。
 さらに、伝統工芸の分野では、たくみのわざに現代のデザインを取り入れました革新的な商品を開発する取り組みへの後押しに加えまして、国内外の展示会出展への支援も充実したいと思っております。
 また、地元にもおられるとおっしゃいましたけれども、アニメクリエーターやファッションデザイナーが世界を舞台に活躍できるように、東京の人、こういうクリエーターが頑張ってくれるわけですから、有力な海外バイヤーとの商談の機会などもお手伝いしたいと思っています。
 こうした取り組みを着実に進めることによりまして、クールジャパン関連産業を、東京の活力と成長を支え、そしてまた、東京の魅力を世界に発信する産業として育ててまいりたいと考えております。
 そのほかの質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 新教科、人間と社会についてでございますが、この教科は、道徳的価値を深める学習とキャリア形成に関する学習を融合した高等学校の新たな学びでございます。
 都教育委員会は、今年度、全都立学校での試行実施に当たり、教員研修等でこの教科の趣旨を徹底してまいりました。
 さらに、試行実施の成果や学校からの意見を踏まえて独自の教科書を完成させ、その中で、今後の社会を生き抜いていく上で解決すべき課題を取り上げ、人生のさまざまな場面でよりよい生き方を主体的に選択する学習を設定するなどの工夫をしております。
 来年度からの全面実施に当たり、生徒の主体的、協働的な思考を促す指導方法や外部人材の活用方法について教員研修等で周知するとともに、すぐれた実践事例を紹介するなどして、新教科の充実に向けた取り組みを推進してまいります。
   〔東京都技監安井順一君登壇〕

○東京都技監(安井順一君) 上石神井駅付近におけます外環ノ2についてでございますが、外環ノ2は、地域の幹線道路ネットワークを形成し、南北方向の交通円滑化などに寄与する都市計画道路でございます。このうち、上石神井駅付近の計画区間につきましては、駅前広場の確保や商店街の活性化など、地元区のまちづくりと連携して整備を進めていく必要がございます。
 これまで都は、地元区とともに住民を対象とするオープンハウスや説明会を開催し、道路事業の概要を周知するとともに、まちづくりに関する意向調査も行ってまいりました。
 来年度、区は、この結果を踏まえまして、商店街の魅力向上などを検討する勉強会を開催いたします。
 都は、これに参画するとともに、まちづくり手法を活用した道路整備の検討を行ってまいります。
 今後、用地測量にも着手するなど、早期事業化に向けて取り組んでまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、アニメ産業の振興についてでございますが、我が国のアニメ産業は国際的にも評価が高く、都内で活動する多くのクリエーターの海外展開を推進することにより、大きく成長する可能性がございます。
 このため、都は来年度から新たに、将来有望なクリエーターに対し、経験豊富な専門家の活用により、市場ニーズを踏まえた作品制作をサポートするとともに、多くのバイヤーが集まる海外の展示会への出展支援を行い、商談を促進し、海外展開を一層後押しいたします。
 さらに、都の保管するアニメ関連資料の展示を通じて、アニメの制作過程に触れる機会を提供することにより、アニメ産業の人材育成を図ってまいります。
 こうした取り組みにより、東京のアニメ産業の魅力を世界に発信し、その発展を後押ししてまいります。
 次に、創業支援拠点における取り組みについてでございますが、東京の産業競争力を強化するためには、新たな事業に挑戦する起業家を数多く生み出すことが必要でございます。
 このため、都は来年度、利便性の高いエリアに、まだ具体的なプランを持っていなくても、創業に関心のある誰もが気軽に利用できる、総合的な創業支援を行う新たな拠点を設置いたします。
 この拠点では、先輩起業家やベンチャーキャピタル、創業支援機関などが集い、それぞれの経験やノウハウ等を活用し、創業希望者の多様なニーズに応じた支援を展開いたします。
 また、区市町村等の創業支援に関するさまざまな情報を紹介することで、地域に根差した創業を後押ししてまいります。
 こうした取り組みにより、数多くの起業家を輩出し、東京の経済成長をより確かなものにしてまいります。
 次に、海外に向けた東京の観光PRについてでありますが、東京の観光地としての魅力を、東京ブランドのロゴ等を使い、二〇二〇年大会開催の機運の盛り上げにあわせ、海外に向けて効果的に発信することは重要でございます。
 これまで都は、東京ブランドのイメージ映像を海外のテレビCMで発信するとともに、世界十二都市に配置して、東京のPRを行っている観光レップにより宣伝活動を進めてまいりました。
 来年度は、リオ大会の開催時に現地で東京を紹介するジャパンハウスで、東京ブランドのPRを実施いたします。また、リオ市のまち中に東京の観光の広告を掲出するとともに、航空機の機内誌に宣伝の記事を掲載いたします。さらに、観光レップを通じ、各地の有力メディアを活用し、東京の観光PRを行ってまいります。
 これらの取り組みにより、世界に向けた東京の観光地としての魅力を着実に発信してまいります。
 最後に、観光のアクションプログラムの策定についてでありますが、観光を取り巻く状況の急速な変化に適切に対応するため、幅広い分野の有識者やさまざまな地域と業界等の意見を踏まえて効果的な施策展開を図ることは重要でございます。
 都は先日、有識者との第一回目の会議を開き、水辺の活用など三つのテーマを中心に観光振興のあり方について検討を行い、大型客船による旅行者誘致やライトアップの活用等に関し活発な意見交換を行いました。引き続き、有識者とさまざまなテーマについて議論を重ねてまいります。
 また、観光事業審議会などを通じて、観光に関連するさまざまな業界や地域の要望の把握を進めてまいります。
 そうした意見等を踏まえ検討を加え、来年度中にはアクションプログラムを取りまとめて施策の迅速な展開につなげてまいります。
   〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕

○環境局長(遠藤雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、キャップ・アンド・トレード制度についてでございますが、キャップ・アンド・トレードの第一計画期間は平成二十二年度から開始し、最終年の二十六年度には、基準年度と比べ約二五%のCO2削減を実現いたしました。
 こうした大幅削減は、本制度の導入を機に、経営者の意識が向上し、多くの企業が全社的に省エネ対策に取り組むようになったことが、主な要因であると認識をしております。
 今後、第一計画期間の制度運用を踏まえ、対象事業者の負担軽減を図る観点から、手続の一部を簡素化するとともに、事業者の省エネ努力を適切に反映できるよう、削減義務期間の弾力化を図ってまいります。
 引き続き、現場の実態に即した制度の運用に努め、さらなるCO2の削減を着実に推進してまいります。
 次に、トップレベル事業所認定制度についてでございますが、トップレベル事業所は、最新設備の導入やきめ細かい運転管理の工夫を行っている先進的な省エネビル、工場等でございまして、これまでに八十七事業所を認定いたしました。
 今年度からキャップ・アンド・トレードの第二計画期間が開始されておりますが、制度対象事業所全体の省エネ対策をより高い水準に引き上げるためには、牽引役となるトップレベル事業所の認知度を高め、その取り組みを普及させていくことが重要でございます。
 このため、トップレベル事業所であることを示す独自のマークを付した認定証を都が交付し、事業者がこの認定証を事業所内に掲示したり、認定マークを社員の名刺に表示するなど、さまざまな場面でPRに活用できるようにしてまいります。
 今後とも、本認定制度の適切な運用を通じて、すぐれた省エネ対策の普及を図ってまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 二〇二〇年大会に向けた区市町村支援についてでございますが、都では、区市町村における機運醸成や大会後の地域のレガシーにつながるソフト、ハード双方の事業に対しまして補助制度を設けており、現在さまざまな取り組みを実施しております。
 リオ大会後は東京大会への期待感が一気に高まることから、区市町村の自主的な取り組みをさらに加速することが重要でございまして、そのため来年度は、本補助制度を拡充強化いたします。
 具体的には、住民参加によるスポーツイベントやおもてなしのためのボランティア育成、障害者スポーツの体験教室などのソフト事業について、その限度額を引き上げます。
 また、バリアフリーや事前キャンプ誘致等に資する体育施設の改修などのハード事業につきましては、予算総額を大幅に増額いたします。
 今後、本制度の活用により、区市町村の主体的な取り組みをこれまで以上に促進し、オール東京で開催機運を盛り上げてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 地域における子育て環境の整備についてのご質問にお答えをいたします。
 都はこれまで、妊娠や出産に関する相談窓口の設置や不妊治療助成を都独自に拡充するほか、地域における子供と家庭の相談窓口である子供家庭支援センターの体制強化や保育サービスの拡充など、地域の実情に応じて子育て環境の整備に取り組む区市町村を支援してまいりました。
 今年度開始した、全ての子育て家庭の状況を妊娠期から把握し、継続した支援を行うゆりかご・とうきょう事業は、現在十三の区市町村で実施されており、来年度は四十一の区市町村での実施を見込んでおります。
 今後も、全ての人が安心して子供を産み育てられるよう、地域における子育て環境の整備を行う区市町村を積極的に支援してまいります。

○議長(川井しげお君) 十七番栗林のり子さん
   〔十七番栗林のり子君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○十七番(栗林のり子君) 初めに、児童虐待防止について伺います。
 平成二十六年度の都の虐待相談対応件数は約八千件であり、年々増加傾向にあります。残念ながら、ことしに入ってからも、連日のように幼い子供が虐待死するというニュースが後を絶ちません。
 パチンコへ行くために、六歳の息子を全裸で寒い浴室に監禁した親や、十代の娘の舌に火のついたたばこ押しつけたり、金魚の死骸を三十匹食べさせるといった猟奇的な虐待を繰り返していた母親など、耳を疑うような残酷きわまりない現状に胸が締めつけられます。
 先日の狭山市の三歳の女の子が死亡した虐待事件では、母親が昨年、三人目の子供を妊娠の際、パートナーの欄は空欄で市に届けていました。こういった場合、国や市のマニュアルには虐待リスクがあるとされております。しかし、その後の調べで、市は聞き取りをしていなかったことも判明しました。それだけではなく、乳幼児健診の未受診など、幾つかの虐待のサインに気づくチャンスを逃していたこともわかり、問題になっています。
 一つ一つの小さな兆候も、関係機関の情報を一元化すれば重大な事例の発見につながります。助けてという子供の心の声を受けとめ、この東京から犠牲になる子供をなくさなくてはなりません。
 そこで、こういった実態を踏まえ、児童虐待撲滅に向けた知事の決意を行います。
 厚生労働省の調べによると、虐待に至るおそれのある要因として、第一に、母親の発達障害傾向、産後鬱症状、低年齢、妊娠時の状況など、第二に、子供側のリスク、第三に、配偶者からの暴力等、養育環境の要因が挙げられています。
 先日、児童虐待の発生と重症化に関連する個人的要因と社会的要因についての研究を発表された国立成育医療研究センター研究所の藤原武男医師にお話を伺いました。虐待対策を効果的に進めるには、保健機関の妊娠期からのシステム的支援や児童相談所及び区市町村虐待事例報告システムの改善、また、虐待対策の地域アセスメントが重要であり、虐待は防ぐことができるという認識に立って、行政側は最新の情報を学び続けなくてはいけない、子供は声を出せないので、行政がきちんと子供を守るべきだと述べられています。核家族化や地域の人間関係の希薄化などから、ますます行政が担う役割が求められています。
 都は、我が党の提案を受け、妊娠期から出産、子育て期にわたる切れ目のない支援、ゆりかご・とうきょう事業に取り組んでいるところではありますが、児童虐待を防止するためには、さらなる拡充と新たな対策が必要であります。
 そこで、女性の心身の健康の保持と児童虐待未然防止を図る取り組みについて伺います。
 また、各区市町村の子供家庭支援センターなどの関係機関の連携と、担当者の見抜く力をつけるスキルアップも欠かせません。変化する情報の共有化や、児童相談所の担当者の専門性向上も必要です。
 また、警察から児童相談所に通告があった後の対応など、継続的な追跡調査の強化も必要です。あわせて見解を伺います。
 次に、小中学校における不登校対策について伺います。
 平成二十六年度の不登校児童生徒数は約一万人となっており、長期化するケースも少なくありません。
 私がご相談を受けた方は、小学校二年生のときに受けたいじめが原因で、中学校二年の現在まで学校に行くことができず自宅で過ごしています。本来ならば学校で多くのことを学び、友人と思い切り遊び、たくさんの経験をするのがこの時期です。少しでも同じ経験ができるよう支援をする必要があります。
 不登校の小中学生のための学習の場であり、さまざまな体験もできる適応指導教室などへ、ひきこもりがちな児童生徒が月一度でも通室できるような支援や、不登校の児童生徒に寄り添う訪問支援など、取り組みを強化するべきと考えます。見解を伺います。
 次に、子育て支援員制度について伺います。
 保育所待機児童解消対策や保育人材確保対策も含め、多様な子育て支援を担うためにスタートしたのが子育て支援員制度であります。この制度は、国の制度ではありますが、支援員研修を修了すると、地域におけるさまざまな子育て施策の担い手として活躍できる制度です。
 都は、昨年九月から研修を開始したところではありますが、地域の実情や多様な子育て支援ニーズに応じていくためには、さらなる子育て支援員の養成が急務であります。
 都は現在、子育て支援員研修を東京都福祉保健財団一カ所に委託していますが、応募者が多く抽せんとなり、受講できなかった方もいると聞いています。
 多様な子育て支援サービスの担い手を確保するために、子育て支援員の養成を拡充するべきと考えますが、見解を伺います。
 子育て支援員として認定された方が地域での保育の担い手として活躍するためには、研修直後から働く場所を円滑に見つけられることが重要です。
 先日、第一回目の認定を受けた方が住んでいる市の窓口に問い合わせをしたところ、その市では家庭的保育制度が導入されていないため、すぐに認定の資格を生かす場所がなかったとのことです。
 区市を超えて広域的に活用ができるようにする必要があります。子育て支援員の認定を受けても、活躍の場を橋渡ししなければ十分な活躍はできません。
 今後は、都内全域で子育て支援員を保育人材としてさらに活用するべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、子供を犯罪被害から守る取り組みについて伺います。
 子供たちを取り巻く環境はますます危険にさらされている現状です。子供たちの安全・安心を確保するには、地域での見守り活動だけでなく、子供自身がみずから危険を回避する力を身につけることが重要です。
 子供たちが危ない目に遭ったときにどのように行動すればいいかを教えるための防犯キーワードとして、イカのおすしがあります。知らない人についていかない、知らない人の車に乗らない、大きな声で呼ぶ、すぐ逃げる、知らせるです。このような言葉は小さな子供にもすぐに覚えられ、一生記憶に残ります。
 都はこれまでも、学校教育の場や警視庁等が実施する防犯イベントで周知してきましたが、悲しい事件が二度と起こらないよう、引き続き周知、普及するべきであります。
 また、子供が危険に遭遇した際に、すぐに行動できるよう体で覚えることも必要です。
 都は、体験型の訓練の実施など、子供がみずからを助ける力を身につける取り組みを、区市町村への普及を含め、積極的に推進していく必要があると考えます。青少年・治安対策本部の見解を伺います。
 次に、ふれあいポリスについて伺います。
 警視庁が五年ほど前から推進しているふれあいポリスは大変好評です。私の地元世田谷の高齢者クラブの新年会で毎年防犯講話をしてくださいますが、参加者が一番熱心に耳を傾けるのがふれあいポリスの防犯講話です。特殊詐欺に関するリアルタイムな情報を、高齢者にわかりやすくユーモアあふれる語りで伝えてくれます。
 警察官の制服ではなく、私服にふれあいポリスのベストと腕章といういでたちで活動し、地域の人々に親近感を与えています。高齢者などの声を積極的に聞きながら、その意見、要望などを警察活動に生かすことにより、犯罪の起こりにくい社会づくりを推進する極めて大事な制度です。
 今後さらに進む高齢社会においても大変有効な制度であると考えますが、ふれあいポリスの今後の取り組み方針について伺います。
 次に、通称DJポリスとして話題になった機動隊の広報係について伺います。
 平成二十五年六月にサッカー日本代表がワールドカップ出場を決めた際、渋谷駅前に集まった大勢のサッカーファン、サポーターに対し、心を引きつける高度な話術により、安全かつ適切に誘導したことが絶賛されたことは記憶に新しいところです。
 今後、東京で開催されるラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピックなどを見据え、外国人対応などさらなる活躍の場が広がり、世界から注目されることは間違いありません。
 そういう意味では、さらなる技術向上に向けた訓練の強化充実が必要と考えますが、見解を伺います。
 最後に、特別支援学校における通学支援について伺います。
 知的障害特別支援学校の小中学部にはスクールバスが配車されていますが、高等部においては、卒業後、会社や作業所等に通勤できる力を身につけるために、一人通学を原則としています。
 しかし、障害の程度が重い生徒の通学支援としてスクールバスを配車されていますが、私の地元の都立青鳥特別支援学校には、こういった生徒に対してスクールバスの配車がされておりません。そのため、スクールバスのある遠方の学校を選択する状況が生じています。保護者も長年、バスの配車を要望され続けています。
 一人で通学することが困難な生徒も希望する学校へ進学ができるよう、まだ配車されていない知的障害特別支援学校にスクールバスを配車するべきと考えますが、都教育委員会の見解を伺います。
 公明党は、どこまでも一人に光を当て、誰も置き去りにしない社会の構築を目指し、全力で都政課題に取り組むことをお誓いし、質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 栗林のり子議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、児童虐待でありますけれども、多くの関係者の懸命な努力にもかかわらず、痛ましい虐待事件が、ご指摘のように後を絶ちません。
 一つ一つの事件を聞くたびに非常に強い憤りを覚えますとともに、何とか救えなかったのかなと。例えば、親への支援が十分だったのか、それから、関係機関の連携をちゃんとやっていたのかと、そういう思いに駆られるわけでございます。
 この児童虐待をなくすということのためには、都民一人一人、それから地域の民間団体、学校、それから児童相談所、さらに子供家庭支援センター、警察などの行政機関、これらが連携をして力を合わせていく必要があると思っています。
 そこで、都は来年度、児童相談所の体制を一層強化するために、児童福祉司、児童心理司を大幅に増員したいと思っております。
 また、子供家庭支援センターの専門職を増員するなどして、現場の区市町村の虐待対応力の向上も図りたいと考えております。
 全ての子供は日本の未来、希望でございます。その健やかな育ちを支えることは、社会全体の責務であると考えております。東京都はその先頭に立ちまして、地域の関係機関の力を束ねながら、児童虐待の防止に全力を挙げて取り組んでいく決意でございます。
 そのほかの質問につきましては、警視総監、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
   〔警視総監高橋清孝君登壇〕

○警視総監(高橋清孝君) 二点お答えいたします。
 まず、ふれあいポリスについてでありますが、犯罪の起きにくい社会づくりには、地域のきずなの強化と社会の規範意識向上等が重要であります。
 このため警視庁では、平成二十二年から、警察署ごとに地域実態に精通したベテラン警察官をふれあいポリスに任命し、現在、十二署で二十一名が活動しております。
 ふれあいポリスは高齢者の集いなど各種行事に参加し、高齢者や子供たちと触れ合い、地域の実情や住民の要望等を把握するとともに、地域の安全に必要な情報を発信するなど、管内住民の方々との連携を強化しているところであります。
 こうした活動は、警視庁が取り組んでいる高齢社会総合対策にも有効であることから、今後も、ふれあいポリスの活動を推進してまいりたいと考えております。
 次に、機動隊広報係についてでありますが、同係は、祭礼、花火大会、スポーツイベントなど多くの人が集まる行事の際、現場の状況に応じて、混雑した中でも聞き取りやすい声で、わかりやすく工夫を凝らした表現を用いて、人々を安全かつ適切に整理誘導する役割を担っております。
 このため、警視庁では、機動隊広報係員等を対象とした技能検定を行うとともに、広報競技会を開催しており、日ごろからさまざまな現場を想定した訓練を実施することにより、技能向上に努めております。
 今後は、こうした取り組みをさらに強化するとともに、訪日外国人のさらなる増加に対応するため、外国語による広報など、さまざまな人を安全かつ適切に整理誘導する広報の技能向上を図ってまいります。
   〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、不登校の小中学生への支援についてでございますが、不登校対策は、不登校を未然に防止するとともに、不登校に至ったとしても、児童生徒の学校への復帰や将来の自立に向けて、個々の状況に応じたきめ細かな支援を行うことが不可欠でございます。
 このため、来年度、新たなモデル事業として、学校の未然防止の取り組みの充実とともに、区市町村教育委員会において、学校や福祉等関係機関との支援ネットワークを構築し、スクールソーシャルワーカー等を活用した支援チームにより、家庭への訪問支援等に取り組んでまいります。
 また、不登校児童生徒を支援する適応指導教室の充実を図るため、フリースクール等、民間団体の教育プログラムを試行的に活用するとともに、有識者や区市町村教育委員会から成る検討会を設置し、適応指導教室のあり方などを検討してまいります。
 これらの取り組みを着実に推進し、支援を強化してまいります。
 次に、特別支援学校のスクールバスについてでございますが、都立知的障害特別支援学校高等部の生徒については、学校卒業後に社会や作業所等に一人で通勤できる力を身につけるため、一人通学を原則としておりますが、障害の程度が重い生徒の通学支援としてスクールバスの配車も行ってきております。
 お話のあった青鳥特別支援学校及び田園調布特別支援学校の二校には、学校付近の道路事情等により、これまでスクールバスを配車してきませんでしたが、当該校等と検討を重ねてきた結果、車両の小型化や登下校時以外はバスを校内にとめておかないなどの工夫により、来年度からスクールバスを配車することといたします。
 今後も、都教育委員会は、都立特別支援学校の通学環境の充実に努めてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、女性の心身の健康の保持と虐待防止についてでありますが、虐待のリスク要因には、生活のストレスや社会的な孤立、望まない妊娠、子供の疾病など多様な要因があり、区市町村では、妊娠届の受理や乳幼児健診等のさまざまな機会を通じて、支援を要する家庭の早期発見に努め、必要なサービスや支援につなげております。
 都は、こうした区市町村の取り組みを強化するため、妊娠期から家庭の状況を把握するゆりかご・とうきょう事業を開始いたしました。現在十三の区市町村が実施しており、来年度は四十一の区市町村での実施を見込んでおります。
 また、妊娠、出産、子育て、健康に関する相談窓口をインターネット広告などにより周知するほか、来年度は、妊娠相談ほっとラインの受け付け時間を拡充するなど、悩みを抱える女性を適切な支援につなげてまいります。
 次に、虐待対応力の向上と関係機関の連携についてでありますが、都は来年度、虐待対応力の向上を図るため、児童相談所に人材育成を担う児童福祉及び児童心理の専門課長を増員するとともに、新任職員の個別指導等を行う児童福祉司や児童心理司のOBも増員いたします。
 また、関係機関との連携や調整を行うために、子供家庭支援センターに配置している虐待対策コーディネーターの増員を支援するとともに、区市町村職員等の研修の充実を図ってまいります。
 現在、都内の全ての区市町村は、子供家庭支援センター、児童相談所、学校、警察、保健所等の地域の関係機関で構成するネットワークを構築しており、今後とも、各関係機関が情報の共有を図りながら、援助方針等を確認し、児童や家庭への適切な支援を行ってまいります。
 次に、子育て支援員の養成についてでありますが、都は、昨年九月から、小規模保育等の地域型保育事業、子育てひろば等で実施している利用者支援事業、学童クラブ、社会的養護等の四分野八コースの研修を開始し、年度内に合計十七回、定員千三百六十名の規模で実施することとしております。
 来年度は、より多くの支援員を養成するため、研修回数を合計二十八回にふやし、定員も八百八十名増の二千二百四十名に拡充する予定でございます。
 現在、区市町村やNPO法人などの事業者からも研修実施の希望が寄せられており、今後とも、地域における多様な子育て支援サービスの担い手を確保するため、子育て支援員の養成を積極的に進めてまいります。
 最後に、子育て支援員の活用についてでありますが、子育て支援員制度は、小規模保育や家庭的保育、学童クラブ、子育てひろばなど、地域における子育て支援の担い手を確保するために創設された認定制度でございますが、今年度から養成を開始したばかりであり、まだ十分な活用が進んでおりません。
 現在、希望者には、就労に向けたマッチングから定着支援までを行う保育人材、保育所支援センターや区市町村におきまして求人情報を提供しております。
 今後、子育て支援員が地域の実情に応じて活用されるよう、子供、子育て支援の実施主体である区市町村や事業者等に制度の周知を図ってまいります。
〔青少年・治安対策本部長廣田耕一君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(廣田耕一君) 子供を犯罪被害から守る取り組みについてですが、子供が安全に安心して暮らしていくためには、子供自身の犯罪被害防止能力を高めていくことは重要であると認識しております。
 これまで都は、地域安全マップづくり推進事業や子供一一〇番の家等への駆け込み体験訓練モデル事業を都内各地の公立小学校で実施し、区市町村への普及を図ってまいりました。
 これまでの取り組みにより、地域安全マップづくりの公立小学校における実施率は年々上昇するとともに、駆け込み体験訓練も区市に一定の浸透が見られるところでございます。
 来年度は、都内全ての小学校向けに教員用地域安全マップづくりマニュアルを作成、配布するなど、子供の犯罪被害防止能力を向上させる体験型の訓練等が区市町村に定着するよう、都として積極的に取り組んでまいります。

○副議長(小磯善彦君) 七十八番大西さとる君
   〔七十八番大西さとる君登壇〕

○七十八番(大西さとる君) 知事は、ワークライフバランスを推進し、家庭環境、労働環境をよくするために週休三日制も考えるべきだと発言され、先日の所信表明でも触れられております。
 私は、この週休三日制、大賛成であり、ぜひとも導入すべきと考えます。しかし、このすばらしい施策もほとんど国民的な議論とはなっておらず、また、そうなったとしても、国の議論や法整備を待っていると、いつ実現するかわからないと考えます。
 そこで、この議論を始めるに当たって起爆剤が必要であり、都はどのようにして進めていくのか、知事の所見を伺います。
 次に、女性が活躍できる社会について伺います。
 島根県浜田市がシングルマザーを積極的に受け入れていることを知り、随分考えさせられました。お母さんにとって、職場やその近くで保育サービスが受けられれば安心で大助かりです。職場に女性向けのトイレや更衣室があるのも当たり前にしなければなりません。
 セクハラ、マタハラはもってのほかです。子育てしやすいような短時間勤務、あるいは、家にいながらにしても働けるテレワークなどの拡大などによって、シングルマザーはもとより、全ての女性が働きやすくなるのではないかと考えています。
 女性が働きやすい職場環境の整備について見解を伺います。
 子供の貧困対策の一つとして、ひとり親家庭の所得税法上の寡婦控除、これはご案内のとおり、離婚や死別によりひとり親になったとき受けられる所得控除です。しかし、この寡婦控除、未婚のひとり親家庭には適応されていません。婚姻歴があるかないかで取り扱いが変わるのはおかしなことです。
 結婚していない男女間の子の遺産相続の取り分を、結婚した男女の子の半分とする民法の規定については、最高裁は、法のもとの平等に反すると違憲判断を下しています。
 寡婦控除についても、この制度の見直しを求める動きも高まっており、自治体によっては保育料などに寡婦控除をみなし適応して減額するところも出てまいりました。
 東京都としても未婚のシングルマザーにも寡婦控除の適応が必要だと考えますが、見解を伺います。
 次に、交通政策について伺います。
 今、世界のタクシー業界は、スマートフォンを使えば、二種免許を持っていなくても素人が簡単にタクシーの営業ができるライドシェア、ウーバーの席巻で危機的な状況に置かれております。サンフランシスコでは大手タクシー会社が倒産するに至り、ロンドンやパリでもタクシー労働者の抗議によって道路が閉鎖されるなど、大きな社会問題となっています。
 ハイヤー、タクシーの労働団体だけでなく、経営者団体からも、白タク行為の合法化は、安全面からも断じて容認できず、断固阻止してほしいという要望を伺い、また、タクシー供給量の過剰、過当競争により、東京地域のタクシー運転者の給与水準は明らかに低くなっているとの指摘も受けております。
 私は、都内がタクシー供給量過剰によってタクシー適正化・活性化法に定める要件は十分あるとの認識のもと、都内を特定地域に指定するよう国に対して求めていくべきだと考えます。
 東京都として、現状をどのように認識し、どのように対応しようとしているのか、見解を伺います。
 世界の旅行者を対象としたトリップアドバイザーが行った調査で、東京はタクシーのサービスは一位、運転手の親切さは二位です。ちなみに、旅行者による都市の総合評価では、東京はパリやニューヨークを抑え世界一位であります。タクシーの高評価が貢献しています。
 東京のタクシーは、事故の減少や犯罪捜査にも役立つ映像記録型ドライブレコーダーを法人タクシーの九六%に装着。事前の登録で二十四時間駆けつけ、指示をしなくても決まった産科医に連れていってくれる陣痛タクシーには妊婦の半数が登録しています。これらは営業努力であると同時に、運行に責任を持つ体制があり、乗務員の運転経歴が明らかな事業者によるドア・ツー・ドアの公共交通として社会に役立っている取り組みであります。
 新年度予算には、環境性能が高くユニバーサルデザインのタクシー普及に六十一億円が計上されました。都がいち早く取り組んできた自動車の環境負荷低減をより一層推進するだけでなく、スーツケースを引いた旅行者、ベビーカー、車椅子の方も使いやすいタクシーを普及させるものです。
 私は、これに伴って東京のタクシーがあらゆる乗客に対応するプロの仕事として、観光、子育て、高齢、障害など各分野にも貢献することにつながる波及効果のある施策と捉え、大変期待しています。
 そこで、環境性能が高く誰にでも優しいタクシーの普及促進補助を創設した狙いについて、知事に伺います。
 タクシー業界では、TOEIC公開テスト六百点以上というドライバーの外国語研修に取り組んでおり、一定レベル以上の質が確認できるタクシードライバーについては、構造改革特区で認められた通訳案内士法の資格がなくても、有料で観光案内ができる特例ガイドの実現を求める要望もあります。
 そこで、私は、そうした特例ガイドを実現することで、観光振興の一助として東京に観光客を積極的に誘致すべきだと考えますが、見解を伺います。
 さらに、出生率の低い都市部における子育て環境づくりの一環として、現在、タクシー事業者が取り組んでいる陣痛タクシーについて、女性が安心して出産できる環境づくりの一助として、出産時にタクシーを利用した際に料金の一部が還元されるような支援を区市町村と連携して取り組むべきだと考えますが、見解を伺います。
 先日起きた長野県のスキーバス事故は大変痛ましい出来事でした。消費者がバス会社やツアーを選ぶときに、安全のコストまでカットしている事業者なのかどうか直接確認はできず、安全確保に行政が担う役割は大きいものと考えます。
 バスのサービスは、ドライバーが多くを担う労働集約型であり、労働環境はサービスの質に直結します。社会保険未加入や連続勤務など論外であり、労務管理や運行管理が適切に行われる必要があります。
 バス事業者には、運輸局が監査指導を行っていますが、旅行会社には、観光庁と連携しながら都が立入検査を行っています。私は、バス会社に発注を行う旅行会社に対して、安全性の確保を十分に踏まえて注文するように、都として対応を図るべきだと考えますが、見解を伺います。
 交通運輸関係者からは、車内人身事故撲滅の取り組みを求める要望もありました。知事はスキーバス事故に触れ、日本のシートベルトの着用率の低さを指摘しておりましたが、路線バスでも、走行中のバス車内を移動して転倒するなどの事故が多いようです。
 これに対し、各事業者は取り組みを強化しておりますが、自転車の急な飛び出しなどにより、車内人身事故に至っているケースも多くあります。
 そこで、私は、今後このような事故をなくすためにも、自転車を利用する人へ、ルールやマナーを幅広く普及するため、東京都や各事業者、警察などが一体となったキャンペーンを実施することや、バス利用者への啓発など車内事故防止対策を進めるべきだと考えますが、見解を伺います。
 最後に、伝統工芸品について伺います。
 皆さんはこのポスターをご存じだと思います。これは昨年九月に開催された第三回定例議会の告知ポスターです。これは江戸つまみかんざしといって、七五三や成人式のときなどに着物の女性が髪につける装飾品でございます。
 実はこれは、二〇一二年のロンドン・オリンピック時に開かれたジャパンハウスの受付にも展示され、オリンピック日本誘致の成功に一役買っています。
 また、このパネルは、前回の第四回定例議会のポスターで、組みひもでございます。そして、今の定例会のポスターがこれになるわけでございますが、これは江戸衣装着人形であり、昨年の第二回の切り子も含めて、今年度は続けて伝統工芸品が使われています。
 このような伝統工芸品は、次世代へと受け継ぐべき価値のある産業であり、わざを伝承していく必要があります。
 しかしながら、物によっては需要が低迷しており、事業の継続が難しいのも現状です。伝統工芸品のPRや販路の拡大など、都の積極的な支援が必要だと思いますが、都の所見を伺いまして、私の質問を終了させていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 大西さとる議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、週休三日制でありますけれども、成熟した社会におきましては、物質面のみならず、時間的にもやっぱりゆとりがなければ豊かさを享受できないと考えております。
 私がワークライフバランスということを非常に強調して、週休三日制ということを提唱しているのは、まさにこういう成熟した社会をつくりたいからでありまして、週休三日制が実現しましたら、より健康で文化的な生活が可能になるとともに、例えば育児とか介護の問題の解決にもつながるというふうに考えております。
 いろんな意見はあると思いますけど、誰かが声を上げなければ社会は変わらないと思いますので、私がこうして提唱しているわけであります。
 ただ、現実には、企業の規模とか業種によって働き方も多種多様なので、そう簡単にいかないという声も当然あるわけであります。
 そこでまず、やはり生産性を上げると。のんべんだらりとやっているから時間がかかっちゃうので、同じ仕事をやるのに短時間でやればいいわけですから、生産性の向上を図るということは非常に重要ですし、それから、やはりこれまでの働き方を思い切って改めようと、こういう企業がふえることは大変好ましいと思います。
 そこで、働き方の改革という機運を醸成するために、労使団体とともに東京都は共同宣言を行ったわけであります。来年度は、企業自身が働き方の見直しを宣言する制度を創設します。そして、具体的な取り組みを促すとともに、生産性の向上に向けた支援も行いたいと思っています。
 こうした取り組みによりまして、豊かな生活を享受できる社会を実現していきたいと思っております。
 それから、ユニバーサルデザインタクシーの普及でありますけれども、温室効果ガスを削減するためには、一日の走行距離が長いタクシー、これをハイブリッド車や電気自動車など環境性能の高い次世代型に変えていくということが必要であります。
 二〇二〇年のパラリンピック大会の成功のためには、やはり交通機関を含めて、バリアフリー化に都市全体が取り組まなければならないというふうに思っておりますので、そういう意味で、まずハイブリッド車や電気自動車、そこにスロープやリフトを装備して車椅子のままで乗っていける、こういうユニバーサルデザインタクシーを二〇二〇年までの五年間に一気に一万台ふやしていけるように、総額で六十一億円の新たな補助制度を創設したいと思っております。
 この取り組みを通じまして、地球温暖化防止に貢献するとともに、誰もが、健常者も障害者も快適に移動できる東京をつくり上げて、二〇二〇年東京大会のレガシーとして次の世代に引き継ぎたいと思っております。
 そのほかの質問につきましては、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔東京都技監安井順一君登壇〕

○東京都技監(安井順一君) 都内のタクシー事業の適正化についてでございますが、国は、いわゆるタクシー適正化・活性化法に基づき、利用者とタクシーとの需給バランスを確保するため、タクシー事業者に供給削減義務が生じる特定地域や、業界の自主的な取り組みを促す準特定地域を指定しております。
 都内は、平成二十六年に四つの圏域に分けられ、いずれも準特定地域に指定されております。
 都としましては、この指定に基づき、事業者や地元自治体等を構成員として設置されております協議会に参画しており、引き続き状況を見守ってまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、女性が働きやすい職場環境の整備についてでありますが、都は、女性の能力発揮を推進する社内責任者の育成やテレワークの導入等に要する負担の軽減など、ソフト、ハード両面から中小企業に対して支援をしております。
 また、良好な労働環境の整備については、事業主の理解が不可欠であり、労働相談情報センターで実施している職場のハラスメント防止や労働法に関するセミナー等を通じて意識啓発を行っております。
 今後とも、女性が生き生きと活躍できる職場環境の実現に向け、取り組んでまいります。
 次に、タクシーを活用した観光振興についてでありますが、外国人旅行者がタクシーを利用し、ドライバーから案内を受け快適に観光できる環境をつくることは重要でございます。
 現在は、外国語で有料の観光案内を行う場合、国家資格の取得が不可欠となっております。
 都は、来年度に、そうした規制の緩和を可能にする特区制度を活用し、ドライバーが都の研修を受けた後に、有料で案内業務のできる制度の導入に取り組んでまいります。
 これにより、外国人旅行者への観光サービスの向上を図ってまいります。
 次に、旅行業者への対応についてでありますが、観光旅行の移動手段となるバスの手配を行う旅行業者が、安全の確保を最優先にすることは不可欠でございます。
 都は、事故発生後速やかに、都の所管の旅行業者に対して、安全の確保と事故の再発防止の徹底を通知により要請をいたしました。さらに現在、安全確保の状況などについて、旅行業者の立入検査を行っており、その結果を踏まえ、国と協議をしながら適切に対応してまいります。
 最後に、伝統工芸品産業に対する支援についてでありますが、伝統工芸は、江戸時代から続くものづくりのすぐれた蓄積を現代に伝えるものであり、こうした特色ある産業をさらに発展させ、将来に引き継いでいくことが重要でございます。
 このため、都は、東京都伝統工芸品展を毎年開催し、実演や製作体験、展示販売を行うほか、出展支援などにより、伝統工芸品の普及促進と販路開拓を行っております。
 また、職人とデザイナー等の協働による商品開発支援も実施をしているところでございます。
 今後は、こうして開発した商品を含め、国内外の展示会出展への支援を拡充するなど、伝統工芸品産業の持続的発展につなげてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、未婚のひとり親に対する寡婦控除の適用についてでありますが、寡婦控除は、配偶者と死別あるいは離婚した後、婚姻をしていない人で、生計を一にする子がいる場合などを対象とした税法上の所得控除でございます。
 現在、婚姻歴のないひとり親について、寡婦控除の適用があるとみなして保育料を算定する区市町村もございますが、これは実施主体としての判断で行っているものでございます。
 寡婦控除の適用範囲の拡大につきましては、税法上の問題であり、婚姻歴のないひとり親は、税負担に加え、保育料を初めさまざまな制度の利用料等においても控除の対象となるひとり親世帯との間で経済的負担に差が生じていることから、都としては、婚姻歴のないひとり親にも寡婦控除を適用するよう、他の道府県とともに国に要望しております。
 次に、出産時のタクシー利用料の助成についてでありますが、子ども・子育て支援新制度では、子育て支援の実施主体は区市町村でございます。妊婦の方へのタクシー券の配布などを実施している区市町村もございますが、子育て家庭にどのような内容の支援を行うかは、地域の実情に応じ、区市町村で判断すべきものと認識しております。
 なお、帝王切開など医療保険が出産に適用された場合、この医療費は所得税の医療費控除の対象となります。その場合には、必要と認められた場合、タクシー代等の交通費も医療費控除の対象となります。
〔青少年・治安対策本部長廣田耕一君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(廣田耕一君) 自転車利用者への交通ルールの周知とバス車内の事故防止についてですが、都は、自転車安全利用推進計画に基づき、警視庁、区市町村、民間事業者など関係団体と連携し、キャンペーンや交通安全教室の開催、自転車安全利用リーフレットの配布などを通じて、自転車利用者に対し、一時停止の遵守等、交通ルールの周知徹底を図っております。
 また、バス車内の事故防止については、関東運輸局や各バス事業者等において安全運行対策を推進しているところでございます。
 今後も引き続き、首都交通対策協議会等の場も活用しつつ、関係機関と連携し、交通事故の削減を目指した取り組みを推進してまいります。

○副議長(小磯善彦君) 二十五番鈴木錦治君
   〔二十五番鈴木錦治君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○二十五番(鈴木錦治君) 初めに、観光振興について伺います。
 東京を訪れる国内外からの旅行者の数をふやすためには、都内の有名な観光スポットへの集客だけではなく、各地域での特色のある観光資源を見出し、育て上げていく努力が大切になると思います。
 例えば、私の地元府中市には、約千九百年の歴史と伝統を持つ大國魂神社や、レジャー施設として来訪者が多い東京競馬場など、これからの観光振興の核となる場所があり、そのポテンシャルをしっかりと引き出す努力が大切であると考えます。
 現在もさまざまな地域の団体が新しい観光スポットの発掘に向け検討を進める中、これからは地元の自治体と協力して企画を立て、誘客のターゲットに、ほかとの違いを出すような工夫がますます必要になっていくものと考えます。
 特に外国人の旅行者数の伸びは大きく、その誘致を含めた観光振興に地元が乗り出す場合や、初めて旅行者向けの事業を立ち上げようとする取り組みには、行政としてしっかり後押しすべきです。
 また、地域の団体も、観光事業の担い手として力をつけるため、他の自治体で活動する団体と協力をし、都の施策と連携して旅行者を誘致するような取り組みも大切になるものと考えます。
 こうした観点に立ち、地域での観光を活性化するために、都として、来年度にどのような取り組みを進めていく考えであるか、知事の所見を伺います。
 次に、農業振興について伺います。
 東京の農業者は、消費者ニーズをいち早く捉え、創意工夫しながら多種多様な農産物を生産、販売するなど、さまざまな農業経営を行っています。
 私の住む府中市では、若い後継者も多く、特産のワケネギやコマツナ、ブルーベリー、梨などの農産物を共同直売所や観光農園で販売しているほか、小中学校と連携した学童農園の開設や農作業体験の受け入れなど、地域の皆さんと触れ合いを大切にしながら農業を行っています。
 若手農業者の皆さんと話をしていると、地元農産物のブランド力を高めたいとか、食品事業者と連携して新たな商品開発をしたいなど、さまざまなアイデアが出てきます。こうした新たな発想を実現し、経営改善につなげていく農業者が、今後の東京農業の牽引役になっていくと確信しています。
 そこで都は、こうした意欲ある農業者の経営力強化に向けた新たな挑戦に対して、より一層後押ししていくべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、自動車税の税制改正について伺います。
 昨年開催されたCOP21では、新たな国際的枠組みとなるパリ協定が採択され、地球温暖化阻止への歴史的な一歩を踏み出しました。
 都においても、昨年、温室効果ガスの新たな削減目標を定めましたが、その達成には、都内のCO2排出量の約二割を占める車両に対する取り組みが不可決であり、環境に優しいエコカーの普及に取り組むことは重要であります。
 私自身も車が大好きで、最近では燃費のよいエコカーに関心を持つ一人であります。
 今般の国の税制改正では、平成二十九年度の自動車取得税の廃止と同時に、都道府県税の自動車税と市町村税の軽自動車税に環境性能割が導入されることとなりました。
 都では、平成二十一年度から、電気自動車やプラグインハイブリッド車に対して独自の軽減措置を行い、エコカーの普及を図っています。
 そこで都は、地球温暖化対策の観点から、環境性能割をどのように認識し、エコカーの普及を進めるため税制面からどのように取り組み、周知を図っていくのか、所見を伺います。
 また、身体障害者の方が軽自動車を購入したときの減免の取り扱いについてですが、現行の自動車取得税は都税であるため、都内どの地域でも同様であります。
 一方、新しい環境性能割は市町村税になるため、現行の軽自動車税と同じ基準をそのまま適用すると、今後、車を買いかえるときに、これまでと同様の減免が受けられなくなるのではないかという不安の声があります。
 環境性能割においても、減免の取り扱いが現行と変わらぬよう、都がしっかり調整する必要があると考えますが、所見を伺います。
 次に、税務の達人について伺います。
 都は、来年度新たに、全国自治体の税務職員の方に、東京の現場で実務を体験していただき、ノウハウを共有することで、全国の地方税収確保に貢献する税務の達人プロジェクトを実施すると聞いています。
 こうした取り組みは、自治体間の結びつきを充実させ、東京と地方のお互いの信頼関係を高め、真の地方創生につながるものと考えます。多くの方に参加していただきたいところですが、全国の中には予算や人の確保が難しく、都に職員を派遣することが困難な自治体もあると思います。
 こうした自治体についても、税務のノウハウを共有できる仕組みをつくることが必要であり重要ですが、所見を伺います。
 次に、消防団について伺います。
 都は、首都直下地震のみならず、台風や近年増加する局地的豪雨、火山の噴火などさまざまな災害の脅威にさらされております。一千三百五十万人を超える都民の生命と財産をこのような災害から守るためには、日ごろの備えはもちろんのこと、発災直後の地域住民相互の助け合いや人命救助、初期消火などが重要になってまいります。
 この、地域における災害対応を支える大きな役割を担っているのが、地域に根差し、また、日ごろよりさまざまな訓練を行い、素早い災害対応力を備えた消防団であります。
 しかしながら、消防団は、全国的にも団員数の減少や高齢化など、構成に変化が生じており、地域の防災力を維持していく上で大きな課題を抱えております。
 このような中、我が党はこれまでも消防団活動の充実のために、人材の確保や資器材の充実など、生業を持つ消防団員が安全に活動しやすい環境の整備を訴えてまいりました。
 地域防災力を高めていくためにも、一層の消防団活動の強化を図るべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、多言語対応の取り組みについて伺います。
 ラグビーワールドカップ二〇一九まで、残すところ三年七カ月を切りました。東京二〇二〇年大会とともに、ますます世界の注目を浴びる東京は、これまでの検討をしっかりと形にし、準備を本格化させる必要があります。
 私の地元府中市のすぐそばにも、平成三十一年、二〇一九年及び平成三十二年、二〇二〇年の両大会の会場となる東京スタジアムがあり、本年六月二十五日にはラグビー日本代表対スコットランド代表選も開催されます。この機会におもてなしの体制を整え、開催機運をさらに盛り上げることが重要であり、外国からの観戦客が言葉の不安なく大会を満喫できるよう、多言語対応の推進も喫緊の課題です。
 多言語対応は、鉄道、バス、道路、飲食、宿泊など旅行者が利用するさまざまな施設にわたることから、市区町村へ有用な情報を提供するなど、地域と一体的に進めるべきと考えます。
 また、開催準備が本格化する中、災害時の外国人の避難誘導を初め、都としてさまざまな分野で多言語対応を進めることも重要です。
 これらを踏まえ、多言語対応の今後の取り組みについて伺います。
 次に、多摩メディカルキャンパスについて伺います。
 平常時における機能強化については、昨日、我が党の代表質問で質疑されたところですが、この場所は、医療関係施設が集積した災害時における医療救護活動の重要な拠点でもあります。
 私の地元である府中市においても、災害時の医療拠点としての多摩メディカルキャンパスへの期待は大きく、災害時の医療提供はもとより、民間企業との協力体制や地域と連携した医療救護活動への期待も高いものがあります。
 災害時においては、病院、自治体、地域の関係機関が一体となった医療救護活動が重要ですが、多摩メディカルキャンパスの整備に当たり、地域における災害対応力をどのように強化していくのか、見解を伺います。
 また、多摩地域の医療拠点である多摩メディカルキャンパスは、約十八万平米に及ぶ広大な敷地に複数の医療関係施設が集積し、一日当たり三千人近い外来患者が来院するとともに、救急車や一般送迎車など二千台を超える多くの車が行き来しております。
 このため、日々、駐車場の入庫待ちによる渋滞や、バスと送迎車の動線の交錯などが発生しており、キャンパス内の相互連携を一層推進するためには、車両動線等の早急な改善が必要と考えます。
 そこで、多摩メディカルキャンパスにおける構内環境の改善に当たっての当面の対応等、長期的な整備の考え方について伺います。
 最後に、文化施策について伺います。
 都内には、日本の伝統文化から最先端のアートまで、国や区市町村、民間が運営する多様で魅力的な美術館、博物館等の文化施設が多数あります。都立の文化施設もすばらしいのですが、私の地元にも緑豊かな府中の森公園内に府中市美術館があり、身近に美術と出会える場所として多くの人々に親しまれています。
 今後、平成三十二年、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会に向けて、都内の文化施設の取り組みがさらに活発になると思いますが、都立の文化施設だけではなく、ぜひ地域の文化施設と連携して、東京の芸術文化の魅力向上に取り組んでいただきたいと思います。
 芸術文化の面でも東京を世界で一番の都市にするため、都立の文化施設と地域の文化施設が連携した取り組みを積極的に進めるべきと考えますが、所見を伺い、私の質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 鈴木錦治議員の一般質問にお答えをいたします。
 地域における観光振興でありますけれども、先ほど大國魂神社と競馬場をおっしゃって、府中市美術館をおっしゃらないのかなと思っていましたら、最後におっしゃっていただいたので、ほっといたしましたけれども、鈴木錦治議員、そして私、この二人の文化人がよく一緒に絵を見に行くところでございます。
 東京は、江戸から受け継いだ伝統と最先端の技術が生み出す活気が共存するとともに、府中を含めて各地域に本当に豊かな自然、すぐれた芸術文化、それからおいしい食べ物がありますね。これはやはり観光地としての魅力を高めておるわけであります。
 こうした魅力を活用しまして、東京への旅行者をふやすために、もう既に有名になっているスカイツリーとか浅草寺とかありますけれども、やはり各地域の観光資源をもう少し発掘する、むしろこれ、外国人の方が発見することが多いので、ぜひこれは府中含め各地域、その取り組みをやっていただきたいと思います。
 そういう意味で、各地域の団体がすばらしい発想を持って、こういうアイデアはどうかというようなことを出したときに、やはり府中市だったら府中市、この地元の自治体と協力して出てきた企画を実現させるとか、いろんな外国人旅行者の誘致をするとか、そういうことを都としても重点的にサポートしたいというふうに思っております。
 それから、地域にそれぞれ観光協会があると思いますので、この観光協会がより広く旅行者の方々を確保できるように、少し広域的な取り組みをやる。先ほど東京スタジアムの話をおっしゃいましたけど、今度、武蔵野の森総合スポーツ施設もできますので、そういうこととの連動というようなこともあると思いますので、ぜひそういうことを含めまして、都の施策と連携した観光振興に対しましては、質の高い情報やノウハウの提供に加えまして、人材、それから費用負担の面でも支援を行いたいと思っております。
 これからの観光振興施策を着実に進めていくことで、二十三区だけではなくて東京全体、多摩・島しょ部も含めた観光資源を活用しながら、世界一の観光都市の実現に向けて努力をしていきたいというふうに思っております。
 そのほかの質問につきましては、関係局長が答弁をいたします。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 農業者の経営力強化に向けた支援についてでございますが、農業者の経営力を高めるためには、農産物の高付加価値化や六次産業化など、旺盛なチャレンジ精神による創意工夫ある取り組みを支援していくことが重要でございます。
 このため都では、来年度から新たに、チャレンジ農業支援センターに中小企業診断士を配置いたしまして、経営の多角化等に意欲的に取り組む農業者に対して、流通やICT等の専門家派遣による助言や食品事業者等の異業種とのマッチングなど、総合的なコーディネートを行ってまいります。
 さらに、こうした取り組みを後押しするため、加工品開発のためのマーケティングや試作品の製造、販売促進に向けたホームページ開設やイベント開催等も支援してまいります。
 今後も、意欲ある農業者の経営力強化を図り、東京農業の一層の振興に努めてまいります。
   〔主税局長小林清君登壇〕

○主税局長(小林清君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、税制によりますエコカーの普及についてでございますが、平成二十八年度の税制改正により、二十九年度から導入される環境性能割は、燃費性能の高い車種の軽減割合を高めるなど、現行の自動車取得税に比べまして、エコカーを導入するインセンティブは強化をされており、温室効果ガス削減に一層寄与するものと認識をしております。
 都におきましても、電気自動車等のいわゆる次世代自動車に対します自動車税等の軽減措置を平成二十一年度から独自に実施をしてまいりましたが、地球温暖化対策に向けて次世代自動車のさらなる普及を図るため、来年度から五年間延長する条例改正案を今定例会に提案しております。
 また、こうした取り組みを都民の方々に理解していただき、購買行動につなげていくことが重要であるため、都は市区町村等と連携いたしまして、ポスター等で環境性能割の趣旨を周知するとともに、都独自の取り組みとして、新たに自動車販売事業者団体への説明会の開催や、新聞折り込みチラシの各戸配布などを行うなど、きめ細かく丁寧な広報に努めてまいります。
 次に、新たに創設されます軽自動車税の環境性能割における減免の取り扱いについてでございます。
 現在、身体障害者の方が軽自動車を購入した場合に課税される自動車取得税は都税でありますことから、都内では同一の基準で減免が行われております。
 一方、都内の各市区町村が軽自動車の方に対しまして毎年課税する際の減免基準は、一部の市や区で適用する障害の等級が異なっているため、市町村税として新設される軽自動車税の環境性能割に、そのままこの基準を適用することになりますと、お話のように、現行制度で減免を受けられた方が対象とならなくなることが考えられます。
 今国会に提案をされました地方税法の改正案では、市区町村がこの減免基準について条例や規則を制定する場合には、都道府県へ協議する規定が盛り込まれておりますことから、都といたしましては、この協議の場を活用し、身体障害者の方がこれまでと同様な減免が受けられるよう、市区町村に積極的に働きをかけてまいります。
 最後に、税務の達人プロジェクトについてでございます。
 来年度は、東北、中国、九州地方の県や市など、現時点で全国十二の自治体から、税務行政に携わる職員の方々の参加の意向をいただいておりますが、全国の自治体に呼びかけを行う中で、職員の派遣は難しいが、家屋評価のノウハウや滞納整理の進行管理の手法などを共有したいといった声が数多く寄せられております。
 このため、都は、こうした職員の派遣が難しい自治体とも税務ノウハウの共有を図るため、来年度新たにICTを活用した税務実務ネットワークを立ち上げることにいたします。
 具体的には、インターネット上の専用サイトにマニュアルや調査のチェックポイントなどを掲載し、eラーニング機能の活用などにより、技術の向上を図ってまいります。
 こうした取り組みによりまして、全国自治体との税務実務の結びつきを一層強化し、地方全体の税収確保を後押ししてまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

○総務局長(中西充君) 消防団活動の強化についてでございますが、災害発生時に迅速な救出救助活動を行い、一人でも多くの命を救うためには、地域に根差した消防団の役割が極めて重要であり、その活動の強化に向けた多面的な取り組みが不可欠でございます。
 都はこれまでも、救助救命用機材の充実、消防救急無線のデジタル化などに加え、団員の技能向上に向けた消防訓練所の講習内容の充実など、都内全域を視野に入れた消防団への支援を実施してまいりました。
 今後は、消防団員の安全確保のための装備を充実させるとともに、東京消防庁とも連携して、都内全域における人材確保に向けた広報活動を拡充すること等により、地域防災力のさらなる強化に向けて積極的に取り組んでまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 多言語対応の今後の取り組みについてでございますが、ラグビーワールドカップ二〇一九、そして翌年の二〇二〇年東京大会に向けましては、この両大会を一体的に捉えて、多言語対応などの受け入れ環境を各地で整備し、外国人旅行者が快適に滞在できるようにすることが重要でございます。
 都は昨年、全国の自治体等を対象に、区部でフォーラムを開催するなど、多言語対応のノウハウを広く提供してまいりました。
 来年度は、東京自治会館で、多摩地域の自治体などの取り組みを支援するためのフォーラムを開催し、参考となる先進事例や市区町村への補助制度を紹介いたします。
 さらに、災害情報の多言語による発信や道案内などを行うボランティアとの連携などを通じまして、さまざまな場面での取り組みを一層強化してまいります。
 これらを通じ、都全体で多言語対応を推進し、言葉のバリアフリーを早期に実現いたします。
   〔病院経営本部長真田正義君登壇〕

○病院経営本部長(真田正義君) 多摩メディカルキャンパスに関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、多摩メディカルキャンパスと周辺地域における災害対応力の強化についてでありますが、多摩総合及び小児総合医療センターは、地域災害拠点中核病院として、地元府中市を中心とした周辺自治体や地域の関係機関と一体となって災害医療を提供していくことが重要でございます。
 このため、府中市との緊密な連携体制を構築し、発災時における重傷者の搬送の円滑化に向け、市の意向を踏まえ、実践的かつ効果的な取り組みを推進してまいります。
 また、府中市等との合同による図上訓練や、医師を初めとした医療関係者を対象に災害医療の研修などを実施し、地域における災害医療体制の充実を図ります。
 今後とも、地域との連携を推進し、多摩地域における災害対応力のさらなる強化に取り組んでまいります。
 次に、多摩キャンパス構内の環境改善についてでございます。
 キャンパスにおいては、利用者の増加に伴い、来院のための車両やバスによる渋滞が発生しております。とりわけ、患者の重要な移動手段である車両の駐車環境の整備には、利便性と安全確保の観点から、早急に取り組んでいくことが必要でございます。
 このため、年度内に駐車場出入り口の見直しや、入庫待ち車両の待機スペース確保などの対応策を検討し、構内の渋滞解消に向けた対策を進めてまいります。
 また、今後、神経病院等の改築により、車両や患者の動線が大きく変化することから、さらなる構内の整備等が必要になります。
 このため、将来を見据えた長期的な視点で計画を進め、キャンパスの機能を最大限発揮できるよう、構内環境の整備を進めてまいります。
   〔生活文化局長多羅尾光睦君登壇〕

○生活文化局長(多羅尾光睦君) 文化施設の連携推進についてですが、東京の多彩な文化の魅力をより多くの人々に発信していくためには、都立文化施設と国や市区町村、民間の設置する文化施設が連携した取り組みを充実させることが重要でございます。
 都立の美術館、博物館は、これまでも主催する展覧会等において、これらの美術館、博物館と収蔵資料や作品を相互に貸し出し合うこと等を通じて連携を重ねております。
 今後は、アール・ブリュット作品など各地域で創造される芸術作品を、より広く都民に紹介するため、都立の施設が持つノウハウや人材を活用し、特に地域の美術館、博物館と連携した企画展等を充実していきます。
 二〇二〇年に向けて、こうした取り組みをさらに推進し、東京の芸術文化の魅力向上を目指してまいります。

○六十七番(小松大祐君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

○議長(川井しげお君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後七時四十五分散会


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