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  4. 会議録第十六号

平成二十六年東京都議会会議録第十六号

平成二十六年十二月十七日(水曜日)
 出席議員 百二十六名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番川松真一朗君
四番山内  晃君
五番栗山よしじ君
六番小松 大祐君
七番鈴木 章浩君
八番大津ひろ子君
九番石川 良一君
十番宮瀬 英治君
十一番おときた駿君
十二番小松 久子君
十三番田中  健君
十四番米倉 春奈君
十五番白石たみお君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番伊藤こういち君
二十番堀  宏道君
二十一番河野ゆうき君
二十二番柴崎 幹男君
二十三番ほっち易隆君
二十四番舟坂ちかお君
二十五番清水 孝治君
二十六番島崎 義司君
二十七番やながせ裕文君
二十八番田中 朝子君
二十九番塩村あやか君
三十番山内れい子君
三十一番中山ひろゆき君
三十二番西沢けいた君
三十三番里吉 ゆみ君
三十四番和泉なおみ君
三十五番尾崎あや子君
三十六番大松あきら君
三十七番中山 信行君
三十八番吉倉 正美君
三十九番上野 和彦君
四十番鈴木 錦治君
四十一番木村 基成君
四十二番高椙 健一君
四十三番栗山 欽行君
四十四番大場やすのぶ君
四十五番和泉 武彦君
四十六番近藤  充君
四十七番小宮あんり君
四十八番三宅 正彦君
五十番野上ゆきえ君
五十一番上田 令子君
五十二番西崎 光子君
五十三番小山くにひこ君
五十四番あさの克彦君
五十五番新井ともはる君
五十六番徳留 道信君
五十七番河野ゆりえ君
五十八番小竹ひろ子君
五十九番まつば多美子君
六十番高倉 良生君
六十一番橘  正剛君
六十二番野上 純子君
六十三番谷村 孝彦君
六十四番桜井 浩之君
六十五番きたしろ勝彦君
六十六番松田やすまさ君
六十七番山崎 一輝君
六十八番神野 次郎君
六十九番菅野 弘一君
七十番北久保眞道君
七十一番田中たけし君
七十二番神林  茂君
七十三番宇田川聡史君
七十四番高橋 信博君
七十五番両角みのる君
七十六番中村ひろし君
七十七番島田 幸成君
七十八番今村 るか君
七十九番大西さとる君
八十番畔上三和子君
八十一番大島よしえ君
八十二番松村 友昭君
八十三番東村 邦浩君
八十四番小磯 善彦君
八十五番鈴木貫太郎君
八十六番木内 良明君
八十七番秋田 一郎君
八十八番中屋 文孝君
八十九番早坂 義弘君
九十番崎山 知尚君
九十一番鈴木 隆道君
九十二番鈴木あきまさ君
九十三番山加 朱美君
九十四番高橋かずみ君
九十五番相川  博君
九十六番山田 忠昭君
九十七番服部ゆくお君
九十八番こいそ 明君
九十九番田島 和明君
百番斉藤あつし君
百一番尾崎 大介君
百二番石毛しげる君
百三番植木こうじ君
百四番かち佳代子君
百五番曽根はじめ君
百六番藤井  一君
百七番長橋 桂一君
百八番中嶋 義雄君
百九番ともとし春久君
百十番古賀 俊昭君
百十一番林田  武君
百十二番高木 けい君
百十三番村上 英子君
百十四番吉原  修君
百十五番野島 善司君
百十六番三宅 茂樹君
百十七番川井しげお君
百十八番高島なおき君
百十九番立石 晴康君
百二十番吉野 利明君
百二十一番野村 有信君
百二十二番内田  茂君
百二十三番酒井 大史君
百二十四番山下 太郎君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 なし
 欠員
    四十九番

 出席説明員
知事舛添 要一君
副知事安藤 立美君
副知事秋山 俊行君
副知事前田 信弘君
教育長比留間英人君
東京都技監建設局長兼務横溝 良一君
政策企画局長川澄 俊文君
総務局長中西  充君
財務局長中井 敬三君
主税局長塚田 祐次君
警視総監高綱 直良君
生活文化局長小林  清君
オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋 正宏君
都市整備局長安井 順一君
環境局長長谷川 明君
福祉保健局長梶原  洋君
産業労働局長山本  隆君
港湾局長多羅尾光睦君
会計管理局長塚本 直之君
交通局長新田 洋平君
消防総監大江 秀敏君
水道局長吉田  永君
下水道局長松田 芳和君
青少年・治安対策本部長河合  潔君
病院経営本部長醍醐 勇司君
中央卸売市場長岸本 良一君
選挙管理委員会事務局長松井多美雄君
人事委員会事務局長真田 正義君
労働委員会事務局長遠藤 雅彦君
監査事務局長石原 清次君
収用委員会事務局長目黒 克昭君

十二月十七日議事日程第二号
第一 第百八十四号議案
平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第四号)
第二 第百八十五号議案
平成二十六年度東京都下水道事業会計補正予算(第一号)
第三 第百八十八号議案
公益的法人等への東京都職員の派遣等に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百九十号議案
職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百九十一号議案
職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
第六 第百九十二号議案
非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第七 第百九十三号議案
職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第八 第百九十四号議案
職員の懲戒に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百九十五号議案
職員の分限に関する条例の一部を改正する条例
第十 第百九十六号議案
職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
第十一 第百九十七号議案
職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例の一部を改正する条例
第十二 第百九十八号議案
東京都特別職報酬等審議会条例の一部を改正する条例
第十三 第百九十九号議案
職員の配偶者同行休業に関する条例
第十四 第二百号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第十五 第二百一号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第十六 第二百二号議案
東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例の一部を改正する条例
第十七 第二百三号議案
東京都情報公開条例の一部を改正する条例
第十八 第二百四号議案
東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
第十九 第二百五号議案
学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第二十 第二百七号議案
都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
第二十一 第二百八号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第二十二 第二百九号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第二十三 第二百十号議案
宅地建物取引業法等関係手数料条例の一部を改正する条例
第二十四 第二百十三号議案
東京都保護施設等の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第二十五 第二百十四号議案
東京都民生委員定数条例の一部を改正する条例
第二十六 第二百十五号議案
東京都養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第二十七 第二百十六号議案
東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第二十八 第二百十七号議案
東京都軽費老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第二十九 第二百十八号議案
東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十 第二百十九号議案
東京都指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十一 第二百二十号議案
東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十二 第二百二十一号議案
東京都指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十三 第二百二十二号議案
東京都介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十四 第二百二十三号議案
東京都指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十五 第二百二十四号議案
東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十六 第二百二十五号議案
東京都婦人保護施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十七 第二百二十六号議案
東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十八 第二百二十七号議案
東京都障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十九 第二百二十八号議案
東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第四十 第二百二十九号議案
東京都障害者支援施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第四十一 第二百三十号議案
東京都地域活動支援センターの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第四十二 第二百三十一号議案
東京都福祉ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第四十三 第二百三十二号議案
東京都動物の愛護及び管理に関する条例の一部を改正する条例
第四十四 第二百三十三号議案
東京都地域医療介護総合確保基金条例
第四十五 第二百三十四号議案
東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
第四十六 第二百三十五号議案
都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第四十七 第二百三十六号議案
東京都廃棄物条例の一部を改正する条例
第四十八 第二百三十七号議案
東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例
第四十九 第二百三十八号議案
特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第五十 第二百三十九号議案
警視庁鮫洲運転免許試験場技能試験コース棟・駐車場棟(仮称)(二十六)新築工事(その二)請負契約
第五十一 第二百四十号議案
都立高島特別支援学校(二十六)増築及び改修工事請負契約
第五十二 第二百四十一号議案
東京国際展示場(二十六)受変電設備改修工事請負契約
第五十三 第二百四十二号議案
東京消防庁立川防災施設(二十六)空調設備改修工事請負契約
第五十四 第二百四十三号議案
新宿歩行者専用道第二号線Ⅲ期─一工区整備工事(二十六 三─主四青梅街道)その二請負契約
第五十五 第二百四十四号議案
石神井川取水施設工事(その一)請負契約
第五十六 第二百四十五号議案
当せん金付証票の発売について
第五十七 第二百四十六号議案
杉並区学校教育職員の主任教諭選考に係る事務の受託について
第五十八 第二百四十七号議案
東京都石神井学園の指定管理者の指定について
第五十九 第二百四十八号議案
東京都小山児童学園の指定管理者の指定について
第六十 第二百四十九号議案
東京都船形学園の指定管理者の指定について
第六十一 第二百五十号議案
東京都八街学園の指定管理者の指定について
第六十二 第二百五十一号議案
東京都勝山学園の指定管理者の指定について
第六十三 第二百五十二号議案
東京都片瀬学園の指定管理者の指定について
第六十四 第二百五十三号議案
東京都七生福祉園の指定管理者の指定について
第六十五 第二百五十四号議案
東京都八王子福祉園の指定管理者の指定について
第六十六 第二百五十五号議案
東京都千葉福祉園の指定管理者の指定について
第六十七 第二百五十六号議案
東京都東村山福祉園の指定管理者の指定について
第六十八 第二百五十七号議案
東京都清瀬喜望園の指定管理者の指定について
第六十九 第二百五十八号議案
東京都視覚障害者生活支援センターの指定管理者の指定について
第七十 第二百五十九号議案
東京都八王子自立ホームの指定管理者の指定について
第七十一 第二百六十号議案
東京都立東部療育センターの指定管理者の指定について
第七十二 第二百六十一号議案
東京都奥多摩ビジターセンターの指定管理者の指定について
第七十三 第二百六十二号議案
東京都立大島公園海のふるさと村の指定管理者の指定について
第七十四 第二百六十三号議案
東京都立奥多摩湖畔公園山のふるさと村の指定管理者の指定について
第七十五 第二百六十四号議案
東京都立多幸湾公園の指定管理者の指定について
第七十六 第二百六十五号議案
東京都檜原都民の森の指定管理者の指定について
第七十七 第二百六十六号議案
東京都奥多摩都民の森の指定管理者の指定について
第七十八 第二百六十七号議案
土地の買入れについて
第七十九 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第三号)の報告及び承認について

   午後一時開議

〇議長(高島なおき君) これより本日の会議を開きます。

〇議長(高島なおき君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

〇議長(高島なおき君) これより質問に入ります。
 百十二番高木けい君。
   〔百十二番高木けい君登壇〕

〇百十二番(高木けい君) 平成二十六年第四回東京都議会定例会に当たり、東京都議会自由民主党を代表して質問いたします。
 名誉都民西山鴻月様におかれましては、去る十一月三日、また、同じく名誉都民松本源之助様におかれましては、去る十一月十一日ご逝去なされました。お二方の生前のご功績に対し、深甚なる敬意を表しますとともに、ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 去る十二月十四日、第四十七回衆議院選挙が終わりました。自民党、公明党の連立与党は、改めて国民の信任をいただき、政策の継続ができることになりました。まことにありがとうございました。
 私たちは、まずは景気回復を確実な軌道に乗せ、長期にわたるデフレを克服するための雇用の拡大と賃金の増加、そして安定した税収の確立によって少子高齢社会の社会保障を充実させる、この流れをつくることが、現在の我が国における最優先課題であると確信し、景気回復、この道しかないと訴え続けました。
 言葉だけの政治に辟易とする国民に対して、私たちは結果を出すことをお約束し、連立与党として三百二十六議席を与えていただきました。議席の数は、責任の重さに比例するものであり、この先私たちは、さまざまな課題に対して、国民に丁寧に説明を尽くし、謙虚であると同時に力強く、輝かしい我が国の未来を切り開いていかなければなりません。東京都議会自由民主党は、首都東京の立場で、その方針の一翼を担っていきたいと考えます。
 さて、今日の東京は、政治、行政、経済機能の集積が生み出す活力にあふれ、日本の牽引役となっています。一方で、少子高齢化が加速し、また、エネルギーを大量消費するライフスタイルのありようが問われるなど、現代社会の直面する困難な課題に対して、東京から率先して処方箋を示す必要があります。
 こうしたことを踏まえつつ、我々は東京をさらに発展させて、未来に引き継がなければなりません。そのための大きなチャンスが二〇二〇年、平成三十二年のオリンピック・パラリンピックであります。
 これまでも東京には、大きく変貌するきっかけが幾つかありました。関東大震災後の震災復興、さきの大戦後の戦災復興、そして前回の一九六四年、昭和三十九年のオリンピック・パラリンピック大会です。
 歴史を振り返ると、東京のまちづくりは、さまざまな制約の中で苦難の連続だったといえます。例えば、第七代東京市長後藤新平の手がけた関東大震災後の帝都復興計画では、昭和通りは七十二メートル、大正通り、現靖国通りは四十三メートルで計画されましたが、政治的、財政的な理由もあり、大幅な縮小を余儀なくされました。
 また、江戸時代の大名屋敷跡や区画割りなどを上手に生かしながら、整然とした近代都市につくり変える区画整理事業も実行され、三千ヘクタール以上の既成市街地を改造したという意味では、壮挙というべきですが、後藤の考える復興事業にはほど遠いものでありました。
 さらに、まちの延焼を防止し、豊かな緑の創出にも貢献するはずだった隅田公園の新設も、当初計画の三分の一の規模にとどまりました。仮にこれらの壮大な構想が実現していれば、現在の木造住宅密集地域や交通渋滞等の課題も、全く異なっていたに違いありません。
 今日、経済性や合理性の名のもとに、目先の利害得失にとらわれがちですが、帝都復興計画に代表される先人の英知に素直に学んだ上で、百年先を見通し、将来の人々が、さらなる工夫を加える余地も残してまちづくりを発想することが重要と考えます。
 既に我々は、二〇二〇年大会の成功とその先を見据え、東京を世界で一番の都市にするための政策集を掲げ、先般これを実現すべく、具体的な政策を知事に提言いたしました。
 二〇二〇年大会は、日本国民みんなが心を一つにして、東京、そして日本を一段と高い成熟を遂げた社会につくり変えるチャンスであります。そのためのスタートラインとなる長期ビジョンは、いよいよ取りまとめとなりますが、長期ビジョンにかける知事の決意と所見を伺います。
 二〇二〇年大会は、単なるスポーツの祭典にとどまらず、世界の発展、国際理解、平和的共存といった普遍的価値を人類が共有する場です。一過性のイベントで終わらせるのではなく、これを機に、海外諸都市と確かなつながりをつくり、末永くともに発展する礎を築く必要があります。
 先般発表された都市外交基本戦略素案では、大都市共通の課題の解決に貢献するほか、世界から観光客や投資を引き寄せるため、都市外交で各局の施策を支えるとしています。これらの具体的な施策は、人と人とのつながりに裏打ちされた強固な信頼関係、友好関係によってこそ実効性が高まります。東京と世界諸都市のかけ橋となる人材の育成が必要です。知事の所見を伺います。
 次に、このたびの補正予算について伺います。
 現在の東京には、二〇二〇年大会に向けた万全の準備を初め、世界一の環境都市や、女性が活躍する社会の実現、総合的な福祉施策のさらなる推進など、将来に向けた重要な課題が山積しております。加えて、資材価格の高騰による契約不調への対策や土砂災害の防止といった、都民の安全・安心の確保に直結する喫緊の問題も表面化してきています。
 こうした状況を踏まえ、先般、我が党は、早期の施策化に向けた緊急要望を行ったものであります。都の予算は、当初予算が基本でありますが、都民や社会のニーズを鋭敏に捉え、緊急かつ重要な課題に迅速的確に応えることも必要であり、今般、都が我が党の要望を受け補正予算を編成したことは評価いたします。
 そこで、今回の補正予算の考え方と今後の取り組み方針について、知事の見解を伺います。
 今回の補正予算案では、不調対策として五十億円余が計上されていますが、公共工事の不調については、今回のような予算措置を補正で対応するのはもちろん、不調が発生しないよう対策を講じることも重要であります。
 震災後の復興事業に加え、二〇二〇年大会開催を見込んだ民間投資の増加を背景に、技術者不足や資材価格、労務費の高騰が進み、先高感などの不安感もあって、都が発注する工事の不調発生率が高くなっています。中でも、中小規模の工事における入札不調は、地域の産業や雇用にも深刻な影響を及ぼします。
 このような現下の状況に対し、事業者の不安感を解消するための対策を早急に講じる必要があると考えますが、所見を伺います。
 次に、不合理な地方法人課税の偏在是正問題について伺います。
 我が党は、本定例会でも意見書を可決するなど、これまで幾度となく、地方法人課税の不合理な偏在是正措置の撤廃を強く主張してまいりました。このたび、安倍総理の政治判断で、今後一年半、消費税率の引き上げが延期されることになりましたが、平成二十六年度の税制改正で言及された、消費税率一〇%段階における偏在是正措置のさらなる拡大の議論がにわかに鎮静化するとは思えません。
 むしろ、さきの国会で、まち・ひと・しごと創生法が成立したことで、地方創生という名のもとに、東京の首都として当然あるべき人口、経済、産業等の集積の是正に焦点が当てられ、東京への風当たりはさらに厳しい状況になることも予想されます。現に、東京圏の企業の地方移転を促進する税制優遇措置が具体的に議論されています。
 しかし、本来必要なのは、日本全体がどうすれば元気になるかという点について、真の地方自治という大局的な観点に立って議論を行うことであります。こうした状況下において、今後、地方法人課税の偏在是正問題に対し、都としてどのように主張し取り組んでいくのか、知事の所見と決意を伺います。
 なお、ここ数日、平成二十七年度税制改正に関して極めて注意すべき議論がなされていると聞いています。法人実効税率の引き下げ、固定資産税及びたばこ税の軽減税率の見直し等、東京都にとってかなり影響の大きい税制改正となる可能性があります。都として、国に対し、理論的、建設的な提言ができるよう、早急に準備しておくことを求めておきます。
 さて、長期ビジョンを策定するこの機会に、都政を俯瞰したとき、将来にわたって都民の負託に応えていくための都庁の執行力を強化することは不可欠であります。
 これまで我が党は、都の行革努力を是としつつ、技術職などの人材確保について、必要な対応を繰り返し求めてまいりました。職員の能力を一層引き出し、組織の生産性を高める人事政策が求められます。
 そこで、今後の人材確保や執行体制の強化に向けた人事政策のあり方について所見を伺います。
 都庁の執行力の強化とあわせ、長期ビジョンを支え、都民のニーズに柔軟かつ的確に応えていくためには、都政の重要なパートナーである監理団体をこれまで以上に活用することも重要です。
 平成二十一年六月に我が党の入札・契約制度改革プロジェクトチームが取りまとめた報告書の中で、監理団体のような組織が、公益性と効率性を発揮し、都民福祉の向上に寄与する都政こそ、真に厚みのある、私たちが目指す次世代の都政と指摘いたしました。今後は、こうした監理団体を都庁組織と一体的に捉え、都政の現場を支える組織として積極的に活用していく必要があります。
 そのためには、監理団体が主体的な役割を果たせるよう、簡素で効率的な指導監督に努めるとともに、指定管理者制度の活用を含め、人事や財政面での安定的な運営を確保していく必要があると考えますが、所見を伺います。
 さて、東京を世界で一番の都市にしていくためには、個別の政策の充実が基本ですが、それを後押ししていくための政策税制のより一層の活用が求められます。
 さきの長期ビジョンの中間報告を見ますと、外国企業を誘致するための国家戦略特区において税制優遇を拡大していくとしていますが、そのほかにも、防災都市づくりや、無電柱化の推進、貴重な緑の保全、農業振興、子育て支援を初めとする福祉施策など、政策税制を活用することで、施策がより前進していくと考えられるものも少なくありません。
 長期ビジョンを着実に推し進め、東京を世界で一番の都市にするため、各局の取り組みと軌を一にして、政策税制の活用も考えていくべきですが、見解を伺います。
 次に、我が党が昨年、都議選に際し、都民の皆様にその実現をお約束した政策集の各項目に沿って順次お伺いしてまいります。
 最初に、災害に強い安全な東京についてお伺いいたします。
 まず、消防、救急対策について伺います。
 六年後に開催される二〇二〇年大会に向けた準備は、競技会場などの施設整備や大会運営計画の策定など、直接的な準備をしっかり進めていくことはもとより、大会を成功させるためには、何よりも安全であることが前提であります。
 そこで、この世界一安全な都市東京を実現するには、東日本大震災における東京消防庁の活躍を見てもわかるとおり、消防ヘリコプターなどの機動力を生かした人命救助など、消防活動体制の強化を図るべきと考えますが、東京消防庁の取り組みについて伺います。
 また、二〇二〇年大会では、世界中から訪れる多くの方々の急病やけがによる救急要請に的確に対応することも、東京が世界で一番安全な都市であるためには必要なことであります。
 一方、救急活動の現況は、東京消防庁や各関係機関により、さまざまな努力をしているものの、高齢化の進展などにより、昨年の救急出動件数は約七十五万件と過去最大になるなど、救急需要は右肩上がりの増加傾向にあります。
 そこで、二〇二〇年大会の開催や高齢化の進展に伴い、救急需要のさらなる増大に対応するための東京消防庁の今後の取り組みについて伺います。
 次に、水の災害を未然に防ぐ八ッ場ダム建設について伺います。
 我が党は、首都東京を大規模な洪水や渇水被害から守るため、民主党政権下でのダム本体工事中止以降も、一貫してダムの早期完成や速やかな生活再建などを、国土交通大臣に強く求め続けてまいりました。これらの活動が実り、ようやくダム本体事業が着手されました。
 このため、事業の進捗や生活再建状況を確認する上で、先月、我が党の八ッ場ダム推進政策研究会がダム建設現場を視察し、群馬県議会自民党八ッ場ダム推進議員連盟、地元長野原町、東吾妻町の関係者から、地元の生の声を聞くための意見交換を行いました。
 意見交換の場で両町から、生活再建はダムを前提としていたため、中断直後は将来の目標を見失うだけでなく、誹謗中傷も受け、それに耐えてきた、しかし、今や目標が見えてきたところでもあり、ダム完成後の地域振興を図るためにも、この事業の早期完成が必要との話がありました。
 この話を受けて、都議会自民党と群馬県議会自民党は、一都五県の議員連盟とも連携し、地元の生活再建とダムの早期完成などに取り組むことを確認いたしました。災害に強い安全な東京をつくる上で、八ッ場ダムの効果を早期に発現させることは当然のことです。東京の東部低地帯を水害から守り、ダム完成を待ち望む地元の思いを実現するためにも、八ッ場ダムの早期完成に向けた都の取り組みを伺います。
 次に、不燃化特区の取り組みについて伺います。
 我が党は、東京を世界で一番の都市にするための政策提言で、木造住宅密集地域での不燃化の早期実現を求めてまいりました。都は、木密地域を燃え広がらない、燃えないまちにするため、特定整備路線と不燃化特区を推進しています。
 特定整備路線と不燃化特区を同時に進めていくことにより、延焼遮断帯の形成と、市街地の不燃化が一体的に促進され、より高い施策効果が期待できます。しかしながら、特定整備路線のない不燃化特区では、木密対策が十分に進まないのではないかとの懸念があります。
 そこで、今後都は、着実に木密解消を進めていくため、不燃化特区においてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
 次に、防災力を高める道路整備について伺います。
 日本経済の中心である東京は、首都直下地震の発生率が、今後三十年で七〇%と予測されるなど、災害発生の大きなリスクを抱えています。都が平成二十四年四月に公表した東京湾北部地震の被害想定によると、都内は最大震度七の揺れに見舞われ、約三十万四千棟の建物が全壊または焼失し、火災などにより約九千七百人の死者と、約十四万七千六百人の負傷者が発生するとされております。
 このような被害を防ぐため、防災に資するインフラを充実させることは、私たちだけでなく、後世の東京や日本のために重要であると思います。
 道路は、交通、物流の確保や地域の安全を支える重要な都市基盤であり、大規模災害時においても、その機能が確実に発揮されるよう、一層充実することが我々の世代に課せられた使命であります。
 そこで、防災力を高める道路整備について伺います。
 次に、政策集の都民の命と健康を守る安心都市東京について伺います。
 伊豆・小笠原諸島周辺海域での中国漁船の領海侵犯及び違法操業について伺います。
 本年九月以降、伊豆・小笠原諸島周辺海域に出没した大量の中国密漁船は、排他的経済水域のみならず、領海にまで入り込み、長期間居座り続けて貴重なサンゴを奪い取っていったばかりか、島民にいい知れぬ不安を与えました。
 我が都議会自民党は、こうした傍若無人な領海侵犯行為に対し、島民の安全と安心、そして、我が国の領土、領海を断固として守るという強い決意を持って事態の解決に当たり、国に対し抜本的な解決策を繰り返し要望し、海上保安庁による取り締まり体制の強化や罰則を強化する法改正の実現に結実したところであります。
 また、共産党を除く各会派賛成のもと、定例会初日に意見書を可決し、都議会の確固たる意思を内外に伝えたところであります。
 既に中国漁船は姿を消したとはいえ、漁網の残骸による漁場の荒廃や漂着ごみによる景観の悪化など、漁業や観光への影響が懸念されるほか、いつまた中国漁船があらわれるかもしれないという恐怖は、現在も払拭されておりません。
 先日の視察は残念ながら中止となりましたが、知事には改めて、小笠原に赴いて現地の切実な声を直接聞いていただきたいと思います。
 もとより、我が国の領土、領海を守るのは国の基本的かつ最も重要な使命ですが、都の領域である伊豆・小笠原の海域に暮らす島民の生活の安全・安心を確保することは、まさに都の使命でもあります。ぜひとも知事には、今後の島民の生活の安全・安心の確保に、先頭に立って取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、今回の中国漁船の領海侵犯及び違法操業問題に対する知事の基本的な認識と、視察を含めた今後の対応について伺います。
 また、これも極めて困難な喫緊の課題であるエボラ出血熱等新たな感染症対策について伺います。
 本年三月以降、西アフリカのギニア、シエラレオネ及びリベリアを中心に、過去に例を見ない規模でエボラ出血熱が流行しています。
 国は、空港等での検疫を強化し、国内への侵入を防ぐ努力をしていますが、発症前の潜伏期間中に入国、帰国し、都内で患者が発生する可能性は否定できません。検疫所は、三カ国からの帰国者に対し書面を配布し、発熱時には地域の医療機関を受診せず保健所の指示を受けるよう、発症時の対応の徹底を図っています。
 エボラ出血熱は、発熱など症状が出ている人の血液や吐瀉物などの体液に直接接触することで感染するといわれており、空気感染をするものではありません。感染症対策は、正しく恐れながら、緊張感を持って冷静な対応をとることが重要であります。
 そのため、万が一患者が発生した場合に備え、万全の準備を整えておくことが必要と考えますが、知事の所見を伺います。
 また、都内においてエボラ出血熱の患者や疑い患者が発生した場合には、都が有している第一種感染症指定医療機関である都立駒込病院、墨東病院、東京都保健医療公社荏原病院が最前線で患者の治療に当たることになります。これらの病院は、こうした事態に備え、さらに対策を強化していくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、福祉、保健、医療施策について伺います。
 先月七日、我が党は、急速に進む少子高齢化への対応など、喫緊の課題に迅速に取り組むよう都に求めました。都はこの要望を受け、取り組みを加速するための補正予算案を本定例会に提出しています。消費税率一〇%への引き上げ時期が延期となり、来年度の社会保障分野に関する国の予算編成への影響も懸念されますが、都は、福祉先進都市の実現に向けて、各分野の取り組みを一層推進していくべきと考えます。
 そこで、今後の福祉、保健、医療施策にどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 次に、医療提供体制について伺います。
 本年六月、医療介護総合確保推進法が成立いたしました。これにより、医療機関は十月から都道府県に病床の医療機能等を報告し、都道府県は、この報告をもとに、地域の医療提供体制の将来のあるべき姿を示す地域医療構想を来年度以降に策定することとなります。
 また、都道府県は、新たに基金を設け、計画に基づき事業を実施することとなり、都は本定例会に基金の設置条例案と関連する補正予算案を提案しています。
 そこで、今回策定した計画の考え方について伺います。
 次に、政策集の高齢者や障害者に優しい東京と日本の将来を担う子育て世代に優しい東京について伺います。
 まず、高齢者施策について伺います。
 高齢化が進む中、認知症の人とその家族が、認知症になっても、できる限り住みなれた地域で安心して暮らすことのできる東京を私たちは実現したいと考えています。
 都はこれまで、都内十二の二次保健医療圏に認知症疾患医療センターを設置し、専門的な診療の提供や相談等、地域の認知症医療を推進してきたことは高く評価しますが、今後、認知症患者が急増することが見込まれており、さらなる対策の強化が必要です。
 都内には、高度な認知症医療を担える医療機関が数多く存在しており、より身近な地域で区市町村と連携が図れるよう、認知症疾患医療センターの整備を促進すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、保育施策について伺います。
 都は現在、待機児童の解消に向け、基盤整備についてさまざまな対策を加速しています。同時に、保育サービスの量的拡大と質の向上を図るためには、保育人材の確保、育成や増加する障害児やアレルギー児への対応も重要であります。
 こうした考えに立ち、我が党は先般、民間社会福祉施設サービス推進費に関する緊急提言を行いましたが、都は今後、保育サービスの充実にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、子供家庭施策について伺います。
 社会的養護は、かつては親のいない子供や親が育てられない子供を中心とした施策でありましたが、現在では、虐待を受けた子供や個別的なケアを必要とする子供への支援を行う施策へと役割が変化しています。
 こうした中、本年十月に東京都児童福祉審議会が、都におけるこれからの社会的養護の方向性を提言しました。この提言で示された家庭的養護の推進は、子供が大人と愛着関係を形成する上で極めて重要であり、我が党も、施策の充実について政策提言を行っております。
 そこで都は、今後どのように家庭的養護を推進していくのか、基本的な方向性を伺います。
 次に、動物愛護施策について伺います。
 我が党では、長年にわたって、動物が家族としてだけでなく、地域社会に受け入れられるよう、飼い主の責任や都民全体に対する動物愛護への理解を啓発する施策を都に求めてまいりました。
 これを受け、都は平成十五年、国に先駆け、人と動物の調和のとれた共生社会の実現を基本理念とする動物愛護推進総合基本計画を独自に策定いたしました。ことしの計画改定に当たっては、法律や国の指針の改定も踏まえ、獣医師会等関係団体や動物愛護団体と連携した殺処分ゼロに向けた取り組みを強化することが盛り込まれました。
 こうした中で、先般、他県において、山中などに多数の犬の死骸や衰弱した犬が遺棄されるという痛ましい事件が相次いで発生しました。都として、人と動物との共生社会を実現するという観点から、こうした問題にどのように対応していくのか伺います。
 次に、政策集の後世に誇れるクリーンで美しい東京の実現について伺います。
 二〇二〇年大会は、都市化が進展した東京において、前回の一九六四年大会以来、五十年ぶりに東京の社会資本全体を見直すことのできる貴重な機会であります。我々の世代が責任を持って次世代へのレガシーをつくる意思を持たなくてはなりません。
 例えば、一九六四年大会では新幹線が整備され、これはその後、世界の高速鉄道のモデルとなりました。オリンピック・パラリンピックのレガシーとは、このような人類共通の財産と呼ぶにふさわしいものであるべきです。
 したがって、二〇二〇年大会では、世界の大都市に共通する諸課題を克服し、将来、東京モデルと呼ばれるような、大都市における快適な生活空間の創造をレガシーとして残すべきと考えます。
 快適な生活空間の創造には、世界一美しい東京を目指した緑化政策の展開も一つの重要な取り組みと考えます。花と緑は、都民の癒やしや潤いとなり、ヒートアイランド現象の緩和などにも役立ちます。これからは、さらにその質を高め、世界一美しい東京をつくるという大きな目標を持って、花と緑を大いに盛り込むべきであります。花と緑は、大会時に国内外から来訪者を迎えるおもてなしとなり、将来にわたり東京を特徴づける貴重な観光資源ともなります。
 東京のリニューアルによる快適な生活空間の創造とその中における緑化政策について、知事の所見を伺います。
 かつて江戸のまちでは、園芸文化が花開き、身分を超えて、人々の生活は草花によって豊かに彩られていたといわれています。また、欧州では、花を生かしたまちづくりを競うコンクールを通じて美しいまち並みが創出され、観光客を引きつけています。花や緑を愛する心は、国や文化、時代を超えて共有されてきました。
 東京は、街路樹や都市公園がふえ、区部ではみどり率も多少回復したほか、江戸のみどり復活事業により在来植物による緑化も進められていますが、おもてなしの観点から、人々を魅了する美しい緑の視点も欠かせないと思います。
 そこで、今後、都は、都市の魅力を引き上げる花と緑を生かした、誰が見ても美しいと感じる緑化の拡大に向け、具体的な取り組みを推進すべきと考えますが、見解を伺います。
 続いて、道の緑、街路樹について伺います。
 都は、平成二十七年度末までに都内の街路樹百万本を達成すべく、平成十七年度末に約四十八万本であった国や都、区市町村を含めた街路樹を、平成二十五年度末までに約八十九万本に増加させました。
 緑の拠点である公園や水辺を結ぶ道路の緑は、水と緑のネットワークを充実させるとともに、オリンピックのレガシーの一つともなります。オリンピックのマラソンコースなどの街路樹は、テレビ中継により世界中の人々の目に触れることになります。
 そこで、街路樹により東京の魅力を高める取り組みについて伺います。
 また、街路樹に加え、さらなる緑のネットワークの候補となるのが都電荒川線であります。かつての都電は、東京の高度成長を支えた交通機関であり、五十年前の東京五輪の際も、大会期間中の輸送の主力を担っていました。その後、輸送の中心は地下鉄へと移行しましたが、今も当時の全盛期をしのばせながら、三ノ輪橋から王子、早稲田まで運行しています。
 この都電の軌道を活用し、二〇二〇年大会に向け、緑のネットワーク化を図れば、東京の新たな観光拠点が誕生する可能性があり、さらに、大会後のレガシーとして受け継がれていくと考えます。
 軌道の緑化は、国内では鹿児島市など、市が主体となり、軌道事業者と連携し取り組んでいます。また、フランスのストラスブールやボルドーなど、海外の都市でも実施されており、景観の向上のみならず、ヒートアイランド対策や遮音対策等に大きく寄与しているといわれています。
 そこで、都電荒川線を活用し、緑のネットワーク化を進め、美しい都市空間の創出に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、隅田川における魅力ある水辺空間の創出について伺います。
 東京の下町を代表する河川、隅田川は、江戸からの歴史文化受け継ぐ貴重なオープンスペースであります。隅田川において、これまで都は、緑豊かなスーパー堤防やテラスを整備するとともに、水辺へのオープンカフェの誘致などによるにぎわいづくりを進めてきました。
 このような取り組みにさらに工夫を加え、観光客や地域の人々がより一層楽しめるような魅力ある水辺空間を創出する必要があると考えますが、都の見解を伺います。
 次に、エネルギー政策について伺います。
 二〇二〇年大会を契機に水素エネルギーの普及を図り、環境と調和した未来型都市の姿や日本の高い技術力を世界に発信していくことは極めて重要です。
 都は、我が党の提案を踏まえ、官民一体となって取り組む戦略目標を取りまとめるとともに、電気自動車等と並んで次世代自動車として期待の高い燃料電池車の普及や水素ステーションの整備に関する支援策をいち早く講じたことは高く評価できます。
 燃料電池車が市場投入され、いよいよ水素社会の幕があけようといたしております。水素社会の実現に向け、日本を力強く牽引するためには、戦略目標を着実に達成することが必要です。
 都は、市場の動きを後押しする強力な施策を講ずべきと考えますが、知事の決意を伺います。
 南米ペルーのリマでCOP20が開催され、二〇二〇年以降の温室効果ガスの削減に向けた枠組みが議論されました。世界の都市は、全体でエネルギーの三分の二を消費し、CO2の七割を排出しており、東京を初め、都市の省エネ、CO2対策は極めて重要であります。
 我が党は、東京がエネルギーの大消費地として国をリードする省エネ、気候変動対策に取り組むべきことを提言してきており、所信表明で知事が表明された新たな省エネ目標の設定は、我々の主張に合致するものであります。
 目標の達成に向けては、世界に誇る我が国の省エネ技術の導入を促進し、都市の持続的な成長とエネルギー利用のさらなる効率化を実現することが重要です。
 都は、省エネ目標の達成に向け、どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 地球温暖化対策の推進に向けては、CO2だけでなく、温室効果の高いフロンの排出削減対策が重要です。フロンの排出抑制に向けては、関連業界の協力を得て、機器使用時の漏えいを防ぐとともに、ノンフロン型機器への転換を進めることが重要であります。
 都は、ノンフロン冷凍冷蔵機器への買いかえ補助制度を新たに開始するなどフロン対策に積極的に取り組んでいますが、来年四月には、フロン機器の使用者に対する責務を新たに規定した改正法が施行されます。
 フロン機器の適正管理とノンフロン型機器への転換を促すためには、明確な削減目標を掲げてフロン対策に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、資源循環施策について伺います。
 経済発展に伴う資源消費量の増大により、地球規模での環境の悪化が顕在化しています。都は、今年度中に取り組み方針を策定し、資源循環施策の新たな展開を図るとしていますが、既に我が国では、国産材を使った環境配慮型のコンクリート型枠用合板の活用や再生砕石からのコンクリート骨材の製造など、先進的な取り組みが行われています。
 こうした技術やノウハウを最大限に生かすため、民間企業との連携を深め、資源循環施策を広く定着させていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、政策集の力強い経済で日本をリードする東京について伺います。
 最初に、産業政策について伺います。
 我が国の経済は、アベノミクスの大胆な金融、財政政策等により、この二年間、着実に回復を続けてきましたが、本年後半に入り、消費や生産に足踏みが見られるなど、予断を許さない局面にあります。
 いうまでもなく、まち場の中小企業は、引き続き厳しい経営環境にさらされています。年末、年度末にかけて、中小企業には一層厳しい状況が続きます。
 都は、先般、我が党の要望に応え、資金繰りや相談対応等の年末特別対策を講じました。迅速な対応を評価するものであります。引き続き、刻々と変化する経済動向を捉えた機動的な対応を求めておきます。
 こうした足元の対策とともに重要なのが、二〇二〇年大会に向けて計画的、戦略的な歩みを進めること、さらに、その先も見据え、東京が抱える課題の克服に向け、しっかりと取り組むことです。
 まず、観光について、知事は、二〇二〇年に千五百万人、二四年に千八百万人の外国人旅行者誘致に言及されました。外国人の方々に、歴史や文化、自然、食など東京の多彩な魅力を存分に楽しんでいただくためには、言葉や案内面での不便を感じず、快適に滞在できる環境の整備が不可欠であります。WiFiやデジタルサイネージなどITを駆使したサービス、ボランティアなど、ハード、ソフト両面からの取り組みが求められます。
 ロンドンでは、オリンピック・パラリンピックに向けて、観光案内所やボランティアなどの体制整備を計画的に進め、観光地としての魅力が高まった結果、大会後も多くの旅行者が訪れるようになっています。
 こうした体制は一朝一夕に整わないため、利用者の目線で重点的に整備を進めなくてはなりません。また、区市町村や民間の協力を得て、複数年にわたる計画的な取り組みが進められるよう、財源措置の面でも工夫を施すべきであります。
 外国人旅行者に快適で満足度の高い滞在環境を提供していくため、二〇二〇年大会を見据え、戦略的な取り組みを進めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 あわせて、かねてより支援してきた東北の被災地については、福島県における被災地応援ツアーを来年度も継続するよう要望しておきます。
 二〇二〇年大会はまた、幅広い産業分野での多くの需要を生み出し、東京、そして日本を新たな成長の軌道へと押し上げる好機であると思います。中小企業にとっても、技術を世界にアピールし、大会関連の受注の獲得などにより、新たな販路を切り開くまたとないチャンスです。ロンドン大会でも、大会を契機に中小企業が受注に参加できるプラットホームがつくられるなど、官民を挙げた取り組みが進められました。
 二〇二〇年大会の効果を中小企業にまでしっかりと波及させていくためには、販路の開拓、大会関連事業への受注機会への参画などを強力に後押ししていく必要があり、中小企業団体とも連携した実効性ある支援の仕組みをつくり上げていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、中小企業が厳しい競争を生き残るには、製品の魅力を高めることに加え、顧客ニーズや流通構造の変化を捉え、効果的な販路や販売手法を選択する必要があります。
 この点で注目すべきは、近年、テレビショッピングやインターネット販売など、メディアを通じて消費者に直接製品を届ける取引が大きく伸びていることです。こうした手法にはまだなじみがない企業も多いでしょうが、一般消費者向けの製品については売り上げを飛躍的に伸ばすことも可能だと思います。
 都は、販路開拓の新たな取り組みに挑戦する中小企業を積極的に後押しすべきと考えますが、見解を伺います。
 経済の持続的成長のためには、今ある企業の継続や発展に加え、創業をふやしていくことも重要であり、都も、長期ビジョンの中間報告で開業率一〇%台という目標を掲げました。
 都は、本年度、我が党の提案を受け、女性、若者、そして高齢者を対象として信用金庫、信用組合と連携した新たな創業支援事業を開始しましたが、創業をさらに促進するため、一層踏み込んだ支援が必要です。
 本定例会の補正予算案でも支援の充実が図られていますが、より多くの融資につなげるため、都が拠出する融資原資の大幅な上乗せを強く求めます。
 また、全員参加型の社会づくり、とりわけ女性の活躍の推進に向けては、女性創業者向けの経営サポートの充実も必要です。
 都は、女性を中心とした創業支援の一層の強化に向けて、どのように取り組んでいくのか見解を伺います。
 全員参加型の社会づくりに向けては、女性や若者、高齢者に対する就業支援も重要であります。都も就業支援に精力的に取り組んでいますが、区市町村においても、女性の再就職支援、若者のニート、フリーター対策など、地域の実情に応じたさまざまな支援を行っています。消極的な若者の就業意欲を喚起する取り組みを進めるには、就業希望者一人一人の要望へのきめ細かな対応が必要であり、地域の取り組みをさらに促していくことが効果的です。
 都は、区市町村が地域の実情に応じた多様な就業支援策をさらに講じることができるよう強力に後押ししていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、大都市東京に残された貴重な都市農地は、高額な相続税負担などにより、十年間で約一千ヘクタールも減少するなど、農地保全、都市農業の振興は緊急の課題であります。
 都議会自民党は、これまでも、制度改善に必要な基本法の制定を国に強く要請してきました。これを踏まえ、議員立法で都市農業振興基本法の制定に向けて準備が進められるなど、国においても具体的な動きが出てきています。
 今後の法制定も見据え、税制などの制度改正を引き続き国に働きかけるとともに、都としても、都市農地の保全や収益力の強化など、都市農業の振興に向けて実効ある施策を推進すべきと考えますが、所見を伺います。
 これらの農業や水産業の皆さんが期待するのが、豊洲新市場の開場であります。新市場について伺います。
 我が党は、世界で一番の都市東京を支える生鮮食品の一大流通拠点として、築地市場の豊洲新市場への移転を推進してまいりました。この間我が党は、厳しい経営環境に置かれている市場業界団体からの移転要望を重く受けとめ、早期の移転に向けて事業を進めるよう繰り返し求めてまいりました。
 新市場の整備に当たっては、市場用地が安全な状態になっていることが大前提となります。都はこれまで、約三年間にわたり土壌汚染対策工事を実施してきました。先日開催された技術会議において、全ての対策の完了が確認されたと聞いています。
 この土壌汚染対策によって、豊洲新市場用地の安全性は揺るぎないものになったと思いますが、所見を伺います。
 次に、土壌汚染対策工事が完了した今、豊洲新市場の開場時期に関心が集まっています。都はこれまで、平成二十七年度の開場としてきました。
 しかし、先日、市場業界から我が党に、平成二十八年十一月を開場時期とする旨の要望書が提出されました。市場の開場には、市場施設の竣工のみならず、市場業界による造作工事など、営業するためのさまざまな準備作業が必要です。何よりも重要なことは、商売の拠点を移転させる一大転機である以上、市場業界の希望にかなった時期でなければなりません。
 このような重大な事項について、市場業界と十分なコミュニケーションを図って解決していくことが重要であると我が党は従前から指摘してまいりました。今回の要望書の趣旨を受けとめ、都は開場時期の再考を図るべきと考えます。
 先日来、開場時期についてさまざまな報道がなされています。豊洲新市場の開場時期について、市場業界との緊密な協議を踏まえ、知事ご自身がこの場で具体的な時期について明らかにすべきと考えますが、その所見を伺います。
 次に、水道事業の国際展開について伺います。
 東京水道は、これまでタイや台湾において、漏水や盗水などの無収水の割合を低減させる事業を手がけてきています。しかし、財政基盤が脆弱な国では、ODAの活用が必要です。
 開発途上国の一つであるミャンマーのヤンゴンでは、インフラ整備がおくれており、無収水の割合が六六%もあると聞いています。今般、我が国のODAによる財政支援と東京水道の技術を結びつけることによって、ヤンゴンでの事業化を果たしました。
 水道局が民間企業を後押しし、アジアの水問題の改善につなげていく取り組みは、我が党の主張に沿うものとして評価できます。今回のヤンゴンにおける事業の特徴と今後の国際展開について伺います。
 次に、下水道事業の国際展開について伺います。
 東京の下水道が技術的な支援を行ってきたマレーシアでの総事業費五百億円に及ぶ大規模な下水道整備プロジェクトが、四年の歳月を経て、本年十月契約合意に至りました。
 我が党としても、このプロジェクトを以前から応援しており、本年四月には、服部都議会議員を団長とする行政調査団をマレーシアに派遣し、プロジェクトの取り組み状況を確認し、関係者を激励してきたところであります。
 国も、成長戦略の一環であるインフラシステム輸出戦略において、官民一体となった海外展開を推進しており、今般その大きな一歩を踏み出した本プロジェクトには、大いに成果を期待しております。
 そこで、このプロジェクトの意義と今後の取り組みについて伺います。
 次に、政策集の若者が夢と希望を持てる教育都市東京について伺います。
 まず、学校教育について伺います。
 いじめ、不登校、児童虐待など学校だけでは解決困難な問題の背景には、家庭環境等が影響している場合もあるため、社会福祉の視点から学校の支援を行うスクールソーシャルワーカーの必要性が高まっています。
 都教育委員会は、これまで、区市町村立学校を支援するスクールソーシャルワーカーの配置の拡大を推進してきました。
 小中学校と同様に、高校や特別支援学校等においても、福祉面からの支援を必要とする状況があることから、今後、都立学校でもスクールソーシャルワーカーを活用すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、発達障害教育について伺います。
 発達障害は、知的障害などに比べ、保護者や周囲に障害として理解されにくく、こうした児童生徒が学習や友人関係などで抱えるさまざまな困難の改善、克服は喫緊の課題であります。平成二十四年に発表された国の調査では、公立小中学校における発達障害の可能性がある児童生徒の割合は六・五%となっており、これは、全ての学校の通常の学級に子供たちが在籍しているということになります。
 平成二十八年度から、特別支援教室を全公立小学校に順次導入していくとのことですが、既に実施しているモデル事業の成果と今後、導入に向けた準備をどのように進めていくのか伺います。
 小学校での教育条件の充実に着手したことは評価しますが、発達障害にはさまざまな種類や程度があり、就学前から高校までの全ての教育段階で、教員の専門性や指導の内容、保護者の理解といったことに課題が生じています。こうしたことから、発達障害の児童生徒の生活、学習上の困難の改善、克服に向けた教育条件の整備は、いまだ十分とはいえません。
 そこで、都教育委員会として、発達障害の全ての児童生徒が適切な教育的支援を受けられるよう総合的な施策を検討すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、子ども・子育て支援新制度施行後における私立幼稚園支援について伺います。
 まず、私立幼稚園に係る保護者負担軽減の対応について伺います。
 新制度へ移行する私立幼稚園においては、保育料の決め方が変わるなど、保護者にとっても大きな変更があります。これまで各幼稚園が独自に定めていた保育料は、新制度のもとでは、制度の実施主体である区市町村が、国による全国一律の額の範囲内で所得階層ごとに定めることになります。独自の幼児教育に取り組んできた東京の私立幼稚園からは、定められた保育料では現在の質の高い教育の維持は難しいという声も聞かれます。国は、保育料とは別に必要な経費は保護者から徴収できるとしていますが、それほど簡単に保護者負担をふやすことはできません。
 我が党は、民主党政権が平成二十二年度に就園奨励費補助を安易に変更し、保護者負担を増加させる制度改悪を行った際にも、都に強く激変緩和措置を要望し、その結果、就園奨励特別補助が創設されるなど、これまでも保護者負担軽減を強く働きかけてまいりました。
 新制度に移行した園を利用する保護者に対しても、新たに大きな負担が生じることのないようにすべきと考えますが、都としてどのように対応していくのか伺います。
 次に、私立幼稚園を母体とする認定こども園への対応について伺います。
 認定こども園は、新制度への移行が原則にもかかわらず、現行の私学助成に比べ、公定価格による収入が大幅に減額になる園が相当数あり、特に大規模な園では、その影響は深刻であります。
 我が党は、認定こども園が混乱なく新制度の施行を迎え、現在の幼児教育、保育の質をしっかりと確保できるよう、さきの第三回定例会及び厚生委員会・文教委員会連合審査会において、都としての対応を求め、必要な対策を早急に検討する旨の答弁を受けました。
 そこで、都が私立幼稚園を母体とする認定こども園に対し、どのような対策を行おうとしているのか伺います。
 次に、政策集の人と物の流れがスムーズに行き交う首都圏をつくるについて伺います。
 超高齢社会における道路空間の整備のあり方について伺います。
 都の高齢者人口は増加を続け、平成三十七年には、都民のおよそ四人に一人が六十五歳以上となる、いわゆる超高齢社会の到来が見込まれます。日常生活での身近な健康づくりに対する高齢者の関心を高めるとともに、高齢者や障害者を含む全ての都民が地域で健康に活動できる公共空間の整備に取り組むことが重要であります。
 そこで、二〇二〇年大会開催後も見据え、身近な社会基盤である道路について、これまで以上に高齢者や障害者に配慮した道路空間の整備のあり方を考えていく必要があると思いますが、都の所見を伺います。
 次に、東京港における道路ネットワークの充実について伺います。
 東京港は、我が国の産業を支える重要なインフラであるとともに、輸入港としても極めて重要な役割を担っています。東京港は、一大消費地に近く、物流効率化を求める荷主から選択されており、コンテナ貨物取扱量は一貫して増加傾向にあります。現状では、取扱貨物量が施設能力を大きく超える状況であり、コンテナターミナル周辺では深刻な交通渋滞も発生しています。
 このため、コンテナふ頭の新規整備はもちろん、物流におけるボトルネックが生じないよう、貨物輸送の全体を見据えた道路ネットワークの整備が重要であります。
 都は、二〇二〇年大会を見据え、コンテナ貨物の円滑な輸送を実現するための抜本的な対策として、道路ネットワークの充実にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
 一方、東京港で今まさに発生しているコンテナターミナル周辺の渋滞解消に向けた取り組みも不可欠であります。貨物量が多い季節や時間帯には、コンテナターミナル周辺の道路にコンテナの引き取りなどを待つ車両の長い列が発生しております。東京港の喫緊の課題であるコンテナターミナル周辺の渋滞解消に向け、どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、政策集の全ての都民を元気にするスポーツ文化都市東京に関連して、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会について伺います。
 知事は所信表明で、会場計画について、バスケットボール会場など三施設の新設を中止し、ボート会場については整備内容を大幅に見直すと表明されました。将来の都民にとって負の遺産となる懸念のある施設の新設を中止し、整備費も大幅に抑制したことを私たちは高く評価いたしております。
 会場計画見直しの意義と成果について伺うとともに、計画のさらなるブラッシュアップに向けてどのように取り組んでいくのか、改めて知事の考えをお伺いいたします。
 一九六四年大会では、先ほど申し上げたように、新幹線や高速道路が整備され、国立競技場を初めとする競技施設がスポーツの聖地となるなど、大きなレガシーを残し、我が国の発展の礎となりました。前回大会から半世紀を経て東京は成熟した大都市に成長しましたが、開催まで六年を切った二〇二〇年の東京大会は、将来にわたってさらに輝き続ける東京をつくる最大のチャンスであると考えます。そのチャンスを生かすには、競技施設やまちづくりなど、ハード面のレガシーはもとより、おもてなしの心を初めとした我々日本人の誇るべき精神、伝統を引き継いでいくなど、人々の心の中に確かなレガシーを刻み込み、後世に残る人類共通の財産を築いていかなければなりません。
 そこで、二〇二〇年大会でどのようなレガシーを残していくのか、それをどのように都民に示していくのか、知事の所見を伺います。
 二〇二〇年大会は、区市町村にとっても地域創生の千載一遇のチャンスと思われます。都内自治体の多くは、この機会を捉えるべく、さまざまな取り組みを今後展開していく意向のようですが、一方で、事業実施に当たり、情報や人材、経費の不足等、さまざまな課題を抱えております。
 我が党はこれまでも、都と区市町村との連携の必要性を訴えてきましたが、区市町村の取り組みが拡充されるよう継続的かつ計画的に支援すべきと考えます。
 今後の区市町村支援をどのように進めていくのか、都の所見を伺います。
 二〇二〇年大会は、都民がおもてなしをする側に立ち、世界中から東京を訪れる人々をお迎えする機会でもあります。我が党には多くの方々から、ボランティアとして大会に参画し、大会運営に貢献するとともに、来訪者をおもてなししたいとの声が多数寄せられております。昨今の大会では、数多くのボランティアが大会を支えており、開催機運の盛り上げにも貢献しています。ロンドン大会では、大会ボランティア約七万人が大会運営をサポートし、また、都市ボランティア約八千人が国内外から来訪する観光客への観光案内等に対応していました。大規模かつ質の高いボランティアを確保するためには、早期に人材育成に取り組む体制の構築が必要です。
 二〇二〇年大会に向け、今後どのようにボランティアの育成に取り組んでいくのか、都の見解を伺います。
 次に、障害者スポーツの振興について伺います。
 二〇一二年のロンドン大会では、英国がパラリンピックの起源である国際ストーク・マンデビル競技大会の発祥の地であることもあり、競技会場を埋めた観衆が選手に温かい声援を送るなど、大きな盛り上がりを見せ、大会を機に、より一層、障害者理解が進展したことをレガシーとして挙げています。
 一方、我が国においては、パラリンピックという名称が広く使われる起点となった一九六四年東京大会が今日の障害者スポーツ振興の契機となり、翌年から、全国規模の身体障害者スポーツ大会が開始されるなどのレガシーを残しました。一九六四年大会から五十年を経過した現在、障害者アスリートが報道で取り上げられるなど、障害者スポーツに対する認識は変化してきていますが、障害者スポーツが置かれた環境や認知度はいまだ十分とはいえません。
 都は、二〇二〇年の東京パラリンピック開催をまたとない機会と捉え、障害者スポーツ振興に向け積極的に取り組みを進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、町会、自治会の活動への支援について伺います。
 我が党の提案により実現した地域の底力再生事業助成は、町会、自治会が取り組む防災や高齢者の見守りなどの地域活動を支援する制度として活用されてきました。町会、自治会からは、幅広い世代の住民が集まる運動会に活用できた、防災活動に継続して取り組め防災意識が高まったなど、地域が活性化されたとの声を聞いています。
 一方、複数の町会が共同する取り組みや、PTAや老人クラブ等と連携した取り組みにも助成してほしいとの声も聞きます。また、若い世代の未加入などで、町会、自治会の組織運営は厳しい状況にあり、組織基盤の強化も必要であります。
 そこで、都は、本制度について、町会、自治会の活動実態に即した改善を図るとともに、活動を支える新たな支援策を取り入れるべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、伝統文化の世界発信に向けた取り組みについて伺います。
 東京には、古来から伝承された豊かな伝統文化が存在しますが、東京を訪れる外国人が気軽に触れる機会が十分とはいえません。二〇二〇年大会に向け、観光客やビジネス客が本物の伝統文化のすばらしさを体験できるような新たな取り組みを行うべきであります。
 一方、伝統を継承し、海外へ発信するには、日本人自身がその価値を正しく理解していることが必要です。そのためには、小さいころから伝統文化に触れることが大切であり、全ての児童生徒がこれを学べるよう、子供向けの体験事業を本格的に始めるべきと考えます。
 今後、伝統文化を世界へ力強く発信していくため、外国人及び子供に向けた事業にどのように取り組んでいくのか、都の見解を伺います。
 さて、冒頭申し上げましたが、昨日我が党は、長期ビジョンに対する政策提言を知事にお渡しいたしました。いうまでもなく、長期ビジョンの策定は今定例会最大のテーマの一つであり、今後の東京都政の進むべき方向性を定めるグランドデザインであります。私たちは今何をなすべきかという時代認識のもと、今後二十年後、三十年後、そして、五十年後の東京を展望するには、歴史観や思想、哲学が不可欠との観点から、多岐にわたる提言となりました。
 私たちは、首都として東京が我が国を牽引し、世界で一番の都市にすることを目標にしたのですから、広範な都民の理解と共感を得ると同時に、その実現に不断の努力を惜しんではならないと考えます。その道のりは今始まったばかりであります。ローマは一日にして成らずのことわざどおり、地道な努力が私たちを成功へと導きます。そして、都庁と都議会だけが目標に向かって努力するのではなく、都民全体の力の結集が東京を世界で一番の都市にする原動力であることはいうまでもありません。
 ローマは偉大だったから人々が愛したのではない、人々が愛したからローマは偉大になったのだとは、イギリスの作家であり思想家であったギルバート・ケイス・チェスタートンの言葉ですが、東京が世界で一番の都市になるためには、都民に愛され、幅広い協力が得られる都政でなければならないと考えます。
 東京都議会自由民主党は、地方自治の原点であるそうした信念を貫き、多くの都民の声を聞きながら、これからも都議会第一党としての責任をしっかり果たしていくことをお約束申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 高木けい議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、長期ビジョンの取りまとめについてでございますが、都は現在、史上最高のオリンピック・パラリンピックの実現という大きな目標に向け、一丸となって取り組んでいますが、成熟都市での開催として世界中の注目が集まる中、この大会は何としても成功させなければならないと思っております。
 二〇一二年大会を経ることで世界一の都市に上り詰めたロンドンも、大会の先を見据えて政策を展開することで、大会が終わった後もなお、今も成長を続けております。その姿を、先般、目の当たりにしてまいりました。
 質問の中で、私が尊敬し、東京市長でもありました後藤新平の話もされました。大変先見の明のある計画でありましたが、ご指摘のとおり、主要な道路や公園の整備など、計画の多くが実現には至りませんでした。
 今を生きる私たちも、二〇二〇年をゴールにするのではなく、オリンピック・パラリンピック大会をばねに二〇二〇年のさらなる先を見据え、都民の心に潤いを与える美しいまちづくりを初め、都民の生活の質を高めるさまざまな政策を展開しなければなりません。
 そして、これらの政策を絵に描いた餅にすることなく、財政的な裏づけも持って東京の戦略的発展に結びつけていかなければなりません。
 これまでの間、万機公論に決すべしという私の政治信条に基づき、水素社会の実現や利用者本位の交通体系の構築など、今後の東京の将来を支える重要政策についてタスクフォースで検討を進めてまいりました。また、庁内においても何度も議論を重ね、中間報告でお示しした内容のより一層の深化を図ってまいりました。
 これらの成果に加え、皆様からの、昨日いただきました政策提言や、都民や区市町村の皆様からのご意見を踏まえ、都民に夢や希望を与える長期ビジョンの策定に向けて全力で取り組んでまいります。
 次に、都市外交についてでありますが、オリンピック・パラリンピックの成功を通して東京を世界一の都市にしていくことは、私が目指す都政の大きな方向性であります。
 そのためには、防災や環境問題など大都市共通の課題を解決し、都市機能を飛躍的に高め、都民生活の向上に結びつけていくことが重要であります。
 また、都がこれまで蓄積してまいりました技術力やノウハウを活用して、東京の国際的なプレゼンスを高めていくことも重要でありまして、例えば、水道局や下水道局では、東南アジアにおいて、その強みを生かした事業を進めております。こうした各局が実施するさまざまな施策を、都市外交はしっかりと後押ししてまいります。
 これらを通じて海外諸都市との友好関係を深め、ともに学び合いながら、永続的なウイン・ウインの関係を築いていくためには、ご指摘のように、人と人とのつながりの強さが鍵となります。
 そのため、よりグローバルに人材育成に取り組むこととし、これを継続的、安定的に進められるよう新たな基金を創設したいと思っております。
 また、オリンピック・パラリンピックを契機として、またその先に向かって、東京、日本と世界を結ぶ人材のかけ橋を未来に残してまいります。
 続きまして、補正予算編成の考え方と、今後の取り組み方針についてでございますが、都政を着実に前進させていくためには、年間総合予算である当初予算を軸として政策を展開していくことが基本であります。一方で、緊急性が高い課題に対しては、タイムリーかつスピーディーに政策を打ち出していくことも必要であります。
 こうした考え方のもと、今回の補正予算は、世界一の都市東京の早期実現に向けて必要な取り組みを加速化させるために編成いたしました。これによりまして、オリンピック・パラリンピック大会への準備や水素社会の実現など、将来の東京を見据えた取り組みをスピードアップさせるとともに、福祉保健施策の充実や災害対策の強化などを図ってまいります。
 二〇二〇年とその先の明るい未来に向け、今後も都議会の皆様と議論を重ねながら、財政の対応力を中長期的に堅持しつつ、東京の一層の発展と都民福祉の向上に資する予算を編成してまいります。
 地方法人課税の不合理な偏在是正への対応についてでありますが、真の地方自治の確立には、都市と地方で限られた財源を奪い合うのではなく、国と地方の役割分担に見合う税財源を確保し、地方税財源全体を充実強化していくことが不可欠であります。私は知事に就任以来、そのことを全国知事会の場や国への要請活動など、あらゆる機会を捉えて主張してまいりました。
 現在、地方創生という新たな政策のもと、東京への集中を是正しようという動きが顕在化しております。しかし、今必要なことは、地方と大都市がともに栄え、国全体に活力を行き渡らせることでありまして、これが真の地方創生につながります。
 こうした考えのもと、今回の補正予算において、東京と地方を結ぶ観光モデルルートの作成など、東京が提案する地方創生の一つの形を具体的に示したところであります。
 今後とも、真の地方創生の実現に向けて、都としてもしっかりと取り組むとともに、地方法人課税の不合理な偏在是正措置の即時撤廃や、総体としての地方税財源の拡充、課税自主権の拡大など、日本再興を支える地方税財政制度の確立に向け、全力を尽くしてまいります。
 中国漁船の違法操業問題についてでありますが、伊豆・小笠原諸島周辺海域での中国漁船の違法操業により、基幹産業であります漁業に影響を及ぼすなど、島民に大きな不安を与えたことは大変ゆゆしき事態であります。
 私はこれまで、内閣官房長官と直接面会し、安倍総理に対し、違法操業の取り締まり強化や必要な法整備を要請するとともに、中国政府に対し、再三、事態の改善を強く求めてまいりました。
 また、海上保安庁などと連携し、都の漁業調査指導船による監視活動を行うとともに、海上保安庁や小笠原村を初めとする関係機関との連絡会議を立ち上げ、情報を共有化するなど、連携の強化を図ってまいりました。
 こうした取り組みに加え、今後、漁業操業や漁場への影響について、国とも連携しながら対応していくことが必要でありますが、まず都として、中国漁船が違法操業を行っていた海域を中心に、漁業調査指導船を活用した試験操業を開始しておりまして、漁場への影響を調査してまいります。同様の事態が発生し、島民の方々が二度と不安を抱くことのないよう、今後とも、国や小笠原村との緊密な連携のもと、全力で取り組んでまいります。
 なお、先般予定しておりました視察は残念ながら中止となりましたが、私自身、改めて現地に赴きたいと考えております。
 エボラ出血熱への対応についてでありますが、西アフリカで流行しているエボラ出血熱の患者は一万八千人を超え、いまだ終息の目途が立っておりません。アメリカやスペインでも患者が発生しており、我が国においても、発生に備え、十分な対策を講じておく必要があります。現在、国においては、水際対策として、空港等での検疫を強化するとともに、流行国からの全ての入国者及び帰国者を健康監視の対象としております。
 都においても、発生に備え、十一月六日に、関係局、警視庁、東京消防庁、区市町村の代表者をメンバーとする連絡会議を立ち上げ、十一月十一日には、都の指定医療機関三病院で、専用車両を用いた患者受け入れの実践的な訓練を実施いたしました。
 また、この間の十一月七日には、都内で疑似症患者が発生し、都は、患者の自宅がある地元保健所と連携して、感染症指定医療機関への患者搬送を行いました。
 さらに、こうした訓練の検証や疑似症患者の発生事例を踏まえまして、新たに東京都エボラ出血熱対応マニュアルを作成いたしました。マニュアルでは、各機関の連絡先をリスト化し、連絡体制を徹底するとともに、患者移送での関係機関の役割分担も明確化いたしました。また、個人防護具の着脱方法を図解で示すなど、より実践的なものといたしました。
 感染症対策は、感染症を正しく知り、正しく恐れることが重要であります。エボラ出血熱でいえば、空気感染はせず、血液や吐瀉物などの体液等に直接触れた際に感染するものであります。また、発症するまでの感染リスクは極めて低く、通常の生活で感染が広がるリスクも低うございます。
 都は、こうした正確な情報を都民に正しく理解していただけるよう、さまざまな広報媒体を通じて周知に努めるとともに、患者の発生に備え、国や保健所、感染症指定医療機関など、関係機関との連携を一層強化し、対策に万全を期してまいります。
 今後の福祉、保健、医療施策についてでありますが、東京を世界一の福祉先進都市にする、この公約を実現するため、私はこれまで、待機児童解消に向けた取り組みや、救急医療の充実、福祉インフラ整備のための都有地の減額率の拡大や、国有地、民有地の借地料補助の創設など、補正予算を編成し、さまざまな手だてを講じてまいりました。
 また、本定例会におきましても、福祉保健施策のさらなる充実に向け、来年度予算の一部を前倒しして、区市町村や事業者の取り組みを後押しするための補正予算案を提案しております。
 急速に少子高齢化が進む東京の将来を見据えれば、こうした取り組みをさらに前に進め、長期的な視点に立って、大都市東京にふさわしい福祉、保健、医療施策を展開していかなければなりません。
 九月に策定した長期ビジョン中間報告では、例えば、子供分野では、待機児童解消に向けた整備目標を、介護分野では、特養や認知症高齢者グループホームの整備目標をお示しいたしました。
 今月作成する長期ビジョンでは、安心して子供を産み育てることができる環境整備、高齢者や障害者が地域で安心して暮らせる社会の実現、質の高い治療が受けられ、生涯にわたり健康に暮らせる環境の実現に向け、具体的な政策目標や数値をお示ししたいと思っております。
 一人一人がライフステージに応じて、幸せを感じることのできる世界一の福祉先進都市東京を実現いたします。そのためにも、今後とも、福祉、保健、医療施策に全力で取り組んでまいります。
 東京のリニューアルによる快適な生活空間の創造とその中における緑化政策についてでございますが、東京は、関東大震災からの復興、戦災復興、一九六四年大会、そして、高度経済成長という歴史を経る中で世界有数の都市へと発展を遂げ、人々は豊かな生活を享受してまいりました。
 しかし、急速に進んだ都市化の中で、まちの潤いや彩りが失われてきたことも事実でありまして、二〇二〇年大会を、物質的な豊かさだけではなく、生活の質を向上させていくチャンスとしていかなければなりません。
 とりわけ都民に憩いと癒しをもたらす花や緑は、東京の快適性や美しさを支えるために必要な要素であります。また、二〇二〇年大会開催時には、海外からの来訪者を花や緑でお迎えすることが、国際的なプレゼンスを高めていく有効なツールともなるものであります。
 飛鳥山の桜が徳川吉宗によって植えられたのは、十八世紀の江戸の時代であります。また、明治神宮の森が現在の姿になるためには、百年近くかかっております。このように木々が育ち森になるためには、かなりの年月が必要であります。
 それゆえ、長期的な展望を持って子や孫たちに大きな財産を残す、そういう緑化政策を展開することで、にぎわいと美しさを兼ね備えた花と緑の都、すなわち、世界で一番美しい都市東京へと改造してまいります。
 水素社会の実現に向けた取り組みについてでありますが、持続可能なエネルギーである水素の普及を図り、エネルギー構造の変革につなげていくことは、資源小国日本にとって極めて重要であります。
 一九六四年の東京オリンピックでは新幹線が初めて走り、社会の形が大きく変わりました。二〇二〇年、この変革に当たるものが、水素社会の実現だと考えております。
 先日、世界で初めて市販されました燃料電池車に実際に試乗いたしました。非常に静かで加速性能もガソリン車と全く遜色なく、災害時には非常用電源ともなります。日本の高い技術の象徴でありまして、オリンピック・パラリンピック大会では、こうした次世代自動車をぜひ活用したいと思っております。
 水素社会の実現に向けて、これまで官民の英知を結集した戦略会議で、活発な議論を重ね、燃料電池車の普及に不可欠な水素ステーション整備などを含めた数値目標や社会的受容性の向上について具体的な戦略を取りまとめました。これらを長期ビジョンに反映させてまいります。
 これに先立ちまして、普及の初期段階を強力にバックアップするため、燃料電池車の導入や水素ステーション整備に関する都独自の支援策を盛り込んだ補正予算案を本定例会に提出してございます。
 例えば、約七百万円の燃料電池車については、国の二分の一である約百万円、つまり国が二百万円補助しますから、都は、あと百万円を補助することで、合計三百万円安くなりますから、四百万円程度で購入できるようになります。また、約五億円といわれております水素ステーションについても、国の補助と合わせまして、ガソリンスタンドの整備と同程度、つまり約一億円まで事業者の負担を軽減することで、早期の整備を後押ししたいと思っております。
 今後、官民一体となって、戦略目標の達成に向けた取り組みを着実に進め、水素社会の実現に向けて、我が国を牽引してまいります。
 新たな省エネ目標の実現についてでありますが、気候変動の危機に対処し、都市の持続的発展とエネルギーの効率的な利用を図る上で、省エネルギー、CO2削減を進めていくことは極めて重要であります。
 都はこれまで、大規模事業所へのキャップ・アンド・トレード制度初めとする先進的な対策を進めてまいりましたが、こうした取り組みを、オリンピック・パラリンピック後もレガシーとして継承し、より高めていくことが重要であります。
 このため、今般、二〇三〇年までに、エネルギー消費量を二〇〇〇年対比で三〇%削減することを目指す、この新たな省エネ目標を長期ビジョンにおいて設定することといたします。
 今後、都は、これまでの施策を着実に進めるとともに、さらなる創意工夫を重ね、中小規模事業所や家庭を含む各部門において、LEDなどの省エネ技術や、燃料電池車、電気自動車などの次世代自動車といった、日本のすぐれた技術の導入を後押ししてまいります。あわせて、再生可能エネルギーの導入拡大を積極的に展開していきます。
 こうした取り組みによりまして、国や他の自治体をリードし、経済成長と省エネの両立を図りながら、低炭素、快適性、防災力を備えた世界一のスマートエネルギー都市を実現してまいります。
 外国人旅行者の受け入れ環境の整備についてでありますが、オリンピック・パラリンピック大会は、東京ひいては日本の魅力を世界に発信する絶好の機会であります。二〇二〇年とさらにその先を見据え、英語が通じないという言葉の壁や、WiFiの接続環境の問題といったさまざまなバリアを取り除くなど、海外から訪れる旅行者が快適に滞在できる環境整備を全力で進めていかなければなりません。
 このため、新たな観光情報センターの開設や、ボランティアによる、まち中での外国語の観光案内、デジタルサイネージの活用による多言語表示、一度登録すればシームレスに利用できる無料WiFiサービスの拡充など、外国人旅行者が多く訪れる地域を中心に案内機能を強化してまいります。
 年が明ければ二〇二〇年まであと五年となります。官民一体となって受け入れ環境の整備に計画的に取り組むため、新たな方針を年内に策定するとともに、財源の面からも、着実かつ機動的に整備が進められる方策を講じてまいります。
 世界有数の観光都市にふさわしい受け入れ環境の実現に向けて、ハードとソフト両面での取り組みを強力に推進してまいります。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会の効果の中小企業への波及についてでありますが、世界から注目が集まるオリンピック・パラリンピック東京大会は、東京そして日本の産業が新たな飛躍を遂げる大きなチャンスであります。
 この好機を存分に生かすためには、大会により生まれる経済効果を限定的、一過性のものとせず、経済の根幹を支える中小企業にも広く行き渡らせ、産業の持続的な成長につなげていくことが必要であります。
 そこでまず、オリンピック・パラリンピックに関連して生み出されるさまざまなビジネス情報を、東京のみならず全国の中小企業が容易に入手できる新たな仕組みを構築し、受注機会の拡大につなげてまいります。あわせて、大会を契機として、中小企業による製品やサービスの創出を促進し、世界に向けて強力に発信してまいります。
 今後、これらを着実に進めていくため、中小企業団体などと連携して推進組織を立ち上げ、官民一体となって取り組んでいきます。
 続きまして、豊洲新市場の開場時期についてでありますが、都は、豊洲新市場を高度な品質管理など、時代の要請にふさわしい機能を備えた市場として着実に整備し、世界一の都市東京の食を支えていく決意であります。新市場への移転に当たりましては、市場業界の協力が不可欠であります。とりわけ開場時期については、営業にも大きな影響を与えることから、市場業界の理解を得て決定することは重要であります。
 このことから、都はこれまで、施設の整備に全力を挙げるとともに、市場業界の意見や要望に対し、真摯に耳を傾け、コミュニケーションを密にしながら、さまざまな調整を行ってまいりました。その結果、本日午前、新市場建設協議会を開催し、市場業界と合意いたしました。このことを受けまして、都として、開場時期を平成二十八年十一月上旬といたします。
 豊洲新市場への円滑な移転、開場を成功させるために、都と市場業界が一丸となり、さらに精力的に取り組んでまいります。
 会場計画再検討の成果と今後の取り組みについてでありますが、今回の再検討は、オリンピック・パラリンピックを通じて、将来の東京に何を残すべきなのか、徹底的に議論する機会となりました。検討は、レガシー、都民生活への影響、整備費高騰の懸念への対応の三つの視点で行いまして、三施設の新設中止と既存施設の活用など、都が新規に整備する施設についての方向性を示しました。
 新設する施設は、大会後の利用が見込める施設、実効性ある後利用計画を策定できるものに絞り込みました。結果として、整備費を約二千億円削減できる見込みとなりました。これは、この間、IOCにおいて議論されてきました大会経費縮減のための改革の流れとも合致しております。
 もとより、整備費の削減だけに目を奪われて、大会後の競技会場を広く都民に利用され喜ばれる施設にするという大事なミッションを忘れてはなりません。今後は、施設の後利用に関するアドバイザリー会議での議論や、民間からの提案など、広く外部の意見等を参考にしながら、新設施設の後利用について検討してまいります。そして、都民に末永く親しまれる施設の整備を着実に進めてまいります。
 二〇二〇年大会のレガシーについてでありますが、ロンドン視察で得た最大の教訓は、まず大会後のレガシーをしっかりと考え、そこから逆算して大会の準備を行っていくこと、この大切さであります。こうした教訓も踏まえ、都民にとって真に価値のあるレガシーを残せるよう、東京大会の会場計画の見直しに取り組んでおります。
 さらに、大会とまちづくりを連動させることが重要でありまして、例えば、選手村や競技施設が集まる臨海部は、都民が生活し、スポーツを楽しむ憩いの場とするとともに、業務、商業の集積を充実させ、東京の国際的な戦略拠点としてまいります。
 また、大会を機に、交通網の整備やバリアフリー化を進めてアクセス性を高めるなど、東京の都市機能を向上させてまいります。これらに加え、水素社会の実現や、誰もがスポーツを楽しめる環境づくり、ボランティアによるおもてなし、国際社会で活用できる人材の育成、心のバリアフリーの浸透など、さまざまな面でのレガシーを残してまいります。
 こうしたレガシーを確かなものにするためには、将来の姿、グランドデザインを最初から見据えていくことが必要であります。
 先般、設置しましたレガシー委員会において、民間の知恵や地域の声も聞きながら検討を加え、有形無形のレガシーの全体像を、来年度、レガシービジョンとして取りまとめ、都民にわかりやすく示してまいります。
 そして、大会後の東京において都民生活の質を向上させ、誰もが豊かさを実感できる、活力ある社会を実現いたします。
 そのほかの質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁させます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、スクールソーシャルワーカーの活用についてでありますが、スクールソーシャルワーカーは、子供の健全な育成のために、福祉分野の専門性を生かして、関係機関等との連携を図り、学校への支援を行う役割を担っております。既に配置をしております区市町村からは、児童相談所の職員とともに対応し、保護者の虐待傾向が解消された事例や、医療機関を含めた関係機関と連携し、子供の問題行動が改善された事例などが報告をされており、都教育委員会は今後も、区市町村における配置の拡充を推進してまいります。
 また、高校や特別支援学校におきましても、小中学校から継続をして福祉的な支援を必要とする状況が見られるため、都立学校間を巡回して支援を行うなど、スクールソーシャルワーカーの具体的な活用について早急に検討をしてまいります。
 次に、特別支援教室についてでありますが、発達障害の児童は、ほぼ全ての小学校に在籍をしていることから、全校に特別支援教室を設置し、一人でも多くの児童に適切な指導を行う必要があります。
 現在、四区市で実施しているモデル事業では、通級指導学級が設置されている学校に他校の児童が通って指導を受ける形態から、教員が全ての学校を巡回し、児童が在籍校で指導を受ける形態に転換をいたしました。その結果、児童の通学負担が軽減でき、学級担任と巡回指導教員の連携が図られ指導が充実するなど、多くの成果が上がっております。
 平成二十八年度から全ての小学校に順次導入していくため、今後、対象児童数に基づく必要な教員等の配置や指導に適した教室環境の整備など、区市町村への確実な支援に結びつけられますよう、積極的に取り組んでまいります。
 次に、発達障害教育の総合的な施策についてでありますが、全ての発達障害の児童生徒が、その持てる力を最大限に伸ばし、将来の自立と社会参加を実現するためには、適切な教育的支援を行うことが極めて重要であります。こうした児童生徒は、学習や友人関係などでさまざまな負担を感じ、学校生活に悩みを抱えることが多いことから、個々の困難に対応した教育を行うことが必要であり、保護者の不安等の軽減も求められております。
 都教育委員会は、発達障害の早期発見、早期支援に向けた仕組みづくりを初め、障害の状態に応じた多様な教育の場の拡充や指導内容の充実、教員の専門性の向上、保護者に対する相談機能の強化など、就学前から小中高等学校それぞれの段階に応じて適切な教育的支援が行えるよう、体系的、総合的な施策を検討してまいります。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

〇東京都技監(横溝良一君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、防災力を高める道路整備についてでございますが、平常時はもとより、災害時においても、都民の生命や財産を守り、首都機能や経済活動を維持するためには、人の移動や物資の輸送、避難や救援を支える道路ネットワークを充実させることが重要でございます。
 このため、首都直下地震など大規模災害時に複数ルートを確保できるよう、広域的な幹線道路ネットワークを形成するとともに、地域においては、道路閉塞を防止する無電柱化事業について、年内に策定する計画に基づき、五年間で百七十二キロメートルの新規路線を含む九百十六キロメートルの整備を推進してまいります。
 また、木密地域では、燃え広がりを防ぐ特定整備路線二十八区間のうち、既に十四区間で事業を進めており、今年度中に残る全区間で事業認可を取得いたします。引き続き道路整備を積極的に推進し、災害が起きても、都民の安定した生活や国内外からの投資環境を維持し、将来世代にとって安心で魅力ある東京を実現してまいります。
 次に、街路樹による東京の魅力向上策についてでございますが、オリンピック・パラリンピックを契機に、花や緑に包まれた美しい東京の街路樹の質をさらに高め、将来へのレガシーとしていくことは大変重要でございます。
 このため、行幸通りのイチョウ並木や新青梅街道の桜やハナミズキ、檜原街道のサルスベリなど、四季折々の花々に彩られ、人々が愛着を持つ各地域の特色ある並木道を、歴史と風格ある都民の財産として守り育ててまいります。
 また、世界中の人々が注目するマラソンコースや競技場周辺などにおいて、ランドスケープの視点から、まち並みと調和した色彩や、近景、中景、遠景といった遠近感にも配慮した樹木配置を行うなど、国内外からの来訪者を迎えるにふさわしい、世界で一番美しい都市景観を創出し、次世代に引き継いでまいります。
 次に、隅田川における魅力ある水辺空間の創出についてでございますが、隅田川周辺には、浅草や東京スカイツリーなど、人々を引きつける多くの観光地がございます。水辺空間をこれまで以上に魅力あるものとするためには、こうした場所との結びつきを強め、周辺地域と一体となって、全体のにぎわいを高めていくことが重要でございます。
 このため、これまでのスーパー堤防や水辺の遊歩道の整備に加え、民間開発事業と道路や公園等のインフラ整備をパッケージ化して推進することにより、回遊性の高いにぎわいあふれた空間を形成してまいります。あわせて、ライトアップを進めることにより、隅田川にかかる著名橋とともに、夜間の水辺に彩りを添え、安心して楽しく歩けるようにしてまいります。
 また、船着き場の整備による水上バスや屋形船等の舟運の活性化を図るとともに、オープンカフェの誘致により、訪れる方々の憩いの場を提供してまいります。
 こうした取り組みにより、隅田川をセーヌ川やテムズ川に負けないにぎわいのある空間としてまいります。
 最後に、高齢者や障害者に配慮した道路空間の整備のあり方についてでございますが、超高齢社会では、まち歩きがしやすいだけではなく、地域の交流の場ともなるよう道路空間を整備していくことが重要でございます。
 都はこれまで、歩行者の安全に配慮して、歩道の段差の解消や、視覚障害者誘導用ブロックの設置などを進めてまいりました。こうした取り組みに加え、今後は、例えば、高齢者や障害者がつまずいて転びやすい幹線道路と生活道路の交差部を改良し、歩道を連続化させてフラット化を図ってまいります。
 また、ベンチの設置や、緑あふれる休憩スペースを設けることにより、ウオーキングする際の休憩場所の確保や、地域における憩いの場と触れ合いの場を創出してまいります。
 今後とも、関係機関との協議や沿道状況などを勘案し、生涯健康社会の実現に向け、積極的に取り組んでまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 入札不調対策についてでありますが、都ではこれまで、資材等の市場価格を反映した予定価格を設定してきたところでありますが、契約後の状況変化に、より適切に対応し、事業者の不安感を払拭することが、今後とも重要であると認識しております。
 このため、国が現在策定中の営繕積算方式のマニュアルなど、公共工事全体の円滑な施工確保に向けた取り組みも参考にしながら、さらなる設計図書の詳細化や施工条件の明示などを行うことにより、受発注者間の工事内容に関する認識の共有化をより深めてまいります。
 また、施工段階で生じた変更についても、十分な協議を行っていくとともに、これらの取り組みについて、全庁の工事発注部署に周知徹底を図ってまいります。
 今後とも、入札に参加しやすい環境の整備に取り組み、社会インフラの着実な整備を推進してまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、今後の人事政策のあり方についてでございますが、都庁の執行力を強化し、長期ビジョンを実現するためには、多様な人材が活躍する課題即応解決型の執行体制の構築が必要でございます。
 そのため、職層構成の簡素化や、事案決定権の移譲などにより、業務の中核を担う管理監督職の仕事の進め方を一層迅速かつ機能的なものへ転換してまいります。
 一方、オリンピック・パラリンピック開催準備などの課題に対応するため、新卒者の安定的な採用はもとより、任期つき制度等のさまざまな手法も活用して、必要な人材を確保いたします。
 あわせて、努力し成果を上げた者が報われる人事制度改革により、人材の精鋭化を図りながら、都民のために果敢に挑戦する組織風土を根づかせてまいります。
 こうした観点から、年度内に執行体制や人事施策の見直しに関する方針を策定し、具体的な取り組みを進めてまいります。
 次に、監理団体の活用についてでございます。
 都はこれまで、団体数の削減や経営目標達成度評価制度の導入など、徹底して監理団体改革に取り組んでまいりました。
 今後は、こうした監理団体を都政の一体的運営を担う都政グループの一員として捉え、相互の人材交流、育成を含めた幅広い連携を図るとともに、自律的な運営を尊重しつつ、行政支援、補完団体としての性格をより一層反映させた指導監督を行えるよう、簡素で都民によりわかりやすい評価の仕組みを検討してまいります。
 また、技術やノウハウの継承や人材育成を確実に行う観点から、政策との連動性の高い施設管理等に引き続き監理団体を活用するとともに、施設の特性に応じて指定管理期間の長期化を検討するなど、都政を強力に支える安定的な執行体制を整えてまいります。
   〔主税局長塚田祐次君登壇〕

〇主税局長(塚田祐次君) 政策を支援するための税制についてのご質問にお答えいたします。
 都税収入を着実に確保し、都政の事務事業を支えていくことが主税局の使命でございますが、産業振興や少子高齢化対策など、都の施策を税制面から支援していくことも重要な役割であると認識しております。
 これまでも、施策をより効果的に実現していくため、例えば、防災都市づくりを推進する観点から、不燃化推進特定整備地区において、不燃化に資する土地、家屋の固定資産税等を軽減してまいりました。
 今後も、国の動向も見ながら、無電柱化など都市防災機能の強化や良好な都市景観の創出、緑の保全等、都政の重要課題の解決に向けて、税の公平性や政策効果、税収への影響などを勘案しつつ、関係各局とも連携し、研究を深めてまいります。
   〔消防総監大江秀敏君登壇〕

〇消防総監(大江秀敏君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、消防活動体制の強化についてでございますが、災害発生直後、ヘリコプターを活用した迅速な消防活動は極めて有効であることから、当庁では、東日本大震災後、大型ヘリコプターを一機増機いたしました。
 さらに、大島町土砂災害や多摩地域での雪害などの教訓を踏まえるとともに、震災等の大規模災害や高層ビル等における消火、救助、救急活動に的確に対応するため、ヘリコプターの機動力を最大限に生かし、特殊な資機材と高度な技術を有する部隊を早期に投入できるよう、具体的な検討を行っております。
 今後とも、ヘリコプターを効果的に活用した航空消防活動体制の強化を図ってまいります。
 次に、救急需要の増大への対応についてでございますが、これまで当庁では、救急相談センターの体制強化や東京版救急受診ガイドの周知、あらゆる機会を捉えた救急車の適正利用広報等を推進してまいりました。その結果、軽症者の比率の低減など一定の効果が確認できたものの、救急出場件数は増加傾向にあります。
 このことから、高齢化の進展や東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催など、救急需要のさらなる増大に的確に対応するため、引き続き救急車の適正利用を促すとともに、必要な救急隊の増強等について検討してまいります。
 今後とも、世界一安心・安全な都市東京の実現に向け、救急を初め消防活動体制のより一層の充実に努めてまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

〇都市整備局長(安井順一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、八ッ場ダムの早期完成についてでございますが、都は、政権交代に伴うダム本体工事中止後も、関係県と連携いたしまして、地元の意向を最大限に尊重しながら、粘り強く建設事業の継続を国に求めてまいりました。その結果、ようやく本年十月、事業着手される運びとなりました。
 現地では、鉄道や道路がほぼ移転先につけかえられ、共同浴場や旅館も代替地での営業を再開しております。来月には、ダム本体の基礎掘削が開始されると聞いております。
 近年、地球規模での異常気象が生じていることを見ましても、首都圏の治水、利水の安全度を高める八ッ場ダムは、必要不可欠な施設であることは明らかでございます。地元住民も、ダム湖を前提とした速やかな生活再建を待ち望んでおり、国と関係都県による連絡協議会の場なども活用いたしまして、一日も早い完成を国に強く求めてまいります。
 次に、不燃化特区における今後の取り組みについてでございます。
 木密地域の改善には、特定整備路線の整備に加えまして、不燃化特区における再開発や生活道路整備など、市街地の不燃化に効果の高いコア事業を後押しする必要がございます。
 このため、都は、用地取得の体制強化や都有地の活用など、一歩踏み込んだ支援メニューを示しまして、区の取り組みを促してまいりました。この結果、コア事業に位置づけた大田区糀谷駅前地区の再開発の工事が始まり、荒川区の都営住宅跡地において、生活道路整備のための従前居住者住宅の建設などが進んでおります。
 今後、都市再生機構などに加えまして、地域の情報に詳しい地元企業を会員とする東京商工会議所とも連携を深め、住民からの建てかえや住みかえの相談にきめ細かく対応することなどにより、市街地の不燃化を強力に推進してまいります。
   〔病院経営本部長醍醐勇司君登壇〕

〇病院経営本部長(醍醐勇司君) エボラ出血熱に備えた対策についてでありますが、行政的医療を基本的役割とする都立病院にとりまして、感染症への対応は最も重要であると認識をしております。
 病院経営本部におきましては、都内で第一例目となる疑似症患者の発生を受け、直ちに、エボラ出血熱対策専門部会を設置し、二十四時間の情報連絡体制を確立するとともに、各病院では、発生に備え、受け入れ体制を整えました。加えまして、感染者が複数同時に発生した場合の対応、二次感染を防ぐための医療従事者の安全確保策や医療人材の確保など、感染症患者の受け入れに関する新たな課題に対して対策を強化してまいりました。
 今後とも、関係機関と協力の上、エボラ出血熱を初め感染症から都民を守るため、全力を尽くしてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 五点のご質問にお答えをいたします。
 医療介護総合確保法に基づく計画についてでありますが、今回の計画は、急速な高齢化に伴う医療ニーズの増加を見据え、効率的で質の高い医療提供体制や地域包括ケアシステムの構築、質の高い医療人材の確保と多職種連携の推進、ICTを活用した効率的な医療資源の活用等を推進することを目的に策定いたしました。
 計画には、医療関係団体の意見も聞きながら、在宅療養への移行を支援する人材の中小病院への配置やICTを活用した医療と介護の関係者のネットワークの構築など、地域包括ケアシステムの構築に向けた基盤づくりの取り組みを重点に、地域医療介護総合確保基金を充当する事業を盛り込んでおります。
 今後、区市町村や関係団体とも連携しながら、基金を活用して、計画に掲げた取り組みを積極的に進めてまいります。
 次に、認知症疾患医療センターの整備についてでありますが、都における認知症高齢者は、十年後の平成三十七年には、現在の三十八万人から約六十万人へと急速に増加することが見込まれております。
 そのため、都は現在、学識経験者、医療、介護関係団体等から成る認知症対策推進会議に部会を設け、認知症医療の核となる認知症疾患医療センターの機能や配置数等について検討を進めております。
 国のオレンジプランでは、平成二十九年度までに、全国で現在の二倍に当たる約五百カ所を整備する目標を掲げていますが、都は、現在十二の二次保健医療圏に一カ所指定しているセンターを区市町村ごとに一カ所指定し、より身近な地域で医療と介護の連携を進めながら、認知症の人と家族を支える体制を構築していく方針でございます。
 次に、保育サービスの充実についてでありますが、都はこれまで、保育人材の確保、定着を図るため、就職支援研修や就職説明会の開催、再就職や定着を支援するコーディネーターの配置、処遇改善補助など、さまざまな取り組みを行ってまいりました。また、保育サービスの水準を確保するため、都独自に、子育て推進交付金や民間社会福祉施設サービス推進費補助などを実施してまいりました。
 今後、保育サービスをさらに充実するためには、保育人材の確保、定着のためのキャリアパスの仕組みを整備いたしますとともに、障害児やアレルギー児など特別な支援が必要な子供への対応を強化する必要がございます。
 こうした考えに立ちまして、現在、都独自の補助制度の見直しも検討しており、今後とも、保育人材の確保と保育サービスの質の向上に向け、全力で取り組んでまいります。
 次に、家庭的養護の推進についてでありますが、子供は本来、家庭的な環境のもとで、愛情に包まれながら健やかに養育されることが望ましいものでございます。
 そのため、都は、家庭的養護の取り組みを進めており、養育家庭の登録数をふやすため、制度を広く都民に周知いたしますとともに、児童を養育している養育家庭に対し、児童相談所や民間団体を活用したきめ細かな支援を行っております。
 また、少人数の生活単位で養育を行うグループホームやファミリーホームの設置を促進するため、開設準備経費や家賃の助成など、都独自の支援を行っております。
 こうした取り組みを一層進めるため、現在、グループホームやファミリーホームの新たな設置促進策を検討しており、今後とも、養育家庭を初めとする家庭的養護を積極的に推進してまいります。
 最後に、動物愛護のための取り組みについてでありますが、都は、人と動物との調和のとれた共生社会を目指すため、国に先駆けて、平成十五年度に東京都動物愛護推進総合基本計画を策定し、動物の終生飼養、虐待、遺棄の防止などに取り組んでまいりました。
 また、本年四月には、動物愛護管理法の改正も踏まえ、計画の改定を行い、飼い主への適正な飼養の啓発、事業者による動物の適正な取り扱いの推進、致死処分数のさらなる減少等を柱に対策の強化を図っております。
 昨年度は、動物取扱業者に対して約二千三百件の監視指導を実施しており、今後とも、監視指導の徹底を図るとともに、区市町村や獣医師会、動物愛護団体、ボランティア等とも連携しながら、適正飼養に向けた普及啓発や動物の譲渡などの取り組みを一層推進してまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、花と緑を生かした緑化についてでございますが、花や緑は、潤いや安らぎ、風格ある美しい都市景観の創出、生態系の保全など、多様な効能を有することから、魅力あるまちづくりにとって重要な要素と認識しております。
 都はこれまで、都市公園や街路樹の整備、緑化計画書制度など、緑の量をふやす取り組みとともに、生物多様性の保全に資する在来種植栽の推進など、緑の質を高める取り組みを推進してきております。
 今後、こうした取り組みに加え、人々を魅了する美しさという視点も踏まえ、区市町村と連携した取り組みや、民間事業者による花と樹木を用いた植栽づくりを促進する仕組みを検討し、オリンピック・パラリンピック大会終了後も継続する環境と調和した世界で一番美しい都市東京の実現を目指してまいります。
 次に、フロン対策についてでございます。
 現在、オゾン層を破壊しない代替フロンへの転換が進んでおりますが、代替フロンも温室効果ガスであり、排出量は、二〇三〇年に現在の約二倍になると推計されております。
 このため、都は、代替フロンの排出量を二〇三〇年度には二〇一四年度対比で三五%削減する数値目標を新たに長期ビジョンで設定し、対策を推進してまいります。
 フロンの製造から破壊処理までの管理の徹底と、使用の抑制という改正フロン法の趣旨も踏まえ、都独自に設備点検の事業者団体と連携して、機器ユーザーの漏えい防止の取り組み状況を把握し、適正管理の指導を行ってまいります。また、ノンフロン機器などへの転換を促すため、補助制度に加え、製品や店頭でのラベル表示など、事業者や都民が選択しやすい仕組みづくりを進めてまいります。
 最後に、資源循環施策の今後の展開についてでございますが、二〇二〇年以降も見据えた東京の持続的な発展のためには、都民や企業の協力のもと、天然資源の消費に伴う環境への影響を最小限に抑制していく必要がございます。
 このため、今年度中に策定する取り組み方針におきまして、食品ロスなどの資源の無駄の削減、再生砕石等のエコマテリアルの利用、廃プラスチック等の廃棄物の循環利用の三つの柱から、持続可能な資源利用に向けた施策の方向を示してまいります。
 あわせて、資源循環を進めるためには、家庭や事業者が排出する一般廃棄物を所管する区市町村との一層の連携が必要でありますことから、早期に協議の場を設けてまいります。
 また、来年度からは、創意工夫により徹底した循環利用などを実践している先進的企業と協働して、こうした持続可能な資源利用の活動の普及にも取り組んでまいります。
   〔交通局長新田洋平君登壇〕

〇交通局長(新田洋平君) 都電荒川線を活用した緑のネットワーク化についてでございますが、交通局ではこれまでも、沿線の景観向上を図るため、地元区等と連携し、バラやツツジなどによる沿線緑化に取り組んでまいりました。
 現在、都は荒川線を含む補助八一号線の整備を進めており、このうち、向原停留場から東池袋四丁目停留場の区間は、地元からの意向を踏まえ、道路整備の中で軌道内緑化も行うこととしております。交通局としましても、緑化後の維持管理作業に協力してまいります。
 今後、安全な運行や線路等の保守点検への影響、生育に適した品種等の検証を行うなど、荒川線を活用した緑のネットワーク化に向けて関係機関や地元区等と積極的に連携協力し、世界で一番美しい都市東京の実現に貢献してまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

〇産業労働局長(山本隆君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、中小企業の販路開拓支援についてでございますが、都内中小企業が製品の種類や取引の相手方などに応じて、多様な手法により販路開拓に取り組むことは重要でございます。
 都はこれまで、大手メーカーや商社とのマッチング、展示会への出展などを通じて、中小企業のすぐれた製品の販路開拓を効果的に支援してまいりました。これらに加えまして、一般消費者向けの製品につきましては、テレビやインターネットなどによる通信販売が堅調なことから、このような販売手法に取り組む中小企業に対する実践的なサポートを充実させていくことが必要でございます。
 今後は、中小企業の販路のさらなる拡大を図るため、こうしたメディアを活用した取引など、新たな販売手法に対するきめ細かな支援策を検討してまいります。
 次に、女性を中心とした創業支援の強化についてでございます。
 東京が将来にわたり成長を続けていくためには、女性を初めとした新たな担い手による創業の促進が重要でございます。
 このため、都は、信用金庫、信用組合や創業アドバイザーと連携をいたしまして、有利な条件での融資とともに、セミナーの開催や事業プランへの助言等を行う女性・若者・シニア創業サポート事業により、地域に根差した創業を支援しております。
 これまでに、親子向けフォトスタジオや、アクセサリーの製作教室を兼ねた製造販売など、女性の豊かな感性を生かした創業が実現をいたしました。
 今後は、このような取り組みをより強力に後押しするため、融資の促進に向けた原資のさらなる拡充やノウハウ不足等で悩む女性に対するきめ細かな経営サポートの充実など、資金と経営両面からの支援の強化を検討してまいります。
 次に、区市町村と連携をした就業支援についてでございます。
 女性や若者、高齢者など誰もが活躍できる社会の実現のためには、雇用就業施策の推進に当たって、地域の実情を踏まえることも重要でございます。
 都はこれまで、国の交付金を活用した失業者の雇用拡大やシルバー人材センターに対する支援など、区市町村を通じた取り組みを実施してまいりました。
 今後、雇用就業の一層の推進に向けては、身近な地域での就業を希望する方への支援や、都や国の支援窓口に足を運ばない若者への働きかけ等、よりきめ細かな対応が必要でございます。
 このため、従前の事業の成果を踏まえ、地域の状況を把握している区市町村の多様な施策を後押しするなど、さらなる連携方策を検討し、東京の発展を人材面から支えてまいります。
 最後に、都市農業の振興についてでございます。
 都市農業は、新鮮で安全・安心な農産物の供給に加え、生産基盤である農地が、防災や環境保全等の多面的機能を発揮しており、その一層の振興を図っていくことが必要でございます。
 都はこれまで、都市農地の保全を図るため、相続税制度等の改善を含む法整備を早期に行うよう国に強く求めるとともに、農業振興プランに基づき、施設栽培の推進や、大消費地の利点を生かした直売、加工の推進など、収益力の強化に向けた施策を重点的に実施してまいりました。
 今後、こうした取り組みに加え、税制を含む効果的な農地保全策を検討するため、関係局を初め、区市や生産者団体等との会議を新たに立ち上げるとともに、トウキョウXや、キウイの東京ゴールド等のブランド農産物の生産を拡大するなど、実効性ある施策を検討してまいります。
   〔中央卸売市場長岸本良一君登壇〕

〇中央卸売市場長(岸本良一君) 豊洲新市場用地の安全性についてでございますが、我が国最先端の知見や技術をもちまして、平成二十三年八月から進めてまいりました土壌汚染対策工事につきましては、本年十月末をもって完了し、先月二十七日の外部の有識者によります技術会議におきまして、全ての対策の完了を確認いたしました。これにより、都といたしましては、豊洲新市場用地の安全性が確認できたものと認識しております。
 今後は、地下水管理システム等により、豊洲新市場の開場前、開場後を通じ、永続的に徹底したリスク管理を行い、都民や市場関係者の安心に資することができますよう、引き続き全力で取り組んでまいります。
   〔水道局長吉田永君登壇〕

〇水道局長(吉田永君) 東京水道の国際展開についてでありますが、これまで、タイや台湾で、漏水や盗水などの収入に結びつかない無収水に関する対策へのアドバイスを行うパイロット事業に取り組んでまいりました。
 今回のヤンゴンにおきます事業は、資器材の調達、輸送、漏水調査、水道管の取りかえ及び修繕などを行うもので、公民連携、日本製資器材の調達、政府開発援助、ODAの活用を特徴とした新しいモデルであります。
 国際展開に当たりましては、相手国の実情やニーズに合わせまして、東京水道が培ってきた技術力を生かし、研修受け入れや職員派遣などによる人材育成に取り組むとともに、国や民間企業と連携し、新しいモデルを活用した事業展開を推進してまいります。
   〔下水道局長松田芳和君登壇〕

〇下水道局長(松田芳和君) マレーシアの下水道整備プロジェクトについてでございますが、これは我が国で初めて、官民連携により、下水道管から処理場に至るシステム全体を一括実施する海外プロジェクトでございまして、東京下水道の技術が採用されたことにより、首都クアラルンプール郊外の深刻な水環境の改善や、日系企業の参入機会創出に寄与するものでございます。
 現在は、下水道管の敷設ルートや処理場予定地で詳細な土質調査、現地測量を行っており、その後、詳細設計を経て、来年夏ごろの建設工事着工を目指しております。
 相手国の法制度や短い工期などさまざまな課題はございますが、官民一体となったインフラ輸出のリーディングケースとなるよう、今後とも、設計、建設、維持管理の各段階において、監理団体の東京都下水道サービス株式会社と連携し、プロジェクトの成功に向け、積極的に支援してまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、子ども・子育て支援新制度施行に伴う私立幼稚園に係る保護者負担軽減の対応についてでございますが、これまで都は、一定所得以下の園児保護者に対しまして、区市町村が行う保護者負担軽減事業に係る経費の一部を補助する私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助を実施し、保護者の負担軽減を図ってまいりました。
 新制度に移行した幼稚園の保育料は、国が定めた上限額の範囲内で、区市町村が定め、それを超えて私立幼稚園が特色ある教育を行うために必要な費用がある場合には、別途保護者から徴収する仕組みになります。
 このため、生活保護世帯や多子世帯の第三子など、保育料が無料となる子供については、保育料以外の負担が生じる場合があることから、都といたしましては、保護者の実負担額が変わらないよう、新制度に移行する園についても、負担軽減補助を引き続き実施するとともに、低所得世帯などに新たな負担が生じないよう取り組んでまいります。
 次に、私立幼稚園を母体とする認定こども園への対応についてでございます。
 子ども・子育て支援新制度への移行は、財源確保も含め、まずは国の責任において行われるべきであり、私立幼稚園を母体とする認定こども園は、現行の私学助成と比べ減収となる園が多いことから、都は、繰り返し国に対して緊急要望を行ってまいりました。
 十月下旬に、国は公定価格の一部見直しを検討する方向性を示しましたが、来年度予算の編成において、どの程度の改善が図れるかは不透明であり、このままでは、保護者の負担増や教育環境の悪化につながるおそれがあります。
 このため、都としては、私立幼稚園団体からのご要望も踏まえ、認定こども園が幼児教育と保育を一体的に提供する機能を十分に発揮し、保護者からのニーズに引き続き応えていけるよう、新制度移行による減収の影響を緩和する措置を講じる予定でございます。
 今後とも、国に対しまして、新制度の実施に伴う必要な財源の確保と公定価格の改善を求めるとともに、都といたしましても、新制度の実施主体である区市町村と連携を図りつつ、認定こども園が引き続き質の高い幼児教育、保育を提供できるよう支援をしてまいります。
 次に、地域の底力再生事業助成の制度改善についてでございます。
 都はこれまでも、助成の継続利用の導入や概算払い割合の引き上げなど、活用促進に取り組んでまいりましたが、いまだ本制度を活用していない町会、自治会も多い状況にあります。
 また、他の町会、自治会や地域団体と共同した取り組みは、単独での取り組みの場合に比べ、担い手の確保や活動の多様性などの点で効果的であり、東京都町会連合会からも、実態に見合う制度への改善要望を受けております。
 一方で、地域社会の核となる町会、自治会自身も、若い世代の加入促進などの課題を抱えており、組織の活性化を支援する体制の強化が必要であると考えております。
 そのため、来年度に向け、一つの町会の枠を超えて共同して取り組む活動に対する助成の枠組みや金額について、その規模や構成に配慮した制度の見直しを行うとともに、新たに町会、自治会の活動の向上に資するアドバイザーの派遣に取り組んでまいります。
 最後に、伝統文化の世界発信に向けた取り組みについてありますが、我が国が大切に守り育ててきた伝統文化について、外国人や子供たちにその魅力を伝えていくことは、伝統文化の継承、発展、そして発信において極めて重要であると認識をしております。
 そのために、外国人に対しましては、来日時の短期間でその関心の度合いに応じ、正しく日本の伝統文化を理解してもらう仕組みの導入が必要であることから、茶道、華道の体験や、一流の実演家による能、日本舞踊などの鑑賞と体験のプログラムを今後、実施してまいります。
 また、これまで小中学生向けの伝統文化体験は希望者のみを対象としておりましたが、今後は都内全域で体験できるよう、学校と連携した取り組みを始めるなど、伝統文化の理解促進に向けた取り組みを本格的に進めてまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京港の道路ネットワークの充実についてですが、東京港の物流機能を強化していくためには、増加するコンテナ貨物に適切に対応できるよう、抜本的な交通インフラの増強が必要であり、東西及び南北両方向の骨格となる道路の拡充やボトルネックの解消が欠かせません。
 このため、平成二十九年に供用開始予定の中央防波堤外側コンテナふ頭Y2を初めとするふ頭整備の進展に合わせ、オリンピック・パラリンピック競技大会の開催も見据えて、臨港道路南北線及び接続道路を国とも連携し、大会開催までに確実に整備してまいります。
 さらに、東西方向の国道三五七号について、平成三十年度までの東京港トンネルの完成に加え、高架構造も含む残された区間の早期整備を国に強く働きかけ、東京港の道路ネットワークを全力で充実強化してまいります。
 次に、ターミナル周辺の渋滞解消についてですが、まず、現に道路上に滞留しているコンテナ車の待機列の早期解消に向け、即効性のある取り組みを実施してまいります。
 具体的には、コンテナ車の引き込みスペースである車両待機場の整備を進めており、既に整備済みの青海ふ頭に加え、平成二十八年度には、大井ふ頭に五百三十台収容可能な大規模な車両待機場を整備し、東京港の主要コンテナふ頭の周辺道路における待機列を早期に解消してまいります。
 また、コンテナの搬出入時間平準化の取り組みである早朝ゲートオープンに加え、台車部分の違法駐車への取り締まりを今年度中に強化するなど、さまざまな対策を進めてまいります。
 それとともに、東京港の渋滞の根本的な原因である港湾施設能力不足を克服するため、新コンテナターミナル整備などの抜本的な対策を確実に進めてまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

〇オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、今後の区市町村支援についてでありますが、二〇二〇年大会の成功に向け、都内全域で機運醸成を図るとともに、大会を契機としたさまざまな事業を大会後のレガシーとして地域に根づかせるためには、区市町村の主体的な取り組みを促進することが必要でございます。
 大会準備が本格化する中、本年開催いたしました五十周年記念事業をキックオフとして、機運醸成に加え、事前キャンプの誘致、おもてなしのためのボランティア育成、多言語対応など、区市町村独自の新たな取り組みが活発化いたします。
 このため、都は二〇二〇年に向け、継続的かつ計画的に、区市町村がみずから行うオリンピック・パラリンピックの普及啓発やスポーツ振興、海外の来訪者の受け入れ体制整備等、ハード、ソフト両面の多様なニーズに対応できる支援策を構築し、積極的な支援に向けて取り組んでまいります。
 次に、ボランティアの育成についてでありますが、都は、関係機関とともに、東京マラソンやスポーツ祭東京二〇一三を支援するボランティアを育成してまいりました。二〇二〇年大会では、大会運営に携わる大会ボランティアが約八万人、観光案内などを行う都市ボランティアが一万人以上必要になると想定されることから、今後、ボランティアとなり得る人材の育成が一層重要となります。
 そのため、都、国、区市町村、組織委員会、民間団体等による連絡協議会を来年度上半期に設置いたします。協議会では、参加団体の協力により、ボランティアの参加機会の提供や関連情報の発信を通じ、裾野の拡大を図ります。あわせて、都市ボランティアのあり方についても検討してまいります。
 大会において、ボランティアを通じた日本ならではの、おもてなしを実現してまいります。
 最後に、障害者スポーツの振興についてでありますが、これまで都は、バリアフリー化や人材育成等、障害者スポーツの環境整備を行うとともに、イベントを通じ、都民が障害者スポーツに触れる機会の提供に取り組んでまいりました。
 東京で二度目の開催となります二〇二〇年パラリンピック競技大会は、障害者スポーツをさらに発展させる絶好の機会であり、未来に継承すべき確かなレガシーをつくり上げていかなければなりません。都は、障害者スポーツの普及啓発を積極的に推し進め、裾野を広げていくとともに、施設のさらなる充実や場の拡大、競技力強化に至るまで、引き続きあらゆる施策を加速してまいります。
 このような取り組みを通じて、障害のある人もない人も、ともにスポーツを楽しめる、世界を代表するスポーツ都市東京の実現を目指してまいります。

〇議長(高島なおき君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十六分休憩

   午後三時三十五分開議

〇副議長(藤井一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百七番長橋桂一君。
   〔百七番長橋桂一君登壇〕

〇百七番(長橋桂一君) 都議会公明党を代表して、知事、教育長並びに関係局長に質問をいたします。
 さきに行われた衆議院解散・総選挙において、自民、公明両党による安倍政権が、衆議院で引き続き三分の二を上回る議席を得て、都民、国民の皆様から厚い信任を得ました。
 今回の衆院選は、暗く失敗続きであった三年三カ月に及ぶ民主党政権から交代し、景気の回復、社会保障制度の基盤強化、険しさを増す東アジアにおける安全保障体制の見直し等々、決められる政治の二年間を、国民の皆様から審判を受ける選挙でありました。
 公明党は引き続き、超少子高齢社会の中にあって、国民生活に直結する課題に総力を挙げ、都民、国民の皆様のご期待に必ずお応えしてまいる決意であります。
 さて、衆院選直前の国会では、地方が成長の活力を取り戻し、人口減少を克服するための地方創生を推進する法律が成立をいたしました。我が国が深刻な人口減少問題に直面し、二十年に及ぶデフレの中で地方経済の疲弊が指摘される中、地方創生は喫緊の課題であります。地方の創生なくして、超少子高齢化、人口減少化が進む我が国の展望を開くことはできないからであります。
 ただし、その際に重要なことは、地方創生の位置づけを、東京対地方という構図で決して捉えてはならないということであります。都内にも創生すべき地方は存在し、東京一極集中の課題にしても、そもそもそれ自体が地方を疲弊させている原因ではないからであります。地方を活性化するためには、東京から人や企業を地方に移転させるべきという安易な東京対地方の論を展開しても、何ら結論を得ることはありません。
 今や眼前の大きな目標となっている二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催で、東京だけではなく、国全体を盛り上げ、そしてこれを契機に、我が国全体を活性化させていく必要があります。東京の力をそぐことを前提にした東京対地方という構図には何ら生産性もなく、東京も地方も、ともに持続可能な発展を目指す取り組みとしての地方創生と捉えていかなければなりません。
 地方創生と東京の位置づけ、オリンピックとパラリンピック開催の活用、地方と東京の共生を進めていく重要かつ大きな一歩として、来年度の予算編成においても、東京から地方に対して力強いメッセージを発信していくことが必要であります。こうした点も踏まえ、地方創生に関する知事の見解を求めたいと思います。
 次に、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会について質問をします。
 今月八日のIOC臨時総会では、国内他都市での分散開催や追加種目の提案権が認められましたが、これにより被災地での競技開催が可能となりました。さらには、野球、ソフトボール、空手等の競技関係者からも、競技実施に向けて多くの期待が寄せられております。史上最高のオリンピック・パラリンピックの開催に向け、さらに勢いを増して前進していくことを願ってやみません。
 さて、舛添知事が今定例会の所信表明演説において、会場計画を見直すことで施設整備費を約二千億円圧縮するとの方針を表明したことは、都民負担に配慮した的確なものであると高く評価をいたします。これによって、新たな負担を招くような事態は避けなければなりません。引き続き、税金の無駄遣い排除の努力を重ねるよう求めるものであります。
 その上で、まず、東京大会の競技会場のレガシーについてであります。
 本年第二回定例会における我が党の代表質問に対し、都は、カヌースラローム会場について、地域の方々のニーズにも応えながら、より多くの都民に利用されるよう後利用を検討するとの方針を示しております。他の競技会場についても、舛添知事が視察したロンドン大会の施設レガシーを参考に、多目的活用、ランニングコスト等を設計段階から考慮し、大会後には、多くのアスリートや都民等に利用されるレガシーにするとの視点が重要であります。改めて知事の所見を伺います。
 次に、スポーツ、観光、教育分野のレガシーについてであります。
 一九六四年の東京大会で、東洋の魔女といわれた日本女子バレーボールチームの大活躍が、その後のママさんバレーの普及につながったほか、他の五輪種目においても、地域スポーツの裾野が広がったといわれております。同様に、二〇二〇年の東京大会を都民スポーツの裾野を広げるレガシーの一環として捉え、スポーツの日常化の好機として、取り組みを一層充実させるべきと考えます。
 また、観光振興の面では、近年世界的に盛んになっている観光とスポーツを連携させたスポーツツーリズムを参考に、国内外の観光客が観光とセットでスポーツも楽しめるような取り組みも、五輪レガシーとして意義があると考えます。
 一方、スポーツと教育を連動させた取り組みもレガシーの重要な視点であります。なじみの薄い種目であっても、そのスポーツのルールやルーツを学ぶと親しみが湧いてまいります。
 特に、パラリンピック種目のルールやルーツを児童生徒が事前に学び、その後に観戦すると、その種目への興味だけではなく、障害者やパラリンピックへの理解も高まるといわれております。二〇一二年ロンドン大会では、公式教育プログラムの一つとして、こうした取り組みがゲットセットという名称で実施され、大きな成果があったと評価をされております。
 都は、二〇二〇年東京大会実施準備会議の特命組織としてレガシー委員会を立ち上げ、全庁的な体制でレガシーの検討を始めましたが、ただいま申し上げた取り組み例も含め、二〇二〇年大会が目指すレガシーの全体像を明らかにしていくべきと考えます。見解を求めます。
 次に、被災地支援について質問いたします。
 東日本大震災発災から三年九カ月がたちました。都議会公明党は、発災直後から岩手、宮城、福島の被災三県を訪問し続け、調査を重ねては自治体関係者や各種業界関係者と意見交換を繰り返し、都としての支援策を提案してまいりました。
 被災地は、いまだ風評被害に苦しみつつ、一方で震災の風化が懸念されております。被災地の復興なくして、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの成功は断じてあり得ません。昨日も福島県の内堀知事が舛添知事を表敬し、風評払拭に向けた観光支援や避難者支援、二〇二〇年の東京大会における被災地の活用などを要望されたと報道されております。
 都として被災地復興へ一段と勢いを増していくために、公明党は声を大にして、さらなる支援の拡充を訴えるものであります。
 ことし七月には、大会組織委員会において、被災三県と国、都等で構成される第一回被災地復興支援連絡協議会が開催されましたが、世界に復興した日本の姿を指し示すべく、まずは被災三県への東京のメッセージを発信するとともに、開催都市の知事として被災三県を訪問し、知事の目で、耳で実情を見聞していただきたいと思います。今後の被災地支援について、知事の所見を伺います。
 都議会公明党は、被災地支援の大切な視点として、かねてより被災地での事前キャンプや予選の実施を提案してまいりました。さきにモナコで開催されたIOC臨時総会において、中長期改革案、五輪アジェンダ二〇二〇が承認され、国内での複数都市での分散開催が認められました。
 この朗報を被災地復興への大きな追い風として、ぜひとも被災地での競技開催を実現すべきであります。見解を求めます。
 震災直後に被災地から受けた要望を都議会公明党が提案し実施された被災地応援ツアーも、本年で四年目となりました。
 過去十年間の福島県の観光客入り込み状況は、平成十七年から二十二年まで五千万人台半ばで推移をしておりましたが、震災のあった平成二十三年は三千五百万人まで激減してしまいました。その後、都による応援ツアーを開始して、平成二十四年、二十五年には四千万人台半ばまで回復をしております。明らかに応援ツアーの成果が出ており、都の果たした役割を高く評価するものであります。
 震災前の観光客入り込み数の回復まで目前に迫った中、もう一押しするためにも、来年度もこの被災地応援ツアーを継続すべきであると考えます。見解を求めます。
 次に、就労支援策について質問します。
 公明党はこれまでも、都民生活の基盤となる就労の安定に向け、未就職卒業者への緊急支援や、就職氷河期にやむなく生じた年長フリーターへの対応など、さまざまな提案を行い、都の施策を後押ししてまいりました。
 知事も先日の所信表明で、安定した仕事につきたいと望む非正規の方々への就職支援を、今後の都の重点政策に位置づけることを明らかにしました。
 やむを得ず非正規として働いている人の中には、就労形態が不安定、低賃金、能力開発の機会不足といった不安を抱えている人もおります。一人一人の能力を高め、正規社員化を進めることで、将来に夢や希望を持ち、安心した生活が送れるよう施策を進めることが必要であります。
 こうした観点から、非正規社員への支援を力強く推し進めていくべきと考えますが、知事の見解を求めます。
 次に、ワークライフバランスの推進について質問します。
 都民一人一人が能力を十分に発揮できる社会を実現していくためには、ワークライフバランスの取り組みを進めていくことが何よりも重要であることは、改めて申し上げるまでもありません。とりわけ企業において、育児や介護などライフステージに応じた多様で柔軟な働き方が女性にも男性にも選択できるよう、仕事と家庭生活の両立の実現が不可欠であります。
 先日、都は長期ビジョンの中間報告を公表しました。報告の巻頭言でも、知事はワークライフバランスを取り上げられており、まさに重要施策に位置づけようという意欲が伝わってまいります。
 しかし、その中間報告をひもとくと、ワークライフバランスについて、男女ともに仕事と子育て、介護等を両立できる環境整備と記載されているものの、その位置づけが、女性の活躍推進の中に盛り込まれております。
 申し上げるまでもなく、ワークライフバランスとは、男女を問わず見直すべき社会的価値観であり、女性にだけ求められたものでは決してありません。また、働き手だけではなく、ともに暮らす家族にとっても、それぞれが仕事と家庭のバランスのとれた環境を整備していくことこそが強く求められているのであります。
 ワークライフバランスについて、女性に特化せず、都民のライフスタイルそのものにとって、都政の重要な施策の柱として推進するべきであります。都の見解を求めます。
 都は、ワークライフバランスの実現に向けた社会的機運を高めるため、すぐれた取り組みを行う中小企業を東京ワークライフバランス認定企業と公表する取り組みを行っております。今年度も先月、十二社の認定企業が発表されました。この取り組みも平成二十年度の開始から七年目を迎え、認定企業数もようやく七十八社となりました。こうした企業は規模も業種も多岐にわたり、これから取り組みを始める企業にとっては大いに参考となります。
 今後、より多くの企業が速やかにワークライフバランスに取り組めるよう、認定企業の情報を活用し、さらなる普及啓発を図るべきと考えますが、都の見解を求めます。
 次に、深刻な、仕事と介護の両立支援についてであります。
 超高齢化の進展に伴い、介護離職の問題が深刻化しております。都議会公明党は先月、高齢社会対策プロジェクトチームの最終提言をまとめましたが、この中でも、仕事と介護の両立支援を男女問わずに大きな課題として位置づけました。
 都は、昨年の第四回定例会代表質問での我が党の提案を受け、中小企業の現場実態を調べるため、今年度、仕事と介護の両立に関する特別調査を実施し、今後の施策展開に生かすとしております。
 そこで、現在の調査の取り組み状況と今後の施策展開について答弁を求めたいと思います。
 次に、女性の活躍推進について質問します。
 公明党が推進してきた女性の活躍推進については、指導的地位に占める女性の割合を、二〇二〇年までに三割にするという政府目標に基づき、国が本格的な取り組みを開始しました。東京都こそが、その推進に向けて先駆的役割を担うことが重要であります。
 女性の活躍推進に当たっては、企業など働く場における女性の登用の推進はもとより、地域におけるさまざまな幅広い分野での社会貢献活動でも、女性が生き生きと活躍する社会を構築していかなければなりません。
 舛添知事は所信表明演説において、東京の人材を考えたときに最も潜在力を有しているのが女性だとし、来年度、女性活躍推進白書を策定し、多様なライフスタイルに応じた実効的な取り組みにつなげていくと述べられました。
 公明党も、首都東京として、大都市ならではの課題を踏まえながら女性の活躍推進施策を強力に展開すべきであり、新たに女性活躍推進白書をまとめ、実効的な取り組みを開始していくという知事の取り組みに大いに期待するものであります。女性の活躍推進に向けた都の見解を求めます。
 次に、エボラ出血熱などの感染症の拡大防止について質問します。
 エボラ出血熱については、流行国からの渡航や帰国が判明した時点で発熱や患者との濃厚接触がわかれば、直ちに検疫所で隔離、停留を行うなどの積極的な対策が講じられることになっております。また、帰国時に発熱がない場合であっても健康監視の対象となり、朝夕、体温を検疫所に報告する措置がとられることとなります。
 しかし、去る十一月七日には、流行国からの帰国者が後になって発熱し、近隣の診療所で直接受診するという事例が発生をいたしました。国は、こうした事態が二度と発生しないよう、検疫所と該当地域の保健所との間で情報共有に努めることとしました。
 エボラ出血熱については、飛沫感染するインフルエンザとは異なり、爆発的な感染が広がるリスクは少ないといわれております。しかし、その致死率の高さなどから、万が一、国内で発生した場合には、国民、都民の不安感が一気に高まり、パニックが起きることも懸念されております。
 危機管理の視点からも、流行国からの帰国者が発熱等の初期症状を呈した場合には、間髪入れずに移送するなどの措置を講じなければなりません。エボラ出血熱の国内発生に備え万全の体制を整えるべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 十一月二十一日には、国内で陽性患者が確認された場合、患者の体液に直接触れた家族や医療従事者に対し健康観察を行うとともに、症状の有無にかかわらず、外出の自粛を要請するとの対応指針を発表しました。感染拡大が危惧される事態を迎えた段階では、症状の有無を問わず対策を講じるとした点では評価できます。
 しかし問題は、自主的な外出の自粛という措置がどれほどの実効性を持つのかという点にあります。仮に外出の自粛を求められても、都民には、社会との接点は仕事、修学、買い物など多岐にわたっています。万一の事態に備え、現実的にはどのように振る舞うべきなのか、専門家による助言は、当事者の不安や感染拡大の危険を軽減する上で大変に重要であります。
 また、エボラウイルスの潜伏期間は三週間といわれております。その間の当事者の状況をあらかじめ把握しておくことは、発症した場合の迅速な関係先の消毒や関係者の相談対応など、必要な対策を実行する上で極めて有益であります。
 都は、人権への配慮に努めながらも、感染の危険が完全に消えるまでの間、該当地域の保健所が当事者などに対し、積極的かつ丁寧に相談や助言に当たるよう努めるべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、認知症対策について質問します。
 今や、見守りまたは支援が必要な認知症高齢者は、高齢者人口の九・九%を占めるまでとなり、年々増加傾向にあります。また、要支援、要介護者に占める割合は五五・五%にもなり、同じく年々増加傾向にあります。
 そこで、まず重要となるのが、認知症に対する医療体制の整備であります。
 都では、平成二十四年四月より、二次保健医療圏単位で認知症疾患医療センターを順次設置し、現在十二の全ての医療圏で運営を開始しております。このセンターでは、専門医療相談や認知症の診断を実施するほかに、身体合併症や行動、心理症状への対応を行うとされています。また、地域の保健、医療、介護関係者等との連携の推進や、専門的な知識を有する人材の育成にもあわせて取り組むこととなっております。
 しかし、十二あるセンターにおいて、取り組み状況に差が生じているのが実情であります。特に、区市町村の保健、医療、介護関係者等との連携が十分でない二次保健医療圏も散見されます。
 こうした問題を解決していくためには、区市町村単位に認知症疾患医療センターを設置することが望ましいとされ、国も認知症施策推進五か年計画、いわゆるオレンジプランで全国に五百カ所の認知症疾患医療センターを設置することを求めております。
 そこで、都としても、区市町村単位で専門医療相談や認知症の診断ができる診療所型等の認知症疾患医療センターを設置し、既存のセンターを基幹としたネットワークを構築し、連携を図るべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、認知症の早期発見、早期治療についてであります。
 認知症の原因はさまざまであり、根本的な治療はまだ確立されていませんが、早期発見により改善する場合や、進行をおくらせることが可能な場合があります。早期発見、早期治療が重要といわれております。
 例えば、認知症の原因が慢性硬膜下血腫の場合には、早期に発見できれば治療により改善が可能であり、脳血管性認知症の場合には、生活習慣病の予防が進行予防につながるとされております。また、アルツハイマー病による認知症の場合には、進行をある程度おくらせることが可能な薬もあり、早く使い始めることが効果的であるといわれております。
 いずれにせよ、認知症対策には、早期発見、早期治療が重要であり、そのため国は、認知症が疑われる早期の段階から家庭訪問を行い、認知症のアセスメントや家族支援を行う専門医や医療、保健、福祉の専門家による認知症初期集中支援チームを、地域包括支援センター等に配置することを推進しております。
 しかし、ほとんどの区市町村で配置されておらず、全区市町村に認知症初期集中支援チームを配置できるよう、都が支援すべきであります。見解を求めます。
 第三に、認知症高齢者とその家族への支援体制についてであります。
 認知症の場合、当事者だけではなく、その家族の精神的、身体的な負担は、はかり知れないものがあります。時に家族が病気を患ったり、要介護者になってしまうケースも増加しております。また、見守りや支援の必要な認知症高齢者が自宅で暮らす割合も五九・八%と依然と高い割合にあります。
 この要因は、本人や家族の希望もあるかもしれませんが、特別養護老人ホームや認知症グループホームなどの入所基準に合わないということも大きな要因とされております。とりわけ認知症グループホームについては、共同生活に支障があるような身体合併症や行動、心理症状を有する認知症高齢者は入所できず、結果として在宅で見守りや支援を行わなければならないという実態があります。
 こうした認知症高齢者には医学的治療が必要となりますが、受け入れられる医療機関は絶対的に不足しております。
 都として、家族支援を進めるため、身体合併症や行動、心理症状を有する認知症高齢者を治療できる医療機関をふやすべきと考えます。見解を求めます。
 また、認知症グループホームの場合、家賃が介護保険の対象とならないため、ホテルコストが介護保険の対象となる特別養護老人ホーム等と比較して利用料が高くなってしまいます。そのため、国民年金などで生活する低所得者は、たとえ認知症グループホームにあきが出た場合であっても、費用負担が難しく、入所できないという実態もあります。
 都としてもこうした実態を踏まえ、低所得者が安心して入所できるように支援していくべきと考えますが、見解を求めます。
 特別養護老人ホームや認知症グループホームなどに入所できず、自宅で暮らす認知症高齢者とその家族を地域社会で支援をしていく取り組みも重要となります。
 その一つが、認知症高齢者とその家族の居場所である認知症カフェであります。世話人や認知症サポーターのもと、認知症高齢者の家族と地域の人たちが交流する場として、大きな効果があるとされております。
 認知症カフェは、オレンジプランにおいて普及がうたわれておりますが、区市町村が実施する地域支援事業のメニューに位置づけられているものの、任意の取り組みとなっており、しかも財源が十分ではありません。そのため、この認知症カフェが全区市町村で実施できるように、都としても運営が財政面で成り立つよう支援していくべきと考えますが、都の見解を求めます。
 認知症高齢者を抱える家族にとって最大の課題が徘回であります。特に、行方不明になってしまった場合には、家族の精神的な負担は、はかり知れないものがあります。そこで必要となってくるのが、認知症高齢者の徘回を地域社会で見守るネットワークであります。
 現在、区市町村においても取り組みが着手されておりますが、広域自治体である東京都としても、独自の取り組みを進めていくべきと考えます。見解を求めます。
 次に、生活困窮者支援について質問します。
 来年四月から生活困窮者自立支援制度がスタートします。この制度が創設された背景としては、働き盛りの年代でありながら、失業や低収入などの生活保護受給者が急増していることや、ひきこもりなどにより、家族や友人、地域社会から孤立している人がふえていることなどが指摘されております。
 この制度の究極の目標は、社会的な孤立をなくし、住民同士が相互に支え合う共助の仕組みを地域の中でつくり上げていくことであります。そのためには、住民に身近な区市を実施主体として、ワンストップの相談窓口を開設し、生活困窮者を対象にして、生活保護に至る前の段階から、それぞれの実態に即したさまざまな支援を包括的かつ継続的に行うなど、自立と尊厳の回復を図っていくものであります。
 ところが、制度施行まであと三カ月余りとなった現時点でさえ、必要な情報が十分に提供されておらず、このままでは区市における施行準備におくれが生じてしまうとの声も寄せられております。
 そこで、来年四月の円滑な制度施行に向け、都としても国に働きかけるなどの取り組みが必要と考えますが、見解を求めます。
 また、生活困窮者に対して実効性ある支援を行っていくためには、法の必須事業である自立相談支援事業の総合相談窓口の開設に加え、いわゆる任意事業であっても、積極的に実施していくことが必要と考えます。
 我が党は第三回定例会の代表質問において、任意事業の一つである子供の学習支援事業の重要性について指摘し、都からは、より多くの区市で取り組まれるよう支援していく旨の答弁がありました。
 また、同じく任意事業には、就労に向けた訓練を行う就労準備支援事業や、世帯の収入状況を診断し、家計管理について助言する家計相談支援事業など、幾つもの重要な事業があります。これらの事業について、できる限り多くの区市で取り組まれることが重要と考えますが、見解を求めます。
 次に、教育分野について質問します。
 最近、ESDという新たな教育の取り組みが世界的に注目を集めております。日本語では、持続可能な開発のための教育と訳されていますが、環境や貧困、地域紛争など地球的規模の課題について、教科の垣根を超えて横断的に学ぶことといえます。
 国連は、二〇〇五年から持続可能な開発のための教育の十年と位置づけ、さまざまな取り組みを進めてきました。これに呼応して、都においても地球的問題群の解決に取り組む人材を育成する必要があります。
 そこでまず、こうした国連が進めている教育に対する知事の所見を伺います。
 ESDに関するユネスコ世界会議が、ことしの十一月に岡山市と名古屋市で開催されました。二〇一五年以降の開発政策にESDを取り入れる緊急行動を呼びかける、あいち・なごや宣言を採択して閉幕しましたが、ESDの取り組みは今後も継続していく必要があります。
 都議会公明党は、先日、第三回ESD大賞を受賞した江東区立八名川小学校を視察しました。学校が開発したESDカレンダーは、年間を通して、どの教科でどのような地球的課題を学ぶのかを具体的に示したすぐれた事例でありました。
 第三次東京都教育ビジョンには、持続可能な社会システムの構築に向けた人材育成など、ESDの考え方に沿った内容が既に示されていますが、取り組みは緒についたばかりであります。
 そこで、教員がより深くESDの理念を理解し、手法が学べるように、さらなる普及に取り組むべきと考えますが、都教育委員会の見解を求めます。
 次に、観光客誘致に関連し、バリアフリー観光について質問します。
 多くの観光客の来訪が期待されるオリンピック・パラリンピックの開催に向けて、多くの施設のバリアフリー化を進めることは重要でありますが、現実問題として、二〇二〇年までに、民間施設も含めて全てのバリアを解消することは困難であります。
 しかし、たとえバリアが残っていたとしても、必要なサポートがあれば、障害者や高齢者に観光地の旅行を楽しんでもらうことは十分可能であります。
 三重県伊勢志摩では、地元のNPO法人が宿泊施設や観光施設などの段差の有無やサポート体制などの情報を集めて発信するとともに、障害者の障害の程度に応じて利用可能な施設を紹介するなどの活動を行っております。砂利道用の車椅子の借り方や露天風呂までの段差など、きめ細かな情報提供が好評のようであります。
 東京でも、東京観光財団が運営するネット上のサイト「GO TOKYO」で、車椅子で移動を楽しめる、動画つきのバリアフリーコースの紹介が始まっています。
 国内外の障害者や高齢者に東京観光を存分に楽しんでいただけるよう、都は、こうした観光施設等におけるバリアやバリアフリーに関する情報の収集、発信に積極的に取り組むべきと提案いたしますが、都の見解を求めます。
 次に、知事が新たな指針を年内に定めると表明したWiFi整備について質問します。
 先日、都議会公明党は福岡市を訪問し、市が民間事業者とも協力しながら、無料WiFiの面的整備を進める事業を視察してまいりました。一度の登録で簡単に半年間、WiFiの利用が可能となるほか、行政情報や防災情報などとともに、市内の観光情報を提供して、観光客の回遊性を高める取り組みとなっておりました。
 さらに、自治体では世界初となる、台湾、新北市とのWiFiローミングの技術を利用し、新北市の無料WiFi利用者は、福岡市に入れば、新たな利用登録をせずとも、従来利用している個人のIDとパスワードで利用でき、台湾からの観光客増加の一因となったとのことでありました。世界中から観光客が東京を訪れることを考えると、WiFiローミングを数多くの国と結ぶなどして、おもてなしにつなげていくことも大変に重要な視点であります。
 我が党は、本年の予算特別委員会において、オリンピック・パラリンピック東京大会を目指して、訪日外国人に対する利便性向上に資する無料WiFiを、都バスに続き都営地下鉄でも導入すべきと訴えました。また、本年第二回定例会では、エリアや事業者ごとに異なる無料WiFiの登録手続をできるだけ簡便にすることも訴えてきたところであります。
 これに対し都は、我が党の求めに応じ、都営地下鉄に加え、東京メトロを含む百四十三駅で無料WiFiを導入するとともに、一度の登録で地下鉄駅のほか、都バスに乗り継いでも手軽にWiFiが使えるよう迅速に整備したことを高く評価いたします。
 そこで、今後の無料WiFiの整備は、国内外の観光客にとって、より使いやすい環境となるよう配慮して進めるべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、水素エネルギーについて質問します。
 知事は、水素エネルギーの普及に向けて戦略会議を立ち上げ、先日、中間のまとめを発表しました。また、「二〇二〇年の東京」で水素社会の先駆的な都市モデルの実現を掲げ、みずからのリーダーシップで水素ステーションの整備促進や、燃料電池車の普及に向けた都独自の支援策を構築し、このたび補正予算を編成した点を評価いたします。
 現状では、水素は主に化石燃料から生成されています。しかし、今後は、例えば木質チップから生成される低CO2な水素や、再生可能エネルギーの電力により水を分解して大量に水素を製造するシステムが実用化されれば、まさにCO2フリーの電力源となります。
 そこで都は、水素エネルギーの利活用については、インフラ整備や初期需要の創出を着実に進めるとともに、供給源としてCO2フリーの水素の利用も視野に入れて検討していくことが必要であると考えます。都の見解を求めます。
 次に、再生可能エネルギーについて質問します。
 去る十月に、都議会公明党の再生可能エネルギー促進PTは、都に対して、地中熱など都内における再生可能エネルギーの拡大、官民連携ファンドによる都外での拡大、スマートエネルギーの促進、新技術の開発と実用化の促進などの政策提言を行いました。都はこの提言を踏まえ、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた最終取りまとめを行ったところであります。
 現在、電力系統への接続制約が社会問題となっていますが、都は、電力の大消費地の責務として、再生可能エネルギー拡大に向けた動きを失速させることなく、消費電力に占める割合二〇%達成に向けて強力に推進すべきであります。知事の所見を伺います。
 さらに、都内エネルギー使用量の約三割を占める家庭部門における省エネや再エネ拡大も重要であり、既存住宅への対策が欠かせません。既存住宅の九割以上が平成十一年の省エネ基準を満たしていないといわれており、省エネ性能の向上を図ることが重要であります。そのために、二重窓や高性能な建材を用いるなど、断熱性を高めるリフォームを促進すべきであります。既存住宅で太陽光発電等を普及させることも重要です。そのためには、リフォームの機会を活用することが有効と考えます。
 住宅の省エネ性能の向上を図り、あわせて太陽光発電等の導入を進めていくための具体的な手だてを構築すべきであります。都の見解を求めます。
 世界で最も環境負荷の低い都市を目指す東京には、人と自然との共生を実現した循環型都市であった江戸のDNAとレガシーがあります。さらに、他の国際都市と比較して都が優位に立っている要素に、多摩地域の豊かな森林エリアがあります。この多摩の森林エリアを都民の経済活動に生かしていくべきであります。
 これまで都は、コスト問題など困難な課題と向き合いながらも、多摩産材の活用や花粉の少ない杉への植えかえなど、さまざまな施策を展開してまいりました。
 この困難を克服するためには、さらに都民が全てを生かして使っていくという江戸の循環都市の理念を共有し、多摩の森が都民の里山であり、循環型社会システムに多摩の森林を加えていくことが重要であります。
 そこで、この里山の理念のもと、新たに多摩の森林をバイオマスエネルギーや建材として資源化することに加え、食品残渣やプラスチック廃棄物から下水道汚泥まで、あらゆる廃棄物を資源として活用する技術などにより、世界一の循環型都市を構築すべきと考えます。知事の所見を伺います。
 最後に、島しょ振興について質問をいたします。
 都議会公明党は、十月下旬、小笠原諸島に視察団を派遣し、島民の長年の悲願である航空路開設の課題、世界自然遺産登録後の実情、中国漁船による周辺海域でのサンゴ密漁などについて現地調査を行いました。
 とりわけサンゴの密漁については、既に報道で大きく取り上げられたとおり、小笠原諸島の近隣海域で白昼堂々、深夜にはこうこうと明かりをつけて、極めて乱暴な操業ぶりや飲食物容器などの不法投棄の現状等も確認してまいりました。
 そして、村長を初め村議会、漁業、観光関連従事者等からは、海洋資源の保全と漁師等の安全確保及び事態の早期解決、住民の不安解消に全力を挙げてほしいとの切実な要望を受けました。また、村民の間では、違法船の出現が長期化していることから、不測の事故やトラブルへの不安が高まり、対応を求める声が高まっておりました。
 都議会公明党の視察調査を踏まえ、公明党は、山口代表を中心に即座に対策PTを立ち上げて、政府に強く働きかけた結果、国は、海上保安庁巡視船による警備の強化とともに、密漁に対する罰則強化を異例のスピードで実施しました。
 一方、都の取り組みとしては、警視庁機動隊等の増員による陸上での警備強化など、素早い対応が講じられたことにより、事態は鎮静化が図られました。
 しかし、こうしたことが二度と繰り返されることがないよう、都は、小笠原から伊豆諸島周辺海域と島民を守るべく、今後も実効性のある対策を講じていくべきであります。
 そこでまず、小笠原、伊豆諸島周辺海域における違法操業に対して、日常の取り締まりを強化することはもちろんのこと、違法船をその国から出港させないよう、外交レベルでのルールづくりを進めるなど、再犯防止の対策を間断なく講じていくよう、国に強く求めるべきであります。見解を求めます。
 また、世界自然遺産に登録された我が国と都の財産を、後世に確実に継承していく責務が都にはあります。そのため、所管している漁業調査指導船「興洋」などを積極的に活用し、国と連携して違法操業の監視強化を継続するとともに、荒らされた水産資源や漁場への影響を把握するため、実態調査を早急に行うなど、水産資源の保全に向けた対策を講じるべきであります。見解を求めます。
 これまでも都議会公明党は、小笠原島民の生命の安全、離島振興のために、航空路開設の必要性を繰り返し求めてきましたが、このたびの小笠原視察団の調査を通し、改めて、日本の国境離島であり、東京都小笠原に航空路開設が欠かせないことを確認いたしました。
 そこで、小笠原への航空路開設の実現に向けて、舛添知事がリーダーシップを発揮し、国とともに取り組みを加速させるべきと考えますが、小笠原の振興に対する知事の決意とともに、あわせて、改めて小笠原を視察していただきたいと考えますが、知事の所見を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 長橋桂一議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、地方創生についてでありますが、地方の活性化には、何より日本経済の発展が必要でありまして、そのためには、東京が機関車としての役割を果たさなければなりません。
 地方創生を東京と地方の対立という図式で捉え、東京から人口や企業を地方に移転させることで地方が活性化するとの議論がございますが、日本の経済成長を牽引する東京の活力をそぐならば、日本全体が沈没しかねないのであります。
 また、日本経済を発展させるためには、東京以外にも複数の機関車を育てると同時に、地方の魅力を高め、国全体に富を行き渡らせることこそが重要であります。
 そもそも地方の繁栄と大都市の発展はトレードオフではございません。例えば、東京を訪れる外国人観光客に対し、日本各地の観光地を紹介して足を延ばしてもらうなど、東京と地方が相互に連携して、ともに発展していくことが大切であります。
 地方創生が、東京と地方が限られたパイの中で奪い合う構造ではなく、ウイン・ウインの関係を築くことになるよう、来年度の予算編成におきましてもしっかりと内容を吟味し、都として実効性の高い取り組みを進めてまいります。
 競技施設の有効活用についてでありますが、今回のロンドン視察を通じて、競技施設をレガシーとして最大限に活用するためには、早い段階から後利用を十分に考えた会場計画を立てていくことが必要だと実感いたしました。
 例えば、ロンドンの場合、お話のカヌースラローム会場は、大会後も、カヌー教室の開催だけでなく、子供たちの水遊び、親子でのバーベキューなど、多様な活動ができるように整備されておりました。周辺の自然環境と一体となって、市民に親しまれる施設として利活用されております。
 さらに、競技施設を有効活用していくためには、こうした個別施設の後利用をあらかじめ想定していくことに加えまして、周辺施設や地域のまちづくりと連携を図り、新たなにぎわいを創出していくことも重要であります。
 そのため、民間企業や地元自治体などの意見も参考にしながら、具体的な検討に着手してございます。
 今後も、関係者の協力を得て、大会後も都民に利用され喜ばれる施設となるよう、全力で取り組んでまいります。
 東日本大震災の被災地支援についてでありますが、震災から三年九カ月が経過しました。記憶の風化が懸念される一方、今なお全国で二十三万人を超える避難者が厳しい生活を余儀なくされておりまして、早期の復興が求められております。
 これまで都は、三万人を超える職員の派遣、瓦れきの都内受け入れ、被災地応援ツアーなど、被災地のニーズを的確に把握しながら、総力を挙げて被災地を支えてまいりました。
 また、千キロメートル縦断リレーや被災地の子供たちとのスポーツ交流など、スポーツの力で被災地復興を支援するさまざまな事業を展開してきました。
 震災からの復興は、東京オリンピック・パラリンピック大会成功の前提であります。大会開催を通じて人々に勇気と希望を与えるとともに、東京が日本経済を牽引し、東北の被災地を元気にしていきたいと思っております。
 そのため、開催都市の知事として、私みずから被災県に赴くことを念頭に入れ、現地の実情をしっかりと把握してまいります。
 都は引き続き、被災地の声に耳を傾けながら、真に役に立つ支援に取り組み、被災地の復興を力強く後押ししてまいります。
 非正規雇用についてですが、雇用情勢は着実に改善しておりますが、働く人の三分の一が非正規雇用という現状は尋常ではありません。都民の生活に責任を持つ知事として、これは看過することはできないと思っております。恒産なくして恒心なしという言葉がありますように、安定した職業という生活基盤があればこそ、明るい気持ちで生活していくことができます。
 目指すべきは、全ての人がみずからの能力を存分に発揮できる職につき、自信と希望を持って活躍できる社会であります。安定した仕事につきたいと望みながらも不本意な働き方をしている非正規の方々への就職支援を重点政策に位置づけてまいります。
 東京都は、社内での正社員への転換の推進や、就職氷河期世代に対するきめ細かな就職支援など、総合的な非正規雇用対策を国も巻き込んで強力に推し進めてまいります。人々に元気の源を供給するのが政治の役割であります。都民が豊かさを実感できる東京を実現するため、リーダーシップを発揮し、非正規雇用の問題に正面から取り組んでまいります。
 エボラ出血熱への対応についてでありますが、現在、我が国においては、水際対策として空港等での検疫を強化し、サーモグラフィーによる体温測定を実施するほか、発熱がない場合でも、流行国からの全ての入国者及び帰国者を健康監視の対象としております。さらに、健康監視対象者が発熱等の症状を呈した場合に備えて、対象者の情報は、検疫所と居住地等の保健所で共有することとなっております。
 都においても、国内での患者発生に備え、関係局、警視庁、東京消防庁、区市町村の代表者などをメンバーとする連絡会議を立ち上げ、都の指定医療機関三病院で専用車両を用いた患者受け入れの実践的な訓練を実施いたしました。
 また、十一月七日には、都内で疑似症患者が発生しましたが、都は、患者の自宅がある地元保健所と連携して、感染症指定医療機関への患者搬送を行いました。
 さらに、こうした訓練の検証や疑似症患者の発生事例を踏まえ、新たに東京都エボラ出血熱対応マニュアルを作成いたしました。マニュアルでは、各機関の連絡先をリスト化し、情報連絡体制を徹底するとともに、患者移送や疫学調査などにおいて、保健所が担う業務を発生段階に応じて具体的に明記いたしました。また、個人防護具の着脱方法を図解で示すなど、より実践的なものといたしました。
 今後も、都として、患者が発生した場合に備え、国や保健所、感染症指定医療機関など関係機関との連携を一層強化し、対策に万全を期してまいります。
 また、患者発生時に都民の皆さんがパニックにならないよう、さまざまな広報媒体を通じて、エボラ出血熱に関する正確な情報提供を行ってまいります。
 地球規模の課題の解決に取り組む人材の育成についてでございますが、現在、世界は、環境、貧困、防災、平和など、さまざまな地球規模の課題に直面しております。これらの課題は、相互に複雑に関係しておりますことから、一つ一つの課題をつぶさに見詰めるとともに、全体を俯瞰しつつ、互いに関連づけながら取り組むことで、一つの解決策の効果が複数に広がっていく、そういう取り組みが必要だと考えております。
 先日、海外の高校に留学した生徒たちと懇談する機会がありました。その中で生徒が、水素社会の実現に向けて必要な技術研究を行ってみたいとか、ユニセフで働いて世界の人々を笑顔にしたいと、そういった夢を語っておりました。将来、世界を舞台として活躍する意気込みに接して、本当にうれしく、また強い感銘を受けました。
 持続可能な社会を実現するためには、こうした生徒のように、さまざまな課題を地球的視野で考え、みずからの課題として取り組み、解決につなげようとする若者を育成する教育が必要であります。
 今後とも、国連が提唱するこうした教育を通し、日本の将来を担い、地球規模の課題の解決に貢献できる人材を東京都から育ててまいります。
 再生可能エネルギー拡大への取り組みについてでございますが、東京は、日本の首都、経済の中心として、都市活動を支える電力、エネルギー需給の安定を図るとともに、気候変動対策にも資する低炭素な電力の利用割合を拡大していくことが重要であります。
 このため、専門家による検討会で議論を進め、再生可能エネルギー拡大への目標設定や具体策について提言をいただきました。これを踏まえまして、十年後の二〇二四年までに、消費電力に占める再生可能エネルギーの割合を二〇%程度に高めることを目標に定め、長期ビジョンに反映してまいります。
 今後、都民や企業、区市町村とも連携し、都内での既存住宅等への太陽光発電の導入や都市型バイオマス発電の推進、官民連携ファンドによる東北地方等への大規模発電の導入拡大など、可能なものから速やかに取り組んでまいります。
 加えまして、エネルギー総量の削減が極めて重要であるとの観点から、省エネやエネルギーマネジメント、太陽熱、地中熱利用など、需要側の取り組みを推進し、需給両面にわたる取り組みの強化を図ってまいります。
 現在、電力系統への接続に制約がかかるなど、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた全国的な課題が明らかになっております。このため、他の自治体とも連携し、国に意見を申し述べてきたところでございますが、今後も、再生可能エネルギー拡大の機運を失速させることなく、導入を加速する方策を講じていくことを強く求めてまいります。
 目標の実現に向け多面的な取り組みを進め、東京オリンピック・パラリンピックにおいて、東京で再生可能エネルギーの導入が進んでいる姿を世界に示したいと思っております。
 循環型都市の構築についてでありますが、我々日本人は、古来より里山などに暮らし、田畑からは農作物を、森林からは果実やまき、炭などの恵みを享受するとともに、その副産物である灰や排せつ物をも堆肥として用いることにより、再び翌年の収穫につなげてまいりました。
 こうした日本の伝統的な暮らしの知恵は、今を生きる私たちが、世界一の循環型都市の形成を考える上で立ち返るべき原点であります。東京が今後も継続的に発展していくためには、都市活動から発生する食品残渣等の廃棄物を極力減らすとともに、可能な限り資源として活用することが肝要であり、廃棄物による発電は、電力需要地に直結した分散型電源としても重要な役割を担っております。
 また、多摩地域には森林資源が豊富に存在しておりまして、多摩産材の利用促進やバイオマスエネルギーとしての活用は、廃棄物の資源循環とあわせて、低炭素型の循環システムの構築に資することが期待できます。
 こうした東京の特徴を生かした資源エネルギーの地域循環、地産地消を進め、環境負荷の少ない持続可能な都市を構築し、江戸のレガシーを次の世代に引き継いでまいりたいと思っております。
 小笠原の振興についてでありますが、昭和四十三年の我が国への復帰以来、都は、小笠原の地理的、歴史的な事情等による課題の克服に向け、島民の生活に必要な社会基盤の整備を初め、医療、教育の充実など、さまざまな施策を推進してまいりました。
 本土から千キロ離れた小笠原諸島においては、とりわけ交通アクセスの改善は重要であると認識しておりますが、その一方で、航空路の開設には、自然環境への影響、費用対効果、運航採算性など、さまざまな課題があることもまた事実でございます。
 このため、国や小笠原村など関係者との調整を丁寧に行いながら、課題の整理、検討を着実に進めてまいります。
 今後とも、島民生活の安定や産業振興を図り、小笠原諸島の自立的発展を目指して積極的に取り組んでまいります。
 なお、先般予定しておりました視察は残念ながら中止となりましたが、改めて現地に赴きたいと考えております。
 なお、その他の質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁いたします。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) ESDのさらなる普及についてでございます。
 ESD、持続可能な開発のための教育を推進するユネスコスクールに指定されている学校では、地球規模の課題を相互に関連づけ、解決策を考え、行動する取り組みを行っております。
 例えば、社会科で世界の食料事情を学習した後、給食の残菜を調べ、残菜を活用した土づくりを地域の人々とともに行うことを通して、食について考える学習を行っております。さらに、食から世界の環境や経済の問題を考え、人類が命のつながりの中で生きていることを総合的に学んでおります。
 ユネスコスクールは都内でも年々増加しており、都教育委員会は、今後こうしたすぐれた事例を掲載したリーフレット等を配布するなどして、区市町村教育委員会等と連携し、ESDの一層の拡充を支援してまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

〇オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、二〇二〇年大会のレガシーについてでありますが、大会を契機に、都民共通の財産として真に価値あるレガシーを残していくため、先般設置いたしましたレガシー委員会において、庁内横断的な検討を開始いたしました。今後、選手村や競技施設の大会後の活用方策や、周辺のまちづくりとの連携のあり方などについて、民間や地域の意見も取り入れながら検討を加えてまいります。
 さらに、これらハード面のみならず、ソフト面でも確かなレガシーを残し、都民生活の質を向上させ、東京を成熟都市として一層発展させていかなければなりません。
 このため、スポーツ、観光、教育などソフトの分野についても検討を進め、二〇二〇年大会のレガシーの全体像を、来年度、レガシービジョンとして取りまとめてまいります。
 次に、被災地での競技開催についてでありますが、二〇二〇年東京大会は、復興した日本を世界に示す絶好の機会であり、被災地での競技開催は意義あるものと認識しております。現計画でも、サッカー予選の宮城県での開催を予定しております。
 このたび、モナコのIOC臨時総会において採択されたアジェンダ二〇二〇では、持続可能性等の観点から、既存施設の最大限の活用などを推進するとともに、開催都市以外での実施を認めることとしております。
 被災地を初め他都市での開催には、経費の負担や選手の宿泊、円滑な輸送など解決すべき課題はありますが、今後、その実現可能性につきまして、組織委員会とともに検証してまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

〇産業労働局長(山本隆君) 六点のご質問にお答えをいたします。
 まず、被災地応援ツアーについてでございますが、被災地応援ツアーは、東日本大震災による被災地復興支援のため、緊急対策の一環として平成二十三年九月から実施をしているところでございます。
 今年度は、昨年度に引き続き、福島県への旅行者を対象に宿泊二万泊、日帰り一万五千人分について、その費用の一部を助成しております。また、多彩な旅行商品の造成につなげるため、福島県の地域の魅力やイベントに関する情報を取扱旅行事業者に対し定期的に提供するなど、旅行の一層の促進や現地での消費喚起を後押ししております。
 今後、被災地応援ツアーにつきましては、福島県の観光の状況等を踏まえまして、検討してまいります。
 次に、ワークライフバランスの取り組みについてでございます。
 誰もが生き生きと働きながら、子育てや介護など家庭における役割を果たすためには、仕事と家庭生活の両立が可能となる雇用環境を整備することが重要でございます。
 都は、ワークライフバランスに関する社会的な機運を高めるため、すぐれた取り組みを行う中小企業を平成二十年度から認定、公表しており、今年度までで七十八社となりました。認定企業の取り組み事例は、ワークライフバランスイベントでのパネル展示やセミナー等を通じて紹介をしております。
 今後は、中小企業それぞれの職場の実態に応じた環境整備を一層促進するため、蓄積した取り組み事例を、企業規模別、業種別に発信するとともに、これまでに認定した企業の現状や課題等につきまして集約をし、公表していくことを検討してまいります。
 次に、仕事と介護の両立についてでございます。
 都は今年度、仕事と介護の両立に関する今後の効果的な施策展開に向けて、都内中小企業とその従業員の実態を把握するため、特別調査を実施しております。現在、来年二月の取りまとめに向けまして、アンケートについてデータの集計、分析を進めるとともに、訪問によるヒアリング調査を実施しております。
 これまでの回答では、介護がいつまで続くかわからないなど肉体的、精神的な負担から、仕事と介護の両立に不安を持つ従業員が約八割となっております。また、職場に迷惑をかけるのでやめざるを得ない、遠距離介護で経済的負担が大きいなどの声が寄せられております。
 今後、調査で浮かび上がりました実態等を踏まえまして、時期を逸することなく、具体的な事業展開につなげてまいります。
 次に、観光施設等のバリアフリー情報についてでございますが、障害者や高齢者が移動や滞在に必要な情報を容易に入手し、安心して都内観光を行うことができる環境を整備することは重要でございます。
 これまで都は、障害者等が宿泊施設を円滑に利用できるよう、そのバリアフリー化を支援するとともに、改修施設をウエブサイトに掲載いたしまして、情報を提供してまいりました。
 今後はこれに加え、障害者等が旅行先の選択肢をふやすことができるよう、観光施設や交通機関等を対象に、移動の支障となるバリアの有無やサポート体制などに関する情報を収集いたしまして、効果的に発信する方策を検討いたします。こうした取り組みによりまして幅広い情報の提供に努め、東京を訪れる障害者等が都内各地域で観光を堪能することができるよう支援してまいります。
 次に、無料WiFi環境の整備についてでございます。
 外国人旅行者がインターネットを手軽に利用できるようにするためには、簡便な登録手続により無料WiFiに接続できる環境を整備することが重要でございます。
 このため、都は、現在策定中の外国人旅行者の受け入れ環境整備方針に基づき、都立施設等に導入する無料WiFiサービスの利用手続を一元化し、一度の登録でどの施設でも接続可能な仕組みの構築を検討してまいります。
 また、商業施設や飲食店などの民間事業者が設置するWiFiにつきましても、利便性向上に向け一体的な取り組みが進むよう、国や自治体、事業者等で構成される無線LAN整備促進協議会の場を活用いたしまして、働きかけてまいります。
 こうした取り組みを通じ、旅行者にとって使いやすいWiFi利用環境の整備を推進いたします。
 最後に、外国漁船の違法操業に対する漁業対策でございます。
 漁業は、小笠原の基幹産業であり、漁業者が安心して操業できる環境を確保することは、都の重要な役割でございます。
 このため、都は、外国漁船の違法操業に対し、今後も国と緊密に連携を図り、漁業調査指導船による監視活動を継続してまいります。
 また、漁場への影響を調査するため、中国漁船が違法操業を行っていた海域を中心に、漁業調査指導船を活用した試験操業を開始したところであり、小笠原における漁獲の主要魚種となっているハマダイなどの漁獲量や魚体サイズ等のデータを収集してまいります。
 今後、こうした調査と漁業者の漁獲状況等も踏まえ、国と連携し漁場への影響を分析していくなど、貴重な水産資源の保全に向けた取り組みを強化してまいります。
   〔政策企画局長川澄俊文君登壇〕

〇政策企画局長(川澄俊文君) ワークライフバランスについてですが、ワークライフバランスは、一人一人がやりがいを感じながら働くとともに、家庭や地域でも充実した活動を展開できる、仕事と生活の調和のとれた社会を目指すために必要不可欠なものでございます。こうした観点から、長期ビジョンの中間報告では、企業における取り組みの推進など、ワークライフバランス実現のための施策の方向性を示したところでございます。
 個人が能力を十分に発揮することで豊かな都市生活をもたらすワークライフバランスの実現は、ご指摘のとおり、男女を問わず社会全体で取り組むべき重要な課題であり、都庁を挙げて積極的な取り組みを展開してまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 女性の活躍推進に向けた今後の展開についてでありますが、女性の活躍推進の加速化を図るため、今定例会において補正予算を提案し、来年度の公表に向けて、東京都初の女性活躍推進白書の作成に着手をいたします。
 策定に当たりましては、長時間通勤や核家族化など、大都市特有の女性の活躍を阻害する要因について、統計調査のみならず、当事者から意見を聴取するなど多角的に分析し、課題を明らかにしてまいります。
 また、企業や国内外の諸都市に対してヒアリングを行い、先進的な取り組み事例の調査を実施し、これらに基づき、東京が持つ高度に集積した人材や情報などの資源を活用した取り組みの方向性を示してまいります。
 また、白書の公表を機に、都がリーダーシップを発揮し、行政、企業、地域など、あらゆる主体を巻き込み、社会全体の改革への機運醸成を図るとともに、世界を代表する大都市である東京が課題解決に取り組む姿を、国際シンポジウムなどを活用して国内外に広く発信をしてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 九点のご質問にお答えします。
 まず、エボラ出血熱対策についてでありますが、都内で患者が発生した場合、患者の居住地等の保健所が、その患者と直接接触した家族等を対象に、感染の可能性がなくなるまで最大二十一日間の健康観察を行うこととなっております。
 具体的には、保健所が対象者の健康状態を一日二回確認するとともに、対象者の不安を軽減するため、保健所内に担当者を設け、必要に応じて自宅への訪問も行いながら、相談や助言を行うこととしております。
 こうした対策は、新たに作成した東京都エボラ出血熱対応マニュアルにも記載し、都内の全ての保健所に周知徹底を図っており、今後とも保健所と常に情報共有を図りながら、健康観察者への丁寧な対応も含め、患者発生時の対策に万全を期してまいります。
 次に、認知症疾患医療センターについてでありますが、都は現在、学識経験者、医師会、介護関係団体、保険者等から成る認知症対策推進会議に部会を設け、都における認知症疾患医療センターの今後の整備方針について検討を進めております。
 その中では、センターの機能や配置数、東京の特性を踏まえた指定要件等を検討しており、都は、新たな診療所型も活用しながら、センターを区市町村ごとに一カ所指定し、区市町村の保健、医療、介護関係者等との連携を強化していく方針でございます。
 また、現在の十二のセンターを二次保健医療圏の拠点に位置づけ、区市町村ごとに指定するセンターとネットワークを構築することにより、身近な地域で認知症の人と家族を支える体制を整備していきたいと考えております。
 次に、認知症初期集中支援チームについてでありますが、国は、平成三十年四月までに全区市町村が地域支援事業を活用して、認知症初期集中支援チームを配置することを求めておりますが、訪問支援の実績を有する医療機関が少ないことなどから、現在、都内で実施している自治体は一区一市にとどまっております。
 都は現在、区市町村に配置した認知症コーディネーターと認知症疾患医療センターに配置したアウトリーチチームが連携して自宅を訪問し、早期発見、早期診断につながる取り組みを進め、二十七の区市が実施しております。
 こうした取り組みが、認知症初期集中支援チームの配置につながるよう、今後、都は協力する医療機関の確保に努めてまいります。
 また、センターが培った訪問支援のノウハウを提供するなど、区市町村を積極的に支援してまいります。
 次に、認知症高齢者の医療体制についてでありますが、現在、都が指定している十二の認知症疾患医療センターは、身体合併症や行動、心理症状を有する認知症高齢者をみずから受け入れるとともに、地域の認知症に係る専門医療機関、一般病院や精神科病院等と緊密な連携を図り、地域全体で受け入れを促進していく体制を構築する役割を担っております。
 こうした取り組みを一層進めるため、現在、区市町村ごとに設置を検討している新たなセンターについても、十二のセンターと連携しながら、身体合併症等を有する認知症高齢者の受け入れに努めることを指定要件にする考えでございます。
 また、急増する認知症の人と家族を地域で支えるため、認知症ケアに従事する医療専門職向けの研修についても一層の充実を検討してまいります。
 次に、認知症高齢者グループホームについてでありますが、家庭的な環境の中で介護や日常生活上の世話を受けることのできる認知症高齢者グループホームは、自宅での生活が困難になった認知症高齢者の居住の場として重要でございます。
 そのため、都は、グループホームの整備に当たって、最大三ユニットで九千万円までの独自の補助を実施し、初期負担の軽減を図るとともに、補助金の交付審査の際には、利用者の家賃負担を原価相当額まで軽減するよう、区市町村を通じて事業者に求めております。
 また、低所得者に対する家賃等の軽減を行う事業者への助成が、平成二十四年度から介護保険法で区市町村の地域支援事業の一つに位置づけられており、今後その活用を区市町村に対し積極的に働きかけてまいります。
 次に、認知症カフェの運営支援についてでありますが、認知症カフェは、認知症の人やその家族、地域住民などが集い、主体的に活動する場であり、来年度は現時点で九の区市が地域支援事業で実施する意向を示しております。
 こうした取り組みに加えまして、都は昨年度から、三年間全額補助する包括補助の先駆的事業として、医師や看護師等と連携し、介護や治療についての必要な情報の提供や相談、助言などを行うことができる認知症の人とその家族の居場所づくりを行う区市町村を支援しております。現在六区市で実施されているこの取り組みは、医療機関と連携した認知症カフェと呼べるものであり、来年度はさらに多くの区市町村が実施に向けた検討を進めております。
 今後とも、区市町村が地域の実情に応じて認知症カフェを実施できるよう、積極的に働きかけてまいります。
 次に、認知症高齢者を地域で見守る取り組みについてでありますが、都はこれまで、認知症の人やその家族を支えるための関係者会議の開催や、徘回して行方不明となった高齢者を早期に発見するネットワークの構築など、地域における区市町村の取り組みを包括補助事業で支援してまいりました。
 また、区市町村の依頼に基づき、認知症が疑われる行方不明高齢者等の情報をメールやファクスで都内区市町村や近隣県に提供する取り組みも実施してまいりました。さらに現在、区市町村がみずから行方不明高齢者等の情報を更新し、いつでも最新情報を閲覧できる関係機関向けの情報共有サイトの構築を都独自に進めております。
 今後とも、こうした取り組みにより認知症高齢者を地域で見守るためのネットワークづくりを積極的に支援してまいります。
 次に、生活困窮者自立支援制度の施行に向けた取り組みについてでありますが、都はこれまで、実施主体である区市の体制整備を支援するため、各区市の準備状況に応じて個別に助言を行うほか、十月には実務担当者会議を開催し、十三区市で取り組んでいるモデル事業の成果と課題や、各区市の予算、人員の検討状況等について情報提供を行ってまいりました。
 しかし、お話のように、いまだ国から国庫補助基準額などが提示されないため、区市の施行準備にも支障が生じております。そのため、都は先月、国に対し早期の情報提示や十分な財政措置を求める緊急の提案要求を行いました。
 都としては、今後とも、来年四月の制度施行に向け、区市へのきめ細かな支援を行うとともに、国に対して必要な情報を早期に提示するよう、さまざまな機会を通じて積極的に働きかけてまいります。
 最後に、生活困窮者自立支援法の任意事業についてでありますが、生活困窮者は、失業、多重債務、子供の教育など多様な課題を抱えていることから、必須事業である自立相談支援の窓口設置だけでなく、就労準備支援や家計相談支援、子供の学習支援などの任意事業も実施し、対象者の状況に応じた包括的な支援を行うことが重要でございます。
 しかし、現時点では国から事業の実施規模や実施方法の確定に必要な情報が十分に提供されていないこともあり、来年度からの任意事業の実施予定は、学習支援が二十四の区市、就労準備支援が二十二の区市、家計相談支援が十四の区市にとどまっております。
 今後とも、地域の実情やニーズに応じて、より多くの区市が各種の任意事業に取り組めるよう積極的に働きかけるとともに、新たな支援策についても検討してまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、水素エネルギーの普及についてでございます。
 水素は、利用時にCO2を排出しないだけでなく、再生可能エネルギーの電力で製造するシステムが実用化すれば、低炭素社会の切り札ともなります。先日、水素戦略会議の中間まとめを行い、水素社会実現に向けた数値目標と取り組みの方向性について取りまとめをいたしました。
 この中では、燃料電池車導入や水素ステーション整備の促進などとあわせて、再生可能エネルギー由来の水素活用設備の導入促進や、都民に対する水素の特性や安全性の正確な情報提供なども盛り込んでおり、これらを進めるための都独自の支援策の実施に必要な補正予算案を本定例会に提案しております。
 今後、戦略目標の着実な実現に向けて官民一体となって取り組み、地産地消等の低炭素な水素の先導的な導入や、将来的なCO2フリー水素の活用も視野に入れて、水素エネルギーの普及に努めてまいります。
 次に、住宅の省エネ性能の向上等についてでございますが、既存住宅の約四割を占める無断熱の住宅は、平成十一年の省エネ基準を満たした住宅と比べて、冷暖房エネルギー消費量が二倍以上といわれております。
 こうした既存住宅の省エネ性能の向上を図る上では、熱の出入りが大きい開口部において断熱性能の高い複層ガラスを活用するなど高性能な建材を活用したリフォームが有効でございます。
 また、新築と比べて導入が進んでいない既存住宅での太陽光発電等の設置を推進するためにも、リフォームの機会を活用することが効果的であり、それぞれ別に取り組むよりも、工期短縮等のメリットも期待できます。
 今後、こうした観点を踏まえ、リフォームの機会を活用し、一層の省エネ促進と太陽光発電等の利用拡大の双方を効果的に進める仕組みについて検討してまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 中国漁船による違法操業対策についてでございます。
 小笠原、伊豆諸島周辺海域における中国漁船の違法操業により、島しょの基幹産業でございます漁業に影響を及ぼすなど、島民に大きな不安を与えたことは、大変ゆゆしき事態と考えております。
 今回の事態に際し、都は、取り締まりの強化や必要な法整備を国に強く要望してきたほか、海上保安庁などと連携し、都の漁業調査指導船による監視活動を行うとともに、外務省など国の機関や小笠原村との連絡会議を立ち上げ、情報の共有化、連携の強化を図ってまいりました。
 今後、同様の事態が発生し、島民の方々が二度と不安を抱くことのないよう、引き続き関係機関と緊密な連携を図るとともに、違法操業の取り締まり強化や外交ルートでの対応の強化など、実効性ある再発防止策を講じていくよう、関係局一体となり、国に強く働きかけてまいります。

〇副議長(藤井一君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後四時五十二分休憩

   午後五時十分開議

〇議長(高島なおき君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 八十一番大島よしえさん。
   〔八十一番大島よしえ君登壇〕

〇八十一番(大島よしえ君) 日本共産党都議団を代表して質問します。
 先日行われた総選挙で、日本共産党は、安倍政権の暴走ストップを訴えるとともに、消費税増税に頼らない別の道、北東アジア平和協力構想など、どの問題でも対案を訴えて戦い、改選議席の二倍を上回る二十一議席を獲得、東京でも三議席を得ることができました。
 我が党は、あらゆる分野で一致点に基づく共同を広げ、公約実現と都民の暮らし、福祉、雇用、営業を守り、充実するために全力を尽くす決意です。
 初めに、雇用対策について伺います。
 世界各国で今、ディーセントワーク、すなわち人間らしい労働の実現を目指す取り組みが広がっています。ところが日本では、こうした世界の流れとは逆に、雇用の破壊が進んでいます。労働者の三人に一人が非正規労働者で、そのほとんどが年収二百万円以下のワーキングプア、働く貧困層です。労働者の平均賃金は、この十七年間で年間七十万円も減り、実質賃金は十六カ月連続で前年を下回っています。
 しかも、正社員ゼロに道を開く派遣法の大改悪や限定正社員、残業代ゼロなど、さらなる雇用の破壊が計画されているのです。この流れを食いとめ、正社員が当たり前という社会を実現していくことが緊急に求められています。
 今定例会における所信表明で、知事が、働く人の三分の一が非正規という状況は尋常ではないという強い問題意識を持っている、安定した仕事につきたいと望む非正規の方々への就職支援を今後の都の重点政策に位置づけ、都が積極的に動いて、国をも巻き込んでいくことで、非正規の方々の正社員への転換を強力に推し進めていくと述べたことを私たちは歓迎するものです。
 雇用を守るためには国の政策を変えなければなりませんが、都としてもでき得る最大限の対策を進めることが必要です。
 知事は、都として、正規雇用への転換をどのように進め、いつまでにどれだけの正規雇用への転換を図るのですか。長期ビジョンで数値目標も明らかにして取り組むことが重要だと考えますが、知事、いかがですか。
 知事は、国の機関である東京労働局との協議の場も創設するとも述べましたが、どのような取り組みを進めるのですか。国と協議の場をつくるなら、非正規雇用の正規化とともに、ブラック企業、ブラックバイト対策や最低賃金の引き上げ、労働時間の短縮、過労死対策などについても協議し、これまでに倍する取り組みを強化していただきたいと思いますが、いかがですか。
 非正規の方の正規雇用への転換を進めるには、中小企業への支援が欠かせません。都は、正規雇用促進のために中小企業への助成など、支援を大幅に拡充すべきと思いますが、お答えください。
 東京都が雇用している非正規労働者は、知事部局だけでおよそ九千人に及びます。東京都自身がこれらの非常勤職員、臨時職員の職の正規雇用への転換と待遇改善に向け、率先して行動すべきです。また、都の入札契約制度の改善や公契約条例の制定などにより、都が発注した工事や委託事業にかかわる非正規労働者の正規化と待遇改善を促進することも重要ですが、お答えください。
 正規雇用化を進める上で、公共職業訓練の役割がますます重要です。職業訓練校の統廃合をやめて拡充し、都として責任を持って修了生を正規雇用につなげる手だてを尽くすことが求められています。いかがですか。
 都は、専門学校や短期大学に委託し、授業料を全額補助することで、介護福祉士や保育士などを養成する事業を行っています。建設や環境に携わる人材養成の職業訓練も始まっています。こうした人材不足が深刻な分野の職業訓練の規模と内容を大幅に拡充することが大事だと考えますが、お答えください。
 基礎的な技術とともに、最新の知識に対応できる実践的技術者を育てる職業能力開発大学校や短期大学校の役割が重要です。
 職能短期大学校、ポリテクカレッジ千葉は、電子エネルギー制御科、住居環境科、ものづくりシステム科など、多くの専門コースを設け、生産現場のさまざまな課題に応えることができる技術者養成を進めています。工場の自動化システムの設計、エコ住宅建設、航空整備などの技術を持った卒業生を県内の主要な中堅企業に毎年百数十人、一〇〇%の就職率で送り出し、就職後の活躍も高く評価されています。
 正規雇用の促進と都内中小企業が求める人材育成に向け、都として、職能開発大学校や短期大学校の設置を検討することを提案します。いかがですか。
 次に、国民皆保険の土台を揺るがせている国民健康保険料、保険税の問題です。
 ヨーロッパ諸国やカナダでは、公的医療制度の窓口負担は無料か少ない負担額に抑えられています。ところが、日本の医療制度は、医療費の窓口負担が原則三割で、医療費が払えないため医者にかかれない受診抑制という深刻な事態が生じています。
 その上、国民健康保険では、年金生活者や非正規労働者などが多くなり、加入者の収入低下が進んでいる中、保険料、保険税の値上げが繰り返され、滞納世帯の割合は五世帯に一世帯に及び、全国最悪です。滞納のため保険証を取り上げられ、短期証や資格証の世帯は十四万八千世帯を超え、滞納取り立てのための差し押さえ件数もふえ続けています。
 知事はこうした事態をどう認識していますか。世界一の福祉都市を目指すというなら、国民健康保険をめぐる深刻な事態を解決することは避けて通れません。違いますか。
 今、緊急に求められていることは、負担能力を超えた高い保険料をどう適正な保険料に是正していくかです。構造的ともいえる問題解決の第一義的責任は国にあります。社会保障に対する国の責務を果たすよう強く求めるべきことはいうまでもありません。
 同時に、広域自治体としての都の責任も問われます。保険料のこれ以上の引き上げを抑え、負担軽減を図るために、都としてどう手だてをとるのですか。保険料軽減のために、区市町村への財政支援を行うべきではありませんか。答弁を求めます。
 次に、小規模企業を初めとした中小企業対策です。
 小規模企業重視の施策を進めているEUは、ドイツを初め、小企業、自営業者がふえ、一部は輸出産業としても発展しています。このため、世界経済がグローバル化する中でも地域産業が空洞化せず、国の経済の土台を形づくっているのです。
 一方、我が国の小規模企業は減少を続け、経済センサス基礎調査によれば、都内の開業率が九%であるのに対し、廃業率は二一%にも及んでおり、小規模企業支援の抜本的強化が求められています。
 その点で、ことし六月に成立した小規模企業振興基本法は、小規模企業を、地域の経済や雇用を支える極めて重要な存在であり、その活力を最大限に発揮させることが不可欠であるとの立場から、小規模企業の事業の持続的発展を位置づけたものです。地方自治体に対しても、この立場から施策を策定して実施する責務があるとしています。
 知事は、東京の地域経済の担い手として、そして地域コミュニティの担い手として、かけがえのない役割を果たしている小規模企業の重要性をどう認識していますか。事業継承、人材確保、技術力の発展や製品化、販売戦略などについて思い切った支援を行う中長期の小規模企業振興計画をつくり、長期ビジョンでも明確に位置づけることが重要だと考えますが、いかがですか。
 都内に小規模企業の支援拠点は一カ所しかありません。大幅にふやし、内容を充実させることが必要だと思いますが、お答えください。
 墨田区の、あるばね工場は、卓上カードスタンドをデザイナーと連携することで人を引きつけるものにして、ニューヨーク美術館にも取り上げられ、世界からも注文が届いています。台東区では、デザイナーと共同することで、靴、アクセサリー等のファッション雑貨関連分野の地場産業の活力、競争力を高める取り組みが進んでいます。廃校になった小学校の空き教室を活用して、デザイナーの創業支援施設を提供することで、地元企業と連携した商品のデザイン開発を進めています。
 デザイナーとものづくりが共同することは、新たな価値を生み出します。都は、デザイナーとものづくりの共同をどのように発展させるのですか。支援事業を大幅に拡充すべきと思いますが、いかがですか。
 プロペラの曲面加工技術や、表面を滑らかに磨き上げる技術を活用した耐久性の高いチタン合金製の人工関節など、中小企業のものづくり技術と連携して、医療現場の課題を解決する医工連携の取り組みが全国各地で進んでいます。
 都内には、都立病院、大学病院を初め、多くの医療機関や大学があります。高度な技術力を持つ中小企業も集積しています。この二つの力を結びつけるなら、医療の発展、都内中小企業の発展、地域経済、日本経済の発展を同時に進めることができます。
 都として、集積する医療機関や大学と中小企業を結びつけ、医工連携を推進する体制の構築を急ぐとともに、医療とものづくり、それぞれの現場に精通して橋渡しができる専門家を養成、確保しつつ、医工連携事業を大幅に拡充することを求めますが、お答えください。
 次に、少子高齢社会対策の拡充について伺います。
 保育園や特別養護老人ホームの増設、待機児、待機者の解消は緊急課題であり、都が四年間で四万人分の保育園整備、特別養護老人ホームは十年間で最大一万九千人分の整備を打ち出したことは重要です。また、そのために欠かせない土地の確保について、都有地、国有地、民有地の新たな活用策を具体化し、都営住宅、公社住宅用地を十年間で三十ヘクタール提供するとしたこと、建築費高騰に対応した特養ホーム整備費の補助単価増額を提案したことも重要な前進です。
 都有地等の活用検討チームを設置して検討したことが、土地活用の拡充につながりました。今求められているのは、知事のイニシアチブを発揮し、この方針を早急に実行するため、全庁を挙げた取り組みを展開することだと思いますが、知事の答弁を求めます。
 そのために、活用可能な都有地については、保育園や特養ホーム、障害者施設など福祉施設整備に最優先で提供することを都の方針として徹底すべきですが、いかがですか。
 都有地等の活用検討チームを発展させる新たな段階に入りました。知事または副知事を責任者として、庁内の調整を行い、区市町村との相談窓口の機能を持ち、都有地などの提供を進める強い権限を持つ都有地等の活用推進チームを設置することが必要ですが、お答えください。
 都営住宅、公社住宅用地の三十ヘクタールについては、区市町村や事業者が見通しを持って計画的に取り組めるよう、各候補地について早急に区市町村と協議を進めることが必要です。いかがですか。
 葛飾区は、都営高砂団地の建てかえで生まれた広大な用地を特養ホームの整備に提供するよう繰り返し要望していますが、都は、建てかえが全て終了しなければ提供できないとしています。これでは施設整備の緊急性に対応できません。建てかえが終了していなくとも、区と協議に入るべきです。
 国有地についても、福祉施設整備への活用が進むよう、都として力を尽くすことを求めますが、いかがですか。
 知事は、長期ビジョンの重点政策として、高齢者が地域で安心して生活できる基盤整備を掲げています。東京における深刻な現状を打開するにふさわしい高い目標を掲げ、特養ホームを初めとした介護施設や地域密着型サービスの整備計画を明確にした取り組みを進めることが重要ですが、知事、お答えください。
 理学療法士が開設した藤沢市の小規模多機能施設が今注目されています。リハビリの専門職ならではの工夫をして、一人一人の意欲や能力を引き出す支援をすることで、利用者の実に六五%の介護度が改善傾向にあると報告されています。リハビリ専門職の役割の重要性をどのように認識していますか。
 国は、複合型サービスを創設し、小規模多機能に看護師を配置する際の介護報酬加算を導入しました。しかし、リハビリ専門職には加算がありません。リハビリの努力をして介護度が下がれば、事業所の収入が減りますから経営は厳しくなります。リハビリ専門職の加算を国に求めるとともに、都として、リハビリ専門職を配置した小規模多機能施設の取り組みを広げるよう、支援に踏み出すことを要望しておきます。
 保育園や介護サービスを量、質とも拡充する上で、人材確保は緊急の課題です。都が実施した保育士実態調査報告書では、給料が低い、仕事量が多いなど、待遇の問題を退職理由にする人が多く、保育士の確保、定着の取り組みには避けられない課題だと分析しています。
 ベネッセ教育総合研究所が全国の幼稚園、保育園などの園長を対象に実施した調査でも、保育者の資質向上には、七割以上が給与面での待遇改善、約六割が職員配置基準の改善が必要だと回答し、国や自治体に対し、それが実現できる支援を求めています。
 介護職についても、介護施設の職員六千人以上から寄せられたアンケートで、仕事をやめたいと思う理由のトップは賃金が安い、次いで仕事が忙し過ぎるとなっています。
 保育士の賃金は、国内の労働者の平均賃金と比べて年間百万円以上も低く、介護職はさらに低いのです。このような低い賃金で働いている実態をどう認識しているのですか。保育士や介護職の待遇改善については、基本的な給与を思い切って引き上げることが必要だと思いますが、いかがですか。こうした立場で国に提案要求するとともに、都としても独自助成を含む対策を進めることを求めますが、お答えください。
 また、仕事量が多い、忙し過ぎるという問題を解決しなければ、人材確保、定着は進みません。保育も介護も、現行の職員配置の抜本的な改善を図るよう求めておきます。
 福祉人材確保に向け、効果的な情報提供や職業紹介等を行うため、人材バンクの設置が求められています。都は、福祉人材の確保に向け、どのように取り組むのですか。
 財務省は、十月末、公立小学校一年生の三十五人学級を見直し、一学級四十人に戻すべきだとする案を財政制度等審議会で提案しました。教員定数を四千人削減することで、義務教育国庫負担金を八十六億円削減できるというのです。
 財務省は、国が小学校一年生を三十五人学級とした二〇一一年度以降の二年間と、その前の五年間を比較し、いじめや不登校などに効果がないとしていますが、そもそも東京都を初め、全ての都道府県で二〇一一年度以前から、国に先駆け、独自の努力で少人数学級を実施、拡大しており、その比較に意味はありません。
 全国各地の自治体では、児童一人一人の発表の機会がふえたので学習意欲が向上した、生徒の変化に速やかに気づき迅速に対応することができるため、いじめや不登校などの問題行動の早期発見が可能になったなどの効果が報告されています。
 東京都は、二〇一〇年度から小学校一、二年生及び中学一年生で三十五人学級を可能とする教員加配を行い、効果があったとの認識を示しています。少人数学級でどのような効果があったのか、お答えください。
 参議院文教科学委員会は、財務省の提案を到底容認できないとし、義務標準法改正により、小学校二年生以上も順次三十五人学級とすることを求める決議を全会一致で可決しました。文科大臣も、三十五人学級は、今の学校を考えたらきちっと達成すべきと発言しています。東京でも、校長会、副校長会など教育関係者や保護者を初め、多くの都民から三十五人学級を拡大してほしいという強い要望が上がっています。
 そもそも、日本における教育への公的支出のGDPに占める割合は、OECD加盟三十二カ国の中で最下位です。にもかかわらず、義務教育への国の支出をさらに減らす、そのために、四十人学級に戻すことなど到底許されません。知事はどう思いますか。
 国に対し、財務省の方針を撤回し、三十五人学級を着実に進めるよう求めるべきです。都としても、都民要望に応え、独自に三十五人学級を拡大すべきと考えますが、いかがですか。
 首都直下地震対策について伺います。
 内閣府による、首都直下地震の復興対策のあり方に関する検討の調査報告書を読んで驚きました。そこでは、関東大震災では、全部の資金や技術を都心に向けられたので、都心の改造ができた、投資を集中するという選択肢もある、個人への財政支援については限界がある、百万か二百万円を一律で支給、あとは自助努力に任せるという可能性も考えられるなどと、都民の生活と住宅再建などへの支援を大幅に削ることが検討されているのです。
 これまで、不十分とはいえ、被災者に対して行われてきた生活と住宅再建への公的助成を大後退させかねない議論です。いかなる事態になろうとも、支援を後退させることなく、むしろ充実して都民生活を守ることは国や都の責務だと思いますが、いかがですか。
 今、都が何よりも緊急に進めるべきは、最大で死者九千七百人、建築物の被害三十万四千棟という膨大な被害を最小限に抑えるための予防対策であり、中央防災会議が指摘しているように、あらゆる対策の大前提として、建築物の耐震化を進めることです。
 中央防災会議は、地方自治体が耐震化の必要性について広く周知徹底を図るだけでなく、補助制度や税制優遇措置などを活用することを強調し、国交省も、建築物の耐震改修は社会全体の国家的な緊急課題として、負担軽減のための制度の構築を指摘しているのです。知事は、こうした方針をどう受けとめていますか。
 今、都に求められているのは、耐震化への助成の大幅拡充です。これによって、住宅被害や死傷者を大幅に少なくできます。そして、復興費用も大幅に少なくできるのです。
 兵庫県では、阪神・淡路大震災による建築物の全壊が十万四千棟、半壊は十三万七千棟発生しました。被害住宅の撤去、仮設住宅の建設、撤去費用、さらに住宅再建や公営、民間借家への入居など、公的費用の投入は莫大なものでした。
 東京大学の研究者によれば、全壊では一棟当たり最大一千五十万円、半壊は同じく九百万円に及んだと推定されています。この試算を首都直下地震の被害想定に当てはめると、東京での公的資金投入の必要額は、全壊で最大一兆三千億円、半壊で三兆円、合わせて最大で四兆二千億円に達すると推定されます。
 しかし、耐震化助成を拡充すれば、都の負担は千数百億円程度で済みます。まさに損して得をとるものであり、一石二鳥、三鳥の効果があるのです。
 経団連も国民の生命と財産を守るため、新耐震基準を満たしていない住宅の建てかえや耐震改修に対して、耐震診断、改修費用の補助を求めているのです。
 住宅耐震助成の大幅拡充について、今こそ積極的に検討していただきたいと思います。いかがですか。
 火災対策の強化も緊急課題です。中央防災会議は、延焼火災が発生する危険が高い地域を中心に、大地震発生時に速やかに電力供給を停止する方策や取り組みを検討すること、感震ブレーカー等の一〇〇%配備の方策の検討を進め、早急に実施すべきとしています。
 感震ブレーカーの普及について、都としてどう検討し、どう進めるのですか。有効性、信頼性をさらに向上させる取り組みや都民への啓発の強化とともに、購入設置費への助成も必要だと思いますが、いかがですか。
 また、超高層ビルなどの火災対策には、ヘリコプターによる空からの消火や救出が有効です。航空消防体制の機能強化と拡充が重要ですが、東京消防庁の見解についてお答えください。
 次に、オリンピック・パラリンピックについてです。
 我が党はこれまで、オリンピックの競技会場は、隣接県も含め、既存施設の最大限活用に努め、整備費は必要最小限に抑えること、都民、スポーツ団体が利用しやすい、後利用計画を明らかにすることを求めてきました。
 知事がこうした立場で施設計画の見直しを進めていることは重要です。しかし、都が負担する会場整備費は二千五百七十六億円と、当初計画より一千億円も高く、有明アリーナの土地購入費二百十一億円なども含めれば、さらに膨らみかねません。
 IOC総会で先週採択された、オリンピックアジェンダ二〇二〇では、持続可能性とレガシーがより一層重視され、既存施設の活用や他都市での分散開催などの開催条件の緩和が承認されました。
 この視点に立って、改めて現在の計画を見直し、整備費の縮小など、さらなる改善を図ることが求められますが、知事、いかがですか。
 我が党は先日、会場変更を検討するよう申し入れましたが、ボート競技を行う海の森水上競技場は、競技の公平性の確保が難しく、維持管理費の高騰は避けられないなど、さまざまな欠陥があります。改めて会場変更の検討を求めておくものです。
 当然、新国立競技場計画もアジェンダ二〇二〇の視点に基づいて見直すべきです。知事もロンドンを視察し、メーンスタジアムについて、最初から大きくしてどうだったのかと述べましたが、国の施設であるとはいえ、開催都市として国と協議すべきではありませんか。知事、お答えください。
 所信表明で、知事がレガシー委員会を設立し、レガシーの全体像をまとめていくと発言したことは重要です。レガシー計画では、一人一人を大切にし、平和で持続可能な社会を目指すというオリンピック憲章の精神に立脚し、競技会場や選手村の後利用計画、都民、青少年のスポーツ参加の促進にとどまらず、都民生活、環境、障害者施策の向上などをどう図るのか、目標を明確にして取り組むことを求めます。いかがですか。
 次に、長期ビジョンについてです。
 知事は、間もなく発表する東京都長期ビジョンで、さまざまな分野で世界のどこよりも上質な生活ができる都市を実現するとしています。それならば、子供の貧困のない東京の実現や、都営住宅の平均応募倍率が全国最悪の二十四・五倍にも及び、劣悪な住環境を余儀なくされ苦しんでいる人たちの救済にどう取り組むのですか。都民の暮らしをしっかり守る立場と政策を長期ビジョンで明確に打ち出すべきと考えますが、いかがですか。
 OECDは、最近、成長の恩恵が自動的に社会にしたたり落ちるものではない、格差問題に取り組めば、社会を公平化し、経済を強固にすることができるとの報告書を出しています。この立場からいっても、これまでの石原都政以来の長期ビジョンによる重点事業のあり方を改める必要があります。
 例えば、昨年出された長期ビジョンの三カ年計画に基づく重点事業は、全体事業費の三一%を外環道や過大な港湾施設整備、外国の多国籍企業などを呼び込む巨大開発などにつぎ込む一方、高齢社会対策は三%、少子化対策は二%にすぎないなど、都民の暮らしや福祉を守る立場は極めて貧弱でした。
 新しい長期ビジョンは、大型開発や金融資本の呼び込みを最重点にするのではなく、都民の暮らし、福祉、雇用、中小企業、そして防災対策などに重点を置くものに思い切って切りかえ、三カ年の重点計画にも明確に反映させることが必要と考えますが、知事、いかがですか。
 日米両政府は、米海兵隊のMVオスプレイの訓練を日本全土に拡大しようとしており、横田基地へも繰り返し飛来しています。このため、多くの自治体や住民の不安と怒りの声が広がっています。知事は、国の専管事項だといっていますが、都知事には、都民の命と安全を守る重い責務があるのです。
 沖縄県は、オスプレイの飛行実態について調査を行いました。その結果、オスプレイの飛行が目視されたもののうち、六〇%以上が、学校、病院、人口密集地の上空でした。しかも、深夜十時以降の夜間飛行や無灯火での離発着訓練など、戦地を想定した危険な訓練が繰り返されています。
 都として、沖縄県のように、オスプレイの飛行実態について調査すべきです。いかがですか。
 そもそも横田基地は、人口密集地の中にあります。そこに危険なオスプレイが飛来すること自体、許されません。横田基地にオスプレイを飛来させないよう、国に厳しく申し入れるべきです。知事、お答えください。
 米軍横田基地は、戦後七十年近く、一国の首都に外国の基地が居座るという世界で例のない異常な存在です。知事、そう思いませんか。
 都は、都民の安全・安心を脅かす実態を踏まえて、毎年、国に米軍基地の整理、縮小、返還の促進を求めています。知事としてどう取り組むのですか。
 横田基地はもちろん、赤坂プレスセンター、多摩サービス補助施設など、都内八カ所の米軍基地全てについて、整理、縮小、返還の実現に力を尽くすべきです。
 答弁を求め、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 大島よしえ議員の代表質問にお答えいたします。
 まず雇用対策についてでありますが、安定した職業という生活基盤があればこそ、明るい気持ちで生活していくことができます。非正規雇用の現状には、かねてより問題意識を持っております。働き方にはいろいろありますが、正規雇用など、希望に応じた働き方を選択し、実現できることが重要であります。
 都は、安定した仕事につきたいと望みながらも、不本意な働き方をしている非正規の方々に対して、社内での正社員への転換の推進や、きめ細かな就職支援などの対策を国も巻き込んで実施してまいります。
 なお、長期ビジョンについては、年内の公表に向けて、現在、鋭意策定中でございます。
 小規模企業に対する認識についてでありますが、都内中小企業の約八割を占めます小規模企業は、地域の経済や雇用を支えておりまして、その事業の継続と発展を図ることは、東京の産業振興にとって重要であります。
 このため、都はこれまでも、経営、技術、資金繰りなどの面から小規模企業を幅広く支援しております。
 今後とも、商工会、商工会議所などと連携し、小規模企業の持続的な発展を後押ししてまいります。
 少子高齢化対策における土地活用策等の全庁的な取り組みについてでありますが、私は、福祉施設の整備促進のため、知事就任後、直ちに関係各局に対して土地活用策の検討を指示いたしました。
 この結果、七月末には、都有地減額制度の大幅な見直しに加えまして、都営住宅等の建てかえによる創出用地の活用や区市町村に対する情報提供の充実などを取りまとめ、翌月から順次実施しております。
 また、第三回定例会には、国有地、民有地への賃借料補助制度の創設など、予算措置が必要な取り組みについて補正予算を提案し、議決をいただきました。
 さらに、本定例会におきましても、特別養護老人ホーム整備に係る加算補助の創設など、施策の充実を図る補正予算を提案しております。
 これらの方策を、スピード感を持って全庁を挙げて進めてまいります。
 介護基盤の整備についてでございますが、多くの高齢者は、たとえ介護が必要になっても、可能な限り住みなれた地域で生活したいと望んでおります。その願いに応えるためには、高齢者のための住まい、医療、介護、生活支援サービスを地域の中で一体的に提供する地域包括ケアシステムを構築していかなければなりません。
 こうした考えに立ちまして、今月策定する長期ビジョンでは、高齢者が地域で安心して暮らせる社会の実現を政策指針の一つに位置づけまして、具体的な政策目標をお示ししたいと思っております。
 また、年度内に策定する第六期東京都高齢者保健福祉計画では、ご指摘をまつまでもなく、区市町村の算定したサービス見込み量を踏まえ、全ての介護サービスについて、二〇二五年度までの必要なサービス量を推計し、施策の展開を図る考えでございます。
 オリンピック・パラリンピックの競技会場計画についてでございますが、今般の再検討によって、二〇二〇年大会の計画を都民にとって真に価値のある計画に生まれ変わらせるとともに、懸念されていた整備費に関しましては、全体としておおむね約二千億円圧縮することができました。
 先日、IOCにおいて採択されましたアジェンダ二〇二〇の既存施設の活用という方針は、都と組織委員会がこれまで実施してきた再検討の方向と一致しております。
 引き続き、基本設計などを通じて整備費の縮減に努めますが、それだけに目を奪われて、大会後の競技会場を広く都民に利用され、喜ばれる施設にするという、この本来の目的も忘れてはならないと思っております。
 今後とも、組織委員会と連携して、大会の準備に万全を期する覚悟でございます。
 新国立競技場についてでありますが、新国立競技場建設は、国及び日本スポーツ振興センターが責任主体となって整備を進めております。建設に当たりましては、国立競技場将来構想有識者会議が設置され、その中で、有識者や各分野の専門家により、規模や後利用等の基本方針が検討された上で、現在、実施設計が進められております。
 都としては、二〇二〇年大会のオリンピックスタジアムとして活用できるよう、着実な整備を求めてまいります。
 長期ビジョンにつきましてですが、中間報告では、医療、雇用などの福祉政策や、防災、防犯などの危機管理対策、さらには、インフラ整備や都市再生の推進、経済の活性化など、重点的に取り組むべき真に必要な政策を掲げております。これらをバランスよく推進することで、ここで生まれ、生活し、老後を過ごすことができてよかった、そう思える東京の実現を目指してまいります。
 なお、ご指摘をまつまでもなく、今後、こうした考え方のもとに三カ年の実施計画を策定し、着実な政策の推進を図ってまいります。
 横田基地についてでございますが、アジア太平洋地域の安全保障環境が厳しさを増す中、日米安全保障体制は、我が国の安全とともに、地域の平和と安定にとって不可欠なものであります。横田基地を初めとする都内の米軍基地も、その一翼を担うものと認識しております。
 また、米軍基地は、日米地位協定に基づき、必要でなくなった場合は我が国に返還されなければならず、その必要性が絶えず検討されることになっております。
 都としては、そういう取り組みが促進されるように国に求めております。
 なお、そのほかの質問につきましては、教育長及び関係局長から答弁させます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、小学校第一学年、第二学年及び中学校第一学年への教員加配の効果についてでありますが、小一問題、中一ギャップの予防、解決のために、都教育委員会は、平成二十二年度から、学級規模の縮小とチームティーチングの活用を各学校の実情に応じて選択できる柔軟な制度を順次導入してまいりました。
 教員の加配を受けた学校からは、授業中の学習態度など、児童生徒の状況が改善されたという肯定的な意見が回答されております。
 次に、四十人学級に戻すことについてでありますが、国の財政制度等審議会の分科会におきまして、本年十月、小学校第一学年の学級編制の標準を四十人に戻すべきとの提案がなされました。
 都教育委員会は、小一問題の解決のためには、小学校第一学年の三十五人編制は有効であると考えております。
 次に、国に求めることについてでありますが、都教育委員会は、これまでも国に対して、さまざまな教育課題を解決するための教職員定数を一層充実すべきとの提案要求を行っております。
 小学校第一学年の学級編制の変更については、反対を含めてさまざまな意見があり、国の動向を注視してまいります。
 最後に、都としての三十五人学級の拡大についてでありますが、都教育委員会は、小一問題及び中一ギャップの解決のため、小学校第一学年、第二学年及び中学校第一学年において三十五人編制を可能としております。
 義務教育における今後の学級編制のあり方は、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から、国の責任が大きいと考えております。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

〇産業労働局長(山本隆君) 九点のご質問にお答えをいたします。
 まず、国との連携についてでございます。
 都は、東京労働局との協議の場を創設することにより、若者の就労問題や人手不足など、国とともに取り組むことで相乗効果が期待される課題に対して、各局連携して取り組んでまいります。
 次に、正規雇用促進に向けた中小企業支援についてでございますが、都は、若者を職場実習を行った上で正社員として雇用した中小企業に対する奨励金の支給や、社内での正規雇用への転換等に取り組む中小企業への専門家の派遣など、必要な支援を実施しております。
 今後とも、正規雇用促進に向け、必要な対策を講じてまいります。
 次に、公共職業訓練についてでありますが、都は、職業能力開発センターにおいて、正規雇用に向けた多様な職業訓練や、きめ細かな就職支援を実施しております。
 なお、現在進めている再編整備は、老朽化が著しい施設の改築に合わせて統合、大規模化を図り、機能を拡充するものでございます。
 次に、公共職業訓練の規模と内容についてでございますが、都が実施する職業訓練は、これまでも求人ニーズや応募状況等を踏まえて毎年度見直しを行い、適切に実施しております。
 次に、職業能力開発大学校等についてでございますが、都内には、国の独立行政法人が設置している職業能力開発総合大学校がございます。また、既に多くの大学や専門学校等が集積しており、これも活用しながら、都として職業能力開発に取り組んでおります。
 次に、小規模企業の振興についてでございますが、都はこれまでも、小規模企業に対する幅広い支援を実施しております。引き続き、国の小規模企業振興基本計画も踏まえ、必要な支援を行ってまいります。
 なお、長期ビジョンにつきましては、年内の公表に向けて調整を進めているところでございます。
 次に、小規模企業に対する支援の充実についてでございます。
 都は、都内の八つの商工会議所及び二十七の商工会が行う小規模企業に対する巡回指導や講習会などの取り組みを積極的に支援しております。
 次に、デザイナーとものづくりの共同についてでございます。
 都はこれまでも、デザインを活用した製品開発を進めるため、中小企業とデザイナーが共同して行う取り組みを支援しております。
 最後に、医工連携についてでございますが、都は、健康や医療など、今後の成長が期待できる産業分野での技術開発に取り組む中小企業を支援するとともに、取り組みをコーディネートする専門家の派遣も行っております。
 今後とも、必要な支援を行ってまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、都の非常勤職員及び臨時職員についてでございます。
 職員の職の設置に当たっては、多様化、高度化する行政ニーズに対応するため、事務の種類や性質に応じてさまざまな任用形態を活用していくことが重要でございます。
 そのため、都では、個々の職務内容及び業務量等に応じて、常勤職員、非常勤職員及び臨時職員など、最も適切な職を設置し、適正な人員管理のもと、効率的な執行体制の確保に努めております。
 また、処遇につきましては、これまでも必要な改善に努めてまいりましたが、今般の一般職非常勤制度の導入により、休暇、休業制度の拡充など一層の改善が図られることとなります。
 今後とも、適切な勤務条件の確保に取り組んでまいります。
 次に、首都直下地震における被災者支援についてでございます。
 ご指摘の内容は、首都直下地震の復興対策の検討のために平成二十年三月に開催されました内閣府の懇談会におけるそれぞれの委員の意見として、議事概要としてまとめられたものでございます。
 都といたしましては、ご指摘の内容に基づく制度改正などの具体的な国の動きは承知しておりません。
 都においては、首都直下地震などの際には、復興に向けて都が取り組むべき施策を取りまとめた東京都震災復興マニュアルに基づき復興事業を総合的に進めていく中で、被災者への適切な支援を行い、一日も早い都民の生活再建を目指してまいります。
 最後に、感震ブレーカーの普及についてでございます。
 都の被害想定では、区部木造住宅密集地域を中心に、建物倒壊や焼失による被害が想定されております。このため、都は、建築物の耐震化、不燃化に向けた取り組みに加え、家具類の転倒等防止対策や感震機能つき分電盤等の普及促進などに取り組んでおります。
 一方、国は、感震ブレーカーの有効性、信頼性を確保するための技術的検討、医療機関等の取り扱いなどを現在検討しております。
 都といたしましては、引き続き、住宅の倒壊や火災を防ぐ安全な都市づくりの実現を目指し、地域防災計画に基づくハード、ソフト両面の対策を推進してまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、非正規労働者の正規化などに向けた入札契約制度の改善等についてでありますが、都はこれまでも、公共工事の担い手を確保する観点から、契約に当たり、受注者に対して法令遵守を義務づけるなど、適正な労働条件の確保を図ってまいりました。
 引き続き、こうした考え方のもと、現在進めている入札に参加しやすい環境の整備に向けた取り組みを通じて、総合的に取り組んでまいります。
 次に、都有地を福祉施設整備に最優先で提供すべきとのことについてでありますが、都有地は都民から負託を受けた貴重な財産であり、都政の喫緊の課題解決のため、最大限有効活用していくことが重要であります。
 都や区市町村が抱える行政需要は、福祉施設整備を初め、学校、道路、公園、都民の安全・安心にかかわる施設など多岐にわたっております。
 今後とも、こうしたさまざまな行政需要に対し、土地の形状や立地等を踏まえ、都有地の有効活用を適切に進めてまいります。
 最後に、都有地を活用した福祉インフラ事業の推進についてでありますが、都はこれまでも、関係各局が土地の情報を共有し、担当局を通じて地元の区市町村と密接に連携することにより、円滑に事業を推進してきております。個々の都有地には、区市町村が福祉目的で使いたいと考える土地であっても、道路用地など他の政策目的に活用するなど、利用できない土地も多数含まれております。
 今後とも、関係各局と連携し、個々の土地の利用計画も含めて十分調査、把握しつつ、福祉インフラ整備に活用可能な未利用都有地について情報提供を行うなど、区市町村の取り組みを支援してまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 六点のご質問にお答えします。
 まず、国民健康保険についてでありますが、現在の国民健康保険制度には、医療費が高く所得の低い高年齢者や、失業者などの低所得者の占める割合が高く、保険料の確保が困難であるなど構造的問題があり、国民皆保険制度を守るという観点から、制度設計者である国が責任を持って抜本的解決策を講じることが必要であります。
 現在、国民健康保険の基盤強化に関する国と地方の協議において、制度見直しに関する議論が進められており、都は既に、国に対し、構造的な問題の解決、必要な財源の確保等について提案要求をしております。
 次に、国民健康保険料の負担軽減についてでありますが、国民健康保険制度の保険者は区市町村であり、保険料や保険税の賦課方式や料率は、それぞれの自治体の議会で審議され決定されるものでございます。
 都は、国民健康保険制度の健全かつ安定的な運営を図るため、法令等に基づき各保険者に対する財政支援を行っております。保険料負担軽減のため、都として新たな支援を行うことは考えておりません。
 次に、国有地の活用についてでありますが、国は、平成二十二年六月の新成長戦略を踏まえ、同年八月に未利用国有地について、個々の特性に応じた多様な手段を選択できるよう、原則売却であった管理処分方針を見直し、定期借地権を利用した貸し付け等も行えるようにいたしました。
 また、管理処分に当たっては、地方公共団体等からの要望を優先し、新成長戦略に盛り込まれた介護、子育て分野での活用の要望があった場合には、地方財務局等の審査を経て、売却等の決定を行うこととしております。
 都は、国有地を活用した社会福祉施設の整備が進むよう、土地の貸付料の減額や利用可能な国有地情報の早期提供などを、国に対して既に提案要求しております。
 次に、リハビリ専門職の役割についてでありますが、介護保険において、居宅サービスにおけるリハビリテーションは、利用者の心身の機能の維持回復を図り、自立した日常生活を営むことができるよう、訪問リハビリテーション事業所や通所リハビリテーション事業所などに配置されている理学療法士や作業療法士などの専門職が、医師の指示及びリハビリテーション計画に基づき提供することとされております。
 次に、介護職員や保育士の処遇についてでありますが、介護職員については本年六月、介護・障害福祉従事者の人材確保のための介護・障害福祉従事者の処遇改善に関する法律が成立し、現在、社会保障審議会介護給付費分科会において具体的な検討が進められております。また、保育士については、子ども・子育て支援新制度の中で、処遇改善が図られる予定でございます。
 介護職員や保育士の処遇における一番の問題は、キャリアパスの仕組みが十分でないことであります。そのため、都は国に対し、制度の中にこうした仕組みを整えるよう提案要求しております。また、こうした考えに立って、現在、都独自の補助制度の見直しも検討しております。
 最後に、福祉人材の確保についてでありますが、都はこれまで、福祉人材を確保するため、東京都福祉人材センターにおける職業紹介、あっせんや人材の定着、離職防止に向けた相談支援など、さまざまな取り組みを行ってきており、本定例会では、保育人材の確保、定着を促進するため、職員宿舎借り上げ支援を行うための補正予算を提案しております。
 また、現在、介護福祉士や保育士等の資格取得者情報の活用についても検討を行っております。
 今後とも、福祉人材の確保、育成、定着に努めてまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

〇都市整備局長(安井順一君) 七点のご質問にお答えいたします。
 まず、都営住宅、公社住宅における福祉インフラ整備のための候補地についてでございますが、都は、都営住宅や公社住宅の建てかえに伴い創出した用地のうち、福祉インフラ整備に活用可能な候補地につきましては、情報提供など区市町村の取り組みを支援していくこととしております。
 次に、都営高砂団地の建てかえにおける創出用地の活用についてでございますが、都営住宅におきましては、これまでも老朽化した住宅の建てかえを推進するとともに、敷地の有効利用を図って用地を創出し、その用地を活用して道路、公園、福祉施設整備など、さまざまな取り組みを進めてまいりました。
 今後とも、都営住宅の建てかえにおきましては、地域の特性や個々の土地の状況などを勘案しながら、創出用地の活用を図ってまいります。
 次に、国の耐震化の方針などについてでございますが、首都東京の防災力を強化し、首都直下地震への備えに万全を期すことは、都としての当然の責務でございます。
 国においては、平成十八年一月に国土交通省の方針が、平成二十六年三月に中央防災会議の大綱が出されており、特に、木造住宅密集市街地や緊急輸送道路沿いの建築物の耐震化に重点的に取り組むとしております。また、平成二十六年三月に閣議決定されました首都直下地震緊急対策推進基本計画では、自助、共助、公助のバランスのとれた防災対策が重要としております。
 都は、こうした国の方針などを踏まえまして、より多くの都民の生命、財産を守り、首都中枢機能を確保する観点から、耐震診断、耐震改修助成や固定資産税の減免等の施策を実施しております。
 次に、住宅の耐震化助成の拡充についてでございますが、都はこれまでも、東京全体の安全性を高める観点から、国や区市町村との適切な役割分担のもとに、老朽木造建物の密集度が極めて高い整備地域に的を絞り、木造住宅の耐震化助成を重点的に行っております。
 これにより、震災時の住宅の倒壊による道路閉塞や延焼拡大を防止し、大規模な市街地火災による人的、物的被害を最小限に抑えることが可能となります。
 引き続き、限られた財源のもと、防災対策上の優先度を考慮いたしまして、耐震化助成を効率的、効果的に実施してまいります。
 次に、オスプレイの調査についてでございますが、オスプレイにつきましては、在日米軍に関する両政府間の協議機関である日米合同委員会の合意に基づき運用されることになっております。したがって、その遵守状況につきましては、国が責任をもって確認すべき事項だと考えております。
 次に、オスプレイに関する国への申し入れについてでございますが、安全保障に関することは国の専管事項でございまして、米軍の運用に当たっては、安全面に最大限の配慮を行うとともに、地域への影響を最小限にとどめるよう、国としても米側に申し入れを行っております。
 都としても、オスプレイの運用に当たっては、いまだ地元住民に不安の声があることから、国に対して、地元への情報提供や説明を丁寧に行うよう要請しております。
 最後に、米軍基地の整理、縮小、返還についてでございますが、米軍基地は、日米安全保障体制の一翼を担うものでございますが、日米地位協定では、必要でなくなった場合は我が国に返還しなければならず、そのために必要性を絶えず検討する旨が定められております。
 こうしたことから、都は、多摩サービス補助施設や赤坂プレスセンターなど、都内八カ所の米軍基地につきまして、その使用目的や返還の可能性が検討され、整理、縮小、返還が促進されるよう、国への働きかけを行っております。
   〔消防総監大江秀敏君登壇〕

〇消防総監(大江秀敏君) 航空消防体制の機能強化等についてでございますが、災害発生直後、ヘリコプターによる迅速な消防活動は有効でございます。このことから、当庁では、大型ヘリコプターを東日本大震災後に一機増機するとともに、ヘリコプターの機動力を生かし、災害状況に応じた消防活動体制を確保してきたところでございます。
 今後とも、ヘリコプターを効果的に活用した航空消防活動体制の充実に努めてまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

〇オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) レガシービジョンについてでありますが、二〇二〇年大会のレガシーを確かなものとするため、東京の将来の姿、目指すべき目標を見据えて検討を進めていくのは当然のことでございます。
 こうした考えのもと、真に価値のあるレガシーを残し、都民生活の質を向上させ、東京を成熟都市としてさらに発展させていくため、先般設置いたしましたレガシー委員会において、既に庁内横断的な検討を開始しております。
 今後、選手村や競技施設の大会後の活用方策を初めとした有形無形のレガシーについて検討を進め、来年度、レガシービジョンとして明らかにしてまいります。
   〔政策企画局長川澄俊文君登壇〕

〇政策企画局長(川澄俊文君) 長期ビジョンについてですが、中間報告におきましては、生活の質の向上という観点に立って、安全・安心な都市の実現や福祉先進都市の実現など、東京が直面する課題の解決に向けた政策の方向性を明らかにしております。
 なお、長期ビジョンの最終報告につきましては、都民や区市町村からの意見などを踏まえ、年内の公表に向けて策定作業を進めているところでございます。
   〔八十一番大島よしえ君登壇〕

〇八十一番(大島よしえ君) 舛添知事に再質問します。
 初めに、国民健康保険についてです。
 都は、保険料負担軽減のために新たな支援を行うことは考えていないと答弁しました。
 しかし、全国知事会は、国保の被保険者の負担が限界に近づいていると強調していますが、知事はどう認識していますか。
 知事は所信表明で、東京が先例をつくることで日本を力強く牽引すると表明したではありませんか。東京で生まれて、東京で暮らせてよかったと都民が実感できるまちにしていく、都民の暮らしを脅かす切実な課題に正面から取り組むとも述べました。
 であるなら、東京都が率先して国保への財政支援を行い、重過ぎる保険料の負担を減らそうではありませんか。知事、いかがですか。
 オスプレイの飛行実態調査についてです。
 都は、オスプレイの運用については、日米合同委員会の合意があり、国が確認すべき事項だと国任せの姿勢を示しました。しかし、合意を破る実態が全国で相次いでいるにもかかわらず、国が監視も米軍への指導も怠っているからこそ、沖縄県は独自に実態調査をしているんです。オスプレイが配備されている沖縄県だけでなく、岩国基地に飛来が相次いでいる山口県も調査を強化しています。
 都民の命と安全を守るためには、国にはばかる必要はありません。どうですか。
 住宅の耐震化についてです。
 耐震化はあらゆる震災対策の大前提だとして、国も経済界も住宅耐震化への補助の拡充を提案しているにもかかわらず、都は従来の対策を一歩も出ない答弁にとどまりました。
 都は、財源が限られているといいますが、だからこそ、住宅の復興費用への公的資金投入を百分の一以下にできる耐震化助成が求められているのではありませんか。ましてや、このことで都民の命も住宅倒壊も大きく防げるのです。お答えください。
 以上、三点について、知事の明確な答弁を求めます。(拍手)
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 国民健康保険制度に関する再質問にお答えをいたします。
 先ほどお答えしたとおり、現在の国民健康保険制度には構造的問題がありますが、これは、国民皆保険制度を守るという観点から、制度設計者である国が責任を持って抜本的解決策を講じることが必要であります。
 そのため、都は、既に国に対し構造的な問題の解決、必要な財源の確保等について提案要求をしております。
 また、都は、国民健康保険制度の健全かつ安定な運営を図るため、法令等に基づき、既に各保険者に対する財政支援を行っております。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

〇都市整備局長(安井順一君) 二点の質問にお答えします。
 まず、オスプレイの調査についてでございますけれども、沖縄県にはオスプレイが実際に配備されておりまして、また、山口県などでもオスプレイが日常的に飛来しているというような状況がございます。周辺住民への影響という観点から、都が置かれている状況とは全く違います。
 なお、国の公式見解といたしましては、オスプレイの飛行運用に当たりましては、地元住民に十分な配慮がなされ、最大限の安全対策をとることについて、一昨年九月十九日に日米合同委員会で合意されており、米軍も累次の機会に合意に基づき飛行運用を行っている旨を説明し、政府としても、米軍は当該合意に基づき飛行運用を行っているものと認識しているというものでございます。
 次に、住宅の耐震化についてでございますけれども、広域自治体である都は、ハード面の公助といたしまして、整備地域を対象に集中的、重点的に施策を実施してございます。
 これは、基礎的自治体の意見を踏まえた上で指定しております約七千ヘクタールの整備地域は、特に老朽木造建物の密度が極めて高く、建物の倒壊危険度や火災危険度が高くなってございます。ここに区部人口の約二割が居住されてございます。
 防災都市づくりに関する多くの課題の中で、まずこの地域を、倒れない、火災が燃え広がらないまちにつくり上げていくことが、緊急輸送道路沿道の耐震化とともに大規模な延焼や救急救命活動を妨げることによる二次災害を防止することにつながりまして、東京全体の防災力を強化する上で重要だと考えてございます。
 これにより、結果といたしまして、より多くの都民の生命や財産を守ることになりまして、こういった観点から、東京都は広域自治体としての公的助成を行っているものでございます。

議長(高島なおき君) 百一番尾崎大介君。
   〔百一番尾崎大介君登壇〕

〇百一番(尾崎大介君) 先日、名誉都民である西山鴻月さんと松本源之助さんがご逝去をされました。心よりご冥福をお祈りいたします。
 私は、都議会民主党を代表して、都政の主要課題について知事並びに関係局長に伺います。
 まず、東京オリンピック・パラリンピックについて伺います。
 十月、舛添知事はロンドンを訪れ、オリンピック競技会場の視察をされました。私たち都議会民主党も、小山都議、西沢都議がロンドン大会の恒久施設を回り、後利用の状況等を視察してまいりました。
 どの施設でも担当者が口をそろえて述べていたのは、大会終了後のビジネスモデルをしっかりと確認した上で設計を行うこと、設計を行う前に後利用を行う責任者がかかわっていくことが、末永くレガシーとして残すために重要であるとの言葉でありました。
 知事は施設計画の見直しを発表され、レガシー委員会を設置し検討を行っております。
 そこで、ロンドン視察を踏まえ、大会終了後のビジネスモデルも含めた会場整備とすべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、感染症対策について伺います。
 先月、墨東、駒込、荏原病院においてエボラ出血熱対応訓練が行われました。後日、厚生労働大臣が国立感染症研究所を訪れ、地元市長と、患者が発生した場合の協議を行いました。
 感染症対策は、国が第一義的責任を持って万全の安全対策を講じるものでありますが、一たび都内で感染者が確認をされれば、都内の保健所や医療関係者が対応をすることとなります。
 西アフリカへの渡航後一カ月以内の都民が発熱をし、渡航歴を告げずに地域の医療機関を直接受診することや、発症者などが都内の感染症指定医療機関の入院可能人数を超える、または長期化するなど、想定し得るあらゆる事態に備えるとともに、都民の不安を払拭していくべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
 次に、結核対策であります。空気感染症への備えも怠ってはなりません。
 例えば、結核は昔の病気と思われているかもしれませんが、昨年、国内でインフルエンザの死亡者数を超える二千八十七名が亡くなっており、年間二万人以上が発病をしております。日本は欧米先進国に比べ、まだまだ結核にかかる確率が高くなっております。
 結核は都市部での若年者の罹患率が高く、免疫力が低下をした高齢者においては、重症化する危険はより高く、適切な対応が求められます。
 都民に結核の知識を伝え、早期発見、予防を心がけるとともに、特に高齢者施設の管理者等に対する啓発が重要と考えますが、見解を伺います。
 次に、土砂災害対策についてお伺いいたします。
 近年、東京では台風などによる集中豪雨が頻発し、土砂崩れや土石流による被害が発生をしております。先日、大規模土砂災害の追悼式が行われた大島町の復興も道半ばであり、このような災害から都民の生命、財産を守る土砂災害対策の推進は喫緊の課題であります。
 都内には、土砂災害のおそれがある箇所が一万五千カ所も想定されており、土砂災害警戒区域の指定率は約四七%となっております。土砂災害対策法が改正され、土砂災害警戒区域等の指定に先立つ基礎調査結果の公表が都道府県知事に義務づけをされました。
 今回の補正予算では調査に係る予算が計上されており、前倒ししようという点で評価をいたします。しかし、建てかえや追加工事への助成などの財政負担の問題、課題への対策もあわせて強化をし推進する必要があります。
 そこで、土砂災害対策のスピードアップに向けた東京都の見解をお伺いいたします。
 避難所は、災害時、最も安全でなければならない建物の一つです。指定区域内に存在をしたり、避難経路の近くに指定区域がある、あるいは土砂災害のおそれのある場所に存在をするなど、土砂災害に対する安全性が確保、確認をされていない避難所等については安全対策を急ぐ必要があります。
 避難所や避難経路の確保などについて、主たる役割を果たすのは基礎的自治体でありますが、東京都としても積極的に支援をすべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、救急医療についてお伺いいたします。
 この間、私たち都議会民主党は救急医療対策の充実を求め、特に、全国でも最悪の救急搬送時間の短縮について言及をしてまいりました。
 しかし、救急搬送時間は平成十九年の四十六・二分から年々延び続け、平成二十五年には五十一・七分となっています。このうち、救急車が現場に到着するまでの平均時間が七・九分、現場到着から出発までに二十二・二分、現場を出発してから病院に着くまで十・三分となっており、あらゆる手段を講じてこれらの時間を短縮していく必要があります。
 ことしの予算議会において、私はシャープ七一一九、救急相談センター事業の拡充及び質の向上についても質問しましたが、こうした取り組みに加えて、これまで以上に救急車両を増車するとともに、救急救命士を初めとする人員の確保、さらには医療機関との連携強化に取り組んでいくべきと考えております。
 救急搬送時間の短縮に向けた取り組みについて、消防総監の見解を伺います。
 特に、救急隊が現場に到着をしてから病院に向けて出発するまでにかかる二十二・二分の間には、搬送先の病院探しなどが行われており、苦しむ患者の傍らで家族もつらい思いをしております。このような現状に対しては、救急の受け入れ体制強化について引き続き取り組むことが必要です。
 救急患者のうち、入院を要する中等症及び重症の救急患者に対応する二次救急医療体制について、東京都は、医療機関の空床を確保する休日・全夜間診療事業によって一定の成果を上げてきました。しかし、平成二十五年五月の救急医療対策協議会報告を受け、これまでの確保病床の考え方を二段階から四段階に変更するとともに、救急車の受け入れ実績以外にも、医療機関の努力を評価することとしております。
 この新制度は来年一月から実施をされる予定ですが、こうした取り組みに加え、協議会報告では、急性期の治療を終えた患者さんの転院先確保など、救急医療における医療、福祉の連携強化なども指摘されておりました。
 私は、このような視点を含めて取り組みを進めることで、救急患者の受け入れ促進に取り組んでいくべきと考えますが、二次救急医療体制の強化充実に向け、見解を伺います。
 看護職員の定着、資質向上は救急医療を支える上で欠かせませんが、一方で、救急医療を初めとする都内の医療を担う各医療機関の経営は厳しい状況にあります。
 人員不足や長時間勤務、夜勤、そして残業、救急など高い技術を必要とする分野の教育、訓練体制など多くの課題があるため、常勤看護師の離職率は東京が一四・二%と最も高く、医療機関は人材定着、確保策に多くの労力を割かざるを得ません。病院の医療機能を維持するには、看護師の定着推進や新たな雇用、救急看護技術の向上に取り組む必要があります。
 救急医療などを担う看護職員の定着、資質向上支援など、確保対策をさらに推進すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、災害医療について伺います。
 首都直下地震発生時には、多数の負傷者が災害拠点病院等の医療機関に運ばれ、各病院は、入院患者対応もあわせて、発災から七十二時間までの超急性期に治療、収容に当たっていかねばなりません。医療機関では、通信やライフライン、医薬品、食料、飲料水等の確保を確実に行う必要があり、災害医療コーディネーターなどが診療を継続できるようにバックアップをしますが、傷病者が多数発生し、軽症者が病院に殺到する状況への対応は困難をきわめるのではないかと考えます。
 災害医療体制を充実させていくため、災害拠点病院等の院内備蓄に対する支援に取り組む必要があると考えますが、東京都の見解を伺います。
 備蓄した物資を用いて診療を続けるためには、建物が診療機能を保っていなければなりません。災害拠点病院は、診療機能を有する建物が耐震、耐火構造であることが要件となっており、その他の医療機関も耐震診断や耐震化を推進しております。東京都は、医療施設耐震化緊急対策事業を行っておりますが、引き続き病院の耐震化一〇〇%を目指していくことはもとより、免震化も必要と考えます。
 都内病院の耐震化や免震構造への建てかえを今後も支援をすべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、社会的支援が必要な子供たちについて伺います。
 子供の死因究明制度、チャイルドデスレビューについてでありますが、全国で児童虐待による死亡事例が相次いでおります。アメリカやイギリスでは、子供の死亡症例を対象にチャイルドデスレビューが行われており、死因解明や見過ごされがちな虐待事案を掘り起こし、死亡数の減少に役立てております。
 日本国内では、神奈川県が独自に子供の全死亡症例の調査を行っております。都内でも、東京都と研究班が平成二十四年から二十六年に子供の死因調査を実施しており、症例を検証した医師は、全ての死因を調べると共通した問題が見えてくる、チャイルドデスレビューが必要だと述べておりました。
 そこで、小さな命が失われる悲劇を一つでも多く防ぐため、チャイルドデスレビューの制度を構築すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、支援を要する家庭の早期発見と支援であります。
 周産期にある女性は、産前不安への対処や体調管理の面で検診や産前支援を受けることができますが、私は、特にメンタルヘルスのリスクの高いケースに対する支援が重要であると考えております。
 例えば、世田谷区では、周産期にかかわる産科医や助産師、保健師、小児科医、そして精神科医などが集まって症例検討会を行い、顔の見える連携体制の構築に向けて取り組んでおります。
 私は、このようにメンタルヘルスのリスクの高いケースに母子保健関係者が連携してかかわることで、虐待の危険性などが疑われるハイリスク層への移行を予防する取り組みを強化すべきと考えます。
 メンタルヘルスのリスクの高い母親など支援を要する家庭の早期発見と支援の取り組みに向け、見解をお伺いいたします。
 次に、乳児院支援であります。
 乳児院では、近年、養育環境を原因とする乳幼児の受け入れがふえ、乳幼児突然死症候群につながるようなハイリスク児、また、泣きやまないなどの理由から激しく揺さぶられ、視力低下や脳に損傷が残った障害児も多く入所をしております。こうしたことから、乳児院では医療支援や心のケアがますます重要となっております。
 また、乳児院関係者からは、流行しつつあるRSウイルスによる呼吸器感染症への対策を求める声もあります。
 乳児院における医療支援をさらに進めるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、家庭養護の推進であります。
 国は、社会的支援が必要な子供たちに、できるだけ家庭環境での愛着関係がある養育が行われるよう、平成二十三年に策定した社会的養護の課題と将来像において、里親等への委託率を三分の一とすることを目標にしております。
 しかし、今のところ、都内の養育家庭の登録数や委託児童数は伸び悩んでおり、委託率は一〇・五%で、里親等委託三分の一の達成のためにはさらなる取り組みが必要と考えます。里親が子供を育てる熱い思いを持ち続けられるよう、民間などの里親支援機関による支援の充実や、児童相談所においては、養育家庭担当者や専門員が里親との連携をさらに図り、不調事例を検証していく必要があります。
 今後、都は、社会的養護の課題と将来像で掲げられた目標の実現に向け、積極的に家庭養護への支援を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、社会的養護の下にある子供の学習支援であります。
 さまざまな困難を抱えて児童養護施設に入所をしている子供たちに対し、職員や学生ボランティアにより学習支援が行われております。
 しかし、東京都の児童養護施設に在籍、退所した子供たちの高校進学率は九四・三%と高くなりましたが、高校卒業後の進路は一般の生徒に比べて大学進学率は一九・八%と低く、就職が五四・七%と多くなっております。
 子供本人の関心に応じた進路を選択し社会へのスタートが切れるよう、施設退所後の自立支援につながる学習支援を行うべきであります。
 学びの機会を十分に得られるよう、児童養護施設等に入所している子供たちへの学習支援を充実させるべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、都立高校中途退学者への対策です。
 私も以前から注目をしてきましたが、毎年、全日制や定時制などの都立高校では三千人を超える中途退学者がおります。都の中途退学者への調査によると、回答者の七割が非正規就労の状態にあり、中途退学は、フリーターや若年無業者などの社会的弱者に至るリスクが高いと考えられます。
 中途退学に至る理由には一人一人さまざまな背景、理由があり、中途退学に至る前にそれぞれが抱える悩みに適切に対応し、学業の継続、あるいは進路変更などの指導を行って、社会的孤立に陥らないように対応をすべきであります。
 そこで、都立高校において中途退学を生まないため、また、退学してしまったときの対応を含め、きめ細かく支援をしていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、雇用について伺います。
 まずは正規雇用への転換です。
 国内雇用者の雇用形態は、二〇一二年に男性の非正規従業員の構成割合が一九・八%、女性で五四・六%となり、非正規雇用者率がさらに高まりました。また、この二年間に非正規従業員が百二十三万人の増、正規社員は二十二万人の減と格差はますます拡大をする一方であります。
 舛添知事も、働く人の三分の一が非正規という状況は尋常でないとの強い問題意識を持っているように、雇用の安定は生活の不安を希望に変えるための最も基本的な施策であります。
 不本意に非正規雇用で働いている人たちの正規雇用への転換支援に取り組むなど、都民生活の安定に資するべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、新たな労働法制度の周知です。
 ことし四月にパートタイム労働法が改正され、平成二十七年四月からは、各企業がパートの待遇を決定するとき、正社員と比較して職務の内容や人材活用の仕組みが同一であれば、正社員との差別的取り扱いが禁止をされます。ボーナスなどの手当が正社員のみに出て、パートには出ない状況ならば、待遇の見直しを求めることができます。
 一時間当たりの給与所得の格差は、男性従業員の給与水準を一〇〇とした場合、男性パート労働者は五五・二、女性パート労働者は五〇・五となっており、明らかに均等待遇とはいえない現状が見てとれることから、同一価値労働同一賃金を強く推進する必要があると考えます。
 都は、パートタイム労働者の待遇を確保する法改正内容を積極的に周知をするべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、長時間労働是正と仕事、介護の両立です。
 二〇〇〇年の調査で、一週間当たり五十時間以上働く労働者の割合は、日本は二八・一%に対して、アメリカが二〇%、イギリスが一五・五%、ドイツが五・三%で、日本社会が長時間労働によって成り立っている状況が見てとれます。都の懇談会でも、男女ともに長時間労働が進んでいることが問題となっているなど、ワークライフバランスの推進が重要となっております。
 高齢化が進む日本においては、親の介護により、仕事をやめざるを得ない介護離職も問題となっており、長時間労働の是正など仕事と介護の両立を図るワークライフバランスの取り組みが必要と考えますが、見解を伺います。
 次に、環境エネルギー対策について伺います。
 知事の所信表明で、新たな省エネ目標と実現に向けた知事の決意が示され、東京都においてもより一層の取り組みが進むことと期待をしております。
 これを実現していくためには、着実な取り組みが必要となります。エネルギー消費量がふえている家庭部門での省エネを一層推進するためには、東日本大震災を契機とした賢い省エネ、節電の取り組みの一層の強化に加え、欧州で効果を上げている住宅エネルギーパスのように住宅性能を上げる取り組みも重要であります。
 また、業務部門では、業種や事業規模ごとにさまざまな課題を抱える中、トップランナー機器の導入拡大、BEMS、デマンドコントローラーなどの管理制御システムの普及も必要となっており、従来以上の導入促進が強く期待をされております。
 再生可能エネルギーの導入拡大を進める上では、従来のエネルギー消費を前提とするのではなく、省エネルギーへの力強い取り組みが欠かせません。
 今後、家庭や事業所における省エネルギーへの取り組みを一層拡充する必要があると考えますが、見解を伺います。
 再生可能エネルギーの導入については、原子力発電依存度の低減、エネルギー自給率の向上、CO2排出削減などの観点から、より一層強力に取り組む必要があります。
 私は、去る五月にドイツのシェーナウ市を訪問いたしました。市民電力会社が発送電を行ったり、歴史ある教会にもソーラーパネルが設置をされているなど、国民が再生可能エネルギーを選択する機運、意識の高さを感じました。
 一方、都内では新築戸建て住宅の一〇%程度に太陽光発電が導入されていますが、既存戸建て住宅では〇・五%程度にとどまっております。今後は、都内に大量にストックのある既存住宅への導入拡大や駐車場の上部空間等未利用スペースの活用など、東京ならではの取り組みを推進し、電力の大消費地の責任を果たすことが必要となっております。
 再生可能エネルギーの拡大に向けて取り組みを一層推進することを求めるものですが、東京都は今後どのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
 都議会民主党は、大分県が取り組む次世代エネルギーパークを先日視察いたしました。現地では、県が主導し、官民連携の産業振興策として、豊富な森林資源や地熱を活用した発電、水分の多い生ごみを全て発酵、ガス化発電して焼却炉や埋立処分場の延命化を図り、さらに売電収入を得る日田市の取り組みなど、地域特性を生かし、なおかつ地域の課題解決や活性化につながる取り組みが盛んに行われておりました。
 予算特別委員会でも取り上げましたが、バイオマス資源の活用は、地域特性を生かすとともに、地域の課題解決、地域活性化につなげるものとして、区市町村と連携し、一層推進していく必要があります。
 バイオマス資源の活用に一層取り組んでいくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 最後に、燃料電池車の普及促進に関する補正予算、これについてお伺いしますが、資源の乏しい日本のエネルギー安全保障、低炭素化、技術、産業育成につながる一歩としての予算であると評価をしております。
 水素社会の実現に向けた東京戦略会議の中間まとめにおいても、五つの課題が示されました。水素のサプライチェーンの整備、生成過程の環境負荷低減は事の成否に係る重要な課題でありますが、具体的な取り組みはまだ見えておりません。
 燃料電池車は走行時には水しか出しませんが、現在安定供給が可能な方法では、水素の生成過程で多くの化石燃料を消費しております。水素を日常の生活や産業活動で利活用する水素社会の実現には、技術、コスト、インフラ、そして制度の各分野にいまだ多く存在する課題を一つ一つクリアする必要があります。
 環境先進都市東京の実現を目指し、水素社会実現に取り組むべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
 以上で都議会民主党を代表しての質問を終わります。
 ご清聴どうもありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 尾崎大介議員の代表質問にお答えいたします。
 ロンドン視察を踏まえた会場整備についてでありますが、競技施設の建設に当たって最も重要なことは、都民共通の財産として真に価値のあるレガシーをいかに残していくかということであります。
 今回視察しましたロンドンでは、例えば、水泳会場のアクアティクスセンターやハンドボール会場のカッパーボックスについて、競技スポーツだけではなく、地域の市民による利用やイベントの開催など多目的な活用を進めており、収益確保にもつながるように工夫されておりました。
 新規に整備する競技施設を将来にわたって効果的、効率的に運営していくためには、広く外部の意見を求めるなど、さまざまな知恵を結集する必要があります。
 そこで、民間から後利用提案を募集するとともに、地元自治体の意見も参考にするなど、幅広い視点から検討を進めております。
 今後、レガシー委員会においてさらに検討を加え、競技施設が大会後も都民、国民に末永く親しまれ活用されるものとして残るよう、施設整備を着実に進め、東京のさらなる発展につなげてまいります。
 エボラ出血熱対策についてでありますが、エボラ出血熱は空気感染はせず、血液などの体液等に直接触れた際に感染するものでありまして、また、発症するまでの感染リスクは極めて低く、通常の生活で感染が広がるリスクも低いものであります。
 感染症対策は、それぞれの感染症が持つリスクを正しく知り、正しく恐れながら冷静に対応することが重要であります。
 現在、国におきましては、水際対策を強化し、流行国からの全ての入国者及び帰国者を健康監視の対象とし、対象者が発熱した場合には、地域の医療機関を受診せず、保健所の指示を受けるように徹底しております。
 都においても、患者発生に備え、連絡会議を立ち上げるとともに、患者を受け入れる都の指定医療機関では専用車両を用いた実践的な訓練を実施いたしました。
 こうした訓練の検証や、十一月七日の疑似症患者の発生事例を踏まえ、新たに東京都エボラ出血熱対応マニュアルも作成いたしました。
 エボラ出血熱が万が一国内で発生しても、我が国の関係者が一丸となって対応すれば、必ず封じ込めることはできると思います。
 今後とも、都は、エボラ出血熱に関する正確な情報を都民に正しく理解していただけるよう、さまざまな広報媒体を通じて都民に周知し、不安の払拭に努めるとともに、関係機関との連携を一層強化し、対策に万全を期してまいります。
 最後に、水素社会の実現に向けた取り組みについてでありますが、水素エネルギーの普及を図り、日本のエネルギー構造の変革につなげるとともに、環境と調和した未来型都市の姿を東京から世界に発信していくことは極めて重要であると思います。
 このため、最先端の技術開発に取り組んでいる民間企業や有識者の方々を委員とする戦略会議において、水素の本格的な利活用に向けたインフラ整備や安定的な燃料供給などの課題も踏まえて、さまざまな議論を重ねてまいりました。
 今般、この戦略会議において、燃料電池車の普及や水素ステーション整備を初め、家庭用や業務用への利用の普及や再生可能エネルギー由来の水素の先導的導入なども含めた総合的な戦略も取りまとめたところでありまして、これらを長期ビジョンに反映させてまいります。
 都独自の導入促進策を盛り込みました補正予算案も、本定例会に提出しております。
 今後、官民一体となって取り組みを加速させ、水素社会の実現に向けて我が国を牽引してまいります。
 そのほかの質問については、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁させます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 都立高校の中途退学への対策についてでありますが、都教育委員会はこれまで、生徒の多様なニーズに対応した新たなタイプの高校を設置するとともに、各学校では、相談体制や生活指導の充実、教育内容の改善などに取り組んできており、その結果、中途退学者は十年前と比べて四割減少しております。
 さらに、いまだ中途退学者の多い高校を対象として、若者支援に実績のあるNPOと連携し、退学のおそれのある生徒や退学した者と面談をして進路支援を行うモデル事業を昨年度から実施し、就労、再就学などに結びつけてきました。
 今後とも、各学校で生徒の実態に応じた生活指導や個別の相談をきめ細かく実施いたしますとともに、中途退学した場合でも社会的に自立できるよう、関係各局や東京労働局等と連携し、支援策を検討してまいります。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

〇東京都技監(横溝良一君) 土砂災害対策のスピードアップについてでございますが、全国で土石流などが頻発する中、都民を守るためには、砂防堰堤などの着実な整備に加え、危険箇所を周知し円滑な避難を促すソフト対策を一層推進することが必要でございます。
 都はこれまでも、危険箇所の多い地域から、急斜面での測量や土質工学的観点からの解析など、きめ細かく基礎調査を実施し、土砂災害警戒区域等を指定してまいりました。
 今後は、残る約五千カ所の調査につきましてスピードアップを図り、当初予定の五年を二年前倒しして平成二十九年度までの三年間で実施し、調査が終了した地域から直ちに結果を公表してまいります。これによりまして、区市町村によるハザードマップの作成など、警戒避難体制の早期整備を図ってまいります。
 また、土砂災害特別警戒区域における住宅建てかえ助成につきましては、引き続き国に財政上の支援について充実するよう要望してまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 十点のご質問にお答えします。
 まず、結核対策についてでありますが、都は、平成二十四年に改定した東京都結核予防推進プラン二〇一二の三つの戦略の第一に予防対策の徹底を位置づけており、ポスター、ホームページ、講演会等を通じて、都民に対して結核に関する正しい知識を伝え、症状に気づいたときには早期に受診するよう啓発活動を行っております。また、早期診断のために、医師会や医療機関に対しても情報提供や研修を実施しております。
 さらに、高齢者を対策の重点対象者に位置づけ、高齢者施設の管理者に対しては、患者の早期発見や施設内の感染対策に関する研修を実施しております。
 都においては、今なお多くの結核患者が発生しており、今後とも、さまざまな啓発活動を展開し、結核患者のさらなる減少に努めてまいります。
 次に、二次救急医療体制の強化についてでありますが、都は、医療機関に救急患者を迅速に搬送するため、搬送先の選定が困難な患者の受け入れ調整等を行う地域救急医療センターの設置を二次保健医療圏ごとに進めており、現在、八十六カ所の医療機関を指定しております。
 また、救急搬送患者の医療機関への受け入れを促進するため、休日・全夜間診療事業を、救急搬送受け入れ実績や救急隊の要請に対する受け入れ率等を評価する仕組みに再構築し、来年一月から実施することとしております。
 さらに、急性期を脱した患者が円滑に退院できるよう、今年度から新たに、二百床未満の指定二次救急医療機関に対して退院支援等を行う看護師等の配置を進めており、今後とも、二次救急医療体制の強化に努めてまいります。
 次に、看護職員の確保対策についてでありますが、都は、看護職員の定着を促進するため、二次医療圏ごとに就業協力員を配置し、協力員が、職員の確保が困難な中小病院を対象に、離職防止に向けた勤務環境の改善や教育体制の充実について助言を行っております。
 また、医療機関における新人職員の研修体制の整備を支援しており、今年度は、地域救急医療センター職員の救急看護等認定看護師の資格取得支援も開始いたしました。
 再就業の促進に向けましては、東京都ナースプラザにおける無料職業紹介や就職相談会などを行っており、身近な地域の病院で平成十九年度から実施している復職支援研修では、これまでに二千人以上が受講し、受講者の半数以上が再就業につながっております。
 今後とも、こうした取り組みにより、看護職員の確保対策を推進してまいります。
 次に、災害時の医療体制についてでありますが、都は、災害時の医療を確保するため、災害拠点病院に対し三日分程度の食料、飲料水、医薬品等の備蓄や自家発電機の保有と燃料の確保を求めており、応急用医薬品や資器材の備蓄、ポータブル発電機や浄水セット等の整備には財政支援も行っております。
 また、都の備蓄倉庫や都立学校等において、約二十五万人の傷病者に対応する医薬品や応急用資器材を備蓄するとともに、東京医薬品卸業協会等と医薬品等の調達に関する協定を結んでおり、発災後、医療機関で医薬品等が不足した場合には、災害医療コーディネーターが調整し、迅速かつ的確に配分することとしております。
 今後とも、こうした取り組みにより、災害発生時の医療体制を確保してまいります。
 次に、病院の耐震化への支援についてでありますが、都はこれまで、医療機関が大規模災害時においても継続的に医療を提供できるよう、国制度に加え、都独自の支援策により災害拠点病院や指定二次救急医療機関などの免震化を含む耐震化を促進してまいりました。
 また、平成二十三年度から、東日本大震災の教訓も踏まえ、都事業の補助対象を都内全ての病院に拡大しており、その結果、平成二十五年八月時点で、都内の八五%の病院で耐震化に取り組んでおります。
 今年度からは、国庫補助制度を活用し、一棟の延べ床面積が五千平方メートル以上の病院の耐震化を重点的、緊急的に促進する補助も行っており、今後とも、病院の耐震化を促進し、災害時の医療提供体制の強化を図ってまいります。
 次に、チャイルドデスレビューについてでありますが、都は、平成二十四年から二十六年にかけて、平成二十三年に都内で発生したゼロ歳から四歳までの乳幼児の死亡症例をもとに、国の研究班と共同で死因調査を行いました。
 この調査は、我が国におけるチャイルドデスレビューに関する研究の一環として行われたものであり、小児科学会や法医学会等からも制度の構築に向けた提言や要望が出されております。しかし、その実現のためには、情報保護に関する法的な整備や人材を養成するための教育システムの確立など、多くの課題がございます。
 国は、本年六月に閣議決定された死因究明等推進計画を踏まえ、小児の死亡時の画像診断情報を収集、分析するモデル事業を開始したところであり、都としては、国の動向を注視してまいります。
 次に、要支援家庭の早期発見と支援についてでありますが、区市町村では、援助や見守りが必要な要支援家庭を早期に発見し、適切な支援につなげることができるよう、母子健康手帳の交付や乳児家庭全戸訪問、乳児健診などを行う際に、保健師等が母親の精神面や身体の状況を含め子育て家庭の状況把握に努めております。
 その中で、要支援家庭を把握した場合には、健診に携わった保健師等が中心となって、医師等も含めた検討会で支援方針を検討し、保健所の個別指導や子供家庭支援センターの各種相談につなげるほか、精神面でリスクを抱えている母親の場合には、必要に応じて精神科への受診を促しております。
 都は、今後とも、こうした要支援家庭を支援する区市町村の取り組みを包括補助により支援してまいります。
 次に、乳児院における医療支援についてでありますが、乳児院では、病気や障害のある子供や発達におくれのある子供に対し、適切な医療の提供や理学療法士等による療育訓練を行うとともに、虐待等により心に深い傷を受けた子供に対しては、精神科医や心理職員が、カウンセリングや心理療法などの心理的ケアを実施しております。
 こうした乳児院の取り組みを、都は独自の補助制度により支援しており、平成二十四年度からは、経管栄養など常時医療や看護が必要な子供の受け入れ体制を整備するため、看護師の増配置への支援も行っております。
 今後とも、子供一人一人の心身や成長の状況に合わせて、きめ細かな医療やケアが提供されるよう、乳児院の取り組みを支援してまいります。
 次に、家庭的養護の推進についてでありますが、都はこれまで、家庭的養護の担い手である養育家庭の登録数をふやすため、ホームページ等により制度を都民に広く周知するとともに、体験発表会などにより理解促進を図ってまいりました。
 また、児童を委託している養育家庭に対して、児童相談所による家庭訪問などに加え、民間団体を活用した訪問支援や、養育家庭同士の交流促進など、きめ細かな支援を行っております。
 本年十月には、東京都児童福祉審議会から、今後の東京都の社会的養護のあり方について、現在の課題や将来の姿を見据えながら、民間団体との連携強化による家庭的養護の推進など、具体的な提言をいただきました。この提言も踏まえながら、養育家庭を初めとする家庭的養護を推進してまいります。
 最後に、児童養護施設における学習支援についてでありますが、児童養護施設においては、自習室の設置などの学習環境を整えるとともに、学校等と連携し、子供の状況に合わせた学習支援や進学支援を行っており、中学生については学習塾に通うことも支援しております。
 また、都独自に、入所児童の自立支援や進学に向けた準備から、退所後の相談支援等を行う自立支援コーディネーターを児童養護施設に専任で配置するほか、大学や専修学校等に進学する際に必要な入学金や授業料への支援も行っております。
 今後とも、社会的養護のもとで育つ子供たちの進学や社会的自立を支援するため、学習支援の取り組みを進めてまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 安全な避難所等の確保についてでございますが、平成二十五年六月に改正された災害対策基本法において、避難所は、区市町村長が想定される災害の状況等を勘案して指定しなければならないとされ、政令ではその基準の一つとして、想定される災害による影響が比較的少ない場所にあるものであることと規定されました。
 法改正も踏まえ、本年七月に修正いたしました都の地域防災計画では、避難所や避難路の指定を区市町村の役割と位置づけ、水害時や土砂災害にも安全な避難所及び避難路を指定することとしております。
 都といたしましても、避難所等の安全確保は重要と考えており、今後とも、区市町村に対し説明会等を通じて、法改正の内容や都の地域防災計画の内容等を周知するなど、適切な取り組みを促してまいります。
   〔消防総監大江秀敏君登壇〕

〇消防総監(大江秀敏君) 救急搬送時間の短縮に向けた取り組みについてでございますが、当庁では、救急相談センターの体制強化や東京版救急受診ガイドの周知に加え、救急車の適正利用の広報を推進してまいりました。
 また、病院選定に時間を要する事案に対しましては、救急医療の東京ルールを活用し、円滑な救急搬送を行っております。
 今後とも、医療機関を初め関係機関と緊密な連携を図るとともに、救急活動の効率化やさらなる体制の充実により、救急搬送時間の短縮に努めてまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

〇産業労働局長(山本隆君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、非正規雇用についてでございますが、安定した仕事を望みながらも不本意な働き方をしている非正規雇用の方々への就職支援は重要でございます。
 都は、正規雇用での就業を希望する若者に対して、派遣就労を通じて就職に結びつける紹介予定派遣制度を活用した事業や、セミナーと企業内実習を組み合わせたプログラムなどを実施しております。
 また、非正規労働者の雇用環境改善に取り組む中小企業に対しては、専門家を派遣して支援を行っております。
 今後も、社内での正社員転換の推進や、きめ細かな就職支援などの対策を国と連携して実施し、正規雇用を希望する方々の安定的な雇用の実現に向けて積極的に取り組んでまいります。
 次に、新たな労働法制度の周知についてでございます。
 来年四月から施行される改正パートタイム労働法では、正社員と差別的取り扱いが禁止される対象範囲の拡大や、待遇を相違させる場合は不合理なものであってはならないとする原則の規定などが追加されました。
 都は、こうした法令の内容を、パート労働月間で集中的に開催するセミナーや相談会、また、普及啓発資料の作成、配布を通じまして、労使双方に広く周知しております。
 これに加え、アドバイザーが各企業を訪問し、パートタイム労働者の雇用管理に関するさまざまな助言を行っており、この中でも改正法の普及啓発に取り組んでおります。
 引き続き、こうした多様な取り組みを通じ、改正パートタイム労働法の内容を周知してまいります。
 最後に、仕事と介護の両立についてでございますが、都が現在実施している都内中小企業の実態調査の中では、これまでに経済的な負担や離職への不安などの声が寄せられており、仕事と介護の両立が可能となる雇用環境の整備が重要な課題となっております。
 都は、仕事と介護など家庭生活との両立について、長時間労働削減や介護休暇の充実等、すぐれた取り組みを進める中小企業を認定、公表し、社会的機運の醸成を図っております。
 また、両立支援に取り組もうとする企業に対しましては、社内体制の整備に必要な経費の助成や、専門家派遣による助言などの支援を行っております。
 引き続き、こうした取り組みを進めるとともに、調査で把握される実態を踏まえ、効果的な施策展開を図ってまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、家庭や事業所における省エネルギーへの取り組みについてでございます。
 東京はエネルギーの大消費地として、エネルギーの効率的な利用を一層進めながら、都市の持続的発展を目指していく必要があり、今般、都内のエネルギー消費量を、二〇三〇年までに二〇〇〇年対比三〇%削減するという新たな目標を設定することといたしました。
 そこで、この目標の達成に向けて、大規模事業所に対するキャップ・アンド・トレード制度や、マンションの環境性能を示すラベリング制度、家庭の省エネアドバイザー制度など従来の取り組みに加え、既存住宅の省エネ性能の向上や、IT化の進展等に伴い増大する中小規模事業所のエネルギー消費量の低減を図るなど、家庭、事業所に対する取り組みの充実に努めてまいります。
 次に、再生可能エネルギーの拡大についてでございます。
 東京は、電力の大消費地として、電力需給の安定を図るとともに、気候変動対策にも資する再生可能エネルギーの導入拡大を進めていくことが重要でございます。
 このため、都として、東京の消費電力に占める再生可能エネルギーの割合を、二〇二四年までに二〇%程度に高めることを目指す目標を定め、再生可能エネルギー拡大の機運を喚起し、需給両面にわたり取り組みを強化してまいります。
 具体的には、専門家による検討会の提言も踏まえ、都民、事業者、区市町村等と連携して、一層の省エネ、節電を進めるとともに、東京の特性を生かした既存住宅や駐車場等、未利用スペースへの太陽光発電の設置促進、都市型バイオマス発電の推進など、多面的な取り組みを進め、再生可能エネルギーの導入拡大を図ってまいります。
 最後に、バイオマス資源の活用についてでございます。
 東京の都市活動から生じる廃棄物を利用した発電は、循環型社会の構築に貢献するとともに、地域に密着した分散型電源として重要な役割を担っております。
 また、多摩地域には、木質バイオマス資源が豊富に存在しており、森林資源の多様な利用方法の一つとして、林業の振興や地域の活性化にも貢献することが期待できます。
 都は、地域に根差した区市町村の取り組みを後押しするため、廃棄物発電施設の整備、更新の際に技術的支援を行うほか、区市町村補助制度を活用し、木質バイオマスエネルギーなど地域資源の利用を促進する事業への支援を行っております。
 今後とも、区市町村との連携を強化し、地域特性を生かしたバイオマス資源の活用を進めてまいります。

〇六十七番(山崎一輝君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

〇議長(高島なおき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(高島なおき君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後七時二分散会


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