平成二十六年東京都議会会議録第十三号

平成二十六年九月二十五日(木曜日)
 出席議員 百二十七名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番川松真一朗君
四番山内  晃君
五番栗山よしじ君
六番小松 大祐君
七番鈴木 章浩君
八番大津ひろ子君
九番石川 良一君
十番みやせ英治君
十一番おときた駿君
十二番小松 久子君
十三番田中  健君
十四番米倉 春奈君
十五番白石たみお君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番まつば多美子君
十九番伊藤こういち君
二十番堀  宏道君
二十一番河野ゆうき君
二十二番柴崎 幹男君
二十三番ほっち易隆君
二十四番舟坂ちかお君
二十五番清水 孝治君
二十六番島崎 義司君
二十七番やながせ裕文君
二十八番田中 朝子君
二十九番塩村あやか君
三十番山内れい子君
三十一番中山ひろゆき君
三十二番西沢けいた君
三十三番里吉 ゆみ君
三十四番和泉なおみ君
三十五番尾崎あや子君
三十六番大松あきら君
三十七番吉倉 正美君
三十八番遠藤  守君
三十九番中山 信行君
四十番鈴木 錦治君
四十一番木村 基成君
四十二番高椙 健一君
四十三番栗山 欽行君
四十四番大場やすのぶ君
四十五番和泉 武彦君
四十六番近藤  充君
四十七番小宮あんり君
四十八番三宅 正彦君
四十九番吉住 健一君
五十番野上ゆきえ君
五十一番上田 令子君
五十二番西崎 光子君
五十三番小山くにひこ君
五十四番あさの克彦君
五十五番新井ともはる君
五十六番徳留 道信君
五十七番河野ゆりえ君
五十八番小竹ひろ子君
五十九番上野 和彦君
六十番高倉 良生君
六十一番橘  正剛君
六十二番野上 純子君
六十三番谷村 孝彦君
六十四番桜井 浩之君
六十五番きたしろ勝彦君
六十六番松田やすまさ君
六十七番山崎 一輝君
六十八番神野 次郎君
六十九番菅野 弘一君
七十番北久保眞道君
七十一番田中たけし君
七十二番神林  茂君
七十三番宇田川聡史君
七十四番高橋 信博君
七十五番両角みのる君
七十六番中村ひろし君
七十七番島田 幸成君
七十八番今村 るか君
七十九番大西さとる君
八十番畔上三和子君
八十一番大島よしえ君
八十二番松村 友昭君
八十三番東村 邦浩君
八十四番小磯 善彦君
八十五番鈴木貫太郎君
八十六番木内 良明君
八十七番秋田 一郎君
八十八番中屋 文孝君
八十九番早坂 義弘君
九十番崎山 知尚君
九十一番鈴木 隆道君
九十二番鈴木あきまさ君
九十三番山加 朱美君
九十四番高橋かずみ君
九十五番相川  博君
九十六番山田 忠昭君
九十七番服部ゆくお君
九十八番こいそ 明君
九十九番田島 和明君
百番斉藤あつし君
百一番尾崎 大介君
百二番石毛しげる君
百三番植木こうじ君
百四番かち佳代子君
百五番曽根はじめ君
百六番藤井  一君
百七番長橋 桂一君
百八番中嶋 義雄君
百九番ともとし春久君
百十番古賀 俊昭君
百十一番林田  武君
百十二番高木 けい君
百十三番村上 英子君
百十四番吉原  修君
百十五番野島 善司君
百十六番三宅 茂樹君
百十七番川井しげお君
百十八番高島なおき君
百十九番立石 晴康君
百二十番吉野 利明君
百二十一番野村 有信君
百二十二番内田  茂君
百二十三番酒井 大史君
百二十四番山下 太郎君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 なし

 出席説明員
知事舛添 要一君
副知事安藤 立美君
副知事秋山 俊行君
副知事前田 信弘君
教育長比留間英人君
東京都技監建設局長兼務横溝 良一君
政策企画局長川澄 俊文君
総務局長中西  充君
財務局長中井 敬三君
主税局長塚田 祐次君
警視総監高綱 直良君
生活文化局長小林  清君
オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋 正宏君
都市整備局長安井 順一君
環境局長長谷川 明君
福祉保健局長梶原  洋君
産業労働局長山本  隆君
港湾局長多羅尾光睦君
会計管理局長塚本 直之君
交通局長新田 洋平君
消防総監大江 秀敏君
水道局長吉田  永君
下水道局長松田 芳和君
青少年・治安対策本部長河合  潔君
病院経営本部長醍醐 勇司君
中央卸売市場長岸本 良一君
選挙管理委員会事務局長松井多美雄君
人事委員会事務局長真田 正義君
労働委員会事務局長遠藤 雅彦君
監査事務局長石原 清次君
収用委員会事務局長目黒 克昭君

九月二十五日議事日程第三号
第一 第百五十三号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第二 第百五十四号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百六十一号議案
東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百六十二号議案
東京都婦人保護施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百六十三号議案
東京都母子福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
第六 第百六十四号議案
東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
第七 第百五十一号議案
平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)
第八 第百五十二号議案
東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百五十五号議案
東京都消費生活条例の一部を改正する条例
第十 第百五十六号議案
東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例
第十一 第百五十七号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第十二 第百五十八号議案
東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第十三 第百五十九号議案
東京都指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第十四 第百六十号議案
東京都幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営の基準に関する条例
第十五 第百六十五号議案
大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
第十六 第百六十六号議案
東京都食品安全条例の一部を改正する条例
第十七 第百六十七号議案
東京都薬事審議会条例の一部を改正する条例
第十八 第百六十八号議案
東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部を改正する条例
第十九 第百六十九号議案
薬局等の行う医薬品の広告の適正化に関する条例の一部を改正する条例
第二十 第百七十号議案
東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
第二十一 第百七十一号議案
都道における道路標識の寸法に関する条例の一部を改正する条例
第二十二 第百七十二号議案
東京都デートクラブ営業等の規制に関する条例の一部を改正する条例
第二十三 第百七十三号議案
性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等及び性関連禁止営業への場所の提供の規制に関する条例の一部を改正する条例
第二十四 第百七十四号議案
警視庁王子警察署庁舎(二十六)改築工事請負契約
第二十五 第百七十五号議案
警視庁八王子警察署庁舎(二十六)改築工事請負契約
第二十六 第百七十六号議案
都立新島高等学校(二十六)改築工事請負契約
第二十七 第百七十七号議案
東京国際フォーラム(二十六)ホール棟改修工事請負契約
第二十八 第百七十八号議案
東京国際フォーラム(二十六)ガラス棟改修工事請負契約
第二十九 第百七十九号議案
東京国際フォーラム(二十六)電気設備改修工事請負契約
第三十 第百八十号議案
東京国際フォーラム(二十六)空調設備改修工事請負契約
第三十一 第百八十一号議案
東京国際展示場(二十六)拡声設備改修工事請負契約
第三十二 第百八十二号議案
個人防護具(ガウン等セット)外三点の買入れについて
第三十三 第百八十三号議案
首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について
第三十四 諮問第三号
地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問について
第三十五 平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
第三十六 平成二十五年度東京都公営企業各会計決算の認定について
議事日程第三号追加の一
第一 議員提出議案第十三号
東京都木造住宅耐震改修促進補助条例
第二 議員提出議案第十四号
東京都母子福祉資金貸付金の償還免除に関する知事専決処分についての一部改正について

   午後一時開議

〇議長(吉野利明君) これより本日の会議を開きます。

〇議長(吉野利明君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

〇議長(吉野利明君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第十三号、東京都木造住宅耐震改修促進補助条例外議会の委任による専決処分について一件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

〇議長(吉野利明君) 昨日に引き続き質問を行います。
 六十五番きたしろ勝彦君
   〔六十五番きたしろ勝彦君登壇〕

〇六十五番(きたしろ勝彦君) 初めに、道徳教育と修身についてお伺いをいたします。
 私は、かねてより、日本の伝統文化と美徳を重視した教育の実現を主張してきました。そして、その結果、本年度は四十七の都立学校において、学校設定教科、科目、日本の伝統文化が実施されていることは、世界に誇る日本の精神を身につける点ですばらしいことです。
 国は、小中学校の道徳を来年度に教科化する予定で検討していると聞きました。平成二十七年は、教育勅語が発布され百二十五年に当たります。我が国は戦前、この教育勅語に基づいた修身により道徳教育を行ってきました。
 しかし、戦後、占領軍指令により、この修身は姿を消しました。そして、日本は、日教組によって戦前の価値観が全否定され、日本人の大切な美徳までもが教えられなくなりました。生命の根源、すなわち聖なるものに対する畏敬の念でさえ、教育界には今も嫌悪する体質が根強く残っています。
 かつて、レーガン政権下のアメリカにおいて、教育改革が重要な課題となっていました。ここで着目すべきは、当時のアメリカが教育視察団を日本に派遣して、日本の教育を学んだ後、教育長官を務めたベネットが美徳の本をあらわしたことです。この本はベストセラーとなりましたが、日本の修身を基点とする道徳教育を参考にしたともいわれています。
 同時期、イギリスではサッチャー政権のもと、いわゆる英国病から国家を回復させるための改革を強力に推し進める中で、教育改革法及びナショナルカリキュラムの策定など、教育再生に取り組みました。
 現在、我が国は、安倍総理のもと、教育の再生に全力で取り組んでいます。東京都が教育再生においてもリーダーシップを発揮し、東京から日本の教育を変えなければなりません。その中核は日本人の精神形成、すなわち道徳教育です。
 そこで、小中学校の道徳教育の充実に向けた都教育委員会の決意をお伺いいたします。
 次に、オリンピック・パラリンピック競技大会についてお伺いします。
 東京大会のトライアスロン競技会場は、お台場海浜公園に仮設施設として整備する計画となっています。お台場海浜公園は、東京屈指の人気スポットであり、長年にわたり日本トライアスロン選手権が行われている会場でもあります。そのような場所で、東京臨海部の高層ビル群を中心とした都市的な景観を背景に、世界のトップアスリートによる競技が展開されれば、東京の魅力を世界中に発信する格好の機会ともなります。地元を初め多くの人が楽しみにしています。
 そうした中、最近、航空管制区域のため撮影用ヘリコプターが飛ばせないことや、水質に懸念があることなどの問題が取り沙汰され、あたかもトライアスロンの競技会場をほかへ変更するかのような報道がなされています。
 お台場でのトライアスロン競技を期待している地元や関係者の間には不安や混乱が広がり、港区、港区議会、地元競技団体等から、計画どおりの実施についての要望書が出されたと聞いております。
 もとより、大会を成功させ、将来の都民によりよいレガシーを残していくために、会場計画の再検討を行うことは重要なことであると認識し、再検討はしっかりと行っていただきたいですが、地元や関係者が一丸となって大会の成功を目指して力を合わせていけるよう、要らぬ混乱や臆測を招くことのないように配慮して進めていただきたい。
 そこで、オリンピックのトライアスロン会場については、現在どのような検討状況なのかお伺いします。
 次に、東京の玄関口となる品川駅、田町駅周辺のまちづくりについてお伺いします。
 この地域は、羽田空港の国際化の進展に加え、二〇二七年には品川駅がリニア中央新幹線の始発駅となり、まさに新しい東京の玄関口としての役割を担っていくこととなります。
 JR東日本の新駅設置に加え、昨日の代表質問における質疑では、浅草線泉岳寺駅の機能強化について、都営交通の具体的な取り組み方針が示されたところであります。泉岳寺駅の機能強化の動きと連動して、JR新駅とをつなぐ歩行者動線の確保や、区画整理等を活用し、車両基地跡地と国道一五号沿道の市街地との一体性のあるまちづくりを進めていくことも必要であります。
 そこで、今後、都は、新しい東京の玄関口となる高輪・港南地区を含めた品川駅、田町駅周辺地域のまちづくりにおいて、どのように取り組むのかお伺いをいたします。
 次に、環状二号線沿道のまちづくりについてお伺いします。
 環状二号線については、ことし三月に新橋―虎ノ門間が開通し、六月には東京の新たなランドマークである虎ノ門ヒルズが開業しました。また、隣接する虎ノ門エリアでは、東京メトロ日比谷線の新駅の整備が予定されているなど、新橋・虎ノ門地区のさらなる発展が期待されます。
 私は、かねてから、水と緑の都、環境に優しいガーデンシティー東京の実現を提唱してきました。環状二号線の地上部道路については、現在、緑豊かな空間づくりに向け整備が進められておりますが、これに加えて沿道のまちづくりを推進し、にぎわいを創出することにより、知事の発言にもあったように、環状二号線をパリのシャンゼリゼ大通りのような活気に満ちたプロムナードにしていくことが重要であると考えています。
 そこで、沿道まちづくりにおける都の今後の取り組みについてお伺いをします。
 次に、都立公園についてお伺いします。
 都は、浜離宮恩賜庭園等の江戸期の庭園において、茶屋の復元など、江戸の伝統や歴史を伝える取り組みを進めていますが、都立公園には庭園以外にも上野公園や日比谷公園、日本の近代化を支えた実業家の邸宅など、明治時代を代表するすぐれた歴史的資産があり、これらについても保存、修復を進めるべきと考えます。
 そこで、明治時代につくられ、現在、都立公園として開園している公園の今後の取り組みについてお伺いします。
 次に、庭園の魅力発信について伺います。
 都の文化財庭園では、これまでも旧芝離宮恩賜庭園でのいろいろな四季折々のイベントにより、庭園文化の魅力を発信しています。知事は所信表明で、都立庭園だけでなく、国公立や民間の庭園にも呼びかけ、庭園文化の魅力を広くアピールすると発言しましたが、今後どのように取り組むのか所見をお伺いします。
 次に、食の安全確保について伺います。
 東京には多くの企業が集積しており、食の安全を確保することは、このような企業活動をも支える重要な要素であります。
 近年、都心のオフィス街のランチタイムに路上に大量の弁当を陳列し、販売している業者が見受けられます。こうした行商による弁当の屋外販売は、条例により届け出で営業できますが、固定店舗では許可が必要といった規制の違いがあります。
 このような状況から、昨年の予算特別委員会において、規制の違いといった課題とともに、弁当の屋外販売は弁当が直射日光に長時間さらされるなど、衛生面での問題があると申し上げました。その際、都として実態を把握した上で、規制の見直しを視野に入れ、検討していくとの答弁がありました。
 その後、昨年七月から、東京都食品安全審議会において、路上における弁当等の食品販売の規制のあり方について、実態調査を踏まえて審議が行われました。
 本年二月の答申では、弁当等の屋外販売は、屋内販売に比べてリスクが高く、衛生上望ましくない販売形態であるとされ、その対応として、屋外から屋内販売へ誘導することや、人力により移動して販売する場合は、衛生管理を確実に向上させるため、設備要件や人的要件を整備することとされています。
 そこで、審議会からの答申を受け、都として今後どのように対応していくのかお伺いをいたします。
 最後に、拉致問題についてお伺いします。
 先日、拉致問題の国民大集会に出席し、拉致被害者、特定失踪者の家族の方々とお会いしました。一日も早い肉親との再会を待ち望むご家族の切なる思いに接し、胸が詰まると同時に、半世紀にわたり拉致問題を解決することができない政治の責任は重く、ご家族に対して大変忍びない思いでありました。
 拉致問題が解決できない一つの要因として、自虐史観にとらわれた外交姿勢があったのではないかと思います。国民の生命を守る、民族としての誇りを守るのは我々政治家の役目であります。拉致という犯罪は決して許さないという思いを一人一人の政治家がしっかり持つべきであります。
 また、日本人の誇りをおとしめ、傷つけ、今も傷つけている東京電力吉田元所長の調書及び従軍慰安婦の誤報問題を見ると、マスコミは社会の木鐸としての使命を忘れているのではないかと感じてしまいます。いま一度、マスコミには、北朝鮮の犯罪行為を許さないという強い姿勢でキャンペーンを張ってもらいたいと考えます。
 拉致問題を解決するには、拉致被害者のご家族の切なる思いに真剣に向き合い、国と地方自治体はもちろん、政治家、マスコミも含めてオール日本の体制をもって、不退転の決意で北朝鮮との交渉に臨む必要があります。
 そこで、拉致問題が長年にわたり未解決であることに対する知事の思いと、都としてこの問題の解決に向けてどのように取り組むのか所見を伺います。
 二〇二〇年まであと五年余り。史上最高のオリンピック・パラリンピック大会にするためには、世界で一番の安全・安心な都市東京をつくっていくことはもちろんですが、ソフト面の課題である日本人の心を取り戻すことも大切であります。
 かつて、石原元東京都知事は、現在の日本人の精神は我欲にむしばまれ、荒廃していることを憂いておりました。我が国の歴史や風土の中で築いてきた伝統や文化、道徳を大切にし、思いやりや親切、礼儀正しさを身につけ、自然に対する謙虚さなどを持った人々が満ちあふれ、道義と礼節の国によみがえることを願いつつ、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) きたしろ勝彦議員の一般質問にお答えいたします。
 拉致問題に対する私の思いと問題解決に向けての取り組みについてでございますが、北朝鮮による拉致は、国家主権の侵害であると同時に、国民の生命と安全を脅かす重大な人権侵害であり、我が国の喫緊の国民的問題であります。
 子を持つ親として、拉致被害者とそのご家族の長年にわたる心の痛みは、お察しするに余りあります。お子さんやご親族との歓喜の再会を一日も早く果たせるよう、国を挙げて取り組んでいかなければなりません。
 都はこれまで、拉致問題解決に向けたさまざまな啓発活動を実施してまいりました。特に、今般の拉致問題の解決を祈念した都庁舎のブルーリボンライトアップでは、新聞、テレビといった多くのメディアに取り上げられるなど、この問題への大きな関心を集めることができました。
 引き続き、積極的な啓発活動に努めるとともに、家族会、救う会及び調査会等と連携し、国が毅然とした姿勢を貫き、拉致問題の完全解決が実現するよう、都としても断固たる決意で後押しをしてまいります。
 そのほかの質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁させます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 小中学校の道徳教育の充実についてでございます。
 他者の尊重や公共の精神など、人が生きる上で大切にすべき価値観をみずからの生き方の指針として深く心に認識させる道徳教育は、時代を超えて必要不可欠でございます。
 現在、子供たちには、科学技術の進展、グローバル化など、急激に変化する社会状況に対応する能力が求められており、こうした能力の基盤となる、他者とともによりよく生きようとする態度など、人間として身につけるべき道徳性を育むことが一層重要となっております。
 都教育委員会は、小中学校の道徳教育の充実に向け、道徳教材集の作成、配布、道徳授業の地域への公開など、独自の取り組みを全国に先駆けて行ってまいりました。
 今後とも、区市町村教育委員会と連携し、道徳教育の推進に全力で取り組んでまいります。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

〇東京都技監(横溝良一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、明治時代につくられ、現在開園している都立公園の今後の取り組みについてでございますが、これらの公園は、我が国が欧米諸国の公園の技術などを取り入れ、近代化を推し進めた時代の象徴であり、江戸期の大名庭園とともに未来に残すべき貴重な財産でございます。
 このような認識のもと、都は現在、芝公園のもみじ谷の修復を進めるとともに、今年度から、旧岩崎邸庭園において、戦後失われた庭の一部の拡張と復元に着手いたします。また、日比谷公園では、開設当初のガス灯、江戸城の石垣、堀跡を活用した心字池などの歴史的遺構を保存、復元するための調査を開始いたします。
 今後とも、東京の歴史と文化を国内外に発信し、我が国の近代化の足跡を次世代に引き継いでまいります。
 次に、庭園文化の魅力を発信する取り組みについてでございますが、東京を訪れる方々に日本庭園のすばらしさと伝統文化を紹介し、和のおもてなしを行うことは大変重要でございます。
 このため、東京オリンピック・パラリンピックを契機に、旧安田庭園や椿山荘など、国公立や民間の三十の庭園と連携し、十月に日本庭園おもてなし協議会を設立いたします。その上で、十一月二十八日をいい庭の日と位置づけ、紅葉に合わせてキックオフイベントを開催いたします。
 今後は、この協議会のもと、旅行会社や鉄道事業者と連携した外国人向けの庭園周遊ツアー、お茶会や和楽器演奏など、さまざまな取り組みを検討し、順次実施してまいります。
 さらに、東京オリンピック・パラリンピック後も、この日本文化を体感できる取り組みなどを展開し、東京を世界有数の観光都市へと導いていくことに貢献してまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

〇オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 二〇二〇年大会のトライアスロン競技会場についてでありますが、競技会場計画については、現在、全ての会場について再検討を行っております。
 お台場海浜公園に仮設で会場整備する計画のトライアスロン競技につきましても、仮設施設を担当する大会組織委員会と連携して検討を進めております。
 トライアスロン競技の会場について、港区の方々からも要望を頂戴しており、地元のご意向があることは十分に承知しております。
 引き続き、大会組織委員会との連携を密にし、国内外の競技団体とも協議を重ねながら、大会準備に取り組んでまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

〇都市整備局長(安井順一君) 二点の質問にお答えいたします。
 まず、品川駅、田町駅周辺のまちづくりについてでございますが、特定都市再生緊急整備地域の指定、羽田空港の本格的な国際化やリニア中央新幹線計画の公表など、この地域を取り巻く状況変化を踏まえまして、都はこのたび、まちづくりガイドラインを改定し、日本の成長を牽引する開発を推進していくことといたしました。
 具体的には、JR車両基地跡地を活用し、国際競争力を高めるビジネスやMICE機能の導入を図ってまいります。また、鉄道施設を再編し、乗りかえ利便性や空港への輸送力を高めるとともに、駅前広場や歩行者ネットワークを整備し、交通結節機能などの強化を図ってまいります。
 引き続き、公民協働により、計画的、段階的に開発を進めまして、東京を世界一にする国際交流拠点の形成に積極的に取り組んでまいります。
 次に、環状第二号線沿道のまちづくりについてでございます。
 都は、昨年三月、新橋―虎ノ門間の沿道におきまして、東京のしゃれた街並みづくり推進条例に基づく街並み再生方針を策定し、広い幅員の歩道空間を生かしたまちづくりの方向性を明らかにいたしました。
 この方針の策定後、沿道におきまして建てかえの機運が高まってきたことから、地区計画制度を活用いたしまして、建築物の高さ制限や一階部分への商業機能の導入などを図り、統一感とにぎわいのあるまち並みの形成を誘導することといたしました。
 今年度内の都市計画決定を目指しまして、地元区と連携しながら、街路樹の豊かな緑と活気あふれる沿道空間とが調和した魅力あるまちの実現に向けて取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 食の安全確保についてでございますが、都は、本年二月に食品安全審議会から答申を受け、弁当等の販売業者に求める具体的基準について、監視指導を行う特別区や保健所設置市と協議を重ねてまいりました。
 その結果を踏まえ、現行の食料品等販売業の施設基準について、屋内であれば簡易な施設や設備で弁当等の販売を可能とするよう見直し、来月から新たな基準に基づいて、区市と連携しながら、屋外から屋内への販売に事業者を誘導していく予定でございます。
 また、屋外での弁当等の移動販売につきましては、現行の届け出制から許可制とし、保冷容器などの設備や、食品衛生責任者の設置などを義務づける予定であり、平成二十七年第一回定例会での食品製造業等取締条例の改正に向けて準備を進めているところでございます。

〇議長(吉野利明君) 四十六番近藤充君
   〔四十六番近藤充君登壇〕

〇四十六番(近藤充君) 今、お隣の韓国、仁川で行われているアジア大会では、二〇二〇年オリンピックに向けた若きアスリートたちが、連日、全力で頑張ってくれています。心から各選手たちの健闘を祈りたいと思います。
 それでは、まず、危険ドラッグ問題についてお尋ねいたします。
 東京を世界一の都市にする、そして都民の生命財産を守る、これが私たち都議会自民党の政策目標であります。世界に誇る東京の警視庁の努力によって、交通事故による死傷者も、二十五年統計では十三年連続の減少を見ており、すばらしいことだと思います。交通事故による犠牲者を減らすこと、今後とも頑張っていただきたいと思います。
 さて、最近、危険ドラッグという厄介なものが若者を中心にちまたに蔓延し、覚醒剤のように売人経由で手に入れるのではなく、繁華街のどこにもその店舗を構えられ販売できて、また、インターネットを使っても、簡単に入手できるというとんでもない代物が出回ってしまいました。
 現在、検挙された危険ドラッグ乱用者の約二割がインターネットを利用して購入している状況もあり、青少年を含め、適切な対応が求められております。
 過去に同様の麻痺効果、攪乱効果を目的として、シンナーやトルエンが使われた時代がありました。各自治体の行政の指導や塗料販売業の協力もあり、青少年が入手しにくくなりました。
 でも、危険ドラッグは違います。お金さえ持っていれば、いつでも簡単に安価で手に入れることができます。平成二十四年、二十五年と危険ドラッグ使用が疑われる都内の緊急搬送件数もふえていると聞きます。
 先日も、テレビ番組「密着二十四時」という番組の中で、深夜の六本木や渋谷で危険ドラッグを吸引し、捜査員によって危険ドラッグの使用が発覚し、連行されていくという実態が報道されていました。このままでは、いたいけない判断力の弱い青少年が大人の悪の餌食となってしまいます。青少年の健全育成を推進する東京都としては、黙って見ていてはなりません。
 東京には、東京都青少年の健全な育成に関する条例があります。最新の改正では、有害図書を排除することを目的として、平成二十二年に行われました。青少年の保護に関する都や保護者の責務などが定められています。都の責務として、有害図書と同様に、危険ドラッグから、いいかえれば大人の魔の手から青少年を守る必要があると思います。
 そこで、青少年の健全育成を所管する青少年・治安対策本部は、危険ドラッグから青少年を守るため、どのような取り組みをしているのか、まず伺いたいと思います。
 次に、都としても、販売店舗に対して立入検査等を実施し、当該品の販売中止等を指示したり、国と連携し、指定薬物と疑われる物品を販売していた店舗に対し、検査結果が明らかになるまでの間、販売停止命令を行ったものの、残念ながら、その魔の手は完全にはとまらないように思います。
 危険ドラッグの影響によると思われる運転者の車の事故が絶えません。警察庁が発表した全国の検挙件数は、二十五年には三十八件、二十六年、ことしは既に三十三件であります。
 危険ドラッグによる運転事故により何人の被害者が出たのでしょうか。被害者が出なくなるのはいつになるのでしょうか。もし、私の家族が危険ドラッグによる興奮作用で車にひかれたとしたら、とても加害者を許す気持ちにはなれません。行政の皆さんだって同じ気持ちだと思います。
 兵庫県では、販売されるドラッグの成分を問わず店に規制をかけ、販売しにくいという状況をつくる条例を制定するそうであります。
 危険ドラッグの取り締まり強化について、都の即効性、有効性を考慮した今後の対応、考え、ご所見を伺いたいと思います。
 同時に、警視庁の今後の取り締まり強化においても、東京を世界一の都市にするため、危険ドラッグや犯罪撲滅にあらゆる法令を駆使して取り締まり、ぜひとも根絶に向け全力で当たっていただきたい旨、強く強く要望しておきます。
 次に、教育行政、道徳についてお尋ねいたします。
 先ほど、我が党のきたしろ議員の質問にもありましたように、私も小中学校における道徳教育の重要性を強く感じています。そして、道徳教育を推進するためには、学校は定められたことをただこなすだけでなく、本気で子供たちのことを考え、創意工夫をし、全力で取り組む姿勢を持ってもらいたいと思います。
 文部科学省は、本年度から全国の小中学生一人一人に道徳教育用教材として、「私たちの道徳」を無償配布いたしました。そして、この「私たちの道徳」が学校だけでなく、家庭でも活用できるよう通知をしています。
 ところが、ある民間の調査によれば、必ずしも十分に活用されていない現状があることがわかりました。なくすと困るからといって授業後に回収して教室に保管をし、夏休みになって何の指導もなくただ持ち帰らせるだけ。こうした指導では、有効活用はできません。
 道徳教育は、家庭と連携して行われるものであります。私は、ぜひ保護者にも目を通してほしいと思いますし、日本のよき伝統文化として、世界に誇る日本人の道徳観がどのようなものなのか、若い世代の保護者にも、いま一度、子供たちと一緒に考えてほしいと思っています。
 そうした道徳教育の環境づくりに向けた学校の取り組みを推進するためには、都教委の一歩踏み込んだ指導が必要と考えます。都教育委員会が「私たちの道徳」の活用を一層進めるべきと考えますが、所見を伺います。
 あわせて、私は、道徳の教科化に期待をしています。正規の教科でないから、教員は真剣にならないといわざるを得ません。学習指導要領の見直しを早期に実施させ、本来の教科にすべきというのは、我が党の要望でもあります。
 そこで、道徳の教科化に向けた国の動向と都教育委員会の取り組みについて伺いたいと思います。
 新たな文化ビジョンの策定についてお尋ねいたします。
 さきの所信表明において、知事は、文化ビジョンを策定することを発表いたしました。東京が世界一の都市となるためには、文化においても世界一となることが必要であり、東京オリンピック・パラリンピックを成功に導くためにも、今ここで文化戦略を打ち出すことの意義は大であると考えます。
 東京は、多彩な文化に満ちた都市であります。能や狂言、茶道、華道といった日本人の精神性に裏打ちされた伝統文化が今日に至るまで脈々と息づいているだけでなく、諸外国のさまざまな芸術文化も受け入れ、融合し、独自の文化を生み出しています。
 伝統と現代の共存は、驚くべき多様性として、世界に誇る我々東京の文化であります。
 文化ビジョンの策定に当たっては、世界に向けて誇るべき東京独自の文化を発信するとともに、小さな施策の列挙ではなく、今後の道しるべとなるべき文化政策の大きな方向性や哲学を打ち出す必要があると思いますが、知事のご所見を伺いたいと思います。
 関連して、文化施設のネットワーク化の推進についてお尋ねいたします。
 芸術文化の面でも、東京を世界で一番の都市にするためには、東京の持つ文化資源をもっと有効に活用するべきであると考えています。
 例えば、パリでは、世界に知られたルーブル美術館やオルセー美術館などの発信力を生かして、世界中から観光客を集めています。
 一方、東京には、日本における伝統文化から最先端の文化まで、区市町村や民間の施設も含め、多様で魅力的な美術館、博物館等の文化施設が数多く集積しています。
 今後、オリンピックを契機として、都立文化施設が中核となって多くの文化施設が連携して、東京の多様な魅力を発信するための取り組みを積極的に進めるべきと考えますが、ご所見を伺いたいと思います。
 次に、環境行政における安心・安全についてお尋ねいたします。
 東京には、年間二百七十万人もの観光客が訪れる高尾山や都内最高峰の雲取山など魅力的な山々があり、多くの都民がハイキング、自然観察、本格的な登山などを楽しんでいます。また、最近では、登山道や遊歩道を走るトレイルランニングを楽しむ人たちがふえております。山の中でカラフルなシャツを着て走るランナーを見かけるようになりました。
 先日、このトレイルランニングを取り上げたテレビ番組が放映されましたが、多摩地域では、都心から近いため多くの大会が開催されており、参加者が千人を超えるものも珍しくないとのことでありました。多くの人が訪れてくれることは地域振興にもつながるため、地元にとっては大変歓迎すべきことであります。
 しかし、一度に千人を超えるランナーが狭い山道を走るとなると、接触や転落など大きな事故が起きたり、自然への過剰な負荷が生じたりといった問題も看過できないと感じました。接触事故による外傷の報告はあるものの、幸いなことに緊急搬送にまでは至っていないとのことであります。大事になる前に、早いうちに対応策を講じる必要があると考えます。
 そこでまず、トレイルランニングに対し、都の現状認識や対応状況についてご所見を伺いたいと思います。
 今後、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを契機として、国内外から一層の観光客の増加が見込まれる中、自然公園を訪れる全ての方々が安心して、それぞれの楽しみ方で利用できる環境を整えることが重要だと考えます。必要であれば、八王子では、トレラン向けの用地提供には協力させていただきたいとのことであります。
 近年、トレイルランニングは全国的な広がりを見せており、特に大会開催時の自然環境への影響やほかの利用者とのトラブル等を懸念し、国もルールづくりを進めていると聞いていますが、都は利用実態を踏まえ、独自に具体的なルールづくりを率先して進めるべきと考えます。
 都のご所見を伺って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 近藤充議員の一般質問にお答えいたします。
 文化ビジョンの策定についてでありますが、東京を世界一の都市にするためには、都市の価値を構成する重要な要素に芸術文化を位置づけ、その価値を高める文化面での世界戦略が必要であります。
 そのため、このたび二〇二〇年大会の文化プログラムはもとより、今後十年を見据えた東京の文化政策における道しるべとなる文化ビジョンを策定することといたしました。
 このビジョンでは、伝統文化から最先端の芸術文化に至る多様性に満ちた東京独自の誇るべき文化の振興策とともに、文化政策が都市づくりや産業振興の一翼を担い、東京の成長を牽引することなど、大きな方向性を打ち出してまいります。
 さらに、東京の芸術文化戦略を世界に示すために、このビジョンを海外向けの都市広報を活用して、世界に向けて発信いたします。
 今後、都議会や民間文化団体などの意見も十分に踏まえた上で、未来を先取りする文化ビジョンを策定してまいります。
 そのほかの質問については、教育長及び関係局長から答弁させます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、「私たちの道徳」の活用についてでありますが、現在、東京都の全ての公立小中学校では、国が作成した教材「私たちの道徳」を授業で活用するとともに、家庭に持ち帰り、学習するよう子供に指導しております。
 また、都教育委員会は、道徳教育の充実を図るため、本年八月、小中学校の道徳教育推進担当の教員を対象に、国や都の教材を活用した具体的な指導法に関する研修を実施いたしました。
 今後、こうした教材を、道徳授業を初め、教育活動全体で効果的に活用するための指導計画例を示すとともに、授業で学習した内容について、子供が保護者と話し合う取り組みの実践事例を紹介するなど、区市町村教育委員会と連携して、「私たちの道徳」の活用を一層推進してまいります。
 次に、道徳の教科化についてでありますが、中央教育審議会の道徳教育専門部会は、道徳を特別の教科として位置づけ、授業は原則、学級担任が担当することなどを盛り込んだ答申案をまとめました。
 都教育委員会は、今後の国の動向を注視するとともに、道徳教育の重要性を踏まえ、三年間で都内全公立小中学校の道徳授業の核となる教員を養成する講座を今年度から開始いたしました。
 今後は、この講座を修了した教員が校内で指導助言をすることで、全ての教員の指導力を向上させ、学校の組織的な取り組みを推進するなど、区市町村教育委員会と連携して、道徳教育のさらなる充実を図ってまいります。
   〔青少年・治安対策本部長河合潔君登壇〕

〇青少年・治安対策本部長(河合潔君) 危険ドラッグから青少年を守る取り組みについてでありますが、ご指摘のように、危険ドラッグは、青少年でもインターネットを利用して容易に入手できる状況にあります。このことから、危険ドラッグの販売など、有害情報が青少年の目に触れないようにすることが重要であります。
 そこで、インターネット上の有害情報を排除する青少年健全育成条例の規定を活用して、携帯電話やスマートフォンを購入する青少年や保護者に対し、フィルタリング加入への勧誘を事業者に義務づけております。
 さらに、インターネット適正利用を支援するファミリeルール講座を保護者や生徒等を対象に実施し、青少年を危険ドラッグから遠ざける環境を整えておりますほか、関係各局の関連イベントの際、リーフレット等を配布するなど、今後とも危険ドラッグの排除に努めてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 危険ドラッグの取り締まり強化についてでございますが、都はこれまで、危険ドラッグの流通実態調査や買い上げ調査を行い、未規制薬物を条例に基づき速やかに規制するとともに、国や警視庁等と連携しながら、立入調査や合同捜査を実施してまいりました。
 また、本年八月には国と連携し、指定薬物と疑われる物品が見つかった店舗への販売停止命令を行うとともに、今月から無承認医薬品としての取り締まりも開始いたしました。
 さらに、インターネット上での監視強化や、プロバイダーへのホームページの削除要請、宅配事業者への自粛要請など、さまざまな対策を実施しております。
 本定例会には、これまで以上に迅速かつ効果的な取り締まりができるよう、規制強化のための条例の改正案も提出しており、今後とも、国や警視庁等と連携して、危険ドラッグの取り締まりを一層強化してまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 文化施設のネットワーク化の推進についてでありますが、東京が海外の文化都市との競争の中で文化の発信力を強化していくためには、東京の有力な文化資源である国公立、民間の文化施設が連携し、より大きな力を発揮することが必要であります。
 既に上野地区におきましては、世界に認知される文化拠点を目指すため、上野「文化の杜」新構想推進会議が設置され、美術館や博物館、教育機関の連携協力による取り組みが始まっておりまして、都としても、その推進を図るため、重要な役割を担う都立文化施設が検討に加わっております。
 さらに、オリンピック・パラリンピックの開催に向けましては、案内表示の多言語化や夜間の開館時間の延長、新たな共通パスポートの導入が不可欠であり、そのためには文化施設のネットワークの構築とその活用が急務であることから、先般、都が中心となりまして、首都圏の名立たる美術館、博物館の館長にお集まりいただき、意見交換を行ったところでございます。
 今後は、首都圏の文化施設に対して幅広くネットワークへの参加を呼びかけ、文化施設の連携強化や、世界に向けた発信力向上のための方策の具体化に取り組んでまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 自然公園に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、トレイルランニングに対する現状認識等についてでございます。
 多摩地域の自然公園では、日常的に個人ランナーを見かけるほか、大会も年々増加し、今年度は十六の大会が予定されるなど、トレイルランニングは、新しい自然公園の楽しみ方として定着してきているものと認識しております。
 一方、ハイカーなどからは、登山道での危険な追い抜きや大会開催時の渋滞への苦情が寄せられたり、接触事故が起きかねない状況も一部に見られるようになってきております。また、登山道のはみ出し走行による周辺植生へのダメージなど、自然環境への影響も懸念されております。
 このため、都は現在、大会等の開催情報の把握に努め、主催者に安全管理の徹底を促すとともに、東京都レンジャーが現地で直接大会開催状況を確認したり、個人ランナーに対して指導や利用マナーの啓発などを行っております。
 次に、都独自のルールづくりについてでございます。
 都は、自然公園の安全で適切な利用を確保する管理者としての責務等に鑑み、トレイルランニング大会などについて、ご指摘のとおり一定のルールを定めることが必要と認識しております。
 このため、七月に自然公園の専門家等で構成する検討委員会を設置し、国の検討内容との整合を図りつつ、新たな利用と保護のあり方についての検討に着手をいたしました。この委員会では、利用の多様化に応じたマナーのあり方、大会実施に係る事前相談やコース設定、ランナーの誘導方法、一般利用者等への周知方法などの具体的なルールについて議論をしております。
 今後、地元の関係者や市町村、観光協会等から意見をお聞きするとともに、パブリックコメントを行い、今年度内にルールを策定し、さまざまな利用者が安全かつ安心して、おのおのの楽しみ方を享受できる環境づくりを進めてまいります。

〇議長(吉野利明君) 五十九番上野和彦君
   〔五十九番上野和彦君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇五十九番(上野和彦君) 東京は、地球温暖化に伴い、年平均気温が過去百年間で約三度C上昇するなど、気候変動によるさまざまな影響が生じております。
 例えば、気温上昇の影響を最も受ける感染症であるデング熱の感染患者が確認されました。また、熱中症の発生率は年々高くなり、死亡者数も増加しております。さらに、かつて百年に一回の出現率といわれた時間百ミリ以上の降雨が増加し、土砂災害や浸水をもたらすなど、近年、被害は甚大化しております。
 こうした気候変動の危機を回避していくためには、温室効果ガス削減などの緩和策とともに、適応策を実施することが重要です。
 そこでまず、適応という観点も踏まえ、日本の首都であり一千三百万都民が暮らし活動する、大都市東京における気候変動対策について、知事の基本認識を伺います。
 九月十日、私の地元江戸川区では、時間雨量九十四・五ミリを観測する猛烈な豪雨に襲われ、区の北部地域を中心に、床上、床下浸水被害が発生しました。この地域は、昨年度末に浸水対策として新たに雨水貯留管が設置されたにもかかわらず、こうした被害が発生したことに対し、住民からは不安の声が出ております。
 そこで、この浸水被害については、雨水ますの設置状況など、下水道以外の原因も考えられることから、関係機関と連携し、発生した原因の調査と対策に取り組むとともに、その内容を住民に説明するべきと考えますが、下水道局の見解を求めます。
 また、ことしの第一回定例会で、私は、江戸川区の北葛西、西葛西地区の浸水対策について、広域的視野から検証し、早期に具体的な対策を進めるよう主張しました。ことしも豪雨が発生しており、地元では対策を急いでもらいたいとの声が強まっております。
 浸水被害を繰り返さないためにも、都は早急に具体的な対策を進めていくべきであります。見解を求めます。
 次に、不燃化特区制度について質問します。
 不燃化特区の事業の進捗に伴い、助成制度の新たな課題も見えてきました。
 例えば、不燃化特区の区域内に商店街を抱える地区が複数ありますが、不燃化特区制度の建てかえ助成では、事務所、店舗専用の建物は対象となっておりません。更地にする場合のみ助成する制度であります。地元を回っていると、住民からは、仕事を廃業することを条件にした助成制度はおかしいではないかといわれたのであります。このため、建てかえが進まない商店街もあると聞いております。
 店舗や事務所は大半が道路に面しており、避難通路確保のためにも、不燃化促進を急がねばなりません。また、まちづくり専門家の派遣が、特区指定後、初動期に限られ、地域の合意形成には十分でないとの声も聞いており、事業を推進するためには、こうした課題にも目を向け、地域の防災性の向上に着実に寄与する施策展開を図っていかなくてはなりません。
 そのためには、現場の声を真摯に受けとめ、実効性のある制度に改善していくべきと考えますが、都の見解を求めます。
 次に、都政のBCPについて質問します。
 私はこれまで、東日本大震災で浮かび上がった帰宅困難者対策の新たな課題を踏まえて、都政のBCPを見直す必要があること、さらに、継続的に改善を図る事業継続マネジメント、BCMを推進していくことが重要であると指摘してきました。
 また、国や区市町村、協定団体などが策定するBCPと連動させ、訓練も連携して実施していくことも重要であります。
 そこで、BCPの実効性をさらに高めるため、BCM推進委員会を早期に立ち上げ、職員の意識啓発や訓練などを踏まえた検証を行うなど、BCM推進体制の強化が必要であると考えますが、見解を求めます。
 次に、工業用水道事業のあり方について質問します。
 私は、昨年の第三回定例会でも指摘しましたが、高度経済成長に伴う東京の地盤沈下を背景に整備された工業用水道は、供用開始後、約五十年を経て施設の老朽化が進み、上水道のような耐震化も進んでいません。耐震化が進んでいない中、一たび施設が破損すれば、ユーザーの事業に甚大な影響を及ぼすことはいうまでもありませんが、首都直下地震が切迫性を増す状況の中で、このままでは都民の安全・安心を著しく脅かすこととなります。
 また、平成十六年度包括外部監査では、工業用水道事業について、廃止を含めた抜本的な経営改革を行うべきとの指摘がなされており、ユーザーからは不安の声が上がっています。
 工業用水の経営改革の検討に当たって、大切なのは、利用者の方々の意見に配慮するとともに、予想される災害に備え、スピード感を持って検討を進めていくことであります。
 本年七月には、検討会の所管が旧知事本局から財務局に変更されました。
 そこで、現在の検討状況と今後の方向性について見解を求めます。
 次に、都市基盤整備について質問します。
 東京都は、平成十年の広域交通ネットワーク計画検討委員会において、区部周辺部環状公共交通、すなわちメトロセブン、エイトライナーを、都市構造再編への寄与が大きく、採算性のすぐれた路線であり、広域ネットワーク形成上、整備を促進すべき路線であると評価しました。
 そこで、平成十二年一月の運輸政策審議会答申に向け、優先順位上位として国に上げ、初めて、今後整備について検討すべき路線として答申に位置づけられたのであります。
 メトロセブン、エイトライナーは、三十二路線結束による環状方向の移動の利便性が向上し、迂回経路として災害等のリスクへの対応や、羽田空港へのアクセス等、国際競争力強化などの効果があり、現在、国の交通政策審議会の中で議論されている方向性にも合致している路線であります。
 一方、多大な建設費など課題もありますが、これまで事業費のコスト縮減に取り組んでおり、今後とも、長期的ビジョンの視点で、実現に向け議論を続ける必要があります。
 そこで、国が平成二十七年度中に取りまとめる次期答申に向け、東京都は、地元関連九区の声、思いを受けとめ、メトロセブン、エイトライナーの明確な位置づけを目指し、強く国へ働きかけるべきであると考えますが、見解を求めます。
 次に、江戸川都県境の橋梁整備について質問します。
 江戸川区と対岸の千葉県市川市のそれぞれの防災拠点を連絡する補助第二八六号線の橋梁は、災害時の避難路や救援物資の輸送路として、極めて重要な役割を担うことが期待されます。また、千葉県側は、東京外かく環状道路にアクセスするなど、都県境を越えた広域的な道路ネットワークを形成する路線であり、施行は県が実施すると聞いております。
 そこで、今後、関係者間で協議を進め、第四次事業化計画の優先整備路線として位置づけるとともに、都県境であることから、東京都が主体となって早期に整備を図るべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、環境対策について質問します。
 廃棄物の中には、鉛など有害物質が含まれるものがありますが、重金属類を含むものについては、可能な限り使用を抑制していくことが重要です。これらが不適正な処理がなされた場合、鉛による健康被害や土壌汚染などの環境問題が生じかねません。
 そこで都は、これまでも環境物品調達方針で鉛フリー化を進めてきましたが、今後、重金属類を含む廃棄物による環境負荷の削減に向けて、さらに取り組みを強化していく必要があると考えますが、都の見解を求めます。
 また、民間では、空調設備の断熱工事等に使用されている建設資材の中には、安価な輸入製品の鉛含有資材が利用されている場合もあると聞いております。都はこれまでも、環境物品等調達方針で鉛フリー電線を特別品目に指定するなど、公共工事において環境負荷低減に努め、民間をリードしてきました。
 そこで、今後は、有害物質を含む資材の利用の抑制について今まで以上に配慮し、環境物品等調達方針を更新していく必要があると考えますが、見解を求めます。
 昨年十月に首都高向島線において、橋の塗装の塗りかえ工事中に作業員が鉛中毒を発症したと聞いております。塗装を剥がす作業中に、古い塗装に含まれる鉛を吸い込んだことが原因と考えられています。都においても、橋の塗りかえ工事は多く実施されています。
 そこで、鉛による健康障害を防止するためにも、早急に十分な対策を行うべきと考えますが、都の見解を求めます。
 次に、葛西臨海公園の魅力向上について質問します。
 葛西臨海公園は、隣接地にカヌースラローム施設の配置が検討されており、オリンピック開催時には、内外から多くの利用者でにぎわう観光の拠点となることが予想されています。
 この公園は、平成元年の開園以降、段階的に整備され、現在まで、適切な維持管理により良好な空間が形成されてきましたが、開園以来二十五年が経過し、一部には施設の老朽化やバリアフリーなどの対策が必要な箇所が見られます。
 そこで、二〇二〇年に向けて、都民を初め観光客をおもてなしする場にふさわしい、魅力ある公園に再生すべきと考えますが、都の所見を求めます。
 次に、舟運活性化に向けた水辺のアクセスの充実について質問します。
 我が党はこれまで、舟運の活性化に向けた公共桟橋の開放を提案し、本会議や経済・港湾委員会の場で繰り返し議論してきました。このたび、竹芝の小型船桟橋を不定期航路事業者に開放する試みが開始されたことは評価いたします。
 竹芝小型船桟橋の開放は、舟運活性化に向けた大きな一歩であると認識しており、これを契機に、さらなる可能性が広がっていくことを期待するものであります。
 そこで都は、これにとどまることなく、さらなる公共桟橋の開放を進め、舟運の活性化を一層推進していくべきと考えますが、今後の展開をお尋ねし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 上野和彦議員の一般質問にお答えいたします。
 気候変動対策についてでありますが、IPCCの第五次報告によりますと、地球温暖化の影響により、極端な降水がより強く頻繁になる可能性が高いことなどが予測されております。日本各地で頻発する、かつてなかったような集中豪雨などは、こうした指摘を想起させるものであります。
 温暖化の進行を防止するためには、温室効果ガスの削減が急務であり、特に都市全体で世界の温室効果ガスの七割を排出しているとされている中、都市レベルの対策は極めて重要であります。
 都はこれまで、都市型キャップ・アンド・トレード制度などを推進し、温室効果ガスの削減に取り組んでまいりました。また、防災性の向上にもつながる分散型電源の拡大や、集中豪雨への対策などを強力に進めております。
 今後、効果的な省エネ、節電対策に加え、再生可能エネルギーの大幅な拡大、水素エネルギーの多角的な活用とともに、都市型災害に対応するまちづくりを急ぎ、他都市の模範となるような世界一強靱な都市東京を実現してまいります。
 その他の質問につきましては、東京都技監及び関係局長に答弁させます。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

〇東京都技監(横溝良一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、橋の塗装工事における鉛対策についてでございますが、橋の塗りかえ工事は、橋をさびから守り寿命を延ばすことや、美観を保つ上で不可欠なものでございます。
 工事は、劣化した古い塗装を剥がした後に改めて塗り直すものでございますが、平成十七年度以前のさびどめ塗料には鉛が含まれていることから、作業員等の健康障害を防ぐため、鉛の吸引や飛散を防止する対策を講じる必要がございます。
 このため、都では、本年五月の国の通知に基づきまして、古いさびどめ塗料に含まれる鉛の有無について受注者に情報を提供するとともに、離剤や防じんシートを使用するほか、新たに必要となる経費等についても配慮し、適切な対策を実施してまいります。
 今後とも、塗装工事における環境対策を適正に行い、良好な作業空間を確保しながら、橋の長寿命化を進めてまいります。
 次に、葛西臨海公園でのおもてなしについてでございますが、この公園には水族園や観覧車が設置され、年間約三百万人が訪れております。また、浅草やお台場を結ぶ水上バス乗り場や野鳥の観察園、さらにはバーベキュー広場などが整備されているとともに、スイセンなど四季折々の花をテーマとしたイベントを行うなど、にぎわいの創出と来園者に楽しんでいただける取り組みを進めてきております。
 今後は、この公園が東京オリンピック・パラリンピックの会場に位置づけられていることから、イベントの拡充や徹底したバリアフリー化を目指すとともに、老朽化施設への対応やサインの多言語化など、国内外からの観光客に対しておもてなしができるよう、さらに魅力あふれるさまざまな取り組みを推進してまいります。
   〔下水道局長松田芳和君登壇〕

〇下水道局長(松田芳和君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、江戸川区北部地域の浸水対策についてでございますが、九月十日の局地的な豪雨では、二十三区の東部を中心に浸水被害が生じ、江戸川区の北部地域でも浸水が発生いたしました。
 この地域では、昨年度末、新たに貯留量九百六十立方メートルの雨水貯留管が完成し、既存の施設と合わせまして二千五百立方メートルの貯留が可能となっております。
 これにより、ご指摘の豪雨でも相当程度被害の軽減が図られたと考えられますけれども、なお浸水被害が発生しておりますことから、被害や降雨の詳細、地形、雨水ますの設置箇所や維持管理の状況など浸水の原因の調査を行いまして、地域住民の皆様にお示ししてまいります。その上で、区など関係機関と連携し、どのような対応が可能か検討してまいります。
 次に、北葛西、西葛西地区の浸水対策についてでございますが、昨年十月の台風二十六号による浸水被害が発生した北葛西や西葛西地区につきましては、昨年十二月に策定をいたしました豪雨対策下水道緊急プランにおきまして、緊急に対策を進める地区の一つとして選定し、対策を進めております。
 具体的には、ことしの雨季の前までに、区や関係局と連携をいたしまして、雨水ますの増設、連続のグレーチングぶたへの取りかえを行うとともに、既設の雨水貯留管を改良し、雨水が貯留管に流れ込みやすくする対策を行いました。
 現在、雨水の流れをより広域的視点から検証するために、雨水流出解析シミュレーションを行っております。追加対策の必要性を確認した上で、雨水の流れの改善や下水道管の増設など対策の具体的内容を検討してまいります。こうした取り組みを進め、浸水対策に積極的に取り組んでまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

〇都市整備局長(安井順一君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、不燃化特区制度についてでございますが、この制度は、戸建て住宅への建てかえ助成や固定資産税等の減免など、従来の木密対策から一歩踏み込んだ支援策を区と連携して重点的、集中的に講ずることにより、木密地域の改善を一段と加速させるものでございます。
 昨年度、特区制度による事業を開始してから、これまでの取り組みを通じまして、事業主体である区から、相談体制のさらなる充実など現行の支援策の改善を求める声が出されております。
 都は、今後こうした地域の声もよく踏まえまして、さらに使いやすい制度運用となるよう検討し、区の取り組みを効果的に後押しすることで、木密地域の不燃化をさらに強力に推進してまいります。
 次に、区部周辺環状公共交通、いわゆるメトロセブン、エイトライナーについてでございますが、本路線は、運輸政策審議会答申第十八号で、今後、整備について検討すべき路線として位置づけられております。
 国は、答申の目標年次が近づいていることから、交通政策審議会におきまして平成二十七年度中に次期答申を取りまとめるための議論を始めております。
 都といたしましても、今年度、都における今後の鉄道ネットワークのあり方などにつきまして、国の動向を見ながら、調査検討を進めております。本路線は、多大な建設費や事業採算性など、さまざまな課題があることから、都としては、こうした課題を踏まえ適切に対応してまいります。
 次に、補助二八六号線の整備についてでございますが、本路線は、千葉県との都県境を含む道路ネットワークを形成し、災害時に江戸川区と対岸の市川市との間の連携を支える上でも重要な路線でございます。
 これまで区が提案し、みずからが整備主体となる橋梁部の暫定整備案につきまして、関係者間で検討を進めてまいりましたが、社会情勢の変化もあり、区は平成二十三年度に検討を保留すると表明いたしました。都市計画道路の整備につきましては、第三次事業化計画が平成二十七年度に終了することから、現在、都と地元区市町とで次期計画の検討を進めております。
 今後、渋滞の効果的な解消や高度防災都市の実現などの観点から、優先整備路線を選定していく予定でございまして、お話の路線につきましてもこの中で適切に対応してまいります。
 最後に、環境物品等調達方針についてでございますが、都は、国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律に基づきまして調達方針を定めまして、建設資材の循環や温室効果ガスの削減、環境に悪い影響を与える物品の使用の抑制などに取り組んでおります。
 この方針におきましては、国が指定している品目のみならず、都の実情に応じまして、建設発生土などを対象品目として追加し、都や区市町村が行う公共事業で活用するように働きかけております。
 お話にございました鉛などの有害物質を含む資材の利用の抑制につきましては、製品開発の動向などを踏まえまして、対象品目を適宜見直し、環境負荷低減に向けた取り組みを進めてまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) BCM推進体制の強化についてでございます。
 BCPを災害時に機能させるためには、実践的な訓練等を通じて実効性ある内容に継続的に見直すなど、BCMを推進していくことが重要でございます。
 そのため、関係各局で構成いたします、仮称でございますが、東京都BCM推進委員会を年度内に設置し、部会における実務的な検討を通じまして取り組みを進めてまいります。
 具体的には、職員の意識を高めるための教育、普及啓発に取り組むとともに、区市町村、民間団体等と連携した実践的な訓練や、各局における訓練などについて検討、検証してまいります。
 今後とも、こうしたBCMの取り組みを継続し、実効性の高いBCPに見直していくことで、首都直下地震等への備えを万全なものとしてまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 工業用水道事業の今後のあり方についてでありますが、平成十六年度の包括外部監査において、工業用水道事業の廃止を含めた抜本的な経営改革について意見が出されたことを受け、関係七局による検討会を設置し、この間、この検討会などを通じて、さまざまな角度から議論を重ねてまいりました。
 工業用水道の配管などの老朽化については、首都直下地震の発生が懸念される中、防災面で大切な課題であると認識しております。また、工業用水道事業の経営改革の検討に当たっては、利用者の経営状況や意見を十分に把握することが重要であります。
 今後、利用者に対するアンケート調査の結果やこれまでの議論を踏まえ、工業用水道事業の課題や基本的な考え方を整理すべく、しっかりと庁内で検討を行ってまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 重金属類を含む廃棄物による環境負荷の削減に向けた取り組みについてでございます。
 都は、有害物質によるリスクを軽減していくため、環境物品等調達方針で鉛等を含む資材の使用抑制を基本的な考え方として示すとともに、例えば、鉛フリー電線を特別品目に指定し、その使用を推進しております。
 現在では、国産の電線に関しては鉛フリー化が実現しておりますが、輸入品の一部には鉛を使用しているものもあると考えられることなどから、関係局で連携して、引き続きグリーン購入を推進するとともに、関係業界に対して、こうした都の取り組みについて情報提供を行ってまいります。
 あわせて、野焼きなど廃棄物の不適正な処理によって環境中に重金属類が排出されることのないよう、廃棄物処理法に基づき的確に事業者指導を行ってまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) 舟運の活性化についてでございますが、国際観光都市東京の今後の発展に向け、舟運の活性化は大きな可能性があると認識しております。この九月から、これまでの視察船の専用桟橋であった竹芝小型船桟橋について、屋形船などの不定期航路事業者への開放を試行として開始いたしました。
 今後は、MICE、国際観光機能との連携強化という観点から、東京ビッグサイトに近接する有明桟橋において、イベントとのタイアップやアフターコンベンションとしての舟運の活用を本格的に検討してまいります。
 具体的には、まず、大規模イベント開催に合わせた実証実験として、屋形船による東京港周遊クルーズを実施いたします。こうした取り組みにより、都が保有する公共桟橋の利用ニーズの分析や課題の整理などを行い、舟運の活性化に向けた公共桟橋のさらなる開放につなげてまいります。

〇副議長(藤井一君) 四十一番木村基成君
   〔四十一番木村基成君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇四十一番(木村基成君) 初めに、都市外交について伺います。
 就任以来、知事は積極的な都市外交を展開しています。アジネット構成都市と交流を深めることは、国際的な東京や日本の存在感を高め、ひいては海外の応援団をふやすことにつながると期待しています。しかし、都市外交に割り当てられる資源には限りがあり、より戦略的な展開が必要だと考えます。
 私は、以前、ポーランド駐日大使から招待されて大使館に伺いました。大使は東京都との交流に大変関心をお持ちであり、両国の歴史的なつながりについても熱心にお話ししてくださいました。第一次大戦後、ロシアに残留したポーランド人の孤児約八百人を日本が救出した話であります。欧米諸国が救済を断る中、唯一、手を差し伸べたのが日本でした。今でもそのことに感謝しており、東京に記念碑を建てる計画もあるそうです。
 また、一九四五年に独立したインドネシアでは、当時、指導的立場にあったハッタ氏とスカルノ氏が直筆で署名した独立宣言の日付が一七・八・〇五と記されています。これは、〇五年八月十七日という意味です。西暦一九四五年にもかかわらず、〇五年と記されている真意は、日本の皇紀で二六〇五年に当たることから、日本への感謝として皇紀を採用したといわれています。
 そのほかにも、トルコ、インド、モンゴルやアルゼンチンなど親日国は世界中に存在しています。
 アジネット以外でも、日本と歴史的な関係が深い国を大切にしつつ、親日あるいは親東京という機運を高める都市外交の必要性を感じますが、知事の見解を伺います。
 次に、教育について伺います。
 私たちの人生や生活は、縦軸と横軸から成り立っていると思います。横軸は生きている社会、縦軸は歴史です。日本の歴史は、縦軸に深く、そして連続性を持っています。だからこそ、国や日本人の成り立ちについて理解を深めることが教育の根幹であると考えます。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けて、世界の国々と冷静で熱い関係を築き上げることが重要です。そのためには、まず、我が国の歴史や文化がどのように世界各国とかかわりながら今日に至ったのかを学ぶことが必要です。
 そうした学習を通じて、海外から評価されている日本のよさを理解し、日本人としての自覚、そして誇りを高める教育を推進すべきだと考えますが、東京都教育委員会の見解を伺います。
 次に、海外への情報発信について伺います。
 我が党は、東京を世界で一番の都市にすることを目指しています。そのためには、東京に対する認知度の向上を図ることが必要です。
 都は、海外向けの都市広報に着手しましたが、さきに述べたポーランドやインドネシアなどの親日国を初め、海外で東京や日本がどのような印象で評価されているかなど、事情を把握した上で、戦略的な情報発信をすることが重要です。
 今こそ海外事情に関する知恵を広く結集すべきだと考えます。前例にとらわれず、思い切ってチャレンジしていただきたいと思うところですが、今後、都市広報が本格化されるに当たり、どのように取り組んでいくのかを伺います。
 また、インターネットでは、ユーチューブなどの媒体を通じて一般の人が撮影した映像が世界に配信され、思いも寄らぬ波及効果を生むことがあります。
 そこで、都市広報には、より多くの人を巻き込むような展開が欲しいと思いますが、所見を伺います。
 次に、クールジャパン関連産業の支援について伺います。
 ファッションやアニメ、工芸品など、日本人の感性やわざが付加価値として海外で高い評価を受けています。しかし、そうした分野では、必ずしも海外展開にまで至らないことがあります。経済的な価値が認められていても、海外での展開方法や拠点がないために、ビジネスの機会を逸してしまうのでは大きな損失です。
 私は、第一回定例会において、クールジャパン関連の産業振興について質問をいたしました。都知事からは、世界に通用する競争力があるので、将来のリーディング産業に育てる旨の答弁がありました。中小企業やクリエーター、デザイナーにとって海外進出が大きなハードルになるのであれば、これを乗り越えられるような都の支援が必要だと考えます。
 そこで、都は、今年度からクールジャパン関連産業の支援に着手していますが、取り組み状況について伺います。
 次に、都市農業の振興について伺います。
 東京の農産物を食することは、まさに地産地消そのものです。私の地元である小金井では、飲食店や直売所などと連携し、地産地消を推進する努力が行われています。しかし、農地の規模は限られ、農産物価格の低迷や生産コストの上昇などで収益を上げることが容易ではありません。また、営農環境が厳しく、親の後を継ぐことが難しいとも聞きます。
 東京の重要な産業である都市農業を守るためには、若い世代が都市農業を通じて人生設計ができるようにしなければなりません。
 私は、第一回定例会で、小規模農地が多い東京だからこそ、収益力を高めるために、ITを活用した栽培施設の導入など最新技術が必要だと主張してまいりました。知事は、東京都農林総合研究センターを七月に視察した際、養液栽培のキュウリを試食するなど、技術開発の重要性を認識されたと存じます。
 そこで、都では、農産物の生産性や収益性を高めるために、どのような技術開発に取り組んでいるのか伺います。
 次に、東京の緑施策について伺います。
 さきの予算特別委員会における我が党の代表質問に対して、都知事は、緑の量をふやす施策とあわせて、生物多様性の保全など緑の質を高める施策にも全庁で取り組むと表明しました。世界で一番の都市を目指す上で、生物多様性の保全や回復に視点を置いた持続可能な都市モデルを今こそ内外に示し、実行するときではないでしょうか。
 そこで、施策の現状と今後の展開を伺います。
 続いて、都内における在来植物をふやす取り組みについてであります。
 在来種による緑化は、まさに東京らしさにつながり、東京の生態系を保全する意義があります。私は、都内で生産された在来種を用いた場合、地産地消、ひいては植木生産業界の活性化にもつながる、よりよい取り組みになるものと考えます。
 しかし、苗木生産者からは、都がこうした施策を進める上で、どのような種がどれだけ必要になるのだろうかといった声が寄せられています。
 そこで、都が民間事業者との協働で始めた在来種の普及に向けた実地検証事業の推進に当たっては、在来種の管理はもとより、供給に関する検討や対策が必要になると考えますが、都の見解を伺います。
 次に、高齢者の消費者被害防止対策について伺います。
 私は、消費生活に関するご相談をいただくことがあります。その中には、社会的に弱い立場の人を狙った悪質な勧誘や取引行為があります。平成二十五年度の都内消費生活センターに寄せられた相談件数は約十二万七千件に上り、六十歳以上の方々からの相談が三割を超えるなど、人の弱みや不安につけ込む姿が見られます。
 先日の新聞報道では、認知症などで判断力が低下した高齢者の消費トラブルに関する相談が全国で一万件を突破し、過去最多になったとありました。しかも、本人には被害に遭った自覚がなく、埋もれている可能性もあるといいます。
 高齢者等の生活支援として見守りネットワークがありますが、消費者被害に関しても、そうした支援が必要です。
 従来の相談機能を強化するとともに、被害を早期に発見し、また、未然に防ぐ対策が必要だと考えますが、都の見解を伺います。
 また、幾ら被害を未然に防ぐ対策を行っても、悪質な事業者は後を絶たず、次々と新たな手口を考えてきます。しかし、特定商取引法などの規制が追いついておりません。こうした被害に対応すべく、規制強化などの対策が必要だと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会について伺います。
 昨年九月に二〇二〇年東京大会開催が決定してから一年が経過し、大会の準備が本格的に始まりました。この間、私が注目したのは、さきの定例会で知事が会場計画の再検討を打ち出したことであります。
 多くの都民や関係者がその行方に大きな関心を持っております。アクアティクスセンター、海の森水上競技場、そして有明アリーナについては、基本設計に入り、一定の方向は示されたと思います。残る課題についても引き続き検討していくということですが、限られた時間の中で着実に進めていただきたいと思います。
 そこで、これまでの再検討に関して、知事自身の評価と今後の決意を伺います。
 最後に、オリンピック・パラリンピック五十周年記念事業について伺います。
 本年は、一九六四年にアジアで初めてオリンピックが東京で開催されてから五十年の節目の年となります。当時は、戦争からの復興とその後の発展という国威を発揚する好機でありました。
 我が党は、第二回定例会で、五十周年記念事業を都内市区町村や全国自治体と連携し、意義ある事業にするよう要望しました。今回の記念事業を一過性ではなく、二〇二〇年の大会に確実につながるものにしなければなりません。
 私のように六四年大会を知らない世代には、愛する日本国の国威が発揚される、そんな経験が必要なのです。若い世代はもちろん、あらゆる世代、都民、国民の心にオリンピックによる効用、レガシーを残さねばなりません。
 そのためには、開催機運を継続的に盛り上げ、文化、教育プログラムやボランティア育成などの取り組みをますます強化する必要があると思います。開催都市である東京都内の全市区町村が一丸となるよう、密接に連携し、準備を進める必要があると考えますが、都の所見を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 木村基成議員の一般質問にお答えいたします。
 親日国を広げる都市外交の展開についてでありますが、世界には、多くの親日国と呼ばれる国があります。私自身、多くの在京大使等から表敬訪問を受ける中でそのことを実感しております。
 ご質問にありました、第一次大戦時のポーランド孤児にまつわる美談も、同じ日本人として大変誇りに思います。また、インドネシア独立にまつわるエピソードも、一般には余り知られていないお話を聞かせていただきました。感謝申し上げます。
 このほかにも、歴史の中には、互いに助け合い、感謝し、忘れ得ない記憶は数多く残っております。こうした事例は、国同士の外交というより、人と人との交流が生み出すことが多いものであります。市民同士がさまざまな交流を行うことで、より強固な信頼関係が生まれる。まさに都市外交の得意とする分野であります。
 また、都市には共通の課題があり、その解決のために協力していくことは有意義であります。東京には、上下水道に関する技術や大気汚染対策など、ほかの都市に貢献できることはたくさんあります。
 こうした取り組みを通じまして、日本や東京に親しみの感情を抱く人々をふやすよう積極的に都市外交を展開し、新たな友好の歴史をつくってまいります。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの会場計画についてでありますが、会場計画の再検討については、六月のIOC調整委員会でもご理解をいただき、よりよい方向に向けて、ともに努力していくことで一致いたしました。現在、国内外の競技団体等とも真摯に議論を行っております。
 この再検討は、課題も多く、財源も限られる中、招致段階の計画を最適、最良のものにブラッシュアップしていくための重要なプロセスであります。
 これまでの検討を踏まえ、都が整備を受け持つ施設のうち、アクアティクスセンターなど三つの施設につきましては、現計画の予定地が妥当であると判断し、速やかに基本設計に入ることといたしました。
 その他の施設につきましても、鋭意検討を進め、全体として来年二月までにIOC及びIPCに提出する大会開催基本計画に反映させてまいります。
 先日、仁川のアジア競技大会を視察し、改めて施設の後利用の重要性を認識いたしました。会場計画の再検討は、大会の成功のみならず、東京の未来を考えていくプロセスでもあります。現在、そして将来の都民に評価していただける計画とすべく、今後とも、大会組織委員会と連携しながら、全力で取り組んでまいります。
 そのほかの質問につきましては、教育長及び関係局長から答弁させます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 日本人としての自覚や誇りを高める教育についてでありますが、子供たちが日本人としての自覚や誇りを高めるためには、海外で高く評価されている我が国の伝統文化や先人のすぐれた業績を、具体的な事例を通して理解することが重要でございます。
 このため、都教育委員会は、浮世絵が西洋の美術界に与えた影響や、外国との交流、親善などに尽力した日本人の功績を「江戸から東京へ」などの都独自の教材に掲載し、授業における活用を進めてまいりました。
 今後は、こうした我が国の文化や歴史的事実など、日本の魅力を集めた資料を新たに作成、配布するとともに、「江戸から東京へ」の一層の活用を図るなどして、子供たちが日本のよさを理解し、日本人としての自覚や誇りを高める教育を一層推進してまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 四点のご質問にお答えいたします。
 初めに、海外に向けた都市広報を本格化するに当たっての取り組みについてでありますが、国際社会における東京のさらなる認知や評価の向上のためには、海外での東京の印象やメディア事情などを考慮し、受け手に応じた情報発信の効果的な手法を導入するとともに、都庁のみならず、行政と民間が一体となって発信していくことが重要であります。
 そのため、来月、世界各地のPRや報道事情、海外に向けた効果的な情報発信手法などに精通した専門家で、海外メディアを含めて国や民間で活躍している方々にお集まりをいただき、海外に向けた都市広報を考える有識者会議を立ち上げます。この会議におきましては、今年度実施しております海外における東京の認知度調査などを踏まえまして、実効性のある広報戦略を検討し、今後の都市広報の具体的取り組みに生かしてまいります。
 さらに、海外への情報発信に取り組んでいる国や民間企業などとも協力関係を新たに構築いたしまして、都市広報を戦略的に展開してまいります。
 次に、より多くの人々を巻き込んだ都市広報についてであります。
 海外では、SNSなど市民参加型の口コミ効果を重視した広報戦略を展開する都市も多く、こうした取り組みは、市民が都市に誇りを持つことにもつながっております。都におきましても、市民参加によって東京の魅力を伝えるため、価値観や言語の異なる世界の人々に向けた情報発信手法として、より効果的であるPR映像の募集を十一月から開始いたします。
 具体的には、多様な視点で東京の隠れた魅力を切り取った映像を、都民の方々はもちろんのこと、海外からの来訪者を含めて東京に関心を寄せる人々を対象に広く公募し、ユーチューブやフェイスブックなどを活用して発信してまいります。
 また、公募に当たりましては、募集方法やテーマに工夫を凝らすとともに、今後は写真等にも対象を広げるなど、幅広い世代や国の人々が参加しやすい事業として継続的に取り組んでまいります。
 次に、高齢者の消費者被害防止についてであります。
 都内の高齢者の四人に一人がひとり暮らしで、地域で孤立しがちであることから、区市町村では、福祉行政としての見守りネットワークの構築が進んでおります。
 一方、高齢者が深刻な被害を受ける消費者トラブルが増加しておりまして、今後の高齢社会を見据えますと、地域の見守りに消費生活行政の視点を取り入れる必要がございます。この点につきましては、先般、都の消費生活対策審議会からも、被害拡大を防止するためにその取り組みを加速させるよう提言を受けております。
 都は、こうしたネットワークの構築を推進するため、地域で見守りを担う介護事業者向けの被害発見のノウハウを提供する出前講座を拡充するとともに、介護事業者の掘り起こした新たな相談に区市町村が適切に対応できるよう、困難な相談への対応力向上のための支援を強化してまいります。
 また、今後、区市町村への働きかけを強めていくため、消費生活総合センターの区市町村支援機能を強化してまいります。さらに、福祉サービスの対象とならない高齢者に対しましても、悪質事業者の手口などの情報が届くよう、民間事業者との連携モデルを検討してまいります。
 最後に、悪質事業者の取り締まり強化についてでありますが、近年、悪質事業者の手口が巧妙化し、現行の法律の規制対象とならない法のすき間を狙った新手の手口が急増しております。特に高齢者を狙う、いわゆる原野商法や、海外留学を希望する若者への不適正なあっせんサービスなどの被害が東京に集中しておりまして、早急な対策が必要となっております。
 こうした現状を踏まえまして、先日、消費生活対策審議会から都に対して、これらの不適正な取引行為の規制を徹底するために、消費生活条例の改正を含めた取り締まり強化策を検討するよう提案がございました。
 今後、この提案を踏まえまして、法のすき間を狙った被害の防止が実効あるものとなるよう、条例改正等の対応策を早急に検討し、安全・安心な都市東京の実現を目指してまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

〇産業労働局長(山本隆君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、クールジャパン関連産業の支援についてでございます。
 ファッションや伝統工芸、コンテンツなどのクールジャパン関連産業は、日本人の豊かな感性や繊細さが発揮される分野として海外からの評価も高く、今後、大きく成長する可能性がございます。
 このため、都は今年度より、ファッションの分野において、将来世界での活躍が期待できるデザイナーを選定し、パリでのショールームの開設や有力バイヤーとの商談会等を通じて海外市場への進出を支援してまいります。
 また、一月に開催する東京都伝統工芸品展におきまして、新たに多言語に対応した商品紹介や実演、制作体験などを実施いたしまして、訪日観光客や在京外国人に向けて商品の魅力を積極的にPRすることで、海外への浸透を図ってまいります。
 今後も、各分野の特性に応じた効果的な手法によりまして、クールジャパン関連産業の海外展開を強力に支援してまいります。
 次に、農業における技術開発についてでございます。
 限られた農地で収益性の高い経営を実現するためには、農産物の品質と生産性の向上を図る栽培技術を開発していくことが重要でございます。
 このため、都は、東京の農業の実情に合った低コストで収穫量を大幅に増加させる技術開発に取り組んでおります。
 具体的には、キュウリの栽培において、簡易な資材で製作が可能で、収穫量も約四割増加させる養液栽培の技術を開発したほか、梨の栽培におきましては、土壌の肥料と水分を最適に管理し、枝をV字形に仕立てることで、収穫までの年数を短縮させ、通常より約二倍の収穫量が得られる栽培技術の実証実験を行っております。
 今後、こうした成果の普及とさらなる技術開発を通じて、農業者の収益力向上を図ってまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、生物多様性の保全に係る取り組みについてでございますが、生物多様性の保全と回復に向けて、地域特性に応じたさまざまな取り組みを積極的に推進する必要があると認識しております。
 このため、昨年度から区市町村を対象に、公園等の公共施設を活用した在来植物による緑化を促す、江戸のみどり復活事業を先駆的に進めるとともに、今年度から新たに民間事業者と協働して、実際の植栽地を用いた管理手法の検証に着手したところでございます。
 また、世界遺産小笠原や保全地域における希少種対策や、適切な施設整備などによる自然公園の利用促進など、東京に残された貴重な生態系に配慮した取り組みを推進しております。
 引き続き、民間事業者を初め、多様な主体の協力を得ながら、全力を挙げてこうした取り組みを展開し、生物多様性の都市モデルの形成に努めてまいります。
 次に、在来種緑化に関する供給面の検討等についてでございます。
 在来植物による緑化を広く都内に普及させていくためには、管理上の課題とともに、ご指摘のとおり、苗木の供給面からの検討も必要と認識しております。在来種緑化で用いる苗木は、生物多様性の観点から東京産が望ましく、都内の生産者の協力が重要と考えております。
 このため、七月に開始した在来種植栽の普及に向けた検討会議では、苗木生産者団体にもメンバーとして参加いただき、需要者側である民間事業者とともに、地域性種苗の生産等に係る課題についても整理し、議論を行うことといたしました。
 今後、都みずから在来種の利用促進を図るとともに、需給両面にわたる検討の結果や実地検証の成果などをフォーラム等を通じて広く都民や民間事業者に発信することにより、都内における在来植物による緑化を着実に推進してまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

〇オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) オリンピック・パラリンピックに向けた市区町村との連携についてでありますが、都は、体育の日を中心に、さまざまな企画で一九六四年大会を振り返る五十周年記念事業を、二〇二〇年大会成功に向けて都内全域が一体となって取り組みを進めるためのキックオフとして位置づけております。市区町村が主催するイベントにおきまして記念パネル展や講演会などを盛り込むなど、現時点で七十八の事業で協力連携をする予定でございます。
 開催都市である都が、市区町村との連携をより一層強化することは不可欠であり、このための意見交換の場として、都区市町村連絡協議会を七月に設置いたしました。この協議会を通じて市区町村のニーズを捉えた上で、必要な支援のあり方を検討し、二〇二〇年大会に向けて多様な取り組みを、今後効果的に展開してまいります。

〇議長(吉野利明君) 十四番米倉春奈さん
   〔十四番米倉春奈君登壇〕

〇十四番(米倉春奈君) 学生への支援について伺います。
 私は、豊島区の母子家庭だった大学一年生から相談を受けました。高校生の弟との二人兄弟でしたが、母親が病気で亡くなり、どうしたら大学を続けられるかという相談です。必死に手だてを探しましたが、都の支援制度は、貸与制度しかありませんでした。
 お兄さんは弁護士志望でしたが、ロースクールを卒業するまでお金を借り続けては借金が余りに大きくなり過ぎるといって、退学してしまいました。就職して弟の今後の学費も用意するというのです。お金がなければ、願っても学び続けることができない、こんな日本でいいのかと思いました。
 日本の大学の学費は世界一高いといわれています。新入生が大学に払う学費は、国立大学が約八十二万円、私立大学が平均百三十一万円です。私立大学四年間の学生生活費は、自宅通学でも平均七百三十八万円にもなるのです。このため、学生の二人に一人が奨学金を借り、この半分以上が利子がつくもので、卒業と同時に数百万円の借金を背負うのです。
 しかも、非正規雇用がふえ、返済したくてもできない若者が増加したことに対して、行き過ぎた回収強化が進められました。わずか三カ月延滞してブラックリストに登録された件数は三万件を超えました。
 こうした中、進学を諦める高校生、進学したものの中途退学する学生、返済が心配で奨学金を借りずアルバイト漬け生活で、満足に勉強できない学生が数多くいます。学費と生活費のために週に五日、夜間アルバイトをしている大学一年生は、勉強時間を十分に確保することが難しい、大学は何のためにあるのか問われているんじゃないかと話してくれました。
 知事は昨年、国会で、格差が世代間で継承されないということの方が私はいいと思いますと述べ、また労働や教育の分野で、機会の平等が保障されていない部分が多々あるとして、奨学金制度を含めた就学支援を政府に求めています。先日の所信表明でも、教育は、身につけば絶対になくなることのない人生の大きな財産と述べました。
 知事は、日本の未来ある若者にひとしく学ぶ機会が与えられることや、大学を初め、高等教育で学ぶことの意義をどのように考えておられますか。
 日本の高等教育政策は、世界の中から大きくおくれています。OECD加盟三十四カ国のうち、既に十七もの国が大学の授業料を無償にし、無償でない国でも、返済の必要のない奨学金制度を持っています。どちらも実現していないのは日本だけです。
 そうした中、日本政府がおととし、中等・高等教育の無償教育の漸進的導入を規定する国際人権A規約十三条二項(b)、(c)を批准したことは、一つの画期となり得るものです。
 しかし、その後の動きは不十分です。国の学生への経済的支援の在り方検討会の最終まとめ案でも、教育の機会均等を保障するための二つの柱である授業料無償化は完全に無視され、給付制奨学金は、将来的な課題として、後景に追いやられてしまっているのです。
 今、東京でも、全国でも、学生の実態や声を集めた黒書を作成したり、署名に取り組むなど、学費軽減を求める学生たちの行動が広がっています。
 日本と並んで学費の高い韓国では、おととし学生の要求に応え、ソウル市長の決断でソウル市立大学の学費を半額にしました。このソウル市の取り組みを契機に、他の自治体での学費無償化や値下げが始まり、大統領選挙でも、政府の支援による大学の学費値下げが争点になるなど、韓国全体に影響を与えています。
 私は、この夏、ソウルで大学関係者や学生に直接お話を伺いました。NGOでインターンをしている学生は、半額の学費と国の給付制奨学金を利用して授業料はかかりません。おかげでアルバイトを減らし、勉強やボランティアに積極的に取り組めると話してくれました。
 ソウル市民から多くの支援を受けているとして、学生も社会に寄与する人材になると宣言するなど、意識が変化したといわれています。学生の学びを公的に支えていくことは、東京や国際社会に貢献する人材を育てていくことにつながるはずです。
 スウェーデンの国家予算並みの財政力を持つ東京都から、日本における大学の学費負担軽減、学費無償化への流れをつくっていこうではありませんか。
 その第一歩として、首都大学東京の授業料引き下げに踏み出すことを提案します。
 都として、運営に責任を持ち、運営費交付金を交付している首都大学東京は、国立大学より学費がほんの少し安いとはいえ、四十年前と比べ約三十五倍にも引き上げられています。首都大学東京と協力して授業料を引き下げることを求めますが、いかがですか。
 都は、国との役割分担を理由に、学生支援は国の仕事として、かつて行っていた大学生への奨学金を打ち切ってしまいましたが、全国の自治体では、学生の経済困難を受け、給付制奨学金を設置するなど、支援を始めています。
 長野県はことしから始め、沖縄県が二〇一六年から大学生対象に給付制奨学金設置を目指すとしています。
 東京でも、江戸川区は区内居住者に三十五万円、小金井市も月に一万二千二百円を給付しています。厳しい予算の中でも、学生支援に取り組む自治体が、このようにふえているのです。
 都としても、教育の機会均等を確保するため、都内の大学に通う学生への給付制奨学金制度を民間からの寄附を募ることを含め、創設することを求めます。
 首都大学東京の授業料減免制度の拡充も重要です。知事も減免制度を利用して、学生生活を生き抜いてきたと話しています。
 リーマンショック以降、予算枠を超えて学生が減免申請するようになる中、国はこの五年間、国立大学の運営費交付金の減免枠をふやし、今年度は、各大学が授業料収入の九・八%を授業料減免に充てられるようにしています。
 一方、首都大学の減免予算は、二〇〇五年の独立行政法人化以降、授業料収入の七・六七%に据え置かれたままです。
 そのため、都は、収入基準を満たす学生は、何らかの減免措置を受けられるといいますが、年によっては、本来、全額免除になる収入の学生が、百人以上も半額しか免除されない事態が起きているのです。
 知事は、若者を東京から育てるというのですから、授業料減免を学生支援として政策的に位置づけ、そのための運営費交付金を首都大学に交付することを求めますが、いかがですか。
 最後に、最も経済的に困難な層への早期の支援についてです。
 保護者に頼れない児童養護施設出身者の大学進学は、一般世帯に比べ非常に条件が厳しくなります。その中でも、東京都が進学時に上限七十万円の給付を行い、支援していることは重要です。
 しかし、二年目以降は、経済的支援がなく、学生生活を続けるのが大変です。都の調査でも、中途退学の一番の理由は、アルバイトと両立できなかったというものです。
 児童養護施設を出て進学した学生の、二年目以降の経済的なものを含めた困難さをどのように認識していますか。
 また、学生生活を続けるためには、二年目以降も何らかの支援が必要と考えますが、いかがですか。
 児童養護施設出身者に、進学時に必要な費用を貸し付ける、自立生活スタート支援事業は、無事に卒業したら返還が免除されますが、中退したら返還義務が生じます。しかし、中退者の多くは、学び続けたいと思いながらも、経済負担に耐え切れなかったのです。貸付金の返還請求は、その苦難に追い打ちをかけるものではありませんか。
 経済的困難や病気などを抱える若者については、免除や猶予を含め柔軟な対応を求めますが、いかがですか。
 増加する生活保護世帯の子供の自立、社会参加への支援も重要です。生活保護世帯の子供も進学する際、学費も生活費も自力で用意しなければなりません。意欲があっても、多くの子供が大学進学を断念しているのです。
 現状では、一般世帯に比べて、生活保護世帯出身の子供は、大学進学率が低いと思いますが、いかがですか。
 東京都内の一般世帯と生活保護世帯の大学進学率について、それぞれお答えください。
 生活保護世帯の子供については、大学進学する際、支援を強化することなどにより、貧困の連鎖を食いとめることが重要だと思いますが、いかがですか。
 さまざまな背景を持つ学生の学ぶ権利の保障について質問をしてきましたが、東京の大学生も自立や就職などについての悩みを抱え、支援を必要としています。
 都として、大学生を対象とした取り組みを行い、これから策定する子供・若者計画に盛り込むべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、鉄道駅のホームドア設置について伺います。
 知事が、長期ビジョンで、二〇二四年度までに、JR、私鉄の一日当たりの利用者数十万人以上の駅のホームドア整備の完了を目指すと打ち出したことは重要な前進です。
 私の地元、池袋駅の一日当たりの乗降客は約二百六十万人、世界二位です。加えて、年間二十万人もの障害者が利用する東京都障害者総合スポーツセンターへの直行バスが出ており、バリアフリーの観点からも非常に重要な駅です。
 パラリンピックに向け、障害者スポーツを支援していく上でも、都内の鉄道駅のバリアフリー化を進める上でも、早期に池袋駅の全線にホームドア設置が実現することは重要です。
 そこで、池袋駅に乗り入れる鉄道へホームドア設置を働きかけることを求めます。
 見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 米倉春奈議員の一般質問にお答えいたします。
 大学で学ぶ意義などについてでありますが、大学で何を学ぶべきかという点で、私はよく三つのことを申し上げております。
 第一点目は、専門領域だけではなくて、総合的、大局的な物の見方を身につけてほしいということであります。
 次に、いろいろな人とつき合い、意見にも耳を傾け、人間の多様性に対する理解を深めてほしいということであります。
 最後の三番目は、国際性を身につけて、世界の国や文化、宗教の多様性を認識してほしいということであります。
 また、大学生の経済的な問題についてのお話がありましたが、私の学生時代の話をいたしますと、家計が決して楽ではありませんでしたので、私は勉強に打ち込みながら奨学金とアルバイトで何とか自立した生活を送ったという経験がございます。
 そもそも大学というのは、全国から学生が集まる場であります。大学での教育費の問題は、国全体の教育政策の中で議論されるべきことだと思っております。
 大事なことは、国全体の教育予算を充実させるためには、日本の経済を活性化して、富をふやすことが必要だということであります。
 質問の中で、奨学金の返済の話もございましたけれども、経済がよくならなければ、就職するのも難しいわけであります。
 都議会の共産党の皆さん方も、国家戦略特区や国際金融センター構想、都市の再開発や外環道の整備など、東京が日本経済を牽引するための政策にぜひご協力をお願いいたしたいと思います。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 首都大学東京についての二点のご質問にお答えいたします。
 まず、授業料の引き下げについてでございますが、公立大学法人の授業料は、地方独立行政法人法の規定により、議会の議決を経た上で都が上限額を認可し、その範囲内で法人が決定する仕組みとなっており、都と首都大学東京が協力して定めるものではございません。
 授業料の具体的な額の決定については、ほかの大学の動向や社会経済状況などを総合的に勘案し、首都大学東京が自主的、自律的に判断しているところでございます。
 次に、授業料減免のための運営費交付金についてでございます。
 法人の予算の中で授業料減免をどのように設定するかなどにつきましては、授業料額の設定と同じく、首都大学東京が自主的、自律的に判断して行うべきものでございます。
 首都大学東京といたしましては、授業料減免の対象となる所得基準に該当する学生全員が何らかの減免を受けられるよう措置していると聞いているところでございます。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 大学生に対する奨学金制度についてでありますが、都は、大学など高等教育機関の所轄である国との役割分担に基づきまして、大学生に対する育英奨学制度を国が拡充させたのを機に、東京都育英資金事業につきまして、高校等に通う生徒に重点を置くことといたしました。
 平成十七年度には、それまで国が行っていた高校生等に対する奨学金貸付事業は都に移管され、その後さらに都として充実を図っているところでございます。
 今後も、この役割分担に基づき、奨学金の貸付事業を実施してまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 四点のご質問にお答えをします。
 まず、児童養護施設退所者の進学後の支援についてですが、施設を退所し進学した児童が安定した学生生活を送るためには、入所中はもとより、退所後においても必要な支援を継続していくことが必要であります。
 そのため、都は、退所した児童への生活や就学の支援などを行う施設に対しまして、独自の補助を行うほか、関係機関とも連携し、入所児童の自立支援や進学に向けた準備から退所後の相談支援等を行う自立支援コーディネーターを専任で配置する取り組みも行っており、現在、五十二施設で実施しております。
 また、施設を退所した児童が気軽に集まり交流できる、ふらっとホームを都内二カ所で実施し、生活や就学上の悩みや相談にも応えております。
 また、就学に必要となる学費や生活費につきましては、日本学生支援機構の奨学金や社会福祉協議会の教育支援資金などの公的な支援を受けられるほか、各大学における学内奨学金や授業料等の減免、猶予など、さまざまな支援制度が用意されております。
 次に、自立生活スタート支援事業の就学支度資金についてでありますが、この事業は、児童養護施設等の退所者が自立した生活を営めるよう、大学等に進学する際の費用について五十万円を上限として無利子で貸し付ける都独自の支援策であり、借り受け人が大学等を卒業した場合には、自立に向けた真摯な努力をしたものと認め、返済を免除する仕組みとなっております。
 一方、中途退学した場合につきましては、貸付契約に基づき、原則として返済を求めることとなりますが、その場合であっても、借り受け人の経済状況等に応じて一定期間返済を猶予できるほか、疾病等により、将来にわたって返済能力がないと認められる場合には、返済を免除できることとなっております。
 次に、子供の大学進学率についてですが、文部科学省の学校基本調査によると、平成二十五年度に高等学校を卒業した生徒の大学進学率は、都内全世帯で六三・〇%となっております。
 一方、厚生労働省のデータで見ると、生活保護世帯の大学進学率は二二・八%となっております。
 最後に、生活保護世帯の子供の大学進学についてですが、大学進学に必要な入学料等については、保護費などの中から積み立てた預貯金を充てられるほか、今年度からは、従来は収入認定されていた高校在学中のアルバイト収入を充てることが可能となっております。
 また、就学に必要となる学費や生活費につきましては、先ほど申し上げたとおり、各種の支援制度が用意されており、福祉事務所では、生活保護世帯の子供が将来自立した生活を営めるよう、高校卒業時の進路選択に当たって、本人の置かれている状況や希望、適性を踏まえ、こうした各種制度を案内しながら、きめ細かく助言を行っているところでございます。
   〔青少年・治安対策本部長河合潔君登壇〕

〇青少年・治安対策本部長(河合潔君) 支援を要します大学生への対応についてでありますが、都は、社会生活を円滑に営むことが困難な若者や、人間関係につまずいたり、就労に至らない等の悩みを抱えた若者に対し、さまざまな支援を行っております。
 これら支援の一環として、電話や電子メール、面接により気軽に相談できます若者総合相談窓口、若ナビを運営しておりまして、就職等の社会的自立や、家族、友人との人間関係で悩む学生の利用も多いところであります。
 こうした状況を踏まえ、来年度中の策定に向け検討を進めております子供・若者計画におきましても、若ナビを初めとする関連施策を盛り込み、大学生を含む青少年への支援の充実に努めてまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

〇都市整備局長(安井順一君) ホームドア整備に関する取り組みについてでございますが、都は、鉄道利用者の安全性確保などの観点から、JR東日本及び私鉄のうち、乗降者数が十万人以上の駅を優先いたしまして、今年度から、ホームドアの設置費用に対する補助制度を本格実施いたしました。
 初年度につきましては、西武池袋線池袋駅など三駅に補助する予定でございます。
 引き続き、この制度を活用しながら、鉄道事業者を初めとする関係者と連携いたしまして、ホームドア整備の促進に向けて取り組んでまいります。

〇議長(吉野利明君) 七十七番島田幸成君
   〔七十七番島田幸成君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇七十七番(島田幸成君) まず初めに、防災対策についてお伺いいたします。
 昨年十月の台風二十六号による伊豆大島の土石流災害や、ことし八月に起きた広島市北部での土砂災害により、土砂災害対策の重要性が増しています。
 東京には、自然が豊かな島しょや多摩地域、そして、都心部においても、土砂災害のおそれのある地域が多く見られます。
 土砂災害は、ハード対策とソフト対策を効果的に行う必要がありますが、土砂災害の課題として、警戒区域の指定がおくれていることが挙げられます。
 報道によると、国は、広島での土砂災害を受けて、警戒区域を指定しやすくする法改正を検討中ということであります。
 都は、これらの土砂災害の被害を踏まえ、土砂災害警戒区域の早期指定及び指定を拡充すべきと考えます。
 今後、土砂災害対策にどのように取り組んでいくのか、知事の見解をお伺いいたします。
 我が選挙区の西多摩地域は、東京都の三分の一を占める広い地域ですが、その七割近くが山間部であり、急峻な地形が多く、土砂災害が今までも多く発生しています。砂防堰堤などのハード対策が行われていますが、十分とはいえません。
 広島県での土砂災害では、砂防施設の整備がおくれた箇所で大きな被害が発生したと聞いております。
 近年の集中豪雨などの状況を踏まえると、西多摩地域において、ハード対策をさらに進めていくべきだと考えますが、見解を求めます。
 東京都は、本年六月に奥多摩町において初めて風水害を想定した防災訓練を行いました。また、都の地域防災計画風水害編も見直されたところです。
 伊豆大島での災害の教訓も踏まえ、急な気象状況の変化を把握するシステムの充実や、都と自治体のホットラインの構築、そして迅速な災害派遣要請など、対応を行ってきております。
 こうした中、今回の広島での災害でも明らかになりましたが、地域住民が土砂崩れの危険箇所を把握することや、災害が発生した場合の避難方法を確認するなど、万が一に備えた対応が必要です。
 今後は、風水害を想定した訓練の実施を通じて得られた成果を検証し、地域の防災意識の向上に努めるべきと考えますが、見解を求めます。
 観光施策についてお伺いいたします。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京開催が決まり、準備が進んでいます。
 開催時には多くの外国人旅行者が訪れます。宿泊施設も都心部にとどまらず、多摩地域の宿泊施設を利用する外国人旅行者も多くいると予想されます。
 このような機を捉え、多摩地域の自然や文化を紹介し、今後の多摩振興を充実させることは大変重要なことと考えます。
 あきる野市の観光組合では、関連事業者に英会話を教えるなど、各地でも外国人旅行者を誘致、おもてなしをする試みが実施されています。
 また、ローマ字のヘボン式表記から英語表記にするなど、都心部では、英語による案内を充実する取り組みが始まっていますが、多摩地域の観光地ではまだまだおくれている現状です。
 今後、国際都市東京を進めていく上で、多摩や島しょ地域においても、外国人旅行者を誘致する取り組みを一層進めていくべきだと考えますが、見解を求めます。
 また、近年は、登山をする若い女性を山ガールと呼ぶなど、自然に対して、女性も大変関心を持っていると聞いております。
 あきる野市五日市では、ガールズキャンプフェスティバルという企画を昨年から実施しています。キャンプというと、一部の自然愛好家が対象と考えられがちですが、女性などの新しい客層を取り込む施策も地域で始まっています。
 先ほど例に出した外国人旅行者や女性など、新しい客層を地域に呼び込む施策の後押しを積極的にすべきだと考えますが、都の見解を求めます。
 多摩地域には、すばらしい自然資源がたくさんあります。最近は、高尾山に多くの観光客が訪れるほか、西多摩地域には、山岳信仰の対象である御岳山があり、観光客がふえています。
 先日、私は、栃木県日光市の湯西川ダムを訪れ、水陸両用のバスがダムの周辺やダムの湖面を遊覧するツアーに参加しました。これは、日光市が地域活性化事業として行っているもので、ツアーは、すばらしい景色を湖畔から、そしてダム湖内から観察し、また、ダムの施設案内など、水資源の大切さをPRするという有意義なものでした。
 東京都の奥多摩湖では、奥多摩町との共同施設である奥多摩水と緑のふれあい館の運営や、水道水源林をめぐる遊歩道の整備を初め、PR施設の整備を行っていますが、これらは地域活性化にも有効です。
 今後、こうした取り組みに加え、湖面利用、湖畔を徒歩で周遊するための橋梁や歩道の整備により、水道事業のPRをする必要があると考えますが、見解を求めます。
 子育て、教育施策についてお伺いします。
 子ども・子育て支援新制度が来年度からスタートします。代表質問でもありましたが、国の財政支援が不十分で、また、制度の概要が未定なことにより、一部の認定こども園が新制度への移行を取りやめ、また、大部分の私立幼稚園が現在の私学助成にとどまるとの意向を示しております。
 そもそも認定こども園とは、幼稚園と保育園のよいところを取り入れ、質の高いカリキュラム、そして子育て支援を可能にするという高い理想の上に計画されたもので、国の子ども・子育て新制度の最重要施策であります。
 しかしながら、国の対応が不十分なことから、多くの施設が新制度への移行に当たり、混乱を来しております。特に、個人立の幼稚園は、移行への機会が今回のみに限られており、不満の声が上がっています。
 都は国に対し、対応の改善、財政支援を初め、制度の充実を強く求めるべきですが、見解を求めます。
 先日、文部科学省から発表された資料によると、私学助成の水準が高い都道府県においては、新制度に移行する私立幼稚園についても、引き続き私学振興を目的として、地方自治体独自の上乗せ分などの助成を検討すべきとの考えが示されています。
 待機児童が特に多い東京については、今までの私学助成を基準とした上乗せを維持しながら、私立幼稚園が認定こども園に移行しやすい環境を整備すべきと考えます。都の見解を求めます。
 グローバル人材育成についてお伺いします。
 都は、次世代育成事業を通じて、都立高校の生徒を海外に派遣し、これまでさまざまな実績や課題が出てきています。また、私立学校においても、これまで各学校の教育方針に基づき、独自にグローバル人材の育成に取り組んでいます。
 こうした取り組みの成果を公立、私立で共有し、課題を議論しながら、東京都全体として、グローバル人材の育成に努めるべきです。
 そこで、現在、都教育委員会が実施している、次世代リーダー育成道場の成果を広く普及していくことが重要であると考えますが、見解をお伺いいたします。
 最後に、都市外交と教育施策についてお伺いします。
 知事は、就任以来、友好都市である北京、ソウルを訪問するなど、積極的に都市外交を行っております。
 これまで途絶えていた友好都市との交流を再開し、友好関係の構築に前向きに取り組んでいる知事の姿勢には期待するところであります。
 今後、未来に向けて、都市の友好関係を発展させていくのは若者たちであります。知事が訪問先の海外諸都市の大学で講演を行い、若者たちと交流していることも、こうした認識に基づくものと理解をいたしております。
 知事は、所信表明で、新たな都市外交の基本戦略を年内に策定するということでありますが、私は、都市外交で築いた各都市との関係を利用し、教育、文化、スポーツなどを通じた若者たちの交流につなげていただきたいと考えております。
 今後、姉妹都市で構築した信頼関係をどのように若者たちの交流に発展させていくのか、知事の所見をお伺いし、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 島田幸成議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、土砂災害対策への取り組みについてでありますが、広島の土砂災害は、過去に経験のない局地的な豪雨が深夜に降ったことによるもので、昨年、伊豆大島でも同様の被害が生じております。こうした災害が、またいつどこで起きるかわからないという状況なのであります。
 都内には、多摩・島しょ地域を中心に、土石流や崖崩れ、地すべりなど、土砂災害のおそれのある箇所が合わせて一万五千カ所存在しております。
 このため、都は、危険箇所が多い地域から順次、土砂災害警戒区域、特別警戒区域の指定を行っております。二〇二〇年までに都内全ての危険箇所の指定を終わらせ、警戒避難体制を整備するなど、ソフト面の対策を進めてまいります。
 あわせて、土石流を食いとめるための砂防堰堤や、集落の孤立を防ぐためのバイパスとなる道路の整備など、ハード対策を実施することにより、地域の安全性を着実に向上させてまいります。
 今後とも、こうした公助の取り組みを進めるとともに、地元自治体と連携して、自助、共助の力を高めることにより、危機管理を徹底し、災害への備えを万全なものとしてまいります。
 続きまして、都市外交を通じた若者たちとの交流についてでありますが、北京やソウルなど訪問先の海外諸都市では、大学で講演を行い、学生と直接交流する機会を持つようにしてまいりました。
 学生たちの質問からは、日本のことをもっと知りたいという熱意を感じました。そうした若者たちと、日本の若者たちとの交流の機会をふやし、相互理解を進めていくことが、都市の友好関係を発展させていく上で重要であると考えております。
 これまでも都は、首都大学東京に百名以上の留学生を受け入れてきたほか、毎年十都市以上の少年少女が参加するジュニアスポーツアジア交流大会を開催するなど、海外諸都市との交流を行っております。
 現在、新たな都市外交戦略の策定を進めているところでありますが、こうした若者たちとの交流についても検討してまいりたいと思っております。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 次世代リーダー育成道場についてでありますが、次世代リーダー育成道場では、一期生百五十人が一年間の留学を修了して帰国し、現在二期生二百人がオーストラリア、ニュージーランド、アメリカに留学しております。
 一期生の多くは、留学を通して、英検準一級程度の高い英語力を身につけるとともに、文化の多様性などについて理解を深めました。また、将来の目標として、国際機関で働くことや海外で医療関係の仕事につくことを希望するなど、国際貢献への意欲を高めております。
 今後は、中高校生や教員、保護者等を対象に、修了生等をパネリストとしたシンポジウムやフォーラムを開催し、留学した生徒の体験発表等を通して、次世代リーダー育成道場の成果を広く普及し、中高校生の留学機運をさらに高めてまいります。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

〇東京都技監(横溝良一君) 西多摩地域の土砂災害についてでございますが、土砂災害から都民の生命や財産を守るためには、ハード、ソフトの両面から対策を推進することが重要でございます。
 ハード対策につきましては、土石流や崖崩れの危険性の高い箇所や、過去に災害が発生した箇所を対象に順次整備を進めており、急峻な斜面の多い西多摩地域では、現在、檜原村の藤原地区で、崖崩れを防ぐのり枠工を施工するなど、十二カ所で事業を実施しております。
 引き続き、守るべき施設の重要性や地元要望などを踏まえ、整備を推進するとともに、ソフト対策として、土砂災害警戒区域等の指定により、警戒避難体制の整備を促進してまいります。
 今後とも、関係自治体と連携し、土砂災害対策に積極的に取り組んでまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 風水害対策訓練による地域防災意識の向上についてでございますが、都では、今年度から住民参加型の防災訓練を季節ごとに年四回実施することとし、六月に都として初めてとなる風水害対策訓練を、土砂災害警戒区域八百九十カ所を有する奥多摩町と合同で実施いたしました。
 訓練後、奥多摩町からは、全ての自治会が避難訓練や避難所開設訓練に参加したことで、町民に広く水害等の備えについて意識啓発が図れたなどの報告があり、都といたしましても、今回の住民参加型の訓練が地域防災にかかわる意識の向上に貢献したものと考えております。
 都は、これらの成果を踏まえ、今後とも区市町村と連携し、住民主体の実践的訓練を通じて、風水害対策への意識が地域に広く浸透していくよう取り組んでまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

〇産業労働局長(山本隆君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、多摩・島しょへの外国人旅行者誘致でございます。
 多摩・島しょは、旅行者を引きつける豊かな自然や、その土地ならではの文化など、さまざまな観光資源に恵まれており、東京の観光振興を図る上で欠かすことのできない地域でございます。
 都は、現在、東京の観光公式サイトにおいて、多摩・島しょの見どころや交通機関の利用方法など、旅行に必要な情報を多言語で発信しております。また、地域が行う多言語での観光マップ作成や観光案内板設置などの取り組みを支援しております。
 今後も、より多くの外国人旅行者が訪れるよう、さまざまな角度から方策を検討し、美しい自然や地域に伝わる郷土芸能など、多摩・島しょ地域ならではの魅力の発信に努めてまいります。
 次に、観光振興に取り組む地域への支援についてでございます。
 魅力ある観光資源を生かし、地域が取り組む、より幅広い層からの旅行者誘致を支援することは重要でございます。
 都では、地域の実情に詳しい観光協会等のアイデアと、これを実現するための具体的なノウハウを持つ民間事業者とを結びつけ、秋川渓谷の女性向けキャンプフェスティバルや、青梅のカヌーやゴムボートを使った川下り体験など、新しい客層を呼び込む地域の取り組みを後押ししております。
 今後とも、地域の観光振興を効果的に支援し、幅広い旅行者の誘致につなげてまいります。
   〔水道局長吉田永君登壇〕

〇水道局長(吉田永君) 小河内貯水池、いわゆる奥多摩湖における水道事業のPRについてでありますが、水道局では、奥多摩湖が都民の飲料水を確保する上で貴重な水源であることなどを理解していただくため、奥多摩町と共同で、奥多摩水と緑のふれあい館を設置運営しております。
 また、湖畔周辺には、奥多摩湖いこいの路や水源地ふれあいのみちを、さらに、ダム堤体部には展望塔を整備してまいりました。奥多摩水と緑のふれあい館には、毎年約二十万人が訪れるなど、これらの施設は、既に多くの都民に親しまれております。
 都民の貴重な水がめである奥多摩湖は、一度水質が悪化すると回復しにくいという特徴があり、湖面利用につきましては、水質保全の面で困難であると考えております。
 今後も、これまで同様、湖畔周辺施設の整備について、地元の関係者と調整しながら検討し、水道事業のPRに努めてまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 子ども・子育て支援新制度に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、子ども・子育て支援新制度に関する国への要望についてであります。
 新制度への移行に当たっては、私立幼稚園がみずからの意思と正しい情報に基づき、保護者や地域の状況等を踏まえて、移行の判断が的確にできるよう支援することが必要であります。
 しかし、各園にとって重要な判断材料となる施設型給付の水準や区市町村による利用調整など、新たな運用上の取り扱いなどに関する国からの情報が不足しております。
 都はこれまでも、国の財源確保や新制度施行後の運用上の取り扱いについて、速やかな情報提供を行うよう、緊急要望も含め複数回にわたり国に要望してまいりました。
 新制度への円滑な移行は、まずは国の責任において図るべきであり、今後も引き続き、国に強く求めてまいります。
 次に、認定こども園に対する都の上乗せ支援策についてでありますが、子ども・子育て支援新制度は、幼児期の学校教育、保育、地域の子育て支援の量の拡充と質の向上を総合的に進めることを目的として国が創設したものでありまして、その実施に当たっては、消費税増収分による財源も含め、追加の恒久財源を確保することとしております。
 したがいまして、先ほどご答弁申し上げたとおり、新制度は財源確保も含め、まずは国の責任において円滑移行を図るべきものであります。
 都といたしましては、今後も国に対し、公定価格の見直しを強く求めていくとともに、新制度施行後も私立幼稚園が質の高い幼児教育を行うことができるよう、必要な対策を検討してまいります。

〇副議長(藤井一君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時二十五分休憩

   午後三時四十五分開議

〇議長(吉野利明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 九十六番山田忠昭君
   〔九十六番山田忠昭君登壇〕

〇九十六番(山田忠昭君) かつて陸上選手としてインターハイにも出場し活躍した舛添知事もご存じのとおり、スポーツは、人々に夢や希望を与え、喜びや生きがいのある生活を送る原動力となります。
 都が昨年度から実施している千キロ縦断リレーは、被災地の現状を発信し、震災の記憶の風化を防止するとともに、全国と被災地とのきずなを深めるなど、東日本大震災からの復興に大きな役割を果たしています。
 私は、昨年の宮城県松島町に続き、ことしも岩手県陸前高田市で、このリレーのランナーとして参加いたしました。震災の傷跡が残るまち中を走り、被災地の今を肌で感じることができました。被災地では復興に向けて着実に前進しており、このような事業を通じて、現地の状況を多くの方に知ってもらうことが大切だと感じました。
 青森から十五日間かけて被災地をつないだたすきは、東京のゴールで参加者のメッセージとともに、知事に受け取っていただきました。
 たすきやメッセージに込められた参加者の熱い思いを知事にも感じていただいたと思いますが、被災地の復興に向けた千キロ縦断リレーの意義について知事にお伺いをいたします。
 私は千キロ縦断リレーで、その日に初めて会った被災地のランナーとともに、猛暑の中を励まし合って走りました。そして、次の区間にたすきをつないだときには、充実感や達成感をお互いに共有することができました。このように、スポーツには一つの目標に向かって人々を結びつける力があります。
 これまで東京都では、被災地の子供たちを東京マラソンに招待したり、さまざまなスポーツを通じて被災地の人々と都民との交流の場を設けるなど、復興に向かう人々を励まし、勇気づけてきました。
 今後も、引き続きスポーツを通じた被災地支援に取り組む必要があると考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 次に、青少年問題についてお伺いいたします。
 去る七月三十日には、私の地元である西東京市において、父親から受けた虐待を苦にしたと思われる中学生がみずからの命を絶ちました。その後も、一カ月余りの間に、都内の小中学生の自殺に関する報道が続きました。
 内閣府がまとめた平成二十五年度の自殺の状況によりますと、十九歳以下の子供の自殺の原因は、進路や病気に関する悩み、学業不振、友達との不和、親子関係など多様であります。しかし、いかなる理由にせよ、将来のある子供がみずからの命を絶つということは大変悲しいことであり、痛恨のきわみであります。
 各学校においては、これまで子供の自殺を予防するために、さまざまな取り組みが行われてきたと思いますが、改めて、子供の自殺予防のための都教育委員会の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、児童虐待への対応にかかわる関係機関との連携についてお伺いをいたします。
 児童虐待相談件数は年々増加し、児童虐待に関する事件がいまだ後を絶ちません。中でも、親からの虐待により死亡に至った事件は、極めて痛ましく、深い悲しみを覚えます。虐待を受けた子供は、親をかばったり、みずから助けを求めることに思いが至らなかったりするなど、みずからSOSを出さないケースもあると聞いております。
 こうした子供たちを救うためには、学校や保育園など、子供とかかわりのある関係機関において、子供の様子などから虐待のおそれがあることにいち早く気づき、区市町村の子供家庭支援センターや児童相談所につなげることが重要であります。そして、関係機関がこうした情報を共有し、役割に応じて適切に対応することにより、痛ましい結果を防ぐことができると考えます。
 そこで、児童虐待の対応において、都として、地域の関係機関の連携をより一層強化するための働きかけを行う必要があると考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 次に、多摩地域の都市基盤の整備についてお伺いをいたします。
 多摩地域の発展のためには、物流や経済を活性化し、生活の利便性を高める都市基盤の整備が必要不可欠であります。
 これまで、府中清瀬線が昨年の三月に全線開通するなど、多摩南北主要五路線の整備が進んできております。このうち、私の地元を通る調布保谷線は、西武池袋線の交差部のトンネル工事を初めとした整備が着実に進められており、いよいよ工事の完成した姿が誰の目にもわかる状況になってまいりました。
 さらに、これにつながる埼玉県の都市計画道路の説明会が本年七月に行われたとも聞いており、都県境を越えた、より広域的な道路ネットワークの構築も期待されるところであります。
 これまで完成した区間では、環境施設帯が設置されるなど、広い幅員で人に優しい道路が整備されたことに、地元からは感謝の声も上がっております。このように、道路整備においては、沿道環境などへの配慮が欠かせないと考えます。
 そこで、調布保谷線の整備についてお伺いをいたします。
 そして、この調布保谷線の整備とともに、東伏見公園、石神井川の一体的な整備によって、多摩北部地域において水と緑のネットワークの形成が着実に進んできております。
 石神井川においては、東伏見公園と下流の武蔵関公園との間で、河川沿いの散策路の設置や河道の緑化が行われており、引き続き調布保谷線の上流区間で事業着手するなど、着実に改修工事が進められております。
 東伏見公園は、平成二十五年四月に、調布保谷線開通や石神井川の改修とあわせて、開園記念式典が開催され、現在は、子供から大人まで多くの人々に利用される公園として、新たな憩いと潤いの場となっております。
 そこで、多摩北部地域における緑の拠点として重要な東伏見公園の整備について、進捗状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、都市計画道路新五日市街道の整備についてお伺いいたします。
 多摩地域のネットワーク整備については、都はこれまで、調布保谷線を初めとした南北主要五路線の整備に重点的に取り組んできました。これにより、交通の円滑化など、一定の成果を上げてきておりますが、さらなる防災性の向上や都市間連携の強化など、多摩地域の魅力をより一層高めるためには、今後は、新五日市街道などの東西道路の整備を推進することが不可欠であると考えます。
 平成二十六年三月に都が策定した新たな多摩のビジョン行動戦略では、行動戦略の一つとして多摩地域の幹線道路ネットワークの整備が掲げられており、その中で、多摩東西主要四路線の整備を着実に推進すると示されておりますが、特に、新五日市街道の整備は、他の東西主要路線と比べて大きくおくれております。
 これらを考慮すると、新五日市街道は、新たな都市計画道路の整備方針における優先整備路線に位置づけた上で、着実に事業推進を図るべきだと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 次に、遺跡の保存、活用についてお伺いいたします。
 都内には、歴史的価値のある文化財が多数存在しております。我が西東京市にも、下野谷遺跡という縄文時代の著名な遺跡が所在しております。下野谷遺跡は、縄文時代中期の集落跡であり、既にこれまでの調査で四百五十軒以上の住居跡が見つかっております。
 集落の形態は、中央の広場を竪穴住居が輪の形に並び、その内側に、墓や倉庫などがある拠点的な集落であり、西側、東側地区に二つの集落が隣接する双環状集落であります。保存率も非常に高く、関東屈指の規模と内容を誇っており、研究者からも大変注目をされております。
 こうした日本固有の貴重な遺跡を内外に知ってもらうためにも、保存、整備し、活用していくことが重要と考えますが、都教育委員会の取り組みをお伺いいたします。
 次に、有機農業の推進についてお伺いいたします。
 消費者の食の安全・安心への関心が高まる中で、農薬や化学肥料の使用をできるだけ控えた、いわゆる有機農業で生産された農産物が求められております。
 また、東京のように、住宅地と隣接した農地が多い都市農業においては、農薬の散布などについても配慮が必要であり、有機農業のような環境に対する負荷をできる限り低減した生産方法への取り組みが重要であると考えます。
 しかしながら、有機農業は、高度の技術と長年の経験を必要とする難しい農法でもあります。
 私の地元西東京市でも、有機農業に取り組み、安全・安心な農産物を消費者に届けるため、日夜努力している農業者がいらっしゃいます。農業者のこうした努力が多くの消費者に認められ、このような農法を始める農業者をふやしていく取り組みが必要であると考えます。
 都は、こうした取り組みを推進するため、東京都エコ農産物認証制度を昨年から開始していますが、この制度をさらに普及し、安全・安心な農産物の生産を拡大し、このような農法に取り組む農業者を増加させていくために、どのような取り組みを行っているかをお伺いし、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 山田忠昭議員の一般質問にお答えいたします。
 千キロメートル縦断リレーの意義についてでございますが、スポーツを通じて全国と被災地とのきずなを深め、被災地の方々に夢と希望を持っていただくことは大変重要であります。
 私は、千キロメートル縦断リレーの最終ゴールで、長い道のりをつなぎ、多くの参加者の思いが込められたたすきとメッセージを受け取りました。改めて、全国の方々が一日も早い被災地の復興を強く願っていると感じました。
 このリレーは、人々の気持ちを一つとし、被災地の方々を勇気づけることができます。そして、どんな状況でも諦めない強い心を育み、それが復興に向けた原動力にもなると考えております。
 被災地の復興なくして日本の明るい未来はあり得ない。日本人が力を合わせて東日本大震災を克服し、復興をなし遂げた姿を世界に発信する場が二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックであります。たすきをつないだ九百人にも上る方々も、私と同じ気持ちで走ったと思います。被災地の復興を後押しするこのたすきを、二〇二〇年東京大会に確実につなげていきたいと考えております。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、子供の自殺予防のための取り組みについてでございます。
 都教育委員会は、自殺予防の観点から、配慮を要する子供への面接など、具体的な取り組みを示した資料を学校に配布するとともに、二十四時間対応の電話相談の実施、緊急時における臨床心理士の派遣などを行ってまいりました。
 このたび、子供がみずからの命を絶つという事故が相次いだことを受け、去る九月八日、区市町村教育委員会担当者を緊急に招集し、子供の悩み、交友関係、家族関係などを学校全体で把握し、心理や福祉などの関係者と連携して支援する取り組みの確実な実施について徹底を図ったところです。
 今後、都教育委員会は、学校がスクールカウンセラーを有効に活用するなどして、子供の発するわずかな兆候も見逃すことなく迅速に対応し、自殺を予防することができるよう全力で取り組んでまいります。
 次に、遺跡の保存活用についてであります。
 都教育委員会は、都内に存在する貴重な遺跡等について、国や都の史跡への指定を推進しております。史跡を保存、活用し、その歴史的価値を広く内外へ発信していくことは重要でございます。
 西東京市の下野谷遺跡は、縄文時代中期の関東地方における有数な規模の拠点的な集落跡でございます。縄文時代の生活を知ることができる貴重な遺跡であることから、将来にわたって保存するため、現在、西東京市とともに、国の史跡として指定されるよう取り組んでおります。
 都教育委員会では、史跡の所有者が行う住居の復元や体験施設の建設に対し、補助の実施や専門的、技術的な指導を行うことにより、史跡を整備し、広く一般に公開するなどの活用に取り組んでまいります。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

〇東京都技監(横溝良一君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、調布保谷線の整備についてでございますが、この路線は、川崎街道から埼玉県境に至る多摩南北五路線の一つであり、地域の自立性や都市間連携の強化、防災性の向上に資する極めて重要な骨格幹線道路であります。
 整備に当たっては、幅員三十六メーターのうち、車道の両側に十メーターの環境施設帯を設け、例えば唯一未開通の西東京区間では、市の木であるケヤキやハナミズキを選定するなど、地元の方々の意見に耳を傾けながら、緑豊かな植樹帯を整備してきております。
 また、歩行者と自転車の分離、無電柱化事業の推進などにより、安全で快適な都市空間を創出し、良好な景観形成に配慮した道路整備を進めております。
 引き続き、多摩地域の魅力と活力を高める調布保谷線の早期完成に向け、全力で取り組んでまいります。
 次に、東伏見公園の整備についてでございますが、この公園は、南北を貫く調布保谷線と南側を流れる石神井川の一体化により、道路、公園、河川事業の相乗効果を高め、人々の憩いと安らぎの空間となるよう整備を進めております。
 これまでに、公園の区間において、調布保谷線の一部を地下化し、その上部に歩道機能も備えた快適な園路などを整備し、歩行者や自転車のアクセス性の向上を図りました。
 また、現在、東伏見稲荷と隣接する地域などで用地取得を進めており、稲荷の森と公園の樹林地等が連続する緑豊かなエリアとなるよう整備をしてまいります。
 さらに、今後は、石神井川の整備とあわせて、人々が多様な生物や水と触れ合える親水空間の形成を進め、北多摩地域における水と緑のネットワークの拠点となるよう、公園の整備に積極的に取り組んでまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

〇オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) スポーツを通じた被災地支援についてでありますが、スポーツには、人々を勇気づけ、希望を与え、人と人とのきずなを育む力があり、被災地の人々にとってスポーツは、復興へ向けた大きな力になると考えております。
 都では、震災が発生した平成二十三年から、スポーツ招待交流事業を実施し、野球やサッカーの試合などを通じて、被災地と東京の子供たちの交流を図っております。
 また、アスリートを被災地へ派遣してスポーツ教室を開催し、被災地の子供たちがスポーツを楽しむ機会を提供するなど、さまざまな事業を実施し、スポーツの力を活用して復興を後押ししてまいりました。
 今後も、地元自治体など関係者と連携しながら、スポーツを通じた被災地支援の実施に向けて積極的に取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 虐待対応における関係機関の連携についてですが、都は、深刻化する児童虐待に対して、地域の関係機関と情報を共有し、連携して対応するため、児童相談所に地域支援を行う職員や保健師の資格を有する医療連携専門員を配置するとともに、区市町の先駆型子供家庭支援センターに関係機関との連携や調整を行う虐待対策コーディネーターの配置を進めております。
 また、全ての区市町村は、要保護児童対策地域協議会など、子供家庭支援センター、児童相談所、学校、保健所等の地域の関係機関のネットワークを構築し、各機関が情報の共有を図りながら、援助方針等を確認し、児童や家庭への適切な支援を行っております。
 今後とも、地域の関係機関との連携を一層強化し、児童虐待に迅速かつ的確に対応してまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

〇都市整備局長(安井順一君) 新五日市街道の整備についてでございますが、本路線は、西東京市からあきる野市に至る広域的な骨格幹線道路であり、五日市街道など周辺道路の渋滞緩和はもとより、多摩地域におけます東西の地域間連携を図る上でも重要な路線でございます。
 第三次事業化計画におきましては、このうち福生市の国道一六号から立川市の立川東大和線までの区間を優先整備路線として位置づけております。
 現事業化計画が平成二十七年度に終了することから、現在、都と地元区市町とで、次期計画の検討を進めております。
 今後、渋滞の効果的な解消や高度防災都市の実現などの視点から、優先整備路線の選定を行っていく予定でございまして、お尋ねの路線につきましても、この中で適切に対応してまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

〇産業労働局長(山本隆君) 有機農業の推進についてでございます。
 化学農薬や化学肥料の使用を控えた農業の推進は、食の安全・安心を求める消費者の期待に応えるとともに、環境への負荷を軽減する観点からも重要な取り組みでございます。
 このため、都は、化学農薬と化学肥料を削減した農産物を認証する都独自の東京都エコ農産物認証制度を実施しており、これまでに二百九十三名の生産者に対し、コマツナや梨、お茶など、延べ千九百五件の農産物を認証しております。
 これらの農産物には、消費者にわかりやすい認証マークを表示し、他の商品と差別化して販売できる仕組みとなっております。
 都は今後、認証実績を量販店などに紹介し、販路を拡大するとともに、直売所等でのPRの充実など、本制度の一層の普及を図ることにより、安全・安心な農産物の生産に取り組む農業者を増加させてまいります。

〇議長(吉野利明君) 九十五番相川博君
   〔九十五番相川博君登壇〕

〇九十五番(相川博君) 三環状道路を初めとする首都圏の高速道路は、交通渋滞の解消、環境の改善、災害時の迂回機能の確保など、大変大きな整備効果が期待されています。こうした中、本年六月には、首都圏中央連絡自動車道の高尾山インターチェンジから相模原愛川インターチェンジまでの区間が開通し、東名、中央、関越の高速道路が結ばれるなど、着実に整備が進められています。
 これら高速道路網を有効に活用していくためには、ミッシングリンクの解消とともに、既存路線の渋滞対策も極めて重要であります。中でも、多摩地域と区部を結ぶ中央道の調布付近では、毎朝、長蛇の渋滞が発生し、経済損失や環境悪化を招いているなど、東京のみならず、日本経済発展のボトルネックとなっているといっても過言ではありません。
 このような交通渋滞は、一刻も早く対策を打つべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、渋滞対策に加えて、通行料金の問題を忘れてはなりません。
 多摩地域に住む都民にとっては、中央道を利用して都心方向へ向かう場合に、まず中央道の料金が徴収され、加えて、高井戸から首都高速の料金が徴収されています。首都高のみを利用している都民と比べて、同じ都民であるにもかかわらず、我々多摩都民には常に二重の料金負担が強いられる不公平感があり、利用者本位の合理的な料金体系となっていません。
 この料金問題については、都議会自民党三多摩・島しょ部会としても、長年の懸案事項として取り組んできました。これまでも幾度となく関係者の要請を行ってきましたが、多摩地域にとっての大きな悲願でもあるこの問題を解決するまでには至っていません。
 中央道については、近い将来、外環との接続が予定されており、首都圏の環状道路ネットワークが次々に形成されていきますが、現在の料金体系のままでは、高速道路がうまく活用されないばかりか、多摩の地域振興にも大きな支障が出るものと危惧しています。
 今後、国では料金検討を行う予定であると聞いていますが、都としてどうなのか、高速道路の料金体系の見直しについて見解を伺います。
 次に、住宅政策について伺います。
 分譲マンションについては、耐震化の促進や老朽化への対応などが喫緊の課題となっていますが、合意形成の難しさなどから、なかなか進んでいないのが実態です。全国の分譲マンションの四分の一以上が東京に集積しているなど、マンション問題は大都市特有の課題であり、都が率先して取り組んでいくことが必要です。
 今後、老朽マンションの増加が見込まれていますが、都が実施した実態調査によれば、築年数の経過したマンションほど居住者が高齢化し、管理への関心も薄まり、管理組合の機能が低下する傾向が見られます。耐震改修や建てかえなどを円滑に進めていくためには、日ごろから管理組合が機能していることが何よりも重要です。
 そこで、分譲マンションにおける管理について、今後どのように支援策を講じていくのか見解を伺います。
 次に、建築物の安全対策についてです。
 昨今、都内において、オフィスや倉庫などを簡単な壁で小さく区切り居住用に貸し出す物件、いわゆる違法貸しルームが散見され、火災等の安全面で問題が多いことが指摘されています。
 一方で、戸建て住宅等を転用したシェアハウスやグループホームなど、新たな住まい方も増加しています。
 国は、こうした建築物について、法令上寄宿舎として取り扱うことを明確にした上で、既存ストックの活用も可能となるよう法令改正を行いました。
 寄宿舎については、東京都建築安全条例で既に基準を設けていますが、今回の国の改正趣旨を踏まえ、必要な安全性を考慮しつつ、より多様な住宅ニーズに対応していくべきと考えますが、条例の見直しについて、見解を伺います。
 次に、緑施策について伺います。
 都は一千ヘクタールの緑を創出する目標を掲げ、これまで海の森や都市公園の整備、街路樹の倍増、校庭の芝生化など、みずから積極的に緑化に取り組むとともに、緑化計画書制度を通じて、民間開発の際の緑化を誘導してきました。
 こうした取り組みにより、例えば区中心部では、良好な街路樹や新しい建物植栽が目立つようになるなど、その効果を実感するものですが、東京オリンピック・パラリンピック大会を見据えれば、都市の風格を高め、潤いと安らぎをもたらす緑をふやす施策を引き続き推進していく必要があります。
 また、都は昨年度から、在来植物による緑化事業を実施していますが、二〇二〇年東京大会を見据えると、世界的課題である生物多様性の保全、回復の取り組みも強く求められます。
 都は現在、新たな長期ビジョンの策定を進めているところですが、これまでの緑施策の総括と現状認識及び今後の取り組み方針について、見解を伺います。
 さて、私は、生物多様性の保全を図る視点から、多摩丘陵に残された樹林など、その地域に昔から生息し、今となっては絶滅危惧種となった動植物、昆虫、鳥類等の宝庫である緑を保全する取り組みが重要であると考えています。
 都は、多摩の丘陵地滞の緑地を対象として、条例に基づく保全地域に指定し、その貴重な自然環境の保全に取り組んでおり、地元ボランティア団体などが保全活動に携わっていることを承知しています。しかし、高齢化や、次の担い手がいない団体がふえているため、全ての保全地域の希少種が将来にわたって適切に保全管理されるのかが気がかりであります。
 わずかに残された東京の貴重な生態系を守り、着実に後世に引き継ぐことは、今を生きる我々の責務であることから、保全地域における希少種対策を強力に推進していくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、教育施策について伺います。
 まず、公立学校における非構造部材の耐震化です。
 都は、天井材等の非構造部材の耐震化を促進するため、我が党の要望を受け、非構造部材耐震化支援事業を平成二十五年度から開始して区市町村を支援するとともに、都立学校においても同様の耐震化を進めています。
 引き続き、区市町村の公立学校の耐震化を財政面に加えて技術面でも支援するとともに、都立学校についても取り組みをさらに推進すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、公立学校の冷房化について伺います。
 児童生徒が暑い時期にも集中して学習に取り組めるよう、我が党はこれまで、優先順位を考慮し、必要性の高い教室から順に冷房化するよう求めてきました。その成果として、まず平成十九年度末に都立高校の普通教室の冷房化を完了し、次いで、公立小中学校についても区市町村への補助を開始し、平成二十五年度末には全ての普通教室が冷房化されました。
 また、本年第一回定例会における我が党の代表質問を経て、都立高校で整備済みの音楽室、視聴覚室、図書室、パソコン教室の四つの特別教室について、今年度から区市町村への補助が拡大されました。
 こうした中、小中高等学校の保護者からは、四つの特別教室以外の理科室や家庭科室などへのさらなる拡大を望む声が上がっており、本年八月、我が党は、三多摩議員連絡協議会で、このことを強く都に対して要望したところです。
 今後も、これまで同様、まず都立高校で冷房化の対象となる特別教室を決定し、その上で、区市町村の意向等を踏まえて、小中学校における冷房化の対象となる特別教室を決定することが、公立学校全体における冷房化の拡大への近道になると考えます。
 そこで、小中高全ての公立学校の特別教室の冷房化を拡大するため、まずは都立高校について対象の特別教室を検討すべきと考えます。また、冷房設備が全ての都立高校に整備されるには時間がかかることから、本格的に整備するまでの間は、各高校の個別の事情に応じた対応を柔軟に行っていくことが必要と考えますが、あわせて見解を伺います。
 最後に、伊豆大島の観光復興について伺います。
 大島が甚大な被害を受けた昨年十月の台風から一年がたとうとしています。この間、都では、応急仮設住宅の建設や瓦れきの撤去、農業用施設や林道の復旧など、さまざまな支援を実施してきました。この結果、災害の傷跡は徐々に回復しつつありますが、大島が真の復興をなし遂げるには、観光業の復活が鍵となります。
 都は、第二回定例会における我が党の主張を受けて、この七月から、早速、宿泊費用の助成を開始いたしました。夏休みの期間中、大島では、この制度を活用して宿泊し、温泉や海水浴を楽しむ家族連れや若者たちの姿が見られたと聞いています。
 しかしながら、観光客はまだ十分には戻っておりません。夏休みは終わりましたが、秋の爽やかな気候に誘われて旅の計画を立てる人も多いはずです。
 引き続き多くの方々に大島を訪れていただけるよう、都はさらなる支援を行うべきと考えますが、見解を伺い質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 相川博議員の一般質問にお答えいたします。
 中央自動車道の渋滞対策についてでありますが、首都圏三環状道路は、整備中の外環道を含め、二〇二〇年には約九割が完成いたします。
 首都圏における高速道路ネットワークの機能を最大限に発揮させるためには、三環状道路の残る区間の着実な整備とともに、既存路線の慢性的な渋滞箇所の対策にも積極的に取り組んでいく必要があります。
 お話の中央自動車道の都内区間は、調布付近において、毎朝、渋滞が発生していることから、先ごろ、高速道路会社より、路肩を活用して車線を付加するなどの対策案が示されました。
 調布付近の渋滞対策は、多摩地域のみならず、オリンピック・パラリンピック開催を控える東京全体において重要であります。国や高速道路会社に速やかな対策の完了を働きかけて、円滑で快適な移動の実現に取り組んでまいります。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、公立学校の非構造部材の耐震化についてでございます。
 学校施設には、児童生徒の安全確保はもとより、地域住民の避難所としての役割が求められており、天井などの非構造部材の耐震化を早急に進める必要がございます。
 都教育委員会は、小中学校について、非構造部材の耐震化に要する費用の補助に加えて、震災被害などから得られたつり天井の危険性や改修方法に関する講習会の実施など、技術的な支援を通して、区市町村による非構造部材の耐震化への取り組みを強く後押ししてまいります。
 都立学校につきましては、地震発生時に重大事故につながるおそれがある体育館の非構造部材を優先し、平成二十七年度までの完了に向け、耐震化を進めております。
 また、体育館以外の施設につきましても、昨年度に実施した専門家による点検結果を踏まえ、計画的に改修工事を実施してまいります。
 次に、公立学校の冷房化についてでございますが、都立高校では、普通教室に加え、特別教室のうち、防音性などが求められる音楽室、視聴覚室、図書室、パソコン教室などについて、冷房化を既に完了しております。
 また、今年度から、都立高校で整備している教室を基準に、小中学校の音楽室などの特別教室について、区市町村が計画的に冷房化を進められるよう、補助事業を開始いたしました。
 今後、都立高校において、いまだ冷房化していない理科室、家庭科室などの特別教室の利用状況などに基づき、冷房化の対象とすべき教室を検討した上で、その結果を踏まえ、小中学校で支援を拡大すべき教室を検討してまいります。
 あわせて、お話の個別の事情がある都立高校への対応につきましても、さまざまな手法を工夫し、教育環境の改善に取り組んでまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

〇都市整備局長(安井順一君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、高速道路の料金体系についてでございますが、首都圏の高速道路は、複数の会社により管理されていることから、複雑でわかりにくい料金体系となっております。
 このため、都は、関係県市とともに、さまざまな機会を通じて料金体系の見直しを国に求めてまいりました。
 国は、首都圏における高速道路の整備の進捗を踏まえ、都心を通過する車の環状道路への誘導を図ることなどを目指しまして、管理主体を超えたシームレスな料金体系を構築し、平成二十八年度から導入していくこととしております。
 都は引き続き、会社間の乗り継ぎ割引などの検討を国や高速道路会社に働きかけまして、首都圏における一体的で利用しやすい料金体系の実現に取り組んでまいります。
 次に、分譲マンションの管理についてでございます。
 日常的な維持管理はもとより、建てかえなどの合意形成を進めていくためにも、管理組合の役割が重要でございます。
 都はこれまで、マンション管理の重要性への理解を深めるため、セミナーの実施やアドバイザー派遣など、組合を支援し、一定の成果を上げてまいりました。
 しかし、一方で、居住者の高齢化や建物の老朽化とともに、管理への関心が薄れ、行政からの働きかけも困難な組合も少なくございません。
 このため、住宅政策審議会に新たにマンション部会を設置いたしまして、マンションの管理状況に応じた効果的な支援策のあり方などについて、具体的な検討を進めております。
 さらに、耐震化や建てかえを促進する施策についても検討を重ねまして、分譲マンションの円滑な再生を図り、安全で良好な環境を備えた市街地の形成に取り組んでまいります。
 最後に、東京都建築安全条例の見直しについてでございますが、国は昨年、いわゆる違法貸しルームを初めとする建築物につきまして、安全性を確保するため、法令上、寄宿舎として厳格に扱うことといたしました。その上で、内装の不燃化等を条件に、寄宿舎に適用される防火規制の一部を緩和いたしまして、戸建て住宅からグループホームなどへの転用も可能となるようにいたしました。
 都といたしましても、国の改正趣旨を踏まえまして、安全条例において、寄宿舎の敷地に義務づけておりました避難のための空地につきましても、建築規模などに応じて不要とするなど、きめ細かな対応を検討してまいります。
 今後、区市等と連携し、居住環境や安全性の確保を考慮しつつ、新たな住まい方にも対応できるよう基準の見直しに取り組んでまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 自然環境に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、緑施策の総括と現状認識等についてでございます。
 都は、平成十九年度から二十五年度までの七年間に、約六百二十五ヘクタールの新たな緑を創出してまいりました。
 平成二十五年度のみどり率は、都全域で五〇・五%で、前年調査時と比べ〇・二ポイント減のほぼ横ばいの状況でございました。区部で初めて増加に転じるとともに、多摩部も減少幅を大きく縮小しており、これまでの緑をふやす取り組みの成果を示すものと受けとめております。
 都は、先日公表した新たな長期ビジョンの中間報告において、自然環境の保全と創出及び生物多様性の保全を目指すこととしており、引き続き、全庁を挙げて緑の増加策に取り組むとともに、官民による積極的な在来種緑化や保全地域の希少種対策の強化など、緑の質に配慮した取り組みを推進してまいりたいと考えております。
 質、量両面にわたる緑施策を積極的に展開し、水や緑に囲まれ環境と調和した都市の実現を目指してまいります。
 次に、保全地域における希少種対策についてでございます。
 多摩の丘陵部などにあります保全地域は、昔ながらの東京の生態系が残る貴重な場であり、希少種である動植物の適切な保全が重要と認識しております。
 このため、各保全地域において希少種の詳細な生息状況調査を行い、それを活用して、現在、持ち去り等を抑制する保護柵やカメラの設置の試行を実施しております。
 また、樹林地、水辺、湿地等の環境に応じた保全作業についてガイドラインにまとめ、活動団体に周知するとともに、アドバイザーを派遣して、現地で直接、希少種の保全方法についての指導助言を行っております。
 今後、地域住民等、広く都民に保全活動に参加していただく機会を拡充し、活動団体の活性化を図りながら、地域特性に応じてこれらの対策を展開し、全ての保全地域で貴重な生態系をしっかりと後世に継承してまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

〇産業労働局長(山本隆君) 伊豆大島の観光支援についてでございます。
 大島が本格的な復興を果たすためには、基幹産業の一つである観光産業が活力を取り戻すことが重要でございます。
 このため、都は、昨年十二月から観光キャンペーンを展開するとともに、本年七月からは、一泊三千円の宿泊助成を行うなど、旅行者の来島を促す取り組みを実施しております。
 これに加えまして、新たに十月から、都がツアー経費の一部を負担し、旅行会社と連携して、三原山のハイキングや椿まつりなど、大島の魅力を盛り込んだ割安なパッケージツアーを提供してまいります。
 こうした取り組みを、区市町村や町会、自治会などを通じて広く周知し、大島への旅行者の増加につなげることで、災害からの復興を積極的に後押ししてまいります。

〇議長(吉野利明君) 三十九番中山信行君
   〔三十九番中山信行君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇三十九番(中山信行君) 初めに、観光振興について伺います。
 都が今月公表した調査によれば、外国人旅行者が東京滞在中に行った行動の第一位に、日本食を楽しむことが挙げられています。都は現在、私の平成十七年第三回定例会の一般質問などに応え、飲食店における外国語メニューの作成を支援しております。
 今後は、五輪大会というチャンスを確実に外国人旅行客のリピート率の向上に結びつけるため、言語数や料理解説の充実など、支援のレベルアップを図り、普及拡大に努めるべきであります。見解を求めます。
 また、我が党が本年の第二回定例会の代表質問で取り上げたクールジャパン産業は、我が国の大事な観光資源でもあります。五輪開催時にあっても、世界の人々の心を魅了する各種のイベントを安心して開催できるよう、仮設会場の設置を含め、万全を期すべきと強く要望しておくものであります。
 次に、五輪大会を契機にした人材の育成と活用について伺います。
 まず、アスリートの育成であります。
 アスリートを目指す若者の裾野を広げ、選手が意欲的にトレーニングに専念できる環境を整えるためには、引退後の生活の安定に必要なセカンドキャリアの視点が重要です。
 都は、五輪大会の開催自治体として、この点の改善を国に迫るとともに、都みずからも、引退したアスリートが専門性や発信力を生かして活躍できる環境を積極的に整備するべきと考えます。見解を求めます。
 この夏は、錦織圭選手が全米オープンの決勝に進出し、日本中が沸き返りました。その活躍の背景には、松岡修造氏との出会いや、元世界ランク二位のマイケル・チャンコーチの存在が大きいといわれております。同じように、都内においても、トップアスリートが直接、若手選手の育成にかかわり、育てられた選手が次の選手の育成を担うという好循環を確立するべきであります。
 また、トップアスリートと都民とが触れ合う機会をふやせば、スポーツ人口の一層の拡大にも結びつきますが、人材こそ最高のレガシーと述べられた舛添知事の抱負を伺います。
 次に、国際感覚豊かな人材の育成です。
 去る七月三十日の全国紙に、外国語学習のあり方に関する筑波大学ロシア語教授臼山利信氏の提言が掲載されていました。語学の選択にも合う、合わないの相性があるそうで、英語に偏重する教育の弊害を指摘するとともに、英語が通じない地域も多く存在しているという世界の多様性を理解することこそ、本来の意味でのグローバル化ではないかとの主張であります。
 都立高校では、既に全国平均を超える割合で第二外国語の授業が実施されており、日本語や英語の学習への悪影響も見受けられず、おおむね好評と伺っております。外国文化への興味、関心から、喜々として第二外国語の学習に取り組む姿も見られるようであります。
 しかし、七割近い都立高校では、まだ実施に至っておりません。都は、五輪大会の開催を契機に、国際社会の多様性を理解し、意欲的に国際的舞台で活躍できる人材を育てるため、より一層多くの都立高校で英語以外の外国語も学習できる環境を整えるべきです。見解を求めます。
 次に、防災対策について伺います。
 我が党は、昨日の代表質問で、大規模水害に備えた広域避難の推進を求めました。
 先ごろ私は、我が会派議員とともに、足立、葛飾、江戸川の三区の防災担当者を相次いで訪問し、意見交換を行いました。三区に共通した危機感の一つが、大量の区民の避難先をいかに確保するかという点であります。
 都内には海抜の高い多摩部もありますが、移動距離を考えても、都内東部の各区と都県境で接する千葉県側の高台が有力な避難先となります。しかし、東部低地帯で暮らす百万人単位の都民の避難先としては、都県境の市だけでは足りず、その後背地に位置する市町村の協力も得なければなりません。避難先の配分など、区だけの努力では調整困難であります。
 加えて、私の地元足立区は、同様に海抜の低い埼玉県の南部地域と接しており、ほかに、広域避難先を探す必要を抱えています。都は今後、東部低地帯の各区が直面する不安を踏まえ、千葉県などとの連携を深め、広域避難先の確保に向けて意欲的に調整を図るべきです。大規模水害から都民の命を守る舛添知事の決意を伺います。
 実際には、入念に広域避難の準備を整えたとしても、少なからず近くの建造物に避難せざるを得ない都民が発生します。滞留水が引くまで数週間にわたり建物内に孤立するおそれのある都民の救助を円滑に進めるためには、ゴムボートなどの確保を含め、日ごろから訓練を重ねておくとともに、訓練を通して得られたノウハウを災害発生後のタイムラインに組み込む必要があります。
 都は、救助訓練の実効性を高めるとともに、孤立避難民を搬送する先である水没しない避難場所や備蓄飲食物の確保などに取り組むべきと考えます。見解を求めます。
 次いで、若い世代の生活力を向上させる取り組みについて伺います。
 まず、キャリア教育の充実です。展望を持たずに職を離れ、低賃金の生活に陥る若者がいます。こうした事態を未然に防ぐ手だての一つがキャリア教育であります。
 近年キャリア教育の世界では、アントレプレナーシップ教育と呼ばれる業を起こす起業家精神を培う取り組みが注目されています。商品開発や起業を想定し、さまざまな視点から世の中の仕組みを学ぶものであります。
 若者は、起業家精神を培うことを通じ、自分の個性の生かし方や、多様な人材から協力を得る信用力の大切さなどを実感します。そのことが計画的に、キャリアの形成を目指す、強い意欲や忍耐力、そして、目的意識を持った進学や就職、さらには、就職先でのさまざまな出来事を前向きに受けとめて、キャリア形成に生かし、精神力にもつながります。
 起業や商品開発などを通じたキャリア教育は、一部の都立の専門高校などで実施されていますが、今後は普通科高校を含め、広く展開するべきと考えます。見解を求めます。
 加えて、ものづくり産業と若者とのマッチングであります。
 私の地元には、常時百名を超える左官職人を抱える会社があります。ことしも全国から男女を問わず十人もの若者を採用するとともに、ベテランが若手に手本を示す社内研修会を毎月のように開催しています。先輩のすぐれたわざに目を輝かせた若手職人は、離職するどころか、急速に上達を遂げるそうであります。
 都は、多くの若者がものづくりに関心を持てるように、その魅力をわかりやすく発信するとともに、若手技能者が熟練技能を見て学ぶ機会を広く提供し、人材の確保と技能者の育成を図るべきです。見解を求めます。
 次いで、女性が輝く社会を築く取り組みについて伺います。
 女性による起業は、身近なテーマを題材にすることが多く、空き店舗や自宅など身近な場所での開業を選ぶ傾向にあると伺っております。地域の中で起業する女性の姿が数多く見られるようになれば、都内の創業気運も一層高まり、結果として、女性が働きやすい職場環境がふえるものと期待します。
 都は、女性などによる創業を応援するため、本年度から資金供給と経営サポートを開始しております。今後は、より施策の実効性を高め、さらに創業の場の提供も図り、地域での起業を目指す女性を強く後押しするべきです。見解を求めます。
 加えて、働きながら安心して子育てに取り組める環境の整備が必要です。
 私は先日、二十四時間を限度に長時間保育に取り組む新宿区内の認可保育所を視察しました。利用者の職種は、医師や看護師、キャリア官僚、国際線の乗務員などさまざまであります。視察した保育所では、子供たちが皆で楽しく食事や入浴を済ませ、夜は八時過ぎには就寝するなど、まさに早寝早起き、朝ご飯の理想的な生活リズムが守られていました。
 乳幼児を抱えながらも、職業上の社会的な使命を果たすため、あるいは培ったキャリアを生かすため、さらには経済的苦境を克服するためなど、さまざまな事情から安心して子育てに取り組める環境を必要とし、やむを得ず深夜や長時間の保育に頼らざるを得ない都民もいます。こうした場合、深夜勤務の親に無理に在宅での子育てを強いれば、子供まで昼夜逆転の生活になりかねません。
 しかし、二十四時間保育を行う保育所は都内に三カ所しかありません。一、二時間程度の延長保育では対応できない保育ニーズを満たす二十四時間対応型の保育所の拠点的な整備が都内各地で進むよう、都としても区市町村に積極的に働きかけ、支援するべきであります。見解を求めます。
 最後に、聴覚障害教育について伺います。
 難聴などが原因となって、乳幼児の初期から保護者との意思疎通が図れないでいると、身体機能や心理的にも発育に及ぼす影響が大きいといわれております。特に言語能力は、生後二、三年のうちに急速に発達します。この時期に聞き取りと発話を専門的に訓練すれば、かなりの程度、障害に起因する困難の克服も可能だそうであります。
 一方、学校教育は、現行法規では、三歳以上の幼稚園児からが対象で、ゼロ─二歳という最も大切な時期が対象外とされています。そうした中、都立の聴覚障害特別支援学校の幼稚部では、国の基準がなく都費だけで配置されている教員と外部専門家がさまざまな工夫を凝らしながら、早期教育相談として、難聴の乳幼児への言語指導等に取り組んでおり大変喜ばれております。その上で、学校ごとの工夫であることに起因する取り組みの差異が生じないように、専門的に早期教育相談を担う体制をさらに充実させるべきであります。見解を求めます。
 また、難聴の乳幼児に対する言語指導等の体制整備は、国としても、改善の必要を自覚するべき課題であります。国に対し、ゼロ─二歳の乳幼児の支援の充実を求めるべきと考えます。見解を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 中山信行議員の一般質問にお答えいたします。
 スポーツにおける人材の育成と活用についてでございますが、トップアスリートの高い技術や人間的な魅力は、さまざまな関係者の支援と、本人のたゆまぬ努力により培われた社会的な財産であります。
 その活躍は、多くの人に感動を与えるものでありまして、次代を担う子供たちにとって、スポーツに対する夢や憧れを抱き、みずからスポーツに取り組むきっかけとなります。
 このような、トップアスリートのスピードや力強さを体感することにより、都民のスポーツへの参加意欲を高めることができます。また、その経験に裏打ちされた指導を直接受ける機会を都民に提供することで、アスリートの裾野を広げ、世界で活躍する人材の輩出にもつながります。
 今後、都は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、トップアスリートと都民の交流を促進し、スポーツを通じた人材育成を推し進め、世界を代表するスポーツ都市東京の実現を目指してまいります。
 続きまして、大規模災害についてでございます。
 数十年に一度といわれる豪雨が全国で記録され、各地で被害が発生しております。大規模水害に対しては、これまでも、河川護岸や防潮堤の整備などを進めてきておりますが、未曽有の大型台風等が接近した場合には、想定を超える被害が発生する可能性もあります。
 こうした想定外の事態に対する最も重要な危機管理は、人命を最優先に守るということでありまして、先般、住民を広域的に避難させる枠組みを地域防災計画に盛り込みました。
 この広域避難を実現するためには、都のみならず国や他県市、都内区市町村などの行政機関を初め鉄道事業者等の民間の協力も不可欠となります。
 今後とも、関係機関と連携協力しながら、一人の犠牲者も出さないように全力で取り組んでまいります。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、英語以外の外国語の学習についてであります。
 高等学校における外国語学習は、英語が必修であり、英語以外の外国語は選択科目となっておりますが、現在、都立高校等百九十三校のうち五十三校が中国語、フランス語、ドイツ語、韓国・朝鮮語など七つの言語の講座を設置しております。
 これらの講座を選択した生徒は、週二時間程度、非常勤講師や外国人指導者など外部の人材から、それぞれの外国語を学んでおります。生徒が複数の言語を学習することは、さまざまな国の文化について理解を深めるとともに、国際社会で活躍する資質を高めるために有効でございます。
 今後は、オリンピック・パラリンピックの開催も踏まえ、在京外国人など、外部人材の活用を一層推進し、より多くの都立高校において、さまざまな外国語が学べるよう環境の充実を図ってまいります。
 次に、キャリア教育の充実についてでありますが、都立商業高校で模擬株式会社を起こし、企業経営や商品開発について学ぶなど、多くの専門高校では、地域の企業と連携し、実践的な学習を行っております。
 また、普通科高校を中心に五十一校では、社会人、職業人として必要な能力などを身につけるため、企業の指導を受けながら、市場調査や商品開発等にチームで取り組み、実際の企業活動を体験するなどの社会的、職業的自立支援教育プログラムを実施しております。
 今後は、全ての都立高校のキャリア教育担当教員を対象とした研修会において、こうした教育プログラムの体験や事例研究を通して、教員の意識を高めるとともに、プログラムの内容をさらに充実させ、実施校を拡大していくなど、キャリア教育を推進してまいります。
 次に、聴覚障害特別支援学校における早期教育相談の充実についてであります。
 聴覚に障害のある乳幼児に対し、早期から教育的支援を行うことは、言語能力の獲得などに極めて重要でございます。
 そのため、都教育委員会では、聴覚障害特別支援学校幼稚部を、早期相談、支援の拠点として位置づけ、ゼロ歳から二歳までの乳幼児に対する教育相談を実施しております。
 今後、聴覚に障害のある乳幼児及びその保護者に対し、障害の特性に応じた個別支援などを充実させるため、幼稚部を設置する三校において、医師、言語聴覚士等の外部専門家の活用を推進するとともに、多様な専門家と教員との連携を一層強化し、早期からの教育相談に積極的に取り組んでまいります。
 次に、難聴の乳幼児に対する言語指導等の充実についてでありますが、聴覚障害特別支援学校では、医療機関等において難聴の診断を受けた乳幼児等に対し、早期からの言語指導等に取り組んでおり、ゼロ歳から二歳までの聴覚に障害のある乳幼児の聴覚活用や親子のコミュニケーションの確立に効果を上げております。
 今後、都教育委員会は、これまでの取り組みの成果を踏まえ、早期相談、支援の一層の充実に向けて、医療、保健、福祉など関係機関との連携を強化するとともに、国に対し、医療、療育機関と聴覚障害特別支援学校との連携の仕組みづくりなどについて要望をしてまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

〇産業労働局長(山本隆君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、飲食店の外国語メニューの普及についてでございますが、外国人旅行者に東京の多様な食の魅力を伝えるためには、都内のより多くの飲食店にわかりやすい外国語メニューの作成を促していくことが重要でございます。
 これまで都は、外国語メニューの作成を支援するウエブサイトを構築し、飲食店に利用を働きかけてまいりました。
 今年度は、旅行者のニーズにより一層応えるため、言語数を五言語から十一言語に拡充し、食材、調理法など、用語の充実にも取り組むとともに、メニュー作成の研修などを通じて、外国語メニューを提供する飲食店の拡大に努めてまいります。
 こうした取り組みを通じまして、外国人旅行者が何度でも訪れたくなる観光都市東京の実現を目指してまいります。
 次に、ものづくり産業と若手人材についてでございます。
 東京のものづくり産業の発展のためには、若手人材の確保と、技能者としての育成が重要でございます。
 都はこれまで、高校生向け実習講座などにより、ものづくりへの関心を高めるとともに、熟練者が若手職人に直接指導する名工塾の実施など、技能の継承の支援に努めてまいりました。
 今年度は、より多くの若者に、ものづくりの魅力を伝えるため、その作業工程を興味深く見ることができる動画を新たに作成し、ウエブサイト等で公開いたします。また、現場の若手職人への技能継承を一層効果的に行うため、卓越した職人わざを繰り返して見ることができるよう、DVDに収録をいたしまして、中小企業等に配布をいたします。
 こうした取り組みによりまして、若手人材の確保と技能者の育成を支援してまいります。
 最後に、地域における女性の創業支援についてでございます。
 女性の創業をより一層促進するためには、女性起業家が活躍できる環境整備など、支援の充実が重要でございます。
 このため、都では本年度、起業家を育成するセミナーの女性向けコースを拡充いたしますとともに、受講後には、事業計画の策定、開業場所等について、専門家による具体的な助言を行っております。
 また、ソーシャルビジネスの創業を支援するインキュベーション施設では、地域が抱える課題解決に取り組む女性起業家の育成も行っております。
 今後は、民間の支援機関のノウハウを活用しながら、都内インキュベーション施設など、幅広い利用に加えまして、身近な空きオフィスや店舗等とのマッチングを促進することにより、地域での創業を目指す女性の支援に取り組んでまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

〇オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) アスリートのセカンドキャリアについてでございますが、アスリートの競技力向上を図るには、引退後のキャリアまで見据えた長期的な視点を持って取り組んでいくことが重要でございます。現在、国は、アスリートのキャリア形成を支援する仕組みづくりに着手しており、都としては、その早期実現に向けて後押しをしてまいります。
 また、都は、引退後のアスリートを地域の指導者として迎える東京アスリート・サイクル地域貢献モデル事業を実施しておりまして、今年度は、世界大会だけではなく、全国大会の出場経験者も対象に加え、その充実を図っております。
 今後、都は、この事業から得た地域の受け皿づくりのノウハウをさらに広め、アスリートが引退後も、地域において活躍できる機会づくりに積極的に取り組んでまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 水害に備えた訓練などの取り組みについてでございますが、水害発生の危険が差し迫った段階では、自宅の二階や近隣の高い建物等へ緊急避難することも想定されます。
 このため、都は都民に対し、イベントやホームページ等を通じて、水害に対する知識や有効な対処方法について普及啓発を行うとともに、今年度からは、年四回の住民参加型訓練の一つといたしまして、梅雨どきの前に風水害対策訓練を区市町村とも連携しながら実施しております。
 また、大規模水害に備えた避難所や備蓄等の確保も重要であり、区市町村が安全な避難所の確保や被害を受けない備蓄方法の検討などを進めることとしていますが、都も避難者支援に係る広域的な調整等を実施してまいります。
 今後とも、地域を熟知する区市町村や地域の防災機関と連携しながら、大規模水害対策に取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 二十四時間対応型の保育所についてですが、都は現在、東京都保育計画において、区市町村のニーズ調査等に基づき、必要とする保育サービスの目標を定め整備を進めております。
 そのうち、夜間保育につきましては、午後十時まで開所する認可保育所等を平成二十一年度の五十四カ所から二十六年度までに六十四カ所にふやすこととしており、二十五年度末現在六十一カ所となっております。また、二十四時間対応型の認可保育所は現在三カ所でございます。
 来年四月に始まる子ども・子育て支援新制度に向け、現在、保育の実施主体である区市町村は、保育サービスの新たな整備目標の策定作業を進めており、今後とも都は、区市町村が地域の実用やニーズに応じて多様な保育サービスを展開できるよう、積極的に支援してまいります。

〇副議長(藤井一君) 七十番北久保眞道君
   〔七十番北久保眞道君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇七十番(北久保眞道君) まず初めに、都市外交について伺います。
 知事は就任以来、積極的に都市外交を推進し、今月初めには、アジア大都市ネットワーク21の第十三回総会に出席するため、ロシアのトムスクに出張したと聞いています。東京オリンピック・パラリンピック開催まで丸六年を切った今、姉妹友好都市を初め、海外の諸都市とさまざまな分野で知見を共有するなどして交流を深めることは、大変意義深いものと評価しております。
 我が都議会自民党でも、積極的に海外の都市との関係を深めており、私自身も、五月に都議会自民党オイスカ議員連盟のマレーシア行政調査団の一員としてマレーシアを訪問し、マハティール前首相や連邦直轄領大臣、クアラルンプール市長らと会談などを行ってきました。
 調査の中で感じたことは、クアラルンプール、マレーシアの人々の東京、日本への大きな関心と期待であり、東京がアジアの諸都市と実務面で交流することの大切さを実感いたしました。
 世界がますますボーダーレス化する中、アジアは大切な隣人であり、巨大な市場であります。関係を深め、相手の発展に力を尽くすことは、みずからの発展につながると考えます。
 知事は、アジネットを見直すといっておられますが、東京と日本にとって、アジアは最重要地域です。
 知事に、今後、アジアとの実務面での交流をどのように深化させていかれるのか、所見を伺います。
 次に、多摩の道路ネットワーク整備について伺います。
 多摩地域は、都心に隣接する利便性や豊かな自然の残る環境など魅力にあふれており、現在、四百万人を超える人口を有しております。しかし、今後、人口が減少に転じるとともに、高齢化の進展や大規模工場の撤退など、地域を取り巻く状況が大きく変化することが想定されることから、対応が必要と考えます。
 このため、都は、昨年三月に、新たな多摩のビジョンを策定し、多摩地域の進むべき方向性を示したところですが、こうした取り組みを遅滞なく進めていくことが重要です。
 このビジョンが目指す、魅力にあふれ、活力に満ち、安全・安心が確保された多摩の実現に向けては、多摩地域の豊かな潜在力を引き出し、新たな発展を加速させる必要があり、そのためには、人と物の流れをスムーズにする道路ネットワークの充実が不可欠です。
 我が党では、政策提言として、多摩地域のさらなる活性化のための南北交通アクセスの整備、分断されている道路のネットワーク化の推進、都市計画道路の無電柱化の推進などを掲げ、これまでの都の取り組みである多摩南北道路を初めとした道路整備の推進を後押ししてきています。
 しかしながら、多摩地域における都市計画道路の整備率は、いまだ六割に満たず、とりわけ私の地元、東村山市では二割にも満たない状況であるなど、道路ネットワークの整備は道半ばであり、早期の整備を望む声が高まっています。
 こうした中、昨年度には、西武線の東村山駅付近の連続立体交差事業が事業化されました。この事業は、東村山駅周辺にある踏切を解消することで、渋滞の著しい市内の道路状況を大きく改善するとともに、周辺のまちづくりにも大いに寄与するものと確信しております。
 また、連立にあわせて事業化された府中所沢線については、東村山市内を南北に貫く都市計画道路であり、新たな骨格となる幹線道路として、地域の住環境改善、防災性向上、交通渋滞緩和のために整備の推進が望まれています。
 昨年度の事業化は喜ばしいことですが、地元では引き続き、残る未着手区間への展開に大きな期待を寄せています。
 そこで、府中所沢線の事業化に向けた取り組みについて伺います。
 また、府中所沢線とつながり、埼玉県とのかけ橋となる東村山所沢線についても、多摩地域の発展のために大変重要な道路であります。埼玉県側においては既に飯能から所沢間が完成し、徐々に沿道開発も進み、地域ににぎわいをもたらしております。都県境の所沢側は用地買収も進んでおり、残るは都内区間のみであります。これがつながれば、多摩地域と埼玉県の広域的な道路ネットワークが完成し、広域的な防災活動にも効果的です。
 つきましては、この道路についても、次期事業化計画に位置づけ、早期整備に向け、積極的に取り組んでいただくよう要請し、次の質問に移ります。
 次に、都立公園の取り組みについて伺います。
 私の地元東村山市、東大和市、武蔵村山市は、豊かな自然環境に恵まれた地域であり、この地域に広がる狭山丘陵は、三市の住民にとって心和ませるすばらしい空間であります。朝、日中、夕方と終日、年齢、性別を問わず散歩、ジョギングを楽しまれる方がいらっしゃいます。
 今月一日、アメリカの映画界最高の栄誉とされるアカデミー賞の名誉賞を八国山緑地を舞台とした「となりのトトロ」を制作した宮崎駿監督が授与されると発表され、まことに誇らしい気持ちであります。
 「となりのトトロ」の中では、私が少年時代、多感な時期を過ごした昭和三十年代の初頭の人々の暮らしと里山の風景が描かれていると思いますが、狭山丘陵は、今でも変わらず、コナラやクヌギなどの雑木林の緑に包まれ、春には若葉、秋にはたくさんのドングリが見られるとともに、アオゲラ、アカゲラのキツツキ類やヒタキ類など多くの野鳥も観測されるなど、豊かな自然が残されており、私を初め、地元住民にとって心癒されるふるさとの大事な原風景であり、昨年の第三回都議会定例会において武蔵野の美しい面影を残す狭山丘陵における都立公園の整備状況について伺い、着実に整備が進んでいることを答弁いただきました。地域と連携した保全活動も重要と考えます。
 そこで、狭山丘陵の緑を守るために、都立公園で行われている取り組みについて伺います。
 次に、水道の給水装置工事関係の電子化について伺います。
 水道局では、配水管から建物内に給水管を引き込む給水装置工事で、インターネットを利用した工事申請を導入するなど、本年一月から電子化を開始しました。
 これにより、指定事業者が工事施工の申請などで水道局へ足を運ぶ回数が減少し、業務が効率化されるとともに、工事を迅速に施工できることから、都民サービスの向上が期待できます。
 また、この電子化は、将来の労働人口の減少等社会情勢の変化にも対応するもので、小規模な企業が多い事業者の労働環境の改善にも効果があり、意義あるものと評価できます。
 一方で、中には、昔からのやり方を変えることに円滑に対応できない事業者もいるのではないかと心配されたため、我が党は導入に当たって、サポート体制の確保を提言しました。その結果、電子申請システムを円滑に導入することができたと聞いておりますが、利便性のさらなる向上に向けた努力を継続していただくことを必要だと思います。
 そこで、給水装置工事関連の電子化の現在の状況と今後の展開について伺います。
 次に、下水処理場など、防災対策について伺います。
 東日本大震災では、東北地方で下水処理場などが被災し、震災後の住民生活に大きな影響を与えました。さらに、発電所が甚大な被害を受け、電力供給能力が低下し、計画停電や夏季の電気使用制限が実施されました。都内の年間電力使用量の約一%を消費している下水道局も停電などへの対応を迫られたと聞いております。
 実際に、私の地元でも、東日本大震災の際には計画停電を経験しました。ちょうど夕方から夜にかけての二時間もの間、停電が続き、自宅で、暖房も電灯も消えた中で過ごし、また、家の外を見ると、近くの交通信号やまちじゅうの明かりも消えており、不便と不安を強く感じたのを覚えています。
 その後、私の知人たちからも、この停電で同じような思いをしたと聞いており、停電による影響の大きさを痛感したところです。
 一方、水再生センターやポンプ所などの下水道施設には、数多くの機械や電気設備があり、下水処理や雨水排除などに使われると聞いております。下水道は二十四時間三百六十五日やむことなく稼働しており、万が一その機能が停止すれば、下水処理やポンプがとまり、衛生上の問題や浸水被害が懸念されます。マグニチュード七クラスの首都直下型地震は、まさにいつ発生してもおかしくないといえる状況に、喫緊に対策を講じる必要があります。
 このことから下水処理や雨水排除を担う水再生センターやポンプ所の耐震化のスピードアップが必要だと考えますが、今後の取り組みについてお伺いします。
 以上、質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 北久保眞道議員の一般質問にお答えいたします。
 アジアとの実務面での交流についてでありますが、今月初めに参加しましたアジア大都市ネットワークの総会では、共同事業の報告がありました。例えば、感染症対策プロジェクトでは、新型インフルエンザのほか、デング熱を初めとする感染症についても実務レベルで知見を共有しております。地球温暖化も進む今、こうした感染症の知見は、我が国の今後を左右する貴重な情報であります。
 また、先月の総合防災訓練には、ソウル特別市、台北市、新北市からも参加があり、ともに危機管理能力を高めることができました。災害に国境はありません。いざというときに、近隣同士、互いに助け合う体制を築くことが必要だと考えております。
 アジア競技大会も先般視察してまいりましたが、スポーツ面や芸術文化を含めて、さまざまな分野で存在感を高めているのがアジア地域であります。
 経済面でも、中小企業の海外展開の支援や産業交流展を初め、国際見本市での交流など、具体的な取り組みを進めてまいりたいと思っております。
 東京はこれまで、アジアの大都市と連携して、共通の課題に共同で取り組み、また、その成果をアジア地域の発展につなげることを目的に活動してまいりました。今後も、東京と相手の都市がウイン・ウインの関係になるよう取り組みを積み重ねてまいります。
 なお、ネットワークの見直しについては、発足後十数年を経ての、総会の形骸化を危惧してのものであります。例えば、市長さんや知事さん、今回、トムスクの知事さんと私、この二人だけトップが出て、あとは皆さん代理でした。こういうことを考え直す必要があるということで、このネットワークは会員都市の合議制でありますので、今後、各都市の意見を東京が事務局として集めることになりますが、これまで培った実質的な協力関係や成果は大事にしていきたいと思っております。
 今回のアジネットの見直しがさらなるアジアとの関係強化につながるよう、しっかりと検討してまいります。ご理解、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

〇東京都技監(横溝良一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、府中所沢線の事業化に向けた取り組みについてでございますが、この路線は、多摩地域の自立性を高め、地域の活性化や防災性の向上にも寄与する、東京と埼玉をつなぐ重要な骨格路線でございまして、都はこれまで、約九割の区間で道路建設事業を実施しております。
 最後の未着手区間であります最北端の一・八キロメートルの区間につきましても、東村山市内の狭隘な道路の交通を円滑化する観点から、早期に整備することが必要であると考えております。
 このため、この区間について、本年十一月に事業着手に向けた地元説明会を開催し、測量を開始いたします。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、多摩地域における骨格幹線道路ネットワークの整備を積極的に推進してまいります。
 次に、狭山丘陵の緑を守るための都立公園の取り組みについてでございますが、狭山丘陵は、縄文時代の遺跡や鎌倉時代の古戦場など歴史的資源を有し、雑木林を主体とする良好な里山景観が残る、次世代へ継承すべき都民の貴重な財産でございます。
 都は、八国山緑地や東大和公園などで、都民やNPOなどと協働した雑木林を再生する活動などを通じ、公園への愛着や自然への理解を求める取り組みを行っております。
 また、都県境を越えた所沢市や入間市などの各自治体や市民団体などと一緒に、未来の里山の保全、活用を考えるシンポジウムや自然体験フェアを二カ月間開催するなど、狭山丘陵の魅力を発信しております。
 今後とも、こうした都民や県民などと連携した取り組みをさらに進め、首都圏に浮かぶ緑の島ともいうべきかけがえのない狭山丘陵の保全に努めてまいります。
   〔水道局長吉田永君登壇〕

〇水道局長(吉田永君) 給水装置工事関係の電子化についてでございますが、水道局では、業務の迅速化によるお客様サービスの向上を目指しまして、本年一月から事業者の工事申請や水道管管理図の閲覧を、順次、電子化してまいりました。
 この電子化は、図面の保管状態の改善のほか、災害時における破損や亡失などの被害が回避されることなどから、危機管理の強化にもつながるものと考えております。
 電子化の導入に当たりましては、ご提案の趣旨を踏まえ、ヘルプデスクによる相談対応を行ってきておりますが、今後も、事業者への講習会の実施など、サポート体制を充実してまいります。
 また、関係団体へのヒアリングや事業者へのアンケートを通して意向を把握し、さらに利用しやすくすることで、お客様サービスの一層の向上につなげてまいります。
   〔下水道局長松田芳和君登壇〕

〇下水道局長(松田芳和君) 水再生センターやポンプ所の耐震化についてでございますが、下水道局では、想定される最大級の地震動に対する施設の耐震化を進めておりまして、水再生センター、ポンプ所のうち、建築物や上部の覆蓋が広域避難場所などに利用されている箇所の耐震化は既に完了しております。
 しかしながら、水をくみ上げる揚水のほか、簡易処理や消毒など震災時においても必ず確保すべき機能を担う施設については、平成二十五年度末で、水再生センター、ポンプ所、計百八施設のうち対策が完了しているものは八施設にとどまっておりまして、取り組みのスピードアップが必要でございます。
 そこで、今年度十一施設、来年度二十七施設で新たに工事着手いたしまして、オリンピック・パラリンピック前の平成三十一年度までに全ての施設で耐震化を完了させるよう取り組んでまいります。

〇議長(吉野利明君) 二十一番河野ゆうき君
   〔二十一番河野ゆうき君登壇〕

〇二十一番(河野ゆうき君) 少子化にあらゆる手段を講じても歯どめがきかない中、晩婚化や未婚化も少子の原因の一つになっていると考えます。日本では、非嫡出子の割合はまだ二%でありますが、一方で、高福祉の優等生的に取り上げられるスウェーデンでの非嫡出子の割合は五〇%を超えております。私は、日本は、この方向に向かうべきではないと考えております。
 私は、あらゆる環境に置かれた立場や考え方を尊重しつつも、大方こうあるべきであるという自然発生的な秩序を感覚として持っているはずであると考えております。
 しかしながら、昨今では、ポリティカルコレクトネス、政治的正しさを気にかけるがゆえ、正論を堂々といえなくなっている社会的雰囲気を私は非常に危惧をしております。個
々の選択の自由も当然尊重しながら、さまざまな事情がある人を考慮しながらも、日本の自生的秩序の中で受け継がれてきた家族制度の価値というものを改めて見直すべきであると考えております。
 かつて日本のどの家庭でも神棚や仏壇があり、家族は縦の流れとしての共同体でありました。墓参りや仏壇に手を合わせるという行為をもって、先祖との心の交流を図ることはとても重要であり、その基準として家という単位で管理され、子孫に継承されていくものでありました。
 しかし、戦後の神道指令に端を発し、欧米のような緩やかな政教分離ではなく、厳格な政教分離を強いられたがゆえ、日本の精神文化の支柱を失い、また、生活スタイルの変貌、多様化とともに、我が国の伝統的価値観が崩れ、個人主義を尊重するがゆえの副産物ともいえる無関心な社会になってしまっているのが現状だと私は考えております。
 例えば、ニーズとしての待機児対策は必要であり、進めなければならない重要な都政課題である一方、子育ての一義的な責任は保護者にあるという自覚を忘れるような社会にしてはいけないと私は考えております。手厚過ぎる支援は過保護になり、依存心が強まり、成長力を失う。自立を促し、支え合う価値観を取り戻すことが重要であります。
 私は、日本社会が長い年月をかけて培ってきた家族制度の価値、すなわち、自分の責任、役割を果たし、家族の中で支え合い、慈しみ合いながら、地域がともに助け合うという価値観を土台にしながら行政の役割を考える視点を見失ってはならないと思っております。
 政治は、社会制度や行政サービスを構築するに当たり、どのような理念を持って恒久的な問題解決に取り組むのかが問われていると考えます。
 そこで知事にお伺いします。
 さまざまな都政課題を解決するに当たり、自助、共助、公助の順番をどのように捉え、課題に取り組むのか、知事の所見をお聞かせください。
 次に、海外への情報発信について伺います。
 私は、二十数年前、アメリカの大学に留学をしておりました。当時、アジアからのニュースといえば、東京からの発信がほとんどであったと記憶しております。政治や経済、そして、それらを伝える報道のアジアのヘッドクオーターは紛れもなく東京であったと思います。
 しかし、近年では、多くの外国メディアの拠点も、東京から北京やソウル、シンガポールに移り、アジアの発信力の中心は東京といえない状況になってきています。
 都は、東京の国際的なプレゼンスを向上させるべく、昨年度末から、海外向け都市広報に着手されました。今後、世界に大きな影響力を持つ海外メディアとのより強固な関係を築いていくことが必須と考えますが、具体的にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
 なお、今月十三日、北京で電気自動車によるフォーミュラカーレース、フォーミュラEが初開催されました。エンジンのような爆音も排気ガスも出さないフォーミュラEは、全戦、市街地での公道レースで、先日の北京を皮切りにプトラジャヤ、ブエノスアイレス、マイアミ、ベルリン、ロンドンなど、今シーズンは全十都市で行われます。
 大都市のランドマークを背景にフォーミュラカーが疾走するというイベントとして注目されており、自民党のモータースポーツ推進議連で、このレースを後押しする法案が用意をされ、次期国会に提出する動きもあります。
 もし東京で開催されることになれば、世界に環境の日本、東京という説得力のあるメッセージを発信できると思われます。実現には困難も多々ありますが、今後、戦略的に東京の魅力を発信していくには検討に値するプロジェクトであります。都の積極的な取り組みを要望しておきます。
 次に、首都圏空港の機能強化についてお聞きいたします。
 羽田空港の年間発着枠は、ことし三月、四十四・七万回となり、四本目の滑走路供用前の一・五倍に拡大され、これにより、羽田は再び本格的な国際空港となりました。今後、国際競争力強化のため、さらなる機能強化が必要となります。
 羽田と成田との共存共栄のほか、横田飛行場を初め、茨城空港や富士山静岡空港など、既存の空港の活用も重要な論点です。
 また、羽田空港の機能強化については、本年七月、発着容量を拡大させるため、国から都心上空を飛行する新たな飛行ルート設定の提案があり、この具体化に向け、先月、協議会を設置したと聞いております。
 伊丹や福岡などの都市でも一般的に事例があると聞いておりますが、そうはいっても、これまで騒音について過去の経緯を持つ空港隣接区にとっては不安な面もあると推測いたします。このような住民の方々の感情をまずはしっかりと踏まえながら、機能強化の検討を進めていただきたいと思います。
 また、深夜、早朝時間帯は、発着枠に若干の余裕があると聞いておりますが、その充実も大切な課題だと考えております。
 そこで、都は、国から示された新たな飛行ルートによる容量拡大の提案など、羽田空港の機能強化について、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 次に、防災対策について伺います。
 首都直下型の大地震発生時には、火災や倒壊家屋などからの救出など、都内各地で多くの都民が助けを求める事態が想像されます。これらの火災や救助において公助を担う東京消防庁の活躍に期待するとともに、自助、共助による力が欠かせません。阪神・淡路大震災では、住民等による自助、共助の力によって救出された人が全体の九割にも上るというデータがあります。
 地域での防災訓練の取り組みが各地で行われておりますが、まだまだ参加者は十分だとはいえません。東京消防庁が指導を行う防災訓練の現状と、参加者数を増加させるための今後の取り組みについて伺います。
 また、防災訓練の実効性の向上や訓練指導体制の充実を図るべきと考えますが、東京消防庁の今後の取り組みについてお聞かせください。
 次に、東武東上線の連続立体化事業と大山駅周辺まちづくりについて質問いたします。
 板橋区の中心市街地である大山地区まちづくりは、今、大きな分水嶺に立っております。知事、ぜひとも現地ご視察をお願い申し上げます。
 板橋区は、ことし三月に、大山まちづくり総合計画を策定し、特定整備路線である補助二六号線の整備促進とともに、拠点の再開発事業等の推進を位置づけております。
 具体的には、隣接し合う都有地及び区有地を核としたピッコロ・スクエア周辺エリアにおいて、にぎわい拠点の構築を目指し、また、道路の計画線と商店街が交差するセントラル・クロスポイントエリアにおいて、ハッピーロード大山商店街の中心地として、歩行者の流れをつなぎ、生み出す拠点の構築を目指しております。二六号線の整備と、これらの拠点整備は、まちのにぎわいを維持するためにも歩調を合わせて進めていく必要があります。
 そこで、沿道まちづくりの取り組み状況や今後の進め方について、都の見解を伺います。
 板橋区は、大山駅から成増駅までの東武東上線の区内全線の立体化を、区民の悲願と捉えております。私からも全線立体化を強く要望いたします。
 都の踏切対策基本方針では、大山駅付近と、ときわ台―上板橋付近の二区間が、鉄道立体化の検討対象区間に位置づけられておりますが、このうち大山駅付近については、交差する補助二六号線の事業化に向けた取り組みにあわせて、鉄道立体化についても、検討区間から事業候補区間への格上げをして進めていく必要があると考えます。
 そこで、東武東上線大山駅付近の鉄道立体化に向けた取り組み状況について伺います。
 また、補助二六号線に接し、大山駅周辺まちづくりの中心には、福祉保健局、板橋キャンパス、健康長寿医療センターがあります。昨年六月には、医療センターが新施設に移転、板橋看護専門学校は改築が終わり、また、新しい介護施設も来月にオープンします。今後、それらの跡地がどのように活用されるかは、地元への影響は非常に大きく、区としても注視しているところです。地元からも、まちづくりにあわせての跡地活用についての要望を受けております。
 区の策定した大山まちづくり総合計画にも、地域のまちづくりに寄与するものとなるよう調整協議を進めていきますと記述されております。引き続き、区と都との合意を得られるよう、我々も、区議会や地元とも連携しながら尽力をしていきたいと考えております。
 板橋キャンパスの今後の活用の進め方について、お考えをお聞かせください。
 我々都民の生活エリアでの後世に残していけるまちをつくることも、大事なレガシーだと考えております。
 以上で質問を終わります。
 ご清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 河野ゆうき議員の一般質問にお答えいたします。
 自助、共助、公助についてでありますが、我々の社会は、個人あるいは家族と、それを取り巻く地域などのコミュニティを基礎としております。
 その中にあって、まず、みずからのことは自分で守る自助、そして、隣近所やボランティアの見守りなど、他者を思いやり、相互に支え合う共助の考え方は、心豊かな社会を形づくる上で基本になるものと考えております。
 先日の杉並区との合同防災訓練では、警察、自衛隊、消防や医療機関などの公的な援助が届くまで、地域住民や団体の皆さんがみずから消火するとともに、協力して人命を救助する訓練に取り組みました。こうした自助、共助の取り組みは、災害による被害を最小限にとどめるために大変重要であると考えております。
 一方で、例えば要介護度の高い方の介護を家族やボランティアのような自助、共助で全て負うことに限界があることも、また事実であります。
 また、子育てをしながら、何とかして自己の能力と経験を社会に生かしたいと強く望む女性もふえており、それを支える仕組みが求められております。
 こうした場合には、公助がしっかりと役割を果たすべきでありまして、それぞれのニーズに応じた行政サービスが行き届くようにすることが必要であると考えております。
 自助、共助、そして公助は、それぞれが相まって機能するものであると考えております。
 今後とも、こうした認識に立ちまして、福祉、防災や治安を初め、さまざまな都政の課題の解決に取り組んでまいりたいと思っております。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

〇東京都技監(横溝良一君) 東武東上線大山駅付近の鉄道立体化についてでございますが、大山駅付近には、第三次事業化計画に位置づけられた補助第二六号線を含む八カ所のあかずの踏切があり、鉄道による地域分断の解消等が課題となっております。
 このような中、お話のとおり、板橋区は本年三月、大山まちづくり総合計画を策定し、補助二六号線の整備と地元商店街とが共存するまちづくりの方向性を定めました。これを受けて都は、大山駅付近を連続立体交差事業の事業候補区間に位置づけ、事業範囲や構造形式などの調査検討に着手することといたしました。
 今後は、必要な財源の確保に努め、地元区や鉄道事業者と連携し、鉄道立体化に向けて積極的に取り組んでまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 海外への都市広報を展開するに当たっての海外メディアとの強固な関係の構築についてでありますが、東京の魅力を世界に効果的に発信するためには、世界各国に住む人々の身近な情報源から東京の姿を発信してもらうことが重要であると考えております。
 そのため、これまで関係の少なかった在京の海外メディアを対象に、環状七号線地下調節池など、東京の先進的な取り組みや都市戦略等について、プレスツアーや知事による直接ブリーフィングを今年度から新たに実施いたしました。
 さらに今月、欧米、アジアから六名の記者を招聘し、東京の都市機能や人々の生活の様子を外国人目線で取材を行い、広く世界に発信してもらう事業を日本外国特派員協会との連携により開始いたしました。
 この事業の実施に当たりましては、短期間で世界各国から当初の予想を上回る約二百四十名からの応募があったことから、招聘した六名の記者だけではなく、こうした東京に関心を寄せる多くの記者との間でネットワークを構築することで、事業効果をより高めてまいります。
 今後、十月に立ち上げる有識者会議での意見を十分に踏まえまして、国ごとのニーズや発信手法等に合わせたきめ細かい取材支援、情報提供を行うなど、海外メディアへのサポート機能を充実させ、より掘り下げた東京の魅力の発信強化につなげてまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

〇都市整備局長(安井順一君) 二点の質問にお答えいたします。
 まず、羽田空港の機能強化についてでございますが、本年七月、国は、需要の拡大が見込まれる羽田空港の発着回数をふやすため、学識経験者の検討に基づき、都心上空を飛行する新たなルート案を示しまして、具体化に向けて、関係都県や航空会社等との協議会を設置いたしました。
 都は、協議会への参画に当たりまして、関係区市との連絡会を設けまして、国から詳細な情報提供を受けつつ、地元の理解も得ながら、羽田空港の容量拡大に取り組んでまいります。
 また、発着枠に余裕のある深夜早朝時間帯の利用促進を図るため、来月から、国とともに、この時間帯を対象に、空港と都心とを結ぶアクセスバスを試験的に運行いたします。
 引き続き、羽田空港の発着枠拡大を中心とする機能強化を図りまして、国際競争力を備えた世界一の都市東京の実現に取り組んでまいります。
 次に、補助二六号線大山区間の沿道まちづくりについてでございます。
 都はこれまでも、道路整備と一体となった沿道まちづくりの検討を進めるため、地元区と連携して、商店街を中心としたまちづくりに専門家を派遣するなど、支援を行ってまいりました。
 お話のピッコロ・スクエアなど、二つのエリアは、商店街のにぎわい拠点となる重要な場所でございまして、地元が検討してきた再開発の実現を目指す準備組織が発足しております。特に、都有地を含むエリアにつきましては、区から、事業スキームや今後の進め方の相談を受けております。
 都は、引き続き区と連携いたしまして、地元の意見も丁寧に聞きながら、特定整備路線である補助二六号線の今年度の事業化を目指すとともに、不燃化特区制度の支援策も活用して、沿道のまちづくりを積極的に促進してまいります。
   〔消防総監大江秀敏君登壇〕

〇消防総監(大江秀敏君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、防災訓練の現状と参加者を増加させる取り組みについてでありますが、防災訓練参加者は、東日本大震災以降増加傾向にあり、平成二十五年度は百四十三万人でありました。首都直下地震の発生が危惧される中、世界一安全な都市を実現させるためには、さらなる訓練参加者の拡大が重要であります。
 このことから、今まで訓練を実施していない地域や、訓練をしたことのない都民の参加を促進するため、自宅の近くで短時間で必要な技能を習得できるまち角防災訓練や、小中学校の学区を単位にPTAや町会、自治会等と連携し、学校行事や地域のイベント等に合わせた防災訓練をさらに普及させてまいります。
 次に、防災訓練の実効性の向上や指導体制の充実についてでありますが、大規模地震による被害を軽減するためには、発災直後における地域住民の防災行動力を高めていくことが重要であると認識しております。
 このため、スタンドパイプを活用した実践的な初期消火訓練に加え、今年度整備する消火、救助体験ハウスを使用し、放水や救出活動を実際に行う訓練、防災マップを活用して防災資機材等の位置や地域の具体的な危険性を把握する訓練などを推進することにより、実効性の向上を図ってまいります。
 また、地域の防災リーダーである消防団員や東京消防庁災害時支援ボランティアとより一層の連携を図り、訓練指導体制をさらに充実させてまいります。
 今後とも、関係機関等と連携し、自助、共助による地域防災力の充実強化に努めてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 板橋キャンパスの跡地活用についてでありますが、平成二十年に都が策定した再編整備基本計画では、施設の建てかえ跡地について、高齢者の福祉施設等ゾーン及び緑化広場ゾーンとして活用を検討することとしております。
 また、お話の区が策定した大山まちづくり総合計画では、板橋区の福祉施策との整合を図りつつ、敷地内の緑化の維持、保全、推進を初め、余裕を持った土地利用により生じるスペースの確保など、大規模災害時の防災機能の強化を図り、地域のまちづくりに寄与するものとなるよう調整、協議を進めていくとされております。
 キャンパスでは、今後、移転後の施設の解体工事や健康長寿医療センターの駐車場整備等を進めることとしておりまして、跡地活用については、基本計画の考え方を踏まえながら、地元区の意見等も聞き、検討を進めてまいります。

〇議長(吉野利明君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時四十分休憩

   午後六時開議

〇副議長(藤井一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 三十一番中山ひろゆき君
   〔三十一番中山ひろゆき君登壇〕

〇三十一番(中山ひろゆき君) 初めに、国際観光都市振興の観点から四点質問させていただきます。
 二〇二〇年に向けての東京クルーズビジョンについて伺います。
 東京都は、平成二十六年一月、東京都が二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催都市として、また国際観光都市として、今後のクルーズ客船誘致施策を積極的に展開していくため、おおむね十五年後の目標とその取り組みについてまとめた東京クルーズビジョンを策定いたしました。二〇二八年時点での年間誘致目標は、東京港クルーズ利用人口五十万人、クルーズ客船利用回数二百八十回と、大いに期待できるものであります。
 大型クルーズ船の寄港は、一回の寄港で数千人の乗客が観光や買い物を行うだけではなく、その乗客のための食料など物資を寄港地で調達するため、非常に大きな経済効果をもたらします。さらに、東京港にクルーズ船を寄港させることは、東京港のイメージアップだけではなく、臨海エリアにおけるMICE、国際観光拠点化の推進にも大きな期待ができるものと考えます。クルーズ人気が高まる中、東京港を大型客船が寄港できる施設に整備するだけではなく、利用者の目線に立った使いやすい施設を整備し、首都の玄関口としてふさわしい港とすることが重要であります。
 そこで、オリンピック・パラリンピックが開催され、多くの人が東京に来訪する二〇二〇年に向け、国際観光都市東京として、どのようなクルーズ振興策を推進していくのか、知事の所見を伺います。
 次に、二〇二〇年に向けたカジノを含む統合型リゾート、いわゆるIRについて伺います。
 都の観光産業振興プランで示されている方向性のように、洗練された都市としての東京の魅力をさらに磨き上げ、旅行者誘致を積極的に進める上で、カジノを含むIRは都市の魅力創出の一つと考えられます。
 実際、東京五輪開催が決定したことを受け、急速に法制化の期待が高まっていると考えます。カジノの法制化に向けた動きが進んでいる中、議員立法によって提出された推進法案が次期国会で成立する可能性があり、各地の自治体もカジノ誘致に名乗りを上げるのではないかともいわれております。
 一部の報道では、経済の活性化や外国人観光客の増加に期待をかけるとして、政府も新しい組織をつくり、二〇二〇年の東京五輪に間に合うように具体案を検討すると伝えられています。
 一方、カジノはギャンブルへの依存を初め、青少年への悪影響、反社会的勢力の暗躍、マネーロンダリングの懸念など、負の側面を抱えていることも事実であり、やみくもに手を挙げられない状況もあります。カジノのマイナス面を十分に検証した上で、幅広く意見を聞いて議論を尽くすことが重要であります。
 そこで、政府や国会の動きを鑑み、現状ではどのように捉えられているのか、都の所見を伺います。
 次に、二〇二〇年に向けた観光振興について伺います。
 昨今、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを視野に、市区町村、観光団体、企業でも、新たな外国人の来訪をふやそうとさまざまな取り組みを実施しております。
 百貨店などで構成される新宿観光振興協会は、外国人向けのガイドブックを発行する事業を行っています。東京スカイツリーでは、台北市にある高さ五百八メートルの高層ビル、台北一〇一と友好関係を結び、双方で写真展や観光PRイベントなどを展開し、プロモーション活動を展開しております。
 私の地元、台東区も観光振興には力を入れていますし、地域の皆さんも積極的であります。浅草の仲見世商店街では、旅行者のニーズを見込み、無料WiFiを設置いたしました。さらに、地域全体の無料WiFi対応について検討が進められようとしております。
 このように、地域に国内外からより多くの旅行者を呼び込むためには、多様で魅力的な観光資源を活用したさまざまな取り組みが重要と考えます。都は、地元自治体や地域の観光団体が主体的に行うこうした取り組みを積極的に支援すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、二〇二〇年に向けた環境やまち並みに配慮した道路整備について伺います。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックは、中央区晴海に設置される選手村から半径八キロ圏内に多くの競技会場を配置する開催計画になっています。数々の競技会場の中でも、陸上競技のマラソンは、オリンピックスタジアムから皇居、銀座を経て、東京スカイツリーを正面に見ながら走り、浅草を折り返すという、まさに東京の名所を駆け抜けるものであります。大会期間中、選手たちの熱戦とともに、東京のまち並みが世界に発信されるだけではなく、多くの国内外の方が東京を訪れ、観光地などをめぐり、東京を楽しむことになります。
 オリンピック・パラリンピックを契機に、観光地などにおいて環境やまち並みに配慮して道路を整備し、緑豊かな魅力ある道路空間を創出することは、大会後の東京にとって価値あるものとなります。
 そこで、都内でも有数の観光地である浅草、上野などを抱える私の地元台東区における環境やまち並みに配慮した都道の取り組みについて伺います。
 次に、認知症対策について伺います。
 徘回する認知症の高齢者が行方不明になったり、事故に巻き込まれたりする事案が後を絶ちません。地域全体で対応が欠かせませんが、近所づき合いが希薄化する都市部にとっては難しい課題ともいえます。
 そんな中、身近な地域で、七年前に忽然と家族の前から姿を消した女性が、六十キロ離れた群馬県館林市の施設で別の名前で生活していることがわかりました。きっかけは、五月十一日、夜九時から放送されたNHKスペシャル番組「認知症八百万人時代 行方不明者一万人」でした。認知症による徘回で行方不明になった事例を東北から九州にかけて取材したものです。
 番組では、一つの事例として、群馬県館林市の施設に保護されている六十七歳の認知症の女性が取り上げられ、NHKの番組を見ていた私の母親が、三重ちゃんだ、間違いないと確信していいました。NHKには、番組放送中にも情報提供が数件あったと聞いております。
 彼女は、二〇〇七年十月の三十日未明に、東武鉄道館林駅近くで警察に保護された際、靴下には名字が、下着にはミエコと名前が書いてありました。本人は、みずからをクミコと名乗ったことが、身元照会がうまくいかなかった理由のようです。
 そこで、認知症などで身元不明のまま保護される高齢者が相次ぐ中、全国の警察や自治体の枠を超えて身元照会ができる仕組みづくりが急がれています。警察で保護された高齢者が認知症のために正しい身元情報が伝えられず、届け出内容と照合できないケースもあります。警察は、身元不明者を保護した場合、二十四時間以内に地元の自治体に引き継ぐこととなります。身体的特徴や所持品などの頼みの綱となる情報を自治体間で共有できる仕組みづくりが求められていますが、都の所見を伺います。
 次に、認知症の相談支援体制の充実について伺います。
 認知症の治療では、物忘れなど認知機能の低下の症状があらわれたとき、それが認知症によるものなのかを初期の段階で見きわめ、周囲の人の理解と気遣いとともに、適切なケアを行うことが重要とされています。しかし、現状では、自宅で生活をし続けた結果、入院、入所せざるを得ない状況に追い込まれたケースが散見されます。
 そこで、認知症の人が住みなれた環境で自立した生活を、地域の支援の流れを明確にする必要があるのではないかと認識をしております。初期症状等があらわれたらどこに相談すればいいのか、住みなれた環境で生活するには、どのような医療、介護サービスを受けたらいいのか、症状が悪化した場合にはどうすればいいかなど、具体的な対応方法をあらかじめ明確にし、家族に周知するとともに、家族からの相談に対応できる体制を整えることで、家族も安心し、認知症の適切な対応が可能になります。
 私は、高齢化が進む都内において、認知症に対する普及啓発と相談支援体制の充実をさらに図っていく必要があると考えますが、都の所見を伺います。
 以上で質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 中山ひろゆき議員の一般質問にお答えいたします。
 クルーズ振興についてでありますが、東京の成長戦略には、世界中の人々を引きつける国際観光都市としての発展が不可欠でありまして、観光振興の新たな基軸として、クルーズ客船の誘致は極めて大きな可能性を有しております。
 クルーズ客船の入港は、東京に多くの外国人観光客をもたらすとともに、港の風景を華やかに演出するなど、それ自体が魅力的な観光資源となります。
 都は、東京クルーズビジョンを策定し、クルーズ客船の誘致を積極的に行っており、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催までに、臨海副都心地区に世界最大の大型クルーズ客船にも対応できる客船ふ頭を整備してまいります。
 新客船ふ頭は、世界一の観光都市東京の海の玄関口にふさわしい、十分なおもてなしを提供できる施設としていきたいと思っております。
 また、このような東京港の将来像を世界に向けて力強く発信するなど、クルーズ振興策を積極的に推進し、さまざまなクルーズ客船によって常に彩られている、にぎわいあふれる国際観光都市東京を実現してまいります。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

〇東京都技監(横溝良一君) 台東区の都道における環境やまち並みに配慮した取り組みについてでございますが、区内には、江戸の伝統と下町情緒を今に伝える浅草や、桜の名所で知られる隅田川など東京を代表する観光地があることから、その周辺の道路整備に当たっては、地域の特色を生かすことも重要でございます。
 このため、都は、浅草通りにおいて隅田川の流れや浅草寺の境内などをイメージして歩道をデザインしたり、サルスベリやツツジなどまちを彩る街路樹を採用し、歴史、文化、まち並みと調和した道路づくりを進めております。また、環境面に配慮し、道路の表面温度の上昇を抑える遮熱性舗装も実施しております。
 今後とも、良好な都市景観と快適な道路環境の創出に向け、積極的に道路整備を進めてまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) 統合型リゾート、いわゆるIRについてですが、ホテルやリゾート施設、カジノなどを一体的に整備したIRは有力な観光資源であり、東京の国際競争力をさらに高める可能性を有していると考えられます。
 その反面、カジノを含むIRの導入には、刑法における違法性の阻却など、さまざまな課題があるともいわれております。
 現在、IRの整備を推進するための法案が国会で継続審議となっており、今後さまざまな観点から検討されるべきものと考えております。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

〇産業労働局長(山本隆君) 観光振興についてでございます。
 地域の観光振興を進めるためには、地元のさまざまな主体がみずからの発想や創意工夫を発揮して、魅力的な観光資源を活用していくことが重要でございます。
 これまで都は、その土地ゆかりの産業や景観、伝統文化など、多様な魅力を生かした地域の観光まちづくりを支援しております。
 また、地域の抱えるさまざまな課題に対応した適切な専門家を選定いたしまして、アドバイザーとして派遣し、地域の主体的な取り組みを後押ししております。
 今後も、地域の観光振興を積極的に支援し、国内外からの旅行者誘致につなげてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 二点のご質問にお答えします。
 まず、認知症の行方不明高齢者等についてでありますが、都は、平成二十二年度から区市町村の依頼に基づき、認知症が疑われる行方不明高齢者等の情報を都内区市町村や近隣県に提供する取り組みを行っており、取り組み開始から平成二十五年度末までの四年間で、行方不明四百五十三件、身元不明七十件の情報を提供しております。
 国は、本年六月に実施した全国の自治体の実態調査に基づき、今月十九日、今後の認知症高齢者等の行方不明、身元不明に対する自治体の取り組みのあり方について示しておりまして、都は、この内容も踏まえながら、今後とも、警察や区市町村と連携し、広域的な情報共有に努めてまいります。
 次に、認知症の普及啓発と相談支援の充実についてでありますが、都は、都民の認知症への理解を促進するため、認知症の疑いを家庭で簡単に確認できるチェックリストや、早期診断の重要性、相談先等を掲載したパンフレットを本年五月に作成し、区市町村や関係機関等に配布したほか、都のホームページにも掲載し、広く都民への周知を図っております。
 また、昨年度から、区市町村に配置した認知症コーディネーターが認知症の人の家族等から相談を受け、訪問支援等により適切な医療、介護サービスにつなげる取り組みを開始しており、実施している自治体は、来月一日から開始する二区四市を加えまして、二十七の区市となっております。
 今後とも、こうした取り組みにより、都民に対する認知症の普及啓発と相談支援体制の充実を一層図ってまいります。

〇副議長(藤井一君) 二十三番ほっち易隆君
   〔二十三番ほっち易隆君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇二十三番(ほっち易隆君) 初めに、規範意識の育成について伺います。
 私はかねてより、よりよい社会をつくり上げていくためには、人づくり、すなわち教育が重要であり、中でも子供たちの感謝の心、自立の心、思いやりの心、法や決まりを大事にする心など、豊かな心を育成することが大切であると考えます。
 昨今の子供たちを見ると、人々がともに生きていく上で必要なルール、マナーとして当たり前にできなければならないことが、必ずしも十分にできていないといった現状があり、人間として持つべき最低限の規範意識の育成については、各小中学校が重点的に取り組んでいくことが重要です。
 都教育委員会が配布した都独自の道徳教育教材集には、規範意識を醸成するために、先人の言葉や子供たちが学習するためのワークシートが掲載されていますが、さらに指導を充実するためには、より一層深く考えさせるための指導内容の工夫とともに、それに関する教師の授業力を高めることが必要です。
 そこで、東京の子供たちの規範意識を高めるために、一層具体的な取り組みを進めるべきと考えますが、都教育委員会の見解を伺います。
 次に、エネルギー政策について伺います。
 この夏の電力需給はCO2排出量が多く、安定供給に課題のある老朽火力に頼らざるを得ない状況が続く中、大変厳しいものとなることが予想されていました。
 このため、都においても、震災以降定着しつつある、無理のない、賢い省エネ、節電の継続を初め、総合的な取り組みが進められております。
 こうした取り組みもあり、多くの家庭や事業所で賢い省エネ、節電が継続され、幸いにも需給が逼迫する事態は起こりませんでしたが、依然として危機的な状況が解消されたわけではありません。
 東京は、エネルギーの最大消費地でありますが、その多くを他県に依存しており、都民生活や企業活動に必要なエネルギーを安定的に確保し、環境負荷の低減、エネルギーの有効活用を図っていくことは、東京の発展を支える上で重要な課題であります。
 そこで、東京のエネルギー政策について、知事の見解を伺います。
 次に、コージェネレーションの普及について伺います。
 本年六月に閣議決定された、いわゆる骨太の方針においては、エネルギーコストの上昇や電力供給の不安は経済活動の足かせとなり、ひいては新たな投資や雇用の拡大を阻害する要因との懸念が示されています。
 こうした状況に対し、我が党は、さきの政策提言において、コージェネレーションシステムの導入支援を初め、分散電源の普及を支援していくべきことを新たに追加したところです。都は、現在も普及に取り組んでいますが、さきの長期ビジョンの中間報告で示された導入目標の達成に向けては、引き続き積極的な取り組みが必要です。
 この先、さらに拡大していくためには、導入のメリットをできる限り具体的に示していくことが重要と考えますが、都の見解を伺います。
 コージェネレーションは環境性にすぐれるだけではなく、災害時のエネルギー確保にも寄与するものです。実際、東日本大震災の際には、大型のコージェネレーションにより電力供給を続けた六本木ヒルズに注目が集まりました。近年、企業が立地を決める際には、建物の環境性能に加え、非常時においても事業継続を可能とするエネルギーシステムに関心が高まっています。
 こうしたことから、都内の開発案件においても、平常時の省エネと災害時のエネルギー確保という両面に対応するシステムとして導入する事例が徐々にふえてきております。
 今後、地域の防災性を高めるという観点からも、このコージェネレーションを核として、さらなるエネルギーの有効利用を図っていく必要があると考えますが、都の見解を伺います。
 次に、大気環境の改善に向けた取り組みについて伺います。
 我が党は、東京を世界で一番の環境都市とするため、CO2削減やPM二・五対策を進め、クリーンな都市、魅力あふれるまちをつくることを知事に提言しています。
 先月、都が公表した二十五年度の大気汚染の測定結果によると、二酸化窒素や浮遊粒子状物質など全体的には良好ですが、PM二・五の環境基準達成率については、二十四年度を下回る状況でした。
 都は、国に先んじて自動車排ガス対策などに取り組み、東京の大気質は確実に改善してきたと理解していますが、都民の皆様に不安を与えないために、その理由についてわかりやすく説明することが必要です。
 その上で、長期ビジョンの中間報告で掲げたPM二・五の環境基準達成率を一〇〇%にするという目標に向け、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 PM二・五の原因物質の一つに、印刷インキや建物の塗料等に使用される揮発性有機化合物、いわゆるVOCがあります。VOCは、光化学スモッグの発生源でもあり、その削減対策は重要です。事業者は、VOCの使用削減に取り組む必要性については理解しているものの、その取り組みには濃淡があり、大幅な削減にはつながっていないのが現状です。
 本年の第一回定例会で我が党の質問に対し、都は、業界と協働して低VOC製品の利用拡大に向けたルールづくりなどの取り組みを始める旨を表明しました。
 ぜひとも、これを着実に進めていただきたいと考えますが、現状及び今後の具体的な取り組みについて伺います。
 次に、障害者施策について伺います。
 障害者が地域で安心して生活するためには、グループホームや通勤寮、通所施設など、地域生活基盤を確保することが重要であり、我が党はこれまでも積極的な整備を求めてきました。
 先日の長期ビジョンの中間報告では、平成二十七年度から三年間で、障害者の地域生活基盤を最大で約七千人分整備していくという目標が示されたところであります。
 都は現在、来年三月策定予定の次期障害者計画、障害福祉計画の検討を進めており、東京都長期ビジョンで示した整備目標数を次期計画にも位置づけ、引き続き地域生活基盤の整備に積極的に取り組んでいく必要があると考えますが、見解を伺います。
 次に、国際化への展開について何点か伺います。
 初めに、外国人旅行者への対応についてです。
 日本を訪れる外国人旅行者は、東日本大震災後、一時的な減少から回復し、平成二十五年は過去最高の一千三十六万人に上っており、都内を訪れた外国人旅行者数も過去最高となっています。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、海外からの旅行者がさらに増加することが見込まれる中、外国人旅行者が困っているWiFi環境の整備やコミュニケーションの向上策などについて、さきの第二回定例会における我が党の質問でも、前向きな答弁をいただきました。
 外国人旅行者が都内で訪れたランキングの一位は、新宿・大久保であり、展望室という観光スポットを持つ都庁舎も連日、海外からの観光客が大勢訪れています。今後の増加が見込まれる中、都庁舎においても、例えばWiFi環境の整備や多言語対応など、おもてなしの心にあふれた対応を充実していくべきと考えます。
 お膝元である都庁舎において、今後、おもてなしをどのように向上させていくのか伺います。
 次に、伝統文化の発信について伺います。
 東京には、神社仏閣や庭園、江戸開府以来、連綿と受け継がれた工芸技術、地域に伝わる神楽など、多様な伝統文化が存在しています。東京の代表的な観光地、浅草などでは、手拭いや扇子など日本の文化を感じさせる店が軒を連ねています。
 私の地元、足立区にある西新井大師でも、節分の豆まきや風鈴祭りなどの伝統的な行事が行われ、多くの方が訪れています。
 こうした日本独自の伝統文化は、日本人には日常的な品物や風景であっても、外国人旅行者にとっては、旅の記憶として強く刻まれるようです。
 都はこれまでも、都内にある伝統文化の発信に取り組んできましたが、何が外国人の心を打つのかリサーチを行い、都や区市町村が持っている各地のさまざまな伝統文化に関する情報をわかりやすく外国人に知らせていくことが重要です。
 今後の取り組みについて、都の見解を伺います。
 最後に、東京の歴史的な建造物について伺います。
 先日の新聞報道によりますと、八月に来日した観光客は百十万人を超え、今後さらに増加が見込まれます。このような機会を捉え、都内に残る景観資源を生かし、二〇二〇年以降の観光客確保を見据えた取り組みが今まさに必要です。
 例えば、私の地元である足立区の千住地区には、江戸の面影を伝える建造物が随所に残り、ほかのまちとは一味違う魅力があります。このような歴史的な建造物を保存し、特色あるまちづくりに生かしていくべきと考えます。
 今後は、都市の魅力をさらに高めるため、歴史的建造物の保存に向けて積極的に取り組むとともに、民間とのコラボレーション等により活用していくことが重要と考えますが、都の所見を伺い、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) ほっち易隆議員の一般質問にお答えいたします。
 東京のエネルギー政策についてでありますが、東京は日本の首都、経済の中心としての都市活動を支える電力、エネルギーの供給を他の地域に大きく依存しており、電源立地地域への感謝の念を忘れてはならないと思います。
 都は、電力の大消費地としての責務を踏まえ、都民や事業者に無理のない、賢い省エネ、節電の継続を促すとともに、再生可能エネルギーを初めとする低炭素で災害にも強い分散型エネルギーの拡大に努めるなど、エネルギーの需給両面にわたる取り組みを強化しております。
 再生可能エネルギーにつきましては、東京の消費電力に占める割合を二〇%に高めることを目指し、都内での太陽光発電や小水力発電などの導入拡大のほか、民間資金を活用したファンドを通じ、都外のメガソーラー等の拡大にも取り組んでおります。
 加えまして、次世代エネルギーとして期待されております水素の利用拡大に向けて、燃料電池車や水素ステーション整備などの具体的な数値目標とその実現に向けた戦略を定め、国を先導して水素社会の実現を目指すこととしております。
 世界の注目が集まります東京オリンピック・パラリンピックを見据え、我が国の高い環境技術を活用しながら、東京の発展を支える実効性の高いエネルギー政策を展開してまいります。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 規範意識を高めるための教育についてでございます。
 子供たちの規範意識は、日常の生活全てを通して育成されるものであり、家庭、学校、地域社会がそれぞれの責任と役割を果たすことが重要でございます。
 とりわけ学校においては、全ての教育活動を通して、子供たちが自己を他者とのかかわりの中で捉え、集団の一員として必要な法や決まりを遵守する態度を身につけ、主体的に行動できるよう指導する必要があります。
 今後、都教育委員会は、こうした指導を充実するため、都が独自に作成した道徳教材集を補完する教材を開発するとともに、教員の指導力を向上させるための研修を充実させてまいります。
 さらに、家庭、地域と連携して、規範意識を高めるための教育計画の事例を示して、学校の組織的な取り組みを一層推進してまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、コージェネレーションの導入拡大についてでございます。
 コージェネレーションは、熱と電気の双方を有効に利用することでエネルギー効率が高まり、省エネやCO2排出量の削減に寄与するものでございます。
 このため、都は、キャップ・アンド・トレード制度において高効率なコージェネレーションの活用が評価される仕組みを構築するとともに、エネルギーマネジメントシステムをあわせて導入することを条件として初期費用の負担軽減を図るなど、多面的に支援を行っております。
 今後は、補助金を交付した事業者からコージェネレーションシステムの実際の運転状況などのデータ提供をいただき、ピークカットや省エネなどのコージェネレーション導入効果の実績を公表するなど、ビルオーナーやテナントにメリットをわかりやすく示すことで、さらなる導入拡大につなげてまいります。
 次に、コージェネレーションの有効利用についてでございます。
 コージェネレーションは、エネルギー効率の向上による環境面への貢献のみならず、災害時において生活や企業活動の継続に必要な熱や電気の供給が可能となることから、近年、防災面の価値についても注目が高まっております。
 こうした価値に着目し、今後は、災害時における地域の自立性向上につなげていく観点からも、コージェネレーションで生み出した熱と電気を建物間や街区内で融通するなど、エネルギーの面的利用を促進する方策について検討を進めてまいります。
 低炭素、快適性、防災力を兼ね備えたスマートエネルギー都市の実現に向けて、さまざまな価値を有するコージェネレーションの普及を多面的に支援してまいります。
 次に、PM二・五対策についてでございます。
 PM二・五の都内の年平均濃度は、ここ十年で約五五%減少し、大幅に改善しており、平成二十五年度も二年前の水準と同様で、環境基準値を若干上回る程度となっております。
 そうした中、二十五年度の環境基準の達成率が、ご指摘のように前年度に比べて悪化いたしましたのは、風が弱いため汚染物質が拡散せず、濃度が高くなった日が増加したためでございます。
 こうした情報を正確に都民に提供いたしますとともに、今後、気象条件に左右されずに環境基準を達成していくため、低公害、低燃費自動車の導入支援等の大気汚染対策や、VOC、揮発性有機化合物の排出削減対策等を引き続き推進してまいります。
 あわせて、今年度、都内全域のPM二・五の状況について、地理的特性や気象条件との関係などの詳細な解析を行い、都民にわかりやすく情報提供しますとともに、今後の一層効果的な削減対策を検討してまいります。
 最後に、VOC対策についてでございます。
 VOCは、これまで事業者の自主的取り組みを促進することで、過去十年間で排出量が約四割削減されております。しかし、PM二・五と光化学スモッグの低減に向けて、その原因物質の一つであるVOCの排出量をさらに削減するためには、業界や発注者を広く巻き込んだ取り組みが必要と認識しております。
 都はこれまで、事業者に排出削減方法等を紹介するセミナーの開催やガイドブックの配布による普及啓発を進めてまいりましたが、新たに低VOC製品の利用拡大に向けて、一定の排出量を占める屋外塗装工事を対象に、学識経験者、材料メーカーや工事業者等の業界団体から成る作業部会を先日スタートさせたところでございます。
 この部会において、低VOC塗料や塗装技術の普及に関するコストや工期等の課題、業界や発注者、施工者の役割、公共事業への適用等の検討を本年度末までに行い、低VOC製品の利用拡大に向けたルールづくりを進めてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 障害者の地域生活基盤の整備についてでありますが、障害者が地域で安心して暮らせる社会を実現するためには、グループホームや通勤寮、通所施設など、地域生活基盤の充実を図っていくことが重要でございます。
 そのため、都はこれまで、整備費の事業者負担を軽減する特別助成等を実施し、障害者の地域生活基盤の整備を進めるとともに、入所施設への地域移行促進コーディネーターの配置などにより、地域生活への移行を推進してまいりました。
 東京都長期ビジョンの中間報告では、平成二十七年度からの三年間における地域生活基盤の整備数の見込みを示しておりまして、今後、障害者施策推進協議会での議論も踏まえ、次期障害者計画、障害福祉計画におきまして、改めて整備目標を策定いたしますとともに、目標達成に向けたさらなる支援策を検討してまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 都庁舎におけるおもてなし対応についてでありますが、都庁舎の展望室には毎日五千人余りの訪問客があり、その中には、海外からの旅行者も数多く含まれております。
 庁舎の案内窓口には、これらの方々から、庁舎内の施設のことだけでなく、近隣の情報も含めてさまざまな問い合わせが寄せられており、現在、英語での対応のほか、タブレット端末の翻訳機能を使った多言語による案内も行っておるところでございます。
 ご指摘のとおり、海外からの訪問客は今後ますます増加することが予想され、こうした機能を質的、量的に一層充実することが必要であると考えております。
 このため、庁舎の案内窓口等における多言語対応の強化など、おもてなしの向上に向けた検討を速やかに進めてまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

〇産業労働局長(山本隆君) 伝統文化の外国人旅行者への発信についてでございますが、海外からの旅行者をより一層誘致していくためには、歴史的建造物や伝統的な芸能、工芸品など、多彩な文化について外国人の嗜好を十分に把握し、それを踏まえて効果的に発信していくことが重要でございます。
 このため、都は今年度、外国人旅行者が関心を持つ伝統文化の内容や、国別、地域別の傾向を具体的に把握するための調査を実施しております。
 今後、東京の伝統文化に関する情報を区市町村や庁内各局と連携して一元的に集約し、調査結果を踏まえ、旅行者の行動特性や嗜好に応じて分類し提供するなど、情報発信の方策を検討してまいります。
 こうした取り組みを通じて、旅行者が目的に応じて容易に日本の伝統文化の情報を入手できるよう努めてまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

〇都市整備局長(安井順一君) 歴史的建造物についてでございますが、歴史的建造物は、地域の愛着や誇りにつながり、貴重な観光資源でもあることから、保存と活用を図っていくことが重要でございます。
 都はこれまで、昭和初期までの歴史的建造物を選定し、保存に努めてまいりましたが、戦後の建造物の中にも、都市の記憶を継承していく上で重要なものが少なくございません。
 このため、これらの建造物につきましても、新たに選定の対象とするとともに、所有者などの協力を得ながら、コンサート会場としての利用や、カフェ、アートギャラリーへの転用など、活用の取り組みを拡大してまいります。
 今後とも、地域における観光まちづくりとも連携いたしまして、歴史的建造物の保存や活用を図り、歴史や文化を感じさせるまち並みの形成に取り組んでまいります。

〇議長(吉野利明君) 二十八番田中朝子さん
   〔二十八番田中朝子君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇二十八番(田中朝子君) 最初に、シェアサイクルについて伺います。
 自転車政策のかなめとして、世界の主要都市に続々導入されているのが自転車シェアリング、シェアサイクルです。特定の場所で借りて、また返却しに行く必要がある従来のレンタサイクルとは異なり、エリア内に数十から数百カ所あるポートと呼ばれる自転車ステーションのどこでも借りられ、どこでも返却することができるのが最大の特徴です。
 シェアサイクルは欧米で先行し、日本でも昨年十二月時点で全国の五十四都市がシェアサイクルを本格的に導入。現在、都内でも世田谷区や江東区臨海部など四エリアで導入されており、今後、都心部の千代田区や港区でも導入予定と聞きます。
 しかし、自転車の台数は東京でもまだ地域ごとに数百台。パリの約二万四千台やロンドンの約八千台などに比べ規模は小さく、まだまだ社会実験の域を出ていないともいえます。
 私も、江東区、世田谷区、横浜市のシェアサイクルを見て、利用もしてみました。江東区、横浜市は、実証実験の検証をした結果、事故や地域トラブルもなく、利用者から大変高い評価が得られており、今後の継続を希望する声も非常に多いことから、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けての東京都でのシェアサイクルの広がりに大きな期待が持てるといえます。
 しかし一方で、本格実施を前にして、実証実験からの課題も明らかになってきています。
 一つはポートの設置です。
 どこでも借りられて、どこでも返せるシェアサイクルは、ポートの数が多いほど利用者の利便性が高まり、また、人の目につき、シェアサイクルの認知度や利用度が上がり、採算性も向上します。
 しかし、東京都心部ではポートを設置する場所の確保が難しく、利便性向上の妨げになっています。事業者や道路管理者である自治体がポート増加を図っていますが、民地の提供はもちろん、都や区の公的施設へのポートの確保でさえ協力が進んでいません。また、歩道上へのポート設置に関しては地元警察署が消極的と聞いており、ぜひ積極的かつ柔軟な協力を要望するところです。
 もう一つの課題は広域性です。
 現在、シェアサイクルは区や市ごとに立案されており、運営主体もシステムもばらばらで、連続性、網羅性がありません。オリンピック期間中に百万人規模で増加するといわれる交通需要に対応するためにも、オリンピック会場を含む区部広域をカバーするシェアサイクルが必要ですが、こういった広域的な交通環境にかかわる政策を進めるのは、区市単位では不可能です。都の積極的な協力やリーダーシップが必要なのではないでしょうか。
 また、持続可能な事業にするためには、採算性の確保が最も重要です。欧米のシェアサイクルは、銀行出資型、別事業の利益投入型、広告収入型等で採算をとっています。公共交通の一つと位置づけるならば、多少の公金投入は必要と考えますが、事業者が車体やポートの広告をつけやすくするなどの協力も不可欠です。
 これらポートの設置や広域化、採算性等、今後、東京オリンピック・パラリンピック開催時に向け、都としてはどのようにシェアサイクルの推進にかかわり、課題の解決に協力していくのか、都のご所見を伺います。
 次に、自転車レーンネットワークについて伺います。
 シェアサイクルを幾ら広域化しても、走ることができる自転車レーンを整備しなければ意味がありません。
 自転車が歩道を走るのは日本だけといっても過言ではありません。かつては、日本でも自転車は車道が当たり前でしたが、七〇年代に車が急速に普及して、車と自転車の事故が激増した結果、臨時措置として自転車の歩道走行が認められ、今日まで定着してしまいました。
 平成二十三年に、警察庁から、自転車は歩行者と同様の取り扱いをされるものではなく、車両であるという通達が出されましたが、現在、自転車が歩道走行してもよいとされる普通自転車歩道通行可の歩道は、全体の六割以上にも上っています。
 しかし、ここ数年ふえている自転車対歩行者の事故のおよそ四割は歩道上で発生しており、平成二十五年、都内での自転車の対歩行者事故は八百六十件、全国の約三三%を都内が占めています。
 また、自転車の歩道走行は、歩行者のみならず自転車にとっても危険です。歩道を走る自転車は車から認知されにくいため、交差点での事故発生率が格段に高く、車から認知されやすい車道を走る方が実は安全です。
 とはいえ、交通量の多い幹線道路において自転車と車が同じスペースを走るのは怖いと感じる人が多いため、世界の多くの国や都市が整備を進めているのが、車道を塗装して自転車用スペースを区分した自転車レーンです。
 東京都内には、平成二十三年度末時点で百十二キロの自転車走行空間の整備がされていますが、そのうち車道の自転車レーンは総延長わずか九キロ、これは、ロンドンの実に百分の一以下の規模です。先日発表された東京都長期ビジョン中間報告では、自転車走行空間整備の目標値を、二〇二〇年までに現在のほぼ倍の二百三十二キロとされていますが、そのうち車道の自転車レーンがどのくらいになるかはまだ不明です。
 また、自転車先進都市といわれるまちの多くは、まちのどこへでも連続した自転車レーンを通ってたどり着けるように、都心の主要道路を自転車レーンでネットワーク状に整備していますが、都の現計画ではネットワーク化が考慮されておらず、途切れ途切れの整備プランになっているため、特に都心部においては、車道上で自転車レーンのネットワークを整備していくことが重要と考えます。
 舛添都知事の二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを視野に入れたマスタープランにおいては、コンパクトなオリンピック開催に向け、自動車の流入を規制し、自転車のシェアや自転車レーンの整備を強化していく方針とのこと。二〇一二年のオリンピック開催都市ロンドンでは、ボリス・ジョンソン現市長が、オリンピックまでに延べ九百キロに及ぶ自転車レーンネットワーク、サイクルスーパーハイウエーを整備しています。
 また、二〇一六年オリンピック開催都市であるリオデジャネイロも、ロンドンを成功事例として倣い、延べ三百キロの自転車レーン整備計画に着手しました。
 東京都でも、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向け、車道上の自転車レーンを積極的に整備すべきと考えますが、どのような計画で今後の自転車走行空間整備に取り組んでいかれるのか、また、特に都心部における車道上の自転車レーンの整備について、あわせて伺います。
 次に、社会的養護の家庭養護について伺います。
 保護者のいない児童、被虐待児など、家庭環境上養護を必要とする児童を公的な責任のもとで育てる社会的養護が必要な子供は、現在約四万六千人。日本は、他の先進国と比べ施設養護への依存が非常に高く、そのうちの九割近くが児童養護施設や乳児院などの大規模施設へ入所しています。
 戦後しばらくは孤児院という名で呼ばれ、専ら戦災孤児や浮浪者を保護、収容していましたが、最近では十五歳以下の子供の人口が減り続けているにもかかわらず、虐待や放任、親の離婚や病気、発達障害への誤解などの、より複雑な問題により、施設へ入所する子供はふえ続けています。
 一方、ふえ続ける施設入所に比べ、日本は、家庭養護である里親委託率の割合が極めて低く、オーストラリア九三・五%、イギリス七一・七%、フランス五四・九%、韓国四三・六%などに対し、日本はわずかに一二%。東京都でも里親委託率は一一%と非常に低い割合となっています。
 しかし、多くの研究から、家庭養護は子供の発達と福祉の向上のために重要であるということが明らかになっており、国際基準でも、施設ではなく家庭での養育を一般に推奨しています。
 家庭的養護を必要とする子供の増加と、虐待など子供の抱える背景の多様化から考えると、従来の大規模施設では、複雑な事情を抱える子供に必ずしも対応し切れておらず、子供が健全に成長するためには、一人一人に十分に目をかけることができる家庭の環境が必要なのではないでしょうか。
 東京都でも、大規模施設での養護ではなく、子供たちが家庭を通し愛着形成できる家庭養護をもっと推進、拡充すべきと考えますが、里親制度がなかなか進まない中、家庭養護の現状とこれまでの取り組み、今後の方向性について都のご所見を伺います。
 次に、特別養子縁組について伺います。
 家庭養護の一つに、特別養子縁組があります。育ての親が一時的に子供を預かり、戸籍上のつながりが発生しない里親制度とは違い、特別養子縁組は、養子が戸籍上養親の子となり実親と親子関係がなくなる制度で、養子となる子供の年齢は原則六歳未満の乳幼児です。
 一九八八年に制度が新設されましたが、専ら親よりも子供の利益を守るために創設され、特に新生児の特別養子縁組は、乳幼児への虐待や虐待死から守るセーフティーネットにもなっています。
 今月十九日、厚労省が発表した二〇一二年度の児童虐待死亡事例の検証結果報告書によると、心中以外の子供の虐待死は五十一人。年齢別に見ると、ゼロ歳が二十二人、四三・一%、この半分の十一人が生後二十四時間以内に命を奪われています。死亡事例の実母の状況は望まない出産が多く、未成年、未婚、経済的問題など、子供を養育できない状況にあることから、妊娠中から相談に乗り、どうしても育てられない場合は特別養子縁組の希望里親に橋渡しをして、新生児の時期から家庭を与えることは、ゼロ歳児の虐待を未然に防ぐことにつながるのです。
 二〇一一年、厚労省は里親ガイドラインの中で、愛知県の児童相談所による新生児の養子縁組、里親委託を愛知方式として初めて好事例として認め、全国に通知しました。他地域の児童相談所にも少しずつ広がっていますが、東京都では、児相での新生児の特別養子縁組はほとんど進んでいないのが現状です。
 一方で、この制度で生みの親と育ての親をつなぐ民間のNPO等の養子縁組あっせん事業者が全国に十五団体あり、私も四団体ほどお話をお聞きしました。
 平成二十三年度、このような民間団体が行った養子縁組成立数は百三十六人と全体の三割以上を占め、この五年でその数は六倍に急増しています。また、十代で妊娠したり、中絶できる時期を過ぎた未婚女性などの相談に二十四時間対応したり、定期的に育ての親や専門家が参加する集まりを開き、子供を託した後の支援も行っている団体も多くあります。
 特別養子縁組は児童福祉法上になく、施策への位置づけもないため、事業者への財政支援もあっせんの具体的な基準もありませんが、重要で必要とされている事業だけに、今後は早期のあっせん事業のあり方やあっせん技法、支援方法等の整備が必要です。
 また、あっせん事業者は、養子あっせん事業だけでなく、児相がなかなか取り組めていない妊娠時からの相談事業や養子縁組のアフターフォローをも担っていることから、今後、東京都の児童相談所は、このような民間団体とも連携し、一人でも多くの新生児の虐待死を防ぎ、子供の立場に立った支援の充実が必要なのではないでしょうか。
 東京都での特別養子縁組のこれまでの取り組みや課題、また今後の方向性について、都のご所見を伺います。
 最後に、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催時期について伺います。
 この質問は、私は昨年の同じ第三回定例会でも一般質問させていただきましたが、新しい知事になられたことから、再度伺います。
 二〇二〇年東京オリンピックの開催日程は七月二十四日から八月九日、パラリンピックは八月二十五日から九月六日となっており、真夏の一番暑い時期の開催です。
 招致委員会がIOCに提出した立候補ファイルによると、この時期の天候は晴れることが多く、かつ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候であるとありますが、例年の東京の夏の猛暑や集中豪雨の多さを考えると、決してこのとおりでないことは明らかです。
 一九六四年東京大会のときは、東京の平均気温は十六・一度。しかし、ことしは、オリンピック開催時期に当たる七月から八月上旬に最高気温が三十五度以上の猛暑日を八日も記録しています。
 また、ことしは七月下旬から八月にかけて、各地でも集中豪雨や台風の大きな被害が出ていて、オリンピック開催期間中に同じような天気になれば、新幹線や都内交通機関の乱れ、また、都市型水害等が大きく懸念されます。真夏の日本の開催は、出場するアスリートの皆さんに苛酷な大会になるだけでなく、応援に来られる観客のリスクも高まり、大いに心配するところです。
 気候のよい十月十日、秋の開催だった六四年の東京オリンピックと比べると、猛暑、集中豪雨、台風、エネルギー問題、落雷による停電対策など、真夏特有の気候は非常に大きなリスクとなるのではないでしょうか。
 同じく、真夏が暑い一九八八年開催のソウル・オリンピックでは、一九六四年東京オリンピックを見習って、開催時期を九月中旬から十月上旬にずらしています。また、中東カタールで二〇二二年に開催予定、サッカーワールドカップについては、選手と観客への暑さの影響を考慮し、通常の六、七月ではなく、十一月から二月の時期に開催する案について検討していると聞いています。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックも、可能ならば、まずはこのように開催時期の交渉を粘り強くしていくことも必要なのではないでしょうか。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催時期について、都のご所見と対策を伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

〇東京都技監(横溝良一君) 田中朝子議員の一般質問にお答えいたします。
 自転車走行空間整備の取り組みについてでございますが、都は、平成二十四年度に策定した自転車走行空間整備推進計画を前倒しし、車道の活用を基本とし、オリンピック・パラリンピック開催までに都道全体で百二十キロメートルの整備を進めてまいります。
 また、関係区市や警視庁などと連携し、都道、国道、区市道を連続させた自転車推奨ルートの検討を行い、オリンピック・パラリンピックの競技場などの周辺において、年度内を目途にルートを設定いたします。
 さらに、東京の総合的な交通政策のあり方検討会の議論も踏まえ、都内全域に広げるための検討を進めてまいります。
 今後とも、誰もが安全で安心して利用できる自転車走行空間の整備に積極的に取り組んでまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 自転車シェアリングの推進についてでございますが、都内では、江東区等に続き千代田区と港区において、十月からの事業実施に向けた準備が着実に進められているところでございます。
 自転車シェアリング事業の実施に当たりましては、まず、利便性の高いステーションの設置が重要となりますが、都は既に、関係部局で連携して、駅前など利用しやすい場所の確保に向けた調整を行ってきております。
 さらに、区市町村補助制度において、今年度から新たに自転車シェアリング事業を補助対象メニューに加えるなど、事業採算性の向上を図る観点からの取り組みも行っております。
 今後、さらなる普及拡大を図るため、引き続き利用促進に向けたさまざまな調整を行いますとともに、広域展開につきましては、これから実施される事業の状況も踏まえ、各区と連携しながら検討を進めてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、養育家庭についてでありますが、都の養育家庭等への委託児童数は、十年前に比べると約百人ふえておりますけれども、社会的養護全体に占める割合は、ここ数年、一一%程度で推移をしております。
 そのため、都は、この制度を広く都民に周知し理解を促進するとともに、養育家庭等の登録数をふやすために、区市町村と連携しながら、体験発表会の開催やホームページ、広報誌等を活用した啓発活動を行っているところでございます。
 また、児童を委託している養育家庭に対しましては、児童相談所による家庭訪問や心理面接等に加え、民間団体を活用して定期的な巡回訪問を実施するなど、きめ細かな支援を行っております。
 こうした取り組みにより、都は今後とも、養育家庭を初めとする家庭的養護を積極的に推進してまいります。
 次に、特別養子縁組についてでありますが、養育が困難などの理由で特別養子縁組を希望する相談があった場合、児童福祉司等が面接などを通じて、実親の意向や養育力等を十分に確認し、必要性を判断しております。
 その上で、養子縁組が必要と判断した場合には、適切な家庭を選定し、交流、委託、養子縁組成立に至るまで、きめ細かく支援をしております。そのため、十分な期間を要するというところでございます。
 都は今後、できるだけ早い段階からの交流に努め、委託につながるよう、子供の福祉を第一に考えながら、養子縁組も含め、社会的養護を必要とする児童の家庭的養護を進めてまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

〇オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの開催時期とその対策についてでございますが、IOCの規定では、オリンピックは、七月十五日から八月三十一日の間で開催し、パラリンピックを合わせて六十日間以内で実施することが定められております。
 この時期は、学校などが夏季休暇となり、多くの人々が参加しやすいことや、他の大規模な国際競技大会と重複しないことなどから、開催期間としては適切であると考えております。
 一方で、気温の高い日が続く時期でもあることから、競技時間を比較的涼しい時間帯に設定することや、会場内に日陰を確保することなど、今後、気候や天候に対してさまざまな対策を講じていくことが必要であるということも認識しております。
 今後、組織委員会を初め関係者と十分協議をし、安全で快適な大会開催に向けて検討を進めてまいります。

〇副議長(藤井一君) 五十一番上田令子さん
   〔五十一番上田令子君登壇〕

〇五十一番(上田令子君) 知事の就任から七カ月がたち、そろそろ舛添カラーが見え、都民の期待はますます高まっております。
 そこで、都政の基本的なあり方を伺います。
 元職員である佐々木信夫中大教授は、歴代の都政運営を、経済重視、ハード重点と生活重視、ソフト重点で振れてきたと分析。両者のバランスは当然欠かせませんが、歴代都政を踏まえ、舛添都政の大きな方向性につきお示しください。
 また、最近二代の知事とは一線を画すことを意識されていると見受けますが、支持構造は大きく変わっていないようです。政治主導の都政を看板に当選された知事が打ち出される政策は、何を継承し、何が違うのか、特徴を端的にわかりやすくお答えください。
 次に、舛添カラーが最も打ち出されてきている都市外交です。
 私は、さきの予算委員会で、儀典長が歴代外務省からの出向者であることについて、待遇や職責をただし、民間人や都職員からの抜てきを提案いたしました。知事は、外交をしようとして都に入庁する者はいないとのことですが、外交、防衛は国の専管事項であり、都市外交というのは、あくまで都市政策の一環としての都市間交流事業です。国際公法上の国家間の法律関係を結ぶものではありません。
 ついては、お尋ねいたします。
 都市間交流事業に外務省から出向者を求めなければならない必要性を改めてお答えください。
 二、外務長と都市外交担当部長にいかなる課題を課され、どの程度のスパンで成果を求めるのか、具体的にお答えください。あわせて、前儀典長からいかなる課題を引き継がれたのか、それにどのように取り組まれていくのか、お示しください。
 三、外務長の人選についての関係文書は不存在とのことです。一方で、定例会見では、外務長の待遇、給与についての質問に、知事は、私はそこまで把握はしておりませんとお答えになりました。待遇、給与を把握しないでリクルートができたのでしょうか。決定までのプロセス、公務労働者として不利益になる危惧はなかったのか、所見を求めます。
 次に、人権政策の推進についてです。
 さきの定例会一般質問にて、我が会派の議員に向けられたセクハラやじは、全女性の尊厳を害するものであります。女性が差別を訴え、人権を主張しようとすると、いかにも特権を振りかざしているように受け取られる向きがあります。人権は、個人の身体、精神、活動の自由を担保するための道具であり、世界人権宣言、国際人権規約を初め、国際的な合意をされ、共有されているものです。決して、個人の問題として矮小化されるべきではありません。
 議会局によると、この件に関し、現在まで二万五千件を超える都民の反響があったそうです。
 まず、知事部局に寄せられた都民の声の状況をお答えください。
 二、国際都市東京における人権政策の推進につき、知事の所存を伺います。
 三、都のグローバルスタンダードのアビュース、暴力、人権侵害対策、啓発について、セクハラやじに類するようなアビュースがないかどうかを含め、都全体としての取り組み状況、現状認識、課題をお答えください。
 四、障害者への暴力というアビュースが明らかになって問題化した障害者施設、田無の会たんぽぽの処分から一年がたちますが、現状の再発防止に向けた実態把握と対応状況につきご報告ください。
 次に、東京の女子力アップの推進についてです。
 去る七月、女性しごと応援テラスが開設されました。八月末の登録は二百二十九名、利用者は三百名とのこと。おおむね一日十二、三人の利用で、今後の利用者増を切望いたします。また、母親の再就職支援には預け先確保も重要で、相談対応の向上と、国、区市町村など関係各機関との連携強化が必須です。
 以上を踏まえてお尋ねします。
 応援テラスの利用者数、登録者数、求人者数、再就職の数値目標とそれを達成するための今後の取り組み、事業の周知、広報、活用促進について現状を伺います。
 二、国や区市町村との類似事業との混乱解消、連携、その人に即したそれぞれの事業を紹介するコーディネートの体制はどうなっておりますでしょうか。
 三、再就職支援から預け先確保までのワンストップサービスの窓口のあり方をどう考えているのかお示しください。
 次に、就労継続支援についてです。
 女性の就労者のうち、結婚、出産で六割が離職しています。私も、長男の妊娠、出産でマタハラを受け、当時勤めていた会社の労組に相談するも全く動いてもらえず、退職に追い込まれました。
 一方、東京都女性職員の離職率は全体で三・六%と、民間とは比べ物にならないほど極めて低く、職員それぞれが持つ権利意識並びに機能する職員団体の存在のあらわれではないでしょうか。ここに、マタハラなどのあらゆる女性への職場ハラスメントを根絶し、いわゆるM字カーブを解消する鍵があると私は常々考えております。
 つきましては、以下につきお答えください。
 一、現状を打破するために産労局における民間企業幹部職啓発、個別相談窓口の周知、労働情報相談センターの利用活性化、あるいは区市町村へ窓口の展開、ネットでの相談対応など、より機動的かつ戦略的な対策を求めます。その対応についてお答えください。
 二、労働委員会にも職場ハラスメントの対応を期待しますが、事務局の体制について、一般職員の局在職年数、局間流動性についてご説明ください。
 また、労働委員会の会長報酬は月五十二万円、会長代理、公益委員は四十六万六千円、その他の委員は四十二万八千円。計三十九人、うち女性四人、月間平均出勤は六・三六日ということであります。
 労働委員の選任手続と、募集、選考に当たっての考え方並びに特に女性の課題に配慮しているかについてお示しください。
 三、ウィメンズプラザのホームページ刷新の進捗と就労相談において、各局との連携体制につきお示しください。
 次に、子供たちの命を守る防災対策についてです。
 東日本大震災による津波災害で、釜石東中では子供たちが主体的に動き、全員が助かる奇跡を起こした一方で、大川小の悲劇は、教育現場の誤った判断により七十四人もの子供たちの命が奪われるという戦後最悪の学校災害を引き起こしました。
 首都圏直下型地震に備え、機動的に動く現場の対策を、被災地の経験を生かし可及的速やかに講ずる必要性があります。また、帰宅困難になった父親が戻るまでの数日間、乳幼児を抱える母親は、不安と困難の中に置かれます。主に母親と子供に向けた防災対策についてお尋ねします。
 一、大震災では、母子に必要な物資が行き渡りませんでした。都では、母親当事者にヒアリングをし、ニーズをつかみ、独自のガイドラインをつくらないのか、乳幼児に不可欠な物資の備蓄状況はどうなっているのかお示しください。
 二、乳幼児を抱えての避難や救護方法など母親対象の防災訓練や、個人備蓄など防災知識の啓発活動、わかりやすいパンフレット、防災ブックの作成、配布などは検討しているのでしょうか。
 三、現在の災害時用トイレは、主に工事現場などで使用されている便槽つきトイレが主流で、和式で段差が高く、手すりもなく、子供にとっては恐怖感を与え、高齢者にも使い勝手が悪いものです。都の対応状況をお答えください。
 四、大震災では、乳幼児が夜泣きして避難所にいられなくなった母親も少なくありませんでした。感染症、不審者の問題も指摘されています。また、子供たちが遊ぶスペースも必要。母親が安心して乳幼児と過ごせる母子向けの避難所についての取り組みについてお示しください。
 次に、学校における災害対策です。
 学校保健安全法制定を受けて、今後、大きな地震が起きたときに、児童生徒を適宜、避難誘導させるための教職員の対応能力向上のため、教育委員会はどのような取り組みをしているのでしょうか。
 二、大震災を受けて、子供たちにみずからの命を守る力を身につけさせるために、教育委員会はどのような取り組みをしているのか伺います。
 次に、消防団備品組み立て水槽ふぐあいが過去三年間で十一件報告されており、引き続き点検整備、業者選定の適正化を求めるものです。あわせて、備品のふぐあい等、各団体おのおのの意見を団員が直接伝えられる仕組みの強化を進め、来年度予算への反映の所見をお聞かせください。
 最後に、環境政策です。
 多摩地区では、ごみ処理施設が更新を迎えています。共同処理により施設を設置し、大規模化することを国は進めておりますが、施設等の費用負担について、都の基本的な考え方をお示しください。
 さて、さきのセクハラやじ問題に当たり、私は、殺人予告を受けました。多大なる警視庁のご尽力により、幸い事なきを得ましたが、大変恐ろしい思いをし、マハトマ・ガンジー、エイブラハム・リンカーンに思いをはせました。仲間を守り、自由を希求し、差別と闘うということは、まさに命がけなのだということを身をもって経験いたしました。
 東京都、東京都議会におかれましては、人権侵害のない自由の都、東京を、ともに命をかけてつくることを重ねて求め、再質問を留保し、質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 上田令子議員の一般質問にお答えいたします。
 私の都政運営についてでありますが、現在の都政が直面する課題を解決するためには、経済的な豊かさと生活の質の向上という二つの視点をもって、都民生活に真に必要な政策を、ハード、ソフト両面から総合的に展開していく必要があります。
 また、過去の知事との継承や違いといったことではなく、長期ビジョンの中間報告で示しましたように、二〇二〇年大会の成功と、その先の将来を見据えながら、世界一の都市東京の実現を目指してまいります。
 国際都市東京における人権施策の推進についてでありますが、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの開催を見据え、人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別を禁じたオリンピック憲章の理念が広く社会に浸透している成熟した都市の姿を示すことが重要であります。
 日本には、他者を思いやり、尊重し、互いに助け合って生活する伝統と、多様な文化を受け入れ発展してきた歴史がございます。
 こうした日本の特性を生かし、心のバリアフリーを実現することで、全ての人がお互いに阻害し合うことなく、民族、文化、宗教等多様性を理解し、尊重し合う社会を築いていかなければならないと確信しております。
 私はこの東京を、異なる文化や個性を尊重し、誰もが生き生きと生活できる、思いやりに満ちた世界一の都市にしていきたいと考えております。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、震災時の教職員の対応能力向上についてでありますが、児童生徒の安全を確保するためには、全教職員が学校危機管理マニュアルにおけるみずからの役割を理解し、発災時に的確に行動しなければなりません。
 このため、都教育委員会は、学校安全教室指導者講習会を毎年開催し、東日本大震災の被災者の体験談や先進的な取り組みの事例発表などを通して、防災教育を推進する教員を養成し、校内研修により全教職員の対応能力の向上を図っております。さらに、学校安全計画や避難訓練等の事例を示した安全教育プログラムを作成、配布し、各学校が活用できるようにしております。
 今後とも、こうした取り組みを充実し、区市町村教育委員会と連携して、震災発生時に児童生徒の安全を確実に守る教職員の対応能力を高めてまいります。
 次に、みずからの命を守る力を身につける取り組みについてでありますが、都教育委員会は、発達段階に応じて、児童生徒がまず自分の命を守り、次に身近な人を助け、さらに地域に貢献できるよう、防災教育の充実を図っております。
 これまで、都内全ての児童生徒に配布する防災教育副読本「地震と安全」に、安全な場所に避難するなど、地震発生直後の行動に関するワークシートを掲載し、保護者とともに確認することなどにより、みずから危険を予測し回避する能力を育成してまいりました。
 また、登下校中や放課後など、さまざまな場面などを想定した避難訓練や、地域の防災訓練への参加などを通して、身近な人を助け、地域に貢献できる能力を育成しております。
 今後とも、区市町村教育委員会と連携し、こうした取り組みを充実させてまいります。
   〔政策企画局長川澄俊文君登壇〕

〇政策企画局長(川澄俊文君) 三点の質問にお答えいたします。
 最初に、外務省から人材を採用する必要性についてですが、都はこれまでも、都市外交を進めていくに当たり、専門的見地から知事を補佐するため、外務省から外交の実務経験にたけた人材を採用してきております。
 次に、外務長と都市外交担当部長への課題等についてですが、外務長は、前儀典長から、知事が進める都市外交の一層の強化を課題として引き継いでおり、都市外交に関する基本方針の立案などを行うこととしております。都市外交担当部長は、外務長をサポートいたします。
 なお、新たな都市外交の基本戦略は、年内に策定する予定でございます。
 最後に、外務長の採用決定までのプロセス等についてですが、都市外交をより強力に進めるため、知事の判断により外務長を設置し、外務省から適切な人材を採用いたしました。
 外務長の職は、外務省における幅広い経験を生かせるポストでございます。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、お話の議会での発言に関する都民からの意見、要望等についてでありますが、都議会に関する都民からの意見等は、議会局において対応しております。
 議会局の広報窓口で直接受けたもののほか、生活文化局の都民の声総合窓口や各局に寄せられた議会に関する意見等は、六月十八日から九月十九日まで、メール、ファクス等が千九百九十四件、電話、来訪が三百七十二件、合計二千三百六十六件となっており、これらについては速やかに議会局に伝達しております。
 次に、東京ウィメンズプラザのホームページと、就労継続相談などにおける各局との連携についてでありますが、東京ウィメンズプラザのホームページにつきましては、就労支援や児童虐待などさまざまな悩みを抱える都民が適切な相談窓口で相談が受けられるよう、今年度末までにわかりやすいレイアウトやデザインに変更いたします。
 また、マタニティーハラスメントや就労継続に係る相談のうち、解雇に係るあっせん事案など、労使で調整が必要な相談につきましては、東京都労働相談情報センターを紹介しております。さらに、専門家による法的な支援が必要な場合は、弁護士会の女性専門相談窓口や法テラスなど、相談内容に応じ、関係機関と連携の上、対応しております。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、人権侵害に対する取り組み状況についてでございます。
 国際都市東京においては、全ての人が互いに認め合う人権尊重理念の浸透が重要ですが、差別やいじめ、虐待に加え、インターネット上での誹謗中傷の増加など、人権を取り巻く状況は複雑多様化しております。
 都は、女性、子供、高齢者等の人権問題についての相談などを各機関で実施しているほか、東京都人権プラザにおいても、各種人権相談に対応し、適切な相談窓口を紹介するなど、庁内各局はもとより、国、区市町村、民間団体と連携した取り組みを行っております。
 今後も引き続き、人権尊重理念の浸透に向けた啓発を行うとともに、各種の相談に対応するなど、社会状況を踏まえた人権施策を実施してまいります。
 次に、わかりやすい防災ブックの作成についてでございます。
 首都直下地震等の大規模災害発生時には、多数の負傷者の発生や都内各所での火災等が想定されることから、命を守るためには、公助の取り組みだけでなく、自助、共助の取り組みが必要不可欠となります。
 このため、各家庭における備蓄や家族間の連絡方法の確認など、日ごろからの災害に対する備えが重要であり、特に、高齢者、障害者、乳幼児等、災害時に配慮を要する方については、本人はもとより、周囲や地域の方々も含め、災害時の対処方法等を知っておく必要がございます。
 今年度、各家庭における防災指針ともなる防災ブックを作成することとしておりますが、こうした観点も踏まえつつ、わかりやすく、また各家庭に広く行き渡るものになるよう検討を進めてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、障害者支援施設たんぽぽへの対応についてでありますが、障害者に対する虐待は、その尊厳を著しく傷つけるものであり、あってはならない行為であると考えております。
 こうした考えに立ちまして、都は、平成二十五年九月に、身体的虐待の存在及び理事長等の不適切な対応等を理由に、当該施設に対し、新規利用者の一年間の受け入れを停止する行政処分を行いました。
 その後、運営指導のため施設を毎月訪問し、本年一月に発生した利用者の転倒事故等についても厳重注意を行い、改善策を早急に講じるよう指導を行っております。
 さらに、処分後の状況確認のため、六月に、法人の所轄庁である西東京市と合同で実地検査を行い、その結果を踏まえ、七月から八月にかけて監査を実施いたしました。
 今後とも、改善状況の確認や指導を行い、西東京市と連携しながら、関係法令に基づき厳正に対処してまいります。
 次に、災害時における乳幼児への支援についてでありますが、都は、平成十九年に、区市町村等の防災関係者向けに、妊産婦や乳幼児期の心身の特性と支援に当たっての留意点を示した妊産婦・乳幼児を守る災害対策ガイドラインを策定し、本年三月には、東日本大震災の教訓を踏まえ、ガイドラインを改訂いたしました。その中では、調製粉乳、離乳食等、母子に必要な支援物資の特性、家庭や区市町村での必要量、調達方法などを具体的に示しております。
 東京都地域防災計画では、乳幼児の調製粉乳は、被災後最初の三日間は区市町村で、四日目から七日目までは、広域的見地から都が確保することとしており、現在都は、調整粉乳を一日当たり四・六万人分、哺乳瓶を一万人分備蓄しております。
 次に、災害用トイレについてでありますが、東京都地域防災計画では、区市町村は、発災後三日目までは、し尿収集車による収集、運搬が困難な状況が予想されることから、収集を要しない災害用トイレを避難所等で確保することとしております。
 都は、広域的見地から区市町村を支援するため、平成二十五年四月現在、室内に設置可能な簡易トイレを九千六百九十基、下水道に直接汚水を流せるマンホール型トイレを千五百二十三基備蓄しております。これらは、そのまま腰かけることができ、高齢者等にも対応可能となっております。
 また、幼児や高齢者等で、こうしたトイレを使用することが困難な場合には、区市町村が福祉避難所として指定している千二百九カ所の児童福祉施設や高齢者施設等で対応することとしております。
 最後に、母親が安心して乳幼児と過ごせる避難所についてでありますが、都は、東京都地域防災計画の修正を受け、女性や要配慮者の視点を取り入れた区市町村のための避難所管理運営の指針を平成二十五年二月に改訂いたしました。
 その中では、区市町村が取り組むべき具体的な事項として、女性専用更衣室や授乳室の確保、避難所管理責任者への女性の配置などを盛り込むとともに、手洗い等の衛生管理を励行するなどの感染症予防策を明記しております。
 また、この指針に基づき、乳幼児やその母親等に配慮した避難所運営が行われるよう、区市町村に対して、避難所管理運営マニュアルの作成や改訂を働きかけているところでございます。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

〇産業労働局長(山本隆君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、女性しごと応援テラスについてでございます。
 都は、本年七月に、東京しごとセンターに、出産や育児等で離職した女性の再就職を支援する窓口を開設いたしました。
 東京都長期ビジョンの中間報告では、都の支援による女性の就職者として、二〇二四年度までに一万五千人の数値目標を掲げ、この窓口においても、一人でも多くの方を就職に結びつけることを目指しております。
 この窓口を周知し利用の拡大を図るため、パンフレットやホームページに加え、フェイスブックやツイッターを活用して積極的な情報発信に努めております。
 次に、国や区市町村との連携等についてでございます。
 再就職を目指す女性を支援するため、国や区市町村も、それぞれの強みを生かして事業を展開し、多様なニーズに応えております。
 女性しごと応援テラスでは、各機関が実施しているさまざまなサービスに関し、相互に協力して事業PRを行うとともに、地域の実情に応じてセミナーを共同開催するなどの取り組みを行っております。
 また、専任アドバイザーが、各機関の情報を踏まえまして、個々の利用者のニーズにきめ細かく対応しております。
 次に、ワンストップサービス窓口についてでございます。
 女性しごと応援テラスにおきましては、子育て中の女性に配慮して、キッズコーナーの設置など、子供を連れて安心してサービスを利用できる環境を整備しております。また、家庭生活と両立しやすい仕事の紹介などの就職支援に加え、地域の保育情報の提供なども行っております。
 次に、いわゆるマタニティーハラスメントの防止についてでございます。
 都は、セミナーや、関連法令を解説した冊子の配布等により、労使双方に対して必要な知識の普及啓発を行っております。
 また、労働相談情報センターにおきまして、妊娠や出産に伴う退職強要や職場の嫌がらせなどに関する相談にも対応しており、街頭でのPR等により相談窓口を周知するとともに、夜間、土曜相談の実施、労働相談専用ダイヤルの設置などにより利便性の向上を図っております。
 最後に、労働委員会委員の任命についてでございます。
 労働組合法等によりまして、使用者委員及び労働者委員につきましては、各団体に推薦を求めた上でその推薦に基づき、また公益委員につきましては、専門分野等を考慮の上で中立的な人物を労使委員の同意を得て、それぞれ知事が任命しております。
 労働委員会は、労働争議の調整や不当労働行為の審査などの権限を有するものであるため、これらに適切に対応できる人物を委員としているところでございます。
   〔労働委員会事務局長遠藤雅彦君登壇〕

〇労働委員会事務局長(遠藤雅彦君) 労働委員会事務局における一般職員の局在職年数等についてでございますが、審査等実務にかかわる職員の局在職年数は、平成二十六年度末で、二十五名中、五年未満の職員が八名の三二%であり、一方、十年以上の職員が十二名の四八%を占めております。
 また、局間交流については、庁内公募制人事も活用するなど、毎年度、複数名の異動を実施しており、年齢や職務経験等、バランスのとれた職員構成の確保に努めております。
   〔消防総監大江秀敏君登壇〕

〇消防総監(大江秀敏君) 特別区消防団の資機材の維持管理についてでありますが、各消防団は、平素から点検、整備を定期的に実施しております。
 なお、ふぐあい等が生じた場合には、直ちに消防署へ報告するよう消防団に周知しており、報告を受けた消防署は、速やかに原因の把握と修繕を実施しております。
 今後とも、消防署と消防団が緊密に連携し、資機材の適正な維持管理に努めてまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) ごみ処理施設の費用負担についてでございます。
 一般廃棄物の処理に関する事業は、廃棄物処理法により市町村の事務とされております。
 このため、複数の市町村の共同処理に伴う一般廃棄物処理施設の整備に係る費用負担につきましては、関係する市町村の協議により決めるべきものと考えております。
 なお、都では、共同処理の推進に当たり必要となる計画策定や施設整備に係る設計、環境影響評価業務等の事業費に対する国への交付金の申請等について、必要な技術的支援を行っております。
   〔五十一番上田令子君登壇〕

〇五十一番(上田令子君) 学校災害に対してです。
 学校保健安全法二十六条にて、学校安全に関して学校の設置者、東京都ですね、都が果たすべき重要性に鑑み、従来から実施してきた学校安全に関する取り組みの一層の充実を図るため、その責務を法律上明確に規定したと文科省は平成二十年改正時に通知しております。二十六条どおりに対処していたなら、大川小の子供たちは裏山に逃げられたかもしれず、子供の命にとって大変重要な法律です。
 ご答弁に、学校保健安全法に則してという明言が教育長の方でされなかったのでございますが、いま一度、この法律に則した――先ほどのご答弁は――取り組みなのかどうか、お答え願いたいと思います。よろしくお願いいたします。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 学校保健安全法に則した対応であるかというご質問でございますけれども、先ほどご答弁申し上げました内容は、学校保健安全法二十六条に則した内容でございます。

〇副議長(藤井一君) 三十番山内れい子さん
   〔三十番山内れい子君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇三十番(山内れい子君) 東京は、ことしの夏も猛暑が続きました。東京の夏の暑さはすさまじく、ヒートアイランドの解決が不可欠です。都は、その対策として、海の森や河川、道路の緑化など、海から風を都心に導く風の道の確保を進めてきました。人工的につくったエネルギー浪費型の都市から、環境負荷の少ないまちづくりを進め、水や緑などを使って快適性を生み出すパッシブデザインの都市をつくり上げていくことが必要だと思います。大都市東京の中で自然を取り入れていく難しさはありますが、まち中を涼しい風が通る快適な東京が、生活しやすさにつながります。
 先日発表された長期ビジョンの中間報告にも、水と緑のネットワークを形成することが示されており、持続可能なまちづくりが必要だと考えますが、知事の見解を伺います。
 先日行われた女性が輝くまち・東京シンポジウムでは、女性が働くことによる社会全体の活力や多様な働き方を進めるために、ワークライフバランスの意義や重要性について議論されました。
 舛添知事は、このシンポジウムの中で、都庁内の女性管理職を二〇二〇年までに二〇%にする数値目標を掲げる方針を示され、その前向きな姿勢は評価するものです。社会の意識を変革していくには、東京都が知事のもと社会を牽引していける取り組みが求められます。
 女性が輝ける社会の実現に向けて、まずは、都庁における女性の活躍推進についてどのように取り組まれるのか、知事の決意を伺います。
 男女平等参画社会の実現は、国際的にも大きな課題でありますが、その中でも、社会の価値観を変えていくためには、次世代の育成が重要だと指摘されています。日本の社会では、結婚、出産を機に、六割の女性が退職をするなど、女性の方が選択を迫られる機会が多いのが実情です。
 若い世代の人たちが生き生きと働いていける社会をつくり出していくためにも、大学生に向けたワークライフバランスの啓発が必要と考えますが、都の取り組みを伺います。
 日本労働組合総連合会が、二〇一四年六月に行った女性のための労働相談では、産休、育休復帰からの嫌がらせを受けたり、妊娠を告げたら退職するよう求められたといった妊娠、出産に関する相談のほか、昇格などにおける男女差別や処遇への不満が寄せられています。
 東京労働局が発表した二〇一三年度男女雇用機会均等法などに関する労働者からの相談内容では、セクシュアルハラスメントに次いで、妊娠、出産等を理由とする不利益な取り扱いがふえており、改めて人権侵害であることを社会は認識しなければなりません。また、近年、職場における人権侵害として、パワーハラスメントについては、業務上の指導との線引きが難しいという側面もありますが、セクシュアルハラスメントと同様に、社会的に許されない行為であることを認識させるための取り組みが必要です。
 そこで、都は、職場におけるハラスメントの防止について、どのように取り組んでいるのか伺います。
 都として、ワークライフバランスの推進を含めた男女平等参画社会を実現していくためには、企業の自主的な取り組みを後押しする仕組みの構築が必要です。そのために、都の入札契約手続の中で、企業の社会的な取り組みを評価する視点を取り入れることも、有効な手段の一つであると考えます。
 今後、都が発注する業務委託などにおいて、総合評価を実施するに当たっては、男女平等参画を推進する観点での評価をさらに充実していくべきと考えますが、所見を伺います。
 来年四月から実施予定の子ども・子育て支援新制度では、質の高い幼児教育と保育を総合的に提供することが目的の一つに掲げられました。子供の育ちを第一優先に考えれば、幼保一体化の法的整備は望ましいことであり、その意味で新制度には期待を寄せていました。
 ところが、国の財政基盤が未確定である上、制度設計が未熟であるため、目玉施策とされる認定こども園は、新制度では補助金が減るという理由で認定返上の動きが広がり、普及拡大が難航している現状です。
 幼と保が共存したままで新たな事業が盛り込まれたため、全体が複雑でわかりにくい設計になってしまいました。ただ、新たに利用者支援を打ち出したことは評価しています。利用者にとっては、例えば身近な地域で子育て支援にかかわる情報が一元的に提供されるワンストップサービスのような支援が求められます。
 都は、区市町村による利用者支援の取り組みを促すため、必要な支援を行うべきと考えますが、都の見解を伺います。
 新制度では、教育、保育の質の向上が期待されています。質を評価する要素がさまざまある中で、子供にとって遊びの大切さを考えると、外で走り回れる広い空間は、成長に欠かせないものであり、園庭は重要です。本来、必置が望ましいと考えます。
 しかしながら、園庭のない保育施設がふえ、多くのグループが一つの公園を同時に使用しているケースも少なくない中、自治体では既に小学校の校庭を使っている事例があります。都立高校の校庭など、都施設の一部を保育所の園庭にかわる空間として使用できるよう、協力を求めるものです。
 今回、新たな幼保連携型認定こども園の認可基準にかかわる条例案も提案されています。この保育の質の根幹である基準は、新制度施行後も適正な運営が確保されるよう、徹底して遵守されなければなりません。
 新制度における規準遵守のための仕組みについて伺います。
 日本の精神病院の入院者数は、世界で突出して多く、しかもその六五%が一年以上の長期入院で、精神病院の閉鎖性が社会問題となっています。二〇〇四年、国は、精神保健医療福祉の改革ビジョンを策定し、入院医療中心から地域生活中心への改革を十年間で進めることとしました。
 東京都は、国に先駆けて精神障害者の地域移行を進めてきていますが、二〇一二年では、都内の精神科病院には、いまだに一万一千七百六十人が長期に入院している状況です。
 東京都障害者計画、第三期東京都障害福祉計画においては、長期入院者の地域移行を目標に掲げていますが、目標達成に向け精神障害者の地域移行支援にどのように取り組んでいるのか伺います。
 長期入院していると生活力を失い、病院生活へ依存し地域生活への復帰を諦めてしまうと聞いています。その人らしい地域での生活をイメージできるように支援し、地域移行、地域定着するには、病院と地域との調整をするコーディネーターや、みずからも入院経験を持ち、地域で暮らすピアサポーターによる働きかけは、大きな効果があります。
 そこで、地域移行におけるピアサポーターの活動についてお伺いいたします。
 都内には、精神科病床のある病院は百十五。そのうち一年以上の入院者がいる病院は、民間約七十病院と都立松沢病院と聞いています。都立松沢病院は、都における精神科医療の中核的役割を果たしており、新しい病棟の開設に当たり、精神科救急や精神科身体合併症など一般の病院では対応が困難な精神科医療機能を強化したということです。
 そのような中において、あわせて入院患者の地域生活の移行に向けた取り組みをどのように行っているのか、お伺いいたしまして、生活者ネットワークの一般質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 山内れい子議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、持続可能なまちづくりについてでありますが、水や緑は、人々に安らぎを与えるほか、潤いある都市景観の創出につながるなど、多くの恩恵をもたらしております。
 また、まとまった緑や循環する水は、ヒートアイランド現象の緩和や温室効果ガスの吸収など、都市の環境負荷の低減を図る上で大切な役割を果たしております。
 都はこれまでも、水と緑のネットワーク形成に資する公園、緑地の整備や、道路、河川沿いの緑化、崖線や丘陵地の緑の保全などとともに、都市再生に合わせた緑やオープンスペースの拡大に取り組んでまいりました。
 今後も引き続き、こうした都市づくりを積極的に進め、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催の舞台にふさわしい、経済活力の維持向上はもとより、環境にもすぐれた世界一の都市東京の実現を目指してまいります。
 続きまして、都庁における女性の活躍推進についてでございますが、女性が生き生きと輝ける活力ある東京の実現に向けては、まずは都庁みずからが、職員の約四割を占める女性の意欲や能力を最大限に引き出していくことが重要であります。
 都では、仕事と育児等の両立支援とともに、性別にとらわれない能力や業績に基づく厳格な選考により、職員がみずからの選択で幹部職員にチャレンジできる仕組みを整えてまいりました。
 その結果、都の女性管理職の割合は、国や民間企業を大きく上回っております。先般のシンポジウムで申し上げましたように、課長級以上、管理職に占める女性の割合、東京都、一五・二%、国、わずか二・七%、民間もわずか五・二%であります。
 今後とも、実力本位の選考を行う中で、女性管理職の割合を高めることはもとより、都庁の幅広い分野で、意欲と能力のある女性職員が一層活躍できるよう、計画的な育成や支援に全力で積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 大学生に向けたワークライフバランスの普及啓発についてでありますが、誰もが意欲に応じて能力を十分に発揮し、活躍していくためには、将来、社会の担い手となる若者が、仕事と生活の調和、いわゆるワークライフバランスの意義や重要性を認識し、長期的な視野で人生を考えていくことが重要であると考えております。
 このため、大学生が結婚、出産を見据えたキャリア形成に向けて、職業生活のあり方やワークライフバランスの重要性を学ぶことができるよう、今年度、指導教材に直接活用できる素材を大学に対して提供してまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

〇産業労働局長(山本隆君) 職場におけるハラスメントの防止についてでございますが、セクシュアルハラスメントなどを含めた職場の嫌がらせは、労働者の尊厳を傷つけるばかりでなく、職場環境の悪化にもつながるものでございます。
 このため都は、さまざまなハラスメントの防止に関するセミナーや、関連法令を解説した冊子の配布等により、事業主に対して必要な知識の普及啓発を行っております。また、労働相談情報センターにおきまして、退職強要や職場の嫌がらせなどに関する相談にも対応しております。
 今後もこうした取り組みにより、働きやすい職場環境の確保を進めてまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 男女平等参画を推進するための都発注契約における総合評価の充実についてでありますが、環境や福祉などの政策目的をサポートする手段の一つとして、公正性や透明性、競争性、品質の確保といった観点に配慮しながら、入札契約制度を活用することは有効であります。
 都はこれまでも、各局の施策を促進していくことを目的として、総合評価に政策的な評価項目を設定しており、ワークライフバランスの項目も盛り込んでおります。
 今後、都の全体方針や各局の取り組みを踏まえつつ、公共調達の発注者として、総合評価の活用など、女性の活躍を促す仕組みの一層の充実に向け、検討を進めてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、地域の子育て支援サービスに係る利用者支援についてでありますが、サービスの利用を希望する保護者が、多様なサービスの中からニーズに合ったメニューを選択し、円滑に利用できるよう、区市町村が身近な場所で相談を受け、情報提供や支援を行う利用者支援の取り組みは、待機児童の解消を図る上でも重要でございます。
 都は、こうした取り組みを昨年度から支援しており、今年度は十三区市で実施を予定しております。
 また、今年度から新たに、相談業務に必要なノウハウに関する都独自の研修も開始し、利用者への支援を担う職員のスキルアップを図っております。
 今後とも、区市町村における利用者支援の取り組みが進むよう、積極的に支援してまいります。
 次に、子ども・子育て新制度における指導監督についてでありますが、新制度では、都道府県が幼稚園、保育所、幼保連携型認定こども園の認可権限を有します、小規模保育、家庭的保育、居宅訪問型保育、事業所内保育の四サービスは、新たに区市町村が認可権限を持つことになります。それに伴いまして、施設設備や人員配置など、認可に関する指導監督権限は、都道府県と区市町村それぞれに与えられるということになります。
 また、新制度の実施主体である区市町村は、保育サービスに関する運営基準を条例で定めるとともに、施設型給付や地域型保育給付の対象として確認をした場合には、認可権限と別に、認可権限の有無にかかわらず、運営基準に関する指導監督を区市町村が行うこととなっております。
 次に、精神障害者の地域移行についてでありますが、都は第三期東京都障害福祉計画において、一年以上入院している患者の退院率を二九%以上とする目標を掲げ、都内六カ所の相談支援事業所等に地域移行のためのコーディネーターを配置いたしまして、退院への働きかけや、病院と地域との調整を行っております。
 また、退院後の不安軽減や退院意欲の向上を図るため、都内五カ所のグループホームに併設した専用の居室を活用しまして、入院中に地域生活を経験できる体験宿泊を実施しております。
 今後とも、こうした取り組みにより、入院中の精神障害者の地域移行が円滑に進むよう支援してまいります。
 最後に、地域移行におけるピアサポーターの活動についてですが、都では、入院中の精神障害者の地域生活に対する不安を軽減するため、入院経験を持ち、現在は地域で生活しているピアサポーターが、コーディネーターとともに病院に出向き、みずからの経験に基づいて、退院に向けた準備や地域生活に関する助言をするなどの支援を行っております。
 今後とも、入院中の精神障害者が安心して退院を目指すことができるよう、病院と地域とを結ぶコーディネーターやピアサポーターによる活動を生かし、地域移行の取り組みを進めてまいります。
   〔病院経営本部長醍醐勇司君登壇〕

〇病院経営本部長(醍醐勇司君) 松沢病院における患者の地域移行についてでありますが、適切な入院医療の提供とともに、退院後に地域の中で安心した生活を送れるよう支援することは重要です。
 このため、入院時から退院に向けた生活相談を行うとともに、退院後は、必要に応じ、看護師が定期的に自宅を訪問し、体調の確認や服薬指導を行っております。また、社会生活に必要な機能の回復を目指し、さまざまなプログラムによるデイケアを実施しているところでございます。
 さらに、入院期間が一年を超える患者につきましては、医師、看護師、精神保健福祉士など、多職種のチームが情報を共有し、病状や家族の状況に応じた退院先の選定を行うなど、早期退院を支援しております。
 今後とも、関係機関と連携を図りながら、患者の社会復帰と地域での生活を支えるための取り組みを進めてまいります。

〇議長(吉野利明君) 以上をもって質問は終わりました。

〇議長(吉野利明君) これより日程に入ります
 日程第一から第三十四まで、第百五十三号議案、特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例外議案三十二件、諮問一件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事安藤立美君。
   〔副知事安藤立美君登壇〕

〇副知事(安藤立美君) ただいま上程になりました三十四議案についてご説明を申し上げます。
 初めに、第百五十一号議案は、一般会計補正予算案でございます。世界一の都市東京の実現に向けて、待機児童数の増加等、直ちに取り組むべき課題に対してスピーディーに対応するため、三十二億円の補正を行うものでございます。
 第百五十二号議案から第百七十三号議案までの二十二議案は条例案でございます。
 まず、新設の条例が一件ございます。
 第百六十号議案、東京都幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営の基準に関する条例は、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部改正に伴い、新たな幼保連携型認定こども園の運営等に関する基準を定めるものでございます。
 次に、一部を改正する条例が二十一件ございます。
 第百五十六号議案、東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例は、私立学校の定義に新たな幼保連携型認定こども園を加えるものでございます。
 第百五十七号議案、東京都立学校設置条例の一部を改正する条例は、東京都特別支援教育推進計画に基づき、水元小合学園を設置するものでございます。
 第百五十八号議案、東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例外一件は、薬事法の一部改正等に伴い、手数料等の規定の整備を行うものでございます。
 第百六十三号議案、東京都母子福祉資金貸付条例の一部を改正する条例外三件は、母子及び寡婦福祉法の一部改正に伴い、貸付対象の変更など規定の整備を行うものでございます。
 第百六十五号議案、大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例は、大気汚染に係る健康障害者に対する医療費助成の対象範囲を見直すものでございます。
 第百六十八号議案、東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部を改正する条例は、薬物乱用による被害の深刻化を踏まえ、警察職員の立入調査など、監視指導の強化を図るほか、規定の整備を行うものでございます。
 このほか、法令改正に伴い規定を整備するものが十一件ございます。
 第百七十四号議案から第百八十一号議案までの八議案は契約案でございます。
 第百七十四号議案、警視庁王子警察署庁舎(二十六)改築工事請負契約など、契約金額の総額は約百六十七億円でございます。
 第百八十二号議案及び第百八十三号議案は事件案でございます。
 第百八十二号議案は、新型インフルエンザの対策として個人防護具等を買い入れるもの、第百八十三号議案は、首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の事業計画変更について同意するものでございます。
 次に、諮問でございます。
 未納下水道料金に係る督促処分について審査請求があったため、地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づき諮問するものでございます。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。
(議案の部参照)

〇議長(吉野利明君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。

〇六十七番(山崎一輝君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議案のうち、日程第一から第六までの第百五十三号議案外五議案については、委員会付託を省略し、原案のとおり決定されることを望みます。

〇議長(吉野利明君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(吉野利明君) ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第六までの第百五十三号議案外五議案は原案のとおり可決されました。

〇議長(吉野利明君) お諮りいたします。
 ただいま議題となっております日程第七から第三十四までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(吉野利明君) ご異議なしと認めます。よって、日程第七から第三十四までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。
(別冊参照)

〇議長(吉野利明君) 日程第三十五、平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。
   〔新美議事部長朗読〕
一、平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について

二六財主議第二九八号
平成二十六年九月十七日
東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長  吉野 利明殿
平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
 このことについて、地方自治法第二百三十三条の規定により、左記のとおり送付しますので、東京都議会の認定をよろしくお願いします。
       記
一 平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算書
二 平成二十五年度歳入歳出決算事項別明細書
三 平成二十五年度実質収支に関する調書
四 平成二十五年度財産に関する調書
五 平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算審査意見書
六 平成二十五年度主要施策の成果
七 平成二十五年度東京都決算参考書
八 平成二十五年度東京都決算参考書財務諸表
(決算書等省略)

〇六十七番(山崎一輝君) 本件は、三十一人の委員をもって構成する平成二十五年度各会計決算特別委員会を設置し、これに付託されることを望みます。

〇議長(吉野利明君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(吉野利明君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、三十一人の委員をもって構成する平成二十五年度各会計決算特別委員会を設置し、これに付託することに決定いたしました。
 委員は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長からお手元に配布の名簿のとおり指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(吉野利明君) ご異議なしと認めます。よって、委員は、お手元に配布の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
 なお、本日の本会議終了後、役員互選のため、委員会を第十二委員会室に招集いたしますので、ご了承願います。
〔平成二十五年度各会計決算特別委員名簿は本号末尾(一九〇ページ)に掲載〕

〇議長(吉野利明君) 日程第三十六、平成二十五年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
   〔新美議事部長朗読〕
一、平成二十五年度東京都公営企業各会計決算の認定について

二六財主議第二九九号
平成二十六年九月十七日
東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長  吉野 利明殿
平成二十五年度東京都公営企業各会計決算の認定について
 このことについて、地方公営企業法第三十条第四項の規定に基づき、左記のとおり送付しますので、東京都議会の認定についてよろしくお願いします。        記
一 平成二十五年度東京都病院会計決算書及び同決算審査意見書
二 平成二十五年度東京都中央卸売市場会計決算書及び同決算審査意見書
三 平成二十五年度東京都都市再開発事業会計決算書及び同決算審査意見書
四 平成二十五年度東京都臨海地域開発事業会計決算書及び同決算審査意見書
五 平成二十五年度東京都港湾事業会計決算書及び同決算審査意見書
六 平成二十五年度東京都交通事業会計決算書及び同決算審査意見書
七 平成二十五年度東京都高速電車事業会計決算書及び同決算審査意見書
八 平成二十五年度東京都電気事業会計決算書及び同決算審査意見書
九 平成二十五年度東京都水道事業会計決算書及び同決算審査意見書
十 平成二十五年度東京都工業用水道事業会計決算書及び同決算審査意見書
十一 平成二十五年度東京都下水道事業会計決算書及び同決算審査意見書
(決算書等省略)

〇六十七番(山崎一輝君) 本件は、二十三人の委員をもって構成する平成二十五年度公営企業会計決算特別委員会を設置し、これに付託されることを望みます。

〇議長(吉野利明君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(吉野利明君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、二十三人の委員をもって構成する平成二十五年度公営企業会計決算特別委員会を設置し、これに付託することに決定いたしました。
 委員は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長からお手元に配布の名簿のとおり指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(吉野利明君) ご異議なしと認めます。よって、委員は、お手元に配布の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
 なお、本日の本会議終了後、役員互選のため、委員会を第四委員会室に招集いたしますので、ご了承願います。
〔平成二十五年度公営企業会計決算特別委員名簿は本号末尾(一九〇ページ)に掲載〕

〇議長(吉野利明君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一、議員提出議案第十三号、東京都木造住宅耐震改修促進補助条例を議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
(議案の部参照)

〇六十七番(山崎一輝君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第十三号については、趣旨説明を省略し、都市整備委員会に付託されることを望みます。

〇議長(吉野利明君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(吉野利明君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第十三号は、趣旨説明を省略し、都市整備委員会に付託することに決定いたしました。

〇議長(吉野利明君) 追加日程第二、議員提出議案第十四号、東京都母子福祉資金貸付金の償還免除に関する知事専決処分についての一部改正についてを議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
(議案の部参照)

〇六十七番(山崎一輝君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第十四号については、趣旨説明並びに委員会付託を省略し、原案のとおり決定されることを望みます。

〇議長(吉野利明君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(吉野利明君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第十四号は、原案のとおり可決されました。

〇議長(吉野利明君) 請願及び陳情の付託について申し上げます。
 受理いたしました請願二件及び陳情三十二件は、お手元に配布の請願・陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会及び議会運営委員会に付託いたします。
(別冊参照)

〇議長(吉野利明君) お諮りいたします。
 明二十六日から十月二日まで七日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(吉野利明君) ご異議なしと認めます。よって、明二十六日から十月二日まで七日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は十月三日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後八時四分散会


ページの先頭へ