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平成二十六年東京都議会会議録第十二号

平成二十六年九月二十四日(水曜日)
 出席議員 百二十七名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番川松真一朗君
四番山内  晃君
五番栗山よしじ君
六番小松 大祐君
七番鈴木 章浩君
八番大津ひろ子君
九番石川 良一君
十番みやせ英治君
十一番おときた駿君
十二番小松 久子君
十三番田中  健君
十四番米倉 春奈君
十五番白石たみお君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番まつば多美子君
十九番伊藤こういち君
二十番堀  宏道君
二十一番河野ゆうき君
二十二番柴崎 幹男君
二十三番ほっち易隆君
二十四番舟坂ちかお君
二十五番清水 孝治君
二十六番島崎 義司君
二十七番やながせ裕文君
二十八番田中 朝子君
二十九番塩村あやか君
三十番山内れい子君
三十一番中山ひろゆき君
三十二番西沢けいた君
三十三番里吉 ゆみ君
三十四番和泉なおみ君
三十五番尾崎あや子君
三十六番大松あきら君
三十七番吉倉 正美君
三十八番遠藤  守君
三十九番中山 信行君
四十番鈴木 錦治君
四十一番木村 基成君
四十二番高椙 健一君
四十三番栗山 欽行君
四十四番大場やすのぶ君
四十五番和泉 武彦君
四十六番近藤  充君
四十七番小宮あんり君
四十八番三宅 正彦君
四十九番吉住 健一君
五十番野上ゆきえ君
五十一番上田 令子君
五十二番西崎 光子君
五十三番小山くにひこ君
五十四番あさの克彦君
五十五番新井ともはる君
五十六番徳留 道信君
五十七番河野ゆりえ君
五十八番小竹ひろ子君
五十九番上野 和彦君
六十番高倉 良生君
六十一番橘  正剛君
六十二番野上 純子君
六十三番谷村 孝彦君
六十四番桜井 浩之君
六十五番きたしろ勝彦君
六十六番松田やすまさ君
六十七番山崎 一輝君
六十八番神野 次郎君
六十九番菅野 弘一君
七十番北久保眞道君
七十一番田中たけし君
七十二番神林  茂君
七十三番宇田川聡史君
七十四番高橋 信博君
七十五番両角みのる君
七十六番中村ひろし君
七十七番島田 幸成君
七十八番今村 るか君
七十九番大西さとる君
八十番畔上三和子君
八十一番大島よしえ君
八十二番松村 友昭君
八十三番東村 邦浩君
八十四番小磯 善彦君
八十五番鈴木貫太郎君
八十六番木内 良明君
八十七番秋田 一郎君
八十八番中屋 文孝君
八十九番早坂 義弘君
九十番崎山 知尚君
九十一番鈴木 隆道君
九十二番鈴木あきまさ君
九十三番山加 朱美君
九十四番高橋かずみ君
九十五番相川  博君
九十六番山田 忠昭君
九十七番服部ゆくお君
九十八番こいそ 明君
九十九番田島 和明君
百番斉藤あつし君
百一番尾崎 大介君
百二番石毛しげる君
百三番植木こうじ君
百四番かち佳代子君
百五番曽根はじめ君
百六番藤井  一君
百七番長橋 桂一君
百八番中嶋 義雄君
百九番ともとし春久君
百十番古賀 俊昭君
百十一番林田  武君
百十二番高木 けい君
百十三番村上 英子君
百十四番吉原  修君
百十五番野島 善司君
百十六番三宅 茂樹君
百十七番川井しげお君
百十八番高島なおき君
百十九番立石 晴康君
百二十番吉野 利明君
百二十一番野村 有信君
百二十二番内田  茂君
百二十三番酒井 大史君
百二十四番山下 太郎君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 なし

 出席説明員
知事舛添 要一君
副知事安藤 立美君
副知事秋山 俊行君
副知事前田 信弘君
教育長比留間英人君
東京都技監建設局長兼務横溝 良一君
政策企画局長川澄 俊文君
総務局長中西  充君
財務局長中井 敬三君
主税局長塚田 祐次君
警視総監高綱 直良君
生活文化局長小林  清君
オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋 正宏君
都市整備局長安井 順一君
環境局長長谷川 明君
福祉保健局長梶原  洋君
産業労働局長山本  隆君
港湾局長多羅尾光睦君
会計管理局長塚本 直之君
交通局長新田 洋平君
消防総監大江 秀敏君
水道局長吉田  永君
下水道局長松田 芳和君
青少年・治安対策本部長河合  潔君
病院経営本部長醍醐 勇司君
中央卸売市場長岸本 良一君
選挙管理委員会事務局長松井多美雄君
人事委員会事務局長真田 正義君
労働委員会事務局長遠藤 雅彦君
監査事務局長石原 清次君
収用委員会事務局長目黒 克昭君

九月二十四日議事日程第二号
第一 第百五十三号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第二 第百五十四号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百六十一号議案
東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百六十二号議案
東京都婦人保護施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百六十三号議案
東京都母子福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
第六 第百六十四号議案
東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
第七 第百五十一号議案
平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)
第八 第百五十二号議案
東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百五十五号議案
東京都消費生活条例の一部を改正する条例
第十 第百五十六号議案
東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例
第十一 第百五十七号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第十二 第百五十八号議案
東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第十三 第百五十九号議案
東京都指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第十四 第百六十号議案
東京都幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営の基準に関する条例
第十五 第百六十五号議案
大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
第十六 第百六十六号議案
東京都食品安全条例の一部を改正する条例
第十七 第百六十七号議案
東京都薬事審議会条例の一部を改正する条例
第十八 第百六十八号議案
東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部を改正する条例
第十九 第百六十九号議案
薬局等の行う医薬品の広告の適正化に関する条例の一部を改正する条例
第二十 第百七十号議案
東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
第二十一 第百七十一号議案
都道における道路標識の寸法に関する条例の一部を改正する条例
第二十二 第百七十二号議案
東京都デートクラブ営業等の規制に関する条例の一部を改正する条例
第二十三 第百七十三号議案
性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等及び性関連禁止営業への場所の提供の規制に関する条例の一部を改正する条例
第二十四 第百七十四号議案
警視庁王子警察署庁舎(二十六)改築工事請負契約
第二十五 第百七十五号議案
警視庁八王子警察署庁舎(二十六)改築工事請負契約
第二十六 第百七十六号議案
都立新島高等学校(二十六)改築工事請負契約
第二十七 第百七十七号議案
東京国際フォーラム(二十六)ホール棟改修工事請負契約
第二十八 第百七十八号議案
東京国際フォーラム(二十六)ガラス棟改修工事請負契約
第二十九 第百七十九号議案
東京国際フォーラム(二十六)電気設備改修工事請負契約
第三十 第百八十号議案
東京国際フォーラム(二十六)空調設備改修工事請負契約
第三十一 第百八十一号議案
東京国際展示場(二十六)拡声設備改修工事請負契約
第三十二 第百八十二号議案
個人防護具(ガウン等セット)外三点の買入れについて
第三十三 第百八十三号議案
首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について
第三十四 諮問第三号
地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問について
議事日程第二号追加の一
第一 平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
第二 平成二十五年度東京都公営企業各会計決算の認定について

   午後一時開議

〇議長(吉野利明君) これより本日の会議を開きます。

〇議長(吉野利明君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

〇議長(吉野利明君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

〇議事部長(新美大作君) 知事より、地方自治法第二百四十一条第五項の規定により、平成二十五年度東京都区市町村振興基金及び東京都用品調達基金の運用状況に関する調書等の提出がそれぞれありました。
(別冊参照)

〇議長(吉野利明君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について外一件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

〇議長(吉野利明君) これより質問に入ります。
 百十三番村上英子さん。
   〔百十三番村上英子君登壇〕

〇百十三番(村上英子君) 平成二十六年第三回定例会に当たり、東京都議会自由民主党を代表して質問いたします。
 この夏、集中豪雨や台風が相次いで日本列島を襲いました。広島では、大規模な土砂崩れが発生し、先般、吉野議長が現地をお見舞いされました。一連の災害によって亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被害に遭われた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
 いかに科学が進歩し、技術が進んでも、人間が自然をコントロールすることはできません。我が国では、いにしえより、そうした謙虚な気持ちを持って、政の基本の一つは、治山治水とし、それはすなわち国民の生命と財産を守ることとしてきました。広島での豪雨災害があった今、私たちは、このことを改めて胸に刻み、都民のため東京のために全力を尽くすことをお誓い申し上げ、質問に入ります。
 さて、ことし二月十二日に誕生した舛添都政は、都民の大きな期待を担ってスタートしました。以来七カ月、二百日以上が経過し、知事の精力的な活動は、既に幾つかの政策として芽を出しつつあります。今後の都政において、六年後のオリンピック・パラリンピック開催を一つの時間軸に据えるならば、政策の優先順位を明確にして、スピード感ある取り組みを進めることは必要です。
 一方で、知事も議員も、都民の直接選挙によって四年の任期で選ばれていることを考えれば、与えられた期間を使ってじっくりと練り上げる政策も必要です。
 知事は、去る五月九日の記者会見で、今までの三カ月は試運転、これからは高速道路を時速百キロで走ると公言されましたが、都政は、高速道路ばかりではなく、スピードを落として都民と同じ目線で走らなければ見えないこともたくさんあります。知事には、都民の幸せを第一に考え、スピード感が必要な政策と腰を据えてじっくり練り上げる政策を的確に判断し、一人で時速百キロを続けるのではなく、理事者や議会など多くの意見に耳を傾け、万機公論に決すべしの基本姿勢を改めて心がけていただきたいと思います。そうすることで、都政の車の両輪はしっかりと回ってまいります。
 私が知事に、このようなことをあえて申し上げなければならないのは、この間の幾つかの懸念材料が提起されたからです。
 一つは、朝鮮学校の補助金交付再検討を示唆するかのような発言です。
 都は、平成二十二年に予算計上していた補助金凍結を決めて以来、二十五年に補助金不交付を正式決定するまで、多くの議論と緻密な調査を積み上げてきました。北朝鮮による拉致、核、ミサイルの諸問題が、いまだ解決されない現状にあって、こうした発言は都の姿勢を問われます。
 折しも先週、都庁舎は、北朝鮮に拉致された日本人を奪還する決意を込めて、美しい青色にライトアップされました。いうまでもなく、これは拉致被害者救出の象徴であるこのブルーリボンの青色です。安倍総理は、拉致問題をみずからの手で解決すると明言しているように、対話と圧力を駆使しながら、ここへ来て日朝交渉を加速させています。
 都議会自民党は、長年にわたって都議会拉致議連の活動をリードし、本問題に精力的に取り組んでまいりました。それは、政府認定及び警察が判断した拉致被害者の中に、東京都関連の方が四人、また、拉致の可能性を排除できない特定失踪者が四十七人も含まれている。まさに東京の課題と認識しているからにほかなりません。
 そこで私は、この代表質問の冒頭、まず知事に、我が国の主権と国民の人権をいまだじゅうりんしている北朝鮮による日本人拉致についての見解と、今後、拉致問題解決にどのように取り組んでいくのか、決意をお伺いいたします。
 二つ目は、都市外交です。
 都市と都市との友好関係を深めることに、誰も異存はありません。しかし、都市外交が、一たび友好交流の枠を超えて、国と国との関係に触れるような動きになれば、様相は一変します。
 さきの定例会でも指摘したように、外交は国の専権事項であり、国の方針と対立することがあってはなりません。こちらの善意が必ずしも相手側に通じるとも限りません。都市外交は、こうしたリスクを極力避け、行うならば、友好交流と都市問題解決など実務的なことに徹するべきであり、ましてや都政の課題が山積する中での知事の海外出張が、それほど優先順位が高いとは思えません。
 知事は、こうした言動、行動について、いま一度、都政の原点を確認すべきと考えます。改めて、都市外交に対する知事の所見を伺います。
 外に出て行くばかりが外交ではありません。東京には、百五十三の各国大使館を初め、諸外国、地域の代表事務所が集積しており、例えば、誰もが関心のある防災を切り口に、これらの大使館などと連携を強化をしていくことも、都市外交の手段として有効だと考えます。オリンピック・パラリンピックを控え、安全・安心な東京を実現するためにも取り組むべきです。
 また、防災を通じて構築した顔の見える関係は、在京大使館などを通じた都市外交という新たな方向性にもつながります。在京大使館との連携強化について、知事の見解を伺います。
 次に、長期ビジョンについて伺います。
 既に我が党は、昨年の都議選で、十本の柱、六十の政策目標から成る政策集、東京を世界で一番の都市にを都民の皆様にお約束いたしました。問題意識を共有し、ともに世界一の東京を目指す舛添知事とは、二月の知事選を二人三脚で戦いました。私たちの目標は極めて明確です。あらゆる面で東京を世界で一番の都市にすることです。
 今月十二日に発表された東京都長期ビジョンの中間報告は、その目的に向けた行動計画のたたき台と理解しています。
 我が党は、政策推進総本部を設けて専門的な議論を重ね、都政の全領域を網羅した二百四十五項目から成る政策提言をつくり上げ、去る七月に舛添知事に直接お渡ししました。中間報告は、これらの内容におおむね沿ったものであり、評価いたします。これから十二月を目指し、お互いの公約の実現に道筋をつけるべく、長期ビジョンを仕上げていくことになります。
 そこで、長期ビジョンの策定とその実現に向けた知事の決意を伺います。
 次に、予算編成と財政運営について伺います。
 知事は、先般、二十七年度予算をオリンピック・パラリンピック開催に向けた準備を加速させ、世界一の都市東京実現に向けた取り組みを軌道に乗せる予算と位置づけ、本格的に予算編成に動き出しました。
 オリンピック・パラリンピックに向け、持続的な景気回復が望まれるものの、一方では、山高ければ谷深しという言葉もあり、都の歳入に大きな影響を及ぼす景気の動向を常に注視して予算編成を進めることが重要です。オリンピック・パラリンピックの開催が六年後に迫り、都民、国民、ひいては世界中の人々が東京に注目する中、都がこれから打ち出していく予算は、今後の都政の大きな方向性を示すという点で大切な意味を持つと思います。
 そこで、二十七年度の予算編成における基本的な方針について、知事に所見を伺います。
 時代の変化のスピードが早まる中で、緊急性の高い課題には迅速に対応することが必要です。都は、都内の待機児童数が前年から五百五十五人増加し、八千六百七十二人になったことを受け、我が党が七月三十一日に出した緊急要望を、早速、保育サービス拡充のための補正予算案として今定例会に提出しました。迅速な対応を高く評価いたします。
 そこで、補正予算の編成の考え方について知事の見解を伺います。
 政策の実現には、財源という裏づけが不可欠であり、政策展開の礎となる財源を、国が東京から収奪しようとする動きは看過することができません。
 都議会自民党は、本定例会冒頭において意見書を採択したように、都から財源を奪う国の動きに対して一貫して反対の姿勢を示してきました。
 振り返れば、平成二十年度の税制改正で法人事業税の暫定措置が導入され、さらに、平成二十六年度税制改正では、法人住民税の国税化が断行されるなど、地方分権に逆行する一連の不合理な措置により、都は累計で一兆円規模の財源を失ってまいりました。
 さらに、消費税率一〇%への引き上げにあわせて、地方法人税の拡大や法人事業税の暫定措置にかわる新たな偏在是正措置が検討されているとともに、法人実効税率の引き下げや、それに付随する超過課税の問題も顕在化しています。
 都には、防災対策や社会資本ストックの維持更新など、膨大な財政需要が存在しているにもかかわらず、国による新たな財源収奪の動きは全く予断を許さない状態です。
 平成二十七年度税制改正が間近に迫る中、地方法人課税の不合理な偏在是正措置や法人実効税率の引き下げなどの動きに対してどのように国に対処していくのか、知事の所見と決意をお伺いいたします。
 次に、我が党が昨年、都議選に際し、都民の皆様にその実現をお約束をした政策集の十の項目、六十の政策目標に沿って順次お伺いしてまいります。
 まず一つ目の柱、災害に強い安全な東京の政策目標に関連してお伺いいたします。
 我が国は、過去、多くの大規模自然災害により被害を受け、その都度、復旧、復興をなし遂げてまいりました。しかしながら、どんなにすばらしい都市をつくり上げても、災害のたびに壊滅してしまうようでは、砂上に楼閣を築くがごとき取り組みといわざるを得ません。
 これまで都は、首都直下地震や風水害など、特定の災害による被害を想定し、地域防災計画を策定して対策を講じてまいりました。こうした対策は、一定の期間内に確実に目標を達成するよう取り組むべきですが、一方で、首都機能を有する東京は、どんな自然災害が発生しても、その機能が保持されなければ、我が国の存立を脅かすことにもなりかねません。想定外であったといういいわけはできません。
 このため、事前防災、減災の取り組みを、従来の防災の範囲を超えて、国土政策、産業政策など幅広い分野で総合的かつ長期的に推し進める必要があります。
 昨年十二月に国では、我が党と公明党が共同提案をした国土強靱化基本法が制定、公布され、強靱な国づくりに向けた施策を総合的かつ計画的に推進する体制が構築され、現在、政府一丸となった取り組みが進められています。
 国土強靱化における東京の責務とは、首都機能の保持にほかならず、今こそ全庁を挙げてその取り組みを進めていくべきと考えます。知事の所見をお伺いいたします。
 次に、東京の防災プランの骨子策定について伺います。
 我が党はこれまで、災害に強い安全な東京を実現するために、都はもちろんのこと、都民、企業も一体となって防災対策を強力に推進することが重要と述べてまいりました。今回、都は、東京の防災プラン骨子を公表いたしましたが、このプランでは、これまでの地域防災計画を踏まえつつも、その計画では明らかではなかった二〇二〇年の目標が明示され、その目標に向け、都や関係機関はもちろん、都民や事業者の皆様が、今後六年間に取り組むべき具体的な内容を示しています。
 このプランは、都民、事業者の皆様にとってもわかりやすい指針ともなるべきものであり、多くの方々に読んでいただき、二〇二〇年の目標に向けて、行政ともども取り組んでいただくことで、自助、共助、公助が一体となった防災対策が強力に推進されることになると考えます。
 今後、年末に向けて、東京の防災プランをまとめていくとのことですが、都としても、これを絵に描いた餅に終わらせることのないよう、二〇二〇年までにどのように具体的に事業を展開していくのか明らかにする必要があります。東京の防災プランをどのように取りまとめていくのか、知事の見解をお伺いいたします。
 次に、首都東京の防災都市づくりについてお伺いいたします。
 東京都地域防災計画の震災対策は、都民の生命や財産の保護とともに、都市機能の維持により、首都東京の防災力の高度化を図ることを目的としており、都は、首都東京の特性を踏まえた効果的な施策を進めることが重要です。
 このため、防災上、脆弱な市街地である木造住宅密集地域について、多様な手法を講じて広場をつくり、道路など必要な基盤整備を進め、これにより、燃えない、燃え広がらないまちを早急に構築するとともに、救急救命活動に必要な輸送ルートや拠点を確保することが不可欠です。二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催に向け、首都東京の防災都市づくりに万全を期すことが必要と考えますが、知事の決意を伺います。
 震災後の首都機能を維持するためには、復旧、復興の大動脈ともなる緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を進めることも重要です。しかしながら、耐震性すら明らかになっていない建築物がいまだに少なからず残っています。
 こうした状況を速やかに解消するため、緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断の進捗状況について都民に示し、耐震化の重要性を改めて喚起する必要があります。
 さらに、平成二十七年度耐震化完了を目指した助成期限が迫る中で、改修に意欲のある建物所有者や耐震化事業に携わる関係団体からの声もしっかりと受けとめ、総力を挙げて後押しする必要があります。
 緊急輸送道路沿道建築物の耐震化に向けた今後の取り組みについて、所見を伺います。
 木造住宅密集地域の不燃化を重点的、集中的に促進する不燃化特区は、今年度新たに応募があった九地区を加え、整備地域の面積の約四割で取り組んでいくこととなります。
 これまで各地区では、個別訪問など地元への積極的な働きかけにより、今までなかなか進まなかった老朽住宅の建てかえなどが加速していると聞いています。これからは、各地区における具体的な取り組みを区と連携して進め、速やかに不燃化特区の成果を示し、木密地域全体の改善につなげていくことが重要と考えます。
 そこで、今後、不燃化特区の取り組みをどのように進めていくのかお伺いいたします。
 次に、無電柱化の推進について伺います。
 無電柱化は、災害に強い安全な東京をつくるために大変重要な役割を担っています。また、ロンドンやパリなど海外の主要都市では、電線や電柱のない美しいまち並みが形成されていますが、東京の無電柱化はいまだ道半ばです。
 オリンピック・パラリンピック開催を契機に、東京を世界で一番の都市にしていくためにも、東京から電柱をなくし、日々の生活でも、広い空と美しいまち並みを実感できるようにする必要があると思います。国においては、本格的な無電柱化推進のための方策を検討していく動きがあります。
 そこで、都としても、国道、都道、区道など道路の区別なく、都内全域で無電柱化を推進すべきと考えますが、今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、中小河川の整備推進について伺います。
 冒頭申し上げたとおり、この八月には、広島県で土砂災害による甚大な被害が発生しました。都内にも、多摩・島しょ地域を中心に、土砂災害のおそれのある箇所が一万五千カ所あり、警戒避難体制の整備を促進する必要がありますが、引き続き土砂災害警戒区域などの迅速な指定に取り組んでいただきたいと思います。
 さて、ことしは、この八月豪雨に象徴されるように、これまで経験したことのない大雨が全国各地で頻発しています。都内においても、八王子などで六月としては観測史上最大となる総雨量三百ミリを超える大雨があり、七月末には集中豪雨により杉並区などで浸水被害が発生しています。
 都は、平成二十四年に中小河川の新たな整備方針を策定し、目標整備水準を引き上げるとともに、本年六月には東京都豪雨対策基本方針を改定しました。局地的集中豪雨などによる水害を軽減するためには、今まで以上に強力に豪雨対策を推進する必要があります。
 そこで、新たな目標整備水準の達成に向けた中小河川整備の取り組み状況について伺います。
 近年、時間五十ミリ以上の降雨が増加しており、今後も地球環境の変化による集中豪雨や大型台風がふえると懸念されています。東京でも昨年豪雨が頻発し、合計七百棟を超える浸水被害が発生し、さらにことしも浸水被害の拡大が予想されます。
 下水道局は、昨年の豪雨による浸水被害を受けて、豪雨対策下水道緊急プランを策定し、対策に取り組んでいます。
 先日、歴代知事として初めて、ご一緒に舛添知事と私は、マンホールから、安全ベルトを着けて下におり、下水道管の内部を視察してまいりました。現場の実態をしっかりと把握した上で、豪雨から東京を守るため、早期に取り組みを進めるべきと考えます。
 そこで、下水道による今後の浸水対策について伺います。
 次に、政策集の二つ目の柱、都民の命と健康を守る安心都市東京の政策目標に関連して、まず、東京の治安対策について伺います。
 都はこれまで、治安の回復に向けて、地域や警察とともに取り組み、その結果、世界に冠たる治安のよさも大きな評価を得て、オリンピック・パラリンピックの開催をかち取ることができました。
 しかし、改めて東京の安全・安心に目をやれば、過去最悪の被害総額となった振り込め詐欺や危険ドラッグの蔓延、子供に対する凶悪事件の続発など、都民の不安は解消されていません。高齢者や子供、女性など社会的弱者はもちろん、全ての都民が安全・安心を実感できる生活の場をつくり、世界で一番の都市東京を実現するためには、従来の取り組みだけでは十分とはいえません。
 今こそ、安全・安心の確保に向けて、新たに目指すべき方向性を明らかにした上で、警視庁や区市町村、さらには地域と連携を強化して取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、危険ドラッグについて伺います。
 最近、危険ドラッグの乱用者が犯罪を犯したり、重大な交通事故を起こしたとの報道が頻発し、大きな社会問題となっています。
 危険ドラッグは、合法ハーブなどと称し、あたかも安全な嗜好品のように販売されていますが、使用すると、幻覚や錯乱、意識消失などの深刻な症状を引き起こしかねない大変危険なものです。こうした危険な薬物を売ったり買ったり使ったりすることは、絶対に許されないことです。
 都はこれまで、全国に先駆け、東京都薬物の濫用防止に関する条例を制定するなど、その取り組みは国も動かしてまいりました。本定例会に、さらなる規制、監視指導の強化を図るための条例案が提案されていますが、今後、合法ハーブなどと称される危険ドラッグ対策にどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 次に、大気汚染医療費助成制度について伺います。
 この医療費助成制度は、東京大気汚染訴訟の和解に基づく気管支ぜんそくの患者の方々の早期救済のため、都、国、自動車メーカー、首都高速道路株式会社の応分の財源負担により創設したものです。
 大気汚染による健康被害への対策は、本来国の責任で講じるべきですが、我が党も後押ししながら、都が主導してこの制度を創設し、これまで多くの方々を救済してまいりました。
 本制度は、和解条項上、制度創設から五年を経過した時点で見直すこととなっており、本定例会に改正条例案が提出されています。
 今回の見直しに関する都の考え方と今後の対応について知事に伺います。
 次に、デング熱について伺います。
 先月末、海外渡航歴がなく国内感染したデング熱患者が約七十年ぶりに確認、報告され、以来、毎日感染が拡大している実態に都民は大いに不安を抱いています。
 都内では、感染しなかった病気が広がり、都民の憩いの場であった公園が、一時的にせよ閉鎖されるという事態を目にし、これまで遠い存在と思っていた感染症からどうやって身を守るべきなのか、不安を強めている都民は多いと思います。
 先日、知事とともに都立広尾病院を視察いたしました。その際、現場において感染症対策の実地訓練を拝見いたしました。まだまだ十分とはいえませんが、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに向け、多くの海外からのお客様がいらっしゃいます。
 そこで、デング熱の患者が多数確認された事態を受け、都としてどのように対策をとり、今後、感染症にどう対処していくのかお伺いいたします。
 次に、政策集の三つ目の柱、高齢者や障害者に優しい東京に関連して伺います。
 都内の高齢者人口は急速に増加しており、団塊の世代が七十五歳以上の後期高齢者となる二〇二五年には四人に一人が高齢者となる見込みです。今後の要介護高齢者や認知症高齢者の増加に対応し、必要な介護サービス量の確保に向けた取り組みを着実に進めていくことが必要です。
 都は、現在、高齢者保健福祉計画の改定を進めていますが、二〇二五年を見据えた特別養護老人ホーム等の介護基盤の整備目標と目標達成に向けた整備促進策について所見を伺います。
 次に、難病対策について伺います。
 本年五月に難病の患者に対する医療等に関する法律が成立し、来年一月から施行されることとなりました。この法律では、国による基本方針の策定や医療費助成制度の改正、調査研究の推進、患者の療養生活環境整備など、多岐にわたる内容が盛り込まれています。
 医療費助成の対象疾病については、来年一月には、現行制度の五十六疾病から約百十疾病に、さらに、来年夏には約三百疾病に段階的に拡大する予定と聞いています。
 そこで、施行までの準備期間が限られている今回の法制化に対し、都としてどのように対応していくのか、所見をお伺いいたします。
 次に、政策集の四つ目の柱、日本の将来を担う子育て世代に優しい東京に関して、女性政策と子育て支援について伺います。
 まず、女性の活躍推進についてお伺いいたします。
 グローバルな競争が激しくなる中で、都市としても、国としても、持てる力の全てを遺憾なく発揮していくことが必要です。
 我が国にとって大きな潜在力は、女性の力です。女性が生き生きと活躍できるようにすることは、人材の確保にとどまらず、企業や行政、さらには地域の活動においても、女性ならではの視点による新たな価値や、創造や、創意工夫をもたらし、社会全体に活力を与えることにつながります。
 国において、安倍総理は、職場で活躍している女性も、家庭に専念してきた女性も、全ての女性がそれぞれの生き方への自信と誇りを持ち、持てる可能性を開花させる旨の決意を示しております。
 女性の活躍は国を挙げての課題であり、とりわけ日本経済の中心である東京こそ、率先して取り組んでいく必要があります。
 知事に、女性が生き生きと活躍できる東京をつくることの基本認識をお伺いいたします。
 女性が生き生きと活躍できる社会の実現に向けて、女性みずからが新たな事業を起こす起業、創業を促進していくことも重要です。女性ならではの感性を生かした新たな事業は、社会の活力を支えていくことにつながります。
 長期ビジョンの中間報告では、産業活性化に向けて、開業率を一〇%まで引き上げることを目標に挙げています。
 都は、これまでも創業の促進に向けた取り組みを行ってきましたが、民間のノウハウも活用して、資金、経営面など、女性が創業するに当たって抱えているさまざまな悩みや希望に対してきめ細かく相談に応じるなど、支援の拡充を図るべきです。
 女性の創業の一層の促進に向けて、都はどのように取り組んでいくのか伺います。
 女性の活躍推進に向けて、国は先月、公共調達などに関する取り組み指針を策定いたしました。その目的は、女性の活力が十分生かされるよう、国の公共調達の分野において、発注者である各省庁が女性の活躍を促す取り組みを進めることで、受注者としての企業の取り組みを一層推進することにあります。
 こうした国の方針は、地方自治体の公共調達にもしっかりと反映されるべきであり、女性の活躍推進に取り組むさまざまな分野の事業を応援するに当たり、都も同様の取り組みが求められています。
 そこで、入札契約制度において、都は発注者として女性の活躍を促す取り組みをどのように進めていくのか、所見をお伺いいたします。
 また、女性が働きやすい環境整備は、中小企業にとって、施設を整える必要があったり、具体的なノウハウが不足していたりすることから、取り組みに結びつきにくい状況があります。
 中小企業の現場において、女性が活躍しやすい職場環境づくりを進めていくため、都は企業の取り組みを強力に後押ししていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、待機児童解消に向けた取り組みについて伺います。
 先ほど申し上げたとおり、都は、我が党の緊急要望を受け、待機児童対策を加速させるために補正予算案を今定例会に提出しました。今後も保育ニーズはふえると考えられる中、都は平成二十九年度までに待機児童ゼロを目指すとしています。
 今後、待機児童解消に向けて、どのように対応していくのかお伺いいたします。
 また、都有地の活用に関しては、去る七月三十一日、福祉インフラ整備のための土地活用検討チームによる土地活用策の取りまとめが発表されました。
 福祉施設の整備をより一層促進していくためには、公営企業用地についても都有地と同様の減額制度を適用し、積極的に活用していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、認定こども園について伺います。
 来年度、子ども・子育て支援新制度が施行され、新制度において創設される新たな幼保連携型認定こども園制度も活用しながら、保育サービスの拡充を展開していくものと認識しています。
 現在の幼保連携型認定こども園は、幼稚園と保育園、それぞれの認可に加え、認定こども園としての認定も受けて運営されています。
 しかしながら、新制度では、幼児教育と保育を一体的に提供する単一の施設となります。本定例会に、基準に関する条例案が提案されていますが、基準策定についての都の考え方をお伺いいたします。
 次に、子ども・子育て支援新制度の施行に向けた私立幼稚園への対応について伺います。
 新制度のもとでは、これまで別々の制度で運用されてきた幼稚園、認定こども園、保育所に共通の給付や運営の仕組みが導入されます。これらは、私立幼稚園にとって極めて大きな制度変更となるため、新制度に移行するには重大な決断をしなければなりません。
 これまで我が党は、幼稚園団体と意見交換を重ね、そこで出された現場の声を国に直接伝えてまいりました。
 また、さきの第二回定例会において、新制度における財源確保や早急な情報提供について都議会の意見書として取りまとめるなど、国に対して強く働きかけをしてまいりました。
 新制度に移行した私立幼稚園、認定こども園には、国が定める公定価格に基づく給付がなされますが、試算すると、現行の運営費補助と比較して、収入が大幅に減額する園も相当数あると聞いています。
 また、国からの情報提供がおくれたことにより、区市町村が保育料や利用調整の具体的取り扱いをなかなか決めることができず、目前に迫った十一月の園児募集に影響を及ぼしかねないとの声が上がっています。
 特に、新制度へ移行することが原則とされている認定こども園においては、強い不安の声があります。
 東京の幼児教育に極めて大きな役割を果たしている私立幼稚園が、混乱なく新制度の施行を迎えることができるよう、都として、今後どのように対応していくのかお伺いいたします。
 次に、子供たちを大切に育てる環境づくりの視点から伺います。
 近年、保育園や公園から聞こえる子供の声が騒音として扱われ、都条例の規制基準の対象であるとして、保育園などの施設に地元が反対する事例があります。
 我が党は、日本の将来を担う子育て世代に優しい、子供の声があふれるまち東京を実現していくことが、何よりも重要と認識しています。地域住民の理解と協力が欠かせないということは当然ですが、条例の規制が障害になっているならば早急に見直すべきです。
 都は、本年の予算特別委員会で、騒音規制の窓口である区市や施設管理者などの意見を聞いて、子供の健全な育成に配慮した制度のあり方について検討していく旨を表明いたしました。
 都は、条例の規制の見直しに向け、検討を急ぐべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、政策集の五つ目の柱、後世に誇れるクリーンで美しい東京の実現に向けて伺います。
 初めに、環境エネルギー政策について伺います。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックにおいて、環境先進都市東京の姿や日本の高い技術力を世界に発信するためには、次世代エネルギーとしての期待の高い水素の利活用に向けた取り組みを着実に進めることが重要です。水素と空中の酸素を反応させて安全に電気をつくる技術は、既に確立され、製品化の段階に来ております。
 我が党は、環境エネルギー政策研究会における民間事業者も交えた議論を経て、都に対し、水素社会の実現に向け率先して取り組むよう政策提言を行いました。
 今年度内に予定されている燃料電池車の販売開始を控え、水素ステーションなどのインフラ整備が急務であり、都は、用地確保や水素の安全性に対する理解促進などの課題に対して積極的な役割を果たすべきと考えます。
 こうした状況を踏まえ、水素社会の実現に向けて具体的な施策の構築に取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 我が国が持続可能な発展を継続するためには、エネルギーの利用効率を最大限に高めるとともに、安価で低炭素なエネルギーの安定的な確保に向けた取り組みが欠かせません。
 そのためには、まず、エネルギーの大消費地として責務を踏まえ、使用量の見える化や効率的な機能の普及などを通じて、無理のない省エネを最大限推進していくことが必要です。
 加えて、東京の電力安全保障という観点から、さきに触れた水素エネルギーの活用にあわせ、再生可能エネルギーやコージェネレーション設備などの分散型エネルギー源の拡充を積極的に進めていくことが重要です。
 都は、東京の特性を踏まえたエネルギー施策を、需給両面で一層強力に推進していくべきと考えますが、見解を伺います。
 分散型エネルギー源としては、先ほど述べた燃料電池車のほか、電気自動車などの次世代自動車の普及促進も重要です。
 都はこれまで、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車などの次世代自動車の導入を支援し、運輸部門のCO2削減対策を推進してまいりました。電気自動車などは、このように、地球温暖化対策に寄与するだけではなく、ビークル・ツー・ホームシステムを活用すれば、電気自動車などにためた電力を住宅に供給できるなど、防災面からも有効活用することが可能です。
 都は、賢い節電を可能にするとともに、災害にも強い電気自動車などの普及を促進すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、資源循環施策について伺います。
 我が国では、年間十三億トン以上の天然資源が消費されていますが、それに伴い、国内外で、CO2を初め、さまざまな環境負荷が生じています。一方、新興国の経済成長に伴い、世界の資源需給はますます厳しくなっています。
 こうした環境制約、資源制約のもとで東京の経済活力を維持発展させていくためには、資源利用のあり方を持続可能なものに転換していくことが必要です。
 都は、さきの定例会で、今年度内に資源循環の取り組み方針を策定する旨を表明いたしましたが、その際に、廃棄物のリサイクルに加え、資源循環の輪を完結するために欠かせない再生資源、特に再生砕石などのいわゆるエコマテリアルの利用促進も施策の柱に据え、持続可能な資源利用の推進に取り組んでいくことが重要と考えますが、見解を伺います。
 次に、水辺環境の改善について伺います。
 区部では、八割の地域で合流式下水道を採用し、衛生環境の改善と雨水排除の両方を同時に達成しましたが、大雨が降った際に、合流式下水道の雨水はけ口から、雨天時の汚れた下水が河川や海などの公共用水域に放流される課題があります。
 下水道局ではこれまで、雨天時の下水を従前より多く水再生センターに送水するための下水道管の整備や、雨水はけ口からのごみやオイルボールなどの流出を抑制する水面制御装置の設置をおおむね完了させたと聞いています。
 良好な水辺空間を創出するためには、これらの対策に加え、合流式下水道の改善対策を一層強化していくべきと考えますが、見解を伺います。
 また、合流式下水道の改善対策に加え、河川での取り組みも重要です。
 多くの河川では、水質も以前に比べて大きく改善されておりますが、潮の干満の影響を受ける、いわゆる感潮域の河川では、水の流れが滞るため水質が悪化し、悪臭が発生しやすくなっています。感潮河川の水質改善をさらに推進していくことが必要と考えますが、見解を伺います。
 次に、政策集の六つ目の柱、力強い経済で日本をリードする東京に関連して伺います。
 初めに、東京国際金融センター構想について伺います。
 いうまでもなく、我が党は、東京を世界で一番の都市にすることを目指しています。そのためには、東京の国際競争力を高め、世界で勝てる東京、日本に変革していかなくてはなりません。
 先般、東京都がまとめた東京国際金融センター構想は、経済の血液である金融の分野で、東京が世界的な拠点となることを狙ったものです。この構想を、私たちの政策集で挙げた、力強い経済で日本をリードする東京の、具体化に資するものにしてもらいたいと思います。
 それには、構想に向けた取り組みにより、世界から集めた資金、人材、情報を地域産業の活性化や民間福祉の向上といった実態を伴った投資につなげることにより、東京の地域活性化を推進し、さらに日本経済全体に波及させる二つの観点が重要です。
 今後、東京国際金融センター構想をどのように進めていくのか、知事の所見をお伺いいたします。
 次に、産業政策について伺います。
 東京の産業の活力を維持し、さらに強化していくためには、刻々と変化する経済環境への対応に加え、構造的な課題に対しても中長期的な視点から取り組む必要があり、二〇二〇年を一つの大きな目標として、さらにその先をも見据えた施策展開が求められます。
 まず、観光振興についてです。
 ことし我が国を訪れた外国人旅行者は、過去最高となった昨年の千三十六万人を大きく上回るペースで推移しています。
 オリンピック・パラリンピックというまたとない機会を生かし、急成長するアジアを初めとした世界の旅行需要を取り込み、観光立国としての力を高めていくべきですが、重要なのは、東京のみならず、全国津々浦々にその効果を波及させていくオールジャパンの姿勢で取り組むことが大事です。
 東京が地方の都市と連携し、例えば、羽田空港から入国して、東京を観光した後に、国内線や新幹線を利用して地方に行き、地方空港から帰国してもらう観光ルートを新たに提供することで、東京と地方の相乗効果により、来日した外国人に日本の多様な魅力を感じてもらうことができます。
 国内外のネットワークの基点である東京こそが先頭に立って、地方都市との連携を構築し、日本を牽引する役割を果たしていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 また、東京を訪れる多くの外国人旅行者にその魅力を満喫してもらうためには、公共交通を利用して円滑かつ快適に移動できる環境整備が不可欠です。
 民間の調査によれば、首都圏を訪れる外国人旅行者が移動手段として最も利用する公共交通機関は地下鉄であり、また、通信手段として無料WiFiを利用したい意向が高いとのことでした。
 こうした状況を踏まえ、都営地下鉄が、東京メトロとも連携しつつ、外国人旅行者の利便性向上に取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、中小企業の支援についてです。
 オリンピック・パラリンピックの開催は、中小企業にとっても、みずからの技術を世界に示し、新たな販路を切り開いていく絶好の機会です。
 展示会の開催は、そのために極めて重要であり、我が国最大の展示会施設である東京ビッグサイトは欠くことのできない施設といえます。
 さきの第二回定例会の我が党の代表質問に対し、都は、産業振興にも資する観点から、東京ビッグサイトの拡張整備を行うと答弁し、本定例会に補正予算案が提案されています。速やかな整備により、その機能が強化されることを大いに期待するものです。
 その一方で、大会の開催や準備のため、東京ビッグサイトは一定の期間施設が利用できなくなります。オリンピック・パラリンピックを歓迎しつつも、展示会に参加している中小企業やさまざまな業界団体から懸念の声が寄せられています。さらには、開設から約二十年が経過しており、大規模改善も見込まれます。
 こうしたさまざまな事情により展示会が開催できなくなることは、極力避けなければならず、具体的な対策を速やかに講じるべきと考えますが、都の取り組みをお伺いいたします。
 中小企業が抱える構造的な課題の一つが、働く人材の確保です。景気回復や建設需要などを背景に、都内の有効求人倍率が一・六倍と八年ぶりの高水準となり、人材の獲得競争の激化に多くの中小企業が苦慮しています。 中小企業が人材を確保し、その定着を図っていくためには、非正規社員の正規化や若手社員にとって働きやすい環境整備といった処遇の改善を進めるとともに、研修の充実を図るなど会社の中で人を育てる取り組みを強化していくことが有効です。
 都は、今年度から、国からの基金を活用し、こうした取り組みに対する新たな支援に取り組むとのことですが、さまざまな業種や業態ごとに雇用の実態や人材育成ニーズは異なります。
 このため、業界団体からの提案を募り、現場実態を踏まえた効果的な支援を行うべきと考えますが、中小企業の処遇改善や人材育成に対する新たな支援に都は具体的にどのように取り組むのか、お伺いいたします。
 次に、農畜産業振興について伺います。
 都内には、ブドウの高尾やトウキョウXなど、既に高い評価を獲得している多くのブランド農畜産物があります。知事も、新鮮で安全・安心なおいしい東京の食材をIOC委員にアピールし、来月には、東京味わいフェスタを開催するなど、先頭に立って、その魅力の発信に取り組んでいます。二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会に向け、さらに、その振興を図っていくべきと考えます。
 世界中の人々にその魅力を味わっていただくためには、生産の拡大に向けて取り組む必要がありますが、一方で、都内の畜産農家は減少を続け、支援する都の施設も老朽化が進むなど、十分な体制にはありません。
 そこで、特に都は、トウキョウXを初めとしたブランド畜産物の生産拡大に向け、支援体制を整備していくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、政策集の七つ目の柱、若者が夢と希望を持てる教育都市東京に関連してお伺いいたします。
 これからの我が国を担う人材育成について伺います。
 オリンピック・パラリンピック開催を見据え、国際社会の一員としての自覚と行動力を持ち、世界の人々と交流できる人材の育成が一層求められます。そのためには、海外で通用する英語力や世界を舞台に活躍する意欲を高めることはもとより、その前提として、世界に誇る我が国の伝統、文化、最先端の技術力などを理解し、魅力ある日本を世界に積極的に配信する力を育成することが必要です。
 このような取り組みを一層推進し、日本人としての自覚や誇りを持ち、海外で活躍する人材を育成していくことが重要であると考えます。今後の取り組みについて、都教育委員会の見解を伺います。
 次に、政策集の八つ目の柱、人と物の流れがスムーズに行き交う首都圏をつくるに関連して伺います。
 初めに、国際コンテナ戦略港湾について伺います。
 厳しい国際競争を勝ち抜く上で港は重要なインフラであり、時代の変化に応じた戦略的かつ効率的な運営が求められています。しかし、平成二十二年に戦略港湾政策が出されて以降、国土交通省は、みずからの権限拡大を図ろうとするばかりで、国際競争力強化に資する有効な具体策を打ち出してはいません。
 先般、同じ戦略港湾である阪神港では、大阪、神戸両市がふ頭会社を本年十月に経営統合し、国が三分の一を超える出資を行う新たな港湾運営会社が、今後、港湾運営を担うことを表明しました。阪神港は、長期的にコンテナ貨物取扱量が伸び悩むなど、京浜港とは異なる事情があるものと認識をしています。国は港湾運営会社への出資などという施策ではなく、集中投資や規制緩和を一層推進するなど、担うべき役割をしっかりと果たしていくべきです。
 我が党はこれまでも、現場の実態を熟知し、さまざまな課題を着実に解決してきた自治体が、今後も港湾経営に責任を持つべきと主張してまいりました。
 取り巻く状況に変化が見られますが、都としては、今後の東京港の経営にどのように取り組んでいくのか、改めて知事の見解をお伺いいたします。
 阪神港では、港湾運営会社の設立に当たり、大阪、神戸の両市とも、議会の議決を要しない方式で実施したと聞いています。港湾運営会社の設立は、都民の税金と直結する課題であると同時に、まさに港湾経営のあり方の基本にかかわる重要な事項であり、議会の関与を踏まえることが不可欠です。
 今後、川崎港、横浜港と経営統合に関する検討を行うに当たり、都はどのように進めていくのか見解を伺います。
 次に、都心と臨海副都心とを結ぶ公共交通について伺います。
 先般、知事は、オリンピック施設が集まる臨海部と都心とを結ぶ新たな公共交通機関の整備を発表いたしました。東京の将来にとって有益かつ非常に重要な決断をされたと考えています。
 我が党はかねてより、経済成長を支え、環境にも優しいエネルギーの活用を訴えてまいりました。今回の交通システムについても、臨海部などの成長を支え、かつ、水素社会の実現にも貢献する先駆的な技術を導入していくべきと考えます。こうした趣旨を踏まえ、さらに短い期間で整備をしていくには、知事の強力なリーダーシップが求められます。
 そこで、改めて、都心と臨海副都心とを結ぶ新たな公共交通の整備に向けた知事の決意を伺います。
 次に、国道三五七号の整備促進について伺います。
 知事は所信表明において、国道三五七号多摩川トンネルについて、国などと協議し、整備を進めることとなったと述べられました。
 国道三五七号は、国際化が進む羽田空港へのアクセス向上や京浜三港の円滑な物流の確保を図る上で重要な路線です。我が党はこれまでも、早期の整備を強く主張してきており、知事のこのたびの取り組みを大変評価するものです。
 そこで、改めて、国道三五七号の整備促進に向けた知事の決意をお伺いいたします。
 次に、道路整備のあり方について伺います。
 長い混迷と閉塞感の時代を乗り越え、回復しつつある我が国の経済を成長軌道に乗せるためには、首都東京が経済再生を牽引し、日本をリードする必要があります。このためには、経済効果の高いインフラ整備を積極的に推進することが求められます。
 道路整備は、人と物の流れをスムーズにし、国際競争力を高める上で必要不可欠です。災害時においても、交通、物流を確保するとともに、市街地の延焼を遮断するなど、強靱で安全・安心な都市づくりに寄与することが期待されています。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに向けて着実に取り組む必要があると考えますが、道路整備のあり方について見解を伺います。
 次に、まちづくりにあわせた交通結節点の整備について伺います。
 オリンピック・パラリンピック開催に向けて、東京の国際競争力をさらに強化していくためには、都心部の拠点を中心とした開発を加速させる必要があります。
 先般、品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン二〇一四が示されましたが、羽田空港に近接し、リニア中央新幹線が予定されている品川駅、田町駅周辺は、東京の南側の玄関口として、これからの日本の成長を牽引する拠点となる地域であります。現在、JR東日本の新駅設置などの検討も進められていますが、増加する交通需要に的確に対応していくためには、鉄道駅などの交通結節点の整備を中心としたまちづくりが重要です。
 こうした中、ガイドラインには、この地域内にある都営地下鉄の泉岳寺駅についても、周辺開発にあわせて機能強化を検討するとありますが、都営交通の今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、安定給水の確保について伺います。
 水は、食料やエネルギーと並ぶ戦略物資であり、都民生活や都市活動に欠くことができない存在です。都の水がめとして重要な八ッ場ダムの建設事業は、ようやく本体工事が契約となり、霞ヶ浦導水事業も継続方針が決定されました。
 そもそも、民主党政権は、コンクリートから人へという間違った政策によって、ダム検証の名のもと、平成二十二年、工事を中断しました。
 こうした中、利根川水系では、昨年、一昨年と二年連続で渇水が発生しています。将来にわたる安定給水の確保には、水源確保とともに、浄水場の更新、管路の耐震化などを含めた幅広い取り組みが必要です。
 そこで、首都東京の安定給水の確保について今後どう進めていくのか、お伺いいたします。
 次に、安全でおいしい水について伺います。
 水道局は、我が党とともに、世界に誇れる水道をつくり上げてまいりました。昨年度には、利根川水系の全浄水場に高度浄水処理の導入が四半世紀をかけて完了し、より高品質な水道水を供給しています。
 この先は、全ての都民が、こうした東京の水道水を直接蛇口から実感できることを目指すべきであり、さらに進んで、各戸訪問により、水質や漏水の有無などを専門的な立場から確認し、その結果を周知することが重要です。
 また、その際、さまざまなニーズを把握することができれば、一石二鳥の効果があります。
 そこで、専門的な視点を含め、多様なニーズをきめ細かく把握することで、真の意味で世界最高水準の水道を目指すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、政策集の九つ目の柱、全ての都民を元気にするスポーツ文化都市東京に関連して伺います。
 二〇一九年には、ラグビーワールドカップが日本で行われます。現在、国内の開催都市の募集が行われており、知事は所信表明で、その開催都市への立候補に向けた検討を進めていくと述べられました。ラグビーワールドカップは、オリンピック・パラリンピック、サッカーワールドカップと並ぶ世界的なスポーツ大会であります。都が開催都市となれば、ラグビーワールドカップとオリンピック・パラリンピックを二年連続で開催する世界初の都市となり、東京の魅力やスポーツ都市東京を世界に強力にアピールすることができます。
 都は、ラグビーワールドカップ二〇一九の開催都市として立候補し、オリンピック・パラリンピックの成功に向けた取り組みを後押ししていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、オリンピック・パラリンピック教育について伺います。
 オリンピック・パラリンピックは、子供たちがスポーツに親しみ、友情や尊敬の念を育み、フェアプレーや限界に挑み、努力するオリンピズムの精神を深く学ぶ絶好の機会です。
 例えば、近代オリンピックの創始者ピエール・ド・クーベルタン男爵やアジアで最初のIOC委員になった嘉納治五郎を初め、偉人たちの生き方から、こうしたオリンピックの崇高な精神を学んだ上で、子供たちが二〇二〇年大会で実際に各国のチームを応援し、選手村で歓迎するなど、オリンピック・パラリンピックにかかわるさまざまな活動を体験することは、かけがえのない財産となるものです。それができるのは、まさに教育であり、大会後も未来にわたり語り継がれる東京ならではの取り組みを期待いたします。
 今後は、オリンピック・パラリンピック教育をどのように進めていくのか、都教育委員会の見解を伺います。
 最後に、政策目標に挙げる島しょ振興について伺います。
 初めに、大島の復興に向けた都の取り組みについて伺います。
 昨年十月の台風二十六号により大島にもたらされた未曽有の土砂災害から、間もなく一年が経過いたします。この一年間、大島の方々には大変つらく長い時間であったことをお察し申し上げるとともに、私たちの使命は、一日も早く大島の復興を進め、二度とこのような災害が起こらないよう、大島町に対する協力と支援を惜しまないことです。
 今月末には、町が今後の復興の方向性を示す大島町復興計画をまとめる予定です。復興に向け、計画に挙げられた取り組みを都と町が一体となり推進していくことが重要です。
 大島の復興はまだ道半ばですが、復興計画が策定される機会を捉え、改めて大島の復興に向けた都の今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、大島の航空路線について伺います。
 全日本空輸株式会社は、搭乗客数の不振を理由に、今年十月末をもって羽田と唯一直結する大島路線を廃止する意向を表明いたしました。この路線が廃止されれば、昨年の台風二十六号による大規模災害から復興に、懸命に取り組んでいる大島町にとっては大打撃となります。
 このため我が党は、ことし三月、いち早く全日空への運航継続の働きかけを知事に強く要請するとともに、党を挙げて全日空に対し粘り強く要請活動を展開しました。また、これを受けて東京都も、全日空との交渉を続けてきたと聞いております。
 この結果、このたび全日空は、来年十月下旬までの一年間の運航継続を行う意向を明らかにいたしました。この一年間は大変重要な期間であり、路線を維持していくためには、この間に、大島町や全日空が全力で搭乗率向上に向けた取り組みを行い、大幅に搭乗者数をふやしていかなければなりません。
 さらなる搭乗率向上に向けて、大島町や全日空が行う取り組みを東京都としても支援していくべきと考えますが、見解を伺います。
 最後に、小笠原の振興開発について伺います。
 本年三月に小笠原諸島振興開発特別措置法が改正、延長され、五月には法に基づき国が振興開発基本方針を定めています。小笠原諸島は、昭和四十三年に我が国へ復帰以降、生活や交通、産業といった社会基盤の整備が重点的に進められてきました。
 また、近年では、平成二十三年の世界自然遺産への登録や海底光ファイバーケーブルの敷設などの整備が進められています。
 その一方で、本土との交通アクセスの改善や島内産業の活性化、東日本大震災後の新たな防災対策の強化など、残された課題も多くあります。
 こうした状況の中、都では現在、今後五年間の新たな小笠原諸島振興開発計画の策定を進め、先日素案が公表されました。平成三十年には、小笠原諸島が日本に復帰してちょうど五十年となります。
 新たな振興開発計画は、計画期間の最終年度が小笠原にとって大きな節目を迎える時期となりますが、今後、小笠原の振興開発をどのように進めていくのか伺います。
 昨年九月八日未明のオリンピック・パラリンピック東京招致決定から、既に一年が経過いたしました。当初からの枕言葉であった六年後の開催は、あっという間に五年後の開催というべきものとなりました。時間があるように見えて、実は非常に厳しいスケジュールです。
 私たちは、現時点で、その五年後に向けて政策と事業を集中させていますが、本当に必要なことは、その先の十年後、二十年後、三十年後の東京の姿を展望しながら、五年後に対処していくことに違いありません。
 オリンピック・パラリンピックの取り組みも、長期ビジョンの実現も、私たちは、東京の未来を見詰めながら、長所を伸ばし短所を克服しながら、力強く前へ進んでいきたいと考えます。
 東京都議会自由民主党は、東京を世界で一番の都市にを実現するために、これからも都議会第一党の責任をしっかりと果たし、全力で政策実現へ邁進することを改めてお誓い申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 村上英子議員の代表質問にお答え申し上げます。
 北朝鮮による日本人拉致についての見解と問題解決に向けた今後の取り組みについてでございますが、北朝鮮による拉致は、我が国の国家主権の侵害であると同時に、国民の生命と安全を脅かす重大な人権侵害でもあり、拉致問題の解決は、我が国の外交上の最重要課題であります。
 拉致被害者の方々が置かれている状況や、一日千秋の思いで肉親との再会を待ち望む高齢となったご家族の切なる思いを察すると、もはや一刻の猶予もございません。
 また、東京にも四人の拉致被害者と、拉致の可能性を排除できない多くの特定失踪者の方がいらっしゃるわけであります。拉致問題は、国全体の問題であることはもちろん、都にとっても重大な問題であります。
 北朝鮮の特別調査委員会による再調査が行われている今、拉致問題は、全面解決に向けた最大の勝負どころを迎えております。都民の生命と財産を守る知事として、全ての拉致被害者の一日も早い帰国が実現するよう、安倍政権には、対話と圧力の姿勢による外交努力を尽くすことを求めてまいります。
 都としても、今回初めて都庁舎をブルーリボンカラーにライトアップするなど、都民向けのさまざまな啓発活動を行ってまいりました。
 今後も引き続き、啓発活動等により、拉致問題解決に向けた機運を高めるとともに、家族会、救う会及び調査会等と連携し、早期解決を目指し、拉致被害者奪還に向けた国民運動の一翼を担いつつ、断固たる決意で国を後押ししてまいります。
 都市外交についてでございますが、国家間の利害調整を主とする外交は国の専管事項であり、都市外交が国の方針に反するようなことがあってはならないのは、ご指摘のとおりでございます。
 私の目指す都市外交は、世界の諸都市と友好協力関係を深め、教え、教えられる関係を築くことを通して、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックへ向け東京を一段とレベルの高い都市とし、都民生活の向上を図っていくものであります。
 都市外交をより戦略的、効果的に展開するため、先月末、庁内に立ち上げました都市外交推進会議において十分な検討を行い、年内に新しい都市外交戦略を策定し、長期ビジョンにも反映してまいります。
 また、職員を海外に派遣し、多様な交流を行うことは、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを成功に導くためにも必要であります。来年度から職員の海外派遣を拡大してまいります。二〇一六年オリンピック・パラリンピック開催都市であるリオデジャネイロも有力なその候補地であります。
 こうしたさまざまな取り組みにより、海外諸都市との交流、協力を通じて信頼関係を強固なものにしながら、東京、日本、そしてアジアを初めとした世界の発展に尽力してまいりたいと思っております。
 続きまして、在京大使館等との連携強化についてでありますが、東京は日本の首都でありますことから、各国大使館を初め諸外国、地域の代表事務所が多数存在しております。オリンピック・パラリンピックを控えた東京にとって、大使館等との顔の見える関係を構築し、これを活用していくことが重要であります。私も就任以来、各国大使の表敬をできるだけお受けし、直接話をすることを大切にしてまいりました。
 ご指摘いただきました大使館等との防災面での連携強化につきましては、特に重要であると認識しております。これまでも、都では大使館等に対し、東京都総合防災訓練に際する視察や、災害発生時の情報提供などを実施してまいりました。
 今後は、大使館等の所在地の区や国とも連携しながら、実務レベルでの連絡体制を一層強化するとともに、連携強化に向けた意見交換の機会を設けるなど、災害時に機能する協力体制づくりを行ってまいります。
 このような取り組みを通じて構築した関係を活用することで、海外に対して、東京の魅力をより効果的に発信できると思います。他都市の先進事例や協力可能な事業に関する情報の収集にもつながり、相互の信頼関係に厚みを加えていくことができます。
 都に集積する在京大使館、代表事務所という貴重な財産を生かして、実務に徹した新たな都市外交を展開してまいります。
 続きまして、長期ビジョン策定とその実現に向けた決意についてでございますが、今回の長期ビジョンは、ここで生まれ、生活し、老後を過ごすことができて本当によかった、そう思ってもらえる世界一の都市東京の実現に向けて、今後の都政運営の新たな指針として策定するものであります。
 東京は、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催を控え、世界で最も注目される都市の一つになっておりますが、この大会の成功は決してゴールではありません。
 二〇二〇年の先も、東京が発展、成長を続け、都民が幸せを実感できる都市であるためには、史上最高のオリンピック・パラリンピックの実現を初め、少子高齢、人口減少社会への対応など、山積する課題を解決していかなければなりません。
 そのため、今回の中間報告では、中長期を見据えて都が取り組むべき政策の目標や方向性を明らかにいたしました。
 特に、政策目標については、都が推進する施策のみならず、社会や都民生活に及ぶ効果や状況についても、できる限り数値化いたしましたが、それは、政策は絵に描いた餅であってはならないという私の決意のあらわれであります。
 さらに、年末に策定する長期ビジョンには、三カ年の実施計画を盛り込むことで、政策の進行管理を徹底し、目標の実現に向け着実に進めてまいります。
 今回の中間報告は、皆様からの政策提言を十分に反映して取りまとめました。引き続き真摯に議論を重ね、策定作業を進めてまいりたいと思っております。
 今後も、皆様との信頼関係を大事にしながら、都政運営を通じて、人々に夢と希望を贈る政治の役割をしっかりと果たしていきたいと思います。そして、東京と日本の明るい未来をともに切り開いてまいりたいと考えております。
 平成二十七年度予算編成における基本的な方針についてでございますが、来年度予算は、私が一から手がける初の本格的な予算となります。オリンピック・パラリンピック開催に向けた準備を着実に進めるとともに、世界一の都市東京の実現に向けて、スピーディーかつアグレッシブに政策を展開する予算を編成してまいります。
 こうした観点から、直面する喫緊の課題への迅速的確な対応はもちろんのこと、少子高齢化の急速な進行や激化する国際的な都市間競争への対応など、将来を見据えた重要課題に対しては、重点的かつ戦略的な取り組みを積極果敢に進めてまいります。
 一方で、景気の波に翻弄されてきた都財政の歴史を十分に踏まえて財政運営を行っていくことは、都政をつかさどる上で重要であると認識しております。
 そのため、これまで培ってきた財政対応力の一層の涵養に努めるとともに、時代にそぐわなくなった事業を抜本的に見直し、施策の新陳代謝を促進していく仕組みを予算編成に組み入れるなど、都の自己改革力を向上させてまいります。
 こうした基本方針のもと、財政の健全性を将来にわたって堅持しつつ、都民の負託に応え、日本全体の持続的発展を牽引する、新しい時代に呼応した予算をつくり上げてまいります。
 続きまして、補正予算編成の考え方についてでありますが、私は就任以来、現場を回り、東京の実情を理解するように努めてまいりました。村上英子議員とも何度か現場を一緒に回らせていただきました。そうした中で、東京には解決すべき課題が山積していることを目の当たりにしてまいりました。
 都政を預かる身として必要なことは、直面している課題に正面から向き合い、その解決に向けて必要な施策を、時期を逸することなく打ち出すことであります。
 こうした観点から、今回は、待機児童の解消など、特に緊急性が高く重要な課題の解決に向けて補正予算を編成し、新たな対策を講じることにいたしました。
 今後も、都民のニーズを見きわめつつ、緊急的な対応が必要な課題に対しては、迅速果敢に施策を展開してまいります。
 次に、平成二十七年度税制改正への対応についてでありますが、昨今の地方財政をめぐる議論は、十兆円を超える地方の財源不足の解消という本質的な議論は棚上げされたまま、都市と地方の財源争いという構図に矮小化され、不合理な税源の偏在是正措置が断行されてまいりました。
 こうした大都市の財源を狙い撃ちにした措置は、地方分権の推進に逆行するばかりか、日本経済を牽引する機関車役を担うべき大都市の活力をそぐことにもつながり、決して日本全体の成長に寄与するものではありません。
 また、大都市の自治体は財政面で一見豊かに見えるものの、今後の急速な高齢化による社会保障関係経費の増大や、社会資本ストックの膨大な更新経費など、財政需要の増加が先鋭的にあらわれることが想定されます。
 国はこのような状況を踏まえ、問題の本質に正面から向き合い、地方自治の原点に立ち返った議論をすべきであると考えております。
 これから年末にかけて、法人税の改革とともに、地方法人課税をめぐる議論がさらに活発化するなど、都にとっても極めて重要な局面を迎えます。こうした状況に鑑み、改めて都の考え方を示すため、先般、地方法人課税を巡る動向と東京都の主張を発表いたしました。
 今後、正念場に入る税制改正議論に向け、都議会の皆様を初め、都内全区市町村や志を一にする他の地方自治体等と一枚岩になって、不合理な偏在是正措置の即時撤廃と地方税への復元、そして、総体としての地方税財源の拡充を国に対して強く要求してまいります。
 国土強靱化についてでありますが、我が国は、地震、台風、火山噴火など、諸外国と比較してもさまざまな自然の脅威にさらされており、東京もまた首都直下地震など不可避のリスクにさらされております。
 東京は首都機能を有するとともに、我が国の人口の約一割が居住する日本の心臓であり、この心臓がとまることがあれば、我が国全体が死に瀕することとなります。
 現在、東京を世界一の都市にするため、福祉、医療、金融、産業など、さまざまな政策分野において取り組みを進めておりますが、施策を展開する中で、さまざまな自然災害に対する強靱性も強化確保しなければなりません。
 これまでも地域防災計画に基づき、首都直下地震等を想定した防災対策を進めてまいりましたが、国の国土強靱化基本法制定を契機に、福祉や産業、まちづくりなど、さまざまな分野において、平時からどのように災害への備えを図るのか検証、検討してまいります。
 この取り組みを通じて、いかなる自然災害に対しても、人命を最大限保護することはもちろん、被害を最小化しつつ、医療、情報通信、ライフライン等の重要機能を維持し、迅速に復旧復興を図ることができる強靱な東京を実現してまいります。
 東京の防災プランの策定についてでありますが、東京を世界一の都市にするためには、都民を初め国内外からの来訪者の安全・安心を守ることが大前提となります。
 これまでも、自然災害への備えを万全なものとするため、地域防災計画に基づき、さまざまな取り組みを進めてまいりましたが、オリンピック・パラリンピック開催を見据え、スピード感を持って対策を推進していくためには、二〇二〇年に向けた目標を設定し、具体的な工程を作成する必要があります。
 また、防災対策を進めていく上でかなめとなる自助、共助の取り組みを着実に進めていただくには、その担い手である都民、企業の皆さんの理解と協力は不可欠であります。
 このため、今回の骨子では、行政のみならず、都民、企業とともに目指す共通の将来像を明らかにし、その達成に向け必要な取り組みを誰でもわかりやすく理解できるよう、刻々と変化する災害の状況に応じて示しました。
 今後は、都議会や都民の皆様からの意見をいただきつつ、具体的かつ実効性ある取り組みと、その道筋を工程表として加え、年内に完成させたいと思っております。
 そして、このプランを二〇二〇年に向けた東京の防災の指針に位置づけ、自助、共助、公助が一丸となった防災対策を強力に推進してまいります。
 続きまして、首都東京の防災都市づくりについてでありますが、東京は我が国の人口の約一割を抱えるとともに、政治、行政、経済の中枢機能が極めて高度に集積しております。一たび大地震が発生した場合の影響は、国内にとどまらず、海外にも及ぶおそれがあります。都の防災都市づくりは、こうした首都の特性を十分踏まえ、国や区市町村との適切な役割分担、連携のもとに、政策の優先順位を明らかにして、効果的な施策を重点的、集中的に進めていく必要があります。
 何よりも、木密地域のうち、特に家屋の倒壊や火災の危険度が高い整備地域において、不燃化特区の取り組みや、延焼を食いとめ、避難路となる特定整備路線の整備を加速してまいります。
 緊急輸送道路沿道の建築物や、災害時の活動拠点、避難施設として重要な公共建築物等の耐震化を重点的に推進し、地震発生時における円滑かつ迅速な災害応急活動を可能にいたします。
 さらに、民間と連携して帰宅困難者対策を強化するなど、ハード、ソフト両面において、自助、共助、公助の全ての力を結集して、より確かな備えを講じてまいります。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会の開催に向け、国内はもとより、世界各国からも多くの人々が安心して訪れることのできる世界一安全・安心な都市東京の実現に取り組んでまいります。
 続きまして、危険ドラッグの対策の強化についてでありますが、危険ドラッグは、麻薬や覚醒剤と同様に、心身をむしばみ、人の一生を台なしにするばかりか、社会の秩序を乱す危険な薬物であり、その害悪は、はかり知れません。
 都は、平成十七年に、我が国で初めて東京都薬物の濫用防止に関する条例を制定し、規制、監視指導、普及啓発を柱に、知事指定薬物の指定、販売店の取り締まり、若者と連携した普及啓発活動など、さまざまな対策を実施しております。
 本年七月には、池袋の交通死亡事故の発生等を受け、国、警視庁と合同して、販売店への一斉立入調査を行ったほか、全国の自治体に呼びかけ、危険ドラッグの対策推進会議を開催いたしました。
 また、八月には、薬事法に基づき、国と連携して、販売店への立入検査を実施し、指定薬物と疑われる物品を販売していた店舗に対し、検査結果が明らかになるまでの間、販売停止命令を行いました。
 こうした対策をさらに強化するため、本定例会に条例の改正案を提出いたしました。改正案には、新たに警察職員の販売店への立入調査権限や、都職員による危険ドラッグの収去権限の付与、都知事による指定薬物の緊急指定などを盛り込んでおります。
 現在、危険ドラッグの販売経路は、販売店だけでなく、インターネットや宅配など多様化しております。今後も、行政、警察、地域が一体となって、薬物の恐ろしさをあらゆる機会を捉え、繰り返し訴えるとともに、インターネット上での監視の強化、プロバイダーへのホームページの削除や宅配業者への自粛要請など、国や警視庁とも連携しながら、取り締まりや監視を一層強化し、危険ドラッグの根絶に全力を尽くしてまいります。
 けさ、私の自宅からこの都庁に出勤する途中、世田谷区大原交差点の近くを通りましたけれども、またここで危険ドラッグで交通事故があったというニュースを、皆さんご存じのとおりであると思います。今後、さらに、この取り組みを強化してまいりたいと思っております。
 続きまして、東京大気汚染訴訟の和解に基づく医療費助成制度の見直しについてでございますが、この制度は、東京大気汚染訴訟における東京高裁の和解勧告を受け、過去の大気汚染による健康被害者の救済策として創設したものでありまして、その財源は、都が三分の一、国が三分の一、自動車メーカーが六分の一、首都高速道路株式会社が六分の一と、関係者が応分の負担をすることとなっております。
 今回の見直しは、平成二十年八月の制度創設から昨年度で五年が経過し、和解条項に基づく見直し時期を迎えたことから実施するものであり、この間、検証作業を進めてまいりました。
 その結果、訴訟の争点となった大気汚染物質の濃度は、現在、都内のほぼ全ての測定局で環境基準を達成していること、関係者の拠出による二百億円の原資は今年度いっぱいでほぼ使い切ること、関係者からの新たな財源拠出は困難なことなどの現在の状況を踏まえ、和解条項に基づいて創設した十八歳以上の患者への新規認定を平成二十六年度末で終了することといたしました。
 同時に、都は、制度を創設した立場として、その責任を果たすため、既に認定された十八歳以上の患者の方への医療費の助成は継続いたします。
 具体的には、平成二十七年度から三年間は、経過措置として医療費の全額を助成します。また、それ以降は、都が和解で負担することとした三分の一に相当する財源を確保し、月額六千円を超える自己負担について全額助成いたします。
 健康被害の救済の一義的な責任は国にあります。都としては、今後とも国による救済制度の創設を求めていくとともに、関係者に対しては、本制度への協力を働きかけてまいります。
 次に、女性の活躍推進についてでありますが、世界を見渡すとトップリーダーとして活躍する女性がどんどんふえております。
 一方、日本は、女性が活躍しやすい社会に向けては道半ばであります。女性の有業率がM字カーブを描く現象には、仕事か出産、子育てかという選択を迫っている社会の姿が如実にあらわれております。もちろん、家庭に専念し、地域の活動なりに参加する女性もいます。要は、誰もが自分の希望と選択に基づく人生を送ることができる都市にしていくことが重要だと思います。
 先般、安倍総理が提唱した女性の活躍推進のための国際会議、シャイン・ウィークスに呼応して、女性が輝くまち・東京シンポジウムを開催しましたが、活発な議論が交わされ、体験に基づく有益な意見をいただきました。私も出席し、都庁の管理職に占める女性の割合が国や民間企業に比べて高いものの、これに満足することなく、さらに高めていくことが必要であることを表明いたしました。
 女性の活躍推進については、こうしたイベント等による機運醸成に加え、積極的かつ継続的な取り組みが必要であります。
 長期ビジョンの中間報告でも、女性や若者、全ての人が活躍できる社会の実現を打ち出しました。企業と人材が集積するこの東京から、女性の多様な働き方を支援し、社会的活躍を促進するなどの取り組みを進め、女性が生き生きと輝ける活力ある東京を実現してまいります。
 次に、水素社会の実現に向けた取り組みについてでありますが、水素エネルギーを都市づくりに組み込むことにより、日本のエネルギー構造の変革につなげるとともに、環境と調和した未来型都市の姿を世界に発信していくことは極めて重要であります。
 先日、水素が地域社会で実際に利用されている北九州水素タウンを視察し、電気よりも効率的な貯蔵が可能であり、家庭や地域の防災力の向上などにも寄与する水素の将来性を確信いたしました。
 最近、自動車メーカーが燃料電池車の市場投入を発表するなど、本格的な動きが出始めております。今後、こうした動きを力強く後押しするためにも、都としては、燃料電池車やバスの普及、水素ステーション整備に関する具体的な政策目標や、水素に関する社会的受容性の向上などについて、官民の英知を結集した戦略会議で議論を深め、東京都長期ビジョンに反映させてまいります。
 まずは、東京オリンピック・パラリンピックでの活用に向けた環境整備のために、初期需要の創出やステーションの早期整備に向けて、都関連用地の活用なども含め、具体的な施策を構築し、着実に布石を打ってまいります。都は全庁一丸となり、国を先導して水素社会の実現を図り、日本を力強く牽引してまいります。
 東京国際金融センター構想についてでありますが、本構想は、かつてニューヨーク、ロンドンと並ぶ金融の一大拠点であった東京の地位を取り戻し、東京、さらには、日本、アジアの経済を活性化させることを目的としております。
 そこで、海外の企業や人材がビジネスをしやすい環境づくりや、国内外から東京への資金の流れを活発化させる仕組みづくりなど、二十の取り組みを挙げました。これらにより投資を呼び込み、都内産業の活性化や福祉インフラ等の整備などの地域活性化を進めてまいります。
 また、構想の実現に向けて、都、国、民間等のメンバーから成る推進会議を九月一日に立ち上げ、実務者による分科会の設置や、各取り組みの工程表作成を決めました。
 都は、みずから行動するだけでなく、国には規制緩和等を求め、また、民間に対しても新たな取り組みを働きかけるなど、構想実現の先導役を果たしてまいります。そして、東京の国際金融センターとしての地位を復活させ、日本経済の回復を牽引してまいります。
 観光における地方都市との連携についてでありますが、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会、さらに、その先を見据え、日本により多くの外国人旅行者を誘致し、観光立国を実現するためには、東京と地方が手を携えて、相乗効果を発揮する施策を展開していくことが不可欠であります。
 この夏の全国知事会で、二〇二〇年大会に向け四十七都道府県が一致協力していく体制が整い、力を合わせて日本全国の魅力を世界中に発信していくことになりました。
 東京の観光を堪能した外国人旅行者が、地方にも足を伸ばし、その土地ならではの食を味わい、四季折々の美しい景色に触れるなど、東京と地方をつないだ多様な楽しみ方を提案することができれば、日本中の魅力を世界に伝えることができます。
 このため、他の自治体や航空、鉄道事業者等の協力を得て協議体を新たに立ち上げ、具体化に向けた検討を進めてまいります。東京と地方、双方の活力を生み出す広域的な旅行者誘致を、日本のゲートウエーである東京が先頭に立って強力に推進してまいります。
 続きまして、東京港の経営についてでありますが、首都東京から日本の経済成長を牽引するためには、物流の円滑化、効率化が不可欠であり、その基盤となる港の機能の充実強化は極めて重要な課題であります。
 先般、阪神港におけるふ頭会社の経営統合が表明されましたが、京浜港と阪神港では立地特性や経営環境なども異なり、港湾運営会社の設立に当たっては、京浜港の実情を踏まえた適切な形を検討することが必要であります。
 京浜港が今後も利用者ニーズに適切に対応し、実効性ある国際競争力強化策を打ち出していくためには、現場の実態を熟知する自治体が責任を持って港湾の経営を担うことが必要との考えに変わりはありません。
 国は、港湾運営会社への出資により現場の港湾経営を主導するのではなく、港湾整備への重点投資や三環状道路といった道路ネットワークの早期構築など、国の役割をしっかりと果たすべきでありまして、その点を国に強く求めてまいります。
 日本のコンテナ物流をリードしてきた都が、今後も責任を持って港湾経営を行い、日本の成長戦略を確かなものにしていきたいと思っております。
 都心と臨海副都心とを結ぶ新たな公共交通の整備についてでありますが、臨海副都心一帯は、国家戦略特区の指定や二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会などを契機に、開発がさらに大きく進むと見込まれております。
 こうした開発動向に速やかに応え、地域を支える新たな公共交通を実現するため、経営意欲やノウハウを持つ民間等からの提案を公募しました。これまでに七社からBRT等の導入を提案する応募があり、引き続き各社の提案内容を精査して、十月末には、事業協力者として決定いたします。
 今後、事業協力者とともに、都市づくりの機会を捉えたバスターミナルの整備や水素社会の実現に寄与する燃料電池車の導入なども視野に入れ、運行の基本となる計画づくりに取り組んでまいります。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会の開催を通じて、その先の目指すべき東京の将来の姿をも見据え、利用者に優しく、環境面でもすぐれた新たな交通システムの実現を図ってまいります。
 次に、国道三五七号の整備促進についてでありますが、国道三五七号は、千葉、東京、神奈川にわたる広域的な連携強化に必要不可欠な路線であります。また、この道路の整備によって、国内外の玄関口である羽田空港が持つポテンシャルがさらに引き出され、東京臨海部全体の活性化につながります。
 本路線のうち、多摩川トンネルの区間が、都内で唯一、事業に未着手であったため、かねてから、さまざまな機会を捉えて国に対して整備を要請してまいりました。今般、多摩川トンネルについては、ともに国家戦略特区に指定された羽田空港跡地周辺と川崎側の京浜臨海部を結ぶ連絡道路と同時に整備を進めることで、国、大田区、川崎市など関係者間の合意を得ました。
 今後とも、国道三五七号の整備促進を国に強く働きかけ、東京臨海部における国際ビジネス拠点の形成を加速させるなど、世界一の都市東京の実現を支えるインフラの早期完成に取り組んでまいります。
 その他の質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁させます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、次代を担う人材の育成についてであります。
 子供たちが、将来、国際社会で活躍するためには、語学力の向上はもとより、我が国の歴史や文化を理解し、日本人としての自覚を高めることが極めて重要であります。
 このため、都教育委員会は、都立高校における日本史の必修化や小中学校のカリキュラムの開発などを通して、日本の伝統文化に関する指導の充実を図ってまいりました。
 今後は、専門家などの外部人材を一層活用し、こうした日本の伝統文化の理解、啓発に加え、世界に誇る最先端の技術等、現代の日本のすばらしさについても体験的に学べる機会を充実してまいります。
 さらに、留学生等との交流の機会を設定し、子供たちが外国人と積極的にかかわり、魅力ある日本を世界に発信できるようにするなど、国際社会で活躍する人材の育成に取り組んでまいります。
 次に、オリンピック・パラリンピック教育についてであります。
 本年十月、学識経験者やオリンピアン、パラリンピアンなどから成る有識者会議を立ち上げます。
 会議では、学校が参加国や地域を応援する一校一国運動を初め、全ての児童生徒がオリンピック・パラリンピックにかかわる取り組みの具体化について議論いたします。さらに、子供たちがオリンピズムの普及に貢献した先人たちに学び、歴史に名を残した選手などの努力に触れることで人生の糧となるような教材の作成など、二〇二〇年大会を見据えた東京のオリンピック・パラリンピック教育について幅広く検討してまいります。
 会議での議論を踏まえ、開催都市東京にふさわしい教育を推進し、オリンピック・パラリンピックが、大会後も子供たちの財産となるよう取り組んでまいります。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

〇東京都技監(横溝良一君) 四点の質問にお答えいたします。
 初めに、無電柱化事業の今後の取り組みについてでございますが、無電柱化は、都市防災機能の強化や良好な都市景観の創出、快適な歩行空間の確保を図る上で重要でございます。
 まず、オリンピック・パラリンピック開催までにセンター・コア・エリア内の計画幅員で完成した都道の無電柱化を完了させます。
 また、緊急輸送道路や主要駅周辺などを中心とした新たな五カ年計画を年内を目途に作成し、周辺区部や多摩地域を含む都内全域で事業を展開してまいります。
 さらに、区市町村道を含め、面的に広がりを持った区域の無電柱化を進めるため、国の動向を注視し、公園等の公共空間や民地を活用した機器類の設置など、新たな推進策の可能性について、関係局などと連携し、検討してまいります。
 今後とも、バリアフリー事業などとのパッケージ化も図り、無電柱化を進め、安全で美しい東京を実現してまいります。
 次に、中小河川整備の取り組み状況についてでございますが、頻発する集中豪雨に早期に対応するためには、河川整備を一層効率的、効果的に進めることが重要でございます。
 このため、時間五十ミリまでの降雨は、河川の護岸整備を基本とし、それを超える降雨については、道路や公園など用地買収を必要としない公共用地を活用した調節池で対処してまいります。
 特に、二つ以上の流域間で容量を相互に融通する広域調節池は、時間百ミリの局地的かつ短時間の豪雨にも効果を発揮いたします。
 現在、環七通りや城北中央公園の地下など五カ所において、施設の主要な構造検討や測量などを進めております。
 また、護岸整備につきましても、八王子市の城山川で事業着手するなど、近年、各地で発生している豪雨にも備えてまいります。
 今後とも、都民の生命と財産を守るため、中小河川の整備に全力で取り組んでまいります。
 次に、感潮河川への水質改善についてでございますが、水質の主な指標であるBODは、都内河川における五十六の観測地点のうち、五十五地点で環境基準を達成しております。
 しかし、潮の満ち引きの影響を受ける感潮河川の中には、悪臭が発生している箇所も見られ、その対策として、川底に堆積した汚泥の除去や、水中の酸素濃度の改善などを図っております。
 都は引き続き、隅田川などで計画的に大規模しゅんせつを行うとともに、地元区が実施するしゅんせつへの支援や、水の流れを発生させ、オゾンを川底に送り込む浄化対策などについて、技術的アドバイスを行ってまいります。
 また、河川の流量をふやし、よどみを軽減させるため、現在、地下鉄の湧き水を立会川などへ誘導しており、その他の箇所へも拡大してまいります。
 最後に、道路整備のあり方についてでございますが、東京が世界の都市間競争を勝ち抜くためには、交通渋滞という最大の弱点を克服するとともに、陸海空の要衝を結ぶ道路ネットワークの形成により、人や物の流れを円滑にし、経済を活性化させることが重要であります。
 また、道路整備を積極的に進めることで、災害リスクの軽減や、美しく機能的なまちづくりを行っていくことも必要でございます。
 このため、都は、来年三月に開通する中央環状品川線や、環状第二号線など骨格幹線道路のネットワークの整備を推進するとともに、木密地域の特定整備路線、山間・島しょ部におけるバイパスの整備など、積極的に進めてまいります。
 今後とも、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックのみならず、その先も見据えた長期的な視点で道路整備を推進し、世界一便利で快適な都市東京を実現してまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

〇都市整備局長(安井順一君) 二点の質問にお答えいたします。
 まず、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化についてでございますが、区市町村や関係団体と連携した取り組みの結果、八月末時点で、条例対象の建築物のうち、既に八五%以上が耐震診断に着手しております。
 その一方で、再三の要請にもかかわらず、いまだ診断が行われていない建築物もございます。都は、こうした建築物について、条例に基づき、順次公表するとともに、改めて個別訪問を行うなど、建物所有者に対しまして、耐震診断の実施を強く働きかけてまいります。
 また、区市町村窓口には、具体的な改修工事の検討や、マンションの住民との調整に時間を要するなどの声が寄せられております。こうした点を踏まえまして、所有者が確実に耐震化に取り組めるよう、国の支援策の動向も注視しながら、助成期限の延長について検討してまいります。
 次に、不燃化特区の今後の進め方についてでございます。
 京島地区や東池袋地区などでは、既に民間等とも連携した再開発などのコア事業が進んでおり、他の地区でも、老朽木造住宅の建てかえ件数が伸びるなど、不燃化特区の効果が徐々にあらわれてきてございます。
 引き続き、都市づくり公社や都市再生機構などを活用した用地取得など、防災まちづくりの支援策を積極的に進めてまいります。
 また、東京商工会議所と連携した建てかえ相談会などによりまして、住民にきめ細かく対応し、老朽木造住宅の建てかえなどを促進してまいります。
 さらに、特区制度のスタート以降、区から相談体制の充実を求める要望などもございまして、より使いやすい制度の運用を検討してまいります。
 今後とも、建物の耐震化や不燃化などのさまざまな施策を一層加速させまして、防災都市づくりを強力に推進してまいります。
   〔下水道局長松田芳和君登壇〕

〇下水道局長(松田芳和君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、下水道による今後の浸水対策についてでございますが、これまでの時間五十ミリの降雨への対策に加え、昨年十二月に策定した豪雨対策下水道緊急プランに基づき、雨水整備水準のレベルアップを含めた対策を現在進めております。
 具体的には、七十五ミリ対策地区では、四地区全てで調査設計を実施しており、平成二十七年度までに実施設計に着手いたします。
 また、五十ミリ拡充対策地区では、六地区のうち一地区で主要枝線をことしの雨季前に整備完了し、既に貯留効果を発揮させております。
 今年度は、一地区で工事着手し、残る四地区についても設計を進め、早期の工事着手を目指してまいります。
 さらに、施設の完成には長期を要するため、完成施設の一部を暫定的に稼働させるなど、設計施工上の工夫を行い、平成三十一年度までに整備効果を発揮させてまいります。
 次に、合流式下水道の改善対策の強化についてでございますが、これまで計画的に進めてきた下水道管と水面制御装置の整備はおおむね完了し、今後は、降雨初期の特に汚れた下水を貯留し、雨がやんだ後に水再生センターへ送水し、処理してから河川や海に放流する対策が重要でございます。
 これまで、貯留施設百三万立方メートルを整備し、今年度に新たに十一万立方メートルを完成させ、平成三十一年度までに、累計で百四十万立方メートルを整備いたします。
 さらに、水再生センターにおいて、汚濁物を二倍程度多く除去することが可能な新技術である高速ろ過施設の導入を進め、オリンピック・パラリンピック前の平成三十一年度までに、合流式の水再生センター十一カ所の全てで整備を完了させてまいります。
 これらの取り組みを進めまして、首都東京にふさわしい安全で快適な水辺空間の創出に貢献してまいります。
   〔青少年・治安対策本部長河合潔君登壇〕

〇青少年・治安対策本部長(河合潔君) 治安対策における新たな方向性についてお答えいたします。
 都は、高齢者や女性、子供などの社会的弱者を初め、全ての都民が安全・安心を実感できる生活の場の実現を目指し、これまでの治安回復の成果を踏まえて、安全・安心の一層の向上を図るため、新たな指針を策定いたします。
 これは、規範意識の向上や地域の力の強化、区市町村等との分担と連携などを基本的な方向性とし、地域の実情を踏まえたきめ細かな対策により、東京全体の安全・安心の水準を引き上げるものであります。
 今後、有識者による懇談会の検討をもとに、振り込め詐欺等から弱者を守る環境整備や、若者を含めた地域の安全・安心の担い手づくり、地域と関係機関をつなぐ情報共有の仕組みなど、効果的な施策を具体的に盛り込むことで、世界一の都市東京を目指して取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 五点のご質問にお答えします。
 まず、デング熱への対応についてですが、先月二十七日に、我が国で約七十年ぶりとなるデング熱の国内感染患者が発生したことを受けまして、都は、感染源と推定された代々木公園の蚊の調査や駆除、公園の閉鎖を行いますとともに、代々木公園のある渋谷区を初め、隣接する区の九つの公園で、国や関係区と連携し、蚊のモニタリング調査を実施いたしました。
 また、都民の不安を解消するため、専用の相談電話窓口を開設するとともに、医療機関に対しましては、診療マニュアルや感染が疑われる患者の検査体制について周知を図りました。
 さらに、公園利用時の注意や蚊の発生防止対策等について、区市町村等と連携しながら、都民や公園、学校、社会福祉施設等の管理者に情報提供を行ってまいりました。
 また、今月十九日には、感染症の有識者や医療機関、保健所、国や自治体等の関係者から成る対策会議を立ち上げ、今回の事例の検証や蚊の発生防止対策、サーベイランスの強化、検査体制の整備など、蚊が媒介する感染症への今後の対策を検討することといたしました。
 国境がボーダーレス化し、人や物の移動が活発になる中、東京が多くの外国人が訪れる安全な都市として、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックを開催するために、今後、国と十分に連携しながら、感染症対策の一層の強化を図ってまいります。
 次に、特別養護老人ホームなど介護基盤の整備についてですが、都はこれまで、整備率が低い地域の補助単価を最高で一・五倍に加算するほか、都有地の減額貸付、定期借地権の一時金への補助など、都独自の支援策を講じ、特別養護老人ホーム等の介護基盤の整備を促進してまいりました。
 また、さらなる整備促進を図るため、本年八月から、都有地貸付料の減額率を拡大するとともに、本定例会には、国有地、民有地について、借地料の一部を五年間補助する新たな支援策を提案しております。
 長期ビジョンの中間報告では、二〇二五年度までに特別養護老人ホームを五万五千から六万人分とする目標をお示しいたしました。今後、区市町村へのヒアリングや高齢者保健福祉計画策定委員会での議論も踏まえまして、新たな整備目標を策定し、さらなる整備促進策を検討してまいります。
 次に、難病対策の法制化への対応についてですが、都は、現在、来年一月の難病医療費助成の新制度の開始に向け、対象疾病の診断を行う医師や治療を行う医療機関の指定、都民や患者への制度や手続の案内、申請窓口である区市町村への制度の周知し、医療費助成システムの改修など、さまざまな準備を進めております。あわせて、都独自に助成している疾病につきましても、国における対象疾病拡大の状況や自己負担限度額の見直し等を踏まえた支援策を検討しており、安心して医療を受けられるよう、経過措置を含め、適切に対応していく方針でございます。
 また、今回の法制化では、患者の療養生活に関する相談や支援等が都道府県事業として改めて位置づけられており、都としては、今後示される国の基本指針やこれまで実施してきた難病相談・支援センターの取り組み等を踏まえ、今後の施策展開を検討してまいります。
 次に、待機児童解消に向けた取り組みについてですが、都はこれまで、保育サービスの整備を促進するため、国の安心こども基金に加え、都独自に、区市町村や事業者の負担を軽減する補助や、都有地の減額貸付、定期借地権の一時金への補助など、さまざまな支援策を実施してまいりました。
 また、本年八月には、都有地貸付料の減額率を拡大したほか、本定例会には、国有地、民有地の借地料補助の創設や賃貸物件に対する家賃補助の拡充、定期借地権補助の国有地への拡大等、新たな支援策も提案しております。
 平成二十九年度末までに待機児童を解消するため、長期ビジョンの中間報告では、認可保育所、認証保育所、小規模保育など多様な保育サービスを約四万人分ふやすこととしており、今後、東京都子供・子育て会議での議論や、区市町村のニーズ調査等も踏まえながら、人材確保策も含め、さらなる支援策を検討してまいります。
 最後に、新たな幼保連携型認定こども園の基準についてですが、新制度における幼保連携型認定こども園は、これまでと異なり、幼児教育と保育を一体的に提供する単一の施設として、都道府県が認可する仕組みに変わります。
 本定例会で提案している条例案は、都における新たな認可基準を規定するものであり、その内容は、より高い水準を引き継ぐという国の基本的な考え方や、現行の認定こども園、認可保育所、幼稚園の基準をもとに、東京都子供・子育て会議における議論を経て策定いたしました。
 条例案では、現在行われている保育や幼児教育の水準が確保されるよう、保育室等の面積や園庭の設置などの設備基準、職員の配置基準、開園日数、非常時や災害時の対策などを規定しており、保育室の面積や職員の資格などについては、都独自の基準を設けているところでございます。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

〇産業労働局長(山本隆君) 五点のご質問にお答えをいたします。
 まず、女性の創業促進に向けた取り組みについてでございます。
 東京が将来にわたる成長を実現するためには、女性がその力を存分に発揮し、さまざまな分野で新たな事業を立ち上げていくことが重要でございます。
 都は、今年度、女性の創業を支援するため、起業家を育成するセミナーのコースを拡充したほか、地域の金融機関と連携し、資金供給と経営サポートを行う新たな事業を立ち上げました。
 今後、女性の創業を一層進めていくためには、豊かな感性や地域に根差した発想など、その特性を踏まえたきめ細かな対応が必要でございます。このため、女性の創業に関するノウハウや知見を持つ民間の支援機関や地域の金融機関との連携を強化し、経営面や資金面での支援のさらなる拡充に向けて検討してまいります。
 次に、女性が活躍できる職場環境づくりについてでございます。
 女性が仕事を通じて活躍するためには、能力を発揮して働き続けられる職場環境の整備が重要でございます。
 都はこれまで、仕事と育児等との両立を実現する観点から、中小企業のすぐれた取り組みを認定、公表して、社会的機運を醸成するほか、社内規程の整備等に取り組む企業を支援してまいりました。本年度からは、女性の活躍を促進し、他のモデルとなる取り組みに経費を助成する事業を開始いたしました。
 今後は、管理職登用や職域拡大などを一層推進するため、中小企業のモデルとなる取り組みをさらに広めるとともに、例えば、トイレ、更衣室、仮眠室などのハード面も含めた積極的な職場環境改善に対する支援の充実を検討してまいります。
 こうした取り組みにより、中小企業における働きやすい環境を整備し、女性の活躍を促進してまいります。
 次に、展示会の開催に向けた支援についてでございます。
 さまざまな展示会を通じて、都内中小企業のすぐれた技術力や製品を国内外に発信することは、中小企業のさらなる販路開拓や取引拡大を図る上で重要でございます。
 このため、都は、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを契機として、展示会施設の機能強化を目指し、東京ビッグサイトの拡張整備を進めることといたしました。
 一方で、東京ビッグサイトは大会期間中、競技会場やメディアセンターとして利用されるほか、今後、施設の大規模修繕等も見込まれることから、展示会場としての使用が一定期間制限されます。
 このため、今後、中小企業の販路開拓に支障が生じないよう、東京ビッグサイトによる仮設展示場の整備など、代替施設の確保について具体的な対策を検討してまいります。
 次に、中小企業の人材確保についてでございます。
 中小企業が魅力ある職場づくりと人材育成を進め、意欲と能力のある有為な人材を確保することは、東京の産業が持続的な発展を遂げる上で重要でございます。
 都はこれまで、雇用環境整備のための専門家派遣や助成金の支給、職業能力開発センターによる人材育成を通じて、中小企業の人材確保を後押ししてまいりました。一部の産業で人手不足の問題が顕在化する中、今月には、事業者団体からの企画を募り、社員の生産性を高めるための助言や専門資格の取得促進など、業種や業態に特有のニーズに即した団体単位での取り組みの支援を開始いたします。
 さらに、個々の企業に対しましても、処遇改善による若者の定着促進等の取り組みを支援いたします。
 こうした多面的な方策により、中小企業における人材確保を積極的に推進してまいります。
 最後に、ブランド畜産物の生産拡大についてでございます。
 トウキョウXや東京しゃもなど、都が開発したブランド畜産物は、消費者から好評を得ておりますが、オリンピック・パラリンピック大会も見据え、ブランドを浸透させていくためには、生産量の拡大に向けた取り組みが必要でございます。
 都はこれまでも、生産者団体などと連携し、新規農家を開拓するとともに、配合飼料の与え方等の飼育技術を農家に丁寧に指導するなど、生産量の拡大に向けた取り組みを行ってまいりましたが、現状では、需要の増大に見合う供給量を確保できておりません。このため、今後、飼育技術のさらなる向上等の取り組みや、農家に配布するトウキョウXの生産機能の拡充など、ブランド畜産物の生産量拡大に向けた体制整備の検討を進めてまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、入札契約制度における女性の活躍を促す取り組みについてでありますが、都はこれまでも、環境や福祉などの政策目的をサポートする手段の一つとして、入札契約制度を有効に活用してまいりました。
 ご指摘のとおり、女性の活躍促進の観点から、都の取り組みを一層推進することが重要であり、公共調達の分野においても実施可能な施策を多面的に講じ、企業の女性活用の取り組みを後押ししていく必要があると認識しております。
 このため、都の全体方針や各局の取り組みを踏まえつつ、公共調達の発注者として、優先指名や総合評価の活用など、女性の活躍を促す仕組みの一層の充実に向け検討を進めてまいります。
 次に、福祉施設整備における公営企業用地の活用についてでありますが、これまで、福祉インフラ整備事業により都有地を貸し付ける際は、貸付料の減額については、公営企業の経営などの観点を踏まえ、一般会計所管の都有地のみを対象としてまいりました。
 しかし、福祉施設の整備促進に当たっては、用地確保がより一層重要となることから、新たに、公営企業用地についても、福祉インフラ整備事業と同様の減額措置を行って、積極的に用地活用が進められるよう財政上の必要な措置を講ずることといたします。
 今後、こうした取り組みなどにより、一般会計所管の土地とあわせ、都有地全体として、福祉インフラ整備事業に活用可能な用地の確保を進め、区市町村が進める福祉施設整備を積極的に支援してまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 子ども・子育て支援新制度の施行に向けた私立幼稚園への対応についてでありますが、ご指摘のとおり、新制度の施行は、私立幼稚園にとって過去に例を見ない変更を伴うものであります。
 七月に実施した各園への調査では、八割を超える幼稚園が二十七年度は移行しない予定、または移行しない方向で検討中との回答でありました。
 こうした背景には、国が示した公定価格の仮単価が、定員規模がふえることに伴い逓減する構造であるため、とりわけ大規模園が多い東京では、その影響が顕著となること、また、区市町村が行う利用調整や入園希望者に対する応諾義務など、新たな運用上の取り扱いが国から示されていなかったことがございます。
 このため、都は国に対して、現行の私学助成の水準が確保されるよう、単価の見直し及び新たな運用上の取り扱いに関する詳細な情報の提供について、先月、緊急要望を行いました。この九月になって、ようやく財政措置の案や運用上の取り扱いが国から一定程度示されましたが、単価は年末まで確定せず、実施主体となる区市町村が施行に向けた準備を進めるためには、なお情報が不足している状況にございます。
 新制度は、財源確保も含め、まずは国の責任において制度の円滑移行を図るべきであります。都は、今後も、私立幼稚園や区市町村と十分に意見交換を行いながら、公定価格の見直しを中心に国に強く働きかけるとともに、新制度施行後も、私立幼稚園が安心して質の高い幼児教育を行うことができるよう、都としても必要な対策の検討に着手いたします。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、子供の声に対する騒音規制についてでございますが、環境確保条例の基準は、騒音苦情の解決の目安になるとの考え方がある一方で、子供の健全な発育を妨げるという意見があり、これらの視点を踏まえた見直しが必要と認識しております。
 これまで、区市町村の環境部署や保育部署を対象に調査をしたところ、子供の声等に対し苦情があった区市町村は約七割あり、条例の規制基準の緩和または対象外とすべきとする区市町村は約六割に上っております。また、幼稚園や保育所の団体からは、子供の声を抑制することは、子供にとってストレスになり発育上も望ましくないなどの意見がございました。
 これらを踏まえまして、子供の健全育成に配慮しつつ、苦情の解決に資するよう、条例の規制に関する都の見直しの考え方をまとめ、条例を運用している区市と速やかに協議を開始いたします。
 次に、今後のエネルギー施策についてでございますが、東京の持続的発展を支えていく上でエネルギーの効率的利用や、その安定的な確保は重要な課題でございます。
 このため、都はこれまで、賢い節電と省エネ技術の活用によるエネルギー使用量の抑制や、低炭素で高効率な分散型電源の拡大などに取り組んでまいりました。
 こうした取り組みに加え、今後は、中小規模事業所や住宅の省エネ性能の一層の向上や、都市開発の機会を捉えた建物間や街区内でのエネルギーの面的利用を促進するとともに、東京の特性を踏まえた再生可能エネルギーの導入拡大を積極的に進めてまいります。
 低炭素、快適性、防災力を兼ね備えた世界で最先端のスマートエネルギー都市の実現に向け、需給両面で実効性の高い施策を展開してまいります。
 次に、電気自動車等の普及促進についてでございます。
 電気自動車やプラグインハイブリッド車は、蓄電池として、太陽光発電等による電力の有効活用などを可能にするだけでなく、停電時には非常用電源としての活用も期待できます。
 都はこれまで、充電インフラの整備に向けた支援や、中小企業等への電気自動車等の購入補助を行ってきております。
 今年度からは新たにビークル・ツー・ビルシステムの導入支援も開始し、停電時にも建物へ電力供給を可能とすることで、災害時の事業継続を後押ししてまいります。
 また、ビークル・ツー・ホームシステムの導入支援によりまして、マンションにおいて、電気自動車等をカーシェアとして利用しつつ、非常時には共用部の電源として活用するなどの取り組みも促してまいります。
 今後とも、環境に優しく、分散型電源としても活用可能な電気自動車等の普及拡大を推進してまいります。
 最後に、資源循環施策の今後の展開についてでございますが、東京が継続的に発展していくためには、多くの都民や企業が持続可能な資源利用に取り組む循環型都市を目指す必要があると認識しております。
 このため、都が今年度に策定する資源循環の取り組み方針におきましては、事業系廃棄物のリサイクルのルールづくりや食品ロスの削減に加え、ご指摘の再生砕石など、資源の採取に伴う環境負荷を削減するために不可欠なエコマテリアルの利用促進などについて、施策の方向性を示してまいります。
 この取り組み方針を踏まえ、都は先進的な企業や関係団体との連携などにより、具体的な取り組みを進め、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会開催都市にふさわしい、持続可能な資源利用を推進してまいります。
   〔交通局長新田洋平君登壇〕

〇交通局長(新田洋平君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、外国人旅行者の利便性向上についてでございますが、交通局では、より多くの外国人旅行者が東京を訪れ、都営地下鉄をご利用いただけるよう、利便性を向上させていくことが重要であると考えております。
 お話の無料WiFiにつきましては、昨年度、都営バス全車両に導入いたしましたが、都営地下鉄につきましても、年内には、外国人旅行者の利用が多い駅を中心に、約三十の駅に導入してまいります。
 さらに、都営地下鉄と東京メトロの全線を割安で利用できる外国人旅行者向け乗車券の利便性向上につきまして、現在は一日単位のため、利用開始時刻にかかわらず、その日の終電までの有効期間となっておりますが、これを東京メトロと協議して変更し、利用開始から二十四時間利用できるよう着実に準備を進め、平成二十七年度中の実現を目指してまいります。
 次に、都営浅草線泉岳寺駅の機能強化についてでございますが、泉岳寺駅は、品川駅、田町駅周辺まちづくりのエリア内にあり、近隣にJR東日本による新駅の設置が予定されるなど、今後お客様の大幅な増加が見込まれておりますことから、ホーム等における安全性や快適性を向上させるとともに、周辺まちづくりにも連動した駅の機能強化が求められております。
 このため、今年度から、駅の大規模改良に向けて、ホームの新設など駅の拡張、エレベーターや点状ブロック等の整備によるバリアフリー化の推進、周辺の歩行者ネットワーク形成に係るJR新駅との連絡などにつきまして検討を行ってまいります。
 交通局といたしましては、周辺まちづくりとの整合を図りつつ、関係機関等と連携し、駅機能の強化に積極的に取り組んでまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) 二つのご質問にお答えいたします。
 まず、国際コンテナ戦略港湾についてですが、自治体が出資するふ頭会社の経営統合は、港湾行政の基本にかかわる問題であり、出資構成や新設会社と既存ふ頭会社の役割分担などの重要な課題については、慎重な検討が必要であると考えております。
 このため、都としては、港湾関係者などのご意見も踏まえながら、川崎港、横浜港との合意形成を図り、国と交渉を行ってまいります。
 中でも、港湾運営会社の設立に当たっては、都民の税金により整備された財産を活用する新たな会社を設置するという、都として極めて重要な判断を行うことになることから、都議会の適切な関与を得て進めていく必要があると認識しております。
 次に、大島と羽田を結ぶ航空路線についてですが、大規模災害からの復興に取り組む大島町にとって、ことし十月に路線が廃止されることは重大な問題でございました。このたび、来年十月下旬までの一年間運航が継続されることになりましたが、当該路線の搭乗率は、昨年も約一四%と低く、路線を維持するためには課題も多いと考えております。
 これまで東京都側による働きかけにより、大島町は夏季の搭乗者への商品券配布を、全日空はダイヤの改善などを実施してまいりました。今後、大島町は商品券配布期間の延長や外国人観光客の誘致を、全日空はパッケージツアーの企画などを検討していくとのことでございます。
 都としても、来春の椿まつりの期間中に運賃助成を行うことにより、来訪者数の増加に向けた取り組みを実施するなど、この運航継続期間中に搭乗率向上に向けた取り組みが着実に進むよう、大島町、全日空を支援してまいります。
   〔水道局長吉田永君登壇〕

〇水道局長(吉田永君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、安定給水の確保についてでありますが、世界の主要都市の中には、過去最大や五十年に一回の渇水に対応できる水源確保に取り組んでいる都市もございます。一方、利根川水系では、近年、三年に一回程度の割合で渇水が発生するなど、東京の水源は脆弱で、一たび大渇水が発生すれば、都市機能が麻痺するおそれがあります。
 このため、八ッ場ダム及び霞ヶ浦導水を早期に完成させるよう国に求めるとともに、水源の有効活用、漏水防止対策などに取り組んでまいります。
 また、膨大な水道施設の更新や震災対策などにつきましても、計画的かつ効率的に実施し、首都東京にふさわしい水道システムに再構築してまいります。これにより、将来にわたる安定給水の確保に万全を期し、都民生活と首都東京の都市活動を支えてまいります。
 次に、安全でおいしい水への取り組みについてでありますが、水道局では、高度浄水処理の導入、徹底した水質管理、直結給水方式の普及促進など、安全でおいしい水を供給するさまざまな施策を推進するとともに、積極的なPRや、サンプル方式による満足度調査を毎年実施しております。
 しかし、全てのお客様に直接高品質の水道を実感していただくためには、ご提案のように、各戸を訪問して水道水質などの状況を確認するとともに、その結果をお知らせすることが非常に効果的であります。また、その際に、お客様ニーズをきめ細かく把握し、水道事業に反映していくことは大変有意義であります。
 そこで、今後、関係者とも緊密に連携しながら、訪問調査の実施に向けて早急に検討を進め、さらなる高水準の水道を目指してまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

〇オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) ラグビーワールドカップの開催についてでございますが、二〇一九年に日本で開催されますラグビーワールドカップは、世界が注目する大規模なスポーツの祭典であり、経済波及効果やスポーツ意識の高揚など、都民、国民にさまざまな意義をもたらすものと認識しております。
 また、この大会は、東京オリンピック・パラリンピックのメーンスタジアムである新国立競技場においても試合が予定されており、二〇二〇年東京大会に向けて、会場運営のノウハウを蓄積できるなど、大会の開催準備に多くの効果が期待できます。
 今後、都といたしましては、関係機関と協議の上、東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けた取り組みを後押しする観点からも、立候補に向けた検討を進め、ことし十月末までに結論を出してまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 島しょ振興に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、大島の復興に向けた都の取り組みについてでございますが、都はこれまで、仮設導流堤の整備等の応急対策や、瓦れきの島外搬出などを進めるとともに、町の復興計画の策定に対して庁内に支援ワーキングを設置し、全庁を挙げて、組織的、継続的な支援を実施してまいりました。
 この計画では、復興住宅の建設など、被災者の生活再建支援、町道等のインフラや観光施設の復旧、元町地区の復興まちづくりなどを積極的に進めることとしております。
 都は、大島町への職員派遣や大島支庁による技術的な支援、災害復旧・復興特別交付金の活用などにより、今後とも復興に向けた町の取り組みを強力に後押ししてまいります。
 あわせて、本格的な導流堤の整備や斜面対策工事等の土砂災害対策を実施し、防災力の強化を図るなど、全庁一丸となって一日も早い大島の復興に取り組んでまいります。
 次に、小笠原の振興開発についてでございます。
 これまで都は、小笠原の地理的、歴史的な事情等による課題の克服に向け、計画に基づく振興策を積極的に講じてまいりました。これにより、生活、産業基盤の整備など、相応の成果を上げてまいりましたが、交通アクセスの改善や公共施設の老朽化など、解決すべき課題が依然として残されております。
 そのため、今回の計画素案では、現在の「おがさわら丸」、「ははじま丸」にかわる新造船の就航や浄水場の建てかえ、防波堤の改良などを計画に位置づけ、村民の生活環境に関する取り組みなどを拡充していくほか、航空路の開設に関しても引き続き幅広く検討を進めてまいります。
 今後とも、この計画に基づき、国や村と連携し、自然環境との調和や定住の促進を図り、小笠原の自立的発展を目指して振興開発に積極的に取り組んでまいります。

〇議長(吉野利明君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十七分休憩

   午後三時三十五分開議

〇副議長(藤井一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 六十番高倉良生君
   〔六十番高倉良生君登壇〕

〇六十番(高倉良生君) 都議会公明党を代表して質問いたします。
 今、私たちの周囲には、さまざまなリスクが存在しています。大規模災害を例に挙げるまでもなく、それは私たちの想定をはるかに超えて巨大なものになり、グローバル化の進展に伴い、影響が及ぶ範囲も地球規模にまで広がりつつあります。最近では、核のテロやサイバーテロ、エネルギー危機といった人為的なリスクにより、想定を超える最悪のシナリオの発生も強く指摘されています。近隣諸国との関係緊張も大きな危機をはらむものです。
 首都東京を考えるとき、直下地震の発生を初め、パンデミックやテロのような切迫性のある問題が存在していることは周知の事実です。さらにまた、確実に進む少子高齢化が及ぼす社会への影響、あるいは、都議会公明党が繰り返し主張してきた、女性が輝く社会の実現など、社会システムを変えていかなければならない幾つもの緊急課題があります。
 これらに対処するためには、都政のシステムを思い切って変革しながら、東京ならではの対応策をつくり上げる取り組みが強く求められます。そのために何よりも重要なのは、政治のリーダーシップであり、知事はそれを十分認識し、都政を前進させていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 私たち公明党は、女性の活躍推進は我が国が抱える最重要課題との認識から、女性の元気応援プランを策定し、五月に総理に提出しました。全国九百六人を誇る公明党女性議員が、女性活躍推進への新たな政策として取りまとめたものであり、あらゆる施策を盛り込んでいます。育児・介護休業制度の抜本的見直しや在宅テレワークの推進、女性の起業支援など、多様な働き方にも言及しています。
 都は、このほど女性活躍推進会議を立ち上げ、先般シンポジウムを開催するなど、機運醸成に向けた取り組みを始めています。シンポジウムで、知事は、ワークライフバランスよりライフワークバランスが重要と指摘し、働き方革命の必要を示しました。この会議を効果的に運用し、企業や学校、地域など、あらゆる場で女性活躍推進の取り組みが進むよう、裾野を大きく広げていくべきです。
 また、女性が安心して子供を産み育てるには、男女ともにワークライフバランスの意義や重要性について理解を深め、キャリアデザインの形成を促すことが必要と考えますが、都の見解を求めます。
 次に、都市外交について質問します。
 舛添知事は、就任早々より、都議会公明党の提案を受け、東京都の姉妹都市である中国の北京市、韓国のソウル特別市などを訪問し、都市外交を積極的に展開されています。国益が激しくぶつかる国家間の外交で深刻な問題が山積する中にあって、そのレジリエンスとなる民間や自治体レベルの交流が求められており、知事の都市外交は、その期待に応えるものです。
 今回のソウル市訪問では、地下鉄の安全対策における協力などで合意するとともに、セウォル号事故の犠牲者に献花され、その振る舞いが国を超えた人間同士のきずなを感じさせ、共感を広げました。
 安定した外交関係は日本経済の土台であり、東京の活力源です。今後、東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、アジア大都市ネットワーク21の見直しを進めつつ、姉妹都市間で具体的な交流事業を広げながら、国の外交を補強する都市外交を展開していくべきです。
 ソウル市訪問の成果と今後の都市外交の取り組みについて、知事の所見を伺います。
 都市外交強化で連携の強化がより期待される分野の一つは、防災対策です。地震、水害、そして大規模な事故やテロによる災害に備えることは、大都市共通の重要課題です。発生が懸念されている南海トラフ巨大地震による津波の被害は、日本だけではなく、中国、台湾、フィリピンなどにも及ぶという東大地震研究所の報告もあり、東アジア沿岸部にある都市同士の防災ネットワークの構築が求められています。
 これまでも東京消防庁のハイパーレスキュー隊は、十八回にわたり海外に広く派遣され、人命救助で活躍した姿は、国内外の人々の記憶に鮮明に残っています。
 また、過日行われた都の総合防災訓練の終了後、知事がソウル市や台北市などから参加した救助隊のもとへ行き、労をねぎらう一こまがありました。外交関係はどうあれ、心の壁を感じさせない知事の姿に、当日一般で参加した方からも、感動しましたとの声が寄せられました。
 大規模災害時における要員の相互派遣のほか、訓練、対策の企画、情報など、幅広い分野で協力できる都市間の防災ネットワークを広げていくべきです。知事の所見を伺います。
 次に、今月十二日に発表した長期ビジョンの中間報告について質問します。
 この長期ビジョンの策定は、五輪招致決定後初めてで、六年後の東京大会開催を踏まえ、十年後の東京の将来像を描くとしています。二〇二〇年東京大会の成功はもちろんのこと、世界一の都市東京を目指すための今後の都政運営の新たな指針であります。
 東京が二〇二〇年以降、人口減少社会を迎える中にあっても、経済の活性化や安心の医療介護体制の構築、さらには更新期を迎えた都市インフラの整備など、さまざまな課題を解決して、成長を続けていかなければなりません。
 そのために、知事は就任後から、東京の抱える諸課題に対して精力的に現場に赴き、視察を重ねてきました。今回の中間報告では、待機児童解消の達成時期や特別養護老人ホームの整備数など、多くの政策課題に対して目標年次、目標値を設定していますが、知事として初めての長期ビジョンであるがゆえに、現場からの声をさらに生かした指針となるよう期待するものです。今後、十二月の最終報告に向け、都民や議会からの意見を聞く中で、新たな課題についても盛り込むべきです。
 そこで、東京の新たな指針となる長期ビジョンの最終報告に向けた知事の見解を伺います。
 続いて、警視庁が策定した世界一安全な都市東京実現のための警視庁ビジョンについて質問します。
 オリンピック・パラリンピック競技大会の東京招致に当たっては、都内の良好な治安が大きな強みとなりました。一方で、都内の治安情勢は、特殊詐欺が依然として高い水準で発生していることに加え、サイバー犯罪が増加するなど厳しい情勢にあり、治安課題は、いまだ山積しております。アスリートの活躍を支えるために万全な開催準備を進めていくには、治安対策を担う警視庁の役割は極めて重要であります。
 そこで、二〇二〇年東京大会成功に向けた治安対策について、警視総監の見解を伺います。
 次に、文化施策について質問します。
 知事はさきの所信表明で、新たな文化ビジョンの策定を表明されましたが、都議会公明党も文化振興を前進させていく観点から、三点にわたって提案をいたします。
 一点目は、障害者の文化芸術活動の推進についてです。
 都議会公明党は、今月十九日、公益財団法人日本チャリティ協会が鳥取県で開催しているパラアート展を見てまいりました。同協会は、三十年近く前から都とともに障害者総合美術展を開催している団体です。
 総合美術展は、毎年、高円宮妃殿下がご鑑賞になられています。
 今回の鳥取でのパラアート展では、初めてヨーロッパの作家が出展し、国際色豊かな内容となりました。芸術は、国と国との垣根を取り払い、精神性豊かな交流を促進します。障害者の芸術は、それを一層推進するものです。
 都は、こうした団体の活動をオリンピック・パラリンピックの文化プログラムに積極的に反映すべきであり、知事が進める都市外交でも障害者の文化芸術交流を取り入れるべきと考えます。
 また、障害者の文化芸術のすばらしさを東京から発信する形をレガシーとして残すことは重要です。新国立競技場で世界のパラアート展の開催を検討すべきです。障害者の文化芸術の振興に向けた知事の所見を伺います。
 二点目は、民間の文化振興に対する支援であります。
 東京においても、文化芸術を愛する数々の個人や団体が、文化の力を社会に広めるべく地道に活動をされています。
 一例となるのが、民間の文化団体が主催するアート国際公募展、アートオリンピア二〇一五の取り組みであります。アートオリンピアは、いまだ国際的な評価を受けていない世界の全てのアーティストの才能を発掘し、その活動を支援することを目的として、明年、都内で開催される予定となっております。
 こうした民間の取り組みを尊重し、文化芸術に携わる方々と協調して前進していくことが肝要であります。文化ビジョンの策定に当たっては、民間の取り組みに対する支援の考え方を盛り込むべきと考えます。見解を求めます。
 三点目は、文化芸術を推進する第三者専門機関であるアーツカウンシル東京の活用であります。
 我が党は、さきの第二回定例会の代表質問において、東京大会に向けたアーツカウンシル東京の体制強化を訴えました。体制強化は、運営面、機能面において組織の充実を図っていくことはもちろんですが、何より重要なのは、政策を形成していく上で、現場の要望、知恵、経験を集積して形にしていく作業であります。
 東京都やアーツカウンシル東京が精力的に文化団体や芸術家からヒアリングを行い、その経験と知恵を文化プログラムや文化ビジョンに生かすなど、アーツカウンシル東京を十分に活用すべきであります。見解を求めます。
 次に、人権問題への対応について質問します。
 知事は、北京やソウルを訪問し、人的交流を深めることにより、お互いの心の壁を取り除こうと精力的に行動されました。ソウルからの帰国後は安倍総理と会談し、社会的な問題となっているヘイトスピーチに対する国の対応を求めました。早速、与党内で検討が開始されたことを評価いたします。
 一方、国連は、日本に対し外国人としての尊厳を傷つけるような発言を許す風潮があると指摘し、七月に国連規約人権委員会で差別的な対応に対する禁止要請を出し、続いて八月には、国連人種差別撤廃委員会でも対処勧告を出しており、国際社会からも今後の日本の対応が注視されているところです。
 こうした状況を考えると、都としても人権啓発に積極的に取り組み、国内はもとより、国外に対しても都の人権に対する姿勢をアピールしていく必要があります。その一つとして、例えば、今後、人権に関する都市宣言を発信するなど、人権の分野でも先進都市を目指すべきです。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会で、東京は、国籍や人種を超えてさまざまな方々を受け入れるわけであり、人権を尊重する社会なくして大会の成功はありません。外国人の人権擁護に向けた決意と人権啓発の取り組み強化について、知事の所見を伺います。
 千客万来の東京は、喫煙マナーのすばらしい、おもてなしの国を目指すべきです。IOC、国際オリンピック委員会が一九八八年に会場内の禁煙方針を採択しています。バルセロナ、アトランタ、シドニー、アテネ、北京、ロンドン、リオデジャネイロ、ロシアのソチなど、オリンピックの開催都市には全て罰則つきの受動喫煙防止法または条例が存在しています。
 そもそも受動喫煙防止は、喫煙、禁煙の両者の願いを実現する大変大事な政策です。たばこの煙の中には、PM二・五が多量に含まれています。喫煙できる飲食店などで働く人は、PM二・五濃度が禁煙場所の五倍から十倍になり、毎日のように著しい健康被害を受けております。また逆に、喫煙者は、たばこを吸うことのできる場所を探すのに苦労をいたします。その両者の思いを生かせるのが分煙です。
 都では、知事の所信表明で、二〇二〇年大会を控え、飲食店などでの受動喫煙を防止するため、有識者や業界団体等の意見を聞く検討会を設置すると述べています。検討会の結果を生かし、受動喫煙防止を積極的に進めていくべきと考えます。見解を求めます。
 次に、危険ドラッグ対策について質問します。
 このたび都が、東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部改正を今定例会に提出し、積極的な規制、監視指導の強化を図っていくことは高く評価いたします。
 しかしながら、危険ドラッグは、麻薬等の規制薬物乱用の入り口となるゲートウエードラッグとして使われるなど、麻薬、覚醒剤などの代替品として使用される懸念もあるだけではなく、人体への危険性は、麻薬、大麻、覚醒剤以上とまでいわれております。指導、取り締まりの強化とあわせ、絶対に使わないという啓発がより重要であります。改めて知事の決意を伺います。
 今回の改正には、警察職員への立入調査権限の付与、警視庁と都の相互協力体制の整備、公安委員会による知事への必要な措置の要請などが新たに加わり、摘発、取り締まりに向けて大きな効果が期待されます。
 そこで、この条例改正による対策の強化について、警視総監に伺います。
 また、危険ドラッグの使用者を出さないためには徹底した教育が重要であります。都は現在、薬物乱用防止教室を全校で実施しておりますが、危険ドラッグに関する教育はまだ十分といえません。薬剤師やNPOの専門団体などの外部講師を積極的に活用することも重要です。危険ドラッグを使用させないための指導のさらなる充実について、教育長の見解を求めます。
 次に重要なのが、薬物依存者に対する治療と治療後の自立支援に向けたサポート体制です。薬物乱用者やその家族は深い悩みや不安を抱えており、病院や自立支援施設の情報提供、生活相談など、ワンストップで相談できる体制が求められている状況です。
 都は、東京都薬物乱用対策推進計画を改定し、薬物問題を抱える人への支援を計画の柱の一つとして取り組むとしています。再乱用防止に向けた対策を強化すべきであります。見解を求めます。
 次に、子育て支援について質問します。
 我が党は今月一日、少子社会対策プロジェクトチームがまとめた、安心して産み育てられる東京にと題する政策提言を都に申し入れました。保護者の声や専門家の意見、先進的な保育事業の視察等を踏まえ、緊急を要する子育て支援策や中長期的な少子化対策を盛り込んだものです。提言の着実な実行を求めるとともに、以下、重点項目について質問します。
 初めに、緊急課題となっている保育所の待機児童解消です。
 提言では、保育所増設に向けた都有地の提供や、都内の自治体が活用しやすい情報提供を提案しました。待機児童対策について、都は、今定例会に提出している平成二十六年度補正予算案で、用地対策を中心とした保育所緊急整備事業を重点的に予算化しているなど、その迅速的確な対応は評価するものであります。
 今後の課題は、区市町村に提供する用地情報の充実です。区市町村が計画を立てる際は、所在地や面積などの基本的な情報に加えて、都有地等が活用可能となる時期などの情報が必要となります。
 活用する側の区市町村の立場に立った丁寧でわかりやすい用地情報の提供が必要と考えます。見解を求めます。
 次に、妊娠期からの支援体制の構築について質問します。
 我が党の提言の中で、現状の子育て支援策が分野ごとに縦割りとなっているために、サービスを受ける側が、医療、保健センター、子供家庭支援センターなど、それぞれの窓口に足を運ばなければならないという不便さがあることを指摘しました。
 そうした課題を解消する方策として、近年、我が国でも注目されているのがフィンランドのネウボラという制度です。主に、妊娠期から就学前までの健診、保健指導、予防接種、子育てに関する相談、他の機関との連携等をワンストップで行う切れ目のない母子支援の地域拠点です。原則として同じ保健師が一貫して担当することで、信頼関係の中で支援が行われるのも大きな特徴といわれております。
 フィンランドと我が国では社会保障制度が異なり、同じシステムをそのまま導入することは難しい面もありますが、ワンストップで行う切れ目のない子育て支援は、核家族化や地域における住民関係の希薄化が進む東京において、今後、必要不可欠な子育て支援システムになると考えます。
 区市町村がそうしたニーズに対するサービスを提供できるよう、都として支援すべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、子供の貧困対策について質問します。
 平成二十四年度の厚労省調査によると、子供の貧困率が一六・三%になり、実に六人に一人が貧困家庭で生活している実態が浮き彫りになりました。貧困家庭では、学力不足により不登校や中途退学になりやすく、安定した就職が困難となり、親世代から子世代へと貧困が連鎖していくとの指摘があります。
 教育現場においては、家庭訪問をしない学校がふえてきているため、子供の家庭での様子を把握することが困難になってきています。したがって、子供の貧困の問題を、教育や学校現場だけで解決させるのが難しい状況になっています。むしろ、子供たちの学力を高めるには、落ちついて学びに向かえる家庭環境を整えることが、まず必要であります。
 都議会公明党は先日、子供の貧困対策で全国的な注目を集める、さいたまユースサポートネットを視察してきました。そこで実感したのは、誰にも相談できないまま一人で問題を抱え込んでしまう、いわゆる社会的孤立を防ぐことの重要性です。貧困家庭の中には、社会的なつながりが希薄で地域から孤立してしまっているケースが少なくありません。こうした家庭を地域で早期に発見し、地域で支援していくことが必要となります。
 この点、コミュニティソーシャルワーカーは、この地域で支えるという視点に立ち、制度のはざまや複数の福祉問題などの対応困難な事案の解決に取り組んでいます。国内でも、大阪府豊中市や北海道釧路市が、このコミュニティソーシャルワーカーを活用して貧困家庭の支援に取り組んでいます。
 現在、都は、コミュニティソーシャルワーカーの機能を持つ地域福祉コーディネーターを設置する取り組みを八つの区市で進めていますが、今後その取り組みをさらに推進していくべきであります。都の見解を求めます。
 都は現在、貧困家庭の中の生活保護の家庭の子供たちが塾に通える学習支援を独自の事業で行い、国の健全育成事業を活用した学習会などの取り組みも十一の区市で実施し、効果を上げています。
 来年四月からは、生活困窮者自立支援法が施行され、生活困窮世帯も含めた学習支援が実施されます。こうした実情を踏まえ、今後都は、より多くの区市が学習支援に取り組めるようにすべきです。見解を求めます。
 次に、子供の教育環境の充実、なかんずく小中高等学校の特別教室の冷房化について質問します。
 小中学校の普通教室冷房化は、二十三区と多摩地域を含む市町村では、財源が原因となって大きな格差が生じておりましたが、我が党の提案で、平成二十二年度から東京都が支援し、市町村でも冷房化が実施されました。
 今年度からは、公立小中学校の特別教室の冷房化支援事業を実施していますが、その特別教室は、パソコン教室、音楽室、図書室、視聴覚室に限られています。これは、都立高校の標準整備に準じています。
 都立高校の理科室など全ての特別教室を冷房化するとともに、小中学校の補助金についても同様に対象を拡大して冷房化すべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、障害児保育について質問します。
 本年九月、杉並区で民間事業者が重度の障害児を対象とし、発達支援と長時間保育を行う施設を開設しました。重度の障害があるお子さんも、ここに入所することによって親の就労が可能となる画期的な施設です。
 従来は、重度障害児の保育所入所は不可能でした。しかし、障害が重度であっても、希望する人に希望する保育サービスを提供できる環境が望まれています。
 ところが現実は、たとえ障害が軽度でも保育所への入所は進んでおりません。国の検討会のデータによると、平成二十四年度では約五万人の障害児が保育所に入所していますが、これは保育所利用児童全体のわずか二・三%にすぎません。
 我が党にも、障害を理由に保育所入所を断られ、就労が困難になったという相談が数多く寄せられています。子育てに関する親の選択の幅を広げ、女性の働く意欲を支える意味でも、特に軽度の障害を持つお子さんに関しては、地域の保育所で受け入れがさらに進むよう、都は支援を強化すべきです。都の見解を求めます。
 次に、難病患者の支援について質問します。
 ことし五月に、いわゆる難病患者支援法が成立し、来年一月の施行まで、あと約三カ月になりました。現在、国は、先行して対象とする約百十疾病の案についてパブリックコメントを実施しており、その結果も踏まえ、十月中には正式に指定する予定とされています。そして、来年夏には最終的に三百の疾病までに拡大し、助成対象者は、現在の約七十八万人から約百五十万人へと、ほぼ倍増する見通しであります。
 都においても、約十五万人の方が新制度の対象になる見込みであり、その方々が安心して新制度を利用できるようにすることが非常に重要です。そのため、都議会公明党はこれまで都に対し、万全を期して対応するよう強く求めてきました。
 新制度の開始に当たり、とりわけ重要なのは、都が独自に行ってきた医療費助成制度の対象者への対応であります。都はこれまで、国の助成対象外の二十三の疾病に対し、独自助成を行ってきました。国が新制度に移行するに当たり、こうした方々からは、自身の利用している制度が今後どうなるのかといった不安の声が多数寄せられています。
 国の新制度では、所得に応じた自己負担限度額の見直しなどが行われますが、既に認定されている方に対しては、激変緩和のため三年間の経過措置が設けられます。こうした状況の中、都においては、患者の方々が安心して医療が受けられるよう、独自の医療費助成制度を継続の上、支援するとともに、必要に応じて経過措置を設けるなど、患者目線の対応をすべきです。見解を求めます。
 関連して、難病相談支援センターの機能強化について質問します。
 ことし五月の北海道難病センターに続いて、都議会公明党は七月上旬、佐賀県の相談支援センターを視察してまいりました。同センターは平成十六年九月、九州で初めて設置され、現在、NPOにより運営されています。
 このセンターは、患者や家族からの相談に細部にわたり丁寧かつ親切に応じていることで知られ、評判を聞いて、隣接する福岡はもとより、九州各県から訪れる人もいるといいます。四名いる相談員は、いずれも患者本人またはその家族、いわゆるピアカウンセリングであり、毎月一回、医師や臨床心理士等による専門研修を受け、スキルアップを図っているそうであります。
 最近では就労に関する相談がふえ、全体の三割を超えるそうです。センターでは、こうしたニーズを的確に捉え、県と協同して難病患者の雇用就労に理解のある企業や個人で構成する難病サポーターズクラブを結成。事務局として、難病支援の普及啓発や就労のためのネットワークづくりなどにも精力的に取り組んでいます。
 以上の取り組みは、都の相談・支援センターの機能強化を考える上で非常に示唆に富んでいると考えます。今後の都センターにおける相談機能の拡充について、見解を求めます。
 次に、東京大気汚染訴訟にかかわる医療費助成の見直しについて質問します。
 東京大気汚染訴訟は、自動車の排気ガスにより気管支ぜんそくを発症したとする方々が、国、東京都、自動車メーカー、首都高速道路公団を相手に、平成八年から開始した訴訟であります。本来であれば、患者の救済は国が責任を持って行うべきですが、都が主導して、平成十九年に和解が成立、都を中心とする関係者の財源により、平成二十年から医療費助成がスタートしました。
 この制度は、昨年度、創設から五年が経過し、和解条項に基づく見直し時期を迎えましたが、当初の財源を使い切る一方で、関係者から追加財源の拠出の理解も得られなかったことから、今回、一部見直しを行うことになりました。こうした状況の中、都が単独の財源により事業の継続を決断したことは高く評価したいと思います。
 その上で、今回の見直しは、新規認定の終了や自己負担上限額の設定など、大きな見直しとなるため、混乱や不安が生じないよう丁寧に対応していくことが重要です。
 そこで、制度移行に当たっては、十分な理解が得られるよう、見直し内容の周知に手を尽くすべきです。見解を求めます。
 次に、災害対策について質問します。
 この夏は、数十年に一度といわれる特別警報が相次ぎ、観測史上最大の雨量が各地で記録されました。九月十一日には北海道で、東京二十三区の面積をはるかに超える広さの地域を対象に特別警報が発せられたりもしています。
 そこでまず、九百ヘクトパスカルに迫るスーパー台風などから都民の命を守るための対策についてです。
 アメリカでは、二〇〇五年、最大時で九百二ヘクトパスカルを記録したハリケーン・カトリーナがニューオーリンズ市を襲い、一千名以上のとうとい人命が奪われました。その経験を踏まえ、二〇一二年、最大時九百四十ヘクトパスカルのハリケーン・サンディの際には、あらかじめ取り組むべき対策を時系列的にプログラム化しておく、いわゆるタイムラインに基づく防災対策を布陣し、ニューヨーク州などで大きな効果を上げています。
 都内において、もし決壊や溢水が発生した場合、中高層階の建造物へのいわゆる垂直避難だけでは被害の拡大は防げません。数日前から海抜の高い地域に避難する、広域避難が必要です。
 ところが、百数十万人もの東部低地帯に暮らす都民が、一時に鉄道や道路、橋梁などに集中すれば、台風の襲来前に人命が奪われてしまう事態になりかねません。障害者、妊婦、要介護状態にある高齢者などの要配慮者の避難などを優先させるとともに、地域を区切って秩序正しい避難を実現させる必要があります。
 そこで、被害の軽減を図るために、防災、減災のタイムラインを構築するなど、事前のソフト対策を確立しておくべきです。見解を求めます。
 さらに、避難勧告などの発令において、絶対にタイミングを逸しないという強い姿勢と、それを担保する備えが大切です。現在の災害対策基本法では、発令の権限は区市町村長にあり、権限を有する者同士が互いに様子をうかがい合い、発令の時期を逸する危惧が拭い切れません。
 この点、アメリカでは、大災害時、大統領が非常事態宣言を発する国家的な対応をとっています。我が国においても、広域避難の実効性を高めるためには、同様に国レベルの対応が必要であります。こうした点について、都は国と検討し、推進を図るべきであります。見解を求めます。
 ところで、現在の都の地域防災計画では、震災発生直後は各局それぞれの任務に取りかかることになっていますが、少なくとも初動の七十二時間は、都庁一体となって人命救出救助に全精力を傾ける必要があります。都の危機管理のかなめは、現在、総合防災部が担っていますが、総合防災部は、自然災害のみならず、テロや感染症等のさまざまな危機管理対応の連絡調整も担っております。首都東京都としてのスケールや、国との連携も視野に入れてもよいのではないかと思います。
 十三年前、米国同時多発テロが発生した際、我が党は、都の危機管理体制強化のために、東京版FEMAの創設と危機管理監の新設を提案しました。これを受け、当時の石原都知事は、首都圏FEMAなるものを立ち上げましたが、残念ながらほとんど機能しておりません。
 そこで、都各局はもちろん、自衛隊、警察、消防等との連絡調整を行う東京版FEMAの創設を改めて提案いたしますが、知事の所見を伺います。
 次に、土砂災害防止について質問します。
 昨年は東京の伊豆大島で、ことしは広島市で、豪雨による土砂災害が発生し、多くの方が犠牲となられました。土砂災害防止法の改正を国で検討していますが、都としての取り組みも極めて重要です。
 都は、平成十三年度の土砂災害防止法に基づき、危険箇所の多い西多摩地域から基礎調査に着手し、平成十七年度から順次指定を進めております。これまでに土砂災害警戒区域が約七千カ所、特別警戒区域が約四千カ所指定されています。この指定区域の中の人命に危険が及ぶおそれのある特別警戒区域には、老人ホームや病院などの要配慮者関連施設が現在三十九カ所あります。
 この施設の区域について、優先して計画的に急傾斜対策事業を進めるべきであります。見解を求めます。
 また、今述べた高齢者や病弱者などの災害弱者と並んで、児童生徒が通う教育施設についても安全確保が急がれます。建設局の調べによると、特別警戒区域に、公立、私立を含めて保育園、幼稚園が三園、小中高校二十二校、大学など二校となっています。合わせて二十七校が土砂災害特別警戒区域内にあるのが現状です。教育施設に関する危険箇所については、一刻も早く関係する都と区市町村と連携してハード面の安全対策を行うべきであります。
 さらに、休校措置や避難勧告については、国、都や各自治体と学校が緊密な連携をとって、避難できる体制づくりが重要です。学校に対する安全確保の取り組みについて見解を求めます。
 次に、伊豆大島の復興支援について質問します。
 昨年十月十六日の土砂災害から一年を迎えます。この間、瓦れきの撤去や被災した漁港の復旧など一定の成果が見えますが、被災した方々の本格的な生活再建や、大金沢など壊滅的な被害を受けた地域の再生はこれからであります。
 こうした中、大島町では、都とも協力し、今後十年を見据えた大島町復興計画を策定することとし、今月下旬の最終決定に向け、現在、詰めの作業を行っています。計画には、ソフト、ハード両面の取り組みが盛り込まれていますが、具体化するための課題は、やはりマンパワーの確保であります。
 特に、住宅再建や道路、農地、砂防施設等の復旧を同時並行で進めるには、土木、建築等の技術職や、区画整理等の専門的知識を持つ職員が欠かせません。
 都職員OBや民間人の活用を含めた人員を集中的に派遣し、復興作業を加速させるべきです。見解を求めます。
 次に、災害時の病院船による海からの救援活動について質問します。
 首都直下地震の際には、首都圏全体で多数の負傷者が発生し、病院などの医療機関も被災して機能が低下することが想定されます。災害の発生直後から動き出しやすい海からの支援は、被災者の救命率向上に大きな役割を果たすことは間違いありません。
 国は現在、医療機能を備えた病院船による海からの新たな医療支援の検討を進めており、昨年の三重県尾鷲沖に続き、ことし秋には東京湾で、病院船導入に向けた実証訓練を実施する予定です。病院船は、東京都のみならず、近隣県を含めた首都圏一体で広域的に活用することが期待されます。
 都は、東京湾での貴重な実証訓練を大規模災害発生時の対策に十分生かすべきであります。訓練の際、知事は湾岸自治体の首長とともに病院船に乗り、防災サミットを開くことも有効であります。
 都は、今回の国の実証訓練を意義あるものになるよう、国に協力していくべきと考えますが、見解を求めます。
 今回の実証訓練では、船の上における医療資器材の動作確認、救命救助活動を担う関係機関との連携や情報連絡体制のあり方など、ハード、ソフト両面での検証が期待されているところです。この中で、病院船を活用した救急医療の提供や患者の広域医療搬送には、医療チームの協力も欠かせないと考えます。
 都は、全国に先駆けて災害医療派遣チーム、東京DMATを発足させて、東日本大震災においても専門的なトレーニングを受けた医師、看護師等を被災地に派遣し、高く評価されました。
 今回の実証訓練において、国がさまざまな角度から検証を行えるよう、東京DMATが参加すべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、環境問題について質問します。
 都は、東京都長期ビジョン中間報告で、再生可能エネルギーの電力利用割合を二〇%に拡大する目標を掲げました。
 また、都施設の率先行動として、二〇一九年度末に約二万キロワットの太陽光発電導入を進めるほか、都内外で再生可能エネルギーの導入拡大を図ることとしています。
 都の検討会では、導入拡大に向けた具体策の検討が進められていますが、今後、検討会の議論を踏まえ、官民連携して再生可能エネルギーを導入することが重要であります。見解を求めます。
 また、再生可能エネルギーの利用割合を高めるためには、都内に膨大に存在する戸建ての既存住宅において太陽光発電の導入拡大を図ることも重要です。既存住宅は、窓や壁からの熱の出入りが大きく、断熱性の向上などによりエネルギー利用効率を高め、エネルギー使用量を減らすことが必要です。
 そこで、再生可能エネルギーの導入に当たっては、リフォームの機会を活用して、省エネ、節電にも取り組むことが効果的です。その機会を捉えて、都としての支援をすべきであります。見解を求めます。
 最後に、国際コンテナ戦略港湾政策について質問します。
 当初、本政策は、選択と集中という理念のもと、重点的な投資を行う港湾を選定するとともに、港湾運営に民間の視点を導入し、柔軟で効率的な運営を実現することで国際競争力強化を図るというものでありました。
 しかしながら、国は、港湾運営会社に対する国の出資を可能とする港湾法の改正を行うなど前提条件を変更し、その関与を一層強めようとしています。
 先般、阪神港は、国の出資を大幅に受け入れる形で港湾運営会社を設立することを表明しました。阪神港では、今後、国主導の港湾運営会社が実態的な港の経営を担うこととなりますが、東京港とは異なる運営上の諸事情があったものと仄聞しており、事情の異なる京浜港においては、同じような手法はとり得ません。港湾の国際競争力向上は、我が国の重要課題でありますが、港の経営を国が主導すればうまくいくというような、決して単純な問題ではありません。
 東京港の今の繁栄は、港湾管理者である自治体と現場の事業者が一体となって担ってきた、さまざまな関係者の努力の結果であります。京浜港の港湾運営会社の設立に当たっては、いまださまざまな疑問の声が上がる中、現場の方々の声を十分に聞いて進める必要があり、決して拙速に進めるべきではありません。
 当初の京浜港の計画書では、今年度中の統合を計画していたようですが、政策の前提が変わった今、関係者の意見をしっかりと聞いた上で、慎重に進めるべきと考えますが、見解を求め、代表質問を終わります。(拍手)   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 高倉良生議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、政治のリーダーシップについてでありますが、私は、開会日の所信表明演説で、行政をつかさどる立場の政治家は、あしき前例踏襲と意味ある行政の継続、この二つをしっかりと見きわめることは必要であると申し上げました。
 およそ行政というものは地道な作業でありまして、東京都の行政も、その七割、八割は、日々の積み重ねであります。これを無視して、ただ派手に振る舞っても、しょせんパフォーマンスでしかあり得ません。
 官僚組織は、前例に基づいて物事を処理し、あるいは若干の改良を加えるのが得意であります。しかし、ご質問にありますような、これまで経験したことがないようなリスクや社会の大きな変化に直面したときには、それでは限界があります。その限界を破ることが、まさに都民、国民に選挙で選ばれた政治家の役割であると考えております。
 都民の安全を守り、生活の質の向上を実感できる都市を築くことが私の使命であります。それを果たすため、行政の固定観念や都合にとらわれず、都民のことを第一に考えた政策を大胆に展開してまいります。
 さらに、意味の薄れた規制は緩和して、東京に集まる人材や企業の力を最大限引き出し、経済を活性化させる。そこから生まれた新しい富を、防災や福祉、治安、教育の充実に回します。
 政治のリーダーシップを発揮することで、都政を力強く前に進めたいと考えております。
 続きまして、訪韓の成果と今後の都市外交についてでありますが、北京に引き続き、ソウル特別市長の招待により、十八年ぶりに訪問してまいりました。ソウル市長とは、さらなる関係発展に向けて、都市の安全・安心対策、環境、オリンピック・パラリンピックなどの分野で協力していくこととし、合意書を締結いたしました。今後、これを着実に実施してまいります。
 また、朴槿恵大統領にも面会し、東京都が進めるソウル市などとの都市外交に対し、理解と賛意を得ました。
 こうしたトップとの会談のみならず、ソウル大学では百五十人の学生を前に講演を行い、相互の理解につながる対話ができました。
 四月の北京と同様、都市という立場を生かしたさまざまなレベルでの交流を行うことで、国同士の関係が複雑な状況にある中にあっても、良好な関係を築くことができたと考えております。
 引き続き、海外諸都市と交流を促進し、教え、教えられる、お互いにメリットのある関係を構築してまいります。
 例えば、来年度中を目途に、自治体国際化協会の海外事務所も活用して、姉妹友好都市などへの職員派遣の拡大を検討してまいります。
 多様な都市外交を通じて、東京を一段とレベルの高い都市に引き上げるとともに、オリンピック・パラリンピックの成功に結びつけてまいります。
 都市間の防災ネットワークについてでありますが、近年、気候変動の影響などにより、世界各地で自然災害が多発しております。また、テロ行為も世界で頻発しております。
 こうした状況のもと、都は、危機管理に関する経験やノウハウの共有、災害発生時における迅速な情報交換を図るため、実務担当者会議の開催や危機管理ネットワークの構築を行ってまいりました。
 また、お話のように、海外で大規模な自然災害が発生した際には、被災国の要請に基づき、消防庁のハイパーレスキュー隊を中心とした部隊を派遣し、救助活動に当たってまいりました。
 さらに、先般行われました東京都総合防災訓練には、毎年海外の都市からの救助隊が参加し、合同訓練を行っております。ことしもソウル特別市、台北市、新北市が参加いたしました。大変皆さん熱心に参加されて、本当にうれしく思いました。こういう草の根レベルでの顔と顔を見合わせながらの交流、これが本当にすばらしい都市間協力につながると思っています。資機材に関する知識を共有することによりまして、実際に災害が発生した際に、相互に円滑な救助活動を行うことができると考えております。
 こうした協力関係は、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催に向け、テロ対策などを含めて、ますます重要になってまいります。
 現在、庁内で都市外交推進会議を立ち上げ、年内を目途に都市外交基本戦略の策定を進めております。防災面の協力関係についても、基本戦略の中でしっかりと位置づけ、取り組んでまいります。
 長期ビジョンの最終報告に向けた見解についてでございますが、東京が持続的に発展し、さらなる成長を続けていくためには、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの先を見据えた東京の将来像を描き、都政が直面する課題に対し、解決に向けた具体的な取り組みを進めていかなければなりません。
 私は就任以来、精力的に現場に足を運び、都民の真のニーズの把握に努めてまいりました。公明党の議員の先生方にも何度も現場に一緒に行っていただきまして、まことに感謝申し上げます。
 また、困難な課題にも正面から向き合い、解決の処方箋を提示するため、タスクフォースの設置など機動的な検討体制を整え、外部の専門家の方々とも幅広く意見を交わしてまいりました。
 長期ビジョンの中間報告では、都政の多岐にわたる課題を体系的に整理し、政策目標と政策の方向性を示しました。特に政策目標につきましては、都が実施する施策の到達点だけでなく、社会や都民生活に及ぶ効果や状況も可能な限り数値化して、東京全体として目指すべき目標も積極的に明らかにしております。
 最終報告に向けまして、都議会での議論や中間報告に寄せられたご意見を十分に踏まえるとともに、引き続き検討を行っている課題につきましても、新たに目標等を加えてまいります。
 さらに、具体的な政策展開や三カ年の実施計画を盛り込むことで実効性のあるビジョンとし、都民の皆様に、未来への夢と希望を持っていただけるよう、世界一の都市東京の実現に向けた道筋をしっかりと示してまいります。
 文化ビジョンの策定に向けました障害者の文化芸術活動の振興についてでありますが、アール・ブリュットやパラアートなど障害者アートは、現代芸術の一つの分野として、また高い精神性を持って交流を促進する芸術として確立した、世界中の人々に感動と共感をもたらす芸術的価値の高いものと認識しております。
 二〇一二年のオリンピック・パラリンピック・ロンドン大会では、障害者のアートが展示されたアンリミテッドプログラムが英国全土で盛大に実施されました。
 今後具体化される東京大会の文化プログラムを多彩で魅力的なものにするためには、その芸術性が国内外でも高い評価を得ている障害者アートをプログラムに盛り込んでいくことが重要であります。
 新たに策定することといたしました文化ビジョンにおきましても、東京が障害者を含めて誰もが芸術文化に親しみ、創作を行うことのできる都市となっていくために、障害者アートの推進を主要な柱として位置づけ、その支援を積極的に進めてまいります。
 外国人の人権擁護に向けた決意と人権啓発の取り組み強化についてでございますが、ある特定の国籍の外国人を排斥する趣旨の言動、いわゆるヘイトスピーチは、一人一人の人権が尊重され、豊かで安心して生活ができる成熟した社会を実現する観点から、あってはならないことだと考えております。
 オリンピック憲章では、人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別を禁じており、外国人の人権が尊重されないようでは、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会を史上最高、世界一の大会にすることはできません。
 一方、表現の自由との兼ね合いなどから、ヘイトスピーチの規制は、一地方自治体ではなく、国全体で取り組むべき課題であります。安倍総理にもお話し申し上げましたが、総理指示のもと、早速対策の検討が始まっております。
 都みずからも、人権週間を中心に「広報東京都」等さまざまな媒体を活用するとともに、国や区市とも連携し、外国人の人権尊重に向けた啓発活動を一層強化していくことで、多文化共生社会を実現するよう、全力で取り組んでまいります。
 続きまして、危険ドラッグの乱用防止についてでありますが、危険ドラッグは使用者の心身をむしばみ、社会の秩序を乱す危険な薬物であります。その害悪ははかり知れず、絶対に許すことはできません。
 そのため、都は、平成十七年に国に先駆け東京都薬物の濫用防止に関する条例を制定し、規制、監視指導、普及啓発を柱に、さまざまな対策を講じてまいりました。
 特に、普及啓発では、青少年、若者をターゲットに、中学生を対象としたポスター、標語の募集、薬物乱用防止高校生会議の開催、大学や繁華街でのイベントを実施するほか、リーフレットやポスターの作成、街頭ビジョンやトレインチャンネルでの動画広告、専用の啓発サイトの開設など、さまざまな媒体を活用して啓発活動を行い、薬物の危険性を強く訴えかけてまいりました。
 本定例会には、指導、取り締まりをさらに強化するため、警察職員の販売店への立入調査権限の付与などを盛り込んだ条例の改正案を提出しております。
 今後とも、国や警視庁等と連携しながら、取り締まりや監視を一層強化するとともに、行政、警察、地域が一体となって、薬物の恐ろしさをあらゆる機会を捉え繰り返し訴え、危険ドラッグの根絶に全力を尽くしてまいります。
 東京版FEMAの創設についてでありますが、現在、自然災害などの危機に対し、知事として情報収集や分析を行い、指揮命令を迅速かつ的確に行うため、自衛隊で師団長を経験した人材を危機管理監として配置し、常設の危機管理組織である総合防災部を設置しております。
 平時には、首都直下地震や大規模風水害などさまざまな危機に対処するため、地域防災計画等を策定しておりますが、計画作成に当たりましては、危機管理監指揮のもと、総合防災部の職員により、庁内各局を初め、自衛隊、警察、消防などさまざまな関係機関との調整を行わせております。
 さらに、大規模災害が発生した場合には、危機管理監より直接連絡を受け、知事である私が指揮命令を行います。人命救助において大変重要な発災後七十二時間を一秒たりとも無駄にすることのないよう、各局はもとより、自衛隊、警察とも連携しながら救出救助活動を展開してまいります。
 私は若いころ、危機管理を研究しておりまして、FEMAについても非常によく研究をさせていただきましたので、FEMAの持つすばらしい組織の運営のあり方、また対応の仕方、これを東京都の今の防災部の中にしっかりと組み入れて、先生のご意見が通るような形で危機管理をしっかりやってまいりたいと思います。
 今後とも、ご指摘の趣旨を踏まえ、迅速に災害活動ができるよう、危機管理体制を充実強化していく決意でございます。
 その他の質問につきましては、警視総監、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁させます。
   〔警視総監高綱直良君登壇〕

〇警視総監(高綱直良君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた警視庁の治安対策についてであります。
 警視庁では、今般、二〇二〇年に開催される同大会を見据え、犯罪をさらに減少させ、首都東京の治安に対する信頼感の醸成を図るため、治安対策の中長期的な展望として、世界一安全な都市東京実現のための警視庁ビジョンを策定したところであります。
 今後は、本ビジョンに基づき、オリンピック大会の成功に向けて、国際テロや震災への備えを万全にすることはもとより、サイバー攻撃等、新たな治安上の脅威への対策、さらには特殊詐欺、ストーカー、DV事案、危険ドラッグ等、都民に不安を与える犯罪への対策など、各種の治安対策に組織一丸となって取り組んでまいります。
 また、そのために必要な体制強化を初めとする治安基盤の充実強化を図るとともに、東京都等関係機関との連携を一層強化して、治安対策を万全なものとしていく所存でございます。
 次に、東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部改正による危険ドラッグ対策の強化についてでございます。
 これまで、危険ドラッグ販売店等への警察職員による立入調査につきましては、明示的な法令上の規定がなかったため、警察といたしましては、東京都の職員等による立入検査に同行して、相手方の協力を得て立ち入りを行っていたところであります。
 しかしながら、このたびの条例改正によりまして、警察職員の立入調査の権限が明確に規定されるほか、知事と公安委員会との間の協力に関する規定が整備されることで、警察活動と行政上の措置が連動して、危険ドラッグの乱用に対し、より効果的に対処をすることが可能となります。
 今後、改正条例が成立し、施行されれば、新たに認められる権限による立入調査を積極的かつ徹底して行うなど、危険ドラッグの撲滅に向けた対策を東京都と連携協力して、一層強力に推進してまいります。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、危険ドラッグに関する指導についてでありますが、本年七月、都教育委員会は、区市町村教育委員会及び学校に対し、危険ドラッグ乱用防止に関する通知を発出し、現在実施している薬物乱用防止教室において、危険ドラッグを重点的に取り上げることや、保護者や地域の方々にも参加を呼びかけ啓発することなど、児童生徒にその危険性を認識させる指導の徹底を図っております。
 今後、こうした取り組みに加え、危険ドラッグについての内容を盛り込んだ指導資料を改訂するとともに、薬物乱用防止教室における薬剤師や警察職員などの外部講師の積極的な活用や教員研修の実施などを通して、危険ドラッグに関する指導の充実に取り組んでまいります。
 次に、公立学校の特別教室の冷房化についてでありますが、都立高校については、普通教室の冷房化に加えて、防音性が求められるなどの理由から、特別教室のうち早急に教育環境の整備が必要な音楽室、視聴覚室、図書室、パソコン教室などの冷房化を既に完了しております。
 小中学校につきましても、都独自の補助事業を実施し、平成二十五年度に全校で普通教室の冷房化を完了いたしました。さらに、今年度から小中学校を対象に、都立高校において整備が完了している音楽室等の特別教室の冷房化に係る補助事業を開始し、区市町村が計画的に冷房化を進められるよう支援をしております。
 小中高等学校の全ての特別教室の冷房化につきましては、各特別教室の利用実態や区市町村における冷房化の計画などを踏まえ、総合的に検討してまいります。
 次に、土砂災害時の学校の安全確保についてでありますが、大規模な土砂災害が相次ぐ中、発災に備え、児童生徒の安全を確保する取り組みの充実は重要でございます。土砂災害警戒区域内の都立学校では、敷地内外の危険箇所の調査に加え、危機管理計画に警報発令時の避難方法や区市町村との連絡体制を明記するなどの対策を講じております。
 また、区市町村には、こうした都立学校の取り組みを周知し、学校の避難計画の策定を促しております。さらに、本年一月に土砂災害対策の説明会を開催し、対策工事実施のための情報提供を行うなどの取り組みを行っております。
 今後も、関係局と連携して、学校設置者や区市町村の防災担当部門等に対して、ハード、ソフトの両面から学校の土砂災害対策に必要な情報を提供するなど、児童生徒の安全確保を図ってまいります。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

〇東京都技監(横溝良一君) 老人ホームや病院等の施設に隣接する急傾斜地の安全対策についてでございますが、土砂災害から利用者の命を守るためには、まずは、施設の所有者が建物の安全や円滑な避難体制を確保し、必要に応じて行政による支援を行うことが基本でございます。
 これまでも都は、八王子市南浅川地区など所有者による対策が困難な箇所において、地元から一部負担金を受け入れ、急傾斜地における対策事業を行ってまいりました。
 今後は、土砂災害特別警戒区域内においても、施設の状況に応じて対策事業を実施してまいります。
 また、警戒区域内の施設に対しては、地元自治体が利用者の円滑な避難のために災害情報の伝達を行うこととされており、引き続き警戒避難体制の整備を促進してまいります。
 こうした対策につきまして、今後関係する区市町村との連携のもと、取り組みを一層推進してまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、女性の活躍推進に向けた機運醸成とワークライフバランスの推進についてでありますが、女性の活躍推進には、産業、地域などあらゆる分野で女性登用や就業継続などの取り組みが進む必要があります。
 都は、機運醸成を進めるため、八月に新たに女性活躍推進会議を立ち上げるとともに、九月には、国際的に活躍する方々が参加した、女性が輝くまち・東京シンポジウムを開催いたしました。
 今後、女性活躍推進会議を中心として、企業や団体の積極的な取り組みを太鼓判事業として認定し、広くPRするとともに、特に先進的な取り組みについては、女性活躍推進大賞として知事賞を贈呈してまいります。
 また、子育てに当たりまして、家事、育児の負担が女性に偏らないようにするため、今年度新たに、夫婦でワークライフバランスの理解を深めるための啓発冊子を年内に作成し、区市町村が母子手帳と一緒に配布するほか、育児の楽しさの体験や子育てに必要な知識が得られる、父親を対象としたセミナーを十一月に開催いたします。
 さらに、若者に向けても、結婚、出産を見据えたキャリア形成や、多様な働き方の選択に加えまして、ワークライフバランスの重要性を学ぶことができるよう、大学に対して、指導教材に直接活用できる素材を積極的に提供してまいります。
 次に、文化ビジョンにおける民間の取り組みに対する支援についてであります。
 都内では、民間団体による多種多様な文化活動が行われて存在感を示しておりますが、今後、東京が世界一の文化都市となるためには、こうした民間の文化活動がさらに発展していくことが不可欠であると認識しております。
 これまでも都は、都民芸術フェスティバルや文化発信プロジェクトなどを通じて、民間の芸術文化活動に対する支援の充実を図ってまいりました。
 また、平成二十四年度に設置したアーツカウンシル東京では、芸術文化に精通した専門家の活用によりまして、民間の創意を生かす新しい助成制度や発表の場の提供など、内外の有望な若手芸術家が活躍するための仕組みを新たに導入してきております。
 文化ビジョンの策定に当たりましては、地域に根差した活動や障害者アートなどへの支援の拡充、さらには、より幅広い分野からの若手人材の発掘、育成などが可能となるよう、国内外とのネットワークや情報収集力など、アーツカウンシル東京の機能を強化し、新しい視点での民間活動の支援の充実を検討してまいります。
 最後に、アーツカウンシル東京の活用についてでありますが、アーツカウンシル東京は、民間の芸術活動を支援する専門機関として、戦略的な文化の創造発信による文化都市を形成する役割を担っております。
 オリンピック文化プログラムを魅力あるものとしていくためには、東京の文化をより強く発信していくという観点から、国内外の文化団体や芸術関係者に幅広く意見を聞き、知恵を集約することが重要であります。
 そこで、本年七月より、アーツカウンシル東京の有する専門人材も活用いたしまして、さまざまな団体にヒアリングを開始いたしました。その中では、国内外の芸術家はもとより、例えば舞台照明など芸術活動を支えるスタッフが国際的な交流を広げる場づくりの必要がある、あるいは芸術文化の送り手だけではなく、見たい側、知りたい側からの目線での情報発信が必要ではないかなど、現場の芸術活動に根差した多くの有意義な指摘をいただいております。
 今後、こうしたヒアリングで得られたさまざまなご意見を、文化ビジョンの策定や文化プログラムを具体化していく中で十分に反映してまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 十点のご質問にお答えします。
 まず、受動喫煙防止対策についてですが、都はこれまで、受動喫煙防止ガイドラインを策定し、都民の理解促進はもとより、区市町村や企業に対する研修会の開催や、職場向けハンドブックの配布など、受動喫煙の健康影響や職場の環境整備に関する普及啓発を広く行ってまいりました。
 また、飲食店等に対して、分煙方法を紹介するリーフレットや、店内の禁煙、分煙の取り組み状況を店頭に表示するステッカーを配布し、事業者の取り組みを促しております。
 こうした取り組みをさらに進めるため、今回設置する検討会では、禁煙、分煙についてのさまざまな意見をお持ちの有識者や、飲食店、宿泊関連の事業者等から幅広くお話を伺うこととしており、今後、検討会での議論も踏まえながら、受動喫煙防止対策を積極的に進めてまいります。
 次に、薬物の再乱用防止に向けた対策についてですが、お話のように、薬物乱用者やその家族は深い悩みや不安を抱えることも多く、再乱用防止のためには、区市町村、相談機関、医療機関、民間機関等が連携して支援する体制を強化していくことが必要でございます。
 都では現在、相談を保健所や精神保健福祉センター等で受け、必要な場合には専門医療やセンターの薬物依存症回復プログラムにつなげております。また、プログラムは、同じ経験を持つ仲間が相互に助け合う活動を行っている民間団体の協力も得て実施しており、終了後も民間団体の情報を提供するなど、継続的な支援につなげております。
 今後、こうした取り組みを一層推進するとともに、相談や支援業務に携わる専門職員への研修や事例検討会等を一層充実し、再乱用防止に向けた対策を強化してまいります。
 次に、妊娠期からの継続的な子育て支援についてですが、現在、区市町村では、妊産婦や乳幼児に対する健康診査、保健師等による家庭訪問、子育て広場における育児相談など、さまざまな子育て支援を行っております。
 こうしたさまざまな支援を、お話のフィンランドのネウボラのように切れ目なく一貫して提供することは、子供とその親にとって有効な取り組みであると考えております。
 都は現在、産前産後に支援が必要な方に対する相談を行い、地域の関係機関につなげる専任の相談員の配置や、地域のさまざまなサービスを組み合わせた支援プログラムの作成などを行う区市町村を包括補助で支援しております。
 今後、こうした事業も活用しながら、区市町村において関係機関が連携して妊娠期からの切れ目のない支援を行えるよう、その取り組みを支援してまいります。
 次に、地域福祉コーディネーターを活用した家庭への支援についてですが、都はこれまで、子供と家庭に関する相談や支援を行う子供家庭支援センターや、身近な地域で子育て相談や親子の交流を行う子育てひろばの設置など、子育て施策の充実に取り組む区市町村を支援してまいりました。
 また、区市町村が地域の実情に応じて地域福祉コーディネーターを配置する場合には、包括補助制度等により支援しており、現在八つの区市が配置しております。
 地域福祉コーディネーターは、コミュニティソーシャルワーカーとして関係機関やボランティア等と連携した総合的な支援やネットワークづくりを担っており、都は今後、コーディネーターを活用して地域の支援体制の充実を図る区市町村の取り組みを積極的に支援してまいります。
 次に、生活保護世帯等の子供の学習支援についてですが、都はこれまで、独自に生活保護世帯の子供を対象に学習塾の費用助成等を行う区市を支援するほか、低所得世帯の受験生を対象に、学習塾の費用や受験料を支援してまいりました。
 また、十一の区市では、国の補助事業を活用し、生活保護世帯を対象に高校進学に向けた学習会等を実施しております。来年四月施行の生活困窮者自立支援法では、学習支援事業の対象が生活困窮世帯にまで拡大いたします。そのため、都は現在、実施主体である区市にその実施を働きかけており、現時点で二十三の区市が取り組みの意向を示しております。
 都は今後とも、生活保護世帯や低所得世帯の子供へのさまざまな支援を行いますとともに、先駆的な取り組みの内容や効果を広く紹介するなど、より多くの区市が新たな学習支援事業に取り組めるよう支援してまいります。
 次に、障害児保育についてですが、都はこれまで、保育所における障害児の受け入れを進めるため、必要な施設改修費や区市町村が行う職員研修への補助、都独自の子育て推進交付金などにより支援を行ってまいりました。その結果、昨年度は全体の七割に当たる約千四百カ所の認可保育所で障害児保育が実施されておりますが、利用者のニーズには十分に応えられておりません。
 平成二十四年度から、児童福祉法には、障害児に対する指導経験のある指導員等が保育所を訪問し、障害児や職員に対して専門的な支援を行う保育所等訪問支援が位置づけられ、現在、十区市の十一事業者によって実施されております。
 今後こうした取り組みを一層進め、保育所における障害児の受け入れが進むよう、区市町村を積極的に支援してまいります。
 次に、難病医療費助成制度についてですが、お話のように、国は新たな医療費助成制度において、対象疾病を現在の五十六から来年の一月には約百十に、夏ごろには約三百に拡大する予定でございます。また、所得に応じた自己負担限度額や、既に医療費助成を受けている患者に対する経過措置を設けることとしております。
 現在、都は、独自に助成している二十三の疾病について、国制度の改正内容を踏まえ支援策を検討しており、仮に新制度の対象とならない場合には、自己負担限度額など国制度との整合を図った上で、助成を継続していく方針でございます。また、必要に応じて経過措置も設ける考えであり、現行の都独自の助成を受けている患者の方々が、法施行後も安心して医療を受けられるよう、適切に対応してまいります。
 次に、難病相談・支援センターの相談機能の拡充についてですが、長期の療養を要する難病患者が安定した療養生活を確保し、生活の質の向上を図ることができるようにするためには、患者や家族のさまざまなニーズに対応し、きめ細かな相談支援を行うことが重要でございます。
 そのため、都の相談・支援センターでは、保健師等による療養相談や、ピア相談員による当事者の立場からのアドバイスを行うとともに、ハローワークと連携した就労に関する相談会やシンポジウムを実施してまいりました。
 こうした患者の療養生活に関する相談や支援等につきましては、今回の法制化で都道府県事業として改めて位置づけられており、今後示される国の基本方針や、お話の他の自治体の取り組みも踏まえながら、相談・支援センターにおけるさらなる施策展開を検討してまいります。
 次に、大気汚染医療費助成制度の見直しについてですが、今回の見直しは、平成二十年八月の制度創設から昨年度で五年が経過し、和解条項に基づく見直し時期を迎えたことから実施するものであり、この間検証を行ってまいりました。
 その結果、和解条項に基づいて創設した十八歳以上の患者への新規認定は今年度末で終了いたしますが、既に認定された十八歳以上の方に対しては、制度を創設した立場としての責任を果たすため、経過措置として、来年度からの三年間全額助成を継続し、それ以降は月額六千円を超える自己負担の全額を助成することといたしました。
 自己負担上限額は、これまでの助成実績や他の医療費助成制度との均衡を踏まえて設定しており、実施に当たっては、患者ご自身が月間の累計額を容易に把握できる仕組みも取り入れる予定でございます。
 また、制度移行に当たっては、円滑な移行が図られるよう、申請窓口である区市町村や医療機関に対して見直し内容を速やかに情報提供するとともに、ポスター、リーフレット、ホームページ、「広報東京都」など、あらゆる媒体を活用し、都民や患者の方々に対する十分な周知を図ってまいります。
 最後に、民間船舶を活用した医療機能の実証訓練への東京DMATの参加についてですが、今回国が行う訓練は、海からのアプローチによる医療機能の提供が有効なケースや運用上の課題を明らかにするため、民間船舶に医療資器材を積み込み、制約された環境のもとでの医療活動の実証訓練を行うものであると聞いております。
 この訓練に、これまで都内の大規模な事故現場や都外の被災地などで数多くの救命活動等を行ってきた東京DMATが協力することは、その経験と実績を生かした多角的な視点からの医療活動の検証を可能にするものと考えております。そのため、都としては今回の訓練への東京DMATの参加を国に対し積極的に働きかけてまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 都有地等の情報提供についてでありますが、保育所を初めとする福祉施設の整備を進めていくためには、ご指摘のとおり、区市町村が都有地等の活用の検討がしやすいよう、適切に情報提供していくことが重要であると認識しております。
 そのため、都営住宅等の建てかえに伴って創出された用地や公営企業の未利用地もあわせ、活用可能な都有地等の情報を一元化するとともに、個別の土地の状況や貸付時期の目安を示すなど、区市町村に提供する情報の充実を図ってまいります。
 こうした取り組みを通じて区市町村の計画策定を支援するとともに、その活用の意向を早い段階から把握し、都有地等の貸し付け準備を迅速に進めるなど、福祉施設の整備を促進してまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、大規模水害に備えるソフト対策についてでございます。
 都は本年七月、国、区市町村、学識経験者を交えた広域避難検討会議での議論を踏まえ、地域防災計画を修正し、新たに広域避難の枠組みを整理いたしました。計画では、ライフライン事業者や交通事業者について、平時から浸水防止対策等に取り組むことを位置づけるとともに、広域的視点から都の取り組みを明記してございます。
 具体的には、区市町村間の調整、平時からの国、都県、区市町村等の連携体制の整備、都内及び近隣県の受け入れ先確保に向けた調整、交通事業者との協定締結に向けた検討などを行うこととしており、年度内に区市町村や近隣県との担当者会議を設置いたします。
 今後とも、国の動向等も踏まえつつ、関係機関と連携しながら、大規模水害対策を着実に推進してまいります。
 次に、広域避難に関する国との検討、推進についてでございます。
 首都圏において、区市町村のみならず、都県境を越えるような大規模水害が発生した場合、地方自治体だけでは限界があり、国が前面に立った対応が必要となります。
 昨年十一月、国は、利根川や荒川の堤防の決壊、東京湾での高潮浸水が発生した場合の対応を検討するため、国、都県、区市町村、道路管理者、鉄道事業者等をメンバーとする首都圏大規模水害対策協議会を設置いたしました。現在この協議会では、大規模水害時の避難にかかわる行動計画の策定に向けて、関係機関と調整すべき事項等を把握するため、避難人口や避難手段、避難に要する時間などの基礎的な検討を行っております。
 今後とも、国が主体となった実効性ある広域避難対策が実現されるよう、国や関係機関と議論を重ねてまいります。
 次に、大島の復興支援についてでございます。
 発災以降、都は、応急仮設住宅の建設や、大金沢の堆積工のかさ上げによる機能強化等の応急対策を実施してまいりました。また、関係局や支庁による技術的な支援及び町への職員派遣により、町道の復旧や復興計画の策定など、町の復興への取り組みを支援しております。
 今後、町は、計画に掲げられた事業の具体化を図ることとなりますが、復興をなし遂げるためには、人員の確保など事業を着実に推進していくための体制整備が重要でございます。
 都は、事業推進体制の整備に向けた町の取り組みに適切な支援を行うなど、町の意向を踏まえながら、復興の加速に向け引き続き取り組んでまいります。
 最後に、病院船を活用した訓練についてでございます。
 首都直下地震の発生時には、多数の負傷者が発生するだけでなく、病院の被災やライフラインの途絶等により医療機能が低下する可能性があり、周辺自治体も含め、既存の病院等だけでは対応し切れないことも想定されます。
 こうした中、国が病院船を活用して医療機能を提供することは、負傷者の搬送等の課題はあるものの、都を含む東京湾周辺自治体にとって有効と考えられます。また、病院船を広域的に活用するなど、その実効性をさらに高めるためには、災害時に国が主体となって各自治体と受け入れ調整を行うといった、現実的な想定を置いて訓練を実施することが重要となります。
 このため、関係機関と連携しながら、実践的な訓練内容となるよう、国に対し積極的に協力してまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) エネルギー施策に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、再生可能エネルギーの導入拡大についてでございますが、再生可能エネルギーの導入を促進するためには、東京の特徴や課題を踏まえた多角的な取り組みが必要であると認識しております。
 地価が高く、土地が狭隘な都内では、集積する建物や駐車場の上部空間等の未利用スペースを有効活用した小規模太陽光の導入拡大が有効でございます。都施設においても、昨年度末で一万キロワットを超える太陽光発電を導入するなど、率先行動を進めており、庁内連携体制を強化して取り組みを加速してまいります。
 また、都が作成したソーラー屋根台帳を活用して、区市町村がNPOなどの民間団体と連携して地域で取り組む、太陽エネルギーの利用拡大策に対する支援も行ってまいります。
 さらに、都内にポテンシャルのある太陽熱や地中熱、バイオマス等の活用や、官民連携再生可能エネルギーファンドを通じた、被災地支援にも資する都外での導入拡大にも取り組んでまいります。
 今後も、再生可能エネルギー拡大検討会における議論を深め、十一月下旬に行う最終まとめを東京都長期ビジョンに反映し、取り組みを推進してまいります。
 次に、住宅への再生可能エネルギーの導入と、省エネ、節電への取り組みについてでございますが、都内における再生可能エネルギーの一層の利用拡大のためには、住宅への太陽光発電の導入促進が必要であり、中でも新築と比べて導入が進んでいない既存住宅での取り組みが重要でございます。
 また、家庭部門の省エネを一層進めるためには、既存住宅の断熱性を高めることなども大切であります。このため、リフォームの機会を活用して既存住宅の省エネ性能の向上を図るとともに、太陽光発電の導入を促進することが効果的と認識しております。
 今後、こうした観点を踏まえて、再生可能エネルギーの利用拡大や省エネ、節電の促進に向けた取り組みを検討してまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) 国際コンテナ戦略港湾政策についてですが、ご指摘のとおり、国は、港湾運営会社への国出資を可能とするなど、本政策について、民の視点の活用から国主導へと、その前提を大きく転換させました。このため、新たな港湾運営会社の設立に当たっては、これまで以上に慎重な検討が必要でございます。
 新たな会社の出資構成や担うべき役割などについては、現場の港湾関係者の方々に大きな影響を与えることから、さまざまな関係者のご意見を踏まえた上で、これらの方々が納得できる形で進めていかなくてはならないと考えております。
 都としては、法の定める京浜港の港湾運営会社の設立期限である平成二十八年九月までの間に、関係者との十分な議論を行った上で、川崎港、横浜港との合意形成を図り、国と交渉を行ってまいります。

〇副議長(藤井一君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後四時五十九分休憩

   午後五時二十分開議

〇議長(吉野利明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 八十番畔上三和子さん
   〔八十番畔上三和子君登壇〕

〇八十番(畔上三和子君) 都議会第二回定例会の中で発せられた女性への人権侵害やじ発言、そして、政務活動費の使い方などをめぐり、地方議会への批判が広がっています。都議会のあり方も厳しく問われています。質問に先立ち、この問題について発言します。
 まず、女性への人権侵害やじ発言です。
 この問題の発生とその後の経過を通じて、本来、女性への差別をなくし、人権を守り、男女平等参画社会を実現していく先頭に立つべき都議会の、女性に対する人権感覚が大きく立ちおくれていることが明らかになりました。都議会として、この問題の重要性を認識し、事実解明と再発防止に取り組むことが緊急課題です。
 このこと抜きに、女性の人権侵害は一掃できません。そのことは、都議会の男女共同参画社会推進議員連盟会長による同様の発言が、議場でないとはいえ、繰り返されたことでも明らかです。
 我が党は、都議会として、責任を持って事実解明と再発防止対策、さらに、男女平等参画の推進に取り組むことを皆さんに呼びかけるものです。
 また、再発防止のため、都議会規則に明確に人権侵害発言をしてはならないとする文言を挿入することが必要だと思います。
 次に、議会改革です。
 政務活動費について、都議会はこれまで、使途の公開、領収書添付などを進めてきましたが、さらに改善することが必要です。我が党は、新年会を初めとする飲食を伴う活動への支出は禁止することを提案します。
 費用弁償についても、多くの方から報酬の二重取りなどの批判の声が上がり、全国的にも見直しが進んでいます。都議会としても、費用弁償の原則廃止に踏み出すことが必要だと思います。今定例会で議会のあり方検討会を設置して、議会改革に早急に取り組むことを、各会派、議員の皆さんに心から呼びかけるものです。
 日本共産党都議団を代表して、知事に質問します。
 舛添知事は、長期ビジョン中間報告を発表しました。この中で、我が党が一貫して要求してきた保育園の待機児解消及び特別養護老人ホームの増設という点で大きな前進があったことは注目すべきことです。
 とりわけ、二〇一七年度までに四万人分の保育園整備という数値目標を掲げ、その後も待機児ゼロを継続としたことは高く評価できるものです。また、最大一万九千人分の特養ホームを整備するという目標を明確にしました。そして、これらを進めるため、都有地、国有地、民有地の借地料補助などの実施を明確に位置づけたことは、これまでの計画にはないことであり、極めて重要です。
 一方、長期ビジョン中間報告が、基本的には石原都政以来の長期ビジョンを継承し、外かく環状道路を初めとした大型開発を最優先し、国際金融センター構想などで外国企業を呼び込むなど、大企業がもうかれば全てうまくいくという経済政策、都市政策をとっていること、また、都民を苦しめている格差や貧困の広がり、安倍内閣が進める消費税増税、医療、介護等、社会保障の切り下げなどから都民生活を守る立場が欠けていることは容認できません。
 我が党は、前進面は評価し、さらに前進させる、問題点は是正を求め、都政が何よりも都民の暮らし、福祉を充実し、中小業者を応援する政策を中心に置くようにする必要があるとの立場から、以下、質問いたします。
 まず、少子高齢社会対策です。
 昨年度は、認可保育園を百十カ所、約九千人分整備しました。昨年度ふやした保育利用児童数全体の七六%に当たります。認可保育園を中心にして整備が進められていることを示しており、この流れをさらに大きくしていくことが必要です。
 二〇一七年度までに四万人分の増設という目標を確実に進めるとともに、その後も、女性の就業率の伸びや保育要求の増大にあわせた増設を推進し、文字どおり、待機児童ゼロを実現していくことを求めるものですが、知事、いかがですか。
 同時に、昨年度新設された認可保育園の半数以上に園庭がないことを直視しなければなりません。子供たちの豊かな成長発達を保障する質の確保も重要です。
 早稲田大学の前橋明教授らの調査によると、子供たちが一日に歩く歩数は、三十年前の一万二千歩から、最近は五千歩台まで減っています。幼児の健全育成の目安は八千歩から一万歩とされており、これを大きく下回る事態となっているのです。
 文科省の調査でも、外遊びの時間が多いほど体力が高い傾向のあることが明らかになっており、体を動かして遊ぶ機会の減少が子供の心身の発達に重大な影響を及ぼしかねないと警鐘を鳴らしています。
 このように、子供の体力低下が課題になっているとき、保育園の園庭の確保は、より切実になっているのではないでしょうか。園庭のない保育園でも、さまざまな努力がされていますが、近くの公園は、幾つもの園が園庭のかわりにしているため大混雑で、順番待ち、諦めて帰ることもあるなどの状況が生まれています。
 我が党のアンケート調査に対し、園庭のない保育園の現場から、外遊びの時間が少ない、健康にも影響があるのではないか、猛暑の夏でもプール遊びができず苦労しているなどの声が寄せられています。このような現状をどう認識していますか。
 既設の保育園が園庭を確保する場合の借地料などへの補助、あるいは複数の保育園による共同園庭の確保への支援、区市町村と連携して園庭のかわりにもなる公園整備を進めるなど、子どもの権利条約が定めている子供の最善の利益を守るため、園庭の確保を初め、子供たちが思い切って体を動かして遊べる環境整備に力を尽くす必要があると思いますが、お答えください。
 特養ホーム整備についても、待機者は四万三千人を超え、要介護四から五の方だけでも二万一千人を超えています。高齢者がますますふえていくことを考えると、十年間で最大一万九千人分という目標ではまだ不十分であり、達成時期も遅過ぎます。待機者の実態と高齢者の増加に見合うよう増設目標を引き上げ、達成時期も早めるべきではありませんか。
 在宅支援についても大幅な拡充が必要です。
 知事は、第一回定例会で、高齢者が可能な限り住みなれた地域で生活できるようにするためには、住まいや医療、介護、生活支援サービスなどが切れ目なく提供できる地域包括ケアシステムを構築していく必要があると答弁しました。
 地域包括ケアシステムについて、私たちは、新潟県長岡市の社会福祉法人による取り組みを視察してきました。この法人は、在宅でも施設と同じようなケアを提供したい、保育園のような身近な地域の介護施設をつくりたいという目標を目指し、小規模特養や小規模多機能、一日三食の配食サービスなどを組み合わせた地域密着型の複合拠点サポートセンターを、中学校区に一カ所を目安に整備しています。
 このサポートセンターの総合力を生かして、一人一人に応じた二十四時間三百六十五日対応のきめ細やかな支援を、利用料負担にも配慮しつつ行うことで、重度の方も住みなれた地域や在宅で生活できるようになっています。
 長岡市での取り組みのように、身近な地域ごとに多機能の在宅支援の拠点を整備していくことは有効な方法だと思いますが、いかがですか。
 今、策定中の高齢者保健福祉計画の中で、大都市東京における本格的な地域包括ケアを整備していく方向性を明らかにすべきと思いますが、知事、お答えください。
 土地や人件費が高い東京でこうした取り組みを展開するためには、財政支援が必要です。都は、特養ホームや認知症グループホームに在宅支援サービスを併設する際に、整備費補助への加算を行っていますが、在宅支援の拠点づくりは、小規模特養や小規模多機能を中心にするなど、さまざまなやり方があります。
 小規模特養などに対しても併設加算を行うなど、地域包括ケア構築の取り組みに幅広く補助を行うことを求めますが、いかがですか。
 保育園や特養ホームの増設、地域包括ケア整備のためにも、土地の確保が不可欠です。都有地、国有地、民有地の活用の新たな施策と補正予算は評価できます。しかし、都有地貸付料の減額でいえば、平米単価三十四万円を超えないと九割減額になりません。そのため、区部の一部や多摩地域の多くは当てはまらないのです。
 都内どこでも九割減額の適用が受けられるよう検討する必要があります。いかがですか。
 区市町村や事業者は、活用できる都有地の情報提供を期待しています。各局が管理する都有地で、長期にわたって利用されていないものを再検証し、利用目的も含めて全面的に洗い出す仕組みをつくるなど、福祉施設整備に向けた都有地活用、都有地創出のあり方をさらに改善し、活用可能な都有地の確保、創出を促進することが早急に求められているのではありませんか。
 また、区市町村が使いたいと考える都有地は各局にわたります。都庁内の各局や区市町村との調整、情報提供をする窓口を設置し、都有地活用の総合相談機能を果たせるようにすることが重要だと思いますが、お答えください。
 長期ビジョン中間報告では、知事が約束してきた保育士や介護士の処遇改善のための都独自の補助に触れていません。福祉人材の確保は緊急の課題です。
 かつて東京都は、福祉人材の確保と雇用の継続を図るため、私立保育園など民間社会福祉施設職員への人件費補助を実施し、大きな効果を上げていたのです。
 保育士の給与を引き上げるため、国は現在、一人当たり月額七千円から八千円程度の処遇改善加算をしています。しかし、それでも全職種の平均給与と比べると年間百万円以上もの格差があります。さらに上乗せが検討されていますが、月額数百円でしかありません。知事は、これで十分だと考えているのでしょうか。
 給与の低いことが、保育士や介護士を確保できない大きな要因になっています。低い給与の底上げは不可欠です。知事は公約どおり、都独自に保育士や介護士の給与を上げる措置をとるべきです。知事の答弁を求めます。
 次に、都民生活への支援です。
 消費税が増税されて半年、四月から六月期のGDPは、年率換算で七・一%もマイナスです。家計消費が一九%も落ち込んだことが最大の原因です。働く人の実質賃金が十三カ月連続でマイナスになったためです。日本経済は、悪循環の危険水域に入っています。
 年金は下がるばかり、賃金も上がらず、東京都生計分析調査では、勤労者世帯の六月の消費支出は、前年と比べて四万二千円ものマイナス、無職世帯も二万三千円のマイナスです。
 商店街では、消費税八%でお客が三割減っている、一〇%になったら商売を続けられないなど深刻です。
 知事、経済の実態と都民の暮らしの実態をどう認識していますか。
 知事は、第二回定例会で、消費税一〇%への増税について、経済状況を慎重に判断するのは当然、政府において適切な対応がなされていくものと考えると答弁しましたが、最近も、政府・与党幹事長は、予定どおり増税すべきだと発言しているのです。
 今日の事態は、増税が許されないことを示しています。知事、国に対し、きっぱり中止を求めるべきではありませんか。
 国民皆保険制度を守るために、国民健康保険への支援強化が緊急に求められています。
 国民健康保険中央会は、自営業者などの加入者の割合が減り、無職者や非正規雇用者が増加していることから、脆弱な財政基盤という問題がより一層深刻さを増しているとして、国の責任において財政支援の制度を拡充強化する必要がある、さらなる公費投入により財政基盤の強化を図るべきだと訴えています。都もこうした立場で、国に公費投入の拡大を強く求めるべきではありませんか。
 広域化を先取りして、来年度から国保の財政運営が都道府県単位で行われることになっています。区市町村間で保険料に差がつかないようにしようというのですが、このままでは、保険料を低く抑える努力をしてきた自治体の保険料が上がりかねません。そんなことがあってはならないと思いますが、いかがですか。
 保険料に差がないようにしようというなら、国及び都が支援して、低い保険料の自治体にこそ合わせられるようにすべきです。市長会、町村会も東京都に財政支援を求めているではありませんか。この要望にしっかり応えるべきです。
 子供の貧困対策も急務です。
 経済的困難のため、満足な食事がとれない、修学旅行に行けない、進学を諦めたなど、子供の貧困が広がっています。この問題を放置すると、健康や学力、友達との関係や親子関係に影響し、豊かな経験を得ることも難しくなるおそれがあることが広く指摘されています。
 ことし国が発表した子供の貧困率は一六・三%と過去最高になりました。OECD加盟国の平均は一三・三%ですから、国際的に見ても日本の子供の貧困は深刻です。子供の貧困の現状についてどう認識していますか。
 子どもの貧困対策推進法の施行を受け、都として、子供の貧困をなくすための総合対策と数値目標をはっきり掲げた、子供の貧困対策計画を策定すべきですが、いかがですか。
 都市づくりと経済政策では、大型開発中心、大企業中心から抜け出すことが重要です。
 都市づくりでは、巨大ビルや大型道路に偏ったあり方を見直し、区市町村と力を合わせて、適切な家賃、費用で入居できる住まいの確保、公園、地域交通の整備、生活道路の安全確保、商店街やコミュニティの再生、福祉、医療施設の整備など、身近な地域での生活の質の充実を進め、子供も高齢者も暮らしやすい条件整備に力を入れる方向への転換が必要です。
 また、経済政策では、雇用の安定と労働条件の改善、中小零細企業や商店街、都市農業への支援による地域経済振興、内需の拡大に全力を注ぐことが重要だと思いますが、それぞれお答えください。
 この立場から、まず、商店街振興について伺います。
 地域住民にとって最も身近な商業集積であり、住民のコミュニティの場である商店街では、シャッター通りが広がるなど、存亡の危機にさらされています。
 都は、地域社会を再生し、買い物弱者をなくすためにも、商店街活性化に全力を尽くす必要があります。ところが、長期ビジョン中間報告では、商店街振興について一言も触れていません。
 商店街問題の現状をどう認識し、どのように再生しようとしているのですか。
 商店街をどう活性化するのか、各自治体、商店街は苦心しています。
 都はかつて、個別商店の実態調査とともに、都の中小企業診断士、職員などが、各地域の商店街、自治体、業者、経済団体の協力を得て、消費者の買い物動向調査、分析、商店街への要望の把握、各個店の実態把握など、きめ細かい基礎調査を一年近くかけて行い、商店街の活性化に向けた提言をしてきました。
 区市からは、今こうした取り組みがされれば大変助かりますという声が上がっています。ぜひ実施すべきですが、お答えください。
 東京には、全国一、大学が集積しています。商店街の再生にこの力を生かさない手はありません。経営学部や商学部などの学生による空き店舗運営、農学部や工学部との連携による特産品を生かした地域ブランドづくり、デザイン、芸術系学生による斬新な宣伝戦略、福祉系学生と連携した買い物弱者支援など、大きな可能性があります。
 都として、こうした大学、学生の力の活用を戦略的に位置づけて、商店街の活性化に力を注ぐべきと思いますが、いかがですか。
 商店会や市長会から、都の新・元気を出せ商店街事業について、要件を緩和してもらいたいなどとのさまざまな要望が出されています。こうした点を改善するとともに、都の政策に沿った事業に助成する方式だけでなく、商店街の自主性を尊重し、各商店街が企画する独自事業にも支援できるよう、区市町村に補助する制度を立ち上げることを求めます。
 中小建設業への支援も切実な課題です。
 建設業で働く就業者数は、この二十五年間で、大工は半減し、土木作業者は四割減少するなど、人材不足が深刻です。中小建設業、建設労働者の育成、確保は、今後急増するインフラの維持補修、災害対策などのために必要不可欠です。入札契約適正化法の改正など、法整備も始まりました。
 都としても、中長期的な視点に立って、生活密着型公共事業の拡大、住宅リフォーム助成、公契約条例の制定など、中小建設業、建設労働者の育成、確保について全力を挙げるよう求めるものです。お答えください。
 雇用対策について、長期ビジョン中間報告では、若者、高齢者、女性の合計で、都の支援による雇用を十年間に九万三千人拡大する目標にすぎません。極めて消極的です。しかも、非正規雇用がかつての三倍に急増した若年層を初め、国でさえ非正規社員を正規にする企業を支援する動きがある中で、都の長期計画に正規労働者拡大の目標がないことは見過ごせません。
 知事は、働く人の三分の一が非正規というのは尋常ではないと述べました。だとしたら、正規労働者が当たり前の社会を目指す数値目標を掲げて取り組むべきです。いかがですか。
 次に、防災対策です。
 首都直下地震による被害想定では、建物倒壊による死者は最大七千人に達し、想定のどのケースでも死因の五割から九割を占めています。このため、国は、首都直下地震緊急対策推進基本計画で、あらゆる対策の大前提として、国と地方公共団体等は建築物の耐震化の取り組みを強力に推進するとしています。
 都もこの立場に立って、建築物、とりわけ木造住宅の耐震化を強力に進めるために総力を挙げるべきです。
 ところが、最も被害の大きい木造住宅の耐震化については、一部地域を除いては個人任せで、必要な補助の実施に踏み出していません。
 そこで我が党は、今定例会に、木造住宅耐震改修促進補助条例を提案することにいたしました。都民の生命、身体、財産を守るために、各会派の皆さんのご賛同を心から呼びかけるものです。
 その上でまず、集中豪雨対策について質問します。
 地下街や地下鉄の水害対策は、一旦浸水が発生すれば大惨事につながることから、待ったなしの課題です。
 現在、都営地下鉄や東京メトロなどは、ハザードマップに基づいて止水板設置などの対策をとり、八重洲地下街など都内九カ所の大規模地下街は、昨年度までに浸水対策計画を策定しました。
 研究者からは、もっと浸水危険箇所を特定した対策をとることや、安全な避難経路を特定しておくことの必要性、地下街に浸入しないように雨水を貯留する施設の有効性が強調され、危険性について管理者や都民に啓発することが重要との声が上がっています。
 こうした指摘を受けとめ、実態を把握し、対策の再検証を管理者に促すこと、貯留施設計画が完了していない渋谷駅東口など五地区の対策を早期に完了すること、また、都民に地下災害での避難の仕方について周知徹底することを求めますが、お答えください。
 区市町村と連携し、土砂災害対策を強化することも急務です。
 第一に、広島市の豪雨災害に見舞われた地域が警戒区域に指定されていなかったことからも、都内約八千カ所の未指定区域の指定完了を前倒しで進めるとともに、土砂災害の危険性のある全ての地域にその危険性を周知徹底する必要があります。
 第二に、警戒区域の避難所の安全性を再検証するとともに、その他の地域についても安全な避難所を設定し、周知徹底を図ること。
 第三に、豪雨にも対応できる無線機の配備や、スマートフォンや携帯電話の活用なども含め、対象住民に情報が確実に届くシステムの整備を進めることも必要です。
 以上、三点について見解を求めます。
 オリンピック・パラリンピックについて、日本共産党都議団は、招致決定の当初から、整備費は最小限に抑えること、そのためにも、隣接県を含め、既存施設活用を求めてきました。
 会場計画について、知事が見直しの検討を進めていることは極めて重要です。
 整備費高騰を抑えるためには、IOCの既存施設最大限活用の立場で、さらなる努力をすることが求められています。既に、既存施設活用の検討に入っているバドミントンやバスケットボールなどだけではなく、ホッケー、アーチェリーや、基本設計に入ることを既に決めている競技施設についても、競技団体の合意を得て、極力、既存施設を活用していく努力を尽くすことが必要です。
 知事は、アジア大会を開催していた仁川を視察し、大会施設等について市長と意見を交わしていますが、そこで得た教訓を踏まえてお答えください。
 また、選手村は、選手に最適の滞在を保証するとともに、広く都民の生活や環境の向上に役立つ後利用計画、レガシーを明確にして進めるべきです。ロンドン五輪でも、札幌、長野の冬季五輪でも、行政がかかわって、低所得者向けの住宅などを建てています。
 ところが、都の計画では、民間事業者による分譲、賃貸住宅だけで、現時点では、低所得者向けの住宅計画はありません。選手村の予定地は、四十四ヘクタールという広大な都有地です。丸ごと民間事業者に提供するのではなく、都民や周辺区の要望も生かして、都営住宅や福祉、医療施設など、将来にわたって都民に役立つ活用をすべきではありませんか。お答えください。
 国の進める新国立競技場計画も、都の対応が問われています。
 世論調査でも、今の競技場を解体せず改修すべきが四一%で、計画の規模を縮小するを合わせると七六%に及びます。一方、計画どおり新しく建てるは二四%にすぎません。
 新築計画の最大の問題の一つは、景観への影響です。日本スポーツ振興センターが我が党に提出した完成後のモンタージュ写真では、周辺の樹木が伐採され、巨大な施設がむき出しとなることが確認されました。この写真はお渡ししてありますが、巨額な経費といい、アジェンダ21の景観を損なうことなくに反する問題といい、このまま進めることは許されません。
 改修を含む抜本見直しを求めるべきです。知事の答弁を求めます。
 都政にとって、今後、少子高齢化の進展などに対応する福祉の拡充、都市インフラの老朽化対策や耐震強化などのために大きな財源が必要です。そのときに、オリンピックに間に合わせるといって、外環道などの大型開発に巨額を投入してよいのでしょうか。
 大型開発を初め、都市インフラの新設は極力抑えるべきですが、いかがですか。
 オスプレイが、七月以来、横田基地や首都圏への飛来を繰り返していることは重大な問題です。
 MV22オスプレイは、開発以来、墜落で三十二人の兵士が犠牲となっている危険きわまりないものです。そのために、日米合同委員会合意で、国内での飛行は人口密集地域上空を避けるなどの運用制限がされています。ところが、全国でこの合意が破られ、横田基地周辺、首都圏でも住宅密集地域での飛行が繰り返されています。
 防衛省は、千葉県の自衛隊木更津基地にオスプレイの整備拠点を設置する計画です。しかも、我が党議員が国会質疑で、オスプレイの飛行について、三沢、横田、厚木基地が含まれるのかとただしたのに対し、国は、そういう理解でいいと答えています。神奈川の厚木基地、山梨のキャンプ富士などとあわせて、オスプレイが首都圏の空を我が物顔で飛び回る危険が増大しているのです。
 知事はこうした現状について、安全保障は国の専管事項だとして容認してきましたが、もはや曖昧な態度は許されません。
 知事、この現状を許しておいて、都民の命と安全が守れるのでしょうか。
 横田基地を初め、全国でのオスプレイの飛来中止を国と米軍に対して厳しく申し入れるべきです。知事、いかがですか。
 首都圏へのオスプレイの頻繁な飛来は、安倍内閣による集団的自衛権行使容認の閣議決定と結びついたものです。今、日本が米軍とともに戦争する国に進むのか、それとも、この道を許さないのかが問われる重大な岐路に立っています。
 知事、今こそ日本の平和、都民の命と安全を守るために、集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回するよう強く求めるべきです。
 知事の答弁を求め、再質問を留保して質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 畔上三和子議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、待機児童解消についてでありますが、今回の長期ビジョンの中間報告では、平成二十九年度末までに待機児童を解消するため、保育サービスを四万人分ふやすことをお示しいたしました。
 また、本定例会には、保育サービスの整備をさらに加速させるため、新たな支援策を盛り込んだ補正予算案も提出しております。
 今後とも、保育の実施主体である区市町村が地域の実情やニーズに応じて、認可保育所、認証保育所、認定こども園など多様な保育サービスを整備できるよう支援していく考えでございます。
 次に、地域包括ケアシステムの構築についてでありますが、多くの高齢者は、たとえ介護が必要になっても、可能な限り住みなれた地域で生活したいと望んでおります。そのためには、高齢者のための住まい、医療、介護、生活支援サービスを地域の中で一体的に提供する地域包括ケアシステムを構築していかなければなりません。
 こうした考えに立ちまして、長期ビジョンの中間報告では、高齢者が地域で安心して暮らせる社会の実現を政策指針の一つに位置づけました。ご指摘をまつまでもなく、現在策定中の高齢者保健福祉計画においても、地域包括ケアシステムの構築に向けた具体的な取り組みを盛り込む考えであります。
 次に、保育士や介護職員の処遇改善についてでありますが、これまでも繰り返し申し上げてきましたけれども、保育士や介護職員の処遇が十分でない一番の問題は、キャリアパスの仕組みが不十分なことであります。
 保育サービスは、来年度から、子ども・子育て支援新制度が始まります。本年五月に示された公定価格の仮単価では、都の提案も受け、キャリアを評価する仕組みが取り入れられましたが、その詳細はいまだ明らかとなっておりません。
 また、現在の介護報酬には、平成二十四年度から職員のキャリアを評価する仕組みが導入されておりますが、大都市の物価水準に見合ったものにはなっておりません。
 こうした仕組みは、本来、国が整えるべきでありまして、先般、塩崎厚生労働大臣と面会しました際にも、保育士や介護職員の確保について、国として、実効性のある対策を講じていただくように申し上げました。
 都は既にサービスの水準を確保するためのさまざまな補助を独自に行っておりまして、今後、国の動きに合わせて、そのあり方についても十分検討してまいりたいと思っております。
 続きまして、経済と都民の暮らしについてでございますが、我が国の経済は、一部に弱さも見られますが、緩やかな回復基調が続いております。消費税引き上げに伴う駆け込み需要の反動などに留意する必要があるものの、雇用情勢は着実に改善しており、賃上げの動きも見られます。
 都は、中小企業支援や雇用就業対策など、さまざまな施策を講じることにより、企業業績の回復と安定的な雇用の実現を図り、それを消費の拡大へとつなげ、東京の経済の成長を確かなものにしてまいります。
 消費税についてでありますが、税率の引き上げに当たりましては、税制抜本改革法のいわゆる景気条項に基づき、我が国経済の成長に向けた措置を講じるとともに、経済状況を総合的に勘案し、判断することとされております。
 こうした法の規定に基づき、政府において適切な対応がなされていくものと考えております。
 したがって、国に対して、税率引き上げの中止を申し入れる考えはございません。
 雇用対策についてでありますが、恒産なくして恒心なしという言葉がありますように、安定した職業という生活基盤があればこそ、明るい気持ちで生活していくことができます。働き方にはいろいろとありますが、目指すべきは、正規雇用など、希望に応じた働き方を選択し、実現できる社会であります。
 都はこれまでも、職業訓練や東京しごとセンター事業を推し進めるとともに、国とも力を合わせ、やむを得ず離職した人や不本意な働き方をしている人の再チャレンジを支援してまいりました。
 今後、さらに必要な対策を長期ビジョンに反映し、都民が豊かさを実感できる東京を実現してまいります。
 オリンピック・パラリンピックの競技会場についてでありますが、先日視察しました仁川におきましては、既存施設が少ないことから、多くの施設を新設していました。
 一九六四年大会を経験した東京では、そのレガシーであります国立代々木体育館や東京体育館など、既存施設を最大限活用した会場計画となっております。
 さらに、現在行っている再検討におきましても、近隣県までを含めた既存施設の活用を具体的検討事項の一つとしております。その上で、活用できる既存施設が存在しないなどの場合は新設する必要があり、アクアティクスセンターなど三施設については、今回、基本設計に着手することといたしました。
 重要なことは、将来にわたり都民から喜ばれる会場計画の策定でありまして、今後とも、その観点に立って、大会準備に取り組んでまいります。
 新国立競技場計画の見直しについてでありますが、新国立競技場は、国及び日本スポーツ振興センターの責任において整備が進められております。
 整備に当たりましては、将来構想有識者会議を設置し、各分野の専門的な意見を計画に反映させるとともに、景観を含めた必要な手続を適正に進め、その上で、基本設計をまとめていると認識しております。
 また、改修方式への変更につきましては、コストの大幅な縮減が望めないことやスケジュールの問題から、事実上困難であると聞いております。
 都としては、二〇二〇年大会のオリンピックスタジアムとして活用できるよう、着実な整備を求めてまいります。
 オスプレイについてでありますが、安全保障に関することは、国の専管事項でありまして、都はその是非についていう立場にはございません。
 地域に影響を及ぼす米軍機の運用に当たりましては、オスプレイに限らず、国の責任において、地元に丁寧に説明することが重要でありまして、これまでも国に対して、地元への情報提供を行い、説明責任を果たすよう要請してきております。
 集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を求めるべきだとのお尋ねでありますが、繰り返しになりますが、安全保障は国の専管事項であります。その上であえて申し上げれば、国際法上、全ての国は集団的自衛権を有しておりますが、日本ではこれまで憲法により行使できないとされてきました。しかし、国政の場において十分議論がなされ、集団的自衛権を行使できるよう解釈を変更したものと認識しております。
 平和とは、ただ望めば手に入るような簡単なものではございません。平和を本当に欲するならば必要な準備を整えることが不可欠であります。
 例えば、私が二年間にわたって仕事をした国であります、永世中立国として有名なスイスは、男子に兵役が義務づけられております。また、スイスのパンはおいしくないと。なぜでしょうか。これは有事に備えて新しい小麦を備蓄に回し、古くなった小麦から市場に出回ってパンにするからでありまして、それだけのコストが平和にはかかっているという一つの例であります。
 自由や民主主義、そして基本的人権という普遍的価値を共有する国々と協力し、集団的自衛権により平和を守ることは、我が国にとって現実的かつ懸命な方策であると考えております。
 したがって、集団的自衛権の行使を認める閣議決定について撤回を求める考えはございません。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

〇東京都技監(横溝良一君) 土砂災害警戒区域等の指定と危険な箇所の周知についてでございますが、都は、土砂災害の危険箇所の多い地域から、現地調査を行った上で警戒区域等の指定を順次進めており、平成三十二年度までに都内全域での指定を完了させます。
 指定後はホームページ等で区域を公表するとともに、区市町村によるハザードマップの作成、配布などを通じ、住民に周知しております。
 また、都は、都内全域で土砂災害の発生の可能性のある箇所について、地形図面等を用いて調査を行っておりまして、その結果を平成十四年度から公表しております。
 広島での災害を受け、これら災害の危険の可能性のある箇所や警戒区域等の指定箇所について、改めて関係住民に周知するよう、区市町村に対して既に要請をしております。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 十点のご質問にお答えします。
 まず、保育所の園庭についてでありますが、保育所の認可基準におきましては、園庭もしくは近隣で代替できる公園等を確保することとしております。
 また、国が示した保育所保育指針では、園庭に限らず、公園、広場など自然環境の豊かな場所に出かけ、戸外で遊ぶことの心地よさを十分に味わうことができるようにすることが求められております。
 各保育所は、それぞれ保育目標を定め、創意工夫しながら特色ある保育サービスを提供しており、屋外活動もその一環として実施されているものと認識しております。
 次に、園庭を初めとする環境整備についてでありますが、都はこれまで、保育サービスの整備を促進するため、都独自に都有地の減額貸付、定期借地権の一時金への補助などを実施しており、本定例会には新たな支援策も提案しております。
 こうした補助の対象には園庭も含まれており、園庭がない場合には、保育所付近に代替場所を確保するよう求めております。
 次に、特別養護老人ホームの整備についてでありますが、高齢者が可能な限り住みなれた地域で生活し続けられるよう、地域包括ケアシステムを構築するためには、施設サービスだけでなく、在宅サービスやケアつき住まいなどの介護基盤をバランスよく整備することが重要でございます。
 こうした考えに立って、長期ビジョンの中間報告では、二〇二五年度までに特別養護老人ホームを五万五千から六万人分とする目標をお示しいたしました。
 今後、介護保険の保険者である区市町村が地域のニーズを踏まえて算定するサービス見込み量や、高齢者保健福祉計画策定委員会での議論も踏まえ、改めて整備目標を策定してまいります。
 次に、在宅支援の拠点整備についてでありますが、都はこれまで、地域における在宅支援の基盤を整備するために、二十四時間対応可能な小規模多機能型居宅介護や複合型サービスの整備などに独自の補助を行ってまいりました。
 また、高齢者に対する見守りや配食サービスなど、地域において在宅高齢者を支える仕組みの構築に取り組む区市町村を包括補助事業により幅広く支援しており、今後とも、地域において在宅支援の拠点整備が進むよう、区市町村の取り組みを支援してまいります。
 次に、地域包括ケアシステムの構築に向けた基盤整備についてですが、都は現在、小規模多機能型居宅介護や複合型サービスなど、地域密着型サービスの整備を促進するため、特別養護老人ホームに併設する場合には、都独自に一床当たり最高で五十万円の加算を行っております。
 また、区市町村が地域密着型サービスを整備する場合にも、国からの交付金に加えて、都独自の補助を実施するなど、既にさまざまな支援を行っております。
 次に、国民健康保険の財政基盤の強化についてでありますが、現在の国民健康保険制度には、医療費が高く所得の低い高齢者や、失業者などの低所得者の占める割合が高く、保険料の確保が困難であるなど構造的問題があり、国民皆保険制度を守るという観点から、制度設計者である国が責任を持って抜本的解決策を講じることが必要でございます。
 現在、国民健康保険の基盤強化に関する国と地方の協議において、制度見直しに関する議論が進められており、都は既に、国に対し、構造的な問題の解決、必要な財源の確保等について提案要求を行っております。
 次に、国民健康保険の財政運営についてでありますが、国保財政の広域化の観点から実施されている保険財政共同安定化事業は、区市町村国保の拠出金を財源として、同一都道府県内の医療給付費の負担を共有するものであり、毎年の医療費の変動による財政影響や、医療費の差による保険料の相違を緩和し、国保財政の安定化や保険者間の保険料の平準化を図ることを目的としております。
 平成二十四年の法改正により、来年度から、事業の対象が、これまでの一件三十万円を超える医療費から全医療費に拡大されることとなりましたが、それに伴う財政への影響は、都の調整交付金で調整することとなっております。
 また、この事業が拡大された後も、国保の保険者は区市町村であり、保険料や保険税の料率は、それぞれの自治体の議会で審議して決定されるものでございます。
 次に、市長会、町村会の要望についてでありますが、市長会、町村会の要望の趣旨は、保険財政共同安定化事業の拡大による財政影響を緩和しつつ、都調整交付金の定率交付の確保を求めるものであり、都としては、こうした要望を踏まえ、必要な激変緩和措置を講じていく方針であります。
 なお、先ほども申し上げたとおり、国保の保険料や保険税の料率は、それぞれの自治体の議会で審議して決定されるものであり、また、国保制度の構造的な問題の解決、必要な財源の確保等については、既に国に対し提案要求を行っております。
 次に、子供の貧困についてでありますが、平成二十五年の国民生活基礎調査によると、全世帯員の等価可処分所得の中央値の半分に満たない世帯員の割合である相対的貧困率は一六・一%、十七歳以下は一六・三%となっており、先進国の中で高い状況にございます。
 貧困は、子供たちの生活や成長にさまざまな影響を及ぼすため、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、福祉、教育、就労といった面から必要な環境整備を図っていくことが重要であると認識しております。
 最後に、子供の貧困対策計画の策定についてでありますが、全ての子供たちが個性や想像力を十分に伸ばし、次代を担う社会人として育つためには、必要な環境が成長段階に応じて得られるよう、家庭、学校、地域で体制整備を行っていくことが必要であります。
 こうした考えに立って、都はこれまで、次世代育成支援行動計画やひとり親家庭自立支援計画等を策定し、さまざまな施策を進めてまいりました。
 今年度は、ひとり親家庭自立支援計画を改定するとともに、子供・子育て支援事業支援計画を新たに策定することとしており、来年度には、子供・若者計画を策定する予定でございます。
 都としては、こうした計画に、支援が必要な子供たちへの施策を盛り込み、総合的に推進していく考えでございます。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、福祉インフラ整備事業における都有地貸付料の減額制度についてでありますが、都には、地価が他県に比べて著しく高い地域があり、これらの地域では福祉施設の整備が進めにくい状況がございます。
 そのため、先般発表した減額制度では、都有地の貸付料について、これまで行っていた五割減額に加え、地価が高い地域ではさらに減額率を高めることで、近隣三県の平均地価を下回る水準になるよう見直しを図ったところであります。
 こうした取り組みにより、区部、多摩を問わず、地価が高く福祉施設整備が進まなかった地域においても整備が促進されるものと考えております。
 次に、福祉インフラ整備に向けた都有地の確保、創出の促進についてでありますが、都はこれまでも、未利用都有地については、関係各局と十分に調整の上、福祉インフラ整備に活用可能と考えられる土地を確保し、区市町村に対し情報提供をしてまいりましたが、今後は、さらに個別の土地の状況なども含め、区市町村に提供する情報の充実を図っていくこととしております。
 また、老朽化した都営住宅等の建てかえに伴い、今後十年間で三十ヘクタールを超える土地を創出するほか、公営企業の未利用地についても活用を進めることなどにより、福祉施設の整備を促進してまいります。
 次に、都有地活用の総合相談機能についてでありますが、都は、都有地を活用した事業の推進に当たっては、これまでも担当局を通じて地元の区市町村と密接に連携し、円滑な事業推進に努めてきております。
 個々の都有地には、区市町村が使いたいと考える土地であっても、道路計画地等で長期貸付には適さないものや、地中障害物があるものなど、直ちに利用することが困難なケースも多数含まれているのが現状であります。
 今後とも、関係各局と連携し、そうした個々の土地の事情も含めて十分調査、把握した上で、福祉インフラ整備に活用可能な未利用都有地について情報提供を行うなど、区市町村の取り組みを支援していくこととしております。
 最後に、財政運営についてでありますが、外環道や骨格幹線道路などの都市インフラの整備は、都民の利便性や国際競争力の向上、東京の活力維持などに不可欠な取り組みであり、着実に進めていく必要がございます。
 都はこれまでも、都市インフラの整備や更新はもとより、福祉や医療、教育、防災など、都民にとって必要な他の施策にも的確に財源を振り向けてきております。
 今後とも、財政の健全性に十分留意しながら、都民生活の向上にしっかりと取り組んでまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

〇都市整備局長(安井順一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都市づくりについてでございますが、人口減少、少子高齢社会の到来や都市間競争の激化など、社会経済情勢が変化する中、今後とも、東京の経済活力を高めながら、生活の質の向上も図っていく必要がございます。
 このため、広域的な視点に立って、国際競争力の強化に資する三環状道路の整備や空港機能の強化、都心部の更新などを進めております。
 また、身近な地域におきましても、駅などを中心に、商業、医療、福祉などの機能が集積した良質な居住環境の創出にも取り組んでおります。
 引き続き、経済的な豊かさと生活の質の豊かさを兼ね備えた、誰もが暮らしやすい世界一の都市東京の実現に取り組んでまいります。
 次に、地下街等の浸水対策についてでございます。
 都はこれまで、地下街や地下鉄などの地下空間における浸水被害防止のガイドラインを策定し、これに基づく対策を実施するよう、各施設の管理者に促してまいりました。
 また、近年の降雨特性を踏まえ、本年六月、豪雨対策基本方針を改定し、地下街、地下鉄、民間ビル等の浸水対策について、連携強化を図ることとしております。
 お話の五地区の貯留施設等の設置につきましても、下水道事業として既に二地区で着手し、残り三地区の設計を進めております。
 さらに、浸水時の避難につきましても、引き続き、各施設の管理者に対しまして、避難経路の案内図の整備、リーフレットによる周知を促すなど、今後とも、都民の生命、財産を守る地下空間の浸水対策を進めてまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

〇産業労働局長(山本隆君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京の雇用就業対策と産業振興についてでございます。
 都はこれまでも、東京しごとセンターにおけるきめ細かな就職支援などを実施するとともに、労働相談情報センターにおいて、労働問題全般について、解決に向けたアドバイスを行っております。
 また、東京の産業の活力を支える中小零細企業や商店街に対しては、経営面や資金面などから幅広く支援をしております。
 さらに、都市農業につきましては、経営相談や施設整備への支援などに取り組んでおります。
 今後とも、東京の経済の活性化に向けて必要な対策を適切に実施してまいります。
 次に、商店街に対する現状認識と対応についてでございます。
 商店街は、商業活動の拠点であるとともに、地域コミュニティの担い手となっておりますが、集客力の低下や後継者不足など厳しい状況に置かれております。
 このため、都は、商店街が地域コミュニティの中で適切にその役割を担うことができるよう、区市町村と連携して、商店街の意欲的な取り組みを支援しております。
 次に、商店街に関する実態調査についてでございます。
 各商店街や個別商店の詳細な実態把握等につきましては、地域の実情に精通した区市町村が主体的に実施することが効果的でございます。
 都は、定期的に、都内全商店街を対象に実態調査を実施しており、こうした区市町村の取り組みを支援しております。
 次に、商店街における大学等との連携についてでございます。
 都はこれまでも、商店街が地域の大学や学生のグループ等と連携して活性化を図る取り組みについて支援しております。
 次に、商店街に対する支援についてでございます。
 都はこれまでも、商店街や区市町村からの要望を踏まえ、商店街振興等の観点から必要な要件を定めて事業を実施しております。また、商店街の自主的で意欲的な取り組みについて、区市町村を通じて幅広く支援しております。
 今後とも、適切に事業を行ってまいります。
 最後に、建設労働者の育成等についてでございます。
 近年、インフラ更新や建物の耐震化など、建設需要の増加を背景に、建設現場で働く技能者の育成が急務となっております。
 都はこれまで、職業能力開発センターにおいて、住宅内外装仕上げなど建設関連の職業訓練を実施しており、今年度はさらに、鉄筋工と型枠大工の養成に向けた訓練を開始いたしました。
 また、公共工事など、官公需における中小企業の受注機会の確保についても取り組んでおります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、安全な避難所の設定とその周知についてでございます。
 都の地域防災計画では、避難所の指定と周知を区市町村の役割と位置づけており、震災のみならず、水害や土砂災害に対しても安全な避難所を、区市町村がそれぞれの地域防災計画において指定し、住民への周知を図ることとしております。
 都といたしましても、既に避難所情報をホームページに掲載して、広く都民に周知しているほか、日ごろから区市町村に対し、説明会等を通じて、都の地域防災計画や国のガイドラインを周知するなど、安全な避難所の確保等に向けた区市町村の取り組みを促しているところでございます。
 次に、住民に情報が確実に届くシステムについてでございます。
 都の地域防災計画では、都が区市町村に対して警報や注意報等の情報を伝達し、その情報を区市町村が住民へ周知することとしております。
 そのため、都は、大雨洪水警報や河川水位の予報等が発表された際は、速やかに区市町村へ情報を伝達しております。
 さらに、気象情報等を確実に区市町村に伝えるため、気象庁から配信された情報を自動的に区市町村に発信するシステムの改修を既に進めているところでございます。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

〇オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 選手村の後利用についてでございますが、選手村には、民間事業者が整備する宿泊棟部分と、大会組織委員会が仮設施設を整備するその他の部分とがございます。
 大会終了後は、宿泊棟部分は、民間の分譲または賃貸住宅となり、その他の部分は、跡地にまちづくりに必要な施設などの整備が検討されてまいります。
 選手村予定地は、その全体が多くの人々が集い暮らす新たなまちとなることから、今後、地元区など関係者とも連携を図りながら、後利用の調整を進め、地域が持続的に発展するよう取り組んでまいります。
   〔八十番畔上三和子君登壇〕

〇八十番(畔上三和子君) 知事に再質問します。
 第一に、消費税増税についてです。
 知事は、消費税増税の中止を申し入れる考えはないと答弁しました。しかし、消費税率を予定どおり一〇%に引き上げることについて、マスコミ各社の世論調査は、読売新聞が賛成二五%、反対七二%など、どの調査でも反対が多数なんです。
 知事は、一〇%増税反対を求める世論をどう受けとめていらっしゃるのですか、お答えください。
 第二に、オスプレイについてです。
 知事は、安全保障は国の専管事項だから、是非についていう立場にないと答弁しました。しかし、地方自治体は住民の生活を守る責務があるのです。だからこそ、都はこれまで、米軍基地の存在が都民生活にさまざまな影響を与え、地域のまちづくりの障害になっているとして、都内米軍基地の整理、縮小、返還を国に働きかけているのです。広大な横田空域の縮小を国に働きかけ、一定の縮小を実現しているではありませんか。
 知事は、現在までのこうした都の立場が間違っている、基地の存在は安全保障上の問題だから物がいえないというのですか。
 また、知事は、記者会見でオスプレイの安全性について相当改善されているといいましたが、知事は、オスプレイが民間航空機のような安全性があると思っていらっしゃるのですか。昨年もMVオスプレイは、二回も重大事故を引き起こしているのです。危険きわまりない軍用機です。知事、違いますか。
 都民の生命、安全を守るべき知事として、国と米軍に対し、オスプレイの飛来に反対だと強く申し入れるべきです。福生市など基地周辺の五市町は、繰り返し、安全性への懸念が払拭されないまま、横田基地への飛来や訓練が行われることがないように、国に申し入れをしているではありませんか。
 岩国基地への米空母艦載機の受け入れ問題でも、県知事は国に拒否してもらいたいと述べ、市長は住民投票で賛否を問い、国に対し物申したではありませんか。
 以上、四点につきまして、知事の答弁を求めます。
 なお、集団的自衛権行使容認の閣議決定は、憲法九条を踏みにじるもので、立憲主義に反するもので、到底許されるものではありません。これを擁護する知事の態度は、平和を願う多くの都民の願いに反するものであり、厳しく批判をするものであります。(拍手)
   〔主税局長塚田祐次君登壇〕

〇主税局長(塚田祐次君) 消費税についての再質問にお答えいたします。
 税率の引き上げに当たっては、経済成長率、物価動向等、経済状況などを総合的に勘案した上で判断することとされております。
 先ほど知事がお答えいたしましたとおり、こうした税制抜本改革法の規定に基づき、政府において適切な対応がなされていくものと考えております。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

〇都市整備局長(安井順一君) オスプレイについての再質問にお答えします。
 自治体は、住民の安全・安心を守る責務があるということは当然でございまして、これはオスプレイの問題に限らず、あらゆる施策を通じて、東京都は、都民の安全・安心を守る施策を展開しているところでございます。
 また、オスプレイは非常に危険なものではないかというお話もございました。導入当初、十万飛行時間で比較いたしますと、MV22は、米海兵隊の回転翼機の中で事故率は最低でございます。
 また、他県からもっと厳しい申し入れをしているではないかというようなことについてのお尋ねでございますけれども、他県の状況は、よく、十分には承知してございませんけれども、オスプレイにつきましては、先ほど知事からご答弁しましたとおり、安全保障に関することは国の専管事項でございまして、都は、その是非についていう立場にございません。
 オスプレイを含め、周辺住民に影響を及ぼすような米軍機の運用に当たりましては、都はこれまでも国の責において、地元に丁寧に説明するように要請しているところでございます。

〇議長(吉野利明君) 百二番石毛しげる君
   〔百二番石毛しげる君登壇〕

〇百二番(石毛しげる君) 私は、都議会民主党を代表して、都政の主要課題について知事並びに関係局長に伺います。
 まず、知事の基本姿勢についてお伺いします。
 都議会民主党は、オリンピック前六年、オリンピック後四年を見据えた長期ビジョンを求めてきましたが、この点を踏まえた長期ビジョンの中間報告が発表されました。
 しかし、中間報告では、知事が政策を実行するための計画期間中の財政的裏づけ、財政見通しは示されませんでした。
 確かに都の歳入の根幹をなす都税収入をめぐっては、消費税率、景気に左右される法人税の動向など、さまざまな不確定要素があります。加えて、都財政が直面する税財源の偏在是正は喫緊の課題です。この問題をうやむやにしたままでは、都政の将来は見えないといっても過言ではないと考えますが、知事の見解を伺います。
 また、永田町や霞が関では、いまだに東京富裕論が根強く、先日の全国知事会での議論を見ても、東京への応援は極めて少ないのが現状です。
 先月、知事として六年ぶりに、舛添知事が出席された夏の全国知事会議では、地方がそろって国に税財源の移譲を迫るというにはほど遠い空気を実感されたのではないでしょうか。
 私は、こうした状況を打開し、税財政を初めとする多くの課題の解決に結びつけるには、大都市を抱え、東京同様の行政需要がある道府県と一致協力していくことが不可欠と考えます。
 そこで、より一層、他の道府県と積極的に連携を図る取り組みを強化すべきと考えますが、見解を伺います。
 先日、ある保険会社の自然災害の危険が高い都市ランキングで、東京・横浜がワースト、一位になったと報じられました。一方で、世界的にメジャーな旅行サイトの調査では、東京は、人の親切さ、タクシーのサービス、まちの清潔さで評価を得て、パリやニューヨークを抑えて総合一位です。
 メディアを通して世界に拡散される評価は、指標によってランキングも大きく変わります。私は、東京にとっての世界一は、海外からの評価はもとより、都民の生活満足度、住民幸福度をより重視すべきだと考えます。
 経済成長が人々の幸せに結びついていないという幸福のパラドックスの研究では、例えば自殺や鬱、少子化は、個人の幸福感と関連性があるともいわれています。中間報告では、数値は示されていますが、既存の計画を羅列する項目も多く、冒頭で述べられた世界一の都市東京をイメージできる指標はほとんど見られません。
 各施策がどの程度都民生活の質を高め、幸福度を高めるのか、ここで生まれ、生活し、老後を過ごすことができてよかったと思える都市東京をどう実現させていくのか、都民がイメージしやすい目標を設定することが必要と考えますが、今後の最終報告の取りまとめに向けて、知事の見解を伺います。
 知事は、東京の最大の弱点は交通体系であると述べ、地域から強い要望がある新空港線や有楽町線の延伸などについても、現場を見て判断したいと発言していました。
 しかし、中間報告には、虎ノ門の新駅など、点の施策のみが示されましたが、JRの田町―品川間への新駅設置と再開発計画など、民間ベースの多くの構想が打ち出されている中で、どのように将来像を描き、最大の弱点を克服していくのかという、総合的な交通政策について、十年後を見渡したビジョンは見受けられません。
 運輸政策審議会答申第十八号に基づく東京圏の鉄道路線の新設、延伸、改良の計画期間は二〇一五年で終了します。国において、次期答申に向けて整備すべき路線を含む、東京圏における今後の都市鉄道のあり方について検討が行われている最中です。
 このような時期にあって、都内の鉄軌道ネットワークの充実について、都としてどのように考えているのか、見解を伺います。
 次に、東京の都市外交と国際化について伺います。
 北京、ソウルへの訪問など、舛添知事は、近年の知事が力を注いでいなかったアジア諸都市との関係改善、海外要人との会談を積極的にこなしており、私は評価をしています。また、知事は、先日の所信表明や長期ビジョンの中間報告でも、新たな外交戦略を年内に策定すると述べたところであり、その内容を注視したいと思います。
 しかし、都民は、なぜ都知事が外交を行うのかと、いまだ唐突感を持っているのではないでしょうか。
 何を東京にもたらそうと考え、都市外交を展開していこうとしているのか、都民の理解を得ていく必要があると考えますが、知事の見解を伺います。
 私は、都市外交はリーダー対リーダー、組織対組織、市民対市民、各レベルで互いに成果をもたらすよう取り組むべきだと考えます。
 二十一世紀は都市の時代といわれ、近年、都市化と地方分権で力をつけた都市同士の直接交流が活発化しています。都においても、個別課題の分野で、アジア諸都市の職員との交流や技術研修、投資や観光客を呼び込む活動などを行ってきました。
 私は、こうした取り組みをより一層進め、海外からの受け入れをより積極的に行うとともに、東京都の職員が現地に一定期間滞在、駐在して仕事をすることも必要かつ有効だと考えます。それは、現地の地方政府や産業界との人間関係をつくり、地域事情をつぶさに把握し、必ずや都政に還元すると考えるからです。
 そこで、今後の海外都市との関係構築への取り組みについて、都の見解を伺います。
 次に、外国人旅行者の受け入れ環境の充実について伺います。
 現在、羽田、成田の国際線就航都市数は八十八ですが、国土交通省は、二〇二〇年度までに、ソウルや香港、シンガポール並みの百四十程度までふやす計画を掲げています。
 今後、外国人旅行者はさらに増加すると思われ、受け入れ環境の充実は重要な課題です。
 例えば、ムスリムの旅行者は、お祈りのできる場所や、戒律で不浄とされるものを含まない認証を受けたハラル食品を扱うお店の情報を必要としています。
 また、日本の住居表示は、欧米と異なるため、外国人が目的地にたどり着くのが難しいともいわれています。ホテルや観光ポイントの多い地域でも住居表示板がないことが多く、今、私のいるこの都議会議事堂や都庁にもありません。
 私は、国際化というのは、お互いの文化の違いを受けとめ、理解する心だと考えています。文化が違えば必要な情報も違います。今後ますます増加する外国人旅行者の文化的背景などを踏まえ、受け入れ環境を充実すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、子供、子育て支援の充実について伺います。
 知事は、待機児童を解消するため、二〇一七年度末までに保育利用児童数を約四万人ふやす目標を掲げ、今定例会で三千人をふやす補正予算案を提案しています。
 一方、東京の待機児童数は、ことし四月一日現在、八千六百七十二人と、都が取り組みを充実しているにもかかわらず過去最高となりました。
 過去の取り組みが、待機児童解消につながらなかったように、今後も潜在的保育需要がさらに顕在化するとともに、子育て家庭の都内への流入や女性の社会進出など、保育を必要とする子供たちがさらにふえ、保育所不足が続くことが懸念されます。
 私は、さまざまな対策を講じることで、待機児童の解消を早期に図るべきと考えますが、知事に決意をお伺いします。
 待機児童の解消には、施設の整備だけではなく、保育人材の確保が欠かせません。
 保育人材の確保に向けて、都は、国が予定している認可保育所の保育士給与の三%引き上げに加え、独自の制度である認証保育所等の保育士の処遇改善などに取り組む必要があります。
 また、資格を持ちながら働いていない潜在保育士は、日数や時間など、勤務条件を優先する働き方を求めており、こうした傾向を踏まえ、職場復帰を促す取り組みを強化すべきと考えます。
 保育士等の処遇改善を初めとする保育人材の確保に向けた取り組みについて、見解を伺います。
 近年、保育施設は、特別な支援が必要な子供や被虐待児の保育など、さまざまな課題に対応するとともに、地域の子育て支援の場としての役割を担っており、より専門的な対応が求められています。京都府や大阪府、東京の日野市では、臨床心理士が保護者と懇談したり、保育従事者へ保育に関するアドバイスを行うといった専門的知見に基づいた活動を行っています。
 私は、臨床心理士など専門職の活用に取り組んでいくべきだと考えますが、見解を伺います。
 今定例会に提案されている幼保連携型認定こども園は、親の就業の有無にかかわらず保育を受けられ、都市部では、待機児童解消にも資することが期待されています。
 しかしながら、国が示した公定価格は不十分であり、認定こども園への移行を見合わせる幼稚園が多いと聞いております。公定価格については、認定こども園への移行が進むよう国が責任を持って取り組むべきと考えます。
 一方、都としても、地域の子育て支援機能を持ち、質の高い保育、幼児教育を提供する幼保連携型認定こども園の普及に努めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 東京都子供・子育て会議では、都内に新設する幼保連携型認定こども園の保育室の設置階について、三階以上を特例として認めるかどうか、賛否が分かれました。都内には、既に三階以上に設置されている保育所もあり、当然、これらと同様の安全対策が求められます。
 また、長時間そこで過ごす子供たちのために、育ちに配慮した対応も求められています。
 都は、新たな幼保連携型認定こども園の新設について、どのような考え方に基づき基準を策定したのか、見解を伺います。
 次に、危険ドラッグ対策と再乱用防止策について伺います。
 昨今、危険ドラッグによる事件が多発しています。他の自治体では、成分が特定されなくても、製品名や形状、表示内容などから判断して販売を規制するといった取り組みも見られます。都は、約二十年間の店舗での薬物の売り上げ調査と分析、解析の蓄積がありますが、今後の危険ドラッグ対策に期待するものです。
 今定例会では、警察職員への立ち入り権限の付与等により、取り締まりを強化する薬物濫用防止条例改正案が提案されていますが、危険ドラッグ対策についての知事の基本姿勢について伺います。
 私たちは、取り締まりの強化も大事ですが、子供たちが薬物に手を出さないための徹底した教育が最も重要だと考えています。
 現在、小中高校において、保健体育で薬物乱用の害と健康を教え、また、年一回、薬物乱用防止教室も開催しています。
 しかしながら、危険ドラッグには、試供品や低価格品もあります。また、インターネットで簡単に入手できるようになっています。そのため、子供たちが安易に手を出してしまうようなことがないように、より一層、危険性を認識させる教育が必要と考えますが、都の見解を伺います。
 また、薬物依存対策では、厳罰化よりも、まず早期発見や早期治療が重要です。
 都の薬物問題の相談窓口はまだまだ認知度が低く、薬物依存症の専門外来も不足しているといわれています。
 相談窓口の広報徹底や、専門の医療、福祉機関を円滑に利用できる仕組みづくりが求められています。
 都は、薬物の再乱用防止をどのように進めていくのか、見解を伺います。
 薬物依存者本人や家族に対して、薬物依存から社会復帰に取り組む民間団体の活動について、情報を提供していくことも重要です。
 薬物依存症からの回復支援に対する地域の理解を進めるとともに、社会復帰を目指す人々や、その家族を支えていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、生活困窮者等の自立支援策について伺います。
 昨年十二月、生活困窮者自立支援法が成立し、来年四月に施行されます。それは、生活保護制度において、稼働年齢層の受給者増加、受給の長期化など、新たな課題が顕在化している中で、最後のセーフティーネットである生活保護の手前で支援を行う第二のセーフティーネットを構築するためです。
 今後は、二つのセーフティーネットによる重層的な体制で、健康、生活習慣、職業能力、多重債務など、複合した原因を抱える個別の状況に応じ、きめ細やかな支援を早期に、かつ包括的に行うことになります。
 法施行まで半年余りとなりましたが、事業内容を規定する政省令や財政規模がいまだ示されていないこともあり、実施主体である市区においては、実施に向けた準備や体制整備が進んでいないのが現状です。
 そこで、制度の円滑な実施に向けた都としての取り組みについて伺います。
 被保護世帯や生活困窮世帯の子供たちを、いわゆる貧困の連鎖に陥らせないために、健全育成が非常に重要です。保護者が自立に至るまでの間も、子供たちはかけがえのない成長期を過ごしています。生活習慣の見直しや学習支援、進学支援、中途退学の防止など、効果的な支援を安定的、継続的に行わなければなりません。
 生活困窮者自立支援法の施行に伴い、生活保護制度のもとで行われてきた健全育成事業の国庫補助が二分の一になるといわれていますが、補助限度額、対象者の範囲等が明らかにされず、各自治体が事業を実施しようにも予算要求が組めないとの声が聞かれます。
 東京都が従来から実施してきた独自の自立促進事業や、低所得世帯の子供たちへの支援対策ともあわせ、来年度から本格的にスタートする新たな制度においても、引き続き安定的、効果的に事業を実施できるようにすべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、防災対策について伺います。
 八月二十一日、都も含め約二十の関係機関が出席し、荒川下流域を対象に、首都圏で初めてとなる防災行動計画、すなわちタイムラインの検討が開始され、大島町でも策定に取り組むとのことです。
 タイムラインは、二〇一二年にニューヨークを直撃したハリケーン・サンディの被害を大幅に軽減したことで注目されました。あらかじめ関係者が協議して、七十二時間前に避難の可能性を周知、三十六時間前に避難所を開設、二十四時間前に要配慮者の避難などを決めておくことで、発災時に、防災担当者や消防団も避難が完了できるようにしようとするものです。
 昨年の大型台風による大島町での土砂災害での経緯を踏まえ、市区町村長と気象庁、東京都との情報連携体制が強化されました。避難指示、勧告を出す市区町村長が時期を逸することなく、適正な判断を行うため、タイムライン策定のような、空振りを恐れずに判断できる環境づくりを支援していくことも必要と考えますが、都の見解を伺います。
 伊豆大島や広島の土砂災害で教訓すべきは、風水害対策でも、想定外を想定外としないことです。
 例えば、地球温暖化の進行で、激しい竜巻が発生しやすくなるともいわれており、風速六十五メートルを超えるスーパー台風の上陸も懸念されます。
 昨年九月に埼玉県越谷市で発生した竜巻では、学校の強化ガラスが破損しましたが、二〇〇五年のカトリーナでも、二十八階建てのホテルの強化ガラスが割れて水浸しとなりました。長期に使用できなくなりました。このことから想定すべきは、強風、豪雨で強化ガラスが割れて建物が機能を失うことです。
 現在、都が進めている学校の非構造部材の耐震化で、強化ガラスは対策の対象外です。また、七十四ある災害拠点病院には、非構造部材の定めはなく、状況も把握できていません。
 現在、非構造部材の耐震化を進めている学校でも、都が指定している七十四の災害拠点病院でも、突風対策は費用対効果もあって、ほとんどとられていません。
 しかし私は、東京都として、あらゆる角度で想定し得ることは想定し、都民への迅速かつ正確な情報提供や常日ごろの防災教育など、より高度な防災対策に取り組んでいく必要があると考えます。見解を伺います。
 最後に、東京の動物園について伺います。
 動物園の課題は、都政にとって喫緊の課題と思う人は少ないかもしれません。しかし、長期で見れば、種の保存という私たち人類にとって極めて重要な課題なのです。どんなに都市が栄えようとも、動物たちが次々と絶滅し、やがて人類までもいなくなってしまうのでは、何のための繁栄でしょうか。
 今、世界の動物園では、飼育、展示だけにとどまらず、野生で絶滅危惧されている動物を繁殖させ、野生に返す取り組みや、自然に近い状態で動物を飼う工夫、種と生態系の保全をテーマとした教育的展示に力を入れるなど、変革が進んでいます。
 日本では、国立博物館の附属の動物園が下賜されて以来、国は種の保存に関する直接な場を持っておらず、自治体や民間が保持してきました。
 現在、動物園の動物の多くは数が減っており、野生から導入も困難となっています。そのため、高齢化が進み、動物園で繁殖を行う種の保存が待ったなしの状況です。
 先日、都の動物園職員がオランウータンを通じ環境保護を訴えた本が、国語の図書に掲載されました。この職員は研究者とも連携して、ボルネオで保護活動に携わっています。ほかにも、都は多くの絶滅危惧種の繁殖と野生復帰に貢献しており、国内外からも高い評価を得ております。このように、都立動物園は日本を代表する動物園として先導的な役割を果たしており、私は、今後、世界へと発信していくことを期待しています。
 動物園におけるこうした取り組みは、今後より一層、厚みと深みを増していくべきであり、都は二十一世紀の種の保存の分野で旗振り役をしていくべきと考えます。この問題は、ぜひ知事に答えていただきたいと思いますので、舛添知事のご見解を伺い、都議会民主党を代表いたしましての質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 石毛しげる議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、税財源の偏在是正についてでありますが、近年の地方財政をめぐって、国は、都市の財源を狙い撃ちにした税源の偏在是正措置を繰り返し、地方財政が抱える巨額の財源不足をどう解消するかという本質的な問題を棚上げしてきました。
 これらの不合理な偏在是正は、日本経済の成長を牽引する東京の活力をそぐばかりか、日本全体の利益につながらないものであります。国は、問題の本質に正面から向き合い、地方自治の原点に立ち返り、議論すべきであります。
 これから年末の税制改正に向けまして議論が活発化することを踏まえ、都は、先般、地方法人課税を巡る動向と東京都の主張を発表しました。
 今後も、引き続き、都議会を初め都内全区市町村等と一体となって、不合理な偏在是正措置の即時撤廃と地方税への復元などを国に対して強く求めてまいります。
 長期ビジョンにおける政策目標についてでございますが、中間報告では、世界一の都市東京の実現に向けて、都政のさまざまな分野で政策の方向性と政策目標を掲げております。
 具体的には、震災や豪雨への対策、待機児童の問題など、都政を取り巻く諸課題に対し都民の皆様に安心していただき、明るい未来を展望することができるよう、それぞれの政策が実現した姿を、わかりやすく約二百三十の目標として掲げております。
 また、生活の質の向上に向けては、経済を活性化して新しい富を生み出し、これを有効に活用していくことが不可欠であり、ビジョンでは、開業率などの経済に関する目標も示しました。
 年末の最終報告では、中間報告で掲げました政策目標に加え、引き続き検討を行っている課題の政策目標も明らかにしてまいります。
 これらの目標を一つ一つ着実に達成していくことによりまして、ここで生まれ、生活し、老後を過ごせることができて本当によかったと、こう思っていただけるような東京を実現してまいります。
 都市外交についてでありますが、外交は国の専管事項でありますが、都市には都市だからこそできる交流、協力があります。
 私の目指す都市外交は、世界の諸都市と友好協力関係を深め、共通する都市問題の解決を通して、東京を一段とレベルの高い都市として、都民生活の向上を図っていくものでございます。
 こうした観点から、私は、北京やソウルを訪問し、首長等と積極的に意見交換を行い、環境、防災、産業、文化、スポーツといったさまざまな分野での協力関係に合意するなど、友好都市関係を再構築してきました。
 また、都市外交をより戦略的、効果的に展開するため、都市外交推進会議を立ち上げ、新しい都市外交戦略の策定に着手しております。
 今後とも、海外諸都市との信頼関係を強固なものにしながら、都民生活にも資する都市外交を展開してまいりたいと思っております。
 待機児童解消についてでありますが、四年間で待機児童を解消する、この目標、この公約を実現するため、今回策定しました長期ビジョンの中間報告では、平成二十九年度末までに保育サービスを四万人分ふやすことにいたしました。
 また、本定例会には、保育所整備を加速するために、定期借地権の一時金補助の国有地への拡大、国有地、民有地の借地料補助の創設、賃貸物件への家賃補助の拡充など、新たな施策を盛り込んだ補正予算案を提出しております。
 現在、保育の実施主体である区市町村は、来年四月の子ども・子育て支援新制度の施行に向け、地域の実情やニーズを踏まえながら、保育サービスの新たな整備目標の策定を進めております。
 十二月に策定します長期ビジョンでは、区市町村が策定する整備目標も踏まえ、改めて具体的な保育サービスの整備目標と、その工程表をお示しいたします。
 また、保育人材の確保も含め、さらなる支援策についても盛り込む考えであります。
 続きまして、幼保連携型認定こども園の普及についてでありますが、幼保連携型認定こども園は、幼児教育と保育サービスを一体的に提供する施設でありまして、待機児童解消にも資するものであります。
 その整備を進めるためには、実施主体となる区市町村が地域における幼児教育と保育のニーズに基づき、子ども・子育て支援事業計画に目標を定め、取り組んでいくことが必要でございます。
 先ほど申し上げましたとおり、今回策定した長期ビジョン中間報告では、平成二十九年度末までに都内の保育サービスを約四万人ふやす目標をお示しいたしました。
 都としては、待機児童解消のため、区市町村が地域の実情に応じて、幼保連携型認定こども園を含めた多様な保育サービスを整備できるよう、積極的に支援してまいります。
 次に、危険ドラッグ対策についてでありますが、危険ドラッグの害悪ははかり知れないものがあります。心身をむしばむばかりでなく、社会の秩序を乱す危険な薬物であります。
 こうした考えに立って、都は、平成十七年に東京都薬物の濫用防止に関する条例を制定し、規制、監視指導、普及啓発を柱に、知事指定薬物の指定、販売店の取り締まり、若者と連携した普及啓発活動など、さまざまな対策を実施してまいりました。
 本定例会には、警察職員の販売店への立入調査権限や、都職員による知事指定薬物等の収去権限の付与、知事指定薬物の緊急指定などを盛り込んだ条例の改正案を提出しております。
 また、国におきましても、薬事法に基づき、立入検査で指定薬物と疑われる物品が見つかった店舗に対し販売停止命令を行うなど、対策の強化を図っているところであります。
 今後とも、国や警視庁等と連携しながら、取り締まりや監視を一層強化し、危険ドラッグの根絶に全力を尽くしてまいります。
 最後に、種の保存における都立動物園の役割についてご質問がございました。
 都立動物園は、レクリエーションと観光の場としてはもちろん、希少野生動物の保護、繁殖を通じた種の保存と、それを支える調査研究、子供から大人までの環境学習の場という役割を担っております。
 とりわけ、石毛先生ご指摘の種の保存は、多くの野生動物が絶滅の危機に瀕している今日において、人類共通の財産である生物の多様性を確保し、将来に残していくために極めて重要な取り組みであります。
 このため、都立動物園は、長年にわたり蓄積してきました豊富な飼育技術や経験をもとに、希少動物で繁殖の実績を重ねて、国内の動物園を牽引してきております。
 少し具体的な例を申し上げますと、上野動物園では、ジャイアントパンダ、ニシローランドゴリラ、ベンガルヤマネコなどで十一種類、それから多摩動物公園では、先生が非常にご興味のあるボルネオオランウータン、シセンレッサーパンダ、ユキヒョウ、これ、十七種、それから葛西臨海水族園、フンボルトペンギンなど二種、それから井の頭自然文化園でも、ニホンリスなど六種の、今のところ三十八種にわたり、希少動物で実績を重ねております。
 今後とも、この技術を継承、発展させまして、より多くの希少動物の繁殖に取り組むとともに、その研究成果を世界の動物園、水族館へ発信し、野生動物の保全に貢献していく決意でございます。
 その他の質問につきましては、教育長及び関係局長から答弁させます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 危険ドラッグに関する教育についてであります。
 危険ドラッグは、麻薬や覚醒剤と同様に、健康や人格を損なうだけでなく、事故や犯罪の増加など大きな社会問題となっております。
 現在、インターネットやスマートフォンの普及などにより、児童生徒が危険ドラッグを容易に入手する危険性が高まっていることから、これまで以上に薬物乱用防止についての指導を徹底していく必要がございます。
 今後、都教育委員会は、児童生徒が危険ドラッグの有害性を認識し、勧誘や有害情報に適切に対処できるよう、今回の条例改正の内容も含め、危険ドラッグについて盛り込んだ指導資料の改訂や、医療関係者や警視庁等と連携した教員研修を実施し、教員の指導力の向上を図るなどして、薬物乱用防止教育の充実に取り組んでまいります。
   〔政策企画局長川澄俊文君登壇〕

〇政策企画局長(川澄俊文君) 二点の質問にお答えいたします。
 まず、他の道府県との連携の強化についてでございますが、これまで都では、九都県市首脳会議などを通じて近隣自治体との連携を図る一方、地方法人課税の見直しなど大都市部に共通する課題には、神奈川県、愛知県、大阪府と連携し、国に対する共同要請などの取り組みを行ってまいりました。
 また、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を全国的に盛り上げていくために、夏の全国知事会議において、知事が提案し、全知事からの賛同を得て、先般、大会の効果を全国に波及させるための組織が設置されたところでございます。
 課題を共有する都道府県同士が、その解決に向けてともに取り組んでいくことや、都道府県が一致協力して日本全体の活力を高めていくことは大変重要であることから、今後とも、他の道府県との連携を積極的に進めてまいります。
 次に、今後の海外都市との関係構築への取り組みについてでございますが、世界の諸都市と友好協力関係を強化するためには、人と人とのつながりを緊密にしていくことが重要でございます。
 とりわけ職員交流は、都市が抱える課題の解決方策を学ぶ有効な手法の一つであります。
 都はこれまでも、海外からの技術研修生の受け入れや都職員の海外諸都市への研修派遣等を行ってまいりました。
 今後、こうした取り組みの拡大について検討するなど、人的交流を通じた海外諸都市との信頼関係を深めてまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

〇都市整備局長(安井順一君) 都内の鉄軌道ネットワークの充実についてでございますが、都はこれまで、国や鉄道事業者等と連携し、運輸政策審議会答申第十八号に位置づけられた路線の実現に向けて取り組んでまいりました。
 国は、答申の目標年次が近づいていることから、本年五月から交通政策審議会におきまして、東京圏における今後の都市鉄道のあり方などについての議論を始めており、平成二十七年度中に次期の答申を取りまとめるとしております。
 都としても、今年度、都における今後の鉄道ネットワークのあり方などにつきまして調査検討を進めており、国の動向を踏まえながら、次期答申に向けて取り組んでまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

〇産業労働局長(山本隆君) 外国人旅行者の受け入れ環境の充実についてでございます。
 世界各国から訪れる旅行者が東京で快適に滞在できるようにするためには、旅行者の多様な文化や習慣等に対する理解と配慮が重要でございます。
 このため、都は今年度、宿泊施設を対象に、国や地域により、異なる文化や生活習慣等への理解を深める研修を実施するとともに、飲食店等を対象に、ムスリム旅行者の受け入れに必要な配慮の普及啓発を行うこととしております。
 また、旅行者の移動に必要な多言語での観光案内標識の整備を引き続き進めてまいります。
 今後とも、こうした取り組みを通じ、外国人旅行者が安心して滞在できる環境を整備してまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 七点のご質問にお答えします。
 まず、保育人材の確保に向けた取り組みについてでありますが、都はこれまで、保育人材を確保するため、保育施設勤務経験者で現在勤めていない人を対象に、就職支援研修と就職相談会を一体的に実施するとともに、未経験の有資格者を対象としたセミナー等を実施してまいりました。
 また、保育人材の定着を図るため、認証保育所も含めた保育従事者の処遇改善を行うほか、今年度から保育人材・保育所支援センターのコーディネーターを増員し、就職相談、あっせんから職場定着までの支援を強化しております。
 今後、都全域を対象とした就職相談会や他県での説明会も開催する予定であり、引き続き、保育人材の確保、定着に取り組んでまいります。
 次に、保育所における臨床心理士などの専門職の活用についてでありますが、現在、保育所においては、発達障害児を初め、被虐待児童やアレルギー児など、特別な支援が必要な子供への対応が求められております。
 また、保育所は、保護者や在宅で子育てを行っている家庭に支援を行う役割も担っており、保育の実施主体である区市町村は、こうしたニーズに保育所が的確に応えられるよう、専門職も含めた多様な人材を活用し、さまざまな取り組みを行っております。
 都は、今後とも、区市町村が地域の実情に応じた保育施策が展開できるよう、その取り組みを都独自の子育て推進交付金や包括補助等により支援してまいります。
 次に、新たな幼保連携型認定こども園の基準についてですが、本定例会で提案している条例案の基準は、現在の幼稚園と認可保育所の、より高い水準を引き継ぐという国の基本的な考え方や、現行の認定こども園の基準等を踏まえながら策定いたしました。
 また、策定に当たりましては、東京都子供・子育て会議において、子供の安全性や教育、保育の専門性の確保などについて十分な議論を行ってまいりました。
 その結果、条例案では、現在行われている保育や幼児教育の水準が確保されるよう、職員の配置基準、施設整備基準、非常時や災害時の対策などを規定し、保育室の面積や職員の資格などについては、都独自の基準を設けているところでございます。
 次に、薬物の再乱用の防止についてですが、都におきましては、薬物の再乱用を防止するため、区市町村、精神保健福祉センター等の専門相談機関、医療機関、民間機関等々が連携して、薬物依存症の方の状況に応じて専門医療の提供や社会復帰への支援など、さまざまな支援を行っております。
 また、こうした支援を行う区市町村や保健所などの相談窓口や、精神保健福祉センター、医療機関、民間機関等々の情報を、ホームページやリーフレット等により、都民に広く周知しております。
 今後とも、薬物の再乱用防止に向け、こうした取り組みを一層進め、関係機関が連携して支援する体制を強化してまいります。
 次に、薬物依存症の方や家族への支援についてでありますが、都は現在、都内三カ所の精神保健福祉センターにおいて、薬物依存症からの回復に向けたプログラムや、薬物依存に関する正しい知識や適切な対応方法等を学ぶ家族教室等を、同じ経験を持つ仲間が相互に助け合う活動を行っている民間団体の協力も得ながら実施しております。
 また、プログラム終了時などには、こうした民間団体等に関する情報を状況に応じて提供するなど、回復に向けた本人や家族の継続的な取り組みを支援しております。
 さらに、薬物依存症への地域での理解が進むよう、都内各地で実施されている薬物依存に関する研修や学習会にセンターの職員を講師として派遣しております。
 今後とも、こうした取り組みを通じ、社会復帰を目指す薬物依存症の方やその家族を支援してまいります。
 次に、生活困窮者自立支援法の施行に向けた都の取り組みですが、都はこれまで、実施主体である区市の体制整備を支援するために、制度の内容を迅速に周知するとともに、各区市の準備状況に応じて個別の助言等を行っており、来月には事務担当者会議を開催し、現在十三区市で取り組んでいるモデル事業の成果や課題について、情報提供を行うこととしております。
 また、現在、生活困窮者の就労訓練の場を確保するため、都内四千カ所の社会福祉法人や企業等を対象に、制度の周知と就労訓練事業の実施意向の把握を行っております。
 今後とも、来年四月からの法施行に向け、区市の準備が円滑に進みますようきめ細かな支援を行うとともに、国に対しては、政省令の早期制定や十分な財政措置などを引き続き強く要求してまいります。
 最後に、生活保護世帯等の子供の健全育成についてですが、都は、生活保護世帯を対象に、子供が学習塾に通う費用の助成等を行う区市を支援するとともに、低所得世帯の受験生に対し、学習塾や受験料の支援を行ってまいりました。
 また、十一の区市では、生活保護世帯の子供を対象に、国の健全育成支援に対する補助を活用して、高校進学に向けた学習会等を実施しております。
 この事業は、来年四月の生活困窮者自立支援法の施行に伴い、予算事業から法に基づく事業となり、対象を生活困窮世帯にまで拡大して実施することとなっております。現時点では、二十三の区市が実施の意向を示しております。
 都といたしましては、今後とも、子供の健全育成に向けた区市の取り組みを支援するとともに、国に対して、十分な財政措置を行うよう求めてまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、市区町村長が行う避難勧告等の判断の環境づくりについてでございます。
 国は、本年四月、昨年の大島での土砂災害等を踏まえ、避難勧告等は空振りを恐れず早目に出すことを基本に、判断基準を明確化した避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン案を策定いたしました。
 都は、区市町村に対しガイドラインを周知し、それぞれの判断基準の整備を促すとともに、判断の指標となる大雨洪水警報などの気象情報や河川水位の予報等が発表された際は、速やかに情報を伝達しております。
 また、区市町村との情報連絡体制を整備することにより、随時、相談、助言も行っております。
 今後とも、関係機関と連携しながら、区市町村を支援してまいります。
 次に、都民への情報提供等による防災対策についてでございます。
 これまで、首都直下地震等への備えを万全のものとするため、被害想定を実施し、地域防災計画を修正して必要な取り組みをまとめ、全庁を挙げて防災対策を推進しております。
 都民への情報提供や防災教育は、自助の取り組みを促す上で大変重要であり、現在、イベントやホームページ等を通じた普及啓発や、学校での防災教育等を実施しております。
 また、今年度は、最新の知見をもとに、一家に一冊常備され、家庭における防災の指針ともなる防災ブックを作成することとしており、今後、防災ブックを活用して、都民の災害に対する備えや防災意識の向上等を図ってまいります。
 今後とも、公助の取り組みはもとより、自助、共助の取り組みを積極的に促し、大規模地震を初めとするさまざまな自然災害に対する東京の災害対応力を向上させてまいります。

〇六十七番(山崎一輝君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

〇議長(吉野利明君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(吉野利明君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後七時八分散会


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