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平成二十四年東京都議会会議録第十二号

平成二十四年九月二十五日(火曜日)
 出席議員 百二十三名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番小宮あんり君
四番吉住 健一君
六番福士 敬子君
八番野上ゆきえ君
九番佐藤 広典君
十一番中村ひろし君
十二番西沢けいた君
十三番田中  健君
十四番関口 太一君
十五番畔上三和子君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番松葉多美子君
二十番桜井 浩之君
二十一番山崎 一輝君
二十二番鈴木 章浩君
二十三番菅  東一君
二十四番田中たけし君
二十五番くりした善行君
二十六番山内れい子君
二十七番小山くにひこ君
二十八番淺野 克彦君
二十九番新井ともはる君
三十番佐藤 由美君
三十一番たきぐち学君
三十二番田の上いくこ君
三十三番島田 幸成君
三十四番しのづか元君
三十五番大島よしえ君
三十六番伊藤こういち君
三十七番大松あきら君
三十八番中山 信行君
三十九番高倉 良生君
四十番鈴木 隆道君
四十一番宇田川聡史君
四十二番高橋 信博君
四十三番中屋 文孝君
四十四番鈴木あきまさ君
四十五番矢島 千秋君
四十六番高橋かずみ君
四十七番柳ヶ瀬裕文君
四十八番星 ひろ子君
四十九番滝沢 景一君
五十番中谷 祐二君
五十一番笹本ひさし君
五十二番山下ようこ君
五十三番神野 吉弘君
五十四番鈴木 勝博君
五十五番興津 秀憲君
五十六番岡田眞理子君
五十七番古館 和憲君
五十八番かち佳代子君
五十九番上野 和彦君
六十番吉倉 正美君
六十一番橘  正剛君
六十二番野上 純子君
六十三番谷村 孝彦君
六十四番山加 朱美君
六十五番吉原  修君
六十六番三宅 正彦君
六十七番早坂 義弘君
六十八番相川  博君
六十九番林田  武君
七十番服部ゆくお君
七十一番野田かずさ君
七十二番西崎 光子君
七十三番伊藤 ゆう君
七十四番原田  大君
七十五番尾崎 大介君
七十六番山口  拓君
七十七番伊藤まさき君
七十八番松下 玲子君
七十九番西岡真一郎君
八十番吉田康一郎君
八十一番たぞえ民夫君
八十二番吉田 信夫君
八十三番小磯 善彦君
八十四番長橋 桂一君
八十五番藤井  一君
八十六番鈴木貫太郎君
八十七番こいそ 明君
八十八番遠藤  衛君
八十九番きたしろ勝彦君
九十番高木 けい君
九十一番神林  茂君
九十二番三原まさつぐ君
九十三番田島 和明君
九十四番古賀 俊昭君
九十五番泉谷つよし君
九十六番くまき美奈子君
九十七番大西さとる君
九十八番今村 るか君
九十九番増子 博樹君
百番いのつめまさみ君
百一番小沢 昌也君
百二番石毛しげる君
百三番大津 浩子君
百五番清水ひで子君
百六番ともとし春久君
百七番東村 邦浩君
百八番中嶋 義雄君
百九番木内 良明君
百十番三宅 茂樹君
百十一番山田 忠昭君
百十二番村上 英子君
百十三番野島 善司君
百十四番川井しげお君
百十五番吉野 利明君
百十六番宮崎  章君
百十七番比留間敏夫君
百十八番門脇ふみよし君
百十九番斉藤あつし君
百二十番大塚たかあき君
百二十一番酒井 大史君
百二十二番山下 太郎君
百二十三番大沢  昇君
百二十四番中村 明彦君
百二十五番和田 宗春君
百二十六番馬場 裕子君
百二十七番大山とも子君

 欠席議員 一名
   七番 土屋たかゆき君
 欠員
    五番 十番 百四番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事安藤 立美君
副知事猪瀬 直樹君
副知事秋山 俊行君
教育長比留間英人君
東京都技監建設局長兼務村尾 公一君
知事本局長前田 信弘君
総務局長笠井 謙一君
財務局長中井 敬三君
主税局長新田 洋平君
警視総監樋口 建史君
生活文化局長小林  清君
スポーツ振興局長細井  優君
都市整備局長飯尾  豊君
環境局長大野 輝之君
福祉保健局長川澄 俊文君
産業労働局長中西  充君
港湾局長多羅尾光睦君
会計管理局長松田 芳和君
交通局長中村  靖君
消防総監北村 吉男君
水道局長増子  敦君
下水道局長小川 健一君
青少年・治安対策本部長樋口 眞人君
病院経営本部長塚田 祐次君
中央卸売市場長塚本 直之君
選挙管理委員会事務局長影山 竹夫君
人事委員会事務局長真田 正義君
労働委員会事務局長岳野 尚代君
監査事務局長松井多美雄君
収用委員会事務局長醍醐 勇司君

九月二十五日議事日程第二号
第一 第百五十八号議案
  特定非営利活動促進法施行条例の一部を改正する条例
第二 第百五十九号議案
  東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第三 第百六十号議案
  東京都営住宅条例の一部を改正する条例
第四 第百六十一号議案
  東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例
第五 第百六十二号議案
  東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例
第六 第百六十三号議案
  東京都保護施設等の設備及び運営の基準に関する条例
第七 第百六十四号議案
  東京都軽費老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例
第八 第百六十五号議案
  東京都婦人保護施設の設備及び運営の基準に関する条例
第九 第百六十六号議案
  介護保険法施行条例
第十 第百六十七号議案
  食品衛生法施行条例の一部を改正する条例
第十一 第百六十八号議案
  食品製造業等取締条例の一部を改正する条例
第十二 第百六十九号議案
  東京都工場立地法地域準則条例の一部を改正する条例
第十三 第百七十号議案
  東京都地方公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例
第十四 第百七十一号議案
  東京都暴力団排除条例の一部を改正する条例
第十五 第百七十二号議案
  火災予防条例の一部を改正する条例
第十六 第百七十三号議案
  警視庁大塚警察署庁舎(二十四)改築工事請負契約
第十七 第百七十四号議案
  都立練馬工業高等学校(二十四)改築工事請負契約
第十八 第百七十五号議案
  都立江戸川地区特別支援学校(仮称)(二十四)増築工事請負契約
第十九 第百七十六号議案
  都立第三商業高等学校(二十四)改修及び改築工事請負契約
第二十 第百七十七号議案
  東京国際フォーラム(二十四)ガラス棟改修工事請負契約
第二十一 第百七十八号議案
  東京都監察医務院(二十四)本館改築その他工事請負契約
第二十二 第百七十九号議案
  東京消防庁武蔵野消防署庁舎(二十四)新築工事請負契約
第二十三 第百八十号議案
  妙正寺川鷺の宮調節池工事(その四)請負契約
第二十四 第百八十一号議案
  トンネル本体築造工事及び擁壁築造工事(二十四 四─放三十五)請負契約
第二十五 第百八十二号議案
  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター中期目標について
第二十六 第百八十三号議案
  特種用途自動車(災害時医療支援車)の買入れについて
第二十七 第百八十四号議案
  磁気共鳴断層撮影装置(MRI)の買入れについて
第二十八 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した固定資産税等の過徴収に係る損害賠償請求控訴事件の上告受理の申立てに関する報告及び承認について
議事日程第二号追加の一
第一 平成二十三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
第二 平成二十三年度東京都公営企業各会計決算の認定について

   午後一時開議

〇議長(中村明彦君) これより本日の会議を開きます。

〇議長(中村明彦君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

〇議長(中村明彦君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

〇議事部長(別宮浩志君) 知事より、地方自治法第二百四十一条第五項の規定により、平成二十三年度東京都区市町村振興基金及び東京都用品調達基金の運用状況に関する調書等の提出がそれぞれありました。
(別冊参照)

〇議長(中村明彦君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、平成二十三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について外一件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

〇議長(中村明彦君) これより質問に入ります。
 百十九番斉藤あつし君。
   〔百十九番斉藤あつし君登壇〕

〇百十九番(斉藤あつし君) 私は、都議会民主党を代表して、都政の主要課題について知事並びに関係局長に伺います。
 質問に先立ち、先日、名誉都民山田五十鈴さんがご逝去されました。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
 さて、私たちは本定例会に、犯罪被害者等の権利を守り利益の保護を図る東京都犯罪被害者等基本条例案並びに公共公益施設及び建築物の内部の緑化を推進する東京における自然の保護と回復に関する条例の一部を改正する条例案の提案を予定しております。それぞれの趣旨につきましては、改めて説明させていただきたいと考えていますので、本会議場の皆様の真摯な議論を心よりお願いするものであります。
 また、このほど政府は、我が国固有の領土である尖閣諸島の国有化を決定し、尖閣諸島の三つの島について地権者と売買契約を正式に交わしました。歴代自民党政権にはなし得なかった尖閣諸島国有化が、石原知事が購入を表明してきっかけをつくってから、たった半年で実現することになったのです。地権者は、これまでの政権への不信感から、政府には売却しないといわれていましたが、野田政権においてそのようなことはありませんでした。石原知事も、本来国がやるべきとされていましたが、その主張も実現したわけです。
 しかし、私たちはこの国有化でとまるわけではありません。早速、この売買契約当日、野田総理に対して、さらに具体的に実効支配を強化するよう求めたところです。私たちは、今後もこのような取り組みを進めていくことを表明させていただきます。
 まず、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京招致について伺います。
 ロンドン・オリンピックでの日本代表は、ナショナルトレーニングセンターや国のマルチサポート事業等が選手への大きなバックアップにもなり、過去最多のメダル数を獲得いたしました。そして、五輪閉幕後に銀座で行われたメダリストらによるパレードでは、五十万人もの観衆が集まり、メダリストを祝福しました。
 その盛り上がりは東京招致の世論調査にもあらわれ、招致委員会がロンドン五輪閉会後に調査を行った結果、開催支持率は、開会前の世論調査よりも八ポイント上回る六六%という結果になりました。
 このオリンピック・パラリンピック熱をさらに高める戦略を早期に展開し、IOC世論調査が予想されることしの十二月から来年一月前後までに、都民、国民の招致への支持率を最高潮に持っていかなければなりません。
 そのためにも、公共交通機関等多くの方の目に触れる媒体を活用した招致PRをもっと展開していく必要があると考えますが、都の見解を伺います。
 また、さまざまなメディアやイベントにメダリストが出演していますが、こうした機会を通じて、直接招致に向けた都民、国民へのメッセージを発信していくことが世論への大きな訴えになるはずです。来月には都民広場でメダリストへの都民スポーツ大賞表彰式がありますが、こうした機会も活用して、メダリストにメッセージを発していただくよう、都としても働きかけるべきです。
 また、日本で人気の高い野球やソフトボールが、現在、オリンピック種目から外されております。これらの復活も含めて、新たなスポーツ競技の二〇二〇年オリンピックでの種目化を今から検討していくべきと考えます。それが日本スポーツ界のオリンピック招致熱を高め、都民、国民の支持率向上につながっていくと考えるものであります。あわせて検討されるよう求めておきます。
 さて、さまざまなリサーチ会社が支持率調査を行っていますが、賛成者も反対者も経済的な部分に着目をしています。このような状況を踏まえると、短期の経済効果もさることながら、長期的な投資効果をもっとPRしていくべきと考えます。
 例えば、国立霞ヶ丘競技場の改築については、オリンピック・パラリンピックが終わった後も、防災拠点やその他の機能として有効活用されるといったことなどを早目に都民、国民に示して、一定の経費をかけても長期的なメリットがあることを可能な限り具体的にPRをしていくべきと考えます。
 その点では、東京と似た規模のまちで同じ成熟都市であるロンドンでの大会は、先進国五輪のモデルをつくったという人もいるほど、経費や投資を有効に使う工夫が図られたといわれているため、参考にできるのではないでしょうか。
 投資効果を踏まえた今後の国内向け招致PRの展開について、都の見解を伺います。
 次に、パラリンピック競技大会について伺います。
 ロンドン・オリンピックだけでなく、パラリンピック競技大会においても、女子ゴールボールの金メダル獲得や、車いす男子テニスの国枝選手の北京大会に引き続く二連覇など、さまざまな競技でパラリンピック選手の活躍する姿が日本じゅうを元気づけました。
 今回のロンドン大会では、パラリンピック発祥の地での開催ということで観客数は過去最高で、二〇〇八年の北京大会を大幅に上回る二百七十万枚のチケットが販売されたと聞いています。こうしたイギリス国民のパラリンピックに対する関心の高さは、パラリンピックのみならず障害者スポーツの振興がイギリス国内に広く浸透している証左です。
 一方、日本においては、国民の関心はまだまだ低いのが現状です。障害者スポーツ浸透のためにも、都が全国に先駆けて策定した東京都障害者スポーツ振興計画の着実な実行を図るとともに、二〇二〇年にパラリンピックを東京で開催することが、障害者スポーツを普及させる上で大変重要なわけです。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックが開催され、東京がどういう都市に変わるのか、震災から復興した日本はどういう姿になっているのか、具体的で明確なビジョンを知事がさらに発信し、都民、国民の皆様に東京で開催したときの輝く未来像をイメージしてもらうことで、招致への賛同と協力につながり、国内の招致機運を高めることになると考えます。
 ロンドン大会が終わった今、東京のトップである知事には、招致に向けて改めて先頭に立って、招致関係者、都民、国民が一丸となれるよう引っ張っていただき、メッセージを発信していってほしいと思います。
 そこで、そのメッセージの一つとして、ロンドンでの開催結果を踏まえた東京でパラリンピック競技大会を開催する意義というのは何か、知事の見解を伺います。
 次に、防災対策について伺います。
 四月に公表した都の首都直下地震等の新たな被害想定では、死者は約一万人、避難者は三百三十九万人に上り、揺れによる建物全壊は十二万棟、火災により二十万棟が焼失するというものでした。被災から三日間は、都民、地域が自助、共助で生き延びる対策を講じていかなければなりません。被害想定の発表から約半年、都は社会に対して、首都直下地震に被災した東京のイメージを認識させることはできたのでしょうか。
 また、今回、地域防災計画の修正素案が公表されましたが、震災から一年半たち、日本経済新聞の家庭での災害の備えアンケートでは、その直後に比べ、備えを強化した、維持していると答えた人は半数以上に上りますが、していない、緩んだと答えた人も半数と、ほぼ拮抗している結果が出ました。
 被災イメージを認識した都民、企業、組織、地域、そして東京全体が大規模地震対策にいかに取り組むか、継続して備えるかを都が支援し、減災戦略が実現するよう促せるかが重要と考えますが、見解を伺います。
 続きまして、東日本大震災では、東北地方から関東地方にかけての広い地域にわたって、河川堤防や港湾施設、下水道施設に甚大な被害が発生いたしました。この未曾有の災害を踏まえ、国においては、総合的な津波対策のあり方を検討するとともに、河川堤防の耐震対策、下水道施設の耐震、耐津波対策の進め方などをまとめました。
 東京においても、マグニチュード八・二の大規模海溝型地震などが発生したことによる震度分布や津波高、浸水分布などの被害想定が示され、実際に地震、津波が起こった場合においても施設の安全性を確保する対策が重要となっています。
 大地震の教訓と新たな被害想定を受け、都は、地震、津波に伴う水害対策の強化に取りかかる方針を決めました。都民の安心・安全に資するため、都はどのような認識を持って河川堤防、海岸保全施設、下水道施設などの地震、津波対策を順次行っていくこととしたのか、見解を伺います。
 木密地域不燃化十年プロジェクトにおいて、都が整備地域約七千ヘクタールの中から不燃化推進整備地区を指定し、特に重点的に取り組みを推進する制度を創設することとした、いわゆる不燃化特区制度では、先般、応募のあった十二地区すべてを先行実施地区としたところであり、積極的な姿勢を評価するものであります。
 整備地域等における不燃領域率は、平成八年の四九%から平成十八年には五六%へと改善はしたものの、防災都市づくりの推進計画に掲げる平成三十七年度に七〇%の目標達成には、実効性の高い支援策や規制緩和、時間軸を意識した合意形成、新たな税制見直しによる誘導策など、多様な手法を駆使した取り組みが必要とされております。
 今後、東京都と区が共同で整備プログラムを作成するわけですが、今年度末に予定されている不燃化特区制度の骨格となるものです。各区、各地域の特性に応じた取り組みを進めるため、区との緊密な連携のもとで大胆な施策を実施し、進めるよう求めるものですが、都の所見を伺います。
 そして、東京都は、都内の木造住宅密集地域のうち、防災都市づくり推進計画で指定した整備地域内での木造住宅の耐震化に助成をしております。私たちは、都内全域への適用あるいは対象の拡大に向けた第一段階として、建物倒壊危険度五の地域すべて、もしくは建物倒壊危険度と火災危険度がともに五である地域をすべて制度の適用対象地域として取り扱うよう、再三再四求めてまいりました。
 その結果、建物倒壊危険度と火災危険度がいずれも五である二十五地域のうち、一地域を除く二十四地域が指定されました。
 しかしながら、建物倒壊危険度五に該当する地域が八十四地域ある中で、二十三地域がいまだ整備地域になっておりません。同じように危険でありながら整備地域にも指定されない残された地域では、耐震化が進まないままとなることが懸念されております。
 建物倒壊危険度五に該当する地域も、木造住宅の耐震診断、耐震改修助成制度の適用対象地域とすべきと考えますが、見解を伺います。
 続いて、東京都は昨年、条例を制定し、特定緊急輸送道路を指定して、沿道建築物の所有者に対する耐震診断の実施義務、耐震改修などの実施の努力義務、耐震化に要する費用の助成などを実施しています。
 私たちは、建築物の耐震化は基本的に対象を限定せずに進めていくべきものと考えていますが、条例化によって、少なくとも特定緊急輸送道路の沿道建築物の一層の耐震化促進に向けた施策が従来よりも一歩進むものであると一定の評価をしております。
 耐震診断義務化後の状況と今後の取り組みについて、当局に伺います。
 続きまして、特定緊急輸送道路に指定された沿道の建築物に限っていえば、旧耐震基準で建てられた約五千棟において八一・三%となっている耐震化率を一〇〇%とすることが急務であり、東京都は平成二十七年度までに実現するという目標を掲げています。
 耐震化の取り組みを加速させるには、老朽化した中小ビルのオーナーの心に響くような、例えば固定資産税減免等のさらなるインセンティブ付与に関する要望も聞いております。都民の意識が高まっているこの時期を逃さずに、一棟でも多く耐震化に向けた第一歩である耐震診断を実施することが肝要ではないでしょうか。
 国、都、市区町村が一体で実施している耐震診断や耐震化への助成ですが、幾つかの区では、予算が年度の前半で底をついたとのことです。補正予算等による対応が行われて、事業実施には影響がないようですけれども、耐震化に向けた取り組みに水を差すようなことがあってはなりません。
 市区町村とも十分に連携し、平成二十七年度までの特定沿道建築物一〇〇%耐震化達成に向けて強力に取り組むよう求めるものですが、都の見解を伺います。
 次いで、都の行ったマンション実態調査で、都内の分譲及び賃貸マンションの約二割、二万四千棟が旧耐震基準で建てられていると判明しました。都の戸建てを含む全住宅の耐震化目標は、平成二十七年度までに九〇%以上、平成三十二年度までに九五%以上です。
 ところが、今回の調査の速報による推計では、旧耐震基準のマンションのうち、耐震診断で耐震性が確認されたもの及び耐震改修により耐震性が確保された建物が、分譲で約一二%、賃貸で約七%であり、私たちがかねてから求めてきた老朽マンションへのさらなる改修、更新促進策の必要性を改めて認識させる結果です。
 一棟でも倒れれば、倒壊による人的被害はもちろんのこと、特定緊急輸送道路に限らず道路はふさがれ、住民の避難、消火や救命救助活動の妨げとなります。被害を軽減すれば、仮設住宅の必要数や瓦れきが減少し、早期の復旧、復興につながることはいうまでもありません。
 都は今年度、千棟を目標に、分譲マンションに対して耐震化の必要性や支援対策を説明する啓発隊の派遣を八月から先行実施しており、待ちの姿勢からアウトリーチへ転換したということは大変歓迎いたします。しかし、概算で一万棟を超える分譲マンションが未耐震、このままでは目標が達成できるのでしょうか。年次ごとの耐震化棟数の目標をつくるなど、より一層の取り組みが必要と考えます。
 そこで、これまでに実施したマンション啓発隊の個別訪問の成果と今後の取り組みについて伺います。
 続きまして、大災害発生時の消防団活動のあり方を議論してきた総務省消防庁の検討会は、消防団員を地域に最も身近な防災の担い手と位置づけ、装備充実や報酬増額によって活動を強化すべきであると求めています。
 一方、特別区消防団運営委員会からも今後提言が予定されており、これらの提言を踏まえ、今後の消防団活動をより一層強化していくべきと考えます。
 同時に、都内には九十八消防団、約二万四千五百人の消防団員のほかに、防災市民組織や防災ボランティアの存在があります。震災時には、都民一人一人の自助に加えて、これらの重層的な共助の仕組みが連携して対処することが重要であり、そのための活動用資機材の整備には、関係各局の協力も不可欠であります。
 既に、木造住宅密集地域などの消防車が進入できないような地域では、各消防署の呼びかけにこたえて、地域住民が水道施設である排水栓を活用した消火訓練にも参加しています。
 そこで、消防総監に伺います。震災時における被害を軽減するために、特別区消防団と地域住民との連携の取り組みについて伺います。
 次に、多摩の振興について伺います。
 多摩地域は、少子高齢化による人口減少や各市町村の財政状況の悪化など、今後、さらに厳しい状況になることが見込まれますが、こうした中にあっても、圏央道や多摩南北道など道路ネットワークの整備を初め、産業振興や災害対策など多岐にわたる課題について、果断に取り組んでいく必要があります。
 このような認識のもと、私たち都議会民主党は、ことし二月の代表質問において、新たな時代を迎え、都のさまざまな事業を進める上では、多摩地域の将来に向けたトータルビジョンを明確にすべきというふうに主張してまいりました。
 既に都では、新たなビジョンを策定することを明らかにしており、多摩の持つポテンシャルを従来と違った視点でとらえ直すと述べております。
 私たちは、新たなビジョンの策定に向けては、市町村との連携を図ることで、より具体的かつ実現性のあるものになると考えています。
 そこで、多摩の新たなビジョンについてどのような内容にしていこうとしているのか、策定時期も含めて見解を伺います。
 続きまして、多摩地域の産業振興についてです。
 ことし二月の代表質問でも触れたように、多摩地域では、大規模な自動車工場の閉鎖によって、従業員の雇用に加えて、自動車部品の製造を支える中小企業への注文がなくなり、工業集積が崩れ去ることが懸念されています。
 このような中、私は、イノベーション、いわゆる技術革新による生産性の向上が、多摩地域が未来に展望を見出すためには不可欠であると考えます。技術革新を生み出すために、産業の集積を維持しながら、すぐれた人材や企業、さらには高度な知識を有する研究機関などのネットワークをつくり上げていくことが極めて重要です。そして、実際、多摩地域にはさまざまな種類の製造業が集積し、数多くの大学や研究機関に加え、そこに勤務する優秀な人材が存在するなど、技術革新を引き起こすポテンシャルが極めて高いんです。
 そこで私は、大学などの研究内容を企業に橋渡しして、行政などの支援も取り込み、新たな技術や製品の開発に結びつける産学公の連携に力を入れて、多摩地域の持つ力を十分に発揮させる産業振興策について、さらに積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、多摩地域の公共交通の整備についてです。
 鉄道など公共交通の整備は、多摩の振興を図る上からも欠くことのできない課題です。しかしながら、平成二十三年二月に策定された多摩振興プロジェクトでは、例えば多摩南北道については、主要五路線ごとの事業目標や事業現業図が示されるなど、道路整備については幅広く記述されているものの、公共交通機関に関しては、連続立体交差事業が記されるにとどまっております。
 多摩地域では、平成十二年の運輸政策審議会において、平成二十七年までに整備着手することが適当である路線と位置づけられた多摩都市モノレールの上北台から箱根ヶ崎への延伸を初め、JR中央線の三鷹─立川間の複々線化などが特に注目されますが、その他の公共交通についても積極的に検討し、多摩地域が希望の持てる将来像を示していくべきと考えます。
 そこで、都として、多摩都市モノレールを初め、多摩地域における鉄軌道ネットワークの充実に向けてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
 また、連続立体交差化については、北多摩北部における取り組みが、JR中央線や京王線と比べても特におくれているともいわれています。
 平成十六年に策定された踏切対策基本方針で、鉄道立体化の検討対象区間に位置づけられている西武新宿線東村山駅付近を初め五カ所の早期実現を強く求めるものでありますが、見解を伺います。
 次に、多摩の公立小中学校の冷房化について伺います。
 都教育委員会は、平成二十二年度から市町村立小中学校の普通教室の冷房化促進のための補助事業を、今年度までの時限事業として行っています。しかし、東日本大震災の影響等により、一部の市町村では冷房化が完了しておりません。
 したがって、冷房化補助事業を来年度も延長すべきと考えますが、見解を伺います。
 続きまして、中小、小規模企業対策について伺います。
 日本経済の発展には地域経済の活性化が必要であり、中小企業の活力を引き出すことが不可欠です。国の新たな再生戦略では、経済を支える中小企業が発展、活躍することが重要とし、創業支援の充実や海外展開支援の強化などが盛り込まれました。
 東京の産業も数多くの中小企業によって支えられていますが、中でも、都内企業の約八割を占める小規模企業がさまざまな事業分野ですぐれた力を発揮することを通じて、都内の経済活動の基礎をしっかりと固めている現状があります。
 こうした小規模企業の活躍の場を広げるため、さまざまな事業展開を後押ししたり、経営能力を高めるためのサポートなどを行政として着実に進めることは、ますます重要になると考えます。
 小規模の会社経営に当たっては、限られた人材で多様な経営課題を速やかに解決していく努力が不可欠です。そのために、例えば経営知識やノウハウを豊富に持った公認会計士や税理士などの専門家から、知識サポートや経営改革への支援を受ける機会を確保することなどが効果的であると考えます。
 都内の小規模企業により注目して、都がその成長を促すような施策体系を展開していくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、成長産業分野にかかわる金融支援についてです。
 都内中小企業を取り巻く経営環境が依然として厳しい中、経営安定化を図るセーフティーネット融資も重要ですけれども、都としては、将来を見据え、成長産業の振興に向けた金融支援に徐々に軸足を移していくことも必要ではないかと考えます。
 各地域においても、大阪府が提携金融機関とともに新ビジネスなどを支援する制度融資を拡充し、福岡県ではアジアに進出する中小企業を支援する融資を新設するなど、新分野進出や新事業展開の金融支援を充実させています。
 都では、産業振興基本戦略において、環境エネルギー関連産業、健康関連産業などを重点分野と位置づけ、積極的な支援を計画しているところであり、こうした分野に参入する企業のニーズにこたえていくため、中小企業に対する金融支援のあり方について検討していくべきと考えます。
 東京都は、環境、エネルギーなど成長産業分野に取り組む中小企業に対する金融支援について、産業振興の観点から、どのように対応していこうと考えているのか、見解を伺います。
 次に、中小企業の雇用、定着対策についてです。
 東京の産業を支えている中小企業において、最も重要な経営資源は人材であり、人材が集まることで都内経済の基礎体力が強化され、社会も安定します。
 しかし、中小企業が若者の採用意欲を強くしても、大企業に比べて知名度や資金的な余裕が少ないため、民間の求人情報会社を使って採用活動を行うことは大変困難です。また、企業が採用の内定を出しても辞退される、新入社員が持つイメージとのギャップなどで早期に離職してしまうなど、雇用のミスマッチも生じております。
 一方で、最近では中小企業への就職を希望する新卒者もふえつつあります。そこで、都としても、中小企業と若者の雇用のミスマッチを改善する支援を充実すべきと考えます。企業の魅力とともに、企業の実情を踏まえた情報を発信し、若者の情報不足を補うことや、個別企業ごとの社員育成計画やキャリアパス提示のコンサルティングを行うなど、企業の人材定着を図ることが考えられます。
 中小企業単独では難しい人材確保と定着に向けた都の取り組みの強化について、見解を伺います。
 次に、公共事業における労働環境確保についてです。
 建設産業においては、下請企業を中心に、年金、医療、雇用保険に未加入の企業があり、技能労働者の処遇が低下して、若者の業界離れの一因になっているほか、まじめな企業ほど受注競争上不利になるといわれています。
 このような状況を是正すべく、建設業法の省令が改正されました。経営事項審査を所管する都市整備局では、十一月から、保険未加入であることが判明した企業に対して加入指導を実施することになります。
 一方、発注する側の財務局も、十月一日以降に公示される契約案件から、代金支払いや社会保険加入等の法令遵守についての誓約書提出の義務づけなど、低入札価格調査制度に係る調査マニュアルを見直しすることを公表しました。
 私は、公共工事の発注者側からも社会保険未加入問題に取り組み始めたことを大変評価するとともに、経営事項審査での状況を勘案しつつ、すべての公共工事での労働環境確保に向けた取り組みを進めるべきだと考えます。
 また、制度導入によって、現場で働く労働者が不利益をこうむることのないよう、都としても積極的に取り組んでいくべきと考えますが、あわせて見解を伺います。
 次に、指定管理者制度における労働環境確保についてです。
 都議会民主党は、昨年二月の代表質問において、指定管理者における適正な労働環境を維持確保するため、社会保険労務士などの専門家を活用した労働監査や労働モニタリングの導入を行っている例があるとして、都における対策強化を求めてきました。
 既に東京都も、指定管理者に対する関係法令遵守の義務づけや事業計画の審査など、公募段階での取り組みとともに、労働環境を含めた事業計画が履行されているかを適切に評価することなどとしていますが、私は、専門家を積極的に活用して、書類確認、現地調査、面接などにより、点検、報告する労働条件審査の導入を進めるなど、より確実な取り組みを進めるべきだと考えます。
 指定管理者制度における労働環境の確保に向けた見解を伺います。
 次に、東京都水道局及び東京都住宅供給公社、JKKの発注工事に関連した汚職事件について申し上げます。
 九月三日、都職員が収賄の容疑で警視庁に逮捕されました。収賄事件による都職員の逮捕は、平成十八年の下水道局職員の逮捕以来六年ぶりで、平成に入ってから七件目の汚職事件です。
 また、十日にはJKKの住宅計画部長が収賄容疑で逮捕されました。JKKでは平成七年に職員が逮捕されて以来のことで、みなし公務員として収賄罪が適用されたんです。
 今後、都とJKKにおいては、汚職事件の全容や効果的な再発防止策を公表し、都民の信頼回復に努めることを要望するものです。
 次に、築地市場の移転問題について伺います。
 九月十三日、都が公表した豊洲新市場用地における土壌汚染対策工事に伴う調査の結果についてなどによれば、不透水層内を調査した百十三地点のうち六十八地点から、ガス工場操業に由来するベンゼンが確認され、最大濃度は環境基準の千倍、最大で六深度、すなわち六メートル掘り進んだところからも汚染が確認されたんです。
 東京都は、これまで粘土層を形成している有楽町層は水を通しにくく、汚染されている可能性は低いと再三答弁してきましたが、多くの、しかも深い地点の不透水層内から汚染が検出されている現実を踏まえ、その原因を究明し、底面管理の徹底など、万全の対策を講じていくべきです。
 私たち都議会民主党は、汚染された土壌が無害化され、安全な状態になっていなければ豊洲新市場の開場には反対であり、開場スケジュールよりも食の安全を確保していくことの方が、都民にとって重要であるということを主張してきましたが、改めて、今回、不透水層内の汚染の徹底的な除去など、土壌汚染対策に向けた都の決意を確認するものであります。
 次に、築地地区におけるまちづくりについてです。
 ことし二月七日に、都と中央区とが交わした築地のまちづくりに関する合意に基づき、現在、中央区においては、新しい築地をつくる会などにおいて検討が進んでいると聞いています。
 中央区が主張していた鮮魚マーケットなど、食文化の拠点を継承していくことについて都が合意したことは、都議会民主党の一定の成果であると考えております。そして、私たちは、この合意が着実に履行されることを強く求めてきました。
 中央区での検討状況については、都としても、都区検討会などを通じて適切にかかわっていると思いますけれども、現時点で、築地地区においては何店舗分の面積が確保され、その開設がいつごろになる見込みなのか。また、検討されている施設が、中央区がイメージしたような食のプロに評価、使用される施設、あるいは一般客、観光客にも親しまれる施設となり、築地の食文化を継承していく拠点となり得るのか、見解を伺います。
 次に、事業者に対する支援についてです。
 この間、私たちは都議会民主党として、築地市場の水産仲卸組合の方からさまざまな要望を聞いてまいりました。九月のヒアリングでも、都が示している支援策は、移転を機にやむなく廃業する方への救済については想定していないことや、築地で商売を続けるため、都と中央区が合意した鮮魚マーケットへの転業に興味を示している仲卸業者もいるとして、より実効性のある支援策を求める声が聞かれました。
 都は、平成二十三年三月七日の予算特別委員会において、私たちの質問に対して、移転を希望する事業者、移転を希望しない事業者における具体的課題の解決に向けて最大限努力をしていくと答弁しており、私は、都に対して、引き続き最大限の努力を強く求めるものであります。
 一方、築地で働いている市場業者の人たちは、景気の低迷も相まって、日々の経営にも大いに不安を抱えながら、移転準備も真剣に考えなければいけない時期に来ています。ことし一月に、都は具体的な移転支援策を発表し、本年度、移転前の支援についても行うと述べていますが、現在の支援策の進捗状況について見解を伺います。
 次に、東京外かく環状道路の東名高速から湾岸道路について伺います。
 外環は、いうまでもなく、首都圏のみならず我が国の発展を支える重要な道路です。先日、外環の着工式が催され、いよいよ関越道から東名高速までの工事に着手することになりましたが、東名高速から湾岸道路までの計画はいまだ具体化されておりません。
 この外環を、第三京浜を経て湾岸道路まで延伸させることにより、環状八号線瀬田交差点など、周辺地域の渋滞の解消や物流の改善効果が期待されます。このため、早急に、そしてコストも安く抑えて、湾岸道路までの整備を進めていくべきと考えます。
 都議会民主党では、平成二十四年度予算特別委員会において、羽田空港や京浜三港と首都圏との交通ネットワーク強化のためにも、早急に議論を進めていくべきと強く求めるとともに、民主党国会議員はもとより、国に対しても強く働きかけてまいりました。
 その結果、先日の外環の着工式では、羽田国土交通大臣から、今後、関越道から東名高速間の早期開通に向けて事業を推進するとともに、東名高速以南の計画を地域の方々の意見を伺いつつ具体化させていくべく、関係者との検討の場を立ち上げたいという力強いあいさつがありました。
 そこで、東名高速から湾岸道路までの検討の場の設置に向けて、今後、都はどのように取り組むのか伺います。
 続きまして、自転車対策です。
 自転車対策につきましては、この間、我が会派の議員が、ナンバープレート制度の導入を初め、TSマークや保険加入の促進、自転車走行空間の確保や交通安全教育の充実など、本会議や委員会の場を通じてさまざまに提案をしてまいりました。
 このような中、九月十日、東京都自転車対策懇談会が取りまとめた自転車問題解決に向けての提言は、この間の私たちの提案についても、都に対して積極的な検討を求めるなど、一定の評価をする内容となっております。
 また、提言では、都において、自転車の安全で適正な利用に関する条例の制定に向けた積極的な検討を行うように求めており、私たち都議会民主党でも、条例に盛り込む施策のメリット、デメリットを明示して、都民の合意を図りながら検討を進めるべきだと考えています。
 そこで、都は、今回の提言を受け、自転車条例の制定に向けて、いつごろの提案を目標にどのように検討していくのか、見解を伺います。
 さらに、自転車におけるナンバープレート制度の導入についてです。
 今回の提言で、特に都民の関心を引いているのは、ナンバープレート制度の導入とデポジット制度の導入ですが、特にデポジットについては、議会での議論もほとんどなく、私たちも慎重に検討していきたいと考えております。
 一方、ナンバープレート制度の導入については、我が会派の議員が平成十九年十二月十二日の一般質問で取り上げたのが多分最初であったと記憶をしております。当時の警視総監は、制度的な対応が可能かどうか、関係向きと協議してみたいと答弁をしていました。
 もちろん、ナンバープレート制度の導入は、制度を管理する団体が新たな天下り団体になるのではないかということも含めて、さまざまな懸念の声があることは承知をしております。
 その上で、私は、これらの声にも十分配慮しながら、自転車におけるナンバープレート制度については、導入に向けての取り組みを求めるものでありますが、その見解を伺います。
 次に、自転車の保険加入の促進についてです。
 自転車保険が附帯しているTSマークの普及についても、平成十八年三月十六日の予算特別委員会で我が会派の議員が質問したのが最初でしたが、自転車事故では、多くが保険未加入のため、被害者が泣き寝入りをしているという話もよく聞きます。
 このように、TSマークに限らず、自転車に関する損害賠償責任保険の普及は、被害者の視点からも重要な課題であり、今回の提言においても、通勤、通学、事業者の業務による自転車の利用については、保険加入の義務づけなども検討すべきとしているところです。
 私も、自転車利用者が損害賠償責任保険に加入していることが当然であるという社会を構築していくためにも、まずは都としても、学校、事業所、市区町村とも連携しながら、保険加入の促進に取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、自転車走行空間の整備についてです。
 都議会民主党は、都議会海外調査において、平成二十二年十二月にアムステルダムなどヨーロッパの各都市での交通政策を調査しました。
 ヨーロッパでは、中心市街地でも、二車線の車道のうち一車線をつぶし、その一車線分に二レーンの自転車レーンをつくるといった大変ドラスチックな取り組みや、駐輪場の整備とあわせ、自転車走行空間の確保をまちづくり全体の中でしっかりと位置づけるということなど、視察の成果を踏まえて、都に対して取り組みを求めてきました。
 一方、地域主権改革一括法により道路構造令の改正を受け、それぞれの自治体は、来年三月三十一日までに道路構造の技術的基準について条例で定めることとなっております。先行する幾つかの府県では、自転車の安全かつ円滑な通行を確保するために必要な基準を独自に条例で定める例も見られます。
 私は、東京都としても、自転車の安全かつ円滑な通行を確保するという視点から、道路構造基準の条例化を検討するとともに、市区町村とともに連携しながら、自転車走行空間の整備を進めていくべきと考えます。これについて見解を伺います。
 続きまして、犯罪被害者支援について伺います。
 犯罪被害者などの権利を守り、利益の保護が図られる社会を実現するためには、国だけではなくて、被害者にとって身近な東京都の取り組みが大変大事です。東京は、三菱重工ビル爆破事件や地下鉄サリン事件といった重大事件の発生地であり、性犯罪を初めとした都内の犯罪発生水準や交通事故発生件数も依然として高く、だれもが犯罪に巻き込まれ、被害者になり得る危険性があります。
 犯罪被害者などが抱える問題は多様であり、被害直後から日常生活を回復するに至るまでの中長期的な支援を途切れることなく行っていくためには、単なる支援計画にとどまらず、犯罪被害者などが被害を回復または軽減し、再び平穏な生活を営むという権利を守り、利益の保護を図る目的や基本理念、施策などを都条例に明確に位置づけ、総合的、計画的に推進する必要があります。
 そのため、都議会民主党は、都の意思、姿勢を表明する犯罪被害者等基本条例の制定が早期に必要と考え、今定例会への提案を予定しております。犯罪被害者等基本条例案にぜひご理解をいただき、犯罪被害者などの権利を守り、利益の保護が図られる安心・安全な東京の実現に向けて、ともに取り組むよう求めるものです。知事の見解を伺います。
 犯罪被害者等を支援する条例というのは、既に制定をしている県や政令指定都市において、独自の工夫による先進的な取り組みをそれぞれ行っております。神奈川県では、かながわ犯罪被害者サポートステーションを開設し、犯罪被害者などから相談を受けた後に、県、県警、神奈川被害者支援センターの三者による支援調整会議を行い、被害者のニーズにこたえる支援を連携して決めていきます。京都市は、犯罪などにより当座の生活資金に困窮する被害者などに対して、生活資金の給付を行っています。
 また、生計の維持や犯罪が行われた住宅に居住し続けることが現実困難となった者を対象として、抽せんによらず公営住宅に入居させる取り扱いも、四十近い自治体で既に行われております。
 東京都では、都営住宅の優遇抽せんなどを行っていますが、そうした施策の実施に当たっては、被害者の声の把握に努め、きめ細かく対応することや、独自の施策の構築により、犯罪被害者支援の充実を図る必要があります。
 犯罪被害者の立ち直りに効果的な被害者目線の施策を充実していくことについて、都の見解を伺います。
 次に、いじめ問題について伺います。
 大津市のいじめ問題が報道され始めたのは七月四日ですが、それ以降、全国各地の痛ましいいじめ事件が数多く報道されております。
 いじめが起きたら、担任の教員個人ではなく組織として解決に努力をすることはもちろんのこと、迅速に察知し、適切に対処することが、いじめの深刻化、長期化を防ぐためには必要です。
 都教育委員会は、七月十七日、新たにいじめの疑いのあるものも含めたいじめの実態把握調査を緊急に実施し、その結果が今月発表されました。その結果を見ると、疑われるものも含めたいじめの認知件数は一万件を超え、平均すると一校当たり約五件存在することになります。
 都教育委員会は、今回の結果を受けて、対応状況等を追跡調査し、十月中に調査結果を発表するとのことでありますが、今回の緊急調査の有効性と、今後、調査方法の工夫が必要と考えるわけですが、これについて見解を伺います。
 さらに、学校でのいじめ問題や教育問題の対応における事なかれ主義が指摘をされております。例えば、学校側が教員の人事考課や学校の評判を下げたくないばかりに隠ぺいを行い、結果的に被害者の親族や関係者がマスコミに告発をして初めて発覚するというようなケースです。
 そこで、問題の隠ぺいにつながらないよう、校長や教職員個人の責任にされてしまう体制から、学校全体で情報を共有し、対策に当たるオープンな体制の構築を図るとともに、いじめはどの学校にも起こり得る問題という認識のもと、いじめがある学校の校長は評価が下がるという認識を改め、いじめ対策をどれだけ行い改善してきたかを評価するような体制に改善していくことが重要と考えます。
 そこで、都教育委員会においても、いじめ問題に積極的に取り組めるような教員評価とその周知徹底に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 さらに、いじめ問題においては、学校や各家庭に責任を負わせるだけではなくなりません。個々の家庭と学校、PTAとの連携、地域社会全体の見守りで防いでいくことが重要と考えます。
 既に、児童生徒の問題行動の防止や早期解決を図る学校サポートチームがありますが、民生委員や児童委員などによる多方面のパワーと連携をした、学校と地域社会、家庭が連携、協働できる体制づくりが必要だと考えます。
 いじめ問題対策として、学校と家庭、地域の連携についてどう取り組んでいくのか、見解を伺います。
 さらに、いじめの未然防止には徳育が重要です。東京都教育委員会は、道徳教育を推進させるため、中学校の道徳教育教材集「心みつめて」というのを独自に作成しました。この教材集の中には、嘉納治五郎の話など、日本の先人の功績、生き方が載せてあり、誇るべき日本人の精神などを学べるのが特徴的といえます。
 しかしながら、幾ら教材がよくても、そのような学ぶべき要素を、児童生徒の心にしっかり伝わり、心に響かせることが重要であり、それは、教える側がいかに理解、感動し、自分の体験も交えながら具体的に伝えていけるか、リアリティーを持った伝え方ができるかで決まると思います。そのためにも、指導資料の配布だけではなくて、教員には、人や社会のために尽くした功績者の講演を聞いて刺激を受けたり、研究大会等を通じて、効果的な指導のあり方について研究を深めたりすることを通じ、指導力強化を図るべきと考えます。
 このような観点を踏まえ、教材集の作成をきっかけとして、今後どのように徳育を推進していくのか伺います。
 次に、保健、福祉施策について伺います。
 高齢者を対象とする東京都高齢者保健福祉計画では、高齢者が住みなれた地域で、尊厳あるその人らしい生活を継続していくことを目指し、できる限り要介護にならないよう介護予防サービスを適切に確保するとともに、要介護状態になっても、高齢者のニーズや状態の変化に応じて必要なサービスが切れ目なく提供される、包括的かつ継続的なサービス体制、いわゆる地域包括ケアの概念が導入されています。
 一方、現在改定作業が進められている東京都保健医療計画については、現行の保健医療計画でも保健、医療、福祉の連携は既に盛り込まれてはいますが、私たちは、より踏み込んで、高齢者に限らず、障害者や児童の分野においても地域包括ケアの概念を導入し、都内各地域の特性に合わせた地域包括ケア体制を構築することが必要と考えます。
 また、今後の人口動態推計によれば、都内では、高齢者の数、割合がともに急激に伸びることが予想されており、これに対応するため、現在でも非常にニーズの高い医療療養病床の確保も急務と考えております。
 そこで、今回の改定に当たり、特にどのような観点を重視して保健医療計画の見直しを進めているのか、所見を伺います。
 昨年、厚生労働省が、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の四大疾患に精神疾患を加えた五大疾患を医療計画に盛り込む方針を示しました。都の現行の保健医療計画では、既に精神保健医療体制の実施が盛り込まれてはいますが、私たちは、次期計画においてしっかりと取り組みを体系づけることが必要と認識しています。
 とりわけ若年層の精神疾患においては、例えば三十歳代までに発症するとされる統合失調症、発達障害やそれに伴ううつなどについて、通院以外のきめ細かな支援サービスが十分に行き届いていない領域といわれております。若年者の苦しんでいる状況を何とかしたいという切実な声も聞いています。精神疾患も早期に発見し、早期に治療や支援を行うことによって回復の可能性も高くなり、相談事業やアウトリーチなどに民間の医療機関や福祉事業者を積極的に活用することが重要です。
 そこで、こうした取り組みなどにより、地域における若年層を対象とした医療と福祉の連携を充実させていく必要があると考えますが、所見を伺います。
 次に、感染症対策について伺います。
 国においては、今年度末までに麻疹を排除することを目標として掲げ、麻しん排除計画を策定しており、これに基づいた取り組みが進められております。
 麻疹患者数というのは徐々に減少してきましたけれども、昨年四月から約二カ月間、都内では麻疹患者の発生が続きました。都における昨年度末時点での麻疹ワクチン接種率は、中学一年生に当たる、いわゆる第三期が八四・七%、高校三年生に当たる第四期は七二・〇%と目標である九五%には達しておりません。
 私たちは、麻疹発生動向の解析や定期接種対象者の接種率の把握、効果的な接種勧奨方策等への改善などを今後も続けていく必要があると考えます。
 これらの状況を受け、都は麻疹対策に今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 次に、自死対策、いわゆる自殺対策についてですが、これについて伺います。
 政府が推進すべき自殺対策の指針である自殺総合対策大綱、これは、自殺対策基本法に基づき、平成十九年六月に初めて策定をされました。それ以来、ことし初めて全体的な見直しが行われ、八月二十八日に閣議決定をされたのです。
 見直し後の大綱では、自殺者総合対策の現状と課題として、大綱に基づく政府の取り組みだけではなく、この間の地方公共団体、関係団体、民間団体等によるさまざまな取り組みの結果、近年、年間自殺者数は、わずかながらも減少傾向を示しており、平成二十三年は初めて三万一千人を下回ったとしています。
 民主党政権になってからの国の自殺対策について、その充実が図られているという評価の声もいただいております。徐々にその効果があらわれ始めているというふうなわけですが、このほか、中高年向けの対策が一定の成果を上げているとする一方で、残念ながら若年層の自殺死亡率は高まっており、学生、生徒の自殺者数が増加傾向にあるということが指摘をされております。
 政府の認識は今述べたとおりなんですが、都は、自殺者総合対策の現状と課題についてどのように認識をしているか、所見を伺います。
 東京都も、平成二十一年三月に、東京における自殺総合対策の基本的な取り組み方針を策定し、施策を進めていますが、国の大綱の見直しを受け、今後、国の施策との整合性を図りながら、自殺総合対策を推進していくことをぜひ強く求めておきます。
 続きましては、専決処分された地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した固定資産税等の過徴収に係る損害賠償請求控訴事件の上告受理の申立てに関する報告及び承認について伺います。
 本件は、ことし二月、専決処分にて、冷凍倉庫に関して固定資産税等の過徴収を行ったことに対し、国家賠償法に基づき損害賠償を求められ、第一審での都敗訴を受け控訴した事案が、第二審でも一部を除き敗訴したにもかかわらず、再び専決処分により上告受理の申し立てを行ったものです。
 この控訴に係る専決処分に際し、都は、本件訴訟におきましては、固定資産評価の基本に係る重要な問題が含まれておりますが、必ずしも十分な審議が尽くされたとはいいがたくとしておりました。
 しかし、今回の控訴審においては、たった二回の口頭弁論で結審をしております。第一審にて十分な審理が行われていなかったと主張する都としては、証拠の提出を含めて、控訴審において十分な審理が行われるよう、代理人をして裁判に当たらせるべきであったと考えますが、都はどのような指示をし、訴訟に臨んだのか、第二審敗訴を受けても、なお十分な審理がなされていないと主張するのか、和解の模索はしなかったのか、そこを伺います。
 また、都は殊さら税務行政への影響を主張し、遡及に関して地方税法による五年にこだわり、さらに課税根拠資料の保管にも消極的な主張をしています。しかし、そもそも賦課税である固定資産税の賦課徴収に当たって、都は細心の注意をし、課税の公平性、公正性を担保しなければならないのです。今回の冷凍倉庫のような複数用途家屋だけでなく、複合構造家屋においても、課税の公平性、公正性を失するような事例は枚挙にいとまがなく、過徴収した税金のみならず、還付加算金をつけて納税者に還付している事例も、一件や二件ではございません。今回の控訴審判決においても、遅延損害金と弁護士費用だけでも七千万円を超える敗訴金額であり、一般納税者の貴重な税金を都の職員の過失によって浪費することになります。上告が不受理となったとき、七千万円を超える損失はだれが負担するのでしょうか。
 当然、過失が認定されるわけですから、それにかかわった担当者及び監督者が責任を負うべきではないでしょうか。賦課税である固定資産税の評価、課税に携わる者は、それぐらいの責任を持って賦課し、間違いがあったときには速やかに対応しなければなりません。
 石原知事は、その覚悟と決意を持った上で上告の判断をしたのか伺います。
 最後に、賦課税である固定資産税の評価課税に当たって、納税者の理解を得、公平で公正な取り扱いをするため、評価の間違えが起こらないような基準や制度を構築する必要があります。
 また、主税局の職員は、自分たちに間違いはないという意識を改め、評価課税の間違えを漫然と放置することがないようなシステムを構築し対応することが必要と考えますが、見解を伺います。
 以上で都議会民主党を代表しての質問を終わります。
 なお、答弁によっては再質問を留保いたします。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 斉藤あつし議員の代表質問にお答えいたします。
 パラリンピックの開催の意義についてでありますが、先般開催されたロンドン・パラリンピックの開会式では、筋ジストロフィーという不治の病に冒されているイギリスの天才的な天文学者、ブラックホールの発見者でありますけど、ホーキング博士が車いすで登場して、パラリンピックは我々の認識を変革する、私たちはみんなそれぞれ違っているが、同じ精神を共有していると、パラリンピックにふさわしいメッセージを発したようであります。
 選手が障害を物ともせずに真剣勝負を繰り広げる姿に、人間の可能性の大きさを再認識して、勇気づけられる思いであります。
 一九六四年のパラリンピック東京大会は、我が国の障害者スポーツの歴史を切り開き、その後における障害者に配慮したまちづくりや障害者の社会参加に大きく寄与いたしました。
 国は、オリンピックは文部科学省、パラリンピックは厚生労働省と所管が違っていまして、いまだにこの縦割りの弊害が続いております。
 それに対して、都は、二年前にスポーツ振興局を設置して、健常者と障害者のスポーツを一元的に推進する体制を整えてきました。来年九月には、我が国で初めて国民体育大会と全国障害者スポーツ大会を一つの祭典として開催をすることになっております。
 障害者スポーツへの理解をますます高めて、東京のバリアフリー化をさらに進展させるなど、人格と個性を尊重し合う共生社会の実現を大きく加速させていきたいと思っております。
 東京ならではのパラリンピック開催を目指して、これから正念場を迎える招致レースを是が非でも勝ち抜いていきたいと思っております。
 次いで、犯罪被害者支援の取り組みについてでありますが、犯罪被害者やその遺族が犯罪によって生命、身体を直接的に脅かされるだけではなく、その後も身体的、精神的あるいは経済的に過酷な状況に置かれることは、まことに理不尽であります。
 過酷な状況に直面した犯罪被害者の切実な思いにこたえるには、確かに届く具体的な支援を迅速に行うことが何よりも重要であると思います。
 都は、既に被害者や関係団体の声を受けて、支援の基本的な考え方を示した総合的な計画を二度にわたり策定し、犯罪被害者支援の取り組みを積極的に進めております。
 しかし、国民の命を守り、犯罪被害者の方に全国あまねく必要な経済的支援を行うことは、これはまさしく国の責務であります。
 遅まきながら、国も経済的支援の拡充など各種制度の検討に着手し、来年度には結論を出す予定と聞いております。都は引き続き、都がやるべき施策をしっかりとやってまいります。
 民主党の提案の条例には、生活資金の給付や民間賃貸住宅の家賃補助など、経済的支援が羅列されておりますが、中身の精査も十分でない上に、対象者も限定されていないことから、このような条例は必要ないと思います。
 なお、その他の質問については、教育長及び東京都技監、関係局長から答弁いたします。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 五点の質問にお答えをいたします。
 まず、市町村立小中学校普通教室の冷房化についてでありますが、都教育委員会は、良好な教育環境の確保のため、冷房化緊急支援特別事業を平成二十二年度から二十四年度まで、三カ年の時限事業として実施をしております。この間、市町村教育委員会と緊密な連携を図るとともに、平成二十三年度には、東日本大震災の影響により国の補助が減少する中で、都独自に補助を実施するなど、平成二十四年度中の完了を目指して冷房化を進めてまいりました。
 現在、各市町村教育委員会は最大限の努力をしている最中であり、都としてもその取り組みを支援しておりますが、市町村によって進捗状況に差があることから、整備状況等の調査を既に進めているところです。
 次に、いじめの緊急調査についてでありますが、都教育委員会は本年七月、学校がいじめと認知したものに加え、いじめの疑いがある事例までも含めて把握する独自の緊急調査を実施しました。各学校では、児童生徒に対してアンケートや面談を実施するなど、調査の内容や方法を工夫していじめの実態把握に努めるとともに、把握したいじめに関する情報を教員相互で確認し、共有化するよう図っております。こうした取り組みが教員一人一人の意識を高めることにつながると考えております。
 全教員が、どの学校でも、どの学級でもいじめは起こるという危機意識を常に持ち、児童生徒のわずかな変化も見逃さないよう、いじめの早期発見、早期対応を徹底してまいります。
 次に、いじめ対策と教員の評価についてでありますが、今回の緊急調査では、いじめの疑いがあるものも含め、一万件を超える件数が報告をされました。このことは、学校が真摯に実態把握に努めた結果であります。
 いじめはどの学校でも起こり得ます。都教育委員会が実施している業績評価制度は、いじめなど課題の発生の有無で校長や教員を評価するものではなく、課題の解決に向けた取り組みを評価する制度であります。
 具体的には、事案の状況把握、他の教員や家庭との連携、児童生徒への指導など、多角的な着眼点から、課題解決の過程と成果を総合的に評価をするものです。
 都教育委員会は、こうした制度の趣旨を徹底し、各学校が家庭や地域、関係機関と一体となって、いじめの早期把握と解決に全力で取り組めるよう支援していきます。
 次に、いじめ問題対策としての学校と家庭、地域の連携についてでありますが、いじめの態様は多様化していることから、問題を学校だけで抱えることなく、家庭、地域と連携して対応することが重要であります。
 都教育委員会は、これまで学校サポートチームを全公立小中学校へ設置するよう推進するとともに、家庭と子どもの支援員が教員と一緒に家庭訪問などを行い、児童生徒やその保護者からの相談にこたえる制度を、今年度、小中学校合わせて百六十八校で実施し、いじめを初めとする問題行動等の解決に取り組んでおります。
 今後とも、家庭や地域から得られる情報を大切にし、地域の人材の活用を進めていきます。
 最後に、道徳教育の推進についてでありますが、いじめなど児童生徒の問題行動を未然に防止するためには、道徳教育などすべての教育活動を通じて豊かな人間性をはぐくむことが重要であります。そのため、都教育委員会は、道徳教育教材集「心みつめて」などを作成配布して、児童生徒に正義感や思いやりの心を育てる教育の充実を図るとともに、奉仕活動や職場体験などを通して、よりよい人間関係を構築する能力や態度等の育成を図る教育を推進しております。
 また、教員を対象に、社会に貢献することの意義や価値を実感できる参加体験型研修を実施し、指導力を高めることにより、豊かな人間性をはぐくむ教育を進めていきます。
 こうした方策により、区市町村教育委員会と連携し、道徳教育の推進を図ってまいります。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、堤防などに係る地震津波対策についてでございますが、低地帯や沿岸部に暮らす人々の生命と財産を大地震による水害から守るには、河川や海岸の堤防、水門、下水道のポンプ所などについて、耐震性や耐水性の向上を図ることが重要でございます。
 都は、想定される最大級の地震に対する耐震性の調査を進めており、河川堤防では、一部が損傷して満潮時に津波が重なった場合に、調査地点の約三割で浸水する可能性があることから、技術検証委員会からの提言なども踏まえ、八月に対策の基本方針を取りまとめました。
 この方針では、最大級の地震が発生した場合でも、津波などによる浸水を防止することとし、堤防等の構造物の耐震性強化などを示すとともに、堤防背後の地盤の高さなど、優先度を考慮して整備を実施していくことといたしました。
 今後は、新たな整備計画を年内に策定し、対策を積極的に進めてまいります。
 次に、自転車走行空間の整備などについてでございますが、自転車は、都市内の有効な交通手段の一つであり、歩行者、自転車、自動車、それぞれの安全・安心を確保しながら、自転車走行空間の整備を進めることが重要でございます。
 その整備に際しては、現行の道路構造令に基づき、自転車道や停車帯を活用した自転車レーンを整備することが可能であることから、これまでに渋谷区内の旧玉川水道道路などで自転車レーンを整備してまいりました。
 また、例えば東八道路では、沿線四市とともに協議会を設け、都道と市道が連続した自転車走行空間の整備を行うとともに、わかりやすい案内標識や路面表示の統一などにより、利用しやすい走行空間を整えるなど、整備に当たりましては、都と区市町村が連携して取り組んできております。
 今後とも、自転車走行空間の整備を積極的に推進し、だれもが安全で安心して利用できる道路空間を創出してまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) 二点の質問にお答えをいたします。
 オリンピック・パラリンピック招致機運の盛り上げについてでございます。
 より幅広い支持を得ていくためには、多くの都民、国民に知ってもらうことのできる日常的な広報媒体を活用していくことが有効でございます。
 具体的には、「広報東京都」など既存の広報媒体を活用するとともに、電車内映像広告や街頭での大型ビジョンを活用した招致PRを今後も実施してまいります。
 また、現在、日本民営鉄道協会などの協力により、各駅に招致PRのためのポスターを掲載しておりますが、今後、JR各社の協力のもと、JR各駅にもポスターの掲示を拡大してまいります。
 このように、さまざまな広報媒体を活用し、東京招致に向けた機運醸成を図ってまいります。
 次に、投資効果等を踏まえた今後の国内向け招致PRの展開についてでございます。
 オリンピック・パラリンピック大会の運営経費は、仮設施設建設費用も含め、原則として民間資金で賄うこととしております。また、大会開催に当たっては、既存施設を最大限有効に活用する一方、新たに整備する施設については、大会終了後も多くの都民が利用するスポーツの拠点となるとともに、災害時での活用など、東京の貴重なレガシーとなります。また、施設整備を含めた大会開催に伴う経済波及効果は、日本全体で約三兆円と試算してございます。
 今後は、このような効果等についてさまざまな機会をとらえ、関係機関と連携し、広く都民に訴えることで、支持率の向上を図ってまいります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、都の減災戦略の実現に向けた取り組みについてでございますが、大震災の被害を軽減するとともに、都市を早期に再生するためには、自助、共助、公助を担う主体が危機意識を共有し、継続的に取り組みを進める必要がございます。
 このため、都は四月に新たな被害想定を公表し、東京の実情に即して、首都直下地震等のリスクを明らかにするとともに、今回の地域防災計画修正素案において、今後十年以内に達成すべき目標として、死者を約六千人減少するなどの具体的な数値目標をお示しいたしました。
 今後は、地域防災計画の内容を具現化するため、道路ネットワーク整備等の公助の取り組みはもとより、防災隣組の認定団体の拡大や帰宅困難者対策にかかわる実施計画の策定など、都民や事業者の自助、共助の取り組みを推進する手だても着実に講じ、東京の防災力を向上させてまいります。
 次いで、新たな多摩のビジョンについてでございますが、今回策定するビジョンは、二〇一五年をピークとした人口減少社会の到来、多摩地域の発展を支えてきた大規模工場の相次ぐ撤退など、地域を取り巻く環境が厳しさを増す中、多摩地域全体の強み、ポテンシャルをとらえ直し、今後の方向性を示していくものでございます。
 また、今回のビジョンは、多摩振興に係る行政の指針にとどまらず、民間企業やNPOなど地域で活動を展開するさまざまな主体における今後の活動指針となることも目指しており、市町村と十分に連携を図るとともに、民間企業等からもヒアリングを行い、今年度中に策定する予定でございます。
 次いで、指定管理者制度における労働環境の確保についてでございますが、都はこれまでも、各都立施設の設置条例において、労働関係法令等の遵守を義務づけるとともに、指定管理者の選定や管理運営状況の評価を通じて、労働環境の維持確保に取り組んでまいりました。
 また、指定管理者の選定評価を行うに当たっては、外部の専門家を含む委員会を設置し、客観的かつ専門的な観点から、労働環境を含めた事業計画の審査や履行状況の確認を行っております。
 引き続き、専門家の知見を活用しつつ、指定管理者制度における適正な労働環境の確保に必要な取り組みを行ってまいります。
 最後に、被害者目線の施策の充実についてでございますが、犯罪被害者の状況はさまざまであることから、その支援に当たりましては、何よりも被害者の声を聞き、ニーズに合ったきめ細やかな取り組みを行うことが大切であります。
 都は現在、犯罪被害者を取り巻く実態やその率直な声を把握し作成いたしました第二期の計画に基づき、各種支援策を進めております。
 具体的には、被害者支援都民センターと協働して総合相談窓口を設置し、他の自治体に先駆け、精神科医や臨床心理士による最新の療法を用いたカウンセリングを実施しているほか、一時居所の提供など、きめ細やかな支援策を行っております。
 また、都の働きかけにより、この四月にすべての区市町村に相談窓口が設置されたことを踏まえ、被害者が身近な地域で十分なサービスが受けられるよう、職員の研修体制の充実など、都と区市町村との連携協力を強化しております。
 さらに、町会、PTA、医療機関、不動産事業者などで構成する犯罪被害者等支援を進める会議を活用するなど、関係団体との連携を深め、地域社会で被害者を支援する仕組みづくりに努めております。
 今後とも、被害者のニーズ、取り巻く状況の変化等に対応し、被害者目線に立った施策の充実を図ってまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 八点のご質問にお答えいたします。
 まず、不燃化特区制度についてでございますが、先行実施地区においては、都と区が連携して整備プログラムを策定することとしており、先例を示すことによる不燃化の促進と、より有効に機能する制度の構築を目的としております。
 現在、各区からのさまざまな提案も踏まえまして、地区ごとにその作成作業を始めたところでございます。この作業を通じて、地域の実情に合った特別な支援策など、不燃化特区の制度を構築し、木密地域の不燃化を強力に推進してまいります。
 次に、木造住宅の耐震化助成についてでございますが、都は、防災都市づくり推進計画に定める、特に老朽化した木造建築物が集積した区域が連担するなど、震災時に大きな被害が想定される整備地域を対象として重点的に施策を展開しております。
 このような地域では、震災時に住宅が倒壊した場合、道路閉塞や出火により避難、応急活動が妨げられるとともに、大規模な市街地火災につながるおそれがあるため、区と連携し、耐震診断や改修に対する公的助成を行っております。
 都としては、引き続き道路閉塞や延焼による被害の危険性の高い整備地域に的を絞り、重点的に木造住宅の耐震化助成を行ってまいります。
 次に、耐震診断義務化後の状況と今後の取り組みについてでございますが、本年四月からの耐震診断の義務化に伴い、引き続き個別訪問など、きめ細かい対応を実施してきた結果、診断助成については、八月末までに昨年度の実績の十倍を超える約千百件の申請がございました。また、補強設計や改修、建てかえの助成についても、昨年度の実績を大幅に上回っております。
 今後とも、市区町村や関係団体とも連携し、所有者への働きかけや診断技術者、耐震改修工法の紹介など、耐震化に向けた情報提供を積極的に行うことにより、所有者の主体的な取り組みを促してまいります。
 次に、特定沿道建築物耐震化に向けた市区町村との連携についてでございますが、耐震化を円滑に進めるためには、地域に密着した市区町村との連携が不可欠でございます。
 このため、条例施行後に実施した個別訪問や説明会では、都の職員に加えて、市区町村の職員も一緒に参加するなど、既に連携した取り組みを進めてきております。
 また、助成制度については、市区町村が窓口になっておりますが、都と市区町村とによる連絡会議等を定期的に開催しており、こうした場を通じて必要な情報提供や助言を行うことにより、円滑な予算の執行と助成制度の運用に努めております。
 今後とも、都としては市区町村との緊密な連携を図り、特定沿道建築物の耐震化を推進してまいります。
 次に、マンション啓発隊についてでございますが、マンションの耐震性の確保に向けては、まず、所有者みずからが建物の耐震性能を把握することが不可欠でございます。
 このため、今年度新たにマンション啓発隊を組織し、八月から先行実施したところでございます。これまで、おおむね百棟のマンションを訪問し、管理組合から、合意形成の難しさや耐震診断、耐震改修の具体的な進め方に関する相談、支援制度についての質問などが寄せられております。
 今後、今回の経験を踏まえ、必要な資料の提供や耐震診断等の進め方の丁寧な説明など、マンションの取り組み状況に合わせ、工夫を凝らしながら、旧耐震基準の全分譲マンションを対象に、普及啓発活動を展開してまいります。
 次に、多摩地域の鉄軌道ネットワークの充実に向けた取り組みについてでございますが、多摩地域の振興を図る上で、拠点相互を結ぶ鉄軌道ネットワークを強化することが重要でございます。
 このため、都は、国や鉄道事業者等と連携し、運輸政策審議会答申第十八号に位置づけられた路線の実現に向け、取り組んでおります。
 この答申の中で、平成二十七年までに整備着手することが適当とされた中央線の複々線化や多摩都市モノレールなどの路線については、事業主体や採算性などの課題がございます。
 都としては、将来の輸送需要の動向などを見据えながら、これらの路線の整備について、国や関係自治体、鉄道事業者とともに検討してまいります。
 次に、連続立体交差化の取り組みについてでございますが、都は、踏切対策基本方針において、北多摩北部では、鉄道立体化の検討対象区間として五区間を選定しております。
 このうち、西武新宿線では、東村山駅付近について、十月にも都市計画決定を行う予定であり、井荻駅から東伏見駅付近については、事業候補区間として、事業化の可能性について調査検討を行っております。
 また、田無駅から花小金井駅付近並びに西武池袋線の大泉学園駅から保谷駅付近及びひばりヶ丘駅から東久留米駅付近の三区間につきましては、道路整備計画やまちづくりの取り組み状況などを踏まえ、対応してまいります。
 今後とも、関係機関と連携を図りながら、鉄道立体化の推進に向けて取り組んでまいります。
 最後に、外環の東名高速から湾岸道路への取り組みについてでございますが、交通、物流ネットワーク機能を最大限発揮するためには、外環を湾岸道路までつなぐことが重要でございます。
 このため、都は計画の早期具体化に向けて、国や都による検討の場の設置などを国に働きかけてまいりました。
 今回、関越道から東名高速までの区間の本格的な工事着手を迎え、国から検討の場の設置が表明されました。これを契機に、検討の場を早期に立ち上げ、必要な調査を実施するよう、都として国に強く求めてまいります。
   〔消防総監北村吉男君登壇〕

〇消防総監(北村吉男君) 特別区消防団と地域住民との連携についてでありますが、震災時の被害を軽減するためには、消防団と地域住民が一体となり、初期消火や救出救護等が迅速に行われることが重要であります。このことから、消防団はこれまでも地域住民に対し、初期消火等の訓練指導などを通じて、地域の防災リーダーとしての役割を担ってまいりました。
 当庁では、消防団の活動に必要な可搬ポンプ、簡易救助資器材等を計画的に整備してきており、これらの資器材を有効に活用した実践的な訓練を指導するなど、消防団と住民とのより一層の連携を図り、地域の自助、共助体制の強化に努めてまいります。
   〔産業労働局長中西充君登壇〕

〇産業労働局長(中西充君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、多摩地域の産業振興策についてでございますが、多摩地域の中小企業がさまざまな機関と連携して研究開発や技術開発に取り組み、すぐれた製品を生み出すことは重要でございます。
 これまで都は、多摩地域で都市機能活用型産業振興プロジェクト推進事業により、産学公金のネットワークをつくり、製品開発の取り組みなどを支援してまいりました。開発の取り組みからは、介護施設における見守りシステムなど、製品化した事例もございまして、今年度は市場に出すためのサポートを行う体制の充実を図ったところでございます。
 今後とも、こうした取り組みにより、多摩地域の産業振興を進めてまいります。
 次に、小規模企業への支援についてでございます。
 小規模企業が自社の強みを十分に発揮し、企業の発展につなげていくための支援は重要であり、都はこれまで、段階に応じたきめ細かなサポートを行っています。
 事業立ち上げ時には、企業の負担を軽減するため、低廉な家賃で事業スペースを提供するインキュベーション施設を設置、運営しております。また、企業が事業活動のさまざまな過程で直面する課題に対しまして、中小企業振興公社において、専門家が助言を行う体制を整備しています。
 さらに、新製品や新技術の開発により一層の発展を目指す企業のために、助成事業を実施しております。
 こうした取り組みを着実に実施し、小規模企業の成長を促進してまいります。
 次に、成長産業の振興に向けた金融支援についてでございますが、東京の産業力強化のためには、今後成長が期待されます産業を重点的に育成していく必要があることから、都はこれまでも、こうした産業分野において、事業を展開する中小企業への金融支援策を講じてまいりました。
 制度融資では、環境等の重点産業分野において、技術や製品の開発に取り組む企業に対し、産業力強化融資による支援を行っています。
 また、今年度は、成長分野の創業間もない企業を支援するため、新たにベンチャーファンドを立ち上げます。
 今後とも、重点産業分野に取り組む中小企業への金融支援を着実に実施してまいります。
 最後に、中小企業の人材確保と定着支援についてでございますが、中小企業の安定的な人材の確保とその定着を図るため、各企業の魅力をわかりやすく発信し、学生に正しく理解してもらうことが重要です。
 これまで都は、すぐれた技術を持つ中小企業をホームページ等で紹介するとともに、学生を対象に、中小企業のものづくり現場を訪問するツアーを実施するなど、中小企業で働く魅力を発信してまいりました。
 また、人材育成の専門家を中小企業振興公社に配置し、採用計画の策定や定着、育成に関する相談対応を行う等、企業ニーズに応じたサポートを行っております。
 引き続き、中小企業の魅力発信ときめ細かな支援策により、中小企業の人材の確保と定着を支援してまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 公共事業における労働環境確保についてでありますが、都はこれまでも、契約に当たって最低賃金法や労働基準法などの法令遵守を義務づけることにより、労働環境の確保を図ってまいりました。
 今般の建設業法施行規則の改正により、七月から都のすべての工事で入札参加資格の審査項目としている経営事項審査について、社会保険未加入企業への減点措置が厳格化されました。
 また、十月からは、低入札価格調査において、これまでの労務単価等の調査に加え、社会保険への加入状況など下請の法令遵守について、元請が確認指導を行うよう調査項目等を追加することとしております。
 さらに、工事施工中は、施工体制台帳等による確認指導を行うことや工事完了後に実績報告書を提出することなどを元請に義務づけ、下請への確認指導が確実に行われる仕組みをとることとしております。
 今後とも、関連部署と連携し、下請や労働者にしわ寄せが生じることのないよう、引き続き公共調達制度の適切な運用に努めてまいります。
   〔中央卸売市場長塚本直之君登壇〕

〇中央卸売市場長(塚本直之君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、豊洲新市場用地における土壌汚染対策についてでありますが、都はこれまで、新市場用地において四千百二十二地点での詳細調査、一千四百七十五地点での深さ方向の調査などを実施し、ガス工場操業に由来する汚染状況を把握してきました。
 こうした中で、不透水層直上の汚染を確認している箇所については、汚染を拡散させることがないよう、工事に際して調査を行うこととしていました。
 今回、土壌汚染対策工事を進めるに当たり、底面管理調査や帯水層底面調査などを実施し、不透水層内のベンゼンやシアン化合物を含め、操業由来の汚染箇所を確認し、対策すべき範囲を確定いたしました。
 確定した範囲の汚染は、確実に掘削除去していきます。
 今後も、工事の進捗に合わせて引き続き調査を行い、対策範囲を確定し、操業に由来する汚染を確実に掘削除去し、無害化することで、市場用地の安全・安心に万全を期していきます。
 加えて、これらの調査結果や工事の状況については、ホームページ等を通して都民や市場関係者へ周知し、安心と信頼を得てまいります。
 次に、築地地区のまちづくりに関する中央区との検討状況についてですが、都と中央区はことし四月に都区検討会を立ち上げ、築地市場移転後も築地が食文化の拠点として活気とにぎわいを継承していくための検討を重ねております。
 お話の区の施設については、場外の区有地を活用して、食のまち築地のにぎわいの拠点となる店舗施設を整備するとしており、施設のコンセプトや内容については、区が計画を進めています。
 施設は、敷地面積が約四千平方メートル、一区画が約二十平方メートルで、約百店舗分の区画を用意し、築地市場移転のおおむね半年前までに施設を完成させ、移転に先駆け開業を目指し、食のプロに支持され、一般客や観光客にも親しまれる施設として整備すると聞いております。
 都としても、築地地区のにぎわいの実態等について、今年度調査を実施しており、今後とも区と連携し、築地のにぎわいと伝統文化の継承に積極的に協力してまいります。
 最後に、築地市場の事業者に対する移転支援策の進捗状況についてですが、長引く景気の低迷や市場経由率の低下による取扱数量の減少などから、市場業者を取り巻く経営環境は厳しい状況にある中、本年一月に業界の要望を踏まえた移転支援策の項目を策定し、公表しました。
 その中で、移転時のみならず、移転前及び移転後の経営基盤の安定化と強化を図るなど、手厚い支援を行うこととしております。
 移転前の具体的な支援策として、本年七月から、例えば、業界団体が物流システムの導入や衛生管理体制の構築等、委託調査を行う場合に補助する事業を実施しています。
 また、十月からは、仲卸業者や関連事業者が制度融資などの経営安定化資金を利用した場合、借りかえも含め、その利子のおよそ半分を補助する事業を開始いたします。
 今後とも、個別の市場業者が抱えるさまざまな意見や要望に対し、真摯に耳を傾け、業界団体ともよく話し合いながら、具体的な支援策を検討してまいります。
   〔青少年・治安対策本部長樋口眞人君登壇〕

〇青少年・治安対策本部長(樋口眞人君) 自転車対策に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず、自転車に関する条例制定の検討についてでありますが、自転車対策懇談会の提言では、都民の自転車利用に対する意識を高め、安全かつ適正な利用を促すためには、条例の制定が有効であるとされております。
 自転車による交通事故の多発、後を絶たない放置自転車の現状等から、都といたしましても、行政、事業者、自転車利用者等の関係者の責務を明らかにするとともに、安全教育の推進、点検整備の促進など、関係者それぞれの具体的な取り組みを示す条例を制定し、自転車の安全で適正な利用を促進していくことが重要と考えておりますが、自転車は都民生活に密着した身近な乗り物であることから、関係者や都民の幅広い意見を踏まえ、まず、自転車の安全で適正な利用を促進するための条例を早期に提案できるよう取り組んでまいります。
 次に、ナンバープレート制度の導入についてでありますが、自転車対策懇談会の提言では、登録番号を外部から見えやすく表示するナンバープレート制度について、導入に向けて積極的に検討すべきとされております。
 自転車の安全な利用のためには、利用者自身が車両の運転者であるとの自覚と責任感を持ってもらう必要があり、ナンバープレート制度は、ルールの遵守やマナーの向上に有効な方策であると認識しております。
 しかしながら、制度の導入に当たりましては、防犯登録との関係の整理や、効果的かつ効率的な制度の設計など、さまざまな課題がございます。
 都といたしましては、提言を踏まえ、ナンバープレート制度の導入の是非やその制度のあり方について、関係者の意見を踏まえ、検討してまいります。
 最後に、損害賠償保険の加入促進についてでありますが、都内では、自転車と歩行者との交通事故が、警察に届けられているものだけでも年間一千件以上発生しており、過去の事例では、加害者である自転車利用者に五千万円を超えるような高額の損害賠償を命じる判決が出された事例もございます。
 被害者、加害者双方の経済的な負担を軽減するためには、事故が起こった際の備えとして、損害賠償保険の普及が必要であると認識しております。
 都といたしましては、自転車の損害賠償保険が普及するよう、関係者とも連携し、自転車利用者に保険加入を促す広報活動を引き続き実施するとともに、保険加入の促進に向けた条例上の規定の必要性について検討してまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 四点の質問にお答えいたします。
 保健医療計画の改定についてですが、都はこれまで、計画に基づき、がん診療連携拠点病院の整備や救急医療の東京ルールの推進など、四疾病、五事業を中心に医療提供体制の整備を進めるとともに、高齢者が地域の中で生活を継続できる地域ケア体制の構築や障害者の地域生活基盤の整備など、保健、医療、福祉が連携した施策を推進してまいりました。
 今回の改定では、高齢化の急速な進展など社会状況の変化や都の特性を踏まえ、医療と介護の連携による在宅療養の推進や、精神疾患医療の充実、災害医療体制の強化等を重点的に取り組む課題として位置づけております。
 現在、保健医療計画推進協議会等において具体的な検討を進めており、今年度中に計画を改定いたします。
 次に、若年層の精神疾患への支援についてですが、都は精神保健福祉センターや保健所において、若年層やその家族を対象に、専門職による思春期、青年期相談を行うほか、区市町村や民間事業者等と共同した事例検討会を実施するなど、医療と福祉が連携した支援を行っております。
 また、今年度から、区市町村や保健所などからの依頼により、地域生活に困難を来している精神障害者を、グループホームを運営する民間事業者が短期的に受け入れる、医療と福祉が連携したモデルを実施いたします。
 今後も、こうした取り組みを進め、若年層の精神障害者を支援してまいります。
 次に、麻疹対策についてですが、都は、麻しんに関する特定感染症予防指針に基づき、平成二十年度に感染症の専門家や医療、教育、行政の各分野の委員で構成される麻しん対策会議を設置し、区市町村における予防接種の進捗状況の評価や、対象者への効果的な勧奨方法について協議するなど、接種率の向上に向けた取り組みを行ってまいりました。
 また、発生動向の把握や解析を健康安全研究センターで実施するとともに、学校医や養護教諭等を対象とした研修会を開催し、情報提供や啓発を行っております。
 現在、国は予防指針の改定を検討しており、都としてはこうした動向も踏まえながら、今後とも関係機関と連携し、麻疹対策に取り組んでまいります。
 最後に、自殺対策の現状と課題についての認識ですが、都は平成十九年に自殺総合対策東京会議を設置し、普及啓発、教育、早期発見、早期対応、遺族支援を柱に、ゲートキーパーの養成や自殺相談ダイヤルの運営、区市町村や民間団体の活動支援などに取り組んでまいりました。
 その結果、五年間で約三万八千人が都や区市町村のゲートキーパー養成研修を受講したほか、就労や生活支援など、さまざまな分野の関係機関によるネットワークの構築なども進んでいるところですが、都内の自殺者数は、平成十年以降横ばいであり、全国と比較して若年層の自殺者の割合も高いなど、今後も自殺対策への取り組みが必要であると認識しております。
   〔主税局長新田洋平君登壇〕

〇主税局長(新田洋平君) 固定資産税に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず、控訴審における都の対応についてでございますが、主税局はこれまでも都民の信頼にこたえるべく、適正かつ公平な課税に努めてきており、職員は、税務職員としての責任感と自覚を持って、日々職務に取り組んでおります。また、納税者対応につきましても万全の注意を払っており、評価の内容に疑問を持たれた場合には速やかに対応しております。
 こうしたことを踏まえ、都といたしましては、控訴審では、職員に職務上の注意義務違反がなかったことについて十分な審理がなされるよう、代理人をして新たな書証や陳述書を提出し、より丁寧な主張を行ってまいりました。しかし、控訴審におきましても、残念ながら十分な審理がなされず、都の主張は認められなかったところでございます。
 これまでの審理におきましては、法解釈に重大な誤りがあることに加えまして、本年七月末に出された同種の訴訟事件に係る最高裁判断において、複数用途家屋の取り扱いについては、評価基準に明示されていない以上、各課税団体の裁量による合理的な解釈、運用が許容され、適法、違法の問題は生じないという自治体側の主張が認められており、今回の判決の内容はそれに違背しますことから、上告受理の申し立てを行ったものでございます。
 次に、固定資産税の評価、課税事務に従事する職員の責任についてでございます。
 ご指摘のとおり、固定資産税の評価、課税に携わる者は、責任を持って賦課し、間違いには速やかに対応しなければならないと考えております。
 今回の訴訟におきましては、冷凍倉庫に係る国の定める評価基準が、当時の制度上、必ずしも明確でない中で、職員は最大限職務上の注意義務を払い、適正な評価に努めてきたものでございまして、国家賠償法上の違法はないものと考えております。
 このように、控訴審判決には重大な法解釈の誤りがあることや、直近の最高裁判断を踏まえ、上告受理の申し立てを行ったものでございます。
 最後に、固定資産税の評価、課税に係る基準や制度についてでございますが、固定資産税は都税収入の約三割を占める極めて重要な税であり、職員は強い使命感を持ち、適正公平な評価、課税に全力を挙げるとともに、納税者の理解を得るよう、親切丁寧な対応に努めてきております。
 また、評価の精度を高めるべく、精緻なマニュアルや事務提要等を作成するとともに、職員の専門性を高めるため、長期専門科研修を実施するなど人材育成にも努めております。さらに、ペア制による調査や複数職員によるダブルチェック体制を組むなど、評価、課税には正確を期しているところでございます。
 今後は、さらに職員の意識向上を図るとともに、固定資産税に係る納税通知書を初め帳票類等の表記につきましても、より一層わかりやすいものとなるよう研究してまいります。
 一方、固定資産税に係る国の制度や仕組みは複雑でわかりにくく、また必ずしも明確でない部分もありますため、都はこれまでも国に対して、簡素でわかりやすい制度の実現を繰り返し提案要求してまいりました。
 今後とも、よりよい固定資産税制を目指し、都議会のご協力を得て、一層強力に国に働きかけてまいります。

〇議長(中村明彦君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時四十分休憩

   午後三時開議

〇副議長(ともとし春久君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百十三番野島善司君。
   〔百十三番野島善司君登壇〕

〇百十三番(野島善司君) 平成二十四年第三回東京都議会定例会に当たり、東京都議会自由民主党を代表して質問いたします。
 名誉都民山田五十鈴様には、去る七月九日、ご逝去なされました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
 この夏、我々は、日本という国が置かれている厳しい現実を改めて思い知らされました。民主党政権が、我が国の安全保障の根幹をなす日米同盟を大きく毀損してしまったがために、北方領土、国後島へのロシア首相の上陸、竹島への韓国大統領の上陸、尖閣への香港活動家の上陸という事態が相次いで生じてしまいました。
 改めて申し上げるまでもなく、国家を構成する三要素は領土、国民、主権であり、これを全力で守り抜き、国際社会に屹立してこそ真の独立国家であります。しかし、民主党政権は、全くそうした自覚を欠いています。
 とりわけ尖閣諸島では、巡視船に対して公務執行妨害を働いたことが明々白々な香港の活動家を裁判にかけず、強制送還するだけで済ませました。尖閣諸島を国有化しても、中国に憶して何もしようとしません。
 我が自由民主党は、さきの国会に無人国境離島管理法案を提出しました。地元の漁業者を初め、広く国民のために有益な施設を建設するなど、実効支配を確固たるものにして国益をあらゆる方策で守ることが急がれています。
 こうした取り組みこそが、東京都に寄せられた約十五億円の寄附金に込められた都民、国民の志、声なき声、日本の将来への憂いにこたえるものであります。
 我々も、尖閣諸島を初めとする国境離島の保全について、責任ある政策を実行できる政権を樹立すべく東京から行動してまいりますが、知事に、領土、国民、主権を守るために、今、政治をつかさどる者は何をなすべきか、ご所見を伺います。
 世界は、国家と国家とが国益をめぐって激しく対立しているのが現実の姿であります。諸外国と友好親善に努めることが重要なのは論をまちませんが、一方で、みずからの正当性を強く主張し、守るべきものは断固守らなければなりません。
 そのために、国民は団結し、先人の苦労をしのび、培ってきた歴史、伝統、文化を未来に引き継ぎながら国力を絶えず涵養していく必要があります。いかなる政権であってもこうした視点に立たなければなりませんが、民主党政権は、政権をつかさどる責任感が完全に欠如しています。
 とりわけ目に余るのは、疲弊した国家財政を顧みず、ばらまきを重ねていることです。政権をとれば十六・八兆円の財源が捻出できると豪語し、国民をペテンにかけ、仕分けなる単なるパフォーマンスはしても、本格的な行政改革には手をつけず、歳出の蛇口は全開です。成長戦略もかけ声ばかりで、国民の閉塞感は募りに募っております。
 こうした現状を踏まえ、首都東京の長として常に時代を先取りし、国をリードする手だてを揺るぎなく講じてこられた知事に、国家の運営はいかにあるべきとお考えなのか、ご所見を伺います。
 次に、アジア大都市ネットワーク21について伺います。
 六月に開催されたシンガポール総会においては、都市の経済成長と環境政策等の両立について議論が行われたほか、モンゴルの首都ウランバートルと、ロシア・シベリア地方の主要都市トムスクの加入が承認されました。
 アジネット設立後、新規加入は初めてであり、開催都市がほぼ一巡する節目の総会にふさわしい、喜ばしいトピックであります。
 特筆すべきは、トムスクの加入は、石原知事みずからロシア首脳部と外交交渉され、その結果、今回の正規加入につながったことです。
 また、ウランバートルは、昨年八月の我が党調査訪問団による訪問が加入申請のきっかけとなったものであり、議会と一体となった自治体間外交の成果といえます。
 アジネット第二ステージともいえる新たな時期に当たり、二つの都市を仲間に加え、今後、本事業をどのように発展させていくのか、所見をお伺いいたします。
 次に、新たな多摩ビジョンについて伺います。
 都は、さきの都議会第二回定例会において、我が党の質問を受け、新たな多摩地域のビジョンを明らかにすると表明しました。多摩地域は、都市形成から来るさまざまな顔がある中で、今後は人口減少社会の到来や大規模工場の移転、撤退など、厳しい局面を迎えることが予想されます。こうした多摩の課題は、都の執行体制の強化を含め、総力を挙げて取り組むべきであると考えます。
 一方で、このような長期にわたる将来構想は、往々にして行政の思いが先行し、単なる絵にかいたもちに終わってしまうことがあります。こうした事態にならないよう、今後、新たな多摩のビジョンをどのように策定していくのか、基本的な考え方について伺います。
 さて、東日本大震災から一年半が経過しました。東日本大震災を踏まえ、都は防災対応指針を策定するとともに、最新の科学的知見に基づく新たな被害想定をまとめるなど、着実に防災体制の見直しを進めてきました。
 我が党は、先月、地域防災計画修正に向けた具体的提言を取りまとめ、都民目線に立った具体的な対策の推進、危機管理体制の再構築、地域の特性に応じた対策の推進の三つの大きな視点から、東京が抱えるさまざまな課題への対応の具体化を強く求めてまいりました。都は、これにこたえ、先般、地域防災計画の修正素案を示しました。
 国の対策が後手後手に回る中、都民の不安に正面からこたえ、内容を大幅に充実させた都の対応は高く評価したいと思います。本日は、都の修正素案について、内容を検証し、高めていくという意味において、我が党の提言に基づいて質疑をしてまいります。
 第一の視点は、都民目線に立った具体的な対策の推進です。
 全体で約六百ページにも及ぶ今回の修正素案を貫くのは、もちろん都民の命を守るという強い都の意思だと思います。我が党の提言でも求めているとおり、高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦など災害時に弱い立場に立つ人々への対応をしっかりと進めていかなければなりません。
 地域防災計画の修正に当たっては、こうした明確なメッセージを都民にわかりやすく伝え、自助、共助の取り組みを促していくべきですが、都はどのように取り組むのか伺います。
 発災時の被害を少しでも軽減するには、地域の防災力を高めることが何より重要です。都内には、約九千の町会や自治会が地域に根差したさまざまな活動を行っています。地震の対策として具体的に何をすればいいのかわからないとの声もあり、草の根レベルでの防災活動のすそ野を広げていくことが求められます。
 首都直下地震へ備える機運が高まっているこの時機をとらえ、地域の自主的な取り組みへの支援を積極的に行うべきですが、見解を伺います。
 こうした多くの町会、自治会の活動の中核的な存在として、地域の防災活動の牽引役を期待されるのが東京防災隣組です。
 さきの定例会での我が党の提案を踏まえ、今回の修正素案にその役割が明確に位置づけられましたが、都内では、第一回認定の三十六団体以外にも数多くの団体が意欲的な取り組みを進めています。地域に精通した区市町村とも連携し、早期に第二回認定を行うべきです。また、専門的なアドバイスによる継続的な支援も重要です。
 こうした質と量の両面から、東京防災隣組の充実に向けた取り組みについて伺います。
 地域の防災力のもう一方の担い手が消防団です。さきの第二回定例会でも、その活動の充実に向けた支援を求めました。
 大規模災害発生時に被害を最小限に抑えるためには、消防隊に先んじて初期消火活動を担う消防団の役割が決定的に重要です。
 しかし、都内の消防団では、団員の確保に大変苦労しています。知人、友人を頼ったり、各消防団でPRを行うなど、それぞれ人材確保に取り組むものの、各地域での募集活動には限界があるようです。
 また、多摩地域の消防団では、財政的な制約などから、例えば団員の安全確保や地震時の救出救助に不可欠な資器材が十分整備されていない地域もあると聞いております。
 首都直下地震の切迫性を踏まえれば、区部や多摩・島しょの区別なく、地域防災のかなめである消防団がその役割を十分に果たせるよう、東京消防庁とも連携した対応が急務だと考えますが、都の見解を伺います。
 また、首都直下地震の際に、社会の混乱を回避し、救出救助活動を円滑に行うためにも、帰宅困難者対策は極めて重要な課題です。
 今月の十日、帰宅困難者対策協議会の最終報告がまとまり、行き場のない買い物客等を受け入れる一時滞在施設の確保に向けて、民間施設にも協力を求めることが明記されています。社会全体で対策に取り組むことは重要ですが、一方で、施設所有者には受け入れ体制の整備など、相当の負担が生じます。
 今後、帰宅困難者対策条例の施行に向けて都が策定する実施計画には、民間事業者の協力を得るための十分な支援など、一時滞在施設の効果的な確保策を盛り込むべきですが、都の見解を伺います。
 第二の視点は、危機管理体制の再構築です。
 発災後七十二時間以内に、いかにして多くの都民を救うか、初動対応は極めて大きな課題です。昨年の東日本大震災では、自衛隊、警察、消防の各機関が総力を挙げて被災地での救出救助活動に奔走し、かけがえのない多くの命を救いました。
 我が党の提言でも、初動体制の徹底的な強化を求めました。これにこたえ、消防総監を災害対策本部の副本部長として位置づけたことは高く評価します。
 また、今月、警視庁は新たに特殊救助隊を発足させ、災害対応の強化を図りました。
 さらに、都は陸上自衛隊から陸将を危機管理監に招聘したところであり、これを機に自衛隊との連携を密にした体制づくりが期待されます。
 都は、都民の命と首都東京を守り抜くため、首都直下地震へ対応する骨太の体制を構築すべきですが、知事のご見解を伺います。
 初動体制のためには、情報の収集、発信が決定的に重要です。都はこれまで、防災行政無線の拡充等を進めてきましたが、初動体制の見直しに合わせ、一層の取り組みを進めるべきです。
 また、昨年三月十一日に起きた通信の大幅な制限という事態を省みて、発災時に都民が情報を取得し、また、相互に連絡をとるための手段の確保に向けて、日々進化するさまざまなツールを活用していくべきです。
 初動時の情報通信の確保に向けた都の取り組みについて伺います。
 次に、災害医療体制について伺います。
 昨年の東日本大震災では、発災直後から東京DMATや東京都医療救護班が被災地に入って医療救護活動を行い、災害医療における東京都の実力を見せつけました。
 都は、被災地での救護活動の経験も踏まえ、災害医療のより一層の充実を図るため、東京都災害医療協議会を設置して検討を行い、今月四日に協議会の検討結果がまとまりました。その内容は、地域防災計画の修正素案に反映されています。
 そこで、災害時に都民の命を守るため、都は災害医療対策にどのように取り組むのか、知事のお考えをお伺いいたします。
 三つ目の視点が、地域の特性に応じた対策の推進です。
 首都中枢を担う区部中心部のみならず、海抜ゼロメートル地帯、木密地域、多摩地域、そして島しょ地域等、さまざまな顔を持つ東京では、それぞれの特性に応じた対策をしっかりと進める必要があります。
 以上三つの視点に立って、喫緊の課題についてお尋ねいたします。
 最初に、不燃化特区について伺います。
 本年一月に木密地域不燃化十年プロジェクトを公表して以降、都はもとより、区においても不燃化特区のための取り組みを進めてきたところですが、我が党としては、取り組みの緊急性を踏まえ、区の危機感、意欲にこたえるべく、先行実施地区に応募のあった十二地区すべてを指定するよう要望してきました。今回、要望を受けて、不燃化の取り組みを大幅に前倒ししたことは大いに評価するところです。
 今回の先行実施地区の募集に当たり、区からさまざまな提案が寄せられていますが、都は、こうした提案を踏まえ、先行実施地区にどのように取り組み、制度構築を図り、また、この取り組みを本格実施に結びつけていくのか伺います。
 また、延焼遮断帯を形成するなど、防災上、整備効果の高い都市計画道路である特定整備路線を平成三十二年度までに一〇〇%整備することとしており、その候補区間の一部が六月に公表されました。
 我が党は、かねてより東京の防災対策の再構築に向け、まちづくりの強化を提言しており、この実現のためには、特定整備路線の整備を強力に推進することが極めて重要です。
 そこで、特定整備路線の今後の取り組みについて伺います。
 また、木密地域に限らず、都内には約七十五万戸に上る空き家が存在し、倒壊や火災など、防災上の課題でもあります。
 少子高齢化に伴う都民の住宅ニーズの多様化により、必ずしも高齢者世帯や子育て世帯のニーズに合った住宅が供給されていないといった需給のミスマッチも生じています。
 こうした状況を踏まえると、活用されていない空き家を都民のニーズにマッチした住宅にリフォームするなどして市場に流通させることで、防災上の課題を初め、さまざまな住宅問題の解決に寄与できるものと考えます。
 都は、現在行っている空き家活用モデル事業も踏まえ、今後、空き家の有効活用についてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、外かく環状道路について伺います。
 外環は、平成十三年に石原知事が当時の扇国土交通大臣と現地視察を行うなど、知事のさまざまな働きかけにより、凍結されていた扉が開かれることになりました。
 外環は、交通渋滞の解消、環境の改善、交通物流拠点の連携などを進めるとともに、災害時には、迅速な救命救急活動を支える命を守る道路として重要な役割を果たすことが求められます。
 東京都議会自由民主党はこれまで、知事とともに外環の建設促進に取り組んでまいりました。我が党の遠藤衛議員が会長を務める、超党派による東京都議会外かく環状道路建設促進議員連盟では、歴代の国土交通大臣に対して外環の早期完成を強く要請してまいりました。こうした関係者の努力により、今月五日には東名ジャンクション予定地の着工式が開催されました。
 知事は、本定例会冒頭の所信表明において、外環についての決意を示されております。関越道から東名高速間については大きな第一歩を踏み出しましたが、まだ湾岸道路までの計画は定まっておりません。外環の早期着工に大きな役割を果たしてこられた知事に、改めて外環について所見を伺います。
 また、首都圏三環状道路では、平成二十五年度に中央環状品川線の完成や、圏央道の東名高速までの接続が予定されております。残る外環についても、二つの環状道路におくれることなく整備を進めていかなければなりません。
 着工式を経て、外環整備事業についてはいよいよ本格的に工事が始まりますが、今後の関越道から東名高速までの早期完成に向けた都の取り組みについて伺います。
 また、本年四月に都が公表した首都直下地震等による東京の被害想定では、多摩地域においても多摩直下地震と立川断層帯地震が想定されています。
 多摩地域の防災力向上のためには、震災時に緊急車両の通行や避難路が確保できるよう、骨格幹線道路の整備が重要であります。
 都はこれまで、防災力強化に資する多摩地域の南北主要五路線の整備を推進しております。このうち、府中所沢鎌倉街道線及び立川東大和線では、いまだに着手されていない区間がありますが、防災上のネットワークの観点から課題と考えます。
 そこで、未着工区間の今後の取り組みについて伺います。
 次に、安定給水の確保について伺います。
 利根川では、十一年ぶりに取水制限が実施され、その影響は都だけでなく、埼玉県や千葉県など他県にも及びました。
 最近、渇水が起きていないからなどといって、ダムが不要とするのは、短絡的な考え方です。
 近年の異常気象を考えると、今後、より厳しい渇水が発生することも予想され、八ッ場ダムの早期完成が不可欠と考えます。
 そこで、将来にわたり安定供給を確保するための備えのあり方について、見解を伺います。
 次に、水道管の耐震化について伺います。
 我が党は、さきの大震災の教訓を踏まえ、避難所や主要な駅へ供給する水道管の優先的な耐震化を主張するとともに、新たな地域防災計画では水道の復旧目標を明らかにすることを提言しています。大規模地震の切迫性が指摘される今、断水被害の低減と復旧日数の短縮が必要です。
 そこで、さきの大震災の状況と新たな被害想定の見直しを受け、水道管の耐震化の全体像を明らかにすべきと考えますが、見解を伺います。
 また、水道施設の多くは高度経済成長期に整備され、おおむね半世紀が経過をしており、間もなく本格的な更新時期を迎えます。とりわけ、大規模浄水場の更新時期の集中、工事による長期的な供給能力の低下など、困難な課題に対処しなければなりません。
 そのため、更新期間中の供給能力の低下を補う代替施設をあらかじめ整備し、着実に更新を進めていく必要があると思います。
 そこで、本格化する大規模浄水場の更新に向けた具体的な取り組みについて伺います。
 また、水道と同様、下水道管の耐震化を進めていることも極めて重要であります。
 東日本大震災の被災地では、下水道の使用制限によりトイレやふろが使用できない地域の存在や、避難所などに設置された仮設トイレの衛生環境の悪化の問題がありました。
 そこで、下水道管の耐震化の取り組み状況と今後の対策について伺います。
 また、東京都は、東日本大震災を踏まえ、地震、津波や洪水等から東京を守る対策について技術検証委員会を設置され、このたび委員会からの提言とあわせて、都がとるべき対策の基本方針を取りまとめたと聞いておりますので、三点ほどお伺いいたします。
 江東デルタ地帯のような低地帯や沿岸部において、地震、津波等による水害から人々の生命や暮らしを守るため万全の備えを講じていくことは、まさに喫緊の課題であります。
 そこで、新たな耐震対策にかかわる都の基本的な考え方と今後の取り組みについて伺います。
 とりわけ東京湾に面する東京港の水門や防潮堤等の海岸保全施設は、津波や高潮から都民を守る最前線の施設であります。
 都はこれまでも、整備計画に基づき対策を行ってきましたが、今後、新たな被害想定に対応すべく、抜本的に計画を見直していくことが必要と考えます。
 そこで、現行計画をどのように見直し、地震、津波対策を実施していくのか伺います。
 また、下水道においても、災害時にその機能を発揮するとともに、万が一、浸水が発生した場合にも機能を保持できるよう十分な対策を講じなければなりません。
 そこで、ポンプ所や水再生センターなどの下水道施設における耐震化や耐水化の今後の取り組みについて伺います。
 次に、島しょ地域の津波対策について伺います。
 先般、国が発表した南海トラフの巨大地震に伴う津波高や人的、物的被害の想定、これは全国で三十二万人以上が亡くなるという衝撃的な内容です。都内でも、島しょ地域に高い津波が予想され、犠牲者が千五百人に上ることが示されましたが、地域ごとの被害など、実態は十分に明らかになっていません。
 そこで、南海トラフの巨大地震に対する独自の被害想定を行い、島しょ地域の津波対策の具体化や、島しょ住民への適切な情報提供につなげていくべきと考えますが、都の取り組みについて伺います。
 以上、都民目線に立った具体的な対策を進めること、危機管理体制を改めて見直すこと、都内各地域の特性を踏まえた対策を講じること、こうした三つの視点から地域防災計画の素案を検証してきました。
 地域防災計画の本案策定に向け、対策のさらなるブラッシュアップを進めるよう強く求めておきます。
 首都東京の防災対策は、待ったなしの状況にあります。必要な人員と予算を確保し、きめ細かな地元対応やスピード感を持った取り組みを着実に進めることを求めるものであります。
 また、財源確保に当たっては、我が党は、法に抜本的な見直しが明記された法人事業税の暫定措置の確実な撤廃に向け、引き続き国に強く働きかけておくことを申し上げておきます。
 日本に活力を取り戻すには、東京のみならず、被災地が元気になることが重要です。そこで、改めて被災地支援について伺います。
 我が党の要望を踏まえ、都が東日本大震災の発災直後から現地事務所を設置し、人的、物的支援を行うとともに、瓦れきの都内受け入れ処理や商談会の開催など、さまざまな取り組みを進めていることは高く評価されるべきです。
 岩手県や宮城県では、高台移転等住宅再建事業が着工されるなど、復興の歩みが始まっている一方、福島県では、国の原発事故対応策が進まず、風評被害や人口流失が深刻化し、将来展望が開けない状況が続いています。
 このように、復興の進みぐあいは一様ではなく、立ちはだかる課題も多様化しています。都は、被災地の状況を踏まえ、それぞれのニーズに即した支援を的確に実施すべきです。
 特に、被災地が直面する技術職員不足や福島県の風評被害対策など、復興を阻む課題の解決に向け、被災地支援にどのように取り組むのか、見解をお伺いいたします。
 また、今なお岩手、宮城両県の災害廃棄物の処理は、二五%程度にとどまっております。
 一部には、仮設焼却炉などを使えば広域処理は不要との意見もありますが、発生した災害廃棄物は千五百万トンにも及び、県内施設をフルに活用しても県内ですべて処理できる見通しはなく、今後、さらに百万トン以上は広域処理が必要と両県は推計しています。
 都は、いち早く両県の災害廃棄物の受け入れを進め、全国に範を示すなど、広域処理の推進に大きく貢献してきました。
 都は、今後も引き続き、共助の精神のもと、被災地の復興を支えるため広域処理の一翼を担っていくべきと考えますが、今後の処理予定を伺います。
 次に、電気料金の値上げについて伺います。
 今月一日、家庭や多くの中小企業を対象とした規制部門の電気料金が値上げされました。
 我が党は、五月、この値上げに先立ち、政府と東京電力に徹底した経営合理化と経済負担の軽減等を求める緊急要請を行いました。この要請により、七月の国の認可では値上げ幅が圧縮されたものの、十分な経営合理化が図られたとはいいがたい状況にあります。
 一方、我が党の要望を受け、都が制度融資の拡充に取り組んできたことは高く評価します。しかし、中小製造業等では、値上げによる生産コストの上昇が懸念され、節電しながら生産を継続することが一層重要となっています。
 そこで、中小製造業等が節電の取り組みを無理なく効果的に行えるよう都が支援していく必要があると考えますが、見解を伺います。
 次に、東電の経営改革と電力システムの改革について伺います。
 東京電力は、総合特別事業計画に安住することなく、徹底した経営改革が必要であります。株主総会を経て新体制が発足いたしましたが、引き続き厳しく監視していく必要があります。
 また、先ごろ国はエネルギー戦略なるものを策定いたしましたが、具体的裏づけや展望を欠いたまま原発ゼロを掲げただけで終わりました。我が国の先行きへの不安を払拭するためには、具体的かつ現実的な議論に立って、中長期的なエネルギー国家戦略を明確に示す必要があります。
 都は、千三百万都民という最大の需要者を抱える自治体としての立場から、現実性のある議論を提起し、電力の確保策と自立分散型発電の拡充などを可能にする電力システムの改革を積極的に推進すべきであります。
 東電経営改革と都の取り組みについて、電力問題を担当する猪瀬副知事に伺います。
 次に、ことしの夏の省エネ、節電の取り組みとその成果について伺います。
 省エネ、節電は、CO2の削減につながることはもちろん、料金値上げに対する自衛手段としても非常に関心が高く、この機をとらえ、都民や事業者が無理なく効果的に節電に取り組めるよう、賢い節電の定着に向けた普及啓発を続けていくことが重要と考えます。
 都は、省エネ・エネルギーマネジメント推進方針に基づき、賢い節電の実践、定着を誘導していますが、ことしの夏の都民、事業者による取り組みの進展とその成果を踏まえ、今後どのように効率的なエネルギー利用を誘導していくのか、見解を伺います。
 東京がビジネスの中枢として選択され続けられる存在であるためには、エネルギー利用の効率化とともに、潤いや安らぎを与える自然に配慮した都市環境を創出し、都市としての魅力を一層磨き上げることが必要です。
 東京がオリンピック招致を実現するため、また都市としての国際的な評価を高めるためには、エネルギー利用の先進性を最大限に高めるとともに、江戸から引き継がれてきた緑の歴史的価値や生物層の多面的な機能に着目しつつ、品格ある都市環境を創出し、東京の優位性を世界に発信することが重要です。
 その意味で、都が策定した省エネ・エネルギーマネジメント推進方針及び緑施策の新展開は、エネルギー利用の効率化、高度化と質の高い緑の創出に向けた時宜を得た方針であると評価します。
 今後、これらの方針の具体化が求められるわけでありますが、都としてどのように取り組んでいくのか見解を伺います。
 次に、東京の産業施策について伺います。
 東京の活力を生み出す中小企業の経営環境は未曾有の厳しさが続いています。特に中小零細企業は、円高や震災等による売り上げへの影響を乗り切るため、血のにじむ努力を重ね、日々の資金繰りの確保に奔走しています。
 こうした中、国は金融円滑化法を今年度限りで終了するとともに、金融面でのセーフティーネットとなる融資保証の縮小を決定し、多くの企業経営者に不安や動揺を与えています。
 中小企業への金融面での支援を取りやめるのであれば、景気の回復が前提となるにもかかわらず、民主党政権は中長期的な視点に立った成長戦略をつくることはおろか、景況改善の手だてすら行わずにいたのが現状です。
 都は、中小零細企業が現在の苦境を脱出し、将来の成長と発展を展望できる一層の支援を行うべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。
 金融円滑化法の終了の影響について、我が党はかねてより強い問題意識を持ってきました。金融円滑化法を活用している企業は、経営の見直しに向けてさまざまな困難を乗り越える必要があります。そうした取り組みをすべてみずからの力で行うには限界があります。そのため、都は、こうした企業に対して経営上の助言を行うなど、適切なサポートを実施すべきと考えますが、所見を伺います。
 また、国は先月末に、経営不振の企業向けの一〇〇%保証の融資制度については、一部の対象業種は業況が改善したとして指定から外すこととしました。厳しい経営環境の中で、都内中小企業が日々の経営に懸命に取り組んでいる現状を考えれば、今回の国の業種絞り込みにより影響を受ける企業の資金繰りに支障が出ることのないよう、都は早急に対策を講ずべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、販路開拓支援について伺います。
 中小企業の経営改善には、資金繰り支援とあわせ、製品販路の開拓も重要です。このため、我が党は経営診断を行い、必要に応じ展示会出展費用等を助成する、目指せ中小企業経営力強化事業の重要性とその充実を繰り返し主張してまいりました。本事業の助成申請は、一企業一回となっていますが、企業からは、何とかもう一度支援を受けて取引先の開拓を進め、経営改善につなげたいという痛切な声が寄せられています。
 都は今こそ、これら意欲のある中小企業に対し、再度の申請を認め、支援の充実を図るべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、多摩の産業活性化について伺います。
 高度な基盤技術が蓄積された中小企業が立地し、大企業の研究開発拠点や大学等も数多く存在する多摩地域は、ものづくり大国日本にとって非常に重要な地域です。その多摩において、都は、計測分析器やロボット等の分野で、企業や大学との連携に行政や金融機関が加わった産学公金のネットワーク形成と新製品プロジェクトへの支援を進めてきました。このネットワークからは、既に事業化に着手したプロジェクトや実用化のめどが立ったものもあると聞いております。
 こうした取り組みを多摩地域の産業活性化という大きな成果に結実させるためには、成功事例を一つでも多く生み出すための支援を引き続き行うべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、知的財産について伺います。
 特許庁の調査によりますと、知的財産を持つ中小企業の約二割が模倣被害に遭っています。新興国への進出が活発となる中、重要な技術を模倣されたり、現地企業が簡易な手続で取得した実用新案を盾に訴訟を起こすなどの危険性が高まっています。
 一方、すぐれた技術で特許を取得できれば、多くの国で事業展開が可能となり、複数の国での知的財産の取得と維持には大きな負担がありますので、海外展開をちゅうちょする原因になるとも聞いています。
 海外の知的財産をめぐる環境が大きく変化する中、こうした課題に今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 経済のグローバル化が進む中、都内中小企業においては、国際競争力の強化が重要となっています。都では国際戦略総合特区などの動きもありますが、産業空洞化が懸念される現在、海外拠点を有する企業が海外で獲得した利益を国内に積極的に還流させ、自社の研究開発や新たな事業展開への活用に加え、新たな成長分野への投資に振り向けることが必要となっています。
 こうした動きに役立つ税制の優遇措置が平成二十一年から開始されましたが、成長過程の産業分野への資金供給につなげる方策の充実は不可欠です。都内中小企業が国内外の新しい成長機会を取り込み、過酷な国際競争に勝ち抜いていくためには、必要となる資金の円滑な調達が欠かせません。
 このため、成長分野の創業間もない企業や、将来を見据えた事業展開に取り組む企業への金融支援をさらに強化することが急務と考えますが、見解をお伺いします。
 次に、都市農業の振興について伺います。
 東京には約七千七百ヘクタールの農地が存在し、都民への新鮮な農産物の供給に加え、都市生活に潤いや安らぎをもたらすなど、多面的な役割を果たしています。しかし、農産物価格の低迷等により、農業経営の維持は年々厳しくなっており、この十年間で都市農地は一割以上も減少しています。
 我が党は、都市農業や農地の役割を重視し、農業者と意見交換を重ね、都市農業の振興を強く主張し続けてきました。都市農業の振興には、頑張る農業者を支えることや農地保全への取り組みが急務です。
 首都東京の優位性を生かした農業経営や、貴重な都市農地の保全に積極的に取り組むべきと考えますが、今後の都市農業の振興についてお伺いいたします。
 次に、若年者の就業対策について伺います。
 若年者の完全失業率が高い水準で推移する中、若者の大企業志向はいまだに強く、一方で、多くの中小企業は人材確保に苦慮しており、若者と中小企業の雇用面のミスマッチが今なお大きな課題となっております。
 都は、重点産業分野就業支援プログラムなど、研修と就労体験を組み合わせた事業を展開していますが、こうした取り組みは、雇用対策はもとより、中小企業の振興にも大いに寄与するものです。
 我が党は、これらの事業を引き続き充実させていくべきと考えますが、雇用情勢が厳しいにもかかわらず、国は、当該事業の財源となる基金の活用を来年度より認めないとしています。
 将来の産業の発展を目指し、若者と中小企業を結びつける就業対策に、都は果断に取り組むべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、豊洲新市場整備について伺います。
 先日、我が党は、新市場予定地における土壌汚染対策の現場を視察しましたが、プラントでの汚染土壌処理を目の当たりにし、本格的な工事の進捗を実感しました。食の安全・安心の確保は何よりも優先されるべきものであり、工事を確実に行うことはもとより、その状況について市場関係者を初め、広く都民に情報を提供し、理解と信頼を得ることが大切です。
 また、都は、市場関係者と協議しながら施設設計を行っていると聞いていますが、新市場は、時代のニーズに適応した首都圏の基幹市場として、国際的にも最先端の市場としてその機能を果たさなければなりません。
 そこで、土壌汚染対策工事を着実に進めるとともに、施設整備については市場関係者の意見も十分に聞いた上で行うべきと考えますが、都の所見をお伺いいたします。
 次に、福祉、保健対策についてお尋ねいたします。
 まず、がん対策について伺います。
 都はこれまで、国の計画を基本としつつ、都の特性を踏まえた東京都がん対策推進計画を策定し、独自の認定がん診療病院の指定や東京都医療連携手帳の作成などの対策を積極的に進めてきました。
 本年六月、国はがん対策推進基本計画を策定し、重点課題として、働く世代や小児へのがん対策を挙げました。都では、年度内にがん対策推進計画を改定するため、がん対策推進協議会において議論を重ねていると聞いております。次期計画におけるがん対策の課題と策定に向けた取り組み状況について伺います。
 次に、健康推進プラン21について伺います。
 健康づくりは個人の自覚と実践が基本でありますが、活力ある東京の未来を築く上でも、都民の健康維持は欠かせないものです。都は、東京都健康推進プラン21を平成十三年度に作成し、健康長寿の実現に向けて、都民一人一人が主体的に取り組む健康づくり運動を総合的に推進してきました。
 今後、さらに高齢化が進む中で、都民の健康を維持増進するためには、区市町村を初めとする関係機関のより積極的な取り組みが求められるところであります。今年度予定している次期計画策定に向けた都の取り組みについて伺います。
 次に、健康長寿医療センターについて伺います。
 認知症高齢者の数は従来の推計を上回るスピードで増加しており、先月末の厚生労働省の発表によれば、全国の六十五歳以上の約一割に当たる三百五万人に達しています。
 我が党は第二回定例会で、来年度からの東京都健康長寿医療センターの中期目標について、センターが都の高齢者施策における重要課題に積極的に取り組み、社会的役割を果たしていくべきと提案しました。
 今回、都から中期目標案が提出されましたが、認知症など重点医療にかかわる課題について、センターにどのような取り組みを求めていくのか所見をお伺いいたします。
 次に、保育人材対策について伺います。
 認可保育所の運営支援とともに、我が党が積極的に支援してきた都独自の認証保育所の整備を推進した結果、本年四月一日現在の保育サービスの利用児童数は前年比一万人以上と大幅に増加しました。しかし、待機児童数は依然として七千人を超えており、引き続き保育サービスの拡充に取り組む必要があります。
 拡充に当たっては、質の担保が不可欠であり、そのためには、保育サービスを支える人材確保と質の向上がとりわけ重要です。
 全国の待機児童の三分の一を占める東京において、この課題にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、障害者施策について伺います。
 障害のある方や難病の方の中には、外見からは配慮が必要なことがわからないため、ご苦労されている方も多いと伺っております。我が党の山加議員は、ことしの予算特別委員会において、こうした方々への理解促進のための統一マークの作成について提案し、都としてマークの作成や活用に取り組んでいくとの答弁をいただきました。
 所信表明で知事からも、来月から都営大江戸線で取り組みを開始するとお話がありましたが、今後どのように進めていくのか伺います。
 次に、中等度難聴児支援について伺います。
 難聴児の言語能力の発達には、早期から補聴器を使用するなど、適切な支援が重要といわれております。しかしながら、中等度難聴では身体障害者手帳交付に該当しないため、障害者自立支援法に基づく補聴器購入費等の公的助成を受けることができません。こうした中、独自に助成を行う自治体も出てきていると聞いております。
 本年の第二回定例会では、我が党の議員が紹介議員となった中等度難聴児に対する補聴器購入費用等助成に関する請願が全会派一致で採択されました。中等度難聴児に対する支援について、都の見解を伺います。
 次に、東京大気汚染訴訟の和解に基づく医療費助成制度について伺います。
 気管支ぜんそく患者の方々へ助成を行う本制度は、創設から五年の来年八月に見直しを迎えます。そもそも、大気汚染の根本的な原因は国の不作為であり、まずはその責任を問うていく必要があります。また、制度継続には関係者の協力が必要であり、都の負担のみで制度を支えていくには限界があります。
 一方、現在、本制度により助成を受けている患者は約七万人に上り、仮に来年八月をもってすぐ制度変更するとなれば、大きな影響が生じます。見直しに当たっては、患者の方々に十分な配慮がなされるべきであります。
 そこで、本制度に向けた基本的な考え方を伺います。
 次に、都立病院改革について伺います。
 我が党は、医療を取り巻く環境が厳しさを増す中、都民が安心して生活を送るためには、都立病院がその使命をしっかりと果たしていくべきことを主張してきました。
 都では、この十年間、都立病院改革マスタープランのもと、救急医療の強化、周産期医療の充実や再編整備の推進など、全国に先駆けたさまざまな取り組みを進めてきました。これまでの我が党の主張が具体化されたものとして一定の評価をしています。
 今般、外部有識者による都立病院経営委員会から、都立病院の今後のあり方についての報告が提出されました。都内にさまざまな医療機関がある中、都立病院の役割は、より一層重要なものになります。
 そこで、今後の都立病院改革をどのように進めていくのか、基本的考え方について伺います。
 次に、教育の課題についてお尋ねをいたします。
 まず、いじめ問題への対応について伺います。
 先般、都教育委員会は、いじめの緊急調査を実施し、いじめの疑いがあるものを含めて約一万一千件と公表しました。今回、都独自に調査範囲を、いじめの疑いがあるものまで広げたことは意義があると考えます。いじめによりとうとい命を絶つということは絶対にあってはなりません。
 都教育委員会は、学校がいじめの状況を把握し、早期の対応につなげられるよう、どのような取り組みを行うのか伺います。
 また、いじめはどこの学校でも起きるものであり、いじめが発覚したときに、教職員が、いじめ問題の解決に向けて具体的な手だてを迅速に講じていくことが極めて重要です。
 そこで、都教育委員会は、教職員のいじめ問題への対応力をどのように高めていくのか伺います。
 昨今のいじめは複雑で陰湿化し、学校だけで解決が困難なものも多々あると聞いております。いじめ問題の解決に向けて、学校、家庭、地域、関係機関などが連携し、社会全体で総合的に取り組む必要があると考えますが、所見を伺います。
 次に、公立学校の若手教員の育成について伺います。
 現在、東京都の公立学校では、いわゆる団塊の世代の教員の大量退職に伴い、毎年若手教員を大量に採用しており、採用した教員を早期に育成することが喫緊の課題となっています。
 そこで、都教育委員会は、今後どのように若手教員の人材育成を図っていくのか伺います。
 次に、私学振興について伺います。
 我が党はこれまで、日本の将来を担う高校生を海外に派遣し学ばせるなどして、世界に通用するグローバル人材を養成することを主張し、本年度、都立高校における海外留学支援制度を実現いたしました。
 一方、私立高校では、既に多くの学校が建学の精神と独自の教育理念に基づき、特色ある海外留学に取り組んでいますが、多額の経費を要することなどから、比較的短期の留学が中心となっています。
 豊かさに満足し、チャレンジ精神を失った若者を覚せいさせ、厳しさを増す国際社会で生き抜く力と困難に挑戦する不屈の精神を身につけさせるためには、私立高校におけるこれまでの取り組みをさらに推進するとともに、効果が高いとされるまとまった期間の留学体験を積ませることが必要です。
 昨年末の第四回定例会における我が党の代表質問に対し、私立高校の留学支援について検討するとの答弁がありましたが、制度の創設に当たっては、私立高校がこれまで培ってきた独自の取り組みを踏まえ、国際社会で渡り合える人材の育成にふさわしい内容の支援策とすべきと考えますが、見解を伺います。
 最後に、オリンピック・パラリンピック招致について伺います。
 この夏のロンドン・オリンピック大会は日本国じゅうが熱狂に包まれ、大きな感動をもたらしました。続いて行われたパラリンピック大会も、障害のあるアスリートの力強さと選手を支える人たちの姿に、人間の崇高さを感じたものであります。
 先月、銀座で行われたメダリストの凱旋パレードには、平日の午前にもかかわらず、約五十万人の人が詰めかけ、大歓声で覆い尽くされました。オリンピックにより、どれほど日本が元気づくのか、改めて思い知らされた光景でした。日本じゅうの熱い思いを、何としても日本、東京招致につなげなければなりません。
 ロンドン大会を終え、開催都市決定まで一年を切った今、オリンピック・パラリンピックを日本、東京で開催する意義について、改めて知事の所見を伺います。
 また、ロンドンと同様に、成熟した都市として開催を目指す東京にとって、今回のロンドン大会から得られるものが大いにあったと思います。ロンドン大会で参考となった点や大会期間中の招致活動の成果について伺います。
 さらに、大会開催能力は申し分ない東京にとって、招致の成功のかぎは国内支持率向上です。
 さきの第二回定例会終了以降、都議会は、議員による全道府県、全政令指定都市訪問を実施し、招致支援の要請を行ってまいりました。さらに今月からは、都議会オリンピック・パラリンピック招致議員連盟による東京招致への支援を呼びかける署名運動を開始いたしました。今後も、各方面への協力要請に積極的に取り組む決意です。
 ロンドン・オリンピック大会により高まったスポーツへの関心、オリンピック東京招致への期待を広く国民的世論につなげ、次回のIOC調査での支持率向上を図るべきと考えますが、所見を伺います。
 支持率向上のためには、都を挙げて、オール都庁で、さらにPRを努めるべきですが、都民に身近な足となっている都営交通などを積極的に活用していくPR活動を行っていくことが重要です。所見を伺います。
 厳しい社会情勢下にある我が国にとって、今必要なものは、国難を乗り越え、国を再生する力と夢と希望と誇りを持てる国づくりです。ロンドン大会で日本じゅうが感動し、困難でも挑戦し、前へ進む勇気をもらったように、スポーツの力も非常に有効です。
 我が都議会自民党は、責任と実行力のある会派として、日本再生を牽引し、明るい未来づくりに全力を尽くすことを約束し、私からの質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 野島善司議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、領土、国民、主権を守るために政治をつかさどる者がなすべき役割についてでありますけれども、改めていうまでもなく、国政の大眼目は、国民の生命と財産を守ることであります。政治家の使命は、国際関係の冷徹な現実の中で、いかにして国家の存立を維持していくかに尽きます。そのためにも、政治をつかさどる者は、何よりも正しい歴史認識、時代認識を備えることが必要だと思います。
 尖閣諸島をめぐる問題にしても、単にあの島々の領有権の問題では済みません。尖閣を守ることは、南シナ海を含むアジアの海すべてを守ることにつながることを私たちは思い知るべきだと思います。シナは覇権的な海洋進出を続けておりまして、アジアの海をみずからの支配下に置こうとしていると、疑いはないと思います。
 もし尖閣の問題で、我が国がシナに屈するならば、ベトナムやフィリピンといったシナと対峙する国々の動揺は非常に大きく、アジアの海におけるシナの覇権は容易に確立されてしまうでしょう。アジアの国々は、日本の姿勢を今、かたずをのんで見守っていると思います。
 尖閣諸島をめぐる歴代政権の驚くほどの無為無策は、結局、シナを増長させて、際限のない覇権主義をそそのかすものでしかありませんでした。シナの一部の人たちは、沖縄はシナの属国だったとまで、今日いい出しております。私たちは、改めて、民族の個性、伝統を破壊されて失った内モンゴルやチベットや、あるいはウイグルの悲劇を我が事として今思い直してみるべきだと私は思います。
 日本固有の領土である尖閣諸島を守るために今求められていることは、この島にみずからの領土として当然の手だてを講じることであります。かつて、テレビの番組の対談の中で私と話し合いました元米国国防総省の日本部長のジム・アワーが尖閣諸島の現状を称して、日本は固有の領土だといっていますが、ところが、日本国はだれもそこに国民を住まわせない、これでは、中国にどうぞとってくださいという招待状を送っているようなものだと皮肉をいっていましたが、実効支配とは、沖ノ鳥島で都がやったように、そこの土地や海でどういうなりわいをするかが大事なものでありまして、国がやったように、単に島を国有化する云々の問題ではないと思います。
 しかし、現政権は、零細な漁民のための船だまりすらつくろうとはしません。野田総理は実は、最低、灯台だけはつくりたいといったようでありますけれども、これも結局、腰抜けの外務省の反対でつぶされました。都は、国民から寄せられた国家を思う志であります十万件、十五億円もの拠金で新しい基金を構えて、総選挙後の新しい政権に島の活用を強く迫っていくつもりであります。
 同時に、政府が、みずからの領土はみずから守るという強い意思を国際社会に示さなければならないと思います。日本にその覚悟がなければ、幾ら同盟国のアメリカでも、日本のために動かないのは当たり前ではないでしょうか。国民自身も、自国の海軍力、技術力といった日本の持つ力を正しく理解することが、今大切だと思います。
 安倍内閣の折に、ある問題をめぐってシナが軍艦を出すということを外務省に通告してきましたときに、安倍君が、ならばこちらも軍艦を出したらいいといったら、瞬間的にその話は立ち消えになった事実がございますが、これは非常に印象的な挿話だと思います。
 そして、その最も根底的にある主要な矛盾は、集団的な自衛権すら行使できない、領土、国民、主権を守るための足かせでしかない今の日本国憲法であります。占領軍が統治のためにつくった基本法が、独立を回復した後もいまだに通用している例など、世界の歴史にどこにもありません。一刻も早くこれを廃棄して、日本人自身の手で、正しい日本語で、みずからの国を守ることができる新しい憲法をつくり直すべきだと私は思います。
 次いで、国家の運営についてでありますが、かつて、ばらまきによって東京を大きく疲弊させた、社会党、共産党が熱烈に支持してつくり上げた知事でありましたけれども、美濃部知事が最後に、みずからの都政運営について吐いた言葉を印象的に覚えています。
 美濃部さんはこういっていました。四年前、三期目の発足に当たり、私は栄光を求めてではなく、泥にまみれる覚悟で都庁に戻りました、それにしても、これほど惨たんたる状況のうちに幕を引くことになろうとは思いもかけぬことでございました。これがばらまき都政の結論でありましたが、いずれにしろ、現行の民主党政権もまさにその惨たんたる幕引きを迎えようとしていると思います。
 民主党政権からは、国家を背負う気概というものがついぞ感じられませんでした。官僚に操られてきた自民党時代からの変革を期待もしましたが、脱官僚の実態は、官僚の専門性をも使いこなせない非常に稚拙なものでしかありませんでした。事業仕分けなどという派手なパフォーマンスにうつつを抜かすばかりで、行政の本質的むだをあぶり出すこともできてはいません。
 普天間の問題にしても、原発事故への対応にしても、あるいは今般のエネルギー戦略において、国民のセンチメントにおもねって打ち出した原発ゼロの扱いにしても、肝心なことは何かということが一向にわからないために、ただただ迷走を繰り返しているという印象が強い。
 およそ行政を運営するためには、政治が大きな戦略のもとで発想して、例えば有権者に人気のないことであろうと、国家、国民のためには確固とした信念に基づいて、なすべきことの方向性を示すことが重要だと思います。これがあって初めて、官僚もみずからの専門性を最大限に発揮して物事に対処することができると思います。
 都は、都議会の皆さんとも議論を重ねながら、東京が倒れたら日本が倒れてしまうという強い危機感を共有して、打つべき手だてを果断に講じてきました。
 財政再建団体への転落のふちに立った際には、人を減らし、組合も協力して、他の自治体に先んじた給与のカットもいたしました。財政の状況を赤裸々にあらわす道具として、複式簿記・発生主義という新公会計制度も編み出しました。世界じゅうの先進国の中で、日本のように大福帳にも及ばない単式簿記をやっている国は一つもありません。日本の周辺でも、単式簿記などという会計制度をとっている国は、北朝鮮とフィリピンとパプアニューギニアぐらいでありまして、いずれにしろ、福祉の分野でも、ばらまきを見直す一方で、東京に集まる民間の力を生かしてまいりました。
 今では、認証保育所は大都市東京に不可欠な存在にもなっております。大震災の被災地支援では、一部からなぜか強い反発もありましたが、復旧、復興の足かせとなる瓦れきを、安全を十分確認した上で、全国に先駆けて東京は受け入れてきました。
 そもそも国政において、大きな視座に立った政治家がだんだん少なくなってきたのは、今の選挙制度に問題があると思います。私は、自民党時代にも最後まで反対しましたが、いずれにしろ、一刻も早く小選挙区制度を中選挙区制度に改めて、二大政党だけなどではなくて、ドイツのように、三大政党がAとB、あるいはBとC、あるいはAとCが連携するような、互いに切磋琢磨することで、国民の意思を収れんされていく形が望ましいと私は思います。
 いずれにしても、国政はそう遠くない時期に国民の信を問うことになるでしょう。新しい政権が、正当な歴史観、時代認識に基づいて国家の大計を構え、日本の力を引き出し束ねながら、世界と渡り合っていくことを切に期待しております。
 次いで、首都直下地震へ対処する初動体制の構築についてでありますが、孫子の兵法の一節に、兵の形は水にかたどる──つまり、刻々と変化する状況に応じて、柔軟そのものである水のごとくに変幻自在に戦術を変えていくことが必要だということであります。首都直下地震などのあらゆる災害においても、想像力を駆使して備えを固め、実際に災害が起こったときには、その時々の状況に応じて、臨機応変な手だてを講じることが必要であります。
 まず、東日本大震災の教訓を踏まえ、自衛隊との連携を一層緊密にするとともに、警察、消防、DMAT、救援物資の輸送部隊など関係機関が連動して活動できるように、発災後七十二時間の災害行動全体を統合した基本戦略を新たにつくり上げております。これをもとに、さまざまな状況を想定した図上訓練を繰り返す中で、臨機の力を養い、首都東京の災害対応力を強化していきたいと思っております。
 常に準備を怠ることなく、危機管理体制を盤石なものとして、日本の頭脳、心臓である東京を守り抜いていきたいと思っております。
 次いで、災害時における医療についてでありますが、東日本大震災では、多くの病院、診療所が機能を喪失し、医療現場では大きな混乱を来しました。また、被害の全容把握に時間を要して、全国から助けに入った医療チームがどこに行けばいいのか、現場の調整に手間取ったと聞いております。
 私は、被災地に派遣した医師から状況をつぶさに聞きましたが、その報告の中で、宮城県の災害医療コーディネーターなる制度を知りまして、非常に参考になりました。
 首都東京が被災した場合に、生き残った医療資源を効率的、効果的に運用するためには、都全域の被害状況や医療機関の情報を集約し、東京DMATや全国から参集する医療チームを広域的かつ効果的に配置することが必要となります。
 そのため、都の特性を踏まえた災害医療コーディネーター制度の創設を指示いたしました。既に、東京都全域を調整する三名のコーディネーター、二次保健医療圏を受け持つ十二名のコーディネーターを配置しております。今後、区市町村にもそれを配備するつもりであります。
 また、刻々と変化する医療ニーズに迅速に対応するためには、すべての医療機関が、医療機関の能力に応じて医療を提供する体制を構築することが必要であります。今回の地域防災計画の修正では、発災後の段階ごとに必要な医療ニーズと、すべての医療機関の役割を明確化いたしました。さらに、災害時の医療提供体制を確保するために、すべての病院を対象に、耐震化や自家発電設備に対する都独自の支援を行っております。
 東京DMATについても、被災現場に数日間とどまって活動できるよう、水や食料などを備えた東京DMATカーの整備を進めておりまして、今年度内に指定病院すべてに配備を完了いたします。
 今後もあらゆる手だてを講じて、一刻たりとも東京の医療機能がとまることのないよう、体制の強化に万全を期してまいります。
 次いで、外環道についてでありますが、外環道は、ひとり東京のためだけでなく、これは国家全体のための道路であります。首都東京の最大の弱点であります渋滞の解消はもとより、東名高速や東北道など放射方向の高速道路を束ねて、日本全体の人や物の流れをスムーズにする扇のかなめのような部分でありまして、この道路の整備が三十年以上凍結されたことは、不可解としか考えられません。
 これは、美濃部都政になぜかおびえた、はっきり申しますけど、当時の根本龍太郎さんという建設大臣が、何でしょうか、瞬間的にこの凍結を宣言して、それがそのまま今日まで放置されてきたわけで、これはある意味では、東京出身の政治家の責任だと自戒し、反省しておりますが、とにかく、この道路の整備が三十年間凍結されたということは、文明工学的にも、いかに政治家の認識が欠けていたかということの一つの証左だと思います。
 そのために、十二年前に当時の扇国土交通大臣とともに現地視察を行いました。さびついた時計の針をようやく動かすことにいたしまして、その後も、文明工学的見識を欠いた国を牽引して、ようやく今月、大深度地下トンネルの着工にこぎつけたわけであります。
 さらに日本の発展のためには、首都東京をかなめとする陸海空の広域ネットワークをより強固にすることが不可欠でありまして、改めて国を動かし、この道路を湾岸道路まで完全につないでいきたいと思っております。外環道の完成により、経済を活性化させるとともに、災害に強い国土を形成し、日本を再生していきたいと思っております。
 次いで、中小企業対策についてでありますが、都が毎年開催しておりますベンチャー技術大賞では、中小零細企業の発想にいつも驚かされます。これは、これを審査する一流の学者先生たちも、いつも表彰式のときに感嘆しておりますけど、すばらしいその潜在能力を、日本の、特に東京の中小企業が持っていると思います。例えば、小さな水力による発電システムや、あるいは絶対に緩まないねじなど、日本の技術の無限の可能性を感じさせてくれます。
 しかし、こうした中小企業は、経済環境の変化に真っ先にさらされる存在でもありまして、新興国の激しい追い上げにさらされながら、国は有効な成長の道筋を示さずに、エネルギー政策でも迷走して、経済の閉塞感は一段と強まっております。
 そうした状況の中で、今般、電気料金が値上げされ、来年三月には金融円滑化法が終了するなど──恐らくそうなれば、大きな銀行は中小企業への融資を渋るでしょう。ということで、中小企業の苦境は今後も続いていくと思いますが、今、日本経済が再生していくためには、経済活力の源泉であります中小企業が将来への展望を持ち、困難を打開しながら、みずから強みを生かした新事業を結実できるように、その背中を都こそが力強く押すことにほかならないと思います。
 都は、東電以外の新電力の参入促進などによって、電力供給の不安払拭に努めるとともに、海外展開に当たっての知財戦略支援や都立産業技術研究センターの技術支援などによりまして、中小企業を多角的にサポートしてまいりますし、資金面でも、制度融資はもとより、今後創設する新たなベンチャーファンドによって、円滑に資金を供給していきたいと思っております。
 特に成長が期待される環境エネルギー分野や、最先端の半導体、電子部品に関する有望な技術力を持つものづくり企業を支援したいと思っております。現場の声に即した総合的な手だてによって、日本の宝ともいうべき東京の中小企業の成長をしっかりと支えていきたいと思っております。
 次いで、オリンピック・パラリンピック開催の意義についてでありますが、スポーツには、人に夢や希望、感動を与えて、人々を結ぶ無限の力が存在しています。今回のロンドン大会では、日本選手たちが日の丸を背負い、大きなプレッシャーの中で戦い、見事にメダルを獲得してまいりました。銀座のパレードでは、集まった人たちのすさまじい熱気に、この国の可能性とオリンピックが人々を結びつける力を強く感じさせてもらいました。
 オリンピックは、我々日本人、特に子どもたちに夢や希望、誇りという心の財産をもたらします。衰退を迎えつつあるこの国の活力をもう一度取り戻して、次の新しい日本をつくり出していくために、オリンピックを東京で開催することは不可欠であると思います。
 招致獲得は、非常に複雑な見えにくいメカニズムでありまして、微に入り細にわたり重層的に事を構えて、総力戦で招致をかち取るべく努力したいと思います。
 他の質問については、副知事、教育長、技監、関係局長から答弁します。
   〔副知事猪瀬直樹君登壇〕

〇副知事(猪瀬直樹君) 東電の経営改革と東京都の取り組みについてお答えします。
 東電の経営改革は、九電力地域独占体制の改革、さらには、電力システム改革にもつながるものとして、重点的に取り組んでまいりました。
 東電の総合特別事業計画には、保有資産の売却、随意契約の三割削減や関連会社との取引の見直しなどによる、十年間で三兆三千六百五十億円の削減目標を掲げていますが、これを絵にかいたもちに終わらせず、確実に実行させることが必要であります。
 このため、さきの株主総会で、社内競争原理や国際入札の導入、徹底した情報開示といった新生東電に必要な五つの株主提案を行うとともに、旧経営陣に身を引くよう迫りました。
 さらに、総合特別事業計画の資産売却リストをチェックしていくと、東京電力病院が除外されているという事実に気づき、その理由が福島への医療支援となっている、一般開放されていない東電病院が存続されていることを不自然に思い、医療法に基づく立入検査を株主総会の前日に急遽実施しました。
 株主総会当日、福島への医療支援の件をただすと、副社長は、あたかも多数の医師、看護師を派遣しているかのような発言をしたので、四千人を超える株主の前で、土日に医師を一人だけ派遣しているだけじゃないかと、立入検査で明らかになった実態を突きつけ、結果として、勝俣会長から、検討課題とする旨の回答を引き出し、以後、東電病院は売却を視野に、今進んでいます。
 また、家庭向けの電力料金値上げでも、社内の営業関係者を総動員するなど体制を整備させ、中小企業や医療機関、福祉施設を初めとするさまざまな関係団体に対し、少しでも支払いが安くて済むような、丁寧かつわかりやすい説明を徹底させました。
 一方、首都圏の電力の安定供給のためには、三十五年以上経過した千六百六十万キロワットの老朽火力を、高効率で環境負荷の少ない火力発電設備へと早期に更新するとともに、これを単なる東電の設備更新にとどめることなく、多様な事業者の参入を進める契機とすることが重要であります。
 このため、七月には、原発稼働が困難な中で早急に電力が確保できるよう、国家戦略担当大臣に対して、設備更新に際してのアセスの適用除外や手続の簡素化による期間の短縮を要請しました。
 また、八月には、東京都に天然ガス発電所リプレースプロジェクトを新たに立ち上げ、東電の設備更新に際して、新電力への電力供給を行う仕組みを組み込むなど、さまざまな事業者と連携しながら、具体的な事業プランを提案していきます。
 さらに、国の電力システム改革に先駆け、これまで東電が独占してきた奥多摩の公営水力発電所を、新電力も入札に参加できる制度に変えていくため、都として条例改正を提案したところであります。
 今後とも、東電の主要株主として、また、電力改革を先導してきた実績を踏まえて、新体制の会長、社長のもとに置かれた経営改革本部との定例会合の場で、資材やサービスの調達に際しての随意契約の見直しやスマートメーターの導入など、総合特別事業計画の進捗状況の報告を求め、東電の構造改革を厳しく監視していきます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、いじめの状況把握と早期対応についてでございますが、いじめ問題に迅速かつ的確に対応するためには、日ごろから児童生徒の言動等を注意深く観察し、あらゆる兆候を見逃さないようにすることが重要であります。
 都教育委員会は、本年七月、都内の全公立学校に対し、いじめの実態把握のための緊急調査を実施いたしました。この調査は、いじめの疑いのある事例を調査対象に加えることで、いじめにかかわる情報を多面的、多角的に収集するとともに、一件一件に確実に対応することの重要性をすべての教員に徹底することをねらいとしております。
 各学校においては、現在、把握した約一万一千件すべてに全力を挙げて対応しており、今後、この調査の趣旨を生かし、都と区市町村が一体となって、いじめの早期発見、早期対応の体制を定着させてまいります。
 次に、いじめ問題への対応力の向上についてでございます。
 いじめ問題解決のためには、まず、学級担任など個々の教員の対応力を高めることが重要であります。このため、都教育委員会は、インターネットを介した誹謗中傷など、いじめの態様が多様化していることを踏まえ、発見のポイントや対応上の留意点を見直した指導資料を早期に作成するとともに、いじめ問題の解決に特化した研修会を新たに実施し、教員一人一人の対応力を高めてまいります。
 各学校においても、校内研修を実施して、いじめに関する情報共有のあり方等についても再確認するなど、教員が一人で問題を抱え込むことなく、学校全体で組織的にいじめ問題に取り組む体制を強化してまいります。
 次に、いじめ問題の解決に向けた連携についてでありますが、いじめ問題の解決には、学校、家庭、地域、関係機関が連携し、社会全体で取り組むことが重要であります。
 都教育委員会はこれまでも、スクールカウンセラーの配置のほか、民生児童委員や児童相談所職員などによる学校サポートチームを全公立小中学校に設置するよう推進をしてまいりました。こうした取り組みに加え、安全や生命を脅かすような案件について、警視庁と一層連携を強化するとともに、困難な事例に対し、弁護士や精神科医などが第三者として解決策を提示する仕組みの充実を図っていきます。
 あわせて、学校と関係機関等が情報を適時適切に共有できる体制を強化するとともに、各学校と教育委員会が一体となって総合的にいじめ問題に取り組んでまいります。
 最後に、大量採用に伴う若手教員の育成についてでございます。
 都教育委員会は、近年三千人規模の教員を採用しており、平成二十年度から十年間で、教員約六万人の半数が入れかわる年齢構成の転換期を迎えていることから、若手教員の育成が喫緊の課題となっております。
 都教育委員会は、採用から三年間で教員に必要な基礎的知識、技能を身につけさせるよう研修を再編し、四年目以降の教員を対象に、教科専門性を高める東京教師道場を実施しており、現在約二千人の修了者が活躍をしております。
 今後は区市町村と連携し、学校の核となる人材を選抜し、重点的に育てるとともに、自主的な研究活動を活性化することにより、互いに切磋琢磨する組織風土を培い、学力、体力の向上や規範意識の醸成等の諸課題に対応できる教員を育成し、東京の教育の向上に努めてまいります。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 四点のご質問にお答えいたします。
 初めに、木造住宅密集地域における特定整備路線の取り組みについてでございますが、特定整備路線は、震災時に特に甚大な被害が想定される約七千ヘクタールの整備地域の防災性向上を図る都施行の都市計画道路でございます。
 都は、六月に、延焼遮断など大きな整備効果が見込まれる新設道路など、二十三区間、延長約二十三キロメートルを特定整備路線の候補区間として公表いたしました。また、一定の道路幅員が確保されている概成区間などについても、現在、詳細に整備効果の検証を進めており、来月にはすべての候補区間を公表いたします。
 さらに、関係権利者の生活再建に向けたサポート体制の充実や移転先の確保など、特別の支援策について制度案を年内に示すとともに、事業化に向けた準備として測量などを進め、関係権利者の意向確認を開始いたします。
 今後とも、地元区との連携を図るとともに、国に対し財源の確保を強く求め、燃え広がらないまちの実現に向け、命を守る道となる特定整備路線の整備に、全庁を挙げ、全力で取り組んでまいります。
 次に、外環整備の取り組みについてでございますが、外環は、首都東京の交通渋滞解消のみならず、首都圏の陸海空の要衝を結ぶ重要な幹線道路でございます。さらに、切迫する首都直下地震や東海地震に備え、日本の東西交通の分断を防ぎ、広く国民の生命、財産を守る、まさに命の道であります。一刻も早く完成させなければなりません。
 そこで、都は、東名ジャンクションにおいて、今月五日に、事業主体である国、東日本高速道路株式会社及び中日本高速道路株式会社とともに着工式を開催し、初めての本体工事であるシールドトンネルの立て坑工事を着手させました。
 都は引き続き、大泉ジャンクション地域の用地取得を全力で推進するとともに、関越道から東名高速までの二〇二〇年夏の開通に向け、必要な事業費を確保し、スピード感を持って事業に取り組むよう、国など事業主体に強く働きかけてまいります。
 次に、多摩地域の南北主要五路線における未着手区間の今後の取り組みについてでございますが、多摩地域において、震災時の救援、救助活動や消火活動をより迅速に行い、早期の復旧を可能とするためには、南北主要五路線を初めとした骨格幹線道路ネットワークの形成が重要でございます。
 これら五路線については、約九割が完成または事業中であり、八王子村山線は既に全線で開通し、府中清瀬線と調布保谷線では、全線開通に向け、鋭意事業を進めております。
 残る二路線の未着手区間のうち、府中所沢鎌倉街道線の小平区間では、測量を着実に進め、平成二十五年度に事業化いたします。同路線の東村山区間では、交差する西武新宿線の連続立体交差事業に来年度着手するなど、早期事業化に取り組んでまいります。
 また、立川東大和線の立川─国立区間では、鉄道との交差などが事業化に向けた課題であり、JR南武線矢川駅から立川駅間について、鉄道立体化の事業候補区間に位置づけ、検討を進めてまいります。
 今後とも、地元市と連携しながら骨格幹線道路ネットワークを形成し、防災力の向上と交通の円滑化、都市間の連携強化を図り、多摩地域の魅力と活力を高めてまいります。
 最後に、地震、津波に対する堤防などの新たな耐震対策についてでございますが、想定される最大級の地震に対し、河川施設の耐震性について調査を行ったところ、水門や堤防の一部が損傷し、満潮時に津波が重なった場合に浸水する可能性があるのは、堤防の調査地点の約三割であることがわかりました。
 そこで、都は、最大級の地震時にも浸水を防止することを目標とする基本方針を八月に取りまとめ、ゼロメートル地帯など優先度を考慮して、対策の必要な堤防、水門、ポンプ所等を補強し、耐震性を強化することといたしました。
 引き続き、整備計画を年内に策定し、事業の対象区間などを示すとともに、損傷すれば被害の大きい隅田川の大島川水門など、四水門の設計に直ちに着手いたします。
 今後とも、安全で安心な都市東京の実現に向け、財源の確保に努めるとともに、国とも連携して、全力を挙げて耐震対策に取り組んでまいります。
   〔知事本局長前田信弘君登壇〕

〇知事本局長(前田信弘君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、アジア大都市ネットワーク21についてでありますが、これまでアジアの十一都市の連携により、中小型ジェット旅客機の開発促進、危機管理ネットワーク、感染症対策プロジェクトなどの共同事業を推進し、大都市に共通する課題の解決に取り組んでまいりました。
 この間、アジアの経済発展は広がりを見せており、豊かな天然資源を有し、高い成長が見込まれるアジア内陸部の重要性も増しております。
 こうした中、六月に開催されたシンガポール総会におきまして、アジアの内陸に位置するモンゴルのウランバートル市とロシアのトムスク州が新たに加入し、ネットワークは十三都市に拡充されました。
 現在、ウランバートルが、今年度の職員能力向上プログラム、水道事業研修への参加を決定し、また、トムスクが研究都市としての実績を生かした若者の交流育成プログラムを共同事業として提案するなど、いずれも会員都市として具体的な取り組みを開始しております。
 今後とも、アジアにおける大都市間の連携を拡充しながら、地球温暖化、新興感染症、経済交流などの広域化する課題や、都市が単独では解決できない困難な問題にも共同で取り組み、その成果をアジアの一層の発展につなげ、人々の生活の向上と平和にも貢献してまいります。
 次に、東京大気汚染訴訟の和解に基づく医療費助成制度についてであります。
 本制度は、一定の要件を満たす都内のすべての気管支ぜんそく患者の方々に助成を行うものであり、都、国、首都高速道路株式会社、自動車メーカー七社の負担により運営しております。
 和解条項に基づく制度見直しにつきましては、来年八月以降に、施行時期も含めさまざまな視点から検討してまいりますが、とりわけ二つの大きな課題がございます。
 一つは、大気汚染対策に責任を持つべき国が、健康被害に対する総合的な救済策をいまだ講じていないことであり、もう一つは、関係者からの財源の拠出について、現状、必ずしも十分でない上、制度継続に必要な追加拠出への理解も得られていないことであります。
 これらの課題を残したまま、都の負担のみでの制度継続はできませんことから、引き続き国や関係者に対して強く解決を求めてまいります。
 なお、現に助成を受けている患者の方々につきましては、見直し内容が決まるまでの間に急な影響が生じないよう必要な措置を検討してまいります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 九点のご質問にお答えをいたします。
 まず、新たな多摩のビジョンについてでございますが、今回のビジョンは、人口減少社会の到来や近年の大規模工場の撤退など、多摩地域を取り巻く社会環境の大きな変化を踏まえ、二〇三〇年ごろを念頭に入れた多摩地域の目指すべき姿や方向性を示していくものであります。
 また、本ビジョンは、行政はもとより、地域の民間企業やNPOなど多様な主体においても、今後の活動指針として活用されることを目指しております。
 このため、策定に当たりましては、各市町村との意見交換に加え、市町村のシンクタンクであります公益財団法人東京市町村自治調査会と十分に連携を図り、知見を活用するとともに、多摩地域で活動を展開している民間企業やまちづくり等に精通した有識者などからヒアリングを行い、その結果をビジョンに反映させてまいります。
 これらの取り組みにより、多様な視点を取り入れ、多摩の持つ魅力、特色を最大限に生かした新たなビジョンを、今年度中を目途に策定してまいります。
 次いで、地域防災計画の修正についてでございますが、大震災による被害から一人でも多くの命を救うためには、都を初めとする防災機関による公助の取り組みはもとより、都民による自助、共助を推進する必要があります。
 このため、今回の地域防災計画の修正素案では、これまでの計画と異なり、自助、共助、公助それぞれの取り組みの強化に向け、対策における現在の到達状況や、新たな被害想定を踏まえた課題、今後の到達目標などを明確にし、わかりやすく示したところであります。
 今後、さらに、都民目線に立って、地域防災計画の修正の趣旨や都のさまざまな取り組み、災害時要援護者への対応等を盛り込んだ概要版を作成してまいります。
 こうした取り組みにより、防災対策全般を周知し、都民の理解を深め、自助、共助の具体的な行動につなげてまいります。
 次いで、地域の自主的な防災活動への支援についてでございますが、自助、共助の取り組みを推進するためには、その主たる担い手である町会、自治会が意欲的に防災活動を展開していくことが不可欠でございます。
 都はこれまで、地域の防災リーダーの育成研修を行ってきましたが、地域での防災活動をさらに後押しするためには、意欲ある団体に活動の契機となる場を提供することも有効でございます。
 このため、新たに、希望する町会、自治会等に防災活動の専門家を派遣し、地域の防災マニュアル作成など防災活動の基礎的なノウハウを身につける学習会への支援を開始いたします。
 町会、自治会のこうした自主的な取り組みへの支援を積極的に行うことで、地域の防災活動のすそ野を広げてまいります。
 次いで、東京防災隣組の充実に向けた取り組みでございますが、都は本年三月、三十六の町会、自治会等を、地域防災の中核を担う東京防災隣組として初めて認定したところでありますが、地域の自助、共助の取り組みを一層活発にしていくためには、認定団体の増加を図るとともに、活動のさらなる向上に向けた支援が必要であります。
 このため、本年十一月に第二回の募集を開始し、地域の実情に通じた区市町村とも十分に連携して、年度内に認定を行ってまいります。
 また、認定団体における防災活動のより一層の充実を支援するため、専門的な見地からアドバイスを行う仕組みについても検討してまいります。
 東京防災隣組の量と質の両面からの充実を通じて、地域防災力の着実な向上を図ってまいります。
 次いで、消防団についてでございますが、東京湾北部地震、多摩直下地震などの災害に備えるためには、地域の防災のかなめであります消防団が円滑に活動できるよう、人材確保や装備など、多面的な環境整備が必要であります。
 また、ご指摘の多摩・島しょ地域の消防団の活動状況について確認いたしましたところ、団員の安全確保のための装備や、大規模地震の際に必要となる救出、救助用の資器材の装備に課題も見られるところであります。
 このため、消防団の人材確保に向けて、東京消防庁と連携した都内全域における幅広いPR活動など、広域的な視点から都が早急に行うべき対策について検討を進め、こうした状況の改善に取り組んでまいります。
 次いで、一時滞在施設の確保策についてでございますが、首都直下地震の発生時には、企業による一斉帰宅の抑制を徹底したとしても、平日の昼間に、買い物客など行き場のない方々を中心に、およそ九十万人を超える帰宅困難者が発生するおそれがございます。
 こうした状況を受け、先般の帰宅困難者等対策協議会最終報告では、各事業者に、従業員用に加え、外部の帰宅困難者のために一〇%余分の備蓄を推奨することが盛り込まれております。
 さらに、帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設を、民間施設も含め幅広く確保し、行政は必要な支援策を講じることとしております。
 そのため、都は、率先して都立施設等を全面的に活用し、およそ七万人の帰宅困難者を受け入れる体制を整備するとともに、民間事業者の協力が得られるよう、負担を軽減するための効果的な支援策を盛り込んだ実施計画を、本年十一月を目途に策定してまいります。官民を挙げた取り組みにより、一時滞在施設の拡充を図ってまいります。
 次いで、初動時の情報通信の確保についてでございますが、防災機関同士の連絡、都民への情報提供、都民相互の安全、安否確認など、発災時の対応を迅速確実に行うためには、情報通信の確保が不可欠であります。
 都はこれまで、防災機関との連携を確保するため、防災行政無線網の大容量化や、災害情報システムの機能強化を図ってまいりました。
 さらに、来月からは、初動時の対応を担う業界団体に、初めて業務用無線機を配備してまいります。
 また、都民への的確な情報提供に向け、従来の防災ホームページに加え、区市町村とも連携して、エリアメールやツイッターなど複数の情報提供ツールを活用してまいります。
 さらに、都民同士の通信の確保策として、一時滞在施設への特設公衆電話の整備を進めるほか、無線LAN等の整備についても検討してまいります。
 こうした多面的な取り組みにより、情報通信の確保を図り、発災時の対応に万全を期してまいります。
 次いで、都独自の南海トラフの被害想定についてでございますが、津波からの避難計画の策定等、具体的な対策を進める上で、島ごとの被害を想定することが不可欠であります。
 しかしながら、国が公表した南海トラフの巨大地震による被害想定では、島しょへの高い津波の到来は想定されているものの、各島の詳細な被害状況は示されておりません。
 このため、都は、南海トラフに関する独自の被害想定を行うこととし、先般、東京都防災会議の地震部会で検討に着手をいたしました。護岸など海岸の構造物や建物一棟ごとのデータに基づき、島の各地に到達する津波高を具体的に想定するとともに、浸水域や人的、物的被害を島ごとに検証してまいります。
 被害想定は来年春ごろまでに取りまとめ、島しょ町村に提供するなど、各島の津波対策を支援してまいります。
 次いで、最後になりますが、被災地支援についてでございますが、都はこれまで、警察、消防を合わせ、延べ三万人を超える職員を派遣してまいりましたが、今なお監理団体を含め百人を超える職員を中長期で派遣し、被災地を支えております。
 さらに、今般、被災地の本格復興に必要な技術者を確保するため、即戦力となる行政OBや民間経験者四十七人を任期つき職員として採用し、被災地に派遣いたしました。
 この任期つき職員を活用した取り組みは、被災地における技術系人材の不足から、都が全国に先駆けて実施したものでありますが、宮城県など被災自治体でも相次いで導入することとなり、都では、採用広報の協力、選考会場の提供等、できる限りのサポートを行ってまいります。
 また、風評被害に苦しむ福島の支援では、一大消費地である都として、その払拭に向けたキャンペーンを継続的に展開し、福島の観光地を広く紹介するとともに、県産品の流通、消費がより一層促進されるよう取り組んでまいります。
 引き続き都は、各局や関係機関と連携し、被災地のニーズに即した支援を的確に行うことを通じて、復旧、復興を全力で後押ししてまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、不燃化特区の取り組みについてでございますが、今回発表した先行実施地区につきましては、専門家活用による支援や建てかえ促進のためのインセンティブなど、木密地域の不燃化に向けた特別な支援策について、各区からさまざまな提案がございました。
 現在、区と緊密な連携を図りながら、地区ごとに整備プログラムの作成を始めたところでございまして、この作業を踏まえて、地域の実情に合った不燃化特区の制度案を取りまとめ、来年度当初から事業をスタートさせてまいります。
 こうした取り組みを通じまして、区が主体的に取り組む環境を整え、各区の積極的な取り組みを促し、都も全庁の連携体制を組み、延焼による焼失ゼロの目安である不燃領域率七〇%の実現を目指してまいります。
 次に、空き家の有効活用についてでございますが、防災上の課題や少子高齢化に伴い多様化する都民の居住ニーズ等への対応のため、空き家を積極的に活用することは重要であると認識しております。
 今年度実施する空き家活用モデル事業は、木造住宅密集地域内の従前居住者の移転先や、新しい住まい方である高齢者等の共同居住に活用することによりまして、空き家の利活用方策の可能性を検証するものでございます。
 また、現在、既存住宅の流通促進に向け、消費者や業界等の意見を聞きながら、流通を阻害している要因などについて、広範かつ総合的な調査を行っております。
 今後、こうした取り組みの結果なども踏まえ、時代に即した良質な住宅ストックが供給されるよう、空き家活用の促進に取り組んでまいります。
   〔水道局長増子敦君登壇〕

〇水道局長(増子敦君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、安定給水の確保に向けた備えのあり方についてであります。
 首都圏の一人当たりのダム貯水量は、ニューヨークの十分の一、ソウルの十三分の一程度と、海外の都市と比較して少ない状況にあります。
 利根川水系では、八月の少雨により、ダム貯水量が低下し、取水制限が実施されたことから、改めて首都圏のダムの貯水容量が不足していることを確認いたしました。
 こうした状況や、世界各地の干ばつや豪雨といった異常気象、さらには気候変動による影響を踏まえますと、建設中の八ッ場ダムの一刻も早い完成が必要と考えております。
 今後、渇水や災害などのリスクに十分対応していくには、安定した水源の確保はもとより、都が保有する多様な水源の有効活用や漏水防止対策などに取り組み、これにより将来にわたる安定給水を確保してまいります。
 次に、水道管路の耐震化についてであります。
 水道局では、震災対策を最重要課題の一つに掲げ、抜け出し防止機能を有する耐震継ぎ手管への全面的な取りかえを精力的に進めております。
 しかし、さきの大震災や今回の都の被害想定を踏まえますと、これまでの耐震化事業をより効果的に推進していく必要があります。
 このため、避難所や主要な駅への供給ルートの優先的な耐震化を図るとともに、被害想定の見直しを考慮した重点的な施策を展開してまいります。
 また、地域防災計画で示した発災後の復旧日数としている三十日を、十年後には大幅に短縮することを目指してまいります。
 こうした取り組みを具体的にしていくため、新たな耐震継ぎ手化十カ年事業を早急に検討してまいります。
 最後に、水道施設の更新についてであります。
 都の浄水場は、高度経済成長期の急増する水道需要に対応するため整備してきたことから、今後、一斉に更新期を迎えます。中でも、二百五十万人の給水を担う金町浄水場は、建設後約五十年を経過し、更新を迫られております。しかし、更新中には浄水能力が低下することから、あらかじめこれを補うことが必要になっております。
 このため、立地条件や整備コスト等の観点から、近接している三郷浄水場に、日量五十万立方メートル規模の代替施設を増強整備することとし、今年度内に基本設計に着手いたします。
 この代替施設の完成後は、金町浄水場の更新に着手し、工事が完了後、そのほかの浄水場におきましても、順次更新を進めるなど、全体の浄水能力が低下しないよう更新を行ってまいります。
   〔下水道局長小川健一君登壇〕

〇下水道局長(小川健一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、下水道管の耐震化の取り組みについてでございますが、これまで大規模地震時に被害を受けやすい下水道管とマンホールの接続部を柔軟性のある構造に変更し、耐震性の向上を図る取り組みを進めてまいりました。
 避難所や災害拠点病院などから優先的に対策を実施しており、昨年度までに、対象とする約二千五百カ所のうち約八割を完了し、残りの箇所につきましても計画を二年前倒しし、来年度完了の予定となっております。
 今後は、東日本大震災の状況を踏まえ、対策を拡大してまいります。具体的には、一日当たりの乗客数が十万人以上の大規模なターミナル駅約四十カ所や、災害復旧の拠点となる国、都、区の庁舎など約一千カ所へと対象を拡大いたします。
 また、発災時に多くの人がとどまる地区内残留地区におきましても、優先度を定めて対策を実施してまいります。
 このような下水道管の耐震化の対象の拡大により、大規模地震による被害を最小限にとどめるとともに、全国的な支援体制をさらに強化するなど、応急復旧期間の短縮に努めてまいります。
 今後とも、下水道管の耐震化を着実に進め、震災時の下水道機能の確保に万全を期してまいります。
 次に、下水道の基幹施設であるポンプ所や水再生センターの耐震、耐水化の取り組みについてでございます。
 技術検証委員会の提言を受け策定した基本方針に基づき、耐震、耐水性のレベルアップを図ることとし、年内に優先度を考慮した整備計画を策定し、緊急性の高い施設は今年度から対策を実施してまいります。
 まず、耐震対策については、水をくみ上げる揚水、簡易処理及び消毒などの震災時においても下水道が必ず確保すべき機能を担う施設を対象に、計画的に推進してまいります。
 また、耐水対策につきましては、東京都防災会議で示された最大津波高さに対し、電気設備などが浸水しないよう、出入り口や換気装置など開口部からの水の浸入を防止する措置などを講じてまいります。
 また、津波の下水道管内への逆流を防止する高潮防潮扉の操作につきましても、ポンプ所等の遠方監視制御のため、下水道管内に敷設した八百キロに及ぶ光ファイバーネットワークを活用するなど、閉鎖の迅速化、自動化を図ってまいります。
 今後とも、下水道施設の耐震、耐水対策を着実に推進し、高度防災都市づくりに貢献してまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) 東京港の海岸保全施設における地震、津波対策についてでございますが、都はこれまで、現行の整備計画に基づき、従来想定されていた首都直下地震等を対象として、水門の耐震性の強化に取り組んでまいりました。また、昨年の大震災を踏まえ、緊急時のバックアップ機能を強化することとし、既に第二の高潮対策センターの整備に向けた調査設計に取り組んでおります。
 先般の東京都防災会議による新たな被害想定では、津波に対しては、現行の防潮堤の高さで対応可能ですが、想定地震の規模が従前より大きくなるなど、施設の耐震性の強化が課題となっております。
 そのため、今後は、被害想定で示された最大級の地震に対する防潮堤等の耐震性の確認を進め、対策を強化してまいります。さらに、水門等の電気、機械設備が、万が一、浸水する事態にも備え、耐水対策を検討いたします。
 これらの取り組みを年内に行う現行計画の見直しに反映し、一層の防災力の強化を図ってまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 三点のご質問でございます。
 まず、災害廃棄物の広域処理についてでございますが、都は、被災地の早期復興を支援するため、全国に先駆けて災害廃棄物の受け入れを開始しましたが、六月末に岩手県宮古市の処理を終えまして、現在、宮城県女川町、石巻市、岩手県大槌町の受け入れを進めております。
 女川町では、山積みになっておりました災害廃棄物の処理が進み、今週末には復興まちづくり事業の着工式が開かれるなど、再建への歩みが始まっております。
 また、都が災害廃棄物の広域処理の実例を示したことによりまして、モデル事例として他の自治体からの視察が行われるなど、都以外の九県における広域処理の促進にも寄与してまいりました。
 都は、今年度末までには十三万トンの災害廃棄物の処理を行う予定でございます。また、既に来年度分の受託先と受託量につきましても、岩手、宮城両県と協議を進めております。
 引き続き、都内区市町村や民間処理業者との連携協力のもと、災害廃棄物の受け入れ処理を積極的に進めてまいります。
 次に、この夏の省エネ、節電の成果と今後の効率的なエネルギー利用への誘導についてでございますが、ことしの夏、東京では、照明の照度の見直しや室温管理の適正化、電力使用量の見える化など、無理なく長続きできる賢い節電の促進に努めてまいりました。
 その結果、昨年の夏に実施されましたような夜間操業や休日の勤務、エレベーターの使用停止など、負担の大きな取り組みを実施しない中でも、東京電力管内のこの夏の最大電力は、震災前の平成二十二年夏に比べ、平均八百八十万キロワット減となり、約一七%の大幅な削減が実現されました。
 この削減実績は、平均気温が約一・三度低かったことを考慮しましても、賢い節電が確実に定着しつつあることを示すものと認識しております。
 今後とも、都は、省エネ・エネルギーマネジメント推進方針に基づきまして、この夏のすぐれた節電の取り組み事例を広く普及するなど、むだを排除しつつ、都市の魅力や快適性を損なわない賢い節電の実践を誘導し、東京のエネルギー利用効率を最大限に高めてまいります。
 最後に、省エネ・エネルギーマネジメント推進方針及び緑施策の新展開の具体化についてでございますが、世界の都市間競争の中で、東京が人と企業に選択される都市であり続けるためには、少ないエネルギー消費で効率的に事業活動を展開できるとともに、豊かな緑環境の中で快適に生活できる魅力ある都市であることが求められます。
 このため、まず、東京のオフィスビル等が省エネ性能を高めつつ、知的生産の場として快適なものとなるように、エネルギー需給の最適な制御を可能とする仕組みを普及するとともに、新たな都市開発におきましては、最先端のグリーンビルディングの開発を促進してまいります。
 また、豊かな都市環境の創出に向けましては、都市公園などの大規模緑地との連続性を考慮しながら、公共施設などの緑化を進め、生態系に配慮した緑のネットワークの形成を図ってまいります。
 その際、特にエノキ、ミズキなどの郷土種による植栽を行い、以前生息しておりましたモズ、コゲラを初めとする鳥類を呼び戻すことなど、生物の生息空間の拡充に向けた取り組みを進め、自然の息づく都市づくりを促進してまいります。
 こうした取り組みによりまして、高いエネルギーの利用効率の達成と快適性の確保が両立する東京を実現し、その姿を世界にも発信してまいります。
   〔産業労働局長中西充君登壇〕

〇産業労働局長(中西充君) 九点のご質問にお答えいたします。
 まず、中小企業の節電に対する支援についてでございますが、ご指摘のとおり、中小製造業などが電気料金の値上げに伴う生産コストの上昇に対して、操業を続けながら電気の使用量を抑制する節電に取り組むことは重要でございます。
 都はこれまで、中小企業振興公社に基金を造成し、中小企業が電力の確保と有効利用を図るため、蓄電池や電気の使用状況を監視する機器などを導入する場合に、必要経費の一部を助成するなどの支援を行ってまいりました。
 電気料金の負担が経営に継続的な影響を及ぼすことが懸念される中、都は、中小企業が節電の取り組みをより一層効果的に進めることができるよう、今後の支援のあり方について検討してまいります。
 次に、金融円滑化法終了後の相談体制についてでございますが、経営状況が悪化した中小企業が経営の見直しを進めていく際に、豊富な知見やノウハウを持った外部の専門家が助言などを行うことは極めて重要です。
 中小企業振興公社では、中小企業診断士や会計士などの専門家が窓口で相談に対応するとともに、企業の求めに応じて継続的に会社を訪問し、直面する課題の解決や経営再建の方針づくりに向けたアドバイス等を行う事業を実施しております。
 金融円滑化法が終了した場合、中小企業を取り巻く経営環境がより一層厳しくなることが想定されます。今後、こうした状況を的確に把握しながら、経営改善に取り組む企業の要望に十分対応するための相談体制など、質と量の両面から今後の支援の強化について検討してまいります。
 次に、中小企業の資金繰り支援についてでございます。
 都の制度融資では、これまで国のセーフティーネット保証に対応した融資メニューである経営セーフにより、業況が悪化している中小企業を支援してまいりました。しかしながら、国の措置により、十一月以降は全体の約四割に当たる業種が対象外とされ、多くの事業者がこの制度を利用できなくなります。
 都といたしましては、こうした中小企業の資金繰りを支えるため、都独自のセーフティーネット融資メニューである経営一般の融資条件を緩和し、リーマンショック以前と比べて売り上げが減少している企業も対象に加え、幅広い利用を可能にするとともに、引き続き、小規模企業者に対する保証料の二分の一補助を行います。
 さらに、地域の金融機関と連携した新保証つき融資においても、国の業種絞り込みに先行し、十月から取扱金融機関を拡大するほか、今年度末までの特別措置として保証料率の引き下げを実施いたします。
 こうした取り組みを着実に進めるとともに、中小企業に対する的確な周知を図るなど、資金繰り支援に万全を期してまいります。
 次に、中小企業の販路開拓支援についてでございますが、売上高の減少に苦しむ中小企業にとって、新しい販路の開拓は喫緊の課題であり、新たな受注機会の確保に向けた取り組みを支援していくことは大変重要でございます。
 こうした考え方から、目指せ中小企業経営力強化事業では、平成二十二、二十三年度の二年間で六百四十件の展示会出展等に対する助成を実施し、中小企業の新規成約や売上高の増加に寄与してまいりました。
 しかしながら、円高等の影響を受けて、さらなる受注減少に悩む企業は多く、本事業の拡充により一層の支援を行うことが必要となっております。都といたしましては、今年度中の対応も視野に入れ、速やかに検討してまいります。
 次に、多摩地域の産業活性化についてでございますが、高度な技術を有する多摩地域の中小企業が大学や公的機関に加え、金融機関とも連携してすぐれた製品を生み出すことは重要な取り組みでございます。
 このため、都は、平成二十一年度より、都市機能活用型産業振興プロジェクト推進事業により、産学公金のネットワークをつくり、新製品の共同開発の立ち上げから実用化までを支援してまいりました。現在、参加団体は七百三十となり、製品開発の取り組みのうち、センサー技術を活用した介護施設での見守りシステムについては既に受注を獲得するなど、成果があらわれ始めております。
 今後、売り上げを伸ばすための支援の充実など、具体的な成果をふやすことのできる支援策を検討し、多摩地域の産業の持続的発展に向けた取り組みを着実に進めてまいります。
 次に、海外での知的財産の保護などについてでございますが、中小企業による海外への進出や外国との取引が活発となる中、自社のすぐれた技術等を知的財産として保護し、その権利をもとに事業を優位に進めることは重要でございます。
 東京都知的財産総合センターでは、海外の知的財産制度に精通した専門家による相談や、外国特許出願等の経費の助成など、海外展開を図る中小企業の支援に取り組んでまいりました。
 お話のとおり、海外での知的財産をめぐる訴訟などのリスクは高まっており、海外で広く事業展開を目指す中小企業にとって、実用新案に係る権利行使への対策や、各国での知的財産の維持等も負担となっております。こうした現状を踏まえ、より効果的な支援のあり方について今後検討してまいります。
 次に、中小企業の成長に資する金融支援についてでございます。
 都内中小企業の国際競争力を強化するためには、創業や成長分野への重点的な支援が重要です。また、国際戦略総合特区の取り組みとも連動し、東京に進出した外国企業と都内中小企業が刺激し合い、技術やサービスの活性化を図ることも期待されています。
 都は、成長の途上にある中小企業の資金ニーズにこたえるため、制度融資では、健康、環境、安全等の重点産業分野において、先端的な技術、製品の開発に取り組む企業を支援する産業力強化融資を実施しております。
 さらに、成長分野の創業間もない企業を支援するため、民間事業者の出資を得て、今年度、新たにベンチャーファンドを創設いたします。
 これらに加え、重点産業分野や新たな事業展開に取り組む企業を支援する金融支援策のあり方について検討し、成長性ある中小企業の資金繰り支援に今後も着実に取り組んでまいります。
 次に、都市農業の振興についてでございます。
 まず、経営面では、大消費地に近いなど、東京農業が持つメリットを生かしていくことが重要です。そのため、都は、都市農業経営パワーアップ事業を実施し、施設整備への経費補助や経営コンサルタント等の専門家派遣により、意欲ある農業者を支援しております。
 また、農地は生産基盤であると同時に、貴重な都市の緑地空間として防災や潤いの提供など、都民生活にとって多様な役割を果たしています。
 そこで、都は、農地を生かしたまちづくりに積極的に取り組む区市に対し、ソフト、ハードの両面から支援を行い、農地保全に取り組んでおります。
 今後とも、経営力の向上を目指す農業者をより幅広く支援するとともに、都市農地保全の取り組みを都内各地に定着させるなど、都市農業の一層の振興に努めてまいります。
 最後に、若者に対する就業支援についてでございます。
 厳しい雇用環境に置かれた若者を人材確保に意欲的な中小企業の採用に結びつけていくことは重要でございます。
 このため、都は、二十三年度からは、研修と就労体験を組み合わせた未就職卒業者緊急就職サポート事業を開始し、さらに今年度は、成長産業分野に若者の就業を促す重点産業分野就業支援プログラムを実施するなど、重層的な支援策を講じてまいりました。
 これらの事業で活用してきた国の交付金を原資とする基金は、来年度から当該事業の財源として充当できないこととされているため、事業の重要性を踏まえ、都は国に対し、基金を活用した事業継続が可能となるよう、期間の延長措置や追加財源交付などを強く要望してまいりました。
 引き続き、国に対し強力に働きかけを行っていくとともに、今後の若年者就業対策のあり方について多面的に検討を進めてまいります。
   〔中央卸売市場長塚本直之君登壇〕

〇中央卸売市場長(塚本直之君) 豊洲新市場の整備についてでございますが、豊洲新市場は、流通環境の変化や消費者ニーズの多様化など、時代の要請に適応した首都圏の基幹市場とするとともに、国際的にも通用する市場を目指してまいります。
 このため、高度な品質、衛生管理を実現する閉鎖型施設や、効率的な物流を可能とする十分な駐車場、荷さばき場などハード面の整備が重要でございます。また、適切な衛生管理や物流における情報技術の活用など、ソフト面の対策もあわせて実施していくことも必要であります。
 まずは、土壌汚染対策工事を都民や市場関係者の理解と信頼を得ながら確実に実施し、食の安全・安心に万全を期してまいります。
 加えて、平成二十六年度中の開場に向けて、今後とも市場関係者の意見を十分に聞き、新市場の整備を着実に進めてまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京都がん対策推進計画の改定についてですが、都は現在、専門医、医療関係団体、区市町村、患者団体等で構成する東京都がん対策推進協議会の下に三つの専門部会を設け、改定作業を進めております。
 部会では課題ごとに議論を行っており、予防・早期発見・教育検討部会では、生活習慣の改善、検診受診率の向上、医療・緩和ケア検討部会では、医療水準の一層の向上策、在宅療養体制の整備、小児がんへの総合的な対策、相談・情報検討部会では、就労を含めた患者、家族が抱える社会的問題への相談支援体制の充実などが主な課題となっております。
 年内には協議会で議論を取りまとめる予定であり、都民の意見も広く求めながら、都の特性を十分に踏まえ、総合的で実効性のある新たな計画を策定してまいります。
 次に、東京都健康推進プラン21の改定についてですが、都はこれまで、平成十三年度に策定したこのプランに基づき、区市町村、医療保険者、保健医療や職域等の関係機関と連携しながら、がんや糖尿病の予防など、都民の健康づくりに積極的に取り組んでまいりました。
 次期計画は、こうした十年にわたる取り組みの成果や課題、都の特性などを踏まえて策定することとしており、現在、学識経験者や関係団体等の代表で構成する策定会議の下に四つの部会を設け、検討を進めているところでございます。
 計画では、健康寿命の延伸と健康格差の縮小を総合目標に、がんや糖尿病、心の健康など、分野別に新たな目標を定め、区市町村を初め各機関が取り組むべき事項も明記する考えであり、保健医療計画などとの整合性も図りながら、年内に改正素案を策定する予定でございます。
 次に、健康長寿医療センターの中期目標についてですが、センターは、病院と研究所が一体となった法人であり、都における高齢者医療と研究の拠点として、その成果を広く社会に還元する役割を担っております。
 こうした考え方に立って、今回、都が策定した第二期の中期目標案では、重点医療である血管病、高齢者がん、認知症の医療提供体制のより一層の充実、高齢者の在宅療養の支援、医療と研究の連携の推進などを柱として、がん治療における相談体制の整備や緩和ケアの実施、医療と介護を支える専門人材の育成、認知症の診断法や治療法の開発などの取り組みを盛り込んでおります。
 今回、センターは中期目標に基づき、具体的な取り組みを中期計画として取りまとめることとなっており、都としても、その策定を積極的に支援してまいります。
 次に、保育人材の確保と質の向上についてですが、保育ニーズの増加に対応するためには、お話のように保育サービスを拡充するとともに、サービスを支える人材を確保し、育成していくことが重要でございます。
 そのため、都は現在、保育士資格を持ちながら保育所に勤めていない、いわゆる潜在保育士を対象に、事業者の参加も得ながら、就職支援研修と就職相談会を一体的に実施するなど、人材の確保に努めております。
 また、人材を育成するため、認可、認証保育所等の職員を対象に、障害児保育やアレルギー対応等の専門性向上に向けた研修を実施する区市町村を支援しているところでございます。
 今後、こうした取り組みをより一層進めるとともに、区市町村や保育団体等と連携しながら、保育人材の確保、育成に向けた新たな方策を検討してまいります。
 次に、援助が必要な方のためのマークについてですが、義足や人工関節を使用している方、難病、内部障害、妊娠初期の方など、援助や配慮を必要としていることが外見からはわかりにくい方のために、都は現在、障害者団体やデザイン関係者等と意見交換を行いながら、統一的なマークを新たに作成しているところでございます。
 来月末から、まず、都営大江戸線の優先席に新しいマークを標示するとともに、必要な方が身につけられるように、デザインしたマークを大江戸線各駅で配布することとしており、来年度からは、都営地下鉄全線に順次拡大し、他の交通機関にも活用を働きかけてまいります。
 また、マークを多くの方に知っていただけるよう、ポスターを作成するほか、十二月の障害者週間など、さまざまな機会を通じて、広く都民への周知を図ってまいります。
 最後に、中等度難聴児に対する支援についてですが、お話のように、中等度難聴児は、幼児期から補聴器の使用などの適切な支援を行うことで、言葉のおくれなどを防止し、言語能力や生活能力等の向上が図られると期待されております。しかしながら、障害者自立支援法に基づき、補聴器購入の支援を受けることができるのは身体障害者手帳の対象となる重度の難聴に限られております。
 こうした中、自治体による中等度難聴児への独自の支援も始まっており、都が実施した調査によれば、平成二十四年八月時点で十二府県十政令市が補聴器購入費用の助成等を行っております。
 都としても、第二回定例会で補聴器購入助成に関する請願が全会派一致で採択されたことを踏まえ、中等度難聴児に対する支援を検討してまいります。
   〔病院経営本部長塚田祐次君登壇〕

〇病院経営本部長(塚田祐次君) 今後の都立病院改革の基本的考え方についてでありますが、これまで都立病院は、社会的要請から特に対策を講じなければならない医療を行政的医療と定義し、東京ERを初めとした救急医療や小児、周産期医療の強化など、良質な医療の確保に取り組んでまいりました。
 都立病院経営委員会の報告では、少子高齢化に伴い、急増する高齢者救急、複数の疾患を有する合併症医療、地域医療機関との協働や在宅医療支援など、新たな医療課題への対応も必要であるとされています。
 今後は、この報告を踏まえるとともに、これまでの都立病院改革のさまざまな取り組みを検証し、引き続き、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を核として、急速に変化する医療ニーズにも的確に対応できるよう、今年度中を目途に次期計画を策定いたします。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 私立高校の留学支援についてでありますが、都内の私立高校では、独自の教育理念に基づき、北米地域を中心とした英語圏に加え、アジアやヨーロッパへ多くの生徒を派遣するなど、既に約八割の学校が海外留学に取り組んでおります。
 都としては、こうした私立高校におけるこれまでの経験に基づいた個性ある取り組みを生かし、さらに充実を図っていくことが世界に通用する人材の育成に必要であると認識をしております。
 とりわけ、豊かな国際感覚の醸成や語学力の習得などに効果が高いとされる一定期間以上の留学を対象とした経済的支援を行い、生徒、保護者の費用負担の軽減を図るなど、学校が留学に取り組みやすい環境を整えることが重要であります。
 今後、私立高校における留学制度の充実に向け、学校関係者との意見交換をさらに積み重ね、より効果的な支援制度の構築を図ってまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、ロンドン・オリンピック・パラリンピックで参考になった点及び招致活動の成果についてでございます。
 本大会は、既存施設の最大限の活用や、大会後の地域での活用に配慮した施設設計など、大会のレガシーが考慮されたものでございました。また、パラリンピック大会では、継続的な事前の啓発活動によって、観客動員の面でも大きな成功をおさめておりました。
 こうした取り組みは、成熟した都市における大会開催のモデルとなるものでございまして、ここで得た貴重な情報やアドバイスを今後の開催計画作成に役立ててまいります。
 また、IOCホテルに隣接した場所にジャパンハウスを設置し、IOC委員等に対して直接、競技会場計画や東京の魅力と安全性をアピールするなど、積極的な国際招致活動を展開いたしました。
 今後は、ロンドン大会で得た知識やノウハウ、人脈等を活用いたしまして、招致をかち取るための戦略を練り上げてまいります。
 次に、支持率の向上についてでございます。
 ご指摘のとおり、IOCの調査時期を見据え、ロンドン大会による国内の盛り上がりを招致獲得に向けた機運高揚へと結びつけていくことが極めて重要でございます。
 今月、新たにスポーツ振興局のツイッターを開設し、特に若者への発信を強化いたしました。また、スポーツ博覧会や東京マラソンなど、局所管イベントはもちろん、全国都市緑化フェアTOKYOや産業交流展など、各局主催のイベントにおいても招致PR活動を積極的に展開をしてまいります。
 さらに、東京駅前など、都内各所への招致フラッグの設置を初め、新幹線やタクシーなどの交通機関への招致ロゴの掲出など、民間団体と連携するとともに、町会や自治会など地域の団体に協力をいただきながら、さまざまな手法で招致機運の醸成に努めてまいります。
 オリンピック・パラリンピック招致が夢と希望、震災からの復興、経済効果などにつながることを、あらゆる機会をとらえて都民、国民にわかりやすく訴え、国を挙げて東京への招致を必ずやかち取る決意でございます。
   〔交通局長中村靖君登壇〕

〇交通局長(中村靖君) 都営交通を活用したオリンピック・パラリンピック招致に向けたPR活動についてでございますが、交通局では、一日約三百万人のお客様が利用している地下鉄、バス、都電などを活用し、オリンピック・パラリンピック東京招致の支持率向上に向けて、各駅の構内や地下鉄、バスなどの車内にポスターの掲出を行ってまいりました。
 今後は、こうした取り組みに加えて、地下鉄に設置しているホームドアや全駅の改札機にステッカーの掲出を行うとともに、ラッピングバスの運行を行ってまいります。
 さらに、都電荒川線の日などのイベントのほか、スポーツ振興局と連携して、招致機運をさらに盛り上げるイベントを実施するなど、都営交通を活用したさまざまなPR活動に積極的に取り組んでまいります。

〇副議長(ともとし春久君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時二十五分休憩

   午後五時四十一分開議

〇副議長(ともとし春久君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 六十二番野上純子さん。
   〔六十二番野上純子君登壇〕

〇六十二番(野上純子君) 都議会公明党を代表し、知事、警視総監並びに関係局長に質問いたします。
 二十七年半の投獄にも耐え、人種差別を撤廃した南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領は、あらゆる人間の心の奥底には慈悲と寛容がある、肌の色や育ちや信仰の違う他人を憎むように生まれついた人間はいない、人は憎むことを学ぶのだ、そして、憎むことが学べるのなら、愛することだって学べるだろうと語っています。
 お互いの差異を認め合い、いじめのない社会を築いていくことは、人間の尊厳を打ち立てる人権闘争といえます。いじめは、人間の尊厳を踏みにじる精神的な拷問であり、心に深い傷を残します。
 今の日本は、大人社会の人権意識の低下が子ども社会にもかがみとして反映しています。いじめは最大の人権侵害です。社会全体でも時代風潮に流され、悪いことを悪いといい切れない弱さやあいまいさが見え隠れしている現代において、今ほど人権感覚を鍛え上げることが大事になっている時代はありません。
 人権意識の高揚に向けた知事の基本的認識について所見を伺います。
 次に、いじめ対策について質問します。
 最近のいじめの特徴は、集団で一人を寄ってたかって攻撃し、正義感でいじめていることを注意した子が今度はいじめられ、ターゲットが変わる傾向があります。
 いじめは、どの学校でも、どの学級でも起きているという危機感を共有することと、いじめは絶対に許さない、いじめる側が一〇〇%悪いとの共通認識が大事です。
 都内のすべての公立学校を対象にしたいじめの緊急調査で、いじめといじめの疑いを合わせて一万千五百七件。いじめの問題のすそ野はさらに広がる可能性があります。
 いじめについて、人権侵害という基準で早期に対応しなければなりません。そこで都は、緊急調査の結果等を踏まえて、有識者による会議を設置するなど、強力ないじめ対策を図るべきと考えます。見解を求めます。
 壮絶ないじめの渦中でいじめられている子は、親にも教師にもいわないというより、いえない状況があります。いじめる側も巧妙で、教師にわからないように執拗にいじめを繰り返しします。
 教師にちくるという行為により、いじめは一層陰湿になります。だからこそ、子どもの表情やクラスの変化を見抜き、いじめを教師が直接発見することが大事なのです。年齢や職務経験にかかわらず、子どものいじめを見逃さず、寄り添い、解決できる力をつけ、子どもを守れる教師集団としての取り組みが必要であると考えます。都の見解を求めます。
 いじめを克服した中学校の事例では、校長と担任が協力して、百八十人の生徒一軒一軒の家庭訪問を行い、保護者に対して、一世一代のラブレターをお子さんに書いてくださいと真剣に訴え、全員の手紙を集めて、臨海学校の夜に手渡ししました。子どもたちは愛情に満ちた手紙に感動し、涙したそうです。子どもの幸せのために、教師が力を合わせ、工夫し、真剣に取り組むことがいじめ解決に必要不可欠です。
 多忙な時間をこじあけて、家庭訪問等の対話を通じて、子どもと親や教師との信頼関係を深めることが重要であると考えますが、都の見解を求めます。
 次に、ネットから子どもたちを守る取り組みについて質問します。
 電子メールや携帯電話などの電子媒体を用いたネットいじめは、青少年の間で急速に広がっています。ブログやプロフ、ツイッターに悪口を書き込まれたり、成り済ましでにせ情報を流されたり、匿名性が高いため、第三者にも悪質な映像が広まり、被害者を精神的に傷つけます。サイバーリンチ、ネットリンチとも呼ばれ、過激で陰湿なネットいじめで自殺者も出ています。このような状況は断じて看過できません。
 都は、有害情報やにせ情報の削除を要請する権利も含めて、強制力を伴ったネット被害防止対策について確立すべきです。見解を求めます。
 いじめ問題は、あくまでも教育現場で解決することが大原則です。しかし、恐喝や暴行、傷害等、生命の危険が脅かされている場合には、警視庁と連携をとりながら対応する場合が生じてまいります。自殺に至るような悩みを抱えている被害者や保護者が直接警察等に相談できるハードルの低い仕組みが大切だと考えます。警視総監の所見を伺います。
 次に、緊急の課題である利根川渇水対策について質問します。
 八月初旬にはほぼ満水だった利根川上流八ダムの貯水量が、たった一カ月雨が少ないだけで四割を切るという異常事態に陥りました。この事態を受けて、東京都水道局を含む利根川水系渇水対策連絡協議会は、九月十一日、十一年ぶりに利根川水系の一○%の取水制限を行いました。
 このような状況を踏まえ、我が党は、今月十三日に利根川上流の八つのダムのうち、最大の貯水量を擁する矢木沢ダムを視察、貯水率は六・六%であり、湖底が露出しておりました。
 利根川上流のダムの利水容量は三億四千三百四十九万立方メートルもあるにもかかわらず、少し雨が降らないだけでも、あっという間に貯水量が減少してしまうことがわかりました。
 夏の需要期の初めに当たる七月にこのような状況が生じた場合には、取水制限が長期にわたり厳しい給水制限や断水のおそれ、場合によってはダムの貯水量が枯渇するような事態も起こり得ます。
 利根川水域の水不足は、それを利用する農家にも深刻な影響を与えています。稲作農家は、高温の時期は頻繁に水田の水を入れかえ、温度を下げて品質を確保する必要があり、水不足に神経をとがらせており、白菜なども土壌が乾いて種まきを見送っている状況です。
 きのうの夕方、取水制限の一時緩和が始まったとはいえ、必要なときに必要な水を確保することが極めて重要です。改めて八ッ場ダムの一刻も早い完成が必要だと実感いたしました。政権発足後に八ッ場ダムの建設を安易に中断させている民主党政権の無責任さに憤りを感じます。
 これまでにない異常気象が続く状況の中で、首都東京として都民の暮らしの安全・安心を支えるために、厳しい渇水の際にも安定給水を継続するための取り組みを進めていくべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、震災対策について質問します。
 公明党は、防災・減災ニューディール政策を掲げ、その推進基本法案を参議院に提出しています。橋や道路などの社会資本の長寿命化等に重点的に予算を投入し、むだな公共事業を排して、防災、減災対策を推進するものです。
 都が今月十二日に発表した東京都地域防災計画の見直し素案でも、応急活動拠点となる施設の耐震化やマンションの長寿命化の促進、さらには既存の防災拠点活用など、今ある社会資本ストックを防災対策に有効に活用する方向性が出されています。
 また、都議会公明党がこれまで提案してきた対策も随所に反映されており、例えば木造住宅密集地域の解消策、一斉帰宅を防ぐ帰宅困難者対策などの施策は、都民の命を守る事業として強く主張してきたものであります。
 首都直下地震の切迫性が指摘される中で大切なのは、地域防災計画の内容を着実に実行することです。そのためには、知事の強いリーダーシップが求められますが、新たな地域防災計画に基づく防災、減災対策の推進に向けて、石原知事の決意を伺います。
 見直し素案に沿って、幾つか質問いたします。
 まず、減災対策として、余り注目してこなかった道路や河川の護岸、港の岸壁の背後における空洞などの調査です。
 路面の空洞や陥没の発生は、道路であれば老朽化した下水管の破損や工事で埋め戻した砂の沈下、また、護岸などの背後の通路では、護岸に亀裂が生じている際、引き潮による内部土砂の流出現象が主な要因とされています。東日本大震災の際、被災地の各地で発生した道路の陥没なども、そうしたことが要因といわれています。
 さらに、震度五以上の強い揺れによって、路面の下の空洞化が一気に進むという指摘もあります。このような路面陥没を抑え、災害時の安全を確保するためには、都民の命を守るとりでとなる道路や護岸、岸壁の背後などの空洞化対策を検討すべきです。見解を求めます。
 都市基盤の分野では、特定緊急輸送道路沿道の建築物耐震化の推進も重要で、今後三年間で一〇〇%の耐震化という見直し素案に示された目標を達成するためには、さらなる取り組みが不可欠であります。
 そこで期待されるのは、社会貢献に応じて建築規制を緩和する総合設計の活用による容積率のアップなどのインセンティブやビル所有者への経営改善支援の活用促進です。
 都の総合設計制度は、緊急輸送道路沿道の場合、公開空地などの割り増しに加え、耐震強化の取り組みで最大八〇%の容積率の上乗せを可能としており、区部では延べ床面積一万平方メートルを超える沿道建築物に対して耐震化を促しています。
 しかし、緊急輸送道路沿道建築物の大半は一万平方メートル以下であるなど、その多くは区市の所管ですが、区市では耐震化の割り増しが制度化されていないところも多く、そもそも総合設計制度の活用事例が少ないという実態もあります。
 そこで、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を確実に進めていくため、広く区市全域において総合設計制度が活用されるべきと考えます。見解を求めます。
 さらに、テナント確保や事業経営など、特定緊急輸送道路沿道のビルオーナーの抱えるさまざまな課題についても対応を行うべきものと考えます。見解を求めます。
 また、都は我が党の求めにこたえて、本年七月、都営住宅耐震化整備プログラムを改定し、二○二○年度までに都営住宅を一〇〇%耐震化するという新たな目標を掲げました。
 しかし、耐震化を確実にスピードアップさせるためには、併存店舗つき都営住宅の耐震化が大きな課題です。都営住宅の一階部分に存在する店舗は、民間権利者が区分所有する仕組みになっており、耐震設計や耐震工事には必ず所有者としての費用負担が伴います。
 一方、併存店舗の多くは、景気低迷や大型店舗の進出、購買層の高齢化などから経営難に直面しており、耐震化の促進には新たな対策が必要です。
 そこで、一刻も早い耐震化が求められている緊急輸送道路沿道の併存店舗つき住棟について、所有者の費用負担の軽減に向けた検討を行うべきです。見解を求めます。
 次に、木密地域不燃化十年プロジェクトについて質問します。
 都は、最大の弱点である木密地域の解消に向けて、整備地域七千ヘクタールを対象として、二〇二〇年までに整備を完了する不燃化十年プロジェクトを立ち上げました。
 市街地の不燃化に向けて、都は八月に不燃化特区の先行実施地区の選定を、当初三地区程度としていたものを、応募した十二地区すべてを指定するよう我が党が要望した結果、すべてが指定されたことは評価いたします。
 次は、特別な支援制度を早期に取りまとめ、手厚い支援のもと、都と区が連携した整備を進めるとともに、東京全体の木密地域解消に向けて、十二地区以外にも拡大を図っていくべきであります。見解を求めます。
 また、延焼遮断帯を形成する特定路線については、六月に二十三の区間を選定しました。整備に当たっては、生活再建等のための特別な支援を実施とのことですが、その内容を早急に明らかにするとともに、二十三の区間以外の整備をどこまで拡充するのか、全体像を示すべきです。見解を求めます。
 次に、非構造部材の耐震化について質問します。
 民間の調査によると、東日本大震災では、大規模空間を有する建物の天井については、比較的新しい建物も含め脱落する被害が約二千件も発生したと報告されています。
 都議会公明党は、議会での質問や知事への申し入れで、避難所になる学校施設の非構造部材の耐震化を主張してきました。
 国が対策の基準を示さない中、区市町村が小中学校において独自に対策を進めることは限界があります。都立学校では現在、国に先駆けて、専門家を活用した非構造部材の耐震化の取り組みを行っています。
 そこで、現在の取り組み状況と今後の公立小中学校における都の支援策について見解を求めます。
 さらに、一時滞在施設の非構造部材を含めた耐震性確保を図ることも必要です。都の見解を求めます。
 次に、既存防災施設の有効活用について質問します。
 今回の地域防災計画修正素案には、都がこれまでに整備してきた亀戸・大島・小松川地区、白鬚東地区などの防災機能を有する施設を有効活用するため、貯水槽等の維持更新を適切に実施していく旨が盛り込まれました。
 ライフラインの耐震対策と同様に、備蓄倉庫や貯水槽など、防災機能を有する既存施設を維持更新して、発災時に最大限活用できるよう整備しておくことは、被害の拡大を防ぐとともに、復旧活動を助け、都市機能の回復を早めるためにとても重要です。
 そこで、老朽化が進む白鬚東防災拠点の都営住宅と民間マンションの地下に設置されている貯水槽については、給水拠点として活用できるため、早期に更新に着手すべきであります。見解を求めます。
 次に、女性の視点に立った防災対策について質問します。
 これまで都議会公明党が女性の視点の重要性を指摘し、都の取り組みを求めたのに対し、都は東京都防災会議の専門委員への女性委員の選任や被災地に派遣された都の女性職員によるワーキングチームを設け、具体的な検討を進めました。これにより、今般の地域防災計画の修正素案には、避難所運営や備蓄など個別対策にも女性の視点からの多くの記述が盛り込まれ、現場に即応した対策が講じられています。
 そこで、今後、この対策を一層推進していく必要があると考えますが、見解を求めます。
 今回の見直し素案で、特に女性や高齢者、災害時要援護者への配慮に関する支援内容が充実したのは、避難所運営についてであります。
 そこで、実際に避難所運営を担う区市町村の取り組みをさらに進めるため、都は区市町村向けの避難所管理運営の指針を見直し、女性や要援護者への具体的な配慮を盛り込むべきであります。見解を求めます。
 首都直下地震が発生した場合、帰宅困難者は東京で五百十七万人と推定されていることから、帰宅困難者対策は今後の地域防災計画の重要な項目となります。
 今回の見直し素案の作成に合わせ、首都直下地震帰宅困難者等対策協議会は、このほど事業者が取り組むべき事項をガイドラインにまとめました。今後は、このガイドラインの内容をいかに各企業や事業所の取り組みにつなげていくかが重要であります。
 そこで都は、来年四月の条例施行を前に、ガイドラインの浸透を図るため、事業者に対する出張説明会を行うなど、積極的に普及啓発を行うべきです。見解を求めます。
 次に、災害医療体制の強化について質問します。
 見直し素案では、主に重症者の収容、治療を行う災害拠点病院の活動と連携し、新たに中程度の傷病や容体の安定した重症者に対応する災害拠点連携病院の指定や専門医療や慢性疾患に対応する災害医療支援病院を指定するとしています。
 さらに、区市町村による緊急医療救護所の設置方針も示すなど、災害時の医療連携を重視していることが大きな特徴です。
 限られた医療資源を有効に活用するには効果的な仕組みではありますが、地震による負傷者は、拠点病院、連携病院、支援病院、緊急救護所にかかわらず、最寄りの医療機関に殺到し混乱する中で、負傷の程度に合わせた病院に振り分ける作業は困難をきわめると思われます。
 そこで、それぞれの役割を担った病院間の搬送体制を構築し、負傷者に備えるべきであります。見解を求めます。
 次に、被災地支援について質問します。
 原発事故の発生以来、いまだ被災地はさまざまな点で厳しく、とりわけ農水産物は風評被害が深刻で、出荷されても被災地名だけで買い控えられるという状況です。
 豊島市場では、市場から仕入れる小売業者に、市場お勧めのお店ですとうたったオリジナルなちょうちんを配布する方法で生産物の販売を支援しています。こうした取り組みは、被災地を支援するとともに、小売業者や市場の活性化につながり、多くの都民の抱える食の不安について安心を与えるきっかけになると考えます。
 そこで、地方市場を含む全市場において、小売を中心とする業界と都が協力することにより、これまで以上に風評被害を効果的に解消し、消費者に安心感を与える取り組みを進めるべきです。見解を求めます。
 被災地では、障害を持つ方々が現在もなお厳しい環境の中で、新たな希望を求めて奮闘を続けています。このような皆様に芸術文化に触れる機会を積極的に提供していくことが大きな心の励ましにつながります。
 都議会公明党は、聴覚障害者のため日本映画に字幕をつけることや、視覚障害者も映画館で鑑賞できる音声ガイドを推進してきました。その結果、東京国際映画祭を初めバリアフリー映画を上映する機会がふえ、昨年は東京都写真美術館でも上映が実現しました。映画の鑑賞を通じて、障害者が気軽に芸術文化に触れることが可能になりました。
 バリアフリー映画の上映については、企業が社会貢献活動の一環として推進している例もあり、民間を中心に行われています。
 被災地でのバリアフリー映画の上映に向けて、都は民間とも連携して、具体的な支援をしていくべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、再生可能エネルギーの拡大について質問します。
 都は、六年前に東京都再生可能エネルギー戦略を策定し、再生可能エネルギーを二〇二〇年、二〇%という高い目標を設定しています。
 再生可能エネルギーの利用を飛躍的に拡大するには、我が国の自然エネルギーのポテンシャルを最大限活用するために必要な国の実効性ある取り組みを要求するとともに、都として独自の取り組みを展開しながら、それらを戦略的、体系的に位置づけていく必要があります。
 これまで以上に再生可能エネルギーに対する期待が高まる中、都は、二〇%を概念的な目標に終わらせるのではなく、より具体的な姿を示すべきであります。見解を求めます。
 次に、ネガワットの推進について質問します。
 原発の停止により、全国的な電力需給の逼迫が懸念されたことしの夏、ネガワットという考え方が注目を集めました。ネガワットは、家庭における日ごろの省エネ、節電の蓄積が発電と同等の効果を生むという考え方です。
 本年の秋から冬にかけて古い火力発電所の点検が実施されることを考えると、さらなる省エネ、節電対策が求められます。都のネガワットについての考え方と、家庭における賢い節電についての具体的な施策について見解を求めます。
 次に、中小企業支援について質問します。
 都内中小企業は、長引く円高に加え、直面する電力料金の値上げ等が響き、景気の先行きの不透明感も相まって非常に厳しい状況となっています。
 こうした現状であるにもかかわらず、中小企業金融円滑化法は今年度末で終了とされている一方、国のいうソフトランディング策は一向に進んでいないといわざるを得ません。
 この問題に加え、八月末にはセーフティーネット保証の業種絞り込みが公表されました。これまで公明党が現場の声を国に届け、この保証制度を拡充してきました。
 都の制度融資メニューは、リーマンショック以降の極めて厳しい経営環境に直面した都内中小企業の資金繰りに大きな役割を果たしてきました。これまでは、業況が悪化している全業種の中小企業が利用できましたが、政府はこれを大幅に絞り込み、四割の業種について業況が改善したとして、切り捨ての決定をしました。
 中小企業の窮状を全く顧みることのない国の対応に大きな問題を感じますが、こうした事態の中で、業種絞り込みで資金繰りに支障を来す可能性のある中小企業に対し、都として支援策を講じるべきです。見解を求めます。
 また、中小企業者の資金調達に支障が生じないよう、このたびの業種絞り込みに伴う対応について、都内中小企業や関係機関に周知を図っていくべきと考えますが、見解を求めます。
 一方、東京商工会議所によれば、中小企業円滑化法による条件変更を利用した企業が作成することとなっている経営改善計画について、金融機関の半数が二割未満しか受け取っていないとしており、このままでは、中小零細企業などは融資の継続が打ち切られるのではないかとの心配が広がっています。こうした事態に、都は確実に対応策を講じておくべきです。
 また、経営の改善に当たっては、これまでの事業の大幅な見直しや事業転換など、思い切った取り組みも必要であり、あらゆる角度から計画的に会社の再建、将来を考えていくことが重要と考えます。
 こうした中、都では、中小企業に対し経験豊富な専門家が最大八回まで会社を訪問し、現場の実態に即したアドバイスを行う専門家派遣事業を実施しています。先日もそのアドバイスを受けた企業から、自分では気づかなかった会社の課題と解決に向けた懇切丁寧な助言をもらい、今後の事業展開の先が見えてきたとの高い評価がありました。
 このように、経営改善に効果を上げている経営相談事業を今後はさらに拡充していくべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、生活困窮者の自立支援について質問します。
 最近、就職難などから、生活保護を受ける事例が十年で約四倍に増加しているとのことであります。
 本来、就労可能者のセーフティーネットは生活保護制度に求めるべきではありません。終身雇用制度の崩壊が進む中、非正規就労者を対象とした雇用保険制度を整えるべきでありました。
 しかし、国は今も雇用のセーフティーネットとしての役割の多くを生活保護制度を通して区市の自立支援事業に担わせており、就職できないまま保護期間が長期化するなど、社会復帰が一層困難になっています。
 現在、国では生活保護法の改正に向け、地方などの意見を聴取していますが、就労可能であるにもかかわらず離職、失職する場合は、生活保護を受ける前に、いわゆる第二のセーフティーネットによる積極的な救済を受けられるよう、機能強化を図るべきと考えます。知事の所見を伺います。
 近年、都内の区市は、国事業を活用して就労支援員を配置し、自立支援の強化を図っています。足立区では、被保護者に限らず、ひきこもりや就労経験のない若者を対象に、相談員が利用者とペアになって、比較的労働負荷の軽い職場で一緒に働きながら、次第にステップアップを図っていく仕組みが効果を上げています。
 相談員が雇用主と利用者の間に立って緩衝材的な役割を果たし、利用者の心身のケアに配慮し、粘り強く労働意欲の向上を導き、昨年度は約八百人が就労、そのうち約二百人が正規職となるなど、目覚ましい結果が出ています。
 現在、自立支援を専門とする支援職員は就労支援員だけです。模擬的な就労の現場から社会復帰支援に取り組む制度など、自立支援の充実とメンタルケアの配慮も含めて、専門的に社会復帰支援を担う支援員制度の充実強化を国に求めるべきと考えます。
 あわせて、それまでの間、都独自の取り組みを一層充実させるべきと考えます。見解を求めます。
 次に、盲ろう者支援について質問します。
 先月、都議会公明党は盲ろう者支援センターを視察し、今後の課題を調査しました。
 石原知事の英断で、我が国初のヘレン・ケラー・センターともいうべき同センターが開設され三年になります。現在では、百名を超える盲ろう者が支援サービスとともにコミュニケーション手段を身につけ、生き生きと活動している様子に、改めてセンターの重要性を確認いたしました。
 しかし、都内に約二千人いるとされる盲ろう者のうち、センターにつながったのはわずか二十分の一で、いまだ支援につながらない多くの盲ろう者の方がいます。
 いうまでもなく、盲ろう者はその障害ゆえにみずから支援機関に出向いたり連絡することが困難であり、支援する機関やサービスの情報すら本人や家族に届かない状況です。
 東京盲ろう者友の会理事長の藤鹿一之さんは、ご自身の経験から、全盲ろうとなりコミュニケーション手段を失った、しかし、行政の職員が訪問してくださり、そのことで現在の自分があるとおっしゃっていました。
 都は、これまで以上に区市町村と連携を深め、盲ろう者や家族を直接訪問し、実効性のある支援につなげていくべきと考えます。見解を求めます。
 また現在、センターの支援につながった方々の多くは、都による盲ろう者通訳介助者派遣事業を利用して外出したり、コミュニケーションをとったりしています。私たちが訪問した際にも、通訳介助者の方が指点字によって盲ろう者の方とのかけ橋になってくださり、意見交換できました。
 今後は、より多くの盲ろう者が社会参加することになれば、それを支える高い技術を有した通訳介助者の存在がますます重要となります。
 そこで、通訳介助者のさらなる養成や待遇改善、派遣時間の拡充などを図るべきと考えますが、見解を求めます。
 また、多摩地域に盲ろう者を支援するセンターを設立することを強く要望しておきます。
 次に、東京大気汚染訴訟について質問します。
 平成十九年の訴訟和解を受け、医療費助成制度が新たに創設されました。この制度は都が提案し、医療費患者自己負担分を都、国、首都高、自動車メーカーが負担するという画期的な制度であると評価しております。
 訴訟の和解事項には、東京都は、本制度の創設後五年を経過した時点で検証の上、本制度の見直しを実施するとの文言が盛り込まれており、明年八月に制度創設満五年を迎えます。
 見直し時期まで一年を切り、患者団体の皆様からは、引き続きこの制度を継続してもらいたいとの要望が寄せられています。医療費助成制度創設に当たって先頭に立った都として、関係者に働きかけ、明年八月以降も制度が継続できるよう積極的に取り組んでいくべきであります。見解を求めます。
 次に、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック招致について質問します。
 まず、オリンピックで活躍し、日本じゅうに感動と勇気を与えてくれた選手をたたえた銀座でのパレードには五十万人の観衆が集まりました。このパレード直後の都内世論調査では、六六%の人が二○二○東京オリンピック開催を望んでいるとの調査結果でした。
 十二月から一月ごろ実施予定のIOCの全国世論調査に向けて、この支持率をいかに向上させるかが招致決定のかぎとなります。
 そこで、オリンピック・パラリンピックのメダリストなどの協力を得て、子どもたちを初め多くの国民が身近で触れ合えるような取り組みを全国に展開し、日本が一つになって、二○二○東京オリンピック・パラリンピック招致機運が醸成されるよう努めるべきですが、見解を求めます。
 また、日本を代表して活躍したパラリンピアンに対し、先だって行われたオリンピアン凱旋パレードと同様、国や都を挙げて感謝と称賛を届けるイベントを開催すべきと強く求めますが、見解を求めます。
 次に、アスリートへの支援策であります。
 公明党も推進したナショナルトレーニングセンターの専門的、科学的知見によるオリンピックアスリートへの支援活動は高い評価を得ているところです。
 一方、今回のパラリンピック選手の中には、すべての活動資金を自分で賄い、地域の体育館でひたすら練習を重ねながら、メダルを獲得したアスリートもおりました。
 こうしたパラリンピアンの活動を支えるために、都は、ナショナルトレーニングセンターを利用できるよう国に働きかけるなど、支援の拡充を求めるとともに、都としても、障害者のトップアスリートを育成できる仕組みを構築すべきです。見解を求めます。
 次に、来年開催されるスポーツ祭東京二○一三は、東京が目指す二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの開催機運を大きく盛り上げる絶好の機会であり、さらに障害者スポーツの開催を通じて、バリアフリー先進都市としての東京を世界へアピールするチャンスであります。
 スポーツ祭東京二○一三には、障害者のアスリートはもとより、観客席にも競技を応援する障害者の方々が多く訪れます。特に、全国障害者スポーツ大会については、競技会場や周辺のバリアフリー対策に万全を期すべきであります。
 誘導ブロックやエレベーター、スロープ、手すりなどのハード面の取り組みのほか、視覚障害者のための各種音声誘導装置、聴覚障害者のための集団補聴システムの積極的な導入、さらに障害者をサポートするボランティアの協力体制など、極めてきめ細かな対応を講じるべきと考えます。
 また、各競技場への最寄り駅からのアクセスについても十分な配慮とサポートが必要であります。あわせて見解を求めます。
 次に、自転車の安全利用について質問します。
 我が党は、これまで他党に先駆け、平成二十三年第一回定例会代表質問や予算特別委員会で、自転車安全利用条例の早期制定を主張し、安全利用の推進を求めてまいりました。
 自転車による交通事故の件数は依然高い数値にあり、警視庁交通部によると、都内での平成二十三年の自転車関与事故の件数は一万九千二百九件となっています。
 このたび、東京都自転車対策懇談会から都に対する提言が行われましたが、その中に安全利用条例の制定など、さまざまな提案が盛り込まれておりました。都は、この提言を受けて、直ちに自転車の安全利用に関する条例を制定すべきであります。
 具体的には、社会全体での安全教育の推進、自転車の点検、整備の促進、また放置自転車対策の推進等の総合的な内容とすべきであります。条例制定について見解を求めます。
 次に、多摩の振興策について質問します。
 多摩地域は、人口が四百万人を超え、大学や研究機関、先端技術産業の集積、加えて自然環境にも恵まれるなど、多摩ならではの魅力にあふれた地域であります。
 都はこれまで、東京構想二○○○を受け、平成十三年に多摩の将来像二○○一を策定し、それに続く多摩アクションプログラムや多摩リーディングプロジェクトなどを通じ、地域交通網の充実や医療体制の整備などを図ってきました。
 また、多摩の山手線としての多摩都市モノレール構想や多摩シリコンバレーの形成による産業交流の活性化の検討など、多摩振興に向けて数々の構想を打ち出してきました。
 多摩の将来像二○○一は、それまで三多摩格差の解消を目指していたものから、区部との比較ではない、多摩地域の発展の潜在力に視点を移した点では画期的な構想でありました。
 都は今後、多摩の将来像二○○一にかわる新たなビジョンを策定するとのことですが、まずは、将来像として同構想で描いた平成二十七年の多摩地域のあるべき姿についての検証を行うべきと考えますが、見解を求めます。
 また、こうした検証を踏まえた上で、新たなビジョンを策定する際の新しい多摩の将来像を描く理念は何か、見解を求めます。
 最後に、離島振興法改正に伴う都の離島支援について質問します。
 本年六月に改正離島振興法が成立し、公布されました。今回の改正により、離島振興が国の責務であることが明示されたことは画期的です。
 また、新たに離島活性化交付金制度が導入され、地元提案型の定住対策や観光対策などソフト対策事業が推進できるようになりました。
 さらに、離島特別区域制度が導入され、さまざまな規制を取り払い、各島の創意による離島振興が行える道が開かれました。
 我が党は、他党に先駆けて離島振興ビジョン二○一○を発表し、多くの島の意見、要望を受けて、今回の改正を強力に推進しました。その結果、我が党の提案が数多く盛り込まれた内容となっています。
 これからは、離島の各島が新しい法律をいかに生かすか、地元の創意工夫にかかっています。現在、都内の各島では、来年度から十年間を見据えた離島振興計画案づくりが行われています。これをもとに、都として新たな離島振興計画を策定することになっています。
 そこで、都は、各島からの生活実態を踏まえたソフト支援策や規制緩和などを強力に支援すべきであります。特に、各島で共通している課題である、若者が地元で雇用されるような定住対策を積極的に支援すべきであります。こうした視点を踏まえて、都は計画を策定すべきと考えますが、都の具体的な取り組みについて見解を求めます。
 また、離島振興計画の策定に当たっては、広域的な視点で総合的な島しょ振興策を明らかにする必要があります。そのためには、関係局と綿密な連携を行うため、検討会を設置すべきと考えます。見解を求め、私の代表質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 野上純子議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、人権意識についてでありますが、人はだれしも他者とのかかわりの中で生きておりまして、一人一人の人間がかけがえのない存在として生きているとうとさを認め合うことが重要であると思います。
 しかし、野上さんは先生もしていらっしゃるからよくご存じでしょうけれども、やはり子どもは子どもでありまして、成人とは大分意識が違いますし、本能も違います。
 いじめも動物的な何か競争意識というんでしょうか、そういうものから発生してくると思いますが、しかし、かつては教育勅語のように、その是非は別にして、人間の基本的な価値観について、あるいは権利なり義務について説く規範というものがありましたが、今日ではそれがほとんどなくなりまして、学校で具体的にどういう教育をしているか知りませんが、これはまたある意味では野方図な形で子どもを、教育はしているんでしょうけれども、私にいわせると精神的には放置しているという感じも否めないような気がいたします。
 いずれにしろ、昨今の日本の社会全体では、他人への配慮が忘れられまして、自分の権利だけを声高に主張して、義務を軽視するという愚かしい現象が生じていることは否めないと思います。
 自分の好まないことを相手にもしないという人間相互の黙約が形骸化しまして、子どもに基本的なルールを教えるべき大人自身が全く自己本位になって、顧みない節がございます。
 こうした社会のゆがみを正して、本当の意味での人権が尊重される社会としていくためには、人権尊重の理念と人権に関する正しい理解を絶えず促していかなければならないと思いますが、どうもやはり世間全体の風潮としては、時代や、あるいは立場と価値観を超えて人間が継承していかなくちゃいけない基本的な価値の基軸というそのものが毀損されているような気がしてなりません。
 今後とも、みずからを律し、自立した個人が自由に選択し行動しながら、人間の存在と尊厳を守ることのできる社会の実現を目指していかなきゃならぬと思いますが、そのためにやはり、私たちが失いつつある基本的な価値の基軸というものをどうやって取り戻すかということを、私たち真剣に考えなきゃならないと思っております。
 次いで、防災、減災対策についてでありますが、国民の生命、財産を守るのは政の根幹でありまして、防災対策はその最たるものだと思います。
 防災、減災を実現するためには、政治が本来の役割を十分に果たす必要があります。しかしながら、国は、首都直下地震対策について、四月になってからようやく検討を始め、夏には中間報告をしたものの、首都圏に甚大な被害を及ぼすと見込まれる火災や津波への対策は後送りにされるなど、いつ来るとも知れない大震災への危機感、スピード感が私は足りないと思います。
 東京は、日本の心臓部となる大都市でありまして、万が一、大震災で機能が停止いたしましたら、国そのものが沈みかねません。だからこそ、国の動きを待つことなく、首都を預かる知事の職責において、地域防災計画の見直しを指示し、都市インフラの整備やライフラインの早期復旧といった大震災への具体的な手だてを、被害を軽減するための具体的な目標を定めているところであります。
 今後も、自衛隊、警察、消防の力を最大限発揮する首都直下地震への基本戦略の策定、防災隣組の普及拡大による地域のきずなの再生など、地に足のついた取り組みを推し進めて、東京を高度防災都市へと飛翔させていきたいと思っております。
 次いで、低所得者の自立の支援についてでありますが、都は、生活に困窮している都民が、みずから安定した生活への道を切り開けるように、国に先んじて、住居や就労の支援等を行う重層的な低所得者、離職者対策を実施してきました。
 こうした取り組みを受けて、国は、居住支援や職業訓練などの第二のセーフティーネットを整備しましたが、臨時的な財政措置にとどまるなど、いまだ十分とはとてもいえないと思います。
 また、現在策定を進めております生活困窮者への生活支援戦略においても、国の役割はまだ不明確でありまして、自治体にその仕事を丸投げしている印象が否めません。
 働く意欲がありながら、生活に困窮した状態から抜け出せない人が生活保護に至る前に、的確に支援を行っていくことは、基本的には国の責任であると思います。
 第二のセーフティーネットを生活困窮者の真の自立につなげるためにも、都は国に対して、安定的な財源の確保や、きめの細かい就労支援や生活支援の充実強化を強く要求していきたいと思っております。
 他の質問については、警視総監、教育長、技監及び関係局長から答弁いたします。
   〔警視総監樋口建史君登壇〕

〇警視総監(樋口建史君) いじめ問題への警察としての対応のあり方について申し上げたいと思います。
 いじめ問題は、一義的には教育現場で対応すべき問題でありますけれども、その中に犯罪に当たる行為があれば、警察として捜査を行うべきは当然のことでございます。
 捜査に際して大事なことは、警察と教育現場とが緊密な連携のもとで、早い段階から必要な情報を共有することであります。それによって、双方にとって的確な対応が可能になるものと思います。
 そういったことで、先般、警視庁と東京都教育庁との連絡会議を開催いたしました。いじめ問題について、双方の責務の明確化、各種相談制度の充実と周知、そして教育相談機関への警察官OBの配置等について申し合わせを行ったところでございます。
 それから、悩みを抱えている少年や保護者が直接警察に相談できる仕組みについてはどうなっているのかお尋ねでございますが、警視庁では、気兼ねなく匿名でも相談ができるようにということで、昭和四十九年から始めておりますが、ヤング・テレホン・コーナーと呼んでおりますけれども、電話による相談窓口を開いております。年間で三千五百件を超える相談に対応いたしております。
 そのほかに、警視庁本部の少年相談室、そして都内八カ所にございますけれども、少年センター、そして各警察署にも相談窓口を開いております。電話相談であれ、来所相談であれ、いずれにも対応できる体制をとっているところであります。
 ちなみに、本部と各少年センターには心理専門の職員を配置しておりまして、非行、ひきこもり、家庭内暴力、いじめ問題等々いろいろな問題がありますけれども、さまざまな少年相談に対応しているところであります。
 なお、いじめの問題に関する相談への対応に際しましては、被害児童の安全を第一に考え、相談者の意向にも十分配慮した上で慎重に進めてまいりたいと考えております。
 また、これは本年度中に完成の予定とのことでございますが、東京都子供家庭総合センターという新しいビルが完成いたしますと、その中に三つの機関が、一つは東京都児童相談センター、そして東京都教育相談センター、そして警視庁新宿少年センター、この三つの相談機関が一緒に入ることになっております。同じビルの中で、子どもと家庭のさまざまな問題に対する総合的な対応が可能になるものと思います。今後の機関連携のモデルになるものと期待をいたしております。
 連携に関しましてもう一言申し上げますと、これは既に行われているんですけれども、児童相談センターや児童相談所には、警察官や警察官OBが配置されているのでありますけれども、今後は、教育相談センターにも警察官OBの配置を検討しているところでございます。こうした措置によりまして、さらなる連携の強化が図られるものと存じます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、緊急調査を踏まえたいじめ対策についてでありますが、都教育委員会は、七月に都独自の緊急調査を実施し、いじめといじめの疑いのある約一万一千件を把握いたしました。現在、学校では、そのすべての案件について鋭意対応をしているところでございます。
 昨今のいじめの原因や形態は複雑化していることから、その解決には、学校の努力とあわせて、児童生徒からのいじめの実態把握や学校外の多様な専門家の知見を得ることも必要でございます。
 こうしたことから、今年度立ち上げた自殺予防のための検討会議に、弁護士や相談機関等の専門家を新たに加え、児童生徒からの声も含めて幅広く実態を把握し、いじめなどの問題行動や生命にかかわる重大な事件、事故を防止するための方策を早急に検討してまいります。
 次に、いじめから子どもを守れる教師集団についてでありますが、教員は日々、児童生徒の言動を注意深く観察し、いじめの早期発見に努めておりますが、いじめは学校の内外を問わずさまざまな場面で発生をしているため、家庭や関係機関等と連携して対応していくことが重要でございます。
 都教育委員会では、各学校が児童生徒のわずかな変化も見逃さず解決に取り組むことができるよう、いじめ発見のポイントなどを示した指導資料を早期に改訂、配布し、教員の意識と対応力を高めてまいります。また、教員が一人で問題を抱えることなく、組織的に対応することの重要性について徹底をしてまいります。
 また、疑いのあるものも含め、把握したいじめについて、学校と関係機関等が情報を共有できる体制を強化するなど、総合的にいじめ問題に取り組んでまいります。
 次に、児童生徒との信頼を深める取り組みについてでありますが、各学校では、保護者会や個人面談などの計画的な実施に加え、保護者の理解を得ながら、学級担任が家庭訪問を行い、学習や生活に関する情報を保護者と共有するように努めております。
 こうした学校の取り組みを一層支援するため、都教育委員会は、平成二十三年度から保護司や心理学系の大学生などから成る家庭と子どもの支援員を学校に配置し、教員と支援員と一緒に家庭訪問などを行うことで、保護者とともに児童生徒が抱える課題の解決に努めております。
 今後とも、この支援員制度の成果を区市町村に周知するとともに、学校と保護者が連携し、いじめなどの問題行動の未然防止、早期対応に取り組めるよう、児童生徒との信頼関係を深める取り組みを積極的に推進をしてまいります。
 最後に、公立学校の非構造部材の耐震化についてでありますが、都教育委員会は、本年七月、国に対し、非構造部材の耐震化に係る具体的な対象及び指標を明示するよう要望いたしました。
 現在、都立学校については、天井高が高く照明器具等の取りつけや落下防止の措置にふぐあいがあると、地震発生時に重大事故につながるおそれがある体育館を優先して、専門家による総点検を実施しております。
 今年度中に点検を完了し、国が今後示す具体的な指標等を踏まえた落下防止対策を実施してまいります。
 また、小中学校につきましては、区市町村教育委員会に対して、非構造部材に係る耐震点検及び耐震対策の実施状況を調査し、各学校での点検が専門家を交えたものとなるよう助言を行ってきました。
 あわせて、都立学校で進めている取り組みを紹介するなど、非構造部材の耐震化対策に関する情報提供を行うとともに、整備に係る十分な財源措置を引き続き国に強く働きかけることにより、区市町村教育委員会を積極的に支援をしてまいります。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、道路や護岸、岸壁背後の空洞化対策についてでございますが、災害時に都民の生命、財産を守る上で、各施設の適切な維持管理を図ることは極めて重要でございます。
 このため、都は、巡回点検などを的確に実施し、異常が認められた場合、速やかに必要な対策を講じるなど、安全・安心の確保に努めております。
 加えて、路面下のような直接目視できない箇所では、未然防止の観点から、異常の早期発見が重要でございます。
 道路においては、過去の陥没における教訓を踏まえ、大型の地下構造物が埋設されている路線など、地中レーダーによる調査が必要な路線を対象として、平成四年度から計画的に路面下空洞調査を実施しております。
 引き続き、道路での調査を効果的に実施するとともに、河川の防潮堤と都道が隣接している箇所や重要な臨港道路、老朽化した岸壁の背後などにおいて、空洞化調査の実施を検討するなど、的確に対応してまいります。
 今後とも、平時のみならず、災害時を想定し、各施設の維持管理を着実に行い、都民の安全・安心の確保に取り組んでまいります。
 次に、木造住宅密集地域における特定整備路線の取り組みについてでございますが、特定整備路線は、震災時に特に甚大な被害が想定される整備地域の防災性向上を図る都施行の都市計画道路でございます。
 木密地域で用地取得を早期に進めるに当たりましては、居住者の高齢化や権利関係の複雑さなどが課題になるため、関係権利者の生活再建に向けたサポート体制や移転先の確保などが重要でございます。その制度案を年内に示してまいります。
 また、特定整備路線の候補区間につきましては、六月に公表した新設道路など二十三区間に加え、一定の道路幅員が確保されている概成区間などについても、整備効果の検証などを進め、来月にすべての区間を公表いたします。
 今後とも、地元区と連携を図りながら、特定整備路線の整備に、全庁を挙げ全力で取り組んでまいります。
   〔青少年・治安対策本部長樋口眞人君登壇〕

〇青少年・治安対策本部長(樋口眞人君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、ネットから子どもたちを守る取り組みについてであります。
 都では、インターネットに関するさまざまなトラブルの相談窓口として東京こどもネット・ケータイヘルプデスクという相談窓口を設置し、アドバイス等を行っておりますが、相談の中で緊急性の高いトラブルを認知した場合は、教育、警察など関係機関に迅速な情報提供を行うこととしております。
 なお、都教育委員会においては、いわゆる学校裏サイト等の監視を実施し、サイト運営者に不適切な書き込みの削除要請や履行確認などを行っております。
 今後、いじめの存在を疑わせるような書き込みなどに的確に対応するため、都のヘルプデスクで受け付ける相談については、関係機関への迅速な通報や都が直接サイト運営者に削除要請を行うなど、対応のための新たな基準を作成し、有効な対策に取り組んでまいります。
 次に、自転車の安全利用についての条例の制定についてであります。
 自転車利用者がルール、マナーを守って安全に自転車を利用するためには、自転車は車両であるとの認識のもと、社会全体でのさまざまな取り組みが必要と考えております。
 都といたしましては、自転車対策懇談会の提言を受け、まずは自転車の安全で適正な利用を促進するための条例を早期に提案できるよう取り組んでまいります。
 内容といたしましては、行政等の関係者の責務を明らかにするとともに、家庭、学校等における安全教育を推進するための規定、車体の点検、整備の促進に関する規定、従業員の通勤用自転車の駐輪場所を事業者が確認することを義務づける規定などを盛り込むことが考えられますが、関係者や都民の幅広い意見も踏まえて検討してまいります。
   〔水道局長増子敦君登壇〕

〇水道局長(増子敦君) 安定給水を継続する取り組みについてでありますが、利根川水系では、八月のわずか一カ月間、雨が少ないだけでダムの貯水量が大きく減少し、十一年ぶりに取水制限が実施されました。
 水道局では、直ちに渇水対策本部を立ち上げ、都民への影響を最小限に抑えるよう対策を実施しております。
 ご指摘のとおり、渇水が七月に始まっていれば、さらに厳しい取水制限が実施され、都民に多大な影響を及ぼしていたことも考えられます。
 また、将来、温暖化により積雪が大幅に減少するなど、気候変動による水資源への影響が懸念されていることから、今後、これまで経験したことのない厳しい渇水が発生するおそれもあります。
 こうしたことを踏まえると、現在建設中の八ッ場ダムを早期に完成させるとともに、水系間の相互融通機能の強化などの取り組みを総合的に進め、厳しい渇水時においても安定給水の確保に努めてまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化に対する総合設計制度の活用についてでございますが、都は、昨年の沿道建築物の耐震化推進条例の制定に先立ちまして、平成二十二年、建築基準法に基づく総合設計制度を改正し、沿道建築物を建てかえ耐震化する場合には、容積率を通常より緩和できることといたしました。
 改正後、総合設計制度で許可した沿道建築物の建てかえは四件でございまして、このうち三件で新たな緩和を適用いたしました。
 しかし、延べ面積が一万平方メートル以下の規模を所管する区や特定行政庁である市で、都と同様の改正を行っているのは一部にとどまっております。
 このため、他の区市に対して、早期の制度の改正と一層の活用を積極的に働きかけ、都と区市が一体となって緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化を推進してまいります。
 次に、特定沿道建築物の所有者への対応についてでございますが、耐震診断の結果を耐震化に着実に結びつけていくためには、建物の状況や所有者の事情に応じてきめ細かく対応していくことが重要でございます。
 このため、まず、都としては、耐震診断が完了した建物の所有者のもとを、順次直接訪問し、改修や建てかえに関する助言を行うとともに、所有者の意向の把握に努めてまいります。
 さらに、事業の経営、土地、建物の利活用や相続など、所有者からの幅広い相談に対応できるよう、関係局や関係団体、金融機関とも連携を図り、必要な情報提供や窓口の紹介を行ってまいります。
 こうした取り組みを積極的に進めることにより、特定沿道建築物の耐震化を強力に推進してまいります。
 次に、緊急輸送道路沿道の併存店舗つき都営住宅の耐震化についてでございますが、耐震改修の対象となる住棟のうち、区分所有者である店舗権利者の費用負担が発生するものは十二棟でございます。
 これまで、権利者に診断結果や耐震改修に係る費用負担などについて説明し、耐震化を働きかけてきておりますが、権利者からは、費用負担が困難との意見が多く出されております。
 このため、これらの住棟の耐震化を推進するためには、権利者の負担の軽減を図ることが必要と考えており、今後、こうした併存店舗部分につきましても、補助の実施主体である区と沿道建築物に対する耐震化の補助制度の適用に向けて調整を進めてまいります。
 次に、不燃化特区における取り組みについてでございますが、現在、先行実施地区に応募した各区からの提案内容も踏まえ、区と緊密な連携を図りながら、地区ごとに整備プログラムの作成作業を始めております。
 今後、こうした取り組みを踏まえて、先行実施地区において、地域の実情に合った特別な支援策にかかわる制度構築を図り、来年度当初から事業をスタートさせます。
 あわせて、その他の地区についても、各区に整備プログラムの作成を働きかけ、先行実施地区の情報提供を行うなど、都がきめ細かな支援をすることで、より多くの地区での事業実施を目指してまいります。
 こうしたことにより、木密地域解消に向けた不燃化特区の取り組みを拡大してまいります。
 最後に、白鬚東防災拠点の貯水槽についてでございますが、本拠点の都営住宅及び民間マンションの地下には、都施行の市街地再開発事業によりまして、約二千七百立方メートルの貯水槽が設置されております。
 このたびの東京都地域防災計画の修正素案では、これまで整備してきた既存の施設等の活用を基本方針として明確に示すとともに、発災時に給水拠点として活用できる貯水槽等については、適切に維持管理、更新を行っていくこととしております。
 今後、地域防災計画の修正を踏まえ、民間マンション等と調整を図りながら適切に取り組んでまいります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 七点のご質問にお答えをいたします。
 まず、一時滞在施設の耐震化についてでございますが、大規模災害発生時には、多くの行き場のない帰宅困難者を一時滞在施設に安全に受け入れる必要がございます。
 このため、一時滞在施設の運営方法を定めたガイドラインにおきまして、耐震性を有する施設を確保することや、あらかじめ家具類の転倒、移動防止等の対策を講じることを定めております。さらに、施設管理者が、地震発生直後に壁や天井、照明器具などの安全性を確認するチェックリストも示したところでございます。
 今後、このガイドラインを普及浸透していくことにより、非構造部材も含め、一時滞在施設の耐震性の確保をより図ってまいります。
 次いで、女性の視点に立った防災対策の推進でありますが、地域防災計画修正素案の作成に当たりましては、東日本大震災の際、被災地で女性の被災者を支援するボランティア活動を行った方を、東京都防災会議の専門委員として任用し、被災地に派遣された都の女性職員との意見交換会を開催するなど、女性から見た防災対策の課題について、具体的な検討を行いました。
 この検討の成果を踏まえ、修正素案では、授乳室の設置など避難所における女性用スペースの確保、女性用物資の配布方法や仮設トイレの設置場所の選定に際する女性への配慮など、きめ細やかな対策を盛り込んだところでございます。
 今後、防災に関する意思決定過程への女性の参画の拡大など、災害対策基本法の改正趣旨等も踏まえ、男女双方の視点に配慮した防災対策を推進してまいります。
 次いで、帰宅困難者対策にかかわる事業者向けガイドラインの普及方策についてでありますが、先般取りまとめたガイドラインにおいて、従業員等の施設内待機、駅や集客施設等の利用者保護、一時滞在施設の運営などについて、事業者が取り組むべき平時からの備えや災害時における詳細な手順などを示しました。
 今後、ガイドラインを各事業者に浸透させ、帰宅困難者対策を促していくことが必要であります。
 このため、都は、経済団体等とも連携し、事業者向けのガイドラインの説明会を開催するとともに、事業者の率先的な取り組みなども盛り込んだハンドブックを作成、配布するなど積極的な普及啓発を実施してまいります。
 次いで、多摩の将来像二○○一の検証についてでありますが、都は、平成十三年に多摩の将来像二○○一を策定し、自立と連携を基本理念として、二○一五年の多摩のあるべき姿と今後の取り組みの方向性を明らかにいたしました。
 この将来像に基づき、平成十五年以降、多摩アクションプログラム、多摩振興プロジェクト等を策定し、多摩振興の推進に向け、さまざまな施策を展開してきました。
 その結果、南北道路を初めとした交通網の整備、産業サポートスクエア・TAMAの開設などの産業支援、多摩総合医療センターの開設など、ハード、ソフト両面にわたる取り組みが進み、自立した多摩の礎が着実に築かれつつあります。
 今後は、こうしたこれまでの取り組みや課題を検証し、新たな多摩のビジョンの策定に反映してまいります。
 次いで、新たな多摩のビジョン策定の理念についてでありますが、多摩地域においては、二○一五年の約四百二十万人をピークに人口減少局面に転じていくことが想定され、また、地域の発展に重要な役割を果たしてきた大規模工場が、今後相次いで撤退することが見込まれるなど、多摩を取り巻く状況は、多摩の将来像二○○一策定時と比べて大きく変化をしております。
 こうした状況変化を直視し、地域が抱える課題に的確に対応していくためには、これまでの多摩振興の経過を踏まえつつ、これからの多摩の目指すべき姿や理念を早期に明らかにする必要があり、今般、市町村と連携し、今年度中を目途に新たなビジョンを作成することといたしました。
 今回策定するビジョンは、先端技術産業や大学、研究機関の集積、豊かな自然環境など、多摩の持つ強み、ポテンシャルを改めてとらえ直し、二○三○年ごろを念頭に今後の方向性を示していくものでございます。
 また、今回のビジョンは、今後の行政の指針にとどまらず、地域で活動する民間企業やNPOにとっても、今後の活動指針になることを目指しております。
 次いで、新たな離島振興計画についてでありますが、現在の東京都離島振興計画は、平成二十四年度末までの時限立法である離島振興法に基づき、内地と比較し厳しい条件下にある島しょの地域格差を是正するため、自立的な発展を促して、島民の生活や福祉の向上を図ることを目的として策定したものでございます。
 都はこれまで、本計画に基づき、観光、交通、情報通信及び防災を重点施策と位置づけ、その推進に積極的に取り組み、島しょ地域の生活環境を大きく改善してまいりました。
 今回、離島振興法が改正、延長されたことに伴い、都として、町村が住民意見を反映して作成する島別振興計画案を踏まえ、平成二十五年度から十年間の新たな離島振興計画を策定することといたしました。
 今後、就業促進や定住対策等の本計画に盛り込むべき課題について検討を行い、一月に素案を公表し、パブリックコメントを経て年度末に策定する予定でございます。
 次いで、計画策定にかかわる関係局との連携等についてでありますが、東京都離島振興計画の策定に当たりましては、町村の意見を十分に踏まえるとともに、関係局と密接な連携を図り、広域的な視点から計画を策定する必要があります。
 このため、各町村とは、町村が作成した島別振興計画案について、都としてヒアリングを行い、島の実態や町村の意向を十分把握するとともに、各島に共通する課題や施策の優先度に関し意見交換を重ねるなど、計画に反映させるべき事項について、きめ細かく調整をしてまいります。
 また、関係局で構成される多摩島しょ振興推進本部内に、計画策定に関する実務者レベルの検討会を新たに設け、ハード、ソフト両面からの総合的な島しょ振興策を各局連携し、検討してまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、避難所管理運営の指針の見直しについてですが、東京都地域防災計画の修正素案では、避難者対策として、安全性を考慮した避難所の確保を図るとともに、女性や災害時要援護者の視点も踏まえた避難所運営体制を確立することを目標に定めております。
 また、区市町村が取り組むべき具体的な事項として、洋式トイレなど高齢者、障害者等の災害時要援護者に配慮した施設、設備の整備や女性専用更衣室や授乳室の確保、避難所運営における管理責任者への女性の配置などを盛り込んでおります。
 今後、女性や要援護者に配慮した避難所運営が行われるよう、区市町村や関係団体等の意見も聞きながら指針を改定するとともに、区市町村に対しても、避難所管理運営マニュアルの作成や改定を働きかけてまいります。
 次に、災害時における傷病者の搬送についてですが、都は現在、消防、警察、自衛隊等の関係機関や民間事業者等と連携し、救急車、ヘリコプター、船舶等の多様な搬送手段を確保しておりますが、災害時には道路の寸断など、傷病者の搬送に多くの課題が発生すると想定されるところです。
 そのため、昨年十二月に設置した東京都災害医療協議会では、改めて、重症度、人数、距離など、搬送需要ごとに搬送体制の検討を行い、都や区市町村が設置する災害医療コーディネーターが中心となって、傷病者の発生状況や受け入れ可能な医療機関の情報を一元的に把握し、搬送手段や搬送先の調整を行う体制を構築することといたしました。
 今後は、二次保健医療圏ごとに設置する地域災害医療連携会議において、具体的な運用方法の検討や訓練による検証を行い、地域の実情に応じた実効性ある搬送体制を構築してまいります。
 次に、生活保護受給者に対する自立支援についてですが、お話のように、都内の福祉事務所では、就労支援員を活用したさまざまな取り組みが行われ、効果を上げているところでございます。
 こうした取り組みを一層進め、生活保護受給者等への自立支援をより充実できるよう、都は国に対し、本人の状態に応じた多様な就労支援策の実施、専門支援員の配置に必要な安定的な財政措置など、福祉事務所の実施体制の強化、ハローワークと福祉事務所との連携強化などを提案要求してまいります。
 また、都が独自に実施している被保護者自立促進事業につきましては、生活保護受給者の自立を促進するため、引き続き推進し、区市の先駆的な取り組みを支援してまいります。
 さらに、その中で行われている効果的な自立支援策については、国に働きかけ、制度化を目指してまいります。
 次に、盲ろう者や家族への支援についてですが、お話のように、盲ろう者を支援につなげていくためには、住民に身近な窓口である区市町村と盲ろう者支援センターとの連携を一層強化していくことが重要でございます。
 そのため、都はこれまでも、各種会議などを通じて支援センターとの連携を区市町村に働きかけてまいりました。
 先駆的に取り組んでいる荒川区では、支援センターと連携し、介護従事者向け研修会の実施や、支援センターのサービス情報の当事者への提供などを行っております。また、支援センターへの相談を契機に、盲ろう者の家庭をともに訪問し、生活の把握や支援を行っている自治体もございます。
 今後も、こうした自治体による活用事例や支援センターの活動を紹介し、区市町村と支援センターとの連携を推進してまいります。
 最後に、通訳介助者の派遣についてですが、視覚障害と聴覚障害が重複し、コミュニケーション手段が特に限られる盲ろう者にとって、通訳介助者の支援は生活する上で重要なものでございます。
 都は、盲ろう者の社会参加を確保するため、通訳介助者の派遣や養成に取り組んでおり、平成二十一年度からは、各種訓練や総合相談等を行う盲ろう者支援センター事業と一体的に実施し、支援の拡充に努めてまいりました。
 その結果、通訳介助者派遣時間は、支援センター開設前の平成二十年度の約二万四千時間から、平成二十三年度には約三万六千時間へと増加しております。
 今後とも、多くの盲ろう者が必要なサービスを利用して社会参加が促進されるよう、現場の意見も聞きながら適切に対応してまいります。
   〔中央卸売市場長塚本直之君登壇〕

〇中央卸売市場長(塚本直之君) 風評被害を効果的に解消する取り組みについてでありますが、原発事故の被災地からの産品については、ご指摘のとおり、他の産地と比べて低価格になるなど、風評被害が現在も続いております。
 これまで市場は、被災産地のフェアを行うなど出荷を支援してまいりましたが、今後は、消費地での風評対策にも一層力を入れる必要があります。そうした場合、消費者に接する小売業者が被災産地の検査体制等を実際に見聞し、これを消費者に伝えて安心を得ることが効果的でございます。
 そこで今後、地方市場を含めた業界の協力のもと、小売業者を中心とした被災産地における意見交換会を実施するとともに、豊島市場のちょうちんのように、都民にわかりやすくアピールする被災地支援のステッカーやのぼりを小売店舗等に配布するほか、都のホームページで活動を紹介するなど、小売業者等の取り組みをサポートしてまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 被災地でのバリアフリー映画の上映についてでありますが、芸術文化は人の心に安らぎと力を与え、大きな心の励ましにもつながるものであります。
 都はこれまで、東京都交響楽団やヘブンアーチストを被災地に派遣するなど、芸術文化を通じた支援に継続的に取り組んできました。
 障害者の方々に対して芸術文化に触れる機会をさらにふやしていくことも重要であり、お話の被災地でのバリアフリー映画の上映は、そのための有効な手段であると認識をしております。
 このため、都としては、これまでの活動で築いてきた被災三県でのネットワークやノウハウを活用し、現地事務所とも連携しながら上映に協力をしていきます。
 具体的には、主催者に対してバリアフリー映画の上映に適切な会場の情報を提供することや、障害者関係団体に対して積極的な広報を行うことなどにより、民間が実施するバリアフリー映画上映の取り組みを支援してまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 二点のご質問でございます。
 まず、再生可能エネルギーの利用拡大に向けた取り組みについてでございますが、自然に恵まれた我が国には、本来、再生可能エネルギーのポテンシャルが豊富に存在しております。日本のすぐれた技術によってこれを最大限に活用することは、国内産のエネルギー源の確保という点でも、また、地球温暖化対策という点でも大切であることに加えまして、新たなビジネスを創出し、成長を促進する効果も持つ極めて重要な取り組みであると考えております。
 こうした三つの意義を持つ再生可能エネルギーの利用を飛躍的に拡大するため、国の取り組みの強化を働きかけるとともに、都としても大都市の特性を踏まえた積極的な取り組みが必要と考えております。
 このため、国や電力会社に対しては、再生可能エネルギーで発電された電力を送電系統に優先的に接続するなど、固定価格買い取り制度の適正な運用や、電力の広域融通のための送電系統の一体運用及び強化を引き続き強く要求してまいります。
 また、都は、建物が集積する大都市の特性を生かした取り組みといたしまして、都市の貴重な未利用資源ともいうべきビルや住宅などの屋根を有効に活用するため、発電事業者が建物所有者から屋根を借りて太陽光発電を設置する、いわゆる屋根貸しビジネスのマッチングの場を提供する新たな取り組みを開始することといたしました。
 さらに、固定価格買い取り制度導入などの状況変化も踏まえ、東京における再生可能エネルギー全体の利用拡大に向けた実効性のある新たな戦略の策定に着手してまいります。
 次に、いわゆるネガワットの考え方と賢い節電の促進についてでございますが、我が国では、これまで夏に生じるピーク時の電力需要に対しまして、専ら発電所の整備によって供給力の拡大で対応してまいりました。
 しかしながら、例えば、ことしの夏を例にとりますと、その最大電力は五千七十八万キロワットでございましたが、五千万キロワットを超える需要が発生したのは三日間でありまして、延べ時間でもわずか六時間にすぎませんでした。
 こうした短期間のピーク電力需要を省エネや節電で抑制できれば、発電所をつくり、供給力を追加する必要性がそれだけ減少いたします。ネガワットとは、こうした点に着目し、省エネ、節電による需要の抑制が発電所の整備と同等の効果を持つという考え方でございまして、スマートエネルギー都市の実現に向けた有効な概念と認識しております。
 都は、こうした考え方も踏まえまして、省エネ・エネルギーマネジメント推進方針に基づき、賢い節電の定着を誘導してまいります。
 とりわけ、家庭が主体的に省エネ、節電に取り組めるよう、住宅用のエネルギーマネジメントシステム、いわゆるHEMSを積極的に活用し、太陽光発電や蓄電機能等との連携による電力のピークカット、ピークシフトや、生活パターンに応じた家電製品等の最適制御を可能とする仕組みの普及を促進してまいります。
 加えまして、国や東京電力に対しては、家庭のライフスタイルに応じた複数の季節別、時間帯別料金メニューの導入など、需要側からの節電促進に向けた積極的な対応を強く求めてまいります。
   〔産業労働局長中西充君登壇〕

〇産業労働局長(中西充君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、中小企業の資金繰り支援についてでございますが、今回の国の決定により、十一月以降、国のセーフティーネット保証に対応した制度融資メニューを利用できなくなる企業に対しては、都独自の融資メニューでございます経営一般の融資条件を緩和いたします。
 具体的には、リーマンショック以前と比べて売り上げが減少している企業も対象に加えることにより、利用の間口を広げるとともに、引き続き小規模企業者に対する保証料の二分の一補助を行います。
 また、地域の金融機関と連携した新保証つき融資において、十月から取扱金融機関を拡大するほか、今年度末までの特別措置として保証料率の引き下げを行います。
 こうした取り組みにより、国の業種絞り込みの実施後も引き続き中小企業の資金繰りを着実に支援してまいります。
 次に、都の対応の周知についてでございますが、国の業種絞り込みの影響を受ける中小企業に対して、今後都が実施するさまざまな金融施策についてきめ細かい情報提供を行うことが重要でございます。
 このため、都は、中小企業向けのリーフレットを新たに作成いたしまして、金融相談窓口で活用するほか、ホームページなどさまざまな広報媒体を通じ、中小企業に対する的確な周知を図ってまいります。加えて、区市町村とすべての取扱金融機関に対しきめ細かく情報を提供するとともに、今回の支援策の円滑な運用への協力を要請してまいります。
 こうしたさまざまな機会をとらえ、都の支援策の周知に努め、利用促進を図ってまいります。
 最後に、経営改善の取り組みへの支援についてでございますが、経営改善に取り組む中小企業が経営上の課題を把握し、その的確な解決を図ることができるよう、会社の現場で豊富な知識やノウハウを持つ専門家の助言を受けることは効果的でございます。
 都では、中小企業振興公社において、幅広い分野から専門家約三百名を登録し、企業の要請に応じて継続的に会社を訪問し、課題解決に向けたアドバイス等を行う専門家派遣事業を実施しております。
 この事業の相談実績は昨年に引き続き伸びており、利用者の評価も高いことから、金融円滑化法の終了に伴う経営改善計画の作成を含め、今後も中小企業からの要望に適切に対応できるよう検討してまいります。
   〔知事本局長前田信弘君登壇〕

〇知事本局長(前田信弘君) 東京大気汚染訴訟の和解に基づく医療費助成制度についてのご質問にお答えします。
 本制度は、一定の要件を満たす都内のすべての気管支ぜんそく患者の方々に助成を行うものでございます。もとより、大気汚染の根本的な原因は国の不作為にあり、国が責任を持って総合的な健康被害者救済策を早期に講じていく必要がございます。都は、引き続き国に対し救済策の創設を強く求めてまいります。
 一方、本制度は、和解条項に基づき、制度創設五年経過後に見直しを行うこととされております。しかし、現状では、今後の財源負担について国などから拠出の理解が得られておりません。今後、関係者に協議を働きかけつつ、来年八月以降に見直しの内容を十分に検討してまいります。
 なお、現に助成を受けている患者の方々につきましては、見直し内容が決まるまでの間に急な影響が生じないよう必要な措置を検討してまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、オリンピック・パラリンピック招致機運の醸成についてでございます。
 オリンピアン、パラリンピアンと触れ合う機会を創出することは、都民、国民がスポーツの感動や勇気を直接的に体感するなど、スポーツの振興に大いに寄与するとともに、招致機運の盛り上げにも有効でございます。
 これまでも都は、スポーツ博覧会やスポーツタウンなどの場において、また、招致委員会では被災地を含めた各地でオリンピアン、パラリンピアンを招聘し、地域の方々と触れ合う機会を提供してまいりました。
 今後も、このようなオリンピアン等と触れ合うイベントを開催する中で、より積極的なPRを行い、各種メディアやインターネット中継等を通じて全国に発信することで、日本全体での招致機運の醸成を図ってまいります。
 次に、パラリンピアンに対するイベントについてでございます。
 ロンドンで活躍したパラリンピアンに対し、功績をたたえ、感動を共有することは、障害者スポーツへの理解と関心を高めるとともに、招致機運の醸成にもつながります。
 このため、都は、十月五日に都民広場において東京ゆかりのパラリンピックメダリスト五名をオリンピックメダリストとともに表彰し、都民とともにその喜びを分かち合うこととしております。また、国等に対して、あらゆる機会をとらえてパラリンピアンの活躍をたたえるように呼びかけてまいります。
 今後も、各種イベント等の場を活用し、オリンピアンのみならず、パラリンピアンの活躍をたたえるとともに、みずからの体験や招致メッセージを発信していただくことで、招致機運の盛り上げにつなげてまいります。
 次に、障害者のトップアスリートへの支援についてでございます。
 ご指摘のように、パラリンピアンを取り巻く状況にはさまざまな課題があり、環境整備を行うことが必要でございます。都は、ナショナルトレーニングセンターの利用のあり方など、パラリンピック強化選手がオリンピック強化選手と同等に支援を受けられる仕組みの構築を引き続き国に強く要望してまいります。
 また、障害者スポーツのすそ野を拡大するとともに、全国のトップレベルの競技大会や国際大会で優秀な成績を上げられるよう、障害者アスリートの競技力強化に向けて昨年度から強化練習会を開始いたしました。
 今後、こうした場を通じて、各競技種目の実情に即した競技力向上の推進方策を講じながら、その強化に向けて積極的に取り組んでまいります。
 最後に、全国障害者スポーツ大会に向けた取り組みについてでございます。
 競技会場となる都立施設では、バリアフリー化を進めており、例えば、東京辰巳国際水泳場では、誘導ブロックや手すりの増設を行うとともに、新たに音声誘導装置や集団補聴設備を設置する予定でございます。また、駒沢オリンピック公園総合運動場では、陸上競技場にエレベーターを新設するほか、公園整備の一環として、体育館周辺にあるトイレに音声誘導装置を設置する予定でございます。
 こうした常設の整備に加え、大会当日は必要な場所にスロープや音声誘導装置等を仮設で整備するほか、手話通訳や要約筆記を行う情報支援ボランティア、観客の案内を行う大会運営ボランティア等を配置いたします。また、主要駅における案内所設置を検討するなど、アクセス面も含め、障害者に配慮したきめ細やかな大会運営に努めてまいります。
 全国障害者スポーツ大会に向けたバリアフリー化への取り組みが二○二○年オリンピック・パラリンピック招致を目指す東京のアピールポイントとなるよう、会場整備及びボランティア育成に全力を尽くしてまいります。

副議長(ともとし春久君) 三十五番大島よしえさん。
   〔三十五番大島よしえ君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇三十五番(大島よしえ君) 日本共産党都議団を代表して質問します。
 雇用の破壊や社会保障の改悪による国民、都民の困難はますます深まり広がっています。今、都政に求められているのは、何よりも都民の深刻な痛みの現実をつかみ、都民の暮らしを守ることです。ところが、知事の所信表明では、この問題への言及はありませんでした。知事の地方自治体の長としての姿勢が根本から問われています。
 都の調査によると、高齢者の約四人に一人は年間百万円に満たない収入しかありません。また、国民生活基礎調査によれば、高齢者世帯の一割以上は貯蓄がないと答えています。東京の高齢者の国民年金受給額は平均でも月額わずか五万八千円です。しかも、頼みの綱の年金はさらに引き下げられ、消費税増税も待ち受けています。
 今年度は、国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料のトリプル値上げも押し寄せました。後期高齢者医療保険料は平均九%、介護保険料は二三%、国保料は二十三区では十年連続の値上げです。
 私たちの調査では、通知が届き始めた直後から、都内自治体の窓口に少なくとも十二万件を超える疑問や苦情が寄せられました。八月末に都内で実施された国保・医療何でも相談会では六本の電話が鳴りっ放しでした。保険料が払えない、国保料六千円、介護保険料は夫婦合わせて九千八百四十円、後期高齢者医療保険料は月額二万円、医療費も毎月約二万円かかる、とても生活できないなど、深刻な相談が相次ぎました。
 このような深刻な現状にある高齢者、都民がたくさんいることを知事はどう認識しているのですか。知事は、少子高齢化を理由に、高福祉低負担は到底成り立ち得ない幻想だといい張っています。これは、福祉の増進という地方自治体の本旨を投げ捨てたみずからの特異な立場をごまかすための空理空論です。
 二○○九年のインターネット調査では、三万三千人の回答者のうち、約半数の方が今の日本の実感を低福祉高負担だと答えています。日本医師会のアンケート調査では、医療費の支払いが負担だと答えた人が三割負担の人では六七%に達しています。そして、一二%の人が実際に過去一年以内に経済的理由で受診しなかったことがあると答えています。
 知事、このような調査結果をどう受けとめますか。今こそ、こうした国民、都民の意見、福祉の実態を直視すべきではありませんか。そして、住民を守るべき地方自治体として、低福祉高負担に苦しむ都民への支援と福祉の充実に全力を尽くす必要があります。いかがですか。
 都は、国保財政安定化支援方針で、国民健康保険は、他の社会保険と比べて一人当たりの収入は少ないのに医療費は大きいから、保険料で賄うことは非常に困難であるという認識を示しています。にもかかわらず、指導助言だといって、各保険者が給付に見合った保険料率となっているか検証を行うことを強調しています。つまり、医療費に見合った保険料に値上げしていきなさいということです。
 だからこそ国保料値上げが続き、都内で六十八万世帯が滞納せざるを得ない事態になっているんです。都民の生活実態から見れば、これ以上の国保料の引き上げは困難な状況にあることをどう考えているのですか。都としてやるべきは値上げへの指導ではありません。区市町村国保料、国保税の負担軽減のための支援にこそ踏み出すべきです。見解を伺います。
 二十三区の国保料は、来年度は負担増を抑える経過措置がなくなり、このままではさらに大幅値上げとなります。夫婦二人で年金収入二百万円なら、現在は年間約七万四千円の保険料ですが、経過措置がなくなれば十万四千円にはね上がります。少なくとも来年度以降も経過措置を継続できるよう、都の財政支援が必要です。
 後期高齢者医療をめぐる実態も深刻です。保険料の滞納件数は、集計可能な二十一区二十六市の合計で約五万四千件にも達し、老人保健法では禁止されていた有効期限が短い短期保険証の発行は、このわずか半年間でそれまでの三倍の千百六十三件に上っています。この事態をどう認識していますか。
 国や区市町村、広域連合の問題だといって手をこまねくのではなく、都として必要な財政支援をして困っている高齢者の負担を軽減することを求めます。お答えください。
 予防対策も重要です。人間ドックはがんや生活習慣病などの早期発見や予防に効果があります。このため、都内で十六区市町村が受診料助成を実施しています。人間ドックの重要性をどう認識していますか。都内どこに住んでいても補助が受けられるようにするために、都として支援することを提案するものです。
 高齢者が積極的に外出することは健康づくりの基本です。高齢者が安心してまちに出て行動ができるよう、シルバーパスの費用負担を軽減し、三千円、五千円などのパスを新設するとともに、多摩モノレール及び東京メトロへの適用を検討するよう求めます。見解を伺います。
 深刻化する若者の雇用についても、国や企業任せにせず、都が思い切った対策を進めるべきです。東京では、十五歳から二十四歳の失業率が七・五%という高い水準です。非正規雇用は雇用者の二人に一人に達し、その約八割は年収百五十万円未満です。
 非正規の若者の多くは、正規の仕事につこうと思っても、抜け出せない現状が広がっています。知事、意欲ある若者が仕事につくこともできず、生活もままならない実態があること、そしてその要因をどう認識しますか。社会の基盤を崩壊させかねない重大な問題ではありませんか。
 若者雇用の現状を大企業のシンクタンクも深刻に受けとめています。三菱総研の主任研究員がNHKとチームを組んでまとめた本の中で、日本経済の立て直しには積極的雇用政策と子育て支援が大きな柱になることを提言しています。
 正規社員も所得に不安を抱え、解雇通知におびえていることを指摘し、このままでは、二十年後には失業率は一○%を優に超え、七百八十万人に達すると予測しています。団塊ジュニア世代へのアンケート調査では、二十年後のこの世代の姿は、賃金カットと負担増に苦しみ、転職を繰り返し、定職につけず、結婚もできないものだったといいます。
 同書では、この要因として、経済不況などのほか、雇用のセーフティーネットの崩壊を挙げています。そして、非正規社員を技術力、知識力をアップさせて正規社員として採用する、所得水準を改善することが日本経済にとって非常に大きな課題で、企業の社会的責任だと指摘しています。知事、都としても、こうした立場で国や大企業に進言し、みずからも取り組むべきではないですか。
 OECD各国も若者の雇用対策に力を入れています。イギリスでは、地域雇用パートナーシップを通じて、三年間で、若者を初め二十五万人以上を就職させています。職業訓練機能と求人をセットにし、求職の開拓、掘り起こしを行い、面接までスタッフが付き添い、アドバイスするなどの手厚い支援を無料で行っているんです。このような成功例に学び、きめ細やかな若者雇用の対策を都としても実施することが必要です。
 また、高校卒業者などを対象とした、一ないし二年間の無料低額の職業訓練カレッジを創設することや、職業訓練校の統廃合をやめて拡充することなど、若者の職業教育、職業訓練を抜本的に強化することを求めるものです。いかがですか。
 知事の経済政策には重大な問題があります。それは、欧米の多国籍企業を呼び込むことを最重点にしていることです。たとえ多国籍企業の呼び込みがうまくいったとしても、経済はよくなりません。
 これまで、内外の多くの多国籍企業は、国内の生産ラインを縮小し、雇用を破壊してきたではありませんか。そして、利益が上がれば、株主配当や経営者への報酬を引き上げ、巨額の内部留保をため込み、金融投機を行ってきました。違いますか。
 今、都がやるべきは、落ち込んだ都民の購買力を引き上げることや、都内事業者の九割を占める中小企業を活性化することです。知事の見解を伺います。
 EUは、二○○○年に、小企業はヨーロッパ経済の背骨であるという小企業憲章を制定し、取り組みを進めています。イタリア、フランス、ドイツでは、職人企業、マイスター制度で技術熟練を残し、ワインや雑貨がグローバルで評価され、イタリアの高級車フェラーリのエンジンは、全部手づくりの鋳物でつくられています。
 これに対し、東京の中小企業はフルセット型といわれ、つくれないのは原料ぐらいといわれてきましたが、大企業の国内生産ラインの縮小などもあり、国や都が見るべき対策をとってこなかったため、それを維持できなくなっています。
 加工しにくい材料や複雑な加工など、熟練した職人による手先の技術の正確さは、コンピューターをも上回ります。こうしたものづくり技術は、小零細企業に蓄積されてきました。その熟練技術が今、日本、東京で枯渇するような事態になろうとしているのです。
 知事、今こそ東京のものづくり技術を守り発展させるために、都の総力を挙げるべきですが、いかがですか。
 都が実施している技術支援の事業は極めて不十分です。群馬県などが踏み出したように、ベテラン人材をものづくりインストラクターとして養成し、経営、生産管理、技術の継承、発展など、地域の中小企業の要望に応じて数多く派遣することが求められますが、お答えください。
 今、再生可能エネルギー産業の発展に向け、東京の中小企業の技術力を生かして取り組み、地域の特性などに見合った多様な製品を開発し、販売できるようにすることが重要です。雇用効果も大きなものがあります。
 都はこの問題に取り組んでいますが、助成期間は短く、予算も数億円にすぎません。これでは新たな産業を興すことにはつながりません。再生可能エネルギー産業育成の予算を抜本的にふやし、中長期の展望を持った計画をつくるべきです。
 そのためにも、地域ごとにどのような製造業種が残っているのか把握する全面的な悉皆調査を都内の大学、学生などとも協力して直ちに行い、分析し、データ化することを求めるものです。
 中でも風力発電は部品を一万点以上必要とし、製品の多くが精密な回転部分を持つ機械製品です。まさに東京の強みを発揮でき、得意とする分野です。都内中小企業の新たな産業の中心にもなり得る分野です。
 都はようやく風力発電をものづくり技術が大いに発揮される分野として位置づけましたが、取り組み始めた段階にすぎません。位置づけを高めて、対策のテンポを抜本的に引き上げることが必要です。見解を伺います。
 都税収入が減っているとはいえ、都の予算は全会計でおよそ十二兆円に及びます。オリンピック開催準備基金四千百億円などもあります。浪費を削り、こうした財源をうまく使えば、重大な困難に直面している都民生活を守る財源は十分あります。いかがですか。
 石原知事は、国際競争力を口実にし、新たに防災対策という看板まで加えて、民主党政府と一緒に、ゼネコン型大型開発など浪費的投資を進めています。
 大型開発の最重点とされるのが、外かく環状道路です。練馬─世田谷間約十六キロメートルの建設着工式が先日行われました。
 地上部道路外環ノ2も住民との間で話し合いの最中なのに、大泉ジャンクション地域の一キロメートルのみ先行して事業認可をとり、用地補償費五十億円、工事費二十億円を投入します。現場を見るという知事の約束はどうなったのですか。約束さえ破り捨ててごり押しする、このような乱暴なやり方は許されません。
 大型道路をつくれば、自動車交通を誘発してイタチごっこになり、東京一極集中も加速します。しかも、地下本線と地上部を入れると総額約二兆円、一メートル一億円以上もかかります。これだけのお金を福祉、暮らし、中小企業支援に投入すれば、一石二鳥三鳥の経済効果があるのです。外環道建設は中止し、お金の使い方を改めるべきです。知事、いかがですか。
 知事の海外出張のむだ遣いにも言及しないわけにはいきません。石原知事就任以来の海外出張経費は実に五億円に迫るものであり、二○○九年度一年間だけで一億三千万円も使っているのです。その一方で、暮らしにかかわる都民の要求はないがしろにされています。
 視覚障害者にとって貴重な学びの場となっている、一回わずか三万円の視覚障害者教養講座の回数が、年間十二回から十一回に削られました。
 熱中症対策として、生活保護を受けている高齢者へのエアコン購入設置費一台四万円の補助が昨年実施されましたが、今年度は打ち切ってしまいました。昨年の実績は三百六十四世帯、千四百四十万円です。
 こんなわずかな予算で喜ばれ、当事者にとっては切実な予算を削ることは許されません。これらの事業を拡充、再開すべきですが、見解を伺います。
 次に、緊急課題となっている防災対策についてただします。
 地域防災計画修正素案は、部分的な前進面もありますが、全体として極めて不十分かつ重大な問題があり、抜本的な見直し拡充を求めるものです。
 修正素案は、引き続き基本理念として、まず第一に、みずからの命はみずからが守るという自己責任原則だと強調しています。
 災害対策基本法では、都道府県の責務として、住民の生命、身体及び財産を災害から保護することを明記し、そのために防災に関する計画を作成し実施する責務を有すると規定する一方、住民に対しては、防災に寄与するように努めなければならないとするにとどめているんです。
 当然、災害から都民の生命、身体、そして財産を守るための都の責務を第一義的に位置づけられるべきです。あえてそうしなかったのは、都民に主たる責任を押しつけようとしているとしか考えられません。知事、いかがですか。
 修正素案が、強風下における広域火災による延焼被害や、東京湾に立地する五千基を超える石油タンクなどの火災被害、立川断層帯地震に伴う地盤変動による建築物や鉄道などの被害について対策を示していないことも大問題です。
 都は、考えられるすべての問題で最大の被害を想定した減災目標をつくり、総力を挙げて予防対策に取り組むべきです。
 また、その裏づけとなる実施計画をすべての事業について明確にして取り組むことが求められています。
 東部低地帯に三百万人、海抜ゼロメートル地帯に百五十万人が住む東京では、堤防、水門などの強化対策は、都民の生命、財産を守る上で最重要課題です。
 都が調査した結果、我が党が指摘してきたように、耐震化済みのはずの堤防の調査地点の四割で破損の危険性があること、調査した十六カ所の水門すべての門柱が損傷し、閉まらない危険性があることなどが明らかになりました。これまで、この状態で放置してきた責任は重大です。
 津波による浸水は、二十センチでも人は歩けなくなり、車も走れなくなります。また、自動車火災が広がることも指摘されています。
 知事は、最大級の地震、津波から守る取り組みを進めると発言しましたが、それなら、堤防、水門は破損しないという誤った前提での被害想定を抜本的にやり直し、大雨や高潮などの複合災害を含めた対策を進めるべきですが、お答えください。
 木造住宅密集地域対策について、知事は、不燃化特区の先行実施とともに、延焼遮断帯の形成のために特別の対策を講じると強調しました。
 しかし、多くの計画は、防災の名で未整備の都道を一気に通そうとするものです。例えば、北区の補助八一号線は、計画路線と並行して、既に新たに道路が整備されているなど、延焼遮断帯はできているのです。
 しかも、この計画は、鎌倉期から室町期に創設されたといわれる無量寺の本堂と、三百種二千本の樹木がある貴重な庭園、墓地を破壊するものです。再検討すべきです。見解を伺います。
 我が党は、延焼遮断帯を否定するものではありません。しかし、都が示している延焼遮断帯のうち、区域内面積百ヘクタールという一番小さな一般延焼遮断帯の内側でも、阪神・淡路大震災の全焼失面積を上回るほどの大きさです。延焼遮断帯は、その内側の延焼を防ぐものではないのです。この問題を都はどう考えているのですか。
 木造住宅密集地域の安全化対策で緊急に必要なことは、地域内の住宅耐震化、不燃化のための支援を抜本的に強化することです。都はこれらの助成を大幅に拡充し、少なくとも木造住宅密集地域全域に拡大すべきです。部分的な不燃化、難燃化への助成も検討すべきです。
 また、延焼遮断帯整備などのため、立ち退きが必要な場合でも、住民の理解と納得を得て進めるべきです。そのためにも、同じ広さの住宅に住めるようにすること、共同建てかえへの技術的、財政的支援の拡充など、きめ細かい支援の強化が必要です。答弁を求めます。
 最後に、今、都政は、都民生活の現状と福祉のあり方から見ても、防災対策や経済対策のあり方から見ても、地方自治体本来の姿に立ち返ることが痛切に求められていることを申し述べ、再質問を留保して質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 大島よしえ議員の代表質問にお答えします。
 まず、都民生活に対する認識についてでありますが、るる年金や保険料などのお話がありましたが、高齢者の生活実態はさまざまであります。
 一方で、急激な高齢化が進むこの国で、年金や医療、介護にかかる費用が増大することは自明の理でもあります。
 ゆえにも、給付と負担のバランスを顧みない高福祉低負担という社会保障制度は、到底今後は成り立ち得ません。
 にもかかわらず、共産党は相変わらず、ばらまき福祉を主張しておりますな。財源となる消費税には反対する一方で、行政への過剰な期待をかき立て、国民に幻想を振りまくのは無責任としかいいようがない。
 今なすべきは、少子高齢社会におけるあるべき国家の姿を国民に指し示し、確固たる意思で新たな社会保障のありようを形づくっていくことであります。
 こうした考え方は、これまでの都議会における議論の中で再三にわたって申しております。
 次いで、非正規で雇用された若者についてでありますが、近年進んだ働き方の多様化によって、労働者が柔軟に働き方を選択できるようになった反面、企業が人件費の抑制や雇用調整の手段として、非正規労働者を積極的に活用した面もあります。さらに、国が労働者派遣事業の規制緩和を進めたことがこれに拍車をかけました。
 こうした状況の中で、正規雇用を望みながらも、やむなく非正規で雇用された若者たちは、十分な技術を体得することもできずに不安定な就労を続けておりまして、この現状は、本人にとっても社会にとっても不幸な事態であると思います。
 この問題を本質的に解決するためには、国が実効性のある経済対策を進め、雇用を拡大していくことが不可欠でありますが、残念ながら国は有効な対策を打ち出しておりません。
 都はこれまで、国に先駆けて、都独自に生活費の支給と一体となった低所得者向けの職業訓練を実施するとともに、雇用の創出や就職支援の強化など、切れ目のないさまざまな雇用対策を講じてきました。
 今後とも、必要な施策を多角的に実施してまいります。
 次いで、外国企業の誘致と都内中小企業についてでありますが、世界が時間的、空間的に狭小なものとなって、国際化という言葉自体が陳腐になりつつある現代で、当然のことながら、企業活動は一国にとどまるものではありません。
 グローバル化の時代を勝ち抜いていくには、海外から人、物、金を呼び込んで、それを活用しながら、国や企業の発展につなげていくことが極めて重要であります。
 外国企業も含めた企業間の取引を通じて経済というものは成り立ち、発展していくのでありまして、すぐれた技術を持つ日本の中小企業も例外ではありません。
 東京には、世界的な競争力を持ち、我が国産業の活力の源泉である中小企業が数多く集積しておりまして、日本経済を支えて雇用の機会を提供しております。
 国が効果的な成長戦略を示さない中、都は中小企業の経営支援を行うとともに、新たな取引先の確保や新事業の創出のほか、制度融資の拡充などさまざまな支援をしてまいりました。
 今後とも、誘致した外国企業との連携策を講じることを含めて、中小企業の活性化に資する取り組みを行って、東京の経済の発展を図ってまいります。
 最後に申しますが、今の質問を聞いておりますと、外国企業を一方的に批判しているように聞こえますけれども、外国の会社も東京の中小企業にとっては大事な取引先でありまして、懸命に顧客開拓に取り組む中小企業の足を引っ張るような発言は当たっていないと思います。
 次いで、防災対策における都と都民の責任についてでありますけれども、何度も申し上げてもご理解いただけないようでありますが、いざというときは、まずみずからの身を守り、身近な者同士で助け合うことが、一人でも多くの命を救うことになるのは、紛れもない事実であります。
 阪神・淡路大震災を経験されたある語り部の方は、減災は一人一人の心の中で育つもので、お互いを助け合うことによって被害を少なくできると語っておられて、また、東日本大震災では釜石の奇跡も起こりました。
 行政の責任は、現実に立脚して、実効ある対策を講じることでありまして、今回の地域防災計画は、過去の大震災の生きた教訓を踏まえて、自助や共助の重要性を訴えたもので、公助には公助の役割があるのは当然のことであります。
 この計画では、首都圏の物流を支える道路ネットワークの整備、上下水道や水門、防潮堤の耐震化など、行政の責任において実施すべき対策を盛り込んでおりまして、責任を都民に押しつけているとのご指摘は全く的外れであります。
 こうした共産党独特の空疎な議論に惑わされることなく、引き続き東京の総力を結集して、自助、共助、公助のすべてにわたり、防災対策を着実に推進していきます。
 他の質問については、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁します。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 視覚障害者教養講座についてでございます。
 都教育委員会は、視覚障害者に対し、教養を高め、日常生活を豊かにするための学習機会を提供するとともに、視覚障害者の自立と社会参加を促進するため、視覚障害者教養講座を昭和四十八年から実施してまいりました。
 本講座の実施内容及び回数につきましては、視覚障害者団体から推薦された運営協力者と協議し、これまでの参加者数等も勘案して決定をしております。
 今後とも、視覚障害者のニーズや実績などを踏まえ、本講座を実施してまいります。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、外環についてでございますが、外環は、首都圏の渋滞解消や排出ガスの大幅な削減などによる環境改善はもとより、陸海空の要所を結ぶネットワーク形成により、我が国の国際競争力を高め、再び成長軌道に戻すなど、その経済波及効果ははかり知れないものがあり、整備に伴う直接的な便益だけでも事業費の二倍以上となります。
 さらに、切迫する首都圏直下地震などに備え、日本の東西交通の分断を防ぎ、広く国民の生命、財産を守るためのまさに命の道として、一刻も早く完成させなければなりません。
 今回、都が事業化した大泉ジャンクション地域の地上部の道路の整備は、関係権利者の円滑な生活再建を図るとともに、外環本線によって分断される一方通行の狭隘な都道を、歩道を備えた往復二車線の道路として改良し、地域の安全・安心を確保するものでございます。
 都は、引き続き国など事業主体と連携し、二○二○年夏までの開通に向け、外環の整備に全力で取り組んでまいります。
 次に、木造住宅密集地域における都道の整備についてでございますが、木密地域においては建物の不燃化の促進を図るとともに、延焼遮断や救助、救援、避難等のための都市計画道路の整備が極めて重要でございます。
 そのため、都は、震災時に特に甚大な被害が想定される整備地域において、防災性の向上に大きな整備効果が見込まれる新設道路などを特定整備路線の候補区間として六月に公表いたしました。
 なお、補助第八一号線近傍の道路は、整備されている区間や幅員が限られており、延焼遮断の機能を果たせないため、特定整備路線の整備が不可欠でございます。整備に当たりましては、関係権利者の理解と協力を得て事業を進めてまいります。
 今後とも、地元区と連携を図りながら、木密地域を燃え広がらないまちにすべく、命を守る道路を全力で整備してまいります。
 最後に、延焼遮断帯整備などのための関係権利者への対応についてでございますが、都はこれまで、事業用地の取得に当たりましては、公正かつ適切な補償を行うとともに、代替地や都営住宅のあっせんなど、関係権利者の生活再建に配慮した取り組みを行ってきております。
 特定整備路線の整備においても、公正かつ適切な補償のもと、今後、生活再建に向けた支援策の制度案を取りまとめ、きめ細かな対応を行い、関係権利者の理解と協力を得て整備を進めてまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、都民への支援と福祉の充実についてですが、今年度の福祉と保健の予算額は九千九百八十二億円、一般歳出に占める割合は二二・一%と、いずれも過去最高となっており、在宅療養の推進や子育て家庭に対する医療費助成、障害者の就労支援、低所得者や離職者対策など、都はさまざまな独自施策を展開し、都民の福祉の充実を図っているところでございます。
 なお、負担についてさまざまな調査結果があることは承知しておりますが、医療保険制度では、七十五歳以上の高齢者が医療機関を受診した場合、窓口で支払う一部負担金は原則一割となっているほか、医療費負担が高額となった場合には、年齢や所得に応じて負担の上限が設けられております。
 また、介護保険や障害者サービスについても軽減措置がとられており、都独自の負担軽減も実施しているところでございます。
 次に、国民健康保険料の負担軽減についてですが、都は、国民健康保険制度の健全かつ安定的な運営を図るため、法令等に基づき、各保険者に対する財政支援を既に行っており、保険料負担軽減のため、新たな支援を行うことは考えておりません。
 なお、国民健康保険制度は保険料と公費等によって運営されるものであり、都は、財政の安定化を推進するため、各保険者の実情を踏まえつつ、給付に見合った保険料の賦課、医療費の適正化、収納率向上等について必要な助言、指導を行っているところでございます。
 次に、後期高齢者医療制度についてですが、短期被保険者証は、保険料を一定期間滞納し、督促に応じない方などに対して、面談の機会をふやし、納付の促進を図ることを目的として交付しており、適切に運用されているものと認識しております。
 都は、法令等に基づき、既に国や区市町村とともに応分の負担を行っており、低所得者に対する保険料の軽減措置について、さらなる財政支援を行うことは考えておりません。
 次に、人間ドックの受診料に対する支援についてですが、がんや生活習慣病などの早期発見や予防のため、区市町村は法に基づき、がん検診や特定健診を実施しており、その費用の一部は公費で賄われております。
 これに対し、人間ドックは個人の意思で受診することが基本であることから、都として受診料の支援を行うことは考えておりません。
 次に、シルバーパスについてですが、本事業は若年世代との間に負担の不公平があるなどの課題があったことから、平成十二年に都民の理解を得て見直しを行い、所得に応じて区市町村民税非課税の方は千円、課税の方は二万五百十円の利用者負担をいただく仕組みとなっております。
 ご提案の内容が区市町村民税課税の方の二万五百十円の利用者負担を引き下げるという趣旨であれば、そうした措置を実施する考えはございません。
 また、シルバーパスの利用対象は、東京都シルバーパス条例により、都営交通及び路線バスとなっており、新たに利用対象交通機関を拡大する考えはございません。
 最後に、生活保護受給者への冷房機器購入費助成についてですが、国は昨年七月、受給者に対し、生活福祉資金等からの貸し付けを利用した冷房機器の購入を認めましたが、現状では、生活保護費以外に収入のない者はこの貸し付けを受けることができません。
 低所得者世帯に対する所得保障は、基本的に国の責任であることから、都は冷房機器の購入経費を生活保護の一時扶助の支給対象とするよう国に提案要求しており、今後も強く求めてまいります。
 なお、昨年度、都が行った区市への補助は、健康維持管理上、冷房機器が必要と判断される高齢の受給者等を対象に、平成二十三年度限りの緊急措置として実施したものでございます。
   〔産業労働局長中西充君登壇〕

〇産業労働局長(中西充君) 八点のご質問にお答えいたします。
 まず、若者の安定的就業に向けた取り組みについてでございますが、やむなく非正規で雇用された若者の問題を本質的に解決するためには、国が実効性のある経済対策を進め、雇用を拡大することが不可欠です。
 都は、既に職業訓練や就業支援の充実に取り組むとともに、国の施策強化に向けた提案要求に加え、経済団体への雇用拡大の要請も行っております。
 次に、若者に対する就業支援についてでございますが、都は意欲ある若者に対して、東京しごとセンターにおける個別担当制のキャリアカウンセリングや、多様な職業訓練の機会を提供するなど、きめ細やかな支援を既に実施しております。
 次に、若者向けの職業訓練についてでございます。
 都はこれまでも、専門知識や技能に加え、社会人としての基礎力を付与する若年者就業支援科を設置するなど、若者を対象とした職業訓練の充実を図っております。
 なお、現在、都が進めている職業能力開発センターの再編整備は、統合に合わせ、施設を大規模化し、機能を拡充するものでございます。
 次に、ものづくり技術に係る支援についてでございます。
 都では、中小製造業の技術の発展を支援するため、新製品、新技術に関する助成や都立産業技術研究センターにおける技術支援などの取り組みを既に進めているところでございます。
 次に、中小企業の要望に応じた支援についてでございます。
 都では、それぞれの企業の要望に応じて、都立産業技術研究センターによります各企業の現場での技術支援など、きめ細かいさまざまな対応を既に行っているところでございます。
 次に、再生可能エネルギーに関する中小企業への支援についてでございます。
 都は、既に環境分野を対象とした産業を重点的に育成するとの方針のもとで、新製品や新技術開発の支援など、さまざまな施策を展開しております。
 次に、製造業に関する調査についてでございますが、都はこれまでも、中小製造業の状況などについて定期的に調査を実施し、その実態を的確に把握しているところでございます。
 最後に、風力発電分野の中小企業の支援についてでございます。
 先ほども申し上げましたが、都は、環境分野を重点的に育成するとの方針のもと、この分野についての中小企業の製品化や事業化を既に支援しているところでございます。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 都の財政運営についてでありますが、都はこれまでも、むだをなくすという視点に立って、歳出の精査を徹底しながら、福祉や医療、防災対策、雇用や中小企業対策、外環道の整備を初めとする都市機能の充実など、必要な施策に的確に財源を振り向け、都民生活の向上に努めてまいりました。
 引き続き、財政の健全性に十分留意しながら、都政の諸課題に取り組んでまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、外環の地上部に計画されている道路の視察についてでございますが、知事から現場を見ると指示を受けており、今後適切に対処してまいります。
 次に、木密地域内における住宅への助成についてでございますが、都は、防災都市づくり推進計画に定める整備地域を対象として、住宅の倒壊による道路閉塞や大規模な市街地火災を防止するという公共性の観点から、区と連携し、耐震化助成を行っており、引き続き整備地域に的を絞って重点的に助成を実施してまいります。
 また、老朽住宅の共同建てかえや延焼遮断帯となる道路の沿道建築物の不燃化建てかえ等に対し、地元自治体と連携して費用の一部を助成しており、今後ともこうした必要な支援を行ってまいります。
 延焼遮断帯の内側の市街地につきましては、木密地域不燃化十年プロジェクトの不燃化特区を活用して、より強力に不燃化を推進することとしております。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、最大の被害を想定した対策等についてでございますが、四月に公表した新たな被害想定では、東京の実情に即して、実際に起こり得る最大の被害像を明らかにしており、今回の地域防災計画の修正素案では、この被害想定を踏まえた減災目標を掲げております。
 また、具体的な取り組みとして、強風下において延焼を防止する延焼遮断帯の整備、石油等危険物施設の耐震化や油が流出した場合の火災発生防止等の応急対策、建築物や鉄道施設の耐震化といった内容を盛り込んでおり、対策が示されていないとのご指摘は当たらないと思います。
 都は、既に「二○二○年の東京」への実行プログラムなどに基づいて、防災対策を着実に推進しており、また、震災対策条例に基づく事業計画策定についても地域防災計画の中に組み込まれており、検討を進めてまいります。
 次いで、被害想定の見直しや複合災害への対策でありますが、今回の地域防災計画の修正素案は、新たな被害想定で明らかになった東京の防災上の課題などを踏まえて策定したものであり、複合災害も含め、あらゆる事態に備えた対策を講じております。
 この素案では、最大級の地震動にも対応するため、堤防、水門等について新たな整備計画を策定し、さらなる耐震強化を推進することなどを示しました。
 今なすべきことは、被害想定を見直すことではなく、最新の知見や被害想定に対応した対策を早急に講じていくことであります。
 また、地震、高潮が複合的に発生した際などに起こる大規模水害に備え、自治体の区域を越えた広域避難対策についても盛り込んでおり、今後、具体的な取り組みを着実に進めていくべきものと考えております。
   〔三十五番大島よしえ君登壇〕

〇三十五番(大島よしえ君) 石原知事に再質問を行います。
 第一に、我が党は高齢者の生活の深刻な実態、福祉の貧困さ、負担の重さの実態を明らかにし、苦しんでいる都民への支援を求めました。ところが、知事は、現在の社会保障制度が、あたかも高福祉低負担であるかのようにいい張り、都民の苦しみに背を向けました。
 知事、保険料や医療費が払えず、病院にも行けない、この実態が高福祉低負担というならば、高福祉である事実、低負担である事実を具体的に示すべきです。お答えください。
 少子高齢化や医療や介護の費用がかさむというなら、何よりも、むだ遣いを一掃し、富裕層、大企業の応分の負担を求めること、そして少子化対策、雇用の拡充、さらに一人当たりのGDPを高めることにこそ力を尽くすべきであることを申し述べ、再質問を終わります。(拍手)
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 都民生活に対する認識についての再質問でございますが、高齢者の生活実態はさまざまですが、現在、低所得者の高齢者に対しては、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療等において、さまざまな負担軽減策が講じられており、都としても、法令に基づき応分の負担を行っております。
 しかし、先ほども知事から申し上げましたように、今後、急速な少子高齢社会が進む中では、こうした現在の社会保障システムを維持していくことは困難であり、負担と給付のバランスを考えながら、新たな社会保障のありようを形づくっていくということが必要であるということでございます。

〇七十四番(原田大君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

〇議長(中村明彦君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後八時六分散会


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