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平成二十三年東京都議会会議録第九号

平成二十三年六月二十四日(金曜日)
 出席議員 百二十六名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番小宮あんり君
四番吉住 健一君
五番桜井 浩之君
六番山崎 一輝君
七番福士 敬子君
八番土屋たかゆき君
九番山内れい子君
十一番小山くにひこ君
十二番くりした善行君
十三番西沢けいた君
十四番田中  健君
十五番畔上三和子君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番大松あきら君
二十番野田かずさ君
二十一番鈴木 章浩君
二十二番菅  東一君
二十三番きたしろ勝彦君
二十四番田中たけし君
二十五番星 ひろ子君
二十六番関口 太一君
二十七番柳ヶ瀬裕文君
二十八番淺野 克彦君
二十九番新井ともはる君
三十番佐藤 由美君
三十一番中村ひろし君
三十二番たきぐち学君
三十三番田の上いくこ君
三十四番島田 幸成君
三十五番大島よしえ君
三十六番中山 信行君
三十七番高倉 良生君
三十八番橘  正剛君
三十九番松葉多美子君
四十番鈴木 隆道君
四十一番神林  茂君
四十二番早坂 義弘君
四十三番高木 けい君
四十四番宇田川聡史君
四十五番鈴木あきまさ君
四十六番矢島 千秋君
四十七番西崎 光子君
四十八番しのづか元君
四十九番滝沢 景一君
五十番中谷 祐二君
五十一番笹本ひさし君
五十二番山下ようこ君
五十三番神野 吉弘君
五十四番鈴木 勝博君
五十五番興津 秀憲君
五十六番岡田眞理子君
五十七番古館 和憲君
五十八番かち佳代子君
五十九番伊藤 興一君
六十番吉倉 正美君
六十一番上野 和彦君
六十二番谷村 孝彦君
六十三番野上 純子君
六十四番山加 朱美君
六十五番吉原  修君
六十六番三宅 正彦君
六十七番石森たかゆき君
六十八番高橋 信博君
六十九番山田 忠昭君
七十番服部ゆくお君
七十一番伊藤 ゆう君
七十二番原田  大君
七十三番佐藤 広典君
七十四番伊藤まさき君
七十五番尾崎 大介君
七十六番山口  拓君
七十七番松下 玲子君
七十八番野上ゆきえ君
七十九番西岡真一郎君
八十番今村 るか君
八十一番たぞえ民夫君
八十二番清水ひで子君
八十三番小磯 善彦君
八十四番長橋 桂一君
八十五番藤井  一君
八十六番ともとし春久君
八十七番こいそ 明君
八十八番遠藤  衛君
八十九番中屋 文孝君
九十番村上 英子君
九十一番林田  武君
九十二番三原まさつぐ君
九十三番田島 和明君
九十四番樺山たかし君
九十五番吉田康一郎君
九十六番くまき美奈子君
九十七番大西さとる君
九十八番いのつめまさみ君
九十九番門脇ふみよし君
百番小沢 昌也君
百一番石毛しげる君
百二番大津 浩子君
百三番大塚たかあき君
百四番相川  博君
百五番大山とも子君
百六番鈴木貫太郎君
百七番東村 邦浩君
百八番中嶋 義雄君
百九番木内 良明君
百十番古賀 俊昭君
百十一番高橋かずみ君
百十二番野島 善司君
百十三番三宅 茂樹君
百十四番川井しげお君
百十五番吉野 利明君
百十六番宮崎  章君
百十七番比留間敏夫君
百十八番斉藤あつし君
百十九番増子 博樹君
百二十番泉谷つよし君
百二十一番山下 太郎君
百二十二番酒井 大史君
百二十三番大沢  昇君
百二十四番中村 明彦君
百二十五番馬場 裕子君
百二十六番和田 宗春君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 なし
 欠員
    十番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事佐藤  広君
副知事猪瀬 直樹君
副知事吉川 和夫君
副知事村山 寛司君
教育長大原 正行君
東京都技監都市整備局長兼務河島  均君
知事本局長秋山 俊行君
総務局長比留間英人君
財務局長安藤 立美君
警視総監池田 克彦君
主税局長荒川  満君
生活文化局長並木 一夫君
スポーツ振興局長笠井 謙一君
環境局長大野 輝之君
福祉保健局長杉村 栄一君
産業労働局長前田 信弘君
建設局長村尾 公一君
港湾局長中井 敬三君
会計管理局長新田 洋平君
消防総監新井 雄治君
交通局長金子正一郎君
水道局長尾崎  勝君
下水道局長松田 二郎君
青少年・治安対策本部長倉田  潤君
病院経営本部長川澄 俊文君
中央卸売市場長岡田  至君
選挙管理委員会事務局長宮川 雄司君
人事委員会事務局長多羅尾光睦君
労働委員会事務局長山本 洋一君
監査事務局長三橋  昇君
収用委員会事務局長藤井 芳弘君

六月二十四日議事日程第三号
第一 第百七号議案
平成二十三年度東京都一般会計補正予算(第一号)
第二 第百八号議案
平成二十三年度東京都都営住宅等事業会計補正予算(第一号)
第三 第百九号議案
平成二十三年度東京都病院会計補正予算(第一号)
第四 第百十号議案
平成二十三年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第一号)
第五 第百十一号議案
平成二十三年度東京都臨海地域開発事業会計補正予算(第一号)
第六 第百十二号議案
平成二十三年度東京都港湾事業会計補正予算(第一号)
第七 第百十三号議案
平成二十三年度東京都水道事業会計補正予算(第一号)
第八 第百十四号議案
平成二十三年度東京都下水道事業会計補正予算(第一号)
第九 第百十五号議案
都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第十 第百十六号議案
東京都都税条例の一部を改正する条例
第十一 第百十七号議案
都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第十二 第百十八号議案
東京都高等学校等生徒修学支援基金条例の一部を改正する条例
第十三 第百十九号議案
警視庁の警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する条例の一部を改正する条例
第十四 第百二十号議案
警視庁航空隊江東飛行センター(二十三)改築工事請負契約
第十五 第百二十一号議案
東京国際展示場(二十三)電気設備改修工事請負契約
第十六 第百二十二号議案
都庁舎(二十三)昇降機設備改修工事その一請負契約
第十七 第百二十三号議案
都庁舎(二十三)昇降機設備改修工事その二請負契約
第十八 第百二十四号議案
消防艇「みやこどり」の製造請負契約
第十九 第百二十五号議案
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター定款の変更について
第二十 第百二十六号議案
エックス線検査装置の買入れについて
第二十一 第百二十七号議案
複合多重化装置外五種の買入れについて
第二十二 第百二十八号議案
旅券法関係手数料条例の一部を改正する条例
第二十三 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
第二十四 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
議事日程第三号追加の一
第一 東京都副知事の選任の同意について(二三財主議第一三三号)
第二 東京都教育委員会委員の任命の同意について(二三財主議第一三四号)
第三 東京都公安委員会委員の任命の同意について(二三財主議第一三五号)
第四 東京都公安委員会委員の任命の同意について(二三財主議第一三六号)
第五 東京都人事委員会委員の選任の同意について(二三財主議第一三七号)
第六 東京都固定資産評価員の選任の同意について(二三財主議第一三八号)
第七 東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(二三財主議第一三九号)
第八 議員提出議案第四号
東京都省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保に関する条例

   午後一時開議

〇議長(和田宗春君) これより本日の会議を開きます。

〇議長(和田宗春君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

〇議長(和田宗春君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第四号、東京都省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保に関する条例、知事より、東京都副知事の選任の同意について外人事案件六件がそれぞれ提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

〇議長(和田宗春君) 昨日に引き続き質問を行います。
 三十一番中村ひろし君。
   〔三十一番中村ひろし君登壇〕

〇三十一番(中村ひろし君) 質問に先立ち、東日本大震災で亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 初めに、都政運営の方針について、都の財政運営について質問します。
 今回の議会は震災対策が中心となり、そのための補正予算一千三百七十四億円が議論されます。その財源は、基金からの繰り入れが約半分の七百五億円となっています。今後、震災による厳しい景気状況のもと、都税収入も不透明です。十一月には東京都防災対応指針が示されるとのことですが、建物の耐震化や津波、高潮対策等にさらに多くの予算が必要になると思われます。かねてから景気の低迷の影響もあり、長期的に見たときに、少子化や高齢化の影響もいわれてきた中、今後は震災への対応も加わることで、より厳しい財政運営が予想されます。都の財政運営についての考えを伺います。
 次に、都政の課題と「二〇二〇年の東京」について伺います。今議会は都知事選挙後初の議会でもありますので、今後の都政の取り組みについて質問したいと思います。
 大震災により生活様式の見直しへの機運も高まり、便利さや効率を優先し過ぎた生活への反省の声もあります。働き方を示す言葉としてもワークライフバランス、仕事と生活との調和、ディーセントワーク、働きがいのある人間らしい仕事などがいわれるようになってきました。これからの都政においては、都民の生活の質の向上ということが今まで以上に求められます。
 経済大国とはいえ、雇用の不安や貧困に陥る恐怖を感じる人が多くいます。震災後、その影響かどうかは明確にはわかりませんが、自殺者がふえてしまいました。若い世代が希望を持てる社会をつくっていくことが必要です。
 経済協力開発機構、OECDが国民の幸福度について発表していますが、他の先進国に比べて日本は決して高くはありません。現在、内閣府が新成長戦略の中で検討しているような幸福度という視点が今後の都政にも必要となります。
 都では「十年後の東京」計画を改定し、二〇二〇年までを計画期間とする新たな長期ビジョンである「二〇二〇年の東京」を策定すると発表しました。防災対策を政策の大きな柱に据えるのはよいのですが、都がどういう都市であるかだけではなく、都民の生活がどうあるかも大切な視点になります。「十年後の東京」計画の改定に当たり、都政の課題をどう認識し、どのような考え方で策定されるのか、ご所見を伺います。
 次に、震災対策について伺います。
 まず、震災対策の点検と防災力の向上についてです。
 震災後、私も被災地を訪れ、その被害状況のすさまじさに言葉をなくしました。また、東京都が受けた影響も大きく、わずか震度五で交通網や通信網が麻痺をしてしまいました。都には地域防災計画がありますが、改めて計画と実際が違ったところ、計画は正しかったが、そのとおり動けなかったところを点検する必要があります。
 ある想定をすると、そこから先の対応がとられなくなってしまいますが、想定にとらわれない対策も必要になります。都庁が機能しなくなった場合の備えや津波、高潮が防波堤を超えてゼロメートル地帯に襲いかかる場合の備えなど、幅広く検討していただきたいと思います。
 都は、都心と多摩とそれぞれが震源の震災の被害状況は想定していますが、どのように対応するかは個別には設定されていません。さまざまなケースがあり得ますが、区部直下型と多摩直下型の少なくとも二通りの対応や動き方の設定はしておくべきです。政府の地震調査委員会は、東日本大震災の影響に伴い、立川断層の地震発生率が高まった可能性があると発表しましたが、多摩地域での防災対策も強化する必要があります。
 都は、今回の震災における対応を点検した上で、地域住民の災害への対応力を高めると同時に、都と区市町村間の連携を強め、防災力の向上を図るべきだと考えますが、ご所見を伺います。
 次に、震災に強いまちづくりとコンパクトシティーについて伺います。
 今回の震災をかんがみると、東京を安全でゆとりのあるまちに変えていくことが重要です。特に、今後の人口減少社会に向けて、まちの機能を集約したコンパクトシティーにすることは、防災や省エネの観点からもよいと思います。駅や公共施設を中心に商業施設などを集約化し、その周辺はゆとりある住環境や自然環境をつくっていく。住宅地域では、高齢者でも歩いて買い物できる近所の商店街がにぎわい、駅や公共施設には、コミュニティバスで簡単に行くことができるようにするのが望ましいと思います。その際、二十三区だけではなく、多摩地域のまちづくりも重視しながら、東京全体のまちづくりを進めていくべきと考えます。
 そこで、今後のまちづくりに当たっては、ゆとりと緑のある住環境の整備とあわせて、防災対策も同時に講じながら、コンパクトシティーの実現を図るべきと考えますが、ご所見を伺います。
 次に、建築物の耐震化について伺います。
 震災が起きたときに、どこにいるかで命の分かれ目にならないようにしなければなりません。民間住宅の耐震化は、所有者が各市区町村の補助の活用等により取り組んでいますが、自治体による取り組みの差があるため、さらなる促進のために都の支援も求めます。
 しかし、幾ら自分の家を耐震化しても、耐震化していない建物に偶然いたときに震災が発生すれば、被害に巻き込まれてしまいます。とりわけ、商業施設のように多くの人が集まる建物は、災害時の被害が甚大となることが予想され、その耐震化は重要であり、所有者だけの問題では済まされません。
 先般、緊急輸送道路沿道の建物の耐震化を促進する条例が制定され、沿道の建築に来年四月以降、耐震診断が義務づけられるとともに、耐震診断や改修に対する助成制度も拡充されました。
 震災を経て、民間建築物の耐震化がより一層求められている今、多くの人が集まる商業施設などの耐震化にも積極的に取り組むべきです。都が平成十九年に定めた東京都耐震改修促進計画でも、大規模な百貨店、ホテル等、不特定多数の都民が利用する建物については、緊急輸送道路沿道の建物と同じく、平成二十七年度までに耐震化率を一〇〇%とすることを目標としています。
 そこで、不特定多数の都民が利用する大規模な商業施設の耐震化に対する認識と今後の取り組みについて伺います。
 次に、帰宅困難者対策について伺います。
 今回の震災では、帰宅困難者の問題が大きく注目されました。私も、JRが早々に動かないと決めてしまったので、震災の日は都議会に泊まりました。
 都はこれまでも、駅を中心にして訓練してきましたが、曜日や時間で状況が変化するため、さまざまな場面を想定しておかなければなりません。都心の区では、住民票上の夜間人口ではなく、昼間人口を基準にした防災対策をするよう都からも働きかける必要があります。自治体の訓練は休日に地域住民を対象として実施されることが多いのですが、週七日のうち五日は勤務地にいる人が多いという現実に即せば、平日の昼間にも実施をして、会社や従業員も含めて参加をしてもらうことが必要です。
 都は、事業者に対して、震災時には従業員に会社にとどまらせて、駅に殺到したり帰ったりしないようにすることや、そのために食料の備蓄をすること、避難訓練を行うことを要請する必要があります。いざというときに備えて、携帯用の行動マニュアルを作成して配布することも考えられます。また、週末に買い物やレジャーで都心に行く方々は、日常とは違う場所にいるため、徒歩での帰り方がわからない方も多い中での避難所への誘導訓練も必要になります。
 都では自治体を超えて人が動くため、帰宅困難者の対策を都が計画し、市区町村や事業者に協力を要請することで対策を協議すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、震災時の情報提供のあり方について伺います。
 災害時の情報は、行政機関だけではなく、都民のために必要なものです。これは、災害時でなくても、例えば電車の事故のときなどには、必要な情報が入手できないことで不安や焦燥にかられ、鉄道会社の対応に不満を感じる方は多いのではないかと思います。まして震災直後のように人々が混乱しているときこそ、正確で迅速な情報を提供することが必要です。
 災害時の情報提供については、インターネットは有益であり、三鷹市でもツイッターによる情報提供は好評でした。ただ、それだけでは高齢者などのIT弱者の問題もありますので、町会や民生委員に協力をしてもらい、情報を届けることも行いました。
 緊急で情報提供することも必要ですが、不安をあおるだけにならないよう、適切な内容の情報提供も必要になります。平常時からどういった情報をどう伝えるべきなのか想定しておくことが大切です。都は災害時において、都民の不安を払拭し、冷静な行動を促す観点から、正確で適切な情報を迅速にさまざまな手段を使って伝えることができるよう、災害に関する情報提供を充実すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、震災による雇用への影響について伺います。
 今回の震災により雇用にどのような影響が出たのでしょうか。事業主も厳しい状況であるとは思いますが、解雇された方はもっと厳しいのです。あってはならないことですが、震災に便乗した必要のない解雇や非正規職員の雇いどめ、新卒の内定取り消しなど厳しい状況にあると聞きました。被災者の雇用対策も当然必要ですが、都内で震災により職を失った人の雇用対策も大切です。都内の震災の影響による解雇や雇いどめなどの状況はどうなっているのでしょうか。また、解雇などで職を失った方への支援はどうなっているのかお伺いいたします。
 次に、省エネに関連する施策について伺います。
 まず、計画停電への備えについてです。
 補正予算で今回省エネへの対応として、太陽光発電やLEDの導入などへの積極的な支援はよいことだと思います。これは震災後だけではなく、継続的に取り組んで、環境分野の産業として積極的に育成していただきたいと思います。
 今回の震災では、改めて、都市における電力の重要性を認識させられました。この夏の電力不足への対応がまさに急務であり、省エネ施策を何としても推進し乗り切らなければなりません。しかし、万が一に備えて、東京電力では計画停電もあり得ると発表しています。震災後の計画停電の際の課題を踏まえて、備えを万全にする必要があります。情報伝達を十分に行うことも大切です。
 また、今回は二十三区が除外され、多摩地域だけが計画停電の地域に指定されていますが、停電した地域の方からは、ひとしく我慢するならよいが、不公平ではないかとの声も出ています。停電しない地域の方には、その痛みを認識していただいて、より一層の節電をお願いしたいと思います。
 最終的には全都的な対応が必要ですが、多摩地域の停電する可能性のある地域においては、信号機の電源や医療機関の電源などの対応を急ぐ必要があります。
 そこで、計画停電への備えについてお伺いします。
 次に、不測の停電への備えについて質問します。
 計画停電とは別に、想定外の停電についても備えておく必要があります。電線の損傷や落雷などを含め、不測の停電が発生すると大きな混乱が発生することが懸念され、都民の生活にも影響が出てしまいます。
 また、非常時の司令塔となる都庁舎や医療機能を担う都立病院等の施設の停電は、人命に直結することが心配されます。これは自然災害ではありませんが、不測の事態に備えるという点では、別の危機管理として考える必要があります。不測の停電に対する都の対応についての所見を伺います。
 次に、節電による健康への影響と対策について伺います。
 省エネは必ずやらなければなりませんが、同時に健康管理も必要です。高齢者の熱中症対策は補正予算に盛り込まれましたが、高齢者だけが危険なわけではありません。職場での労働環境を整え、勤労者の健康管理については、事業主にその責務があると考えます。都から事業主に対して、職場環境への注意を喚起していかなければなりません。水分の補給を十分行うことやクールビズを行うこと、例年以上に休息をとることも必要になります。窓にフィルターを張ったりするなどの対策もあり得ます。都庁も窓があかないので、職員の皆様も十分留意してほしいと思います。
 そこで、省エネも大切ですが、精神論だけでは乗り切れない場合もあり、健康に害があってはならないと思いますが、都の対応をお伺いします。
 次に、高齢化社会への対応についてお伺いします。
 まず、認知症への対応についてです。
 高齢化社会に対する施策の充実は、多くの都民が求めています。三鷹市でも、市民団体が独自に高齢者世帯にアンケート調査を行い、行政に提言する等、市民からもこの状況を何とかしなければという機運があります。とりわけ、認知症に対する不安の声も大きく出ています。
 認知症に対する取り組みとしては、グループホームの緊急整備や認知症サポーターの育成、また後方支援として認知症疾患医療センターなど、さまざまな施策が実施されていますが、在宅で認知症の方を介護する場合、家族の負担がまだまだ大きいといわざるを得ません。
 家族の負担という意味では、寝たきり老人を抱える場合も同様です。寝たきり老人という言葉は使われなくなって久しいのですが、この問題が解決したわけではありません。介護保険は、家族介護者への支援が不足しています。介護が長期間にわたる場合の精神的ストレスははかり知れないものがあり、高齢者虐待に発展しかねません。増加する認知症患者への対応や家族介護者を支えるためにも、地域における総合相談機能を担う地域包括支援センターの機能強化が求められますが、ご所見をお伺いします。
 最後に、高齢化社会における課題についてお伺いします。
 今、認知症と寝たきり老人に言及はしましたが、他に高齢者の問題には孤独死の問題もあります。ひとり暮らしになる事情はそれぞれあるにせよ、だれにもみとられることなく人生の最期を迎えることは余りに悲しく、対策が必要です。
 都知事は、選挙公報に、強い東京都をつくる十の約束を挙げられ、その一つが認知症ゼロ、寝たきりゼロ、孤独死ゼロのトリプルゼロ社会を東京ルールで実現しますとありました。これは大変重要な課題でありますので、ぜひとも進めていただきたいと思います。
 この認知症、寝たきり老人、孤独死など、高齢化社会における課題について、都知事がどのようなお考えをお持ちか、ご所見を伺いたいと思います。
 以上で質問を終わりますので、ご答弁のほどよろしくお願いをいたします。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 中村ひろし議員の一般質問にお答えいたします。
 高齢化社会における課題についてでありますが、老いは時間のもたらす必然の結果でありまして、これを避けることはできません。ならば、老いをいかに充実して過ごし、ある日突然に逝くというのが理想的な老年であるということもいわれております。
 しかしまた、老いは非常に残酷でもありまして、高齢者になって認知症や寝たきり状態になれば、本人ばかりではなく、それを支える家族の負担も決して少なくはありません。また、人と人とのつながりの希薄化がもたらした孤独死の多く、これは大都会によく見られる現象ですけれども、そのほとんどのケースは、身寄りのないひとり暮らしの高齢者でもあります。
 今回の大震災では、住民のきずなに根差した助け合いが混乱の中でも大きな力を発揮することを改めて認識させました。認知症や寝たきりの高齢者、ひとり暮らしの高齢者の日常生活を支えるのも、こうした地域社会に根差す連帯の仕組みであると思います。
 高齢化社会の問題の解決のためにも、近隣同士の支え合いの仕組みなど、かつてあった緻密な地域のきずなを新しい共助として東京に再生させ、大都市にふさわしい連帯をつくり上げていきたいものだと思っております。
 他の質問については、技監及び関係局長から答弁します。
   〔東京都技監河島均君登壇〕

〇東京都技監(河島均君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、コンパクトシティーの実現についてでございます。
 都はこれまでも、東京の都市づくりビジョンにおきまして、コンパクトな市街地への再編を掲げ、駅などを中心に人口や生活機能が集積し、マイカー利用を前提とするのではなく、徒歩や公共交通の利用で暮らせる生活圏の整備に取り組んでまいりました。
 例えば、ひばりヶ丘駅北口では、地元市による都市計画道路の整備にあわせまして、都は街区再編まちづくり制度に基づき、街並み再生方針を定め、容積率等の緩和なども活用して、市が進めるまちづくりを積極的に支援し、駅周辺の機能集積や敷地の共同化による防災性の向上などを図っております。
 引き続き、こうしたまちづくりを通じて、都市機能の集約的な再配置とともに、その周辺におけるゆとりある空間の創出などを図り、だれもが暮らしやすいコンパクトな市街地への再編を進めてまいります。
 次に、大規模な商業施設の耐震化についてでございます。
 建物の所有者は、みずからの生命と財産を守るだけではなく、利用者や周囲へ被害を与えないよう、その耐震性能を主体的に確保していくことが求められております。とりわけ、不特定多数の者が利用する商業施設の所有者は、大きな社会的責務を有しており、積極的に耐震化を進めることが重要でございます。
 このため、都は、百貨店やスーパーマーケットなどについて関係団体を通じて所有者等への普及啓発を行っており、今後とも耐震キャンペーンなどさまざまな機会をとらえ、耐震化への取り組みをより一層強く働きかけてまいります。
 この四月から緊急輸送道路沿道建築物の耐震化推進条例を施行しましたが、大規模な商業施設は、特定緊急輸送道路沿道に立地していることが少なくないことから、耐震診断の義務づけや拡充した助成制度など、条例に基づく施策を着実に実施してまいります。
 また、条例の対象とならない大規模な商業施設についても、区市と連携して、法に基づく指導や指示を行うなど、的確に対応してまいります。
 今後とも、さまざまな施策を総合的に展開することで、大規模な商業施設を初めとした民間建物の耐震化を積極的に推進し、災害に強い東京を実現してまいります。
   〔財務局長安藤立美君登壇〕

〇財務局長(安藤立美君) 今後の財政運営についてお答えを申し上げます。
 このたびの大震災は、都政を取り巻くあらゆる環境に根本的な変化をもたらすものであり、その対応は、今年度のみならず、来年度以降も含めた息の長い取り組みとなります。したがいまして、財政環境の先行きを見通すことが困難な中にありますが、緊急対策の着実な実施を初め、都民の不安を払拭し、東京に活力を取り戻すという都政の使命を今後とも確実に果たしていくことが重要であります。
 そのためには、これまで一貫して進めてきた堅実な財政運営という原点に立ち返り、これを堅持していかなければならないと認識をしております。
 引き続き、事業評価などの取り組みを着実に進め、基金残高の確保など、財政の対応力にも配慮しながら、都民の負託にしっかりとこたえるべく、全力を尽くしてまいりますが、その際には、この点は昨日も知事が強く申し上げたところでございますが、法人事業税の暫定措置の即時撤廃が必要と考えます。
 その観点で、国の社会保障と税の一体改革について申し述べさせていただきますと、国は六月二十日までに成案を取りまとめるとしていたにもかかわらず、いまだに決められておりません。消費税引き上げの時期などに加え、社会保障の現場を担う地方の独自財源となる地方消費税の拡充についても、明記されるかどうか不明であります。今後、社会保障費がふえるのは地方も同じであり、社会保障制度を安定的に運営するのであれば、消費税だけでなく、地方消費税も拡充すべきことは当然であります。
 あまつさえ議論の前提であるべき法人事業税の暫定措置の撤廃については、議論をした形跡すら見当たらないところであります。かつて、国は、この不合理な措置を税制の抜本改革までの暫定措置と断言していましたが、今後さらに継続されるとすれば、それは明らかな約束違反であります。本気で税制の抜本改革を進めるならば、国はこれまでの経緯もしっかり踏まえ、まずは暫定措置を直ちに撤廃し、消費税はもとより地方消費税も拡充すべきであり、都として引き続き国に対して、あらゆる機会をとらえ、強く働きかけてまいります。
   〔知事本局長秋山俊行君登壇〕

〇知事本局長(秋山俊行君) 「十年後の東京」計画の改定についてでありますが、これまで都は、「十年後の東京」計画のもと、環境、安全、福祉、産業などさまざまな分野で先進的な施策を推進してきましたが、計画期間が半ばを迎えたことに加えまして、東日本大震災によりまして新たな課題も明らかになってまいりました。
 こうした状況を踏まえまして、「十年後の東京」計画を改定し、東京を新たな成長軌道に乗せる道筋を示すことといたしました。改定に当たりましては、高度な防災力を備えた安全・安心社会の創造、エネルギー政策を柱に据えた環境と経済が両立した都市の実現などを視点といたしまして、都民生活の質の向上や、都内経済の発展へつなげていく考えでございます。
   〔総務局長比留間英人君登壇〕

〇総務局長(比留間英人君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、住民の災害対応力向上と区市町村間の連携でございます。
 今回の震災では、発災直後の混乱の中で、住民の自助、共助による取り組みや、自治体間の連携が大きな力を持つことが明らかになりました。住民の防災力や自治体間の連携を強化するためには、日ごろの取り組みの積み重ねに加えて、実践的な防災訓練を実施することが有効でございます。
 このため、本年度は、多数の地域住民の参加を得て、四市と合同で訓練シナリオの一部を秘匿する実践的な訓練や、高潮、津波対策訓練、帰宅困難者訓練などの総合的な防災訓練を実施してまいります。こうした訓練により、住民の災害対応力の向上と、参加自治体間の一層の連携強化を図ってまいります。
 次に、帰宅困難者対策についてでございます。
 今回の震災では、首都圏の鉄道がすべて停止したため、多くの帰宅困難者が発生し、都内は大きく混乱をいたしました。帰宅困難者対策は、一斉帰宅の抑制、帰宅困難者の一時待機施設の確保、速やかな安否確認と情報提供などが重要となります。
 これらを踏まえ、都は、官民で構成する協議の場を設け、それぞれの役割と責任を明確化するとともに、安否確認や備蓄などを含め課題の検討を行い、社会全体で取り組む帰宅困難者対策を策定してまいります。
 次に、災害に関する情報提供についてでございます。
 発災時において、都民の不安を和らげるためには、必要な情報を迅速に提供することが重要であり、都や通信事業者等の関係機関は、情報通信基盤を強化する必要があります。このため、災害情報ホームページの機能強化などにより、都からの情報発信を強化いたします。また、通信事業者も含めた協議の場を設置し、安否の確認などの対策を検討するとともに、発災時の情報通信基盤の強化について国に働きかけてまいります。
 最後に、不測の停電への対応についてでございます。
 送電線の断絶や落雷等による停電は、地域は限定的ではありますが、当該地域の住民などの生活に大きな影響を与えます。都は、東京都電力対策緊急プログラムにおいて、都民生活を支える施設の電源確保を進めるため、医療機関や社会福祉施設、ライフライン等で、自家発電機や燃料等の確保を図ることとしております。こうした対策を着実に実施し、停電時の電力を確保するとともに、区市や民間事業者に対して、事業継続計画の策定を支援し、不測の停電に備えてまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

〇産業労働局長(前田信弘君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、震災の影響による解雇等の状況と職を失った方への支援についてでありますが、都が労働相談情報センターに三月末に設置いたしました震災関連特別労働相談窓口には、これまでに約一千件の相談が寄せられております。相談の項目では、解雇、雇いどめに関する相談が約二割を占め、その中には、問題があると思われるものも含まれております。都としては、法令の遵守や解雇の正当性等について相談、指導を行っております。
 また、職を失った方の就職に向けまして、東京しごとセンターにおいて専門のカウンセラーを配置した新たな窓口を設置し、さまざまな支援を実施することとしております。
 このような取り組みにより、震災の影響による労働問題に適切に対処するとともに、解雇された方々の早期の就職を支援してまいります。
 次に、節電に伴う職場環境への注意喚起についてでありますが、職場における労働者の健康と安全の確保につきましては、労働安全衛生法において事業主の責務とされており、その具体的内容は同法の規則により定められております。夏季の節電対策につきましても、こうした法令を遵守し、各事業主が適切に実施すべきものと考えております。
 都はこれまで、労働相談情報センターにおいて、事業者の安全配慮義務に関するセミナーの実施や、労働安全衛生の解説を記載したパンフレットを作成するとともに、インターネットを通じた情報提供を行っております。こうした取り組みを通じて、節電の要請と労働安全衛生の確保が両立できるよう、知識の普及を図ってまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 計画停電への備えについてでございますが、国は五月に示した夏季の電力需給対策におきまして、計画停電を原則不実施としましたが、なお緊急時には実施の可能性を残しております。
 そのような事態を回避するため、都は、今般策定した電力対策緊急プログラムに基づきまして、個別の企業や家庭に対して具体的な節電アドバイスを実施するなど、実効性のある電力対策に全力で取り組んでおります。
 あわせて、計画停電を踏まえた事態に備え、信号機や医療機関、ライフライン機能を担う施設等に必要な電源を確保するなどの都内全般にわたる対策を推進しております。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 地域包括支援センターの機能強化についてのご質問にお答えいたします。
 地域包括支援センターは、高齢者や家族からの相談に応じますとともに、医療や介護などのサービスが適切に提供されるよう、関係者の連絡調整を行う区市町村が設置する機関でございます。
 しかしながら、介護予防ケアプランの作成など、一部の業務に多くの時間を割かれ、認知症高齢者の実態把握や要介護者の家族に対する相談支援など、その役割を十分に果たせていないことが課題となっております。
 このため、都は、センターが地域の拠点として機能を発揮できるよう、業務の外部委託要件の緩和などを国に提言いたしますとともに、職員の資質向上のため、独自に必要な知識や技術の習得を図る研修を実施いたしております。

議長(和田宗春君) 四十五番鈴木あきまさ君。
   〔四十五番鈴木あきまさ君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇四十五番(鈴木あきまさ君) 初めに、東日本大震災でお亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。また、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 大震災の衝撃が今も心に残り、日本全体が重苦しい雰囲気にありますが、とうとい犠牲に報いるためにも、この日本をよりよい国家社会にしていくことが、生ある我々の責務でもあります。そうした決意で、みずからの職務を全うしていくことをお誓い申し上げ、質問に入らせていただきます。
 さきの東日本大震災を教訓として、首都直下地震への備えをさらに強化することが求められております。その際、東京が被災して、政治や経済など中枢機能が麻痺し、日本全体がとまらないようにする必要があることは論をまちません。
 そこでまず、現在の首都機能のバックアップ体制について伺います。
 一方で、大阪に副首都を建設し、東京をバックアップする構想が新聞紙上をにぎわせています。また、全国各地が、首都機能の一部を受け入れようと手を挙げる動きを見せ始めています。これらは、かつての首都機能移転論が亡霊のようによみがえったものにほかなりません。
 とりわけ、大阪府知事と愛知県知事、名古屋市長が臨時国会を大阪と愛知で毎年交互に開くことを求めておりますが、これはバックアップに名をかりながら、首都移転に向けて地ならしせんとする企てであります。
 国家財政が破綻に瀕している中で、莫大な公共事業で新しいまちをつくるのは非現実的であります。仮に建設しても、いざというときに東京から何百キロも離れたところへ政府機能が即座に移動できるわけではありません。現実的なのは、東京を初め首都圏の中で、防災力を徹底的に高めながら、機能の分散も図り、相互にバックアップできるようにすることであります。単なる箱物づくりでしかない副首都建設の議論をしている場合ではありません。今求められているのは、被災地の一日も早い復旧、復興であります。
 震災を口実にリスク管理の美名のもとで、首都機能移転論が復活しようとしていることに対して、知事の所見を伺います。
 さて、東日本大震災の影響により、東京の抱える課題は新しい局面を迎えています。電力供給の減少は、首都機能や産業活動に対する大きな制約となり、また、首都圏を襲う大地震を想定した災害に強いまちづくりの実現に向けて、都市全体の耐震化が不可欠です。
 こうした課題の解決を図るためには、国や大企業の技術開発のみに頼るのではなく、都内中小企業の将来性のある高度な技術を活用することが重要と考えます。私の地元大田区は、ものづくり産業の拠点として、実際に省エネや災害対策のための技術開発には非常に意欲的です。行政としても、こうした会社をしっかりとサポートすべきです。
 例えば、都は昨年度、省エネなど、環境分野における都市課題解決に役立つ研究開発テーマに沿った中小企業の新製品開発を支援しています。今年度は、安全・安心分野において同様に支援していくこととしております。震災後の都市の課題がより顕在化した今こそ、こうした流れをさらに加速させていくことが必要と考えます。
 震災後の状況を踏まえ、省電力製品や災害対策技術の開発促進にどのように取り組んでいくのか見解を伺います。
 今回の震災は、東京湾の沿岸地域でも液状化現象や地盤沈下などを引き起こして、工場に被害の生じた事例を出しております。
 大田区でも、ある事業協同組合の倉庫が地震の揺れにより破損した上に、建物そのものが沈み込んで、その復旧に大きく手間取っているような状況を聞いております。中小企業の事業組合は、震災復旧などに対応できる自己資金やノウハウが十分ではなく、組合に加入している個々の会社に追加で負担を求めようとしても、長引く景気低迷により、そうした分担は困難であるのが現状です。
 過去に例を見ない今回の震災のようなときにこそ、行政が復旧への手助けを図るべきです。都は、中小企業事業協同組合等の団体が所有する施設の被害に対し、早期復旧に向けた支援に取り組むべきであると考えますが、所見を伺います。
 今回の大地震は、都内中小企業に大きな影響を及ぼしており、東京都中小企業団体中央会の調査では、多くの中小企業が受注や売り上げの減少などの影響を受けたことが明らかになっております。
 実際に、都内中小企業は、震災から受けたダメージから一日も早い回復を目指すために、販路を新たに見出したり、新分野での技術開発に取り組むなど、懸命の努力を進めております。
 都としても、このような企業に対して、的確なサポートを行うことが重要ですが、中小企業の中には、行政に提出する書類の作成に手間取ったり、補助金などをもらい受けるまでの資金繰りをどうするべきかなど、都の窓口では相談の難しい悩みを抱えている実態もあります。
 また、ことしの夏の節電対策については、業種ごとの実態に応じた支援が求められています。今回の震災の影響は広範囲にわたるため、復興に向けては一社だけの努力では限界があり、ものづくり企業を初めとする中小企業同士の連携が重要となっております。さまざまな経営相談や節電のサポートなどについて、都は、同じ業種の互助組織のかなめである中小企業団体中央会を活用して組合等への支援を行うべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、避難者への就労支援についてですが、東日本大震災による地震の影響や原子力発電所の事故などにより、都内に避難をしてきた方々は、一時的な避難所から順次、都営住宅等へ移り、生活再建に向け努力を続けられています。
 今後、仕事を通じて安定した収入を得ていくことが必要となっていきますが、被災地の復旧状況を見ると、避難の長期化が予想され、残念なことに、避難された方々全員が早期にふるさとに戻り、なれ親しんだ仕事に復帰できる状況にはありません。
 こうした中、地元に帰り復興事業で働きたいと考える方がいらっしゃる一方で、やむを得ず都内で仕事探しを考える方など、避難者の方々の意向もさまざまであると思います。
 しかしながら、現下の厳しい雇用状況のもとでは、避難されている方々が今までの職業経験や知識を生かせるような仕事に新たにつくことは、なかなか困難な状況にあります。
 そこで、都は、避難者の方々のそれぞれの意向を踏まえ、次の就職につながるよう、避難者を対象とした職業訓練を充実し、機会を提供していくことが必要と考えます。東京だからできる支援と考えますが、見解を伺います。
 次に、都市農業の振興についてですが、我が党はこれまでも、農地の少ない区部の小中学校の学校給食に、安全・安心な都内産農産物を供給すべきと主張してきました。都もこれにこたえ、現在、八王子市内の都有地を農地として有効活用し、区部の小中学校に都内産農産物を供給する取り組みを開始いたしました。
 この農場は、とうきょう元気農場と名づけられ、都と地元の農業者などが力を合わせて、安全で安心な農産物の生産に取り組んでいると聞いています。都有地の利活用と学校給食を通じた地産地消の取り組みとをうまくマッチさせた取り組みであり、大変意義のある事業と、大いに期待をしているところです。
 そこで、とうきょう元気農場における取り組み状況について伺います。
 また、とうきょう元気農場は、八王子市内の自然豊かな場所に開設された約六ヘクタールの広々とした農場であると聞いていますが、こうした農場で子どもたちが自然と触れ合い、農作業などを体験できたら、さらにすばらしいことではないでしょうか。
 この農場を、子どもたちの農作業体験等の場として大いに活用すべきと提案しますが、所見を伺います。
 次に、観光まちづくりについて伺います。
 大田区は、羽田空港の再拡張や国際化などに伴い増加する旅行者を空港周辺地域に取り込むため、都の支援を受け、大田、品川地域で広域的な観光まちづくりを進めてきました。
 こうした取り組みが評価され、大田区のメーンステーションの一つである蒲田が、銀座、秋葉原とともに観光庁の訪日外国人旅行者受け入れ環境整備事業の中で、戦略拠点に選定されました。
 全国で十二の戦略拠点のうち、東京都初の選定地として蒲田が選定されたことは、蒲田が羽田から東京を訪れる外国人旅行者の玄関口として期待をされているものと考えます。銀座、秋葉原は既に海外に知られていますが、この機会に蒲田も海外に開かれたまちとして、関係者が一丸となり、世界に向けて情報発信をしていってほしいと思います。
 蒲田を初め、大田区は羽田空港を擁するとともに、池上本門寺や馬込文士村などの歴史、文化的な環境、多摩川や臨海部の水辺環境、商店街、温泉の出る銭湯、羽根つきギョーザや汐焼きそばなどのB級グルメ、そして、世界に誇るものづくりの中小企業の集積など、豊かな観光資源があります。
 この観光庁の事業は、国と大田区の間の単年度事業ですが、大田区は次年度以降も外国人受け入れ機会の拡大と体制の整備を継続する予定です。
 地域がみずからの力で外国人旅行者を受け入れるための観光まちづくりに取り組み始めた今こそ、この主体的な取り組みが軌道に乗るよう、東京都も引き続き支援を行うべきではないかと思いますが、所見を伺います。
 次に、東京港について伺います。
 都では、平成十八年度に、東京港海岸保全施設緊急整備計画を策定し、水門や防潮堤などの耐震対策を推進しています。この計画の中には、私の地元大田区の貴船、呑川、北前堀、南前堀のいわゆる港南四水門も含まれており、それらは建設されてから相当期間が経過し、老朽化しているため、津波、高潮への備えを考えると早急な対策が必要であります。
 一方、これらの水門の内側は、かつては河川でありました。現在も埋立地から残った水面に、小型船の係留等に利用されていることから、都と地元区では、港南四水門の整備のあり方について協議を継続していると聞いています。
 そこで、今後、都はどのように取り組むのか伺い、私の全質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 鈴木あきまさ議員の一般質問にお答えいたします。
 首都機能についてでありますが、未曾有の震災を目の当たりにして、東京が災害に見舞われた際に、首都機能をどのように維持し、場合によっては代替するかを改めて検討、検証するのは大変必要なことだとも思います。
 しかし、最近の議論を見ますと、初めに移転ありきの感が否めずに、かつての首都機能移転論をも想起させます。これは、私、知事に就任して、率先してつぶした国の愚策でありますが、それがよみがえるのでは本当に困る話でありまして、首都機能は莫大な費用をかけて、単に箱物をつくれば担えるものでは決してありません。本当に役に立つものでなければ、いざ災害が起こったときにかえって深刻な混乱を招くことにもなりかねません。
 また、二十一世紀は都市の世紀でありまして、都市間競争に勝ち抜くことのできる都市を持つ国家でなければ、世界の中でも存在感を失っていくと思います。東京の新しい価値を生み出す力は、多彩な人材や質の高い情報、技術の高度な集中、集積に裏打ちされたものでありまして、二つとつくることは、これは決してできません。安易な機能分散で東京の力をそぐことは、私はむしろ日本の自殺行為だと思います。
 しかし、同時に、この昼間人口は四百万近くふえるという、しかも、その人たち、昼間の都民のために、ライフラインというものを都が都の負担で担保、保証しなくちゃいけないというのも、非常に健康な現象ではないとも思います。
 いずれにしても、日本における首都東京の存在を正確にとらえた上で議論をする必要があると思います。一時的なバックアップと首都の機能を移転するということを混同してはならないと思います。
 まず、震災が発生しても日本のダイナモが麻痺せぬように、東京を高度な防災力を持った都市に変える必要があると思います。その上で、万万万が一の事態が発生したときのために、現実に機能するバックアップ体制がつくられるべきものであると思います。
 そもそも、かつての首都移転論も、何を発したかといいますと、時に自民党を牛耳っていた金丸信という政治家が、何の発想でか、国会の真下で地震が起こったときにどうするか、これはやっぱりどこかへ移らなくちゃいけないから、八王子あたりの体育館を借りて、折り畳みいすを並べて国会をやるんだなということをいって、周りの側近がそれを非常に拡大解釈して、おだてて、一種の利権の進展のために首都移転なる珍論があちこちに起こりまして、一時、騒然としたものであります。
 今の時点で大阪や中京の人たちが臨時国会を大阪で開くなどというのは、まさに噴飯の話でありまして、臨時国会などというものは国会議員が移るだけで構成できるものじゃないわけです。これに必要な各省庁の役人が動かなかったら国会など成立しませんし、こういう案がただの空疎な案として出てくるのも、非常に東京にとっても迷惑といいますか、笑止の話でありまして、私たちはやっぱり東京という機能というものを、東京の、国家にとっての存在の意義というものを要するにしんしゃくした上で、その東京に万万万が一のことが起こったときに、その機能をいかにバックアップするかという最低限の措置というものを積極的に考えるべきだと思っております。
   〔知事本局長秋山俊行君登壇〕

〇知事本局長(秋山俊行君) 首都機能のバックアップ体制の現状についてでございますけれども、これまで、災害時に国家の中枢機能が復旧するまで、一時的にその機能を支えるための、いわゆるバックアップ対策が講じられてきております。
 国では、霞が関の個々の官庁の耐震性を向上させるとともに、災害時の防災司令機能のバックアップ拠点となる広域防災基地を立川に整備しております。
 さらに、九都県市におきましては、都が主導いたしまして、広域的な災害対応力を強化する観点から、立法や行政機能の代替施設として、さいたま新都心や横浜市のみなとみらいを初め、首都圏各地の大規模施設を活用することとしております。
 あわせて、首都機能のバックアップのためには、単なる施設の準備にとどまらず、首都圏の自治体が相互に連携して応援する仕組みが必要であることから、九都県市では、災害時の相互応援に関する協定を結びまして、例えば都が被災した場合は埼玉県が支援の中心を担うということなど、被災した自治体への支援を混乱なく実施できるよう、取りまとめを行う自治体をあらかじめ定めているところでございます。
 このような実効性のある仕組みのもとで、被災状況に応じた物資の提供や人員の派遣、被災者の受け入れを初めとする支援を円滑に行う体制が構築されているところでございます。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

〇産業労働局長(前田信弘君) 七点のご質問にお答えいたします。
 まず、中小企業の製品や技術の開発促進についてであります。
 現在、東京では、省電力や地震対策などの課題に直面しており、都内の中小企業がそのすぐれた力を発揮して、節電に役立つ製品や耐震性を高める技術などの開発に取り組むことが重要であります。
 こうした中小企業の取り組みを支援するため、都立産業技術研究センターでは、電気の消費量を抑えるLED照明や、少ない電力で機械を動かすモーターなどの装置について、その性能を評価する検査機器をふやすなどにより、製品や技術の開発をサポートする体制の充実を図ることとしております。
 また、災害に強い都市をつくり上げるために不可欠な耐震技術や、今回の原子力発電所の事故により必要性が高くなった放射線関連の技術につきまして、都市課題解決のための技術戦略プログラム事業における技術開発テーマに追加するとともに、それらに連動して、中小企業による製品開発の助成件数も拡大する予定であります。
 こうした取り組みにより、省エネ化や災害対策などに役立つ中小企業の製品開発を的確に支援し、東京の都市課題を解決してまいります。
 次に、中小企業団体の被災施設等の復旧についてであります。
 事業協同組合等の倉庫や設備について、地震による被災から早期の復旧を図ることは、その組合に加入している多数の会社の生産活動を安定させることにつながります。
 国では、今回の震災を激甚災害に指定して、中小企業の協同組合の施設などが被災した場合に助成を行うこととしておりまして、都は国と協力して、こうした仕組みを活用し、施設の復旧経費の四分の三を助成することで組合の負担軽減を図ることとしております。
 また、中小企業等のグループが被災施設を復旧する場合においても、復興事業計画の提出を受けた上で、組合への助成と同じレベルの支援を行い、多くの会社の経営基盤の回復を図ることとしております。
 さらに、組合等の自己負担の部分につきましても、都は、中小企業基盤整備機構と協調して無利子貸付などの金融支援を実施してまいります。
 こうした取り組みを総合的に進めることにより、震災の影響から速やかな復旧を目指す中小企業の支援を着実かつ効果的に展開してまいります。
 次に、中小企業団体等の震災対応への支援についてであります。
 今回の震災の影響により都内中小企業が直面いたします経営課題への対応や、この夏の節電対策について、同業の中小企業等によって組織される事業協同組合や、その指導を行う役割を持つ中小企業団体中央会と十分な連携をとりながら、効果的な解決の道をつくり上げることが重要であります。
 そのため、中央会が、組合から持ち込まれた加盟企業の経営課題などの解決を効果的にサポートできるよう、中小企業診断士などの専門家による相談窓口を設けたり、組合向けの節電セミナーの実施に取り組む場合に、都として支援してまいります。
 こうした取り組みにより、事業協同組合を支える中央会を的確に活用した施策を推進し、震災からの復興に努力する都内中小企業の経営環境の改善を進めてまいります。
 次に、避難者に対する職業訓練についてであります。
 ご指摘のとおり、被災地復旧の長期化が懸念される中、避難者の方々の就業支援が喫緊の課題でございます。
 このため、都は、避難者の方々を対象に就職に関するアンケートを行いまして、避難者のさまざまな意向に応じた幅広い職業訓練を実施し、就業を支援していくこととしております。アンケートの結果によりますと、仕事をする希望の地域でございますが、地元で就職を希望する方が二二%、都内及び首都圏での就職を希望される方が六四%に上っております。
 そのため、まず、被災地での就職を希望する方々を主な対象にいたしまして、現地での復興事業に携わる人材ニーズに対応した、ブルドーザーなどの建設機械操作や建築の基礎技術を習得する職業訓練を、民間教育訓練機関を活用して実施いたします。
 次に、主として都内などでの就職を希望する方々に対しましては、その方々の年齢や経歴などが多岐にわたっていることから、個々の状況に応じて新たな技術や技能を身につけていただけるよう、この十月から職業能力開発センターの全科目において避難者優先入校枠を創設し、多様な職業訓練の受講機会を提供してまいります。
 今後とも、職業訓練を効果的に実施していくことにより、避難者の就業を支援し、生活再建を後押ししてまいります。
 次に、とうきょう元気農場における取り組み状況についてであります。
 都は、昨年度、八王子市大谷地区にある都有地を農地として整備し、今年度から農産物の生産を開始いたしました。五月には、区部の小中学校の栄養士さんや流通業者などの関係者を交え、学校給食への提供開始に向け、意見交換を行っております。
 現在、農場では、地元の農業者やNPOなどの協力により、ジャガイモやタマネギ、大根など七種類の農産物が栽培されております。来月からは、大田区や江東区などの区部の小中学校を対象として、農場でとれた新鮮で安全・安心な農産物を本格的に提供してまいります。
 本農場では、栽培に当たって農薬の使用をできるだけ控えるとともに、出荷に当たっては、放射能検査も実施することとしております。
 今後とも、都は、計画的な農産物の生産、供給に努め、学校給食を通じた地産地消を推進してまいります。
 次に、とうきょう元気農場を子どもたちの農作業体験の場として活用することについてであります。
 農業と触れ合うことの少ない都会の子どもたちが農作業を体験することは、農業に親しみ、自然への理解を深め、食育を推進する上で大変意義があると考えます。
 このため、今年度は、この農場の農産物を提供いたしました学校の子どもたちなどを対象として、農作業体験イベントを行うことを予定しております。その第一回目として、来月七月の上旬に、農業者から農産物の育て方の話を直接聞いたり、ジャガイモの収穫作業や選別作業などの農作業体験、試食会などを実施いたします。
 今後とも、都は、とうきょう元気農場を活用して、子どもたちの食育を推進してまいります。
 最後に、地域における外国人旅行者受け入れ体制整備についてであります。
 地域がその特色ある観光資源を生かし、外国人旅行者の誘致に主体的に取り組むことは、東京の観光振興にとって重要であります。
 今般、大田区蒲田が国の訪日外国人旅行者の受け入れ環境整備に係る戦略拠点として選定されたことは、これまでの地域の観光まちづくりにおける意欲ある取り組みが評価されたものであり、意義のあることと認識しております。
 都は、平成二十年度から三年間、多言語広域マップの作成など、大田、品川地域の広域観光まちづくりを支援してまいりました。今年度も、大田区に対しまして、多言語による観光案内標識の設置の支援を予定しております。
 今後も外国人旅行者の受け入れ機会の拡大が図られますよう、定期的な情報交換や助言を継続して実施してまいります。
   〔港湾局長中井敬三君登壇〕

〇港湾局長(中井敬三君) 港南四水門の整備のあり方についてでありますが、貴船、呑川、北前堀及び南前堀のいわゆる港南四水門については、大地震による液状化への対応が課題となっております。
 一方で、これら四水門については、その立地状況を踏まえ、散策路としての機能の確保や周辺環境への配慮など、地元が進めるまちづくりとの整合も図る必要があることから、総合的な視点に立った対策について、これまで地元区との協議を進めてまいりました。
 このうち、先行して検討を行っている南前堀水門については、今回の東日本大震災を踏まえ、水門の廃止も視野に入れ、地元区と連携して取り組みの促進を図ってまいります。
 また、残る水門についても、整備の方向性について、地元区と具体的な協議を進めてまいります。

副議長(鈴木貫太郎君) 二十七番柳ヶ瀬裕文君。
   〔二十七番柳ヶ瀬裕文君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇二十七番(柳ヶ瀬裕文君) 三月十一日に起きた東日本大震災によって、我が国はまさに未曾有の国難といえる状況に陥っています。また、大震災によって引き起こされた福島原発事故は、東北地方のみならず、関東圏、そして、この首都東京にまで大きな影響を与えています。
 福島原発から飛散した放射性物質は、遠く離れた東京にまで到達し、さまざまな問題を引き起こしています。この放射性物質の問題で対処が困難なのは、その影響がよくわかっていないということなのです。高線量の放射線を浴びれば、がんの発症率が上がるという知見はありますが、低線量被曝がどのような影響を与えるか、これはよくわかっていません。
 ですから、私たちがこの問題に対処するに当たり、とり得る方針はただ一つ。被曝量、放射性物質の量、これを可能な限り低減させていく、この方針しかありません。つまり、私たち都議会と東京都は、都民の健康を守るために、この大方針を掲げて施策につなげていくべきだと、そのように考えています。
 さて、都内の下水処理施設で高濃度の放射性物質が検出されました。東京に到達したさまざまな放射性物質が雨によって降下し、下水道に合流し、下水汚泥に入り込んだ。その汚泥を焼却することによって濃縮され、高濃度の放射性物質を含んだ焼却灰を生み出したのです。
 問題は、下水処理施設は放射性物質を取り扱うこと、これを想定したものではありません。本来、厳重に管理されなければいけないその物質が、突如として都の施設にあらわれた。しかし、都は、高濃度の放射性物質があること、これを認識しながらも、その影響を考慮することなく、原発事故前と同様に、変わらない工程でこの間、処理を続けてきました。ここにまずは大きな問題があるのではないかということ、これを申し上げておきます。
 放射性物質を飛散させたのは東京都ではありません。都も被害者です。しかし、その問題への対処をちゅうちょし、都の施設が万が一にもこの汚染を再拡散させることがあるとするならば、それは加害者の一員になってしまうのです。どうか賢明なご判断をいただきたいと思います。
 二つの大きな懸念があります。一つは、下水処理を作業している職員、作業員の安全は大丈夫なのかということ。もう一つは、その処理作業の過程で、周囲に放射性物質等を飛散していないかどうかということです。
 南部スラッジプラントでは、東京都の調査で毎時二・六九マイクロシーベルトを記録する施設がありました。この値は計画的避難区域に指定された地域と同等の非常に高い値であり、国が電離放射線障害防止規則で定めた管理区域にしなければならない基準である毎時二・五マイクロシーベルトを超えるものです。
 管理区域とは、作業員や一般人を被曝による健康被害から守るために、放射線量の高いエリアをほかの地域と分けて区分管理するというものです。
 東京都は、この高線量を記録した施設を、規則に従い管理区域に指定し、むやみに人を立ち入らせない、線量管理をするなど、作業員の安全を図らなければならないはずです。しかし、高線量が判明してから二週間たっても、その指定はなされていません。
 そこで、なぜこの管理区域に指定しないのか、その理由をまずは聞かせていただきたいと思います。
 また、管理区域に指定しないと労働安全衛生法違反に問われるということ、これをご存じなのかどうか、これも伺いたいと思います。
 南部スラッジプラントでは、たまたまこのような線量の高い施設が判明しました。ほかの各水再生センターやスラッジプラントの状況はどうでしょうか。同様の施設がないかどうか、徹底した調査を要請しますが、見解を伺いたいと思います。
 各下水処理施設の周囲への影響も心配です。焼却灰や混練りされた灰が運搬などの過程で飛散していないかどうかということもありますが、一番の懸念は、焼却時に排出される排気ガスです。
 先ほども申し上げたとおり、下水処理施設は放射性物質の処理を目的につくられたものではありません。ですから、その排ガス処理においても、ダイオキシン対策、粉じん対策が主眼に置かれています。そのような施設で、果たして高濃度の放射性物質を燃やすとどうなるのか。
 昨日、排ガスはフィルターや水処理を通じて九九・九%以上の放射性物質を捕集できるから安全だという答弁があったかと思います。これはどのような根拠に基づくものなのでしょうか。その根拠はよくわかりません。粉じんが九九・九%とれるから放射性物質もとれるということなのでしょうか。多分、国の災害廃棄物安全評価検討会で提出された九九・五%捕集できるという、この資料に基づくものなのでしょう。
 そこで、私はこの検討会のメンバーである、独立行政法人国立環境研究所の大迫センター長に話を聞いてまいりました。すると、この検討会に示された条件と都の施設では条件が異なるということがわかりました。
 この図を見ていただきたいのですが(パネルを示す)これがその検討会に提出された資料であります。国の実験では、放射性物質を焼却した後、急冷をして、バグフィルターを通して、その後に水処理、活性炭、触媒、こういった処理をして、煙突から排気がなされています。
 これに比べて、都の施設はどうか。例えば南部スラッジプラントであれば、焼却された後、急冷されることはありません。非常に高い温度、三百三十度、これでフィルターの方に送り込まれます。バグフィルターよりも性能が劣るセラミックフィルター、これを使っている。湿式スクラバーはどうか。水処理も、上からのシャワーリングでしかありません。活性炭、触媒、こういった機能はスラッジプラントにはついていないんです。
 つまり、この国の九九%捕集できるという施設に比べて、非常に簡易なつくりになっているのがこの下水処理施設なんです。正しくいえば、それぞれの施設は設備、性能が異なり、やってみなければわからないということになるのだと思います。つまり、この排ガスの安全性というのは、非常に脆弱な根拠の上に成り立っているといえるのです。
 また、もし排ガスから放射性物質を九九・五%捕集できたとしても、安全だといえるわけではありません。それは、その排ガスの量、規模が圧倒的に大きいからなんですね。濃度が低くても、大量に放出されれば危険だということなのです。
 専門家の助言をいただきながら、どれだけの放射性物質が大気中に排出されている可能性があるか、これを試算してみました。
 東京都から提出された一日当たりの汚泥の量、焼却灰の量、そして放射能の量、こういったものを掛け合わせていくと、一日当たり、東京都全体の下水汚泥の総放射能量、これは約二十一・五億ベクレルになります。焼却灰の放射能総量、これは十七・六億ベクレルなんですね。
 とてつもない量の放射能、放射性物質を扱っているわけですが、ポイントは、放射性物質は焼却してもどこかに消えることはないということなのです。その姿が気体になったり固体になったりはするものの、トータルの放射能量、これが減ることはありません。つまり、この汚泥に存在した二十一・五億ベクレル、焼却灰となって捕集した十七・六億ベクレル、この数字を引いた一日三・九億ベクレル、これが行方不明となっているのです。どこに行っているかわからない。都は、この三・九億ベクレルがどこに行ったのか、これを合理的に説明することができるのでしょうか。
 大きな可能性としては、これは二つあります。排ガスとなって大気に排出されている、もう一つは、水処理によって溶けている、そのどちらかです。セシウムは水溶性ですから溶けている可能性はありますが、それがどれだけの量か、これはわかりません。
 そこで、もし都がいうように、排ガスに放射性物質が含まれないとするならば、非常に高い濃度の汚染水を排出していることになります。都は、大気中に放出されていないというのであれば、そのことを示すためにも、処理水をしっかりと検査するべきだと思いますが、その見解をお伺いします。
 また、土壌を中心とした処理施設周辺への影響調査が必要です。それは原発事故から三カ月がたち、濃度が低くなっていると考えられる現状の排ガス測定だけでは、これまでどれだけの影響を与えてきたのかわからないからです。
 江東区では、江東こども守る会という有志の皆さんが独自に専門家に調査を依頼し、測定を行っています。その結果、東部スラッジプラント周辺の土壌から高濃度の汚染を検出し、調査に当たった神戸大学の山内教授は、その報告書で、東部スラッジプラントが二次的な汚染源になっている蓋然性が認められるとまでいっているんです。この結果を都はどのように受けとめているのか。
 まずは、現状の排ガスを各施設で検査測定すること。その測定方法に関しては、よく検討することが必要です。また、施設周辺など外部への影響を調査し、広く公表すること。必要に応じて除染することなどの手だてが必要だというふうに考えますが、所見をお伺いいたします。
 また、下水汚泥の放射性物質は、今後も継続的に排出されていきます。高濃度に汚染された焼却灰も大量に出続けるんです。現状は、この高濃度の焼却灰は、中央防波堤に埋め続けていますが、このことは未来に禍根を残すことになりませんか。
 今、我が国の技術は大変すばらしいものがあります。例えば、金沢大学の太田教授が率いる汚染処理プロジェクトチームなどは、この下水汚泥処理の途中段階でセシウムなどを洗浄できる、その可能性を示唆しています。このような技術をぜひ積極的に検討していただきたいと思いますが、見解を伺います。
 私は、昨日お言葉をいただきましたが、不安をあおる者ではありません。そこに都民の健康を害するわずかでも可能性があれば、徹底的に調査をして明らかにする必要があるんです。それが私たちの役割なんです。それを調査することもなく、根拠もなく、安心だ、安心だという者があれば、その者こそ不安をあおる者だということになりませんか。
 普通の焼却施設で放射性物質を燃やし、不安を持つのは当然です。東京都は、その不安に対し、納得のいくまで説明する責任があります。徹底した調査をし、その結果を広く明らかにしていただきたいと思います。
 次のテーマに移りますが、原発事故による影響で食の安全が大きく揺らいでいます。東京は、世界でも有数の食の中心地でしたが、現状はどうなっているのか。各区市議会には、給食の食材を心配し検査を求める陳情などが数多く提出されています。なぜこのような要望が多く出されるのか。それは現状の検査体制が不安だからですね。そして、子どもに対しては本当に安全なものを食べさせたいという、ごく当然の願いがあるからなんです。
 東京都は、この状況で何をするべきなのか。都は産地で検査をしているから問題ないと考えているようですが、それで本当に不安を払拭できるのか。
 元農水事務次官、高木氏が委員長を務め、伊藤裕康氏もメンバーとなって出した日経調の緊急提言の中には、消費者の不安に対応するため、東日本から入荷する水産物の汚染度合いを築地市場など消費地市場でも独自に調査を行い、定期的に情報発信することが必要だとしており、各段階での検査が重要だと述べています。つまり、産地での検査だけでなく消費者に近いところでも、ダブルチェックをすることが必要だということなんですね。
 実際、東京都は消費地として、この放射能汚染に関しては、チェルノブイリ以来二十四年間、ヨーロッパの食材を徹底的に検査してきました。平成二十一年度には六百十六品目、これを検査し、フランス産ブルーベリージャム一検体から三百七十ベクレルを超える放射能を検出しています。
 私は、都内流通食品は世界一安全だというブランドを再度取り戻さなければいけないと思います。そのためには、徹底的な検査が必要なんです。都は、中央卸売市場において、都内で流通する農産物などの抜取検査を実施するべきと考えますが、見解を伺います。また、検査機器を整備するということですが、これらの機器を積極的に活用し検査すべきと考えますが、見解を伺います。
 以上で私の質問を終わります。(拍手)
   〔下水道局長松田二郎君登壇〕

〇下水道局長(松田二郎君) 柳ヶ瀬裕文議員の一般質問にお答えをいたします。
 放射性物質を含む下水汚泥の取り扱い等に関するご質問でございます。
 まず、下水道の各施設の管理及び放射線量の調査についてでありますが、放射性物質を含む焼却灰などの処理作業に当たり、施設へ立ち入る作業者を限定するとともに、マスク、手袋、ゴーグルを着用するなど安全対策を講じております。
 また、汚泥処理を行う水再生センターやスラッジプラント全十二カ所において、既に施設の内部や周辺で空間放射線量を測定し、作業環境の安全性を確認しながら作業を進めております。私どもは、推計値だけで仕事を進めているわけではございません。
 なお、測定結果が比較的高い一部のエリアでは、既に安全対策を講じておりますが、作業員の労働安全衛生対策に万全を期すため、厚生労働省など関係機関と協議しつつ、作業の安全性を一層高める観点から、よりきめ細かな作業方法を徹底するなど適切に対応してまいります。
 次に、下水汚泥の焼却によって生じる排ガスやその影響についてでございますが、排ガスは煙突から排出をされる前に、細かいちりなどを除去できる高性能フィルターなどに通しまして、その後、さらにアルカリ性の水によって洗うことで、固形物を九九・九%以上回収し、焼却灰が施設外へ飛散することのないよう適切に管理をしております。
 水で洗った後の排ガスの成分を専門家に委託して測定をした結果、放射性物質は検出されておりません。このため、周辺環境への影響はないと考えております。
 次に、処理水に含まれる放射性物質の測定についてでありますが、当局では、これまで放射性物質による処理水などの汚染状況を確認する目的で、総量としての放射能である全ベータ放射能による測定を行ってまいりました。
 四月二十八日に四カ所の水再生センターで測定した数値を公表しておりますが、二カ所で不検出であり、検出をされた二カ所の水再生センターでも、一キログラム中一・五ベクレルと一・七ベクレルでございました。その後も継続して測定を行っておりますが、直近の六月七日に測定した数値は、四カ所すべてで不検出でありました。
 次に、下水汚泥の焼却によって生じる排ガスの測定方法や外部への影響などについてでありますが、先般、国から下水汚泥等の当面の取り扱いに関する考え方が示され、この中で、排ガスの放射能濃度を測定することとなっておりますが、測定方法などの具体的な手法が示されないなど、多くの自治体が対応に苦慮する内容となっております。
 既に当局では、一部の施設で学識経験者などの助言を踏まえ、排ガスの成分を専門機関に委託して測定をしており、その結果、放射性物質は検出をされておりません。今後とも、各施設で継続して測定をしていくこととしております。
 また、汚泥処理施設の敷地境界の空間放射線量について、既に公表はしておりますが、都内の他の地域と変わらない数値となっております。このため、周辺環境への影響はないと考えております。今後とも、いたずらに不安をあおられることのないよう、正しい情報を公開してまいります。
 次に、放射性物質の除去などの技術の検討についてでありますが、既に、首都大学東京や東京工業大学などの学識経験者などから、下水汚泥や焼却灰に含まれる放射性物質の測定方法や取り扱いについての助言を得ております。
 また、国がこのほど設置した放射能に知見を有する学識経験者などで構成をしております下水道における放射性物質対策に関する検討会において、下水処理施設における放射性物質の挙動や、下水汚泥の保管、有効利用、処分の方策等を検討しております。この検討会には、私ども下水道局も参画をしております。検討会における意見や議論などを踏まえまして、今後とも適切な対応を図ってまいります。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、農産物などの放射性物質の検査についてでございますが、安全を確認するためには、作付状況や出荷時期が把握できる生産地におきまして、出荷前に検査をすることが最も確実でございます。このため、都は、優先的に検査を行うべき地域及び品目を定めまして、生産地にて安全確認を行いますとともに、出荷規制の対象地域や品目を決定するよう、今年三月二十日、国に対して緊急要望を行っております。
 これを受けまして、現在、国は、検査対象自治体や重点的に検査すべき品目、検査の頻度等を示し、各自治体に検査計画を策定、実施をさせております。また、暫定規制値を超える農作物などが流通しないよう、生産地での検査結果に基づきまして出荷制限等の措置を講じております。さらに、出荷制限の解除に当たっては、三週連続で暫定規制値以下になることを条件とするなど、厳しく対応しているところであります。
 こうした仕組みが定着をしている現段階におきまして、都外で生産された農作物等を都が流通過程で検査する考えはございません。
 次に、新たに整備をする検査機器の活用についてでございますが、現在、健康安全研究センターには二台のゲルマニウム半導体核種分析装置が配置をされておりますが、これらは文部科学省から委託されたモニタリング事業及び食品検査のほか、原発事故以降は、知事が認可を行っております市町村水道や、都内産農作物等の検査のためにフル稼働しております。
 今回の補正予算では、この機器を二台増設し、都内産農産物及び各生産地と連携をした出荷前の農作物等の検査体制を維持強化いたします。また、市町村水道の検査を強化するとともに、専用水道や飲用井戸水などを速やかに、かつ継続して検査をいたします。
 このように、今回整備する機器は、それぞれの目的と用途に応じまして、必要とする検査に積極的に活用する予定でございます。

議長(和田宗春君) 三十八番橘正剛君。
   〔三十八番橘正剛君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇三十八番(橘正剛君) 都議会公明党が先月実施した東日本大震災の被災地調査や都内で展開されている多様な被災地応援イベント等の視察を踏まえ、今後の施策の展開について質問いたします。
 まず、被災地から都内に避難している障害者、高齢者の支援について伺います。
 都内に避難の障害者や高齢者の中には、地震、津波による家屋の倒壊、流失、原発災害での緊急避難等により、障害者手帳や健康保険証など各種証明書を紛失したり、持ち出せなかった方もおります。そういう方々には緊急対応として、証明書を所持していなくても被災前と同様の福祉、医療、介護等の行政サービスが受けられる特例措置が講じられております。
 ところが実際は、各種サービスを受けたくても、被災前に住んでいた自治体と手続が異なっていたり、都内の相談窓口がわからないといった戸惑いの声も出ております。
 そこで、都内に避難している障害者、高齢者については、特例措置が講じられている手続や各種サービスの相談窓口などを一覧にしたリーフレットを作成し、気軽に安心して利用できるようにすべきと考えます。あわせて、こうした情報をできるだけ多くの方にきめ細かく紹介し、具体的に応援していくためには、地域の協力を得る取り組みも重要と考えます。都の見解を求めます。
 都内に避難している被災者の方々は、都内での生活になれるにつれて外出する機会が多くなり、高齢者、障害者も、通院や施設利用等の外出がふえているようです。公共交通機関を利用する際、七十歳以上の都民であれば、都が実施しているシルバーパスを利用することができますが、住民票を移していない避難住民は、都民でないため適用されません。都民以外の方にこの制度を広げることは、さまざまな課題があることは承知しておりますが、都内に一時的に避難している高齢者、障害者には、特段の措置を講じるべきと考えます。
 被災自治体では、各種証明書の再発行のうち、健康保険証については最優先で発行し、都内に避難している方々の手元にも届き始めているようです。この点を踏まえ、例えば、保険証で年齢や避難前の住所が確認できる障害者や七十歳以上の高齢者であれば、都営交通の運賃を減免するなど、優遇措置が受けられるようにすべきです。都の答弁を求めます。
 次に、被災地の地場産業復興支援について質問します。
 震災発生以来、都は、放射能の風評被害を受けた農水産物の販売を支援する各種イベントを開催し、風評被害の解消を呼びかけてきました。私も、中央卸売市場の淀橋市場と板橋市場で行われた青果物の被災産地応援フェアに伺いましたが、生産者、卸売業者、消費者から大きな反響が寄せられておりました。今後も、継続的な支援フェアの開催を期待するものであります。
 一方、先月下旬、板橋区内のある商店街のアンテナショップに、宮城県石巻市内の水産加工会社の缶詰が並びました。津波で押し流された加工工場の瓦れきと泥の中から、会社の復興に役立てばと掘り出された缶詰は、缶がへこみ、ラベルもはがれておりましたが、販売の趣旨が書かれたチラシを目にした多くの区民が快く購入に協力しておりました。
 この臨時特売は、石巻市内の缶詰工場と板橋区内の商店街が人づてにたまたま結びついたものですが、被災地には、このほかにも被害を免れた加工品や生産の再開可能な特産品もあるとの話を伺いました。
 都は、今定例会に提出している補正予算案に、被災地の農水産物や特産品等を一定期間販売する商店街への助成事業を盛り込んでおり、復興支援策として高く評価いたします。
 被災地を応援したいという熱い思いを持つ商店街の中には、都のこうした事業を踏まえ、復興支援フェアの準備を始めたところもありますが、被災地との連絡、販売物品の調達など課題は多いようです。こうしたイベント開催に関する相談や要望についても、都の仲介で、被災地の商業、農水産業などの団体と都内の関連団体を連携させ、これによって得られる情報を積極的に商店街等に提供すべきと考えます。都の所見を求めます。
 さらに、先ほど紹介した缶詰の特売のように、個別の商店や商店街のアンテナショップ等での販売も都内全域に広がれば、被災地の産業復興支援の大きなうねりとなります。都として、被災地の生産者や製造者と都内の商店などを仲介する取り組みをしっかりと進めていくべきと考えます。答弁を求めます。
 次に、被災者の雇用支援について質問します。
 五月二十四、二十六の両日、被災地から都内などに避難している方を対象に、都と東京労働局による合同就職面接会が都内二カ所で行われました。私は、国分寺市内で行われた面接会の様子を視察し、参加企業ごとに仕切られた面接ブースでのやりとりを見てまいりました。この両日で、都内の中小企業など延べ五十八社の参加に対し、被災三県からの被災者延べ百三十五人が訪れ、その後、順調に再面接や就業に結びついているとのことです。
 その一方で、求人内容と求職者の希望が合わないミスマッチが生じているケースも見受けられます。例えば、一定の職業経験のある方から、これまでの経験を生かせる仕事が見つからないといった声も聞かれました。
 このため、今回のような大規模な合同面接会とは別に、求職者一人一人の立場、職歴、技能等の情報を求人側に事前に提供し、マッチングの確度を高める工夫が必要であると考えます。こうした施策の展開については、企業情報を多く持っている東京商工会議所等の経済団体とも連携して、協力を求めていくべきと考えます。あわせて見解を求めます。
 一方、被災地からは、避難生活が長引くにつれて生活費の不安が大きくなり、東京での就業希望者がふえているとの話も多く聞かれるようになっております。そうした被災者の就業支援としては、東京で開催する面接会の情報を現地で発信する仕組みづくりや就職活動の旅費を支給する制度の活用などを組み合わせ、被災者に総合的に紹介することも重要と考えます。都の所見を求めます。
 次に、被災県の観光支援について質問します。
 都は、今回の補正予算案に、震災で打撃を受けている被災三県の観光を応援するため、被災県へ旅行する都民に宿泊料を補助する支援策を盛り込んでおります。これは、被災地の消費喚起、観光振興につながる時宜を得た施策として評価するものであります。
 一方、外国人旅行者は、その多くが東京の観光地から各地の観光地に足を延ばす傾向にあります。したがって、被災県の中で安全な観光地に、東京から外国人旅行者を誘導する支援策も効果的であります。その一方策として、都の事業である海外旅行エージェント招聘事業を活用してはどうかと考えます。
 この事業は、海外の旅行事業者を六日間程度の日程で東京の観光地に案内し、外国人旅行者の増加につなげようというものですが、これを活用し、東京に招聘した海外の旅行事業者から要望があれば、岩手、宮城、福島の被災三県の観光地への訪問も選択肢として提供すべきです。さらに、一般の外国人旅行者に対しても、羽田空港において被災三県の観光情報を提供するなど、都として被災県の観光復興を幅広く支援していくべきと考えます。都の答弁を求めます。
 次に、災害時の医療体制について質問します。
 今回の震災で、被災地の災害拠点病院の中には、施設の一部が被害を受け、医療機能を十分発揮できなかったという事例が発生しました。このことを考えると、都内の災害拠点病院でも、一部の施設の損壊により全体の機能を十分果たすことができなくなる事態が想定されます。今回の震災を契機に、建物本体やライフライン設備など、細部にわたって再点検を行い、都民が安心できるようにすべきと考えます。都の所見を求めます。
 一方、今回の震災では、被災地の医療機関等から要請のあった医薬品や医療機器が東京を初め全国から送られたにもかかわらず、最前線の医療救護所などでは、必要な医薬品等が入りにくい状況があったと聞いております。同様の事態は、東京が大きな震災に見舞われた場合にも発生する可能性があります。災害時の医薬品、医療機器の確保は人命に直接かかわるだけに、今回の震災で発生した問題について東京都独自に詳細に検証し、万全の対策を講じるべきと考えます。都の答弁を求めます。
 都は、震災発生直後から、消防、警察等による救助活動、被災地への人的、物的支援、被災住民の受け入れなど迅速な支援策を講じてきました。さらに、今回の補正予算によって、都の対策はより重厚になると考えます。
 今後は、都による支援事業が被災地の復興や避難住民の生活再建に、効果的に実行されるよう、きめ細かな対応が求められます。支援の長期化が想定される中で、都の支援継続力に対する期待は一段と大きくなると思われます。
 こうした期待に対する石原知事の所見を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 橘正剛議員の一般質問にお答えいたします。
 被災地、被災者への支援の継続についてでありますが、私自身、現地に赴きまして、被災地の壊滅的な状況を目の当たりにしてまいりました。例えば、かつて講演でも赴いたことがありますが、あれだけ美しかった気仙沼のまち、その変わりようはもう本当に言葉がございません。瓦れきの中に数百トンの船が横倒しになって連なっているという、まさに地獄絵の光景でありました。未曾有の天変地異がもたらした被害を思いますと、被災地の復興に向けた道のりは、極めて困難で長いものになるに違いないと思います。
 今後、本格的な復興を目指す被災地を継続的に後押ししなければならないと思います。これは東京だけの責任じゃなしに、被災を免れた日本全国のそれぞれの市区町村の責任だと思います。そのためにも、実務にたけた職員を東京都としては長期に派遣しまして、手に余る瓦れきを東京に受け入れて処理するなど、復興の担い手となる民間技能者も育成するなど、長丁場になりましょうが、全国の範ともなる息の長い支援を今後も力強く行っていきたいと思っております。
 また、原子力発電所の事故のために避難を余儀なくされた多くの方々が一日も早い収束を待ち望んでおられますが、そうした方々を都営住宅などで受け入れておりまして、孤立化を防ぐ個別訪問や、就業、就学支援など、引き続き生活全般をきめ細くサポートしてまいります。
 実は、この会議が始まります前も、福島の工業高校の卒業間近い諸君が都庁に参りまして、この東京という中小企業の非常にすぐれた技術を開発しているこの現場で、これからも働きたいという意向で、都は、それを全力を挙げて支援していきたいという約束をいたしました。
 これからも都は、刻苦しながら立ち上がろうとしている被災者の皆様に寄り添いながら、復興に向けてみずから踏み出し、困難を乗り越えんとしている被災地、被災者を切れ目なく支えていきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁します。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、都内に避難された方々への支援についてでございますが、都はこれまでも、都内避難所におきまして健康福祉相談等を実施してまいりましたが、避難者の方々が都営住宅等に入居された後も、それぞれの地域で必要なサービスを利用しながら安心して生活できるよう、引き続き支援していく必要がございます。
 このため、介護や医療、保育など、避難者のさまざまなニーズに対応する福祉総合相談窓口を新たに設けまして、必要に応じ専門機関につなげてまいります。
 また、区市町村や各地域の社会福祉協議会の協力を得まして、利用できるサービスや手続を記載したリーフレットを作成いたしまして、高齢者、障害者などに対しましては、個別訪問により配布をするなど、避難者に対するきめ細かな情報提供に努めてまいります。
 次に、災害拠点病院の安全性の確保についてでございますが、都は、災害拠点病院の指定に当たりまして、施設本体のほか、非常用電源設備や備蓄倉庫の確保状況などを現地確認いたしますとともに、指定後に建てかえや耐震補強、設備の更新を行った際にも、直接現地において調査を行っております。
 また、病院は建築基準法に基づき、施設の劣化状況等の定期調査を実施することとされております。
 しかしながら、今回の大震災におきまして、被災地の災害拠点病院の中には、施設の一部が被害を受け、十分に機能を果たせなかった病院もあったと聞いております。このため、都では、すべての災害拠点病院に対しまして定期調査報告書の提出を求めるなど、改めてライフラインを含めた施設の安全性について再点検を実施いたします。
 最後に、災害時における医薬品、医療機器などの医療物資の確保についてでございますが、都は、地域防災計画におきまして、災害時には関係団体との協定に基づき医療物資を調達し、区市町村を通じて医療救護所などに供給することを定めております。
 今回の被災県と都では、地形や道路事情、医療物資の流通事情等が大きく異なっております。そのため、被災地の医療物資の実態と都の計画を単純に比較することはできませんが、供給のおくれなどさまざまな問題点が指摘されていることから、調達、運搬、情報伝達などについて実態を調査することといたしました。
 この調査結果から、大都市東京が被災した場合に起こり得るさまざまな事態を想定した上で、災害時の対応を改めて検証し、医療物資の円滑な供給体制を確保してまいります。
   〔交通局長金子正一郎君登壇〕

〇交通局長(金子正一郎君) 都内に避難されている障害者や高齢者の方々に対する都営交通の運賃の減免措置についてお答えします。
 都営地下鉄では、現在、他の鉄道会社と同様、緊急的な措置として、都内に避難されている身体障害者や知的障害者の方については、手帳などの証明書を紛失し、提示できない場合でも、お申し出により、半額で乗車できるようにしております。
 今後は、都民でないため、シルバーパス制度の対象にならない高齢者の方などのうち、保険証等により年齢や避難する前の住所を確認できる方への都営交通の運賃負担の軽減について、関係局とも連携し、具体的に検討を進めてまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

〇産業労働局長(前田信弘君) 五点の質問にお答えいたします。
 まず、復興支援イベントに関する情報の提供についてであります。
 震災や風評の被害を受けました地域の応援に向け、都内の商店街がイベントを行って、被災地の農産物等を販売し、震災の復興に役立てていくことは重要であります。
 商店街は、そのノウハウを生かして、イベントのための商品調達等に努力をしておりますが、都が得ている情報の活用を図ることで、より効果的なイベントが展開できると考えられます。
 このため、都としても復興支援のイベントについて相談があれば、被災地の県の産業担当の部門と連絡をとりましたり、東京都中小企業振興公社や都内の農業団体が現地の関係団体等から得られる情報の提供に努めてまいります。
 商店街みずからの努力と都のサポートにより、震災復興に向けて、被災地産品の販売支援を通じた取り組みを着実に進めてまいります。
 次に、被災地生産者と都内の商店を結ぶ取り組みについてであります。
 被災地で生産された加工品や農産品などを都内の商店などで効果的に販売することにより、被災地の産業復興に結びつけていくことが重要であります。
 このため、都は、販売活動の企画などで高い能力を持つ中小企業やNPO法人などが、被災地の加工業者や農家と卸売業者とを結びつけるマッチング活動を行い、被災地の生産品を都内の商店等での販売につなげる取り組みにつきまして、その経費の三分の二を対象に、四百万円を上限として助成することとしまして、今月、その案件の決定をいたしました。
 こうした取り組みにより、被災地産品の販売を促進し、震災からの復興を着実に後押ししてまいります。
 次に、被災者に対する雇用支援についてであります。
 都内へ避難されている被災者の方々は、就職に関してさまざまな困難や不安を抱えていることから、きめ細かく就職を支援していくことが重要であります。
 このため、都はこの夏から、都内での就職を希望される被災者の方を支援するための緊急窓口を東京しごとセンターに開設いたします。この新たな窓口では、就職に関する相談、助言を行うカウンセラーなどの専門家を配置し、被災前の職歴や経験、今後の希望職種など一人一人の状況を踏まえたカウンセリングを行うとともに、被災者の方を六カ月以上正規雇用した企業に対しまして、原則六十万円を支給する助成金制度も創設いたします。
 また、ご指摘のような求人側への事前の情報提供については、同センターで行う被災者の経歴やニーズ等に応じた面接会の際に、承諾を得た方について事前に求人企業にプロフィールを提示するなど、きめ細かくマッチングを行います。
 さらに、経済団体等と連携し、これらの取り組みについて、各団体の傘下の企業に対して広く協力を求めてまいります。
 こうした取り組みにより、被災者の方の早期の就職実現に向けた支援を行ってまいります。
 次に、被災地の求職者に対する情報提供についてであります。
 都は、都内での就職を希望する被災者に対し、さまざまな支援策を実施いたします。大震災などの影響により、被災地にいて、やむを得ず都内での就職を希望する方につきましても、活用できる情報については適時適切に発信していくことが重要であります。
 このため、都内で実施する被災者向け就職面接会の実施に当たりましては、被災地の自治体やハローワークなど国の機関と連携し、参加企業の労働条件を初めとする詳細な情報を被災地の求職者にも事前に提供する仕組みを構築いたします。
 この中で、遠隔地での求職活動に要する費用を支給する国の制度や、都が実施する被災者向け就職支援策についてもきめ細かく周知してまいります。
 こうした取り組みにより、希望する被災者の都内での就職を後押ししてまいります。
 最後に、被災地の観光復興支援についてであります。
 ご指摘のとおり、東京から関東一円を初め、東北地方など日本の各地域を訪れる外国人旅行者も多くいらっしゃいます。
 しかし、東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故の影響により、残念ながら海外では、旅行目的地としての東京のイメージが損なわれております。また、東北地方につきましても、被災地を中心に、各国による渡航自粛等の措置が引き続き行われているのも現状における事実であります。
 こうした状況を打開するため、都としては、東京への旅行者の回復に向けて、夏以降、海外の旅行事業者約九十社の招聘を予定しており、実際の東京を体験していただく事業を行います。
 あわせて、この機会を活用し、国との連携等により、東北地方を初めとする各地域の旅行情報の提供を行います。
 さらに、東京を訪れた海外の旅行事業者が訪問を希望される場合には、都は、岩手県、宮城県、福島県の被災三県と調整し、被災三県が招聘の機会を提供できるよう協力してまいります。
 また、羽田空港に都が設置している東京観光情報センターに、被災三県に係る外国語表記の観光パンフレットの設置場所を提供してまいります。
 こうした事業を展開することで、被災地の観光復興を支援してまいります。

副議長(鈴木貫太郎君) 二十三番きたしろ勝彦君。
   〔二十三番きたしろ勝彦君登壇〕

〇二十三番(きたしろ勝彦君) 福島原子力発電所事故対策のために出動したハイパーレスキュー隊に対し、感涙をもって感謝をした知事の気持ちは痛いほどわかります。指揮官は覚悟を持って命令を出すものです。隊員は、その命令に対して、命をかけて果たそうとするのです。それは、警視庁にあっても同じです。命をかけている仕事、消防庁、警視庁の皆様に心からの感謝を申し上げます。
 そして、忘れてならないのは、自衛隊の活動です。発災以来の活動です。この活動は、本来的な任務ではありません。しかるに、内閣には、その組織を暴力装置と憶面もなく発言する閣僚がいるわけです。昔、左翼暴力学生だったのでしょう。その後、彼は、自衛隊員に対して感謝の意をあらわしたのでしょうか。感謝の気持ちがあらわせないのは、日本人として許されるものではないと私は思っております。
 そして、さらに許されないのは、原発事故での菅総理の対応です。それが今も尾を引き、国民の不安を増幅させているのです。このように、政府の混迷、ていたらくを現場の頑張りが何とか支える形で三カ月が経過しました。
 日本全体を見渡せば、今なお自粛ムードの中にあります。震災直後に、石原知事は、花見を自粛すべきという発言をされましたが、その趣旨が正確に伝わらなかったがゆえに、都民の間で後ろめたさによる過度の自粛ムードが起こり、東京の経済が少し冷え込んでしまったように思います。まだ多くの住民が避難所生活を余儀なくされ、原発事故も現場での苦闘が続いています。同胞たちが苦しむ姿を前にして、東京はもとより、全国が悲しみを共有する気持ちも当然であります。
 しかし、自粛すべきは浪費であって、日常生活に必要な消費や伝統行事ではないはずであります。百カ日法要も営まれています。涙を終えるといわれる卒哭忌の法要です。被災地と被災者の方々のことは忘れてはなりません。しかし、今、復旧、復興に弾みをつけるときだと思います。
 こうした中、隅田川花火大会の開催が決まりました。八代将軍徳川吉宗時代、享保の大飢饉の犠牲者追悼行事が発祥とされる由緒ある花火大会でもあります。八月十一日には、被災地の市町村が一斉に復興花火大会を開催する予定です。東京都もこの大会を後援すると聞いております。ぜひ日本全体に勇気を与えてほしいと思います。被災地の一日も早い復旧、復興のためにも経済を回していく必要があります。
 そこで、知事の発言の真意を含め、改めて東京を元気にする、そして、東北の被災地を元気にする力強いメッセージをお願いいたします。
 被災地はもちろん、日本全体に元気を出させるために、東京が経済活性化の先頭に立たなければなりません。それには災害やエネルギー不足への懸念を早期に払拭し、都市としての信頼を得られるような戦略的まちづくりが必要です。
 知事は所信表明で、アジアのヘッドクオーターを目指すため、総合特区制度を活用するとされましたが、その際にはもちろんのこと、知事が力を入れてこられた都市再生などでも、エネルギー政策や防災の視点を加えることが重要です。国の省庁の縦割りを排し、あらゆる手段を総動員して、現場の創意工夫を引き出していかなければなりません。
 今後、アジアのヘッドクオーターを目指して、どのようなまちづくりを進めるのか、知事の所見をお伺いいたします。
 電力不足が予想されています。都民、企業の具体的な節電行動の実践を促していくためには、これまでの過度に電力に依存した生活スタイルを見直し、省エネ型の生活へと変革させていくためには、家庭や職場における具体的な節電行動を促す広報を継続して行うとともに、三つ子の魂百までではありませんが、子どもたちが日ごろから省エネ、節電の意義に関する理解を深め、行動に移せるような取り組みも重要と考えます。
 そこで、都として、どのようにして都民や事業者に対して節電への呼びかけを行い、節電行動を促していくつもりなのかお伺いをいたします。
 次に、今般の東日本大震災を踏まえた東京の防災対策について伺います。
 今回の大震災後、岩手県釜石市にて被災され、津波の中で死を覚悟なされた天津由理香さんからお話をお聞きしました。みずから体験しただけに、その言葉の一つ一つの重みは身につまされました。その内容の一部についてご紹介をさせていただきます。
 津波の中で死を覚悟し、一晩のうちになすすべもなく燃え盛る炎を見詰めるしかできない無力感。太陽が連れてきた朝、想像を絶する地獄絵図の中、歩いて避難するとき、防災に対する危機感や対応すべきシステムが余りにも足りな過ぎるこの国を憂いました。無念にも押し流され、引き裂かれた無数の命のために記憶していただきたい。伝えていただきたい。今こそ地震国である認識を、防災への危機管理を私は全身で伝えていきたいと思っております。私のために流された涙を血に変えて活動していく決意でありますといった内容でありました。
 その後、私たち都議会自民党は、三班に分けて被災地を視察し、改めて自然災害の脅威を痛感いたしました。東京もいつ首都直下地震が来るかもわかりません。今回の震災から多くを学び、対処していく必要があります。この震災関連については、我が党の代表質問でも質疑していますので、私からは、東京の特色ともいえる東京湾臨海部の超高層住宅などへの防災対策について、陸の孤島になるのではないかといった問題意識のもと、質問させていただきます。
 今回の大地震で、東京湾では中央区晴海で約一・五メートルの津波が観測されましたが、今回の津波でも被害はなかったとのことで、都の行ってきた防災対策に一定の評価ができると考えます。
 しかしながら、首都直下地震で想定されるマグニチュード七規模の地震に対して、事前の防災対策を複合的に講じておくことが必要と考えます。超高層住宅では、震災直後、生活に欠かせない食料や飲料を手に入れることが特に困難になると予想されます。そのため、震災後の一定期間、住宅内で自活するためには、住民個々の防災備蓄だけでなく、管理組合等で居住者用の防災備蓄倉庫を設けることが有効と考えます。居住者用の防災備蓄倉庫については、区市で条例や要綱等の制定の動きが進んでいると聞いております。
 都としても、こうした動きをとらえ、超高層住宅での設置を促すべきと考えますが、所見を伺います。
 続いて、震災時の超高層住宅の燃料確保について伺います。
 東京が首都直下地震に見舞われると、区部を中心に停電が発生すると聞いております。停電した場合、超高層住宅の上層階の住民は非常用エレベーターを使用して地上におりることになります。非常用エレベーターを稼働させるには、非常用発電機を運転して電力を供給することが必要ですが、給油後数時間程度で燃料切れを起こしてしまうといわれております。非常用エレベーターが停止すると、上層階の住民は地上との行き来に支障を来し、建物自体に被害がなくても避難所に行かざるを得ない状況に追い込まれることが懸念されます。
 そこで、こうした超高層住宅では、非常用エレベーターの発電機用燃料の確保が重要となりますが、都の見解を伺います。
 聞くところでは、緊急時において安全な方法で取り扱えれば、海からの燃料の輸送も可能とのことです。緊急対応の種類をふやすことも重要ではないかと、意見として加えさせていただきます。
 次に、震災時において、緊急物資の輸送はもとより、救急、救援活動のためには、緊急輸送道路の確保が極めて重要であります。そこで、緊急輸送道路上の障害物除去による早期の通行確保について、都の取り組みを伺います。
 また、その路線上の橋梁の耐震化も不可欠と考えます。緊急輸送道路の橋梁の耐震化について、都はどのように取り組んでいるのか伺います。
 さらに、震災時の代替ルートの確保の観点から、道路ネットワークの強化も重要です。臨海部と都心部を結ぶ新たなルートとして整備が進められている環状二号線の整備状況と今後の取り組みについて伺います。
 さらに、緊急時の物資輸送については、可能な限り複数かつ多様なルートの確保が重要です。特に臨海部では、海上交通を有用な手段として活用すべきと考えます。海上から緊急物資輸送を行うためには、震災時にも港湾機能を確保することが重要であります。
 そこで、大地震にも耐え得るような耐震強化岸壁の整備について、都の取り組みを伺います。
 加えて、ライフラインの確保が重要です。大地震等で下水道が壊れると、マンションの住民の方々はトイレやふろが使用できなくなり、生活に大きな影響を与えるだけでなく、下水の滞留や道路への流出など公衆衛生被害の発生や、降雨時の雨水を排除できないことによる浸水の発生等のおそれがあります。
 そこで、下水道管の耐震化の取り組みについて伺います。
 続けて、震災時における給水の確保について伺います。
 被災地では水道の被害も大きく、東北から関東にわたり二百万件を超える断水被害が発生しました。特に宮城県では、仙台市の一部など、三市六町の地域に送水する大口径管路が外れ、代替のルートがなかったため、断水などの影響が数十万人に及びました。
 都ではこれまで、広域的な送配水管網を整備してきましたが、代替となるルートがまだ確保できない重要な管路があると聞いています。もしこのような管路で今回のような被害が起これば、その影響ははかり知れません。
 そこで、震災時の給水確保に向けた今後の送配水管路の整備について伺います。
 次に、風評被害に対する事業者支援について伺います。
 今回の福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故の影響で、都内の中小企業が製造した機械が海外で輸入規制を受けるなど、工業製品に関する風評被害は中小企業の経営を脅かす重大なテーマとなっています。そのため、信頼性の高い公的な機関が商品の検査や証明をしっかりと行う体制を整備するとともに、中小企業などが風評被害の払拭に向けて行うさまざまな取り組みを支援することが必要であると考えますが、所見をお伺いします。
 今回の東日本大震災に際し、被災者の方々が復興に向けて互いに助け合う中で、多くの中学生や高校生も率先してボランティア活動を行っている姿に、未来を担う若者のたくましさをかいま見ることができました。
 しかし一方で、平穏な日常生活に目を転じると、ルールやマナーを逸脱した行為や自己中心的な行動をとる若者が目立つのも事実であります。その大きな原因として、戦後教育に問題があったと私は考えています。他人を尊重する、目上の人を敬うといった日本人の精神が受け継がれず、道徳が軽んじられてきた結果、自由と権利が履き違えられ、物欲、金銭欲、性欲、あるいは我慢を知らないといった利己主義の傾向が強まっているのが現状です。このままで日本は本当に大丈夫かと心配です。
 私は、今回の大震災を契機として、いま一度、日本人が二千六百有余年にわたり培ってきた知恵や経験、自然に対しての感謝、精神的価値を軽んじてきた戦後教育に警鐘を鳴らし、規範意識を大切にする教育を、特に小中学校の段階から行うことが重要であると考えています。
 そこで、東京都教育委員会が子どもたちの道徳性や規範意識をはぐくむために、今後、義務教育でどのような取り組みを行っていくのかお伺いをいたし、以上で私の質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) きたしろ勝彦議員の一般質問にお答えいたします。
 東京を元気にし、被災地を元気にすることについてでありますが、昨今の日本を眺めますと、金銭欲、物欲といった我欲がはびこり、しかも政治がそれに左右され、かつてあった連帯の心が影を潜めてしまっております。こうした風潮は、我が国を質的な破綻へと進ませているのではないかと思われます。
 被災地の復興に取り組み、日本を再生するためにも、希薄化してしまった人と人とのつながりを回復させ、節度、自己犠牲、責任感といったものが当たり前であった日本人本来の姿に立ち戻ることが肝要だと思います。
 万も超える方々が一瞬にして亡くなった直後に、花見と称して周囲の迷惑も顧みずらんちき騒ぎをするのは、日本人として同胞への思いやりに欠ける行為だと思って、花見を自粛するように発言はいたしました。しかし、以来、時は過ぎ、一応、被災地は別にしても、日本全体が平静を取り戻していきつつある今、伝統のある文化を表象するお祭りというものは、私たちの心のしんにあるものを活性化させてくれると思います。
 という意味で、私は、夏の風物詩の象徴であります三社祭をやったらいいんじゃないかと発言しましたら、実は、うかつに、お祭りがもう既に終わっていたってことを改めて知りまして、いささか面映ゆい思いをいたしましたが、いずれにしろ、花見やお祭りは、江戸の庶民の連帯感の醸成と経済の刺激を両立させてきた先人の知恵でありまして、江戸東京の文化の表象でもあります。こうしたものが寂れてしまっては、国全体が非常に沈うつになってしまいまして、復興へのエネルギーも阻害されるんではないかと思います。
 ゆえにも、夏から秋へかけて、伝統のある祭りというものが、その地域、地域に新しいエネルギーを与えるために整然と行われることを私は期待しております。
 いずれにしても、長い歴史の中で幾多の試練を肩を組んで乗り越えてきた日本人の底力を引き出し、知恵を絞り、工夫を凝らし、気概を持って活力のある日本を取り戻していかなければならないと思っております。そのためにも、エネルギー問題を克服し、経済を活性化させ、防災力を強化して、人間のきずなも復活させるなど、東京の総力を挙げた具体的な取り組みを通じて、試練に耐えて、我らなお力ありということを、都民の努力を通じて世界に発信していきたいと思っております。
 次いで、アジアのヘッドクオーターを目指せということでありますが、東京は我が国にとって、日ごろ申しておりますように心臓部であり、頭脳部であり、金の卵を産む鶏でもあります。それゆえに、無能な政府は、かつて東京の財布に手を突っ込んできて、勝手に法律を変えまして、税制を変えまして、暫定と称しながら、この二年間、東京の税収というのを横取りしてきたわけであります。
 いずれにしろ、今日、世界規模で都市間の競争が激化しておりますが、東京がこれに勝ち抜くことは、日本が国家として生きていくことにもつながってまいります。それゆえ東京は、一段の発展と成熟を遂げまして、アジアのヘッドクオーターへと進化しなければならないと思います。
 そのためにも、現行の法律の枠組みを超えた税制の優遇や大胆な規制緩和策を講じるなど、外国企業のアジア本社や研究機関を呼び込む仕組みを構築すべく、総合特区制度の活用を検討してまいりました。
 今回の震災によって、日本に対する信頼がいささか揺らいでおりますが、これからの東京の都市づくりには、防災力を徹底して高め、エネルギーを多様化、分散化させ、都内の電力自給率も向上させる視点が不可欠であると思います。
 今後、これまで進めてきた都市再生の取り組みと総合特区制度を一体的に活用し、大震災から得た教訓を踏まえたエネルギー政策や、災害に対しても十全の備えを持った戦略的な都市づくりを展開していきたいと思っております。これによって、民間の知恵や資金も活用しながら、世界じゅうから人、物、金融、情報を引き寄せ、東京の国際競争力を高めていきたいと思います。
 いずれにしろ、アメリカの国力が衰退し、中国は力をつけながら、覇権主義というものを強大な軍事力で遂げようとしておりますけれども、一方、一体感を持って発足したはずのEUは、参加している幾つかの国の怠慢で破綻に瀕している感が否めません。
 そういう中で、恐らく世界の金融は新しいピンチを迎えると思いますし、日本と違って州知事が非常に権限を持っているアメリカでは、これは仄聞でありますが、しかし確かな情報筋だと思いますが、ジョージア州は、みずからの通貨のドルを信用せずに、納税は金を買って行えというふうな議決をしたという、これはもう大変な方向転換といいましょうか、大きな、これからやってくる困難のイニシアルだと思います。
 そういう大きな大きな動きの中で、私たち、まず災害を復旧、復興させ、かつ日本の経済を根本的に立て直していくと、そういう気構えで進まなければ、日本は本当に、傲慢なサマーズが断言したように、このままではいちずに貧乏国への転落を免れないと思います。
 しかし、私たちはそれに甘んじるわけにいかない。それを防ぐためにも、東京はみんなで立場を超え、党派を超えて力出し合って、東京の活力というものを涵養していかなければならないと思っております。
   〔教育長大原正行君登壇〕

〇教育長(大原正行君) 道徳性や規範意識をはぐくむ教育についてでございます。
 子どもたちを社会の責任ある一員に育てるためには、小中学校の段階から規範意識や公共心、思いやりの心などを育成していくことが必要でございます。
 都教育委員会は、平成十四年度から、都内すべての公立小中学校において道徳授業地区公開講座を実施しておりまして、平成二十二年度には、保護者の方々など四十三万六千人の参加をいただいております。
 さらに、郷土を愛する心を育てるための道徳教材の開発や奉仕体験活動の推進に取り組んでまいりました。
 今後は、これらの取り組みとともに、世代を超えて垂直に継承させたい道徳的価値、例えば、礼儀、節度、思いやり、人間のきずな、真の勇気などを子どもの心に浸透させていくために、先人の格調高い言葉や崇高な行動などをまとめた教材を新たに開発して、その活用を図り、人間としてよりよく生きていくための道徳性を涵養する教育を一層強く推進してまいります。
   〔東京都技監河島均君登壇〕

〇東京都技監(河島均君) 超高層住宅における居住者用の防災備蓄倉庫の設置についてでございます。
 都はこれまでも、地域のための防災備蓄倉庫など、地元区市からの要請に基づいて設置する防災施設について、都市開発諸制度を活用した容積率の緩和等により整備を促進してまいりました。
 居住者用の防災備蓄倉庫につきましても、平成二十二年四月に東京都総合設計許可要綱を改正いたしまして、地元区市の条例等に基づき設置する場合、その床面積を容積率の緩和対象といたしました。
 また、再開発等促進区におきましても、同様の条件に基づいて設置する場合、容積率の緩和対象としておりまして、今後、他の都市開発諸制度においてもこうした取り扱いを行ってまいります。
 今後とも、区市と連携を図りながら、居住者用の防災備蓄倉庫の設置を促し、超高層住宅の防災対策に取り組んでまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 都民や事業者への節電の呼びかけについてでございますが、家庭や企業における節電行動を周知するに当たりましては、一過性ではなく、浪費をなくす継続的な実践行動につながるように促していくことが重要でございます。
 こうした観点を踏まえた節電行動の具体的な事例を広く周知するため、都は、都内の業界団体、区市町村とともに、事業者を対象とする節電セミナーを、先月から繰り返し集中的に開催しております。
 また、家庭の省エネ診断員制度を活用し、百万世帯への節電アドバイスを行うなどの取り組みも進めております。
 加えまして、公立小中高、特別支援学校で、児童生徒約百万人を対象に節電アクション月間を実施し、実践的な節電行動を促すチェックシートを配布するなど、児童生徒が節電への意識と意欲を高め、家庭における節電行動につなげる取り組みを実施してまいります。
 さらに、こうした取り組みを都内区市町村と連携して普及させるため、今月三日には、島しょを除く都内全自治体の参加で電力需給対策自治体会議を開催し、先駆的な取り組みの事例の経験交流を行いました。
 今後とも、区市町村、都内事業者と協力し、継続性のある具体的な節電行動を促してまいります。
   〔総務局長比留間英人君登壇〕

〇総務局長(比留間英人君) 震災時の超高層住宅の燃料確保についてでございます。
 超高層住宅において、エレベーターは居住者の生活に不可欠な移動手段でございます。震災時の停電によるエレベーターの稼働停止により、とりわけ上層階の居住者の生活に大きな支障が生じることになります。
 こうしたことから、発災時における非常用エレベーターの稼働に必要な燃料の確保は重要な課題でございまして、備蓄のみならず、停電時の調達手段もあらかじめ確保しておくことが不可欠でございます。
 今回の震災を踏まえ、都は、石油業界団体に対して、超高層住宅の管理組合が石油販売事業者と災害時の燃料供給協定を締結できるよう申し入れをいたしました。
 今後、区市とも連携し、この協定の締結が円滑に進むよう取り組んでまいります。
   〔建設局長村尾公一君登壇〕

〇建設局長(村尾公一君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、緊急輸送道路の早期通行確保についてでございますが、今回の東日本大震災で、国と各県は、あらかじめ協定を結んだ建設業者と協力して、迅速な道路障害物除去作業を行い、震災翌日には、東北地方の内陸部を南北に走る国道四号と、それから沿岸部の主要都市へつながる一般道十五ルートのうち十一ルートの通行を確保いたしました。
 また、三日後には残り四ルートを、さらに震災後一週間で太平洋沿岸を南北に走る国道四五号についても通行可能とし、復旧、復興に大きく寄与しております。
 このように、震災時に迅速な対応を図るためには、地元建設業者との協力体制を構築するなど、官民連携による日ごろからの備えが極めて重要であります。
 都では、阪神・淡路大震災を契機とし、既に建設業団体等と災害時における資機材や労力の提供等に関する具体的な行動を定めた協定を結び、速やかに緊急輸送道路の障害物除去を行う体制を整えております。
 これを確実に実施するため、毎年、総合防災訓練で、障害物除去作業を地元建設業者と共同して行うとともに、平成二十二年度には、東京消防庁などとも連携を深め、一都九県の消防機関による合同訓練に道路管理者として初めて参加するなど、防災対応力の一層の向上を図っております。
 次に、緊急輸送道路の橋梁の耐震化についてでございますが、震災時において救援、救助活動など初動対応を迅速に行うためには、橋梁の耐震性向上が重要であります。阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、耐震対策上重要な位置づけにある緊急輸送道路等の局管理橋梁四百一橋を対象として、橋脚補強や落橋防止装置の設置など、必要な耐震化に重点的に取り組んできております。
 現在、「十年後の東京」計画に基づき耐震化を進めており、平成二十二年度末までに二百六十七橋、このうち緊急輸送道路については、約七割の対策を完了しております。
 引き続き、緊急輸送道路における全橋梁耐震化の平成二十七年度完了に向け、効果的に事業実施できるよう、各年度の事業計画を見直すなど、国や関係局とも連携して橋梁の耐震対策を進めてまいります。
 最後に、環状第二号線の整備状況と今後の取り組みについてでございますが、本路線のうち豊洲から虎ノ門までの区間の整備は、臨海部と都心部の連絡を強化し、地域交通の円滑化や、避難経路の複線化による防災性向上を図る上で極めて重要であります。
 このうち、豊洲から汐留までの区間では、朝潮運河及び隅田川にかかる橋梁工事などを進めており、本年秋には、築地市場内において橋梁の下部工事に着手いたします。
 また、汐留から虎ノ門までの区間では、区画整理事業や再開発事業により、地上部道路の整備を進めるとともに、これと一体的に本線トンネル区間全線で工事を行っております。
 引き続き、地元の理解と協力を得ながら、必要な財源を確保し、環状第二号線の平成二十七年度開通を目指してまいります。
 今後とも、橋梁の耐震化など緊急輸送道路の機能確保や、幹線道路ネットワークの強化など、高度防災都市の実現に向け、全力で取り組んでまいります。
   〔港湾局長中井敬三君登壇〕

〇港湾局長(中井敬三君) 東京港の耐震強化岸壁の整備についてでありますが、ご指摘のとおり、震災時には陸路のみならず、海上からの緊急物資輸送路を確保することが重要であり、海上輸送を担う港湾の果たす役割は極めて大きいものがあります。
 このため、大地震においても機能を維持できるよう、岸壁を耐震強化するとともに、免震型のコンテナクレーンを採用するなど、地震に強い港湾施設の整備を行ってきております。
 具体的には、平成十七年の第七次改訂港湾計画において、三十一バースを耐震強化岸壁に位置づけ、これまでに芝浦ふ頭や大井ふ頭など十三バースの整備を完了し、現在、品川ふ頭など六バースの整備を進めております。
 引き続き、中央防波堤外側地区の新たな国際コンテナふ頭などの耐震強化岸壁の早期事業化を図り、震災時の輸送拠点となる東京港の防災力強化に全力で取り組んでまいります。
   〔下水道局長松田二郎君登壇〕

〇下水道局長(松田二郎君) 下水道管の耐震化の取り組みについてでございますが、下水道は、お客様の安心で快適な生活を支え、良好な水環境を創出するための重要な役割を担っており、いっときたりともその機能を停止することはできません。
 老朽化した下水道管を更新するとともに、機能を向上させる再構築に合わせ、今後も耐震化を着実に実施をしてまいります。
 再構築を進めるに当たっては、可能な限り既存の下水道管を有効活用することとし、道路を掘らずに、下水道管の内側から補強する更生工法などの採用拡大により、工期短縮やコスト縮減を図りながら、計画的かつ効率的に進めているところでございます。
 また、避難所などからの排水を受ける箇所を対象に進めております下水道管とマンホールの接続部を柔軟性のある構造に変更し、耐震性の向上を図る取り組みは、完了予定を二年前倒しし、平成二十五年度までに完成させるよう事業のスピードアップを図ってまいります。
 さらに、お客様の家庭などからの排水を受ける取りつけ管については、塩化ビニール管に取りかえ、下水道管との接続部に柔軟性を持たせることで耐震性の向上を図っております。
 このほか、マンホールの浮上を抑制する対策につきましては、液状化の危険性の高い地域にある緊急輸送道路での対策は昨年度完了しており、今年度から対策エリアを拡大し、実施をしております。
 これらの取り組みを迅速かつ着実に進めることにより、安全・安心な東京のまちづくりに貢献をしてまいります。
   〔水道局長尾崎勝君登壇〕

〇水道局長(尾崎勝君) 震災時の給水確保に向けた今後の送配水管路の整備についてお答えします。
 水道局ではこれまで、震災時等においても可能な限り給水を確保するため、送配水管ネットワークの構築や施設の耐震化などの取り組みを進めてまいりました。しかし、都内には、ご指摘のとおり、重要な路線でありながら、代替ルートがなく、断水ができないため、いまだ耐震継ぎ手管への取りかえが困難なものが存在しております。
 こうした課題を解決するため、代替ルートの確保の有効な手段である管路の二重化を重要な路線から優先して進めていくことといたしました。
 具体的には、まず、都内最大の送水能力を有する朝霞上井草線と、東村山浄水場から多摩地区への基幹送水管路である東大和線の二重化整備に取り組んでまいります。
 今後とも、一千三百万人の都民生活と首都東京を支えるライフラインとして、より震災に強い水道システムの構築に向け、全力で取り組んでまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

〇産業労働局長(前田信弘君) 風評被害の払拭に向けた取り組みについてであります。
 海外における日本の工業製品に対する放射能汚染の風評被害に対応するため、公的な機関が製品を正確に検査、証明し、その安全性を速やかに発信するとともに、事業者に対し、放射能についての正しい知識を持てるようにすることが重要であります。
 このため、都立産業技術研究センターにおきまして、都内中小企業の製品を対象に、四月中旬から無料で放射線の測定を行い証明書を発行するとともに、福島県の公的試験研究機関に研究員を派遣して測定のサポートに取り組むなど、工業製品の安全性を検証する仕組みの充実を図っております。
 また、同センターでは、放射線の量を調べる六台の測定機器と、放射性物質の種類などを分析する二台の分析装置を使って、工業製品のほか、浄水場で採取した水道水などについての放射能測定も実施しております。
 今後は、放射性物質の分析装置をふやすとともに、工業製品が輸出される都内の港湾や空港にも出向いて検査を行うなど、測定体制の一層の充実を図ってまいります。
 これに加えて、中小企業の事業協同組合が放射線の測定機器を導入したり、風評解消のキャンペーンを実施する取り組みを都として支援するとともに、放射能の安全証明の手続に関する情報を同センターが組合にDVD等を使って紹介するなど、きめ細かい対応を進めてまいります。
 こうした施策を着実に展開することにより、工業製品の風評被害を防止し、中小企業の経営環境の向上を実現してまいります。

〇副議長(鈴木貫太郎君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時三十二分休憩

   午後三時五十一分開議

〇議長(和田宗春君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 十三番西沢けいた君。
   〔十三番西沢けいた君登壇〕

〇十三番(西沢けいた君) さきの石原知事の所信表明の中で、海外企業のアジア本社や研究機関を誘致するため、総合特区制度を起爆剤として活用し、東京ならではの魅力を高め、都市政策や産業政策などを展開、アジアのヘッドクオーターとして東京を進化させていく、こういった趣旨の発言をされました。
 総合特区法案は、平成十五年に始まった構造改革特区制度と違い、規制、制度の緩和だけでなく、財政上の支援や金融上の支援、法人税の軽減などの税制上の支援などもある内容で、この制度を活用しない手はありません。
 法案は、おととい国会で成立しました。具体的な動きが展開されることになります。まだ特区指定に向けたスケジュールが定まっているわけではありませんが、八月くらいには指定に向けた手続が進んでいくのではないかといわれているようであります。総合特区の指定は、地方公共団体が地域協議会をつくり、ここで協議等を経て申請をするということになっています。他の自治体では指定に向け、既に地域協議会の立ち上げの準備をするなど、素早い対応をしていると聞きます。というのも総合特区指定には、先駆的な取り組みを行うという項目があり、自治体同士が競い合うようになっているからであります。
 また、総合特区制度の国際戦略総合特区指定は、国に話を聞くと、まだ正式には決まっているわけではないが、五件ぐらいの指定になるのではないかということであります。自治体に対する調査では、既に全国で六十七件の取り組み件数があり、指定を受けるには大変厳しい競争があるということがわかります。
 東京都は、国際コンテナ戦略港湾特区の設置や、アニメコンテンツ等、産業拠点構想などを提案しているわけですが、総合特区制度の指定に向けた都の取り組みを伺います。
 また、都市計画の規制などを緩和し、税制上の支援を受けられる仕組み、平成十四年に始まった政令で指定する都市再生緊急整備地域に対する支援制度があります。東京都内では現在八地域指定されており、民間の活力を生かした都市づくりを後押ししています。
 本年四月に改正され公布された都市再生特別措置法は、より支援制度を充実させた特定都市再生緊急整備地域を指定し、規制緩和や金融支援、財政支援を行っていくことが盛り込まれております。税制支援はもちろん、予算での支援、道路の上空利用のための規制緩和や下水の未利用エネルギーを民間利用するための規制緩和など、都市機能を高めるための国の支援を得られることになるわけであります。
 現在、全国の都市再生緊急整備地域は、東京の八地域を含め六十五地域があります。国土交通省に話を聞くと、今回の特定地域の指定は十地域ほどの指定になるのではないかとのことです。六十五地域のうち十地域程度に絞られるうち、ほかの自治体も手を挙げる中で、東京都内の八地域が特定地域となるのは、これも難しい状況であります。
 こうした中、例えば大阪市では都心部最後の一等地といわれる大阪駅周辺の開発のために特定地域はマストの課題であるとして、指定に向けた取り組みを日々努力されているということであります。また、横浜市では横浜駅周辺、みなとみらい地区の指定に向けて、指定されればすぐに動き出せる協議会の準備会のようなものをつくるなど、積極的に活動されていると聞きます。
 日本を牽引する首都東京を抜きにして、特定都市再生緊急整備地域の指定は考えられません。まだ詳細な指定基準が示されていない状況ですが、都市の国際競争力の強化のための法律です。東京の持つポテンシャルの高さを最大限に生かし、都市再生に向けた取り組みを進めるため、積極的な活用を図っていくべきと考えます。都の見解を伺います。
 特定都市再生緊急整備地域の指定は、先ほどの総合特区制度と同様に、知事が所信でいっていたように、東京が日本経済を牽引していくためのツールとして大いに活用し、相乗効果を高めていくべきです。その際、総合特区の指定に関して、地域の本気度を示す公共団体の責任ある関与の見込みが参酌されるように、地方公共団体の本気度、つまり、私は首長の本気度、思いというものが重要であり、知事の発言力や人脈を生かしていく機会であると考えます。
 今こそ知事がリーダーシップをとり、二つの制度を利用するなど、東京の国際競争力を高める取り組みを推進していくべきだと考えます。知事の見解を伺います。
 東京都の行政改革について伺います。
 東日本大震災は甚大な被害を日本にもたらしました。今後、東京都の政策が、防災という新たな軸にシフトしていくということは明らかであります。石原知事のいうように、東京から日本を再生するというのであれば、それを支える東京都という組織がどうあるべきなのかということも、あわせて考えていかなければなりません。こうしたときだからこそ、限られたマンパワーなどをフルに活用し、最大の効果を上げる組織として、東京都自身も変わっていかなければならない、行政改革を進めていかなければならないんだと私は思います。
 知事はかねがね、都庁には国と違って現場があると発言しています。防災や復興支援という新たな課題にも全庁を挙げて立ち向かわなければならない今こそ、知事がリーダーシップをとり、東京都という組織をさらに進化させていく必要があると思います。
 そこで、まず知事に、四期目最初の議会でもありますので、都の組織のありようについて、どうあるべきと考えるのか伺います。
 石原都政では、これまで、平成十二年に都庁改革アクションプランを策定したのを皮切りに、十五年には第二次都庁改革アクションプラン、十七年には行財政改革の新たな指針を、十八年には行財政改革実行プログラムを策定し、財政再建や経費削減、監理団体改革などに取り組んできました。
 例えば、平成十一年から比較して二万人以上の職員削減を行ったという結果はあります。ただ、本当に人員の削減で経費削減につながったのでしょうか。税金のむだは即刻省いていかなければならないと強く思いますが、ただやみくもに減らせばいいということではなく、その効果についても、十分な検証が必要です。また、監理団体の団体数は、平成十一年から比較して半減、職員数も削減したとしています。こうした団体数の削減によって逆に非効率になるということはなかったんでしょうか、経費削減につながったのでしょうか。
 これからの行政改革の方向性を議論し、定めていくためにも、これまでの行政改革の効果や反省点について、しっかり検証することが必要であると考えますが、見解を伺います。
 平成十八年度に策定した行財政改革実行プログラムは、平成二十年度までの三カ年計画であり、これを最後に東京都庁の大きな行政改革の計画はありません。本年二月の第一回定例会での行政改革の方向性についての我が党の代表質問で、総務局長は不断の行政改革をしていきますと答弁をしました。
 都は、今後、東京都防災対応指針や「二〇二〇年の東京」を策定し、東京から日本を再生させていくとしています。今後の取り組みを、絵にかいたもちではなく、より実効性を上げるものへと高めていくためには、それを支える都の組織のあり方、そして、その役割について、しっかり検討することが前提なのではないでしょうか。早急に、都が目指す新たな行政改革の指針を策定し、その方向性を明確に示す必要があると考えますが、見解を伺います。
 さて、都は昨年、監理団体のより積極的な活用を目指す新たな方針を策定しました。しかし、都のOB幹部職員の再就職先、いわゆる天下り先になっていることから、都民の団体を見る目が厳しいのが現状であり、さらなる改善が必要であります。
 こうしたことを踏まえ、都議会民主党は昨年、監理団体検証ワーキンググループを立ち上げ、不断の監理団体改革を進める立場から、経営の透明性の一層の向上を求めるなど、各監理団体の検証と、改善に向けた提案を行いました。その結果、都は、監理団体が特命で受託した事業等については情報公開を進めるなど一定の成果が得られたところであります。
 一方で、依然として課題も残っています。契約先に都庁OB職員が在職しているかといった情報については、現在、監理団体が契約する一億円以上の特定契約の場合は公表されております。しかし、驚くことに東京都本体が契約する場合はそうした情報は明らかにされていません。せめて、少なくとも監理団体が取り組んでいる内容と同じレベルまでは、特定の契約先に都庁OB職員が在職しているのか、都としても明らかにすべきと考えます。確かに、都庁版人材バンクの中で幹部職員の退職時における再就職先は公表されていますが、その内容は限定的です。人材バンク制度を透明性向上の観点から今後も見直すべきと考えるが、見解を伺います。
 帰宅困難者対策について伺います。
 東日本大震災当日、震度五強の揺れであったにもかかわらず、鉄道などの交通機関がストップし、都心部は帰宅困難者であふれパニック状態に陥りました。これまでの計画の中で想定していない事態が多くあり、これを教訓としなければなりません。
 新宿駅や品川駅など都心部の八つの駅には、市区町村が中心となり防災訓練などを行う駅前協議会があります。この協議会のメンバーでもあるJRは早々にシャッターを閉め、帰宅困難者を締め出してしまいました。例えばJR新宿駅が閉まったことで、震災当日は都庁舎に約五千人もの方が帰宅困難者として受け入れられたわけでありますが、これも想定していなかったと聞いております。
 駅前協議会は、市区町村が中心ですが、もともとは都が中心となり立ち上げたものです。首都直下地震が発生した場合、現場での直接の帰宅困難者対策は市区町村がとることで、都の役割はほかにもさまざまあるということだと思われますが、私は広域な問題でもあると考えています。駅前協議会には、都はより一層積極的に関与していくべきだと考えますが、見解を伺います。
 いざ災害があった場合、自宅に帰るべきなのか、それとも勤務先や学校などにとどまるべきなのか、震災当日、対応はさまざまでした。専門家の意見も多種多様ありますが、帰宅することによって建物の倒壊や火災に遭うなど二次被害を防ぐために、基本的には帰宅しないようにするべきという意見が大勢にあるようです。
 東京都は、基本方針の中では、むやみに行動を開始しないとしつつも、都が定めた帰宅困難者心得十か条では、歩いて帰る訓練を奨励し、帰宅支援ステーションとして協力いただいているコンビニエンスストアやファミリーレストランなどに、徒歩帰宅をする皆様を支援します、とステッカーを配っております。これではどのように行動すればいいのか、悩んでしまいます。今回、混乱状況の中で家族の安否が心配で、とにかく帰宅をしたという方が多くいらっしゃいました。こうした方々に対し、より正確な情報を素早く発信することが大切です。
 さらに今回、帰ることができたという経験があり、さらに深刻な震災があった際にも、同様にすぐに帰宅しようとする方が多く出てしまうのではないかということも懸念されます。
 これまでの都の政策は、震災時に帰宅をする場合の支援を行うことを進めているように考えられるわけであります。帰宅困難者をとどまらせるための対策がおくれているように感じるわけでございますが、こうした状況を踏まえて、今後の都の方針はどのようにするのか、見解を伺います。
 帰宅困難者の受け入れは、行政だけでの対応には限界があり、民間の事業者などにも積極的に協力を呼びかけるべきであります。都心部のビル、百貨店などの建物では、帰宅困難者の受け入れが可能な施設が多々あり、受け入れの協力を進めることが必要だと感じます。ある事業所では常に備蓄を備え、いざというときには社員が自身の安全を守ることに加えて、周辺地域の災害対策に貢献する仕組みまで整えています。
 また、ある場所では、お客様が一時的に帰宅困難になった場合に受け入れる場所を決めるなど、先進的に取り組んでいる企業も多くあります。
 今回の震災の教訓として、帰宅困難者がまちじゅうにあふれ出た場合、現状の受け入れ施設では不十分であるということが明らかになりましたが、民間の事業所などを含めて、どのくらいの人数の受け入れが可能かということはわかっておりません。条例で民間企業に協力の努力義務を課すべきだという意見もあります。
 今後は、民間事業者の協力を最大限に求める必要がある。民間事業者を含めた受け入れ収容人数がどのくらいあるのかを調査するなど、一時受け入れ施設の確保に努めるべきですが、見解を伺います。
 また、受け入れをするとき、だれがどのように受け入れるのか、マニュアルのようなものが必要です。例えば、都庁舎で帰宅困難者を受け入れる際には、庁舎内の職員の方々が臨機応変に対応されたと聞きましたが、受け入れ場所をどうするのか、ローテーションはどのようにするのか、現場リーダーはどうするのかといったことなどを決めておく必要があります。
 庁舎だけではなく、学校現場では児童をとどまらせるべきか、帰すべきかといったことや、事業所では、お客様にどういった対応をするべきかといったことなど、都内各地で判断に迷うような状況が生まれたわけであります。
 局ごとに管理が分かれた都立施設や、市区町村の施設、民間の事業所など、運営する主体はばらばらでも、現場が混乱しない仕組みが必要といえます。確保した一時受け入れ施設は、発災時に円滑に帰宅困難者を受け入れることが重要になります。
 そのため、都はもちろん、関係する主体が発災時のマニュアルをつくれるような体制を、都が音頭をとって整えることが必要と考えますが、見解をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 西沢けいた議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、東京の国際競争力についてでありますが、都はこれまでも、羽田空港の国際化や三環状道路の整備などで国を動かし、国際的な都市間競争を勝ち抜くための条件整備に力を注いできました。国も遅まきながら、都市の国際競争力を高めるため、都市再生基本方針の改定や総合特区制度の創設を行いました。
 しかし、国際競争力強化の名のもとに幾つもの制度を創設しても、国としての基本的な戦略性が何もないまま、省庁ごとばらばらに運用されようとしているのが実態であります。このままでは、仏つくって魂入れずということになりかねません。
 民主党の皆さんにも、国の縦割り行政の弊害を東京都の現場に落とすことのないように、国に強く物を申してもらいたいと思います。
 いずれにしても、都は重要な現場を有する強みを生かし、制度を一体的に活用することで相乗効果を高め、戦略性をもって、東京をアジアのヘッドクオーターへと進化させていきたいと思っております。
 次いで、都の組織のありようについてでありますが、今日、複雑さを増して変化の絶えない時代にあって、国の官僚のように、継続性、一貫性というものにとらわれていては、全くこれは行政が現実に通用しないと思います。
 中でも、日本の心臓部、頭脳部であります首都東京には、我が国が直面する課題が最も先鋭的にあらわれているわけでありまして、都の組織は、現場に根差した発想で、環境問題や少子化対策などの課題の本質をとらえ、あらゆる分野に横ぐしを通して複合的に対処することが不可欠であります。
 現民主党の内閣のように、やたらに審議会をつくっても、本当にそれを、横ぐしを通して行政に反映させる指導力がないために、同じ与党の亀井静香議員のように、非常に辛らつな批判を浴びざるを得ない。
 それに、このたびの東日本大震災においても、国の対応が後手後手に回る中、被災地、被災者への支援や都内の防災対策に、警察、消防、福祉、医療などすべての部署が、現場で培ってきた人材、経験、手段を結集して、まさに一丸となって取り組んできたわけであります。
 また、被災地に派遣した職員の生の経験を、今後の東京の防災対策に生かしていきたいと思っております。
 今後、大震災を乗り越え、我が国の発展を牽引し続けるためにも、震災後の都民生活と首都経済の再生、発展、高度防災都市の実現、東京発の環境エネルギー戦略の展開など、今までにない課題に果敢に挑まなければなりません。
 そのためにも、東京という現場ゆえに気がつく急所、着想を押さえて、つかさ、つかさが最大限の力を発揮しながら、同時に、重層的に横の連携をとって、日本の隘路を打破できる組織に一段と鍛え上げていきたいと思います。
 現実に、制度の改革としては、従来ありました知事本部を本局にかえまして、この局長が政府における官房長官と同じように、各省の行政に横ぐしを通して、とにかく力を結集するという組織を今運営しているわけです。
 オリンピック招致のときにも、この縦割り行政の弊害があちこちに出まして、幾つかの局が同じことをやるようなざまがありましたが、これは反省の大きな素因として、あくまでも知事本局を中心に各局に横ぐしを通すという形で、これからも都政を運営してまいります。
   〔東京都技監河島均君登壇〕

〇東京都技監(河島均君) 特定都市再生緊急整備地域の活用についてでございます。
 都はこれまでも、都市再生緊急整備地域において、都市再生特別地区を活用した優良な民間プロジェクトを積極的に誘導し、東京の都市再生に大きな成果を上げてまいりました。
 このたび、都市の国際競争力の強化を図ることを目的として、税制の特例などが手厚く受けられる特定都市再生緊急整備地域の制度が創設されました。本地域は、都市再生緊急整備地域のうち、国内外の主要都市との交通の利便性や都市機能の集積度が高く、経済活動が活発に行われている地域等を指定することとなっております。
 都内の都市再生緊急整備地域は、我が国の国際競争力を発揮する上で、それぞれ重要な役割を担っておりまして、この指定要件に該当していると考えられます。このため、都としては、お話にあったような全国的な枠を前提として、地域を絞り込むことは適当ではないと考えておりまして、その旨を国に対して申し入れております。
 引き続き、都としての主体性を持って国との協議を進め、本制度も活用しながら、東京の都市再生の一層の推進と国際競争力の強化を図ってまいります。
   〔知事本局長秋山俊行君登壇〕

〇知事本局長(秋山俊行君) 総合特区制度についてでございますけれども、総合特別区域法が先日成立をいたしまして、今後、法に基づく基本方針のパブリックコメントを経まして、国による対象特区の提案募集等の具体的な手続が始まろうという段階にございます。
 総合特区に指定されるためには、内容に先駆性があることや、有効な国への規制、制度改革の提案があるなど、国の指定基準に合致する制度設計が必要でございます。
 昨年九月に、国が総合特区に関するアイデア募集を行った際に、民間事業者等から、都内を対象エリアとする提案が、大規模な開発を伴うものから大胆な規制緩和等を求めるものまで、約四十件寄せられていることは都としても承知をしており、現在、対象エリアの設定の考え方や、先駆性の具体的内容など、さまざまな観点から国と意見交換を進めております。
 この特区の申請主体が地方公共団体とされておりますことから、今後都には、民間事業者から多数の提案が寄せられることが予想されるところでございます。
 全国からも多数の申請が見込まれる中で、都が確実に特区指定を勝ち取るためには、こうした民間事業者等からの提案を踏まえた上で、先駆的な取り組みや、規制の特例措置などを盛り込んでいく必要がありまして、申請の具体化に向けた取り組みを推進してまいります。
   〔総務局長比留間英人君登壇〕

〇総務局長(比留間英人君) 七点のご質問にお答えをいたします。
 まず、これまでの行政改革の効果の検証についてでございます。
 都はこれまで、監理団体や民間など多様な主体との連携を図りつつ、徹底したむだの排除による執行体制の再編など、既存の行政システムを抜本的に見直す改革に取り組んでまいりました。
 これらの取り組みの成果については、包括外部監査や新たな公会計制度、事業評価制度などの仕組みを活用し、専門的かつ客観的な観点から評価を実施してきました。
 今後とも、こうした仕組みを活用するとともに、昨年度実施した監理団体活用方針策定などの監理団体改革や、指定管理者制度の見直しについて、団体の性格や施設特性を踏まえた評価を実施するなど、多様な手法を用いて行政改革の実効性を不断に検証してまいります。
 次に、これからの行政改革の方向性についてでございます。
 都はこれまで、事務事業の抜本的な見直しによる職員定数の削減や監理団体改革など、国や他の自治体を上回る徹底した改革に取り組み、スリムで効率的な執行体制を確立しつつ、都民サービスの向上を図るなど、着実な成果を上げてまいりました。今回の東日本大震災の発生に伴い、都は高度防災都市の実現や、被災地への支援、東京の経済の再生など、新たな課題に直面をしております。
 現在重要なのは、こうした課題に一つ一つ的確に対応していくことであり、そのためには、これまでの行政改革の成果を生かしつつ、組織の枠を超え、都の総力を挙げて取り組むことが必要でございます。こうした取り組みを推進するため、今後とも手を緩めることなく不断の改革を実行してまいります。
 次に、都庁版人材バンクについてでございます。
 都では、人材の有効活用と透明性の向上を図るため、再就職情報を一元管理する人材バンクを昨年整備をいたしました。都民から、公正な都政運営に疑念を持たれないよう、部課長級以上の幹部職員全員の再就職状況を公表するとともに、民間企業などへの再就職の際には、新たに求人票の徴取や、営業活動の自粛について書面で確認を求めるなど、企業等との関係を一層厳正に保つことといたしました。
 この制度を毎年適切に運用し実績を積み重ねることで、再就職に関して都民に公表する情報が蓄積され、より一層透明性の確保が図られると認識をしております。
 今後とも、透明性のさらなる向上を図る観点から、運用状況について検証をしてまいります。
 次に、駅前滞留者対策推進協議会についてでございます。
 都は、新宿駅、品川駅など八カ所のターミナル駅において、区市と共同で、大型商業施設などの周辺事業者で構成する協議会を設置し、発災時における混乱防止に向けた地域の行動ルールを策定するなど、駅前滞留者対策を実施してまいりました。
 しかしながら、発災当日、駅周辺に多くの滞留者が発生し、大きな混乱が生じたところです。こうした状況を踏まえ、都は発災当日の八つの協議会の活動、駅周辺事業者の動向や滞留者の状況などを調査するとともに、行動ルールの有効性などを検証してまいります。これをもとに、都と八つの協議会で構成する連絡会において、課題解決に向けた実効ある対策を検討してまいります。
 次に、帰宅困難者に対する今後の方針についてでございます。
 首都直下地震が発生し、交通機関や道路に被害が生じた場合には、今回の震災以上に大きな混乱が起きると想定がされます。このため、安全な帰宅手段が確保されるまでの帰宅の抑制、帰宅困難者の一時待機施設の確保、速やかな安否確認と情報提供など、対策を強化する必要があります。
 また、道路等の状況が落ちついた段階では、徒歩帰宅に加え、陸上、海上輸送の実施により、帰宅困難者の早期の帰宅に向けて取り組む必要があります。
 これらを踏まえ、都は、国、経済団体、鉄道事業者などで構成する協議の場を設け、行政や事業者の役割と責任を明確にするとともに、社会全体で取り組む帰宅困難者対策を策定してまいります。
 次に、一時待機施設の確保等についてでございます。
 首都直下地震が発生した場合には、今回の地震と異なり、被災した多くの住民を避難所に受け入れる必要があることから、帰宅困難者のための一時待機施設の確保は大きな課題でございます。このため、公的施設はもとより、民間事業者の協力を得て、駅周辺のビルや施設などにおける一時受け入れ施設の設置を推進する必要があります。
 今後、帰宅困難者対策について検討する協議会において、民間事業者に対し、一時待機施設の実態把握と確保について協力を要請してまいります。
 最後に、帰宅困難者の円滑な受け入れについてでございます。
 発災時に想定される膨大な数の帰宅困難者を一時待機施設に円滑に受け入れるためには、受け入れ側への正確な情報伝達や、施設職員の迅速な行動が不可欠でございます。
 このため、帰宅困難者対策について検討する協議会において、一時待機施設の情報連絡体制や運営方法について検討を行ってまいります。この検討を踏まえ、都は、帰宅困難者対策訓練を、一時待機施設を含む関係機関と連携して実施し、発災時の対応手順の策定に生かしてまいります。

議長(和田宗春君) 四十一番神林茂君。
   〔四十一番神林茂君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇四十一番(神林茂君) 初めに、東日本大震災に伴う電力危機への対応について伺います。
 震災後の三月十四日から実施された計画停電は、首都圏におけるエネルギー供給の脆弱性を浮き彫りにし、対象となった地域では、鉄道や病院などのライフライン機能に重大な支障を生じました。電力の需給が逼迫することしの夏にあっても、都民の安全・安心を確保することが何よりも必要であり、都が果たすべき役割は極めて重要であります。
 そこでまず、都民の生命と経済活動を支えるライフライン機能を担う公共施設などにおける電力確保対策をどのように進めていくつもりなのか、知事の基本認識を伺います。
 私は、改めて地震に強い東京の都市づくりの重要性を認識し、その中でも、特に緊急性の高い取り組みが、災害に弱い多くの人命を預かる施設の耐震化であります。保育所、特別養護老人ホーム、障害者施設などの社会福祉施設は、耐震化が図られていないと、社会的に守るべき人々が震災により真っ先に被害をこうむることになります。
 しかし、都内の社会福祉施設では、耐震診断の未実施や耐震補強が必要にもかかわらず、改修工事に着手していない施設が多くあるのも事実です。当然ながら、建物の耐震化を図る責任は、その所有者にあります。しかし、財政基盤の弱い社会福祉法人などの施設においては、工事中の利用者減少による収益の悪化など、資金面の問題に過大な不安を抱き、耐震化への取り組みをちゅうちょしている場合もあるのではないでしょうか。
 災害に弱い多くの人命を預かる、さまざまな社会福祉施設の耐震化促進を強力に推し進めるため、これまで以上の積極的な支援が必要と考えますが、所見を伺います。
 我が党には、施設に子どもを預けている保護者から子どもの健康や安全についての多くの不安が、また、事業者からは災害への備えや、ことしの夏の電力不足の影響を懸念する声が寄せられました。
 そこで、災害時における子どものけがや行方不明など、不測の事態への対応を含め、保育施設における防災対策を強化するとともに、電力需給対策にも区市町村と連携して取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 特に今回の大震災では、保護者にとって、保育施設と電話がつながらない状況が続き、子どもの安否がつかめなかったことが、何にも増して不安なことでありました。そこで、震災などによる通信手段が利用できない場合でも、保育施設と保護者が早期に連絡がとれるような体制の整備を進めるべきと考えますが、所見を伺います。
 羽田空港を取り巻く環境について伺います。
 羽田空港では、昨年十月二十一日、四本目の滑走路が供用を開始し、十月三十一日には、国際定期便が就航いたしました。引き続きC滑走路の南側延伸工事、新国際線旅客ターミナルの再拡張、跡地の開発など、さらなる機能拡充も見込まれており、これからの首都圏における産業経済の発展や、国際間の交流に大きく貢献してまいります。
 またその一方で、国際化、深夜、早朝に伴う環境や交通問題、今回の大地震を踏まえた防災面での見直しなど、新たなる課題も明白に見えてまいりました。
 今この時期、こうしたさらなる空港機能拡充を着実に進めていくためには、その背中合わせにある、戦後の四十八時間強制退去や、長年にわたる航空機騒音の苦難の歴史を乗り越えて、空港の沖合展開を進めてきた航空機騒音問題にしっかりと決着をつけることと、これから発生が懸念される各種の環境や防災課題に十分な対策を講じていくことが、極めて重要であります。
 まず、A滑走路を北側に離陸し左旋回する、いわゆる左旋回飛行は、市街地上空を低空飛行するため、地域住民にとって受忍限度を超える騒音や振動を発生させることから、私が本会議の場でたびたび申し上げてきたとおり、四本目の滑走路完成による離発着能力が増加した時点で、即時廃止すべきものであります。この左旋回飛行については、昨年五月以降、国土交通省と大田区で取り交わされた回答文書の中で、これまでの一日五便から当面三便を限度に減便し、残り三便の取り扱いについては、空港運用の慣熟を経て、数年で廃止することを目標とすることが、国と地元区とで合意がなされたところであります。
 都は、国、都、地元区で構成される羽田空港移転問題協議会の調整役として、今こそ、この問題にしっかりとした決着をつけ、一日も早く具現化されるよう、積極的な対応を図るべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、現在、地元空港周辺地域では、深夜、早朝時間帯を初めとする航空機発着回数の増加に伴う新たなる騒音や、道路交通による騒音と渋滞、水質や大気の汚染などへの影響が心配されております。また、昼間時間帯における新たな都内上空を通過する航空機による騒音の拡散により、広く都民の生活環境にも影響を及ぼす懸念を生み出しております。
 さらに、三月十一日に発生した東日本大震災では、従来の首都直下地震の被災想定をはるかに超えており、空港における震災対応の見直しが喫緊の課題となりました。あの仙台空港の惨状を目の当たりにしてしまうと、津波や液状化現象によって、災害の広域輸送拠点として、また、地域住民の広域避難場所として、果たして機能が果たせるのだろうかと、専門家による十分な検証が改めて必要であることを痛感させられました。
 そこで、今後影響が懸念されている航空機騒音を初めとする環境問題について、都の見解を伺います。
 また、今回の大震災における貴重な経験をもとにした空港における震災対応の見直しを、国に依存するばかりではなく積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 ものづくり産業の集積について伺います。
 大田区は、全国屈指のものづくり産業の拠点であり、製品の形をつくる鋳造から研磨やメッキまで、あらゆる製造過程の工場がフルセットで区内に集積しており、その高い技術力が、都内産業のみならず日本経済を牽引しております。しかしながら、長引く不況や円高に加え、今回の震災の影響も受け、区内の製造業はこれまでにない逆風にさらされております。
 このような危機的状況の打開に向け、規制や税制の特例がある総合特区制度を活用し、製造業の技術力や国際競争力の強化を目指したものづくり特区を提案するなど、さまざまな努力を行っております。
 こうした区の取り組みに加えて、ものづくり産業の集積活性化を効果的に実現するため、都や隣接する自治体、さまざまな関係機関が密接に連携し、広域的に取り組んでいく視点も重要になるものと考えます。
 そこで、広域的な連携の仕組みをつくり上げて、製造業が既存の地域や業種の枠を超え、これまでに仕事上で接点のなかった企業や専門家、関係機関との交流を深め、新たな分野や市場で新たな製品を生み出していけるよう支援を充実していくべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、総合特区制度について伺います。
 総合特区については、法案が六月二十二日に成立したことで、具体的な手続に向けた動きが始まりました。大田区が提案するものづくり特区の中には、羽田空港や港湾機能など、海外との結びつきをつくり出す上で極めて有利となる条件を最大限に活用するとの発想も盛り込まれております。実際に空港などを通じて、大田区の製造業が海外の企業に出向いて、高い能力を持つ人材だけでなく、すぐれた技術や資金までも区内に呼び込むことが可能になるものと期待をしております。
 都においても、東京を海外企業のアジア拠点とする、アジアヘッドクオーター構想という特区の提案を行っておりますが、海外企業誘致や産業集積機能の強化など、大田区のものづくり特区に通じるものがあると認識しております。
 アジアヘッドクオーター構想の具体化に当たり、大田区のものづくり特区をバックアップし、国際競争力の強化や産業集積機能などを視野に入れた広範な取り組みと一体化して、しっかりと進めていくべきと考えますが、所見を伺います。
 最後に、下水道の国際展開について伺います。
 WHOなどの報告によると、世界の人口の九億人が安全な水にアクセスできず、二十六億人もの人々がトイレなどの適切な衛生設備を利用できていないといわれております。これらの国や地域では、強度の水ストレスと衛生問題に直面しております。
 日本の復興に、東京として最大限の努力を重ねるのはもちろんのことでございますが、内向きの発想だけにとらわれることなく、これら水、衛生問題に直面する国や地域の発展に寄与し、日本の民間企業の活躍の場を拡大することにつながる取り組みを途絶えさせてはなりません。
 水道と下水道は、ライフラインという観点では一体であり、水を使えば、必ずそれを衛生的に処理する下水道が必要になります。国際展開に当たっても、そのことを踏まえた支援が必要だと考えます。
 先日、下水道の特許技術の海外展開が具体的に動き出しているとの新聞報道がありましたが、下水道事業における国際展開については、ことしの我が党の、第一回定例会で、下水道ニーズのある国や地域の課題解決に寄与するとともに、下水道関連企業の海外展開を後押しし、日本の産業力の強化につながるよう積極的に取り組む旨の答弁がありました。
 そこで、最後に、下水道事業における国際展開のその後の取り組みについて伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 神林茂議員の一般質問にお答えいたします。
 公共施設等における電力確保対策についてでありますが、今般の大震災に伴い発生した原発事故で、計画停電というかつてない事態を我々経験いたしました。
 私も、現場をつぶさに検分いたしましたが、中小企業の操業がとまり、病院は患者の受け入れができなくなるなど、当然と思ってきた電力供給が断たれた際の都市のもろさ、危うさというものを痛感いたしました。
 今回の事態を教訓として、災害時にあっても、都市の機能がとまることを防ぐ手だてを講じなければならないと思いますが、とりわけ、ライフラインは確実に維持されなければならないと思います。
 そこで、都民の生命を守る都立病院はもとより、上下水道、交通といったライフライン施設においても、非常用発電の活用や自家発電の導入を進めるなど、その事業が確実に継続できるようにしていきたいと思っております。
 大規模都市開発においては、巨大ビルの地下にガスタービン発電を設置し、停電の場合にも全電力を自前で供給できるようにしておる事例が幾つもあります。
 こうした先進事例を踏まえて、都市づくりの中にエネルギー源の多様化、分散化という視点を組み入れて、低炭素で高い防災力を備えた首都東京の実現を目指していきたいと思っております。
 他の質問については、技監及び関係局長から答弁いたします。
   〔東京都技監河島均君登壇〕

〇東京都技監(河島均君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、羽田空港における左旋回飛行の廃止についてでございます。
 都は、羽田空港の機能強化とさらなる国際化を推進していくとともに、あわせて周辺地域の航空機騒音に配慮していくことが重要と認識しております。
 羽田空港では、現在、離陸回数をふやすため、最も出発便が集中する朝の時間帯に、二、三便を上限として、大田区の市街地上空を飛行させる運用を行っております。
 お話のとおり、国は地元区に対し、この運用につきまして、管制など空港運用の習熟を経て数年で廃止することを目標とし、それまでの間も可能な限り減便に努めることを示しております。
 都としても、国が早期に目標を達成し、地域への騒音影響が軽減されるよう働きかけてまいります。
 次に、羽田空港における震災対応の見直しについてでございます。
 羽田空港は、国内外の人、物、情報の交流を支える重要なインフラでございまして、発災時には、人命救助、救援物資等の輸送基地としても重要な役割を担うことから、万全な震災対策を講じていく必要がございます。
 まず、津波につきましては、国によると、羽田空港では、旅客ターミナルビルや滑走路などの主要施設の地盤高は、高潮に対応してAPプラス六メートル以上にかさ上げされているとのことであり、もちろん今回の東北地方太平洋沖地震で発生した津波による被害は生じておりません。
 国は、東日本大震災を踏まえ、中央防災会議で、地震、津波被害の把握、分析や今後の対策の方向性などについて検討を行っておりますので、都としては、その結果によっては必要な対策を実施するよう国に求めてまいります。
 次に、液状化につきましては、B滑走路及びD滑走路は、阪神・淡路大震災後につくられた基準に基づき既に対策が講じられており、引き続き残る滑走路などについても早急に対策を実施するよう、国に求めてまいります。
 また、羽田空港では、空港の一部が広域避難場所に指定されておりまして、今回の震災による液状化は発生していないと国から聞いているものの、液状化の可能性も予測されていることから、国や地元区とも連携して対応策を検討し、避難場所としての機能を確保してまいります。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、社会福祉施設の耐震化の促進についてでございますが、都はこれまで、保育所や高齢者施設、障害者施設など、都内の民間福祉施設の耐震化を進めるため、耐震診断や耐震改修への独自の補助を行いますとともに、具体的な進め方や施工事例等の情報を盛り込んだ耐震補強の手引を作成いたしまして、施設の取り組みを支援してまいりました。
 また、今年度から、新たに、技術的知識の不足や財政的な理由から取り組みに消極的な施設を個別に訪問いたしまして、耐震化の手法や補助制度などについて説明する事業を開始いたしました。さらに求めに応じまして、具体的な工法や工期、利用者への配慮などについて、技術的な助言や提案を行う専門家も派遣いたします。
 今後とも、施設の取り組みを積極的に支援し、社会福祉施設の耐震化を一層推し進めてまいります。
 次に、保育施設の防災対策についてでございますが、都はこれまでも、災害時に備え、保育施設の耐震化を促進するとともに、防災計画の作成や避難訓練の実施等について指導を行ってまいりました。
 こうした取り組みに加えまして、交通機関がストップした今回の震災当日の状況を踏まえまして、都は新たに、保育施設における水や非常食等の備蓄品の購入等に要する経費について、包括補助制度を活用し、保育の実施主体でございます区市町村を通じて支援を行うことといたしました。また、この夏の厳しい電力不足に備えるため、遮光シートや冷却タオルなどの節電用品についても、あわせて支援いたします。
 今後とも、保育施設に対しまして積極的な取り組みを働きかけ、子どもたちが安全に過ごすことのできる環境を整えてまいります。
 最後に、保育施設における災害時の連絡体制についてでございますが、都内の保育施設は、これまでも災害等に備え、保護者との連絡体制の整備に努めております。
 しかし、今回の震災は極めて大規模であり、かつ広範囲にわたったため、都内でも一時通信回線がパンクし、保護者との連絡に支障が生じました。
 こうした中、日ごろから訓練を行っている保育施設では、災害用伝言ダイヤル等が保護者への連絡に有効な手段として機能したことが報告されております。
 都は、こうした事例を区市町村や事業者に対して紹介をし、認可保育所を初め、認証保育所や家庭的保育事業などにおきましても、災害時に保護者と適切に連絡がとれる体制が確保されるよう働きかけてまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 羽田空港の航空機騒音への取り組みについてでございますが、新たな滑走路の供用開始や国際定期便の就航など、羽田空港の運用が大きく変わりつつあることから、その周辺地域における航空機騒音について、実態を踏まえて対策に取り組むことが必要でございます。
 平成二十五年度から航空機騒音についての新たな評価方法による環境基準が導入されますが、これに向けまして、今年度、羽田空港周辺地域の詳細な調査を実施することとしております。この調査の実施に当たっても、深夜、早朝の時間帯拡大や、発着回数の増加などの運用面や飛行ルートの変更などの状況を反映してまいります。
 この結果をもとに、環境基準を適用する指定地域の見直しの必要性の有無などについて検討するほか、国に対して実態を踏まえた防止対策を要望してまいります。
 なお、羽田空港周辺地域の大気環境などにつきましても、定期的なモニタリングを行い、必要に応じた対応を図ってまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

〇産業労働局長(前田信弘君) ものづくり産業の集積支援に向けた広域的な連携についてでございます。
 東京の強みである製造業の集積をより一層高めていくため、それぞれの地元自治体の取り組みに加えまして、より広域的に、将来のものづくり産業の発展に結びつく仕事のきっかけづくりを行うことが重要でございます。
 都は、本年四月、企業立地促進法に基づいて、二十三区、川崎市、横浜市及び神奈川県と共同して、東京区部・神奈川臨海部広域基本計画を策定し、医療や福祉等を対象とするライフイノベーション産業やコンテンツ産業等を含めた文化産業について、製造業との連携などを目指すことといたしました。
 具体的には、医療機関と製造業の会社がネットワークをつくり、新たな製品開発に取り組むよう支援したり、コンテンツ産業と製造業との結びつきを強める交流会を実施するなど、地域や業種を超えた幅広い企業間の連携による製造業の活性化を、各自治体が共同して実施する予定であります。
 この計画に基づいて、都を初めとする多くの自治体が協力して、ものづくり産業の一層の集積とその活性化を的確に実現してまいります。
   〔知事本局長秋山俊行君登壇〕

〇知事本局長(秋山俊行君) 総合特区についてでございますが、都は、この特区制度を活用して、外国企業のアジア本社や研究機関を誘致し、これを契機に、外国企業と国内企業とが刺激し合い、革新的な技術やサービスの創出を促すことで、東京をアジアのヘッドクオーターへと進化させることを目指しております。
 法律が先日成立したことで、特区申請に向けた具体的な手続が始まりますが、申請主体は地方公共団体とされていることから、都には民間業者等から多数の提案が寄せられるということが予想されております。
 都としては、これらの提案も踏まえた上で、先駆的な取り組みやそれを実現するための特例措置について、特区申請に向け、さらに検討を進めてまいります。
 お話のように、大田区では、羽田空港に近接し、中小製造業が集積しているという特性を生かした、ものづくり特区というアイデアを持っておりまして、特区指定に向けて構想の具体化の検討を開始しているというふうに承知をしております。
 今後、都としての特区申請に向けた検討を進めていく中で、大田区とも緊密な意見交換を行い、実現に向け、ともに努力をしてまいります。
   〔下水道局長松田二郎君登壇〕

〇下水道局長(松田二郎君) 下水道事業における国際展開の取り組みについてでございますが、まず、東京下水道が特許を有する個別技術の海外展開が広がりを見せてきております。
 具体的には、昨年六月にドイツの企業と、七月には韓国の企業とライセンス契約を締結いたしました合流式下水道の改善を図る水面制御装置につきまして、この四月に第一号機がドイツに設置をされました。
 現地からは、水面制御装置の特徴であります装置を動かすための動力が不要で、しかも水質改善効果が極めて高いということに、強い関心が寄せられております。
 また、お話のとおり、北米地域での展開を目指し、現在、アメリカの企業とライセンス契約の締結に向けた最終調整を行っているところでございます。
 次に、アジアなど下水道が未整備、あるいは整備をされていても機能が十分に発揮できていない国、地域に対する技術的な支援がございます。ことし三月には、マレーシア政府に対し、マレーシア全域の下水道再整備に関するマスタープランを提出いたしました。
 引き続き、今後、具体的な場所を特定し、下水道施設の整備計画の策定やその検証などを行うモデルプロジェクトが動き出すので、それに対する技術的支援を行ってまいります。
 また、昨年、現地調査を行ったインドにつきましても、首都圏などでの下水道を含むインフラ整備の事業化調査などに対して技術的な支援を行ってまいります。
 今後とも、国際展開を着実かつ積極的に推進をしてまいります。

副議長(鈴木貫太郎君) 五十番中谷祐二君。
   〔五十番中谷祐二君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇五十番(中谷祐二君) 私は、地方税財源のあり方及びその拡充について伺います。
 今年度予算における都税収入は、海外経済の減速や円高の影響に加え、繰越欠損金による税収減などにより、前年度に比べ小幅な増収にとどまっています。
 その中でも、景気動向に左右されることなく、安定的に税収を上げているのが固定資産税であります。固定資産税は、法人二税にほぼ匹敵する税収があり、また都区財政調整の原資ともなる重要な基幹税の一つでもあります。
 しかし、多くの減免措置や非課税の仕組みがあり、制度としてはわかりづらく、中には、制度創設当初の目的が、もはや時代おくれとなっているケースもあるのではないでしょうか。より公平で、わかりやすい税制にするためにも、こうした減免措置については、改めて精査が必要であります。
 本来、租税の基本原則は公平の原則にあります。公平の原則を害することによる弊害よりも、課税免除をした方が利益が大きいとき、初めて課税免除とするべきであります。
 都はかつて、公平性の確保から、全国に先駆けて、駅の改札内、いわゆる駅ナカ課税を、通常の評価替えより二年前倒しで課税強化の措置を講じました。商業施設のある駅と近隣の宅地との間では、固定資産税評価に著しい不均衡が生じているという理由からでした。
 しかし、こうした努力の一方、本来は課税されるべき対象にもかかわらず、減免や非課税という制度が残っている事例も見られます。
 一例を挙げれば、首都高速道路に対する固定資産税の非課税措置であります。
 民営化した首都高といっても、株式のすべてを国と関係する地方公共団体が保有しています。株主構成は、国土交通大臣が四九・九九%、東京都が二六・七二%、以下、神奈川県、埼玉県、横浜市、川崎市、千葉県であります。
 民営化する以前、首都高に固定資産税をかけない理由は、料金の徴収期間が定められていること、つまりは、将来は必ず無料化される道路であること。本件は民営化して四十五年後のことであります。徴収する料金の水準が建設費などから見て適正な水準であること。この二つの要件を満たすことから、非課税とされていました。
 しかし、首都高速については、自民党政権時はもちろん、民主党政権にかわっても、一度も無料化される道路であるとの話を耳にしたことがありません。
 平成十六年、地方税法が改正され、首都高速道路株式会社及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構が高速道路の用に供する固定資産で政令で定めるものに対しては、固定資産税、都市計画税を課することができないとしています。非課税の期間は十年間です。
 都は、首都高に三百六十七億円もの資金を低利貸付していますし、第二位の株主でもあります。さらには、二千六百三十億円、機構に出資もしています。これは、首都東京の道路整備という公共事業としての使命を考えれば、一定の理解はできるものであります。
 しかし、首都高は、十五社もの子会社を有し、民間企業と比べても遜色のない利益を上げている優良企業でもあります。
 こうしたれっきとした営利企業としての実態をとらえることなく、公益を担う企業という側面だけをとらえて固定資産税を非課税にすることは、税の公平性、税制への信頼という観点から問題があります。税の減免措置は、形を変えた補助でもあります。
 民営化する以前の試算でありますが、仮に首都高に課税をすれば、固定資産税の推計は三百二十億円程度、国鉄民営化後のJRに適用した特例措置を講ずると三十八億円程度の課税となります。公団当時は、実際四億六千万円の課税がなされておりました。首都高の年間二千五百億円の料金収入からして、担税力は十分であります。
 そもそも、法律上も論争があります。事業の公共性の点から、政策判断により非課税措置や減免を行うことはあってしかるべきだという考えがある一方、地方税法上、固定資産税の減免は、貧困など納税者の税負担能力がない等の理由として行われるものに限られるのではないかという考え方もあります。
 首都高速の固定資産税が非課税であることは、環境や社会条件の変化により、もはや課税すべき対象に課税をしていない例に当たるのではありませんか。
 税収確保のためにも、賦課徴収すべきものに対してはきちんと賦課徴収をする、駅ナカ課税のときのように、こうした都の姿勢が税制全体への信頼につながるものと思われます。
 そこで、都独自で行っている数々の減免措置の精査を行うとともに、特に首都高速道路については、公共性という側面だけではなく、営利企業としての実態も十分踏まえ、近い将来、距離別料金制度導入による実質料金の値上げをする時期を見計らって、首都高速道路株式会社が管理している道路資産についても課税を視野に入れながら、法律による非課税措置について、国に対して改めるよう、それこそ法律を変えてでも税金をかける意気込みで、現場を持つ都から要望していくべきであると考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、地方税財源の拡充について伺います。
 四月には、国において地方分権改革の関連三法が成立をいたしました。地方のことは地方が決めるという分権の基本精神に基づき、地方に移譲される権限が増せば、当然、自治体の役割も大きくなります。
 都においても、法人二税は平成二十一年度以降大きく落ち込んでいる状況の上、景気の先行きの不透明感を反映し、来年度以降の税収については全く予断を許しません。
 首都東京は、安定的で持続可能な財源の充実が必要であります。
 このような中、地方消費税の税率の引き上げは、東京にとってもまさに宿願であります。しかしながら、地方消費税の賦課徴収は、現在、国が消費税の賦課徴収とあわせて行っていることから、税率の引き上げや賦課徴収において汗をかいていない地方の立場では、なかなか主張が通らないのであります。
 今、まさに国では、社会保障と税の一体改革に関する議論が開始をされ、消費税率の見直しが検討されているこの局面において、地方消費税の引き上げについて、その必要性を住民に説明し、理解を得るのはもちろんですが、その賦課徴収についても、地方が連携して取り組む姿勢をアピールすることが必要であります。
 地方自治体が地方消費税を直接徴収することも視野に入れながら、地方が共同して徴収する仕組みを都として提案し、これに対し、都が人材やノウハウを積極的に提供していくことで、地方の先頭に立って税収を確保するという姿勢を明確に打ち出すことが、地方消費税拡充に対する都民の理解を得ることにつながると考えますが、見解を伺います。
 もちろん、消費税を含む税体系の抜本的改革が行われるまでの間の暫定措置として創設された地方法人特別税は、地方自治体の自主財源である法人事業税を財政調整の手段として利用されているその措置の撤廃に向けて、都議会民主党としても引き続き国に働きかけてまいります。
 次に、課税自主権について伺います。
 みずからの歳出はみずからの財源で賄い、地方自治体が課税自主権を発揮し拡大させることが、自治の原点でもあります。
 都は、過去に、法人に対する超過課税や外形標準課税、宿泊税など、課税自主権を行使してきましたが、まだまだ取り組みに工夫の余地があるのではないでしょうか。
 都税収入の安定的確保に寄与する法人事業税の外形標準課税については、資本金一億円を超える法人が課税対象であります。都内に六十万社あるといわれる法人の中で、対象となる法人数は約二万社であります。
 この外形標準課税について、中小法人の負担に引き続き配慮する必要がありますが、対象法人を広げることも検討されるべきではないでしょうか。これは、現在の地方税法においても、都の裁量でできるはずであります。
 そこで、お伺いをいたしますが、東京の場合、昼間の流入人口が三百万人を超え、都市基盤、環境、警察、消防、災害対策、新たに節電という莫大な行政ニーズも加わり、課題が山積している中では、都の課税自主権の拡充は、地方財政の充実と自治体経営の自立の点からも重要であります。
 課税自主権をさらに発揮し、独自の税の制定、あるいは既存の税に手を加え新たな課税対象を模索するほか、法人事業税の制限税率の廃止や外形標準割合の拡大など、国に法改正を求める必要があると考えますが、所見を伺います。
 次に、震災対策という視点も含めた財産利活用について伺います。
 このたびの緊急対策二〇一一は、震災により浮き彫りになった課題を踏まえ、都が早急に実施すべき具体的な方針を示したものであります。
 しかし、都有地の有効活用という観点での対策は、十分に盛り込まれていません。首都直下型地震に備え、地域の防災拠点や帰宅困難者の受け入れ施設を確保するなど、いざというときのために都有地を確保していくという視点も必要であります。
 確かに、現在の震災対策条例では、災害時の活動拠点となる土地や建物を確保しなければならないと定めていますが、対象となる土地は、都立学校など大規模なスペースに限られています。
 住宅、オフィスが密集し、膨大な人口を抱える都において、たとえ小規模な土地であろうと、町会、自治会レベルやそれぞれのコミュニティの単位で行えるような救援活動を初め、復旧、復興活動に向けた用途も十分に想定できるはずであります。
 そこで、特に未利用、低利用の都有地について、その規模にかかわらず、震災時に、例えばヘリポートや資材置き場、家庭用のごみの仮置き場、地域の救援活動の拠点などの用途に転用できる体制を整えておくことで、いざというとき復旧、復興活動の拠点として直ちに提供できるよう、あらかじめ土地の所在や現況を把握の上、活用計画をつくっておくことも検討すべきと考えますが、見解を伺います。
 都有財産利活用の戦略の見直しとその推進体制について伺います。
 過去の財政再建推進プランのもとでは、積極的に都有地の売却を進め、まずは財源確保が至上命題でありました。
 その後、財政再建が一段落した平成十九年には、新たな財産利活用の指針を発表し、都の施策に連動する利用条件をつけた貸し付けを推進するなど、都民サービスの基盤の確保という視点から利活用を進める方針に切りかえています。
 しかし、実態はどうでしょうか。都庁舎改修の財源も、ほとんどが都有資産の売却によるものでありますし、都有地のストックが減少しています。
 一方で、塀で囲って何年も未利用のままにしている都有地が見られるなどの指摘も以前からなされていても、改善が余り進んでいないようにも見受けられます。
 福祉や環境分野、防災力の強化など、行政ニーズがますます多様化している中で、まず一つ一つの土地の活用方法について、より広い見地から、その土地を所管する局の判断を超えて戦略的に検証していかなければなりません。
 各局の事情だとか、次なる用途が決まっていないのに転用用途があるなどといって局がなかなか資産を手放さないなんて話は、もう何年も前からいい続けられている話であります。事業の見直しなどにより行政財産として役割を終えたものも、事業予定地として囲い込んで活用が進まないことも多いと聞きます。
 震災を契機に、本気で都有財産の洗い直しを進めて、一元管理を図れるかどうかが問われているのであります。
 まず、都が所有するすべての土地の棚卸し、そして現状把握を行い、その情報を地域ごとに明らかにすることであります。その上で、それぞれの都有地をどのような用途に使うべきか、売却した方がいいのか、一時的な活用はできないのかについて、地域のニーズも十分に踏まえながら、戦略をしっかり立てるべきであります。
 都有地をめぐる環境のさらなる変化を踏まえ、財産利活用の指針も新たに手を加えるなど、取り組みを一歩も二歩も進め、改めて都有地のあり方を検討し、多様化する行政ニーズにこたえていくことが必要であると考えますが、見解を伺います。
 最後に、先般の震災時の緊急救急車両のガソリン等燃料の確保について伺います。
 震災後一時的にガソリンの需給関係が崩れ、まち中のガソリンスタンドに車が長蛇の列をなし、給油をしていた期間が一週間ほどありました。その間、警察署、消防署関連の車両の給油については、どのような対応がなされたのでしょうか。消防署については、都内八十一カ所ある消防署のうち、七十三カ所は、自家用給油取扱所があり、二十四時間フルで、仮に全車両が稼働した場合でも、約六日間は使用に耐え得るだけの備蓄を有しています。
 一方、警察署等においては、新たに建てかえた警察署も含め、ガソリンの備蓄のタンクを署内に併設している警察施設は、全体の三割にも満たないことがわかりました。特に、都心に所在する警察署については、敷地の面積、建物の構造上からも備蓄タンクを建造することが難しかった事情もありますが、平時はともかく、災害時のガソリンなど燃料確保のためには、この機会に新たに対応が必要であることは間違いありません。
 このたび、緊急対策二〇一一では、大規模震災に対する警察、消防の機能の強化策として、広範囲に予算措置が講じられておりますが、とりわけ、機動力確保のためのガソリンなどの燃料確保は、最優先課題の一つと考えますが、震災時における警察緊急車両のガソリンなどの確保について、どのような対策を講じているのかを伺い私の質問を終えます。(拍手)
   〔警視総監池田克彦君登壇〕

〇警視総監(池田克彦君) 中谷祐二議員の一般質問にお答えいたします。
 震災時における警察車両のガソリン等の確保についてであります。
 警視庁では、震災時でも警察車両の運行に支障がないよう本部庁舎を初めとする四十一の施設にガソリン燃料タンクを設置しているほか、安定的に給油が得られるよう契約ガソリン販売業者に協力を依頼しております。
 しかしながら、東日本大震災では、都内においても、ガソリンの大幅な供給不足が生じ、警察の緊急車両等も、給油が一時滞る事態が生じたことから、この教訓を踏まえ、今後、比較的敷地が広く都内に分散して各所属に供給しやすい、機動隊十個隊のガソリン燃料タンクを、平成二十八年度までに順次増設することを予定しておりまして、当面、今回の補正予算に施設の調査、設計委託費を計上しております。
 現在、警視庁の総備蓄量は三十八万八千リットルでありますが、各機動隊に六千リットルタンクを増設することにより、四十四万八千リットルの備蓄量が確保できることとなります。また、被災現場で活動する大型の警察車両に、軽油を直接給油することができる災害用給油車十一台の整備も、補正予算でお願いしております。
 警視庁といたしましては、今後とも、震災時における警察力の確保に万全を尽くしてまいりたいと考えております。
   〔主税局長荒川満君登壇〕

〇主税局長(荒川満君) 三点についてお答えいたします。
 まず、首都高速道路に対する固定資産税の非課税措置についてのご質問ですが、現行制度についてご理解いただきたいので、私からお答えさせていただきたいと思います。
 現在、首都高速道路株式会社が管理する高速道路用の資産は、いわゆる上下分離方式によりまして、独立行政法人高速道路機構が保有しており、それを会社が借りて事業を行うとともに、会社は料金収入から維持管理費を除いた残りの額を道路のリース料として機構に支払っております。
 機構は、これを建設費の償還に充て、将来において完済した後は、機構は解散し、高速道路は本来の道路管理者である東京都などの地元の自治体に帰属し、無料開放されることとなっております。
 また、首都高速道路の料金収入には、利潤を含めないこととされており、お話のあった距離別料金制が導入されても同様でございます。
 こうしたことから、全体として、道路による所得はほとんど上がらず、このため、地方税法において非課税措置が講じられているものと認識しております。
 しかし今後、こうした現行のスキームや道路資産の使用状況等に大きな変化が生じるような場合には、非課税措置についても改めて検討されるべきものと考えます。
 次に、地方消費税の拡充についてでありますが、現在の地方消費税は、国の消費税とあわせて申告納税する方式をとることで、納税者の事務負担を軽減するとともに、地方自治体の徴税コストについても低減を図ることとしております。もとより、地方消費税は、地方の重要な自主財源であり、地方みずから役割を果たすことは、地方自治の本旨に照らしても必要なことであることから、地方消費税の拡充に当たっては、地方が一定の役割を果たすべきとの主張がございます。
 東京都税制調査会におきましても、地方自治体は、地方消費税の賦課徴収に積極的な役割を担っていくべきとの考えが示されております。
 こうしたことを踏まえ、今後、地方自治体による地方消費税の直接徴収、あるいは滞納整理の可能性など、納税者と行政の双方にとってどのような方式が望ましいか、東京都税制調査会とも相談しながら、地方の果たすべき役割について、さらに検討してまいります。
 次に、課税自主権の拡充についてでありますが、首都東京において大都市特有のさまざまな行政需要に的確に対応していくためには、安定的かつ十分な財源の確保が不可欠であり、そのための課税自主権の確立は重要でございます。
 これまで都は、法人二税の超過課税を実施するとともに、世界都市東京の魅力を発信するための宿泊税を新たに課税、さらには、銀行税の創設により、外形標準課税の先導を果たすなど、可能な限り課税自主権を行使して、都税収入の確保に努めてまいりました。
 また、国に対しては、地方分権にふさわしい抜本的な税制改正、都が受けているさまざまな不合理な措置の是正、地球温暖化や省エネ対策等の推進のための税制などについて積極的に提案要求を行っております。
 とりわけ法人事業税の暫定措置については、都の課税自主権を侵害し、一方的に都の財源を奪っているものであり、防災対策などの緊急課題に対応するためにも即時撤廃し、地方税として復元させることが何よりも優先されます。
 今後とも都議会のご協力をいただき、ともに行動しながら、国に対して暫定措置の即時撤廃を訴えるとともに、増加する財政需要に応じた、地方税財源の拡充に向けて強力に働きかけてまいります。
   〔財務局長安藤立美君登壇〕

〇財務局長(安藤立美君) 二点につきましてお答え申し上げます。
 まず、震災時における都有地の効果的活用についてでございますが、震災時にはさまざまな用途での土地活用が直ちに求められるため、その時点で利用していない土地等から早急に候補地を絞り込むことや、全庁的な観点からの調整を行うことなどにより、都有地を効果的に活用していく必要がございます。
 こうした緊急のニーズに対しましては、土地の所在や面積などが即時に検索できる財産情報システムの活用に加えまして、実際の現地確認に基づく都有地の現状をあわせて考慮することで、迅速かつ的確にこたえていくこととなります。
 今回の震災時におきましても、避難者向けの駐車場用地や一時避難施設として活用可能な財産などについて、具体的に抽出し、情報提供を行ったところであります。
 常日ごろからこのシステムのデータを最新の情報に更新するとともに、現地確認を行い、都有地の実態を的確に把握することで、震災時においても、速やかに都有地の有効活用が図れるよう、着実に準備を進めてまいります。
 次に、多様化する行政ニーズに対する都有地の活用についてでありますが、都有地は、都民から負託された貴重な財産であることから、その活用に当たりましては、財産の価値を最大限に発揮させるとともに、都政の喫緊の課題解決のため利活用を図っていく必要がございます。
 これまでも福祉インフラの整備や私立学校の耐震化など、各局の諸施策を着実に推進できるよう、積極的に財産の情報を提供するなど、都有地を活用した取り組みを支援してまいりました。
 今回の震災対策を契機に、改めて都政が直面するさまざまな行政課題に的確に対応していくため、各局とより密接な情報交換を行うとともに、全庁的な視点から効果的な財産の活用を促すなど、都有地の有効活用を一層推進してまいります。

議長(和田宗春君) 三十七番高倉良生君。
   〔三十七番高倉良生君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇三十七番(高倉良生君) 初めに、被災者の生活再建を支援する仕組みづくりについて質問いたします。
 大災害から住民の命を守るために、ハードな防災対策が重要であることはいうまでもありません。しかし、今回の大震災では、避難のあり方や生活再建を迅速に進める仕組みなど、ソフト面からの取り組みの大切さが改めて浮き彫りになりました。
 東京においても、直下地震への対策が急務となっており、都は、緊急対策を明らかにしましたが、現在大きな課題となっている被災者の生活再建について、あらかじめ準備しておくことが重要と考えます。知事の所見を伺います。
 発災から三カ月以上が経過しました。罹災証明書の発行がいまだに滞り、生活再建の資金や義援金が十分に被災者のもとに届いていない現状があります。被災自治体で職員の手が足りないことも原因でありますが、被災情報や行政情報を一元化し、迅速に事務処理する仕組みが構築されていなかったことも影響していると考えます。
 阪神・淡路大震災の被災地である兵庫県西宮市は、被災者の被害状況や避難先などの基本情報を一元化した被災者支援システムを開発し、地方自治情報センターを通じて自治体に配布されています。罹災証明書の迅速な発行のほか、緊急物資、倒壊家屋の管理など、災害時に必要な行政事務の処理に力を発揮しています。義援金支給の申請手続も一括して処理できるなど、手続の簡素化に効果があります。
 昨年、都議会公明党は、電子地図を活用して、被害状況を的確に把握し、迅速に罹災証明を発行するシステムについて質問しましたが、今回の大震災で被災者支援システムの重要性が明らかになりました。人口やあらゆる機能が、集中、集積する大都市東京において、被災者の被害状況を一元化した東京版被災者支援システムを構築する意義を明らかにし、早急に開発することが必要であります。
 また、この東京版被災者支援システムについては、都内の各区市町村がすぐに活用できるよう支援していくべきと考えますが、あわせて見解を求めます。
 次に、保管されているPCB廃棄物の災害対策について質問します。
 昭和四十三年のカネミ油症事件で毒性が社会問題化したPCBは、高圧トランス、高圧コンデンサー、安定器の絶縁油などに使われてきましたが、昭和四十七年以降、日本では製造されておりません。PCBについては、さまざまな中毒症状が報告されていますが、分解されにくいため、海などで長い距離を移動して、地球規模で汚染を引き起こすとされています。
 日本で、昭和四十七年までに使用された量は約五万四千トン、処理が進まないまま長期にわたって各事業所などで保管されてきましたが、平成十三年から毎年、都道府県知事への保管等の届け出や、政令で定める期間内での処理が義務づけられました。
 そうしたやさき、今回の大地震による巨大津波によって、被災地沿岸で保管されていたPCB廃棄物が流される事態が発生をいたしました。PCB廃棄物と認識されずに、瓦れきと一緒に処分されますと、健康被害や生活環境に影響を及ぼすことが懸念されます。
 都は、ことし三月、都内の事業者や処理業者から届け出のあった平成二十一年度末の保管、処理状況を取りまとめました。届け出事業者数は七千七百九十七、保管されているのは、高濃度PCBを含む、高圧トランス千五十七台、高圧コンデンサー一万八千八百十一台、照明用安定器百三十三万個など多岐にわたっております。
 PCB廃棄物が瓦れきに混入するケースとしては、保管していた建物が倒壊し、その下敷きになる場合や、津波などでPCB廃棄物が流出し、別の場所で瓦れきに混入するケースが考えられます。保管していた建物が倒壊し、瓦れきの下敷きになる場合は、あらかじめ保管場所や保管状態が把握されていれば比較的対処しやすいと考えます。平時からPCB廃棄物を適切に管理することが重要と考えますが、都の見解を求めます。
 今回の大震災のように、想定を超える津波や河川のはんらんなどの大災害が東京で発生しないとはいい切れません。都内では高濃度のPCBを含む多くのPCB廃棄物が保管をされております。このため、PCB廃棄物が流出することも想定した対策を講じておく必要があると考えますが、都の見解を求めます。
 次に、震災孤児、遺児について質問します。
 厚労省の掌握によりますと、震災で両親がともに死亡、または行方不明になった児童は、岩手、宮城、福島の三県で二百人以上に上っています。津波にさらわれた保護者は、最後の最後まで子どものことを思い続けたに違いありません。それを思うと、総力を挙げて、孤児、遺児を支援していかねばならないと感じます。
 孤児、遺児の多くは、親族の自宅や避難所で親族とともに生活を続けていると聞いております。都は、孤児、遺児を初め、子どもたちの支援のため、児童福祉司などを派遣してきましたが、避難生活が長期化する中で、子どもたちの不安は一層強まっております。
 派遣する都の専門職も短期で交代していては、心に不安を抱える子どもたちにとって影響は大きいと思われます。より長い期間にわたって、児童福祉司や心理士、養護施設の職員などを派遣すべきと考えますが、これまでの取り組みと今後の支援について答弁を求めます。
 震災後、孤児を育てたいという希望を持つ人がふえており、全国里親会も積極的に孤児の養育を引き受ける方針と聞いております。子どもは、できる限り家庭的な環境で育つことが大切であり、都は、この機会に、養育家庭制度の積極的な普及啓発に努めるべきと考えますが、見解を求めます。
 東京が被災地になったときには、孤児、遺児になってしまう子どもたちが生じることも想定されます。両親を失った子どもたちが、児童養護施設や養育家庭など、社会的養護のもとで育ち、自立できるよう、持続的で幅広い支援を行うことが必要であります。
 福島県相馬市は、条例をつくり、独自の生活支援金を支給することにしたと聞いております。さらに、大学進学まで資金援助をする方向で制度設計を図るようであります。
 災害時には、行政の積極的な取り組みも必要と私は思います。都は、児童養護施設などを退所した子どもたちの状況を調査し、現在分析中と聞いております。今後そうした内容も踏まえ、社会全体で子どもの自立を支える仕組みをつくってほしいと思います。社会的養護のもとに育つ子どもたちの自立について、都の取り組みを伺います。
 次に、ボランティア活動について質問します。
 都は、震災後、東京ボランティア・市民活動センターと連携し、既に十四回に及ぶ都民ボランティアを派遣しました。被災地に負担をかけないこの取り組みは、被災者、被災地のみならず、他府県からの評価も高く、同様の取り組みの模範となっております。
 津波で全壊した仙台市の障害者施設まどか荒浜の施設長が語っておりました。東北には、すごい数のボランティアが来てくださっており、健全で奉仕精神にあふれた若者がたくさんいます。支え合い、きずなづくりの先達を務めたのがこの方々です。今後、第二、第三の災害があっても、こうした方々の存在は大きな救いですと。そして、その業績をぜひ顕彰すべきと強調していました。
 ボランティアの皆さんの姿を多くの人に伝えることは、それに続こうとする人を勇気づけ、後世への貴重な記録にもなります。都民ボランティア派遣に参加した人を初め、被災地で汗を流す都民の苦労や、現地でなければわからないノウハウを積極的に広めていくことが大切と考えます。都の見解を伺います。
 ゴールデンウイークには、多数の都民がボランティア活動で被災地に入りました。その後も、土日などを利用し、活動が続けられております。そうした中で、社員のボランティア参加を支援するボランティア休暇制度を新たに導入する企業が出てきています。
 しかし、中小企業では、その制度を設けることは難しいという面もあるようであります。都は、企業が被災地支援に取り組むことの一つとして、社員がボランティア活動のために被災地に行きやすくするため、ボランティア休暇制度の推進を具体的に支援すべきと考えますが、答弁を求めます。
 次に、愛護動物の保護について質問をいたします。
 家族の一員としてペットと暮らす人がふえております。被災地では、飼い主が亡くなったり、原発事故で避難して取り残された愛護動物の保護が課題になりました。東京に避難してきた方々の中には、愛護動物を同行してきた人もおり、都の避難所でも、愛護動物への対応が必要になりました。
 都の避難所にいた避難者の方々は、既にさまざまな住宅に転居しております。一緒に避難してきた動物は、知り合いなどに預けているケースもあると聞いておりますが、避難が長期化する中で、愛護動物への対応を明確にする必要があると考えます。都の対応を伺います。
 東京が被災地になった場合、飼い犬の野犬化や、繁殖による衛生管理上の問題など、さまざまな課題が出てきます。また、避難所や仮設住宅における愛護動物との同居を要望する声もあります。これらの課題に対応するため、今回の震災における愛護動物への経験を生かしつつ、初動段階からの対応などについて、地域防災計画の見直しや具体的な取り組みを推進すべきと考えますが、答弁を求めます。
 最後に、被災地の産業支援について質問します。
 私は先月、都議会公明党の被災地調査メンバーとして福島県に行きました。原発事故によって、漁の自粛を強いられた相馬漁港では、早急に水産物の放射能サンプリング調査を行って安全確認し、一刻も早く漁を再開できるよう、都として応援をしてほしい、こうした要望を受けてまいりました。
 このほど改めて、漁協関係者から強い要望があり、サンプリング調査は、水産庁から福島県に依頼されているが、限られた品目しか行われておらず、一層の拡充が必要とのことでありました。
 都は、こうした現地の状況をさらに調査し、積極的に支援の検討を進めるべきであります。見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 高倉良生議員の一般質問にお答えいたします。
 被災者の生活再建のための備えについてでありますが、今回の震災で多くの被災者は、大切な家族や生活基盤を失い、非常につらく困難な状況に置かれておられます。とにもかくにも、生活再建へ向けた具体的な道筋を速やかに示し、苦悩する被災者の前途を開かなければならないと思います。
 しかし、国の対応はどうも場当たり、後手に回っておりまして、被災者の日々を支えるはずの義援金すら、一向に行き渡ってない現況であります。
 都は、都民や職員から集まりました義援金、七億円を超すものでありますが、これはもう、国や赤十字に預けたら、らちが明きませんので、直接被災三県にお渡しして、それぞれの県の判断で配ってくれということを申しました。
 そうした中で、都は、現地に、既に延べ千人を超える職員を派遣し、行政機能の再建に協力し、瓦れきの撤去や仮設住宅の建設など、生活再建に不可避な焦眉の課題に取り組んでおります。さらに、都は既に、阪神・淡路大震災などの実例を研究して、逐次ブラッシュアップしながら作成してきました被災住民の生活再建のロードマップを岩手県に提供しました。私も、初めてそれを今回、目にしましたが、非常によくできたもので、きっとその被災県にとっては大きな役に立つと思っております。
 これを提供を機に、ロードマップに詳しい職員も派遣しました。県に協力しつつ生きたノウハウを吸収させて、都における生活再建策拡充にも還元していきたいと思っております。
 また、現地事務所や派遣した職員からの報告では、生活再建にとって、行政機能が低下し、住民の被災状況を十分に把握、管理できていないことが、また大きな障害になっておりまして、東京での震災にも備えて、被災した住民の情報を一元化するITシステムをあらかじめ備えていくことが必要だと認識しております。既に、開発に着手しておりますが、これを全速力で進めていくつもりであります。
 いずれにしても、被災地、被災者支援に全力を尽くしながら、東京の場合にも、いざというときに備えていきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁します。
   〔総務局長比留間英人君登壇〕

〇総務局長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 被災者支援システムについてでございます。
 首都直下地震が発災した場合、膨大な数の被災者から一斉に罹災証明の申請が出されるため、区市町村の発給業務の効率化は重要な課題でございます。国は現在、全国の市町村用に被災者支援システムの開発を進めておりますが、このシステムでは、罹災証明発給に必要な消防の火災情報や、固定資産税情報を都内区市町村の多くが所有していないという東京特有の課題に対応ができません。このため、都は国と協力して、東京版被災者支援システムの開発を進めており、来年度中には実用化できる見込みでございます。
 次に、システム活用に向けての区市町村支援でございます。
 都内区市町村が、東京都版被災者支援システムを導入することにより、被災者支援に関する事務の共通化が図られ、発災時において相互の応援や協力が容易になるなど、大きな効果が期待できます。このため、都としては、本システムの導入を積極的に区市町村に働きかけてまいります。
 具体的には、本年秋に豊島区と調布市においてシステムの実証実験を行い、その有効性を広く区市町村に周知いたします。さらに、システム完成後には、区市町村に対して説明会や研修会を開催するなどし、早期にシステムが活用されるよう、きめ細かに支援をしてまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) PCB廃棄物に関する二点のご質問でございます。
 まず、災害の発生を視野に入れたPCB廃棄物の適正管理についてでございますが、都は、PCBを使用した高圧トランスや高圧コンデンサー等のPCB廃棄物の保管管理を徹底するため、PCB特別措置法等によりまして、毎年、PCB廃棄物の保管場所、数量、保管状況等を保管者から都に届け出させ、データベース化し管理をしております。
 災害時に、瓦れき処理を直接担う点では、区市町村の役割が大きいことから、PCB廃棄物の管理について、平時から区市町村との連携や情報共有を密にすることが重要と考えております。
 区市町村に対しましては、従来から、PCB廃棄物の適正保管等についての説明会を毎年実施してまいりましたが、今年度からは、PCB廃棄物の保管場所等の最新の情報を提供するとともに、瓦れき処理に伴うPCB廃棄物の分別や、仮置き等の取り扱いについても説明をいたします。今年度は、来月中にも説明会を実施する予定でございます。
 このようにいたしまして、区市町村との連携を深め、災害発生時に適切なPCB廃棄物の取り扱いができるようにしてまいります。
 次に、PCB廃棄物の流出を想定した対策についてでございますが、津波などで流出したPCB廃棄物を、瓦れきの中から選別し、専門の処理施設で無害化処理をするためには、あらかじめPCB廃棄物であることが容易に判別できるようにしておく必要がございます。従来より、都や電気保安協会では、PCB廃棄物の紛失等の防止のため、PCB廃棄物であることを示すラベルなどの貼付を求めてまいりました。
 今後、都は、津波などによる流出も想定し、とれにくく目立ちやすいタグやステッカーに大きな文字でPCB入りである旨や保管者氏名を記載するなど、表示方法を明確にし、PCB廃棄物の保管者に対し、表示の徹底を指導してまいります。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 五点の質問にお答え申し上げます。
 まず、児童福祉司などの派遣についてでございますが、都では震災直後より、児童福祉司及び児童心理司を被災地へ派遣し、現地の児童相談所職員と連携をして、避難所などで生活する子どもの現況把握などを行ってまいりました。
 震災発生から三カ月が経過し、被災地の子どもは、これまで内面に抑えていた精神的な不安が表出し、さまざまな問題が生じてくることが考えられます。こうした子どもの心のケアを行っていくためには、子どもとの信頼関係を構築した上で、一定期間にわたるカウンセリングを行うなど、継続的な支援が必要でございます。そのため、今後、被災県から心理職員など専門職員の長期にわたる派遣の要請があった場合には、具体的に検討を行ってまいります。
 次に、養育家庭制度の普及啓発についてでございますが、子どもは、できるだけ家庭的な環境のもとで健やかにはぐくまれることが望ましく、都はこれまでも、さまざまな事情により親元で生活することのできない子どもを、より家庭に近い環境で育てる養育家庭の拡充に努めてまいりました。
 今回の震災を契機に、孤児や遺児が家庭で安心して生活することのできる養育家庭制度の重要性が改めて認識されておりまして、都としても、制度の意義や内容を十分ご理解いただくために、ホームページや雑誌などにより周知を図っております。
 今後も、ことし作成をいたしましたPR用のDVDを活用するほか、テレビなどのメディアに働きかけるなど、多様な広報媒体を通じまして、一層の普及啓発を行ってまいります。
 次に、社会的養護のもとに育つ子どもの自立に向けた取り組みについてでございますが、都はこれまで、児童養護施設などを退所した子どもに、相談指導や就職先への訪問などを実施する施設に対しまして、都独自の補助を行うなど支援を行ってまいりました。また、昨年度から、NPOや企業のノウハウを活用いたしまして、施設入所児童の就業を支援するほか、子どもたちの進学支援を行う企業に対しまして、専門的な立場から助言を行っております。
 本年一月には、自立に向けた支援の課題を把握するため、施設などの退所者に対しますアンケート調査を行いまして、約七百人から回答を得て、現在、調査結果の分析を進めております。
 今後、その結果も踏まえまして、NPOや企業などとも連携し、社会全体で子どもの自立を支える取り組みを検討してまいります。
 次に、避難者が同行してきた動物への対応についてでございますが、都はこれまで、都が開設をいたしました避難所を退所する飼い主が、転居先で犬や猫を飼い続けることができなくなった場合、財団法人日本動物愛護協会など四団体で構成をいたします緊急災害時動物救援本部などを通じまして、動物病院やボランティアなどの一時預かり先を確保してまいりました。
 今後、避難期間がさらに長期化すると、こうした預かり先で保護し続けることも困難となることが想定されます。このため、都は、これらの犬や猫を収容し、保護するための施設を、本年十月を目途に設置をいたしまして、関係団体と連携をして運営してまいります。
 最後に、災害時における動物への対応についてでございますが、現在の地域防災計画では、災害が発生した場合、都は、被災動物への医療提供や飼い主不明の動物の保護、避難所の運営主体である区市町村と連携をした避難動物の状況把握などを実施することとしております。
 今回の震災では、都が避難所を開設しましたが、その運営を通して災害時の動物の取り扱いに関する飼い主の知識のあり方、動物の飼育場所やケージなどの資材の確保、一時預かりを行う団体との連携などの課題が改めて確認をされました。
 こうしたことを踏まえまして、今後、改めて、飼い主に対し、同行避難を周知徹底するとともに、避難所における動物の取り扱いについて、具体的に定めたマニュアルを作成するよう、区市町村に働きかけてまいります。また、動物の円滑な保護、収容を行えるよう、関係団体との協力体制も強化いたします。こうした取り組みを来年度の地域防災計画の見直しに反映させてまいります。
   〔生活文化局長並木一夫君登壇〕

〇生活文化局長(並木一夫君) 被災地でのボランティアの活動やノウハウを積極的に広めていくことについてでございますが、被災地におけるボランティアの活動内容や実体験に基づく情報などを都民に広めていくことは、ご指摘のとおり、これから被災地に向かおうとする人の意欲を高めるとともに、今回の大震災におけるボランティア活動の記録を残し、今後に役立てるため極めて重要でございます。
 このため、都は、これまで派遣してまいりました都民ボランティアなどの活動に関する報告会を開催し、現地の活動から得られた体験やノウハウなどを広く都民に伝えてまいります。
 さらに、報告会の内容や被災地での活動を記録した写真等をホームページで公開するほか、ボランティア活動を呼びかけるリーフレットを作成し、そこに掲載するなどさまざまな手法で、より多くの人々にその内容を知らせてまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

〇産業労働局長(前田信弘君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、企業のボランティア休暇の推進についてでありますが、東日本大震災の復旧、復興には多くのボランティアが活動しており、大きな力となっております。しかし、週末や大型連休に集中する場合が多くなっております。
 企業におけるボランティア休暇制度は、被災地のニーズに継続的に対応するための有効な手段の一つであり、社員の意欲にもこたえるものと認識しております。
 平成十九年に厚生労働省が実施した調査では、ボランティア休暇制度を設けている企業の割合は、従業員一千人以上の企業で一七・七%となっておりますが、九十九人以下の企業では一・八%にとどまっております。
 今回の震災では、多くの企業が復旧、復興支援に取り組んでおり、ご指摘のように、ボランティア休暇制度を新設、拡充する動きも広がってきております。
 都は、労働相談情報センターにおいて、毎年約一万人を対象に、労働に関するセミナーを実施しておりますが、東日本大震災を踏まえ、新たに実施する震災関連の労働セミナーにおきまして、企業の人事担当者等を対象に、ボランティア休暇制度に関する知識の普及を積極的に行うことによりまして、企業における同制度の導入を促してまいります。
 次に、福島県への支援についてでありますが、国の水産物の放射性物質検査に関する基本方針によりまして、沿岸性魚種につきましては各都道府県が、広域回遊性魚種につきましては国及び関係業界団体等が主体となり検査を行うこととなっております。
 したがいまして、福島における沿岸性魚種の検査は、福島県が実施するものでありますが、今後、福島県から現地の東京都事務所を通じて都に協力依頼があった場合には検討してまいります。

〇副議長(鈴木貫太郎君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後五時四十四分休憩

   午後六時一分開議

〇議長(和田宗春君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 二十六番関口太一君。
   〔二十六番関口太一君登壇〕

〇二十六番(関口太一君) 失われた二十年といわれるほど日本の長期低迷が続き、自信を失いつつある日本。そんな日本の首都としての東京は、日本を引っ張っていく役割と責務があります。東京を強くすれば日本も強くなる。そう願いながら、きょうは東京を強くしていくための質問及び提言を行いたいと思います。
 今日、国家間のみならず、都市間での競争が激しさを増し、都市間競争の時代ともいわれます。そうした激しい競争に東京がこれからも勝ち続けていくために、そして、アジアの盟主であり続けるために、私は二つの分野に焦点を当てます。
 まずは教育です。
 ビジネスにおける日本の状況を見てみますと、これまで、日本のマーケット規模が大きい分、日本人は日本人相手の商売で十分に稼げた時代、裏を返せば、競争相手は日本人のみという時代であったと思います。しかし、超高齢少子化が進むことで日本のマーケットが縮小していく中、いやが応でも海外のマーケットを意識しなくてはなりません。
 そんな時代において、日本人の競争相手はアジアや欧米のビジネスマンであり、彼らと同じ土俵で戦わなくてはなりません。
 さらに、これからの日本の若者たちにとっては、就職活動の段階ですら、アジアや欧米の大学生との競争を強いられることとなります。現にパナソニックは、二〇一一年度の新卒採用において八割を外国人にすることを決定し、日の丸企業ですら世界レベルでの採用になり始めております。
 このような環境の中、世界と戦える力の一つとして必要不可欠なものは、いうまでもなく英語力であります。
 では、今、日本の子どもたちの英語力はどうなっているのか。アメリカの大学留学に必要な英語力をはかる一つの基準であるTOEFL、その平均スコアは、二〇〇九年で韓国は八十一点、中国は七十六点であるのに対し、日本は六十六点と大きく引き離されており、私が知る限り、二十年近くこの状況が続いております。
 では、これからの日本の子どもたちにどう英語力をつけていくのか。日本の英語教育に関しては、ようやく今年度より小学校五年生からの外国語授業の必修化が始まりました。他方、韓国では、今から十四年前の一九九七年に小学校三年生からの必修化、また、中国では、十年前の二〇〇一年に同じく小学校三年生からの必修化が既に始まっております。韓国、中国と比べて、遅きに失した感がある日本の小学校英語の必修化でありますが、とはいえ、日本の教育を前へ前へと進めていくために、教育現場において最大限効果を上げる取り組みが必要であります。
 私が重要だと考えるのは、小学校英語と中学校英語との連携です。先日、ある公立小中学校の英語授業を見てまいりました。小学校では、英会話を楽しむ授業が行われておりましたが、中学校一年生の英語授業でも同じように英会話を楽しむことに終始しておりました。これでは、中学一年生の英語授業が単なる小学校英語の焼き直しになりかねないと心配します。
 そこで伺います。小学校から英語必修化が始まったことを受けて、中学英語が単なる小学英語の焼き直しにならないよう、新しい学習指導要領に示された中学英語のあり方を区市の教育委員会、そして、現場の教職員に周知徹底していくことが必要であると考えますが、都の見解をお尋ねします。
 また、小学校での外国語授業が必修化となったからには、その授業の質がどうであるかが極めて重要です。しかし、小学校教諭の教員試験は簡単な英語力をはかるものにすぎず、このことからも、そもそも小学校教諭に英語力は求められておりません。現に私が視察した幾つかの小学校でも、担任の先生と日本語が話せないALTとの間で意思疎通に時間がかかり、授業がとまってしまう場面がありました。
 小学校英語が必修化された以上、担任の先生の英語力やALTの活用度合いなどによって、学校間、地域間で英語授業の質に差が生じるという事態は避けなくてはなりません。そのために、小学校教諭の英語力を含めた外国語活動の指導力の向上は、まさに喫緊の課題であると考えます。
 そこで、英語研修などを強化することで小学校外国語授業の質を上げていく必要があると考えますが、都の見解をお尋ねします。
 さて、子どもたちが将来、日本を支え、世界で活躍するためには、世界を知ることが重要であると痛感しています。小中学校で英語を学び、コミュニケーション力をつけた子どもたちが、さらに高校の段階で国際交流を経験することは大変意義のあることです。
 そこで、私は、高校生に公費で海外留学できる機会を与え、意欲のある高校生にはどんどんどんどん海外で経験を積んでもらいたいと考えます。
 私が公費で海外留学をさせたい理由は、それは使命感を与えたいからであります。使命感は困難を乗り越える力となります。子どもたちに対して、税金で海外留学してもらうのは、将来、東京、日本を引っ張ってもらう人物になってくれと伝え、子どもたちに使命感を感じてもらうことが重要だと考えます。
 現状では、受益者負担の原則など障壁があることも承知しておりますが、都立高校から日本を引っ張る人材を輩出することに資すると考えます。知事も、世界と戦える力を養うため、留学支援の新たな仕組みについて言及しておりますが、今後、公費留学制度のあり方などは議論を深めていただきたいと思います。
 そこで伺います。国内外を問わず、高校生の国際交流を積極的に行うべきだと考えますが、都教育委員会の見解を伺います。
 できる子は伸びていってもらう政策がある一方、そうでない子どもたちへのサポートも行政の役割であるのはいうまでもありません。
 東京都は、小中学校時代に不登校などを経験したが、高校でやり直したいという思いを持った子どもたちのために、チャレンジスクール、エンカレッジスクールを設置し、複数担任制や少人数教育など、手厚い高校教育を提供しています。多くの子どもたちに学び直しの環境を提供することは、私立学校ではできない、まさに公立学校の役割であります。
 現在、これらの高校の入学試験において、倍率が二倍を超える状態が続いております。これは、学び直しを望んでもかなわない子どもたちが多く存在していることを意味します。チャレンジ、エンカレッジスクールに入れなかった子どもたちの多くは、現状、夜間定時制高校に行くこととなります。こういう子どもたちに対しても、チャレンジ、エンカレッジのような手厚い教育が必要であると考えますが、都の対応についてお尋ねします。
 また、チャレンジ、エンカレッジ高校に進む子どもたちは、普通科の高校生に比べても中途退学者が極めて多いのが現実です。都は、その現状をどうとらえ、改善に向けてどのように対策をとるのか、お尋ねします。
 さて、アジアで負けない東京をつくるために、特に英語教育に焦点を当てて提案をしてまいりましたが、次に、経済の面から質問したいと思います。
 今日、アジアにおける日本の経済的な地位は低下し、韓国や中国などから猛烈に追い上げられています。事実、薄型テレビ、大型液晶パネル、半導体、携帯電話などの分野では、既に韓国に追い抜かれました。
 さらに、外国人観光客の数においても、二〇一〇年において日本が八百六十一万人であるのに対して、韓国は八百七十九万人で、この分野においても韓国にリードされてしまいました。
 こうしたあらゆる分野での日本の競争力の低下に、私は強い強い危機感を抱きます。アジアの中で、観光客の取り合い、企業の誘致合戦と、まさに人、物、金の奪い合いが激しくなる中で、経済的にも文化的にも技術的にも東京都がアジアで一位であり続けるために、今すぐにでも手を打っていかねばならないと考えます。
 そこで、海外から観光客を引っ張って経済成長につなげていくために、私はカジノ誘致を提案したいと思います。
 いうまでもなく、カジノは、その話題性、集客力などから巨額のキャッシュ・フローを生み出す収益性の極めて高い事業であります。そこに目をつけて、韓国や中国マカオでは既に事業展開されており、また、シンガポールでも、昨年、カジノ解禁に踏み込んで、二つの複合カジノ施設が開業いたしました。
 それぞれ、ことしの第一・四半期だけで、およそ五百九十四億円、そして、およそ四百六十億円の売り上げを記録し、また、昨年には外国人観光客も前年比四九%増の一千百六十万人を記録、さらに、この二つの施設がもたらす雇用効果は三万五千人と試算されるなど、カジノの経済波及効果がいかに大きいかを物語っています。
 私は、昨年、韓国のソウル市にある外国人専用カジノのセブンラックに行き、その経営主体である韓国観光公社の子会社であるGKLという会社の幹部の方々と話をしてまいりました。GKLが経営するこのカジノは外国人専用カジノですが、二〇〇九年に約四千九百億ウォンを売り上げて、雇用波及効果も一万四百四十人とされ、観光客の増加に大きく寄与し、ソウル経済の牽引役となっております。
 このように、年々業績を伸ばしている中、幹部の方々がしきりに心配されていたのが東京カジノ構想の行方でした。東京にカジノが誕生すると観光客が奪われるのではないかと大いに危惧をされている様子で、まさに東京の動向をかたずをのんで見守るといった感じでありました。つまり、東京のカジノは強い強い競争力を持っていることを意味します。
 このような極めて潜在能力の高い東京カジノについては、石原都知事も一度検討されましたが、国の規制の壁があり、断念した経緯があります。しかし、二〇〇九年に国会で超党派によるカジノ議連が結成され、先般、具体的な会長私案が提案されました。この案に基づき、各省庁と具体的な課題の洗い出しが進められております。
 また、震災復興のシンボルとして、被災地仙台にカジノをという声も上がり始め、法案成立に向けた動きが加速し始めております。
 その案では、国がカジノ誘致地域として二カ所を国内で選定することとなっています。既にカジノ誘致に、大阪、千葉、神奈川などが名乗りを上げており、法案成立となった際には国内での誘致合戦になることが想定されます。
 法案成立に備えて、東京カジノ構想を細部まで詰めていく必要があります。
 具体的な課題を挙げれば、例えば施設の概要。国がイメージしているカジノ施設は、いわゆる複合型であり、劇場、コンベンションセンター、ホテル、ショッピングモールなど、どういった施設をカジノと併設させるかを詰めていかねばなりません。
 また、外国人専用カジノにするのか否か、また、カジノの収益の都の取り分はどうするのか、また、その取り分をどういう事業に使うかなど、細かな点も含めた課題についての早急なる議論が必要だと考えます。
 東京の経済成長の起爆剤になり得るカジノについて、国の法案成立に備え、早急に課題を抽出し、具体的な計画を描いていくべきだと考えますが、都の見解をお尋ねします。
 さて、具体的な計画を詰めていくと、カジノ施設をどこにつくるかという議論になります。石原知事がカジノ構想を打ち立てた際には、お台場という場所が候補として挙げられていました。お台場を中心とした臨海副都心開発計画は、いまだ計画途上であり、今なお、約四十五ヘクタールもの土地が売れ残っている状態で、債務残高も五千二百億円であることから、土地の売却がうまくいかないと大幅な赤字が残るというおそれもあります。
 しかし、このお台場を含めた臨海地域は、国際化した羽田空港から車で十五分の距離という立地の強みもあり、経済的な潜在価値は極めて極めて高いと考えます。その潜在価値を最大限引き出していくために、羽田空港とリンクさせる形で、この地域に人、物、金を誘導する政策を戦略的に打ち出していく必要があります。こうしたことから、カジノはやはり、この臨海地域に誘致することが最適であると考えます。
 では、臨海のどこにカジノをつくるか。国が想定しているのは、カジノだけではない複合型カジノであります。例えば、先ほどのシンガポールの一つの複合カジノ施設は四十九ヘクタールの規模です。お台場には売れ残っている土地がありますが、四十九ヘクタールもの規模はなかなか見当たりません。もう少し都心に近いところにちょうどいい大きさの土地があります。豊洲です。豊洲なんです。私は、豊洲こそ、複合型カジノをつくるのに最適な場所であると考えます。
 しかし、残念ながら、豊洲は市場移転用地として計画が進んでおり、そのため土壌の入れかえ工事が必要で、五百八十六億円もコストを要します。しかし、市場の移転先としては、豊洲以外にも選択肢があるのも事実です。晴海と築地の利用も我々は提案しました。あるいは、有明の北もあいています。それらは土壌汚染の可能性が低く、市場の機能を十分に果たせるのではないかと私は考えるわけです。
 また、豊洲は、環境確保条例では、いわば問題なかったわけでありますから、仮にあそこにカジノホテルなどの商業施設を建設する場合は、わざわざ、わざわざ土壌を入れかえる必要もなく、つまりは五百八十六億円のコストは不要となります。こうした状況を考えれば考えれば考えれば考えるほど、経済的価値が高い豊洲には市場以外にも可能性はあるんじゃないかと考えます。
 東京の経済成長の起爆剤として、カジノを含めた商業施設の誘致場所は、もう豊洲しかない、そういうことを我々は認識し、このカジノ誘致についての、そして、豊洲こそが最適な場所であるという点について、都の見解をお尋ねしまして、私の質問を終了します。(拍手)
   〔教育長大原正行君登壇〕

〇教育長(大原正行君) 関口太一議員の一般質問にお答え申し上げます。
 まず、中学校における英語教育についてでございます。
 平成二十四年度から実施される中学校学習指導要領の教科英語の目標は、小学校外国語活動ではぐくまれた、聞くこと、話すことの素地の上に、読むこと、書くことを加え、これらの四つの技能を総合的に育成し、コミュニケーション能力の基礎を養うことにございます。
 このため、都教育委員会は、平成二十年度から、小学校外国語活動との関連を踏まえつつ、中学生に四つの技能を総合的に育成するための教師用指導資料を作成し、効果的な指導方法に関する説明会を実施してまいりました。
 今後とも、区市町村教育委員会の取り組みとの連携を図りながら、中学生に、より実践的なコミュニケーション能力の基礎を培うため、さらなる指導方法の研究開発や指導資料の作成などを通して、各学校を支援してまいります。
 次に、小学校外国語活動についてでございます。
 小学校外国語活動は、児童に、聞くこと、話すことを体験的になれ親しませながら、中学校や高等学校での英語の学習につながるコミュニケーション能力の素地を養うために設けられた新しい教育活動です。
 都教育委員会は、平成二十年度から設置しました小学校外国語活動推進委員会の報告書や指導資料を配布するとともに、すべての小学校を対象に、これまで外国語活動を指導したことのない教員に対する研修の実施と、その教員を活用した校内研修の促進に努めてまいりました。
 今後とも、区市町村教育委員会と連携を図りながら、実施初年度における実態調査を行い、その結果を踏まえ、小学校外国語活動の趣旨のさらなる徹底を図り、本活動の目的が達成できるよう教員を指導してまいります。
 次に、高校生の国際交流についてでございます。
 高校生が国内外を問わず、外国の人や文化、生活等に直接触れることは、多様な物の考え方を知るとともに、世界のさまざまな国や地域の人々と望ましい関係を維持していくことの大切さを考える上で重要であり、若者の内向き志向を打破し、世界を舞台に活躍する力強い若者を育成することにつながる有効な機会であると考えます。
 都立高校では、平成二十二年度、四十四校八十七名が海外に留学し、十四校が短期留学生二十五名を受け入れ、三十五校三千百三十九名が海外語学研修や海外修学旅行に参加いたしました。
 今後とも、こうした実態を踏まえ、多くの都立高校が自校の特色や国際都市東京の利点を生かして、さまざまな国際交流の取り組みを行うよう、引き続き積極的に支援してまいります。
 次に、夜間定時制高校における取り組みについてでございます。
 夜間定時制高校には、働きながら学ぶ生徒以外に、不登校や中途退学を経験した生徒、学習上のつまずきで基礎学力に課題のある生徒など、さまざまな課題を抱えた生徒が在籍しております。
 このため、生徒の多様な実態に即したきめ細かな指導に取り組むことが求められており、少人数による学習指導、規則正しい生活習慣を確立するための指導、教育相談機能の充実、三年間でも卒業を可能とする取り組みなどを進めております。
 今後、エンカレッジスクールやチャレンジスクールにおける取り組みの成果も取り入れ、生徒の基礎学力の確実な定着を図るなど、力を発揮できずにいる生徒の学び直しを支援してまいります。
 次に、エンカレッジスクール等における中途退学者を減らす取り組みについてでございます。
 エンカレッジスクール及びチャレンジスクールでは生徒の学び直しの支援に取り組んでおりますが、中途退学者が少なからず存在しており、課題であると認識しております。
 その原因を分析しますと、学習に対し興味、関心を十分持てなかったこと、規則正しい生活習慣が身につかなかったことなどにございます。
 このため、各校において、きめ細かな学習指導や体験学習を通じて基礎学力を身につけさせ、勉学への意欲と自己肯定感を高めるとともに、スクールカウンセラーや養護教諭と学級担任との連携を強化するなどの取り組みを一層進めていく必要がございます。
 都教育委員会は、こうした取り組みを進めまして、生徒の高校生活への適応を図り、中途退学の防止に努めてまいります。
   〔知事本局長秋山俊行君登壇〕

〇知事本局長(秋山俊行君) カジノについてでございますけれども、現在、我が国では、カジノは刑法で規制されており、これを実現するためには、何よりもまず、国が法整備を行うことが必要でございます。
 このため、都は国に対して、いまだ法案の姿も見えないことから、必要な法整備を行うこと、また、その際には、地域の実情に即した運営が可能な仕組みとすることなど、地方自治体の意向を十分踏まえることをこれまでも継続して提案要求してきているところでございます。
 このような経緯を踏まえまして、昨年、アイデア募集のございました特区構想への提案も行っているところでございまして、都として、引き続き国の動向を注視してまいります。
   〔中央卸売市場長岡田至君登壇〕

〇中央卸売市場長(岡田至君) 豊洲への商業施設の誘致についてです。
 豊洲地区におきましては、新市場整備のため、既にすべての用地取得を完了しており、現在、平成二十六年度中の開場に向けて全力を挙げて事業を進めております。
 なお、この整備計画におきまして、豊洲地区のにぎわいを創出するため、市場機能を補完するとともに、築地の食文化を継承する商業施設を含めた千客万来施設を整備する方針でありまして、現在、これに基づき、着実に取り組んでございます。

議長(和田宗春君) 六番山崎一輝君。
   〔六番山崎一輝君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇六番(山崎一輝君) 小笠原諸島の世界遺産登録について伺います。
 現在、パリ、ユネスコの本部において、第三十五回世界遺産委員会が開催をされております。恐らく、あと数時間数十分で小笠原諸島の登録が決定をすると思います。世界遺産登録は、世界で唯一の価値があることはもちろんのこと、それを将来にわたり保全していく具体策を有することが重要です。
 都は、国に先駆け、平成十四年には小笠原村との間で東京都版エコツーリズムの協定を締結し、観光客に認定ガイドの同行を義務づけるなど、利用制限を実施してきました。
 また、貴重な植物の盗掘を防ぎ、観光客のマナーを向上させるため、平成十六年からは東京都レンジャーを配置しております。
 そして、都は、ノヤギの駆除を積極的に進め、これまでに無人島での根絶を達成してまいりました。知事のリーダーシップのもと、これらの取り組みを進め、小笠原の貴重な自然を守ってきたことが世界にも評価をされたものだと思います。
 今後も小笠原のかけがえのない自然を守りながら、その魅力を国内外に発信するなど、取り組みをさらに進めるべきと考えますが、これまで先頭に立って牽引をしてきた知事の決意、思いをお聞かせいただきたいと思います。
 小笠原諸島のような原生的な自然環境を守るとともに、都市の緑の拠点となる都立公園の整備、街路樹の充実のほか、民間の緑についても、その保全、創出を進めるなど、都は、自然環境から都市の緑化に至るまで、多角的な緑の施策推進により、緑あふれる都市東京の実現に向け、緑のネットワークを東京全体に広げてきました。
 平成二十四年秋に開催する全国都市緑化フェアTOKYOでは、これまで都が進めてきた多様な取り組みの成果を発信するとともに、都民や民間事業者と連携した緑のムーブメントをさらに発展させていただきたいと大いに期待していますが、現在の取り組み状況について伺います。
 次に、今回の東日本大震災により、都内の中小企業はさまざまな形でダメージを受けています。これまで、景気の低迷、昨年の夏からの円高も進行し、回復が見出すことのできないところに、地震による経済危機の直撃を受けた中小企業は数知れないものと考えます。
 中小企業は、何とか手探りで活路を見出そうとしていますが、独自の努力だけで経営上の問題を解決するには限界もあります。行政として的確なアドバイスを行うような相談体制の充実は不可欠であると考えます。
 都は、円高対策を進める中小企業に対して経営の専門家を派遣して、相談事業をスタートしておりますが、この取り組みを震災対応の面にも広げて、サポート体制を速やかに充実させていくべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、水道施設の震災対策について伺います。
 今回の震災では、東京に隣接する浦安市で、液状化により水道管が抜け出すなど、深刻な断水被害が発生しましたが、抜け出し防止機能のある耐震継ぎ手管の被害はなかったと聞いております。
 東京では、水道局が水道管路の耐震継ぎ手化緊急十カ年事業を進めていますが、今後も江東区など液状化が予想される地域を優先して、水道管の耐震継ぎ手化をより一層推進すべきと考えます。
 また、今回の震災では、電力供給不足による停電に伴い、送水ポンプ等が運転できず、被災地では長期の断水が発生いたしました。都内においても、計画停電により多摩地区の一部で、断水、濁水が発生をいたしました。電力不足が取りざたされる中、水道水を供給するために、どのように電力を確保していくのかは重大な課題であると考えます。
 そこで、震災時などにおける停電対策について伺います。
 次に、下水道管の液状化対策について伺います。
 私の地元江東区では、震度五強の強い揺れを観測し、新木場などの埋立地を中心に土砂が道路上に噴き出したり、建物が傾いたほか、下水道管も液状化による被害に見舞われました。
 具体的には、新木場地区の下水道管約十二キロメートルで詰まりや破損の被害が発生し、その後の迅速な応急対応により、下水道の使用には支障がなかったとのことですが、本復旧にはまだ時間がかかるとのことです。
 そこで、今回の震災における江東区内の下水道管の復旧状況及び今後の液状化対策の取り組みについて伺います。
 次に、下水処理施設における放射性物質の測定について伺います。
 一部の週刊誌やテレビで、江東区の民間団体が放射能を測定し、この中で、荒川や旧中川沿いで放射能の汚染レベルが高く、江東区にある東部スラッジプラント周辺で最も高い汚染を確認したという情報により、区民や、そして近隣の住民は、まさしく風評被害を受けている状態であります。住民が抱いている放射能の不安を一刻も早く取り除くためにも、都は適切な放射能測定を素早く行い、丁寧に説明をしていくべきであると考えます。
 そこで、東部スラッジプラントにおける放射性物質を含む下水汚泥の放射能測定などの取り組みについて伺います。
 次に、浸水対策について伺います。
 近年、一時間五〇ミリを大幅に超えるゲリラ豪雨が頻発している状況を考えると、いまだ首都東京の浸水への備えは脆弱な面があります。江東区内にはゼロメートル地帯が広がっており、浸水が発生すれば大規模な被害にもなりかねないと危惧しております。
 昨年策定された経営計画二〇一〇において、木場・東雲地区が対策促進地区として重点化され、昨年度着手した江東幹線及び江東ポンプ所が整備されることとなりましたが、現在の進捗状況について伺います。
 次に、島しょの津波対策について伺います。
 東海地震や東南海・南海地震が発生した場合には、東京の島しょに大きな影響があるとされており、津波に対する十分な備えが必要です。
 都が作成した島しょ地域の津波浸水予測図によれば、港湾や漁港の背後地などで浸水被害が発生する地区があると予測されております。島しょの町村では、ハザードマップの作成や防災訓練など、ソフト面の対策を行っていますが、防潮堤や避難施設の整備など、ハード面の対策もあわせて行っていくことで、災害対応力は大きく高まると考えます。
 島しょの港湾、漁港は、島民の安全・安心な生活を支える重要な基盤であり、その津波対策を重点的に進めるべきです。見解を伺います。
 続いて、豊洲新市場整備についてお聞きします。
 都は、先般、東京ガス株式会社及び東京ガス豊洲開発株式会社との間で、土壌汚染対策費用の負担について合意をし、あわせて用地の土地売買契約を締結いたしました。その後、市場施設の設計や土壌汚染対策工事など、平成二十六年度中の豊洲新市場の開場に向け、本格的な取り組みを始めるに至りました。
 これまで、土壌汚染の問題がたびたび大きく取り上げられ、新市場予定地の汚染があたかも豊洲のまち全体の汚染であるかのような印象を都民や国民に与えた感は否定できず、江東区に住む私としても残念でなりません。
 そもそも豊洲地区は都心と臨海副都心の中間にあり、周辺には水域や親水緑地があるなど、二十三区内でも豊かな自然環境に恵まれた特性を持っております。
 また、平成二十一年二月に、首都高速一〇号晴海線、豊洲ランプが開通をし、羽田空港や東京港などの広域インフラとの接続もますますよくなるなど、人、物の集まる新たなまちづくりとして可能性が高まっております。
 豊洲新市場が首都圏の生鮮食料品流通の中核となる先進的な市場として整備されることはもちろんですが、豊かな水辺環境や緑などの特性を踏まえ、豊洲のまちづくりにどのように貢献していくのか、伺います。
 また、市場移転により、多数の買い出し人や産地及び小売のトラックが集まることに加え、市場に隣接するにぎわい施設にも多くの観光客の来場が予想されますが、豊洲のまちづくりと調和するためには、周辺道路の路上駐車や渋滞を引き起こさないよう対策に最大限配慮をしていく必要がありますが、交通渋滞、駐車場対策にどのように取り組んでいくのか、伺います。
 一方、今回の大震災の経験を踏まえて、豊洲新市場の整備に当たっては、災害時においても、中央卸売市場として生鮮食料品等の確保や輸送などを着実に行えるよう施設の安全性の強化を図るべきです。災害時の安全性をどのように確保しながら施設の整備を進めていくのか、伺います。
 二十一世紀の生鮮食料品流通の中核を担う豊洲新市場がまちづくりと調和した魅力的な施設として整備され、災害時においても必要な役割を十分に発揮する市場となるよう期待をしております。
 加えて、本年三月に改定された江東区の都市計画マスタープランなども十分に踏まえ、豊洲新市場の開場に向け、着実に取り組むことを強く要望いたします。
 次に、地下鉄八号線、有楽町線、豊洲─住吉間の延伸は、国の答申において、平成二十七年までに整備着手することが適当である路線として位置づけられておりますが、いまだ着手されていません。
 本路線の実現に対する沿線自治体の期待は非常に大きく、江東区などで構成する協議会では、第一段階として豊洲─住吉間を事業化するなど、取り組みの方向性を確認しています。
 江東区は、昨年度に引き続き今年度も五億円の建設基金を積み立てるとともに、事業化検討会を設置し検討を進めております。こうした地元区における熱心な取り組みを踏まえ、都も本路線の早期実現に努めていく必要があると考えます。
 また、新たな観光拠点となる豊洲新市場の千客万来施設を初め、豊洲で進むまちづくりを牽引し、スカイツリー周辺との連携を支えるためにも、整備の必要性は高まっていると考えます。
 都は、本区間の整備に向けてどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 次に、被災した児童生徒の受け入れについて伺います。
 私の地元江東区には、都内で最も多い百名を超える児童生徒が避難をし、区内の学校に通っております。また、被災し通学が困難になった子どもを受け入れ、就学を支援している都教育委員会のBumB東京スポーツ文化館が夢の島にあります。受け入れ時の説明では、支援は一学期末までと聞いております。子どもたちのすべてが福島からの避難者であり、福島第一原発事故の収束の見込みが不透明な中、引き続き支援すべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
 最後に、東京マラソンは、三万人を超えるランナーとともに、多くのボランティアや応援する人たちが一体となってスポーツの感動を分かち合えるすばらしいイベントであります。
 東京マラソン二〇一二では、巨大な災害によって、ふるさとそのものを喪失するといった未曾有の体験をしながらも、被災地の将来を担う高校生をぜひ十キロメートルレースに招待し、この機会が復興に向けた活力、そして希望となるようにしていくべきと考えますが、所見を伺い私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 山崎一輝議員の一般質問にお答えいたします。
 小笠原諸島の世界遺産登録についてでありますが、東京の島々は、いわば真珠の首飾りにも例えられる非常に美しい列島であります。その一番南にある小笠原諸島は、美しい自然に恵まれ、独自に進化した動植物が多く見られます。
 そのゆえんは、小笠原は日本の国土の中で唯一、いかなるプレートにも属さずに隆起した島だということでありますが、いずれしろ、小笠原を象徴する南島が、実は私の選挙区の一部でありました。私が議員をやめて、四年後に知事に就任して、久しぶりに小笠原を訪れましたときに、国の無為無策で非常に荒れ果てておりまして、見るも無惨なていたらくでありました。
 それで、認定ガイドの同行を義務づけることにしまして、観光客が歩くルートや人数を制限することで、再びあの宝石のような南島を取り戻すことができました。こうした取り組みによって小笠原の自然を守ってこなければ、世界遺産の登録はあり得なかったと思います。
 世界遺産登録は、人類共通の財産として将来にわたり保全していくことを世界に宣言することにほかなりません。ですから、同じ努力、それ以上の努力を今後とも島も新たに続けなければならぬと思っています。
 今後とも、都独自のエコツーリズムや都のレンジャー制度などによりまして、小笠原の美しい自然を次の世代に引き継いでいくとともに、東京の魅力として世界に発していきたいと思っております。
 他の質問については、教育長、技監及び関係局長から答弁します。
   〔教育長大原正行君登壇〕

〇教育長(大原正行君) 被災児童生徒受け入れの継続についてのお尋ねでございます。
 都教育委員会は、通学困難となった被災地の児童生徒を三月十九日から東京スポーツ文化館で受け入れております。
 現在、二十一名が保護者のもとを離れ、衣食住に加えまして、心のケアやボランティアによる学習活動などの支援を受けながら、規則正しい共同生活を送っております。
 また、議員ご紹介の大鵬道場大嶽部屋力士によるちゃんこの炊き出しや熱気球の搭乗を初め、さまざまな人々からの温かい支援により、多様な体験をしております。
 当初、お話のとおり、一学期末までの受け入れを予定していたところでございますけれども、福島第一原発事故の収束の見込みが不透明であり、通いなれた学校を年度途中で転校させないようにするためにも、関係者との調整を図りながら、引き続き年度末まで受け入れを進めていきたいと考えております。
   〔東京都技監河島均君登壇〕

〇東京都技監(河島均君) 地下鉄八号線の豊洲─住吉間の延伸についてでございます。
 本区間を含む地下鉄八号線の延伸は、運輸政策審議会答申第十八号におきまして、平成二十七年までに整備に着手することが適当である路線として位置づけられております。
 地元江東区では、平成十九年度より独自調査を進め、昨年度、事業化検討会を設置いたしまして、国や都、東京メトロもオブザーバーとして参加して、事業採算性等の検討を進めております。
 また、早期実現に向けて、昨年度より建設基金を積み立てるなど、大変意欲的に取り組んでいると承知しております。
 これまでの区の検討結果によれば、本路線の実現には多額の事業費の確保や事業主体の確立、事業スキームの検討など、解決すべき課題はあるものの、整備により地下鉄東西線などの混雑緩和、鉄道不便地域の解消などの面で大きな効果が期待されるとしております。
 今後とも、本路線の検討につきましては、都も参画し、関係者とともに、さまざまな課題の解決を図っていくことが必要であると考えております。
   〔建設局長村尾公一君登壇〕

〇建設局長(村尾公一君) 全国都市緑化フェアTOKYOについてでございますが、五月に、知事を会長とし、国や地元自治体、観光、経済など各種団体で構成する実行委員会を開催し、テーマ、メーン会場、基本方針などを内容とする基本計画を策定いたしました。
 テーマとしましては、緑の風がふきぬける東京とし、メーン会場として、上野恩賜公園、井の頭恩賜公園、日比谷公園、浜離宮恩賜庭園、海の森、国営昭和記念公園の六会場を定めました。
 開催に当たっての主な基本方針は、第一に、緑のつながり、広がりを体感、発信するフェアとして、メーン会場となる公園だけではなく、都や国が管理する道路、河川などの緑や、さらには民有地の緑も含め、幅広い事業展開を図ってまいります。
 第二に、新しい緑や都市観光の創造につながり、技術にこだわるフェアとし、江戸園芸や庭園の技術の保存、継承、最新の緑化技術による展示、これらに加えてユビキタス等のICTを活用し、国内外の来場者に情報を発信してまいります。
 さらに、東日本大震災で被災された方々に力強い支援の輪を広げるフェアを目指し、被災地の野菜や果樹を植栽する大規模展示を行うなど、緑と花を通じて連帯を深め、被災地との強いきずなを形成してまいります。
 今後は、年度内に具体的な実施内容を確定するとともに、平成二十四年秋の開催に向け、フェアの事前周知を図るため、被災地支援を兼ねたプレイベントを実施いたします。
 このフェアの開催を契機に、これまで都が進めてきた緑のムーブメントをさらに加速させ、国、自治体、民間事業者及び関係各局と連携し、緑あふれる環境先進都市東京を全国に発信してまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

〇産業労働局長(前田信弘君) 震災対応を行う中小企業へのサポート体制についてであります。
 都内の中小企業は、引き続く景気低迷や昨年からの円高に加え、今回の震災により、工場の被災による操業へのダメージのほか、販売や仕入れを含めた営業活動に幅広く影響を受けており、これまで経験のない、ふくそう的な課題への対応に迫られております。このため、こうした課題に取り組むそれぞれの中小企業に対する支援の充実は不可欠となっております。
 都は、まず、震災により生じた経営課題の速やかな解決を目指す中小企業を対象に、一社当たり三回まで無料で専門家を派遣する震災対応緊急エキスパート派遣事業を開始し、百五十の会社に緊急支援を行うことを予定しております。
 次に、経営のあり方を根本から見直す場合には、今年度から実施している円高対応・企業変革アシストプログラムの対象に、震災により経営面の影響を受けた企業を加えまして、経営の専門家を最大十回まで無料で派遣する支援を行います。
 こうした企業経営の専門家が会社に出向きまして、きめ細かなサポートを行う取り組みにより、中小企業が震災の影響を乗り越え、経営状況の改善を実現できますよう支援してまいります。
   〔水道局長尾崎勝君登壇〕

〇水道局長(尾崎勝君) 震災時などにおける水道の停電対策についてでございますが、水道水の供給には電力が不可欠であり、震災時等において電力供給が途絶えた場合に備えて、主要浄水場などに自家用発電設備を計画的に導入しております。
 しかし、東日本大震災に伴う東京電力の計画停電により、多摩地区の一部で断水、濁水が発生し、その影響は延べ約二十六万件に及びました。
 このため、当局では、こうした状況並びに被災地における広域的な停電などを踏まえ、従来の施設整備計画の見直しを行い、自家用発電設備の新設や増強、さらには発電機の燃料タンクの増設等を前倒しして実施いたします。
 今後とも、震災時における給水を可能な限り確保するため、電力確保対策に全力で取り組んでまいります。
   〔下水道局長松田二郎君登壇〕

〇下水道局長(松田二郎君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、江東区内の下水道管の復旧状況及び今後の液状化対策の取り組みについてでございます。
 地盤の液状化により下水道管が詰まった箇所については、直ちに土砂を取り除いたため、下水道の使用に支障はございませんでした。
 現在、下水道管の本格的な復旧に向けた工事に着手しており、損傷した管の取りかえに当たっては、液状化防止のために石灰などをまぜて改良し、強度を増した土を埋め戻しに使用するなどの対策を講じておりまして、平成二十四年度中にはすべての箇所の液状化対策を完了させます。
 このほかの液状化対策などについては、下水道管とマンホールの接続部の耐震化を促進することとしておりまして、総合区民センターや江東病院など、避難所や災害拠点病院からの排水を受け入れる箇所の約六割で対策を完了いたしました。
 今後は、対策が未実施の箇所の完成予定を二年前倒ししまして、平成二十五年度の完成を目指してまいります。
 また、マンホールの浮上抑制対策といたしましては、湾岸道路や晴海通りなどの緊急輸送道路約七十キロメートルについて昨年度までに対策を完了しており、今年度から木場公園などの避難所へのアクセス道路に対象を拡大し、実施をしてまいります。
 次に、東部スラッジプラントにおける放射性物質の取り扱いについてでございます。
 東部スラッジプラントでは、下水汚泥を焼却しておりますが、焼却によって生じる排ガスは、細かいちりなどを除去できる高性能フィルターなどに通し、その後、さらにアルカリ性の水によって洗うことで固形物を九九・九%以上回収し、灰が施設外へ飛散することのないよう適正に管理をしております。
 東部スラッジプラントの敷地境界での空間放射線量は、一時間当たり〇・一一から〇・一三マイクロシーベルトで、江東区周辺の他の地域と変わらない数値となっております。
 また、煙突から排出されるガスの成分を専門機関に委託して測定した結果、放射性物質は検出されませんでした。
 今後とも、学識経験者の意見も踏まえながら、お客様や地元区などに対して正確な測定結果の公表などの情報提供を充実させ、お客様の安心につなげてまいります。
 次に、江東幹線、江東ポンプ所の進捗状況についてでございますが、浸水の危険性が高い二十地区を対策促進地区として重点化し、一時間五〇ミリの降雨に対応できる幹線やポンプ所などの基幹施設の整備を計画的に進めております。
 江東幹線は、木場・東雲地区等の約五百ヘクタールに降った雨水を速やかに排除するため、地下約四十メートルの深さに設置する最大口径約六メートル、延長約五キロメートルの下水道幹線でございます。お話のとおり、昨年度末に工事契約を行いまして、現在、木場公園内において資機材等を搬出入するための立て穴を築造する工事に着手をしております。
 江東ポンプ所は、江東幹線で集めた雨水を辰巳運河に毎秒約五十立方メートル放流する雨水ポンプ所で、江東幹線と一体となって浸水被害を軽減する機能を果たすものでございます。現在、今年度中に工事着手すべく、地元区や関係機関との調整を精力的に進めております。
 今後とも、江東地区の浸水被害の早期軽減に向けて、着実かつ積極的に取り組んでまいります。
   〔港湾局長中井敬三君登壇〕

〇港湾局長(中井敬三君) 島しょの港湾等における津波対策についてでありますが、島しょの港湾、漁港では、関東地震の再来や、東海、東南海・南海地震が連動する場合など、各島に最も影響を与える地震を想定し、計画的に津波対策を行ってきております。
 具体的には、波浪だけではなく、津波軽減効果をあわせ持つ港湾、漁港の防波堤や護岸の着実な整備を推進するとともに、防潮堤等の海岸保全施設の整備を進め、津波による浸水の防止、軽減に努めてまいりました。
 また、災害後に直ちに港湾、漁港の利用が可能となるよう、津波に対する施設の強度を高める改良も行っております。
 今後は、今回の震災後、局内に設置した地震・津波対策会議において、これらの取り組みを検証していくとともに、国の中央防災会議での検討結果等を踏まえ、必要な見直しを行ってまいります。
 また、地元町村が行う避難誘導などのソフト対策と連携し、港湾における避難施設の整備を検討するなど、島しょの津波対策を一層推進してまいります。
   〔中央卸売市場長岡田至君登壇〕

〇中央卸売市場長(岡田至君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、豊洲新市場整備による豊洲のまちづくりへの貢献についてです。
 東京の都市づくりビジョンにおきましては、豊洲地区は水辺空間や広域交通インフラに恵まれた東京の交通、物流の拠点に位置づけられており、こうした特性を十分に踏まえ、市場施設を整備していく必要があります。
 このため、水際や水上からの眺望に配慮し、東京の玄関口としてふさわしい景観形成を図るほか、護岸と一体となった緑道や、幹線道路沿いに周辺の緑と連続させる植栽や歩道状空地などを整備し、開放感と潤いのある都市空間の創出に努めてまいります。
 また、食を中心とする東京の新たな観光拠点として千客万来施設を整備することで、豊洲地区のにぎわい創出にも貢献できると考えております。
 今後、地域特性を踏まえた施設整備を進めることにより、豊洲地区が「ゆりかもめ」や幹線道路を通じて臨海副都心などとのにぎわいの連担性を確保するとともに、来訪者の回遊性を一層高めるなど、臨海地域のまちづくりにも貢献してまいります。
 次に、豊洲新市場における路上駐車及び渋滞対策についてです。
 豊洲新市場が周辺のまちづくりと調和していくには、市場関連車両の交通量を十分に加味し、周辺道路における交通渋滞対策と一体となった市場施設の整備を進めることも重要であります。
 このため、都は、広域幹線道路を計画し、晴海通りや環状二号線、補助三一五号線などの交通基盤の整備を進めており、新市場までのアクセスを十分確保するとともに、周辺の主要道路における円滑な交通の流れを実現してまいります。
 また、駐車場計画につきましては、築地市場の現況調査に基づき、必要駐車台数のシミュレーションを行い、ピークとなる時間帯でも十分に車両をさばけるよう、各街区に搬出入バースや待機駐車場、通勤駐車場などについて必要な量を確保してまいります。
 この結果、築地市場の四千五百台に対しまして、にぎわい施設用の一千二百台を含め、計六千三百台を整備することにより、路上駐車は発生しないものと考えてございます。
 さらに、自動車交通量自体を減少させるために、共同配送などの検討や、需要の動向を見きわめながら、バス路線の新設などの公共交通機関の充実、主要駅とのシャトルバスの運行などにつきましても、関係機関との検討を進めてまいります。
 最後に、豊洲新市場における災害時の施設の安全性強化についてです。
 新市場が災害時におきまして、生鮮食料品などの供給拠点として、その公共的な役割を十分に発揮するには、施設の耐震性や必要な電力などを確保することが不可欠でございます。
 このため、卸売り場等の耐震設計では、大地震の発生に際し、人命の安全確保を図ることはもとより、構造体の大きな補修をすることなく建築物を使用できるよう、建築基準法に定める必要な強度を一・二五倍に割り増し、安全性を高めてまいります。
 また、停電に際しましても、耐震性にすぐれた中圧管を介したガスによる非常用発電機やコージェネレーションプラントからの電力供給を確保し、冷蔵庫棟や低温売り場の空調、売り場、荷さばきスペースの照明など、物資の保管や輸送に必要となる設備の機能維持を検討しております。
 さらに、桟橋を利用した船舶輸送の活用など、災害時にも生鮮食料品などの調達や輸送が可能となるよう、災害対応力の観点からも先進的な市場を目指し、整備を進めてまいります。
   〔スポーツ振興局長笠井謙一君登壇〕

〇スポーツ振興局長(笠井謙一君) 東京マラソンについてでございますが、東京マラソンは、三万六千人の参加する喜び、一万人の支える誇り、そして、百六十万人の応援する楽しみが一つになり、多くの人々に高揚感をもたらす日本を代表するスポーツの祭典でございます。
 この東京マラソンにおきまして、被災された高校生が国内外のランナーとともに都心を駆け抜け、沿道から多くの声援を受けることで傷ついた心がいやされ、逆境に立ち向かう勇気を奮い立たせる一つの契機になればと考えております。
 都といたしましては、主催者である東京マラソン財団と協力し、被災地の高校生を東京マラソンに招き、移動や滞在などにかかわる必要な支援を行うなど、将来への希望を持ち、復興への意欲が高まるような取り組みを進めてまいります。

副議長(鈴木貫太郎君) 九十七番大西さとる君。
   〔九十七番大西さとる君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇九十七番(大西さとる君) 東日本大震災で被災された方々にお見舞いを申し上げ、質問に入ります。
 東京都の中で相対的に低いとされている東部地域、特に足立区の学力レベル。私は、この地域の学力アップの課題に正面から取り組んでまいりました。特に、この地域に住んでいる学力を高めたいと志す子どもたちを応援する制度についてお伺いをいたします。
 足立区には、一たんつまずいて、しかし、もう一度頑張ろうとする子どもたちを応援する、そんなチャレンジスクールやエンカレッジスクールという制度は十分に整っています。
 一方、東京都には、大学進学を目指す子どもたち、これを応援する進学指導重点校、進学指導特別推進校があります。しかし、この支援校が、足立区のみならず、東京都二十三区の中では西側の半分にしかないことを昨年の第一回定例議会で、私はここでパネルを使って皆様に説明し、指摘をさせていただきました。
 当然のことながら、足立区でも、江戸川区でも、葛飾区でも、勉強を頑張りたい、学問で身を立てたい、そんな子どもたちはたくさんいるわけでございます。地域的な格差をなくす、そのことを私は求め続けてまいりました。
 昨年、東京都は、ようやくこの地域的な教育格差を是正すべく、足立区と江戸川区に、地域的なバランスを配慮するという形で、進学指導推進校を一校ずつ指定していただきました。足立区は、江北高校が指定されたわけでございます。この英断に対しまして、私は心より謝意を述べさせていただきます。本当にありがとうございました。
 しかしでございます。しかしでございます。このようなすぐれた施策であるにもかかわらず、機能したか甚だ疑問な点がございます。昨年の秋の時点で、足立区の区長及び足立区の教育長がこのことを知りませんでした。
 先日、私は、たくさんの中学を回ってまいりました。校長先生、副校長先生、そして、進路指導を担当する教諭、みんなに聞いてまいりました。そうしたら、皆が口をそろえていったこと、ほとんど説明がなかったんだ、進学校になって何が変わるかわからなかった、このような答えが返ってまいりました。これでは当然、生徒に説明することはできません。生徒自体も知らなかったのも事実でございます。それでは、石原知事がさっき使われましたけど、仏つくって魂入れずじゃないでしょうか。
 結局、足立で指定された江北高校の倍率は、男子一・一七倍、女子に至っては一・〇六倍と、過去と比べても変化がありません。競争率だけが重要なことではない、これはわかっています。しかし、よい制度であることが周知されれば、自然と競争率はアップされます。例えば、他の進学校でいいますと、日比谷高校は二・三倍を超え、同じ範疇の三田高校は二倍を超えております。
 そして、行政関係者のみならず、子どもを持つ親御さんにもほとんど知られていなかったということもあります。私の都議会レポートを見て、これ何ですかって聞いてきた親もたくさんいます。
 そして、先日、足立区も区議会議員選挙が行われました。その中のとある候補の選挙公報の中に、足立区にも進学校が必要だ、こういうことも書いているわけです。政治を志す者がこんなことも知らない、私は本当にがっかりいたしました。これらの事例を通して、この制度がいかに知れ渡っていないかが明らかになったと思います。
 東部地域の多くの優秀な中学生が、進学校としての江北高校を目指すよう切磋琢磨し、お互い励まし合いながら頑張る姿が理想だと思います。来春の選考に向けて万全な体制、告知を行ってほしいと考えますが、教育長の所見を伺います。
 次の課題ですが、最近、ディベートの有用性について、一時期よりも議論されなくなったと感じております。欧米人と日本人の資質の違いの一つに、論理的思考力が、日本人が劣るといわれております。この論理的思考力、ロジカル・ウエー・オブ・シンキング、これを養成するために効果があるといわれているディベートは、欧米では授業に取り入れているところが多いと聞きます。
 今後、各教科の授業にディベートや討論などをより一層取り入れ、言語活動を充実させることが必要であると考えますが、所見を伺います。
 次に、交通政策について伺います。
 私たち都議会民主党は、石原知事の政策には是々非々の態度で臨んでいるのは皆様もご承知のとおりです。新銀行東京や築地市場の移転問題は非の立場です。一方、過去のディーゼル規制や三環状道路などは是の立場です。今回、さらに羽田空港の国際化、これは私は大きな是であると考えます。
 空港は近くにあることにこしたことはありません。例えば、日本で一番使いやすい空港として挙げるのはどこか。国際空港でいえば、やはり福岡空港だと思います。地下鉄が直結されており、博多駅は二つ目、最も大きな繁華街である天神駅には五駅、十一分で着きます。天神駅を東京駅に例えると、品川駅に空港があることになります。こう考えると、いかに福岡空港が利便性に富んでいるのかわかります。
 反対に、利便性の悪い空港はたくさんあります。例えば、大分空港は市内までの距離があり、時間がかかる。または、交通手段が少ないなどの問題により、空港利用率、利用者ともに下がってきてしまっております。
 羽田空港には、この利便性があります。それゆえ、国際線の利用率は上がっております。羽田空港での国際線利用率は、JALにおいては、成田空港の国際線の搭乗率が六〇%から七〇%に対して、羽田空港の国際線搭乗率は七〇%から八〇%に達しています。ANAにおいても、ロサンゼルスやハワイへの総旅客者数は、羽田国際線開港後一・五倍まで伸びています。
 しかしながら、国際線の発着回数は、国内線の発着回数年間三十二万回に対して、年間六万回でしかなく、その半数が早朝、深夜となっています。平成二十六年三月までに達成するとしている計画でも、国際線は九万回の予定で、三万回しかふえず、これは十分といえる数値ではありません。
 羽田に一番近い他国の国際空港である韓国の釜山空港、これには成田からしか飛んでいないなど、就航路線にはまだまだ不十分なところもございます。また、羽田空港には、現在においては三千メートルの滑走路しか存在しておりません。乗客、貨物満載状態では、アメリカの東海岸やヨーロッパにまで飛ぶことができず、満席になったとき、毎回積載量調整をしているのが現状でございます。
 このような状況を克服するためにも、今後、国際線の発着枠の拡大や、例えばさらに長い五本目の滑走路建設について、議論、設計を始めるなど、羽田のさらなる機能強化への取り組みが必要だと考えますが、知事の見解を伺います。
 また、今回の東日本大震災で、海岸から約一キロメートル内陸にある仙台空港が津波による大きな被害を受けました。この惨事を目の当たりにして、海上空港である羽田についても津波対策が必要であると思いますが、所見を伺います。
 次に、車両の駐車に関して警視総監に伺います。
 道路交通法改正により、平成十八年六月から施行となった駐車監視員による取り締まり制度は、幹線道路の渋滞をなくすために、違法駐車の一掃という大きな目標のために制度化されたものであります。そのおかげで都内の交通渋滞は減り、スムーズな交通が実現し始めているところもあります。
 しかしながら、最近では、その取り締まりエリアを路地裏まで拡大し、あたかも検挙すること自体が目的のような取り締まりになっているのではとの声が上がっています。
 例えば、生協。生協は、戸別に生鮮食料品など生活必需品を配達する組織であり、東京都の世帯の三割以上が加入しております。特に購買弱者である高齢者や妊婦には、配達料免除などの社会公共性も兼ねた組織であります。当然、ほぼ定時にトラックが駐車するわけでございますが、それをねらったかのように駐車監視員による取り締まりを受けたとの声も聞かれます。
 また、ほとんど交通量のない道路に面した公園のトイレの前では、タクシーを初めとするドライバーが用を足すのをあたかも見張っていたかのように検挙するという事例も伺います。
 これがすべてだと思いませんが、果たしてこのような駐車の取り締まりの実態が適切と考えておられるのか、本来の目的であったのか、今後の駐車監視員の運用や取り締まりの方向性についても伺います。
 次に、昨年、警視庁が始めた荷さばきに配意した駐車規制の緩和については、物流業界を中心に大きな反響がありましたが、荷さばきに配慮した駐車の規制緩和のさらなる拡大についても警視総監に見解を伺います。
 次に、地元の課題について伺います。
 足立区に第十二中学校という学校があります。十三クラス、五百名弱の生徒が通う中学です。近々校舎全体が補修工事に入る予定となっております。その中学の余り広くない校庭の隣に都営住宅の跡地があります。補修工事期間、運動場にプレハブ校舎が建設される予定となっていますが、その期間中、運動場が使えなくなってしまいます。隣接している都営団地跡地を運動場として使えるようにお願いいたします。生徒数からも決して大きくない運動場であり、今回の補修期間のみならず、将来的にも運動場として使用できるように検討していただきたいと思いますが、見解を求めます。
 先ほど、我が党の中谷議員から都有地の有効利用の話がありましたが、地元が切望していることを改めてお伝えさせていただきます。
 次に、足立区にある土づくりの里について伺います。
 この施設は、一九八八年に下水道工事のために掘り起こした土を再生し、次の工事現場に使用するという目的で、一時的な暫定使用という形態でつくられました。そして、翌年、地元の方々との協議の結果、多少前後はするとの前置きつきでありますが、一九九四年には返還するということも決定されました。
 この場所は、広域避難所にも指定され、地元の方々の安全な場所で、また、憩いの場所であるべきものの、今は鉄のフェンスで囲まれ、その中から大きなダンプカーが出入りし、近隣に、噴煙をまき散らして迷惑をかけ続けています。
 私は、この問題を二〇〇七年、二〇〇九年の決算特別委員会において取り上げました。二〇〇七年には、この土が本当に再利用されているか疑問であることも指摘させていただきました。出てくるトラックを追跡したところ、埼玉県の残土資材センターに直行するといった光景も見受けられました。二〇〇九年には、本当に必要ならば恒久的な使用を明言すべきだともお願いしましたが、明言はありませんでした。
 必要性にも疑問を抱かざるを得ない土づくりの里、一体いつまで使い続け、地元の方々に迷惑をかけ続けるのか、都の所見を伺います。
 次に、東京電力の計画停電。私の住む足立区は、荒川区や町田市とともに頻繁に停電となりました。私の家は七回停電が実施されました。日に二回停電となった日もあります。
 私は、現在マンションの十九階に住んでおりますが、夜に停電になった日、家に帰ってみました。十九階から見る景色は不思議なものでした。それは、ある道路までは真っ暗、そして、それにもかかわらず、その道路から向こう側はこうこうと電気がついているわけでございます。その道路の手前の交差点では、お巡りさんがたくさん大変な思いをして交通整理をしていました。道路の先の方々は一度も停電を経験していないということ。停電に協力することに抵抗は感じません。しかし、七対ゼロ、これでは余りにもひどいではありませんか。この余りにも顕著な不平等、不公平について都の見解を求めます。
 また、この夏に予測される供給量不足においても同じことが発生しないように求めますが、所見を伺います。
 最後に、これはもう足立区ではありませんが、震災対策の中で気になったことがあります。ペットと暮らす人が避難所を敬遠するということであります。もちろんペットと暮らすことができればよいのですが、ペットを受け入れてくれる避難所が少なかったのも事実でしょう。
 先日、近所のマンションのペットクラブの方とお話ししたところ、この犬はペットでなく家族なんです。私たちだけが避難所に行くことなんて絶対無理ですと、はっきりとおっしゃっておりました。
 東日本大震災においても大きな問題となっておりましたが、東京が被災したとき、ペットとともに避難したいという方々に対する施策をお伺いさせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 大西さとる議員の一般質問にお答えいたします。
 羽田空港のさらなる機能強化についてでありますが、羽田空港は、首都圏はもとより、我が国全体の発展のため、極めて重要な役割を担っておりまして、空港機能の強化とさらなる国際化が不可欠であります。
 四本目の滑走路の整備によりまして、本格的な国際空港となりましたが、東京の持つポテンシャルを考慮すれば、国際線の発着枠は決して十分ではないと思います。
 いまだ国内、国際の割り振りは決まっていない昼間の二万七千回の発着枠についても、極力国際線に振り向け、ビジネスニーズの高い欧米などの都市へ、一層、就航拡大を図る必要があると思います。
 首都圏の空港容量は、近い将来限界となるために、あらゆる角度から拡大の可能性を検討すべきでありますが、羽田の新たな滑走路の建設については、羽田の港に関する航路の問題などがありまして、東京港の港湾機能との調整は非常に困難であります。
 むしろ、今取り組むべきは、平時には余裕が十分ある、しかも日本で最長の滑走路を持っていながらほとんど使われていない横田基地の、第一段階としては共同使用という形の有効活用であると思います。
 首都圏の空港容量の拡大のために、ビジネス航空の受け入れも含めて、その実現を引き続き国に強く求めてまいります。
 他の質問については、警視総監、教育長、技監及び関係局長から答弁します。
   〔警視総監池田克彦君登壇〕

〇警視総監(池田克彦君) 二点のご質問についてお答えいたします。
 初めに、駐車取り締まりの方法の今後の方向性についてであります。
 違法駐車の取り締まりは、道路本来の機能を確保し、交通の安全と円滑を図るため、悪質性、危険性、迷惑性の高い違反に重点を置いて行っているところであります。
 また、駐車監視員による放置車両確認事務は、地域特性と違法駐車の状況を踏まえ、重点路線や重点地域を定めた、取り締まり活動ガイドラインに沿って行われております。
 この取り締まり活動ガイドラインは、各警察署におきまして、違法駐車の状況、違法駐車を原因とする交通事故、渋滞状況などの実態を把握した上で、警察署協議会、それから地域住民の皆さんの要望を反映させ、毎年見直しをしております。しかしながら、幹線道路や駅周辺等を重点とする方向性は一貫しておりまして、短時間駐車の営業車を意図的にねらったような取り締まりは行っておりません。
 警視庁といたしましては、今後とも適正な指導取り締まりにより、駐車の整序化、良好な駐車秩序を確立して、交通の安全と円滑を図ってまいりたいと考えております。
 次に、荷さばき車両に配意した駐車規制の見直しについてであります。
 これまで、実施の可否等を詳細に調査した上、規制緩和が妥当と認められた区間について地域住民等との意見調整を行い、荷さばき駐車のルールに関する合意が調った区間から順次実施してまいりました。
 今後とも、地域住民の皆さん及び物流事業者等のご意見やご要望を十分に踏まえ、交通の安全と円滑を確保しつつ、荷さばき車両に配意した、よりきめ細かな駐車規制を推進してまいります。
   〔教育長大原正行君登壇〕

〇教育長(大原正行君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、城東地区における進学指導推進校についてでございます。
 都教育委員会は、大学進学への生徒の希望をかなえるため、進学指導の強化に取り組んでおります。その一環として、昨年、進学校の全都的な配置バランスも勘案し、城東地区において江北高校と江戸川高校を進学指導推進校に指定し、周知を図ってまいりました。 今後とも、こうした指定の趣旨を、地区の教育委員会及び中学校の進路担当者等に対して確実に伝えてまいります。
 また、指定校が中学生に対する募集活動をさらに強化するよう指導するとともに、指定校が進学指導の取り組みを一層強化して、進学実績を上げられるよう積極的に支援してまいります。
 こうした取り組みを通して、指定校が進学への意欲と能力のある地域の中学生に選ばれるよう努めてまいります。
 次に、言語活動のより一層の充実についてでございます。
 児童生徒の思考力、判断力、表現力等をはぐくむためには、読書活動等を通して知識や論理を身につけさせた上で多様な言語活動を行わせ、言語能力の向上を図ることが重要でございます。
 平成二十年改訂の新学習指導要領は、すべての教科等で言語活動の充実を求めておりますが、都教育委員会は、既に平成十六年度から言語活動に係る指導資料の作成等を行ってまいりました。本年度からは新たに言語能力向上推進事業を開始いたしまして、読書や文書表現に加え、ディベートや討論を行わせるなど、言語能力の向上を図る教育を進めております。
 今後、こうした取り組みの成果を全都に普及するとともに、猪瀬副知事をリーダーとした、言葉の力再生プロジェクトとも連携を図りまして、言語能力の向上を推進してまいります。
   〔東京都技監河島均君登壇〕

〇東京都技監(河島均君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、羽田空港の津波対策についてでございますが、国によると、羽田空港では旅客ターミナルビルや滑走路などの主要施設の地盤高は、高潮に対応してAPプラス六メートル以上にかさ上げされているとのことでございまして、今回の東北地方太平洋沖地震で発生した津波による被害も生じておりません。
 現在、国は東日本大震災を踏まえまして、中央防災会議で、地震、津波被害の把握、分析や、今後の対策の方向性などについて検討を行っております。都としては、その結果によっては必要な対策を実施するよう国に求めてまいります。
 次に、都営団地跡地の運動場活用についてでございます。
 都営住宅の建てかえにおきましては、老朽化した住宅を更新するとともに、敷地の有効利用や団地の集約により用地を創出し、地域のまちづくりなどに活用することが重要と考えております。
 お話の足立区立第十二中学校に隣接する都営住宅団地の跡地につきましても、このような考え方に基づき、建てかえを行わず創出したものでございまして、地元の足立区からは、かねてより学校用地としての活用について要望を受けておるところでございます。
 当該跡地の利活用については、公共、公益目的の利用を優先する観点に立って、区の要望を踏まえまして検討を行ってまいります。
   〔下水道局長松田二郎君登壇〕

〇下水道局長(松田二郎君) 土づくりの里についてでございますが、この施設は下水道工事からの建設発生土を改良して、都内の工事の埋め戻しに再利用する極めて重要な施設でございます。
 この施設でつくられた改良土は、石灰などをまぜて強度を増したもので、液状化対策にも大いに効果があり、今回の大震災で液状化の被害を受けた江東区新木場地区などにおいて、下水道管の本格的な復旧のための埋め戻し材としても使用してまいります。
 なお、お話の、他県に向かったトラックの事例でございますが、請負者が確保している仮置き場所に改良土を搬入した上で都内の工事現場に搬出したものでございまして、適切に運用されておりました。
 本施設の運営につきましては、これまで中川処理場連絡協議会において、地元の皆様のご意見、ご要望に十分配慮しながら、防音壁や緑地帯の設置、土ぼこりの飛散を防ぐ散水など、対策を講じてきております。
 また、当局が所有します隣接地を地域の避難場所として利用可能な公園とし、約三ヘクタールから五・六ヘクタールに拡大してまいりました。
 今後とも、本施設の運営に当たりましては、中川処理場連絡協議会において、地元の皆様のご意見、ご要望に十分配慮しながら、課題を解決してまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 計画停電についてでございますが、三月十四日から実施されました計画停電は、ライフラインに支障を及ぼし、都民生活や経済活動に大きな影響をもたらすとともに、対象区域とそれ以外の地域の間に不平等を生じさせるなど、多くの課題を伴うものでございました。
 このため、都は三月十八日、国に対して、電気事業法に基づく電気の使用制限という、より合理的な利用規制に速やかに移行するよう緊急要望を行っております。
 その後、国は、計画停電を原則不実施に改め、大口の電力需要家に対して、最大使用電力の一五%削減を義務づけましたが、中小規模事業所と家庭に対しては十分に実効性のある対策を示すことができておりません。
 都としては、先月策定しました電力対策緊急プログラムに基づきまして、計画停電を回避するよう夏の電力危機にしっかりと対処してまいります。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 災害発生時の動物対策についてのご質問にお答えいたします。
 都はこれまで、飼い主の責務について説明した小冊子を作成いたしまして、その中で、災害発生時には動物を同行して避難することや、避難所において他の避難者に配慮することなどを取り上げ、周知を図っております。
 今後、東京が被災した場合に、同行避難が円滑に行われますよう、避難所の運営主体でございます区市町村に対しまして、今回、都が開設した避難所において実施いたしました動物の管理場所や必要な資材の確保などについて、具体的に避難所運営のためのマニュアルに定めるよう働きかけてまいります。

議長(和田宗春君) 四十七番西崎光子さん。
   〔四十七番西崎光子君登壇〕

〇四十七番(西崎光子君) まず初めに、三月十一日に発生しました東日本大震災により亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災した皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 今回の震災は、多くの人の価値観を変えるほどの大きな衝撃を与え、明治維新、戦後に次いで、第三の変革期が来たといわれています。政治だけではなく、産業構造、エネルギー政策、社会保障、さらに私たちの生活や生き方までも見直していかなければならない時期になりました。
 石原知事四期目のスタートに当たり、都政運営の新たな戦略も示されましたが、日本の自治体のトップに立つ知事として、どのような決意で臨まれるのか、知事の見解を求めます。
 五月に出された都政運営の新たな戦略には、「十年後の東京」計画を改定して、「(仮称)二〇二〇年の東京」を策定し、都が目指す将来の東京の姿と、そこに向けた政策展開を明らかにすると述べられています。将来の東京を描き、これからの方向性を考えていくためには、大きく時代が転換するときだからこそ、多くの都民が参加し、知恵を出し合い、議論を進めていくことが重要です。都内には、民間企業だけではなく、多くの市民活動の実践があり、経験もスキルも蓄積されています。
 「十年後の東京」計画の改定に当たって、都民が参加する機会をどのようにつくるのか、お尋ねします。
 東日本大震災から三カ月が過ぎても、高齢者や子どもを抱えた母親、病人、障害者など、困難な状況に置かれやすい人々が、避難所などの生活で、依然として不自由を強いられており、きめ細やかな支援が求められています。
 避難所や仮設住宅の運営に当たっては、地域で生活をしている女性の視点を生かし、被災者に寄り添った支援を行うために、避難所運営に女性のリーダーを配置することや、防災会議などに女性の参画を進め、男女がともに共同で災害復興対策を進めていく必要があります。
 このことは、阪神・淡路大震災、中越地震を経験した女性たちから指摘され、二〇〇五年に防災基本計画の中に、女性の参画、男女双方の視点が明記されました。
 今回の災害復興に当たっても、女性の視点を入れる必要があると考えますが、都の見解を求めます。
 都が被災した場合に、ボランティアの受け入れについて、どういう体制をとるかは重要です。災害が起こったときに、被災した初期から地域のボランティアがすぐに活動に入れること、また、被災者のニーズを把握して、ボランティアを受け入れることが必要であり、ボランティアを受け入れるためのコーディネーターの役割がとても重要になります。
 ボランティアの受け入れに向けて、災害ボランティアコーディネーターをどのように育成していくのか、都の見解を伺います。
 次に、放射能汚染対策についてです。
 原発事故収束のめどが立たない中で、放射能汚染への不安は広がるばかりです。チェルノブイリ事故の際、日本では輸入食品の放射能汚染に対し、放射性セシウムについて三百七十ベクレルの暫定限度を設け、それを超えた香辛料や干し肉などが輸出国に送り返されました。
 都の健康安全研究センターは、その後も輸入食品の放射能測定を継続しており、平成二十一年度も基準を超えたブルーベリー加工品などがあったと報告されています。事故発生から二十五年近くになっても、いまだ放射能の影響があることから、こうした検査を継続していることは心強いものです。
 今回は、国内で発生した放射能汚染であり、輸入時の基準では済まないことは明らかです。
 国は三月十七日、急遽、食品に関する暫定規制値を発表、三月二十一日には、飲用水の摂取制限に関する指標が乳児についても設定され、子どもへの影響を懸念する声が高まりました。
 都は、都内産の農産物についても検査を行っていますが、消費者のみならず、生産者からも検査品目をふやしてほしいという声が聞かれます。特に、子どもに提供する給食食材等の安全確保も大きな課題です。これからの食の安全について、都の見解を伺います。
 今回の放射能汚染については、都は当初から、連日、健康安全研究センターや産業技術研究センターでの放射線量や放射能測定を行い、さらに、地上一メートルでの測定や、都内百カ所での測定及び測定器の貸し出しなどにも対応してきたことは評価するものですが、放射能汚染の測定や暫定規制値が遵守されても、数値の持つ意味などが正しく理解されない限り、都民の不安はなかなか解消されません。
 残念ながら、放射能汚染は一朝一夕に解決できないことから、その時々に応じて、学習会やシンポジウムを回数や場所をふやして開催し、都民が正しく対応できるようにすべきではないかと思います。都の情報提供のあり方について伺います。
 最後に、エネルギー政策です。
 生活者ネットワークは、これまでも原発に依存しない再生エネルギーや自然エネルギーにシフトしていくエネルギー政策を求めてきました。
 今回の緊急プログラムは、これまでの温暖化対策の取り組みを踏まえて、省エネルギーと再生可能エネルギーの導入をさらに進めようとするものです。ことしの夏については緊急的な措置となりますが、今後の方向性を低炭素・高度防災都市を目指してと将来像を示しています。これはCO2削減とエネルギーの確保をあわせて実現しようという意欲的な取り組みと認識していますが、見解をお尋ねします。
 ことし夏の取り組みは、自家発電を活用することも入っています。緊急対策という観点からやむを得ないところではありますが、CO2削減との両立というところからは課題もあります。
 一方、一般家庭においては太陽光発電が促進されていますが、市民が出資して再生可能エネルギーの発電所をつくる動きも全国に広がっています。
 東京でも、市民の活動により、お寺や幼稚園の屋根を使って太陽光パネルを設置した事例がありますが、自宅に太陽光パネルを設置できない人も参加できる仕組みとして注目されています。今後の支援策の充実を求めるものです。
 また、エネルギーは電気だけではなく、太陽熱や地中熱利用、ガスなどで電気と熱を生み出すコージェネレーションも実用化されています。
 今回の補正予算には、家庭における分散型電源の導入補助として、ガスコージェネ機器も対象としていますが、家庭における分散型電源確保の意義について伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 西崎光子議員の一般質問にお答えいたします。
 この国難のさなかにあっての都政運営に当たっての決意についてでありますが、かつての明治維新であれ、敗戦の後の日本の復興であれ、国家の存亡をかけ、また、みずからの人生をかけて先人たちがそのたび苦労を重ねた結果、我が国は雄々しく立ち上がってきました。今回の大震災も、沈み行く日本にとって致命的な打撃で終わるのか、あるいは再起の起点となるかは、ひとえに我々の決意と覚悟にかかっていると思います。
 物質文明の繁栄を謳歌し、過度の便利さや資源の浪費を当たり前と思う生活を見直して、二十一世紀にふさわしい環境と調和した社会の造成に努めなければならないと思っております。また、防災隣組のような身近な隣人との共助の仕組みを縁として、我欲を抑え、責任への自覚を取り戻し、人間のきずなを再び結び直していく必要があると思います。
 大震災を機に、都民、国民の間には、みずからが生きる国家社会のためにそれぞれが何をなすべきかと考える風潮がようやく再生しつつあると思います。そうした中で、大きな現場を抱える東京から具体的な手だてを通じて、社会の根源的な部分の修復を果たしながら、この国を真の復活へと導いていきたいなと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔知事本局長秋山俊行君登壇〕

〇知事本局長(秋山俊行君) 「十年後の東京」計画の改定についてでありますが、東京が今回の大震災を乗り越え、二十一世紀に真にふさわしい世界の範となる都市へと進化するためには、行政だけではなく、都民、区市町村、民間事業者、NPOなど、東京を支える多様な主体との協働が欠かせないものというふうに認識をしております。
 これまでも、「十年後の東京」計画を着実に推進するためのアクションプランでございます実行プログラムの策定過程におきまして、区市町村はもとより、世論調査やインターネット都政モニターアンケート等を活用し、都民の意見、要望を計画に反映してきたところでございます。
 「十年後の東京」計画の改定に当たりましても、引き続き多様な機会、手法を用いながら、都民意見の集約に努めてまいります。
   〔総務局長比留間英人君登壇〕

〇総務局長(比留間英人君) 防災分野における男女共同参画についてでございます。
 今回の震災では、長引く避難生活の中、プライバシーの確保が十分でないなどにより、女性がさまざまな不安や悩みを抱える事例もあったと聞いております。
 防災基本計画のお話がありましたが、東京都地域防災計画でも、男女双方の視点に配慮した防災を進めるため、防災に関する政策方針決定過程や防災の現場における女性の参画の拡大を掲げております。
 この趣旨を踏まえ、今後、ハード、ソフト両面にわたり、東京の防災力向上に取り組んでまいります。
   〔生活文化局長並木一夫君登壇〕

〇生活文化局長(並木一夫君) 災害ボランティアコーディネーターの育成についてでございますが、都は平成十六年七月に、東京都社会福祉協議会と協定を結び、ボランティアと被災地のニーズを調整する災害ボランティアコーディネーターを育成することといたしました。
 これに基づきまして、東京ボランティア・市民活動センターにおきまして、コーディネーター経験者が被災地で実際に行った活動を報告するプログラムやボランティアに対する現地ニーズの収集の方法、被災状況を想定した図上訓練など、実践的な内容の研修を実施しております。
 引き続き、東日本大震災における経験を踏まえ、災害ボランティアコーディネーターの育成に努めてまいります。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、食品の放射能汚染についてでございますが、安全を確認するためには、作付状況や出荷時期が把握できる生産地におきまして、出荷前に検査をすることが最も確実でございます。
 そこで国は、生産状況が把握できる生産地におきまして検査を実施し、暫定規制値を超える農産物などが市場に流通しないよう、出荷制限等の措置を講じるなどの仕組みを構築いたしております。
 都内産の農産物などは、都が計画的に検査を実施いたしますとともに、必要に応じて対象品目を追加いたしております。
 今後とも、食品の放射能測定体制の充実を図りまして、都内における食の安全を確保してまいります。
 次に、放射能に関する情報提供のあり方についてでございますが、都は、都民の不安を解消するため、ホームページにおきまして大気中の放射線量などの最新のデータを公表いたしますとともに、電話相談窓口を設置し、これまでに四千件を超える都民からの問い合わせに対応してまいりました。
 また、今月十一日には、放射性物質と食品の安全性をテーマに食の安全都民フォーラムを開催し、専門家による講演やパネルディスカッションを行いました。
 今後は、さらに都民向けのシンポジウムや学校関係者等への講習会を開催いたしますとともに、ホームページを再構築いたしまして、その時々に都民の関心が高い事項についてデータなどを用いてわかりやすく解説するなど、内容の充実を図ってまいります。
 こうした取り組みによりまして、都民に対して、放射線のリスクの程度や必要な対応に関する情報を提供してまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 二点のご質問でございます。
 まず、CO2削減とエネルギー確保についてでございますが、都は、国に先駆けた地球温暖化対策を展開してまいりましたが、電力危機の克服に向けた措置として、老朽化した火力発電所の再稼働が行われ、CO2排出量の増加が懸念される状況にございます。
 こうした状況を踏まえ、災害時のリスクにも強く、同時にCO2排出量が少ないエネルギーの利用と供給のあり方について検討を進めていくことにしております。
 次に、家庭における分散型電源の確保についてでございますが、家庭においても可能な限り自前の電源を保有することは、電力不足が生活にもたらすリスクを減少させる意味でも、また、社会全体における電力のピークカットに資する意味でも重要でございます。
 このため、今回の緊急対策では、これまでの太陽エネルギー利用機器に加え、家庭向けコージェネレーション機器等も補助の対象とすることで、家庭における多様な電源確保を支援していくことといたしました。

〇議長(和田宗春君) 以上をもって質問は終わりました。

議長(和田宗春君) これより日程に入ります。
 日程第一から第二十四まで、第百七号議案、平成二十三年度東京都一般会計補正予算(第一号)外議案二十一件、専決二件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事佐藤広君。
   〔副知事佐藤広君登壇〕

〇副知事(佐藤広君) ただいま上程になりました二十四議案についてご説明申し上げます。
 初めに、予算案でございます。
 第百七号議案から第百十四号議案までの八議案は、一般会計外七会計の補正予算案でございます。
 東日本大震災に対して、首都東京として直ちになすべきことを取りまとめた東京緊急対策二〇一一のうち、緊急に予算を要するものでございまして、八会計合わせて千三百七十四億円の補正を行うものでございます。
 第百十五号議案から百十九号議案まで及び第百二十八号議案の六議案は条例案でございまして、すべて一部を改正する条例でございます。
 第百十六号議案、東京都都税条例の一部を改正する条例は、東日本大震災に対応するための地方税法の一部改正に伴い、不動産取得税の特例措置を講ずるとともに、軽油引取税のトリガー条項の適用を停止するものなどでございます。
 第百十七号議案、都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例は、学校医等の介護補償の補償限度額を改定する等の規定整備を行うものなどでございます。
 第百十八号議案、東京都高等学校等生徒修学支援基金条例の一部を改正する条例は、国の補正予算を踏まえ、被災した生徒等への就学支援を行うため、基金の設置目的を改正するものでございます。
 第百二十八号議案、旅券法関係手数料条例の一部を改正する条例は、国の旅券特例法の施行に合わせて、特例法に基づく震災特例旅券の発給手数料を免除するものでございます。
 このほか、法令の改正に伴い規定を整備するものが二件ございます。
 次に、第百二十号議案から第百二十四号議案までの五議案は契約案でございます。
 第百二十号議案、警視庁航空隊江東飛行センター(二十三)改築工事など、契約金額の総額は約六十八億円でございます。
 第百二十五号議案から第百二十七号議案までの三議案は事件案でございます。
 第百二十五号議案は、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの定款を変更するものでございます。
 第百二十六号議案は、留置施設内に危険物などが持ち込まれないよう、エックス線検査装置を買い入れるものでございます。
 第百二十七号議案は、防災通信システムの老朽化した機器類を更新するため、複合多重化装置などを買い入れるものでございます。
 次に、専決でございます。
 東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例及び都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例は、施行までの間に議会を招集する時間的余裕がないと認め、専決処分を行ったものでございます。
 上程になりました二十四議案の説明は以上でございますが、このほかに人事案を送付いたしております。
 まず、東京都副知事の選任について申し上げます。
 六月二十七日に任期満了となります猪瀬直樹氏につきましては、再任いたしたいと存じます。
 次に、東京都教育委員会委員でございます。
 三月十日に退任いたしました高坂節三氏の後任には、川淵三郎氏を任命いたしたいと存じます。
 次に、東京都公安委員会委員でございます。
 七月二十三日に任期満了となります児玉公男氏は、再任いたしたいと存じます。同じく七月二十三日に任期満了となります鴨下重彦氏の後任には、高本眞一氏を任命いたしたいと存じます。
 次に、東京都人事委員会委員でございます。
 七月二十三日に任期満了となります関谷保夫氏につきましては、再任いたしたいと存じます。
 次に、東京都固定資産評価員でございます。
 七月三十一日に退任いたします影嶋利邦氏の後任には、熊澤光司氏を選任いたしたいと存じます。
 最後に、東京都固定資産評価審査委員会委員でございます。
 七月三十一日に退任いたします橋本都子氏の後任には、橋本彼路子氏を選任いたしたいと存じます。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
(議案の部参照)

〇議長(和田宗春君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 なお、本案中、日程第二十三については、教育委員会の意見をご参考までに照会しておきました。
 議事部長をして報告いたさせます。

〇議事部長(鈴木省五君) 知事が専決処分するに当たり、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第五十五条第四項の規定の趣旨に従い、意見を求めた際の教育委員会の回答は、東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例について異議はないとの意見であります。

二三教総総第三九四号
平成二十三年六月十四日
東京都教育委員会委員長 木村  孟
 東京都議会議長 和田 宗春殿
「都道府県教育委員会の権限に属する事務の一部を、市町村が処理することとする条例」に対する教育委員会の意見について(回答)
 平成二十三年六月十日付二三議事第七一号で照会のありました条例の専決処分につきましては、別紙一のとおり東京都知事から照会があり、別紙二のとおり回答しております。

別紙一
二三総総文第七四号
平成二十三年四月十二日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都教育委員会委員長 木村  孟殿
東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例の専決処分に係る意見聴取について(照会)
 このことについて地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百七十九条第一項の規定に基づき、別紙条例案のとおり専決処分いたしたいので、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第五十五条第四項の規定の主旨に従い、貴委員会の意見を求めます。

別紙二
二三教総総第六七号
平成二十三年四月十二日
東京都教育委員会委員長 木村  孟
 東京都知事 石原慎太郎殿
東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例の専決処分に係る意見聴取について(回答)
 平成二十三年四月十二日付二三総総文第七四号で照会があった専決処分に係る教育委員会の意見は左記のとおりです。
       記
一 条例案
東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
二 意見
一について、異議ありません。

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
 ただいま議題となっております日程第一から第二十四までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第二十四までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。
(別冊参照)

〇議長(和田宗春君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一、東京都副知事の選任の同意についてを議題といたします。
   〔鈴木議事部長朗読〕
一、東京都副知事の選任の同意について一件

二三財主議第一三三号
平成二十三年六月十七日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 和田 宗春殿
東京都副知事の選任の同意について(依頼)
 東京都副知事に左記の者を選任したいので、地方自治法第百六十二条の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     猪瀬 直樹

      略歴
猪瀬 直樹
昭和二十一年十一月二十日生
昭和四十五年 三月 信州大学人文学部卒業
昭和 五十年 三月 明治大学大学院政治経済学研究科修士課程修了
平成 十二年 九月 税制調査会委員
平成 十三年 四月 東京大学大学院人文社会系研究科客員教授
平成 十八年 十月 東京工業大学世界文明センター特任教授
平成 十九年 四月 地方分権改革推進委員会委員
平成 十九年 六月 東京都副知事

〇議長(和田宗春君) 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、知事の選任に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(和田宗春君) 起立多数と認めます。よって、本件は、知事の選任に同意することに決定いたしました。

〇議長(和田宗春君) 追加日程第二、東京都教育委員会委員の任命の同意についてを議題といたします。
   〔鈴木議事部長朗読〕
一、東京都教育委員会委員の任命の同意について一件

二三財主議第一三四号
平成二十三年六月十七日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 和田 宗春殿
東京都教育委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都教育委員会委員高坂節三が辞任したため、後任として左記の者を任命したいので、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     川淵 三郎

      略歴
現住所 千葉県千葉市
川淵 三郎
昭和十一年十二月三日生(七十四歳)
昭和三十六年 三月 早稲田大学第二商学部卒業
昭和三十六年 四月 古河電気工業株式会社入社
昭和四十七年 四月 古河電工サッカー部監督
昭和五十五年 六月 ロサンゼルスオリンピック強化部長
昭和五十五年十一月 ロサンゼルスオリンピック日本代表チーム監督
昭和六十三年 十月 財団法人日本サッカー協会理事
平成  三年十一月 社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)チェアマン(理事長)
平成  六年 五月 財団法人日本サッカー協会副会長
平成  六年 六月 二〇〇二年ワールドカップ日本招致委員会実行副委員長
平成  八年 七月 二〇〇二年ワールドカップ開催準備委員会実行副委員長
平成  九年十二月 財団法人二〇〇二年FIFAワールドカップ日本組織委員会理事
平成 十二年 六月 財団法人二〇〇二年FIFAワールドカップ日本組織委員会副会長
平成 十四年 七月 財団法人日本サッカー協会キャプテン(会長)
平成 二十年 七月 財団法人日本サッカー協会名誉会長
平成 二十年 九月 日本サッカーミュージアム館長
現在        財団法人日本サッカー協会名誉会長
          日本サッカーミュージアム館長

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
 本件は、知事の任命に同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、知事の任命に同意することに決定いたしました。

〇議長(和田宗春君) 追加日程第三及び第四、東京都公安委員会委員の任命の同意について二件を一括議題といたします。
   〔鈴木議事部長朗読〕
一、東京都公安委員会委員の任命の同意について二件

二三財主議第一三五号
平成二十三年六月十七日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 和田 宗春殿
東京都公安委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十三年七月二十三日任期満了となるため、再び任命したいので、警察法第三十九条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     児玉 公男

      略歴
現住所 東京都新宿区
児玉 公男
昭和十二年一月二十四日生(七十四歳)
昭和三十五年 十月 司法試験合格
昭和三十六年 三月 東京大学法学部卒業
昭和三十八年 三月 司法修習終了
昭和三十八年 四月 弁護士登録(第一東京弁護士会)
昭和五十二年 四月 第一東京弁護士会副会長
昭和五十六年 八月 建設省中央建設工事紛争審査会委員
昭和五十九年 四月 日本弁護士連合会常務理事
昭和 六十年 五月 第一東京弁護士会人権擁護委員会委員長
平成  二年 五月 日本弁護士連合会編集委員会委員長
平成  四年 六月 日本弁護士連合会財務委員会委員長
平成  七年 四月 第一東京弁護士会会長
平成  七年 四月 日本弁護士連合会副会長
平成  七年 四月 国有財産関東地方審議会(大蔵省)委員
平成  九年 七月 日本弁護士連合会犯罪被害回復制度等検討協議会座長
平成  十年 四月 財団法人公庫住宅融資保証協会理事
平成  十年 七月 住宅・都市整備公団法律顧問
平成 十一年 十月 都市基盤整備公団監事
平成 十二年 二月 社団法人被害者支援都民センター理事
平成 十三年 六月 日本弁護士連合会憲法委員会委員長
平成 十四年 五月 日本弁護士連合会弁護士推薦委員会委員長
平成 十四年 六月 日本弁護士連合会犯罪被害者支援委員会委員長
平成 十六年 七月 独立行政法人都市再生機構法律顧問
平成 十七年 九月 最高裁判所司法修習生考試委員会委員
平成 二十年 七月 東京都公安委員会委員
現在        弁護士

二三財主議第一三六号
平成二十三年六月十七日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 和田 宗春殿
東京都公安委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都公安委員会委員鴨下重彦は平成二十三年七月二十三日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、警察法第三十九条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     高本 眞一

      略歴
現住所 東京都文京区
高本 眞一
昭和二十二年一月十九日生(六十四歳)
昭和四十八年 三月 東京大学医学部医学科卒業
昭和四十八年 四月 社会福祉法人三井記念病院外科医員
昭和五十三年 七月 ハーバード大学医学部・マサチュセッツ総合病院外科研究員
昭和五十五年 二月 埼玉医科大学第一外科講師
昭和六十二年 九月 公立昭和病院心臓血管外科主任医長
平成  五年 二月 国立循環器病センター第二病棟部長
平成  七年 七月 国立循環器病センター心臓血管外科部門主任兼務
平成  九年 六月 東京大学医学部胸部外科教授
平成  十年 四月 東京大学大学院医学研究科臓器病態外科学心臓外科・呼吸器外科教授
平成 十一年 四月 アジア心臓血管外科学会常務理事
平成 十二年 四月 東京大学医学部教務委員長
平成 十八年 四月 日本心臓血管外科学会理事長
平成 十八年 十月 第五十九回日本胸部外科学会学術集会会長
平成 二十年 四月 日本循環器学会理事
平成 二十年 九月 第五十六回日本心臓病学会学術集会会長
平成二十一年 四月 社会福祉法人三井記念病院院長
平成二十一年 十月 ヨーロッパ心臓胸部外科学会理事
現在        社会福祉法人三井記念病院院長

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
 本件は、いずれも知事の任命に同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の任命に同意することに決定いたしました。

〇議長(和田宗春君) 追加日程第五、東京都人事委員会委員の選任の同意についてを議題といたします。
   〔鈴木議事部長朗読〕
一、東京都人事委員会委員の選任の同意について一件

二三財主議第一三七号
平成二十三年六月十七日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 和田 宗春殿
東京都人事委員会委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十三年七月二十三日任期満了となるため、再び選任したいので、地方公務員法第九条の二第二項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     関谷 保夫

      略歴
現住所 千葉県八千代市
関谷 保夫
昭和二十二年十二月十四日生(六十三歳)
昭和四十六年 三月 横浜国立大学経済学部卒業
昭和四十七年 四月 東京都入都
昭和六十一年 四月 江戸川高等職業技術専門校庶務課長
昭和六十二年 六月 港湾局副主幹・東京港埠頭公社派遣・
平成  元年 八月 教育庁副主幹
平成  三年 四月 財務局主計部予算第三課長
平成  五年 七月 総務局人事部調査課長(統括課長)
平成  七年 六月 神経病院事務局長
平成  九年 四月 港湾局参事(団体調整担当)
平成  十年 七月 教育庁都立高校改革推進担当部長
平成 十一年 六月 政策報道室計画部長
平成 十三年 四月 知事本部特命担当部長
平成 十三年 七月 住宅局総務部長
平成 十四年 七月 住宅局理事・東京都住宅供給公社派遣・
平成 十六年 七月 産業労働局長
平成 十七年 七月 東京都副知事
平成 十九年 六月 株式会社東京臨海ホールディングス代表取締役社長
平成 十九年 七月 東京都人事委員会委員
平成 二十年 十月 東京地下鉄株式会社代表取締役副社長
平成二十一年十一月 東京都人事委員会委員長
現在        東京地下鉄株式会社代表取締役副社長

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
 本件は、知事の選任に同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、知事の選任に同意することに決定いたしました。

〇議長(和田宗春君) 追加日程第六、東京都固定資産評価員の選任の同意についてを議題といたします。
   〔鈴木議事部長朗読〕
一、東京都固定資産評価員の選任の同意について一件

二三財主議第一三八号
平成二十三年六月十七日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 和田 宗春殿
東京都固定資産評価員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、東京都固定資産評価員影嶋利邦が辞任するため、後任として左記の者を選任したいので、地方税法第四百四条第二項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     熊澤 光司

      略歴
現住所 神奈川県茅ヶ崎市
熊澤 光司
昭和十八年十二月二十八日生(六十七歳)
昭和四十三年 三月 早稲田大学第一法学部卒業
昭和四十三年 四月 財団法人日本不動産研究所入所
昭和四十七年 三月 不動産鑑定士登録
平成  六年 七月 地価公示東京都区部第二分科会幹事
平成  七年 四月 地価調査東京都区部第二分科会幹事
平成  七年十一月 東京都財産価格審議会委員
平成 十一年 三月 社団法人東京都不動産鑑定士協会副会長
平成 十二年 三月 社団法人全国市街地再開発協会債務保証審査会委員
平成 十三年 九月 年金資金運用基金保養基地資産処分検討委員会委員
平成 十四年 四月 東京都収用委員会委員
現在        不動産鑑定士

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
 本件は、知事の選任に同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、知事の選任に同意することに決定いたしました。

〇議長(和田宗春君) 追加日程第七、東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意についてを議題といたします。
   〔鈴木議事部長朗読〕
一、東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について一件

二三財主議第一三九号
平成二十三年六月十七日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 和田 宗春殿
東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、東京都固定資産評価審査委員会委員橋本都子が辞任するため、後任として左記の者を選任したいので、地方税法第四百二十三条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     橋本彼路子

      略歴
現住所 東京都品川区
橋本彼路子
昭和三十六年八月二十九日生(四十九歳)
昭和五十九年 三月 日本女子大学家政学部住居学科卒業
昭和五十九年 四月 清水建設株式会社入社
昭和六十二年 一月 一級建築士免許取得
平成  元年 三月 東京工業大学大学院理工学研究科建築学専攻修士課程修了
平成  元年 十月 株式会社ラファエル・ヴィニオリ建築士事務所入社
平成  五年 四月 一級建築士事務所スタジオ三設立
平成 十五年 四月 関東学院大学人間環境学部人間環境デザイン学科非常勤講師
平成 十六年 四月 日本女子大学家政学部住居学科非常勤講師
平成 十九年 三月 日本大学大学院理工学研究科博士課程後期修了
現在        一級建築士
          一級建築士事務所スタジオ三経営

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
 本件は、知事の選任に同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、知事の選任に同意することに決定いたしました

〇議長(和田宗春君) 追加日程第八、議員提出議案第四号、東京都省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保に関する条例を議題といたします。
 案文は、お手元に配布してあります。
(議案の部参照)

〇七十四番(伊藤まさき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第四号については、趣旨説明を省略し、環境・建設委員会に付託されることを望みます。

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第四号は、趣旨説明を省略し、環境・建設委員会に付託することに決定いたしました。

〇議長(和田宗春君) 請願及び陳情の付託について申し上げます。
 受理いたしました請願五件及び陳情十件は、お手元に配布の請願・陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
(別冊参照)

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
 明二十五日から三十日まで六日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、明二十五日から三十日まで六日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は七月一日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後八時一分散会


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