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東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会速記録第十四号

平成二十二年十月三日(日曜日)
 第十二委員会室
   午後零時四十五分開議
 出席委員 十五名
委員長花輪ともふみ君
副委員長鈴木あきまさ君
副委員長長橋 桂一君
副委員長増子 博樹君
理事宇田川聡史君
理事上野 和彦君
理事馬場 裕子君
星 ひろ子君
柳ヶ瀬裕文君
田の上いくこ君
岡田眞理子君
伊藤 興一君
西岡真一郎君
清水ひで子君
川井しげお君

 欠席委員 二名

 出席説明員
知事本局市場再整備調査担当部長関  雅広君
中央卸売市場市場長岡田  至君
管理部長塩見 清仁君
事業部長横山  宏君
市場政策担当部長大朏 秀次君
調整担当部長森本 博行君
新市場担当部長野口 一紀君
新市場事業推進担当部長志村 昌孝君
新市場建設調整担当部長臼田  仁君
新市場建設技術担当部長砂川 俊雄君

本日の会議に付した事件
 東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する調査・検討を行う。
副委員長の辞任及び互選
理事の互選
小委員会委員の辞任等について
 「築地現在地再整備計画に向けての検討事項案」及び豊洲新市場の施設計画について等(質疑・意見開陳等)

○花輪委員長 ただいまから東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会を開会いたします。
 初めに、委員の辞任及び選任について申し上げます。
 議長から、去る九月九日付をもって、三宅茂樹委員の辞任を許可し、新たに川井しげお委員を選任した旨通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の委員を紹介いたします。
 川井しげお委員です。

○川井委員 どうぞよろしくお願いします。

○花輪委員長 紹介は終わりました。

○花輪委員長 次に、野島善司副委員長から、十月一日付で、副委員長を辞任したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件は、申し出のとおり辞任を許可することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○花輪委員長 異議なしと認めます。よって、申し出のとおり、野島善司副委員長の辞任は許可されました。

○花輪委員長 次に、野島善司副委員長の辞任に伴い、副委員長一名が欠員となりましたので、これより副委員長の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○柳ヶ瀬委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○花輪委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○花輪委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には鈴木あきまさ理事をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○花輪委員長 異議なしと認めます。副委員長には鈴木あきまさ理事が当選されました。
 鈴木副委員長から就任のごあいさつがあります。

○鈴木副委員長 ただいまご指名いただきました鈴木あきまさでございます。
 花輪委員長を補佐いたしまして、この委員会の重責を十分認識して、しっかりと務めさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○花輪委員長 次に、鈴木あきまさ理事の副委員長就任に伴い、理事一名が欠員となりましたので、これより理事の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○柳ヶ瀬委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○花輪委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○花輪委員長 異議なしと認めます。よって、理事には宇田川聡史委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○花輪委員長 異議なしと認めます。よって、理事には宇田川聡史委員が当選をされました。

○花輪委員長 次に、議席について申し上げます。
 議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたします。ご了承願います。

○花輪委員長 次に、小委員会の委員の辞任について申し上げます。
 東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会小委員会委員の高木委員より、十月一日付で、小委員会委員を辞任したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件は、申し出のとおり辞任を許可することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○花輪委員長 異議なしと認めます。よって、申し出のとおり高木委員の辞任は許可されました。
 次に、高木委員の小委員会委員の辞任に伴い、小委員会委員一名が欠員となりましたので、東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会小委員会運営要領に基づき、委員長から、宇田川聡史理事を小委員会委員にご指名いたします。ご了承願います。
 この際、議事の都合により暫時休憩いたします。
   午後零時四十九分休憩

   午後二時三十分開議

○花輪委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十七名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○花輪委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○花輪委員長 初めに、本日の委員会に出席する議会局の調査部長の森山寛司君を紹介いたします。

○森山議会局調査部長 議会局調査部長の森山寛司でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○花輪委員長 あいさつは終わりました。

○花輪委員長 これより東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する事項について調査検討を行います。
 初めに、東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会小委員会の報告について申し上げます。
 小委員会より調査報告書が提出されました。
 報告書はお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

報告書は本号末尾に掲載(別紙・別冊省略)〕

○花輪委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、築地現在地再整備計画に向けての検討事項案及び豊洲新市場の施設計画についてに対する質疑並びに意見開陳を行います。
 これより築地現在地再整備計画に向けての検討事項案及び豊洲新市場の施設計画についてに対する質疑を行います。
 発言を願います。

○岡田委員 豊洲市場の物流上の課題について、まずお伺いいたします。
 豊洲案を説明する際には、よく物流の効率化とか合理化といったねらいが強調されます。ところが、先日の参考人からは豊洲案の機能面での課題が多く指摘されました。豊洲案は確かに敷地は広いのですが、広いということと効率は必ずしも一致しません。むしろ、搬送やピッキングにおいては、むだに広い敷地はコスト高につながるという指摘もあります。
 そこで、豊洲案は本当に効率化や合理化がなされているのか検証いたします。
 まずこの図をごらんください。トラックが荷を積んで七街区の水産卸棟にやってきました。積み荷は積みかえ品や競り品、相対品が混載されています。さて、このトラックは、一階の卸売り場のバースに着けばよいのか、二階の荷さばき場に着けばよいのか、三階の転配送センターに着けばよいのか、果たして何階に着けばよいのかわかりません。どうすればよいのでしょうか、教えてください。

○志村中央卸売市場新市場事業推進担当部長 築地市場の物流の現状を見ますと、産地から搬入される荷は、築地市場で取引されるものと他市場へ転送されるものとに大別されてございます。基本的に築地市場で取引されるものについては、大口取引、小口取引を問わず同じトラックで搬入されてございます。また、他市場への転送品も、築地で取引されるものと他市場に向けたものが混載で運び込まれているという実態がございます。
 こういう搬入実態を踏まえまして、豊洲新市場の施設計画では、大口荷さばき場を七街区三階に、転配送センターを同じく四階に配置し、主に豊洲新市場で取引される荷を積載したトラックは、一階の卸売り場もしくは三階の大口荷さばき場に着車して搬入し、他市場への転載品を積載したトラックは、四階の転配送センターに着車して搬入することとして計画してございます。
 産地からのトラックが、七街区のただいま申しましたような予定した場所に着車できるようにするための方策といたしまして、トラックの出荷情報をあらかじめ取得し、この事前情報をもとに、車両誘導システムなどの情報システムを構築することにより、円滑な搬入を実現することなどが考えられます。
 都はこれまで、卸あるいは仲卸、それから場内の運送会社の団体、それから小揚げ会社といった市場業者との間で場内物流検討会を開催いたしまして、こういった場内物流の効率化に向けた取り組みについて検討してまいったところでございます。
 今後とも、ただいま申しました荷の搬入方法とか物流の効率化に向けまして、業界の方々と協議し、検討してまいりたいと思っております。

○岡田委員 車両誘導システムによって円滑な搬入ができるようにされるとのことです。ぜひ混乱のないように検討して、これから物流検討会ですか、そこで検討していっていただきたいと思います。
 次に、このトラックは二階の荷さばき場のバースに着いたとします。混載されたすべての荷物をおろしたとします。これらの荷を三階の転配送センターに上げたり、あるいは一階の卸売り場におろしたりするのは、一体だれがその上下搬送をするのでしょうか、お教えください。

○志村中央卸売市場新市場事業推進担当部長 垂直搬送機の荷の上下搬送の担い手ということでございますが、現在の築地市場におけます市場業者を前提として考えれば、産地から荷を運んできました運送業者あるいは小揚げ業者といったものが想定されますが、現時点では具体的には決まってございません。
 東京都は、平成十六年七月に策定いたしました豊洲新市場基本計画及び平成十七年九月に策定いたしました豊洲新市場実施計画のまとめにおきまして、荷の搬入から搬出までを一貫したものとしてとらえ、卸、仲卸業者などの市場業者の荷役分担の垣根をなくし、荷役の共同化を図るなど再構築することで場内物流の効率化を目指すと、こういうふうにしてございます。
 これを受けまして、先ほど申しましたが、場内の市場業者で構成いたします場内物流検討会をこれまで開催し、買い出し人の荷の一時保管も含めた共同荷役の構築等について提案し、検討してきたところでございます。
 今後とも、こうした市場関係業者との協議を深め、お話の垂直搬送機の担い手も含めました場内荷役のあり方を構築してまいります。

○岡田委員 まだ確定されていないということで、現在、築地で小揚げや横持ちのそういった搬送に関しては、これから一元化される予定だととらえてよろしいのでしょうか。そのかかる費用について、今後、余計なコスト負担にならないように検討もしていただきたいと要望しておきます。
 次に、仲卸棟から三一五補助線下を通り、二階の相対品を取りに来ました。さて、朝の忙しい時間にターレットがエレベーターの前に集中します。エレベーターに乗れるターレットはせいぜい二台か三台だと思います。そもそも積み荷が載っていれば一台も乗ることができません。仲卸の取引のおよそ八割近くが相対取引となっております。市場内のターレットの数も多くなると思われますが、一体何台のエレベーターでこの状況を処理しようとお考えでしょうか、お教えください。

○志村中央卸売市場新市場事業推進担当部長 お話の七街区の三階の荷置き、荷さばき場におきまして取り扱われる物品の多くは相対品であると想定されます。そして、相対品とは、上場された物品のうち競り品以外のものをいいます。
 現在の築地市場におきまして、大口向けの相対品は、卸売り場から直接搬出されているという実態がございます。そこで、こうした実態を踏まえまして、豊洲新市場におきましても、相対品のうち大口向けのものにつきましては、三階の荷置き、荷さばき場から直接搬出することを想定してございます。
 そして、この三階における荷の搬出入作業の担い手につきましては、先ほど申しましたところでございますが、場内荷役の共同化など、都はこれまで業界の方々と場内物流検討会を開催して検討し、その中で、場内物流の効率化を目指す観点から、垂直搬送機の担い手も含めた場内荷役のあり方について検討してございます。
 一方で、大口ではなく小口向けの相対品でございますけれども、これは荷物が小さいということで、そのロットまたは荷姿から、荷の搬送についてはターレットを用いた搬送ではなくて、垂直搬送機を用いた搬送を行うことが効率的ではなかろうかと、このように考えております。
 このように、豊洲新市場における荷の搬送形態を想定する場合には、必ずしもターレットがエレベーターに集中して荷がさばき切れないといったような事態は、想定してございません。ただし、垂直搬送機とエレベーターの設置台数あるいは設置場所、こういったものにつきましては、効率的な場内物流が実現できますよう、今後とも業界の方々、特に仲卸業者の方々の意見を取り入れつつ協議を行い、確定してまいりたいと思っております。

○岡田委員 一どきに五百台ぐらいのターレットが上下できるようでないと仕事にならないと業者の方々からは伺っております。これから検討がされるようですけれども、ぜひ混乱のないような物流動線、動けるように、検討を重ねていっていただきたいと思います。
 次に、物流動線の距離の問題です。ごらんのとおり、仲卸棟と卸棟は三一五補助線で分断され、仲卸が競り場に行くには八十メートルのトンネルをくぐって行かなければなりません。距離があり、さらには卸が多層化しているために、仲卸さんからは入荷の様子が全くわかりません。この見えないことについて大きな不安を抱えている業界があることが、さきの参考人招致でわかりました。
 九月二十六日の小委員会における参考人招致で次のような発言がありました。市場が別々になっちゃうということで、産地から量販店向けの品物が全部そろってそちらの方に行っちゃうのではないか、いわゆる欲しいサイズ、欲しい価格のものはほとんど量販店向けで産地から選別されて行くのではないかなと、これは定かではありませんけども、私の想像ではそういうふうに思っております、これは買出人連合会会長の大武さんのご発言ですが、全く同じような指摘を仲卸の酒井さんもされていました。豊洲では、我々は残り物を扱う処理係になってしまう。築地で働いていると、卸と仲卸が隣接し、きょうはどんなものがどれぐらい入って、どのような動きをしているかは働いているとわかります。しかし豊洲の二階は全くわからない。つまり、我々が現在頼っている感覚といいますか、当たりがつかないと思うのです。
 大武さんは買い出し人としての立場から、別々の場所で取引がなされると、いい物がみんな量販店に持っていかれてしまうと心配されています。一方、酒井さんも、仲卸の見えない場所で取引が行われると、仲卸は量販店の売れ残り品を扱う残品処理係となってしまうと心配をされています。
 買い出し人と仲卸の共通点は差益商売、つまり、細かい売り買いをなりわいにされている小規模な事業者だということです。荷受けはむしろ大きく荷を動かすことでもうける手数料商売です。
 また、酒井さんは、店舗と競り場を日に何十回も往復するといっていますし、競り場でお客さんと直接大量の品物をやりとりするともいっています。つまり、競り場は仲卸のバックヤードの機能もあるということです。入荷状況が見えないことで商売で負けてしまう、その上、多層で遠いことから余計なコストがかかってしまう。小規模事業者にとって売り上げ増加につながらない固定費増は資金繰りに直結します。これでは二重苦です。
 さらに、築地ではこれまで、同一フロアで品物が見えることで初めて成立してきた商売もたくさんあるそうです。そういったことから、卸の多層化と三一五補助線による分断は、私たちが思っている以上に、小規模事業者にとって大きな問題だと考えますが、予測されるデメリットをどう考えられるのか、お教えください。

○志村中央卸売市場新市場事業推進担当部長 豊洲新市場におきましては、流通環境の変化に対応するため、温度管理が徹底できる閉鎖型施設とし、また、物流の効率化のための待機駐車場とバースを一体的に配置することとするほか、大口荷さばき場や加工パッケージ施設、転配送センターなど、新たな需要にもこたえられる施設もあわせて配置することとしてございます。
 このうち、青果部については五街区に配置することとしましたが、水産物部につきましては、同一街区での一体的な配置ができないことから、六街区に仲卸売り場、七街区に卸売り場をそれぞれ配置することといたしました。
 その上で、卸売り場と仲卸売り場との一体性、連続性が損なわれないよう、補助三一五号線を高架化し、その下に四本の連絡通路を設け、円滑な往来が可能な物流動線を確保してございます。
 この連絡通路は、幅員十八メートル及び二十四メートルがそれぞれ一カ所、幅員三十六メートルが二カ所で、卸売り場と仲卸売り場を直線でほぼ水平に結んでございまして、四十台のターレットが同時に通行可能となってございます。また、これらの通路は、一分間に八十台のターレットが通行可能であり、新市場での卸と仲卸との間の物流量をもとに試算したピーク時間帯に通路を通るターレットの数が一分間当たり三十五台と見込まれることから、物流上十分と考えてございます。
 なお、この通路は歩行者と搬送車両を分離することから、物流動線がふくそうする築地市場に比べて、スムーズな荷の搬送が可能と考えております。
 したがいまして、お話のような分断されているといったようなデメリットはないものではないかと考えております。

○岡田委員 円滑な往来を確保しているとおっしゃいますけれども、時間との勝負で一どきにターレットや車が動くその現実を考えますと、一体性や連続性が保たれていることが問題なのではありません。離れているという分断された距離があることから、物が見えない、コストがかかる、商売で負けてしまう、そのことをいっているのです。その点がお答えいただけないようですので、次に移ります。
 次に、買い回りについてお伺いいたします。
 豊洲新市場では、水産と青果が離れているために、買い回りには移動時間がプラスされるだけではなく、買い物を終えるまでの時間がおよそ二倍になることが予想されます。
 例えば、水産棟で買い物を終えても、買った荷物が車に届くか、もしくはバースに呼び出されて積み込むまでは、青果棟に移動することができません。その間は単なる待ち時間になります。同じことを青果でも繰り返すことになりますから、結果、買い物の時間は二倍近くかかり、その上、水産から青果への移動時間を加えた時間が必要となります。これが同じ建物内に水産も青果もあれば車を駐車している場所は一カ所で済みますから、車に荷物が来る間、待つことなく青果の買い物を済ませることができます。
 このような買い回りの不便さを業界の方々はとても心配されておりますけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。

○志村中央卸売市場新市場事業推進担当部長 卸売市場内におきます商品の購入、いわゆる買い回りでございますが、市場利用者の利便性向上という観点から、施設配置における重要な要素であると考えてございます。
 都はこれまで、市場業者との間で場内物流検討会を開催し、その中で、豊洲新市場における場内の買い回りの利便性の確保につきまして検討してございます。この中で検討された買い回り方法としましては、六街区に配置している荷さばき場に買い荷保管の機能を持たせることとして、そこに買い回り品を集め、バースから決められた時間に搬出することとしてございます。
 したがって、お話しのように、買った荷物が届くまで待つなどといったように時間を要するということは、必ずしも当てはまらないのではないかと考えてございます。
 また、こうした方策に加えまして、豊洲新市場では三街区にわたって施設配置をしている関係から、施設計画におきましても買い回りに配慮したものとしてございます。具体的には、徒歩で買い回る買い出し人が街区間を行き来しやすいように、「ゆりかもめ」の市場前駅と各街区を結ぶ歩行者用通路を設置することとしてございます。
 このように、豊洲新市場の整備を進めるに当たっては、買い回りに配慮した施設配置や運用を行うこととしてございますが、この買い回りについては、業界団体からも十分に考慮するようにという要望を受けてございます。こうしたことから、都としては引き続き業界とも十分に調整を続け、さらなる買い回りの向上に向けた検討を行い、市場利用者の利便性の向上に努めてまいります。

○岡田委員 今の回答を伺っていましても、豊洲市場が買い回りが悪いということは明らかであると確認をいたしました。やはり業者の方々が買い回りしやすいような状況をこれからしっかりと検討していっていただきたいと思います。
 次に、豊洲市場のコンセプトにかかわることをお聞きします。
 豊洲では、大きな物流を扱う量販店相手には使い勝手のよい市場となっていますが、一方で水産の仲卸業者にとってはどうもそうではないようです。豊洲の特徴としてよく挙げられる広さや道路網、荷さばき機能といった点は、卸や買参人の方たちにとっては利点であっても、仲卸や買い出し人にとってはそうではないようです。むしろ、築地を去ることによって失われてしまう立地の集客力や利便性、ブランド力といったことの方が大切だという方がたくさんいます。
 これは、大きく荷物をさばき流通させることで利益を稼ぐ卸と、物を売ることで利益を稼ぐ仲卸と小売の商売の違いによります。物を売るということにおいては築地の方が断然有利です。豊洲では築地ほどに売り上げが見込めない上に、さらに施設内の物流効率が著しく悪化します。これでは小規模な仲卸さんが生き残っていくことは大変厳しくなるのではないでしょうか。
 仲卸さんの酒井さんの言葉をかりれば、中央卸売市場が存在する意義の最大の価値は評価機能であると述べられています。卸と仲卸が対峙した関係において初めて適正な価格が決定されます。そういった公設市場として最も大事な機能を担う仲卸さんが次のようにもおっしゃっています。豊洲では、到底評価をして適正価格を出す機能を担うことができない。恐らく卸の仲卸化、仲卸の卸の下請化が進むでしょう。
 仲卸の目ききの力を生かして品物を適正に評価するという機能が、本来の公設市場の役割上必須だと考えますが、豊洲案のレイアウトがそういった役割に対してどのような配慮がなされているのでしょうか、お伺いいたします。

○志村中央卸売市場新市場事業推進担当部長 お話しのように、仲卸業者など市場業者の目ききの力を生かして品物を適正に評価するという評価機能は、卸売市場の重要な機能と考えてございます。
 卸売市場における取引におきまして、卸売業者と仲卸業者が重要な役割を果たしてございます。仲卸業者は、取扱物品に対して妥当な評価を行うプロフェッショナルな方々でございますが、そのような目ききの力が発揮されるためには、対象となる品物の入荷状況等の情報について、仲卸業者等の市場業者が十分に把握できるようにすることが必要と考えてございます。
 このため、卸売業者と開設者は、中央卸売条例の規定に基づき、当日入荷する主要な品目ごとの数量と産地の公表を行ってございます。また、こうした公平、公正な取引が行われるためには、施設管理者である都による取引指導が実施されるとともに、取引業務委員会等による適正な監視なども必要であり、これらによりその実効性を高めることができるものと考えております。
 このような市場関係業者による協力が相まって、品物を適正に評価するといった市場における評価機能が適切に発揮されると考えており、豊洲新市場においても、このような適正取引が行われるよう、市場業者とも連携し、実現してまいります。

○岡田委員 これからいろいろな検討がなされていくのだと思いますけれども、市場のブランド力は仲卸という目ききがつくるものだとのご意見も出ていました。市場における評価機能に重きを置くことが重要だと思います。
 次に、豊洲新市場の方がA-2案に比べても市場機能として劣っているのではないかと指摘してきましたが、現在の豊洲移転案は、まちづくりという視点からも配慮が欠けているのではないでしょうか。
 例えば、東京都が築地市場の移転を決めるまでは、豊洲地区は、平成二年六月に策定された豊洲・晴海整備計画に基づいてまちづくりが進む予定でした。しかし、その後、市場移転を前提として平成十四年九月に豊洲・晴海整備計画が改定されましたが、移転跡地である築地地区のまちづくりについては、ビジョンも計画も示せていません。
 地元中央区は、築地市場の移転に反対の立場ですが、万が一、移転が強行された場合のことを想定し、平成十六年十二月に、築地市場地区の活気とにぎわいビジョン、世界に誇れる都心のさらなる発展に向けてを発表しています。築地を継承する鮮魚マーケットの新設と書かれた部分では、場外市場に近接して、プロが利用できる鮮魚マーケットを整備するとし、小口買い出し人をターゲットとした鮮魚マーケット、場外市場と一体となった配送システムなどを打ち出しています。しかし、こうした中央区の要請に、当時の東京都はほとんど門前払いの対応であったと聞いています。
 そこで、中央区の出していたビジョンについて東京都はどのように扱ったのか、また、築地市場の移転問題で東京都と中央区との協議の場は今後あるのか、伺います。

○野口中央卸売市場新市場担当部長 平成十六年十二月に中央区から、築地市場が豊洲地区に移転した場合を想定した築地市場地区の活気とにぎわいビジョンに関する要望が提出されております。このビジョンの内容は、お話しのありました築地を継承する鮮魚マーケットの新設にとどまらず、新たなまちづくりにかかわる都市計画の明確化、まちづくりと連動した環状二号線整備と生活環境との調和、豊海町、晴海などの新たな土地利用の推進など多岐にわたっており、築地地区周辺のまちづくり全般に及んでおります。
 都は、平成十八年二月に中央区から提出されました築地市場移転にかかわる質問についての回答の中で、築地市場用地の扱いにつきましては、築地市場用地は豊洲新市場整備にかかわる費用等に充てるために売却すること、跡地利用につきましては、土地特性を十分生かし、都民全体の貴重な財産として東京のまちづくりに貢献するものとなるよう、今後慎重に検討していく旨、回答を行っております。
 その後も、都は中央区及び区議会に対しまして、豊洲新市場予定地における土壌汚染の調査結果や土壌汚染対策工事に関する技術会議報告書及び豊洲新市場整備方針など、豊洲新市場の整備に関して節目節目で必要に応じた情報提供や説明を行ってきております。
 今後も、新市場整備に当たりましては、中央区に対しまして十分な情報提供を行うとともに、緊密な連携を図ってまいります。

○岡田委員 これまでも何度も申し上げておりますが、築地のまちは市場とともに生きてきた、ともにつくり上げてきたまちです。築地市場の移転問題でまちが壊れていかないよう、地元中央区とは十分な協議を続けていってほしいと要望しておきます。
 先ほど卸棟と仲卸棟とが離れていることのデメリットについてお話ししましたが、その点を考慮に入れた上で質問させていただきます。
 私たちが提案した案のうち、特にC案については、転配送や大口向けの商品を築地と切り離すというツインマーケットというコンセプトに基づいています。都議会民主党が行ったアイデア募集の中でも、中央区が示した築地市場地区の活気とにぎわいビジョンの拡大、実行を求めるといったアイデアがあり、中央区案をベースに、さらにこれを拡大させ、プロの買い出し人など小口のもの、付加価値の高いものは築地で取引する一方、スーパーなど大口需要者向けのものは晴海などに移して、そこでトラックに移しかえればいいとの提案もありました。
 ことし三月十五日の予算特別委員会において、石原知事は、豊洲も築地もともにブランドとして並び立つような妙案をみんなで考えればよろしいという答弁をされていますが、ツインマーケットについて東京都は全く考える余地はないのでしょうか、見解を伺います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 市場を築地と晴海に分けることは、狭隘であります築地市場を卸、仲卸という市場の基本機能に特化することが可能となります。また、築地周辺に市場へのアクセスが集中し、新大橋通りや晴海通りを中心に道路が混雑している状況を緩和する効果もございます。
 しかし、ツインマーケットについては、二つの市場間に二次配送が発生するため、どうしても物流コストが高くなること。品ぞろえの豊富さや品質のよさが築地ブランドを形成してまいりましたが、晴海での物流の効率化が進むと築地に行く荷が少なくなり、ブランドの維持に影響を与えかねないこと。晴海地区を恒久的に活用するため地元調整が困難となること。さらに、営業しながらのローンリング工事が避けられないことなどの課題がございます。
 なお、三月十五日の予算特別委員会における知事答弁は、日本橋の魚河岸が築地に移った後も、日本橋のブランドはその生命力を維持し高めてきた歴史があるように、築地ブランドが移転しても廃れることなく、価値を高めるよう知恵を絞るべきとの質問に答えたものでございまして、ツインマーケットについての考えを述べたものではございません。

○岡田委員 石原知事のお話がツインマーケットについての考えを述べたものでないことは、よくわかっておりますけれども、今後、ツインマーケットといった課題も検討していってほしいということを願っております。
 次に、都議会で検討している現在地再整備案に関して、九月二十六日の参考人招致では、市場関係者から意向調査の実施を求める要望が出されました。かつて、平成十年に水産仲卸は意向調査を実施したことがありますが、そもそもこれは、当時、東京都が業界各団体の一致した意思等が確認できる文書の提出を求めたことに端を発しています。
 結果は、水産卸、買参、青果、関連事業者の四団体が移転推進、水産仲卸、買い出し人の二団体が現在地再整備の回答を提出したことは、周知のとおりでございますが、この経過の中で、水産仲卸は、意向調査を実施し、現在地再整備を機関決定したまま今日に至っているのです。
 このような経過を踏まえるのであれば、東京都は、水産仲卸の意向調査の結果を踏まえた機関決定というものを無視して、豊洲移転を強引に進めることは道義上あり得ないものと考えますが、見解を伺います。

○野口中央卸売市場新市場担当部長 平成八年の再整備工事中断後、新たな計画策定の検討が手詰まりとなる中、平成十年四月に市場業界六団体から臨海部への移転の可能性について調査検討を求める要望書が出されましたが、検討すべき課題が多く、調整を要する関係者も多岐にわたることから、移転の可能性を見きわめることは非常に困難な状況にございました。
 このため、最終的に判断するためには、市場業界全体の一致した意思の確認が重要であることから、各団体に文書の提出を求めたわけでございます。しかし、業界団体の意思が一致しなかったことから、都と業界で引き続き再整備の検討を重ねました。
 平成十一年二月から、再整備推進協議会におきまして、水産仲卸組合の案を含む六つの再整備案をさまざまな角度から比較検討いたしましたが、いずれの案も合意が得られず、その後、業界委員からの要望を受け、再整備と移転整備の両方を視野に入れながら協議を進めることとなり、最終的に平成十一年十一月に、現在地再整備は困難であり、移転整備へと方向転換すべきとの意見集約がなされました。
 その後、都では、卸売市場審議会答申を踏まえ、平成十三年十二月の第七次卸売市場整備計画で豊洲地区への移転を決定いたしました。移転決定後も、水産仲卸組合も含めた業界団体と都で構成する新市場建設協議会等を通じて幾度となく協議を重ね、合意形成を図りながら、豊洲新市場の施設計画を取りまとめてきております。
 このように、豊洲地区への移転決定及び新市場の施設計画の策定に当たりましては、業界団体と長年にわたり丁寧に協議を重ね、その意向を踏まえた上で進めてきております。

○岡田委員 市場で働く業界の方々の意向をしっかりと調査した上で、その意向を十分に反映した市場づくりをしていってほしいと強く要望いたします。意向調査が本当に必要であると思われます。
 最後の質問です。
 一方で、平成二十二年度予算の付帯決議の第三項では、知事は、市場事業者それぞれの置かれている状況及び意見などを聴取し、合意形成など新市場整備が直面しているさまざまな状況を打開するための有効な方策を検討すること、としております。
 執行機関では、市場事業者それぞれの置かれている状況及び意見などを聴取する方法、時期、方策などについて、現時点においてどのようなことを考えていらっしゃるのでしょうか。また今後どのようなことが考えられるか、お伺いいたします。

○森本中央卸売市場調整担当部長 都では、市場業者が円滑に新市場での事業継続が図られるよう、実態に即した必要な支援策を検討していくこととしております。このため、本年一月末から九月上旬までの約八カ月間にわたりまして、卸売業者、仲卸業者及び関連事業者の希望者を対象に個別面談を行い、個々の業者の経営の実情や支援に対する要望、ご意見など実態把握に努めてまいりました。
 実績といたしましては、卸売業者、仲卸業者、関連事業者、合わせまして四百三十二業者の方から、顧客の減少などによる厳しい経営の実情や新市場の施設についてのご要望など、さまざまなお話を聞くことができました。
 こうした個別面談でいただきましたご意見、ご要望などを踏まえまして、今年度中に支援の基本的な考え方を提示してまいります。また、面談の結果は、支援の基本的な考え方だけにとどまらず、幅広く新市場の施設整備計画の策定などにも生かし、市場業者の理解を得られるよう取り組んでまいります。
 今後も、より詳細な情報の提供、業界団体との意見交換や個別面談などを適宜実施し、合意形成に向けて市場業者の意見、要望などのきめ細やかな実態把握に努めてまいります。

○岡田委員 引き続いて、そのように市場業者の理解が得られるような形で進めていっていただきたいと思います。
 私たちは、今回豊洲計画案を検討してみて、多くの課題があることを再確認いたしました。改めて築地市場の脈々と続いてきた目ききのブランド力という火を消してはならないと強く思いましたことをお伝えして、私の質問を終わります。

○宇田川委員 よろしくお願いいたします。
 本日、小委員会から再整備の検討に関する膨大な報告書が提出されました。四センチぐらいあるんでしょうか。七月十六日に民主党さんから再整備案が提案されてから二月半、小委員会が日曜日も含め計九回開催されまして、活発な議論が行われたと思います。小委員会の西岡委員長初め各委員の皆さん、議会局の職員の皆さんなど、多くの関係者の努力に改めて敬意を表したいと思います。本当にお疲れさまでございました。
 第一回都議会定例会において二十二年度予算に付帯決議が付されまして、議会において現在地再整備の検討を行うこととなり、本特別委員会に小委員会を設置して調査を行ってきたわけでございますが、築地市場の問題は大変難しい問題だと私も認識をしております。都議会においても、いわゆる移転を推進する立場とこれに反対する立場に分かれ、これまで大変多くの時間をかけて議論をしてきたわけです。
 小委員会の報告書を読ませていただきましたが、そこから一つの結論がおのずと導き出せるものだと私は考えております。その結論を導き出すために、小委員会でも議論されてきたことだとは思うんですが、確認の意味で幾つか質問させていただきたいと思っております。
 まず、現在地再整備案の工期、整備期間についてお伺いをいたします。
 A、B、C、A-2と、それぞれ示されているわけですが、約十二年、約十七年、こういった工期があります。それには含まれていない、工期に影響を及ぼすだろうと想定されている他の要素、晴海の調整だとか、土壌汚染の可能性があるんじゃないかとか、埋蔵文化財があるんじゃないか、こういったさまざまなものが出てきたわけですが、それに要する期間について改めて確認をさせてください。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 今回検討されました四案では、標準的な建設工期として、A案、A-2案では十一年九カ月、B、C案では十七年一カ月とされております。なお、中央区用地を活用した場合には、B、C案は約八カ月短くなり十六年五カ月となります。しかし、この標準的な期間は、諸手続、仮設設置、建設工事の期間を示したものでございます。
 報告書でも記載しましたとおり、業界や晴海地区の地元住民との調整が必要となります。次に、築地・晴海地区でも土壌汚染対策の必要性が予測されます。また、築地地区では埋蔵文化財が出土する可能性が高いものでございます。さらに、ローリング工事の中で予測のつかないおくれが生じる可能性もございます。
 さきの参考人意見におきましても、二十年あるいは二十五年、この中には埋蔵文化財等々の不確定要素という発言もございましたが、このように再整備に長期間を要することにより、さまざまな課題が生じると考えております。

○宇田川委員 今お話しのありました答弁、非常に重要なことです。現在地再整備は技術的には私も可能だと思います。しかし、工期が最低でも二十年以上という大変な長期にわたると、こういうことであります。
 我が党が代表質問でも申し上げましたが、築地市場が現在抱える課題は、危機的な安全性の問題、もう既に七十五年経過して限界に近づいている、こういうことでございますし、加えて、コールドチェーンとかによる品質管理など、産地や顧客ニーズへの対応でありまして、一刻の猶予もない、こう思っているところであります。
 にもかかわらず、その解決が二十年以上先送りされるということですから、今お示しした理由から考えると論外といわざるを得ない、そんな思いもあります。その間に産地から見放され、荷が来なくなったり、結果、買い出し人も来ない、こんなある意味廃れた市場となってしまう、このおそれは本当に我々は危惧しているわけでございます。最近の取扱量は大幅な減少になっているんですが、既にこれが現実のことになりつつあることを示しているのではないか、そんな思いもあります。
 業界、事業者の経営への影響ははかり知れないものだと思っています。このことは、移転派の方、反対をされる皆さん、これを問わず非常に重要なことですから、改めてしっかりと認識をしておかなければならない、私はこう考えております。
 私も傍聴させていただいたんですが、参考人招致の際に、すべての業界団体の代表者の方が、あれほど悲壮感を持って厳しい現実をぜひ理解してくれと我々に訴えていたことが非常に印象に残っています。その願いを力で押し切るようなことは全く理解できないことだと私は思っています。
 現在地再整備案は、解決の見通しもない、全く不透明な課題を、先ほどの話にあったとおり、抱えているのは事実です。いつまでたっても工事の着工すらできない状況になるおそれが強く、開場スケジュールすら描くことができていないのです。
 一つには、業界調整についてだと思います。現在、大方の業界団体は豊洲移転で一致をしておりますが、もし仮にですが、豊洲移転の方針が撤回されて現在地で再整備ということになった場合に、業界との調整はどのようになるのか、現在地再整備でまとまる見通しはあるのか、どうお考えなのか伺います。

○野口中央卸売市場新市場担当部長 築地市場の豊洲地区への移転につきましては、現在、築地市場の業界六団体のうち、水産仲卸業者の組合は移転の可否について意見が分かれておりますが、それ以外の五団体は移転を強く望んでおります。これら五団体は、それぞれ団体として意思決定した上で移転整備の意向を明らかにし、都知事及び都議会に対しまして、これまでに新市場建設計画の推進を求める要望書を提出しており、本年に入りましても、五団体に水産仲卸の有志も加わり結成されました新市場建設推進協議会から移転推進を求める声明が提出されるなど、一致団結して豊洲新市場の一日も早い実現を求め、活動を行っているところでございます。
 先日の特別委員会小委員会における参考人招致において、業界団体の代表からは、現在地再整備について、業界が全部一致してやろうと決議までしたのにかかわらず民の原因でとまった。その教訓を何で生かせられないのか。仮に再整備が決定された場合、新市場建設推進協議会のまとまりはより強固なものになり、断固否定していくと思う。再整備案は受け入れがたい。早急にできる問題でなければ、疲弊して体力がなくなっていくのではないか。仮に再整備に戻ったら、一言でいえば悪夢である。また二十数年前に戻って繰り返す気はとてもないといったように、否定的な発言が相次ぎました。
 このように、市場業界団体の多くは、過去に真摯に取り組んだ現在地再整備がとんざしたのを目の当たりにし、市場の将来を考え、移転整備を強く望んでいることから、現在地再整備案につきまして、調整はおろか検討の協力も得られないものと考えられ、まとまる見通しを立てることは極めて困難でございます。

○宇田川委員 今、業界参考人の意見を中心に詳細なる答弁をいただき、ありがとうございました。業界団体は、過去の現在地再整備の失敗を教訓として豊洲移転を決断しており……
   〔発言する者あり〕

○花輪委員長 ご静粛に願います。

○宇田川委員 我々議会人が再整備の検討をしていること自体に対して疑念や不信、不快感を持ってしまった。この現実を見れば、現在地再整備の方向で大方の業界がまとまる見通しは何年かかるかわからない。何年たっても無理なんじゃないかな、そう思わざるを得ない、私はそう思っています。
 さらに、豊洲新市場計画と現在地再整備のスケジュール上の課題をもう少しわかりやすく整理するために、土壌汚染対策や地元住民との調整という課題について、それぞれを比較してご説明いただけますでしょうか。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 土壌汚染対策、それから地元住民との調整という課題についてでございます。
 まず、土壌汚染対策についてでございますが、豊洲新市場予定地については、既に敷地全面の調査を行い、土壌汚染の状況を確実に把握しております。今後、これを踏まえた万全な土壌汚染対策を二十カ月の期間で行うこととしておりまして、この期間は豊洲開場までの約四年間に含まれております。
 一方、現在地再整備案では、築地地区、晴海地区とも土壌が汚染されている可能性があります。調査にどの程度かかるかは不明でございますが、調査結果によっては土壌汚染対策の必要がございます。その場合、特にB、C案では、営業しながらのローリング工事となるため、各フェーズごとに対策を講じることになり、汚染状況によっては移転スケジュールに大きく影響する可能性がございます。
 次に、地元住民との調整でございますが、豊洲地区では、豊洲町会自治会連合を通じて地元住民に対しまして、豊洲新市場の施設計画や土壌汚染対策について、これまでも適時適切に説明を行っております。また、地元区、地元地権者も参加する豊洲地区開発協議会が策定したガイドラインに沿って、緑地や広場を配置するなど、地元地権者と協働でまちづくりを進めてきております。
 一方、現在地再整備案は、いずれの案も三年から八年以上晴海地区を活用することとなります。土壌汚染対策や埋蔵文化財の調査によっては、この期間がさらに延びる可能性もございます。この間、夜間から早朝にかけて一日に約三万三千台ものトラックが通過すると、渋滞、騒音、振動などの問題が生じかねないものでございます。このため、地元住民の理解を得るためには相当の調整期間が必要になると考えられます。
 豊洲につきましては、あと約四年で開場することができますが、現在地再整備案の工期は標準的なものであり、さらに延びる可能性がございます。

○宇田川委員 いろいろご答弁いただいているんですが、現在地再整備案は、工事着工の前提となる前段階の業界調整とか、仮移転先の晴海の地元住民との合意などなど、いずれも難航することが容易に想像されるなあ、こんな印象であります。こうした不透明な要素を抱えている、解決の見通しがないんじゃないかな、こんな思いもあります。
 やればできる、やってみなければわからない、こんなことじゃ困るんですよ。このような、開場のスケジュールすら立てることのできない案が果たして責任ある計画といえるんでしょうか。これで市場設置者としての都の責任を全うすることができるんでしょうか。
 先ほど申し上げたとおり、第一回定例会において二十二年度の豊洲移転関連予算に付帯決議が付され、現在、議会において現在地再整備の可能性の検討を行っているわけですが、今回の議会で結論を出し、本定例会以降、豊洲新市場関連予算が執行できるようになるとしたら、豊洲新市場の平成二十六年度じゅうの開場は間違いなく可能なんでしょうか。見解を伺います。

○野口中央卸売市場新市場担当部長 平成二十二年度の豊洲新市場関連予算計上の考え方につきましては、土壌汚染対策に係る実験の結果を踏まえ、その有効性が確認された時点で速やかな事業執行を行うことにより、平成二十六年度中の新市場開場を可能とするものでございます。具体的な予算内容といたしましては、土壌汚染対策工事や建築工事の設計費、用地取得費等を計上しております。
 本定例会におきまして、お話しのように結論が出た場合には、速やかに土壌汚染対策工事や建築工事の設計に着手し、用地取得手続等を進めるとともに、来年度以降、必要な工事を着工することにより、予定どおり豊洲新市場の平成二十六年度中の開場は可能となる、そういうふうに考えてございます。

○宇田川委員 豊洲新市場においては、今回の議会で結論さえ出れば二十六年度じゅうの開場がスケジュール上可能だと、こういうことが明らかにされた、こういうことになると思います。
   〔発言する者あり〕

○花輪委員長 ご静粛にお願いします。

○宇田川委員 いつ工事に着工できるかすらわからない現在地再整備案とは比較にならないな、これが客観的判断だと思います。
   〔発言する者あり〕

○花輪委員長 ご静粛に願います。

○宇田川委員 しかし、本定例会以降も豊洲新市場関連予算が執行できない場合は、土壌汚染対策工事や建築工事の設計にすら着手できず、さらには用地取得が終わらず、イコール二十六年度じゅうの新市場開場は不可能、こういう結論であります。
 そのような事態になれば、今でも、ただでさえ厳しい経営にあえぐ業界が、失望することになるのは容易に想像できることであります。なお一層苦しんでしまうのではないか。それは、二十六年度の開場が少し先に延びる、こんな単純な問題ではないと思います。もはや新市場の建設の見通しが立たないという深刻なものになるんです。このような不安定な状況にまで業界を追い詰めることは、責任ある我々都議会、都にとっても、絶対に許されないことだと思います。
 次に、豊洲新市場の取扱規模についてお伺いいたします。
 豊洲新市場の想定取扱量は過大であり、この規模を見直せば、施設建設に余裕が出て築地の敷地に十分おさまる、こういった意見が一部会派から出ているんですが、豊洲新市場の取扱量、規模の設定の考え方についてお聞かせください。

○野口中央卸売市場新市場担当部長 豊洲新市場は、新たな基幹市場として流通環境の変化に対応できるよう、売り場全体を温度管理のできる閉鎖型施設とすることに加え、物流効率化のための待機駐車場、新たな顧客ニーズに対応した加工パッケージ施設や大口荷さばき施設などの整備を行うことを計画しております。
 豊洲新市場の取扱量は、平成十六年に策定いたしました豊洲新市場基本計画におきまして、過去の築地市場の取扱量の推移をもとに、都の将来人口や一人当たりの需要量、都内における新市場の占有率等を考慮して推計したものであり、水産物で日量二千三百トン、青果物で日量一千三百トンとしております。
 この推計に当たりましては、市場外流通の拡大など取扱量の減少要因に加え、新市場における付加価値機能の充実などによる増加要因も挙げ、これらを総合的に勘案し、取扱量を予測しております。
 築地市場の取扱量は、近年減少傾向にございますが、主な原因として、施設の老朽、狭隘化が著しく、物流の効率化や品質管理の高度化が十分図られていないことに加え、加工や仕分けなど新たな顧客ニーズに対応できていない、そういったことなどが考えられます。
 一方、他市場におきましては、閉鎖型で低温管理され、効率的な配送が可能な卸売り場の整備など、新たな顧客ニーズに対応した施設整備によって、減少傾向にあった取扱量が大幅に増加した例もございます。
 具体的には、平成十九年九月に新たな施設整備を行った葛西市場におきましては、産地からはコールドチェーンの保持が可能となったことが高く評価され、また、買い出し人にとっても品ぞろえが充実し、一時的な低温保管もできるなどサービスの向上につながり、整備後の三年間で取扱量が約六割増加しております。また、平成十八年から整備を行いました横浜市南部市場におきましては、整備前に比べ、取扱量が約四割の増加となっております。
 これらのことからも、豊洲新市場の想定取扱量は現在でも妥当であり、規模の見直しの必要はないものと考えております。

○宇田川委員 今、具体例で葛西市場の話が出まして、きょうは九時半から葛西の市場祭りが行われていました。公明党さんの上野さん、それから民主党さんからは田の上さん、そろって参加をしてきましたが、まさにおっしゃるとおり、きょう九時半開場になる前からずらりと人が並んでいて、例年に増して非常に大きなにぎわいを見せておりました。これが本当にそれをあらわしているんだろうな、そんな気がしています。
 豊洲新市場の取扱規模については、単に過去のトレンドだとか、そういうのから見て算定するのではなく、施設整備の充実などによるさまざまな要素を総合的に勘案して設定する必要があるという、そのことはよくわかりました。
 実は、規模の見直しについては、売り場面積の縮小など、業界の売り上げとか経営に大きな影響を与えるものですから、業界との調整なしに安易に規模の見直しの議論はするべきではないんじゃないでしょうか。このような意見は、不可能な現在地再整備を何としても可能であるかのような議論を展開したいがためにするものである、そんな気がしてなりません。
 次に、業界へのさらなる意向調査について伺います。
 業界団体の意向は、現在地再整備の反対、豊洲新市場の早期建設であって明白です。それにもかかわらず、事業者個別の意向調査が必要との主張があるようです。これは大変なことだと思いますよ。対象者はどうするんだとか、どんな問いかけをしていくのか。先ほどちらっと出ましたけど、まだ明らかにされていない移転時の補償とかにもよって、随分答えが変わることだと思います。そうした方法を取りまとめるだけでも大変多くの時間を割くことになると思います。ますます整備のおくれにつながってしまう、これは大変に危惧しなきゃいけないことだと私は思っています。
 そこで、事業者個別の意向調査について、業界団体はどのように考えているのかお尋ねいたします。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 さきの参考人招致では、業界の意見聴取につきましてさまざまな意見がございました。現在地再整備を推進する意見を述べた方は、業界意向調査を行うべきとの意見が多くございましたが、この案ではそれぞれに問題があるので、今の段階ではちょっと急ぎ過ぎているというような懸念があるとの意見もございました。
 一方、業界団体の代表の方は皆、今回の検討案で意向調査を行うことには反対であるとの立場を明らかにしてございます。その理由として、まず第一に、業界団体として豊洲移転方針でまとまっていることを述べられておられました。既に意向調査は実施しており、一致して豊洲移転となっているので混乱する、または団体内が豊洲移転で合意し、一致して豊洲移転の推進に取り組んできたなどの意見がございました。
 次に、現段階で実施しても意味がないことでございます。ご意見の中では、いつ完成するか確実に担保されていない、仮設施設の状況、費用、使用料、工期などを具体化し、きちんと条件を示すべきだ。ただ豊洲か築地かと聞かれれば、だれでも動きたくないなどの意見がございました。
 そのほかに、後継者問題などを抱え、豊洲に行かない人にも意向調査することに疑問を呈するご意見もございました。

○宇田川委員 参考人の皆さんの中には、確かに意向調査を望む声もありました。しかし、業界をまとめる立場にある築地市場のすべての業界団体の代表者の方々は一同に、意味のある調査にはならない、業界内部に混乱をもたらすなどとして、反対を表明していることがありまして、これを非常に重く受けとめなければならないと思います。特に、業界に混乱を起こさせるのを議会が主導してやるなんてことは、あってはならないと思います。
 そもそも業界団体の頭越しにどうやって調査を実施するというのか、調査結果に対する責任は一体だれが負うのか。我が党は、代表質問で述べたように、こんな主張は、本来、都議会がしっかりと判断すべき責任を業界団体に押しつけている、こういわざるを得ないことであります。
 個々の事業者が置かれている状況はさまざまです。例えば、後継者の問題を抱え、自分の代で廃業せざるを得ない、こんな思いを持たれている方もいらっしゃいます。また、経営を抜本的に立て直すために、将来性のある、夢のある市場の建設を待ち望む、こんな方もいらっしゃいます。
 もちろん、新市場整備に対する理解を得てもらう努力は当然必要だと私は考えておりますが、本来、そもそも東京都が行うべきは、このようなさまざまな状況にある方々に、結論めいた意向調査をするということではなくて、そうした個別事業者の不安とか経営上の課題をしっかりと聞き取って、受けとめて、きめ細やかな支援を考えることじゃないんですか。これこそが本当に大事なことだと私は思います。
 私は、予算特別委員会の席でこう申し上げました。水産も青果も卸も仲卸も、こぞって、そろって移転をしていただきたい。目ききなどの皆さんの力をしっかりとそろって発揮していくことが、豊洲ブランドの醸成をすることに大変必要なことだからであります。だからこそのきめ細かい対応、支援をすべきだと改めて申し上げます。
 新市場整備については、都民の安定的な食の供給の確保という、この問題の本質的な目的をしっかりと認識して、業界団体の意向を踏まえ、市場開設者である都と都議会が責任ある立場で判断しなければならないのです。
 次に、豊洲の土壌汚染について伺います。
 小委員会の意見開陳を聞いていると、一部会派によっていまだに、豊洲への移転は汚れた土地に市場をつくるのか、こんな意見が科学的根拠も示されないまま表明されております。
 そこで、このたびの土壌処理実験の結果も踏まえて、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策について都の見解を伺います。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地におけます土壌汚染対策につきましては、我が国を代表する学識経験者により構成されました専門家会議、技術会議という二つの会議体におきまして、人が生涯この地に住み続けましても健康への影響はなく、生鮮食料品を取り扱う市場用地としての安全・安心を十分確保する万全な土壌汚染対策を取りまとめていただいたところでございます。
 今回、技術会議が定めました技術、工法について、確実に無害化が可能であることを具体的にデータで確認する実験を行いまして、技術会議において、すべての処理技術についての有効性を確認していただくとともに、この処理技術を適用することで、豊洲新市場予定地の汚染物質は除去可能という評価を受けたところでございます。
 都は、技術会議で有効性が確認されました処理技術、工法によりまして、土壌汚染対策を確実に実施し、市場用地としての安全性を確保してまいります。

○宇田川委員 我々自民党は、決して汚れた土地である豊洲に行けといっているんじゃないんです。土壌汚染の除去が大前提なんだと、これは一貫して主張してきたことでありますから、皆さん誤解のないようにお願いしたいと思います。
 その上で、東京都が行う土壌汚染対策は、専門家が科学的見地から提案された対策でありまして、しかもこの対策、土壌汚染対策法や環境確保条例の対策レベルをはるかにしのぐ、上回るものであることから、評価をしてきた、こういういきさつがあるわけです。
 加えて、今回、実際に豊洲の土壌で現地において実験を行い、処理技術の有効性を確認している、豊洲新市場予定地は市場用地として十分安全・安心が確保されている、そう思っております。
 最後になりますが、築地市場の置かれている厳しい危機的な、まさに危機的な現状を踏まえて、早期の新市場整備の必要性について、市場長にお伺いいたします。

○岡田中央卸売市場長 築地市場は、国内外から大量、多品種の生鮮食料品が集まります首都圏の中核的な卸売市場として、開場から七十五年にわたりまして、都民の豊かで安定的な食生活を支えてまいりました。
 しかしながら、施設の老朽化がもはや限界でございまして、耐震性やアスベストに不安を抱え、一たび震災に遭いますれば、市場機能が麻痺し、都民生活に甚大な影響を与えることになります。
 一方、長引く景気の低迷や、顧客でございます専門小売店の減少、市場外流通との競合等によりまして、築地市場では、この二十年間で水産、青果とも取扱量が約三割減少するなど、市場業者の経営は厳しさを増してございます。このような状況の中で、市場業者は取引の維持、拡大のため、顧客ニーズへの対応を迫られているわけでございます。
 先般の特別委員会小委員会における参考人招致におきましても、業界関係者からは、きちっと密閉されて温度管理された施設が求められている、十五年、二十年先ではお客は待っていただけない、五年でも限度がある、二十年という期間、仲卸が今の環境の中で生き残れる自信はない、市場の生き残り策を真剣に考えるところにきているといったように、市場を取り巻く厳しい現状を踏まえまして、一刻も早く抜本的な施設改善あるいは対策を求める声が聞かれました。
 こうした声にこたえまして、市場の競争力を強化していくためにも、流通環境の変化を見据え、徹底した品質、衛生管理や効率的な物流、商品の加工など、産地や顧客の多様なニーズに対応するため、新たな機能を備えた新市場を早急に整備し、市場業者が積極的にビジネスチャンスの拡大に取り組めるようにする必要がございます。
 今、行政の責任として求められていることは、産地や市場業者、そして顧客の期待にこたえ、豊かで安定的な生鮮食料品の供給を将来にわたり確保する新市場の整備を早急に進めていくことであると考えてございます。

○宇田川委員 この質問の冒頭で、私は、小委員会の膨大な、皆さんの努力の成果である報告書をしっかり読んで理解をすれば、そこからおのずと一つの結論が導き出せる、こう話をさせていただきました。今の市場長答弁を踏まえると、築地の老朽化はもはや限界、震災に遭えば、首都圏三千三百万人の食の安定的な供給という築地市場の絶対的な使命にこたえることができず、甚大な影響が出てしまうこと。業界の経営状況は極めて厳しい状況であって、産地、顧客ニーズに対応した施設整備が早急に求められていることなど、新市場の整備は一刻の猶予もない、このことに異存はないはずです。
 こうした築地市場の現状を踏まえた上で、示された現在地再整備案はどうなっているのか。一つ、二十年以上の長期にわたる工期により、危機的な築地市場の課題をそのまま先送り。二つ、晴海の仮移転先を確保するめども全く立っていない。いつになっても工事着工ができるかどうかわからない。開場スケジュールも不安定要素が多過ぎてできない。三つ、すべての業界団体は、経営が圧迫され、存亡の危機に立たされるとして明確に反対を表明しております。市場整備の前提となる業界の理解を得ることはかなり絶望的である。
 この現在地再整備案に対して、おのずと導き出される答えは、実現性は、可能性はゼロ、これは客観的な正しい見方ではないでしょうか。
 こうした現実を直視せず、さらに個別事業者に対する意向調査が必要など、こんな主張を展開するのであれば議会としての責任放棄、こんな批判も免れられないのではないか。今やるべきは、この意向調査ではなく、先ほど申し上げた個別事情をしっかりと把握した中で、どんな補償をしていくのか、どんな支援をしていくのか、このことこそが大事なことなわけです。一刻も早くこの特別委員会で結論を出し、豊洲新市場関連予算の執行を進め、平成二十六年度中の豊洲新市場開場に向けて前進すべきです。それこそが、知事も述べたように、都民、市場業者に対して、議会と都が責任ある行動を示すことになるんです。そのことを我々議会は改めて深く認識しなければならない。
 以上です。

○伊藤委員 この間、小委員会におきまして、また私も小委員会のメンバーとして、現在地再整備について十分に議論をしてきたつもりでございます。それを可能としたのは、時間のない中で追加案の検討まで行いまして、詳細な報告書としてまとめてくださった議会局調査部、そして知事本局市場再整備検討チームの皆様のご尽力あってこそだというふうに思います。本当にお疲れさまでございます。
 報告書については、各整備案の特徴や課題が詳細に整理され、特に課題については、さまざま明らかになってきたわけでございます。また、先日は小委員会において、業界関係者の参考人招致も行いまして、それぞれの思いのこもった率直な意見をいただくことができ、検討を深める上で大変に参考になりました。
 築地市場の危機的な現状を踏まえれば、一刻も早い新市場整備が必要であることは、改めて申し上げるまでもありません。議会としても、その責任として検討結果を早期に取りまとめていくべきであると考えます。
 さて、本日は小委員会からの報告、業界参考人からの意見も踏まえて、豊洲新市場の整備計画についての確認、そして新市場整備のための財源の確保の問題、そして事業者の経営に直接影響のある使用料について質疑を行って、この問題の議論のまとめにしてまいりたいと思います。
 まず、先ほども他の会派から、豊洲新市場の施設計画や物流についての指摘とともに、豊洲案のさらなる改善の要望が、話があったわけであります。私は小委員会で、現在地再整備案の問題点をこれまでも明らかにしてきた立場から、再度幾つか確認をしてまいりたいと思います。
 施設計画の話をわかりやすくするために、本当はパネルにしようと思いましたけど、間に合いませんでしたので、こちらの図でやらせていただきたいと思います。
 卸売市場は、小売店等の営業時間に間に合うように、深夜から早朝の限られた時間内に大量の荷の搬入、荷さばき、配送等の作業を終える必要があります。このため、車両動線を含めた効率的な物流が行えるような施設配置ができるかどうかというのは、市場整備の生命線であるわけであります。こうした観点から、今回検討されている現在地再整備A-2案については、極めて問題が多いことは明らかであります。
 まず、もう皆さん何度も見た図であると思いますけども、この図を見ていただければと思います。(資料を示す)(「配ってある資料だよ」と呼ぶ者あり)中にありましたっけ。このページでは五ページなんですけども。じゃいいです、こちらで見ていただければと思います。
 もう何度も見ていただいている絵だと思いますけれども、まず現在地再整備のA-2案につきましては、築地の全体の敷地面積が狭いことから、幹線道路から場内周回道路へのアプローチが非常に短く、入場する車両が周回道路の交差点で渋滞した場合、入場できない車両が幹線道路にあふれて、幹線道路の渋滞発生の原因となることが考えられるわけでございます。
 ちょっと遠い方には申しわけありませんけれども、改めてこの築地再整備の図の一階の部分を見てみますと、上の方の幹線道路から築地再整備の建物のわずかなここの道路の間で、要するに入退場が繰り返されていくわけであります。つまり、ここの部分の道路が非常に短いわけでありますので、幹線道路から入ってまいりましてここが渋滞していると、待っていられるトラックは一台、二台であります。そうすると、ここに入り切らない、渋滞してしまったところに入り切らないトラックについては、次から次へと幹線道路に渋滞の列ができてしまうということが一つ問題であるというふうに指摘をさせていただきたいと思います。
 また、一方では、荷の搬入や搬出を効率的に行っていくためには、売り場バースと待機駐車場が一体的でなければならないわけであります。豊洲案の場合には、周回道路の内側に待機の駐車場が配置されている。また、売り場のすぐ横に駐車場があるわけですから、すぐに自分の車をバースに入れることができる。
 一方、再整備案の中では、まず一つ、売り場のところに駐車場がないわけではないわけですけども、周りにも駐車場は確かにありますけれども、数が非常に少ない。仮にここにとめたとしても、とめた駐車場からここのバースにくっつけるためには、周回道路をまたいで入らなければならないという、こういった問題もあるわけであります。さらに、地下の駐車場で申し上げますと、二本のスロープの出入り口に車両が集中して、スロープが混雑することが考えられるとともに、周回道路が渋滞して効率的な車両の移動に支障を来して、場内物流が確保できないおそれもあるわけであります。
 このように、現在地再整備案では、場内道路に大きな問題を抱えております。
 一方で、豊洲新市場では、車両等のスムーズな場内道路を確保するために、どのような施設計画となっているのか、まず初めに伺いたいと思います。

○志村中央卸売市場新市場事業推進担当部長 豊洲新市場の施設計画におきましては、首都圏の基幹市場としての役割を果たしていくため、効率的な物流確保あるいは市場内交通の円滑化の観点、こういったことから、五街区に青果部卸、仲卸、六街区に水産物部仲卸、そして七街区に水産物部卸というように配置することといたしまして、まず、荷の搬出入が錯綜しないという基本構成としてございます。
 そして、各街区の搬出入車両の入退場口は、五街区に三カ所、六街区に二カ所、七街区に三カ所の合計八カ所を計画してございまして、これは現築地市場が正門、青果門、勝どき門など五カ所と比べても多く、しかも機能分散した施設配置としていることから、車両の分散も図られる構造となってございます。
 このようにした上で、豊洲新市場における場内道路でございますが、まず敷地外周部に周回道路を配するほか、幹線道路から周回道路に至るまでのアプローチ道路、さらに周回道路と待機駐車場等の間を結ぶ構内道路により構成してございます。
 このうちアプローチ道路につきましては、各街区の入退場口から周回道路まで十分な幅員と長さを持ったものを配置して、車両の滞留が起きないようにしてございます。
 また、周回道路の一部を構成するものではございますが、環状二号線により分断される五街区と七街区との間にはアンダーパスを設けまして、街区間での車の円滑な移動が可能となるよう計画してございます。
 また、待機駐車場については、いずれも各街区に平面配置され、場内道路を介してスムーズにアクセスできる構造としてございます。しかも収容台数につきましては、平成十七年度に実施いたしました築地市場出入交通量調査によるピーク時の台数、二千台を収容できる数を確保してございます。
 なお、搬出入車両の待機駐車場やバースへの誘導につきましては、情報通信技術を活用した車両誘導システムの導入を計画してございまして、入場から退場に至るまでの効率的な車両誘導を図ることとしてございます。
 こうしたことから、豊洲新市場の施設計画におきましては、荷の搬出入ピーク時におきましても敷地外の幹線道路に車両が滞留するおそれはなく、また場内においてもスムーズな車両移動が可能な場内道路等を配置してございます。

○伊藤委員 豊洲新市場では、市場内への荷の搬入から搬出までをスムーズに行えるよう、それぞれの業務の関連性に留意をしながら、場内道路や駐車場の配置が行われているという説明でありました。
 この概要版の九ページのところを見ながらちょっと話をしたいと思います。
 九ページのところにA-2案の築地地区プラン、配置、一階平面図という図がございます。この配置図を見ましても、勝どき側のA-3棟ですね。ここですね。A-3棟の一階に大口荷さばき場及び転配送センター、さらに、これの二階の部分には加工パッケージセンターを計画しておりますけれども、施設内でA-3棟に荷を搬送する場合、仲卸から卸売り場を縦断せざるを得ず、荷が積み上げられ陳列されている売り場を移動することになるわけでありまして、極めて非効率的であります。市場業務に支障を来すことは明白であります。
 私はこれ小委員会でもいいましたけども、仲卸さんが卸から買い物をする。仲卸さんがまさかこの卸を、ここを突っ切って、そしてこちら方向に行くということはあり得ないわけであって、ましてや二階の加工パッケージに行く回数は頻繁に起こるわけですから、そこに行くためにはここを突っ切っていくか、あるいは一回仲卸から外に出して、外周道路を回って二階に上がる。こんな複雑な動線になるわけであります。
 さらに加えてこの図で申し上げますと、A-3棟、ここの部分ですね。ここと仲卸あるいは卸、ここのところは非常に大口の荷さばき場あるいは転配送センターとなるわけですから、ここの部分は特に行ったり来たり、こうなるわけでありまして、ボトルネックになるのはここの、ピンクに塗りましたけれども、ここのつなぎの、連絡通路のここの部分であります。ここの幅員は非常に私は狭いというふうに思います。聞きましたら約一・二メーターぐらいだというお話でありましたけれども、搬送のピーク時には連絡通路の混雑がもう完全に予想されるわけでありまして、市場業務に影響を与えることも明らかであります。
 このように現在地再整備案は、水産物部の売り場と大口荷さばき場、転配送センターが平面配置になっているとはいえ、効率的な物流を確保する上でさまざまな欠陥がある施設計画となっていると思います。
 また、重層化構造をめぐっては、さきの参考人招致で青果部の代表者から、今回の現在地再整備案では、すべての案で青果の売り場が重層化により物流効率の悪い上層階に配置されていることに対して、激しい憤りと不満が表明されました。限られた築地の敷地では売り場の重層化が避けられないことから、業界の理解を得ることができる施設整備は困難であることもはっきりしたわけであります。
 もともと豊洲新市場では、築地と比較して敷地が圧倒的に広いため、売り場はすべて一階に配置できること、また、車両がスムーズに入退場できる十分な駐車スペース、待機駐車場の整備と場内道路の整備の可能性があり、効率的な物流の確保ができるという最大のメリットがあるわけであります。そして何よりも、豊洲新市場計画では、これまで現場の状況に最も詳しい各業界と十分な調整をして練り上げてきた施設計画となっていることも、私たちは忘れてはならない、このように思うわけでございます。
 次に、豊洲新市場の整備について幾つか確認をしてまいりたいと思います。
 一部の会派からは、豊洲新市場の整備はスーパーなど大型量販店対応型の巨大な流通センターを整備するものであって、新市場の整備で中小の小売店が買い出しに行きにくくなるとの意見があったようでありますけれども、この辺について都の見解を伺いたいと思います。

○野口中央卸売市場新市場担当部長 近年、市場に対しましては、産地からは鮮度、品質を保つコールドチェーンの保持、大型トラックがスムーズに搬入できる荷おろし場所の確保、小売店等からは店舗別の仕分けスペースの確保、そういったさまざまなものが早急な対応として求められております。
 しかし、築地市場は再整備工事中断後、環境変化に対応する施設の抜本的改善を図れず、高度な品質、衛生管理が困難であり、駐車場や荷さばき場が不足し、路上で荷の積みおろし、仕分けが恒常的に行われるなど多くの問題を抱え、取扱量は大きく減少してきております。
 このため、豊洲新市場では、施設を温度管理できる閉鎖型として、品質、衛生管理の高度化を図るとともに、駐車場、荷さばきスペースを十分確保し、効率的な物流を実現することなどにより、集荷、販売力を高めていくこととしております。また、小口買い出し人向けに荷を積み込みやすくするスペースを確保するとともに、大口向けの荷さばき施設を整備することにより、小口、大口取引の荷の流れを分離し、物流の錯綜を解消することを目指しております。
 このように、豊洲の施設計画は中小の小売店、飲食店から大規模な量販店、外食産業まで、あらゆる顧客のニーズを満たすとともに、市場機能を高度化し、市場業者が積極的にビジネスチャンスの拡大に取り組むことを可能にするものでございます。

○伊藤委員 済みません、一つ訂正させていただきます。先ほど私、ここの連絡通路の部分、一・二メートルといってしまったようです。十二メートルの誤りでございます。
 ただいまいただいた答弁で、築地市場の現状こそが、場内交通や物流面、施設整備の面から、だれにとっても利用しにくいひどい現状であるということと、一方、豊洲新市場の整備は、中小の小売店から大型量販店まであらゆる顧客のニーズに対応したものであって、このような意見は全く的外れな指摘であるということもよくわかりました。
 次に、新市場整備の財源、そして使用料等について伺いたいと思います。
 いうまでもなく、豊洲新市場であれ、現在地再整備であれ、その整備には財源の確保が大前提であるわけであります。現在地再整備案では、土壌汚染対策や埋蔵文化財発掘調査、そして業界要望等による工期の延長などの要素を加味して、約三千億円程度になることが明らかになっております。
 そこで、市場会計において、これらの整備費の財源の確保は可能であるのかどうか、その見通しについて伺いたいと思います。

○塩見中央卸売市場管理部長 現在地再整備を行う場合、その財源は国庫交付金、私どもの中央卸売市場会計の保有資金、並びに、既に取得しております豊洲新市場用地を売ったときの売却収入でございます。
 このうち国庫交付金につきましては、仮設施設等を除く本設の施設建設費の十分の一程度と想定されまして、各案とも百十億円から百三十億円程度と試算できます。
 また、中央卸売市場会計が保有します資金のうち、現在地再整備に充当可能な資金は、豊洲移転の場合と同様一千三百五十億円でございまして、既に取得した豊洲新市場用地の売却収入については、取得価格と同程度といたしますと七百二十億円となります。したがいまして、充当可能な財源の合計は、国庫交付金に百十億から百三十億という差がありますが、これを合計いたしますと、二千百八十億円から二千二百億円程度となります。このため、現在地再整備案の整備費用、今先生ご指摘のように三千億円とした場合につきましては、八百億円程度の財源不足が生じることになります。
 一方、きょう提出されました特別委員会小委員会の調査報告書概要版の、一の四ページにございますように、豊洲移転の場合につきましては、土壌汚染対策費や用地取得費を含む整備費は三千九百二十億円でございまして、既に整備に充てた千三十億円を除いた二千八百九十六億円が今後必要となります。これに対しまして財源は、国庫交付金約百億円、私どもの保有資金一千三百五十億円がございまして、一千四百四十六億円が不足するわけでございますが、築地市場跡地の売却収入で十分補てんが可能であると考えてございます。

○伊藤委員 ただいまご答弁いただいたように、築地の跡地の売却収入が見込めない現在地再整備案では、巨額の財源不足が生じることが明らかになったわけであります。これまで議論したように、さまざまな側面から実現の可能性に疑問がつく現在地再整備案でありますけれども、財源確保の課題も改めて浮き彫りとなったわけであります。
 過去の例からいっても、現在地再整備工事では工期の延長による工事費の増加は避けられないわけであります。まして今回も、始めてみなければわからないという不確定要素が余りにも多いわけであって、最低限のリスクも想定せずに、全体事業費を試算して財源的には足りているというような安易な見通しで工事を着工することは、全く無責任な態度であります。工期の延長を余儀なくされ、財源がなくなり、中断せざるを得なくなった場合、都民、あるいは市場関係者への影響ははかり知れないわけであります。
 それでは次に、市場はこれまで基幹市場である大田市場を初め、さまざまな施設整備を行ってきたわけでありますけれども、その財源はどのように手当てをしてきたのか、伺いたいと思います。

○塩見中央卸売市場管理部長 私ども中央卸売市場は、これまで神田市場等の跡地売却収入を、建設改良積立金などの利益剰余金として積み立ててきておりまして、この保有資金を財源として活用することによりまして、大田市場を初め、世田谷市場や食肉市場などの各市場の施設整備を進めてきたところでございます。

○伊藤委員 それだけではないと思いますけれども、跡地の売却収入、これは非常に大事なんだということであると思います。つまり、市場会計は大変厳しい一方で、新市場の整備等には巨額の資金、財源が必要となるために、過去も同様に、あらかじめその財源を確実に確保してきたわけであります。今回におきましても、責任ある財源確保は絶対必須の事項であるわけであります。
 次に、使用料について伺います。
 まず、改めて伺いますけれども、業界が負担する使用料に反映される要素はどのようなものがあって、現在地再整備案ではどの程度の使用料の上昇が見込まれるのか、伺いたいと思います。
 また、通過物使用料を徴収すれば事業者負担を抑えられるという主張も一部でありました。これについての見解を伺いたいと思います。

○塩見中央卸売市場管理部長 東京都中央卸売市場使用料算定要領におきまして、市場の使用料は施設建設費及び維持管理費を基本に算定することとしております。
 小委員会報告書によりますと、現在地再整備案の使用料は、豊洲新市場の約一・三倍から一・六倍となっております。しかし、さきの本会議で市場長も答弁いたしましたように、現在地再整備案では、施設の多層化に伴う昇降機の増加等により維持管理費の増大が見込まれるほか、土壌汚染対策、埋蔵文化財調査などによる工期延長や、あるいは業界要望への対応に伴う建設費の増加などが今後予想されております。この結果、現在地再整備案の使用料は、今回の試算の水準をかなり上回ることが想定されるのではないかと考えてございます。
 一方、通過物使用料につきましては、鉄道貨車輸送を想定したものでありまして、貨車輸送の時代には、輸送業者による通過物の把握が相当程度できていたと聞いております。しかし、貨車からトラックへの輸送手段の変更、同一車両における市場取扱物品と他市場への搬出品の混載、輸送業者においても、発泡容器や氷などのこん包資材を除いた取扱物品のみの重量把握は通常行っていないことなどから、通過物の実態を捕捉することは極めて困難となってございます。
 このため、他都市におきましても、例えば大阪市中央卸売市場では、通過物使用料の規定自体を廃止しておりまして、また、横浜市や福岡市中央卸売市場では、私どもと同様規定はございますものの、ここ数年間実績はないと聞いてございます。

○伊藤委員 貨車の時代にはそういうこともできた時代もあったけれども、今トラック物流の時代になって、これは本当に発泡スチロール、あるいは中に氷等も詰まっている、また途中の市場におろして、途中でまた乗っけていくものもある、こういった時代の中非常に困難だということについて答弁いただきました。よくわかりました。
 現在地再整備では、仮移転のために、仮設と本設の二つの施設建設が必要となることから、施設建設費が豊洲新市場と比較して割高となるわけであります。その結果、使用料負担が重くなり、ただでさえ厳しい事業者の経営を圧迫することになるわけであります。しかも、重層化によるランニングコストの上昇や土壌汚染対策、埋蔵文化財調査によって工期が延長されれば、当然、施設建設費のさらなる増大となり、今回の試算よりもはるかに使用料負担が増すことになるわけであります。
 参考人招致でも明らかとなっておりますけれども、業界はできるだけ負担を少ないものとするよう切に要望されておりますし、この点からも、現在地再整備について業界合意を得ることは非常に困難であると私は思います。そういう現実を直視しないで、意見開陳を聞いておりますと、一部の会派からは、何でも税金で負担して使用料を下げればよいという主張もありましたけれども、豊洲新市場の整備と比較する上でどのように都は考えるか、お伺いしたいと思います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 豊洲新市場計画と現在地再整備案とを比較することが、今回の特別委員会のテーマというふうに伺っております。
 豊洲につきましては、先ほど管理部長が答弁したとおり、基本設計などによりまして建設費、土壌汚染対策費、基盤整備費、用地費、これらのすべてが明らかになっております。また、財源といたしましても国庫交付金、保有資金、既に整備に充てたもの、築地市場跡地の売却収入も明らかになってございます。
 したがいまして、豊洲と現在地再整備を公平に比較するのであれば、豊洲と同様な考え方とすべきというふうに考えます。それを税金投入という異なる考え方を持ち出して、現在地再整備の財源や使用料水準を豊洲と比較しようとすることは適当ではございません。
 そもそも中央卸売市場会計は公営企業会計でございまして、施設使用料でその財源を賄うことが経営の基本原則でございます。この原則を曲げて税金投入をするということは、施設利用者と一般納税者の、いわゆる都民ですけれども、負担のあり方から見ても適当ではございません。

○伊藤委員 市場は公営企業会計であり、自前の収入で財源を賄うことが経営の基本であるわけでございます。この原則を曲げて安易に税金を投入するということは、一般納税者の理解も得られないと私は思います。
 次に、売り場などの都が整備する施設と、冷蔵庫あるいは通勤駐車場など民間が整備する施設のうち、民間整備分を都が負担すれば業界の負担が軽くなるという意見もあったようでありますけれども、この辺について都はいかが考えるか、伺いたいと思います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 業界負担の基本的な考え方でございますが、業界が整備をすれば建設時に業界の負担となります。一方、市場が整備する場合でございますが、それが減価償却費となりまして、毎年度施設使用料として業界の負担となります。
 わかりやすくいえば、仮にA案の建設費は千七百八十億円でございます。民間施行分は、この間ご答弁いたしましたとおり七百十億円とされてございます。この分も都が整備をいたしますと二千四百九十億円となり、工事費は約四〇%アップいたします。このため、豊洲の使用料の六二%増と試算されております使用料も八七%増となります。これは豊洲との比較でございますので、現行使用料の二・五倍以上に相当いたします。
 なお、九月二十二日にも答弁をいたしましたとおり、行政が一体的に整備をすることが効率的な場合もございますが、積算、起工、契約など、ルールにのっとって行う行政の整備ではコストが割高になる場合もございます。一方、民間が整備する場合には、民間の創意工夫によりコストを圧縮できる場合もございます。こうしたことを踏まえると、都が整備をすれば業界負担が軽くなるということは、負担のルールの基本的な考え方からはいえないことでございます。いずれにしろ、業界とも十分調整の上、負担のあり方については検討していく必要があると考えます。

○伊藤委員 都が整備しても結局は減価償却費となって、使用料として徴収することになるので、業界負担であることには変わりないということでございました。
 最後に、市場会計の現状と、築地市場に限らず他の市場の施設整備の課題を踏まえた上で、新市場整備の財源確保について、市場長に見解を伺いたいと思います。

○岡田中央卸売市場長 新市場の整備におきましては、時代のニーズに的確に対応し、市場機能の強化を図ることとあわせまして、その財源を確保することも重要な課題であると考えてございます。
 中央卸売市場会計は独立採算の公営企業会計ではございますが、使用料収入を中心とした営業収入でもちまして、施設の維持管理費、減価償却費、人件費等の営業費用を賄えず、恒常的な営業の赤が出ております。例えば、申し上げますれば平成二十年度は十九億円の赤、二十一年度は十四億円の赤字となっております。
 また、資金面におきましても、平成二十一年度末で一千六百五十億円の保有資金がございますが、今後市場における取引の維持拡大を図るため、各市場におきます老朽化対策、あるいは品質管理の高度化など、流通環境の変化に対応した施設整備を行っていくことを考慮した場合には、決して余裕のある状況とはいえないと考えてございます。
 今後、産地、消費者からの食の安全・安心の確保という、ますます高まります社会的ニーズにこたえまして、温度管理や衛生管理のための施設整備というものが必要になってまいります。新市場のみならず、他の市場におきましても将来にわたる投資というものが必要になります。例えば、本定例会においてもご答弁させていただきましたけど、現在第九次の整備計画をつくるための検討をやっているわけでございますが、そうした中にも各市場、計画的に施設整備をしていかないといけないというふうに考えているわけでございます。そのためには、築地市場跡地の売却収入によりまして、市場会計として十分な財源を確保し、その上で、都民に生鮮食料品を安定的に供給するという、卸売市場の本来の使命を果たしていくことが必要であろうと考えております。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 今、答弁を伺いまして、改めて財源の確保の重要性がわかったわけであります。無理をして築地再整備だけ、そこだけに投入してすべてをかけてしまえばいいんだということじゃないんだと。東京都はいろんな市場も抱えながら、本当に都民また首都圏の皆様の安全・安心、食の安全を守っているんだという市場長の話であったわけであります。
 今の答弁も踏まえて、この問題に対する我が党公明党といたしましても、質疑のまとめをしてまいりたいと思います。
 まず、現在地再整備案の施設計画と物流計画についてでありますけれども、小委員会や、あるいはきょうの質疑でも明らかとなったとおり、どうしても狭い築地の敷地が制約となって、効率的でスムーズな車両と荷の流れを確保することができないわけであります。
 また、青果の売り場が上層階に配置されることについては、業界参考人からの意見にもあったとおり、到底私たちも理解をすることができないわけでございます。
 次に、使用料の上昇の問題であります。
 現在地再整備では、施設建設費とランニングコストが割高となることから、豊洲新市場と比較して使用料が高くならざるを得ないわけであります。さらに、今後の業界調整や土壌汚染調査、埋蔵文化財調査など、工期が延長される要素が多い中では、施設建設費はさらに増大する可能性があるわけであります。
 報告された現在地再整備の使用料の水準は、豊洲新市場と比較して一・三倍から一・六倍とされておりますけれども、とてもこの範囲にはおさまらないということは確実であります。単純計算でも現状の築地の使用料の二倍にもはね上がることになるわけであります。業界参考人からも強く訴えられていたとおり、経営上とても耐えられないという意見を、私たちは重く受けとめなければいけないと私は考えます。特別委員会で視察した大阪市場の例を見ても、使用料がはね上がり、事業者の経営を直撃している現実を忘れてはならないというふうに私は思います。
 最後に、新市場整備の財源確保の問題で質問させていただきました。新市場の整備はその財源とセットで考えなければならないわけであります。しかし市場会計は、営業収支が恒常的な赤字で、保有資金等、やりくりで維持しているのが現状の姿であります。過去の大田市場の整備の例から見ても、基幹市場の新たな整備には、あらかじめ財源を確実に確保しておくことが必要であり、築地市場の跡地売却収入が見込めない現在地整備は、その財源を確保することは極めて困難であるわけであります。
 以上、都議会公明党が明らかにしてきた現在地再整備の問題点をまとめて述べてまいりましたけれども、これらに加えて、二十年とも二十五年以上ともいわれる整備期間や、仮移転先の晴海の地での住民との合意、そして何よりも業界との合意の見通しが全く見えない状況であり、現在地再整備の実現は、都議会公明党としては不可能というしかないわけであります。
 このことが明確になった以上、この問題をこれ以上先送りせず、議会として早急に結論を出して、今年度の予算執行を含め、豊洲新市場の整備に一刻も早く着手すべきであることを表明して、質問を終わります。

○清水委員 先ほど、豊洲の土壌汚染対策は万全にできるかのようなお話がありましたが、とんでもありません。豊洲案について、推進派の方々も含めて全員の方が、豊洲の土壌汚染対策については、立場を超えて安全にしていただきたいという声が共通して出ていました。都のやろうとしている土壌汚染対策がどのようなものか、まずしっかりと見る必要があります。
 これまでの審議の中で、既に私は、土壌汚染対策には有楽町層を不透水層として絶対化したり、地下水の調査が不十分なことなど、根本的に欠陥があること、その適用実験についても、高濃度汚染処理の多くは失敗に終わっていること、情報をひた隠しにし、土壌汚染対策の専門家らしい専門家のいない技術会議のお墨つきだけをにしきの御旗に、安全だといい張っていることなどを指摘してまいりました。
 そこで、きょうは汚染対策を行う対象土量として最も多い洗浄処理の問題について、何点か質問いたします。
 洗浄処理の汚染処理の対象土量は、技術会議提言によれば全体の約五〇%を占めます。さらに今回の実験結果を受けて、処理費用が安いのでその対象土量を拡大することが提言されました。しかし、洗浄処理については、大量で安価な処理が可能とする一方で、土壌汚染対策の技術書などで、対象土壌中からすべての有害物質を取り除くことは困難、また、有害物質の種類や土壌の性質により処理効果が大きく左右される、また、五〇%以上のシルトを含む土壌は、回収率の低さから適用が難しく、コストも含め総合的に判断すると適用困難などといわれています。したがって、実験の成否を正確に分析することが必要なんです。
 まず、技術書がすべての有害物質を取り除くことは困難としている点についてです。
 今回の洗浄処理実験では、東京都は、砒素が処理できれば他の四つの重金属も処理できると説明していましたよね。その論拠は二転三転したわけですけれども、最終的には、都は、土壌汚染対策法に基づく調査及び措置の技術的手法の解説、環境省の監修、これを示しました。前回のこの特別委員会でもそれを示しておられました。それでは一体、この解説書のどこにその記述があるのか、お伺いいたします。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地におけます土壌汚染対策を具体化するに当たりまして、技術会議におきまして、実効性や経済性にすぐれた対策を提言していただきました。その中で洗浄処理につきましては、一般的な処理技術として普及しているということが、お話しの汚染土壌の処理業に関するガイドラインにおきまして記載されているところでございます。
 洗浄処理の対象物質といたしましては、第二種の特定有害物質というものが明記されてございまして、これは重金属に当たるものでございますけれども、砒素、鉛、六価クロム等々につきまして、いずれも洗浄処理によりまして処理が可能とされているところでございます。

○清水委員 前回もいいましたけども、その記述というのは、砒素を処理すればほかのものが処理できるというふうには書いてないんですよ。逆にそこには、細粒分からの除去は困難とか、特定有害物質のすべてを取り除くことは困難という記載があるんですよ。
 しかも、東京都が実際に洗浄処理実験で対象にしたのは、シアン化合物、砒素、ベンゼンの三種類だけで、都の説明は実証されていないものです。
 次に、実際の洗浄処理をする場合、対象土量を拡大する根拠となっているのが、今回の適用実験でベンゼンの洗浄処理ができたとする実験です。
 これはわずか一立米の、一立米のね、汚染土壌に滞留時間四十分、百から二百トン、一時間当たり、水を使い洗浄したということですけれども、これについては間違いありませんか、お伺いいたします。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 お答えする前に、ガイドラインの件でございますけれども、手元にガイドラインがございまして、その中で、洗浄処理につきましては比較的歴史が長く、実績も多い技術でありまして、適用対象としては第二種特定有害物質、先ほど申し上げました重金属等が挙げられると記載されてございます。
 それから、ご指摘のございました実験については、そのとおりでございます。

○清水委員 一般家庭の水道水栓を全開したときの水量は一分間に二十から二十五リットルです。一時間にこの実験で百トンから二百トンの水を使ったということは、水道の蛇口八十から百六十本程度に相当するわけです。ベンゼン以外の洗浄処理では、ベンゼンはここは一立米をそれで洗浄したんですけど、ベンゼン以外の処理では百立米の土壌を対象に実験しましたが、同様にやるとなれば、仮にですね、同様にやるとなれば、一般家庭の水道水栓にして八千本から一万六千本分の蛇口が必要になるという計算になります。
 今回の実験で、実験の質問の回答をいただきました、そちらから。そのところを見ると、処理コスト、処理コストについて、濃縮残渣の処理コストについては想定の範囲内だ。想定の範囲内だとしていますけれども、対象土量に対応した洗浄に要する、では水量について、いいですか、水量についてはどのように算定しているのかお伺いいたします。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 水道水を八千から一万の蛇口というお話でございましたけれども、水道を使う方法あるいは水をリサイクルする方法、いろいろな方法が一般に普及してございますので、さまざまな方法を検討してまいりたいと考えてございます。
 水量につきましては、洗浄処理実験におきまして、今回は民間が所有する既存のプラントで行ったわけでございますけれども、洗浄の水量等につきましては、具体的なデータを示しまして、ホームページ等で公表済みでございます。

○清水委員 この報告書では、ナンバー七とナンバー八は書いてありますけども、そのナンバー九が書いてないんです。
 それで、算定しているといいますけども、処理コストが幾らかかるのか。それはリサイクルするとか、そのまま水道水を使うとか、そういうことをいっているんじゃないんです。水道水にすれば、そのぐらいの処理分かかるでしょうということで、算定というのをきちんとやっていないんですよ。それで処理コストをきちんと出すことはできないじゃないですか。
 それで、濃縮残渣は三割から五割の発生で想定の範囲内としていますが--想定の範囲内というお答えをいただいたんです。ベンゼンを処理した土壌については、処理後の土壌について想定していません。なぜ想定の範囲といえるのですか、お伺いいたします。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 洗浄処理におけます濃縮残渣の件でございますけれども、洗浄処理に伴いまして発生するわけでございますが、その発生した残渣については、セメントの原材料として活用するなどリサイクルの道が開けてございます。
 それから、濃縮残渣につきましては、粒度分布を測定することによりまして、処理をする前にその残渣の発生割合を計算することが可能でございまして、今回の実験におきましても計算の範囲内であったことから、技術会議におきまして提言された費用の範囲内ですべて処理ができるというように考えてございます。

○清水委員 いいかげんな計算の方法です。ずさんなやり方ではないですか。
 しかも、実験の質問への回答を見ると、今回の実験では洗浄処理における汚染物質の収支バランスのことをいわれています。濃縮残渣の処理コストと勘違いしているとしか思えません。
 汚染物質の収支バランスとは、洗浄処理をしたことによって、洗浄処理前の汚染の所在が洗浄後、どこにどのように変化していったのかを見るということです。汚染物質は移動したとしても、消えてなくなるわけではありません。洗浄処理した後の残った水、残渣の中にどのように残ったのか把握して、この処理も別途しっかり行うということです。
 次に質問いたしますが、しかし今回の実験では、当初の汚染物質が洗浄によってどこにどのように移動したのかも記述しておりません。ベンゼンは洗浄によって除去されたのか、揮発していったのかも不明です。違うというならば、埋め戻しに使える砂などの土量は、実験の結果どれくらい残り、残渣はどれくらい出たのか明らかにしてください。その結果、埋め戻しに使える全体土量はどれくらいになるのかを明らかにしてください。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 洗浄処理の結果、土がどこにどのように移動したのかというお尋ねかと思います。
 洗浄処理におきましては、洗浄という名称がついているわけでございますが、洗浄の際に分級処理というものをいたします。分級処理といいますのはふるい分けをするという意味でございますけれども、大きな骨材、あるいは細粒材、それからシルト分ということに分級してまいります。このうち、非常に粒度の細かい細粒分にベンゼン等が多く付着していることから、その部分につきまして洗浄を行った結果、残渣が発生するということでございます。

○清水委員 私は、その量はどうしたんですかということを聞いています。ここに書いていないんですけど、どうしたんですかということをお答えください。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 お尋ねの残渣の量でございますけれども、今数値を調べておりますけれども、先ほども申し上げましたように分級処理をいたしまして、非常に細かい部分、これが残渣になるわけでございます。分級をした割合、例えばシルト分が三〇%ですとか四〇%分級されると、それに見合う残渣が発生するというところでございます。

○清水委員 今調べているところだということですね。現在、今お答えいただいたのは今調べているところだといいましたけども、それだったら、だってこれ、既に出している報告書ですよ。結局、肝心なことが測定されていないということじゃないですか、今調べているというのは。
 では、続いて伺いますけれども、いいですか。続いて伺いますが、ベンゼンの洗浄処理をした企業には、揮発性有機物を洗浄処理するプラントがあるのですか。お伺いいたします。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 洗浄処理のプラントでございますけれども、今回の実験につきましては、場外の一般的に使われている処理プラントを活用して実験をしたところでございます。

○清水委員 一般的なプラントってどういう意味ですか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 洗浄処理を行っているプラントは、日本の各地に何カ所かございまして、今回の場合には、東京からすぐ近いところの洗浄処理のプラントを使っていると。そのプラントは私どもの実験だけではなくて、土壌汚染対策を必要としている場所の土壌汚染も処理しているというプラントでございます。

○清水委員 私たちは環境省に伺ってまいりました。現在の汚染土壌処理では、ベンゼンというのは、揮発性有機化合物を洗浄するベンゼンを処理する企業というのは、改正土壌汚染対策法ができて、それでまだ八月末現在でも認可されている業者というのはないんですよ。だからこの報告書では試験プラントでしょう。試験プラントでやられていると思うんですよ。
 それについて、土壌処理業者一覧というのを見ても、今お答えになっている企業の中には、このベンゼンの処理プラントというのはここに記載されていないんですよ。どういうことですか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 今申し上げました洗浄処理のプラントにつきましては、一般的に洗浄処理を行っているプラントを申し上げました。ベンゼンを取り扱っている一般のプラントというものは、お話のように現在ございませんので、私どもの実験におきましては、試験プラントを使って実験を行ったところでございます。

○清水委員 まだ許可されていない試験プラントを使っていると。そういうことでしょう。
 では、さらに伺います。実験の質問への回答を見ると(発言する者あり)違う質問しています、もう。実験の質問への回答を見ると、汚染水の処理方法についても、市場当局は--汚染水の処理方法ですよ、今度は。プラントが設置されている行政庁、その企業がある県、区や市ですよね。行政庁の基準に従い処理し、下水に排水しているという回答をいただきました。その試験プラントで処理をして、汚染水というのは下水に排水していると説明しました。
 私たちがその企業がある行政庁に聞きますと、名前はいいませんけれども、その施設には下水道はないと。この工場から下水が出ることはないといっているんですけれども、このことをどういうふうに、私たちもね、一体どういうことなんだろうと、そちらが答えられたわけですよ。どう認識していますか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 洗浄処理を行った結果、その洗浄の処理水につきましては、処理を行った上で下水に放流する場合と、残渣を含んだ、リサイクルができなかった部分については、産業廃棄物として処分する方法がございます。

○清水委員 だけどあなたたちの回答には下水に排水していると説明しているんですよね。本当につかんでいないのか私が聞いたんですけれども。今、違う答えをいわれました。
 では下水に排水してないというんだったら、産業廃棄物に処理するという、やり方が二つあるということはわかりました。しかし、この企業の質問をしたときに、あなたたちは下水に排水していると。しかしこれをその企業がある区市に聞くと、県に聞くと、その施設にはありませんといっている。どういう説明なのか。つかんでいないのか、知っていてごまかしているのかということです。どこでどのような実験が行われているかも知らない、あるいは隠ぺいしてはばからない市場当局には、私はあきれるばかりだと。まだ実験過程にある処理技術と、わずか--何を問題かというと、実験過程にある処理技術なんですよ。これからまだ、もっと技術はそれは発展するかもしれません。しかし、まだ試験段階で、全国に一カ所もないというような施設でわずか一立米の土壌に適用してうまくいったから、現地でも大丈夫ということ自体問題なんです。
 いろいろと私たち問題のことをいってきました。この実験一つとっても、都の土壌汚染対策は全く信用できないものです。本会議でもきょうの質疑でも明らかになったように、都の土壌汚染対策はずさん、欠陥山盛りのものであって、これで豊洲移転が強行されたら、都民は百年の悔いを残すことになるということを申し上げたいと思います。ガス工場跡地に市場を建設しようとすること自体が誤りであったということは都は認めるべきです。
 次に、現在地再整備計画について伺います。

○花輪委員長 答弁しますか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 処理プラントでございますけれども、現時点では確かに営業しているプラントはございませんが、私どものヒアリングによりますと、ベンゼンを処理するための対応を検討しているというところがございます。それから、洗浄水の処理につきましてでございますけれども、プラントが設置されている行政庁、市役所ですが、この基準に従って下水に放流していると、プラントからは聞いてございます。

○清水委員 現在地再整備について、時間も限られていますので、移ります。
 提案された現在地再整備案について実現が不可能だとする理由に挙げられているのは、新たに業者負担となる建設費が膨大なものになっていること、建設費の増大することによる業者の使用料の増加、閉鎖型施設にすることなどによる水光熱費などランニングコストの増大、工期の長期化などで、経営状況が厳しい中体力がもたない、営業が続けられないとされるものです。
 そこでまず、建設費の負担問題について伺います。
 そもそも一九八八年の築地市場現在地再整備計画では、中央卸売市場の建設費を都と民間とで負担するという考えはないというふうにご説明がありました。東京都卸売市場計画の第七次で、都と民間とで負担するという考え方が出てきたと思いますけども、その考え方が出された理由をお伺いいたします。

○大朏中央卸売市場市場政策担当部長 施設整備に当たっての都と業界の負担の考え方でございますが、都はこれまで卸売り場、仲卸売り場など市場の基幹施設については都で整備し、個別の建築造作や個別の設備につきましては業界の負担で整備することとし、この考え方に基づいて運用してきております。しかし、市場用地の一部を使用し、加工パッケージ施設、冷蔵庫棟などの市場業者が必要とする建物をみずから建設する制度はございませんでした。
 そこで、平成十三年十二月に策定いたしました第七次の東京都卸売市場整備計画におきまして、これまで主として開設者が整備してきた卸売り場等の基幹施設に加え、低温機能を備えた施設や加工施設などの新たなニーズに対応する施設が求められてきており、これらの施設については、特に迅速かつ効率的に整備をする必要があることから、開設者による整備だけでなく、施設を使用する市場業者の資金やノウハウも積極的に活用するとの方針になりました。
 これを受けまして都は、平成十四年三月に東京都中央卸売市場用地の貸付けに関する規則を制定いたしまして、市場用地貸付制度を導入いたしました。この制度によりまして、従来の建築造作等の方法による整備に加えまして、市場関係業者が市場用地の貸し付けを受ける方法で、例えば低温倉庫、冷蔵庫などの保管施設、加工施設、搬送施設などのいわゆる付加価値施設などを、みずからの負担において整備することが可能となったものでございます。
 なお、現在大田市場や葛西市場におきまして、この制度を活用した市場施設の整備が行われております。

○清水委員 第七次整備計画前も民間の負担があったというご説明がありましたけども、それは例えば看板とか軽微な負担にすぎなかったわけです。
 二〇〇一年度からの第七次卸売市場整備計画を見ると、今ご説明のように、今後は業界要望に基づき東京都がすべてを整備するといった考え方ではなく、開設者として整備すべき領域を明確にし、選択的、重点的な整備を進めていく。使用料による投下資本の回収を前提として、計画段階から受益と負担の関係を踏まえた整備を原則とするなどとしています。つまり、整備費の相当部分を民間に負わせることや、都が投資した費用はすべて業者から使用料として回収するということを決めたわけですね。
 なぜこうした方向が出されたのか。一つは、当時は大手量販店などが市場外流通を増大させる中で、その流通をも市場内取引に組み込むことで市場の活性化を図ることを目指したため、転配送センターや加工パッケージなどの施設をつくることになり、それを民間負担にしようとしたこと。二つ目は、当時は市場会計が神田市場の売却資金が減っていく中で、一般会計も大型開発のツケで、現在に比べると財政が厳しく、市場会計への繰り出しを渋るという状況がありました。このもとで整備費の一部を民間に負わせることとしたためです。
 しかし、第一の点についていえば、最近までの経過を見れば、大手量販店が予約相対取引、先取りがふえ、競りによる取引量がふえないばかりか、市場内取引は全体として減少を続けてきました。成功しなかったのではないですか。伺います。

○大朏中央卸売市場市場政策担当部長 先ほどご答弁申し上げましたように、市場用地貸付制度は、市場業者が必要とする加工施設などをみずから整備するために、市場用地の貸し付けを行う制度でございます。
 この制度の特徴といたしましては、第一に、借地借家法の改正によりまして、平成四年から導入されました定期借地権の制度を活用いたしまして、貸付期間を限定して、普通借地に比べまして比較的安価な貸付料で市場業者に用地を提供するものでございまして、第二に、開設者による整備が困難な、使用者が特定され、また使用者が主としてみずからの営業のために必要とする加工施設などを、市場業者みずからの判断で整備することができるとする制度でございます。
 市場用地貸付制度は、このように定期借地権の普及を背景といたしまして、市場業者の多様な施設整備のニーズに対応するため、平成十三年の第七次計画の策定の際に導入が検討され、平成十四年の規則の制定により導入されたものでございます。

○清水委員 競りによる取扱量がふえているのかというふうに私は聞いたわけなんですけども、実際にふえていないんですよ。量販店の取引をふやしているだけ。しかもそのために低温施設などの投資がふえているのです。
 高度な品質管理ができる新たな施設整備については、その必要性はだれも否定しません。しかし実際には、そのランニングコストは経営に大きな影響を与えています。
 例えば私もことし視察しましたが、都内のある市場の卸売業者は、低温卸売り場をつくり、荷が産地から届いて出荷されるまで外気に触れることなく流通できるようになっていました。主な出荷先は量販店ということですが、この施設整備で取扱高が、二〇〇六年二百億円に満たなかったのですけれども、二〇〇九年には三百億以上に急増しました。先ほども他の委員の質問にもお答えされていましたよね。しかし、利益については、ランニングコストが増大したため横ばい状態なんです。
 また、先ほど近県のお話もされました。そちらがお話しされたところにも私も行きましたよ。市場の卸売会社では同様に大規模な施設整備を行いましたが、ここでも、取扱高は伸びても結局利益が出ず、ことし別の会社に吸収合併された、そういう例もありました。だから、低温施設をどう適正なものにするか、それを民間業者に押しつけていいのかということが問われています。
 そこで伺います。豊洲新市場計画は、第七次計画の量販店対応型整備のための過大施設と、第八次整備計画で打ち出された首都圏の拠点市場化を目指すことに伴う過大設備で、建設費を私は大幅に増大させていると思います。したがって、新たに現在地再整備案をつくる場合には、こうした歴史的経過を総括して、競りを基本とした適正な規模の市場整備計画をつくるべきだと思いますが、どうですか。

○野口中央卸売市場新市場担当部長 まず、お話しさせていただきたいと思いますのは、競りとか取引の方法の話と取扱数量全体の減少の話というのは、それはイコールというふうには考えておりません。
 そして今、築地市場におきましては、再整備の工事が中断した後、抜本的な施設改善というのはほとんど図られておりません。売り場におきましても継ぎ足し継ぎ足しという形で低温化をしており、そういった中で、やはり産地からはコールドチェーンの維持を強く求めておりますが、そういった確保もできません。そしてまた、小売の方も、きちっと買いに行きたいんだけれども、どこに一体車をとめるスペースがあるのか。そして雨が降れば路上で仕分けをしなければいけない、そういったことも出ております。
 したがいまして、そういった施設構造の老朽化等の問題から取扱量は減少しているのであって、競りをもって一つの現象をとらえるというのは適切ではない。そういうふうに考えております。
 そしてまた豊洲の計画につきましては、こういった築地市場の現象をとらえて、もちろん、我々が計画する上で想定しました、水産であれば日量二千三百トン、そして青果であれば一千三百トンというのは、これを何も再整備着手前の取扱量が多かった時代に戻す、そういう発想ではなくて、業界であるとか、また施設整備の適正規模、そういった流通環境の変化もあわせて計画をして進めておるものでございます。
 我々はそれについては、今の現在の流通環境を踏まえましても、先ほどご答弁させていただきましたけれども、安全・安心の問題、そして効率化、流通の確保の問題、そしてさらに小口の買い出し人の方々の問題、そういったことにオールマイティーに対応できるような、そういう施設を計画しているものでございます。

○清水委員 お聞きしたことは、競りを基本とした適正な規模の市場計画が必要ではないですかということを聞いたんです。
 それで、都は第六次計画によって、財政難を理由に再整備計画を二階建てから一階建てに縮小、見直ししようとしましたが、面積が大幅に縮小することなどで業者の方々の合意がとれず、とんざしたというふうにこの間の経過がありました。にもかかわらず、とにかく都の財政負担を極力減らす、都が投資した費用はすべて使用料としてとる。つまり、業者の負担を減らすことには背を向けて、都の負担を減らすという方向を第七次計画はとりました。これが民間負担の増大につながっているのではないですか。伺います。

○野口中央卸売市場新市場担当部長 使用料につきましては、今あり方検討会の中で、そういった適正な水準というものを検討しているところでございます。
 使用料の負担の問題につきましては、例えば、今回豊洲の中で施設計画で設定しておりますけれども、我々の方としても、できるだけ使用料のコストが下がるように、例えば光熱水費の維持管理、そういったものはできるだけ低減できるよう、例えば通路等におきましては、LEDだとか、そういったかなり省電力化を図るもの、そういったものも採用して検討しており、そしてまた空調管理につきましても、これを自動空調、また、通気を自動にして、中の温度が変化するときに外から換気を自動的に取り入れられるような、できるだけその経費をかけないような、そういったものを計画しております。
 もちろん先生がおっしゃるように、使用料が上昇するということにつきましては、我々もそれをできるだけ低減していくというスタンスをとっておりまして、そういった施設計画の中におきましても、それを念頭に入れながら、この施設計画の中で使用料を低減させるような、そういった方策をとっているところでございます。またそれにつきましては、さらにそれを今後検討して深めてまいりまして、業界の負担が少なくなるような、そういったことを取りまとめてまいります。

○大朏中央卸売市場市場政策担当部長 第七次の東京都卸売市場整備計画でございますが、先ほど申し上げました市場用地貸付制度は、多様な整備手法の導入の一つとして打ち出しているものでございまして、この制度は豊洲新市場に限らずすべての卸売市場、中央卸売市場に適用されるものでございまして、制度導入時の第七次計画では、特に大田市場において、新たな整備手法により荷さばき施設を整備するというふうに企画されてございまして、現在、大田市場で三施設、葛西市場で一施設の実績がございます。したがいまして、業界に負担を押しつけるための制度ではないかというご指摘は誤解であると考えております。

○清水委員 私は第七次計画全体の考え方をいっているんです。実際には業界の負担の増大につながっているんですよ。既に四月、特別委員会で質疑をし、都の答弁にもなっているので、簡単に紹介しますけども、一九九六年四月の第十二回築地市場整備推進協議会では、財源を理由に一律に縮小を図るような考えはとらないでほしい、お金がないから工事の縮小という問題ではなく、必要な機能を整えるのが大切、お金がないので縮小というのでは困る、よい市場をつくってほしい、業界を代表するものとして大変遺憾に思っているという反発の声が上がっていました。
 これまでのそうした教訓からいえば、第七次計画のように使用料による投下資本の回収を前提にするという考え方では、私がいいたいのは前には進まないということはいうまでもありません。財政難を理由として業者の要望を抑えることなどということはもってのほかです。
 ですから、現在地再整備案は、こうした業者の負担を縮小するために、私は、先ほどほかの委員もありましたけれど、一般会計の負担をも積極的に行うことこそが、現在地再整備計画を前に進めるための重要課題になっていることを直視すべきだというふうに考えます。なぜ市場当局は一般会計負担を求めないんですか。

○塩見中央卸売市場管理部長 現在においても、私ども公営企業に対します繰出基準がございまして、そのものにつきましては一般会計にそれを求めてございます。

○清水委員 私はずっと一貫していってきたんですけれども、業者負担を減らして現在地再整備を前に進めるためには、東京都の一般会計から繰り出しを、今いっているようなわずかの、幾つかの問題じゃなくて、基本的にこの問題を考えなければいけないと。一九八八年からの現在地再整備に当たって、建設工事に伴い、供給量の低下や経営が圧迫されることのないよう、具体的な総合対策を策定するとしていました。この築地市場再整備推進委員会の答申で確約した事項について、その後東京都はどのように対応したのかということについてお聞きしたいのですけれども、いかがですか。

○野口中央卸売市場新市場担当部長 平成三年に再整備工事を着手して、そして六年後に中断をしたわけですけれども、その再整備の中断の後、再整備案の新たな計画に向けて検討してきた、そういった経過がございます。
 ただ、いずれも場内物流の混雑さであるとか、また工期の長期化、そういったものが営業活動に支障が避けられないということで、いずれも検討に行き詰まりました。
 そういった中で、この現在地再整備というのは非常に困難であるという声が出まして、そういった中で、先ほどご答弁さしあげましたけれども、臨海部の移転の可能性を探ると、そういった要望が出されてきたわけでございます。
 そういったことはありましたけれども、再整備の検討につきましては、その後、水産仲卸組合から出されました案も含めて六案を検討してまいりました。しかしそれも同様に、いずれも交通量の激化であるとか営業上の支障が避けられない。そしてお客さんである顧客への影響が非常に大きい。そういったことが出されまして、これはもう合意ができないということで、それで業界委員の方々の中から、これでは生産者、消費者に迷惑をかけてしまう、基幹市場としての維持ができない、そういうことで、移転についてもあわせて検討していただきたいと。そういった要望を受けて、それで検討して、最終的に平成十一年十一月に、築地再整備推進協議会の中で現在地再整備は困難である、移転整備へと方向転換すべきと、これは六団体の代表の方々も含めて、その席でそういった意見集約がされたものでございます。
 そうやって我々は丁寧に対応してまいりました。同時に業界の方々も、長期の期間営業上の支障を伴う、そういった再整備工事に対して非常に危機感を持っておられたということもその中で出ております。

○清水委員 前に、なぜ現在地再整備が破綻したのかという議論のときに、私も申し上げましたけれども、業界が混乱する前にもう段ボール幾つもの要望が出されていて、それで、その要望も審議会とか、こういう協議会とか、幾つも出されていたんですよ。その要望はどうなったんですか。幾つも業者から出されているのを議事録をみんな見ました、私もね。みんな見ましたよ。
 現在地再整備が混乱した原因というのは、やはりその一つ一つの要望にこたえてないんですよ、東京都が。こたえなかったんですよ。それも私は大きな原因だというふうに思うわけで、その教訓を学ばなければいけないと。こういう業者、その後今いわれたような混乱とか破綻に至ったと。業者負担を減らすためには都の総力を挙げるという立場が私はなかったというふうに思うわけです。当時の話をしています。現地再整備案については、仮移転費用とか、人工地盤をつくるなど含めて、都の一般会計負担を実現すべきことを重ねて私は申し述べておきます。
 今回の参考人質疑で、業界の代表の方から、豊洲新市場整備案について、その規模は建設費用がなるべくかからないように、当初案より縮小計画されているとか、東京都の経費で建てるというふうに変更されたと認識しているなどとの発言がありました。このお二人の発言についてどのように認識されておりますか、お伺いいたします。

○砂川中央卸売市場新市場建設技術担当部長 まず、一番目のご指摘についてのご答弁でございますが、先日の参考人招致における参考人の方の発言について、ご本人に改めて確認いたしましたところ、水産卸売り場の面積の一部を変更し、三階に荷置き、荷さばき場を設置したこと、水産卸会社の事務所を管理棟から卸売り場の上部へ移したことなどにより、計画が縮小したことを指摘されておりました。
 これらの施設計画の変更は、業界の方々との調整を経た上で、昨年、平成二十一年に取りまとめたもので、このほかのさまざまな変更を含め、豊洲新市場全体の施設規模は、約三十八万四千平方メートルから約三十七万一千平方メートルに縮小したものでございます。
 また参考人は、PFI手法で整備することにより建設費を縮小できるとの説明を受けていたということもご指摘されていました。このことは、PFI手法の一般論として、民間のノウハウを活用することにより建設コストを縮減できるとされていることを指しているものと思われます。

○清水委員 私はこのときに、業者の負担を縮小する問題についてお伺いしたわけですけれども、短い時間の中では十分に聞き取れなかったというようなことで、私が本当にお答えいただきたいことも一部だけだったこともあります。しかし、やはり業者負担の軽減といったときに、こういうようなお答えがされるということに対しては、やはりまだ業者の方への説明とか、そういうのがきちんとされていないと、東京都が業者とよく、私は話し合っていないからこういうことが起こるのではないかというふうに思うわけです。新市場の開設時期についても、市場審議会では平成二十四年と確認されているものが、二〇〇九年二月にトップダウンで平成二十六年と変更しています。一事が万事です。東京都のやり方というのがあらわれています。
 今回の参考人質疑で、豊洲推進の業界代表の方々も含め、私の質問に対して、業界支援はありがたい、業界の負担の少ない方法をなど要望していました。また三月には、今までの伝統ある築地で再整備したい気持ちはだれも持っている、築地を去りたくて去る者は一人もいないといっておられる方もいました。東京都が責任持って確固たる努力をしなければ、現在地再整備はうまくいくはずがありません。一九八八年の現在地再整備計画が行き詰まった教訓を学ぶ必要があります。
 札幌でも大阪でも、現在地再整備を進めるために、さまざまな困難を乗り越えるために、どこも開設者が業者間の大変な調整をやって成功させてきたことを見ていないのでしょうか。業者から出されてきた要望の解決のための努力をするのは当然のことです。いわんや都は一般会計にオリンピック基金だけで四千億円もため込んでいます。負担能力は十分あります。
 また、ある業界の代表の方が、一九八八年の現在地再整備計画が行き詰まった原因は民間側にあるという発言をしていました。しかし、これまで質疑してきたように、一九八八年の現在地再整備が行き詰まった主たる原因は、財政難を理由にコスト削減、縮小をとった都にあったのです。だからこそ、それによってしわ寄せを受けた業界が反発した。これが真実です。
 重ねて強調しますが、市場の整備というのは、市場を通しての食の安定供給、食の安心・安全の確保、そのために市場会計という枠を超えて、財政支援を含め、オール都庁で取り組むことが必要です。それでこそ、現在地再整備が無理だという、業者の方々が挙げている工期の短縮化、業者負担の大幅減、業者要望に沿った設計が行われ、業者の合意によって解決への道が切り開かれるということを述べて質問を終わります。

○花輪委員長 答弁しますか。

○岡田中央卸売市場長 まず、私どもがどういう市場をつくりたいかということでございますけれども、一つは現在及び将来にわたって業界、生産者あるいは消費者からのさまざまなニーズにこたえられる、将来も見据えた市場をつくっていかなければいけない。それから、一つは業界の皆様方の要望でございまして、そこがビジネスチャンスとして夢がある、そうしたものをかけられるような市場をつくっていかなければいけないというふうに思っています。
 もちろんそうした中で、経費負担の問題があるわけでございますが、できるだけ建設費についても安いものをつくっていかなければいけないというふうに思っております。
 しかしながら、市場会計そのものは独立採算会計でございまして、安易に私どもが税金投入をお願いするといったようなものでもありませんし、また、その財源としては、基本的にはその使用料になるだろうと思っています。
 ただ、その場合の使用料におきましても、ただただ、かかった経費について業界の方々にお願いするということではなく、会計そのものとしてどういった努力ができるかということによって、その負担を少なくしていくということであろうと思っております。そういうことでこの間、二十年間、私どもは業界の方々と、現在地再整備を含め、また豊洲の移転という形でずっとやってきたというふうに思っております。
 その暁が、さきに行われました参考人招致で、現在地再整備がなぜうまくいかなかったのかといったときに、業界代表の方々は、官じゃないんですよ、官はやることをすべてやったんですよ、業界の方の調整ができなかったんです、そして業界の方の調整というのは官ではできないんですよと、こういうふうにいっている。この辺のところが我々としても、これからの市場制度的にも教訓であろうというふうに考えております。

○清水委員 大体ね、東京都は一九八八年の現在地再整備の行き詰まりについて総括はしていないんですよ、今。そんなことだから再整備について責任ある対応がとれないんではないですか。市場長は知事に、一般会計への支出を行うべきだと、一度でも要求したことがありますか。あったとしたらどれだけ要求したのか明らかにしてくださいよ。
 東京都が責任を持って確固たる努力をすべきだということを再度申し述べて質問を終わります。

○花輪委員長 今の質問に対しての答弁ですか。どうぞ。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 先ほど残渣の率につきまして調べているとお話をさせていただきましたけれども、本実験におきましては三割から五割程度の残渣が生じるということを想定してございまして、実験の結果、その想定の範囲内だったということを確認してございます。技術会議で提言されました技術、工法の有効性を確認したところでございます。

○星委員 九月二十六日に行われた小委員会の参考人招致で、業界関係者の方々のご意見を聞きましたが、移転推進、反対の立場は違っても、どの方も今の経営状況の悪さを訴えておられました。この間に既に三割もの仲卸業者が廃業に追い込まれたという話もありました。
 市場業界関係者ならずとも、今やどの業界にとっても経営状況は厳しく、今後の展望が見出せずにいると感じています。特に、食を取り巻く環境については、生鮮食料品の国内生産量の減少と輸入品の増加、生産、出荷の大型化、計画化、小売、外食の大規模化など、取引の形態が多様化し、市場外流通のさらなる進行が予想されます。
 しかしながら、この間、長く時間を費やして議論されてきたのは、豊洲の土壌汚染及び移転に関する問題が中心でした。こうした議論が重要なのは当然ですが、加えて、どの業界も生き残りをかけた変革の取り組みが進められている中、市場としても機能や流通などの再検討も必要ではないかと考えます。
 中央市場が豊洲移転を決定いたしまして十年近く経過をしています。十年一昔といわれるように、当初策定した新市場構想が今後の時代の変化に対応できるのか危惧するものです。平成十三年十二月に移転決定、十五年に豊洲新市場構想、十六年に基本計画策定ですが、これらに描いた将来像は現時点でも変わらないといっていいのでしょうか、所見をお願いいたします。

○野口中央卸売市場新市場担当部長 平成十五年に策定いたしました豊洲新市場基本構想におきましては、基幹市場としての役割の強化や、流通環境の変化に柔軟に対応できる施設整備、安全衛生対策の強化等、消費者、市場利用者の期待にこたえる市場づくりを行う、そういうこととしております。
 また、築地市場の取扱量をもとに、市場の競争力の強化など増加要素、市場外流通の拡大など減少要素、これらを考慮し新市場の取扱量を設定することとしました。
 その後、平成十六年に策定いたしました豊洲新市場基本計画におきまして、過去の築地市場の取扱量の推移等をもとに、増減の要因も総合的に勘案した上で、新市場の取扱量を水産物で日量二千三百トン、青果物で一千三百トンと推計しておるものでございます。
 これに対しまして、築地市場の取扱量は減少傾向にあり、平成二十一年で水産物が日量二千トン、青果物で日量一千二百トンとなっており、基本計画で推計した取扱量を下回っておりますが、これは、産地や顧客のニーズに対応できていないことなどが原因として考えられております。
 近年、消費者の食料品購入先はスーパーの割合が上昇し、また、食料品全体の八割が最終的に加工品や外食で消費されるようになるなど、流通環境は大きく変化しており、品質、衛生管理や加工などのニーズが高まってきております。このため、豊洲新市場では、売り場全体を温度管理のできる閉鎖型施設とすることに加え、物流効率化のための待機駐車場、新たな顧客ニーズに対応いたしました加工パッケージ施設や大口荷さばき施設などの整備を行うこととしており、こうした市場機能の強化により取扱量を増加させることができるものと考えております。
 このように流通環境の変化に柔軟に対応できる施設整備、安全衛生対策の強化など、基本構想における新市場が目指すべき整備の方向性は現在でも変わらず、その必要性は一層高まっているものと認識しております。

○星委員 わかりました。現在でも変わらず、さらにさらに必要性が高まっているというお答えはわかりました。
 しかしながら取扱量の減少に伴う話で、いわゆる現在の築地の市場が狭い、あるいは古いというところの中の部分で、使い勝手が悪くて産地や顧客のニーズに対応できていないというように、お答え今もありましたし、この間そういう議論がありました。
 しかしながら、流通の変化の問題に関しましては、私も地域を見渡してとても実感するんですが、都心ではまだまだ商店街が元気ですけれども、郊外においては本当に大手量販店、あるいは外食チェーンというところが、本当に多くの客がそういうところに集まっていて、とても気になるんですが、そういう大型店におきましては農場や漁協なんかと直接提携をしているような、そういうことも売りにされているようなところもかなりありますし、あとやっぱり今後ということの中では、少子高齢化の中で、実際に食べる口数というか、食の量というものも非常に減っていくんではないかというふうに思います。魚離れもあります。いろいろな要因があると思いますけれども、私は正直申し上げて、右肩上がりで今後市場の取扱量がふえていくとはとてもいいがたく、むしろ公設市場としての付加価値というところの中の部分を強化していくべきだというふうに考えていますが、その付加価値というところの中も本当に難しいと思っています。なぜならば、私自身が何を食べたいか、あるいは子どもたちにどういうものを食べさせていきたいかというところで、理想と現実というものがなかなか厳しいものがありまして、公としてどういうものを打ち出していくのか、これが正解だということが正直いってまだ読み切れない。今後も私は非常に、この食の問題は変化に富むというか、変化が激しいんではないかというふうに認識をしております。
 そういったことから、私は広いところに行けばすべて解決していくんだという議論は当たらなくて、むしろ、これからの市場に求められる機能として重要なことは何かというところを整理していただきたいというふうに思います。
 また、今回出された現地再整備案の四案ですが、A案、A-2案は、基本的なスペックはいわゆる豊洲というところが入るスペックで面積も同じです。まだ豊洲でなければならない理由というものがあるとしたらば、そこのところをお聞かせいただきたいと思います。

○砂川中央卸売市場新市場建設技術担当部長 新たな市場に求められる機能といたしましては、今もご答弁申し上げましたが、温度管理のできる閉鎖型施設とすることに加えまして、物流の効率化のための待機駐車場、新たな顧客ニーズに対応した加工パッケージ施設、大口荷さばき施設などを整備するとともに、周辺環境にも配慮した施設づくりが必要であると認識しております。
 今回の現在地再整備案は、築地において豊洲新市場並みの施設の規模は確保されておりますが、築地の敷地は二十三ヘクタールと狭いため、水産部と青果部を重層化せざるを得ず、周回道路が供用され、待機駐車場も平面で配置することができないなど、豊洲新市場と比較いたしまして物流機能などについての課題があることが指摘されております。
 これに対しまして、豊洲新市場は四十ヘクタールの敷地に水産卸、水産仲卸、青果売り場の基幹施設のそれぞれが各街区に平面配置されておりまして、荷の搬入から搬出に至る物流の効率化のため、荷さばきスペースを十分に確保し、売り場、バース、待機駐車場などの一体的な配置を行っております。さらに、環境に配慮した国内有数規模となる十二ヘクタールに及ぶ緑地や、二千キロワット以上の太陽光発電の導入、将来の流通環境の変化に対応する十分な拡張スペースを持った施設配置など、築地市場では実現が困難な機能を有しております。
 こういったことから、敷地規模四十ヘクタールは、新たに求められる機能を実現するための基本的な条件であると考えております。

○星委員 次に行きます。
 新市場が首都圏のハブ機能を持つことや、拠点市場となることにより、周辺市場を衰退させるという心配の意見が出されていますが、東京都の考えるハブ機能とはどのようなものなのか、お伺いいたします。

○大朏中央卸売市場市場政策担当部長 産地の出荷車の大型化や物流効率化の観点から、産地は効率的かつ確実に荷をさばき切れる拠点市場に集約して出荷する傾向にございまして、このような拠点市場から周辺の市場に荷を転送するという物流が現実的なものとなってございます。
 現に、築地市場や大田市場といった市場は、高い集荷力を発揮し、産地から荷を集め、周辺の市場とネットワークにより効率的な物流を確保してございまして、このような機能がハブ機能であると認識しております。
 また、周辺の市場は、拠点市場とのネットワークによりまして、多くの産地から多種多様な商品を集荷することができまして、地域の実需者のニーズに対応した取引を確保することができるものと考えております。
 したがいまして、特定の市場がハブ機能を持つ、あるいは拠点市場化をされるということによって、周辺の市場が衰退するということはございません。
 なお、小委員会でも申し上げましたが、農林水産省の卸売市場の将来方向に関する研究会が本年三月に発表した報告書で、拠点市場について触れてございますけれども、大規模な市場と中小規模の市場における流通事情に即した卸売市場の機能、役割分担の明確化を図り、効率的な物流のネットワークを構築することが重要である。このため中央卸売市場について、おおむね地方ブロックごとに、大型産地から荷を大量に受け、周辺の市場と連携をした流通を行う役割を担う拠点市場を位置づけ、その機能強化を進める必要がある。また、拠点市場とネットワークを構築する中央卸売市場については、それぞれの地域における生鮮食料品等の流通の中核として、需要者のニーズに適切に対応した効率的な流通を確保することが必要であるとしております。

○星委員 意見を申し上げます。
 設備投資を強化しハブ機能を進めていくということが今後、市場が勝ち残っていくため唯一絶対という考え方には疑問を持ちますが、むしろ都民の台所として、消費者の立場、買い手側の立場というところの中の部分での付加価値をどう高めていくかというところを、ぜひ盛り込んでいっていただきたいというふうに思います。
 そして、そのためにはやはり、だれもが認めている都心に近い立地やアクセスの優位性、場外市場のにぎわいとの連携をむしろ武器として、消費者の安心・安全にこたえる市場を目指すということが、私はとても重要なことだというふうに申し上げまして、意見といたします。

○花輪委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後五時二十八分休憩

   午後六時一分開議

○花輪委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○田の上委員 先日の小委員会の参考人招致ではさまざまな意見が出されました。新たな指摘もあり、課題もあり、しかし現在地再整備案にせよ、豊洲移転案にせよ、共通していたのは食の安全・安心を確実にするということです。参考人の方々も口々に土壌汚染の心配について語っていらっしゃいました。そのお話の中でも出てきましたが、平成十年に都の依頼を受けて組合の投票があったとのことです。改めて考えてみると、豊洲地域で高濃度汚染が発覚してから意向調査と呼べるものは行われていません。市場で働く皆さんがどのようにお考えなのか、きちんと聞き取るべきであると思います。また、検討されるべきではないかと申し上げます。
 以後、豊洲予定地の土壌汚染について確認をしていきたいと思います。
 まず、詳細調査、絞り込み調査、百十七条調査、ボーリング調査と今まで行ってまいりましたが、豊洲の土壌及び地下水の汚染調査にかかった費用、また、ことしに入ってから六月までの実験にかかった費用を教えてください。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 都が実施いたしました詳細調査を初めといたします土壌及び地下水の調査に要した費用は、約十億五千万円となってございます。また、都は技術会議が定めた技術、工法につきまして、現地の汚染や土質状況に即しまして適用し、実験することにより、確実に無害化が可能であることをデータで確認するために、本年一月末から七月初旬まで実験を行い、それに要しました費用は全体で約九億三千万円でございます。なお、技術会議におきまして、実験内容やデータに関し、評価、検証を行い、すべての処理技術について有効性を確認してございます。

○田の上委員 今まで実施した詳細調査などの費用は約十億五千万円とのことでした。これは、技術会議の報告書で提案されました土壌汚染対策の五百八十六億円には含まれるんでしょうか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地におけます土壌汚染対策に関する経費、この経費は五百八十六億円と算定いたしまして都民に公表してございます。土壌汚染対策を行うためには絞り込み調査等の土壌汚染調査により、汚染土壌の分布の状況や汚染物質の種類、汚染状況の実態を把握いたしまして、その上で汚染物質ごとの処理土量を算定することが不可欠となってございます。このように、土壌汚染調査と土壌汚染対策工事は一体不可分なものでございますので、調査に要する費用につきましても、準備工事として土壌汚染対策経費の中に計上してございます。

○田の上委員 たしか技術会議が報告書を出したのが平成二十一年の二月です。そのときには絞り込みの調査の報告まで受けて対策案を出しました。そのときに五百八十六億円で二十カ月というものが出てきたんですが、どうしてその前に行っていた調査がこの費用に含まれるんでしょうか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地におけます土壌汚染対策経費総額五百八十六億円でございますけれども、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、土壌汚染対策を行うためには土壌汚染調査が必要不可欠でございます。このように、土壌汚染調査と土壌汚染対策工事は一体不可分でございますので、調査に要する費用につきましても土壌汚染対策費の中に計上したものでございます。

○田の上委員 そうしますと、時間的な順序というのは関係なく、今後行われるであろう実際の汚染対策費は五百八十六億円から調査費用の十億五千万円を引いた費用の中で行われるということかと思います。汚染土壌及び地下水処理、液状化対策、埋め戻しや盛り土などまですべて行うということですね。
 では、次に盛り土について確認をいたします。
 土壌汚染対策費の五百八十六億円が決定されたときには盛り土は健全土として認識されていたと思います。汚染が発覚し、原因が特定できないことから、今後百立米ごとに二十五物質の調査を行うということが技術会議で決定されました。その調査にかかる費用を教えてください。また、これはその土壌において汚染対策が適応するかどうかという実験も行うのでしょうか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 技術会議の提言に基づきます盛り土の調査につきましては、盛り土の安全性を確認することに加えまして、他の土壌汚染対策工事や建築工事との調整など、開場スケジュールに影響が出ないよう調整を行うことが重要であると考えてございます。したがいまして、盛り土の調査に要する費用は、敷地全体の土壌汚染対策との整合を図りながら、詳細設計において盛り土調査の具体的な方法を設計いたしまして算出することといたしております。また、盛り土は建設発生土など他の地域から運ばれた土でございまして、搬入時に地歴調査などを行い、豊洲新市場予定地のように、ガス工場があった地歴を有した土は受け入れてございません。したがいまして、建設土として化学性状や地歴が確認された土であり、都としては技術会議の提言に基づきまして、百立方メートルで二十五物質の調査を行いまして、万が一汚染が見つかったとしても盛り土の汚染処理は一般的に確立した技術によりまして汚染土壌処理が可能であり、盛り土について新たな実験を行う必要はないと考えてございます。

○田の上委員 先般の実験も一体どういう実験だったのかということで質疑をさせていただいたかと思います。結局、その土地で対策ができるかどうかの実証実験だったのか、一体何だったのかなというふうな思いがいたします。盛り土は搬入土、先ほどもおっしゃっていましたけれども建設土でございますので、豊洲の工場操業由来の土とは異なります。また、操業地盤面以下で行われる七物質の対策とは異なり、二十五物質での調査、対策ということになりますので、実験をやらないというならわかるんですけれども、必要ないというご判断は、ちょっと今までの実験の趣旨からは理解しかねます。
 報告書には、汚染が見つかった場合の対策は、汚染土壌は処理し、きれいな土壌を盛ることとあります。一般的に確立された技術で処理することが可能とのことでしたが、具体的な盛り土の汚染対策についても費用や方法は不明ということでしょうか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 盛り土の汚染対策につきましてご質問でございますけれども、都は盛り土について、技術会議の提言に基づきまして、念のため、全盛り土について百立方メートルごとに二十五物質の調査を行い、安全性を確認してまいります。調査の結果、万が一汚染が見つかった場合には汚染土壌は処理いたしまして、きれいな土を盛ることといたしております。また、盛り土の汚染対策につきましては、一般的に確立された技術によりまして確実に汚染を除去することが可能でございます。
 こうしたことから、具体的な調査の方法や対策については、今後の詳細設計の中で検討することとしてございます。

○田の上委員 具体的な調査の方法や対策については、今後の詳細設計の中で検討していくというお答えでございましたが、そうしますと、費用の方もわからないということでよろしいでしょうか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 盛り土の調査によりまして、万が一汚染が検出された場合には、費用が必要となるということも考えられます。技術会議の提言によりまして、例えば、微生物処理によります前処理土壌量の削減など、コストダウンが期待できる対策も示されていることと、それから盛り土の汚染処理によります増加の費用と、これらをあわせて詳細設計の中で明らかにしていくこととしてございます。
 そのほかに、発注方法、あるいは設計VE、施工方法等工事全体としてのコストダウンにも努めてまいりたいと考えてございます。

○田の上委員 そうすると、この費用というのは五百八十六億円には入らないということだと思います。砒素や弗素、硼素、こういったものも対策していくんですが、環境基準以下にするのが大変だと聞いております。二十五物質の処理においては対策も変わってくる可能性があると考えます。
 今回の盛り土の汚染は土の入れかえなのか、汚染処理をして埋め戻しなのか、はっきりとはわかりませんが、対象の土量はどれぐらいになるのでしょうか。都市整備局によると、五街区、七街区には土を搬入していますが、六街区には搬入していないとのことです。しかしながら、報告では盛り土の汚染として六街区にも五、六カ所含まれています。道路の工事の際の盛り土などが移動して六街区に入ったと聞いていますが、ここの部分も対象になるということでよろしいでしょうか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 技術会議に報告されました豊洲土地区画整理事業により搬入された盛り土量は推定で六十万立方メートルとなってございます。六街区におきましては、盛り土工事は行ってございませんけれども、道路工事の工事車両がアクセスするためのスロープの築造などに盛り土を移動して利用しておりまして、この土も調査対象に含めてございます。

○田の上委員 六十万立方メートルほどの土壌が対象になるということは、かなり大きいことだと思います。詳細設計ができていない段階での盛り土の汚染調査費用や対策費用などはわからないということですが、先ほど、今まで行った汚染調査費用がおおよそ十億五千万円ということで伺いました。もちろん、盛り土の調査の範囲などを考えると、費用は異なると思いますが、従来の七物質とは異なり、二十五物質が対象になるという要素もございます。
 小委員会などでは、築地の不確定要素のご指摘もありましたが、豊洲の予定地でも不確定な部分が多く、盛り土の部分では費用や期間は延びる可能性があるということだと考えます。
 豊洲では、建物建設地、またはそれ以外でも市場施設完成後に地下水位、水質のモニタリング施設設置をすることになっています。設置費用については、十三億円とあります。先日の連合審査会での質問で触れさせていただきましたが、地下水実験で揚水量をはかっていないとのことでしたので、どれくらいの能力のポンプが幾つ必要なのか。浄水の機械のタンクはどれくらいの大きさが必要なのかなどははっきりしないと思うのですが、この費用はさらに高くなるということも考えられるのでしょうか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 技術会議で提言されました地下水管理システムは、地下水の水位をAP一・八メートルで管理するためなどに構築するものでございます。技術会議では、新市場予定地付近の過去の降雨量、地下への浸透量を算定いたしまして、地下水位を一定に維持するために必要な揚水量を定めた上で、ポンプの能力や必要台数を設計いたしまして、将来の市場施設の配置計画と整合性が図られるよう井戸の設置位置を定めております。これをもとにいたしまして、地下水管理の経費として、十三億円を見込んでいるところでございます。
 今回の地下水浄化処理実験におきまして、地下水が揚水できているかどうかということでございますが、地下水位によります管理を行いました結果、いずれの地点においても将来の管理水位であるAP一・八メートル以下への水位低下を確認してございます。したがいまして、現在想定しているポンプの台数等で地下水管理システムは可能でございます。費用が増加することはないものと考えてございます。

○田の上委員 私が伺ったのは揚水量のことでございまして、揚水ができているかどうかではないんですが、いずれにしましても、今のご答弁ではきちんとした揚水量がわからなくてもシステムは万全だということだと思います。十三億円の中でやっていかれるということです。
 装置のキャパシティーについて私は不安があるのですが、例えば集中豪雨などで地下水が一気に上がるというケースにも備えられるんでしょうか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 地下水管理システムが集中豪雨等に耐えられるかということでございますけれども、そもそも地下水管理システムは地下水の水位をAP一・八メートルに保ち管理するために構築するものでございます。そのため、過去の降雨量、あるいは地下への浸透量、こういうものを算定しておりまして、所要のポンプの台数、あるいは能力等を設定してございます。そのほか、将来の市場の配置計画等と整合を図った上で、井戸の設置位置も定めてございますので、将来の降雨には対応できるというように考えてございます。

○田の上委員 技術会議の資料によると、原則月一回の水位観測という形で管理をしていきます。この管理は、目安として十年間というふうになっています。東京ガスの負担なのか、東京都の負担なのかはっきりしていないとのことですが、この地下水管理の費用、つまりランニングコストはどのぐらいかかるのでしょうか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 お尋ねの地下水管理のランニングコストでございますけれども、今後実施いたします詳細設計の中で検討していくということでございます。

○田の上委員 地下水管理システムは、観測井戸に設置した水圧式水位計により地下水位を計測し、そのデータが各街区の端末装置を経由し、中央監視室まで無線及び有線方式で転送する。また地下水位を自動制御するというものでございます。ランニングコストはかなりかかるのではないかと推測をしております。管理の目安の十年間も機械の耐久年数から割り出された期間ですので、さらに長引く可能性があるのではないかと思います。
 次の質問をいたします。
 以前マスコミ報道もございましたが、平成十八年に行われた地盤解析調査の資料の中でも地盤沈下の懸念がされています。地盤沈下対策は行うのでしょうか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 お話の地盤沈下の報道につきましては、都が平成十八年度に実施した地盤解析報告書によりまして、現在盛り土がなされていない六街区で今後盛り土を行った場合、最大沈下量が五十九センチメートルと推計されているという内容でございました。そもそも臨海部の地域では盛り土を行った場合、地盤沈下の現象が起こるということは一般的に知られております。そのため、都は報道でも取り上げられました新市場予定地の盛り土による地盤沈下への影響について、平成十八年度に調査を行ったものでございます。
 その結果でございますが、平成十四年から十八年にかけて盛り土を行いました五街区、七街区につきましては、地盤沈下は終息しておりまして、地盤は安定している状態にあると分析してございます。また、今後盛り土を行います六街区においては、盛り土を行うことにより予測される沈下量に見合う土を盛ることで、沈下対策を講じることとしてございます。

○田の上委員 今、六街区におきましては予測される沈下量に見合う土を余分に盛るとおっしゃっておりました。予測される沈下量に見合う土とはどれくらいでしょうか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 平成十八年に都が実施いたしました地盤解析報告書によりますと、最大の沈下量が五十九センチメートルでございます。この五十九センチメートル、約六十センチメートルに六街区の面積、約十六ヘクタールと考えますと、十万立方メートルという土量と考えてございます。

○田の上委員 そうしますと、沈下分、最大沈下量だと思いますが、五十八・九だったかと思いますが、約六十センチ分の盛り土をさらに追加するというお答えだと思います。五街区や七街区は大体今AP六・五メートルということになっているんですが、そこに六十センチ分を足して七・一メートル程度に盛り土をするということでよろしいでしょうか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 盛り土の将来高が六・五メートル、沈下量が約六十センチといたしますと、それに見合う余盛りを先にするということになります。その余盛りの高さは七・一でございます。

○田の上委員 そうすると、東京都は六街区でいえば最大六十センチの沈下を認識されて、それで対策をするということでございますね。技術会議で地盤沈下の方策は話し合われていなかったのですが、十万立米ということでございます。その費用は五百八十六億円に含まれるのでしょうか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 盛り土についてのお尋ねでございますけれども、五百八十六億円の中に盛り土の対策費が含まれているかどうかというところでございますけれども、今後、関係局との関係もございますので、調整してまいりたいと考えてございます。

○田の上委員 ちょっと説明をしていきたいと思います。基本的なものになりますが、ちょっと再度おさらいでございます。これは東京都が出しています「疑問解消BOOK」のコピーでございますので、もう皆さんご案内のことだと思います。
 土壌汚染対策というのは、工場操業地盤面二・〇メートルですが、そこから五十センチ下がったところで一カ所採取して、その調査によって進路方向にさらに調査をしていき、これから対策がなされるというものになっております。
 汚染対策の範囲というのは、この操業地盤面から下の部分、二メートルより下の部分でございます。その上、この二メートルの部分、ここに砕石層というものもございますが、この二メートルの部分はきれいな土とすべて入れかえて、その上に二・五メートルの盛り土をしていくということになっています。この盛り土が大体五街区、七街区だとAP六・五メートルまでなっているというものでございます。
 そもそもこの盛り土は何のために行うのかというと、おもしのような役目でございます。漬物石だと考えていただければよいかと思います。
 豊洲の土地では、一年間盛り土をして放置をし、その後の沈下量を十センチを目安に設計され盛り土の量が決められています。つまり、地盤沈下は初めの一年間で大幅に沈み、その後は最大と思われる沈下の深さまで徐々に進むと考えられています。地盤調査データでは土地区画整理事業により、AP六・五メートルまでの盛り土をし、土地の引き渡しまでの一年間を放置期間として建設工事に入ることになっています。
 この下の方に、よくいわれる不透水層だとか難透水層だとか、よく議論されているこの不透水層が有楽町層でございます。この有楽町層というのは粘土のようなものでできていますので、水分を排出するのに時間がかかり、また沈下が大きいとされています。特に六街区におきましては、最も軟弱層が厚く分布していて、地盤解析調査の検討結果によると、一年間で最大四十二・二センチの沈下、最大沈下、先ほども約六十センチとおっしゃっていましたが、五十八・九センチ。そこまでの残りの沈下量が十六・七センチとなります。設計のものが十センチでございますので、基準を大きく上回っています。ですので、心配されているんですが、その結果、六街区では放置期間を二年間とするか、もしくは盛り土をさらに厚くして圧力を加えるかのいずれかの方法をとることが提示されています。今まで提案されている土壌汚染対策では、APプラス二メートルから四メートルをきれいな土に入れかえるとしています。五街区、七街区では、今まで盛り土をして時間を置いてあった部分も仮置きし、さらにその深くの厚さ二メートル分を入れかえをするということになるんですが、この入れかえ分の埋め戻しをし、またさらに盛り土をしてから一定期間を置くことになるのでしょうか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 都が行いました豊洲新市場予定地の平成十八年度の地盤解析報告書によりますと、圧密沈下の検討の結果、平成十四年から十八年にかけて盛り土を行いました五街区及び七街区については、地盤沈下は既に終息しておりまして地盤は安定している状態にあるということがわかってございます。
 お話の二年間の部分でございますけれども、同報告書では今後盛り土を行う六街区においては、沈下への対応として二年間放置する方法と余分に余盛りを行いまして、さらに圧密を促進させ、圧密沈下の時間を短くするという方法が検討されてございます。そうした検討を含めまして、都は予測される沈下量に見合う土で盛り土を行うことによりまして、沈下後の高さが所定の位置となるような対策を講じてまいります。

○田の上委員 そうすると、所定の高さになるように余盛り、つまり盛り土を余分にするということでお答えをいただきました。大体三年間で六十センチぐらいということなんですが、その分を余盛りする、盛り土を高くするということだと思います。
 しかしながら、そもそもこれは室内実験による解析データなので、実験どおりにすべていくとは限りません。例えば、先ほどもお話に出ましたが、葛西市場では管理棟と卸売棟との間に段差ができて地盤沈下対策をしております。長い年月をかけて地盤沈下が進んでまいります。予測になかった地盤沈下を起こしている関西空港や羽田などもそうですが、そういった例もございます。
 豊洲は、軟弱な有楽町層というものがかなり厚くて、六街区、七街区では、おおむねマイナス五メートルからマイナス三十メートル、二十五メートルほどの厚みがございます。その部分の地盤沈下がかなり深刻になります。長期沈下の対策が必要になり、さらに費用がかかる可能性があるということを申し上げておきます。
 先ほど地下水管理のお話をさせていただきました。また、この図にもあるんですが、先ほどご説明にはなかったんですが、ここに二十センチの砕石層というものがございます。地下水管理はAP一・八メートルというところで地下水管理をするんですが、ここのところに砕石層と呼ばれる石が入っているものでございます。砕石層というのは、そもそも地下水の、ここにも書いてあります毛細管現象防止と書いてあるんですが、地下水が毛細管のように上に上がってくるものを防止する、それによって汚染がまた上に上がって再汚染になることを防ぐためにつくられています。
 それからもう一つは、降雨のときに地下水が上昇するのを防ぐために、貯水槽のような役割をしております。これが一・八メートルから二メートルのところにあるわけでございます。
 先ほどのお話でいきますと、六街区で見ると、地盤沈下による最終沈下量の最大値五十八・九センチ、約六十センチでございますが、そうすると、下がっていくと、この砕石層というのも今一・八から二・〇なんですが、AP一・二から一・四メートルぐらいまで下がってしまいます。海水面というのが横にあるわけなんですが、海水面は干潮時で大体APマイナスゼロメートル、満潮になるとAP二メートルを超えてまいります。そうしますと、地下水位をAP一・二メートル以下に管理するのは不可能ではないかと考えます。砕石層が常に地下水位以下であれば、砕石層の意味がなくなってしまうんですね。ですので、地下水位管理がこのように六十センチ下がってしまったら、この砕石層も下がってしまうので、根本から考え直さなければいけないのではないかと考えます。
 先ほど来申し上げてますが、地盤沈下というのは、ゆっくりだんだん下がってくるんですが、一番圧密といっておもしにしてあるのがこの不透水層、有楽町層の部分です。有楽町層が下がるので、自然にこっちも下がってまいります。ということでございまして、地下水位管理というものをもう一回設計した方がいいんじゃないかと私は思うのですが、いずれにしましても、費用や対策期間にはまだ検討しなければいけないことがたくさんあると意見を申し上げて、次の質問に移らせていただきます。
 答えていただいても結構です。何かありますか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 砕石層の設置でございますけれども、委員お尋ねのように、砕石層が六十センチ下がるということではなくて、将来の高さAP二・〇メートルにおさまるような設置をしてまいります。

○田の上委員 そういうことは、盛り土は上からするのではなく、下の層のところで何か層を厚くするということなんですか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 圧密沈下を起こす層というものは、委員お話しのようにAP二以下の深いところにある層でございます。その層について、五街区、七街区は既に沈下が終息しておりまして、安定している状態にございます。六街区におきましては、砕石層が六十センチ下がるというようなことがないように、将来の出来形の位置、APの二メートルに砕石がおさまるようなつくり方を考えてございまして、詳細設計の中で検討してまいる考えでございます。

○田の上委員 これから対策をするということのお答えなのかというふうに思います。
 では、次の質問をさせていただきます。
 先日の土壌汚染対策の実験で無害化が実証されたとのことですが、これは安全宣言とは異なるのでしょうか。何をもって市場は安全だと考えているのでしょうか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 都といたしましては、技術会議で有効性が確認されました処理技術、工法によりまして、土壌汚染対策を確実に実施することで市場用地としての安全性が確保されるものと考えてございます。豊洲新市場予定地におけます土壌汚染対策につきましては、専門家会議、技術会議という二つの会議体におきまして、生鮮食料品を取り扱う市場用地としての安心・安全を十分確保する万全な土壌汚染対策を取りまとめていただいたところでございます。今回、豊洲新市場予定地で行った実験につきまして、技術会議において、すべての処理技術についての有効性を確認していただくとともに、この処理技術を適用することで、豊洲新市場予定地の汚染物質は除去可能との評価をいただいているところでございます。

○田の上委員 ちょっとよくわからないんですけれども、技術的なものを駆使して今まで発表してきた土壌汚染対策を行えば安全だという認識でいいんでしょうかね。市場は、安全な状態で開場するということになっておりますが、東京都が考える開場の要件とは何でしょうか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 安全な状態での開場ということでございますけれども、豊洲新市場予定地の新市場の整備につきましては、これまでも議会などでご答弁申し上げておりますように、汚染物質を除去いたしまして市場用地としての安全性を確保する、これが前提であると考えてございます。したがいまして、都は専門会議や技術会議の提言に基づきます土壌汚染対策を確実に行い、豊洲新市場予定地におけます操業に由来する汚染物質をすべて除去し、市場用地としての安全性を確保していくことが安全な状況での開場につながるものと考えてございます。

○田の上委員 安全を確保してから開場するということですね。しかし、建設に関しては、例えば地下水対策後のモニタリングの期間の二年間の終了を待たずして本体工事の建設に入ると聞いております。もし、モニタリング期間の間に汚染が発覚すれば、浄化してすぐに対策をしたとしても、そこからさらに二年間というモニタリングの期間が必要になってまいります。つまり期間はもっと延びてしまいます。土壌汚染対策法の要措置地域のまま開場するということはあり得るのでしょうか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 お尋ねの件でございますが、都の土壌汚染対策は、調査結果をもとに環境基準を超える操業に由来する土壌の汚染物質をすべて除去し、地下水についても環境基準以下に浄化していくものでございます。こうした土壌汚染対策後、地下水のモニタリングを二年間行っていくということでございます。この二年間の地下水モニタリングは、土壌汚染対策法に基づきまして、当該土地において地下水汚染が生じていない状況が二年間連続していることを確認するために行うものでございます。都といたしましては、モニタリングにおいて地下水から汚染物質が検出されることがないように、技術会議で提言された技術、工法を確実に実施いたしまして、万全の対策を講じたいと考えてございます。

○田の上委員 AP二メートル以下の土壌汚染対策は、概況調査で汚染が発覚したメッシュの部分、十メートル掛ける十メートルしか対象になりません。つまり、最初に汚染が発覚しなかったところはAP二メートル以下で取り除く部分がなくて、そのまま残ってしまいます。八月二十四日の連合審査会の答弁では、土壌汚染は地下水調査を同時に行っているから汚染は見逃さないとのことですが、汚染は局所的であり、少しずれれば、例えば五十センチ、七十センチずれれば見つかりません。地下水に必ず汚染がしみ出しているわけでもありません。また地下水が移動することから汚染は残ってしまうと思います。
 汚染対策の対象は、大体全体で約二百万立米のうちの二十万立米でございます。全体の一割程度、汚染が残る可能性を考えれば、このモニタリングの期間に汚染が発覚しないとか地下水の濃度が対策後に完全に下がるという保証はなくて、やはりこのモニタリングの二年間を待たずに建設工事に入るということはリスクが高いともいえます。もし、建設期間に汚染濃度が上がり、スケジュールどおりに開場すれば、要措置区域、つまり汚染区域のまま市場は営業するということになりますが、この場合、消費者である都民を初め、市場で働く人々の理解は得られるとお考えなのでしょうか。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 専門家会議、あるいは技術会議の提言に基づきまして都が行う土壌汚染対策は、法の定め以上に綿密に行った調査結果に基づきまして、環境基準値を超える操業に由来する土壌の汚染物質をすべて除去するとともに、地下水についても環境基準以下に浄化していくものでございます。こうした土壌汚染対策を確実に実行することで、人が生涯この地に住み続けても健康への影響はなく、生鮮食料品を取り扱う市場用地としての安全性を確保していくことで理解を得られるものと考えてございます。

○田の上委員 つまりモニタリング期間に汚染が発覚することは前提としないというようなことだと思います。築地に関して予測のつかないおくれが出る可能性があるという言葉をよく聞いてまいりましたが、要措置区域のまま本体建設に踏み切る、この豊洲にも予測のつかないおくれが出るかもしれません。
 初めに申し上げましたが、市場の関係者は皆さん土壌汚染を心配をしています。土壌汚染は、豊洲予定地にとって最大の課題でございます。東京ガスの汚染対策の後、安全だとされていたその土地はその後高濃度汚染が発覚し、何が安全なのかわからなくなってしまいました。今までにも何度も議論を重ねてきましたが、操業由来として調査可能性のある項目数の不足、深度方向への調査不足など、調査全般の不足とともに、対策についても十分とはいえません。盛り土の再汚染に見られるように、地下水の動きの影響があるにもかかわらず、対策を全域で行わず、汚染が発覚された区画でしか行わないという問題もあります。十メートルメッシュに一カ所の採取による調査では汚染がすべて把握できないにもかかわらず、一定の項目しか処理せず、ほかの物質が残る可能性がある処理済み土を埋め戻し土に使う、埋め戻しに使う問題もあります。また、東京都の姿勢、対応についての疑問もあります。ベンゾ(a)ピレンや透水係数の訂正の問題、技術会議で調査結果を経て提案されたはずの対策では、汚染が発覚した盛り土を健全土として埋め戻すとされていたことや中間報告で初期値が示されなかった問題、実験を行うに際して、技術会議の提案どおりの実験を行わず、仕様書の内容に沿わずに実施、終了したことなど、今までの経過を見ていると今後の対策において懐疑的にならざるを得ません。
 私たち都民が考える安全と東京都が考える安全が合致するようご努力をお願いしたいと申し上げます。

○長橋委員 ご苦労さまでございます。私からも質疑をさせていただきますが、きょうも既にかなりの質問が出ました。質疑を重ねてきました。また、きょうは小委員会がこの特別委員会の前に行われまして、小委員会からの報告を受けての質疑であります。
 小委員会は、報告にあるとおり、九回の小委員会を重ねてまいりました。七月十六日から小委員会が始まりまして、去る日曜日、きょうも日曜日なんですけれども、去る日曜日、参考人質疑を行いました。きょうは傍聴にも、先週、参考人の方もまたお忙しい中来ていただいております。ありがとうございます。また、その際に傍聴に来られた方もいらっしゃるかと思います。質疑を重ねて、各会派それぞれ主張を展開したわけでありまして、私はその小委員会の中で何とか一定の方向が見出せればと、こんな思いもあったわけであります。そういう中で、最後の質疑が九月二十六日の参考人質疑でございました。十五人の方がお見えになりまして、それぞれの立場でのお話を聞かせていただきましたけれども、本当にその業界に、また築地に携わって、長年にわたって、二十数年にわたってご苦労されてきた話については、大変深く深く重く受けとめた次第でございます。私は小委員会の副委員長でもございましたので、それぞれ参考人の方にお話を重ねて聞かせていただきました。また、十五人の方の参考人を日曜日の日に、同じ日に集まっていただく努力というのをこの小委員会の委員長であられました西岡委員長には大変ご苦労をおかけしたと思っておりまして、感謝を申し上げる次第でございます。
 そこで西岡委員長に、私も小委員会の副委員長でございますので、また、きょうは西岡委員長にご質問をしてもよろしいと、こういうお話もございました。参考人質疑の中で、私は今思いをいったわけでありますけど、西岡委員長は委員長の立場でご質問ができなかったわけでございます。参考人の皆様からの声を聞いて、どんな感想があるのか、まずお伺いしたいと思います。

○西岡委員 まず、長橋副委員長に申し上げますが、委員長報告に対する質疑なるものは同委員会のメンバーがやるべきものなのかどうか、まず一点、そのことを申し上げておきたいと思います。どういう議論があったのか、その事実経過についての質問を小委員会以外の方がするのが本来ではないかというふうに考えております。また、私は委員長として参考人招致を担当いたしましたので、個人の見解だというふうに思われるような発言は控えたいと思います。

○長橋委員 西岡委員長の今のご発言でございました。私も参考人のことについて、どういうふうにお感じになったかと、こういうことでございますので、小委員でなかろうが、またきょうこの小委員会から出てきている参考人のご意見もすべてここに載っているわけでありまして、それに対するご感想をお聞きしたいなと、こういうふうに思ったわけでありますが、今あえてご答弁なさらなかったと、こういうことでありますので、決して同じ小委員会だからといって議論を蒸し返しているわけではございませんので、そこのところはご理解をいただければと、こういうふうに思うわけでございます。
 そこで、私は議論も重ねてまいりましたので、最後二十六日の参考人質疑、私は大変深く受けとめたと、このように先ほど申し上げたところでございます。その中で、参考人の皆様から聞いたご意見の、また意見表明の中に今回八月三日に民主党からの提案になった現在地再整備案、当初はA、B、C案の三案、検討事項案でございました。その後も新たな追加の説明があったわけでありますが、私が驚いたことは、参考人質疑の意見表明の中で、この現在地再整備案、表に出る前に何ら説明がなかったと、こういうご発言がございました。何も説明もありませんでしたと、このようにございました。また、きょう来ておりますが、今回の築地問題というのは、すべて業界同士が真摯に、そして誠実に話し合いながら積み上げてきたものですと、そういうことでございます。築地問題については、参考人の方、それぞれご意見はありましたけれども、それぞれの立場で、また業界同士で長年にわたって積み上げてきたものでありますと。そして、議会も、議案や問題については、こうした、ましてや市場問題については、大きな問題については、いきなり表に出してということはないでしょうと、このようなご発言もございました。青果は二階に上がってくれというなら、なぜ、あらかじめ電話一本なかったんだと、このような発言もあったわけでございます。
 そう考えると、こういう問題について何の説明もなかったということは、私が聞いている範囲では、民主党さんは八月三日に提案をされる前に相当議論も重ね、公募もして、さまざまな案を、ご提案を皆さん、都民の方々からいただいて議論を重ねて、それを三つに絞って提案されてきたというふうに聞いております。にもかかわらず、この最終三つの案を民主党として出される前に、何ら業界とは話をしなかったと、こういうことになるんだろうなと思うわけでございます。常識的に考えて、こういう大事な問題、ましてや築地市場については二十数年にわたって現在地再整備についてもとんざをした、そういうことも含めて、業界の方は一刻も早く結論を出してもらいたい、こういう思いでいるわけでありますけれども、そういうご発言もありましたけれども、まさにこの案を出す前に、きちっと業界のご意見も、都民のご意見はもちろんですけれども、業界の皆様のご意見を聞くべきだろうと私は思うわけであります。
 そこでお伺いしますが、豊洲新市場、この計画、私たちにもご説明をいただいておりますけれども、説明する前にちゃんと業界の皆さんとさまざまな考え方、またどのように進めていくかということはちゃんと調整されたんですか、豊洲市場は。ご答弁お願いします。

○野口中央卸売市場新市場担当部長 豊洲新市場の計画、そして整備に当たりましては、都と業界団体の代表者から成ります新市場建設協議会、これは平成十四年五月から検討を進めておりますが、基本構想を初め、施設計画の各段階において、幾度となく協議を重ね、その意向を反映させた上で取りまとめてきているものでございます。具体的な協議、検討に当たりましては、新市場建設協議会のもとに実務代表者等で構成されます新市場建設懇談会、さらに、そのもとに水産物検討会、青果部検討会、関連事業者検討会、場内物流検討会等を設け、さらに街区ごとにも検討会を設けるなど、専門的かつ取り扱い部類ごとに詳細な検討を行い、その結果を上位の懇談会、協議会にフィードバックさせるなどして、合意形成を図りながら、これまでよりよい施設計画、そして移転整備に向けた準備を進めてきております。

○長橋委員 この豊洲市場移転の豊洲市場の整備案、さまざまにフィードバックしながら、対応をしながら重ねてきて出したということでありますけども、ちょっと事前にいっていませんでしたけど、それはどれぐらいの期間、大体どれぐらいの期間ということでとらえたらよろしいでしょうか。

○野口中央卸売市場新市場担当部長 当初これ現在地再整備推進協議会という形でやってきておりましたが、それを改組をして平成十四年五月に新市場建設協議会というふうに改めて再出発をしたと、そういうわけでございます。そのときに第一回目の会合、基本構想、その策定のときに当たるときから始めております。期間としては、先ほど申し上げましたけれども、平成十四年五月から、この間ずっと、直近では平成二十年の三月というふうに記憶しておりますが、そこまで検討を進めてきております。この新市場建設協議会というのは、現在第十三回を行いまして、またそれをもとに検討を行っておりまして、実務者レベルの懇談会というのがございます。こちらについては十六回という開催で記憶してございます。
 先ほど申し上げました専門部会、これ物流であるとか、青果部さん、水産物部、関連事業者、これは取り上げるとかなり回数がわたりまして、例えば一週間に一回、二週間に一回という頻度で行ってきた経過がございますので、相当数、また相当な期間重ねて検討してきた、そういったものでございます。

○長橋委員 ありがとうございます。相当な期間で積み上げてきたと。先ほど、この委員会の冒頭で岡田委員が豊洲市場の課題について取り上げて、さらに、ご答弁では業界の方とさらに意見を聞いていくと、こういう話もありました。ですから、提案をして、なおかつ、それはまだプランの段階ですから、実際に始めるとなれば、またさらに業界のご意見を尊重していかないといけない、こういうふうに市場の皆さん方も自覚をされているというんだと思いますね。
 この間の参考人のご意見の中に、このようなお話がございました。この市場のあり方というのは、本来は市場の業界人が話し合って決めるべき性格のものであると思っておりますと。現場で実際に仕事をしている業界の人たちが、よりよい市場というのを一生懸命考えるべきだ、考えてきた、こういうご表明だと思いますけど。その後に、この議会の責任についていわれました。また、この結果がどうなるか、この特別委員会の結果はどうなるかということはありますけれども、結果が万が一途中でとんざしたときに、どなたが責任を持ってくれるんでしょうか。業界の方は、ともかくこの市場の中で仕事をし続けていきたい、また、新たな整備によって、さらに後輩といいますか、次の代に市場をつなげていきたい、こういう思いであるにもかかわらず、その議会が責任を、もしとんざしたらとってくれるんでしょうか、こういうふうにお話があって、私は深く受けとめた次第であります。
 議会としての結論は、議会がやらなきゃいけないことは何かといえば、今七十五年もたった市場を早期に結論を出すこと。これが今議会に求められている責任であろうと思うんです。どれだけ引き延ばそうとかということではなくて、推進の方も、それから現在残りたいという方も早く議会で結論を出してくれ、これは一致しているんだろうと思うわけでございます。もし、現在地再整備、これが決まったならば、築地で現在地で決まったならば、私は今度は反対に回る、築地と豊洲はもう目の前ですから、今度は、もし築地で決まったのならばもう座り込みをしかねないようなことをいわれたわけであります。重く受けとめるわけでありまして、これは議会の責任でありますから、そちらの皆さん方にはご答弁求めませんけれども、きょうご出席の委員の皆さんも含めて、議会の責任ということをしっかりと受けとめて議論を進めていただきたい、心から申し上げて質問を終わります。

○柳ヶ瀬委員 小委員会での精力的な議論、大変お疲れさまでございました。
 今長橋副委員長からも議会としての責任をしっかりと果たしていかなければいけないというお話がありました。私たちも、もちろんそのつもりでやっておるわけでございます。小委員会から現在地再整備案が示されたわけですけれども、私の認識であれば、この再整備案はもともとみんなで現在地再整備を考えようということに合意をして、議会としてこれをつくり上げてきた案であろうと考えています。ですから、もし、この案をつくっていく上で何らかの手続の瑕疵があるのであれば、それは議会全体で負うべきものなのではないかというふうに私は考えるということですね。特に、現在地でも可能だということが明らかになりました。
   〔発言する者あり〕

○花輪委員長 ご静粛に願います。
 質問を続けてください。

○柳ヶ瀬委員 特に、このA-2案は参考人からも評価が高く、機能面では同一階に機能が集約されているなど、豊洲案を超える非常に多くのメリットがあるということもわかりました。しかし、その一方で、きょうも出ておりましたけれども、スケジュールが長期にわたるのではないかですとか、またコストが高く使用料の方に反映されるんではないか、そういった議論もあったようでございます。この特別委員会では、現在地再整備案と豊洲案を比較するということですので、こういった幾つかの観点から質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、スケジュールについてですけれども、現在地再整備案ではさまざまな可能性が検討されました。あるかどうかわからない土壌汚染の可能性や埋蔵文化財の調査などもスケジュールに含めて十年を二十年だとか、二十五年だとかいわれているわけでございます。
   〔発言する者あり〕

○花輪委員長 ご静粛に願います。

○柳ヶ瀬委員 そこで、知事本局に、ぜひ、この十年でいいよと、そういわれたことについて、知事本局に聞きたいんですけれども、例えば二〇一六年、東京オリンピック招致を計画した際には、築地の市場跡地に予定していたのはメディアセンターをつくる予定だったんですね。メディアセンター、市場の解体、除去、埋蔵文化財、土壌汚染の調査、建設工事期間、これをすべて含めてこのメディアセンターには五年で完成させる想定であったというふうに聞いております。これは市場の跡地にメディアセンターをつくるということで、これは五年で埋蔵文化財の調査を含めてやるという予定だったということなんですけれども、メディアセンターを建設する場合には埋蔵文化財が出土せず、市場を建設する場合には出土するなどというようなことは当然ないと思うんですね。であるとするならば、今、この再整備案の中では埋蔵文化財十年かかるということで載っておりますけれども、このメディアセンターの五年というプラン、これは何らかの手違いなのか、それともこの十年ということが実は短縮できるということなのか、知事本局に答弁を求めたいと思います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 二〇一六年東京オリンピックの申請ファイルは平成二十年一月にIOCに提出をされました。同ファイルでの施設整備の考え方として、当初はメディアセンターを築地市場の位置に配置することが明記はされております。ただ、その中では施設の規模、整備期間、そういうことの詳細については一切記述をされておりません。なので、私たち検討チームの調査においては、そのことについてどういうことがあるのかということについては言及をしておりません。なお、立候補ファイルでメディアセンターは東京ビッグサイトに設置されると記載されております。

○柳ヶ瀬委員 私の方で確認をしたんですけれども、これ五年で完成させる想定だったということなんですね。これ埋蔵文化財も含めてやるという想定だったようであります。また、何度も申し上げましたけれども、晴海のメーンスタジアム、これは地元調整も含めて、建設工事も含めて六年でやるという想定であったということで、これは立候補ファイルにもしっかりと載っている事実でございます。ぜひこれを、何度も繰り返しになりますけれども、このプランをぜひ参考にして現在地再整備がどれだけ短縮できるのかということを検討していただきたいというふうに思うんですね。
 それで、現在地再整備案に関しては、スケジュールについてさまざまな可能性が議論されてきたわけでございますけれども、一方の豊洲の開場スケジュールについて、幾つか質問をしていきたいというふうに思います。
 今回の質疑に当たりまして、開場までのスケジュールを市場当局から出していただきました。こちらの資料でございます。お手元にございますので見ていただきたい。これが市場から出てきた唯一の資料ということでございますけれども、この資料で開場スケジュール間違いないかどうか、まずその点を確認したいと思います。

○砂川中央卸売市場新市場建設技術担当部長 間違いございません。

○柳ヶ瀬委員 余りにもこれ大ざっぱなものですから、これで本当に間違いがないのか、しっかり確認をしたいなということでございます。
 この資料を見ると、基本設計から開場まで約四年半でできるということになっています。しかし、そもそも当初の想定ではこんな短期間ではありませんでした。平成十五年の豊洲新市場基本構想の中では、基本設計から開場まで八年から十二年かかるというふうに書かれていました。また、平成十六年の豊洲新市場基本計画の中では、同じく基本設計から開場まで七年から十一年かかる試算となっていたんですね。これはしっかりと書面が残っております。当初八年とも十二年ともいわれていたものが、現在のスケジュールでは四年半でできるということになっているんです。しかも、基本構想や基本計画を策定した当時は、土壌汚染対策というものはこのスケジュールの中に載ってないんですね。整備期間に含んでいないんです。つまり、この現在のスケジュールは土壌汚染対策という新たな要因を加えても、当初の計画から整備期間を二分の一から三分の一に圧縮できているということなんですね。また、平成二十一年二月の新市場整備方針の中には、現在の事業アセスの途中から整備を始めたとして、少なくとも丸五年は必要だというふうに書いてあります。それをこの行程表では四年半で開場できるという形になっているんですね。市場の整備方針の中では五年、今は四年半となっています。これはどのような変更を行ったのか、その点についてお聞かせください。

○砂川中央卸売市場新市場建設技術担当部長 平成二十一年二月の豊洲新市場整備方針でございます。環境影響評価の手続及び都市計画決定の手続に要する期間を十七カ月、土壌汚染対策工事の工期を二十カ月、建築工事の工期を三十三カ月と計画し、平成二十六年の十二月の開場を見込んだものでございました。
 今回お示ししたスケジュールです。平成二十二年十月から環境影響評価及び--本年の十月からですね。環境影響評価及び建築工事の基本設計、実施設計並びに土壌汚染対策工事の詳細設計などの手続に入ることを前提としたものでございます。これらの手続と土壌汚染対策工事及び建築工事の工程を再検討した結果、建築工事の工期を三十三カ月から三十カ月に三カ月短縮いたしました。それから、土壌汚染対策工事との重複期間を六カ月にしたことで、平成二十六年度の開場が可能としたものでございます。
 なお、土壌汚染対策工事と建築工事の重複期間は全体工程では六カ月程度でございますが、豊洲新市場は三街区に分かれていることから、各街区ごとの工事は別々で施工できます。このようなことから実際の重複期間は三カ月程度となります。このような検討は、PFI方式から東京直営方式の変更に伴いまして、建築工事が都の直営工事となり、同じ都の直営工事である土壌汚染対策工事と調整がより詳細に行えることになったということも大きな要因となっております。

○柳ヶ瀬委員 非常に努力をされているということで、建築工事の期間を工夫されて、これだけ圧縮されたということだというふうに思います。
 建築工事の期間というのは、二十一年の整備方針以前では三十六カ月となっていました。それをこの整備方針で三十三カ月、そして今回の資料では三十カ月となっているんですね。どんどん非常に短く圧縮されていると。これはどのような工夫をされたんですか。

○砂川中央卸売市場新市場建設技術担当部長 豊洲新市場の建設工事の工期につきましては、平成十八年の基本設計相当におきまして三十六カ月とされておりましたが、平成二十一年の二月の豊洲新市場整備方針では三カ月間短縮いたしまして、三十三カ月となりました。これは、外壁をコンクリートによる現場で施工する工法からALCや成形セメント板などの乾式既製品を使用することで構造計画の再検討などを行ったことにより工期の短縮を図ったものでございます。さらに、今回先行工事である土壌汚染対策工事の仮囲いや仮設搬入路を共有すること、土壌汚染対策工事の仮設桟橋の利用によって、鉄骨などの長い部材を大量に海上から輸送することなどについて検討いたしまして、建築工事期間を三十三カ月から三十カ月、三カ月の工期の短縮を図ったものでございます。
 これらも、先ほども申し上げましたとおり、PFI方式から都直営方式の変更に伴いまして、都の建築工事、都の発注の建築工事と同じ都の発注の土壌汚染対策工事を調整、これは早期から可能となったことに大きく起因していると思います。

○柳ヶ瀬委員 市場当局は、豊洲の開場に向けて非常に努力をされて、さまざまな工法を検討されて短縮されているということなんですね。つまり、ここまで述べてきた事実からわかるのは、豊洲新市場の整備計画においては、ありとあらゆる工夫を行って、土壌汚染対策という新たなネガティブ要素が出てきても、整備期間を当初いっていた期間よりも大幅にこれは圧縮できたということなんですね。特に、厳密なスケジュール調整が必要とされる建築工事期間が一割も二割も圧縮されていると。この同じくらいの努力、工夫を現在地再整備でもやれば、十一年九カ月という期間も大幅に圧縮できる可能性があるということをしっかりと申し上げておきたいと思います。
 それと同時に、先ほどの答弁を聞いていて心配になってくるのは、本当に豊洲案ではこのスケジュールで開場ができるのかどうかということなんですね。市場に確認をしたいんですけれども、スケジュールの資料要求をしました。ちょっとこれではなかなか工事期間の検証ができないということで、より詳細な行程表はないのかということを確認しましたけれども、ないというような回答をいただきました。それは事実でよろしいですか。

○砂川中央卸売市場新市場建設技術担当部長 建築工事の工事期間につきましては、平成十八年の基本設計相当、これをまとめたときに詳細な工程の検討をしております。詳細な検討をもとにいたしまして、先ほど申し上げましたとおり、工期の短縮の要因をすべて洗い出しまして、その中で確実に実行可能な短縮の要因を抽出いたしまして、工期の短縮を図っているものでございます。

○柳ヶ瀬委員 つまり、これ以上の工程表はないんですね。十八年の当初に詳細な検討を加えたということですけれども、後ほども申し上げますけれども、十八年当時と現在の図面と比べると、これは全く違うんですね。非常に大きく建物、構造物変わっています。それはかなりの業界の皆さんの要望を取り入れることによって、建物の姿形はかなり変わっているということ、これ申し上げておきたいと思います。つまり、十八年に検証した工程で本当にこれができるのかどうかということ、非常に心配だということです。例えば、この行程表の中では、土壌汚染対策工事と建築工事を同時並行で進めるとなっています。先ほども答弁で重複される期間を三カ月から六カ月に延ばしたといった答弁がございました。この工程に関してはどのように検証をされたのか。同時並行で進めていく詳細なプランがあるのかどうか、お聞きしたいと思います。

○砂川中央卸売市場新市場建設技術担当部長 具体的には、土壌汚染対策工事はすべての街区において二十カ月という工程--土壌汚染対策工事の工程につきましては、その前に、平成二十一年の二月に検討を行いまして、約二十カ月と計画してございます。具体的にはすべての街区において土壌汚染対策工事に二十カ月かかるわけではございませんので、先行して土壌汚染対策工事に入る五街区と七街区につきましては、建築工事に着手する前に土壌汚染対策工事を完了することができ、また六街区につきましては、土壌汚染対策工事と建築工事とが約三カ月程度重複いたしますが、街区内の工事の区域や工事内容を調整することが可能であると考えてございます。
 今後、建築工事につきましては、基本設計、実施設計、また土壌汚染対策工事につきましては詳細設計を行っていく中でさらに検討を進めてまいります。

○柳ヶ瀬委員 私が以前聞いたときのお話と若干異なるところがあるんですけれども、ただ、さっきの例えば新しい要素として盛り土の汚染対策が必要だといったこともありました。これは加わってないわけですよね、この土壌対策の中に。それはこれから詳細設計をしていかなければわからないということでよろしいですか。そうですよね。一応確認したいと思います。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 土壌汚染対策の工期でございますけれども、技術会議の提言の中で--失礼いたしました。盛り土の工程につきましては、今後関係の部署と調整をいたしまして詳細な内容を詰めてまいるところでございます。

○柳ヶ瀬委員 そうしたら、盛り土の話が決まっていないのに、なぜ建築工事を同時並行で進めるという検討ができたのか。それ、じゃ、これからの不安定、不確定要素ということでよろしいですかね。非常にこれは不確定な要素が多いんですよ。そもそも先ほど田の上議員も申し上げていましたけれども、この土壌汚染対策工事が二十カ月で本当に終わるのかどうか、新たな要因もたくさん出てきました。それに対してどれくらいの期間かかるのか。それは詳細設計やってみないとわからないと、先ほどもおっしゃっていたというふうに思います。できるだけこの中でやると、含めたとしてもですね。建築工事に関しては、土壌汚染対策工事と一緒にやっていくんだということで重複期間を三カ月間も引き延ばしていく。
 私は、このスケジュールを見て、それで詳細の工程表もないということでいうと、やっぱり非常に、二十六年に開場するんだと、その意思は非常に強く感じます、やらなくちゃいけないということは。しかし、実際にそれができるのかどうか、実際に詳細にクリティカルパスをつくっているのかと、これは非常に不安なんですね、これ。根拠が非常に希薄なんじゃないかということなんです。つまり、現在地再整備案では、あらゆる可能性が盛り込まれました。十年、二十年、二十五年だといっていましたね。しかし、現在地と豊洲を比較するという意味でいうと、こちらももうちょっとしっかりとしたものをつくっていただかなくちゃいけないんじゃないかと。これ一枚だと築地の現在地再整備案以下ですよね、これだと。築地のプランは、建築工事をどうやってやっていくのかというクリティカルパスはしっかり出てるんですよ。出ているんです。

○砂川中央卸売市場新市場建設技術担当部長 先ほども申し上げましたとおり、建築工事に関しましては、平成十八年度に基本設計相当をまとめました。これは、市場業界の方とたび重なる調整を経てまとめてきたものでございます。そのときに、詳細にその工程の調整、検討を行っております。先ほど申し上げましたとおり、その工程を基礎といたしまして、確実に短縮できる工程を挙げまして、確実に短縮できる要因を挙げたものでございます、今回。したがいまして、本年の十月より詳細設計、土壌汚染対策工事の詳細設計、建築工事の基本設計、アセスメントの手続に入るという前提におきまして、確実に二十六年度中の開場を実現してまいります。

○臼田中央卸売市場新市場建設調整担当部長 土壌汚染対策の行程でございますけれども、若干詳しくご説明させていただきますが、技術会議の提言にもございますように、まず遮水壁や汚染処理プラント、こういう準備工事を行ってまいります。
 次に、汚染土壌の処理、地下水汚染の処理を実施いたしまして、その後、液状化対策、埋め戻しを順次行ってまいります。最後には、地下水管理システムの設置を行うということでございます。土壌汚染対策工事と建築工事は六カ月程度重複いたしますが、この重複期間については調整を行いながら進めていくこととしてございます。
 それから、盛り土の件でございますけれども、盛り土につきましても、二十カ月の工程の中で盛り土を処理するというように考えてございます。さらに、圧密沈下が沈下しないうちに建築工事が着手できるかというようなところでございますけれども、圧密沈下を促進させるために五街区、七街区にある盛り土を六街区に一たん仮置きして、圧密沈下をさらに促進するといったような工法も可能でございますので、二十カ月の期間内にすべて土壌汚染対策工事を完了させることができます。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。非常に、建築工事が三十六カ月だったものが三十三カ月で三十カ月になったと、その努力はされていると思います。であれば、その根拠をしっかり出していただきたいんですね。こういう書かれ方をして、これしかないんだといわれているわけですよ。十八年当時から大きく建物の構造も変わっています。変わっているんです。それを含めて、どこまで詳細な工事計画ができているのかと。これは非常に心配ですので、少なくとも築地の現在地再整備案、出てきている程度のものは出していただきたいなと、これは要望を申し上げたいというふうに思います。
 今二つのお話をしたんですけれども、築地は十年、二十年かかると。でも、オリンピックでは築地の跡地は五年でできる予定だったよという話もございました。また、もともと八年から十二年かかるといっていた豊洲の基本設計から開場までのスケジュールが二分の一程度に圧縮することが今可能となっているというようなことから、しっかりと現在地再整備案に関しても、これからもっともっと詳細な設計をして、より短期間でできるのかどうか、これを検証する必要があるというふうに考えています。
 次に、整備費用や必要なコストについて、現在地再整備案と豊洲案を比較してみたいと思います。
 お手元に資料がいっていると思いますが、この整備費のところですね。資料ございますでしょうか。これは小委員会での答弁をもとに市場会計で支払う整備費を合計してみました。築地のA-2案では建設費が一千百十億、仮設費が五百五十億、晴海の用地借地料が五十億。ここにもし土壌汚染対策が必要であるならば、その上に乗っかってくる。また、埋蔵文化財の調査費も乗っかってくるということですね。現在、明らかになっているのが千七百十億円、それに対して豊洲は建設費が九百九十億、土壌汚染対策費が五百八十六億円、先ほどの田の上議員の議論を聞いていると、ここがもうちょっと膨らむ可能性があるかなということが指摘されていました。また、基盤整備費の三百七十億に用地費の千九百八十億円と、市場会計から支払われる整備費というのはこういったものであるということなんですね。単純に見ると、この整備費というのは、豊洲は築地の倍かかると。もちろん、豊洲は築地の土地を売ってそれを補てんしていくというもので、財源不足は生じないということだと思います。
 そこで、先ほどちょっと議論があった中で、ちょっとわからないことがあったので教えていただきたいんですけれども、先ほど伊藤委員のご質問の中で三千億円の財源を築地では必要とすると。それに対して、財源としては二千百六十億ですかね、なので、財源不足は生じるというようなお話がありましたけれども、市場会計で支払う整備費というのは、その三千億になるんですか。

○塩見中央卸売市場管理部長 私が答弁いたしましたのは、現在地再整備案に土壌汚染対策費や埋蔵文化財発掘調査、業界要望等による工期延長など、さまざまな要素を加味し、約三千億円と仮定した場合、現在地再整備が、仮定した場合についてどうかというご質問に答えて、今のをちょっと繰り返しますと、現在地再整備では、国庫交付金が百十億から百三十億程度だと、私どもが保有しております資金が千三百五十億円、もし豊洲新市場用地、既に買ったものを売ったとすれば七百二十億円、その合計は二千百八十億円から二千二百億円程度になるので、仮に三千億円とすれば、八百億円程度の財源不足が生じると、そういうご答弁を申し上げました。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。
 私がさっき三千億というお話を聞いたときに、いわゆる民間施行分の七百十億円、これは前、小委員会の中で三千億円という数字が出ているんですけれども、このときには、民間施行分の七百十億円、それと土壌汚染対策費、埋蔵文化財の費用、それとこの建設費、仮設費、そういったものを含めて三千億というお話があったんですね。市場会計からはその民間施行分は支払わないということはもちろん当然のことなんですけれども、それはそれでよろしいと思うんです。
 現状のこの千七百十億円が市場会計から支払うべき整備費ということになると思うんですけれども、これであれば財源不足は生じないということでよろしいでしょうか。

○塩見中央卸売市場管理部長 済みません、国庫交付金等、詳しく今積算しておりませんので正確にはわかりませんけれども、先ほどの、そのとき、私どもその豊洲移転の場合と同様に千三百五十億円の保有資金があると。あと、豊洲の買った土地が七百二十億円で売れればあると。そういうことからご推察をいただければというふうに思います。

○柳ヶ瀬委員 先ほどの議論の中では、保有金が千三百五十億円、豊洲の土地売却が購入したときと同じであれば七百二十億円、国庫補助金が百十億から百三十億というような議論だったと思うんです。つまり二千百六十億ですね。その中で、この千七百十億円というのは足りるのか足りないのかということをお答えいただけませんか。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 今回の現在地再整備のA-2案の検討につきましては、標準的な工事費として千七百十億円ということを算定したところでございます。財源としては、二千百八十億円ということが考えられるかと思いますけれども、当然この中には、土壌汚染対策費、それから埋蔵文化財調査費、さらには、工期の延長に伴う増加分というのを、不確定要因が含まれておりませんので、現時点でそれが足りる、足りないということは申し上げられないというふうに考えております。

○柳ヶ瀬委員 現在保有している資産、その二千百六十億であればこの千七百十億円を賄えるということなんです。もちろんそこに土壌汚染であるとか、埋蔵文化財とかが出てきた場合には、これはどのくらいになるのかわからないので、それは不確定だということを今おっしゃったんだろうというふうに思います。
 ですから、あくまでもこの市場会計の中で、現在判明している整備費を支払おうとすればこれは財源不足は生じないということなんです。これは明らかなんです。

○塩見中央卸売市場管理部長 保有資金等につきましては、先ほど来から議論がございますとおり、私ども、市場をほかにもいろいろ抱えてございまして、それについては今後いろいろな投資も予想されますものですから、そういったことを考えまして、私どもの市場会計、これは独立採算の公営企業でございますので、そういったことから、自信を持って財源があるということは到底いえないものと考えてございます。

○柳ヶ瀬委員 今、またちょっと話が大きく広がったと思うんですけれども、だとすると、そのほかの市場にどれだけのお金を今使おうとしているのか。それは豊洲においても同様ですね。同様ですよね。豊洲においてもそのお金は使うべきものとして、同様の金額を計上しなければいけないと思うんですよ。その金額を今どれくらいだというふうに見込んでいるのか。
 また、あえていえば、築地において、もしこの千七百十億円と仮定したならば、保有金は約四百六十億円程度残るだろうという試算なんです。その四百六十億円で足りるのか、足りないのかという議論もしたいんですけれども、それは通告していませんので、今、なかなかお答えができないと思います。
 そこで、次の質問に移ってまいりたいというふうに思いますけれども、この整備費の中で、この建設費、築地では千百十億円、豊洲では九百九十億円というものが計上されています。この豊洲の九百九十億円という試算のベースを算出したのは平成十八年だというふうに確認をしておりますけれども、しかし、それから業界からのさまざまな要望を受けて、建物の構造が大きく変わっているということは先ほども述べました。
 例えば、七街区の水産卸棟は、平成十八年当時は三階建ての予定だった。それを現在の図面では四階となっているんですね。こういったことによってコストの変化があったのかどうか、それをお聞かせいただけますか。

○砂川中央卸売市場新市場建設技術担当部長 豊洲新市場の七街区の施設計画につきましては、業界調整の上、平成二十年三月に、それまで一階は水産卸売り場、二階は見学者通路、三階は転配送センター及び大口荷さばき場であったものを、一階は水産卸売り場、二階は見学者通路、三階は荷置き、荷さばき場、四階は転配送センターとする変更を行いました。
 具体的には、一階の卸売り場の面積を一部変更いたしまして、三階に荷置き、荷さばき場を設置し、三階にあった転配送センターを四階に移動したものでございます。しかし、豊洲新市場の施設全体の規模はほぼ変わらず、業界調整の途中であることから、建設コストそのものは動かしてございません。

○柳ヶ瀬委員 平成十八年当時と現在、大きく建物は変わっています。例えばスロープがなくなったり、エレベーターが、もうちょっとつくっていただきたいというご要望を受けて、増設をしたりであるとか、変わっているんですね。でも、その現状の試算ではこの九百九十億円ということで変わらない金額を想定しているということでございます。これは、やはりもう一回ちょっと試算してみる必要があるんではないかなというふうに思うんです。
 先ほどの話だと、三階建てのものが四階になったけれども、若干面積は減っているんですかね、コストは変わらないというご答弁だったと思います。しかし、本当にそうなのかと。本当に九百九十億のうちにおさまるのかということを、これはもう一回私は検証してみる必要があるだろうと。
 逆にいえば、私は幾つかの専門家、また企業などに確認をしましたけれども、築地のプランと豊洲のプラン、この二つの案を示すと、今は千百十億円、豊洲は九百九十億円ということで、築地の方が百二十億円高くなっているんですが、逆に、豊洲の方が高くなるんじゃないかという方が非常に多くいたんですね。
 その根拠として幾つか挙げられていたんですけれども、次の資料を見ていただきたいんですけれども、例えば、この建物を支えるくいについて、資料をぜひごらんいただきたいんですけれども、この築地と豊洲というのは地盤のかたさが違うんですね。築地は、マイナス約十五メートルのところにかたい支持基盤がある。豊洲は五十メートルまで掘らなければこのかたい地盤がないということで、これ、建物を支えるために、豊洲の場合には築地の約四倍程度掘削しなければいけないというふうに聞きました。
 それで、このくいの部分だけ掘削する費用、それとくいそのものの費用、それから、出た発生土を処分する費用、それから、豊洲の場合には非常に多くの既存のくいがあるということで、この障害をどうにかしなければいけないという費用等々を考えると、これはあくまで試算ですけれども、四十億円と百二十億円というような、これはざっくりとした金額ですよ、こういうような見解を述べられているところもございました。これは結構大きなインパクト、あるんじゃないかなと思うんですね。このくいだけで三倍程度かかるんじゃないか、そういったことを、この豊洲の方が金額がかかるんじゃないかといわれていた方は一つの根拠として挙げられていました。
 もう一つは、インフラの整備ですね。これはまた資料をお配りしていますので、ぜひごらんなっていただきたいんですね。築地の場合には、これは一つの建物なんです。でも、豊洲の場合には三つに分断されている、非常に面積も広いということで、このインフラ整備をするのに、築地の場合には一カ所で集中的にできるけれども、豊洲の場合には、三カ所に分断して整備をしていかなければいけないということでコストがかかるんではないかとか、また、その隣に行きますと、表面積、基礎等がこの築地と豊洲を比べると、やはり豊洲の方が圧倒的にコストがかかるんではないかということを根拠として挙げられていました。
 それで、私が申し上げたいのは、今は一千百十億円と九百九十億円という比較をしているわけですけれども、これが本当に公平な算出方法をもとにしてはじかれた金額なのかどうか。もちろん、その築地の建築費というのは、非常にこれは短期間で、一生懸命努力されて算出された数字であって、豊洲はかなり詳細な設計まで行った上での算出ということで、若干誤差はあるということは、それはしようがないと思います。しかし、その違いが百二十億円となると、これは非常に大きいと思うんですよ。
 ですから、私たちは、少なくともこの二つの建築費について数社から見解をもらったりすることが必要なんではないか、この価格の妥当性について、ということを主張しているわけであります。
 先般の小委員会への参考人質疑では、もう少しブラッシュアップしたものでないと判断が難しいというご意見いただきました。もう少しこの建築費の問題、これも精度を高めて、公正、公平な比較案を出す必要があるというふうに考えています。
 その整備費をもとに算出をされたのが使用料であります。きょうも使用料の議論をさまざまな委員の先生がされていました。そこで、私はこの使用料については、まず大きな誤解があるんではないかというふうに考えています。
 先般、水産仲卸のある方と話をしたときに、豊洲に行ったら、使用料が一・五倍になるんだろうといわれたんです。私は、そうではありません、それはまだわからないんですというふうに答えたんです。これは間違っていないですよね。一・五倍になるんだろうとみんな思っているわけです。豊洲に行ったら一・五倍になる、築地に行ったらもっと高くなる。これは正確じゃないと思うんです。こういうふうに話が広まっているということは、私はこれは大丈夫なのかなと心配しているんです。
 小委員会の意見陳述の中でも、一部の会派の中で、現在地再整備に反対する大きな理由として、整備コストが増大し、使用料がアップする、業者負担がふえることが問題であるという意見もございました。しかし、この使用料の問題は、そもそも何も決まっていないんですね。そのことをここで確認をしておきたいというふうに思うんですけれども、まず、今回試算した使用料は、市場別使用料を導入したと仮定して計算したものだと思いますけれども、現在はどのような使用料制度となっているのか、これを改めてしっかりと確認をしておきたいと思います。

○塩見中央卸売市場管理部長 私どもの市場使用料は、東京都中央卸売市場条例で定める金額の範囲内におきまして、規則で具体的に定められております。その体系は卸売業者などの販売金額に応じて徴収する売上高割使用料と、使用する施設ごとに単位面積当たりの単価により徴収する面積割使用料により構成されており、原則として全市場同一料金制となってございます。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。つまり現在は、全市場、東京には十一の市場がありますけれども、食肉を除けば十ということで、この全市場で負担を分担して、同じ使用料体系でやっているということなんですね。ですから、例えば新しく大田市場を整備したというときには、その整備費用の負担をすべての市場の業者で公平に負担してきたという歴史があるんです。歴史があるんです。つまり築地の七十五年間、なかなか、設備の更新はあったんでしょうけれども、築地の皆さんもほかの市場が新しくなったときには、その負担の一部をお支払いになっているんですね、築地の業者さんの皆さんはこれまで。
 そういった歴史的な経緯がある中で、今回、市場別使用料というものが出てきたわけですけれども、そこでお伺いしますけれども、この豊洲案においてどのような使用料制度にするのかについての議論はどこまで進んでいるのか。また、市場別使用料を実施するということを決めたのかどうか、お答えいただければと思います。

○塩見中央卸売市場管理部長 これもきょうご議論ありましたんですが、豊洲新市場を含む今後の市場使用料のあり方につきましては、昨年度に設置いたしました学識経験者等、業界の代表者の皆さんで構成します市場使用料あり方検討委員会において、現行使用料の課題整理や市場使用料体系の見直しの必要性等を検討し、今後の使用料の方向性を取りまとめていく予定でございます。
 現在、学識経験者の委員で構成するワーキンググループにおきまして、市場視察などを踏まえた意見交換を行い、受益と負担の関係など、今後どのような切り口で使用料のあり方を考えていくかなど議論をしているところでございます。
 いずれにしましても、今後、市場使用料のあり方を検討する中で、市場別使用料についても議論をしていくことになると、そういうふうに考えてございます。

○柳ヶ瀬委員 議論中だということなんですね。全く決まってないんですよ。今、議論している最中なんです、市場別使用料に移行するかどうかという。
 さらにお伺いしますけれども、じゃ、この市場別使用料というのは業界の合意というものはとれているのかどうか、お聞かせください。

○塩見中央卸売市場管理部長 あり方検討委員会ですが、この委員会には、水産、青果、食肉、花き、関連事業者の各団体の代表者の皆さんに委員として参加をしていただいておりますので、業界の方々と今後十分議論をしていくことになる、そういうふうになります。

○柳ヶ瀬委員 今のはちょっとはっきりしないんですけれど、合意はとれていないんですよね。合意はとれていないんですね。

○塩見中央卸売市場管理部長 はっきりしていないわけでありませんで、その委員会にまさに業界の方々が一緒に入って議論をするんで、その上で合意なり、どういうふうになっていくかということを考えていって、市場別使用料については別に、先ほど来いっておりますように、決めたわけでも、その合意ができているということでもないんですが、我々は常にその業界の代表者の皆さんとよく話し合って、それを方向性を決めていきたいと、そういうふうに思っているということです。

○柳ヶ瀬委員 ですから、市場別使用料というのは、これは全く決まっていないんですよ。それが今、一・五倍になるんじゃないかと、豊洲に行ったら。非常に不安をあおっているんですね。決まっていない数字を出すというのは、この数字がひとり歩きするんですよ、どこかで議論がありましたけれども。(発言する者あり)これは……

○花輪委員長 質問を最後まで聞きましょう。

○柳ヶ瀬委員 私は話をしますけれども、これ、だれも認めていない、だれの合意もない市場別使用料というものを前提として豊洲と築地を比較するのはこれはおかしい。少なくとも、ここで比較するのはどうなんだということなんです。
 さらにお伺いしますけれども、現在の使用料制度でいけば、移転先が豊洲になっても、築地となっても、その整備費負担を全市場の全業者で公平に負担するということになると思いますけれども、これは正しいかどうか。

○塩見中央卸売市場管理部長 先ほど、私どもが使用料について何か不安をあおっているというお話がございましたんですが、今回、議会の調査チームがそういう数字を出しておりまして、私どもが何かを出したということではないと。ただ、その積算として、議論としてそういうことがあるということで、それを結果として私どもは意思統一して、こういうことになるということを示しているものではありませんので、そこはご理解をいただきたいと思います。
 それと、今の質問でございますが、現行の使用料制度におきましては、全十一市場の施設整備費及び維持管理費を、考え方としては、全市場で負担する料金体系となっているということでございます。

○岡田中央卸売市場長 使用料のお話でございますけれども、現在、私どものところで使用料のあり方検討会と、わざわざ使用料のための検討会を設けてあるわけでございまして、それは、今後の市場全体の使用料を考えるということがもちろん前提でございますが、それだけでなくて、今後、豊洲市場を整備していくときに、その使用のあり方ということをどうしていけばいいのか、これまでのように一律でいいのかどうかということが当然のことながら議題になるわけでございまして、そうしたことも含めて、今回の使用料のあり方検討会で検討していただくということでございます。
 誤解のないようにぜひご理解いただきたいのは、私どもは、豊洲に入れていくということではなくて、今後のありようとして、市場別使用料というのは各市場に入れていかなきゃいけないんじゃないかということが前提であるわけでございまして、そういったものについて入れていくということをどうだろうかということを検討する。そうなるとすれば、まずは豊洲の問題というのは当然出てきますよねということで考えておるということでございます。
 ただ、そのためにはいろいろと、先ほど先生からお話ございましたとおり、業界の方々のご理解だとか状況が全部違うわけですので、それについてはきちっとお話しさせていただいて、今、あり方検討会の中でやっている、そういう状況だということでご理解いただければと思います。

○柳ヶ瀬委員 つまり、現行制度ではこれは同一料金体系であって、この市場別会計というものは今まさに議論中であるということ。それで、非常にこれはデリケートな問題だということで、十分気を使って、この議論を進めるに当たってもしっかり気を使っていただきたいというふうに思うんです。
 ですから、豊洲案が現在の使用料の一・五倍になるとか、築地案がさらにアップするのではないかとか比較がされていますけれども、現在の制度でいけば、これは同一の使用料体系になるということなんです。ただ、もし、これ市場別会計に移行すると仮定をしたとしても、この豊洲案と築地案を比較する上で、使用料の算出方法にはちょっとどうかなという点があります。
 例えば、豊洲案においては、収入の中に、千客万来施設の用地貸付料、これが入っています。これが入っていることによって使用料が安くなる仕組みとなっていますけれども、このようなことは可能なのかどうか、お答えください。

○塩見中央卸売市場管理部長 市場使用料以外の収入につきましては、使用料の対象となる経費から差し引いて算定を行っていることから、用地貸付料についても同様に使用料水準を引き下げる要因となるものでございます。

○柳ヶ瀬委員 今、可能かどうかということを聞いたんですけれども、この豊洲のプランの中には、そういった負担軽減策は入っているんですね。これは大事なことだと思うんです。負担を重くしていかない策として考えていかなくちゃいけないことだというふうに思うんです。
 しかし、豊洲では入っているのに、一方の現在地案ではこれは入っていないんですね。豊洲案で可能だというんだったら、これは現在地再整備案でも可能なんではないかと。築地では、市場整備しても三〇〇%もの容積率未利用があり、これを利用しない手はない。
 そこでお伺いしますけれども、築地のこの未利用分を利用して、同様な千客万来施設などをつくった場合、その貸付収入を使用料の負担軽減のために使用することは可能なのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。

○塩見中央卸売市場管理部長 考え方といたしましては、築地市場におきまして、もし千客万来施設をつくった場合、私どもがまだ導入を決めていない市場別使用料を前提といたしますと、その用地貸付料につきましては、当該市場の使用料対象経費から減額するため、同様に使用料水準を抑制する可能性があるというふうに考えております。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。
 つまりこれ、築地でもできるんですね。なのに、今回の比較の中では、豊洲案ではこのような負担軽減策が入っている、築地案では入っていないんです。築地は都心の一等地ですから、潤沢な貸付収入を得ることができ、これを使えば劇的に使用料を安くすることも、これは技術的には可能なんですね。私が、今回の使用料の算出方法が公平ではないというのはここなんです。豊洲案では、負担軽減策が入っているから安くなり、現在地案では入っていないから高いというのは、これは当然のことですね。これは公平な比較だとはいえないのではないか。そのような比較で築地は豊洲の一・五七倍だという数字を出しているんです。
 また、この使用料の算出に当たって、どの費用を入れて、どの費用を含めないかというのは、これは東京都の判断なんですね。ですから、さまざまな考え方を適用できるんです。
 例えば、農林水産省が使用料に関して見解を示した、市場使用料によって賄うべき経費、市場使用料の負担者及びその額、市場使用料の徴収方式というこの農水省の見解があるんです。この中では、農水省の中では、地代という項目があって、土地の造成または取得に要した費用を使用料として徴収すべきだと、このように農水省は示しているんです。しかし、東京都は、独自の基準として土地代は含まないとしています。もしこの国の見解に合わせるなら、豊洲では、用地取得費千九百八十億円、これを算入して、膨大な使用料になる。また、現在地では新たな費用負担は発生しないという、こういう計算方法もあり得るということなんです、市場別会計に移行するとすればですね。つまり、いろんな可能性があるんです。その中で、なぜこの豊洲の一・五七倍に築地がなるという、そのプランを選んだのかということなんですね。
 また、使用料に関してさまざまな角度から見ると、築地案では、減価償却の費用の中に晴海の仮設分の建設費が入っております。この仮設の建物は約三年で取り壊すものであり、建物がなくなるとこれは除却されるものだという認識です。一般的に、仮設で施設を建て、取り壊されて除却された資産が減価償却の中に入るということがあるのかどうか、一般的な話としてです。

○塩見中央卸売市場管理部長 お答えする前に、先生が、農林水産省では用地費を含める云々と、こういう話がございましたんですが、私どもの使用料につきましては、農林水産大臣の認可を受けておりまして、用地費を含まないというところは他の都市にもございますので、それは当然、今後、そういったことで十分考え方はいけると思っております。
 今のご質問ですが、固定資産税を除却する際には、まだ減価償却費として費用化されていない額を一括して固定資産除却費として費用計上するため、それ以降の減価償却費は当然発生しないわけでありますが、ただ、その資産の耐用年数まで使用して除却した場合も、耐用年数前に除却した場合も、発生する費用の総額は変わりません。
 したがいまして、後者の場合は、除却する年度において単年度に多額の費用が発生することになりますので、使用料の算定に当たりましては、いわゆる仮設物を取り壊して除却する場合であっても、除却費を当初の減価償却期間にわたり配分することになっておりますから、使用料自体は変わらないということでございます。

○柳ヶ瀬委員 今、説明されたんですけれども、これは除却されたものが減価償却に入らないというのは至極当然のことでありまして、減価償却ではないんですね、晴海の土地、借地というのは。
   〔塩見中央卸売市場管理部長発言を求む〕

○花輪委員長 質問は最後まで聞いてください。
 いいですか。

○柳ヶ瀬委員 いいです。

○塩見中央卸売市場管理部長 減価償却費ではないんですが、私の、ここで申したいのは、全体の使用料の積算なる償却は単年度で除却しても、トータルとしては変わらないんで、使用料としては変わりませんというお話でございます。

○柳ヶ瀬委員 これは減価償却の中に現状入っているんですよ。多分入れるところがないから入れたということなんだろうと、算出方法の紙をいただきましたけれども。その中で減価償却の中にこの晴海の仮設も入っているんですね。これはなじまないと思います。多分別の考え方で、移転に要した経費だから、晴海の仮設の費用も借地料も入れなくちゃいかぬという考え方で使用料を算出したんだというふうに思うんです。
 であるならば、これ、移転に要した経費というのはどこまで含めるのかというのは非常に議論があるんです。例えば豊洲であれば、先ほど、この整備費、示しましたけれども、国は、これを全部使用料として取るべきじゃないかという見解を示しているわけですよ。それに対して東京都は、この用地費は取らない、基盤整備費も取らないということで決めているわけです、現状。じゃこの土壌汚染対策費はどうなるんだと。もしこれ、移転に際して要した費用を使用料に入れるということであれば、仮設の費用を入れると。であるならば、この土壌汚染対策費を入れるということも成り立ってくるんではないですかということなんです。
 しかし、現状の一・五七倍といわれているものの中には、この築地案では、晴海の分が入っていて、豊洲案ではこの土壌汚染対策費は入っていないんですね。これは公平な比較ではないんではないかということが私はいいたいんです。
 そこで、この豊洲案と現在地再整備案を公平な比較をするという観点から、この晴海の仮設工事、借地料について、この使用料算出の前提となる費用から除いて計算した場合にはどうなるのか。現在のA-2案で豊洲の一・五七倍という試算は約一・一倍程度となるというふうに計算しましたが、これについてはいかがでしょうか。

○森山議会局調査部長 引いたときの数字はどうなるかというご質問ですけれども、その前に、私ども調査チームの処務といいますか、八月三日の小委員会、そこでの議論もありましたし、七月十六日の特別委員会の議論もありましたけれども、私たちの検討事項の中に、市場の使用料への影響を出すことというのはちゃんと項目として入っております。それに基づきまして、今回、一・六二なり一・三三倍なりの数字を出しています。
 それから、今回の市場の使用料、これの算出につきましては、豊洲市場におきまして市場別の料金制を導入した場合の使用料との比較を出すということで、中央卸売市場の方に算式方法等聞きまして、それに合わせたデータをもとにして今回の築地での使用料への影響を倍数として出しております。
 それから、先ほど、千客万来施設の関係でございました。今回の築地の使用料の算定に当たっては、業界の方に貸し付ける用地として見込まれます加工パッケージの工場、これにつきましては、土地の貸付料ということで、使用料の算式の中に入れて積算の上、反映させています。
 それから、ご質問のあった晴海の仮設の工事費、賃借料等、これを抜いた場合の計算についてでございますけれども、算定に当たりまして、一応一千七百十億円、これをもとにして現在は計算しておりますが、これから、ご質問のように晴海の仮設、建物の整備費及び賃借料など約六百億円を引いて残り約一千百十億円としまして、これと、あとその他の算定項目、維持管理費関係等ですけれども、それにつきまして変更なく同額としましたら、計算上は、先生がお話しになりましたような数字程度になるかと思います。
 それから、今回の算定に当たりまして市場の方と話を聞いていますけれども、使用料につきましては、受益者負担の観点から市場施設を専属的に使用し、営業活動を行っている市場業者に負担を求めることとしていると。それから、用地費及び用地取得と一体で考えるべき基盤整備などは除いて、施設建設費及び維持管理費を基本に算定することになっていると聞いております。
 このため、小委員会の調査報告書では、仮に市場別の使用料を導入した場合の施設使用料試算に当たりましても、晴海地区の仮設市場整備に要する費用が、築地市場の再整備に伴って、築地市場の業者の方が一時移転し、営業するための費用であるということから、施設使用料に反映させて計算したところでございます。

○柳ヶ瀬委員 先ほどもお話ししたとおり、使用料をどこまで負担してもらうのかというのはいろいろな議論があるんです。国は、用地所得をした場合には、その土地代まで含めて、基盤整備等も含めて取るべきではないかというような見解を示していて、東京都は、用地費は使用料に含めないというようなことをいっているんですね。あとは、移転に要した経費というものをどこまで見るのかということ、これは東京都の判断なんです、ある意味。その移転に要した経費は都が負担しようということであるならば、この建設費部分だけでも負担してもらおうというようなことになっていくんですね。とすると、この建設費の差額分だけが築地と豊洲の使用料の差だというようなことになってくるのかなというふうに思います。
 つまり、どこにこの基準を置くかというのは、それは東京都が決めればいいと思うんですけれども、この築地案と豊洲案を比較するときに公平に比較してくださいということなんです。片一方だけ入れて、片一方だけ入れないというのは成り立たない。そういった中で出てきているのがこの一・五七倍だという数字だということなんです。使用料がアップするから、現在地再整備案には反対だということをいわれる方がいましたけれども、その算出された使用料とは、導入するかどうかも全く決まっていないこの市場別使用料を前提として、豊洲案には千客万来施設の貸付料など負担軽減策が盛り込まれ、土壌汚染など負担が重くなるものは計上されていない。
 一方、現在地案では、空中権の利用などなく、使用料としてはなじまない可能性が高い仮設工事の経費が入っている。これは不公平な、不公正な比較ではないか。そもそも現段階で、これを何も決まっていない段階で比較することそのことがなじまないんではないかなというふうにも思います。また、もしその仮設分を除くなどだけしたとしても一・一倍程度ということで、豊洲案と現在地案ではほぼ変わらないということですね。
 この使用料をどうするかという問題は、先ほど申し上げましたけれども、非常にデリケートな問題であります。安易な方法で算出するのではなくて、負担をする市場の皆さんがどこまで負担が可能なのかということをしっかりと調査をして、それをもとに話し合いをする必要があるだろうということを申し上げておきたいというふうに思います。
 次に、この整備事業全体の収支を検証する必要があると思いますので、次の資料、お手元にお配りをしています。これを見ていただきたいと思うんですけれども、整備事業全体でこの収支を比較してみることも必要だろうということでこれをつくってみました。
 築地案と豊洲案、それぞれ事業が完了した後に何が残るのかということを示したものであります。築地の土地、保有金、また豊洲の既に買っている土地、それから国庫補助金ですね。これは、建設に際して入ってくるというのが現状ある資産と考えられるだろうと、これ、資産は同じですね。築地だろうが、豊洲だろうが、現状ある資産は同じだと。
 それに対して、築地の場合には、この晴海の仮設費用約六百億円、この部分が費用としてなくなっていく部分。つまり、この築地の整備が終わった後には、この仮設費の六百億円分がなくなって、築地の土地と建物、保有金が若干残ると。
 それに対して、豊洲に関していえば、同じところから、この土壌汚染対策費、これは残りませんから、同じぐらいですね、六百億円ぐらいですね、同じ部分が除かれていくという計算ができると思います。
 つまり、残ったものというのはほぼ同程度の価値だろうというふうに思うんです。しかし、何が違うのかというと、築地の土地を手放して、その汚染が明らかとなっている豊洲の土地を購入し、また若干のキャッシュに変えるのかどうか。銀座に隣接する一等地のこの築地の土地を保持し続けるのか。それがこの築地案と豊洲案では大きな違いなんですね。どちらの方が資産価値が高いのかということ、これも判断の一助として検証しなければいけないんではないか。築地の土地の方が、この土壌汚染が明らかな豊洲の土地よりも資産価値が高いということは、これは明らかなんではないかなというふうに思うんですね。
 さらに、先ほどの田の上議員の質問の中では、この豊洲の土地を維持するのに、十年間程度、その地下水をくみ上げたりとか、地下水の管理をしなければいけないということで非常にこれはランニングコストがかかるものなんですね、豊洲の土地というのは。そういうことも検討する必要があるのではないかということを申し上げておきたい。特に質疑はしません、これに関しては。
 最後に、意向調査について申し上げたいというふうに思います。
 そもそも、物事を決定するに際して、広く利害関係者の意見を聞こうとしない理由がわかりません。例えば、都営住宅の建てかえで、自治会長が反対するから、戻り入居の希望があるかどうかさえ調査をしないということは、これはあり得ませんね。また、意向調査は、業界に移転の判断を押しつけるためにするものではありません。あくまでも、この問題を都議会として責任を持って判断するための材料の一つであります。
 移転問題は、過去に結論がついたというふうにいいますけれども、水産仲卸においては、平成十年に行った際の意向調査の結果は、現在地再整備でありました。現在も、この水産仲卸は、現在地再整備を機関決定したままです。また、その後、市場を考える会や東中労などが独自に調査をしていますが、現在地再整備を求める意見が市場関係者には多く、先日の参考人の発言でも、半数は現在地再整備ということでございました。本当に業界の意向がこの豊洲に移転するということであるならば、この意向調査を拒む理由はないんではないでしょうか。
 水産仲卸の伊藤理事長も、ことし三月十六日の参考人質疑の中で、築地で再整備した場合、仮移転なのか、ローリングなのか、期間や経費、施設使用料、いろんな問題が明確になったときに、組合員さんに説明をし、そして信を問うというふうに答えていました。私たちもそれを目指してこの現在地再整備を検討してまいりました。先日の参考人からも、意向調査を実施してほしいという意見が非常に多くの方から出されていたというふうに考えております。
 ぜひとも、この意向調査をしっかりと私たちの判断の一助として実施をすることをしっかりと望みまして、私の質問を終わりたいと思います。

○花輪委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○花輪委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 この際、議事の都合により暫時休憩いたします。
   午後八時十六分休憩

   午後八時四十九分開議

○花輪委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○馬場委員 私は、都議会民主党を代表して、意見開陳を行います。
 私たち都議会民主党は、昨年七月の都議会議員選挙において、築地市場の移転問題に関して、移転予定地から高濃度の汚染物質が検出されるなど、安全性が確認されていないこと、また関係者の合意も得られていないことから、強引な移転に反対と訴え、現在地再整備について改めて検討することをマニフェストに掲げてきました。
 都議会議員選挙後、当特別委員会設置をめぐる都議会の紛糾や、平成二十二年度市場会計予算案における激論を経て、ようやく当委員会の小委員会において現在地再整備案が検討されるに至りました。
 小委員会で示された現在地再整備案につきましては、課題もあるとは思いますが、この間、できない、無理だ、不可能だといわれてきた現在地再整備案が、やればできるということが証明されたことについては、一定の評価をしたいと思います。
 現在地再整備案の内容は、まだまだ掘り下げていくべき課題もあり、引き続き検証が必要であると考えますが、豊洲案との比較においては、市場機能という面から見てもすぐれている点が多いのではないでしょうか。
 例えば、豊洲案の七街区、つまりは水産卸の計画は、一階が競り品、三階が荷置きと荷さばき場、四階が転配送センターとなるなど、縦方向に大量のものを動かさなければならない構造になっています。
 このことから、さきの質疑では、産地から荷物を運んできたトラックは何階に行けばいいのか、卸棟での上下の搬送をだれがするのか、ターレットで卸棟の上層階まで上がれるのか、仲卸棟から競り場まで遠いため、入荷の様子がわかるのかなどといった物流上の課題があることを指摘してきました。
 また、買い回りについては、現在地再整備のA-2案は、水産物と青果物を立体化して配置することにより、買い回りをする人は、建物内を上下に移動するだけでよいのに比べ、豊洲案は、建物が分断され、車や徒歩での移動距離が長く、荷の場内搬送の面で課題があることも明白になりました。
 また、事業費の点において豊洲案とA-2案との比較では、例えば、豊洲案の卸棟が三階から四階に変更されても、事業費に大きな変更がないことを確認した上で、同じスペックであれば、豊洲案もA-2案の本体コストは同じではないかと指摘してきました。
 むしろ豊洲案は、土壌が軟弱な地盤で建物を支えるくいを四十メートル打たねばならず、築地の十メートルに比べてコスト高であること、電気や水道などのインフラを三つの敷地まで引かねばならないこと、外壁の表面積が大きいことなどを指摘し、コストを引き上げる要因は、豊洲案においてこそ多く見られるということを指摘してきました。
 このようなコスト面での比較が不十分な中で導き出された使用料について、議会局の試算では、A-2案の使用料を豊洲案の一・五七倍としていました。
 しかし、そもそもこの使用料算定の前提になっている市場別使用料というものこそ、業界の合意が得られていないのです。仮に市場別使用料を前提とするとしても、東京都中央卸売市場が定める使用料算定要領に定められている、減価償却費から除却資産である晴海の仮設市場五百九十七億円を除くだけでも、A-2案の使用料は豊洲案の一・一倍程度と試算されます。
 仮に仮設施設の費用も現在地再整備に必要な経費として加えるのであれば、豊洲の土壌汚染対策費五百八十六億円についても、同様に必要な経費として加えて試算すべきではないでしょうか。
 スケジュールについても、そもそも豊洲案でさえ、平成十五年の豊洲新市場基本構想では、基本計画から開場まで八年から十二年、平成十六年の豊洲新市場基本計画では、同じく基本設計から開場まで七年から十一年かかると想定していました。
 しかし、豊洲案の現在のスケジュールはわずか四年半にすぎません。ある程度具体的な工程表が必要な基本設計や工期を含めた期間を簡単に二分の一、三分の一に短縮できるのであれば、想定でしかない調査や対策、業界調整、各種行政手続などは、それこそ執行機関の努力で大きく期間短縮することが可能なのではないでしょうか。
 例えば、二〇一六年の東京オリンピック招致を計画した際には、築地の市場跡地に予定していたメディアセンターは、市場の解体、除去、埋蔵文化財や土壌汚染の調査、建設工事期間をすべて含めて五年で完成させる想定だったそうです。晴海のメーンスタジアムは、都市計画決定や各種調査、デザイン公募や設計、地元調整に三年、建設工事に三年の計六年で完成させる想定だったそうです。
 メディアセンターを建設する場合には埋蔵文化財が出土せず、市場を建設する場合には出土するなどということはあり得ません。まさにやればできるのです。これができないというのであれば、IOCに提出した立候補ファイルの内容についても、疑義があったといわざるを得ません。
 豊洲案において現在地再整備以上に大きなリスク要因は、土壌汚染であることはいうまでもありません。参考人の方々の発言でも、現在地再整備案にせよ、豊洲移転案にせよ、共通していたのは、食の安全・安心を確実にするということでした。また、盛り土など、新たな調査や対策の必要性があることに加え、液状化対策や地盤沈下対策など進めていく上で、新たな問題が露呈しないとも限りません。土壌汚染は、豊洲案にとって最大の課題であるにもかかわらず、東京都の情報提供のあり方は、到底褒められたものではありません。
 実証実験で無害化できることが実証されたとしていた検体の初期値の公表や盛り土を搬入する際の汚染調査の内規違反など、さまざまな問題が発覚する中で、都民の行政に対する信頼は揺らいでいます。情報提供を積極的に進めることで、都民が考える安全と東京都が考える安全が合致し、それが実行できるような努力がさらに必要であると考えています。
 この間、私たちは、今回の現在地再整備案と豊洲移転案とがそれぞれ公平、公正に評価されることを前提に、市場関係者に対する意向調査を実施すべきと主張してきました。参考人の中でも賛否両論ありましたが、私たちは、ただ単に移転か再整備かを問うといった単純な調査でないことを理解してもらい、引き続きその実現を目指していくべきだと考えています。
 今回の報告については、私たちはあくまでも中間報告であると認識しておりますが、今回の報告は、第三回定例会における一定の成果であるとも考えています。したがって、平成二十二年度東京都中央卸売市場予算のうち、都議会民主党が予算案の修正対象と考えていた用地取得費千二百六十億円を除く準備行為については、適切に執行すべきであると考えています。
 私たち都議会民主党は、引き続き当特別委員会を継続するとともに、附帯決議に基づいて、現在地再整備の可能性について、大方の事業者の合意形成に向け、あらゆる方策を模索、検討しながら、一定期間内に検討結果をまとめていくことを表明し、意見開陳とさせていただきます。

○鈴木委員 都議会自由民主党を代表して、本特別委員会に付託された東京都中央卸売市場の築地市場の移転・再整備に関する調査検討について、意見開陳を行います。
 本特別委員会では、現在地再整備の可能性について、短期間で集中的に検討するため、小委員会を設置したところであります。小委員会においては、日曜日も含め、計九回にわたり、中間報告に対する質疑や業界参考人からの意見聴取など、精力的な調査検討が行われてきました。
 小委員会から報告された調査報告書には、現在地再整備案として、複数の検討結果が示されており、その内容も、各案の概要、整備期間、整備費のみならず、克服しなければならない課題の明示に至るまで、詳細な内容となっており、本特別委員会の調査検討に資するものであったと認められます。しかし、我が党としては、現在地再整備の各案の実現は不可能であり、いずれの案にも反対であるとの立場を明確にしておくものでございます。
 我が党が現在地再整備の各案の実現は不可能と考える理由は、次のとおりであります。
 まずは、いずれの現在地再整備案も工期が二十年以上もの長期に及ぶことです。現状の築地市場は、老朽化がもはや限界であり、耐震性やアスベストにも不安を抱え、震災に遭えば、食の安定的な供給が滞り、都民に甚大な影響を与えることになります。また、流通環境の変化に対応し、売り場全体を温度管理できる閉鎖型施設の整備、物流効率化のための待機駐車場の整備、加工、パッケージ施設や大口の荷さばき施設の整備など、産地や顧客のニーズへの対応は、基幹市場として一刻の猶予もない課題なのです。そうであるにもかかわらず、再整備案の工期は、具体的に明記された期間だけでも、最短で約十二年、長いもので約十七年とされています。
 これに加え、不確定要素として業界調整に五年程度、埋蔵文化財発掘調査に十年以上要する可能性があるとされており、これだけでも現在地再整備の工期は二十年以上の長期にわたることは明白であります。
 先ほど申したように、築地市場が抱える課題は、一刻の猶予もない課題であり、二十年以上もかけて再整備をするということは、これら課題の先送りにほかならず、全く論外の話であるといわざるを得ません。
 次に、現在地再整備の方向で大方の業界の理解を得られる見通しは全くないことです。
 業界参考人の意見聴取では、業界団体の代表者から、どんなによい案であっても年数がかかってはだめだ、市場を取り巻く環境は厳しい、水産仲卸業者はこの十年で三割減少した、二十年もたてば半数近くが営業をやめていると、せっぱ詰まった意見がありました。
 また、築地市場での土壌汚染や埋蔵文化財発掘調査に要する期間が不明確である、仮移転先の晴海地区の住民の合意形成は可能なのかといった現在地再整備案の実現可能性を疑問視する意見もありました。
 新市場整備に当たっては、どのような案であっても、日々そこで営業を行っている業界の理解を得ることが大前提となります。私からいわせれば、現在地再整備案の方向で大方の業界がまとまる見通しは全くないといってもよいと思います。
 このように、現在地再整備案は、工事着工の前提となる業界調整や仮移転先の晴海の地元住民との合意形成など、難航することが容易に想像される全く不透明な要素を抱えており、解決の見通しもないのです。
 工期や整備期間の問題というより、いつ工事に着工できるかすらわからない、開場スケジュールすら描くことができないものなのです。果たしてこのような案を責任を持って業界団体や都民に説明できるのか、全く疑問です。
 まだまだこのほかにも、割高な施設建設費による使用料の大幅な上昇、営業活動に深刻な影響を与える仮移転とローリング工事、環状二号線の地下化に伴い発生する膨大なコストなど、数多くの、しかも解決が極めて困難な問題が山積しております。
 これまでの小委員会及び本特別委員会での調査検討において、何度も議論に挙がったように、そもそも豊洲新市場への移転は、再整備工事の行き詰まりから、都と業界が五年もの長い歳月を要してようやく決定に至ったものなのです。この間、業界の方々は、日々の営業に不便を強いられながら、貴重な時間と膨大な議論を積み重ね、豊洲への移転を決断したのです。
 豊洲移転でまとまっている業界に対し、こうした経緯を踏まえることなく、皆はできれば築地で営業を続けたいと思っているなどとして、軽々に現在地再整備を突きつけることができるのでしょうか。仮に突きつけたとしても、容易に現在地再整備の合意が得られるはずはありません。
 我が都議会自由民主党は、小委員会の報告書の内容、過去の現在地再整備の中断、豊洲移転決定に至るまでの経緯も十分に踏まえるならば、この現在地再整備案のいずれも、全く現実感のない、実現不可能な机上の空論というべきものであると考えます。
 なお、一部の会派から、個別事業者の意向調査をすべきとの考えが表明されていますが、業界団体の協力が得られないことは、参考人招致で明らかな上に、こうした過去の経緯を無視した意見であるといわざるを得ません。
 業界をまとめる立場にある築地市場のすべての業界団体の代表者の方々は、一同に、意味のある調査にならない、業界内部に大きな混乱をもたらすなどとして、反対を表明しているのです。そもそも業界団体の頭越しにどうやって調査を実施するというのか、調査結果に対する責任をだれが負うのか、全く理解できないところであります。
 我が党が代表質問で述べたように、このような主張は、本来都議会が判断すべき責任を業界に押しつけているのです。個々の事業者が置かれている状況はさまざまです。例えば、後継者の問題を抱え、自分の代で廃業しようと思っている方もいる。また、経営を抜本的に立て直すために、将来性のある新市場の建設を待ち望む方もいるのです。
 今、都が行うべきは、このようなさまざまな状況にある方々に結論を出すための意向調査をするということではなく、新市場整備に向けた都の方針を明確にした上で、個別事業者の不安や経営上の課題を聞き取り、きめ細かな支援を考えることなのです。今こそ、新市場整備について、都民の安定的な食の供給の確保という、この問題の本質的な目的をしっかりと認識し、市場開設者である都と都議会がその責任において、進むべき道を判断しなければならないのです。
 この特別委員会のこれまでの検討を経て、現在地再整備という選択肢がないことは、だれの目からも明らかになりました。一方、一刻も早い新市場の開場が望まれます。
 平成二十二年度予算には、業界団体、産地や顧客、ひいては首都圏三千三百万人のニーズにこたえる豊洲新市場の平成二十六年度中の開場を可能とする予算が計上されています。この予算を完全に執行することを可能とするために、現時点において、本特別委員会で結論を出し、都民、市場業者の方々に対して、都議会として責任ある対応を示すべきであることを申し上げて、我が党の意見開陳といたします。

○上野委員 都議会公明党を代表して、本特別委員会に付託された東京都中央卸売市場の築地市場の移転・再整備に関する調査検討について、意見開陳を行います。
 本特別委員会では、現在地再整備の可能性に関する検討を短期間で集中的に行うために、小委員会を設置し、この間小委員会においては、中間報告が行われ、業界参考人からの意見聴取も実施するなど、精力的な調査検討が行われてきました。
 小委員会から報告された調査報告書では、現在地再整備として複数案検討され、各案について、整備の概略、整備に要する期間、整備費に加え、その特徴と課題が整理されるなど、本特別委員会の調査検討に十分資するものでありました。
 その上で、現在地再整備の各案について申し上げますと、我が党としては、いずれの案にも賛成することはできないのであります。
 その理由といたしまして、第一に、豊洲新市場と比較しても、施設使用料の大幅な上昇が避けられず、業界にとってとても耐えられないものになるということであります。事業者が負担する施設使用料は、用地費、用地取得と一体で考えるべき基盤整備費を除き、施設建設費と維持管理費を基本に算定されます。
 まず、施設建設費でありますが、これまでの調査検討を通じて、現在地再整備の各案では、いずれも晴海への仮移転を前提としているため、仮設と本設という二つの施設建設が必要となることなどから、豊洲に比べて施設建設費は割高となることが明らかになりました。また、豊洲に比べ狭い敷地での整備になることから、施設は重層化せざるを得ず、エレベーターの台数増や空調、換気設備の能力アップが必須となり、その結果、光熱水費などの維持管理費、ランニングコストも増大してしまう可能性が高いことも我が党の質疑で明らかとなりました。
 これらの調査検討結果を踏まえれば、報告書に示されている、豊洲新市場と比較して施設使用料は一・三倍から一・六倍という水準には到底おさまらないことは確実であるといわざるを得ません。
 さらにいえば、この一・三倍から一・六倍の水準は、豊洲新市場と比較したものであり、現行と比較した場合には、単純に計算しただけでも二倍程度になるのであります。このほか、業界負担には、業界参考人が指摘したとおり、施設使用料以外にもローリングや仮移転に伴う設備の二重投資が必要となることにも目を配らなければなりません。
 我々都議会は、参考人招致において、業界団体の方々が強く訴えておられた、このような使用料負担には経営上とても耐えられないという意見を重く受けとめなければなりません。また、特別委員会で視察した大阪市場の例を見ても、使用料がはね上がり、事業者の経営を直撃している現実を忘れてはならないのであります。
 以上のことを踏まえるならば、現在地再整備案による施設使用料は、業界に対し過重な負担を強いる可能性が極めて高いものであると判断されます。
 続いて、第二の理由は、新市場の整備費の財源問題です。
 改めて申し上げるまでもなく、豊洲新市場であれ、現在地再整備であれ、その整備には財源の確保をセットで考えなければなりません。現在地再整備案の整備費については、過日、誤った新聞報道があったものの、我が党が代表質問で明らかにしたとおり、この額には、築地での土壌汚染調査対策費、埋蔵文化財発掘調査費、業界調整等による工期延長に伴う工事費の増大など、不確定要素が全く盛り込まれておらず、整備費はさらに増大する可能性が高いことが明らかになりました。
 一方、中央卸売市場会計は、毎年度発生する営業損失を保有資金等のやりくりで維持しているのが現状であります。こうした状況では、過去の大田市場の整備例から見ても、基幹市場の新たな整備には、あらかじめ財源を確実に確保しておくことが必須なのであります。
 こうした現実を踏まえると、築地市場跡地の売却収入が見込めない現在地再整備案では、巨額の財源不足が生じ、その補てん財源も確保できないのであります。さまざまな側面から、実現可能性に疑問がついている現在地再整備案ですが、財源確保の課題も改めて浮き彫りとなりました。
 また、念のため申し上げますが、過去の例からいっても、現在地再整備工事では、工期の延長による工事費の増加は避けられません。こうした最低限のリスクも想定せず、今試算されている全体事業費ならば財源的には足りているなどという安易な見通しで工事を着工することは全く無責任であり、工期の延長を余儀なくされ、財源がなくなり、中断せざるを得なくなった場合、都民、市場関係者への影響ははかり知れないのであります。
 第三の理由は、現在地再整備案、特にA-2案の施設計画と物流計画が深刻な問題点を抱えていることです。A-2案では、築地の敷地面積が狭いことから、幹線道路から場内周回道路へのアプローチが短く、入場車両が周回道路の交差点で渋滞した場合、入場できない車両が幹線道路にあふれて渋滞を引き起こす。さらには、路上での荷さばきを誘引するおそれもあります。
 大口荷さばき場や転配送センターへ荷を搬送する場合、仲卸から卸売り場を縦断せざるを得ず、それは荷が、積み上げ陳列されている売り場を移動することになり、極めて危険であり、非効率であります。市場業務に支障を来すことは明白であります。
 また、卸売り場とA-3棟との連絡通路は、図面上から推測すると、幅員が十分確保できず、搬送のピーク時には連絡通路の混雑が予想され、市場業務に影響を与えることも予想されます。このように、現在地再整備案は、水産物部の売り場と大口荷さばき場、転配送センターが平面配置になっているとはいえ、効率的な物流を確保する上で、さまざまな欠陥がある施設計画となっているのです。
 現在地再整備案の重層化構造をめぐる最大の問題は、いずれの案でも青果の売り場が物流効率の悪い上層階に配置されていることです。業界団体の代表者からも、激しい怒りと不満が表明されています。限られた築地の敷地では、売り場の重層化が避けられないことから、業界の理解を得ることができる施設整備とすることは困難であることも明白であります。
 さらに、東京ドーム二・五個分の広さがある巨大建築物であるため、火災発生時の避難に問題もあり、災害時における人の生命にかかわる課題があることも決して見過ごすことはできないのであります。このように、現在地再整備案は、施設計画と物流計画の観点からも極めて問題があるというほかありません。
 以上、我が党が明らかにしてきた問題点を述べましたが、これらに加え、二十年以上の長期にわたる整備期間の問題や仮移転先の晴海の住民合意、そして何より業界が現在地再整備の方向で合意できる見通しが全く立たない状況では、現在地再整備の実現可能性は全くないものといわざるを得ません。
 これまで長期間にわたり、議会として現在地再整備の可能性について、精力的に検討してまいりました。この間、業界参考人からも、なぜ過去の教訓が生かされないのか、早急に結論を出してほしいとの厳しい批判も上がっております。
 私たち議会が今まさに果たすべき責任は、検討結果をまとめ、首都圏三千三百万人の食を支えるのにふさわしい豊洲新市場を早期に整備するため、二十二年度予算を速やかに執行すべきであることを強く表明するものであります。
 なお、一部の会派から、事業者個別の意向調査を行うべきとの意見がありましたが、業界団体は、比較しようのない条件、特に土壌汚染対策、埋蔵文化財発掘調査、晴海の地元住民との調整など、着手してみなければわからない不確定要素が明らかにされないままで意向調査を行うことは反対であると明確に主張されています。
 我が党としても、業界のまとまりを壊しかねない意向調査には絶対反対であることを申し上げて、意見開陳といたします。

○清水委員 日本共産党都議団の意見開陳を行います。
 豊洲新市場計画についてですが、都民にとって根幹的ともいうべき二つの重大問題があり、豊洲新市場計画は中止すべきです。
 第一は、深刻な土壌汚染があり、都の対策では、食の安心・安全を確保できないということです。市場における食の安心・安全の確保は、絶対的前提であり、どの立場からの参考人の方々からも強調されたことであり、各種世論調査でも、豊洲新市場移転の中止を求める声が強く上がっていることを直視する必要があります。
 第二に、豊洲新市場計画そのものにも重大な問題があるということです。
 業者の方々は、水産、青果がそれぞれで重層化してしまうこと、市場全体が街区ごとに三地域に分離されてしまうため、各部門で荷の動きが非効率になることを批判されていました。これは豊洲の土地の形状からの制約であったり、量販店対応の施設整備、首都圏の三千三百万人の拠点市場化を目指すことから来るものです。
 第一の問題である豊洲新市場予定地の都の土壌汚染対策については、私たち日本共産党は、今定例会の本会議でも、これまでの委員会でも繰り返しただし、汚染対策そのものに根本的な瑕疵がある上、その対策の有効性を確認したという適用実験に重大な欠陥があり、失敗したことを明らかにしました。小委員会での意見開陳、本日の特別委員会でも質疑したとおりです。
 しかも、今回の実験を通してもわかった重要なことは、豊洲新市場予定地の汚染の特徴として、一つ、土壌汚染では中高濃度の局地的なものが全体に広く散らばっているということ。二つ、地下水の汚染が移動していることです。その上に、健全土とされていた盛り土が汚染していたことです。全体として、これまでの調査で汚染の有無を判断できないということを裏づけることになりました。すべての土壌を対象に無害化するか、入れかえるかしなければ危険性はなくなりません。これでは、技術会議が提言した、工期と工費を短縮するため、これまでの調査で汚染があるところとないところを精査して進めるという汚染対策そのものが成り立たないということになります。
 もともと、市場開設者である東京都は、一方では真実を一貫して隠ぺいする態度を繰り返し、一方で土壌汚染対策の有効性の根拠としてきたものは、都が一部の特定の権威ある専門家と称する人たちの意見だけを盾にしたものにすぎませんでした。
 二〇一〇年八月に、権威ある専門家による技術会議がまとめた技術会議報告書(その二)をまとめるに当たって、その専門家たち、特に前環境科学研究所長の長谷川委員などは、議事録の一ページの中で、気がしております、恐らく、思います、ことだと思いますなど、非常にあいまいな発言で、不十分な浄化対策をさらに簡略化させ、コストを引き下げていくという安易な方向の旗振り役をしています。専門的な科学性が厳しく要求されるべき土壌汚染対策でのこうした対応は、ただただ豊洲移転ありきというものでしかなく、この方々の学問的良心を疑わせるものでした。都の土壌汚染対策では、食の安全・安心は確保できないことを厳しく指摘するものです。
 第二の豊洲新市場計画の問題では、豊洲移転推進の業界の代表の方々の中にも、豊洲新市場の施設整備で、民間の負担が大幅に減少したかのような誤解があったことがわかりました。業界傘下の業者の方々の段階では、それ以上にさまざまな誤解があるだろうということが推察されます。
 一九八八年の現在地再整備が行き詰まったことについて、東京都として責任ある総括をせず、まるで民間側に問題があったかのようにいい繕おうとしているために、業者の誤解が生じるだけでなく、計画そのものが業者の要求からかけ離れることになるのです。意向調査というなら、豊洲新市場計画についても、すべての情報を全業者に公開すべきことを申し述べておきます。
 市場再整備について、開設者である都が責任持って確固たる努力をしなければうまくいくはずがありません。一九八八年の現在地再整備計画が行き詰まった教訓を都は学ぶ必要があります。
 札幌でも、大阪でも、現在地再整備するために、さまざまな困難を乗り越えるために、どこも開設者が業者間の大変な調整をやって成功させてきたこと、業者から出されてきた要望の解決のための努力をしているのです。
 提案された現在地再整備案は、石原都政の市場整備の考え方を基本につくられたため、弱点、欠点があります。
 第一は、業者負担が重過ぎることです。
 市場の整備というのは、市場を通して都民の食の安定供給、食の安心・安全の確保をするものであり、現在のように、市場外取引が急増したり、相対取引などが横行する中では、市場会計という枠を超えて、財政支援も含めて、オール都庁で取り組む必要があります。それでこそ、現在地再整備が無理だという業者の方々が挙げている工期の長期化、業者負担の問題、業者の合意の問題も、解決への道が切り開かれるのだということを強く指摘しないわけにはいきません。
 第二に、晴海に全面仮移転する案や市場の一部機能を恒久的に晴海に移す案には、仮設費用、移転費用が膨大になり、青果と鮮魚が分離するなどの問題があり、築地市場の現在地再整備を前に進めることはできないということも明らかになりました。
 業者からは、なるべく建設費用のかからないようにすることはもちろん、業者への負担をできる限り低減すること、移転費用、仮設費用については、都に求めること、工事期間はできる限り短縮すること、青果、水産は一体の市場として、それぞれで平面にしてワンフロアで荷を動かせること、仲卸の評価機能を保障した市場であること、少ない仕入れのお店でも、量販店でも、公平、公正に荷を買うことができる市場であること、小売店にとっても、築地での再整備が死活問題であること、再整備の方法については、既存施設の積極活用など含め、さまざまな方法が考えられることが口々に述べられました。
 私たち日本共産党は、これらのことを踏まえ、提案された案には大きな問題点があることを指摘し、現在地再整備を前に進めるためには、三つの課題を解決する必要があるということを改めて主張するものです。
 第一に、首都圏の拠点市場化を目指すことや、大型量販店対応型整備をやめること、膨れ上がった施設整備費については、適正なものに正すことが必要だということです。それによって業者負担も軽減できます。
 第二に、建設費の相当部分を民間事業者に負わせることは行うべきではないということです。
 一九八八年からの現在地再整備計画では、建設費は民間に負担を負わせないものだったのです。例えば、全面仮移転の場合、七百十億円にも達する部分を民間に負担させることになる試算を説明しましたが、これでは業者の方々は、負担できるはずはありません。無理難題を押しつけたといっても過言ではありません。
 第三に、仮移転を行う場合など、引っ越し、仮設費用などについて、都が負担したり、魚と青果を分離させるような仮移転を避けるため、市場の上部に人工地盤をつくることなどの改善が必要なことです。こうした改善のための財源は、オリンピック基金の四千億円の一部を使うことでできます。
 このように、現在地再整備案を進める上で重要なことは、四案にこだわらず、欠陥は正し、弱点は補い、業者も合意できるよりよい現在地再整備案を一日も早く業者も参加してつくっていくことです。そのために、都が責任持って、必要な対価も支払って、現在地再整備計画を速やかにつくることが必要不可欠です。
 このようにして進めていけば、築地での現在地再整備は前に進みます。今こそ、この十数年にわたって再整備をおくらせ、業者、都民に苦労させてきた責任を都自身がとるという立場に立った積極的対応を強く求めるものです。
 次に、意向調査についてです。
 我が党が二〇〇七年十一月の国会で、市場の再整備計画について、関係者との合意問題についてただしたところ、関係者の理解などを得ることが重要であると総理大臣が答弁しています。現在地再整備がよいのか、豊洲移転で進めるのがよいのか、業者の全体の意向を調査することは必要です。
 ただし、現在出されている現在地再整備案をもとにして、どちらがよいかという調査を行うべきではありません。なぜなら、二十六日の参考人招致でも多くの方々が主張しておりましたが、現在出されている案には問題があり、それらの案をもとにした意向調査では、業者の真意をつかむことはできないからです。
 なお、現在の築地市場の老朽化を挙げて、現在地再整備では時間がかかって間に合わないとする主張があります。しかし、現在の築地市場のさまざまな問題、すなわち市場内のトイレをきれいにすることはもとより、青果部での雨にぬれない保管場所の確保、市場の売り場内への雨漏り、鉄枠、コンクリート片の落下防止対策、冷蔵庫のむき出し配管の安全対策、築地市場の民間部分のアスベストについては、移転の是非を待つことなく、直ちに都が必要な対策をとるべきです。
 以上、日本共産党としての意見開陳とするものです。

○星委員 生活者ネットワーク・みらいを代表して、本特別委員会に付託された築地市場移転・再整備の調査検討について意見を申し上げます。
 これまで、経済・港湾委員会との合同審査では豊洲の環境対策について、小委員会では現地整備の可能性について審議をしてまいりました。
 まず、豊洲の環境対策について、土壌の浄化実験結果では、お金をかけて対策をすれば環境基準をクリアできるというご報告でした。しかし、食品を扱う施設として、環境基準をクリアしていればそれで合格ということにはならないと考えます。
 杉並病のときも、環境基準以下のごく微量でも健康被害を訴える人が出ました。風評被害もあったと思われますが、すべてを風評被害として切り捨てることはできません。豊洲を選べば必ずや同じことが起こると考えます。環境基準はクリアできても、都民の不信はクリアできません。
 加えて、大変残念なことですが、この間、市民の不信をさらに助長させるさまざまな事実が明らかになりました。当局が都民に必要な情報をすべて公開していたか、説明責任を果たしていたか、不安を解消させるに足る行動がとれていたかについても、否といわざるを得ない事実が次々に判明しています。初期値についての説明不足や安全な土地であるべき盛り土の汚染問題もしかりです。東京都の豊洲の環境対策に対する問題解決への信頼度は失墜し、回復できる限度を超えています。
 市場のコンセプトで最も大事なことは食の安全・安心ですが、環境基準以下に浄化したから安全ですといわれても、都民は決して安心することはできません。液状化や地盤沈下も心配されるなど、東京都が設置する中央卸売市場の立地として、豊洲はふさわしくないといわざるを得ません。どんな困難を克服しても、豊洲以外の場所に市場整備を図ることを覚悟すべきと考えます。
 次に、現在地再整備の可能性について、これまで、豊洲も問題だが、一方の現在地再整備も無理なのだといわれてきました。土地が狭く、望む施設はできないともいわれてきました。今回、晴海を活用することによって、現在地再整備の可能性を大きく広げることができたと考えます。以前にとんざした小幅なローリングによる再整備の課題は、晴海を活用することによって克服できることがわかりました。しかも、土地の狭さも克服して、豊洲と同じスペックというハードルも越えられたことは、大きな成果であると考えます。
 以前から、晴海移転の可能性はないのかと問題提起してきた我が会派としては、仮移転先として晴海が浮上したこと、晴海の活用が検討の俎上に上ったことを大いに歓迎するものです。
 現在地再整備における最大の問題は工期の長さということが指摘されています。しかし、論議のあった業界や関係者間の調整にかかる期間の四、五年について、関係者の努力次第で縮められ、このスペックでの実際の工期である十一年九カ月を最大とみなし、詳細な計画を策定する上でさらに短縮することも不可能とはいえません。幸い地元中央区は、現在地再整備を歓迎しており、晴海地区の地元住民への対応にも相当の協力が期待できます。また、近くに市場ができることは、迷惑ばかりとはいえず、地域の活性化や利便に資する可能性もあります。
 最終的には業界の合意形成がかぎになると思われるところ、参考人の意見にあったように、業界同士の意思疎通、合意の困難さはいかんともしがたい思いで受けとめましたが、都民の目線に立った公設市場建設という事業で考えていくときに、都としては、業界関係者の率直なご意見を聞きながら、情報の共有に努め、調整に向け努力するしかないと考えます。
 何より、現地整備の利点として、現在の築地市場は、大消費地である都心部の商圏、交通の利便性、場外市場と呼ばれる商店街の形成も、一般消費者はもちろんのこと、海外の観光客にとってもさらなる魅力的な観光スポットとなる可能性を持っていることです。
 今後の市場を取り巻く諸問題が単に広い豊洲に行けば解決できるとは思えません。卸売市場は、消費者への生鮮食料品の安定供給を第一として、生産、供給に軸足を置き、価格形成機能と商品の売りさばき機能を重視してまいりました。インターネット取引や市場外流通など、流通形態の変化とともに、少子高齢化や生活の豊かさを求める消費者ニーズの多様化も進み、結果として、流通の変化への対応がおくれ、卸売市場の活力の低下を招いてしまったのではないかと考えます。
 しかしながら、今後どのように消費者ニーズが変化しても、生鮮食料品の消費の基本は生もの志向であり、生産技術が高度化しても、自然条件に左右されるし、消費も天候により変動することから考えると、生鮮食料品に関する専門知識や生鮮食料品流通に関する情報は不可欠です。公設の卸売市場としての価値は、これまで蓄積してきた生鮮食料品に関する知識や情報を最大限に活用して、消費者利益につながる流通拠点として再構築することにあるのではないかと考え、さらなる検討を求めるものです。
 生活者ネットワーク・みらいは、消費者の立場に立って、晴海仮移転を含めた現在地再整備案に賛成するものですが、この再整備案の実現のためには、何よりも業界の合意が不可欠と考えます。また、新しい時代に向けての市場のあるべき姿も再考すべきであり、こうした観点に基づくような意向調査の実施を求め、意見開陳といたします。

○花輪委員長 以上で意見開陳を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後九時三十六分散会

東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する
特別委員会小委員会 報告書

 本小委員会は、平成22年7月16日に設置され、東京都中央卸売市場の移転・再整備に関する調査・検討を行ってきた。平成22年10月1日に各会派の意見開陳を実施するに至り、一定の成果をまとめたことから、ここに報告いたします。

  平成22年10月3日

東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に
関する特別委員会小委員会委員長  西岡 真一郎

 東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に
 関する特別委員長  花輪 ともふみ 殿

1 本小委員会の設置及びこれまでの活動経過
 本小委員会は、7月16日に設置され、これまで9回の小委員会及び12回の打合会を開催し、特別委員会から付託を受けた、「築地現在地再整備計画に向けての検討事項案」のA・B・Cの3案について、精力的に調査・検討を行った。
年月日
調査事項

小委員会
打合会
7月16日(金)

○委員長及び副委員長の互選
・今後の小委員会運営等について
・その他
8月3日(火)

○「築地現在地再整備計画に向けての検討事項案」等について
・本日の小委員会運営について
・その他
8月30日(月)

○報告事項(説明・質疑)
「東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に係る調査委託」及び「市場再整備検討に係る調査委託」の中間報告について
・本日の小委員会運営について
・その他
8月31日(火)

○報告事項(質疑)
「東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に係る調査委託」及び「市場再整備検討に係る調査委託」の中間報告について
・本日の小委員会運営について
・その他
9月2日(木)

・今後の小委員会運営等について
・その他
9月3日(金)

○「築地現在地再整備計画に向けての検討事項案」について
・今後の小委員会運営等について
・その他
9月9日(木)

・今後の小委員会運営等について
・その他
9月10日(金)

・今後の小委員会運営等について
・その他
9月22日(水)

○報告事項(説明・質疑)
「東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に係る調査委託」及び「市場再整備検討に係る調査委託」について
・本日の小委員会運営について
・その他
9月24日(金)

・今後の小委員会運営等について
・その他
9月26日(日)

○参考人からの意見聴取
「築地現在地再整備計画に向けての検討事項案」について

10月1日(金)

○「築地現在地再整備計画に向けての検討事項案」について(意見開陳)
・本日の小委員会運営について
・その他
10月3日(日)

○小委員会調査報告内容について
・本日の小委員会運営について
・その他

2 検討事項案の調査の進め方について
(1)調査の基本的考え方及び調査項目
 本小委員会では、「現在地再整備の可能性について専門的・中立的に調査し、豊洲新市場整備案と比較可能なものとすることが必要である」との基本的考え方に基づき、調査を進めることとした。
 また、調査項目としては、〔1〕コンセプト、〔2〕基本スペック、〔3〕工期、金額等、〔4〕課題について調査をすることとした。

(2)築地現在地再整備計画に向けての検討事項案の調査
 本小委員会ではまず、「築地現在地再整備計画に向けての検討事項案」について、提出会派である民主党の委員から説明を受けた後、施設配置や工期・工法の考え方、晴海地区への仮移転時の機能やスペック、環状二号線の配置等について質疑を行った。
 そのうえで、詳細な調査検討を行うための具体的な調査について、議会局に行わせることとした。なお、調査に当たっては、理事者側の検討チームも協力して行うこととした。

3 「東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に係る調査委託」及び「市場再整備検討に係る調査委託」の中間報告書(案)について
(1)中間報告書(案)の提出
   前記2(2)に基づく議会局及び知事本局による具体的調査の結果、下記のとおり中間報告書案がそれぞれ提出された。
   小委員会では、本件について説明を聴取した後、質疑を行った。
議会局提出
東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に係る調査中間報告書(案)
知事本局提出
市場再整備検討に係る中間報告書(案)

   なお、質疑終了後、業界団体から中間報告書などについて意見を聴取するため、参考人を招致することを小委員会として決定した。

(2)中間報告書(案)に対する質疑の概要
   中間報告書(案)に対する質疑の概要は、次のとおりである。なお、質疑の詳細については、別紙1及び2の議事要旨のとおりである。
  〔1〕 中間報告書(案)について
   ア 中間報告書(案)の作成プロセスについて
   イ 築地の立地特性を活かした整備の検討可能性について
   ウ 中間報告書案策定におけるコストの算定基準について
   エ 中間報告案への業界意見の反映の有無について
   オ 業者の選定条件、契約業者のこれまでの実績について
   カ 検討案に対する関係者及び関係団体からの意見聴取について
  〔2〕 施設配置について
   ア 敷地面の制約に伴う課題について
   イ 高層階に青果を配置した場合の課題について
   ウ 高層化によるランニングコストに及ぼす影響について
エ 第9次卸売市場整備計画の方向性とツインマーケット案の整合性の確保について
  〔3〕 ローリング計画について
   ア B・C案のローリングの回数の考え方について
   イ 築地周辺の中央区所有地の活用の可能性について
   ウ ローリング及び引越しの回数の差異について
   エ ローリングのフェイズごとに生じる影響について
  〔4〕 建設費について
   ア 晴海の移設建設費の軽減策について
   イ 建築費とコストの積算基準について
ウ 積算した現在地再整備の事業費と比較しうる豊洲新市場整備費について
   エ 再整備の工事費が当初より増額した他市場の事例について
   オ 試算した事業費で増加が見込まれる工事費について
   カ 晴海地区の仮設冷蔵庫の建設費とランニングコストについて
   キ A案における仮設費用と本設費用の差異の理由について
  〔5〕 工期について
   ア 中間報告書案で示された工期の延長可能性について
   イ 築地で出土が想定される埋蔵文化財と再整備への影響について
  〔6〕 施設使用料について
   ア 施設使用料への影響額について
   イ 施設使用料の試算に市場別使用料制を採用した理由について
   ウ 施設使用料の算定根拠について
  〔7〕 晴海地区について
   ア 晴海地区の交通問題と地元合意について
イ 晴海五丁目の港湾局用地の活用による豊洲・晴海開発整備計画変更の必要性について
ウ 現在供用中の晴海ふ頭及び晴海ふ頭公園の一時的利用の可能性について
エ 市場機能の一部が晴海に残る場合の豊洲・晴海開発整備計画への影響について
  〔8〕 豊洲新市場と築地再整備とのランニングコストの比較について
  〔9〕 業者のコスト負担について
  〔10〕 通過物の実態と使用料の徴収について
  〔11〕 環状二号線の地下化による財政的負担以外の影響について
  〔12〕 市場関係車両の環状二号線へのアクセスについて
  〔13〕 市場機能の発展性の担保と将来のフレキシビリティー確保について
  〔14〕 今後の卸売市場のあり方について
  〔15〕 アスベスト除去について
  〔16〕 B・C案における築地・晴海間の買い回りに要する時間について
  〔17〕 晴海地区への本移転の可能性について

4 新たな検討事項の追加調査について
(1)新たな検討事項の追加調査
 前記3の中間報告書(案)に対する質疑の中で、委員から新たな検討事項(下記、参照)及び資料の要求があった。本小委員会では、その取扱いについて協議した結果、本件を小委員会の調査事項として追加調査することとし、具体的な調査を議会局及び理事者側の検討チームに行わせることとした。

 【新たな検討事項】

○ A案(築地地区)の見直し検討 (※A-2案として作成)
 〔1〕 緩やかなスロープで各階をつなぐこと
 〔2〕 シンプルな一方通行道路で交通をスムーズにすること
〔3〕 上部も敷地全体に駐車場を広げること
以上をもとに、課題となっている多層階を解消するような工夫について検討

○ A案(晴海地区)の仮設施設見直し検討
 通勤駐車場など、敷地内に必ずしも必要でないものについては、周辺の土地活用などを検討

○ B・C案のローリングの見直し検討
〔1〕 市場橋公園、小田原橋駐車場、築地川東支川の埋立地といった、中央区が所有している用地を、中央区の了解のもと示された条件を前提に借用し、仮設の施設などとして活用
〔2〕 ローリング期間中の営業動線の確保についても十分留意しつつ検討

(2)追加調査に係る中間報告書(案)の提出
   新たな検討事項に関する議会局及び知事本局による具体的調査の結果、下記のとおり中間報告書案がそれぞれ提出された。
   小委員会では、本件について説明を聴取した後、質疑を行った。
議会局提出
東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に係る調査 追加調査に係る中間報告書(案)
知事本局提出
市場再整備検討に係る中間報告書(案)(追加分)

(3)追加調査に係る中間報告書(案)に対する質疑の概要
   追加調査に係る中間報告書(案)に対する質疑の概要は、次のとおりである。なお、質疑の詳細については、別紙3の議事要旨のとおりである。
  〔1〕 A-2案について
ア 水産と青果を同一フロアに配置するメリットと多層構造にするデメリットについて
   イ 卸と仲卸が隣接することによるメリットについて
   ウ 平面かつ短い物流動線による余分な横持ちの解消について
   エ シンプルな一方通行の外周道路に改善したランプウェイについて
   オ 一方通行の周回道路を導入している他市場の事例の有無について
   カ 豊洲と比較したA-2案の周回道路の課題について
   キ 水産との買い回りの利便性について
   ク 別棟の水産加工パッケージ施設への動線について
   ケ 青果と水産を買い回る場合の動線について
   コ 駐車場上部を人口地盤で覆う構造による車の走行等に及ぼす影響について
   サ 人口地盤を支える柱の間隔について
   シ 人口地盤の構造物を有する類似施設の有無について
   ス 巨大建造物の防災上の課題について
   セ 屋内へのバースや待機駐車場の配置による排気ガス等の課題について
ソ 水産の卸売を上階に配置しローリング工事を実施した他市場の事例の有無について
  〔2〕 工期について
   ア 業界との調整に要する期間について
   イ 現在地再整備に決定した場合の業界調整に要する期間について
   ウ ローリングで再整備する場合の工期に及ぼす影響について
   エ B・C案のローリング計画見直しにより工期を短縮できた要因について
   オ 晴海地区の仮設スケジュールについて
   カ 晴海地区の活用に要する事前調整の期間について
   キ 築地で土壌汚染対策を実施する場合に要する期間について
   ク 豊洲案で業界調整に5年間かかった理由について

  〔3〕 整備費について
   ア 現在地再整備案の事業費と財源について
   イ 過去の現在地再整備建設費(3,400億円)の積算根拠について
   ウ スーパー堤防整備費及び晴海地区の盛土経費について
   エ A案の整備費の市場負担分とその財源について
   オ 民間施工分を含めた工事費について
   カ 豊洲の半分程度とした場合の土壌汚染対策費について
   キ 同規模の事例から想定した埋蔵文化財調査費について
   ク 工期延長や業界要望に伴う工事費増による市場会計への影響について
   ケ コスト比較に民間施工分を含めない理由について
   コ 過去の現在地再整備建設費が当初額より上回った要因について
   サ 現在地再整備に転換し豊洲を売却した場合の市場会計に戻る費用について
  〔4〕 交通アクセスについて
   ア 豊洲と比較した築地の公共交通機関の優位性について
   イ 交通アクセスの優位性による自動車利用の抑制について
  〔5〕 築地のブランド価値について
  〔6〕 余剰容積の活用による収益施設の併設について
  〔7〕 老朽化した築地市場の継続使用と予測される事態について
  〔8〕 「業界のまとまり」からみた現在地再整備案の評価について
  〔9〕 現在地再整備を再度検討する価値について
  〔10〕 市場使用料がさらに上がる要素の有無について
  〔11〕 新市場を整備する場合の新たな業者負担について
  〔12〕 拠点市場計画による設備投資が及ぼす業者の負担や営業への影響について
  〔13〕 公平に荷が回る市場づくりへの転換について
  〔14〕 晴海地区活用で影響が予測される地域・世帯数と内容について

5 参考人からの意見聴取について
 本小委員会では、中間報告書(案)に対する質疑の後、業界団体の代表者など15人を参考人として招致し、「築地現在地再整備計画に向けての検討事項案」について意見を聴取し質疑を行った。なお、参考人の意見及び質疑の詳細については、別紙4の議事要旨のとおりである。

東京都中央卸売市場買出人団体連合会会長大武  勇 氏
東京魚市場卸協同組合理事酒井  衛 氏
東京中央市場労働組合委員長羽根川 信 氏
築地市場青果連合事業協会会長福重 憲二 氏
特定非営利活動法人「市場を考える会」理事長山崎 治雄 氏
東京築地魚市場大物業会元会長渡辺桂一郎 氏
東京魚市場買参協同組合理事長二村 貞雄 氏
中皮腫・じん肺・アスベストセンター事務局長永倉 冬史 氏
築地市場関連事業者等協議会会長西念 晃司 氏
21世紀築地プロジェクトチーム事務局長小槻 義夫 氏
東京都鮨商生活衛生同業組合常任相談役中野里孝正 氏
全国青果卸売組合青年会連合会元会長佐藤 龍雄 氏
築地市場青果卸売組合青年会元会長
東京都水産物卸売業者協会会長伊藤 裕康 氏
東京魚市場卸協同組合理事長伊藤 宏之 氏
築地市場青果連合事業協会副会長(特命担当)泉 未紀夫 氏

6 築地現在地再整備案の検討結果について
 これまで記載したように、本小委員会では、「築地現在地再整備計画に向けての検討事項案」について精力的に調査・検討を進めてきた。その結果、当初のA・B・Cの3案に追加調査のA-2案を加えた4案を築地現在地再整備案として取りまとめた。また、A案における晴海地区の仮設施設の見直し及びB・C案における中央区用地の活用についても検討を行うとともに、各案の特徴及び課題について抽出した。
 検討結果の詳細については、別冊として調査報告書を添付したので、そちらを参照されたい。
 なお、検討結果に対し各会派による意見開陳を行った。開陳された各会派の意見の詳細については、別紙5の議事要旨のとおりである。

7 結び
 本小委員会では、特別委員会から付託された「築地現在地再整備計画に向けての検討事項案」について、調査の各段階において報告を聴取し、質疑を通じて様々な提案を行い、4つの現在地再整備案をとりまとめた。
 また、各再整備案の特徴を明らかにし課題を抽出するとともに、検討事項案に対する市場関係者の意見についても幅広く聴取した。
 小委員会における検討結果が、特別委員会の調査・検討に生かされることを強く希望して、本小委員会の報告とする。


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