警察・消防委員会管外視察報告

平成22年8月3日(火曜日)から8月4日(水曜日)委員長 石森たかゆき(自由民主党)

 安全で安心して暮らすことのできる東京の実現は、いつの時代においても都民の最大の願いであります。東京都では、犯罪や災害から都民を守り、安全で住み心地のよい首都東京の実現を都政の最重要課題の1つとして位置づけ、施策を展開しております。

 一方、都民の平穏な暮らしを脅かす不安要因は、依然として存在しております。暴力団をはじめとする犯罪組織は、殺人・強盗などの凶悪犯罪や拳銃発砲を伴う抗争事件を引き起こすなど、都民の平穏な生活に脅威を及ぼしております。また、首都圏では、直下型地震の発生が危惧されており、震災への備えが喫緊の課題となっております。

 こうした状況を踏まえ、都民の生命と財産を守るために日夜活動を続ける警視庁、東京消防庁を所管する警察・消防委員会は、福岡県を訪問し、全国で初めて制定された暴力団を排除するための総合的な条例の制定経緯と取組状況 及び、平成17年3月に福岡県西方沖で発生した地震により、甚大な被害を被った同地域の復興状況と実情に即した防災対策などについて視察を行ってまいりました。

 以下、その概要をご報告いたします。

福岡県議会、事件現場及び関係施設(8月3日)

 福岡県では、全国最多の5つの指定暴力団が県内の地域に本拠を構え、一般企業などをターゲットにした発砲事件や対立抗争事件を繰り返すなど、その存在は県民に多大な恐怖と不安を与えてきました。こうした状況に鑑み、福岡県警察本部は、「暴力団犯罪の撲滅」を最重点目標として掲げ、あらゆる法令を駆使して検挙活動を徹底するなど、暴力団犯罪の取締りを強化してきました。一方、暴力団を撲滅するためには、警察の取締りのみならず、社会が暴力団との関係を断ち切るための仕組みが不可欠であります。福岡県では県民が力を合わせて暴力団を地域社会から排除すべく「福岡県暴力団排除条例」を制定し、本年4月1日から施行しています。この条例制定を契機として、県民、行政、警察が一体となった暴力団排除活動を現在強力に推し進めております。

福岡県暴力団排除条例の説明聴取

 最初の視察先の福岡県議会では、「暴力団排除条例」の制定経緯や現在の取組み状況について説明を聴取いたしました。委員からは、「暴力団事務所の開設に係る同条例の適用範囲」「青少年に対する具体的な教育プログラムの中身」などについて、活発な質疑・意見交換が交わされました。東京都においても、今後同様の条例制定が検討されており、社会から暴力団を根絶するためにも、警察による徹底した取締りと併せて、こうした地域住民と行政、警察が一体となった取組の必要性を改めて痛感しました。県議会での説明終了後、発砲事件現場や地域住民の活動により使用停止となった暴力団事務所などを現地視察いたしました。

福岡市消防局、福岡タワー、東消防署水上出張所(8月4日)

 平成17年3月20日、福岡県西方沖でマグニチュード7.0の地震が発生しました。この地震により、福岡市では死者1名を含む1039名に上る人々が負傷したほか、5,220戸もの家屋に被害が生じました。福岡市消防局は、地震発生後直ちに消防ヘリや消防車両で沿岸部の避難広報を行うとともに、負傷者の救急搬送や集団救急事故に対するトリアージを実施しました。また、震源地に近い玄海島に消防ヘリを派遣し救急活動を実施するとともに、島民を消防艇と消防輸送車の連携で九電体育館まで搬送を行うなどの活動を行いました。震災後は、救急活動体験をふまえ、震災マニュアルを見直し、被害状況のより迅速・正確な把握と救急救護に対する組織・装備体制の拡充を図りました。また、自主防災組織結成に対する支援の充実、消防団との連携強化など、突発的な同時多発災害に対する体制整備に取組んでおります。

能古島の震災復興状況を船上から視察

 2日目の視察地の福岡市消防局では、震災時の活動概要と震災後の消防対策について説明を聴取しました。特に、ビルの外壁ガラスの破損、エレベーター内の閉じ込め、地下鉄・地下道の避難問題など、都市特有の被害実態と震災後の課題克服に向けた同局の取組は、今後震災対策を委員会で議論するうえで極めて有用な内容でありました。その後、福岡タワーに上り、高所から震災復興状況などを視察した後、東消防署水上出張所から消防艇に乗船し、被害を受けた能古島の復興状況を船上から現地視察いたしました。

 以上、2日間という限られた日程ではありましたが、他の自治体の取組を直接拝見できましたことは、本委員会にとって大変有意義であり、この視察から得られた成果を今後の委員会活動を通じて都政に役立ててまいりたいと考えております。

 最後になりますが、福岡県警察本部、福岡市消防局の関係者の皆様には、公務ご多忙の折、当委員会の視察に対して、懇切丁寧に対応していただきましたことに、心から感謝申し上げます。また、視察の実施にあたり、ご協力いただきました福岡県議会、福岡市議会の関係者の皆様にも、深くお礼申し上げます。


このページの先頭へ▲