財政委員会管外視察報告

平成22年8月5日(木曜日)から8月6日(金曜日)委員長 中屋文孝(自民党)

 都の財政は、平成11年の石原知事の就任直後には、都債残高は7兆円を超えており、財政再建団体への転落の危機にありましたが、2度にわたる財政再建推進プランの実施、その後の行財政改革の取組により、着実に財政の健全化を進めてまいりました。しかし、平成20年秋のいわゆるリーマンショック後の世界同時不況の影響を受け、この2年間で税収はかつてない規模の減収となり、予断を許さない状況となっております。

 そこで、今後も不断の行財政改革を推し進めるための参考に資するため、都よりさらに厳しい財政運営を強いられている夕張市、北海道の財政健全化への取組を聴取することにいたしました。

 以下、視察の概要について、ご報告いたします。

夕張市

炭鉱跡

 1日目は、北海道のほぼ中央に位置する夕張市を視察いたしました。

 夕張市は、国内唯一の財政再生団体であり、322億円を17年間で返済するという負債を背負った町です。かつては炭鉱の町として栄えた夕張市ですが、その後の石炭産業の衰退により、観光産業への転換を図りました。しかし、観光施設への過大な公共投資と集客の伸び悩み、また人口減・高齢化に伴う税収入の減少により、市の財政は年々悪化し、破綻状態に陥り、平成19年に財政再建団体となりました。また、平成21年に施行された財政健全化法の下では、財政再生団体として国の指導・監督のもと計画的に財政構造の健全化に取り組むことになりました。

夕張市役所にて

 市役所では、市議会議長からの挨拶の後、「財政再生計画」について説明を聴取し、その後、税収増の方策や北海道からの借入金、事業廃止の反響などについて、活発に質疑を行いました。21年間という長期にわたる財政再生計画の説明を聞き、その厳しい内容に身につまされる思いをいたしました。

 また、夕張ドキュメンタリーツアーとして、夕張地域史研究資料調査室の青木室長のガイドのもと、市内の施設の視察を行いました。石炭博物館、石炭の歴史村観光施設跡、清水沢地区旧炭鉱住宅街などを視察し、夕張の歴史と今日に至る経過、現状について、詳しく説明を伺い、財政破綻が重くのしかかっている市民生活の切実な状況をまざまざと実感いたしました。

北海道

北海道庁にて説明聴取

 2日目は、北海道庁を訪問し、北海道における「行財政運営の現状と取組」「歳入確保の取組」について説明を聴取いたしました。

 北海道は、都、大阪府に次ぐ財政規模を持つ自治体ですが、人口に対し、広大な面積を有することもあり、自主財源の比率が低く、多額の地方交付税などに頼らざるを得ない厳しい財政状況にあります。

 そういった状況下にあっての予算編成上の工夫、財政健全化に向けた具体的取組について、詳細な説明を受けました。

 また、「厳しい財政状況にある市町村を抱える広域自治体としての対応」についても、説明を聴取いたしました。夕張市に対しては、財政上の支援に加え、都でも行っていたように、職員を派遣し、人的支援にも努めているとのことでした。

 以上、限られた日程でしたが、財政再建に向けた様々な取組事例を聴取することができ、大変有意義な視察となりました。また、他の自治体の財政状況の厳しさを肌で感じ、さらに気を引き締めて都の行財政改革の取組を進めなければならないとの決意を抱きました。今後、この視察の成果を、委員会審議の中で活かしてまいりたいと思います。

 最後になりますが、ご多忙の折、懇切丁寧にご対応いただいた夕張地域史研究資料調査室の青木室長、夕張市、北海道庁の関係者の皆様に、厚く御礼を申し上げます。


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