経済・港湾委員会管外視察報告

平成23年7月26日(火曜日)から7月27日(水曜日)委員長 西岡真一郎(民主党)

 3月11日に発生した東日本大震災は、多くの人命を奪い、被災された多くの方々に今なお、避難生活などの不便を強いています。また、マグニチュード9.0の大地震とそれに伴う津波は、町を根こそぎ押し流すなど壊滅的な被害をもたらしました。

 経済・港湾委員会では、東京都のみならず首都圏の物流を担う中央卸売市場及び東京港を所管しています。今回、平成7年1月17日、阪神・淡路大震災により被災した神戸市で、震災が物流に与える影響及び対処・対策について調査を行ってまいりました。視察した神戸市中央卸売市場及び神戸港も例に漏れず、甚大な被害を受けましたが、神戸市域の物流機能を果たしつつ、2年後の平成9年3月には復旧し復興を果たしています。

 また、本委員会が所管する産業の振興、とりわけ中小企業対策は喫緊の課題となっています。東大阪をはじめ多くのものづくり中小企業が立地する大阪での支援施策を参考とするべく、調査を行ってまいりましたので、その概要を報告いたします。

7月26日(火曜日)神戸市中央卸売市場本場(中央卸売市場の整備及び管理運営)

神戸市中央卸売市場本場

 初めに、神戸市中央卸売市場本場を訪問いたしました。

 神戸市中央卸売市場本場の職員の方から、中央卸売市場の阪神・淡路大震災の際の被災状況と復旧・復興への取組や再整備に伴う新施設の状況などについて、説明を伺いました。

 神戸市中央卸売市場は、昭和7年12月に全国で5番目の市場として開場した本場をはじめ、市内の3市場で青果物、水産物、花き及び食肉を取り扱っており、今回伺った本場では、年間で青果物12万トン、水産物6.5万トンの取扱いがあります。

 平成7年の大震災当日、本場では建物2棟の倒壊をはじめ、搬入路となる港湾道路の陥没、各施設の床等に亀裂が入るなどの甚大な被害の中、市場関係者の方々の強い意志のもと、青果物は翌18日、水産物は23日から、せり取引が再開されました。

 また、市道で分断されていた老朽化の著しい西側施設を東側ゾーンに移転集約することによる市場業務の効率化、加工施設の充実等、「食の安全と安心」を推進する再整備事業を実施し、平成20年度から平成21年度に新設施設の供用を開始しています。

 説明聴取の後、大震災の際の困難事例や再整備に至る経緯、再整備後の跡地利用の検討経緯などについて質疑が行われました。

 その後、市場施設について、使い勝手に配慮して再整備された施設を中心に見学させていただきました。

神戸港(港湾施設の整備及び管理運営)

神戸港

 次に、神戸港を訪問いたしました。

 神戸市みなと総局の職員の方から、港湾施設の阪神・淡路大震災の際の被災状況と復旧・復興への取組や災害対策などについて、説明を伺いました。

 神戸港は、平成7年の大震災では、116キロメートルにわたる水際線、大型岸壁の大部分が被災し、外貿貨物の約7割を扱っていたコンテナターミナルが使用不能、臨港交通施設が通行不能、多くの港湾施設が使用不可能になるなど、甚大な被害を受けました。

 大震災直後には、緊急海上ルートの確保、市街地復興のための暫定的・短期的土地利用、瓦礫等の処分が港の役割とされ、各施策が実施されました。

 平成22年8月には、京浜港とともに、阪神港として「国際コンテナ戦略港湾」に選定されましたが、大震災時に半減したコンテナ取扱貨物量は、依然として大震災前の水準を回復できていないとのことです。

 説明聴取の後、港湾施設復旧の際の施設整備の考え方、瓦礫の処理、臨港地域の液状化の状況と対策、ガントリークレーンの被災状況と対応などについて質疑が行われました。

 その後、港湾施設を見学いたしました。大震災で崩れた岸壁や斜めに傾いたままの街灯など、当時の生々しい状況をそのままに保存している神戸港震災メモリアルパーク、水辺空間の美観にも配慮したアクリル製の透明な防潮胸壁は全国的にも珍しいそうです。

7月27日(水曜日)MOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪)(産業の振興)

ものづくりビジネスセンター大阪

 2日目は、MOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪)を訪問いたしました。

 大阪府商工労働部商工振興室ものづくり支援課の職員の方から、ものづくり中小企業に対する支援施策などについて、説明を伺いました。

 MOBIOは大阪府と関係機関が運営する中小企業のためのものづくりに関する支援拠点で、国の外郭団体が設置した「クリエイション・コア東大阪」内にあります。府の職員や技術コーディネータなどの専門家が様々な相談に応じ、関係機関へつなぐワンストップサービス、国内最大級200ブースの常設展示場などが特色となっています。

 大阪府では、平成22年度(昨年度)に本庁機能をこのMOBIOに移転し運営体制を強化し、職員1名が30社を受け持つ企業パートナー制度の導入や少人数の定番交流会MOBIO-Cafeの毎週開催など、ものづくり中小企業への支援の充実を図りました。本年度は、特許や海外進出関連の部署を移転設置するなど体制をさらに強化するとともに、「MOBIOものづくり支援アクションプラン」により事業を推進するなど支援を拡充しています。

 説明聴取の後、MOBIO-Cafeの運営、ワンストップサービスに対応する職員のスキルアップ、海外進出支援、東北被災3県の企業への支援などについて質疑が行われました。

 その後、産学連携ゾーン、常設展示場やJAXAのコンソーシアムラボなどの館内施設を案内していただきました。

 神戸市中央卸売市場や神戸港における大震災時の対応や復旧・復興への取組、MOBIOのものづくり中小企業への支援の取組などを視察し、様々な視点からの質疑をさせていただいたことは、東京都の施策を進めていく上で大変参考になりました。今回の視察の成果を今後の委員会活動に役立ててまいりたいと思います。

 最後に、神戸市及び大阪府の皆様には、お忙しい中を親切に対応していただき、有意義な視察ができましたことを心から御礼申し上げます。


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